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カナミッつあんの 営農計画講座
カナミッつあんの 営農計画講座 (資金繰り計画編 No.1) 農業専門技術員(農業経営) 金光剛助 今回からは、営農計画講座の新たなシリーズ 『資金繰り計画編』 に入ります。資金繰り? とは一言で言えばお金の工面を計画的に行うことなのです。経営活動において、借入金の返済 や必要な資材購入が資金不足を理由に滞ったり出来ないのは本当に辛いものです。 さて誰しもお金には困りたくないのですが、それを避けるためには 『常に経営に問題を見出 すこと・見出そうとする態度』 が必要だと思います。 『安泰な時こそ危機意識』 名言これ有り。 今回は本題に入る前にこの『問題』について経営的な考察をしておきたいと思います。 と言 うのも、あの経営の神様と言われた、松下幸之助さんは『経営者の仕事は問題を見つけること であって、問題さえ分かれば後は専門家に任せればよい』 、とまで言っているのですから。 (1)問題とは何か それでは次に、日常的に『問題』と感じるものを整理し、次の順序に並べてみました。 ①困っていること(困惑 ) ②変わっていること(異常・逸脱)③予期せざること(事故・事件 ) ④差し障りのあること(障害・支障 ) ⑤どうにもならないこと(拘束・不条理 ) ⑥分からないこと(疑問・質問)⑦達成すべきこと(課題・タスク)⑧議論すべきこと(議題 ・テーマ)⑨結論を出すべきこと(懸案・提案)⑩意見が別れること(争点・論点) etc. まさに 『渡る世間は鬼ばかり!・・・問題ばっかり!』 ってな感じで、働く社会人はみんな毎日、 これらの問題解決を行っていると言えます。さてこれらの中で ①∼⑤は人生相談コーナーの専 門家に任せるとして、⑥∼⑩が経営的な問題として捉えられそうです。 (2)経営での問題の発掘・問題発見能力・問題解決能力 冒頭に『常に経営に問題を見出すこと・見出そうとする態度』が必要と言いましたが、つま り 【問題意識を持て!】 とも言われるように、同じ場所・時間・仕事の場に居ても、これら問 題を感じる人(経営的敏感な人)と、そうでない人(経営的鈍感な人)がいるわけです。そし て感じない人に【問題意識を持て!】と言っても本人はどうしようもないのが現実です。 それでは問題意識のない人に問題を意識させるためには、どうすればよいか? 手っ取り早いのは、 『目標と現状のギャップを認識させること』 から始めるのが一般的です。 つまり 『問題とは【目標と現状のギャップ】で、問題意識は【ギャップ意識】』 と言えます。 ひるがえせば、目標を持たない人・現状を認識できない人とは、この一方、または両方が欠 けていることが原因で ”問題意識が無い人 ”になってしまいがちです。 またこの問題意識も、 『このままでは売上がじり貧で先が案じられる』という受け身の段階 から、『今よりもっと儲かりたい』、『今のうちに何か新しいことに取り組んでおかなければ きっと困る』という積極的な段階まで見受けられます。 そして『問題解決能力』は、自分の目標を達成しようとする時に現れるさまざまな障害を克 服していく能力と言えます。次に問題と合わせて使う言葉に 【問題点】 があります。 (3)問題点 問題は結果(現象・状態)であり、問題点は(原因・改善すべき事柄・手を打つべき事柄) と言えます。問題と問題点は普通1対複数の関係です。問題は問題点が多数関連し生み出され るもの なのです。これを整理したのが 以前紹介した、農業経営改善チェックシート です。 農業経営改善チェックシート 結 果 原 因 ■ 生 産 量 ■ 粗 収 入 が 少 な い が 少 な い ■ 単 価 が 安 い 原 (結 因 果) ‡· ■栽培条件が悪い 部門:アールスメロン 原 (結 因 果) ‡· ■土地条件が 悪い ■: 該当箇所 原 因 ■土壌が悪い □作土が浅い □水が不足する ■排水が悪い □距離・地形の条件が悪い □日照が不足する ■栽培技術が悪い ■品質が悪い ■施肥技術が 悪い ■果実等の充 実が悪い □鮮度が悪い ■施肥量が少ない(多過ぎる) □成分が片寄っている □適期施肥が出来ていない ■土づくり堆肥有機物の投入が少ない ■土壌調査分析が行われていない ■pHの調整が行われていない □病害虫の発生(防除技術未熟) ■施肥管理技術が未熟である ■気象的原因(長雨 )があった □収穫適期でない ■日常管理が充分でない □収穫・出荷の手順が悪い □貯蔵予冷保冷技術・管理が悪い (4)問題を時間の経過で捉える さて『問題』を時間と絡めて考えると、次の3つの型で捉えられます。 『発生型』 は、枯れ た・萎れた・腐れたなど、いま目の前に見えている問題ですから、誰でも問題に気付くことが 出来ます 。上の農業経営改善チェックシート などで早く原因究明をし、再発を防止します。 『探索型』 は、例えば今部分的に見えている結果から病気の発生を予測したり、秀品率目標 を30%から50%へ意識的に高めることによって、新たなギャップを自ら創り出す問題です。こ のタイプはデータや現象から未来を読む能力があったり、改善意識が高いところにあります。 『設定型』 は全く新しい目標を創り出すもので、例えば将来は農産物への安全安心志向は益 々高まるから、エコファーマーの認定を2年後取れるようにと自ら設定する問題です。 未来か ら発想して今何をすべきか!バック・トゥーザ・フューチャー・アグリ!! 過 去 現 在 未 ヒュ・ヒューッ! 来 発生型 探索型 設定型 (結果・今見えてる)(未だ現れていない・探す)(予想する・設定する) (5)経営レベルでの問題の捉え方 さて、今までどうして長々と分かったようで分からぬ『問題』を喋ってきたのか、何故か? 私の答えは明解です。『 読者の全てのみんなを、 トップマネージメント(経営者レベル) にし たいからです。ロワーよりミドルへ、ミドルよりトップへ、目指すは経営者レベルです。』 実は、私にとって冒頭の松下幸之助語録は気に入りませんでした、優位な立場が鼻についた 印象だったのです。 『経営者は問題を見つけることが仕事ッてかーッ!問題が分かれば専門家に 任せればよいッてかーッ!オーッ!』 マーマー落ち着いて下されカナミッつあん!たかが語録で すよ! 『エ∼イ!実際の農業経営者はロワーもミドルも、トップもすべて一人でしなきゃなら んのが現実ダー!』 しかし、近頃ではその私も思ってます。 『何も農業経営者という者はロワ ーもミドルも、トップもすべてしなきゃいけないって事じゃない!男女共同参画社会が叫ばれ るように、奥さんにもロワーもミドルもトップも出来るところは任せよう!雇用で信頼が置け る人がおればければロワーかミドルまで任せていいじゃん!仲間でそれぞれの得手があって目 標・夢が同じなら、みんなで法人化してロワーもミドルも分担すればいい!そしてトップには 俺がデーント立つ!これが楽しか経営バイ!!』 っとまー頑固だった私も、近頃は柔軟な30 才の頭?になってます。だって語録(5×6)=30・・・・おおー寒ミィ∼ヤメロ∼親父ギャグ! トップマネージメント (経営者レベル) 設定型 ミドルマネージメント (管理者レベル) 探索型 スタッフ (計画∼統制) ライン (実施∼作業) ロワーマネージメント (現場監督レベル) 発生型 出典:佐藤允一著『問題構造学入門64ペ−ジの図』ダイヤモンド社 (6)経営レベルでの役割 さて、要するに経営活動ではどの位置のマネージメントもおろそかには出来ないのです。 ロワーマネージメントは、目の前の問題を解決する役割・ミドルマネージメントは、経営 を 改 善したり体制を強化する役割 があります。そして トップマネージメントは、バック・トゥーザ・ フューチャー・アグリです。経営チャンスの機会開発と危険を回避する役割があります。 (7)資金繰り計画と問題解決の概念 問 題 予 測 ・ 発 生 情 情 報 報 情 アイデア 報 アイデア 情 報 情 報 意 志 決 定 実 行 タイ ミン グ 結果 時間の流れ→ さて 『資金繰り計画』 の∼前戯じゃない、アッ前座をつとめた 『問題とは!』 分かりました? 次回からの資金繰り計画には、この問題解決の概念みたいなものが感覚として必要です。 イメージを形に!夢を形に!未来の姿を現在に!バック・トゥーザ・フューチャー・アグリ・(^^)/ カナミッつあんの 営農計画講座 (資金繰り計画編 No.2) 農業専門技術員(農業経営) 金光剛助 今回からいよいよ、 『資金繰り計画編』 の内容に入ります。 経営活動を行ううえで困ることのひとつは、お金の都合が着かず支払いが出来ない事、つま り経営に行き詰まったり、結局は生活が苦しい状態です。ホントお金に困るのは辛いing!! 昔、植木等さんの歌に、 ♪カネの無いヤツはオレんとこへ来い、オレも無いけど心配する な !ってありましたけど・・超・古ル∼い、知ってる人は40才以上ダナ!。この講座ではこの歌 のように、青い空や白い雲を見させて、『そ・の・う・ち・何とかな∼るだろ∼』なんて悠長に慰 めることはしません。 『ビシッ!』と『具体的に!』をモットウに、♪『カネの無いヤツはオ レんとこへ来い、資金繰り計画を覚えて切り抜けろ!見∼ろよこの数字、何考えてるんだ!そ い い い ・の・う・ちつぶれても、い∼いのかよ・・』ってな感じで行(生・経営・生活)きたいと思います。 (1)まず、お金・資金の流れをつかむ 現金や預金のお金のことを、ここでは 『資金』 と言うことにします。 経営における資金の流れは、先ず運転資金があり、これで必要な生産資材を購入し、時間を 掛けて農畜産物を生産、そして販売します。最初にお金を投じ始めてから、成果の収入が現れ るまで時間(何ヶ月・何年)がかかる訳です。さらに販売経費が差し引かれ農業所得(農家所 得)が計算されますが、やっと残った資金も3月になれば国民の義務(納税)を行い・・・・、 可処 分所得 として家計費や借入金の返済に充てられます。そして最終的に残った資金が、次年度の 運転資金に回っていくという流れです。この事を図で表せば、NEXT・次のようになります。 A B 農業粗収入 農業経営費 C 農業所得 C=A−B D 農外収入 E 農外所得 E=D−F G H 農家所得 家計の租税 公課負担 G=C+E I 税引き所得 I=G−H J出稼被贈扶助収益 ●最終的には【可処分所得−家計費=農 家経済余剰】を、拡大再生産のための投 K 可処分所得 る場合、その償還計画をたてるとき、一 K=I+J L 資資金や、借入金返済に当てねばなりま せん。たとえば、ある制度資金など借り F 農外支出 M 農家経済 余 剰 M=K−L 家計費 ← 償還金や投資・次年度の運転資 金 年の償還金額が、この農家経済余剰内に 収まらないと無理だと言え、逆算してクリアするためには粗収入をどれだけアップしなければ ならないか・家計費をどれだけ抑えなければならないかといった検討がなされます。このこと から、家計の把握、家計簿記帳も大きなウェイトを持っていることが分かると思います。 (2)家族農業経営における実態(3つのパターン) 資金が経営に入ることを『調達』、出ていくことを『運用』と言います が、家族農業経営の 農家経済における資金の調達の源泉は、先ほどのように農業所得と農外所得の合算である農家 所得です。再生産を維持するため、これが次の3つに適正に運用されることが必要になります。 ① 家計生活費等(住民税・所得税等の生活関連の租税公課負担を含む) ② 借入金の返済(事業借入金と合わせ、住宅ローン・生活資金等の農外を含む) ③ 経営確立準備金(再調達準備資金とか再生産資金・拡大再生産資金の為の貯金) ここでいう経営確立準備金とは、固定資産の買い替え・運転資金などに要する資金の積立貯 金と考えて下さい。経営の内容によって異なりますが、おおよそ現在の減価償却費の110% 程度を、下の図のⅠ型の様に減価償却費とは別に積み立てることが出来れば理想的なのですが。 この調達額と運用額の関係を図示すると下の様になります。さて あなたの経営状態は何型? 経営が健全に発展していくためには、I型 になっていなければなりません。(減価償却費は 費用だが現金支出は無いので本来余るべき)。 Ⅱ型の場合は、 内部に留保されるべき減価償却 費が経営確立準備金になっているので、( ”経営が減価償却費を食いつぶしている” と言う) 資金繰りとしては、 ぎりぎりのライン といえます。 Ⅲ型 の場合は 借入金の償還は、このままで は不可能となり 生活費を切り詰めねば なりません( ”減価償却費で生活していると言う” )。 家族経営における資金の調達と運用 減価償却 農 業 費 250万 Ⅰ型 所 250万円 250万円 生活費として使える可能な額 200万円 農 550万円 業 250万円 経営確立準備金 300万 借入金返済 減価償却費 所 得 450万円 借入金返済 250万円 借入金返済 450万円 農 営 業 外 所 得 300万 生活費として使える可能な額 200万円 減価償却費 Ⅲ型 営 業 外 所 得 700万円 経営確立準備金 Ⅱ型 得 550万円 業 所 得 300万円 営 業 外 所 得 300万 生活費として使える可能な額 550万円 調達 運用 調達 運用 調達 運用 (3)資金管理のはたらき さて、資金繰り計画編の目指すところはⅠ型の安定発展する経営、譲ってもⅡ型の現状維持 経営です。また現在苦しいⅢ型にある経営は、Ⅱ型→Ⅰ型へ改善する手法・手助けにします。 それでは資金管理をすればどうして、経営改善に役立てることが出来るのでしょうか?理由 は次の二つの働きがあるからです。 ① 支払準備機能 支払いをいなければならない時期(期日)と場所(現金・口座)において、十分な資金 を保有すること。需要に応ずるだけの資金がないと、支払い不能や信用の喪失となります。 ② 危険回避機能 無計画や甘い計画のうえで過大な借入金をすると、投資に見合う利益が上がらず、返済 が滞る事になりかねません。資金面からの投資計画を検討する事で、危険回避が出来ます。 ◎平成○○年(月次別資金繰り計画表) この両者の働きを発揮さ せ、 自己資金・他人資本の調 達と、その運用を計画管理す 調 ることを、資金管理計画 と言 達 います。 1月 2月 3月 繰越残高 125 180 105 ○○○収入 140 100 計 265 180 105 260 具体的には右のような、 ○○費 30 15 35 30 『月次別資金繰り計画表』 を ○○費 5 10 15 25 給与等 20 20 20 20 ○○費 10 15 作り管理します。 運 特に、中長期の将来を見越 した、機械・施設の更新投資 用 達 10 150 短期借入金 調 4月 20 償還金 60 税金等 60 計費の増大に対処するために 返 済 ・ 納 税 家計費 20 15 25 30 は 『年次別資金繰り計画表』 運 用 計 85 75 95 245 次月繰越し 180 105 10 15 や、子供たちの成長に伴う家 を作り管理します。 残 これらの表を使った資金管 理を行うと、 支払準備機能 と 危険回避機能 の二つの機能が働き、危険を察知し、前もった対処 を行うことで安全な経営活動の実現に役立てることが出来るという訳です。 また資金繰りの実務は、現金収入と現金支出を金額的にも時間的にもタイミングよく行うこ とを言います。この タイミング というのがピンと来ないかもしれません。一言で言えば、明日 100万円耳を揃えて返さなければならない期限なのに、間に合わずアサッテに準備が出来て も意味がないと言うことです。映画やTVで観る怖い取り立てのアノ場面です。 ?(>_<)? 通常見られる農家の経営運転資金としては、農協の経済貯金(営農口座)を利用する場合が ほとんどです。借り越し契約(マイナス記帳が出来る)を結ぶことができるため、便利な貯金 ではあるのですが、その管理を怠ると、多額の借り越しが累積し、高率で高額の支払い利息を 支払わねばならない事態となってしまいます。 仮に無利子の農業改良資金や低利の制度資金等を借り受けたとしても、償還月にこの返済に 当てる事を目的とした経済貯金の残高を確保しておかないと、経済貯金を借り越して償還する ことになります。この様な状態は、有利な長期無利子の資金が経済貯金という短期の資金に振 り代わっているに過ぎなくなり、益々借入金の残高が増加することになったりします。 こうした事態を避けるため、農畜産物の代金の入金時期、資材の支払い時期等を事前に予測 しながら、手持ち資金の振替えなど、月ごと、さらに年ごとの資金繰り計画が是非とも必要と なるのです。 借金する事は決して悪いことではありませんが、要はその管理が出来るかです。 この様な管理は誰も空(頭の中)では出来ません。資金繰り表を作成して、将来の資金の動 きを予定し、想定できるいろいろな課題に事前に対応できる準備を行うための作業、『紙ワザ 作業』、『頭脳作業』、『頭脳プレイ』をしなければなりません。 直接の農業分野の話しではありませんが、熊本県人は毎年全国で1∼2位を競う自己破産で 有名な県なのです。イヨッ日本一!これ本当の話ですが、この汚名は返上しないと!(^O^)! ドップリ浸っていると気付きませんが、 我々県民にはウーバンギャー・ヤッテ、ヤリバナシ の県民性がある のです。久しぶりに金光格言を 『便利は怠慢を招き、怠慢は自滅に案内する』 次回は 『ビシッ!』 と、頭脳プレイをしますよ ♪『カネの無いヤツはオレんとこへ来い・・』 カナミッつあんの 営農計画講座 (資金繰り計画編 No.3) 農業専門技術員(農業経営) 金光剛助 前置きの長い私の講座に嫌気をさされ、読者に逃げられると大変ですので早速入ります。 (1)月別資金繰り計画表作成にかかる前に 準備するもの ①現金出納帳 ②損益計算書 ③貸借対照表 ④農業関係の口座・通帳 ⑤今年中に更新や新たに取得しようと考える機械・施設の購入価格 ⑥既存の短期・長期借入金の返済日と金額 ⑦家計簿 ⑧その他資料・経営者の頭 考え方と注意点 ① 資金繰り計画にあっては、資金の調達と運用状況を予測することから、 現金主義による資 金の出入りを記入していかねばなりません。つまり、 発生主義の考え方で棚卸資産への振り替 えによる費用の取り消しなどせずに、出ていくものはそのまま費用となり、その反面、減価償 却費は申告では経費になるものの、実際には現金支出がありませんので費用とはせず記入しま せん。 農業の場合、経営の規模・内容が変わらない限り、農畜産物の代金の入金時期、資材の 支払い等の時期は例年あまり変わりませんので、現金出納帳や元帳などを参考に記入します。 ② 表の最上行には現在の現金預金の有り高を記入します。最下行の累計は、経営活動を行っ た結果のひと月分の現金及び経済貯金の残高を表すことになり、この額がマイナスとなり貯金 の借越し限度額を越える場合には、新たな借入で資金を準備するなどの検討が必要となります。 ③ 事業収入金額は、販売額 に限定する 必要があります。 ◎平成○○年(月次別資金繰り計画表)・・・・このような様式 家計仕向・経営仕向として 消費した額(保有米等)は、 申告では収入となりますが、 資金繰り計画表には記入しま 調 達 1月 2月 3月 繰越残高 125 180 105 ○○○収入 140 金されるものでもありません から、実際入金されるまでの 運 期間や時期、入金方法も新た めて整理しておきます。 ④ 現在短期・長期借入金 があり、その返済日・償還日 用 が年内にあればその期日、金 額を整理 しておきます。 残 達 10 150 短期借入金 調 せん。また出荷したらすぐ入 4月 100 計 265 180 105 260 ○○費 30 15 35 30 ○○費 5 10 15 25 給与等 20 20 20 20 ○○費 10 15 20 返 済 ・ 納 税 償還金 60 税金等 60 家計費 20 15 25 30 運 用 計 85 75 95 245 次月繰越し 180 105 10 15 (2)月別資金繰り計画表作成 次ペ−ジの平成14年期予想月別資金繰り計画表を参照 1)収支計画部分 ①現金出納帳や作付体系からの収入・経費等の見積もり 何を作ればどの位の経費がかかり、どの位の売り上げがあるかは、過去の現金出納帳や損 益計算書を参考に整理が出来ます。ただ年計でなく、月別のに整理集計するというのが、経 験のないことだろうと思います。でも読者は♪『・・・・誰でも一度だけ経験するのよ!!・・』 特に農畜産物の代金の入金時期(計算方法や口座振り込み間隔)、資材の支払い時期(月 締め、期末一括払い・支払いサイト)等については、JAの購買係等に良く確認します。 参考に下表の様に、耕作している作物について作業体系をイメージし現金出納帳と照らし 合わせながら、月別の収支金額を整理する方法もあります。またパソコン簿記で記帳されて いる方は、月次別集計や月計一覧表の機能がありますので、この機能をフル活用します。 調達の『専従者給与より繰入』とは、給与を家族従事者に払うものの一部を家計費として バック・徴収しているという意味です。こんな事やっていないと言うなら0です。 借入金の返済月や、機械・施設の投資の月は、その金額を運用欄に記入します。 (参考1)作目:いちご 作業名 1 2 作業体系 収穫 □ 育苗管理 地代 124 品種:とよのか 3 4 △ 農薬費 その他 1,912 600 収 ¥ ¥ 収支合計 ¥ ¥ ¥ 1 2 3 △ 育苗 9 10 11 ▲ 定植 12 □ 収穫 農具費100 諸材料費 1,550 肥料費 250 15,964千円 作付規模:150a 5 6 △ 育苗 ▲ 定植 7 8 9 10 清算払い¥500 146 同時に荷造り運賃 手数料 75 概算払い¥2,000 1,267千円 凡例:○播種 ¥入金 ▲定植 水道光熱費100 修理費 14 粗収入 2,500千円−経営費 1,233千円= △移植 12 地代 600 肥料費 108 農薬費 諸材料費 50 その他 72 粗収入計2,500 11 □ 収穫 育苗費 68 本圃管理 収支合計 採苗 □ 8 ¥粗収入計26,500 同時に荷造り運賃手数料 4,500 4 育苗管理 穫 7 水道光熱費1,200 品種:ヒノヒカリ 作業体系 収 6 粗収入 26,500千円−経営費 10,536千円= (参考2)作目:水稲 作業名 5 育苗費 300 本圃管理 穫 作付規模:50a □収穫・出荷 (単位:千円) 2)家計費部分 ①家計簿から臨時的支出、経常的支出等に分類し、家計費欄に記入します。一括でもOK!。 ※印の 経営仕向預貯金積立や家計仕向預貯金積立 があれば記入しますが、計算ではいざとい う時には取り崩す意味で、 『A−D+*』 の式にしています。この月末の残高が次月の運転資 金の基礎になります。もしこれらに全く手を着けないなら 『A−D』 の式にします。 次ペ−ジの月別資金繰り計画表を診てどう思いますか?1年間の経営で5,434-1,253=4,181千 円増加しました。しかし決算書の損益計算書のトータル数字でうまく行っている経営とだとし ても、こうして資金繰りの視点で診ると、2月から4月には苦しい時期が来ると予想されます。 今回は単刀直入!実際の資金繰り計画表はどういうモノかを重点に、ともかく見ていただき ました。次回はこれにもうちょっと説明を加えます。 『経営を見る・診る・視る・観る・看る!』 農家名:熊本太郎農園 項目 勘定科目 月 現金預貯金前月繰越高 短期借入金 調 長期借入金 事 水稲収入 業 野菜収入 収 達 入 農 外 収 入 そ の 他 収 入 専従者給与より繰入 収 入 計 A 短期 借入金返済元利 長期 借入金返済元利 施設機械支払い 種苗費 肥料費 経 農薬防除費 運 材料資材費 水道光熱費 営 修理費 農具費 賃借料料金 支 雇用労賃 荷造運賃手数料 支払い小作料 出 租税公課負担 給与・賞与 その他 *経営仕向預貯金積立 用 経営支出合計 B 家 変動費 計 固定費 費 その他 *家計仕向預貯金積立 家計費計 C 運用合計 D=B+C 次月現金預金繰越有高 A-D+* 平成14年期予想 1 1,253 2 1,143 3 93 1,400 月別資金繰り計画表 4 -892 5 42 6 3,041 2,600 5,000 4,000 100 150 200 3,003 200 1,343 200 393 7 2,276 (単位:千円) 8 1,206 50 150 200 2,058 200 5,242 200 7,291 9 476 10 173 11 1,849 1,000 3,000 2,000 5,000 100 150 200 2,626 200 1,406 200 1,776 20 73 300 20 50 150 200 3,523 2,200 20 20 200 20 68 108 200 300 20 200 20 100 100 60 50 73 100 50 180 390 180 140 80 25 260 250 21 700 150 600 20 50 1,410 150 350 600 10 50 1,000 70 230 600 10 50 1,035 70 230 150 600 10 50 1,766 70 230 100 600 10 50 1,951 70 230 1,400 10 50 4,765 70 230 150 600 10 50 1,170 70 230 100 600 2,010 1,143 100 400 1,400 93 100 400 1,435 -892 100 400 2,166 42 100 400 2,351 3,041 100 400 5,165 2,276 100 400 1,570 1,206 21 760 124 200 100 21 370 600 10 50 680 70 230 600 10 50 1,353 70 230 150 600 10 50 1,424 70 230 100 400 1,080 476 100 400 1,753 173 100 400 1,824 1,849 300 資金計画:(1回目) 12 7,024 合 計 1,253 0 0 500 2,500 4,500 26,500 300 100 700 200 200 2,400 9,099 12,324 33,653 0 1,450 3,650 0 300 368 250 358 200 746 300 400 1,600 100 800 1,300 14 14 100 450 21 180 704 730 800 4,575 600 724 700 600 1,400 8,800 10 10 130 50 50 600 1,825 6,440 24,819 70 150 1,000 230 350 3,000 0 100 100 1,200 400 600 5,200 2,225 7,040 30,019 7,024 5,434 5,434 カナミッつあんの 営農計画講座 (資金繰り計画編 No.4) 農業専門技術員(農業経営) 金光剛助 今月は月別資金繰り計画表を詳しく説明し、資金不足への対応を考えます。7月号の44ペ −ジ:平成14年期予想月別資金繰り計画表(1回目)を横に開いておいて下さい。 調達資金の部 ①現金預貯金について 作り方の手順は先ず、1月の『現金預貯金前月末残高』に手持ちの実際の残高を記入します。 事例では1,253千円ですが、作成時が年度途中の月であれば(今月号を読んで早速作られ るなら)8月の欄に、月初めの実際の残高を記入します。これ以降の金額は計算をした繰越残 高が入っていきます。 ②短期・長期借入金について 短期借入金は、実際に口座に入金されるメドが着いた時や、予想で現金預貯金がマイナスに なる時に、短期借入金が必要だと計画する時に記入します。 長期借入金の調達は、制度資金等(スーパーL資金や農業近代化資金など)の事業実施決定 通知が来て、口座に入金される時に記入します。 ③事業収入について 農畜産物の販売代金は、出荷時にすぐ入金されるものではありません。例えば野菜の共販の 場合はプール計算等(1週間や2週間分の出荷量とその間の市況価格を参考に個別の出荷額を 計算)があります。米の場合年内の概算払いと、約1年かけてされる精算払い等があります。 このように出荷と入金時期には差がありますので記入には注意が必要で、実態に合わせます。 ④その他収入について 農外収入は、ある程度定期に入る助成金や、不動産所得、一時所得、給与所得等。その他の 収入は、オペレーター収入や各種奨励金等です。『専従者給与より繰入』は、専従者給与を家 族従事者に払う(口座へ振り込む)ものの、後日ひとり当たり3万円とかを共同生活の家計費 として再度徴収しているという意味です。こんな事していないなら記入しなくても構いません。 これらの記入が終われば、調達資金収入計Aを計算し記入します。 運用の部 ①短期・長期借入金(元利合計)について 短期は1年以内で返済する借入金です、その返済期限は分かってますから予定の月に記入し ます。長期借入金は1年以上の返済期間があるもので、償還期日を決めていますからその予定 の月に元利額を記入します。この事例では6月と12月に返済を考えています。 ②施設機械支払いについて 経営支出の施設機械支払いは、新たな取得・更新でまとまったお金が要る計画を記入します。 もしスーパーL資金や農業近代化資金・農業改良資金などを利用して取得する投資計画であれ ば、調達と運用は関連が必要です。例えば200万円の機械導入計画で、8割融資なら、調達 160万円で運用は200万円とします。差額の40万円はどこにも出てきませんがこれが自 己資金の支出であり、繰り越している現金預貯金から支払われることになります。 ③経営支出について 種苗費からの記入は、いつどの様な経費をいくら支払わねばいけないかを記入します。 『経営仕向預貯金積立』は営農口座に当たるもので経営活動にすぐ遣うものです。今回は5 万円の積み立てを考えています。 経営支出合計Bを計算し記入します。 家計費は実生活の実態に合わせて記入しますが、年末年始や入学進学時期には支出が増えま すので、行事や成長を予想して支出計画をします。『家計仕向預貯金積立』は、家計費的に積 み立てるもので、10万円の積み立てを考えています。 家計費計Cを計算し、経営支出合計B+家計費計Cで、運用合計Dを計算し記入します。 次月現金預金有高の計算式は、『次月現金預金有高』=A−D+*『経営仕向預貯金積立』 +*『家計仕向預貯金積立』としています。 家計を切り離して考える場合には、『家計仕向預 貯金積立』を算入しなくて結構です。これを1月から12月まで記入し、先ずはありのままの 資金の過不足の予想状況を計算してみます。12月末の次月(平成15年度)現金預金有高は 5,434千円となりました。このようにしてお金の都合に困る時期等を予測します。 月別資金繰り計画表で現金預金有高がマイナスになる時には ・月別資金繰り計画表で現金預金有高がマイナスになっても、何も悲観する事ではありません。 大事なのはその様な事態を予め予測できたことを認識し、それにどのように対処するかです。 ・月別資金繰り計画表でマイナスになれば、先ずは家計費の見直しを行い節約をします。 ・家計費の節約でしのげない額であれば、ヘソクリ・親戚・友人・知人を頼ります。 ・これが出来ないときは、前の月のうちにJA等から短期借入金を借りて準備します。 月別資金繰り計画表 資金計画 No.2の作成 先月号の平成14年期予想月別資金繰り計画表(1回目)は、ありのままの資金の過不足を 予想してみた結果で、今度はお金の都合に困る時期に注目してその対処を考えます。 3月末には、マイナス89.2万円が予想されています。この時期イチゴは出荷しますが入 金までのタイムラグで、金の無い時期です。現実には 『営農口座借り越し限度額』 があり、 『無い袖も振れる』 のですが、ここでは事例として短期借入金で対応します。事前に備える意 味で3月上旬に借りることにします。特に買掛金や、長期借入金の口座引き落としがされる場 合、償還期日と口座の残高に気を遣って、早めに備える事になります。 (資金計画2回目) また短期借入金でなく、家計の口座(またはヘソクリ)から事業主借の形で都合する場合、 農外収入欄に記入します。返済は資金の余裕のある月を生活経験から選びます。ここでは元金 と利息合計で1,027千円を11月に返済するとしました。これで計画上は現金預金残高がマ イナスになることはなくなり、1年間の資金繰り計画表が出来ました。 どうです損益計算書だけを見れば、難なく過ごせて現金預貯金も増えたように見えますが、 この例では危ない時期が2∼3回あり、その資金調達に金融機関に走る姿と、返済のために野 菜や米の入金を首を長くして待つ姿が予想されます。勿論、計画予想ですから実際は資金に余 裕がある場合もあるでしょう。が、もっと苦しい場合も考えられます。 その管理は簿記記帳や 家計簿記帳をしないことには、リアルタイムに対応することが出来ません。資金繰りに記帳は 欠かせないのです。 お金に困ることは非常に不安で精神的に苦痛です。ここで 金光格言『資金 繰り計画は経営を守り、命も守る』 さて次回は、 『年次別資金繰り計画表作成』 に入ります。 農家名:熊本太郎農園 項目 勘定科目 月 現金預貯金前月繰越高 調 短期借入金 長期借入金 事 水稲収入 業 野菜収入 達 収 入 農 外 収 入 そ の 他 収 入 専従者給与より繰入 収 入 計 A 短期 借入金返済元利 長期 借入金返済元利 施設機械支払い 種苗費 肥料費 経 農薬防除費 運 材料資材費 水道光熱費 営 修理費 農具費 賃借料料金 支 雇用労賃 荷造運賃手数料 支払い小作料 出 租税公課負担 給与・賞与 その他 *経営仕向預貯金積立 用 経営支出合計 B 家 変動費 計 固定費 費 その他 *家計仕向預貯金積立 家計費計 C 運用合計 D=B+C 次月現金預金繰越有高 A-D+* 平成14年期予想 1 1,253 2 1,143 3 93 1,100 1,400 月別資金繰り計画表 4 208 5 1,142 6 4,141 2,600 5,000 4,000 100 150 200 3,003 200 1,343 200 1,493 7 3,376 (単位:千円) 8 2,306 50 150 200 3,158 200 6,342 200 8,391 9 1,576 10 1,273 11 2,949 1,000 3,000 2,000 5,000 100 150 200 3,726 200 2,506 200 2,876 20 73 300 20 2,200 20 20 200 20 68 108 200 300 20 200 20 100 100 60 50 180 390 180 140 80 25 260 250 21 700 150 600 20 50 1,410 150 350 600 10 50 1,000 70 230 600 10 50 1,035 70 230 150 600 10 50 1,766 70 230 100 600 2,010 1,143 100 400 1,400 93 100 400 1,435 208 100 400 2,166 1,142 資金計画:(2回目) 200 21 760 124 300 100 600 10 50 1,951 70 230 1,400 10 50 4,765 70 230 150 600 10 50 1,170 70 230 600 10 50 680 70 230 600 10 50 1,353 70 230 100 400 2,351 4,141 100 400 5,165 3,376 100 400 1,570 2,306 100 400 1,080 1,576 100 400 1,753 1,273 100 12 6,995 合 計 1,253 1,100 0 500 2,500 4,500 26,500 50 300 150 100 700 200 200 200 2,400 4,623 10,199 12,295 34,753 1,129 1,129 1,450 3,650 0 300 368 250 358 73 200 746 300 400 1,600 100 100 800 1,300 14 14 50 100 450 21 21 180 704 370 730 800 4,575 600 724 150 700 600 600 1,400 8,800 10 10 10 130 50 50 50 600 1,424 2,954 6,440 25,948 70 70 150 1,000 230 230 350 3,000 0 100 100 100 1,200 400 400 600 5,200 1,824 3,354 7,040 31,148 2,949 6,995 5,405 5,405 カナミッつあんの 営農計画講座 (資金繰り計画編 No.5) 農業専門技術員(農業経営) 金光剛助 1.年次別資金繰り計画の考え方 今月からは年次別資金繰り計画表に入ります。1年間12ヶ月の月別資金繰り計画表と違い、 約10年くらいの将来にわたる長期計画をたてるものです。 簡単に考えれば月別資金繰り計画表を10年分作れば良いのですが、10年先までを考える とは、カッコ良く言えば 『あなたの将来の夢の実現計画』 です。 ところで、あなたの今の経営はこれまでどの様な変遷で今の姿になったのでしょうか?就農 以来、「成るようになってきた」「所得増大を目標に頑張ってきた」「人の一歩前を行くよう 取り組んできた」・・・・いろいろな人が居られると思うのですが、私は経営には 『経営者の夢』 が非常に重要だと考えています。ちょっと長い格言ですが 『夢のあるところ目標あり、目標あ るところ計画あり、計画あるところ行動あり、行動あるところ夢の実現あり』 と思いませんか。 例えば「5年後の将来は耐候性ハウスを建てて、5人位は雇用をして、今の倍の規模にして 所得も2000万円は稼ぐぞ!そのためには今年は・・・・・」という夢と計画を、数字で考えてみ るのです。頭では誰でも夢は考えますが、書き出すのです。 『夢はでっかく現実はシビアに』 本当に出来るかどうかを紙面に書き出して予め検証をやってみる、 紙業(カミワザ)の手法 です。 さてそのような夢を紙に書く、数字で表すとなると難しく感じられるかもしれませんが、心 配ご無用!基本は 『入るを図って出づるを制す』 の精神です。 入る=調達、出る=運用を、表−1の様な幾つかのポイントについて検討し、シミュレーシ ョンする作業になります。 表−1 年次別資金繰り計画の経営管理のための検討事項 検討 ①経営収支 事項 の検討 ②耕作面積の検討 ③資金力の 検討 ④資金調達計画と ⑤家計費の検討 返済計画の検討 検討 利益計画 項目 ・収量 ・品質 ・単価 ・家族労働・ ・保有する機械 ・施設の能力 ・雇用労力の有無 ・土地(自作地・ 小作地) ・土地耕作条件 ・運転資金 ・機械施設の 取得また更 新のための 資金 自己資金や他人資 ・家族構成による 本の調達計画 将来にわたる家 借入資金の選択と 計費の算定 返済計画 ・確保したい生 活(衣食住) レベル 支出計画 ・経費 2.年次別資金繰り計画の働き どこから手を着けて良いか分からない、壮大な 『夢の数値化』 も、表−1の①∼⑤について 検討を行えば、夢を具体的にさらに現実的に考えることになります。そしてこれらの検討事項 は、表−2のようにスッポリと数字で資金繰り計画表に収まってしまうのです。 表−2 名前: 平成○○年期作成 資金繰り計画表 年別計画 西 暦 月別計画 ○○○○ の場合年 和 暦 の場合月 平成○○年 現金・預貯金前年末有高 ● 収 調 達 収入合計 ○○○作付け面積 事 業 収 収量kg/10a 入 ○○○売上げ額 資 10a収量 収 その他収入 農外収入 専従者給与繰入額 入 収 入 計 A 短期借入金返済元利金合計額 長期借入金返済元利金合計額 施設機械購入支払 ★ 減価償却費 修 理 運転資金や自己資金 の検討 収量の検討 品質の検討 利益計画 耕作面積の検討 保有機械・施設の能力 (自作地・小作地) ○○売上げ額 その他 資金繰り計画表の機能 と労働力の検討 単価 金 ) 経営収支の検討 kg単価 ○○作付け面積 入 (年別計画)(No. (単位:千円) 費 土地耕作条件 資金調達計画と返済計画 自己資金調達計画 借入資金の選択 保有機械・施設の能力 と取得・更新計画 租税公課負担 支 経 運 保 険 料 運営管理・予備費 専従者給与額 そ の 経営収支の検討 支出計画 他 固定費計 営 燃 料 費 潤滑油費 支 材料資材費 経営収支の検討 雇用労賃 支出計画 そ 出 用 の 他 変動費計 出 支出合計額 経営支出合計 家 変動費 計 固定費 費 その他 家計費の検討 家計費合計 運用合計 B C D=B+C 次年度現金預金有高 A−D+★ 次年度の運転資金 や自己資金の検討 調達資金の部 現金・預貯金前年末有高 収 調 ● 収入合計 達 資 入 金 事 業 収 入 ○○○作付け面積 説明② 収量kg/10a 説明③ kg単価 説明④ ○○○売上げ額 その他 収 説明① その他収入 農外収入 専従者給与繰入額 入 収 入 計 説明⑤ A 1.収支計画(利益計画)の検討について 説明①:現金預貯金前年末有高 運転資金の大元で現金預貯金の前年度繰越残高です。資金繰り計画ではこの額が減少し続け たりマイナスにならないように管理計画することがポイントになります。 説明②:作付面積 1年間に農畜産物の売上高がいくらになるかを検討します。 粗収益=収量×単価 ですが、さ らに細かく根拠をたどれば、 粗収益=収量(栽培面積×反収)×単価(等階級ごとの単価) に なりますので、現状の実績を踏まえて将来の粗収益を計画します。 栽培面積は、施設や耕作面積の計画(規模拡大や縮小)を考えます。 ・自作地を超える場合には借地を行い、経営支出の「支払小作料」を連動させます。 ・規模拡大が新たな機械・施設の設置を伴う場合には、「借入金」や「施設機械購入支払い」 と関連づけます。 ・規模拡大による必要な労働時間が、現状の家族保有労働時間を超えると予想される場合には 雇用を考えないと生産出荷が出来ませんから、「雇用労賃」と関連づけます。 説明③:収量 収量・品質で注意すべき事は自分の実現可能な数値を記入することです。安易な見通しで甘 い計画は意味がありませんが、例えば現状が部会の中で収量・品質が中位であれば、栽培技術 を高めて上位クラスに入るという努力目標で、データを参考にするのは構いません。 説明④:単価 単価の設定が一番難しい所です。農畜産物で右肩上がりのものは少ないのですが、過去の実 績や、経済情勢など将来の見通しを考えて設定します。(分からなければ現状の実績値) 説明⑤:その他収入について これは前月号と全く同じ説明ですので省略します。違うのは1年間の金額を記入する事です。 これらの記入が終われば、調達資金収入計Aを計算し記入します。 うーん残念!今月はこれまで・・・・・・・来月へつづく。 『夢はでっかく現実はシビアに』 、計画 は所詮計画なのですが、現状をシビアに捉えて紙面に書き出せば、改めて自分の実力・現状を 知ることになります。これも 紙業(カミワザ)の効用 です。さて次回は、運用の部に入ります。 カナミッつあんの 営農計画講座 (資金繰り計画編 No.6) 農業専門技術員(農業経営) 金光剛助 さらに年次別資金繰り計画表を続けます。今月は借入金に関する非常に大事な部分ですよ。 『夢の実現』 にはどうしても資金(お金)は必要です。自己資金で足りなければ短期・長期借 入金をするのですが、これらをビシッと管理するためにはしっかり勉強して下さい。 電卓を準備して下さい。ホラ!、ソコの人、あなたですヨ、居眠り厳禁!! 表−2 名前: 平成○○年期作成 収 資金繰り計画表 入 計 (年別計画)(No. (単位:千円) ) A 短期借入金返済元利金合計額 説明① 長期借入金返済元利金合計額 1.資金調達計画と返済計画の検討について 説明①:短期借入金返済元利合計額について 短期借入金は、月別資金繰り計画表の一年間のまとめや通常の利用経験から、その元金と支 払い利息合計額を記入します。 あまり詳しく書くつもりはなかったのですが、巷にはノンバンク・キャッシング業・クレジ ットカードがあふれていて、農業者の利用も実際あるようですので、リキを入れます。 これらは銀行と違い、預金を受け付けませんし、財務省の認可を受ける必要がありません。 預金を受け付けないから、銀行から借りてそれを消費者に貸し付ける仕組みのため金利が高く なる訳です。しかし、担保が要らないなど非常に借り易いことから気軽に利用されています。 いつかも言いましたが、熊本県人は毎年全国で1∼2位を競う自己破産で有名な県なのです。 我々県民にはウーバンギャー・ヤッテ、ヤリバナシの県民性がうかがえる ことから、特に短期 借入金については勉強して、自己破産しないよう注意が必要です。 またまた乱発ですが、金光格言を 『長期よりも怖い短期の借金、短気な借り方は短命を招く』 さて前置きが長くなりましたが、私たちの多くは借入金しても自分で利息や返済額を計算す ることがないのが一番いけないことだと思います。 『だいィ∼たい、自分で借金しておいて、幾ら返せばよいか本人が知らっさんもん、ホンナ こて、あきれるバイ』 と誰かがぼやいてます。 知らなくても請求や引き落としがあるからその必要性は低いのですが、夢の実現のためには 借入金の返済でつまづきたくありません(つまづかせたくありません)。 今回は一般的な、 元利均等払い・元金均等払い・アドオン方式 の3つの返済方法を紹介しま す。予想する借入額・返済方法・返済回数や利息を当てはめ、自分で実際計算して返済額を確 かめるようにして下さい。そしてその結果を表に書き込み返済計画をします。 - 1 - 計算条件: 元利均等払い 借入額 100万円 年利率6% (1+月利率) n ×月利率 毎月の返済額=借入額× (1+月利率) n−1 n=返済回数(借入期間:月) の計算式 毎月の (1+ 0.06 0.06 (1+ = 1,000,000 × = 1,000,000 × 0.06 )12 × 12 返済額= 1,000,000 × 12 ) (1+ 0.005)12 12 (1.06167781) 12 −1 × (1+ 0.005) 12 × (1.06167781) 0.005 −1 0.005 −1 0.00530838 = 1,000,000 × 0.06167781 = 86,066.28 ちなみに、12ヶ月の返済総額は= 86,066.28×12 = 1,032,795円 支払い利息額は 元金均等払い の計算式 12回払い = 毎月の返済額= 毎月の返済額 1回目返済額 = 1,000,000 12 = 83,333 + 2回目返済額 = 83,333 + = 83,333 + 3回目返済額 = 83,333 + 32,795円 借入額 + 1,000,000 × = 916,667 4,583 0.06 12 『電卓を100%活用するコーナー』 (1.005) 12 の 12 は、1.005の12 乗と言って、( )内の1.005どう しを12回掛け合わせる事の意味。 計算手順は(1+0.005)をまず計 算。(1.005)と電卓に表示。12 回掛け合わせるのには、電卓表示 1.005に続けて×・×と2回続けて 押し=を1回押す。1.010025、これ で 2乗の答え が表示。続けて次の= を押して3乗・次の=で4乗・5・ 6・・・・11・12乗と 数えながら=を押 す のがポイント。つまり結果的には 『知りたい乗数−1回』の =で求め られる。1.06167781・と表示。 小数点3位以下は余り気にしなくて OK! (投資計画編No.3)も再見 × 月利率 0.06 説明:元金が均等だから 12 100万円÷12回=83,333円 88,333 × = 月利率= + 毎月初元金残高 借入月数 5,000 説明:年利6%だから 0.005 87,916 1回の元金返済83,333円 支払い利息額=100万円× 0.005= 5,000円 833,334 × 0.005 2回目の元金は、83,333 = 83,333 + 4,167 = 87,500 円は既に返しているから 4回目返済額 = 83,333 + 3,750 = 87,083 100万円-83,333=916,667 5回目返済額 = 83,333 + 3,333 = 86,666 支払い利息額=916,667 6回目返済額 = 83,333 + 2,917 = 86,250 ×0.005=4,583円 7回目返済額 = 83,333 + 2,500 = 85,833 3回目の元金は、 8回目返済額 = 83,333 + 2,083 = 85,416 916,667-83,333=833,334 9回目返済額 = 83,333 + 1,667 = 85,000 支払い利息額= 4,167円 10回目返済額 = 83,333 + 1,250 = 84,583 4回目の元金は、 11回目返済額 = 83,333 + 833 = 84,166 833,334-83,333=750,001 12回目返済額 = 83,337 + 417 = 83,754 支払い利息額= 3,750円 合 計 12ヶ月の返済総額=1,032,496 こうやって、12回まで 支払い利息合計= 32,500 - 2 - 繰り返す。 アドオン方式 毎月の返済額= の計算式 毎月の 借入額×(1+月数×月利率) 1,000,000×(1+12× 返済額 = = 借入月数 0.06 12 説明:アドオン方式とは、自動車ロ ) ーンやサラリーマン金融など多くの ローンが採用している方式。その利 12 率で借入期間の全期間を借りていた 1,000,000×(1+12×0.005) ものとして利息を計算し、その利息 12 = 88,333.333 ちなみに、12ヶ月の返済総額は= 88,333×12 = 1,059,999円 支払い利息額は = 59,999円 ※元金を返しながらも元金に利息をかけた額になる ○ と元金の合計額を返済回数で割り、 1回の返済額を割り出すやり方。 そのため表面上の金利に比べると実 際の金利ははるかに高いから注意! 元利均等返済の特徴 元利均等返済とは、元金と利息を足した毎年の返済額が同額になるような返済方法です。 最初の数年間は支払利息額が大きいので、その分、元金返済にあてられる額が小さく、元金 の減り方が遅くなります。一方、毎年の返済額が一定であるので、返済計画がたてやすく、元 金均等返済にくらべて初期の返済額が少ないので、投資効果の発現に時間のかかる土地取得、 建物、果樹、畜産などの規模拡大投資に向いた返済方法であると言えます。 短所としては元金の減り方が遅い分だけ支払利息の総額が多くなります。 ○ 元金均等返済の特徴 元金均等返済とは、毎年の支払元金が一定になるような返済方法です。 この場合、利息の支 払は一定ではなくて、最初のうちは支払額が多く、元金が減るにつれて少なくなります。元金 の減り方は早いわけですが、前半の支払額が大きいので、その期間の償還負担が重く感じられ ます。利用の方法として、新しいうちは効率もよいが、古くなるほど能率が低下し、修理代が かさむようになる農機具投資の場合などに適します。 . 農林公庫資金は原則として元利均等返済。農業近代化資金・農業改良資金は元金均等返済 です。ただし、農林公庫資金の場合、元金均等払いでも可能です。 ●¥元金均等方式と元利均等方式の返済イメージ 150 140 130 120 110 100 90 80 70 60 0 ▼ 元金均等払いの元利計ライン ▼ 元利均等払いの元利計ライン 元金均等払いの利息域 元利均等払いの利息域 元利均等払いの元金域 元金均等払いの元金域 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10回 『いかがでしたか、今月は計算が多かったですね。アドオン方式ってビックリしましたね。知 らぬ間に高い金利払って居るんですね。さて来月は 『長期借入金返済元利金合計額』 です。又 お会いしましょうね。会いたくなくても会いますよ。それではサイナラ・サイナラ・もう一つサイナラ』 - 3 - カナミッつあんの 営農計画講座 (資金繰り計画編 No.7) 農業専門技術員(農業経営) 金光剛助 『ハーイ、またお会いしましたね、今回もさらに年次別資金繰り計画表を続けます。 』 今月は施設・機械の更新に関する非常に大事な部分ですよ。 あなたの償却資産台帳を準備して下さい。我が経営に当てはめれば良く分かるはずです。 1.施設機械購入支払の検討について 名前: 資金繰り計画表 (年別計画)(No. ) 短期借入金返済元利金合計額 長期借入金返済元利金合計額 施設機械購入支払 ★ 説明② 説明① 減価償却費 ”施設機械購入支払”とは、施設・機械の更新と新たな導入の計画をすると言うことです。 今持っているこれら償却資産台帳は、永久に使えるわけではありませんから、その更新がいつ 頃来て、幾らくらいお金が要るのか。また、新規に導入するものがあれば、いつ頃行い、幾ら くらいお金が要るのか、などを検討します。 作業手順は、償却資産台帳を準備し、表−1の 施設機械更新導入計画表 に書き込みます。 説明①:施設機械更新(新規導入)計画について 手順①機械・施設名:償却資産台帳から将来も必要な主な機械・施設名を書き込みます。 ②導入年:今あるその機械・施設を導入した年を書き込みます。 ③取得金額:今あるその機械・施設の導入金額を書き込みます。 ④使用可能年数:例えばトラクターの法定耐用年数は8年ですが、使い方によっては10年、 15年と使用できますので、実態に合わせて何年使うかの見込みを記入します。 ⑤予定(更新)年:=②+④になりますから、将来の更新年が計算されます。 ⑥更新に必要な金額ですが、③を参考に規模や馬力を考えて、同額程度か、数割り増しなど考 慮して設定します。 ⑦、⑥の金額を書き込む場所は⑤の年です。 次に、施設機械新規導入計画表に書き込みます。 ⑧投資計画にかかる新規導入についても同じように記入しますが、上記の②は⑤予定(導入) 年だけになります。 ⑨後の記入要領は同じですが、こうして既存の機械・施設の更新予定年が一覧に出来ると、更 新が集中する時期が分かります。何百万円もお金が要る年に、新規の投資計画を重ねるのは 負担が大きいという時には、実施時期をずらすなど検討します。 ⑩縦計をすればそれぞれの時期に必要な、 施設機械購入支払額 が一覧で分かります。 表−1 施設機械更新導入計画表 導入 導入更新予定 取得金額 使用可能 予定 H13年 H14年 H15年 H16年 H17年 H18年 年 施設・機械名 単位:千円 年数 年 2001 2002 2003 2004 2005 2006 62 連棟ハウス 6,526 10 8 59 単棟ハウス 200 10 5 6 トラクター25PS 2,100 10 16 3,100 10 田植機5条植え 1,225 8 18 1,400 10 軽トラック 850 8 18 1,100 4 トラック 2,165 10 14 2,400 7 動力噴霧機 908 8 15 910 6 暖房機2台 2,810 10 16 3,000 新 耐候性ハウス 30,678 10 15 30,678 規 自動開閉装置A-2型 1,743 8 15 1,743 導 カーテン装置 5,485 8 15 5,485 入 地下水制御装置 4,376 8 15 4,376 合 計 42,282 5,400 4,010 2,500 ※自己資金、借入金の何れであっても、実際これだけはお金が必要なので準備が必要と考える。 2.長期借入金返済元利金合計額の検討について 説明②:長期借入金返済元利金合計額について さて、次は借入金をする場合を考えます。事例では42,282千円のうち4,000万円を借入してみ ます。短期借入金と同様に 元利均等払い・元金均等払い の両方を紹介します。計算式がちょっ と変わりますが『なあーんの、難しくないって、成せば成る成る、法隆寺!アレッツ?』。 元利均等払い 借入金返済計画表〔例〕 計算手順:①式に代入し (ただしnは実質償還年数の10年) 1年当たりの元利返済額を計算。 ②次に償還1回目の利息を計算し(4000万×0.0115=460,000)、元利合計返済額から利息を差 し引き元金を計算。③2年目はその元金残高に利率を掛け、以降繰り返す。 資金名:スーパーL資金 貸付決定月:2003年9月 西 暦 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 合 計 回数 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 貸付利率: 据置期間: 1.15% 2 年 元金の返済額 支 払 利 息 元 利 合 計 元 金 残 高 申請書提出と承認決定、事業着工と竣工 借入額は40,000,000円 0 460,000 460,000 40,000,000 0 460,000 460,000 40,000,000 3,797,338 460,000 4,257,338 36,202,662 3,841,008 416,330 4,257,338 32,361,654 3,885,179 372,159 4,257,338 28,476,475 3,929,859 327,479 4,257,338 24,546,616 3,975,052 282,286 4,257,338 20,571,564 4,020,766 236,572 4,257,338 16,550,798 4,067,004 190,334 4,257,338 12,483,794 4,113,775 143,563 4,257,338 8,370,019 4,161,083 96,255 4,257,338 4,208,936 4,208,936 48,402 4,257,338 0 40,000,000 3,493,380 43,493,380 0 資本回収係数 1回の元利合計返済額=元金× 元利金均等払い 借入元金: 4,000万円 償還年数: 12 年 i(1+i) n (1+i) n −1 =40,000,000× 0.0115(1.0115) 10 (1.0115) 10−1 借入金計画表〔例〕 計算手順:①元金が均等だから元金を実償還年数で割り、1年当たりの元金を計算する。 ②据え置き期間及び、償還1回目の利息は、元金に利子を掛けた額となる。 ③2年目以降は元金の減った分の元金残高に利率を掛けて利息を出していく。 (注)県単上乗せ金利、12年の利子助成期間で、1.15%ととした。 小数点以下の桁数の取り扱いによって、円の位の合計値が一致しない場合もある。 資金名:スーパーL資金 貸付決定月:2003年9月 西 暦 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 合 計 回数 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 借入元金: 4,000万円 償還年数: 12 年 貸付利率: 据置期間: 1.15% 2 年 元 金 支 払 利 息 元 利 合 計 元 金 残 高 申請書提出と承認決定、事業着工と竣工 借入額は40,000,000円 0 460,000 460,000 40,000,000 0 460,000 460,000 40,000,000 4,000,000 414,000 4,414,000 36,000,000 4,000,000 368,000 4,368,000 32,000,000 4,000,000 322,000 4,322,000 28,000,000 4,000,000 276,000 4,276,000 24,000,000 4,000,000 230,000 4,230,000 20,000,000 4,000,000 184,000 4,184,000 16,000,000 4,000,000 138,000 4,138,000 12,000,000 4,000,000 92,000 4,092,000 8,000,000 4,000,000 46,000 4,046,000 4,000,000 4,000,000 0 4,000,000 0 40,000,000 2,990,000 42,990,000 3.過去の長期借入金の整理について 返済計画は、これから行おうとする更新・投資計画だけではありません。過去に借りて現在 償還しているものについても合わせて考えなければなりません。 『あなたの過去・過去・カコ』 過去の長期借入金については、その金融機関から"返済のご案内"(償還計画表や残高一覧) などが郵送されているはずですから、それを見て整理します。もし無くしたりしていたら問い 合わせるのもいいですが、一度は自分で計算して見て下さい。計算の仕方は全く同じです。 表−2 〔例〕長期借入金返済計画一覧表 (単位:千円) 項目 条 件 返 済 H14年 H15年 H16年 H17年 H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 内 訳 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 資 金 名 農業近代化資金 元金返済額 250 250 250 250 250 借入金額 2,500 借入利率 2.8 支払利息額 28 21 14 7 0 償還年数 12 据置年数 2 返済合計額 278 271 264 257 250 返済方法 元金均 借入年 1994 元金残高 1,000 750 500 250 0 資 金 名 農地等取得資金 元金返済額 542 542 542 542 借入金額 3,800 借入利率 2.8 支払利息額 45 30 15 0 償還年数 10 据置年数 3 返済合計額 588 573 558 542 返済方法 元金均 借入年 1995 元金残高 1,628 1,085 543 0 資 金 名 スーパーL資金 元金返済額 3,797 3,841 3,885 3,929 3,975 借入金額 40,000 借入利率 1.15 支払利息額 460 460 460 416 372 327 282 償還年数 12 据置年数 2 返済合計額 460 460 4,257 4,257 4,257 4,257 4,257 返済方法 元利均 借入年 2003 元金残高 40,000 40,000 36,202 32,361 28,476 24,546 20,571 元金返済合計額 792 792 792 792 4,047 3,841 3,885 3,929 3,975 支払い利息合計額 73 51 489 467 460 416 372 327 282 償還合計額 866 844 1,282 1,259 4,507 4,257 4,257 4,257 4,257 借入残高合計額 2,628 1,835 41,043 40,250 36,202 32,361 28,476 24,546 20,571 『返済計画』という響き! いろいろな計画の中で、円の単位まで当りお金が出て行く、これ だけはっきりしたものは他にありません。まさに 『経営計画のマッポシさん』 だと思います。 それを、知ろうともしないのは、ホンナコテもったいないことです。でもこれで今日から、 自分で返済計画が計算できるようになりました。今までのあなたと違う!凄いですね。 また 2金光格言『稼ぎ目的の成長より、自分の成長を目指せば稼ぎは自ずと付いて来る。』 『ダンダン・あなたは成長する・・あなたは成長する・・毎日毎日・・・成長する・・・』SEE YOU 来月。 カナミッつあんの 営農計画講座 (資金繰り計画編 No.8) 農業専門技術員(農業経営) 金光剛助 早いもので師走になりました。資金繰り計画表の作成も、ただいま中盤に来た辺りです。 今回の本題に入る前に、折角のこれまでのことを忘却しないよう整理しておきたいと思います。 これまでの中間整理 名前:熊本太郎 平成13年期作成 収 入 調 達 資 金 支 運 出 用 資金繰り計画表 (年別計画)(No.1) (単位:千円) 年別計画 西 暦 月別計画 2001 2002 の場合年 和 暦 の場合月 平成13年 平成14年 ①現金・預貯金前年末有高 3,000 ②短期借入金額 1,100 ③長期借入金額 今回設定 No.4・6号 40,000 ④短期借入金返済元利金合計額 1,129 ⑤長期借入金返済元利金合計額 888 ⑥施設機械購入支払 No.は 講座番号 No.7号 No.4.6号 1,282 No.7号 42,282 No.7号 説明①:現金・預貯金前年末有高=例として300万円を設定しました。営農貯金だけで構い ません。家計の預貯金まで書けば、減額やマイナスになれば経営の死活問題と読めます。 説明②:短期借入金額=例年の経験としてあれば記入します。ここでは例として110万円。 説明③:長期借入金額=例として耐候性ハウスのため、スーパーL資金を借入する設定です。 説明④:短期借入金返済元利金合計額=返済を元利均等、年利6%、11ヶ月で返済する設定。 説明⑤:長期借入金返済元利金合計額=13、14年は既存の借入金の返済元利金です。 説明⑥:施設機械購入支払=耐候性ハウスのための総事業費です。42,282-420,000=2,282千円 の差額2,282千円が自己資金の支出額になります。 ※表中①∼③(調達)と④∼⑥(運用)は離れていますが、数字は深い関係がありますので、つじ つまが合っていないといけません。♪『貴方と私は深∼い関係!』こんな歌あったっけ? 1.家計費の検討について なお くらしらく 『・・・・・働けど働けど猶我が生活楽にならざり、じつと手を見る』 石川啄木は仕事と生活の関 係を実にシリアスに詠っています。さて家族的農業経営の場合、経営と家計はまたまた深い関 係です。 ♪『カネの無いヤツはオレんとこへ来い・・』の (No.2の6月号をもう一度参照) 家計費は『返済計画』に次いで、家族構成によりある程度予想できるものですが、家を建て る、子供が何人、4年制大まで進学するか、私立か国公立かなどでも大きく違っても来ます。 しかし 『要ったシコが要ったシコ!出て行ったシコが出て行ったシコ!』 ではいけないのです。 経営支出合計 家 変動費 計 固定費 費 その他 家計費合計 B 家計費の検討 C (1)経営計画と生活設計の連結について 簿記記帳ではよく『経営と家計の分離』をしよう、とスローガンみたいに言ったりします。 一方でそう言いながら、 なぜ資金繰り計画に家計費(生活設計)が必要なのでしょうか? 以前、農業経営を一軒の家にイメージし、経営管理、技術管理、生活管理の大きく3つの柱 からなると言いました。法人でもない雇用型でもない家族的農業経営は、次のような理由で家 族・家族労働・家計が『切っても切れない、深∼い関係!』にあるからです。 ①家族労作経営の拡大縮小は、家族構成(農業従事者)に比例 家族的農業経営において農業による収入は、土地条件や経営のやり方、技術の程度、家族 労働力により大きく変わります。家族労働力(農業従事者)が多い時期は規模拡大もでき、 所得の増加も見込めますが、家族労働力だけに頼っていれば経営の縮小も必然的に必要にな ります。 ②家計費のかさむ時期は避けられない 教育期、結婚、住宅の新築増改築など、家計費のかさむ時期には、農業所得だけではまか なえない時期も出てきます。このような時期に備えて、準備金を蓄える必要があります。 ③将来を見通してみることが大切 家族員一人一人が満足のもてる暮らしにするために、将来予想される教育・結婚・住宅所 有・老後の生活などについて、家族の年齢や資金面、家族の意向などいろんな面から検討し て見通しを立てておくことが必要です。 ④営農計画は生活の支え 生活の将来計画を実行するためには、その調達資金の源泉である、支えとなる農業からの 収入計画が必要です。家族的農業経営の場合は、生活と農業の計画は車の両輪と言うべき関 係にあります。 ⑤資金繰り計画と生活設計のリンクが不可欠 農業経営投資計画が実行される時には、その調達資金と返済資金の一部は家計的な蓄えか ら行われている現状があります。経営側からも調達資金の支えとなる生活設計が必要です。 (2)中・長期営農生活設計をたてるにあたって、気をつけたいこと 将来の家計費を算出する前に、先ず自分の生き方や生活レベル、育児・教育などの考えを整 理できる、『 営農生活設計『我が家のライフプラン』 』を作成しましょう。 ①家族みんなで話し合って決る 家族員一人一人の価値観と生活目標を具体的に話し合い、その上で計画を立てることがよ り確実な営農生活設計とできます。 ②生活の目標をはっきりさせる 「こんな暮らしがしたい」といった目標をはっきりさせることが大切です。 ③現在の暮らしを見つめ無理のない計画を 記帳、記録によってわが家の家計や農業経営の現状(収入、支出、財産、借入金、労働力 など)をよくつかんでおくことが大切です。 ④営農と生活のバランスを考る 所得を上げるために生産活動を重視すると身体的ゆとりがなくなり、健康障害も生じかね ないので、長期にわたっての所得、労働、健康、生活のバランスをしっかり考えます。 多世代家族においては、経営移譲も考えておくことが大切です。 ⑤生活周期における山と谷に応じ、バランスのとれた計画を 長い人生には生活面でも楽な時期と苦しい時期があります。楽な時期は苦しい時期に備え ることが大切です。 (備えあれば憂い無し) ⑥不時の出費の備えることも忘れない 病気やけが・災害など長い人生には予測できないことが起こるかもしれません。不時の支 出に備えて、いつでも使える予備費を忘れないように心がけておきます。 (ダム式経営) 営農生活設計記入例 『我が家のライフプラン』 短 歴 和 暦 13 年 西 暦 2001 家 族 周 期 熊本太郎 ( 本人 族 の 将 来 15 2 44 16 3 45 中 17 4 18 5 19 6 7 家族成長後期 46 47 48 17 40 18 41 42 43 44 15 (第二子) 高校入学 熊本田助 12 (第三子) 中学入学 熊本 78 熊本百恵 ( 母 19 20 21 24 10 11 12 家族成長前期 49 50 51 52 53 54 45 46 47 48 49 50 16 13 79 17 18 23 24 19 20 21 22 4年制大学入学 14 15 16 17 26 27 28 81 82 結婚 23 24 25 26 21 22 23 就職 18 高校入学 80 25 研修就農 19 20 4年制大学入学 83 84 85 86 87 就職 88 89 米寿 73 74 75 76 ) 77 78 79 80 81 82 83 喜寿 家族経営協定の見直し 農業経営の充実 健康管理・楽み 家族そろって毎年泊の旅行 家庭行事 親の喜寿祝 住宅耐久消費 学校教育 23 喜寿 72 わが家の目標 22 4年制大学校入学 熊本田気 ) 22 銀婚式 (第一子) 父 9 期 銀婚式 39 田 21 8 ) 熊本田太 長 20 (本人の妻) ( 暮 ら し の 計 画 14 家族形成期 43 熊本花子 家 期 夫婦で人間ドック 両親の古希祝・長男結婚予定 テレビ 中高校入学 新しい家庭の基礎づくり 車 大学入学 冷蔵庫 就職予定 エアコン 車 大学入学 『ライフプラン・生活設計』という響き!『返済計画』 の様に円の単位まで金額が当るわけ ではありません。しかし夢が描け、家族の将来を見る事が出来ます。”バック・トゥーザ・フュ ーチャー”は以前使いましたので今度は、まさに『経営計画の玉手箱』 ♪『アッ!という間に おじいさん・・』 おじいさん・おばあさんになる前に、夢を実現したいですね。 『夢と行動は大 胆に、考え方とプランは緻密に、・・・あなたは成長する・・毎日毎日・・成長する・・・』 SEE YOU. カナミッつあんの 営農計画講座 (資金繰り計画編 No.9) 農業専門技術員(農業経営) 金光剛助 明けましておめでとうございます。年の初めに資金繰り計画表の作成の講義って、ピッタシ タイミングです。『何ッ!年始から数字なんか見たくないって!アンタばかりがモーッ。』 1.家計費の検討について 家計費と言えば、家計簿をつけているなら分かります。また『衣・食・住』の経費って感じ ですが、この講座では家計費を変動費と固定費に分けて記入する事にしました。 また将来の家計費となればある程度の根拠で試算しないと『絵に描いた食えないモチ』にな まじな ります。 『におい』 がするくらいの試算値にはもっていきたい、そのための魔法のお 呪 い材料 が先月の表−1 『ライフプラン』 と、次ペ−ジ表−2『 年齢別、性別年間変動費一覧表』 です。 計算手順① 結論は、下の表−4の様な一覧表を作り上げることです。現在家計簿が記帳してあ ればそのデータを元に、変動費と固定費に分けて、先ず現況に記入します。 計算手順② もし家計簿記帳のデータが無く、全く予想もつかまい場合と、将来の家計費の計算 は表−2の 『年齢別、性別年間変動費一覧表』 を参考に、一人ひとりについて試算します。 (なお、『年齢別、性別年間変動費一覧表』の数字はあくまでも参考ですから、この数字ピッ タリにする必要はなく、生活の実態やレベルにより調整して下さい。) 〔例〕長男の田太君の平成15年2003年の4年制大学入学の年の場合:国公立大学で下宿生活を 行うとし、学費は年60万円位、入学支度金は30万円程度、生活費(下宿代・食費・被服費) は一括して小遣い年120万円の内でやりくりし、これ以上親は出せないからアルバイトをし てもらう、この年は210万円程度必要で、次の年から180万円、留年は許さんゾ!!。 表−4 家計費試算表 費 用 科 目 飲食費 被服費 変動 小遣費 教育費 変 動 費 計 住居家財費 水道光熱費 保健衛生費 固定 交通通信費 娯楽交際費 その他臨時 固 定 費 計 合 計 経営体名:熊本太郎農場 現 況 2000 H12年 1,148 359 484 670 2,661 1年目 2001 H13年 1,153 359 484 706 2,702 240 120 360 484 240 120 360 484 1,204 1,204 3,865 3,906 2年目 2002 H14年 1,191 357 536 891 2,975 500 240 120 360 536 240 1,996 4,971 3年目 2003 H15年 994 314 1,666 1,429 4,403 4年目 2004 H16年 987 314 1,666 1,198 4,165 5年目 2005 H17年 824 271 2,830 1,832 5,757 6年目 2006 H18年 819 271 2,830 1,499 5,419 7年目 2007 H19年 991 329 1,990 899 4,209 8年目 2008 H20年 970 344 2,280 600 4,194 240 240 240 240 240 240 120 120 120 120 120 120 360 360 360 360 360 360 1,666 1,666 2,830 2,830 1,990 2,280 240 2,386 2,386 3,550 3,790 2,710 3,000 6,789 6,551 9,307 9,209 6,919 7,194 単位:千円 9年目 2009 H21年 1,140 402 1,440 10年 2010 H22年 1,140 402 1,440 2,982 2,982 2,000 240 240 120 120 360 360 1,440 1,440 240 2,000 2,400 6,160 5,382 9,142 表−2 年齢別、性別年間変動費一覧表 年 学 齢 年 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 0 1 2 3 4 保育園 保育園 小学校 小学校 小学校 小学校 小学校 小学校 中学校 中学校 中学校 高校 17 高校 18 高校 18 19 区 分 公立 公立 公立 公立 公立 公立 公立 公立 公立 公立 公立 公立 私立 公立 私立 公立 私立 就農 大学 公立通学 私立通学 公立下宿 私立下宿 19 短大 私立通学 私立下宿 県立農大 19 就農 20 大学 公立通学 私立通学 公立下宿 私立下宿 20 短大 私立 私立下宿 県立農大 20 就農 21 大学 公立通学 私立通学 公立下宿 私立下宿 21 就農 22 大学 公立通学 私立通学 公立下宿 私立下宿 22 就農 未婚 既婚 30から39 40から49 50から59 60から64 65から69 70から79 80から 男 性 変 動 食費 被服費 小遣 学費 87 57 87 57 101 54 111 54 119 54 126 54 101 138 54 101 123 53 12 162 128 53 12 162 142 53 12 162 147 53 18 162 152 53 18 162 162 53 18 162 167 68 36 233 172 68 36 233 172 68 36 233 207 68 70 309 207 68 70 662 203 68 70 309 203 68 70 662 201 68 70 309 201 68 70 662 195 62 360 195 62 120 609 195 62 120 927 1,648 2,007 195 62 120 761 1,928 62 120 360 180 62 360 180 62 120 609 180 62 120 927 1,648 2,007 180 62 120 761 1,928 62 120 360 180 62 360 180 62 120 609 180 62 120 927 1,648 2,007 180 62 360 180 62 120 609 180 62 120 927 1,648 2,007 180 62 360 180 98 360 179 98 360 176 98 360 173 98 360 168 98 360 168 68 162 68 156 68 単位:千円 費 支 度 50 30 33 78 373 460 1,300 1,388 373 1,301 100 計 144 144 155 165 173 281 293 400 355 369 380 385 395 534 509 509 687 1,085 650 1,003 648 1,001 617 1,359 1,764 2,948 3,395 1,511 3,229 642 602 971 1,289 1,648 2,007 1,123 1,928 542 602 971 1,289 1,648 2,007 602 971 1,289 1,648 2,007 602 638 637 634 631 626 68 230 224 女 性 変 動 食費 被服費 小遣 学費 86 57 86 57 98 59 111 59 116 59 123 59 101 131 59 101 114 67 12 162 120 67 12 162 138 67 12 162 145 67 18 162 152 67 18 162 160 67 18 162 162 85 36 233 157 85 36 233 152 85 36 233 180 85 70 309 180 85 70 662 176 85 70 309 176 85 70 662 167 85 70 309 167 85 70 662 167 84 240 609 927 167 84 120 1,648 167 84 120 2,007 167 84 120 761 1,928 84 120 360 158 84 240 158 84 120 609 158 84 120 927 1,648 2,007 158 84 120 761 1,928 84 120 360 158 84 240 158 84 120 609 158 84 120 927 1,648 2,007 158 84 240 158 84 120 609 158 84 120 927 1,648 2,007 158 84 240 158 120 240 156 120 240 156 120 240 153 120 240 150 120 240 150 70 146 70 143 70 費 支 度 50 30 33 78 373 460 1,300 1,388 373 1,301 100 計 143 143 157 170 175 283 291 405 361 379 392 399 407 546 511 506 677 1,075 640 993 631 984 491 982 1,387 3,319 3,766 1,505 3,229 664 482 971 1,289 1,648 2,007 1,123 1,928 564 482 971 1,289 1,648 2,007 482 971 1,289 1,648 2,007 482 518 516 516 513 510 220 216 213 計算手順③ この様にして、家族員の将来の思惑を込めながら、一人ひとりについて試算します。 これをまとめると、 表−3『家族の変動費試算表』 が出来、表−4の変動費が埋まります。 計算手順④ 毎年の経常的な経費や、住宅の管理費など数年おきに必要になるもの、家族行事な どライフプランの思惑を込めながら、表−4の固定費に記入し資金繰り計画表に転記します。 表−3 性 別 続 柄 熊本 太郎 男 経営主 家族の変動費試算表 年齢 2000 2001 2002 費目 H12年 H13年 H14年 年 齢 42 43 44 食 費 172 172 172 被服費 54 54 54 小遣い 240 240 240 合 計 466 466 466 年 齢 43 44 45 花子 食 費 153 153 153 女 被服費 81 81 81 妻 小遣い 120 120 120 合 計 354 354 354 田 年 齢 77 78 79 男 食 費 159 159 159 父 被服費 42 42 42 合 計 201 201 201 百恵 年 齢 71 72 73 女 食 費 143 143 143 母 被服費 51 51 51 合 計 194 194 194 年 齢 16 17 18 田太 学 年 高1 高2 高3 食 費 203 198 197 男 被服費 43 43 43 小遣い 70 70 70 長男 学 費 299 299 299 入学支 33 合 計 648 610 609 年 齢 14 15 16 田気 学 年 中2 中3 高1 食 費 169 169 203 男 被服費 43 43 43 小遣い 36 36 70 次男 学 費 230 299 299 入学支 33 合 計 478 547 648 年 齢 11 12 13 田助 学 年 小5 小6 中1 食 費 149 159 164 男 被服費 45 45 43 小遣い 18 18 36 三男 学 費 108 108 230 入学支 30 合 計 320 330 503 飲食費 1,148 1,153 1,191 被服費 359 359 357 小遣い 484 484 536 教育費(学費 670 706 891 +入学支度金 637 706 828 など) 33 63 変動費の合計 2,661 2,702 2,975 経営体名:熊本太郎農場 単位:千円 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 H15年 H16年 H17年 H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 45 172 54 240 466 46 153 81 120 354 80 159 42 201 74 143 51 194 19 大1 46 172 54 240 466 47 153 81 120 354 81 153 42 195 75 143 51 194 20 大2 47 172 54 240 466 48 153 81 120 354 82 153 42 195 76 143 51 194 21 大3 48 49 172 172 54 54 240 240 466 466 49 50 153 150 81 81 120 120 354 351 83 84 153 153 42 42 195 195 77 78 143 143 51 51 194 194 22 23 大4 就農 176 58 1,200 1,200 1,200 1,200 360 600 600 600 600 300 2,100 1,800 1,800 1,800 594 17 18 19 20 21 高2 高3 大1 大2 大3 198 197 43 43 70 70 1,200 1,200 1,200 299 299 600 600 600 300 610 609 2,100 1,800 1,800 14 15 16 17 18 中2 中3 高1 高2 高3 169 169 203 198 197 43 43 43 43 43 36 36 70 70 70 230 299 299 299 299 33 478 547 648 610 609 994 987 824 819 991 314 314 271 271 329 1,666 1,666 2,830 2,830 1,990 1,429 1,198 1,832 1,499 899 1,129 1,198 1,499 1,499 899 300 333 4,403 4,165 5,757 5,419 4,209 50 172 54 240 466 51 150 81 120 351 85 153 42 195 79 143 51 194 24 51 169 54 240 463 52 150 81 120 351 86 153 42 195 80 140 51 191 25 52 169 54 240 463 53 150 81 120 351 87 153 42 195 81 140 51 191 26 176 58 360 176 58 360 176 58 360 594 594 22 23 大4 就職 176 58 1,200 360 600 594 24 176 58 360 1,800 19 594 20 594 21 176 58 360 176 58 360 176 58 360 594 594 594 970 1,140 1,140 344 402 402 2,280 1,440 1,440 600 600 4,194 2,982 2,982 イヤ∼ッ今月の原稿作成は大変でした。読むのも大変でしょう。しかしこれが我が家族の将 来計画となれば楽しいでしょう。皆さんもぜひ、我が家の家計費の試算を行ってみて下さい。 カナミッつあんの 営農計画講座 (資金繰り計画編 No.10) 農業専門技術員(農業経営) 金光剛助 前月の1月号No.9に書ききれなかった事ですが、資金繰り計画でライフプランによる家 計費を考えていると 『ああ∼、オレは家族のためにあとウン十年、お金のために働くのか・・・』 などと、多額の家計費の支出にやや悲観的に人生を哲学してしまいます。 しかし去年出会った、ロバート・キヨサキとシャロン・レクターの著書 ”金持ち父さん 貧乏父さん” を読んで、第一の教え『金持ちはお金のためには働かない』、第二の教え『お金の流れの読み 方を学ぶ』・・・・第六の教え『お金のためではなく学ぶために働く』 に書かれているような 気持ち・モノの見方・考え方が、金持ち父さんになるには大切と共感した次第です。 貧乏父さんになって、倒産しないように 、いろいろと前向きな勉強をしましょう。 っということで、前置きはここまで。これまでのNo.5から9までの講義をまとめると、次 のペ−ジの様な資金繰り計画表に収まります。この資金繰り計画表の読み方、説明をします。 1.収入(調達資金)について ①現金預貯金繰越残高 スタートは、現金預貯金繰越残高です。300万円を記入しています。 ②長期・短期借入金 長期借入金は2003年に耐候性ハウス導入のため、4,000万円の借入をする計画です。 短期借入金は、年により変動し安いものですが、ここでは現況の実績(アドオン方式=昨年 10月号No.6で紹介)で110万円程度借りるようにしています。 短期借入金は無いに越したことはありませんが、簿記会計上は営農口座引き落としとなっ ている資材購入額が年度を跨ぐときは、決算処理で貸借対照表上の短期借入金(買掛金)と なってしまいます。しかし資金繰り計画では現金主義ですので(No.3参考)ここでは、 経営や生活のためにお金が足りないため、調達したお金というものです。 ③事業収入 ナスは現況の42aの規模は変えていませんが、現在の連棟ハウスを2003年にすべて耐 候性ハウスに立て替える計画です。これを機に収量、単価をほんの少しアップしています。 水稲(米)は、転作割り当ては増えないものとして現状維持の面積です。収量は維持します が、単価は現況308円が毎年1円ずつ安くなる設定です。 ④その他収入 ある程度定期に入る助成金や、不動産所得、一時所得、給与所得等、オペレーター収入や各 種奨励金等ですが、現況の5万円が、今後もあるのもとしています。 専従者給与より繰入は、専従者給与を家族従事者に420万円払っている(口座振込)もの の、後日ひとり当たり3万円とかを共同生活の家計費として再度徴収しているという意味で す。ここでは年間210万円戻してもらっている設定です。 資金繰り計画表(No.1) 西 暦 和 暦 現 金 預 貯 金 繰 越 残 高 長期借入金 調 短期借入金 なす作付面積 a 収 10a当生産量 達 @平均単価 粗 収 入 水稲作付面積 a 資 10a当生産量 @平均単価 入 粗 収 入 金 農 業 収 入 計 農 外 収 入 ○専従者給与繰入 収 入 計 A 短期借入金返済元利合計額 長期借入金返済元金のみ合計額 施 設 機 械 更 新 投 資 支 運 用 経 営 資 支 出 金 出 租税公課負担 種 苗 費 肥 料 費 農 具 費 農 薬 費 諸 材 料 費 修 繕 費 燃料水道費 作業用衣料費 農業共済掛金 荷造運賃手数料 雇 用 労 賃 利子割引料 小 作 料 土地改良費 一般管理費 雑 費 * 減 価 償 却 費 * 経営仕向預貯金 経 営 支 出 合 計 B 変 動 費 家計費 固 定 費 * 家 計 仕 向 預 貯 金 家 計 費 計 C 運 用 合 計 D=B+C−* 農 業 所 得 専 従 者 給 与 E 所得税・県税・市町村民税 次年現金預金有高 A−D−E−F 農家名: 現 況 2000 H12年 3,000 1年目 2001 H13年 6,089 2年目 2002 H14年 10,182 1,100 42 15,636 365 23,969 110 490 308 1,660 25,630 50 2,100 31,880 1,129 910 1,100 42 15,636 365 23,969 110 490 307 1,654 25,624 50 2,100 34,964 1,129 888 1,100 42 15,636 365 23,969 110 490 306 1,649 25,619 50 2,100 39,051 1,129 866 92 450 1,050 287 550 1,610 42 1,801 134 110 7,001 1,093 118 156 820 108 67 1,313 92 450 1,050 287 540 1,600 42 1,801 134 110 6,999 32 95 156 760 108 67 1,313 1,000 19,844 2,661 1,204 1,000 4,865 21,396 8,825 4,200 194 6,089 1,000 18,657 2,702 1,204 1,000 4,906 20,249 9,984 4,200 331 10,182 熊本太郎農場 (単位:千円) 3年目 2003 H15年 13,280 40,000 1,100 42 15,636 365 23,969 110 490 305 1,643 25,613 50 2,100 82,144 1,129 844 42,282 4年目 2004 H16年 12,652 5年目 2005 H17年 8,726 6年目 2006 H18年 3,491 7年目 2007 H19年 -3,362 8年目 2008 H20年 -5,117 9年目 2009 H21年 -7,094 10年目 2010 H22年 -7,199 1,100 42 16,000 366 24,595 110 490 304 1,638 26,233 50 2,100 42,136 1,129 1,282 5,400 1,100 42 16,000 366 24,595 110 490 303 1,633 26,228 50 2,100 38,205 1,129 1,259 4,010 1,100 42 16,000 366 24,595 110 490 302 1,627 26,222 50 2,100 32,964 1,129 4,507 2,500 1,100 42 16,000 366 24,595 110 490 301 1,622 26,217 50 2,100 26,105 1,129 4,257 1,100 42 16,000 366 24,595 110 490 300 1,617 26,212 50 2,100 24,344 1,129 4,257 1,100 42 16,000 366 24,595 110 490 299 1,611 26,206 50 2,100 22,362 1,129 4,257 1,100 42 16,000 366 24,595 110 490 298 1,606 26,201 50 2,100 22,251 1,129 4,257 92 450 1,050 287 530 1,590 42 1,801 134 110 6,999 32 73 156 760 108 67 1,313 92 450 1,050 287 520 1,580 42 1,801 134 110 6,999 35 51 156 760 108 67 5,541 92 450 1,050 287 510 1,570 42 1,801 134 110 7,181 35 489 156 760 108 67 5,209 92 450 1,050 287 500 1,560 42 1,801 134 110 7,181 37 467 156 760 108 67 5,286 92 450 1,050 287 490 1,550 42 1,801 134 110 7,181 37 460 156 760 108 67 5,568 92 450 1,050 287 480 1,540 42 1,801 134 110 7,181 37 416 156 760 108 67 5,568 92 450 1,050 287 470 1,530 42 1,801 134 110 7,181 43 372 156 760 108 67 5,568 92 450 1,050 287 460 1,520 42 1,801 134 110 7,181 43 327 156 760 108 67 5,568 92 450 1,050 287 450 1,510 42 1,801 134 110 7,181 43 282 156 760 108 67 5,568 1,000 18,593 2,975 1,996 1,000 5,971 21,250 10,021 4,200 321 13,280 1,000 65,041 4,403 2,386 1,000 7,789 65,288 5,827 4,200 2 12,652 1,000 28,865 4,165 2,386 1,000 7,551 29,206 6,179 4,200 2 8,726 1,000 27,491 5,757 3,550 1,000 10,307 30,511 6,136 4,200 2 3,491 1,000 29,482 5,419 3,790 1,000 10,209 32,123 5,876 4,200 2 -3,362 1,000 26,669 4,209 2,710 1,000 7,919 27,020 5,934 4,200 2 -5,117 1,000 26,610 4,194 3,000 1,000 8,194 27,236 5,988 4,200 2 -7,094 1,000 26,545 2,982 2,400 1,000 6,382 25,359 6,047 4,200 2 -7,199 1,000 26,480 2,982 6,160 1,000 10,142 29,054 6,107 4,200 2 -11,005 2.支出(運用資金)について ①短期借入金 アドオン方式での計算で元金と利息の合計113万円の返済としています。 ②長期借入金 長期借入金は(昨年11月号No.7)、現況の過去の借入金の元金返済額に、2003年 に耐候性ハウスを導入した4,000万円の返済が加わります。2004年から2005年 までは据え置き期間で元金に対する利息がありますが、支払い利息については『経営支出の 利子割引料』に計上しています。スーパーL資金の元金返済は2006年から返済が続きま す。借金は、円の位まで確実な金額で返済が待っています。♪貸した金返せ∼ッ。 ③施設・機械更新 昨年11月号No.7の表−1の様に、現有の施設・機械の更新や新規導入するものを、予 想する支出額で計画します。2003年の耐候性ハウス導入に続き、トラクターや田植機な どの更新が待っています。さて、これで経営は大丈夫なのでしょうか? ④経営支出 経費には沢山の勘定科目があり、これらの金額を10年間するのは現実は難しいものです。 作成に当たっては、経営規模の変動があれば、変動費は比例して増額し、固定費(租税公課 負担・共済保険料など)はそれらの変動がない限り特に変動させなくても構いません。 各勘定科目について、一つずつ検討します。 利子割引料は、現況の過去の借入金の返済利子額に、2003年に耐候性ハウスを導入した 4,000万円の返済が加わってきます。2004年から2005年までは据え置き期間で 元金に対する利息のみが加算され、2006年から元利均等払いによる新たな利息が計上さ れています。 ※減価償却費 資金繰り計画では現金主義ですので、減価償却費を記入する必要はありません。が、しかし どうしても気になる『農業所得』、そして実際にお金が出て行く納税を済ませたところの資 金繰り計画のために、メモ書きとして記入しています。 減価償却費は、新たな償却資産の取得が無いなら、横這い状態。または耐用年数が過ぎ減価 償却の終わった物の減価償却費の分だけ減少します。 事例の耐候性ハウスの導入の様に新たな施設・機械の投資が有れば、その減価償却費を計算 して加算します。 ※経営仕向貯金積み立て 農業経営と家計の預貯金を区分した場合の、経営のための預貯金という意味です。 ⑤家計費の検討について 前月1月号No.9の様に、我が家の『ライフプラン』に基づいた家計費の予想額です。 ※家計仕向貯金積み立て こちらは家計ための預貯金です。ヘソクリも含む、でもそれを書く人は誰も居ないのだ! 残念、もう書けなくなりました。次回も残りの資金繰り計画表の説明を続けます。そして耐 候性ハウス導入計画の評価を行います。お楽しみに。 最後に ”金持ち父さん 貧乏父さん”の第二の教えより、キーワードを紹介します。 『金持ちは資産を買う』『貧乏人の家計は支出ばかり』『中流の人間は資産と思って負債を買 う』 ああ∼実感。2と3番目を実感するということは、俺はやっぱり貧乏父さんなのか∼ッ! カナミッつあんの 営農計画講座 (資金繰り計画編 No.11) 農業専門技術員(農業経営) 金光剛助 早いもので3月。♪3月は花見で酒が飲めるぞ!の季節ですが、年度末でもあるこの時期は 講座も区切りをつけねばなりません。無駄口たたかず早速入ります。・・・丁半そろいました!? 資金繰り計画表の説明を続けます。表は前月の2月号を並べてみて下さい。 ⑥運用合計 D=B+C−* 経営支出合計Bに家計費計Cを足して、*の農業経営と家計の預貯金を差し引いた金額です。 差し引くとは、運用に入れない事になり、次年度現金預貯金繰越残高は差し引いた分増えま す。 つまり資金調達に農業経営と家計の預貯金がいつも当てにされる事を意味します。その結 果、現金預貯金繰越残高がマイナスになれば、重大な経営危機と評価しなければなりません。 ⑦農業所得 (農業収入計−経営支出( 減価償却費含む )) 平成12年で言えば、農業収入計25,630−経営支出16,805=農業所得8,825です。 経営支出は表の経営支出合計Bの19,844とは違いますので注意して下さい!短期・長期借入 金の返済や経営仕向預貯金は、農業所得計算の経費にならないからです。 ⑧専従者給与 E これは予想する納税額の算出のため必要な金額です。 ⑨所得税・県税・市町村民税 日本では 申告納税制度 により納税者が 確定申告 を行って納税をしています。所得税の分野は 入り込めば複雑で、家族構成や各種の控除額 (人的諸控除やその他の控除) で納税額が違って きますので、この講座ではあくまでも簡易な試算での所得税額の算出にとどめます。 (ア)所得税法 では10種類(利子所得・配当所得・不動産取得・事業所得など)の所得の種 類がありますが、ここでは事業所得(農業所得)だけで考えました。 実際はこれらの損益通算を行い、特別控除や所得控除を行い 課税所得額 を出します。この額 に10∼37%の税率を掛け控除額を差し引いたのが所得税額です。 平成12年には882ですから、専従者給与額の420と青申特別控除の55、その他所得控除の合 計が295あったとして引いた、112.5が 課税所得額です。これは表−1で330以下だから10% の税率です。112*0.1=11.2 (控除額無し) (単位:万円) 表−1 所 得 税 税 率 330万円 以下 330 超 900以下 900 超 1,800以下 1,800超 10% 20% 30% 37% 控除額 (イ)県税 は課税所得額に対し表−2の税率を掛け ます。112*0.02=2.2、これに 均等割り の700円です。 33万円 123万円 249万円 表−3 表−2 県 税 700万円 以下 700万円 以上 均 等 割 税 率 2% 4% 700円 控除額 14万円 市 町 村 税 200万円 以下 200万円 超 700万円 以下 700万円 超 均等割 税 率 5% 10% 13% 2,000円 控 除 額 0 10万円 31万円 (ウ)市町村税 (一般に県税と合わせて 住民税 と呼ぶ) は、課税所得額に対し表−3の税率(注 :ただし市町村で税率が違う)を掛けます。112*0.05=5.6、これに均等割りの2,000円です。 税金については、必ず出ていくお金ですので、概算でも算入すれば、よりベターな資金繰り 計画に出来ます。駄弁ですが一言、人間生まれてから死ぬまで税金だらけ!一度くらいは自分 で計算して、実際の納税額と比べてみて下さい。税金に関心は高まるし、血税の不正な遣い方 にももっと腹が立つようになります。国民全員の声が出れば世の中も変わるのに、ア∼あ。 納税税額試算表 西 暦 和 暦 農業所得 専従者給与 青申特別控除 その他控除 課税所得金額 所得税 税率 所得税額 県税700万 円以下部分 均等割額 小計 基礎控除額 控除後税額 市町村税 200万円以 下部分 200万円以 上 700下 均等割額 小 計 基礎控除額 控除後税額 税額合計 現況 2000 H12 8,825 4,200 550 2,950 1,125 10% 112 22 農家名: 熊本太郎農場 (単位:千円) 1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 6年目 7年目 8年目 9年目 10年目 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 9,984 10,021 5,827 6,179 6,136 5,876 5,934 5,988 6,047 6,107 4,200 4,200 4,200 4,200 4,200 4,200 4,200 4,200 4,200 4,200 550 550 550 550 550 550 550 550 550 550 2,830 2,915 2,915 2,950 2,950 2,950 2,950 2,950 2,950 2,950 2,404 2,356 -1,837 -1,520 -1,563 -1,823 -1,765 -1,711 -1,652 -1,592 10% 10% 240 235 48 47 0.7 22.7 0.7 48.7 0.7 47.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 22.7 48.7 47.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 0.7 56 100 40 100 35 2 58 2 142 100 42 331 2 137 100 37 321 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2.7 2 2.7 2 2.7 2 2.7 2 2.7 2 2.7 2 2.7 2 2.7 58 194 資金繰り 計画(No.1):判定 結論から言えば、この耐候性ハウスの投資計画はしない方が良いという判定です。原因は、 ①投資額に対し収益は特に伸びず、資本回収見込額(投資計画編を再見!)が望めないこと。 ②2003年のこの投資に続いて、既存の機械更新が立て続けあること。ダマシダマシ使って更新 を先延ばししたとしても、この前後で更新せずにおれないから結局同じ傾向になる。 ③据置き期間から元利均等払いが始まる時期と、家計費(子供たちの教育費)の伸びが重なる。 資金繰り計画(No.2):改善方策 次ペ−ジは①による変化です。 ①補助率50%の補助事業を活用して、投資額を半分に減らす。 ②水稲に関する機械は、出来るだけ外部委託し自らは所有しないようにする。 ③技術力・販売力を高め、投資効果を顕著に出す。収益(収量・品質)を高める。 ④家計費を可能な限り切りつめる。(子供たちへの勤労就学意識付け)・・・・・・・資金繰り計画表 は一回作って終わりではありません。いろいろな改善方策を組み込んでベストを考えます。 今回で、営農計画編の資金繰り計画編を完了します。長い間お世話になりました。 最後に皆さんの経営のますますの発展を祈念して、格言のお許しを! 『夢は向かうべき道しる べ、知識は歩く道の安全マップ。そして情熱は生きるというエンジンの燃料である。』 最後は 格好良くキマッタでしょうか?またいつか何処かでお会いできるのを楽しみにします。 資金繰り計画表(No.2) 西 暦 和 暦 現 金 預 貯 金 繰 越 残 高 長期借入金 調 短期借入金 なす作付面積 a 収 10a当生産量 達 @平均単価 粗 収 入 資 水稲作付面積 a 10a当生産量 入 @平均単価 金 粗 収 入 農 業 収 入 計 農 外 収 入 ○専従者給与繰入 収 入 計 A 短期借入金返済元利合計額 長期借入金返済元金のみ合計額 施 設 機 械 更 新 投 資 支 運 用 経 営 資 支 出 金 出 租税公課負担 種 苗 費 肥 料 費 農 具 費 農 薬 費 諸 材 料 費 修 繕 費 燃料水道費 作業用衣料費 農業共済掛金 荷造運賃手数料 雇 用 労 賃 利子割引料 小 作 料 土地改良費 一般管理費 雑 費 * 減 価 償 却 費 * 経営仕向預貯金 経 営 支 出 合 計 B 変 動 費 家計費 固 定 費 * 家 計 仕 向 預 貯 金 家 計 費 計 C 運 用 合 計 D=B+C−* 農 業 所 得 専 従 者 給 与 E 所得税・県税・市町村民税 次年現金預金有高 A−D−E−F 農家名: 現 況 2000 H12年 3,000 1年目 2001 H13年 6,089 2年目 2002 H14年 10,182 1,100 42 15,636 365 23,969 110 490 308 1,660 25,630 50 2,100 31,880 1,129 910 1,100 42 15,636 365 23,969 110 490 307 1,654 25,624 50 2,100 34,964 1,129 888 1,100 42 15,636 365 23,969 110 490 306 1,649 25,619 50 2,100 39,051 1,129 866 92 450 1,050 287 550 1,610 42 1,801 134 110 7,001 1,093 118 156 820 108 67 1,313 92 450 1,050 287 540 1,600 42 1,801 134 110 6,999 32 95 156 760 108 67 1,313 1,000 19,844 2,661 1,204 1,000 4,865 21,396 8,825 4,200 194 6,089 1,000 18,657 2,702 1,204 1,000 4,906 20,249 9,984 4,200 331 10,182 熊本太郎農場 (単位:千円) 3年目 2003 H15年 13,280 20,000 1,100 42 15,636 365 23,969 110 490 305 1,643 25,613 50 2,100 62,144 1,129 844 21,141 4年目 2004 H16年 13,747 5年目 2005 H17年 10,141 6年目 2006 H18年 5,232 7年目 2007 H19年 649 8年目 2008 H20年 1,136 9年目 2009 H21年 1,374 10年目 2010 H22年 3,455 1,100 42 16,000 366 24,595 110 490 304 1,638 26,233 50 2,100 43,230 1,129 1,282 5,400 1,100 42 16,000 366 24,595 110 490 303 1,633 26,228 50 2,100 39,619 1,129 1,259 4,010 1,100 42 16,000 366 24,595 110 490 302 1,627 26,222 50 2,100 34,705 1,129 4,507 2,500 1,100 42 16,000 366 24,595 110 490 301 1,622 26,217 50 2,100 30,117 1,129 4,257 1,100 42 16,000 366 24,595 110 490 300 1,617 26,212 50 2,100 30,598 1,129 4,257 1,100 42 16,000 366 24,595 110 490 299 1,611 26,206 50 2,100 30,831 1,129 4,257 1,100 42 16,000 366 24,595 110 490 298 1,606 26,201 50 2,100 32,906 1,129 4,257 92 450 1,050 287 530 1,590 42 1,801 134 110 6,999 32 73 156 760 108 67 1,313 92 450 1,050 287 520 1,580 42 1,801 134 110 6,999 35 51 156 760 108 67 3,427 92 450 1,050 287 510 1,570 42 1,801 134 110 7,181 35 259 156 760 108 67 3,095 92 450 1,050 287 500 1,560 42 1,801 134 110 7,181 37 237 156 760 108 67 3,172 92 450 1,050 287 490 1,550 42 1,801 134 110 7,181 37 230 156 760 108 67 3,453 92 450 1,050 287 480 1,540 42 1,801 134 110 7,181 37 208 156 760 108 67 3,453 92 450 1,050 287 470 1,530 42 1,801 134 110 7,181 43 186 156 760 108 67 3,453 92 450 1,050 287 460 1,520 42 1,801 134 110 7,181 43 163 156 760 108 67 3,453 92 450 1,050 287 450 1,510 42 1,801 134 110 7,181 43 141 156 760 108 67 3,453 1,000 18,593 2,975 1,996 1,000 5,971 21,250 10,021 4,200 321 13,280 1,000 41,786 4,403 2,386 1,000 7,789 44,147 7,941 4,200 49 13,747 1,000 26,291 4,165 2,386 1,000 7,551 28,746 8,523 4,200 142 10,141 1,000 24,916 5,757 3,550 1,000 10,307 30,051 8,480 4,200 135 5,232 1,000 25,010 5,419 3,790 1,000 10,209 29,765 8,220 4,200 91 649 1,000 22,218 4,209 2,710 1,000 7,919 24,683 8,257 4,200 97 1,136 1,000 22,181 4,194 3,000 1,000 8,194 24,921 8,288 4,200 102 1,374 1,000 22,139 2,982 2,400 1,000 6,382 23,067 8,325 4,200 109 3,455 1,000 22,096 2,982 6,160 1,000 10,142 26,784 8,362 4,200 115 1,806