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オンライン販売機会

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オンライン販売機会
自販機戦略システムソフトの開発及び事業化
― データに基づく自販機管理業務の効率化 ―
1.背景
飲料市場は市場成熟期に入り、総需要が鈍化傾向に向かいつつある。さらに販売チ
ャネルの面でも大きな問題がある。主なチャネルはスーパー、コンビニ、自販機であるが、
スーパー、コンビニはデフレと競合激化により低NET化を強いられており、利益を生みに
くい体質となっている。また、粗利益率が高い自販機チャネルでは多数の人員や無駄な
訪問等により高コスト化しており、営業利益は薄くなっている。飲料メーカーではこれらの
経営課題を解決する策を模索している状況であるが、とりわけ、自販機チャネルでの利
益向上は重要な課題である。
一方では、現在、ほぼすべての自販機がハンディターミナル(HHT)によりオフラインで
管理されており、販売に関わる情報は現場に行かない限り取得できず、業務効率の低下
や販売機会の遺失を招いている。このため、自販機のオンライン化を図り、情報が手元で
取得可能になれば、業務効率の改善やマーケティング機能の強化が可能となり、自販機
チャネルでの営業利益を飛躍的に向上させることができる。
2.目的
本プロジェクトは、飲料メーカーの経営課題である自販機チャネルでの営業利益向上
を目的とする。自販機のオンライン化による、補充率の向上、売切即時対応、故障即日
対応を可能とするデータの提供、また地図情報との連携による「最適配送ルート指示」、
「既存自販機の商圏分析」、「
新規設置時の優良ロケーション分析」などのマーケティング
ツールの提供を内容とした「自販機戦略システム」を開発し、ASPサービスとして事業化
を目指すものである。
3.開発の内容
(1)利用形態
自販機に取付けたデータ通信用無線端末を用いて、自販機内蔵マイコンに蓄積され
ている販売・売切れ・故障・釣銭切れデータ等をセンター側サーバーが毎日リアルタイム
に取得しDB化する。売上や補充量など日々の業務に必要な帳票は、取得されたデータ
よりセンター側サーバーにて自動的に作成され、顧客は専用のホームページより閲覧・
出力を行い、配送業務などに利用する。他の帳票は、顧客のホームページからの 要求
により、その都度センター側サーバーにて作成され、マーケティングなどに活用する。
また、ビル内の自販機への訪問回数を減らすために、配送トラックより自販機にアクセ
スし、販売数を確認することも可能となる。図1は、本システムの利用形態図である。
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自販機
クライアント側
自販機情報(販売、
HHT
売切れ、故障データ
基幹システム
など)
プリンター
内臓
現地でのデータ収集
マイコン
訪問計画など分析結
果を提供
現地
インターネット
データ収集
PDA 等
訪問計画作成
Dopa用ルーター
各種サーバー
マーケティング分析
配送地図作成など
PHS用ルーター
DoPa又はPHS端末
サービスセンター 側
DoPa又はPHS網
図1
(2)開発したソフトウエアの動作環境
① 収集/配送サーバー
・ハードウェア : CPU:インテル Xeon プロセッサ 2.8GHz 相当 以上、
メモリ: 512MB 以上 、HDD : 40GB 以上
・OS
: WindowsNT4.0 Server (Microsoft)
② DB サーバー
・ハードウェア : CPU:インテル Xeon プロセッサ 2.8GHz 相当 以上、
・OS
メモリ: 2GB 以上 、HDD : 40GB 以上
: Windows Server 2003 (Microsoft)
・DB
: Oracle 9i (oracle)
③ 地図/WEB サーバー
・ハードウェア : CPU:インテル Xeon プロセッサ 2.8GHz 相当 以上、
メモリ: 512MB 以上 、HDD : 40GB 以上
・OS
: Windows Server 2003 (Microsoft)
・WEB サーバーソフト : Internet Information Server 6.0 (Microsoft)
④ RAS/DNS/SMTPサーバー
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・ハードウェア : CPU:インテル Xeon プロセッサ 2.8GHz 相当 以上、
メモリ: 512GB 以上 、HDD : 40GB 以上
・OS
: Windows Server 2003 (Microsoft)
⑤ ルーター
・DoPa用
・PHS用
: 10Base-T、I インターフェース(専用線/ISDN)、FR 対応
※Dopa/PocketOne 搭載自販機とデータ通信を行う際
: LAN(4 ポート)、ISDN/高速デジタル専用線(1 ポート)、
PIAFS32K/64 対応
※PHS 搭載自販機とデータ通信を行う際
⑥ クライアント支店PC
・ハードウェア : CPU:インテル Celeron 2.0Hz 相当 以上、
メモリ: 256GB 以上 、HDD : 40GB 以上
: Windows 20000 または XP Professinal (Microsoft)
・OS
・ブラウザー
: Internet Explorer5.5 以上
(3)全体システムの概要
自販機戦略システム
IPA開発機
既存機能
クライアントPC(
ブラウザー)
補充業務効率化
精算会計機
マーケティング機能
機能
通信機能
エリア分析/新規開拓検討支援機能
受信データ
最適商品種構成検討支援機能
訪問計画作成機
最適コラム割付検討支援機能
宣伝効果分析機能
マスタ・DB管理
価格政策効果分析機能
ビル訪問効率化
メンテナンス機
新/完了商品管理機能
図2
オペレーターが携帯する通信端末
本システムは自販機に取付けたデータ
通信用無線端末を用いて、販売情報などを
ビル内自販機
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取得し、配送トラックへの積載商品や配送ルートを指示する「補充業務効率化機能」、
商圏、商品配置、宣伝効果などを分析する「マーケティング機能」、故障情報を担当者
へ自動的に連絡する「メンテナンス支援機能」、締め時刻での売上を算出する「精算会
計機能」により構成される。図2
4.従来の技術(または機能)との相違
現状の自販機管理システムはオフライン方式であり自販機訪問時に HHT にて情報を
収集している。99%の自販機はこの方式で管理されている。自販機を訪問しない限り、情
報を収集できないという欠点を有する。
5.期待される効果
①飲料自販機のオンライン化
高度情報化時代の到来により、自販機自体がユビキタス端末に変身する可能性があ
る。自販機のオンライン化というインフラを整備することにより新しいビジネス形態が生
まれるであろう。
②オンラインシステムの広がり
オンラインを遠隔監視システムと捉えた場合、電気・ガスの検針、コピー機などの OA 機
器の検針、エレベーター監視、心電図の24時間モニター等が可能となる。
6.普及(または活用)の見通し
これまで自販機マスタ仕様の統一、通信スレーブの内蔵、通信コスト等の外的普及阻
害要因が存在していた。しかしながら、今日、この外的普及阻害要因が解決しつつあり、
低コストでオンラインを導入できる環境が整いつつある。さらには、飲料業界全体が現状
のビジネスモデルに限界を感じはじめている。飲料メーカーとの商談の感触から、恐らく、
数年以内に大手飲料メーカーの大半がオンラインを導入すると弊社は推察する。
7.開発者名(所属)
・ 渡辺欽則(株式会社メディアトゥエニーワン代表取締役社長)
・ 細川さゆり(株式会社メディアトゥエニーワン営業企画部室長)
【開発パートナー】
株式会社シンシア/株式会社エヌ・シー・エム
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