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Title アンジオテンシンII受容体遮断薬およびCa拮抗薬の慢性経口投与

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Title アンジオテンシンII受容体遮断薬およびCa拮抗薬の慢性経口投与
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Abstract
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アンジオテンシンII受容体遮断薬およびCa拮抗薬の慢性経口投与による,高血圧ラットの循環調節
の線形性の低下と,非線形性の亢進
大波, 敏子(Onami, Toshiko)
猿田, 享男(Saruta, Takao)
慶應医学会
慶應医学 (Journal of the Keio Medical Society). Vol.82, No.2 (2005. 6) ,p.T197- T205
Journal Article
http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00069296-20050601
-0197
慶應 医 学 ・82(2):T197∼T205,2005
学位論文
ア ン ジ オ テ ン シ ンII受
容 体 遮 断 薬 お よ びCa拮
抗薬 の
慢 性 経 口投 与 に よ る,高 血 圧 ラ ッ トの循 環 調 節 の
線 形 性 の低 下 と,非 線 形 性 の亢進
慶應義塾大学医学部 内科学教室
(指導:猿 田享男教授)
大
波
敏
(平成16年12月14日
Key Words:Hypertension,
子
受 付)
Sympathetic nerve activity,angiotensin IIreceptor blocker, Ca channel blocker,
nonlinearity,coherence
生 体 に と って の正 常 状 態 で は,生 体 を制 御 す る さ ま ざ
報 告 して き た6).さ
ら に,非
線 形 性 の低 下 と不 良 な予 後
ま な シ ス テ ム が カ オ ス的 で,非 線 形 性 が 高 く,「 複 雑 」
を 結 び っ け る因 子 の 一 っ は 交 感 神 経 活 動 の 充 進 で あ る こ
で あ る こ とが 知 られ て い る1)・2).これ ま で,恒 常 性,ホ
と を 報 告 し た.
メ オ ス ター シス が保 た れ て い るの は シス テ ムが単 純 で あ
そ こ で,本
研 究 で は ア ン ジ オ テ ン シ ンII受 容 体 遮 断
るか ら と考 え られ て い た が,一 定 に保 っ た め に はむ しろ
薬 カ ン デ サ ル タ ン とCa拮
多 数 の シス テ ム が複 雑 に作 用 しあ う こ とが必 要 で あ る こ
口 投 与 し,SHRの
とが わか って きた.逆 に,心 拍 変 動 や脳 波 な どの非 線 形
形 性 が ど の よ う に 変 化 す る か を,線
性 が 低 下 し,「 複 雑 さ」 が 失 わ れ る と重 症 不 整 脈 や け い
数6)・7)と線 形 と 非 線 形 を 合 わ せ た 解 析 法 で あ る 相 互 情 報
れ ん が 生 じる こ と が 臨 床 研 究 で報 告 さ れ て い る3)'4).ま
量 を 用 い て 比 較 検 討 し た6)・8)・9).
た,Huikuriら5)は,心
筋梗塞後 に心拍変動 の非線形性
さ ら に,も
抗 薬 ア ム ロ ジ ピ ン を2週
間経
神 経 性 循 環 調 節 の 線 形 性 お よ び非 線
形 解 析 で あ る伝 達 関
し カ ン デ サ ル タ ンがSHRの
線 形 性 を低 下
線 形 性 を 充 進 さ せ る な ら ば,そ
の機 序 と して レ
が 低 下 して い た患 者 は生 命 予 後 が 悪 い こ とを報 告 した.
さ せ,非
っ ま り,非 線 形 性 の 低 下 は予 後 不 良 の 因 子 と考 え られ
ニ ン・
ア ン ジオ テ ン シ ン系 お よ び 交 感 神 経 系 の抑 制 が 予
る2-5).
想 さ れ る.一
線 形 と は,加 算 や比 例 の関 係 が保 た れ て い る関係 を 指
し,も し,あ る制 御 系 が 線 形 で あ るな らば入 力1に 対 す
下 さ せ,非
る出 力 を 出力1と す れ ば,入 力1+入
で あ る.
は出 力1+出
力2と
力2に 対 す る出 力
な る はず で あ り,ま た,入 力1の 倍
方,ア
ム ロ ジ ピ ン は レ ニ ンーア ン ジ オ テ ン
シ ン系 お よ び 交 感 神 経 系 を 抑 制 し な い の で,線
線 形 性 を元 進 させ る と して もそ の機 序 は不 明
筆 者 の 研 究 室 の こ れ ま で の 研 究6)に よ り,SHRに
数 は 出力1の 倍 数 とな る はず で あ る.こ の よ うな 関係 を
化 窒 素(nitric
満 た さ な い制 御 系 を非 線 形 とい う.生 体 の絶 え 間 な い変
ニ ン を 静 脈 内 投 与 す る と ,腎
化 を解 析 す る た め に は従 来 の線 形 の解 析 法 の み で は不 十
血 圧(BP),
分 と考 え,非 線 形 の解 析 法 と して相 互 情 報 量 を用 い た.
性 が 低 下 し た こ と か ら,NOの
著 者 の研 究 室 で は これ ま で,ヒ
ト本 態 性 高 血 圧 モ デ ル
に相 当 す る 高 血 圧 自然 発 症 ラ ッ ト(SHR)で
ス タ ー 京 都 ラ ッ ト(WKY)に
(RSNA)と
血 圧(BP),
RSNAと
は,ウ
イ
比 べ て腎交 感 神経 活動
腎 血 流 量(RBF)の
oxide,
RSNAと
NO)の
一T197一
前 駆 物 質 で あ るL一 ア ル ギ
低 下 さ せ る こ と が 推 察 さ れ た.そ
が も しSHRの
一酸
交 感 神 経 活 動(RSNA)と
腎 血 流 量(RBF)の
相 関 の線 形
作 用 がSHRの
線形 性 を
れ ゆ え,ア
ム ロジピン
高 い 線 形 性 を 低 下 さ せ る と す る な らば,
そ の 機 序 と し て ア ム ロ ジ ピ ン に よ るNO増
考 え ら れ た'o)・ll).そ こ で,ア
相 関 の線 形 性 が増 加 し,非 線 形 性 が低 下 して い る こ とを
形 性 を低
加 の 関与 が
ム ロ ジ ピ ン とNO合
素 阻 害 薬 で あ るNω 一nitro-L-arginine
methyl
成 酵
ester(L一
慶 鷹 医学82巻2号(平
成17年6月)
NAME)を2週
間,同 時 に経 口投 与 した 時 ㊥ 線 形 性 お よ
び非 線 形 性 の変 化 にっ いて も検 討 した.
方
法
本 研 究 は慶 慮 義 塾 大 学 医 学 部 動 物 実 験 ガ イ ドライ ンに
準 拠 し,こ れ を 遵 守 した.動 物 は15週
を用 い た.ペ
齢 の 雄 のSHR
ン トバ ル ビタ ー ル麻 酔 下 に大 腿 動 静 脈 に カ
テ ー テ ル を挿 入 し,心 拍 数 を正 確 に心 電 図 か ら得 るた め
に腹 部 皮 下 に テ レメ トリー送 信 器 を埋 め込 ん だ.左 後 腹
膜 を切 開 し左 腎交感 神 経束 を剥離 し,ス テ ン レス ワイ ヤー
電 極 を装 着 した12).ま た,同 じ左 側 の腎動 脈 にパ ル ス ドッ
プ ラ ー プ ロ ー ブ を装 着 し,シ
図1
実 験 方 法 の模 式 図.15週
(SHR)を
用 い,ペ
齢 の 高 血 圧 自然 発 症 ラ ッ ト
(図1)手
ン トバ ル ビタ ー ル 麻 酔 下 に大 腿 動 脈
と した.大 腿 動 脈 内の カ テ ーテ ル を圧 トラ ンス デ ュー サー
に左
後 腹 膜 切 開 し,左 側 の腎 交 感 神 経 束 に ス テ ン レス ワイ ヤ ー
に接 続 し,血 圧 を 測定 した.ま た,テ
電 極 を装 着 し,同 側 の 腎動 脈 に ド ップ ラー血 流 計 の プ ロ ー
ブを 装 着 す る.(大
波,他;循
ッ トの体 位 を ホ ル ダ ー に固 定 し,
無 麻 酔,軽 度 の拘 束 状 態 で あ る こ とを確 認 後,実 験 開 始
に血 圧 測定 用 の カ テ ー テ ルを 挿 入 し,皮 下 にテ レメ トリー
送 信 器 を 埋 め込 み 心 電 図 か ら瞬 時 心 拍 数 を 得 る.次
術 翌 日,ラ
リコ ンゲ ル で 固 定 し た.
に よ り心 電 図 を記 録 し,こ のR-R間
環 制 御2004;25:105-
(HR)を
221の 第1図 を 許 可 を得 て 転 載)
記 録 した.腎
レメ ト リー 送 信 器
隔 か ら瞬 時 心 拍 数
交 感 神 経 束 の 電 極 よ り得 られ た
交 感 神 経 活 動 を 差 動 ア ンプ に よ り増 幅 した.そ
A/D変
換 器 に よ り2000Hzで
取 り込 み,6分30秒
上 同 時 記 録 した6),(図2)...間
血圧
80
160
平均 血圧
(mmHg)
心拍 数
80
(bpm)
腎交 感 神経 活 動
(NV)
腎 交 感神 経 活 動
の 積 分値
(arbitrary
unit)
腎 血流 量
(mVmin)
図
電
心
(sec)
図2
無 麻 酔 状 態 で 記 録 し たSHRの
(BP),心
図.(大
各 パ ラ メ ー タ ー の実 際 の記 録.上
拍 数,腎 交 感 神 経 活 動(RSNA)の
波,他;循
原 波 形, RSNAの
環 制 御2004;25:105-221の
第2図
一T198一
か ら順 に血 圧,平
積 分 値,腎 血 流 量(RBF),心
を許 可 を得 て転 載)
以
隔 の 時 系 列 が等 間 隔
16。
(mmHg)
れ ぞれ
均血 圧
電
大 波:高 血 圧 ラ ッ トに お け る降 圧 薬 投 与 に よ る線 形 ・非 線 型 の変 化
に サ ン プ リ ン グ し た デ ー タで は な い た め,心
も と2000Hzで
サ ン プ リ ン グ さ れ て い た がBergerら7)
の 方 法 に 従 っ て64Hzで
BPとRBFの
サ ンプ リ ン グ さ
離 散 デ ー タ を 直 線 で 結 び,
こ の 連 続 し た 折 れ 線 を64Hzで
た も の)の
一 種 で1組
y(t)の 値 がx(t)に
リサ ンプ リ ン グ さ れ た 瞬 時心
拍 数 の デ ー タ を 作 成 し た,2000Hzで
れ たRSNA,
電 図 はもと
リサ ンプ リ ン グす る こ
とに よ って 瞬 時心 拍 数 の デ ー タの デ ー タ とサ ンプ リ ング
も の で あ る.こ
の 時 系 列{x(t)}とUω}に
ど の程 度 依 存 して い るの か を計 測 す る
れ ら の デ ー タ 長 は2の
般 的 な 一 対 の 系(s,Q);S=[s(t)],
べ き 数 で あ る.一
Q=[q(t)]に
互 情 報 量1(S,Q)は,「sがSと
Qを,平
つ き,
対 す る相
い う値 を と る 時,
Qの
値
均 して どれ く らい の情 報 量 で予 測 で き るの か 」
と い う こ と を 定 量 化 して い る.
時 刻 を 一 致 さ せ た.
1)プ
ロ ト コ ー ル1(降
1(S,Q)-fPSq(s,
圧 薬 の 効 果)
カ ン デ サ ル タ ン1mg/kg/日(n=13),ま
た は アム
ロ ジ ピ ン5mg/kg/日(n=7)を
投 与 し,RSNAとBP,
そ れ ぞ れ2週
RSNAとRBFの
非 線 形 性 をvehicle群(n=7)と
2)プ
効 果)
ア ム ロ ジ ピ ンがSHRの
ア ム ロ ジ ピ ン5mg/kg/日
増 加 が 考 え ら れ る た め,
とL-NAME1.5
mg/kg/日
間 同 時 に 経 口 投 与 し,RSNAとBP,
RSNAとRBFの
相 関 の 線 形 性,非
こ の 式 でsとQは2っ
sとqの
の 系 を,PS(S)とPQ(4)は
値 に お け る 確 率 密 度 関 数 を,鳥(∫,4)はSと4
の 値 を と る 時 の 結 合 確 率 密 度 関 数 を 表 す.(S,Q)に
対 し
て 相 互 情 報 量 が 大 き け れ ば 大 き い ほ ど,SとQの
相互
本 実 験 に っ い て 述 べ る と,RSNA,血
流 量(RBF)の
時 系 列 をRSNA(t),
が64Hzの
れ は256(=214/64)秒
た め,こ
5
0
量
5
む
/S
榊辮
一■,■,,
0
関 性 を あ ら わ す.0.5以
に相当 し
/Q
50
1
,以 下 の 式 で あ ら わ さ れ る.
05
一
ξ・
コ
望 魎…N
7
V.......¥ ノi 瓢
、
aoo
鍬 )
200
A
sec
8
,1'1・
・
)むV
100
150
C
1
近 づ く.
r
ξ
!!1....1.._
K・
上で有意
形 性 が 高 い ほ ど1に
一 次 回帰 で いえ ば 〆に あた り
表 す.
サ ンプ リ ング レー ト
ni
'..1....
レv)ノi)
1
.
ヒ ー レ ン ス と は 関 連 度 関 数 の こ と で,
0
続 い て2変
に コ ヒー レ ンス を線 形 性 の指 標
に 相 関 あ り と 判 断 さ れ,線
血
比 較 した.
速 フ ー リ エ 変 換)に
2変 量 間 の 線 形 性,相
BP(t), RBF(t)で
点 と し た.リ
1
と して 用 い た.コ
圧(BP),腎
デ ー タ 長 は2の14乗
線形解析
間 の 伝 達 関 数 を 求 め,主
おのおの
線 形 性 をvehicle群
お よ び ア ム ロ ジ ピ ン単 独 投 与 群(n=7)と
ス ペ ク トル 解 析(高
Q)/(PS(・)Pq(q))]鋤
依 存 は 大 で あ る.
高 い線 形 性 を 低 下 す る と仮 定
の 機 序 と してNOの
(n=9)を2週
相 関 の 線 形 性,
比 較 し た.
ロ トコ ー ル2(NOの
す る と,そ
間経 口
q)1・9[PS9(S,
B
■一●}…
層…
D
}
D
コ ヒ ー レ ンス=(ク
ロ ス ス ペ ク トル)2/
Q
(入 力 の パ ワ ー × 出 力 の パ ワ ー)
筆 者 の 研 究 室 の こ れ ま で の デ ー タ よ り,腎
の 低 周 波 成 分,特
に0.05Hzと0.80
腎 血 流 量 の 変 動 に 重 要 で あ る こ と,ま
交感神経活動
Hzが
o
-OS
●
o
・
り
・・
,■・
・
C
血 圧 およ び
-t
た,0.010Hz未
一1
-0
0
0.5
1
S
満 で は循 環 調節 に は中 枢 神 経 由 来 の 交 感 神 経 活 動 が 関 与
して い る こ と が 推 測 さ れ て い る.こ
●
A
の た め,1.OHz以
図3
下 の 低 周 波 成 分 に っ い て 解 析 を 行 っ た6).
相 互 情 報 量 の概 念.SとQと
い う あ る2っ の 変 量 が
図 の よ うな 関 係 に あ る と き,従 来 の 線 形 の解 析 法 で は有
意 な1本 の 回 帰 直 線 を 引 く こ とが で きず に相 関 が な い,
非線形解析
と い う こ と に な る.し
区 画,た
Fraserら
に よ って 発 案 さ れ た 離 散 デ ー タに 対 す る 計
算 法 に 従 っ て 相 互 情 報 量 を 求 あ た8).64Hzで
リ ン グ し たBP,
pass
RSNA,
filterを か け た.相
情 報 エ ン トロ ピ ー(あ
RBFに0.1
Hz未
リサ ンプ
満 のlow-
互 情 報 量 は確 率 論 で 定 義 され る
る事 象 の 結 果 の 意 外 性 を 数 値 化 し
一T199一
か し,相 互 情 報 量 で は順 次 小 さ な
と え ば 図 上 のA,B,
C,
Dと い う短 い区 画 に わ
け て い き,お の お の 区 画 の な か で相 関 が あ る か ど うか を
決 定 して い く.区 画 の 大 き さ に応 じて重 み を もた せ,最
終 的 に 合算 して評 価 す る.相 互 情 報 量 は0-1の
値 を と り,
0.047以 上 で 有 意 に相 関 あ り と判 断 す る9).(大 坂,他:
Ther
Res
1998;19:1845-1851の
て 改 変,転 載)
第 二 図 を許 可 を 得
慶 鷹 医 学82巻2号(平
た.SとQが
全 く 同 一 な ら ば,そ
あ る は ず で あ る.そ
報 量1〈S,Q)=nで
デ ー タ に 対 して 計 算 す る 制 約 に よ る.す
よ り正 規 化,っ
あ る
な わ ち2っ
.し
ま りnに
タ 長 に よ ら ず 完 全 相 関 が1に
Osakaら
互 情 報 量 は0.047以
意 に 相 関 あ り と 判 断 し た(図3).例
[RSNA(t)],
Q=[BP(t+T)]と
-5≦T≦5の
し, Tは
れ をS,Qす
ー
上 段 にRSNAか
らBPへ
軸 に0-1Hzの
周波数
て軸 に線 形 性 を表 す コ ヒー レンス を プ ロ ッ トした.
図5の
下 段 は コ ヒ ー レ ン ス の 平 均 値 を 示 す.
らBPへ
の コ ヒ ー レ ン ス は カ ン デ サ ル タ ン,
ア ム ロ ジ ピ ン と も にvehicleと
一5秒 か ら5秒
の 伝 達 関 数 の コ ヒー
を,た
RSNAか
え ば,S=
比 較 して 有 意 に 低 下 した .
両 薬 剤 の 間 で 差 は み と め ら れ な か っ た.RSNAか
値 で,
な わ ちRSNAとBPの
有 意 に は抑 制 され な か っ
レ ン ス を 各 群 一 例 ず っ 示 した.横
た,
範 囲 で 最 大 の 値 を と る も の をImax(S
と あ ら わ し,こ
図5の
上 で有
刻 み で と る.1(T)=1(S,Q)の
有 意 に 低 下 , RBF
た.
の同
よ っ て 除 し,デ
比 較 しBPは
は 有 意 に 増 加 した が,RSNAは
た が って 相 互
な る よ う に し た.ま
の 研 究9)に よ り,相
の 間 の 値 を0.25秒
互 情
れ は この アル ゴ リズ ムが 離散
一 な 時 系 列 の 相 互 情 報 量 はnで
情 報 量 はnに
ジ ピ ン群 で はvehicleと
れ ら の相 関 は完 全 で
の 時 デ ー タ 長 が2° な らば,相
あ る.そ
成17年6月)
RBFへ
, Q)
の コ ヒ ー レ ン ス もvehicleと
意 に 低 下 し た(図6).ま
相互
た,血
圧 か ら腎 血 流 量 へ の 伝
達 関 数 の コ ヒ ー レ ン ス は0.5-1.OHzに
お い て カ ンデ サ
ル タ ン よ り も ア ム ロ ジ ピ ンで よ り低 下 し た(図7)
情 報 量 と し た.
ら
比 較 して 同 等 に 有
.
腎 交感 神 経 活動 か ら血 圧 へ の 伝 達 関 数 の コ ヒ ー レ ンス
結
果
は カ ン デ サ ル タ ン,ア
ム ロ ジ ピ ン,い
ず れ の投 与 群 にお
い て も ビ ー ク ル 群 と は有 意 差 は な か っ た.一 一方,線
1)降
圧 薬 の効 果
カ ンデ サ ル タ ン群 で は血 圧(BP)はvehicle群
較 し有 意 に 低 下 し,腎 血 流 量(RBF)は
た(図4).さ
とBPと
と比
腎交 感 神 経 活 動(RSNA)は
有 意 に抑 制 さ れ た.ア
平均血圧
mmHg
arbitrary
unit
デ サ ル タ ン,ア
相 関 に お い て も相 互 情 報 量 は カ ン
ム ロ ジ ピ ン と も にvehicleに
腎交感神経活動
150
15
100
10
50
5
0
0
心拍 数
bpm
500
腎血流量
ml/min
8
400
6
300
4
200
2
100
0
0
vehicle
vehicle
カ ンデ サ ル タ ン
カンデサル タン
アム ロジ ピン
各 循 環 指 標 の 平 均 値(±
*P<0.05vs
vehicle
**P<0.01vs
vehicle
アム ロジ ピン
標 準 誤 差).カ
ンデ サ ル タ ン群 と ア ム ロ ジ ピ ン群 で はvehicle群
に
比 べ て 有 意 な血 圧 の 低 下 を 認 め た.有 意 な 降圧 お よ び 腎血 流 量 の 増 加 に もか か わ らず 腎交 感 神 経
活 動 は カ ンデ サ ル タ ンで 有 意 に 抑 制 さ れ た が,ア
(大波,他;循
環 制 御2004;25:105-221の
第4図
一T200一
ム ロジピ ン
比 べ 有 意 に 高 値 で あ っ た(図8).ま
た,RSNAとRBFの
ムロ
20
の 相 関 に お い て カ ン デ サ ル タ ン,ア
と も にvehicleと
有意 に増加 し
らに,有 意 な血 圧 低 下 に もか か わ らず,
図4
形 性
の 相 関 と 非 線 形 性 の 相 関 を 表 す 相 互 情 報 量 は,RSNA
ム ロ ジ ピ ンで は有 意 に は抑 制 さ れ な か っ た.
を許 可 を得 て転 載)
比 べ有 意 に
大波
高 血 圧 ラ ッ トに お け る降 圧 薬 投 与 に よ る線 形 ・非 線 型 の変 化
腎交感 神経 活動 か ら血圧 への伝 達 関数 の1例
Vehicle
カ ンデ サル タ ン
アム ロ ジ ピン
コ ヒー レ ンス
1
0.5
0.5
0.5
0
0
0.5
1
0
0。5
1
Hz
0
1
1
0.5
0.5
0
O
vehicle
vehicle
レ ン ス の 一 例.横
ン デ サ ル タ ン,ア
力 と 仮 定 す る)か
軸 は 周 波 数,縦
関 あ り と 判 定 す る が,カ
か らBPへ
ム ロ ジ ピ ン を2週
ら 血 圧(BP,出
vehicle
Vehicle群
群 で コ ヒ ー レ ン ス は 有 意 に 低 下 し た.(大
の 伝 達 関数 の コ ヒー
ヒ ー レ ン ス は0.5以
上 で有 意 な相
ム ロ ジ ピ ン に よ り コ ヒ ー レ ン ス は 低 下 し た.
ン デ サ ル タ ン 群(n=13),ア
の 伝 達 関 数 を ま と め た も の.
間 経 口投 与 した 時 の 腎 交 感
力 と 仮 定 す る)へ
軸 は コ ヒ ー レ ン ス を 示 す.コ
ン デ サ ル タ ン,ア
(下 段)vehicle群(n=9),カ
vs vehicle
ア ム ロジ ピ ン
ア ム ロジ ピ ン
(上 段)SHRにvehicle,カ
★Pく0.05
**P<0,01vs
カ ンデ サル タ ン
カ ン デサ ル タン
神 経 活 動(RSNA,入
1
Hz
腎交 感神 経活 動か ら血圧 へ の伝達 関数
コ ヒー レ ンス
図5
0.5
Hz
波,他;循
ム ロ ジ ピ ン群(n=7)のRSNA
と 比 較 し て カ ン デ サ ル タ ン群 と ア ム ロ ジ ピ ン
環 制 御2004;25:105-221の
第4図
を許
可 を 得 て 転 載)
増 加 し た.図5,6,8の
結 果 か らカ ンデ サ ル タ ン とア
ム ロ ジ ピ ン はSHRの
高 い 線 形 性 を 低 下 さ せ,低
い非 線
ム ロ ジ ピ ン に よ りSHRの
線 形 性 は 低 下 し,非
増 加 し た が,ア
ム ロ ジ ピ ン とL・NAMEを
形 性 を 増 加 さ せ る こ と が 示 さ れ た.
こ と に よ り,線
形 性 が 増 加 し,非
2)NOの
れ ら の 結 果,ア
効果
次 に,ア
ム ロ ジ ピ ンに よ る 線 形 性 の 低 下 の 機 序 を 明 ら
か に す る た め に,SHRに
同 時 投 与 した.そ
線形性 が
同時投与 す る
線 形 性 が 低 下 し た.こ
ム ロ ジ ピ ン に よ る 線 形 性 の 低 下 にNO
が 関 与 し て い る こ と が 示 唆 さ れ た.
ア ム ロ ジ ピ ン とL-NAMEを
れ らの 循 環 指 標 の 平 均 値 を 図9に
考
示 す.
案
ア ム ロ ジ ピ ン投 与 に よ り有 意 な 血 圧 低 下 と 腎 血 流 量 の 増
加 を 認 あ た.ア
ム ロ ジ ピ ン とL-NAME同
時投与群 で は
RSNAとBP,
有 意 な 腎 交 感 神 経 活 動 の 抑 制 を 認 め た.
ま た,0-0.5Hzの
BP,お
周 波 数 領 域 に お い てRSNAか
よ びRSNAか
らRBFの
NAME同
ら に 図11の
ら
伝 達 関 数 の コ ヒー レ ン
ス は ア ム ロ ジ ピ ン 群 と 比 較 し て,ア
ム ロ ジ ピ ン とL-
時 投 与 群 で 有 意 に 高 値 で あ っ た(図10).さ
よ う に ア ム ロ ジ ピ ン とL-NAME同
群 に お い て,RSNAとBP,
カ ン デ サ ル タ ン と ア ム ロ ジ ピ ン に よ り,SHRの
RSNAと..い
RSNAとRBFの
ヒ ー レ ン ス)が
とBP,
RSNAとRBFい
た こ と か ら,線
え る と,カ
時投与
ず れにっ
相 関 の 高 い 線 形 性(コ
低 下 し た.ま
た,相
互 情 報 量 がRSNA
ず れ にお い て も有 意 に増 加 し
形 性 が 低 下 し た と い う結 果 と あ わ せ て 考
ン デ サ ル タ ン と ア ム ロ ジ ピ ン に よ り非 線 形 性
が 増 加 し た と 考 え ら れ た.こ
ア ム ロ ジ ピ ンがSHRの
の こと は カ ンデ サ ル タ ン と
線 形 性 を 低 下 さ せ,非
線形性 を
い て も相 互 情 報 量 は ア ム ロ ジ ピ ン単 独 投 与 群 と比 較 し て
増 加 さ せ る こ と に よ り循 環 調 節 を 正 常 に 近 づ け る こ と を
有 意 に 低 値 で あ っ た.す
示 す.ま
な わ ち,vehicleと
比 較 して ア
一T201一
た,カ
ンデ サ ル タ ンと ア ム ロ ジ ピ ンは 同等 の線
慶 慮 医 学82巻2号(平
成17年6月)
腎交感神経 活動 と血圧
腎交感神経活動か ら腎血流量への伝達関数の1例
3ヒ ーレンス
Vehicle
カンデサルタン
アム ロジ ビン
0.3
0.5
0.5
0.3
o.s
o.is
0
0.5
1
腎交感神経 活動 と腎血流 量
相互情報量
"0
0.5
1
Hz
"0
0.5
0.75
1
Hz
Hz
0.047
腎 交感 神経 活 動 か ら腎血 流 量へ の 伝達 関数
0
0
コヒーレマ
1
vehicle
vehicle
カンデサルタン
アムロジピン
カンデサルタン
アムロジ ピン
o.s
o.s
O
0
図8
vehicle
カンデサルタ ン
アムロジビン
vehicle
カンデサルタン
アムロジピン
*1'<0.05
★★Pくo.oi
SHRにvehicle,カ
ン デサ ル タ ン,ア ム ロ ジ ピ ンを
2週 間 投 与 した と き の 腎 交 感 神 経 活 動 と血 圧,腎 交 感 神
vs vehicle
V$vehlcle
経 活 動 と腎 血 流 量 の 相 互 情 報 量(線
た相 関).相 互 情 報 量 は0.047以
形 と非 線 形 を 合 わ せ
上 で 有 意 な相 関 あ り と定
義 され る.「 線 形 性 が 低 下 した」 と い う結 果 と あわ せ て考
図6
(上 段)SHRにvehicle,カ
ピ ン を2週
ン デ サ ル タ ン,ア
ムロジ
え る と,カ
間 投 与 し た と き の 腎 交 感 神 経 活 動(RSNA,
入 力 と 仮 定 す る)か
ら腎 血 流 量(RBF,出
へ の 伝 達 関 数 の コ ヒ ー レ ン ス(線
サ ル タ ン,ア
力 と 仮 定 す る)
形 性)の
ン デ サ ル タ ン と ア ム ロ ジ ピ ンに よ り非 線 形 牲
が 増 加 した こ とが わ か る.(大 波,他;循
一 例.カ
25:105-221の
第8図
環 制 御2004;
を許 可 を得 て転 載)
ンデ
ム ロ ジ ピ ン に よ り コ ヒ ー レ ン ス は 低 下 し た.
(下 段)vehicle群(n=9),カ
ン デ サ ル タ ン群(n=13),
ア ム ロ ジ ピ ン 群(n=7)のRSNAか
らRBFへ
関 数 を ま と め た も の.Vehicle群
に く ら べ,カ
の伝 達
ンデサル
タ ン群 と ア ム ロ ジ ピ ン群 で コ ヒ ー レ ン ス は 有 意 に 低 下 し
た.(大
05-221の
波,他;循
mmH9
環 制 御2004;25:105-221の25:1
第6図
arbitrary
unit
Zp
平均血圧
zoo
を 許 可 を 得 て 転 載)
腎交感神経活動
†
150
ioo
-
一 一
★
了
15
一
io
」
50
豚
0
0
心拍数
bpm
腎血流量
ml/min
500
0-O.SHz
0.5-1.OHz
400
コヒーレンス
300
o.s
o.a
0.6
o.s
0.4
0.4
o.z
0.2
200
ioo
O
アムロジビン
ァムロジピン
十
L-NAME
vehic{e
カ ンデサル タン
ァム ロジ ピン
カ ンデサル タン
★P〈0
アム ロジ ピン
.05vsカ
アム ロジ ビン
アムロジビン
十
L-NAME
SHRにvehicle(n=13),ア
2週
ン デ サ ル タ ン,ア
間 投 与 し た と き の 血 圧(BP,入
腎 血 流 量(RBF,出
レ ン ス の 変 化.0.5-1.OHzに
ン デ サ ル タ ン お よ びvehicleに
り 低 下 し た.(大
の 第7図
波,他;循
ムロ ジピンを
力 と仮 定 す る)か
力 と 仮 定 す る)へ
ら
の伝 達 関数 の コ ヒー
お い て,コ
vehocle
vs
vehicle
ムロ ジピ ン
ム ロ ジ ピ ン(n;9),
ア ム ロ ジ ピ ン とL-NAME(n=9)を14日
SHRにvehicle,カ
Pく0.05vs
†P<0.05vsア
ンデ サルタ ン
図9
図7
Jr
,t:r P<0.01
ヒー レ ンス は カ
比 べ て ア ム ロ ジ ピ ンで よ
環 制 御2004;25:105-221
一T202一
ム ロ ジ ピ ン投 与 群 で
有 意 な血 圧 低 下 と 腎血 流 量 の増 加 を 認 め た.ア
ンとL-NAMEの
同 時 投 与 群 で は,ア
て 有 意 な 血 圧 上 昇 と,vehicle群
神 経 活 動 の低 下 を 認 め た.(大
25:105-221の
を 許 可 を 得 て 転 載)
間経 口投与
した と きの 各 循 環 指 標 の 平 均 値.ア
第9図
ムロジ ピ
ム ロ ジ ピ ン と比 べ
と比 べ て 有 意 な 腎 交 感
波,他;循
を許 可 を得 て 転 載)
環 制 御2004;
大 波:高 血 圧 ラ ッ トに お け る降 圧 薬 投 与 に よ る線 形 ・非 線 型 の変 化
腎交感神経活動か ら血圧への伝達関数
コヒーレンス
正常血 圧
高血 圧
+カ ンデ サル タン
1ψ
塵○
→
∼
ー▼
→
圧 受容器 反射
→
→
レニ ンー
ア ンジオ テ ンシン系
交感 神経活 動
o.s
o.s
+ア ムロ ジ ピン
←
Nitricoxide
↑
心 拍数
コ ヒー レンう
心 拍数量
腎 交 感 神 経 活 動 か ら 腎 血流 へ の伝 達 関 数
1
0-0.5Hz
O.5-1.OHz
与翻
…
O
1ψ
争1
-◎
非線形性
o.s
←
→
線形性
o.s
は未検査 を示す
O
vehicle
アムロジピン
アムロジビン
十
L-NAME
vehicle
アム ロジピン
アムロ ジピン
★P<0.05
vs vehicle
★★Pくo
.oi vs vehicle
†
ムロ ジピン
Pく005vsア
trP<0.01vsア
-NAME
ムロジ ピン
図12 十
血 圧 を 決 定 す る様 々 な因 子 と循 環 調 節 の線 形 性,非
L
線 形 性 の 関 係.カ
ンデ サ ル タ ンは高 血 圧 で 元 進 して い る
レニ ンーア ン ジ オ テ ン シ ン系 あ る い は交 感 神 経 系 の 充進 を
抑 制 し,そ れ に よ り線 形 性 を 低 下,非
図10SHRに
ア ム ロ ジ ピ ン,ア ム ロ ジ ピン とL-NAMEを
た.一 方,ア
線 形 性 を増 加 さ せ
ム ロ ジ ピ ンは レニ ン・
ア ン ジオ テ ン シ ン系 を
同 時 に2週 間 経 口 投 与 した と きの 腎交 感 神 経 活 動 か ら血
抑 制 せ ず,交
感 神 経 系 も有 意 に は抑 制 しな か った が,ni-
圧,腎
tric oxideを
増 加 さ せ る こ とで,カ
交 感 神 経 活 動 か ら腎 血 流 量 へ の 伝 達 関 数 の コ ヒ ー
レ ン ス(線 形 性).0-0.5Hzに
お い て, vehicleと 比 較
して ア ム ロ ジ ピ ンで 線 形 性 は低 く,ア
NAMEの
ム ロ ジ ピ ン とL-
同 時 投 与 で 線 形 性 は有 意 に高 い.(大
循 環 制 御2004;25:105-221の
第10図
波,他;
の線 形 性 の 低 下,非
れ る.「 … 」 は未 検 査 で あ る こ と を示 す.(大
環 制 御2004;25:105-221の
を許 可 を得 て
ン デ サ ル タ ンと 同 等
線 形 性 の 増 加 を もた ら した と考 え ら
第12図
波,他;循
を 許 可 を 得 て転
載)
転 載)
形 性 低 下 お よ び 非 線 形 性_,_.IL進
を も た ら し た.
腎交感神経活動 と血圧
腎交感神経活動と腎血流量
カ ン デ サ ル タ ン に よ る 線 形 性 低 下 と非 線 形 性_._.IL進
は,
相互情報量
0.3
レ ニ ンーア ン ジ オ テ ン シ ン系 の 抑 制 や 交 感 神 経 活 動 抑 制
0.3
0.15
0.15
に よ る も の と 考 え ら れ る(図12).逆
に い う と,SHR
の 高 い 線 形 性 や 低 い 非 線 形 性 は,循
環 調 節 が一 つ ま た は
二 っ だ け の 調 節 系(レ
0.047'
神 経 系)に
vehicle
vehicle
アムロジピン
アムロジピン
ま た,当
アムロジピン
アムロジピン
十
十
L-NAME
**P<0.01vs
ニ ンーア ン ジ オ テ ン シ ン 系 や 交 感
強 く依 存 し て い る こ と に よ る と考 え ら れ る.
教 室 のMatsuuraら13)の,カ
†P<0.05vsア
ム ロ ジ ピン
り交 感 神 経 の 中 枢 で あ るRVLM(延
ニ ュ ー ロ ンが 過 分 極 し,ス
L-NAME
腎 交 感 神 経 活 動 と血 圧,.腎 交 感 神 経 活 動 と腎 血 流 量
の 間 の線 形 と非 線 形 を 合 わ せ た相 関.ア
NAME同
ム ロ ジ ピ ンと レ
髄 腹 側 外 側 野)の
パ イ ク数 を減 少 さ せ る とい う
結 果 と 合 わ せ て 考 え る と,SHRに
図11
ンデ サ ル タ ンに よ
vehicle
投 与 した カ ン デ サ ル
タ ン は 血 液 脳 関 門 を 通 過 して14)交感 神 経 中 枢 に 作 用 し,
線 形 性 を 低 下 さ せ る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た.
時投 与 群 は,ア ム ロ ジ ピ ン単 独 投 与 群 に く らべ
て相 互 情 報 量 は 低 値 で あ り,「 線 形 性(伝 達 関 数 の コ ヒー
一 方,ア
ム ロ ジ ピ ン投 与 に よ り有 意 な 交 感 神 経 活 動 抑
レ ンス)が 増 加 した」 と い う結 果 とあ わ せ て考 え る と,
制 は 認 め られ な か った が カ ンデ サル タ ンと同 等 に線 形 性
非線 形 性 が低 下 した こ とが わ か る.(大 波,他;循
が 低 下 し,非 線 形 性 が 増 加 した こ と か ら,そ
2004;25:105-221の
第11図
環制御
を 許 可 を 得 て 転 載)
の改善機序
は カ ン デ サ ル タ ン と異 な る 作 用 に よ る も の と 考 え ら れ た
(図12).筆
者 の 研 究 室 の 以 前 の 研 究6)でNOの
るL-arginineを
静 脈 内 投 与 し た と こ ろ,線
認 め ら れ た こ と か ら,NOが
もっ と考 え た.ア
線 形 性 を低 下 させ る効 果 を
ム ロ ジ ピ ンに は他 の カ ル シ ウム拮 抗 薬
と 比 較 して 一 酸 化 窒 素(NQ)の
一T203一
基質であ
形 性低下 が
産 生 増 加 を促 進 す る と
慶磨医学
ン の2種
類 の 光 学 異 性 体 のS体
ウ ム 拮 抗 作 用 が 弱 いR体
ま た,ア
成17年6月)
論
い う こ と が 報 告 さ れ て い る が'5),そ
82巻2号(平
の機 序 は ア ム ロ ジ ピ
とR体
の う ち,カ
結
ル シ
に よ る も の で あ る と い う").
ム ロ ジ ピ ン は 内 皮 型NO合
カ ンデ サ ル タ ン とア ム ロ ジ ピ ンの2週 間 経 口投 与 によ
成 酵 素(eNOS)の
発 現 を 促 進 す る と 推 測 さ れ て い る.こ
り,血 圧 が有 意 に低 下 し,腎 血 流 量 は増 加 した.腎 交 感
の こ と よ り,ア
ム
神 経 活 動 は カ ンデ サ ル タ ンに よ り有 意 に 抑制 され た が,
ロ ジ ピ ン に よ る 線 形 性 の 低 下 お よ び 非 線 形 性 元 進 はNO
アム ロ ジ ピン投 与 で は有意 に は抑 制 され な か った.ま た,
産 生 増 加 に よ る も の と 推 察 し た.
カ ンデ サ ル タ ン とア ム ロ ジ ピ ンに よ り腎 交 感 神 経 活 動 と
そ こ で,こ
L-NAMEを
比 較 し て,ア
SHRの
の仮 説 を 検 証 す る た め に ア ム ロ ジ ピ ン と
同 時 に 経 口 投 与 し た.ア
ム ロ ジ ピ ン とL-NAME同
血 圧 お よ び 腎血 流 量 との相 関 の線 形 性 は 低 下 し,非 線形
ム ロ ジ ピ ン単 独 と
性 は増 加 した.非 線 形 性 の低 下 は 予 後 不 良 の 因 子 で あ る
時投与群 によ り
こ とが 示 され て お り2-5),交感 神 経 系 の充 進 は心 血 管 系
アム
イ ベ ン トの リス ク フ ァク タ ー で あ る こ とか ら18),カ ンデ
ロ ジ ピ ンに よ る線 形 性 低 下 を も た ら した因 子 の 一 つ で あ
線 形 性 が さ ら に 充 進 し た 結 果 か ら, NOが
サ ル タ ンや ア ム ロ ジ ピ ンの よ うに線 形 性 を 低 下 させ非 線
る こ と が 示 唆 さ れ た.た
形 性 を充 進 さ せ る薬 剤 は,高 血 圧 患 者 の 不 良 な 予後 を 改
産 生 ・遊 離 がWKYと
も の で は な い.一
WKYと
だ し,こ
の 結 果 はSHRのNO
比 べ て 低 下 して い る こ と を 示 す
般 的 に はSHRのNO産
善 させ る可 能 性 が示 唆 さ れ た.
生 ・遊 離 は
比 較 し て 同 等 で あ る と い う 報 告'6)と低 下 して い
る 報 告17)が あ る.こ
れ ら を 確 か め る 意 味 で,WKYに
ア ム ロ ジ ピ ン,L・NAME単
NAME同
独,ア
時 投 与 を す べ き で あ る が,時
も
ム ロ ジ ピ ン とL間 的 な制 約 に よ
り 行 え な か っ た.
ま た,血
本 稿 を 終 え る に あ た り,御
した慶 鷹 義 塾 大 学 医学 部 内科 学 教 室 猿 田 享 男 教 授 に 深 謝
い た し ま す.ま
た,直
接 御 指 導 い た だ き ま した 慶 慮 義 塾
大 学 医 学 部 内 科 学 教 室 熊 谷 裕 生 講 師,内
史 博 士,な
圧 か ら腎 血 流 量 へ の コ ヒー レ ンスが カ ンデ サ
指 導 と御 校 閲 を い た だ き ま
科 学 教 室 佐方 克
ら び に 日本 医 科 大 学 老 人 病 研 究 所 生 命 情 報 科
学 解 析 科 大 坂 元 久 助 教 授 に 深 謝 い た し ま す.さ
ら に,本
ル タ ン よ り ア ム ロ ジ ピ ンで よ り有 意 に 低 下 し た こ と か ら,
研 究 に ご協 力,ご
ア ム ロ ジ ピ ンの 血 圧 降 下 作 用 は 末 梢 血 管 拡 張 に 大 き く依
部 内 科 学 教 室 腎 臓 研 究 室 の 諸 先 生 方 に 感 謝 い た しま す.
存 す る も の と 考 え ら れ た.
な お,SHRに
本 研 究 の 一 部 は 第25回,26回
対 し てL-NAME(1.5
単 独 投 与 を14日
mg/kg/day)
(2002年
間 行 っ た が 平 均 血 圧 が200mmHgと
2004年
た た め 実 験 群 間 の 評 価 か ら 除 外 した.
national
ム ロ ジ ピ ン投 与 に よ りvehicle投
与 群 に 比 べ 心 拍 数 が 有 意 に 上 昇 した が,こ
反 射 に よ る も の と 考 え ら れ る.交
20th
れ は圧 受 容 器
感 神 経 活動 の 抑 制 を反
映 し て カ ン デ サ ル タ ン に よ る心 拍 数 増 加 は,ア
東 京,2003年
宮 崎),第45回,46回,47回
栃 木),19th
Society
Scientific
of Hypertension
Meeting
of Hypertension
of the
2002
(フ。ラ バ),
of the International
2004(サ
ンパ ウ ロ)に
Inter-
Society
お いて発表 し
た.
文
1)熊
谷 裕 生,佐
方 克 史,松
と し て と ら え る.分
心 筋 梗 塞 後 の患 者 にお いて心 拍 変動 の 非線 形 性 の 低 下
は 予 後 不 良 の 因 子 で あ る5)こ と が 報 告 さ れ て い る.高
血
圧 の 治 療 の 目 標 は 血 圧 を 下 げ る こ と だ け で は な く,患
者
2)Kobayashi
beat
M,
period.
3)Skinner
Musha
IEEE
JE,
Pratt
correlation
線
cedes
線 形 性 を 充 進 す る薬 剤 は高 血 圧 患 者
T:1/f
Trans
Am
4)Goldberger
chaos
ほ か:循
環 調 節 を 複 雑 系
Fluctuation
Biomed
Vybiral
of
Eng
heart-
29:456-457,
of
theory,
5)Huikuri
AL:Fractal
T:Areduction
Heart
J
fractals,
in
heartbeat
ventricular
intervals
fibrillation
in
the
pre-
human
125:731-743,1993
AL:Non-linear
Lancet
一
CM,
dimension
imminent
subjects.
の 不 良 な 予 後 を 改 善 さ せ る こ とが 期 待 さ れ る.
一T204
浦 友 一
子 血 管 病22:177-187,2001
1982
研 究 の結 果
か ら カ ン デ サ ル タ ン や ア ム ロ ジ ピ ン の よ う にSHRの
献
ニ ンー
ア ン ジ オ テ ン シ ン系 の 刺 激 に よ る上 昇 も否 定 で き な い.
形 性 を 低 下 さ せ,非
Meeting
東 京,
ムロジ ピ
た ア ム ロ ジ ピ ン に よ る 心 拍 数 増 加 に 関 し て は,レ
れ ゆ え,本
大 阪,2003年
Scientific
ン よ り も有 意 で は な い も の の 少 な い 傾 向 が 見 ら れ た.ま
の 予 後 を 改 善 す る こ と に あ る.そ
日本 高 血 圧 学 会
日本 腎 臓 学 会 学 術 総 会(2002年
高 値 と な り,個 体 の 衰 弱 が 激 し く手 術 ・記 録 が 困 難 で あ っ
カ ン デ サ ル タ ン,ア
助 言 い た だ きま した 慶 鷹 義 塾 大 学 医学
and
dynamics
for
complexity
at
clinicians:
the
bedside.
347:1312-1314,1996
HV,
Makikallio
TH,
correlation
properties
Peng
CK,
of
Goldberger
R-R
interval
Fly UP