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皆伐直後にコンテナ苗で造林(PDF:108KB)
研究トピックス 皆伐直後にコンテナ苗で造林 ~伐採・造林一貫作業の生産性とコスト~ 緩 傾 斜 林 分 に お け る 皆 伐 作 業 の 労 働 生 産 性 は , 約 20m 3 /人 日 が 目 安 ○ 伐 出 機 械 を 地 拵 え に 使 用 す る と 10~ 30 万 円 /ha の 経 費 削 減 が 可 能 ○ コンテナ苗は普通苗より良好な成長を示すが,コスト面に課題 要 (1) 皆 伐 作 業 の 生 産 性 は ど れ く ら い ? 採 ・ 造 林 一 貫 作 業 の 生 産 性 を 把 握 す る た め に ,県 内 各 地 の カ ラ マ ツ 林 に お い て ,一 連 の 作 業 功 程 を 労働生産性(m3/人日) 緩傾斜地における車両系作業システムによる伐 労働生産性 30 単木材積 1.4 1.2 25 1.0 20 0.8 15 0.6 10 0.4 単木材積(m3/本) 概 ○ 5 0.2 調 査 し ま し た ( 写 真 )。 各 皆 伐 作 業 地 に お け る 伐 0 出 作 業 の シ ス テ ム 全 体 の 労 働 生 産 性 は , 15 ~ 0 A1 A2 M 高性能林業機械 3 直 24m3/人 日 ,伐 出 コ ス ト は 2,000~ 2,700 円 /m( 接 経 費 ) と な り ま し た ( 図 )。 R1 R2 先進的 林業機械 図 各 試 験 地 にお け る皆 伐 作 業 の 労 働 生 産 性 と単 木 材 積 の関 係 (2) 機 械 地 拵 え ・ 苗 木 運 搬 の コ ス ト 削 減 効 果 は ? 造林作業の機械化を図るため,伐出用機械の活用を検討しました。緩傾斜地ではグラップ ル ロ ー ダ に よ る 地 拵 え 作 業 が 可 能 で あ り ,人 力 作 業 に 比 べ て 生 産 性 は 3 ~ 9 倍 ,コ ス ト は 25 ~ 75% に 低 減 さ れ ま し た 。ま た ,コ ン テ ナ 苗 の 運 搬 を フ ォ ワ ー ダ で 行 う こ と に よ り ,植 栽 作 業の効率化が図られました。 (3) コ ン テ ナ 苗 の 成 長 特 性 と 植 栽 コ ス ト は ? カラマツのコンテナ苗と裸苗(普通苗,大苗)の成長量を植栽後3年間にわたり比較した と こ ろ ,コ ン テ ナ 苗 の 成 長 量 は 植 栽 2 年 目 以 降 急 速 に 高 ま り ,普 通 苗 よ り 有 意 に 高 い 成 長 量 を示しましたが,大苗には追いついていません。また,コンテナ苗の植栽作業の生産性は, 裸 苗 よ り 有 意 に 高 く 人 件 費 の 削 減 が 図 ら れ た 反 面 ,苗 木 代 が 高 い た め ,植 栽 全 体 の コ ス ト は 裸苗植栽に比べて高コストとなりました。 まとめ これらの研究成果をふまえ,主伐・再造林を行う際の検討資料として,情報誌や研修会等 に よ り 普 及 を 図 り ま す 。 な お , 本 研 究 の 成 果 の 一 部 は ,「 コ ン テ ナ 苗 を 活 用 し た 主 伐 ・ 再 造 林 の 新 た な 展 開 」と し て ま と め ら れ ,森 林 総 合 研 究 所 の ホ ー ム ペ ー ジ 上 で 公 開 さ れ て い ま す 。 詳しくは https://www.ffpri.affrc .go.jp/pubs/chukiseika/3rd-chuukiseika37.html 担当者 育林部 大矢信次郎