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2016年4月号

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2016年4月号
基本理念
私たちは地域の人々より
信頼されるよう日々研鑽し、
安全で良質な医療を提供します
基本方針
◦患者さんの権利、尊厳を守ります
◦救急医療、災害医療の充実に貢献します
◦良質で専門性の高い医療を安全に提供します
◦医療従事者、医学生、看護学生の教育研修に努めます
◦医療連携を強化し地域医療に貢献します
◦臨床研究を積極的に推進します
◦健全な病院経営を心がけます
ダ・ヴィンチ・サージカルシステムの導入について
泌尿器科医長 飯沼 昌宏
取得いたしました。実際の手術までにはさらに実際
の手術を想定したシミュレーションを予定し万全の
態勢で臨みます。
ダ・ヴィンチ・サージカルシステムは2015年12月
時点で、国内200台以上稼働しております。機能と
しては心臓外科、胸部外科、婦人科、腹部外科、耳
鼻咽喉科領域の手術も可能ですが、保険適応の関係
もあり現在国内のロボット支援手術のほとんどは前
立腺がん手術です。前立腺がん手術症例数は2014年
に8000件程度、2015年には12000件程度まで増加し、
国内の前立腺全摘術の多くはロボット支援手術に置
換されました。やはり、出血がない、高倍率の視野
で人の手より細かく精緻な手術が行えることで合併
症(出血、勃起障害、尿失禁など)の減少につながる
ことが要因と考えております。また、泌尿器癌では
この4月より腎癌手術も保険適応になりました。特
に腫瘍のみを切り取る腎部分切除術で有効であり、
癌を制御しつつ、腎機能も温存できる手術です。当
院でも前立腺全摘術が軌道に乗り次第開始いたしま
す。
これからダ・ヴィンチ・サージカルシステムを使
用しての手術を開始、本格化してまいります。先端
医療の推進としてのダ・ヴィンチ・サージカルシス
テムを活用していくことで病院と地域医療への貢献
を進められるよう努力して参ります。
いよいよ、当院でもロボット支援手術(Robotics
Assisted Laparoscopic Prostatectomy:RALPラルプ
と読みます)
を開始します。念願であった、ダ・ヴィ
ンチ・サージカルシステムを1月に搬入し、小生と
市村が既定の研修、施設見学、トレーニングを終え
Certificateを取得しました。3月末に第1例目を実
施の予定です。ここまでこられたのも植木院長、山
口副院長を始めとする各先生、事務の皆様、手術室
を運営されている麻酔科医師と看護師の皆様の尽力
のおかげと感謝しております。
ところで、ロボット支援手術とはどのような手術
でしょうか。ロボットが独自に判断、実行する手術
ではなく、人間の操作を補助、支援するダ・ヴィン
チ・サージカルシステムを使用して、あくまでも人
間が操作する手術です。ダ・ヴィンチ・サージカ
ルシステムは高精細な3D画像とヒトの手以上に自
由に動く鉗子(Endo Wrist)をもっており、“Taking
surgery beyond the limits of the human hand(ヒト
の手の限界を超えて)” 手術操作をより正確に精緻
に行えます。そして会社名でもあるIntuitive(直感
的な)操作が可能です。もちろん、正確で確実な手
術操作には十分な訓練が必要で、本システムの操作
は術者、助手ともにCertificateを保持する医師のみ
が行います。我々も、小生と市村が、Certificateを
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vol.68 発刊 2016.4.1
【部門紹介】 臨 床 工 学 室
主任臨床工学技士 赤野 和浩
当院での臨床工学技士(Clinical Engineer = CE)
の歴史は比較的浅く、1999年、世界がY2K問題に
翻弄された年、1名の臨床工学技士配属から始まり
ました。平成26年度にはスタッフ数6名の独立部署
“臨床工学室” として、小﨑室長のもと新たなスター
トを切り、心機一転、業務に邁進しております。
【臨床工学技士 = CEとは?】
『医師の指示のもと、生命維持管理装置の操作及
び、保守管理を行うことを業となす者。生命維持管
理装置とは、人の呼吸、循環又は代謝の機能の一部
大動脈内バルーンパンピング(IABP)装置を使用
を補助することが目的とされている装置をいう。』
する業務です。
とされています。
4.その他
即ちCEとは、ME(Medical Electronics = 医用
・ 自己血回収装置の使用 電子)機器の操作及び、保守管理を行う専門職種の
・ 人工呼吸器点検ラウンド
名称です。
・ Respiratory Support Team(RST)参加
・ 手術室の一部医療機器保守管理業務
【業務概要】
*現在 “手術支援ロボット(da Vinci)” 業務準備
1.ME機器中央管理 中
院内ME機器の保守点検、修理、運用をMEセン
・中央管理外医療機器の修理等
ターが中心となり行い、安全性、利便性、経済性の
・ 医療機器安全管理責任者
向上を目的とする業務です。
・ Dr.ヘリ積載医療機器点検
・ 附属看護学校 講義
*2016.3.1現在:約68種1100台のME機器を管理運
・ 院内医療機器及び、新規医療機器導入時、若
用中
2.血液浄化療法等 しくは試用時の勉強会、取扱説明会等
血液浄化療法とは、血液透析(HD)、持続的腎
・院内外イベント等への参加
代替療法(CRRT)、血液吸着療法(HA)、血漿交換
・ 24時間365日の緊急対応体制
療法(PA、PE、DFPP)、腹水濾過濃縮再静注療法
(CART)等を指します。
【最後に】
* “末梢血幹細胞採取(PBSCH)” も実施
臨床工学室は、今後も患者様及び、病院スタッフ
3.体外循環&補助循環
のより良いパートナーとして、『皆様に常に安全な
体外循環業務とは、主に心臓手術の際に人工心肺
医療機器を安心して使って頂ける』様、日々研鑽し
装置を操作する業務です。
て参りますので、ご指導、ご協力の程、宜しくお願
補助循環業務とは、経皮的心肺補助(PCPS)装置、
い致します。
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2016.4.1 発刊 vol.68
第11回 卒業証書授与式
教 員 上田 麻衣子
桃の花が目に鮮やかな頃となり、春の気配を感じ
る季節となってきました。水戸医療センター附属桜
の郷看護学校では、3月8日に第11回卒業証書授与
式が執り行われました。学校長より卒業証書を授与
された卒業生78名の表情は、達成感とこれからの看
護師としての自信に満ち溢れたものでした。
植木学校長は、式辞で「看護の看は、見る・見守
る・護るであり、ナースは、癒すである。患者を見
て守れる看護師になってほしい。そのためには、知
識とこれまでの経験を活かして自分で考え、行動が
と感性を磨き手と耳と言葉と心を総動員して患者さ
できるようにしなければならない。」と述べていま
んに接し日々精進していきたい」と述べていました。
した。医療・看護は、常に進化し新しい知識と経験
式の最後には、卒業生全員による合唱とピアノ伴奏
が必要となります。そのため、卒業生たちにはこれ
がありました。卒業生のそれぞれの思いが、参列し
からも自己研鑽を続け、看護を磨いていってほしい
たひとりひとりの心に届く素晴らしい歌声でした。
と感じました。
また、式の前日には植樹式を行いました。今年は、
答辞では、「常に新しい情報に目を向け看護の技
桜の品種であるソメイヨシノを植樹しました。
記念樹として残した桜の木は変わらずに成長して
いきます。卒業生78名も、これからまもなく咲こう
としている桜の花のように、それぞれの場所で自分
の理想とする看護師に向かって素晴らしい花を咲か
せてください。私たち学校職員は、これからも卒業
生をあたたかく見守り続けていたいと思います。
卒業生の教育では、職員の皆さまのご協力に深く
感謝いたします。
3
vol.68 発刊 2016.4.1
医療連携紹介
当院との医療連携登録医療機関を紹介するコーナーです
みなみ赤塚クリニック
高橋 秀夫
院長
内科
水戸市河和田町4940 TEL:029-257-6060 糖尿病をはじめとした生活習慣病は食生活、運動など、患者さんにとって日常生活そのものが治療の場になります。生活習慣をふりか
えるためには患者さんが中心となって医師、看護師、栄養士、薬剤師、検査技師などが加わったチーム医療が血糖コントロールのため
に必要不可欠です。当院では糖尿病専門医の他に糖尿病療養指導士の資格を持つ看護師、管理栄養士などが患者さんの受診の際、毎回
時間をかけて患者さんの声に耳を傾け、その患者さんにとって今、何が必要なのかを患者さんの立場にたって診療しております。楽し
くためになる(?)行事として、年3回開催される料理教室、日帰りハイキングなども定期的に実施しております。また、糖尿病妊婦さん
の管理、甲状腺疾患の治療にも力を入れております。
<当院の診療姿勢>
1.カルテの全面開示
原則としてすべての患者さんに対して受付の後、カルテをお渡ししております。内容につき不明な点、疑問点などがございました
らいつでもスタッフまでお尋ねください。
2.カルテの共有化
当院では医師以外に看護師、臨床検査技師、管理栄養士などが対等の立場で記入を行っています。患者さんにカルテを開示するこ
とによって当院のスタッフの考えを伝えることができます。
3.糖尿病、甲状腺疾患を中心にした診療体制
受診当日の血糖値、ヘモグロビンA1c(HbA1c)の結果は毎回受診の際にスタッフからその日のうちにわかりやすく説明します。当
院は患者さんとのコミュニケーションを大切にします。
4.患者さんの希望により、ジェネリック医薬品(後発医薬品)を提供いたします。
5.セカンドオピニオンについても受け付けております。
15分以上の時間を要すると考えられる場合は、診療時間以外に自由診療として行わせていただきます。
診療時間
AM(9:00~13:00)
PM(3:00~6:00)
月
●
●
火
●
●
水
●
休
木
●
●
金
●
●
土
★
★
日・祝
休
休
★第1.第3土曜日は9:00~13:00 第2.第4土曜日は9:00~16:00
第5土曜日は休診です。
栄養・食事プチ情報
第46回
食物繊維
日ごとに暖かさが増して、春らしい季節となりました。
春は新芽や芽吹きの香りがする美味しい新もの野菜が出回り始めます。
野菜にはビタミン・ミネラル・食物繊維などが豊富に含まれ、我々の健康には欠かせません。今回はその中でも食物繊維の
特徴についてお話します。
食物繊維には、便秘改善、咀嚼回数の増加による食べ過ぎ防止、急激な血糖上昇の抑制、血圧上昇の抑制、コレステロール
の低下など、様々な効果があるとされています。
では、1日にどれくらいの食物繊維を摂ればいいのかというと
18歳以上の男性の場合は19g/日、18歳以上の女性の場合は17g/日 です。
食物繊維19gを摂ろうとするとキャベツなら2玉、レタスなら8.5玉、トマトなら9.5個、ほうれん草なら2束と結構な量
になります。このように野菜だけで一日に必要な食物繊維を摂ることは現実的にはちょっと難しいので、豆類、わかめ・ひ
じきなどの海藻類、きのこ類も食事に取り入れるといいでしょう。1日に両手一杯の野菜を目安にするといいでしょう。ま
た、粉末の食物繊維や、飲料などと併用するのもおすすめです。
食物繊維をしっかり摂って健康な身体を目指しましょう。
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