Comments
Description
Transcript
各医療機関が担う役割について【回復期】(1)(PDF:1040KB)
2016.1.18 第5回 沖縄県地域医療構想検討会議 各医療機能が担う機能と役割について(回 復期)-回復期リハビリテーション医療 平成28年1月28日 医療法人タピック 沖縄リハビリテーションセンター 理事長 宮里好一 「本日の内容」 1. 2. 3. 4. 5. 6. リハビリテーションとは リハビリテーション医療 日本のリハビリテーション医療 回復期リハビリテーション病棟 沖縄の回復期リハビリテーション医療 沖縄リハビリテーションセンター病院 1 リハビリテーションとは? 疾病や障害を持ちながらの人生の再建 医学的リハビリテーション 職業的リハビリテーション 教育リハビリテーション(障害児教育など) 社会リハビリテーション(社会生活能力向上など) (リハビリテーション工学の台頭) 2 世界における障害とリハビリテーションの概念 1980年WHO「国際障害分類ICIDH」 2001年WHO「国際生活機能分類ICF」へ改定 3 4 リハビリテーション医療とは 疾病の治療、合併症の予防、慢性疾患の制御を行ない つつ、各種障害の診断・評価を行い、的確な予後予測に 基づき、生活機能およびQOLの向上を目的に4つのアプ ローチなどにより、多職種協働で総合的・包括的にチーム で実践する医療。 ―リハビリテーション関連5団体 日本リハビリテーション医学会、日本リハビリテーション病 院・施設協会、回復期リハビリテーション病棟協会など 5 リハビリテーション医療における4 つのアプローチ ①「機能回復アプローチ」 運動障害・言語障害・摂食障害・排泄障害・認知機能障害などの回復を目指す ②「代償的アプローチ」 残存機能の活用、補装具の活用を行い、環境調整まで踏み込むもの ③「予防的アプローチ」 急性期~亜急性期~慢性期に至るすべての時期において廃用症候群を予防 ④「機能維持アプローチ」 慢性期における生活機能の維持向上に努めるもの (⑤「健康増進的アプローチ(宮里)」) フレイル:虚弱高齢者(特定高齢者)、MCI含む全高齢者への対応 6 リハリテーションの科学的根拠 1996年 アメリカの神経生理学者ランドルフ・J・ヌードがリス ザルを使った実験にて脳の可塑性(かそせい:脳は状況に応 じて役割を変える)を証明。 脳の一部を人工的脳梗塞の状態にし、片側の手の指の麻痺。 麻痺した指を動かす訓練(リハビリ)をすると一次運動野の 手首を動かす部分が変化。脳の新たな運動学習が形成。 その後、運動前野や補足運動野、反対側運動野、脳幹など の変化も証明されていった。 7 日本のリハビリテーション医療の 最近の動き 1989年 厚生省「寝たきりゼロをめざして」出版、日本リハビリテーション病院協会設立 1990年 日本医師会・厚生省監修「脳卒中リハビリテーションマニュアル」 2000年 医療保険制度、介護保険制度に回復期リハビリテーション病棟新設、 地域リハビリテーション広域支援センター制度発足 2004年 厚生労働省「高齢者リハビリテーション研究会」中間報告 2008年 診療報酬改定で世界初のアウトカム(治療成績)による回復期リハビリテーションの評価 2015年 地域医療構想策定作業開始。回復期機能の重視 8 リハの流れと時期的な役割・機能の整理 急性期リハ 急性期病床 【早期離床・早期リハ開始】 回復期リハ (亜急性期) 回復期リハ病棟、地域包括ケア病棟 【機能回復・ADL向上・自宅復帰】 維持期リハ (生活期) 在宅:通所リハ・訪問リハ・短期入所など 生活機能の維持・向上 自立生活の推進 介護負担の軽減 QOLの向上 入院・入所:医療療養病床、老人保健施設など 【生活機能の維持・向上】 9 10 回復期リハビリテーション病棟 11 回復期リハビリテーション病棟 • 脳卒中、大腿骨骨折、脊髄損傷など多様な疾患や 状態を対象 • 日常生活動作(ADL)の改善 • 寝たきりを防止 • よりスムーズに在宅復帰 • 365日リハ • 1日2~3時間のリハを多職種、集中的、総合的に。 12 13 14 リハビリテーションの臨床効果 1 回復期リハビリテーション病棟協会の研究 在宅復帰率の向上(当院では、平成27年度87.3%) 重症者改善率向上(閉じ込め症候群の患者の回復) 2 長嶋茂雄さんの活躍 右片麻痺・総合的集中的3時間以上のリハビリ 3 リハビリテーションのスーパーマン、クリスト ファー・リーブの奇跡。落馬事故で頸髄損傷 による四肢麻痺 4 元全日本サッカー監督オシムさんの復活 t-PA、意識障害と左片麻痺 15 沖縄のリハビリテーション、地域 医療の源流 激戦後の壊滅状態、貧困と乏しい医療資源 終戦直後、64人の医師(約100人戦死)からの出発 沖縄独自の制度である医師助手・医介輔の離島・ 僻地など無医地区への配置(1951~2008年) 公衆衛生看護婦(公看)の地域駐在活動(1951~ 1997年、37人~126人)。機能訓練、地域リハビリ。 医療保険制度の歴史(1966年部分的医療保険、 1972年から皆保険) 1986年~琉大医学部難病研究会の離島フィールド 活動でみた実態 16 第5回沖縄看護研究会 「リハビリテーション看護セミナー」 17 18 回復期リハビリテーション病棟協会研究大会in沖縄 19