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第 2 章 空間評価指標の構築
第 2 章 空間評価指標の構築 2.1 本章の目的 15 2.2 研究の方法 16 2.3 空間評価指標の構築 16 2.4 空間評価指標の構築に関するまとめと考察 32 第 2 章 2.1 空間評価指標の構築 本章の目的 私たちの日常において,身の回りのモノを購入したり,空間や 設備を利用したりする際,たくさんの選択肢の中から一つの商品 を選んだり,また訪れたいと感じたりと,様々な判断基準の上に それらの評価をしている。しかし,それらの判断基準は非常にあ いまいで,評価する人のこれまでの経験や知識,好み,年齢とい った内的な要因,時代や流行,季節などの外的な要因などによっ て 変 化 す る ( 注 1 , 2 )。 ま た , 何 故 そ れ を 選 ん だ の か , な ぜ い いと思ったのかを正確に表現することは難しく,本人も気付かな い 価 値 要 素 が 影 響 を 与 え て い る 可 能 性 が あ る ( 注 3 , 4 )。 本 研 究では,空間の評価に影響を与えている価値要素を明らかにし, 知識や経験,専門分野など異なる立場のユーザーグループによる 複合評価を行うことによって,ユーザーグループ間の比較を行い, ど の 価値 要 素に お いて 評 価の ズ レが 発 生し て いる か を可 視 化 す ることが可能となる。さらに,ズレの要因を読み取ることによっ て,新たな価値の提供に繋げることのできる空間評価・診断シス テムの構築を目的としている。異なる立場のユーザーグループに よる複合的な評価を行うためには,空間の価値要素を抽出し,専 門 的 な知 識 を持 た ない 一 般の ユ ーザ ー でも 理 解で き る評 価 の 指 標を構築することが必要となる。 そこで本章では,空間に関する書籍や雑誌などの文献調査やイ ンターネット調査,ユーザーへのヒアリング調査などからセンテ ンス形式で価値要素を抽出し,それを分類・整理することによっ て空間評価指標の構築を行うことを目的とする。 第 2 章 空間評価指標の構築 15 2.2 研究の方法 本稿では,空間評価を行うための評価指標と評価手法の構築に ついて述べることとする。本研究における「空間」とは,生活空 間を意味し,生活空間とは,単一の生活機能を持った空間である 「単位空間」の集合とその結合によって形成されるものであり, 個人住宅から駅,港などの公共施設,街路空間,公園などの公共 空間といった様々な空間を対象とする。また,評価の対象として は建物の壁や床,天井,窓といった空間そのものを構成する要素 から,空間に設置されている家具や植栽,照明などの要素を「空 間要素」として取り扱うこととする。 空 間評 価 指標 の 構築 と 空間 評 価手 法 の開 発 を以 下 のよ う な 流 れで行った。 1)評価センテンスの収集 2)評価センテンスの整理による指標案の作成とカテゴリ分け 3)有識者および一般利用者によるワードチェック 4)プレ評価実験の実施による評価手法の検討 ここで,評価センテンスとは,デザイン賞の審査講評,雑誌等 の文章,ユーザーインタビューの発言録などから,評価の根拠と なる価値要素が明記された箇所を,前後の文脈が読み取れる短い 文 章( セ ン テ ン ス )で 抜 き 出 し 指 標 化 し た も の で あ る( 注 5 ,6 )。 2.3 2.3.1 空間評価指標の構築 評価センテンスの収集 空 間 評 価 指 標 の 構 築 に 向 け た 第 一 段 階 と し て 評 価 セ ン テ ン ス の収集を行った。評価センテンスとは,空間を評価する際の価値 要素を短いセンテンスで表現したものである。 16 評価センテンスを収集するにあたり,まず収集元の選定を行っ た。評価センテンスは前述したように,空間の価値要素を文章化 したものであり,代表的なものとして空間に関連する表彰制度の 選評文が挙げられる。これはその分野における専門的な知識や経 験を持った審査員が,選定理由として受賞作品の価値部分を文章 という形式で可視化したものであり,質の高い評価センテンスの 抽出が期待できる。ただし,空間に関連する表彰制度は相対的に 少なく,収集できる評価センテンスの数も限られてくる。できる だけ広い分野,異なる視点からの評価要素が必要となるため,表 彰 制 度の 選 評文 か らだ け でな く 専門 家 向け お よび 一 般向 け の 空 間系の雑誌から収集するとともに,一般ユーザーに対するアンケ ー ト 調 査 か ら も 収 集 す る こ と と し た 。表 彰 制 度 で は ,建 築 ,土 木 , インテリア,ディスプレイ,景観,まちづくりといった分野から 複数の専門家による審査が行われており,その中からある程度歴 史があり認知度の高いものを選定し,過去3年分の選評文から抽 出 を 行 っ た ( 注 7 )。 専 門 家 向 け の 雑 誌 で は , 建 築 , イ ン テ リ ア 系 の 雑誌 に おけ る 作品 紹 介記 事 の文 章 など か らセ ン テン ス を 抽 出 し た ( 表 2 - 1 )。 一 般 向 け 雑 誌 で は , 空 間 に 限 ら ず ア ー ト , デ ザ イン,ファッション,ライフスタイルといった幅広い分野の雑誌 約 260 種 類 の 2007 年 7 月 時 点 に お け る 最 新 刊 を 対 象 と し て , 空 間 に 関 連 す る 記 事 の 文 章 中 か ら 抽 出 を 行 っ た ( 表 2 - 2 )。 な お , こ れらの雑誌は,次のような基準のもと選定を行っている。専門向 け雑誌は,国内で販売されている建築,インテリアなど空間に関 連 の 深い と 思わ れ るも の から 代 表的 な もの や 講評 文 が多 く 含 ま れ て い る も の を 選 定 し た 。 一 般 向 け 雑 誌 で は ,「 イ ン テ リ ア ・ 住 宅 」, 「 ア ー ト ・ デ ザ イ ン 」, 「 ガ ー デ ニ ン グ 」, 「 タ ウ ン 情 報 」, 「旅・ ア ウ ト ド ア 」,「 女 性 フ ァ ッ シ ョ ン 誌 」,「 女 性 ラ イ フ ス タ イ ル 誌 」, 「 男 性 フ ァ ッ シ ョ ン 誌 」, 「 男 性 誌 そ の 他 」, 「エンターテイメント」 といったジャンルの中からまんべんなく選ぶこと,一般的な書店 で購入できること,対象とする年齢や性別が偏らないようにする ことなどを基準として選定した。アンケート調査では,一般の生 第 2 章 空間評価指標の構築 17 活 者 150 人 を 対 象 に , 日 常 生 活 に お い て 空 間 を 意 識 す る 場 面 や 要 素 に つい て の質 問 を行 い ,評 価 セン テ ンス の 収集 を 行っ た ( 図 2 - 1 )。 セ ン テ ン ス の 収 集 を 行 う に あ た っ て は , 作 業 を 行 う 個 人 の 主観に頼らざるを得ないため,クオリティカルテの趣旨を十分に 理解した数名による分担作業で行い,初期段階でお互いの抽出し たセンテンスの内容を確認し,読み取り結果のズレや抽出方法の 違いを修正することで抽出レベルを調整した上で作業を進めた。 上 記 の 作 業 の 結 果 , 各 表 彰 制 度 よ り 623 セ ン テ ン ス , 専 門 家 向 け 雑 誌 よ り 202 セ ン テ ン ス , 一 般 向 け 雑 誌 よ り 195 セ ン テ ン ス , ア ン ケ ー ト よ り 283 セ ン テ ン ス , 合 計 で 1303 セ ン テ ン ス を 収 集 す る こ と が で き た ( 表 2 - 3 )。 表 2-1 評価センテンスの抽出に用いた専門雑誌 ジャンル 建築・インテリア 表 2-2 出版社 発行 建築雑誌 日本建築学会 月刊 新建築 新建築社 月刊 日経アーキテクチュア 日経BP社 隔週 商店建築 商店建築社 月刊 年鑑日本の空間デザイン 六曜社 年刊 a+u エー・アンド・ユー 月刊 CONFORT 建築資料研究社 隔月 ディティール 彰国社 季刊 備考 評価センテンスの抽出に用いた一般向け雑誌 ジャンル インテリア・住宅・建築 18 タイトル タイトル 私の部屋づくり 素敵なカントリー PLUS1 LIVING ELLE DECO 住む。 出版社 学習研究社 学習研究社 主婦の友社 アシェット婦人画報社 農産漁村文化協会 発行 季刊 季刊 隔月 隔月 隔月 I’m home 住まいの設計 注文住宅 月刊HOUSING Casa BRUTUS Real Design Goodリフォーム LIVING design 美しい部屋 商店建築社 扶桑社 建築資料研究会 リクルート マガジンハウス エイ出版社 リクルート 風土社 主婦と生活社 隔月 月刊 月刊 月刊 月刊 月刊 月刊 隔月 季刊 私のカントリー ひとり暮らしをとことん楽しむ! 私の家づくり ZAKKA BOOK 雑貨カタログ MODERN LIVING 主婦と生活社 主婦と生活社 主婦と生活社 主婦と生活社 主婦の友社 アシェット婦人画報社 季刊 季刊 年3回 年3回 隔月 隔月 備考 ジャンル アート・デザイン ガーデニング タウン情報 旅・アウトドア 女性ファッション誌 タイトル 出版社 発行 アート・トップ 芸術新聞社 隔月 芸術新潮 新潮社 月刊 prints プリンツ21 季刊 美術手帳 美術出版社 月刊 ART iT 紀伊国屋書店 季刊 TITLE 文藝春秋 月刊 趣味の園芸 日本放送出版協会 月刊 花時間 BISES 角川 ベネッセ 月刊 隔月 園芸ガイド 主婦の友社 隔月 フローリスト 誠文堂新光社 月刊 エクステリア&ガーデン ブティック社 季刊 My GARDEN マルモ出版 季刊 花ぐらし 家の光協会 季刊 ガーデン&ガーデン エフジー武蔵 季刊 備考 九州ウォーカー SAVVY 京阪神エルマガジン 月刊 Hanako マガジンハウス 月2回 Hanako west マガジンハウス 月刊 Lmagizine 京阪神エルマガジン 月刊 Meets Regional 京阪神エルマガジン 月刊 東京カレンダー アクセスパブリッシング 月刊 東京人 都市出版 月刊 大阪人 大阪都市協会 月刊 街ぐらし エフジー武蔵 季刊 都市生活 KeLLy ゲイン 月刊 東海3県の20代女性 月刊ChouChou 角川書店 月刊 関西の女性向け、グルメ 北海道生活 アイリー 季刊 北海道百科 北海道新聞社 季刊 大人の週末 旅 講談社 新潮社 月刊 月刊 山と渓谷 山と渓谷社 月刊 自遊人 カラット 隔月 旅と鉄道 鉄道ジャーナル 季刊 BE-PAL 小学館 月刊 駱駝 小学館 隔月 島へ 青萠堂 隔月 海と島の旅 水中造形センター 月刊 クルーズ 海事プレス社 隔月 旅の手帖 交通新聞社 月刊 旅行読売 旅行読売新聞社 月刊 散歩の達人 交通新聞社 月刊 おとなのいい旅 リクルート 隔月 じゃらん リクルート 月刊 旅・写真 ニューズ出版 隔月 男性向け、余暇 首都圏 なごみ 淡交社 月刊 CREA TRAVELLER 文藝春秋 隔月 nicola 新潮社 月刊 Hana*chu 主婦の友社 月刊 中学生 ピチレモン 学習研究社 月刊 ローティーン ラブベリー 徳間書店 月刊 ローティーン popteen SEVENTEEN 角川春樹事務所 集英社 月刊 隔週 10代 ティーン 小中学生 Cawaii! 主婦の友社 月刊 ティーン CUTIE 宝島社 月刊 ティーン CanCam 小学館 月刊 学生・OL AneCan 小学館 月刊 25歳 PINKY 集英社 月刊 カジュアルファッション Scawaii 主婦の友社 月刊 大人系ギャル JJ 光文社 月刊 学生・OL 第 2 章 空間評価指標の構築 19 ジャンル 女性ファッション誌 20 タイトル nonno ViVi 出版社 集英社 講談社 発行 月2回 月刊 備考 学生・OL 学生・OL Ray 主婦の友社 月刊 学生・OL BLENDA 角川春樹事務所 月刊 学生・OL MORE 集英社 月刊 学生・OL an・an マガジンハウス 週刊 FUDGE WITH ニューズ出版 講談社 月刊 月刊 20代前半 20代女性 sweet 宝島社 月刊 20代 SEDA 日之出出版 月刊 20歳前後? PS 小学館 月刊 カジュアルファッション mina spring 主婦の友社 宝島社 月2回 月刊 フリーカジュアル系 20代カジュアルファッション Zipper 祥伝社 月刊 カジュアルファッション mini 宝島社 月刊 ストリートファッション CLASSY 光文社 月刊 お嬢さんOL BAILA GLAMOROUS 集英社 講談社 月刊 月刊 25歳 20代後半 美人百花 角川春樹事務所 隔月 25歳からの働く女性 BOAO マガジンハウス 月刊 お仕事ガール Oggi 小学館 月刊 キャリア女性 LUCi style 扶桑社 講談社 月刊 月刊 働く女のコ OL ef 主婦の友社 月刊 MISS 世界文化社 月刊 InRed 宝島社 月刊 OL オフィスファッションを中心に28歳からの リアルスタイル 30代 VERY 光文社 月刊 30代既婚 Domani saita 小学館 セブン&アイ出版 月刊 月刊 30代 30-40代 STORY 光文社 月刊 40代 marisol 集英社 月刊 働く40代 LEE GRACE Precious 25ans eclat Grazia Vingtaine GISELe NIKITA MAQUIA 美的 VoCE NAIL VENUS ar 装苑 集英社 世界文化社 小学館 アシェット婦人画報誌 集英社 講談社 アシェット婦人画報誌 主婦の友社 主婦と生活社 集英社 小学館 講談社 実業之日本社 主婦と生活社 文化出版社 月刊 月刊 月刊 月刊 不定 月刊 月刊 月刊 月刊 月刊 月刊 月刊 季刊 月刊 月刊 30代既婚 40代 30-40代 インターナショナルラグジュアリーマガジン ハイクオリティ 上質 20代から始める上質おしゃれ アラウンド30、大人のカジュアルファッション 艶女(アデージョ) 美容 美容 美容 ネイル ビューティ&モード モード 流行通信 INFASパブリケーションズ 月刊 モード HF(ハイファッション) 文化出版局 隔月 モード GLITTER Numero TOKYO トランスメディア アシェット婦人画報誌 月刊 月刊 GINZA マガジンハウス 月刊 SPUR FIGARO japon FRaU VOGUE NIPPON ELLE girl ELLE JAPON marie clare L'OFFICIEL JAPON 美しいキモノ 着物サロン 七緒(ななお) 集英社 阪急コミュニケーションズ 講談社 コンデナストジャパン アシェット婦人画報誌 アシェット婦人画報誌 アシェット婦人画報誌 アムアソシエイツ アシェット婦人画報誌 世界文化社 プレジデント社 月刊 月2回 月刊 月刊 年4回 月刊 月刊 隔月 季刊 季刊 年4回 着物 着物 着物 ジャンル 女性ライフスタイル誌 タイトル 発行 地球丸 月刊 ku:nel マガジンハウス 隔月 Lingkaran ソニーマガジンズ 隔月 自休自足 第一プログレス 季刊 田舎暮らしの本 宝島社 月刊 チルチンびと 風土社 隔月 ナナムイびと 風土社 季刊 うかたま REAL SIMPLE JAPAN 農産漁村文化協会 日経BP出版センター 季刊 月刊 CREA 文芸春秋 月刊 雑貨カタログ 主婦の友社 隔月 ELLE a table アシェット婦人画報誌 隔月 mr partner ミスターパートナー 月刊 婦人画報 アシェット婦人画報誌 月刊 家庭画報 世界文化社 月刊 和楽 小学館 月刊 栗原はるみharu_mi 扶桑社 季刊 備考 (定期購読) Mart 光文社 月刊 クロワッサン マガジンハウス 月2回 サンキュ! ベネッセコーポレーション 月刊 すてきな奥さん 主婦と生活社 月刊 生活の知恵 ESSE 扶桑社 月刊 料理 Como 主婦の友社 月刊 きれいなママ 暮らしの手帖 暮らしの手帖社 隔月 Bagle 学習研究社 月刊 主婦の友 主婦の友社 月刊 <子育て> たまごクラブ 主婦 生活の知恵 ヘルシー、美 ベネッセコーポレーション 月刊 妊娠・出産 Pre-mo 主婦の友社 月刊 妊娠・出産 妊すぐ リクルート 隔月 妊娠・出産 ひよこクラブ Baby-mo ベネッセコーポレーション 主婦の友社 月刊 月刊 育児 育児 赤すぐ リクルート 隔月 育児、ショッピング おはよう赤ちゃん 学習研究社 月刊 育児 たまひよこっこクラブ ベネッセコーポレーション 月刊 育児 赤すぐキッズ リクルート 隔月 子どもとママのウェア 月刊クーヨン クレヨンハウス 月刊 育児、オーガニック sesami 角川 隔月 子どものファッション maria アンジュパブリッシング 月刊 子どものファッション プレジデントFamily プレジデント社 月刊 教育 日経kids+ 日経ホーム出版 月刊 教育 AERA with Kids 朝日新聞社 季刊 教育 リクルート 月刊 <結婚> ゼクシィ けっこんぴあ ぴあ 隔月 ゼクシィ インテリア リクルート 不定 OZ magazine wedding スターツ出版 季刊 25ans wedding アシェット婦人画報社 年7回 <ビジネス> 日経EW 男性ファッション誌 出版社 天然生活 日経ホーム出版 月刊 日経Woman 日経ホーム出版 月刊 GQ JAPAN コンデナスト・ジャパン 月刊 MEN'S NON・NO 集英社 月刊 Men's JOKER ベストセラーズ 月刊 smart men's egg 宝島社 大洋図書 月刊 月刊 キャリア 10-20代 10-20代 FINEBOYS 日之出出版 月刊 POPEYE マガジンハウス 月刊 MEN'S CLUB アシェット婦人画報社 月刊 Gainer 光文社 月刊 ヤングビジネスマン MEN'S EX 世界文化社 月刊 ミドルエイジ 正統派 smart max 宝島社 月刊 大人 uomo 集英社 月刊 30代後半 第 2 章 空間評価指標の構築 21 ジャンル 男性ファッション誌 男性誌その他 エンターテインメント 22 タイトル 出版社 発行 備考 LEON 主婦と生活社 月刊 ミドルエイジ zino BRIO KI&Company 月刊 ミドルエイジ 光文社 月刊 GOETHE 幻冬舎 月刊 30-40代 Begin 世界文化社 月刊 靴・バッグ・小物 Men's PREPPY プレアデスセンター 月刊 ヘアスタイル SENSE 飛鳥新社 月刊 大人のカジュアル GET ON! COOL TRANS 学習研究社 ワニブックス 月刊 月刊 ストリートファッション ストリートファッション HUgE 講談社 月刊 ストリートファッション street Jack ベストセラーズ 月刊 ストリートファッション TUNE ストリート編集室 月刊 高級時計 Chronos インターナショナル・ラグジュア隔月 OCEANS インターナショナル・ラグジュア月刊 子育てもカッコよく CHOKi CHOKi 内外出版社 20代 月刊 BiDan 月刊 インデックス・コミュニケーション サライ 小学館 隔週 一個人 ベストセラーズ 月刊 日経おとなのOFF 日経ホーム出版 月刊 Memo男の部屋 ワールドフォトプレス 月刊 ドゥーパ! 学習研究社 隔月 BRUTUS マガジンハウス 月2回 Tarzan マガジンハウス 月2回 日経TRENDY 日経ホーム出版 月刊 美男子スタイル 週末DIY手作りライフ Pen 阪急コミュニケーションズ 月2回 DIME 小学館 隔週 PLAYBOY 集英社 月刊 エンターテインメント CIRCUS KING ベストセラーズ 講談社 月刊 月刊 ビジネスマンの為のエンターテインメント 特選街 マキノ出版 月刊 Esquire エスクァイアマガジンジャパン 月刊 ビジネスマンの為のトレンド Number 文藝春秋 月2回 スポーツ CG 二玄社 月刊 車 NAVI 二玄社 月刊 車 ENGINE 新潮社 月刊 車 AIRLINE イカロス出版 月刊 航空機 Rail Magazine ネコ・パブリッシング 月刊 鉄道 Lightning エイ出版社 月刊 アメリカンライフスタイル 男の隠れ家 あいであ・らいふ 月刊 中年 Safari 日之出出版 月刊 都会派、オフタイム _ates 阪急コミュニケーションズ 月刊 食から広がるライフスタイル FQ JAPAN アクセスインターナショナル 隔月 子育て Lapita 小学館 月刊 大人の遊び方 Z 龍宮社出版 月刊 55歳以上 Disney FAN 講談社 月刊 ディズニーランド情報 日経エンタテインメント 日経BP社 月刊 エンターテインメント情報 SWITCH! スイッチパブリッシング 月刊 映画・音楽・ファッション他 Cut ロッキング・オン 月刊 映画、カルチャー SCREEN キネマ旬報 近代映画社 キネマ旬報社 月刊 月2回 洋画 映画 音楽と人 USEN 月刊 コリアエンターテインメントジャーナル コリアエンターテインメントジャーナル 月刊 韓国 KOREAN WAVE 隔月 韓国 近代映画社 図 2- 1 「空間」について のアンケート 第 2 章 空間 間評価指標の構 構築 23 3 表 2-3 抽出した評価センテンス(一部抜粋) 評価センテンス 抽出空間 抽出元 清潔感を保ちつつ安心感・居心地良さを創出している エンゼル病院 2004年 医療福祉建築賞 システマティックで独創的な構造計画 デイサービスセンターちゃぼぼ+ 2004年 医療福祉建築賞 グループホーム弥生 暖かく安心感のあるデザイン 福井県立病院 病院本棟 2005年 医療福祉建築賞 歩くことにより時間的経過と共に変化する景観を生み出すことに成功して いる 和歌の浦アート・キューブ 建築雑誌/増刊 作品選集 2005 p.15 新しい日本的なオフィスビルのあり方として興味深い 時事通信ビル 建築雑誌/増刊 作品選集 2006 p.15 オフィスとは思えない非日常的な空間 レイス 商店建築 2006 MAY VOL.51 NO.7 p.173 景観に一服の清涼感を与えている 大阪明治生命館ランドアクシスタ BCS賞 2003 ワー p.023 ユニークな価値がこの作品の中にある 鹿北町プロジェクト 安全性と居住性を高めている 電通本社ビル BCS賞 2003 p 125 BCS賞 2004 p 53 壁面や屋根に使用された素材特有の材質感とあいまって、従来の警察施 総評 設にない存在感がある JCDデザイン賞2005 オリジナリティの高い、独創的なデザイン LANVIN BOUTIQUE GINZA SDA賞2004 改修や維持管理による安全・安心・魅力の向上 リーガロイヤルホテル 第15回BELCA賞 既存のデザインに影響を与えることなく安全を確保している 横浜郵船ビル 第15回BELCA賞 使用する側に安心を与え楽しませてくれる建物である 横浜郵船ビル 第15回BELCA賞 防災機能とレクレーション施設の充実した魅力溢れる公園 大洲防災公園(全域) 石組みや水景の演出などに斬新さを積極的に取り入れた 愛知青少年公園(日本庭園) 斬新なアイデアやデザインを具現化 六甲道南公園(全域) 第20回都市公園コンクール国土交通 大臣賞 第21回都市公園コンクール国土交通 大臣賞 第22回都市公園コンクール国土交通 省都市・地域整備局長賞 生命ある生き物を、そのまま大切に見せる展示方法はアカデミックで豊か 国立科学博物館新館3期展示 だ ディスプレイデザイン賞2005 ホンモノの迫力と存在感を活かすことを狙った展示 総評 ディスプレイデザイン賞2005 周辺環境整備が見事に心地よい新たな風景として創造された 牧野富太郎記念館 土木学会デザイン賞2006 その他多くの橋とは全く異なる存在 勝山橋 土木学会デザイン賞2006 背景の山々の中で不思議な雰囲気を醸し出す 勝山橋 土木学会デザイン賞2006 行き止まりがなく、間違えても安心 坂井市立丸岡南中学校 園内への出入り口を一括管理できる すぐり保育園 安心できる環境を整えている 幼稚園の安全設計の視点 日経アーキテクチュア「これからの学 校2006」 日経アーキテクチュア「これからの学 校2006」 日経アーキテクチュア「これからの学 校2007」 敷地の境界に物理的構造物を作らないというしつらえが、ゆとりあるやわら さいたま市北部拠点宮原地区 かい空間構成を実現させている 平成17年度美しいまちなみ特別賞 日常生活を後にして、神秘的な場所へと足を踏み入れていくような期待感 宇津ノ谷地区 平成17年度美しいまちなみ優秀賞 子どもが走り回って楽しく遊べる 一般ユーザー空間アンケート 通常の空間とはまったく違う試みのあるもの 一般ユーザー空間アンケート 今まで見たことがない並木や花壇、噴水、モニュメントがある 一般ユーザー空間アンケート 初めて見るようなおしゃれな飾りつけ 一般ユーザー空間アンケート 24 2.3.2 評価センテンスの分類・整理 集めた評価センテンスは,多様なジャンルの媒体から抽出され, その専門性やターゲットとしている読者も実に多様であるため, 同じ内容であっても様々な表現で文章化されている。専門家から 一般の利用者まで共通の指標による評価を可能にするため,集め た 評 価 セ ン テ ン ス の 分 類 ・ 整 理 が 必 要 と な る 。そ の 方 法 と し て は , ま ず 製品 評 価の 指 標構 築 を行 っ た際 の 分類 方 法を 参 考に 全 て の セ ン テ ン ス を ,「 1 . 安 心 ・ 安 全 」,「 2 . 身 体 的 な ユ ー ザ ビ リ テ ィ 」, 「 3 . 精 神 的 な ユ ー ザ ビ リ テ ィ 」, 「 4 . 審 美 性 」, 「 5 . 独 創 性 」, 「6 . 環 境 対 応 」,「 7 . 社 会 貢 献 」 の 7 つ の カ テ ゴ リ に 分 類 し , そ こ に 当 て は ま ら な い セ ン テ ン ス は 「 8 .そ の 他 」 の カ テ ゴ リ と し て 分 類 し た ( 注 5 , 6 )。 次に,各カテゴリに分類したセンテンスをさらに詳細に読み解 くため,評価センテンスの分解を行った。分解の方法としては, ①評価センテンスを文節に分ける。②文節の中から評価の対象と なる要素と評価要素を抜き出し整理する。③1 つのセンテンスの 中に複数の要素が入っている場合,2つのセンテンスに分ける。 ④ 評 価対 象 と評 価 要素 が 自然 な つな が りに な るよ う 表現 を 修 正 す る ( 図 2 - 2 )。 ① 空間そのものが醸し出す象徴性やメッセージ性 評価対象 評価要素 ② 空間そのものが / 醸し出す / 象徴性やメッセージ性 ③ 空間そのものが / 醸し出す / 象徴性 / メッセージ性 ④ 図 2-2 空間そのものが / 象徴性を醸し出しいてる 空間そのものが / メッセージ性を醸し出しいてる 評価センテンスの分解方法 第 2 章 空間評価指標の構築 25 この作業により,評価センテンスの表現の均一化および分解・ 統 合 が で き た ( 表 2 - 4 )。 ま た , こ こ で 抽 出 さ れ た 評 価 の 対 象 と な る要素は評価に影響を与える空間要素であり,評価の要素は空間 の価値要素にあたる。この各要素を分類・整理することによって 空間の価値構造の把握を行った。 表 2-4 評価センテンスの分解例 評価センテンス 空間要素 価値要素 全体としての一体感のある空間構成を創出している 空間構成に 一体感がある 自然の恵みを生かした空間 空間に 自然の恵みが生かされている 視線によって 空間が共有されている 動線によって 空間が共有されている ユーザーの細かい使い勝手に配慮 使い勝手に 細かい配慮がある 時間ごとに異なる景色が楽しめる 時間の変化によって 景色が楽しめる 施設相互間では視線・動線を絡めあいながらさまざまに空間 を共有しあう 空間演出が 興奮を誘う 構造デザインが 空間演出と一致している 海の景色に 心癒される 空間そのものが 象徴性を醸し出している 空間そのものが メッセージ性を醸し出している 違和感なく周囲に溶け込むように配置している 配置計画によって 周辺景観に溶け込んでいる 環境に配慮した素材を最大限に活かした 素材から 環境への配慮が感じられる 観客の興奮を誘う空間演出と構造デザインの一致が秀逸 美しい海の景色に心癒される 空間そのものが醸し出す象徴性やメッセージ性 まず,空間要素をハードとソフトで分類し,その内容によって さ ら に 整 理 し た ( 表 2 - 5 )。 ハ ー ド 要 素 で は , 家 具 や 植 栽 , オ ブ ジ ェ,照明などの設置物および壁や天井,窓,通路といった空間の 部 分 に 関 す る 要 素 が 特 に 多 く 抽 出 さ れ た 。次 に ,色 や 素 材 ,立 地 , 周辺環境に関する要素が多く抽出された。ソフト要素では,空間 の雰囲気やイメージ,地域性,管理やサービスに関する要素が抽 出された。これらの結果から,空間の評価においては実に多様な 要素がその対象となっており,特に設置物や空間そのもの,色な ど目に留まりやすいハード面の要素が多いことが分かった。これ は,ハード面の要素から利用者が感じるイメージや印象,快不快 26 といった評価は,実際に触れたり目にしたりすることが可能であ るため,予備知識や経験が無くても何らかの評価をすることが可 能 で あり 評 価の 対 象と し て捉 え やす い こと が その 要 因と 考 え ら れる。ソフト面の要素は,歴史や文化,空間演出など,対象とな る 空 間そ の もの や その 周 辺に 対 する あ る程 度 の知 識 や利 用 経 験 が必要となる要素が多いことが考えられる。ここで抽出された空 間 要 素 は ,指 標 に お け る 評 価 の 対 象 と な る 部 分 で あ り ,例 え ば「 ○ ○から□□を感じる」の○○の部分に挿入される。つまり,一つ の指標でも○○の部分を他の空間要素と入れ替えることで,様々 な対象についての評価を行うことが可能であり,評価する空間の テ ー マや コ ンセ プ トま た は特 徴 に合 わ せた 指 標に 作 り替 え る こ とができる。 次に,空間の価値要素を整理し,空間要素に対してどのような 評価が行われているかを把握するため,カテゴリ分けを行った際 に 「 8 .そ の 他 」 に 分 類 し た セ ン テ ン ス を , 個 々 の 意 味 内 容 を 読 み取り新たなカテゴリとして分類した。分類するに当たっては, 前述したように評価センテンスを主部と述部に分解し,述部から どのような評価をしているかを読み取り,その意味内容によって 分類する。また,この作業を複数のメンバーで行い,読み取り結 果 を 照ら し 合わ せ なが ら 作業 を 進め る こと に よっ て 精度 を 高 め た。その結果,初めの7カテゴリに 14 カ テ ゴ リ を 追 加 し , 空 間 の評価に適した表現へと修正することで 21 の 新 し い カ テ ゴ リ に 分類することができた。 第 2 章 空間評価指標の構築 27 表 2-5 空間要素 色 ハード 空間に置かれているもの 空間のそのもの、部分 建物 場 空間のデザイン、意匠 意匠 色調 配色 素材 並木 植栽 自然 空間 屋外空間 フリースペース デザイン 建築形態 トータルデザイン 素材選択 素材のコンビネーション 部材 構造 花壇 樹木 緑 花 休憩スペース 造形 コミュニケーションスペース 造形意匠 展示空間 装飾 地下空間 その他 構造部材 内装 採光 水 せせらぎ 噴水 造園空間 劇場空間 水辺空間 環境調整 環境負荷 環境設計 外光 空間・立地等の条件 立地 立地特性 展示物 ディスプレイ 家具 インテリア 部屋 窓 壁 屋根 改修 設備改修 公園整備 修復再生 空間特性 地形 場所の条件 椅子 ソファ 置物 天井 吹き抜け 瓦 視覚的 視覚的連続性 環境 住環境 自然環境 小物 絵 モニュメント ファサード 外観 ディティール 室内環境 機能・性能、技術など 機能 性能 ストリートファニチャー 音 音楽 におい 平滑な床面 景色 周辺風景 施設 建設技術 伝統技術 職人技 香り サイン 照明 車道 廊下 通路 構造方式 施工密度 設置方法 間仕切り 信号機 ESC、EV 転落防止柵 歩道 空間の色や素材 ソフト 空間の雰囲気、イメージ 空間の計画 空間表現 事業計画 現代的な表現 サインシステム 空間のテーマ、コンセプトなど 表現方法 表情 雰囲気 プロジェクト トータルデザイン指針 マネージメントの方法論 運営・管理、サービスなど 管理・運営 維持管理 五感 空気感 気配 リアリティ 建物のボリューム 新しい手法 地域性 文化 歴史 展示する側(製作する側) 開発関係者の連携 こだわり 細かい配慮 地域 地域住民 日本の風土文化 景観形成に対する取組み 社会 保存と活用 経済 衣・食・住 ランドマーク 28 コンセプト 空間演出 時間の変化 時間 時間のデザイン その他 ライフスタイル 人目 コミュニケーション 記憶 バランス 2.3.3 空間評価指標の構築と精査 こ れ ま で の 作 業 に よ っ て カ テ ゴ リ 分 け さ れ 整 理 さ れ た 評 価 セ ンテンスを指標化していくために,表現の平易化と統一を行った。 表現の平易化では,もとのセンテンスは専門家による専門用語や 難しい言い回しを使った表現が多いため,特別な知識を持たない 一般のユーザーにも理解できるとともに,人によって読み取る意 味が異ならないような表現の修正を行った。特にカタカナの単語 は一般ユーザーには難解なものが多いため,出来るだけ平易な表 現 へ と 修 正 を 行 っ た ( 表 2 - 6 )。 表 2-6 表現の平易化例 修正前 修正後 ディティール 細かい部分、細部 ラグジュアリー 上質な ファサード 外観、建物の正面 トラディショナル 伝統的な シークエンス 移動による変化 フォルム 形、造形 ユニバーサルデザイン 全ての人にとって使いやすい フレキシブル 様々な使い方ができる メンテナンス 維持管理 アメニティ 快適な、快適性 サスティナブル 持続可能な 次に,表現の統一では,指標を利用する際に意味内容の読み取 りを容易にすることを目的として,単語や文法,表現の統一を行 っ た 。例 と し て ,外 観 や 見 た 目 に 関 す る 評 価 で は「 デ ザ イ ン 」,「 造 形 」,「 見 た 目 」 な ど 複 数 の 表 現 が 同 じ 意 味 で 使 わ れ て い る た め , 人によって読み取り方にぶれが生じてしまう。そのため,最も平 第 2 章 空間評価指標の構築 29 易で誰にでも理解しやすい表現として「見た目」に統一する。こ の作業によって,表現の平易化や統一化をすることで,ある程度 は人による読み取り方のブレを抑えることはできたが,完全に防 ぐことは難しい。しかし,評価する対象やテーマなど条件を絞り 込むことで,具体的なイメージと結びつけながら指標を読むこと になるため,よりブレの少ない読み取りが可能になると思われる。 また,1つの意味内容を持った指標でも表現を変えることで,評 価 す る対 象 やテ ー マに よ って 異 なる 価 値要 素 を持 た せる こ と が でき,状況に応じて使い分けることが可能である。そこで,これ ま で それ ぞ れの 評 価セ ン テン ス は1 つ のカ テ ゴリ に 対応 さ せ て いたが,無理に1つのカテゴリに対応させるのではなく,複数の カテゴリを対応させることとした。ここで,再度全てのセンテン スに対応するカテゴリのタグ付けを行った結果,1つのセンテン スにつき1~6カテゴリに対応させることができた。これにより 評 価 セン テ ンス の デー タ を指 標 化で き るレ ベ ルま で 整理 す る こ とができたため,この段階のものを最終的な指標案とし,さらに 今 後 の作 業 の中 で ブラ ッ シュ ア ップ さ せて い くこ と によ っ て 指 標を構築していくこととした。 さらに,ここまでの作業は筆者らのみによって進めてきたため, 指 標 の表 現 や言 い 回し が 本当 に わか り やす い もの に なっ て い る かどうかを客観的にチェックする必要があると考え,外部の専門 家や一般ユーザーによるワードチェックを実施した。メンバーと しては,普段から様々なアンケートを実施し一般ユーザーと専門 家 の 中立 的 な視 点 を持 っ てい る 調査 会 社に 勤 務す る 調査 員 6 名 と一般ユーザー2名,著者ら3名の計 11 人 で 行 っ た 。 ワ ー ド チ ェックの方法としては,2人1組になってチームで分担し,指標 1つ1つに対して,表現や言い回しのわかりやすさについて話し 合いながらチェックを行う。次に,チェックした内容をそれぞれ 発表し,再度調整しつつ全体に反映させることで修正を行った。 ワ ー ド チ ェ ッ ク の 結 果 ,2 1 カ テ ゴ リ 3 0 5 指 標 を 構 築 す る こ と が で き た 。 次 ペ ー ジ に 2 1 カ テ ゴ リ の 概 要 を 示 す ( 表 2 - 7 )。 30 表 2-7 カテゴリ一覧 カテゴリ 説明 1 安心安全 2 快適性 3 UD 4 親近感 5 コミュニケーション 6 メッセージ性 空間が発信しているイメージやテーマに関する項目 7 適応性 様々な問題点や変化に対する適応性に関する項目 8 統合性 空間および空間要素のデザインや構成の統一性に関する項目 9 サスティナビリティ 10 時間軸 11 社会貢献 12 活動の誘発 13 精神への働きかけ 14 使い勝手 空間の使い勝手に関する項目 15 空間構成 空間配置や連続性などに関する項目 16 自然環境との調和 自然環境の保護や自然景観との調和に関する項目 17 周辺景観との調和 周辺の街並みや景観との調和に関する項目 18 作り手に対する評価 19 審美性 空間のデザイン性やイメージに関する項目 20 独創性 空間の持つオリジナリティや独自性に関する項目 21 日本美 日本らしさや日本の伝統を感じるデザインやイメージに関する項目 空間から受ける安心感や安全性に関する項目 空間を利用した際の心身の快適性に関する項目 ユニバーサルデザインに関する項目 空間から感じる親しみや愛着に関する項目 空間により影響を受ける人と人とのコミュニケーションに関する項目 空間の維持管理や運営に関する項目 経年変化や季節、時間帯による変化に関する項目 地域や社会、利用者に対する貢献に関する項目 空間を利用する人の活動を誘発する空間構成や空間要素に関する項目 利用者の気持ちや情緒に影響を与える要素に関する項目 建築家やデザイナーなど空間の計画に関わった人に関する項目 第 2 章 空間評価指標の構築 31 2.4 空間評価指標の構築に関するまとめと考察 以上,評価センテンスの収集および分類・整理の結果,表 2-7 に 示 す 21 カ テ ゴ リ , 305 指 標 を 構 築 す る こ と が で き た 。 今 回 , 指 標を構築するプロセスにおいて,複数のカテゴリを各指標に対応 させるという手法をとったことによって,より汎用性の高い指標 とすることができた。空間評価の場合,一度の評価で対象となる 空間すべての要素を評価することは難しく,段階的に評価を行う か,テーマを絞って評価するなどの工夫が必要となってくる。そ のため,上述したようなカテゴリ分けをしておくことによって, 状 況 に応 じ て指 標 の表 現 や内 容 を調 整 する こ とで 複 数の 価 値 要 素の評価に対応できるため,少ない指標群であっても多様な評価 が可能になる。また,これらの指標に関しては,評価実験を繰り 返し行う中で被験者の意見を抽出し,理解しにくい表現や人によ っ て 異な る 捉え 方 がで き てし ま うよ う な表 現 など に つい て は 随 時修正を行い,精度を高めていくこととする。 なお,今回構築した指標はすべての価値要素を網羅してはおら ず,抜け漏れがあることが予想される。また,評価する空間の種 類や用途,規模もしくは評価するテーマによって使用する指標の 内容も異なるため,構築した指標群をベースにしながらその都度, 追加したり表現を変えたりすることで対応していく必要があり, そういった試行の繰り返しによって,指標を充実させていくこと ができると考える。以上のような方法に加え,今回センテンスの 抽 出 で使 用 した 表 彰制 度 や専 門 向け 雑 誌等 の 最新 の 資料 を 定 期 的にチェックし,評価センテンスの抽出を随時行うことで指標の 更新を行っていくこととする。その際には,必ず追加したタイミ ングがわかるようにタグ付けを行い,記録していくことで時代の 流れによる価値構造の変化を把握し,評価データの分析に活用し ていくことが重要であると考える。 32 注および参考文献 1)原田昭,デザインにおける感性情報の取り組み,知能と情報 ( 日 本 知 能 情 報 フ ァ ジ ィ 学 会 誌 ), V o l . 1 6 , N o . 5 , p 3 9 2 - 3 9 9 , 2004 2 )布 井 雅 人 ,吉 川 左 紀 子 ,好 み の 形 成 に 処 理 水 準 が 及 ぼ す 影 響 , 映 像 情 報 メ デ ィ ア 学 会 技 術 報 告 書 ,V o l . 3 2 ,N o . 4 8 ,p 6 3 - 6 7 , 2008 3 ) 竹村 和 久, 消 費者 の 意思 決 定過 程 ,日 本 基礎 心 理学 研 究 , Vol.28, No.1, p147-155, 2009 4 ) 杉 本 徹 雄 , 消 費 者 理 解 の た め の 心 理 学 , 福 村 出 版 , 1997 5)森田昌嗣, 曽我部春香, 石橋伸介, 池田美奈子, 評価者間の 評価のズレに着目したデザイン評価・診断システムのあり方, 日 本 デ ザ イ ン 学 会 研 究 論 文 集 , Vol.56, No.1, p47-54 6)曽我部春香,森田昌嗣,石橋伸介,デザイン賞の審査公表か ら抽出した評価指標を用いた評価委ステムの提案,日本デザ イ ン 学 会 研 究 論 文 集 , Vol.56, No.1, p55-64 7)評価センテンスの抽出に当たっては以下に示す表彰制度の過 去3年分の受賞作品における講評文から抽出を行った。日本 建 築 学 会 作 品 選 奨 2 0 0 5 ‐ 2 0 0 7( 社 団 法 人 日 本 建 築 学 会 が 主 催 する賞で 1994 年 に 制 度 化 さ れ た 。 同 会 が 毎 年 発 行 す る 『 作 品 選 集 』 掲 載 作 品 の 中 か ら , 優 秀 作 品 を 選 出 し 表 彰 す る も の 。 ) , 建 築 業 協 会 賞 B C S 賞 , 2 0 0 3 ‐ 2 0 0 5( 社 団 法 人 建 築 業 協 会 の 主 要 な 文 化 事 業 と し て , 1960 年 の 創 設 以 来 , 毎 年 , 国 内 で 建 設 さ れ た 優 秀 な 建 築 作 品 を 表 彰 。 ) , JIA 環 境 建 築 賞第5回~ 7 回(JIA(社団法人日本建築家協会),環 境建築賞は,地球環境時代の建築文化の向上を目的とし,環 境を保全しながら高い質をもった建築を顕彰し,環境に配慮 した建築の啓蒙と普及のために 医療福祉建築賞 2004 ~ 2000 年 に 設 け ら れ た 。 ) , 2006( 過 去 2 年間に新築,増改築 または改修を行った医療・福祉・保健施設ならびにその関連 第 2 章 空間評価指標の構築 33 施 設 を 対 象 ) BELCA 賞 第 14 回 ~ 16 回 ( BELCA 賞 は , 良 好 な 建 築 ス ト ッ ク の 形 成 に 寄 与 す る こ と を 目 的 に 設 け ら れ た 賞である。ロングライフとベストリフォームの二部門に分け て 表 彰 し て い る 。 ) , S D A 賞 2 0 0 4 ‐ 2 0 0 6( S D A 賞 は , 優 れ た サインデザイン作品を広く社会にアピールすることにより, サ イ ン デ ザ イ ン の 普 及 及 び 啓 発 を 図 る こ と を 目 的 と し て , 1966 年 以 来 続 け ら れ て き た わ が 国 で 唯 一 の サ イ ン デ ザ イ ン に 関 す る 顕 彰 事 業 で あ る 。 ) , JCD デ ザ イ ン 賞 2004‐ 2006 ( JCD デ ザ イ ン 賞 は , 商 環 境 を 中 心 と す る 空 間 デ ザ イ ン の 顕 彰 を 目 的 と し て , 1974 年 に 公 募 開 始 。 ) , デ ィ ス プ レ イ デ ザ イ ン 賞 2 0 0 4 ‐ 2 0 0 6( デ ィ ス プ レ イ デ ザ イ ン 賞 は , 最 近 の 空 間環境系の優秀な作品を評価,公表し,ディスプレイ分野に おける新しい作家の発掘と,デザイン活動の向上,領域拡大 を 目 的 と し て 設 置 。 ) , デ ィ ス プ レ イ 産 業 賞 2 0 0 4 ‐ 2 0 0 6( デ ィスプレイ産業賞は,ディスプレイデザインが優秀かつ,デ ィ ス プ レ イ 産 業 の 振 興 に 寄 与 す る と 認 め ら れ る 作 品 を 表 彰 対 象 と し て ,1 9 8 2 年 か ら 毎 年 度 継 続 実 施 。),都 市 景 観 賞「 美 し い ま ち な み 賞 」 ,平 成 17 年 度 ( 都 市 景 観 賞 「 美 し い ま ち な み 賞 」は ,美 し い ま ち な み を 創 り 育 て る た め ,公 民 が 協 力 し , ハ ー ド と ソ フ ト を 含 め た 総 合 的 な 取 組 み が 行 わ れ て い る 地 区を全国から募集し,その中でも特に優れた地区について表 彰 ) , 都 市 公 園 コ ン ク ー ル 第 20 回 ‐ 22 回 ( 技 術 水 準 の 向 上 及び新たな時代の都市公園の創造に寄与するため,都市公園 の設計・施工等に係る作品を広く募集し,特に優秀と認めら れた作品に国土交通大臣賞を贈呈し,表彰する),土木学会 デ ザ イ ン 賞 2 0 0 4 ‐ 2 0 0 6( 2 0 0 1 年 度 に 創 設 さ れ ,こ れ ま で に , 56 作 品 を 表 彰 し て い る 。 ) , Best Store of the Year 第 13 回 ‐ 15 回 ( 店 舗 力 の 向 上 を 目 的 に , JAPAN SHOP シ ョ ー , 日 本 経 済 新 聞 社 と の 共 催 で 1992 年 に 設 置 。 ) 34