...

2012 - イビデン

by user

on
Category: Documents
7

views

Report

Comments

Transcript

2012 - イビデン
株主の皆さまへ
第
160 期 中間報告書
2012年4月1日〜2012年9月30日
証券コード 4062
企
業
理
念
私たちは人と地球環境を大切にし、顧客とともに常に新しい価値を創造し、
社会の持続的な発展に貢献していきます。
▎売上高
中間連結決算
ハイライト
(億円)
Financial Highlights
4,000
3,000
■中間期 ■通期
1,409億64百万円
(前年同期比0.7%増)
3,049
0
▎経常利益
(億円)
400
300
48億10百万円
(前年同期比86.6%増)
335
3,008
300
0
1
156
162
25
2010
2011
1,454
1,400
1,409
2010
2011
2012
(億円)
300
48
2012(年度)
0
■中間期 ■通期
7億 5百万円
61億23百万円
338
2010
2010
64
2011
61
2012(年度)
(円)
200
50
7
2012(年度)
155
■中間期 ■通期
137.21
100
106
6
2011
174
▎1株当たり四半期(当期)純利益
150
197
69
0
(年度)
(前年同期比2.9%増)
100
100
■中間期 ■通期
(前年同期比5.7%減)
200
▎四半期(当期)純利益
200
200
100
■中間期 ■通期
(億円)
400
2,000
1,000
▎営業利益
0
74.41
47.74
2010
4.79
2011
4.99
2012(年度)
ごあいさつ
To Our Shareholders
自動車排気系部品業界におきましては、国内、北米市
場は堅調に推移しているものの、欧州における販売台数
の低迷と新興国需要の停滞が鮮明になってまいりました。
このような情勢のもと、当社グループでは連結中期経
営計画「Global IBI-TECHNO 100 Plan」の最終年度に
あたり、事業の構造改革を積極的に進めてまいりました。
具体的には、成長が見込まれる市場に経営資源を集中的
に投入するとともに、グローバルな最適地生産・販売体
制の構築を加速させてまいりました。また、独自の自主
改善活動を全社で展開し、ロス改善を軸とした収益基盤
の向上に努めてまいりました。
株主の皆さまにおかれましては、平素よりイビデン株
当社グループは、本年、創立100周年を迎えました。
式会社並びにイビデングループ各社に格別のご高配を賜
一世紀に及ぶ永きにわたり、当社グループを支えてくだ
り厚く御礼申しあげます。
さった株主の皆さまには、心より厚く御礼申しあげます。
ここに第160期中間期(2012年4月1日から2012年9月
現在は、主力のパソコン用パッケージ基板におきまし
30日まで)の事業の概況をご報告するにあたりまして、
て、足許、大幅な在庫調整に入っております。非常に厳
一言ご挨拶申しあげます。
しい状況下にありますが、当社グループでは、今進めて
当中間期におけるわが国経済は、補助金や復興関連予
おります事業の構造改革を着実に実行することで、早期
算に支えられ底堅く推移した内需に一服の兆しが見ら
に立て直しを図り、次の100年も持続的な成長と安定的
れ、景気の先行きが不透明な状況となっております。ま
な利益の計上を実現すべく、全社グループ一丸となって
た、欧州経済の減速や米国経済の回復遅れ、新興国の成
取り組んでまいります。
長鈍化、加えて円高水準の定着など、企業を取り巻く経
営環境は引き続き厳しい状況にあります。
今後とも当社グループへのご理解とご支援を賜ります
よう心よりお願い申しあげます。
半導体・電子部品業界におきましては、スマートフォ
ンやタブレット型携帯端末の新製品が続々と投入され成
長は持続しておりますものの、企業間競争は激しさを増
しております。また、これら製品の台頭を受け、パソコ
ン需要は世界的に低迷しております。
2012年11月
代表取締役社長
2
事業の概況:セグメント別
Segment Information
電子事業
主な製品用途
▪プリント配線板
(携帯電子機器向け)
▪パッケージ基板
(パソコン・サーバー向け、携帯電子機器向け、情報家電向け)
▪プリント配線板パターン設計
高機能・多層パッケージ
59.5%
売上高 838 億 14 百万円
35 億 16 百万円
■売上高(億円)
1,200
900
600
903
300
0
2010
中間期
3
300
200
133
17
35
2011
2012
中間期
中間期
100
(年度)
ンやタブレット型携帯端末向け製品の受注が好調に
小型・薄型パッケージ基板は、スマートフォンや
400
838
に伴い販売価格が下落しているなか、スマートフォ
推移したことにより、売上増となりました。
■営業利益(億円)
787
e-Flex 基板
プリント配線板は、韓国・台湾企業との競争激化
(前年同期比 6.5% 増)
営業利益
小型・薄型パッケージ
0
タブレット型携帯端末向けに、新製品の量産化が順
調に進み、受注が好調に推移したことにより、売上
増となりました。
高機能・多層パッケージ基板は、パソコン市場が
引き続き低迷するなか、新世代品への切替えが進
み、売上は前年並みとなりました。
セラミック事業
主な製品用途
▪ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)
▪触媒担体保持・シール材
▪特殊炭素製品
(半導体製造装置向け、新エネルギー関連向け)
▪セラミックファイバー
ディーゼル・パティキュレート・フィルター 触媒担体保持・シール材
(DPF)
▪ファインセラミックス製品
23.5%
売上高 330 億 84 百万円
14 億 39 百万円
■売上高(億円)
200
0
315
330
30
35
2010
2011
中間期
中間期
売上減となりました。
か、国内の自動車購入優遇措置に伴う需要増により
300
374
は、主力の欧州乗用車市場が減速したことにより、
触媒担体保持・シール材は、海外需要が弱含むな
■営業利益(億円)
600
400
ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)
(前年同期比 11.6% 減)
営業利益
特殊炭素製品
(シリコン製造装置用部材)
200
受注は底堅く推移し、売上は前年並みとなりました。
特殊炭素製品は、太陽電池市場が世界的な調整局
面にあることに加え、半導体業界も振るわず、シリ
コン製造装置用部材の受注が低迷したことにより売
上減となりました。
100
14
2012
中間期
(年度)
0
4
事業の概況:セグメント別
Segment Information
建材事業
建設事業
主な製品用途
主な製品用途
▪住宅設備機器
▪法面工事部門
(マンション・集合住宅向け、
一般住宅向け)
(斜面安定・法面保護工事)
メラミン化粧板施工例
▪造園工事部門
(外構・植栽工事、ビルの壁面・屋上の緑化工事)
▪メラミン化粧板
▪環境関連設備部門
(商業施設・オフィス向け、システムキッチン扉向け)
6.9%
売上高 (水質・大気・土壌等の環境測定)
96 億 91 百万円
(前年同期比 3.5% 増)
3億
営業損失
■売上高(億円)
6 百万円
■営業利益(億円)
200
100
20
93
96
96
3.4%
△4
△3
2010
2011
2012
中間期
中間期
中間期
△10
メラミン化粧板は住宅着工数が持ち直すなど市況
が回復に向かい、売上は微増となりました。
住宅設備機器は、既存顧客向け資材の販売が依然
低迷しているものの、新規事業の拡販に努め、売上
は微増となりました。
5
5 億 81 百万円
営業利益
■営業利益(億円)
20
48
44
0
2010
中間期
48
5
5
2011
2012
4
0
(年度)
(前年同期比 1.0% 増)
100
10
△4
48 億 55 百万円
売上高 ■売上高(億円)
50
0
GT フレーム工法
中間期
中間期
10
(年度)
0
法面工事部門は、防災・減災の関心が高まるなか
で受注は底堅く推移し、売上は微増となりました。
造園工事部門は、民間の大型工事案件がなく、売
上は微減となりました。
主な連結対象会社
その他事業
イビデン電子工業株式会社
イビデングリーンテック株式会社
イビデンケミカル株式会社
イビケン株式会社
主な製品用途
イビデングラファイト株式会社
▪合成樹脂加工部門
▪農畜水産物加工部門
▪石油製品販売部門
▪情報サービス部門
医療向けソフトウェア
国 内
イビデン産業株式会社
タック株式会社
イビデン樹脂株式会社
イビデン物産株式会社
イビデンエンジニアリング株式会社
イビテック株式会社
6.7%
売上高 95 19
百万円
2 47
百万円
億
イビデン建装株式会社
(前年同期比 2.2% 減)
億
営業利益
■売上高(億円)
北 米
97
95
20
マイクロメック株式会社
イビデンカナダ株式会社
イビデンヨーロッパ株式会社
30
95
イビデン U.S.A. 株式会社
イビデンヨーロピアンホールディングス株式会社
■営業利益(億円)
150
100
株式会社イビデンキャリア・テクノ
イビデンハンガリー株式会社
欧 州
イビデン DPF フランス株式会社
イビデンフランス株式会社
イビデンドイツ株式会社
50
0
5
4
2010
2011
中間期
中間期
イビデン UK 株式会社
10
イビデンポルツェランファブリックフラウエンタール株式会社
2
2012
中間期
(年度)
0
イビデンフィリピン株式会社
揖斐電電子(北京)有限公司
揖斐電電子(上海)有限公司
合成樹脂加工部門は、国内の自動車販売が持ち直
しに向かい、発泡樹脂製品の需要が堅調に推移した
ことにより、売上増となりました。
農畜水産物加工部門は、主力の乾燥食材において、
前年度に発生しました東日本大震災後の一時的な需
要増が終息したことにより、売上減となりました。
揖斐電電子科技(上海)有限公司
アジア
イビデンアジアホールディングス株式会社
イビデンシンガポール株式会社
イビデンエレクトロニクスマレーシア株式会社
イビデンマレーシア株式会社
イビデングラファイトコリア株式会社
イビデンコリア株式会社
台湾揖斐電股份有限公司
6
の
み
年
歩
100
イビデン
100年を数えるイビデンの歴史は、時代の変化に際して、
従業員が一丸となってピンチを乗り越え、
英知を結集してチャンスを捉えた、そんな企業の歩みです。
1
イビデンの創立とモノづくりの始まり
1912年~1944年
1921
産業都市・大垣の礎として創立
岐阜県大垣市は、かつては美濃最大の雄藩であり、ま
た揖斐川の水運を利用した百貨集散の地として繁栄して
いました。しかし、明治となり物流の主役は船から鉄道
に移ったため、その地位は大きく揺らいでしまいました。
大垣の衰退を憂いた地元の有力者達は産業都市への転
建設中の東横山発電所
モノづくりの始まり・電気化学事業
水力発電は渇水期、豊水期により、年間の発電量の変
進を志し、揖斐川を利用した水力発電・電力供給により、
動が大きく、当社は電力の合理的な活用から電気化学事
企業の誘致を目指します。そして、大垣出身の実業家・
業に進出します。近隣産地の石灰を活用し、カーバイド
立川勇次郎を初代社長に迎え、1912年
「揖斐川電力株式
の生産を開始、またフェロアロイ(合金鉄)やカーボン事業
会社」
が創立されたのです。
にも参入しました。
一方、当社の電力供給により多くの紡績会社、化学会
社が大垣に進出、地元発展の礎とされた役割は、ここに
結実しました。そこに訪れた関東大震災や世界恐慌。度
重なる経済危機により、当社は大資本の傘下で経営の建
て直しを図ることになります。さらに戦時体制から電力の
1912
7
国家統制がはじまると、当社は電力供給事業から離れ、
電気化学会社としての道を歩んでいきました。
初代社長 立川勇次郎
創立総会
1950’s
わが国最初のカーボン焼成用
電気式トンネル炉
イビガワシネマカーボンと映写機
カーバイド製造現場
2
1958
本社社屋
(1951−2005)
大河内記念賞授賞式
戦後復興と電気炉事業の発展
石灰窒素
1945年~1959年
戦後復興・生産の再開
1945年、終戦を迎えると日本は、
「石炭、鉄鋼、肥料」
を産業の軸に復興を進めていきます。当社は、民主化が進
み財閥が解体していくなかで、再び自主独立の道を歩み、
カーバイド、石灰窒素の生産を再開。当社は、政府の化学
肥料重要工場の指定を受け、石灰窒素や熔成燐肥の生産に
データで見るイビデンの100年
電力供給会社時代
1935年度(昭和10)
電力供給量の内訳
当社の電力供給は、自家消費、地元企
業への供給、電気事業会社への売電
で、ほぼ三分されていました。
電気
事業会社への
売電
29.6% 176千
自家
消費電力
31.8%
(MWh)
一般・他工場への
供給電力
38.6%
注力しました。また、全売上高の40~50%を占めた主力事
業はカーバイドでした。石灰窒素の原料やアセチレン誘導
による有機合成用
(中心は、塩化ビニールの原料)
として、
生産は活況を呈していきました。当社は、電気炉の増設と
ともに生産の効率化を図り、生産量の増大に努めました。
「自家発電が支えたイビデンの100年」
電気化学会社時代
1955年度(昭和30)
使用電力の内訳
1973年度(昭和48)
使用電力の内訳
当 初 9 0 % 以 上 を 自 家 発 電 で ま か な っ て い ま し た が、
電炉最盛期の70年代は、電力消費量が600千MWhを超え
るまでに増大し、70%以上を買電に頼ることとなりました。
買電
13.4%
168
現在:電子・セラミック製造会社
2011年度(平成23)
使用電力の内訳
水力・太陽光発電などの自然エネル
ギーの活用と、熱電併給のコージェネ
レーションシステムの導入により、当
社の電力の自給率は約55%を占めて
います。
自家発電
22.3%
621
千
(MWh)
千
(MWh)
自家発電
86.6%
買電
77.7%
買電
44.8%
自家発電
(太陽光)
0.1%
484
千
(MWh)
自家発電
(水力)
30.1%
自家発電
(コージェネ)
25.0%
8
イビデン100年の歩み
3
高度経済成長、しのびよる構造不況
1960年~1979年
1960
石油ショックによる打撃 経営の合理化へ
1973年10月に起こった石油ショックは、当社の経営
建材展示即売会
にも多大な影響を与えました。電力費の高騰は、カーバ
イドやフェロアロイ等の電気化学製品に決定的な打撃と
なりました。また、住宅ブームも終焉を迎え、頼みの建
材事業も低迷。1976年3月、当社は、希望退職、生産の
分社化を軸とした経営の合理化に追い込まれたのでした。
メラミン化粧板
「イビボード」
1970
高度経済成長 建材事業への進出
河間工場に建設された
フェロシリコン新炉
神武景気、岩戸景気と続き、日本は高度経済成長期に
入り、空前の住宅ブームのなかで、新規事業として注力し
たのが建材事業です。1960年、メラミン化粧板
「イビボー
ド」
を発売。その後、壁材、天井材、床材、住宅機器を相
次いで投入、総合建材メーカーを目指しました。全国各地
に営業所を展開し、また、販売代理店、工務店を組織化
1974
セラミックファイバー
「イビウール」
製造現場
して営業力強化を図りました。住宅着工数が伸長するなか、
売上高の50%を占める主力事業に成長していきました。
データで見るイビデンの100年
1961年度(昭和36)
売上高 49億円(単体)
メラミン 10%
化学肥料
18%
9
1981年度(昭和56)
売上高 382億円(単体)
セラミック
ファイバー
6%
合金鉄
7%
カーボン
7%
合金鉄
14%
「部門別売上高の推移」
カーバイド
51%
カーボン
13%
カーバイド 15%
その他 7%
建材
28%
電子
24%
1999年度(平成12)
売上高 1,926億円(連結)
その他 6%
建設
17%
建材
17%
セラミック 6%
2011年度(平成23)
売上高 3,008億円(連結)
建設 4%
その他 7%
建材
7%
電子
54%
セラミック
25%
電子
57%
4
事業の再構築 -第2の創業-
1980年~1989年
新規事業への転換 イビデンに社名変更
進む電子化とプリント配線板
合理化を進める一方で、電気化学製品に替わる新規事
1980年代半ば、ワープロやパソコンが登場すると企業
業の育成も進めました。電子の時代を予見し取り組んだ
の情報化投資が急増し、現場もOA化、FA化が進展、当
プリント配線板事業。トップグレードの等方性黒鉛に焦
社のプリント配線板事業も順調に成長軌道を描いていき
点を合わせた特殊炭素製品。そして、電気炉技術を活用
ました。独自設計による世界初の全自動化ラインを構築す
した高断熱素材セラミックファイバーを重点商品としま
るなど、技術面においても、業界をリードするメーカーに
した。そして、1982年、創立70周年を機に社名をイビデ
成長。また、基板にICチップを直接実装するCOB(Chip
ン株式会社に改めたのです。これには第2の創業の意味も
on Board)にも参入、当時、流行したデジタル腕時計向け
こめられていました。
に採用されました。このCOBは、その後のICパッケージ
財務面では、長年苦し
んだ債務を一掃。また、
1982
基板の開発につながっていきました。
1980’s
モノづくり面では、改善
活動として、1970年代初
め のZD
(Zero Defects)
か ら、 自 主 活 性 化 活 動
(IJK)、TQC、 そ し て、
揖斐川電気工業は
「イビデン」
へ
1989年には、TPM
(Total Productive Maintenance)
として継続され、基礎体力、企業体質を強化していきま
した。
開発当時のプリント配線板
1985
β型炭化珪素
「ベータランダム」
1989
特殊炭素製品
セラミックファイバー「イビウール」
TPM活動キックオフ
10
イビデン100年の歩み
5
バブル崩壊を乗り越え飛躍
1990年~1999年
バブル崩壊、新たな時代への対応
1990年に始まるバブル経済の崩壊は、
IT技術の進化と海外顧客の開拓
IT技術の進化により、大きく成長を遂げ
日本経済に深刻な打撃を与えました。電子
たものが携帯電話でした。1987年にイビデ
事業、セラミック事業も成長が鈍化、業績
ンU.S.A.を設立、海外展開の足がかりとし
は低迷しました。一方、東西冷戦の終結、
ていた当社は、米国最大手の携帯電話メー
貿易の自由化から、経済分野のグローバル
カーから多層基板の注文を獲得。1995年に
化が進展。当社では、新たな成長を目指し
は、米国シカゴに試作生産拠点を設立し、
た全社開発プロジェクトを発足、リソース
顧客の近くでサポートする体制を築きまし
を集中させて、世界のトップ 企業をター
た。また、1991年にはオランダに販売拠点
ゲットにチャレンジしていきました。一方、
を開設。やがて、欧州大手の携帯電話メー
1994年にはTPM優秀賞、1998年には特別
カーと成約。アナログからデジタルに切り
賞を受賞。ISO9001の認証取得とも相まっ
替わる市場変化に対して、顧客とともに開
て、会社全体の方向性や事業基盤は着々と
発から協業する体制も整えていきました。
定まっていきました。
プラスチック製
ICパッケージIBSS
11
イビデンフィリピン
国内ではなく、世界市場に
ICパッケージの
生産拠点の大垣工場
グローバル企業との協業体制
1994
2000
揖斐電電子
(北京)
グローバル化元年
1998
TPM優秀賞受賞
2001
成長の機会を求めた当社では、
2000年にイビデンフィリピ
ン、翌2001年には揖斐電電
子(北京)を設立し、電子関連
インターネットの登場、ソフトウェアの充実により、パソコン
事業におけるグローバルな生
が急速に普及。ICパッケージ基板の開発を進めていた当社でも、
産体制の構築を進めていきま
パソコン用MPUの世界を志向していきました。当時主流のセラ
した。それは、単なる為替・
ミック製に替わるものとして、世界最大手の半導体メーカーにプ
コスト対策としてではなく、
ラスチック製ICパッケージを提案、採用されました。顧客との協
顧客満足度 No.1を目指した
業から学んだ品質管理や量産化手法等、その後の当社ビジネスの
カスタマーインの発想による
在り方を大きく転換させたときでした。
ものでした。
6
2012
世界に飛躍、新生イビデン
2000年~2012年
「イビデンの森」
第5回植樹活動
イビデンDPFフランス開所式
2004
新たな事業の柱、
セラミック事業の成長
イビデンハンガリー
2010
世界同時不況、
劇的な変化の時代
IPM大会
イビデンエレクトロニクスマレーシア
開所式
次の100年に向けた体制作り
大正、昭和、平成と長年当社を支え
地球温暖化やオゾン層の破壊などの
2008年のリーマンショックに端を
環境問題が世界各国で顕在化。こうし
発した世界同時不況、2011年の東日
た 状 況 のなか で 脚 光 を 浴 び たの が、
本大震災、世界は想像を超えた災害や
ディーゼル・パティキュレート・フィ
苦難に見舞われました。ボーダレスで
ルター(DPF)です。当社が長年開発を
動く
「ヒト・モノ・カネ」
、グローバル
進 め て き た 炭 化 ケ イ 素 製DPFは、
化はさらに進み、円高やエネルギー問
2000年に仏大手自動車メーカーに採
題等、日本企業を取り巻く環境は一層
用。その後、欧州環境規制
「ユーロ4」
厳しくなっています。当社では、この激
の発効を控え、各自動車メーカーより
動の時代を乗り越えるため、利益と直
引 合いが 急 増。2 0 01年にイビ デ ン
結した独自のIPM活 動
(IBIDEN Profit
DPFフランス、2004年にはイビデン
に国内外の全グループ
Management)
ハンガリーと 現 地 生 産 拠 点 を 整 備。
企業をあげて取り組んでいます。
DPFは、電子関連に続く当社主力事業
てきた水力発電所。100周年事業の一
環として隧道の補修や発電機の更新を
進め、次世代においても稼動・活用で
きるようにしました。また、グローバ
ルに発展を目指す当社グループの求心
力となるものとして、企業理念・イビ
デンウェイを見直し、ブランドロゴ
マークも一新します。
グローバル競争が激化するなかで、
国際的な共通ルールやコンプライアンス
の遵守が求められています。当社では、
CSR経営を企業活動の柱に据え、日本
生まれのグローバル企業として、新たな
100年を切り開いてまいる所存です。
に成長してい
きました。
「イビデン100年の歩み」
は
当社ホームページにて
詳細な情報を掲載しています。
ディーゼル・パティキュレート・
フィルター(DPF)
携帯電子機器向け
小型・薄型パッケージ
URL
www.ibiden.co.jp/company/ayumi/
12
中間連結財務諸表
Consolidated Financial Statements
中間連結貸借対照表 2012年9月30日現在
(単位:百万円)
2012年9月末
2012年3月末
187,303
211,639
現金及び預金
64,370
77,960
当中間期における主な設備投資は以下の
受取手形及び売掛金
50,490
58,097
とおりです。
有価証券
21,090
27,194
たな卸資産
42,346
35,819
繰延税金資産
2,034
2,107
その他
7,350
10,884
△ 378
△ 423
215,198
214,232
176,408
177,878
建物及び構築物
71,093
68,107
機械装置及び運搬具
63,806
58,258
その他
41,508
51,512
無形固定資産
10,631
5,286
投資その他の資産
28,158
31,067
投資有価証券
21,242
25,070
7,301
6,396
△ 385
△ 399
402,502
425,871
科目
資産の部
設備投資の状況
195億89百万円
●電子関連
国内 パッケージ基板………………
10 億円
海外 イビデンフィリピン…………
51 億円
イビデンエレクトロニクスマレーシア……
48 億円
(億円)
600
400
■設備投資額 ■減価償却額
▶
406
473
有形固定資産
423
195 192
2010
2011
2012 (年度)
中間期
POINT
資産の部:子会社株式の取得や自己株
式の取得による支出等により、現金及
び預金と有価証券が減少しました。
13
貸倒引当金
固定資産
603
200
0
流動資産
その他
貸倒引当金
資産合計
(単位:百万円)
2012年9月末
科目
2012年3月末
負債の部
92,526
100,502
支払手形及び買掛金
43,560
50,613
短期借入金
18,018
18,716
その他
30,946
31,172
固定負債
51,670
50,468
社債
40,000
40,000
長期借入金
5,532
5,021
その他
6,138
5,446
144,196
150,970
流動負債
負債合計
純資産の部
株主資本
278,185
285,842
資本金
64,152
64,152
資本剰余金
68,330
68,331
利益剰余金
182,807
184,000
自己株式
その他の包括利益累計額
△ 37,105 △ 30,641
△ 24,709 △ 16,040
964
1,281
3,864
3,817
純資産合計
258,305
274,901
負債、純資産合計
402,502
425,871
新株予約権
少数株主持分
ROE/ROAの推移
(%)
●ROE
(自己資本利益率)
●ROA
(総資産利益率)
7.45
8
4.57
4
5.20
3.14
0
△2.15
△4
△3.16
3.97
2.59
0.27
0.17
2008 2009 2010 2011 2012(年度)
中間期
▶
POINT
純資産の部:自己株式の取得を5百万株
実施したことにより、自己株式が増加
しました。
※自己株式は、純資産の部に控除する形式で表
示するため、自己株式の増加は、純資産の部
の減少項目となります。
14
中間連結財務諸表
Consolidated Financial Statements
中間連結損益計算書 2012年4月1日〜2012年9月30日
(単位:百万円)
科目
140,964
140,043
111,112
109,104
売上総利益
29,852
30,938
販売費及び一般管理費
23,728
24,447
6,123
6,490
1,868
835
430
427
その他
1,438
408
営業外費用
3,181
4,748
支払利息
183
134
6
11
2,341
4,015
649
586
4,810
2,577
特別利益
409
409
特別損失
3,028
199
2,192
2,787
1,404
2,004
788
783
82
97
705
685
売上高
売上原価
営業利益
営業外収益
受取利息及び配当金
設備賃貸費用
為替差損
その他
経常利益
税金等調整前四半期純利益
▶
POINT
損益計算書:売上高は増収、営業利益
は減益、経常利益及び四半期純利益は
増益となりました。
15
2012年度中間期 2011年度中間期
法人税等
少数株主損益調整前四半期純利益
少数株主利益
四半期純利益
中間連結キャッシュ・フロー計算書 2012年4月1日〜2012年9月30日
(単位:百万円)
科目
2012年度中間期 2011年度中間期
2,192
2,787
19,288
19,594
7,377
9,315
たな卸資産の増減額
△ 3,790
△ 1,409
仕入債務の増減額
△ 7,352
△ 8,345
6,668
△ 9,625
24,384
12,317
税金等調整前四半期純利益
減価償却費
売上債権の増減額
その他
営業活動によるキャッシュ・フロー
有形固定資産の取得による支出
その他(子会社株式の取得による支出など)
投資活動によるキャッシュ・フロー
△ 22,441 △ 28,772
△ 9,252
36
△ 31,694 △ 28,736
中間配当について
平成24年11月1日開催の取締役会におい
て、平成24年9月30日の最終の株主名簿
に記載又は記録された株主又は登録株式
質権者に対して行う中間配当金の支払につ
き、次のとおり決議いたしました。
中間配当金 1株につき
15円
支
払請求権の効力発生日並びに支払開始日
平成24年11月19日
(円)
■中間 ■期末
50
40
25
40
ー
40,000
自己株式の取得による支出
△ 6,464
△1
配当金の支払額
△ 2,146
△ 3,577
△ 973
△ 265
財務活動によるキャッシュ・フロー
△9,584
36,156
現金及び現金同等物に係る換算差額
△ 2,741
△ 2,672
△19,635
17,065
キャッシュ・フロー計算書:営業活動に
104,487
92,886
より得られた資金は増加しましたが、
84,851
109,951
社債の発行による収入
その他
現金及び現金同等物の増減額
現金及び現金同等物の期首残高
現金及び現金同等物の四半期末残高
30
20
10
0
▶
30
15
15
15
2010
2011
15
2012 (年度)
POINT
有形固定資産の取得による支出に加え、
子会社株式の取得や、自己株式の取得
による支出があったことにより、現金
及び現金同等物は減少しました。
16
株式の状況
Stock Information
(2012 年 9 月 30 日現在)
株式の状況
大株主(上位10名)(※1)
発行可能株式総数・・・・・・・・・ 230,000,000株
発行済株式総数・・・・・・・・・・ 150,860,557株
株主数・・・・・・・・・・・・・・・・・ 48,707名
株主名
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口) 10,176
所有者別株式分布状況(※2)
証券会社 2.1%
その他国内法人
10.6%
外国法人等
24.1%
金融機関 32.8%
個人・その他
30.4%
株数別株式分布状況(※2)
10,000株以上100,000株未満
7.6%
100株未満 0.1%
100株以上1,000株未満
6.0%
1,000株以上
10,000株未満
10.7%
1,000,000株以上
50.4%
100,000株以上
1,000,000株未満
25.2%
持株数(千株)
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)
7,728
株式会社豊田自動織機
6,221
株式会社十六銀行
4,130
株式会社大垣共立銀行
4,120
CBNY-ORBIS SICAV
2,787
三井生命保険株式会社
2,540
イビデン協力会社持株会
2,539
株式会社三井住友銀行
2,308
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
2,156
(※1)上記(大株主)のほか、当社が保有している自己株式12,770千株があります。
(※2)所有者別株式分布状況、株数別株式分布状況には自己株式は含まれていません。
株価/出来高の推移
株価(月足) ■ 出来高(月間合計)
(円)
4,000
2,000
出来高
(万株)
0
9 10 11 12 1 2
2010年
2011年
17
3
4
5
6
7
8
9
10 11 12
1 2
2012年
3
4
5
6
7
8
9
月
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
会社概要
Corporate Data
(2012 年 9 月 30 日現在)
会社概要
事業場
創
立:1912年(大正元年)11月25日
資 本 金:64,152百万円
従業員数:3,464名(連結12,112名)
大垣事業場、大垣中央事業場、青柳事業場、河間事業場、
大垣北事業場、神戸事業場(以上岐阜県)
衣浦事業場(愛知県)
主な営業所
本
会計監査人
店:〒503-8604 岐阜県大垣市神田町2-1
☎(0584)81-3111(代)
新日本有限責任監査法人
東京支店:〒100-6329 東京都千代田区丸の内2-4-1
(丸の内ビルディング29階)
☎(03)3213-7322(代)
大阪支店:〒532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原1-2-6
(新大阪橋本ビル3階)
☎(06)6399-1671(代)
役 員
取 締 役
代 表 取 締 役
代 表 取 締 役
代 表 取 締 役
代 表 取 締 役
取 締 役
取 締 役
取 締 役
取 締 役
取 締 役
取 締 役
取 締 役( 社 外 )
取 締 役( 社 外 )
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
岩
竹
國
小
馬
栗
松
阪
桑
伊
豊
米
執行役員
田
中
嶋
髙
渕
田
尾
下
山
藤
田
澤
宗
義
裕
眞
博
勝
茂
敏
敬
洋
太
芳
敏
文
紀
文
信
美
康
明
一
一
郎
年
夫
林
瀬
林
谷
田
佳
忠
安
薫
郎
豊
男
弘
範
会 長
社 長
副 社 長
副 社 長
専務執行役員
専務執行役員
専務執行役員
常務執行役員
常務執行役員
常務執行役員
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
岩
竹
國
小
馬
栗
高
松
阪
桑
田
中
嶋
髙
渕
田
木
尾
下
山
義
裕
眞
博
勝
茂
隆
敏
敬
洋
文
紀
文
信
美
康
行
明
一
一
執
執
執
執
執
執
執
執
執
執
行
行
行
行
行
行
行
行
行
行
役
役
役
役
役
役
役
役
役
役
員
員
員
員
員
員
員
員
員
員
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
伊
河
匂
岩
青
生
西
大
児
島
藤
島
坂
田
木
田
田
野
玉
戸
宗
太
浩
克
義
武
斉
一
幸
幸
郎
二
己
幸
志
彦
剛
茂
三
二
監 査 役
常 勤 監 査 役
常 勤 監 査 役
監 査 役( 社 外 )
監 査 役( 社 外 )
監 査 役( 社 外 )
:
:
:
:
:
平
川
栗
熊
塩
18
株主メモ
事 業 年 度 : 4月1日から翌年3月31日まで
定 時 株 主 総 会 : 毎年6月
基 準 日 : 定時株主総会 3月31日
期 末 配 当 3月31日
中 間 配 当 9月30日
その他必要があるときは、あらかじめ公告して定めます。
公 告 の 方 法 : 当社のホームページに掲載いたします。
た
だし、やむを得ない事由により電子公告をする
ことができない場合は、日本経済新聞に掲載します。
公告掲載URL http://www.ibiden.co.jp/
単 元 株 式 数 : 100株
株主名簿管理人 : 東京都千代田区丸の内一丁目4番1号
三井住友信託銀行株式会社
同事務取扱場所 : 〒460-8685 名古屋市中区栄三丁目15番33号
三井住友信託銀行株式会社 証券代行部
0120−782−031
同 取 次 窓 口 : 三井住友信託銀行株式会社 全国本支店
上 場 取 引 所 : 東京、名古屋各証券取引所 第1部
○未払配当金の支払いに関するお申出先
株主名簿管理人である三井住友信託銀行株式会社にお申出ください。
○住所変更、単元未満株式の買取・買増等のお申出先
株主様の口座のある証券会社にお申出ください。なお、証券会社に
口座がないため特別口座を開設された株主様は、特別口座管理機関で
ある三井住友信託銀行株式会社にお申出ください。
○「配当金計算書」について
配当金支払いの際に送付しております「配当金計算書」は、租税特別
措置法の規定に基づく「支払通知書」を兼ねております。確定申告を
行う際は、添付資料としてご使用いただくことができます。
なお、配当金領収証にて配当金をお受取りの株主様につきましても、
配当支払いの都度「配当金計算書」を同封させていただいております。
確定申告をなされる株主様は、大切に保管ください。
ホームページのご案内
当社ホームページでは、企業情報、
投資家情報、社会・環境活動
(CSR)
など、様々な情報を掲載しておりま
す。特に株主・投資家の皆さまに向
けましては、社長メッセージ、決算
短信、主力製品の紹介なども掲載し
ております。ぜひご覧ください。
h t t p : / / w w w . i b i d e n . c o . j p /
※本資料には、2012年9月現在の将来に関する前提・見通し・計画に基づく予測が含まれています。世界経済・競合
状況・為替変動等にかかわるリスクや不確定要因により、実際の業績が記載の予測と異なる可能性があります。
Fly UP