Comments
Description
Transcript
Untitled - 日本バイリーン
社長メッセージ Top Message 既存事業のグローバル展開の拡大、 新規事業の市場投入の推進。 収益を着実に積み上げ、 利益体質の強い企業を目指します。 1. 2012年度の決算概要について お話をお聞かせください。 当期の連結売上高は 481 億 2 千 3 百万円(前 そのような中で、良かった分野は電気・工業 韓国、日本の 4 極体制を活用して、注目を浴びて 分 野 の 車 載 用 バッテリーセ パレ ータで 、収 益 いるプリント天 井 表 皮 材 のグローバ ル 展 開を 面で大きな柱となりました。また、メディカル 加速したいと考えています。さらに 、パップ 剤 分野は海外向けのパップ剤が活況になってき ビジネスにお いては 、F 社と連 携し、アメリカ、 ており、売上を大幅に伸ばし、利益面で貢献し ヨーロッパ 、中 国 の 市 場を開 拓していきます。 ました。 アジアにおける F 社との合弁会社は持分法 逆に厳しかったのは、空調分野の自動車用 適用会社のため、売上高を連結していません キャビンエアフィルタ、および電気・工業分野 が、実際の合弁会社の売上高合計は 260 億円 の各種工業用材料関連でした。 を上回り、2012 年の当社連結売上高に加算す 期比9.4%増)、 経常利益は19億5千9百万円 (同 ると、合計額は 700 億円を超えます。また、合 2. 海外事業展開の進捗について お聞かせください。 弁 会 社 の 売 上 高 はリーマンショック前 のレ ベ 調 に推 移しました が 、後 半 はエコカー補 助 金 当社は、海外事業展開を進めていく上で、不 自動車用天井表皮材の販売増により、アジア の終了に伴い、かなり減速しました。また、北 織 布 事 業とフロアマット事 業 の 2 つ の 大 きな で の 当 社グル ープ のプレ ゼンスは 高まってき 米の自動車 用フロアマットの事業 は堅調 に推 柱 を 持っています。 不 織 布 事 業 に お いては 、 ているといえます。 移しました が 、新 た に 始 め た自動 車 用ファイ 基本的にはフロイデンベルグ社(以下 F 社)と また、フロアマット事業については、メキシ バー事業を行っている VICAM 社の初期トラブ のジョイントベンチャーで 業 務を進 めており、 コの新会社の立ち上げに続き、タイの新会社 ル や、その 影 響を受 けた V I T E C H 社 の 利 益 減 事 業 ご と に お 互 い が 上 手 く力 を 合 わ せ て 、 への投資も決めました。今までのアメリカ、中 が大きく響きました。この 2 社が北米事業の利 主 にアジアを中 心 に 展 開していきた いと思っ 国、日本の 3 極体制は、一気に 4 極、5 極と地域 益面で大きく足を引っ張り、結果的には、北米 ています。最近は空調分野が伸びており、成都 的な広がりを見せています。5 極体制というのは 自動車事業の売上は増収したものの大幅な減 のフィルタ製 造 販 売 会 社 が 中 国 第 3 の 拠 点と フロアマットでは当社しかない展開ですから、 益となりました。 して 昨 年 1 2 月 か ら 稼 働 を 開 始して い ま す。 サプライヤ ー として の 価 値 は 今 後 も さら に また自動車用天井表皮材は、アメリカ、中国、 高 まって いくと思います。また 5 極ではカバー 3.1%減)、当期純利益は 9 億 7 千 1 百万円(同 2 9 . 3 % 減 )となりました 。 国 内 の 前 半 は エコ カー補助金の効果で自動車関連の事業が好 ルまで回復しており、アジア市場で高いシェア の衣料用芯地に加え、空調分野の事業拡大や ※本資料内の情報のうち、過去の事実以外のものには、当社グループの方針、期待および戦略などによる将来の予測や見通しであり、不確実性や変動可能性などを含んでおります。 本資料において当社グループの将来の業績を保証するものではありません。 1 日本バイリーン第67期株主通信 日本バイリーン第67期株主通信 2 社長メッセージ Top Message 善につなげていく考えです。 国内連結売上高・海外連結売上高および持分法適用会社連結売上高の推移 (億円) 800 700 600 国内連結売上高 771 271 500 400 海外連結売上高 138 症、鳥インフルエンザ対策としてマスクの需要 持分法適用会社売上高 として、さらに長年開発してきたデンキトール ® 263 4. 空調分野で㈱忍足研究所を 完全子会社化されますが、 その背景・戦略は? 従来、当社のフィルタ事業は「ビル空調分野」 また、最近注力しているのが、無機素材から を得意としていましたが、今後拡大していくた なる繊維状ナノ粉体です。それを複合材料の めには、 「産業空調分野」を広げていく必要が 応 用としてその 繊 維 形 状を生 かし、少 量 添 加 ありました。そして、その分野に得意な同社と することにより、素材の基本性能を維持させつ 話し合った 結 果 、買 収を行うことにしました 。 つ 新 た な 機 能を持 た せることが 可 能となるこ 今後、製品の相互補完を効率的に行うことがで とが分かってきました。近い将来 BtoB の素材 きることや、当社の素材開発技術と同社の高度 開 発 のビジネスにつ な げていきた いと考えて な加工技術を融合することにより、新製品開発 います。さらにもう1 つ注力しているのが、燃 料電池車の燃料電池に使われる GDL(ガス拡 737 707 690 212 244 245 101 124 114 131 338 331 343 11/3 12/3 13/3 667 300 200 362 354 100 0 09/3 10/3 に決めたいと考えています。近年、PM2.5、花粉 (注)上記連結売上高は、持分法適用会社を連結会社とみなし、内部消去後の売上高を合算した参考数値です。国内連結売上高と海外連 結売上高の合計金額は、開示された売上高には持分法適用会社への売上が入っていることなどの理由により、合致しません。 できない地域でも、シェアを取れるように今後 また は お 客さまとの 間でどういった 話し合 い を目指せる可能性があることから、1+1 が 2 で もマーケティングを続けていきます。 ができるかが経営的な課題です。 はなく3 になるのではないかと思っています。 3. 衣料用芯地の生産拠点を台湾に 移管されますが、その影響は? 5. 新規事業についてはいかがでしょうか? は非常に高まっていることから、マスク製品を軸 なども事 業としてまとめ あ げ た いと考えてい ます。 為替の影響ですが、近年輸出が増加してい るメディカル 分 野 の パップ 剤 や 電 気・工 業 分 野のバッテリーセパレータは、円安による為替 メリットがあります。また、フロアマットは現地 3 新 規 事 業 の 1 つとして、細 胞 培 養 担 体プロ での生産販売ですので連結する際、円換算す 台 湾 へ の 生 産 移 管 は 、アジ ア ある い はグ ジェクトがあります。現在 3 年目に入っており、 るため、円安のメリットがでてきます。しかし、 ローバルなマーケットを対象に、合理化するこ 今年度は、試験販売も含めてマーケットインで 当 社 は 石 油由来 の 原 材 料を多く使 用している とが目的です。生産量も増え、滋賀工場でつく きる見通しです。また、昨年 6 月にスタートした ため、原材料価格のアップは避けられません。 るよりコストメリットも期待できます。今後国 BtoC プロジェクトに関しては、今後当社として それをいかにものづくりの中で合理化するか、 内 事 業 のシェアを維 持しな がら、利 益 面 の 改 BtoC ビジネスをどう展開していくかを最終的 日本バイリーン第67期株主通信 日本バイリーン第67期株主通信 4 社長メッセージ Top Message 外的要因が大きかったこともあり、目標として 立てた数値目標を大幅にビハインドしています。 8 つ の 基 本 戦 略 は 確 実 に 進 んで いるもの の 、 一部進捗遅れがあり、新たな目標を再度精査 しています。現在、中期 3 カ年計画の最終まと め に入っており、今 上 期 中 には 対 外 的 に発 表 する予定です。 7. 株主の皆さまへのメッセージを お願いします。 散層基材)です。ハイブリッドカーの電池用セ パレ ータに続く、次 世 代 の自動 車 技 術 開 発 に 株 主 の 皆さまの 期 待 に応えられるような 会 対応していきたいと思います。 社になるため、営業利益をしっかり確保し、合 弁会社からの持分法利益もさらにプラスして、 6. 中期経営ビジョンに ついてはいかがでしょうか? 利 益 体 質 の 非 常 に 強 い 企 業 に 仕 上 げ てい き たいと考えています。皆さまにおかれましては、 引き続き変わらぬご支援を賜りますよう、よろ 中期経営ビジョンは 4 年目に入りましたが、 しくお願い申し上げます。 フォーカス Focus ナノテクを軸とした新規事業開発について 当 社 は 新 規 事 業 開 発 の 一 環として、不 織 布 を生かし、例えば少量添加でフィルムの特性を 繊維および加工素材のナノサイズ化を進めて 高めるなど、素材への新たな機能付与が可能 おり、従 来 には な いユ ニークな 特 性 の 不 織 布 となります。具体的には、エレクトロニクス用 を開 発しています。その 1 つ が 当 社オリジナ 高放熱フィルム、液晶や有機ELディスプレー ルの紡糸技術による無機ナノ繊維不織布です。 用フィルムの強化などを対象として、既に数社 現在、この技術を応用し、細胞培養担体(セル のユーザで評価が進行中です。また、エアフィ ベッド/Cellbed ®)、高分子フィルムなどの複 ルタ分 野で は 、ナノテク技 術 の 応 用 例として、 合材料開発に取り組んでいます。例えば、セル ナノ繊 維を用 い た 高 性 能フィルタの 開 発 があ ベッド上で培養した癌細胞は3次元形状の塊 り、低圧損、高効率の成果が得られています。 となり、従 来 の 培 養 方 法 に比 べ 生 体 内 に近 い 有機ナノファイバーを用いた液体用カートリッ 機 能を示します。その 結 果 、抗 癌 剤 開 発 にお ジフィルタも、ろ過 精 度 の 向 上 や 長 寿 命 化 が ける薬 の 作 用をより正 確 に 評 価 することが 可 期待できます。さらに電池材料関連では、ナノ 能となります。また、動物実験と開発コストの 粒子をコーティングし、安全性を高めたリチウ 削減 が期待されており、本年度 中 には試 験販 ムイオン電 池セパレ ータの 開 発を行っていま 売を予定しています。 す。 現 在 、これらの サンプルもユ ーザで 評 価 一 方 複 合 材 料としての 応 用 、その 繊 維 形 状 が行われています。 2013年 6月 代表取締役社長 プレート内に装着された、3次元細胞培養を可能にする「セルベッド」 (注) 「セルベッド」は繊維径がサブマイクロメートルのシリカガラス不織布です 5 日本バイリーン第67期株主通信 「繊維状ナノ粉体」 日本バイリーン第67期株主通信 6 財務情報 (連結) Consolidated Financial Statements ハイブリッド自動車用ニッケル水素電池セパレータや国内および北米における自動車用フロアマット販売 が好調。新たに連結子会社1社の売上も加わったことから、売上高は481億2千3百万円(前期比9.4%増) となり ました。利益面では、営業利益は10億3千1百万円(同5.0%増)となりましたが、経常利益は持分法投資利益の 減少により、19億5千9百万円(同3.1%減)、当期純利益については減損損失などの影響もあり、9億7千1百万 円(同29.3%減) と大幅な減益になりました。 売上高 (百万円) 50,000 営業利益 45,979 44,004 前期比 9.4%増 48,123 (百万円) 2,500 40,000 2,000 30,000 1,500 20,000 1,000 10,000 500 0 経常利益 (百万円) 3,500 11/3 12/3 前期比 3.1%減 2,500 2,021 2,000 11/3 12/3 0 13/3 総資産 (百万円) 80,000 27.57 30 19.49 20 総資産・純資産 44.80 40 60,000 40,000 11/3 12/3 13/3 0 産業資材事業 自動車資材事業 1,500 21,744 1,031 982 1,000 30,000 12/3 511 695 25,753 13/3 500 26,378 10,000 520 286 0 2,232 1,373 12/3 0 13/3 971 11/3 12/3 純資産 事業別(外円)、分野別(内円) 50,416 55.9% 51,388 28,327 28,706 13/3 60.1% 50,948 30,641 (%) 60 50 40 自動車 45.2% 衣料・ メディカル 18.6% 電気・工業 21.0% 空調 14.3% 10 11/3 12/3 13/3 (百万円) 12/3 売上高実績 自己資本比率 56.2% 12/3 分野別 売上高 前期比 29.3%減 20,000 10 0 11/3 総資産/純資産/自己資本比率 1株当たり当期純利益 (円) 50 44,004 (百万円) 自動車資材事業 48,123 500 500 0 産業資材事業 50,000 20,000 1,000 1,000 (百万円) 1,031 982 1,500 1,500 営業利益 18,251 前期比 5.0%増 2,000 1,959 売上高 40,000 2,232 当期純利益 (百万円) 2,500 3,347 3,000 0 13/3 事業別 売上高・営業利益 13/3 0 産業 資材事業 自動車 資材事業 13/3 売上高実績 増減 全体:25,753 全体:26,378 全体:2.4%増 【主要分野】 【主要分野】 【主要分野】 衣料・メディカル:8,808 衣料・メディカル:8,944 電気・工業: 9,462 電気・工業: 空調: 7,041 空調: 18,251 6,859 21,744 衣料・メディカル:1.5%増 10,082 電気・工業: 空調: 6.6%増 2.6%減 19.1%増 産業 自動車 資材事業 資材事業 産業資材事業のその他 0.9% 54.8% 45.2% (年間配当は14円) 配当の状況 配当方針および当期業績に基づき期末配当は7円といたしました。 記載金額は百万円未満を切り捨てとしております。 7 日本バイリーン第67期株主通信 日本バイリーン第67期株主通信 8 日本バイリーン第67期株主通信 P09-10 会社情報/株式情報 Corporate Data/General Stock Information 会社の概要 (2013年3月31日現在) ●大株主(2013年3月31日現在) 商号:日本バイリーン株式会社 JAPAN VILENE COMPANY, LTD.(英文名) 設立:昭和35年6月1日 資本金:9,816百万円 従業員数: (連結)1,567名、(単体)861名 連結子会社:14社 持分法適用会社:9社 株主名 取 締 役 非常勤取締役 非常勤取締役 常勤監査役 常勤監査役 監 査 役 吉田 俊雄 水谷 良明 木村 政廣 青木 則幸 中小路 康治 川村 智 下田 敦司 江 康博 トーマス・ザイデル 枡田 章吾※ 安保 敬二 玉造 稔※ ハインリッヒ・メンクハウス※ ※印の役員は社外取締役または社外監査役です。 株式の状況(2013年3月31日現在) 発行可能株式総数: 発行済株式の総数: 株主数: (円) 売買高(左メモリ、月間合計) 700 25,000 600 500 20,000 400 15,000 300 10,000 200 5,000 9 東レ株式会社 7,242 12.04 日本バイリーン取引先持株会 1,472 2.45 が大きく報道され、呼吸器や循環器への影響の懸念から、 マスクは顔にフィットしやすいため、装着したときに、マス 日誠不動産株式会社 1,000 1.66 当社へもマスクのお問い合わせを数多くいただきました。 クと顔(ほおや鼻など)の間にできるすき間が小さいことか 日本バイリーン従業員持株会 889 1.48 当社のV-1003N(米国NIOSH認定N95規格適合品)は、 ら、空気漏れが少ないのが特長です。当社のマスクはフィル 日本トラスティ・サービス信託銀行 株式会社(信託口) 684 1.14 高機能マスクでありPM2.5対策用としてもお使いいただく タからマスク本体まで、国内の自社工場で生産しており、イ ことができます。 ンフルエンザや花粉対策にもお使いいただけます。 第一生命保険株式会社 590 0.98 また、当社は3月末にPM2.5対策用のマスクとして「キッ 今後も、大気汚染対策などの新たな需要がますます増え 日本マスタートラスト信託銀行 株式会社(信託口) 584 0.97 ズマスク」 と 「フェイスマスク ふつうサイズ」を発売しまし ていくことが予想されるマスク。当社は、機能性の向上はも ザ チェース マンハッタン バンク エヌエイ ロンドン エス エル オムニバス アカウント た。 こちらの商品はPM2.5に対する十分な捕集性能(測定 ちろんのこと、着け心地やフィット性、デザイン性について 515 0.86 は自社でPM2.5相当のシリカ粉じんにて実施)を有し、か もさらに追求し、中国にも販路を広げていく予定です。 0.61 つ呼吸のしやすい特殊フィルタを使用した漏れの少ない 金融商品取引業者 1.64% 金融機関 11.02% その他法人 15.59% 外国法人等 29.69% 個人その他 自己株式 18.56% 23.49% 2010年3月31日時点 (発行済株式の総数:65,140,945株) 365 6 7 8 9 日本バイリーン第67期株主通信 10 今回はヘルスケアに貢献し、PM2.5対策用にお使いいただけるマスクを紹介します。 今年2月に入ってからPM2.5(微小粒子状物質)の問題 立体型で、日常的にお使いいただけるマスクです。立体型 金融商品取引業者 2.60% 金融機関 8.46% その他法人 16.45% 自己株式 17.14% 外国法人等 31.53% 個人その他 23.82% 100 12/4 5 PM2.5で注目を集めた当社のマスクにもその技術が生かされています。 ●所有者別持株分布状況 30,000 0 」。 ※当社は 2013 年 3 月 31 日現在で自己株式 10,305,513 株を保有しておりますが、上記 大株主から除いております。 ●株価出来高推移(東証一部:3514) (千株) 原材料・製造プロセス・加工法を複合的に組み合わせることができる「 27.68 あいおいニッセイ同和損害保険 株式会社 152,713,000 株 60,140,945 株 6,256 名 PM2.5対策用マスク 16,647 フロイデンベルグ エスエー 役員(2013年6月27日現在) 代表取締役社長 専務取締役 常務取締役 取 締 役 取 締 役 取 締 役 取 締 役 持株数 (千株) 持株比率 (%) 「暮らしの中に 」 11 12 13/1 2 3 0 2013年3月31日時点 (発行済株式の総数:60,140,945株) PM2.5対策用 キッズマスク PM2.5対策用 フェイスマスク ふつうサイズ PM2.5対策用マスクはバイリーンクリエイト㈱オンラインショップで お買い求めいただけます。 http://www.vicreshop.com/ またマスクの詳細に関してはこちらからご覧いただけます。 http://www.vilene.co.jp/news/list/img/newsp_n706.pdf# 日本バイリーン第67期株主通信 10