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セルビア食品の輸出機会のさらなる獲得に向けて

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セルビア食品の輸出機会のさらなる獲得に向けて
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ニュース & レポート❶ セルビア食品の輸出機会のさらなる獲得に向けて
ニュース & レポート❷ 日本の食品衛生管理システムを広東省に展開
ニュース & レポート❸ 中央アジアのビジネスマンが関西の企業に学ぶ
ニュース & レポート❹ 2013 年度研修事業の総括
企 業 訪 問 ㈱図羅、阪神動力機械㈱
ニュース & レポート❺ 関西の中小企業海外展開支援のお手伝いをいたします
ニュース & レポート❻ 帰国研修員の活躍
PREX だより
ニュース & レポート ❶
セルビア食品の輸出機会のさらなる獲得に向けて
受入研修
貿易振興
JICA セルビア「対外輸出促進」
セルビアは近年ビジネス環境の改善に向け経済及び法的な
改革が実施され、輸出が伸びています。近隣のヨーロッパ
市場に加え、日本を新たな市場開拓先の一つとして考えて
いるものの、日本市場や消費者のニーズ、輸出に関する制
度についての知見が不足しています。PREX では 2011 年
度より 3 年間、
「JICA セルビア共和国対外輸出促進研修」
を実施し、今年度最終年を迎えました。
「日本の商習慣」の講義にて、お辞儀の仕方を体験。
対日輸出上の課題と可能性
食品展示会 FOODEX JAPAN へ参加
本研修ではまず国際貿易実務や流通制度に精通して
本研修では、毎年開催されているアジア最大級の食
いる専門家の方々から、
「日本の商習慣」
「関税制度」
「
、流
品展示会 FOODEX JAPAN に参加しました。ビジネス
通制度の仕組み」などの講義をしていただきました。欧
拡大の機会として、国内企業だけでなく、世界のあら
州諸国とのビジネス経験を豊富に持っている研修員は、
ゆる国、地域の企業が出展され、今回も大変多くの人
欧州諸国とは異なる日本特有のビジネス習慣、制度や
で賑わっていました。コースリーダー、JICA シニアボ
仕組みに、少々驚いた様子でした。また、公的機関への
ランティア、コーディネーターのサポートのもと、研修
訪問では、
「輸出に関する制度」や「輸出促進に係る公
員は各自持参した食品サンプルと商品データシートを
的機関の役割」などの講義と活発な意見交換を通して、
行政官や公的機関の職員である研修員たちは自らが果
たすべき役割について深く考えることができました。
研修中盤から終盤にかけては、日本市場の特徴を目で
見て、現場の方の話を聞いて具体的に理解してもらうた
めに、座学のほか、セルビアの輸出産品である蜂蜜やワ
インを扱う専門店や健康志向者向けの商品や嗜好品を取
り扱う店舗への訪問、またセルビアの商品を輸入してい
る商社と意見交換を行う機会を多くアレンジしました。
訪問先では、研修員が持参した商品のアドバイスや可能
性について多くのコメントをいただき、自国の商品が日
本でも受け入れられる可能性を感じとっていました。
アジア最大級の食品展示会である FOODEX JAPAN へ参加し、バイヤーとの商談体
験や販促方法を学びました。
No.225 May 2014 PREX NOW
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ニュース & レポート ❶
用いて取引の可能性のあるバイヤーや輸入事業者と商
談をすることができました。中でも民間企業の研修員
は、営業部長という立場であり、熱心に商談に取り組み、
今後の取引につながる話まで持っていくことができた
ようでした。また、既に日本への輸出経験のある海外
企業の出展ブースを訪問し、日本市場への参入の厳し
さやポイント、商品のプロモーション方法について情
報を得ることができ、有意義な 3 日間となりました。
TOPIC
オーガニック/
健康志向を売りに
−セルビア商品の可能性−
セルビアは南東ヨーロッパ、バルカン半島の中西部
の内陸に位置する国です。豊かな土壌に恵まれ、伝
統的に農業が盛んに営まれてきた国で、現在でも農
業は国の主要な産業の一つとなっています。現在セ
帰国後の取り組みに向けて
研修終盤に成果報告会を実施しました。報告内容は、
①日本市場の特徴として商品のデザイン・パッケージ、
量、価格帯、販売戦略、トレンド・消費者ニーズにつ
いて各講義や訪問先で学んだこと、②輸出促進のおけ
るセルビア商品の強みと弱み、③課題に対する解決策、
④帰国後、取り組む活動と盛りだくさんでした。行政
官や公的機関の職員は国内企業を対象とした対日輸出
に関するセミナーの開催やデータベースの確立などを
優先的に取り組む活動として挙げており、また民間企
業の研修員は日本参入のためのマーケティング戦略を
打ち出す、実際に取引先への資料を作成するなどとて
も実践的な活動を挙げていました。
また、過去の研修員が作成したハンドブック(日本
とのビジネスを行う際の参考資料)を最終版として更
ルビアは、少量ではありますがワイン、冷凍ラズベ
リー、フルーツジャムなどの農産物の加工品を日本に
輸出しています。
今年度参加した研修員は、対外輸出希望商品とし
て蜂蜜、ワイン、バルサミコ果実酢、果物ジュース、
フルーツバー、ドライプルーンの商品サンプルを持
参してくれました。さすがヨーロッパというだけあり、
パッケージデザインはとても洗練されているなという
印象を受けました。また、化学肥料や食品添加物の
使用しない商品、甘すぎず素材を活かしたセルビア
の商品は、日本人消費者のニーズに合ったものだな
と思いました。研修員は、講義や市場調査を通して、
日本では近年オーガニック食品や健康食品市場が拡
大していることを知り、日本における自国の商品の参
入の可能性を感じとっていました。
新し、セルビア国内企業、JICA バルカン事務所、在日
セルビア大
使館などと
共有する予
定となって
います。
ブルガリア共和国大使館へ訪問し、アロニアやバラを事例とし
た日本市場参入のための体験談を聞きました。
研修概要
研 修 名 JICA セルビア「対外輸出促進」
実施期間 2014 年 2 月 25 日(火)〜 2014 年 3 月 14 日
(金)
研修参加者
セルビアの貿易振興輸出に携わる
行政官・民間企業幹部 4 名
委託元機関
JICA 関西
同時に、日本ではセルビアの国の知名度が低い、セ
ルビアから日本は輸送コストが高いといった課題があ
ります。また、セルビアは中小企業がほとんどで、な
かなか機械化が進んでいないのが現状で、大量生産、
品質の確保、精密なパッケージ技術などの面で課題
お世話になった方々(敬称略、訪問順)
もたくさん残っています。日本市場への参入は容易で
●ゼータ 弓場代表取締役 ●寿精版印刷
はありませんが、これらの課題を克服し、近い将来、
●イズミヤ総研
●歴史街道推進協議会
●流通科学大学 崔教授
●ブルガリア共和国大使館
今回研修員が持ってきた商品が日本のスーパーやコ
●日本貿易振興機構
●関西空港検疫所
●ヴィノスやまざきそごう神戸店
●ドラート
●神戸物産
2
輸入蜂蜜専門店を訪問。セルビア産蜂蜜の可能性について代表と意見交換。
PREX NOW No.225 May 2014
●自然食品の店ひなたぼっこ
ンビニの棚に陳列される日が来ることを心待ちにして
います。
(国際交流部 坂口)
ニュース & レポート ❷
日本の食品衛生管理システムを広東省に展開
専門家派遣
経営管理
JICA 草の根事業
日本でも中国でも最近消者の大きな関心を集めるテーマのひとつは食の安心安
全です。JICA の草の根事業を活用し、日本の食品衛生管理のシステムを根付かせ
るべく、専門家たちが広東省を訪問し、現場指導を行いました。
日本の食品工場と同じく石鹸、アルコール、爪ブラシな
ど必要なものがすべてそろった手洗い場になりました。
手探りからのスタート
た。今年 3 月には今年
度 2 回目の専門家派遣
兵庫県と中国の広東省が友好都市であることから、
を行い、改善内容の確
JICA の草の根事業「中国広東省における食の安心安
認を行いました。2 社
全と食育の推進」事業が 2012 年度よりスタートしま
ともに予算上の問題な
した。手探りでスタートした事業でしたが、訪日研修、
どで改 善に時間を要
専門家派遣を繰り返していく中で、事業の方向性が明
するもの以外について
確になっていきました。広東省でモデル企業を 2 社
は、ほぼ専門家の満足
選定し、その企業に対し専門家から日本の食品衛生の
できるところまで管理
あり方や HACCP の構築方法を指導し育成していきま
のレベルが引き上げられていました。製造工程では 5S
す。そして育成した企業で実施した食品衛生活動を広
が徹底され、これが半年前に見た工場だろうかと驚くこ
東省の行政が省内に横展開していくというものです。
ともありました。さらに、今後の水平展開のために関係
関係者やお客様を案内するために整備された
工場見学コース。壁には製造工程や商品につ
いて説明したパネルが掲げられています。
者やお客様に製造工程を見学してもらうルートも整備さ
まずは中国企業の実情把握から
2014 年度は訪日研修を 2 回、専門家派遣を 2 回実施
しました。専門家は食品衛生行政の専門家、食品分析の
れ、製造工程や商品の説明図が壁に掲示されていました。
次のステップはモデル企業の横展開 専門家、個人衛生管理の専門家から構成され、各々が
この事業は 2014 年度も継続されますが、次の課題は
専門領域に応じてモデル企業の指導にあたりました。第
行政側が、モデル企業が改善してきた内容を、他の食
一回目の企業訪問では、衛生管理上の多くの問題点が指
品企業にいかにして横展開していくかということになり
摘されました。例えば日本の食品製造現場では、汚れた
ます。日本と中国の食品行政は大きく異なります。日本
ことがすぐにわかるように白い長靴をはくことが一般的
では食品事故が起こると、その企業は社会からの非難を
ですが、ある工場では靴の種類も色もバラバラで中には
受け最後まで責任を取ることになります。そのためにつ
ハイヒールで作業している女性もおり、作業安全上の問
ぶれる企業も出てきます。一方中国では、事故が起こっ
題も見られました。また衛生管理の基本である手洗いの
た場合、責められるのは行政で、食品衛生行政の不備
手順が曖昧であったり、薬剤の管理方法のルールがな
が問われます。ですから、食品企業側の責任が曖昧に
かったりといった問題点が散見されました。HACCP につ
なりがちなところがあるようです。広東省も食品企業の
いても CCP(管理すべき重要なポイント)の数が多すぎ
教育には力を入れはじめていますが、是非この事業で作
て、管理しきれないという状況も見られました。
り上げたモデル企業を食品業界の衛生管理推進の有効
な手段として活用してもらいたいと思います。
学びを改善のサイクルに生かす
研 修 名
専 門 家 の 指 導に加
え、訪日研修では日本
の 食 品 企 業 を 訪 問し
そこでの管理方法を学
び、自分たちの工場に
持ち帰り改善の PDCA
をまわしてもらいまし
5S が行き届き、余分なものが一切ないすっき
りとした製造ラインになりました。従業員の
服装や靴も統一されました。
(国際交流部 浜口)
研修概要
JICA 草の根技術協力事業
「中国広東省における食の安心安全と食育の推進」
2 年次第 2 回専門家派遣事業
実施期間
2014 年 3 月 2 日~ 3 月 7 日
派
遣
専 門 家
●萩原博(兵庫県伊丹健康福祉事務所)
●土屋禎(日本食品分析センター)
●窪田忠宏(サラヤ株式会社)
委託元機関
JICA 関西
No.225 May 2014 PREX NOW
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ニュース & レポート ❸
中央アジアのビジネスマンが関西の企業に学ぶ
受入研修
経営管理
JICA 日本センタービジネス実務研修
PREX は 2013 年度、ウズベキスタン、キルギス、カザフスタンと
いった中央アジアの日本センターのビジネスコース修了者、講師な
どを対象に 4 件の研修を実施しました。途上国の行政官や公的機関
の職員を対象とする研修が多い中、ビジネスマンが研修対象者とな
るものは限られていますが、PREX では長年にわたり、日本センター
のビジネスコース修了者などを対象とする研修を実施してきており、
昨年度も関西を中心とした中小企業を数多く訪問し、企業経営者と
直接の意見交換なども実施しました。
ウズベキスタンの研修員は裏千家茶
道資料館を訪問し茶道を体験しまし
た。お手本を見せてもらった後、研
修員もそれぞれお茶を点てました。
日本センターは、JICA(国際協力機構)の支援のも
と、中央アジアや東南アジアなどの市場経済移行国に
おけるビジネス人材の育成と日本との人脈形成の拠点
として 2000 年より順次開設されてきました。
(日本センターの所在地:カザフスタン、ウズベキス
タン、キルギス、モンゴル、ウクライナ、ベトナム、
カンボジア、ラオス、ミャンマーの9カ国 10 都市)
各センターでは日本および現地の講師によるビジネ
スコースの実施を通じて、
「日本的な経営」「人材育成」
「経営戦略」「生産管理、カイゼン活動」「マーケティ
ング」など企業経営に必要なノウハウや知識を習得し、
「日本センター」のある国
受講者自身が所属する企業の経営改善や発展、また新
たな起業につなげることを目指しています。
ビジネスコースを優秀な成績で終了したビジネスマ
ン、また、将来性のある起業家が、現地で学んだ理論
に対する理解を深め、実際に企業経営に実践できるよ
うにするため、日本での研修が実施されています。
コースリーダーのリードによる
専門的な研修プログラム
研修実施に当たっては、現地での指導経験を通じて各
国の企業の特徴や経済の事情にも明るい専門家にコース
キルギスの研修員は 3S に取り組む企業の現場を学ばせてもらいました。若い従業
員が現場を案内すること自体もキルギスの企業経営者にとっては大きな気づきとな
ります。(山田製作所様にて)
参加国
カザフスタン
実施時期
リーダーとして協力いただきました。ケイディーテック
の佐藤先生は、カザフスタンでカイゼンコースを指導さ
研修員
主なテーマ(コースリーダー)
11月(11日間) コンサルタント、鉄道会社、郵便公社、自動車製造企業、 カイゼン(佐藤先生)
食用油製造企業の経営幹部など8名
ウズベキスタン 1月(10日間) レストラン、食材加工販売、リース業の経営幹部および マーケティング(藤田先生)
日本センター職員など 9 名
キルギス
3月(11日間) ファーストフード、農産加工、運送、家具製造などの経 カイゼン、マーケティング、人材育成、
営幹部および日本センター幹部等 10 名
生産管理(内海先生)
ウ ズ ベ キ ス タ 1月(11日間) 日本センターの講師および講師候補 6 名
ン、キルギス
(ウズベキスタン 2 名、キルギス 4 名)
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PREX NOW No.225 May 2014
経営計画、業務品質向上、人材育成、
効果的なビジネスプラン作成手法およ
び教授法など(内海先生)
れており、現地での指導と日本での研修を関連づけるこ
とで、研修員が直面する課題に何を紹介すればよいかが
明確になると同時に、企業訪問にも同行頂き研修員の理
解を補足するためのアドバイスもしていただきました。
戦略コンサルティングファームの藤田先生はウズベキ
スタンでの指導を数多く経験されていますが、研修員自
らが抱えている課題の本質を見極め、研修で確実に学び
を得て帰国後活かせるように、個別の指導もされること
研修概要
研 修 名 【1】中央アジアビジネス実務研修A
(ウズベキスタン日本センター)
実施期間
平成 26 年 1 月 14 日〜 23 日
お世話になった方々、企業など
●戦略コンサルティングファーム藤田忍代表取締役
●福井県立大学 アンドレイ ・ ベロフ教授
●歴史街道推進協議会
で、研修員が帰国後すぐに取り組めるプランづくりにつ
●イズミヤ総研
ながりました。
●伝統工芸青山スクエア ●安久工機
クリエイションの内海先生は、研修員が研修で何を学
びたいのか課題は何かということに耳を傾け、訪問先で
何を学ぶべきかを詳しく指導され、それぞれの目的に応
じた現場での取り組みに対する理解の仕方を指導されま
した。
●伍魚福
●イートアンド
研 修 名 【2】中央アジアビジネス実務研修B
(キルギス日本センター)
実施期間
平成 26 年 3 月 4 日〜 14 日
お世話になった方々、企業など
●クリエイション内海政嘉代表取締役
●福井県立大学 アンドレイ ・ ベロフ教授
日本理解の壁を取り除くために
研修員の多くは初めて日本を訪問します。各国の日本
センターで日本の文化や日本人にも触れ、また日本のビ
ジネスも学んでいますが、歴史・文化・社会など多くの
面で中央アジアと日本の間には大きな差があります。そ
●吉川晴喜氏
●三元ラセン管工業
●山田製作所
●歴史街道推進協議会
●良品計画
●グロービス経営大学院
●イートアンド
●おたべ
●関西ホームサービス
れらの差は日本の企業経営を理解する際に壁となること
研 修 名 【3】中央アジアビジネス実務研修C
(カザフスタン日本センター)
もあります。2013 年度実施した前述の 4 件の研修では、
実施期間
来日して数日の内に日本の文化の特徴や日本の経済・企
お世話になった方々、企業など
業経営に関する次のようなプログラムを実施しました。
●ケイディーテック佐藤和親顧問
一つは歴史街道推進協議会による「日本文化体感プ
ログラム」の実施です。日本の社会や経済の歴史文化
的背景の理解を深めてもらうため、座学に加え京都(清
水寺、福寿園本店、宇治など)の現地視察を実施し、
研修員からは「このプログラムを通じ日本人のメンタリ
ティや考え方をより深く理解できた」と評価されました。
もう一つは福井県立大学のアンドレイ・ベロフ教授に
平成 25 年 11 月 12 日〜 22 日
●クリエイション内海政嘉代表取締役
●福井県立大学 アンドレイ ・ ベロフ教授
●三元ラセン管工業
●松下幸之助歴史館
●歴史街道推進協議会
●不二製油
●イズミヤ総研
●山田製作所
●3Sサミット参加企業
(枚岡合金工具、三協製作所、鈴木製作所)
●神戸ポートピアホテル ●ゼロ精工
よる「日本の経済・企業経営の特徴」という講義です。
ベロフ教授のご出身はロシアですが、日本企業での勤務
のご経験もあります。中央アジアの研修員とは、ロシア
語という共通言語でダイレクトに対話ができるということ
だけでなく、旧ソ連諸国という社会的・経済的な背景も
共通しています。ベロフ教授による講義での膨大な情報
の提供とダイレクトにやり取りできる質疑応答の時間を
通じて自国と日本との差を埋めることにつながりました。
研修員からは自分たちに近いメンタリティを持つベロ
フ教授ならではの情報提供は研修に不可欠であり、時
間が足りないぐらいだったという意見も出ました。
研 修 名 【4】ウズベキスタン、キルギス現地講師育成研修
実施期間
平成 26 年 1 月 20 日〜 30 日
お世話になった方々、企業など
●クリエイション内海政嘉代表取締役
●京都大学 都合弘特命教授
●福井県立大学 アンドレイ ・ ベロフ教授
●歴史街道推進協議会
●泉南乳業
●特発三協製作所、大阪産業創造館
●ピーディーシー
●日本政策金融公庫
●スーパーホテル
(委託元機関はいずれも JICA 関西)
研修員にとって始めて訪問する日本ですから、少しで
も身近に感じ、短期間に理解を深めてもらうための工夫
は今後も継続していきたいと思います。
(国際交流部 瀬戸口)
No.225 May 2014 PREX NOW
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ニュース & レポート ❹
2013 年度研修事業の総括
ています。
PREX は 1990 年 4 月設立以降、途上国の人材育成
ンマー 65 人、続いて中国 40 人、マレーシア 37 人、
事業とその活動を通しての人材交流に努めています。
ベトナム 32 人、モンゴル 22 人です。2013 年 8 月
2013 年度は研修・交流事業では当初予定より 6 件多
に開所したミャンマー日本センタープロジェクトの現
い 44 件を実施し、研修参加者は 75 カ国・地域から
地調査、訪日研修(一部)やミャンマーの公務員受入
482 名となりました。設立から 2014 年 3 月までで
研修、専門家派遣事業等新たな事業を実施したため
延べ 607 コースの研修を実施し、研修参加者は 143
ミャンマーからの参加者数が増加しました。
2013 年度の研修参加者が多い国は、最多がミャ
カ国・地域 15,600 名です。(参照 図 1・2)
2013 年度は、受入研修 35 件、海外研修・専門家
派遣・調査 8 件、同窓会フォローアップ事業 1 件、
合計 44 件を実施しました。(参照 図 3)
地域別では、
東アジア、東南アジア、中央アジア、コー
カサスを含めたアジア地域、中南米、アフリカと研修
参加国は全世界に広がっています。国別では中国、イ
ンドネシア、ベトナム、マレーシア、タイ、フィリピン、
モンゴル、ミャンマー、ラオス、カンボジアといった
アジア諸国や、キルギス、カザフスタン、ウズベキス
タンなど中央アジア諸国からの研修参加者が多くなっ
笹川平和財団から受託したミャンマー公務員研修の様子。専門家を派遣し組織マネ
ジメントに関連した課題に沿ったワークショップを実施しました。
(2013 年 6 月)
図 3:2013 年度テーマ・分野別、
形態別の件数と参加者数
図 1:研修数と研修参加者数累計の推移
テーマ・
分野
受入研修
件数
経営管理
人数
海外研修・
同窓会
専門家派遣・ フォロー
調査
アップ
件数
人数
件数
合計
人数
件数
人数
18
223
5
35
1
-
24
258
中小企業振興
5
57
-
-
-
-
5
57
観光振興
2
10
-
-
-
-
2
10
貿易振興
4
35
-
-
-
-
4
35
環境
6
84
3
38
-
-
9
122
合計
35
409
8
73
1
0
44
482
(2013 年度)
図 2:地域別参加人員の割合
6
PREX NOW No.225 May 2014
図 4:研修テーマ別コース数の推移
テーマ別にみると経営管理や環境の割合が増え、ベ
援を行うという PREX の設立趣旨から受託先は国際協
トナム、ラオス、カンボジア、ウズベキスタン、カザ
力機構 (JICA) が中心となっています。2013 年度は、
フスタン、キルギスの日本センターでのビジネスコー
関西経済連合会、笹川平和財団、中東協力センター等
ス終了者対象の経営管理研修や太陽光発電普及のため
の研修を実施した他、独立行政法人 新エネルギー・
の計画担当者研修等を実施しました。(参照図3)
産業技術総合開発機構 (NEDO) の公示案件も受託しま
ODA など国の資金を活用して途上国の人材育成支
した。(参照図4)
図 5:関係先別コース数の推移
キルギス日本センタービジネスコース修了者が参加した中央アジアビジネス実務研
修 B では、大阪の企業を訪問し、経営者との意見交換に加えてものづくり現場の見
学も行いました。(三元ラセン管工業様にて)
TOPIC
研修員の声 2013 年度JICA研修員アンケートから
2013 年度 JICA 研修コースに参加した 161 名か
ら研修終了時アンケートを回収しました。その中か
ら研修に対する声を紹介します。
●日本の知識・経験が役に立ちましたか?
161 人がYES
回答した 161 人は国も経済状況も異なりますが「業
務に直接活用できる」74 人、「業務に応用できる」
77 人、
10 人が「自分の参考にできる」と答えました。
●プログラムデザインは適切でしたか?
159 人がYES
研修参加者の経験から学んだか、目標達成に適切な
ファシリテーションを受けられたか、討議やワーク
ショップなど主体的に参加する機会があったかとい
う項目にも 8 割から 9 割の方が適切であったと回
答しています。
●研修では視察や実習など直接的な経験を得る機会
がありましたか? 143 人がYES
研修事業は多くの企業、経済団体、自治体、学界、
関係機関等の支援で支えられています。2013 年度
PREX が実施した研修では、73 名の講師、296 件
の訪問先に協力いただきました。
●日本の文化的・社会的背景を十分に理解できまし
たか? 154 名がYES
研修プログラムには研修内容を理解し、相互交流を
深めるため日本人を交えた討議やワークショップを
盛り込んでいます。2013 年度は 7 研修で関西企業
との意見交換会等を実施し、累計 27 カ国 110 名
の研修員、日本企業 105 社の参加を得ました。
●研修の成果を帰国後活用するのは容易と考えます
か? 124 人がYES
容易と感じる理由として選んでいる順位は①研修の目
的内容と組織の方針が合致しているため ②同僚の理
解と協力を得るのが容易であるため ③自分が意思決
定権限を有しているため ④予算が確保できるため ⑤日本の経験が自国の状況と近いためとなっています。
●研修の成果をどう活用しますか?
①個人の能力の向上や姿勢の変化を挙げる研修員が
多く、続いて②組織の仕組みの改善、③政策・制度
の改善、④業務に運用されている技術・方法の改善、
⑤施設の改善、⑥資金の確保、の順位となっています
その他、研修員からは JICA や PREX に対し、
「専門
分野の最新情報の受信(125 人)」「講師や指導者
による助言(109 人)」
「自国研修員との関係継続(60
人)」
「他国研修員との関係継続(58 人)」を希望す
る回答がありました。
―JICA 研修終了時質問票 C より
No.225 May 2014 PREX NOW
7
PREX では年間 40 件前後の研修を実施し、多くの企業を訪問させていただいて
います。その中から長年ご協力いただいている 2 つの企業を紹介します。
㈱図羅
大阪市中央区、東京都港区
阪神動力機械㈱
大阪市此花区
同社は、デザイン
同社は「機械づくり」で「人」と「環境」に貢献す
制作部門とシステム
る企業として、1950 年の創業以来、歯車減速機を核
開発部門が、それぞ
に、水処理施設や河川施設などの動力装置、及び自動
れの技術・ノウハウ・
機・省力機の開発・生産、アフターメンテナンスまで
情 報 を 交 換 し 合 い、
を一括して行っています。同社の機械は私たちには見
刺激し合いながら事
えませんが、私たちの水は同社の機械に頼っているこ
業を展開しています。
デ ザ イ ン 部 門 で は、
いつもニコニコ引頭敏明社長です。
とには間違いありません。
昨年 11 月に関経連アセアン経営研修員をつれて訪
家電・外装材・医薬品メーカーなどのクライアントの
問した際には、水処理設備用機器であるアクアレータ
要望に応えて、各種印刷媒体や HP の制作などを手が
をどのようにこれからアジアに売り込んでいくのかを
けており、システム部門では、カスタマイズ可能なク
ご紹介頂きました。今までにない空気供給機能と強力
ラウドコンピューティングサービス「カナルス」によっ
な水流によりエネルギー効率の向上を図り、省エネで
て、安全に、安く ASP を利用したいという顧客の要
環境にもやさしい
望に応えています。インターネット環境さえあれば、
というアクアレー
いつでも、どこでも使える「カナルス」は、開発以来
タ の 最 新 技 術 は、
順調に伸び続けています。同社の特徴はすべての経営
研修員の関心を集
情報をすべてのメンバーに公開していること。経営方
めていました。実
針の策定も全員参画で行い実行に移されています。働
際の売り込み先と
きやすい職場環境づくりに取り組む熱意と努力、明る
して、アジア各国
い社風は全員参画経営の賜物です。海外からの研修員
別に対する具体的
に対しても、同社の全員参画経営を説明されます。自
なアプローチ方法
らを他者に公開するということは、自らに対するいい
を伺った後、研修
「刺激」となり、
それに対して、各国の事情に応じて「反
員からは自国の仕
応」
「意見」
「感想」を
組みなどの紹介が
い た だ け る の は、同
なされ、ビジネス
社にとっても大きな
に結びつかないか
メリットとおっしゃ
と議論が盛り上が
ていました。
りました。
(国際交流部 森)
関経連アセアン経営研修にて同社訪問の様子。
(国際交流部 浅沼)
講義の様子。
同社の水中曝気撹拌装置
アクアレータ 建設省「現:国土交通省」
技術評価(建技評)第 81102 号
アクアレータは省エネルギー型曝気撹拌
装置です。「空気供給機能」と「撹拌散
気機能」の動力源を分離することで、き
め細やかな水処理とエネルギー効率の向
上を実現しています。
研修の折は社員全員で歓迎していただきます。
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PREX NOW No.225 May 2014
ニュース & レポート ❺
関西の中小企業海外展開支援のお手伝いをいたします
受入研修
中小企業海外展開支援事業
JICA コラボデスク
PREX では、途上国と関西にとって、なくてはならない存在になることをビジョンに掲げており、研修・交流
事業を通じてこれまで培った経験やネットワークを、関西の企業に役立てていただくため、様々な取組を試行
しています。ここでは、2012 年度より JICA 関西から受託実施した「中小企業海外展開支援事業」について
ご紹介します。この事業は、関西の中小企業のニーズに基づいて、JICA 関西が実施する ODA による中小企業
海外展開支援をサポートするものです。
中小企業海外展開支援事業について
持っておられる(有)サミット・ラボの杉村代表に中小
企業海外展開支援アドバイザーに加わっていただきま
当事業は、2012 年度より JICA 関西からの委託を
す。5 月より、基本的に毎週水曜日・木曜日・金曜日に
受け実施しています。2012 年度は関西の中小企業
コラボデスクをオープンしておりますので、ぜひご活用
の海外展開に関する現状や支援へのニーズの調査と
ください。
JICA 関西で取り組むべき支援についての提案が主要
また、近々 JICA 関西内ホームページに、コラボデス
な業務でありました。2013 年度は JICA 関西が、中
クのホームページを立ち上げる予定です。コラボデスク
小企業海外展開支援事業をより円滑に実施するため、
の営業日ご案内や、
情報提供などを行います。ホームペー
2013 年 10 月より大阪・梅田に位置するグランフロ
ジが立ち上がりましたら、JICA 関西はもとより、PREX
ント大阪のナレッジキャピタル・コラボオフィス内に
のホームページでもお知らせいたします。
「JICA コラボデスク」(以下、「コラボデスク」)を民
間連携事業窓口として設置し、当財団職員 3 名が中
小企業海外展開支援アドバイザーとして、コラボデス
中小企業支援機関との連携事業
クの運営を担当しました。コラボデスクでは、大阪を
ODA による支援制度は、途上国の課題解決に役立つ
拠点とした中小企業や関連支援機関との交流、情報発
技術・製品を持つ企業に対する調査や実証に係る活動
信、中小企業海外展開支援に関するセミナー開催や関
を支援するものですが、その他にも中小企業の海外展開
連事業等を実施し、300 名を超える中小企業や関連
支援制度は数多くあります。JICA 関西では、中小企業
機関等の方々の利用を得ることができました。その他、
支援機関との連携を重視しており、セミナーの共催や情
JICA 関西が大阪、神戸、和歌山、滋賀で実施したセ
報共有などに力を入れています。昨年 12 月には、もの
ミナーの開催支援や、JICA 関西のロビーに展示して
づくりビジネスセンター大阪の MOBIO CAFÉ の場をお
いる、海外展開を目指す企業の製品展示等も行いまし
借りして、海外展開に関心のある企業等の方を対象に、
た。
ODA による海外展開支援制度の説明および、実際に制
度を利用された企業の体験談の発表を行いました。参
今年度の業務について
今年度は、特にコラボデスクの小規模セミナーを多く
開催し、中小企業や中小企業を支援する立場の専門家
のネットワークづくりや、勉強会の場を提供する予定で
す。昨年度の活動において、関西には開発コンサルタン
トが少なく、中小企業が応募する際に共同提案できる先
がないとの声がセミナー等でよく聞かれました。一方で、
中小企業の支援に関心を持つ中小企業診断士や独立系
経営コンサルタントは少なくないため、経験豊富な大手
開発コンサルタントの経験を学んだり、コンサルタント
同士の勉強や経験交流の場を持ったりすることは有益で
はないかと考えています。加えて、今年度実施される募
集や制度の説明も、実施する予定です。
企業の皆様からの相談により専門的に対応するため、
加者の皆様には参考になったと好評をいただきました。
(国際交流部 酒井)
JICA コラボデスク
(グランフロント大阪ナレッジキャピタル内コラボオフィス 812 号室)
電話:090-6975-3771(担当:酒井/杉村/浅沼)
電子メール:[email protected]
開 室 時 間:平日 9:30 ~ 17:30(水、 木、 金)
※お越しの際は、事前にご連絡ください)
アクセス
大阪市北区大深町 3-1 最寄駅
私鉄・地下鉄各線:梅田駅、西梅
田駅、東梅田駅
デスクに行くには
グランフロント大阪北館「北3」
エレベーターにて7階に
上がり、コラボオフィス受付にお
越しください
今年度は長年にわたるコンサルタントとしてのご経験を
No.225 May 2014 PREX NOW
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ニュース & レポート ❻
帰国研修員の活躍
研修で学んだ日本の心
さらなる再生可能エネルギーの
導入に向けて
ヨルダン
コロンビア
和合ヒロシ氏
アバベ・カルドン・ヨウセフ氏
2006 年度「JICA 中小企業政策セミナー」、
2008 年度 JICA 日系人研修 「生産管理」
に参加
2011 年度「JICA 太陽光発電計画支援研
修(A)
」
コロンビア貿易振興局日本事務所所長
2011 年からコロンビア貿易振興機構の日本事務所
所長に着任した日系コロンビア人の和合さんは 2008
ヨルダン電気規制委員会 技術部局 再生可能エネルギー・省
エネ部 再生可能エネルギー・省エネ専門家 兼 上級電気技師
風車の写真が表紙を彩る「ヨルダン:再生可能エネ
ルギーを市場へ『再生可能エネルギーの法整備に係る
年の研修参加時にはコロンビアの自動車部品メーカー
ヨルダン電力規制委員会の役割と成果』
」という冊子の
30 を超える企業・団体を訪問し実際の日本企業の経
3 名の電力規制委員会職員が執筆した冊子で、カルドン
に勤めていました。研修では、3 カ月間にわたって
PDF がヨルダン研修員のカルドンさんから届きました。
営ノウハウなどの理解を深めました。特に、自社の生
さんが執筆者の一人です。
開発から生産にいたる流れや品質管理、原価管理、納
に、電力規制委員会では、小規模屋根設置型太陽光発
S、特性要因図などの改善手法を学びました。完成し
能エネルギーの参考買取価格の設定、系統連系による
産性向上、品質向上のための行動プラン作りを目標に
期管理などモノづくりの全体像やトヨタ生産方式、5
ヨルダンの再生可能エネルギー導入を促進するため
電システムの余剰買取制度に関する行政指導、再生可
た行動プランはホップ、ステップ、ジャンプの 3 段階
託送時の費用分担区分と託送料に関する行政指導を策
で自国での活躍が大いに期待されるものでした。
カルドンさんが訪日中から実行したいとアクションプラ
で実績を出しながら徐々に周囲を巻き込んでいく内容
定しました。余剰買取制度に関する行政指導の策定は
その後和合さんは日本とコロンビアをつなぐ仕事に
ンで提案していました。帰国後すぐに活動を始めてい
活発化するため、セミナーや講演会を開催しているほ
して報告してくれたことに感無量です。
仕事をしているそうです。和合さんからは「PREX で
てくれているカルドンさんのおかげで、研修員たちと日
善)の知識、日本語力の向上など、様々な情報を吸収
しれません。カルドンさん
長に計り知れ
みです。
奮闘され、日本事務所では両国間の貿易やビジネスを
か、コロンビアの各セクターにおける情報提供などの
の研修を通じて、
日本のビジネス文化、生産性向上(改
することができました。その経験は私のその後の成
ない重要な影
響を与えまし
たことも伺っていましたが、こうして目に見える成果と
日本で集まろうと Facebook で他の研修員に声をかけ
本で再会する日もくるかも
の今後の更なる活躍が楽し
ヨルダンに設置した太陽光発電シス
テム。右端が研修員のカルドンさん。
た」と近況報
告してくれま
した。
カルドンさんから届いた
冊子の表紙
企業を訪問し生産管理について学んだ和合氏。
(2008 年訪日研修時)
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PREX NOW No.225 May 2014
日本で学んだ知識や経験を活かし活躍する帰国研修員の姿をご紹介します。
PREX では、研修事業を一過性のものにせず研修員との交流を継続するためフォローアップ事業やイン
ターネットを活用した情報交換につとめています。
設計・製図・リバースエンジニアリング
などの仕事を引き受けます。
経済開発大臣に就任
ベトナム
モルディブ
ブイ・フォン氏
PSC 株 式 会 社、 会 長 兼 社 長 2011 年 度
2013 年度「JICA ベトナム日本センター
経営塾訪日研修」
サイード・モハメッド氏
モルディブ経済開発大臣
2006 年度「JICA 出入国管理行政コース」
モルディブの 2013 年 11 月の大統領選の結果、日本
2013 年7月、JICA
ベトナム日本セン
での JICA 研修の経験者が何人も閣僚に選出されたよう
訪日研修に参加され
国管理行政コース」に参加したサイードさんが経済開
です。PREX の帰国研修員では、2006 年度「JICA 出入
ター経営塾(第4期)
発大臣に就任しました。
たフォンさんは、ハ
ノイ郊外で自動車や
家 電 製 品、 金 型 等
の2次元/3次元設
経営塾修了後も他の研修参加者との懇親会や工場
に訪問するなど交流を続けています。
(2013 年 9 月、
PREX 職員訪問時)
PREX では本研修を大阪入国管理局と協力して実施し
ました。この年はカンボジア、中国、インド、インドネ
シア、カザフスタン、モンゴル、ミャンマー、ネパール、
計・製図やリバースエンジニアリングなどを請け負う
フィリピン、スリランカ、タジキスタン、モルディブの
サービスを提供しています。ハノイの大学を卒業し、
んでもらうグループワークが大変盛り上がったことを覚
PSH 社の会長兼社長で日本や米国向けに顧客に応じた
12 カ国から 19 名が参加。参加国間で互いの経験を学
ドイツ留学を経て起業した同氏は、経営塾に参加し、
えています。
深め、受託を増大し、忙しい毎日を送っています。
とてもシャープな感じの方でした。大阪市港湾局や大
回のペースで会合や懇親を実施。絆を深めており、PREX
し日本の出入国管理行政の法制度・行政運営・実務・
現在、ベトナムは日本企業が海外に展開する対象として最
築に向けて研修員同士の交流を深めました。
日本型経営を学んだだけでなく、日本企業との交流を
また、経営塾メンバーとの交流も活発で終了後も月に一
メンバーが現地に行った折も温かく迎えてくれました。
も注目度の高い国ですが、同社は、昨今、さらに期待される
現地での開発や設計の受け皿になる資質を備えた会社です。
フォン氏は「ベトナムには日本企業が必要とする技
術をもつ人材がいます。日本企業と共に新しい製品を
サイード氏は当時、出入国管理局主任入国審査官で
阪入国管理局、大阪府パスポートセンターなどを訪問
技術について理解を深めると同時にネットワークの構
研修で得た
日本の情報や他
国の研修員との
交流が現在のザ
低コストで短期間に開発したいと思います。訪日研修
イードさんの活
い、事業を拡大しています。さらにその輪を広げてい
なっていれば嬉
でお世話になった方々とは今も情報交換を積極的に行
ければと思います。」と話してくれました。
興味のあるお会社は是非下記までお問い合わせくだ
さい。
PSH .,JSC.
Add: A16 Khu Dau Gia - NgoThi Nham - Ha
Dong - Ha Noi
Tel: 04 6774 3980 Fax: 04 3 566 7142
Email: [email protected]
Website: www.mechanicaldesign.vn
躍の源の一つと
しく思います。
上/各国の研修員とともに。
左/グループごとにテーマを決めて意見交換す
る様子
No.225 May 2014 PREX NOW
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PREXでの12年
尾上暉隆(2014 年 3 月末退任)
2002 年 4 月に大阪ガスから出向、その後プ
マが時代とともに大きく変遷して
ロパー職員として、12 年の歳月が経過しました。こ
いくことを感じます。アジア諸国
の間、国際交流部では研修事業に従事し、特に新しい
の経済発展に伴い、研修員に占め
研修事業の開拓を進めてきました。研修事業は、研
るアジア諸国の比率が低下し、中南米やアフリカ諸国
修員だけではなく、実施する PREX の職員にとっても
の比率が高まってきています。研修テーマでは、市場
日々新たなことに挑戦する良い機会だと思っていまし
経済化が無くなり、環境が大きなテーマとなっており、
た。また総務でも 4 年あまり勤務し、日常業務以外に
観光の研修も実施できています。
事務所移転や公益
この間曲りなりにも業務を遂行できたことは、偏に
財団法人への移行
研修委託元の方々及び研修実施にご協力を賜った講
も行ってきました。
師、関係機関、訪問受入企業の方々のお蔭だと深く感
この間、研 修 参
謝致します。本来業務で多忙な中、PREX の研修でご協
加国や研修のテー
力を賜った方々の熱意にはいつも感心しておりました。
中央アジアビジネス研修で研修
員に修了証を手渡す尾上(2012
年 11 月)
7 月 15 日~ものづくり企業で働く
ベトナム人社員向け管理者養成研修のご案内
PREX で は「 中 小 企 業
PREX の今後の益々の発展を祈念するとともに、関係各
位の皆様方の引き続きのご支援をお願い申し上げます。
関経連アセアン経営研修第 33 期(2012 年度)
帰国研修員との交流
4 月 17 日、2012 年度「関経連アセアン経営研修」
(第
のグローバル化支援」の
33 期)の帰国研修員がベトナム(ハノイ)にて同窓
一環で関西の中小企業で
会を開催しました。同年度の研修に参加した企業経
働くベトナム人社員を対
営者・幹部 18 名中 10 名(シンガポール、マレーシア、
象に「日本企業における
ミャンマー、タイ、ベトナム、モンゴル)とその家
経営理念の重要性」
「カ
イゼン活動を重要視する
2014 年 3 月にはベトナム人社員 4 名を
対象に体験会を実施し好評を得ました。
族のほか 2013 年度の研修員(ラオス)、ベトナムの
関係者、日本での訪問先の皆さんも加わり盛大な会
理由」
「日本人のとってのチームワーク」など外国人
となりました。
の社員が理解しにくい日本企業の経営の根底にある
PREX は、本研修を関西経済連合会から受託し実施
考え方について学ぶ研修を実施します。プログラム
しています。今回の同窓会には PREX 職員 2 名が参加
は、前期後期各 5 日間で全 10 日間で講義、企業へ
しました。研修員からは「国を超えた交流の場を作
の視察訪問、
グループワーク、
成果発表が含まれます。
るきっかけとなった同研修は有意義だった。関経連
実施時期 2014年7月15日
(火)
〜22日
(火)
、
28日
(月)
〜8月1日
(金)
研修時間帯 平日(月曜〜金曜)の 10 時〜 17 時
研修参加者 ものづくり企業のベトナム拠点の管理者もしくは、
管理者候補のベトナム人社員、あるいは技能実習生
(いずれも日本の企業での経験 2 年以上を想定しております)
定 員 15 名程度
参 加 費 ひとり 15 万円程度(予定)
※参加費には講師謝金、通訳費用、テキスト費用(翻訳・印刷)、事務
局経費などが含まれます
及 び PREX
に感謝の意
を 表 し た
い」との声
をいただき
ました。
言 語 ベトナム語(日本語〜ベトナム語の逐次通訳)
講 師 ㈱クリエイション 内海政嘉 代表取締役 ほか
●申込み・お問合せ 06-6779-2850 PREX 瀬戸口、菅原、森本
PREX の研修実績
(1990 〜)
研修
研修員
日本を含め 8 カ国から 30 名近くの参加となりにぎやかな同窓会
を開催しました。
受入研修
607 コース 143 カ国・地域 15,600 名 5,450 名
海外研修
10,150 名
2014 年 5 月現在
PREX NOW 第 225 号
2014 年 5 月発行
12
PREX NOW No.225 May 2014
編集・発行 : 公益財団法人 太平洋人材交流センター 専務理事 北村耕一
〒 543-0001 大阪市天王寺区上本町 8-2-6 大阪国際交流センター 2 階 TEL:06-6779-2850 FAX:06-6779-2840
ホームページ :http://www.prex-hrd.or.jp/ E-mail:[email protected]
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