...

事例等(PDF:1355KB)

by user

on
Category: Documents
6

views

Report

Comments

Transcript

事例等(PDF:1355KB)
6−4
農業農村整備事業における事例
注)事例をみる前に
本項では、農業農村整備事業で実施されている事例を生物群に分けて記載するととも
に、生態系保全技術検討調査で行った実証事例を記載しています。施設諸元、施設費用
及びモニタリング結果等を紹介していますが、これらの技術は、絶対的なもの(A 型魚
道を設置すれば、必ず B 種が遡上する。C 種のためには D 工法が良い。)ではありませ
ん。それぞれの施設にはその地区に応じた地形、気候、生態系、営農体系、文化などの
様々な背景があります。生物に多様性があるように対策(施設)にも多様性があるため、
事例を単純に採用しても、想定する効果が現れるとは限りません。
従って、生態系に配慮した施設を検討するためには、様々な背景を考慮のうえ検討を
進めることが重要となりますが、生態系は複雑で常に変化していることから、対策には
不確実性があることも承知しておかなければなりません。モニタリング結果などに応じ
て、日々深化する知見の収集を取り入れつつ、柔軟な対応を行う順応的対策が重要とな
ります。
そのまま採用する
○
対象魚種が一緒だから
○
川幅、落差が似ているから
参考として検討する
○
保全対象種の生活史や生態的特徴
○
流域・水系
○
用地
○
水路の構造や材質
※ )実証事例は、主に『移動障害の解消』を目的として紹介していますが、同様
に『生息・生育環境の創出』も重要となります。
※
【事例1】
魚類:千鳥X型魚道の実施事例
(栃木県西鬼怒川地区)
・水田と小排水路とのネットワーク形成の復元により、ドジョウ・フナ類の保全・復元を図るた
め、水田との段差の少ない土水路を設置し、さらに幹線排水路からの遡上を考慮し、チドリ式
魚道を設置している。
・年間を通して安定した水量を確保するために、上流部と中流部に用水路からの注水口を設置し
た。但し、上流の用水路は冬期に水が流れなくなることから、排水路に簡易な取水施設を併設し
た。
水の流れ
隔壁(交互に設置)
千鳥X型魚道
流況
本施設は、幹線排水路に接続されたもので、2000年5月30日∼8月31日の魚類の遡上調査
結果では、ドジョウやフナ類の遡上が確認されている。
鈴木ら(2000)より
1)どじょう水路と幹線水路を移動した魚種の推移
魚
2000年
種
カワムツ
オイカワ
ウグイ
アブラハヤ
タモロコ
フナ類
ドジョウ
シマドジョウ
ホトケドジョウ
ギバチ
ナマズ
カジカ
不明
合 計
遡 上
0
0
0
0
0
1
23
0
0
0
0
0
0
24
2001年
降 下
4
1
1
3
0
3
82
0
0
2
0
0
0
96
遡 上
1
0
1
1
1
0
209
0
44
4
0
0
0
261
2002年
降 下
38
5
54
21
0
186
1,165
0
5
58
0
6
116
1,654
遡 上
3
0
5
7
0
1
280
1
8
20
0
0
0
325
降 下
110
9
19
8
0
659
1,122
11
0
601
5
1
2
2,547
2)どじょう水路と水田間を移動したドジョウの推移
魚 種
ドジョウ
箇 所
2000年
田へ入る
2001年
田から出る
田へ入る
2002年
田から出る
田へ入る
田から出る
水田A
43
29
207
325
329
40
水田B
1
23
49
24
380
13487
※ 東京農工大学大学院連合農学研究科 鈴木正貴氏調査
【事例2】
魚類:ハーフコーン型魚道 兵庫県豊岡市(赤石地区)
魚類:様々な水田魚道の施工
(兵庫県豊岡市赤石地区)
当地区では、魚類が遡上しやすい構造について、材料や水路幅、水路内のスロープ構造が
異なる4つのタイプの魚道をモデル的に設置し検討を行っています。
表-1
タイプ名
材
4タイプの水田魚道の概要
料
幅、径
水路内の形状
ハーフコーン型
コンクリート
400
半円錐状コンクリート敷設
木杭打設型
コンクリート、木材
400
半丸太を斜に設置
波付U字溝型
ポリエチレン
180
製品固有の波状
波付暗渠型
ポリエチレン
150
製品固有の波状
それぞれの魚道について、正当な評価を行うため、条件を合わせ、以下の要領により遡上
実験を行いました。
① 4タイプの魚道をほぼ同一区画のほ場に設置する。
② 魚道と接続する水路の一定区間を網で仕切り、その間に体長組成がほぼ均等なドジョウ
10 匹ずつを放す。
③ 魚道の最上流側にもんどり式の籠網を設置し、2時間おきに遡上してきたドジョウの個
体数、体長と、そのときの水温・水深を計測する。
④ 籠網で捕獲したドジョウは水路仕切内に再放流する。
実験結果は、ハーフコーン型で 35 個体、木杭打設型で 17 個体、波付U字溝型で4個体、
波付暗渠型で4個体(営農の都合から別日に実施)であり、ハーフコーン型の効果が突出し
ていました。しかし、その反面、コストがかかるという問題もあったため、安価で汎用性も
ある波付暗渠管を改良していくことを検討しました。
試験施工した4つの水田魚道のモニタリング評価結果(H15 調査時)
水路構造
内部構造
施工費
維持管理
耐久性
遡上調査
結果※
EAG 評価
地元評価
総合評価
※
①タイプ
自由勾配側溝
②タイプ
ポリエチレン U 字溝
半切丸太のスロープ
△ 高
〇
◎
〇 17 個体
ポリエチレンの波状
〇 安
〇
△
△ 4 個体
流れが変化に富み、遡
上が多く見られた
流れが一定で、遡上中
に休息する場がない
〇
〇
〇
△
△
△
③タイプ
ポリエチレン管
ポリエチレンの波状
〇 安
〇
〇
△ 4 個体
同左
×
〇
△
④タイプ
異形フリュ−ム
ハーフコーンのスロープ
△ 高
〇
◎
◎ 35 個体
流れや水深が変化に
富み、遡上が最も多い
◎
◎
◎
日の入り前から日の出後の 14 時間(H15.7.10)の調査で、同個体のドジョウを用いて遡上数を確認した。
波付暗渠管水田魚道の改良点
・ 水路を上流から下流まで均一勾配とするのではなく、途中で波状管を曲げて勾配を緩め
「休み場」を設けた。同様に、水路途中に十字管の設置も試みた。
・ 水路内の突起物は大きい方がよいと推測し、管の波形を大きくするため、より大きな径
(φ300 程度)のものを用いた。
【水田魚道 平面図】
【水田魚道 側面図】
この改良した波付暗渠型魚道におけるモニタリングでは、種数で 6 種、個体数で平均 7.2
個体/箇所・日の遡上が見られました。
【事例3】
魚類:水田魚道の実施事例
滋賀県(魚のゆりかご水田プロジェクト)
写真-2
図-1
農業水路
・農業水路と水田に落差がある場合、農業水路の水を角落し等を用いて一時的に堰上げて、水路と水田の落
差を解消する。(図-1、写真-2 のとおり)
・落差を複数に分割し、一つ一つの落差は魚類の遡上が可能な高さとする。
・小流量での水深確保対応とともに、非越流部下流側での魚類の休息が可能なように配慮する。
・写真-1のとおり、水路と排水路間に遡上施設も設置。
宮城県(伊豆沼・内沼周辺)
ポリコルゲートU字溝に木製の隔
壁を千鳥配置した水田魚道や、ポ
リコルゲート管(電線管)を利用
したものなど、簡易な遡上施設が
各地で開発されています。
「水田魚道」は現在各地において様々な取り組みが行われていますが、水田魚道の設置を通じ、
環境保全型農業の取り組みや地域の様々な主体と連携した生態系保全の活動が行われ、生きも
のブランド米として販売や水路の維持管理、環境保全活動の普及啓発に結びつく事例もありま
す。
【事例4】
魚類:粗石付双斜曲面式魚道
(神奈川県横浜市
いたち川)
いたち川では,地域代表者が参加した検討委員会で「ふるさとの川づくり」の整備計画を
策定するなど,市民の意見を取り入れながら,低水路整備による多様な水辺づくり,あるい
は「稲荷森の水辺」(平成9年4月オープン)などの整備を進めています。
この度,川を広く利用した「魚道」を柏尾川合流部で6月に完成いたしました。
この地点には段差があり,魚の遡上が妨げられていましたが,「市長への手紙」による市
民要望もあり,より多様な生態系に配慮するために整備したものです。
施工前の状況
施工後の状況
魚も岩かげを遡上しています
魚影
・
・
・
「魚道」は半すり鉢状の形態で,ゆるやかな流れを確保
全体に玉石を配置し,魚が休みながら遡上できるように配置
通水直後,オイカワやヨシノボリなど魚の遡上を確認
http://www.city.yokohama.jp/me/cplan/mizu/topics/h09/in18.html より転載
【事例5】
魚類:粗石付斜路型魚道
(三重県桑名市
嘉例川地区)
・ 魚道型式については、ホトケドジョウなどの小型底生魚の遡上・降下に適し、かつ土砂、草
などが流下しやすい全断面型の粗石付斜路型魚道とした。
・ 魚道勾配については、遡上試験でホトケドジョウの遡上が確認された1/5勾配とした。
・ 魚道内の粗石配置については、他所での施工事例を参考に、多様な流況ができるように中央
部にミオ筋、両側に小プールが連続する形とした。
・ 既設石積水路との景観上の調和に配慮し、斜路に埋め込む粗石には地元産の自然石(径10cm
内外)を使用した。
・ 魚道の下流側には、集魚場所となる浅いプールを設けた。
縦断面図(B-B 側部)
平 面 図
1:5.0
500
2700
.0
1:5
A
540
流向
120
400
500
越流水深(0.02m)
1400
400
1150
375
B
375
A
200
B
コンクリート
200
300
小さなプールが連続するように粗石を配置する
200
h=200
魚道入口は路床を5cm程度下げ、プールを設ける
2700
魚道入口は路床を5cm程度下げ、プールを設ける
施工前の状況
中詰石
止 壁
施工後の状況
350
粗石の背後の路床は凹型にし、水深2∼3cmのたまりを設ける
【事例6】
魚類:水田魚道の実施事例 宮城県(伊豆沼・内沼周辺)
魚類:河川と農業用排水路との連続性
(栃木県小貝川)
小貝川地区においては、平成11年7月の豪雨により越水氾濫し、平成11∼14年度に
災害復旧事業により改修がなされて、自然環境に配慮した「多自然型」の工法が取り入れら
れています。
図-1 のとおり、区間内で周辺水域から河川へ流入する接続部(排水樋管)においては魚類
の遡上等に配慮した工法が施されるなど魚類の生息に配慮した整備となっており、河川構造
令で定められた対応ですが、このような事例は全国的にも少ないのが現状です。
図-1「接続部のイメージ」
「安心して暮らせる川づくり」栃木県真岡土木事務所作成パンフレットより」
対象地区には図-2 に示すように19
カ所に樋管が設置されており、各樋管は
写真-1、図-3 のように河川との連続性に
配慮して施工されています。
写真−1
図-2
小貝川地区排水樋管流域土地利用図
図-3「樋管部の構造」
断面
魚 道
L1
ボックス
暗渠
取付水路
L2
現打水路
L=1.0
H5
H4
落差H6
小貝川
玉石密
落差H2
H1
静水池
H3
玉石
L2
スロープ
フトン籠
本地区ではこの樋管を利用し、河川と農業水路の連続性の調査を行っています。その中の
No.2,5,7,13 の4地点において魚類の遡上調査を行っています。そのうち、No.2 と No.5 の樋
管では、他樋管と比較して連続性が弱いことから、連続性の確保のための構造物(ハード手
法)の魚道機能検証も含め図-4,写真-2 のような千鳥X型魚道を試験施工しました。遡上・
降下結果は表-1、2 のとおりです。トラップ故障により降下の確認が行えなかった No.13 を除
き、No.2、No.5、No.7 の調査対象樋管全部で、遡上と降下のどちらも確認されています。ま
たタモロコやドジョウ、フナ類は遡上個体に占める成熟魚の割合が高く、またこれらの魚種
の当歳魚が多く降下しており、これらの魚種は、産卵目的のために小貝川から遡上している
と考えられます。またこの遡上・降下結果から千鳥X型魚道が魚類の移動に有効であること
が確認されました。
図-4
千鳥X型魚道構造図
写真-2
Flow
No.5
FL
UD
HD
W θ2
θ1
B
千鳥X型
設置場所
設置勾配(θ1:°)
No.2
12
16
堰板角度(θ2:°)
8.0
1.07
8.0
0.70
魚道幅(B:m)
設置した千鳥X型魚道
No.5
堰板間隔(FL:m)
0.20
0.20
堰板最低高さ(HD:m)
0.10
0.10
堰板最高高さ(UD:m)
0.25
0.20
全長(m)
3.50
4.00
No.2
表-1
No.2
①遡上魚
②成熟した
遡上魚
③小貝川本
川における
採補魚数
④調査期間
中の遡上魚
数の推移と
降雨量
樋管部における遡上状況
No.5
No.7
No.13
遡上総数:126 個体
優占種 :タモロコ
確認種 :2 科 6 種
タモロコ 73%
カワムツ 17%
ドジョウ 83%
遡上総数:44 個体 遡上総数:57 個体
遡上総数:808 個体
優占種 :オイカワ 優占種 :タモロコ 優占種 :タモロコ
確認種 :2 科 5 種 確認種 :3 科 6 種
確認種 :4 科 11 種
オイカワ 24%
全遡上魚について、 全遡上魚について、
フナ類
67%
成熟魚の占める割合 成熟魚の占める割合は小
ドジョウ 86%
は小
カワムツ 11%
5 科 14 種(ウグイ、カワムツ、オイカワ、カマツカ、タモロコ、モツゴ、コイ、フナ類、ド
ジョウ、シマドジョウ、ホトケドジョウ、ナマズ、メダカ、トウヨシノボリ:総採捕数 1、
331 個体:斜体は優占種)
降雨時、あるいは降雨後に魚が遡上する傾向が示唆された
降雨と関係なく遡上してい
る
カワムツとオイカワは絶え
ず遡上
表-2
No.2
樋管部における降下状況
No.5
①降下魚
優占種 :ドジョウ
体サイズ(25∼123mm)
優占種 :ドジョウ
体サイズ(38∼106mm)
②降下魚
の月別体
長分布
ドジョウはいずれの月
も当歳魚の体サイズが
多い。成魚もわずかで
はあるが降下する。タ
モロコ:成魚の体サイ
ズが5月に多い
ドジョウは当歳魚と
成魚の体サイズが見
られる。
両サイズで2峰化し
ている月もある。
No.7
No.13
トラップ
:ドジョウ、
故障
タモロコ
最小体サイズ
ドジョウ 13mm、
タモロコ 18mm
タモロコ、モツゴ、フナ類で、 同上
5月は成魚の体サイズが多
く、それ以降の月は当歳魚が
増加する傾向があった。
優占種
小貝川地区の No.7 樋管の上流部において多数のメダカの生息が確認されていますが、
降下時には余り確認されておらず、水田・水路内で生活史を全うしていると考えられます
。この樋管直上流部には、高さ60cm程度の堰が設けられており、魚類の遡上障害にな
っていると考えられますが、この堰により隔離された水域で生息している種もあり、生息
する種を考慮して移動障害の解消を検討することも必要と考えられます。
また、No.13 樋管は個体遡上総数が他の樋管より多く、トラップの故障で降下の結果が
明らかではありませんが、タモロコ、カワムツやオイカワなど小貝川本川に生息する魚種
が絶えず行き来しているものと考えられます。理由としては河川と農業水路の移動障害が
ないこと以外に、この樋管の上流部については、下記①∼③などの良好な環境が維持され
ていることです。
①
②
③
水路構造はほとんどが土水路で、水路幅 0.5∼1m 程度、かんがい期には取水堰や水田に取入する板が張
られますが、水路勾配は緩急が多く、よどみ・えぐれなど変化に富んだ水域が連なっている。
水路底質は上流部の泥質砂から砂、砂礫と変化し、マコモ、クサヨシなど抽水植物を中心に被覆している。
水路の土手や畦に自生する雑草は、土手、畦が脆弱にならないよう除草剤を使用せず、昔ながらの月に
1回程度の草刈作業によって管理が行われている。
以上のことから、河川の環境、農業水路の環境、河川と農業水路の連続性が保たれて、従来
生息していた魚類の保全が図れるものと考えています。
【事例7】
魚類:せせらぎ水路
(熊本県菊池川)
高水敷を有する河川では、水路を蛇行させて延長することで勾配を緩傾斜化し、自然の小
川に近い流れを創出することが可能です。勾配や断面形状を一定にせずに瀬や淵等を形成し、
流れに変化を持たせて、図-1、図-2 のように、樋門に接続する手法が菊池川で行われていま
す。写真-1、2 は完成写真です。
具体的な施工方法
■
水路の落差改善
・魚類の移動経路の確保
・水路内の生息環境創出
■
ビオトープ池との連続性確保
・ 魚類の移動経路の確保
・ 供給水源の安定的確保
„
排水路と本川との落差の改善
・ 浅瀬や深みなど多様な環境を創造
・ 様々な流量の変化に対応した断面構造
・ ツルヨシや樹木による休息・避難場所の確
保や水温上昇の抑制(緑陰)
図-1
○樋管の段差解消策(緩傾斜せせらぎ水路)
緩 勾 配 の せ せ ら ぎ 水 路 (自 然 観 察 、親 水 性 )
水 路 延 長 :約 1 5 0 m 、 水 路 勾 配 :約 1 / 5 0 ( 平 均 )
ため池
(魚 介 類 の 待 避 所 )
分流堰
洪 水 に よ る か く乱 を 許 容
緑陰空間
開水路の水深確保
水供給確保
ビオトープ既存池の活用
図-2
写真-1
せせらぎ式魚道
写真-2
せせらぎ式魚道
「身近な水域における魚類生息環境改善のための事業連携方策調査の手引き」より記載
農林水産省農村振興局 HP http://www.maff.go.jp/nouson/mizika/top.htm から「手引き」をダウンロードする
ことができます。
【事例8】
両生類:脱出スロープ、落下防止
岩手県(胆沢南部地区)
転落した小動物を脱出させるため傾斜をつけ
た U 字溝が二次製品として製作されている。その
効果を観察したが、カエル類は流水に翻弄され
るため農業水路では無力であるといってよい。
そのための改善策として、堰上げによって流速
を 5∼10cm/s以下に落とした。流心はスロープ
底部に向け、積み石によるスクリーンも設けた)。
この導流壁の高さについては、現場毎に実験に
より最適な高さを求める必要がある。この導流
壁を設けた結果、降雨後のように流量が多い時以外ならば、ほとんどのカエル類がスロ−プ
下部に取り付くことができた。
(2002・自然環境復元シンポジウムより)
山形県(鴫谷地地区)
コンクリート桝
脱出スロープ
工事完成後の施設。ニホンアマガエルの幼生
の水路からの這い上がりを確認。
栃木県(西鬼怒川地区)
谷川上流保全地にはイモリやニホンアカ
ガエルが生息しているが、圃場整備済みの水
田を産卵場として利用しており、ライニング
された用水路等が移動の障害となっている
ため、移動経路を確保するための用水路蓋と、
誤って落下した場合の脱出施設を設置した。
水路蓋については、人が乗れるような強度
を耕作者から要求されたため、間伐材を利用
したものと型枠用合板を利用したものを使
用した。
【事例11】鳥類:ツル類に配慮した多自然型水路
【事例9】
鳥類:ツル類に配慮した多自然型水路(山口県八代地区)
山口県八代地区
天然記念物であるナベツル類の保全を考慮した農業用施設の手法
図−1、2の構造により設計・施工
図−1
配慮断面
写真−3
千鳥X型魚道
流況
図−2
写真-4
(↑)完成後、植物が繁茂しすぎて農
繁期は草刈りにたいへんな労力を必
要とするため、適度な植生を維持でき
る工夫が必要である。
(←)ツル類の歩行に配慮し水路底へ緩傾
斜で施工された法面
【事例10】
鳥類:鳥類に配慮した緩勾配の法面水路
(宮城県
伊豆沼周辺)
鳥類(ガン・白鳥等)の採餌環境を保全するため、水路の勾配を緩くした事例。敷地面積が広
がり、潰れ地は増えるが、勾配が緩いため維持管理(草刈り)がしやすくなったという声が聞か
れる。
1:2.0
1:2.0
【事例11】
哺乳類:コウモリのねどこの確保
(山形県寒河江川下流地区)
1.対象施設
本地区の対象施設は、頭首工より取水され
た農業用水を、導水する目的で施工された隧
道(導水トンネル)です。従前は写真-1 のと
おり素掘でしたが、地質が砂礫質であり、落
盤による損傷が危惧され、コンクリートライ
ニングが施されました。
写真-1「素堀状況」
2.コウモリ類の生息状況
ライニング前の素堀区間では、写真-2、3 のとおりモモジロコウモリとユビナガコウモ
リの生息が確認されています。
写真-2「モモジロコウモリ生息状況」
写真-3「ユビナガコウモリ生息状況」
確認された種の推定生息個体数の期別変化は図−1のとおりであり、どちらのコウモリも
越冬及び繁殖はしていないことが判明しました。また春と秋に生息数が増加し夏季には減少
することが認められます。なお、ユビナガコウモリは雌雄ともに生息していましたが、モモ
ジロコウモリはほとんどが雄です。
図−1
期別推定生息個体数
3.保全手法について
1)保全目標
生息状況調査結果から、営巣地(繁殖場所)としての利用はなされていないと判断し、
保全目標はコウモリがつかまって寝ることができる ねどこ の確保としました。
隧道内のコンクリートライニング
コウモリ類がつかまって体を支える
場所がない
コウモリ類のぶら下がれる場所の確保
2)手法の検討
コウモリの ねどこ 保全施設(コウモリピットと命名)の形状は以下の知見や実
験から考慮して決定しました。
①知見から
コウモリ類にいえること
・ 爪をかけ、つかまっていられ
ること
・ 温度が一定であること
・ 風が当たらず、湿度が高いこ
と(体が乾燥しないこと)
・ 濡れていないこと
②実験から
・コウモリを水槽で飼育してテスト
を行った。写真-4 は木とサンドペー
パーでサイズの異なる隙間や円筒を
作りどれを最も使用するか調べてい
るところ。
写真-4「テスト水槽」
対象種での知見
・ モモジロコウモリは岩の割
れ目等の隙間を好むこと
・ ユビナガコウモリは天井が
広く緩やかな起伏があるこ
と
コウモリピットの設計・設置
結果、モモジロコウモリは 3∼5cm
の隙間を最も好み、ユビナガコウモ
リは設置したいずれの ねどこ も
使用しなかった。
4.コウモリピットの設計・設置
1)共通構造
50×50cm のステンレス板に、高さ 10cm のステンレス製の側壁を溶接し外側を作成した。
コウモリピット内部には金網をクシャクシャにして凸凹になるよう取り付け、その金網
にモルタルを薄く吹き付けコウモリの留まる場所を作成した。
写真-5「コウモリピット モモジロコウモリ用」
2)モモジロコウモリ用
隙間に潜り込んで休憩するモモジロコ
ウモリ用に、内部に高さ 5cm のステン
レス製の壁を 5cm 程度の間隔で3枚設
置し狭い隙間を作成した。(写真-5 の
とおり)
3)ユビナガコウモリ用
集団で休憩することの多いユビナガコ
ウモリ用には狭い隙間は作らず、凸凹
をもうけただけとした。(写真-6
のとおり)
写真-6「コウモリピット
ユビナガコウモリ用」
4)設置状況
平成 13 年 3 月に 50m 間隔で 7 地点コウモリピットを設置した。(下流より No.1、
No.3、No.5、No.7 にモモジロコウモリ用、No.2、No.4、No.6 にユビナガコウモリ用)。
5.設置結果
非かんがい期(10,11 月)に隧道に入りピットの利用状況を調査した(調査は1日のみ)。
またコウモリ類のピットでの生息状況は写真-7、8 のとおりです。
・平成 13 年度 モモジロコウモリ 7 頭をピットで確認した、他数百頭を主に素堀部分で
確認した。また No.3、No.4 のピットでコウモリの糞が確認されピット
が利用されていることを確認した。
・平成 14 年度 モモジロコウモリ 12 頭、他 17 頭を主に素堀部分で確認した。
平成 15 年度 モモジロコウモリ 2 頭、ユビナガコウモリ 1 頭をピットで確認した、他約 120 頭を
主に素堀部分確認した。No.4 以外のすべてのピットでコウモリの糞を確認し、利用を確認した。
写真-7
「モモジロコウモリの利用状況」
写真-8「ユビナガコウモリの利用状況」
6.今後の課題
コウモリピットはコウモリの生息環境の保全に一定の成果を上げたものの、(設計と違い
対象種外が ねどこ に利用されている場合も有り)大部分のコウモリが残された素堀区間
に存在していることから、コウモリピットはまだまだ改良の必要があると考えられた。隧道
内の気温を測定した結果どの地点でもほぼ一定であり、設置場所についてはあまり問題がな
いと判断され、主に材質面で改良の余地があると考えられた。
①材質面について
・ 隧道の素堀部分とコウモリピットの表面を顕微鏡で比較したところ、素堀部分の表面は
粒子が粗く多孔質なのに対しピット表面は粒子が細かく滑らかであった。(写真-9、10
のとおり)また、コウモリピット表面が結露で濡れていた。
写真-9「素掘区間表面」
写真 5-10「コウモリピット表面」
②改良点
表面の粒子が粗く、濡れにくくするためモルタルから珪藻土に材質に変えたコウモリピッ
ト 3 基を新たに設置。(以上まで中間報告)
対象種の生態
モモジロコウモリ(Myotis macrodactylus)
体長 34∼41mm、体重 5.5∼11g、北海道から九州まで分布している。5∼7月に出産し、1年4ヶ月程度で成熟す
る。生態については不明な点が多く、繁殖場所はあまり見つかっていない。水辺で飛んでいる昆虫類を採食するこ
とが多く、河川で普通に見られる。寿命は 16 年程度であり、晩秋から早春にかけて冬眠する。
ユビナガコウモリ(Miniopterus fuliginosus)
・
体長 45∼51mm、体重 10∼17g、本州、四国、九州に分布している。7月頃出産し1年4ヶ月程度で成熟す
る。河川や森林の上空など開けた空間でガやトビケラなどを採食する。数百頭以上の大集団を形成することが多い。
高空を高速で高速飛行するタイプの種で、まっすぐな形状の洞穴を好み、あまり狭い洞穴には入りません。寿命は
14 年程度であり、晩秋から早春にかけて冬眠する。
【事例12】
哺乳類:コウモリの保護施設
コウモリ通信
(青森県南郷村)
Vol.11 No.1 200.3(発行
コウモリの会)より抜粋
青森県と岩手県の県境に位置する南郷村島守地
区の新井田川で、新しく架け替えられた赤穂土橋に
コウモリ保護施設がとりつけられました。
(写真-1)
形式は3種類、それぞれ2個ずつ、計6個とり
つけてあります。素材はすべて木材です。
【タイプ1】(写真-2)
モモジロコウモリの休息場として想定。1000mm×
465mm×150mm の容器に幅 30mm、60mm、90mm の間
隔をそれぞれ2本ずつ作ってあります。この間隔
にコウモリが入ることを期待しています。
【タイプ2】(写真-3)
1000mm×570mm×200mm のブロックに直径 30mm、
60mm、90mm で深さ 150mm の丸穴をそれぞれ12個、
9個、9個掘ってあります。この穴の中でモモジ
ロコウモリが休息することを期待しています。
【タイプ3】(写真-4)
1000mm×750mm×50∼100mm(深さを変えてある)
の浅い箱状で内部の壁半分には金網を貼り付け、
また、他の半分には溝を掘ってコウモリがとまり
やすくしてあります。これはヒナコウモリの利用
を想定し、すでに、上北町広沼大明神と八戸市尻
内橋で毎年繁殖している実績があります。
【維持管理】
本施設は南郷村で管理されるとのことです。
(向山 満氏)
写真-1
赤穂土橋に取り付けられた
3つのコウモリ保護施設
写真-2【タイプ1】
写真-3
【タイプ2】
写真-4
【タイプ3】
【事例13】
魚類・貝類:カワジンジュガイの保全
(岐阜県三枝地区)
1.対象施設
本地区の対象水路に、カワシンジュガイの生息が確認され、本種の保全を目途に水路が改
修なされています。
2.本種の生息状況
写真-1 のとおり、改修前の用水路も コン
クリートづくりであり、水路内の堆積した砂
礫土の中から、カワシンジュガイの生息が確
認された。
堆積土は流水からの供給ではなく、接して
いる法面の岩などの崩壊土と考えられる。
3.保全手法について
1)保全目標
生息状況調査結果から、保全目標はカワシンジュガイが生息できる
ました。
写真-1
底質
の確保とし
水路底のコンクリートライニング
カワシンジュガイが生息できる場所が
ない
カワシンジュガイの生息場所の確保
カワシンジュガイ(Margaritifera laevis)
分布:サハリン、千島、北海道及び本州
生態:カワシンジュガイ科は2属8種が知られており、淡水産の二枚貝である。宿主特異性が強く
サケ科魚類を宿主とする。
年間の最高水温が18∼20℃までの水域に分布は限られ、急流でなく緩やかに流れる場所
で河床は礫の隙間の砂礫床である。
カワシンジュガイとサケ科魚類 近藤高貴編、
日本の希少な野生水生生物に関する基礎資料(Ⅰ)−分冊− Ⅰ.軟体動物 1994.3 水産庁より
2)手法の検討
カワシンジュガイの保全手法は以下の知見や調査結果から考慮して決定しました。
①知見から
②調査から
対象種での知見
・ カワシンジュガイの幼生は
サケ科(ヤマメ、アマゴ等)
の1∼2年魚のエラに寄生
する。
・ 年間の最高水温が 18∼20゜
C∼までの水域。
・ 水質は川の上流や湧水のあ
るきれいな水域
・ 底質は砂礫質
・カワシンジュガイは用水路内に堆積し
ている砂礫土の中に生息が確認され
た。
・本種の幼生は、本地域ではアマゴしか
寄生しない。(表−1のとおり)、こ
のため、アマゴの生息環境へも配慮す
る必要があることを確認。
・水生昆虫(ゲンジボタル、カワニナ)
の生息を確認。
・植物、木の枝が用水路に覆った状態で
あり、魚類の生息には良好。
表-1「カワシンジュガイの幼生寄生数調査結果」
調査年月日
調査対象魚種
調査個体数
体長(cm)
H8.5.28
H8.6.19
H9.5.25
H9.6.8
ヨシノボリ
アマゴ
アユ
ニジマス
2
1
4
1
4.4∼4.6
20.1
8.5∼9.1
23.2
幼生寄生数
0
811個体
0
0
幼生殻長
−
0.46∼0.49mm
−
−
特記事項
閉殻筋2個確認
カワシンジュガイの幼生がアマゴのエラに寄生
アマゴ(Oncorhynchus masou macrostomus)
分布: アマゴの分布域は神奈川県酒匂川以西の本州太平洋側、四国、大分県大野川以北の九州及び瀬戸
内海側の河川である。中国地方における天然分布は瀬戸内海に流入する河川であるが、北陸地方
で放流され生息が確認されている。またヤマメとの交雑も確認されている。
生態: サツキマスはアマゴとは同種であり、河川陸封性のものがアマゴ、降海するものがサツキマスと
呼ばれ、洛水昆虫、水生昆虫を捕食する。川の上流部に生息し、冷水性で水温の低いところを好
む。
http://eco.pref.yamaguchi.jp/rdb/html/05/050005.html
渓流に棲む魚たち(新潟県内水面水産試験場)、滋賀の魚
鈴木紀雄
著より
図-1
2,000
砂礫止め
砂礫土
写真-2
写真-3
写真-5
写真-4
900
Co
200100
3)水路の設計・施工
図-1 のとおり、底質を砂礫質とし、
流出防止のため、砂礫止めを設置し
た。
また、工事期間中は写真―2のと
おりシンジュガイ用の仮住まいを設
置し保全した。完了後の水路状況及
び底質の布設状況は写真―3∼5の
とおりです。
3)施工完了後の状況
写真-7 は、完了後の水路状況であり、表-2 は改修後の水路の生物の生育・生息状況
です。カワシンジュガイ、アマゴの生息に適した環境が保全されていると考えられます。
表−2
項目
カワシンジュ
ガイ
サケ科の魚
水生生物
周囲の植生
その他
改修後の生息・生育状況
改修後の状況
カワシンジュガイ保全の保護区間内では生息しており、その成長、
妊卵、寄生状況が確認された。
潜水調査の結果、アマゴ、イワナの生息が確認された。特に図-1
の改修区間では写真-6 のとおりアマゴが多く確認された。
図-1 の改修区間では、水路底の砂礫間に多数の水生昆虫類が生息
しており、特にトビゲラ、カゲロウ、ヘビトンボ類が多く確認さ
れた。
キク科、マメ科、ナデシコ科等の多種の植物が確認された。
工事実施直後は伐採のため、全体的に明るい状態だが、写真-7 の
とおり回復し河畔林がオーバーハングしている。
写真-6
写真-7
□
■
□
■
□
■
□
引
用
文
献
等
□
■
□
■
□
■
□
第1章
1)農林水産省構造改善局計画部資源課(2001);農業農村整備推進生態系保全対策調査報告書,PP.258
2)農村環境整備センター(1995);農村環境整備の科学,朝倉書店 PP14
3)守山 弘(1997);むらの自然をいかす,PP73-74
4)紀平 肇(1983);淡水魚,9,PP.58-60
5)農林水産省農村振興局計画部資源課(2003);人と野生とが共生する農山村地域構築事業報告書 PP.
Ⅱ-2-27
第2章
1)農村環境整備センター(1998);農村地域生き物・生態系情報整備調査マニュアル(案)、PP25-26
68-70
第3章
1)農林水産省構造改善局計画部資源課(2001);農業農村整備推進生態系保全対策調査報告書,PP241
2)千葉県立中央博物館(1999);カエルのきもち,伊原
禎雄、PP84
3)江崎 保男、田中 哲夫監修(1998);水辺環境の保全−生物群集の視点から−、用水路の淡水二枚貝
群衆(近藤高貴),PP89
第4章
1)長崎県川原大池におけるオオクチバスの成長に伴う胃内容物組成の変化の一例(1992)
2)日本生態学会編、村上興正、鷲谷いづみ監修(2002);外来種ハンドブック、PP110-120
3)リバーフロント整備センター(2001);河川における外来種対策の考え方に向けて
4)ブラックバス・ブルーギルが在来生物群集及び生態系に与える影響と対策調査報告書要約版(2003)
5)リバーフロント整備センター(2003);「河川における外来種対策の考え方とその事例」
第5章
5−1
魚類
1)大阪府枚方市の農業水路の環境の変化と魚相の遍歴(紀平,1983)
2)岡山県倉安川における改修前後の魚相(坪川,1985)
3)∼4)京都府大堰川およびその周辺の水田地帯に生息する淡水魚(京都淡水魚研究グループ,1988)
と(斉藤ほか,1988)
5)江崎 保男、田中 哲夫監修(1998);水辺環境の保全−生物群集の視点から−、水田・農業水路の魚
類群衆(片野修),PP68-75
6)関東農政局資源課(2001);農業農村整備推進環境保全技術調査、PP67
7)農林水産省構造改善局計画部資源課、国土交通省河川局河川環境課(2003);身近な水域における魚
類生息環境改善のための事業連携方策の手引き,PP72
5−2
両生類
(該当なし)
5−3
爬虫類
1) 沼田
真・大野正男(1985):房総の生物,河出書房,292pp.
2) 内田清之助・今泉吉典(1939)
:蛇類の食性に関する調査成績(第1報),鳥獣調査報告第9号,143-208
3) 門脇正史(1992):水田地帯に同所的に生息するシマヘビ Elaphe quadrivirgata とヤマカガシ
Rhabdophis tigrinus の食物重複度,日生態会誌,42,1-7
4) 守山
弘(2000)
:耕地生態系と生物多様性(宇田川武俊編)
『農山漁村と生物多様性』,34-65,家
の光協会
5) 長谷川雅美(1997):湾岸都市千葉市の両生類・爬虫類−谷津田の形状と開発頻度が生息種に与え
る影響(沼田
真
監修
中村俊彦・長谷川雅美・藤原道郎
編)
『湾岸都市の生態系と自然保護』,
505-521,信山社サイテック
5−4
鳥類
1)守山
弘(1997):水田を守るとはどういうことか,農山漁村文化協会,PP.134-135
2)(欠番)
3)辻
敦夫(1996)
:日本の干潟とシギ・チドリの危機、いま緊急に必要なこと,ラムサールシンポジ
ウム新潟 1996 報告書,214-215
4)桑原和之(1996):ムナグロ,日高敏隆監修『日本動物大百科,第3巻,鳥類Ⅰ』,p.89,平凡社
5)環境省自然環境局(2002):日本の重要湿地 500,382pp.
6)熊田欽丈・伊村
務(1998)
:春期における栃木県水田へのシギ・チドリ類の飛来状況,Accipiter(A
Journal of the WBSJ. Tochigi Chapter) 4;17-23
7)渡辺朝一(1991):埼玉県大久保農耕地におけるムナグロの渡来状況,Strix,10,107-114
8)大高由良(1995):1995 年春・秋シギ・チドリ類調査報告,ひばり(日本野鳥の会茨城支部報),
No.208,7-11
9)熊田欽丈(1993)
:栃木県の水田におけるシギ・チドリの飛来状況,シギ・チドリと水田の共存を考
える集い,講演要旨,8-11,日本野鳥の会栃木県支部
10) 日本野鳥の会神奈川支部(1998):海老名市勝瀬の休耕田に飛来した鳥類(1997 年秋期),
BINOS,Vol.5:83-90
11) 生沢信吾(1996)
:休耕田の水管理によるシギ・チドリ類の保護活動,Accipiter(日本野鳥の会
栃木県支部機関誌),2,19-23
12) 日本野鳥の会茨城支部(2003):平成 15 年秋期茨城県南部シギチドリ飛来調査報告書,27pp.
13) 渡辺朝一(2003a):ツルシギの集団採食,新潟生物教育研究会誌,38,71-72
渡辺朝一(2003b):春の渡り期の農耕地におけるツルシギの採食地選択,Strix,21,125-130
渡辺朝一(2003c)
:大口ハス田のシギ・チドリ−ツルシギの採食行動を中心に−,野鳥新潟,85,3-4
14) 池田眞次郎(1952):本邦産鳥類と産業との関係調査,鳥獣調査報告,No.13,1-114
15) 成末雅恵(1992):埼玉県におけるサギ類の集団繁殖地の変遷,Strix,11,189-209
16) 清棲幸保(1952):日本鳥類大図鑑
Ⅱ,講談社,785pp.
17) 池田眞次郎(1956):日本産鳥類の食性について,鳥獣調査報告,No.15,1-95
18) 小杉昭光(1960):数種のサギ科の鳥類の食性について,山階鳥研報,2(2),89-98
5−5
哺乳類
1)東京工業大学大学院生命理工学研究科生体システム専攻進化・統御学講座
ホームページ http://www.evolution.bio.titech.ac.jp/f_research/phylo/p02_bat1.html コウモリ
2)奈良教育大学
自然環境教育センターホームページ
コウモリのページ
http://www.nara-edu.ac.jp/ECNE/bat/batbox/sumika.htm
5−6
コウモリの住みか
淡水貝類
1)江崎 保男、田中 哲夫;
『水辺環境の保全−生物群集の視点から−』用水路の淡水二枚貝群集(近藤
高貴),PP80
第6章
1)農林水産省構造改善局計画部資源課、国土交通省河川局河川環境課(2003);身近な水域における魚
類生息環境改善のための事業連携方策の手引き,PP19
2)江崎 保男、田中 哲夫;
『水辺環境の保全−生物群集の視点から−』河川の魚類群衆(田中哲夫),PP87
3)群馬県水産試験場調査課;http://www.pref.gunma.jp
4)農業工学研究所技報
第 201 号(2003);小水路の物理環境とメダカの群泳について(流速と底質と
環境因子とした実験から)竹村武士、小出水規行、奥島修二、山本勝利、加藤敬,PP44
5)中国四国農政局(2001);農村地域生物多様性保全対策調査報告書
6)土木学会(1999);水理公式集(平成 11 年版)
7)土木研究所
林田、本田、萱場、島谷;階段式魚道のプール内状況とウグイの遊泳行動
8)廣瀬、中村(1991);
9)貝塚ほか(1995);『日本の平野と海岸』,PP46
10)渡邊(2000);水田における生態系保全とほ場水管理;農村環境整備センター 農村と環境№16,PP54-60
11)中村(1998);
【本書に関する問い合わせ】
本ガイドブックは、生態系保全技術検討調査結果にもとづき、水田域での生態系を
保全・創出する場合の参考となるよう委員会の検討をへて編纂したものです。検討委
員会の構成は下記のとおりです。
本ガイドブックについての不明点や実証事例へのお問合せは記載事務局へお願い
します。
<検討委員会>
委員長
東京農業大学
客員教授
委員
(独)農業工学研究所
委員
(財)自然環境研究センター
委員
秋田県立大学短期大学部
委員
生態工学研究室長
(財)日本生態系協会
委員
近畿大学農学部
守 山
上席研究員
助教授
弘
奥島
修二
斉藤
秀生
神宮字
事務局長
関
教授
細谷
寛
健 志
和海
(委員は50音順で記載)
<事務局>
農林水産省
農村振興局企画部資源課
〒100-8950 東京都千代田区霞ヶ関1-2-1
FAX 03-3502-6571
課長補佐(環境保全班)TEL 03-3502-8111(4746)
環境評価係長
〃
(4749)
東北農政局農村計画部資源課
〒980-0014 仙台市青葉区本町3-3-1 FAX 022-715-8217
環境保全官
TEL 022-263-1111(4119)
東海農政局農村計画部資源課
〒460-8516 名古屋市中区三の丸1-2-2FAX 052-220-1681
環境保全官
TEL 052-201-7271(2543)
中国四国農政局農村計画部資源課
〒700-8532 岡山市下石井1-4-1
FAX
環境保全官
TEL 086-224-4511(2555)
086-227-6659
九州農政局農村計画部資源課
〒860-8527 熊本市二の丸1-2
FAX
環境保全官
TEL 096-353-3561(4355)
096-359-7321
(社)農村環境整備センター
〒103-0011 東京都中央区日本橋大伝馬町11-8 フジスタービル2F
FAX 03-5645-3675
TEL 03-5645-3671
Fly UP