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柏崎刈羽原子力発電所の 最近の状況について

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柏崎刈羽原子力発電所の 最近の状況について
報告資料No.1
柏崎刈羽原子力発電所の
最近の状況について
平成27年3月19日
東京電力株式会社
無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 2015.3.19
1
柏崎刈羽原子力発電所6,7号機の
適合性審査の状況について
無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 2015.3.19
2
新規制基準適合性審査について
柏崎刈羽原子力発電所では,福島第一原子力発電所の事故を教訓に,何層もの
守りや備えで原子力安全を追求しています
• 消防車,電源車等を配備して訓練開始
(平成23年4月完了)
• ガスタービン発電機車等の配備
(平成24年3月完了)
• 代替熱交換器車の配備
(平成25年3月完了)
• 防潮堤を設置
(平成25年6月完了)
• 淡水貯水池及び送水ラインの設置
(平成26年7月完了)
安全対策について,原子力規制委員会に客観的評価をいただくこ
とが重要と考え,平成25年9月27日に6,7号機の新規制基準
適合審査を申請しました
これまでに34回(地震・津波審査が6回,プラント関係審査が
28回)の審査が行われています < 3/18時点 >
無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 2015.3.19
3
事故の教訓と新規制基準
①地震により
外部電源喪失
配電盤
※原子炉を「止める」,「冷
やす」,「閉じこめる」機能
蓄電池
②津波により所内
電源喪失・破損
非常用
発電機
地震・津波という
単一の原因で
安全機能※が
一斉に喪失
外部電源
■福島第一原子力発電所の事故の教訓
海水ポンプ
⑦水 素 爆 発
③冷却機能喪失
↓
④炉 心 損 傷
↓
⑤水 素 発 生
↓
⑥水素漏えい
(格納容器破損)
重大事故への
備えが不十分
■新規制基準について
<新しい規制基準>
テロへの備え
福島事故の教訓
重大事故が発生しても対処
できる設備・手順を整備
単一の原因で安全機能が
一斉喪失することを防止
(重大事故の発生防止)
意図的な航空機衝突への対応
緊急時の対応手順・体制整備
指揮所等の支援機能の確保
放射性物質の拡散抑制対策
格納容器破損防止対策
炉心損傷防止対策
電源の信頼性向上
火災防護対策の強化・徹底
内部溢水対策の導入
自然現象の想定の引き上げ
重大事故等対処施設
設計基準対象施設
(森林火災・竜巻・火山を新設)
津波浸水対策の導入
地震・津波の想定引き上げ
地震・津波
対策を講じる上での方針(各層・各機能の対応能力の厚みの向上)
深層防護(①発生防止、②拡大防止、③炉心損傷防止、④影響緩和、⑤発電所外の緊急時
対応)において、設計ベースと設計ベースを超える状態を考えます。
設計ベースと設計ベースを超える状態のそれぞれにおいて対策を講じます。
多重性よりも、多様性、位置的分散を重視します。
各層の設計ベース状態に対し、それを超える状態として
「設計ベースを超える状態」=「設計拡張状態(Design Extension Condition:DEC)」を設定。
新たにDECとして追加した領域
欧州では従来からDECとしていた領域
《深層防護各層の設計要件と主な対策(津波等の外的事象中心)》
層
第1層
第2層
第3層
目的
(重要機能)
設計ベース
機能強化の方向
設計ベースを超える状態(DEC)
津波の例:設計津波に対し全交流電 津波の例:対津波用の設備の異常を考慮し、ある
異常発生防止 源喪失の発生を防止し、後段各層の 程度の建屋内浸水があっても、重要区画内の設備
の機能喪失を防ぐ、 重要区画からの排水を行う
安全機能の喪失を防ぐ
事故への
拡大防止
(止める)
従来の設計ベース
炉心損傷防止 冷却: 全交流電源喪失+動的機器
(冷やす)
減圧:
の単一故障
従来のアクシデントマネジメントで整備済み
冷却:
減圧:
長期全交流電源喪失に対し、
多様又は多重の設備で対応
炉心損傷後の
影響緩和、 格納容器と格納容器を防護する設備の機能とを併せて、長期にわたる土地汚染及び制御
第4層
放出抑制
できない放射性物質放出を防ぐ
(閉じ込める)
※設備の設計条件なので第1層~第4層を記載
無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 2015.3.19
4
5
地震と津波等の審査状況
地質・地盤
地震動
津 波
火 山
主要な審査項目
敷地周辺の断層の活動性
敷地内の断層の活動性
地盤・斜面の安定性
地震動
津波
対象火山の抽出
審査状況
実施中
実施中
今後実施
実施中
実施中
今後実施
◆審査は、これまでに6回行われています。
◆現地調査は、平成26年2月と10月,平成27年3月の計3回行
われています。
無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 2015.3.19
6
断層の活動性評価に関する審査の概要
敷地内には建設時から23本の小断層が確認されていますが,これまでの調査結果から,
いずれも約12~13万年前以降は活動していないと評価していますが、データの拡充の
観点から追加調査を実施しました
立坑による追加調査は1~4号機側で1箇所,5~7号機側で3箇所で行っており,調
査結果を規制委員会に報告しています
立坑による断層調査位置
H26.10に現地確認
H27.3に現地確認
敷地内の断層の分布
F系断層
V系断層
L系、①・②断層
7
地質構造に関する現地調査(平成26年10月30日,31日、平成27年3月17日)
◆発電所敷地内や近傍の地質構造についてよりデータを充実させるため、平成26年2月より追加調査を
実施し、調査状況に関して原子力規制委員会による現地確認が行われました。
ボーリング調査
平成26年10月
ボーリング調査で得 起震車による地下構造
の調査 平成26年10月
られた岩石試料
平成26年10月
オープニングミー
ティング
岩石試料の確認
平成26年10月
立坑内の確認
平成26年10月
深さ約30mの
調査用立坑
平成26年10月
寺尾トレンチ内の確認
平成27年3月
平成26年10月
無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 2015.3.19
8
プラント関係の審査状況
主要な審査項目
外部火災
(影響評価・対策)
設計基準
対象施設
重大事故
等対処施設
火山(対策)
審査状況
実施中
今後実施
竜巻(影響評価・対策)
実施中
内部溢水対策
実施中
火災防護対策
実施中
確率論的リスク評価
実施中
有効性評価
実施中
解析コード
今後実施
制御室(緊急時対策所含)
実施中
フィルタベント
実施中
◆設計基準対象施設については、自然現象や溢水などでも、安全確保に必要な設備が
一斉に機能を失わない対策を審査いただいています。
◆重大事故等対処施設については、あらゆる組み合わせで安全確保に必要な設備が故
障したとしても、新たに設置した安全対策や手順で有効に対処できることを審査い
ただいています。
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9
設備に関する現地調査(平成26年12月12日)
◆安全対策設備や訓練の様子など、約100箇所について原子力規制委員会による現地確認が
行われました。
フィルタベント設備
代替海水熱交換器車
免震重要棟空調設備
緊急用電源設備
ガスタービン発電機車
起動訓練
非常用のガスタービン
発電機車
原子力規制委員会の更田委員長代理のコメント
『今回は、明らかに規準の適合を考えただけではなく、訓練の結果から改善が見られた箇所があった。
福島第一の事故の反省を活かしているという現場の緊張感を見ることができたのが良かった。』
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10
柏崎刈羽原子力発電所の近況
無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 2015.3.19
11
<火災対策> 防火帯の設置
■適合審査のポイント
森林火災,近隣工場等の火災・爆発,航空機落下による火災や爆風等によって原子炉施設
まで延焼しないようにすることが求められています
■柏崎刈羽原子力発電所の安全対策
予防散水計画を定めており, 24時間常駐する自衛消防隊が原子炉施設への延焼を防止
します
それに加えて防火帯を新たに設置し,確実に原子炉施設への延焼を防止します
審査を踏まえて,防火帯を更に安全な設計に変更しました
原子炉建屋等の枢要施設を囲む設計 ⇒ 安全重要度が比較的低い施設も含めて囲む設計
当初計画の防火帯
敷地内の樹木を再調査し,森林火災のシ
ミュレーションで防火帯を設計
森林火災
発生を仮定
防火帯
約20m
防火帯
約20m
防火帯設置予定地例
防火帯設置イメージ図
延焼を防止
防火帯設置イメージ図
防護対象設備
現在の防火帯
防火帯設置の全体概要
無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 2015.3.19
~規制基準に加え さらなる安全対策を進めています~
<電源対策> ガスタービン発電機の遠隔操作化
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1.目的
全交流電源が喪失した場合のバックアップ電源であるガスタービン発電機(以下、GTG)
からの電源供給時間短縮を目的とし、現状の屋外現場での手動操作に加え、中央制御室から
GTG起動及び緊急用電源盤の操作が遠隔でできるようにする。
2.設備概要
・GTG、緊急用電源盤の遠隔操作が行えるように、中央制御室に制御盤を新設する。
・遠隔操作の統括指示・監視が行えるように、免震重要棟にGTG監視装置を新設する。
中央制御室
免震重要棟
GTG監視装置
監視
GTG制御盤
1~7号機中央制御室から監視
1号機中央制御室からの遠隔操作
GTG
無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 2015.3.19
~規制基準に加え さらなる安全対策を進めています~
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<炉心損傷防止> 高圧代替注水系の設置
1.目的
全交流電源喪失時に原子炉隔離時冷却系※(以下、RCIC)が起動できなかった場合、または継続
運転できなかった場合のバックアップとして蒸気駆動の高圧代替注水系(以下、HPAC)を設置する。
2.設備概要
RCICよりも運転時の消費電力が少ない(グランドシール装置不要、ポンプ運転の電気制御不要、
潤滑油装置不要なため)ので、稼働時間を長くすることが可能
外観イメージ図
約1,300mm
蒸気の流れ
原子炉
圧力容器
冷却水の流れ
約1,800mm
HPAC
タービン
圧力
抑制室
RCIC
タービン
原子炉格納容器側
原子炉建屋側
約1,100mm
ポンプ
復水貯蔵槽
ポンプ
※原子炉隔離時冷却系
何らかの原因により、通常の原子炉給水系が使用不可となり、原子炉水位が低下した場合等において、原子
炉の蒸気を駆動源にしてポンプを回し、原子炉の水位確保および炉心の冷却を行う系統。
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~安全対策設備の充実だけでなく、使いこなせる人の育成も進めています~
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<緊急時対応> 総合訓練の実施
緊急時対応の能力向上にむけ,訓練を繰り返し実施しています
【総合訓練】
 訓練条件を様々に変えながら,福島事故から36回の総合訓練を実施しています
(平成27年2月末現在)
≪平成26年11月11日新潟県との合同訓練の状況≫
情報共有
システム
発電所緊急時対策本部
オフサイトセンター
後方支援拠点立ち上げ
本店緊急時対策本部
自治体への派遣
無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 2015.3.19
~安全対策設備の充実だけでなく、使いこなせる人の育成も進めています~
15
<緊急時対応> 個別訓練の実施
【個別訓練】
 総合訓練以外にも,様々な状況(夜間や降雪時など)を想定した訓練を,福島事故から
これまでに延べ約5,300回実施しています(平成27年1月末現在)
主な訓練実績
津波等によるがれき除去訓練 ガスタービン発電機車の操作訓練
電源車操作訓練
消防車関連
458回
電源車操作訓練
430回
ガスタービン発電機車
運転訓練
176回
がれき撤去車関連
1578回
代替熱交換器設備関連
187回
(平成27年1月末現在)
自衛消防隊の消火訓練
負傷者移送訓練
代替熱交換器設備の配備訓練
衛星通信車の操作訓練
冷却水取水用ホースの展開訓練
非常用弁操作用窒素ガスボンベの輸送訓練
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~国際的な知見・経験からの評価により安全対策のさらなる改善を図ってまいります~
IAEAによる運転安全評価レビュー準備会合の実施(1/2)
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■本年6月29日~7月13日にかけてIAEA(国際原子力機関)による運転安全評価レ
ビューが実施されます。このレビューにおいては、私どもがこれまでに取り組んできまし
た福島事故の教訓や反省を踏まえたハード・ソフト両面の安全対策や発電所の活動全般に
ついて、国際的な知見や経験に基づき、客観的に評価いただきたいと考えています。
【ミーティング風景】
(2月2日~5日の準備会合)
無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 2015.3.19
~国際的な知見・経験からの評価により安全対策のさらなる改善を図ってまいります~
IAEAによる運転安全評価レビュー準備会合の実施(2/2)
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【現場の視察風景】
1~4号機側高台におけるガスタービン
発電機車などに関する説明の様子
本レビューに向けた現場確認の様子
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柏崎刈羽原子力発電所における安全対策の実施状況
平成27年3月11日現在
項目
1号機
2号機
3号機
4号機
5号機
完了
Ⅰ.防潮堤(堤防)の設置
6号機
7号機
完了
Ⅱ.建屋等への浸水防止
(1)防潮壁の設置(防潮板含む)
完了
完了
完了
完了
(2)原子炉建屋等の水密扉化
完了
検討中
検討中
検討中
完了
(3)熱交換器建屋の浸水防止対策
完了
完了
完了
完了
完了
工事中
検討中
検討中
検討中
※3
海抜15m以下に開口部なし
完了
完了
-
完了
(4)開閉所防潮壁の設置
(5)浸水防止対策の信頼性向上(内部溢水対策等)
工事中
工事中
工事中
完了
完了
完了
完了
完了
完了
Ⅲ.除熱・冷却機能の更なる強化等
完了
(1)水源の設置
完了
(2)貯留堰の設置
検討中
検討中
検討中
(3)空冷式ガスタービン発電機車等の追加配備
完了
(4)-1 緊急用の高圧配電盤の設置
完了
完了
(4)-2 原子炉建屋への常設ケーブルの布設
完了
完了
完了
完了
完了
完了
完了
完了
完了
完了
(6)高圧代替注水系の設置
工事中
検討中
検討中
検討中
工事中
工事中
工事中
(7)フィルタベント設備(地上式)の設置
工事中
検討中
検討中
検討中
工事中
(8)原子炉建屋トップベント設備の設置
完了
完了
完了
完了
完了
完了
完了
(9)原子炉建屋水素処理設備の設置
完了
検討中
検討中
検討中
完了
完了
完了
(10)格納容器頂部水張り設備の設置
完了
検討中
検討中
検討中
完了
完了
完了
(5)代替水中ポンプおよび代替海水熱交換器設備の配備
※3
(11)環境モニタリング設備等の増強
・モニタリングカーの増設
※3
完了
-
(13)大湊側純水タンクの耐震強化
完了
完了
(14)コンクリートポンプ車等の配備
完了
(15)アクセス道路の補強
-
-
-
-
-
-
完了
(16)免震重要棟の環境改善
(17)送電鉄塔基礎の補強
※2
性能試験終了
完了
(12)高台への緊急時用資機材倉庫の設置
※3
※2
性能試験終了
※3
工事中
・開閉所設備等の耐震強化工事
(18)津波監視カメラの設置
工事中
完了
※2 周辺工事は継続実施
※3 当社において自主的な取組として実施している対策
今後も、より一層の信頼性向上のための安全対策を実施してまいります。
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環境放射線に係わる事象
周辺環境へ影響を及ぼす事象はありませんでした。
無断複製・転載禁止 東京電力株式会社 2015.3.19
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私たちは,福島事故を決して忘れることなく,
昨日よりも今日,今日よりも明日の安全レベル
を高め,地域の皆さまから信頼され安心してい
ただける発電所を目指してまいります。
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