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富士通ジャーナル2007 9月号 VOL.33 NO.7 2007 NO.302

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富士通ジャーナル2007 9月号 VOL.33 NO.7 2007 NO.302
表1.4入稿 07.8.27 8:44 AM ページ2
富士通の
プロダクト&サービス
フィールド・イノベーション
NEWテクノロジー
9
富士通ジャーナル
P2-3入稿 07.8.27 8:46 AM ページ1
企業の現場改革を加速する 富士通の
「ユビキタスソリューション」
様々な現場が変わり始めた。
RFID・携帯電話・ネットワークサービス・フロント革新による現場改革の実践。
“企業成長の源泉はビジネスの現場にあり!”ユビキタスネットワーク社会において、いつでも、どこでも、何でも、誰
でもネットワークにつながることにより、企業においては、
リアルタイムな情報伝達、現場力強化、継続的な改善が
可能となります。富士通のユビキタスソリューションは、RFID・携帯電話・ネットワークサービス・フロント革新の
コア技術を活用して、店舗・工場・保守サービス・オフィス・営業活動等、数多くの現場改革が実践に移されています。
ダイナミックに動き出した新しい時代の胎動を、多彩な事例とともに富士通の取り組みを通じてご紹介いたします。
はじめに
企業の現場改革を加速する
ユビキタスソリューション
ス等、ユビキタスソリューションを活用して大きな効果をあげ
る企業が急増中です。
「いつでも、
どこでも、何でも、誰でも」ネットワークにつなが
現在、次の4つのユビキタスソリューションを重点テーマと
ることで多彩なサービスを利用できるユビキタスネットワーク
して積極的に取り組んでいます。
社会(図1)。携帯電話やICカードの多彩な活用をはじめ、私た
ちはすでに日常の様々なシーンで新しい時代の可能性を実感
することができます。
富士通では、本格的なユビキタスネットワーク社会の実現に
様々なソリューション
向け、
暮らしやビジネスをより豊かにする、
● RFIDソリューション
● 携帯電話(モバイル)
ソリューション
● ネットワークサービス
● フロント革新
やサービスのご提供に力を注いでいます。
企業の現場改革を加速するユビキタスソリューション。現場
いままで培ってきた様々なユビキタス技術やソリューション
力を高め、改革を促進し、大きなイノベーションへとつながる新
を駆使し、企業の現場改革の実践を進めています。例えば部品
しい波はすでに動き出しています。百聞は一見にしかず。実際
供給のリアルタイム管理、営業現場の見える化、ユニフォーム
の導入事例を織り込みながら、4つのユビキタスソリューショ
等の資産管理、USB等を使ったセキュアなネットワークアクセ
ンについて富士通の取り組みをご紹介いたします。
■ 図1 ユビキタスネットワーク社会のイメージ
P2-3入稿 07.8.27 8:46 AM ページ2
富士通が取り組む4つのユビキタスソリューション
ユビキタスソリューション1
RFIDソリューション
ションの組み合わせを求められることがこの分野のポイントと
なります。富士通では他社に先駆け、UHF帯RFIDの特長を活
富士通ではRFIDの市場を〈製造〉
〈資産管理〉
〈物流・流通〉
かした資産管理に取り組み、
リネンタグと金属タグという2つ
と大きく3つに大別して捉えています。
の強力なソリューションを有しています。
リネンタグ(写真2)の特長は、薄型、
ソフト素材で柔らかく、
製造
耐水、耐圧、耐熱、耐薬品性等、非常に耐久性に優れている点で
富士通グループ5工場でRFID活用を実践
す。富士通はUHF帯リネンタグを世界で初めて商品化、国内
製造分野のRFID導入は着実に進められている状況です。ま
でも現時点(2007年7月)で販売しているのは富士通のみで
た一個一個の部品をRFIDで管理するというより、例えば車体
す。06年度、受注実績は100万枚以上。その主な用途はユニ
や箱単位等、ある程度まとまった単位での管理が主流となって
フォーム紛失による不正利用の防止等を目的としたユニフォー
います。富士通では、富士通グループ5工場でものづくり革新
ム管理です。ホテル業、流通業等、
ユニフォームを利用している
へのRFID活用を実践するべく様々なシステムを稼働させ、実
多くの企業では、ユニフォーム管理が手作業であり、作業の効
績やノウハウの蓄積を図っています。
率化とセキュリティ強化が経営課題となっています。これに応
えるソリューションとしてリネンタグが注目を集めているのです。
例えば、那須工場ではUHF帯RFIDを使って部品供給のリ
アルタイム管理を実現。ジャスト・イン・タイムの生産方式を
強化し、1日2万回のデータ入力の自動化、部品の棚在庫の
50%削減等、大きな効果を生み出しています。
(p.8参照)
部品供給のリアルタイム管理システムの特長は、給材箱と呼
ばれる箱単位で部品を管理し、部品の移動情報を自動的に収
集管理している点です。これは、通信距離が長く、複数のタグ
に同時読み書きが可能なUHF帯RFIDタグの特長を活かすべ
く、高速なタグの読み取り・書き込み技術の開発・実用化に取
写真2:柔らかく耐久性に優れているリネンタグ
り組んできた成果の一つです。また、最新の成果として、業界
初、折りたたみコンテ
例えば、
(株)帝国ホテル様ではリネンタグを使ったユニ
ナに付けられたUHF
フォーム管理システムを導入。リネンタグを全ユニフォームに
帯RFIDタグ100枚の
縫い付け、一着毎の個別管
一括読み取り・書き込
理を実現。所有者管理はもと
みを実用化(写真1)。
より、貸出中、洗濯中等の状
これにより、一括検品
態管理が行え、
「いつ、
どこに、
のさらなる利用シーン
何があるか」を常に管理可
の 拡 大が期 待されて
います。
能に。あわせてリネンタグの
写真1:折りたたみコンテナに付けられた
タグ100枚を一括読み取り・書き込み
一括読み取り
(写真3)により、
クリーニングの入出庫時にお
ける一括検品も行え、大幅
資産管理
な作業効率化を図ることが
2つの強力なソリューション、
リネンタグと金属タグ
できました。
(参照 http://
資産管理分野はこれからの成長が期待されている市場の一
つです。管理対象にあわせてタグの種類も変わるため、
ソリュー
pr.fujitsu.com/jp/news/
2007/05/14-5.html)
写真3:
(株)
帝国ホテル様に
おけるリネンタグの活用
P4-5入稿 07.8.27 8:47 AM ページ1
リネンタグは、
クリーニング時の曲げや圧力、耐アルカリ洗浄
でセキュアに参照でき、現場での疑問点も即解決可能に。移動
等にも強く、
アイロンプレスもかけられることから、様々な繊維
中や空き時間に日報や報告書等を作成することで大幅な業務
製品に装着可能です。ユニフォーム以外でも、多数のレンタル
の効率化も実現。さらに“ケータイ文化”と称されるほど携帯
衣装やリネン品等の管理・検品作業等の効率化を図る上でも
電話が普及したことにより不得意とされていた入力系の業務
非常に有効です。
にも違和感なく活用できる手軽さもメリットです。
もう一つ、金属タグ(写真4)は、読み書きが可能で金属に直
携帯電話業務活用において導入企業が急増しているソリュー
接貼り付けて利用できる特
ションの一つに“営業現場の見える化”を実現するSFA(Sales
長から、機械の保守や組立
Force Automation)があります(図2)。
工場等において業務の効率
化や管理面の強化での活用
が期待されています。
例えば、
(株)
ヤクルト本社様では、
フィールド担当者の情報端
写真4 : 金属に直接貼りつけて
利用する金属タグ
末に携帯電話を採用し、量販店との商談情報や売場状況をリ
アルタイムで把握できるシステムを構築されました。
(p.9参照)
物流・流通
また、
積水化学工業(株)様では、
携帯電話を活用したリフォー
EPC関連商品ソリューションの整備・強化
ム提案の営業支援システムを構築。提案力の向上、訪問の効
率化等により売上アップにつながっています。
(p.9参照)
物流・流通分野は2010年に市場がブレークするといわれて
外出の多い営業のコミュニケーションツールとして大きな
います。富士通では、
市場の動向を見据えながら、
国内の大規模
効果を実現されたケースとしては、沖電線(株)様の事例が
あります。SFAツールに「GLOVIA CRM/FASTSFA KM+」
な物流システム、国際物流システムに向けてEPC(Electronic
を採用し、営業活動の見える化を実現。携帯電話の活用によ
Product Code)関連の商品ソリューションのラインナップの
り、
いつでもどこでも報告が行え、見積り、
クレーム、試験依頼
品揃えや仕組みの整備・強化に取り組んでいます。
等、発信情報は全てSFAポータルから入力可能に。上司や関
係部門との連携もよりタイムリーかつ効率的になり、見積り
ユビキタスソリューション2
携帯電話(モバイル)ソリューション
や開発依頼案件、新規顧客の前年比25%アップも達成され
ました。
(参照 http://glovia.fujitsu.com/crm/jp/case/
okidensen.html)
国内BtoB携帯電話(モバイル)市場は2010年までに市場
成長率30%強と予測されています。成長の推進力となってい
るのは、
グループウェアから営業支援、販売・在庫管理等、携帯
そのほかにも、初期導入費用が抑えられる等からハンディ・
電話における業務アプリケーション連携の多彩な広がりです。
PDAの代替として携帯電話を活用するケースも増えています。
背景には、各キャリアが今後の事業展開を見据え、法人契約
また金融機関等のコンプライアンス対策面から、携帯電話の業
を増加するために積極的に取り組んでいること、
またパソコン
務活用における通話を全て録音したいというご要望もあります。
や紙での情報漏洩問題が相次ぎ、高度なセキュリティのもとで
の携帯電話の活用を求める声が高まっていること、さらに
■ 図2“営業の見える化”を実現する営業支援システム(SFA)
営業マンに配布している携帯電話を業務でも活用し、
本社とフィールド担当者で情報を共有!
NGN等の次世代ネットワークへの期待感等が考えられます。
富士通では、携帯電話(モバイル)市場の中でも特にニーズ
の高い〈携帯電話の業務活用〉
〈無線LANデュアル携帯連携〉
量販店
ポイント ①
営業情報の参照
販売会社
携帯電話の開発ノウハウ
スケジュール参照
レスポンス、
操作性の高いオフ
ライン画面を提供し、デパ地
下等の圏外での利用も可能
〈双方向コミュニケーション(USX)〉の3つの携帯電話(モバ
フィールド担当者
イル)ソリューションに力点を置いて取り組んでいます。
フィールド担当者
● スケジュール作成
Interstage
Mobile Manager
報告書の確認
活動状況の報告
携帯電話業務活用
携帯電話から開発・運用基盤までトータルサポート
● スケジュール
確認 営業担当
● 店舗の活動
●フィールドの活動内容を参照・分析
履歴参照
社給している携帯電話を外回り等の業務でも使いたいとい
うニーズが業種・分野を問わずますます大きくなっています。
ニーズ拡大の要因の一つは導入効果が明白な点です。従来、
FASTSFA KM+
● チェーンの
取引条件の 確認 ● 売り場画像による状況報告
ナレッジの活用
ポイント ②
全製品が揃う総合力
● 報告書の作成
● 売り場画像の
紙やPCで持ち歩いていたお客様情報を、外出先から携帯電話
本 社
添付
サーバ、ネットワーク、携帯電
話を全て富士通からご提供
障害対応もワンストップでOK
● 他店の活動履歴の共有
●スタッフ同士のコミュニケーション
● 好事例等のナレッジの共有
P4-5入稿 07.8.27 8:47 AM ページ2
従来、困難だった外出時の携帯電話の高品位通話録音は富士
■ 図3 無線LANデュアル携帯連携ソリューションの特長
通が先行している技術です。サービス業での活用例としては、
● 無線LANデュアル携帯、
いつでもどこでも電話がつながる
● 業務アプリとの連携で業務効率化を促進
(株)ベネッセコーポレーション様が同社運営の複合施設「ベ
Aさん
無線LANデュアル携帯によるコミュニケーション強化
ネッセハウス」にてお客様サービスを行うコンシェルジュのサ
Bさん(他拠点)
・携帯番号にかけても社内同士なら
内線として接続
ポートに携帯電話を活用されています。
・相手のプレゼンス状態表示が可能
プレゼンス画面
富士通の携帯電話業務活用ソリューションは、携帯電話から
SIPサーバによる集約で、TCOの削減
ネットワーク、サーバ、
ツール、携帯電話の業務活用に必要な開
業務サ
業務
サ ーバ
発・運用基盤「Interstage Mobile Manager」までのトータ
認証サ
認証
サ ーバ
無線LANアクセスポイント
・他の業務サーバも含めた集中管理
ルサポートが大きな特長です。指紋認証、通信の暗号化、
リモー
携帯電話の業務活用による、効率化
・社外から社内電話帳サーバを利用
・検索後、画面上からクリックのみで発信
・外出先でも携帯から日報報告
・社内サーバにアクセスして資料閲覧
ト制御、ログ管理等、一環した対策でセキュリティ面も充実。富
士通は、お客様の目的や多様なニーズに最適な携帯電話業務
SIPサ
SIP
サーバ
無線LANアクセスポイント
Bさん(社内)
電話帳画面
Cさん(社外)
活用ソリューションをご提供いたします。
(p.10参照)
テムでの稼働実績もあり、富士通独自のSIP高速切替等、様々
無線LANデュアル携帯連携
なニーズに先進技術と総合力でお応えいたします。
携帯電話と内線IP電話を1台に集約
無線LANデュアル携帯電話とは、無線LANを使ってIP内線
電話としても利用できる携帯電話のことです。PBX更改・新社
ユビキタスサービス基盤USX(Ubiquitous Service eXchange)
プレゼンスサービスとリアルタイム双方向データ通信
屋移転でPCも内線もモバイル化しフリーアドレス化したい、社
USXはユビキタスサービスを実現する通信基盤(ミドルウェ
給携帯電話とPDA・PHS等、複数端末を1台に集約したい等
ア)製品です(図4)。その機能には人・モノの状態(=プレゼン
の目的を実現するべく多くの企業が導入を進めています。また、
ス)を集約管理しリアルタイムに通知するプレゼンスサービス、
SIPサーバに集約することによるTCO削減や、携帯電話の業務
無線LANネットワークを活用した常時接続環境によるリアル
活用とあわせて導入検討する企業も増えています(図3)。
タイム双方向データ通信があります。USXをベースに、様々な
ユビキタスサービスが可能となります。
例えば、
大阪ガス(株)様は、
生産性を向上しワークスタイル
の変革を図るべく、
約6,000台の携帯型無線IP電話によるユ
ビキタス環境を、富士通のIPテレフォニーシステムCL5000
を中核に実現。採用の決め手となったのは冗長化した待機
■ 図4 USXの概念図
生産設備の保守効率化
位置情報監視による安心・安全
巡回点検保守作業の効率化
最適な作業員への通知振り分け
(アラームレベルや内容)
最適な位置情報による救援要請
最適な作業員への通知振り分け
(アラームレベルや位置(GPS))
・全く移動しない!
・危険区域への接近!
等の条件で通知
サーバへの切り替えスピード(4秒)でした。1台の携帯電
B工場
A工場 C工場
話が社内では無線IP内線電話、社外では携帯電話として利
用可能に。顧客サービスの向上はもとより、設備費削減、内
屋外
(GPS)
線や外線のIP化、最適な通信手段の自動選択による通話料
最適な作業員への
通知振り分け
屋内
(Bluetooth等)
削減等、
トータルコストの大幅削減にも貢献しています。
(参
照 http://jp.fujitsu.com/featurestory/2006/0412 3G網
osakagas/)
(株)熊谷組広島支店様では、事業所の移転に伴い、老朽化
ユビキタスサービス基盤“USX”
した電話交換システムから無線LANデュアル携帯連携システ
ムに移行。携帯電話と内線IP電話を1台に集約し、現場、顧客
導入効果
生産ラインの故障時間短縮
導入効果
救援初動の迅速化
導入効果
施設管理の業務効率化
との緊密なコミュニケーションの上に作業が進む建設業にお
いて、
担当者がいつでもどこにいてもスピーディーにつながる
連絡網を実現。電話の取り次ぎが迅速・確実になり顧客満足
例えば、
某製造業様では、
工場内の保守業務においてアラー
度の向上が図れました。
(富士通ジャーナル2006年5月号
ム発生時の初動に時間がかかる、関係者への連絡相談が滞り
Top Story 参照)
被害拡大のリスクがある等の課題がありました。USXを活用
することにより、関係者へのリアルタイム通知による問題把握
が行え、迅速な意思決定、対応の迅速化により、復旧時間短縮
富士通の無線LANデュアル携帯連携では、DoCoMo製デュ
アル携帯とau製デュアル携帯の混在運用が可能。大規模シス
と被害の最小化が図れました。
P6-7入稿 07.8.27 8:49 AM ページ1
お客様のビジネスとその利用者の現場を様々なユビキタス
また、
別のケースでは、
広大なエリアを一人で作業する作業
員が危険な状態になってもわからないことが課題となってい
ました。USXを活用することにより、
携帯電話やセンサーを併
端末を通じてつないでいく「FENICS II」の新たな方向性を
カタチにした一つの例として、正規利用者がセキュアな個人
用し、
作業員の状態のリアルタイムな把握、
異常時の気づきを
認証を行うための「パーソナルアクセスソリューション」があ
実現しました。
ります。
こうしたサービスをご提供できるのは、双方向コミュニケー
パーソナルアクセスソリューション
ションサーバを中核に、USXはもとより端末から業務システム
パーソナルアクセスキー一つでセキュアなアクセス環境を実現
等までの総合力があればこそです。
ユビキタスネットワーク社会の情報活用において個人情報
の保護と利便性の両立は大きなテーマです。
「パーソナルアク
ユビキタスソリューション3
ネットワークサービス
セスソリューション」は個人を特定するためにあらかじめ個人
情報を登録した「パーソナルアクセスキー」と「FENICS II」を
ユビキタスネットワーク社会ではネットワークとITサービスは
組み合わせ、
指紋による個人認証、
接続するPC本体のIDや設定、
切り離せない関係です。富士通ではネットワークを中心としたIT
接続先の確認を行い、
インターネットやIP-VPNを介してサー
サービスによりお客様のビジネスを革新していく「Network
ビス事業者や企業の社内ネットワークにワンタッチで安全に
as a Service」を提唱。ITリソースからセキュリティ技術、
早期
VPN接続することを可能にします(図6)。また接続されたPC
ビジネス構築のためのプログラムやインターフェース群を「サー
を「管理センター(富士通IDC)」で制御・監視することでPCに
として融合しご提供していきます。
「サー
ビス・プラットフォーム」
業務データを残すことなく機密保護も図れます。
ビス・プラットフォーム」は、
マルチキャリアネットワークサービス
多様な利用環境がある中、パーソナルアクセスキー一つで
「FENICS」を大幅に強化した「FENICS II」と、上位のアプリ
セキュアなアクセス環境を実現できることが最大の魅力です。
ケーションやコンテンツをネットワークにつなぐための共通基盤
これにより、オンラインDBサービスの提供、会員向けパッケー
である「SaaS(Software as a Service)プラットフォーム」に
ジソフトのダウンロード配布/アップデート管理、個人の口座情
より構成されています(図5)。
報や健康情報に基づいた遠隔コンサルティング等、利用者個人
向けにカスタマイズされたサービスをセキュアな環境で利用
■ 図5「Network as a Service」の全体像
することが容易に。また企業にとってはタイムリーなビジネス
お客様の
ビジネス
産 業
金 融
公 共
医 療
チャンスの創出はもとより、消費者の動向や市場の変化を捉え
やすくなります。
「パーソナルアクセスソリューション」は「Interop Tokyo
SaaSプラットフォーム
サービス
プラット フォーム
● 認証・課金・検索等のプログラム/インターフェース群 ● ITリソースのオンデマンド提供 2007」の展示会において「Best of Show Award」の「ソ
リューション」部門「セキュリティソリューション」分野で特別賞
FENICSII ● 多彩なユビキタス端末のサポート
● コア・ネットワークの仮想化 を受賞しました。
■ 図6 パーソナルアクセスソリューションの概要
サービスの
利用者
オフィス・
ワーカー
モバイル・
ワーカー
コン
海外利用者 シューマー (1)認証機能
①USBを挿入すると自動で
アプリが起動し、PINコード/
指紋により認証
「FENICS」は、1985年にサービス開始以来、累計5万社以
上のお客様にご利用いただいています。複数の通信事業者様
の回線サービスをインテグレーションし、
お客様にワンストップ
PC
(2)VPN接続機能
②USB ID、端末ID、ファーム
バージョン等をチェックし、
PCの動作を決定
インターネット
USB
エンドユーザー様
お客様業務センター
⑤VPNを通して
業務アプリを利用
認証サーバ
「FENICS II」の最大の強化ポイントは、拠点と拠点をつな
③最新版アプリ、証明書、
設定等をダウンロード
(3)コンテンツ管理機能
事業の方向性をシフトした点です。ネットワーク網を利用し、
VPN
ゲートウェイ
VPN
でご提供するサービスのクオリティは高く評価されています。
ぐことから、人(端末)とビジネス(サービス)をつなぐことへと、
④業務センターへVPN接続
メンテナンスサーバ
&ポリシーサーバ
USB ID、端末ID、ユーザー
ID/PW、ポリシー等を事前に登録
ポリシー
管理センター(富士通IDC)
(4)ユーザー管理機能
P6-7入稿 07.8.27 8:49 AM ページ2
「FENICS II」ではそのほかにもワンセグ配信を活用した「ス
ポットキャスト」等、様々なユビキタス端末をサポートし、
これら
を活用した新たな使い方をご提案していきます。
イオンモール(株)様では、
「UBWALL」を用いた大画面双
方向情報提供サービスの実証実験を、
イオン太田ショッピング
センターにて実施(写真5)。63インチという大画面で、
タッチ
パネルやICカード付き携帯電話によりお客様にあわせたお店
ユビキタスソリューション4
フロント革新 デパート、スーパーマーケット、金融機関等における店舗は
お客様が商品やサービスに関心を抱きアクションを起こすビジ
ネスの最前線です。それだけに潜在的なビジネスチャンスや、
や商品の情報が提供可能に。効果的な誘導や集客はもちろん、
お客様のアクセス履歴
データは品揃えやマーケ
ティングに役立てることも
できます。実験期間:06
年10月25日~07年3
販売促進のための情報が無限に眠っています。これまではそ
月31日。
(参照 http://
うした情報を掘り起こし、収集・活用する有効な手段がありませ
pr.fujitsu.com/jp/news/
んでしたが、いま様々なユビキタスツールを活用することで新
しいビジネスシーンが次々と生まれています。
2006/10/25.html)
写真5:イオン太田ショッピングセンター
での「UBWALL」の活用実験
野村證券
(株)
様では、
新たに開設する情報発信拠点
「NOMURA
CUBE(仮称)で
」「UBWALL」
を採用(写真6)
「UBWALL」
。
の
大画面ディスプレイや全面タッチパネルといった特長を活かし、
例えば、
(株)三越様では、化粧品売場において化粧品に取
同社のサービスや商品をわかりやす
り付けられた電子タグによる実証実験を実施。その目的は、
お
く効果的に発信するとともに、
FeliCa
客様への商品情報のタイムリーな提供と、
お客様が関心を向
内蔵の携帯電話と連携し携帯電話を
けた商品情報の把握等により、店舗での生きた情報の商品開
かざすだけで同社のWebサイトや着メ
発や需要予測等への活用です。実験期間:銀座店07年1月
ロ、
ゲームサイトへのアクセス等、
各種
26日~2月11日、名古屋栄店07年1月30日~2月12日。
サービスの提供が計画されています。
(富士通ジャーナル2007年5月号 p.15参照)
今後、都内を中心に駅構内やショッピ
ングセンター等で順次開設される予定
いままでにない、新しいユビキタスツールとして富士通研究
です。
(参照 http://pr.fujitsu.com/
jp/news/2007/05/11.html)
写真6:
「NOMURA CUBE(仮称)」
への「UBWALL」の活用 所が開発した大画面インタラクションシステム「UBWALL(ユ
ビウォール)」もユニークなソリューションです。
フロント革新ではそのほかにも、印刷画像にコードを埋め込
UBWALL
み、それをカメラ付き携帯電話を使って読み込み、デジタルコ
人が前に立つと、その場が情報発信ステーションに
ンテンツにアクセスする「FPcode」があります。印刷物と電
「UBWALL」は、大画面による「気づき」
「インタラクション」
子情報をつなぐサービスとして観光事業促進、おみくじサイト
「非接触ICカード使用」のパーソナライズサービスの特長をも
とのリンク、
プロサッカーチームのファンサービス向上等、活用
ち、人検知センサーにより人が前に立つと、
インタラクティブな
シーンが拡大しています。電子ペーパーも性能向上への取り
画面に切り替わり、その場を情報発信ステーションに変えてし
組みが進められており、携帯情報端末、小型広告、店内POP等、
まいます。
様々な活用が期待されています。
まとめ
これまで述べてきたように、富士通のユビキタスソリューショ
バックし一層の強化を図っていきます。富士通はITインフラか
ンは、ユビキタスネットワーク社会における様々な現場に新し
らネットワークサービス、ユビキタス端末までの全てをワンス
い変革の波を起こしています。ユビキタスソリューションはビ
トップでご提供できる、世界で唯一のITベンダーとしてお客様
ジネス分野においても活用、実践の段階に入りました。今後も
の現場改革を加速いたします。
実績を積み重ねる中で、お客様の声を商品や技術にフィード
P8-9入稿 07.8.27 8:50 AM ページ1
先進ソリューション事例【UHF帯RFIDソリューション】
富士通 那須工場
ジャスト・イン・タイムを強化する部品発注を実現
1日2万回のデータ入力を自動化、
在庫を約50%削減
富士通がものづくり革新を進めていく中、富士通那須工場においてはジャスト・イン・タイムによる生産現場の変化に対応
するべく部品供給における「モノと情報の見える化」が急務となっていました。これに応えるべくUHF帯RFIDを使った
部品供給のリアルタイム管理システムが2007年2月に稼働。ジャスト・イン・タイムの生産方式を強化し在庫運用の飛躍
的な効率化を図り、年間100万枚の伝票削減により環境保全にも貢献しています。
付け、
ゲートを通過するたびにこのタグ情報を一括で読み取り、
生産革新の進展に伴い、新たな課題が浮上
部品の移動情報をリアルタイムで自動的に収集・管理します。
富士通では、
ものづくり革新の一環として必要なときに必要
この情報に基づきタイムリーな部品発注が可能となります。
なだけつくるジャスト・イン・タイムの生産方式を導入、
あわせて
回収車による空の給材箱回収→ゲート通過(製造ラインから
「モノと情報の見える化」を推進しています。2006年5月、モ
部品倉庫へ)→空の給材箱の部品補充→ゲート通過(部品倉
バイルシステム機器を製造する那須工場と同工場に部品を供
庫から製造ラインへ)→給材箱をラインにセット。このサイクル
給する小山工場間の部品入出荷においてUHF帯RFIDを使っ
が繰り返されます。給材箱は約3,000箱。簡易ゲート通過約3
て部品の入出荷情報の収集・管理を自動化。これにより、工場
秒間(人の歩く速度)で20~30個のタグを一括で読み取りま
間におけるリアルタイムの部品要求を可能にしました。
す。本システムの導入により大きな効果がすでに現れています。
一方、
ジャスト・イン・タイムによる生産革新の進展に伴い、那
須工場では新たな課題も浮上していました。
「ジャスト・イン・
● 生産方式の革新に伴い、
必要になった1日2万回にも及ぶ
タイムを進めていくと、作る単位がどんどん小さくなっていき
データ入力の自動化
ます。複雑な工程の中、膨大な部品をいかに管理していくか。
● 部品在庫の情報がリアルタイムに作成されるため、
「いま、
どこに、何が、
どれだけあるか」が常に把握可能に。部品の
棚在庫を約50%削減
また管理するためのデータ入力に要する工数も非常に膨大に
なってしまうという問題も見えてきました。こうした問題を解
決してくれたのがRFIDです」と、那須工場の導入責任者は経
● 棚卸作業もハンディターミナルでタグ情報を読むだけで、
す
緯を話します。
でに収集されている情報との付き合わせも自動化、
約75%
の省力化を実現
富士通ではUHF帯RFIDを使った製造ラインへの部品供給
● 回収された空の給材箱が次の部品の払い出し指示の代わ
のリアルタイム管理システムを開発。07年2月より那須工場
内で稼働を開始しました。
部品の移動情報をリアルタイムで
自動的に収集・管理 りになることから、従来部品の払い出しに使用していた年
間100万枚の伝票が不要、環境保全に貢献
本システムは社内のみならずソリューションとして製造業等
のお客様を中心に幅広くご提供してまいります。富士通は、
これ
本システムは、工場内の部品倉庫と製造ライン間において、
からも最新の技術で「ものづくり革新」を推進し、社内で培っ
部品の供給に使用する箱(以下、給材箱)にUHF帯RFIDを取り
た成果を活かし、
お客様の現場改革を支援いたします。
① ゲ-ト通過前
② ゲート通過後
③ 給材箱(台車上)
アンテナ
リーダライタ
タ グ
特許出願中
簡易ゲート通過3秒間で20~30個のタグを読み取り
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先進ユーザー事例【携帯電話(モバイル)ソリューション】
株式会社ヤクルト本社 様
フィールド担当者の情報端末に携帯電話を採用
商談内容の可視化、
情報の共有により営業力が向上
フィールド担当者、本部、販売会社との間で
情報共有を実現 富士通の営業支援パッケージ「FASTSFA KM+」、
携帯電話ア
プリケーション実行基盤「Interstage Mobile Manager」、
生命科学を基盤に、人々の健康づくりに貢献する(株)ヤク
指紋認証携帯電話「FOMA F902iS」です。
ルト本社様。健康に関するビジネス競争が激化する中、
ヤクルト
携帯電話で日報を作成、カメラ機能を使って棚割状況等の
本社様では、食品スーパー等の小売店に営業活動を行うフィー
売場状況の写真も添付。訪問終了時に日報をアップすることで、
ルド担当者の営業力強化が重要な経営課題となっていました。
販売会社、本社でリアルタイムの情報把握が可能に。情報は本
例えば、
フィールド担当者と本部の担当者との間で情報伝達や
部で集約してポータルサイトにアップし、販売会社同士、
フィー
情報共有がタイムリーに行われていない。施策の効果が検討
ルド担当者同士での情報共有を実現。フィールド担当者も他の
できない。販売会社間の横の連携が上手くとれていない。こう
担当者の成功事例を見ることができ、本社にいる流通関係等
した課題に応えるべく同社ではフィールド担当者の情報端末に
に詳しいスタッフのアドバイスも直接受けられる等、モチベー
携帯電話を活用し、量販店との商談情報や売場状況をリアルタ
ションの向上にもつながり、スキルアップやレベルの平準化の
イムに把握できるシステムを構築。同システムを支えているのが、
実現にも貢献しています。
先進ユーザー事例【携帯電話(モバイル)ソリューション】
積水化学工業株式会社 様
営業現場の見える化により営業プロセスを改革
営業の売上成績、
顧客満足度の大幅な向上を実現
適切なお客様に、適切な時期、適切な内容で
アプローチ
(2)営業が商談中に必要な情報をその場で確認
(3)お客様に提案内容を写真やムービーでよりわかりやすく
人の暮らしや社会基盤を豊かにする多彩な事業を展開され
プレゼンテーション
ている積水化学工業(株)様。同社では、
自社「セキスイハイム」
同システムにより営業は回答できない問い合わせや現場の写
ブランドの住宅約40万世帯を対象にリフォーム関連事業を推
真等をオフィスに送信、オフィスでは速やかに営業に対し情報
進しています。適切なお客様に、適切な時期、適切な内容でア
を提供することで最適な提案がスピーディーに行えるようにな
プローチするために、同社では携帯電話を活用したリフォーム
り、お客様の満足度の向上にもつながりました。営業現場の見
提案の営業支援システムを構築。業務システムを携帯電話で
える化により営業プロセス改革を推進し、営業担当者の1ヵ月
利用するための環境基盤に富士通の「Interstage Mobile
の売上が2倍近く上昇した例もある等、効果は如実に現れてい
Manager」を採用し、そのセキュリティ機能も活用することで
ます。05年から順次導入を開始。現在、全国1,300名の営業
情報漏洩等のリスク低減を図っています。
担当者が利用されています。
同社では営業支援システムにより3つの見える化を実現。
今後は同システムを活用し災害時のお客様に対する被害確
(1)営業が訪問する直前にお客様の情報を携帯電話で参照
認やサポートにも取り組まれる予定です。
お問い合わせ先 富士通(株)マーケティング本部 フィールドプロモーション部
TEL 03-6424-6333
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実践で培ったノウハウが活きる、富士通の携帯電話(モバイル)ソリューション
豊富な実績のもと、
様々な目的、
ニーズに最適な 携帯電話
(モバイル)
ソリューション
「Interstage Mobile Manager」
+
「FENICS-AS」
をご提供
携帯電話のビジネス活用は、いまや企業の競争力や成長、躍進の重要なファクターの一つです。ビジネスの最前線
で活用される携帯電話(モバイル)ソリューションにおいては、実践を通して培われたノウハウと、携帯電話特有の
機能や仕様を前提にした多くの工夫が不可欠となります。富士通ではお客様の視点に立ち、現場の利用者とシス
テム運用者の双方のご要件にお応えできる、携帯電話の業務活用を支える「Interstage Mobile Manager」+
「FENICS-AS」を中核とするソリューションをご提供しております。
携帯電話の業務活用における課題
容易に携帯電話のアプリケーション開発が可能。運用面では、
ログの収集、集中管理が可能。アプリケーションの自動更新機
一般的な携帯ブラウザ(iモード、EZweb等)を業務に利用
能により最新版の配布も簡単です。セキュリティ面では、一定
する場合には、以下の点に注意が必要となります。
時間操作をしないと画面をロックするスクリーンセーバー機
● 携帯電話紛失時や携帯ブラウザの画面メモ等による情報漏洩
能をはじめ、富士通製携帯電話の指紋認証機能と連動した指
の危険
紋認証ログイン、暗号化、利用者認証・端末認証、
リモート削除
● 接続するサイト毎にID、
パスワード入力が必要
への対応等、
セキュアな環境をご提供します。
● アクセスやレスポンスが遅く、
利用時にストレスを感じる
● インターネット接続によるセキュリティの脅威
● なりすましによる、
不正な携帯電話利用
さらに携帯電話のマルチキャリア対応に加え、ネットワーク
接続での認証機能とキャリアとの閉域接続等で不特定の携帯
電話からのアクセスを防止し、
お客様の管理の軽減とアクセス
携帯電話を安心して業務活用するにはこうした課題を解決し、
回線の閉域接続を組み合わせて、携帯電話からネットワーク、
利用者からは使いやすく、管理者からは強固なセキュリティ対
サーバまでのトータルでセキュアな環境を実現しています(図)。
策と簡単に運用ができるインフラづくりが必要になります。そ
次ページの日興コーディアル証券(株)様のように、携帯電話
れを総合的に支援するのが、富士通の携帯電話アプリケーショ
にデータを残さないという紛失対策の実現等、
お客様のニーズ
ン実行基盤「Interstage Mobile Manager」+マルチキャリ
にあわせたソリューションをご提供できるのが最大の特長です。
ア対応セキュアネットワーク「FENICS-AS」です。ここに実践
今後は、SFAシステムや、携帯電話の通話録音を可能にするセ
で培った富士通のノウハウが活きています。
キュア電話帳等、携帯活用インフラと連携するシステムの拡充
にも注力していきます。
セキュアなインフラの実現、利便性向上、
開発・運用も容易に
「Interstage Mobile Manager」
+
「FENICS-AS」の特長
として大きく次の2点があげられます。
■ 携帯電話からネットワーク、サーバまでのセキュアな環境
携帯
アプリ
Interstage Mobile Manager
携帯端末
● 携帯アプリケーションの利用
● マルチキャリア対応のセキュアなネットワーク接続を提供
携帯アプリケーションを利用する主なメリットをご紹介しま
す。利用者の操作面では、パスワード、IDを1回入力するだけで
全てのサービスにログインが可能です。さらにカメラ、バーコー
DoCoMo網
au網
携帯 SoftBank網
基地局 ア
ク
セ
ス
回
線
お客様環境
ルータ
Interstage 業務サーバ
Mobile (携帯コンテンツ)
Manager
閉域、暗号化範囲
Interstage Mobile Manager
FENICS-AS 携帯接続サービス
携帯電話
ネットワーク
・指紋/パスワードログイン
・保持期間設定によるデータの自動削除
・スクリーンセーバー機能
・画面コピー禁止
・AESによる送受信データの暗号化
・FENICS専用線による閉域接続
・FENICSによるマルチキャリア接続
・AESによる送受信データの暗号化
Interstage Mobile Manager
サーバ
・端末ログの集中管理
・サーバからの端末データの強制削除
・サーバからの携帯アプリの利用停止
・AESによる送受信データの暗号化
ド等の簡単利用、圏外等でも使用可能なオフライン機能も装
備。一般的には携帯アプリケーションは機種差分のため機種
お問い合わせ先 富士通(株)
毎に開発する必要がありますが、機種依存部分を「Interstage
ネットワークサービス事業本部 ネットワークフロントセンター
Mobile Manager」で吸収し、cHTMLによる画面定義のみで
TEL 03-6424-6260
P10-11入稿 07.8.27 8:51 AM ページ2
先進ユーザー事例【携帯電話(モバイル)ソリューション】
日興コーディアル証券株式会社 様
「Interstage Mobile Manager」
+
「FENICS-AS」
により
セキュアな
「携帯電話による業務活用基盤」
を確立
「yahoo!証券窓口」
「世界初の円・米ドル2通貨決済が可能な日興プラチナデビットカード」等、
業界に先駆けて斬新な商品やサービスを世に送り出している日興コーディアル証券(株)様。
システム統括部 IT推進課
次長
同社では営業スタイルの変革を推進する中で、社内情報の社外での活用を図るべく「携帯電話に
鷲巣 友昭 氏
よる顧客情報検索システム」を構築。最大の課題となったセキュアな基盤の確立を富士通の
携帯電話アプリケーション実行基盤「Interstage Mobile Manager」+ネットワークサービス
「FENICS-AS」で実現しています。
営業スタイル変革の一環としてチャレンジ
あること。
「誰がいつどこにアクセスしたか」ログの収集、
集中管
理の実現。またマルチキャリア(DoCoMo/au)も要件の一つに。
お客様を中心に考え、行動し、誠心誠意(コーディアル)に尽
同社の求める高いセキュリティレベルや様々なニーズに応え
くす、そして革新性を追求していく。日興コーディアルグルー
られるインフラとして採用されたのが、
富士通の携帯電話アプリ
プの中核企業、
日興コーディアル証券(株)様の経営理念です。
ケーション実行基盤「Interstage Mobile Manager」+ネッ
業界を牽引する同社では、現在、新しい時代にあった営業スタ
トワークサービス「FENICS-AS」です。
「Interstage Mobile
イルの変革を進めています。その一環として同社のリテール
Manager」の開発・運用支援機能により、
スムーズかつ短期間
支援部門からシステム統括部へと要請のあったテーマが“社
での稼働を可能に。ただし5,000台の携帯電話を活用するた
外における社内情報の活用”です。
め、運用管理面については「富士通に管理画面をいろいろと改
従来、営業活動では紙資料を持ち歩いていましたが、個人情
善していただきました。また「FENICS-AS」のマルチキャリア
報保護の観点からより厳しい情報漏洩対策が求められており、
サービスにより、各キャリアとの接続・対応窓口の一本化を実
また持ち出すための手続きも大変でした。
「全ての営業社員
現できたことで運用管理の効率化も図れました」
(鷲巣氏)。
が持つということで携帯性と使いやすさから携帯電話を端末
2006年11月採用決定、07年5月運用開始。
「今後、ニー
に選びましたが、社外でお客様の資産情報の閲覧が可能にな
ズの高いメールや電子電話帳を早期に実現する予定です。ま
るため、セキュリティの確保が最大の課題になりました」と、鷲
た利便性の向上も課題の一つになります。実際の成果はこれ
巣氏は振り返られます。
「あらゆる状況においてお客様の情報
からですが、
「Interstage Mobile Manager」の上にのせれ
を守ることは最優先事項です。さらに社員が安心して利用で
ば統一した高度なセキュリティのもとで様々な情報活用が行
きることも重要です。例えば携帯電話を落としても安全なのか。
える、
セキュアな基盤の確立は大きな成果です」
(鷲巣氏)。
社内で最も懸念の大きかった点です」
(鷲巣氏)。これに対し、
■ 携帯電話の業務活用のためのセキュアな基盤を確立
システム統括部の考えはきわめてシンプルなものでした。
「携
ログイン
AES暗号で通信
データを保護します
未登録携帯はネット
ワークに入れません
(閉域接続)
ID、パスワードに加
え、機体/FOMA番
号の4key認証
帯電話にデータを残さなければ漏洩の心配がありません。
iモ
お客様センター
ードでは閲覧した画面の保存機能があるため、社内情報閲覧
用にブラウザをつくることを考えていました」と、鷲巣氏は説
明されます。
紛 失 対 策 は 、携 帯
電 話にデ ータを残
さない
Mobile Manager
サーバ
業務サーバ
(顧客情報)
DoCoMo
FENICS
携帯接続サービス
(ネットワーク)
au
認証情報
携帯業務
コンテンツ
セキュアな基盤の確立が最大のポイント
日興コーディアル証券株式会社
今回のプロジェクトでは同社のリスク管理部門からも意見や
指針を提示。本人認証はIDとパスワード。機体認証は製品番号
とFOMAカードの番号。データ通信は全て暗号化。さらに各キャ
リアから同社のイントラネットに接続するネットワークは閉域網で
設 立 2001年3月29日
資 本 金 1,000億円
従業員数 7,402人
U R L http://www.nikko.co.jp/
(2007年6月末現在)
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先進ユーザー事例【サーバ統合、64ビット環境、高可用性】
名古屋大学医学部附属病院 様
病院総合情報システムを
「PRIMEQUEST
(プライムクエスト)
」
で刷新
レスポンス時間約1/3、24時間365日安定稼働
左/名古屋大学医学部附属病院 医療経営管理部 副部長
情報管理室長 准教授 吉田
茂氏
右/名古屋大学医学部附属病院 経営企画課
情報システム掛 掛長 白木
利浩 氏
中部地域の基幹病院という重責を担う名古屋大学医学部附属病院様。医療の質の向上に貢献するITインフラを
目指し、病院総合情報システムを全面刷新しました。従来は合計8台のPCサーバで運用していた電子カルテシステム
を、富士通の基幹IAサーバ「PRIMEQUEST 580」に統合。また、各部門システムには富士通のブレード型PC
サーバ「PRIMERGY
(プライマジー)BX620 S3」を採用し、SAN boot機能を活用。病院のシステムには欠かせ
ない信頼性確保と、大幅な性能向上を実現しました。
名古屋を中心とする中部地域の市民に対し、充実した医療
サービスを提供し続けているのが名古屋大学医学部附属病院
様です。中部・東海地区の主要病院には、同大学出身の医師や
院長も数多く、同病院は先端医療の提供と人材育成の両面に
おいて、重要な役割を担っています。
名古屋大学医学部附属病院様で医療経営管理部 副部長 情
報管理室長を務められる吉田准教授は「当病院では、完全に
電子カルテシステムを操作する吉田准教授
ペーパーレスを実現しています。レントゲン写真や各種検査結
るシステムも増加してきました。これがシステム全体のレスポ
果は全て電子カルテと連動しており、医師は診察結果を電子カ
ンスを悪化させる要因になっていました」と、振り返られます。
ルテにまとめます。医療分野でもIT活用が進んでいますが、IT
もちろん旧システムを導入した際も、当時としては高スペック
を単に事務作業の合理化のためだけに使うのでは不十分です。
のサーバを採用していましたが、予想を上回るスピードでシス
電子カルテにより治療が良くなる、早くなるといった具合に、IT
テムの負荷が増大してしまいました。
を活用することで医療の質自体を向上させることが最も重要
この課題を解決すべく、
同病院では病院総合情報システムの
なのです」と、強調されます。
刷新、
サーバ統合に着手。そして新プラットフォームとして選ばれ
たのが、
富士通の基幹IAサーバ「PRIMEQUEST 580」です。
新システムの導入で
レスポンス時間を約1/3に短縮
64ビットOSの「Red Hat Enterprise Linux」を採用し、
最新のデュアルコアインテルItanium 2 プロセッサを最大32
同病院では2001年に、電子カルテシステムを中心とする
CPU(64コア)まで搭載可能な「PRIMEQUEST 580」なら、
複数の部門システムで構成された病院総合情報システムを構
大量のトランザクションを短時間で処理できます。さらに新電
築。日々の業務基盤として活用していました。しかし、導入から
子カルテシステムでは、米国の医療業界で高い評価を得てい
5年以上が経過し、様々な課題が浮上してきました。
るインターシステムズ社のオブジェクトデータベース「Cache
経営企画課 情報システム掛 掛長の白木氏は、
「データ量や
(キャシェー)」を採用。大容量メモリ空間を高速検索すること
クライアント台数が増えると同時に、
電子カルテの連携対象とな
が可能です。新システムの導入効果について吉田准教授は「レ
スポンス時間が以前と比べて約1/3に短縮され、現場の医師
たちからも非常に好評です」と、満足そうに語られます。
大規模医療機関の必須要件 24時間365日の連続稼働を実現 もう一つの課題となったのがシステムの信頼性です。電子
名古屋大学医学部附属病院
カルテシステムは入院患者の治療にも使われるため、24時間
P12-13入稿 07.8.27 8:52 AM ページ2
■ 病院総合情報システム
電子カルテサーバ群
PRIMEQUEST580×1
医事システムサーバ群
部門システムサーバ群
PRIMERGY RX600×2
PRIMERGY BX620 S3×40
A系DBサーバ
B系DBサーバ
放射線サーバ
手術サーバ
C系DBサーバ
フリーシステムボード
検査サーバ
病理サーバ
薬剤サーバ
その他のサーバ群
電子カルテDB
医事システムDB
部門システムDB
ブレードサーバ用DB
ETERNUS
3000×1
ETERNUS
4000×2
ETERNUS
4000×2
PRIMERGY BX620 S3×18
ETERNUS
4000×3
APサーバドメインコントローラー
部門I/Fサーバ
クライアント群
システム管理サーバ群
Resource Managerサーバ
Systemwalkerサーバ
PRIMERGY RX200×2
テープライブラリ装置
365日の連続稼働が必須となります。システム障害によって
の電子カルテシステムと並行して、部門サーバの再構築も実
医療業務を停止せざるを得ないような事態は絶対に許されな
施しました。
いため、
きわめて高い信頼性・可用性が要求されました。
新たなプラットフォームには、富士通のブレード型PCサー
そこで同病院は、
「PRIMEQUEST」の特長的な機能である
バ「PRIMERGY BX620 S3」を採用。富士通のストレージ
「システムミラー機構」を適用。システムミラー機構では、
メモ
SAN boot
「ETERNUS(エターナス) 4000」と組み合わせ、
リやチップセット、
クロスバー等の主要ハードウェアを全て二重
の機能を活用しています。これによりトラブルが発生した場合
化し、
完全同期動作させることによって、
ハードウェアのトラブル
でも、予備サーバは内蔵ディスクではなく「ETERNUS」から
時にもシステムダウンを回避します。また、ハードウェア・リソー
起動し、
システムを迅速に復旧できます。
「新システムの稼働
スを複数の区画に分割する「パーティション機能」を活用し、
1台
後は、
メンテナンス作業も随分楽になりました。また、富士通エ
の筐体内で両現用(A系/B系)のクラスタシステムを構築。加
フサスの遠隔監視サービスも適用していますので、常時安心し
えて、
フリーのリソース(システムボード)をあらかじめ搭載して
てシステムを運用できます」と、白木氏は語られます。
おくことで、A系/B系のいずれかがダウンしてもすぐにクラスタ
吉田准教授は「地域の中核病院として、周辺病院との連携も
環境に戻せる仕組みになっています。さらに、万が一、A系/B系
見据えた先端医療への取り組みを今後もさらに発展させてい
の両方がダウンしても対応できるよう、Webベースでデータを
きます」と、語られます。その活動を、
「PRIMEQUEST」がしっ
参照するためのパーティション(C系)も用意してあります。
かりと支えていきます。
富士通では同病院へのシステム導入に先立ち、東京・浜松
町の「富士通Platform Solution Center」で展開テストを
実施し、システム刷新に対するお客様の不安も払拭していま
した。
名古屋大学医学部附属病院
創 設 1871年5月
部門サーバの信頼性向上は
ブレードサーバで実現
診 療 科 29科
病 床 数 1,035床(2005年4月1日現在)
今回の再構築では、放射線や検査、薬剤等、各部門で使用
患 者 数 入院 30万7,988人(2004年度実績)
するシステムのダウン対策も大きな課題でした。旧システム
外来 48万3,136人(2004年度実績)
ではサーバ・トラブルが発生した場合、OSの再インストールや
データ・リカバリー等に時間がかかっていました。そこで、今回
所 在 地 愛知県名古屋市昭和区鶴舞町65
U R L http://www.med.nagoya-u.ac.jp/hospital
先進ユーザー事例や「PRIMEQUEST」の製品情報はこちらへ
ITpro Special「Enterprise Server Journal III 」 http://itpro.nikkeibp.co.jp/as/esj/ 「PRIMEQUEST」公式ページ http://primeserver.fujitsu.com/primequest/
お問い合わせ先 富士通コンタクトライン
TEL 0120-933-200 電話受付時間 平日9:00 ~17:30(土・日・祝日・年末年始を除く)
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フィールド・イノベーション
先進ユーザー事例【人とプロセスとITを一体化して革新体質をつくる】
株式会社ジェイアール東海 島屋 様
お客様満足度No.1の品揃えで
お客様をお迎えする百貨店づくりに向けた
フィールド・イノベーションの取り組み
左/取締役総合企画室長 花田
慎一郎 氏
淳士 氏
右/総合企画室グループマネージャー 大橋
開店から8年目を迎えた(株)ジェイアール東海 島屋様では、年間約4,000万人のお客様がご来店になります。
同社は、お客様の支持を積み重ね、毎年着実な売上伸張を続けていますが、さらなる成長に向けて様々な取り組み
が進められています。なかでも最適な品揃えを実現するフィールド・イノベーションの取り組みは重要な位置を占め
ています。
心はファッション分野ですが、ファッショントレンドや消費者の
百貨店は変化対応業 変化する顧客ニーズに対応し、進化を続ける
嗜好性はめまぐるしく変化します。百貨店は消費者の変化に
小売業の歴史は、新しい業態の登場と、既存の業態の進化
対応し続ける体質を身につけなければ、勝ち続けることがで
の積み重ねともいえます。近年では、
インターネットが一般化し、
きません。
Webを通じたショッピングやオークションを提供する業態が消
費者の支持を得ています。このような変化の激しい環境下に
あって、進化することを求められるのが永年にわたる実績を持
変化に対応できる企業体質づくり
人の意識と業務プロセス、ITを一体に考える
­
つ既成の業態であり、その代表が“百貨店”といえます。
変化に対応し続けられる企業の体質をつくりあげていくた
百貨店は、ただ単に商品を販売する業態ではなく、消費者に
めには、業務プロセスを改革、標準化して会社としての仕組み
生活することの楽しさや、新鮮なライフスタイル、生活の潤い
に仕上げていく必要があります。
「百貨店は、スピードの早い
を提案することで他業態と差別化を図っていこうとしています。
お客様ニーズの変化に対応する品揃えの実現が経営上の重
しかし、小売業全体では生産人口の減少や、
グローバル化に
要テーマであるため、仕入・発注業務の改革に取り組みました。
伴う価格の低下、生活者のライフスタイルや嗜好の多様化に追
また、改革された業務プロセスを正しく遂行するためには、人
いつけないといった要因によりマーケットが広がっていないの
の意識が従前のままでは絵に描いた餅です。同時に、百貨店
も事実です。
は非常に多くの商品を扱うため、商品の動向を現場が効率的
このような厳しい環境下で生き残るため、百貨店各社は経
に読み取るためには、ITを上手に活用する必要があります」と、
営統合や提携が相次ぎ発表されています。同時に、いかにお
花田氏は語られます。
(株)ジェイアール東海 島屋様では、
客様に支持される百貨店を作るのかということが重要な経営
人の意識と業務プロセス、ITを一体として仕入・発注業務の改
課題としてクローズアップされています。百貨店の収益の中
革に取り組まれました。 ■ 図1 小売業販売額推移
■ 図2(株)ジェイアール東海 島屋様 売上高推移
(百万円)
2
(兆円:百万m )
120,000
小売業販売額と売場面積推移
150
­
142.3
144.1
140
80,000
133.3
130
60,000
120
110­
100,000
40,000
109.9
販売額
20,000
売場面積
0
100
平成3年 平成6年 平成9年 平成11年 平成14年 平成16年
出所:商業統計
平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年
P14-15入稿 07.8.27 8:53 AM ページ2
フィールド・イノベーション
自らの意思に基づいた品揃えができているか?
小売の原点に立ち返る
百貨店の取引形態は大きく「買取取引」と「消化取引」に分
そこで、
現場の実態を正確に把握するために、
売場マネジメン
トを取り仕切る、売場マネージャーの業務実態調査からスター
トすることにしました。
かれます。商品を仕入れる際に商品を買い取るのが買取取引
です。一方、百貨店の仕入れの特徴は「消化取引」にあります。
消化取引というのは、販売された時点で仕入れを起こす仕入
RFIDタグによりワークスタイルを可視化 事実起点でトップと現場が課題を共有 形態です。現在の百貨店では過半が消化取引による仕入れで
「売場のマネージャーは売場の経営者であり、売場のマネジ
あり、特に収益の中心であるファッション商品では多くが消化
メントを任される重要な役割を担っています。彼らは、お客様
取引といっても過言ではありません。
に接したり販売員とビジネストークをする中でお客様ニーズを
消化取引による商品のマネジメントは、販売時点まではお取
把握した上で、お取引先であるメーカーと交渉を行い、売れ筋
引先の在庫であるため、売れ残りによる在庫リスクはないもの
商品を確保し、販売員を育成して販売力を高めていくことが期
の、百貨店サイドでは、何がどれだけ在庫があるのかは把握で
待されています」
(花田氏)。
きません。
そこで調査は「マネージャーがどれだけの時間をどこで業
そのため、
マーチャンダイジング(商品の品揃え)自体をお取
務を行っていたかを定量的に把握することで、売上数字の整
引先にお任せするスタイルになりがちです。近年では「カセッ
理や報告書を中心とした作業が多いのではないか、
という仮
ト納品」といって、アパレル会社側で商品をパッケージ化し、店
説を検証することにしました。実施にあたっては、
スピードと正
舗の売上規模により商品の量と組み合わせを変えてカセットと
確性を重視しました」
(大橋氏)。具体的には、マネージャーが
して配分するスタイルが定着化してきています。つまり、
ブラン
RFIDタグを所持し、受信機を売場の事務所や会議室に設置し
ドショップの品揃えはアパレル会社が組み立てるため、百貨店
ました。これにより、正確かつ短時間でマネージャーの時間の
は品揃えの中身が分かりにくくなってきています。その結果、
使い方が定量的に把握できるようにしました。その後、マネー
お客様のニーズを捉え、仕入発注業務を自らの意思で行う小
ジャーにインタビューを行い、現状の業務フローを明らかにし
売の原点が疎かになり、小売業としての強みが発揮できにくく
ました。インタビューだけだと人の置かれた立場や雰囲気で結
なってきています。
果が異なってきます。事実をもとにすることで、社内の課題認
(株)ジェイアール東海 島屋様も例外ではありませんでした。
識が統一化され、改革の方向性が経営層も現場も同じ意識で
「カセット納品により、百貨店としての品揃えの意思や売れ筋把
取り組んでいけます。
握のための業務プロセス、日常業務が後回しになり、結果とし
さて、調査の結果ですが「マネージャーが売場にいる時間は
てお客様の満足のいく品揃えに支障をきたしているのではな
予想以上に短いことが分りました。本来であれば売場でお客様
いか、
という漠然とした問題認識が社内にはありました」と、花
と接し販売員との会話を通じて、ニーズを捉え仕入れに活かし
田氏は語られます。
ていく必要がありますが、
こういった時間が取れていないこと
が事実として明らかになりました。結果として、売れ筋商品を
確保する業務を実践するための時間の確保と、仕入発注業務
の業務フローを標準化していくとの方向性が全社で共有化さ
れました」と、大橋氏は語られます。
月曜朝一番、マネージャーの一本の電話が お取引先の意識も変える
花田氏は改革の意図を次のように語られます。
「改革はお任
せ型の商品マネジメントから自分たちの意思ある発注を行っ
ていくことにあります。自信を持ってお勧めできる商品を、売
場の意思により取り揃えた上で、お客様をお迎えし、おもてな
JR名古屋駅直上にそびえるJRセントラルタワーズの中核施設
「ジェイアール名古屋タカシマヤ」を運営
しをしていくことが重要だからです。そのため、
カセット納品に
慣れたマネージャーの意識を改革していくことに重点をおき
P16-17入稿 07.8.27 8:54 AM ページ1
マネージャーの意識改革
(株)ジェイアール東海 島屋様では、
ました。具体的には、売って行きたい商品を売場のメンバーと
がお取引先や販売員の意識をも変えています。
コミュニケーションを取りながら選定し、マネージャーが主体と
なって、商品の積み増しをお取引先と交渉していく業務プロセ
こういった経験により意識と業務プロセスを変えることで
「商品」と「顧客」をつなぐ
顧客ニーズにマッチした品揃えの百貨店づくり
フィールド(課題領域)も進化をすることも分かってきました。
「当
仕入・発注改革を続ける(株)ジェイアール東海 島屋様の
初は、売れ筋商品の積み増し交渉に注力していたマネージャー
次の目標は「仕入のフィールド」と「顧客のフィールド」をつな
も、
自分達が自信を持って売っていきたい商品を自らの目で選
いでいくことです。
スを標準化していきました」。
び、売れ筋商品へと育成できるようになってきました。つまり、
■ 図3「仕入のフィールド」と「顧客のフィールド」をつなぐ
目利きができるようになってきたということです」と、大橋氏は
仕入のフィールド
語られます。目利きができるようになるにしたがい、手作業で
商品の可視化
つなぐ
は商品動向把握に時間がかかるため、ITの導入を決定されま
した。
「百貨店は土日が売上の山場となるため、当初計画した
パ
ー
ソ
ナ
ル
よりも売上が好調な場合に月曜の朝一番でお取引先に商品を
指定した積み増し依頼ができるようにすることが重要です」と、
顧
客
の
フ
ィ
ー
ル
ド
大橋氏は語られます。
そのため、お取引先と交渉して確保した商品の売上推移が
一目で分かり、月曜朝一番にアクションを起こせるよう、新たな
顧
客
の
可
視
化
セ
グ
メ
ン
ト
マ
ス
ブランド単位
単品単位
各ショップでの
VIP顧客対応力強化
上得意顧客への
具体商品お勧め
縦ゾーニング強化
離散顧客分析と来店促進
(フロア横断取揃整合性確保)
(アウトバウンドアプローチ)
ブランド別顧客層分析
動きの早いブランドの売れ筋
情報を他ブランドで展開
(フロア内ゾーニング整合性確保)
仕組みを導入されました。
月曜朝一番のお取引先への商品積み増し依頼は、お取引先
2つのフィールドをつなぐことで誰に何を売っていくのかが
にとっても、彼らは本気なんだと思わせることとなり、
お取引先
明確になります。花田氏は「婦人服売場でお買い物をされた上
営業担当者の意識も変えていきました。また、現場第一線の販
顧客層は、3階の婦人靴売場で欲しいものがあるか、化粧品は
売員も、売っていくべき商品が明確になることで意識が変化し
どうかといったように、
どこのフロアに行っても欲しいものが揃
ています。
う、当社の顧客ニーズにマッチした百貨店づくりが可能となり
企業の業務力は、正しい業務プロセスと業務を支えるITに
ます。また、当社には年間数千万円お買い上げいただける個人
より左右されますが、土台になるのは、やはり人の意識です。
のお客様が何人もおられます。上得意のお客様に「店頭で好
富士通の考えるフィールド・イノベーション ■ 図5 フィールド・イノベーションにより企業の革新体質をつくる
① 課題を感知する
フィールド・イノベーションの進め方
社内や顧客の声から「この辺に問題があ
① 課題を感知する
② 事実を捉える
③ 改革する
④全体を最適化する
このままでは
まずい!
本当か?
変えなければ!
押さえどころは
ここだけか?
フィールド
(課題領域)
事実(証拠)による
気づき
人の意識を変える
プロセスを変える
ITを駆使する
⑤ 継続的に改善する
人・プロセスとITを一体化する
フィールド
フィールド
フィールド
るのでは?」との課題を仮説として感知し、
このままではまずいと考え始める。
経
営
が
変
わ
る
もっと
良くなりたい!
② 事実を捉える
事実を可視化し、現状実態を正しく把握
することで、気づきを得る。また、事実を
もとにすることで人の「改革しなければ
事実を可視化することで、人の意識が変わる。
人を主役として知恵を活かし、プロセスとITの継続的な改善で企業の「革新体質」をつくる。
ならない」という意識が生まれる。同時に、
P16-17入稿 07.8.27 8:54 AM ページ2
フィールド・イノベーション
きなものをお選びください」ではなく「あなたのためにこの商
で活躍するマネージャーは定期的にミーティングを行い、活発
品を仕入れてきました」といったように、購買履歴や個々人の
な意見の交換をしながら、各人の気づきや個人のノウハウを
嗜好をもとに商品提案ができればもっと喜んでいただけますし、
共有化する取り組みを行っています。ミーティングで出てきた
業績も向上します」と、語られます。
アイデアや気づきにより、継続的な改善につなげるためです」
このように「商品」と「顧客」のフィールドをつないでいくこと
(大橋氏)。
で、
どこのフロアに行っても戦略的なターゲット顧客層の期待
このように、継続的改善を続ける取り組みを行っていること
に応えられる品揃えの実現へと、全体を最適化していきます。
自体が、企業体質の変化の表れです。
(株)ジェイアール東海
島屋様は、
フィールド・イノベーションにより、変化に対応でき
実践に基づくノウハウ共有 継続的に改善し続ける企業風土づくり
る革新体質へと進化されています。
人の意識を変えるということは、一朝一夕にしてできるもの
ではありませんし、業務プロセスの改革も、初めから百点満点
株式会社ジェイアール東海 島屋
を取れるものではありません。
設 立 1992年12月25日
資 本 金 100億円
■ 図4 継続的改善を企業風土として根付かせる
従業員数 約960名(平成18年度初時点)
※出向受、契約社員、パート社員含む
所 在 地 名古屋市中村区名駅1-1-4
U R L http://www.jr-takashimaya.co.jp/
マネージャーの実践
新たな気づき
・実践に基づくノウハウ集積
全社で共有化
新たな課題発見
・社内報でノウハウ共有
・若手教育研修
・課題の抽出と解決策検討
お問い合わせ先
(株)富士通総研 第三コンサルティング本部
「地道な作業を積み重ね、
企業に風土として根付かせることこ
サービスマネジメント事業部
そが重要です。そのため、
私たちが事務局となり、
現場の第一線
TEL 03-6424-6230
人の立場の違いによる解釈の違いや認
活用される価値あるITとなり活用効果
識違いをなくし(絆が生まれる)、
トップ
を増大させる。
から現場までが同じ課題認識を持って改
革を推進できる。
④ 全体を最適化する
フィールドを課題領域と捉えると、社内に
③ 改革する
は多くのフィールドが存在し、
フィールドと
事実に基づく気づきによって人は本気で
フィールドは関連性がある。一つのフィー
現状のプロセスを変えなければならな
ルドの課題を解決するだけではなく、
フィー
いと考えるようになる。このプロセスを
ルドとフィールドをつなげて考えて課題
変えようとする時には様々なアイデアが
を解決することで、全体最適化を図って
出てくる。このアイデアの実現にITを徹
いく。その際、
フィールド間の人・プロセス・
底的に駆使する。必要から生まれたITは
ITを一体のものとしえ捉えていく。
⑤ 継続的に改善する
改革の実践により、新たな気づきや乗り
越えなければならない阻害要因(課題)
を発見する。新たな気づきはノウハウと
して社内で共有し、課題を解決すること
で改革のステージアップを図っていく。
可視化された事実をKPIとすることで継
続的に効果をウォッチしていく。このプ
ロセスを繰り返すことで、環境が変化し
ても自律的に革新できる企業体質を確
立していく。
P18-19入稿 07.8.27 8:55 AM ページ1
携帯電話の
ユニバーサルデザインを目指して
─音声処理技術と手ぶれ補正技術─
携帯電話はいまや一人1台が当たり前の時代になり、子供や高齢者の利用も急速に伸びています。富士通は(株)エ
ヌ・ティ・ティ・ドコモ様の主要ベンダーとして、サービス開始当初から携帯電話機を継続的に市場に投入してきてお
り、長年培ってきたあらゆる技術を適用しながら、使いやすさの向上を目指してきました。今回は、富士通の携帯電
話に搭載されている様々な技術の中から、相手の声を聞きやすくする音声処理技術と、写真撮影時の手ぶれを自動
的に補正する画像処理技術をご紹介します。
携帯電話は屋外の様々な場所でも利用されますが、周囲の
遅くできますが、ちょうどテープを遅回ししたように、実際より
騒音によっては相手の声が聞きにくくなる場合があります。また、
も声が低くなって別人のように聞こえてしまいます。そこで、
相手の話し方によっては早口と感じて、
うまく聞き取れないこ
周期長は保って声の高さを変えず、
ピッチを繰り返すようにし
ともあります。富士通研究所では、携帯電話を利用される方に
ました。ただし繰り返す場合も、直前の音声波形と最も自然に
相手の声をさらに聞きやすくする独自の会話支援機能として、
つながる接続点を探索し、類似度の高い波形領域だけを繰り
次の2つの音声処理技術を開発しました。
返すことによって、劣化の少ない音声伸長を実現しています。
電話は双方向通信ですから、一方でどんどん遅らせてしまう
声の高さを変えず速さを変える「ゆっくりボイス」
とスムーズな会話を楽しむことができません。そこで、第2と
して時間の“ずれ”を抑える「遅延制御技術」が必要になります。
「ゆっくりボイス」は、相手の声を受信側でゆっくり出力させ
これは、発話の中の無音を使って、声の始まりをできるだけ揃
ることで聞きやすさを向上した話速変換技術です。
(株)エヌ・
える技術です。例えば「もしもし山田ですまた明日電話します
ティ・ティ・ドコモ様の「らくらくホン」シリーズに搭載されてい
よろしく」という発話の中には、
「もしもし(無音)山田です(無
るこの技術は、次の3つの技術によって実現されています。
音)また明日電話します(無音)よろしく」といったように無音
第1に、
ゆっくり出力させても声の高さを変えない「音声伸長
が隠れています。無音といっても周囲の雑音は入りますので、
技術」です。声の波形には一定の周期長(ピッチ)があり、
これが
適確に音声のない区間として捉えるのが、第3の「無音検出技
変わると声の高さも変わります。周期長を単純に引き伸ばせば
術」です。さらに、たとえ無音がない場合でも、音声伸長によっ
て会話に支障がでないよう、
“ずれ”が一定時間以上になると
■ 図1「ゆっくりボイス」の話速変換技術
少しずつ元の速さまで回復し、受信した音声は全て出力してい
音声伸長技術
くといった工夫が施されています。
声が低くなる
単純な引伸ばし
音声の明瞭度を高める「はっきりボイス」
声はそのまま
「はっきりボイス」は、周囲が騒がしい時に相手の声を強調し
周期長
周期長を保った繰り返し
て聞きやすくする音声処理技術です。
無音検出&遅延制御技術
■背景音入りでも無音を適確に検出
無音
ゆっくりボイス
OFF
もしもし
ような形になります。電力値が大きいほど聞きやすくなりますが、
無音
山田です
音声を周波数と電力の関係で表すと、複数の山を持つ波の
また明日電話します
周囲が騒がしくなると、雑音よりも電力値の小さい音声の部分
よろしく
が埋もれて聞きにくくなります。一般に音声は周波数が高くな
最大遅延時間
ゆっくりボイス
ON
もし もし
山田です
よろしく
るにつれて電力が小さくなる傾向があるので、高い周波数成
通常速度に戻す
分ほど雑音に埋もれやすくなります。そこで、高い周波数を中
ま た 明 日 電 話し ま す
“ずれ”
■無音区間で“ずれ”を回復
心に音声の聞きやすさに貢献する成分を適切に増幅させるこ
携帯電話の
ユニバーサルデザインを目指して
とにより、音声の明瞭度を向上させています。
─音声処理技術と手ぶれ補正技術─
聞きやすいと感じることを確認しました。
■ 図3「手ぶれ補正」の多重化を防止した画像合成機能
「聞きやすい音声」は、人それぞれ異なりますから、幅広い年
連写撮影
代のユーザーによる聞き比べ実験を行い、多くのユーザーが
■ 図2「はっきりボイス」の音声処理技術
携帯電話はいまや一人1台が当たり前の時代になり、子供や高齢者の利用も急速に伸びています。富士通は(株)エ
連写1
強調前
強調後
話に搭載されている様々な技術の中から、相手の声を聞きやすくする音声処理技術と、写真撮影時の手ぶれを自動
騒音によっては相手の声が聞きにくくなる場合があります。また、
も声が低くなって別人のように聞こえてしまいます。そこで、
相手の話し方によっては早口と感じて、
うまく聞き取れないこ
周期長は保って声の高さを変えず、
ピッチを繰り返すようにし
ともあります。富士通研究所では、携帯電話を利用される方に
ました。ただし繰り返す場合も、直前の音声波形と最も自然に
相手の声をさらに聞きやすくする独自の会話支援機能として、
つながる接続点を探索し、類似度の高い波形領域だけを繰り
次の2つの音声処理技術を開発しました。
返すことによって、劣化の少ない音声伸長を実現しています。
連写2
+
連写1
連写2
被写体動き検出結果
連写1の特徴点
明瞭度を向上
連写2の特徴点(連写1と同じ部分)
電力[dB]
遅くできますが、ちょうどテープを遅回ししたように、実際より
連写1
連写2
り、長年培ってきたあらゆる技術を適用しながら、使いやすさの向上を目指してきました。今回は、富士通の携帯電
携帯電話は屋外の様々な場所でも利用されますが、周囲の
被写体動き検出
動き配慮画像合成
音声の周波数特性
ヌ・ティ・ティ・ドコモ様の主要ベンダーとして、サービス開始当初から携帯電話機を継続的に市場に投入してきてお
的に補正する画像処理技術をご紹介します。
連写位置ずれ検出
(移動ベクトル算出)
移動ベクトル(特徴点の位置ずれ)
※この移動分をずらして連写画像を合成
周囲騒音の特性(モデル)
動き配慮なし画像合成 動き配慮あり画像合成
(多重化発生)
(多重化なし)
です。高速化はまず、画像全体から50個程度の特徴点を効率
的に抽出することで実現しています。さらには被写体の動きの
周波数[Hz]
判別も、人間の多重化に対する感じやすさ等の視覚特性をあ
らかじめパターン化して処理することにより、少ない演算で違
動き被写体の多重化を解決した「手ぶれ補正技術」
和感のない画像に仕上げています。この高速化により、実機上
でSXGA画像(1280×960画素)を約4秒で高速処理する
電話は双方向通信ですから、一方でどんどん遅らせてしまう
静止画像の手ぶれは、露光中にカメラが動くことで生じ、暗
ことが可能になりました。
とスムーズな会話を楽しむことができません。そこで、第2と
い場所やズームを使った撮影で起こりやすくなります。露光時
富士通の多重化防止機能を有する手ぶれ補正技術は、特別
して時間の“ずれ”を抑える「遅延制御技術」が必要になります。
間を短くすれば“ぶれ”を少なくできますが、
これによる光量不
な光学部品や駆動部品、専用ハードウェア(LSI)を必要とせず、
「ゆっくりボイス」は、相手の声を受信側でゆっくり出力させ
これは、発話の中の無音を使って、声の始まりをできるだけ揃
足を増幅によって補うと、
今度はノイズが拡大されてしまいます。
機能が多様化する携帯電話機のコストパフォーマンス面から
ることで聞きやすさを向上した話速変換技術です。
(株)エヌ・
える技術です。例えば「もしもし山田ですまた明日電話します
そこで、
単に露光時間を短くするだけでなく、
複数回連写撮影し、
も非常に優位性を持っています。
(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモ様
ティ・ティ・ドコモ様の「らくらくホン」シリーズに搭載されてい
よろしく」という発話の中には、
「もしもし(無音)山田です(無
この複数画像を位置合わせして合成することで光量不足を補
の70xシリーズは、
コンパクトで端末価格が抑えられたライン
るこの技術は、次の3つの技術によって実現されています。
音)また明日電話します(無音)よろしく」といったように無音
えば、
ノイズが少なく、かつ“ぶれ”も小さい画像を得ることが
ナップとなっており、同シリーズで手ぶれ補正技術の搭載を実
第1に、
ゆっくり出力させても声の高さを変えない「音声伸長
が隠れています。無音といっても周囲の雑音は入りますので、
できます。ところがここで問題となるのは、連写撮影中に例え
現しているのは、現在は富士通製品のみです。
技術」です。声の波形には一定の周期長(ピッチ)があり、
これが
適確に音声のない区間として捉えるのが、第3の「無音検出技
ば被写体となる人物が手を振っていたりすると、単純に複数画
変わると声の高さも変わります。周期長を単純に引き伸ばせば
術」です。さらに、たとえ無音がない場合でも、音声伸長によっ
像を合成しただけでは手の部分が多重化されてしまうことです。
て会話に支障がでないよう、
“ずれ”が一定時間以上になると
そこで、
こうした多重化を防止する機能を独自に開発し、携帯
少しずつ元の速さまで回復し、受信した音声は全て出力してい
電話に初めて搭載しました。
ここでご紹介した技術は、すでに実用化され、多くの方々に
くといった工夫が施されています。
富士通研究所が開発した「多重化防止技術」は、画像合成
ご利用いただいています。今後は、携帯電話の利用シーンのみ
時に被写体の動きのありなしを判別した上で処理します。動
ならず経済性も踏まえながら、誰にでもわかりやすく、親切な
きがなければ画像を合成、動きがあれば1枚の画像のみ使用、
機能で携帯電話を楽しんでいただけるよう技術向上に努めて
そして両領域の境界では合成比率を変えてなだらかに合成す
いきます。
声の高さを変えず速さを変える「ゆっくりボイス」
■ 図1「ゆっくりボイス」の話速変換技術
音声伸長技術
声が低くなる
単純な引伸ばし
音声の明瞭度を高める「はっきりボイス」
声はそのまま
周期長
ゆっくりボイス
OFF
もしもし
ゆっくりボイス
ON
もし もし
る、
といった処理をすることにより、多重化のない画像を作成
て聞きやすくする音声処理技術です。
しています。
音声を周波数と電力の関係で表すと、複数の山を持つ波の
一連の手ぶれ補正の処理を実施する上では、
多重化防止といっ
ような形になります。電力値が大きいほど聞きやすくなりますが、
た画質の向上だけでなく、その処理速度も重要です。シャッ
周囲が騒がしくなると、雑音よりも電力値の小さい音声の部分
ターを押してから保存を完了するまでの時間を短くするには、
が埋もれて聞きにくくなります。一般に音声は周波数が高くな
手ぶれ補正の処理時間を短縮する必要があるからです。特に
よろしく
るにつれて電力が小さくなる傾向があるので、高い周波数成
携帯電話の場合、専用のデジタルカメラと違い、電話やメール
URL http://jp.fujitsu.com/group/labs/techinfo/techguide/list/voice.html
(音声技術のご紹介)
通常速度に戻す
分ほど雑音に埋もれやすくなります。そこで、高い周波数を中
といった本来の機能を妨げることがあってはなりませんから、
TEL 044-754-2577
心に音声の聞きやすさに貢献する成分を適切に増幅させるこ
限られたCPU利用で効率的な処理を行うことが求められるの
E-mail [email protected]
■背景音入りでも無音を適確に検出
無音
無音
山田です
また明日電話します
よろしく
最大遅延時間
山田です
ま た 明 日 電 話 し ま す
“ずれ”
■無音区間で“ずれ”を回復
誰もが簡単に使えるインターフェースを目指して
「はっきりボイス」は、周囲が騒がしい時に相手の声を強調し
周期長を保った繰り返し
無音検出&遅延制御技術
お問い合わせ先
(株)
富士通研究所
ITS研究センター/画像・バイオメトリクス研究センター
表1.4入稿 07.8.27 8:44 AM ページ1
環 境
富士通グループでは、
グローバルな環境教育・啓発活動に
注力しています。
富士通グループでは、
全社員一人ひとりの積極的な環境活動を推進するために、
環境意識の啓発を行っています。
例えば、全世界における富士通グループ社員を対象とした、環境eラーニング等、様々な環境啓発活動を実施し
ました。
環境月間における富士通グループの取り組み
社員の環境マインド向上を目指して
環境庁の主唱により、1991年度から6月の1ヵ月間を「環境月間」と
し、
全国各地で環境に関する様々な行事が行われました。富士通グルー
eラーニングで環境教育をグローバルに展開
プでも、
様々な環境啓発イベント等を各地で実施しました。
富士通グループは、2006年3月、環境マネジメントシステムの国際
例えば、川崎工場においては、社員を対象とした環境展示会を開催。
規格「ISO14001」において国内・海外グループ100社を包含した
会場では、富士通グループの環境に対する取り組みの紹介や、環境フォ
グローバル統合認証を取得しました。また、07年4月には、今後3年間
トコンテスト※2 応募作品の展示等
の環境活動の枠組みと目標を定めた「第5期富士通グループ環境行
も行いました。
動計画」を策定しました。これらの取り組みを全てのグループ社員へ
また、展示会場内で「パソコンの
周知徹底し、主体的な環境活動の実践を図るべく、
グローバルな環境
解体ショー」を行い、
どのようにして
eラーニング展開を実施しています。
パソコンが解体されるのか、
リサイ
本教育は、
全世界の富士通グループ社員を対象にした「基礎コース」、
クルされているのか、
を実演で紹介。
さらに国内のグループ社員を対象にした「設計・製造コース」
「営業・
実際にリサイクルセンターでの見学
システムエンジニアコース」という業務別で構成されます。このうち環
ツアーも行いました。
境知識のベースとなる「基礎コース」については、11ヵ国語※1で教材
さらに環境セミナーを全国の拠点
を作成、9ヵ国100社、約13万5,000人を対象に展開しています。
で行うと同時に、地球温暖化をテー
※1:日本語、英語、中国語、韓国語、
スペイン語、
ドイツ語、
ポルトガル語、ベトナム語、
タイ語、
イン
マに様々な映画賞を受賞した話題
ドネシア語、
フランス語
作「不都合な真実」も上映し、環境
■ 環境eラーニング・コース概要
問題への取り組みの重要性を訴え
ました。
基礎コース
フォトコンテスト最優秀賞 「A smile of pride for being responsible to nature.」
※2:富士通グループ各社における社員の環境意識の向上を図っていくために、
「環境貢献賞」
「環境コンテスト(フォト部門/ボランティア部門)」を年に1回、
継続的に開催しています。
営業・システム
エンジニアコース
設計・製造コース
富士通グループで、環境教育をグローバルに展開
~ 社員一人ひとりの環境活動への主体的な取り組みを促進 ~
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2007/08/20-1.html
お問い合わせ先
富士通(株)環境本部 SD企画統括部 TEL 044-754-3413
URL http://jp.fujitsu.com/about/eco/
富士通グループはチーム・マイナス6%に参加しています。
発 行/富士通株式会社 Webビジネス本部 Webコンテンツセンター部
〒105-7123 東京都港区東新橋1-5-2(汐留シティセンター)
お問い合わせ先/富士通コンタクトライン TEL 0120-933-200 受付時間 平日9:00~17:30(土・日・祝日を除く)
富士通ジャーナル
制 作/富士通アプリコ株式会社
次号予告
2007年10月発行
TopStory
「IT運用の向上」
※本誌記事中のプログラム名、CPU名、
システム名等は各メーカーの商標、または登録商標です。
※本誌は、大豆油インキ、有害な廃液を出さない水なし印刷方式を採用しています。
2007年9月発行
Fly UP