...

ティーウェイ航空 日本支店(福岡支店・田泰圭支店長)

by user

on
Category: Documents
29

views

Report

Comments

Transcript

ティーウェイ航空 日本支店(福岡支店・田泰圭支店長)
サクセスストーリー/在日外資系企業エグゼクティブの声
ティーウェイ航空 日本支店(福岡支店・田泰圭支店長)
韓国の格安航空会社のティーウェイ航空が日本便を就航して約 4 年が経過した。同社の特徴は、主要
路線に加えて佐賀便、大分便など独自に路線を展開している点だ。現在も、成田便の就航に向けて準
備を進めている。福岡支店の田泰圭支店長に日本ビジネスについて話を聞いた。
日韓の利用客が逆転
ティーウェイ航空(韓国)が日本の福岡空港に就航し
たのは 2011 年 12 月。前身の韓星航空を引き継ぐかた
ちで 2010 年 8 月に設立された同社は、済州、バンコク
に次いで 3 カ所目の乗り入れ先として福岡を選択した。
韓国観光公社によると、2011 年の日本人入国者は
329 万人、翌 12 年には 352 万人で過去最高を記録し
た。当時は日本から韓国への旅行客が増加しており、
同社は日本人観光客の増加を当て込んだ。その後、
同社は 2013 年に札幌(北海道)、佐賀、2014 年に大
分、那覇(沖縄)、2015 年には関西(大阪)にも路線を
開設した(表 1)。
「今では韓国人客の比率が 9 割を超える」と田支店長
は話す。
福岡支店・田泰圭支店長
特に韓国からの入国者数の伸びが目立つのが福岡
空港だ(表 2)。全体を大きく上回るペースで伸びており、
2015 年も 10 月までに 55 万人を超える、韓国からの訪
日客の 16%超が利用している。需要の拡大を受けて、
韓国からのフライトの増便が続いており、ティーウェイ航
空も「現在、増便を予定している」と田支店長は話す。
しかし、同社の思惑とは異なり、円安などによって日
本からの訪問者が減少し、2014 年は 2012 年比約 65%
の 228 万人にとどまった。そうした中、業績に寄与したの
が、韓国からの訪日客、インバウンド需要の増加だった。
日本を訪れた韓国人は、東日本大震災の影響で一度
は減少したものの、順調に増加を続けた。田支店長は
「2013 年に日韓の乗客数が逆転した」と説明する。
韓国人訪日客の需要拡大に対応
韓国から日本への入国者数は増加を続け、2014 年
には 300 万人を超えた。2015 年は 10 月までにすでに
340 万人以上が訪日しており、年間では 400 万人超と
なる見通しだ。同社便の利用者数も順調に増えており、
福岡空港以外の就航先についても、韓国からの訪
日客は増加が続いている。ティーウェイ航空就航後、い
ずれの空港でも入国者数は増えており、同社の定期便
は増加する韓国人旅行客の訪日を支えている。同社
は 2016 年に成田便の就航を予定しているほか、入国
者数の伸びが堅調な関西便についても増便を検討中
だ。
佐賀や大分に独自路線
同社は、福岡、関西、那覇などの人気路線に加えて、
佐賀、大分など独自路線を持つ。これらの空港では、
韓国人の入国者数はより顕著な増加を示しており、同
社の就航が潜在的な需要を掘り起こしたとみることもで
きる。
こうした地方空港への就航はリスクを伴うが、市場を
独占しやすいメリットがある上、団体旅行などを企画す
る旅行会社との連携の可能性も広がる。リスクを軽減
するためには、過去の就航記録などを参考にすることも
Copyright (C) 2016 Japan External Trade Organization (JETRO). All rights reserved.
あるという。
本の主要旅行代理店との提携に力を入れる。日本
もっとも、地方空港への就航にあたっては「受け入れ側
自治体による経済的支援が前提になる」と田支店長は
指摘する。以前は、旅行会社などと連携した利用者へ
人客の購入方法をみると、オンライン購入する一部の
個人を除けば旅行会社経由がほとんどなのが、その
理由だという。
の直接補助ができたが、現行はそれが難しくなり、代わ
って航空会社のコスト削減に資する経済的支援が増え
ているそうだ。
日本でビジネスを行う上で、法制度面での問題は
特にないそうだ。路線開設を計画してから就航までの
リードタイムも半年程度で、「他国と比べて大きな問題
にはなっていない」と田支店長は話した。
日本での航空券購入は旅行会社経由が中心
韓国人の利用客では、訪日リピーターが増え、個
人によるオンライン購入が増えている。一方、日本人
向けとしては、航空券のオンライン販売に加えて、日
※ティーウェイ航空は 2010 年の創業後、これまでに韓国国内のほか、タイ、日本、中国、台湾、ラオスに定期便を展開し。2015 年には第 3 国間を結ぶ
初の路線として、関西-グアム便を開設した。従業員は 717 人(2015 年 6 月時点)。2014 年の売上高は 2,300 億ウォン(約 230 億円、1 ウォン=約 0.1
円)
(2015 年 12 月取材)
同社沿革
2011 年
福岡便開設に伴い、福岡市に支店を設立
2013 年
札幌便開設に伴い、札幌市に支店を設立
佐賀便開設に伴い、佐賀市に支店を設立
2014 年
大分便、沖縄便開設に伴い、大分市、沖縄市に支店を設立
2015 年
大阪便就航に伴い、大阪市に支店を設立
大阪府に日本地域本部を設置
ティーウェイ航空 日本支店
設立:
2011 年 12 月 日本営業所(福岡支店)設置
事業概要: 航空運送事業
親会社:
株式会社ティーウェイ航空(T’way Air Co.,ltd)
住所:
福岡県福岡市博多区大字青木 739 番地 福岡空港国際ターミナル 2 階
URL:
https://www.twayair.com/main.do?_langCode=JA
Copyright (C) 2016 Japan External Trade Organization (JETRO). All rights reserved.
Fly UP