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ツイン ハイブリッド(EC22S)
サ ー ビ ス マ ニ ュ ア ル 概 要 ・ 整 備 編 サービスマニュアル 概要・整備編 UA-EC22S改 EC22S改 本書は、「車両の識別」「作業上の注意事項」「バッテ リの取外し」に限定した内容を記載してあります。 サービスマニュアルの抜粋で構成されているため、ペー ジ抜け、リンク不良等がありますがご了承下さい。 42-80HA0 発行 2003.1@ スズキ株式会社マニュアルグループ 印刷所 中部印刷 42-80HA0 2003.1 42-80HA0 概要 0A-1 セクション 0A 概要 目 次 本書の見方 略語の説明 ………………………………………………………………………… 車両外観 ……………………………………………………………………………… 外観四面図 …………………………………………………………………………… 車種構成 ……………………………………………………………………………… 主要諸元 ……………………………………………………………………………… 一般概要 アシストモータの識別 …………………………………………………………… トランスミッションの識別 ……………………………………………………… 作業上の注意 高電圧系統の全般的な注意事項 ………………………………………………… サービスプラグの取外し/取付け ……………………………………………… 漏電 ………………………………………………………………………………… 漏電検出時の注意 ………………………………………………………………… 高電圧作業中表示見本 …………………………………………………………… アイドルストップ制御の注意 …………………………………………………… 事故車の取扱い 事故現場での処置 ………………………………………………………………… 事故車移動後の処置 ……………………………………………………………… 事故車補修時の注意 ……………………………………………………………… 廃棄処理時に注意を必要とする部品 バッテリ …………………………………………………………………………… 故障診断 ダイアグモニタカプラ配置図及び端子配列図 ………………………………… ダイアグコードの表示/消去方法 ……………………………………………… スズキダイアグノスティックモニタ(S-DM2000) …………………………… 納車にあたってのお願い 新車の点検について ……………………………………………………………… 0A0A0A0A0A- 2 3 4 5 6 0A- 7 0A- 7 0A- 8 0A-10 0A-10 0A-11 0A-12 0A-13 0A-14 0A-14 0A-14 0A-15 0A-16 0A-17 0A-18 0A-20 本書の見方 概要 0A-2 本書の見方 略語の説明 略語 A A/B A/C A/F ABS ABV AC ACC ALR ASSY AT B +B +BB BAT BMU BTDC bps C CO COMB CPU CRD CVT D DC DN DNS E EBD ECM ECU EGR ELR EMCD EPI EPS ESA EX F FF FL FR FR G GND GPS H HC HCU HEV 意味 エアバッグ エアコンディショナ 空燃比 アンチロックブレーキシステム エアバイパスバルブ 交流 アクセサリ 自動繰り出し防止 アッセンブリィ オートマチックトランスミッション バッテリ バッテリバックアップ バッテリ バッテリマネージャ 上死点前 ビット毎秒 一酸化炭素 コンビネーション 中央処理装置 クッション レストレイント デバイス 無段変速機 直流 ダイアグノーシス ダイアグノーシススイッチ 電子制動力分配制御 エンジンコントロールモジュール 電子制御ユニット 排出ガス再循環装置 自動繰り出し防止 エレクトロマグネティックコントロール デバイス 電子燃料噴射装置 電動パワーステアリング 電子点火時期制御 エキゾースト 前置きエンジン前輪駆動 前左 前置きエンジン後輪駆動 前右 グランド(アース) 全世界測位システム 炭化水素 ハイブリッドコントローラ ハイブリッドエレクトリックヴィーク ル 略語 HFC HU I I.T.L ID IG SW IGコイル ILL IN ISC ISO L LED M MGG MT N NA NOX O O/D OBD OCV P PCV P/S R RR RL S S-DM2000 SAE SDL SEC SI SRS SW T TCS TECT V VSV VST VVT W WGV 1∼ 2WD 4WD 意味 代替フロン ハイドロリックユニット アイソレーテッドトレーリングリンク 識別 イグニッションスイッチ イグニッションコイル イルミネーションランプ インテーク アイドル回転速度制御 欧州工業規格 発光ダイオード マイクロガスジェネレータ マニュアルトランスミッション 自然吸気 窒素酸化物 オーバドライブ 車載式故障診断システム(オンボード ダイアグノーシス) オイルコントロールバルブ ポジティブクランクケースベンチレー ション パワーステアリング 後右 後左 スズキダイアグノスティックモニタ 米国工業規格 シリアルデータリンク セクション 国際単位系 補助乗員拘束装置 スイッチ 駆動力制御システム 軽量衝撃吸収ボデー バキュームスイッチングバルブ 車両安定性制御システム 可変バルブタイミング ウエストゲートバルブ 2輪駆動 4輪駆動 概要 0A-3 車両外観 車両外観 外観四面図 外観四面図 概要 0A-4 概要 0A-5 車種構成 車種構成 車両型式 UA-EC22S改 エンジン 型式 仕様 K6A 2カム4バルブ 駆動方式 トランス ミッション ボデー 2WD 4AT 2ドア ベース車の グレード 類別区分番号 005 ハイブリッドA 008 ハイブリッドB 全車、運転席・助手席SRSエアバッグ、シートベルトプリテンショナ標準装備 補助記号 XAXV XAEV 主要諸元 概要 0A-6 主要諸元 EC22S改 機 種 ベ ー ス 車 両 XAXV 指 定 番 名 お よ び 型 11689 号 ベ ー ス 車 両 類 別 区 分 番 号 車 XAEV 005 008 スズキUA-EC22S改 式 スズキEC22S改 車 台 の 名 称 お よ び 型 式 別 軽(4輪) 途 乗用 状 箱型 軸 距 ( m) 1.800 自 動 車 の 種 用 車 体 の 形 類 ガソリン及び電池 式 K6A 量( L ) 0.658 長 さ ( m) 2.735 幅 ( m) 1.475 高 さ ( m) 1.450 燃 料 原 の 動 総 機 排 の 内 の 寸 型 気 輪 距 ( m) 室 種 前 輪 1.310 後 輪 1.290 長 さ 905 法 幅 (m) 車 両 重 量 高 1.245 さ 1.190 前 軸 重 430 445 後 軸 重 270 280 700 725 (kg) 計 乗 車 定 員 (人) 車 両 総 重 量 2 前 軸 重 470 485 後 軸 重 340 350 810 835 (kg) 計 最 大 安 定 傾 斜 角 度( ° ) 車 タ 輪 イ 配 ヤ 左 59 右 60 列 2D−2 前 輪 135/80R12 68S 後 輪 135/80R12 68S 注意 ・登録時は持込み検査となるため、上記の各諸元値は参考値である。 概要 0A-7 一般概要 アシストモータの識別 MS05PA − XXXXXXXXXX 識別番号 モータ型式 CST0A040 モータ型式 識別番号 トランスミッションの識別 識別番号 一般概要 作業上の注意 概要 0A-8 作業上の注意 高電圧系統の全般的な注意事項 注意 ・ハイブリッドシステムは高電圧回路を有している。 取り扱いを誤ると感電、漏電などの原因につなが るので、本書に従い正しい作業を行うこと。 ・高電圧回路に関わる点検・整備を行うサービススタッ フには労働安全衛生法 第59条並びに労働安全衛生規 則 第36条により特別教育の受講が義務付けられてい る。 ・高電圧回路のワイヤハーネス及びコネクタはオレンジ 色で統一してある。これらの配線には不用意に手を触 れない。 ・高電圧系統の点検・整備を行う場合は絶縁手袋の着用 並びにサービスプラグの取り外しなど、感電防止措置 を確実に実施する。また、取り外したサービスプラグ は、作業中に他のサービススタッフが誤って接続する 事が無いようにポケットに入れて携帯する。 注意 ・ハイブリッドシステムのダイアグコード別故障診 断を行う際は、当該コードのフローチャートの作 業指示に従い、サービスプラグの取外し/取付け を行うこと。 ・サービスプラグを取り外してから高電圧のコネクタや 端子に触れるまでに、5分以上の時間を確保する。 参考 ・インバータ内の高電圧コンデンサが充電されてい るので、放電するため、5分以上の放置時間が必 要である。 CST0A020 サービスプラグ ① ② ・絶縁手袋は使用前にひび、割れ及び破れその他損傷が 無い事を確認する。また、湿潤した絶縁手袋は使用し ない。 SMP0B010 絶縁手袋 ・作業時はペンやスケールなど落下して短絡の恐れがあ る金属製品を身に付けない。 ・高電圧のコネクタや端子は取り外し後、直ちに絶縁テー プ(ビニールテープ等)で絶縁処置を施す。 ・高電圧のネジ止め端子は規定トルクで確実に締め付け る。トルク不足・過大ともに不具合の原因になる。 ・高電圧系の作業中は車両に「高電圧作業中・触るな」 の標示を行うなど、他のサービススタッフに注意を喚 起する。0A-12に見本があるので、コピーして使用す る。 ・高電圧系の作業後、サービスプラグを接続する前に部 品や工具の置き忘れ、高電圧端子の締め付け及びコネ クタの接続状態などを再確認する。 概要 0A-9 作業上の注意 高電圧回路配置図/高電圧コーションラベル CJT2A181 端子カバー インバータ バッテリ No.12 端子 カバー ボジ ッャ クン スク へシ ョ ン バッテリ No.13 A A バッテリ No.11 バッテリ No.10 バッテリ No.15 B A サ ー ビ ス プ ラ グ へ バッテリ No.9 バッテリ No.8 バッテリ No.1 B バッテリ No.7 バッテリ No.6 N端子 バッテリ No.5 バッテリ No.2 バッテリ No.3 A A V端子 U端子 P端子 バッテリ No.16 排 気 パ イ プ 車 室 外 へ チバ ュッ ーテ ブリ A W端子 車 輌 前 方 バッテリ No.14 ブバ ロッ ッテ クリ ラ イ ト ブバ ロッ ッテ クリ レ フ ト バッテリ No.4 バッテリマネージャ ジャンクション ボックス モータケーブル (高電圧配線) コーション ラベル サービスプラグ アシストモータ 作業上の注意 概要 0A-10 サービスプラグの取外し/取付け 参考 ・イグニッションSWがONの状態でサービスプラグ を取り外すと、ハイブリッドコントロールシステ ムにダイアグコード31(P3031)サービスプラグ 未接続が記憶される。 ・絶縁手袋を着用し、サービスプラグを接続する。 ・グリップを90°倒し、ロックする。 注意 ・サービスプラグをロックしないとサービスプラグ による高電圧回路の接続が成立しない。 CST0A030 サービスプラグ 1. 絶縁手袋を着用し、サービスプラグを引き抜く。 注意 ・取り外したサービスプラグは、作業中に他のサー ビススタッフが誤って接続する事が無いようにポ ケットに入れて携帯すること。 ② ① CST0A010 漏電 カバー CST0A020 サービスプラグ 補機用バッテリ(12V)の電気回路は多くの場合ボデー アースを使用している。このため補機用バッテリ電源回 路がボデーと接触することは地絡(グランドショート) であり、補機用バッテリ直後にあるヒューズが溶断する。 これに対し、ハイブリッドシステムの高電圧回路はボデー アースを使用せずに、アース線をモータバッテリまで配 線している。このためモータバッテリ電源回路及びアー ス線がボデーと接触することは漏電である。漏電は地絡 や短絡と異なるため高電圧回路のヒューズが溶断するこ とは無く、専用の漏電センサが検出を行う。 ① CST0A060 ② ヒューズ 補機用バッテリ (12V) 2. サービスプラグ取外し後、ソケット部に絶縁テープ(ビ ニールテープ等)を貼る。 注意 ・サービスプラグを抜いてから高電圧のコネクタや 端子に触れるまでに、5分間の時間を確保するこ と。 地絡 補機用バッテリの回路 CST0A050 ヒューズ ・取付けは、取外しの逆の手順で行うが次の点に注意す る。 注意 ・サービスプラグを接続する前に部品や工具の置き 忘れ、高電圧端子の締め付け及びコネクタの接続 状態を再確認すること。 N P インバータ 漏電 高電圧回路 モータバッテリ (192V) 概要 0A-11 漏電検出時の注意 イグニッションSWをONしたときのイニシャルチェック による点灯時間(約3秒間)を過ぎてもハイブリッドシ ステム警告灯が点灯している場合は、ハイブリッドシス テムに故障が発生している。オンボード点検又はダイア グノスティックモニタ(S-DM2000)による点検で、下 記の故障コードが表示されている場合は、高電圧回路の 漏電が考えられるため、絶縁手袋を着用し、サービスプ ラグを取り外してから故障診断を行うこと。 45(P3045)モータバッテリ系統漏電異常 RFT00233 ハイブリッドシステム警告灯 注意 ・漏電している車両について作業を行う場合、高電 圧端子のいずれか一箇所に直接触れただけで感電 する場合がある。(不作意に触れている漏電箇所 の電位と後から意図的に触れた高電圧端子の電位 差による。) CST0A070 N P インバータ モータバッテリ (192V) 作業上の注意 概要 0A-12 高電圧作業中表示見本 高電圧作業中 触るな! 担当 高電圧作業中 触るな! 担当 コピーし、折って作業中に車両のルーフに標示する。 概要 0A-13 アイドルストップ制御の注意 アイドルストップランプが点灯している場合は、アイド ルストップ制御により、エンジンが停止している状態で ある。 RFT00234 アイドル ストップランプ 注意 ・エンジン停止状態で点検整備を行う場合は、必ず イグニッションSWをOFFにして、アイドルストッ プ制御のリスタートによる自動的なエンジン再始 動を防止すること。 ・エンジン回転状態で点検整備を行う場合は、ハイ ブリッドシステムのダイアグモニタカプラのECS 端子とGND端子を接続してアイドルストップ制御 を禁止すること。 RST0A011 ダイアグモニタ カプラ DN ECS GND 接続する 作業上の注意 事故車の取扱い 概要 0A-14 事故車の取扱い 注意事項 事故現場での処置 ・絶縁手袋、保護メガネ、安全靴を着用する。 ・高電圧線かどうか不明なむき出しの配線に触れない。 やむを得ず触る場合または触れる恐れのあるときは、 絶縁手袋を着用し、サーキットテスタでボデーアース との電圧を測定後ガムテープで絶縁する。 ・モータバッテリ付近の液漏れを確認する。漏れている 液は強酸性の電解液の恐れがある。ゴム手袋及び保護 メガネを着用して青色リトマス試験紙に含ませ、赤に 変化したときは重曹で中和し青色リトマス試験紙が赤 に変化しないことを確認後、ウエス等で拭き取る。 ・電解液が直接皮膚に触れた場合は直ちに多量の水で洗 い流す。また、汚染した衣服はすぐに脱ぐ。 ・万一、目に入ったときは大声で救援を求め、目をこす らずに直ちに多量の水で洗い流し、専門医の診断を受 ける。 ・高電圧系部品及び配線に損傷の恐れがある場合は次の 手順で高電圧を遮断する。 1. シフトレバーをPレンジにし、パーキングブレーキ を掛ける。 2. イグニッションSWをOFFにし、補機用バッテリのマ イナス端子を外す。 3. 絶縁手袋を着用し、サービスプラグを抜く。 4. 車両損傷により、サービスプラグが抜けないときは モータバッテリ端子の接続を外す。 ・車両火災が発生している時は、ABC消化器で消化する。 少量の水による消化はかえって危険な場合があるため、 水を掛ける場合は消火栓などから大量に放水するか、 消防隊の到着を待つ。 ・車両が水に浸かっている時は、感電の恐れがあるため サービスプラグをはじめ高電圧系部品及び配線に触れ ない。また車両を完全に引き上げてから作業を行う。 ・モータバッテリ付近の液漏れを確認する。漏れている 液は強酸性の電解液である恐れがあるため触れない。 やむを得ず触る場合はゴム手袋及び保護メガネを着用 し、重曹で中和し、青色リトマス試験紙が赤に変化し ないことを確認後、ウエス等で拭き取る。 参考 ・バッテリ液は無色で液状である。 ・高電圧系部品及び配線に損傷の恐れがある場合は安全 を確認した上でサービスプラグを取り外し(0A-10参 照)、高電圧を遮断する。 注意 ・電解液が目に入ったり皮膚に付着すると、失明や 障害を受ける危険があるので充分注意すること。 事故車移動後の処置 ・路面に液漏れがある場合、強酸性の電解液である恐れ がある。ゴム手袋及び保護メガネを着用して青色リト マス試験紙に含ませ、赤に変化したときは重曹で中和 し青色リトマス試験紙が赤に変化しないことを確認後、 ウエス等で拭き取る。 事故車補修時の注意 準備品 以下の準備品を用意する。 ・保護具(絶縁手袋、ゴム手袋、保護メガネ及び安全靴) ・重曹(薬局で購入) ・青色リトマス試験紙(薬局で購入) ・ウエス、古タオル(電解液拭き取り用) ・絶縁テープ(ビニールテープ等) ・サーキットテスタ 概要 0A-15 廃棄処理時に注意を必要とする部品 バッテリ 補機用バッテリ、モータバッテリ共に自動車用鉛バッテ リ回収ルートにより処理し、みだりに廃棄しないこと。 廃棄処理時に注意を必要とする部品 ハイブリッドシステム概要 2-1 セクション 2 ハイブリッドシステム概要 目 次 概要 ……………………………………………………………………………………… ハイブリッドシステム作動概要 …………………………………………………… ハイブリッドコントローラ(HCU) ハイブリッドシステム入出力図 …………………………………………………… アシスト制御 ………………………………………………………………………… 回生制御 ……………………………………………………………………………… アイドルストップ制御 ……………………………………………………………… ヒルホールド制御 …………………………………………………………………… コンタクタ/プリチャージリレー制御 …………………………………………… アシストモータ ………………………………………………………………………… アシストモータ仕様 ………………………………………………………………… インバータ ……………………………………………………………………………… バッテリマネージャ(BMU) ………………………………………………………… ジャンクションボックス ……………………………………………………………… モータバッテリ ………………………………………………………………………… モータバッテリ仕様 ………………………………………………………………… ヒルホールドソレノイド及びブレーキブースタセンサ …………………………… 2- 2 2- 2 2- 5 2- 6 2- 6 2- 6 2- 7 2- 7 2- 8 2- 8 2- 9 2- 9 2-10 2-10 2-11 2-12 ハイブリッドシステム概要 2-11 モータバッテリ仕様 型式 定格電圧 3時間率容量 使用数 総電圧 FT7C-HEV 12V 6.3Ah 16個 192V CJT20091 バッテリ No.12 バッテリ No.13 A A バッテリ No.14 バッテリ No.11 ジャンクション ボックスへ バッテリ No.15 バッテリ No.10 バッテリ ブロックライト B 排気パイプ A バッテリ No.16 バッテリ No.9 車室外へ サービス プラグへ バッテリ No.8 バッテリ No.1 A B 車輌前方 バッテリ No.2 バッテリ No.7 バッテリ ブロックレフト バッテリ No.3 バッテリ No.6 A A バッテリ No.4 バッテリ No.5 コネクタ A B バッテリ 温度センサ ○ × 電圧検出端子 ○ ○ ハイブリッドコントロールシステム 2A-1 セクション 2A ハイブリッドコントロールシステム 目 次 ハイブリッドコントロールシステム 構成図 …………………………………… システム回路図 ………………………… コントローラ端子基準電圧(参考) … コントローラ基準波形一覧(参考) … 故障診断 作業上の注意 …………………………… セルフダイアグノーシスによる故障診断 ダイアグコード一覧表 ………………… スズキダイアグノスティックモニタ(S-DM2000) コード21(P3021) ……………………… コード22(P3022) ……………………… コード23(P3023) ……………………… コード24(P3024) ……………………… コード25(P3025) ……………………… コード26(P3026) ……………………… コード27(P3027) ……………………… コード28(P3028) ……………………… コード31(P3031) ……………………… コード32(P3032) ……………………… コード33(P3033) ……………………… コード34(P3034) ……………………… コード35(P3035) ……………………… コード36(P3036) ……………………… コード37(P3037) ……………………… コード38(P3038) ……………………… コード41(P3041) ……………………… コード42(P3042) ……………………… コード43(P3043) ……………………… コード44(P3044) ……………………… コード45(P3045) ……………………… コード46(P3046) ……………………… コード47(P3047) ……………………… コード48(P3048) ……………………… 2A- 2 2A- 3 2A- 5 2A-11 2A-13 2A-13 2A-15 2A-17 2A-19 2A-20 2A-22 2A-23 2A-24 2A-25 2A-27 2A-28 2A-29 2A-30 2A-32 2A-34 2A-35 2A-36 2A-38 2A-40 2A-41 2A-42 2A-43 2A-45 2A-46 2A-50 2A-52 2A-54 モータバッテリ 作業上の注意 …………………………… 構成図 …………………………………… 充電方法 ………………………………… 取外し/取付け ………………………… 点検 ……………………………………… ジャンクションボックス 作業上の注意 …………………………… 取外し/取付け ………………………… 点検 ……………………………………… インバータ 作業上の注意 …………………………… 取外し/取付け ………………………… アシストモータ 作業上の注意 …………………………… 高電圧配線の取外し/取付け ………… 取外し …………………………………… 点検 ……………………………………… 取付け …………………………………… ヒルホールドソレノイド 構成図 …………………………………… 点検 ……………………………………… 作動点検 ………………………………… ブレーキブースタセンサ 点検 ……………………………………… 特殊工具一覧 特殊工具 ………………………………… 指定材料一覧 指定材料 ………………………………… 2A-56 2A-56 2A-57 2A-58 2A-60 2A-60 2A-60 2A-61 2A-62 2A-62 2A-63 2A-63 2A-64 2A-65 2A-67 2A-69 2A-70 2A-70 2A-70 2A-71 2A-71 ハイブリッドコントロールシステム 2A-2 ハイブリッドコントロールシステム 構成図 CJT2A181 ジャンクション ボックス インバータ (ジャンクションボックス後方) サービス プラグ モータバッテリ DC/DCコンバータ バッテリマネージャ (BMU) HEV ヒューズ ブレーキブースタセンサ ハイブリッド コントローラ (HCU) ヒルホールド ソレノイドNo.2 EPI&AT&A/Cコントローラ ヒルホールド ソレノイドNo.1 アイドル ストップランプ アシストモータ ハイブリッド システム警告灯 アシスト ランプ 回生 ランプ ダイアグモニタカプラ (白色4P) ハイブリッドコントロールシステム 2A-3 システム回路図 CJT2A011 EPI&AT&A/C コントローラ ハイブリッドコントローラ(HCU) 1 s赤 s緑 2 青 赤 ターン シグナル リレー 青 白 7 CANH2 CANL2 9 8 E12 CANH1 3 CANL1 313 314 302 E11 5V TSR CAN ドライバ L R TSL HHS HWS HHS1 R HHS2 ターン シグナル SW ハザード SW ターンシグナルバルブ 桃/黒 橙 328 330 黒 205 204 203 赤/黒 ヒルホールド ソレノイドNo.2 灰 回生ランプ IG1 アシストランプ ASTL 220 BBS 油圧警告灯 OPL 赤/白 Hi ライティング SW 桃 E21 5V 214 黄 315 ELHH 303 ヒルホールド ソレノイドNo.1 淡緑/黒 RGEL 213 黄/黒 5V ヘッドランプ バルブ 赤 インバータへ 5V 灰/赤 306 VCC +BB チャージランプ 5V ELHL CRL 216 白/青 ハイブリッドシステム警告灯 ワイパSW HI DNL 221 緑/白 5V アイドルストップランプ 325 WPH 青/赤 326 青 WPL IG11 LO M EIL 222 淡緑 ワイパ モータ 12V 5V ダイアグモニタ カプラ 2 5V ブレーキブースタセンサ Lo 1 s緑 12V 5V L s赤 黄 DN GNDECS 緑 310 322 DN OPS 12V 黒/青 黒/青 206 308 オイルプレッシャ SW 黄/黒 5V ECS IG2 215 5V C P U 12V CRS IG 223 白/青 ジェネレータ IGS +BB 5V 5V IG1 IG2 IG11 HEV EPI&AT&A/C コントローラ +B RADIO・ DOME +B IG メインリレー IGSW 電源 白/赤 309 +BB 回路 ST 黒/赤 307 ELS +B 5V M 黒/赤 B 312 PRC CON+ シフトSW +BB 201 緑 3 赤 4 208 白 5 黄 6 補機用 バッテリ (12V) 黒 スターティング モータリレー 301 STA ST スターティング モータ バ ッ ク ア ッ プ R A M 331 E01 CON− 217 茶/黄 210 STR 注意 ・内部回路は、動作を理解するための概念図で、一部実物と異なる場合がある。 ジャンクション ボックスへ ハイブリッドコントロールシステム 2A-4 CJT2A012 アシストモータ インバータ U P IGBT 回路 N U V V 2 s緑 1 HEV コントローラへ 2 7 s赤 8 s緑 T1+ 207 緑/黒 CANL1 9 CANG 黒 白/赤 CANH2 CANL2 +BB +B バ ッ ク ア ッ プ R A M 電源 5V 回路 5V 黒/赤 黒/赤 黒/赤 307 312 313 C P U CAN ドライバ +BB 324 RU +B1 5V T1− 215 緑/白 T2+ 208 赤/黒 216 赤/白 T2− +15V R1 SG 12V 5V 黒 325 326 204 S1 202 ±15V +B2 201 R2 209 −15V 電源 回路 黒 レゾルバ 5V 5V CANH1 モータ温度センサ No.2 W W 1 s赤 モータ温度センサ No.1 S2 +15V E1 S3 210 +15V E2 203 S4 211 s青 s桃 黒 s橙 s赤 s白 s緑 バッテリマネージャ(BMU) s緑 s赤 黒 DC/DCコンバータ 3 1 +12V +B 2 E1 5 −12V 4 E2 222 214 231 CANL CANG +BB +B 白/赤 225 +BB IG2 黒 黒 黒/青 209 234 IG GND モータバッテリ バッテリNo.16温度センサ 電流 センサ バッテリNo.14温度センサ バッテリNo.12温度センサ HEV コントローラへ 緑 5V ±12V 電源 回路 漏電 センサ サービス プラグ 5V 28 BT3 青/赤 10 168V 緑/黒 14 BT2 桃/緑 11 黄/黒 144V 22 BT1 青/黒 12 120V 茶/黒 5V 5V 12V 赤 221 SPSW 黒 黒/赤 プリチャージリレー 赤 黒 バッテリNo.8温度センサ バッテリNo.6温度センサ 灰/黒 橙 桃/黒 青/白 コンタクタ(+) 白 バッテリNo.4温度センサ 黒/白 青/橙 赤/白 コンタクタ(−) 黒 黄 緑/白 18 96V 21 BT4 19 72V 13 BT5 20 48V 4 BT6 26 24V 29 BTG 27 0V 注意 ・内部回路は、動作を理解するための概念図で、一部実物と異なる場合がある。 C P U 5V 23 CS-5V 白 5 CS-OUT 淡緑/黒 30 灰 CS-GND フューズ抵抗 1 TTV 白/黒 3 192V 白/黒 ジャンクション ボックス 3 +B 4 5 6 CAN ドライバ 12V 黒/赤 黒 緑/黒 緑/赤 5V CANH 5V 5V 5V バ ッ ク ア ッ プ R A M ハイブリッドコントロールシステム 2A-56 モータバッテリ 作業上の注意 注意 ・高電圧回路のショート及び感電を避けるため、SEC 0Aの「作業上の注意」を参照すること。 構成図 CJT20090 バッテリ No.12 バッテリ No.13 A A バッテリ No.14 バッテリ No.11 ジャンクション ボックスへ バッテリ No.15 バッテリ No.10 バッテリ ブロックライト B 排気パイプ A バッテリ No.16 バッテリ No.9 車室外へ サービス プラグへ バッテリ チューブ バッテリ No.8 バッテリ No.1 A B 車輌前方 バッテリ No.2 バッテリ No.7 バッテリ ブロックレフト バッテリ No.3 バッテリ No.6 A A バッテリ No.4 バッテリ No.5 コネクタ A B バッテリ 温度センサ ○ × 電圧検出端子 ○ ○ ハイブリッドコントロールシステム 2A-57 充電方法 1. スズキダイアグノスティックモニタ(S-DM2000)の 動作状況表示により、モータバッテリ充電状態及びモー タバッテリ温度を点検し、下表から充電に必要な時間 を確認する。 参考 ・モータバッテリ温度が15℃以下の場合は充電時間 が下表より長くなる。 バッテリ充電状態(%) 80 60 40 充電時間(h) 約5 約8 約11 2. イグニッションSWをOFFにしてキーを抜き、SEC 0A を参照してサービスプラグを取り外す。 3. ラゲッジボードA、B及びバッテリカバーセンタを取 り外す。(2A-58参照) 4. 電流センサコネクタ及びバッテリNo.16のバッテリコ ネクタを外す。 5. 助手席足元に特殊工具Aを載せ、バッテリNo.16のバッ テリコネクタ及び電流センサコネクタに特殊工具Aの コネクタを接続する。 注意 ・指定以外の充電器を使用しないこと。 ・モータバッテリに水、異物が入らないようガラス ハッチは閉じた状態で作業を行うこと。 ・車室外へ配管されているバッテリチューブの先端 に泥等の詰まりがないことを確認すること。 ・特殊工具Aは防水でないため、屋内で使用するこ と。 ・特殊工具Aのコネクタを接続する前に特殊工具Aの 電源を入れないこと。 ・特殊工具Aの操作パネル背面にある通風孔をふさ がないこと。 特殊工具 ・A(モータバッテリ充電器) 2003年2月下旬発売予定 CJT2A570 バッテリ No.16 バッテリ コネクタ A A フロント 電流センサ コネクタ A 6. SEC 0Aを参照してサービスプラグを取り付ける。 7. 特殊工具Aの電源コードをAC100Vに接続し、電源SW を切→入にする。 ハイブリッドコントロールシステム 2A-58 8. 充電中は特殊工具Aの充電表示ランプ(緑)が点灯し、 充電が完了すると自動的に充電を停止し、充電表示ラ ンプ(緑)が点滅する。 注意 ・充電中はイグニッションSWをONしないこと。 ・モータバッテリ温度が0℃以下では充電できない。 参考 ・特殊工具Aの異常表示ランプ(赤)が点滅した場 合、以下の不具合が考えられる。 1. 一定時間内に充電が終了しない。(モータバッ テリの劣化) 2. モータバッテリ温度が高い。 3. 各コネクタの接続不良。 4. バッテリNo.16電圧検出端子の接続不良。 5. ジャンクションボックスの不具合。 9. 充電表示ランプ(緑)が点滅したのを確認し、特殊工 具Aの電源SWを入→切にして、電源コードを抜く。 10. SEC 0Aを参照してサービスプラグを取り外す。 注意 ・充電完了後はモータバッテリ電圧が安定するまで 5分以上イグニッションSWをONしないこと。 11. 以降は接続と逆の手順で行うこと。 取外し/取付け 1. SEC 0Aを参照して、サービスプラグを外す。 2. いじり止めトルクスレンチ(T30)を使用してボルト (15本)を外し、ラゲッジボードAを取り外す。 3. クリップを外し、ラゲッジボードBを取り外す。 CJT2A040 B B A A B B ラゲッジ ボードB B B B B A B B B B A A A A A A A A A A A A A B サービスプラグ ラゲッジボードA 4. バッテリカバーセンタを取り外す。 5. バッテリNo.16のプラスターミナルを外し、端子に絶 縁テープを巻く。 6. バッテリNo.9のマイナスターミナルを外し、端子に絶 縁テープを巻く。 注意 ・外したバッテリ端子間は約100Vの高電圧である。 2つのバッテリ端子を同時に触らないこと。 ・絶縁テープの貼り付けを必ず実施し、感電及び ショートに注意すること。 CJT2A400 バッテリカバー センタ プラス ターミナル バッテリ No.16 バッテリ No.9 マイナスターミナル 絶縁テープ ハイブリッドコントロールシステム 2A-59 7. バッテリセンサハーネスのコネクタ及びバッテリチュー ブを外す。 8. 取付ボルト(4本)を外し、バッテリブロックライト を取り外す。 9. バッテリカバーライトを外し、バッテリセンサハーネ スを取り外す。 CJT2A061 バッテリカバー ライト バッテリステー バッテリステー バッテリカバー レフト バッテリ ブロック レフト バッテリ センサ ハーネス バッテリ チューブ 10. バッテリNo.8のプラスターミナルを外し、端子に絶 縁テープを巻く。 11. バッテリNo.1のマイナスターミナルを外し、端子に 絶縁テープを巻く。 注意 ・外したバッテリ端子間は約100Vの高電圧である。 2つのバッテリ端子を同時に触らないこと。 ・絶縁テープの貼り付けを必ず実施し、感電及び ショートに注意すること。 マイナス ターミナル CJT2A081 バッテリ センサ ハーネス バッテリ ブロック ライト CJT2A410 12. BMUコネクタと電流センサコネクタを外す。 13. 取付ボルト(4本)を外し、バッテリブロックレフト を取り外す。 14. バッテリカバーレフトを外し、バッテリセンサハー ネスを取り外す。 取付けは取外しと逆の手順で行うが次の点に注意する。 絶縁テープ バッテリ No.1 プラス ターミナル バッテリNo.8 BMU ジャンクション ボックス BMUコネクタ 電流センサコネクタ ・各ボルトは規定のトルクで締め付ける。 締付トルク ・バッテリブロック取付ボルト: 23N・m{230kgf・cm} ・バッテリターミナル取付ボルト: 5.0N・m{51kgf・cm} ・バッテリステー取付ボルト: 10N・m{100kgf・cm} ハイブリッドコントロールシステム 2A-60 点検 ジャンクションボックス バッテリ電圧の点検 作業上の注意 1. モータバッテリ充電器を使用して、モータバッテリの 充電を行う。 2. スズキダイアグノスティックモニタ(S-DM2000)の 動作状況表示によりモータバッテリ電圧を点検し、基 準値を外れる場合はモータバッテリを交換する。 基準値 ・モータバッテリ電圧:200V以上 注意 ・高電圧回路のショート及び感電を避けるため、SEC 0Aの「作業上の注意」を参照すること。 取外し/取付け 1. 2A-58を参照して、モータバッテリを取り外す。 2. 各コネクタ及び取付ボルトを外し、バッテリトレイス テーとBMUを一体で取り外す。 バッテリ温度センサの点検 ・バッテリNo.4、No.6、No.8、No.12、No.14及びNo.16の 温度センサの抵抗(1−2端子間)を測定する。 注意 ・バッテリ温度センサはモータバッテリに6個内蔵 されている。5個以下の不良の場合、ダイアグコー ドは検出するが車両の走行に支障はない(ハイブ リッドシステム警告灯消灯及びフェイルセーフ制 御なし)ため、モータバッテリの交換は行わない こと。 ・全てのバッテリ温度センサ抵抗値が基準値を外れ る場合(ハイブリッドシステム警告灯が点灯しコー ド36(P3036)を検出)は、モータバッテリを交 換すること。 CJT2A101 バッテリトレイステー 3. 端子カバー2箇所を外し、インバータP及びN端子を外 す。 4. DC/DCコンバータを取り外す。 CJT2A112 基準値 ・29.3∼30.8kΩ(0℃) ・12.1∼13.2kΩ(20℃) ・5.6∼6.3kΩ(40℃) 端子カバー インバータ 端子カバー CJT2A420 サービス ワイヤ Ω 抵抗計 DC/DCコンバータ バッテリ 1 2 3 4 5 P端子 N端子