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Page 1 京都大学 京都大学学術情報リポジトリ 紅

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Page 1 京都大学 京都大学学術情報リポジトリ 紅
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パルプ及び製紙に関する研究 : 第17報 広葉樹ケミグラン
ドパルプに関する研究(1)
寺谷, 文之; 木村, 良次
木材研究 : 京都大學木材研究所報告 (1957), 18: 16-26
1957-08
http://hdl.handle.net/2433/52839
Right
Type
Textversion
Departmental Bulletin Paper
publisher
Kyoto University
パ ル プ及 び 製 紙 に 関 す る研 究
第1
7
報
広 葉 樹 ケ ミグ ラ ン ドパ ル プ に 関 す る 研 究
製紙研究室
寺
谷
文
之
(
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・木
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良
次
(昭和 32年 5月31日受理)
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近来 丸太 材 を化学 的 に前処 理 した後 ,磨 砕す るケ ミグ ラン ド法 に対 す る興味 が深 ま り, 国 内
にお いて も この方法 に よるパ ル プの製造 を開始 すべ く, そ の準 備 が行 わ れ てい るや うで あ る。
現在アメ ,
)カにお いて生 産 され て い るケ ミグ ラン ドパ ル プは, 大 別 して 2つ の Sys
t
em に分
類 され る様 で あ る1'2'
。 第 1は原木 を丸太 材 の まま前処 理 す る方法 で,Gr
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呼ばれ 同社 が主 として採 用 してい る方法 で あ り,第 2は丸太 材 をその まr
'
ま使 用 せずチ ッ プに変
形 してか ら前処 理 を行 う Ba
uer式 で あ る。 然 し このチ ッ プ法 は化学 的 に前処 理 した後 , プ レ
サ ファ イ ナ -及 び ダ ブルディ ス ク レファイ ナ一等 にて磨 砕 す るので あ るが, その前処 理条 件 の
如何 に よっ ては セ ミケ ミカル法 に よるパ ル プの品質 と よ く類似 し,判然 とした区別 が 出来 ない
状 態 に あ る と言 われ てい る。 従 っ て ケ ミグ ラ/ ド法 と云 う名称 は主 とt て丸太法 に よる場 合 に
使 用 した方 が良 いので は ないか と考 え る。
丸 太 材 を化 学 的 に前処 理 す るケ ミグ ラン ド法 につ いて,現 在 に至 る研 究発 展 の概 略 を顧 み る
と, 約 一世 紀 前 にその端 を発 す る。 1
8
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9年 Mor
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nd3) に始 まる 水蒸 気 又 は蒸煮処
理 を特 徴 とす る褐 色砕木 パ ル プに関 す る一連 の研 究過程 を経 てT E・H・Lo
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酸 ソ-ダを使 用す る ケ ミグ ラン ド法 につ い て発 表 した 。 彼 は 1
PaperCompanyにお いて実験 され た方 法 を詳細 に報 じ,Spr
uceと J
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neの丸太 を亜硫
酸 ソーダ溶液 (重 炭酸 ソーダを含 む) に て 1
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C にて前処 理 し磨 砕 して得 たパ ル プは ,
新 聞紙 の Spr
uceSP の使 用率 を 1
8%か ら 8%に低 下 せ しめ る事 が可能 で あっ た と云 う。
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る広葉樹 の実験 につ い て発 表 した。 即 ち Pa
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で減 圧後 加 圧 す る方法 で前処 理 した場 合 , Pa
perbi
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h のパ ル プは未処 理 材パ ル プ よ りも良
好 な機械 的性 質 を もち ,Swe
etgum は それ よ りも少 し劣 る とい う結 果 を得 てい る。
これ に引続 いて C.E.Li
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e を対象 として榎 々な蒸解 方法 と磨 砕条 件
を発表 した。彼 等 は寸
下 にお け るパ ル プの生 産動 力 , 晶質,漂 白等 につ いて詳細 な実験 を行 い, ケ ミグ ラン ド法 に よ
るパ ル プ製 造 の基 礎 を確立 し, その有利 な.
点 を強調 した。
更 に A,Hyt
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寺谷 ・木村 :パルプ及び製紙に関する研尭
おけ る其 の後 の研 究 の発 展 を報 じた。 Qua
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ak 等 の広葉 樹を種 々な条件 で前処 理 し, 砕木条 件 ,パ ル プの
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n.巾の長 網抄紙 機 佐 よる種 々のパ ルプの混合1
,
1紙試験 の結 果 につ
性 質 に及ぼす影響 及 び 1
いて,各樹榎 の ケ ミグ ラン ドパ ルプの優劣,用途等 を詳細 にわ た り詠 じてい る。
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n におけ るケ ミグ ラン ド法 に関す る研 究業 績 を発表 した.
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ke,Pappe
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を用 い,種 々の前処 理条 件 とパ ル プ.
o
j性 質 との関係 を追究 し,
叉砕木 パ ルプ,褐 色砕木 パ ル プ等 と比較検討 す る事 に よって ケ ミグ ラン ドパ ル プの特 徴 を明確
に決定づ け ようとしてい る。 更 に木 材の前処 理 に代 り,砕木時 におけ る化学 的処理 につ いて も
研 究 を行 ってい る。
以 上 概観 せ る通 り,初 期 の研 究 は多 く針 葉樹 の処理 を対条 としていたが,最 近 では広葉樹 の
処 理 に より多 くの興味 が もたれ てい る 世界 的 に針 葉樹 の供給 の不 足す る地域 が広 ま り,広葉
。
樹 を合理的 に活 用 し得 ろ方法 の-・
つ として ケ ミグ ラン ド法 が有望視 され たた めで あ る 然 しな
。
が ら我 が 国では この方法\
について相 当研究 され てい る様 で あ るが,余 り研 究成果 の公表 が な さ
れ ていない状態 で あ る 従 って著 者 らは広葉樹 ケ ミグ ラン ドパ ルプに蘭 す る総 括的 な研 究計画
。
の一部 として,現 在 までに行 った実験結果 を不 充分 ではあ るが一応 と りま とめ,報 告 す る次第
で あ る。即 ち本報 においてほ ケ ミグ ラン ド法 におけ る化学 的前処塩 の諸 条 件 と磨 砕圧力 の変 化
が,磨 砕及 びパ ルプの性質 に及ぼす影響 につ いて実験 し,考 察 した。
庸 本研究 に当 り御 指導下 さい まL'
た本 研 究所所長 館教 授 に深 く感謝 致 します と共 に,研究費
の一部 は文部 省科学研究費 に よる事 を記 し,併せ て謝意 を表 す るもので あ ります。
実験 装置 と方法
5パ ルプ原木 として広華樹 の うちでは比較 的蓄積 量 の多い ブナ とシラカ六 を潜 んだ。直 径 1
3
0cm の岐阜 県産 の丸太材 より 3×3×1
5cm の角柱試 片 を作 成 し,約 3カ月間風乾 した もの
3.
5%) を実験 に使 用 した。化学的前処 理 には容量 1
01の実験 用蒸解釜 を使用 し,
(含水率約 1
5-1
0本 の木 材試片 を安置 せ しめた 円筒容器 に所定 の蒸解 液 を充 た し, この容琴 を蒸解釜 中に
装 置 した後 ,前処 理 を開 始す る 最 初真空 ポ ンプにて蒸解釜 より排 気 し, 7mm Hg の美空
。
度 にて 1時間保持 した後 ,常圧 に一旦戻 し,次 いで エア - コンプ レッサ Tにて加 圧 した。叉加
圧 しない場 合 は減圧処理 後,直 ち に蒸解釜 の加熱 を始 め る 加熱 開始後約 1時間 にて 1
1
0o
Cに
。
4
0
o
Cに上 昇 せ しめて蒸解 を行 った。 その
達 や しや , 同湿 度 紅所定時間保持 した後 ,_
最高 温度 1
bl
elに示 され てい る。 蒸解 終 了後 速やか に排 気 して内容物 を取 り出 し,袷
詳細 な条件 は Ta
'
却 水洗後 麿 砕I
t程 に移 る。
磨 砕に使用 した実験 用 グ ライ ンダ-は以前 に京都 大学林産化学教 室 にて試作 1
1
'した もので あ
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cm のポ ケッ トを有 し,重 量 の異 な る金 属板 に より試 片 に対
る。磨石 の上部 垂直方 向に 4×4
8cm,巾 5cm の ものを使
す る荷重 を調節す る装置 となってい る。 麿石 は天然 砂岩 で直径 2
i
r
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,
目立 を行 った。 その回転数 は 5
2
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pm,表面速度 は 4
6
3m/
mi
nて あった。磨
用 し,Sp
砕 面 だ対 す る注 水量 は 2
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/
mi
n と.
L,Pi
tの温度 は 8
o
C で あった。
磨 砕 され たパ ルプを 2部 に分 ち, 一 部 は直 ち に実験 用 フ ラッ トス グ リーン (
2
5×3
0cm の
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- 1
7-
木
材
研
究
第1
8号
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e1. 木材 ブロッ クの前処理条件及び磨砕圧力
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磨砕庄力
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1
.附近 に叩解 した 。 この両紙料 より坪量約 1
6
0g/m2 の試 験紙
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S に準 じて抄造 した。紙 の白色度 は Beckmann'
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葉を J
の波長 を用 い,硫 酸 バ リゥ ム板 を標 準板 として測定 した。其 の他 の紙 の機械 的性 質 の測定 は大
体
J
I
S に準 じて行 い, ス ク リーン通過紙料 の飾別試験 は林 産化学教室 にて作製 され た装 置1
2
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を使用 した。
磨 砕 デ ー,
クの算 出,紙 の強度 は次式 広 より計算 され た。
磨砕率 (
Gri
ndi
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Bas
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引裂 強 さ (
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比 引裂 度 (
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坪量 (
Bas
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swei
ght
,g/m 2)
- 1
8-
寺谷 ・木村 :パルプ及び製紙に関する研尭
実験結果 と考 察 、
1 蒸解 時間の差異 による影響
Na2
SO3:NaHCO3
-6:1の比 にて 5
0g/1の濃度 の蒸解 .
夜を使用 し,所定 の減圧 を行 った
1
0o
C にて 1叉 は 3時間薬液 を参透 せ しめた後 1
後,加 圧せず に加熱 し, 1
4
0o
C におけ る蒸解
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只 5'
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を 1- 3- 5時間 と延長 した場 合, Fi
g.1に示す如 き
結 果 を得 た。蒸解 韓間 と磨砕率 との関係 において ,
カ
バ
は ブナ と少 し興 った傾 向を示す。 カバは惨透時間 .
の長短
に殆 ど関係 な く,蒸解 3時間 にて磨砕率 が最大 の値 に達
す るのに対 して, ブナでは惨透 3時間 の場 合 は 1段 と高
い磨砕率 を示 し,叉長 時間蒸解 す る程 磨砕率が増 加す る。
これ は薬液 の惨透速度 と密接 な関係 が あ り,従 って原木
)
の密度 が重要 な因子 として考 え られ る。即 ち カバ 材の密
Lu
/空 /
(a望
l ぞ pu.
I
Jg)
+
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・豊 嘩
度 は 0.
5
2-0・
5
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cm3 で あ り,一方 ブナは 0.
61-0.
6
7
g/
cm3 で あ る。 二
枚に材密度 の大 きい ブナは比較 的長時
間鯵透処 理 した方 が よ く, 反対 に カバ は短時間 で も差 支
えない と認 め る事 が出来 る。
蒸解 時間 と消費 馬力 との関係 については,金股的 に長
時間惨透 した場 合及 び蒸解 時間 が長 くな る程 , 消費 馬力
1
Fi
g.1)
。 又材密度 の大 な るブナが カバ よ
が減 少す る (
5
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里時 間
りも磨 砕率が大 な るにも拘 らず, 消費馬 力か/
)
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.
う事 実 は,蒸解後 の ブナの材 質が もろ くな り,磨 砕 に称
す る抵産 が 少ないた めであ り,木 材組織 ,繊維長 ,化学
成分等 の差異 に基 因す るものであろ う。従 って磨 砕の面
か らのみ考 え ると,材 質が密 で短繊維 の多い ブナで も利
点 を もつ事 が認 め られ る。
磨砕 され たパ ルプを フ ラッ ト・ス ク リ-ンにて選別 し, その通 過部 と残留 部 の合 計 よ り原木
bl
e2について見 れば,長 時間蒸解
に対 す る仝収率 を算 出 した。蒸解 時間 に対 す る関係 を Ta
Tabl
e2. ケミグランドパルプのスク1
)-y選別及び炉水乾に及ぼす前処理時間の影響
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実験番号 姦 ク品一義 孟 ク造 I 義
収 率 炉
7k 寛 実験番号 姦 ク
一品 孟 ク造 一品 全収率 炉 水 度
Expt
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4%, ブ ナ8
3%の収 率 を得 て い る。 カバ と ブ ナ と
した場 合 , 収 率 が 少 し低 下 して お り, カバ で8
8
% で , 大体
の問 で は収 率 に殆 ん ど差 異 が な く.
, 叉 ス ク リー ン を通 過 す る部 分 も原木 に対し約 6
-一
致 して い る。 庸 カバ に お け る珍
透 1時 間 の シ リーズ の値 が 少 し異
常 で あ るが , これ は ス ク リー ン操
作 に おけ る不 手 際 に 由来 す る もの
で , 完 全 に ス ク リ- ン され て い な
か っ た為 で あ る。
ス ク リ: ン通 過 紙 料 の
Free-
ness は何 れ の試 料 に お い て も変
スクリーン 倉 網 (
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)- ソを通過せるケ ミグフ:
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プの飾別繊維に及ぼす影響 (EH
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20 -
寺谷 ・木村 :パルプ及び製紙に関する研究
化 が 少 く,略 々 8
7
0-8
9
0ccの間 に存 在 して居 り,通常 の グ ラン ドパ ル プの Freeness とは比
較 にな らない程著 し く大 で あ る。 この事 実 は次 に述 べ る飾別試験 の結 果 か ら よ り明瞭 に察知 さ
れ る。
ス ク リー ン通過紙料 を鮪別試験 した結 果 , Fi
g.2 の如 き分 布 図 を得 た。 3時 間惨透 の場
合 は全般 に2
4メッ シュ残 留の粗繊維部 が増加 し,樽 に 5時 間蒸解 は ブ ナ, カバ共 に著 し く繊 維
素 を増 す結 果 とな り, ブ ナで3
1
%, カバ で4
4% と云 う値 を示 して い る。即 ち材 が最 も よ く軟 化
してい るや うで あ る。 亦 ブナは カ′
ヾに 比較 して 1
5
0メッ シュ を 通 過す る 微 細部分 を 少 し多 く
含 ん で い る事 が判 る。
これ らの ス ク リ-ン通過紙 料 につ いて蒸解 韓間 と紙 の機械 的性 質 との間b 関係 を求 め る と,
Fi
g・3 に示す如 くな る。 3時 間 珍透 , 5時 間 蒸解 の カバのパ ル プは針 喪樹 GP よ りも非常 に
優 れ た強度 を示 してい るが, これ は繊維束 を多量 含 んで い るに も拘 らず ,高 い密度 の紙 を形 成
す る事 に も関連 してい る。 叉 ブ ナは鯵透 1時 間処 理 で は不 充分 で, 3時間 鯵透 す る事 に まっ て
初 めて蒸解 の効 果 が明瞭 に現 れ, パ ル プの強度 的性 質 におし、
て針 葉樹 GP に匹敵 す る程 で あ る。
ス ク リ- ンを通 さず に磨 砕筏 直 ち に実験 用 ビータ ーにて
SR Freeness7
5
0m.
1
.附 近 に叩
解 した紙料 につ いて, 強度試験 を行 った結 果 , Fi
g.4 に示す如 き値 を得 た。全 般的 に ス ク リ
ーン通過紙料 の場 合 と比較 して強度 は一段 と上 昇 してお り,実験範 囲 内で最 も よ く蒸解 した カ
バ の ケ ミグ ラン ドパ ル プは化学 パ ル プに近 い強 さを保 有 してい る。叉 ブ ナの鯵透 1時 間処 理 の
シ リーズは蒸解 時 間 が長 くなっ て も全然 強度 が増 加 しない事 が注 目 され る。
5-61
叩解 叉 は末 叩解 パ ル プの白色度 は蒸解 時間 の長短 に よっ て大 きな変 動 が な く, カバ で5
% , ブナで3
9-4
7% の値 を示 してい る。 これ は全 く原木 の色調 に支配 され て い るが, カバ の白
色度 で あれ ば通常 の針 葉樹 GP に劣 っ てい ない。
2 蒸解 液 と蒸解 圧力の差異 に よ る影 響
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g・5・ 前処理薬液の濃度 と最高処理圧力の差が動力消費及びケミグラン ドパル プの物理的性質に
与 え る影響 (
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- 21-
木
材
研
究
第1
8号
(
昭32)
Na2
SO3 6
化学 的前処 理 に おけ る蒸解 時間 と湿度 を一定 とし,5
0g/1の薬 液 (NaHCO3 1)を用 い
て 1
4
9o
C におけ る最高圧 力 3.
8kg/
cm3にて蒸解 した場 合 と,2
5g/
1
の薬液 (
Na2
SO3
)を用
8kg/cm3 (ブ ナ) 叉 は 5.
8kg/cm2(カバ) にて蒸解 した場
いて 同温 度 におけ る最高 圧 力 4.
合 と, 両者 を比較 検討 す る と Fi
g.
.5 に示す や うな変 化 が認 め られ た。
磨 砕率 と 消費 馬 力 との関係 にお いて カ バは ブナ と反対 の傾 向を京 して い る。即ち カバ は低 濃
度 薬液 にて加圧 蒸解 した場 合 ,高 濃度 一低 圧 蒸解 に比較 して磨 砕率 は僅 か減 少 し, 消費 馬 力 が
少 し増 加 して い るが, ブ ナは全 く反対 で あ る。 'この事 実 は ブ ナの如 く密 度 の大 な る材 は薬液 の
惨透状 態 の如何 が,磨 枠に対 す る大 きな因子 とな るか ら,低濃度 の薬液 で も加 圧 して充分 に材
中に惨 透 せ しめ ると良結果 が得 られ る事 を示 す。然 しカバ の如 く比較 的 鯵透 の良 い材 は,薬液
濃度 の高 低 に よっ て蒸解 程度 が左右 され , ブ ナと反対 の詰 巣 を与 えた もの と推 察 され る。
パル プの仝 収 率 は両 蒸解法 に よる差 が殆 ん どな く,カバ,ブ ナ共 に8
4-8
6%程度 で あ る。 ス ク
4メッ シュ に残留 す る
リー ン収 率 は低 濃度 -高 圧 蒸解 の場 合 少 し増 加 してい るが, その 中で も2
0%, ブナで は2
0%,
/
部 分 が著 し く増 加 してお り, カバで は6
減 少す るのは 当然 で あ る。
蝶軟
中
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に達 して い る。 従 っ て4
2メッ シュ以上 の繊維 部 分の割合 が
強度 はす べ て低 濃度- 高 圧蕃解 の場 合 の方 が高 い値 を示 し
禁
0%以上 の粗繊維 部 を合
てい る。 特 に カバ は前述 せ る如 く6
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み な示 らも高密 度 ゐ紙 を形 成 す る事 は注 目に値 す る。 然 し
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この様 な強 度 の上 昇 が果 して何 の程 度 の高 圧蒸解 まで現 れ
るか更 に検 討 す る必 要 が あ る と思 われ る。 パ ル プの 白色度
5%, ブ ナで
は蒸解 方法 の何 加 に よっ て変 化 せず , カバ で5
P
41
%を示 してい る
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3 磨砕圧力の差異 による影響
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磨 砕圧 力 を変 化 せ しめて鷹 砕 した結 果 を Fi
磨 砕率は 贋 砕圧 力 の増 力胴こ対 し殆 ん ど直線 的 に上 昇 してい
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g.6. 磨砕圧力が動力消費に及ぼ
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3. ケ ミグランドパルプの師別に対する摩砕圧力の影響
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1
-2
2-
寺谷 ・木村 :パルプ及び製紙に関する研究
るが,消費 馬力 は却 っ て幾 らか減 少す る傾 向に あ る。 又 ブナの磨 砕率 が カバ よ りも大 き くて両
も消費 馬力 が小 さい といい う関係 は,磨 砕圧 力 が 2
.
0kg/
cmコに増 して も変 化 しない。 これ は
b一
e3に示 す飾別結 果 よ
ブナの材質 が脆 くて微 細化 され 易 い事 に基 づ くもの と考 え られ, Ta
りも首肯 され る。 又 同表 におけ るス ク リ- ン残 留部分 の割合 は磨砕圧 力 が大 な る程 増加 してい
る。 侍 飾別 に よる中間 メッ シュ残留 部が カバで は3
0-3
6.
%で あ り,新 聞 用紙 等 に用 い る場 合 は
丘ni
ng して粗繊維束 を砕 く必要 が あ る。
更 に Re
Ta
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e4. ケミグランドパルプの物理的性質に及ぼす磨砕圧力の影響
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Tabl
e4 ほ磨 砕圧 力 を変 化 せ しめた場 合 の紙 の横械 的性 質 を測定 した結 果 で あ る
0
。
カバ,
ブナ共 に実験範 囲内では磨砕圧 力 の大小 は殆 ん ど紙 の密 度 , 強度 ,
, 白色度等 に影響 を与 え な
い。勿論 これ は ス ク リー ン通 過紙料 の飾別結 果 に大 きな変動 が ないか らで あ るが,結 局横板 的
性 質 に変 化が なけれ ば,磨 砕圧 力 を或 る程 度高 めて磨 砕 した方 が生 産能 率, 消費 馬 力 の点か ら
有利 と思 われ る
。
結
論
広葉樹 ケ ミグ ラン ドパ ルプ製 造 におけ る化学 的前処 理 の条 件 及 び磨 砕圧 力 が,パ ル プの性質
及 び磨 砕動 力 に与 え る影 響 を ブナ及 び カバ につ いて笑験 し,次 の如 き結 果 を得 た。
(
i) 薬液 惨透 の速 度 は材 の密 度 に よっ て も影 響 され るので,密 度 大な'
る材 は充分 に薬 液 を鯵透
せ しめた後 ,.
最 高 温度 におけ る蒸解 を行 う可 きで あ るム このた めには減圧後 一旦 加 圧 し一
て蒸解
す る方法 が有効 な る事 を確 認 した。 同一条 件 にて充分 前処 理 した場 合 , ブナは カバ よ りも磨 砕
率 が大 き く, しか も消費 馬 力が少 ない。従 っ て材 質 の密 な る原木 で も磨 砕動 力 の面 で有利 とな
り得 る。
(
2) 実験範 囲内で最 も長 く蒸 解 した場 合 のパ ル プ収 率 は原木重 量 の約
83%で あ り, この中
0.
0
08i
nス ロッ トのス グ づ- ンを通過 す る部分 は原木 に対 し約 68.
%で あ る
。
この数値 は カバ,
ブナに共 通 で あ る。
(
3) 充分 前処 理 した カバ及 び ブナの ス ク リ- ン通 過紙料 は, 針 葉樹
GP
よ りも優 れ た強度 を
表 し,特 に カバ は著 し く良好 で あ る。亦磨 砕 され たパ ル プを更 に ピーク -で軽 く機械 的処理 す
る事 に よっ て紙 の強度 は一段 と上 昇 し,化学 パ ル プに近 い強 さを発揮 す る。紙 の白色度 は主 と
0%, ブナで約 45%附迫 の値 を示 し, 材 に よっ ては針 葉
して原木 の色調 に支配 され , カバで約 6
樹
GP に全 く劣 らない白色度 のパ ル プを造 る事 が可能 で あ る。
-2
3-
木 材
研 究 第1
8号
(
昭32)
(
4) 磨 砕圧 力 を1
.
0か ら 2・
Okg/
cm2 まで上 昇せ しめて磨 砕 した結 果, 消費 馬力 は増 す番 な く
磨 砕率が直線 的 に増加 した 。 そのた めにパ ルプ中の粗織維 東 D含有率 は幾分高 くなったが,舵
の強度 , 白色度 には殆 ん ど変 化 が見 られ なかった。
以上 の結 果 よ り,次 の如 き結 論 を導 き出す事 が出来 る。即 ち な るべ く材 の白い樹種 を選 ♂,
最 研薬 液 を充 分相 中に鯵透 させ た後 ,最適条 件 にて蒸解 し,磨 砕圧力 を或 る程度高 めて磨砕 し,
ピーク-, ジ ヨル ダンそ の他 の レフア イ ナ一等 にて軽度 に機械 的処理 を して粗組織束 を砕 くな
らば,高 い生産能 率にて針 葉樹 GP よ りも白色度 において劣 らず,造 か に強度 の大な るケ ミグ
ラン ド・パ ル プを 日本 産広葉樹 か ら製造 す る事 が可能 で あ る。 従 っ て現 在 の針 葉樹 GP の用途
におい て, そ の使用量 を節減 せ しめ或 いは全 く取替 る事 も期 待 され るので あ る 亦 た とえ着色
。
材 であっ て も.
,従来利 用す る事 の少 なか った広葉樹類 を一・
応 パル プ化 し,適 当な用途 に進 出 さ
せ る事 も可能 ではないか と考 え られ る。
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寺谷 ・木村 :パルプ及び製紙に関す る研究
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