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29号(PDF形式:3990KB)
友の会だより
特集:視聴覚ライブラリーを楽しむ
2015, 7
No.29
古本市の本 ご寄贈のお願い
愛着があって捨てられない、誰か読んでもらえる人に譲りたい、なんて本はありませんか?
図書館友の会では、そんな本を集めてリ・ユースする「古本市」を今年の10月に開催予定です。
古本市で他の方にお譲りしたい本がご家庭にありましたら、ぜひ友の会事務局までご連絡くださ
い。
重い本や、大量にある場合などもご相談いただければご自宅まで取りに伺います。
古本市へのご協力、お願いいたします。
※なお、古本市の本は、図書館友の会の活動費用に充てるため、有料配布させていただきます。
友の会事務局(中央図書館内)越前市高瀬二丁目7-24 電話0778-22-0354
5
リハビリ中断 図書館の視聴覚コーナーを覗く 特集 視聴覚ライブラリーを楽しむ
視聴覚資料あれこれ
夏の日記「きれいな心」 教えて!鈴木先生 映画紹介 笛の音は五月の風に乗って 夢のアナログ・レコード盤の貸し出し 図書館のDVD、CDの傷について
『魔法使いの弟子』
編集後記
O2
鈴木晴代
T・K
三田村善衛
栗波和夫
尚子
さだまさし~デュカス~ファンタジア~そしてゲーテ
CD・DVD貸し出しランキング
ウィスキーに恋して
蒸溜所巡礼の旅 年度 「子どもの本を楽しむ会」報告
27
越前市立図書館 展示・特集コーナー紹介
平成
三田村善衛
宮下奈都
オペラコンサート作品紹介
9
10
知らざあ言って聞かせやしょう、名優勢揃いの場
4
16 15 14 13 12 11
6
19 17
─「所蔵あり」マーク─
このマークがついている本は、越前市立図書館に所蔵
がある本です。貸出の可否などは図書館のカウンター
でお問合せください。
宮下奈都(作家)
福井市出身・在住。著書に『スコーレNo.4』『よろこびの
歌』『誰かが足りない』『神さまたちの遊ぶ庭』など。9月
に長編小説『羊と鋼の森』(文藝春秋)刊行予定。
見たことのない本がたくさんあっ
り で 存 分 に 本 を 見 る こ と が で き た。
らも隔離されたような場所で、ひと
が選んであの棚に置いておいてくれ
コン圏外だったあのアルバムを、誰
ど、まさにジャケ借りだった。オリ
ジャケ買い、なんて言葉もあるけれ
リハビリ中断
た。どんな図書館にも知らない本は
宮下 奈都
た。よく考えてみれば、リハビリの
たのか、今となってはとても知りた
知ってはいたけれど買ってまでは
必要なときに途中で投げ出すよう
山ほどあって、知っている本なんて
年 に な る ロ ッ ク バ ン ド だ。 見 た 目 が
読まなかった本を借りて読む、とい
な、人生を半分あきらめたような歌
い。そしてお礼を言いたい。
すごくかっこいいというわけではな
うのも、たしかにひとつの図書館利
も多い。でも、そのときの私は、リ
ちょっぴりしかない。それでも、そ
く て、 音 楽 も ど ち ら か と い う と 荒 削
用法だとは思う。でも、図書館の醍
ハビリを中断してでも今すぐに立ち
「リハビリ中断」というタイトルの
り で、 歌 詞 も 粗 野 な と こ ろ が あ る。
醐味というのは、出会いだ。それま
上がろうとする、ものすごいエネル
の「山ほど」と「ちょっぴり」の塩
だから特に売れているという話は聞
で視界に入ってこなかった本を、図
ギーを感じたのだった。私も、リハ
ザ・ピーズというバンドが好きで、
いたことがない。
書館の棚に見つける。それはたぶん、
ビリ中断だ。自分の人生の様子見な
そ の ア ル バ ム は、 決 し て 万 人 に お
出 会 い は、 図 書 館 だ っ た。 二 十 代
商業とか、時流とかいったものから
んかしている場合じゃない、と思っ
梅が、秘密基地の秘密基地たる所以
の頃に住んでいた大田区(東京)の、
は少し外れたところにある ―― だか
た。
若 い 頃 か ら よ く 聴 い て い る。 私 と 同
あ る 図 書 館。 立 地 こ そ 地 下 鉄 の 駅 の
らこそ、とても魅力的な本だ。うっ
図 書 館 に は 心 か ら 感 謝 し て い る。
すすめできるような音楽ではなかっ
近 く だ っ た が、 な に し ろ 古 か っ た。
すらと埃を被った棚から抜き出すと
あのときザ・ピーズに出会わなかっ
のような気がする。
老朽化した建物は階段の上り下りに
きのワクワクする気持ち。私の知っ
たら、たぶん私の人生は少し違って
年 代 の 男 性 三 人 に よ る、 結 成 二 十 八
も 不 安 を 感 じ る ほ ど だ。 ひ っ そ り と
ている作家など、まだまだ一握りな
ピ ー ズ の と こ と ん 投 げ や り な 歌 に、
し た 地 下 に 降 り て、 カ ビ 臭 い よ う な
ザ・ピーズのCDも、その図書館
そしてその中にあるささやかな光み
いた。苦しいとき、迷ったとき、ザ・
の 視 聴 覚 資 料 コ ー ナ ー の、 回 す と
たいなものに、どれだけ力づけられ
のだと何度も思い知らされた。
実際、秘密基地だったのだ。その
ギシギシと音が鳴る回転架に見つけ
たかわからない。
本棚の列を通るだけで秘密基地にい
図 書 館 に い る と き だ け は、 い ろ ん な
た。 ジ ャ ケ ッ ト が 妙 に 気 に な っ た。
る気持ちになった。
こ と を 忘 れ る こ と が で き た。 時 間 か
4
特集:視聴覚ライブラリーを楽しむ
特集:視聴覚ライブラリー
図書館の視聴覚コーナーを覗く
三田村善衛
ス・ マ ー プ ル 」 の シ リ ー ズ な ど も ズ ラ リ と 並
健二監督の
「雨月物語」
はおすすめ。初回の
「ゴ
ペラ、室内楽、管弦楽、交響曲など、クラシッ
さて、音楽CDの棚に向かうと、声楽、オ
ど見当たらなかったのが残念。
んでいる。落語ファンには「枝雀落語大全」
、 ジラ」はあったが、各怪獣シリーズはほとん
「五代目柳家小さん落語傑作選」
、 他 に も「 古
今亭志ん輔」や「古典落語名作選」などが並ぶ。
図 書 館 の 主 な 機 能 は や は り 本 の 貸 し 出 し、 芸能関係では「能楽名演集」とか「歌舞伎名
が行われる越前市である。ヘヴィ・メタルな
クはかなりの充実ぶりだ。さすが国際音楽祭
アニメ関係のDVD以外にも、
「エルミター
どは極めて少ない。それでもロック・ポピュ
作撰」のシリーズも楽しい。
も か な り の 量 を 保 持 し て い る。 本 格 的 な 音 楽
ジュ美術館」
、
「世界豪華鉄道の旅」
、司馬遼
保 存 な の だ ろ う が、 音 楽 C D や D V D な ど
フ ァ ン や 映 画 マ ニ ア は、 借 り る こ と よ り も 所
リンと、かなり健闘している。スコーピオン
ラー部門では、イーグルス、ヴァン・ヘイレン、
これに加えて映画のDVDはかなり多岐に
ズもある。逆にソウル、
ブルース、
カントリー、
太郎の「街道をゆく」
、
「名城を旅する」など
わたる。僕のようなマニアは「珍品SFオカ
有 す る 方 を 選 択 す る だ ろ う か ら、 あ ま り 図 書
さ て、 図 書 館 の 視 聴 覚 コ ー ナ ー に や っ て き
ルト/妖婆 死棺の呪い」とか、パット・ブー フュージョン系はごくわずかの品揃えのよう
ンが出演していた「地底探検」
、「バーバレラ」
、 だ。それでもジャズはマイルス・デイビスや
フィル・コリンズ、ロッド・ステュワート、ドゥ
ま し た。 昨 年 あ た り に 僕 も 江 戸 川 乱 歩 の 「 明
ハービー・ハンコックをはじめ、結構なコレ
のシリーズも目を引く。とにかく各オタクも
智小五郎」シリーズを続けて借りたことが
名 匠 ウ ィ リ ア ム・ ワ イ ラ ー の サ イ コ・ サ ス
クションを有している。中南米や世界の民俗
館 な ど は 利 用 し な い の か も 知 れ な い。 コ レ ク
あ っ た。 な つ か し い 天 知 茂 の テ レ ビ シ リ ー ズ
ペ ン ス「 コ レ ク タ ー」
、さらには1902年
ビー・ブラザーズ、ディープ・パープル、ニー
だ か ら、 稚 拙 な セ ッ ト に 思 わ ず 笑 っ て し ま っ
の仏映画、世界初のSF映画「月世界旅行」
、 音楽もまとまって並んでいる。
驚くようなシリーズがあるので一度、覗かれ
た が、 当 時 は ワ ク ワ ク 、 ド キ ド キ し て あ れ を
ハ マ ー・ フ ィ ル ム の 名 作「 吸 血 鬼 ド ラ キ ュ
タ ー 族 は、 や は り ブ ツ そ の も の の 所 有 に こ だ
見 て い た の だ。 こ の シ リ ー ズ 、 各 タ イ ト ル が
ラ」、そして定番ともいえる「カサブランカ」 これからいろんな分野を知りたいという初心
ル・ヤング、ラモーンズ、レッド・ツェッペ
美 女 シ リ ー ズ に な っ て い て、 図 書 館 の カ ウ ン
者の方々には格好のライブラリーといえるだ
た方がよろしい。
タ ー に 女 子 職 員 が い る と、 少 々 恥 ず か し い 思
や「 チ ャ ッ プ リ ン 作 品 集 」
、
「薔薇の名前」な
わるのである。
い を し て 借 り る 羽 目 に な る。 他 に も D V D 関
ろう。若い人も年配の方も未知の世界を知る
レミー・ブレッド主演の「シャーロック・ホー
おなじみの「鬼平犯科帳」第1シリーズ、ジェ
筆頭に各種最近作までも網羅している。溝口
督 作 品 を 始 め、
「男はつらいよ」シリーズを
日本映画もいろいろ揃っている。黒澤明監
を覗かれるのがよろしい。
るはずである。とにかく一度、
視聴覚コーナー
ことは、あなたの人生をも有意義なものにす
個 人 的 な 選 択、 紹 介 に な っ て し ま っ た が、
係は充実していて、NHK人形劇の「三国志」、 どにニンヤリしてしまうのだった。
ム ズ の 冒 険 」 や、 ア ガ サ・ ク リ ス テ ィ の「 ミ
5
オペラコンサート作品紹介
視聴覚コーナーの奥の奥にそれ
主 役 の 椿 姫 を 演 ず る ア ン ジ ェ ラ・ トゥーランドット
ゲオルギューがため息がでるほど
て 氷 の よ う に 冷 た い 心 の 持 ち 主。 さ す ら
美 し い。 も ち ろ ん 歌 声 も 素 晴 ら 《ストーリー》
ぜっせい
し い。 オ ペ ラ を 観 て い る と 時 々、 姫君トゥーランドットは絶世の美女にし
いわゆる引っ越し公演などで見よ
ん で い る の を ご 存 じ で し ょ う か?
と絶世の美女で最期肺病で亡くな
が 多 々 あ り ま す が、 彼 女 の 椿 姫 だ
な ぁ・・・」 と い う 残 念 な ケ ー ス
さんがアリア〝誰も寝てはならぬ〟
トリノオリンピックで荒川静香
(杏理子)
大 テ ノ ー ル、 プ ラ
度の金賞に輝
いた加藤利幸さんが熱唱します。
日伊コンコルソで
シ ド・ ド ミ ン ゴ。 コ ン サ ー ト で は
はもう一人の
も 記 憶 に 新 し い で す ね。 カ ラ フ 役
れ、彼女の出す謎に挑むことを決めます。
いど
う と 思 う と、 か な り な 大 枚 を は た
るというエンディングを抵抗なく
いのダッタン王子カラフは姫に心奪わ
かないとお目にかかれない極上の
で華麗に舞い金メダルをとったの
日( 土 ) に 学 習 支 援 室 で 行
暗 殺 し よ う と し ま す。 が、 逆 に ジ ル ダ が
食となるに及んで公爵を殺し屋に頼んで
好色な領主マントヴァ公爵に仕える醜い
道化リゴレットは、娘ジルダが公爵の餌
《ストーリー》
リゴレット
受け入れられるのです。
月
われるオペラコンサートでとりあ
げる作品を中心にご 紹 介 し ま す 。
椿姫
《ストーリー》
自ら公爵の身替わりになって死んでしま
うという悲劇。
コヴェントガーデン・ロイヤル・オペラ
パリで嬌名高い娼婦ヴィオレッタは田舎
の青年貴族アルフレードと恋に落ちます
が、妹の結婚に差し支えるので別れてく
コ ン サ ー ト で 歌 わ れ る〝 女 心 の
[8]歌劇《トゥーランドット》
れと彼の父親に懇願され、彼の前から姿
2
ウィーン国立歌劇場
歌〟は、〝女心は風のように変わり
やすいもの〟と公爵が歌う皆様良
3
[6]歌劇《リゴレット》
を消してしまいます。最後の出会いは結
室。全てを知らされアルフレードは彼女
くご存じのアリアです。
メトロポリタン歌劇場
核で瀕死の床にいるヴィオレッタの寝
の元に駆けつけますが彼女は彼の腕の中
大テノールでおなじ
このDVDでマントヴァ公爵を
演ずるのは
た彼の高音の魅力が響き渡ります。
ハイC(男性高音域)の異名をとっ
みのパヴァロッティ。キング・オブ・
3
で天に召されてしまうという純愛悲劇。
コンサートで最初に歌われる「乾
杯の歌」はヴィオレッタのサロン
でアルフレードが歌 う ア リ ア で す 。
[3]歌劇《椿姫》
22
こ の D V D、 な に が い い っ て 、
DVD オペラ全集
8
空 間 が そ こ に は あ り ま す。 今 回 は
は そ れ は 華 麗 な 総 合 芸 術 世 界 が 潜 「あぁ声はとっても素敵なんだけど
特集:視聴覚ライブラリーを楽しむ
6
知らざあ言って聞か せ や し ょ う 、
を か き、「 ほ お ず き の ば け も ん 」
け、 う ー ん と 伸 び を し て 大 あ ぐ ら
傷について
図書館のDVD、CDの
みたいな緋の襦袢をぱたぱたさせ
名優勢揃いの場
見てみると、かなり傷や汚れが顕
著である。もっとも図書館の意向
としては子供さんから老人の方々
じ く 勧 進 帳 で の 弁 慶。 図 書 館 蔵 の
門 は 勧 進 帳 の 富 樫。 吉 右 衛 門 は 同
と っ て の 当 た り 役 が あ る。 仁 左 衛
祈 る 日 々 だ。 こ の 御 三 方 、 私 に
郎は連れて行かないでとひたすら
ど う か 仁 左 衛 門 と 吉 右 衛 門、 菊 五
世間でいうところの新歌舞伎座
き で 拝 む こ と が で き る。
(吉右衛
も彼らの至芸を字幕付き、解説付
門 を の ぞ い て、 図 書 館 で は い つ で
全員を連れ去ったとしても吉右衛
い む な し く、 歌 舞 伎 の 神 様 が 最 悪
玉三郎の静御前も必見だ。私の願
演 ず る「 義 経 千 本 桜 」 の 狐 忠 信 や
相 次 ぎ、 そ の 報 に 接 す る た び に 、 と り も 微 笑 ま し い 。 先 代 の 猿 之 助
の 祟 り な の か、 歌 舞 伎 界 の 訃 報 が
門はDVD鬼平犯科帳で我慢、我
持ち」のくだりでの花道でのやり
ちを坊主が来たら交代する「坊主
楽を聞くのも粋ではないか。運転
か、津軽三味線や中世バロック音
しながら、大好きな落語を聞くと
ブなどの際は別である。車を運転
される場合とか、長時間のドライ
いが、長期の入院生活を余儀なく
は な い。 し か し、 あ っ て は な ら な
ら し く、 な か な か「 借 り る 」 こ と
どちらかというと、そっちの種族
なければ心穏やかではない。私も
ション棚にきちんと並べられてい
ターは、まず自分のものがコレク
ら れ な い 行 為 の よ う だ。 コ レ ク
だろうが、コレクター族には考え
れがレンタル店だろうが、図書館
D V D や C D を 借 り る の は、 そ
での使用もあり得るのだろう
ト に 利 用 さ れ た り、 時 に は 野 外
も の が 目 立 つ。 各 種 団 体 イ ベ ン
し か し、 そ れ で も ひ ど い 傷 の
それは無理なのだろう。
経質な扱いをマネしろと言っても
コレクターやマニアのような超神
う ケ ー ス も あ る か も 知 れ な い し、
自由な方が、つい盤を痛めてしま
いことなのかも。体の特に手の不
ことがある。ある程度は仕方のな
ズタになるというお話しも伺った
けのマンガコミックスなどがズタ
る の か も 知 れ な い。 以 前、 子 供 向
痛みは借りられた頻度も表してい
み も 仕 方 な い の だ ろ う。 む し ろ、
うことだろうから、ある程度は痛
まで広く自由に貸し出しするとい
作のDVDは残念ながら私
慢)
中は映像はなかなか難しいものが
が、 そ れ で も 傷 だ ら け の 盤 を
るあたりは楽しいし、重い荷物持
の知るベストキャストではないが
(問われて名乗るもおこがましい
あるが、それでも特殊な暇があれ
眺 め て い る と、 私 は 悲 し い 気
《女殺油地獄》
平成 21 年 6 月歌舞伎座 / 収録
《白浪五人男》
《義経千本桜》
昭和 61 年 12 月歌舞伎座 / 収録
平成 4 年 12 月歌舞伎座 / 収録
世 の 美 男( ハ ー フ ) で 知 ら れ た
平成 9 年 2 月歌舞伎座 / 収録
世 羽 左 衛 門 で、 弁 慶 は 千 数 百 回 演
世幸
世菊五郎でいずれ
じ弁慶役者の異名をとった
四 郎、 義 経 が
も 名 優 だ。 解 説 を 読 む と 国 宝 級 の
貴 重 な 映 像 だ と か。 仁 左 衛 門 の お
姿は油まみれで女を殺す様が妖し
くも美しい「女殺し油地獄」でたっ
ぷ り 堪 能 で き る。 菊 五 郎 は 「 白 浪
五 人 男 」 の 弁 天 小 僧 が 一 押 し だ。
《勧進帳》
新旧
白 黒 の 方 の「 勧 進 帳 」 の 富 樫 は 絶
が…杏理子)
ば、DVDも格好の暇つぶしには
7
騙 り が ば れ て、 た お や か な 娘 姿 か
した。びっくりして盤を裏返して
停止したりするものも何回か経験
良くはない。音や画像が飛んだり、
やCDはコンディションがあまり
そ れ に し て も、 図 書 館 の D V D (勅使河原麗美・詩人)
分 に な っ て し ま う の だ っ た。 6
ら 一 変、「 兄 い、 も う 化 け て も い
NHK DVD 歌舞伎名作撰
15
2
られねえ」と帯を解き着物をはだ
7
なる。
特集:視聴覚ライブラリーを楽しむ
堵 も、 そ れ 以 外 の い か 様 に も 代 え
ら れ な い。 デ ィ ズ ニ ー の 魔 法 に
すっかりやられてしまった。
子どもに本を読むようになって
―― む か し む か し も っ と ず っ と む
だった。
の 感 じ が 伝 わ る だ ろ う か? い や、
韻詩の趣をそのままに年月を経た
こ と に な る。 ゲ ー テ の バ ラ ー ド。
厳かさを感じさせる。子どもにこ
か し ― 貧 し い 若 者 が お 金 持 ち の
一 人 娘 に 恋 を し た。 娘 の 気 を 惹 く
きっと子どもの方が敏感に感じと
る に ち が い な い。 何 か そ ん な 古 新
と届けた ― 私 花 集( ア ン ソ ロ ジ ー ) の 中 の
毎晩自分が主役の夢ばかりせっせ
だまさしをカセットテープで聴き
書館で逆再生していく。無性にさ
オマージュから引き寄せられて
【絵本】
まほうつかいのでし - ゲーテのバラードによる
上田真而子/文 斎藤隆夫/絵
たくなった。(澄)
『ファンタジア』
入ってきた。
【DVD】
次 が、 音 楽 の 授 業 。 こ こ で よ う
《ラ・ペリ》へのファンファーレ 収録
ジャン・フルネ/指揮
オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団
や く デ ュ カ ス。 オ ー ケ ス ト ラ の 楽
器を聞き分けるというものだった
と 思 う。 こ こ で テ ィ ン パ ニ ー 、 短
くシンバル。そして、ファゴット。
それぞれの楽器が踊 り 出 す 。
そ れ か ら 何 年 も の 月 日 が た ち、
『 フ ァ ン タ ジ ア 』 を 観 た。 圧 倒 さ
れ た。 箒 の 歩 く、 そ の ひ と 足 ひ と
足の質感が演奏まさにそのまま
で、 完 璧 な の だ。 弟 子 の 息 を ひ そ
める気配もおごりもパニックも安
【CD】
1
オリジナルへと向かう。それを図
曲。 も の が た り が 旋 律 に 乗 っ て
魔 法 使 い の 弟 子 に な っ た 若 者 は、 しさを。
ば 何 で も で き る と 思 っ た。 や が て
何 も な い 若 者 は、 魔 法 使 い に な れ
最 初 の 出 会 い は「 さ だ ま さ し 」 数 年 が た ち 、 そ の 絵 本 を 手 に と る
さだまさし~デュカス~ファ
ンタジア~そしてゲーテ
『魔法使いの弟子』
特集:視聴覚ライブラリーを楽しむ
でお申し出ください。
寄 せ に な り ま す の で、 職 員 ま
CDは中央図書館からの取り
(DVDのみ)児童コーナーと
カ ウ ン タ ー の 中 間 に あ り ま す。
◎今立図書館
わせてひとり5点まで。
中央カウンター右手奥にあり
ま す。 貸 出 は C D と D V D 合
◎中央図書館
CD/DVDコーナーご案内
CD/DVD コーナー
8
特集:視聴覚ライブラリーを楽しむ
視聴コーナーのご紹介
図書館のCD・DVD人気ランキングと
下 図 は、 中 央 図 書 館 の 開 館 か
越前市立図書館は約5000
ら 現 在( 2 0 1 5 年 3 月 末 日 )
枚 の C D と、 約 1 8 0 0 枚 の D
までのCDとDVDの貸出上位
位までをランキングにしてみ
ました。
これらの人気作品は貸出され
V D、 そ し て そ の 他 に も 古 い
VHSテープや保存用のSPレ
コ ー ド な ど、 す べ て あ わ せ て 約
8500点のAV資料を所蔵し
ターで職員にお尋ねの上、ご予
ていることが多いため、カウン
貸出できないものもあります
約していただくことをおすすめ
ています。
が、 C D と D V D の ほ と ん ど は
がない場合はご相談いただけれ
します。
ま た、 ち ょ っ と 時 間 を 潰 し た
ば、 次 回 購 入 時 に ご 検 討 さ せ て
借りてご自宅でご覧になれま
い 時 な ど、 図 書 館 内 に 視 聴 ブ ー
い た だ き ま す の で、 遠 慮 な く お
ま た、 ご 希 望 の C D や D V D
ス が 設 け て あ り ま す の で、 そ ち
申し出ください。
す。
らもどうぞご利 用 く だ さ い 。
◎CDの試聴
※購入時期が不定のため、リ
クエストとして受け付けするこ
ジャンル
未来少年コナン(1)
《アニメ》
原作…アレグサンダー ケイ
2.
ふしぎの国のアリス
《アニメ》
3.
闇の狩人
《邦画》
監督…五社 英雄 出演…仲代 達矢/ほか
4.
未来少年コナン(2)
《アニメ》
原作…アレグサンダー・ケイ
5.
昭和残侠伝死んで貰います
《邦画》
監督…マキノ 雅弘 出演…高倉 健、藤 純子/ほか
6.
007 ゴールデンアイ
《洋画》
監督…マーティン・キャンベル 出演…ピアース・ブロスナン
7.
喜劇男は愛嬌
《邦画》
監督…森崎 東 出演…渥美 清/ほか
8.
復讐するは我にあり
《邦画》
監督…今村 昌平 出演…緒形 拳、小川 真由美/ほか
9.
007 サンダーボール作戦 《洋画》
監督…テレンス・ヤング 出演…ショーン・コネリー/ほか
10.
007 死ぬのは奴らだ
《洋画》
監督…ガイ・ハミルトン 出演…ロジャー・ムーア/ほか
アーティスト
タイトル
1.
ちあき なおみ ちあきなおみ大全集
2.
オフコース
オフコース・グレイテストヒッツ 1969 - 1989
Fun House
3.
五木 ひろし
五木ひろし全曲集
Tokuma Japan Communications
4.
谷村 新司
ザ・ベスト・セレクション
ポリスター
5.
キャンディーズ キャンディーズ Sony Music House
6.
吉田 拓郎
ザ・ベスト
フォーライフレコード
7.
小林 旭/ほか 人間万葉歌〔2〕
ビクターエンタテインメント
8.
松田 聖子
Bible〔1〕
Sony Music Entertainment
9.
山口 百恵
2000 best
Sony Music Entertainment
10.
アリス アリス・シングル
東芝EMI
9
中 央 館 の み。 聞 き た い C D を
中央図書館カウンターまでお持
1.
とはできません。また、著作権
の 関 係 上、 購 入 不 可 能 な も の も
タイトル
ちください。
◎DVDの視 聴
多 く 存 在 し ま す。 ご 了 承 く だ さ
い。
中 央 に 6 席、 今 立 に 1 席 あ り
ま す。 1 席 に つ き 、 二 人 ま で 同
時に利用するこ と が で き ま す 。
※利用は一日 一 回 ま で
10
監督・出演など
発売
テイチクエンタテインメント
ウィスキーに恋して
尚子
く。不快な香味成分や余分な水分を蒸散させている
スキーを琥珀色に熟成させるという魔法をかけてい
蒸溜所巡礼の旅
のだが、
それを天使の分け前(エンジェルズ・シェア)
今回は蒸溜所めぐりの話である。ある日、私は雑
るのだろうか。白州の貯蔵庫には、おびただしい数
と呼んでいる。天使は分け前をもらい、
お返しにウィ
誌 で 一 枚 の 写 真 を 目 に し た。 森 の 香 り と 銘 打 っ た
の天使達が幸せに住んでいるようだ。
展望台からは、遠く甲斐駒ヶ岳が見えた。野鳥や冷
白砂の川原の釜無川に流れこんでいる。建物の上の
が 花 崗 岩 層 に 覆 わ れ、 清 冽 な 水 が 南 ア ル プ ス よ り、
い。だが見終った後はなんともほっこりする。心温
そして彼らの行いも、あまり誉められたものではな
名 も「 天 使 の 分 け 前 」 で あ る。 主 役 は 不 良 少 年 達。
最後に蒸溜所にまつわる映画を紹介しよう。その
き記したい。
いを味わう事となる。その事は次の機会があれば書
次に訪れた蒸溜所でとても悲しい、とても空しい思
さて、初めての蒸溜所探訪を満喫した私であるが、
ウィスキーの写真である。酒飲みの父を持った私に
とって、酒は忌々しいものであり、嫌悪する対象で
あ っ た が、 そ ん な 私 で も う っ と り す る く ら い 美 し い
写真だった。
私はどうしても、そのモルトの故郷を訪ねてみた
く な っ た。 サ ン ク チ ュ ア リ と 呼 ば れ る 自 然 保 護 区 の
涼な森に守られた貯蔵庫には、子供や酒の弱い人は
まる佳作である。
美しい森の中にそれはあった。白州の名の通り全体
入 れ な い。 ウ ィ ス キ ー の 香 り で 満 ち た 貯 蔵 庫 に 入 っ
た 瞬 間、 静 か に 眠 る ウ ィ ス キ ー の 息 づ か い が 聞 こ え
てくるような気がした。水源と環境の清らかさを守
(地図はサントリー白州 HP より)
るために買い取ったというその広大な土地で造られ
山梨県北杜市白州町鳥原 2913-1
るウィスキーは、松ヤニや葉っぱ、ハーブのような
フレーバーであふれていた。
のちに、その蒸溜所を思い出すたび、私はあの貯
蔵庫にいたたくさんの天使達について思いを馳せ
た。 ウ ィ ス キ ー は 大 麦 を 製 麦( モ ル テ ィ ン グ )
、乾
燥、糖化、発酵、蒸溜、樽熟成という過程で造られ
て ゆ く が、 最 後 の 貯 蔵 庫 に 眠 る 熟 成 の 時 間 が 一 番 長
い。 そ の 間 に ウ ィ ス キ ー は 一 年 に 二 ~ 三 % 減 っ て ゆ
《サントリー白州蒸溜所》
10
「蔵の辻」の向こうから笛と太鼓の音が聞こえてくる
少し日差しが透明になる頃
日野川の河川敷を歩いていた
福島から来た柴犬スミレと
何年か前、病み上がりの養生をかね
五月
神楽だ
すると遠くから神楽の篠笛の音が聞こえてきた
しの
くる
三重県桑名市太夫町から近江八幡、長浜を経てやって
伊勢大神楽山本源太夫組の一行だ
誘われるまま 水辺のほうに行くと
涼しげな青年がひとり篠笛を吹いていた
「乞食太神楽が来た」と
大神楽の笛の音が聞こえると
川面になびく草の中で
笛の音があまりに心地よく
声をかけようかなと迷ったが
かくいう私は子供の頃
祖母の命でいつも戸口を閉ざしていた
チャンカスッカチャン チャンカスッカチャン
スミレもまた目をほそめた
警察官だったつれあいを早くに亡くし
都に遠く雲閉ざす
祖母は
子ども四人を育てたが
鄙の盆地というなかれ
神楽が武生にやってくる
辻を曲がり 時を越え
風に乗って切れ切れに聞こえてくる囃子歌
いにしえの越の国府
ひな
学徒志願兵だった末の息子は
マニラ湾で戦死
それ故つつましく暮らしていた
私は私で故郷を捨て京に上り
外来の思想や文化にふれ
古来の伝統的なおこないを嫌悪すらしていた
11
武生クラフトセンター代表
ブックカフェゴドー店主
栗波和夫
笛
の音は五月の風に乗って
特集:視聴覚ライブラリーを楽しむ
夢のアナログ・ レ コ ー ド 盤 の 貸 し 出 し
別用語か )
!? ブ ル ー ス や ソ ウ ル 系 で あ る が、
当 時 は 図 書 館 の ブ ラ ッ ク 系 を 借 り ま く っ て、
あ っ た。 中 村 氏 の 専 門 は い わ ゆ る 黒 人 の( 差
に一時はLPレコードなどは高額な贅沢品で
ニ ア に か か っ た ら、 レ ア な 盤 や オ マ ケ 品 な ど
と 豪 語 さ れ て い る コ レ ク タ ー さ ん も 多 い。 マ
で 多 種 多 様 で あ る。 し た が っ て、 図 書 館 な ど
ト 違 い な ど、 そ の 査 定 ポ イ ン ト は じ つ に 複 雑
に は 自 慢 の レ コ ー ド は 絶 対 に 寄 贈 で き な い、
それがとても勉強になったと話されている。
は見事に抜き取られるとの心配が頭から離れ
ベ テ ラ ン の 職 員 さ ん に 聞 い た と こ ろ に よ れ ば、
た も の の 貸 し 出 し は 行 っ て は い な い と い う。
グ 盤 レ コ ー ド の 在 庫 は 皆 無 の よ う で、 そ う し
越 前 市 の 図 書 館 に お い て は、 現 在 は ア ナ ロ
そ れ ら を 夢 中 で 聞 き 狂 っ た ら し い。 し か し、
ド が 約 3 0 0 枚 近 く あ っ た そ う で、 中 村 氏 は
寄贈があったのか、本格的なブルースのレコー
ア ッ ク な 職 員 が お ら れ た の か、 マ ニ ア か ら の
が、 特 に 後 者 の 真 砂 図 書 館 で は、 館 内 に マ ニ
う行為が必ずしも喜ばれるわけではないの
の 問 題 が ま ず 問 わ れ る し、 一 方 的 な 寄 贈 と い
か も 重 要 な ポ イ ン ト に な る。 人 件 費 や キ ャ パ
書館自身にも寄贈を受ける意志があるかない
館 に 寄 贈 す る し な い は 自 由 だ し、 だ い た い 図
し か し、 レ コ ー ド・ コ レ ク タ ー 諸 氏 が 図 書
三田村善衛
汚 れ 防 止 の 為 に レ コ ー ド・ ジ ャ ケ ッ ト に は
昔 の ア ナ ロ グ 盤 全 盛 時 代 も、 い わ ゆ る L P レ
マ ニ ア、 コ レ ク タ ー は や は り モ ノ を 手 に 入 れ
だ。 公 私 を 問 わ ず コ レ ク シ ョ ン の 寄 贈 を 考 え
ないからだ。
コードの在庫も貸し出しもなかったとのこと
て な ん ぼ の 世 界 で あ る。 知 識 欲 と 所 有 欲 は 違
分 厚 い ビ ニ ー ル・ カ バ ー が 付 い て い た そ う だ
だ っ た。 現 在 で は C D の コ ー ナ ー が 充 実 し て
わかりやすい説明的なリスト作りも大きな課
て い ら っ し ゃ る 方 は、 ま ず は プ ロ に 相 談 し て
と こ ろ で、 今 や ア ナ ロ グ の レ コ ー ド 盤 は 骨
題 に な っ て い く と 思 わ れ る。 初 回 帯 や、 初 回
う の だ。 当 時 の 図 書 館 の レ コ ー ド 貸 し 出 し 事
た だ し、 昔 の 東 京 都 内 に お い て は 、 レ コ ー
董 品 ど こ ろ か、 古 美 術 品 と 呼 ん で も い い く ら
盤 特 典 の ポ ス タ ー、 さ ら に は 英 米 日 本 盤 の 区
は い る が、 そ の C D も 売 れ 行 き は 世 界 的 に 落
ド の ラ イ ブ ラ リ ー も 充 実 し て い た よ う だ。 特
い の 価 格 が 付 い て い る も の が 少 な く な い。 中
別 な ど、 ち ょ っ と し た も の の 有 無 で 価 値 は 大
完 璧 な コ レ ク シ ョ ン・ リ ス ト の 作 成 も 必 要 な
に 都 内 文 京 区 の 小 石 川 図 書 館 や 真 砂( ま さ ご )
に は 何 万、 何 十 万 も の プ レ ミ ア が 付 け ら れ て
き く 上 下 し て し ま う。 コ レ ク タ ー は な か な か
情 を 知 っ た 某 実 業 家 は、 の ち に 都 内 で も 最 初
図書館などではレコードの貸し出しも一回に
い る。 レ コ ー ド の 価 値 は い ろ ん な 条 件 で 大 き
死 に き れ な い の で あ る。 ち な み に 金 沢 市 の 某
ち こ ん で い る ら し く、 音 楽 フ ァ ン で な く て も、
つき5枚という制限つきで盛んに実施されて
く 変 わ る が、 現 在 の 図 書 館 で は、 残 念 な が ら
図書館には大量のレコードのライブラリーは
のだろう。大事なコレクションが第三者によっ
い た ら し い。 現 在 、 金 沢 市 内 で 中 古 レ コ ー ド
レコードに関しての専門知識のある方は極め
あ っ て も、 館 内 で の 視 聴 は 可 能 だ が 貸 し 出 し
の中古レコードの販売店を開店することにな
店 を や っ て お ら れ る 中 村 政 利 さ ん に よ れ ば、
て 少 数 だ ろ う。 イ ギ リ ス 盤 な ど の 初 回 オ リ ジ
はいっさいしていないらしい。
今後の音楽シーンの在り方には注目すべき点
学生の頃はLPレコードもなかなか買えずに
ナ ル 盤 や、 日 本 の 帯 付 き 初 回 盤、 さ ら に は 限
て 完 璧 に 保 管・ 保 存 さ れ る に は、 初 心 者 で も
大 変 だ っ た が、 住 ま い の あ っ た 文 京 区 の 図 書
定盤や特殊なカラー・レコード、各種ポスター
る。
館を利用して、大好きなブラック・ミュージッ
付き、その他のオマケ付き、さらにはジャケッ
が多い。
ク を 片 っ 端 か ら 聞 い て い っ た と い う。 た し か
12
特集:視聴覚ライブラリーを楽しむ
銀座の恋の物語
配給:日活 監督:蔵原惟繕
これよし
公開:1962年 上映時間:93分 おじさんおばさんの「カラオ 「 銀 座 通 り 」 と 言 え ば、 武 生 に
公 開 さ れ た 日 活 映 画「 街 か ら
ているこの曲は、1961年に
きまって登場する誰もが知っ
通り突き当たりにあった南条
座 通 り 」 は、 公 会 堂 前 の 松 原
樹/著)によると、武生の「銀
謝野晶子と興都庵主」
(蔭山茂
ケ 」 の デ ュ エ ッ ト 曲 に な る と、 もありますが、最近読んだ「与
街へつむじ風」の挿入歌とし
年に開通し
て 使 用 さ れ た も の だ そ う で す。 郡 役 所 と 料 亭 福 田 屋 な ど を 立
ち 退 か せ、 昭 和
た そ う で す。 一 見 す る と モ ダ
翌 1 9 6 2 年、 大 ヒ ッ ト し た
こ の 曲 を 主 題 歌 に し て、 映 画
ン で、 安 普 請 の 都 会 風 建 造 物
付けられる映画群が生まれて
この後ムードアクションと名
座 通 り 」 に 決 ま っ た そ う で す。
り、それならということで「銀
座通りやわ」という声があが
ると、本家の東京から銀座の名
なんというノリでしょうか。す
年代の東京オリンピック前の
弄 さ れ な が ら、 二 人 一 緒 に 銀
友人が巻き込まれる事件に翻
( 浅 丘 ル リ 子 ) が、 交 通 事 故 や
と、 洋 装 店 に 勤 め る そ の 恋 人
ある「銀座通り」の先駆けだっ
と い う こ と は、 全 国 に 山 ほ ど
頑 と し て 突 っ ぱ ね た そ う で す。
う で す が、 通 り の 先 人 た ち は、
月
日の福井
ください。
(T.K)
の で、 ぜ ひ、 手 に 取 っ て み て
VDも本も図書館にあります
た の で し ょ う か。 紹 介 し た D
藩士の由利公正が東京府知事
東 京 の 銀 座 と い え ば、 福 井
に〝銀座の恋の物語〟です。
座 で 生 き て い く と い う、 ま さ
駆 け 出 し の 画 家( 石 原 裕 次 郎 ) を 通 じ て 抗 議 が 寄 せ ら れ た そ
前を勝手に使うとはと、町役場
た 作 品 で す。 お 話 は、 昭 和
くるのですが、その走りとなっ
ま し た。 こ の 映 画 が ヒ ッ ト し、 が 建 ち 並 ん だ た め、
「武生の銀
「銀座の恋の物語」はつくられ
6
銀 座 を 舞 台 に、 裏 通 り に 住 む
30
に な り、 銀 座 通 り の 整 備 に 取
り 組 ん だ と、
15
新 聞 記 事 に 載 っ て い ま し た。
13
7
ブックトークは本が主役ではあ
りますが、音楽やミュージカル・能・
歌 舞 伎 の 映 像 の 助 け を 借 り た 方 が、
よ り そ の 本 に 近 づ け る の で は、 と 思 う こ と が
あります。まだ、試みたことはありませんが、
いかがなものでしょ う か ?
見たり聞いたりしないとイメージできない
ものもあると思うの で す 。
具体的な例示内容がないのでお答
え し に く い の で す が、 お っ し ゃ る 通
り、 基 本 は 本 が 主 役 。 イ メ ー ジ や 理
解の手助けのために 、 あ る い は 興 味 を 喚 起 す る
のに、本以外のメディア、道具や実演・実験等々
を 取 り 込 み ま す。 時 間 も 限 ら れ て い ま す か ら 、
最低必要なものに限 り ま す 。 過 剰 な 利 用 は そ れ
ぞれの印象を弱くし 、 聴 く 側 に 混 乱 を 招 く こ と
にもなりますし、演 じ る 側 も バ タ バ タ と し て し
まうことになりがち で す 。 写 真 や 図 版 、 聴 覚 資
料は邪魔にならずに 有 効 で 使 い や す い 補 助 材 料
れ膨らませた音楽の印象を自分の中に持ちなが
間の取り方に注意し、タイミング良く利用で
にオーケストラ演奏のCDを聞くことから始め
本、『子どもたちのオーケストラ入門』の紹介
きるよう、
必要部分だけを取り出しておいたり、
ら、本の物語に出会えます。
に入り、本とセットにされていたCDでいくつ
機器類の扱いに習熟しておくことも大切です。
ました。そこから、オーケストラが登場する絵
かの楽器の音を聞いて確かめてみたり、クイズ
しかし、動く映像視覚資料となると使い方が
少し難しいように思います。視覚から入る情報
にしたりしながら、やがてフルオーケストラに
導びきます。
は印象を大きく左右することがあります。時間
たことがなければ、音程もリズムも微妙に変化
声を楽譜にもしてはあるのですが、実際に聞い
Dを聞きながら進めました。絵本には鳥の鳴き
を紹介するにあたり、鳥の鳴き声を収録したC
で、まだまだ、さまざまな工夫が可能だと思い
機会をどうサポートしていけるか、模索する中
版物の洪水の中、印象に残る作品との出会いの
本で知る喜びを子どもたちにどう伝えるか、出
てはいけないとは思いません。
本を読む楽しさ、
的にも限られた中でどう利用できるのか。使っ
する鳥の鳴き声は容易にイメージできません。
ます。ブックトークの枠を狭く押し込んでしま
◎鳥の鳴き声を扱った『鳥のなき声ずかん』
解説にも「まず、じっさいに鳥の歌をきいてく
わずに、可能性を広げていければと思います。
(回答…鈴木晴代
ださい。そして、耳でよくおぼえてから、この
楽譜とてらしあわせてほしいと思います」とあ
元・京都ブックトークの会代表)
矢吹申彦/絵・文
三枝成彰/監修
評論社(1990年)
薮内正幸/文・絵
篠原榮太/文字
佐藤聰明/音 福音館書店(1992年)
講談社(1996年)
いせひでこ/絵
森絵都/作
『アーモンド入りチョコレートのワルツ』
『鳥のなき声ずかん』
『こどもたちのオーケストラ入門』
ります。もっとも演じる方でも鳥の鳴き声を知
らずに、文字で書かれた音だけでは読めそうに
ありません。
◎音楽から展開する物語の紹介にも聴覚資料
は効果的に使えます。
『アーモンド入りチョコ
レ ー ト の ワ ル ツ 』 は シ ュ ー マ ン、 バ ッ ハ、 サ
ティという 人の作曲家のそれぞれのピアノ曲
から作者がイメージを膨らませ、 つの物語を
した。聴き手の子どもたちがあらかじめそれぞ
介するひとつの作品のテーマ音楽を聴いてみま
作り上げたものです。本の紹介に入る前に、紹
3
です。
今まで実施した中 か ら 、 具 体 例 を い く つ か ご
紹介します。
◎【音楽】をテー マ の ブ ッ ク ト ー ク で 、 導 入
3
14
うか、家に帰れ ば か わ い く 出 迎 え て じ ゃ れ つ
きたときは、ま だ 三 歳 ぐ ら い だ っ た の で し ょ
面倒なことは私 の 日 課 に な り ま し た 。 拾 っ て
命名。案の定、 食 事 、 散 歩 、 シ ャ ン プ ー な ど
腹 ぺ こ の 様 子 だ っ た こ と か ら、「 ペ コ 」 と
す。
にのせられ捨て犬を飼うことになった犬で
倒は私たちが全 部 見 る か ら 」 と い う 、 大 う そ
平成一五年九月、小学六年と中一の娘が「面
りました。
粉雪が吹き荒 れ る 二 月 の 夜 、 老 犬 が 亡 く な
O 2
き、知らない人 に は 吠 え る 番 犬 に も な り 、 私
たち家族の癒し に も な り ま し た 。
やんちゃを叱ってくれた人、
遊んでくれた人、
ます。野菜作りを教えてくれた人、小さい頃
したり、散歩に連れ出すと引っ張り回された
青年期に一緒に酒を飲んだ人。八十代、九十
野良犬の習性か、首輪を抜いて何度も脱走
りと、お利口さんとは言い難い。それでも娘
代の方々です。
し、何事もなかったようにバスで、町内まで
町内の人は葬儀場までバスに乗ってお参り
の 躾 け の 甲 斐 が あ っ て、
「 オ ス ワ リ・ マ テ 」
くらいはできるようになったものです。
ところがここ二年くらいは、
耳も遠くなり、
がろうが反応せず、大好きな硬いサラミもあ
屋に籠りがちになっていました。ボールが転
は、
『別れの町』の人の心から静かに消えて
民の数は減る一方で、亡くなられた人の記憶
町内で新しく生まれる命は少ないため、町
帰ってきます。
まり喜ばなくなり、毛も抜けてきて哀れを感
いくようです。
散歩も嫌がるようになり、食事以外は、犬小
じていました。
しているのに、犬小屋から出てきてすり寄っ
と、新しい出会いは少なくなる一方、前述の
私も齢を重ね非活動的な暮らしをしている
亡くなる一日前の夜、いつもは知らん顔を
てきました。今思えば、最後のあいさつだっ
ように『別れ』は多くなります。そして別れ
のあと、
自分の記憶から消えていきますから、
たのかな。
ペットの葬儀屋さんでお別れをしてもらい
ん、 お 星 さ ま に な っ た の。
」と話してくれて
春までは三歳の孫が夜空を見て、「ぺーちゃ
ることでしょう。心に空白感を感じるのは、
歌を歌うでなし、相当頭は空っぽになってい
愛をするでなし、読書をするでなし、流行の
私の頭の中は隙間ができていくでしょう。恋
いましたが、今は「ホタル見に行こう」に変
そのせいかな。
四月が経ちました。
わりました。ペコの家の周りは、長年の抜け
毛がたくさんありましたが、風に飛ばされた
控えおなかを『きれい』にします。空っぽに
胃の検査を受けるときは、前日から飲食を
それぞれ一人暮らしをしている二人の娘た
するということは、『きれい』
にすることです。
のかほとんどなくなりました。
ちは、
帰るたびにペコの話をしていましたが、
そろそろ、
頭(心)の中をきれいにしながら、
人生をおくり始める頃でしょうか。
それも家族の会話からなくなりました。
私の住む三十軒足らずの小さな町内は、高
齢者が多く一年に何人かが亡くなられていき
15
夏の日記「きれいな心」
第一回 月 日(金)「ひかり」
24
第二回 5月 日(金)「雨」
第三回 月
日(金)「星」
19
谷 出 先 生 の 陽 だ ま り の よ う な 笑 顔。 た と え、 睡 眠
息を切らしながらかけつけると、そこには・・・
が 当 講 座 の 醍 醐 味 そ の 一。 さ て、 当 日 仕 事 を 終 え て
げ つ つ、 書 架 を ぐ る ぐ る ま わ っ て み る の で す。 こ れ
な る の だ ろ う、 と 自 ら 紹 介 す る 本 を 選 ぶ も 首 を か し
こ と で 気 分 一 新、 そ し て 戸 惑 い 半 分。 ど ん な こ と に
が 始 ま り ま し た。 今 年 度 は「 自 然 」 が テ ー マ と い う
ふれ、あめ』。水着になって雨のシャワーを楽しむ娘
のかな? スケッチ画の絵が想像をかき立てる。
日照りの続いた夏には、心待ちにしている『ふれ、
『 あ め が ふ る ひ に …』 生 き 物 達 は ど う 過 ご し て い る
水の循環が分かりやすい。
お 隣 韓 国 に は こ ん な 降 り 方 も『 あ め じ ょ あ じ ょ あ 』
。
としと」
「ぽつりぽつり」
「ぱらぱら」
「ざあざあ」
・・
・。
日本語には、雨の降る様を表す言葉が多くある。
「し
ん じ ん な こ と は、 目 に 見 え な い ん だ よ。
」『 星 の 王 子
な く ち ゃ、 も の ご と は よ く 見 え な い っ て こ と さ。 か
かの星』星と石をこよなく愛する宮澤賢治。「心で見
は『たなばたものがたり』、かこさとしの『ほしのほ
星 を 空 に か え す ロ ー ベ ル の『 星 ど ろ ぼ う 』
、
跡? 瞬 く 間 の 本 当 の 時 間 を 私 は 知 ら な い。 盗 ま れ た
な り た い と 切 望 し た り。 流 れ 星 は 誰 か の い の ち の 軌
は 憧 れ る も の、 欲 す る も の。 願 い を か け た り、 星 に
日
が わ ず か で も、 前 日 ま で 体 調 を く ず さ れ て い た と し
達 に つ ら れ、 母 さ ん 達 も 雨 を 全 身 で 喜 ぶ。 そ う よ、
7
7
本 で し ょ う か。 こ れ が 醍 醐 味 そ の 二。 そ し て、 机 の
ル ギ ー で 元 気 に な る、 ま さ に 植 物 と 同 じ? 生 物 の 基
日は使いたくない『おじさんのかさ』。傘を広げたきっ
雨 と 言 え ば 傘。 大 事 過 ぎ て も っ た い な く て、 雨 の
い を 書 き 続 け て き た。 星 座 と い え ば、 北 斗 七 星 と オ
描 い た。 七 夕 の 短 冊 に は、 毎 年 毎 年 分 不 相 応 な お 願
子 ど も の 頃、 少 女 マ ン ガ を 模 し て 必 ず 瞳 の 中 に 星 を
られないが、星降る夜には自分も宇宙の一員だと思っ
か け は、 雨 音 を 歌 っ た 子 ど も 達。 子 ど も に と っ て 雨
貧困の象徴のような『ヨンイのビニールがさ』。心
ている。「星は何でもしっている」作詞の平尾昌晃は
上の資料、スクリーンに映されることも。
「光る」の
し て 追 っ て い く。 な る ほ ど、 自 然 の 源 は「 光 」 に あ
が 豊 か で 人 を 思 い や れ る ヨ ン イ が、 雨 上 が り の 泥 道
「銀河鉄道999」も手掛けていた。離れたところか
リ オ ン 座・ カ シ オ ペ ア 座・ 白 鳥 座 く ら い し か 見 つ け
る の で は、 と 思 え て く る の で す。 行 事、 い わ れ、 エ
を、 ビ ニ ー ル 傘 を 差 し な が ら 家 路 に つ く。 き っ と 笑
は決して悪天ではなく、雨を楽しむ天才なのね。
ピソード、
本の紹介。目からうろこが落ちること必至。
ら、時折瞬きながら、雲で見えないときには寂しくて、
谷 出 先 生 の「 い い で す ね ぇ ~」 は 満 天 の 星 空 の よ
平成
恐ろしさといった世界観にアプローチして
絵本…などから自然の美しさ・豊かさ・強さ・
― 物 語 絵 本、 科 学 絵 本、 赤 ち ゃ ん 絵 本、 昔 話
今年度テーマ「自然のいとなみ、再発見」
うに気持ちを輝かせてくれる。(澄)
誰 も が 参 加 で き る「 子 ど も の 本 」 の 講 座 で
す。 講 師 谷 出 千 代 子 先 生 の 講 義 の 後、 テ ー
年度「子どもの本を楽しむ会」
マに沿って各自が選んだ絵本を1、2冊ずつ
いきましょう。―
す。
紹 介、 も ち ろ ん 聞 き 役 専 門 の 方 も 大 歓 迎 で
さて・・今年は・・・(みち☆)
七夕に雨が降ると、年に一度の逢瀬が叶わぬとか。
みがこぼれている後姿に、こちらも心が洗われる。
るの」
「日本の神話」
「一番美しいくもの糸」
「うみの
ひかり」
「にじ」
「はるにれ」
「チム とうだいをまも
る」…タイトルだけ並べてみましたが、
「はて?」と
思 わ れ る 方 も お あ り で し ょ う。 中 央 図 書 館 学 習 支 援
室 に 足 を 運 ん で い た だ け れ ば、 書 架 に 並 ん で い る 本
が 鮮 や か に 目 の 前 に 迫 っ て き ま す。 こ れ が 醍 醐 味 そ
の 四。 そ の 日 に で も 思 い 立 っ た ら お い で 下 さ い。 お
問い合わせは、図書館カウンターにて。 (澄) 27
た 本 の 紹 介 で す。
「よあけ」
「はるはいったいいつく
こ れ が 醍 醐 味 そ の 三。 後 半 は、 参 加 者 が 用 意 し て き
類 語 が 品 詞 ご と に ず ら り と。 や お ら 老 眼 鏡 を 取 り 出
ん』はさすがだ。『銀河鉄道の夜』『双子の星』『よだ
月
て も、 朝 か ら 会 合 の 連 続 だ っ た と し て も、 微 笑 み を
さま』にはそんな言葉の煌きがちりばめられている。
満天の星空に手を伸ばす。「欲しくば星をとれ」星
6
母さんだって昔は娘だったのよ。
5月のテーマは『雨』。
15
絶 や す こ と な く 講 座 に 臨 ま れ る の で す。 先 生 の エ ネ
今年度も、「子どもの本を楽しむ会」別名「谷出講座」
4
16
年特集 戦中から戦後まで「人々のくらしと戦争」
(7月~8月)
年特集「平和な世界を後世に」
第153回芥川賞・直木賞特集
《コーナー紹介》
16
ことを考える。本作も一人の学生が ㏄原付き
たが、この時期のドライヴは走行中もいろんな
先日、僕は下道を通って東京まで車を走らせ
滝口悠生/著
『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』
「新潮」
(2015年5月号)より
での作品も展示しています。
第153回芥川賞と直木賞の受賞者が 月
日に決定しました。その他、候補作家の今ま
7
ようこそ!きょうりゅうワールドへ
バイクで東北に旅行するところから始まる。そ
たき ぐち ゆうしょう
82
ジミヘンのようにギターをフィードバックさせ
最後は結婚して幼い娘も出てくるわけだが、
恥ずかしくて付けられない。
僕などは、正直、こんなタイトルは絶対にこっ
で聞いたのだろう。リアルタイムで聞いてきた
シャンらが頻繁に登場するが、もちろん後追い
と行ったロック、ソウル系のバンドやミュージ
レディング、ドアーズ、ジャニス・ジョプリン
ン、さらにはソロモン・バーク、オーティス・
中、ジミ・ヘンドリクスやレッド・ツェッペリ
れというから、まだかなり若い作家である。途
は進められる。作者の滝口 悠 生 氏は
年生ま
こへいろんな回想シーンを盛り込みながら物語
家族で親しむ 郷土の歴史
(
中央図書館・特設コーナー)
(
中央図書館・特別展示コーナー)
福井県が「福井県」になるまで
日本近代法学のパイオニア 栗塚省吾
( 中央図書館・地域図書 特集コーナー)
第153回芥川賞・直木賞 候補作
(
中央図書館・一般図書 特集コーナー)
( 中央図書館・一般図書 特集コーナー)
(
今立図書館・一般図書 特集コーナー)
戦後
(
中央図書館・一般図書 特集コーナー)
戦後
《図書館の現在の特集コーナー一覧》
展示特集
紹介
夏休み 宿題おまかせコーナー
(
中央図書館/今立図書館・児童コーナー)
たり、ギターに火をつけて破壊したりする場面
も登場するのに、なぜか文面からは音がいっさ
いしないのだ。内容は淡々と語られる単なる青
春回想記で、どちらかというと猥雑でチープな
イメージなのだが、この滝口はロック的なタイ
しじま
トルから連想するような音などはまるで感じさ
せない。むしろ、静寂を描かせたら天下一品の
逸材であろう。最後の場面に
「枯れ葉が鳴った」
という素敵な表現もあるが、文中からのいろん
(三田村善衛)
な音に耳をすませながら読むのも一興かも。
『走ル』
羽田圭介/作
変わらない生活を送っているうちに時間が過
ぎていく。
そんな毎日を送っている大人の方も、
好奇心にあふれて理由もなく誰かに逆らった学
生時代があったのではないでしょうか。
この作品の主人公は学校をサボって競技用の
自転車を駆って、目的もなく力の限り走り出し
ます。そんな姿を見て、大人の方は若かった頃
の思い出を思い出し、今まさに学生の方は実際
にはできないことの疑似体験ができる、そんな
一冊です。読み終わったあとは自転車に乗りた
くなるかもしれませんね。
(図書館職員)
17
50
70
70
戦後
年特集 戦中から戦後まで
「人々のくらしと戦争」(中央)
「平和な世界を後世に」(今立)
《コーナー紹介》
今 年 は 終 戦 か ら 年 の 節 目 の 年 で す。 日 本
が 半 世 紀 以 上 も 戦 争 の な い、 平 和 な 暮 ら し を
送 れ た の は、 先 の 大 戦 に 対 す る 大 き な 反 省 が
摂氏 万 千度、さ な が ら つ 目 の 太 陽 の ご と
あの夏の朝、ヒロ シ マ の 爆 心 地 を 覆 っ た 熱 は
『父と暮らせば』
あ っ た か ら で は な い で し ょ う か。 平 和 の 大 切
さ を 次 の 世 代 へ も 伝 え て い く た め に、 再 度 歴
史を見つめなおし て み ま せ ん か 。
70
2
にんげ
ひー
ため息、そしてかす か な ね が い を 感 じ 取 り 、 応
ている木下青年への 彼 女 の 胸 の と き め き と 熱 い
書館の利用者で、原 爆 瓦 な ど の 原 爆 資 料 を 集 め
ている。美津江の父 、 竹 造 は 、 彼 女 の 務 め る 図
うしろめたさから恋 愛 と 生 き る 事 に 臆 病 に な っ
自 責 の 念 と 亡 く な っ た 友 人 達 へ の 申 し 訳 な さ、
の恐怖に加え、父を 見 捨 て て 助 か っ た こ と へ の
被爆して生き残っ た 美 津 江 は 、 原 爆 病 発 症 へ
並べくさってのう。」
人間が、おんなじ人間の上にお日さんを二つも
にんげ
「 … 非 道 い も ん を 落 と し お っ た も ん よ の う。
どえりゃー
く…。
2
援団長として現世に現れ出、時にユーモアを織
きょうりゅうワールドへ
ようこそ!
ばしてくれる。よい子たちのこころの中を通り
そばから風がおまいのことばを四方八方へちら
「おまいがしよるんはおはなしじゃけえ、言う
の仕事じゃろうが。…」
たのしいかったこと、それを伝えるんがおまい
じゃないんか。…人間のかなしいかったこと、
勤めとる図書館もそよなことを伝えるところ
掛けた未来を担うこどもたちに贈る一冊、どう
れています。福井県立恐竜博物館特別館長が手
にとらえる、合理的に考える訓練になると言わ
学んでみましょう。恐竜学習は、物事を多面的
の大きな好奇心を進化させ、次は少し科学的に
て、恐竜は大きな存在ですね!今、恐竜へのそ
ス?それともトリケラトプス?きみたちにとっ
君の一番好きな恐竜はなに?ティラノサウル
『これならわかる!クイズ式たのしい恐竜学』
り混ぜつつ娘の背中をおす。
「おまいはわしによって生かされとる。…あよ
なむごい別れが何万もあったちゅうことを覚え
抜けたおまいのことばは風に乗って空へのぼり
ぞご覧ください。
(図書館職員)
てもろうために生かされとるんじゃ。おまいの
虹になる…。
」戯曲を読むもよし。CDで聴く
もよし。戦後 年、伝え続けたい言葉がここに
「福井」といえば何を想像しますか?歴史・自
家族で親しむ郷土の歴史
(新潮CD 出演…すまけい 斎藤とも子)
父と暮らせば
然・文化…といった多方面から福井について知
と
『福井空襲史』
太平洋戦争における空襲は、福井にも大きな
やお盆、家族が集まるこの機会にぜひ皆さんで
一緒に郷への理解を深めてみませんか。
※戦後特集以外のものは、中央図書館のみの特
(図書館職員)
視点から見た空襲の思い出は、
〝戦争は決して
集となります。
(図書館職員)
他人事ではない〟
ということを教えてくれます。
被害を与えました。当時の人々が語る、身近な
ることができる資料を集めてみました。夏休み
(戦争×文学 「死者たちの語り 冥」より)
父と暮らせば
(杏理子)
はあります。 70
13
70
1
18
特別資料展示コーナ ー
郷土資料ミニ展示コーナー
くりづか せ い ご
特別資料展示コー ナ ー で は 、 中 央 図 書 館 が 所
の料理番」で、武田鉄矢が演じた、主人公の兄
先月までテレビ放映されていたドラマ「天皇
福井県が「福井県」になるまで
蔵しているさまざま な 貴 重 資 料 を 展 示 し 、 知 ら
の恩師・桐塚尚吾のモデルが栗塚省吾です。嘉
郷土の偉人特集 栗塚省吾
れざる郷土の歴史や文化をご紹介していきま
永
年に越前府中本多家家臣の子として江戸屋
す。
の歴史にありました 。 明 治 年 に 福 井 県 が 誕 生
は、明治初期の福井 県 に お け る 複 雑 な 府 県 分 合
「福井県」じゃなかったの? その疑問の答え
県が発行していたり … 。 え っ 、 そ の 頃 福 井 県 は
かれています。また 、 現 敦 賀 市 域 の 地 券 を 滋 賀
卒業証書なのに、住 所 は 敦 賀 県 と か 石 川 県 と 書
の越前市内・福井県 内 の 小 学 校 が 発 行 し て い る
今回は、明治初期の 卒 業 証 書 や 地 券 で す 。 現 在
が、あまり知られていませんでした。
近代法学のパイオニア〟とも呼ばれる人物です
大審院判事・同部長などを歴任するなど、〝本
して旧民法など重要法典の編纂作業に関与し、
士号を取得しました。帰国後は、司法省官僚と
年にフランスに公費留学しパリ法科大学で法学
なり開成学校(後の東京帝大)に入学。明治
敷に生まれた栗塚は、 歳で福井藩の特待生と
6
するまでに目まぐるしく変化した県域の変遷
を、分かり易くパネ ル で ご 紹 介 し て い ま す 。
8
庫の研究により、今後その学術的価値が明らか
に、ミニ特集コーナーを設置しました。栗塚文
と専門的な解題作業を行うことになったのを機
明治大学と協働で、栗塚文庫(洋書)の再整理
て2500冊余が残されています。このたび、
吾の蔵書が寄贈され、現在は「栗塚文庫」とし
当館には、旧武生町立図書館創立時に栗塚省
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になることを期待しています。
編集後記
▼先日まで雪を見て寒い、寒いを
連発していたのに、今年の7月
は暑い、暑い。エルニーニョ現
象もいい加減にしてもらいたい
ですね。
(善 )
▼小 のピアノ発表会で大トリを
飾った妖精のような少女。高校
で同じクラスになった。東京の
大学に行っても、福井弁を捨て
なかった。気が付くとまた「宮
下奈都」の本を手にとっている。
(澄)
▼図書館にはたくさんの出会いが
あります。今号には宮下奈都さ
んが文章をよせてくださいまし
た。8月 日の加藤さんのコン
サートもご期待ください。この
夏も暑くなりそう。
(杏理子)
▼ 毎 日、 暑 い で す ね。 ス イ ー ツ
食 べ 歩 き が 日 課 に な っ て ま す。
(麗 )
1
▼加齢とともに、強い冷房が身体
に堪えるようになってきました
が、唸り声をあげるパソコンの
ためになかなか設定温度をあげ
られない、そんな日が続きます。
(ヤ)
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22
14
― 次 号 予 告 ―
次号は
『郷土の歴史散歩』
を予定しています。
どうぞお楽しみに!
友の会だより 第 29 号(平成 27 年 8 月発行)
印刷・発行 越前市図書館友の会
〒 915-0832
越前市高瀬二丁目 7-24(越前市中央図書館内)
電話:0778-22-0354
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