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電動自転車の所有率・購入意向 所有者・購入意向者
2011.7 Vol.21 特集:電動自転車のユーザー像・購入時のポイント 調査概要 方法 : インターネット調査 平成23年7月1日発行(第21号) 期間 : 2011年6月2日~6月6日 発行者:坂上眞介 編集:船木 / 佐野 対象 : M.net モニター 1都県3在住、20~59歳の男女 2531サンプル 所在:渋谷区渋谷2-19-15 宮益坂ビル 株式会社 市場開発研究所 連絡先:Tel :03-3498-1561 Fax:03-3498-7342 自動車やバイクの販売台数が落ち込む中、自転車だけは販売台数を伸ばし続けています。 経済的で自身の運動にもなるというだけでなく、渋滞削減などの環境保護も視野に含めた 消費マインドが追い風になっているようです。 現在自転車市場におけるシェアを徐々に伸ばしつつある、電動アシスト付き自転車(以下、電動自転車)ユーザー、 購入意向者を中心に調査を行いました。是非、ご一読ください。 調査の背景と目的 電動自転車の所有率・購入意向 電動アシスト付自転車所有率・購入意向 所有して 非所有いる 購入意向 4.8% あり 13.5% ◆電動自転車所有率は5%。 まだまだ普及しているとは言い難いようです ✔所有していないが、今後購入したいと考えているのは、 13.5%と1割程度みられる。 非所有購入意向 なし 81.7% そのような市況の中で、実際に購入した人、これから購入したい と思っている人はどのような人達なのでしょうか。 (n=2,531) 次項より、気になるユーザー像や購入するにあたっての重視点を 探っていきます。 所有者・購入意向者のプロフィール 性別 男性 全 体 n=2531 所有 n=122 所有 意向 47.3 52.7 63.1 36.9 非所有 n=2409 53.5 46.5 意向あり n=341 55.4 44.6 意向なし n=988 20% 40% 60% 80% n=2531 所有 n=122 意向 100% 未婚 全 体 所有 37.8 62.2 0% 未既婚 女性 非所有 n=2409 意向あり n=341 意向なし n=988 既婚 56.8 43.2 84.4 15.6 55.4 44.6 62.2 37.8 56.0 44.0 0% 20% 40% 60% 80% 100% 次ページに続きます -1- 所有者・購入意向者のプロフィール 年齢 20代 全 体 n=2531 所有 n=122 所有 意向 非所有 n=2409 意向あり n=341 意向なし n=988 27.6 30.8 26.8 20% ① 経営者・役員 ③ 自営・自由業 ② 会社員・公務員 ④ 専業主婦 ② n=2531 1.0 45.6 所有 n=122 2.5 42.6 非所有 n=2409 1.0 45.8 意向あり n=3410.3 48.4 意向なし n=9881.5 意向 0% ③ 20% 意向 19.6 80% ④ ⑤ 8.5 19.4 非所有 n=2409 意向あり n=341 意向なし n=988 100% 8.5 12.9 17.9 8.4 16.2 60% 59.1 28.7 60.6 39.4 57.2 42.8 57.1 42.9 20% 400万円 以下 13.1 11.43.85.3 11.4 5.66.6 80% 40.9 40% 60% 80% 100% 世帯年収 全 体 5.27.2 10.7 35.2 0.8 所有 0.8所有 13.2 7.5 18.6 非所有 5.4 7.3 子供な し 71.3 ⑦ ⑥ 子供あり 0% ⑤ パート・アルバイト ⑦ その他 ⑥ 学生 40% n=122 29.0 60% 50.2 所有 所有 21.7 22.8 40% 全 体 所有 22.9 全 体 n=2531 23.0 22.3 27.6 20.5 21.7 27.0 27.6 子供有無 50代 22.5 37.7 28.4 ① 40代 28.1 12.3 0% 職業 30代 意向 25.2 n=2531 11.5 n=122 n=341 意向なし n=988 100% 36.9 41.8 25.9 n=2409 意向あり 8 0 0 万円 わから ない 以上 24.5 9.4 40.9 600~ 800万円 44.3 24.8 0% 23.9 40.8 19.9 40% 9.3 31.7 42.8 20% 9.8 23.9 60% 4.1 8.5 80% 100% ◆電動自転車現ユーザーは、子育て世代の母親が中心 ✔電動自転車所有者のプロフィールをみると、性別は「女性」、年齢は「30代」の比率が高い。 また、「既婚」で「子供あり」の割合が圧倒的に高く、子供を持つ母親の比率が高いと推測される。 ✔今後の購入意向者は、年代では「50代」や世帯年収「800万円以上」の比率が高く、シニア層や 比較的経済的余裕がある層の需要が見込めそうだ。 電動自転車購入時に重視するポイント ※購入意向者ベース(現所有者除く) 現利用自転車(非電動)購入時の重視点 (n=202) (%) 100 80 60 今後、電動自転車を購入する時の重視点 (n=341) 89.4 85.6 94.4 72.3 70.7 77.7 52.5 69.5 59.9 68.8 69.8 67.7 65.8 78.3 69.5 44.6 51.5 89.1 90.0 74.5 49.0 40 20 0 タイヤの 車体の重 変速機能 荷物カゴ 車体の色 価格 サイズ(イ 量 の有無 の有無 ンチ数) メーカー メーカー 盗難保障 バッテリー バッテリー バッテリー の信頼 保障の有 の有無 の容量 の充電時 の充電の 性・知名 無 (航続距 間 しやすさ 度 離) ◆「価格」や「バッテリー」の他、高額な買い物ゆえに「メーカーの信頼性や保障」が重視される また、構造上の短所である「車体の重量」もポイントのひとつ ✔「価格」、「バッテリーの充電のしやすさ」、「バッテリーの容量」、「バッテリーの充電時間」は9割以上が重視している。 ✔通常の自転車購入時に比べ特徴的なのは、「メーカーの信頼性・知名度」、「メーカー保障の有無」、「盗難保障の有 無」、「車体の重量」が重視されている点である。 -2- コンジョイント分析によるアプローチ コンジョイント分析とは、商品・サービスを構成する要素の個別の魅力度を探る手法 消費者は、何かの商品やサービスを購入する際に、価格・品質・デザイン・ブランド性などといったさまざまな構成要素 の中で、よりベターな選択を繰り返しながら、自身が最も納得するものを探すのが一般的です。 コンジョイント分析とは、複数の商品の順位付けの結果から、より効果的な組み合わせを構成したり、コンセプト案の需 要予測を行ったりする際に効果的な手法です。 ① 項目と水準の設定 ・ある商品・サービスについて、聞きたい 構成要素(項目) と、その項目ごとの 度合い(水準) を設定します。 ② プロファイルの生成 ・上記で選択された項目と水準をもとに、組み合わせパターン=プロファイルを生成します。 ・項目数と各水準の数が共に3つずつであれば、27通り(=3の3乗)のプロファイルが生成されます。 ③ プロファイルの抽出 ・全通りを比較するのは現実的ではないため、いくつかのプロファイルを「直交計画表」をもとに抽出します。 *今回は、「バッテリー容量」「メーカー」「価格」の3項目それぞれで3つの水準を設定し、全27通りの中から、直交計 画表をもとにした9つのプロファイルを提示します。 【今回の所有意向者に聴取】 ④ プロファイルの提示・順位付け ・「直交計画表」に基づいて抽出した9つ のプロファイルは右図の通りです。 ・回答者は、この①~⑨のプロファイル それぞれに順位付けを行います。 項目×水準と提示プロファイル 水準→ ↓項目 ① 充電時間と 連続走行距離 水準1 1時間 10km ② メーカー 家電 ③ 商品価格 ⑤ アウトプット例 水準2 2時間 25km バイク 9.5万円 10万円 項目の寄与度 水準3 4時間 50km 自転車 11万円 Q.①~⑨の商品について、 欲しい順番に番号をお答え下さい。 組み 合わせ 充電時間と 連続走行距離 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ 1時間 10km 家電 1時間 10km バイク 10万円 1時間 10km 自転車 11万円 2時間 25km 家電 10万円 2時間 25km バイク 11万円 2時間 25km 自転車 9.5万円 メーカ ー 商品価格 9.5万円 4時間 50km 家電 11万円 4時間 50km バイク 9.5万円 4時間 50km 自転車 10万円 水準の効用値 ・コンジョイント分析では、各水準の『効用 % -0.50 小:1h×10km 値』と、各項目の『寄与度』という2種類 バッテリー -0.16 43.0 中:2h×25km の数値を算出します。 容量 0.09 大:4h×50km ・『効用値』とは、部分的な価値を示しま 自転車メーカー 0.18 す。この場合、折れ線グラフで示した数 -0.09 メーカー バイクメーカー 9.1 値のことで、数値が大きいほど、その水 0.01 家電メーカー 準が好まれていることを表しています。 95,000円 0.70 ・『寄与度』とは、相対的な重要度のこと 0.42 商品価格 100,000円 47.8 です。この場合、棒グラフで示した数値 110,000円 0.08 のことで、数値が大きいほど、その商品 における、その項目の重要度が高いと ・効用値と寄与度の関係として、効用値の最大値と最小値の差が大きいほど、 水準の変動による影響が大きいと言えます。そのため、効用値の差が大きい項 いうことが言えます。 目ほど、順位付けを行う際の影響力が強いということになります。 -0.5 -0.4 -0.3 -0.2 -0.1 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 ◆「商品価格」と「バッテリー容量」の寄与度(重要度)が同水準 ✔各水準の『効用値』をみると、「バッテリー容量」は大きい方が、「商品価格」では安い方が効用値が高いことから、より商 品の魅力が増す傾向であることがわかる。一方、「メーカー」に関しては、水準の差による顕著な変動は見受けられない。 ✔「商品価格」の効用値の幅は0.62(0.70~0.08)で、「バッテリー容量」の効用値の変動幅(0.59)と近い数値である。つまり 「商品価格」と「バッテリー容量」の寄与度は、おおむね同水準であることがわかる。 -3- 0.7 今回のテーマ: ~ リサーチのあれこれ紹介コーナー ~ -自由回答の処理、どうしていますか? 消費の低迷が続いている中で、仮説検証型や、より消費者のインサイトが見える調査が求められるようになった昨今。 インターネットリサーチで膨大なサンプルを手軽に回収できるようになったという手法的な背景もあり、「大量に回収した 自由回答データから、回答の傾向を件数の多少で把握したい」というニーズが増えています。 こうした問題を解決するひとつの手法として、自由回答の「アフターコーディング」をご紹介します。 「アフターコーディング」とは? 「アフターコーディング」では、自由回答をカテゴリ分け・番号付けすることで集約し数値化する作業を行うことで、 自由回答一覧を客観性を持った定量的なデータにします。 またそうすることで件数の多少を把握するだけでなく、クロス集計表作成やグラフ化も可能になり、消費者の 深層ニーズの顕在化を図ることができます。 参考調査:自分が年を取ったと感じるのは、 どのような時ですか? 調査方法:インターネット調査 調査期間:2011年6月3日~6月6日 調査対象:Mnetモニター 一都三県在住の既婚女性 調査数 :362 自由回答の一覧 このままだとどのような回答が 集まっているのかわかりません グラフ アフターコード アフターコーディングで 一目瞭然になりました (MAでコーディング) 0 Q1.自分が年を取ったと感じるのはどのような時ですか。 夕方になると疲れる。肌にしわ、シミが増え、白髪が出始める。 鏡を見る時 気持と体がついてこない時 肌や体力の衰え 人ごみが苦手になったこと 電車の中の窓に写った自分を見た時。 人間ドックで加齢による不調がみつかったとき。 顔のたるみ 周りに若い人が増えた事。見た目全体。しわや白髪が増えて、髪の毛の 量が減った。体型が変わり、やせにくくなった。階段や坂道を登ったとき、 すごく疲れる。歯茎が下がり、歯が伸びたこと。若いときに来ていたような 洋服が似合わなくなった。 体が疲れる 肌が衰えた 鏡を見て顔が老けたと思う時 10 20 (%) 肌の衰えを感じた 23.8 疲れやすい/疲れが取れない 23.5 22.4 体力の衰えを感じた 17.7 病気になりやすい 15.2 白髪を見つけた 10.5 鏡を見たとき 8.6 物忘れが多い/物覚えが悪い 筋肉痛が一日遅れで来た 徹夜がきつい 30 6.1 全体(n=362) 3.6 ※上位項目を記載 参考調査では、「肌の衰え」「疲れやすい/疲れが取れない」「体力の衰え」等の意見にまとめられました。「肌の 衰え」「白髪」等の美容・外見面の項目が上位に挙がっているのは、女性ならではと考えられます。 今回は全体ベースでみてみましたが、年代別等、別の切り口でみても面白そうだと感じました。(調査集計部 船木) 編集後記 今回フォーカスを当てた電動自転車は、専業主婦を中心としたユーザー層が形成されているようです。確かにここ数年、 子供を乗せたママやご年配の女性が、涼しい顔をして登り坂を上がっていく様子を見かける機会が増えたように感じます。 GMSやホームセンターに行けば1万円前後の(通常の)自転車が大量に陳列されている状況で、本来は価格に敏感なはずの専業主婦層が、 “0がひとつ多い”電動自転車を購入するということは、やはり“高額商品を購入する”という、不安とも言える気持ちが強く現われるようです。 東日本大震災から3ヶ月以上が経過し、一見、首都圏では平穏を取り戻してきているかのように見えますが、未だ余震や原発対応は予断 を許さない状況であると同時に、継続的な復興支援や踏み込んだ節電対策など、今までの生活観を一新しなければならないような事態に直 面しているのが現実です。亡くなられた方々への哀悼の意、被災された方々を思い遣る気持ちを忘れずに、日々、自分にできることを意識 しながら過ごすことが、復興に繋がる重要な努めだと思っております。 (営業企画一部 佐野 慎一 [email protected]) ご希望の方には、今回調査した全ての集計データをお渡しします。お気軽に営業担当までお問い合わせください。 -4-