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平成15年度 尾瀬山の鼻・尾瀬沼ビジターセンター運営記録

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平成15年度 尾瀬山の鼻・尾瀬沼ビジターセンター運営記録
平成15年度
尾瀬山の鼻
尾
瀬
沼
ビジターセンター運営記録
(目
次)
ビジターセンター位置図
巻
末
資
料
尾瀬山の鼻ビジターセンター運営記録
・グラフでみる 8年間
…
25
・ビジターセンターの利用動向
…
26
…
1
コラム「尾瀬ボランティア」
…
10
・ビジターセンター傷病者対応事例
…
27
尾瀬沼ビジターセンター運営記録
…
11
・尾瀬のできごとをふりかえる
…
28
コラム「尾瀬サブレンジャー」
…
20
コラム「尾瀬の自然解説事業」
…
30
見晴地区サブレンジャー活動記録
…
22
今年の尾瀬のトピックス
…
31
コラム「尾瀬自然解説ガイド」
…
23
尾瀬保護財団の沿革と概要
…
32
コ ラ ム 「一般の方から寄せられた声」 …
24
ビジターセンターの自然体験プログラム
財団法人 尾瀬保護財団
ビジターセンター位置図
尾瀬沼ビジターセンター
福島県南会津郡檜枝岐村字燧ヶ岳1番地
尾瀬山の鼻ビジターセンター
群馬県利根郡片品村
大字戸倉字中原山898ー9
ビジターセンターまでの交通案内
尾瀬は山ですので、登山のしたくでおいでください。
尾瀬沼ビジターセンターまでは・・・
・福島県檜枝岐村の沼山峠から徒歩で約60分。
・沼山峠まではふもとの御池から
会津乗合自動車バスで約20分。
尾瀬山の鼻ビジターセンターまでは・・・
・群馬県片品村の鳩待峠から徒歩で約60分。
・鳩待峠まではふもとの戸倉から
関越交通バスで約25分。
(表紙の写真:大江湿原での自然観察会
9月10日の尾瀬サミットにて)
平成15年度
Ⅰ
尾瀬山の鼻ビジタ−センタ−運営記録
ビジタ−センタ−運営管理
尾瀬保護財団では、群馬県が設置した尾瀬山の鼻ビジタ−センタ−の管理運営を、平
成8年から実施しています。
1
2
運営期間
(1)
職員駐在
平成15年 5月13日 ∼ 平成15年11月 5日(177日間)
(2)
開所期間
平成15年 5月16日 ∼ 平成15年11月 3日(172日間)
(3)
休 館 日
なし
取扱時間
(1)
開
館
8:00 ∼ 19:00(平日)
7:00 ∼ 19:00 (土日祝日)
(2)
窓
口
8:00 ∼ 16:30(平日)
7:30 ∼ 17:00 (土日祝日)
※
3
開館時間は、通年 7:00 ∼ 19:00で運用しています。
入館者数
127,131人(平成14年度は
(参考
4
人数
(2)
構成
(写真 1)
9人(6月∼7月 金子係長、8月∼10月 西嶋主任)
職
所
(3)
102.4%)
巻末資料1「グラフで見る8年間」もあわせてご覧下さい。)
職員構成
(1)
124,091人、前年度比
長
氏
名
主
な
分
掌
業
務
七五三木 光男
全体総括
尾瀬専門員
鶴 渕
一 三
特殊植物保全、自然解説
係
長
金 子
正 明
管理運営、自然解説 (駐在期間 6月∼7月)
主
任
西 嶋
弘 満
管理運営、自然解説 (駐在期間 8月∼10月)
保護指導員
星 野
睦 治
巡回指導、特殊植物保全、施設管理
保護指導員
酒 井
征 哉
特殊植物保全、公衆トイレ管理、環境保全
管 理 員
若 林
和 子
衛生管理、福利厚生
管 理 員
佐 藤
舞 子
自然解説、窓口対応
管 理 員
森 脇
荘 平
特殊植物保全、公衆トイレ管理、環境保全
管 理 員
堤
翼
自然解説、窓口対応
アルバイト(サブレンジャー)雇用
延べ184人(内訳:春期 48人、夏期 109人、秋期 27人)
- 1 -
Ⅱ
自然解説事業
尾瀬を訪れる利用者に、自然との触れあいを通じて尾瀬にふさわしい利用方法を啓発
するとともに、豊かな自然の大切さを意識してもらうことを目的としています。
そのため、ビジターセンター内の展示室及びレクチャールーム、野外掲示板等を利用
し、入山者に対する自然解説及び利用案内を実施しました。
表
区
分
平成15年度
自然観察会
参加者数(人)
877(75.5%)
実施回数(回)
107(117)
自然解説活動のまとめ
スライドショー
ハイビジョン
団体レクチャー
1,956(94.0%)
1,225(100.9%)
887(101.3%)
60(68)
89(113)
33(36)
(表中カッコ内は、%が前年度比、数値が前年度実施回数を示しています)
1
自然観察会
(写真 2)
週末や繁忙時期(ミズバショウ期、ニッコウキスゲ期、紅葉期)を中心に、山ノ鼻研究見本園を
会場とし実施しました。
2
(1)
実施場所
山ノ鼻研究見本園
(2)
実施時間
朝:午前7時から40分間
(3)
担 当 者
山の鼻ビジターセンター職員及び、サブレンジャー
昼:午後2時から40分間
スライドショー
自然観察会と同様な期間で開催しました。主に山小屋宿泊者を対象とし、山の鼻ビ
ジタ−センタ−で保管するスライドを用い、季節毎に組み替ることで担当者の解説と
合わせて鑑賞してもらいました。
3
(1) 実施場所
尾瀬山の鼻ビジターセンター内のレクチャールーム
(2)
実施時間
午後7時∼約40分間(秋期は、午後6時30分からに繰り下げ)
(3)
担 当 者
自然観察会と同様
ハイビジョン上映
ビジターセンター所有の映像ソフト「待ち伏せ」「トンボ」「クモ」を使い、繁忙期
の1日に2∼3回にわたり定時上映を行いました。その他、利用者からのリクエストに
より尾瀬関連の映像ビデオの放映も随時実施しました。
4
団体レクチャー
事前に依頼を受けた学校関係者や、尾瀬を勉強している社会人グループに対して、
スライドショーや自然観察会を開催し、自然への理解度を高めていただきました。
5
館内解説
不定期で館内展示物の利用方法を含めた解説を、職員により実施しました。
- 2 -
6
展示
(1)
常設展示
既設の展示に加え、次のような情報提供を行いました。
(2)
①
植物の開花や鳥などの観察ポイントや、登山道の危険箇所などの情報提供
②
気象情報(館内や正面掲示板に表示)
③
時節ごとの観察ポイントを紹介した写真やイラスト
④
デジタルカメラ映像による代表的な植物写真や、各地の様子を展示
⑤
バス・電車などの公共交通機関の情報や、相談受付
⑥
ビジターセンター協力者から提供された写真や、絵画、図書の展示
⑦
企画展で使用した木道模型や、旧木道(使用済み現物)などの展示
企画展示
尾瀬をより深く知ってもらうため、毎年テーマを決め、館内レクチャールーム
において企画展を開催しています。本年は、昨年実施した至仏山植生回復事業の
企画を引き継ぎ、さらに昨年発足した至仏山保全緊急対策会議の取り組みを加え
てわかりやすい解説を行いました。
①
テーマ
「どうなる至仏山!?
パートⅡ」
②
目的
至仏山対策の各種取り組みや、今後行われることが予定されてい
る学術調査、適正利用の検討方法等を判りやすく解説し、今後の
至仏山再生への道を探る手がかりをお知らせしました。
③
期間
平成15年 9月25日 ∼ 平成15年10月20日
④
内容
平成14年度に実施した「どうなる至仏山」の企画を生かし、至
仏山保全緊急対策会議の取り組みや、現状調査等の予備調査等を
判りやすく展示しました。
7
季刊誌の発行
季刊誌「原をわたる風だより」を発行し、館内にて利用者に配布するほか尾瀬内の
各山小屋、尾瀬沼ビジターセンターや関係する各地のビジタ−センタ−へ配布しまし
た。
8
①
発行日
6月29日(春号)、8月15日(夏号)、10月10日(秋冬合併号)
②
発行数
各号とも、400部∼700部を発行
自然情報の収集、提供
利用者への情報提供や解説資料充実のため、職員、サブレンジャーが毎週水曜日ま
でに尾瀬ヶ原の自然状況を調査し、尾瀬の自然情報として至仏山やアヤメ平などの状
況を加えて尾瀬内の各山小屋、関係各機関へ配布しました。
- 3 -
Ⅲ
群馬県所管施設の維持管理
尾瀬保護財団では、群馬県が整備した尾瀬地区公衆トイレ等の維持管理業務を実施し
ています。設置は山ノ鼻地区にある山の鼻公衆トイレ及び、龍宮地区の龍宮公衆トイレ
の2施設で、管理の歴史は平成8年から尾瀬山の鼻ビジターセンター、山の鼻公衆トイレ、
龍宮公衆トイレの3箇所を管理開始し、平成 12年には尾瀬利用者の計測を行う入山者カ
ウントセンサー(環境省所管)の管理が加わり、現在に至っています。
平成8・9・10・11年度
平成12・13・14・15年度
尾瀬山の鼻ビジターセンター
尾瀬山の鼻ビジターセンター
山の鼻公衆トイレ
山の鼻公衆トイレ
龍宮公衆トイレ
龍宮公衆トイレ
入山者カウントセンサー(環境省所管)
1
山の鼻公衆トイレ
山の鼻公衆トイレ及び、合併浄化槽の管理状況は以下のとおりです。
(1)
共用期間
平成15年 5月 2日 ∼ 平成15年11月 3日
(2)
( 186日間)
利用者数
270,131人(男子 126,391人
(参考)
(3)
①
女子 143,740人)
平成14年度
279,554人
(男子 134,554人
女子 145,000人)
平成13年度
303,535人
(男子 146,468人
女子 157,067人)
平成12年度
301,688人
(男子 144,750人
女子 156,938人)
平成11年度
304,861人
(男子 149,764人
女子 155,097人)
維持管理の実際
清掃
通常期は一日一回、繁忙期には一日二回、その他、随時点検を行いきめ細か
な清掃を行うことで快適な利用環境に配慮したほか、施設周辺の美化巡回も含
めてゴミのない公衆トイレを目指しました。
②
点検
通常期は一日一回、繁忙期には数回のペーパー補給や巡回を行いながら快適
な環境を維持しました。
③
合併処理浄化槽の維持
専門業者による定期的な保守・点検作業の他、絶えず異臭や異常の有無を把
握するように努めました。
2
龍宮公衆トイレ
龍宮公衆トイレ及び、合併処理浄化槽の維持管理業務を専門業者により実施しまし
た。ビジターセンター職員は、週2回にわたり清掃やその他管理状況の点検を行い、
予め決められたゴミ処理方針に基づき、公衆トイレで発生したゴミは域外搬出するた
めすべて回収しています。
- 4 -
Ⅳ
植生復元事業の実施
(写真 3)
踏みつけなどにより荒廃した湿原植生の復元と、貴重な生態系の保護を行うため、尾
瀬保護専門委員の助言を得て、至仏山東面登山道沿いの植生復元作業及び経過観察を、
アヤメ平(横田代)では昨年と同様に繁茂の状態を経過観察しました。また、昨年度から
試験実施している桐生グリーンマット方式の植生復元について、昨年の作業検証と本年
度分の継続作業を行いました。
1
至仏山東面登山道沿道の植生復元作業
(1)
実施場所
至仏山東面登山道沿いの標高約1,760m付近
<所在地
(2)
作業方法
片品村大字戸倉字至仏893-1>
種取り、現地整地作業、排水床作り、ポット苗の運搬・移植
なお、ポット苗の定置のため黄麻製の緑化ネットを使用しました。
(3) 作業内容
①
前年度秋にビーポットに播種し、今年度秋に現地へ植えたもの
育苗ポット約、500鉢
②
播種面積約、50㎡
来年度用のポット苗数
約、500鉢 (小さいジフィーポットを使用)
2
至仏山植生復元事業の各種取り組み
(写真 4)
15年度の至仏山東面登山道植生回復作業は、 9月 17日快晴に恵まれた至仏山中腹の
作業地に財団職員、尾瀬ボランティア、地元の尾瀬高校自然環境科1年生など、あわ
せて約60名近くの参加で実施しました。
3
至仏山植生復元地経過観察
これまで実施してきた箇所の観察では、残雪からの流水や、雨水による流水が施工
地の苗に影響を与える事が確認されています。そのため、植生復元地保護のため人工
的な流水処理を行った後にポット苗を移植した実験地については、確実に活着・成長
していることがわかります。
4
アヤメ平植生復元地経過観察
平成4年度施工した地域について、現在まで経過観察しています。施工後から継続
している観察結果では、湿原でも湿潤地は少しづつ流失する水のため、播種後の植物
の成長は芳しくありません。
また、流出水がない湿地では、私たちが人工的に播種・発芽した植物により、裸地
を覆い隠すように良好な成長が観察されています。今後も環境変化による観察を継続
したいと思います。
- 5 -
Ⅴ
巡回活動の実施
1
(写真 5)
概要
職員、サブレンジャーで以下の業務を実施しました。
・歩道施設の点検及び、簡易な補修(木道のゆるみ、防護策転倒等の応急措置)
・利用者への案内・自然解説、効率的な利用方法の指導
・巡回中の美化清掃
・自然情報の収集と写真撮影と、ビジターセンターへの掲示
・植生復元作業実施後の生育状況調査・経過観察
なお、巡回中に確認された危険箇所については必要に応じて補修、または改修を随
時行いました。
2
Ⅵ
巡回方面と回数
・龍宮方面
週 2回
・至仏山方面
月 3回程度
・見晴方面
週 1回
・アヤメ平方面
月 3回程度
・赤田代方面
週 1回程度
・長沢、見晴方面
月 2回程度
・三条の滝方面
月 2回程度
その他
1
収入金の管理
協力金、募金、公衆トイレチップ、物品販売等による収入金を集計・管理しました。
2
開所式の実施
本年度の尾瀬山の鼻ビジターセンター開所式は、平成15年 5月16日に財団関係者や
山小屋関係者、登山者の参加により開催されました。この行事終了後から半年間にわ
たる業務を開始しました。
3
尾瀬ボランティアの活動支援
入山口啓発活動や、お話ボランティア(定点解説等)のコーディネートなど現地窓口
としてボランティア活動を支援しました。その他、至仏山登山道の防護柵設置及び撤
去作業、至仏山東面登山道沿いの植生復元作業についても募集・参加してもらいまし
た。また、本年はボランティアの新たな活動を模索する意味で、ビジターセンター館
内や公衆トイレの清掃、館内案内や事務的作業ボランティアなどの各業務について「尾
瀬山の鼻ビジターセンター支援活動」として試験的に実施しました。
4
お話ボランティア交流会
ボランティア同士の交流会を6月末に尾瀬山ノ鼻地区において開催しました。今回
は、初めての開催ということで参加者は少数でしたが、事務局と現地ビジタ−センタ
−からも職員が参加し、山小屋に宿泊して日頃感じていることを話しあったり、勉強
会として自然観察会を相互に実施するなど充実した交流会となりました。
- 6 -
5
サブレンジャーの配置
5月から10月までの、尾瀬シーズン中の繁忙期(春・夏・秋の多客期間)に雇用して
いる大学生のアルバイトです。特に、登山者が集中する夏にはサブレンジャーの基礎
知識向上のため就業前の研修(救急法・自然公園法・自然解説等)を行ってから山の
鼻、尾瀬沼各ビジタ−センタ−へ配置(巻末コラム・尾瀬サブレンジャ−参照)してい
ます。
6
傷病事故の対応
本年度、尾瀬山の鼻ビジターセンターで扱った重度な傷病事故件数は17件(14年度
は8件)で、このうち3件(3人)の死亡事故を含んでいます。この他、ビジタ−センタ−
窓口での軽微な手当等の対応や、山ノ鼻地区としての協力要請について職員を派遣し
て協力しました。(詳細は28ペ−ジ参照)
7
ツキノワグマ情報収集
尾瀬ヶ原地区の情報(聞き取りや、通報記録)を取りまとめて尾瀬沼ビジターセンタ
ーへ通報しました。本年度は15件が報告されています。
8
ゴミの計量及び域外搬出について
群馬県のゴミ処理方針に基づき、県有施設から発生するゴミは尾瀬地域内で一切燃
やさず、域外搬出して処理する事を徹底しました。なお、平成15年度の総搬出量は56
2㎏と、昨年度排出量(568.5㎏)を下回りました。
9
池塘・河川の清掃
本年度は清掃作業を2回実施しました。池塘や河川内に投棄された硬貨・木道廃材
やゴミ等を回収し、すべて尾瀬域外へ搬出・処理しました。現在も、過去に投棄され
た硬貨等が散見されますので、随時清掃作業を継続します。なお、本年度の清掃作業
で収集した硬貨は34枚、金額にして381円でした。
10
定時気象観測
5月下旬∼11月初旬まで期間中の毎日、9:00と15:00に行いました。
11
移入植物除去作業等
(写真 6)
ボランティアの皆さんに各種作業のご協力をいただきました。
(1)
片品村婦人会
村内各地区会員が4回・延べ65人で作業に参加、移入植物
除去や植生回復作業用のポット苗作成作業などに協力して
いただきました。
(2)
尾瀬ボランティア
1回、6名の参加で行われました。実施個所は鳩待峠∼小至
仏山までの区間で、途中の樹木観察会をはさみ3時間で約3
㎏を採取・搬出処理しました。
- 7 -
(写真 1)
ビジターセンター職員
開所式から半年間を尾
瀬ヶ原で元気に過ごしま
した。
(写真 2)
自然観察会
昼間の自然観察会で山
ノ鼻植物研究見本園へ案
内し、植物などを紹介し
ます。
(写真 3)
ポット苗と土砂
山の鼻ビジタ−センタ
−で育苗した苗と土砂を
作業地まで運びます。
- 8 -
(写真 4)
至仏山でレクチャ−
中腹の植生復元作業地
で、尾瀬高生へ作業の意
義や取り組みを解説しま
した。
(写真 5)
木道の簡易補修
職員の巡回により確認
された危険箇所の補修を
随時実施しています。
(写真 6)
片品村婦人会活動
植生復元用ポット苗作
りにも取り組んでいただ
きました。
- 9 -
尾瀬ボランティア
尾瀬ボランティア
コラム
コラム
∼
ビジターセンター運営のサポーター
1
∼
全国から集まる自発的なボランティア
尾瀬ボランティアは主に利用者に対する普及啓発、美化清掃を行うために(財)尾瀬保護財
団が募集を行い、平成8年6月から活動を開始しました。現在、北は北海道から南は宮崎まで21
都道府県の373人が登録しています。
活動の内容
尾瀬ボランティア活動は大きく分けてプロテクター的な活動と、インタープリター的な活動
に分けられます。それぞれの主な活動メニューは次のとおりです。
(インタープリター的活動)
(プロテクター的活動)
入山口(鳩待峠、沼山峠、大清水)での啓発活動
お話しボランティア活動(定点解説)
入山口周辺や尾瀬ヶ原、尾瀬沼周辺での美化巡回
山の鼻ビジターセンターにおける館内解説
至仏山中腹荒廃地の植生復元作業
自然解説パンフレットや情報紙等の作成補助
移入植物の除去作業、その他
各種調査、資料収集、その他
現在の登録状況
373人(平成16年1月21日現在、仮登録者3名を含む)
内訳:21都道府県(群馬県95人、埼玉66人、東京都56人、神奈川県43人、他)
平均年齢
58歳(最年長77歳、最年少22歳)
各年度ごとの取り組み
8年度
(括弧内は参加のべ人数)
9年度
10年度
11年度
12年度
13年度
14年度
15年度
558人
574人
500人
511人
514人
373人*10
(13.2.1)
(14.1.11) (15.1.21) (16.1.21)
登録者数
582人
508人
(内容現在日)
(9.2.23)
(10.2.16) (11.2.26) (11.12.31)
入山口啓発活動 44日(524) 30日(625) 36日(635) 36日(538)
32日(508) 34日(371) 33日(312) 29日(311)
スポット解説
3日(24)
10日(83)
15日(112) 15日(99)
16日(85)
15日(88)
移入植物除去
2日(31)
2日(29)
2日(29)
2日(14)
2日(9)
2日(11)
22人
11人
16人
9人
13人
*5、6
*7、8
*9
至仏山植生復元
その他
*1
*1
*2
*3
*4
*5
*6
*7
*8
*9
*10
∼
*2
*3、4
尾瀬クリーン大作戦 (以後「ありがとう尾瀬清掃活動」として継続)
鳩待峠路上駐車防止
至仏山登山道整備(以後、継続)
沼山峠に「尾瀬ボランティア活動詰め所」設置
啓発活動従事者講習会
ボランティア帽子配布(以後、継続)
県道沼田・檜枝岐線の植生回復作業(以後、継続)
お話しボランティア用の旗作成
鳩待峠に「ボランティアハウス」設置
14∼15年度の登録者数の減少は、H15.1に実施した更新手続の結果によるものです。
尾瀬ボランティアのみなさま、これからもVCのサポーターとしてご協力をお願いします
- 10 -
∼
平成15年度
尾瀬沼ビジターセンター運営記録
Ⅰ
ビジターセンター管理運営
平成8年度から環境省が設置した尾瀬沼ビジターセンターの管理運営を、実施してい
ます。
1
2
3
4
運営期間
(1) 職員駐在
(2) 開所期間
(3) 休館日
取扱時間
(1) 施設開館
(2) 窓口案内
8:00 ∼
8:30 ∼
∼
∼
平成15年11月 5日
平成15年11月 3日
19:00(平日)
16:30(平日)
7:00
7:30
∼
∼
( 176日間)
( 173日間)
19:00(土日祝日)
17:00(土日祝日)
入館者数 96,890人(平成14年度 101,431人、前年度比 95.5%)
(参考 巻末資料1「グラフでみる 8年間」もあわせてご覧ください。)
職員構成(写真1)
(1) 人数
7人
(2)
(3)
Ⅱ
平成15年 5月14日
平成15年 5月15日
なし
構成
職
所 長
技 師
管理員
管理員
管理員
管理員
管理員
氏 名
角田 和男
桜澤 仁
高木 伸一
深江 保宏
鈴木 聖子
山下さゆり
水野 梓
主
な
分
掌
事
項
全体総括
管理運営、自然解説
管理運営、自然解説
自然解説、HP作成
自然解説、機関誌発行
窓口応対、自然解説
窓口応対、自然解説
アルバイト(サブレンジャー)雇用
延べ 194.5人(内訳:春期48人、夏期119.5人、秋期27人)
自然解説事業
利用者に尾瀬のふさわしい利用方法を啓発するとともに、豊かな自然の一端に触れ、
自然の大切さを認識してもらうことを目的としています。ビジターセンターでは展示室
及びレクチャールーム、掲示板等を利用し、入山者に対する自然解説及び利用案内を実
施しました。
また、尾瀬沼地区の山小屋内の掲示板・関係機関・全国の登山用品店に情報提供を行
い、毎週木曜日に財団ホームページの内容更新を行いました。
- 11 -
表 平成15年度 尾瀬沼ビジターセンター自然解説活動のまとめ
区 分
自然観察会
スライドショー
マルチスライド
団体レクチャー
参加者数(人)
1,527(74%)
3,077(77%)
12,067
1,003(77%)
実施回数(回)
194(171)
95(83)
(77%)
13(22)
(表中カッコ内は、%が前年度比、数値が前年度実施回数を示しています)
1
自然観察会
週末や繁忙期を中心に、朝夕の 2回、ビジターセンター周辺を案内する自然観察会
を実施しました。
(1) 実施場所
大江湿原周辺
(2) 実施時間
朝:7:00∼7:40 夕:16:00∼16:40
(3) 担 当 者
職員、サブレンジャー、尾瀬パークボランティア
2
スライドショー (写真2)
自然観察会と同様の日程で、主に山小屋宿泊者を対象に、その日ごとの担当者が自
然や尾瀬に関するテーマでプログラムを提供しました。
(1) 実施場所
尾瀬沼ビジターセンター・レクチャールーム
(2) 実施時間
19:00∼19:40
(3) 担 当 者
自然観察会と同様
3
マルチスライド「尾瀬沼の四季」上映
12分間で四季の様子を紹介するビデオを 1日 8回定時上映した他、依頼による臨時
上映も行いました。
4
団体レクチャー (写真3)
事前に依頼を受けた学校団体や社会教育グループに対して、自然観察会やスライド
ショーを実施しました。また、昨年度から旅行業者や企業などからも事前予約があっ
た場合に限り、レクチャーを実施しています。
- 12 -
5
展 示
(1) 常設展示
既製の展示に加え、次のような情報提供を行いました。
① 植物の開花や鳥の観察ポイントなどの自然情報、登山道の危険箇所、ツキノ
ワグマの目撃情報など(毎週金曜日更新)
② 気象情報(毎日更新)
③ バス・電車などの交通機関の時刻表など
(2) 企画展示
① タイトル
「おこじょ作品展」
尾瀬に関連する関係者や山小屋従業員より幅広いジャンルの作
品を募集。施設内で展示を行いました。
② 展示期間
平成15年 9月13日∼平成15年10月 8日
③ 目
的
作品やコメントを通じて、一般の方に山小屋関係者を身近に感
じてもらい、表彰式などでは普段交流の少ない他地区の関係者
との交流を目的としています。
④ 日
程
・展示中は投票ボックスを置き、一般の方に作品の投票をお願
いして、ハイカー賞を選考。
・10月上旬に各山小屋の支配人、関係者による選考会を実施
・10月 8日に表彰式を行いました。
6
機関誌「おこじょだより」の発行
毎月1回機関誌「おこじょだより」を発行し、尾瀬山小屋、全国ビジターセンター、
尾瀬パークボランティア、関係機関へ送付しました。
(1) 発行日
毎月 1日発行(今年度88号∼93号発行)
(2) 発行部数
各号 150部∼190部
7
定点撮影
尾瀬沼周辺の景観の移り変わりをとらえ解説資料とするため、平成 9年度から毎週
火曜日に定点撮影を行っています。
(1) 撮影場所
燧ヶ岳、大江湿原全体、燧ヶ岳と大江湿原、ミズバショウ群落、
ニッコウキスゲ群落(ミズバショウ、ニッコウキスゲについて
は開花期間中)
(2) 撮影枚数
202枚
8
自然情報の収集・提供
利用者への情報提供や解説資料の充実のため、職員やサブレンジャーが毎週木曜日
に大江湿原等の自然情報の収集を行いました。収集した自然情報はビジターセンター
に掲示するとともに尾瀬の山小屋・関係機関・全国の登山用品店に配布しています。
- 13 -
Ⅲ
環境省所管施設の維持管理
平成 8年度から環境省が整備した尾瀬沼地区の各施設の維持管理を、実施しています。
維持管理を行っている施設は、次のとおりです。
平成8・9年度
尾瀬沼ビジターセンター
尾瀬沼第1公衆トイレ(清掃のみ)
1
平成10・11年度
尾瀬沼ビジターセンター
尾瀬沼第1公衆トイレ(清掃のみ)
尾瀬沼第2公衆トイレ(清掃のみ)
尾瀬沼排水施設及び流量計
平成12年度
尾瀬沼ビジターセンター
尾瀬沼第1.2公衆トイレ(浄化槽含む)
尾瀬沼排水施設及び流量計
尾瀬沼給水施設
入山者カウントセンサー
平成13・14・15年度
尾瀬沼ビジターセンター
尾瀬沼第1・2公衆トイレ(浄化槽含む)
尾瀬沼排水施設及び流量計
尾瀬沼給水施設
尾瀬沼汚泥処理施設
入山者カウントセンサー
見晴地区公衆トイレ(浄化槽含む)
尾瀬沼第1・第2公衆トイレ
(1) 概要
環境省が尾瀬沼地区に設置した尾瀬沼第 1および第 2公衆トイレの管理を行い
ました。浄化槽が良好な状態で機能するように維持管理を行うと共に、日常的な
清掃を実施しました。
(2) 業務内容
① 各機器の点検・清掃
② 開所・閉所作業
③ 浄化槽維持管理(平成12年度から)
2
尾瀬沼排水施設及び流量計記録
(1) 概要
平成 9年度に環境省が整備した尾瀬沼排水施設の維持管理を、平成10年度から
実施しています。
(2) 業務内容
① 日常点検
② 記録用紙の補充
③ 開所・閉所作業
3
尾瀬沼給水施設
(1) 概要
平成11年度に環境省が整備した尾瀬沼給水施設の維持管理を、平成12年度から
実施しています。
(2) 業務内容
① 濾過装置の逆洗浄
② 滅菌剤の交換及び滴下量の調整
③ 水質の管理
④ 日常点検の実施
- 14 -
4
尾瀬沼汚泥処理施設
(1) 概要
平成12年度に環境省が整備した汚泥処理施設の維持管理と点検を、平成13年度
から実施しています。
(2) 業務内容
① 尾瀬沼第1・第2公衆トイレ及びその他の環境省所管施設で発生した汚泥の適
切な処理
② 見晴公衆トイレで発生した汚泥の適切な処理
③ 日常点検の実施
5
入山者数カウントセンサー
(1) 概要
平成元年度に環境省が設置した尾瀬各地の入山者数カウントセンサーの管理
を、平成12年度から実施しています。
(2) 業務内容
① 入山者数カウントセンサーの設置・撤去
大江湿原( 1セット)、御池( 1セット)、三平下( 1セット)、鳩待峠( 3
セット)、山の鼻( 2セット)の設置および撤去を行いました。
② 入山者数の記録・集計
Ⅳ
植生復元事業の実施(写真4)
環境省及び福島県の委託により「特殊植物保全事業」の現地作業を行いました。
1
保護柵の設置
(1) 実施場所
(2)
2
実施方法
植生復元
(1) 実施場所
(2)
実施作業
大江湿原、尾瀬沼北岸、沼尻、白砂湿原、尾瀬ヶ原(下田代・赤
田代地区)
利用者が湿原に立ち入らないよう、湿原の入り口付近に杭とロ
ープで柵を張りました。
沼尻、小淵沢田代(福島県側)、尾瀬ヶ原(下田代・赤田代地区)
・採種(ミヤマイヌノハナヒゲ、ヌマガヤ)
・種もみ
・敷き草(採種の際、種と一緒に採取した茎を利用する。)
・播種、移植
裸地化した湿原箇所の表面を軽く耕し、ヌマガヤ、ミヤマイヌ
ノハナヒゲの種を播き、その上に茎を敷きつめました。
・経過観察
- 15 -
Ⅴ
巡回活動の実施
1
2
Ⅵ
概要
歩道の安全確保、自然情報収集、案内・解説、利用者指導、美化清掃等を目的に、
職員・サブレンジャーで分担・実施しました。
巡回方面と頻度
① 大江湿原(繁忙期には毎日実施)
② 尾瀬沼一周(繁忙期には毎日実施)
③ 燧ヶ岳(繁忙期には週2回実施)
④ 小淵沢田代(繁忙期には週2回実施)
⑤ 見晴(繁忙期には毎日実施)
⑥ 一ノ瀬(繁忙期には週1回実施)
その他
1
尾瀬ブナの森ミュージアムへの職員派遣
平成 9年度から、御池ロッジに併設された尾瀬ブナの森ミュージアム(檜枝岐村施
設)へ管理員を派遣し、その運営を行いました。平成13年度からは繁忙期の週末を中
心に職員の派遣を行っています。
(1) 運営期間
① 職員駐在 平成15年6月7日∼10月14日の内、週末を中心に計26日間
② 開所期間 平成15年6月1日∼10月19日
(2)
窓口取扱時間
10:00∼15:00
(3) 業務内容
① 施設の開館・閉館、保守点検・清掃
② シアターの上映
・総観客者数
469人(前年度比82.3%)
2
尾瀬ボランティア活動支援
入山口啓発活動やお話ボランティア等のコーディネート及び現地での窓口としてボ
ランティア活動を支援しました。
(コラム 「尾瀬ボランティア」もあわせてご覧ください。)
3
サブレンジャーの配置
サブレンジャーが尾瀬沼の業務に携わる際、事前に研修会を行い自然解説・救急法
(救急法講習は夏期のみ)などを指導しました。
(コラム 「尾瀬サブレンジャー」もあわせてご覧ください。)
- 16 -
4
傷病事故の対応(写真5)
尾瀬沼ビジターセンターで扱った傷病事故の件数は次のとおりです。
傷病対応 計36件
内訳/軽∼中程度の事例……25件 担架要請、ヘリ搬送などを要した事例…… 11件
(巻末資料3 「傷病者対応事例」もあわせてご覧ください。
)
5
ツキノワグマの情報収集
平成12年度から尾瀬地区内で目撃されたツキノワグマの目撃情報を収集し、目撃マ
ップを作成するなどして関係機関や利用者への情報提供を行いました。
今年度は、山の鼻ビジターセンターからの情報をあわせて51件の目撃情報が寄せら
れました。
(凡例)●はツキノワグマの目撃場所を示しています。
ツキノワグマ目撃マップ
6
ゴミの計量及び域外搬出(写真6)
ゴミの分別を徹底し、計量後毎週月曜日に人力で域外搬出しました。
ゴミは、可燃物(生ゴミは乾燥処理)、不燃物、アルミ缶、スチール缶、ビン、そ
の他の色付きビン、ペットボトル、段ボール、新聞紙などに分別しました。
(総搬出量607㎏)
7
尾瀬パークボランティアの活動支援
環境省所管の尾瀬パークボランティアの食事依頼表の作成と活動支援を行いまし
た。
- 17 -
(写真1)
職員構成
所長、技師、管理員の
7人体制で運営を行いま
した。
(写真2)
スライドショー
夜7時から山小屋の宿
泊者を対象に、毎回40分
程度のスライド解説を行
いました。
(写真3)
団体レクチャー
予約制で観察会やスラ
イドなど、参加者の要望
に応じた特別プログラム
を実施しました。
- 18 -
(写真4)
保護柵の設置
利用者が湿原に入らな
いように、場所によって
杭とロープを使って、柵
を張りました。
(写真5)
傷病事故の対応
現地では医療施設がな
いため、病状によっては
ヘリや担架で搬送するこ
ともあります。
(写真6)
ゴミの域外搬出
ゴミの分別をし、毎週
月曜日に人力(職員)で
域外に搬出しました。
- 19 -
コラム
コラム
∼
尾瀬サブレンジャー
尾瀬サブレンジャー
ビジターセンター運営のサポーター
2
∼
はっきりとしない発足年代
サブレンジャー制度の始まりははっきりしませんが、昭和40年代には各国立公園で厚生省(当
時。現・環境省)に雇用されていたようです。その後も尾瀬サブレンジャーは、尾瀬沼ビジタ
ーセンター運営協議会雇用のもと、パークレンジャー(現・環境省自然保護官)の指導監督を
受けて活動してきましたが、平成 8年 5月に当財団が引き継ぐことになりました。
ビジターセンター職員の補助員として
発足当時はパークレンジャーを補助する役割だったためこの名前が付いたようです。現在の
サブレンジャーは尾瀬保護財団が雇用し、繁忙期(ミズバショウ期、夏休み期、紅葉期)に尾
瀬山の鼻・尾瀬沼ビジターセンターを拠点とし、案内・説明、観察会やスライド上映会、公衆ト
イレ清掃、美化巡回などのビジターセンター業務を補助することで、利用者への働きかけを充実
させることにあります。
雇用期間と仕事環境
サブレンジャーの雇用期間は春と秋の金∼月曜日の4日間。夏休み期間には前期約16日間、
後期約12日間の長期雇用となります(休暇あり)。財団負担で交通費(各大学から各ビジターセ
ンターまで:上限あり)支給、傷害保険加入を行います。現地では、相部屋で山小屋に宿泊し、
食費は自己負担になります。
尾瀬山の鼻・尾瀬沼ビジターセンターに配属されたサブレンジャーは研修(春・秋は半日、
夏は2日間)を受け、スタッフの一員としてローテーションにより、職員と共に美化巡回、自然
解説、利用者指導などの業務を行います。
参加大学
サブレンジャーは、学生時代に自然保護活動へ参加するきっかけの一つです。当財団ではサ
ブレンジャー経験実績のある大学のほか、地元3県の大学などへも働きかけを行っています。
(これまでの参加大学:順不同)
千葉大学、東京農工大学、群馬大学、日本女子大学、東京環境工科専門学校、東京農業大学、
福島大学、新潟大学、江戸川大学、安田女子大学、宇都宮大学、東京学芸大学、日本大学
- 20 -
雇用人数
表
尾瀬保護財団が雇用した尾瀬サブレンジャー人数(延べ人数)
平成 8年度
平成 9年度
平成10年度
平成11年度
平成12年度
平成13年度
平成14年度 平成15年度
尾瀬山の鼻 春
48
36
48
48
48
48
48
48
ビジター
夏
120
126
160
138
136
144
88
109
センター
秋
54
48
36
36
36
32
20
27
計
222
210
244
222
220
224
156
184
尾瀬沼
春
112
87
60
52
52
58
48
48
ビジター
夏
176
217
141
158
159
117.5
110
119.5
センター
秋
85
85
55
34
34
26
28
27
計
373
389
256
244
245
201.5
186
194.5
見晴休憩所 夏
160
126
160
152
128
52
37
39
* 秋
72
30
32
16
32
8
6
1
計
232
156
192
168
160
60
43
40
御 池**
37
40
24
19
21
35
17
11
総 計
864
795
716
653
646
520.5
402
429.5
*
平成13年度以降の見晴活動は、活動拠点の見晴休憩所が建て替えになったため、両ビジターセン
ターからの日帰り巡回(美化清掃、利用者指導)を行った人数を記した。
** 平成13年度以降の御池活動では、従来(平成12年度まで)の交通規制誘導業務でなく、檜枝岐村
からの要請により、村営御池ロッジに併設された尾瀬ブナの森ミュージアムの管理業務を行った。
活動風景
尾瀬沼東畔での、自然観察会
∼
尾瀬サブレンジャーのみなさま、これからも充実した運営へのサポートをお願いします
- 21 -
∼
平成15年度
Ⅰ
見晴地区サブレンジャー活動記録
見晴地区サブレンジャーの活動概要
見晴休憩所の工事が終了し完成しましたが、今年度も宿泊での活動は実施しないため、
昨年同様、期間中の毎日、尾瀬山の鼻と尾瀬沼の両ビジターセンターから各1人を日帰
りで派遣しました。
1
活動期間
(1)
夏前期
平成15年 7月19日
∼
平成15年 8月 3日(16日間)
(2)
夏後期
平成15年 8月 7日
∼
平成15年 8月17日( 9日間)
(3)
秋 1期
平成15年10月 4日
∼
平成15年10月 5日( 2日間)
(4)
秋 2期
平成15年10月11日
∼
平成15年10月12日( 2日間)
*事前研修は両ビジターセンターで実施しました。
2
業務概要
公衆トイレ等の清掃、美化巡回を実施しました。
美化巡回は見晴へ向かう途中、見晴から両ビジターへ戻る間実施しました。
Ⅱ
公衆トイレの清掃
昼 1回実施。キャンプ場周辺の美化清掃も随時実施しました。
(写真 1)
見晴休憩所完成
工事中であった休憩所
が新しく完成し、5月
24日に開所。
- 22 -
尾瀬自然解説ガイド
尾瀬自然解説ガイド
コラム
コラム
∼
ビジターセンター運営のサポーター
尾瀬自然解説ガイドとは
3
∼
∼自然に親しむお手伝い∼
主に滞在時間の短い入山者を対象にした自然解説のためのガイドです。自然に親しむとともに、
マナーの向上を図り、尾瀬の適正な利用を推進することが目的です。参加料はひとりあたり50
0円∼1,200円で、保険料や資料代、緊急時のための無線設備などの事務費に充てています。
ガイド本人には、現地までのバス代など、一部を補う程度で、給与や報酬は支給しません。
発足の経緯
∼理事長の命を受けて∼
「21世紀の尾瀬を考える」をテーマに行われた尾瀬サミット2002では、至仏山保全対策
や地元山岳ガイドからの活動報告があり、ガイドの役割とガイド資格の課題について認識されま
した。さらにその後、財団理事長(=小寺弘之群馬県知事)から、群馬県議会で次のような発言
があり、財団がガイド事業に本格的に取り組むきっかけとなりました。(
「 前略)何よりも尾瀬を
知っていただくということが尾瀬保護の一番肝心なことでありますので、ガイドの導入というの
は大事なことであると積極的に考えております。(中略)今後、財団を中心に新しいガイド制度の
創設と民間団体のガイドとの相互ネットワーク化などについて積極的に検討し、具体化してまい
りたいと思います。(後略)」(平成14年9月25日群馬県議会の議事録より引用)
いよいよ始動
∼平成15年度の試行結果∼
平成15年度の尾瀬自然解説ガイドの活動内容は次のとおりです。
◎実施日:9月27日(土)、28日(日)、10月4日(土)、5日(日)
◎時間
:午前8時∼12時
◎参加者のべ人数
計4日間
83人
◎ガイドコース
◎所要時間
研究見本園一周
1時間
500円
最少催行人員2人
尾瀬ヶ原(山ノ鼻∼牛首)片道
1時間30分
800円
1グループ最大10人
尾瀬ヶ原(山ノ鼻∼牛首)往復
3時間
信頼される自然解説ガイドを目指して
◎参加料金
◎備考
1200円
∼質の高いガイドの人材を確保∼
ガイド事業の成否を決めるのは、ガイドの質そのもの、すなわち「人材」です。尾瀬自然解説
ガイドでは、質の高い人材を確保するため、尾瀬ボランティアでIP(インタープリテーション)
研修を受講済みの方を対象に、導入研修を実施し、レポートの提出を経て現地研修を修了した方
14人をガイド登録しました。平成16年度には2回目の現地研修を実施し、20人程度の登録
を見込んでいます。そして、大江川湿原や尾瀬沼北岸をガイドコースに追加する予定です。尾瀬
自然解説ガイドは、将来はガイド団体として財団から独立し、自主運営に移行する計画です。
∼
尾瀬自然解説ガイドのみなさま、これからも職員とともに切磋琢磨してゆきましょう
- 23 -
∼
コラム
コラム
∼
一般の方から寄せられた声
一般の方から寄せられた声
両ビジターセンターに寄せられた声から
∼
初心者です。
「彼に勧められて、初めての尾瀬にツアーで参加しました。彼と一緒に、こんなステキ
な自然を感じられる事ができて幸せです。これから結婚して子供ができてからも、家族み
んなでまた来ます。も∼う、尾瀬サイコ∼ これからもこの自然を守ってください。
」(投
稿者不明)
「親子4人(大、小5、小4、幼)で、若い頃を思い出しながら尾瀬に来ました。一番下
の子が心配でしたが、何事もなく、かえって一番がんばり無事到着しました。今日は天気
も良く、青空の下で最高です。」(投稿者不明)
経験者です。
「一昨日までの肌寒い夏がウソのように、今日は檜枝岐と尾瀬を楽しんでいます。山道
を歩くたびに、秋も良いだろうなと思いながら、もう何回目になるのでしょう? 次回も
みんな元気で来られると良いなぁと思いながら歩いています。今年もオコジョには会えま
せんでしたが、次回はきっと会えるような気がします。頑張るぞぉ∼。」(投稿者不明)
こんな風に感じています。
「美しい尾瀬の自然を管理してくださっている方々、ありがとうございます。一言、感
想を申し上げてもよいでしょうか? ボッカさんの事ですが、私たちもあまり理解せず、
つい言葉をかけることがあります。結果的に怒らせてしまうことになり申し訳ないと感じ
ていますが、どうぞ機会をとらえて、本やガイドブックの中に、私たちの態度やどのよう
に接したらよいのかを示していただけると有り難いのですが・・・・」(投稿者不明)
(ビジターセンターから : 100㎏近くの重たい荷物を背負って歩いているボッカさんは、
慎重に一歩、一歩を歩いています。うかつに声をかけたり、質問したり、写真を撮ること
は控えるのが礼儀ではないでしょうか。)
「鳩待峠からは雨でした。でも、木道沿いの各所にいろいろな注意事項が示してあり、
たいへん安心して散策できました。また、トイレや休憩所もとても清潔にしてあり、楽し
い思い出ができました、担当してくださっている方々に感謝・感謝」(埼玉県・男・60
歳)
感動しました。
「前回は、11ヶ月と4歳の子供達と一緒に家族で来ました。今年は、少し成長した二
人と楽しいキャンプになりました。来年は子供達も3歳と6歳になります、きっと元気に
尾瀬を歩いてくれるでしょう。それがまた楽しみで尾瀬に来ます。」
(山梨県・男・40歳)
∼
ビジターセンター利用者のみなさま、これからも充実した運営のためにご意見をお願いします
- 24 -
∼
巻末資料1
グラフでみる8年間
1 ビジターセンター入館者数の推移
700
648
614
600
(単位:千人)
尾瀬の総入
山者
尾瀬山の鼻
ビジターセ
ンター
尾 瀬 沼
ビジターセ
ンター
500
455
428
426
400
448
410
384
300
200
217
100
103
-
平成 8年
194
146
平成 9
153
128
平成10
142
102
133
114
平成11
平成12
144
102
平成13
124
101
平成14
127
97
平成15
*尾瀬沼ビジターセンターの平成8年度データは参考値(センサー未設置のため)
2 自然観察会への参加者数の推移
3,500
3,000
3,297
3,195
3,066
2,819
(単位:人)
2,500
2,344
2,243
2,000
2,053
1,726
1,500
1,022
1,000
1,199
1,333
1,338
1,527
1,210
1,161
877
500
0
平成 8年
平成 9
平成10
平成11
平成12
平成13
平成14
平成15
3 スライド上映会(スライドショー)への参加者数の推移
8,000
7,000
7,092
6,152
(単位:人)
6,000
5,678
5,517
5,000
4,773
4,582
4,022
4,000
3,000
2,552
2,000
2,528
2,938
2,471
3,077
2,791
1,851
2,079 1,956
1,000
0
平成 8年
平成 9
平成10
- 25 -
平成11
平成12
平成13
平成14
平成15
巻末資料2
ビジターセンターの利用動向
1 尾瀬の総入山者数とビジターセンター入館者数との比較
700
648
614
600
尾瀬の総入
山者
尾 瀬 沼
ビジターセ
ンター
(単位:千人)
尾瀬山の鼻
ビジターセ
ンター
500
455
448
428
426
400
410
384
300
200
217
194
146
100
103
153
128
144
102
142
102
133
114
124
101
127
97
平成 8年 平成 9
平成10
平成11
平成12
平成13
平成14
平成15
2 尾瀬の総入山者に占めるビジターセンター入館者の割合(平成15年)
42%
両ビジターセンター
合計
58%
3 尾瀬の総入山者に占めるビジターセンター入館者の割合(平成8年∼平成15年)
平成 8年 平成 9
尾瀬の総入山者数
平成10
平成11
平成12
平成13
平成14
平成15
647,523
614,317
455,409
425,807
428,446
448,041
409,942
384,251
両ビジターセンター 合計
49%
55%
62%
58%
57%
55%
55%
58%
(内訳)尾瀬山の鼻ビジターセンター
34%
32%
33%
31%
33%
32%
30%
33%
(内訳)尾 瀬 沼ビジターセンター
16%
24%
28%
27%
24%
23%
25%
25%
*「尾瀬の総入山者数」は環境省発表データを引用しました。
- 26 -
巻末資料3
平成15年度
尾
疾患事故
転倒事故
転倒事故
転倒事故
転倒事故
転倒事故
転倒事故
瀬
ビジターセンター傷病者対応事例
沼ビジターセンター対応事例(担架搬送、ヘリ輸送したものを抜粋)
7月 5日(土) 13時頃 小淵沢分岐付近にて、動悸、息切れ
不整脈、脂汗、動悸等動かせる状態でないため、防災ヘリにて搬送。
7月18日(金) 9時頃 尾瀬沼南岸木道に滑り転倒。右足首骨折
応急処置をして、沼尻まで背負って搬送。その後防災ヘリで搬送する。
7月19日(土)11時半頃 尾瀬沼南岸で木道に滑り転倒。右足関節脱臼骨折。
報告を受け職員が出動し状況報告。山小屋従業員とともに担架搬送。
7月20日(日) 9時30分頃 燧ヶ岳:長英新道にて下山中、右足を負傷。
三平下から防災ヘリで搬送。
7月26日(土) 8時15分頃 ビジターセンター入口階段の溝に躓き転倒。
応急処置をして、担架搬送。
8月11日(月) 11時半頃 大清水平付近で木道に滑り転倒。
通報を受け職員1名が出動。三平下から防災ヘリで搬送。
8月19日(火) 10時すぎ 尾瀬沼南岸 三平下付近で木道階段に滑り転倒。
通報を受け職員1名が出動。応急処置を行い、担架搬送。
他に4件ありました。
尾瀬山の鼻ビジターセンター対応事例(担架搬送、ヘリ輸送したものを抜粋)
転倒事故
7月 5日(土) 13時頃 原の川上橋付近で木道より転落し、捻挫と靱帯損傷。
通報を受け、職員1名が出動、山小屋へ収容後ヘリ輸送を行う。
転倒事故
7月 8日(火) 13時頃 牛首ベンチ付近で木道の間に足を踏み外し、捻挫。
通報を受け現場まで職員1名が出動。状況報告し担架の要請を行う。
心肺停止
7月25日(金) 6時前 至仏山登山道から200m付近、登山開始直後に昏倒。
そのまま心停止、職員3名が出動し山小屋へ収容、応急処置を行うも死亡。
滑落事故
8月19日(火) 14時頃 ヨセ沢を過ぎた階段付近で滑落、骨折、左肩脱臼。
通報を受け職員2名が出動し、通りかかった医師により応急処置後、担架搬送。
疾患事故
8月19日(火)15時頃 上記場所付近にて通行中に心臓発作により昏倒。
上記医師により応急処置を施し、現場処理中の職員とともに担架搬送。
転倒事故
9月27日(土) 11時頃 川上橋付近にて転倒、捻挫または骨折の疑いあり。
同行ツアコンの要請により職員1名が付き添い、担架搬送。
転倒事故
10月 2日(木)13時頃 川上橋付近にて転倒、捻挫または骨折の疑いあり。
同行添乗員の要請により職員1名が付き添い、担架搬送。
- 27 -
巻末資料4
−2003年
尾瀬のできごとをふりかえる−
昨年は下山前に大雪に見舞われましたが、今シーズンは大雪に見舞われることなく無
事下山 すること ができま した。 シーズン 中の印象 として、 尾瀬サミ ットが現 地ではなく、
檜枝岐 村で開催 され、そ れと合 わせて、 初めて、 大清水∼ 一ノ瀬間 で電気自 動車の試乗も
行いました。
(下線のできごとは、場所を定めて毎年経過観察をしているものです )。
尾瀬ヶ原周辺のできごと
尾瀬沼周辺のできごと
(尾瀬山の鼻ビジターセンター報告)
5月
2
(尾瀬沼ビジターセンター報告)
5月
景鶴山(登山禁止)で滑落死亡事故
14
発生。残雪により遅れていた道路開
通。
職員上山、沼山峠より入山
VC前、積雪約1m
16
ミズバショウ咲き始め・・テンマ沢
ビジターセンター開所式
(尾瀬沼では初めて開催)
アカシボ発生・・・・・・尾瀬ヶ原
17
イワツバメが巣作りをはじめる
13
職員上山
20
尾瀬山開き・・・・・・・・御
16
ビジターセンター開所式
22
早朝、霜が降りる・・・霜最終日
22
至仏山、アヤメ平、尾瀬ヶ原の入山
者センサー取り付け
27
池
(昨年より1週間早い)
27
ミズバショウ見ごろ・・・大江湿原
(昨年と変わらない)
木道に雪がなくなる・・・尾瀬ヶ原
ミズバショウ見頃・・・・・上田代
チシマザクラ開花・・・・・山の鼻
31
シラネアオイ、鳩待峠∼山の鼻間で
開花する。
6月
3
6月
霜最終日(−2.5℃)
6
モリアオガエル産卵
7
22
大江湿原の入山者カウントセンサー
が、新しく設置。
ゴミ持ち帰り運動実施
10
関東甲信越地方は梅雨入り
至仏山緊急保全検討会議メンバーに
13
東北地方南部の梅雨入り(昨年より
2日遅い)
よる調査登山
22
ニッコウキスゲ咲き始め
22
ニッコウキスゲ開花確認・大江湿原
23
龍宮にて子鹿目撃情報
28
燧ヶ岳山開き
28
至仏山柵立て作業実施
7月
7月
1
今季の至仏山登山道再開
6
3
カキツバタ咲き始める。
13
帝釈山山開き
燧ヶ岳ナデックボルートの残雪が消
12
ホタル発生を確認(見本園)
える
16
ニッコウキスゲ尾瀬ヶ原で見頃
18
ニッコウキスゲ見頃(昨年と同じ)
25
至仏山山ノ鼻登山口付近で死亡事故
26
東海地方まで梅雨明け
29
尾瀬子供サミット開幕(∼8/1)
- 28 -
8月
8月
6
山の鼻公衆トイレ募金箱が壊され、
募金が盗まれる。
7
2
関東甲信越地方梅雨明け
15
おこじょの目撃情報が第一ベンチ付
龍宮公衆トイレでも募金盗難が判明
11
近で多数、報告される。
山ノ鼻地区でクマ頻繁に出没
(8件、発見証明書を40枚発行)
植生回復用の種子採取始まる。
14
28
植生復元作業で利用する“ミヤマイ
今シーズン初めてストーブを使用
ヌノハナヒゲ”の種を採取。
(最低気温8℃を記録)
9月
10
9月
尾瀬サミット、檜枝岐村で開催
10
尾瀬サミット、檜枝岐村で開催
(∼11)
(∼11)
12
十二様祭り開催・・・・・・山の鼻
大清水∼一ノ瀬間で電気自動車試乗
17
至仏山植生復元作業実施
13
おこじょ作品展開始
19
VC外壁塗装工事を開始する。
21
大江湿原の草紅葉見頃
19
初霜・初氷
25
草紅葉見頃・・・・・尾瀬ヶ原一帯
23
初霜、零下
28
ありがとう尾瀬清掃作業始まる。
30
燧ヶ岳初冠雪
(昨年とほぼ同日)
最低気温−2℃
(昨年より5日遅い)
10月
10月
5
至仏山初冠雪
1
おこじょ作品選考会
8
VC外壁塗装工事が完成
8
9/13から開催していた“おこ
12
連休で山ノ鼻テント場にぎわう。
じょ作品展”の表彰式を行う
19
大半の山小屋が営業終了する。
11
大霜が降り紅葉時期の終息
24
尾瀬ヶ原初冠雪(約6㎝)
20
沼山峠ボランティアハウス撤去
31
今シーズン最低気温(−9℃)
23
尾瀬沼地区、初雪
11月
3
4
11月
山の鼻VC閉館・公衆トイレ閉鎖
2
降雪
龍宮公衆トイレも閉鎖
3
ビジターセンター閉館
尾瀬ヶ原の4つの橋板(原の川上川
橋、上ノ大堀川橋、下ノ大堀川橋、
龍宮沼尻川橋)を外す。
5
職員下山
- 29 -
公衆トイレ閉鎖
5
職員下山
コラム
コラム
∼
尾瀬の自然解説事業
尾瀬の自然解説事業
ビジターセンター職員の解説活動雑感
∼
【尾瀬山の鼻ビジターセンターでの解説業務】
尾瀬の保全をはじめとした環境保護への共感を得られるような活動を目指して、自然観
察会とスライドレクチャー等の自然解説事業を行っています。自然観察会は、研究見本園
が中心です。池塘や湿原、森や小川と変化に富み、解説しながらだと半周で小1時間くら
いです。メインの木道からは外れているので比較的空いており、解説活動にはもってこい
の場所です。開催時間になると呼びかけして参加者を募りますが、尾瀬は花の種類も多く、
やはり参加者の関心は花に関することが多いようです。それらの話題にも触れながら、尾
瀬の湿原のことや、自然界のつながりなどの不思議さ、大切さに気づいてもらえるような
観察会となるよう、できるだけ五感を使うように努めて、参加者が自ら発見し、尾瀬から
何かを感じとれれば素晴らしいなあと思っています。
スライドレクチャーは、レクチャールームにおいて、宿泊客を対象に行います。スライ
ドは、自分なりにストーリーを組み立てますが、季節の花や動物などを中心に、尾瀬の四
季が感じられるものとなるよう組むことが多いです。尾瀬で守ってもらいたいマナーなど
もお願いしますが、堅苦しくないよう気をつけています。(文責:金子)
【尾瀬沼ビジターセンターでの解説業務】
観察会については、朝夕の2回実施しています。観察会はスライドショーよりも、目や
耳など五感を使って楽しむことができます。例えば、子供が参加した場合、虫めがねや聴
診器、双眼鏡など小道具を使うと大変興味を示し喜んでいます。大人が参加しても同じだ
と思います。コースについてもいくつかルートを決めて、参加者に聞いてから出発します。
観察会は参加者と一緒に楽しみ、ただ一方的に話すのではなく、参加者と同じ目線にたっ
て行うことが一番大事なことだと思います。
それとは別に山小屋の宿泊者向けにスライドショーも実施しています。スライドショー
は事前に自分が何を参加者に伝えたいかテーマを決めます。それから写真を選びます。ス
ライドショーの場合、観察会も同じことが言えますが、尾瀬へ初めて来る方もいますし、
そうではなく何回も来ている方もいますので、一方的に話しをするのではなく、小道具を
使用したり、伝えたいテーマを決めておくことを大切にしています。
ビジターセンターの役割は情報を発信(提供)する場所です。職員に対し、お気軽にお
声をかけてください。(文責:桜沢)
※観察会、スライドショーについては、毎日実施しているわけではありませんので、詳細
はお問い合わせください。両ビジターセンターとも今後も充実した自然解説になるよう努
力してまいりますので、尾瀬にお越しの際は、是非ご参加ください。
- 30 -
∼
平成15年シーズンの尾瀬トピックス
∼
☆尾瀬関係者が集う「第1回尾瀬地域関係者連絡会議」が始まる(4月24日)。
☆尾瀬を含む「奥利根・奥只見・奥日光」地域が、世界遺産新規登録の推薦暫定リスト
として絞り込まれるも、最終選考で漏れる(5月26日)。
☆国立公園の自然保護官制度創設50年を記念し、(財)自然公園財団から「レンジャー
の先駆者たち」出版。当財団OBの小森氏も寄稿。
☆片品村戸倉地区で、低公害車購入に際し報奨金を支給する独自制度始まる。
☆群馬県が利用分散のため大清水一ノ瀬間の旧登山道再整備検討会を開催(5月21日)。
☆尾瀬登山者に死者が相次いだ(6人)ため、当財団から警鐘を鳴らす(7月26日)。
☆山ノ鼻、龍宮公衆トイレの募金箱が壊され、現金約1万7千円が盗難(8月)。翌月
に謝罪の手紙と共に現金3万円が郵送され、茨城県内の高校生が自首。財団と和解。
☆群馬県が大清水∼一ノ瀬間の電気自動車試験運行を行う(9月10日)
。
☆尾瀬サミットを初の特別保護地区外(檜枝岐村村内)で開催(9月11日)
。
☆尾瀬の道路建設中止に尽力した大石武一元環境庁長官死去(10月19日)
。
☆当初3カ年計画予定の至仏山保全対策期間を、2005年度まで延長(11月6日)。
☆平成15年度尾瀬入山者数は384,251人で、計測以来初めて40万人を下回るも、
土日集中の傾向に変化なし(12月1日)
。
*巻末資料4「尾瀬のできごとをふりかえる」もあわせてご覧ください。
- 31 -
尾瀬保護財団の沿革と概要
財団の沿革
平成 4年 8月 4日
福島・群馬・新潟三県知事による「尾瀬サミット」(尾瀬沼山荘)
平成 7年 6月13日
財団設立発起人会(東京都内)
8月 3日
財団設立発会式、第1回理事会(尾瀬沼ヒュッテ)
事務局:群馬県大友庁舎(前橋市大友町)
平成 8年 5月15日
尾瀬沼ビジターセンター開所(財団による運営開始:環境庁から受託)
5月18日
尾瀬山の鼻ビジターセンター開所(財団による運営開始:群馬県から受託)
8月2∼3日
尾瀬サミット1996[第1回サミット](尾瀬ロッジ)
平成 9年 4月 1日
事務局、群馬県公社総合ビル(前橋市大渡町)に移転
平成11年 7月13日
特定公益増進法人に認定(財団への寄附につき税制上の優遇措置が受けら
れる制度)
9月 3日
事務局、群馬県庁19階(前橋市大手町)に移転
財団の概要
・設立日
平成 7年 8月 3日
・基本財産
約15億円(平成15年度末現在)
・主な事業
入山者指導、自然解説、植生復元、施設管理、調査研究、顕彰事業など
・組織体制
評議員会
理 事 会
評議員(30人)
監
理事長
事
(2人)
副理事長(3人)
常務理事
理事(15人)
事務局長
総 務 課(4人)
次 長
企 画 課(3人)
尾瀬山の鼻ビジターセンター(8人)
尾瀬沼ビジターセンター(7人)
※VC人数はシーズン中のもの
ボランティア(373人)
友の会(1,657人)
※人数は15年末現在
施設概要
・尾瀬山の鼻ビジターセンター
設置者:群馬県
鉄骨木造2階建
展示室 69㎡
・尾瀬沼ビジターセンター
延床面積344㎡
レクチャールーム 80㎡
平成5年築
事務室 17㎡
設置者:環境省
鉄骨木造2階建
展示室 132㎡
- 32 -
延床面積493㎡
レクチャールーム 99㎡
昭和60年築
事務・会議室 32㎡
この冊子について
この冊子は、財団法人尾瀬保護財団が受託運営する尾瀬山の鼻と尾瀬沼の両ビジターセン
ターの平成15年度実績報告をまとめたものです。活動の概要を関係者へ報告するとともに、
今後の運営資料として活用するために作成しています。
☆集計方法について
ビジターセンター入館者数 公衆トイレ利用者数
・施設に設置されているセンサーで自動計測した結果をそのまま集計しています。
停電等により計測に不具合があった場合は、適宜補正しました。また自動計測のため、例
えば行列や感知器の前に障害物がある場合には実際との誤差が発生しますが、これについて
は特に補正していません。公衆トイレについては山の鼻のみセンサーが設置されています。
アルバイト(サブレンジャー)雇用人数
・勤務地ごとの賃金支払実績から活動日数を計算しています。
自然観察会
・平日の野外活動として実施した「平日朝の自然観察会」の実績を含んでいます。
その他
・比率(%)で示した数値は、すべて小数点以下第2位を四捨五入しています。
・本文中に「VC」とある場合は、「ビジターセンター」と読み替えてください。
*この冊子をご希望の方には実費で頒布しています。
平成15年度
尾瀬山の鼻
尾
瀬
沼
ビジターセンター運営記録
平成16年 3月 1日
〒371-8570
群馬県前橋市大手町一丁目1番1号
財団法人
TEL
尾瀬保護財団
(027)220-4431
FAX (027)220-4421
ホームページアドレス http://www.oze-fnd.or.jp/
E-mail
アドレス [email protected]
─── お問い合せは ───
財団法人 尾瀬保護財団
〒371-8570 群馬県前橋市大手町1-1-1 群馬県庁19階
TEL 027−220−4431
FAX 027−220−4421
mail → [email protected]
ビジターセンターでは利用者に尾瀬の自然の大切さを知ってもらい、マナーを守りなが
ら利用してもらうための様々なイベントを催しています。
ビジターセンターは山ノ鼻(尾瀬ヶ原の入口)と、尾瀬沼の東畔にあります(表紙裏の
地図参照)。散策前に是非立ち寄ってみてください。
※ 天候等により実施しない日もありますので、事前に財団へお問い合せください。
いつでも
窓 口
いつでも
展 示
スタッフが尾瀬のことにお答えします
尾瀬のことがわかりやすくまとまっています
窓口時間 8:30∼16:30(平日)
7:30∼17:00(土日祝)
開館時間 8:00∼19:00(平日)
7:00∼19:00(土日祝)
いつでも
いつでも
自 然 情 報
ビデオ上映
花の見頃や登山道の様子が毎週更新されています
Check! Check! Check!
尾瀬のビデオが上映されています
急な申込みでも大丈夫!
自然情報は尾瀬保護財団ホームページでも掲示しています
URL → http://www.oze-fnd.or.jp/
両ビジターセンターで上映
「尾瀬の自然とふれあうために」(18分)
「尾瀬その成り立ちとしくみ」(16分)
「尾瀬はふるさと−空を渡る生き物たち−」(10分)
いつでも
セルフガイド
一人でも自然観察ができるガイドマップです
「尾瀬ヶ原」 「研究見本園」 「大清水∼尾瀬沼」
「アヤメ平」 「燧裏林道」 「尾瀬沼」が揃っています
山の鼻ビジターセンターで上映
Hi-Vision「驚異の食虫植物モウセンゴケ」(20分)
Hi-Vision「トンボ」(18分)
Hi-Vision「クモ」(18分)
尾瀬沼ビジターセンターで上映
マルチスライド「尾瀬沼の四季」(12分)
期間限定
期間限定
自 然 観 察 会
スライドショー
一緒に湿原へ出てみましょう!
スライドのはなしを聞きながら尾瀬の不思議を知る
周辺の湿原で動植物の観察をしながら散策をします
朝 7:00∼7:40 夕 16:00∼16:40
※ 山の鼻VCのみ夕方は14:00∼14:40です
※ 開催時期についてはお問い合せください
「今日のショーはあるの?」と利用者から尋ねられる程
の定番企画です。まずは参加してみてください
夜 19:00∼19:40
※ 開催時期についてはお問い合せください
期間限定
要予約
企 画 展 示
団体レクチャー
尾瀬を深く知るための特別展示です
グループで尾瀬を学びたいので、案内して欲しい
※ 開催時期・内容についてはお問い合せください
事前に申込みのあった団体には、観察会やスライドショー
などのプログラムを実施しています(要予約)
期間限定
期間限定
尾瀬自然解説ガイド
お話しボランティア
実施日を限定して、自然解説ガイドが短時間の
ガイドをします(コース限定、有料、要予約)。
※ 開催日についてはお問い合せください
平日の休憩ベンチには個性豊かな
解説ボランティアさんがいます
※ 開催時期・内容についてはお問い合せください
この他、ビジターセンターに関する色々な情報は、各ビジターセンターのホームページをご覧ください。
尾瀬山の鼻ビジターセンター http://www.oze-fnd.or.jp/yamanohanavckara/
尾瀬沼ビジターセンター http://www.oze-fnd.or.jp/numavckara/
この冊子の印刷費は1部あたり約133円です。
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