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1 - 九州大学
医用画像処理学(5) (教科書pp.123-) 有村秀孝 幾何学的変換 ●画像の平行移動、回転、拡大縮小 アフィン変換(線形変換)を用いる ●画像の重ね合わせ(レジストレーション) CT画像とMR画像 MR画像とPET画像 •主な画像処理解析技術 1.治療計画 2.臨床的標的体積(CTV)を決める目的で 治療計画CT と他のモダリティ画像(MRI, PET など)との画像融合(フュージョン) レジストレーション 3 CT画像とMRI画像のフュージョンが必要な理由 治療計画CT と他のモダリティ画像(MRI, PET など)とのレジストレーションに よる画像融合(フュージョン)が重要. Khoo VS, Joon DL. New developments in MRI for target volume delineation in radiotherapy. Br J Radiol. 2006 Sep;79 Spec No 1:S2-15. 4 レジストレーション 二つの画像間で対応する特徴点から求めた変換行列によって 画像間の位置合わせを行うこと 固定画像 移動画像 固定画像 特徴点はマニュアルで求める方法と自動的に 求める方法がある. Tada M, et al. Digital Human Symposium 2009. Zitova B, Flusser J. Image registration methods: 5 a survey. Image and Vision Computing 2003; 21: 977-1000. レジストレーション 二つの画像間(I1, I2)で対応する特徴点から求めた変換行列Rに よって画像間の位置合わせを行うこと ●グローバル線形レジストレーション アフィン変換 位相限定相関法 ●局所的な非線形レジストレーション Free Form Deformation (FFD)法 Thin plate spline (TPS)法 6 グローバル線形レジストレーション (アフィン変換) C11 C12 C13 xn Xn Yn = C21 C22 C23 yn 0 0 1 1 1 X1 Y1 ・ ・ ・ Xn Yn = x1 y1 1 0 0 0 ・ ・ ・ xn yn 1 0 0 0 変換後の座標 0 0 0 x1 y1 1 0 0 0 xn yn 1 変換前の座標 C11 C12 C13 C21 C22 C23 アフィン変換行 列の要素 アフィン変換行列を二つの画像間で対応する特徴点から求める 固定画像 (治療計画DRR画像) 特徴点 移動画像 (ポータル画像) 7 Global registration Global Registrationでは、アフィン変換により、拡大縮小、 回転、平行移動、せん断の大まかな、位置合わせを行う。 入力:アフィン変換の要素を求める ために用いる対応するfeature points の組(5組) 変換前の座標から構成されるベクトル A 、 変換後の座標から構成されるベクトル b 、 アフィン変換の要素から構成される行列 x を作る 変換前のfeature pointsを特異値分解し、 A = U・W・VT の形に変換する A・x = b を解くことによって、 アフィン変換行列の要素を求める 変換前の画像にアフィン変換を行う その際、線形補間法により、補間する 出力:アフィン変換後の画像 アフィン変換行列 x C11 C12 C13 xn Xn Yn = C21 C22 C23 yn 0 0 1 1 1 変換後の座標 A X1 Y1 ・ ・ ・ Xn Yn = x1 y 1 1 0 0 0 ・ ・ ・ xn y n 1 0 0 0 変換前の座標 b 0 0 0 x1 y 1 1 0 0 0 xn y n 1 C11 C12 C13 C21 C22 C23 補足: Global Registration 変換前の座標点を特異値分解し、 A = U・W・VT の形に変換する アフィン変換行列の要素を求める 未知数より、方程式が多いとき、未知数と方程式の数を揃えて、 連立方程式を解くために、特異値分解により、 A = U・W・VTの形に変換する。 [m][n] [m][1] [m][1] [n][1] A ・ x = b 特異値分解 U [n][n] [n][n] [n][1] W VT ・ x = [m][1] b A = U・W・VT 未知数xを求めるために、両辺に Aの逆行列(U・W・VT)-1 を左から掛ける。 (U・W・VT)-1・(U・W・VT )・ x = (U・W・VT)-1・ b x = (U・W・VT)-1・ b ∵直交行列 U, V の逆行列は転置に等しく、 対角行列 W の逆行列は、対角要素を逆数にするだけでよい。 x = V・W-1・UT・ b つまり、 x = V W-1 UT b より、 アフィン変換行列の要素(未知数 x) を求める。 Global registration 1 Input images 2 Change of the matrix size 3 Decide the feature points by manual 4 Affine transform Local Registration Local Registrationでは、B-spline を用いた非線形変換を実行する。 概要: CBF 画像上にcontrol points を定義し、 control points の x 軸方向、 y 軸方向、それぞれのTalairach atlas における座標を求め、その値を基にB-spline により全ピクセルの座標を変換する。 CBF image の座標を(x,y)とし、 Talairach atlas の座標を(x’,y’) とし、 下式により、x,y方向ごとに、座標を求める。 ( x' , y ' ) ( X ( x, y ), Y ( x, y )) 3 3 3 3 ( Bk ( s ) Bl (t ) X ( i k ), ( j l ) , Bk ( s ) Bl (t ) Y ( i k ), ( j l ) ) k 0 l 0 k 0 l 0 この式において、未知数はφ である。これは、control points のもつ値 ( control points の x軸方向、y軸方向それぞれのTalairach atlas における座標)を 示しており、φ を求めなければならない。 グローバル線形レジストレーション (アフィン変換) 1 2 2 1 3 4 治療計画DRR画像 アフィン変換後画像 3 4 ポータル画像 (15°右回転) 重ね合わせ画像 12 (九州大学大学院生 板野航君作成) FFD法(Free Form Deformation Method) ー 局所的な非線形レジストレーションの例 ー 移動画像上に制御格子を設定し,格子上の制御点のピクセルと,固定画像 上の類似部位への対応付け(位置合わせ)を, B-spline関数を用いて非線 形に行う変換. 移動画像上の元座標を(x, y)とし、 固定画像上の移動先の座標を (x’, y’) とする。 変形前 変形後 ( x' , y ' ) ( x, y ) 移動画像の制御格子の変形 Tada M, et al. Digital Human Symposium 2009. 13 局所的な非線形レジストレーション 治療計画DRR画像 ポータル画像 (15°右回転、歪み) 非線型変換後画像 重ね合わせ画像 14 (九州大学大学院 山下泰生君) 脳解剖アトラス( Talairach )と T2強調画像 の レジストレーション 1.Affine 変換による線形なレジストレーション 2.FFD法*を用いた局所的な非線形レジストレーション 脳解剖アトラス T2強調画像 (九州大学大学院 山下泰生君) フュージョン画像 非線形レジストレーション による輪郭抽出支援 (1)正常構造と腫瘍の輪郭テンプレートを 患者のCT画像に大まかに重ねる. (2)輪郭テンプレートと患者のCT画像の 間の非線形レジストレーションを行う. (3)医師が自動抽出された輪郭を修正. その効果は? 計画者間における 輪郭の変動低減 Chao KSC, et al, International journal of radiation oncology, biology, physics, 68, 1512-1521, 2007. 16 アフィン変換(線形変換) u a10 x a 01 y a 00 v b10 x b01 y b00 u a10 a 01 a 00 x v b10 b01 b00 y 1 0 0 1 1 拡大 2 0 0 2 左回転 cos sin 反転 1 0 0 1 sin cos アフィン変換の演習 y 2倍拡大 x軸に関して反転 右回転 2 1 x 0 -1 1 2 方法 治療計画CT (512*512*306) PET/CTのCT (512*512*306) 3Dアフィン変換 PET (716*716*306) 切り取り 相互情報量を用いた テンプレートマッチング 変換行列 3Dアフィン変換 PET (512*512*306) 再補間結果 正しいピクセルサイズが判明 したので、再度cubic補間を 行った 予想値 5.5㎜ ↓ 実際には、5.46875㎜ 512×512に切り取ったPET画像と PETCTのCT画像を重ね合わせたもの 画像を幾何学的に変換するためのアルゴリズム (1)変換後の座標系における格子点(x0,y0)に対応する変換前の座標(u0,v0)を アフィン変換によって求める。しかし、求めた座標(u0,v0)は変換前の座標系で、 格子点とならない。 つまり、整数の座標とならず、非格子点となる。 (2)そこで、周囲の格子点のピクセル値を使って、非格子点の(u0,v0)のピクセル 値を求め、変換後の(x0,y0)におけるピクセル値とする。 (u0,v0) (x0,y0) 非格子点におけるピクセル値の決定方法 (1)最近傍法(nearest neighbor) f (u 0, v0) f ([u 0 0.5],[v0 0.5]) (2)線形補間法(bi-linear interpolation) f (u 0, v0) f (u ' , v' )(1 )(1 ) f (u '1, v' ) (1 ) f (u ' , v'1)(1 ) f (u '1, v'1) (3)3次補間法(cubic convolution) f (u 0, v0) f (uk , vl )C (uk u 0)C (vl v0) k l C(x)はsin(πx)/(πx)または3次の近似式(p127の式4.32) 非格子点におけるピクセル値の決定方法 線形補間法の証明 f 1 (1 ) f (u' , v' ) f (u'1, v' ) f 2 (1 ) f (u' , v'1) f (u'1, v'1) f1 f (u 0, v0) (1 ) f 1 f 2 (1-α) y (a b)( x x' ) b (1 )b a (1-β) b y a α x’-α f2 1-α x’ x’+1-α 最近傍法 線形補間法 問 (1)任意の座標を45度回転させて、次に2倍拡大する行列を求めなさい。ただ し、回転行列は、以下の式を使うこと。 cos -sin sin cos (2)(1)で求めた行列を使って、頂点が(0,0), (1,0), (1,1), (0,1)の正方形を座標 変換した図形を図に描きなさい。 (3)角度によっては、回転した画像の座標は実数になるが、実数の座標のピ クセル値を求める方法を3つ挙げ、1つだけ簡単に説明しなさい。