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核兵器不拡散条約体制の基本構造

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核兵器不拡散条約体制の基本構造
30
﹂.、∼3ρ.♂二竃;♪9’響噂●、セ,%
ロくごニロノメごよりちニロへ ご も ロ ロ
論 説
核兵器不拡散条約体制の基本構造
黒 沢
ーNPT第一・二条の形成と展開1
まえがき
一定義の問題
e 核兵器国と非核兵器国
⇔核 兵 器
⇔平和目的核爆発
二 移譲・受領の禁止
eMLF構想
⇔管理の問題
⇔配備の問題
同禁止の範囲
満
測
偲
造
三製造の禁止
e製造の意味
⇔核兵器国による製造
四援助の禁止
e核兵器国から非核兵器国への援助
非核兵器国から非核兵器国への援助
⇔ 核兵器国から核兵器国への援助
⇔
援助禁止の履行
る条約である。
このNPTにはすでに一二〇国近くが参加しており、軍縮に関する諸条約の中で最も多くの国が当事国となってい
国の出現を防止するためのさまざまな措置を含むものであるが、その中心は核兵器不拡散条約︵NPT︶である。
げておらず、核兵器国の数の増加を防止する点では一定の成果を挙げているからである。この体制は新しい核兵器
輔
す び
む
㎎
㈱
ま え が き
納
徽
郷 現代軍縮国際法の中心的枠組である核兵器不拡散条約体制は、一九六〇年代後半に成立し、その後の国際社会の
徽 動きに大きな影響を与えている。それは、戦後の軍縮交渉が、核兵器国の核軍縮という側面ではほとんど成果を挙
31
︵SALT︶への道を開いたと理解されている。このNPT体制は、核戦争の勃発の危険を減少させ、,核軍縮の展
32 またNPTは核兵器国による核軍縮に向けての第一のステップと考えられ、その後の米ソ間の戦略兵器制限交渉
望を開くものと期待されていたが、現在までのところそのような希望は実現されていない。NPT体制は、新しい
核兵器国の出現の可能性が強くなった時点において、まず第一に董れを阻止しなければ核軍縮も不可能になるであ
ろうという認識の下に生じてきたものであり、その点からみてNPT体制自体は過渡的な暫定的なものであると考
えられている。しかし二五年の一応の期間をもつNPTの約半分が過ぎた現在の時点においては、過渡的及び暫定
的な性格が強調されるよりも、NPT体制の永続化、恒久化あるいはNPT体制の強化がはかられている。これは
核軍縮にほとんど進展が見られないことを意味すると共に、NPT体制がまだ十分なものでないことをも意味して
いる。NPT体制が十分でないから核軍縮に進展が見られないのか、核軍縮に進展が見られないからNPT体制が
不十分なのか、この二つの問題は相互依存的なものであり、どちらが原因でどちらが結果であるか一概に言うこと
はできないが、NPT体制の一応の成立とともに核軍縮も進展すべきであったと考えられる。
NPT体制は核兵器国と非核兵器国を分離し、その状態を固定するものであるので、多くの非核兵器国はそれに
必ずしも積極的に参加したわけではない。NPT体制の内容は、NPT当事国である非核兵器国の間においてお互
いに核兵器を取得しないと約束することにより、その点での安全保障上のメリットがあることは否定できないが、
その主要部分は核兵器国の核軍備に対しては何らの制限も課すことなく、非核兵器国に対して核兵器の開発を全面
的に禁止するものである。この点に関して多くの非核兵器国が批判を展開したが、それらはすべて第六条の核軍縮
の交渉継続の義務及び将来のNPT再検討会議における審議という形で結着がつけられた。
現在、NPT体制は一応成立し、現代軍縮国際法の中心的枠組となっているが、それ自身多くの矛盾を内部にか
かえているものである。したがって現在NPT体制が一応成立しているにもかかわらず、核兵器の拡散の危険はさ
らに高まっているのである。これはNPT体制のもつ矛盾のあらわれであると共に、原子力活動の飛躍的な進展が
原因となっている。
NPTには=一〇国近くの国家が参加し、かなりの普遍性を確保しているが、参加していない国の中に極めて重
要な国が含まれているという事実が存在する。まず核兵器国としてフラソス及び中国はNPT当事国ではない。フ
れている。
測 ラソスは、条約には参加しないが当事国であるように行動すると宣言しているが、法的には不明確な点が多く残さ
偲
さらに重要なのは、潜在的核兵器国でありながらNPTに参加しない非核兵器国の存在である。それらの国とし
欄
瞳 て、一般に、イソド、パキスタソ、イスラエル、南アフリカ、ブラジル、アルゼソチソなどが挙げられる。第一
辮に、その中で、イソドは一九七四年に地下核爆発を行ない、このNPT体制に対する挑戦を明確に示した。このイ
ソセルされたが、パキスタソ及び韓国にプルトニウム再処理施設を移転する契約を結んでいた。°これらの出来事
非当事国であるブラジルへのウラソ濃縮及びプルトニウム再処理の施設の移転を約束した。フラソスも、後にキャ
第二の象徴的な出来事は一九七五年の西ドイッとブラジルの核取引であり、この取引において西ドイッはNPT
向も注目しなければならない。
爆発を行なっていない点において以前の五核兵器国とは異なる。このイソドの核実験との関連で、パキスタソの動
だイソドの場合、あくまで平和目的核爆発であると主張し、核兵器開発の意図のないことを明らかにし、その後核
止に失敗したことを意味する。このイソドの核実験によりNPT体制それ自身が崩壊したと考える学者もいる。た
ンドの核爆発は、NPT体制の主要な目的すなわち第六番目の核兵器国−法的ではなく事実上のーの出現の防
蹴
賜
核
鈴
34
は、原子力技術の急速な発展に伴い、米国のほぼ独占的な市場にフランスや西ドイッ等の新しい国が参入し、原子
力市場における競争が激化し、商業的利益が核兵器不拡散の利益より優先される傾向が生じてきたことを示してい
る。
第三に、現在の国際社会の中で特殊な地位を占めているイスラエル及び南アフリカが、核兵器の開発を進めてお
り、一部ではすでに両国が核兵器を所有していると報告されている。これらの国が核兵器を所有することは、国際
社会全体の平和と安全にとって極めて危険であるが、これらの国に関しては核兵器の問題以外に解決されなければ
ならない極めて大きな基本的な問題が存在している。
このように一九七〇年代中期以降、NPT体制の限界及び矛盾がさらに明らかになってきたが、これに対してN
PT体制の強化をはかる努力もなされている。その一つは、IAEA保障措置の適用範囲を拡大していこうとする
ものである。すなわち非当事国である非核兵器国の平和的原子力活動のできるだけ多くの部分に保障措置を適用し
ようとするもので、いくらかの国は全面的な︵︷色・零o罵︶保障措置の適用を要求している。もう一つは、ロソド
ソクラブのガイドライソに見られるように、核供給国の側から一定の品目の供給を差し控えたり、核兵器不拡散の
ためのさまざまな条件をつけ加えたりするものである。さらにまた、原子力平和利用に関する国際的または地域的
な制度的枠組を設定することにより、拡散の危険を減少させる努力も行なわれている。
これらの措置はNPT体制強化のための技術的手段であり、部分的にあるいは一時的にはその成果を挙げること
ができるであろう。しかしNPT体制の維持及び強化にとってさらに必要であるのは政治的手段であると考えられ
る。核兵器開発に関して各国が必要とする技術はすでに多くの国に広まっているし、将来においてはさらに多くの
国がそれを取得できるのであるから、核兵器不拡散のためにはそのための国家の政治的意思が必要であるし、今後
さらに必要となる。すなわち、NPT体制に内在する矛盾を取り除くことが必要であり、そのためには核兵器国に
よる核軍縮の進展及び非核兵器国の安全保障の強化についての措置がとられなけれぽならないと考えられる。
このようにNPT体制の形成と展開に関してさまざまな問題が生じており、その解決のためにはさまざまな政治
︵1︶
的及び技術的措置が必要とされている。それらのすべてを検討することによってはじめてNPT体制が現在の国際
社会において占める地位及びその意義が明らかになる。本稿は、その全体的な検討の一部として、NPT体制の基
NPT体制の基本的な権利義務は核兵器不拡散に関するもので、それはNPT第一条及び第二条に凝集されてい
潟 本構造を明らかにしようとするものである。
偲
核
ためにこの条約は再検討会議の制度を設けている。一九七五年の第一回NPT再検討会議は、その最終宣言におい
にすると共に、条約の履行過程で生じたさまざまな問題に言及しその意味を明らかにする。条約の履行を確保する
れたことを意味する。本稿においては、個々の義務に関して、その形成過程を明らかにし、条約規定の内容を明確
されなかったと言ってよい。このことは、NPT体制の基本構造が主として米ソ両国という核兵器国により形成さ
全く受け入れられなかった。したがってこれらの条項は米ソ両国により作成され、非核兵器国の見解はあまり反映
髄 る。したがって本稿は、NPT第一条及び第二条を中心に、その形成と展開を検討することにより、NPT体制の
躰 基本構造を明らかにする。NPT体制の本質的な特徴とともにNPT体制に内在する矛盾もすべてこの基本構造に
物
基づくものであるから、本稿はNPT体制の全般的な研究の一部であると共にその中心をなすものである。まず第
繍
験 一に、NPT体制を構成している基本的な概念を明らかにし、その後核兵器不拡散の具体的内容である移譲・受領
砿 の禁止、製造の禁止、及び援助の禁止の三つの問題を考察する。NPT第一条及び第二条は、米ソ両国が初めて合
賭 意した条約案で確定されたものである。非核兵器国がこれらの条項に関していくつかの修正を提案したが、修正は
35
36
て、﹁会議による検討の結果、条約の第一条及び第二条により課せられた義務が、すぺての締約国により誠実に遵
守されていることを確認する。会議は、これらの規定を引き続き厳守することが、核兵器の一層の拡散を回避する
という共通の目的にとり中心的なものであることを確信する﹂と規定し、第一条及び第二条の義務は誠実に遵守さ
れたとしているが、一九八〇年の第二回NPT再検討会議では、とれらの条項の履行に関して、特に援助の禁止の
義務に関してさまざまな異議が唱えられた。これらの展開過程をも深く検討することにより、本稿においては、現
代軍縮国際法の中心的枠組であるNPT体制の基本構造を明らかにする。
︵1︶筆者は、この問題意識の下で、すでに﹁核兵器不拡散条約体制の起源﹂﹃法政理論﹄第一五巻第三号︵一九八三年三月︶を
,
発表したが、本稿の後に、さらに保障措置、原子力平和利用、核軍縮、非核兵器国の安全保障に関する検肘が展開される。
一 定義の問題
e 核兵器国と非核兵器国
NPT体制の最も基本的な前提は、核兵器国と非核兵器国の分離に関するものである。この二つのグループの国
家群の分離なしにはNPT体制は存在しえない。そしてこの分離及びその維持こそがNPT体制の最大の特徴とな
っていると共に、NPT体制のさまざまな矛盾の根源ともなっている。したがってNPT体制の理解のためには、
︵1︶
この核兵器国と非核兵器国の分離の意味が明らかにされなければならない。
NPT第九条第三項は、﹁この条約の適用上、﹃核兵器国﹄とは、一九六七年一月一日前に核兵器その他の核爆発
装置を製造しかつ爆発させた国をいう。﹂と規定することにより、核兵器国の概念を明確にし、それ以外の国はこ
の条約の適用上、すべて非核兵器国として取り扱われることが示唆されている。この定義は、一九六七年八月二
四日の米ソ両国による最初の同一条約案で規定されたものであり、その後の条約交渉においても全く修正されてい
ない。
まずここで用いられている用語であるが、条約では、﹁核兵器国︵2。♂胆同−幕碧8曾暮o︶﹂及び﹁非核兵器国
濁 ︵昌oロ出需﹃o学≦。ぞo昌曾m8︶﹂という用語がそれぞれ用いられている。これらの用語は、一九六六年三月二一日の
偲 ,
造 米国修正案で初めて用いられたものであり、それ以前の一九六五年八月一七日の米国条約案では、﹁核国︵ロロ90舞
輔 ゜・け暮o︶﹂及び﹁非核国︵昌o亭μロo﹃鷲。,婁o︶﹂という用語が用いられていたし、当時、一般的にこれらの用語が使用
曜 されていた。しかし核国という用語では、原子力の軍事利用を行なっている国のみならず、原子力の平和利用のみ
㈱ を行なっている国も含まれることになるが、核兵器不拡散の概念は原子力平和利用を含むものではないので、その
納
点をさらに明確にする必要があるというイソド等の主張に従い、﹁兵器﹂という語を挿入した用語が用いられるよ
散
した上、﹁管理﹂とは、現存の核兵器国により同時になされる決定なしに、核兵器を発射させる権利または能力を
した権限を有する国﹂と定義しており、一九六六年の修正案は、核兵器国とは﹁核兵器を管理している国﹂と定義
連条約案も同様のとらえ方をしていた。しかし米国の一九六五年の条約案は、核国として﹁核兵器を使用する独立
器を所有している国﹂及び﹁核兵器を所有していない国﹂という二分法をとっており、一九六五年九月二四日のソ
次に、核兵器国であることの実質的内容として、NPTの起源である一九六一年のアイルランド決議は、﹁核兵
磁 うになった。同じ理由から、以前﹁非核地帯︵昌口9$同・沖oo8ロP魯o目・蹄oo凶o口o︶﹂と呼ばれていたものも、最近
賭 では﹁非核兵器地帯︵謹90舞・詔o巷o昌−坤oo旧oロo︶﹂と呼ばれている。
核
留
意味すると規定しており、主として核兵器の使用の権利に重点を置いてとらえていた。これは、後に述べるよう
に、NATOのMLF構想等を念頭に置いていたものであり、これらの構想の消滅と共に、使用の権利に重点を置
く定義も消滅していった。条約に取り入れられた定義は、﹁核兵器その他の核爆発装置を製造しかつ爆発させた
国﹂となっており、以前の﹁核兵器を所有している国﹂という表現よりもさらに明確なものとなっている。核兵器
を所有しているかどうかを確定することが困難な場合もありうるが、爆発させたかどうかはかなり明確な事実とし
て把握できるからである。
定義の実質的内容に関するもう一つの問題点は、一九六七年の同一条約案において、﹁その他の核爆発装置﹂と
いう用語が追加されたことである。アイルラソド決議を初めとして、以前の米国及びソ連のそれぞれの条約案並び
にそれらに関する議論は、核兵器のみを取り扱っていた。このような拡大は、権利義務の主体を﹁核国﹂、﹁非核
国﹂から﹁核兵器国﹂、﹁非核兵器国﹂へ変更することによって明らかにしようとしたこと、すなわち核兵器不拡散
は核兵器のみに関わるものであって原子力平和利用には関与しないという考えとは矛盾する。技術上の必要から、
﹁その他の核爆発装置﹂すなわち平和目的核爆発装置がここに加えられたことは、それが条約で禁止される主要な
義務の対象として加えられたことを意味するが、このことは、後に詳しく述べるように、NPT体制の形成と展開
に大きな影響を与えることとなった。
第三に、どの時点で核兵器国と非核兵器国を分離するかに関して、一九六七年八月二四日に米ソ両国にょり提出
された同一条約案は、﹁一九六七年一月一日前﹂と規定し、それが条約にそのままとり入れられた。条約が署名の
ため開放されたのは一九六八年七月一日であり、その一年半前の状況で確定されたわけである。このことにより、
条約成立直前に核兵器国の特権的地位を取得しようとする国が存在したとしても、そのような可能性を前もって防
●
魚
止することに成功している。一九六五年のソ連条約案はこの期日を確定していなかったが、一九六五年の米国条約
案及び一九六六年の米国修正案は、具体的な期日は空白であったけれども一定の期日を明確に規定することを予定
していた。以上の内容の検討から明らかなように、核兵器国であるためには、一定の実質的内容とさらに一定の期
日以前における行為という二重の条件が必要となる。
この定義の効力の範囲について、この定義は、﹁この条約の適用上﹂と規定されているように、直接的には条約
とになる。したがって条約の権利義務は直接的には条約当事国に関わるものであるが、条約の履行に際して派生
当事国が非当事国と一定の関係をもつ場合にもこの条約が適用されるので、その場合にもこの定義が適用されるこ
測 当事国間において効力をもつものである。しかしNPTは条約当事国間の関係のみを規律するものではなく、条約
偲
基
造
構
本
えてかなり広汎に用いられる傾向がある。さらに条約の権利義務とは関係なしに、条約非当事国を﹁核兵器国﹂と
ゆ 的に非当事国にも影響を与えることにより、この﹁核兵器国﹂と﹁非核兵器国﹂の定義は、条約当事国の範囲を越
儲
㈱ ﹁非核兵器国﹂に分離することも一般に行なわれており、その意味においてこの二つの国家グループの分離は、一
踊 般的な効果を事実上もっていると考えられる。
郷 この定義によれば、核兵器国として米国、ソ連、英国、フラソス、中国の五国が挙げられる。そして一九七一年
徽 の国連での中国代表権問題の解決以後、核兵器国は安全保障理事会の常任理事国と同じである。このことは、一方
において、戦後の国際社会体制で中心的役割を演じることを要求されている安全保障理事会の常任理事国と核兵器
国が一致していることは、国際社会の安定にとって極めて好ましいことであり、核兵器国のメンパーシップをこの
五国に限定することは合理的であると主張されている。他方、核兵器国と安全保障理事会の常任理事国との同一性
39 を強調することは、核兵器の所有にさらに大きな意義を与えその所有を正当化することになるし、後者は核兵器の
ρ
如
有無にかかわりなく政治的な重要性をもつ国家であり、両者を深く結びつけることは望ましくないと述べられて
いる。
核兵器国と非核兵器国の分離に対する最も鋭い批判は、この試みは国際社会を二つのグル1プの国家群に分ける
襲鶴 罐韓齢辱勅潤鵬雅鉾難影痢曜難韓鐸雛縫鰐韓
ある。これに対して、NPT体制は本質的に差別的なものであるけれども、それは現状を反映しているのにすぎな
いのであるし、核兵器の拡散を防止することが必要であるならばどこかに一線を引かなければならないという見解
がある。核兵器の拡散が好ましくないことについては、一般的な合意が見られる。すなわち核戦争の勃発の危険を
減少しあるいは少なくともその危険の増大を防止するために、並びに核軍縮の展望を悪化させないために、核兵器
不拡散が緊急の課題であることに一般的な合意が見られる。そのためにはどこかで区別を設ける必要があることに
︵2︶
も合意はあるが、具体的にどこに線を引くかに関し問題が残されていたと部分的には考えられる。したがってNP
T体制において核兵器国と非核兵器国を分離することは、その体制にとって不可欠のものである。そしてその分離
︵3︶
の時期は早ければ早いほど好ましいものであった。
しかしこの分離の評価に関しては、分離それ自体よりも、一方において、分離された核兵器国と非核兵器国のそ
れぞれの権利義務の内容についての吟味、特に両グループ間の義務のバランスの問題の吟味が必要であるし、他方
において、NPT体制の性質そのもの、すなわちそれが暫定的なものと考えられているのか恒久的なものと考えら
れているのかという側面が検討される必要がある。
﹂
イソド核実験の法的問題
以上の核兵器国と非核兵器国の分離を基礎とするNPT体制に対する明白な挑戦として、イソドは一九七四年五
月一八日ラジャスタンにおいて地下核実験を行なった。インド原子力委員会は、一〇〇メートルより深い所で平和
目的核爆発実験を行なったことを発表すると共に、イソドは核兵器を製造する意図を全くもたないこと及び核爆発
︵4︶
の軍事的利用には強く反対していることを明らかにした。
的賞賛の態度を示しており、多くの非同盟諸国はイソドの核爆発を第三世界による賞賛すべき行為ととらえてい
の諸国であり、米国は沈黙もしくは消極的非難の態度しかとらなかった。ソ連及びフラソスは沈黙もしくは消極
沁 まずこの核実験に対する各国の反応であるが、明確に非難したのはパキスタン、日本、スウェーデソ、カナダ等
偲
基
造
構
本
ゆ た。この現象を、ω8︿出﹃冒は、﹁非難が普遍的なものでなかったということは、核の分野において潔白である
㈱ 国はほとんどいないという事実にょり説明しうる。米国あるいはソ連がインドの行動を非難することは適切ではな
5︶
納 か っ︵た
﹂と説明しているが、要するに、NPT体制の基本構造に挑戦しているインドの核実験に対する国際的な非
鰍 難は極めて弱いものであった。このことは、NPT体制それ自身が矛盾を内包していることを示すものである。こ
罰 のインドの核実験がNPT体制への挑戦であることは、ζ悼ω屋及び09。巳ぽにより、﹁NPTに反対することによ
灘 りイソドは核兵器国がそのまま維持しようとしている世界秩序、すなわち核兵器国の支配により特徴づけられた世
界秩序に挑戦したのであり、核装置を爆発させることによりインドは、不平等かつ不公平な国際体系の加害者に反
抗し挑戦した﹂と述べられている。
︵6︶
際条約または協定の違反も存在しない。⋮⋮爆発はもっぱら平和目的のため考えられ実施された。それは軍事的ま
イソザ核実験の法的側面に関して、インドの国連代表でありIAEA理事会代表である冒首巴は、﹁いかなる国
41
︵7︶
42 たは政治的な意味を全くもたない﹂とインドの立場を表明している。まずイソドが当事国である一九六三年の部分
的核実験禁止条約は、大気圏内、宇宙空間を含む大気圏外並びに領水及び公海を含む水中における核爆発を全面的
に禁止しているが、その他の環境すなわち地下においては、そのような爆発がその管轄又は管理の下でその爆発が
行なわれる国の領域外において放射性残渣が存在するという結果をもたらす場合しか禁止されておらず、イソドの
核実験は地下一〇〇メートルより深い所で行なわれ、領域外への放射能もれは確認されていない。したがって地下
での核実験1そこでは米ソ等核兵器国は引き続き核実験を行なっているーに関し、イソドに条約の違反は認め
られないと結論できる。部分的核実験禁止条約は、技術的に困難な地下核実験のみを許容することにより、新しい
核兵器国の出現を困難にするという意味で、核兵器不拡散の効果をも果たしてきたのであるが、イソドの場合には
それは有効ではなかった。すなわち核兵器不拡散のための技術的措置は不完全であることが証明されたのであり、
各国の核技術の向上に伴いさらに不十分なものとなるであろう。
次に一九六八年めNPTによれぽ、非核兵器国の核爆発はたとえそれが平和目的であっても禁止されているが、
イソドはもちろんNPTの当事国でないため、この条約の義務違反が生じる余地はない。
第三に、死五六年四月二八是締結されたカナダとの原子力平和利用協力協定が袈・すなわちイソドの核実
験に用いられたプルトニウムは、カナダが提供した原子炉で生じたものを用いているからである。この協力協定は
NPTよりずっと以前に締結されており、カナダが供給した施設に対する厳格な管理を規定していなかったが、そ
の中で施設がもっぱら平和目的に利用されることにイソドは合意していた。したがってインドは、その核爆発を平
和的と定義することによってこの協定に違反していないと主張することができたのであむ︶
しかしその協定が締結された後に、特にNPTの審議との関連で、平和目的核爆発と核兵器の爆発との間には技
測
偲
基
造
構
本
術的に違いがないという考えが一般に受け入れられるようになってきた。カナダももちろんその解釈に従ってお
り、イソドに対してもそのような解釈をとるよう要求したが、インドは拒否したため、﹁イソドは、カナダとの協
、 ︵10︶
定の文言にではないが、少なくともその精神に違反していると結論しなけれぽならない﹂と言われているように、
極めて微妙な問題を含んでいるが、インドがカナダとの協力協定に違反したと断言することはできない。このよう
に法的側面からイソドの核実験を検討した場合、イソドが主張しているように、何らの国際的な義務にも違反して
いないと結論される。
最後に、核爆発を行なった後のイソドの法的地位の問題が極めて重要なものとして残されている。NPTは核兵
器国と非核兵器国の区分を原子力の軍事利用と平和利用という側面から行なうのではなく、軍事的であれ平和的で
ゆ あれそれが核爆発であるか否かという観点から行なっている。他方インドは、そのようなNPT体制に反対しつ
つ、自国の核爆発は平和的なものであると主張し、NPTのように核爆発か否かという観点からではなく、平和利
㈱
形式的にはインドは非核兵器国である。⋮⋮しかしインドに対し爆発プログラムを停止させ、NPTに署名するよう説得する
述べているものとして、知屋鼠言の以下の見解がある。
にある新しい戦略カテゴリーを選択した﹂と、その特殊な地位を強調している。この中間的な地位をさらに明確に
このようなインドの立場について、ω麟げ量§o巳9。昌は、インドは﹁核兵器をもたない核国︵昌o昌・ミ$宕5昌ロ90霞
︵11︶
昌讐δロ︶﹂というユニ:クな地位を占めていると説明する。閑騨oも﹁イソドは実際、非核兵器国と核兵器国の中間
︵12︶
納 用と軍事利用の区分という観点から自国の立場を強化している。このイソドの立場は、﹁核国﹂﹁非核国﹂の区分か
蹴 ら﹁核兵器国﹂﹁非核兵器国﹂の区分への主張を強く行なっていたことと一致する。したがってイソドの核爆発
駆 は、他の核兵器国が核爆発の後その軍事利用すなわち核兵器への開発へと明白に進んでいったのとは異なる。
臓
43
国がその例にならうことをたやすく奨励することとなり、受け入れられない。一つの可能性としては、NPTに付属する特別の
ための有効な政治的圧力を組織することは非現実的に思える。他方、インドに核兵器国としての完全な地位を与えることは、他
44
議定書を作成することが考えられる。その議定書により、インドは核兵力を取得しないというインド政府により繰り返された声
明を成文化するが、爆発を含むすべての原子力平和利用に関しては五核兵器国と同様の特権が与えられる。さらにインドは爆発
装置に関し非核兵器国を教育しない。このような議定書は、インドの現実の状況を反映した核兵器国と非核兵器国の中間的なカ
︵ 1 3 ︶
テゴリーにインドを置くであろう。 ,
NPTがすべての国家をその核開発の進展具合にかかわりなく、核兵器国と非核兵器国の二種類のみに限定する
ことに関しては、条約形成過程においても疑問が提出されており、米ソニ超核大国、英仏中の二級核兵器国、潜在
︵14︶
的核兵器国及び核開発に全く着手していない国といった四段階の区分なども提案されていた。またイソドの核爆
発、並びにロソドン供給国グループの成立などにより、核兵器国と非核兵器国という二分法に対する批判も現われ
ている。
︵15︶
しかし、インドに中間的な地位を与えるべきだという上述の主張に対しては、鋭い批判が存在し、Oo笛E暮は、
﹁その日付︵一九六七年一月一日︶以降に装置を爆発させた国は、﹃条約の適用上﹄非核兵器国として取り扱われ
なければならない。これは単に言葉の意味の問題ではない。この区分は大変重要である。なぜならNPTは二つの
カテゴリーの国家に異なった権利義務を規定しているからである。⋮⋮二つのカテゴリーの国家の権利義務は条約
の枠組の中で明確に区別されているので、核兵器国と非核兵器国の両方の特権を享有する中間的なクラスの国が存
︵16︶
︵17︶
在する余地はない﹂と明確に述べている。さらに、国場邑ロも、インドに中間的な地位を与えることには反対して
いる。
イソドがその核爆発を平和目的であると宣言し、中間的な地位を主張することは、NPTの当事国でなくかつ
NPTに反対しているイソドの論理によれば、それなりの意義が認められるであろうし、イソドが核兵器開発の道
に進まないことは核兵器不拡散の目的にとっても望ましいことである。したがってNPTの枠外で考察する際には
インドの主張は一定の説得力をもちうるであろう。しかしNPTの論理からすれば、イソドは実質的には核兵器国
であるが、一九六七年一月一日前という要件を満たさないため、法的には非核兵器国の地位を占める。この期日の
制の観点から考えれば、イソドは核爆発を行なうことにより事実上は核兵器国の要件を満たしているにもかかわら
濁 要件はNPTの基本的要素であり、これが欠ければNPT体制そのものが成り立たなくなる。したがってNPT体
偲
造
禰 ず、法的には非核兵器国であり、NPT当事国はイソドを非核兵器国として取り扱わなければならないと結論せざ
嘔 るを得ない。NPT体制は条約当事国間のみならず、条約当事国と非当事国の間にもさまざまな法的関係をつくり
㈱ だすが、それらの場合にもイソドは常に非核兵器国として取り扱われなければならない。
納
たとえば、一九七八年の第一回国連軍縮特別総会最終文書第六五項は、﹁核浜器不拡散の目標は、一方において、
散
核
兵
器
NPT体制における規律の主要な対象は核兵器である。核兵器が何を意味するかは一見明らかであるように思え
⇔ 核
に中間的な地位を与えることもNPT体制の論理からは不可能である。
り、イソドは核兵器国として取り扱われていない。これはイソドの主張とも一致するものであるが、さらにイソド
柑 現在の五核兵器国の他にさらに核兵器国淋出現することを防止すゐことであり、他方において、核兵器を徐々に削
賭 減し最終的にはすべてを撤廃することである﹂と規定し、国連においても核兵器国は五国であると考えられてお
45
46 るが、NPTはその定義を含んでいないので必ずしも明確ではない。NPTの形成過程において、一九六六年の米
国修正案は、核兵器の定義について、その内容はまだ空白であったが、それに関する条項が規定されるべきことを
︵18︶
予定しており、米国代表は、核兵器の定義の必要性を確信していること、今の交渉段階ではまだ必要ではないが適
当な時期に適切な技術的レベルで定められるべきであることを主張していた。
米国の一九五四年原子力法における原子兵器の定義は、日米原子力協力協定第一条⑨にもそのまま取り入れられ
ているが、以下の通りである。
﹁原子兵器﹂とは、原子力を利用する装置で、その主たる目的が兵器、兵器の原型若しくは兵器の試験装置としての使用又は
それらの開発にあたるものをいう。ただし、その装置の輸送又は推進のための手段は、それが当該装置の分離及び分割の可能な
部分である場合には、含まれない。
他方、一九六七年のラテンアメリカ核兵器禁止条約︵トラテロルコ条約︶の第五条は、核兵器の定義に関して以
下のように規定する。
この条約の適用上、核兵器とは、核エネルギーを制御されない方法で放出することができ、かつ戦争目的に使用することに適
した一群の性質を有する装置をいう。その装置の輸送又は推進のために使用される器具は、その装置から分離することができ、
かつその不可分の部分でない場合には、この定義に含まれない。
トラテロルコ条約第五条の形成過程においては、主観的要素を含むブラジル、アルゼンチソ、コロンビア、ヴェ
ネズエラの考えと、客観的に定義しようとするメキシコ、チリの考えの対立があったが、最終的には客観的な定義
が採択されている。
︵19︶
以上の二つの定義を比較して明らかになることは、前者の場合には、﹁その主たる目的﹂という用語に示されて
いるように、関連国家の主観的判断の余地が広く残されているのに対し、後者の場合には、﹁戦争目的に使用する
ことに適した一群の性質を有する﹂という文言に示されるように客観的な基準によることを示している。≦露穿甘げ
はこの違いを、﹁プラウシェアー︵平和目的核爆発︶の装置は、米国法の下での核兵器の定義からは除外されるで
︵20︶
あろうが、トラテロルコ条約の下では含まれるように思える﹂と説明している。
このように核兵器の定義が必要になるのは、部分的には、後に述べる平和目的核爆発との関連及びそれとの区別
共にその他の核爆発装置を規律の対象に含めたので、両者の区別を明確にするための定義は不要になったと考えら
核兵器のみであり、平和圏的核爆発装置は含まれていなかった。しかし一九六七年の米ソ同一条約案は、核兵器と
測
偲 のためである。一九六六年の米国修正案で核兵器の定義の必要性が強調されていた時期においては、規律の対象は
基
造
構
本
不
器
ていな嘔︶
核兵器の実際の使用には不可欠のものであるが、核兵器の定義に含まれず、またNPT体制の規律の対象とはなっ
い。したがって核兵器とは、核爆弾あるいは核弾頭を意味する。、ミサイル、爆撃機、潜水艦などの核運搬手段は、
上述の二つの定義の後半部分に示されているように、分離可能な輸送又は推進手段は核兵器の定義に含まれな
定義にあてはまる場合には禁止されるという構造をとっているゆえに、客観的な定義が必要となるのである。
ロルコ条約の場合には、平和目的核爆発はNPTの場合とは異なり禁止されていないが、それが第五条の核兵器の
条
散 釈の問題として判断する必要が生じてくるので、このような明確な定義が必要となったのである。すなわちトラテ
飼ゆ れる。他方、トラテロルコ条約の場合は、核物質及び核施設を平和目的にのみ使用するという前提に立っており、
体
約
平和的である限り核爆発も許容されているわけであるが、それが客観的に見て核兵器であるか否かを条約規定の解
拡
兵
核
47
48
⇔ 平和目的核爆発
NPTは核兵器のみならず、﹁その他の核爆発装置﹂をも規律の対象としている。核爆発装置は、軍事的なもの
と平和的なものに区分されるが、前者は核兵器であり、後者は平和目的核爆発装置である。平和目的核爆発は、一
九六一年のアイルラソド決議、一九六五年の米国及びソ連の条約案、一九六六年の米国修正案にも含まれていなか
った。しかし一九六六年八月に米国代表は、平和目的核爆発をも規律の対象にすべきであると主張し、その理由と
して以下のように述べていた。
私は今日、不拡散条約を達成しようとする我々の努力にとって避けることのできない技術的事実及びこの事実の意味について
述べてみたい。この避けることのできない事実とは、平和目的に意図されている核爆発装置は核兵器として使用できるし、ある
いはそのような使用にたやすく変えられるということである。⋮⋮その結論は、いかなるNPTも、もしそれが非核兵器国に対
し平和目的の核爆発に必要な核爆発装置の開発を認めるならば、全く効果のないものになってしまうだろうということである。
⋮⋮国家は、その動機がいかに純粋であっても、核爆弾を爆発させる能力を得ることなしに、平和目的の核装置を爆発させる能
力を開発することはできないであろう。したがって現在核兵器を所有していない国によるいかなる目的のための核爆発物の開発
も、不可避的にその国が核兵器能力を取得することになる。
︵盤︶
このように技術的な理由により平和目的核爆発をも規律の対象にすることが主張されたが、同様のアプローチ
は、すでに一九六三年の部分的核実験禁止条約においてもとられている。すなわちその条約は、核兵器の実験的爆
︵23︶
発及び﹁他の核爆発﹂を規律の対象としており、他の核爆発とは平和目的核爆発であると理解されている。 ・
一九六七年の米ソ同一条約案において、﹁その他の核爆発装置﹂をも含む条約案が初めて示され、そのまま条約
として採択された。NPTの交渉において、このアプローチは多数の国に受け入れられたが、イソド及びブラジル
は強硬に反対した。イソドは、技術的側面において両者が同じであることを否定していないが、﹁この提言は少し
奇妙であるように思える。兵器の拡散を防止することは十分正当であるが、科学及び技術の拡散が防止されるべき
だと提案されたのは初めてである。:::技術それ自体は悪ではない。その知識をどのように利用するかを決定する
のはその技術を所有する国の意思である。⋮⋮イソド代表は、核エネルギーが平和目的のみに用いられなければな
という国家の意思の側面から区分することを主張している。
︵24︶
沁 らないことには全面的に賛成する﹂と述べ、核爆発か否かという技術的側面からの区分ではなく、平和目的か否か
偲
造
構
本 またブラジルも、﹁原子力は、資源の近代化において決定的な役割を演じる。我々は爆発を含めあらゆる形態で
基
ゆ これを開発し利用すべきであり、それは巨大な非軍事的工学計画を可能にするばかりでなく、我が国民の進歩を促
㈱ 進するのに不可欠なさまざまな応用を可能にするだろう。現在の核兵器国の独占を確保するために、我々に要求さ
を削除し、第四条の原子力平和利用の権利に、﹁非軍事利用のための核爆発装置を含み﹂という文言を追加する条
ある﹂と主張していたし、ブラジルは実際に、条約案の第一条及び第二条から﹁その他の核爆発装置﹂という文言
︵%︶
平和目的の爆発装置を取り扱うぺきではない。したがってそのような装置への言及はすべて条約から削除すべきで
条約案に関し、イソドは、﹁核兵器の不拡散に関する適切な草案は、核兵器の拡散のみを取り扱うべきであって、
納 れる自制を受け入れることは、平和的活動の分野における無限の展望を前もって放棄してしまうことになる。⋮⋮
徽 ブラジルは核兵器を受領または製造によって取得する意図はない。しかし我々は制限なしに研究を行ない、ついに
︵25︶
跡 は 巨 大 な 工 事 を 可 能 に す る よ う な 核 爆 発 物 を 製 造 ま た は 受 領 す る 権 利 を
放棄することはできない﹂と述べ、主とし
徽 て開発の側面から平和目的核爆発の権利を強調している。
49
9
50約修正案をENDCに提出し輸︶これらの国の主張の中心には、核兵器の所有に関する核兵器国と非核兵器国の分
離というアプローチが、核爆発に関しては平和利用の分野にまで拡大されることに対する異議が存在するのであ
り、それはこれらの国がNPTに反対する理由の一つになっている。
︵28︶
しかし、米ソ同一条約案に平和目的核爆発が含まれたことは技術的な側面からやむを得ないことと多くの国は考
え、非核兵器国自身が平和目的核爆発を行なうことは禁止されるが、その潜在的利益をいかに入手することができ
るか、またいかにその入手を確保するかの問題に重点を移し、条約第五条の規定の形成へと導いた。
トラテロルコ条約は、その第一八条第一項で﹁締約国は、本条項の規定及び本条約の他の条項、特に第一条及び
第五条の規定に従うことを条件として、核兵器に用いられる装置に類似する装置の爆発を含む平和目的のための核
装置の爆発を行なうこと、または同様の目的のため第三国と協力することができる﹂と規定し、原則的には平和目
的核爆発を許容している。ただ第一条及び第五条の規定との関連で、現在の技術段階では核兵器と区別することが
不可能であるので、これらの条約規定の解釈上、平和目的核爆発は禁止されていると大多数のラテソアメリカ諸国
及び核兵器国は考えている。ブラジル及びアルゼンチソは、条約署名の際に、条約が平和目的核爆発の権利を承認
しているものと理解するという宣言を行なっており、上述の解釈がすべてのラテンアメリカ諸国に受け入れられて
︵29︶
いるわけではないが、この二国はまだトラテロルコ条約の当事国になっていない。
トラテロルコ条約の場合には、原則的には平和目的核爆発の権利を認め、現在の技術段階では核兵器と区別でき
るような核爆発装置の作成は不可能であるから禁止するという論理構造をとっているのに対し、NPTの場合には
技術的には両者は区別できないから両者とも禁止するというものである。現在の状況において両者の効果は同じで
あるが、その基本的な姿勢は異なるのであり、NPTに関して日本代表は、﹁核に関する知識の現段階では、平和目
的の核爆発装置と核兵器を区別することは不可能であるという主張を我々は受け入れる。しかし核に関する知識の
用されえないであろうと考えることは全く論理的であるLと主張している。この主張はトラテロルコ条約の場合に
進展がそのような区別を可能にするならば、その時には条約案に含まれている核爆発装置に関する制限はもはや適
︵30︶
は受け入れられるが、NPTの場合には、いかなる技術的進展があったとしても、条約の改正という手続をふまな
い限り非核兵器国は平和目的核爆発を行なうことはできない。したがって平和目的核爆発の権利に関しても、NP
イソドは一九七四年の核爆発を平和目的であると主張すると共に、NPTが平和目的核爆発を禁止していること
測 Tは核兵器国と非核兵器国の区別をより固定的にかつより恒久的に維持しようとするものである。
偲
を批判し続けている。掛ぢ巴は、﹁このような概念は開発途上国の主権の重大な剥奪であり、一種の核植民地主義
基 ︵31︶
造
構
本
ゆ に等しい﹂と述べているし、ωロぴ嵩日§即碧も、﹁インドの見解によれば、これは平和的核技術の分野においてさえ
︵32︶
㈱ 一 種 の ﹃ 核 ア パ ル ト ヘ イ ト ﹄
を生じさせるものである﹂と鋭く非難し、インドの核爆発がこれらの体制への挑戦で
納 あることを明らかにしている。
徽 しかしその後の国際社会においては、NPTに加入しない非核兵器国に対しても平和目的核爆発を含むあらゆる
都核爆発を禁止しようとする核供給国の動きが見られる。すなわちロソドソ会議に参加した一五国は核輸出のガイド
顧 ライソにおいて、﹁供給国は何らかの核爆発装置につながる利用を明示的に除外するという受領国からの公式の政
府レベルの保証があった場合のみ、トリガーリストに明記されている品目の移転を許可すべきである﹂ということ
に合意した。このガイドライソは法的拘束力をもつものではないが、ここにおいてもNPT体制を拡大する動きが
︵33︶
見られるし、特に平和目的核爆発装置の禁止をも核兵器の禁止とともに拡大していこうとする動向がある。
51 最後に、平和目的核爆発を核軍縮の側面から検討する必要がある。NPTの論理によれば核兵器と共に平和目的
爆発をも許されている。包括的核実験禁止の交渉が、平和目的核爆発の有用性の主張もしくは口実のゆえに阻害さ
核爆発装置も非核兵器国には禁止される。したがって核兵器国のみが、核兵器の実験的爆発のみならず平和目的核
52
れることもありうるだろう。一九六宅年九月のパグウォッシュ会議が、﹁平和目的核爆発の潜在的利益は極めて小
さいものであるので、それが軍備管理軍縮における進展と衝突するように思えるなら憾、そのようなプログラムは
停止されるべきであ鹸︶と宣言しているし・ω゜°酢冒も・﹁その︵平和目的核爆発の︶利用からの潜在的利益
は、最終的には、核兵器国及び非核兵器国の両方における核軍備を制限するための努力への影響を考慮して考、兄ら
れなければならな頴︶と述べているように・包括的核実験停止に向けての努力が優先されるぺきであると考えら
れ輸︶
︵1︶∪磐崔≦け巴り.、一︶8窪o・↓騨涛o﹃Uo鱈亘o−↓匡莫噌>Oo目目098昏oU噌帥津28・国o躍ho旨二〇”↓﹁8帯、ド
§量§ミ軌o噛§、§凌︵Ho昌ユo昌︶”<9°註”Zpω噂匂巳団HO8”噂・戯8・
︵2︶口o已昌団邑り.、男9臣爵言oQZ8・℃3まo﹃”鉱o兇り§肺§§ご義§言︵ピo包言︶層︿oドUピ20﹄℃﹀噂ユ一μO誤”,嵩炉
︵3︶たとえば一九四六年のバルーク案は最初の核兵器不拡散の提案であると考えられているし、米ソ英三国が核兵器国であっ
た時期には﹁第四番目国﹂の議論も存在した。
︵4︶OOU、劇零器蜜昌お㌍b§§暮§彗§§ミ﹂℃罫や・ぱ①・
︵5︶=喜窪曽。き。冒噛、.℃・§h巳z旦霞貯筈ω凶8°・ーぎぎ葺巴88℃3旨h。曇喜..”﹀導≦・§旨︵①e・
・き肖”寄§隷“ミぎ守、§3H零0燭戸αP インド核実験に対する各国の反応に関しては、≦凶躍冨旨国弓曾o凶P、、↓ゲo
勺3躍hoβユo口o楠Zロユo輿窯o農δロ゜・..﹁象§肺ミ“﹂嚢§鴇くoド器b。”Zo°心層b”邑お刈9恩”°81B・⋮ω・累肉薗園δひ
.、↓冨ピ£巴凶蔓oh2盤98﹃↓o釜昌oq”↓冨りoド冨溝踵国翼且o忽o旨..”ミ音3営§匙ミ肉義§蕊殊蓬冒§<o一・幽鰯乞09
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53
◎o俸軽噂匂ロ一矯・︼︶OOO旨げO﹁HO刈劇嚇唱゜凸悼窃゜罰 、、Oh訣O一”一 閃O薗O甑O昌oゆOhけサO句,凶柵⑳轡一昌昏一鋤口2口O一〇国﹃国属U︼O忽O昌..噂き匙職缶ミ・
§馬ミ防“義暑§蕊§§ひ箋冨志8却k魁㌶噛署゜α嵩ー08°参照。
︵6︶困゜歪客密””邑H°o。°O国邑9、、ぎ9”.ω2口99。弓穿且oω凶8“﹀ωけ&団冒勺。﹃呂。。晋oω..噂ミ軸§ミ魯ミ曾轟亀
︵冒ユ貯y<9け♪Zo°ωり臼巳竿留宮oヨげo﹃お胡’7鍵卜。°同様の見解として、寓・ω・幻ρ冨P、、ぎq昼“>09。器oh憎oミo噌
宅津ぽO¢け男O﹃60嘘”噛ミ§畿O義営蓑℃<O一゜固××鳩]ZO°ドω℃ユロOqHO刈9◎°ωbδ劇゜⋮<°O°↓ユ<O傷一噛、、一口畠凶鋤りoo >噂”噌090げ
漕弓O記的﹃伽2ロO一〇9①㎏国昌㊦﹃題 国昌α ヴ嗣O口・℃﹃O臨hO﹁O銘O昌 Oh Z信O一〇”嬉妻O伽娼O昌¢..︾掛昌”dく゜7n”﹁冨亀o︵Oα.y竃↓”寄着魯§
h義窪h§3一〇刈9噂・禽ω・参照。NPT体制に対する核実験以前におけるインドの批判に関しては、国・冒oqき目oゴ碧
一一一℃7﹁O.ω嘘OOけOげ6﹁HO刈H層憎b°bo鱒coー悼鴇゜Wω゜<O昌胃”け僧﹁908”5曽、、一昌傷一ml目σOO一5男O﹃2口O一〇”噌゜°﹂Pコ日¢O﹃20r日
国僧O讐、儀一昌働凶”口昌αけげO日U﹁O”け団O”乞05℃吋O嵩hO吋僧鼠O口Oh7﹁蝿O一〇”﹃<﹃O餌℃O昌ω..噛鍵覧§﹂ざ藍ミミ§§義h為ミ㌧<O一゜
幻POり隔、一昌幽凶99口畠紳ゴO Z℃↓耀噛噂ぎ帖§翁亀O義hざミ奪ミ,﹂<O一゜ω噂7︻O。HO層OOけOげO﹃同㊤¶卜o燭”も゜卜◎一釦−卜o悼①゜旧閑゜ω口げ﹁鶴ず旨蝉口・
一〇〇けげOO虞O辟脚O眺.℃鍵馬§営謹、ミ、旨誉ミ蔑Oミト“ミ噂くO一゜一︿℃2σ゜一℃﹀やユ一ドリ刈ド唱O°窃刈−刈い⋮国゜一櫛αq帥昌臼Oゴ”揖
遷罫、、ぎ島,。“閑8且召9。O噂二80冨昌.、噛幻。げg罫い馨﹃g8帥&甘。F霞ロ゜。︵巴゜・°y・壽、㌔蕊欝義軌§“窪馬
タ一〇謹℃噂℃°HμNlH心Qo°⋮M︵’ω口げ﹁”げヨ四昌団国”、、晒一口畠一帥口﹀偉律‘αOoo↓O毛鋤噌島oo けゴ02憎日.噛鳩ω一勺閑一”﹀ざ§、 萎智蕊
b慧、§口O翠箸゜卜。ゆOー苗8二幻し鋤゜q碧ヨo冨”寄ρ.、目9早8曙8Zo昌も3ま。﹃°。ぎ昌。h2g冨碧類。租。湯即
︾O捧簡。巴,署邑毘.℃り智誉§㌔§§匙ミミ§§§ミト§”︿9﹂斜Z。°ω噛O。ぎぴgμO蚕署﹄°。°。1昌ミ゜⋮﹀菩o犀
一︵帥唱‘が儀、Z‘O写胃♂く09δ唱O昌⑳m口島一”Ω凶僧昌周O﹁O一〇q昌用︶O甥0矯ご♪℃O嘘ゆUO◎二くO.脚讐§亀翼§量蟻くO一゜卜⊃ざZO°O戦・mσ唱什OヨげO触
O刈一鷺噂℃°ω刈㊤ーωcoO°馴 一︵°Zm﹁99団”昌m 幻鋤O︾.、一﹃7Φ 一︶吋曽hけ 日﹃O餌一団 O昌 20口 男﹁O一寵O﹃m二〇昌 O隔 2ゴO一〇”弓 ♂く099℃O昌ω 一﹂P
O臥鼠o巴bU冒巴沼一、.”藝捨営§匙ミぎ誉§犠誉§h冒§<o一゜c。”Z9ト。”・︾唱邑μ霧Q。’唱℃°b。卜。ωi器軒参照。.
︵7︶即貯=冒首9噂酬、↓迂O冒島鋤旨Zロ色O舞国擁艮O臥Oロ.魍層ぎ肺§§義ω穐ミ畿掌くOドピZO°蔭讐ω實ぎoqお刈評U眉゜偉゜イン
ドの立場からの分析として、ω・国・閑昌oo﹂o㍗9け・℃署・お一i心ωh。°参照。 .−
﹂
︵8︶インドとカナダの核協刀及びイソド核爆発に関しては、閑oげo昌宅゜幻oho﹃ユ℃.、℃3匡o日ohZ¢9$﹁℃3嵩ho﹃”け剛o昌..り
睾胸ミ鴨富§斬義矯くo一゜菖自くり29H噛這胡’署・δ1μo。・参照⑩
︵9︶08﹃°q。=°09器き、、9口勺8ま。糞凶8z薯田ωけ。噂冨畠噌..さ彗§軌タ<。F窃ω”29ピ9きび窪δ翠
O°ミ゜
︵01︶ 一僧BOω幻゜箋”一〇N拶﹃.、卜①σq帥一一目唱一凶O薗嵩O口oゆOh一昌畠一僧口]Zβ90僧﹃dσ≦四一〇〇目O口け鳩層讐b§﹁智藍駄ぎ鳶垂h套§
斜乱書りくO一゜劇魍7︻O°b9”閃P一一 μO刈凸鳩”°悼α切゜
︵11︶ 涛゜幻゜ω9げq僧昌り”巳m目吻麟劇2躍O一〇騨﹃一口昏一①曽昌島け﹃Oワ咽剛↓“℃﹃Oの噂¢Oけoo岡O﹃周ロけ9﹁0噌脚り℃h裏“ミ 肉鴨鷲縞§03建犠ミ
謬︾﹂くO一゜朝噛7﹁O°ピ HO刈O噛”噂゜呂ー@①゜
︵12︶ 幻゜︿°閑゜Oケ四昌畠﹃9ω㊥評げ9﹃P 閑僧P .、℃﹁O属O﹁僧鑑Oロ 帥昌島 け﹃O 一5畠凶9口 ↓O曾“﹀ <凶O≦・h﹁O昌P一昌ユ帥僧讐.−縛ヨ義℃<O一・
×<一.7﹁O°0層ω百UけO目戸げ0﹃、○ΩbげO﹃一〇刈♪U°卜∋一ω゜
︵13︶︸碧℃3£g噂.、Z9冨二巳貯僧民昏。z胃鱒♪ε目ω司。﹁島。寄ε3..噛穿§義智匙§§霊§貸ミ5匙§欝
︿o一゜9Zo°い一〇誤り唱゜自゜同様の見解として、﹀。・げo冒閑昌口﹁、、、一口邑冨.。陰Zロ90胃男3器︼80..・目ぎミミ謬・<o一・
聲Z9一一’Z9δヨぽ弓一〇謹℃唱唱゜ホω1占2°参照。
︵14︶ω蓄α響望§墓昇国ZuQ℃<°逡ω゜譜岡。耳轟ニニ89b§§§貸§b葱§蕊謹義N§qも﹄ω・
︵51︶ ︼≦07ρB¢畠一゜ωずm冒Φ5罫㌧喜、ぎ憂智語謬⋮O凝蜘3“乱奪藝§Nも斬鳴lk§.昌O◎09ロ噂・一りり
ー§°
︵16︶ 匂O国OhOO崔び冨け噸.麟↓冒O一ロ巳僧昌7ぎO一〇僧﹁↓O曾四昌二け﹃02﹁﹃噛..>5口dく・∼n”噌﹃o陰︵O鳥・y竜↓”寄§隷“乱窪ぎ砺.
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︵71︶ 箋凶一嵩9日団娼曾O一ロ℃O冒゜O謬・鴨口・μ◎◎・
︵18︶国Z只W鳶く°卜。8﹄悼冨碧9μ§礼︶§§ミ碗§b欝§§§=篭9署・H臼1 $
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駄b§§§醤§§一︾畠ぎ昌ミ§﹃蕊骨奪§㌔ざ惑ミ§毫き糺&、謬§鴨§冒§﹂§識郵 Oδも℃﹄&
i鱒蟄゜
︵20︶ 一≦餌ω◎昌零鵠一ユO互﹀ず3。ぎ藝3↓§骨“壽§寒誉、菱§、墨§窮︵ぎ茎層目Q①O矯ロ゜①◎o°
︵21︶もっともトラテロルコ条約の交渉の初期の段階においては、核兵器のみならずその運搬手段も規律の対象とされていた
N℃q静噂U°一◎o卜δー一◎o鱒︶。
︵吋一︿O・男O毒O﹃一︶OO置﹃自の二〇昌Oh紳ずO UOロ僧O一〇稗ユ嫡m島O昌Ohド”菖昌﹀ヨOユ099℃卜oO>Uユ一μO①ω℃hぎ§馬蕊防§暑ミ§ミ
︵22︶国ZOO\閲<°トの゜。90>昌oq信暮昌霧9b§§§蓄§b蓉§鱈§§鴨冨象”署゜紹朝199 同様の見解として、﹀画二僧昌
ω﹄諄。5、。露g巴署。寄巴言餌28・℃8壽曇δ口言§§昌け..”ωけ㊦9窪u°閑窪。ωN︵巴゜︶’き晋罵き鵠・キ匙慧蕊§
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§貸さ畿職ミ蓋農、ぎ§噛μO①3噂℃°艀①ー膳8⋮﹀°﹀げ昇紹鴇O<℃儀、ZO昌・℃﹃O嵩hO婦”二〇口日,”涛軌.輸§鴨§謹§蜘越
︵認︶冨目oo。国゜Uoロoqずo冨ざ偽儀円﹃o目﹃o凶蔓”昌αけ尉oZo昌5二〇写葭ω富8ω..”O導ρ<o﹃×㌍29卜ρ゜ωロ日B霞H8刈℃マ鵯9罰
一8c。讐b§§§蹄§b曹§罷§註N竈゜。”竈゜2よ㎝゜
︵27︶ 国ZOO\N◎ピω昌◎90げO﹃目O①メh§§ミ防§薯“§§§§殊駄亀q8唱弓゜α劇⑪ー頓海刈゜馴国ZOO\卜畠OH\幻Oく゜卜⊃讐Hω聞Oび﹁縄僧昌
︵26︶ 国Z︼︶6\噂く°ωω劇・鵠ωO讐O目げO﹃ 8﹃噛bO塗§§昌恥03b蹄騎書§§縣Nも偽3b°鮮ω①゜
︵25︶国呂︶0\噌く﹄⑩﹃口゜。竃塁一88﹂︶§§書§b曹ミ§ミ憲ミ”暑゜BO−b。b。S
︵24︶﹀\ρH\男く°置ω9曽O臼。9嬉一89b§§ミ肋§b曹§§ミ鵠§署゜①゜。“。IO°。ω゜
N紅髪h9評眉”°一〇◎一矯N一〇噂NH9直ωωり紐♪呂OuQoNO讐◎o①O僧口α◎Qδ゜
︵23︶き犠麗・疑縄寒8ぎ甚”專§養騎聯遭ぎ§9§ミ縣§§聖爵語さミ画霧”§&響§蜜§$§魯Ωさ黛箪
︵竃080箋ソ竃ミおO°。噂唱゜一〇L8°参照。
㈱
納
鰍
都
鰍
55
56
ωずo胃o昌い゜毛罠凶9。日望罫99°藁斜“乱帖富ぎ§斜 80’”噂゜田−紹゜
︵29︶これらの点に関しては、拙稿﹁非核兵器地帯と安全保障ーラテンアメリカ核兵器禁止条約付属議定書皿の研究ー﹂
﹃法政理論﹄第一二巻第三号︵一九八〇年二月︶一五ニー一五八頁参照。
︵30︶︾\ρく℃<°日99δ寓塁目O$り唱帥冨・o。ω・
︵23︶幻゜幻゜ω口耳m日僧巳”PoΨo一けξ唱・ωS
︵31︶幻謀恩冨首僧roや゜9fロ゜ミ・
︵33︶一Z喝O一閃Q卜。経暢岡o耳§蔓一〇刈。。°なお同様の考えは、すでにNPT第三条第二項に関する一九七四年の八力国の合意に
あらわれている︵H7咽男O一閃︵︸\煙9㊤曽ω ωO娼けO国口げO﹃ HO↓心︶.
︵34︶口閃゜ぎαq嵩ρ、6凶芭q器゜。ohZロ98﹁国図艮o°・すB..讐ρ聞﹂W胃冨ξ︵巴シ藝鑓鴨蕾鞍藍駄き﹁§、ミ§§3
一〇①O℃,。。れ゜同様の考えとして、,﹀・日oロoq︾、、℃0900h三Z口90胃国x巨o・・凶05険.噛蜜踏ミ讐ミ鴨富蔚§越駿§鴨暮鳩くo卜
認℃Z9◎◎りOo8げo﹃お鵠、℃°悼Qo°
︵35︶国曾げo冨ω8乱頴鳩冒゜℃o噂゜9貯゜︾U°αω゜
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二 移譲・受領の禁止
e ML F 構 想
一九六〇年代前半における核兵器不拡散の努力は、NATOの多角的核戦力︵MLF︶をめぐる米ソの対立によ
り妨げられていた。一九六〇年一二月及び一九六二年一二月のNATO閣僚理事会で米国から提案されたMLF構
︵1︶
想は、NATO加盟国間において核兵器の一定の共有を推進しようとするものであった。米国はNATOのMLF
構想と核兵器不拡散との間には全く矛盾がないこと、さらにMLF構想はNATO加盟の非核兵器国への核兵器拡
散を防止するものであると主張したのに対し、ソ連は、MLF構想はNATOの非核兵器国特に西ドイッが核兵器
に接近する可能性を増大するものであると考え、絶対反対の立場を表明した。したがって、NPTに関する実質的
約束し、また各核国は、核兵器を使用する独立の権限をもつ国家及び他の機構の総数の増加をもたらすようないかなる他の行動
本条約の締約国である各核国は、直接に、または軍事同盟を通じて間接に、核兵器を非核国の国家的管理へ移譲しないことを
一九六五年の米国条約案第一条第一項は以下のように規定していた。
反映されていたため、一九六六年後半に胚LF構想が放棄されるまでNPT交渉の実質的進展は見られなかった。
測 交渉が一九六五年から始まり、米ソそれぞれが条約案を提出したが、MlF構想に関する対立がそのまま条約案に
偲
造
構
本
基
ゆ
㈱
納 をもとらないことを約束する。
鰍 また一九六六年の米国修正案第一条第一項及び第三項もほぼ同様に以下のように規定していた。
郷 本条約の締約国である各核兵器国は次のことを約束する。
臓 1、核兵器を非核兵器国の国家的管理へ、または非核兵器国による連合の管理へ移譲しないこと。
3、核兵器の管理をもつ国家及び国家の連合の総数の増加をもたらすようないかなる他の行動をもとらないこと。
他方、一九六五年のソ連条約案第一条第一項は以下のように規定していた。
核兵器を所有する本条約の締約国は、核兵器をいかなる形においてもー直接に、または第三国もしくは国家群を通じて間接
57 にー核兵器を所有していない国家または国家群の所有または管理に移譲しないこと、及びそのような国家または国家群に核兵
駆
器の所有、管理または使用への参加の権利を与えないことを約束する。
これらの提案はそれぞれ第二条において、非核兵器国を義務の主体とし、同様の効果をもつ内容の規定を含んで
いた。
米国はその条約案に関し、﹁条約は、その取決めが現在核兵器を所有している参加国から独立して核兵器を使用
する権限をもつ追加的な機構または団体を創設するのでない限り、NATO内部のM﹂Fのような核取決めの設置
を排除していない﹂と説明したのに対し、ソ連は、﹁核兵器の不拡散に関する条約は包括的でなければならない。
︵2︶
それは核兵器を所有していない国による核兵器へのいかなるアクセスをも禁止しなければならない。その意味は、
直接にすなわち核兵器に対する国家的管理の取得によっても、あるいは間接に軍事同盟を通じてその管理または配
備に参加することによってもーいわゆる多角的核戦力、大西洋核戦力、マクナマラにより提案されたNATO委
︵3︶
員会あるいは他の方法による西ドイッの核兵器へのアクセスを含め1核兵器へのアクセスのためのいかなる可能
性も残されてはならない﹂と、米国の考えを全面的に批判していた。このように一九六五年及び一九六六年におけ
るNPTの交渉は、大部分MLF構想をめぐる米ソの対立に終始し、この問題に結着がつかない限りNPT交渉は
︵4︶
全く進展しない状況であった。
これとの関連でもう一つ問題となるのは、米国条約案は、﹁核兵器を使用する独立の権限をもつ国家及び他の機
構の総数の増加﹂をもたらさないという規定を含んでいたことである。これは、いわゆる﹁ヨーロピアソ・オプシ
ョソ﹂と呼ぼれているもので、将来ヨーロッパが統合の方向に進んだ場合、現在の核兵器国に代ってそのヨーロッ
パ連合が核兵器の使用に関する独立の権限をもつことを想定した規定である。その場合には現在の核兵器国は核兵
器の使用に対する拒否権を放棄し、使用に関する権限はヨーロッパ連合に移される。この点についてもソ連は強く
測
偲
反対したが、条約は最終的にはこの点について何も規定していない。
︵5︶
はなく、﹁承継﹂であると理解している。
⇔ 管理の問題
米国はこの問題は核兵器の管理の﹁移譲﹂で
NPT第一条及び第二条で移譲及び受領が禁止されているのは、核兵器その他の核爆発装置又は﹁その管理
︵8昌珪巳o︿臼ω彪。ゲ司o譜δ5ωo㎏o網且8一おら。訟8°。︶﹂である。ωゲ群9も、﹁第一条及び第二条、さらに特定すれ
︵6︶
ばこの第一の義務︵移譲・受領の禁止︶におけるキー・ワードは管理である﹂と述ぺているように、この﹁管理﹂
という用語はNPT体制において重要な意味をもっている。
欄
いう文言で規定されており、この段階においても主として米国の主張により、核兵器それ自体の移譲・受領の禁止
嬉 一九六一年のアイルランド決議においても、﹁核兵器の管理を移譲せず﹂及び﹁核兵器の管理を受領しない﹂と
儲
︵7︶
納 で は な く 、 ﹁ 核 兵 器 の 管 理﹂の移譲・受領の禁止という形で規定されていた。
徽 米国の一九六五年の条約案及び一九六六年の修正案はともに、核兵器の管理の移譲・受領を禁止していた。そし
㌫ て修正案は第四条において、﹁管理﹂とは、﹁現存の核兵器国により同時に行なわれる決定なしに、核兵器を発射さ
灘 せる権利あるいは能力﹂と定義し、これに関し米国代表は、核兵器国の決定は明示的なものでなければならないこ
と、それは事件と同時に行なわれなければならないこと、それは前もって与えられる一般的な承認という形では存
在しえないこと、さらにこの定義の下においては管理は核兵器を発射させる権利のみならず能力にも関係してくる
ことについて述べ、核兵器国が核兵器の使用に対して拒否権を有している限り、管理の移譲の問題は生じないと説
︵8︶
59 明している。
60 他方一九六五年のソ連条約案は、﹁核兵器を所有していない国家または国家群の所有または管理に移譲しないこ
と﹂と規定し、所有と管理の両方に言及していた。また米国修正案に対しても、﹁︵米国修正案によれぽ︶核兵器を
物理的かつ法的に所有しているが、独立してそれらを使用する権利をもたない国は核兵器国とは考えられない。⋮
︵9︶
⋮したがって米国修正案は現在核兵器を所有していない国による核兵器の法的かつ物理的な所有を許容している﹂
と批判していた。
この管理の問題は、すでに述べたMLF構想とも深くかかわっているし、次に述べる配備の問題とも関連してい
るが、以上の議論から明らかなように、管理の問題は主として核兵器の使用に焦点があてられ、使用を決定する際
の権利と能力に関する概念であった。米国修正案は、核兵器の使用に際して核兵器国が拒否権を維持する限り、非
核兵器国が核兵器の使用その他に関与することを全く排除していないし、米国のMLF構想などではそのような非
核兵器国の関与をさらに深めようとするものであった。他方ソ連は、管理のほかに所有の概念を禁止の対象に明示
的に含めると共に、条約案において、非核兵器国に対し﹁核兵器の所有、管理または使用への参加の権利を与えな
い﹂ことをも規定していた。これは核兵器の所有、管理、使用に関して非核兵器国が何らかの形で関与することを
阻止しようとするもので、米国の立場とは正反対である。特に、ソ連は、米国による管理の解釈について、米国の
拒否権という一点にソ連の運命を委ねることはできないと極めて強い反対を表明していた。
このような議論の後、一九六七年の米ソ同一条約案に示され、後に条約として採択された規定は、米国の主張す
る﹁管理﹂の移譲・受領の禁止のみならず、核兵器それ自体の移譲・受領の禁止をも規定し、ソ連の主張する核兵
器の法的かつ物理的な所有の移譲・受領も禁止されることとなった。この時点においてMLF構想はすでに放棄さ
れており、条約の下における管理の問題は、主として以下に述べる配備の問題との関連で意味をもってくる。
⇔ 配備の問題
核兵器の配備の問題は、核兵器拡散防止問題との関連で一九六〇年前後に議論され、一九六一年、配備をも禁止
の対象とするスウェーデソ決議よりも配備を含めないアイルラソド決議に多くの国が賛成し、この時点において核
兵器不拡散の概念は核兵器の配備を取り扱わないことに一応の合意があった。米国の一九六五年の条約案及び一九
測 六六年の修正案は、当然のことながら配備の問題を取り扱っていなかった。しかしソ連の一九六五年の条約案は、
偲 ﹁核兵器の配備と使用に対する管理﹂を移譲してはならないと規定していた。当時米国はすでに西ヨーロッパに核
うな禁止は、ダブルキi・システムの下におけるNATOの現存の取決めの放棄を強制していたであろう。した
国の領域に配備するための現存の取決めを禁止するように思えた﹂と述べているし、bd‘ヨ゜。も、﹁もちろんそのよ
造
構 兵器を配備していたが、切巨ロは、﹁一九六五年のソ連条約案は、米国がその保管と管理の下にある核兵器を同盟
本
基 ︵10︶
ゆ
備
また配備と移譲の間には緊密な関係が存在しており、たとえばルーマニアは、,﹁核兵器を配備させている非核兵
されるべきである﹂と述べていた。
︵13︶
止する意思があるならば、この条約を署名する非核兵器国のいかなる地域も自動的に核兵器の存在しないところと
題である。このぬけ穴は条約規定の悪用と言い逃れへと導くかも知れない。もし非核兵器国への核兵器の拡散を停
︵11︶
納 がってそれは西側には受諾できなかった﹂と説明しているように、ソ連条約案は核兵器の配備をも規律の対象に含
鰍 め る も の で あ る と 理 解 さ れ て い︵た1。2︶
都 また多くの非同盟諸国は、条約は核兵器の配備をも禁止すべきであるという見解を表明した。たとえぽウガソダ
灘 は、﹁条約が見落しているもう一つの点は、条約当事国である非核兵器国内への核兵器国による核兵器の配備の問
61
ることにより、核兵器に接近するようになりそれらを所有したり管理を取得するようになるかも知れないが、それ
62 器国の軍隊は、核兵器及びその運搬手段の使用方法を学ぶためそれぞれの核兵器国の軍隊との共同の訓練に参加す
︵14︶
を防ぐどのような保証があるのか﹂と疑問を呈している。
しかしNPTは、核兵器国が核兵器の管理を移譲しない限り、核兵器を非核兵器国の領域に配備することを禁止
していない。これは、一九五〇年代後半以降米国の核兵器が西ヨーロッパのNATO諸国に配備されている現実を
反映しており、一九六〇年前後の議論においても米国は核兵器の管理の移譲・受領の禁止という形式を主張し、管
理を維持している限りたとえ配備されてもそれは核兵器の拡散にはならないと繰り返し主張していたことと一致す
る。米国は、条約が同盟国の領域内の核兵器の配備のための取決めを取り扱っていない理由として、﹁なぜな
ら、これらは戦争を始める決定がなされない限りまたはなされるまでーその時にはこの条約はもはや有効ではな
いだろう1核兵器あるいはその管理の移譲を含まないからである﹂と説明している。
︵15︶
核兵器国の管理の下にある核兵器を配備させている非核兵器国がその核兵器の使用に際して拒否権をもつ場合、
いわゆるダブルキー・システムの場合は、NPTの下で禁止されている核兵器の管理の移譲・受領にならないのか
という問題については、これは核兵器の使用を拒否する追加的な保証であり、条約により禁止されているとは考え
られていない。
︵16︶
ラテソアメリカ諸国が一九六七年に作成したトラテロルコ条約は、NPTが取り扱っている核兵器不拡散の措置
に加えて、核兵器の配備をも規律の対象に含んでいる。したがってトラテロルコ条約の体制は、核兵器不拡散の概
︵17︶
念ではなく非核兵器地帯の概念でとらえられるものである。
一九七五年の第一回NPT再検討会議において、ガーナ、ネパール、ナイジェリア、ルーマニア、ユーゴスラヴ
イアの五国は、ω条約当事者である核兵器国に対し、すべての核兵器運搬システム、特に戦術核兵器を条約当事国
である非核兵器国の領域から撤退させる条約の交渉を始めるよう要請し、②そのような配備を即時停止し、同時に
条約発効まで徐々にそれらを撤退させることを要請し、③核兵器を配備させている条約当事国である非核兵器国に
対し、条約当事国である他の非核兵器国に対するそれらの使用もしくは使用の威嚇を許さないよう要請する決難
を提出したが、最終宣言には全く反映されなかった。
核不拡散という目的に反するという見解が表明された。さらに、Oo匡匡9。けは、﹁核兵器国の領域に配備された核兵
潟 一九八〇年の第二回NPT再検討会議においても、非核兵器国の領域及び国際水域への核兵器の配備は、条約の
偲 ︵19︶
造
約
輔 器は、現在非核兵器国の管理の下にはないが、厳しい国際危機の際に突然持ち主が変わることもありうるだろ論︶
嗜 と述べ、核兵器の配備が核兵器の移転の危険をはらんでいることを指摘している。したがって核兵器の配備の問題
㈱ は、核兵器不拡散の概念には含まれないとしても、核兵器不拡散の達成のためにも極めて重要な措置であり、非核
はイソドがすでに一九六一年に指摘しているところである。すなわち核兵器及び核技術はそれが一核兵器国から他
非核兵器国の間の関係においてのみ考慮されるべきではなく、核兵器国自身の間でも考慮されるべきである。これ
核兵器国に核兵器を移譲することは禁止されない。イソドはこれに関し、﹁兵器及び兵器技術の移譲は核兵器国と
案においては、﹁核兵器国から非核兵器国へ﹂という様式で理解されていた。この様式によれば、核兵器国が他の
核兵器の移譲及び受領の禁止は、アイルランド決議、一九六五年の米国とソ連の条約案、一九六六年の米国修正
瞭 兵器地帯の概念として国際条約により規律されていくことが期待される。
砿 ⑳ 禁止の範囲
賭
核
63
︵21︶
64の核兵器国への移譲を含むときでさえ禁止されるべきである﹂と主張し、他のいくらかの国も同様の主張を行なっ
たため、一九六七年の米ソ同一条約案ではそれも禁止の範囲に含められた。すなわち条約は、締約国である核兵器
国から﹁いかなる者︵碧矯器9嘗。暮≦冨房oo︿霞︶﹂への移譲を禁止し、締約国である非核兵器国が﹁いかなる者
︵。昌茸9。器︷賃臼毛冨畠8︿oH︶﹂から受領することをも禁止している。したがって前者の場合、受領国は非核兵器
国である必要はないし、締約国である必要もない。後者の場合も、移譲国は締約国である必要はない。
条約がこのように移譲・受領の禁止の範囲を極めて広汎に規定しているので、核兵器国相互間での移譲.受領が
禁止されるのはもちろんであるが、たとえば将来かなり強力な国連軍が成立したとしてもそれに核兵器を移譲する
ことは禁止されているし、第五条との関連で平和目的核爆発を行なう場合にIAEAに核爆発装置を移譲すること
も禁止されている。
アラブ連合は、第一条における決定的かつ実際的な重要なぬけ穴をふさぐために、まず、﹁いかなる者に対して
も﹂の後に﹁いかなる形式においても﹂という文言を挿入すること、次に、第一条の末尾に、﹁各核兵器国は、そ
の管轄に服しかつ核活動に従事しているいかなる私人、会社、企業、私的、公的、半公的団体もこの条項で禁止さ
れている行為に参加しないことを確保するための適切な措置をとることを約束する﹂という新しい条項を追加する
ことを提案し楡︶この提案に対し・ソ連は・﹁実際上・現在の形におけるこれらの条項はあらゆる形式における核
兵器拡散のすべての道すじを閉ざしている。すなわちこれらはアラブ連合が提出した修正の目的を充たしているの
であ訟︶と反論し・米国敵﹁﹃いかなる形式においても﹄というような文言の追加は・すでに何らのぬけ穴も残し
ていないこの条項を強化するものではない。⋮⋮核兵器に関する任務を管理し続けており、これからも管理し続け
るのは私企業や私人ではなく政府である。したがって我々が条約において取り扱わなければならないのは政府の行
沢
︵黒
造
檎
本
基
ゆ
約
㈱
験
砿
賭
核
65
︵24︶
為である﹂と述べ修正案を拒否したため、.・この修正案は採用されなかったが、アラブ連合の趣旨は条約規定の中に
読みとることができるであろうし、条約の国内的実施により確保されていくであろう。
︵1︶NPT交渉とMLF構想に尉しては、≦°切゜ゆ巴oひ.、Z賃9雷﹃箋o弓8ωω冨ユ昌oq磐ユ・9000﹁ヨ暫ロ℃3亘o日§りさ
§越讐︿O一゜心心触ZO°卓一ロ馨HOΦ9矯唱邑OOω1刈09嚇﹀°ロ傷﹃σゆO麟ロ楠﹃ρ儀い臼︾ずOωず”ユ昌oq Oh冥鐸6一〇帥吋幻①oり℃O昌ω一げ一嵩二〇ω”b
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O刈傷噛ロ”°Hω1 ◎o°⋮<°◎D﹃OooけO︿℃、、207臼O﹁OZロO一〇曽q℃O箋O﹃o陰”OO500﹁且凝けげO ZOロ・℃﹃O一詫0﹃暮凶O昌Oh Z
白O帥娼O昌曳鰯ご縣§識§ミ§馬喬 ︵言0060≦︶︾<O一゜一920°一一噂20︿OヨげO噌 りΦ♪弓”°NOIω幽゜い匂Oげ昌ω凶一”﹃鼻、傷日﹂ゴO
一≦巳二一帥什O﹃巴周O目O∵月ずOO”加0︾oq巴昌曾噂糟り聖軸ミ慧ミ妹富養O§魯聖§曹謝り︿O一゜顔噂乞ρSωO弓けOB9﹁Hり①畠讐も娼゜
一〇〇ート∂O°⋮b号Φ二d<O巨曾簿け①さ゜、儀2露6一〇”見ロDゴ帥怯”oq∴Z︾↓O口昌◎けげφ2十HOOロ算桟℃国養§噺δ矯くO一゜ωO層乞O°ω糟
﹀”二一一〇① ℃b”°ω001ωoo刈゜⋮冒﹃9乞ヨ﹀°ooずm犀Oびぎ﹀ミ§、き3・ミ妻8。旨 謬“O産3ミ蔓嚢ミず嵩
66
送亀−憲遷層這◎。9署゜嵩Ol一◎。㊤゜参照。
︵2︶日ZUQ℃<﹄°。°。℃ωH>ロoqロ暮μ8摯b§§§む§bぎ§“§§軸量舞℃°ω①劇・
︵3︶dO\℃︿°8℃b。冒昌oご象鰯ぎ§遷謎§b嘗、§貸§§鴨嵐§勲眉゜卜。卜。卜。°同様の見解として、﹀、O・く℃<・昌襲魍μ◎。
ε09二8α”b§§婁§宴“§§ミ﹂§もサ゜ミ⊥刈ω゜
︵4︶これらの点に関しては、宅筥貯目団oω8び、.菊す犀ωoh2自90費℃﹃oまo﹃9ざロ“Zo毛U一器o口o昌ωぎ﹀﹁ヨo。Ooロ葺o
暫口畠︼︶一ω麟§”日O口け“層茎§噛篭℃<O一゜継ω層20°心曽ロロ一矯 り①窃””°O㊤O°馴国゜ピ゜竃゜ゆロコロ亀o噛、、a﹃ずO ZO昌℃﹃O嵩hO吋帥銘O口
目吋O僧け団”犀㎝ZOoqOけ凶麟け凶O口ω①昌ユ℃﹁Ooo℃①Qけ残脚糟ぎ鴨§蓬O錯爲旨軌襲§り︿O一゜××一一一リリ咽O°凸噂﹀儲け口目昌一〇①O︾ ”・刈OH°⋮
dく一一躍9◎旨 ︼W° 切帥α05 罫 q蕊馬& 魯馬跨 尉ミ 鴨ぽ 憩ミ ミ 壽、 壽特O諺℃一り①oo燭噂弓゜窃りIl①◎°嚇︵︸0吋げ曽﹁鳥 ≦Oけけ一〇q︾
、儀ω〇二㊦け℃O一一〇団O昌紳ゴ020昌唱﹁O一窪O﹁9二〇昌 Oh Z鐸O一〇帥﹁ d﹃Om唱O昌oo騨Hり⑦①1一㊤①◎◎℃.り◎き静讐くO一゜×一一︾ ZO°劇噂類坤目けΦひμりΦO層
弓口゜ OOo◎−一〇鐙嘘 恥璃O帥0﹃一ヨ mδげロ一却 嶋、 ZO昌・℃﹁O一凶hO3自O昌 Oh Z口O一〇”﹁ dくO僧”O口ω ”昌ユ 一昌けO﹃昌9◎二〇昌”一 ド”菟糟 Q9§3
OO昌梓擁O憶︾ぎ鴨ミミ帖智ミ軸§醐携 ︵ピO昌αO昌︶”︿O一゜心ド7﹁O°心℃◎6けOびO﹃ O①①層冒”。①○◎1①Oc◎・⋮<°ωげOωけO︿℃、、20り肖O﹁O
㌔ご彗 聖馬ミ℃<O一゜9 ]ZO。ω噛 O①9 ”◎° co刈1 O刈゜⋮一99ロ 切﹃O善一凶O噛、儀Z信90”﹁℃﹁O一詫O﹁帥二〇昌”ωO昌回O℃﹁Oげ冨日㎝ O
]Z口O一〇餌﹃℃O毛O吋曳℃§鴨馬ミ謹§軌凌︵︼≦OωOO≦yZO︿Oヨげ①﹃ り①ら︾”U°卜∂りー恕゜⋮d︿剛=凶国目 国゜一︵一昌酔口Oさ、儀﹀ 幻On9噂・
唱﹃麟凶ω9一 〇h け置O ℃﹁O噂◎ω①ユ ZO口・男円O嵩hO﹁帥二〇口 ↓﹁O”け団讐.層Qきむ讐くO一゜図り]ZO・ピω弓ユ昌oq HO①9 噂”° 鵠1 窃μ゜⋮ 7一国ωO昌
類昌一ユ03讐、価↓﹃O 聞属け口﹁O Oh 乞口O一Φ薗﹁ 類O帥冒6昌o自 OO口け①凶口hロO昌⇔U℃蚕§O§蔑謬窪”﹂くOド劇憶煽ZO°劇騨LP口け口目昌
這8もΨお刈ー9 °参照。
︵5︶国§ユξ留§§コhω§。閑曇8ぎ2.畠8け,喜§:三92。貴。旨h。糞喜目§ヨト。旨昌ま。。u
皇§慧ミ偽 § b 蓉 § “ § ミ ﹂ ε ゜ 。 り ” ° お ゜ 。 .
︵6︶寓o冨目巴Hω9寄ぴ§ミ‘”°卜。 戯゜
︵7︶この点に関する議論については、拙稿﹁核兵器不拡散条約体制の起源﹂﹃法政理論﹄第一五巻第三号︵一九八三年三月︶
黙
創
輔
磁
㈱
納
鰍
郷
徽
、67
二四−二六、三八−三九頁参照。
︵8︶国2UO\℃<°悼8’爲7置旨げμ08”b9§§§冴§碧§§§§鴨遷亀噛唱”°一〇卜δ”昌畠一8°
︵9︶国ZUO弟く°N紹燭B竃葭9μ§﹁b§§§貸o鵠b葱§蕊§§蛉旨霞”署゜ミ゜。ー旨O°
︵10︶ OoO月ひqo切βロP、.↓ずoZロ6冨9自吋℃3嵩h臼帥焦O昌日﹃o鉾塊層ミ謝8蓬醤冒§㌘§§<9°①◎◎︾Zo°ω鳩 O$’O°刈刈◎o°
︵11︶ 国゜ド゜剛∼°切僧婦昌oo”o℃°o凶∼も゜刈Oμ゜
︵12︶もっともω訂寄吋は、条約が核兵器の配備の問題を取り扱っていないし、以前の条約案のいずれも配備を禁止していな
かったと解釈している︵り高Oげ曽ヨO畠 一゜ω30昇O﹃魍魯゜鉱帖゜℃や゜N幽O°︶。 ,
︵13︶﹀\ρμ、男く°一§りμω竃塁一霧℃冨話゜お・同様の見解として、インド︵国ZUO、℃<・ω恕曽鱒。。留導o目9﹁μ8S
b§§§捷§b誓§蕊§§馬量ミ.弓゜凸$馴国乞UO萄<°ω刈9ミ閏oげ﹃岳蔓 O①゜。鳩宴簑§§融§皇器3§越§覧﹂竃゜。り”°
ド嚇﹀、O°く℃︿°一9刈讐 幽︼≦m団 O鵠嘘”薗﹁僧゜一嶺゜︶、ユーゴスラヴィア︵﹀、O°一\℃<° ω①ピ鵠0090げO﹁一雷伊””﹁暫゜
b⇒朝゜︶、メキシコ爲Zd6、憎︿°トの¶♪NooO露oσo﹃旨8嫡”唱゜δーコ゜︶、アルジェリア︵﹀\ρ一、℃<° α刈 °8竃90団回塞層
冨冨゜Φ゜。°︶などがある。
︵14︶国ZUO\り<°ω①ド①局o耳岳蔓 8。。℃b§§謬§bぎ達貸§ミh§。。も弓゜鍵1ω9
O旨b幅竃蓑§§殊h鳴“Q◎””°直刈刈゜
︵15︶図o冒o旨げ団ω8希富筒ohω富9幻昌qo尻8憎話㎝筍o暮匂oげ昌8昌o口︸020ロ岡oま臼暮ざ昌↓話舞ざN︸ロ一矯 §°bo簑§§
卜
︵16︶Ooo噌賠切目昌P、、出oユNo夏臼自一℃3ま窪9凶o昌ohZ蝿90母≦㎡騨◎言ロ免噂燭田昌ロ9切oω評o矯”謬自言9●8昌≦、崔ユo﹃︵o畠
>ぎミ、≧養智8“ぎ特ミ雛愚ミ9§算ミ℃お謹層”°恕゜⋮言oずρヨoユ一゜ωず僧冒oび魯゜翫計”°謹ω゜
︵17︶これらの二つの概念に関しては、拙稿﹁核兵器不拡散および非核兵器地帯の法的概念﹂﹃法政理論﹄第一三巻第三号︵一
九八一年三月︶一五六lU八二頁参照。
︵18︶Z男↓\OO2国\ρH、ピ゜一噂8寓勢罵 QN窃゜
肥
一匹
︵19︶き託蚤§ミ§§赫§職暑§罷§轟“舅肉ぎ憲§鵠。。ト署゜§僧巳恕9
︵20︶臼。N。hO。冠げ巨u.、冒℃冠§8け豊89︸。Z8・津。属。3二8↓掃讐きω弓田しぎ§憶馬認§“ミき警ミミ實特§
︵21︶伺玄UO\勺く°卜δO㌍δ竃ミ”り8讐b§§§舞§暮“§§§§鴨量§輸冒゜鵠ω・’
㌔ざN欝達議 § ℃ H O δ り ” ° ω 恕 ゜
︵22︶国2θ0、HO3毬ωo算o見逼 O①ゴ塑§亀§蹄§b塗§養§§肺送ミニy餌淺゜ −
︵23︶国2UO萄く°器9ミぽげ議蛸昌 り爵b§§§む§bぎ§ミミミNε。。二yH§
︵24︶国2bO\℃<°ωδ﹁爲周oげ旨ξμ8◎。りbo鍵§§な§暑℃§§鱒§縣﹂箋Q。噂恩゜Hミ゜
三製造の禁止
e 製造の意味
核兵器不拡散の概念が非核兵器国による核兵器の製造の禁止を含むことは当然であり、原子力平和利用に関する
非核兵器国の情報が増大し技術が進展するにつれて、その重要性がますます認識されるようになっている。一九六
一年のアイルラソド決議、米国の一九六五年条約案と一九六六年修正案、及び一九六五年のソ連条約案はそれぞれ
︵1︶
非核兵器国による核兵器製造の禁止を含んでいた。ソ連条約案はさらに核兵器の製造の準備の禁止をも規定してい
ェーデソは、﹁核兵器の開発の道をできるだけ早くブロックすることが重要であるととに我々はみんな合意しう
た。したがって核兵器の製造及びその準備に関しどの時点で禁止すべきかの問題が生じていた。これに関してスウ
測
偲
基
る。しかし我々が直面しているのは、多くの段をもつ長いはしごであることを知るべきであり、実際の問題はこれ
らのどこに国際的なブロッキングを導入するのが合理的であり可能であるかということであ呑。⋮⋮製造の最終的
行為だけを禁止するのは、これらの長い一連の決定の中で遅すぎるように思える。他方、政治家の予備的考えや科
規律が最も決定的に焦点を合わされるべき中間的なリソクは見い出されないだろうか﹂と、製造のどの時点で国際
学者の実験室での研究をその証拠であるとするのは、好ましくない干渉だと考えられるので、困難である。禁止の
︵2︶
的規律を持ち込むかにつかて中間的なものを示唆していた。
造 しかし、条約は核兵器その他の核爆発装置の製造を禁止しているのみであり、芝籠H凶島が、﹁歴史的背景と共に、
構
本
これら︵製造の準備︶が削除されたことからして、少なくとも条約第二条の下において、非核兵器国は核兵器の研
ゆ 究開発の仕事の大部分を含め、実際の製造にいたらない﹃長いはしご段﹄をもつこれらの活動の多くに従事する自
︵3︶
㈱由
をたぶん保持しているように思える﹂と述べているように、製造にいたる一連の長い過程の最終段階のみが禁止
条の違反とはならないと考えていると述べた。
︵5︶
縮、分裂性物質の貯蔵、プルトニウム燃料の動力炉、高速増進炉などは、第三条の保障措置の下にある限り、第二
米国はこれに対し、今包括的な定義や解釈を作成することは不可能であるが、いくつかの例として、ウランの濃
る場倉は、これらのζセスを含んでいない・スイス当局はこれらの解釈が公式に確認されることを望俺
ラン鉱床の採掘、ウランの濃縮、核燃料からのプルトニウムめ抽出あるいは燃料要素や重水の製造が平和目的のために行なわれ
納 されていると解釈される。
徽 この点に関しスイスは以下のような覚書を提出した。
郷 ﹁核兵器その他の核爆発装置を製造せず又はその他の方法によって取得しない﹂という句は、スイス当局の解釈によれば、ウ
瀕
69
⑳ このように条約が署名された時点においては、核兵器の製造という最終段階のみが禁止され、それに至らない多
くの活動は禁止されていないと解釈されていた。核兵器不拡散問題の初期の議論においては、島。・8日ぼ毘o口とい
う語が用いられていたように、その中心は移譲・受領の禁止であった。しかし原子力平和利用の分野における発展
が著しい現在においては、NPT体制の中心はこの製造の禁止にあると言ってよい。核兵器のための核技術と原子
力平和利用のための核技術は極めて似かよっており、多くの場合には同じ技術が用いられる。
一九七〇年代中期以降のNPT体制の新しい展開として、この製造の禁止に関する新しい動きが見られる。すな
わち、ウラソ及びプルトニゥムは核兵器にたやすく転用されるものであるから、非核兵器国が高濃縮のウラソ及び
プルトニゥムを入手できないようにしようとするものである。たとえば一五国よりなるロソドソ核供給国クラブの
ガイドライソは、ウラソ濃縮及びプルトニウムの再処理の施設の輸出を抑制するよう勧告しているし、米国等はた
︵6 ︶
とえ平和利用であっても、それらの施設の輸出を禁止している。したがって、最近の動向は、製造の禁止のみなら
ず、製造の可能性をもつ技術的手段の移譲の禁止にまで拡大されているのである。
⇔ 核兵器国による製造
核兵器不拡散という考えは、一九六〇年代前後のその起源の時期においても、新しい核兵器国の出現を防止しよ
うとするものであり、非核兵器国が核兵器を取得するのを防止するためのものであって、すでに核兵器国である国
の核軍備に関わるものではなかった。核兵器国はその核兵器を非核兵器国に移譲しないという面でのみ核兵器不拡
散と関わってくるのであった。したがって一九六一年のアイルラソド決議、米国の一九六五年条約案と一九六六年
修正案、ソ連の一九六五年条約案も、核兵器国による製造に関しては何ら規定していなかつた。
しかしこのようなアプローチは非核兵器国のみに一方的に義務を課すものであり、核兵器国のすでに所有する核
兵器及び将来における一層の開発に関しては何らの規制をも含んでいないため、多くの非核兵器国は、核兵器不拡
散と核軍縮との結合を求めた。NPTの交渉中において、この点を最も積極的に主張したのはインドとスウェーデ
ソであった。
イソドは、﹁我々は一層の拡散の防止のみならず、現在の拡散の逆行をも望んでいる。⋮⋮現在の核兵器国がそ
ラムを永久に放棄するよう求めるのは非現実的であることは、総会の多くの代表により指摘されている﹂と述べ、
測 の恐るべき軍備を維持し続け、さらに新しい国が核プログラムに乗り出す時に、諸国家に対し核兵器生産のプログ
偲 ︵7︶
包括的核実験禁止条約、核兵器及び運搬手段の生産の完全な凍結及び現存の貯蔵の大幅な削減を含む軍縮に向けて
欄
嬉 の具体的進展が、核兵器不拡散とともになされるべきことを主張している。特に、インドは拡散︵隅巳瀞尽二〇ロ︶
㈱兵と器い国うが用新語しをく、核現兵実器のを政取治得的すなる文こ脈とのと中共ににお、いすてででには核な兵く器、国そでのあ用る語国がのも中つに意お味い自て体核か兵ら器解が釈さしら、にそ増の大意し味てはい非く核
核
他方、スウェーデソは、核兵器不拡散の措置と共に、包括的核実験禁止及び軍事用分裂性物質の生産停止の措置
︵9︶
を同時にとるべきであると主張した。これは、非核兵器国が核兵器を所有していない現状を凍結すると共に、核兵
ス﹂という側面からも、イソドにより強く主張されていた。
点は、NPT交渉の際の基本原則として総会決議の中で採択されている﹁核兵器国と非核兵器国の義務のパラソ
兵器を開発・製造することであり、垂直的不拡散の中心的内容は、核兵器国による核兵器の生産停止である。この
拡散という形で対比される。ここでイソドにより主張されている垂直的拡散の具体的内容は、核兵器国がさらに核
︵8︶
ことをも含むと主張した。インドによれば、両者とも拡散という用語で包含され、その内容は水平的拡散と垂直的
蹴
購
71
O
器国の核開発も質的及び量的に現状で凍結しようとするものであり、軍事用分裂性物質の生産停止は、核兵器の製
72
︵10︶
造停止の措置となっている。このように多くの非核兵器国は、核兵器の製造をも禁止するよう主張したけれども、
米ソ両国の受け入れるところとはならず、核軍縮に関する問題は条約第六条により規律されることとなった。
核兵器国による核兵器の生産禁止という問題は、核兵器不拡散という概念には含まれなかったのであるが、核兵
器国と非核兵器国の義務のバランスという観点あるいは現状維持という側面から考えるならば、それをも含めるこ
とが合理的であると考えられる。すなわち一九六三年の部分的核実験禁止条約は、技術的には非核兵器国による地
下核実験は困難であったが、一定の核実験禁止の義務はすべての国1すでに核爆発を行なっていると否とにかか
わらずーに同様に課せられていた。その意味で核兵器の製造禁止という義務がすぺての国−核兵器国であるか
非核兵器国であるかに関わりなくーに課せられることに一定の合理性は存在していた。しかし実際の規定は、新
しい核兵器国の出現防止という観点から作成されたため、非核兵器国は核兵器の製造を禁止されるのに対し、核兵
器国はその製造に関して何らの規制も受けないという制度が成立したのである。
︵1︶ソ連条約案はさらに、﹁その領域においてもしくは他国の領域において、独立してもしくは他国と共同して﹂という文言
ていたものと考えられる。この議定書に関しては、,竃9。ωoロ毛崔ユo貫、、窯o曾O霞ヨ鎖。昌純q・コ巴oqo298竃p昌信鼠9霞o
を含んでいたが、これは一九五四年の議定書により領域内での核兵器の製造の禁止を引ぎ受けている西ドイッを念頭に置い
Z唱o冨巽≦8弓8吹.”蕊喧.旨智嘗§ミミ§帖§ミ§ミ軸卜恥§<9°8Zo°一boooヨげo﹃ 08魎智゜Oドーh8.参照。
︵2︶国Z︼︶O、剛く°卜⊃おu卜a高団09冨昌お09b9§§§蹄§b葱ミ嚢N蕊3℃・OO°
︵3︶竃”8昌≦ま。F﹂︿ぎ’聖蚤誉ミ§↓冨昌“㌔ざ§§。暮㌔ミき窺§、︾§恥O§ミトH80も・o悼・
︵4︶国ZUO\§﹄戯20︿。ヨ9﹃μ88宴簑§ミ恥§b葱§蕊§§こもミも・0認・ −
︵黒
沢
造
構
本
︵5︶ω鼻。ヨ。暮ξ>6u>匂冨。8﹁閏。。・8二〇9。留冨8閃。﹃。貫昌閑色&§ωO。導葺§。”Zo弓琶凶臣魯畏9↓据,。けざ
一〇甘ξ一8◎◎鰯b§§§冴§b馬實§蕊§§こまQoも冒゜8ω18轟゜
︵6︶毫男O蜀O\卜。翠聞。げ歪鋤蔓お刈゜。°
︵7︶UO\℃<°録蒔竃塁目89b§§§誌§bぎ§蕊§ミN蓬噺ら﹄ミ゜
︵8︶<・P日二くa㌍.、︿oao巴くo﹁。・器口oユ8口9一℃3嵩ho6二〇昌“﹀昌ぎ島ρロ≦o罵燭冒Bo°・国゜Uo僧oq冨冨団鋤昌α臼゜吋゜
Hoゴ日国P冒噂︵oO㎝゜y﹄§物9ミミ尋、§馬トミ恥簗蓬轟一〇①8.窓゜μ8−8ω゜参照。
︵9︶一︶O\§HO竃ミH89b。農§§殊恥§b葱§§§§こ箋軌も゜嵩9
︵10︶ウガンダ︵︾\ρく℃︿°一89hω寓即網這①◎。噛喝舞帥9鼻boー&°︶、インド︵﹀、ρぐ勺<°H♂評窓︼≦m団H8c。噂冨﹃即自・°μ8ー
=9︶、ダホメ︵﹂P\︵γ H、℃︿° 一α①oQ噸 一α 7臼9団 一㊤OQou噂P﹁餌ω゜ ㊤鮮1一〇心゜︶、ザンビア︵跨\ρく℃<°δ刈炉悼鱒︼≦蝉繁μ8Qo輸ロ母P
㊤・︶、シエラレオネ︵﹀、O°く喝く°H零卜∂℃卜。卜⊃]≦9。団μ80。愉℃僧﹃9ω゜δOー ⑪Q。°︶、ヨルダン︵︾\ρく℃<° αお噂boω竃層矯目㊤OQ◎”
基
ゆ
℃曽墨・①ω・︶、パナマ︵﹀\O・H\℃<・Hα刈9卜ΩcQ︼≦99団一8Qo、召﹃9お゜︶。 ・
卜
もしべはその他の方法による取得又は核兵器その他の核爆発装置の管理の取得につきいかなる非核兵器国に対して
る上で当然のことであった。NPT第一条は、﹁締約国である各核兵器国は⋮⋮核兵器その他の核爆発装置の製造
NPTが、移譲・受領の禁止及び製造の禁止の外に、援助の禁止を含めたのは、核兵器不拡散の実効性を確保す
e 核兵器国から非核兵器国への援助
四援助の禁止
齢
納
鰍
跡
徽
73
⋮核兵器その他の核爆発装置の製造についていかなる援助をも求めず又は受けないことを約束する﹂と規定してい
74 も何ら援助、奨励又は勧誘を行なわないことを約束する﹂と規定し、第二条は、﹁締約国である各非核兵器国は⋮
る。第二条の場合には援助供与国は核兵器国に限定されていないけれども、このような規定の仕方は、NPT体制
の中心的概念である核兵器国と非核兵器国の対立を明確にしており、基本的には前者から後者への援助の禁止が規
定されていると言ってよい。このことは新しい核兵器国の出現の防止という核兵器不拡散の理念と一致するもので
ある。
援助に関する事項として、条約は主として製造を対象としているが、一九六五年のソ連条約案及び一九六六年の
米国修正案は、核兵器の製造、製造の準備もしくは実験における援助をも禁止の対象としており、ソ連条約案はさ
らに核兵器の製造又は使用のために利用しうるあらゆる種類の製造、研究その他に関する情報や資料を与えること
も禁止していた。しかし実験は製造の後に行なわれる行為であるし、援助に関して言えぽ製造も製造の準備も程度
に若干の差があるだけで実質的には差異がないと言える。また条約によれぽ、非核兵器国による製造は禁止されて
いるが、製造の準備は禁止されていない。
第一条及び第二条の援助の禁止と最も深く関連してくるのは、第四条における原子力平和利用のための援助の問
題である。≦﹁一一窪島が、﹁ほとんどすべての種類の国際的核援助は、潜在的に核兵器プログラムに有益である。実
際ほとんどの核活動は客観的には中立である。もし第一条と第二条のみが適用されるならば、非核兵器国の受領す
るあらゆる援助は禁止された活動の中に入ると主観的に評価されるであろう。幸いにも、第三条で要求されている
ように、非核兵器国へのすべての平和的核援助に対する保障措置の適用が、ほとんどの国際的核活動の平和的目的
︵1︶
を立証し明確にする手段を提供している﹂と述べているように、平和的核活動と核兵器に関する活動とを技術的に
区別することが困難な場合もあり、原子力平和利用の促進とNPTの強化という二つの理念の対立が、条約成立後
の最大の課題となっている。
核兵器国から非核兵器国への援助に関して区別されなければならないのは、非核兵器国がNPT当事国であるか
否かという点である。非核兵器国がNPT当事国である場合には、その国は核兵器不拡散の法理を受け入れてお
り、第三条第一項にょりその国のすべての平和的原子力活動に保障措置が適用されるわけであるから、原子力平和
我が代表は、第一条は以下のように意味すると解釈する。知識、物質、設備を供給することによる援助は、そのような援助が
に述べている。
濁 利用に関する援助が第四条の規定に従って与えられるべきである。このような考えにそってオランダは以下のよう
偲
基
造
構
本
ゆ 核兵器その他の核爆発装置の製造に用いられることが明白に立証されるまで拒否されない。いいかえれば条約当事国である受領
㈱ 国が第三条の規定に従っている場合には、すべて与えられた援助は核兵器その他の核爆発装置に用いられていないという明白な
締約国である核兵器国から他の核兵器国への援助は、条約上禁止されていない。核兵器国から核兵器国への核兵
⇔ 核兵器国から核兵器国への援助
ない。
︵2︶
推定があるものとする。
納 鰍 しかし、NPT当事国でない非核兵器国への援助に関しては、第三条第二項により移転されたものに保障措置が
都 適用されるとしても、保障措置が適用されない核活動が存在することもあるし、さらに重要なことにNPT非当事
瀕 国は核兵器不拡散の法理を受け入れていないのであるから、NPT当事国への援助と同様に取り扱われるべきでは
75
お
器の移譲の禁止は、米国及びソ連の条約案には含まれていなかったがその後条約に取り入れられたことはすでに述
べたが、この援助に関しては条約案でも禁止されず、条約でも禁止されなかった。これは主として、米国と英国と
の間の協力関係の維持という具体的問題に即して条約が作成されたためである。
この側面が禁止されていないことを多くの国が批判したが、イソドは、﹁米ソ条約案の第一条はもう一つのぬけ
穴をもつ。⋮⋮それは、他の核兵器国が核兵器を製造し、取得しもしくは管理するのをある核兵器国が援助し、奨
︵3︶
励し、勧誘することができることを意味するのだろうか。このようなことは決して許容されるべきではない﹂と主
張していた。日本はこの点に関し、﹁この制限の欠除は、核兵器国が核兵器の製造またはその他の取得のためお互
いに援助し、奨励し、勧誘することの黙示的な認可と考えられるべきではない。この制限の欠除から核兵器国が利
︵4︶
益を得ないことを期待する。核兵器国によるそのような自制は、条約案め精神と一致するであろう﹂との希望を表
明している。
︵5︶
ω冨犀角が、﹁実際、ある核兵器国から他の核兵器国への援助は、核兵器の垂直的拡散に貢献する﹂と結論的に述
べているように、いわゆる﹁垂直的拡散﹂という側面から考えれば、この点も禁止されるべきであったと考えられ
るが、NPTの法的概念はいわゆる﹁垂直的不拡散﹂を含んでいないのであるから、新しい核兵器国の出現防止及
び核兵器国と非核兵器国の分離という側面から考えるならば、直接の規律の対象とはならない。しかし、一般に考
えられているように、NPTを将来の核軍縮に向けての第一歩であると把握し、NPTを核軍縮の展望の中に位置
づけるならば、この点も禁止されるべきであっただろう。
一九七五年の第一回NPT再検討会議においても、日本は、核兵器国間の援助は禁止されていないがお互いに慎
しむべきであると主張しているし、一九八〇年の第二回NPT再検討会議においても、エジプトは、この点が条約
︵6︶
︵7︶
のぬけ穴になっていると述べている。
同様に核兵器国に対する援助として、非核兵器国からのものがあるが、これも条約では禁止されていない。後に
述べるように、締約国である非核兵器国からの援助は、一九六五の米国条約案及び一九六六年の米国修正案では禁
止されていた。非核兵器国から核兵器国への援助は、一見問題が存在しないように考えられるが、非核兵器国の中
にはウラソ生産国が含まれているし、原子力平和利用の分野において極めて高い水準に達している国もある。この
⇔ 非核兵器国から非核兵器国への援助
の核兵器開発が促進されるという点において、核軍縮の論理とは矛盾するものである。
潟 側面も、上述の側面と同様であり、NPTの概念それ自体には矛盾するものではないが、この援助にょり核兵器国
偲
造
構
本
基
ゆ
㈱ 核兵器その他の核爆発装置の製造に関する非核兵器国から非核兵器国への援助の問題については、まず援助提供
禁止していない。
納 国が条約当事国でない場合には条約規定に拘束されないから、規律の対象とはならない。次に援助受領国が条約当
徽 事国である場合には、第二条はあらゆる場合を含んでいるので当然禁止されている。したがって第三の最も重要な
郷 ケースは、締約国である非核兵器国から締約国でない非核兵器国への援助である。条約はこのケースを明示的には
徽
けないことを規定すると共に、非核兵器国自身が援助を与えることをも禁止していた。しかし一九六七年の米ソ同
一九六五年の米国条約案及び一九六六年の米国修正案は、第二条において、非核兵器国が援助を求めずまたは受
一条約案で初めて規定され、そのまま条約として採択された第一条及び第二条は、すでに述べたように、第一条で
核兵器国が援助を与えることを禁止し、第二条で非核兵器国が援助を受けることを禁止した。ここにおいて核兵器
77
国との区分が明確に確立され、その点では一貫性のある規定ぶりとなったが、ここで問題となっているNPT当事
78 国と非核兵器国の分離が明確にされ、核兵器の所有に関する能力と同じように、援助に関しても与える国と受ける
国である非核兵器国からNPT当事国でない非核兵器国への援助の禁止という側面は脱落してしまった。
この点を鋭く指摘したのはアラブ連合であり、第二条に関するぬけ穴として、条約当事国である非核兵器国が、
核兵器その他の核爆発装置の製造その他の取得に関し他の非核兵器国を援助、奨励または勧誘しない義務に言及が
ないことをあげ、そこに核兵器の拡散の可能性が存在することは明らかであるし、それは条約第二条にこの禁止を
含めることにより除去されなければならないし、簡単に除去しうると述べた後、第一条後半と同じ内容の規定を第
二条の末尾に挿入することを提案した。
このアラブ連合の修正提案に対するソ連の返答は以下のようであった。
核兵器の製造または取得についての各非核兵器国の義務に関する第二条に対しアラブ連合が提案した修正について言えば、実
際にはこの修正は条約第二条及び前文の意味でカバーされている。もし条約当事国である非核兵器国が核兵器の製造もしくは
取得について他の非核兵器国を援助するようなことがあれば、そのようなケースは、1繰り返して言うが、条約第二条及び前
の不拡散に関する合意に反するものであり、すべての国家の安全保障を脅かすものであるとみなすであろう。・・⋮この規定
文の意味によれば1条約の違反とみなされるであろう。そのようなケースに出会えば、各締約国は、そのような行為が核兵器
︵第三条第二項︶は、条約第一条及び第二条へのアラブ連合代表による修正において言及されている拡散のためのありうるかも
一、二、三条が、アラブ連合代表の声明及び修正案において言及された核兵器の拡散の道すじを閉じていると考えるし、したが
知れないぬけ穴のすべてをふさぐことに関連している。⋮⋮したがってソ連代表は、実際において現在の形における条約案の第
ってそれらはこの修正の目的の達成を確保していると確信している。
︵10︶
濁
偲
米国もアラブ連合の修正提案に対し以下のように述べている。
れば、自国に対し条約上の制限を受諾した非核兵器国は、同じ制限を受諾していない他の国が核兵器開発の分野においてその事
また、諸国家間の関係についての実際的かつ現実的な考慮の側面から、その提案を考えることが必要である。その側面から見
実から利益を得るのを援助するような理由は明らかに何もない。それにもかかわらず、もし締約国である非核兵器国が非核兵器
国の領域においてそのような援助を提供しようとするならば、この行為は自国のために核兵器を開発する目的をもち、条約の違
反であるという推定が即時に生じるであろう。⋮⋮アラブ連合代表の提案を動機づけた建設的な目的を十分評価するけれども、
我々の重によれば、これらは現在の条約案の第一条・第二条における癸なあるいは実際的な欠陥ではないよう患われ強
り、核兵器不拡散の基本的な制度を確立した。アラブ連合の修正は、この核兵器不拡散の論理に合致しそれをさら
た。米ソ両国は条約案の第一条及び第二条で核兵器国と非核兵器国を分離し、それぞれの義務を規定することによ
た同一条約案の第一条及び第二条に関しては、米ソ両国はいかなる修正をも受けつけないという態度を示してい
止すべきだとする他国の圧力を生じていたであろう﹂と述べている。一九六七年に米ソ両国により初めて提出され
︵12︶
正を受け入れれば、他の非核兵器国に対するのみならず核兵器国自身に対する非核兵器国からの援助をも条約で禁
を出三6げは、﹁もちろん、条約はこの問題を明白にカバーするよう修正されていたであろう。しかしそのような修
米ソ両国は修正案の趣旨に賛成しながらも、条約規定の修正には応じなかったのであるが、その理由として、
ていることになる。
ソ両国の解釈に従えば、締約国である非核兵器国から締約国でない非核兵器国への援助も、条約の解釈上禁止され
しかし条約案の修正には全く応じることなく、条約の解釈の問題としてこれを解決しようとした。したがって、米
造
構
本
このように米ソ両国は、アラブ連合の修正案の内容に反対するのではなく、むしろその趣旨には賛成していた。
基
不
器
条
留ゆ
体
約
散
拡
兵
核
79
釦
に強化するものであったが、第一条あるいは第二条に何らかの修正を受け入れれば、核軍縮の論理に沿った他の修
正をも要求される可能性があり、米ソ両国はそのことをおそれアラブ連合の修正を受け入れなかったものと考、兄ら
れる。
米ソが修正に応じなかったので、この側面は条約上明示的に禁止されているわけではないし、米ソが禁止の根拠
としてあげている第三条第二項も十分ではない。なぜならまず第一に、保障措置は平和的な原子力活動にのみ適用
されるので、核兵器以外の軍事的な原子力活動には適用されないということであり、第二に、締約国でない非核兵
器国に保障措置が適用されるのは締約国から移転された核物質または核施設に対してのみであるから、保障措置を
受けない原子力活動が存在しうるのである。しかしNPT第一条及び第二条の実際の制作者である米ソ両国の解釈
は、条約適用に際して重要な意味をもってくることは否定できない。
一九七五年の第一回NPT再検討会議で、スウェーデソは、この点に関して第二条にぬけ穴が存在すると述べつ
つも、一九六八年の米ソ両国による解釈に満足をもって注目するとしている。一九八〇年の第二回NPT再検討会
︵13︶
議においても、多くの国がこの問題に言及した。この問題は以前においては第二条のぬけ穴として取り扱われてき
たが、この会議では第一条の義務をすべての当事国に拡大するという形で、実質的内容は以前と同様であるが、第
一条の問題として取り扱われるようになった。たとえばノールウェーの作業文書は、﹁条約の目的を促進するた
め、いかなる当事国も、核兵器その他の核爆発装置の製造若しくは他の方法による取得又は核兵器その他の核爆発
装置の管理の取得につき、いかなる非核兵器国に対しても何ら援助、奨励又は勧誘を行なうべきではないことを会
議は強調す葱︶と規定し・援助の禁止の主体をすべての当事国とすることにより、非核兵器国による援助の禁止を
も含めるべきだと主張していたし、七七力国グループの作業文書も、﹁⋮⋮核物質、核装置、核技術の輸出国であ
造
りNPTの当事国である非核兵器国も、この条項の要件︵援助及び協力の禁止︶に拘束されると自ら考えるぺきで
︵15︶
あると七七力国グループは考えているLと、さらに直接的に規定していた。スウェーデソも、﹁最終文書は、第一
︵16︶
条がすべての条約当事国に適用されるという効果をもつ解釈を反映すべきである﹂と述べており、同様の見解が他
︵17︶
の国により表明されていた。
このように第二回NPT再検討会議においても、非核兵器国による援助の禁止を確認する措置を会議恭とるべき
なかった。
測
だと多くの国が主張したが、会議は最終宣言の採択に失敗したため、この問題に関する正式の会議の見解は示され
偲
二条の規定のすべて、特に核兵器その他の核爆発装置の製造若七くはその他の方法による取得又は核兵器その他の
散﹄が生じたことについて誰かに責任があるとするならば、それは条約当事国自身である。もし条約第一条及び第
いないし、NPTの当事国ではないし、カナダとの協力協定の文言にも違反していない。しかし﹁この﹃一層の拡
まず一九七四年のイソドの核爆発に関して、すでに検討したように、イソドは部分的核実験禁止条約に違反して
譲・受領の禁止及び製造の禁止に関しては、ほとんど問題は生じていない。
禰 しかし、この問題に関しては、すでに米ソ両国の解釈が存在し、その解釈に対し異議を唱えた国は全くないし、
嗜 NPT再検討会議でも多くの国がそのような解釈をとるべきだと主張しており沸会議でもそれに対する明示的な反
㈱ 対は全くなかったことからして、一般的な合意が存在すると考えられる。
納
鰍 ⑳ 援助禁止の履行
跡 NPT第一条及び第二条の履行に関して問題が生じているのは、この援助の禁止に関してである。核兵器の移
臓
81
核爆発装置の管理の取得につきいかなる非核兵器国に対しても﹃何ら﹄援助、奨励又は勧誘を行なわない約束が誠
実に遵守されていたならば、イγドは核爆発装置を製造する地位にいなかっただろうし、一九七四年というそんな
82
早い時期にその地位にいなかったことは確かである。⋮⋮NPTの効力発生の後及び﹃平和目的のため﹄の核爆発
を準備しているという一九七一年のイソドの公式の声明の後において、NPTの当事国は、その核供給を継続する
︵18︶
ことによって、イソドが核爆発能力を取得するのを援助していることに気付くべきであった﹂と述べられているよ
うに、ここではイソドの核爆発に関連して条約当事国の義務違反、すなわち援助の供与が存在したと主張されて
いる。
イソドの核爆発に用いられたプルトニウムは、カナダが供給した原子炉から得られたものであるし、米国はその
原子炉のための重水をイソドに提供していた。カナダはこの核爆発の直後に、イソドへの核協力を全面的に停止し
施米国は一九七八年核不拡散法により・全面的︵h巳・80需︶保障措置の適用に合意しない国に対しては核物質
や核施設の輸出を禁止しているが、イソドに対してはその例外規定の適用、すなわちその不許可が米国の不拡散の
︵⑳︶
目的の達成を深刻に損なうかまたは米国の防衛及び安全保障を危うくするものであるとの大統領の決定に従い、濃
︵21︶
縮ウラソの輸出を継続している。
非核兵器国への援助の問題に関して最も大きな危惧を引き起こしたのは、一九七五年六月二七日に署名され=
︵認︶
月一八日に効力を発生したブラジルと西ドイッ間の原子力平和利用の分野における協力に関する協定である。この
協定は一五年の期間をもち、その後は一方により廃棄されない限り五年ずつ自動的に延長される。協力の内容は、
ウラソ鉱の試掘、採鉱、製錬及びウラソ化合物の生産、原子力発電所及び他の原子力施設並びにその構成物の建
設、ウラソ濃縮及び濃縮サービス、燃料要素の製造及び使用済み燃料の再処理から成っており、さらに必要な技術
情報の交換をも含んでいる。また原料及び特殊分裂性物質の供給、特殊分裂性物質の生産、使用、処理のため特に
設計されもしくは作成された設備及び資材の供給なども規定しており、具体的には、西ドイッからブラジルへ核燃
料サイクルに関するすべての施設及び物質が移転されることが予定されている。この取引が多くの国の注目を集め
たのは、特に、この取引が西ドイッからプルジルへのウラソ濃縮及びプルトニゥム再処理に関する施設及び技術を
含んでいたからである。
器国の義務のパラソスの問題であるが、さらに重要なのは平和目的核爆発の権利をNPTが否定していることによ
︵器︶
潟 まずブラジルはNPTには反対を表明し、その当事国とはなっていない。その理由は主として核兵器国と非核兵
偲
造
ている。
ムが抽出される使用済み燃料の再処理施設をブラジルに提供するというボソの約束である。これらの工場は、原子
︵42︶
炉燃料の作成及びリサイクルのために、あるいは核兵器の製造のためにどちらにも用いられうるのである﹂と述べ
ジルに与えることになるだろう。⋮⋮この協定により生じた主要な政治的問題は、ウラン濃縮工場及びプルトニウ
輔 る。ブラジルはトラテロルコ条約の批准をすませているが、第二八条第二項の宣言を行なっていないので、ブラジ
曜 ルに対しこの条約は効力を発生していないし、さらにブラジルは、他の大多数のラテソアメリカ諸国と異なり、こ
㈱ の条約が現在の技術段階でも平和目的核爆発を許容していると解釈している。
納 次に、ウラソ濃縮及びプルトニウム再処理という二つのプロセスは、核燃料サイクルの中において、核兵器製造
徽 との関連で最も危険なものである。なぜならウラン濃縮もプルトニウム再処理も核兵器に必要な核物質を作り出す
獅 過程だからである。この協定に対する批判としてO亀は、﹁それはまた一九九〇年にいたる原子力へのブラジル
徽 の要求及び計画された需要を満たすだろうし、ブラジルがそう望めぽ核兵器を作るための技術的基礎の多くをブラ
83
ルのすべての段階においてブラジルを技術的に自立させるよう意図されている。したがって、地域的または国際的
84 また、妻o巳9は、﹁その規模からして、この取引の二つの特徴は著しいものである。第一に、それは核サイク
不拡散取決めへ加入させる主要な動機の一つ−簡単に入手できない技術へのアクセスを得ることーは次第にそ
の影響力を失うだろう。第二に、さらに不吉なものであるが、兵器用分裂性物質を入手するのに不可欠な濃縮及び
︵25︶
再処理という重大な技術がブラジルの手に落ち入るであろう﹂と、この取引がNPT体制に与える重大性を指摘し
ている。さらに幻08昌げ讐ヨも、この協定によりブラジルの核爆発製造能力が増進されることは疑いないと述べ
ると共に、これが核拡散の新しい道を開くものであると主張している。 、
︵%︶
これらの見解に対し、協定において両国は核兵器不拡散の原則への支持を宣言していること、移転されたもめが
核兵器その他の核爆発装置のために用いられないようそれらにIAEAの保障措置が適用されること、再移転に関
しても保障措置の適用や供給国の同意が必要なこと、十分な物理的防護がとられるべきこと、さらに保障措置及び
︵π︶
物理的防護措置は本協定の終了に影響されないことなどが規定されていることから、ブラジルの核兵器その他の核
爆発装置の製造に対する対策は十分であるとの反論がある。
9毛N彗8も、﹁ブラジルはNPTに加入していないが、ドイッと展開された進展により、今やNPTの多くの
規定の精神に実際には合意していることになる。ブラジルは一定の主権を放棄し、その施設をIAEAの査察官に
開放することに合意した。さらに移転された情報、物質、施設を核爆発装置作成のために用いるという意図を正式
にかつ公けに放棄した。したがって、協定の期間内において、ブラジルは国内的または国際的な探知、討議および
挑戦を受けることなく爆弾に向けて大幅な措置をとる,﹂どはできな壌と述べ・この協定が核丘ハ器不拡散に役立つ
側面を強調している。
濁
偲
造
構
基
本
しかしながら、協定による核兵器不拡散の約束及び保障措置の適用は、西ドイッから移転される核物質及び核施
設に限定されている。将来ブラジルが西ドイッからの技術等の移転を基礎として、独自の核施設を建設しそこから
核兵器の開発に進むことを禁止するものは何もない。特にブラジルがNPTに反対している国であること、平和目
的核爆発の権利を主張している国であること、並びに移転される施設の中にウラン濃縮及びプルトニウム再処理の
︵圏︶
施設が含まれていることからして、この取引は、﹁NPTの援助禁止条項と矛盾する活動の最も明白な実例であ
る﹂と言わなければならない。
また、一九八〇年の第二回NPT再検討会議における七七力国グループの作業文書は、以下のように規定してい
た。
言・兄る。しかし核兵器の製造または取得につきいかなる非核兵器国に対してもいかなる方法においても、直接または間接に何ら
ゆ 核兵器の直接の移譲はなかったように思えるという限りにおいて、第一条の下での義務は全体として見れば遵守されでいたと
㈱
いてあてはまる。南アフリカ及びイスラエルのケースのように、核兵器目的への転用の増大する証拠が見られるような場合に
あると七七力国グループは考えている。そのことは、特にその地域のある国の意図について警戒が生じている緊急紛争地帯にお
核物質、核装置、核技術の輸出国でありNPT当事国である非核兵器国も、この条項の要件に拘束されると自ら考えるべきで
とに注目すべきである。また総会がイスラエルの核兵器能力に関し懸念を表明したことも言及されるべきである。
カの核兵器能力の開発に与、兄た影響、及びその結果として特にアフリカ諸国においてまた国際社会全体に警戒が増大しているこ
納 援助、奨励または勧誘を行なわないという核兵器国が引き受けた義務並びにこの要件を厳格に遵守する必要性が強調されなけれ
鰍 ばならない。さらに核物質、核装置、核技術の輸出国である非核兵器国による核分野での援助及び協力の影響は、黙示的にしか
都 この条項でカパーされていない。しかし、特に適切な国際義務を引き受けていないNPT非当事国とのそのような協力は、不拡
瀕 散の目的に反した結果をもたらすであろう。この点に関して、平和的と考えられていた協力が、NPT非当事国である南アフリ
鴎
86
︵30︶
は、核兵器国と共に非核兵器国も不拡散の利益のため、 問題の二国との核分野におけるすべての契約及び協力を停止すべきであ
る。
セネガルも、﹁もし報告されているように、イスラエルや南アフリカのような国が核兵器を開発しているとすれ
︵31︶
ば、それはある条約当事国の援助により、もしくは寛大な容認によりそうしていることは全く明らかである﹂と述
ぺており、他のアフリカ諸国も同様の見解を表明している。
︵認︶
︵33︶
﹁イスラエルに対する核施設、核分裂性物質又は技術の移転を全て停止すること﹂をすべての国に要請するよう安
イスラエルについては、国連総会において一九七八年以来議論されており、一九七八年の総会決議ωω\コ﹀は、
全保障理事会に求めており、一九七九年の総会決議ωミ。。㊤はさらに直接的に、﹁すべての国に対し、核兵器の取得
またこの決議に従い、事務総長は一九八一年に﹁イスラエルの核軍備﹂と題する専門家グループの報告書を提出
及び開発につきイスラエルを援助することとなるイスラエルとのいかなる協力も終了させること﹂を訴えている。
︵銅︶
し、イスラエルの核開発の状況を明らかにしている。国連総会における議論は、NPTの援助の禁止との関連のみ
で議論されているわけではなく、イスラエルの核開発全般、中東問題の解決、南アフリカとの核協力といった側面
から行なわれているものであり、また核援助の禁止もすべての国を対象としているが、特にNPT当事国はこの点
に関して法的義務を負っているものであり、NPT当事国としてさらに強く援助の禁止を要請されるものである。
︵緬︶
南アフリカについては、国連総会で主としてアフリカ非核化の問題との関連で議論されている。一九七六年の総
会決議ω<OOは、﹁すべての国に対し、南アフリカ人種差別政権に核兵器能力の取得を可能ならしめるようないかな
る施設、核分裂性物質もしくは技術をも南アフリカに引渡し、もしくは南アフリカの意のままに設置しないよう訴
える﹂としており、同様にその後の決議ωミ゜。ピωω\Oω噂恕\鵠﹀凶民切噂謹\㊤ω炉ω㎝\=O>碧畠炉ωの\°。O>碧告
測
偲
造
構
本
基
ゆ
bd”ωミ謡﹀雪店切において、南アフリカとの核協力の停止が要請されており、一九八〇年に事務総長は、﹁核分
︵36︶
野における南アフリカの計画と能力﹂と題する専門家グループの報告書を提出し、南アフリカの核開発の状況を明
らかにしている。
南アフリカの核開発に関する事件として、一九七七年八月には、南アフリカのカラハリ砂漠で核爆発の準備が進
行中であることがソ連及び米国により明らかにされたし、一九七九年九月二二日に、インド洋及び南大西洋の地域
で核爆発が行なわれた可能性があると米国は発表した。
また安全保障理事会は、一九七七年一一月四日の決議念。。︵おミ︶により、国連憲章第七章の下における拘束力
ある決定として、すぺての国に対し核兵器の製造及び開発における南アフリカとの協力をひかえるべきことを決定
している。
㈱ このように南アフリカに関しては、主として南アフリカのアパルトヘイト政策との関連で、アフリカの核兵器開
にそれほど厳格には遵守されていないように思われる。ここで特に問題になるのは条約当事国でない非核兵器国へ
NPTの援助の禁止に関する規定は、今では核兵器国のみならず非核兵器国をも拘束すると考えられるが、一般
︵訂︶
パ、北朝鮮などがあげられる。
兵器国で、他国から核開発の援助を受けていると考えられている国として、パキスタソ、アルゼソチソ、キュー
納 発が危惧されている。この場合もイスラエルの場合と同様に、これらの措置は国際の平和と安全の維持という国連
徽 の広汎な目的に沿ってとられているものであるが、NPTの援助の禁止という観点からみれば、NPT当事国であ
獅 る西側諸国が核協力を行なっていると主張されており、これらの国は総会の勧告に反し、また安全保障理事会の決
瀕 定に反するのみならず、NPTの援助禁止義務にも違反していることになる。NPTの当事国でないその他の非核
87
田
の援助であり、これはさらに核兵器の拡散へと導く可能性を多くもつものであるだけに、 さらに厳格な条約義務の
遵守が望まれる。
︵−︶竃器8零崔ユ9℃き3もミ陣奪轟§ヨミ母“き爲§§。碁誉、≧ミ§、﹄§昌9ミヨ軸L80讐唱゜O淋゜
︵2︶㎏くρく℃<°嵩9層①︼≦9①鴇 塞噛唱m田゜刈笛゜
︵3︶国Zロ6\℃<°ωω合b。°。ωo冨oB9﹁ 8メbo襲§§駐§b嘗§蕊越§鳳量ミ℃U°お9同様の意見として国乙︶0、℃<・ωδ讐
照。ブラジルによる同様の意見として、国2UO\℃<°ω①ωり◎。司o耳轟蔓μ8。。魍b§§塗げ§b葱§罷§鴨ミ﹄§。。りO・朝一・⋮
卜。刈男。げ﹃爵曼μ8°。噸b§茎ミ恥§b曹§§§ミ賊象゜。鳩唱゜μ這1=ω゜⋮﹀、O°く℃<°50メμ劇寓昌 O鵠鴨冨3°二9参
卜\O°く℃<°嶺8”ω竃塁μ8。。燭冨冨゜ま゜参照。
一≦O﹃”BO二一゜ω﹃坦界05ぎ謹§、﹀ご3・㌧こh誉帖智3謬“O量誕“蓑鴨ξ藝§§N唱軌魁Ik℃唾偽噛一〇〇〇9唱゜卜◎㊦一゜
︵4︶ ﹀\ρく憎︿° 89δ竃国団お密讐Om冨・ざ・
︵5︶
︵6︶ 2℃↓\OOZ聞\O°一、ω幻゜9一①︼≦”団一〇刈9唱p話゜O°
︵7︶ 2℃↓、OO2腎゜目、O°一、ω匁。ドNO︾ロoqロooけ一〇QQ9唱曽﹃P¶°
︵9︶
国ZUO\℃<°ω夢ミ聞。ぼ岳昌μO$b§§§融§b蓉§縞§§帖Nま。。﹁署゜這悼lH器゜
国ZOO\HOSbδαω0層83げO吋一〇⑦8bO襲§ミ恥O謡暑蓬§ミNもq3噂゜心Noo°
︵8︶ 国2UO\勺く°ωωω℃卜。09娼8日げ零目8S﹂︶§§§貸§b蹄“§ミ§§縣量ミりU°おト。°
︵10︶
︵11︶ 国Z口Q℃<°ωδ噂ミ閏o耳岳蔓ド8Q。りbo§§§駐§bぎ§蕊§鳴ミk題゜。噛U°H鵠゜
︵12︶ 7一僧o o O 昌 ぐ く 凶 = ﹃ 凶 0 7 9 ° 鉱 帖 ゜ り 噂 ゜ O c o °
︵13︶2零、OO2岡、O°一\ω図゜ω騨H劇7一◎団μO刈9唱”﹃9°鱒゜
︵14︶Z胃、OO2闘゜一一、O°H、Go讐ミ﹀ロ嚇口ooけμOo◎O°
沢
︵黒
造
構
体
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基
本
制
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散
拡
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器
核
兵
89
︵51︶ 7﹁胃、O◎Z男゜一一、O°一、bΩ﹁bΩObβoq鋸四骨Hり◎09U転N°
︵16︶ 宏胃\OO旨腎゜一一\O°一、ω閑゜ρ悼◎﹀鶴αQ億ωけ巨㊤QQgb9噌餌゜G几゜
︵、7︶ナそジェリア︵z零、8z悔﹄\ρ器幻゜卜。鴨8>軽・二。°・9寅”°む、オランダ︵墓も器゜①゜︶・イタリア
@︵凶び剛α4 唱9﹃”° 一〇°︶、7イリピン︵奪幽‘冨蚕゜卜。①゜︶、米国.︵一窪α4冨﹃9ρ・暗・︶。
︵18︶ミす匙匙﹄§亀§§駐自ミb噛鴇§ミ§§誉砺謹§導o暮量鳶”Pω①9 同様の見解として、一〇NohOo置巨僧8、.↓げo
ぎ島⇔昌Zg一8﹁目$け碧傷け冨Z℃↓..噂﹀彗≦°竃僧蒔㎝︵09Vき︾↓.”寄§職o§袋ミミ一§3 零9㌘ω9 参照。
n①昌99畠甲ぎa曽2二909吋Zooqoユ9◎ユoロの“ωoヨ⑦国団唱oけげ① 器㎝90口血Poωωo昌ω.、”罫きミ§響︿oド恕り,Zo°♪﹀信oq
︵19︶OOd\お9鵠寓亀お謡”boミ§§鴨碗§O葱§犠§§馬竈§、署゜δω1嵩継゜この点に関して、﹀。・げo究国娼霞㌦貞﹃o
一〇刈o◎螂唱U°ω昌一ーω卜◎野⊃°⋮切帥﹃﹁凶O 竃僧﹁﹃駒ωO昌 ①口幽 UO嵩餌一亀 竃゜ ℃麟OqO噛、、一口画剛9①.ω ◎讐一〇昌“侍ず02二〇一㊦”﹁幻O賃貯OけO >Oげ一〇︿O
O8一器毒o﹃匡勺o署o﹃、.︾§譜§ミ噺§ミミ愚轟旨跨u旨ロ亨﹀ロひqロ曾一〇謹鳩U戸器ーN°。°参照。
︵20︶国国8ロ餌くoOao﹃這鯉゜。o昌昏o国昌o詳o時ω噂8凶巴Z琶一〇母寓讐0ユm一鋤鼠Ooヨやo昌o再ω8貯島p冒器ち﹂㊤8°
︵21︶イソドへの核燃料の輸出に関しては、竃oO。o﹃αq㊦06ロ民∼、、ω巨層昏。聞信色8ぎ島僧..”壽ミ醤肺§鍵、甘口①一゜。噛
一〇〇〇9︾戸O層一”O℃O鳩馨§・蓄、ぎ、費ず斜 一〇QQ9℃°刈刈゜⋮同O﹃旨 国゜O鼠昌昌℃︸﹁°︾、、2σ局躍O一軌O弓目m﹃9繭ロロ﹃..℃
ミ謀建鳶鴨§穿鴨層ωΦ冨。目げ臼にト。﹂08層aα’写O℃ρ智§、§き糺晋、峯ミ登講乙O°。9唱゜二〇°⋮幻。げ葺薗
肺鳶窪℃μ㊤刈ooり”唱・α刈i﹃卜ρ・☆切凱”昌 ピ゜ωOげO﹁き 、儀↓O段一昌oq ωけ餌けロけO﹁団 O昌8ユ僧 hO﹃ 聞O﹃O凶oq昌 ℃O躍O団“目70 ]ZロO︼O餌﹁
d︿O犀尻θ0暮O﹃℃偏軌dρω゜勺OゆOOhロ一﹀一ユ9”ユけ70一口α一”昌切Oヨぴ−讐︾︾一ヴO﹃け♂<Oげ一〇〇ρO暮⑦﹁O貯塑一゜いき犠農、ぎ軸鞭§”ミ乳§縣ぎ馬
ZO昌・勺﹃O一臨O﹃偶ユO昌﹀﹁9 0h 一〇刈oo ”昌低け﹃O 国躍bO# O胤 2口匹O凶﹃胃属O一けO・一昌O貯噸鳩℃﹀ぎ 寄轟 S篭“篭馬電智鴇3§軸 ミ
馬ミ馬§ミ苛覧奪ミ§職電ミ3くor一心℃20°b。鴇≦一三〇﹃這゜。卜。嵐毛゜農Oi鮮9°参照。亀
︵22︶ ぎ帖§§鴨§﹄h豊§働忌苛℃<O一゜メぐピZO°ω層一≦m団一〇刈9唱層゜蒔Qoαー凸cooσ゜
90
︵23︶ブラジルのNPTに対する態度、特にNPTに反対する理由の分析に関して、国゜旨oぎ閑08ロげmロ目9a臼。昌口
旨”昌口m﹃団 一〇SP噂唱゜刈心ーり○°脚匂帥目Oo陰用7°閑O毛一〇〇〇℃鳥軌7﹁錫O一①99﹃弓O≦δ﹃帥昌鮎7州O昌−℃﹁O一席O﹁鋤二〇昌“↓げO<一〇昭qh﹁O幌昌 切﹃臼ΩN一一.噂り
竃゜OOO噌δき隔晒切冨国諸”ロ自けずOZ侶O一〇帥﹁ZO昌・哨﹃O臨瀞﹃鱒ユO昌渦﹃﹃O帥け団..噛肉3殊§嚢 §祷︵いO口島Oロ︶℃<O一゜心9ZO°ピ
§蓑§ミ誉§匙ミ高ざ義蓑蕊ミ蕊鴨ごミ”<9°日♪Z9♪閃”=お◎。一燭ロ戸刈=i刈沼゜参照。
︵42︶ 7﹁O彗⇔昌09昌層、、津Oヨ¢hO﹃閉W﹁”N凶一燭口9自口oq㊦﹃hO噌﹀一一.矯燭寒幅ミ軌3 0肺帖ぽとO壽象馬ミ傍躇讐<O一゜ωトつ噛7﹁O°Oり一口昌O 一〇刈①讐
”噂゜伽1①゜⋮ZO§櫛昌09=燭、.﹂P丙OH口ω断O﹃切﹃曽N一r一︶9昌咬①﹁hO﹁﹀一一噂.−さ彗聖電噛7﹁O°卜oω讐ω口3ヨO﹃μO刈①燭噂゜ド器゜
︵%︶ 団己零◎9adくO昌αO﹃讐儀、︼ZロOげ帥﹃OO口F目ONdO”昌二7︻⊆O一〇僧﹁唱﹁O一鳳㊦﹁”鼠O昌“OOコ8薗5”目ユ 切﹃”N凶一讐 一〇﹃Gn.噂℃O喜燭<O一゜N
7﹁O°臆.ωロヨ目昌O﹃ HO刈﹃”眉噂゜襲−毬O°
︵%︶ ]四゜旨Oげ昌幻Oω①口げ帥口目℃、、︼W鎚N出噛ω7︻ロO一〇m﹃﹀ωロ凶﹃帥昌O昌..曽O昌ド層﹁竃暫ヨ僧ず暫”島﹀昌昌mδ7ロ一N︵O島ω゜︶u>喜、窪誉・
誉8“義鴨富≧碍等≧罷§、Ω§ミ憂. O胡噛暑。NOO9昌卜。鳶゜同様の見解として、言9口国・O犀oq諄巨o昼、、目9
一W﹁”臥嵩僧口・OO﹁目”ロZロO﹃位﹁U⑦9Ω一“﹂P ︿凶O≦・h﹁O目﹀﹁oq¢昌二尽噛.嘘魯蓬、<O一゜×︿一一一嘘7﹁O°凸﹁匂ロ一鴇、﹀仁oqロ鴇一〇刈9唱”°
一〇悼1一①9 参照。
︵27︶西ドイッ及びブラジルの主張はこのようなものである。たとえば西ドイッの立場からの毛03露口口鴨﹁oのシソポジウ
ムにおける発言︵、隔↓70図算Oコ属ユO昌﹄幻O磐一口二〇昌O剛Z990舞国昌O﹁題噂﹀噂噂﹁O器70ω8窪O℃壁①くO昌ユO昌Oh9く①お凶Oロ
σh2煽O一〇9﹃岡口O一けO寓凶=け”﹁鴇dσ0軌噂℃︵巽鑓§◎画“営蓬ミぎ鳶義智義冒起顎くO一゜一9ZO°ω︾一〇ミ℃”噂’凸ゆ刈1ー凸Oトの゜︶
︵お︶ dく諺嵩9﹁5 箋゜いO零﹃99昌Oρ 鴨儀Z口O一〇僧﹁ 局口けロ﹁Oo藺 聞O﹁ ω僧一〇 ”目O 国﹁9且一勾﹁O旨 ≦㊦曾 OO鰍日”昌ざ 目O刈朝糟.噂ぎ軸§謹
参照。
ぎ諏電層<O一゜一り乞O°卜◎℃聞9一騨昌O刈O噂弓゜一q①゜
︵29︶ ω弓国一噛建﹀弱↓“罫§噺3雲蓑 皆碁、蝋O >奪駄ミ、 謬§蒔 蕃識O斜HOQo9唱・目幽・罰旨OO一ユげ一騨∬禰帰一ヨ,
巨。目8け鱒二80h9。Z8・℃3籠。母二8↓﹃8ξ..”ω弔包℃≧乾籍、申§題“義き戚費、§霞§、ミ慧越識§﹂O蚕
罰
慰
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幅
㈱
納
鰍
郷
滋
91
”°ωω㎝゜
︵30︶儲胃\OOZ聞゜ミρ︿ト。も①﹀轟器けH㊤゜。Oも゜卜。°
︵31︶Z℃↓\OO2団゜ミω閃゜昼ご﹀⊆°qロ斡μO°。9冨﹃曽゜鮮卜。°
︵32︶ モロッコ︵乞胃\OO2閃゜一<O°<ω幻゜N8>口oq口絆一〇8矯冒m﹁9°一ド︶、チュニジア︵凶σ置゜讐噂帥鑓゜嵩゜︶、ザイール︵凶σ置゜℃
冨吋器μ゜。”&b。b。°︶。
︵33︶イスラエルとNPTとの関連については、08﹁oqo=°O蝿88び、、剛ω﹃器一帥註島oZ9一〇碧20昌・℃3一一ho冨ユ8↓﹃8ξ..噂
建ミ§ミ§蔚§§勲凝ミミ物燭<oド×図く燭Z99匂§。巳のO.署゜刈lO9。巳念ー&∴ω言訂コ9冨口、.、奪器臣
﹀葺言9↓oミ国aω90Z℃↓..、ω宅国り壽、㌧ざ軸§畿§≧軸§嬬uお¶占、署゜h。謡ーb。8°馴冨毛﹃88孚09目9。員
、、犀器一.ωZ鐸幕巽℃呂2..︾蜜ヨ義℃︿。ド諸≦炉Z9ω讐竃塁\甘器這録噂噂﹄=1一8°⋮﹀丘豊o﹃国①旦ざβ、、﹁ω3匹鱒
宰。日雪9二889切。3げ言昏。浮器B魯け..u幻。g旨竃﹄署﹃窪8国邑匂。g冨2°。︵巴ω゜ソき亀魯﹃、§ミぎ・
鳳§”ぎ§員巳蓉箸゜=oーμ。。・。°旧望。︿9旨開。器p.2旦。豊量剛8偶民ω鼠げ葦槻貯夢。護象瞬。国婁..℃9ざ﹁
蜜葭壽ず9。民﹀弓ω9巳N︵巴ω゜yき番刷・聖&欝ミ§§概§き華き匙ミ・§ミ譜吻口o胡℃も”°嶺刈IH°。戯’⋮ω弓雪
罫§竿き犠§噛Ωミミ曹“ミ§き鐸一〇刈卜。噸署゜ミーωご08嶺。O器゜・§鳩§馬ぎ、ミ昌ミき§・詫受ミ§斜
O認’署・。。卜。1一8°馴言oげ薗日o住ド、ω﹃鴇o﹁、愚゜ミ‘ロ戸゜。ωωlc。鵠゜参照。
︵34︶穿§喬き§、﹂§蕊§§ひ閑呂。﹁仔。h9。ω8§9蔓68霧mr>\ωミおr蕊ω。讐。3冨﹃お゜。ピト。賢
︵35︶南アフリカとNPTとの関連については、匂・国゜990ρ、、↓70閃o噂口げ浮ohωo信9≧ゴ8”男3一幣雷鱒凶8ρ昌α昏o
勺。ま8。h6ロヨ暫a寓。器ヨ。暮..、︾幻。σ窪罫冨護88。民旨。匹い碧島︵O臣on°︶﹁き“§、鵠ミ蕊養識§一霊蕊恥舞
目ミ劇゜暑・80纏器。。°⋮臣o§aぎω鑑量、、曽賃︸≧﹁ユ8.°。局o鼠αq昌旧9凶塁≧富旨即二器ω国昌Uoε屋昌82。巴゜。..燭
寄ヨ。︸い゜と巴昌碧暫昆﹀一げ凶oロ蚕困昌侭9、.9昌ωε夢≧﹁凶$O。Zg蕾吋哩.9蓼゜<oドト。ωンo°°。㍉陣一=o刈O﹁﹂
O昆舞寓鋤羅9。げ”a>匿砕7三凶︵O畠oo°︶層きミ§2ぎ、慧ミ§“ミ§§、き爵、9鍵義識跨﹂零9噂弓゜8窃ート。N①∴
92
勺U°8ω12刈゜⋮ω用幻押穿§撃﹀ε“hミ、◎§ミ識塗“ミ殊ミ﹀弔8一〇遷”噂唱゜器1ω切゜⋮08おoO器鴇o﹁u剛ぎ聖ミa
ミ≧ミミ、ま費馬ぎ葡 O謬噛署゜お゜。1卜。O幽゜参照。
︵36︶切ミ§き§げ㌔緯3“義Ω愚&ミ竜§帖意喜、凄ミ’国昌o#oh窪oω8﹁09鎖−Oo器﹃9。一聯﹀\ω史合鱒”鼠Oo﹁﹁°一層
Oω魯8ヨげo﹁一ゑδ”凸智・さらに㎏︿鴇溝ω9ω留唱8目げ臼一〇。。一噸および﹀\ωミ心ω卜。噸8留艮o目σo﹁一〇。。卜。°参照。
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現代国際社会の中で重要な地位を占めているNPT体制は、現代国際社会の特質の一つの側面を顕著に示してお
り、NPT体制の基本構造が、国際社会の構造に大きな影響を与えている。このNPT体制の最大の特徴すなわち
大前提は、核兵器国と非核兵器国の分離及びその維持である。NPT体制にとって核兵器国と非核兵器国の分離と
その維持は不可欠のものであるが、問題とされなければならないのは、まず第一にその分離の実体であり、第二に
分離の位置づけである゜
まず分離の実体とは分離されたそれぞれの国家群の間の権利義務その他のバランスの問題である。§αqm胃自は、
この条約は核兵器国の目から見ればほぼ理想的なものであるが、非核兵器国にとってはそれほど魅力的なものでは
︵lV
ないと述べ、両者の間にバラソスが欠けていることを指摘しているし、ζ魯臼も、NPTはこれらの国家間の区分
に対する重大な制限を受け入れなけれぽならないと述べ、二つの国家群の差別を強調している。このようにNPT
を神聖化しており、核兵器国は伝統的な国家主権の原則に基づいて行動できるが、非核兵器国は条約によりその主権
︵2︶
体制の実質的内容である核兵器国と非核兵器国の間の権利義務のパラソスは全く公平でなく、核兵器国に極めて有
利なものとなっていることは、多ぐの非核兵器国により、また多くの学者により指摘されている。
NPT体制の中心は核兵器国に核兵器の所有を認め、非核兵器国には核兵器の所有を否定するところにある。核
兵器国であるか否かは、核兵器その他の核爆発装置との関連においてのみ重要性をもつもので、国家間のその他の
関係にいかなる方法によっても影響を与えることを許されてはならないと主張されている搬︶実際にはそこにとど
核に関する警察官︵噺o巨,。8葺oも島8日8︷〇二冨≦oま︶の役割を広汎に引き受けるだろ飴︶と述べ・NPT
と重要なのは、その政治的影響である。この条約及び安全保障理事会決議により、二超大国は世界のための共同の
︵4︶
測 まらず、国際関係のより広汎な場面に拡大されている。これに関して出口房8は、﹁これらの軍事的効果よりもっ
偲
造
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基
本
ゆ 体制の政治的な意味を強調しており、さらにζ巳費は、﹁不拡散条約は、疑いもなく共同統治︵8昌αo巳昌言目︶
︵6︶
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り、少なくとも共同管理の試みである﹂と結論している。このように、NPT体制は、核兵器の分野に
ないが、条約に第六条の約束及び再検討会議の開催が規定されることにより、条約が形成された時期にはNPTは
しているNPT第一条及び第二条はすべて核兵器不拡散の論理に従っており、核軍縮の論理が入り込む余地は全く
は第六条の規定及び再検討会議における審議に委ねられた。すでに検討したように、NPT体制の基本構造を形成
合を要求したが、米ソ両国はそれを将来の問題とし、まずNPTを成立させることを主張したため、それらの要求
納 おける核兵器国の独占を意味するのみならず、原子力の平和利用を含め国際社会の広汎な側面において、米ソを中
徽 心とする核兵器国による非核兵器国の支配という構造になっていることは明らかである。
跡 第二にNPT体制の位置づけの問題は、上述のような極めて不平等かつ差別的な実体をもつNPT体制を核軍縮
騰 との関連でどう位置づけるかの問題である。NPTの交渉過程において、多くの非核兵器国はNPTと核軍縮の結
93
94 核軍縮の展望の中に位置づけられると多くの国は考えていた。そのような展望をもって多くの非核兵器国が条約に
参加したにもかかわらず、現実には核軍縮への進展はほとんどなく、逆にNPT体制のみを強化する措置がとられ
ており、NPT体制を核軍縮に向けての暫定的な過渡的な措置として位置づけるのではなく、NPT体制それ自体
を独立した措置としてそれを恒久化する方向に現実は進んでいる。
一二〇国近くがNPTに参加しているが、NPT体制はその普遍性を確保しているわけではない。イソドはこの
NPT体制に正面から挑戦しているし、NPTに加入していない重要な潜在的核兵器国が存在している。NPT体
制の不平等性及び差別性は明らかであるが、新しい核兵器国の出現はさらに国際社会の平和と安全に悪影響を与え
るであろう。NPTに加入しない国にはそれぞれその国に特有の理由が存在するのはもちろんであるが、一般的に
はNPT体制の不平等性及び差別性が原因となっている。したがって、この普遍性の確保の問題と、NPT体制を
核軍縮の展望の中に置くことの問題は相互依存的なものである。閃巴犀はこの点に関して、﹁本質的に差別的な世界
構造の生存可能性は、実用的な理由からも原則的な理由からも疑問である。したがって世界秩序分析の主要な結論
︵7︶
は、不拡散の目標は全面的な非核化という信頼しうるプログラムの中に統合すべきであるということである﹂と述
べている。
現在のNPT体制はそれ自身の中に多くの矛盾をかかえるものであり、その矛盾が解決されない限りNPT体制
の存立も危うくなるものであるから、核軍縮の進展その他によりNPT体制の不平等性及び差別性を減少させる方
向に各国、特に核兵器国の努力が向けられるべきである。
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︵本稿は昭和五八年度文部省科学研究費一般研究Cによる成果の一部である。︶
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..=o碗o日oξ巴α2⊆巳o舞20昌・℃﹁oまo轟ユ8..噂ぎ轟8隷ミミミ§軌麟くoドω0” Oc。ピ℃戸◎。ート。卜。°参照。
︵oα・yζミざミ翁“ミ﹁ミ毫職O§3 O謡讐ヤ拐・また覇権の側面からのNPTの分析として、⇔国巳匹閑09暫昌9
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