...

第3号 2015年9月(PDF/665KB)

by user

on
Category: Documents
17

views

Report

Comments

Transcript

第3号 2015年9月(PDF/665KB)
シャン州北部地域における麻薬撲滅に向けた農村開発プロジェクト
Project for Eradication of Opium Poppy Cultivation and Rural Development in the Northern Part of Shan State
第 3 号 2015 年 9 月
編集人: 今村 甲
巻頭言
今年の日本は台風が多発したと聞きます。ミャンマーでも 7 月下旬に発生したサイクロン“Komen”の
影響で、山岳地帯では土砂崩れが、平地では洪水が発生し、人々の生活に大きな被害を及ぼしました。
一刻も早く、被災地が復旧することを祈っています。 当プロジェクトの対象地域でも、ムセ、ラショー、チャウメの村々において、大雨による洪水、土砂災害
が発生しました。大雨は気候変動の影響とも言われますが、シャン州の場合は、加えて、山間地の林地、
草地における急激な農地拡大も無視できないと感じます。洪水が発生したムセの町を流れる川の上流
部では、近年、トウモロコシ畑が山のてっぺんまで切り開かれていました。 このように山間地の乱開発が、平地の生活にも影響を与えているのではと、心配しているところです。
平地に比べ山間地の開発にはコストがかかりますが、山間地の環境へも配慮した発展への関与も忘れ
てはいけないと感じます。(吉)
1. 活動ハイライト/出来事
5 月 6-8 日
6月3日
6 月 3-5 日
6 月 11-12 日
6 月 16-19 日
6 月 24 日
6 月 26 日
7月2日
7 月 15 日
7 月 21-24 日
8月4日
8 月 11 日、24 日
8 月 18-21 日
9月
10 月
農業開発部門第 4 回 Taskforce 会議
生計向上部門第 4 回 Taskforce 会議
第 1 回生計向上部門研修(モニタリング・評価)
安全確認ミッション
第 1 回農業普及員研修
第 2 回合同調整委員会(JCC)会議
国際薬物乱用・不正取引防止デー参加
クインス苗木配布(コンカー村)
農場施設整備(チャウメ、ナンモン)事前入札説明会及び現地視察
第 2 回農業普及員研修
第 4 回プロジェクト実施委員会(PIC)会議
農場施設整備入札会
第 3 回農業普及員研修
第 4 回農業普及員研修
生計向上部門第 3 国研修(タイ)
農業生産振興支援(コーカン帰還民への肥料、種子支援)
農場施設整備開始
治安状況を踏まえた 2015 年度の活動方針
当プロジェクトは初年度、試行錯誤を繰り返しながら活動の感触をつかみ、本格的な活動を始めたとこ
ろでした。しかし 2015 年 2 月にコーカン地区にて発生した軍事衝突をきっかけに、シャン州北部の山間地
が広く不安定となり、活動に大きな制約が課せられています。その制約とは、「治安状況が落ち着くまで、
専門家は山間地の現場に入らない」というもの。
プロジェクトは、“専門家が各地の政府職員とともに、現場で試行錯誤をしながら農家の生計向上にむ
けた事例的活動を行っていくこと”をウリとしていましたが、このように現場に行けないのは“陸に上がっ
たカッパ”の気分です。
こうしたなか、国境省とも協議を重ね、2015 年度については、以下の 3 つを柱として活動する方針を立
てました。
1) 現在の活動対象サイト(7村落区)では政府カウンターパートを通じた遠隔管理で、可能な活動を
行う。
2) 政府カウンターパートへの能力向上活動を強化(ラショーへ呼び寄せて)
3) モデル開発・普及拠点を設置。そこでモデル活動を作り、対象サイトへ普及させる。
農業開発部門: チャウメ、ナンモン農場
生計向上部門: ラショー近くにモデル村を選択
現場を生き甲斐としているオッサン専門家たちにとって、ストレスフルな状況ですが、紛争の影におび
える現地の農家はもっと大変です。国境地域の少数民族の人たちに、一刻も早く平和が訪れることを願
い、そして現場で通常のプロジェクト活動が再開される日を待ち望む日々です。(吉)
1.
全体活動
(1) 第 2 回合同調整委員会(JCC)会議開催
6 月 24 日ネピド(Hotel Amara)にて第 2 回 JCC 会議が
開催されました。JCC にはカウンターパートである国境省、
農業灌漑省の他、シャン州政府大臣(治安・国境担当)、
内務省、商業省、畜水産農村開発省、国家計画経済開発
省からの参加者を得て、2014 年度の活動報告、PDM 変更、
2015 年度の活動計画等を説明し、了解を得ました。JICA
事務所からは三條明仁次長、瀬戸典子所員らが参加され、
次長からスピーチをいただきました。(今)
(2)国際薬物乱用・不正取引防止デー参加
6 月 26 日、全国的に開催されました国際薬物乱用・不正
取引防止デーの式典に参加し、活動パネル展示やパンフ
レット等を配布し、プロジェクト活動を紹介しました。(今)
(3) 第 4 回プロジェクト実施委員会 (PIC)会議開催
8 月 4 日に、現場及びラショーレベルの関係者を招集して、
第 4 回 PIC 会議を開催しました。6 月 24 日に開催されまし
た第 2 回 JCC の協議内容、第 3 回 PIC 会議以降の活動
状況及びこれからの活動予定を共有できました。JICA 事
務所から瀬戸典子所員にご参加いただきました。(今)
2. 農業開発部門
(1)主な活動のあらまし
農業開発部門では、3 月下旬に藤山修専門家が
ラショーに着任し水祭り後の 4 月下旬から専門家
2 名体制での活動を本格的に開始しました。まず
2015 年度活動計画を策定するため 5 月 6、7 日に各
農業局(DOA)タウンシップ事務所および農業研究
局(DAR)と DOA の各農場との個別協議を行い、
5 月 8 日に農業開発部門のタスクフォース会議を開
催しました。
第 4 回農業開発部門タスクフォース会議
タスクフォース会議の結果、以下の 3 つを中心とした今年度の活動が決まりました。
① 遠隔管理による村落区(Village Tract)での活動
② DOA タウンシップ事務所の普及員に対する研修
③ チャウメ農場およびナンモン農場などでの活動
治安状況から専門家、スタッフが対象村落区を訪問することはできません。そこで、去年実施したニー
ズ調査にもとづいて計画したパイロット活動のうち、遠隔管理で実施できるものを選びました(①)。これ
は DOA タウンシップ事務所の普及員が行う現場活動を、ラショーからチーフカウンターパートと専門家が
支援するものです。
また 2014 年度に実施できなかった普及員研修を本格的に実施することとしました(②)。これは毎月普
及員にラショーに集まってもらい、年間合計 34 日間の研修を実施するものです。さらにチャウメ農場およ
びナンモン農場においては野菜の試験栽培を開始しました(③)。(片)
(2)対象村落区レベルでの活動
以下の活動が関係者の協力により実施されました。
1) 種子の配布
戦闘終結後のラオカイ県(コーカン自治地帯)で水稲およびトウモロコシ種子の配布を行いました。
これは避難中に家財、種子や肥料等の農業資機材、さらに収穫期だったサトウキビによる収入を失っ
た農家を少しでも支援しようとしたものです。プロジェクト対象村落区およびその周辺の村々の合計 13
村に合計 1,000 ㎏の水稲種子を配布しました。受け取った世帯数は 62 農家と小規模でしたがプロジェ
クトの存在を示す格好の機会となりました。またトウモロコシ種子も 19 村の 190 農家に合計 950 ㎏が
配布されました。(片)
DOA カウンターパートからの水稲種子の引き渡し
トウモロコシ種子の引き渡し
2) 茶苗木の生産と配布
去年の末からファヤジー村落区で生産してきた茶の苗木が農家に配布されました。半年以上の長
い間、苗圃の管理をしてきた農家の皆さん、お疲れ様でした!
写真は左上から時計回りに、研修会、A フレームでの等高線設定、定植した茶園、苗木引き渡し式
配布に先立ち 6 月 30 日、7 月 1 日に DOA ナムサン・タウンシップ事務所によって研修会が行われ、
7 月 12 日ファヤジー村、13 日セバンコク村で引き渡し式が行われました。その後 7 月末までにそれぞ
れ 15 軒の農家が苗木を引き取り、各自の茶園に補植しました。配布した苗数は合計 47,904 本で、
プロジェクトでは土壌流亡を少なくし栽植密度と作業効率を上げるため等高線状に苗木を植えること
を指導しています。今回の生産と配布により技術的問題点と資金についての問題点が明らかになり、
その解決を目指して次期の生産の企画が始まりました。(片)
3) クルミ苗木のモニタリング
前号で紹介したラオカイ県で今年 1 月に配布したクルミの苗木約 6,000 と展示圃について、担当の
DOA コンジャン・タウンシップ事務所のカウンターパートから報告がありました。戦闘の混乱にも負け
ず一般農家圃場で 80%程度、展示圃では 90%の苗木がすくすくと育っているとのことです。きっと大
きなクルミの木になることでしょう。(片)
コンジャン・タウンシップ・カウンターパートによるモニタリングの様子
4) クインスの苗木配布
DOA ク ッ カ イ ・ タ ウ ン シ ッ プ 事 務 所 を 通 じ て 、
コンカー村落区の農家にクインス(ボケに似た木で
カリンのような果実)の苗木 3,500 本を配布しました。
7 月 2 日、DOA クッカイ代替作物農場で研修会を行
い、苗木はその後 12 軒の農家に引き渡されました。
これらの農家を中核にして今後の果樹園管理や
販売の改善、加工事業への展開を図る予定です。
(片)
配布時の研修会の様子
5) 水稲品種の適応性トライアル
治安の問題と道路事情により DOA タウンシップ事務所の
カウンターパートが行きにくいパンセイ村落区で水稲の栽培
改善を図るため、新品種のトライアルが始まりました。5 品種
が DAR チャウメ農場から提供され、パンセイ村落区の手前に
ある村の水田を利用してトライアル圃場を設置しました。(片)
6) 普及員研修を始めました
日本人専門家がプロジェクト対象村落区に行けない状況を補完する意味も含めて、DOA タウンシッ
プ事務所の普及員(カウンターパート)に対する定期的な普及員研修を始めました。毎月 1 回ラショー
に普及員が集まり、1 回 4 日間のペースで 6 月から来年 3 月まで研修を行います。研修の内容は普及
方法、マーケッティング、各作物の栽培など多岐に渡る 10 の専門項目です。研修参加者の今年度の
到達目標は、「監督者の助言を得て普及計画を作成する」。すでに普通作物、野菜、果樹などの基本
栽培知識を学習し、今後は本論である普及活動に関する研修に徐々にシフトしていく予定です。
研修を始めて 3 か月、すでに 3 回、合計 12 日間の研修が行われました。研修では単に一方的に技
術を教えるのではなく、専門家と双方向のやり取りが重要です。その結果、普及員さんの業務の困難
さも明らかになりつつあります。山間部の少数民族の村に行くにはバイクで未舗装の泥道を登り、行っ
た先では言葉の壁があります。広い範囲のことを指導するため幅広い知識・技術を要しますが、DOA
の普及員に対する技術バックアップは十分とは言えませんでした。
この研修は、専門家にとっても現地の情報を受け取るよい機会となっています。研修を通じ、普及
員も互いの活動報告に刺激を受けて、「自分も現地で○○の普及活動を行いたい」という具体的な提
案も増えてきました。研修の実施に当たっては DOA や DAR のスタッフを講師として上手に利用し、ま
た関連機関の協力も得て行きます。普及員の皆さんに、仕事に役立つ武器をがっちりと身に着けても
らえるよう専門家も頑張ります!(藤)
研修員が果樹の産地マップを作っている
マカデミアを混植した茶園の見学
7) DAR 農場の活動
ミャンマーの経済成長とともにこれから消費拡大が期待されているもののひとつに野菜があります。
特に、北シャン地方には高地の冷涼な気候を生かした野菜つくりの可能性が満ちています。しかし、
ラショーに近いチャウメ農場、ナンモン農場では大豆やトウモロコシ、陸稲などの作物が主流で、野菜
についてはほとんど取り組みがありませんでした。
そこで、次の2つの目的のため、野菜栽培のトライアルをチャウメ農場とナンモン農場で始めました。
1つは、数多くある野菜のなかから、代替作物として可能性のあるものを選抜する基礎データを集める
ため。2つめは農家が比較的簡単に取り組むことができて、普及活動にも組み込むことができる農業
技術を実証することです。
まずは、両農場で小規模な試験プロットからスタートして、徐々にプロジェクト対象の村落区での
実証試験へとつなげて行きたいと考えています。品目は普及員の希望を基に、葉物野菜、根菜、コン
ニャクなど、農業技術はボカシ肥やマルチの比較栽培に取り組んでいます。また、マーケティングの視
点も導入していく予定です。
普及員研修でもこのトライアル圃場を実践研修の場に使用しています。また、簡単な農業機械や資
材の展示圃などの情報交流の場としての役割も果たしていきたいと考えています。(藤)
チャウメ農場の透明マルチの試験区(左)および無被覆区(右)
3. 生計向上部門
既述のとおり、当部門では、5 月から新しいサイトでの活動を開始しました。開始に先立ち、まず対象
村落を選定する必要があり、治安の観点から現在我々がアクセスできる地域(ラショー~ティーポー間)
かつ幹線道路沿いという条件から 6 つの村落区を選定し、概況調査を実施しました。調査結果を基に検
討した結果、4 つの村落区及びその中の 8 つの村落に対象を絞り込み、ニーズ調査を実施しました。更
に、ニーズ調査の結果により、最終的に 6 村落を対象とすることにしました。
その後の活動は、基本的にこれまでのパイロットサイトでの活動とほぼ同様のプロセス、つまり活動項
目確定、活動計画策定、実施支援(研修、資機材の供与等)、モニタリング・レビューといった流れで活動
を推進していきます。しかし、迅速な活動実施を求める意見が関係者から出されていること、またモデル
活動という性格上、村人全体の意識の変革やエンパワーメントといった事項に注意を払う必要性は低い
ことなどの理由から、できる活動から順に開始していくことにしています。例えば、飼料作物栽培につい
ては、ある程度のニーズが確認された後、苗を調達し、5 つの村落でデモンストレーション・プロットの造
成を通じて研修を実施しました。
その他の活動としては、家畜飼育(豚、水牛、ヤギ、鶏)、小規模養殖(淡水魚)、果実加工、縫製、小
規模インフラ整備(給水施設、道路)、その他サービス(種子銀行、薬物対策)が挙げられており、パイロ
ットサイトでの活動項目と類似した内容となっています。これまでは各地域の畜産・獣医局のスタッフの
協力を得て、養豚、養蜂などの活動を支援してきましたが、これからは水産局や農村開発局(インフラ関
連)、また NGO との連携も鍵になってくると思われ、これが当部門の大きな特色の一つとなりそうです。
上記の活動項目だけではなく、可能な限り多様な活動(キノコ栽培、食肉加工、竹工芸、バイオガス等)
を徐々に村人に紹介し、モデル活動として試行していければ、将来パイロットサイトでの活動が再開され
た際、大きく貢献できると考えています。
これまでのパイロットサイトでの活動と異なり、対象村落へのアクセスが格段に良くなったので(最も遠
いサイトで 45 分程度、ただし徒歩でしかアクセスできないサイトも有り)、迅速かつ細やかな対応が可能
となり、活動の進捗が高まることが期待されます。(福)
ニーズ調査の様子
(シットイン村落区ピンロン村)
飼料作物栽培研修
(ナンモン村落区ナンタンマ村)
2. 訪問者
日程
6 月 11-12 日
7 月 4-6 日
7 月 14-16 日
8 月 3-4 日
訪問者
三條明仁次長
瀬戸典子所員
U Aye Lwin
今井浩明職員
U Wai Phyo Thein
Myanmar KOEI International
瀬戸典子所員
Daw Ying Ying Kyaw Naing
訪問内容
安全確認ミッション(ラショーレベル)
現場視察
農場施設整備事前入札説明会及び現地視察
第 4 回プロジェクト実施委員会 (PIC)会議
3. プロジェクトスタッフ・カウンターパートの紹介
■ カウンターパート
チーフカウンターパートの交替
国境省チーフカウンターパートの U Phone Myint がワ地区事務所へ異動になり、替わりに U Sai Chit
Lwan Wai Oo が新チーフカウンターパートとなりました。
定年退職された方々(後任の方の紹介は順次行います):皆さん、長いことお疲れ様でした!(片)
1) DOA シャン州事務所 副所長 Mr. Myint Aung
2) DAR ナウンモン農場長 Mr. Win Aung
3) DOA ライサムシップ農場長 Mr. Ngwe Thein
4) DOA ナムサン・タウンシップ事務所長 Mr. Zaw Naing
■ ナショナルスタッフ
当プロジェクトの前身の前身であるソバ栽培プロジェクトから、
活躍している最古参の運転手(U Kyaw Swe)で、運転手部門のご
意見番です。プロジェクト対象地域を熟知し、難所を用心深く、か
つ大胆に運転できる技術を身に付けた、プロジェクトのとっては無
くてはならない運転手さんです。これからも、これまでのような活躍
を期待しています。(今)
2015 年 4 月 22 日から、アドミニ・スタッフとしてプロ
ジェクトに参加してくれている Ms. Khine ThawdarTun
(通称:タウダーさん)です。マンダレーの大学の英語科
を卒業している、元気いっぱいのお嬢さんです。まだまだ
これからですが、キャリアアップ志向が強く、期待している
ところです。(今)
4. 働くおじさん・おばさん
六人のサムライ
古い映画ですが名作の黒澤明監督「七人の侍」(1954 年公開)ならぬ、六人のサムライたち。治安の
問題上、プロジェクト活動が制限されパイロット活動の多くが中断に追い込まれる中、現場に最も近いと
ころで農家に直接接触しているのがこの「六人のサムライ」です。農業局のタウンシップ事務所の普及員
さんたちです。前号で紹介した「働くおじさん」サイ・アウン・ウィンさん(写真、向かって左から 2 番目)もそ
の一人です。
ニ・ティン・ウィンさん(一番左)はナムカ
ン事務所でパンセイ・ビレッジ・トラクトを
担当しています。パンセイは山岳地帯で
すが、麓のナムカンは水田地帯で、ニ・テ
ィン・ウィンさんの強みは水稲に詳しいこ
とです。
サイ・アウン・ウィンさんの隣、左から 3
番目はラ・タウンさん。クッカイ事務所の
No.2 で地元出身でカチン語ができるのが
強み。果樹についての経験と知識が豊富
です。
その右のマウ・アウンさんはラオカイ事
務所に勤務。ワ族の出身でコーカン語が
武器。農家の前で作業をやって見せると
きのクワの使い方は農家顔負けです。
向かって右から 2 番目のタン・ナインさんはパンサイ(ムセ)タウンシップ事務所でモンポービレッジ・ト
ラクトを担当。「おじさん」達より若く、積極的に知識を得ようとする姿勢は立派です。
最後に一番右は六人のサムライのまとめ役的なアウン・ピュー・ウィンさん。コンジャン事務所に長く勤
務し、コーカンで何をすべきか知り尽くした人です。
このように個性的な六人が持ち味を活かしてプロジェクトの第一線を支えています。(片)
5. プロジェクト対象地域の少数民族紹介
コーカン族 (Kokang)
コーカン族の蛇皮線踊り
コーカン族のおばあちゃん
コーカン族の子供たち
中国国境のコーカン地区を故郷とするコーカン(果敢)族のルーツは、約 350 年前の明朝末期に中央か
ら流れてきた漢族と言われています。現在もなおコーカン族の共通語は中国語(云南方言の強い訛)で、
中国の生活文化の影響を強く残しています。顔立ちはなんとなく日本人にも似ており、我々にとっては何
となくホッとする感じがします。
しかし今、この地域の人たちは、再び戦乱に巻き込まれています。1997 年以降、コーカン族の
ケシ撲滅と発展に深く関与してきた日本としても、彼らの復興へ何とか助力できればと思ってい
ます。(吉)
6. ラショーにて
オーシャン・フォー(4)揃いました。これまでは、長期傭上車 2 台と臨時傭上車を組み合わせながら
各活動に対応していましたが、1 ヶ月ごとの運用計画をスムーズに立てることができるようになりました。
プロジェクト事務所内のライチ、マンゴーが生りました。予約を入れているオジサンたちもいました。
ラショー移動寿司屋さんが宅配も始めました。
吉田家の三男坊ハニー君です。
【編集後記】
(吉)最近、故あって犬と同居し始めました。個人的には猫派なので、不本意なのですが。
(片)まだ雨季ですが、暑くてビールの美味しい季節は終わりが近いらしく、雨の止み間の高い空には秋
のイワシ雲が。
(福)赴任して 1 年以上が過ぎた今日この頃、ローカル食にはまっています。たこ焼きに形が似たスナック
や内臓の煮込みなどですが、機会があれば紹介したいと思います。
(藤)「雨のラショー」「ラショーは今日も雨だった」ほんとによく降ります。そして、ラショーには雨がよく似
合う。というよりは、そろそろスカッと晴れてほしい。
(今) ラショーはだんだんと涼しくなってきました。冬籠りも近いかな?
附録です。ラショーとマンダレー間の幹線道路にはジグザグ峠がありますが、下手をすると 1 時間以上
も動けなくなりますので、皆様、時間に余裕をもってお越しください。(今)
Fly UP