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第 3部 実情調査編 - テレメータリング推進協議会

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第 3部 実情調査編 - テレメータリング推進協議会
平成15年度
資源エネルギー庁補助事業
石油ガス流通合理化対策事業費補助金
(石油ガス販売事業者構造改善支援
事業に係るもの)調査に関する報告書
LP ガス集中監視システムの稼動実態及び「e-japan 戦略Ⅱ」
を睨んだ新応用付加価値サービスの実現可能性による販売
事業者の構造改善への可能性調査
【第3部
実情調査編】
平成16年3月
特定非営利活動法人
LPガスIT推進協議会
◆
目
次
◆
第3部 実情調査編 ............................................ 1
I . 通 信 イ ン フ ラ 変 動 と 対 応 策 ........................................................... 2
1 . は じ め に .................................................................................. 2
2 . 通 信 イ ン フ ラ の 変 動 ................................................................. 2
3 . イ ン フ ラ 変 動 の 対 応 策 .............................................................. 4
3 .1 ア ナ ロ グ 回 線 か ら ADSL 回 線 へ の 変 更 ............................................... 4
3 .2 ISDN 回 線 か ら ADSL 回 線 へ の 変 更 ................................................... 5
3 .3 無 電 話 ( 固 定 電 話 が な い ) の 対 策 ..................................................... 6
3 .4 光 フ ァ イ バ の 対 策 ............................................................................. 7
4 . お わ り に .................................................................................. 7
II . ホ ー ム セ キ ュ リ テ ィ 、 介 護 支 援 、 健 康 管 理 シ ス テ ム の 実 情 調 査 ... 8
1 . は じ め に .................................................................................. 8
2 . ホ ー ム セ キ ュ リ テ ィ サ ー ビ ス .................................................... 9
2 .1 ホ ー ム セ キ ュ リ テ ィ シ ス テ ム の し く み と 機 能 ..................................... 9
( 1) 警 備 会 社 を 利 用 す る シ ス テ ム .......................................................... 9
( 2) 自 主 ホ ー ム セ キ ュ リ テ ィ ( オ フ ラ イ ン ・ ホ ー ム セ キ ュ リ テ ィ ) ..... 18
( 3) L P ガ ス 集 中 監 視 シ ス テ ム を 利 用 し た ホ ー ム セ キ ュ リ テ ィ ............ 23
2 .2 ホ ー ム セ キ ュ リ テ ィ サ ー ビ ス の 需 要 予 測 ......................................... 26
( 1) セ キ ュ リ テ ィ ビ ジ ネ ス の 状 況 ........................................................ 26
( 2) 生 活 す る 上 で の 不 安 感 の 程 度 ........................................................ 27
( 3) 防 犯 対 策 の 意 識 ............................................................................ 30
( 4) 防 犯 機 器 類 の 動 き ........................................................................ 34
( 5) 情 報 家 電 に 望 ま れ る 機 能 .............................................................. 35
( 6) 富 士 経 済 ( 株 ) の 調 査 .................................................................. 36
( 7) そ の 他 の 動 き ............................................................................... 36
i
3 . 介 護 支 援 シ ス テ ム ....................................................................37
3 .1 介 護 支 援 シ ス テ ム の し く み ............................................................. 37
3 .2 シ ス テ ム の 実 例 .............................................................................. 38
( 1) 自 治 体 に よ る 緊 急 通 報 シ ス テ ム .................................................... 38
( 2) 福 祉 公 社 、 福 祉 協 議 会 等 に よ る 緊 急 通 報 シ ス テ ム ......................... 39
( 3) 民 間 事 業 者 に よ る 緊 急 通 報 シ ス テ ム ............................................. 39
3 .3 介 護 支 援 シ ス テ ム の 需 要 予 測 .......................................................... 41
( 1) 情 報 通 信 白 書 か ら ........................................................................ 41
( 2) 高 齢 化 白 書 か ら ............................................................................ 42
4 . 健 康 管 理 シ ス テ ム ....................................................................43
4 .1 健 康 管 理 シ ス テ ム の し く み ............................................................. 43
4 .2 健 康 管 理 シ ス テ ム の 実 例 ................................................................. 44
4 .3 健 康 管 理 シ ス テ ム の 需 要 予 測 .......................................................... 47
ii
第3部 実情調査編
1
I . 通信インフラ変動と対応策
1.はじめに
昭和60年代に導入がはじまったLPガス集中監視システムは、
「消費者保安の確保」並びに「LP
ガス流通の合理化」等をめざして普及の拡大が図られ、今日、推定500万世帯の消費者が集中監視
システムの恩恵を受けていると思われる。この間、液石法改正などによりシステムの形態は端末発呼
システムから双方向システムへとシフトしてきた。また、端末設備を設置する消費者宅の通信事情も
大きく様変わりしている。インターネットの発展とともに、固定電話においては ADSL や光ファイバ
によるブロードバンド通信の普及に伴う IP 電話への移行、一方では携帯電話、PHSなどモバイル
系通信端末の着実な増加などは、集中監視システム普及しようとする事業者にとって頭の痛い問題で
ある。特に、液石法のインセンティブ要件を満たす普及率を確保するためには、普及を阻害する要因
のひとつと言われている通信インフラの変動対策はどうしても解決しなければならない課題である。
ここでは、ADSL や光ファイバ通信など直面する通信インフラ対応についてその対応策例を解説す
る。
2.通信インフラの変動
総務省統計(図Ⅰ-1)によれば ADSL をはじめとした DSL サービスは約 1,060 万件(平成 16 年 1
月末現在)で前年同月比 173%、また、光ファイバによるインターネット接続サービスは約 96 万加入
(平成 15 年 1 月末現在)で前年同月比 412%とブロードバンドサービスは急速に伸びている。
モバイル系インフラでは携帯電話と PHS 合わせて約 8,520 万件(平成 16 年 1 月末現在)と着実に
伸びてきている。
一方、ISDN 回線は約 909 万回線(平成 16 年 9 月末現在)で平成 16 年 3 月に比べ約 52 万回線の
減と漸減傾向となっている。
特に、ADSL については、より高速性を求めるインターネットユーザのニーズに応えて著しく伸び
てきており、集中監視システム設置ユーザ宅における対応の度合が増してきている。
また、携帯電話の普及に伴い固定電話を持たないユーザも多く見られるようになってきた。
このような状況の中、システムメーカにおいては通信インフラの変動に対応した商品、あるいは、
固定電話の影響を受けないモバイルネットワークを利用した商品を開発・販売してきており、現状のほ
とんどの通信回線に技術的に対応できるようになっている。
IP 電話については、ADSL 回線及び光ファイバで電話共用ができるサービスの場合は、一定条件の
もとにアナログ NCU が使用可能である。ADSL 回線で ADSL 専用(アナログ電話を共用しない)の
場合、及び光ファイバでメタリック回線を共用しない場合は今後発売されると予測される IP 対応
NCU の出現を待たなければならない。
2
図 I-1 通信インフラ変動の推移
万契約
9,000
加入電話
ISDN
携帯電話
PHS
ADSL
FTTH
7,859
8,000
8,013
7,566
6,912
7,000
6,111
6,153
6,045
6,094
6,000
5,856
5,555
5,226
5,100
5,116
5,151
970
1,033
961
909
584
570
702
923
518
238
2.6
546
30.5
532
69.0
96.0
5,114
5,000
4,153
4,000
3,153
3,000
2,088
2,000
1,020
1,000
603
151
0
111
673
H8年度末
668
407
571
0.02
7.1
H10年度末
H11年度末
H12年度末
240
53
H7年度末
578
H9年度末
注 1)加入電話、ISDNは、平成15年9月末が最新値(速報値)である。
2)加入者には、事業所、個人家庭とも含まれている。
出典:総務省発表資料による
3
H13年度末
H14年度末
H15年9月末
1,061
H16年1月末
3.インフラ変動の対応策
一般的なインフラ変動には次の 4 つのパターンがあり、それぞれの場合について代表例で解説する。
3.1
アナログ回線から ADSL 回線への変更
基本的な形態は図Ⅰ-2 のとおりである。
スプリッタ(モデム回路と電話回路を分離する装置)下部の電話ラインにアナログ NCU を割り込
ませることにより双方向通信が維持できる。
また、家の内外で配線変更が必要となる。
図 I-2 アナログ回線から ADSL 回線への変更
ADSL回線
保安器
スプリッタ
ADSL-MODE
NCU
PC
メータ
図Ⅰ-3 は ADSL 用アダプタを使用することにより、内外の配線変更が不要となる形態で、どちら
の方法も一般的に使われている。
図 I-3 ADSL 用アダプタを使用する場合
保安器
ADSL回線
スプリッタ
ADSL-MODEM
ADSL用ADP
NCU
PC
メータ
いずれの場合も回線が電話共用になっていることが条件である。
4
3.2
ISDN 回線から ADSL 回線への変更
一般的に ISDN 回線の場合は図Ⅰ-4(アナログ NCU 利用)または、図Ⅰ-5(ISDN 用 NCU 利用)の形
態となっているのが実態である。
図Ⅰ-4 で回線が ADSL へ変更になる場合は、図Ⅰ-2 の形態で対応可能となる。
図 I-4 アナログ NCU の場合
ISDN回線
保安器
DSU/TA
アナログ NCU
PC
メータ
図Ⅰ-5 で回線が ADSL へ変更になる場合は、図Ⅰ-3 の形態で対応可能となる。
図 I-5 ISDN 用 NCU の場合
ISDN回線
保安器
DSU/TA
ISDN-NCU
メータ
PC
いずれの場合も既設配線を有効利用する形態となっている。
5
3.3
無電話(固定電話がない)の対策
集合住宅の場合は図Ⅰ-6 のようにメーカ各社の特定小電力無線端末を利用して、携帯電話方式また
は PHS 方式のモバイル端末との組み合わせで設置する例が多い。また、専用のアナログ回線でアナ
ログ NCU との組み合わせで使用する場合もある。この場合、どちらも消費者の回線を借用しない方
法のため通信インフラの変動の悩みが解決できる。
図 I-6 集合住宅の場合
携帯端末
無線親機
子機
子機
レベルコンバーター
バルク
メータ
一定地域に集中して消費者がいる場合には、図Ⅰ-7 のような導入形態も考えられ、今後の普及率拡
大の有効な対策になると考えられる。
図 I-7 地域集中の場合
携帯端末
子機
メータ
6
3.4
光ファイバの対策
図Ⅰ-8 のようなアナログ電話共用で、光ファイバ利用する場合は、アナログ回線に NCU を設置す
ることにより引き続き集中監視は可能であるが、アナログ回線を共用せずに IP 電話のみで利用する
場合は ONU(光終端装置)下部に IP 対応 NCU を設置しなければならない。
図 I-8 光ファイバの対策
光ファイバ
保安器
ONU
アナログ回線
アナログ NCU
PC
メータ
4.おわりに
インターネットの普及につれ、通信機器メーカ、家電メーカ、コンピュータメーカなどから IP(イ
ンターネットプロトコル)を搭載し、特定サービスを意識した各種端末機器が販売されるのは時間の
問題となっている。
集中監視の業界においても一部メーカに IP 対応 NCU 開発の動きがあり、今後はますます多様な端
末が出現してくると思われる。
ADSL や光ファイバ回線の特徴としては、高速性と常時接続性(通信料が定額制)であることが言
える。集中監視では数十バイトのデータを扱うのがせいぜいで、ADSL や光ファイバ通信のメリット
を生かすには、現状の集中監視に高速性と常時接続性を生かしたサービスを開発・付加し、新規事業
の展開を推進していく必要がある。
無線型については、現在、モバイルキャリアの提供するネットワークサービスとテレメータリング
用特定小電力無線との組み合わせのシステムが普及してきている。
事業者が独自に通信回線を持てることから、電話回線利用のように消費者側の都合によるシステム
変更もなく、今後普及が加速するものと思われる。
しかし、モバイルキャリアに支払う基本料金が高く、戸建住宅への普及には基本料金の引き下げが
必要である。
モバイルキャリアに向け業界側からの積極的な働きかけが必要である。
もちろん、現在設置台数で圧倒的多数を占める電話回線利用アナログネットワークも当分継続され、
モバイル通信もますます進化していくと思われる。
当面、消費者の通信事情により多様な接続形態で集中監視を推進しなければならない。
7
II . ホームセキュリティ、介護支援、健康管理システムの実情調査
1.はじめに
われわれが社会生活を営む上で望むことは、経済的な豊かさもさることながら、安全、安心に、そ
して健康で暮らせるということが大きな要素であることはいうまでもない。
特に、わが国では高齢化かつ少子化が進展しているなかでこのような社会要請に対処するには、新
しい IT 技術を最大限に活用していく必要があろう。
現在、わが国の経済は、雇用不安、金融不安などに加え、国際的社会不安などのもとに、依然不透
明感が漂い、景気の低迷状況が続いている。
そのような中で、社会情勢面では、経済のボーダレス化とともに犯罪もボーダレス化が進み、来日
外国人による犯罪、少年犯罪、ピッキングによる住宅への侵入や自動車盗難事件の増加など、国際化・
多様化・凶悪化の傾向にある。インターネット犯罪や凶悪犯罪なども増加し、セキュリティ分野にお
ける先端技術の発展と、信頼性の高い情報セキュリティやホームセキュリティシステムの早急な構築
が切望されている。
また、高齢化社会の急速な展開により、介護を必要とする人が増えてくること、また、若年層も含
めて生活環境等によるストレスでの肉体的、精神的な障害も問題となってきており、ここにも社会的
な関心が高まっている。
そこで、情報通信ネットワークというインフラを活用した、日常生活の保安・安全上でのホームセ
キュリティ、介護サービスの一つとして緊急時に対処する緊急通報サービス、そして健康維持・増進
のための健康管理サービスについての調査を行なった。
調査はおもに既存の資料類で行ない、インターネット上でのホームページによる情報も参考にした。
8
2.ホームセキュリティサービス
2.1
ホームセキュリティシステムのしくみと機能
ホームセキュリティシステムは通常、警備会社が事業として行なっているものが一般的である。し
かし、最近では、電機機器関連の多くのメーカが防犯機器として開発・販売をしており、住宅メーカ
が標準装備として販売するほか、個人で装置・機器類を購入して取り付け自衛することも増えてきて
いる。
ここでは、警備会社によるサービス、自主的に行なうホームセキュリティについて、その仕組みや
利用する装置等について述べる。
(1)警備会社を利用するシステム
1)警備システムの概要
現在、民間の警備会社と契約する場合、顧客側からの警報発報に対応するシステムは概略つぎのよ
うになっている。
図 II-1 警備会社による警備システム
緊急対処要員
顧
③緊急出動
契
②出動指令
客
約
先
①警報発報
コントロールセンター
(監視・指令センター)
警
備
会
社
① 契約先に設置された警報装置が何らかの異常を検知すると、通信回線を介して、警備会社のコ
ントロールセンター(監視・指令センター)に信号が送出される。
② センターでは、監視ディスプレィにこの異常内容や契約先情報等が表示され、指令者により担
当対処員に無線、携帯電話等により出動指令が発せられる。
指示と同時に顧客への確認電話も行なう。
③ 指令を受けた対処員は契約先に急行し、異常内容に応じた処理を行い、必要に応じて警察、消
防、ガス会社などへの通報を行う。
警備会社との契約内容は、建物の様子による取り付け機器、装置の規模、数量、機器類をリースに
するか買い上げにするかなどによる月額料金、工事費、保証金、出動した場合の出動料などの費用の
ほか、鍵の管理方法等が含まれる。
9
2) 契約先(顧客)に取り付けられる主な機器類
家庭内で設置される機器類はつぎの図のようになっているが、取り付ける種類は選択できる。
図 II-2 取り付け機器類
防犯センサ
威嚇・警報機
火災・ガス漏れ
センサ
緊急通報ボタン
警戒
コントローラ (主装置)
解除
操作器
a.. コントローラ(主装置)
警備会社のセンターと顧客側設備間の情報授受を行うメインの装置。
各センサ、利用者の操作機器、制御機器等を接続、情報を収集して、通信回線を
介して警備会社にリアルタイムで送信し、逆にセンターからの情報を受信する装
置。
警戒、解除の条件設定ができ、操作や動作状況を表示するようになったもので、
異常状態をブザーやランプで知らせたり、音声ガイダンスにより操作を容易にで
きるようしたものがある。この本体そのものが家の中で使えるように無線のリモコンタイプにな
ったものや別にリモコンを付属させるものもある。
また、ホームセキュリティ関係の情報授受以外に、健康相談窓口との通話、あるいはホームバ
ンキング機能など追加機能を持たせているものもある。
メーカにより、警戒するループ(一括して警戒するグループ)の数や機能の違いがあるが送出する
信号としては、つぎのようなものがある。
・ 侵入警報、火災警報、ガス漏れ警報信号という侵入、火災、ガス漏れに対する
センサが感知した場合に送出されるもの
・ 非常通報、救急通報信号という宅内設置の非常または救急の通報ボタンが押されたときに送
出されるもの(緊急通報という)
・ 機器の障害信号というコントローラ(主装置)
、または各センサの状態を送出する送信機等の
自己診断機能が作動した場合に送出されるもの。
・ 電池切れ信号というコントローラ(主装置)、または各センサの状態を送出する送信機の電池
が消耗され限界に近づいた場合に送出されるもの
・ 回線断線信号という電話線が切断された場合に送出されるもの
10
b. センサー類
①
マグネットセンサ(スイッチ)
窓や扉が開いたときに作動する。
②
パッシブセンサ
人体から発生する赤外線をキャッチ、室内の人の動きを検知して作動する。
検知範囲の広さ、距離により各種あり、警戒範囲を見渡せる天井や壁に取り付ける。
③
赤外線センサ
建物の外周などに利用し、投光器から受光器に赤外線ビームを飛ばし、このビームを人などが
遮ると作動する。建物の壁や立てたポールに取り付ける。
④ ガラスセンサ
ガラスの破壊音を検知して作動する。警戒するガラスの付近に取り付け(非接触型)たりガラ
スに貼り付け(接触型)る。
⑤
火災センサ
煙または熱の変化により作動する。台所など火を使うところに設置する。
⑥
ガスセンサ
ガス漏れを検知し作動する。都市ガス、LPG ガスの違いにより設置場所の高低がある。
⑦
金庫センサ
金庫の破壊、持ち去りを検知するもので、衝撃や傾きにより作動する。
⑧
ジャロジーセンサ
浴室などに用いる窓のこじあけを検知するもので、遮蔽物の位置の変化などを検知し作動する。
⑨
カメラ
室内外の映像を解析して異常を検知する機能をもったものもある。
⑩
安否確認センサ
人の動きから安否を確認するもので、一定時間ある場所を通らない、あるいは
水、ガス、電気などを使わないという状況を検知する。パッシブセンサ、水センサ、あるいは
ガス等種々のメータ類につけるものがある。
c. 緊急通報ボタン類
①
非常通報ボタンあるいはペンダント
非常事態に押すようにした固定あるいは携帯型押しボタンスイッチ
②
救急通報ボタンあるいはペンダント
体調の悪化を知らせる固定あるいは携帯型ボタンスイッチ
③
位置情報通報装置
高齢者や子供など、外出したときの場所を知るために持たせておく端末機。
車等の位置検出もできる。
d. 威嚇・警報機類
①
音によるもの
ベル、ブザー、サイレン、スピーカで屋内や建物外壁に取り付ける。
②
光によるもの
回転灯、フラッシュライトで建物外壁に取り付ける。
e. 操作器類
①
警戒セット・解除器
外出時に警戒セット、帰宅時に警戒解除を行うもので、玄関に取り付ける。
カギ式、テンキー式、カード式、タグ式などがある。
リモコンタイプのものもある。
11
3)通信回線の種類と異常検知
標準的にはアナログの一般公衆回線、デジタルの ISDN が利用されているが、携帯電話や PHS、
CATV を利用したものもある。
回線が切られた場合の検知方法としては、断線監視サービスや専用回線を利用する方法があり、切
断されればすぐに警備会社で検知することができる。通常、警備会社では何時間かに1回の間隔でコ
ントローラからチェック信号を送信し、断線の場合はブザーが鳴動する等の通信回線異常検知機能を
もたせている。また、長電話中に異常を検知した場合は、通話中の回線を強制的に切断し、異常信号
を優先的に送信する機能をもたせたものもある。
4)センサとコントローラ間の通信
家屋の各所の設置されたセンサとコントローラ間は、有線または無線での情報の送受信が行われる
が、室内での美観上や工事の手間から配線が極力少なくなるよう無線方式を採るところが多い。しか
し、一方、有線方式にくらべ、コントローラに送信するための安定した電源供給に電池を内蔵した機
器を使用しているため、電池交換が必要であることや、無線方式の弱点である外部ノイズの影響を受
けやすいこと、建物構造により電波の届きにくいところが発生するなど注意を要することがある。ま
た、電灯線を利用した通信方式も考えられている。
5)警備会社システムの例
ここでは、主に、家のなかの防犯を中心にしているので、在宅・安否確認や位置検索サービスなど
については特に記していない。
a.
A 社
サービスメニューは5つ
①防犯サービス
扉や窓の開閉異常を感知するセンサや侵入者の体温をとらえるセン
サにより、侵入者による異常をキャッチ、コントロールセンターに
異常信号を送信。
②火災監視サービス / ③ガス漏れ監視サービス
火災による煙や、温度の急上昇、ガス漏れを検知し、ブザーと音声
で家族に知らせるとともに、コントロールセンターに異常信号を送
信。
④非常通報サービス
身に危険を感じたとき、家庭内で持ち運びできる非常ボタンを押せ
ばコントロールセンターで異常をキャッチする。
⑤救急通報サービス
急病時、家庭内の事故で動けないときに、持ち運びできる押しボタ
ンを押せば異常をキャッチ、確認後必要に応じてホームドクターや
緊急連絡先への通報、
救急車の出動要請を行なう。
12
モデルケースとして1ケ建て住宅での設計例を示す。注意を要する窓にはマグネットセンサが、通
路となるところには人の動きを捉えるセンサがある。
図 II-3 A 社 設計例
凡例
M:マグネットセンサ
扉や窓の開閉異常を感知。
P: パッシブセンサ
人体の放射する熱線を感知。
S: 煙センサ
C: 非常ボタン
FL:フラッシュライト
常を外部に知らせる。
HC:ホームコントローラ
b.
B 社
トータルセキュリティとシンプルセキュリティとがあり、それぞれに基本サービスとオプション
サービスに分かれている。
基本サービス
トータルセキュリティ
シンプルセキュリティ
防犯
非常
非常
救急
火災
オプション
ガス漏れ
火災
サービス
救急
ライフリズム
ライフリズム
図 II-4 コントローラ例
シンプルセキュリティ用コントローラ
トータルセキュリティ用コントローラ
トータルセキュリティとシンプルセキュリティではコントローラは異なる。
非常 / 救急はコントローラにあるボタンを押すもので、ライフリズムは無線方式で持ち運びできる
ペンダント型押しボタンを利用するもの。
13
図 II-5 B 社 設計例
マグネットセンサ
無線送信機
2階
1階
パッシブセンサ
火災センサ
c.
無線非常押しボタン
コントローラ
C 社
サービスとして、防犯、火災、ガス漏れ、非常、留守番サービスがある。
特徴はガス会社のガス自動通報のシステムと併用するものと、A 社や B 社と同様
にホームセキュリティ専用のシステムによるものとがある。
このうち、ガス自動通報システムと共用のものを示す。
①ガス自動通報とガス漏れ・火災通報
自動検針用にガスメータに接続された T-NCU(センターとの通信装置)に
ガス漏れ警報と火災センサからの信号を受ける無線受信機を接続したシステムである。
・ガス漏れや不完全燃焼を検知するとセンターから顧客に電話連絡し、必要な場合は遠隔
遮断し、ガス会社に連絡、ガス会社が出動する。
・火災センサが火災による煙を検知した場合は警備会社が出動、場合により消防署へ通報す
る。
14
図 II-6 ガス監視例
無線受信機
センターへ
T-NCU
②
通信機能付
ガス漏れ
マイコンメータ
警報器
火災センサ
無線送信機
①に非常通報、留守番サービスを加えたもの
上記システムに、非常用押しボタン送信機と侵入者検知用のセンサを加えたものであり、
留守番サービス用の操作盤(警報機つき)がついている。
図 II-7 ガス監視との併用例
無線受信機
T-NCU
非常用押しボタン送信機
操作盤
パッシブセンサ
通信機能付
マイコンメータ
無線送信機
ガス漏れ
警報器
火災センサ
無線送信機
③
汎用ホームセキュリティサービス
サービス内容は、標準サービスとオプションサービスがあり、標準サービスは侵入監視、
非常通報、健康サービスで、オプションサービスが火災監視、ガス漏れ監視、救急監視とな
っている。
コントローラは、監視ブロックが10ブロックで、有線、無線系両方の利用が可能で、無
線送信機は最大30台まで使用できる。
いずれのシステムにも、侵入監視には3モードがあり、外出時に使う「警戒モード」、在宅時でも特
定の場所の監視を望む「部分警戒モード」、在宅時で異常時には警報を発するがセンターへは通報しな
い「在宅モード」の選択ができる。なお、非常通報、ガス漏れ、火災警報は、モードに関係なく常に
24時間作動し、異常が発生した場合には、センターに自動通報されるようになっている。
15
6)ホームセキュリティの警備料金
セキュリティ会社それぞれの料金体系の違いがあり標準的なものはないが、各社が一般的な家庭の
モデルとして公表しているものを示す。工事費については各社それぞれの単価が機器仕様、工事方法
により設定されており、建物の形態、状況、部屋数、機器の個数通信回線の種類などにより差異が生
じる。また、設置するセンサ等の契約(買い取りまたはリース)方式の違いにより基本料金、工事費
に差が生じるし、保険の有無によっても差がある。
a. 戸建住宅の例
表 II-8 警備料金の例(戸建住宅)
警
備
会
A社
社
B社
D社
C社
5LDK
4LDK
4LDK
4LDK
コントローラ
1
1
1
1
パッシブセンサ
2
1
2
1
17
14
12
20
火災センサ
2
1
1
1
非常押しボタン
1
1
1
フラッシュライト
1
取付け装置、センサー等
戸建住宅の種類
マグネットセンサ
ガスセンサ
1
基本料金 (税抜き) (円/
11,000
10,000
9,300
9,400
月)
工事費 (税抜き)
(円)
80,000
66,000
80,000
80,000
保証金
(円)
20,000
20,000
20,000
なし
このほか、各社のケースが出ているが、4LDK タイプでおおむね基本料金は月額(税抜き)で 9,000
円から 13,000 円程度、工事費は 70,000 円から 100,000 円程度であり、保証金は 20,000 円である。
なお、取り付け設備を限定し、コントローラにパッシブセンサと非常用押しボタンだけをベースに
したものでは基本料金が 3,000 円/月、工事費が 4 万円程度のものもある。
また、設備を買い取りにし、工事費と込みで一時払いとし、月額基本料金を下げる方法もある。こ
の場合、保証金はいらない。たとえば、表の最初の例では、月額基本料金は 4,500 円にし、残りをシ
ステム料金として 480,000 円とすることもできる。
16
b.
マンションの例
表 II-9 警備料金の例(マンション)
備
会
社
住
宅
の
種
取付け装置、センサー等
警
A社
類
1LDK
B社
3LDK
D社
C社
4LDK
3LDK
コントローラ
1
1
1
1
パッシブセンサ
1
1
2
1
マグネットセンサ
4
7
4
7
火災センサ
1
1
1
非常押しボタン
1
1
1
7,500
9,000
9,850
6,800
フラッシュライト
基本料金 (税抜き) (円/
月)
工事費 (税抜き)
(円)
30,000
42,000
50,000
65,000
保証金
(円)
20,000
20,000
20,000
なし
なお、マンションについては建物の設備(エレベータ、エントランス等)を含めて全体管理をする
ところも多く、この場合、個別契約より安価な価格が設定される。
戸建住宅の場合と同様、機器類を買い上げにし、月額基本料金を下げる方法もあり、表の最初のケ
ースでは月額基本料金が 4,500 円に、システム料金が 350,000 円となる。
また、ガス漏れセンサの設置については 1 台あたり、月額基本料金が 500 円、
工事費として 4~5,000
円程度増加するところもある。
17
(2)自主ホームセキュリティ(オフライン・ホームセキュリティ)
最近は、ホームセキュリティの導入者自身による自己管理を行う自主警備系の市場も拡大している。
使用するセンサ類はほとんど同じ機能をもっている。下図に示すように、警備会社のセンターへの送
信はなく、異常事態を検知すれば、直接本人の外出先の携帯電話あるいは勤務先等のパソコンなどに
通報を受け、本人が帰宅あるいは最寄りの知人や、警察あるいは消防機関、また、契約した警備会社
に現場へ急行を依頼するようなことができるシステムが出てきている。
図 II-10 自主ホームセキュリティ
警報通報
センサ
コントローラ
帰宅
依頼
現場急行
消防
警察
親戚・知人
警備会社
1)システム例
a.
E社
セキュリティコントローラ機能:
4グループ(防犯2、緊急1、非常1)の監視
入力側は、無線方式で最大30個のセンサ(4グループにそれぞれ設定)
有線方式で4グループ各1点
出力側は、無線方式で4グループ(防犯、緊急、非常、全出力それぞれに設定)、有線方式で1グ
ループ(防犯、緊急、非常、全出力のいずれかに設定)
異常時には8ケ所まで通報できる。
警戒モードは、外出警戒モード、お留守番モード(在宅)、解除モード
18
図 II-11 E 社コントローラ機能
有線式威嚇装置
無線受信機
無線式威嚇装置
(表示灯、音声付
(表示灯、音声
付回転灯など)
回転灯、音声報
無線出力機器
知器など)
リモコン
(設定解除用)
セキュリティ・
コントローラ
無線センサ・
スイッチ
(煙センサ、緊
急ボタン、赤外
線センサなど)
異常時通報
各種有線センサ
マグネットスイッチ
無線送信機
無線入力機器
パッシブセンサ
熱、煙、炎センサ
シャッターセンサ
ガラス破壊センサなど
8ケ所まで通報可能
セキュリティ・コントローラにはまた、つぎのような機能がある。
①防犯・警戒設定
外出や在宅にあわせて警戒する内容の設定
②電波状況確認
一定時間ごとにセンサの状態をチェックし、正常に無線機能が動作する
かを確認
③自己診断
機器異常、いたずらによる取り外し、センサ電源切れなどを感知、表示
④電話回線チェック
⑤リモート設定確認
リモコン、外出先電話で設定状態を確認
その他、ハンズフリー、緊急通報ボタンを押すと即座にサイレンを鳴らして通報、特定ドアを閉
めると自動的に外出設定になる、などの機能を有している。
ちなみに、コントローラ1台を居間に、マグネット送信機4台(1台にマグネットセンサを2ケ)を
窓4ケ所に、玄関通路に赤外線センサ1台、玄関外に LED 表示灯を1台を取り付けるモデルケース
の場合、機器代で27万円強、工事費約3万円である(消費税抜き)。
19
b.
F社
有線センサ4入力(火災センサ、ガス漏れセンサ等)、無線センサ30台(各種
センサ送信機、ペンダント送信機等)の接続ができ、防犯ルートとして6ルートの設定ができる。
コントローラ本体に赤外線モーションセンサがあり、6時間単位での在・不在確認ができるよう
になっている。外部への警報出力は1CH である。
通報先は8ケ所まで登録でき、通報グループ登録は3グループで、1グループ当たり5ケ所まで
登録可能。
図 II-12 F 社システム
火災センサ送信機
パッシブセンサ送信機
コントローラ
ペンダント型送信機
コードレス
コントローラ
接点入力型送信機
家庭内
電話機
各種
電話機
センサ
携帯電話
警備会社
その他、携帯電話や PHS で外出先から警備の開始/解除や室内音の確認ができる
こと、音声メッセージで異常事態を通知すること、離れていても在宅警備の開始/解除などができ
るコードレスコントローラを2台まで接続可能等の機能をもつ。
20
c.
G社
携帯電話を利用するシステムで画像を利用するものである。たとえば、侵入を検知した場合、家
のなかのコントローラで警報音による威嚇と同時に、アラーム信号と画像をインターネット回線を
使って利用者本人に伝送し、利用者本人から110番に通報し、警察官に急行してもらうものであ
る。また、警備会社の警備員に出動を依頼することもできる。
図 II-13 G 社のしくみ
マグネットセンサ
ガスセンサ
火災センサ
無線中継器
無線カメラ
コントローラ
リ モ コ
ン
インターフォン
非常通報ボタン
インターネット接続回線
警備会社サーバー
通報
連携可能
警備会社
110
119
21
d. その他
これまで示したものより一層簡単なものもある。これらは通信販売でも手に入れることもできる。
① パッシブセンサにマグネットセンサをオプションとし、オートダイアラーと組み合わせたもの。
マグネットセンサは15箇所まで設置可能。有線式。
通報先は2件、侵入者を検知すると1件目に通報後、大音量を発して2件目に通報する。停
電時は電池でバックアップ。価格は 28,000 円。
② パッシブセンサにリモコン2、マグネットセンサ(いずれも無線式)のセット。
最大16個までセンサの増設可能。ボイスレコーディング機能付きのもの。
価格は正価 97,300 円。
③ 接点入力回路を 5 回路もち、それぞれの入力に応じて警告メッセージを設定できる。異常発生
と同時に4ケ所まで通報可。自動通報動作後 3 分間相互通話可能で
相手の安否確認が可能。価格は 70,000 円。
④ 人体感知センサ内蔵のコントローラ、ドアセンサ、ワイヤレス非常ボタン、自動通報先 8 ケ所、
通報接続後に会話可能、オプションで火災センサ等がある。
価格は正価 49,800 円。
⑤ カメラによる監視システムで、Web サーバーを内蔵し、自ら直接ネットワーク接続が可能な「ネ
ットワークカメラ」、パソコンを経由しネットワークに接続するカメラ方式の映像監視システム
がある。
22
(3)LPガス集中監視システムを利用したホームセキュリティ
現在、LPガス集中監視システムは、LPガス販売事業者の経営の合理化、配送業務の効率化、消
費者への保安の確保・強化等のツールとして、全国・約550万世帯において利活用されている。
一方、このLPガス集中監視システムを更に付加価値的に利用したいとの、内外の要望に応える形
で簡易・安価・経済的なホームセキュリティサービスの提供が緒についたところであり、今後の普及・
拡大に大きな期待が寄せられている。
T社における例
ア.システムの概要
家屋等への侵入者などの異常警報を、LPガス集中監視システムを利用してT社の中央指令室に通
報し、中央司令室からは直ちに電話による異常の有無を問い合わせ確認する。
不在等の場合は、同社の警備員、または提携先警備会社の警備員が駆け付けるシステムであり、必
要に応じて110番通報も行う。
これらの概念図は以下のとおりである。
図 II-14 LP ガス集中監視システムを利用したホームセキュリティサービスの概念図
23
イ.システムの特徴
警戒中の表示
ピッキング侵入犯等に対し、警戒中であることを添付シールで表示。
侵入時の警報音による威嚇
センサーが侵入を感知すると、ホームコントローラが大音量を発し、侵入者を威嚇。同時に異常警
報信号を中央司令室は通報。
この場合、お客様の電話回線を利用させて頂き、警報を優先させるため、話中やFAX通信中は強
制切断される仕組みになっている。
確認不明時における警備員の駆け付け
中央司令室での異常警報信号を受信後、事前に登録されている緊急連絡先に対し、安全確認の連絡
を行う。
確認不明や不審と思われる場合は、直ちにお客様宅へ駆け付ける。
また、必要により110番や、次位の緊急連絡先等へ連絡する。
ウ.センサの設置例(オプションサービスを含む)
図 II-15 センサ設置例
24
エ.システム構成機器類
機
器
名
基
ホームコントローラ
機
無線式マグネット
センサーユニット
リモコンユニット
器
通信ユニット
オ
無線式
振動センサーユニット
本
プ
シ
ョ
無線式
玄関表示ユニット
ン
機
器
自動消火装置
機能・特徴等
センサーが異常を感知すると、大音量を発す。
警戒モードの起動/解除等、システム全体を制
御する。
設置した扉や窓が侵入者によって開かれる
と、異常信号をホームコントローラへ送信する。
ホームコントローラの起動/解除を、無線信
号により操作する。
ホームコントローラからの異常信号を電話回
線を利用して中央指令室へ送信する。
設置した窓が侵入者によって振動すると、異
常信号をホームコントローラへ送信する
玄関外側からユニットのランプによって、警
戒中が確認できる。
同時に侵入者に対し、警戒中であることを知
らせる。
24時間全自動消化システム
吊下型と埋込型あり。再燃防止作用付き。
点検不要(10年保証) 配管不要の簡単設置
オ.システム利用料金
サービス名
料
金
基
本
サ
|
防犯・機器お買上げプラン
ビ
警備料金
:2,480 円/月
基本機器代金 :53,100 円
標準取付工事費:13,600 円
ス
オ
プ
シ
ョ
無線式
振動センサーユニット
無線式
玄関表示ユニット
機器代金
機器代金
:6,000 円
(別途、工事費が必要)
:5,500 円
(別途、工事費が必要)
ン
サ
|
自動消火装置
機器代金 :49,800 円
標準工事費: 6,800 円
ビ
ス
(基本サービスと同時麹の場合)
25
2.2
ホームセキュリティサービスの需要予測
ホームセキュリティサービスについての今後の見通しを種々の観点から、また種々の資料から見て
みた。その結果、社会生活に対する不安感は確かに増えてきており、ある程度の出費をしてでもなん
らかの対策を取りたいという意識があることが伺える。
しかし、ホームセキュリティで警備会社と契約してまでというところでは、数%程度であろう。米
国では普及率 20%と云われているが、国内事情のちがいもあり、そこまでには相当時間がかかるであ
ろう。
むしろ、IT 機器の発展、とくに情報家電が進展し、自主ホームセキュリティが伸びるのではないか
と考えられる。しかし、そのときはまた別の内容で警備会社が必要になるかも知れない。
以下、調査した内容の概要を示す。
(1)セキュリティビジネスの状況
次の表は警察白書によるもので、ホームセキュリティシステムに係る機械警備の普及拡大等に伴い
警備業は民間におけるセキュリティサービスとして定着してきており、平成14年末現在の警備業者
数は全体で 9,463 業者、警備員数は 436,810 人に達している。
また、そのうち、ホームセキュリティサービスを含む機械警備事業者数は 911 業者、機械警備業務
対象施設は 116 万ケ所となっている。
表 II-16 警備業の推移
年次
平成9
10
11
12
13
14
区分
警備業者数
(業者)
9,122
9,350
9,722
9,900
9,452
9,463
392,624
401,011
406,109
422,851
446,703
436,810
769
758
789
812
891
911
858,571
903,611
957,312
1,086,246
1,236,142
1,164.542
警備員数
(人)
機械警備事業
者数 (業者)
機械警備業務
対象施設
(ケ所)
警察白書より
平成13年中での統計によると、事業者全体を規模別で見てみると、営業所として主たる営業所の
みを設けているところが全体の80.8%、営業所の数が5以下のところが全体の97.7%、警備
員の数が50人未満のところが全体の80.5%、売上げ高では過半数が5,000万円未満であり、
20億円以上では30%弱の166社となっている。
ホームセキュリティサービスだけの詳細データはないが、現状では、1社が顧客数約 268,000 件(平
成 15 年 9 月)でほぼ寡占状態(シェア80%といわれる)にあり、続く大手は 55,000 件といわれ、残
る事業者の顧客数はかなり離されているという状況にある。
26
(2)生活する上での不安感の程度
1)犯罪統計
一般に生活している住宅で、特に関心のある事件は侵入盗であろう。平成14年警察庁の犯罪統計
資料で侵入盗(住宅対象)に関する年次別推移はつぎのようになっている。
表 II-17 侵入盗(住宅対象)件数の推移
年次
平成
区分
9
10
11
12
13
14
認知件数
113,782
123,863
134,492
154,074
161,883
189,336
76.2
70.5
61.2
37.6
28.3
27.4
検挙率(%)
注:住宅対象とは侵入盗のうち、空き巣ねらい、忍込み及び居空きの各手口をいう
この表から件数は年々増加し、平成14年は平成9年の1.66倍になっている。しかも検挙率は
年々低下し、平成9年76.2%から平成14年27.4%まで落ち込んでいる。
このことから、社会情勢は年々不安になってきていることがわかる。
2)不安感の程度
不安感の程度については、以下の調査資料を示すが、犯罪、とくに侵入事件の推移からみても年々
増えてきていることは間違いない。それに伴って、不安になることが「よくある」という人の比率も
多くなってきているであろう。そして、その比率は地方で2%、大都市では5%程度ということがい
える。
a. 警察白書から
平成14年警察白書では、治安について国民の抱く不安感の実態調査について報告されている。
このうち、不安感が「よくある」と「たまにある」の割合を示すと、つぎのようになっている。
全国調査では、
表 II-18 不安感の程度
「よくある」
「たまにある」
小
計
平成14年
3.6
37.8
41.4
平成
2.9
23.9
26.8
9年
となっており、平成9年に比べ不安感は高まっており、4 割近い人が何らかの不安感を持ってきて
いることがわかる。
27
また、都市規模別にみた不安感は
表 II-19 都市別不安感の程度
「よくある」
大都市
「たまにある」
小
計
5.4
41.7
47.1
東京都区部
7.7
47.4
55.1
政令指定都市
4.7
39.7
44.4
以上の市
3.7
42.9
46.6
未満の市
2.5
30.2
32.7
2.3
31.1
33.4
人口 10 万人
町
村
表Ⅰ- 6
都市別不安感の程度
となっており、大都市から順次町村へ移るにつれ不安感は少なくなっているが、町村でも
不安感が「よくある」と感じる割合は2%強ある。
地域別の不安感については、
「よくある」
、「たまにある」を合わせての順位はつぎのようになって
いる。
表 II-20 地域別不安感の程度
「よくある」
関東
「たまにある」
小
計
5.3
44.0
49.3
5.3
48.2
53.5
中部
2.5
43.8
46.3
近畿
1.7
37.2
38.9
中国
4.4
28.9
33.3
四国
2.1
31.3
33.4
九州
1.2
31.8
33.0
東北
4.2
26.1
30.3
北海道
3.0
25.8
28.8
東京都
この表からは、関東のなかでも東京都の不安感が一番大きい。しかし、不安感が「よくある」
というところとしては、中国、東北、北海道が3~4%台と東京都についで大きい。
28
b. 東京都文化局の調査
東京都の生活文化局の平成 13 年 12 月に行った防犯対策についての都政モニター500 人に対す
るアンケート調査での 375 人からの回答では、不安を感じる人は96%に達している。
図表 II-21 都政モニタの不安感
回答者:
性別
男性
女性
不明
合計
人数
192
181
2
375
年代
20 代
30 代
40 代
50 代
60 歳
不明
合計
2
375
以上
人数
61
58
58
76
120
c. 朝日新聞の調査より
朝日新聞が平成 16 年 1 月 12,13 日に行った定期国民意識調査によれば、有権者の 81人
の人が日本の治安が 5 年前に比べて「悪くなった」と考えており、治安・安全に対しての関心が高
まっていることがいわれている。なかでも、
「空き巣」に対しての不安は 77%に上っており、
「大い
に不安」が 3 割となっている。地域的には差があるが、近畿で 4 割弱、とりわけ大阪は 4 割と高い。
低い目は北海道と中国・四国で 2 割前後であった。
(朝日新聞04.01.27)
29
(3)防犯対策の意識
前項の不安感に対応して、防犯に対する意識も高まっており、これに対する支出も地域差はあるが
認識されてきているようである。ホームセキュリティに関しては、現在契約している人ではマンショ
ン等の集合住宅に住む人の方が多く、戸建の住宅に住む人が1%程度であるのに比べ5%程度となっ
ている。また、将来の契約意向はあるものの、1年以内となるとかなり低くなる。
a. 朝日新聞の調査より
前出の後半には、防犯対策についての意識調査の結果が出ており、防犯対策については税
金支出以外に個人でお金をかける必要があると思うかでは「必要」が 64%と「そうは思わな
い」の 32%の 2 倍あり、
「安全は無料ではない」との意識も広がりつつあるようである。し
かし、30,40 代で「必要」が7割強なのに対し、70 歳以上では半数に満たない。
また、大都市で「必要」が7割を超えたが町村では 5 割程度と地域差もある。具体的な防犯対
策としてどのようなことに力を入れるかということについての質問では、「隣近所と協力」が
32%と最も高く、「警備会社と契約」は 2%であった。
b.
(株)富士総研の調査
平成15年8月から9月にかけて行なわれた(株)富士総合研究所の「治安および自宅の防
犯に関する生活者の実態と意識調査」によれば、治安の急速な悪化に伴い、ホームセキュリ
ティサービスへの契約や自宅への防犯機器の設置など、これまでわが国ではあまり注目さ
れてこなかった個人による自助意識が高まりつつあり、そのための支出もいとわないよう
になってきているという結果がでている。その主な内容はつぎのようなものである。
表 II-22 現状ホームセキュリティサービスの契約状況
個人で契約
マンション
契約なし
わからない
無回答
等が共同で
契約
男性
1,575 人
1.1%
4.8%
88.4%
4.1%
1.5%
女性
5,913 人
0.9%
5.5%
86.0%
5.8%
1.7%
持ち家一戸建て
1.7%
0.1%
93.9%
1.5%
2.9%
ホームセキュリティサービスは、1%程度でまだごく一部の世帯に限られており、マンション
等が共同で契約している世帯は、5%程度である。
なお、個人で契約している世帯に比率は、年収が高いほど高く、2千万円以上の世帯では14.
7%となっている。
30
表 II-23 ホームセキュリティサービスの契約意向率
1年以内に
できれば将
必要性は感
必要性を感
予定
来にしたい
じるが、契
じない
無回答
約までは考
えない
男性
1,457 人
0.3%
18.7%
65.3%
13.6%
2.1%
女性
5,427 人
0.3%
20.4%
64.7%
12.8%
1.9%
持ち家一戸建て
0.2%
17.9%
67.6%
12.5%
1.8%
ホームセキュリティをできれば将来契約したいと考えている人は2割程度となっており、現在の
米国での契約率に近い。ただ、1年以内では0.3%となっている。
持ち家一戸建ての契約率は、現在1.7%、将来の契約意向率が17.9%なので、これを市場
としてみると、将来10倍の市場拡大が期待できることとなる。
c. マイボイスコムの調査
民間のマイボイスコム(株)が 2004 年1月に行ったインターネットコミュニティ「MyVoice」の
メンバーへのウェブ形式のアンケート調査では、つぎのような結果が得られている。
回答者:
表 II-24 調査対象者特性
性
別
男性
女性
合
人
数
5,819
7,586
13,405
年代
10代
20代
計
30代
40代
50代
合
計
以上
563
人数
3,168
5,329
3,034
1,311
13,405
アンケート結果:
① 家庭で防犯などのホームセキュリティの実施
25%が実施
② 家庭のホームセキュリティ対策の必要性
必要性を感じているが63%、30~40代がやや高い。
③ すでに行っているセキュリティ対策
玄関ドアの鍵など侵入者防犯が41%がもっとも高い。
ついで、火災やガス漏れについての検知・通報が31%
④ 警備会社との契約
すでに契約しているが4%
検討はしたが、契約はしていないが12%
⑤ 特に不安を感じること
空き巣が71%、
ついで個人情報の漏洩が40%、地震による倒壊・火災が35%
31
d. インフォシークリサーチの調査
民間のインフォシークリサーチでも2003年8月防犯についてのアンケートを実施している。
その概要から抜粋してみた。
調査対象:全国の女性
回答数:796人
(20 代
24.8%、30 代
25.5%、40 代
25%、50 代以上
24.7%)
アンケート結果から
① 住宅が被害にあった経験者は全体の2割、特に「商業地域」が「古くからある住宅地」や
「新興住宅地」に比べ被害に遭いやすい。
② 犯行状況では、
「空き巣」が最も多く「家に人がいた時間帯や就寝時に被害に遭った」とい
う回答が目立った。
③ 防犯対策で最も多かったのは「明かりをつけておく」(49.5%)であった。
ホームセキュリティサービスへの加入は 4.4%であった。
④ 居住地域ごとでは、東京23区の高級住宅街(大田、杉並、世田谷、港、目黒の各区)で
は「カメラ付インターフォン」
「ホームセキュリティサービス」などのコストをかけた対策
が目立ち、被害が多い商業地域では「管理人や警備員が常駐しているところに住む」
「ホー
ムセキュリティサービスの契約」の順番であった。
⑤ ホームセキュリティサービスの加入意欲(非加入者のみ)は、「加入を検討している」が
0.9%、「具体的に加入を検討していないが加入したい」が 26.4%という積極的な回答があ
った。20代・30代の一人暮らしの人に特に関心があるようである。なお、加入すると
したら妥当な金額は「1ケ月約 5000 円」という結果であった。
e. 建築研究開発コンソーシアムでの調査
建築研究開発コンソーシアム(会長
山内康之
独立行政法人建築研究所理事長)におい
て(財)ベターリビングが企画提案した共同研究会での研究活動の一環として「防犯に関す
る意識調査アンケート」が平成 14 年 12 月から平成 15 年 1 月にかけて行われた。
その結果が平成 14 年度共同住宅綜合防犯システムの研究開発委員会から報告されている
が、概要のなかからホームセキュリティ関係を取り出してみる。
回答者:
表 II-25 調査対象者特性
集合分譲住宅
集合賃貸住宅
戸建て住
合
計
宅
性
別
全
年
代
体
214
406
219
839
男
性
76
163
80
319
女
性
131
219
128
478
不
明
7
24
11
42
20
代
31
62
37
130
30
代
45
140
45
230
40
代
59
88
48
195
50
代
45
50
46
141
60 代以上
34
61
42
137
0
5
1
6
不
明
32
結果抜粋:
表 II-26 防犯意識調査結果(抜粋)
① 日頃どのくらい不安や心配を感じているか。
大いにある
ややある
治安悪化、犯罪増加
34.6%
49.3%
空き巣ねらい
18.8
49.8
8.6
40.3
火災
②普段から「防犯グッズ」に関心を持って利用しているか。
はい
14.7%
いいえ
77.4
7.9
不明
③防犯設備面への投資意向
投資意向あり
わからない
67.1%
考えていない
18.0%
不明
13.5%
1.4%
「投資意向あり」と回答した 563 人が考える投資金額はつぎのとおり。
5,000 円
~1 万円
~2 万円
~3 万円
~5 万円
~ 10 万
10 万円
リ フ ォ
未満
未満
未満
未満
未満
円未満
以上
ー ム 時
実施
13.5%
24.0
23.1
15.1
10.3
9.2
2.1
2.7
④セキュリティサービスや盗難保険への加入
集合分譲住宅
集合賃貸住宅
戸建て住宅
セキュリティサービス
17.8%
5.7%
1.4%
盗難保険(自動車、自転車、バイク)
35.5
31.8
32.9
住宅内盗難保障
16.4
16.7
14.6
集合分譲住宅
集合賃貸住宅
戸建て住宅
これらにかけてよい金額(月額)
3,000 円未満
25.7%
29.6%
20.5%
3,000 円~5,000 円未満
12.6
14.3
16.0
5,000 円~1 万円未満
7.5
7.9
7.3
1~2 万円未満
0.0
2.0
1.8
2 万円以上
0.0
1.0
0.0
わからない
22.4
17.0
16.9
契約は考えていない
28.5
24.9
35.2
3.3
3.0
2.3
無回答
33
(4)防犯機器類の動き
防犯機器関係の市場も伸びてきており、今後、セキュリティを自分で管理するための機器類や、高
齢者対応、健康管理システムも含めてのセキュリティ機器、住宅関連企業がセキュリティを意識した
商品を提供していくことなどにより活発化していくものと思われる。
1)日本防犯設備協会による市場推移調査
セキュリティ産業新聞の日本防犯設備協会がまとめた「平成 15 年度防犯設備機器に関する統計調
査報告書」の概要によれば、防犯設備機器の製造業、防犯システムの施工業と機械警備業に分類して
市場の推移はいずれも伸びてきており、平成 14 年度は前年比111.3%と算出されており、国民
の治安不安が見られる。
図 II-27 防犯設備市場の動き
防犯設備市場の動き
億円
14,000
11,946
12,000
11,190
10,119
10,055
10,000
4,696
8,044
8,384
4,027
8,000
6,000
3,840
3,938
4,000
531
653
2,000
4,515
4,208
656
896
製造業
6,019
5,248
11年度
12年度
13年度
14年度
8,384
3,938
653
3,793
10,119
4,027
896
5,196
10,055
4,208
599
5,248
11,190
4,515
656
6,019
3,793
10年度
8,044
3,840
531
3,673
0
計
機械警備業
施工業
製造業
機械警備業
施工業
599
5,196
3,673
728
34
6,522
15年度
予測
11,946
4,696
728
6,522
防犯設備機器の国内市場推定では、つぎのような結果がでており平成 10 年度を100とすると防
犯機器全体の平成 15 年度予測での伸びは172%となっている。家庭用と思われる一般防犯機器に
ついては、平成 10 年度に比べ、平成 15 年度予測では249%と高い。
表 II-28 機器販売の年度推移
年度
機器
H10
H11
H12
H13
H15
予測
H14
侵入者検知
172
161
245
210
261
274
監視装置
845
795
922
486
541
562
生活情報システム
481
526
583
552
622
688
出入管理装置
238
233
264
331
410
435
映像監視装置
897
981
1,186
1,402
1,777
1,973
一般防犯機器
1,040
1,096
1,996
2,267
2,408
2,590
計
3,673
3,792
5,196
5,248
6,019
6,522
伸び率
100
103
141
143
164
172
合
(5)情報家電に望まれる機能
情報通信白書(平成15年版)では、情報家電の動きを捉えるのに情報家電の購入意向(買い
替え時も含む)および購入価格の調査結果は複数回答ではあるがつぎのようになっている。
出典
1位
外出先から鍵の閉め忘れやガス確認の ON/OFF の確認できるシステム
価格は同じであれば
22.1
10%増
未満
32.2
10%増
以上
6.3
外出先から家の中の様子(侵入者の有無、児童やペットの状況等)を確認することができる
50.0%
システム
価格は同じであれば
15.6
10%増
未満
26.4
10%増
以上
7.5
0.5
その他
5位
61.1%
0.5
その他
2位
「情報通信インフラに関する調査」ウェブ調査
ひとり暮らしの高齢者等の安否を判断して通報したり、テレビ電話を利用したビデオ会議で
医者や介護士も交えて相談したりできるシステム
価格は同じであれば
11.4
10%増
未満
17.3
10%増
以上
5.3
その他
0.4
35
34.4%
(6)富士経済(株)の調査
富士経済(株)の「2002年セキュリティ関連市場の将来展望」で2004年のセキュリティ機器・
システム・サービス市場全体では5,018億円(2001年実績4,455億円比12.7%増)
の規模に成長すると予測している。機器/システム市場では4,593億円で10.4%、サービス
/プロバイダー市場は426億円の見通しで42.3%の大幅な伸びを見込んでいる。
なお、ここでのセキュリティ関連市場とは、一般家庭、企業、官公庁等のセキュリティを管理する
機器・システム・サービスを言い、パソコン上でのセキュリティは除外されている。
個別には、ホームセキュリティサービス/システムでは、従来警備会社が提供している
サービス市場が中心となっていたが、導入者自身による自己管理を行なう自主警備系のホ
ームセキュリティシステム市場も拡大している。
前者では、従来の警備・防災管理の範疇から緊急通報/在室・安否確認/位置検索などのサービス
との複合化、後者では監視カメラ/携帯電話などとのシステム化による、より機動的なシステムへの
発展が見込まれるとしている。
ホームセキュリティサービスでは2004年予測365億円、対2001年成長率42%、自主警
備系システムが2004年予測10億円、対2001年成長率96%と予測している。
また、在室/安否確認システムは、2004年予測8億円、対2001年成長率は400%と急激
な伸びを予測している。これは、たとえば、心拍計測機能付き風呂給湯器のように、入浴中の人体の
異常を判断するようなシステム製品の登場など技術の進展が進んでいるためである。
(7)その他の動き
セキュリティ市場への参入企業も増えてきている。 ハウスメーカでは、S 化学が、パッケージで
8 つの防犯設備、窓ガラス、録画機能付テレビドアホン、複製しにくいカギ、オートセンサ付玄関等
などで構成するセットを、N 住宅は IC カードを利用する電気錠、テレビドアホン、侵入者威嚇用点
滅ライト、シャッター雨戸などの設備や、警備会社とタイアップした住宅を販売している。
また、住宅のリーホームにもホームセキュリティ、高齢者対応が取り込まれるようにリーホーム関
係業界の進出もある。
36
3.介護支援システム
3.1
介護支援システムのしくみ
介護支援というなかには、日常生活にかかわる多岐のものがあるが、ここでは在宅中に起こる緊急
事態に備えるための通報システムについて述べ、徘徊老人のための位置探索などは別にする。また、
介護支援者のための補助システムは各ソフトメーカから多く出されているが、これも除くことにする。
介護支援システムは概ねつぎの図のようになっており、自治体、福祉団体や民間事業者が独自に、
あるいは提携してシステムを構成している。
高齢者や要介護者が暮らすところに緊急通報用の装置を設置、緊急の場合に装置本体の押しボタン
を押すか、持ち運びができるペンダント型の押しボタンを押すと連絡先に通報され、必要な支援措置
を受けられるようになったものである。
図 II-29 緊急通報ネットワーク
ネットワーク
家族・知人、協力者等
緊急通報、安否確認
一人暮らしの高齢者
相談、指導
要介護者
日常支援などの情報
医療機関
施設入居の高齢者
介護支援センタ
要介護者
介護事業者等
タクシー会社等
警備会社等
消防署
このサービスの運営主体には、自治体、福祉公社・福祉協議会等、民間事業者がある。
使用する機器類は、民間の警備会社が通常のホームセキュリティ用コントローラの機能を利用する
ことを除いては、現在使用の電話機に緊急通報用に増設する端末機か緊急通報用の押しボタン付き電
話機が殆どである。この電話機あるいは端末機にも火災センサやガス漏れセンサの入力や、ワイヤレ
スのペンダント型押しボタンを付加できるようにもなっている。また、「相談」ボタンを設けて日常生
活で必要となる情報を求めたり、センタ側から定期的に電話をして安否の確認を行なうところもある。
受信センタ側では、利用者に関する情報(たとえば、個人の属性、親族や主治医の連絡先など)のデ
ータベースがあり、緊急通報が入った場合にこの情報を参照して対処するようになっている。
37
図 II-30 家庭内に設置する端末装置
これらの機器類は多くのメーカから出ており、端末機とセンタ側の情報処理を行なうホストシステ
ムと組み合わせて販売されている。
通信回線は一般に電話回線であるが、CATV を利用するところもある。
3.2
システムの実例
(1)自治体による緊急通報システム
(財)地方自治総合研究所が平成15年5月に行なった全市700自治体、3万人以上の町村111
自治体を対象にした「高齢者福祉に関する自治体の取組状況調査」によれば、市区で79%、町村で
44.1%の回答のあった各地方自治体では93.2%の自治体が福祉サービスとして行なっている。
そして、対象者は一人暮らしの高齢者を中心にサービスを提供しており、高齢者のみの世帯について
は約6割にとどまっている。
概ね65歳以上の一人暮らしの高齢者や心身の障害、疾病などで日常生活に支障のある人がいる家
庭などを対象として緊急通報用の機器を貸与し、緊急時にボタンを押すと受信センタに通じ、支援を
受けられる。出動は登録された近隣の協力者に依頼するところが多い。
受信センタは、消防本部であるが、民間事業者に委託しているケースがある。
利用料金は、無料のところから、所得区分に応じて決められているところなど種々のケースがある
が、月 1,000 円程度となっている。なお、電話料金は個人負担であるが、初期の工事費、取り外し費
用については必要となる場合がある。
図 II-31 自治体でのサービスイメージ
38
(2)福祉公社、福祉協議会等による緊急通報システム
会員を対象にしてサービスを行なっているものである。協議会自身が受信センタを持つ場合、ボラ
ンティアを含めた協力者に確認の出動を依頼すると民間事業者に委託する場合がある。
利用料金は、協議会等の受信センタの場合、月額が 1,000 円程度、工事費として6~7万円程度、
警備会社と提携の場合は月額 4,000 円程度で工事費として 15,000 円程度と見られる。ただし、別途
会費が 1,000 円/月必要であり、市町村によっては補助制度があるところもある。
図 II-32 福祉協議会でのサービスイメージ
なお、月額 1,000 円で、安否確認サービスとして、電気ポットを貸与し、その使用状況から動静を
判断し必要なところに連絡するとか、居所探索サービスとして探索用端末を貸与することなどを行な
っているところもある。
(3)民間事業者による緊急通報システム
厚生労働省の平成8年9月の健康・福祉サービス関連産業統計調査では、緊急通報サービスを提供
する民間事業所は95事業所となっている。ただし、社会福祉協議会、医療施設、老人保健施設、訪
問看護ステーション、社会福祉施設、有料老人ホームを除いている。
このうち、87.4%が営利組織で、5.3%が非営利組織(社会福祉法人、社団、財団)
、7.4%
がその他(個人、住民参加型)となっている。
また、公的な委託、助成を受けているのが37.9%となっている。
一般には、警備会社が自治体からの受託のほかホームセキュリティサービスの一環として行なって
いるが、タクシー会社でグループ化して事業を行なっているところもある。
1)A 社
緊急通報サービスを別個のサービスとし、ペンダント型押しボタンを付加した緊急通報装置で緊急
通報と健康相談をセットにしている。看護士または保健婦が常駐する受付・相談センタで通報を受け、
緊急時、あるいは状況確認が必要なときは、消防への通報や、隣接の警備側のコントロールセンタに
て警備員に出動を指示する。
相談内容は、健康状態に関すること、介護相談、医療機関の案内、福祉用具の案内、在宅サービス
案内、各種窓口案内などがある。
利用料金は月額 3,500 円で、別に定期的な安否確認サービスは 200 円である。
なお、取り付け工事費として 15,000 円が別途必要である。
39
2)B 社
警備会社のセンタで受信。非常または緊急を基本としたコントローラを利用し、火災や安否確認は
オプション。
健康相談は可能。利用料金は月額 4,500 円、取付け工事費が 10,000 円で別途保証金 20,000
円。
3)C 社
タクシー会社などと共同で会社を設立、フランチャイズするタクシー会社が全国で約90社。タク
シー会社単独で受信センタを持つところ、共同受信センタで緊急通報を受け、待機中あるいは近辺走
行中のタクシーに顧客先に急行を指令するところがある。いずれも警備業の届出をしている。
自治体等との委託も多く、利用料金は月額 2,800 円~4,080 円(会費と機器レンタル代)加入登録
料 10,000 円から 15,000 円、工事費が別途 15,000 円程度である。
4)D 社
自社の LPG24時間体制を活用し、警備業の認定も取得し、受信センタを設置、緊急時の出動を行
なっている。自治体からの委託を受けている。
5)E 社
ガス異常通報システムと組み合わせて緊急通報システムをサービス。ただし、警備会社と連携。
ガス異常通報サービスが 260 円/月が基本で、火災、緊急ボタン通報サービスが 2,730 円/月、こ
れにペンダント型の緊急ボタンを付加すると 3,400 円/月となる。
6)F 社
腕に取り付ける体調モニターにより、24 時間利用者の健康状態に異常がないかを見守るシステム。
手動による通報は、ボタンを押すだけ、体調に異常を
生じた場合は、家のなかのコントローラからセンターに
自動通報される。
測定項目は、体動・微動、皮膚温度、皮膚導電率
測定可能範囲
約10m
重さ
35g
防水
生活防水
バッテリー寿命
6 ケ月
その他
ハンズフリー機能付き
利用料金(機器貸与の場合)
設置工事費
会費
16,590 円
7,455 円/月(電池交換費込み)
40
3.3
介護支援システムの需要予測
わが国の要介護者数は、厚生労働省の報告では平成 14 年末で 335 万人、1 年間継続して介護サービ
スを受給した人は 177 万人であったが、高齢化社会が進むにつれ増加の傾向にある。と同時に一人暮
らしの高齢者、施設に入居する要介護者も増加している。
高齢で健康に不安がある、一人暮らしで急の体調の変化やケガが心配、留守がちで年寄りだけにな
ることが多いといった家庭に不安に対し、身内とのコミュニケーションや、安否の確認、緊急時の通
報を容易に行いたいというニーズも高まりつつある。
このような遠隔モニタリングシステムとしては前節に挙げたものがあるが、このようなシステムの
需要について調査した。
その結果では、概ね60万人程度の需要があるものと思われる。
(1)情報通信白書から
平成15年版情報通信白書には、一人暮らしの高齢者や施設に入居している要介護者等と遠隔地
の家族・知人等との映像・音声を交えたコミュニケーションを可能にするとともに、安否確認や緊
急時の通報等を行なうシステムについての調査結果が載せられている。単なる緊急通報システムに
比べて、機能的には範囲が広いものと思われるが、参考になることは少なくない。
・家族に一人暮らしあるいは施設入居の要介護者がいた場合
月額 10,000 円まで
利用したい
10.1%
月額 8,000 円まで
2.2
月額 6,000 円まで
8.7
月額 4,000 円まで
16.1
月額 2,000 円まで
16.3
月額 1,000 円まで
9.5
(自己負担しても利用したい
累計
62.9%)
6.2
利用したくない
30.8
わからない・無回答
・自分が一人暮らしあるいは施設入居の要介護者になった場合
月額 10,000 円まで
10.0
月額 8,000 円まで
2.4
月額 6,000 円まで
9.0
月額 4,000 円まで
14.3
月額 2,000 円まで
15.8
月額 1,000 円まで
10.5
利用したい
(自己負担しても利用したい
累計
7.2
利用したくない
30.8
わからない・無回答
41
62.0%)
この結果では、家族の中にあるいは自分が一人暮らしや施設利用の要介護者になった場合、月づき
の負担をしてもネットワークによる介護支援システムを利用したいという人は 60%強となっている。
また、利用料金については月平均約 4,400 円弱まで支払うとの回答になっており、支払い可能総額
は年346億円の市場規模と推計されている。
したがって、潜在利用者数(要介護者)はこの調査結果と現在の要介護者数から推計して、要介護
者総数の 19.6%に当たる 66 万人がこのようなシステムの潜在利用者として見込まれるとされている。
なお、ここでの推計方法は、つぎのようになっている。
①潜在利用者=(介護保険施設に入居していない要介護者数)
× 要介護者の単独世帯率
+ 介護保険施設入居要介護者数×自己負担による利用希望率
②利用者の平均支払い可能額=利用希望者における自己負担許容額の平均額
③支払い可能な総額=潜在利用者×利用者の平均支払い可能額
また、利用されたデータはつぎによる。
・介護保険施設に入居していない要介護者数:厚生労働省「介護保険事業状況報告暫定版」
(平
成 14 年末)および同省「介護サービス施設・事業所調査」
(平成 13 年 10 月)
・要介護者の単独世帯率:厚生労働省「平成 13 年国民生活基礎調査」
・介護保険施設入居要介護者数:厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」
(平成 13 年 10
月)
・自己負担による利用希望率:「国民生活における IT 活用調査」(訪問調査)
*利用希望率は、40歳以上の回答者の「自分が要介護者になった場合」、「家族に要介護者
がいる場合」の利用意向の平均値
(2)高齢化白書から
平成15年版高齢社会白書では、全国60才以上の男女を対象にした、平成13年の内閣府の「高
齢者の住宅と生活環境に関する調査」のなかで、将来改造したい構造・設備に関して、緊急通報装置
をつけたいという人が7.8%いると記している。
この白書にある65才以上の単独あるいは夫婦のみの世帯だけの合計が772万4千世帯であるか
ら、仮にこの数字に先の希望率をかけてみると約60万2千世帯となる。
42
4.健康管理システム
高齢化社会の到来で、壮年者や高齢者が健康つくりや健康管理を行なうことにより、寝たきりにな
らず、健康で快適な生活が送れるようにすることが大切である。しかし、現実には医療を受ける機会
が増えてきており、保健医療費の増大という問題にもなってきている。また、健常者でも食生活やス
トレス等による生活習慣病等へのリスクの増大から、健康への関心が高まってきている。
また、早期に発見・治療したいという希望はあるものの、通院するための負担や時間的な余裕がな
いという人々も増えてきている。このような状況を解決する方法として、遠隔健康管理システムの活
用が進められている。
4.1
健康管理システムのしくみ
健康管理システムということでは、健康相談サービスとしてホームセキュリティサービスのなかに
含まれていることや、また、カード会社が提携して行なっているものも多くある。電話での相談もあ
るし、検査資料を送ると検査結果が返ってくるという事業もあるが、ここでは健康に関するデータを
測定して送り、それにより何らかの判断をして利用者に返すというシステムを取り上げている。
平成9年12月、厚生省から「遠隔診療」について医師法上の解釈で医療として認めるという解釈が
され、4月の保険点改正でテレビ電話利用を含めた電話相談について診療報酬が明確にされた。この
ような行政の対応により、遠隔健康管理あるいは遠隔介護支援についての技術開発も進み、モデル事
業も行なわれている。
ここで取り上げる健康管理システムは、利用者が自宅で血圧、心拍、尿成分等を測定してネットワ
ークを通じてそのデータを医療機関等に送り、簡易な健康診断、症状からの病名の検索等の健康管理
を受け、必要に応じて各種医療機関へ相談することができるシステムで概ねつぎのような図のように
なっている。
このシステムで利用される端末機の機能はメーカにより異なるが、一般的にはつぎのような機能を
有している。
① 血圧、脈拍、心電図等のバイタル・データの測定機能
② 体重、歩行数等の必要なデータを手で入力できる機能
③ 問診やアンケート等に対する回答機能
④ センタ等からのメッセージを文字や音声で表示する機能
43
図 II-33 住宅健康管理システムの一例
医療機関等
主治医による
綜合診断
家
庭
問診、健康相談等メッセージ
血圧・脈拍
ホスト
コンピュータ
心
電
図
体温
尿
成
分
体重
データベース
通信回線
4.2
健康管理システムの実例
測定装置を含み、システム全体を提案するメーカは多く、納入先は市町村等の自治体が多い。保健
医療福祉情報システム工業会 JAHIS の在宅健康管理システム導入マニュアル(第2版)によると、平成
14年10月現在で117地域の導入例のうち約90ヶ所が自治体関係であり、ついで病院が多い。
したがってこれを事業としている民間企業はまだ少ないと思われる。
1)A 社
施設設置型(多人数用)の健康管理サービスを提供。
1台で一家に4人まで利用できる。
測定内容は、血圧、脈拍、心電図、
入力内容は体温、体重、検尿結果ほか
問診項目は利用者に応じて設定
サービスの仕組みは、
① 毎日、利用者は健康データ測定器で測定し、入力する(5分程度)。、入力データは、機器の送信
部にセットするだけで、夜間、自動的センタに送られる。
② センタでは送信されたデータをチェックし、異常の有無のチェック・利用者の日々の健康管理
を行なう。看護師対応は9時から17時まで。
③ 受信データに対する健康管理方法等のメッセージを返信、異常データが確認された場合、提携
医師に連絡、所見とアドバイスを得て、看護師すみやかに健康指導を行なう。
④ 毎月「月間健康管理レポート」、データをグラフ化したものなど、を送付する。
⑤ その他、電話での相談を行なう。
44
図 II-34 A 社システム
利用者宅
測定器
センタ
測定データ
返信メッセージ
利用者
保健師
診
認
異常データへの
健康指導
月間レポート
提携医療機関
医 師
看護師
確
相談・受付・回答
異常データ
断
所見と
アドバイス
チェック・管理
郵送
なお、
月額利用料金は、1人 5,500 円、2人 6,800 円、3人 8,100 円、4人 9,400 円。
事業体の場合、事業者負担が 15,400 円、利用者負担 500 円
45
2)B 病院
前期 1)の場合と同様であるが、病院内にセンタを設置している。退院した患者さんを中心に在宅健
康管理を行なっていたが、現在は、健康な人、または健康診断で高血圧や、心疾患を指摘された人の
日常の健康管理として利用されている。
システムの流れは、家庭で測定した健康状態をあらわすデータなどが自動的に医療機関に収集・蓄
積され、専任の看護師がデータを毎日チェック、異常が認められるとメッセージ等で利用者に通知するよ
うになっており、医師は毎月データを総合的に判断し、個人ごとに細かく指示を出す。医師の診断結
果は血圧や心電図のグラフ等を添付し「月間レポート」として利用者に送付される。
利用者は、まず問診に「はい」「いいえ」「ときどき」というように答える。ついでデータの計測に
入るが、まず腕帯を腕に巻き、血圧・脈拍を計り、ついで心電図を左右の手首に測定クリップをつけ
て採る。そして、体温、体重を測り、その結果を入力する。
データの保存は一旦端末機側でされ、毎日一定の時間に病院側のコンピュータが CATV 回線または
NTT 回線で自動的に回収するようになっている。
図 II-35 端末機構成
メモリ
表示画面
通信部
血圧測定用カフ
心電図端子
図 II-36 測定の様子
平成 15 年12月末現在で、252 名が利用し、男性が 132 名、女性が 140 名であり、年齢構成では、
70代が 113 名、60代が 91 名である。30・40 代の人も 7 名いる。
効果として、病院につながっているという安心感、自分のからだの状況を熟知することにより自発
的な健康管理を行なうようになる、病院によりよいデータを送ろうという意識が働き、そのため生活
態度が変わる、医学・健康に対する知識欲の高まり等が云われている。
なお、利用料金は、1 台で 4 人まで利用でき、1~2 人で 2,500 円、3~4人で 3,000 円。
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3)C 社
携帯型ヘルスモニターサービスを開始した。自宅だけでなく、外出先からでも身体に不安を感じたと
き、携帯型測定器で測定、電話を通じて状態を知らせることができるサービス。
循環器系分野で、小型・軽量の携帯型心電計を用いた「心電図伝送サービス」を開始。
おもに、不整脈患者が、携帯した心電計を用いて、自覚症状があるときなどに心電図を測定し、そのデ
ータを電話から受信センタに送信。専用サーバーから自動的にあらかじめ指定したファックスに心電図
を送信する。
心電計本体は、ポケットやバッグに収納可能で、ケーブルは不要。
利用料金は、初期登録料
月額利用料
5,000 円
4,500 円~(契約 1 台ごとファックス送信 10 回/月を含む)
11 回目以降/月のファックス送信は 500 円/回
4.3
健康管理システムの需要予測
平成 15 年情報通信白書によると、遠隔健康管理システムの利用意向調査をした結果、54.2%
の人が自己負担をしても利用したいとしており、月額平均で2,680円の支払いが可能としている。
図 II-37 需要推定
そこで、この結果を生活習慣病のリスクの高い 40 歳以上のインターネット利用者を利用対象として推
計した数値として、
潜在利用者は1,019万人、
年間総額3,276億円に相当
のニーズがあるとしている。
ここでの推計方法は、つぎのようになっている。
①潜在利用者=家庭のパソコンからのインターネット利用人口(40~79 歳)
×
同利用者の自己負担による利用希望率
②支払い可能な総額=潜在利用者×同利用者の自己負担許容額
③利用者の平均支払い可能額=支払い可能な総額÷潜在利用者
利用データとしては、
総務省「平成 14 年度通信利用動向調査」
、および「国民生活における IT 活用調査」(訪問調査)
である。
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