Comments
Transcript
PowerPoint プレゼンテーション - Joslin Diabetes Center
近未来の糖尿病予防戦略 -先制医療 東京大学大学院 医学系研究科 糖尿病・代謝内科 門脇 孝 平成27年 7月26日 (日) 於:東京 日本糖尿病学会 COI開示 発表者名:門脇 孝 奨学寄付金:MSD株式会社、第一三共株式会社、ノボノルディスクファーマ株式会社、 サノフィ株式会社、武田薬品工業株式会社 寄付講座・社会連携講座:武田薬品工業株式会社、テルモ株式会社、MSD株式会社 ノボノルディスクファーマ株式会社、日本ベーリンガー株式会社 講演料: MSD株式会社、第一三共株式会社、田辺三菱製薬株式会社、 アステラス株式会社、武田薬品工業株式会社、小野薬品株式会社、 興和創薬株式会社、アストラゼネカ株式会社、大日本住友株式会社、 サノフィ株式会社、日本ベーリンガー株式会社、株式会社三和化学、 日本イーライリリー株式会社、協和発酵キリン株式会社、大正製薬株式会社 わが国の2型糖尿病急増の背景 遺伝因子 環境因子 50年で脂肪 摂取量4倍 高脂肪食・運動不足 50年で4倍 2300万人 肥満・内臓脂肪蓄積 相互作用 脂肪組織 骨格筋 肝臓 膵臓 アディポネクチン不足 インスリン抵抗性 インスリン分泌低下 (欧米人の 約2分の1) 2210万人 糖 尿 病 患 者 数 増 加 率 35 30 25 20 15 10 5 0 インスリン作用不足 35倍 680 2型糖尿病発症 1 55 60 70 80 90 2002 08 1620万人 1320 1370万人 万人 万人 880 2050万人 1100 万人 予 備 軍 万人 690 740 万人 万人 1997 2002 890 950 万人 万人 2007 2012 患 者 1 エネルギー過剰の生活習慣および超高齢化は肥満・内臓脂肪蓄積に加え サルコペニアを増加させインスリン抵抗性を介し 2型糖尿病・各種合併症・フレイル・健康寿命短縮の原因となる 生活習慣(エネルギー過剰) 高脂肪食・運動不足 超高齢化 肥満・内臓脂肪蓄積 サルコペニア アディポネクチン不足 アディポネクチン不足 異所性脂肪沈着 インスリン抵抗性/高インスリン血症 メタボリック シンドローム 耐糖能異常 高脂血症 2型糖尿病 高血圧 細小血管障害 心血管腎疾患(心筋梗塞・脳卒中・CKD) ・ NASH がん・認知症・骨粗鬆症・フレイル 希望と挑戦 日本糖尿病学会 アクションプラン2010(DREAMS) (2010年5月27日 第53回年次学術集会(岡山) 理事長声明) 「第2次対糖尿病戦略5ヵ年計画」に基づく 日本糖尿病学会のアクションプラン2010(DREAMS) ー今後5年間の活動目標ー ①糖尿病の早期診断・早期治療体制の構築 (Diagnosis and Care) ②研究の推進と人材の育成 (Research to Cure) ③エビデンスの構築と普及 (Evidence for Optimum Care) ④国際連携 (Alliance for Diabetes) ⑤糖尿病予防 (Mentoring Program for Prevention) ⑥糖尿病の抑制 (Stop the DM) 2 ⑤糖尿病予防 (Mentoring Program for Prevention) ⑥糖尿病の抑制 (Stop the DM) 糖尿病対策推進会議 会 長 副会長 糖尿病対策推進会議 構成 日本医師会 日本糖尿病学会 日本糖尿病協会など関係団体 厚生労働省 横倉 義武 (日本医師会会長) 門脇 孝 (日本糖尿病学会理事長) 清野 裕 (日本糖尿病協会理事長) 高木 幹正 (日本歯科医師会会長) 今村 聡 (日本医師会副会長) 糖尿病対策都道府県民会議 糖尿病対策 市町村民会議 保健所 保健センター 医師 看護師 管理栄養士 など 糖尿病一次予防・糖尿病管理 1.検診受診の促進と事後指導による一次予防 2.糖尿病管理の質の向上と受療継続の推進 3.病診連携の推進 ⑤糖尿病予防 (Mentoring Program for Prevention) ⑥糖尿病の抑制 (Stop the DM) 糖尿病予備群が減少 「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定でき ない者」の推計人数の年次推移(20歳以上、男女計) (万人) 厚生労働省 平成24年国民健康・栄養調査 2,500 ※平成24年のみ全国補正 値。 2,210 2,050 2.000 1,620 糖尿病予備群 1,500 1,370 1,320 糖尿病有病者 1,100 890 950 1,000 690 740 880 680 500 0 H9 H14 H19 H24 糖尿病が 強く疑われる者 H9 H14 H19 H24 H9 H14 H19 H24 糖尿病の可能性を 糖尿病が強く疑われる者と 否定できない者 糖尿病の可能性を 否定できない者 讀賣新聞 2013年12月20日(金)朝刊 ⑤糖尿病予防 (Mentoring Program for Prevention) ⑥糖尿病の抑制 (Stop the DM) 糖尿病性腎症により透析を導入する割合がここ数年横ばいとなった 年別透析導入患者の主要原疾患の推移 糖尿病腎症 慢性糸球体腎炎 腎硬化症 (一般社団法人 日本透析医学会 統計調査委員会) 3 4 先制医療=個別化予防・個別化医療とは何か 疾患の進行度 正確な予知・重点介入 個別化医療 重症化阻止 病気 発 症 正確な予知 ・重点介入 個別化予防 再発阻止 発症遅延 進行停止 未病 (病気の 予備群) 回復 健康 年齢 「糖尿病予防のための戦略研究」 課題3・J-DOIT3概要 対 象 高血圧または脂質代謝異常のある2型糖尿病(45-69歳) HbA1c ≧6.9% 〔n=2542, 初発予防89%, 再発予防11%〕 1次エンドポイント 死亡、心筋梗塞、脳卒中、 冠動脈血行再建術、脳動脈血行再建術 2次エンドポイント 腎症の発症・増悪、下肢切断、網膜症の発症・増悪 試験実施期間 登録期間2.5年, 追跡期間は1次エンドポイントが250例に 達するまで(登録終了後7年と予測される) 治療目標 強化療法群 n = 1271 従来治療群 n = 1271 血糖 HbA1c < 6.2% HbA1c < 6.9% 血圧 < 120 / 75mmHg < 130 / 80mmHg 脂質 LDL-C < 80mg/dL (*LDL-C < 70mg/dL) LDL-C < 120mg/dL (*LDL-C < 100mg/dL) * CHDの既往 NCT00300976 5 J-DOIT3の意義と波及効果 J-DOIT3前 J-DOIT3後 強力な生活習慣への介入と 危険因子に対する統合的治療 糖尿病による 血管合併症 脳梗塞 血管合併症 の抑制 心筋梗塞 っ強力な 健康寿命 健康寿命 日常診療における糖尿病合併症 抑制に向けたエビデンス 患者QOL 患者QOL (血糖・血圧・脂質のターゲット、 生活習慣改善・薬物治療の進め方) 医療費 医療費 多危険因子の安全な正常化が糖尿病患者の健康寿命・QOLを どれだけ改善するか、糖尿病治療で世界初のエビデンスを創出 2型糖尿病遺伝子同定の歴史 白人で最初に同定 アジア人で最初に同定 1.40 TCF7L2 KCNQ1 1.35 odds ratio 1.30 CDKN2A-2B 1.25 (Kir6.2) 1.20 1.15 1.10 1.05 ADCY5 DGKB PROX1 GCK DUSP9 MTNR1B BCL11A VEGFA CENT2D ZBED3 HHEX-IDE DCD MAEA GCKR PRC1 CDC123 SLC30A8 KLF14 JAZF1 TP53INP1 GLIS3 ADAMTS9 CDKAL1 HMGA2 ZFAND6 ZFAND3 FTO KCJN11 PPARG ANK1 LPP BCAR1 HNF4A HNF1A IRS FAF1 1 CHCHD9 TSPAN8 IGF2BP2 AP3S2 PEPD MC4R NOTCH2 UBE2E2 HMG20A/B CLIP2 CETN3 MPHOSPH9 PAX4 WFS1 VPS26AFITM2-R3HDMLHNF4A PPP2R2C ANKRD55 C2CD4A/B SSR1/RREB1 HNF1B ST6GAL1 GCC1-PAX4 SLC16A13 TLE1 GPSM1 TCF2 PSMD6 ARL15 KLHDC5 GRB14 MIR129-LEP KCNK16 ZMIZ1 POU5F1/TCF19 RASGRP1 THADA 1.00 ~2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 TMEM154 2011 2012 2013 2014 青字はアジア人で確認されたもの 6 個別化予防・医療に向けた現状・課題(missing heritability) 効果 本プロジェクトでカバーする範囲 今回の高密 度多型 GWASで 明らかにす る範囲 50.0 ・稀少 variants ・疾患に与える効果が大 効果:大 従来の GWASで カバーされ てきた範囲 5.0 ・多数の低頻度 variants ・疾患に対する効果が中等度 効果:中 2.0 ・common variants ・疾患に対する効果が小 効果:小 1.1 0.001 非常に稀 0.005 稀 0.05 低頻度 高頻度 アレル頻度 本研究ではMissing heritabilityに切り込み、発症・重症化遺伝素因の 全体像を明らかにする 遺伝情報に基づいた疾患発症予防の実例 2型糖尿病遺伝子TCF7L2と糖尿病発症予防(米国) 生活習慣の改善による体重減少で TCF7L2 SNPTT型を有するものでも CC型並に糖尿病発症が抑制された TCF7L2 SNPTT型はCC型に比べ 糖尿病発症リスクが有意に高い 積極的生活習慣改善群 (5%体重減少) 糖尿病発症率(%) 糖尿病発症率(%) 通常生活群 年 年 (NEJM 2006) 生活習慣を改善することによって遺伝子の影響を最小限に出来る 今後の展望:メタボ関連疾患の個別化予防・医療の実現へ向けて 2013 2014 2015 仮説 2016 2017 検証 実現 バイオバンクジャパン継続追跡 (例)糖尿病4万人、6年間~追跡 照らし合わせ リスクが 顕著に上昇 網羅的同定 民族間比較 他のコホート・国際コンソーシアム 予測法開発 検証 医療への応用 10 遺伝的リスクスコアの 8 予測能が上昇する。 6 4 2 発症率 KCNQ1, CDKAL1, CDKN2B, TCF7L2, UBE2E2, C2CD4A/B, IGF2BP2, PPARg, HHEX, SLC30A8, FTO, GCKR, DGKB, MIR-LEP, SLC16A13, GPSM1 ……… 発症化リスク 発症関連遺伝子数が増加すると、 発症関連遺伝子 遺伝 (-)生活習慣リスク (-) 37~ 46~ 48~ 50~ 54~ 56~ 58~ 60~69 遺伝 (+)治療(-) 重症化 リスク 8 6 4 2 リスクアリルの個数 重症化率 6~1011 12 13 14 15 16 17 18 19~21 重症化関連遺伝子 ……… 遺伝 (+)生活習慣リスク (+) 生活習慣 改善でリスク↓ 遺伝 (+)生活習慣リスク (-) 遺伝 (-)生活習慣リスク (+) 治療でリスク↓ 遺伝 (+)治療(+) 遺伝 (-)治療(-) 遺伝 (-)治療(+) 6~1011 12 13 14 15 16 17 18 19~21 リスクアリルの個数 7 ゲノム情報と健診・診療情報に基づく先制医療 (個別化予防・個別化医療) 疾患の進行度 病気 正確な予知・重点介入 正確な予知・ 重点介入 発症 個別化医療 重症化阻止 個別化予防 再発阻止 発症遅延 進行停止 回復 未病 (病気の 予備群) 健康 年齢 ゲノム情報 + 健診情報 発症リスク予測 個別化予防 発症病態予測 ゲノム情報 + 重症化リスク予測 分子病態診断 個別化医療 効果的発症予防 毎日歩く 分子病態に合致 した薬剤選択 個別化予防 診療情報 治療効果向上 効果的血糖 コントロール 重点的 血管ドック 個別化医療 国民の健康寿命延伸 肥満と2型糖尿病における 腸内細菌叢の役割 腸内細菌叢の量と小腸、大腸の機能との関連 pH 4-5 5-6 腸の各部位の機能 十二指腸 -蛋白質 -単糖類 -短鎖脂肪酸 -免疫調整 空腸 -遊離脂肪酸 -カルシウム/ビタミンD -ビタミン A,D,E,K 回腸 -ビタミンB12 -胆汁酸 6-7 腸内細菌の種類 Lactobacillus Streptococcus Enterobacteriaceae 104-107 Bacteroids Bifidobacterium Clostridium 大腸 -水分 -短鎖脂肪酸 量 101-103 1010-1013 Eubacterium Ruminococcus Diabetes Care 38:159–165, 2015 8 腸内細菌の種類とインスリン抵抗性・2型糖尿病の関連 -2型糖尿病の臨床的診断マーカーとなる可能性 2型糖尿病で増加 腸内細菌門 Firmicutes Bacteroidetes 2型糖尿病で減少 x x 腸内細菌種 Roseburia Eubacterium halii Faecalibacterium prauznitzii Lactobacillus gasseri Streptococcus mutans E. coli x x x x x x Diabetes Care 38:159–165, 2015 腸内細菌によって産生される短鎖脂肪酸と肥満2型糖尿病における異常 食物線維 食物線維 微生物分解 (発酵) 微生物分解 (発酵) 短鎖脂肪酸 プロピオン酸 酢酸 短鎖脂肪酸 プロピオン酸 酢酸 酪酸 腸 酪酸 GPCRシグナル HDAC抑制 腸管糖新生 腸管上皮 GPCRシグナル HDAC抑制 腸管糖新生 腸管上皮 脂肪酸酸化 脂肪酸酸化 脂肪合成 脂肪合成 全身 満腹 肝 肝 骨格筋 脂肪組織 LPS 炎症 満腹 非肥満 Lean 骨格筋 脂肪組織 LPS 炎症 肥満 Obesuty Diabetes Care 2型糖尿病 /T2DM 38:159–165, 2015 9 体重管理における3.0mgリラグルチドの効果に関する無作為化比較試験 リラグルチドの体重減少効果 正常血糖 糖尿病予備群 0 -2 体重変化 (%) リラグルチド リラグルチド プラセボ プラセボ 体重減少効果 LOCF -4 -2.8±6.5kg -6 -8 LOCF -10 -8.4±7.3kg -12 0 4 8 12 16 20 24 28 32 36 40 44 48 52 56 週 N. Engl. J. Med. 373: 11-22, 2015 糖尿病と診断されたものの割合 (%) リラグルチド投与群では2型糖尿病発症が抑制されていた 3.0 リラグルチド 2.5 2.0 プラセボ P<0.001 2型糖尿病発症 14 1.5 1.0 8 0.5 1 0.0 0 4 1 2 3 2 8 13 11 10 9 12 5 3 16 4 24 32 40 48 56 週 56週間における糖尿病発症者数 リラグルチド プラセボ 1(2219) 2(2210) 3(2137) 4(2130) 1(1225) 2(1210) 3(1204) 4(1096) 5(1035) 8(984) 9(911) 10(908) 11(818) 12(817) 13(816) 14(813) N. Engl. J. Med. 373: 11-22, 2015 10 アディポネクチン分泌低下・アディポネクチン受容体発現低下 (アディポネクチン作用低下)と病態との関連(仮説) 肥満 (Yamauchi T. & Kadowaki T. Cell Metabolism 17:185-196, 2013) 低アディポネクチン血症 Adipo R1 Adipo R1 Adipo R1 Adipo R1 Adipo R1 Adipo R2 Adipo R2 Adipo R2 Adipo R2 AdipoR1の発現低下 AdipoR1/2の発現低下 主にAdipoR2の発現低下 によりアディポネクチン によりアディポネクチン によってアディポネクチン 作用が低下 作用が低下 作用が低下 骨格筋 肝細胞 細胞 マクロ ファージ 肝細胞 炎症 2型糖尿病 動脈硬化 がん細胞 脂肪肝 血管内皮 細胞 神経細胞 内皮機能低下 動脈硬化 アルツハイマー病 がん AdipoRを標的とした経口投与可能な2型糖尿病治療薬や カロリー制限/運動模倣薬、寿命延長薬の開発 (Nature Medicine 2001, Nature Medicine 2002, Nature 2003, Nature Medicine 2007, Nature2010, Nature2013) カロリー制限 運 動 AdipoR 作動薬 (経口投与可能) アディポネクチン/AdipoR SIRT1 SIRT1 PPAR AMPK PGC-1α First in Class 寿命関連臓器 代謝関連臓器 AdipoRon 寿命延長 糖尿病・心血管病・NASH・癌の抑制 ⇒Adiponectin Receptor Agonist : AdipoRon AdipoRonはAdipoR1・R2と結合し、 AdipoR1・R2を介して インスリン抵抗性・糖代謝・筋持久力を改善する ミトコンドリアの量を増加 AdipoR1・AdipoR2と結合 2.0 ミトコンドリア DNA含量 (ratio) AdipoR2との結合 結合活性 結合活性 AdipoR1との結合 1.0 0 AdipoRon AdipoRon 2型糖尿病モデルマウスの インスリン抵抗性・糖代謝を改善 筋持久力 (min/time) インスリン 抵抗性(%) 50 AdipoRon (経口投与) 0 - コントロール アディポ ネクチン + - + 高脂肪食負荷 高脂肪食負荷 マウス R1・R2欠損マウス AdipoRon 2型糖尿病モデルマウスの 運動耐容能(筋持久力)を改善 n.s. * 100 ** ** ** 2.0 n.s. 1.0 AdipoRon (経口投与) 0 - + - + 高脂肪食負荷 高脂肪食負荷 マウス R1・R2欠損マウス (Iwabu-Okada M et al. Nature 503:493-499, 2013) 11 AdipoRonの経口投与により高カロリー・高脂肪食負荷に よって短くなった寿命は改善した Kaplan–Meier survival curves 1.2 生存率 1.0 健康食 0.8 高カロリー・高脂肪食+ AdipoRon (p < 0.05) 0.6 健康食 高カロリー・高脂肪食 高カロリー・高脂肪食+ AdipoRon 0.4 0.2 高カロリー・高脂肪食(p < 0.01) 0.0 0 20 40 60 80 100 120 時間 (日) Nature 503: 493-499, 2013 アディポネクチン受容体活性化低分子化合物 AdipoR1/R2 agonist (AdipoRon) 肝臓 脂肪酸燃焼 ↑ 糖新生 ↓ 脂肪肝 ↓ 炎症 ↓ 酸化ストレス ↓ 骨格筋 脂肪細胞・マクロファージ ミトコンドリア機能 ↑ 脂肪酸燃焼 ↑ 運動持久力 ↑ 中性脂質含量 ↓ 酸化ストレス ↓ 血管内皮細胞 血管内皮機能 ↑ 炎症 ↓ マクロファージ (M1:悪玉) ↓ 酸化ストレス ↓ 炎症性内膜肥厚 ↓ インスリン抵抗性・糖・脂質代謝改善、炎症改善・血管内皮機能改善 寿命延長 Nature, 503, 493-499, 2013、 未発表データ 12 AdipoRの立体構造を明らかにした AdipoR2・Fv複合体 C末端細胞外ドメイン AdipoR2 N末端細胞内ドメイン AdipoR2に 対する抗体の Fv領域 2015年4月8日Nature電子版 アディポネクチン受容体活性化低分子化合物(AdipoRon)と AdipoRの立体構造解析に基づいた化合物の最適化 ー2型糖尿病・生活習慣病分子標的薬・健康長寿薬開発に向けてー 創薬の分子標的同定 機能解析 低分子化合物同定 Proof of Concept 立体構造の解明 世界に先駆け アディポネクチン 受容体を同定 アディポネクチン受容体を 活性化する 低分子化合物の開発 AdipoR 生活習慣病の創薬 有力ターゲットの同定 Nature2003 Nature Medicine2007 Nature2010 AdipoRon アディポネクチン受容体の 立体構造の解析 AdipoR 立体構造決定 に成功 立体構造解析に基づく 化合物の最適化 First in Human 立体構造に基づいた アディポネクチン受容体 アゴニストの最適化 Nature2013 Nature2015 理化学研究所 横山 茂之 先生との共同研究 生活習慣病の 分子標的薬・健康長寿薬 の開発 13 糖尿病と合併症の根治を目指して iPS細胞(人工多能性幹細胞)を用いた再生医療 患者 遺伝子 導入 体細胞 iPS細胞 平成25年2月1日発表 iPS細胞研究新ロードマップ 臨床研究開始 網膜:平成25年 心筋:平成27-28年 神経:平成28-29年 膵β細胞 膵β細胞:平成28-29年 膵β細胞 ・ iPS 細胞からの分化誘導 技術の確立【ほぼ完了】 ・ モデル動物への前臨床試 験開始【開始済】 ・ ヒトへの臨床研究開始 血管【5年後以降】 神経細胞 平成26年9月12日 1型糖尿病での膵臓再生、 iPS細胞初の臨床応用 糖尿病合併症での臓器 網膜 加齢黄斑変性 再生に応用可能 理研 高橋政代博士 心筋細胞 肝細胞 ノーベル賞 山中伸弥・京都大教授 拒絶のない移植 10 14 日本糖尿病学会アクションプラン (DREAMS)により 糖尿病のControl・Careから予防・根治(Cure)の夢を実現する 個別化した 糖尿病医療・予防 (先制医療) 希望と挑戦 糖尿病の 根治医療 (再生医療) 日本糖尿病学会 アクションプラン (DREAMS) 根拠に基づく 糖尿病医療 (EBM) DREAMSの成果を ふまえ更なる実現を 患者の負担の 少ない安全な 糖尿病医療 15