Comments
Description
Transcript
第2次静岡市のみちづくり本編(PDF File Size:10.7MB)
目 次 1.計画の概要 1 1-1 背景と目的 1 1-2 計画の構成 2 1-3 計画期間 2 2. 静岡市の現状 3 2-1 地勢と人口 3 2-2 産業と観光の動向 4 2-3 道路交通ネットワーク 6 2-4 交通安全 10 2-5 自転車・バス交通・バリアフリーの現状 11 2-6 維持管理 12 2-7 防災 13 3. 前計画の取組を振り返って 15 3-1 前計画の考え方 15 3-2 アウトカム達成状況 15 3-3 道路整備状況 16 4. 市民ニーズ 17 4-1 個別項目に対する「満足度」 17 4-2 市民のみなさまからの主なご意見 18 4-3 高齢者のみなさまからの主なご意見 18 5. 社会情勢の変化に対応する視点 19 5-1 各拠点の「ネットワーク化」による都市形成の支援 19 5-2 道路の保全・維持管理について 20 6.第2次静岡市のみちづくり基本方針 7.みちづくりビジョン 7-1 基本方針1「地域活性化に貢献するみちづくり」 21 22 22 [主要政策①] 広域的な連携・交流を生み出すみちづくり 22 [主要政策②] 円滑な都市内交通を実現するみちづくり 25 [主要政策③] 景観・歴史資産・観光素材を磨き上げるみちづくり 26 7-2 基本方針2「充実した暮らしを支えるみちづくり」 31 [主要政策④] 歩行者・自転車の利用環境向上に向けたみちづくり 31 [主要政策⑤] 誰もが利用しやすいみちづくり 33 7-3 基本方針3「持続可能な生活基盤を構築するみちづくり」 35 [主要政策⑥] 次の世代へ繋げるみちづくり 35 [主要政策⑦] 環境を保全するみちづくり 39 7-4 基本方針4「大規模災害に備えるみちづくり」 42 [主要政策⑧] 防災・減災に貢献するみちづくり 42 [主要政策⑨] 災害に対応するみちづくり 45 7-5 成果指標 8. みちづくりプログラム 8-1 道路改築事業、交通安全整備事業 48 49 50 1) 広域(区界をまたぐ事業等) 50 2) 葵区 51 3) 駿河区 52 4) 清水区 53 8-2 橋梁耐震補強事業、自然災害防除事業、トンネル補修事業 54 8-3 バリアフリー事業 56 9. 用語集 57 1.計画の概要 1-1 背景と目的 道路は、人の移動や物資の輸送に必要不可欠な施設であり、経済活動や市民生活を支える基本的 かつ重要な社会基盤です。静岡市では、国土交通省、中日本高速道路㈱、静岡県などと連携し、新 東名高速道路、国道1号静清バイパスなどの整備に合わせた市内の道路ネットワークを構築するこ とで、市民の利便性向上や安心・安全な移動の実現等に寄与してきました。 今後は、全国的に人口減少・高齢化社会が進展することが予想され、静岡市を取り巻く国内外の 環境も大きく変化します。その中で「世界に輝く静岡」を実現するためには「都市の発展」と「暮 らしの充実」が不可欠です。 まず、「都市の発展」には、産業・経済の振興が必要です。平成29年度に開通予定の中部横断自 動車道をはじめとした高速道路網を活かした機動性の高い交通ネットワークを形成することによ り、三保松原や南アルプス等の豊富な観光資源を活かした交流人口の拡大や物流の強化を支えてい きます。 次に、「暮らしの充実」には、安心・安全の確保が必要です。南海トラフ巨大地震や台風・豪雨 等をはじめとした頻発する自然災害に備え、命綱とも言える道路網の強靭化に努めるとともに、誰 もが安心して利用できる道路環境の改善などに取り組んでいきます。そして、日常生活に欠かすこ とができない道路をいつでも安心して利用できるように、道路ストックの高齢化・老朽化にも計画 的に対応していかなければなりません。 また、社会情勢の変化に 伴い、市民のニーズが多様 化し、財政状況が厳しい中 で、効率的な公共経営が求 第3次静岡市総合計画 第3次静岡市総合計画「基本構想」 【まちづくりの目標】 『世界に輝く静岡』の実現 【目指す都市像】 「歴史文化のまち」、「健康長寿のまち」 められています。このため、 「創造する力」 これからのみちづくりでは、 による「都市の発展」 道路 は都市の活動 を支える社会基盤 計画段階からワークショッ プやパブリックコメント等 の市民参画を積極的に取り 入れ、愛着のある道路空間 を創造し、住む人々が誇り 道路 は人々の行動 を支える社会基盤 「つながる力」 による「暮らしの充実」 を持てる“まち”を目指し ます。 そこで、静岡市が目指す 目標や都市像に向かい、市 民、NPO、企業、行政という 多様な主体が連携を図り、 道路の役割を明確にしたう えで、効率的かつ効果的な 第3次静岡市総合計画「基本計画」 次静岡市総合計画の社会基盤分野に分類 【目標人口】 平成37年度に 70万人を維持 まちづくりの目標 を実現する4つの 要素、10の分野 道路 は、あらゆる行動・活動を支え、第3 交流・ 農林 商工・ 観光 水産 物流 静岡市のみちづくり 賑わい・活気 文化・ 都市・ 効率的かつ効果的な道路行政 スポーツ 交通 を推進するための計画 ひと まち 子ども・ 社会 教育 基盤 道路行政を推進することを 安心・安全 目的に、新たな計画となる 「静岡市のみちづくり」を 策定しました。 健康・ 防災・ 生活・ 福祉 消防 「第2次静岡市のみちづくり」 の4つの基本方針 • • • • 地域活性化に貢献するみちづくり 充実した暮らしを支えるみちづくり 持続可能な生活基盤を構築するみちづくり 大規模災害に備えるみちづくり 環境 図1-1 「第3次静岡市総合計画」と「静岡市のみちづくり」の関係 1 1-2 計画の構成 「第2次静岡市のみちづくり」は、市や国の上位計画、市の関連計画とも整合を図りながら策定し ました。なお、本計画は『みちづくりビジョン』と『みちづくりプログラム』から構成されています。 第3次静岡市総合計画 目指す姿:世界に輝く『静岡』の実現 【 市 の 上 位 計 画 】 住む人が「誇り」を持ち、訪れる人が「憧れ」を抱く世界水準の都市へ 静岡市都市計画マスタープラン 【 国 の 上 位 計 画 】 静岡市総合交通計画 第3次社会 資本整備 重点計画 国土のグラ ンドデザイン 2050 静岡市産業振興プラン 次期静岡市の 第2次 みちづくり 静岡市のみちづくり 静岡市商業振興基本計画 産業・観光 静岡市観光戦略 清水港ビジョン みちづくりビジョン みちづくりビジョン 道路の整備に 関するプログラム みちづくりプログラム 【 関 連 計 画 】 静岡市中山間地域総合振興計画 静岡市バス交通計画 まちづくり 静岡市景観計画 静岡市中心市街地活性化基本計画 静岡市アセットマネジメント基本方針 維持管 理・防災 静岡市地域防災計画 静岡県地域防災計画 図1-2 計画の構成 1-3 計画期間 「第2次静岡市のみちづくり」の計画期間は、平成27年度から平成34年度までの8年間としていま す。 図1-3 計画期間 2 2.静岡市の現状 2-1 地勢と人口 1)静岡市の地勢 ・ 都市機能が平地部に集中したコ ンパクトな都市形態 静岡市は、本州のほぼ中央に位置し、 南アルプスから駿河湾まで多様で豊 かな自然を有しています。山林が約8 割を占め、平地部に都市機能が集中し ているためコンパクトで効率的な都 市形態となっています。 2)静岡市の人口推移 ・ 人口が年々減少し、H25 年度に は政令指定都市の中で最少に ・ 全国平均よりも高い水準で推移 する高齢化率 平成15年に旧静岡市と旧清水市が 合併し、平成17年度に政令指定都市に 移行後、平成18年には旧蒲原町、平成 20年には旧由比町と合併しましたが、 資料:国土数値情報 人口は平成2年をピークに減少し続け 土地利用細分メッシュ(H21) 図2-1 静岡市の土地利用状況 ています。 全国の政令指定都市と比較すると、平成22年度の国勢調査時点では19番目でしたが、平成25年8 月の人口では政令指定都市の中で最少(約71.0万人)となっています。 今後、人口減少が予測される中で、平成37年度に人口70万人維持に向けて全庁的に取り組みます。 資料:国勢調査および住民基本台帳(H22) 図2-2 政令指定都市の人口比較 3 図2-3 静岡市の年齢階層別人口および 高齢化率の推移 2-2 産業と観光の動向 1)静岡市の産業 ・ 産業が縮小傾向 静岡市の産業別人口構成比をみると、第3次産業の割合は約70%となっており、全国の政令指定都 市20都市の中で19番目と低い値ですが、第2次産業は2番目に高い値になっています。また、静岡市 の総生産額をみると、平成21年に大きく落ち込んだのちに回復をみせたものの、近年減少傾向にあ り産業規模は縮小しています。 34,000 100% 33,196 32,452 32,343 32,310 32,010 31,676 32,000 31,541 総 31,365 31,122 生 30,673 産 31,000 額 29,728 ( 30,000 億 円 ) 29,000 90% 33,000 80% 33.7% 70.6% 25.4% 35.2% 22.2% 62.1% 74.1% 74.0% 24.7% 24.9% 60.5% 74.3% 21.7% 70.5% 75.4% 23.0% 24.3% 74.8% 76.9% 21.7% 21.7% 75.5% 77.5% 20.7% 21.2% 19.9% 20.1% 78.8% 79.1% 16.8% 78.4% 79.3% 15.1% 18.1% 79.3% 84.0% 13.9% 15.2% 81.2% 85.4% 50% 84.3% 60% 77.3% 70% 40% 30% 0% 25.2% 10% 26.6% 20% 28,000 0.7% 0.5% 0.9% 0.7% 3.9% 0.8% 0.8% 0.5% 0.4% 0.9% 1.0% 0.1% 0.3% 2.9% 0.5% 0.8% 3.7% 0.6% 2.9% 4.3% 4.2% 4.2% 福 岡 市 札 幌 市 仙 台 市 千 葉 市 熊 本 市 さ い た ま 市 神 戸 市 横 浜 市 川 崎 市 京 都 市 第1次産業 名 古 屋 市 第2次産業 広 島 市 大 阪 市 北 九 州 市 第3次産業 岡 山 市 堺 市 新 潟 市 相 模 原 市 静 岡 市 浜 松 市 静 岡 県 全 国 27,000 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 資料:国勢調査および住民基本台帳(H22) 図2-4 政令指定都市の産業別人口構成比 資料:しずおかけんの地域経済計算(H23) 図2-5 静岡市の総生産額の推移 2)清水港の概況 ・ 清水港の外貿コンテナ取扱順位は全国7位(全国 141 港) 神戸港・長崎港とともに『日本三大美港』の一つに挙げられる清水港は、静岡市にとって非常に 重要な物流拠点であり、外貿コンテナ取扱量が全国第7位の国際拠点港湾※1です。 清水港のコンテナ貨物取扱量は、平成18年までの増加傾向の後、平成21年には大幅に落ち込みま したが、その後回復傾向を示しており、平成24年には49.9万TEU※2となっています。また、新興津 コンテナターミナルにおいては、将来的には、連続4バース、延長1,200mの外貿コンテナターミナ ルとする計画となっており、年々増加するコンテナ船にも対応可能な物流基地として更なる拡大を 目指しています。 表2-1 清水港のコンテナ取扱量(平成24年度) 順位 図2-6 清水港におけるコンテナ貨物取扱量の推移 (内外貿合計) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 本文中の※数字印は9章の用語集で取り上げている用語を指します。 4 港湾名 東京 横浜 名古屋 神戸 大阪 博多 清水 那覇 北九州 苫小牧 合計 4,861 2,888 2,709 2,553 2,485 927 499 491 488 327 (単位:千TEU) 輸出 輸入 1,995 2,358 1,388 1,200 1,321 1,209 1,098 951 983 1,211 406 424 210 197 42 44 216 201 96 115 3)静岡市の観光 ・ 三保松原の世界文化遺産構成資産登録を契機に来訪者が急増 ・ 南アルプスのユネスコエコパーク登録に伴うオクシズへの関心の高まり 静岡市中心部では、大道芸ワールドカップ、静岡まつり等の、市民と一体となったイベントが開 催されています。静岡市の観光交流客数は、平成23年度に東日本大震災の影響で一旦減少したもの の、平成24年度には新東名高速道路の開通効果もあり回復し、約2,500万人が訪れました。 また、平成25年6月に「富士山」(三保松原を含む)が世界文化遺産※3に登録されたことを受け、 平成25年度における三保松原の観光交流客数は平成24年度から倍増したほか、平成26年6月には南 アルプスがユネスコエコパーク※4に登録される等、静岡市の観光資源はより魅力的なものとなって きました。 3,000 2,746 2,344 2,500 観 2,148 1,981 1,986 光 交 2,000 流 客 1,500 数 ( 万 1,000 人 ) 500 2,517 2,539 2,396 2,384 2,451 2,366 2,499 0 資料:静岡県観光交流の動向(H24) 図2-7 静岡市の観光交流客数 南アルプスユネスコエコパーク (赤石岳と前岳のお花畑) 大道芸ワールドカップ (毎年11月開催) 静岡まつり(毎年4月開催) 写真提供:静岡まつり(撮影:市民カメラマン長屋)、大道芸ワールドカップ(撮影:市民カメラマン望月) 図2-8 静岡市の主な観光資源・イベント 1,800 1,565 1,600 1,400 観 光 1,200 交 流 1,000 客 数 800 ( 千 600 人 ) 400 538 647 670 713 604 H18 H19 H20 H21 579 634 625 H23 H24 200 0 H17 H22 H25 資料:静岡市(交通量調査より推計) 図2-9 三保松原の観光交流客数 5 図2-10 世界文化遺産「富士山」 の構成資産である三保松原 2-3 道路交通ネットワーク 1)広域交通ネットワーク ・ 平成 29 年度に中部横断自動車道、(仮)東名静岡東スマート IC ※5 が開通予定 平成24年4月、東名高速道路と相互に補完し合う路線である新東名高速道路(御殿場JCT~三ヶ日 JCT間)が開通し、東西方向の広域交通ネットワークの強化が図られました。 今後は、平成29年度に予定されている東名高速道路の新スマートICや中部横断自動車道の供用、 静岡南北道路の事業化に向けた取組など南北方向の広域交通ネットワーク強化による新たな連 携・交流の向上が期待されます。 【平成29年度開通予定】 中部横断自動車道 【平成29年度開通予定】 (仮)東名静岡東スマートIC 図2-11 静岡市における広域道路ネットワーク 6 2)静岡市内の道路ネットワーク ・ 南北方向の道路が弱い 本市における交通は、古くから東海道を基軸とし、人や物が行き交い、日本経済を支えてきまし た。このため、東西方向の道路網整備が進められ、今では新東名高速道路、東名高速道路、国道1 号ほか、多くの道路が整備されています。 今後は、これらの東西道路を地域活性化に活かしていくため、南北に絡んだ道路網整備に取り組 む必要があります。 図2-12 静岡市中心部における道路ネットワーク 表2-2 静岡市中心部の道路ネットワークを構成する路線 路線名 東 西 方 向 全体延長 整備済 路線名 整備済/全体 全体延長 整備済 整備済/全体 国道1号静清バイパス線 27,040 18465 68.3% 下大谷線 海岸幹線 11,770 6813 57.9% 静岡駅賤機線 7,740 4074 52.6% 静岡下島線 3,940 1383 35.1% 駒形中島線 3,720 2938 79.0% 中央幹線 14,940 14940 100.0% 南幹線 11,870 11870 100.0% 北街道線 6,490 6490 100.0% 日出町羽鳥線 5,290 3277 61.9% 丸子池田線 9,070 5549 61.2% 合計 86,470 67,404 南 北 方 向 78.0% 7 10,990 4568 41.6% 駒形井宮線 3,250 3250 100.0% 嶺神明伊佐布線 4,560 1973 43.3% 清水興津線 4,460 4460 100.0% 清水港三保線 7,750 3230 41.7% 日の出町押切線 6,100 3820 62.6% 合計 52,510 29,696 56.6% 3)交通需要と渋滞状況 ・ 渋滞は市街地内に広く分布 (1)交通量 国道1号、国道1号静清バイパス、東名高速道路等の東西方向における主要幹線に交通が集中 しています。平成24年4月の新東名高速道路開通後は、東名高速道路および国道1号を利用し ていた交通が分散されるとともに、走行性が向上したため、断面交通量が増えています。 資料:新東名(静岡県)インパクト調整会議資料 ※6 資料:道路交通センサス(H22) 図2-13 静岡市内の交通量 図2-14 新東名高速道路開通による 周辺道路の交通量の変化 (2)主要渋滞箇所 静岡県道路交通渋滞対策推進協議会において選定された「地域の主要渋滞箇所」では、静岡 市内45箇所の地点を含む20区間が指定されています。単独箇所も10箇所存在しており、新東名 高速道路以南の市街地の広範囲に亘って渋滞が分布しています。 資料:国土交通省静岡国道事務所 図2-15 静岡エリアの主要渋滞箇所・区間 8 記者発表資料(平成25年1月22日) 4)自動車保有台数の推移 静岡市の1世帯あたりの自動車保有台数は、 全国の政令指定都市の中でも4番目に高く、全 国的にも高い水準にあります。 また、成人(20歳以上)の代表交通手段※7で は、分担率が55%と自動車への依存度が高い状 況です。 資料:第4回静岡中部PT調査※8結果(平成24年度) 図2-16 成人(20歳以上)の代表交通手段分担率 資料:世帯数/国勢調査、 自動車(乗用車)保有台数/東洋経済地域経済総覧 図2-17 自動車保有台数の推移 5)自動車運転免許保有率の変化 自動車運転免許保有率は、男女とも 高齢者の免許保有率が増加しており、 65~69歳では男性で90%超、女性でも 50%を超えています。また、これらの 高齢者の半数以上である55.5%の人々 が実際に自動車を利用しています。 資料:第4回静岡中部PT調査結果(平成24年度) 図2-18 65~69歳の代表交通手段分担率 資料:第4回静岡中部PT調査結果(各回PT調査結果) 図2-19 自動車運転免許保有率の変化 9 2-4 交通安全 ・ 依然として多い交通事故(自転車事故の割合は全国・県平均を上回る) ・ 小学校通学路の緊急合同点検を実施 最近10年における静岡市内の事故件数をみると、ピーク時の平成16年と比べ、平成25年は約2割 減少しました。 しかし、65歳以上の高齢者の事故件数が増加傾向であるのに加え、全事故に占める自転車事故の 割合が依然として高く、市全体で約23%、葵区においては約25%と県平均の約15%を大幅に上回っ ています。 また、全国で登下校中の児童が巻き込まれる交通事故が相次いでいることから、教育委員会や警 察と一体となり、通学路の安全対策に取り組んでいます。 図2-20 交通事故件数の推移 資料:静岡市の交通事故統計(H25) 資料:静岡市 図2-21 全事故件数に対する自転車関連事故件数の構成比 図2-22 通学路緊急合同点検の様子 図2-23 朝の通学路の様子 10 2-5 自転車・バス交通・バリアフリーの現状 1)自転車 ・ 高い自転車利用割合 静岡市は、温暖な気候や平坦な地形とい う地域特性から、全国の政令指定都市の中 でも4番目に自転車利用が多い都市です。 このため、この地域特性を更にみがきあ げるため、「自転車を活かしたまちみがき 庁内検討連絡会」を設置し、庁内の関係局 部課が連携し、様々な事業や施策を積極的 に推進し、「世界水準の自転車都市」の実 資料:平成22年度 国勢調査 「常駐地又は従業地・通学地による利用交通手段(16区分)別15歳 以上自宅外就業者・通学者数」の内【常住地】のデータを用いて、 「利用交通手段:1種類自転車」/「不詳を除く総数」とする。 現を目指しています。 減 「健康」の増進 「賑わい」の創出 「環境」負荷の軽 「モラル」の向上 「利用」の促進 「プライド」の確立 図2-24 通勤・通学時における自転車利用割合 (政令指定都市での比較) 静岡市自転車利用の基本目標 2)バス交通 バス運行本数と乗客数が相互に影響して、それぞれが減少していますが、乗客数は平成21年度以 降に横ばいで推移しています。 また、乗車人員数の減少等により採算が悪化した路線では、路線を維持するために路線維持経費 が増加、または路線の縮小・廃止となるため、これを補う自治体のコミュニティバス※9運行路線が 増加しています。 図2-26 バス路線維持経費の推移 図2-25 バス乗客数の推移 3)バリアフリー ・ 新たに 3 駅周辺でバリアフリー基本構想策定 静岡市では、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関 する法律」(バリアフリー新法※10 )に基づき、鉄道駅の周辺地区 を対象に、地区の重点的かつ一体的なバリアフリー化を推進する 「バリアフリー基本構想」を策定しました。静岡駅および東静岡 駅周辺地区においては道路のバリアフリー化が完了し、現在は清 水駅、草薙駅、安倍川駅周辺地区において事業を推進しています。 また、駅周辺地区以外でも、無電柱化※11推進計画に基づく無電 柱化事業や、幅が広く歩きやすい歩道整備を推進しています。 11 2-6 維持管理 1)静岡市の道路施設の管理状況 ・ 中山間地が 8 割を占めるため、橋梁やトンネル等の構造物が多い 橋梁や舗装等の主要な道路構造物のほか、道路反射鏡等の付属施設やトンネル防災機器等の電 気・機械施設等、多種多様で膨大な量の道路構造物、付属施設・設備を有しています。他の政令指 定都市と比べると、道路管理延長は比較的短い一方で、橋梁数やトンネル数が多い傾向にあります。 表2-3 静岡市が管理 する主な施設 道路延長 国県道 (3,148km) 市道 舗装延長 橋梁 トンネル のり面構造物(市道を除く) 立体横断 横断歩道橋 施設 地下道 防護柵 道路反射鏡 付属施設 案内標識 道路照明灯 道路情報板 トンネル防災機器 エレベーター 付属設備 エスカレーター 排水ポンプ アンダーパス その他 駅前広場 自由通路 道路延長 浜松市 横浜市 新潟市 岡山市 名古屋市 神戸市 札幌市 広島市 北九州市 さいたま市 福岡市 熊本市 大阪市 京都市 仙台市 千葉市 静岡市 川崎市 相模原市 堺市 橋梁数 岡山市 浜松市 新潟市 熊本市 広島市 京都市 静岡市 神戸市 北九州市 福岡市 さいたま市 横浜市 札幌市 仙台市 名古屋市 大阪市 川崎市 3.1 2.5 堺市 2.3 相模原市 平均:4.5千km 2 千葉市 8.4 7.6 6.8 6.4 6.3 5.8 5.5 4.3 4.2 4.2 3.9 3.7 3.7 3.5 3.4 3.3 0 5 10 トンネル数 9,564 5,815 3,865 2,868 2,837 2,752 2,648 2,078 1,941 1,934 1,243 1,237 1,118 1,039 857 837 603 595 568 504 平均:2,245橋 0 (千km) 10,000 神戸市 浜松市 北九州市 静岡市 横浜市 広島市 京都市 岡山市 札幌市 新潟市 相模原市 川崎市 仙台市 福岡市 さいたま市 熊本市 名古屋市 千葉市 堺市 大阪市 51 44 37 37 30 23 20 16 15 14 12 9 8 6 6 3 3 3 2 平均:17箇所 2 0 20 (橋) 40 60 (箇所) 図2-27 静岡市内の道路施設と政令指定都市の比較 図2-28 静岡市が管理する施設 2)道路施設の高齢化状況 ・ 多様な管理施設が一斉に更新時期を迎える 高度経済成長期 に架設 静岡市が管理する道路施設は、これから高 齢化が進展します。特に、道路橋の多くは高 度経済成長期に架設され約50年が経過するこ とからも、今後一斉に更新時期を迎えること になります。 また、海岸地域においては劣化進行が早い 塩害を受けやすいことから、今後特に注意が 必要になります。 図2-29 架設年次別の橋梁数 12 2-7 防災 1)南海トラフ巨大地震 ・ 高い発生確率の南海トラフ巨大地震 南海トラフ巨大地震は、駿河湾から日向灘にかけた広い震源域で、東海・東南海・南海地震が連 動して生じるマグニチュード9クラスの巨大地震であり、平成25年時点において、30年以内の発生確 率が70~80%と予想されています。発生した場合には、津波による浸水想定区域が広範囲に及ぶなど、 甚大な被害が想定されており、被害を最小限に食い止めるためにも早急な対応が求められています。 図2-30 南海トラフ地震の発生確率 図2-31 南海トラフ地震による震度分布 清水区(拡大図) 駿河区(拡大図) 凡 例 静岡県第4次地震被害想定における津波浸水深 (第一次報告・レベル2重ね合わせ図) その他の津波浸水想定区域 (静岡県第4次地震被害想定(第一次報告・レベル2重ね合 わせ図)以外(南海トラフ巨大地震の被害想定(第二次報 告)及び静岡県第3次地震被害想定(安政・東海地震))の 津波浸水想定区域を示す。) 資料:静岡県第 4 次地震被害想定調査(第一次報告)H25.6.27 図2-32 津波発生時の浸水想定区域 13 2)緊急輸送路 ・ 台風や豪雨等の異常気象に備える 緊急輸送路とは、大規模な地震等の災害が発生した場合に、救命・救急活動や物資輸送を円滑に 行うために、あらかじめ指定された防災拠点を相互に連絡する道路です。 静岡市内の緊急輸送路は、静岡県や関連機関と協議し、災害発生時の利用特性により第1次から 第3次に区分されています。 市街地に比べ中山間地が多い静岡市では、オクシズ※12道路の一部も緊急輸送路に指定されていま す。このオクシズには、土砂災害危険箇所※13も多数存在しており、道路のり面※14の崩落等により 孤立集落が発生してしまう恐れもあることから、有事の際にも通行が確保できるような事前の対策 が求められます。 図2-33 緊急輸送路 資料:静岡県緊急輸送路図 表2-3 緊急輸送路の定義 ①高規格幹線道路、一般国道等広域的な重要路線 第1次 緊急輸送路 ②アクセス道路で輸送の骨格をなす道路(東名高速道路ICと新東名高速道路ICを結ぶ 道路や、東名高速道路・新東名高速道路のICや空港・防災拠点港湾と、重要路線を 結ぶ道路) 第2次 緊急輸送路 第3次 緊急輸送路 ①第1次緊急輸送路と市町役場及び 重要な拠点(平成8年当時の市町村役場、政令市区役所等)を結ぶ道路 ②その他重要な道路(第1次緊急輸送路網を強化する道路) ①第1次及び第2次緊急輸送路と指定拠点を連絡する道路 ②その他の道路(津波浸水被害を踏まえた多重化路線や第2次緊急輸送路網を強化す る道路) 14 3.前計画の取組を振り返って 3-1 前計画の考え方 「第1次静岡市のみちづくり(後期5ヵ年)」では、静岡市第2次総合計画の目指すまちの姿「活 発に交流し価値を創り合う自立都市」を実現するため、6つの基本方針とそれに対応したアウトカム 指標を設定し、道路整備に取り組んできました。 図3-1 「第1次静岡市のみちづくり(後期5ヵ年)」の考え方 3-2 アウトカム達成状況 社会情勢や市民ニーズの変化等を踏まえた上で、前期5ヵ年では9つ、後期5ヵ年では7つのアウトカ ム指標を設け、目標達成に向け取り組んできました。直近の後期5ヵ年では、取組の結果、7つの内3 つの指標について達成、1つの指標について達成見込みとなっています。 表3-1 前期5ヶ年のアウトカム達成状況 表3-2 後期5ヶ年のアウトカム達成状況 ※「第1次静岡市のみちづくり」では、整備の翌年度に成果指標の達成状況の把握を行って います。後期 5 ヶ年の目標については、平成 27 年度中に評価の予定です。 15 3-3 道路整備状況 「第1次静岡市のみちづくり」では、計画期間である10年間(平成17年度~26年度)のうちに、様々 な道路整備事業を推進してきました。これらの道路整備により、安心・安全な道路空間が広がったほ か、渋滞時間の減少や交流圏域の拡大等にも寄与しており、一定の整備効果が得られています。 一方で、未着手事業も残されており、これらの区間については、本計画において一層の取組を進め る必要があると言えます。 国道1号静清バイパス(国直轄) 新東名高速道路 自転車走行空間(静岡環状線) 清水富士宮線(伊佐布) 新東名高速道路 井川湖御幸線(葵大橋) 清水 いはらIC 庵原町 杉山2号線 清水富士宮線 (伊佐布) 山脇大谷線 至 市街地 日の出町押切線(大坪) 至 新静岡IC 静岡SAスマートICアクセス道路 国道150号(中島) 国道150号清水バイパス 提供)清水富士宮線写真:中日本高速道路株式会社 図3-2 静岡市内の道路整備状況 16 4.市民ニーズ 静岡市内の道路に対する評価、満 0 足度、意見を把握し、今後の道路施 幹線道路の整備 策に反映させることを目的に、平成 生活道路の整備 18年度から平成26年度にかけて市民 渋滞対策 50 100 200 250 300 137 234 170 沿道環境の改善 アンケートを定期的に実施しました。 150 65 安全性の確保 ここでは、調査開始年次である平 歩道の整備(歩きやすさの確保) 成18年度と、平成25年度における市 自転車道の整備 285 278 223 景観への配慮 民のみなさまからの項目ごとの『満 79 道路の災害対策 足度』についての比較結果を示しま 136 路上工事の実施 す。 109 維持管理・更新の実施 無回答 ≪H25 における実施状況≫ 配布数:2,000 票 回収数:694 票 回収率:34.7% 149 51 ※平成 25 年度実施 複数回答可(3 つまで) 本計画の計画期間である 8 年間で特に重要と考える項目を回答 図4-1 道路整備において特に重要と思う項目 4-1 個別項目に対する「満足度」 道路全般に関する満足度は、調査開始時である平成18年度と比べ17%増加しており、市民のみなさ まから一定の評価を頂くことができました。その他、幹線道路や生活道路、渋滞対策、安全性では、 平成18年度から平成26年度にかけて満足度は増加する結果となっています。一方で、不満足について は、歩道の歩きやすさが49%、自転車に関しては50%となっており、今後一層の取組が必要であると 道路全般 言えます。 満足 H25 H18 28% どちらでもない 不満 無回答・無効回答 道路全般 31% 0% H18実施 20% (H17までの評価) 0% 25% 26% 20% 75% 38% 100% 51% 51% 26% 25% H26実施 (H25までの評価) 50% 50% 38% 75% 31% 満足18%増加 100% 不満23%減少 28% 満足17%増加 満足29%増加 満足6%減少 満足13%増加 17 満足14%増加 満足6%減少 満足2%増加 満足4%増加 満足11%減少 4-2 市民のみなさまからの主なご意見 主な意見は以下の通りとなりました。 南北につながる道が少なく不便 国道1号静清バイパス4車線化、中部横断自動車道を早期に実現してほしい 国道1号の渋滞を解消してほしい 三保松原が世界文化遺産に登録されたので、三保地区の渋滞対策や景観向上の取組を進め てほしい 生活道路の整備をもっと進めてほしい 歩行者、車、自転車のレーンを区別し、通りやすくしてほしい 歩道を走る自転車が多く、歩行者が危険を感じることもあるので自転車レーンを増やして ほしい 自転車による事故が多発しないよう、マナー向上やルールが分かる取組も進めてほしい 無電柱化により、景観に配慮した道路整備を進めてほしい 緑が少なく景観が悪い。植栽等により景観を良くしてほしい 4-3 高齢者のみなさまからの主なご意見 シルバーカーや車いす等が通りにくい狭い場所が多いので歩道を広くしてほしい 歩いていても自転車で走っていても、走りにくく(歩きにくく)危ないと感じるので歩道 の凹凸を解消してほしい 18 5.社会情勢の変化に対応する視点 5-1 各拠点の「ネットワーク化」による都市形成の支援 平成26年7月に公表された「国土のグランドデザイン2050※15」の基本的考え方では、人口減少下に おいて、行政や医療、商業等、生活に必要な各種サービスを維持し、効率的に提供していくため、一 定のエリアに各種サービスを集約化『コンパクト化』することが不可欠であるとともに、『コンパク ト化』された拠点を『ネットワーク化』して地域を支え、国全体の『生産性』を高めていくこと」が 鍵となることが示されています。 静岡市においても、第3次静岡市総合計画および静岡市都市計画マスタープランにて、コンパクト シティを目指していく旨の方針を示しています。 今後予想される人口減少問題に対し、オール静岡で様々な施策に取り組んでいきますが、「第2次 静岡市のみちづくり」としては、集約化された都心・副都心をはじめとする都市拠点と、高速IC・ 鉄道駅等の広域交通拠点、国内外の「モノ」の玄関口である清水港等の物流拠点、三保松原や南アル プス等の観光拠点など、各拠点を相互に連結し、利便性・安全性の高い道路交通ネットワークを構築 し、産業・経済の発展を支援していきます。 図5-1 社会情勢の変化に対応する視点 19 5-2 道路の保全・維持管理について 静岡市が有する多くの橋梁やトンネル等の道路施設は、高度経済成長期に整備されてきた社会資本 であり、高齢化が進んでいます。高齢化及び老巧化が進んだ構造物の点検を適切に実施しなければ、 笹子トンネル天井板落下事故に代表されるように重大事故につながる可能性があります。 これを背景として、平成25年2月から道路ストックの集中点検が実施されました。そして、道路法 の改正(平成25年6月)、定期点検に関する省令・告示の公布(平成26年3月)が行われ、橋梁及びト ンネルなどの道路施設について、5年に1回の近接目視点検が義務付けられました。このような道路の 保全・維持管理を取り巻く環境の大きな変化に対して、道路管理者(国土交通省、中日本高速道路㈱・ 静岡県等)と連携し、新たなマネジメント体系を構築していくことが求められています。 道路ストックの集中点検実施[H25.2~] 第三者被害防止の観点から安全性を確認 • 道路法の改正[H25.6] 点検基準の法定化、国による修繕等代行制度創設 • 定期点検に関する省令・告示公布[H26.3.31] 5年に1回、近接目視による点検 道路の老朽化対策の本格実施に関する提言[H26.4.14] 道路メンテナンス会議設立[H26.4~] 地方公共団体の取り組みに対する体制支援 • 定期点検要領通知[H26.6.25] 円滑な点検の実施のための具体的な点検方法等を提示 • 定期点検に関する省令・告示施行[H26.7.1] 5年に1回、近接目視による点検開始 資料:国土交通省のホームページより 図5-2 道路の老朽化対策に関する取組みの経緯 静岡市民へのアンケート調査(平成25年実施)にお いても、今後の道路整備に重視する事項として、「道 路の維持管理、更新、保全」を指摘する方が最も多く、 全体の6割を占める結果となっています。市民の道路 維持管理への関心が高まっていると言えます。 このような状況を踏まえ、静岡市では、新たな維持 管理サイクルの構築や、道路建設時にライフサイクル コスト縮減を考慮した計画・設計など、道路の保全・ 図5-3 今後の道路整備についての回答 維持管理を重視したみちづくりを推進していきます。 ※平成25年度実施(回答者数:694名) 本計画の計画期間である8年間で特に重要と 考えるどちらか一方について回答 20 6.第2次静岡市のみちづくり基本方針 基本方針策定までの流れ 理念 【静岡市の現況】 地 勢 と 人 口 産 業 と 観 光 の 動 向 ネ ッ道 ト路 ワ交 ー通 ク 安交 全通 【みちづくりの課題】 都市機能が平地部に集中した コンパクトな都市形態 [P3] A 人口が年々減少し、H25年度には 政令指定都市の中で最小に [P3] B 全国平均よりも高い水準で推移する 高齢化率 [P3] C 産業が縮小傾向 [P4] (1)広域的な交流・連携の 支援 現況: A B C E H (2)交通の円滑化 都市活動の活性化支援 現況: D J I D 清水港の外貿コンテナ取扱順位は 全国7位(全国141港) [P4] E 三保松原の世界遺産構成資産登録を 契機に来訪者が急増 [P5] F 南アルプスのユネスコエコパーク登録に 伴うオクシズへの関心の高まり [P5] G 管維 理持 防 災 市 民 ニ ー ズ 【4つの基本方針と9つの主要政策】 基本方針1 都市の発展 (3)観光資源へのアクセシ ビリティ向上 現況: F G 地域活性化に貢献するみちづくり ①広域的な連携・交流を生み出すみちづくり [P22] 【成果指標】 番号 指 標 ① 高速道路ICのアクセ ス道路整備率 ② 南北軸の昼間12時 間平均旅行速度 ③景観・歴史資産・観光素材を磨き上げるみちづくり [P26] ③-1 沿岸部(しずまえ)の 道路の整備率 ・新たな交通拠点から観光拠点へ誘う道路整備 [P26] ・道路景観を向上させ世界文化遺産を引き立たせる道路整備 [P27] ・オクシズとの連携強化 [P28] ・地域を活性化させる道路施設の整備 [P28] ③-2 観光客の道路景観 満足度 ・甲信越地方や首都圏・中京圏との連携・交流基盤の強化 [P22] ・広域交通拠点とのアクセス強化 [P23] ②円滑な都市内交通を実現するみちづくり [P25] ・脆弱な南北軸の強化 [P25] 現況 (平成26年度) 目標 (平成34年度) 「第3次静岡市 総合計画」 で目指す 将来像 5.6% 100%※ (0.58/10.41km) (10.41/10.41km) 27.7km/h 30.0Km/h まちづくりの目標 19.9% 60.8% (1.71/8.58km) (5.22/8.58km) 「世界に輝く静岡」 の実現 平成27年度に 初期調査を実施し設定 ※指標①は平成30年度までの目標値 目指す都市像 平成29年度に中部横断道、(仮)東名 静岡東スマートIC が開通予定 [P6] H 南北方向の道路が弱い [P7] I 渋滞は市街地内に広く分布 [P8] J (4)歩行者・自転車・車の 共存、安全で便利な市民 の移動環境確保 現況: K K 小学校通学路の緊急合同点検を実施 [P10] L L M S (5)交通弱者(高齢者や子 供など)の安全な移動空 間確保 現況: C 依然として多い交通事故(自転車事故 の割合は全国・県平均を上回る) [P9] 基本方針2 暮らしの充実 N 高い自転車利用割合 [P11] M 新たに3駅周辺でバリアフリー基本構想策定 [P11] N 中山間地が8割を占めるため、橋梁や トンネル等の構造物が多い [P12] 多様な管理施設が一斉に 更新時期を迎える [P12] O 充実した暮らしを支えるみちづくり ④歩行者・自転車の利用環境向上に向けたみちづくり [P31] (6)市民生活を支える道路 インフラの維持と、適切な 管理 現況: O P T (7)地球環境・自然環境の 保全 現況: A J ・高齢者も安心して歩ける道路空間の整備 [P33] ・小学生が安心して学校に行ける通学路の確保 [P34] 基本方針3 持続可能な生活基盤を 構築するみちづくり ⑥次の世代へ繋げるみちづくり [P35] Q 台風や豪雨等の異常気象に備える [P14] R ・安全に歩ける歩道の整備(特に高齢者) [P18] ・安心して自転車を利用できる環境整備 [P18] S 今後の道路整備について、道路の 維持 管理を重視すべきという声が多数 [P20] T 市内の自転車走行 空間の総延長 ⑤-1 清水駅,草薙駅,安倍 川駅周辺地区の主 な生活関連経路に おけるバリアフリー化率 ⑤-2 小学校から半径 500m以内における 通学路の歩行者空 間整備 番号 指 標 ⑥-1 緊急措置判定の橋 梁修繕実施 ⑥-2 H25トンネル点検に よる要対策(補修) 箇所の対策実施 ⑦ 都市計画区域内に おける主要道路の 道路照明灯LED化 ・効率的な維持管理サイクルの構築 [P35] ・日常的な維持管理の確実な実施 [P38] ⑦環境を保全するみちづくり [P39] ・低炭素化に貢献する道路整備 [P39] ・道路整備における省エネルギー化 [P41] 指 標 ④ ⑤誰もが利用しやすいみちづくり [P33] P 迫り来る南海トラフ巨大地震 [P13] 番号 ・安全で快適な自転車利用環境の整備 [P31] ・歩きやすい歩道の整備 [P32] S 持続可能な社会 バ リ自 ア フ転 リ車 ー 地域の活性化に貢献し、安心・安全で快適な市民生活を支えるみちづくり 現況 (平成26年度) 目標 (平成34年度) 115.5km 259.7km 「歴史文化のまち」 「健康長寿のまち」 26.4% 100% (2.85/10.77km) (10.77/10.77km) 市政のさらなる展 開 「創造する力」による 「都市の発展」 「つながる力」による 「暮らしの充実」 47.1% 61.7% (129.3/274.4km) (169.3/274.4km) 現況 (平成26年度) 目標 (平成34年度) - 100% 2/7トンネル 7/7トンネル※ 目標人口 6% 43% (70/1,170基) (500/1,170基) 平成37年度に70万 人を維持 ※指標⑥-2は平成30年度までの目標値 命を守る (8)道路防災・減災対策 強靱なネットワーク形成 現況: O Q R (9)巨大災害への対応 レジリエントな都市形成 現況: Q R 基本方針4 大規模災害に備えるみちづくり ⑧防災・減災に貢献するみちづくり [P42] 番号 目標 (平成34年度) ⑧-1 橋脚がある橋梁の 耐震化実施 105/197橋 197/197橋 ⑧-2 緊急輸送路上にお ける道路のり面の要 対策箇所実施 5/30箇所 30/30箇所 ⑨ アンダーパスの冠水 監視箇所数 0/19箇所 19/19箇所※ ・強靭な道路ネットワークの構築 [P42] ・道路施設の損壊防止による、大規模災害リスクの低減 [P43] ⑨災害に対応するみちづくり [P45] ・災害時における迅速な情報提供と新たな道路施設の活用[P45] ・迅速な道路啓開に向けた対応 [P47] 指 標 現況 (平成26年度) ※指標⑨は平成30年度までの目標値 21 社会基盤分野の 目標 活発な経済活動や 快適な市民生活を 支える強靭な社会 基盤を有するまちを 実現します 7.みちづくりビジョン 7-1 基本方針1「地域活性化に貢献するみちづくり」 平成24年度に開通した新東名高速道路及びそのアクセス道路(山脇大谷線等)の整備により、交流 の拡大、市内の交通量分散、物流等での定時性の確保、オクシズ施設での入込客数増加等、多くの効 果がもたらされました。 地域活性化に貢献するみちづくりでは、更なる広域的な連携・交流の生成、円滑な都市内交 通の実現、景観・歴史資産・観光素材を活かし、静岡市の魅力向上を図ります。 [主要政策①] 広域的な連携・交流を生み出すみちづくり ≪背景≫中部横断自動車道、(仮)東名静岡東スマートIC、新東名高速道路未供用部の開通が予 定されており、高速かつ広域な道路網が形成されます。 (1)甲信越地方や首都圏・中京圏との連携・交流基盤の強化 平成29年度に中部横断自動車道や(仮)東名静岡東スマートIC、平成32年度までには名古屋 から海老名までの新東名高速道路未供用部の開通が予定されています。 中部横断自動車 道の開通により、山 梨県及び長野県へ の移動時間が大幅 中部横断自動車道 その他高規格幹線道路 開通区間 事業中・計画中区間 計画未定区間 に短縮し、交流の拡 大が期待されます。 新潟県 また、既存の上信 越自動車道と東名 高速道路・新東名高 長野県 速道路を介し、日本 群馬県 海沿岸地域や首都 八千穂IC (仮称) 圏・中京圏との新た な連携・交流基盤が 誕生します。 長坂 JCT (仮称) 双葉 JCT 静岡市ではこの 山梨県 ような高速幹線道 路網を活用した物 流基盤の強化や国 新清水 JCT 内外からの観光客 の誘致による地域 活性化を目指しま す。 図7-1 広域道路網 22 (2)広域交通拠点とのアクセス強化 静岡市を取り巻く高速道路の整備計画に合わせて、道路を賢く使い広域的な交流・連携を促 進するため、市内高速道路ICのアクセス道路強化を推進します。 成果指標 指標① 現況値 高速道路ICのアクセス道路 整備率 目標値H30年度 5.6% 100% (0.58/10.41km) (10.41/10.41km) ▼路線別延長内訳 路線名 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ (主)清水富士宮線 (主)井川湖御幸線 (都)静岡駅賤機線 (都)下大谷線 (主)山脇大谷線 (仮)静岡東スマートインターチェンジランプ線 (市)大谷土地改良区7号線 合計 全体 延長(km) 3.32 2.60 1.60 0.64 0.31 1.34 0.60 10.41 H26完了済 延長(km) 0.58 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.58 図7-2広域交通拠点とのアクセス強化箇所 現在の渋滞緩和を図るとともに、高速道路を相互に連携し、物流や生活活動、観光、防災、 救急医療の向上を図り、地域を活性化させるために地域高規格道路※16「静岡南北道路」の検討 を推進します。 (注)国道 1 号は国直轄事業です。 図7-3 地域高規格道路「静岡南北道路」 23 (3)国際拠点港湾「清水港」の利便性向上 コンテナ取扱量全国第7位の清水港は、産業・経済を支える非常に重要な施設です。これに 加え、本市では、外国船入港に向けたポートセールスなどにも力を入れ、賑わいの創出に取り 組んでいます。 この活力を高めていくためには、清水港へのアクセス道路の強化が必要であり、国道1号静 清バイパスの清水立体化、(国)150号、(主)清水富士宮線の整備を推進します。 中部横断 自動車道 新清水JCT 新静岡IC 清水いはらIC (主)清水富士宮線 清水JCT 清水IC 慢性的 に渋滞 静岡SA スマートIC 清水港 清水 区役所 静岡市役所 国道1号静清BP 清 水 立 体 化 駿河区役所 (仮)東名静岡東スマートIC 国道150号静岡BP 図7-4 図7-5 国道150号久能拡幅 清水港アクセス道路 静岡市第3次総合計画における都市構造軸 24 (国際拠点港湾) [主要政策②] 円滑な都市内交通を実現するみちづくり ≪背景≫静岡市では南北交通ネットワークが脆弱であるため、限られた路線に交通が集中し、 交通渋滞が発生しています。様々な都市活動の活性化を支援するため交通円滑化が必要 です。 市内の交通ネットワークにおいて、南北軸の強化を推進します。 成果指標 指標② 現況値 南北軸の昼間12時間平均 旅行速度※17 27.7㎞/h 目標値H30年度 目標値H34年度 29.0㎞/h 30.0㎞/h 東西に長い平地部に市街地が形成されている静岡市では、都市の発展とともに東西道路軸を中心 に整備を進めてきました。一方で、東西軸を結ぶ南北軸の整備は遅れ気味であり、ネットワークと しての効果を発揮するためには南北軸を強化することが今後の課題となっています。 市内の渋滞箇所(H25 現況)をみると、南北軸における速度低下箇所が顕著であり、東西軸に比 べ南北軸は、平均的に 10%も速度が遅いことが明らかになっています。これらの交通渋滞は、通勤・ 通学のみならず、ビジネス交通や通院・買い物等の生活交通まで、様々な都市活動に影響を与えて います。 道路交通の円滑化を図るため、東西軸とともに、南北軸の道路整備を推進し、快適な市民生活や 活発な経済活動を支援します。 ▼東西軸・南北軸の位置図 図 7-5 ※南北軸:静岡市都市計画マスタープランにおいて南北発 展軸としている路線 東西軸:静岡市都市計画マスタープランにおいて広域都 南北発展軸と東西発展軸の旅行速度分布図 市環状軸・多核機能連携軸・東西発展軸として いる路線 図7-6 静岡市内における12時間平均旅行速度の分布 25 [主要政策③] 景観・歴史資産・観光素材を磨き上げるみちづくり ≪背景≫三保松原が世界文化遺産構成資産に登録され、ますますの増加が予想される観光客へ の対応が必要となっています。 豊かな歴史資産を有する沿岸部(しずまえ)や三保地区において、交通機能と景観形成を兼ね 備えた道路整備を推進します。 成果指標 目標値H30年度 目標値H34年度 現況値 指標③-1 沿岸部(しずまえ)道路の 整備率 19.9% (1.71/8.58km) 51.5% (4.42/8.58㎞) 60.8% (5.22/8.58km) 指標③-2 観光客の道路景観満足度 - 平成27年度に 初期調査を 実施し設定 平成27年度に 初期調査を 実施し設定 ※指標③-2について、平成27年度に「はごろも情報ひろば「みほナビ」を 訪れた観光客へ初年度アンケート調査を実施予定 (1)新たな交通拠点から観光拠点へ誘う道路整備 (仮)東名静岡東スマートICの整備により、三保地区へのアクセス性向上が期待されます。 新スマートICから三保地区への主なアクセス道路である国道150号(久能)や(都)清水港三 保線、(市)羽衣海岸線等の整備を促進することで、来訪者の利便性向上を目指します。 路線別延長内訳→ 路線名 ① ② ③ ④ ⑤ (国)国道150号 (市)羽衣海岸線 (都)塚間羽衣線 (都)清水港三保線 (都)清水港三保線 合計 工区名 久能拡幅 折戸1 折戸2 全体 延長(km) 4.20 2.20 0.88 0.74 0.56 8.58 図7-7 スマートICの開通および周辺道路の整備により想定される周辺観光地へのアクセス性向上 26 H26完了済 延長(km) 0.60 0.33 0.78 0.00 0.00 1.71 (2)道路景観を向上させ世界文化遺産を引き立たせる道路整備 「三保松原」が世界文化遺産の構成資産に登録されたことを受け、国内外から多くの観光客 が静岡市に訪れていますが、それに伴い交通渋滞や景観問題への対応が求められています。 これを受け、静岡市では「三保松原」に訪れる観光客にとって魅力的な道路景観をめざし、 「三保半島景観形成ガイドライン〔道路編〕」を策定し、世界文化遺産と融合したまた来たく なるような美しい道路整備を推進します。良好な景観を形成するための手法の1つである無電 柱化に関しては、平成27年度までに横断架空線を撤去し、段階的に整備を推進します。 また、「三保地区自転車走行空間ネットワーク整備計画」の策定により、ゆっくりと自転車 で三保半島を周遊できる観光システムの構築を目指します。 ≪無電柱化のイメージ≫ ・現況 景観形成ガイドラインでは、3 つの観点(時期、構成要 素、視点)から、景観へ配慮(無電柱化や、景観を引き立て る色彩の採用など)した道路整備を行うこととしています。 真崎海岸 地先 ・短期(横断架空線撤去) 太平洋岸自転車道 塚間本村 4 号線 清水第五 中学校 清水三保 第一小学校 清水港線 清水三保 第二小学校 東海大学 ・完成形 (4車線化にあわせた電線共同溝の整備) 清水南高 優先度 1 優先度 2 優先度 3 (一)静岡清水自転車道線 図7-8 無電柱化のイメージ 図7-9 三保地区自転車走行空間ネットワーク整備計画路線図 27 (3)オクシズとの連携強化 比較的交通量の少ないオクシズの道路においては、地域住民との合意を図り、極力既存の道 路を活かした効率的な整備手法である 1.5 車線的道路整備※18 を推進します。 また、オクシズは新東名高速道路開通により、アクセス性が向上しました。それに加え、平 成 26 年 6 月に南アルプスがユネスコエコパークに登録されたほか、平成 29 年度には中部横断 自動車道が開通することなどから、今後も来訪者数増加が見込まれます。これらの道路利用者 にオクシズを安全かつ快適に楽しんで頂けるよう、 今後もオクシズの活性化に寄与する道路整 備を推進します。 図7-10 1.5車線的道路整備の概念 図7-11 1.5車線的道路整備の例 (4)地域を活性化させる道路施設の整備 ① 静岡市道路休憩施設 地域を活性化させる取組として、国土交通省が認定する「道の駅」が全国的に広く知られて います。静岡市では平成23年度から独自に「静岡市道路休憩施設」を設置しています。『静岡 市道路休憩施設』は、道路利用者の利便性を向上させるために、既存の観光・地域振興施設と 連携を図り、駐車場とトイレを道路利用者にも利用していただくものであり、共通のロゴマー クで案内しています。平成26年度末現在で20箇所を設置しており、今後も施設の追加およびマ ップや各施設までの情報発信機能の充実等のソフト面の取組を図っていきます。 図7-13 道路休憩施設の案内表示 図7-12 静岡市道路休憩所の設置状況 28 表7-1 静岡市道路休憩施設と道の駅の違い 国土交通省が認定している「道の駅」 「道の駅」は、道路利用者のための「休憩機 能」、道路利用者や地域の方々のための「情 報発信機能」、「道の駅」をきっかけに町と町と が手を結び活力ある地域づくりを共に行うため の「地域の連携機能」、の 3 つの機能を併せ持 った休憩施設のことです。制度発足から 20 年 が経過し、近年では、当初の目的である、「通 過する道路利用者へのサービス」のみならず、 農業・観光・福祉・防災・文化など、地域の個 性、魅力を活かした様々な取組がなされてい ます。 国交省 HP:http://www.mlit.go.jp/road/Michi-no-Eki/index.html これからは「地域の拠点機能の強化」と「ネ 29 ② 東海道歴史街道二峠六宿について 東海道は、古くから多くの旅人や物が行き交い、この国を支えてきた歴史あるみちです。本 市には、その東海道五十三次の内、六つの宿場と二つの峠があります。この歴史ある地域資源 を、地域住民とともに磨き上げ、賑わいの創出や歴史的景観の保全など、約40kmにわたる 「東海道歴史街道二峠六宿」の整備を全庁的に推進します。 テーマは、『江戸の旅人を癒したおもてなし街道の復活』。そこで、道路事業としては、案 内表示の整備等による受入環境の整備に取り組んでいきます。 蒲原宿 丸子宿 由比宿 宇津ノ谷峠 丸子宿 薩埵峠 図7-14 東海道歴史街道二峠六宿 30 7-2 基本方針2「充実した暮らしを支えるみちづくり」 安心・安全な道路空間確保のため多くの歩道整備を推進しています。また、平成20年度に策定した 自転車ネットワーク整備計画に基づき、自転車走行空間※19の整備も推進しています。これに伴い、事 故件数が減少するなど一定の成果が挙がっています。 充実した暮らしを支えるみちづくりでは、歩行者・自転車の利用環境の向上、誰もが利用し やすく、安全な道路空間の創造を図ります。 [主要政策④] 歩行者・自転車の利用環境向上に向けたみちづくり ≪背景≫安心して利用できる自転車走行空間は市民ニーズが高く、自転車・歩行者・自動車の 各交通手段で安全に利用できる環境を整備することが必要となっています。 世界水準の自転車都市を目指し、自転車走行空間の整備を推進します。また、自転車と歩行者が 分離された道路整備に努めます。 成果指標 指標④ 市内の自転車走行空間の 総延長 現況値 115.5km 目標値H30年度 目標値H34年度 187.6km 259.7km (1)安全で快適な自転車利用環境の整備 平成26年度に見直した「静岡市自転車走行空間ネットワーク整備計画」に基づき、自転車レ ーン等による自転車走行空間の整備を推進します。 図7-15 静岡市自転車走行空間ネットワーク整備計画路線図 31 また、自転車のルールやマナーを理解し、安全に走行してもらうための走行社会実験※20を行 う等、自転車の利用環境向上に向けた取組を行います。 実験中のイメージ 実験前 この交差点内を 縦横無尽に走行 図7-16 危険横断防止社会実験の様子 (2)歩きやすい歩道の整備 ① 歩道の確保 無電柱化事業の推進や歩道の整備により、歩行者と自転車や自動車を分離し、歩行の安全性 向上を図ります。 整備前 図7-17 整備後 (市)本通二丁目紺屋町2号線の歩道整備事例 ② 歩道の新規整備に向けた静岡市の取組 静岡市では、管理する道路構造の技術的基準につい て、現行の道路構造令※21 を参酌し、地域の実情を踏ま えた独自基準を定め、より安全で快適な道路環境整備 を推進します。 歩道の幅員に関しては、現行の道路構造令では「2.0 m以上とする」とされており、幅員が2.0m確保できな 施設帯を 活用 い箇所では、歩道の整備が停滞している状況にありま す。 このような状況の中、歩道整備を推進するため、歩 道の最小幅員を1.5mに縮小し、より歩道整備がしやす い基準としました。 図7-18 静岡市独自基準の 歩道整備基準 32 [主要政策⑤] 誰もが利用しやすいみちづくり ≪背景≫市民(特に高齢者)から“歩きやすい歩道”に対するニーズが高い状況です。高齢者 や子供など、誰もが利用しやすい歩道整備等が必要です。 誰もが利用しやすいみちを目指し、交通拠点のバリアフリー化や小学校周辺の歩行者空間整備を 推進します。 成果指標 指標⑤-1 指標⑤-2 現況値 目標値H30年度 目標値H34年度 清水駅、草薙駅、安倍川駅 26.4% 61.7% 100% 周辺地区の主な生活関連経 (2.85/10.77km) (6.64/10.77km) (10.77/10.77km) 路におけるバリアフリー化率 小学校から半径500m以内 47.1% 54.4% 61.7% における通学路の歩行者空 (129.3/274.4km) (149.3/274.4km) (169.3/274.4km) 間整備 ※指標⑤-2は、次頁の(2)で細かく書かれています。 (1)高齢者も安心して歩ける道路空間の整備 清水駅、草薙駅、安倍川駅周辺地区において、 駅と生活関連施設を結ぶ重要な経路及び生活関 連施設相互を結ぶ経路について、特に重点的に、 段差の解消や誘導ブロック等の設置、歩道幅員や 勾配にも配慮して、高齢者などが安心して歩ける 歩道整備を推進していきます。 また、静岡市が管理するすべての歩道について、 横断歩道等に接続する段差は2cmではなく、1cm という独自条例を定め、安全かつ誰でも利用しや すい道路空間の整備を推進します。この背景には、 図7-19 バリアフリー歩道の整備 段差が全くないと危険であるという視覚障害者 からの意見も取り入れています。 目の不自由な方々に通行・歩行体験してもらったところ、 段差0cmのスリット(切れ目)だけでは歩道の境界がわ かりにくいという意見があり、段差1cmを採用。 車いすの方も、目の不自由な方も利用しやすい歩道段差 を基準に設定しました。 図7-20 横断歩道等に接続する歩道等の段差(静岡市条例) 33 (2)小学生が安心して学校に行ける通学路の確保 「静岡市通学路交通安全プログラム」に基づき、警察、教育委員会等と連携し、通学路の合 同点検に基づく危険箇所の対策を実施します。また、小学校周辺での歩道及びグリーンベルト 設置により、通学路の交通安全確保に取り組みます。 また、生活道路の交通安全を確保するために、「ゾーン30※22」等の面的な交通安全対策に取 り組み、生活道路内における自動車の速度抑制や、抜け道として通行する行為等の抑制を図り ます。 図7-21 通学路の安全性確保事例 34 7-3 基本方針3「持続可能な生活基盤を構築するみちづくり」 静岡市では、定期的な点検やパトロールのもと、計画的な補修・更新を実施し、安定した日常生 活が過ごせるよう道路施設の維持管理に努めています。 持続可能な生活基盤を構築するみちづくりでは、多種多様で膨大な道路施設を、施設毎の 特性に沿った管理区分や水準を定め効率的な維持管理をするとともに、官民協働で環境にやさしい まちづくりを推進していきます。 [主要政策⑥] 次の世代へ繋げるみちづくり ≪背景≫静岡市が管理する多種多様で膨大な量の構造物の高齢化が進展しており、高齢化及び 老朽化による重大事故を防ぐとともに、効率的な管理が必要です。 重要構造物である橋梁とトンネルの適切な維持管理を推進します。 成果指標 現況値 指標⑥-1 緊急措置判定 ※23 の橋梁修 繕実施 指標⑥-2 H25トンネル点検による 要対策(補修)箇所※24の 対策実施 目標値H30年度 目標値H34年度 - 100% 100% 2/7トンネル 7/7トンネル 平成30年度の点 検に基づき設定 ※指標⑥-1と⑥-2は、次頁の①及び②で細かく書かれています。 (1)効率的な維持管理サイクルの構築 静岡市で管理する道路構造物(橋梁、トンネルなど)の多くは、高度経済成長期以降に建設 されており、今後、急速に高齢化を迎えます。橋梁を例にとると、10年後には78%、20年後に は85%の橋梁が建設後50年以上という状況となるため、更新費用の集中が懸念されます。 そこで、道路などの土木構造物を社会資産ととらえ、計画的・効率的に管理していく手法「ア セットマネジメント」を取り入れ、道路施設の維持管理サイクルを構築し、高齢化及び老朽化 する構造物を計画的かつ効率的に管理していきます。 50年以上前の橋 41% 22% 59% 78% 15% 85% 50年未満の橋 現在(平成26年度) 10年後 20年後 図7-22 静岡市における建設から50年以上経過橋梁の割合の変化 アセットマネジメントとは? 計画的な整備や維持管理を行うことで土木構造物の寿命を延ばし、長期にわた り安心・安全に利用できる施設を提供するとともに、将来の財政負担の軽減を図 る取組のこと。 35 ① 橋梁における維持管理の取組 橋梁の安全性を確保し、安心・安全な静岡の道路ネッ トワークを将来の世代に引き継いでいくため、「静岡市 土木構造物健全化計画(橋梁編)」を平成24年3月に策 定しました。 予算や人員などが限られる状況下で、中長期的な視点 から最適な管理方針、予算計画を設定し、健全化計画に 則った、点検、補修、更新といった橋梁管理を実施して 図7-23 橋梁点検の様子 いきます。 図7-24 橋梁の補修(瑞穂橋) ② トンネルにおける維持管理の取組 平成26年6月に作成された「道路トンネル定期点検要 領」(国土交通省道路局)に基づき、トンネル本体工に ついては、定期的な点検と評価を実施し、計画的かつト ンネルの特性に合わせた補修方法の決定により、最適な 維持管理を推進していきます。 また、トンネル設備についても今後維持管理方針を定 め、適切な維持管理を実施していきます。 図7-25 高所作業車による トンネル点検状況 裏込注入と炭素繊維シート による覆工補強 図7-26 トンネルの補修(美和トンネル) 36 ③ 舗装における維持管理の取組 静岡市が管理する道路は、国道・県道・市道合わせて 約3,200kmあります。そのような膨大な舗装道路を効率 的に管理し、市民及び道路利用者が安全に通行できるこ とを目的に「静岡市土木構造物健全化計画(舗装編)」 を策定しました。 この計画に基づき、交通量や利用形態により管理タイ プを区分し、路面の状態調査を踏まえ、最適な工法で補 修を実施し、効率的に管理していきます。 図7-28 舗装の健全度の評価事例 37 図7-27 路面性状測定車※25 (2)日常的な維持管理の確実な実施 ① 各種点検の実施 安全かつ円滑な交通の確保と道路施設の保全を図るため、定期的な道路パトロール等による 舗装・路面状況データの収集等を実施し、異常を発見した場合は、早急に適切な措置を行う等 の日常的な維持管理を実施します。 表7-3 道路種別別の点検頻度 図7-29 道路パトロールの実施 図7-30 自転車パトロールの実施 官民協働の取組(道路サポーター制度) 行政と市民が協定を結び、市民が道路サポーターとして道路清掃や道路施設 のプチメンテナンス等を行う「道路サポーター制度※26」の効果的活用により、 安心・安全な生活基盤の確保に向けて、官民協働の取組を推進します。 図7-31 道路サポーターの活動状況 38 [主要政策⑦] 環境を保全するみちづくり ≪背景≫道路分野としてのCO2排出量抑制をはじめとした環境保全に向けた取組が必要です。 今後8箇年の目標として、以下の指標を推進していきます。 近年、性能と汎用性が高くなり注目されているLED照明灯の整備により、道路環境の改善及び保 全を推進します。 成果指標 指標⑦ 都市計画区域内における 主要道路の道路照明灯 LED化 現況値 6% (70/1,170基) 目標値H30年度 目標値H34年度 17% (200/1,170基) 43% (500/1,170基) (1)低炭素化に貢献する道路整備 ① 都市計画区域内の主要道路における道路照明灯LED化 省エネ社会の実現に向け、新規の設置や高齢化に伴う本体の更新に加え、灯具のみ取替えに より道路照明灯のLED化を進めています。 LED照明灯へ更新することにより、定格寿命が約2.5倍となり、ランプ交換コストの削減や、 ランプ交換作業時の交通規制による渋滞削減も期待できます。また、電気代を約4割削減でき ます。 LED灯 ナトリウム灯 図7-32 都市計画区域内における主要道路の道路照明灯LED化 39 ② 渋滞対策によるCO2排出量の削減 自動車の走行速度と二酸化炭素排出量には大きな関係性があります。走行速度が20㎞/hの場 合、40㎞/hで走行したときよりも4割多くの二酸化炭素が排出されることになります。 現在、国道1号静清バイパスでは、4車線化整備が終わっている区間と2車線区間では走行 速度で約15㎞/hの差があり、それぞれの区間を走行する車両が排出する二酸化炭素量を比較す ると1㎞あたり0.8トン-CO2/12hも多くの二酸化炭素が2車線区間で排出されていることとな ります。 静岡市では、国道1号静清バイパスの4車線化および立体化、都市計画道路等の市街地幹線 道路の整備、交差点改良等の渋滞対策により、自動車の走行速度を向上させ、二酸化炭素排出 量の削減を目指します。 資料:CO2,NOx,PMSの排出原単位の改定について (H24.2.23 国土交通省道路局事務連絡資料) 図7-33 走行速度と二酸化炭素排出量の関係 図7-34 国道1号静清バイパスを走行する 車両から生じる二酸化炭素排出量※27 ③ 道路緑化に関する取組 静岡市では、管理する道路の構造の技術的基準について、現行の道路構造令を参酌し、地域 の実情を踏まえた独自基準を定め、より安全で快適な道路環境整備を推進します。 植樹帯の幅員は、現行の道路構造令では「1.5mを標準」としていますが、実際に必要とす る幅員は、木の大きさにより定めることとされています。植樹帯幅が最小となるのは「つる性 植物」の0.5mであることから、植樹帯の幅を「1.5mを標準」から「0.5m以上」に改めること としました。 これにより、地形状況等制約に応じた樹種の選定がしやすくなり、地域の実状に応じた植樹 帯の設置が可能となることで、地域の道路緑化が推進されることとなります。 図7-35 トレリス※28の設置後イメージ 40 官民協働の取組(ワークショップ) 計画段階からワークショップ等の 市民参加を積極的に取り入れ、 愛着の ある道路空間を創造し、 住む人が誇り を持てる“まち”を目指します。 市立高校前のシンボル的道路では、 在校学生や地域住民を交えたワーク ショップを実施し、歴史ある並木を残 図7-36 市立高校在学生や地域住民 を交えたワークショップの様子 すことをテーマに、 交通機能も向上さ せる方策を検討するなど、 次世代を担 う若者と歴史を熟知している高齢世 代の幅広い世代の市民が一体となり、 永く愛される道路環境の保全に取り 組んでいます。 静岡市立 高等学校 図7-37 取組対象箇所の平面図 (2)道路整備における省エネルギー化 環境への負荷を低減する資源循環型社会の構築を目指し、廃棄物を減量するため、廃棄物の 発生抑制や循環型資源の再使用、再利用を促進する様々な施策を展開しています。その施策の ひとつとして、ごみ処理の過程で発生した溶融スラグを、再生加熱アスファルト混合物等の建 設資材として再利用を図る等、市内で発生したゴミを市内で再利用できる循環サイクルを構築 しています。 図7-38 溶融スラグを原料とした 再生加熱アスファルト化合物を利用した舗装 41 図7-39 溶融スラグを原料とした コンクリート二次製品 7-4 基本方針4「大規模災害に備えるみちづくり」 30年以上前から発生が予測されている東海地震や阪神・淡路大震災を踏まえ、橋梁耐震化等の緊 急輸送路を確保する取組を推進し、いつ起きてもおかしくない災害に備えています。また、東日本 大震災では、早期に道路交通機能を回復する必要性が再認識されました。 大規模災害に備えるみちづくりでは、防災・減災による交通機能確保とともに、被災後の迅 速な対応により、非常時における市民生活の維持を図ります。 [主要政策⑧] 防災・減災に貢献するみちづくり ≪背景≫大規模災害に対して強靱な道路ネットワークを形成するとともに、被災後の早期復旧 を可能とする事前対策を実施する必要があります。 災害時にも機能する強靱な道路ネットワークを形成するため、主要な橋梁の耐震化と緊急輸送 道路上の、のり面補強を推進します。 成果指標 現況値 目標値H30年度 目標値H34年度 指標⑧-1 橋脚がある橋梁の耐震化 実施 105/197橋 151/197橋 197/197橋 指標⑧-2 緊急輸送路上における道路 のり面の要対策箇所実施 5/30箇所 17/30箇所 30/30箇所 ※緊急輸送路道路上の被災リスクが高い橋梁の耐震化は完了しています。 ※指標⑧-1は次頁の(2)①、指標⑧-2は(2)②で細かく書かれています。 (1)強靭な道路ネットワークの構築 大規模災害発生時に おいても、迅速な救命救 凡例 第1次緊急輸送道路 急や円滑な広域支援の 第2次緊急輸送道路 第3次緊急輸送道路 受け入れが出来るよう に、ボトルネックの解消 や高速道路等へのアク セス強化、代替路の確保 など、国土交通省・中日 本高速道路㈱・静岡県等 とも連携しつつこれら の広域的な道路ネット ワークの強化に取り組 んでいきます。 また、緊急輸送路に指 定されている道路上の 構造物(橋梁、トンネル 等)の防災対策などを優 先的に実施し、強靱なネ ットワークを形成する ことを目指します。 資料:静岡県緊急輸送路図 図7-40 静岡市の緊急輸送路 42 (2)道路施設の損壊防止による、大規模災害リスクの低減 南海トラフ巨大地震の発生時や、異常気象時にも道路交通機能を確保するため、緊急輸送路 や孤立が予想される集落に接続する路線を中心に、橋梁耐震化事業やのり面保護等の自然災害 防除事業を推進します。 ① 橋梁耐震化の重要性(阪神・淡路大震災からの教訓) 静岡市はこれまでに、耐震対策が必要となる複数径間(橋脚がある)橋梁197橋において、 「緊急輸送路の橋梁耐震補強3箇年プログラム※29」などにより、緊急輸送路上の橋梁を中心に 耐震補強を実施してきました。 平成27年度以降は、平成8年より前の基準で建設された未対策橋梁92橋について、橋脚補強・ 落橋防止等を行い、橋梁の耐震化を計画的に実施します。 図7-41 阪神・淡路大震災を教訓とした基準の改定と基準の有効性 図7-42 橋脚の耐震補強の実施 図7-43 落橋防止装置の設置 43 ② のり面対策の実施 オクシズに向かう道路は、市街地から放射状に伸びる形状で、オクシズの各地区間を結ぶ東 西軸または環状ネットワークがないため、地震や台風、豪雨等による災害発生時に放射状道路 が被災すると、一部の集落が孤立する恐れがあります。 このため、静岡市では既設のり面構造物の点検による対策を実施するとともに、落石や崩壊 等の恐れがあるのり面の防災対策に力を入れています。特に、緊急輸送路が寸断されれば、救 急救命活動や緊急物資の輸送に大きな影響を及ばす恐れがあるため、緊急輸送路上ののり面対 策を推進していきます。 対策前 対策後 対策前 対策後 図7-44 のり面対策の実施 44 [主要政策⑨] 災害に対応するみちづくり ≪背景≫南海トラフ巨大地震の発生が高確率で予想されるほか、近年多発する局地的な集中豪 雨等への対応は、市民の生命・財産等を守るために必要となっています。 有事の際にも対応できるように、迅速で正確な情報の収集及び提供に努めます。比較的に冠水す る確率が高いと予想されるアンダーパス※30部の早期対策に努めます。 成果指標 指標⑨ アンダーパスの冠水監視 箇所数 現況値 目標値H30年度 0/19箇所 19/19箇所 (1)災害時における迅速な情報提供と新たな道路施設の活用 ① しずみちインフォによる情報提供 土木施設監視センターにおいて、道路被災情報やトンネル内の状況等の情報を素早く入手・ 整理・対応できるよう道路情報等を一元集中管理しています。管理情報は、しずみちインフォ により、市民やインフラ事業者※31及び運輸業者などに対し道路情報を的確に提供しています。 今後は、台風やゲリラ豪雨等による道路冠水についても対応の検討を進めるとともに、しず みちインフォの情報を防災、消防部局と連携させ、より一層、市民の安心・安全の向上を図り ます。 主な監視内容・管理内容 ・国道150号新日本坂トンネル、あさは たトンネルなどの重要施設を監視 ・越波や積雪の道路への影響を監視 ・降雨状況の確認および通行止め等 の対応の実施 図7-46 しずみちインフォ(道路情報提供)のイメージ 図7-45 土木施設監視センターの様子 ② アンダーパスの冠水に関する情報提供 近年の豪雨により、たびたびアンダーパスが冠水 しています。冠水した道路に車が進入すると、浸水 により動けなくなる恐れがあり大変危険です。今後 は、市内19箇所のアンダーパスに、冠水状況を監視 するセンサー(一部箇所で監視カメラを併設)を設 置し、土木施設監視センターで情報を一元管理する ことにより、迅速な通行止め規制を実施し、通行時 の安全を確保します。また、しずみちインフォで道 図7-47 アンダーパスの冠水の 状況(清水区興津東町) 路規制情報を即時に提供していきます。 45 ③ 津波避難対策の推進 静岡市地域防災計画(津波対策編)に基づき、津波避難ビルや津波避難タワーに加え、道路 高架橋も津波避難施設として位置付け整備を推進しています。地域住民が高架橋に避難する社 会実験を実施し、避難経路、昇降施設、高架橋上での課題等を確認しました。参加者によるア ンケートや地域住民の意見も踏まえ、有事の際には、利用しやすく、安全な避難施設としての 活用を目指しています。 図7-48 津波避難対策概念図 図7-49 「高架橋の津波避難場所活用」 に関する社会実験の様子 46 (2)迅速な道路啓開に向けた対応 災害発生時に速やかに道路啓開を行い、救命救急や物資輸送がスムーズに行えるよう、静岡 市では緊急輸送路等の道路啓開に関するガイドラインを作成し、緊急の際に迅速な対応がとれ るように備えます。 また、東日本大震災を契機として策定された「中部版くしの歯作戦」において静岡市では、 新東名高速道路、東名高速道路、国道1号バイパス等がくしの歯ルートに指定されており、国 土交通省や中日本高速道路㈱、静岡県等とも連携しつつ、早期復旧に資するみちづくりを推進 していきます。 道路啓開とは? 災害時に、ガレキや放置された車などで道路が ふさがってしまった場合、このガレキを取り除 いて、最低限度、救命救急や支援物資輸送の ための車が通行できるようにする作業のことを 言います。 東日本大震災(2011年)において、この「道 路啓開」が早期復旧のための大きな課題となり、 「くしの歯作戦」と銘打った大規模な活動が展開 されました。 図7-50 陸前高田市内での啓開の様子 資料:「中部版 図7-51 くしの歯作戦(静岡県) 47 くしの歯作戦」(平成26年5月改訂版) 7-5 成果指標 みちづくりの成果を表す数値指標として、以下の13の指標を設定します。 基本方針1 地域活性化に貢献するみちづくり 指標① 高速道路ICのアクセス道路整備率 指標② 南北軸の昼間12時間平均旅行速度※17 指標③-1 沿岸部(しずまえ)道路の整備率 指標③-2 観光客の道路景観満足度 目標値 H30年度 5.6% 100% (0.58/10.41km) (10.41/10.41km) 基本方針2 充実した暮らしを支えるみちづくり 指標④ 現況値 市内の自転車走行空間の総延長 指標⑤-1 清水駅、草薙駅、安倍川駅周辺地区の主な 生活関連経路におけるバリアフリー化率 指標⑤-2 小学校から半径500m以内における通学路の 歩行者空間整備 基本方針3 持続可能な生活基盤を構築するみちづくり 目標値 H34年度 - 27.7㎞/h 29.0㎞/h 30.0㎞/h 19.9% (1.71/8.58km) 51.5% (4.42/8.58㎞) 60.8% (5.22/8.58km) - 平成27年度に 初期調査を実 施し設定 平成27年度に初 期調査を実施し 設定 現況値 目標値 H30年度 目標値 H34年度 115.5km 187.6km 259.7km 26.4% (2.85/10.77km) 61.7% 100% (6.64/10.77km) (10.77/10.77km) 47.1% 54.4% 61.7% (129.3/274.4km) (149.3/274.4km) (169.3/274.4km) 現況値 目標値 H30年度 目標値 H34年度 指標⑥-1 緊急措置判定※23の橋梁修繕実施 - 100% 100% 指標⑥-2 H25トンネル点検による 要対策(補修)箇所※24の対策実施 2/7トンネル 7/7トンネル 平成30年度の 点検に基づき 設定 都市計画区域内における 主要道路の道路照明灯LED化 6% (70/1,170基) 17% (200/1,170基) 43% (500/1,170基) 基本方針4 大規模災害に備えるみちづくり 現況値 目標値 H30年度 目標値 H34年度 指標⑧-1 橋脚がある橋梁の耐震化実施 105/197橋 151/197橋 197/197橋 指標⑧-2 緊急輸送路上における道路のり面の 要対策箇所実施 5/30箇所 17/30箇所 30/30箇所 アンダーパスの冠水監視箇所数 0/19箇所 19/19箇所 - 指標⑦ 指標⑨ 48 8.みちづくりプログラム みちづくりプログラムは、みちづくりビジョンを実現するため、表8-1の条件を基本的に満たす主 要な事業を掲載したものです。 各事業の整備目標は、予算、用地取得、埋蔵文化財調査等が予定通り進捗した場合に、4年後及び 8年後の整備目標を示したものであり、今後の財政状況や事業進捗状況等により適宜見直しを図りま す。 表8-1 みちづくりプログラムの主要路線・箇所の抽出条件 事業 内容 抽出条件 道路改築事業 新設 総事業費 5 億円以上 or 全体事業延長 500m 以上 バイパス 同上 立体化 同上 拡幅 同上 1.5 車線整備 同上 4 車線化 同上 橋梁架替 同上 交通安全 総事業費 3 億円以上 or 全体事業延長 300m 以上 無電柱化 総事業費 5 億円以上 or 全体事業延長 500m 以上 橋梁耐震補強事業 - 複数径間橋梁 自然災害防除事業 - 緊急輸送路上の自然災害防除事業箇所 トンネル補修事業 - H25 トンネル点検による要対策(補修)箇所 バリアフリー事業 - バリアフリー基本構想に掲載のある「主な生活関連経路」 交通安全整備事業 (道路のり面対策) なお、各事業の整備目標を明確に示すために、表8-2のように用語を定義します。 表8-2 用語 完 整備目標の用語説明 意味 成 事業区間の全線を完成(暫定供用を含む)させる予定の箇所 部分完成 事業区間において、部分的に完成(供用)させる予定の箇所 部分暫定 事業区間において、計画車線数(4 車線)に対して、 部分的に暫定の車線数(2 車線)で施工する箇所 事業継続 事業を継続して促進する箇所 新規着手 新規に事業着手を予定する箇所 49 8-1 道路改築事業、交通安全整備事業 1)広域(区界をまたぐ事業等) 事業予定箇所 対象事業一覧 番号 事業(プログラム)名 広域1 中部横断自動車道 (NEXCO) 広域2 国道1号 静岡東西道路 (国直轄) 広域3 国道1号 静岡東西道路 (国直轄) 広域4 地域高規格道路 静岡南北道路 箇所名・工区名 新清水JCT~静岡・山梨県境 静清バイパス4車線化 (牧ケ谷IC~丸子IC) 静清バイパス清水立体事業 葵~駿河 事業箇所 事業内容 清水区吉原~静岡・山梨県境 駿河区牧ケ谷~駿河区丸子二軒家 新設 4車線化 清水区八坂~横砂 葵区下~駿河区大谷 立体化 バイパス ※地図上の「葵20」は、2)葵区の対象事業一覧を参照 50 H26年 全体 度末で 整備目標 事業延 の残事 (H27~ 長 業延長 H30) (km) (km) 11.40 11.40 完成 3.00 3.00 完成 2.40 11.00 整備目標 (H31~ H34) 完成 完成 2.40 事業継続 事業継続 11.00 事業継続 事業継続 (部分暫定) (部分暫定) 2)葵区 事業予定箇所 ※破線は、同じ事業の中で、 H26年度末に完了している部分 対象事業一覧 番号 事業(プログラム)名 箇所名・工区名 事業箇所 事業内容 葵1 葵2 国道362号(羽鳥~安西) 国道362号 Ⅲ期工区 羽鳥一丁目・羽鳥二丁目 0 富沢 4車線化 交通安全 葵3 葵4 (主)井川湖御幸線 (-)平山草薙停車場線 下~松富上組 下~松富上組 0 瀬名三丁目外 4車線化 交通安全 葵5 葵6 葵7 葵8 葵9 葵10 葵11 (市)国吉田瀬名線 (市)有永漆山線・北東3号線 (市)本通二丁目紺屋町2号線 (都)宮前岳美線 (都)あさはた線 (都)静岡駅賤機線 (都)水道町伊呂波町線 上中・宮上工区 川合二丁目・川合三丁目 0 赤松~柳原 0 紺屋町 上足洗三丁目~城北 0 東~北 昭府二丁目~松富四丁目 0 新伝馬一丁目~与一一丁目 新設 拡幅 無電柱化 4車線化 新設 4車線化 4車線化 葵12 葵13 (都)駒形井宮線 (都)宮前岳美線 安西工区 竜南工区 葵14 葵15 (一)静岡朝比奈藤枝線 (都)東町大岩線 音羽町工区 葵16 葵17 葵18 葵19 葵20 (仮)与一一丁目・五丁目線 (都)東静岡南北幹線外 (一)奈良間手越線 (一)奈良間手越線 (主)梅ケ島温泉昭和線 3工区 松富・松富2工区 奈良間 大河内橋 安西四丁目~柳町 千代田一丁目~上足洗三丁目 4車線化 4車線化 0 小瀬戸 音羽町 交通安全 拡幅 0 与一一丁目~与一五丁目 0 長沼外 奈良間~富厚里 0 吉津 渡 新設 新設 拡幅 交通安全 橋梁架替 ※「葵20」の場所は、1)広域の地図を参照 51 H26年 全体 度末で 整備目標 事業延 の残事 (H27~ 長 業延長 H30) (km) (km) 0.58 0.58 新規着手 0.61 0.61 事業継続 (部分完成) 2.60 2.60 完成 1.25 0.58 事業継続 (部分完成) 0.98 0.98 事業継続 0.65 0.65 事業継続 0.34 0.18 完成 0.64 0.64 完成 0.66 0.66 事業継続 1.60 1.60 完成 0.35 0.35 新規着手・ 事業継続 0.33 0.33 完成 0.61 0.61 新規着手・ 事業継続 0.34 0.34 完成 0.30 0.30 新規着手・ 事業継続 0.90 0.90 新規着手 0.54 0.01 完成 1.34 1.34 事業継続 0.40 0.40 完成 0.74 0.74 事業継続 整備目標 (H31~ H34) 事業継続 完成 完成 完成 完成 完成 完成 完成 完成 完成 事業継続 完成 事業継続 完成 事業継続 事業継続 完成 事業継続 完成 完成 3)駿河区 事業予定箇所 ※破線は、同じ事業の中で、 H26年度末に完了している部分 対象事業一覧 番号 事業(プログラム)名 箇所名・工区名 駿1 駿2 駿3 駿4 駿5 駿6 国道150号 国道150号 (市)中島36号線 (市)中島13号線・中島37号線 (都)丸子池田線 (都)丸子池田線 静岡バイパス 久能拡幅 駿7 駿8 駿9 駿10 駿11 駿12 (都)静岡下島線 (市)静岡下島線 (都)日出町高松線 (一)高松日出線 (都)下大谷線 (市)丸子新田広野三丁目線 石田・石田2工区 駿13 駿14 駿15 (都)西脇大谷線 国道1号電線共同溝 (国直轄) (一)静岡焼津線 駿16 駿17 駿18 駿19 駿20 駿21 駿22 駿23 駿24 駿25 (都)みずほ東新田線 (主)山脇大谷線 (主)山脇大谷線 (都)大浜街道線 (仮)静岡東スマートインターチェンジランプ線 (市)大谷改良区7号線 (市)大谷改良区2号線外 (市)下川原土地区画1号線 (市)用宗駅前通線 安倍川駅東西自由通路 事業箇所 事業内容 H26年 全体 度末で 事業延 の残事 長 業延長 (km) (km) 2.30 1.20 4.20 3.60 0.22 0.12 0.25 0.20 0.36 0.36 0.43 0.43 下島~中島 根古屋~大谷 0 中島 0 中島 大坪町~八幡五丁目 曲金~豊田一丁目 4車線化 4車線化 新設 新設 4車線化 4車線化 大谷1工区 1工区、2工区、3工区 石田一丁目~登呂五丁目 0 下島 八幡二丁目~八幡五丁目 0 葵区日出町~八幡二丁目 水上~西大谷 東新田~広野一丁目 4車線化 4車線化 新設 無電柱化 4車線化 交通安全 1.08 0.97 0.56 0.55 0.64 1.57 1.08 0.21 0.56 0.55 0.64 1.13 1工区 中吉田 広野工区・用宗工区 登呂五丁目 中吉田~国吉田 広野丁目~用宗四丁目 拡幅 無電柱化 交通安全 0.38 0.86 0.54 0.38 0.86 0.31 拡幅 バイパス バイパス 4車線化 新設 拡幅 交通安全 新設 交通安全 新設 0.17 0.31 1.52 0.55 1.34 0.60 2.00 0.37 0.31 0.09 0.17 0.31 1.52 0.55 1.34 0.60 2.00 0.37 0.31 0.09 八幡3工区 曲金工区 八幡工区 大谷 小鹿宮川工区 馬淵1工区 (仮)下川原南橋 0 みずほ四丁目~みずほ一丁目 宮川~水上 小鹿~宮川 馬淵三丁目~馬淵四丁目 0 宮川・片山 0 宮川 0 宮川外 下川原南~広野 0 用宗四丁目外 0 みずほ四丁目~鎌田 ※ただし、掲載する事業のうち「駿3」と「駿4」は、表8-1の条件を満たしていない。 52 整備目標 (H27~ H30) 完成 事業継続 事業継続 事業継続 完成 新規着手・ 事業継続 完成 完成 事業継続 完成 完成 事業継続 (部分完成) 事業継続 完成 事業継続 (部分完成) 完成 完成 新規着手 計画 完成 完成 完成 完成 完成 完成 整備目標 (H31~ H34) 完成 事業継続 完成 完成 完成 事業継続 完成 完成 事業継続 完成 完成 事業継続 (部分完成) 事業継続 完成 完成 完成 完成 事業継続 新規着手 完成 完成 完成 完成 完成 完成 4)清水区 事業予定箇所 ※破線は、同じ事業の中で、 H26年度末に完了している部分 対象事業一覧 番号 事業(プログラム)名 箇所名・工区名 清1 清2 清3 清4 清5 清6 清7 清8 清9 清10 清11 清12 清13 清14 清15 (主)清水富士宮線 (主)清水富士宮線 (主)清水富士宮線 (主)清水富士宮線 (主)清水富士宮線 (-)駒越富士見線 (市)日本平南矢部線 (市)羽衣海岸線 (都)日の出町押切線 (都)日の出町押切線 (都)辻町北脇線 (都)渋川妙音寺線 (都)一里山長崎線 (都)清水港三保線 (都)清水港三保線 吉原BP 庵原~伊佐布 清地1 清地2 清地3 駒越西 村松・矢部 三保 北脇工区 能島工区 秋吉工区 大曲工区 清16 清17 清18 清19 清20 清21 清22 (都)塚間羽衣線 (国)1号電線共同溝(国直轄) (主)静岡清水線 (一)入江富士見線 (一)富士由比線 (市)庵原町58号線 (市)草薙日本平線 三保 中之郷 清23 清24 清25 清26 草薙駅北口通線 草薙駅南北自由通路 (一)茂畑横砂線 (仮)新丹谷地内道路 折戸1工区 折戸2工区 桜橋 寺尾橋 東工区 茂畑・広瀬 事業箇所 事業内容 H26年 全体 度末で 事業延 の残事 長 業延長 (km) (km) 1.22 1.22 3.32 2.74 0.26 0.26 0.54 0.54 0.36 0.36 1.00 1.00 2.04 1.22 2.20 1.87 0.54 0.54 0.40 0.40 0.45 0.45 0.53 0.43 0.36 0.27 0.74 0.74 0.56 0.56 吉原 庵原 清地 清地 清地 駒越西 村松、南矢部 折戸~三保 北脇 北脇~能島 秋吉町 東大曲町 0 草薙一里山~七ツ新屋二丁目 駒越北町~折戸二丁目 折戸二丁目~折戸四丁目 バイパス バイパス バイパス バイパス バイパス 新設 新設 新設 新設 新設 新設 拡幅 拡幅 4車線化 4車線化 折戸~三保 清水区楠新田~駿河区中吉田 0 鳥坂 桜橋町 由比寺尾 庵原町 0 草薙 新設 無電柱化 交通安全 橋梁架替 橋梁架替 新設 交通安全 0.88 0.92 1.20 0.30 0.25 0.23 0.53 0.10 0.92 0.30 0.30 0.25 0.23 0.14 0 草薙北 0 草薙北~草薙一丁目 茂畑、広瀬 0 吉原 新設 新設 1.5車線整備 新設 0.19 0.10 1.25 1.20 0.19 0.10 1.25 1.20 ※ただし、「清25」は局所改良です。 53 整備目標 (H27~ H30) 完成 完成 事業継続 事業継続 事業継続 完成 完成 完成 事業継続 計画 計画 事業継続 事業継続 完成 新規着手・ 事業継続 完成 完成 完成 事業継続 事業継続 完成 事業継続 (部分完成) 完成 完成 事業継続 完成 整備目標 (H31~ H34) 完成 完成 完成 事業継続 事業継続 完成 完成 完成 完成 新規着手 新規着手 完成 完成 完成 事業継続 完成 完成 完成 完成 事業継続 完成 完成 完成 完成 完成 完成 8-2 橋梁耐震補強事業、自然災害防除事業、トンネル補修事業 事業予定箇所 凡 例 橋梁耐震補強 自然災害防除(のり面対策) トンネル補修 ※ (主):主要地方道 (一):一般県道 (市):市道 (都):都市計画道路 54 対象事業一覧 橋梁耐震補強 番号 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 路線名 橋梁名 (主)井川湖御幸線 (主)井川湖御幸線 (主)井川湖御幸線 (主)井川湖御幸線 (主)井川湖御幸線 (主)井川湖御幸線 (主)山脇大谷線 (主)清水富士宮線 (主)清水富士宮線 (主)清水富士宮線 (主)清水富士宮線 (主)南アルプス公園線 (主)南アルプス公園線 (主)梅ケ島温泉昭和線 (主)梅ケ島温泉昭和線 (一)静岡焼津線 (一)静岡草薙清水線 (一)静岡朝比奈藤枝線 (一)大向福士線 (一)大川静岡線 (一)入江富士見線 (一)由比停車場線 (一)相俣岡部線 (市)庵原町草ヶ谷1号線 (市)庵原町草ヶ谷2号線 (市)押切吉川線 (市)下島6号線 (市)河内4号線 (市)河内5号線 (市)河内7号線 (市)河内宝ノ窪線 (市)鎌田寺田線 (市)吉川堀込3号線 (市)興津浦安橋通り1号線 (市)興津新浦安橋線 (市)興津大橋通り2号線 (市)興津東町谷津町二丁目線 (市)郷島旧県道線 (市)駒越大橋川通り線 (市)駒越中一丁目村松一丁目線 (市)鍵穴2号線 (市)古庄12号線 (市)向山線 (市)腰越線 (市)坂ノ上栃沢線 (市)山手線 丹野橋 上落合橋 前川橋 長熊橋 曙橋 玉機橋 桜峠橋 港橋 宮嶋橋 逢初橋 恋歌橋 茨澤桟道橋 茨澤桟道橋2号橋 八重沢橋 内牧橋 石部海上橋 千歳橋 牧ヶ谷橋 茂野島橋 狩野橋 桜橋 共進橋 八幡橋 新田橋 中学橋 能島橋 2号橋 深澤島橋 奥之澤橋 大島橋 木風橋 寺田大橋 第一堀込橋 浦安橋 新浦安橋 興津大橋 八幡橋 浅間橋 加茂橋 大橋川橋 鍵穴橋 澄田橋 向山橋 東橋 中央橋 諏訪橋 自然災害防除(のり面対策) 番号 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 路線名 (国)362号 (国)362号 (主)井川湖御幸線 (主)井川湖御幸線 (主)井川湖御幸線 (主)梅ヶ島温泉昭和線 (主)梅ヶ島温泉昭和線 (主)梅ヶ島温泉昭和線 (主)梅ヶ島温泉昭和線 (主)梅ヶ島温泉昭和線 (主)梅ヶ島温泉昭和線 (主)梅ヶ島温泉昭和線 (主)梅ヶ島温泉昭和線 (主)梅ヶ島温泉昭和線 (主)梅ヶ島温泉昭和線 (主)南アルプス公園線 (主)南アルプス公園線 (主)南アルプス公園線 (主)南アルプス公園線 (主)南アルプス公園線 (主)南アルプス公園線 (主)南アルプス公園線 (一)三ツ峰落合線 (一)三ツ峰落合線 (一)三ツ峰落合線 (一)三ツ峰落合線 (一)三ツ峰落合線 (一)三ツ峰落合線 (一)三ツ峰落合線 (一)三ツ峰落合線 工区 橋長(m) 番号 12.1 46.0 60.0 77.8 330.0 366.8 79.0 54.9 61.0 61.5 90.7 30.0 105.0 25.2 52.1 360.0 62.6 250.6 91.9 648.1 23.5 15.0 27.3 16.5 17.3 38.4 14.0 40.0 26.2 26.1 19.1 30.2 35.1 215.0 183.1 210.0 108.9 20.2 18.1 16.0 40.1 24.0 25.1 30.0 40.8 22.2 路線名 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 橋梁名 (市)寺尾大和線 (市)小河内船場瀬戸線 (市)小河内池の沢1号線 (市)小島町立花1号線 (市)上坂本線 (市)上土長尾線 (市)城内1号線 (市)城内5号線 (市)新間藁科川添線 (市)瀬名4号線 (市)瀬名8号線 (市)清水日本平線 (市)清水日本平線 (市)清水日本平線 (市)清地1号線 (市)西里2号線 (市)西里伏木線 (市)仙俣線 (市)川合加藤島線 (市)相俣1号線 (市)足久保一免八十岡線 (市)足久保栗島線 (市)足久保相沢1号線 (市)足久保敷地2号線 (市)袖師村松線 (市)大原山中線 (市)大平2号線 (市)大平4号線 (市)但沼山渡場線 (市)中河内10号線 (市)中河内2号線 (市)中河内桑又線 (市)中河内神沢原線 (市)長熊線 (市)長崎鳥坂1号線 (市)辻町北脇3号線 (市)土西里線 (市)土布沢線 (市)日向諸子沢線 (市)日向切抗堂沢線 (市)入江一丁目入江東三丁目線 (市)俵沢旧県道線 (市)富士見橋通り1号線 (市)本村長尾線 (市)万世町二丁目2号線 (市)竜南1号線 大和橋 無名橋 池の澤橋 立花橋 所沢橋 松尾橋 城代橋 凱旋橋 新間谷川橋 川合橋 利倉橋 細谷橋 見晴橋 望岳橋 清水橋 寺尾島橋 やまびこ橋 無名橋 長崎鼻橋 相俣本橋 八十岡橋 栗島橋 相沢橋 村前橋 柳橋 富厚里橋 火焼島橋 仲村橋 但沼大橋 板井沢橋 本村橋 桑又橋 神沢原橋 無名橋 久保橋 渋川橋 矢崎橋 布沢橋 中村橋 無名橋 大正橋 賤機橋 富士見橋 長尾橋 萬世橋 上土橋 トンネル補修 番号 黒俣(向山) 黒俣(桜ノ久保) 井宮 中沢(向山) 桂山(沼側) 蕨野(横道) 有東木(ムジナ石)1 下渡1 入島 有東木(ムジナ石)2 有東木(ムジナ石)3 入島(上田原地) 有東木(ムジナ石)4 中平1 中平2 井川(日向)1 犬草利 井川(中コ) 口坂本(カンジロ) 井川(スネ沢) 井川(石ダル) 井川(日向)2 落合(平瀬) 横沢(カマブキョウ) 横沢(ヨヨコトウ) 腰越(長島1)1・2工区 横沢1 腰越(細野)1 横沢2 腰越(長島1)3工区 1 2 3 4 5 6 7 路線名 (主)梅ヶ島温泉昭和線 (主)南アルプス公園線 (主)南アルプス公園線 (主)南アルプス公園線 (主)南アルプス公園線 (主)南アルプス公園線 (一)藤枝静岡線 は実施済み箇所 は実施済み箇所 55 トンネル名 美和トンネル 田代第1号トンネル 田代第4号トンネル 田代第5号トンネル 田代第6号トンネル 田代7号隧道 宇津ノ谷隧道 橋長(m) 20.7 20.0 19.2 64.3 72.9 38.9 18.1 21.2 21.3 32.4 29.7 93.5 112.0 155.0 55.6 39.3 65.5 85.0 36.2 29.1 61.6 40.1 34.5 45.1 45.1 134.5 21.6 22.8 63.1 20.0 31.6 26.6 17.2 14.1 35.0 43.9 51.0 26.2 13.1 34.5 52.2 15.3 58.1 20.1 57.1 24.2 8-3 バリアフリー事業 事業予定箇所 重点整備地区 バリアフリー事業対象 の主な生活関連道路 ※破線は完了済み路線 対象事業一覧 清水駅周辺地区 番号 清1 清2 清3 清4 清5 清6 清7 清8 清9 清10 清11 清12 清13 清14 路線名 国道1号 国道149号 (主)清水停車場線 相生町島崎町1号線 島崎町1号線 松原町1号線 新港町1号線 島崎町新港町線 島崎町袖師町線 松原町旭町線 島崎町6号線 辻一丁目6号線 清水駅東西自由通路 島崎町2号線 合計 草薙駅周辺地区 全体事業延 長(km) 1.30 1.77 0.11 0.09 0.20 0.07 0.23 0.60 0.65 0.30 0.54 0.06 0.10 0.03 6.05 H26年度末 での残事業 延長(km) 0.99 1.38 0.00 0.00 0.20 0.07 0.23 0.00 0.00 0.30 0.00 0.00 0.00 0.03 3.20 番号 草1 草2 草3 草4 草5 草6 草7 (一)静岡草薙清水線(南幹線) 草薙駅通3号線 草薙32号線・(都)草薙駅北口通線 一里山長崎1号線・(都)一里山長崎線 静清土地区画204号線 草薙一丁目5号線 (都)草薙駅南北自由通路 合計 H26年度末 全体事業延 での残事業 長(km) 延長(km) 1.75 1.75 0.18 0.18 0.23 0.23 0.21 0.21 0.05 0.05 0.04 0.04 0.10 0.10 2.56 2.56 安倍川駅周辺地区 番号 安1 安2 は完了済み路線(地図上では破線表記) 路線名 安3 安4 56 路線名 (都)上川原広野線 (都)上川原鎌田中央線 (都)みずほ東新田線 寺田鎌田土地区画32号線 寺田鎌田土地区画26号線 (都)安倍川駅東西自由通路線 合計 H26年度末 全体事業延 での残事業 長(km) 延長(km) 1.10 1.10 0.10 0.10 0.54 0.54 0.30 0.30 0.04 0.04 0.08 0.08 2.16 2.16 9.用語集 ※1:国際拠点港湾 [P4] 国際海上輸送網の拠点として特に重要として定められた港湾。全国で18港が指定されており、 以前は特定重要港湾と呼ばれていました。さらに上位ランクに国際戦略港湾(横浜港などの5港) があります。 ※2:TEU(20フィートコンテナ換算) [P4] コンテナ船の積載能力を示す単位であり、1TEU=20フィートコンテナ1個分を示します。 ※3:世界文化遺産 [P5] 1972年のユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世 界遺産条約)に基づいて世界遺産リストに登録された、遺跡、景観、自然など、人類が共有すべ き「顕著な普遍的価値」を持つ物件のことで、移動が不可能な不動産やそれに準ずるものが対象 となっています。 ※4:ユネスコエコパーク [P5] ユネスコによる生態系の保全と持続可能な利活用の調和を目的とした「人間と生物圏計画」に おける国際的な指定保護区の名称。ユネスコエコパークは日本国内での通称で、海外では 「BR:Biosphere Reserves(生物圏保存地域)」と呼ばれています。 ※5:スマートIC(スマートインターチェンジ) [P6] 高速道路の本線やサービスエリア、パーキングエリア、バスストップから乗り降りができるよ うに設置されるインターチェンジであり、料金の支払い方法を、ETC(ノンストップ自動料金 支払いシステム)を搭載した車両に限定しているインターチェンジです。 ※6:道路交通センサス(全国道路・街路交通情勢調査) [P8] 国土交通省が概ね5年毎に全国一斉に実施する自動車の利用実態に関するアンケート調査です。 最近では平成22年度秋期に調査を行いました。全国の道路と道路利用の実態を捉え、将来の道路 整備の方向を明らかにするため、交通量、旅行速度、自動車運行の出発地・目的地、運行目的等 を調査するものです。 ※7:代表交通手段 [P9] 1回の行動でいくつかの交通手段を乗り継いだ場合の代表的な交通手段のことをいいます。優 先順位は鉄道、バス、自動車、二輪車、徒歩の順が一般的です。 ※8:PT調査(パーソントリップ調査) [P9] パーソン=人、トリップ=動き・行動のこと。無作為に選んだ個人の一日の外出行動について 「出発地・目的地」、「目的」、「交通手段」等の調査です。 ※9:コミュニティバス [P11] 地域住民の利便性向上のために、市町村等が主体的に計画し、運行するバスです。車両使用、 運賃、ダイヤ、バス停位置を工夫して運行するのが特徴です。 ※10:バリアフリー/バリアフリー基本構想/バリアフリー新法 [P11] バリアフリー:高齢者、障害者等の移動または施設の利用に係る身体の負担を軽減することに より、利便性や安全性を向上させる施策をいいます。 バリアフリー基本構想:国が定める基本方針に基づき、市町村が策定するバリアフリー推進に 関する基本的構想です。 バリアフリー新法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律): 高齢者や障害者などの自立した日常生活や社会生活を確保するために、①旅客施設・車両等、 道路、路外駐車場、都市公園、建築物に対して、バリアフリー化基準(移動等円滑化基準)への 適合を求めるとともに、公共交通施設や建築物のバリアフリー化の推進、②駅を中心とした地区 57 や、高齢者や障害者などが利用する施設が集中する地区(重点整備地区)において、住民参加に よる重点的かつ一体的なバリアフリー化を進めるための措置などを定めています。 ※11:無電柱化 [P11] 電力線や通信線などをまとめて地中に収容し、道路上から電柱をなくすことです。 ※12:オクシズ [P14] 奥大井、奥藁科、安部奥、奥清水の4つの地域から構成される奥静岡エリアの愛称です。 ※13:土砂災害危険箇所 [P14] 大雨や地震の時などに土砂災害(がけ崩れ、土石流、地すべりなど)による被害のおそれがあ る場所のことです。 ※14:のり面 [P14] 切土や盛土で作られる人工的な斜面のことです。ただし、自然的な斜面ものり面という場合が あります。 ※15:「国土のグランドデザイン2050 ~対流促進型国土の形成~」 [P19] 国土交通省が2014年7月4日に公表し、本格的な人口減少社会の到来、巨大災害の切迫等に対す る危機意識を共有しつつ、2050年を見据え、未来を切り開いていくための国土づくりの理念・考 え方を示すものです。 ※16:地域高規格道路 [P23] 高規格幹線道路を補完し、地域相互の連携交流や空港・港湾などの広域交通拠点等と連結し、 社会交流を支える規格の高い、概ね60km/hの速度サービスを提供できる幹線道路のことです。 ※17:昼間12時間平均旅行速度 [P25] 昼間12時間とは、午前7時~午後7時を指します。旅行速度とは、区間の総延長を走行に要した 時間で割った平均速度です。静岡市では、Hondaインターナビプローブデータより旅行速度を算 出しています。 ※18:1.5車線的道路整備 [P28] 道路の交通量や地形状況、沿道状況等の地域の実状に合わせ、2車線整備、局部的な整備、1車 線整備および現道利用を効果的に組み合わせた整備手法です。 ※19:自転車走行空間 [P31] 自転車道、自転車専用通行帯(自転車レーン)、自転車走行誘導帯(ブルーレーン)、自転車 通行表示、自転車歩行者道、自転車歩行者専用道路の総称です。 ※20:社会実験 [P32] 新たな施策を本格的に導入する前に、場所や期間を限定し地域の方々とともに試行する取組で す。 ※21:道路構造令 [P32] 道路を新設し、または改築する場合における幅員などの道路の最小限保持すべき一般的技術的 基準をいいます。 ※22:ゾーン30 [P34] 生活道路における歩行者等の安全な通行を確保することを目的として、区域(ゾーン)を定め て時速30キロの速度規制を実施するとともに、その他の安全対策を必要に応じて組み合わせ、 ゾーン内における速度抑制や、ゾーン内を抜け道として通行する行為の抑制等を図る生活道路対 策です。 ※23:緊急措置判定 [P35] 橋梁の維持管理においては、定期点検等により部材ごとの劣化損傷状況を診断し、健全度を評 価し、橋梁を4つの区分に判定します。判定区分は構造物の機能に支障が生じていない順に、「健 全」「予防保全段階」「早期措置段階」「緊急措置段階」の4つとなっています。よって、「緊 急措置段階」とは、構造物の機能に支障が生じている、または生じる可能性が著しく高く、緊急 58 に措置を講ずべき状態として判定されるものです。 ※24:H25トンネル点検による要対策(補修)箇所 [P35] 平成23、25年に実施したトンネル点検によって補修が必要と評価されたトンネルです。トンネ ルの劣化損傷状況を診断し、健全度を5段階評価したうちの緊急・早急に補修が必要とされる下 位2段階のトンネルについて計画的に補修しています。 平成26年6月からは、トンネル定期点検(国土交通省道路局)に基づき、健全度を4段階で評価 し、下位2段階のうち優先度に応じ補修を実施していきます。 ※25:路面性状測定車 [P37] 道路のひび割れ、わだち掘れ、平坦性の状態を通常の速度で走行しながら計測できる車両です。 ※26:道路サポーター制度 [P38] 市民ボランティアと行政が相互に協力して保全や美化などの道路愛護活動を行い、安全・安 心・快適な道路環境づくりを進めることを目的として創設した制度です。 ※27:二酸化炭素排出量 [P40] 二酸化炭素排出量の算出データとして、交通量はH22道路交通センサス12h交通量、平均旅行 速度はH25.9.1~11.30の平日12h平均速度をHondaインターナビプローブデータより算出しまし た。図中の二酸化炭素排出量0.8トンは、12時間(7時~19時)分の排出量になります。 二酸化炭素の吸収量は、林野庁HP「森林は二酸化炭素を吸収しています」より、樹齢80年の杉 の木の年間二酸化炭素吸収量を14kgとして試算しています。 ※28:トレリス [P40] 植物を伝いからませるための垣や棚のことです。 ※29:緊急輸送路の橋梁耐震補強 3 箇年プログラム [P43] 阪神・淡路大震災で被災事例が多く見られた、昭和55年よりも古い耐震基準の橋脚の耐震補強 と、落橋防止装置の設置を対象として実施しています。今後、同程度の地震が発生する際に、落 橋等の被害を防止し、緊急輸送道路としての機能を確保するため、早急な橋梁の耐震補強を推進 することが目的です。 ※30:アンダーパス [P45] 鉄道や道路の下を通る地下道です。 ※31:インフラ事業者 [P45] インフラとは交通、通信、電力、水道、公共施設などいいます。インフラ事業者は行政がおこ なう「水道事業」や「道路事業」のインフラ整備から、道路建設工事・維持管理業務を請け負う 業者をいいます。 59 「第2次静岡市のみちづくり」策定委員 公益社団法人 日本交通計画協会 代表理事 髙橋 洋二 様 NPO法人 地域づくりサポートネット 副代表理事 高木 敦子 様 国土交通省 中部地方整備局 静岡国道事務所 副所長 様 中日本高速道路㈱ 東京支社 清水工事事務所長 様 静岡県 交通基盤部 道路局長 様 静岡市 企画局 企画部長 静岡市 財政局 財政部長 静岡市 環境局 環境創造部長 静岡市 経済局 商工部長 静岡市 経済局 農林水産部長 静岡市 総務局 危機管理部長 静岡市 都市局 都市計画部長 静岡市 建設局 道路部長