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一括ダウンロード
平
成
2
8
年
度
総 合 職 ( 化 学・ 生 物・ 薬 学 ) 職 員
採
用
ひと、くらし、みらいのために
厚
生
労
働
省
案
内
「ヒト」も「人」も大好きなあなたへ。
世の中には、たくさんの願いごとが、あふれています。
そのすべてを叶えることはできないけれど、
笑顔の数を、ちょっとだけ増やすお手伝いなら、どうでしょう。
「ヒト」が好きなあなただから、
「人」が大好きなあなただからこそ、できること。
そんな夢を、私たちと一緒に探してみませんか。
CONTENTS
厚生労働省で働くことを目指す皆さんへ 4
主な業務紹介 5
先輩からのメッセージ 12
係員・専門官の一日
22
アンケート 26
採用等に関する Q & A 28
採用の手続き等について 30
厚生労働省で働くことを目指す皆さんへ
大臣官房審議官(医薬担当)
森 和彦
科学技術の成果を人と社会に役立てる
グローバルプレーヤーになりましょう。
私たちが住むこの地球では、科学技術
食品医薬品局(FDA)も欧州医薬品庁(E
ある「鳥の目」、現場の現実をきちんと捉
の成果が人と社会に与える良い影響も悪
MA)も開発から承認審査、市販後安全
え、正確に具体的に考えるミクロ的視点で
い影響も絶え間なく現れています。例えば
対策に至るあらゆる段階における患者や国
ある「虫の目」、そしてマクロとミクロの視
優れた科学技術の成果が実用化され、医
民の参加を呼び掛けています。日本の医
点を合わせて時代の流れを読みトレンドを
薬品や医療機器、あるいは再生医療製品
薬品医療機器総合機構(PMDA)も同じ
把握するための「魚の目」をそれぞれ養
として画期的な治療が可能となれば患者
視点で仕事に取り組んでいます。今や世界
う事が求められます。その上で、国民、患
やその家族にとって、素晴らしい希望とな
の薬事規制当局は、お互いにその存在を
者を含めた全てのプレーヤーとよく話し合
ります。しかし、実用化に要する時間があ
意識しつつ積極的に情報交換を行い、世
い、それぞれの立場や抱える問題を理解し
まりに長くても、コストがかかり過ぎても困
界が現在どのような状況にあり、自国の国
て最善の方策を考え出し、実行に移す必
りますし、開発を急ぎ過ぎて潜在的な副作
民・患者にとって何が最善であるかを真摯
要があります。私たちの仕事の先には必ず
用や不具合などの危険性をないがしろにし
に考え、具体的な行動に反映させています。
困っている人が存在していて、その人たち
てもいけません。副作用の無い医薬品や
医薬品や医療機器のみならず、食品衛生、
が幸せになるのにはどうすればよいかを真
不具合を起こさない医療機器はありません
化学物質規制など、私たちが取り組む科
正面から考えることが全ての基本です。
が、それらのリスクを出来る限り早期に発
学技術の産物と人との関わりに起因する課
誇りを持って「私の仕事は人を守り幸
見し、早期に対処しながら最大限の効果
題への対応は、全て世界的な枠組みの現
せにするためにやっています。」と言えるグ
を発揮する使用方法を開発する事が病気と
状と最新の科学的知見を踏まえた判断が
ローバルプレーヤーの仲間にどうぞ加わっ
闘う患者の期待に応えられます。
求められます。まさしく私たちの誰もがグロ
て下さい。
患者や国民からの視点で物事を考え、
患者自らも参加する中で優れた科学技術
ーバルプレーヤーとして活躍しているので
す。
の成果をいち早く適切に実用化しようとす
優れた仕事を成し遂げるためには、全
る動きは今や世界中で進んでいます。米国
体を俯瞰して考えるためのマクロ的視点で
4
「日本社会」のフロンティアへ
生命科学のメッセンジャー
薬系技術職員*は、薬学、化学、生物学等の基礎知識を背景にして、よりよい日本を築くために、あるい
は日々発生する諸問題に対処するために、他職種や他省庁の職員等と協働しながら、職務に邁進することが
期待されています。その活躍分野は意外に広く、薬事行政分野のみならず、研究開発振興、食品安全、化学
物質規制等の多岐の分野に渡っています。
日本社会には、科学という言語だけでは理解されず、また解決することもできない多数の機微がありま
す。そのような社会にあって、世の中の感情に流されず、正しい知識を基に判断し、内に外に伝えていくこ
と。薬系技術職員には、そんな「メッセンジャー」としての役割もまた、求められています。
* 厚生労働省における総合職(化学・生物・薬学)の採用は、薬学部の卒業生に限定しているわけではなく、
他学部の方もいらっしゃいますが、主として薬事分野の業務に携わることから、このパンフレットにおいては、
便宜的に「薬系技術職員」と称しています。
医療・経済分野
・医政局
・保険局 等
その他行政分野
・環境省、内閣府等との
薬事分野
人事交流
・医薬・生活衛生局
・地方厚生局
・独立行政法人医薬品医療機器総合機構や
地方自治体等との人事交流
食品安全分野
・生活衛生・食品安全部
・内閣府食品安全委員会との
人事交流
研究開発分野
・大臣官房厚生科学課
化学物質分野
・医薬・生活衛生局
・労働基準局 等
・医政局
・国立医薬品食品衛生研究所、文部
科学省、独立行政法人医薬基盤・健康・
栄養研究所との人事交流
5
医薬・生活衛生局内の総括
医薬・生活衛生局総務課/医薬品副作用被害対策室
医薬・生活衛生局総務課では、局内の行政の
医薬分業の進展等により、薬剤師及び薬局を
総括、薬剤師行政の企画・運用等の業務、一般
取り巻く環境は大きく変化しています。総務課では、
用医薬品等販売制度に関する業務等を行っていま
地域住民の健康の維持・増進に積極的に取り組
す。
む薬局(健康サポート薬局)の基準や公表制度
薬剤師行政の企画・運営
に関する検討会を開き、平成 27 年 9 月 24 日に
報告書をとりまとめました。
医薬品が適正に使われるためには、薬の専門
また、医薬分業の原点に立ち返り、現在の薬
家である薬剤師の役割が重要であり、その資質の
局を患者本位のかかりつけ薬局に再編するため平
向上も重要です。平成18年には薬学教育6年制
成 27 年 10 月 23 日に「患者のための薬局ビジ
が開始され、より高度な知識・技能を持った薬剤
ョン」を策定する等、かかりつけ薬剤師・薬局に
師の育成が求められています。
関する取組を進めています。
性が確保されていなければなりません。しかし、
医薬・生活衛生局総務課の薬系職員は、局
医薬・生活衛生局総務課の薬系職員は、他職
その使用にあたって万全の注意を払ってもなお副
内外の職員や外部の専門家、関係団体と連携し
種職員との協働の下、このような新制度の設計
作用等の発生を防止できない場合があります。病
ながら薬剤師行政に関する企画・立案を行ってお
に関与する機会に恵まれるほか、都道府県等関
気の治療のために使用した医薬品により、副作用
り、6年制の薬学教育に対応した薬剤師国家試験
係各所とも連携しながら日々生じる問題を解決し、
や感染などの被害を受けた方に対して給付を行う
の在り方の見直しや資格取得後の薬剤師に対する
制度の円滑な施行を図ることにより、国民がより
ため、「医薬品副作用被害救済制度」と「生物
研修制度の検討、薬剤師の行政処分及び再教育
安全にかつ安心して一般用医薬品等を利用するこ
由来製品感染等被害救済制度」の二つの公的な
研修、医薬品の適正使用のための啓発活動等の
とができるよう、取組を行っています。
健康被害救済制度があります。医薬品副作用被
業務を通じて医療政策の一端を担う業務を行って
います。
医薬分業について
医薬品副作用被害対策室
害対策室では、上記のような医薬品の副作用等
による健康被害を受けた方に対する救済の仕組み
医薬品は、国民の生命や健康を守るために欠
など、医薬品等の有害な作用による健康被害の
かせないものです。そのため、その有効性と安全
対策を行っています。
医薬品等承認審査のとりまとめ
医薬・生活衛生局 審査管理課
医薬品等の承認・審査
助言、既存の制度の活用、新しい制度の設立に
満たしている医薬品について、希少疾病用医薬品
よって、優れた医薬品を遅滞なく確実に国民に届
への指定業務を行っています。
一般的に新医薬品は、①開発企業により、臨
けることができるよう日々取り組んでいます。承認
床試験等のデータに基づいた承認申請がなされ、
審査に関する業務が主であることから、機構との
ドラッグ・ラグ解消に向けて
②独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以
緊密な連携が必須です。
海外では承認されている医薬品が日本では承
下「 機 構 」 と い う。) に お い て 品 質・ 有 効 性・ 安
また、新医薬品以外にも、後発医薬品・一般
認されていない「ドラッグ・ラグ」という問題が指
全性等を審査・調査し、③各分野の専門家より
用医薬品・医薬部外品・化粧品の承認審査等に
摘されていました。この問題に対する取組みの一
構成される薬事・食品衛生審議会において審議さ
関する業務を行っています。
つとして、審査管理課では、欧米等で承認されて
れ、④厚生労働大臣が承認の可否を決定します。
いるが、国内では未承認又は適応外使用の医薬
審査管理課ではこれらのうち特に②、③、④に関
希少疾病用医薬品の指定
わる業務を行っており、審査上の問題点に対する
先天性疾患やエイズ等を対象とする医薬品は、
いて、平成 22 年 2 月より「医療上必要性の高
医療上の必要性が高いにも関わらず、患者数が
い未承認薬・適応外薬検討会議」を開催してい
少なく市場性が小さいこと等により、十分にその
ます。この会議では学会や患者団体等から要望さ
研究開発が進んでいないのが現状です。このよう
れた未承認薬・適応外薬について、国内で治療
な医薬品の研究開発を振興するため、希少疾病
薬がなく致死的な病気である等の観点から医療上
用医薬品(オーファンドラッグ)への指定制度が
の必要性を評価し、必要性が高いものは国から企
あります。希少疾病用医薬品に指定されると、研
業に開発を要請し、未承認薬・適応外薬の開発
究開発費の助成や、優先的な審査を受けることが
を促進させており、医療現場が求める医薬品を早
できます。審査管理課では、開発企業からの申し
期に使用できるように取組みを進めています。
出を受けて機構と随時連携と取りながら、国内患
者数・医療上の必要性等について一定の基準を
6
品( 以 下「 未 承 認 薬・ 適 応 外 薬 」 と い う。) に つ
おしゃれ用
カラコンは
医療機器・体外診断薬の審査等のとりまとめ
医薬・生活衛生局医療機器・再生医療等製品審査管理室
薬機法の規制対象に
なります!!
皆さんは医療機器と聞いて何を思い浮かべま
分類に応じた要件が設定されています。また、医
すか。身近なものだと体温計やコンタクトレンズ、
療機器は、パソコンなどの他の機械製品と同様に
病院で用いられるものになると CT 診断装置や放
短いサイクルで改善・改良が行われた製品が市
Forum)を通じて、医療機器規制の国際調和を
射線治療装置があります。
場に供給される場合が多い等、医薬品と異なる特
図っています。また、医療機器制度が類似してい
医療機器・再生医療等製品審査管理室(医
性を有しているため、平成 25 年の薬事法改正に
るアメリカとは、日米共同治験の円滑化を図るH
療機器・再生医療等製品担当参事官室)では、
より、このような医療機器の特性を踏まえた制度
BD (Harmonization By Doing)を通じて産学官
そのような医療機器や、インフルエンザ検査キット
改正が行われました。例として、民間の第三者機
で連携するとともに、日米共同治験に関する米国
に代表される体外診断用医薬品の有効性・安全
関を活用した認証制度を拡大しました。これにより、
FDA との間の審査協力を実施するなど、日米間
性を確認する審査制度、製造・流通するために
厚生労働大臣による承認が必要なリスクと新規性
でより有効でより安全な医療機器の導入をスムー
必要な業許可制度に関する業務を主に行っていま
の高い医療機器の審査を行う(独)医薬品医療
ズにするよう努力しています。
す。また、近年は生きた細胞に培養等の加工を
機器総合機構における審査の迅速化を図っていま
施して治療などに用いる再生医療技術の開発が
す。
盛んに進められていますが、そのような技術を応
新しい制度の下、私達は法令・通知等の整備を
再生医療等製品は、平成 25 年の薬事法改正
用した再生医療等製品についても担当しています。
通じて、迅速かつ確実な医療機器等の供給の実
で医薬品、医療機器とは別に新たに定義し、細
現に努めています。
胞に由来する個人差などの特性を踏まえた新たな
医療機器等の制度とその取り組み
医療機器等は製造から流通までの各段階で製
海外まで広がる医療機器制度
詳細はここをクリック!ᴾ
再生医療等製品の制度
承認制度を創設しました。生きた細胞を用いるた
め、感染症や、発がんに関するリスクも想定され
造業、製造販売業、販売・貸与業、修理業につ
国際関係では、海外で開発される優れた医療
ることから、定期的な報告や販売先の記録保存を
いての国又は都道府県知事による登録・許可等
機器がより早く患者様に届けられるよう、世界各
求めるなどの安全対策上の措置も講じています。
と、個別の医療機器等に対する国の承認等がそ
国の医療機器規制当局間の会議である IMDRF
科学の発展や技術の進歩を正確に捉え、既存の
れぞれ必要であり、不具合時の人体へのリスクの
(International Medical Device Regulators
制度を見直すことも私たちの重要な役割です。
医薬品、医療機器の安全を守る
報告も大切な予防医療
医薬・生活衛生局 安全対策課
医薬品等の安全性の確保
~STOP !副作用・不具合・感染症~
医薬品、
医療機器、
再生医療等製品による 副作用、
不具合、
感染症に気づいたら、ためらわずにすぐご報告ください。
これは医薬関係者の方々の義務です。
疑いの段階でも結構です。皆さんの報告が多くの人の健康を守ります。
いて医師、薬剤師等専門家の意見を伺いながら、
必要に応じて製造販売業者に緊急安全性情報の
医薬品や医療機器を製造・販売するために
発出や添付文書の改訂等を指示しています。また、
は、品質、有効性及び安全性を確認の上、厚生
これらの情報については、「医薬品・医療機器等
労働大臣の承認等を受ける必要があります。しか
安全性情報」の発行やマスコミへの公表等により、
し、そうした厳しい審査を経て承認された医薬品
迅速かつ適切に医療従事者へ提供されるよう努め
等であっても、医療現場において様々な年齢、体
ています。
質、複数の疾患等の患者に使用されると、治験(臨
さらに、新たに承認される新医薬品や新医療機
床試験)では捕らえることができなかったごく稀に
器のうち、新規性が高いものや国内外における使
(医薬部外品および化粧品についてもご報告をお願いします。
)
平成26年11月25日より
報告先が
変わります
医 薬 品 医療機器
等
独立行政法人
医薬品医療機器総合機構(PMDA)
安全第一部 安全性情報課
安全性情報報告制度
h t t p:// w w w. i n f o. p m d a .g o. j p / i n f o / h o u ko ku . h t m l
しか発生しない副作用や未知の感染症等が判明
用経験が少ないもの等について、当該製品の市
り、医薬品の副作用等による健康被害を受けた方
する場合があります。
販後一定期間、当該製品の使用状況、副作用等
を救済するための制度として、「医薬品副作用被
このため、医薬品等を製造販売する企業に対し
の発現状況及び製造販売業者による情報提供活
害救済制度」及び「生物由来製品感染等被害
て、市販後における国内外の副作用等の情報や
動状況等を、国が直接、臨床現場から収集・評
救済制度」があります。
研究報告等を収集し、厚生労働省へ報告すること
価することにより、より迅速な安全対策を図ること
健康被害を受けた本人(又はその遺族)等か
を義務付けるとともに、医薬品等を使用する医療
を目的とした 「 市販直後安全性情報収集事業 」
ら給付の請求を受けた PMDA は、その健康被害
従事者に対しても、重大な副作用等に関する情報
等も実施しています。
が医薬品の副作用によるものかどうか、医薬品が
を報告するよう義務付けています。
また、「重篤副作用疾患別対応マニュアル」や
適正に使用されたかどうかなどの医学薬学的判
安全対策課においては、これらの情報に加え、
「患者向医薬品ガイド」を作成し、医薬品の適正
断について厚生労働大臣に判定の申し出を行いま
都道府県や海外の行政機関等と密に情報交換を
で安全な使用を推進しています。
す。安全対策課では、この申し出に応じ、薬事・
行って独自の情報収集を実施するとともに、独立
行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)と
連携して、情報を収集・分析し、審議会等にお
副作用被害者の救済
副作用被害対策室の業務紹介に記載したとお
7
食品衛生審議会(副作用・感染症被害判定部会)
を開催し、その意見を聴いて、給付の支給の可
否を判定し、その結果を PMDA に通知しています。
医薬品等の監視指導と薬物の乱用対策
医薬・生活衛生局 監視指導・麻薬対策課
医薬品等の監視指導
医薬品・医療機器や再生医療等製品等が適切
に使用されるには、個別の製品の品質・有効性・
行われる指導取締に必要な基準作成や、都道府
県間の調整を行っています。
麻薬等薬物の乱用対策
安全性に加え、適切な情報提供や販売方法の確
薬物5法で厳しく規制されている麻薬(・向精
保等が必要です。そのため、監視指導・麻薬対
神薬)・覚醒剤・大麻等の乱用を防止するため、
策課では各都道府県の薬事監視員や医薬品医療
徹底した取締と予防啓発に係る企画立案を実施し
機器総合機構等と連携して、必要な指導取締(薬
ています。違法薬物の多くは海外から密輸されま
事監視)を行っています。
すが、その取締りについて、地方厚生局麻薬取
具体的には、製造管理・品質管理基準が遵守
締部の麻薬取締官、都道府県の麻薬取締員と連
されて製造が行われているか、添付文書や容器の
携して、指導監督・捜査等の実施を、また予防
表示・記載事項に不正がないか、薬局及びドラッ
啓発については、全ての小学6年生の保護者等に
グストアでの薬剤師や登録販売者による情報提供
啓発読本の配布等を、また地域における啓発とし
また、危険ドラッグ(合法ハーブ等と称して販
や管理等が適切に行われているか、消費者に誤
て「ダメ。ゼッタイ。」普及運動等を進めています。
売される薬物)の乱用防止のため、乱用のおそ
解を招く広告が行われていないか等、様々な観点
「がん対策基本法」において緩和医療の促進
れのある物質を特定し、医薬品医療機器法上の
から指導取締を実施しています。また、品質不良
が求められており、その中でモルヒネ等の医療用
指定薬物として指定することにより、その所持・使
や不正表示等が判明した場合には、企業に当該
麻薬の利用促進が位置づけられています。がん患
用・購入・製造・輸入販売等を規制しています。
製品の回収を指導しています。
者の疼痛緩和を促進するため、医療用麻薬の適
なお、本対策に関する業務のうち、麻薬・覚
なお、個別の製品や企業等に対する指導取締
正な管理・使用促進に向けて、講習会、医療用
醒剤等の捜査に関する業務は、地方厚生局採用
は、各都道府県において実施しており、監視指導・
麻薬適正使用ガイダンス等の作成・配布を実施し
の麻薬取締官が担っています。
麻薬対策課では全国の都道府県で統一の基準で
ています。
血液製剤の安定供給の確保
医薬・生活衛生局 血液対策課
血液事業
ることとされています。血液事業の運営状況につ
いては、定期的に薬事・食品衛生審議会薬事分
血液製剤の安定供給
「血液事業」は善意の献血者を募り、採血を行
科会血液事業部会に報告し、施策の策定・実施
血液法の基本理念では、倫理性、国際的公平
い、その血液から血液製剤を製造し、必要とする
に当たっての透明性の確保、さらに献血者の善意
性等の観点から、国内で使用される血液製剤が
患者さんに提供する一連の事業です。この事業を
に応え、国民の理解と協力を得られるよう積極的
原則として国内で行われる献血により得られた血
進めるに当たっては「安全な血液製剤の安定供
に情報を公開することにより、血液事業の円滑な
液を原料として製造される体制の構築を目指すこ
給の確保等に関する法律(血液法)」において、国、
実施に向けた取組を行っています。
ととされています。また、医療現場の需要に的確
地方公共団体、採血事業者、製造販売業者等及
び医療関係者が、それぞれの責務を果たしつつ、
血液事業の安全対策
に応えられるよう、血液製剤を安定的に供給する
体制を整備しています。
安全性の向上、国内自給原則、安定供給確保、
血液製剤は、人由来の血液を原料とするという
適正使用の推進、公正の確保及び透明性の向上
性質上、有限で貴重なものであると同時に、血液
といった法の基本理念の実現に向けた取組を進め
を介して感染する病原体が混入するリスクを完全
献血は、今後の少子化の進展による献血可能
には否定できないため、血液の採取、製造、供
人口の減少及び高齢化に伴った輸血医療の増加
給から使用に至るまで様々な安全対策が実施され
を考えると、血液製剤の適正使用を進める一方、
ています。例えば、血液製剤による感染が疑わ
将来の献血を支えていただける方々、とりわけ、
れる事例が発生した場合には、遡及調査を行い、
若年層の方々に対する対策が重要となっています。
速やかに回収等の措置がとれるようになっていま
このことから、小中学生を対象としたキッズ献血
す。また、遺伝子組換え製剤等の「血液製剤と
(模擬献血)、中学生向けに血液全般の知識の普
代替性のある医薬品又は再生医療等製品」につ
及を目的としたポスターの配布、高校生向けの献
いても安全性の確保の向上や適正使用の推進を
血普及啓発テキストの作成など、若年層に向けた
目的とした施策を実施しています。
血液全般の知識の普及・啓発を行っています。
8
献血推進について
産業や日常生活に必要不可欠な化学物質の安全対策
医薬・生活衛生局 化学物質安全対策室
化学物質は、様々な機能性を有し、幅広い産
する情報収集・評価を行い、すべての化学物質
衣類等の繊維製品、洗浄剤、エアゾール製品
業で基本的な素材として使用されているほか、日
の適正管理に向けた取組みを進めています。
などの各種家庭用品に使用される化学物質による
常生活でも必要不可欠なものとなっています。し
健康被害の防止を図るため、有害家庭用品規制
かし、大量の化学物質が生産され、数多くの新し
毒物・劇物に関する安全対策
い化学物質が開発され続けている現在、取扱いや
毒物劇物取締法では、日常的に流通している
からのばく露の状況等に基づいて、有害物質を指
管理の方法によっては、人の健康や環境へ影響を
化学物質のうち、その取扱いに注意を要するもの
定し、保健衛生上の安全基準を定めるとともに、
及ぼす可能性があります。化学物質安全対策室
について、主に急性毒性情報をもとに、毒物・劇
その遵守のための指導監督を行っています。また、
では、化学物質に関する複数の法律に基づいて、
物に指定し、製造、輸入、販売や取扱い等の段
家庭用品の商品群ごとに「安全確保マニュアル
その安全確保のための施策を実施しています。
階で必要な安全対策を実施しています。毒物また
作成の手引き」を策定し、関係事業者による安
環境影響に着目した安全性評価
は劇物の製造、輸入、販売業者について、事業
全確保対策の推進についても併せて実施していま
所ごとの登録や、毒物劇物取扱責任者の設置を
す。
環境中に排出された化学物質が食物連鎖等を
求めているほか、その取扱いに関しては、表示、
通じて濃縮され、人の健康や生態系に影響を及
譲渡等に関する規定や運搬、貯蔵、廃棄など
ぼすことを防止するため、化学物質審査規制法(化
についての技術上の基準を定めています。また、
審法)に基づき、新しく製造・輸入される化学物
シンナー等の興奮、幻覚等の作用がある毒物・
質について事前審査(分解性、蓄積性、人への
劇物の乱用防止や、引火性や爆発性を有する
長期毒性や動植物に対する影響等)を行い、そ
毒物・劇物の所持についての規制も行っていま
の性状に応じて製造、輸入、使用の制限や環境
す。
汚染防止のための技術上の基準等を定めることに
より化学物質の管理・規制を行っています。また、
化審法制定(昭和 48 年)以前から既に取り扱
われていた化学物質についても、順次安全性に関
法により化学物質の安全性に関する評価、製品
家庭用品に関する保健衛生対
策
「安心」できる食生活のための礎を築く
生活衛生・食品安全部 基準審査課/内閣府 食品安全委員会事務局
近年、食にまつわる様々な事柄 があったことか
そして「リスクコミュニケーション」の3つの柱から
に基づいた、専門家による客観的でかつ公正中
ら、 食 の「 安 全 」 や「 安 心 」 に つ い て の 国 民 の
構成される「リスク分析」の手法が取り入れられ、
立な評価が行われます。
関心が高まっており、行政に対するニーズも大きく
現在の食品安全行政の新しい枠組みが出来上が
厚生労働省では、食品安全委員会によるリスク
なっています。意外に思われるかもしれませんが、
りました。
評価の結果を踏まえ、実行可能性や費用対効果
食品安全委員会と厚労省の役割
などを勘案し、薬事・食品衛生審議会の専門家
や基準を策定することを通じて、食品の安全性の
この新しい枠組みの中で、食品安全基本法の
たリスクの管理措置 を決定して実施しています。
確保に取り組んでいます。
制定により新しく設立された食品安全委員会が「リ
また、食品安全委員会と厚生労働省は、リスク
スク評価」を、厚生労働省が「リスク管理」を 、
評価の結果やリスク管理の手法について、国民と
そして両者で協力して「リスクコミュニケーション」
の双方向の対話を行うために、消費者や食品事
経済のグローバル化をはじめとする社会情勢の
を担っていくこととなりました。
業者、行政機関の間での相互の情報や意見の交
変化や、科学技術の発展によるバイオテクノロジー
残留農薬や食品添加物といった生産の過程で
換を協力して行っています。
などの生産技術の導入により、食品の分野に大き
意図的に使用される物質や、カビ毒
な変化がもたらされました。その結果、多種多様
や土壌中の重金属などの環境中から
な食品が流通するようになりましたが、遺伝子組
非意図的に移行してくる汚染物質など
換え食品やBSEなどのこれまでになかった事柄が
について、食品の安全性を確保する
問題として浮上してくるようになりました。
ための対策を行う場合には、まずは
このような問題に対処するために、平成15年に
対象となるものが食品を介してヒトの
食品安全基本法が制定され、また、食品衛生法
健康にどのような影響(リスク)をも
も制定以来といわれるような大きな改正が行われ
たらすかを評価しなければなりません。
ました。この際に、「リスク評価」、「リスク管理」、
食品安全委員会では、科学的な知見
私たち薬学系技官も食品の安全を担う一員であ
り、食品衛生法に基づく食品、添加物等の規格
リスク分析による食品安全行政
9
の意見を聴いた上で規格や基準の策定などを通じ
適正な医療保険制度のための医薬品行政
保険局 医療課/医政局 経済課
保険局医療課、調査課
れるよう二年に一度、見直されています。
また、保険局の薬系職員は、統計調査を担当
日本では、すべての国民がいずれかの公的医
しており、数理的な見地からも医療保険行政に貢
療保険制度に加入することにより、いつでも安心
献しています。電算化された調剤報酬明細書の情
して適正な医療を受けることができる皆保険制度
報を活用し、毎月、調剤医療費の動向の分析を
がとられており、このことが国民の健康保持と国
行っており、その結果は、診療報酬など各種施策
民生活の安定に大きな役割を果たしています。
のための基礎資料となるほか、インフルエンザの
保険局に配属された薬系職員は、医薬品に対
影響の評価などに活用されています。
する専門性を活かし、薬価の算定や診療報酬・
調剤報酬の改定などを通し、医療保険行政の企
薬学的観点から臨床上の位置付け等について検
討し、妥当な範囲で価格が設定されるよう、保険
医政局経済課
局との調整を行っています。
画立案を担っています。
医政局経済課は、医薬品・医療機器等の安定
また、既に医療保険上の価格が決定された後
医療保険制度の下では、診療行為や医薬品の
供給、業界振興等を目的とし、業界の意見を適
も、供給実現性の観点からの意見を聴取していま
価格は、ほとんどが個別に定められています。新
切な形で政策に反映する役割等を担っています。
す。医療機器のうち、カテーテル等の「特定保
薬の薬価については、医療保険財源との調和を
医薬品・医療機器は、患者が存在する限り、採
険医療材料」の価格は、類似したものについてま
はかりつつも、有用な医薬品ほど薬価が高く評価
算性とは無関係に、持続的開発及び供給が求め
とめて設定されていますが、不採算等の理由で企
される制度となっており、企業が革新的な医薬品
られますが、開発には莫大な費用を要するため実
業から要望のあった品目について、販売実態、医
を迅速に開発する上での経済的なインセンティブと
現が困難な場合があります。医薬品等の医療保
療上の必要性を検討し、個別の価格を新たに設
なるよう定められています。一方、診療報酬にて
険上の価格は、実際の販売価格にも影響を及ぼ
定するべきものを選定しています。医薬品につい
後発医薬品の使用を評価するなど、後発医薬品
し企業の経営に直結するため、患者負担とともに、
ても、企業の要望を受け、妥当な薬価に再算定
の使用推進策にも積極的に取り組んでいます。
企業の供給実現性からも検討するべきものです。
するべきものを選定しています。その他、原料不
なお、診療報酬・調剤報酬及び薬価については、
医政局経済課の薬系技官は、必要な医薬品等の
足による医薬品等の欠品に係る相談に応じる等、
よりその時代に即した医療保険財源の配分が行わ
持続的開発等に資するため、企業の意見を聞き、
安定的流通に係る施策にも関与しています。
医薬品等の研究開発振興
大臣官房 厚生科学課/医政局 研究開発振興課
研究や治験の推進を行っています。さらに、日本
下、厚生労働科学研究の運営に関する業務や、
発の「革新的な医薬品・医療機器等の創出に向
国立研究開発法人日本医療研究開発機構、健康・
医薬品や医療機器等は、国民の保健衛生の向
けた取組」や「人を対象とする医学系研究に関
医療戦略推進本部、内閣府等の関係機関との連
上に欠かせません。しかしながら、医薬品や医療
する倫理指針」等を担当しており、医学研究の適
携・調整、遺伝子治療等臨床研究に関する審査
機器等の開発には多大なる時間と費用を要し、開
正化を図っています。さらに、薬機法の承認が得
事務などに携わっています。
発の成功確率は極めて低いものです。このため、
られていない医薬品等の使用を伴う先進的な医療
医政局研究開発振興課では、医薬品や医療機器
技術を評価する先進医療を担当しています。これ
厚生労働科学研究費補助金の審査は、
「厚生労働省の科学研究開発評価に関する指針」に
基づき下図に示す流れに沿って行われます。提出された研究開発課題は、
各研究事業の評価委
員会で専門家による専門的学術的観点と行政担当部局の行政的観点から評価されます。
評価委員会名簿、
採択課題や採択額等についても厚生労働省ホームページで示しています。
等の研究開発の振興を行っています。
らの取組みにより、最先端の医薬品・医療機器を
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/kenkyujigyou/
例えば、厚生労働科学研究費補助金等の事業
国民に迅速に提供することを目指します。
医政局研究開発振興課
を通じて、医薬品開発過程を迅速化・効率化す
して、臨床研究中核病院が医療法上位置づけら
る脅威に迅速に対応して国民生活を守ること、こ
れ、平成 27 年4月から施行されています。また、
の二つの大きな使命を果たすため、国立試験研
日本発のイノベーションを世界に発信すること等を
究機関を所管し、省内における科学技術の総合
目的として、「臨床研究・治験活性化5か年計画
的な企画調整等を行っています。厚生科学課の
2 0 1 2」 を 定 め、 人 材 の 育 成・ 確 保 な ど、 臨 床
薬系職員は、医系など他職種の職員との協力の
価
健康生活の実現に貢献すること、2)健康に対す
評価委員会での
ヒアリング等
評
究や医師主導治験の中心的な役割を担う病院と
必要に応じて実施
大 規 模な研 究 開 発
課題等、
必要に応じ
て、
ヒアリングを実
施。総合評価に基づ
き課題の採択、
配分
額の決定を行う。
3年
の研究の成果を活用して安全・安心で質の高い
事前評価
各評価者は各課題毎に5∼10段階の評点で
評価。
〈評価基準〉
次に掲げる観点から評点を付ける。
1.専門的・学術的観点からの評価
①研究の厚生労働科学分野における重要性
②研究の厚生労働科学分野における発展性
③研究の独創性・新規性
④研究目標の実現性・効率性
⑤研究者の資質、
施設の能力
2.行政的観点からの評価
①政策等への活用(公的研究としての意義)
②行政的緊急性
3.総合的に勘案すべき事項
①研究の倫理性(倫理指針ヘの適合等)
②エフォート等
③研究実績の少ない者(若手等)への配慮
2年
を行っています。最近では、国際水準の臨床研
研究事業の評価委員会
①外部評価
②研究分野の専門家・専
門家以外の有識者・厚
生労働省の関係部局
の職員により構成
③研究事業ごとに設置
④委員10∼15名程度
⑤利害関係者の排除
⑥年齢・所属機関・性別
等に配慮
1年
における科学技術の推進と普及を進め、最先端
後
大臣官房厚生科学課では、1)厚生労働行政
など、医薬品や医療機器等に関する研究の支援
〈評価委員会での書面評価〉
評価委員会において、
研究
課題全体の評価を行う。
○研究課題ごとの評価点を
考慮しつつ、
総合的に評
価を行う。
○採択課題及ぴ配分額の
決定。
事
申請書送付
報告書の掲載及び納本
○国立保健医療科学院HP
○厚生労働省図書館
○国立国会図書館
研 究 の 実 施
厚生労働省
各研究事業担当課等
(事務局)
研 究 費 の 交 付
研究申請書
受 理
〈年1回〉
評価者
成果を臨床現場に応用していくための臨床研究
厚生労働省HP
採択課題一覧掲載
関係省庁との調整
不合理な重複の排除
採 択 課 題 決 定
大臣官房厚生科学課
厚生労働科学研究費補助金の評価システム
研究者︵公募者︶
へ審査結果の通知
るための技術基盤の確立に向けた研究や、研究
研究課題の評価の仕組み
中間評価
※原則毎年実施
追跡評価
※一部の研究に
ついては 追 跡
評価を実施。
研究の評価に当たっては、
これまでの研究実績の少ない者(若手研究者等)についても、
研究
内容や計画に重点を置いて的確に評価し、
研究遂行能力を勘案した上で、
研究開発の機会が与
えられるように配慮することを定めています。
また、
各府省や学会の定める倫理指針に適合しているか、
又は倫理審査委員会の審査を受け
る予定であるかを確認する等により、
研究の倫理性についても検討を行います。厚生労働省ホー
ムページにおいて、
医学研究に係る厚生労働省の指針一覧を掲載していますので、
適宜ご参照く
ださい。http://www.mhlw.go.jp/general/seido/kousei/i-kenkyu/
なお、
研究成果については、
厚生労働省ホームページにおいて、
わかりやすい厚生労働科学研
究の研究成果の普及に努めています。
厚生労働科学研究の成果:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkyuujigyou/topics02.html
6 10
その他の業務・部署について
薬系技術職員は薬学・化学・生物学、さらに
広い分野で活躍し、経験を積む機会に恵まれてい
経験、総合力が必要なものばかりです。
は法律学までの幅広い知識と経験、総合力を駆
ます。
また、他の組織の職員の仕事の方法を学べる
使して、最新の知見や動向にも眼を向けながら、
これらの分野の多くは、厚生労働省の業務が
こと、他の組織から厚生労働省という組織を客観
業務を行うことが求められています。そのため、
多岐に及ぶため、相互に関係しあっています。
的に見る機会が与えられることにより、今後の厚
活躍の場は、薬事行政のみならず、研究開発振興、
厚生労働省の業務とは直接的には関係しない
生労働行政のコンサルテーション能力を養うことに
食品安全、化学物質規制等の多岐の分野にわた
業務の場合でも、行政の仕事をしていく上での新
もなると思います。
ります。また、薬系技術職員の多くは、厚生労働
たな気づきを得ることができると思います。
省にとどまらず、他省庁、国際機関等へ出向し、
いずれの業務も、困難を伴う場合が少なくあり
環境、保健衛生、科学技術及び医療保険等の幅
ませんが、薬系技術職員ならではの幅広い知識と
-主な出向先-(平成28年1月1日現在)
○国立研究開発法人国立がん研究センター <官公庁>
○国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
○内閣官房 事態対処・危機管理担当
○独立行政法人医薬品医療機器総合機構
健康・医療戦略室
○国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所
新型インフルエンザ等対策室
○国立研究開発法人日本医療研究開発機構
日本経済再生総合事務局
○内閣府 食品安全委員会事務局
<在外公館・国際機関>
総合科学技術・イノベーション会議事務局
○在ウィーン国際機関日本政府代表部
情報公開・個人情報保護審査会事務局
○在インドネシア日本大使館
○環境省 環境保健部
○在マレーシア日本大使館
水・大気環境局
○ WHO 本部事務局
○消費者庁
○欧州医薬品庁(EMA)
○文部科学省 研究振興局
○人事院 人材局
<民間企業・大学等>
○防衛省 人事教育局
○社会保険診療報酬支払基金
○経済産業省 商務情報政策局 生物化学産業課
○株式会社 産業革新機構
○外務省 経済局 国際貿易課
○大阪市立大学医学部付属病院
○国立医薬品食品衛生研究所
○長崎大学病院
○富山県庁、福岡県庁
○京都大学 iPS 細胞研究所 等
11
先輩からのメッセージ
日本や世界の人々のために働いてみませんか?
医薬・生活衛生局安全対策課長
宇津 忍
先輩からのメッセージ
2015 年のノーベル医学生理学賞を大村
限定されず全世界に被害が波及することに
をもとに、新たなメカニズムの解明、新し
智先生が受賞しました。その功績はイベル
なります。これは日本のみならず海外も同
い方法ができないか日々考えておられるで
メクチンという医薬品の開発につながり、
じ状況にあり、医薬品対策に国境がなくな
しょう。我々は、多様な背景、多様な意見、
2億人もの方を救ったというものです。
り、市販後の安全性情報の国際的な連携が
常に変化する状況の中で生活しています。
このように医薬品は多くの人々の命を救
必要になってきています。事実、日々各国
このような状況では 100%の正解、不正
う効果がある反面、過去に悲惨な薬害を起
の様々な情報に接すると共に、日本の状況
解がない場合がほとんどです。また状況の
こすなど有害な作用ももつものです。その
も報告する機会が増えています。
変化により、過去の資料、判断が参考にな
ために有効性を最大化し、有害性を最小化
私は入省後、日本大使館、JICA 専門家
らない場合もあります。常に自らがおかれ
する努力を常に行っていくことが求められ
として計6年間インドネシアのジャカルタ
た状況を考え、その判断が妥当かどうかを
ています。
に勤務しました。薬事関係だけでなく、保
考えていかなければなりません。多くの方
薬の開発に目を向けると技術革新により
健衛生、貧困対策など広い分野を担当し、
の知恵、意見を聞きくとともに、チームで
新たな作用機序の薬が次々と開発され、薬
1998 年のジャカルタでの騒乱など貴重な
議論して結論を導きチームプレーをしてい
の開発方法も、一国に限定されず世界中で
体験もしました。日本では考えられない貧
くことが必要です。
臨床試験を実施して有効性、安全性のデー
富の差があり、スラム街での悲惨な生活の
皆さんもチームの一員になって、日本や
タを収集し、世界同時に市場の送り出す取
中で、その場の子供たちは無邪気で目はキ
世界の人々のために働いてみませんか?
組も急速に進んできています。
ラキラとして、日本の塾通い、ゲームをし
一方で早期に新しい薬が世の中に出てく
ている子供とは格段に生き生きとしていた
るということは、これまで市販前に確認し
ことなど強く印象に残っています。また、
安全対策に生かしていた海外での市販後の
これらの国際業務での人とのつながりは今
安全性情報が利用できない、臨床試験での
でも続き、様々な場面で役立っています。
日本人のデータが相対的に少なくなること
さて皆さんは日々、薬学、工学などの
で日本人に多く発現する副作用が検出でき
現在の最先端の学問について勉強、研究さ
なくなるという懸念も生じさせます。また、
れていると思います。研究においては、指
仮に健康被害が発生すれば、それは一国に
導教官からのアドバイス、論文などの情報
12
刻々と変化する社会、進歩する科学技術、その中で
医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部基準審査課長
食の安全安心を守る
山本 史
先輩からのメッセージ
いわずと知れたことですが、古今東西、
「食」
や管理不徹底によるものもあれば、これまで
の蔓延に直面)、審査管理(薬の審査のあり
は生命と健康の源で、すべての人になくては
の経験では想定できないような事案に直面す
方検討)、新薬審査(循環器系やアルツハイ
ならないもの。その安全は必要不可欠な、重
ることもあります。食品に含まれる成分に関
マー病といった領域を担当)、OTC 薬の販売
要課題であり、それ故、多くの消費者の方も
して、これまで知られていなかったような新
制度(薬局・薬店での売り方を整備)、薬剤師・
高い関心をもっています。
たな科学的知見も出てきます。
薬局や薬学教育のあり方(薬学 6 年制の一
同時に、「食」は私たちの生活の中で、暮
さらに、グローバル化・ボーダレス化によ
期生輩出の頃でした)など、いろいろな分野
らしを彩り、豊かにもしてくれます。みなさ
り世界中の様々な食材を日本にいながらにし
を経験してきました。環境省に出向して地球
んも多かれ少なかれ、大好物の食べ物や苦手
て食べることができるようになってきていま
環境を担当した時代もありますし、PMDA(医
な食材があるでしょう。仲間や家族とともに
す。昨年の TPP 大筋合意の報道などでもわ
薬品医療機器総合機構)で企画調整や国際担
する食事、旅先で出会う美味・珍味。誰しも、
かるように、食材(農産物、畜産物等)の輸
当の仕事をしたこともあります。
特別な食いしん坊でなくても、日々、食を味
出入は国家間貿易の大きな位置を占め、諸外
月並みな表現ですが、どの部署でも仕事は
わい、楽しんでいます。「五臓六腑にしみわ
国も我が国も自国産の食材を各国へ輸出しよ
決して楽ではなく、試行錯誤の連続。子ども
たる」なんて言葉がありますが、美味しいも
うと力を注いでいます。
がうまれてからは、さらにどたばたの毎日。
のを食べた時の気持ちが伝わってきます。こ
このように社会と食をめぐる環境が常に変
それでも、いろいろな職種の仲間たちと、変
んな瞬間のためにも、食の安全と安心が大前
化する中、私たちは、「食の安全安心」を守
化する社会を感じながら、やるべきことに向
提です。
るため、最新の科学的知見に基づき、食品安
き合っていると、見えてくるものがあります。
一方で、私たちや「食」をとりまく社会は、
全委員会、農林水産省、消費者庁といった関
もちろん仕事の内容はそれぞれで異なり、新
刻々、変化しています。科学技術の進歩によ
係省庁とも連携して取り組んでいます。
たな部署に配属されるたびに学ぶことも多い
り、生産や流通のあり方が変化し、多様化・
具体にどんなことを? どんなふうに?と
のですが、どこであっても、職場には人や社
複雑化しています。日常、私たちが何気に食
興味がわいた方は、ぜひ、説明会などでお尋
会のために取り組むという気持ちが溢れてい
べている食品ですが、実は、そこに至るまで
ねください。
ます。そして、共通して、「科学」と「グロー
には、品種改良、栽培・収穫から輸送、製造、
ちなみに、私は入省以来、食品安全以外に
バル化」が深く関係しています。
加工、調理、流通・小売といった過程で、様々
も、ダイオキシンや内分泌かく乱物質といっ
今、みなさんが活躍できる仕事は世の中に
な工夫や技術が導入され、またそれらが日々、
た化学物質対策(国際レベルで議論)、化粧
たくさんあると思います。いろいろな仕事を
進化しています。
品・部外品の審査(製品数や成分数の多さに
吟味し、研究していただき、その上で、厚生
美味しいもの、便利なものを求めて消費者
驚き)、医薬品や医療機器の品質マネジメン
労働省の仕事がおもしろそうだ、と感じる方
の嗜好や選択も変わっていきます。もちろん、
ト(今やグローバル流通網の中でシステム管
は、臆さず、挑戦してみてください。
食をめぐる事件や事故も発生します。不注意
理は必須)、麻薬・薬物対策(大麻やハーブ
13
13
熱意と誠意で日本の未来に貢献しませんか?
医政局研究開発振興課治験推進室長
井本 昌克
先輩からのメッセージ
研究開発振興課は平成 6 年の 7 月に設置
平成 27 年 10 月、3 度目に研究開発振興
研究段階から実用化までの一連のプロセスを
された比較的新しい部署です。国民の生活に
課に異動してきたわけですが、平成 26 年
理解できたメリットを生かして、優れた医薬
係わる社会福祉、社会保障、公衆衛生、労働
11 月に施行された再生医療新法を担当する
品・医療機器を一日も早く、国民の手に届く
環境整備等を所管している厚生労働省として
再生医療等研究推進室、電子カルテなどの医
ようにするための枠組み・環境の整備のため
は珍しい産業育成・研究振興を担当する部署
療 IT を担当する医療技術情報推進室も併設
に、何が今問題なのか、どのような仕組みを
です。平成6年4月に厚生省(当時)に入省し、
され、自身が担当する治験推進室を合わせて
作ることで更なる活性化が図られるのか、関
設置されて間もない研究開発振興課に配属さ
3 室体制となっており、2 度目の着任時より
係学会・業界との意見交換や患者団体からの
れてから今回の研究開発振興課への異動で 3
大幅に業務・体制が拡大しています。現在、
要望なども踏まえ、課室内での忌憚ないディ
回目の着任となりました。
当課では社会問題化した研究不正に対する臨
スカッションを通じて新たな施策制度の検討
平成 6 年当時は、薬務局(当時)に属し
床研究の法制化や平成 27 年 4 月より施行さ
を進めています。
ていた研究開発振興課では、日本薬局方をは
れた改正医療法に基づく「臨床研究中核病院」
皆さんが、厚生労働省の職員としてどの部
じめとする医薬品の規格基準、遺伝子治療や
の指定等に取り組んでいます。
署に配属されるかはわかりませんが、どの部
平成 5 年の薬事法改正により導入された希
人によって配属される部署はまちまちです
署であってもその道を究めることで、国民の
少疾病用医薬品等の指定等を担当しました。
が、研究開発振興課の他に、医療機器の安全
生活の向上に貢献できることは間違いあり
2 度目に研究開発振興課に着任したときに
対策、薬剤師法や薬局に係る制度運用(医薬
ません。外からは見えない、実社会の複雑な
は、医薬品・医療機器の研究開発のための研
分業の推進を含む)、医薬品医療機器総合機
権益構造や技術的、人的物的問題など、一筋
究費の運用の他、臨床研究指針やヒト幹細胞
構(PMDA)において新薬・医療機器の審査
縄ではいかない課題を一つ一つ丁寧に紐解い
研究指針など臨床研究に係るルールの運用や
を担当したほか、薬価や調剤報酬の改定業務、
て、将来の日本の未来を創造していく仕事に
統合医療・伝統医療の ISO 化、スーパー特
科学技術庁(当時)に出向して科学技術の国
若い優秀なあなたの力を賭けてみませんか。
区(他省庁連携大型研究事業)、未承認薬・
際協力に従事するなど、医薬品等の開発、承
熱意と誠意のある有志の参画を心より期待し
適応外薬解消のための基金の創設などを担当
認、保険償還、市販後安全対策を中心に担当
ています。
しました。
してきました。こうした医薬品や医療機器の
14
法が迅速に医療現場に導入され、安全に使用できるよう
に、あらゆる手段を使って物事を進めるのが仕事です。
医療機器、体外診断用医薬品及び再生医療等製品の承認
審査を適切に行うことはもとより、先を見て実用化まで
の段取りを整えたり、外部の専門家に調査研究を依頼
し、製品の評価に使うガイダンスを作成したり、患者さ
んや医療現場、メーカーなど様々な関係者の間の意見調
整を行ってルールを定めたりしています。
業務の一つとして、医療上必要性が高いにも関わら
ず、日本で未承認のままの医療機器等の国内導入を促
す、というものがあります。こういった問題の解決策を
考えるのが仕事です。これまでに、学会などの要望を伺
って、医療の現場で求められている未承認の製品を特
定・選定して開発の公募や要請をする仕組みを作りまし
た。さらに、経済的なアプローチとして、公的医療保険
の担当部署でも検討してもらい、公募に応じて開発され
た製品を価格算定の際に特例として扱う方針が示された
ところです。現状を良い方向に変えるための大きな前進
です。
大学院の修士課程を修了後、厚生省に入省し、15
しました。その後、欧州での短期研修、在外公館での
年間ほど勤務しています。再生医療や医療用ロボット
勤務、経済産業省への出向などを経て、再び医療機器
などの最新の技術が次々実用化されていくのを間近で
や再生医療等製品などの承認審査の業務に就いていま
見て、そこに深く関わる刺激的な毎日です。当時大学
す。違う職場文化に触れ、外から厚生労働省を見る機
で学んだ薬学や分子生物学の知識は、これらの新しい
会が何度かあったことは、視野を広げる貴重な経験で
製品を理解したり、医学薬学上の新たな知見や情報を
した。
自分なりに解釈したりするのに役立っており、仕事を
行政機関での主な仕事は制度を作り環境を整えるこ
行う上での土台になっています。
ととそれらを運用することにあります。現在所属して
入省後最初に担当したのは麻薬対策。その後およそ
いる医療機器・再生医療等製品担当参事官室では、
2年ごとに部署を異動して、医薬品の販売業、血液行
科学的な審査を行う(独)医薬品医療機器総合機構
政、食中毒対策、国際案件、医療機器規制などを経験
(PMDA) と連携して、新しい製品や有効性の高い治療
先を見て考える
環境を整えるというのは、未来を想像して、道筋を整え
るために今の時点で必要なアクションを起こすというこ
とです。そのためには医療現場、企業、研究者の動向さ
らには国民の期待や海外の状況など世の中の動きを把握
して、関係者の意見をよく聞いて方針を立てる必要があ
ります。このため、普段の業務で様々な分野の第一線で
活躍されている方々と直接お会いし、話をする機会も多
く、これが行政官の仕事の魅力の一つと考えています。
様々な考え方を持った素晴らしい先輩や同僚とともに、
どうしたら世の中が良くなるのかを考えていく、そんな
仕事です。そこにやり甲斐がありそうと感じたら、是非
厚生労働省を訪問してみてください。
医薬・生活衛生局医療機器・再生医療等製品担当参事官室 室長補佐
柳沼 宏
先輩からのメッセージ
新しい医薬品を届けるために
医薬・生活衛生局審査管理課 審査調整官
竹口 敦子
こんにちは。今、この文章を読んでくださってい
るということは、数ある仕事の中で厚生労働省の仕
事に興味をもってくださっているということです
ね。ありがとうございます。
さて、薬系技術系職員といっても非常にいろいろ
な仕事に就きます。私は平成 20 年に入省しました
が、これまで5つの部署を経験し、その業務の対象
は医療機器、食品添加物、医薬品、アカデミアの創
薬支援と様々です。対象が医薬品でも審査と開発支
援では業務は全く異なります。また、他省庁へ出向
すれば一緒に仕事を行うメンバーも大きく変わりま
すし、仕事の内容によっては、大学の先生等と仕事
をする場合もあります。
私は入省後、最初の仕事が医療機器に関するもの
でした。医薬品に関する仕事でないことに面食らい
ましたし、全くこれまでに関わったことのない分野
だったので大変でしたが、仕事を進めるにつれ、そ
れは非常に面白い仕事になりました。
2年程度で異動があり、もう少し同じ仕事をした
かったと思うことも多いですが、一方でいろいろな
仕事を経験できるというメリットでもあると思って
います。
次に、簡単に今の私の仕事についてもご紹介した
いと思います。
新薬が承認されるために治験が行われることは皆
治験によって有効性が確認されても、そのデータの
さんご存知だと思いますが、その治験のデータの信
信頼性が揺らいでしまっては元も子もありません。
頼性を担保するため、また治験に参加する被験者の
世の中に新しい医薬品を届けるにあたって、重要な
安全性が守られるように、薬機法や医薬品の臨床試
仕事です。
験の実施の基準に関する省令などに必要な事項が規
最後に、このパンフレットで仕事のイメージをつ
定されています。これらの事項が製薬企業や医療機
かみ、我々の仕事に興味を持ってもらえたらと思い
関などにおいて適切に守られるよう、PMDA 等と連
ます。皆さんと一緒に仕事ができることを楽しみに
携して対応するのが私の仕事になります。せっかく
しています。
15
15
様々な方々との出会いを通して
医薬・生活衛生局審査管理課化学物質安全対策室 衛生専門官
境 啓満
厚生労働省の技術系の行政官は具体的にど
ます。こうした業務を進めていく中でも様々な場面で、
の方々の意見を聞きながら、こうあるべきと考えて、
のような仕事をしているのか具体的なイメー
多様な意見の調和を図っていくことが行政として重要
行政の一端を担っていくことは、大変なこともありま
ジを持っている方は少ないのではないでしょ
だと感じました。
すが、その一方でやりがいを感じています。
うか。もちろん、専門的な知識を生かして
現在は化学物質安全対策室において、化学物質の審
このパンフレットを通して、皆さんも厚生労働省の
業務を行うことが期待されていると思います
査等に関する業務を関係省庁と協力しながら業務を進
技術系の行政官という選択肢を就職先の一つとして考
が、科学的な専門知識を持っているだけでな
めています。どのような部署であっても、様々な立場
えていただければ幸いです。
く、厚生労働省内外の様々な方々と協力しな
がらも、行政官として法律や国会、行政全般
についての知識を持って施策を考えていくこ
とがとても重要だと思います。
これまで医療機器の審査を担当している部
署に2年半ほど在籍し、薬事法の改正、革新
的な医療機器の承認に関する業務等を経験し
ました。例えば、患者の立場から革新的な医
療機器を早期に販売してほしいと考えた場合
でも、医療機器メーカー、医師等の専門家の
先生方、医薬品医療機器総合機構など多くの
立場の人々の関与が必要です。当然ながら安
全性に留意しつつ迅速に審査を進めることが
求められていますので、どのような有効性や
安全性に係るデータが得られており、そのデ
ータから使用に当たってどのような点に留意
することで、リスクを低減化し、最もベネフ
ィットが得られると考えられるのか、専門家
の意見を聞くなど、一定のルールに則って関
係者の合意形成を図っていくことが求められ
先輩からのメッセージ
医療政策全体を見渡しながら
医政局総務課 医療施設機能調整専門官
勝山 佳菜子
皆さんは、厚生労働省における薬系技術職
る医療現場の体制が適切に整備され、初めて、
薬剤師はどのような役割を担うことができる
員の仕事として、どのような業務を想像され
本当の意味で医薬品を適切に使用できる環境
のか、簡単には解決できない大きな課題です。
ているでしょうか。
が整っていると言えるということを、医政局
だからこそ、先輩方から助言をいただきなが
医政局は、医療提供体制を整備するため
に来て、改めて実感するようになりました。
ら、日々議論を重ね、納得のできる政策を作
の企画立案を担当しています。薬系技術職員
患者、国民の皆様が、安心して質の高い医
り上げていく充実感は他に代えがたいものが
は、医薬品や食品など、モノの規制に関わる
療を受けることができる社会を実現するため
あります。皆さんと一緒に、日本の医療につ
業務を担当することが比較的多いため、医療
に、医療政策はどうあるべきか、その中で、
いて語り合える日を楽しみにしています。
そのものや医療現場で働く医療従事者に関連
した業務を経験できる珍しい部署かもしれま
せん。
私自身は、特定機能病院の承認や医療機関
の広告、個人情報の取扱いに係る業務等を担
当していますが、総務課の職員として、局内
のどの課にも属さない新たな業務や、複数の
課にまたがる業務の全体調整等も担当してい
ます。このため、在宅医療や地域包括ケアと
いった、近年の急速な高齢化などの社会背景
の変化に合わせた様々な政策が局内各課で検
討されている様子を間近で目にすることがで
きます。
薬剤師は、医療提供の一環として医薬品を
調剤し、患者の皆様と関わっています。当た
り前のことと思われるかも知れませんが、医
薬品の安全対策や審査業務を担当していた時
は、モノの有効性や安全性に気を取られ、こ
の当たり前のことを本当の意味では理解して
いなかったように思います。医薬品を使用す
16
皆さん、はじめまして。
私は現在、医政局経済課というところで、医
薬品の薬価や流通、安定供給に関わる仕事をし
ています。経済課は業界・企業の窓口という役
割もあるため、日々企業の方々と面会し、意見
を聞き、省内の保険局との調整などを行ってい
ます。
皆さんは国家公務員、厚生労働省にどのよう
な印象をお持ちでしょうか。暗いところで一人
黙々とパソコンを叩いている・・・というわ
けではなく、実際は色んな人との関わりがあり
ます。
私のこれまでの経験から申しますと、1 年目
は医薬・生活衛生局審査管理課で医薬品の審
査・承認に係る仕事をしていましたが、患者さ
ん、カウンターパートである医薬品医療機器総
合機構の方々等との関わりがありました。次の
異動先の内閣府食品安全委員会事務局では、食
品に残留する農薬の評価を行っていましたが、
外部の人々との関わりはほとんどありませんで
色んな人と関わることは、悩みになることもあり
関西人の割には人との関わりが得意な方ではない
した。一方で、内部では、多くの専門委員の先
ます。そこにはルールが存在し、またすべての人の
ですが、こんなに様々な人と関わり、かつ責任感と
生方(大学、研究所の先生方)と関わりがあり、
言い分を聞くことができないこともあるため、時に
やりがいがある仕事は少ないと思います。医薬品、
各分野の第一線の先生方と話ができ貴重な経験
は厳しい態度で接することにもなりますが、最終的
医療機器、食品行政に興味がある人はもちろん、様々
でした。また農林水産省、検疫所、地方公共団
には良い方向に向かうように調整することがこの仕
な人と関わりたいという皆さん、お待ちしています。
体など、厚生労働省以外の多くの公務員の方々
事の大切な点だと思っています(ルール自体を変え
と出会えたことも良い刺激となりました。
ることもできるかもしれません)。
様々な人との関わり
医政局経済課 薬価相談専門官
南 亮介
先輩からのメッセージ
保険局医療課 課長補佐
花谷 忠昭
想像してみよう
ルの大きい様々な仕事に携われることにあり
ます。私の話をしますと、現在の職場では医
薬品の価格や薬局などの診療報酬を考える
仕事をしています。例えば優れた新薬であれ
ば、その革新性や有用性を踏まえて積極的
な評価を行います。その一方で、高すぎる薬
価は患者さんの自己負担を増やすばかりか日
本の医療保険財政を圧迫する要因ともなりま
す。このように皆さんが行政官になった場合
に直面するほとんどの課題が二律背反の面を
有し、それに対する完璧な回答というものは
おそらくありません。制度を巡る様々な立場
が存在するからです。ここで国家公務員とし
て重要なことは、関係者それぞれの立場で想
像することです。自分や親しい人がもし患者
だったら、と想像することです。難題に取り
組む過程で、時には自分の能力や裁量を超え
ていると感じる責任を背負う場面もあります
し、理不尽な批判を受けることもあります。
このパンフレットを手にしている皆さんは
るのかについては全くと言っていいほどわか
それでもそのような経験は必ず自分を成長さ
厚生労働省の業務に興味をお持ちのことだと
りませんでした。その頃は職員に直接話を伺
せてくれます。私を含めて多くの行政官が辞
思います。あるいは既にここで働いている将
うしか手段がなかったのですが、それに加え
めずに仕事を続けていられるのは、困難を乗
来のご自身の姿を思い浮かべているのかもし
て皆さんにはこのパンフレットの体験談から
り越えて達成した成果に具体的な手応えを感
れません。当時の自分自身を振り返りますと、
ぜひ具体的なイメージを掴んでいただきた
じているからだと思います。想像力豊かな後
厚生労働省の業務について一般的な理解はで
いと思います。
輩との出会いを楽しみにしています。
きたのですが、実際の職員が一体何をしてい
国家公務員の魅力は、何といってもスケー
17
17
厚生労働省の薬系技術職員の活躍の場は、
ではなく、国際協力を通じた国外対策も必要
厚生労働省内に限らず多岐にわたります。
となってきます。そのため、厚生労働省はじ
私は、昨年まで環境省で大気汚染対策を担
め各省からの出向者が、それぞれの専門分野
当し、現在は内閣官房で感染症対策を担当し
における知識・業務経験を最大限に発揮し活
ています。新たな分野での業務は一から勉強
躍しています。薬系技術職員である私も、感
することが多く非常に大変ですが、こうした
染症治療薬、ワクチンといった分野について
毎日は新鮮であり、有意義に、そして楽しく
は、責任を持って対応できるよう日々精進し
過ごしています。
ています。
さて、このパンフレットをご覧の皆さんは、
一方で、他分野の業務への対応や他省庁職
厚生労働行政、特に薬事行政に興味があり、
員との人事交流を通して、厚生労働行政を客
今後の進路を考えていることかと思います。
観的に考えさせられることもありますので、
そのため、
「出向したらつまらないのでは?」
これまでとは違った視点、考え方を身に付け
といった疑問をお持ちの方もいるのではない
る良い機会でもあります。出向先で得た経験
でしょうか。もちろん出向先で薬事行政に直
は、今後の厚生労働行政に還元できるものと
接携わることはありませんが、薬系技術職員
感じています。
として、薬学・化学・生物学の知識を活か
薬系技術職員としての活躍の場は多岐にわ
す場面は多々あります。
たりますが、いずれも非常にやりがいのある
私の部署では、新型インフルエンザや、昨
仕事です。皆さんの今後の進路を検討する際
今話題となったエボラ出血熱、MERSとい
の参考にしていただければ幸いです。
った、国家の危機管理上問題となりうる感染
症の対策を行っています。こうした感染症に
ついては、国内発生時に備えた国内対策だけ
内閣官房新型インフルエンザ等対策室・エボラ出血熱対策室・
国際感染症対策調整室 主査
出向を通して考える薬系技術職員 冨田耕太郎
先輩からのメッセージ
3児の母として育児との両立&食品安全行政
内閣府食品安全委員会事務局
評価第一課 課長補佐
高橋 暁子
特に女性の皆さん、厚生労働省で働いてみ
たい!という思いと同時に、将来、育児との
両立はできるのかな?と心の片隅にあるので
はないでしょうか。
私は入省15年目、昨年から内閣府へ出向
しています。3児の母であり、育児のため勤
務時間を1時間短縮しています。
一日の生活は、6時起床し朝食、9時登庁、
17時退庁後に保育園の迎え、夕食、育児(小
学校の宿題確認、ピアノ練習、風呂の世話、
保育園の準備)、家事(掃除・洗濯)などな
どを済ませ、子供と一緒に就寝、です。飲み
会から縁遠いのがちょっと寂しいです(笑)。
現在の仕事は、食品添加物について、国民の
健康に影響がない範囲で使われるよう、最新
の科学的知見に基づき「リスク評価」を行う
ことです。具体的には、甘味料、着色料など
の食品添加物について、ヒトや動物の最新の
試験データに関する専門家の議論をもとに、
一 日 摂 取 許 容 量(Acceptable Daily Intake;
ADI)を示していきます。
この仕事は、最新の科学に基づいて安全性
を考える点で薬系技官として、食品添加物の
安全性との点で子供を持つ母として、非常に
やりがいがあります。また、課長補佐という
“班長”的な立場からチームで仕事をするこ
とも、日々学ぶこともあり面白いものです。
さらに先輩ワーキングマザーからのアドバイ
最後に、育児との両立についてです。私自身
スがあり、そのおかげで、今まで仕事を続け
は、上司・部下、関係者との細目なコミュニ
られています。
ケーション(進捗状況、問題点、方向性の共
厚生労働省では、育児と両立しつつ、やり
有等)を大切にしていますが、さらに重要な
がいのある仕事もできます。皆さんも、ぜひ
のは職場環境です。厚生労働省でも、内閣府
一緒に働いてみませんか。
でも、関係者の方々の温かい配慮とサポート、
18
私は、現在、医薬品医療機器総合機構に厚生労働省
から出向し、新薬の審査を担当しています。私が入省
したのは 10 年以上前になりますが、入省当時から新
薬の審査に携わってみたいと思っていましたので、と
ても充実した毎日を送っています。
このパンフレットを手にされているということは、
少なからず医薬品や食品に関係する行政の仕事に興味
を持たれている方だと思いますので、主にどのような
業務に携わるか簡単に紹介すると、まずは、現在の私
の担当業務でもある医薬品の審査。審査とともに医薬
品行政の中で重要な役割の担っている、医薬品の安全
対策の業務。このほか、危険ドラッグや麻薬の取り締
まり、食品の分野では、食品の安全管理などに関する
業務、医療保険に関する業務もあります。ここまでが
厚生労働省内での主な業務になりますが、人事交流で、
他の省庁などに出向する機会もあります。さらに、個
別の課題がそれぞれの部署にあり、国内だけでなく国
際的な展開があることもあるので、多岐にわたる業務
に携わる機会があると考えていただいて間違いありま
なく、抵抗などがあっても負けずに進めていく力、「胆
すが、制度を変えるという機会が与えられることがあ
せん。大変だと捉えるか、それとも、多くのことが経
識」が必要だと述べられています。まさに上で紹介し
ります。制度改正には、運用方法を変えるだけのもの
験できて楽しいと捉えるかは、人それぞれだとは思い
た行政の仕事に当てはまると思います。数年おきに異
から、法律を改正する大規模なものまで様々です。私
ますが、私は後者の方で、それが入省を希望した理由
動し、様々な業務に携わりますが、異動直後は、過去
は幸い、法改正の機会にこれまで 3 度携わることがで
でもあります。
の資料を読みながら「知識」を蓄えていき、少しずつ
きました。法律を変えることは当然容易ではなく、「胆
話が逸れますが、私が感銘を受けた本(「活眼・活
業務を進める中で「見識」がついていきます。様々な
識」も必要になりますが、制度が少しでも良い方向に
学」)に、「知識」・「見識」・「胆識」という言葉が紹介
業務を経験することで多面的な見方もできるようにな
変わったときの達成感は、他の業務からは得がたいも
されています。
「知識」は調べたりすれば身につくもの、
り、仕事の幅も広がっていきます。その中で、担当し
のだと思います。そういう仕事に少しでも興味あれば、
それに経験が加わり「見識」となる。ただし、「知識」
ている業務の中での課題が見えてくることがあります。
行政に携わるという将来の選択肢を考えてみるのも良
や「見識」だけでは、物事を進めていく上では十分で
そうした場合に、ここが行政の仕事の醍醐味の一つで
いと思います。
どんな仕事に興味がありますか?
独立行政法人医薬品医療機器総合機構 新薬審査第四部 田中 大平
審査役代理 先輩からのメッセージ
行政とはエビデンスと創造力から成る
芸術の世界
国立研究開発法人 日本医療研究開発機構
戦略推進部医薬品研究課長
目黒 芳朗
社会情勢に常に目を配り、同時に、最先端の科
い始めた頃、決定的な事件が起こりました。「緊
学技術に精通し、英語を難なく扱う。入省当時、
急案件だ!」といって皆が大騒ぎしているのです
厚生省にこのようなイメージを抱き、サッカーで
が、その説明資料に度肝を抜かれました。説明資
言うなら、職員全員、高速ドリブルを繰り出すメ
料の文字の大きさが幼稚園児の絵本の 3 倍くら
ッシだらけの集団ではないかと、不安でいっぱい
い。この職場なら自分でもやっていける。奇しく
だったことを今も覚えています。
も、プロ 1 年目でイチローから 3 三振を奪った
それでも、いざ入省してみると、親切な先輩が
松坂と同じ平成 11 年春、自信から確信に変わっ
丁寧に教えてくれて、なんとかやっていけると思
た瞬間でした。
そんな経験をしつつ、はや 17 年が経ち、今は、
日本医療研究開発機構(AMED)というところに出
向しています。AMED は医療分野の研究開発及びそ
の環境整備の中核的な役割を担う機関として 2015
年 4 月に設立にされました。ここでの仕事を簡単
に言うと、研究費を通して、医薬品の研究開発を振
興する仕事ですが、優れた医薬品を生み出すため、
どのような技術がボトルネックとなっているのか、
どのような分野に研究費を投入すべきか、そんなこ
とを毎日考えながら、次の一手を打っていきます。
言葉で言うのは簡単ですが、次の一手を打つため
には、まず、エビデンス(政策必要性の根拠)を固
めることが必要です。欧米はどのような分野に予算
を振り向けているのかなど情報収集を重ねます。製
薬企業のニーズ把握も重要です。現状把握の次は企
画立案です。どのようなスキームであれば制度がう
まく機能するのか。制度を悪利用されないか。様々
な立場に立った検討の上、創造力の発揮しどころで
す。税金を使うわけですから、対外的な説明責任も
求められます。厚生労働省でも同様に、このような
プロセスを経て制度を練り上げていきますが、自分
の企画が花開いたときは、フェデラーのバックハン
ドパスにも勝る格別な気分です。
行政とはエビデンスと創造力から成る芸術の世界
です。皆さんも、厚生労働省に入ってみませんか。
19
19
厚生労働省は、行政の中でも特に、国民の生活
に密接に関係する分野を幅広く担っています。こ
の厚生労働行政は、厚生労働省の職員や、関係す
る省庁の職員のみで行っているのではなく、都道
府県等の地方自治体や、独立行政法人・関係団体
等の多くの人々との協力により、実施されていま
す。
私は、今年の4月から富山県庁に出向し、富山
県の医薬品産業の振興に関する業務を担当してい
ます。毎日、県内の医薬品産業に関連する人々と
意見交換して、富山県ができることを探し、実施
しています。入省してからこれまでの10年間は、
霞が関にある省庁・法人に勤務していましたの
で、富山県では仕事も生活も全く異なり、ちょう
ど 10 年前、入省1年生の時のように、日々新し
い経験をしています。
富山県は、医薬品製造金額が全国3位の国内有
筆者中央右
数の医薬品製造業の拠点ですが、この医薬品産業
を更に発展させて富山県の人々に貢献するのはも
での 10 年間では思いつかなかった厚生労働行
を活かし、取り組んでいきたいと考えています。
ちろん、日本や世界の人々にも貢献していくため
政への新しい「提案」もいろいろ見えてきまし
また、もし、幅広い視野を持ち国民のニーズ
には、いろいろな課題があります。
「霞が関勤め」
た。
を敏感に感じ取って的確に対応することができ
では想像すらできなかったこと、すぐに解決策が
厚生労働行政は、国民の生活にとても広く深
たり、そうなりたい意欲にあふれた若い人々に
思いつかないことがいくつもあり、なかなか大変
く関わっていますが、国民のニーズは、多様性
厚生労働省の職員になってもらえれば、厚生労
ですが、新しい視点と挑戦の場を得られたことに
に富み、かつ、社会状況の変化や科学の進歩等
働行政に対する人々の期待に更に応えることが
感謝しつつ、富山県の人々と協力して取り組んで
に合わせて変化していくものと思います。幅広
できると思います。そういう人々に是非、厚生
いきたいと考えています。
い視野を持って的確に対応できるよう、将来、
労働省の門を叩いてもらい、一緒に仕事をでき
そして、さらに、富山県の立場からは、これま
富山県庁から帰任した後も、富山県庁での経験
ることを楽しみにしています。
富山県厚生部くすり政策課長
都道府県の立場から
坂西 義史
先輩からのメッセージ
iPS 細胞研究の最前線から
京都大学 iPS 細胞研究所 特命准教授
東 健太郎
私は、昨年夏から、京都大学 iPS 細胞研究
が日々進歩しており、規制もそれにあわせて
所に出向しています。iPS 細胞に関する研究
整備していく必要があります。そのため、規
成果を再生医療製品として実用化するために
制のルール作りを行う厚生労働省の担当部署
は、薬事法に基づく規制をクリアする必要が
や審査を担当する PMDA と連携しつつ、こ
あり、通常の大学の研究とは異なる、薬事規
れまでの業務経験を生かし、規制をクリアで
制に対応するノウハウが必要になります。ま
きる再生医療用の iPS 細胞ストック作製や、
た、iPS 細胞を用いる再生医療は、技術自体
iPS 細胞加工物による臨床試験実施に向けた
サポートを行い、iPS 細胞を用いた再生医療を
速やかに医療の現場に提供すべく鋭意取り組ん
でいます。
京都大学に出向する前は、医療機器規制の国
際調和業務を担当しました。規制に関する国際
会議の議長国運営を担当した他、日本の制度を
紹介するための海外での講演、新興国を含めた
新たな国際フォーラムの立ち上げなど、様々な
経験をすることができました。
その他、これまでに、法律の改正や、医薬品
の薬価算定、地方自治体での薬事行政などに携
わるとともに、長期在外研修制度により、海外
のヘルスケア MBA プログラムに派遣され、諸
外国の薬事規制や産業に関する知識、業務に役
立つ英語力を身につけることができました。
厚生労働省の薬系職員は、ライフサイエンス
に関わる様々な最先端技術や研究・開発動向を
把握し、海外の規制当局とも連携しつつ、技術
の進展に応じて最適な制度を企画立案、運用す
る役割を担っています。健康・医療分野は、日
本の成長戦略の核として位置づけられ、新技術
への対応、基礎研究の成果の臨床応用へ橋渡し、
審査体制充実など、厚生労働省に期待される役
割も大きく、今後も薬系職員の活躍の場が広が
っていくものと思います。
20
このパンフレットを読んでいる貴方は、既に
厚生労働省の仕事に興味をお持ちだと思いま
す。では、具体的にどのような仕事をするので
しょうか。私の場合、新薬承認後の劇薬等規制
の官報掲載、医療機器のリスク分類表作成に始
まり、新薬の価格算定、経済産業省に出向し地
球観測衛星の開発支援、大規模食中毒対応、独
立行政法人及び厚労省での医薬品等実用化研究
の支援、対欧米の経済交渉の厚労省窓口、サリ
ドマイド安全管理システム等多岐に渡っていま
す。このように広い分野の業務を経験できるの
が厚生労働省です。
その中で、私は、人事院短期研修制度による
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)
への留学(国際医療政策修士)、マニラにある
WHO 西太平洋地域事務局(WPRO)に出向と
2度の海外勤務を経験しました。LSE では、英
国の政権の医療政策担当をしていた教授らの講
義に知的刺激を受け、WPRO ではアジア各国の
不正医薬品対策に従事するなど様々な経験(出
張中の強盗含め)をさせてもらいました。
そして、2014 年 4 月から 3 度目の海外勤務。
ロンドンの欧州医薬品庁(EMA)に出向し、欧
州と日本の間の情報連絡係、リエゾンとして働
いています。医薬品は既にグローバルな存在に
なっており、日米欧等規制当局もグローバルな
対応が求められています。医薬品の承認申請に
際しては各種ガイドラインを検討段階から
として、またロンドンにおける日本代表と
協力して作成していき、市販後の安全対策
して、欧州と日本の同僚と連携・協力をし
についても早期の情報交換・評価等を連携
ながら、世界の患者さんに貢献をしていき
して行うことで、日本だけでなく世界で病
たいと考えています。
気で苦しむ患者さんに、必要な医薬品をで
そして、次は、このパンフレットを読ん
きるだけ早くお届けし、安全に使ってもら
でいる貴方の番です。世界を舞台に貴方と
うことが可能になるのです。私はリエゾン
一緒に働くことを楽しみにしています。
EMA(欧州医薬品庁)
世界の患者さんへの貢献を
佐野 喜彦
先輩からのメッセージ
ハーバード大学
留学先から
間宮 弘晃
私は、長期在外研究員制度という在職期間
器の経済的な側面を研究したい、といった内
が比較的短い職員を海外の大学院へ派遣する
容は、私が日本の学生の頃には思いもしなか
人事院の制度によって、ハーバード大学の公
ったことです。もう一つのメリットは、様々
衆衛生大学院に留学し、医療経済学、医療政
な国から多様な勤務経験を持った学生が集ま
策学、統計学、疫学を中心に学んでいます。
ることです。彼らと切磋琢磨することで、そ
どこで何を学ぶかは、本人の興味と厚生労働
れぞれの立場や考え方を学ぶことができ、日
業務への関連性で選択することが可能です。
本または行政官という仕事を客観的に見るこ
このパンフレットを手にしている皆さんか
とができるようになります。
ら見ると、就職した後に再び大学へ学びに行
行政官の仕事は、簡単に解決できるものは
くことは奇妙に思えるかもしれませんが、海
少なく、困難で調整に時間の要するものが多
外の公衆衛生大学院や公共政策大学院のよう
いですが、その分やりがいのある仕事です。
な専門職大学院では入学要件として勤務経験
厚生労働省は海外とあまり関係がないように
が課されていることも珍しくなく、私の同級
見えるかもしれませんが、医薬品、医療機器、
生の平均年齢も 30 代と比較的高めです。こ
食品はグローバルに流通し、それぞれの国に
のメリットとしては、在職期間中に感じた問
はそれぞれの規制当局があります。国際的な
題意識をもとに、学ぶ目的が明確になってい
視点で仕事ができる機会も多いので、広い視
ることだと思います。例えば、諸外国の制度
野を持って仕事をしたいという皆さんに興味
を学びたい、新たな制度設計に効果が出てい
を持っていただければと思います。
るのか客観的に分析したい、医薬品・医療機
21
21
AM9:00
出勤・メールチェック
自宅から 40 分ほど電車に揺られ、職場に到着。
まずはメールチェック。海外からのメールは夜
AM11:00
上司への案件説明と決裁
中に来るので手早く内容を確認します。
今日も一日がスタートです。
法令の改正や文書の発出には上司の決裁が必要です。頭の回転がも
のすごく早い上司たちなので、事前準備をしっかりしていないとな
かなか了解が得られず、一筋縄ではいきません。今回は省令の改正
についての説明でしたが、準備の甲斐あって無事サインをもらうこ
とが出来ました。
AM12:00
ランチ
係員の一日
~高村さんの場合~
今日は外で同期とランチ。午前中は上司と熱いディスカッションを
したのでランチでエネルギーチャージ。おいしいものを食べたので
午後からもいい仕事ができそう。
医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課
高村 建人
平成 27 年4月入省~現在 監視指導・麻薬対策課
医薬品、医療機器等の製造管理や品質管理に係る業務を行っていま
す。
国際調和が求められている今日では、日本のみに限らず海外とのや
りとりも行っています。
入省したばかりでわからないことだらけですが、周りの皆様に助け
られながら日々勉強しています。
22
高村さんの机周り
衛生行政六法は、業務上のバイブルです。最近大きな法改
業務上、付箋は必須アイテム。どんな些細
正があったので、法改正前後で 1 冊ずつ置いてあります。
なことでも欠かさずメモを。しばらく放っ
古いものはボロボロですがテープで補強して使っています
ておくと机が付箋だらけになってしまうの
(笑)
で定期的に整理します。
引き出しにはこっそりチョコレートを常備。疲
パソコンは一人一台支給されます。基本的にはデスクワー
れたときには甘いものでリフレッシュ!
クですが、PMDA での業務や打ち合わせなど、意外と外に
出る機会は多いです。中には自前のディスプレイを持って
きてマルチ画面にしている人も。
PM2:00
企業との面談
PM4:00 電話対応
残念ながら法令違反をしてしまった企業を呼んで、今後の方針等を話し合
います。監視指導というとネガティブなイメージがあるかもしれませんが、
規制をすることで道筋が明らかとなり、結果として振興に繋がるという一
医薬品、医療機器等の製造管理や品質管理に係る業務の窓口として
面もあるので、ここは心を鬼にして法令に則り粛々と指導します。
日々電話で対応しています。相手は業界や都道府県など多岐にわたっ
ています。自分だけでわからないことは適切な人と相談し適切に対応
します。
PM5:00 講演会準備
PM7:00 退庁
早く帰れる日は、自分の時間を有効に活用!今日はずっと観たかった
話題の映画を観に行きます。ちゃんとリフレッシュできたので明日か
らもがんばれる!メリハリは本当に大事です。
おまけ(語学研修)
1 年目でも大きな講演会で講演することも。今回は GMP を中心とした
最近の薬事監視についての講演です。たとえ 1 年目だとしても厚労省
職員としての責任があるので内容をしっかり理解して本番に臨みま
す。何度も練習しても噛まないか心配です。。。
研修も充実していて、こちらは英語の語学研修の風景です。この研修
は一週間に渡って朝から夕方までみっちり英語漬けでした。英語の資
料や海外とのメールなど業務で英語を使う機会は非常に多いので英語
はとても重要です。
23
23
AM9:00
アメリカとの電話会議
今日はちょうど昼夜が逆のアメリカが相手なので、朝からの電話会議です。ここにヨ
ーロッパも参加すると、普通は夜に電話会議を開くことになります。日本語でもそう
ですが、会議をしっかりフォローするにはチームを組んでの対応になります。
海外出張も一緒に行き、日本代表として考えを伝えるべく共闘
することになるので、チームの一体感は自然と高まります。
AM11:00
メールチェック
多くの国が日本の業務時間後に業務を開始する
AM12:00
ランチ
ことになります。なので、前日のうちに連絡を
しておき、午前中に相手の返信を確認するとい
うのが日常的な作業になります。会議前はやは
り議論が活発になるので、メールチェックに時
間がかかることもしばしばあります。
同じ室のメンバーとリラックスしながらのランチです。出張が多いと自分の室で何が起
こっているのか分からなくなるので、こういう機会に状況を教えてもらいます。ところで、
やっぱり和食は日本で食べるのが一番です。アメリカのハンバーガーも大好きですが。
専門官の一日
PM2:00 案件説明と決裁
~近藤さんの場合~
医薬・生活衛生局医療機器・再生医療等製
品担当参事官室 医療機器規制国際調整官
近藤 英幸
平成 15 年 11 月入省 医薬食品局審査管理課
平成 17 年 4 月 茨城県(出向)
平成 19 年 4 月 医政局研究開発振興課
平成 20 年 12 月 大臣官房国際課
平成 22 年 7 月 米国デューク大学(留学)
文書の公表発出には偉い課長の決裁が必要です。いつもは厳しいご指
平成 24 年 7 月 医薬食品局安全対策課
摘をたくさん頂くところですが、今回は、無事、赤鉛筆でサインをも
平成 25 年 7 月 現職
らうことができました。
医療機器規制に関する国際案件を担当していま
新人だった時、ある先輩は、上司への相談をいつもランチ直前にして
す。むらがありますが、平均すると半分ぐらいの
いました。そして、毎回アツイ議論となっていました。その姿をみて、
期間を移動か出張先で過ごしています。
上司への相談はランチ後がベストだと学びました。
24
もう 1 つおまけ(海外出張時の飲み会)
非公式ディナーです。日本でも飲みニケーションというのがあります
が、外国の人たちとこういった場でコミュニケーションをとっておく
と、その後の仕事がやりやすくなります。というのも、日本以上に「そ
の人を知っているか」、
「その人を信用できるか」ということの影響が
大きいからです。
おまけ(海外出張時)
医療機器の規制当局者の集まりです。このメンバーとは、電話会議を
含めて頻繁に会議をします。各国の事情はいろいろなので激しい議論
になることもありますが、「医療機器の適切な規制を通じてよりよい
医療の提供を目指す」という点ではみんな同じ方向を向いているので、
非常に仕事がしやすいです。
PM4:00
打ち合わせ
局内の関係者に集まってもらって打合せです。法令や通知
を確認しながら、漏れなく検討を行うには、一緒に議論す
ることも重要です。このような場では、先輩後輩関係なく、
自由に意見が飛び交います。
PM6:00 打合せ結果の作成と共有
案件を進めるのに打合せは役立ちますが、その結果(とその後に対応すべき事項)をまとめて、打合せ出席者を含めた関係
者と共有することも重要です。これにより、自分の頭の整理ができるとともに、関係者の認識を一致させ、誰が何をすべき
かが明確になります。ごく当たり前のことですが、発言者の内容をちゃんと理解するにはその背景情報を理解する必要もあ
り、未だにいいトレーニングとなっています。
PM7:00 飲み会
PM9:00 二次会
ちなみに、ゲームに勝ったの
はこの人です。先生とともに、
今後の練習が必要です。
仕事の後輩がダーツの先生になります。
早く帰ることができる時は、飲みに出ます。普段仕事のメー
彼にしっかり教えてもらっています。
ルでしかやりとりのないような人とも話ができ、また仕事以
外のおもしろい話も掘り出せるので楽しい時間です。
25
25
先輩 30 人に聞きました。
~若手職員へのアンケート結果~
Q1 就職先として厚生労働省を選んだ理由は?
一緒に働きたいと思ったため。
○ 個別の医薬品開発を行う民間企業に比べ、幅広い視点から医療
に関わることができると思ったため。
○ 1つの価値観にとらわれず、様々な職種間の利害を考えながら、
幅広い視野をもちつつ仕事ができると思ったため。
○ 社会に対してインパクトを与えるスケールの大きい仕事がした
○ 様々な業務を通じ、常に自己研鑽ができる職場だと思ったため。
○ 人事担当の方の魅力に惹かれて。
○ 薬を使う側、作る側両方に関われると感じたから。
○ いろいろな業種の人と関わりを持てるから(決して悪い意味で
はなく…)。
いと思ったため。
【コメント】表現は様々ですが、皆さん民間企業では経験でき
○ 希少疾病医薬品に問題意識を持っており、治験のスムーズ化な
ど、新薬が上市されるまでの期間を短縮したいと思ったため。
ないものにやりがいを感じて入省されているようです。
○ 官庁訪問で面接を受けた際、先輩方の仕事に対する熱意を感じ、
Q2 厚生労働省に入省して良かったと感じたことは?
○ 自分が関わった仕事がテレビ等で報道されたこと(生活に直に
影響のある大きな仕事に携わっていると実感します。)。
○ 最先端の技術や情報に触れる機会が多いこと。また、様々な分
○ 銀座まで1駅なので、ランチに便利なこと。
○ 銀座・新橋まで歩いていけるので、飲みかに便利なこと。
○ 若いうちから責任ある仕事を任せてもらえる(人手不足の裏返
し?)
野でトップレベルの専門家と一緒に仕事ができること。
○ 「 この事業の成果のおかげで患者さんの治療の幅を増やせる 」
とドクターから言われたこと。
○ 美人が多いこと。
【コメント】Q1とリンクしているコメントが多かったです。美人
が多いのは良いことですね。
○ 患者さんや一般の方からの問い合わせに丁寧に説明したとこ
ろ、国が真摯に聞いてくれたと感謝されたこと。
Q3 入省前と印象が異なった点や、「 意外だな 」 と感じた点は?
○ 怖い人が多いというイメージだったが、意外に(笑)優しい人
や親切な人が多いこと。
○ 入省2年目で他省庁に出向になったこと。
○ 厚労省に入省したのにモテないこと。
○ 明るい職場だなと思ったこと。
○ 入省時の局長がとても大きな人だったこと。
○ 一般の方からの電話やメールでの問い合わせが多いこと。
○ 都道府県や病院からの出向者が多いこと。
【コメント】異動については、2年目くらいから他省庁や地方に出
○ 官舎が古くて遠いこと。
向する機会もあります。それと、厚労省職員だからってもてな
○ 喫煙者が意外といること。
いですよ!(人間内面が大事です)
Q4 厚生労働省のここを改善してほしい!というところは?
○ 職場が暑いこと。20時に冷房が切れてしまうこと。
ればならない)。
○ 業務量が膨大で、勤務時間が長いこと。
○ 冷蔵庫近くに置いて下さい。
○ 日々の細かい仕事や雑務が多く、制度全体を見渡しづらいこと。
○ 強制労働省という通称。
○ マスコミや一般向けの説明がうまいとは言えないこと。
【コメント】職場の 「 暑さ 」 に対するコメントが多かったです。節
電のために皆さんがんばりましょう。なお、忙しさですが、旧
○ 地下の食堂のメニューや飲食店を充実させてほしい。できれば
厚生省、労働省時代から中央省庁で1位2位を独走しています。
値段ももう少し安くしてほしい。
国民の生活のためにみんな頑張っています。
○ 一太郎を使う機会が多いこと(Word と一太郎を両方使わなけ
Q 5 今だから笑える仕事上の失敗談等のエピソードは?
○ 依頼していた仕事の回答を催促したところ、実は依頼のメール
が送信されていなかった。
○ 朝登庁したらすでに面談予定の企業の方が来ていた。
○ 初めて外部の方にメールを送ったとき、丁寧な文章の中にコワ
イ誤字が… 例)
「×傷害学習→○生涯学習」、
「×強要試験→○
○ 早朝まで仕事をしていて、仮眠を取るつもりで帰宅したところ、
共用試験」
起きたら昼だった(携帯には無数の着信履歴がありました)。
○ 2大臣の公印が既に押されている文書に、厚生労働大臣の公印
○ 失敗したら笑っていられませんので気をつけましょう (^o^) /
を逆さまに押印してしまった。
【コメント】笑えない失敗は困りますが、少しくらいなら上司が優
しく(?)フォローしてくれます。
○ 海外出張の際、手違いで上司を差し置いてビジネスクラスに乗
ってしまった。その後、ビジネス君というあだ名を付けられた。
26
Q 6 平均的な退庁時間は?
19時頃
20時頃
3%
6%
23時以降
26%
21時頃
【コメント】若手職員は全体的に忙しいみた
16%
いです。ただし、業務量は部署やポストによ
Q6
りますので、早く帰れるところもあります。
また、国会の開会時期など、時期によっても
23時頃
22時頃
23%
26%
退庁時間は変動します。
Q 7 仕事において最も大切な能力(資質)は何だと思いますか?
○ コミュニケーション能力、説明力
○ 一人で抱え込まず、ある程度人に頼ること。
○ バランス感覚
【コメント】逆に言うと、職員の皆さんが伸ばしていきたい能力だ
○ 想像力
と思います。仕事をしていく上で、徐々に身についていくもの
○ value-based leadership(ビジョンを持って行動し、関係者の
ではないかと感じます。
信頼を得て物事を変えていくこと)
Q 8 通勤時間はどれくらいですか。 Q 9 住まいの分類は?
1時間半〜
2時間
4%
0分〜30分
官舎
7%
15%
実家
(親と同居)
1時間〜
1時間半
32%
Q8
30分〜
30%
Q9
た。勤務時間が長いので、通勤にそれほど時
間を要しない場所に住んでいるということで
しょうか。霞ヶ関まで乗り換えなしで通勤で
きる、東京メトロ丸の内線や千代田線沿線が
1時間
57%
【コメント】予想より通勤時間は短い結果でし
人気のようです。
⾃宅・賃貸
55%
Q10 休日は何をして過ごしていますか?
○ スポーツ(野球、バスケットボール、テニスなど)(観戦含む)
○ 家族と過ごす
【コメント】スポーツや家族と過ごすという人が多いようです。変
○ 食べ歩き、ショッピング
わったところでは、サバイバルゲームなんて回答も。ちなみに
○ 寝て過ごす
異業種交流会というのは、合コンのことですよね??
○ 異業種交流会
○ ニコニコ動画(プレミアム会員)
Q11 最近感動したことは?
○ 夫の料理の腕が上達してきたこと。
○ 自分が 100 キロマラソンに出場して完走したこと。
○ 富士山から、太陽の周りにかかった綺麗な虹をみることができ
○ 魁皇の最多勝&引退。
たこと。
○ 帰宅時の朝焼けが綺麗だったこと。
【コメント】朝の太陽はいつ見ても綺麗ですよ~。
○ 16年読み続けてきた漫画がついに完結したこと。
○ 富士山から見た御来光が綺麗だったこと。
○ 友達の結婚式での公開プロポーズ!
Q12 学生時代にやり残したことは?
○ 英語の勉強
○ 青春 18 切符で日本周遊。
○ 海外旅行
○ 海外留学
○ 薬剤師としてアルバイト
【コメント】長期の休暇が中々とれないため、海外旅行をあげる方
○ ドラマの様な恋
が多かったです。また、現場を知るという意味では、薬剤師と
○ 上場時のヤフー株を買いたかった。
してのアルバイトも貴重な経験ですね。人生に悔いなしと言え
○ 我が人生に一片の悔いなし
るようになりたいものです。
○ 自分探し。
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採用等に関するQ&A
Q1「霞が関 OPEN ゼミ」等の事前業務説明会には参加した方が
良いでしょうか?また、大学の OB への訪問は可能ですか?
「霞が関 OPEN ゼミ」を始めとする各種業務説明会では、薬系職員の業務内容の紹介や採用ま
でのスケジュール等、厚生労働省への就職を検討する上で有意義な情報が得られます。是非、ご参
加下さい。
また、OB への訪問に関しては、厚生労働省採用窓口では応対しておりません。各大学の就職担
当窓口等にご相談いただければと思います。
Q2 採用のためには、官庁訪問が必要ですか?
合格イコール採用ではありません。官庁訪問は志望府省に採用されるための重要なステップで
す。また、学生に業務内容等を知っていただくだけではなく、厚生労働省の採用担当者が、志望す
る学生の皆さんを把握するための重要な役割も果たしています。国家公務員採用試験案内等を参考
にして、必ず行って下さい。
Q3 薬学部以外の学部の卒業生でも採用されますか?
薬系職員は、人事院の国家公務員総合職採用試験の化学・生物・薬学区分の合格者を対象に、採
用面接を実施し、学生の熱意、人物像等を総合的に評価して採用の判断を行っております。薬事行
政を志望されている方であれば、卒業学部等は問いません。また、過去の採用実績として、薬学部
以外を卒業された方も、多数採用されております。
Q4 昨年度、官庁訪問をして採用されなかった者や既合格者につい
ても、本年度の採用に影響はありますか?
上記 Q 3の回答と同様に、総合職試験の合格者であれば、合格年度や過去の採用結果に関係な
く面接を実施し、採用面接実施時点における評価に基づき採用の判断をしています。
Q5 どのような学生が望まれるでしょうか?
世の中の役に立ちたい、という強い思いと、自分と違う意見にも耳を傾けられる柔軟性をもつ方
をお待ちしています。
海外とのコミュニケーションは欠かせませんので、もちろん入省してから勉強することも可能で
すが、語学ができることは一つのアピールポイントになります。
28
Q6 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の採用試
験の受験も考えていますが、両者を受験することは可能でしょうか?
PMDA は、厚生労働省とは独立した別の組織です。このため、両者を志望いただいても構いません。
Q7 業務を見学できる機会等はありますか?
厚生労働省においては、例年、大学等の学生を対象に職場体験実習(インターンシップ)を実施
しております。医薬・生活衛生局においても、複数の課室において募集を行っておりますので、ご
参加ください。また、接触禁止期間(第1次試験日から最終合格発表日の翌日の 8:30 まで)を除
き、お一人でも見学等を受け付けますので、お気軽にお問い合わせください。
(参考)厚生労働省職場体験実習(インターンシップ)について
URL: http://www.mhlw.go.jp/general/saiyo/internship.html
Q8 医薬品以外の業務に携わる事はありますか?
業務紹介ページ等でご紹介した様に、医薬品以外にも医療機器や化学物質、食品等の様々な業務
に携わる機会があります。
Q9 配属部署に関する希望を出すことは出来ますか?また、地方や
海外勤務はありますか?
定期的に、配属部署に関する希望等を伝えることができます。ただし、若いうちは、特定の分野
にこだわらずに様々な部署で経験を積むことが重要です。
また、転勤を伴う異動として、地方行政組織への出向や、外国の大使館、国際機関での勤務等が
ありますが、これらについても、希望の有無を伝える事が出来ます。
Q10 留学制度について教えて下さい。
人事院が実施する行政官長期在外研究員等による留学の機会が与えられています。留学先は、国内
外の大学や国際機関等となっています。
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採用の手続き等について
採用スケジュール予定(平成28年度)
※試験情報の詳細等については、「国家公務員試験採用情報 NAVI」(http://www.jinji.go.jp/saiyo/)をご覧ください。
4月
4月1日(金)~11日(月)
国家公務員採用総合職試験申込受付期間
5月22日(日)
5月
第1次試験
6月7日(火)
6月
第1次試験合格者発表
6月19日(日)
第2次試験(筆記)
6月30日(木)~7月15日(金)
7月
7月11日(月)~15日(金)
7月29日(金)
8月
第2次試験(人物)<大卒程度試験の場合>
第2次試験(政策課題討議・人物)<院卒者試験の場合>
最終合格者発表
8月3日(水)
官庁訪問開始
10 月1日以降
内定
9月
10 月
これまでの採用実績
採用年度
平成 23 年度
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
平成 27 年度
人数
5名
6名
5名
6名
7名
30
待遇
※部署により異なる場合があります。
■初任給
■休日休暇
院卒者試験/ 246,772 円
・休日:土曜日・日曜日・祝日・年末年始(週休二日制)
大卒程度試験(4年生大学・学部を卒業した場合)/
※部署により異なる場合があります。
218,216 円
休暇:年次有給休暇20日/年
※平成 27 年4月時点のもの。東京23区に所在する機
※4月1日採用の場合、採用の年は15日
関に勤務する場合の地域手当を含む。
残日数は20日を限度として翌年に繰越し
■諸手当
特別休暇:夏季休暇、結婚休暇、忌引休暇 等
扶養手当、通勤手当、住居手当、超過通勤手当、単身赴
■福利厚生
任手当 等
・公務員宿舎(独身宿舎、世帯宿舎)
■賞与(ボーナス)
・診療所、健康診断、検診事業
期末手当、勤勉手当として、1年間に俸給などの 4.1 か
・各種共済給付
月分(6月、12月)
(医療給付、結婚や出産に伴う手当金の給付、育英資金
■昇給 年1回
や住宅資金の貸付業務、年金事業、宿泊施設 等)
■勤務時間 9:00 ~ 17:45(初任者の場合)
各種支援制度について
に認められる短時間勤務(1日4時間・週5日勤務、1
■産前産後休暇
日8時間・週3日勤務等)
6週間以内に出産する予定の場合、及び出産の翌日から
■介護休暇
8週間を経過する日までの期間で取得可能
配偶者、父母、子等で負傷、疾病または老齢により2週
■育児休業・育児時間
間以上にわたり日常生活を営むことに支障がある者の介
子が3歳に達する日まで、子を養育するために認められ
護をする場合、それぞれの介護ごとに6ヶ月以内で取得
る休業。育児時間は、1日2時間以内まで勤務しないこ
可能
とができる。
■早出遅出出勤
男性職員の育児参加休暇
育児又は介護を行う職員が、勤務時間帯をずらせる(早
妻の出産後8週間までの期間に、子を養育するために5
出又は遅出)制度
日以内で取得可能。上に小学校就学前の子がいる場合
は、妻の産前6週間前から取得可能。
■育児短時間勤務
子が小学校就学の始期に達するまで、子を養育するため
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採用に関する連絡先
厚生労働省医薬・生活衛生局総務課
03-5253-1111(内線 2711)
〒 100-8916 東京都千代田区霞が関 1-2-2
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