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小学校
中学年
発 行
宮城県環境生活部環境政策課
〒980-8570 仙台市青葉区本町3丁目8−1
TEL 022−211−2661 FAX 022−211−2669
http://www.pref.miyagi.jp/kankyo-s/ 財団法人 みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(MELON)
〒981-0933 仙台市青葉区柏木1丁目2−45 フォレスト仙台5F
TEL 022−276−5118 FAX 022−219−5710
http://www.melon.or.jp/melon/
平成16年3月
この冊子は、環境にやさしい「古紙配合率100%再生紙」
「水なし印刷」
「植物性大豆油インキ」を使用しています。
宮 城 県
目 次
1.森といきもの
――――――――――――――――――――――――
森の草や木 ……………………………………………………………………
1
1
森にすむいきもの ……………………………………………………………
5
森にある土 …………………………………………………………………… 10
2.水とくらし
――――――――――――――――――――――――― 14
川 ……………………………………………………………………………… 14
田んぼ ………………………………………………………………………… 19
海 ……………………………………………………………………………… 24
3.森とくらし
――――――――――――――――――――――――― 29
森と大気 ……………………………………………………………………… 29
森とエネルギー ……………………………………………………………… 33
地球温暖化 …………………………………………………………………… 38
◇資 料
−環境学習に役立つ情報−
・国や宮城県などの制度による環境教育のサポート
・環境学習に利用できる県内の施設
・宮城の自然
・みやぎエコ体験プログラム推進団体
・環境学習に役立つ子ども向けホームページ
・環境家計簿について
この教材について
本教材『みやぎ環境学習プログラム』は,宮城県が(財)みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(MELON)
に委託して開発・作成したものです。「総合的な学習の時間」等での環境教育学習に使われることを想定した小
学校教員向けの指導用手引書で,中学年用と高学年用があります。
本教材の作成にあたっては,研究者や小学校の先生,地域で環境教育活動に携わっている方,行政の関係者
等による検討委員会を組織し,宮城県の特性や体験型学習を積極的に取り入れた教材となるよう努めました。
本教材はできる限り単独でも利用できるようにしておりますが,紹介しているプログラムでワークシートを
使用するものについては,ワークシート例を載せましたので参考としてください。また,他の教科のカリキュ
ラムや,子どもの発達段階にも配慮して中学年用と高学年用に分けていますが,環境教育というものの性質上
必ずしも他教科のカリキュラムに沿う形にはなっておりませんので,その点についてはご了承願います。
教材中で紹介されてあるホームページURLは平成16年2月10日現在で確認したものであり,内容・タイトル
等はサイトによって変更される場合もあります。
みやぎ環境学習プログラムによせて
生命は地球の自然環境の中で生まれ,その生命が地球環境を変え,そしてその環境が生命の在り方
に大きな影響を与えてきました。生命と環境は互いに影響しあってきました。しかし人間は,地球の
歴史から見ればあまりにも短い時間の中で,科学という手段によって利便性を求める経済活動や,時
には戦争というような不幸な人間活動によって,自然環境に大きな負荷を与えるようになっています。
そしてその負荷は,環境問題として人間の生存をも危ういものにしています。人間がいる空間,人間
と関わるすべてが環境です。現在の日本では,人々は人工の物に溢れた環境で暮らし,電子媒体を通
じて溢れる情報の喧騒の中で,命の母なる自然を忘れてしまいがちです。最近,幸いなことに我々人
間は,身の回りの環境に目を向け,耳を傾け,しっかりとした情報と科学的根拠に基づいた活動が重
要であることに気付きはじめています。国連の「持続可能な開発のための教育の10年」にみられるよ
うに,世界の人々が,環境の重要性を認識し,協力してその保全に努めようとしています。
環境学習においては,「環境について学ぶ」,「環境から学ぶ」,「環境のために学ぶ」ということが
いわれます。人間にとって理想の環境とはどのようなものか,それを具体的に描けることが大事です。
そのために子どもの時代に身近な自然を体験し,五感で感じることがその基礎となります。人間と自
然の関わり,人間を含む生きものと生きものとの関わりを学ばねばなりません。そして,自然と向き
合って人間の生活や活動の在り方を考えることが大切です。命を育む自然の中で,いろいろな生物が
互いに依存していることも知るべきです。これらのことを通じて,我々を害する環境,つまり環境問
題を考え,その根源を見抜き,環境の改善を目指す活動につながります。この行動するまでの過程で,
特に小学校の時代は,自然を含め周囲の環境に関心を持ち,その感性を育成するための大事な時期で
す。
日本では,地方の時代といわれ,国内のそれぞれの文化と伝統に基づいた“地域”の重要性が叫ば
れています。我々の住む宮城の環境を考えるとき,水,大気,土はその基本をなすもので,この三要
素の有機体ともいえるフィールドが森であるといえます。本書は,このような考えのもとに森を“宮
城の自然”の中心において,小学校の環境教育のプログラム例を検討した教師のためのものです。ま
ず,自分の住む地域の環境を知ることから始めましょう。中学年までに多くの自然体験を行い,さら
に高学年では,生きもの同士の関わりや環境を構成する物質を理解することに発展するでしょう。人
間と関わる物質の「量と濃度」,物質の「質」,そして物質に触れる「時間とタイミング」という三つ
の視点も重要となります。本書に示したプログラム例を参考に,地域の環境の理解を深めて欲しいと
考えています。
宮城教育大学 教授 環境教育実践研究センター長
見 上 一 幸
森といきもの・森の草や木
木はともだち
基本的事項
私たちのくらしに必要な木
身近ないきものと友だちになろう
私たち人間は森林なしでは生きていくことができません。世界の四大文明はその周りの森林を伐
り尽くした事で滅びたとも言われているようですし,様々な動植物の原種といわれるものの多くが
森林から生まれています。森林の樹木は様々な形で太古の昔から私たちのくらしの中で利用されて
きました。現代の生活の中では,木を使っていたものが石油製品等にとってかわってきているとい
う傾向があるのは否めません。例えば木造だった校舎は鉄筋コンクリートに変わり,子どもたちの
学校生活で一番身近な教室の学習机すら金属や合板のものがほとんどです。
森はふかふかのスポンジ
環境負荷の少ない木材
木材は再生可能な循環資源です。また,1kgの木材を作るのに必要なエネルギーは同じ重さの鉄
を作るのに必要なエネルギーの1/24です。木材は省エネ材料ともいえます。そして,木材は手触
り感,暖かさ,香り,調湿機能,抗菌作用,柔らかな反射光等,心や身体にとって最良の素材であ
川は活動の宝庫!
ることは間違いありません。実際に行われた学校調査でも,木製の机を使用していると,子どもの
集中力や穏やかさが増したり,ケガや集団風邪の発生率が減少したという報告例もあります。また
国産材であればそれだけ輸送コストなども少なくて環境負荷も少ないといえます。国産材が使われ
ることで,手入れ不足になって荒廃しつつある日本の山林をより健康な状態にし,森林の持つ公益
的機能(二酸化炭素吸収,酸素生産,水源涵養,土壌保持等)を回復することも期待できます。木
は空気を浄化して,きれいな水や海への栄養も恵んでくれます。でも,日本の森林は,木材として
田んぼでワイワイ生きもの探し
使用し,人の手をかけてあげなければ健康になりません。学校生活の中で一番子どもに近い備品で
ある学童用の机やいすから地場産の木材活用を,今後一層すすめたいものです。
森林国・日本
日本は国土の68%を森林が占める世界的な森林国ですし,日本には古来より木を伐って植える文
化がありました。日本書紀の中にも,スサノオノミコトが植林の神様として登場し,ミコトがひげ
川と海がであう干潟のひみつ
をまくとスギになって,胸の毛はヒノキ,尻の毛はマキ,眉の毛がクスノキになったという話が出
てきます。そしてスギとクスノキは船を作るのに,ヒノキは宮殿を作るのに,マキは棺桶を作るの
に用いよと,用途にまで言及しています。
樹木の名前を覚えよう!
くらしを支えるエネルギー
森林を守るということは,何もしないで放置するということではなく,積極的に樹木が成長する
ことにかかわり,それを利用することでもあります。浪費がいけないことはもちろんですが,利用
するということは,樹木に親しむことであり,親しむということはまずは樹木の名前を知ることだ
と考えます。
森の空気はヒンヤリ,おいしい!
―1―
学習プログラム
プログラム例1 くらしの中の木調べ
ねらい
くらしの中で使われている木を調べることで,人間のくらしと木のかかわり方の多様性,木の特性
や役割を学び,木がより身近なものだということに気付く。
進め方
① 学校にあるもので,木のもの(加工品,林産物も含む)をリストアップする(木が加工されたも
のには気付きにくいので,教師が調べて情報を与えることも必要。意外にも多い事にびっくりす
るかもしれません)。なにか一つに焦点をあてて,その木はどんな木でどこから来た木なのかも
教師が製造元に問い合わせるなどして調べ,子どもたちに知らせてもよいでしょう。
1
木材の形を残しているもの:建築材,家具,文房具,楽器,バット,ラケット,将棋盤,玩
具,下駄,マッチ,箸,まな板,炭など
2
木が形を変えて加工されているもの:紙,紙製品など
3
木に由来するもの:天然ゴム,きのこ類,果物,メープルシロップ,木ろうそく,チョコレ
ート(カカオ)
,コーヒー,お茶など
② ①で基礎知識を与えた後,グループごとに場所などを特定し,木のもの探しをし,発表させる/
学校で見つけづらければ,各家庭や小売店などに行ってもよいでしょう。
*グループごとの場所の特定は特別教室ごと,教室内の区分けなどにしてもよいし,同じ場所にして,グループごとの違
いをみてもいいでしょう。
注意事項
●宮城県の特産である木工芸品には,各地の伝統こけし(ミズキ,ウリハダカエデなど),仙台箪笥
(ケヤキ),鳴子漆器(ケヤキ,トチノキ)などがありますので,それらがどんな木から作られてい
て,その特性にあった使われ方をされていることも紹介するとよいでしょう。また,県木であるケ
ヤキがどんなふうに使われているかも紹介するとよいかもしれません(家具,建材,臼,太鼓の胴
等)
。
●近くに木工芸品の職人さんがいれば仕事場を見学できるとよいですね。
プログラム例2 ぼくの木,わたしの木
ねらい
「ぼくの木,わたしの木」を決め,その樹木の名前を調べ,観察し,利用するなど,親しむことで,
木がより身近なものだということを感じる。
進め方
① 校庭や近くの林に行き,「ぼくの木,わたしの木」を決める。その木をスケッチ,葉,種などを
採取し,図鑑で樹木名を調べ,観察する(できれば季節ごとなど長期にわたって,成長が分かる
ように日付,同じ箇所のスケッチ,におい,気付いたこと等を記録するとよいでしょう)
。
―2―
第
1
章
森
と
い
き
も
の
/
森
の
草
や
木
② 簡単な樹木の利用法として,枯れ枝を集めたたき火による簡単な野外料理や,葉や小枝,木の実
などを集め,空き缶を使って炭に焼きその炭で「ぼくの木,わたしの木」のスケッチ,簡単なク
ラフト等をする。
注意事項
●小枝を折ったりするので,折っても構わない木に限定する必要があります。
●うるしなどかぶれるものがあるかもしれないので,事前に調べておく必要があります。
●あまり樹高がある木だとよく観察できないので,低い樹木がよいでしょう。
空き缶で炭焼(飾り炭)の方法
a アルミホイルに採取した「ぼくの木,わたしの木」の小枝(直径5mm程度)を入れます。
b たき火している中にaを入れると,すきまから煙が出てきます。
c 煙が出なくなったら,炭化終了。外に取り出し冷ました後,ホイルをめくると小枝が炭になります。
d アルミホイルの代わりに金属ののり缶,お菓子の箱,空き缶等も利用できます。
〈アルミホイルの場合〉
木
アルミホイル
①くるむ時に両端に余裕がある
②両端をつぶさないように, ③両端を軽くつぶし,
たき火に入れる。
ように,木の長さを調節する。 くるくるくるむ。
〈空き缶の場合〉
①空き缶をグラインダーなど
で半分に切断する。
②切り込みを縦に4,5ヶ所
入れ,一方の断面に針金が
通るくらいの穴をあける。
③針金を通してから,木を入れ,
2つを重ね合わせ,たき火に
入れる。
*簡単なクラフト例としては,箸,つまようじ等の簡単なものでよいと思います。小枝の先を斜めに削ってペンまたは
筆にし,それでスケッチしても楽しいでしょう
プログラム例3 葉っぱの皿,器
ねらい
大きめの木の葉を給食の食器の代わりに使ってみることで,材料以外の樹木の利用法を知り体験し,
木に親しむ。
進め方
① 校庭あるいは近くの林に出掛け,大型の木の葉を集める(なければ教師が準備)。
② その葉がなんの木の葉なのか図鑑などで調べる。
③ ある日の給食に,ふだんの食器の代わりに集めた葉を洗ったものを用いて盛り付ける(汁ものは
無理です)。
④ 準備し,食べ,食後使ってみた感想を出し合う。
*古代から,ホオノキ,アカメガシワ,イイギリ,カシワなどの大型の葉が食物を盛るのに使われたようです。柏餅はそ
の名残のようですし,宮中では大嘗会(ダイジョウエ)の式典には今もカシワの葉が食器代わりに使われているそうで
す。フキの葉など,草の葉でも使えるものがあれば使っても構いません。
―3―
発展へのヒント
●発展的なプログラム例
[樹皮を使って]
みの
各地で昔は,シナノキやウリハダカエデなどの樹皮から繊維をとって,蓑などに
加工していたという生活技術がありますので,そういう経験のある方々を探し,実演,あるいはイ
ンタビュー,体験などができるとおもしろいと思います。いなければ,入手可能な木の皮をむいた
りして繊維をとって,つないでヒモにして,ブレスレット,冠などを作って身につけて楽しんでも
よいでしょう。ちなみに日本にはアカソやイラクサなどの草等からも繊維を取り活用してきた知恵
があります。
●プログラム例1の「くらしの中の木調べ」は情報を伝えるだけで,実際には高学年で行ってもよい
でしょう。
●高学年では,より積極的に森林の樹木の成長にかかわろうということで,森林(特に里山)のうち
の特に人工林での人の手入れの必要性を知り,体験し,積極的に森づくりにかかわることの楽しさ,
必要性などを学ぶプログラムです。
指導者へのアドバイス
●中学年の場合,木に親しむことを第一に考えて,子どもたちが木という素材の身近さ,気持ち良さ
などを楽しみながら感じられる内容,進め方にすることが大切です。できれば樹木が生活道具とし
て活用されることを体験できるとなおよいでしょう。
●樹木名の判別は,子どもたちだけでは無理かもしれませんので,あまり正確な樹木名にはこだわら
ずに進めても構わないと思います。
資料編
[ホームページ]
・木のなんでも・Web (日本木材総合情報センター)
http://www.jawic.or.jp/wwin/Sou_frm.htm
・木の情報発信基地(中川木材産業)
http://www.wood.co.jp/
・森の窓
http://plaza.across.or.jp/~hsgwtks/
・みんなの森データ編(国土緑化推進機構)
http://www.minnanomori.com/
[参考文献]
『宮城の樹木』 菅原亀悦・大柳雄彦編著 河北新報社 1997年
『まちの森生活』 中川重年著 全国林業改良普及協会 1999年
『森林の本シリーズ1しらべてみよう/森の探偵入門』 全国林業改良普及協会
『森林の本シリーズ3 森であそぼう/雑木林探検入門』 全国林業改良普及協会
『森林の本シリーズ4つくってみよう/木工クラフト入門』 全国林業改良普及協会
―4―
第
1
章
森
と
い
き
も
の
/
森
の
草
や
木
木はともだち
森といきもの・森にすむいきもの
身近ないきものと友だちになろう
基本的事項
森を歩くことの大きな楽しみのひとつに,いきものとの出会いがあります。いきものの中でも,
森はふかふかのスポンジ
特に子どもたちの興味・関心を喚起する対象は,動きをもった動物たちでしょう。動物との触れ合
いを通して,子どもたちは自然の大きさや繊細さ,美しさを身をもって理解したり,郷土の自然に
対する愛着心をはぐくんだり,かけがえのない自然の大切さを認識することができるようになりま
す。ですから,「どんな動物と出会えるのかな?」とワクワクしながら森を散策する機会を提供し
てあげることは,子どもたちにとって,大人が考えている以上に重要な意味をもっていると考える
ことができます。子どもたちは,年齢が低ければ低いほど,驚くほどの短期間でいろいろなことを
川は活動の宝庫!
好きになるものです。ときには好きになったことに関して「どんなちっぽけなことまでも知りつく
したい」と願うようになるものです。ここで指導者にできることは,知識を教え込むことでは決し
てないだろうと思います。森での体験学習を例にとれば,多様性に富んだ豊かな自然の中に子ども
たちを積極的に誘い,好奇心の赴くまま存分に解放してあげること,そして,好きなものが見つか
ったらその興味を深化させるよう情熱をもってフォローし続けること。それが,指導者として最も
田んぼでワイワイ生きもの探し
大切なことではないでしょうか。
もし森の中でいきものを見つけたら,まずはその中から好きなものを探して,じっくり観察して
あげてほしいと思います。きっと子どもたちはいろいろな「何だろう?」と不思議に感じる対象を
発見し,次に「なぜだろう?」という疑問を抱くことでしょう。そんなナゾや疑問をみんなで持ち
寄って考え,調べていく過程で,ものごとをじっくり見る力,探る力,比べる力が身についてきま
す。大切なことは,ただ漫然と眺めるのではなく「見よう!」と思って見ることです。こうした小
川と海がであう干潟のひみつ
さな意識の変化によって,今まで見えなかったものの存在に気付き,次第に「分かる」→「楽しい」
という感覚に発展していきます。そんな喜びや感動を,ぜひ子どもたちと共有していただきたいと
思います。
学習プログラム
くらしを支えるエネルギー
プログラム例1 自然のなかの宝さがし
ねらい
森の中で動物の姿を見つけるのは容易ではない(例えば,哺乳類の多くは夜行性でその姿を目にす
るチャンスはめったになく,野鳥類は初心者にとっては種類を確認するだけで精一杯で,行動などの
森の空気はヒンヤリ,おいしい!
観察はとても難しい)。しかし,動物たちはその行動圏の中に,様々なフィールドサイン(動物たち
の残した痕跡)を残しているため,彼らの生活の一端に触れることができる。美しい自然の美術館に
入るようなつもりで森に入り,心の目をぱっちりと開いて,フィールドサインを集めてみよう。フィ
ールドサインを残した主がどんないきものなのかを想像しながら,自分だけのコレクションを集める
ことで,発見の喜びが得られ,森に入る楽しみがグンと増える。
森の季節が狂ってきた?
―5―
進め方
① 森の中を散策して,フィールドサインを探してみよう。野鳥の羽や巣,哺乳類の毛,糞,足跡,食
跡(リスやネズミの食べたクルミの実など)
,シカの角,抜け殻(セミ,トンボ,ヘビなど)
,オト
ようらん
が
シブミの揺籃(ゆりかご)
,虫こぶ,カマキリの卵,ハチの巣,蛾(ウスタビガ,ヤママユガなど)
まゆ
みの
の繭,ミノムシの蓑など,四季に応じて様々なフィールドサインが見つかる。
② 集めたフィールドサインがいったいどんな動物の忘れ物なのか,また,その動物が「いつ」,「ど
こで」
,「何を」していたのかを想像力を働かせながら推理してみよう。
③ 集めてきたフィールドサイン(実物やスケッチ)を整理して,
「自然の中の宝物」展覧会を開こう。
イラガの繭
雪上に残されたノウサギの足跡
ウスタビガの繭
ネズミにかじられたオニグルミの実
注意事項
① 子どもたちからはおそらく「先生,これ何?」という質問がたくさん出てくることでしょう。そ
んなとき,子どもたちは必ずしもその名前を教えてほしいと思っているわけではなく,むしろ
「おもしろいものをみつけたよ!」と自分の発見をだれかに伝えたいという気持ちや,発見をし
た自分を認めてほしいという気持ちの方が強いと思います。ですから,安直に解答を与えるので
はなく,「いいもの見つけたね!」,「これは何だろうね?」,「何してるのかな?」ともっと子ど
もの興味や関心がふくらんでいくような“考えるヒント”を上手に提示してあげてください。
② 土の上に残された足跡のように持ち帰れないフィールドサインは,丁寧にスケッチをし,計測を
行うことで記録に残しましょう。もしもきれいな足跡を見つけたら,石こうで足型をとってみる
のも楽しい作業です。
[方法:見つけた足跡に(紙コップ等を輪切りにして作った)枠をかぶせる→水とせっこうを1:
1の割合で混ぜる→石こうを静かに枠の中に注ぎ込む→石こうが固まったら足型(凸型)の出来
上がり→裏側に油性マジックでデータを書き込む]
③ 動物たちの痕跡のサンプルを持ち帰る場合は,よく乾燥させて透明なチャック袋などに入れ,見
つけた場所や日時,見つけた人の名前などのデータを書いて保存してください。そうすれば,大
切な自然観察の記録となります。
―6―
第
1
章
森
と
い
き
も
の
/
森
に
す
む
い
き
も
の
プログラム例2 校区内の「いきものマップ」をつくろう
ねらい
野外でいきものを調べるときに,いちばん重要なことは,「それぞれの種類のいきものがどんな範
囲で見つかるのか?」ということを明らかにすることである。そうすることで,それぞれの種が必要
とする環境の条件,近縁なほかの種とのかかわりあい,都市化の進行によるいきものへの影響など,
様々な情報を読み取っていくことができる。私たちの身近な環境にすんでいるいきものの中からでき
るだけなじみの深いグループを選び,それらのいきものがどこにすんでいるのかを,姿を確認したり,
鳴き声を聞いたり,抜け殻を拾い集めるという方法によって明らかにしていく。
何回かの調査を経て集まったデータをもとに動物の分布を地図の上に表現することで,動物たちが
まちの環境の違いに対応している様子が見えてくる。対象としたいきものの分類や生態についての子
どもたちの理解が深まっていくのはもちろんのこと,自分たちがくらしている環境への見方も深まり,
地域の環境を見直すきっかけともなるだろう。
進め方
① 「いきものマップ」作りに取り組むのに,まず必要になるのはベースとなる地図。国土地理院発
行の1/50,000よりも大縮尺の地図(例えば,1/25,000,1/10,000,1/5,000,1/2,500など,
調べる地域の広さに適したもの)を用意する。
② 地図が用意できたら,校区の輪郭を赤鉛筆でなぞり,土地の利用のされ方(市街地,畑,水田,
山林など)によって色鉛筆で塗り分ける。この作業を通して,校区の自然環境の成り立ちを視覚
的に理解することができる。
③ 調査の対象とするいきものの種類を決める。ここで大切なことは,①子どもたちが関心を持ちやす
いグループを選ぶこと,②種数が少なく,同定(名前調べ)が難しくないグループを選ぶこと,③
ある程度広く分布しているグループを選ぶこと,である。例えば,セミ(鳴き声・抜け殻)
,トン
ボ(成虫・ヤゴ)
,カブトムシ・クワガタムシ,カエルといったグループが扱いやすい。
④ 現地調査用の地図をコピーしておき,対象のいきものを見つけた時には地図の上にチェックして
いく。また,それとは別に,壁新聞のような形の「いきものマップ」を作成し,教室に貼ってみ
る。調査を行うたびに新たなデータが追加されていくことで,対象動物の分布の概要が分かって
きて,次第に子どもたちの調査精度も上がっていくはずである。
⑤ 最後に,
「いきものマップ」から見えてきたこと(それぞれの種が必要とする環境の条件,近縁な
種との分布の関係性,市街地の拡大が動物に与えている影響など)について話し合ってみる。
「地
域の自然を少しでも豊かにしていくためにはどうすればよいのか?」ということを考えるよいき
っかけになる。
シュレーゲルアオガエル
セミの抜け殻
―7―
注意事項
●仙台市では,平成9年度から,鳴く虫,タンポポ,ツバメ,カエル,セミの分布調査を実施してい
ます。その成果がインターネット上で公開されていますので活動の参考にしてみてください。
(http://www.kagakukan.sendai-c.ed.jp/)
プログラム例3 「いきものカレンダー」をつくろう
ねらい
身近な場所にたとえ森や雑木林がなくても,田んぼや畑,神社や公園,草地,学校などは必ずあり,
そんな小さな自然の中にもよく探せばたくさんのいきものが見つかる。自分たちだけの自然観察フィ
ールドを決めて,年間を通していきものの観察を続けてみる。同じフィールドでも,季節や時間が変
われば観察できるいきものの種類も変わっていき,見なれた風景であっても,時間の軸にそって自然
を見つめ直すことで,地域の自然に対する理解が深まっていくことだろう。そのきっかけとして「い
きものカレンダー」を作ってみよう。
進め方
① 通学路やフィールドで見かけたもの,家の庭から聞こえた鳴き声など,毎日の発見を記録してみ
よう。3年間くらいの記録が書きこめるように,1日あたりの行数の多いスケジュール表などを
使うと便利である。サクラの花が開いた,ツクシが顔を出した,アブラゼミが鳴き始めた,カブ
トムシを発見など,毎日の発見を記録していくことで,毎年の自然の様子を比較できる。発見の
様子と一緒にスケッチを描いておくと,自然観察の楽しみが倍増することだろう。
② 1年間の記録がとれれば,翌年からの観察計画もたてやすくなる。何年間も記録をつけ続けてい
れば,その地域の自然の変化を知る重要な資料になる。
③ クラス全員の発見を「今週のいきものニュース!」などと題して,壁新聞の形式で廊下に貼り出
してみる。フィールド情報がクラスの枠を越えて広がると同時に,自然観察の取り組みの輪が学
校全体に広がるという効果も期待できる。
注意事項
① 花が散った日や,アブラゼミの鳴き声のきけなくなった日など,ずっと続いて観察されていたも
のが急に見られなくなった場合も注意して記録しましょう。
② 「いきものカレンダー」を作り上げるためには,一年間,四季を通して観察することが必要で,
いわば自然との根比べでもあります。いつでも観察できるように,なるべく身近なフィールドで
実施することがポイントです。
―8―
第
1
章
森
と
い
き
も
の
/
森
に
す
む
い
き
も
の
発展へのヒント
活動を整理したり,発展させていくためには,「チャレンジマップ」をつくると効果的です。まず,
身近な自然の中に実際に入ってみて,気付いたことや,興味をもったこと,不思議に思ったことなど
を,1枚のカードに書き出してみます。カードがたくさんたまったら,広い場所に並べ,クラスのメ
ンバー全員で話し合って関係のありそうな事柄をまとめたり,お互いに線で結んでいきます。
[例:父親とカブトムシを採りに行ったことがあるよ→昆虫採集がしたいね→どんな昆虫がいるか調
べてみようか→カマキリがチョウを食べていたよ→雑木林では何が何を食べているんだろう・・・]
この方法は,どんなことをテーマにして活動していくのかを決めるとき,みんなの考えをまとめる
のに,とても役立ちます。「チャレンジマップ」をもとに,何度もフィールドに出かけたり,そのこ
とに詳しい人に調べ方を教えてもらったりするのもよいでしょう。途中で新しい疑問がわいたり,調
べたいことが見つかった場合は,次々とカードに書いて,また話し合ってみることで活動内容がどん
どん発展していきます。
指導者へのアドバイス
子どもたちを身近なフィールドに誘う前には,必ず観察の際のマナーや,自然保護や安全のために
注意しなければならないことを指導してほしいと思います。田んぼや畑,神社などでの観察は所有者
にひとこと挨拶をしてから行うこと,いきものを持ち帰るときは責任をもって飼育し,逃がす場合は
必ずつかまえた場所で放すこと,ため池や川など危険な場所にでかけるときは大人と一緒に行くこと,
危険ないきもの(マムシ,スズメバチなど)と出会ったときの対処方法など,これらの基本的なこと
は自然観察を実施する前に確実に指導してください。
あとは子どもたちと一緒にドキドキワクワクしながら自然のフィールドに飛び出すだけです。子ど
もたちと一緒に新しいことを発見しよう,喜び合おうという気持ちを大切にしながら,楽しく取り組
んでいただきたいと思います。
資料編
[参考文献]
『フィールドガイド 足跡図鑑』 子安和弘・生川典子著 日経サイエンス社 1993年
『フィールドサインで見つける街なか生きもの探検ガイド』 佐々木洋他著 NTT出版 1998年
『佐々木洋の野遊びハンドブック』 佐々木洋著 光文社 2000年
『ぼくのコレクションー自然のなかの宝さがし』 盛口満著 福音館書店 2001年
『めざせ!フィールド観察の達人』 飯村茂樹著 偕成社 2003年
『日本の野鳥 羽根図鑑(改訂新版)』 笹川昭雄著 世界文化社 2001年
『日本の野鳥 巣と卵図鑑』 黒田長久他著 世界文化社 1999年
『生きものの地図が語る街の自然』 浜口哲一著 岩波書店 1998年
―9―
身近ないきものと友だちになろう
森といきもの・森にある土
森はふかふかのスポンジ
基本的事項
スポンジのような森の土
川は活動の宝庫!
森林の中の地面はとても柔らかく,歩くとふかふかとクッションのような感じがします。これは
地表に落ちた葉や枝,森林の樹木の下に生えている植物などが枯れたもの,昆虫や動物の糞などが
堆積しており,スポンジのようにたくさんの隙間を持っているからです。こうしたふかふかの土は
土壌侵食(雨などが直接土に当たると土が削られ流出します)を防ぎ,雨水を吸い込んでためるな
どの,優れた機能を持っています。森林は緑のダムだとよく言われますが,これはこのスポンジの
ような働きにほかなりません。
田んぼでワイワイ生きもの探し
養分たっぷりの森の土
地表に落ちた葉や枝,林の中の虫の死骸などは,微生物等によって分解されてやがて養分たっぷ
りの土になります。田畑で現在人間がしているように作物を育てるために肥料を施すことをしなく
とも,木の成長に必要な養分は再生され確保される仕組みになっているわけです。なにも生えてい
ない場所でもやがて草が生え,しだいに姿の大きいものが生え,やがてどこからか種が運ばれ,木
川と海がであう干潟のひみつ
が生えます。最近ではこの森林の土壌のありように注目し,耕さず,肥料も施さないことを農業に
活かしている方々もいらっしゃいます。
保水力のある森の土
このスポンジのような森の土の保水力は,森林の種類,生えている樹種による違いは多少はある
ものの,人工林が天然林に比べて低いということはないようです。人工林,天然林を問わず保水力
を左右するのは土の隙間の多さのようです。天然林の方が土の中の隙間が多いだとか,土壌が深い
くらしを支えるエネルギー
ということはありません。人工林,天然林を問わず土の隙間が多く深ければ,それだけ水を多く貯
えることができ,水がしみ出すのもゆっくりになり,洪水調節・渇水緩和の働きは大きいと言えま
す。適度に管理されていれば,スギ,ヒノキの針葉樹の人工林でも十分な保水力があると言え,適
度に管理されて林内に光が入るようになれば,樹木の下に植物が生え,雨が降った時に衝撃をやわ
らげ,土の流出を防ぐことができます。
つまりは,やはり適度に手入れされた森林は林の中の植生が豊かになることで土の隙間が増え,
森の空気はヒンヤリ,おいしい!
より養分の多い土になると言えます。
酸性に傾く森の土
また,深刻な地球環境問題のひとつに酸性雨がありますが,その影響が日本各地にも出ています。
酸性雨が降ることによって,酸性に傾いた土壌になり,そこに育つ樹木が立ち枯れするなどの影響
が出ています。この土壌の酸性の中和に,森林の手入れで出た枝や細い幹などの木材を炭に焼いて
森の季節が狂ってきた?
それを山に撒くという森づくりを助ける方法があります。炭も土壌と似て多孔質でアルカリ性のも
のですので,そういう働きがあるわけです。
この単元では,特に森林の土壌の保水力に注目し,そこからも森林の手入れの重要性について気
付くことができればと考えます。
― 10 ―
第
1
章
森
と
い
き
も
の
/
森
に
あ
る
土
学習プログラム
プログラム例1 土に表情はあるか
ねらい
森林の土,運動場の土,畑の土を見比べて,豊かな土とはどんな土か,その表情を想像することで,
森の土の持つ豊かさに気付く。
進め方
〔進め方〕
① まずは,子どもたちに森林の中を歩いたことがあるかどうか,その時土はふかふかだったかどう
かを聞く。できれば学校の近くで土壌がふかふかの森林を実際に歩くとよい。
② 学校の近くにある条件の違う何ヶ所かの林の土と校庭の土を採取する。
③ におい,湿り気,採取場所の林の様子(林内の明るさや生えている草の種類,高さなど/ワーク
シート例参照)などを記録し,表情を想像し,感想を出し合う。採取した土を網戸の網などの上
にのせ,同じ量の水をかけ,少したってから手で絞ってみて,出る水の量をはかる。
④ 表面は落ち葉で,だんだんに土になっていくことを観察させて気付かせる。
⑤ 野菜の苗をポットで栽培することにし,採取してきた腐葉土を使ったものと,使わないものとに
分け,成長の具合の違いを調べる。
ワークシート例〈林の様子の記録〉
林の中の明るさ
明るい やや明るい やや暗い 暗い 真っ暗
林の中に生えている草の種類 種類が大変多い 種類が多い 種類が少ない
草の高さ 頭より高い 胸までくらい ひざまでくらい それより低い
林の中の木の表情
草に負けそう 草と仲良し 草がなくて寒そう
土の表情
その他気付いたこと
*適度に光が入った林とそうでない林を比較するためのものである。適度に光が入った林の方が、林の中の植物の種類が多いと
いう関係にも気付くことができるとよい。
注意事項
土壌のサンプルは深さをそろえるために,ものさしを使いましょう。
プログラム例2 落ち葉が土になる?
ねらい
落ち葉のふかふか感を味わい,それがふかふかの土になっていく様子を観察する。
進め方
① 落ち葉のある場所を知っているかどうか,子どもたちに聞いてみる。知っていればそこを下見し
て,落ち葉集めに行く計画を立てる。
② 落ち葉を集めて,長期間1ケ所に積む。枠を作って踏みながら積むとたくさん入る。
③ 少し高い所からそこにジャンプするなどして,落ち葉のふかふかな感じを味わえるように遊ばせ
る。袋につめて,クッションやベッドを作って遊んでもよい。
④ 落ち葉のふかふか感について感想を出し合う。
― 11 ―
⑤ できれば,少し土を混ぜたりなどの条件を変えたものも用意して,どのように落ち葉が変化して
いくか定期的に観察し,その都度気付いたこと,におい,ふかふか感の変化なども記録する。
⑥ どうして土になったのか考え,微生物,土壌動物の働きを知る。
注意事項
●落ち葉がたい肥になるには1年くらいかかります。早くたい肥化するには,たっぷり(水が染み出
るくらい)水を打ち,米ぬかを全体にまんべんなく混ぜてビニールなどでおおっておくと早いです。
この時発酵熱が出ますので,温度の変化を観察してもいいでしょう。
●出来上がったたい肥は学級菜園,学校菜園で有効に活用しましょう。
〈落ち葉の運び方例〉
落ち葉を入れる
①ビニールシートなどの4つの端を
②2人で担いで運ぶ
2本の竹の棒などにくくりつけ,
そこに落ち葉を入れる。
*落ち葉を効率よく運ぶにはシートなどを利用すると便利です。
発展へのヒント
発展的なプログラム例
●落ち葉かきは,雑木林などで,森づくりのための作業としてかかせないものです。葉が積もったま
までは地表に落ちたいろいろな種が発芽できないからです。学校林など自由にできる森林があれば,
そこでぜひ落ち葉かきをしてみましょう。
●できたたい肥で育てた野菜を給食等で食べることができると楽しいですね。
●高学年では,より具体的に森林土壌の保水力について実験をするプログラムがあります。
指導者へのアドバイス
●中学年の場合,落ち葉のふかふか感,腐葉土のスポンジ感を十分に実感できるようにすることが大
切だと思います。
●落ち葉がたい肥化するには1年近くかかるので,2年にわたって観察できた方がいいでしょう(短
期間で行うには米ぬかとたっぷりの水を加える必要があります)
。
●たい肥づくりにむかない(時間がかかる)のは,カラマツの葉,マツの葉,スギの葉などです。
― 12 ―
第
1
章
森
と
い
き
も
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森
に
あ
る
土
資料編
[ホームページ]
・木のなんでも・Web (日本木材総合情報センター)
http://www.jawic.or.jp/wwin/Sou_frm.htm
・木の情報発信基地(中川木材産業)
http://www.wood.co.jp/
・森の窓
http://plaza.across.or.jp/~hsgwtks/
・みんなの森データ編(国土緑化推進機構)
http://www.minnanomori.com/
[参考文献]
『まちの森生活』 中川重年著 全国林業改良普及協会 1999年
『森を知る,森を楽しむ』 中川重年著 全国林業改良普及協会 2002年
『森の手入れ,森のあそび』 中川重年著 全国林業改良普及協会 1997年
『里山の手入れ図鑑』 中川重年他著 全国林業改良普及協会 2000年
『炭は地球を救う』 宮下正次著 リベルタ出版 2002年
[関連する機関・団体]
・宮城県森林組合連合会
仙台市青葉区上杉2-4-46 TEL 022-225-5991
間伐材の情報など
・水守人の会
http://www11.ocn.ne.jp/~mizumori/
炭焼体験や炭撒きについて
― 13 ―
森はふかふかのスポンジ
水とくらし・川
川は活動の宝庫!
基本的事項
梅田川のうた
田んぼでワイワイ生きもの探し
ここは 女子商の森,梅田川の 上流,たくさんの植物,大きな石が ゴロゴロ,
命の水が 川になって流れてる,生き物だって住んでるよ
シーン ガサガサ,シーン ガサガサ わたしは 植物のようせい,
森は 緑でいっぱい,ここで 命の水が 生まれてるんです
川と海がであう干潟のひみつ
でっかくて,たくましいだろ
おれは 上流の石,どこの石にも まけないぞ
ザー ザー ザー ザー,たきもあるし,流れもはやい,
くらしを支えるエネルギー
でも,わたしは少し よごれているんだ,もっと きれいな水に なりたいな
風にふかれ,川に流され,
ああ いやだいやだ,ゴミの気持ち わかってる?
ぼくは サワガニ,きれいな川にしか すむことができない,
森の空気はヒンヤリ,おいしい!
さいきん,住みにくくなったなあ
生き物たちだって,きたない梅田川には いたくない!
ゴミをひろって,自然にかこまれた梅田川を つくりたい!
平成15年度仙台市立北六番丁小学校4年生
森の季節が狂ってきた?
上の詩は,川の上流を調査したときの様子を4年生の子どもたち全員で一つの詩に表現したもの
です。川は活動の宝庫です。川の環境学習というと,すぐに生き物調べや水質調査を思い浮かべま
すが,決してそれだけではありません。川で感じたことを詩や俳句などに表現したり,川の音づく
りや流木や石を使っての作品づくりに取り組んだりするなど,総合的な学習に限らず,国語や社会,
音楽などのような教科においても様々な活動が考えられます。ただし,活動が多彩な分,それらを
どのようにつなげて年間プログラムとして成立させていくかは,まさに教師の力量にかかってくる
といえるでしょう。個々の活動が寄せ集めのようなものにならないように留意する必要があります。
そのためには,全体を通した年間テーマを設定し,子どもたちにも学習のゴールは何かが分かるよ
うな学習を展開していくことが大切ではないでしょうか。
― 14 ―
第
2
章
水
と
く
ら
し
/
川
学習プログラム
プログラム例1 浄化センターの見学活動
ねらい
家庭から出る排水がきれいになる仕組みと微生物の働きを理解する。
進め方
① 家庭排水について調べる。
●種類(台所,風呂,洗濯,トイレ),汚れ具合い,量など
② 浄化センターの見学
●施設の見学,微生物の観察とスケッチ
③ 発展
●川に排水が流れこんでいないかを調べる。
●家庭排水を少なくしたり汚れを流さない工夫を考える。
仙台市南蒲生浄化センター
注意事項
社会科の単元「水のゆくえ」の学習として,浄化センターの見学を行う。そこでは働く人たちの努
力に加えて微生物が浄化に役立っていることを理解させたい。さらには,川に排水が流れこんでいな
いか,かつて流れこんでいたかを調べさせたい。
プログラム例2 川物語をつくって上演しよう
ねらい
川の昔の姿を物語や詩,絵などに表現することを通して,地域の人々は川とかかわり合いながら生
活してきたことを理解する。
進め方
① 地域の方から川の昔の姿の話を聞く。
② 100年前,50年前(祖父母の時代),30年前(親の時代)
の川の様子を調べる。
③ 調べたことを物語の台本としてまとめる。
④ 朗読劇「川物語」の発表会を行う。
切り絵に表現
注意事項
学校行事の学習発表会等の場で,保護者や地域の方々に見てもらうようにする。
― 15 ―
プログラム例3 リバーウォッチング
ねらい
各自のテーマから現在の川の姿を観察し,未来に残したい・残したくないものを考えることができる。
進め方
① テーマ別のグループを組み,観察の視点を確認する。
・観察の視点として
未来に残したいもの
未来に残したくないもの
・テーマ別グループと観察すること
テーマ
観察する
こ と
水
生 き 物
環 境
親 し み
COD,
pH,
透視度, 魚,ザリガニ,水生生物, 堤防,緑,建物,安全,遊ぶ場所,公園,
におい,流れの様子 鳥,ホタル,すみか
ゴミ,清掃活動
お祭り,イベント
② リバーウォッチング
●コースを決めて川沿いを歩く。
●途中で地域の方にいていただき,
話を伺う。
③ リバーウォッチング地図にまとめ,
発表し合う
結果を全員でまとめた地図(模造紙6枚)
注意事項
観察に際しては,インスタントカメラやデジタルカメラを子どもたちに持たせ,記録させるように
したい。
プログラム例4 未来の川を考えよう・未来予想絵地図
ねらい
未来の川の姿を絵地図に表現して発表し合う活動を通して,これからの川について考え,自分たち
はどのようにかかわっていけばよいかを考えることができる。
進め方
① テーマ別に話し合う。
●アイデアを個人ごとに考える。テーマグループごとにアイデアを話し合ってまとめる。
② 未来予想絵地図に表現する。
③ 交流校と話し合う。
●交流校と「未来の川について考えよう」をテーマに,インターネット掲示板で意見を交流し,T
V会議で話し合う。
― 16 ―
第
2
章
水
と
く
ら
し
/
川
水・生き物グループの未来予想絵地図
(主に生き物の立場からの川づくり)
環境 ・親しみグループの未来予想絵地図
(主に人の立場からの川づくり)
注意事項
中学年の場合は絵地図に表現するのがいいが,高学年ではさらに立体模型に表現していくことも考
えられる。意見交流から話し合いのテーマを導き出していきたい。
年間活動プログラム
小学校の中学年は体験活動を通して学んでいく時期です。よって,中学年において下記の目標を具
現化するためには,川での様々な体験活動を中心に据えてプログラムを組んでいくことが大切です。
その際,一つ一つの活動がバラバラでつながりのないものになってしまっては目標も達成されません。
学習の最終的なおとしどころを押さえ,そのためにどんな活動のしかけをどのように組んでいくかを
考えていきたいものです。
〔テーマ例〕
川プロジェクト ∼ 現在・過去・そして未来の川を考えよう
ねらい
川の現在・過去の姿を調べ,さらには未来について考える活動を通して,自然の豊かさや大切さ,
川と人々の結びつきについての理解を深めることができるようにする。
〔プログラム例〕
ね ら い
段 階
1サイクル
川に
親しむ
2サイクル
川を
表現する
3サイクル
川を
考える
具体的な活動例
現
在
・川に触れることにより,自然の豊
かさや力を感じることができるよ
うにする。
・川の環境と自分たちの生活にはつ
ながりがあることに気付くことが
できるようにする。
○ オリエンテーション
○ 川であそぼう
○ 川の環境調査活動
○ 上流たんけんと浄水場の見学
○ 夏休みの自由研究
○ 下流たんけんと浄化センター見学
過
去
・昔から人々は恵みを受けたり厳し
さに立ち向かったりしながら,川
と深くかかわってきたことを理解
することができるようにする。
○ 川の音づくり
○ 川の切り絵づくり
○ 川のむかしを調べよう
○ 川物語をつくって上演しよう
・川の環境を守ったり改善したりす
るために,自分たちは川とどのよ
うに向き合っていけばよいか,自
分たちにできることは何かを考え
ることができるようにする。
○ 環境再調査活動
○ リバーウォッチング
○ 交流で川じまん大会をしよう
○ 川のキャラクターを決めよう
○ 未来の川を考えよう
○ 未来予想絵地図をつくろう
○ 自分たちにできること
○ 川発表会を開こう
未
来
― 17 ―
指導者へのアドバイス
− 外部機関や保護者・地域の方々のサポートと交流学習で広がりを! −
川を取り上げて学習していくとなると,フィールドワークが
NPOなどの協力
活動の中心となるので,安全面でのサポートと専門的なフォロ
ーが必要となってきます。よって,河川事務所のような行政や
NPO,大学の専門家や学生,そして保護者や地域の方々に協
力を得ることができたならば,活動にもさらに幅や深まりが出
てくるでしょう。また,同じように川の学習をしている学校と
大
学
の
専
門
家
川
他
校
と
の
協
力
の交流も,ぜひ進めていきたいものです。同一河川を学習して
いる上流あるいは下流の学校と情報交換をしたり別の川を調べ
地域の方や保護者
ている遠くの学校と話し合いを行ったりすることにより,子ど
もたちの視野を広げ,思考を深めさせていきましょう。
資料編
[関連する機関・団体]
・宮城教育大学 環境教育実践研究センター
センター長:見上一幸教授〔水中の微小生物(原生生物)の専門家〕
〒980-0845 仙台市青葉区荒巻字青葉
TEL 022-214-3545(センター長室)
http://www.eec.miyakyo-u.ac.jp/
・東北工業大学 環境情報工学科 近藤祐一郎先生
〒982-8577 仙台市太白区八木山香澄町35-1 東北工業大学 TEL 022-229-1151(代)
エコフィッシュについて
・NPO「建築と子供たちネットワーク仙台」
http://www.tbgu.ac.jp/ept/ac.htm
まちづくりを中心とした学習プログラム
・東北流域会議
〒980-0011 仙台市青葉区上杉1-4-25-3F TEL 022-723-1788
http://www.michinoku-kawa.net/
東北の川コミュニケートセンター(みちのく川ネット)を運営
・河川情報センター
〒980-0011 仙台市青葉区上杉1-16-3 TEL 022-268-7471
川の情報誌「アクア」の発行(季刊発行)
[ホームページ]
・みやぎの水辺物語(みやぎ生協)
http://www.miyagi-mizube.com/ CDでも配布
・みやぎの川と海(宮城県土木部河川課)
http://www.pref.miyagi.jp/kasen/ 川のガイドブック発行
・仙台市立北六番丁小学校
http://hogwarts.sendai-c.ed.jp/~kitaroku/ 梅田川の取り組み
― 18 ―
第
2
章
水
と
く
ら
し
/
川
川は活動の宝庫!
水とくらし・田んぼ
田んぼでワイワイ生きもの探し
基本的事項
田んぼは農地ですが,水路を通じて川や湖沼につながる日本最大の湿地で,様々な水辺の生き物
川と海がであう干潟のひみつ
の大切な住みかになっています。田んぼがないと生きていけない生きものも沢山います。現在の田
んぼは,イネの生産性向上の観点に主眼をおいた圃場整備が行われ,水路はコンクリート製のもの
が多くなり,農薬や化学肥料を多く使う農法が広がり,生きものが住みにくい場所になりました。
そのために,田んぼで見られた生きものが,いつの間にか姿を消し,メダカのように絶滅の恐れが
ある希少種になってしまったものが,急激に増えてきました(資料A参照)
。その一方で,生きもの
を活かした農法によって生きものでにぎわう水田を目指す取り組みも行われています。有機栽培,
くらしを支えるエネルギー
不耕起栽培*1.冬期湛水水田*2などがその例として注目されています。
*1 不耕機栽培(ふこうきさいばい):田んぼを耕さずにイネを植える農法。根の先端が硬い
土に当たると,それが刺激となって根の成長が促進し,丈夫なイネが育つ。
*2 冬期湛水水田(とうきたんすいすいでん):刈り取りが終わった田んぼに水を入れ,冬の
間ずっと水を張った田んぼで,生き物との共生をめざした農法として最近注目されている。
森の空気はヒンヤリ,おいしい!
詳しくはhttp://www.jgoose.jp/wfrf/参照。
学習プログラム
〔プログラム全体のねらいと進め方〕
森の季節が狂ってきた?
子どもたちが生きものに配慮した学校田作りに参加し,様々な生きものと触れあい,これらの生き
ものが互いにかかわり合って生物の世界を作り上げていることを体感し,田んぼがイネだけでなく多
くの生きものにとってかけがえのない湿地であることを学びます。
全体が4つのプログラム例で構成されています。まず,プログラム例1を行い,次にプログラム例
2,プログラム例3,プログラム例4の順に行います。プログラム例2∼4は平行して稲刈りまで継
続しますが,単独で行うことも可能です。プログラム例3の導入として,参考プログラムも用意しま
した。全てのプログラムと資料は,みやぎ環境学習プログラムホームページでご覧ください。
(http://www.melon.or.jp/mkgp/)
プログラム例1 私の「生きもの田んぼ」を設計しよう
ねらい
子どもたち(個人またはグループ)に,自分の好きな生きもの(イネも含め,田んぼで出会ったり
呼び戻したい生きもの:目標生物)を決めさせ,その生きものが住み心地の良い田んぼの絵図面を描
くことにより,田んぼの生きものへの関心の入り口を作る。
― 19 ―
進め方
① 子どもたちに田んぼとそこに住む生きもののビデオや写真を見せ,田んぼとその「生きものへの
関心」を高め,自分たちの目標生物を,グループごとに決めさせる。
② 自分たちの好きな生きものの食べ物は何で,それはどんな場所にあるか,休み場所はどこか,ど
こに卵を産むのかを中心に,分かる範囲で調べる。
③ 自分たちの目標生物が住みやすい田んぼを考え,それを絵図面にまとめ発表会で発表する。
④ 発表会では,グループごとに,その生きものを呼び戻したいと思った理由と,そのためにはどの
ようなことを考えたかについて発表する。
⑤ 発表会には教師以外にも,生きものに詳しいゲストティーチャーに参加してもらう。
⑥ ゲストティーチャーが講評を行い,子どもたちのアイデアを活かして実際の学校田の絵図面をま
とめる。
注意事項
① 図面を作りあげるまでは,子どもたちが自分自身で考え,自由に発想できるよう配慮する。目標
生物にとって必要なことは,(絵図面の上では)どんな計画でも受け入れる(穴を掘る,水路を
作る,土を盛り上げる,畦を作る,井戸を掘る など)
。
② 目標生物の中に,移入種(ブラックバスなど)が含まれている時は,「いた方が良い」もの(在
来種)と「いては困る」生きもの(移入種など)があることを指摘する。移入種は外国から侵入
し,生きものの世界を壊すから「いては困る」ことと,移入種やペット(金魚やヒメダカなど)
は自然界に持ち込まないよう伝える。
〔水田地帯に多い移入種は,ウシガエル,アメリカザリガニ,ブラックバス,ライギョ。日本全
体では,植物(700種以上),哺乳類(22種以上),鳥類(29種以上),昆虫(232種以上),両生・
爬虫類及びその他(32種以上)で1000種を超える。伊豆沼は希少種ゼニタナゴの数少ない生息
地の一つだったが,ブラックバスのためにその姿が見られなくなってしまった。
〕
③ 学校田の所有者の方を学校行事に招待し,学校での取り組みをよく理解してもらう。
④ 学校田がなくても,1)校庭に田んぼビオトープを作る,2)発泡スチロール製の箱でミニ田んぼ
を作る,3)活動に協力してくれる農家を探し,その水田で観察する,などの方法もある。
⑤ 田植えが始まる5月上旬までに実施する。
〔準備するもの〕
① 学校田の白地図(模造紙大に田んぼの輪郭や水路を書き込んだもの)を,グループの数だけ用意
する。これに子どもたちが絵図面を描く。
② 筆記用具,色鉛筆,各種図鑑など
プログラム例2 「生きもの田んぼ」で,いろいろなイネを育てよう
ねらい
しろ か
同じ田んぼに,違う品種(ヒトメボレと黒米など)を植える。また耕して代掻きをした部分と耕さ
ない部分(不耕起)を作り,そこに同じ品種を植え,品種の違いや田んぼの状態の違いにより,イネ
の生育にどのような違いが出るかを学ぶ。
― 20 ―
第
2
章
水
と
く
ら
し
/
田
ん
ぼ
進め方
① 実際の学校田で,子どもたちが作った絵図面も活かしながら,イネを植える場所(代掻きをする
場所と耕さない場所)と池や水路など,他の生き物の住みかとする場所を決め,田植え前までに
その作業を終える。
② 苗を集める。児童の保護者に農家がいる学校では,その保護者にお願いして苗を提供してもらう。
黒米など特殊な苗は,農業高校の農場や周辺でその栽培を行っている農家がいる場合に少量分け
てもらう。
③ 田んぼに水を張る。
④ 田植えを行う。農業経験者の指導の下に,全員で手植えで行う。不耕起での田植えには,土に穴
を開ける鉄棒などが必要(5月中旬)。
⑤ イネを刈り取るまで,定期的に観察を続ける。品種や育て方の違いがどのような生育の違いとな
るか以下の点などについて調べる。
根を調べる(抜き取って,根の長さや量を観察する。耕さない田んぼに植えたイネのほうが,根
いな ほ
が長く太くなる),草丈を測る,株数を調べる,稲穂(いつごろ出るか?どこから出るか?穂の
数は?1つの穂の粒数は?どんな花が咲くのか?)
⑥ 刈り取り(10月上旬)
。農業経験者の指導の下に,保護者の協力も得ながら全員で手刈りを行う。
だっこく
⑦ 脱穀。かつて使われていた足踏み式脱穀機なども使い,現在の機械との類似点を確認する。
もみ す
⑧ 籾摺り。籾摺りの一部を人力で行い,昔の人がどのようにしていたかを考える。
⑨ 収穫祭。
注意事項
① 対象となる子どもたちの人数で無理なく処理ができる面積で田植えを行う。(手植えの場合の
例:約80名/10aの田んぼ)
② 農家の方の支援が不可欠となるので,協力してくれる農家を探し趣旨を理解していただき,作業
手順の打ち合わせを行う。その際に有機,無農薬,または減農薬栽培などの生きものに配慮した
農法で行うことをお願いする。
③ 田植えや稲刈りには多くの人手が必要となるので,学校(学年)行事として行い,保護者の協力
も得るようにする。機械や鎌で怪我をしないよう事前に注意を促す。
④ 学校田がない場合は,発泡スチロール製の箱で,メダカやヤゴも生きられるミニ田んぼを作る。
また学校田とは別に,ミニ田んぼを教室のテラスなどいつでも観察できる場所に置くことにより,
田んぼで何が起きているか理解しやすくなる。
⑤ 生育の比較目的で複数の品種を植えるときは,特徴がはっきりと異なるものを選ぶ。
しゅっすい
〔例;黒米(草丈が高く,米が黒い),ムラサキイネ(全体に紫色),きらら397(出穂が他の品
種より早い北海道の品種)など。〕
⑥ 活動期間は田植え(5月中旬)から稲刈り(10月上旬)
,脱穀・籾摺り(11月初旬)まで。
〔準備するもの〕
① 田んぼでの一連の農作業に必要な機材(代掻きした田んぼに線を引く道具または紐,刈り取った
稲を干す杭,脱穀機(足踏み式脱穀機などがあれば活用),籾摺り機(脱穀機と籾摺り機は農家
の人にお願いする)
② イネの苗(保護者または近くの農家などから提供してもらう)
③ 個人で準備するもの:記録用紙,計測用スケール,記録用カメラ,鎌,軍手,長靴,図鑑,スコ
― 21 ―
ップ(イネの根採取用)
④ 発泡スチロール製の箱
プログラム例3 「生きもの発見・田んぼ地図」を作ろう
導入プログラム「プールのヤゴすくい」
(資料B参照)
*上記のプログラムについては,みやぎ環境学習プログラムホームページでご覧になれます。
(http://www.melon.or.jp/mkgp/)
プログラム例4 生きもの田んぼ探検隊
ねらい
プログラム例1で決めた,自分の好きな生きもの(目標生物)を定期的に探検(観察)しながら,
自分の好きな生きものを入り口にして,田んぼには多様な生物が住んでいることと,それらが互いに
つながりあって生きていることに気付かせる。
進め方
① 自分たちが選んだ生きものごとに子どもたちをグループ分けする。
目標生物:魚,トンボ(ヤゴ)などの昆虫(水生・陸生)
,クモ,カエル,水草やイネ以外の植物,
微生物,泥の中の生きもの(イトミミズ,貝など)
,その他
② ゲストティーチャーの協力を得て,定期的に観察会を行う。グループごとにそれぞれの目標生物
を中心に探検,採取,記録する。
③ 目標生物ごとの観察のポイント
●魚
用排水路や田んぼの水面を観察したり,網での採取によりどのような魚がいるか調べる。どんなところに魚が多くい
るか,一番多い種類は何かを調べる。〔準備するもの:柄つき網,水槽,バケツ,各種図鑑〕
●トンボ(ヤゴ)などの昆虫(水生・陸生)(資料B参照)
田んぼの泥の表面を網ですくってヤゴを探す。ヤゴを見つけたら各種図鑑を参考に,どんなトンボになるか調べる。
その一部をミニ田んぼに移し,ヤゴがトンボに羽化するのを観察する。イネの茎をよく見てヤゴの抜け殻を探す。田ん
ぼの上を飛んでいるトンボを捕まえ,どんな種類が多いか調べる。〔準備するもの:柄つき網,水槽,バケツ,虫かご,
捕虫網,各種図鑑,ルーペ〕
●クモ(資料C‐1参照)
畦を歩きながら,どんなクモがいるか観察する。3つのタイプのクモが棲み分けをしている。
Ⅰ垂直に網を張る仲間(ナガコガネグモなど):飛び回っている虫を捕まえる。
Ⅱ水平に網を張る仲間(トガリアシナガグモなど):飛ぶ力の弱い虫を捕まえる。
Ⅲ網を張らない仲間(コモリグモの仲間など):水面をすばやく移動して捕まえる。
*クモが沢山いる田んぼといない田んぼの違いを考える;クモは益虫で無農薬や減農薬の田んぼに多い。クモが多いと害
虫を食べるので害虫が減るが,害虫を減らそうとして農薬を使うとクモが減り,逆に害虫が増えてしまう(資料C‐1
b「クモと農薬」参照)
。〔準備するもの:虫かご,捕虫網,各種図鑑〕
●カエル(資料C‐2参照)
カエルの数を数えてみよう
田植え直後はカエルの卵を探す。卵は透明のゼリーに包まれ,田んぼの水の中にある。見つけたらスケッチして図鑑
などで調べる。オタマジャクシを見つけたら,網ですくい,手足が出始めているものを見つけたらよく観察する。ゆっ
くりと畦を歩いて行くと畦からカエルが田んぼへ飛び込む。2人一組で畦の左右から飛び出す数を調べる。どんな種類
のカエルが一番多いか調べる。捕まえたカエルは種類と足指を調べる。アマガエルの仲間は,指に吸盤があるのでコン
クリート水路をはい上がれるが,他のカエルは吸盤がないのではい上がれずに死んでしまう(写真参照)。そのために
かつては普通にいたトウキョウダルマガエルやニホンアカガエルは宮城県の準絶滅危惧種となっている。カエルは何を
食べているのか考えよう。カエルもクモのように害虫を沢山食べる。カエルが沢山いれば害虫が大発生することはない。
〔準備するもの:柄つき網,水槽,バケツ,各種図鑑〕
― 22 ―
第
2
章
水
と
く
ら
し
/
田
ん
ぼ
トウキョウダルマガエル:足指に吸盤がない
ニホンアマガエル:足指に吸盤がある
●水草やイネ以外の植物
どのような環境にどのような植物が生えているか,また季節により種類が変わ
ることなども調べる。名前の分からない植物は,押し花標本を作り,図鑑で調べ
る。〔準備するもの:各種図鑑〕
●微生物 田んぼや水路の水を持ち帰り,顕微鏡で調べる。
〔準備するもの:水槽,バケツ,
顕微鏡,各種図鑑〕
●泥の中の生きもの
スコップで田んぼの泥を取り,細かいふるいの上で泥を流しながら探す。〔準備す
るもの:柄つき網,水槽,バケツ,ふるい,実体顕微鏡,スコップ,各種図鑑〕
図 水田で捕まえたアマガエルの胃から
見つかった餌動物数の割合(8月23日調査)
捕 25
食 20
割 15
合
︵ 10
% 5
︶ 0
害虫
イ
ネ
ミ
ズ
ゾ
ウ
ム
シ
イ
ネ
ッ
ト
ム
シ
ただの虫
ツ
マ
グ
ロ
ヨ
コ
バ
イ
ハ
エ
類
ハ
チ
類
ガ
ガ
ン
ボ
類
古川農業試験場
注意事項
生きもの観察を始めた後で,目標生物よりも「おもしろい」生きものを見つけた児童には,目標生
物の変更を認める。
発展へのヒント
●田んぼの水はどこから流れて来てどこへ流れていくのか。水路をたどって調べよう。
●段差のある水路と田んぼを小さな魚道でつなぎ,魚が出入りができる工夫もしてみよう。
●冬に田んぼに水を張り,水鳥を呼び寄せよう(可能な場合にやってみよう)。
●水槽に田んぼの土と水とイトミミズを入れ,イトミミズが土を作る様子を観察しよう。
資料編
[参考資料]以下の資料は http://www.melon.or.jp/mkgp/ を参照
資料A 絶滅危惧種の分布状況(環境省,2001年)
資料B 参考プログラム「プールのヤゴすくい」
資料C 「生きもの田んぼ観察会」C‐1 a「田んぼとクモ」,C‐1 b「クモと農薬」,
C‐2 a「田んぼのカエル」,C‐2 b「アマガエルと害虫」
資料D 「泥の中の生きもの」
[ホームページ]
・ヤゴ救出ネットワーク
http://rika.yochisha.keio.ac.jp/yagokyu-net/
・ようこそ、渡り鳥の世界へ(渡り鳥の秘密を探ろう/グローバル・スクール・プロジェクト)
http://www.gsp-net.org/kids/flyway/
ラムサール条約の説明,生態保全と農業について
・田んぼのがっこう(農村環境整備センター)
http://www.acres.or.jp/tanbo/
― 23 ―
田んぼでワイワイ生きもの探し
水とくらし・海
川と海がであう干潟のひみつ
基本的事項
“山に降った雨は,どこにいくのだろうか”
くらしを支えるエネルギー
雨が地表にとどいてからはいろいろな道筋が考えられます。表面を流れて低い方へと集まり,や
がて川になっていくもの,地面にしみこみ植物等を潤しながら地下水となるものなど様々です。積
雪は雪解けとともに同様に変化していきますが,高い山や氷河など万年雪になって蓄えられている
ものもあります。緑のダム,白いダムなどと呼ばれるものです。上流から下流に向けての川の水の
旅は,海と出会うころでいったんゴールを迎えるものの,海に流れ込み地球表面をおおい,また蒸
発して雲となり雨となって地表に降ってくるという,大きな水の動きのサイクルが考えられます。
森の空気はヒンヤリ,おいしい!
ここでは,川の上流から海と出会う干潟までの一連の流れを通して,特に干潟の秘密について学
習します。また人間が水を飲み水として利用し,生活排水として自然に戻していく動きがどうなっ
ているかもあわせて考えていきます。
海のデータ
地球の表面における海の面積の割合 約71%
森の季節が狂ってきた?
海水の成分は水が96.5% 塩化ナトリウムが2.7%(その他,塩化マグネシウムなど)
人間の赤ちゃんもお母さんのおなかの中で羊水(ようすい)と呼ばれる液につかっていま
すが,この成分が海水に似ているのです。なめると塩からい,汗も似た成分です。
*複数地点の特徴をしっかりと確認しながら活動
<上流 水質調査>
<下流 水の流れ調査>
<干潟 漂着物調査>
<干潟 生き物調査>
― 24 ―
第
2
章
水
と
く
ら
し
/
海
“宮城県の海のようす”
みなさんが住んでいる宮城県の東側は,北上川,鳴瀬川,七北田川,名取川,阿武隈川と大きな
川が太平洋に流れこんでおり,それぞれ上流に豊かな水源,森があります。とくに北の方にはリア
ス式海岸とよばれる海と陸地が入り組んだ地形が見られます。(「リア」というのはスペイン語で川
を表す「リオ」からきていて,川が海に流れこんでいるところを表します。)それらの川の水は上
流から流れ,土地を削りながら海に注がれています。上流から栄養をたくさんふくんだ水が流れこ
むので,その湾周辺にはすばらしい漁場ができます。全国的にも有数の水揚げ量をほこる気仙沼,
塩竃,女川,かき・ギンザケなどの養殖の盛んな志津川などがそれにあたります。そして沖の方で
は親潮(千島海流)と黒潮(日本海流)が混じり,プランクトンが豊かで,それを食べに魚が集ま
るような豊かな漁場が広がっています。仙台湾よりも南の海岸線は,三陸側と異なりそれほど入り
組んでおらず,砂浜が続いています。仙台港南側の蒲生干潟は国内有数の野鳥の飛来地となってい
ます。干潟に流れ込む七北田川は約40km上流の泉ヶ岳に端を発し県内の他の河川同様に上流から下
流まで様々な表情を見せています。
山に降った雨が土に吸収され,川や地下水となって海に流れ込む様子が見られたり,海中ではプ
ランクトンと魚の食物連鎖(食う食われるの関係)が見られたりと,多くの命を育みながら世界と
つながっている海。蒸発により雨を降らすことや,気候変動の大きな要因となっていることなど,
海の役割は大きいものといえます。
ここでは特に川が流れ込む海の入り口=干潟に目をむけて,その自浄能力や海洋植物や生物を観
察することや,海辺での体験活動を通じて,干潟が地球環境保全において大きな役割をしているこ
とをはっきりととらえさせたいものです。
学習プログラム
ねらい
実際に海辺をよく観察しながら自分の目で見つけたことや気付いたこと,分かったことを大切にし
ながらまとめて,豊かな海の恵みや仕組みを学ぶ始まりとなるようにする。
1 干潟の生き物を
干潟に集まってくる鳥やそこに住む生き物をさがし,どんな生き物が
さがしてみよう
どのくらいいるのか,豊かな空間であることを調べてみる。
2 流れ着いたものを
干潟や海岸で見つけた漂着物を集め,その種類分けや,どこからきた
種類分けしよう
のかを考える活動を通じて,自然の営みや人間の生活を考える。
3 川と海の
けんこうしんだん
上流である川から流れ込む水,それぞれの地点での水質を調査し,川
と干潟がつながっていること,さらには干潟の自浄能力なども考えて
みる。
*いずれの場合も活動から生まれた疑問をいかしながら,次の活動や環境学習につなげられる指導が
大切である。資料編で実際の活動にあたって相談できる施設を紹介し,また発展へのヒントでは学
校等で干潟や川,下水処理場の見学と事前事後指導を関連させた活動案等を紹介しているので参照
のこと。
― 25 ―
進め方
1 干潟の生き物をさがしてみよう
干潟で探そう(干潮時間帯) ・干満の差を写真や目印で確認する。 ・カニを捕まえよう
コメツキガニ(甲羅の幅1cm)
波打ち際の砂地の砂団子と巣穴が目印 アシハラガニ(甲羅もはさみも大きい。腹の部
100まで数えると50くらいで顔を出す
分が三角なのがオス。)
・ゴカイを探せ(釣りのえさ,サギがつかむ。)
チゴガニ(甲羅幅1cm,はさみが白い。)
1m四方の湿地をシャベルで掘り起こす。
*どんな生き物がどのくらいいたか,カード等に
記録する。図鑑で調べるのも大切な活動。
ゴカイや貝が出てきたら種類分けする。
*鳥の観察では双眼鏡を用いて,色や姿の特徴を
・鳥の観察をしよう
とらえさせたい。
鳥の種類を確認する。ずっとここにいる鳥
か,渡ってくる鳥か。鳴き声は,特徴は。
足跡探しでもいろいろな種類に出会える。
・季節の植物をさがそう
2 流れ着いたものを種類分けしよう
・湿地や砂浜を歩いて,流れ着いたものを集
・ガラス片などに注意して活動する。
・国内だけでなく外国のものが漂着している場合
める。
グループで手分けしてもいい。
もある。どこの国か分かる手がかりを探してみ
集めたら仲間分けをして記録をとる。
る。
自然のものか,人間が作ったものか。
・ウミガメがプラスチックゴミを餌と間違えて飲
み込んでしまう問題などにつなげていくことも
川からきたのか,海からきたのか。
未来に残すべきものか,なくしたいものか。
できる。
・集めたもので工作をすることもできる。 素材や形を生かしたアートにしてみよう。
・集めた漂着物は,自然に帰すものと,適宜
処分するものを考えて分けてみる。
3 川と海のけんこうしんだん
・汽水域(海水と淡水が交じり合い,塩分の少な
・川と海の出会う場所=干潟を調べる。
い水域)の環境調査
水 透明度,水温,CODパックテスト,
・その空間が数値ではどうなっているか。五感で
pH調べ はどう感じるか。
生き物・植物 指標の生物等
・人々の活動が地域環境の保全に役立っている事
まわりの環境 堤防 例を確認する。
人々の活動 清掃活動 ・流れ込む川の上・中流域を同様に調査する。
・水源になっている地域との比較や,そこから流
れ込む,栄養分や排水などについて考えてみる。
川の流域にある学校等との交流学習。
・調査結果をまとめ,発信する活動。
・1点から複数地域の面のデータ収集
・干潟の動植物による自浄作用があるという
*継続的なデータ収集で,経年比較も行いたい。
が数値では出ていないか。
*上流にある学校等との交流
― 26 ―
第
2
章
水
と
く
ら
し
/
海
注意事項
●海辺での安全確保について
磯では潮汐作用で海の深さが変わります。満潮干潮の時刻などを事前に確認しておき,陸地での
観察や,磯に入っての活動など安全面にも配慮しながら計画します。
●服装については
水着を着用した上にTシャツ・短パンなどで動きやすいものが好ましく,岩場で滑ったり,足を
切ったりしないために,履き慣れた運動靴(底がしっかりした靴)が安全です。日よけの帽子など
も忘れないようにします。観察にあたっては,水中メガネ,観察を記録する紙,軍手などを着用し,
必要に応じて用具を用意します。
観察に適している場所,範囲をしっかり子どもたちに伝えて,危険なことがないように複数の目
で全体を見回すことで安全を確保しましょう。
岩場では走らないことや,できるだけ生き物のくらしの妨げにならないようにし,観察が終わっ
たら,あったところに戻すことも大切なことですし,採取などは必要最小限にするのも大事な環境
学習といえます。
発展へのヒント
海辺での活動を日常的に安全に計画するのは,学校からの距離の問題や指導者を確保する上で困難
なことがあるので,次のような手だてを紹介します。
中学年で下水処理場の見学などをきっかけに,私たちが利用する水の動きを知るとともに,調査や
体験的な活動を通じて,さらに地球規模の環境学習へと広げていくような一連の活動を計画するのが
重要です。
<活動の位置づけ> 段階
形態
事前
調べる
本時
分散して
複数回
事後
感じる
調べる
関連
感じる
聞く
考える
楽しむ
まとめ
目 標
・川と水源,流れ込む干潟の位置を確
認する。
・干潟で体験的な活動をする。
・動植物との出会いを大切に活動を行
う。
・体験的活動を通じて分かったことを
まとめる。
・家庭から出される排水のゆくえを調
べる。
・世界が海でつながっている事実に気
付き,関連した問題を考える。
― 27 ―
具 体 的 な 活 動 例
●川と干潟の位置を調べる。
・下流の近くに下水処理場がある
●干潟の生き物調べをする。
●漂着物調査をする。
●水質調査をする。
●発見したことや分かったことをまと
め,発表する。
・自然の豊かさについて
・体験して感じたこと
●家庭排水について調べる
台所,風呂,洗濯,トイレの水
●下水処理場の見学をする。
・浄化の仕組み,微生物のはたらき
●ウミガメがプラスチックごみを食べ
てしまうことについて考えます。 資料編
[関連機関・施設など]
・宮城教育大学 環境教育実践研究センター
センター長:見上一幸教授〔水中の微小生物(原生生物)の専門家〕
〒980-0845 仙台市青葉区荒巻字青葉
TEL 022-214-3545(センター長室)
http://www.eec.miyakyo-u.ac.jp/
・みやぎの川と海(宮城県土木部河川課)
http://www.pref.miyagi.jp/kasen/
・仙台市南蒲生浄化センター
〒983-0002 仙台市宮城野区蒲生字八郎兵ェ谷地第2
TEL 022-258-1095
http://www.city.sendai.jp/kankyou/toshisuishin/guide/01/33.html
仙台市の汚水の大部分を処理している施設。東北最大級の規模を誇り,活性汚泥法によ
り処理された水は太平洋に放流されている。
・みやぎの水辺ものがたり(みやぎ生協)
http://www.miyagi-mizube.com/
[テーマに関連した教育を実践している学校]
・仙台市立中野小学校
〒983-0013 仙台市宮城野区中野字西原152
TEL 022-258-2365 FAX 022-258-6813
http://www2.sendai-c.ed.jp/~nakano/
仙台市北東部に位置する。近くには七北田川が流れ,徒歩15分ほどのところに,国内有
数の野鳥の飛来地である蒲生干潟がある。長年,環境教育に取り組み,原体験活動,野鳥
観察,干潟清掃活動等を行っている。
― 28 ―
第
2
章
水
と
く
ら
し
/
海
くらしを支えるエネルギー
森とくらし・森と大気
森の空気はヒンヤリ,おいしい!
基本的事項
私たちのまわりの空気は,普段意識されることはありませんが,その中には,水蒸気や酸素とい
森の季節が狂ってきた?
った生きていくために必要なものから,有害なものまで,様々なものが含まれています。組成がほ
んの少しバランスを変えただけで,くらしと生存に影響を与えます。まずは,この地球の大気(地
球を取り巻いている空気の総体)を意識してみましょう。
魚は水の中,ぼくたちは大気の中で生きている
空気は私たちの生存に欠かせないものです。その空気は,無限にあるように思えて,実は,地球
の表面にしかありません。それを大気層といいます。この薄い大気の層の中で,私たちは生きてい
るのです。
おいしい空気,おいしくない空気,いろいろある。森の空気は?
かんば
春から秋に森の中へ入り込むと,ヒンヤリと涼しく,すがすがしい気分になります。木の芳しい
香りや酸素いっぱいの清らかな空気のおかげです。ほかにも,新緑や濃い緑,木漏れ日は,私たち
の目に優しく,葉が風にそよぐ音や川のせせらぎの音,小鳥のさえずりは,耳に心地よく響きます。
ふかふかの土やおいしい食材を含め,森には人の五感を通じて快適に感じさせてくれる働きがあり
ます。
大気汚染を学ぶ前に,空気にはいろいろあることに気付き,「汚染されていない空気」を体験す
ることが重要です。
空気の中の水。水の蒸発と水の循環。
水は100℃で沸騰して水蒸気に
なります。しかし,自然の中では,
雲・水蒸気の凝縮
100℃にならなくても,水面や地
大気中に貯えられた水
面から蒸発して水蒸気に姿を変え,
大気の中に存在しています。その
降雪
降雨
水蒸気は,再び,雲や雨となって
雪溶け水
蒸気
「見える」形で姿を現し,川や海に
きり
なります。このように,水は絶え
ず場所を変え,姿を変えながら,
川
自然の中を循環しています。その
原動力は,太陽の力といえます。
地下浸透水
― 29 ―
海
学習プログラム
中学年は,ちょうど3年理科で,空気について学びます。まずは,空気の存在とその有限性に気づ
くこと,そして,空気も自然の豊かさの一つであることを感じとれるようになることが求められます。
また,3年理科の蒸発・水蒸気の学習を通し,海や川から,蒸発して大気に戻る水の循環に気付くこ
とも,環境を学ぶ上でとても重要なことです。
プログラム例1 地球を空から見てみよう
ねらい
地球の大きさに比べて,大気の厚さは薄いことをとらえる。
進め方
●準備するもの:写真やポスター,インターネット(資料編を参照)
① 宇宙から見た地球の写真で,縁を見る。地球は大気があるので縁がぼんやりしている。月の縁は
くっきりしている。
② 台風の写真を見る。台風の雲の上は対流圏に届いているが,宇宙から見ると台風は地球表面に貼
り付いているように見える。
プログラム例2 地球がリンゴなら,大気はリンゴの皮?
ねらい
地球の大きさをリンゴ,地球儀,身長といった身体感覚でとらえられる大きさに縮小してみて,大
気層がいかに薄いものか実感する(リンゴの皮ぐらいとイメージを促す)
。
進め方
●準備するもの:計算機
① 地球の大きさを,身近な大きさに置き換えてみる。
地球の直径:127,000km
大気(対流圏)の厚さ:10km
●自分の高さ(1.3m)を地球の直径に縮小したときの大気の厚さ?
●標準地球儀(直径26cm,1/5000万)に縮小したときの大気の厚さ?
●リンゴ(直径6cm)に縮小したときの大気の厚さ?
プログラム例3 森の中で,空気を感じてみよう
ねらい
遠足や校外学習で森の中を歩いたり,ゲームを行うときに,
「空気を感じる」視点を取り入れる。
進め方
●森の土が湿っていること,空気がヒンヤリしていることを感じる。
●木の香りを感じる。
●森の空気と街の空気との違いを考える。
― 30 ―
第
3
章
森
と
く
ら
し
/
森
と
大
気
注意事項
●森での活動プログラム例:資料編を参照 ●森の出す独特な芳香物質(フィトンチッド)
森の中で木が発散している物質。殺菌作用があるため,古くから針葉樹の葉に生鮮食品をのせて
運搬したり弁当箱として利用されてきた。
プログラム例4 自然界での水の蒸発・空気中の水蒸気
ねらい
自然界での水の蒸発に気付く
進め方
① 雨上がりの学校林・草地・運動場で,湿った土が乾くまでの時間の違いを見る。
② 森の中の土はどうだったか? 湿っていたことを思い出す。森では,土に太陽が当たりにくいの
で蒸発しにくい。
③ 水はどこに行ったのか? 空気中に水蒸気はあるのか?理科の単元で学んだことを思い出す。
プログラム例5 水蒸気の変身
ねらい
蒸発した水蒸気が上空で冷やされて,雲になることをとらえる。
進め方
① 空気中の水蒸気が雲になることを調べる。どんなときに雲になるかを考える。
② 雲が雨や雪になることを知る。どんなときに雨や雪になるかを考える。
③ 水蒸気の変化について話し合い,自然の中での水の循環について,図にまとめる。
注意事項
●水が凍ると霜になったり雪になったりすることを予想する。
●②はビデオや実験を見せることでもよい。
実験方法の例:雲・雪を作ろう(北海道立理科教育センター)
http://www.ricen.hokkaido-c.ed.jp/jyouhou/teikyou/tyoukenn/sankakutusin/tigaku1/kumo40.htm
発展へのヒント
●「宇宙から見る地球」では,地球には森林の多いところと少ないところがあること,あるいは,宮
城県でも緑の多いところと少ないところがあることに気付かせます。高学年の「地球温暖化」(森
の減少)の学習につながります。
●水の循環は,酸性雨の原因を追及する場合に,地上の窒素化合物や硫黄酸化物が空気中を漂い,水に
溶けて地上に降ってくるといった物質循環の素地となる見方や考え方を育てることにつながります。
●町の音とにおいの環境マップづくりをし,町と森と比較することで,森の良さの理解が深まります。
●「おいしくない空気」について「高学年のプログラム」で学習します。
― 31 ―
指導者へのアドバイス
日ごろは気に留めることがない「空気」の存在について,意識するプログラムです。理科の学習を
きっかけに,地球や環境への関心を促すものです。
人類は,人工衛星やスペースシャトルにより,宇宙から地球を見る,新しい目を手に入れました。
「地球」を感じたり,森を全体で大きくとらえたり,人のいる地域と人のいない地域の違い(土地利
用状態の違い)をとらえることができるようになりました。
気圧hPa
1
資料編
<データあれこれ>
成層圏
約10数∼50km
・大気の厚さ
10
実際の高さ
地球の直径
地球儀の高さ
約12,700km 26 cm
エベレスト山
約 9km
(呼吸が苦しい)
0.18mm
対流圏
約10km
0.18mm
成層圏
約50km
1 mm
100
圏界面
対流圏
地表∼約10数km
1000
200
240
280 温度(K)
(注)
K
(=ケルビン)
は熱力学温度の単位。ケルビンで表されるねつ
力学温度T
(K)
と日常使うセ氏温度 t(℃)
との間には,t=T−273.15
の関係式が成り立ちます。
図 地球大気の構造
[ホームページ(森林)]
・もりへ行こう(国土緑化推進機構)
http://wwww.green.or.jp/moriheikou/
森での活動プログラム例
・こども森林館(林野庁)
http://www.rinya.maff.go.jp/kouhousitu/
宮城では,自然休養林は2箇所(仙台自然休養林,金華山)
・森林浴の森100選(森林文化.com/森林文化協会)
http://www.shinrinbunka.com/datatable/1-1-03.html
1986年,林野庁と緑の文明学会が森林浴にふさわしい森100個所を選定した。 宮城で
は,仙台自然休養林(仙台市)と宮城県県民の森(仙台市,利府町)の2箇所。
[ホームページ(宇宙から見た地球)]
・キッズ地球探検隊(JAXA地球観測利用推進センター)
http://www.eorc.jaxa.jp/kids/
・JAXAキッズ(JAXA)
http://kids.jaxa.jp/
・Earth from Space(NASA:英語)
http://earth.jsc.nasa.gov/
・教育用画像素材集(情報処理振興事業協会)
http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/
宇宙から見た地球環境の写真(「理科 地球と宇宙」→「宇宙から見た地球環境」)
― 32 ―
第
3
章
森
と
く
ら
し
/
森
と
大
気
川と海がであう干潟のひみつ
森とくらし・森とエネルギー
くらしを支えるエネルギー
基本的事項
くらしの変化とエネルギー消費量
森の空気はヒンヤリ,おいしい!
人々は昔から,食べものや生活に必要なものを手に入れるために,自然をうまく利用してきまし
た。なかでも森は,燃料になる薪や落ち葉をはじめ,食料となる山菜やキノコ,木の実,家具や道
具をつくるための木材など,くらしを豊かにするための多くのものを与えてくれました。そんな森
に覆われた人里近くの山を人々は里山と呼び,森を大切に育ててきたのです。
ところが日本が高度経済成長期を迎えた40年ほど前から,里山から人々の姿が消えはじめ,今で
はやぶのようになり,ゴミ捨て場になってしまう里山さえ見られるようになりました。その一方で,
森の季節が狂ってきた?
私たちの生活は便利で快適になったといわれます。身の回りには家電製品があふれ,自動車も1世帯
に1台の割合で普及しています。しかしこうした現代のくらしは,エネルギーを大量に消費すること
で成り立っています。宮城県内の電灯電力使用量はこの40年間で10倍以上に増え,ガソリンの販売
量は15倍にもなっています。このままエネルギー消費量が増え続けても大丈夫なのでしょうか。
電気エネルギーはどうやってつくられているの?
電気エネルギーは,光や熱や運動,音など,様々な形のエネルギーに変えることのできるとても
便利なエネルギーです。家庭はもちろん工場などでも電気エネルギーは広く使われ,2002年度の
宮城県内での販売電力量は140億kWhにもなります。
この電気エネルギーは発電所でつくられます。現在宮城県内には,東北電力の火力発電所が2ヵ
所,水力発電所が21ヵ所,原子力発電所が1ヵ所あります。2002年にはこれらの発電所で212億
kWhの電気がつくられました。このうち,155億kWhは原子力発電所で,52億kWhは火力発電所
でつくられたものです。このようにウランや石炭,石油を燃やした熱エネルギーからつくられた電
気エネルギーを,再び熱エネルギーに変換して使うのは,エネルギー効率や資源の有効利用を考え
るとちょっともったいない話ですね。
地球にはどんなエネルギーがあるの?
地球上のすべてのエネルギーの源は太陽にあります。太陽のエネルギーは大気をあたため,大気を
対流させて風をおこします。また水を蒸発させて雨をふらせます。こうした風や水は,ときとして大
きな災害を引き起こすほどのエネルギーをもっています。また太陽から地上に放射されるエネルギー
の大きさは,わずか1時間で世界の人々が1年間に使う全エネルギーに匹敵するほど膨大です。植物
は光合成を行い,生物のエネルギー源である有機物をつくりだします。石炭や石油も,太古の生物が
起源だと考えられ,数億年前の太陽エネルギーが蓄えられたものだということができます。
人類は,水車や風車,温室など,地球のエネルギーをうまく利用する方法を開発してきました。
最近では,太陽の熱を蓄えて水をあたためる太陽熱温水器,太陽光を電気に変換する太陽光発電,
地中に蓄えられた太陽熱を利用するヒートポンプなどが開発されています。使ったらなくなってし
まう石炭や石油のかわりに,こうした地球のエネルギーを上手に使っていきたいものです。
― 33 ―
学習プログラム
プログラム例1 くらしのなかのエネルギーを見つけよう
ねらい
身の回りにある装置や道具のリストをつくり,身近なエネルギーの利用に関心をもつ。エネルギー
には様々な形態があることや,くらしの中でたくさんのエネルギーを使っていることに気付く。
進め方
① 身の回りにある装置や道具をできるだけたくさんリストアップする。
② リストアップした道具や装置がどんな仕事をするのかその特徴を話し合い,同じ仲間の道具や装
置を分類整理する。
③ それぞれの家電製品がいつごろ登場したのかを調べる,また祖父母が子どものころから家にあっ
た道具やくらし方,両親が子どものころから家にあった道具やくらし方について話を聞く。
④ くらしの変化とエネルギーの利用について話し合う。
リストの例
見つけた道具・装置
その役割
装置が使うエネルギー
いつごろからあるの
蛍光灯
照明用の光
電気
おばあさんが子どものころ
洗濯機
洗濯用の動力
電気
お母さんが生まれる前
石油ファンヒーター
暖房用の熱
石油と電気
私が生まれたころ
ガスコンロ
調理用の熱
ガス
おばあさんが生まれたころ
注意事項
道具や装置のリストをつくるときには,ほうきやちりとり,自転車など,人力を使うものも含ませ
ておきましょう。これによって,エネルギーが「仕事をする力」であること,道具の登場が人々の生
活を変えてきたことを理解しやすくなります。また分類をはじめる前に,それぞれの道具を絵に描い
たカードやおもちゃの車などを用意して,子どもたちが自由に分類できるように工夫します。
プログラム例2 火をつくってみよう
ねらい
火は人類が手にした最初のエネルギーです。火をつくる技術を手にした私たちの祖先は,火を使う
ことで,それまでは食べることのできなかった肉や植物が食べられるようになり,外敵から身を守る
ことができるようになりました。さらに土器を焼いたり,金属を溶かして加工したりしてくらしに必
要な道具を作ることができるようになったのです。今ではマッチやライターなどで簡単につけること
のできる火も,そうした道具がなければつけるだけで大変な労力が必要なことを実際に体験すること
で,エネルギーを利用するためには様々な工夫や特別な道具が必要なことに気付かせます。
進め方
① 火おこしの方法や道具を考えて用意する。
② 実際に火おこしに挑戦する。
③ 火おこしの体験を通して感じたことをまとめて発表する。
④ 火を使えるようになったことで,人々の生活がどのように変わったのかを話し合う。
― 34 ―
第
3
章
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森
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ネ
ル
ギ
ー
注意事項
火おこしは,ちょっとしたこつさえつかめばだれにでも簡単にできるようになりますが,専門的な
知識も必要になるので,東北歴史博物館(巻末資料参照)などで調べるとよいでしょう。火おこし道
具はキット販売されていますが,身近にある木の板(火きり板)と棒(火きり棒)を使って「きりも
み式」に挑戦させて大変さを実感させるのも良いでしょう。
プログラム例3 ペットボトルで太陽熱温水器をつくろう
ねらい
ちょっとした工夫で太陽の熱をそのまま有効に使えることを実感し,石油やガスのように有限なエ
ネルギー資源を使わない自然エネルギーの利用に関心をもつ。
進め方
① グループを作り,太陽光を使ってペットボトルの水をあたためるためには,どのような工夫が必
要なのかを話し合う。
② ペットボトル,温度計のほか,必要と思われるものを用意する。
③ 実際につくり,時間の経過と水温を記録する。
④ グループごとに,自分たちが工夫した点と実験の結果を発表し,最もいい方法について話し合う。
⑤ 太陽のエネルギー利用について,ほかにどのような方法があるのか調べる。
注意事項
太陽熱を利用するには,集熱と保温断熱をうまく行う必要があります。太陽熱の当たる角度が直角
になるように調節し,ペットボトルを黒いビニールで覆うなどの工夫が必要ですが,真夏なら60度以
上にあたためることができます。このほか市販の太陽熱温水器の見学や使っている人の話を聞くなど
するのもよいでしょう。またレンズを使って集光し,紙を燃やすなどの簡単な実験もあります。太陽
エネルギーの大きさを子どもたちが実感できるように工夫してください。
発展へのヒント
ここでは,子どもたちが活動を通してエネルギーを使う方法とつくる方法を学ぶことに重点を置い
たプログラムを紹介しました。活動の中で子どもたちの疑問を引き出し,さらなる学習へと結びつけ
るようなプログラムを組んでいくことも必要です。エネルギーの利用では,「もし電気やガスが使え
なくなったらどうするの?」「自動車や電車がなかった時代はどのくらい時間がかかったの?」など
の問いを出して話し合うのもおもしろいでしょう。電気やガス,車や電車が使えない状況を想像する
ことで,現代のくらしの便利さやムダを考えるきっかけになるはずです。エネルギーをつくる方法で
は,「君ならどうやって電気をつくる?」「エネルギーの作り方によってどんな違いがあるの?」など
の問いを出して調べるのも良いでしょう。
指導者へのアドバイス
環境問題を意識するとどうしても資源の枯渇や省エネルギー,地球温暖化などの問題に目が向きや
すくなりますが,たとえば資源埋蔵量や採掘可能年数といわれる数値は現在の技術で経済的に見合う
形で採掘可能な量や年数で,実際の量や使える年数を表すものではありません。資源の枯渇問題や省
― 35 ―
エネの必要性を考えてもらうことも大切ですが,その前に,食事をはじめとして,私たちが生きてい
くには必ず何らかのエネルギーを消費していることを,子どもたちにしっかりと理解させることが重
要です。そしてそのエネルギーの使い方や作り方には,時代によって,国によって様々な方法がある
ことを知らせましょう。
エネルギー量の計算やエネルギー統計を処理することは中学年には難しい課題です。博物館や資料
館など見学施設の活用のほか,工場や発電所の見学,都市部や農村部の小学校との交流など,地域の
特徴を活かし,体験を通して学ぶ工夫をしましょう。
資料編
■宮城県の電力使用量の推移
(単位:100万kWh)
右の使用電力量の推移は,東北電力の宮
年 度
昭和30年(1955)
昭和40年(1965)
昭和45年(1970)
昭和50年(1975)
昭和55年(1980)
昭和60年(1985)
平成 2年(1990)
平成 7年(1995)
平成12年(2000)
平成13年(2001)
平成14年(2002)
城支店管内での販売電力量を示したもので
す。2002年の宮城県内の発電実績は
21,274百万kWhで,県内での販売電力量
を50%近くも上回っています。1年を通
してみると,宮城県は電気の輸出県になっ
ていることが分かります。営業用では東北
電力の発電所のほかに,電源開発の地熱発
電 灯 ※1
112
371
727
1,231
1,624
2,062
2,730
3,650
4,277
4,231
4,385
電 力 ※2
320
907
1,821
3,226
4,651
5,929
7,127
8,192
9,836
9,560
9,681
合 計
432
1,278
2,548
4,457
6,275
7,991
9,857
11,841
14,112
13,791
14,066
資料:電気事業連合会統計委員会編,『電気事業便覧』,各年度版
※1 電灯は事業所や家庭用の一般電力をいう。
※2 電力は工場や大口電力などの産業用電力をいう。
※3 記載の数値は,四捨五入した値である。
電所が1ヵ所あります。
■宮城県内の自動車保有台数の推移
年 度
昭和25年(1955)
昭和30年(1960)
昭和35年(1965)
昭和40年(1965)
昭和45年(1970)
昭和50年(1975)
昭和55年(1980)
昭和60年(1985)
平成 2年(1990)
平成 7年(1995)
平成12年(2000)
平成13年(2001)
平成14年(2002)
貨物車
3,816
8,873
16,824
36,075
85,940
127,369
164,597
160,837
165,691
175,671
169,375
165,800
161,288
バス
213
636
975
1,856
3,632
5,229
5,506
5,322
5,497
5,399
5,317
5,307
5,272
乗用車
545
2,147
3,001
16,236
78,041
216,394
385,474
473,289
574,970
729,941
849,181
858,816
864,112
特殊車両
134
446
943
1,922
4,056
8,341
13,019
15,256
20,277
27,358
33,982
35,381
34,691
軽自動車
298
3,809
10,904
21,579
67,553
99,975
106,456
182,643
274,656
321,575
366,336
381,047
396,966
合計
5,006
15,911
32,647
77,668
239,222
457,308
675,052
837,347
1,041,091
1,259,944
1,424,191
1,446,351
1,462,329
資料:東北運輸局宮城陸運支局資料
■宮城県有施設における太陽光発電と太陽熱利用システムの導入状況
太陽熱利用システムを導入している県の施設
施設名
導入年
導入設備
仙台土木事務所
昭和52年 太陽熱温水器
心身障害者福祉センター 昭和58年 太陽熱温水器
県庁行政庁舎
平 成 元 年 太陽熱利用給湯設備
警察庁舎
平成 3年 太陽熱利用給湯設備
宮城大学
平成 9年 太陽熱温水器
迫桜高校
平成13年 空気式太陽熱床暖房
白石高等技術専門校
平成13年 空気式太陽熱空調システム
― 36 ―
太陽光発電を導入している県の施設
施設名
導入年
古川合同庁舎
平成10年
産業技術総合センター
平成11年
クレー射撃場
平成11年
出力(kW)
80
30
5
資料:『宮城県環境白書』(平成14年版)
第
3
章
森
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■エネルギー環境教育支援事業・各種イベントへの参加
文部科学省や経済産業省の関連機関において,エネルギーや環境教育を支援する事業が実施され,モデル校の募集やイベン
トなどが開催されています。またエネルギー教育のための教材支援や教師の情報ネットワークがつくられてもいます。主な
ものを以下で紹介しますので活用してください。
●エネルギー環境教育情報センター http://www.icee.gr.jp/
1984年に,政府・教育関係機関・エネルギー関係機関等の支援により設立された機関。エネルギー環境教育の推進を図る
ことを目的に,次世代層や教育関係者を対象に,総合的な観点からエネルギー環境教育を実践する上で役に立つ各種教材・
資料や様々な学習機会の提供を行っている。
「エネルギー教育実践校事業」や「私たちのくらしとエネルギー」をテーマにし
た作文コンクールなどがある。
●省エネルギーセンター 「スマートライフねっと」
http://www.eccj.or.jp/sub_04.html
将来を担う若い世代が省エネルギーを学び,実践する能力を養うため,多くの支援活動を行っている。省エネルギー教育
を実践する小中学校を対象に「省エネルギー教育推進モデル校」として,省エネルギー学習の実施に必要な教材,「省エネナ
ビ」の機器などの支援を行っている。また,省エネ教育を実践している教育関係者などを対象に省エネ授業実践講習会,ポ
スター・小論文コンクールを実施している。東北支部が仙台にあり各種の問い合わせや教材配布に応じている。
●エネルギー教育全国協議会 http://www.eneducation.jp/
1997年4月に発足した,小中学校の現場教師による任意団体。
「環境」や「エネルギー」について,子どもたちに自ら考
え行動できる正しい知識をもってもらうため,授業を通してエネルギー問題の大切さを教えていくことを目的としている。
実戦例の報告やセミナーの開催,情報交換の場となっている。
●経済産業省 東北経済産業局 http://www.tohoku.meti.go.jp/
「エネルギーの部屋」として情報を提供している。またエネルギーセミナーの実施,
「火山の国の地熱エネルギー」「エネ
ルギー教室」
「みんなで学ぼう!What's新エネ?」など冊子の配布を行っている。
●エコロジー&エネルギー教育仙台版 http://www.ed-eyes.com/ee-sendai/
Office ED-eyesの制作責任で,東北電力仙台営業所の協力を得て子ども達の学習資料やエネルギー・環境情報を提供す
る。このほか東北電力では,「出前エネルギー教室」の開催やビデオの貸し出しを行っている。仙台以外の地域については東
北電力宮城支店が問い合わせの窓口になっている。
■その他の資料(学習の参考として http://www.melon.or.jp/mkgp/ も参照のこと)
[関連する施設]※見学可能
・宮城県原子力センター
〒986-2261 牡鹿郡女川町女川浜字伊勢12-7 TEL 0225-54-3322
http://www.miyagi-gc.gr.jp/html/
・電源開発鬼首地熱発電所PR館
〒989-6802 玉造郡鳴子町字末沢西16-10 TEL 0229-82-2141
http://www.naruko.gr.jp/file-power/01-gaiyou.htm
・東北電力PR館 http://www.tohoku-epco.co.jp/fureai/pr/pr_guide.html
グリーンプラザ 〒980-0811 仙台市青葉区一番町3-7-1 TEL 022-225-2969
三居沢電気百年館 〒980-0845 仙台市青葉区荒巻字三居沢16 TEL 022-261-5935
新仙台火力発電所ふれあい館 〒985-0901 仙台市宮城野区港5-2-1 TEL 022-366-1331
女川原子力PRセンター 〒986-2221 牡鹿郡女川町塚浜字前田123 TEL 0225-53-3410
・新日本石油精製株式会社仙台製油所
〒985-0901 仙台市宮城野区港5-1-1 TEL 022-363-1122(総務課)
[参考文献]
『イラスト百科 サイエンス・ワールド 自然のおくりもの エネルギーと資源』 デイビッド・
ジョランズ監修 伊原聰監訳 リブリオ出版 1985年
『新エネルギーセミナー実施報告 環境教育と新エネルギー∼身近な題材を活かそう∼』 東北経済産業局,新エネルギー・産業技術総合開発機構 2002年
― 37 ―
森の空気はヒンヤリ,おいしい!
森とくらし・地球温暖化
森の季節が狂ってきた?
基本的事項
地球温暖化など環境問題を取り上げる前に,まず身の回りの自然や社会の事象について目を向け,
自分と自然,自分と社会とのつながりに気付いていくことが大切です。地球は太陽熱を受け,その
恩恵で生き物は生存しています。地球温暖化問題は,その地球(大気)があたたかさを受け止める
バランスが変化することで,いろいろなところに影響が出てくる問題です。中学年の理科や社会で
学ぶことを少し広げるだけで,太陽の恵み(太陽のあたたかさ)について,体感し,考えることが
できます。また,自然を観察する目を持つことで,今,少しずつ始まっているかもしれない,地球
温暖化の影響について気付くことができるかもしれません。
あたたかさの体験,太陽があたためてくれることを感じる
二酸化炭素は「温室効果ガス」と呼ばれています。地球は,温室効果ガスがなければ,平均気
温-18℃の氷の世界ですが,温室効果のおかげで,平均気温15℃と,生き物が暮らしやすい環境と
なっています。そして,太陽の温め方の違いが,季節や気候をつくっています。
さて,この「温室」ですが,実際に温室であたたかさを経験したことはあるでしょうか? 言葉
で理解するのでなく,太陽が温めてくれることを意識的に感じさせてください。
生き物で季節を感じてみよう
開花や紅葉で季節の訪れを感じることができます。農事暦,歳時記,ことわざにも生物の記述が
見られます。同じものを毎年継続して観察すると,年によって変化があることが分かります。森で
動物や植物を観察している人からは,最近,何か変だな,という声が上がっています。
宮城の冬に飛来するマガンに注目することで,地球温暖化を身近に考えてみよう
●宮城に飛来するマガンの数が増えている
のは,地球温暖化と関係あるかも?
伊豆沼・蕪栗沼で越冬するマガン月別個体数変化
日本に飛来するマガンのほとんどが宮城
70000
にやってきます。近年,その数が急激に増
60000
えています。これが,地球温暖化と関係し
50000
40000
ているのではないか,と考えられています。
30000
地球温暖化では高緯度ほど温度が上がるこ
20000
10000
とが予想されています。マガンが繁殖する
北極圏での温暖化によって,繁殖地の雪解
けが早くなり,営巣が容易になるとともに,
食べ物(植物)が増えて,マガンの繁殖成
功率が増すことによって飛来する数が増加
9 0
95 7∼9
∼
8
∼9 96
4
∼
8
87 9∼90 92
∼
8
83 5∼8 88
6
∼8
81
4
∼8
79
2
∼8
77
0
∼7
75
8
∼7
73
6
∼
71
74
∼7
2
91
P
SE
月
年度
V
NO
N
JA
したのではと考えられています。
― 38 ―
AR
M
93
個
体
数
第
3
章
森
と
く
ら
し
/
地
球
温
暖
化
しかし,このまま温暖化が進めば,ツンドラが森林に遷移することも考えられ,そうなれば営巣
場所が無くなり,マガンが生息できなくなることも危惧されます。
●越冬地の北上
渡り鳥が冬を越すためには,真冬の平均気温が0℃以上,つまり,湖沼が氷結しつづけないこと
が必要です。宮城は,そんな気候条件になっています。もし,地球温暖化で暖かくなったら,宮城
まで南下することはなくなるかもしれません。渡り鳥はいつまで宮城にやってくるのでしょうか?
(日本雁を保護する会の呉地正行さんからのお話)
学習プログラム
中学年では,気候について,「温かさを実感し,太陽の恵みであること」,「生き物も太陽の恵みを
受けていること,気候と関係していること」を,体験を通して気付くことを目指しています。3年理
科の「日なた・日かげと光の働き」の学習で太陽には温める力があることや,4年社会で昔の暖房・
冷房の道具と暮らし,3年理科の「季節と生き物」などからの発展も可能です。
プログラム例1 過去の気温の変化を調べてみよう
ねらい
季節で気温が変わること,ある程度の変動があることを知る。
進め方
手法:a)仙台管区気象台でデータを見せてもらったり,ホームページで気温のデータを調べ,月平
均気温の経年変化をグラフにする。気象台で話をきく。
b)おじいちゃん,おばあちゃんに,昔の夏や冬の様子をきく。どんな冷房・暖房の器具を使
っていたかを聞く。
注意事項
●「気象」と「気候」の違いに注意すること。
ある場所での長年月の気象を平均的にまとめ,他と区別できる地域的な特徴としたものが気候。
●ホームページからのデータ抽出は教師側で行った方がよい。
●夏休みの課題でもよい
(その場合,どの場所についての話であるか,場所を記述するように指導すること)。
●a)に関連して
都市部の冬の平均気温は上昇傾向にある。地球温暖化というよりは,ヒートアイランドが原因。
ヒートアイランドは,「熱汚染」と呼ばれることもある。
プログラム例2 太陽はいろんなものを温めているね
ねらい
太陽が空気を温めていること,また,気体の種類によって温まり方が違うことを知る。
― 39 ―
進め方
●準備するもの:黒いゴミ袋4枚
① ドライアイスからの気体を入れた袋を二つ,空気を入れた袋を二つつくる。
② 日なたと日かげに各1袋ずつ置いて,30分後にそれぞれの袋の中の温度を測る。
③ それぞれの違いを調べる。
注意事項
●ドライアイスを素手でさわらないように注意する。
●置いておく時間は,夏は短くてもよい。
●日光に当てない袋をつくって,比較してもよい。
●「二酸化炭素」については,「ドライアイスからでる気体」で「空気とは違うらしい」という認識
でよい。
「6年生で習う」と説明は先のばしでよい。
プログラム例3 自分たちの町の「生物季節」カレンダーをつくってみよう
ねらい
① 生物と気象を関連づけて観察することで自然に対する観察力を身につける。
② 生物の分布や活動が気象・気候と関係していることに気付く。
進め方
●準備するもの:ワークシート ・温度計
生物季節調べ・ワークシート(1)(調査: 年) 名前
▼生物の季節を調べてみましょう。
種目
現象
月日
例)ウグイス
初鳴日
月 日
天気
気温(℃)
メモ(場所など)
月 日
月 日
生物季節調べ・ワークシート(2)(調査: 年) クラス
▼生物の季節を各自が調べた結果を持ちよって,下の表にまとめましょう。
種目
現象
最も早かった日
最も遅かった日
最も多かった日
例)ウグイス
初鳴日
月 日
月 日
月 日
※最も多かった日が二つ以上ある場合は,早いほうの日を記入します。
① 気象台で観測している生物季節の種目などを参考に観測する生物を決める。
② 時期が近づいたら,生物の現象についての注意を促す。
③ 気象台の生物季節観測結果と比較してみる。
― 40 ―
第
3
章
森
と
く
ら
し
/
地
球
温
暖
化
注意事項
●種目は,仙台管区気象台で観測している中から地域の状況に合わせて選択するとよい。時期につい
ても大まかに把握できるので,年間の活動計画を考える。
●次の学年に引き継ぐなど,長期的にデータを集める際には標準木(調査する木)を決め,同じ樹木
を観察する。学校独自の種目でもよい。
発展へのヒント
●人だけが,文明の中で火を制御する技術を得て温める力を持ち,近年は化石燃料を大量に使って
「暖」をとってきました。今,その大量消費への反省から,太陽の恵みを活かす技術(太陽熱利用)
や,自然にある温める力(温泉や地熱など)を利用して「暖」を取ることがすすめられています。
●全国的な調査への参加や,他校との交流が考えられます。
1)四季のいきもの前線調査(インターネット)に,参加する。
2)他の学校などと,気温の観測で交流する。
●生物が気温に影響を受けることは,高学年の社会(農業)につながります。農業や漁業は天気に左
右され,天気で影響を受けた事例を調べることにつながります。
●「国際理解」学習に取り組んでいる場合には,「グラフづくり」で世界の気候(気温の季節変化な
ど)を取り上げてみましょう。外国の方に話を聞く機会があれば,気候,暮らしの違いについて話
を聞くと,視野が広がります。高学年の社会科で世界について学習するときでもよいでしょう。
指導者へのアドバイス
自然を感じるとともに,自然を見る目を増やしていきます。観察する目を養ったり,数値(量)で
把握したり,つながりに気付いていきます。これは,環境や環境問題の理解に必要な目を養う,基礎
づくりとなります。中学年でつながりに気付いておくことは,「地球温暖化」が様々なところにつな
がる視点を学ぶ基礎となります。
資料編
<生物季節について>
植物の開花や紅葉,動物の初見,初鳴きなど,生物の状態が季節によって変化する現象を生物季節
現象と呼び,気象状況の推移を知るために観測されています。
気象庁では,1953年から植物12種,動物11種を観察しています。仙台管区気象台は,それに加え
て独自に調査している種目があり,平年値と前年度のデータをホームページで公開しています。(仙
台管区気象台 http://www.sendai-jma.go.jp/)
[現象について]
開花日:花が数輪以上咲いた最初の日
満開日:花が80%以上咲いた最初の日
黄葉日:葉の大部分が黄色に変わり,緑色がほとんど見られなくなった最初の日
落葉日:葉っぱの約80%が落葉した最初の日 初鳴日:鳴き声を初めて聞いた日
初見日:姿を初めて見た日
― 41 ―
[関連機関]
・仙台管区気象台:出前講座・施設見学を行っている。事前問合せ要。
問合先:仙台管区気象台 総務部業務課 広報係
仙台市宮城野区五輪1丁目3-15
TEL 022-297-8102 FAX 022-291-7589
http://www.sendai-jma.go.jp/
[ホームページ]
・電子閲覧室(気象庁)
http://www.data.kishou.go.jp/
過去の気象データがある
・国立科学博物館附属自然教育園
http://www.ins.kahaku.go.jp/
各地で観測された生物季節の情報をデータベースで公開
・四季のいきもの前線調査(インターネット自然研究所/環境省)
http://www.sizenken.biodic.go.jp/pc/ikimono/html/
テーマごとに全国の四季の変化を調査しているもので,参加が可能
・日本気象協会
http://www.jwa.or.jp/
「季節のたより」など
・渡り鳥,地球温暖化の危機告げる(最北のマガン越冬地‐静内)
http://tanioka.info/ondan-4.htm
― 42 ―
第
3
章
森
と
く
ら
し
/
地
球
温
暖
化
資 料
―環境学習に役立つ情報―
国や宮城県などの制度による環境教育のサポート
〔国〕
環境カウンセラー
問い合わせ先
市民活動や事業活動の中で環境保全に関する専門的知識や豊富な経験
財団法人 日本環境協会
を有し,環境保全に取り組む市民やNGO,事業者などの環境保全に対 〒105-0003 東京都港区西新橋1-7-2
する助言などを行う人材として,
環境省の行う審査を経て登録される。 TEL:03-3508-2651
※事業者を対象とした
「事業者部門」
と市民や市民団体を対象とした
「市
民部門」
に区分されて登録されている。
http://www.jeas.or.jp
東北地区環境対策調査官事務所
〒983-0861
仙台市宮城野区鉄砲町1番地仙台第4合同庁舎1F
TEL:022-299-8885 FAX:022-299-8885
問い合わせ先
省エネ普及指導員/省エネアンバサダー
・省エネルギーセンター(ECCJ)が認定した,地域において省エネル
ギー普及活動を行うリーダー的役割を担う人材で,普及指導員は以
下の省エネルギー普及活動を行う。
1.
地域への省エネルギーに関する情報提供
2.
移動教室,
講演会の講師やイベント実施等の省エネルギー普及活動
3.
地域の省エネルギー相談対応
4.
当センター省エネルギー推進事業普及推進
・アンバサダーとは
「大使」
の意味で,
省エネアンバサダーは,
全国の各
地域での省エネルギーへの取り組みや活動を取材したり,省エネの
普及啓発を実践している。
財団法人 省エネルギーセンター
本部
(関東地区)
〒104-0032 東京都中央区八丁堀3-19-9
TEL:03‐5543-3013 FAX:03-5543-3887
http://www.eccj.or.jp/
東北支部
〒980-0811
仙台市青葉区一番町3-7-1電力ビル本館
TEL:022-221-1751 FAX:022-221-1752
問い合わせ先
森林インストラクター
森林を利用する一般の者に対して,森林や林業に関する適切な知識を
与え,
森林の案内や森林内での野外活動の指導を行う人材。
こどもエコクラブ/サポーター・コーディネーター・応援団
・こどもエコクラブは小・中学生なら誰でも参加できる環境活動のク
ラブ。
環境省所管。
・サポーターは子どもたちの自主的な活動をサポートする大人の方。
・コーディネーターは市町村及び都道府県クラブ事務局の担当者。
・応援団は全国で行われているクラブの活動をボランティアで応援し
ていただく人たちのこと。
社団法人 全国森林レクリエーション協会
〒112-0004
東京都文京区後楽1-7-2 林友ビル6F
TEL:03-5840-7471 FAX:03-5840-7472
問い合わせ先
各市町村の環境担当課
*登録は登録用紙(各市町村の窓口で配布)に必要
事項を記入して,
環境担当課に提出。入会金・会費
は不要。
*宮城県では,
こどもエコクラブ支援の一環として,
5年間継続登録し,かつ活動報告をしたエコクラ
ブに対し,
一万円相当の図書券を進呈している。
〔 宮城県 〕
環境保全活動アドバイザー
問い合わせ先
環境保全に関する知識と経験があり,地域の環境保全活動を実践して
いる方を知事が環境保全活動アドバイザーとして委嘱している。リサ
イクル・自然観察・地球環境問題などについての講話や実習を通して,
環境保全活動に対しアドバイスを行う。
宮城県森林インストラクター
保健環境センター
〒983-0836 仙台市宮城野区幸町4-7-2
TEL:022-257-7183 FAX:022-257-7194
※その他,
各保健福祉事務所
問い合わせ先
宮城県で平成10年度から養成している。市民団体等が行う森林づくり
宮城県環境生活部自然保護課 みどり保全班
活動の指導や森林を訪れる人々に対する案内・野外活動の指導等を通し,
TEL:022-211-2676 FAX:022-211-2693
森林・林業に関するPRをボランティアで行う。
地球温暖化防止活動推進員
問い合わせ先
自らの活動や県や市町村などが行う地球温暖化に関する行事への参加
宮城県環境生活部環境政策課
を通して,
県民に対し,
地球温暖化の現状やその対策に関する正しい知
TEL:022-211-2661 FAX:022-211-2669
識を広め,
地域における地球温暖化防止に向けた活動を盛り上げる人材。
― 43 ―
環境学習に利用できる県内の施設
斎藤報恩会自然史博物館
仙台市青葉区本町2-20-2
022-262-5506
仙台市片平市民センター広瀬川展示コーナー
仙台市青葉区米ヶ袋1-1-35
022-227-5333
仙台市科学館・台原森林公園
仙台市青葉区台原森林公園4-1
022-276-2201
仙台市環境交流サロン
仙台市青葉区国分町3-7-1 仙台市役所内
022-214-1233
仙台市天文台
仙台市青葉区桜ヶ岡公園1-1
022-222-6694
仙台市博物館
仙台市青葉区川内三の丸跡
022-225-2557
東北大学大学院薬学研究科附属薬用植物園
仙台市青葉区荒巻字青葉
022-217-6798
東北大学理学部自然史標本館
仙台市青葉区荒巻字青葉
022-217-6767
東北大学大学院理学研究科附属植物園
仙台市青葉区川内
022-217-6760
仙台市リサイクルプラザ
仙台市青葉区郷六字葛岡57-1
022-277-8573
宮城県環境情報センター
仙台市宮城野区幸町4-7-2 保健環境センター内
022-257-7184
仙台市農業園芸センター
仙台市若林区荒井字切新田13-1
022-288-0811
秋保大滝植物園
仙台市太白区秋保馬場大滝5
022-399-2761
仙台市秋保ビジターセンター
仙台市太白区秋保町馬場字本小屋16-1
022-399-2324
仙台市太白山自然観察の森
仙台市太白区茂庭字生出森東36-63
022-244-6115
仙台市八木山動物公園
仙台市太白区八木山本町1-43
022-229-0122
仙台市野草園
仙台市太白区茂ヶ崎2-1-1
022-222-2324
泉が岳青年の家
仙台市泉区福岡字岳山9-6
022-379-2311
泉岳少年自然の家
仙台市泉区福岡字岳山9-17
022-379-2151
仙台市こども宇宙館
仙台市泉区泉中央1-8-6
022-373-0999
宮城県水産研究開発センター
石巻市渡波字袖ノ浜97-6
0225-24-0138
北上川・運河交流館
石巻市水押3-66-69
0225-23-3854
ササニシキ資料館(古川NPO支援センター)
古川市駅前大通1-5-18
0229-22-2915
パレット大崎生涯学習センター
古川市稲葉字亀ノ子111-1
0229-91-8611
気仙沼岩井崎ブロムナードセンター
気仙沼市波路上崎野1-7
0226-27-4791
角田市スペースタワー・コスモハウス
角田市角田牛舘100
0224-63-5839
東北歴史博物館
多賀城市高崎1-22-1
022-368-0101
蔵王少年自然の家
蔵王町遠刈田温泉字上ノ原155-1
0224-34-2101
宮城県蔵王野鳥の森自然観察センター「ことりはうす」
蔵王町遠刈田温泉字上ノ原162-1
0224-34-1882
山元町歴史民俗資料館
山元町浅生原字日向13-5
0223-37-0040
県民の森
利府町神谷沢字菅ノ沢41
022-255-8801
昭和万葉の森
大衡村大衡字平林117
022-345-4623
荒沢自然館
加美町字鹿原田谷地1-2
0229-67-5020
三本木町亜炭記念館
三本木町三本木大豆坂63-24
0229-52-6232
鬼首地熱発電所PR館
鳴子町鬼首字荒雄岳2-5
0229-82-2141
鳴子熱帯植物園
鳴子町字星沼15
0229-87-2011
サンクチュアリセンターつきだて館
築館町字横須賀養田20-1
0228-22-7151
宮城県伊豆沼・内沼サンクチュアリセンター
若柳町字上畑岡敷味17-2
0228-33-2216
鉱山資料館
鴬沢町字南郷北沢向6-1
0228-55-2934
国立花山少年自然の家
花山村字本沢沼山61-1
0228-56-2311
こもれびの森 森林科学館
花山村字草木沢角間10-7
0228-56-2330
迫町サンクチュアリセンター
迫町新田字新前沼254
0220-28-3111
及基と源氏ボタル交流館(東和町役場企画調整課)
東和町米川字軽米87-4
0220-53-4109
松島野外活動センター
鳴瀬町野蒜字洲崎71-202
0225-88-3388
志津川海洋青年の家
志津川町戸倉字坂本88-1
0226-46-9044
志津川町自然環境活用センター(志津川ネイチャーセンター)
志津川町戸倉字坂本40
0226-46-9109
もくもくランド
津山町横山字細谷24
0225-69-2518
唐桑半島ビジターセンター
唐桑町字崎浜4-3
0226-32-3029
― 44 ―
資
料
宮城の自然
自然公園
公園の概要
区 名 称 指定年月日
国
立
公 陸中海岸 昭39.6.1
園 蔵 王 昭38.8.8
国 定
公
園 栗 駒 昭43.7.22
南 三 陸 昭54.3.30
金 華 山
松 島 明35.9.9
県立自然公園
気仙沼
唐桑半島,大島,岩井崎を含みリアス式
海岸の本格的な海岸公園,唐桑半島の大
巨半造は有名。
くりはら田園鉄道
栗駒国定公園
本格的な山岳公園で渓谷,湿原,噴火口
(お釜),磐司岩等数多くの地形的景観と
高山植物,ブナ林などが見られる。
御嶽山
船形連邦
硯 上 山
万 石 浦
昭37.11.1
魚取沼
古川
大和I.C
山
樽水・五社山
釜 房 湖
谷 山
御 獄 山
一桧山・田代
鱒 淵 観 音 堂
魚 取 沼
翁 倉 山
斗 蔵 山
東成田の自然林
仙台宮城I.C
蔵王国定公園
村田I.C
白石I.C
鳴瀬川
東
北
新
幹
線
石巻線
東成田の
自然林
県民の森
加瀬沼
南三陸金華山
国定公園
箟岳山
県立自然公園
旭山
迫波川
旧
北 硯上山万石浦
上 県立自然公園
川
仙石線
県立自然公園
松島
太白山
広瀬川
仙台湾海浜
高館・千貫山
阿
武
隈
蔵王高原
県立自然公園
江合川
気仙沼線
仙台
樽水・
五社山
谷山
道
丸田沼
仙台南I.C
釜房湖
山形
自動
車
泉I.C
権現森
蕃山・斎勝沼
名取川
阿武隈川
愛宕山
白石川 急
白石蔵王
行
6
斗蔵山
北上山地のつくる丘陵景観と変化に富ん
だ海岸景観を主景観として,山岳と海洋
とが一体となった景観を呈している。
深山
阿武隈渓谷
県立自然公園
船形山を中心に荒神山,三峰山,泉ヶ岳
等を連ねた一帯。
緑地環境保全地域
名 称
愛 宕
(平成16年2月現在)
地 域 の 特 徴
蕃山・斎勝沼
加 瀬 沼
県 民 の 森
丸
田
沢
権
現
森
加護坊・箟岳山
深
山
高館・千貫山
(平成16年2月現在)
ガン,ハクチョウの越冬渡来地
箟岳観音堂境内の樹齢百年を
越えるスギ等の人口林
クロマツ林と自然海岸・海浜植物,コク
ガン,シギ・チドリ類渡来地
モミ・イヌブナ天然林,ヒメギフチョウ
生息地,太白山の特異な地形
本県の典型的な雑木林と豊富な野生鳥獣
の生息地
クリ,コナラ,アカマツ林等の植物群落
と湖面との自然景観,清浄な釜房湖
イヌブナ天然林,アカマツ天然林
アズマシャクナゲ群落
ハルニレ,ブナ天然林
ケヤキ自然林,天然アカマツ遺存林
ブナ天然林,テツギョ生息地
イヌワシ営巣地,アカマツ自然林
ウラジロガシ天然林
モミ・イヌブナ林,クリ・コナラ林
白
七北田川
県立自然公園 48
二口渓谷
仙山線
面白山東面の新川上流地帯と大東岳東面
の穴戸沢等が含まれ,この地域は,秋保
大滝など渓谷景観が優れている。
伊豆沼・内沼
太
古川I.C
県立自然公園
船形連峰
北
上
川
東
蕪栗沼
北
本 加護坊・箟岳山
線
旧迫川
東
北
自
動
4 車
道
蔵王連邦の山麓が長く尾を引く丘陵地域
であり,青麻山,小原渓谷,材木岩など
がある。
地 域 の 特 徴
仙 台 湾 海 浜
伊豆沼・内沼
奥羽東線
日本三景の一つ,湾内に大小さまざまな
島々が230余り浮かんでいる。
名 称
山
築館I.C
歌津半島,神割埼,牡鹿半島と続くリア
ス式の海崖景観が見られる。
県自然環境保全地域
岳 鱒淵観音堂
くりこま高原
47
本県の北西部に位置し,世界谷地湿原,
鬼首高原,片山地獄,鳴子峡,潟沼等と
高山植物,湿性植物等が多く見られる。
硯上山,上品山,万石浦,長面浦を含む
昭54.10.26
地域。
阿武隈川,内川周辺や手倉山等が含まれ
阿 武 隈
昭63.11.22
る。
渓 谷
箟 若柳金成I.C
一桧山・田代
旭山山頂部は天然の芝草におおわれた広
旭 山 昭15.12.13 大な丘陵地となっており,金華山,栗駒
山,松島などが望める展望地である。
県 蔵王高原 昭22.2.21
立
自 二口渓谷 昭22.8.1
然
公 園 気 仙 沼 昭23.12.29
陸中海岸
国立公園
山
蕃山,月山池,斎勝沼を中心とする仙台
市西部丘陵地一帯
加瀬沼とその周辺一帯
鍋山,県民の森一帯
三共堤,丸田沢溜池とその周辺一帯
「国見丘陵」と称される国見,権現森一帯
仙台平野のなかの数少ない丘陵地
角田市と山元町にまたがる丘陵地
仙台周辺のまとまった緑地の丘陵地
亘理町の市街地に近接した阿武隈山地北
端に位置する丘陵地
ラムサール条約指定登録湿地
伊豆沼・内沼
水鳥類の保護と環境保全を目的に指定さ
れた登録湿地
東アジア地域ガン・カモ類重要生息地ネットワーク登録湿地
― 45 ―
蕪
栗
沼
ガン類の国際的に重要な湖沼と湿地
白
石
川
ハクチョウ類の越冬地(大河原町)
みやぎエコ体験プログラム推進団体
くりこま高原自然学校
代表 佐々木 豊 志 〒989-5371 栗原郡栗駒町沼倉耕英中57-1
0228-46-2626
みちのく田んぼの学校 エコファーム 佐々木農場
代表 佐々木 陽 悦 〒989-4416 遠田郡田尻町通木字山崎102
0229-39-2041
アイガモ農法水田農業生産法人 板倉農産
阿 部 善 文 〒987-0402 登米郡南方町後屋敷待井11
0220-58-4205
西大崎ごみリサイクル研究会 とまとクラブ
代表 岡 田 敬 子 〒989-6412 玉造郡岩出山町下野目字泉山198-13 西大崎地区館
GENJIRO 雑木林のエコステージ
0229-72-1007
代表 遠 藤 みどり 〒981-4355 加美郡加美町鹿原坂下1−16
0229-67-3804
大地の恵みを味わう ふみえはらはん・オリザの森
代表 渋 谷 文 枝 〒981-4315 加美郡加美町中嶋南田1−19
0229-67-6051
HI-SOFT21 通木
代表 山 村 康 治 〒989-4413 遠田郡田尻町通木字田中前68
0229-39-7799
船形山のブナを守る会
代表 小 関 俊 夫 〒989-6315 志田郡三本木町新沼字諏訪137
0229-52-3363
風の道研究会
代表 板 垣 幸 寿 〒989-6711 玉造郡鳴子町大口字要害91
0229-84-7641
日本雁を保護する会
代表 呉 地 正 行 〒989-5502 栗原郡若柳町字川南南町16
0228-32-2004
大島体験予約センター 島の学校
白 幡 昇 一 〒988-0605 気仙沼市大島浦の浜41-1
0226-22-7202
塩づくり体験学習 気仙沼湾観光協会階上支部
遠藤 伊勢治郎 〒988-0242 気仙沼市字波路上崎野1-7
0226-27-4791
北上川・河の学校 水と緑の環境フォーラム・ものう
〒986-0302 桃生郡桃生町倉埣字寺後69−1
代表 白 石 定 利 080-1800-8268
水環境ネット石巻
浅野 清次 茂木 秀夫 〒986-0861 石巻市蛇田字新金沼378-4
0225-96-0683
のんびり村(田舎ぐらし体験)
村長 坂 下 清 子 〒986-0113 桃生郡河北町尾の崎字宮下134
0225-64-2725
志津川町自然環境活用センター
太 齋 彰 浩 〒986-0781 本吉郡志津川町戸倉字坂本40
0226-46-9109
建築と子供たちネットワーク仙台
代表 渋 谷 セツコ 〒982-0032 仙台市太白区富沢4-12-22
Fax 022-244-0104
クリーンアップ蒲生
代表 伊 藤 実 〒983-0038 仙台市宮城野区新田1-5-45-204
090-7076-0315
水魚方式研究会
代表 西 林 久美子 〒981-0952 仙台市青葉区中山2-39-13
022-279-9104
びいなすふぁあむ
大森 英俊 大森 玲子 〒989-1501 柴田郡川崎町大字前川字裏丁34
Fax 0224-84-4911
山の農場&みそ工房 SOYA
代表 太 田 茂 樹 〒981-2201 伊具郡丸森町筆甫字細田103-13
0224-76-2015
耕野たからもの発見団
団長 清 水 千 佳 〒981-2303 伊具郡丸森町耕野字白五郎25 清水様方
いわさハーブ園「エルフの森」
0224-75-3660
代表 岩 佐 和 子 〒989-2203 亘理郡山元町浅生原字畑69-1
0223-37-0463
名取下余田のはたけなか
代表 三 浦 隆 弘 〒981-1223 名取市下余田字飯塚410-3
070-5573-1211
― 46 ―
資
料
● 環境学習に役立つ子ども向けホームページ
●こどものページ(環境省)
http://www.env.go.jp/kids/
●数字で知ろう環境問題(平成13年版子ども環境白書/環境省)
http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/kodomo/h13/28.html
●子どものための農業教室(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/kyoshitsu/
●こども森林館(林野庁)
http://www.rinya.maff.go.jp/kouhousitu/kodomo.html
●じゃぶじゃぶ川ねっと(国土交通省河川局)
http://www.mlit.go.jp/river/kids/
●このゆびとまれ!エコキッズ(EICネット)
http://www.eic.or.jp/ecokids/
独立行政法人国立環境研究所が提供し,(財)環境情報普及センターが運用
●かんきょう博物館へようこそ(EICネット)
http://www.eic.or.jp/ecokids/mus/mus_index.html
●スクールエコネット(学研キッズキャンパス/学習研究社)
http://kids.gakken.co.jp/campus/kids/eco/
●エコ・キッズ(Japan Information Network)
http://jin.jcic.or.jp/kidsweb/ecokids-j.html
●地球を守る(科学技術館)
http://kankyo.jsf.or.jp/
●インターネットスクール・たったひとつの地球(NHK)
http://www.nhk.or.jp/tatta/
● 環境家計簿について
環境家計簿とは,電気やガス,水道,灯油,自動車等の利用によるCO2排出量を算出・記録するこ
とでエネルギー消費に対する意識を高め,家庭でのCO2削減を進める取り組みです。環境家計簿の様
式には特に決まったものはなく,地域や対象者の特性に応じて,自治体や各種団体,企業などが作成
した様々なものがあります。
宮城県では(財)みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(MELON)が環境家計簿による地球温暖
化防止活動を行っています。
(財)みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(MELON)
http://www.melon.or.jp/melon/
― 47 ―
執筆者紹介
(執筆順・敬称略)
見上 一幸
(みかみ・かずゆき,宮城教育大学環境教育実践研究センター,みやぎ環境学習プログラムによせて/監修)
佐藤 光夫
(さとう・みつお,水守人の会,第一章 森の草や木,森にある土)
溝田 浩二
(みぞた・こうじ,宮城教育大学環境教育実践研究センター,第一章 森にすむいきもの)
亀崎 英治
(かめざき・えいじ,仙台市立北六番丁小学校,第二章 川/監修)
呉地 正行
(くれち・まさゆき,日本雁を保護する会,第二章 田んぼ)
青木 茂
(あおき・しげる,仙台市立南光台小学校,第二章 海/監修)
枝松 芳枝
(えだまつ・よしえ,みやぎ環境教育ネットワーク,第三章 森と大気,地球温暖化)
高橋 智子
(たかはし・ともこ,東北大学学際科学国際高等研究センター,第三章 森とエネルギー)
資
料
みやぎ環境学習プログラム 小学校(中学年)
発行/平成16年3月
≪教材開発検討委員(50音順・敬称略)
≫
委員長 見上 一幸(宮城教育大学教授)
委 員 青木 茂(仙台市立南光台小学校)
枝松 芳枝(みやぎ環境教育ネットワーク)
亀崎 英治(仙台市立北六番丁小学校)
菊池 均(宮城県教育庁義務教育課)
呉地 正行(日本雁を保護する会)
佐藤 光夫(水守人の会)
高橋 智子(東北大学学際科学国際高等研究センター)
武山 秀市(宮城県環境生活部環境政策課)
吉本 守一(仙台市環境局環境部環境都市推進課)
古紙配合率70%の再生紙,大豆油インクを使用しています。
小学校
中学年
発 行
宮城県環境生活部環境政策課
〒980-8570 仙台市青葉区本町3丁目8−1
TEL 022−211−2661 FAX 022−211−2669
http://www.pref.miyagi.jp/kankyo-s/ 財団法人 みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(MELON)
〒981-0933 仙台市青葉区柏木1丁目2−45 フォレスト仙台5F
TEL 022−276−5118 FAX 022−219−5710
http://www.melon.or.jp/melon/
平成16年3月
この冊子は、環境にやさしい「古紙配合率100%再生紙」
「水なし印刷」
「植物性大豆油インキ」を使用しています。
宮 城 県
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