...

子どもの手の働き と意欲の調査

by user

on
Category: Documents
4

views

Report

Comments

Transcript

子どもの手の働き と意欲の調査
子 ど も の 手 の 働 き と意 欲 の 調 査
は
じ
め
森下
一期 ,須 藤
成田
寛 , 山中
敏昭 , 中村
源哉
泰子
に
Ⅰ 調査 の 内容 と方 法
‡ 調査 の 概要
Ⅲ 調 査 の結 果 と分 析
1 子 ど もの 手 の 働 き と意 欲 の推 移
2
3
10年 間 の 比較
「で き る こ と」 と 「意 欲 」 に関 す る一考 察
手 の働 きと意 欲の 男女 差
4 親 か ら見 た 「子 ど もの手 の 働 き」
Ⅳ 資 料 編
はじめ に
1970年代 の半 ばに さしかか る頃b 子 ど もの手やか らだの能 力にかかわ る発達の歪みに、にわか
に関心が集 まった。 「ナイフが使 えない」 「ヒモが結べ ない」 「背 筋力が急 激 に低 下 してい る」
「南平足 の子 ど もがふ えてい る」 な ど、 子 ど もの手 やか らだにか かわ る発達の歪みが顕著 にな りb
その実態や背景 を探 るさまざまな角度か らの調査 も行なわれ るよ うにな った。
こうした子 どもの発達 の歪みは、 1960年代の 日本経済 の 「高度成長」 に よる社会全体の生産構
造 と生活様式の急激 な変化の中 で しだい に進行 し、 それが 1970年 代に入 っていわば誰 の 目に も気
づかれ るほ ど顕著 にな ったのだ と考 え られ る。
1960年代 をへ だ てて、 1950年代以前の 日本の子 どもの生活構造 と 1970年 代以降のそれ とは、
質的に大 きく興 り、 子 ど もの遊 びは衰退 し労働経験 は急減 LT
こ。子 どもT
:ちの発達の様相 もこれに
応じて大 きく変化 した0 1950年代以前 に もb 子 ど もの手 やか らだの能 力 (技能 )の発達 に関す る
網杏は存在 しT
=. しか し、 それ らの調査 の課題意識 は、 1970年代以降の各種 調査の 目的や課題意
-1
-
誠 とはか な り違 うもの であ った。代表 的 な もの として、心理学者 山下俊 郎 の 農本 的生活習慣の自立
(1949年 )
に 関す る調査 ( 1936年 )や同 じく心理学者の牛 島養 友 に よ る 「社 会的生活能 力検査 」
が あるo これ らは、箸 の使用 、ハサ ミや ナ イフの使用、 ひ も結 び、衣 服 の着脱 な どの生活技能の習
熟年令 を標 準化 す るこ と、すな わ ち、発達水 準 を判断 す るT
=めの スケ ールを明 らか にす ることに主
要 な関心 が あ った.
まT
=、 子 ど もの労 働についての関心の もち方 な ど も、 1
970年代 以降 とは大 きな違 いがあ る。た
とえば、 1951年 の農林省に よる謁奄 「農林婦人 及年少者労働 に関す る調査 」 な どは、 子 どもを長
時 間の 襲業労 働か らいか に解 放す るか とい う意 図か ら実施 され T
こもの であ るO
当然 の ことなが ら、時代 とと もに + ど も調査 の課題意識 も変化す る。
1970年 代 に入 ってか らの各種 の子 ど も弥 査は、いずれ も、 子 ど もの手やか らだにあ らわれT
:現
代的 な発達 の歪 みを問題視 し、 その実態 を明 らかに し、 これ に ど う対処 すべ きか を探 ろ うとした点
で共通 の課題意識 に立 ってい γ
ことい え よ う。
以下 、 1970年 以降 の子 ど もの手 やか らだにかかわ る調査 の代表 的 な ものについて その特徴 に簡
単 にふれつつ、われ われの実施 し丁
こ調査 のね らい や特徴 をのべ てみ 丁
こい。
くNHK生活時間調 査〉
NHX放送 世論調査所 は. 1960年 以寒 、 「国民 生活 時 間調査」 を 5年 ごとに実施 してい る。
こ
れ は、時間 とい う客観 的 な尺 度 で、生活 (行為 、活動 )の構成 を数量 化 した ものであ り、信頼性の
高い もの とい えよ う。 内容 的 にみ る と、 まず、 子 ど もの遊 び時 間は、 1965年 まで は平 日で平均 1
時 間以上で あ っT
:('
60年 1時 間 10分 、 T651時 間 )のが 、 1970年以降 は 50分台 か ら40分台
にまで落 ちて きてい る ('
70年 51分 、'
75年 54分 、'
80年 47分 )。 まT
=、 「仕事」 や 「家事」
の落 ち込 みは一層激 しい。 10才∼ 15才 の子 ど もの 「仕事」 の時 間は、平 日の場 合 で 、 1960年
21分 、 1965年 15分、 1970年 8分 と械少 し、 1970年 以降 も減 りつ づけてい る。「家事」は、
やは り平 日の場 合 、 1960年 41分 、 1
965年 23分 、 1970年 25分 と変化 し、 1980年には、小
学 生の家事 時 間は、平 日で 18分 と、 10分台 にまで落 ちてい る。
こうLT
こ明 白な数字 を 目の前にす る と、 1960年代 を通 じて、 子 ど もの生活構造が大 き く変化 し
1こ ことが実感
され るし、 その結果、 子 ど もの手やか らだの発達 に も少 なか らぬ変化 が生 じたであろ
うことが推測 され るO
(正木健雄 らによ る体力調査)
日本体育大学体 育研 究所 (正木健妊所長 )が 、NHl
iと協力 して 1978年 9月に行 な った 「子ど
t特集 『警 告 子 ど ものか らだは蝕 まれて い る/』 とい う番組 に もな って
ものか らだ」 調査 は、NHl
2-
放映 され、大 きな反 轡をよんだ。 1975年 頃か らの正木 らの一連 の 「か らだ調査」 は、 1960年以
降子 ど もの体格 は年 々よ くな り、運動能力 も概 して高 まって きてい るに もかか わ らず、背筋 力な ど
の体幹筋力 の急 激 な低下 、南平足 や榊湾症 の増加 、慢性 的な大脳疲 労 とそれに よるか らだの ハ リの
なさな ど、現 代的 な 「か らだ のおか しさ」が 子 ど もた ちの間にみ られ る ことを明 らかに した。 (正
木健雄 『子 ど もの体 力 』 1979年 大 月書店刊 な ど参照 )これ らの結果 は、正木 らも推測するよ うに、
子ど もの生活構 造の変化 (遊 び と りわ け外 遊 びの減少 、仕事 の ない生 活 )か ら生 じた ものであろ う。
そして、 これ は、われわれの問題意識 とも大 き く重 なる もの であ る。
」)
く谷 田貝公 昭 の 「
指 O手腕 の巧轍性 の研究
谷田貝 の上記 の研 究 は、 1976年以来 、今 日まで継続 されて きてお り、 『鉛 筆が別れな い - 現
代 っ子不器用 の証 明』 (公文 数学 研究 セ ンター 1980年 )な どにま とめ られてい るO その特徴 は、
」「削 る」「結 ぶ」「とく」 な どの手や道 具の操 作 を実 際 に子 ど もた ちにや らせ て み て、
「で きる」「で きな い」 を判定す る方法 を とっている ことであ る。 その操 作 ・作業が 「で きる」 年
「切 る
令 (自立年令 )とは、 当該年令 の子 ど もの 70- 75%以上が で きる こ と とい う基準 を設定 してお
り、 この 自立年令 を各操作 ご とに割 り出 し、戦前 や戦後初期 のデー タ と比較 してい る。
それ によれ ば、手 の巧敵性 は、 1950年代以前 と比較 してほ とん どすべての種 目で 1- 3年程度
自立が遅 れ、 「ナ イフで鉛筆 を削 る」 や 「うしろでか た結 びや花結 び をす る」 な ど少 なか らぬ作業
は、小学校 を卒業す るまでに 「自立年令」に達 しないな どの結 果 が報 告 され てい る。
く国民教育研究所 「子 ど もの生活環 境調査
」)
国民 教育研究所 が 1979年 に実施 した 「か らだ」 と 「生活 リズム」 に関す る調査 も、子 ど もた ち
の生活 と発達 の現 代的歪 み を浮 きぼ りに した。
幼児か ら高校 生 に至 る。 しか も多 くの項 目についての調査 なの で結果 に詳細 にふれ るわ けに はい
かないが、 子 ど もの生活の崩れがその外的 リズ ムか らみて も内的 ・主体 的 リズムか らみ て も相当 に
進行 してい るこ とを明 らか に してい る点に特 徴が ある。現代社 会 の生活 様式、文化状 況 に規定 され
て、子 ど もの生活 が 「早寝坊の宵 っぼ り」 に な り、勉強 に も仕事 に も外 での遊 びに も能 動性 が発揮
されない 様子が、 子 ど もの諸者活動の時 間的な構成 と活動 にかか わ る子 ど もの意識 の両面 か ら明 ら
かに され てい る。 ( 『教育評 論』 1980年 3日号 、6月号参照 )
く文部省 「児童 の 日常生活調査
」)
文部省 が委嘱 した調査研究 会 (座 長 、深谷 昌志放送 大学教授 )に よ って 1984年 3月に実施 され
た調査 であ る。全国 の小学校 3年生、 6年 生、計 15461人 を対象 とし、質問紙 と実技 調査 双 方 か
-3-
ら、子 ど もの生活習慣 .生活技能 の実態 を調べ てい るO
評査結果 の特 徴 は、 まず第 1に、生活習慣 の末 確立や崩れが 目立 つ ことであ るO生活習慣 にかか
5
・
2% )、
わ る調査 項 目 29の うち、過 半数 の子 どもが 「いつ もしてい る」 の は、 「朝食 を とる」(8
8
・
2% )、 「朝 の洗 甑」(67
・
7% )な ど 6項 目だけで、他 は半数 を割 って
「外 出の あい さつ」(7
」「自分 で爪 を切 る」「1人で起床す る」「自分 の運 動靴 の洗濯」「食事のあと
い る。 ( 「歯磨 き
かたづけの手 伝い」「掃 除の手 伝い」 な ど )0
第 2に、生活技能が不 十分 に しか身 につい てない とい う現 状 であ る。生活技能 にかかわ る1
6
頃日
の質問に対 し、過半 数の 子 ど もが 「うま くで きる」 と回答 した項 目は、 「タオルを しぼ る」(
6
8
.
0
% )、 「卵 を割 る」 (6
4
.
0% )、 「ひ もを嫉むす ぴ にす る」(63
.
1% )の 3つだ けであ り、他は
」「た こを あげ る」「ナ イフでえんぴつを削 る」「か なづち
半数 を下 まわ ってい る ( 「木 にのぼ る
でまげずに くぐを打 つ
」「は しを正 し く持 っ」な ど )。 推 出児 を対象 に実施 され た実技調査 では、
上記 の 自己評価 よ りも相 当に下 まわ る結果 が得 られた. た とえば、 「ナ イフで果物 の乾 をむ く」は
自己評価 で は、51%が 「で きる」 と答 えていたが、実技 調査 では、 「うま くで きる」「ま あまあ
.
6% にす ぐなか ったO
で きる」 と認 め られ た子 ど もは 35
以 上の よ うな諸調査 とも比較 しなが ら、 われわ れの調査 の特徴 を あげ る とすれ ば、次 の 3点にま
とめ ることが で き よ う。
①1
960年代 の 「高度成長」時代の結果生 じγ
こ
新 しい子 どもの生活構造 は .その後根本的 には変化 し
、
ていない よ うにみ えるが 、 あ る意 味 で 「安定」 して推移 して きた この期 闇 に、子 ど もの生活技能や
遊 びの内容は どの程 度変化 した のか しなか ったのか を調べ よう としてい ることであ る。 1
974年か
ら1
984年の
10年 間の変化 を、 ほぼ同 じ調査項 目で調べ てい る とい う点 に意 味が あ るだろ う。
@生活 や遊 びの中 での手 のはた らきゃ道 具の使用 の実態 に大 き く焦点 をあててい る とい う特徴があ
る。 これ らの実態 を知 る ことは、 それ 自体 として も意味が あ るが 、子 どもの生活全般 や その中での
発達 の問題状況 を考 える うえで も重 要 な窓 口にな ると愚われ る。
③ 子 ど もの生活 や遊 びが多 くの問題 をかか えてい る とすれば、 それ を何 を手がか りに して打開して
い くのか とい う実 践や運動 の視点 を含 んでい ることで あ る。 子 ど もたちの 「意欲 」 につい て調査し
たのは、 まさに この よ うな観 点 か らであ る。
-4-
ト
調 査 の内容 と方法
1
.調 査 の内容
この調査 は、1
974年の調査 と比較 す る こ とを一つ の大 きなね らい としてい るの で 、'
74年 調 査
984年 の調 査内容 別 乍成 した。
の内容 を基本 とし、必要 な惨正 を行 って 1
(
1
)1974年 調 査 の内容
) 「手の働 き」
につい ての調査
1
「あな た は どこまでで きますか」 と問 いか け る
「あそびの こと」
「道具 の こと」選択 妓
1O項 目
「生 活 の こと」-
15項 目
15項 目
1
. や った こ とがな い
i
. や る場 がないか ら
i
i
. ど うぐが ないか ら
i
i
i
.や らして くれ ないか ら
2
. うま くで きない
3
. ど うにか で き る
4
. うま くで きる
5
. ちい さい こや と もだ ちにや りか た をお しえてや る く らい うま くで きる
2
) 「意欲 」 につい て
「あな たは 、 こん な ときど うお もい ますか」 と問いか け る。
「あ そびの こ と」-
1
0項 目
「生 活の こ と」-
15項 目
」
- 15項 目
「勉強 の こ と
選択肢
1
. や る気 しない
2
.一いや い や だが や る
3
. ふつ うに や る
4
. す こしや る気 が あ る
5
. とて もや る気 が あ る
3)
生 活 の場 につ い て
「保 育園、幼稚 園へ行 った こと、学 校へ行 くこ とな どにつ い て ど うお もいますか」 と問 いか け、
保育園、幼稚 園、 学校 、家 庭、 家 の近所 な ど 6項目.
選択肢
1
. とて もつ ま らなか った (とて もつ ま らない )
2
. つ ま らなか った (っ ま らな い )
-
5 -
3
. ふ つ うだ った (ふつ う )
4
. たの しか った (たの しい )
5
. とて もたの しか った (とて もたの しい )
(
2) 1984年調 査 の内容
[
1
] 子ど もの調 査
質問項 目、選択掛 こつい て再検 討 した 。 1
974年調査 と比較 で きるよ う同 じ項 目を多 く残 したが、
不適切 な表現 を改 め、子 ど もの生 活全体が と らえ られ るよ う項 目の さし変 えを行 ったO また、項目
数 を増 や した ところ もある。選択 肢 につ いて も、 若干 の修正 を行 った。 これ らの修 正 は、現 時点で
の調査 をよ り適 切 な もの とす るためである とともに、今 後継続 して調査 してい くことを考 え、より
適 切 な調査内容 とす るため であ る。以下 1974年 と同 じ項 目数 は ()内 に示す。
1
)
「手の働 き」 に つい ての調査
「あな たはで きますか」 と問いかけ る。
20項 目 ( 13項 目 )
「生活 の こと」「あそぴの こ と」-
「道 具 の こ と」-
15項 目 (15項 目 )
20項 目 (9項 目 )
選択 肢
や った こ とがな い
や る気 が しない か ら
じしんが ないか ら
や る場 や道 具が ないか ら
や らせ て くれな いか ら
や った ことが ある
ど
うま
うにかで
くで きない
きる
2
) 「意欲 」 につ いて
「あなたは こんな こ とをや って みたいですか」 と問いかけ る。
「生活の中で」-
30項 目 ( 25項 目 )
「あ そぴの中 で」-
選択 肢
や る気が あ る
や る気が しな い
や らない
いや いや だが や る
どち らで もない
ふつ うにや る
-6-
20項 目 ( 9項 目 )
3)
生 活の場 について
学校 、家 につい ては、 「1
.
T
=の しい」「
2
.
ふつ う」「
3
.
つ ま らない」、近所の友だちとのあそびは、
.よ くあそぷ」 「
2
.
あそばない」「
3
.
たまに あそぷ」の 3
段 階の選択 暖 を示 し、 テ レ ビ視聴 に関
「1
しては、1時 間単位 に4段階を示 した。
[廿] 親 に関 す る調査
1974年調査 では子 どもだけであ ったが親が どのよ うに見 て い るか を知 る必要が あ るとい うこ と
984年 調査 で、親 に対 す る調査 を行 うこととした。
か ら、 1
1
) フ ェ イス シ ー ト
記入者 及び その年令 、家族 数、子 どもの人 数、祖父母 との同居 、父母 の職業 を と り上 げた。 (千
どもの諏査用紙 と一対 にな るi
:うに してあ るの で、子 ど もの学 年、性別 、利 き手 も含 まれ る )
2
) 親 の意識
外 あそび、 ものつ く り、常 用 さについ て親 の意識が小学 生の頃 ど うであ ったか 3段 階で答 えて も
=。
らい、好 きだ った教科 と苦手だ った教科 を各 1つず つ選 択 して もらっT
3) 子 ど もの 「手の働 き」 について
「あなたのお 子 さんは どこに あては ま りますか」 と問いか け る。
調査項 目は、 子 ど もに対 す る 「手 の働 き」 と全 く同 じで ある。
20項 目
「生活の こと」「あそびの こと」-
「道 具の こ と」-
15項 目
20項 目
選択時
うま くできる
や らせ たか ら
自分か らや った
うま くで きない
や らせ たか ら
自分 でや つたか ら
ふつ う
や らせ たか ら
自分か らや った
や ってい るの
見た
を こ とが ない
特 になに も言わ ない
2
.調査の
1
) 調査校 の選定
子 ど もの運 び と手の労 掛研 究会の会 員が い る小 ・中学校 の中 か ら、地 域 、及び 都市 ・農村 を考 慮
ー7
-
に入れ て選択 し、会員 を通 して調査 の 依頼 を した。 それ ぞれの学校 で各学 年一学 級 の調査 を計画 し
たが、全学 年 に わ た って調査 で きなか った ところ、二 学級 以 上行 った ところな ど、バ ラツ与が出た。
974年 調査 では その バ ラツヰが大 きか った。 1984年 調査 で は はば計 画通 り行 うことが でき
特に1
た。
小 ・中学 校 の比 は 、'
74年 調査 では ほぼ同 じ比 重 で考 え たが 、'
84年 調査 では、中学 校 は参 考 程
度 に とどめ、小学 校 を中心 と したC
2) 調査方 法
学級 単位 で、調査 用 紙 を配 布 し、 子 ど もた ちに各 項 目に つ き選択 肢 か ら一 つ を選 ん で○ 印 を記入
して もらっ た。特 に低学年 では、担 任教 師 に項 目、選択 肢 に つい て説 明 を して もらい 、用語等 が理
解 され るよ う配 慮 したO
'
84年 調査 での親 の調 査 は 、4校 の 小 学校 に つい てのみ行 った。 調査 用紙 は親 子セ ッ トとしてお
き、 子 ど もは学校 で記入 し、親 の用紙 をはが して家 庭 に持 ち帰 り、 親 に記 入 して もらった。 回収後
は親 子が対 とな る よ うに した。
廿.
調 査 の概 要
1
. 1974年調 査
調査年 月 日
1974年 11月∼ 12月
調査校
小学校
中学校
北海 道 1校
青
森 1校
宮
城 1校
東
神奈 川 1校
長
野 3校
岐
阜 1校
愛 知 1校
三
重 2校
秋
田 1校
岩 手 1校
東
京 3校
長
野 2校
岐
阜 2校
更
知 1校
三
重 2校
京
都 1校
大
阪 1校
男 子
小学 校
京 1校
計 1
2校
計1
4校
女 子
男 子
一年生
三年 生
21
7 中学校
1
62
1
71
六
五年
四年生
年生
2
3
0
58
4
1
2
3
1
2
1
(小計 ) (
1
,
111)(1
,
328)
総 計
4
,972
二年生
二年生
三年生
計
一
一
8-
389
383
33
9
女 子
21
9
201
21
5
一 年生
425
483
420
2
,
439 2
,
533
2. 1984年調査
調査年 月 日
1984年 7月 (一部学掛 こつい ては、 同年 9- 10月にか けて 実施 )
調査校
山 形 1校
東
京 4校
埼
玉 1校
神奈川 1校
大
阪 2校
兵
庫 1校
三
重 1校
岡
岐
阜 1校
愛
知 1校
石
川 1校
中学校
東
京 2枚
京
都 1校
総
19校
小学校
計
山 2校
小計 1
6校
小計 3校
・
74年調査 と同 じ学校 は、小学校 3校、中学校 2校 のみ であ る。な お、今 回の調査校所在 地 は、
県庁所在地 等大都市 28% 、都市 39% 、農 山村 33% である。
男 子
小学 校
女 子
男 子
三年生
2
41
2
61
3
01
238 中学校 一年生
277
二年 生
311
三年生
六年生
五年
四年生
生
39
2
1
5
6
29
8
7
3
1
-年生
二年生
計
(
1
,
729)(
1
,
6
97)
女 子
66
61
65
59
6
2
5
9
1
,
921 1
.
877
(小計 ) (
1
92) (1
8
0)
総 計
3
,798
親子の調査 につい ては、 価(
4)
の冒頭 に調査 の概要を記 した。
3
. 集計 について
「手 の働 き」 「意欲」 の両 調査 に よって子 ど もたちの実態 を大 づか み につか むため、選択 肢 は 5
- 7段 階 であ ったが 、単純 集計 では次 の 3段 階に ま とめ たO'
74年 調査 の集計 は手作業 が 中心 であ
84年 調査 では必要 な内容 について分 析 を
ったため、各選択肢 についての分析 はで きなか ったが 、'
行 った。
1974年調査 は次の ように くく 1 7
こn
「手の働 き」 について
1
. や った ことが ない
i
. や る場が ないか ら
". 道 具が ないか ら
机 や らして くれ ないか ら
- 9 --
や った ことがな い
2
. うま くで きない
うま くで きない
3
. どうにか で きる
4
. うま くで き る
5
. 小 さい 子 や友 だ ちにや り方 を教 えてやれ る く
うま くで きる
うま くで き る
「意 欲」 につ い て
1
. や る気 しない
や る気 がな い
2
. いやいや だが や る コ
3
. ふつ うに や る
-
ふつ うにや る
4
. す こしや●
る気 が あ る
5
. とて もや る気 が あ る コ
や る気 が あ る
1984年 調査 はつ ぎの よ うに くくった。
「手 の働 き」 につ いて
や った こ とが ない
や る気 が ないか ら
じしんが ないか ら
や る場 や道 具が ないかち
や った こ とがない
や らせ て くれ ないか ら
や った こ とが ある
うま くで きな い
うま くで
きな
どうに
かで
きい
る
l
うま くで き る
意 欲 につ い て
や る気 が あ る
や る気 が しな い
い やい やだが や る
や らな い
どち らで もない
ふつ うに や る
l
や る気 が あ る
ト
やる気 が しない
二 つの調査 を比 較 検 討す るときに は、選択肢 に相 異が あ る もの は、 その点 をふ まえて検討 した。
具体的 には問題 とな る箇所 でふれ る こ ととす る。
-10-
恥
調 査 の結果 と分析
1
. 子 どもの手 の 働 き と意欲 の推移 -
1
8年 間の 比 較
Ⅰで述べ た よ うにp
84年調査 では '
74年調査 に若干の修正 を加 えたの で、 その まま比較す るこ と
はで きない。項 目に関 しては、同 じ項 目のみ を問題 とす るこ とでよいが選択肢 に も手 を加 えた こと
亨
こよ り、 その相違 を考 慮に入れ なければな らな いo ただ、 「手 の鋤 き」 に関す る経験 の有無 につい
」「で きない」 、 「や る気 が あ る」「や る気 が
てはそのまま比較 が で きる。 それに対 し、 「で きる
ない」 につい ては単 純な比較 はせずに、妥 当 と考 え られ る範 囲 に限定 して比較す ることとした.
(
1) 生活 ・道 具の ことは 「や った ことがない」が増加
'
74年調査 では、道 具の ことを中心 に、予 椙 していた よ りも経験者 が多い とい う結果が出ていた。
10年間に、 この点 で大 きな変化が あ らわれ たO「や った ことがない」 子 ど もた ちが ほ とん どの項
目で増加 してい る。
生活 の ことでは、昨 年 と同 じ項 目13項 目中、次の 12項 目で未経験者 が増加 してい る。
きゅ うすか らお茶 をつ ぐ
熱 いみそ汁 をおわんにつ ぐ
豆 をは しでつ まん で食べ る
ナ イフで くだ もののか わをむ く
カン切 りで カ ンヅメ をあけ る
お米 を とぐ
ツメ切 りでツ メを切 る
ぞ うきん を しぼる
くつ のひ もをむすぶ
針 と糸でボタ ンをつ け る
ミシンでぞ うきん をぬ う
ハ ンカチにア イロンをか け る
かな らず L も未経験者 が増加 してい る とい えない項 目は 「た ま ごをわ る」 のみである。
道具の ことでは 、 15項 目中次 の 14項 目で未経験者 が増加 してい る。
ハサ ミで布 を きる
ナ イフでエ ンピッをけず る
カナヅチで木 に くぎを うつ
ノコギ リで木 を きる
キ リで木 に穴 をあけ る
ノ ミで木 に穴 をあけ る
カ ンナで木 をけず る
ナタで木 をわ る
ペ ンチで針金 を切 る
ハ ンダゴテを使 う
ドリルで金 属 に穴 をあけ る
電動 の イ トノコで木 をま ろ くきる
コ ンパ スで円をか く
三 角 じょ うぎ2枚 で平行 線 をひ く
かならず L も未経験者が増加 してい る とい えな い項 目は、 「ドライバーでネ ジを しめ る」 のみ であ
る。
これ らの中 で明 らか に男子o
)方 が未経 験者が増加 してい るの は、次の 項 目だが、
きゅ うすか らお茶 をつ ぐ
熱 いみそ汁 をおわんにつ ぐ
お米 を とぐ
針 と糸 でボ タ ンをつ け る
ハ ンカチに アイロンをかけ る
ハサ ミで布 を切 る
o「生活 の こ と」 の未経験者 は、男 女差が
「道 具の こ と」 は 1項 目で、他 は 「生活 の こと」 である
拡大 した こ とを示 して い る。
(
2
)
家庭 o地域で の経 験 が減少
'
84と'
74年 の未経験者 の差 は、 「熱 いみそ汁 をおわんにつ ぐ」「ナ イフで くだ もののか わをむ
。〔図 1-①〕 それに対 して、 あ る学年で
く」 な どでは、 高学年 にすす むほ ど徐 々に減少 してい く
急 激に差が縮 まる ものがあ る.
3、 4年 で接近す る項 目は
ナイフでエ ンピツ をけず る 〔図1-②コ
コ ンパ スで円 をか く
4、 5年 で接近 す る項 目は
カナヅチで木 に クギ を うつ
-③〕
ノコギ .
)で木 を きる 〔図 1
5、 6年 で接近 す る項 目は
針 と糸 で ボタ ンをつけ る 〔図 1-④ 〕
ミシ ンでぞ うきん をぬ う
な どである。
これ らは明 らか に学校 で取 り扱 う時期 と一致 してい る。すなわ ち、一部 の 日常生活 にかかわ るも
の以外 では学校 で経験 す る割 合が 高 くな ってい るこ とを示 してい る。 これ までは家庭 や地 域で、そ
れ ほ ど年令 を固定 的 に考 えず に道 具を手に した り、仕 事 をした りしてい たのだろ うが、 その ような
場 が減少 したか らで あろ う。学 校 で経験 す る割 合が高 くな った とい うこ とは、学校 で遭切 な時期に
正 し く指導 す ることの雷要性 が大 き くな ってい ることを示 してい る。 しか し、学校 での経 験 は限 ら
れ た ものであ り、 1、 2回使 った程 度 に とどま ることが多 い。学校 に依存す るの みではな く日常的
に行 う場 としての家庭 や地域 の役割 を重 視 し、そ こで子 ど もT
=ちが道 具 を使 い、仕 事 を行 ってい
くためには どの よ うな条件 を整 えねば な らぬか を検 討 して い く必要 が あ る。
(3) 未経験者 が増加 してい る 原因
'
74年調査 では 「や った こ とが ない」 の内容 を分 析 してい なか ったため、'
84年調査 と比較はで
84年 調査 の分析か ら未経験者 が増加 した原因 を推測 してみ る。
きない。'
「や った こ とがない」 ことの理 由には、 「や らせて くれ ない 」(「ナ イフでエ ンピツ をけず る」
な ど )が多 い項 目と、 「や る場 や道 具が ない」(「クツのひ もをむすぶ」 な ど )が多 い項 目とが仕
分 け られ る 〔図 2
〕 。前者 に属 す る もの は、一見危険 で あ った り、困難 を感ず るような項 目であり、
-12-
90 S370 6
0 5
0 4 割
① 集いみ そ汁 を
おわんにつ ぐ
(
勤ナ イフでエ /ピッを
けず る
0
C
3川
小
一二三
四五 六
串
一・
1984年 男 子
一一一1974年 男子
-
坐 二三 四 五六
空二三
-I
-・
-1984年女 子
--
-・
1
974年女 子
図1
. 「や った こ とがない」 と答 えた子 ど もの数 の比較
☆ ナイフで エ ン ピッを けず る
・年男子
血m H
Wg
,
'
4
☆ クツの ひ もをむす ぷ
62 _
コ
1年男 子 Ⅲ 陛 止
冊瞳膨雛溜紹「零 「
・I 」Ⅷ 1:
J
・
.:
!
"
"
"叫 ∴一
"
:
‡二 ユ
図2
「や った ことがない」子 の理 由-(
令(
%)
ⅢⅢ- じしんが ないか ら
図 - や る場 や道 具 がないか ら
至
芸ヨ- や る気 が しないか ら
Eコ- や らせ て くれないか ら
☆ ナ イフで くだ もののかわ をむ く
3
3年男子
☆ ノコギ リで木 を きる
3年男子
56
5年男 子
5年男子
☆
ミシ ン で
3年男 子
ぞ
m
うき ん をぬ う
n
m
r
i
.
I
.
g:
:
'
E
J
i
Q
A
,
I
,
',
'
☆ カ ンナで木 を けず る
57
3年男 子
i
5年男 子
図3
「や った こ とがない」子 の理 由-(
卦(
%)
-
1
8
-
」]
後者に属す るのは、 子 ど もの身の まわ りか ら少 な くな ってい る もの であ るO また、 〔図 3〕 に見 ら
」「や る気が しな い」 が 高学年 で低学年 よ り増加
れ るよ うに・ 「生活の こと」 では 「じしんが ない
してい る0-万 、 「道 具の こと」 では、低学年 では 「や らせ て くれ ない」が多 く、 高学年 では 「や
る場 や道 具が ない」が大 きな割 合 を占めてい る。
これ らの こ とか ら、未経験 者 の増加 は、① 生活 様式 の変化 -
ひ もでむすぷ クツの減少 や家庭カ
ら道具が な くな ってい る こと、② 禁 L
L事項 の増加、③ 子 ど もの 自信 の な さの増加 -
や る前か らで
きない とい う子 ど もも多 い、 な どに よる と考 え られ る。
(
4
)
遊び の ことは未経験者 が減少 の傾 向
生活や道 具の こ とでは、未経 験者 が増加 していたが、遊 びの こ とにはその博向 は見 られ ない。両
調 査で同 じ 9項 目申 、 10年間 に未経験者が 明 らか に増 加 してい るのは、 「お り紙 でツ ル をお る」
だけ であ る。逆 に、
竹 馬 にの る (女子 )
ひ もで コマ をまわす (女子 )
ケ ン玉 をす る (男 女 )
な どは、未経験者が かな り減少 してい る 〔図 4参 照〕 。他 の項 目はほ とん ど差が見 られ ない。
伝承的 な遊 びで も 10年前 よ り経験 す る子 ど もが増 えてい るこ とは、明 らか に、生活 や道 具の こ
とで見 られ た傾向 とは異 な るC その違 いが 出て きたの は次の よ うな理 由によるのではないだろうか。
一 つに は、生活 や道 具の ことに くらべ て、遊 びの方が 子 ど もた ちの 闇に伝 え られ る可能性 が大 きい
ことが考 え られ る。
今一 つ は、大人の働 きか けの結果 として さま ざまな遊 び を経験 す る子 どもが増 えた こ とが あげ ら
れ るであろ う。 こ こ10年、 子 どもた ちの遊 びが貧弱 にな って きた こ とに多 くの人 び とが 心 をいた
め、伝承 あそび をは じめ として さま ざまな遊 びを子 ど もた ちに伝 える努力 を して きた。 その成果の
一つ と見 る こ とが で きるだろ う。
この こ とを直接裏付 け る もの ではないが 、 「や った こ とが ない」理 由 を見 る と、遊 びに関 しては、
」「や る場 や道 具がな い」 が多 く、
「じしんがな い
「や らせ て くれ ない」 はか な り少 ない こ とがわ
〕 。危険 を伴 うはずの 「竹 で竹 トンボをつ くる」 (ナ イフを使 う )ことで も 「や らせて
か る 〔図 5
くれな い」 は、 「ナ イフで鉛 筆 をけず る」の場合 よ り もか な り少 ない。大人の 対応の違 いが反映 し
てい るのだ ろ う.
,
」「で きない」 について
74年 調査 と'
84年調 査 では次の よ うな 違 い
「うま くで きる」「で きない」 につ いては選択肢に '
(
5)
「で き る
が あ った。
一
一1
4-
小
中
一二三 四五六一
,
j
了
‥
日
右
目
一二三 四五六一 二三
±二三
四五六聖 二 三
重 二 三 四 五六 空
1
984年刀子
・
・
・
一
・
・1
984年女子
図4
. 「や った ことが ない」 と答 えた子 ど もの数 の比較 (
%)-遊 び
☆ ケ ン玉 をす る
☆竹 馬 にの る
1年 男子
1年 男子
女子
女子
☆竹 で竹
m - じしんがないか ら
ト ン ボをつ く る
Eヨ - や る気 が しないか ら
図 →や る場 や道具が ないか ら
亡コ - や らせ て くれ ないか ら
図 5 「や った こ とがない」 子の理 由-③ (
%)
\
・
〆
一
一
・
▲
・
ヽ
.
(
勤ノコギ l
Jで木 を きる
Q)きゅ うすか らお茶 をつ ぐ
(
彰木 にのは る
② カ ン切 りでカ ンリノを
あけ る
少 二三 四五六聖 二三
±二三 四五六聖二三
80
70
女 60
50
子 40
3
0
20
1
0
・
:
∴
/
一
二二
・
① きゅ うすか らお茶 をつ ぐ
五
六聖 二三
∨
\
′
■
●
l
一
・
∼
/
・
一
・
一
・
・
1
① 木 にのは る
(
勤カ ン切 りでカンズ メを
あけ る
J 一一
-∫
・
V
四五六竺二三
小
一 二三 四
へ
,
一・
・
・
/.
・
・
一一
'
坐二三 四五 六聖
坐二三 四五六空二三
図6
. 「うま くで きる」 と答 えた子 ど もの数 (
%)
-
1 5-
巾
少二三 四T
l六 _
'
74年調査
'
84 調査
うま くで きない
うま くで き ない
ど うにかで きる
ど う にか で きる
年
うま くで きる
うま くで きる
小 さい 子や友 だ ちにや り方 を教 えて
うま くで きる
両調査の比較 は、 「うま くで きない
」「うま くで きる」 に く くって集計 した数値で行 った。本来、
選択肢の違 うもの を比較す るな らば、 その違 いが 調査結果 に どの よ うに影 響す るか検討 すべ きであ
るが、今 回、例 えば同一人 に両調査 を行 って比較検 討す る とい った ことは行 わなか った。 したがっ
」「ど うにか で きる」 が 同 じであるこ
て、厳密 さには欠 け るが、選択肢の うち、 「うま くで きない
と、 「うま くで きる」 が '
74年調査 で二段 階 に分 け られ てい ただけである こ とか ら、 「うま くでき
ない
」「うま くで きる」 とくくれば、両調査 を比較 で きる と考 えた。・しか し、以下 の分 析について
は、 この よ うな問題 をかか えてい る こ とを前埠 としていただ きたい。
」「できな
つ ぎに、 この調査 は子 ど もた らに記入 して もらった もの で あるか ら、 「うま くで きる
い」 は、 子 ど もの 自己評価 である。 したが って、客観的な技能程 度 とは異 な る。
生活の こと-
減少か変化 な し
10年前 との比 較 で は、 生活の こ とで 「うま くで きる」 が減少 してい るのは、 「き (
9
,うす か らお
〕「棄机 、み そ汁 をおわんにつ ぐ」 な どである.他 の項 目は、 ほ とん ど変化が
∋
茶 をつ ぐ」 〔図 6-(
見 られない。
道具 の こと-
い くつか増加
男 子では 「うま くで き る」がわず かに増 加 した もの として
カナヅチ で木 に くぎを うつ
ノコギ リで木 を きる ⊂図 6-⑧〕
ドライバ ーでネ ジを しめ る
-③〕
が あ るO他 は変化 が見 られ ない 〔図 6
女子の方 は、男 子 で微増 した項 目に、次 の
ナイフでエ ンピツをけず る
キ リで木 に穴 をあけ る
2項 目を加 え、計 5項 目で 「うま くで きる」が 大幅に増加 してい る。道 具につい ての 「うま くでき
る」 は、男 女差 がかな り縮 ま った ことにな り、注 目に値す る。
16-
遊びの こと-
ほ とん ど全部増加
変化が見 られ ないのが、 「お り紙 でツルを折 る」の 1項 目のみ で、他 の 8項 目では、全て 「うま
くで きる」が増加 してい る。 その中 で も、女 子の増加 が 目立 つ もの に
木 にの ぼ る 〔図 6-④〕
竹馬 にの る
ひ もでゴマをまわす
竹 ヒゴ と紙 でタ コをつ くる
3
)
参照 )
の四項 目が あ る (m(
(
6
)
「うま くで きる」中味 の検 討
「うま くで きる」 「で きない」 は子 ど もた ちの 自己評価 で あ った。客観 的な技能程度 は ど うかが
関宿 とな るO例 えば、道 具の こ とにつ いては、未経験者 が増加 してい るのに、 「うま くで きる」 と
愚ってい る子 ど もも増 えてい る. 子 ど もた ちの判断基準 に変化 が生 じてい るか もしれ ないo
我 々の調査 では、 子 どもた ちの道 具使用 な どの観察調査 を していないの で、 子 どもの意識 と、通
常我 々が実感 して い る ところ との食い違 いを感 ず るだ けであ る。 この食い違 い を感 じる段階に とど
めず、客観 的 な もの とす るに は、技能 の評価 方法等 も明確に して個 々の 子 ど もを観察 しなけ ればな
らない O これは今 後の課題 であるが 、'
84年調査 では、 この間題 に一歩 踏 み込 むため、親 に同 じ項
目に対 して、 「うま くで きる」 「うま くで きない」 「ふつ う」 「や ってい るのを見 た ことが ない」
と答 えて もらった。
子 ど もが 「うま くで きる」 と答 えた もの をその親 は ど う見 てい るか を集計 したのが ⊂表 1〕 であ
る。 5- 6割の親が 「うま くで きる」 と見 てい る。簡単 な生活 の ことでは、 7- 8割 にのぼ る。 し
かし、道 具 を使い、技 を要 す る ものに つい ては、その割合 は低 下 し、我 々の実感 と重 な る。
一方、 子 ど もが 「どうにか できる」 と答 えた ものに対 して、親 が 「うま くで きる」 と見 てい る も
のが意外 に多 くあ る。 3割 を越 えてい る ものが 6年 (男女計 )で、生活 の こと 20項 目申 13項 目、
道具の ことでは 15項 目申 6項 目にの ぼ る。 自伝 を もっていない子 ど もの姿が浮 かん で くる。
この程 度の ことでは、結論 的 な ことは言 えないが、多 くの子 ど もた らに、 日常の仕事 や道 具 の扱
いについ て、 「うま くで きる」 と判断 す る基準が形成 され てい ない ことは示 されているよ うである。
その点 では、我 々お とな も同 じであ るか もしれない。 生活様式 が多様 にな り、 既成品が 多 くな るな
かで、かつてあた りまえだ った こと も、 そ うは言 い きれ な くな ってい る。 しか し、子 ど もの成長過
程では、身の まわ りの仕事 を こな し、道 具 を使 い こなす ことが、誰 し も身 につ けるべ き基礎 的 な力
であるとして共通 に理解 され るな ら、 どこまでで きることが望 しい か、 その 日やすが明確に され て
い くだろ う。 それ を もって子 ど もに働 きか けてい くことに よ り、子 ど もの中 に も判断 の基準が つ く
-17
-
1
年
学
2 3 4 5 6
くつの ひ もをむす
57 49 58 7
5 76 78
たま ごをわ る
74 58 71 73 74 73
39 46 59 5
7
ナ イフで くだ もののかわ をむ く
ノ コギ リで木 を き る
35 50 50 48 6
0
コ ンパ スで円 をか く
52 54 76 74 77
表
1
子 ど もが 「うま くでき る」 と答 えた もので親 が 「うま
くで きる」 と見 てい る割 合 (
%)
(/線 は もとの数 が少 いので カ ッ ト)
られ てい くはず で あ る。
(
7)
「や る気 」 は減少 して いない
74年調査 と'
84年調査 では、選択肢 に違 いが ある。 比較 す るな らば次の ように
意 欲 につい て も'
な ってい る。
'7
4年調
'
84年 調査
査
や る気 が あ る
や る気が ある
ふ
つ
う
に
や
や
る
気
が
し
な
い
る
どち らで もない
ふつ うにや る
や らない
や る気 が しない
い やいやだがや る
この部分 に ついて も、選 択肢 の相違 が調査 結果 に ど うい う影響 を与 え るか検討 していないので、
比較検討 は巌密 さに欠 け る。特
に「ふつ うにや る」 と 「どち らで もない」 は異 な る内容 を もってい
。「どち らで もない」 の 「や らない」 は、'74年 調査 では、 「や る気 しない」 に入 るか もしれな
る
い。 ただ、 「や る気 があ る」 については、無理 な く比較 で きる と判断 した。 したが って、集計上は、
上記 の よ うに三段 階に くくったが、両 調査 の比較 では、 「や る気 があ る」 のみ に限 って見 てい くこ
とにす る。
生活の中で -
「や る気 が あ る」 子 ど もはほ とん ど減少 してい ない。
「や る気 が あ る」 が 10年前 よ り増 えてい る項 目
ナイフでエン ピツをけず る 〔図 7-①コ
ハ ンダ ゴテを使 う (女子'
)
-18-
ハ ンカチに アイロ ンをか け る
ナ イフで リンゴの かわ をむ く
②〕
食事 をつ くる手 伝 い をす る (男子 ) 〔
食事 の あ とか たず け をす る
自分 の運動 ぐつ をあ らう
自分 の家 の玄 関 を そ うじす る (男子 )
教室 の そ うじをす る
音 楽 の時 間に一人 で歌 を うた う (男 子 )
新聞 を よむ
テ レ ビの ニ ュース をみ る
「や る気 が あ る」 が あ ま り変化 の ない項 目、前記の項 目中 、男 、 女の示 され た項 目の他性 の もの
がまず あげ られ る。 それ以外 に、
道 具 を使 って木 で何か をつ くる
電動 イ トノコで木 を ま る く切 る
木 でた なをつ くる手 伝い をす る
図工 ・美 術 の時 間 に絵 をか く
百科事 典 な どを調 べ て 自由研 究 をす る
テス トの ための勉強 をす る
小説 や物語 な どの本 を読 む
マ ンガの本 を読 む
班長 や学級 委員 をや る
近所 の友 だ ちな か まの リーダー とな る
「や る気 が あ る」 が減少 してい る項 目
こづか い を もらって仕事 をす る 〔図 7-③〕
最初 に 「や った こ とが ない」 が増 加 してい ることを 確認 したが、 その一 方 で、 「や る気」 は減 少
していな い こ と も明 らか とな った。 ただ一 つ 「こづかい を もらって仕 事 をす る」 が減少 してい るの
が目につ くが、具体 的 な対 象 や行 動 を示 した他 の項 目 とは若干異 質 な の で、別 に考 えて もよい で あ
ろ う。 もっ と も、 この項 目自体 と して は、 子 ど ものお こづかい が増 えたのか 、 な どとい ろい ろ考 え
てみた くな る。 しか し、 それ 以上 の デ ータは ない ので、検討 は しない0
以上 の ことか ら、 子 ど もた ちは 「や る気」 を もってい るの で あ るか ら、行 う場 を保 障 し、不 必要
l
j
眼 や禁 止 をせず 、 また適 切 な指 導 をす るな らば、 身の まわ りの こと も、 道 具 を使 ってモ ノに働
・
け る こ と も積極 的 に行 ってい くだ ろ うと結 論 づけ る こ とが で きる。
そぴ での 「や る気 」
.
に も大 きな変 化 な し
「や る気 が あ る」 が増加 した項 目
にのぼ る ⊂図 7-④〕
友 だ ち と外 でお に ご っこをす る
だ ち と外 で ボー ルを使 って遊 ぶ
竹 ヒゴ と紙 で タコ をつ くる (女子 )
「や る気 が あ る」 が あま り変化 な し
転車 にの って あそぶ 亡図 7-⑤〕
ラモデ ルをつ くる
竹 ヒゴ と紙 でタ コをつ くる (男子 )
あみ もの をす る (男子 )
「や る気 があ る」 が減 少
友 だ ちl
と トラ ンプ でゲ ームをす る 〔図 7-⑥
あみ もの をす る (女 子 )
- 1 9-
図7
. 「や る気 があ る」 と答 えた子 ど もの数 (
%)
j
"
坐二三 四五六聖二三
少 二 三 四 五 六 空 二三
J
j
l二 三 四 五 六 空 二 三
(
卦こづかいを
(
勤食事をつ くる
手伝いをする
坐 二三 四五六*
_
-
二
三
少
もらって仕事 をす る
坐 二 三 四 五 六 空 二三
坐二三 四五六一二三
1
984年
1
974年
・
-
項目 年.
男
女
1984 1974
男
少 二 三 四 五 六 空 二三
女
男
女
木 にのぼる
80 72 65 4
3
自転車 に の つてあ そぶ
86 82 83 70
友 だ ち と外 で ボー ル
84 79 74 6
9
を使 って あそぶ .
友 だ ち と トラ ンプで
78 79 72 81
ゲ ー ムをす る
女
子
ooo ooo00 0
98765.
43 2 1
竹 ひ ご と紙 で タコを つ くる
6
3 55 56 31
プ ラモ デ ルをつ くる
85 42 63 5
5
道 具 を使 って木 で何 か を
70 53 63 3
8
つ くる
⑤ 自転車 にの ってあそぷ
(
砂友だ ちと トランプで
ゲームをす る
表 2 あ そびの 「や る気 が あ る」比較 (小 3)
-20-
この よ うに分類 され るが、体 を うごかす もの、友だ ち と一緒 にや る ものに若干だが 「や る気が あ
る」子 ど もが増 えてい る ことが注 目され る。
いろいろな遊 び に 「や る気」 を示す子 ど もの割合は 〔表 2コ の よ うに な ってい る。'
74年 調査 と
同様 に、遊 び に よる 「や る気」 の差 は それ程極端 には見 られないO 子 ど もたちの興味 は幅広 い もの
であるか ら、現代の遊 びであれ、 伝承 的 な遊 び であれ、 それ ぞれに面 白 さ、楽 しさを兄 い出す ので
あろ うOfど もたちに多様 な遊 びが伝 えられ てい くよ うな働 きか けが直接、間接 に必要 であ る。
2
. 「で き る こ と 」と 「意 欲 」に 関 す る一考察
-
「あそび できる 」と 「あそび意欲 」の ク 。スデータよ り -
は じめに調査概要 ・単純集計 についての考察等が既述 されてい るが, この頃 において は, それ ら
のサ ンプルの中か らと らえ る ことので きるい くつかの特徴について述べ ることが, ね らい である。
(
Ⅰ) 基健 となるデータについて
この項の基礎 となるデータは,男女 別単純集計 以外 に, 3種頬 あ るC 以下, それを示すO
圧]
,「あそび をや ってみたいか」 の意欲につい
「あ そびがで きるか」 につい ての項 目に対 して
ての項 目をクロス した もの (サ ンプル総 数 128人 )
つま り, このデータでは 「あそぴが できる, で きない とい うこと」と,「ぁそびに対す る意欲」 と
には,関わ りが あるのか, ないのか, あるとすれ ば, どんな特徴が あるのかを知 りたい,な どの
ね らいがあ る。
恩
,「あ そぴが できるか」 とい う項 目をクロス
「道具 についてので きる」 とい う項 目に対 して
した もの (サ ンプル総数 128人 )
このデ-タでは, やは り 「道具」 と 「あそび」 との関わ りの有無, あ るとすれば, その特徴 を知
りたい, などのね らい があ る。
[
劃
「学校,家 は楽 しいか
」「友 だ ちとあそぶか」「テ レ ビは何時間見 るか」 とい う項 目に対 し
て,他 の全項 目をクロス したもの, (サ ンプル総数
128人 )
これは 「で きること」が多い子 や意欲 がある子は, やは り,生活 を楽 しみ,意 欲を もって生活 し
てい るのか ど うか とい う大 きな仮 説の検証 のためである。 (今回は,棉 )
なお, これ らのサンプル は, 小学校 5年生 を抽出 した ものであ る。
・
21
- ・
(
I) 考 察
圧]
につい て
(
1
)
まず,同 じ項 目同士 の クロスに注 目した。
私 たちは, 子供 た らのや る気 を常に大柳 こしたい と願 って い る。 たいしたや る気 もないのに何 で
lうん と
もで きて しま うスマ - トな子よ りは,多少 で きな くて も, うん とや る気 を示 す 子の方が, t
のぴ る "一発達す る可能 性 を秘 めてい る子 と思 うこ とが多 いO そ して, や る気 さえあればたいがい
の ことは, できるよ うにな る と考 え ることもしば しばである。 だか ら, や る気 をまず第-に考 えて
みた。
す ると, ここで問題にな るのは, まず 〔表 3-① 〕の ※の数値 で 「や る気 が あって もうま くで き
ない」 子 どもたちである。 この子 た ちは, やがて, 「うま くで きないか ら, や る気 もない」子 ども
たらに,放 ってお けば, かわってい くであろ う。 そ こに, 教 育的課題 が うまれて くる。 例 えば,
「川や海や沼な どで魚 をつ る」
, 「竹 馬にのる」 「ひ もでコマ をまわす」 「ケ ン玉をす る」な どは,
もっ ともっ と大人 が教 えてあげ なければい けない ことで あるこ とは,数字 がホ してい る。次 に問題
も 自信がない (やらや
となるのは, 〔表 3-② 〕の※で 「や る気が あって も, やる場がない,あるいE
て くれないはなかった )」子どもたちである。やはり「
魚をつる」があげられる。そして, こ こでは , その他
に 「マイコンを使 ってゲ -ムな どをす る」 と「プラモデル をつ くる」が入 って くる。 マ イコンの功
罪は議論 のわか れるところであ るが, まだまだ子供 た ちに とって は, マイコンは高価 なのか, それ
とも, まだまだl
tや りた りない "欲求不満の あ らわれなのであろ うか。 その あた りは さらに深 い分
柄 .調査 が必要で あ る0
③ 〕の ※で 「うまくできるのに,や る気 が しない」子 どもたち
3番 目に問題 に したいのは 〔表 3であ る。 うま くで きないか ら, や る気が しない とい うのは, だい たい納得 で きる.
しか し例 えば, 「木に のぼる」 「あみで虫 をつかまえ る」 「お手 玉 をす る」 「コマをまわす」
「友 だち とす もうを とる」 「友 だ ちとお に ごっこをす る」 「お り紙 でツル を折 る」 「竹 ヒゴ と紙で
タコをつ くる」 な どでは 〔表 3-③ 〕に示 す ように 「うま くで きる」のに 「やる気が しない」 ので
ある。 5年生 とい う年令 を考 え ると, すでに小 さい時 にや っていて, もう遊 び としては,今 さ らや
らない だろ うとい うことがひ とつ予想 され る。 また, 別の遊 びがあって, これ らに は, もはや興
味がない とい うこ とも考 え.
られ るO さらにまた, それ ら遊 び をみ る と,伝承的 な もの も多 く, そう
い う遊 びを受 けついでい く異年令集 団 もな くな りつつ あるこ とも推 測 させ, また, 子 どもた らの巾
に も,集 団で遊 ぶ, あるい は友だ ちと遊 ぶ遊び方 自体がわか らな くなって きてい る, だか ら, やる
気が しな くなっそ きてい るとい うことも推測 で きるのではない だろ うか。
最後に 〔表 3-④ 〕の ※で示 され る3
:うに 「やったこともない し,やる気 が しない」遊 びについて
であ る。相対的 に であ るが, 子 どもの遊 び として, 消 えつつ ある, 子ど もの関心 をひきつけ ない遊
-22
-
表
3 「あそび がで きるか で きな いか 」に対 して「のそ ぴの意欲 」の同項 目同士 をク ロス した資料
表 3-G)
-竹 馬 にの る-
あそぴが
あ そぴの意欲
ないか
で きるかで き
N
_
V .A あ
やる気が
る やや
る気 が いやい
しない や ふつ
どちらで
.
らない
うに もない
や らない
や
る や
る
0
0 0 0 0
や らせてくれない
0
0
0
0 0
0
0 0 0 0
どうにか
きる
うま
くで で
きない
0
うま く で き る
2
. A
や る気 が しない
や る場 が な い
や った
が
な こと
い
※
その他
1
1
1
2
8
※1
⑲
2
4
44
8
2
0
0
2
9
7
ll
1
1
3
1
0
6
1
「川 や海 や旧 な どで魚 をつ る 」と 「ヒモで コマ をまわ す 」「ケン
玉 をす る 」が,同 じ慣向 を示 し, 数 値が高 い。
表 3-(
彰
一 マイコ ンを使っ てゲーム をす る-
あそ ぴが
あ そぴの意欲
できるかできないか
N
l
T
.
A
3
. A
や った
が
な こと
い
1
る気 が いやい
しない や
やや
らない
や
る
どち
らで もない
ふつ
うに
や らない
や
る
0 0
1
0
や らせてくれない
0
0
0 0 0 0
0 ■
0 0
0 0
0 0
どうにか
きる
うま
くで で
きない
0
や る気 が しない
が
やっ な
た こと
い
あ
やる気が
る
1
自 信 が な い
や る場 が な い
敷
媒⑬
1
2
2
3
5
8
10
3
1
14
6
0
5
3
8
1
2
1
その他 「魚 をつ る 」「プ ラモデル をつ くる 」が, 同 じ傾向 を示 し, 数値
が高いQ
表 3-③
- お り紙 で ツル をお る-
あ
そ
ぴ
がな
で
き
る
あ そぴの意欲
かでき いか
N
. A
が
や った
な こと
い
や
る
や
る
0 0 0 0
1
1
や らせてくれな い
0
0
0
0
0
0
0 0
0
0 0 0 0 0
0 0
0 0 0
どうにかで きる
うま くで きない
0
や る気 が しない
が
やっ な
た こと
い
N .A あ
やる気が
る やや
る気 が いやい
しない や ふつ
どちらで
らない
うに も
やない
らない
自 伝 が な い
や る場 が な い
※
1
1
2
1
10
2
2
3
1
3
1
5
4
0
1
その他 「木 にの は る」 「あみ で虫 をつか ま える
」「お手玉 をす る 」「コ
」
「
マをまわす 」「友 だ ちとす もうを とる 」「友 だ ちとおに ごっ こをす る
竹 ヒゴ と紙 で タコをつ くる 」な どは, 同 じ傾向 を示 し, i
Kで数値が 高い。
-
23-
表 8-④
-友 f
=
'
ちとす もうをとる-
あそぴ
あそびの意欲
できるかでき/
fいか
ド . A
が
やる気がしない
が
やったこと
な い 自 信 が ない
や る場 が な い
やらせてくれない
どうにかできる
が
やったこと
な い うまくできない
※
N -A あ
やる気が
る やらない
やる気がし
ない
どちらでも
いやいや
ふつう
に やない
らない
や
る や
る
1
3
2
0
2
0 0
2
I
)
0
0
0 0
0 0
4
0 0
0 0
0 0 0 0 0 2
1
※ 66
)
9
6
0 0
3
4
.5
0
8
1
6
2
その他 「お手玉をする」「タコをつ くる」「竹 とんぼをつくる」「あみ
ものをする 」が,同じ傾向を示 し,数値が高い。
ぴにつ いて,大人 が, そ こに どうい う意義 を兄 いだ してい くの か, あるいは, 子 ど もの関心にまか
」「す もうを とる」
せてい くのか を考 えていか なければい けないよ うに思 うO それ は 「お手 玉 をす る
」「竹 で竹 とんぼ をつ くる」「あみ もの をす る」 である。
数字の分布 を総 体的 に見 て も, 以上述 べ た部分 以外 では,「で きること」 は深 く意 欲 につながっ
「タコ をつ くる
てお り, 子供 たらのt
l健 全 き りを示 して い るよ うに思 う。
(
2)
次 に注 目したことは,遊 び のF
Pの他の項 目同士の 関係 で ある。 - 「あ そびが で きるか, で きない
,「あそびの意欲」 の他 の項 目同士 を ク ロス した資料 〔表 4,5〕。
か」 に対 して
ここでは, 遊 び 20項 目を,大 き く5つ のグル ープに分 けて, その 5グル ープ同士 の関係 に注 目
す ることか ら考 えてみ た。
第 1グル ープ調査項 目
1-3 :主 として, 自然 の中で, 体 を動 か してあそぶ遊 び。
第 2グル ープ調 査項 目
4- 8 :伝承的 遊 び とよん でよい もの。
第 3グル ープ調査項 目
9-ll:機械 的 な一 人遊 び。 今, はや りとい って もよい。
第 4グル ープ調査 項 目
1
2-1
5: 「友 だ ら」 と複数 であそぷ遊び。
第 5グル ープ調 査項 目 1
6-20:手 先 を と くに使 う遊 び とい うよ り作 る活動 が主 体の遊 びである。
全項 目にわたって, ク ロス の資料 を示 す ことは,か えって繁 雑にな り, あま り意味 がない
ヽ ので各
グル -プか ら代表的 な項 目をえ らんで, その項 目同士 のクロス をとる ことにす る. 第一 グル ープは,
調査項 目 2の
「
川や海 や沼 な どで魚 をつ る」,第 2グル ープでは, 調査項 目 8の 「ケン玉をする」, 栄
3グル ープで は調査 項 目 10の 「マイ コ ンを使 ってゲ -ムな どをす る 」
'
, 第 4グル ープでは調査項
目 12の 「友だちとす もうをとる」,そ して第 5グル ープでは調査項 目 20の 「あみ ものをす る」 をえ
らぶ こ とに す る. (それ らを選 んだ視点 は, 明確 ではな いが,一応 その グ)
I
/-プを代表 させ る こ と
に する。 )
-24一
一
表
4
「あ そぴが で きるか で きな い か 」に対 して 「あ そぴ の意 欲 」の 異 項 目同 士 を ク ロス した資 料
表 4-G) - ケ ン玉 をす る -
-川 や海 や沼 など で魚 を つる ∼
あそぴが
あ そ ぴの意欲
で きるかできないか
. A
N
が
やっ な
た こい
と
あ
や る気 が
る
る気 が いやい
しない や
やや
らない
や
る
ど ちらで
fL
、
ふつ
うf
こ も
や/
らr
e
L
.い
や
る
0 0 0 0 0
1
や らせてくれない
0
0
0
0
0
0
0
.
0 7 0 0
0
0 0
0 0
ど
うにか
きる
うま
くで で
きな
い
0
や る気 が しな い
自 信 が な い
や る場 が な い
や った
が
な こい
と
表 4-②
l
T.A
@
5
1
3
1
2
17
4
2
2
0
3
5
ll
4
1
1
- マ イ コ ンゲ ー ム をす る -
-川 や海 や沼 など で魚 を つる -
が
で
き
な
あ そ びの意 欲
あ そび
で きるか
いか
あ
や る気 が
る
る気 が いや
しない
やや
らない
いや
や
る
0 0 0 0
. A
N
N .A
ふど
つちらで
うに もない
や らない
や
る
1
や らせてくれない
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0 0
ど
うにか
きる
うま
くで で
きな
い
0
うま く で き る
や る気 が しな い
自 信 が な い
や る場 が な い
が
やっ な
た こと
い
や
が つな
f
=こと
い
(
8
_
i
2
⑥
0
.
1
1
1
9
8
5
5
4
旦旦
5
3
1
3
0
0
0
2
2
1
2
9
2
6
1
3
5
表 4-(
彰 一す も うを とる -
I川 や海 や沼 な ど で魚 を つる -
あ
そ
び
い
か
あそ ぴが
できるかできな
N
の 意欲
. A
iJつた
が
な こと
い
や
る
や
る
0 0 0 0 0
や らせてくれない
0 ㊨
0 1
0
0
0
0
0
0 0
1
0 0
0 0
ど
うにか
きる
うま
くで で
きない
0
1
や る気 が しな い
が
やっ な
た こと
い
h
T .A あ
や る気 が
る やや
る気
しない
らな
い がい
や い や ふど
つちらで
うに もない
や ら/
1い
自 信 が な い
や る場 が な い
2
4
2
1
6
3
3
3
4
2
2
7
8
0
9
2
9
4
表 4-(
彰
一 あ み もの をす る -
-川 や海 や沼 など で魚 を つる1
あ そぴ が
あ そ び の意欲
で きるかでき,
'
j
こ
いか
N
N .A
0
0
0
0
や る気 が しな い
や る場 が な い
な
や らせ て くれない
自 信 が
い
や っな
が
た こい
と
ど
うに
かで
きい
る
うま
くで
きな
や る気 が しない
や らない l
い
∼
うや い や
る
ど ち らで もr
fい
ふ
L
い
や つ うに
る や ら/i
0 0 0 0 0
. A
やっな
た こい
と
iが
あ
やる気 が
る
1
0
0
0
0 0 0
1 I
0
J
)
@
3
⑥
3
1
1
1
2
9
6
2
1
9
4
7
5
1
4
1
表 4-(
か - プ ラ モ デ ル を つ くる -
-川 や海 や沼 など で魚を つる -
あそぴが
あ そ ぴの 意 欲
で きるかで きないか
N
. A
る気
しな
いや
やや
ら/
Iい が い
やい
や
る
らで も/
ふど
つち
うに
やiい
らない
や
る
0 0 0 0
1
0
や らせ て くれない
ど
うに
かで
きい
る
うま
くで
きな
1
1
自 伝 が な い
や る場 が な い
や っな
が
た こい
と
表
あ
や る気 が
る
0
0
0
0
0
0
0 7
0 0 0
0
0 0
や る気 が しな い
が
や っな
た こい
と
N .A
5
.
5
3
1
1
18
2
3
4
3
2
1
2
2
0
7
2
2
0
5 「あ そ び が で き るか で きな い か 」に 対 して 「あ そび の 意 欲 」の 異 項 目同 士 を ク ロ ス し た資料
表 5-(
l
J -す も うを と ろ -
t ケ ン玉を す るー
そ
ぴ
が
あ
あ そ
で きるかで きないか
N
びの 意 欲
. A
i
かJつ な
た こい
と
ー
0 0
や らせて くれない
0
0
0
0
1
0
1
0
ど
うに
かで
きい
る
うま
くで
きな
0
6
3
や る気 が しな い
I
iが
や っな
た こい
と
N .A あ
や る気 が
る やや
る気 が い
しな
ど
らで
い い I
らない
やい
い や 1、
つち
うf
こ もな
や らな
自 信 が な い
や る場 が な I
い
1
- 2f
I
T
p-
や
る
や
る
1
0 0
1
1
0
0
0
0
0
0
0
1
13
5
0
1
0 0
0 0
1
0
0
l2
O
16
5
表 5-(
要
一 あ み もの を す る -
- ケ ン玉を す る -
あそび が
あ そ ぴの 意欲
で きるか でき/
よいか
N
. A
や る気 が しな い
が
やっ な
た こい
と
自 信 が /
f い
や る場 が T
Jい
や らせ て くれない
や っr
が
た
iこい
と
ど
うに
かで
きい
る
うま
くで
きな
h
T .A
J
やる気
j
l
が
る
る気 が い
しない
やや
らない
やいや
や
る
らで も/
ふど
つち
うに
やiい
らな い
や
る
0 0 0 0
1
0
0
0
1
0
0
0 0
0
0
0 0
0
0
1
1
1
1
13
6
ll
5
1
0 0
0
0 o
0i
01 0
7
5
ll
4
表 5-(
a
) -魚 をつ る-
- マイ コ ン ゲ ー ム I
3)そぴが
あ そ びの 意 畝
で きるかできないか
N
. A
や
がった
な こい
と
表 5-④
あ
や る気 が
る
1
2
る気 が い
しな
やや
らない
やい
いや
や
る
い い 胃
ふど
つちらで
うに もな
や らな
や
る
0 0
2
0
や らせ て くれない
0
0
0
0
0
0
0 ・
J
@
0 0 0
0 0
0
ど
うに
かで
きる
うま
くで
きな
い
0
や る気 が しな い
が
やっ な
た こい
と
N .A
自 信 か な い
や る場 が /
fい
2
18
6
2
2
2
1
6
6
I
1
2
7
1 0 0
0
0
5
3
-す も うを と る -
- マ イ コ ン ゲー ムー
あ そぴ が
あ そ びの 意欲
で きるかで きないか
N
. A
や
が っな
た こい
と
や
1
2
る
い い .
ふど
つちらで
うに もな
や らな
l
や
る
0 0 0
2
や らせて くれない
0
0 0
0
0
0
0
1 5
0 0 0
0 0
0
ど
うに
かで
きる
うま
くで
きな
い
0
うま く で き る
1
や る気 が しな い
が
やっ な
た こい
と
N .A あ
や る気 が
る やや
る気 が い
しな
らない
やい
いや
自 信 が な い
や る場 が r
iい
2
4
2
⑬
1
8
1
9
3
ll
ll
4
ll
1
2
0 0
1
ll
3
5
7
6
※しか し, この点 は, もっ と詳 しく見 ると, 例 えば,第 3グループの中では調査 項 目 10
(11とは, だい ぶ ちが う傾 向があ り, 別の機会に さ らに詳 しく検 討 してい く必要 があ る。
,「魚 をつ る」 こ とに対 して
〔表 4-① ∼④ 〕か らは, 次 の よ うな ことが,考 え られる。 つ ま り
,「ケ ン玉」 や 「マイコンゲ ーム」はやる気
やったことが ない -や る気 が しないか ら- とい う子 も
がするが, 逆に 「魚 をつ る」 ことが うま くできる子は, 「す もう」や 「あみ もの」 はや る気が しな
。「あみ もの」 は, 男女 の違い も考 え られ るの で,念 のため, 19の 「プ
ラ モ デル を つ くる」 で見 て み よ う 〔表 4 -⑤ 〕。 す る と 「ケ ン玉 」「マ イ コ ン」 と同 じ
いのでや らない子が多 い
傾向を示 し, これ は, 男女の違い に よることが予想 される。他 に 「魚 をつ る」 ことが うま くできる
子が, や る気が しない もので, 高い数字 を示 してい るのは調査項 目 5の 「お手 玉 をす る」 と調査項
」「タコ をつ くる」「竹 トンボをつ
目 13の 「おに ごっこをす る」 と,第 5グループ 「ッル をお る
くる」であるO (資料略 )
「ケ ン玉」 も 「マイ コン」 も一人遊 びであ りそ うい う意味 では,魚 つ りも一人 でや る遊びであ り,
,「す もう」 のよ うな遊 びをやる気
うなづける。 そして, どち らか といえば静か な遊 びであるか ら
,「タコづ くり」や 「竹 トンボづ くり」にやる
が しないの も,予想 される。 しか し,手 先をつか う
気を示 さない のは, い ささか, ふにお らない。魚つ りも案外手先 の器用 さが要求 されるのではない
だろ うか。 考 え られる とすれば, めん どうな ことはや らない,魚つ りの よ うに, のんび りとした遊
びをす るレジャー志 向型の子 ども像 な のであろ うか。
。「魚っ り」 に くらべ ると, ほ とんどの子が,伝承的な遊
〔表 5-①,② 〕につい ては, どうか
びは,経験 しているO そ して,や は り 「す もう」や 「あみ もの」 には, やる気 を示 していないD
〔表 5-③ ,④ 〕は,マイ コンをや る場 がな くて, や った ことがない子は,つ りやケン玉 や,あみ
ものはや りたい と思 ってい る. しか し,す もうは, や る気が しない子が多いO
以上 の考察 を大 まかに, ま とめて しま うと,一 人遊びの うまい子 どもたちが多 く,や る気 もする
が, 体をつか ったす もうのよ うな遊 びや, 手先 をつか うめん どうな遊 びは,総 じて,や る気か しな
い とい う子が, ふえてい るのでは, ない だろ うか。
以上,園 のデ -タか ら, とりあえず考察で きることだけ, ま とめて みた. さらに,詳 しい検討は.
別 の機会に譲 りたい。
-2
畠
・一・
[
葛 「道具7:
'
きる 」と 「あそびで きる 」の ク ロスデータよ り
こ
こでは, デ ータのひろい方 について,B]とは, やや異 な った方法 を使 ってみたO且 では, あ ら
か じめね らい をつ けた項 目, (同 じ項 目同士 と, グル ープ分 けによる代 表値を使 った )を選択 した
が,
こ
こでは,数値の高い ものを ピックア ップするこ とにi
:って, その傾向 を見てみたのであるO
なぜな らば,Ⅷ では, 「で きること」 と 「意欲」 との関係 を見 たのであ り,個 々の項 目間 よ りは,
道具」 と 「あ
グル-プ分 けに よる遊 びの分類 が有効 である と考 えたか らであ り, ここの団 では, 「
そぴ」 とい う別の ジャンルの間の関係 であるので, これは,個 々の項 目を問題 にすべ きで あると考
えたか らである。[
丑と同様 に, サ ンプ)
i
,
数が少 ない こ とと,パ -センテ ージは,単純集計の数値 を
そのまま転用 してあ るので, クロスを とると,全部 を合わせて, 100にな らない, とい うことを
理由に, ここで も,実数で数値 をあ らわす ことにする。 (しか しなが ら, ここでは,い くつかの項
目に限 って,考察 してみたいO
)まず, 〔表 6-① -③ 〕では, 「ハサ ミは うまくつかえる」 とい う
」「あみ もの」 などはやった ことがない
子 ど もたちで も, 「魚っ り」 や 「タコづ くり」 「
竹 トンボ
とこたえてい る. また 「ハサ ミ」 はつかえて も. 「竹馬 は うま くで きない」子 も多いO 結局, ハサ
ミについ ては, あそびがで きる, で きない とは, あま り関係 ない。言いかえ るな らば, だれで もだ
い たいハサ ミは, うま くつか えてい るとい うこ とであろ うかO次 に, 〔表 6-(
さ 〕につい ては,ハ
サ ミと同様, ナイフが うま くつかえて も 「コマは うま くまわせ ない」 とい う子が多 い。 また, 〔表
6-④ 〕では, ナイ フがつか えて も 「竹 トンボは, つ くったこ とがない」 とい う子 ど もた ちが, ま
だ多い とい うことを示 してい るO 子 ど もたちに, やは りもっ とつか う場 を, あるいは使い た くなる
よ うな教材 を与 えてい くべ きであるとい うことであろ うか。
カナヅチ と遊び との関係 は, あま りない よ うである。総 じて, カナツ チをつかえる子は多いが,
だか らとい って 「竹馬や 「す もう」 とは,結 びつか ない のであ る。 〔表 6-㊨
,⑥ 〕。 ノコギリや
キ リは どうか。 ノ コギ リが うま くつかえて もお手玉 は うま くで きない。 つま り, お手玉 よ りもノコ
ギ リを使 う機会の方 が多い のではないだろ うかOお手玉がそれだけ失 なわれつつある一方, ノコギ
.
)を使 う場 は,案外,保障 されてい るのである 〔表 6-① 〕O
,「道具がない」 あ るいは 「それ らの道具 をつか う場がな
ノ ミやカ ンナや ナタで特徴的 な ことは
い」 とい うことであ ろ うか。 あそび とは関係 な く, そ うい う道具については, つか った ことがない,
知 らない とい う子 どもた ちが多 い のではないだ ろ うか 〔表 6-⑧ ,⑨〕。
以上,[
丑については,特 徴的 な道具 についてのみ, 限定 して,考察 してみたが総 じてあま りあそ
び との関係はな さそ うである。
※
最後 に[
劃の学校や家, テ レビと他 の全項 目について, クロスを とった ものであるが個々の数
字のバ ラつ きが多 く,今回の考察 までには,特徴的 な ことが らをつか む ことがで きなか ったので,
再度検討 を して, 次の何 らかの機会 にま とめ ることに したい。
-29
-
表
6 「道 具 が うま くつ か える ・つ か えない 」に対 して 「あ そび が で きる 。で きない 」を ク ロス した資料
表 6-①
- ハサ ミで布 を き る-
-川 や海 や招 など で魚 を つる -
あ
そ
ぴ道
具
N .A
l
V
A
モ モ㌔
い
ぞ
真が言
芹
自信
ない
妄 うさに 賀
と主音5
,
が
あ
るや
7
こ
つ
こ 阜 きまな t、
や っ た こ と が な い.
し な い な
い くれない
0
1
0
0
0
で
や っ た こ とが あ る
き る
で きな い
0 0 0 0 0
0
1
0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 _
0 0
0
0
0
0
0
自 信 が
e三
道 具 が ない
ドが
なや
た
な
や る気 が
道 具 が
や らせ て
1
3
1
う ま く
ど うに か
8
6
5
8
1
22
1
41
0 0 0
⑲0
8
9
1
で
う ま
き1
る
く
- ハサ ミで布 を切 る-
ー竹 馬 に の る -
あ
そ
び道
具
N .A
l
V
A
1
道 具 が ない
自信 が ない
ぞ 泉苫 L
T,
享 うさに 奮
と主
ネ きまな L
(
、
音皇
が
あ
るや
た
こ
つ
や る気
具 ながい.
や らせ て
や
っ たがこ 道
とが
し な い な
い くれ ない
う まや く
どこ
うに
うる
ま く
っ た
とか
が あ
で きな い で き る で き る
0 0 0 0 0
0
0
0
苫 ㌔戸 が .
が
なた
い
や
こ
と
つ
自 信 が
な
い
0 0
2
0 0 0 0 0
0 0
0.
0
0 0
0
0 0
0
0 0 0 0 0
0 0 0
0 0 0
1
3
2
7
1
0
0
0
0 0
0 0
1
6
8
18
51
1
0 ㊨0 0
1
5
萩 似項 目 ⑤⑦富⑪⑳
- ナ イ フで鉛 筆 をけ ず る-
I ひも で コ マをま わ す -
`
あ
そ
ぴ道
具
や る気
具ながい.
や らせ て
N .A 自 信 が や
っ たがこ 道
とが
i
V
A
モ モ㌔
ei
r
道 具かない
lかや
いた
と
な
こ
つ
ぞ
泉■
言
方
自信が
ない
さ
に賀
妄 う
るとi
阜.
きii
まな L
(
、
が
あた
や
こ
つ
な
い
し な い
な
い
くれない
う まや く
どこ
うにか
うるま く
っ た
とが あ
で きな い で き る で き る
0 0 0 0 0
0 0 0
0 0 0 0
0 0 0 0
0 0
0 0
1
1
1
1
2
-30-
2
1
1
0
1
0 0
0 0 0 0
0 0 0 0
1
0
1
1
⑲
8
30
3
7
1
10
34
8
類 似項 目 (
む②
∼ナ イフで鉛筆 をけず る-
1 竹 で 竹 - ン ポ を つ- る I
あ
そ
び道
具
や る気が
具ながい.
や らせ て
N .A 自 信 が や
った こ道
とが
L
V
A
言 三㌔
eミ
道具 がな い
が
な
いや
ナ
と
こ
l
こ
1 自信が ない
ぞ泉貰L
T
,
に磐
妄 うさ
が
あ
るや
た
こ
と
つ
な
い
し な い
0 0 0
い
くれない
う まやく
どこ
うにか
う るま く
った
とが あ
で きな い で き る で き る
0
1
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0 0 0 0
0 0 0 0
1
2
0 0
阜 きまな L
(
,
な
1
1
⑲
18
3
8
2
0
1
0 0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2
16
5
1
1
8
類 似項 目
@⑳
- カナヅチ で木 に くぎを うつ- 竹 馬 に の る-
あ
そ
ぴ
・
道
具
や る気
具ながい.
や らせ て
N .A 自 信 が や
っ たがこ 道
とが
l
V
A
苦 る㌔
い
し な い
な
い
くれない
う まやく
どこ
うにか
うるま く
った
とが あ
で きない で き る で き る
0 0 0 0 0
.
0
0
0
0
eミ
道 具がな い
が
な
いや
す
と
こ
こ
「 自信が ない
ぞ 鼻苦 さ
妄 うさに
な
0
0
0
0
0
0
0
0
0
.
0
0
0
0
■0 0 0
0
0 0
0
0 0 0
0 0 0 0
1
0
0
0 0 0 0 0
_
3
1
告
が
あ
るや
た
こ
と
一
ヽ ネ きまな L
(
,
0 0
2
1
6
6
0
4
15
1
類似項 目 6X
D⑧
- カナヅチで木 に くぎを うつ-
-友 だ ち と す も う を と る -
あ
そ
び道
具
や る気が
具ながい.
や らせ て
N .A 自 信 が や
った こ道
とが
i
Y
い
し な い
な
い
くれない
う まやく
どこ
うにか
うるま く
った
とが あ
で きない で き る で き る
0 0 0
1
0 0
ぞ 真言 L
7;
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0 0 0 0
0
0 0
0 0 0
0
0 0 .
0 0
妄 うきに
e
0
0
3
0 0
^
言 三㌔
eミ
道具 がな い
な
が
いや
た
こ
と
つ 自信が ない
を
と さま去
阜 きまな L
(
、
が
あた
るや
こ
つ
な
I
5
0
0
0
0
⑲
⑮1
2.
4
1
0
1
1
1
3
7
4
1
12
2
0
49
類似項 目 ⑧⑲⑱⑳
-31-
- ノ コギ リで木 を切 る-
- お手 玉 を す る -
あ
そ
ぴ道
具
L
V
い
が
なや
た
と
こ
つ
N .A
A
道具
が な空
いミ
モ モ㌔
自信 が な い
ぞ 泉貰 L
7
;
妄 うきに 宕
と+
阜 きまな t、
.it
が
あ
るた
や
こ
「
な
自 信 い
が
や っ た こ と が な い.
し る気
な い
な 具 が
い や
くれ
ない
や
が 道
らせ
て
や っ た こ とが あ る
で
き か
る で
う きな
ま い
く で
ど うに
う ま
き る
く
0 0 0 0 0
1
0
0
0
0
0
1
0 0
0 0
0 0 0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0 0
0
0
0
1
0 0
2
1
1
1
9
1
0
2
1
⑲
5
16
15
2
19
3
33
- ノ ミで木 に穴 を あ け るI 友 だ ち と ト ラ ンプ で ゲー ムを す る ー
あ
そ
ぴ
道
具
ド .A
_
N
L
A
モ モ㌔
eミ
道具 が ない
が
い
なや
た
こ
と
∩ 自信が な い
ぞ 鼻音 さ
孝 うさに
と
が
あ
るた
や
こ
つ
奮
阜 きまな L
(
、
自 信 が
な
い
や る気
具 ながい.
や らせ て
や
っ たがこ 道
とが
し な い. な
い くれ ない
う まや く
どこ
うに
う るま く
っ た
とか
が あ
で きな い で き る で き る
0 0 0
1
0 0 0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
.
0
0
0
0
0
1
0 0
0 0 Lb
0
0 0
6
1
1
3
0 0
0 0
0 0 0 0
1
1
1
1
1
1
26
4
類似項 目 ⑤(
亘凝 )
垣)
⑬@ ⑲
- カ ンナ で木 をけず る-
-自 転車 に の ってあ そ
あ
そ
ぴ
道0
具
l
V
A
ぷ-
や
し るな気 が
い
が
な
いや
た
こ
と
つ
道具が な い
自伝が な い
ぞ え苦 さ
与 うきに を
とネ
が
あ
るた
や
こ
つ
自 信 が
N .A な
い
きまな t
(
)
0
0
0
1
や る気 が 道 具 が 、
や らせ て
や っ た こ と が な い.
し な い な
い くれない
う ま く ど うに か う ま く
や っ た こ とが あ る
で きな い で き る で き る
0 0 0 0 0 0
0
0 0
1 0
0
0 0
0 0
0
0
0 0
1
1
0
0
0 0
0 0
1
6
3
㊨3
0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0
1
1
2
8
20
2
類 似項 目 ④(
互堰)
⑧◎⑱Q
I
4
童、
⑯
-32-
3
. 手 の働 き と意 欲 の男 女 差
(1) 生活 にかかわ る ことは、 女 子 の方 が 「うま くで き る こと」 が多 い。
2
0項 目中、 次の 11項 目について、 学 年 を通 して、 男 子 よ り女 子の方 が 「 うま くで きる 」とこγ二
見てい るO
急須 か らお茶 をつ ぐ
熱 いみ そ汁 をお わ んにつ ぐ
ナ イフで果 物 の皮 をむ く
包 丁 を使 って ジャガ イモ を小 さ く切 る
お米 を と ぐ
洗 濯物 をたT
こむ
ぞ うきん を しぼ る
ふ ろし きを
こもq
)をつつ む
針 と糸 でボ タ ンをつ け る
ミシンで ぞ うきん をぬ う
ハ ンカチに ア イロ ンをか け る
中 で も、 洗 濯物、 ボ タ ンつ け、 ア イロ ンか けの衣 に関 す る もの、 急 須 か らお茶、 お米 とぎ、 ジ ャ
ガイモ を切 るの食に関 す る もの で特 に男 女差 が大 きい 〔図 8 〕。 日常生 活 の中 で、 女 子 の方が家 事
の手伝 い を してい る こ とがわ か る。
これ らの 1
1項 目は、 男 女 差 を示 しなが らも学年が 上 るにつれ て 「 うま くで きる 」が多 くな って
い く。 それ について 「や る気 が あ る 」のか ど うか を意 欲 の面 で調べ て み る と、 家事 にかかわ る こ と
の 7項 目が全 部 下降線 をた ど ってい る。 (や る気 が少 な くな ってい く )(ハ ンカチに ア イロン、 ふ
とんの片 づけ、 食事 の手伝 い、 片 づけ、 リンゴの皮 む き、 運動 靴 を洗 う、 玄関 の そ うじ )〔図 9〕
特に男 子 は、 3- 4年生 を境 に急 に 下 り、 女 子 は下降 す るが、 ほぼ横 ばいの状 態 を示 すO 子 ど も ら
しい 「や りγ
二が りや 」の時期 をす ぎる と、 男 子 は、 家 事 にや る気 も少 な くな り、 女 子 は意欲 とい う
よ り、 当然 の生活 に な って し ま うの か もしれ ないO
家事 に関 して女 子の方 が 「 うま くで きる 」が多 い中 で、 「カ ンキ リで カ ンヅ メをあ け る 」だけが
0〕 。特 に小学校中学年の男 子が、 台所 の中 で大 好 きな仕事 の
男子がわず か に上 まわ って い る 〔図 1
よ うだ。
(2) 男女 差 が少 ない もの は身 の まわ りの こと
T
=ま ごを割 る、 豆 をは しでつか む、 靴 の ひ もを結 ぶ、 シャ ンプ ーを使 って 自分 ひ と りで頭 を洗 う
な ど身 の まわ りの こ とでは 「 うま くで きる 」に男女差 が ほ とん ど見 られ な い 〔図 1
1-① 〕。 それ
らは又、 年 令が高 くな る とよ り習熟 度 もま し、 「身につ いて い く 」とい うこ となの だ ろ うO
差 が少 ない ものの中 に「カ レー ラ イスをつ くる 」が あ り、 小学 生 の うらは、 男女 ほ とん ど同 じ位
「うま くで きる 」子が少 な い。 そ して中学 に な る と女 子 に 「 うま くで きる 」が急 に ふ えて くる 〔図
l
l-@ ]O
± 二 三 四五六聖 二三
少 二三 四五六 空
少 二三 四五 六空 二三
図8
. 「 うま くで きる 」の男 女差 が著
しい もの
/
図9
. 生 活 の中 で 「や る気 が あ る 」が下
降 す る例
一
弾 '
:
一
二…
3
4
0
カ ンキ
30
20
1
0
T
:ま C をわ る
リ
/ヽ
_ 二三 四五 六空 二
図 11
. 男 女差 が少 ない もの-(
丑
シャンプーを使 って
自分 ひ と bで頑 をあ らう
三
「うま くで きる 」
ミシ ンで ぞ うきん をぬ うは、 6年生 か ら「うま くで きる 」が ふ え る。家 庭科 で ミシ ンを使 う時期
と一致 してい るが、 せ っか く習 っ T
こミシ ンが中学 に な る と男 女 の差 が ひ らい てい く.技術科、家庭
科 と教科 が分 かれ てい く中 で、 男 子 は、 再 び ミシ ンに接 す る こ とは少 な くな ってい くだ ろ う。中学
0% の男 子 が 「や る気 が あ る 」とこた えて い るのに 〔図 1
2〕。
校 にな って も 3
(3) 男子 が 「うま くで きな い」 とい うの は、 主 に衣 に関す る こと
洗γ
こく もの を丁
二だむ、 ふ ろ し きに もの をつつむ、 ボタンをつけるな どは、 中三 にな って も 2
0%ぐ
らいの 子 ど も丁
こらが 「うま くで きない 」とい ってい る 〔図 1
3〕 。衣類 の管理 は、 ほ とん ど自分 の手
で しな い せい で あ ろ う。
「うま くで きない 」中 に くだ ものの皮 をむ くが 一番 高 い 値 を示 してい る06年生男子では、6
00
/
o
以 上の 子が で きな いQ皮 をむ くの は王 に母 親 の仕事 にな るの だ ろ うか0 「 りん ごの皮 が むけない 」
こ とを器 用、 不 器用 の一 つ の 目安 とLT
ここ とがあ るO その面 だけか らい えば、 相変 らず や不器用な
了 が多 いク と言 うことが で きる。
生活 の こ とで、 女 子が男 子 よ り「 うま くで きる 」 こ とが多 いの は、 予想 していT
=通 りだ といえるO
「男 は仕事、 女 は家 庭 に 」とい う性 別 に よる役割 の分担 が家 庭 の中 の しつ けな どに も定 着 している
-34-
かの よ うに見 える。
985年 の 「婦人労 働 白書 」に よれ ば、 企業 な どで鋤 く女子雇用
しか し実状 は少 しずつ変 化 し、 1
労働者の数が、いわ ゆ る専業 主 婦 よ り上 まわ った とい うO「男 は仕 事 、 女 も仕 事」 とい う時代 を
迎 えつつあ る中 で、 男子 も今 よ りは家事 について 「うま くで きる 」が多 くな ることが必要 ではない
か と思 う。
(
4) 道具 は、 男子の方が 「うま くで きる」 が圧倒的 に多い
1
5項 目申、 11項 目が全学 年 を通 じて、 男 子の方が 「うま くで きる 」とこT
=えてい る数が多 い。
身近 な道具 であるカナヅチ、 ノコギ .
)、 キ リ、 ペ ンチ、 ドラ イバ ーは、 小学校 3年 を境 に男 子 では
「うまくできる」が急にふえてい き、図工科 で道具が出て来 る 時期 とほぼ一致 してい る。一方、 女 子
では、 それ ほ ど急 には ふえていない し、 ペ ンチをの ぞいては、 「うまくできる 」子が 5
0%前後 しか
4年 とくらべ ると、 カナヅチ、 ノコギ .
)な
いないのは どうい うことだ ろ うか。 とわい え、 これ らは 7
どは、 「うま くで きる 」とこγ
こえてい る子が陪近 くふ えてい る 〔図
1
4
〕 0
一般 の家 庭にはほ とん どおかれな くな っT
こカ ンナ、 ナタ、 ハ ンダ ごてな どは、 男 子は、 中学 1年
か ら「うま くで きる 」が急 に ふえてい る。技 術科 の授業 に よって、 道具 に ふれ る機会 を得 γ
こことに
5〕。
よることは明 らか であ ろ う。女 子は、 男子の半分以下の数字 を示 してい る 〔図 1
女 子の 「うま くで きる 」が少 ない もの を、 や る気の面 か らし らべ てみ る。
道具が一 つずつ対応 した形 での質 問 ではないので 「道具 を使 って木 で何か をつ くる 」と「木 でT
こ
なをつ くる手伝い をす る 」
い う総 合 した活動 を と りあ げて み る と、 「木 で作 る 」は 5
0%、 「丁
こ
00
/
o前後の女 子が 「や る気 が あ る 」こ とがわか る 〔図 1
6〕
な 」は 3
.「うま くで きる 」ことが少 な
くて も、 「や る気 はあ る 」とと らえ る ことが出来 る。場 が与 え られ る ことが必要 だ と患 う。
一方、 電動 イ トノコ、 ハ ンダゴテは、 「うま くで きない 」と対応 す るようにやる気の方 も少ないO
道具 にふれ る機会 が少 ないの で (見 る こともないか もしれない )、 その道具 に よって何 が作 り出せ
るかが理解 で きないの で、 や むを得 ない ことではないか と患 う。
(
5) 男子が女子を下 まわ るのは、 ハ サ ミで布 を切るだけ
「生活 」の中 で、 衣 に関 して男 子の 「うま くで きる 」が少 ない ことが 目立 ったが、 道具 に関 して
も、 唯一 つ女 子 をr
Fまわ っγ
このが、 ハヤ ミで布 を切 るであ っ T:O家庭 で もほ とん ど布 に ふれ る こと
7〕.
がない男 子が、 技術、
・家庭の別学 に よって、 さ らにその差が広 が っT
この であろ う〔鴎 1
(
6) 男女 差の少ない道具
コンパ ス、 三角定規は、 教科 の中 で きちん と位置 づ くせいか、 又 ナ イフでえんぴつ をけず るの も
-35
-
針 と糸 でボタ ンをつける
′
▼・
t
、
ヽ
・
一
J
.
1
ヽ
L1
.-J
J
・
一
\ ./ 、・\L
坐 二三 四 五六
空二 三
一
-1
少 二 三 四 五 六 聖二三
少 二 三 四 五 六 聖 二三
図 13
. 「うま くで きない 」こ と
図 12
. ミシ ンで ぞ うきん をぬ うの 「うま く
で きる 」と「や る気があ る 」
9
0
カナヅチで木 に くざを うつ
ノ
-
コ ギ
坐 二三 四 五 六 聖
リ
で
木をき
る
90
ハ ノダゴテをつかう
子
L
L J7
4男子
首
ニ 4
汁
,
」へ 小 / ヰ
一,
j
'
,\
了
′
ヰ--
女
子…
O
o
二
1
0
-
二74
i
i
ii
i
i
i
ii
i
i
i
ih
Jii
i
i
ii
ii
ii
i
ii
i
l
小
坐 二 三 四五 六 一 二 三
少二三四五六聖二三
図1
4・ 「うま くで きる 」の 7
4年 との比較
′
V
3
0 ,
J
?
I
∼
/
l
b2
9.
:
・
'
.
:
∵.
I、
坐
50-
・
8女
巾
坐 二 三 四 五 六 _ 二三
図は
二三四五六聖二_
=
.
「 うま くで きる 」で中学 で差が
ひ ろが る もの
8〕.
「 うま くで きる 」は多 くない ものの、 コンパ スな ど と同 じよ うに男女差 がな い 〔図 1
意欲 の面 か ら「図工 ・技術 ・家 庭 の時間 に ものをつ くる
」〔図 19〕をみ る と、 高学年 で も700
/
o
ぐ らいが 「や る気が ある 」とこ丁
こえ、 その男女差 はない。 その差 の少 な さと、 実際 の道具 が 「うま
くで きる 」ことの男女差 をみ る と き、 道具 についてい えば、 教育 の中味 に よ って、 男女差 が ひ らい
てい くと思 われ る。
そ して、 道具 を使い こな し人間 らしく育 った めには、 学校 は もとよ り、 地域 の 児童 館の工作活動
な どの役 割 が ます ます大 き くな ってい くの ではない だ ろ うか。
(7) あそぴの中で 「うま くで きる」 ものの男女差 は、 小 学校 1年 生 か らは じま ってい る
魚 をつ る、 虫 を とるな ど自然 にかかわ る ものOけんも
コマ、 す もうな ど苦か ら も男 の子 の遊 びO
と.
され て き丁
こもの。 そ して ≠現代 のお もちゃク ともい うべ きゲ ーム ウオ ッチ、 マ イコ ン、 プ ラモデ
ルな ど、 2
0境 目中、 8項 目.
で男 子 が 「うま くできる 」とこr
こえてい る0
-万女 子 では、 お ても
0〕
る 〔図 2
ツルを折 る、 編物 の 3項 目だけが、 男 子 よ り「 うま くで きる 」ものであ
。
合 わせて 1
1項 目に男女差 が大 き く出てい るが、 その中 で特徴的 なのは、 その差 がすでに小学校
-36
-
6
0
5
霊
‡
ゝ
4
0
3
て
木
で
道
具
で
絞
0
7
0
60
80
2
0
1
0
っ
何 か を つ
四五六
くる
70
60
50
40
30
20
1
0
〆
8
ハ ゼ ミで
i
を
7
E
き る
50
4
0
3
0
I
l
o
1
0
′ 一一
一
一
一一一、
/
・
二
へ、
ノ
一 ハ ンダゴテをつか う
T=
.最
去卓二
図1
6
, 「や る気が あ る 」の男 女差
転
二く
こく二 二
二
・.「
図
1
7
. 男 子が 「 うま くで
きない もの
」
図工 ・技術 ・家庭の
時間に ものをつ くる
/\
一 二三 四五六 一 二
8. 「 うま くで きる 」で男女差 が ない もの
図1
図
三
1
9
. 「や る気が あ る 」
の男女 差
1年生 か らは じまって い るこ.
とで、 学 年 が上 って もその差 は縮 ま らない とい うことであ る。魚 や虫
をつか まえT
こり、 す もうを LT
=り、 ツル を折 った りす るのに低学 年 の うらに、 それ ほ ど道具 や ワザ
が必要 なわ け では ない し、 野 原 に い けば虫 はい るt
O
)だ が、 それ らへ の 興味 の示 しか T
二が こんなに も
差が あ るの は、 家 庭 や幼 児教 育 での男 女 の育 て方 の違 い なの だ ろ うか。今 後 さ らに追究 してい きT
こ
い課 題 であ る。
(
8) いわ ゆ る や男 の子 の遊 び、 女 の 子の遊 び 〟につ いて
いわ ゆ る男 の 子の遊 び とい われ る ものに女 子 は 「うま くで きない 」とこT
=えて い るの だが、 意 欲
の面 か らし らべ て み る と、 プ ラモデ ル をの ぞ くと、 それ ほ ど大 きな差 はみ られ ない 〔図 21〕O
「 うま くで きる 」で大 きな差 をみ せ た魚つ りや コマ まわ しは、 「や る気があ る 」が男子に近い し、
けん 玉や マ イコ ン、 ゲ ーム ウオ ッチ は、 ほ とん ど同 じであ る。
その中 でなぜか プ ラモデ ル だけは、 「うま くで きる こ と 」と「や る気 」が一 致 して男 子がず ば抜
けて高 い.現 代 の典 型的 な や男 の子 の遊 びO とい えるだ ろ うかo
い わゆ る男 子の遊 び- の女 子 のや る気 は高 い が、 反対 に あみ もの、 ツルな どの女 子の遊 びには、
男子 は ほ とん ど関心 を示 さな いo今 後 は遊 びの中 でい わゆ る も男 子専科 の遊 びク といわれ る もの が
-87-
90
80
70
60
5
0
40
- 叫
一一-・女
川や拓 や昭 で魚 をつ る
1 ラモ デルをつ くる
rへ
いへ
ノ
ノ ∨
3
0 / メ.
.
■
・
20
・
・
.
ノ 、
†
・
へ・
′
'
・
)
㌔t
′
へ ・
p
一
、 ノ ′
、
・
■
′
1
0
図2
0 「うま くで きる 」で男女差 が大 きい遊 び
∴
川や軸や昭
坐二 三 四 五
二
∴
Jへ
-)
/
、
一
〉 ー
一
一
●
ヽ
■
l
一
一
一
二二
、
\ノ
一
も J
l
で
魚
六
をつ る
りん玉をする
iV
・
′
I
、
、
.′
▲
ヘー
ル一
I
プ
ラモデ
ルをつく
る
空
、
′
・
t
√/
\\、
′
\
\
\
\
/
_
I_
/、
、
_
ヽ
、
ね手 玉をする
四五六
図2
ト 意 欲 の面か ら「や る気が あ る 」もの
少 な くな ってい くのだ ろ うか 。 この こ とは、 竹馬にの る、 コマをまわす についての 1
0年前 とのらが
い をみ るとお もしろい 〔図 2
2〕
0
2つ とも戦前 までは、 男 の子の遊 びだ っ丁こ。74年 の調 査では、
00
/
O
、 竹馬は 2
00
/
oぐ らいの女 子 しか うま くで きなか っT
=のに、 1
0年 後 に な る とコマは男
コマは 1
子 との ひ らきはあ るが竹馬は、 ほ とん ど同 じにな って い る。伝 えた り、 指導 す る例 も含 めて、 生活
の中 での も男 女観 Qの変 化 が反映 され てい るのだ ろ うか。
その他男女差 が少 ない もの に、 トランプを きる、 自転 車 にの ってあそぶ、 友 だ ちと外 でおに ご っ
こ、
をす る、 友 だ ちと外 でポールを使 って遊ぶがあ る.
(9) 気 にな る子どもた ちの生 活の基盤
には、 男女の差 を示 した子
生活、 道具、 遊 び と分 けT
=中 で、 「うまくで きる 」とか 「で きない 」
ど も丁
こらだが、 学校 での教科 - の 「や る気 」や 百科 辞典、 小説、 マ ンガが読 むな どにつ いては、男
3〕。
女の差 は、 それ ほ ど見 られ ない 〔図 2
教科 に関す る もの が、 学 年 が上 る と「や る気 があ る 」が 下降 す るが、 小説、 マ ンガ を よむは、小
0%∼ 70%前後 の 「や る気 」が示 され る。又、 新聞、 テ レ ビは、 やや
学校 1年 か ら中学 3年 まで 5
男 子に 「や る気 」が多 いが、 マ ンガ類 もふ くめて、 情報 の受 け手 としての子 ど も像 が うかび上 って
-88-
90
80
70
ひ もで ゴマをまわす
70
60
6 0
50
5 0
4
0
3
0
2
0
1
0
40
30
\
二Ll′ 二
-■′
、\
20
亮
;
:; ≡
1
0
少二 三 四 五 六空二三
図2
2
坐二三 四 五 六 聖 二三
坐 二三 四五六空二三
1
0年前 とくらべ て女 子の 「うま く
で きる 」の らがい
る
「や る気」 に男 女差が少 ない
8
0
7
0
6
0
5
0・、1∴Y_)
マ ンガの/
h
:
をよむ
百科刺 kl
Lどを調べ て
自由研究をす
図2
3-①
80
7
0
新棚 をよひ
60
5
0
L
I
D
3
0
20
1
0
ご
く
40
30
20
1
0
四五六一二三
図2
3一項)
坐二三 四五六空 二三
J
ヽ一一
.
二
二
テ レ ビのニ ュースをみる
I
l
.
・
:
I
.
:.
I
:
:
・
t
一二三 四五六
「や る気」 に男 女差 が少 ない
図2
4
. なか まの中 での 「や る気 」が少 ない
くる。
一方、 近所 の友 だ ちなか まの リーダー とな るや、 班長や学級委 員をや ることは、 「や る気 」も低
4〕o これ と合 わせて 「近所 の友 だちとあそぴますか 」を見 るとし図
く、 さ らに下降 してい く〔図 2
2
5〕、 小学校高学年か ら急降 下 し、 いわゆ る放課後の遊 び仲 間 - 子 ど も集 団 が崩壊 してい ること
が裏付 け られ よ う。
「家庭 はγ
この しい ですか 」が、 中学 に入 って男女 とも「γ
この しい 」が少 な くな るこ とが 目立つ。
愚春期 に入 り家族関係 にわず らわ しさを感 じるの であ ろ うが、 男 子の 「学校 が 丁
この しい 」が少 な く
-39-
- 男
・
-A
学t
2
く
、 l
\
\♂
■■■■Ⅷ
■
面 iiiii
i
ii
i
i
i
ii
i
ii
i
i
i
ii
i
i
ii
坐 二三 四五 六空 二 三
1 I 1111II1
■
■
■
■
n
■
■
■
坐 二三四五六空二三
坐 二三 四五大空
図2
5
. 学校 ・家 はたの しいだ ろ うか
「丁
この しい 」の数
近所 の友 だ ちとよ くあ そぶか
「よ くあそぶ 」の数
な り、 近所 の友 だ ちと も遊 ばな くな る中 で、 彼等 は、 今、 どこをむいてい るの だ ろ うと気 にかかる
ことであ るO
4
」
親 か ら 見 た 「子 ど も の 手 の 働 き
(
1
) 調査 について
子 どもに実施 した 「
手 の働 き」 と同項 目の調査 をその親について も 「あなたのお子 さんはどこ
にあて はま りますか」 とい う聞 き方 で,親 の目か ら見て, 子 ど もの手 の働 きはどうであるか とい
」「うま くで きない」 「ふつ う」 「やって
うことについて調査 した。 その集計 は 「うま くで きる
い る¢を見 た ことがない」の 4段階 で集 計 した。
調査対象校 は, 小学校 :東京 2挽
埼玉 1校,岡山 1校 の 4校の各学年一 学級 を対象に行った。
その対象 とな った子 (親の 目か ら見た回答 があった子 )は下記の人数 となる。
1年
囚
女囚
男
2年
8年
4年
6年
5年
60
47
70
64
49
68
58
68
63
59
64
73
記入者は,父 11解,母 89蕗。記入者 の年令構成は, 次のよ うになる
J
,
2
/
6
/
I-30才
∫
46才以上 \
81才 - 35才
36才 ∼ 40才
-
4
0-
41
才-45
才 ∼
%
5
(
2
) 親か ら見た子 どもの手 のはた らき
親の 目か ら見 た 「子どもの手 のはた らき」 を分析 してみ ると, 大 きく分 けて,次の 四つの基本
型に分類す ることがで きるo
「うまくで きる」が 「うまくで きない」 よ り高い数値 を示す型 〔図 26〕
①
② 学年が進 むに従 って 「うま くで きる」が上昇 し, 「うま くで きない」 と交差 する型〔
図2
7〕
③
「やっているのを見た ことがない」が高い数値を示 す型 〔図 28 〕
④
「やってい るのを見たことがない」 と 「うま くで きる」 が交叉す る型 〔図 29〕
①
「うまくで きる」が高い数値 を示す型 ((
王塾 )
どの学年 にわたって も rうま くで きない」 よ り 「うま くで きる」が高 い値を示 す この型に は,
次の i
:うな ものがふ くまれ るO
きゅ うすか らお茶 をつ ぐ
豆 をは しでつまんでたべ る
たまごをわ る
ツメを切 る
シャンプ-を使 って一人 で頭 をあ らう
洗 た くものをたたむ
ハサ ミで布を きる
木にのぼ る
捕虫網 で虫 をつかまえ る
ひ もで こまをまわす
ゲ ームウ ォッチで あそぶ
自転車にの ってあそぶ
友 だ ちと外 でおに ごっこをす る
友だ ちと外で, ボール であそぶ
こ うしてな らべ てみ ると, 「遊 びの こと」 「生活 の こと」 を中心 に 「うま くできる十 と思 わ
れ る項 目がな らん でい る。 これ をよ りは っきりさせ る ために, 「うま くで きる」 と親が見 てい
る項 目を 1・8・6年 につい て, その数値の高い方か ら並べ てみ ると次 の ようにな る 〔表 7 〕O
こ
こか らも,明 らかになるよ うに 「
遊 びのことを中心 」に親 は, 子 どものt
t技 沖の高 さを見つ
けてい る。本当の意味 で, 「手 の巧敵性」 を必要 とす る項 目は, ほとんど見 られない。
また工作道具 を必要 とす る ものが入 っていないの も一 つの特徴で あるo
⑧ 学年が進むにつれて, 「うま くで きる」 ようになる もの
は っき りと, この型 に属 している と思 われ る項 目には次 の よ うな ものが ある。
くつのひ もを結 ぶ
ナイフでエ ンピッをけず る
トランプを きる (男子 )
お手玉 をする (女 子 )
ケ ン玉 をする
竹 馬にの る (男子 )
お り紙 でツルをお る (男子 )
I
l
lI
シャンプ ーを使 って一人 で頭 をあ らう
i
/
1
6
くっのひ もを結 ぶ
蕗_
%
男
子
女
。
・
.
・
.
・
.
・
→ うま くで きる
小
一 二 三 四 五六
小
一 二 三 四 五 六
小
一 二 三 四 五六
子
男
図 26 (
彰 型
図
表
1
7
3
1 自転車 にの つて あそぷ
珍
27 @ 型
「うまくで きる 」ことベス ト5
年
目
項
子
- - ・うま くで きない
目
項
6
年
75 自転車にの つて あそぶ
%
項
年
目
86 自 転 車
%
9
4
i
,
であそぶ 6
4 友だちと外でボづレであそぶ 86 ゲ ームウ オッチ であそぶ 9
2
2 友だちと外でポー)
3 で頭
シャン
を洗
プーを使
う
って一人
60 ゲ ームウオ ッチ であそぶ 78 詣
4 友 だ ち と外 でお に ごっこ
56 友 だ ちと外 でおに ごっ こ 73 友だちと外でポリレであそぶ 9
0
1
目
項
1 自 転
年
車
%
項
8
年
■
目
89 自 転 車
詫
言を使 って一人 9
2
6
%
項
年
目
80 ツメ切 りでツメを切 る
@
8
5
2 友だ ちと外 でお に ごっ こ
81 友 だ ちと外 でおに ごっこ 75 で頭
シャンプ
を洗 ーを使
う
って一 人 8
5
3 トランプでゲ ーム
76 ツメ切 りで ツメ を切 る
4 友 だ ちとボ ール あそぴ
65 で頭
シ ャを洗
ンプー
6
うを使 って一人 71 豆
るをは しでつ まん で たベ 7
-42-
72 自 転 車
80
カンナで木 を けず る
0 0
`
A▲ 8
0
20
1
一一
一
●
●
■
小
一 二 三 四 五六
男
子
ト- ●うま くで きる
三 四 五 六
小
小
一 二 三 四 五六
一 二 三 四五 六
女 子
・
1 うま くで きない
図 28 ③ 型
男
子
ケ ン 玉 をす る
L
,
7
6
小
男
一・
→
子
うま くで きる
子
図 29 (
彰 型
ナイ フでエ ンピツなけず る
一 二 三 四 五六
女
一 二 三 四 五 六
女
一 二 三 四 五六
子
男
子
小
一二 三 四五 六
女
子
--・うま くで きない
図 30 「うま くで きる 」と 「うま くできない 」との交差
こ うしてみ ると,伝承遊 び的 なあそぴに 関す る項 目が多 い と思 われる。 ここにあげた項 目は
いず れ も 「うま くで きる よ うにな った」 とい う数値 よ り高 い ことか ら, 日常的 にか な り行 なわ
れ, 経験 をつかむ ことに よって技 が確実 についてい ってい るとい うことが ことをあ らわ して い
る。
「うま くで きる」 と 「うま くで きない」 との交差 は, ほ とん どが 2年 と 3年の闇 で行 なわれ
てい る (上記 7項 目F
F
12∼ 8年で交差 す る ものは80蕗を越 えてい る )〔図 30〕O こうして
見 るな ら, 2年 と 3年 の 間 には,発達上 の質的 な らがいが あ る とい うことも, うなづ け るよ う
な気 がす る。
-43-
表 8 使 った の を見た ことが ない道具 ベス ト5
1
道
3
年
% l
具
%
具
道
6
年
道
年
%
具
1
ハ ン ダ ゴ テ
100
ハ ン ダ ゴ テ
89
ド
リ
ル
80
2
電 動 イ トノ コ
100
電 動 イ トノ コ
89
ハ
ン
ダ
53
ミ
52
ン
ナ
49
6
年
3
ド
4
ナ
リ
100
ル
92
タ
.
1
カ
年
%
具
道
ド.
リ
ル
89
ノ
ン
ナ
80
カ
8
年
%
具
道
1
ハ ン ダ ゴ テ
98
ハ ン ダ ゴ テ
98
2
ド
98
):
i
3
ノ
ミ
96
ド
ル
4
ナ
タ
96
リ
ル
.
リ
電 動 イ トノ コ
82
92
カ
ナ
82
92 :電 動 イ トノ コ
81
ン
コ ンパ ス で円をか く
\
上
32
iL
1
小城
一一
一→ うま くで きる
ハ ン ダ ゴ テ
4
子
94
リ
9 8 7 65
男
94
'
o
コ
o
l叶 o
lo
Loi l
9.
8 7 6 543 21
う
ル
ド
l・
.
雪 山「町 叶 -i- ;
∼ i
・
・1:-
労J
三樟
%
具
道
三 四 五六
女
子
聖 二 三 四 五六
男
子
・
-1うま くで きない
図 31 使 っているの を見た ことが ない数
-44-
女
子
③
「やってい るのを見 たことがない」が高い値を示す もの
この型にはい る項 目は以下 のよ うな ものがあるO
お米 をと ぐ(男 子 )
カレーライスをつ くる (男 子 )
ミシンで ぞ うきん をぬ う(男 子 )
ハンカチに アイ ロンをかけ る (男子 )
キ リで穴 をあ ける (女 子 )
ノ ミで木 にあなをあける
カ ンナで木 をけず る
ナタで木 をわ る
ハ ンダ ゴテを使 う
トリル で金属 に穴をあける
竃道 イ トノコで木 なまる くきる
竹 ビゴと紙 でタコをつ くる (女 子 )
竹 トンボをつ くる (女 子 )
マイコンを使 って ゲ ーム
こうして見て明 らか な ことは,①道具ののかかわ りが, 日常的 には きわめて弱い とい うこと
.
)ら明 らか なよ うに 1・3・6年 とい う学年 で見 る と 80蕗を こえ る未使
がで きるO 〔表 8〕b
用 と考 え られ る ような道具 がか な りの数にのぼ る。 〔図 31〕か らは,道具 の使用 と学校のは
たす役 割 との関係が大 きい とい うことがいえる よ うである。
次 にいえることは(
多子 ど もた ちがI
tものづ くり "の経験 を思 った よりしてい ない とい うこと
である。 これ は, 子どもの単純 集計か らも言えた ことだが, 「お り紙をお る」 な どが. 10年
前よ り一部 で下 まわ ってい た とい う結果 と, ダブル ものがあ るといえる。
③ としては, 明 らかに,男 ・女差が存在 してい るとい うことである。
プラモデル をつ くる
へ い、
_
小
一 二 三 四 五六
小
一 二 三 四五 六
図 32 や ってし、るの を見たことがし、 男女差
-4
5
-
④
「やってい るのを見 た ことがない」 と 「うまくで きる」が交 差する もの
ここにあてはまる項 目は, とて も数 多 くある。
熱いみ そ汁をおわんにつ ぐ
ナイフで くだ もののかわをむ く
カン切 りでカン話 をあけ る
マ ッチをす って, ローソクに火をつける
フ トンをたたみ,お し入 れに入 れ る
針 と糸でボタンをつける
ノコギ リで木 を きる
キ リであな をあける
ペ ンチで針金 を きる
コンパスで円 をか く
あみ ものをす る
な らべてみて まず気 づ くの は生活の こ と・道具の ことが多い とい うことであるC遊びの こと
,「生活の こと」 では,男
は・ そん な に多 くふ くまれていないo ま た交 差 の仕方 を見てみ ると
・「交 割
子の方が
が高学年 まで必要 としてい るのに女 子の ほとんどが 1 ・2年 で交差する。
しか し,道具 の ことに関 しては, まった く反対 の ことが言え る。
(
3
) 親の判断 と,子 どもの 自己判断 を通 してい えること
親 ・子の調査 を通 してはっき りと言 えることは,① 未体験者が,かな りの数 にのはるとい うこ
と。 それ も 「日常生 活」に関わる点 での欠落や,道具 に関 しての こと, などで ある。 また,遊び
の中 でのt
tもの づ くり "的 なあそび も減少 して きてい るとい うことが できるC
3年 男 子 酵
6年 男 子 多
チ
鶴
千
お米 をとぐ
44
59
2
41
ミシンでぞ うきん をぬ う
66
88
14
85
ハ ンカチにあい ろん
44
66
18
42
親
表 9 生活の ことで 「や った ことが ない
」「みた ことが ない 」
1 ハ ンダ ゴ テ
83 100
ダ
86
98
2 電動 イ トノ コ
89 100 電 動 イ トノ コ
89
94
3 ド
84
68
リ
ル
ハ
ン
リ
ル
85
ン
ダ
74
92 電 動 イ トノ コ
40
ド
ハ
92
!カ
ン
ナ
表 10 道具 の ことで 「や った ことが な い
-46-
」「みた ことがない 」
②
その反面 で, t
lあそぴ "について は積極的な側面 を思い出す ことが で きるとい う状況が生れ
て きてい る。
以上の 2点 につい ては,親 ・子の調査 を通 して言 える ことであ る。
お
わ
り
に
本 調査 は, Ⅰ調査 の内容 と方法の項 でも述べ たように, 子 どもの遊び と手の労働研究会 で実施 し
たものである。 1974年調査 について は, 同会会報 1976年 4月号, 7月号 に一部発表 した。
1984年調査 の報 告 は 10年間の推移 を中心 に, やは り1985年 7月号 に掲載 した。
調査方法等 が未熟 なため,十分にはデータを分析で きずに きてい るが,今後継続 して調査 をして
い くために は,現段階 で可能 な ところ をま とめ,発表 することが大切であると考 えて きた。 子 ど も
の手の働 きや意欲の実 態を知 るデータが数少 ない中で,私 た ちの調査 は大 きな意 味 を もってい ると
思 うか らであ る。
幸 い,名声屋大学教育学部技術教育学研究室の 『技術教 育学研究』に発表する機会 を得 た。 そ こ
で, 子 どもの遊 び と手の労 働研 究会円 で調査 にたず きわってい た ものが分担 して, これまで残 され
てい た部分 を含めて調査結果 の分析 と執筆 にあた り,次-のステ ップ とな り得 る報告 書 とす ること
をめ ざした。一応 ま とめてはみたが, まだまだ不十分 さが残 されているo そ こは次 の機会 を待 つ こ
ととしたい。
執筆分担は次の通 りであ る。
は じめに
須藤
敏昭 (大東文化大学 )
Ⅰ, Ⅱ, Ⅲ- 1
森下 一期 (名古屋大学 )
Ⅲ-2
中村
源哉 (和光小学校 )
Ⅲ-3
山中
泰 子 (玉 姫子 どもクラブ )
Ⅲ-4
成田
寛 (和光小学校 )
なお,最後にな ったが,調査 に協力 していただいた全 国の会員 のみな さん, 父母,教職員 のみな
さん,発表 の場 を与えて下 さった名大教育学部技術教育学 の佐 々木事教授 に謝意 を表す るしだいで
ある。
-
47-
Fly UP