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図書・電子媒体等

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図書・電子媒体等
第11章
図書・電子媒体等
【到達目標】
昭和薬科大学図書館は、大学における教育研究の支援機関としての役割を担い、学術資料
を収集、組織化し、利用者の教育・研究・学習等の要求に対し、的確かつ迅速に提供するこ
とを目的としている。また、通信技術の進歩、学術情報システムの進展、インターネットに
よる世界的な規模の情報ネットワークの拡充と普及を背景に、従来の紙媒体の学術資料の収
集、提供に加えて、電子ジャーナル、オンラインデータベース、視聴覚資料のネットワーク
配信提供など電子図書館的機能の強化・充実を図ることを到達目標とする。
【現状の説明】
(1)図書、図書館の整備
1)図書、学術雑誌、視聴覚資料、その他教育研究上必要な資料の体系的整備とその
量的整備の適切性
図書は、薬学・医学分野を中心とした新刊本を定期的に購入するとともに、「授業計画(シ
ラバス)」に記載されている教科書、参考書を購入している。また、教職員と学生からの購
入希望図書は、随時受け付けている。学術雑誌については、定期的に新規購読と購読中止の
見直しを行い本学の教育研究ニーズに柔軟に対応している他、電子ジャーナルの導入を積極
的に行っている。視聴覚資料については、学内サーバーを経由し、学内ネットワーク上に配
信しており、利用者は学内の端末から自由に利用できる環境にある。
現時点での図書所蔵数、学術雑誌購読数、電子ジャーナル提供タイトル数、視聴覚資料所
蔵数を表 1 に、過去 3 年間の図書受入状況を表 2 に示した。
表1 蔵書の内訳
定期刊行物の種類
図書所蔵
視聴覚資料の
電子ジャーナルの
冊数
和雑誌
洋雑誌
合計
所蔵数
種類
79,501 冊
271 種類
151 種類
422 種類
253 種類
5,248 種類
表 2 図書の受入状況
過去3年間の図書受け入れ冊数
2005 年度
2006 年度
2007 年度
2,391 冊
1,879 冊
2,048 冊
2)図書館の規模、開館時間、閲覧室の座席数、情報検索設備や視聴覚機器の配備
等、利用環境の整備状況とその適切性
昭和薬科大学図書館の面積は延べ 1,398 ㎡で、本館 3 階に併設され研究棟、実習棟、講義
棟とアクセスコリドールで繋がっている。利用者は、雨天の影響を受けることなく訪れるこ
とができる。
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昭和薬科大学図書館の出入り口には、図書無断持ち出し防止装置ブックディテクションシ
ステム(BDS)が設置されており、学生は荷物を持ったまま入館が可能となっている。
図書館情報管理システム「LIMEDIO」を導入し、貸出・返却業務、図書・雑誌受け入れ、蔵
書検索など図書館業務全般を PC で管理運営できるようになっている。蔵書検索用端末は、2
台置かれている。学術雑誌室には、個室 6 席、コピー機 2 台(カラー 1 台)、学会ポスター
発表用大判プリンターと付属のパソコンが設置されている。
学習室は、書架、閲覧スペースと隣接し閲覧室として共有されているが、休日には自習が
できる独立したスペースとしても利用者に開放している。学習室には、パソコン 4 台とコイ
ン式複写機、新聞、一般雑誌書架が設置されている。本館地下には、将来の資料増加に対応
する収納スペースとして、書庫が確保されている。
座席数は、閲覧室内に 135 席、隣接する学習室に 42 席あり、総計は 157 席が確保されて
いる。学生収容定員数に対する総座席数の割合は、14.8%である。
開館時間は、平日は午前 9 時から午後 8 時、土曜日は午前 9 時から午後 5 時である。大
学院学生、教職員は、ID カードにより 24 時間利用できる。学習室は、平日、土曜日、休日
とも午前 8 時から午後 8 時まで利用できる。休館日は、日曜日および、国民の祝日 、5~ 7
月と 9~ 12 月の第 2 土曜日、8 月の土曜日、夏期休暇の一定期間、年末年始の一定期間、
本学創立記念日等となっている。
学内ネットワーク上で図書館ホームページを公開している。図書館ホームページには、
「図
書館所蔵資料」
、
「データベース・各種検索」、「電子ジャーナル」、
「利用案内」、「映像配信シ
ステム」のカテゴリーごとに種々の情報ツールがまとめられ、図書館のポータルサイトとし
て機能している。新入生に対するオリエンテーションとして、学部学生には図書館の利用案
内を中心に、大学院学生に対しては、薬学分野のデータベースの解説と情報検索方法を実施
している。
『図書館利用ガイド』を用意し、利用者へ配布している。過去 3 年間の図書館の
利用状況を表 3 に示した。
表 3 過去 3 年間の図書館利用状況
開館日数
入館者数
図書貸出者数
図書貸出冊数
2005 年度
254 日 100,256 人
4,367 人
6,544 冊
2006 年度
262 日
98,171 人
3,304 人
5,439 冊
2007 年度
267 日
84,417 人
2,599 人
4,229 冊
(2)情報インフラ
1)学術情報の処理・提供システムの整備状況、国内外の他大学との協力状況
<図書館システム>
図書館情報管理システム「LIMEDIO」を導入し、①基本システム(目録管理)-図書・雑誌
の目録と所在管理。NACSIS-CAT への統合管理システムにより書誌情報のダウンロードと登録
が可能。②図書検索システム-図書、雑誌の所在・貸し出し状態の検索が可能。③閲覧管理
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システム-貸出・返却、予約等の閲覧管理業務。④ILL 機能-研究室の端末から外部機関へ
の文献申し込み依頼の受付が可能で NACSIS-ILL 対応など、図書館業務を総合的に行っている。
<学術情報の処理>
学術情報に関しては、国立情報学研究所の学術情報流通基盤整備事業である、目録所在情
報サービス(NACSIS-CAT:全国規模の総合目録データベース(図書/雑誌)
、NACSIS-ILL:相
互貸借サービス電子化システム)に参加し、上記の図書館情報管理システム「LIMEDIO」によ
り、目録作業と相互貸借業務を処理している。学術雑誌の受け入れも、自動チェックインに
より、効率化を図っている。
<国内外の他大学との協力状況>
国内外の他大学との協力状況は、日本薬学図書館協議会、私立大学図書館協会、日本図書
館協会に加盟し、研修、文献複写、電子ジャーナル・コンソーシアム契約や教育研修事業な
どの相互協力活動を行っている。海外では、Britsh Library、American Chemical Society
を中心に文献複写活動を行っている。過去 3 年間の相互協力における文献複写相互貸借の件
数を表 4 に示した。
表4 過去 3年間の相互貸借件数
依
頼
受
付
2005 年度
570
806
2006 年度
228
730
2007 年度
493
688
<学術情報へのアクセス>
学術情報へのアクセスは、当館の蔵書検索については、図書館情報管理システム「LIMEDIO」
を介して行われている。また二次情報検索データベースは、薬学分野を網羅した有機化学系、
ライフサイエンス系など 8 つのデータベースを導入し利用者に提供している。一次情報(原
文情報)提供サービスは、従来の冊子体から電子ジャーナルに移行している。電子ジャーナ
ルは、版元の提供するタイトルをパッケージ化したものと個別タイトルを契約したものを合
わせ、5,248 誌を提供している。その他として、新聞記事、代々木ゼミナールの科目別(理
科 3 科目、数学、英語)基礎学力補習コンテンツ等が挙げられる。整備状況の詳細は、以下
の通りである。
◆ 二次情報検索データベース整備状況
(1) WEB 版
1)Cochran Library
2)Cold Spring Harbor Protocols
3)CrossFire Beilstein
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4)EMBASE.com
5)Micromedex
6)Science of Synthesis
7)SciFinder Scholar
8)STN-International
9)医学中央雑誌 WEB
(2) CD-ROM 版
1)Journal Citation Reports
◆ 電子ジャーナル整備状況(合計 5,248 誌)
■パッケージ契約
1) American Chemical Society (34誌
Archives)
2) Annual Reviews 5 Title Package (5誌)
3) American Physical Society (9誌)
4) Blackwell STMコレクション(394誌)
5) EBSCO Medline with Full Text(736誌)
6) Elsevier Science Direct Transaction(1,812誌)
7) Lippincott Williams & Wilkins (100誌)
8) Nature Publishing Groupe(5誌)
9) Oxford University Press (74誌)
10) Springer (1,225誌)
11) Thieme (5誌)
12) Wiley (236誌)
13) メディカルオンライン (613誌)
■個別契約
1)Journal of Biological Chemistry
2)Journal of Neuro Science
3)New England Journal of Medicine
4)Science
◆その他
・朝日新聞 Digital News Archives
・医学映像ビデオコンテンツ
VISUALEARN
・研究社オンライン辞書検索 KOD
・日経 BP 記事検索サービス
・代々木ゼミナールリメディアル:基礎学力補強コンテンツ
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2) 学術資料の記録・保管のための配慮の適切性
図書、学術雑誌、視聴覚資料等の図書館所蔵データは、図書館情報管理システム「LIMEDIO」
に登録され管理されている。研究室で購入されている図書、学術雑誌等は、出版物(消耗品)
扱いのため、登録・管理は行われていない。大学の教育・研究成果である「昭和薬科大学紀
要」、「修士・博士論文」等は、図書館に保管されている。しかし、それらの電子化の取り組
みは、なされていない。
図書館の出入り口には、ブックディテクション(資料無断持ち出し防止装置)が設置され、
管理の効率化を図っている。
学術雑誌室内には、カラーコピー機 1台、白黒コピー機 1台、計 2台を設置し、著作権法
を遵守した範囲で複写が可能な環境を整備している。
現在、図書収納率は全スペースの約 80%であり、学術雑誌は電子ジャーナルの導入により購
読誌数は、減少気味にある。製本された学術雑誌は、1989 年までは図書館内の周密書架に収
容され、1990 年以降は通常の書架に収容されている。製本された学術雑誌の収納率は 95%以
上であるが、地下書庫に収容スペースが、充分に確保されている。
【点検・評価】
1.図書所蔵数は、学生収容定員数 1 人当たりに対し 75.1 冊となっており、また、年間
受入数も一定の冊数が維持され、図書資料の充実が図られている。
「授業計画(シラバス)」に記載されている教科書、参考書については、図書館情報管理
システム「LIMEDIO」の閲覧機能から利用統計を算出し、利用頻度の高い図書は 3~ 5 冊購
入するように配慮している。学術雑誌は、価格高騰が続き冊子体での購読維持が厳しくなっ
ており、中止せざるを得ない状況にあるが、代替策として電子ジャーナルの導入を積極的に
行っている。そのため、電子ジャーナルの提供タイトル数は大幅に増加し、学術雑誌は極め
て充実している。視聴覚資料は、学内ネットワーク上で利用できるため、時間的・空間的制
約の解消、複数利用者の同時利用といった利点がある。従って、図書館における蔵書構築は、
適正に効率よく整備されている。
図書館情報管理システム「LIMEDIO」の更新を平成 20(2008)年 3 月に行ったことにより、
従来の利用サービスに加え、利用者が自ら借りている図書の確認、図書の予約などが出来る
ようになり、利用者の利便性が高まった。
現在の書架の図書収納率は約 80%であり、収納スペースは地下書庫と合わせ、充分に確保
されている。書架と書架の間隔は 125cm あり、車椅子での利用も可能となっている。セミナ
ー、クラブなど少人数によるグループで学習ができるスペースが確保されていない。
また、視聴覚資料に対応した AV 機器類とスペースが確保されていなかったが、平成
15(2003)年度にコンテンツをサーバーにインストールしネットワーク上に配信し、学内のパ
ソコンから利用できるビデオ・オン・デマンド方式を導入したため、改善された。書架は木
製で統一され閲覧席からは緑豊かな景観が眺められ、図書館内は快適な学習環境が保たれて
いる。
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学生収容定員数に対する総座席数の割合は、14.8%で一定の基準を満たしている。しかし、
試験期には、満席状態になり座席数が足りず大きな課題となっている。対処として、自教室
を開放しているが、殆ど利用されていない。開館時間の延長は、平成 2(1990)年の移転時よ
り利用者が要望する最重要課題であったが、平成 9(1997)年に町田市シルバー人材派遣セン
ターの要員を雇い延長した。平日の閉館時間は、学生の校内下校最終時刻の午後 8 時に合わ
せてある。図書館利用時間に関しては、利用者のニーズに対応し大きく改善したため、評価
できる。専任職員の減少により、常時カウンターに居ることが出来ず、対応が不十分である。
2.図書館情報管理システム「LIMEDIO」は、平成 20(2008)年 3 月に更新を行い、図書館の
サービス提供の基幹システムとなっている。
電子ジャーナルは、1990 年代後半に登場し、平成 12(2000)年に入り普及し始めた。図書館
ではいち早く導入を図るべき、図書館運営委員会で検討を行った。その結果、平成 14(2002)
年 1 月からそれまで購読していた Elsevier Science 社の雑誌 31 誌(約 2,100 万円)の購読
を中止し、同社の Transaction を Paper View で導入することに切り替えた。Transaction の
購読費用は、年間約 500 万円から 600 万円程度で推移しており、大幅な予算節減と効率的な
運営結果となり、評価できる。また、2002 年に電子ジャーナル・コンソーシアムを形成した
日本薬学図書館協議会のコンソーシアム契約に参加したため、通常価格より比較的安価に契
約できたことや文部科学省「私立大学教育研究高度化推進特別補助・図書館機能の整備充実」
の補助金を得られたことにより、他薬科大学では類を見ないほどの質と量の電子ジャールと
データベースの導入を図ることができた。しかし、電子ジャーナルが主流となった現在にお
いても、論文数の増加、システム技術開発・サーバー維持のコスト増などといった理由をあ
げ、版元は毎年最低数%の値上げを続けている。厳しい財政状況が続く中、契約を維持する
ことが困難な状況にあり、電子ジャーナルの価格高騰は大きな課題となっている。
図書館情報管理システム「LIMEDIO」により、図書館所蔵資料の検索が容易にできることと
図書および学術雑誌等の保管スペースは充分に確保されていることは、評価できる。
【将来の改善・改革に向けた方策】
1.これまでと同様な収書方針に則し、教育研究、学習に必要な図書、学術雑誌を収集して
行くことを基本とする。
基礎薬学と医療薬学のカリキュラムに対応した図書の選書をよりきめ細かく行うために、
平成 20(2008)年度内に図書館運営委員会委員を中心に、購入リストを作成した選書方法を
改善する。選書方法の改善を行うことにより、利用者のニーズの把握を行いながら蔵書構築
を図る。
図書館施設の少人数用学習スペース不足は、平成 21(2009)年 3 月に完成する新棟で解消
される予定である。図書館情報管理システム「LIMEDIO」に搭載されている、利用者サービス
機能を活用して行くために、利用者へのオリエンテーションを継続して実施していく。
具体的には学術情報の電子図書館的機能の強化・充実に向けて以下のようにまとめられる。
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利用者が図書館に求めるサービスは、いつでも、自由に「場」と「資料」を利用できるこ
と、すなわち年間を通して 24 時間利用できる環境にあることである。
「場」としての図書館
の利用は、セキュリティの面から制約が伴う。 利用者の利便性に対応して環境は、整備され
ていると思われるが、学内のセキュリティとの兼ね合いを考慮し、担当部署と連携して 24
時間利用できる環境を整備して行く。
「資料」の利用は、電子ジャーナルを中心とした電子的
情報資料により大きく変化した。電子ジャーナルの大きな特徴である、時間的・空間的制約
の解消、複数利用者の同時利用といった利点により、利用サービスは大幅に向上した。当館
における電子ジャーナルの導入は、他薬科大学図書館と比較し整備されている。より多くの
利用者に活用してもらうための利用教育を実施して行く。
2. 学術情報の出版と流通は、完全に版元にコントロールされ版元主導で行われている以上、
電子ジャーナルの価格上昇を食い止めることは不可能で、単独の図書館で解決できる問題で
はない。図書館では、平成 21(2009)年の契約更新にあたり、導入している電子ジャーナル、
データベース等について、利用統計調査を平成 20(2008)年 7 月に実施した。この調査結果を
基に分析と評価を行い、図書館の予算規模などを考慮し当館に見合った契約を進め、蔵書コ
レクションの適正化を図る。また、今後も継続して、文部科学省「私立大学教育研究高度化
推進特別補助・図書館機能の整備充実」を活用して行く。
学術資料の記録に関しては、ここ数年多くの大学では教育・研究成果物を電子化し、集積・
保存し、WEB 上で公開する機関「リポジトリ」の取り組みがなされている。本学の「昭和薬
科大学紀要」全般については、大学紀要編集委員会が担っているが、「昭和薬科大学紀要」
の電子化については図書館および国立情報学研究所の学術機関リポジトリ構築連携支援事業
との連携が必要である。平成 21(2009)年度内を目標に、大学紀要編集委員会と協議の上で本
学の「昭和薬科大学紀要」の電子化を推進する。
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