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高効率ガス焚き簡易貫流熱媒ボイラ

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高効率ガス焚き簡易貫流熱媒ボイラ
1510号_H1-4_NEW.indd 3
15/10/14 18:46
賛助会員制度のご案内
一般社団法人 日本産業機械工業会は、ボイラ・原動機、鉱山機械、化学機械、環境装置、タンク、プラ
スチック機械、風水力機械、運搬機械、動力伝動装置、製鉄機械、業務用洗濯機等の生産体制の整備及び生
産の合理化に関する施策の立案並びに推進等を行うことにより、産業機械産業と関連産業の健全な発展を図
ることを目的として事業活動を実施しております。
当工業会では常時新入会員の募集を行っておりますが、正会員(産業機械製造業者)の他に、関連する法
人及び個人並びに団体各位に対して事業活動の成果を提供する賛助会員制度も設置しております。
本制度は当工業会の調査研究事業等の成果を優先利用する便宜が得られるなど、下表のような特典があり
ます。広く関係各位のご入会をお待ちしております。
賛助会員の特典
出版物、行事等
備 考
1
機関誌
「産業機械」
年12回
2
会員名簿
和文:年1回
英文:隔年1回
3
工業会事業報告書・計画書
年1回
4
工業会決算書・予算書
年1回
5
自主統計資料
(1)
産業機械受注
(2)
産業機械輸出契約
(3)
環境装置受注
月次:年12回
年度上半期累計、暦年累計、年度累計:年間各1回
6
(会議・講演)
総会資料
年1回
7
運営幹事会資料
(会議・講演)
年9回
8
機種別部会の調査研究報告書
(自主事業等)
発刊のご案内:随時(送料等を実費ご負担いただきます)
9
各種講演会のご案内
随時(講演会によっては実費ご負担いただきます)
10
新年賀詞交歓会
東京・大阪で年1回開催
11
工業会総会懇親パーティ
年1回
12
関西大会懇親パーティ
年1回(関西大会:11月の運営幹事会を大阪で開催)
13
関係省庁、関連団体からの各種資料
随時
14
その他
工業会ホームページ内の会員専用ページへの認証
(上記各資料の電子データをご利用いただけます)
≪お問い合わせ先≫
一般社団法人 日本産業機械工業会 総務部
TEL:03-3434-6821 FAX:03-3434-4767
E-mail:[email protected]
1501号_H2-3_NEW.indd 2
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INDUSTRIAL MACHINERY
産 業 機 械
次代を拓く産業機械
No.781 Oct
Contents
特集:
「ボイラ」
巻頭座談会
「ボイラ業界が未来に向けて
取り組むべき課題について考える」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 04
◦ボイラ・原動機部会
◦ボイラ・原動機部会
◦ボイラ・原動機部会
・ボイラ・原動機部会
部会長 髙橋 祐二
副部会長 詫間 俊二
幹事 中邑 三郎
技術委員長 上野 雅弘
省エネの観点から見た小型貫流ボイラの制御技術
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(株式会社IHI汎用ボイラ)
08
コンパクト缶体採用の大型貫流ボイラ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(川重冷熱工業株式会社)
12
高効率ガス焚き簡易貫流熱媒ボイラ(熱出力233kW)
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(株式会社 サムソン)
15
高効率1,000kg/hガス焚き簡易ボイラ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(株式会社 日本サーモエナー)
18
ボイラ用蒸気負荷分析装置
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(株式会社ヒラカワ)
22
フラッシュ蒸気発生装置を用いた貫流ボイラシステム
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(三浦工業株式会社)
特集:
「優秀環境装置①」
26
巻頭言
「第41回優秀環境装置表彰に際して」
優秀環境装置審査委員会 委員長 指宿 堯嗣・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30
【経済産業大臣賞】
過給式流動焼却システム
(月島機械株式会社、国立研究開発法人 土木研究所、三機工業株式会社)・ ・・・・・・・・・・・・
31
【経済産業省産業技術環境局長賞】
触媒脱硝装置のオンサイト再生システム
(株式会社 タクマ)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
35
【中小企業庁長官賞】
全自動スラリー回収脱水装置
(株式会社 アメロイド日本サービス社)・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
海外レポート
39
一現地から旬の話題をお伝えする 一
米国の2015年上半期の経済動向と製造業の動向について・・・・・・・・・・・・・・・・・ 44
駐在員便り・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
47
今月の新技術
51
重力鋳造設備の開発
(新東工業株式会社)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
イベント情報・・・・・・・・・ 59
行事報告&予定・・・・・・・ 60
統計資料
産業機械受注状況・ ・・・・・・・・ 67
53
産業機械輸出契約状況・・・・・・ 70
環境装置受注状況・ ・・・・・・・・ 72
ボイラ・原動機需要部門別
受注状況・ ・・・・・・・・・・・・・・・ 74
56
産業機械機種別生産実績・・・・・・ 75
リチウムイオン電池負極材料加工技術
(ホソカワミクロン株式会社)・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
産業・機械遺産を巡る旅
「岡崎市の紡績関連遺産」
(愛知県)
書籍・報告書情報・ ・・・・ 65
ベアリング入り反転用アイボルトの開発
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(株式会社 ルッドリフティングジャパン)
連載コラム1・ ・・・・・・・・ 43
産業機械 2015.10
P003_目次1510月号.indd 3
03
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企業の枠を超えて部会を代表する4人が語る
ボイラ業界が未来に向けて
取り組むべき課題について考える
国内市場の大規模な拡大が望めなくなってきているボイ
資意欲がようやく顕在化してきたということは言えると
ラ業界。業界の未来のために今行わなければいけないこ
思います。このことは日本政策投資銀行がまとめた設備
とについて、髙橋祐二部会長(三浦工業株式会社)
、詫間
俊二副部会長(株式会社 サムソン)
、中邑三郎幹事(株式
会社 ヒラカワ)
、技術委員会の上野雅弘委員長(株式会
社 よしみね)の4人に語ってもらった。
04
投資計画調査を見ても、4年連続で対前年度を上回る数
字、具体的には一昨年度から昨年度にかけては13.9%の
伸びを記録していることからも裏付けられると思いま
す。ただし、これらはあくまで大企業での話であり、中
それではまず最初に、髙橋部会長から最近のボイラ業
小企業での状況となるとまだまだではないかという印象
界の概況に関してのご説明をお願いします。
は拭えません。一方、中小企業を対象とした省エネルギ
髙橋 「毎年お話している通り、ここ数年ボイラ業界に
ー対策投資に関連する補助金については、導入時期がや
は目立った動きはありませんが、過去10年のボイラ市場
や遅かったこともあり、ボイラ業界においてはそれほど
の動きを踏まえた上で振り返ってみると、小規模な産業
の恩恵は望めなかったものの、来年度以降は補助金自体
用ボイラの場合、受注台数13,600台、トータルでの容量
が拡大されるという話もあることから、今後への期待と
としては14,200トンを記録した2006年がピークでした。
いう意味ではポテンシャルの可能性を推し量る上で一定
一方、ここ2〜3年の受注平均値はというと台数が約
の効果があったと考えています。」
9,500台、容量が約9,500トンと、ピーク時の概ね70%と
詫間副部会長はどのような印象をお持ちでしょうか?
いうのが現況です。ただし、昨年度から本年度上期にか
詫間 「昨年度から本年度にかけての国内のボイラの受
けては円安及び原油安の効果ということで、大企業を中
注台数については、約104%とわずかに伸びを見せてい
心に収益改善が見えていること、そしてそれがきっかけ
るのが現状です。トータルでは上向きである一方、その
となり、これまで停滞もしくは先送りされていた設備投
牽引役を果たしているのは大企業に納められている大型
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ボイラであり、500kg以下の小型ボイラについては減少
ス化に対して年間一定の成果が出ている一方、ここにき
しているという状況が非常に気になります。トータルで
ての原油安の影響により、計画していたガス化について
は上向き傾向にあるのは間違いない一方で、これは地域
もう少し様子を見ようかという先送りの傾向が現れてい
的な状況の違いもあるのではないかと考えていますが、
ます。こうした状況下でいかにしてガス化への転換意欲
何を取り扱っているかという業界内での格差が生じてい
を喚起するかも大きな課題ではないかと考えます。
」
ます。昨年度から本年度上期がこのような状況でしたの
上野技術委員長はどのような印象をお持ちでしょうか?
で、下期から来年度にかけてはどう動いていくのか、注
上野 「我が社の場合、固形燃料のボイラを取り扱って
視していきたいと思いますが、私見としては余り芳しく
いるということを前提にお話させていただきますと、最
ないのではないかというのが正直なところです。」
近の電力買取制度に対応したボイラは堅調でした。更に
大企業が堅調であるのに対し、中小企業が今ひとつで
使用している技術もいわゆるストーカー式という既に相
あるという二極化についてはどういったことが原因であ
応の実績のある、言い換えればいい意味で旧式かつ信頼
るとお考えでしょうか?
性の高いものを取り扱っている関係上、大手の最新技術
詫間 「東日本大震災以降は原子力発電所の停止を受け、
攻勢とは一線を画した立場にあると言っていいかもしれ
大企業が製造している石炭火力発電用の大型ボイラの需
ません。もちろん旧式とはいえ、昨今は50%以上の水分
要はかなり継続的に出ていますが、小規模な産業用ボイ
を含んだチップ等を燃料として使うことが要求されてい
ラは震災後の一時的な代替需要が終わったという感じで
ることもあり、それに対しては従来型の技術に加えて階
す。今後は、部会長も言われているように中小企業対象
段式ストーカーとトラベリング式ストーカーを組み合わ
の省エネルギー対策投資に関連する補助金政策の拡充に
せた新たな技術を提案する等の進化は見せています。
」
期待したいと思います。
」
石油からガス、更にはバイオマスとボイラ業界を取り
中邑幹事はいかがお考えでしょうか?
巻く燃料環境は大きく変化していると思います。それに
中邑 「皆様のお話を踏まえつつ、我が社の状況も加味
してお話しますと、昨年度の後半から本年度の第一四半
期までの流れを通して見ても、正直顕著な伸びというも
のは感じられないように思います。
今後の流れとしては、
東京オリンピックに関連するホテルやその他の設備の新
規需要、既存設備の改修、公共事業関連等は相応の受注
があるものと予想する一方、そこに大きな期待をかけて
いいものかどうかは微妙なところではあります。私とし
ては不透明な新規需要に大きな期待を寄せるのではな
く、既存のお客様に対して更なる省エネ化、システムの
最適化といった、より良い環境への提案をしっかり行っ
ていくことに注力すべきではないかと思います。ちなみ
に、我々ボイラ業界における補助金としては、燃料のガ
髙橋 祐二 Yuji Takahashi
三浦工業株式会社 代表取締役社長
日本の技術の優秀性と付加価値を見出さなければ
海外市場で勝負することはできない
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05
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詫間 俊二 Shunji Takuma
株式会社 サムソン 専務取締役
(兼)
専務執行役員
営業本部長
電気・ガスの自由化が始まる中、ボイラ業界は
どのような貢献ができるかまとめなくてはならない
ーションを構築すること、それに対して各種補助金を有
効活用しユーザーの負担を少なくするといったことが今
後進むべき道であると考えています。そのような細かな
部分で各社の底力を発揮していかなければ、現状を上回
る業務拡大と発展は難しいと思います。
」
トータルでのシステム効率の追求こそが重要であると
いうことですか?
髙橋 「今後我が国において、ボイラ需要が急激に拡大
するということはまず期待できないため、最終的には
個々のソリューション対応こそがポイントになってきま
す。
」
詫間 「来年には電気の自由化が、再来年にはガスの自
由化が控えているという現状を鑑みますと、そのような
対して業界は今後どのような道を模索していくのでしょ
うか?
髙橋 「どのような燃料を使用するにしろ、現在最も重
要視されていることは、いかにしてトータルでのシステ
ム効率の追求を目指すのか、その上で廃熱利用等につい
ても更なる技術革新を行った上で、再生可能燃料の可能
性を高めていくということに尽きると思います。これら
廃熱利用については様々な工場での新技術提案に加え、
商業ビル等のレベルでもまだまだ可能性はあると考えて
います。そこで重要になるのは、我々ボイラメーカがこ
れまでの開発及び営業活動を通じて蓄積してきた多くの
ノウハウに他なりません。それらをしっかりと活用しつ
つお客様個々の要求にきめ細かく対応するためのソリュ
中邑 三郎 Saburo Nakamura
株式会社 ヒラカワ
取締役 営業本部長
更なる省エネ化、システムの最適化等
既存のお客様への提案に注力すべきである
06
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新しいエネルギー市場の中で、我々ボイラメーカがどの
ような分野で貢献できるか?事業として参入し利益を挙
げることができるか?ということは早急にまとめていか
なければならないと思います。エネルギーの自由化に関
して、我々が持つ既存の技術でどのような対応が可能か
については、
既に完成されている部分も多々ありますが、
それをどのように伸ばしていくかは、今後の状況を見極
める必要があると思います。
」
中邑 「我々が製造しているボイラは、少なくとも単体
での効率という意味では既に相当高いレベルをクリアし
ています。即ち、ボイラそのものの技術革新は難しいも
のがあります。今後可能性があるとすれば、先ほど部会
長がお話した未利用廃熱の徹底的な回収と利用、プラン
ト全体での最適化と高効率化への追求はこれからの最大
の課題であるということは間違いありません。現時点で
どのメーカのボイラも遠隔監視は行っているのですが、
今後はそれを一歩進めて遠隔コントロール等も視野にい
れるべきだと考えています。遠隔監視については現状で
も相当のデータを収集し、リアルタイムでの状況判断は
できるレベルにあります。ただし、実際に何かあった場
合に遠隔でコントロールが可能かということについては
法的な制限もあり、なかなか難しいところです。この部
分が改善されれば状況はかなり変わってくると考えてい
上野 雅弘 Masahiro Ueno
株式会社 よしみね
技術部 技術課 課長
ボイラ単体の効率は 100%完璧ではない
更なる技術革新を進めることが重要である
ます。ちなみに、ボイラ関連の規制については相当に緩
和されてはいるのですが、技術の進化と環境の変化に追
いついていないというのが現状です。
」
髙橋 「先にお話した通り、国内市場の大規模な拡大は
上野技術委員長はどのような展望をお持ちでしょうか?
もはや望めません。可能性があるとすれば、更なる効率
上野 「繰り返しになりますが、ボイラ単体での効率に
追求への提案であるというのは再三お話している通りで
ついては限界に近いものがあります。ただし100%完璧
す。結局のところ業務拡大先としては海外市場がより重
というわけではありません。そのような極めて微妙な部
要となってきますが、その上で日本の技術の優秀性と付
分を見過ごすことなく、更なる技術革新を進めていくこ
加価値を見出してもらうことが重要です。コストに対す
とが重要だと思います。具体的には、燃料を燃やして作
る考え方は日本国内市場と比較するとまだまだ理解が深
った蒸気でタービンを回し発電を行った後、その蒸気は
まっているとは言えませんので、その辺りをしっかりと
結局のところ復水器で冷却し水に戻しています。もちろ
伝えた上で日本の技術力の優秀性をアピールしていくべ
んその過程で可能な限りの熱回収は行っていますが、暖
きであると考えます。エネルギーの自由化、COP21の
めたり冷やしたりと突き詰めればもっと別の方法が考案
本格的な始動、グローバル化の推進等、国内市場をしっ
されてもいいわけです。今後はそういった方向性も追求
かりと維持しつつ海外における日本製品の存在感をより
していくべきだと考えています。
」
強力にアピールしその価値を広めるため、業界一丸とな
最後に髙橋部会長から会員各社へ向けてのメッセージ
って邁進していく所存ですので、どうかご協力をお願い
をお願いします。
します。」
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07
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特集
ボイラ
省エネの観点から見た
小型貫流ボイラの制御技術
株式会社IHI汎用ボイラ
技術部 開発・標準グループ
課長 安達 耕一
てきた。本稿では、油焚き・ガス焚きそれぞれの小型貫
1.はじめに
流ボイラにおいて、省エネの観点から各小型貫流ボイラ
一般産業における熱源として多くのボイラが使用され
ているが、その中でも小型貫流ボイラは有資格者だけで
はなく特別教育を受講することで取り扱いが可能であ
り、国内需要の多くを占めている。小型貫流ボイラは複
数台設置することにより大型ボイラ(水管、炉筒煙管型)
の燃焼負荷制御方法の特長を紹介する。
2.油焚き小型貫流ボイラにおける
制御方法と運転効率
小型貫流ボイラの燃焼負荷制御方法は、3位置(例:
の代替機種としても需要が拡大しており、大容量化と高
OFF−50%−100%)、4位置(例:OFF−20%−60
効率化が求められている。当社では早くからボイラの高
%−100%)といった多位置制御が主流である。中でも
効率運転に着目し、省エネに貢献できる製品開発を行っ
当社特許技術に端を発する4位置制御がその有効性によ
写真1 油焚き2.5t/hボイラ
(K-2500REX、写真左)
とガス焚き3t/hボイラ
(K-3000SEI、写真右)
の外観
08
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特集:ボイラ
も実負荷に対する燃料消費量が少なかったという事例も
りガス焚き小型貫流ボイラに普及しつつある。
ある。
しかしながら、油焚き小型貫流ボイラでは依然3位置
制御が多く用いられており、4位置制御の普及は進んで
昨年度製品化した当社油焚きXシリーズ(換算蒸発量
いない。3位置制御では最低燃焼負荷は50%の場合が
1,600∼2,500kg/h)では、4位置制御をベースとした
多く、その負荷を下回る場合、50%−OFF を繰り返す
機器・缶体の性能改善により下記のような特長を有して
ことになり、ボイラ発停時に行われる炉内換気に伴う熱
いる。
損失を生じ、実質の運転効率が大幅に低下することにな
① 空気比:1.1近傍での燃焼を可能とした新型バーナ
る(図1参照)
。また、小型貫流ボイラは保有水量が少
との組み合わせで定格効率を96.5%まで向上(排ガ
なく、自己蒸発による蒸気供給ができないため、いった
ス量を低減することにより損失熱エネルギーを抑制)
ん燃焼停止するとすぐに圧力降下を生じる。従って、運
② 燃焼性の改善により最低燃焼負荷は25%まで低
転効率及び蒸気圧力を維持するためには燃焼を継続する
減(最低燃焼負荷ではエコノマイザ給水を一部バイ
ことが重要となる。
パスすることで排ガス温度の低下を抑制)
③ 上記より、高いボイラ効率(最大96.5%)を低負
これらの課題に対し、当社では中間負荷を設けること
荷域まで維持可能(図1の4位置制御参照)
により最低燃焼負荷を低下することができる4位置制御
を早期に開発し、燃焼負荷の更なる低減(低負荷におけ
3.ガス焚き小型貫流ボイラにおける
制御方法と運転効率
る燃焼の持続性向上)とボイラ本体の高効率化に注力し
てきた。省エネの観点から見た4位置制御のメリットは
低負荷域での発停損失が低減できることにあり、図1に
顕熱領域におけるボイラ効率の性能特性(以下、効率
おいて3位置制御では50%以下の負荷域において急激
特性)は、中燃焼域にピークを持つ山形のカーブを描く
に運転効率が低下することに対し、4位置制御では低負
ことが知られている。しかし位置制御では固定された負
荷域まで高い運転効率を維持できる。その有効性として
荷ポイントで燃焼を行うため、運転効率(任意の負荷で
は、比較的ボイラ負荷の低いお客様において、エコノマ
運転した場合のボイラ効率)は固定された2負荷の間を
イザを装備していない4位置ボイラ(定格効率90%)の
結んだ直線上を移動することとなる。このため3位置、
方がエコノマイザ装備の3位置ボイラ(効率95%)より
4位置といった多位置制御では、本来の効率特性(図2
100
4位置制御
95
3位置制御
ボイラ効率
(%)
90
85
80
各制御方法における低燃焼以下の
負荷においては、発停損失により運
転効率が低下する。
75
70
65
0
10
20
30
40
※効率条件:蒸気圧0.49MPa、給水温度15℃、給気温度35℃
50
60
70
80
90
100
負荷率
(%)
図1 制御方法によるボイラの運転効率比較
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の破線参照)を有効に活用できておらず、図2での破線
制御のシステムに対応可能としながら、ボイラの実用運
と実線の差分が多位置制御による性能ロスとなる。
転下の効率向上と蒸気圧力の変動防止、負荷の急変動に
対する追従性の向上、送風機の省電力化を図っている。
ガス焚き小型貫流ボイラでは4位置制御が市場の主流
以下に省エネに関連する項目を説明する。 となりつつある中で、当社ではガス燃料の制御性を活か
⑴ 高効率領域の有効利用
し、ボイラの効率特性を有効活用できる新しい制御方法
図3にボイラの効率特性と中燃焼比例制御での運転
を開発した。新しい制御方法では、高燃焼(100%)
、
低燃焼(20%)の固定負荷ポイントに対し、中燃焼は領
効率の推移を示す。最も効率の高い中負荷の領域(40
域として捉え40∼80%の負荷域を比例制御(PI制御)と
∼80%)では比例制御としているため、運転効率はボ
して組み合わせている(以下、中燃焼比例制御 特許第
イラが本来持ちうる効率特性上を推移することとな
5399427号)
。この組み合わせにより、従来の4位置
り、狭間となる20∼40%、80∼100%では位置制
制御の概念をベースとするため既存台数制御等の4位置
御同様の考え方となるものの、ほぼ全域においてボイ
99.5
多位置制御では効率は直線上の2点
の平均値となり、効率の高い領域を
有効に使用できない。
99.0
50%負荷
換算効率
(%)
ボイラの効率特性
98.5
100%負荷
98.0
20%負荷
97.5
4位置制御での燃焼ポイントと
運転効率の推移
97.0
0
20
40
60
80
100
ボイラ負荷
(%)
図2 ボイラの効率特性と多位置制御での運転効率の推移
(顕熱領域)
99.5
中燃焼比例制御での
運転効率推移
99.0
換算効率
(%)
ボイラの効率特性
98.5
98.0
100%負荷
97.0
中燃焼比例負荷域
40∼80%
20%負荷
97.5
0
20
40
60
ボイラ負荷
(%)
80
100
図3 ボイラの効率特性と中燃焼比例制御での運転効率の推移
(顕熱領域)
10
INDUSTRIAL MACHINERY 2015.10
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15/10/13 15:15
特集:ボイラ
ラ性能を有効に活用できることとなる。このことから、
な値となる。
中燃焼比例制御の採用によって図2で提示した多位置
当社では本制御方法を開発以降、種々の改善を行っ
制御による性能ロスをなくすことが可能となる。この
ており、例えば低燃焼20%負荷といった固定ポイン
制御方法による運転効率の差は数値としてみるとわず
トに制約されず、着火ポイントをより安全な任意のポ
かなものであるが、複数台設置が増えているといった
イントに設定できる(例:高燃焼100%、中燃焼40
状況下では、台数での合計値及び稼働年数を考慮する
∼80%、低燃焼20%に対し着火ポイントは負荷15
と無視できない値となってくる。
%のポイントで設定)等の特長も有している。また、
本制御方法をBlue-i SYSTEMと称し、ボイラ効率を
⑵ 省電力効果
図4に送風機をインバータ制御とした場合の消費電
98%とした高効率機種との組み合わせを確立、SEIシ
力特性を示す。前述同様に多位置制御での消費電力の
リーズとして換算蒸発量1,600∼3,000kg/hの4機
推移は、各固定負荷における設定ポイント間を結んだ
種をラインアップしている。
直線上を移動することとなる。そのため、設定ポイン
ト間の負荷における消費電力は一般的な消費電力特性
4.おわりに
に対し増加する。中燃焼比例制御では40∼80%の負
本稿で記したように、最新の小型貫流ボイラではガス・
荷域を比例制御するため負荷変動に伴う送風機の消費
油それぞれの燃料に対し、最適な制御方法と組み合わせ
電力は負荷(風量)に応じた値となり、結果、一般的
ることで、ボイラ効率・運用性能の向上が図られている。
な消費電力特性相応となる。図4において、4位置制
今後も工場の省エネ化への取り組みは更に加速すると予
御での消費電力推移(破線)と中燃焼比例制御での消
想され、当社では幅広い負荷域で高効率運転を成し得る
費電力推移(実線・破線)の差が制御方法による消費
製品群により、一般産業分野の省エネ化に貢献していき
電力の違いとなり、数値としてはわずかであるが、ボ
たいと考えている。
イラ効率同様、使用台数と稼働年数を考慮すると大き
100%負荷
100.0
90.0
中燃焼比例制御での
消費電力推移
80.0
消費電力
(%)
70.0
4位置制御での燃焼ポイントと消費電力推移
多位置制御では消費電力は直線
上の2点の平均値となる。
60.0
50.0
40.0
30.0 インバータ制御での
一般的な消費電力特性
50%負荷
20.0
20%負荷
10.0
0.0
0
10
20
30
中燃焼比例負荷域に
おける回転速度範囲
40
50
60
風量・回転速度
(%)
70
80
90
100
図4 各制御方法におけるインバータ制御の消費電力推移
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11
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特集
ボイラ
コンパクト缶体採用の大型貫流ボイラ
川重冷熱工業株式会社
技術総括室 ボイラ技術部
村井 敏公
比べ多缶設置時の台数を減少することが可能で、省スペ
1.はじめに
ース・省メンテナンスを実現した。
近年のボイラ市場においては、小型貫流ボイラが主流
当社は、更なる市場の要求に応えるべく、
「イフリート」
となっている。その理由として、省スペース性や取り扱
を構造から見直し、新開発の高性能コンパクト缶体を採
いやすさ、
また無資格で運転できる利便性が挙げられる。
用した、新シリーズ「Ifrit Fuerza」
(以下、イフリート
しかし、使用蒸気量が6,000kg/h以上となる中~大規
フェルサ 写真1参照)を開発した。ここでは、更なる省
模のユーザにおいては、設置台数の増加に伴い、運用時
スペース性を実現した新シリーズ「イフリート フェル
の頻繁な発停によるエネルギー損失や保守管理の煩雑さ
サ」の特徴、採用技術について紹介する。
が問題となる。
従来より当社で販売している大型貫流ボイラ「Ifrit」
(以下、イフリート)は、換算蒸発量で最大6,000kg/h
と貫流ボイラとしては大容量であり、小型貫流ボイラと
2.大型貫流ボイラ新シリーズの特徴
新シリーズ「イフリート フェルサ」の仕様を表1に示
す。
写真1 「Ifrit Fuerza」
外観
12
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特集:ボイラ
表1 「Ifrit Fuerza」
仕様
ボイラ形式
IF-3000F
IF-4000F
IF-5000F
IF-6000F
規格分類
ボイラ
取扱資格
ボイラー取扱技能講習修了者以上
換算蒸発量
kg/h
3,000
4,000
5,000
6,000
実際蒸発量
kg/h
2,516
3,354
4,192
5,031
最高使用圧力
MPa
伝熱面積
m²
13.8
燃焼制御
ー
電気式 比例積分微分 + On-Off 制御
給水制御
ー
電気式 比例積分微分 + On-Off 制御
使用燃料
ー
都市ガス13A/天然ガス
排出窒素酸化物
ppm
60以下
(O₂=0%換算値)
ボイラ効率
%
98
給水温度
℃
15~100
(高温給水はオプション対応)
ボイラ製品質量
kg
4,000
0.98/1.56/1.96
20.1
5,200
(注)
1
.燃料消費量は、燃料の低位発熱量を40,600kJ/m³Nとして表示している。
2.給水温度が15℃を超える場合のボイラ仕様値は実際蒸発量を正とする。
3.実際蒸発量は蒸気圧力0.49MPa、給水温度15℃で示す。
4.ボイラ効率は蒸気圧力0.49MPa、給水温度15℃、吸気温度35℃で示す。
「イフリート フェルサ」シリーズは、燃料の種類とし
て市場要求が最も多い13Aガス焚きに特化し、最高使
に必要なエネルギーを削減した。
⑵ 軽量・コンパクト化
用圧力の分類で0.98MPa、1.56MPa、1.96MPaの3
「イフリート フェルサ」では、新開発の高性能コン
種類、換算蒸発量の分類で3,000kg/h、4,000kg/h、
パクト缶体を採用している。これにより、
「イフリート」
5,000kg/h、6,000kg/hの4種類の計12種類をライ
従 来 機( 換 算 蒸 発 量 6,000kg/h、 最 高 使 用 圧 力
ンアップしている。更に最大16台を同時に制御できる
1.56MPa仕様)と比べ、設置面積を約25%低減、製
台数制御装置と組み合わせることで、最大換算蒸発量
品重量を約30%低減し、軽量・コンパクト化を実現
96ton/hの大容量ユーザにも対応が可能である。また、
した。
伝熱面積が30m²以下のため、ボイラの設置台数に関係
なくボイラ技士免許は不要であり、
「ボイラー取扱技能
講習」修了者で取り扱うことができる。
なお、
「イフリート」従来機の信頼性の高い運用実績を
⑶ 簡単な操作性
操作性を重視し、操作盤に液晶カラータッチパネル
を採用することで、直感的に分かりやすい操作を可能
にした。また、視認性の高いLED表示灯を配置し、
踏まえ、当社とのボイラ薬品契約及びメンテナンス契約
表示灯の色により遠くからでもひと目でボイラの運転
を結ぶことにより、大型貫流ボイラでは業界最長となる
状態を確認することができる。
15年間の製品保証を提供している。
大型貫流ボイラ「イフリート フェルサ」の特徴は次の
操作パネルでは、常にボイラの状態と瞬時データを
確認できる他、トレンドグラフの表示や、前日までの
通りである。
積算表示等ができる。また、お知らせ・異常表示を充
⑴ 抜群の省エネルギー
実することで、異常が発生した際、その要因と対処方
ボイラ効率は98%(蒸気圧力0.49MPa、給水温度
15℃、給気温度35℃)で、連続的に独自のPID(比例・
積分・微分)制御により、ボイラの部分負荷から最大
負荷まで、高いボイラ効率を維持できる。給水ポンプ
と押込送風機は、インバータ制御を標準とし、部分負
荷の消費電力を低減している。
法をパネルに表示し、ユーザが迅速に、かつ適切に対
処することができる。
3.広いターンダウン
「 イ フ リ ー ト フ ェ ル サ 」シ リ ー ズ は、 換 算 蒸 発 量
5,000kg/h、6,000kg/hのみターンダウン比1:10(オ
また、高性能コンパクト缶体の採用により、ボイラ
プション対応、標準はターンダウン比1:6)で運転でき
起蒸時間を従来機種と比べ40%短縮し、起動のため
る。これにより、ボイラ負荷率10%~100%の間で連
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13
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通常、ボイラは一度燃焼調整を実施すれば、その後再
続的に燃焼制御が可能となる。特に低負荷が長時間続く
プラントにおいては、燃焼のON/OFF回数を減らし、
調整をすることは少ない。そこで、夏場の空気比低下対
パージによる熱損失低減に寄与し、省エネルギーを図る
策のため、燃焼調整時に予め空気比を高めに設定してい
ことができる。
る場合が多く、冬場に熱損失や動力損失が多く発生して
いるのが実情である。
4.排ガスO₂制御
「イフリート フェルサ」シリーズは、排ガスO₂制御を
ボイラの省エネにおいて、年間を通じた空気比の管理
導入(オプション対応)することで、年間を通じて最適
が重要なポイントのひとつである。空気比は、燃料の燃
な空気比を維持し、安定燃焼と省エネ運転の両立が可能
焼に使用された実際の空気量と理論空気量との比であ
となる。排ガスO₂制御は、O₂センサにより排ガス中の
り、季節によって大きく変動する。これは、空気の温度
O₂濃度を計測し、送風機インバータの周波数を調整す
や気圧、湿度により空気密度が変化するためである。
ることにより、外気の季節変動等の影響を受けることな
く最適な空気比を維持する制御である。これにより、エ
図1に気温による空気比の変化を表したグラフを示
ネルギー損失の低減につながり、更なる高効率化を可能
す。
とした。
一般に、夏場等で空気温度が高くなると、空気密度が
減少することで排ガスO₂濃度が下がり、空気比が設定
5.おわりに
値より下がる。空気比が下がると、燃焼が不安定になり
やすく、有害な一酸化炭素や窒素酸化物を多量に排出し
「イフリート フェルサ」は「イフリート」の優れた特性
てしまう恐れがある。
を受け継ぎながら軽量・コンパクト化を実現させたボイ
逆に、冬場等で空気温度が下がると、空気密度が増加
ラである。この「イフリート フェルサ」を軸に、従来技
することで排ガスO₂濃度が上がり、空気比が設定値よ
術の改善と新技術の開発を行い、今後も積極的に省エネ
り上がる。この場合は過剰通風となるため、排ガス熱損
ルギー推進を展開していく所存である。
失と送風機動力損失が増加してしまう。
1.5
空気比
(21/
(21ー排ガスO₂濃度)
)
空気比の余剰が大きいだけ、
排ガス熱損失、送風機動力損失が発生する。
1.4
夏季の空気比低下対策のため、
空気比を高めに設定した場合
1.3
1.2
基準空気比
(排ガスO₂制御時)
空気比
(25℃基準)
空気比
(40℃基準)
1.1
1
0
5
10
15
20
25
30
35
40
気温
(℃)
図1 気温による空気比の変化
14
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特集
ボイラ
高効率ガス焚き簡易貫流熱媒ボイラ
(熱出力233kW)
株式会社 サムソン
開発部 開発第1チーム
サブマネージャー 高畠 重俊
の向上・CO₂削減)が望まれていた。
1.はじめに
この市場要求に応えるため、当社は、Eco技術を集結
熱媒ボイラは、沸点の高い油を熱媒体に使用すること
し、従前SN-20GNから更なる省エネルギーとCO₂削減
により、200~300℃の高温熱を常圧で得られること
を図ると共に、多缶設置により、最大3,728kWの大容
から、化学・油脂・プラスチック・ゴム・石油・繊維・
量熱媒設備として対応できる高性能ガス焚き簡易貫流熱
塗装工業等幅広い産業分野で利用されている。
媒ボイラ(熱出力233kW)
「ねつばいくん(SN-20GH)
」
これまでの熱媒ボイラは、170℃の蒸気を発生させ
る一般的な蒸気ボイラと比べて熱損失が大きく、定格効
率(出力100%時の運転効率)は80%程度が一般的であ
り、市場からは、更なる効率アップ(省エネルギー性能
(以下、本製品)を開発商品化した。
2.特徴
⑴ 定格効率90%を達成
燃焼排ガスとして捨てられる高温の廃熱を回収し
て、燃焼用空気を予熱することで熱を有効利用するた
め、高性能&コンパクトなエアヒータを採用した。こ
れにより、本製品のボイラ効率は、従来機(SN-20GN)
表1 主な仕様
型式
単位
SN-20GH
ー
簡易ボイラ
取扱資格
ー
不要
熱出力
kW
233
最高圧力
MPa
0.98
伝熱面積
m²
4.94
ボイラ効率
%
90
項目
ボイラ種別
写真1 SN-20GH外観
燃料種
ー
13A・LPG
ガス供給圧力
ー
低圧
燃焼制御方式
ー
比例制御
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15
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よりも10%高く、クラストップレベルとなる定格効
ら、本製品では、出力100%から25%の間でお客様
率90%を達成した。
の使用負荷に応じて燃焼量を自動で制御する燃焼比例
図1に、高効率化による燃料費及びCO₂削減効果を
制御システムを採用した。これにより、ON/OFFの
頻度が大幅に低減し、エアヒータによる効果と併せて、
示す。
⑵ 燃焼比例制御システムの採用で運転効率を22%向上
運転効率が22%向上した。
同クラスの熱媒ボイラは、燃焼出力を100%と0
また、燃焼量の自動制御に応じて送風量の調整が可
%(停止)の2段階で制御する方式(ON-OFF制御方
能となったことから、送風機の消費電力の低減を実現
式)が一般的であり、お客様の使用負荷が少ない場合、
した。
ON/OFFを繰り返して出力を調整する運転が行われ
る。実際には、ボイラの立ち上がり後は100%の出
⑶ 最大16台の多缶設置によるシステム全体で高い運
転効率を維持
力で運転される時間は少なく、1日の大半はON/
本製品は、一般的にボイラの前方部や側面部にある
OFFで運転する状況となる。ボイラは、再起動(ON)
接続配管類をボイラの後方部に配置すること、
並びに、
時には、毎回、安全のためにボイラの炉内を換気する
ボイラの前方側及び後方側からのみでメンテナンス可
必要があり、同時に熱がボイラ外に排出されるため、
能なレイアウト配置とすることで、省スペース型多缶
熱損失が発生し、効率の悪い運転が行われる。
設置が可能である。
燃焼のON/OFFを減少させることは、熱損失を抑
加えて、専用の台数制御システムを組み合わせるこ
制しボイラ運転効率を高めることにつながることか
とにより、1台の台数制御盤で最大16台の「ねつばい
図1 燃料費・CO₂削減効果
図2 従来機との運転効率比較
16
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特集:ボイラ
くん」を制御し、3,728kWまでの大容量熱媒加熱設
備を構築でき、使用負荷に応じた最適な運転台数でシ
ステム全体の運転効率を更に高く維持できる。
3.おわりに
本製品は、東京ガス㈱、大阪ガス㈱、東邦ガス㈱との
大容量ボイラを1台設置するよりも省エネルギー化
共同開発機であり、熱出力233kWの熱媒ボイラでは業
を推進できると共に、正常稼働中のボイラに異常が発
界で唯一、簡易ボイラでラインアップしているため、取
生して停止すると待機中のバックアップボイラが起動
扱資格や法定検査が不要である特長に加え、ボイラ運転
し熱供給を行うため、熱供給停止リスクを回避するこ
効率の大幅な向上によるランニングコストの低減や、大
とができる。
容量設備への省エネ・省力化システムを構築できる熱媒
また、本製品は簡易ボイラであるため、大容量でも
ボイラー技士等の取扱資格や法定検査は不要とできる
メリットが得られる。
ボイラとして、2015(平成27)年9月より販売を開始
し、既に初号機が納入され実運転を開始している。
当社は、環境負荷を更に低減でき、省エネルギーに貢
献できる製品の開発を今後も推進して いく所存である。
既設 大容量熱媒ボイラ
ねつばいくん×多缶設置
図3 多缶設置イメージ
図4 多缶設置時のメリット
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17
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特集
ボイラ
高効率1,000kg/hガス焚き簡易ボイラ
株式会社日本サーモエナー
技術本部 開発部 開発 1 課
小西 博規
本稿では、新開発した缶体構造による熱吸収量の増加、
1.はじめに
低空気比燃焼による熱損失の抑制を図り、換算蒸発量
産業界で活躍している簡易ボイラは、取扱資格が不要
1,000kg/hの簡易ボイラでは初となる燃焼四位置制御方
で使い勝手が良く、保有水量が少ないため蒸気の供給が
式を採用した高効率1,000kg/hガス焚き簡易ボイラにつ
いち早く可能であり、小規模業務用店舗から工場まで幅
いて紹介する。
広い分野で利用されている。近年、日本国内だけで年間
約7,000台程度(出典:公益財団法人 日本小型貫流ボイ
ラー協会)が出荷されている。機器単体の燃焼量は小さ
2.本製品の特長
本製品の外観を図1に、仕様を表1に示す。
いものの、環境への影響は決して小さなものではなく、
表1 仕様
低CO化、低NOx化による環境負荷の低減と省エネルギ
換算蒸発量
1,000kg/h
ー化によるCO₂の低減はボイラ製造メーカの責務であ
定格運転時のボイラ運転効率
97%
る。
燃焼
ターンダウン比
(最低燃焼時の負荷率)
4:1
(25%)
燃焼制御方式
四位置制御
(0%ー25%ー50%ー100%)
空気量制御方式
ダンパ+インバータ
機器周囲騒音値
73dB以下
本体寸法
幅
920mm
奥行き
2,210mm
高さ
2,300mm
⑴ ボイラ運転効率
従来機と本製品におけるボイラ運転効率の比較を図
2に示す。
図1 外観
18
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特集:ボイラ
100
低負荷運転時 最大6%向上
定格負荷運転時 1%向上
運転効率
(%)
98
96
94
本製品
従来機
92
90
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
負荷率
(%)
図2 ボイラ運転効率
① マ ル チ パ ス フ ロ ー 缶 体( 実 用 新 案 登 録 第
する実際空気量の比)を1.3程度としている。空気
3196892号「マルチパス型多管式貫流ボイラ」)
比を低減すると燃焼ガス量が減り火炎全体の温度が
新開発したマルチパスフロー缶体の構造を図3に
上昇するため効率の向上には効果的であるが、不完
示す。燃焼室負荷を小さくするために燃焼室を大容
全燃焼を起こしやすくなりCOの上昇につながる。
量化し、火炎からの輻射による熱吸収量を最大限に
本缶体では、燃焼室を大容量化したことによって燃
大きくすると共に、燃焼ガス通路を4ヶ所設けて燃
料を完全燃焼させることが容易となるためCOの上
焼ガスが流れる際に生じる通風抵抗を低減してい
昇を抑えることができ、定格運転時の空気比を従来
る。燃焼ガス通路の伝熱部では、効率良く熱吸収さ
の1.3から1.2まで絞ることで燃焼用空気の余剰分
せるために温度領域に応じて形状の異なるフィン付
による熱損失を抑制することができた。
水管を配置している。燃焼ガス通路を通過した燃焼
熱吸収量の増加と熱損失の抑制を図ることで、定
ガスは出口付近で合流し、煙室通路を経由して缶体
格運転時のボイラ運転効率が従来より約1%向上し
出口へ排出される。このような缶体構造によって、
た。
② 最低出力低減と燃焼四位置制御方式採用
缶体の熱吸収量を増加させた。
簡易ボイラでは、小さな燃焼室内で投入した燃料
従来機は最低出力が定格の50%であり、燃焼三
を完全に燃焼させるために空気比(理論空気量に対
位置制御方式(出力を100%、50%、0%の3段
缶体出口
煙室通路
燃焼ガス流れ
水管
燃焼室
図3 マルチパスフロー缶体
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19
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階で制御)を採用している。本製品は低負荷でも燃
流が下流側保炎板の外縁と干渉してきれいな6分割火
焼が継続できるよう最低出力を定格の25%まで低
炎を形成する。火炎を分割することで局所的な高温部
減し、燃焼四位置制御方式(出力を100%、50%、
を抑えると共に、分割された混合ガス噴流が燃焼室内
25%、0%の4段階で制御)を採用している。この
の排ガスを自己再循環で引き込むことで緩慢燃焼させ
燃焼四位置制御方式は、送風機用インバータとダン
ることができ、低空気比においてもNOxの発生を抑
パを用いた空気量制御、均圧弁を用いた燃料量制御
えた燃焼が可能となった。また、本バーナは先混合方
等により実現が可能となった。
式を採用しているため安全性が高く、メンテナンスが
実際の運転負荷として最も多いのは25%~50%
容易な構造となっている。
の間である。従来機は燃焼の発停(出力50%と0%
マルチパスフロー缶体と低NOxバーナを採用した
のON/OFF)に伴いパージを繰り返すため熱損失が
場合における燃焼特性を図4に示す。低空気比でも
大きい。本製品は出力25%と50%を繰り返す燃焼
CO排出値は低く、空気比1.2(排ガスO₂=3.5%)付
となるためパージによる熱損失が大幅に低減し、蒸
近ではCO排出値は25ppm以下、NOx排出値(排ガス
気負荷の変動に対する追従性を改善した。これらに
O₂=0%換算)は55ppm以下を示し、優れた性能を
よって、低負荷運転時のボイラ運転効率が最大で6
有する。
⑶ 送風機の消費電力低減と低騒音化
%向上した。
マルチパスフロー缶体は燃焼ガス通路を多岐化し通
⑵ 低NOxバーナと燃焼性能
本製品の燃料ガス供給圧力は低圧(1.96kPa)であ
路長を短くすることで、燃焼ガスが流れる際に生じる
るため、予混合方式ではバーナ差圧を大きくとること
通風抵抗を低減している。また、低空気比燃焼を実現
ができない。また、燃料ガス供給圧力の変動や煙突通
することでボイラへ供給する燃焼用空気量を約1割低
風力の変動による失火及び逆火の恐れがない安全な燃
減した。燃焼ガスの通風抵抗と燃焼用空気量を低減し
焼を確保する必要がある。そこで、先混合方式の低
た結果、送風機回転数の低減により消費電力を約40
NOxバーナを開発した。
%低減することができ、騒音ラベリング制度(一般社
本バーナは、保炎板を設けたバーナヘッドが燃焼筒
団法人 日本産業機械工業会)の低騒音基準75dB(A)
内に挿入されている。保炎板は上流側と下流側の2ヶ
以下を満たすことができた。
所設けており、円周方向に6分割された上流側保炎板
⑷ 缶体水位の制御最適化による乾き度が極めて高い蒸
で空気通路を形成している。上流側保炎板を通過した
気供給
空気と円周方向に6ヶ所設けた穴より噴出された燃料
蒸気を供給する際、いかに良質な蒸気を安定して供
ガスが混合する境界面から火炎が発生し、混合ガス噴
給できるかが重要となる。本製品は燃焼四位置制御方
100
100%
50%
25%
100%
50%
25%
90
CO NOx
(O₂=0%)
(ppm)
80
70
60
CO
CO
CO
NOx
NOx
NOx
50
40
30
20
10
0
1.5 2.0 2.5
3.0 3.5
4.0 4.5 5.0
5.5 6.0 6.5
7.0 7.5
8.0 8.5 9.0
排ガスO₂
(%)
図4 燃焼特性
20
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特集:ボイラ
100.0
99.9
99.8
蒸気乾き度
(%)
99.7
99.6
99.5
99.4
99.3
99.2
99.1
99.0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
負荷率
(%)
図5 乾き度
式の各出力に対して缶体水位をそれぞれ設定し、缶体
⑶ 電力コスト差
内部の水循環を適正に制御することで気水分離を良好
電力コスト差:3万円/年
に行うことができ、乾き度が極めて高い蒸気の供給を
・従来機:0.8kW×7,500h/年×20円/kWh
可能とした。
負荷率に対する乾き度を図5に示す。幅広い負荷範
囲において乾き度99.6%以上と極めて高い蒸気の供
=12万円/年
・本製品:0.6kW×7,500h/年×20円/kWh
=9万円/年
給を行うことができ、急激な蒸気負荷変動に対しても
⑷ CO₂削減量
乾き度が極めて高い蒸気を維持することができる。ま
※
・
(0.7m³(N)/h×2.23kg-CO₂/m³(N)
+0.2kW
た、乾き度が高い蒸気ほど保有熱量が高くなるので、
従来機と比べて燃料費が低減できる。
3.省エネルギー性
×0.551kg-CO₂/kWh※ )×7,500h/年
=12,534kg/年
※排出係数は環境省「地球温暖化対策の推進に関する法律施行
令で定める排出係数一覧」
による。
ある一例として、
ランニングコスト比較を以下に示す。
1台当たり年間約50万円のランニングコストを低減
⑴ 条件
することができ、CO₂削減量は約12.5ton(杉の木約
週6日稼働、24時間運転、平均負荷率30%、
年間運転時間7,500時間
・燃料単価:90円/m³(N)-都市ガス13A
900本分)に相当する。
4.おわりに
・電気料金:20円/kWh
本製品は、新開発したマルチパスフロー缶体に低空気
・従来機:運転効率93%、平均燃料消費量=17.9/m³
比燃焼を可能とした低NOxバーナを搭載しており、換
(N)/h、平均消費電力=0.8kW
・本製品:運転効率97%、平均燃料消費量=17.2/m³
(N)/h、平均消費電力=0.6kW
⑵ 燃料コスト差
燃料コスト差:47万円/年
・従来機:17.9m³
(N)
/h×7,500h/年×90円/m³
(N)
=1,208万円/年
算蒸発量1,000kg/hの簡易ボイラとしては日本初とな
る燃焼四位置制御方式を採用したことで低負荷運転時の
ボイラ運転効率が大幅に上昇した高効率ガス焚き簡易ボ
イラである。
当社では本製品のラインアップ拡大を図ると共に、ボ
イラ製造メーカとして更なる高効率ボイラを提案し続け
たいと考える。
・本製品:17.2m³
(N)
/h×7,500h/年×90円/m³
(N)
=1,161万円/年
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21
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特集
ボイラ
ボイラ用蒸気負荷分析装置
株式会社ヒラカワ
ソリューション部
部長 今里 悦博
1.はじめに
当社は1912(明治45)年に平川鉄工所として創業し
た。 創 業 初期は製缶業を生業としてい た が、 そ の 後
析装置(特許第5683148号)を開発し、既存ボイラと使
用条件が合致するかを調査、見直す省エネ運用改善提案
を実施している。
1922(大正11)年頃にはランカシャボイラを、引き続
本稿では、ボイラ用蒸気負荷分析装置(以下、負荷分
いてコルニッシュボイラの製造を開始した。また、戦後
析装置)の要点の紹介と、それを利用した省エネ運用改
の重油統制解除後の1953(昭和28)年には、国産初の
善提案について述べる。
本格的な炉筒煙管ボイラMP100を開発した。
以来、
「ボイラを通じて資源のない我が国の発展に貢
献したい」という志の下、燃料費の大幅な削減や低公害・
22
ボイラの使用状況を算出するためにボイラ用蒸気負荷分
2.開発の背景
ある企業がボイラを増設、あるいは更新を考えた場合、
高効率ボイラの開発を高度な燃焼技術を用いた研究開発
今現在のボイラの稼働状況を知り、それに見合ったボイ
によって実現している。当社が得意とする炉筒煙管ボイ
ラを選択・購入を検討する。この際、ボイラの稼働状況
ラは今まで10,000台以上の納入実績があり、中でも地
を知るためには、蒸気使用量や燃料使用量等の数値を計
域冷暖房では高いシェアを獲得している。また、運転効
測しなければならない。
率の高い潜熱回収貫流ボイラConboGas(コンボガス)
従来、蒸気使用量を測定するためには蒸気流量計の設
や潜熱回収温水器UltraGas(ウルトラガス)等のトップ
置が必要であったが、流量計は高価なため一般の工場、
ランナー製品も多数開発しており、当業界の省エネを牽
ホテルまたは個人商店には設置されていない場合が多
引している。
く、蒸気流量計から数値を読み取ることは困難であった。
近年、環境破壊や地球温暖化が叫ばれる中、どの企業
また、燃料流量を測定する装置を設置するためにはボイ
でも省エネ化を実施しているであろう。しかしどれだけ
ラの運転を停止させなければならず、作業に手間がかか
運転効率の高いボイラを導入したとしても、それが最良
りコスト高になるという課題があった。
の省エネにつながるわけではない。なぜなら、その高効
更に、刻一刻と変化する稼働状況を人の手によって記
率なボイラが顧客の蒸気使用状況に見合ったものである
録することはできないため、1時間ごとの給水流量、燃
とは限らないからである。そこで当社では、より正確な
料流量等を記録してそのデータから蒸気使用量の平均値
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特集:ボイラ
を算出する方法がとられていた。しかし、この方法では
正確なボイラの稼働状況を知ることは困難であった。
である。
⑶ データの記録
本製品はこのような課題を解決することを目的として
負荷分析装置にはデータロガが取り付けられてお
発明された。本製品により既設ボイラの稼働状況を正確
り、燃焼用ファンの電流値のデータと燃料用電磁弁の
かつ詳細に把握し、
適切なボイラへの更新を行うことで、
電流値のデータ、及びボイラ缶内圧力のデータを一定
省エネ運用改善につなげることが可能である。
間隔で記録することができる。
3.概要
当社の負荷分析装置は簡単に蒸気使用量を演算できる
5.サービス
当社では負荷分析装置を用い、以下のサービスを実施
装置である。装置の設置時にボイラを停止させる必要は
している。
なく、容易に短時間で取付作業が完了する。また、従来
⑴ 省エネ診断
蒸気使用量を把握するために必要であった蒸気流量計が
不要で、測定の際に余計なコストは発生しない。
負荷分析装置を顧客のボイラに設置して詳細なボイ
ラの稼働状況を把握し、その稼働状況に対して既存ボ
本装置はボイラの燃焼用ファンモータと燃料電磁弁に
イラが適切であるかを診断する。工場でもビルでも業
供給される電流値及び、ボイラ缶内の圧力を計測するこ
種・施設種類は問わずに診断可能である。測定期間は
とで蒸気使用量を演算する。そこで得たデータをデータ
ボイラ稼働状況の変化を考慮し約1週間としている。
ロガに一定間隔で保存するため、その時々で変わりゆく
その作業と併せ、専門技術員による熱源用途の調査や、
ボイラの詳細な使用状況を記録することができる。
ボイラ日誌を参照し負荷分析装置を取り付けていない
当社は本年この負荷分析装置の特許を取得し、これを
用いた独自の省エネ診断を無償で提供している。測定期
期間のボイラ使用状況についても分析する。
⑵ 省エネ運用改善提案
間は平日や休日、昼夜間の稼働状況の変化等を考慮し1
省エネ診断を元にボイラ更新提案書を作成し、より
週間設けている。診断結果を顧客に提示して省エネ性の
省エネに貢献できる機器を提案する。この提案書では
高い新規ボイラに更新していただくことが目的であり、
グラフや表を用いてボイラの稼働状況や測定結果を視
その活動が環境保全につながると考えている。
覚的に分かりやすく表記する「見える化」を行ってお
4.基本機能
負荷分析装置の主な機能は以下の通りである。
⑴ 電流値の測定
① 燃焼用ファンモータに供給される電流値の測定
燃焼用ファンに供給される電流値を計測する。こ
れによりボイラの燃焼用ファンの稼働時間を確認す
ることができる。
② 燃料用電磁弁に供給される電流値の測定
り、あまりボイラに詳しくない顧客からも高い関心と
評価をいただいている。
6.事例
負荷分析装置を実際に使用して省エネ運用改善提案を
行った事例を紹介する。
とある工場では蒸気ボイラ5台を生産工程において利
用していた。このボイラ5台に対して本製品による省エ
ネ診断を実施したところ、その5台のうち1台は24時
燃料用電磁弁に供給される電流値を計測する。こ
間稼働していたが、測定期間中全く稼働していないボイ
れにより燃料用電磁弁が開いているか否かを確認
ラも1台あった。残りの3台は交互に2台ずつ平均6時
し、ボイラの運転状態を判断することができる。
間ごとの稼働をしていた。また稼働している4台のボイ
⑵ ボイラ缶内圧力の検出
ラの発停回数が1時間当たりそれぞれ約15回あり、平
圧力センサを使用して缶内圧力を検出する。この圧
均負荷率もそれぞれ24%もしくは10%や15%という
力センサはボイラが稼働している状態でも、容易に閉
数値が得られた。このことからボイラ負荷率が低く、ボ
じている状態のエア抜き弁等に取り付けることが可能
イラが発停を繰り返していることが確認できる。発停を
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23
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繰り返すことでパージロスが発生するため、できるだけ
りもCO₂を10.2%削減することができることが分かっ
発停回数を減らし各ボイラの負荷率を上げることが改善
た。
策であると考えられる。そのため、本製品により測定し
当社はこの結果を基にボイラ更新提案を実施し、それ
た最大蒸気使用量を参考に当社の潜熱回収貫流ボイラ2
によって省エネ運用改善につなげることができたと自負
台へ更新することが最良であると判断した。更新前後で
している。
のボイラ効率や燃料消費量等を比較した結果、更新前よ
診断装置による分析結果
蒸発量及び圧力グラフ
8,000
700
500
6,000
300
蒸発量
(kg/h)
400
200
圧力
(kPaG)
600
7,000
100
5,000
0
最大蒸発量
1,901kg/h
4,000
3,000
2,000
1,000
0
0:00
2:00
4:00
6:00
8:00
10:00
12:00
14:00
16:00
18:00
20:00
22:00
蒸発量1号
蒸発量2号
蒸発量3号
蒸発量4号
蒸発量5号
3号
平均蒸発量
4号
1号
5号
2号
図1 ボイラ負荷グラフ
最適ボイラシステムのご提案
「ConboGasシリーズ」のご提案
・分析結果まとめより最大蒸発量1,901kg/hより
年間燃料使用量推移
(H25.4∼H26.3)
年間使用量合計483,429
(m³N)
冬季最大負荷として1.5倍を考慮します。
1,901kg/h × 1.5 =2,852kg/h
換算蒸発量へ変換
・蒸気圧力 0.56MPa
・飽和蒸気エンタルピー 2,759.28kJ/kg
・給水エンタルピー 154.92kJ/kg
・給水温度 37℃
換算蒸発量 約3,292kg/h
程度のボイラが必要です。
上記、換算蒸発量より
ConboGasシリーズ:CG-2000×2基
総換算蒸発量4,000kg/hをご提案致します。
図2 ボイラ更新提案書
24
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特集:ボイラ
燃料使用量及びCO₂削減効果計算書 CG-2000×2基
[算出条件]
年間使用量
燃料単価
ボイラ運転効率
*ボイラ効率は給水温度によって変動致します。
483,429m³N/年(H25.4∼H26.3の使用量)
13A:90.0円/m³N
更新前:88.9%
更新後:99.0%(ターンダウン1:10より発停ロス0.0%とした場合の実効率)
共通
更新後
現状
燃料使用量
483
燃料種類
13A
燃料単価
90.0
ボイラ効率
88.9%
千m³N/年
CO₂排出量
原油換算量
13A
燃料単価
90.0
ボイラ効率
99.0%
円/m³N
更新後
現状
13A
燃料量
燃料費
燃料種類
円/m³N
13A
削減量
削減率
483千m³N/年
43,509千円/年
434千m³N/年
39,070千円/年
49千m³N/年
4,439千円/年
10.2%
1,107ton/年
561kL/年
994ton/年
504kL/年
113ton/年
57kL/年
10.2%
10.2%
図3 メリット計算表
7.おわりに
総合的な寿命判断を行う寿命診断も当社では実施してい
る。これにより更新を推奨し、顧客の燃料費削減やCO₂
今後は蒸気ボイラ及び温水ヒータの省エネ診断実施件
排出量削減を実現させ、環境保全につなげていきたい。
数を更に増やしていくことで、全く条件の違う各ボイラ
更に、現在ボイラの稼働状況をオンラインで確認でき
の使用状況のデータを蓄積していきたい。近年、顧客の
るMSma(エムスマ)も拡充中である。このシステムに
省エネに対するニーズが日々高まっている中で、蓄積し
より顧客へのきめ細やかなアドバイスやメンテナンス情
たデータを使用し、より的確な問題解決ができる省エネ
報を提供し、より精度の高い省エネ運用改善提案を実施
のスペシャリストを当社全員が目指している。
する。
また負荷分析装置を基盤として、更に多くの項目を分
当社は省エネ診断やMSma、寿命診断等を通して、お
析して顧客のボイラの寿命を算出する寿命診断装置(特
客様の「省エネ・省力化・快適環境」のお役に立てるも
許出願中)を開発した。その装置で測定した結果を分析
のと考えている。
して判定基準に照らし合わせて点数化し、ボイラ本体の
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25
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特集
ボイラ
フラッシュ蒸気発生装置を用いた
貫流ボイラシステム
三浦工業株式会社
ボイラ技術部 商品設計課
チーフエンジニア 西村 啓二
1.はじめに
STEP 2:実運転効率
蒸気負荷の変動、起動/停止を含めた実運転での効
昨今、燃料費の高騰及び温室効果ガス排出量低減への
率改善(ボイラにおける高効率運転点※ 制御、台数
要求の高まり等により、生産設備の高効率化(燃料原単
制御の高機能化)
位の低減)が今まで以上に重要性を増してきている。一
※当社では「エコ運転ポイントⓇ
」
、
「エコ運転ゾーン」と呼称
方で、省エネ法に基づくエネルギー原単位の年率1%低
↓
減等、多年にわたる省エネルギー化への取り組みにより、
STEP 3:蒸気システム効率
投資回収年数の短い、安価かつ実効性の高い改善策はそ
排熱回収機器、蒸気利用機器まで含めたシステム全
の多くが既に実施されているという実状があるのも確か
体での高効率化
である。
このような状況から、今後の更なる省エネルギー化、
本稿では、STEP 3:蒸気システム効率の省エネルギ
温室効果ガス排出量低減に向けては、各生産設備の構成、
ー化を図る一方策として、高温ドレンの有効回収方法に
稼働状況、制約条件等を踏まえ、システム全体として費
焦点を当て、その効果と着目点をまとまる。
用対効果に優れた対策を取捨選択していくことが求めら
れると言える。
2.蒸気システムにおける省エネルギー化
3.排熱回収装置(高温ドレンの有効利用
システム)
⑴ ドレン回収の概要と課題
以上の状況を、ボイラを起点とした蒸気システムに関
図1に蒸気システム効率の一例を示す。なお、蒸気
して考えた場合、これまでの、そしてこれからの省エネ
利用機器自体の効率、蒸気配管からの放熱損失は場合
ルギー化は以下のステップでまとめられる。
によって大きく異なることから除外している。ボイラ
から供給された蒸気を蒸気利用機器において間接熱交
STEP 1:ボイラ効率
26
換する場合、蒸気の持つ全熱量に対して利用されるの
ボイラ単体の定格効率の改善(高効率機の導入)
はおおよそ70~80%を占める潜熱がほとんどであ
↓
り、残りはドレンとして排出される。
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特集:ボイラ
このドレン排出による熱損失を低減するため、一般
にプラスして、更なる排熱回収機器としての対策を講
的にドレンを回収しボイラ給水として再利用する「ド
じている。これら排熱回収機器を導入した蒸気システ
レン回収」が行われており、大きく「オープン方式」と
ムの概略フローを図2に示す。
① フラッシュ蒸気発生装置(HJ-4000)
「クローズド方式」に分けられる。
「オープン方式」は大気開放されたタンクにドレン
タンクに戻す前に本装置を導入し、再蒸発するフ
を回収する方式であり、圧力容器に該当せず、イニシ
ラッシュ蒸気と低温ドレンとを分離する。これによ
ャルコストを抑えられる。反面、大気開放タンクへ回
り、再蒸発したフラッシュ蒸気を別の工程にダイレ
収される際には圧力低下に伴い、飽和温度を超えるド
クト利用すること、及びタンクにおける熱損失低減
レンの余剰分は再蒸発しフラッシュ蒸気として大気中
が可能となる。
へ放出され、これが熱損失となりエネルギー有効効率
② フラッシュ蒸気回収キット(MDT-H)
を低下させる原因となる。また、ドレンタンク内では
タンクからボイラへ供給される給水の一部をタン
タンク上方が高温、タンク下方が低温といった温度の
クへ循環、スプレーすることで、フラッシュ蒸気を
不均一を生じやすく、これがフラッシュ蒸気の増大に
凝縮させると共にタンク内温度を均一化させ、排出
つながる課題もある。
されるフラッシュ蒸気量低減によるシステム効率向
上が可能となる。
⑵ 新システムの特長
上記課題に対して、当社ではドレン回収を行う方式
■ 有効システム効率
■ ドレン・フラッシュ損失
■ ボイラ損失
100%
95%
90%
85%
80%
75%
70%
65%
60%
55%
50%
ドレン回収なし
オープンドレン
回収
HJ-4000
導入
HJ-4000
MDT-H
導入
図1 蒸気システム効率の比較例
フラッシュ蒸気
ドレン流入
循環ポンプ
循環ポンプでタンク内水を混合
ボックスでシャワーリングさせ、
フラッシュ蒸気を凝縮回収!
フラッシュ蒸気回収キット
フラッシュ蒸気発生装置
写真1 フラッシュ蒸気発生装置
(HJ-4000)
とフラッシュ蒸気回収キット
(MDT-H)
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27
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0.8MPa、3,000kg/h
0.8MPa
4,000kg/h
0.2MPa、3,000kg/h
連続洗濯機
0.76MPa
4,000kg/h
乾燥機
フラッシュ蒸気量
559kg/h
0.8MPa、7,000kg/h
59℃
7,000kg/h
20℃
3,559kg/h
⒜ オープンドレン回収システム
0.8MPa、2,681kg/h
0.8MPa
4,000kg/h
3,000kg/h
0.2MPa、2,681kg/h
連続洗濯機
0.2MPa
319kg/h
0.76MPa
4,000kg/h
乾燥機
3,681kg/h
0.8MPa、6,681kg/h
フラッシュ蒸気量
233kg/h
HJ-4000
61℃
6,681kg/h
20℃
3,233kg/h
⒝ フラッシュ蒸気発生装置を導入したオープンドレン回収システム
0.8MPa、2,681kg/h
3,000kg/h
0.2MPa、2,681kg/h
0.8MPa
4,000kg/h
乾燥機
0.8MPa、6,681kg/h
連続洗濯機
0.2MPa
319kg/h
0.76MPa
4,000kg/h
3,681kg/h
フラッシュ蒸気量
0kg/h
HJ-4000
83℃
6,681kg/h
フラッシュ蒸気
回収キット
20℃
3,000kg/h
⒞ フラッシュ蒸気発生装置及びフラッシュ蒸気回収キットを導入したオープンドレン回収システム
図2 高温ドレンの有効回収システム概略フロー
28
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特集:ボイラ
蒸気システム効率を向上させるには、単に高効率機器
4.おわりに
を導入すれば良いというわけではなく、蒸気システムの
蒸気システムの更なるシステム効率向上のための手段
構成・稼働状況・排熱状況を考慮した適切なシステム構
として、フラッシュ蒸気発生装置及びフラッシュ蒸気回
築が重要となる。排熱利用機器の重要性は今後ますます
収キットの導入を紹介した。最後にこれらを導入した際
増していくものと考えられるが、本稿がその一助となれ
のメリットの一例を図3に示す。
ば幸いである。
ランニングコストの削減!!
ランニングコストの削減!!
104,000
104,000
102,000
年間削減量
4,900千円
100,000
98,000
ランニングコスト
(千円/年)
ランニングコスト
(千円/年)
102,000
100,000
年間削減量
7,800千円
98,000
96,000
94,000
96,000
92,000
94,000
導入前
導入後
90,000
⒝ フラッシュ蒸気発生装置導入
※図2のシステムフローにおける下記運転条件での試算
運転条件:稼働時間2,800h/年、13A単価80円/m³、13A発熱量40.6MJ/m³
導入前
導入後
⒞ フラッシュ蒸気発生装置及び
フラッシュ蒸気回収キット導入
図3 フラッシュ蒸気発生装置及びフラッシュ蒸気回収キット導入メリット例
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29
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巻頭 言
第41回優秀環境装置
表彰に際して
優秀環境装置審査委員会
委員長 指宿 堯嗣
私は、この度審査委員長を拝命した優秀環境装置表彰
や募集方法等について鋭意審議を行い、昨年12月8日
事業が開始された1974(昭和49)年に通商産業省の公
から本年1月20日までの約1ヶ月半にわたって公募を
害資源研究所(現・産業技術総合研究所)に入所し、大
行った。その結果、大気汚染防止装置(4件)
、水質汚
気環境関連の研究に従事してきた。当時は、高度経済成
濁防止装置(2件)
、廃棄物処理装置(4件)
、騒音・振
長の一方で大気汚染、水質汚濁等が深刻であり、公害対
動防止装置(1件)、再資源化装置(2件)、その他環境
策基本法をベースとする規制・制度の整備や対策技術の
負荷低減に資する装置(2件)の合計10件の応募があっ
開発等、官民一体となった取り組みが活発に行われてい
た。例年に比べて応募件数は若干少ない状況であったが、
た。湿式の排煙脱硫装置(主に石灰ー石こう方式)の発
大企業と中小企業の割合はちょうど半々であった。
電所等への設置数がピークに達しており、アンモニアを
審査は、優秀環境装置表彰制度の実施要綱並びに審査
用いる接触還元法による排煙脱硝技術の実証が始まって
要綱に定められた規定に基づいて慎重かつ厳正に行っ
いた。公益社団法人 発明協会は昨年、創立110周年の
た。まず、優秀装置審査WGにおいて、全ての申請案件
記念事業として「戦後日本のイノベーション100選」を
について、独創性、性能、経済性及び将来性を中心に評
実施されたが、
“その時代の国民的課題に国家的規模で
価を行い、その中で高位の評価を得た装置について更に
果敢に取り組み、成功したものの一つ”として、
「脱硫・
詳細な書面審査並びに実地調査を実施し、入賞候補6件
脱硝・集じん装置」が選ばれた。排煙脱硫、排煙脱硝装
を選定した。審査委員会では審査WGから推薦された受
置については、性能の向上、省エネルギー化、コストダ
賞対象候補について、更に総合的かつ客観的に慎重な審
ウン等を目指した技術開発が現在も継続されており、
査を行い、審査委員の全員一致により第41回優秀環境
40年間にわたる本事業で何度も受賞している。その他
装置表彰の受賞装置6件を選定した。
にも、様々な大気汚染物質、水質汚濁物質、更に廃棄物
今回受賞された環境装置6件の技術開発の内容は多岐
等の環境への排出低減に向けて開発された環境装置が表
にわたっているが、いずれも環境保全に極めて有効な優
彰によって市場への導入が促進され、日本における環境
秀環境装置として高く評価されたものであり、受賞各社
汚染の軽減に大きく貢献してきた。一方、経済成長の著
のご努力に心から敬意を表すると共に、今回の栄えある
しい中国、インド、東南アジア諸国では都市域の大気・
受賞を機に、装置の今後ますますの普及と更なる革新的
水質の汚染、有害廃棄物等の問題が顕在化し、微小粒子
な技術開発に期待する。
状物質(PM2.5)等の越境汚染問題や水銀の人為的排出
削減等も注目されている。今後、世界トップレベルの性
能をもつ日本の環境装置・環境技術を海外に積極的に展
開することが、これらの課題解決に貢献すると期待され
ている。更に、
「持続可能な循環型経済社会」を目指す観
点からは、より省エネルギー・省資源で経済性の高い環
境装置が求められており、優秀環境装置の評価ポイント
としてますます重要になると考えられる。
さて、第41回優秀環境装置の表彰事業は昨年11月
27日に第1回審査委員会を開催し、本事業の実施要綱
30
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特集
優秀環境装置①/経済産業大臣賞
過給式流動焼却システム
月島機械株式会社
水環境事業本部 ソリューション技術部
熱技術グループ
国立研究開発法人 土木研究所
先端材料資源研究センター
桜井 健介
山本 隆文
三機工業株式会社
環境システム事業部 熱エンジニアリング2部
熱エンジニアリング1課
古閑 邦彦
水率のため大半の焼却炉は補助燃料を多量に使用してい
1.開発経緯
る。更に、汚泥中にはN分が比較的多く含まれており、
現在、下水汚泥の70%が焼却処理されており、焼却
炉の80%以上は流動炉が採用されている。流動炉は多
温室効果ガスである一酸化二窒素(N₂O)が生成・排出
されている。
量の熱媒体(硅砂)が高温に維持されているため、高含
これらの背景から、下水道分野においては低炭素化社
水率の下水汚泥を安定して焼却することができる。しか
会や循環型社会の構築に寄与するために、著しい下水汚
しながら、多量の熱媒体を流動させるためのエネルギー
泥の焼却処理の効率化、省エネ化等による温室効果ガス
が必要であり、大きな電力を消費している。また、高含
排出量の抑制を進めることが重要であった。下水処理場
白煙防止
熱交換器
過給機
煙突
定量フィーダ
空気予熱器
バグフィルタ
白煙防止ファン 排煙処理塔
過給式流動炉
図1 焼却設備フロー
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31
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における汚泥処理では、気泡流動炉が主流となっている
器で予熱された後、焼却炉に燃焼空気として供給される。
が、こうした要求に応える汚泥焼却プロセスとして省エ
焼却炉と過給機の動きは内燃機関による燃焼室とターボ
ネルギーと低N₂O発生量を両立したシステムが求めら
チャージャーと全く同じであり、燃料である脱水汚泥が
れていた。
連続供給されていれば、送気及び排気動力なしでシステ
そこで、過給機による加圧燃焼システムによりエネル
ギー効率向上・付帯設備削減(コンパクト化)を目標に
ムが自立する。
排ガスのその後は、白煙防止空気の予熱のために熱回
収された後に、脱硫・脱塩・除湿のため排煙処理塔を経
過給式流動燃焼システムを開発した。
て無害化された燃焼排ガスが煙突より排出される。
2.技術概要
脱水汚泥は含水率が高く、従来炉ではこの水分が燃焼
過給式流動燃焼システムは気泡流動炉に過給機を組み
の妨げとなっていたが、過給式流動燃焼システムでは水
合わせて構成されている。本システムでは、脱水汚泥を
分が蒸発するときのボリューム増加エネルギーを含んだ
約110~130kPa・Gの圧力下で燃焼させる。燃焼に伴
燃焼排ガスが駆動源となっている。
って発生した燃焼排ガスは圧力を有するため圧力の低い
焼却炉から過給機までが約110~130kPa・G(定格
煙突に向かって流れて空気予熱器及びバグフィルタを経
処理時)の正圧となるため、焼却炉の内径は従来炉と比
て過給機に導入される。焼却炉で発生した燃焼排ガスで
較して65%程度、断面積は40%程度となる。過給式流
燃焼空気の予熱を行うのは従来炉同様である。空気予熱
動炉では過給機により加圧された状態で焼却するため、
器の後ろにはバグフィルタを配置して、燃焼排ガス中に
焼却炉内部の燃焼排ガス容積が小さくなり、焼却炉~過
含まれる焼却灰を過給機に導入される前に捕集する。集
給機(ダクト含む)までが従来炉と比べてコンパクトに
塵温度が約600℃となるためフィルタはセラミックフ
できる。
ィルタを採用している。
更に、過給機では燃焼排ガスの圧力で過給機タービン
3.性能
が駆動され、反対の過給機コンプレッサに吸引された空
本システムは、加圧燃焼により焼却炉下部(フリーボ
気が圧縮されて圧縮空気が製造される。タービンを駆動
ード下部)にて高温領域が生成され、N₂O分解が促進さ
した後の排ガスは圧力が下がるが、圧力が最も低い煙突
れるため従来システムによる高温焼却炉と比較しても
出口まで流れていける圧力を残してタービンに仕事をさ
せることとなる。また、製造された圧縮空気は空気予熱
「N₂O排出量:約50%削減」が可能である。
また、自立運転状態では、従来システムに必要であっ
図2 過給式流動炉の原理
32
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特集:優秀環境装置①/経済産業大臣賞
図3 過給式流動炉のメリット
た流動ブロワと誘引ファンの運転が不要となり「消費電
は起動用ブロワ(従来炉の流動ブロワと役割は同じ)を
力:約40%以上削減」が可能であり、更に加圧燃焼であ
運転して焼却炉の流動空気や補助燃焼装置の燃焼空気を
るため焼却炉が同処理量の従来焼却炉に比べて炉径が小
供給する。昇温完了後に脱水ケーキ投入を開始した後、
さく(表面積 小)
、放熱量が少なくなるため「補助燃料
排ガス流量増加に伴って過給機回転数が上昇して過給機
使用量:約10%以上削減」が可能である。そのため、省
から供給される圧縮空気量が増加し、最終的には起動用
エネルギーかつ低環境負荷が実現可能な設備である。
ブロワを停止する。この起動用ブロワによるアシストが
不要となる状態を自立運転(過給機自立)と呼ぶ。
4.維持管理
また、立ち下げ時は脱水ケーキ供給を停止すると排ガ
従来システムにはない「過給機」を採用しているもの
ス流量低下に伴い、過給機で生成される燃焼空気も減少
の、誘引ファンが不要となっておりメンテナンス性・維
する。脱水ケーキ供給停止直後は焼却炉内に若干残った
持管理コストは同程度である。
脱水ケーキの燃やしきり及び過給機を安定的に停止させ
また、運転・操作性においても、過給機の仕事を自動
る必要があることから立ち上げ時同様に起動用ブロワを
調整することによって燃焼空気量を自動的に制御してお
運転する(起動用ブロワの発停は自動制御)。燃やしき
り、従来システムと同等である。
り運転終了後は、従来炉同様に順次設備を停止する。
また、過給機は駆動機を持たないため、立ち上げ時に
図4 過給式流動炉の制御
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33
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年間CO₂排出量はそれぞれ既設が19,426t-CO₂/年に対
5.実績
し て、 過 給 式 流 動 炉 は 7,998t-CO₂/ 年 で、 年 間
過給式流動炉の受注1号機を東京都下水道局葛西水再
生センターに納入した。処理規模は300t/日で現在順調
に稼働中である。
11,428tのCO₂が排出削減される。
6.将来性
エネルギー削減効果については、脱水ケーキ供給設備
国内の下水道焼却炉で主流であった気泡流動炉が15
~排ガス処理設備及びユーティリティ設備を含む消費電
~20年稼働を続けており、今後老朽化の進んだ設備の
力量を既設と比較すると、消費電力の削減率は約66%
更新・改築が行われると考えられる(全国約240基程度
である。
の焼却炉のうち、約9割が気泡流動炉)
。本システムは、
また、焼却炉の大きさは、圧力下での燃焼で燃焼排ガ
既存炉の代替プロセスとして最適と考えられる。過給式
スが圧縮されるため、焼却炉における燃焼排ガスの空塔
流動焼却システムは、本稿で紹介した葛西水再生センタ
速度(上昇する速度)は従来炉と変わらないが、炉径が
ー以外に6つの処理場で稼働中また建設中で、更なる普
細くなる。従って、焼却炉の表面積が既設炉に比べて小
及を進めていきたい。
さくなり、焼却炉の放熱量が低減されて補助燃料使用量
全国で稼働している下水汚泥焼却炉約240基の内半
が削減される。葛西における都市ガス使用量の削減率は
数で本システムが採用されるとして試算すると、年間約
約24%である(脱水ケーキ含水率平均値78%)。
22億円の電力費が軽減されることになり、年間約36万
更に、N₂O排出量は排ガス測定による結果(排ガス中
のN₂O濃度(ppm)
)から算出した数値を用いて比較を行
ったところ(排ガス流量×N₂O濃度及び重量換算して算
出)
、高温焼却を行っている既設に対してN₂O排出量の
削減率は約64%である。
tのCO₂排出量が削減される。
7.学会等での評価
過給式流動燃焼システムは、その画期的なシステム構
成と他に類を見ない大幅な省エネルギー効果が認めら
温室効果ガス排出量については、消費電力、補助燃料
れ、化学工学会の第17回流動化・粒子プロセッシング
及びN₂O由来のCO₂排出量合計は、既設1,008kg-CO₂/
シンポジウム賞、平成24年度化学工学会技術賞を受賞
t-DSに対し、過給式流動炉415kg-CO₂/t-DSであり、
している。
過給式流動炉における消費電力、補助燃料及びN₂O由来
のCO₂排出量合計の削減率は約59%となった。
また、処理量300t/日、年間稼働日数292日/年(稼
また、第41回優秀環境装置表彰において経済産業大
臣賞を受賞したのをはじめ、第17回国土技術開発賞に
おいて最優秀賞を受賞している。
働率80%)
、脱水ケーキの平均含水率を78%とすると、
写真1 過給式流動炉の受注1号機外観
(東京都下水道葛西水再生センター)
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特集
優秀環境装置①/経済産業省産業技術環境局長賞
触媒脱硝装置のオンサイト再生システム
株式会社 タクマ
装置技術部 排ガス処理技術課
鈴木 賢
1.はじめに
まま再生を行う「触媒脱硝装置のオンサイト再生システ
ム」を開発した。
都市ごみ焼却施設では、窒素酸化物やダイオキシン類
本システムでは容易で、かつ低コストで触媒の再生が
の高効率除去を目的として、触媒脱硝装置を設置してい
実施できることから、従来の再生方法では実施が困難で
る。触媒脱硝装置ではアンモニアを噴霧し、塔内に設置
あった1回/年程度の頻度での触媒の再生が可能となる。
する触媒の作用により窒素酸化物を無害な窒素と水に分
頻繁に触媒を再生して触媒の性能を初期値まで回復させ
解除去するが、アンモニアと排ガス中の硫黄酸化物が反
ることにより、触媒の劣化速度が速い触媒脱硝装置の低
応して硫安及び酸性硫安が生成される。硫安及び酸性硫
温運転が可能となる。触媒脱硝装置が低温運転できれば、
安が触媒に付着すると、触媒の脱硝性能とダイオキシン
従来都市ごみ焼却施設で行っていた集じん装置後段にお
類分解性能が低下し(触媒の劣化)
、未反応のアンモニ
ける排ガスの再加熱で使用する蒸気使用量を削減でき
アが煙突から排出される。触媒脱硝装置の性能が低下し
る。削減により生じた余剰蒸気を発電に用いることによ
た場合、触媒を新品に交換するか、触媒に付着した硫安
り発電量の増加やそれに伴うCO₂排出量の削減が可能と
及び酸性硫安を除去して性能を回復させる(触媒の再生)
なる。
必要がある。
更に新規の都市ごみ焼却施設では、本システムの採用
従来、触媒の再生は、触媒脱硝装置から触媒を取り外
を前提として触媒脱硝装置を設計することにより、従来
した後、特定の施設へ輸送して行っていた。そのため、
システムに比べて触媒設置量を削減することができる。
触媒の取り外し・輸送・再生・取り付けまでの工程に時
触媒設置量が削減できれば、施設の建設費削減だけでな
間が必要で、1~2ヶ月程度の休炉期間が必要であり、
く、装置の機器圧損低減による誘引送風機の電力消費量
高コストであった。また、その際、触媒が破損するリス
も削減することができる。
クがあるため、2~3回再生した後は新品の触媒を購入
する必要があった。
そこで当社では、短期間での触媒の再生が可能で、触
媒の破損がなく、半永久的に使用することが可能となる
また、本システムは、都市ごみ焼却施設に限らず触媒
脱硝装置を設置し、硫安及び酸性硫安の付着により触媒
の劣化が生じる産業廃棄物焼却施設や、ボイラ・発電施
設に対しても導入可能である。
システムとして、触媒を触媒脱硝装置に設置した状態の
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硫安及び酸性硫安の分解により生じたNH₃は、触媒脱
2.システム説明
硝装置内の触媒の酸化作用により一部酸化され、窒素酸
図1に触媒脱硝装置オンサイト再生システムの概要を
化物となる。生成された窒素酸化物は、脱硝触媒の還元
作用によりNH₃と反応して、無害な窒素と水に分解除去
示す。
本システムは、ファン、消石灰充填槽、ヒータ、循環
される。
ダクトで構成される。
循環ダクトを除く機器については、
共通設備として複数炉に対して1基とすることができ、
NH₃の酸化反応(触媒による酸化)
イニシャルコストの削減を図っている。
4NH₃+5O₂→4NO+6H₂O
本システムは、触媒脱硝装置内の触媒を380℃以上
に加熱することで、触媒の劣化の原因物質である硫安及
び酸性硫安を分解し触媒再生を行うものである。
硫安の分解反応(分解温度:約280℃)
NOの還元反応(触媒による還元)
4NO+4NH₃+O₂→4N₂+6H₂O
3.初号機の運転実績
2014(平成26)年、クリーンセンターかしはら 殿に
(NH₄)₂SO₄→NH₄HSO₄+NH₃
本装置の初号機を納入し、触媒の再生を行った。
酸性硫安の分解反応(分解温度:約360℃)
⑴ 触媒分析による性能回復度の確認
NH₄HSO₄→SO₂+1/3NH₃+2H₂O+1/3N₂
触媒再生前後の触媒分析結果を表1に示す。再生前
には触媒脱硝装置全体のk/k₀※ が0.43まで低下して
硫安及び酸性硫安を分解する過程でSO₂とNH₃が発生
いたが、再生後には1以上となっており、触媒の性能
する。SO₂は消石灰充填槽内の消石灰にて吸着除去する。
が初期値まで回復した。
消石灰が触媒に付着すると、
触媒の劣化要因となるため、
※k/k₀は触媒の劣化度を表す指標であり、1未満で劣化して
いることを表す。
飛散しないよう粉体ではなく、ペレット状に加工したも
のを使用する。
⑵ 排ガス測定による性能回復度の確認
① 煙突アンモニア濃度
SO₂の吸着除去反応
触媒再生前後の煙突アンモニア濃度を図2に示
SO₂+Ca(OH)₂+1/2O₂→CaSO₄+H₂O
す。再生前は、触媒の性能低下により、窒素酸化物
閉止
SO₂
⑤SO₂は消石灰充填槽で無害化
ファン
④NH₃は一部が酸化されて窒素酸化物
(NOx)となり、分解したNH₃と反応し
て水
(H₂O)
と窒素
(N₂)
に分解
H₂O
N₂
NOx
③ 硫 安 及び 酸 性 硫 安はアンモニア
(NH₃)
と硫黄酸化物
(SO₂)
に分解
消石灰
充填槽
脱硝
触媒
NH₃
SO₂
硫安及び
酸性硫安
②劣化物質である硫安及び酸性硫安を
遊離し、触媒を再生
ヒータ
触媒脱硝
装置
①380℃の高温空気を供給
閉止
図1 触媒脱硝装置のオンサイト再生システム概要
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特集:優秀環境装置①/経済産業省産業技術環境局長賞
表1 触媒分析結果
k/k₀
触媒
3号炉再生前
(2012年7月)
採取位置
3段目 上
ガス流れ
3号炉再生後
(2014年7月)
1号炉再生後
(2014年11月)
0.95
1.10
1.00
1.00
1.29
1.02
1.12
1.32
1.34
1.01
1.17
1.04
1.13
1.07
0.48
3段目 下
2段目 上
0.48
2段目 下
1段目 上
0.32
1段目 下
平 均
0.43
初 期
1.00
12
排ガスアンモニア濃度
(ppm-12%O₂)
0
再生前
再生後
2014/10/31
2014/3/31
2014/3/26
2014/3/21
2014/3/16
2014/3/11
2014/3/6
2014/3/1
0
2
2014/10/26
2
4
2014/10/21
4
6
2014/10/16
6
8
2014/10/11
8
10
2014/10/6
10
2014/10/1
排ガスアンモニア濃度
(ppm-12%O₂)
12
図2 再生前後の排ガスアンモニア濃度
と反応せず、未反応のままアンモニアが煙突から排
出されていた。再生後、触媒の脱硝性能が初期性能
4.本システム導入によるコストメリット
まで回復したことにより、煙突から排出される排ガ
本システムを既存の都市ごみ焼却施設に導入した場
ス中のアンモニア濃度が約1ppm以下まで低下し
合、触媒脱硝装置に触媒を設置した状態で再生が実施で
た。
きることから、従来方式に比べて触媒の再生費用を大幅
触媒の性能が回復したことにより、噴霧したアン
に低減できる。
モニアのほぼ全てが、窒素酸化物と反応して使用さ
れるため、アンモニア使用量が約12%低減した。
② 煙突ダイオキシン類濃度
また、触媒脱硝装置運転温度を低温化することで、触
媒脱硝装置入口ガスの再加熱に使用していた蒸気量を削
減することができ、発電量の増加やそれに伴いCO₂排出
触媒再生後、これまでダイオキシン類除去のため
量を削減することができるが、触媒の劣化が速く進行す
に集じん装置で排ガスに吹き込んでいた活性炭の使
るため、1~2ヶ月以上の休炉期間が必要で、高コスト
用量を段階的に削減し、煙突から排出される排ガス
な従来の再生方法では実現困難であった(図3参照)。
中のダイオキシン類濃度を測定した。活性炭吹込量
しかし、本システムを導入すれば容易に繰り返し再生が
を触媒再生前に比べて約80%削減しても煙突から
可能となるため、1年に1回再生を行うことで触媒脱硝
排出される排ガス中のダイオキシン類濃度は、施設
装置運転温度の低温化が可能となる。更に、触媒の再生
基準値以下であり、活性炭吹込量削減前と同様に低
を行うことで、毎年再生後には触媒のダイオキシン類分
い値であった。
解性能も初期性能まで回復するため、活性炭吹込量を削
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減することができる。
装置を設計することにより、従来に比べて少ない触媒量
既存の都市ごみ焼却プラント(100トン/日×2炉)に
で触媒脱硝装置の運転温度を低温化することが可能にな
導入したときのメリットを表2に示す。20年間の運転
り、発電量の増加に加えて触媒脱硝装置の機器圧力損失
で約7.3億円のコストダウン、このうち高効率発電によ
の低下に伴う誘引送風機の電力消費量削減によりCO₂排
る売電収入の増加分は4.2億円(発電量が約5%増加)、
出量の削減が可能となる。
更に発電量増加(223kW)によるCO₂排出削減量は20
既存の都市ごみ焼却施設では、稼働開始から2~3年
年間で約2万トンになる。
以上経過し、触媒の再生が必要となる施設が多い。これ
<CO₂排出削減量>
らの施設に本システムを導入し、性能が低下した触媒を
CO₂排出削減量(t-CO₂)=223kW×24h/日×
初期性能まで回復することで、触媒再生費が低減できる
330日/年×20年×
だけでなく、触媒脱硝装置運転温度の低温化による発電
0.000551t-CO₂/kWh
量の増加が可能となる。本システムは、温室効果ガスの
※
=19,463 t-CO₂
一種であるCO₂の排出量削減効果が高く、日本の温室効
※CO₂排出係数は平成25年度の電気事業者ごとのCO₂排
果ガス削減の取り組みに大きく寄与するものである。
出係数の代替値を使用
更に、都市ごみ焼却施設に限らず触媒脱硝装置を設置
し、硫安や酸性硫安の付着により触媒の劣化が生じる産
5.将来性
業廃棄物焼却施設や、ボイラ・発電施設に対しても本シ
ステムを導入し、触媒を再生することが可能である。
新規の都市ごみ焼却施設では、触媒再生費を低減でき
ることに加え、本システムの採用を前提とした触媒脱硝
ガス温度:160℃
ガス温度:160℃
アンモニア
バグ
フィルタ
アンモニア
バグ
フィルタ
蒸気式ガス
再加熱器
触媒
脱硝装置
飛灰
蒸気式ガス
再加熱器
触媒
脱硝装置
飛灰
ガス温度:210℃
ガス温度:180℃
煙突
従来運転時
煙突
低温運転時
再加熱用蒸気使用量:減 ⇒ 発電量:増
図3 触媒脱硝装置入口ガス再加熱模式図
表2 従来方式と本方式のコスト比較
(試算条件:100トン/日×2炉)
38
従来方式
本方式
設備費
ベース
+0.4億円
触媒再生費
ベース
-1.8億円
発電量
ベース
-4.2億円
活性炭吹込量
ベース
-1.7億円
合計
ベース
-7.3億円
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特集
優秀環境装置①/中小企業庁長官賞
全自動スラリー回収脱水装置
株式会社 アメロイド日本サービス社
代表取締役 中里 哲之
1.開発の経緯
まず初めに、めっき事業者に当社の油水分離機を販売
する目的で全社的に営業活動を実施した。その結果、油
なるため、その処理費が安くなることは明白である。に
もかかわらず、ほとんどの業者が余儀なくフィルター式
脱水機から排出されたままの脱水汚泥を産廃処理してい
た。
水分離機のニーズよりも、排水処理施設で使用している
これまでも既存の脱水汚泥に熱風をあてて乾燥させる
フィルター式脱水機において、その脱水性能の向上や維
専用装置はあったようだが、実際に採用されたケースは
持管理の容易化・低コスト化等をほとんどの業者が一様
見かけていない。それはフィルター式脱水機の脱水汚泥
に求めていることが分かった。
が約30mmの分厚い「ケーキ状」であるため、熱をかけ
具体的にはフィルター式脱水機から脱水汚泥を排出す
ても表面は乾燥するが内部まで乾燥させるには膨大なエ
る際、1時間程度の作業を1日1回、多い時は1日数回
ネルギーが必要であり費用対効果が得られなかったから
も実施しており、またその脱水物は30円~40円/kgで
である。天日干し等の方法もあるが、相当のスペースと
産業廃棄物として外注処理していて、その費用は年間に
内部まで乾く時間が必要で採用されているケースは少な
すると数百万円もかかっている。これらを改善したいと
かった。
いうニーズである。
遠心分離機で作業工数を削減する提案を実施したが、
最初にフィルター式脱水機の作業で苦労していること
もし同時に含水率が既存より低くなる機能を遠心分離機
を知り、当社が従来から製造販売している全自動型の遠
に盛り込むことができれば、より貢献度が高い製品にな
心分離機を紹介し、その装置への代替による工数削減を
るのではないかと考え、開発に着手した。
提案した。作業工数の削減については、多くの顧客から
色々と検討を重ねた結果、発想を一変し、含水率をい
支持を得たが、遠心分離機で脱水して排出された脱水汚
ったんあえて高めにしてから乾燥させるという方法が考
泥は、含水率が85%以上と既存の脱水汚泥の含水率75
案された。
%より高かったため、産廃費の増加を指摘された。それ
最大の着目点は、徐々に含水率を増やし88%を超え
によって、作業工数の削減と産廃物の低減のニーズが同
てくると脱水汚泥がペースト状になったことだった。そ
時に存在していたことを知った。
の状態であれば分厚いケーキ状と違って簡単に薄く引き
含水率が低くなると産業廃棄物の重量や体積が少なく
延ばすことができる。
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テストと改良を繰り返し、遠心分離機で88%~90%
式脱水機で排出する汚泥の含水率75%と比べて本装置
のペースト状態を作り上げ、それを1mm未満に薄く引
では20%以下と低く、産廃処理量としては70%以上削
き延ばして多大な表面積を生み出し、それを加熱するこ
減でき、年間にして数百万円の経済的メリットを生む。
とで少ないエネルギーで素早く含水率を低減させる、高
またメンテナンス性にも優れており、人手が一切かから
効率な本装置が完成した。
ない全自動型である。
2.装置構造
3.性能
① 排水中の汚泥を全自動で回収・脱水・乾燥してパ
本装置は遠心式脱水機とドラム式乾燥機を独自の技術
ウダー状で排出する。
で一体化した装置である。工場等の排水処理設備で発生
する汚泥(スラリー)を脱水して乾燥まで行う。排出汚
② 排出した汚泥は産業廃棄物として処理されるが、
泥は産業廃棄物として処理されるが、従来のフィルター
従来装置のフィルター式脱水機に比べて排出物を低
遠心式脱水機
制御盤
ドラム式乾燥機
写真1 装置外観
スラリーを供給
遠心分離機
アメロイド遠心分離機の原理
ペースト
ドラム
蒸気でドラムを加熱
❶
円筒容器を回転さ
せる
ドラム用スクレーバ
❷
回転している円筒容
器にスラリーを連続
投入するとろ液がオ
ーバーフローする
❸
その状態を断面で見
ると円筒容器の内壁
にペーストが堆積し
ていく
❹
一定時間ごとに自動
でペーストをかき落と
す
ろ液を排出
ペーストを排出
パウダー
ペーストを薄く延ばす
ペーストが乾燥してパウダーに
ドラム乾燥機
パウダーを掻き落し
含水率
20%のパウダー
図1 作動原理
40
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特集:優秀環境装置①/中小企業庁長官賞
工場の設備
排水の流れ
原水槽
スラリー
PH調整槽
排水処理施設
ポンプ
ろ液
凝集沈殿槽
パウダー
下水
図2 フロー例
表1 型式選定
型式
GR40-S1
GR40-S2
CR40-S3
GR40-S4
スラリー処理量※1
1,580kg/日
3,100kg/日
7,260kg/日
10,610kg/日
GR40型パウダー排出量
(含水率20%)
〜19kg/日
〜37kg/日
〜87kg/日
〜126kg/日
フィルタープレスケーキ排出量
(含水率75%)
〜60kg/日
〜118kg/日
〜276kg/日
〜403kg/日
産業廃棄物処理量の削減率
約70%
※1 スラリー含水率99%の場合の計算値
含水率に処理でき、産業廃棄物処理量を70%以上
品に交換する必要がある。しかし実際にはそのコスト
削減できる。
を抑えるため、目詰まりしたフィルタを塩酸等の危険
本装置の型式選定を表1に示す。
4.維持管理
⑴ 省力化
従来のフィルター式脱水機では脱水汚泥が30mm
物によって洗浄し再利用することが多かった。
その点、
本装置は遠心式脱水機を採用したことで、フィルタの
ような目詰まりするものがなく、塩酸で洗浄するとい
った危険な作業が不要になった。
⑶ 職場環境を改善(安全衛生)
×1,000mm×1,000mm程度の板状になる。従って
脱水汚泥を脱水機から取り出してはドラム缶等に砕
作業者は、手作業で脱水機から脱水汚泥を取り出し、
きながら入れるといった作業は多い時に1日数回と頻
かつそれを産業廃棄物処理事業者へ処理委託するた
繁に行われており、腰痛等の問題を抱えている作業者
め、ドラム缶やフレコンバッグに砕きながら入れると
も少なくなかった。特に高齢の作業者にとっては負担
いった手間が発生していた。本装置では、全自動でサ
が大きい作業であった。
ラサラの粉状の脱水汚泥になり、かつ直接ドラム缶や
脱水機が本装置に置き換わることで作業者の手間が
フレコンバッグで受けることができる仕様になってい
ほとんどかからなくなり、工数削減や腰痛解消といっ
るため、作業者の手間がほとんどかからなくなった。
た職場環境の改善につながった。
⑵ 危険作業を解消(安全衛生)
フィルター式脱水機は目詰まりするとフィルタを新
⑷ 異臭を軽減(環境)
産業廃棄物処理事業者が脱水汚泥を回収に来るまで
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41
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の間、含水率が高い状態で放置しておくとバクテリア
作業者の手間はほとんどなくなる。従来の脱水機に費
等の影響で異臭が発生してしまう。しかし本装置から
やしていた日常工数を生産や製品改良・開発に充てる
排出される脱水汚泥は、含水率が極めて低いサラサラ
ことが可能になる。
の粉状なので、長期に放置しておいても異臭の発生が
⑷ 維持管理コスト低減
なく、近隣住民への影響も含め大幅に環境への影響が
遠心式脱水機はフィルタ等消耗品を使用しないの
軽減された。
で、購入費・交換作業工数が不要で維持管理コストが
5.経済性
⑴ イニシャルコスト・維持管理コスト
⑸ 省エネルギー
産業廃棄物処理事業者の廃棄物処理方法は、金属を
フィルター式脱水機は20年~30年の周期で更新し
回収し鋼材への再利用や、汚泥を焼却しその灰をコン
ている。更新の際に本装置を導入すると、従来装置に
クリート等に混入させて再利用する等事業者により異
比べて本装置の本体価格は高めだが維持管理コストが
なるが、含水率は低い方が処理しやすく、処分場の負
低いので、本体価格の差額は約1年で回収でき、導入
荷軽減や省エネルギー化につながる。
メリットは大きい。仮に、更新時期ではなくても従来
また、産業廃棄物の総量削減により、産業廃棄物処
装置から本装置に置き換えた場合、約3年で回収でき
理事業者によるトラック運搬回数が70%以上低減し、
る。
燃料費削減、排気ガス(CO₂)削減につながる。
⑵ 産業廃棄物処理コスト低減
含水率を0%にすると脱水汚泥が粉末状に舞い上が
6.将来性
る懸念があったため、検証の結果、排出するパウダー
めっき事業者は水質汚濁防止法により各社排水処理施
の含水率を20%前後に設定した。それでも既存の脱
設をもっている。その施設のほとんどにフィルター式脱
水機での排出物と比較して産業廃棄物処理量を70%
水機が導入されているため、フィルター式脱水機からの
削減でき、産業廃棄物の処理コストが大幅に低減され
入替によってメリットが出る本装置は、ほぼ全てのめっ
た。
き事業者が対象となり市場規模は大きい。めっき業界の
⑶ 工数低減
ドライセパレータは全自動式のため人手が不要で、
42
低減される。
他にも排水処理施設が工場内に設けられているケースが
あり、市場は拡大していくと予測している。
INDUSTRIAL MACHINERY 2015.10
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産業・
機械遺産
を巡る旅
vol.22
岡崎市の紡績関連遺産
(愛知県)
産業編
愛知県三河地方を流れる矢作川の流域には、今でも水車のための堰堤や
水路の遺構が多く残っている。昔、この山間の地域は日本の産業革命の
中心地であった。明治・大正・昭和を通じて栄えた三河地方の紡績産業は、
日本の繊維産業史を語る上で欠かすことのできない重要な役割を果たし
てきた。
日本和紡績工業組合所蔵のガラ紡績機
紡
績機の開発はイギリスで始まっ
たのが岡崎・豊田を中心とする三河地方
して官営愛知紡績所が完成。その後、洋
た。1764(宝暦14)年にジェニー
であった。1877
(明治10)
年の内国勧業博
式紡績を行う大規模な紡績会社が次々と
紡績機、1777(安永2)年にミュール精
覧会での発表直後に、甲村瀧三郎によっ
設立された。これらの紡績会社は原料を
紡機が発明され、産業革命の端緒となっ
て三河地方で最初のガラ紡績機がもたら
国産綿・中国綿からインド綿へと変える
た。明治初期に日本に輸入されたが、洋
された。当初は40錘の手廻しガラ紡績
ことで均質な細糸を量産することに成功
式機械紡績は多くの工程と、関連する
機であったが、2年後には紡績機を水車
した。こうした状況を見た三河地方の紡
様々な機械を必要としたため普及は進ま
に結合して水力で稼働させる水車紡績が
績家たちは、
経営方針の転換を決断する。
なかった。
始まった。1882(明治15)年には三河地
安価な中国綿や大型工場の落綿などを原
1873(明治6)年、世界に類を見ない画
方だけで6万8千錘の水力ガラ紡績機が
料として、布団袋・足袋底などに使われ
期的で独創的なガラ紡績機が日本人によ
普及するなど、
爆発的に広がっていった。
る太糸の生産に活路を見出した。この市
って発明された。ガラ紡績機が独創的と
1878(明治11)年にはガラ紡績機を積
場開拓と原料転換によってガラ紡績は再
言われた理由は、洋式機械紡績と異なる
んだ船の両側に水車を付け、川の流れで
び生産高を伸ばした。昭和10年代には
紡出方法にある。洋式紡績が糸に回転を
水車を回して紡績を行う船紡績が始まっ
動力源を電力へと転換、170万錘を超え
与えて紡ぐのに対し、ガラ紡績機は綿の
た。これは愛知県幡豆郡の鈴木六三郎が
る規模となり、戦前戦後の三河地方の一
方に回転を与えて糸を紡ぐ。必要な工程
矢作古川で操業したのが最初で、最盛期
大地場産業となった。
はガラ紡績機の方がはるかに少なく、関
の1898(明治31)年頃にはガラ紡船は矢
愛知県岡崎市の総合検査センターで
連機械も必要としなかった。また、国産
作川全体で約100隻に達した。水車を動
は、日本和紡績工業組合所蔵のガラ紡績
綿など繊維が短い綿の紡績に適していた
力源とするガラ紡績機は三河地方を中心
機が展示されている。日本繊維産業発展
ことから、瞬く間に国内に普及した。
に広がっていった。
の礎となった独創的な機械の貴重な実物
ガラ紡績機が国内で最も普及・発展し
1881(明治14)年、岡崎に模範工場と
を見ることができる。
周辺一押し情報
Information
男川
田
▶所在地:〒444-0802 岡崎市美合町五本松68番地1
乙川
古
←安城
線
▶利用料:無料
本
屋
▶開館日時:9:00∼16:00
▶休館日:土日祝日
1
新城→
48
→
橋
美合
豊
岡崎市
総合検査センター
↓幸田
近代化産業遺産は経済産業省が認定したものです。
道
名
26
海
東
鉄
名
▶電話:0564-57-0530
▶交通機関:名鉄バス 光ヶ丘バス停下車、徒歩5分
2月6日
(土)
滝山寺 鬼まつり
豊
←
岡崎市総合検査センター
3月15日
(火)
田縣神社の豊年祭
5月5日
(木・祝)
長篠合戦のぼりまつり
天下泰平・五穀豊穣を願い、松
明数十本が乱舞する滝山寺鬼ま
つり
写真提供:岡崎市、岡崎市観光協会
産業機械 2015.10
P043_産業機械遺産_機械編.indd 43
43
15/10/13 15:12
米国の2015年上半期の経済動向と
製造業の動向について
Part
1
〜海外情報 平成27年9月号より抜粋〜
(ジェトロ・シカゴ事務所 産業機械部 高橋 貴洋)
米連邦準備制度理事会(FRB)が2008年以来続けて
なっている。
きたゼロ金利政策を解除し、利上げを行うタイミングに
⑴ 国内総生産(GDP)
注目が集まっている。FRBのイエレン議長は、2015年
2015年7月30日、米商務省は2015年第2四半期
内の利上げを想定しているとの考えを示している一方、
の実質国内総生産(GDP)の成長率(速報値)は2.3%
利上げは経済統計次第との説明を繰り返している。
となったと発表した。また、第1四半期のGDP成長
2015年上半期の米国の経済指標は2015年の1~3
率は前期比-0.2%から0.6%へと上方修正されたこ
月期は寒波の影響を受けて低迷したものの、4~6月期
とで、底堅い成長が確認された。FRBによる年来利
は比較的明るい数値が出ており、強弱が混在した状態に
上げを正当化する材料になると見られている。
ある。そのため、今後の利上げのタイミングを見通すの
⑵ 貿易収支
は難しい状況となっている。
2015年8月5日、米商務省は6月の貿易収支(財、
こうした中、今後の2015年下半期の経済動向を占う
サービス含む、季節調整済み)は438億ドルの赤字(前
意味も含め、今回は2015年上半期の米国の経済動向と
月比7.1%増)と発表した。主要な貿易相手国通貨に
製造業の動向について報告する。
対してドル高となり、輸入品に割安感が出たことで自
動車、原油などの輸入が増えた。ドル高や海外の成長
1.米国経済全体の動向
低迷の状況を踏まえると今後も貿易赤字の継続、拡大
が懸念されるため、成長の足かせになると見られてい
経済成長の底堅さを見せる一方で、
ドル高基調により、
る。また、この貿易赤字は今後発表されるGDPに対
貿易赤字が増加するなど、いまだ予断は許さない状況と
(%)
5.0
4.6
4.6
3.8
4.0
2.9
3.0
3.0
2.7
1.9
2.0
0.8
1.0
0.5
2.3
2.1
1.9
0.0
1.1
0.6
0.1
−1.0
−0.9
第2四半期
2015年第1四半期
第4四半期
第3四半期
第2四半期
2014年第1四半期
第4四半期
第3四半期
第2四半期
2013年第1四半期
第4四半期
第3四半期
第2四半期
2012年第1四半期
第4四半期
第3四半期
第2四半期
2011年第1四半期
−2.0 −1.5
4.3
出典:米商務省公表資料より作成
図1 米国国内総生産
(GDP)
成長率
(季節調整済み)
の推移
44
INDUSTRIAL MACHINERY 2015.10
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(億ドル)
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
−500
−1,000
2014年
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
2015年
1月
2月
3月
4月
5月
6月
■ 貿易収支 -395
428
431
443
421
424
414
413 -432
428
400
455
424 -372
506
407
409
438
■ 輸出
1,929 1,895 1,948 1,950 1,973 1,956 1,969 1,973 1,951 1,978 1,962 1,950 1,895 1,868 1,880 1,901 1,887 1,886
■ 輸入
2,323 2,323 2,379 2,393 2,393 2,380 2,383 2,386 2,382 2,405 2,362 2,405 2,319 2,240 2,386 2,308 2,297 2,324
出典:米商務省公表資料より作成
図2 米国の輸出入及び貿易収支の推移
⑵ 鉱工業生産指数、設備稼働率
しても下押しの影響を与えることとなる。
米鉱工業生産指数は、米国の製造業、鉱業等の生産
2.製造業の動向
動向を2007年を100として指数化したものである。
総合指数の他、産業別やグループ別の数字も公表され
⑴ ISM製造業景況指数
るため、業種別の生産動向を知る手段として用いられ
ISM製造業景況指数とは、企業の景況感を示す指数
であり、50を景気の拡大・縮小をはかる分岐点とし
る。米連邦準備理事会(FRB)が設備稼働率と併せて、
ている。50を上回れば景気が拡大していると判断さ
毎月公表している。
7月15日及び21日、FRBは6月の米鉱工業生産指
れる。
8月3日、米供給管理協会(ISM)は、7月のISM製
数は107.1(前月比+0.2)と発表した。4月、5月と
造業景況指数は52.7%(前月比0.8%減)と発表した。
2ヶ月連続で前月比マイナスが続き、足踏みが懸念さ
景気の拡大を示す50を31ヶ月連続で上回ったもの
れていたところ、やっとプラスに転じた形となった。
の、新規受注や生産を除く、多くの項目で前月を下回
一方、2015年第2四半期としては2ヶ月連続のマイ
ったことから、ドル高が製造業の生産動向に影響を与
ナスが響いて前期比1.4減となった。また、設備稼働
えているのではと懸念されている。
率は77.8%(前月比0.4%減)と減少した。
70
65
60
55
52.6
54.1
50
52
52.8
54.4
55.6 55.6 55.8 56 56.1
54.3 54.4
56.4
55.3 55.6 55.7
58.1
56.1
57.9 57.6
55.1
53.5 52.9
52.8 53.5 52.7
51.5 51.5
51.8
50.3 50.1
45
7月
5月
6月
4月
3月
2月
月
2015年1月
月
10 11 12
月
9月
8月
7月
5月
6月
4月
3月
2月
月
2014年1月
月
10 11 12
月
9月
8月
7月
5月
6月
4月
3月
2月
2013年1月
40
出典:米供給管理協会
(ISM)
公表資料より作成
図3 ISM製造業景況指数
産業機械 2015.10
P044-050_海外レポート.indd 45
45
15/10/13 15:12
108
106.3 106.3
106
105.2
104.5
104
102
100
98.4
99
99.5 99.3 99.4 99.6 99.4
100
102.3
101.4 101.6
100.7
103.7
103.1
104.1
105.6
105.8
105.1
104.5
105.9 106.1
105.6
105.4
103.2
101.3
100.8
98
96
6月
79
5月
3月
79
4月
2月
2015年1月
月
月
10 11 12
月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
2014年1月
月
月
10 11 12
月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
2013年1月
94
出典:米連邦準備制度理事会
(FRB)
公表資料より作成
図4 米鉱工業生産指数
(2007年=100)
の推移
(%)
80
79.8
79.5
79.1
79
78.5
78.3
78
77.8
78
77.8 77.8 77.8
79.1
79.1
79.6
79.2
79.1
78.6
78.5 78.5
78.2
79
79.2 79.3
79.4
78.5
78.2
78.1
77.8
77.8
77.5
77.5 77.4
77
76.5
6月
5月
4月
3月
2月
月
2015年1月
月
10 11 12
月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
月
2014年1月
月
10 11 12
月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
2013年1月
76
出典:米連邦準備制度理事会
(FRB)
公表資料より作成
図5 米鉱工業設備稼働率の推移
46
INDUSTRIAL MACHINERY 2015.10
P044-050_海外レポート.indd 46
15/10/13 15:12
Part
2
駐在員便り in ウィーン
〜海外情報 平成27年10月号より抜粋〜
(ジェトロ・ウィーン事務所 産業機械部 藤田 侑士)
皆さんこんにちは。ウィーンは9月に入り、先月まで
また、最近開催された催し物として、8月27日~30
の暑さはどこへいったのか、すっかり冷え込むようにな
日までの4日間、ウィーン近郊のSchwechatで、オー
りました。9月初旬には最低気温が10℃を下回ること
ス ト リ ア 最 大 の ア ニ メ の 祭 典 で あ る「AniNite」が
もあり、街行く人たちの服装も半袖から長袖に、人によ
“Otaku of the Year”をスローガンに開催されました。
っては冬物のコートやマフラーを着用している人もちら
2011年の初開催以来、今年で5回目を迎える本イベン
ほら見かけるようになりました。緑だった木の葉も黄色
トは、元々は約70人が日本の映画やビデオゲームをプ
や赤色に色づき始め、今年の夏はもう終わったのだと感
レイする小規模なものでしたが、回を重ねるにつれて規
じます。ウィーンに着任し初めての夏を振り返ってみる
模が急速に大きくなり、今では日本の若者文化や大衆文
と、現地の新聞が報じる通り、こちらでの夏はあっとい
化を紹介するイベントとして、2014年には14,000人
う間に過ぎ去っていきました。5月から6月にかけての
が、今年は20,000人を超える方が来場しました。皆さ
春から夏への移行期間は日本とあまり変わらないと思い
ん、思い思いのコスプレに身を包んで参加され、本イベ
ましたが、夏から秋へは日本と比べて約1ヶ月早く感じ
ントを楽しまれたようです。また、本イベントには日本
ます。
のゲームメーカー大手の任天堂さんも協賛しています。
9月からは欧州の長い夏休み期間が終わり、通勤・通
ウィーンにはゲーム文化が浸透しているのか、10月
学時のトラムや電車にも6月頃と変わらない多くの学生
2日~4日にまでの3日間にも、ウィーン市庁舎で
の姿が見られるようになりました。今となっては朝にゆ
「Game City」と呼ばれるイベントが開催されました。
っくりと乗車できたバケーションシーズンの閑散期が懐
かしいと思うほどです。
電車の話題つながりとして、ウィーンの電車で日本と
の違いに驚いた経験を紹介させていただきます。それは、
こちらのトラムや電車では、飼い犬の乗車が当たり前の
ように認められていることです。他の乗客を噛まないよ
う安全を考慮し、乗車の際には犬の口に網状のマスクを
被せることが必要のようですが、それがなくともこちら
の犬は躾が行き届いているのか非常に静かで、車内で吠
えているのを見たことがなく感心しました。また、衣料
品店や雑貨店などにも飼い犬と一緒に来店している人を
よく見かけます。散歩の際に使用するリードの長さも日
本では1~2m程度ですが、こちらでは3~4mほどあり、
犬の行動可能範囲があまり制限されていません。欧州で
は生活する上での犬と人との距離が非常に近しいと感じ
ました。
ウィーン市内の中心部に位置するシュ
テファン大聖堂です。現在外装の修復
工事中ですが、無料で中を見学するこ
とができます。年間の訪問者数は約300
万人に達するとのことです。
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47
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今年で9回目を迎えるこちらのイベントは、ゲームを通
安航空会社(LCC)のNIKI社が、2016年3月19日から
してゲームを行う子供たちが将来発生する課題に対処す
ポルトガルのFaro空港とウィーン間を結ぶ航空便を増
る力を養う目的で、社会の発展に貢献しようとするもの
便します。また、同社は2016年5月からクロアチアの
です。
「AniNite」
「Game City」とも参加費は無料ですの
ドブロブニク及びスプリットとウィーン間を結ぶ航空便
で、興味のある方はぜひ。
が就航します。これらの地へ乗継便を利用して行かれる
最後に、現地の新聞でウィーンからの航空便の増便が
方は参考にしていただければと思います。
報じられていましたので紹介します。オーストリアの格
check
Point in
実は現地が発祥のものは?
オーストリアが発祥と言われているものの中から、今回は以下の3点を
紹介したいと思います。
1.Red Bull(写真1)
日本でも有名な清涼水飲料Red Bullは、ザルツブルグに本社を置くRed
Bull GmbH社より販売されています。1987年4月1日にオーストリアで
第1本目が売れて以降、現在では世界167ヶ国で累計500億本以上が販
売されています。また、販売地域では写真1のようなRed Bullのサンプリ
ングカーが走行しており、Red Bullの試供品をいただける場合があります。
2.ワルツ(写真2)
ワツルは、13世紀頃、オーストリアのTirol州やドイツのBayern州の
農民の間で踊られていた“ヴェッラー”というダンスから発達し、18世紀
にハプスブルク家の宮廷文化に取り入れられました。そして、ウィーン会
議という国際的な場にワルツが初めて登場し、その当時に活躍したヨハン・
シュトラウス親子の舞曲が有名です。
3.SWAROVSKI(写真3)
日本でも有名なSWAROVSKIは、オーストリアのインスブルックに本
社を置くクリスタル(高級ガラス)製品の製造企業です。一般にラインスト
ー ン 製 品 な ど を SWAROVSKI と 呼 ぶ 場 合 が あ り ま す が、 正 確 に は
SWAROVSKI社製以外のものは“SWAROVSKI風”と呼ばれるそうです。
【上】
(写真1)
Red Bullのサンプリングカー。
また、SWAROVSKI社の製品は通常のガラスと比べ鉛の含有量が高く、 【中】
(写真2)
ワルツの様子。
独自のカット技術と加工法により宝石のような輝きを放っています。
Part
3
駐在員便り in シカゴ
〜海外情報 平成27年10月号より抜粋〜
(ジェトロ・シカゴ事務所 産業機械部 高橋 貴洋)
9月に入りシカゴもずいぶん寒くなってまいりまし
ん人影がまばらになりました。また、この時期は大学や
た。この時期は冬に入る前の短い秋の始まりでもありま
高校の新年度の開始の時期とも重なりますので、学生の
す。9月の第1月曜日は米国の祝日である「Labor Day
アルバイトに頼っていたレジャー施設や臨時の飲食店な
(労働者の日)
」と定められており、今年は9月7日とな
どは閉鎖され、次の夏のオープン時期まで長い休眠を迎
りました。土日を含めたこの3連休を境にして、夏休み
48
【下】
(写真3)
SWALOVSKI社のロゴ。
えることとなります。
モードから完全に通常モードに切り替わります。ダウン
さて、スポーツの秋とはよく言ったもので、暑くもな
タウンでは8月末まで、あれだけ人で溢れていたミシガ
く寒くもないこの時期はスポーツをする上では、非常に
ン湖岸のビーチや遊園地などのレジャー施設でもずいぶ
良い環境が整う時期と言えます。9月半ばには、私の子
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供が通うシカゴ双葉会日本語学校・補習校の運動会が行
でも重要なイベントであるそうです。確かに、徒競走や
われました。
リレーなどはスポーツ競技でもあり、非常に理解しやす
シカゴの日本語学校・補習校はシカゴ郊外のアーリン
い競技ですが、玉入れや綱引き、大玉転がし、障害物競
トンハイツ市にあるシカゴ日本人学校の校舎で毎週土曜
争、応援合戦などは日本の独特の雰囲気が感じられます。
日に開校されています。幼稚園から高校生まで約640
改めて運動会の競技を見てみると、日本の文化や慣習に
名の生徒が通っており、ざっくりと分けると、2/3が当
つながっているものだと感じられました。また、競技開
地駐在の日本人家族の児童で、残る1/3が当地在住の両
始前の準備運動(ラジオ体操第一)も日本人の私には当
親のどちらかが日本人の児童という構成だそうです。月
然自然に感じられますが、米国人のご両親はどう見てい
曜から金曜日は現地の学校に通い、土曜日は補習校で日
るのだろうと思ってしまいました。こういった、ごく当
本語の学習を行うこととなります。週末の休みは日曜日
たり前で何気なく行っている普段の行事の中にも、国に
となるのですが、それでも元気に補習校に通う子供達を
より様々な文化的な要素や慣習が含まれているものだと
見ると自分も頑張らなきゃという気持ちになります。そ
気付かされました。
ういえば、自分が子供の時は、土曜日も学校がありまし
スポーツつながりで言いますと、この時期にはシカゴ
たが、授業は午前中だけで、どちらかと言うと午後から
の各地域にてマラソン大会が開催されています。私の住
の部活や遊びの方に集中していたりしました。やっぱり、
んでいる地域の学区内(学区内に28の小中学校、高校が
土曜日は頑張るよりリラックスタイムにした方が良いも
あります)でもマラソン大会が開催されました。地域の
のです(これも時代の流れです)
。
マラソン大会なんて大した規模ではないと思っていまし
話を戻しまして、補習校の運動会。米国の学校では運
たが、学校単位で参加者を募り、送迎のスクールバスも
動会という行事はないため、運動会は日本文化を学ぶ上
出すなど大変力が入っており、多くの方が参加されてい
たので非常に驚きました。普段から、路上を走るマラソ
ンランナーをよく見かけますので、マラソンはシカゴで
も根付いているスポーツの習慣なのかもしれません。
シカゴでマラソンといえば、忘れてはならないのは毎
年10月上旬に開催されるシカゴマラソンです。シカゴ
マラソンは国際陸上競技連盟が認定する公式なマラソン
大会であり、世界のトップランナーや市民ランナーなど
約4万5千人のランナーが参加します。一般の参加者は
日本語学校・補習校の運動会の様子
紅白でのチームの分けも日本の伝統?
昨年のシカゴマラソンの様子
シカゴマラソンの公式ガイドブック
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過去のフルマラソンのタイムや以前のシカゴマラソンの
畔の平坦な地域を走るため、比較的記録の出やすいコー
大会完走記録など一定の条件を満たした方を除くと、一
スとしても有名で、過去の大会では4度世界記録が誕生
般応募に応募し、抽選で当選することにより大会に出場
しています。米国のマラソン大会では、ボストンやホノ
することができます。マラソンコースはシカゴのダウン
ルル、ニューヨークなどが有名ですが、ランナーの皆さ
タウンの中心部にあるグランドパークをスタートし、ダ
ん、記録の出やすいシカゴマラソンで、自己記録更新を
ウンタウンのビル群を横目で見ながら、都市部を一回り
狙ってみるのはいかがでしょうか。
し、再度グランドパークに戻ってくる都市型マラソンの
※補足:シカゴマラソンの一般応募は例年3月∼4月に行われています。大会の申
込方法などの詳しい情報は大会公式ホームページにてご確認ください。
コースとなります。シカゴマラソンは、ミシガン湖の湖
check
Point in
実は現地が発祥のものは?
シカゴはブルースやジャズのメッカとして知られています。
特に、シカゴ・ブルースはそれまでギターでの弾き語りが中心
であったブルースにエレキギターを導入し、バンドスタイルと
して発展、誕生させたブルースと言われています。米国南部か
らシカゴに移住してきた黒人達によってブルースが伝わり
1950年代にシカゴ・ブルースが登場、1950年代中頃から
1960年代にかけてシカゴ・ブルースの黄金期となりました。
現在、シカゴでは、街中にあるライブハウスで食事や飲み物を
いただきながらブルースを聴くことができます。また、ダウン
タウンの路上や地下鉄のホームなどでもフリー奏者による演奏
のパフォーマンスが見ることができます。毎年夏には、数日に
【上】
ライブハウスやコンサートホールがある
「House of Blues」
。
わたり「シカゴ・ブルース・フェステバル」が開催され、約50 【右下・左下】
ダウンタウン北部にあるライブハウス「Blue Chicago」
。演奏が始まる
万人を超えるブルースファンが集まります。
午後3時には小さな店内が聴衆でいっぱいになります。
海外情報−産業機械業界をとりまく動向−目次
平成27年10月号
調査報告
(ウィーン) 英国における嫌気性消化市場の現状
(シカゴ) (調整中)
情報報告
(ウィーン) 欧州のバイオ燃料の現状
(ウィーン) 欧州の再生可能エネルギーハイブリッド電力プラント
(ウィーン) 欧州環境情報
(シカゴ)
米国環境産業動向
(シカゴ)
最近の米国経済について
(シカゴ)
化学プラント情報
(シカゴ)
米国産業機械の輸出入統計
(2015年6月)
(シカゴ)
米国プラスチック機械の輸出入統計
(2015年6月)
(シカゴ)
米国の鉄鋼生産と設備稼働率
(2015年6月)
※海外情報は当工業会ホームページでもご覧になれます。
(http://www.jsim.or.jp/)
50
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今月の新技術①
ベアリング入り
反転用アイボルトの開発
A New technology of this month
株式会社 ルッドリフティングジャパン
代表取締役 平松 修
トモマワリやボルト緩みが発生し、安全とは言い切れな
1.はじめに
かった。
金型や産業機械など重量物の移動や反転作業は、危険
が伴い重大な事故につながる。
これらを吊り上げるアイボルトやアイプレートの構造
は、
荷重を掛けながらの反転作業に対して不向きである。
2.概要
⑴ 仕様
① サイズ
回転式アイボルトは市場に出始めているものの、ベア
従来のロードリングと同じ大きさ重量を維持しなが
リングが封入されておらず荷重を掛けながらの反転には
らもボールベアリングを上下二段に組み入れ、あら
ゆる荷重下でもスムーズな回転ができるようにした。
② ボルト強度アップ
従来の10.9級ハイテンボルトより更に靱性度、
強度をアップさせた特許材料ICEを使用したボルト
を新たに開発し、当社内製造を行った。
③ 検査を容易に
本体に摩耗度合いを目視及び触診で確認できる摩
耗ノッチ(特許)を配置した。
④ オクタゴンデザイン
写真1 ベアリング入り反転用アイボルト
図1 ロードリング
熱処理されたアイボルトであることをイメージさ
図2 ICEボルト
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せる八角形を施し、従来の商品とは強度面で違うこ
ーサビリティ及び日頃の点検用に別売りのリーダー
とを印象付けた。
で読み込み管理ができる。欧州では月1回の定期検
⑤ 温度による色変化の特殊塗装
査が義務付けられ、ペーパーレスにも一役買ってい
射出成型等高温度下になる金型にも使用されるた
め、本体強度の低下具合を色表現できる特殊な塗装
を採用した(特許)
。他の作業者にも熱が加わった
ことが認知できるようになっている。
る。
3.おわりに
人の命に直接関係する吊り具製品なので、更なる技術
⑥ RFID技術を利用したICチップ
革新を今後もメーカーとして目指し商品開発を行いた
直径4mmのICチップを本体内に埋め込み、トレ
い。
図3 摩耗ノッチ
図4 温度による色変化を実現した特殊塗装
図5 ICチップリーダー
52
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今月の新技術②
重力鋳造設備の開発
A New technology of this month
新東工業株式会社
鋳造事業部 技術グループ
アルミ・中子設計チーム
新東工業株式会社
鋳造事業部 技術グループ
アルミ・中子設計チーム
技術員 舩越 行能
技術員 金田 圭之郎
ことにより、動作による衝撃や振動を軽減することで
1.はじめに
静かな湯流れを可能にする。また、注湯動作は型種ご
金型重力鋳造は、鋳造欠陥が少なく内部組織が緻密で
とにキャビティ形状に応じた注湯条件をパターン化し
ある特長を活かし、特に強度や耐圧性を要求される軽合
て管理する。金型交換時は、パターン選択をするだけ
金鋳物の生産で広く使われている。
で高い再現性をもつ注湯を行い、品質の安定化を実現
今般、これらの特長を活かした高品質な鋳物を生産で
き、なおかつ、省エネルギー・コンパクト化・メンテナ
ンス性の向上を実現した重力鋳造設備を開発したので、
させた。図1に、構造図を示す。
⑵ 省エネルギー性
図2に、当社従来機の消費電力を100とした場合
その構造及び特長について紹介する。写真1に本装置の
の、開発機との消費電力比較を示す。この図から明ら
外観を示す。
かなように、開発機では、当社従来機と比較して約
80%の省エネルギーを実現している。これは、1つ
2.特長
のアクチュエーターに複数の動作をさせることによ
⑴ 高品質な鋳物づくり
り、アクチュエーターが大幅に削減できたこと、金型
鋳造機は傾動中心を金型の中心に合わせることによ
重心付近に回転中心を配置したことでアクチュエータ
りラドルの移動距離を少なくし、溶湯を静かにキャビ
ー動力の大幅低減ができたこと、設備重量を大幅に軽
ティに充填する。傾動注湯はサーボモータを使用する
量化したこと、油圧ユニットの制御を最適化したこと
ラドル
金型
金型回転軸
写真1 装置外観
図1 サーボ駆動/NC制御
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53
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たことにより、開発機では、大幅なコンパクト化が実
100
現できていることが分かる。機体容積比で、従来の上
80
型はね上げ機構のものと比較して約40%低減し、上
60
型昇降機構のものと比較して約50%低減した。
これにより既存設備更新の容易化はもとより、レイ
40
アウトの自由度も広がり設備台数増加による増産対応
20
にも貢献する。
0
当社従来機
図4にレイアウト例を示す。
開発機
⑷ メンテナンス性
図2 消費電力比較(重力鋳造機単体)
などが主な要因である。これにより重力鋳造設備自体
のランニングコストの低減を実現した。
開発機では、アクチュエーターを大幅に削減し、機
械部品点数の削減により、消耗部品を当社従来機と比
⑶ コンパクト化
較して48%低減することができた。これによりメン
図3に、当社従来機である上型はね上げ機構の機体
容積を100とした場合の、上型昇降機構、開発機と
の機体容積比較を示す。新しい金型開閉機構を採用し
テナンスの必要な部位が減少し、必要な予備品点数を
低減できた。
このメンテナンス性の向上は保全時間の短縮につな
がり、稼働時間の向上、即ち生産性の向上に貢献する。
150
⑸ トータルトレーサビリティ
本開発機ではアルミ鋳物の品質に影響する要因であ
る金型温度、冷却流量、傾動パターン、実サイクルタ
100
イムなど重要なデータを採取してトレーサビリティに
活用できる仕様となっている。更に、当社の中子造型
50
設備や給湯装置などと組み合わせることにより、鋳造
0
の品質に影響する要因データをシステム全体で採取し
上型昇降機構
当社従来機
開発機
てトータルでのトレーサビリティができる。図5に、
図3 機体容積比較
5,100
5,100
従来機:2台
開発機:3台
図4 レイアウト例
54
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システム全体によるトータルトレーサビリティの一例
エネルギー化、コンパクト化などの点で、従来機と比較
を示す。このトータルトレーサビリティによりアルミ
して大幅に性能を向上させた重力鋳造設備を開発した。
鋳物づくりにおける品質の課題をより明確にすること
鋳物品質確保へのこだわりとしてサーボ傾動機構も採用
ができ、不良低減につなぐことができる。
しており、鋳物品質向上にも寄与できる装置である。今
後は、本開発機が金型重力鋳造品の更なる高品質化に貢
3.おわりに
献できれば幸いである。
従来機で採用されていた機構を見直すことにより、省
給湯装置
重力鋳造設備
中子造型設備
図5 トータルトレーサビリティ
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55
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リチウムイオン電池
負極材料加工技術
今月の新技術③
A New technology of this month
ホソカワミクロン株式会社
企画管理本部 経営企画部
次長 東 充延
は激化する傾向にある。
1.はじめに
本稿では、社会に根付き、今後更なる市場拡大が予測
リチウムイオン電池(LiB)の一般家電品への適用は
されるLiBの小型化、大容量化などの性能向上に大きく
1990年代から始まったが、この電池を用いたノートパ
貢献する粉体技術について、特に負極材料の加工に焦点
ソコンが発火するなど、安全性の問題が露見したため、
を当てて紹介する。
普及がなかなか進まない時期があった。しかし、近年で
は材料の研究が進むと共に構造上の改善が進んだこと
2.粉体技術から見た負極材料の改良ポイント
で、パソコンや携帯電話などの民生品はもとより、自動
LiBを構成する主たる部材は、正極、負極、セパレータ、
車への搭載実績も伸びつつあり、急速に使用量が拡大し
電解液の4種であることは広く知られているが、その中
ている工業原料のひとつとなっている。
で負極は充電時に正極から出たリチウムイオンを受け取
特に自動車メーカー各社では、ハイブリット車(HV)
り、放電時に電子を放出する役割を果たす。よって、リ
や電気自動車(EV)は、販売戦略上、不可欠なものとな
チウムイオンをなるべく多く吸蔵でき、スムーズに放出
りつつある。このような流れは、今まで日本企業が先導
できる材料が優れた負極材料の条件だと言える。
ただし、
してきたが、最近ではEV専門の自動車メーカーや欧州
工業製品として広く用いられるためには、コストも重要
の老舗自動車メーカーも加わり、各社の開発・販売競争
な要素となる。これらの条件を満たす材料として、現在
原料
微粉
分級部
分散部
空気
粗粉
図1 ファルカルティS型 外観と内部構造
56
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図2 天然黒鉛の球形化(左:原料=円形度0.85、右:処理品=円形度0.94)
最もよく用いられているのが黒鉛である。特に天然黒鉛
は人造黒鉛と比べて安価で、黒鉛化度が高く、リチウム
イオンを多く吸蔵できるため、電池の大容量化に有利な
3.電極密度向上を図る粒子球形化処理
大容量の電池の設計とは、リチウムイオンの放出と吸
材料として、自動車産業では大きな期待を寄せている。
蔵の量を増やすことを意味するが、そのためには電極に
しかし一方で、鱗片状の粒子形状のためにかさ密度が低
より多くの活物質を詰め込んで、密度の高い電極を作る
く、電極に加工した際に電極密度が上がらず、電池の大
必要がある。負極によく用いる天然黒鉛の場合、鱗片状
容量化が図りにくい材料でもある。また、集電体上で平
の粒子形状が災いし、そのままでは密度を高めることが
面状に配向しやすいため、電解液とのぬれ性が悪いこと
困難なため、粒子の角を丸めて詰まりやすい形状に加工
なども課題とされている。しかし、これらの課題が解決
することで改善を図る。この操作に適した装置がファカ
できれば、負極材料として非常に魅力的な特性を持って
ルティS型である。当装置は原料粒子の圧密・球形化と
いるため、かさ密度向上を図る粒子球形化処理やぬれ性
同時にこの加工で発生した微粉を除去することが可能
改善を図る表面改質処理が行われる。
で、高密度負極の設計を可能とするだけでなく、微粉を
除去することで電解液の分解抑制にも効果を発揮する。
0.90
2.0
0.89
1.8
0.88
1.6
0.87
1.4
0.86
1.2
● 円形度
■ タップ密度増加率
0.85
0.84
0
50
100
タップ密度増加率
(ー)
円形度
(ー)
また、連続バッチ運転によって生産量の拡大にも貢献す
1.0
150
処理時間
(min)
図3 ファカルティS型による天然黒鉛球形化の例
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る装置となっている。このように複数の機能を1台で実
能にする大容量LiBの開発は、重量面でも大きな負担と
現できることが当装置の最大の特長である。
なるバッテリーの小型軽量化にもつながり、その面でも
4.おわりに
航続距離の延長に貢献すると考えられる。また、安価な
材料の採用や大量生産による生産コストの低減は、LiB
EVはエコカーとしての価値は認識されているものの、
が車両価格の約25%を占めると言われるEVの価格引き
現状ではHVのように普及が進んでいるとは言えない。
下げのカギを握っていると言っても過言ではない。更に
その原因は、ガソリン車やHVなどと比較した際の航続
LiBは、車載用の他、発電量が一定しない自然エネルギ
距離の短さと割高な価格にあると考えられるが、これら
ーを用いた発電による電力の一定供給でも需要は高まり
は、即ちEVの普及にはLiBの大容量化と構成材料の低
つつあり、大容量化と低価格化の二大テーマは、まだま
価格化、生産工程におけるコストダウンが求められてい
だ続く課題となりそうである。当社では、今後も時代が
ることを意味する。本稿で紹介したファカルティS型は、
求める材料の進歩を粉体技術で支えていきたいと考えて
これらの課題解決に最適な装置だと考えられ、まさに時
いる。
代が求める装置だと言える。EVの航続距離の延長を可
58
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イベント情報
●クリーンライフビジョン21 2015大阪国際クリーニング総合展示会
会 期:11月13日(金)∼11月15日(日)
開 催 概 要:
「今日のクリーニングにできること。明日のクリーニングとできること。」をテーマに、
クリーニングに関する全ての製品・技術・サービス・ノウハウを集結した専門展示会。
会 場:インテックス大阪
連 絡 先:㈱ジェイシーレゾナンス内 クリーンライフビジョン21事務局
TEL:03-5565-4285
URL:http://www.clv21.com/
●エコプロダクツ2015
会 期:12月10日(木)∼12月12日(土)
開 催 概 要:消費財や産業資材、エネルギー、金融、各種サービスまで、あらゆる分野のエコプロ
ダクツやエコソリューション、環境・エネルギー関連技術、環境への取り組み等を紹
介し「持続可能な社会の実現」に向け、最先端の技術と知恵を結集した展示会。
会 場:東京ビッグサイト
連 絡 先:日本経済新聞社 文化事業局イベント事業部「エコプロダクツ2015担当」
TEL:0120-261-122(フリーダイヤル)
URL:http://eco-pro.com/2015/
●ENEX2016(第40回地球環境とエネルギーの調和展)/
Smart Energy Japan 2016
会 期:1月27日(水)∼1月29日(金)
開 催 概 要:省エネ・低炭素社会を実現するために必要な、エネルギー効率向上を促進する省エネ
機 器・ 設 備、 ソ リ ュ ー シ ョ ン に 関 す る 専 門 展 示 会。 同 時 開 催 の Smart Energy
JapanはIT、エレクトロニクス技術を活用したエネルギーシステム構築の設計・開
発に関する展示会。
会 場:東京ビッグサイト
連 絡 先:㈱ICSコンベンションデザイン ENEX/SEJ展示会事務局
TEL:03-3219-3569
URL:http://www.low-cf.jp/
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工業会情報
行事報告
行事予定
本 部
第62回全国産業機械野球大会(8月22日)
書籍・報告書情報
8月6日 環境ビジネス委員会 先端技術調査分科会及
び講演会
⑴ 講演会
次の講演会を行った。
テーマ:
「FO膜プロセスを中心とした世界の膜開
東京薬業健康保険組合 総合運動場(埼玉県和光市)に
おいて開催し、成績は次の通りである。
統計資料
発の動向」
講 師:神戸大学大学院 工学研究科 応用化学専
優 勝:㈱電業社機械製作所
攻 教授 先端膜工学センター センター 準優勝:JFEメカニカル㈱
長 松山秀人殿
第3位:㈱IHI、三菱化工機㈱
下請ガイドライン特別講習会(8月26日)
⑵ 分科会
活動状況と今後の進め方について報告及び検討を
行った。
経済産業省中小企業庁の支援により、下請ガイドライ
8月20日 調査委員会
ン特別講習会を一般社団法人 日本機械工業連合会と合
調査内容及びスケジュールについて検討を行った。
同で開催した。
8月20日 環境ビジネス委員会 水分科会及び講演会
講 師:法律事務所フラッグ 弁護士 初澤寛成 殿
第56回産業機械テニス大会(8月29日)
⑴ 講演会
次の講演会を行った。
「ISO/TC282「水の再利用」の動向に
① テーマ:
三菱重工業㈱ 桜ヶ丘コート(東京都大田区)において
開催した。
ついて」
講 師:一般財団法人 造水促進センター 常務
優 勝:三菱重工業㈱
理事 大熊那夫紀 殿
準優勝:㈱日立製作所
② テーマ:
「水の再利用の国際標準化戦略」
第3位:日揮㈱
講 師:日本水工設計㈱ 専務取締役 東京支社
風力発電関連機器産業に関する調査研究委員会 幹事会(8月31日)
平成27年度の活動内容及び第1回委員会の議事内容
について検討を行った。
長 藤木修 殿
⑵ 分科会
活動状況と今後の進め方について報告及び検討を
行った。
8月21日 環境ビジネス委員会 有望ビジネス分科会
及び講演会
部 会
ボイラ・原動機部会
⑴ 講演会
次の講演会を行った。
「酸化物中の酸素を利用した新しい高容
テーマ:
8月28日 部会幹事会
次の事項について報告及び審議を行った。
量二次電池」
講 師:東京大学大学院 工学系研究科 応用化学専
攻 水野研究室 上席研究員 日比野光宏 殿
⑴ ボイラ受注統計
⑵ 東西合同会議の開催内容
環境装置部会
8月4日 環境ビジネス委員会 施設調査
霞ヶ浦浄化センター(茨城県土浦市)を訪問し、ICTを
60
⑵ 分科会
活動状況と今後の進め方について報告及び検討を
行った。
プラスチック機械部会
活用した効率的な硝化運転制御の実用化に関する技術実
8月5日 部会幹事会
証事業について調査を行った。
平成26年度活動報告及び平成27年度活動計画ついて
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行事報告
行事予定
書籍・報告書情報
統計資料
報告及び確認を行った。
8月27日 汎用圧縮機委員会 技術分科会
8月5日 部会総会
次の事項について報告及び審議を行った。
次の事項について報告及び確認を行った。
⑴ 平成25年度活動報告及び平成26年度活動計画
⑵ ISO/TC270の活動状況
⑴ 「圧縮機を安全に設置するために」の改訂
⑵ 「風水力機械産業の現状と将来展望」原稿作成の
役割分担
8月27日 汎用圧縮機委員会
⑶ 役員選任
次の通り選任した。
・部会長:㈱日本製鋼所 取締役専務執行役員 産業
機械事業部長 清水信明 殿(新任)
・副部会長:東芝機械㈱ 取締役常務執行役員 成形
機ユニット長 三上高弘 殿(新任)
8月6日 ISO/TC270国内審議委員会 押出成形機分
科会
次の事項について報告及び検討を行った。
⑴ 欧州規格
次の事項について報告及び審議を行った。
⑴ 平成27年度秋季総会の開催内容
⑵ 「風水力機械産業の現状と将来展望」原稿作成の
役割分担
⑶ 技術分科会活動内容
⑷ 委員会収支
運搬機械部会
8月3日 コンベヤ技術委員会 JIS B 0140、JIS B
⑵ JIS B 8650(プラスチック加工機械-用語)の改正
8月26日 ISO/TC270国内審議委員会 ブロー成形
機分科会
0141改正WG
JIS B 0140(コンベヤ用語-種類)、JIS B 0141(コ
ンベヤ用語-部品・付属機器他)改正について検討を行
欧州規格及び米国規格について検討を行った。
った。
8月28日 メンテナンス委員会
8月4日 巻上機委員会
次の事項について報告及び検討を行った。
次の事項について報告及び検討を行った。
⑴ 射出成形機ユーザにおける事故事例
⑴ ISO/TC111(リンクチェーン)幹事国業務
⑵ 射出成形機の主要点検品目
⑵ 小形チェーンの靱性評価法研究結果のTR案
⑶ 大規模自然災害発生時の対応事例
⑶ フックの靱性評価法
8月31日 ISO/TC270国内審議委員会 射出成形機
分科会
ISO規格案について検討を行った。
風水力機械部会
⑷ JIS B 2809(ワイヤグリップ)の改正
⑸ 巻上機の特別アセスメントの普及
8月4日 巻上機委員会 ISO/TC111(リンクチェー
ン)国内審議委員会
次の事項について報告及び検討を行った。
8月3日 メカニカルシール委員会 企画分科会
⑴ チェーン関連規格に係るISOとJISの整合化
次の事項について報告及び審議を行った。
⑵ 規格の定期見直し投票への対応
⑴ 平成27年度秋季総会の開催内容
⑶ 小形チェーンの靱性評価法研究結果のTR案
⑵ メカニカルシール講習会の開催内容
⑷ フックの靱性評価法
⑶ 委員会設立30周年記念冊子の内容
⑸ SC3/WG8(ディーシャックル及びバウシャック
⑷ 「風水力機械産業の現状と将来展望」原稿作成の
役割分担
8月5日 JIS B 8301(遠心ポンプ、斜流ポンプ及び
ル)のドイツでの会合結果
⑹ ベルリン国際会議での議題等
8月21日 コンベヤ技術委員会 JIS B 0140、JIS
軸流ポンプ-試験方法)改定準備委員会
次の事項について報告及び審議を行った。
⑴ ISO 9906(ターボポンプ-流体性能試験方法-)
の和訳内容
B 0141改正WG
JIS B 0140(コンベヤ用語-種類)、JIS B 0141(コ
ンベヤ用語-部品・付属機器他)改正について検討を行
った。
⑵ 測定器の校正間隔
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行事報告
行事予定
書籍・報告書情報
統計資料
動力伝導装置部会
8月27日 減速機委員会
次の事項について報告及び検討を行った。
⑴ 今後の業界動向等
⑵ 海外研修会の開催
業務用洗濯機部会
8月7日 定例部会
平成27年度部会活動内容及びスケジュールについて
検討及び審議を行った。
委員会
エコスラグ利用普及委員会
8月25日~26日 利用普及分科会 施設調査
福島県にある次の施設を訪問し、震災廃棄物処理の実
状を把握した。
⑴ 伊達地方衛生処理組合(ロータリーキルン式焼却
炉130トン/日)
⑵ 飯舘村小宮地区対策地域内廃棄物処理施設(流動
床式焼却炉5トン/日)
⑶ 富岡町対策地域内廃棄物処理施設(ストーカ式焼
却炉500トン/日)
8月27日 溶融スラグに関するJIS開発 合同本委員
会 施設調査
さいたま市桜環境センター(埼玉県さいたま市)を訪
問し、スラグ有効利用について協議した。
8月28日 溶融スラグに関するJIS開発 ロット管理
WG
次の事項について報告及び検討を行った。
⑴ 平成27年度実験計画及び実験結果
⑵ 平成27年度ロット管理WG検討課題及び分析試
験方法
⑶ 平成27年度活動内容及びスケジュール
62
INDUSTRIAL MACHINERY 2015.10
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行事報告
行事予定
書籍・報告書情報
11月12日 関西大会
11月下旬
メンテナンス委員会
中旬
12月上旬
技術委員会
〃
特許委員会
第42回優秀環境装置表彰 審査WG
12月15日 政策委員会
〃風力発電関連機器産業に関する調査研究
委員会 第2回委員会
16日 運営幹事会
統計資料
風水力機械部会
11月5日
送風機技術者連盟 秋季総会
11日 汎用送風機委員会
部 会
〃汎用圧縮機委員会/技術分科会 秋季合
ボイラ・原動機部会
同総会
12日排水用水中ポンプシステム委員会 秋季
11月11日 ボイラ幹事会
12日 ボイラ技術委員会 施設調査会
12月9日
ボイラ幹事会
鉱山機械部会
11月中旬 骨材機械委員会
〃
骨材機械委員会RAWG
12月上旬 部会幹事会
〃
ボーリング技術委員会
化学機械部会
11月5日~8日 業務委員会 海外施設調査
12月22日 技術委員会
環境装置部会
11月上旬
総会
19日 プロセス用圧縮機委員会 秋季総会
26日 汎用ポンプ委員会 秋季総会
30日 メカニカルシール講習会
12月2日
ロータリ・ブロワ委員会
4日
ポンプ技術者連盟 拡大常任幹事会
上旬
真空式下水道システム委員会
11日 汎用送風機委員会
〃
15日 送風機技術者連盟 拡大常任幹事会
16日 排水用水中ポンプシステム委員会
17日 汎用ポンプ委員会
運搬機械部会
11月上旬コンベヤ技術委員会 コンベヤ用語JIS
環境ビジネス委員会 第2回本委員会
〃環境ビジネス委員会 水分科会 第5回
改正WG
〃流通設備委員会 産業用ラックJIS改正
分科会
〃環境ビジネス委員会 バイオマス発電推
進分科会 第4回分科会
26日~27日 部会 秋季総会・施設調査
WG
中旬
流通設備委員会 建築分科会
〃
コンベヤ技術委員会
〃コンベヤ技術委員会 仕分コンベヤJIS
12月上旬環境ビジネス委員会 先端技術調査分科
会 第4回分科会
〃環境ビジネス委員会 有望ビジネス分科
会 第5回分科会
〃環境ビジネス委員会 3Rリサイクル研
改正WG
下旬
流通設備委員会 クレーン分科会
〃
昇降機委員会
〃
クレーン企画委員会
12月上旬コンベヤ技術委員会 コンベヤ用語JIS
究会 第4回研究会
〃調査委員会 第3回委員会
プラスチック機械部会
ポンプ技術者連盟 冬季施設見学会
改正WG
〃
流通設備委員会
中旬
コンベヤ技術委員会
〃
部会幹事会
11月中旬
押出成形機需要予測委員会
〃流通設備委員会 クレーン分科会
下旬
射出成形機需要予測委員会
〃昇降機委員会
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行事報告
行事予定
動力伝導装置部会
11月中旬
減速機委員会
12月上旬
減速機委員会
業務用洗濯機部会
11月19日 技術委員会
12月11日 定例部会
エンジニアリング部会
11月4日
書籍・報告書情報
統計資料
関西支部
部 会
ボイラ・原動機部会
12月11日 定例部会
環境装置部会
12月上旬
正副部会長会議
水素検討委員会
委員会
委員会
政策委員会
エコスラグ利用普及委員会
11月上旬
エコスラグ利用普及委員会 幹事会
〃
エコスラグ利用普及分科会 編集WG
〃
エコスラグ利用普及分科会 施設調査
中旬
JIS A 5032幹事会
〃JIS A 5031、JIS A 5032改正合同原
11月中旬
関西大会
12月22日 委員会
労務委員会
11月下旬
正副委員長会議
12月上旬
委員会
案作成委員会
〃エコスラグ標準化分科会
下旬
リサイクルポート推進協議会
12月上旬
エコスラグ利用普及委員会 幹事会
〃
エコスラグ利用普及分科会 編集WG
〃
エコスラグ利用普及分科会 施設調査
中旬JIS A 5032幹事会
〃JIS A 5031、JIS A 5032ロット管理
WG
〃
64
エコスラグ利用普及分科会
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行事報告
行事予定
会員名簿2015
頒 価:1,080円(税込)
連絡先:総務部(TEL:03-3434-6821)
工業会会員の本社と支社所在地、取扱機種の一覧等をま
とめたもの。
風力発電関連機器産業に関する調査研究報告書
頒 価:5,000円(税込)
連絡先:環境装置部(TEL:03-3434-7579)
風力発電機の本体から部品などまで含めた風力発電関連
機器産業に関する生産実態等の調査を実施し、各分野に
書籍・報告書情報
統計資料
(2006年10月発行)。
メカニカル・シールハンドブック
初・中級編(改訂第3版)
頒 価:2,000円(税込)
連絡先:産業機械第1部(TEL:03-3434-3730)
メカニカルシールに関する用語、分類、基本特性、寸法、
材料選定等についてまとめたもの(2010年10月発行)
。
風水力機械産業の現状と将来展望
— 2011年〜2015年 —
おける産業規模や市場予測、現状での課題等を分析し、
頒 価:会員/1,500円(税込)
会員外/2,000円(税込)
連絡先:産業機械第1部(TEL:03-3434-3730)
本報告書にまとめた。
1980年より約5年に1度、風水力機械部会より発行し
平成25年度 環境装置の生産実績
ている報告書の最新版。本報告書は、風水力機械産業の
代表的な機種であるポンプ、送風機、汎用圧縮機、プロ
頒 価:実費頒布
連絡先:環境装置部(TEL:03-3434-6820)
セス用圧縮機、メカニカルシールのそれぞれの機種毎に
日本の環境装置の生産額を装置別、需要部門別(輸出含
需要動向と予測、技術動向、国際化を含めた今後の課題
む)
、
企業規模別、
研究開発費等で集計し図表化。その他、
と対応についてまとめている。風水力機械メーカはもと
前年度との比較や過去28年間における生産実績の推移
より官公庁、エンジニアリング会社、ユーザ会社等の方々
を掲載。
にも有益な内容である。
2014年度版 エコスラグ有効利用の現状と
データ集
頒 価:5,000円(税込)
連絡先:エコスラグ利用普及委員会(TEL:03-3434-7579)
化学機械製作の共通課題に関する調査研究報
告書(第8版 平成20年度版)
〜化学機械分野における輸出管理手続き〜
全国におけるエコスラグの生産状況、利用状況、分析デ
頒 価:1,000円(税込)
連絡先:産業機械第1部(TEL:03-3434-3730)
ータ等をアンケート調査からまとめた。また、委員会の
化学機械製作に関する共通の課題・問題点を抽出し、取
活動についても報告している(2014年5月発行)。
りまとめたもの。
道路用溶融スラグ品質管理及び
設計施工マニュアル
頒 価:3,000円(税込)
連絡先:エコスラグ利用普及委員会(TEL:03-3434-7579)
2006年7月20日に制定されたJIS A 5032「一般廃棄
物、下水汚泥又はそれらの焼却灰を溶融個化した道路用
溶融スラグ」について、溶融スラグの製造者及び道路の
設計施工者向けに関連したデータを加えて解説した
(2007年9月発行)
。
港湾工事用エコスラグ利用手引書
今回は強化されつつある輸出管理について、化学機械分
野に限定して申請手続きの流れや実際の手続きの例を示
した。実際に手続きに携わる者への参考書となる一冊。
JIMS H 3002業務用洗濯機械の性能に係る
試験方法(平成20年8月制定)
頒 価:1,000円(税込)
連絡先:産業機械第1部(TEL:03-3434-3730)
ユニット式ラック構造設計基準
(JIMS J-1001:2012)解説書
頒 価:800円(税込)
連絡先:産業機械第2部(TEL:03-3434-6826)
頒 価:実費頒布
連絡先:エコスラグ利用普及委員会(TEL:03-3434-7579)
ユニット式ラックの構造設計を行う場合の地震動に対す
エコスラグを港湾工事用材料として有効利用するため
る考え方をより理解してもらうための解説書として、
に、設計・施工に必要なエコスラグの物理的・化学的特
JIMS J-1001:2012と併せた活用を前提として発行
性をまとめた。工法としては、サンドコンパクションパ
した。JIMS J-1001:2012を解説・補足する位置付け。
イル工法とバーチカルドレーン工法を対象としている
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行事報告
行事予定
物流システム機器ハンドブック
頒 価:3,990円(税込)
連絡先:産業機械第2部(TEL:03-3434-6826)
書籍・報告書情報
統計資料
ラック式倉庫のスプリンクラー設備の解説書
頒 価:1,000円(税込)
連絡先:産業機械第2部(TEL:03-3434-6826)
(1)各システム機器の分類、用語の統一
平成10年7月の消防法令の改正に伴い、
「ラック式倉庫」
(2)能力表示方法の統一、標準化
の技術基準、ガイドラインについて、わかりやすく解説
(3)各機器の安全基準と関連法規・規格
したもの。
(4)取扱説明書、安全マニュアル
(5)物流施設の計画における寸法算出基準
コンベヤ機器保守・点検業務に関する
ガイドライン
ゴムベルトコンベヤの計算式
(JIS B 8805-1992)計算マニュアル
頒 価:1,000円(税込)
連絡先:産業機械第2部(TEL:03-3434-6826)
現行JIS(JIS B 8805-1992)の内容は、ISO5048に
頒 価:1,000円(税込)
連絡先:産業機械第2部(TEL:03-3434-6826)
準拠して改正されたが、旧JIS(JIS B 8805-1976)と
コンベヤ機器の使用における事業者の最小限の保守・点検
計算手順が異なるため、これをマニュアル化したもの。
レベルを確保するためガイドラインとしてまとめたもの。
チェーン・ローラ・ベルトコンベヤ、
仕分コンベヤ、
垂直コンベヤ、
及びパレタイザ検査要領書
ユニバーサルデザインを活かしたエレベータ
のガイドライン
頒 価:1,000円(税込)
連絡先:産業機械第2部(TEL:03-3434-6826)
頒 価:1,000円(税込)
連絡先:産業機械第2部(TEL:03-3434-6826)
ユニバーサルデザインの理念に基づいた具体的な方法を
ばら物コンベヤを除くコンベヤ機器については、検査要
ガイドラインとして提案したもの。
領の客観的な指針がないため、設備納入メーカや購入者
のガイドラインとして作成したもの。
バルク運搬用 ベルトコンベヤ設備保守・点検
業務に関するガイドライン
東京直下地震のエレベーター被害予測に
関する研究
頒 価:1,000円(税込)
連絡先:産業機械第2部(TEL:03-3434-6826)
東京湾北部を震源としたマグニチュード7程度の地震が
頒 価:500円(税込)
連絡先:産業機械第2部(TEL:03-3434-6826)
予測されていることから、所有者、利用者にエレベータ
コンベヤ機器を利用目的に応じて、安全にかつ支障なく
ーの被害状況を提示し、対策の一助になることを目的と
稼動させるには日常の保守点検は事業者にとって必須条
して、エレベーターの閉じ込め被害状況の推定を行った
件であり、義務であるが、事業者や事業内容によって保
もの。
守・点検の実施レベルに大きな差が在るのが実情である。
本ガイドラインは、この様な情況からコンベヤ機器の使
用における事業者の最小限度の保守・点検レベルを確保
するためのガイドラインとしてまとめたものである。
バルク運搬用 ベルトコンベヤ検査基準
頒 価:1,000円(税込)
連絡先:産業機械第2部(TEL:03-3434-6826)
バルク運搬用ベルトコンベヤの製作、設置に関する部品
プラスチック機械中期需要予測
(平成27年2月発行版)
頒 価:1,000円(税込)
連絡先:産業機械第2部(TEL:03-3434-6826)
射出成形機、押出成形機、ブロー成形機に関する平成
27年、28年の需要予測を取りまとめたもの。
2014年度 環境活動報告書
ならびに設備の機能を満足するための検査項目、検査個
頒 価:無償頒布
連絡先:企画調査部(TEL:03-3434-6823)
所および検査要領とその判定基準について規定したも
環境委員会が会員企業を対象に実施する各種環境関連調
の。
査の結果報告の他、会員企業の環境保全への取り組み等
を紹介している。
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行事報告
行事予定
書籍・報告書情報
統計資料
産業機械受注状況(平成27年7月)
企画調査部
1.概 要
7 月 の 受 注 高 は 3,508 億 9,500 万 円、 前 年 同 月 比
42.9%となった。
内需は、2,196億1,200万円、前年同月比84.6%と
なった。
内需のうち、製造業向けは前年同月比124.8%、非製
2.機種別の動向
①ボイラ・原動機
電力、外需の減少により前年同月比58.5%となった。
②鉱山機械
鉱業、建設の増加により同126.5%となった。
③化学機械(冷凍機械を含む)
造業向けは同66.1%、官公需向けは同57.5%、代理店
外需の減少により同19.0%となった。
向けは同104.4%であった。
④タンク
増 加 し た 機 種 は、 鉱 山 機 械(156.8 %)、 化 学 機 械
石油・石炭の減少により同52.5%となった。
(113.9%)、ポンプ(126.3%)
、送風機(123.0%)、運
⑤プラスチック加工機械
搬機械(199.5%)
、変速機(114.6%)
、金属加工機械
化学、その他製造業の減少により同96.5%となった。
(180.3%)の7機種であり、減少した機種は、ボイラ・
⑥ポンプ
原動機(53.1%)
、タンク(41.0%)
、プラスチック加工
電力、その他非製造業、官公需、外需の増加により同
機械(85.1%)
、圧縮機(98.1%)
、その他機械(52.7%)
142.1%となった。
の5機種であった(括弧の数字は前年同月比)。
⑦圧縮機
外需は、1,312億8,300万円、前年同月比23.5%と
なった。
プラントは4件、238億2,300万円、前年同月比4.9
%となった。
増加した機種は、タンク(1164.7%)
、プラスチック
外需の増加により同119.3%となった。
⑧送風機
外需の減少により同86.3%となった。
⑨運搬機械
電気機械、情報通信機械、外需の増加により同202.6
加工機械(107.3%)
、ポンプ(186.6%)
、圧縮機(150.8
%となった。
%)
、運搬機械(210.5%)
、変速機(135.3%)、金属加
⑩変速機
工機械(146.6%)
、その他機械(120.4%)の8機種で
化 学、 自 動 車、 運 輸・ 郵 便、 外 需 の 増 加 に よ り 同
あり、減少した機種は、ボイラ・原動機(75.6%)
、鉱
117.8%となった。
山機械(23.9%)
、化学機械(9.2%)
、送風機(13.6%)
⑪金属加工機械
の4機種であった(括弧の数字は前年同月比)。
鉄鋼、非鉄金属、自動車、外需の増加により同167.6
%となった。
産業機械 2015.10
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行事報告
行事予定
書籍・報告書情報
統計資料
(表1)
産業機械 需要部門別受注状況
①製造業
②非製造業
③民需計
④官公需
(一般社団法人 日本産業機械工業会調)
(金額単位:百万円 比率:%)
⑤代理店
⑥内需計
⑦外 需
(金額) (前年比) (金額) (前年比) (金額) (前年比) (金額) (前年比) (金額) (前年比) (金額) (前年比)
⑧総 額
(金額) (前年比) (金額) (前年比)
平成24年度
915,798
947,389
75.3 1,863,187
80.5 580,038
96.3 330,381
114.8 2,773,606
86.5
1,819,559
66.9 4,593,165
77.5
25年度
957,925
104.6 1,101,713
116.3 2,059,638
110.5 625,079
107.8 293,640
88.9 2,978,357
107.4
1,796,987
98.8 4,775,344
104.0
26年度 1,061,676
110.8 1,436,606
130.4 2,498,282
121.3 699,550
111.9 296,944
101.1 3,494,776
117.3
2,580,415
143.6 6,075,191
127.2
941,328 (73.1) 1,914,451 (82.4) 567,157(101.3) 327,629
117.1 2,809,237
88.8
2,429,994
115.6 5,239,231
99.5
86.6
平成24年
973,123
93.8
25年
943,541
97.0 1,000,730
106.3 1,944,271
101.6 606,571
106.9 301,841
92.1 2,852,683
101.5
1,921,557
79.1 4,774,240
91.1
26年
959,391
101.7 1,227,523
122.7 2,186,914
112.5 690,679
113.9 294,419
97.5 3,172,012
111.2
2,525,574
131.4 5,697,586
119.3
平成26年4~6月
219,994
106.1
214,470
112.0
434,464
109.0 192,426
174.6
68,865
100.2
695,755
120.4
555,867
173.9 1,251,622
139.5
7~9月
257,481
94.8
331,034
120.2
588,515
107.6 169,896
111.0
75,107
99.5
833,518
107.5
945,910
185.7 1,779,428
138.5
10~12月
241,576
101.2
236,170
125.0
477,746
111.7 130,741
79.6
77,767
101.3
686,254
102.6
398,293
116.4 1,084,547
107.3
平成27年1~3月
342,625
142.6
654,932
146.9
997,557
145.4 206,487
104.5
75,205
103.5 1,279,249
133.7
680,345
108.8 1,959,594
123.9
4~6月
320,935
145.9
206,595
96.3
527,530
121.4 120,783
62.8
62,920
91.4
711,233
102.2
405,928
73.0 1,117,161
89.3
H27.4~7累計
413,071
140.6
273,506
86.7
686,577
112.7 154,867
61.5
89,401
94.9
930,845
97.4
537,211
48.2 1,468,056
71.0
H27.1~7累計
755,696
141.5
928,438
121.9 1,684,134
130.0 361,354
80.4 164,606
98.6 2,210,094
115.6
1,217,556
70.0 3,427,650
93.9
平成27年5月
145,919
276.9
62,701
100.1
208,620
180.9
39,549
36.8
19,948
85.2
268,117
108.9
127,306
63.6
395,423
88.6
6月
99,601
111.6
85,848
114.4
185,449
112.9
52,538
101.9
23,004
90.7
260,991
108.2
208,796
76.7
469,787
91.5
7月
92,136
124.8
66,911
66.1
159,047
90.9
34,084
57.5
26,481
104.4
219,612
84.6
131,283
23.5
350,895
42.9
【注】
②非製造業③民需計④官公需の金額に不連続が発生している。なお、
括弧の比率は前年の実績を新分類に再集計して計算している。
平
成23年4月より需要者分類を変更したことから、
(表2)
産業機械 機種別受注状況
①ボイラ・原動機
金額
前年比
③化学機械
(冷凍機械を含む)
②鉱山機械
金額
前年比
金額
前年比
③-1 内 化学機械
金額
前年比
(一般社団法人 日本産業機械工業会調)
(金額単位:百万円 比率:%)
④タンク
金額
⑤プラスチック加工機械
前年比
金額
前年比
⑥ポンプ
金額
前年比
平成24年度
1,325,304
78.9
23,174
148.1
1,365,436
65.8
1,001,296
58.5
27,723
36.4
166,375
89.6
333,281
111.8
25年度
1,490,041
112.4
20,999
90.6
1,271,667
93.1
888,732
88.8
99,283
358.1
181,716
109.2
335,427
100.6
26年度
1,808,803
121.4
22,597
107.6
2,097,399
164.9
1,737,117
195.5
29,958
30.2
193,808
106.7
336,423
100.3
平成24年
1,327,448
76.2
23,341
158.5
1,961,627
139.2
1,591,207
152.7
26,960
32.0
174,247
98.4
325,328
111.1
25年
1,428,416
107.6
19,076
81.7
1,409,687
71.9
1,030,503
64.8
41,305
153.2
177,243
101.7
337,085
103.6
26年
1,562,247
109.4
21,787
114.2
2,043,526
145.0
1,691,306
164.1
79,973
193.6
187,182
105.6
331,029
98.2
平成26年4~6月
276,271
131.7
5,621
126.3
454,210
178.3
365,290
221.9
6,014
114.1
44,064
98.6
68,720
94.6
7~9月
426,585
88.5
4,865
106.4
875,124
273.3
788,792
374.9
5,234
132.7
46,877
101.1
84,151
95.9
10~12月
330,768
122.8
5,140
88.4
264,008
107.1
176,554
115.4
3,967
15.7
46,865
113.6
89,839
103.6
平成27年1~3月
775,179
146.6
6,971
113.1
504,057
112.0
406,481
112.7
14,743
22.8
56,002
113.4
93,713
106.1
4~6月
329,598
119.3
10,807
192.3
251,868
55.5
160,094
43.8
26,211
435.8
50,375
114.3
76,519
111.3
H27.4~7累計
402,475
100.6
12,922
177.2
353,230
35.8
217,498
24.9
27,083
352.9
65,710
109.6
112,265
119.6
H27.1~7累計
1,177,654
126.8
19,893
147.9
857,287
59.7
623,979
50.5
41,826
57.7
121,712
111.3
205,978
113.1
平成27年5月
143,244
180.2
1,468
95.0
81,658
57.9
55,442
46.9
2,451
124.4
16,577
104.6
22,652
105.5
6月
126,197
127.1
2,515
102.1
118,330
45.4
76,324
34.8
19,415
729.3
19,926
130.2
32,442
121.9
7月
72,877
58.8
2,115
126.5
101,362
19.0
57,404
11.3
872
52.5
15,335
96.5
35,746
142.1
会社数
16社
7社
⑦圧縮機
金額
42社
⑧送風機
前年比
金額
40社
⑨運搬機械
前年比
金額
4社
⑩変速機
前年比
金額
10社
⑪金属加工機械
前年比
金額
前年比
18社
⑫その他機械
金額
⑬合計
前年比
金額
前年比
平成24年度
242,285
76.6
26,036
124.1
339,694
96.3
43,810
79.6
165,484
73.0
534,563
85.6
4,593,165
77.5
25年度
283,510
117.0
24,028
92.3
289,804
85.3
46,035
105.1
141,883
85.7
590,951
110.5
4,775,344
104.0
26年度
266,975
94.2
27,945
116.3
354,728
122.4
49,745
108.1
162,018
114.2
724,792
122.6
6,075,191
127.2
平成24年
255,589
82.7
23,572
113.0
348,945
101.4
45,395
79.2
176,401
72.3
550,378
96.7
5,239,231
99.5
25年
270,381
105.7
26,110
110.8
308,640
88.4
45,154
99.5
142,674
80.9
568,569
103.3
4,774,240
91.1
26年
274,389
101.5
27,822
106.6
315,481
102.2
48,161
106.7
131,378
92.1
674,611
118.7
5,697,586
119.3
平成26年4~6月
63,186
97.4
5,544
103.5
78,810
114.1
11,751
106.1
23,426
77.0
214,005
171.1
1,251,622
139.5
7~9月
63,577
93.7
5,989
101.1
71,926
95.5
11,447
96.4
29,152
60.6
154,501
118.0
1,779,428
138.5
10~12月
63,892
95.3
9,335
161.1
88,897
127.8
13,260
116.6
46,050
150.3
122,526
80.9
1,084,547
107.3
平成27年1~3月
76,320
91.1
7,077
101.8
115,095
151.7
13,287
113.5
63,390
193.6
233,760
127.3
1,959,594
123.9
4~6月
60,506
95.8
5,747
103.7
85,979
109.1
13,127
111.7
44,037
188.0
162,387
75.9
1,117,161
89.3
H27.4~7累計
83,104
101.2
7,622
98.8
121,808
126.2
17,680
113.2
60,515
182.0
203,642
73.2
1,468,056
71.0
H27.1~7累計
159,424
96.1
14,699
100.2
236,903
137.5
30,967
113.3
123,905
187.7
437,402
94.7
3,427,650
93.9
平成27年5月
20,409
114.3
1,633
96.8
28,048
79.3
4,764
124.0
10,678
114.9
61,841
52.8
395,423
88.6
6月
22,641
110.1
2,381
126.5
34,393
187.1
4,379
108.3
25,320
384.7
61,848
112.6
469,787
91.5
7月
22,598
119.3
1,875
86.3
35,829
202.6
4,553
117.8
16,478
167.6
41,255
64.3
350,895
42.9
会社数
16社
8社
26社
5社
13社
36社
201社
【注】⑫その他機械には、業務用洗濯機、メカニカルシール、ごみ処理装置等が含まれているが、そのうち業務用洗濯機とメカニカルシールの受注金額は次の通りである。
業務用洗濯機:1,262百万円 メカニカルシール:2,468百万円
68
INDUSTRIAL MACHINERY 2015.10
P067-074_統計資料1-受注状況.indd 68
15/10/13 15:13
行事報告
行事予定
書籍・報告書情報
統計資料
(表3)
平成27年7月 需要部門別機種別受注額
(一般社団法人 日本産業機械工業会調)
(単位 : 100万円)
※平成23年4月より需要者分類を改訂しました。
機種別
需要者別
化学機械
冷凍機械
プラスチック
加工機械
タンク
ポンプ
圧縮機
送風機
運搬機械
金属加工
機 械
変速機
その他
合
計
製
品
工
業
930
0
978
390
0
1
27
97
7
380
64
0
542
繊
維
工
業
110
0
55
174
0
177
5
9
7
310
9
0
120
976
紙・ パ ル プ 工 業
627
8
240
172
0
20
51
51
5
50
40
0
30
1,294
化
6,973
学
工
3,416
民
業
613
36
2,656
808
190
825
280
439
65
492
253
6
310
石油・石炭製品工業
127
6
1,147
686
301
15
163
113
13
42
1
0
35
2,649
窯
116
274
307
172
0
0
8
35
2
52
91
32
159
1,248
10,984
業
土
鋼
石
造
業
828
0
281
351
0
4
268
620
259
738
259
6,850
526
非
鉄
金
属
1,054
0
248
421
0
6
27
20
14
107
17
665
445
3,024
金
属
製
品
37
0
130
181
0
7
1
58
0
354
120
639
339
1,866
はん用・生産用機械
2,544
38
265
3,999
0
26
69
3,411
30
548
228
51
753
11,962
業
械
1,141
0
35
3,694
0
318
33
26
0
92
53
0
137
5,529
械
997
0
808
3,431
0
222
37
238
12
4,824
37
62
101
10,769
務
間
電
用
気
機
機
情 報 通 信 機 械
14
0
39
191
0
574
406
45
3
4,846
69
8
1,757
7,952
業
427
0
183
1,201
0
1,269
34
103
107
2,085
387
1,460
610
7,866
業
845
0
441
428
0
334
207
237
0
1,122
31
276
153
4,074
その他輸送機械工業
48
0
0
0
0
26
20
9
0
59
55
3
841
1,061
自
動
車
業
造
工
船
そ の 他 製 造 業
需
非
203
237
1,289
1
0
2,418
576
143
18
1,003
976
139
3,490
10,493
製
造
業
計
10,661
599
9,102
16,300
491
6,242
2,212
5,654
542
17,104
2,690
10,191
10,348
92,136
農
林
漁
業
21
0
6
172
0
0
1
21
3
13
3
0
22
262
鉱業・採石業・砂利採取業
40
943
223
0
0
0
2
122
0
19
0
8
3
1,360
製
建
設
業
61
482
361
404
0
5
97
490
18
328
37
18
1,130
3,431
電
力
業
32,143
0
1,362
0
53
0
1,204
214
169
113
174
0
301
35,733
5,857
運 輸 業・ 郵 便 業
41
0
1,277
998
0
3
137
9
7
1,652
243
0
1,490
業
155
0
1
53
0
0
1
0
0
0
3
0
0
213
卸 売 業・小 売 業
300
0
67
963
0
0
1,673
234
21
1,714
1
261
742
5,976
通
信
造
要
金 融 業・保 険 業
22
0
0
172
0
0
1
20
5
56
0
0
0
276
業
516
0
▲1
1
0
0
1
5
1
5
12
1
127
668
情 報 サ - ビ ス 業
338
不
動
産
業
90
0
62
172
0
0
2
0
3
7
1
0
1
業
0
0
0
0
0
0
0
1
2
0
0
5
0
8
そ の 他 非 製 造 業
2,824
0
991
1,203
71
5
3,339
285
211
1,266
27
272
2,295
12,789
計
36,213
1,425
4,349
4,138
124
13
6,458
1,401
440
5,173
501
565
6,111
66,911
計
46,874
2,024
13,451
20,438
615
6,255
8,670
7,055
982
22,277
3,191
10,756
16,459
159,047
リ
ー
非
間
製
需
ス
造
要
業
合
官
運
輸
業
0
0
0
0
0
0
16
0
1
0
37
0
15
69
防
衛
省
1,173
0
0
1
0
0
0
1
3
2
0
0
246
1,426
公
国
家
公
務
46
0
17
0
0
0
2,236
29
128
47
0
10
205
2,718
地
方
公
務
460
0
9,141
343
59
0
4,759
51
218
1,011
27
3
10,393
26,465
需
そ の 他 官 公 需
官
海
公
外
代
受
鉱山機械
食
鉄
民
ボイラ・
原動機
需
需
理
注
額
合
289
0
693
347
0
0
1,564
8
3
42
359
1
100
3,406
計
1,968
0
9,851
691
59
0
8,575
89
353
1,102
423
14
10,959
34,084
要
23,791
91
32,867
11,548
198
8,732
12,303
11,474
99
10,743
805
5,438
13,194
131,283
店
244
0
1,235
11,281
0
348
6,198
3,980
441
1,707
134
270
643
26,481
計
72,877
2,115
57,404
43,958
872
15,335
35,746
22,598
1,875
35,829
4,553
16,478
41,255
350,895
産業機械 2015.10
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69
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行事報告
行事予定
書籍・報告書情報
統計資料
産業機械輸出契約状況(平成27年7月)
企画調査部
1.概 要
③化学機械
7月の主要約70社の輸出契約高は、1,211億1,300
ア ジ ア、 オ セ ア ニ ア の 増 加 に よ り、 前 年 同 月 比
万円、前年同月比22.2%となった。
139.3%となった。
プラントは4件、238億2,300万円、前年同月比4.9
④プラスチック加工機械
%となった。
北アメリカ、ロシア・東欧の増加により、前年同月
単体は972億9,000万円、前年同月比152.3%とな
比112.2%となった。
った。
⑤風水力機械
地域別構成比は、アジア75.6%、中東12.3%、北ア
アジア、中東の増加により、前年同月比197.8%と
メリカ4.7%、ヨーロッパ3.3%、オセアニア1.6%、南
なった。
アメリカ1.4%となっている。
⑥運搬機械
アジアの増加により、前年同月比226.6%となった。
2.機種別の動向
⑦変速機
⑴ 単体機械
アジアの増加により、前年同月比128.0%となった。
①ボイラ・原動機
⑧金属加工機械
アジアの増加により、前年同月比120.1%となった。
アジアの増加により、前年同月比178.0%となった。
②鉱山機械
⑨冷凍機械
ア ジ ア、 オ セ ア ニ ア の 減 少 に よ り、 前 年 同 月 比
中東の増加により、前年同月比235.7%となった。
19.2%となった。
⑵ プラント
ロシア・東欧の減少により、前年同月比4.9%とな
った。
(表1)
平成27年7月 産業機械輸出契約状況 機種別受注状況
(一般社団法人 日本産業機械工業会調)
(金額単位:百万円)
単 体 機 械
①ボイラ・原動機
金額
70
前年比
②鉱山機械
金額
③化学機械
前年比
金額
④プラスチック加工機械
前年比
金額
前年比
⑤風水力機械
金額
前年比
⑥運搬機械
金額
平成24年度
411,062
69.7
9,169
313.1
248,426
122.4
84,673
84.4
175,281
25年度
405,562
98.7
4,128
45.0
293,374
118.1
99,978
118.1
211,792
120.8
26年度
419,940
103.5
3,906
94.6
197,635
67.4
99,236
99.3
177,879
84.0
平成24年
440,543
78.0
9,638
388.0
158,322
36.4
93,592
100.1
176,362
25年
461,854
104.8
2,907
30.2
273,868
173.0
95,021
101.5
209,943
119.0
26年
352,600
76.3
4,052
139.4
203,384
74.3
97,092
102.2
180,831
86.1
平成26年4~6月
97,739
183.0
1,214
148.8
34,851
79.9
21,675
92.5
39,175
82.8
17,632
7~9月
52,253
25.0
737
55.7
▲4
ー
23,819
89.6
38,216
79.5
16,785
10~12月
129,868
184.2
359
145.9
31,613
82.0
23,847
107.3
41,004
75.9
18,245
平成27年1~3月
140,080
192.6
1,596
91.6
131,175
95.8
29,895
107.7
59,484
95.3
4~6月
76,335
78.1
553
45.6
29,003
83.2
25,640
118.3
42,820
109.3
H27.4~7累計
97,737
84.6
626
39.2
38,220
92.2
32,933
116.9
63,473
H27.1~7累計
237,817
126.3
2,222
66.6
169,395
95.0
62,828
112.3
平成27年2月
31,961
200.9
175
350.0
6,104
6.7
9,130
3月
75,416
189.9
1,025
66.9
12,004
36.9
4月
10,502
44.5
153
364.3
6,075
98.9
5月
15,278
48.6
118
37.8
9,854
6月
50,555
118.5
282
32.8
13,074
7月
21,402
120.1
73
19.2
9,217
77.3 111,852
前年比
⑦変速機
金額
前年比
⑧金属加工機械
金額
前年比
114.7
7,185
60.3
53,467
101.6
70,937
63.4
6,851
95.4
64,205
120.1
88,201
124.3
7,432
108.5
52,759
82.2
77.9 108,875
115.2
8,301
65.4
69,924
118.6
88,211
81.0
6,798
81.9
57,345
82.0
70,934
80.4
6,819
100.3
47,998
83.7
98.1
1,737
102.1
6,497
59.4
78.7
1,736
88.3
10,108
38.1
136.6
1,687
110.7
18,218
134.1
35,539
194.5
2,272
136.9
17,936
136.1
17,568
99.6
2,090
120.3
8,585
132.1
127.9
25,883
121.5
2,849
122.3
13,560
145.9
122,957
109.7
61,422
155.2
5,121
128.4
31,496
140.2
117.3
16,476
115.8
12,089
145.0
658
158.9
4,608
135.8
6,628
67.5
29,470
82.7
20,039
301.0
952
144.9
5,480
85.1
7,068
106.0
8,724
45.7
4,630
162.4
672
128.5
2,245
124.2
122.7
8,328
104.0
15,559
210.9
5,554
50.3
629
107.5
2,867
105.9
63.2
10,244
146.5
18,537
145.8
7,384
196.9
789
125.4
3,473
175.1
139.3
7,293
112.2
20,653
197.8
8,315
226.6
759
128.0
4,975
178.0
INDUSTRIAL MACHINERY 2015.10
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行事報告
行事予定
書籍・報告書情報
単 体 機 械
⑨冷凍機械
金額
⑩その他
前年比
金額
⑫プラント
⑪単体合計
前年比
金額
前年比
金額
統計資料
⑬総 計
前年比
金額
前年比
平成24年度
65,495
91.6
95,817
92.6
1,262,427
86.5
452,244
39.5
1,714,671
25年度
56,655
86.5 122,435
127.8
1,335,917
105.8
333,494
73.7
1,669,411
97.4
26年度
56,264
99.3 133,693
109.2
1,236,945
92.6 1,210,208
362.9
2,447,153
146.6
平成24年
66,587
92.1
94,958
88.1
1,227,102
73.5 1,094,037
117.3
25年
56,529
84.9 111,593
117.5
1,364,069
26年
58,193
102.9 137,163
122.9
1,159,066
平成26年4~6月
15,691
115.3
29,487
121.9
265,698
112.1
7~9月
12,895
107.0
31,786
139.7
188,331
42.4
10~12月
12,030
89.6
34,720
101.2
311,591
119.1
50,514
平成27年1~3月
15,648
89.0
37,700
91.6
471,325
119.8
4~6月
12,494
79.6
52,089
176.7
267,177
H27.4~7累計
24,042
116.8
65,144
164.3
H27.1~7累計
39,690
104.0 102,844
127.2
平成27年2月
4,887
84.4
11,428
90.6
3月
5,213
77.9
16,720
123.6
4月
4,771
76.5
8,147
106.2
5月
3,756
74.7
13,088
6月
3,967
89.7
7月
11,548
235.7
65.8
352.0
2,321,139
436,343
39.9
1,800,412
77.6
85.0 1,231,059
282.1
2,390,125
132.8
475.2
525,341
180.2
726,173 2,019.1
914,504
190.6
104.9
362,105
116.9
173,878
89.3
645,203
109.7
100.6
103,045
39.7
370,222
70.5
1.
化学
3
364,467
110.6
126,868
17.1
491,335
45.9
2.
その他
1
1,122
835,792
115.6
300,746
32.1
1,136,538
68.5
合計
4
23,823
97,516
60.9
17,188
26.2
114,704
50.8
172,947
112.9
37,073
30.5
210,020
76.4
52,987
71.0
7,111
ー
60,098
80.5
国 内
2,674
11.2%
103.2
75,031
86.0
42,319
40.1
117,350
60.9
海 外
13,684
57.5%
30,854
337.6
139,159
134.0
53,615
34.8
192,774
74.7
その他
7,465
31.3%
13,055
128.4
97,290
152.3
23,823
4.9
121,113
22.2
合 計
23,823
100.0%
111.2
259,643
(備考) ※7月のプラントの内訳
(件数)
(金額)
22,701
(金額)
(構成比)
(表2)
平成27年7月 産業機械輸出契約状況 機種別・世界州別受注状況
(一般社団法人 日本産業機械工業会調)
(金額単位:百万円)
( 単 体 機 械)
ア
ジ
①ボイラ・原動機
件数
金額
②鉱 山 機 械
前年同月比
件数
金額
③化 学 機 械
前年同月比
件数
金額
④プラスチック加工機械
前年同月比
件数
金額
⑤風 水 力 機 械
前年同月比
件数
金額
前年同月比
ア
40
19,056
179.9%
5
6
4.5%
104
6,264
197.2%
47
5,021
91.9%
1,105
12,608
166.9%
東
4
452
189.1%
0
0
ー
13
464
30.6%
3
97
91.5%
191
6,553
426.4%
ヨーロッパ
4
207
107.3%
2
21
77.8%
4
29
27.1%
8
343
144.7%
91
193
45.8%
北アメリカ
6
767
14.9%
0
0
ー
18
1,022
798.4%
25
1,157
296.7%
196
736
149.9%
南アメリカ
1
529
669.6%
2
32
ー
3
26
520.0%
3
102
309.1%
39
167
66.5%
ア フ リ カ
1
5
ー
5
3
6.8%
1
2
33.3%
3
3
150.0%
26
310
476.9%
オセアニア
8
36
900.0%
6
11
8.5%
4
1,407
808.6%
1
1
25.0%
11
9
52.9%
ロシア・東欧
2
350
22.1%
0
0
ー
3
3
0.2%
4
569
214.7%
29
77
75.5%
66
21,402
120.1%
20
73
19.2%
150
9,217
139.3%
94
7,293
112.2%
1,688
20,653
197.8%
中
合
計
( 単 体 機 械)
ア
ジ
⑥運 搬 機 械
件数
金額
⑦変速機
前年同月比
件数
金額
⑧金属加工機械
前年同月比
件数
金額
⑨冷 凍 機 械
前年同月比
件数
金額
⑩そ の 他
前年同月比
件数
金額
前年同月比
ア
44
6,998
206.6%
28
420
141.9%
75
5,277
241.6%
6
1,600
92.3%
143
10,463
138.9%
東
1
52
ー
0
0
ー
0
0
ー
9
7,253
2,757.8%
1
4
22.2%
ヨーロッパ
12
369
3,690.0%
11
169
107.6%
8
▲ 421
ー
3
1,863
93.5%
100
1,223
70.7%
北アメリカ
3
876
435.8%
8
116
106.4%
27
28
6.2%
2
272
95.8%
120
682
78.4%
南アメリカ
1
10
35.7%
3
45
204.5%
11
91
395.7%
1
62
89.9%
2
678
5,650.0%
ア フ リ カ
0
0
ー
0
0
ー
0
0
ー
1
97
ー
0
0
ー
オセアニア
2
2
28.6%
1
9
100.0%
0
0
ー
1
401
89.5%
1
5
100.0%
中
ロシア・東欧
合
計
2
8
ー
0
0
ー
0
0
ー
0
0
ー
0
0
ー
65
8,315
226.6%
51
759
128.0%
121
4,975
178.0%
23
11,548
235.7%
367
13,055
128.4%
⑪単 体 合 計
件数
ア
⑫プ ラ ン ト
前年同月比
件数
金額
⑬総 計
前年同月比
件数
金額
前年同月比
構成比
ア 1,597
67,713
161.0%
4
23,823
1,991.9%
1,601
91,536
211.6%
75.6%
東
222
14,875
400.7%
0
0
ー
222
14,875
400.7%
12.3%
ヨーロッパ
243
3,996
80.9%
0
0
ー
243
3,996
80.9%
3.3%
北アメリカ
405
5,656
70.0%
0
0
ー
405
5,656
42.7%
4.7%
南アメリカ
66
1,742
333.7%
0
0
ー
66
1,742
333.7%
1.4%
ア フ リ カ
37
420
274.5%
0
0
ー
37
420
274.5%
0.3%
オセアニア
35
1,881
235.7%
0
0
ー
35
1,881
14.7%
1.6%
ロシア・東欧
40
1,007
27.7%
0
0
ー
40
1,007
0.2%
0.8%
計 2,645
97,290
152.3%
4
23,823
4.9%
2,649 121,113
22.2%
100.0%
中
合
ジ
金額
産業機械 2015.10
P067-074_統計資料1-受注状況.indd 71
71
15/10/13 15:13
行事報告
行事予定
書籍・報告書情報
統計資料
環境装置受注状況(平成27年7月)
企画調査部
7月の受注高は、287億8,300万円で、前年同月比
④外需
54.0%となった。
排煙脱硫装置の増加により、171.7%となった。
1.需要部門別の動向(前年同月との比較)
2.装置別の動向(前年同月との比較)
①製造業
①大気汚染防止装置
化学向け産業廃水処理装置、機械向け排ガス処理装
海外向け排煙脱硫装置の増加により、189.5%とな
置、産業廃水処理装置、その他向け産業廃水処理装置、
った。
水質汚濁防止装置関連機器の増加により、130.4%と
②水質汚濁防止装置
なった。
官 公 需、 海 外 向 け 汚 泥 処 理 装 置 の 減 少 に よ り、
②非製造業
97.4%となった。
その他向け事業系廃棄物処理装置の増加により、
③ごみ処理装置
117.7%となった。
官公需向け都市ごみ処理装置、事業系廃棄物処理装
③官公需
置の減少により、30.0%となった。
都市ごみ処理装置、事業系廃棄物処理装置の減少に
④騒音振動防止装置
より、40.9%となった。
鉄鋼、海外向け騒音防止装置の減少により、83.9
%となった。
(表1)
環境装置の需要部門別受注状況
(一般社団法人 日本産業機械工業会調)
(金額単位:百万円 比率:%)
①製造業
②非製造業
③民需計
④官公需
⑤内需計
⑥外需
⑦合計
(金額) (前年比) (金額) (前年比) (金額) (前年比) (金額) (前年比) (金額) (前年比) (金額) (前年比) (金額) (前年比)
※ 平成24年度
53,318
84.7
28,040
40.8
81,358
61.8
372,269
89.6
453,627
83.0
35,868
79.4
489,495
82.7
25年度
46,231
86.7
40,943
146.0
87,174
107.1
412,955
110.9
500,129
110.3
15,475
43.1
515,604
105.3
125.9
26年度
55,062
119.1
48,826
119.3
103,888
119.2
506,221
122.6
610,109
122.0
39,189
253.2
649,298
平成24年
53,584
82.1
35,412
51.1
88,996
66.1
366,845
98.9
455,841
90.1
46,372
187.2
502,213
94.7
25年
48,924
91.3
32,559
91.9
81,483
91.6
412,746
112.5
494,229
108.4
29,583
63.8
523,812
104.3
26年
49,881
102.0
33,080
101.6
82,961
101.8
474,586
115.0
557,547
112.8
26,579
89.8
584,126
111.5
平成26年4~6月
11,093
100.5
5,906
87.2
16,999
95.5
154,108
211.0
171,107
188.4
12,895
275.8
184,002
192.6
7~9月
15,664
136.8
5,081
42.9
20,745
89.1
118,858
103.8
139,603
101.3
3,133
112.7
142,736
101.5
10~12月
10,898
94.6
6,060
96.1
16,958
95.1
88,188
78.7
105,146
81.0
8,238
144.4
113,384
83.7
平成27年1~3月
17,407
142.4
31,779
198.2
49,186
174.1
145,067
127.9
194,253
137.1
14,923
645.2
209,176
145.3
4~6月
13,530
122.0
10,862
183.9
24,392
143.5
85,767
55.7
110,159
64.4
13,082
101.5
123,241
67.0
H27.4~7累計
16,939
123.6
12,612
170.6
29,551
140.0
104,799
52.2
134,350
60.6
17,674
113.5
152,024
64.1
H27.1~7累計
34,346
132.4
44,391
189.5
78,737
159.5
249,866
79.6
328,603
90.4
32,597
182.3
361,200
94.7
平成27年5月
2,729
113.3
4,433
208.7
7,162
158.0
30,524
31.9
37,686
37.7
7,828
260.1
45,514
44.2
6月
7,459
158.5
4,978
255.3
12,437
186.8
37,931
97.7
50,368
110.7
2,576
35.9
52,944
100.5
7月
3,409
130.4
1,750
117.7
5,159
125.8
19,032
40.9
24,191
47.8
4,592
171.7
28,783
54.0
※平成25年4月、5月環境装置受注状況の平成24年度の金額と前年比に誤りがありました。関係各位にご迷惑おかけしましたことをお詫び申し上げます。
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INDUSTRIAL MACHINERY 2015.10
P067-074_統計資料1-受注状況.indd 72
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行事報告
行事予定
書籍・報告書情報
統計資料
(表2)
環境装置の装置別受注状況
(一般社団法人 日本産業機械工業会調)
(金額単位:百万円 比率:%)
①大気汚染防止装置
(金額)
②水質汚濁防止装置
(前年比)
(金額)
③ごみ処理装置
(前年比)
(金額)
④騒音振動防止装置
(前年比)
(金額)
⑤合計
(前年比)
(金額)
(前年比)
※ 平成24年度
52,268
85.8
180,537
76.2
254,810
87.2
1,880
107.8
489,495
82.7
25年度
42,575
81.5
178,749
99.0
291,890
114.6
2,390
127.1
515,604
105.3
125.9
26年度
57,424
134.9
197,413
110.4
392,728
134.5
1,733
72.5
649,298
平成24年
50,536
77.3
191,792
82.0
257,919
112.4
1,966
109.1
502,213
94.7
25年
47,281
93.6
196,223
102.3
278,261
107.9
2,047
104.1
523,812
104.3
26年
41,737
88.3
191,533
97.6
348,723
125.3
2,133
104.2
584,126
111.5
平成26年4~6月
16,954
159.7
35,121
124.8
131,517
233.8
410
79.5
184,002
192.6
7~9月
5,723
59.3
58,626
95.6
77,902
112.8
485
94.5
142,736
101.5
10~12月
5,503
63.0
60,065
116.5
47,394
63.5
422
77.4
113,384
83.7
平成27年1~3月
29,244
215.7
43,601
115.6
135,915
147.9
416
51.0
209,176
145.3
4~6月
13,142
77.5
28,135
80.1
81,789
62.2
175
42.7
123,241
67.0
H27.4~7累計
17,904
92.0
40,717
84.8
93,108
55.0
295
53.3
152,024
64.1
H27.1~7累計
47,148
142.8
84,318
98.3
229,023
87.7
711
51.9
361,200
94.7
平成27年5月
2,614
56.4
6,695
79.2
36,133
40.2
72
63.7
45,514
44.2
6月
6,530
72.9
15,746
86.2
30,628
120.8
40
37.4
52,944
100.5
7月
4,762
189.5
12,582
97.4
11,319
30.0
120
83.9
28,783
54.0
※平成25年4月、5月環境装置受注状況の平成24年度の金額と前年比に誤りがありました。関係各位にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。
(表3) 平成27年7月 環境装置需要部門別受注額
(一般社団法人 日本産業機械工業会調)
(単位:100万円)
需要部門
民
間
造
業
製
機種
集
食品
じ
官 公 需
非 製 造 業
石油
化学
化学
窯業
鉄鋼
非鉄
金属
機械
その他
小計
電力
鉱業 その他
小計
地方
その他
自治体
計
要
外需
小計
合計
大気汚染防止装置
置
9
1
7
5
25
51
21
10
92
86
161
468
0
1
57
58
526
71
3
74
3
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
排 煙 脱 硫 装 置
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
8
0
0
8
8
0
0
0
2,989
2,997
排 煙 脱 硝 装 置
0
2
0
0
15
0
3
0
0
0
0
20
5
0
0
5
25
4
0
4
597
626
排ガス処理装置
0
0
4
0
0
0
22
1
0
129
13
169
10
0
0
10
179
9
0
9
2
190
関
器
0
0
0
0
0
0
0
0
0
4
33
37
34
0
58
92
129
4
0
4
213
346
9
3
11
5
40
51
46
11
92
219
207
694
57
1
115
173
867
88
3
91
3,804
4,762
産業廃水処理装置
235
2
122
41
4
351
15
143
2
800
340 2,055
162
2
52
216
2,271
140
0
140
383
2,794
下水汚水処理装置
0
0
0
0
0
0
0
0
4
0
1
5
0
0
0
0
5
5,258
137
5,395
261
5,661
し 尿 処 理 装 置
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
739
0
739
0
739
汚 泥 処 理 装 置
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
92
93
0
1
1
2
95
2,525
40
2,565
0
2,660
海洋汚染防止装置
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
19
0
0
0
0
0
0
0
0
10
314
343
0
0
71
71
414
159
11
170
144
728
255
2
122
41
4
351
15
143
6
810
747 2,496
162
3
124
289
2,785
8,821
188
9,009
788 12,582
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
208
208
208
9,793
3
9,796
0 10,004
小
水質汚濁防止装置
関
装
パルプ 石油
・紙 石炭
要
重・ 軽 油 脱 硫 装 置
連
ん
繊維
需
機
計
連
小
機
器
計
ごみ処理装置
都市ごみ処理装置
603
事業系廃棄物処理装置
1
0
0
0
0
0
0
38
0
0
60
99
0
0 1,080 1,080
1,179
9
2
11
0
1,190
関
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
125
0
125
0
125
1
0
0
0
0
0
0
38
0
0
60
99
0
0 1,288 1,288
1,387
9,927
5
9,932
騒 音 防 止 装 置
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
120
120
0
0
0
0
120
0
0
0
0
120
振 動 防 止 装 置
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
関
連
小
機
器
計
騒音振動防止装置
連
機
器
0
0 11,319
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
計
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
120
120
0
0
0
0
120
0
0
0
0
120
合 計
265
5
133
46
44
402
61
192
98 1,029 1,134 3,409
219
小
4 1,527 1,750
5,159 18,836
196 19,032
4,592 28,783
産業機械 2015.10
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73
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行事報告
行事予定
書籍・報告書情報
統計資料
ボイラ・原動機需要部門別受注状況
(平成17~26年度)
(一般社団法人 日本産業機械工業会調)
上段:金額(百万円) 下段:前年度比(%)
H17年度
製
造
業
非 製 造 業
民 間 需 要
合 計
官
公
需
代
理
店
内 需 合 計
海 外 需 要
受 注
合 74
額
計
H18年度
H19年度
H20年度
H21年度
H22年度
H23年度
H24年度
H25年度
H26年度
174,559
200,429
177,886
167,782
200,250
158,985
173,878
152,851
187,075
149.3
114.8
88.8
94.3
119.4
79.4
109.4
87.9
122.4
216,498
115.7
571,000
590,607
850,028
770,686
769,405
808,843
827,572
618,816
747,495
1,012,591
106.2
103.4
143.9
90.7
99.8
105.1
102.3
74.8
120.8
135.5
745,559
791,036
1,027,914
938,468
969,655
967,828
1,001,450
771,667
934,570
1,229,089
113.9
106.1
129.9
91.3
103.3
99.8
103.5
77.1
121.1
131.5
47,640
61,400
64,836
66,887
54,141
61,142
34,738
76,115
80,422
60,462
72.6
128.9
105.6
103.2
80.9
112.9
56.8
219.1
105.7
75.2
6,910
6,376
11,754
1,964
1,940
2,337
3,078
2,245
4,754
1,684
85.6
92.3
184.3
16.7
98.8
120.5
131.7
72.9
211.8
35.4
800,109
858,812
1,104,504
1,007,319
1,025,736
1,031,307
1,039,266
850,027
1,019,746
1,291,235
109.9
107.3
128.6
91.2
101.8
100.5
100.8
81.8
120.0
126.6
517,635
715,109
829,244
790,293
456,622
505,057
639,905
475,277
470,295
517,568
112.2
138.1
116.0
95.3
57.8
110.6
126.7
74.3
99.0
110.1
1,317,744
1,573,921
1,933,748
1,797,612
1,482,358
1,536,364
1,679,171
1,325,304
1,490,041
1,808,803
110.8
119.4
122.9
93.0
82.5
103.6
109.3
78.9
112.4
121.4
INDUSTRIAL MACHINERY 2015.10
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行事報告
行事予定
書籍・報告書情報
統計資料
産業機械機種別生産実績(平成27年7月)
(指定統計第11号)
付月間出荷在庫高(経済産業省 大臣官房調査統計グループ 鉱工業動態統計室調)
生産
製品名
数量
(台)
容量
金額(百万円)
ボイラ及び原動機(自動車用、二輪自動車用、鉄道車両用及び航空機用のものを除く)
116,384
ボイラ
15,223
一般用ボイラ
712
2,598t/h
4,331
水管ボイラ
676
2,567t/h
4,221
2t/h未満
487
240t/h
421
2t/h以上35t/h未満
188
527t/h
1,380
ー
ー
ー
35t/h以上490t/h未満
490t/h以上
1
1,800t/h
2,420
その他の一般用ボイラ(煙管ボイラ、鋳鉄製ボイラ、丸ボイラ等)
36
31t/h
110
舶用ボイラ
26
180t/h
247
ボイラの部品・付属品(自己消費を除く)
…
…
10,645
タービン
30,620
蒸気タービン
26,676
一般用蒸気タービン
20
1,896千kW
舶用蒸気タービン
27
43千kW
353
蒸気タービンの部品・付属品(自己消費を除く)
…
…
11,151
ガスタービン
内燃機関
15,172
24
303千kW
3,944
305,283
8,732千PS
70,541
生産
製品名
数量
(台)
重量
(t)
金額(百万円)
土木建設機械、鉱山機械及び破砕機
137,757
鉱山機械(せん孔機、さく岩機)
1,071
1,330
24
420
破砕機
製品名
生産
数量(台)
化学機械及び貯蔵槽
化学機械
重量(t)
8,116
金額
(百万円)
製品名
生産
数量
(台)
重量
(t)
金額(百万円)
12,931
11,676 混合機、かくはん機及び粉砕機
4,413
6,096
ろ過機器
95
238
601 反応用機器
分離機器
507
216
402 塔槽機器
2,486
775
1,608 乾燥機器
299
315
852
448
1,186
69
2,020
1,254
とう(套)管式熱交換器
119
275
33
202
208
その他の熱交換器
329
911
36
1,818
1,046
集じん機器
熱交換器
2,199 貯蔵槽
531 固定式
1,668 その他の貯蔵槽
384
1,296
3,048
69
1,319
2,189
125
751
776
産業機械 2015.10
P075-079_統計資料2-生産実績.indd 75
75
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行事報告
行事予定
書籍・報告書情報
統計資料
生産
製品名
数量
(台)
重量
(t)
製紙機械・プラスチック加工機械
11,431
製紙機械
19,568
1
68
168
プラスチック加工機械
1,275
11,363
19,400
射出成形機(手動式を除く)
1,135
10,124
13,890
357
862
2,319
〃 100t以上200t未満
469
2,688
4,174
〃 200t以上500t未満
257
3,929
4,292
型締力100t未満
〃 500t以上
52
2,645
3,105
押出成形機(本体)
24
566
3,190
押出成形付属装置
54
34
209
ブロウ成形機(中空成形機)
62
639
2,111
製品名
生産
数量(台)
販売
重量
(t)
ポンプ、圧縮機及び送風機
ポンプ
(手動式及び消防ポンプを除く)
金額
(百万円)
数量
(台)
月末在庫
重量
(t)
39,386
金額
(百万円)
数量(台)
重量(t)
41,467
215,871
8,323
20,094
253,262
9,297
21,736
259,931
6,686
うず巻ポンプ(タービン形を含む)
43,083
5,355
10,568
46,502
5,548
10,843
49,740
2,626
単段式
34,206
2,967
4,537
36,827
3,045
4,658
43,243
1,702
多段式
8,877
2,388
6,031
9,675
2,503
6,185
6,497
925
軸・斜流ポンプ
34
401
1,196
30
394
1,179
16
141
回転ポンプ
30,309
408
805
30,513
420
863
11,805
256
耐しょく性ポンプ
74,140
426
3,479
71,858
431
3,484
40,078
164
水中ポンプ
40,575
1,149
1,979
74,267
1,919
3,243
123,744
3,136
汚水・土木用
38,283
1,035
1,629
71,901
1,799
2,838
119,796
2,902
2,292
114
350
2,366
120
405
3,948
234
27,730
584
2,068
30,092
586
2,125
34,548
363
4,958
…
3,114
5,020
…
3,449
1,791
…
圧縮機
22,086
4,679
12,941
23,755
4,695
13,014
13,996
3,308
往復圧縮機
18,763
1,152
2,517
20,329
1,162
2,496
11,220
822
可搬形
17,817
432
669
19,298
441
700
10,981
360
その他の水中ポンプ(清水用を含む)
その他のポンプ
真空ポンプ
定置形
946
720
1,848
1,031
721
1,796
239
462
回転圧縮機
3,301
2,815
5,552
3,404
2,822
5,647
2,776
2,486
可搬形
1,502
1,455
1,847
1,504
1,401
1,857
1,766
1,654
定置形
1,799
1,361
3,704
1,900
1,421
3,789
1,010
832
22
712
4,872
22
712
4,872
ー
ー
23,033
1,969
3,238
23,296
1,944
3,268
14,610
1,011
遠心・軸流圧縮機
送風機
(排風機を含み、電気ブロワを除く)
76
金額(百万円)
回転送風機
6,610
549
1,264
6,592
530
1,239
1,200
282
遠心送風機
14,541
1,277
1,738
14,173
1,256
1,759
12,272
553
軸流送風機
1,882
143
235
2,531
158
270
1,138
176
INDUSTRIAL MACHINERY 2015.10
P075-079_統計資料2-生産実績.indd 76
15/10/13 15:13
行事報告
製品名
行事予定
書籍・報告書情報
生産
数量(台)
重量
(t)
運搬機械及び産業用ロボット
統計資料
生産
製品名
金額
(百万円)
数量
(台)
重量(t)
金額(百万円)
85,382
運搬機械
42,614
クレーン
天井走行クレーン
コンベヤ
3,1970
7,866
8,367
6,568
568
1,435
チェーンコンベヤ
2,552
1,722
2,642
ローラーコンベヤ
21,808
1,503
1,253
その他のコンベヤ
1,042
4,073
3,037
エレベータ
(自動車用エレベータを除く)
2,577
20,122
15,226
2,129
11,794
9,896
ベルトコンベヤ
388
1,673
1,428
ジブクレーン
(水平引込、塔型を含み、脚部の橋
形を除く)
21
1,909
1,455
橋形クレーン
50
3,419
1,955
車両搭載形クレーン
1,574
1,801
1,667
エスカレータ
137
…
1,587
ローダ・アンローダ
5
1,971
2,659
機械式駐車装置
210
…
1,221
91
1,021
自動立体倉庫装置
132
…
その他のクレーン
巻上機
732
40,426
舶用ウインチ
チェーンブロック
3,164
42,768
189
…
1,456
シーケンスロボット
328
…
1,275
40,237
…
1,708
プレイバックロボット
9,110
…
21,637
数値制御ロボット
2,831
…
15,174
111
…
423
…
…
4,259
知能ロボット
部品・付帯装置
製品名
生産
数量(台)
動力伝導装置
重量
(t)
26,231
36,028
463,584
13,707
19,331
モータ付のもの
219,718
7,017
6,743
モータなしのもの
243,866
6,690
12,588
重量
(t)
11,290
4,366千m
5,163
5,407
数量
(台)
月末在庫
重量
(t)
金額
(百万円)
数量
(台)
重量(t)
285
34
250
213
…
…
…
…
…
…
…
72
…
…
…
…
…
3,071本
7,533
4,147
2,986本
7,279
4,038
685本
…
第二次金属加工機械
ベンディングマシン(矯正機を含む)
7,361
4,432
圧延機械
鉄鋼用ロール
金額
(百万円)
金額(百万円)
20,579
金属一次製品製造機械
圧延機械の部品(ロールを除く)
スチールチェーン
重量
(t)
13,269
販売
金属加工機械及び鋳造装置
圧延機械(本体又は一式のもの)及び
同付属装置(シャーはせん断機に含む)
数量
(千個)
歯車
(粉末や金製品を除く)
(自己消費を除く)
生産
数量(台)
生産
製品名
金額
(百万円)
固定比減速機(自己消費を除く)
製品名
3,153
産業用ロボット
11,383
12,090
43
353
494
41
327
443
9
33
液圧プレス(リベッティングマシンを含み
プラスチック加工用のものを除く)
132
1,880
1,987
110
1,562
1,660
356
3,778
数値制御式(液圧プレス内数)
101
1,178
940
81
977
699
296
3,320
機械プレス
222
8,093
7,762
220
8,894
8,699
174
4,225
100t未満
172
1,845
2,300
175
1,882
2,361
150
2,275
100t以上500t未満
37
1,340
1,667
31
1,204
1,588
20
416
500t以上
13
4,908
3,795
14
5,808
4,750
4
1,534
産業機械 2015.10
P075-079_統計資料2-生産実績.indd 77
77
15/10/13 15:13
行事報告
製品名
行事予定
書籍・報告書情報
生産
数量(台)
統計資料
販売
重量
(t)
金額
(百万円)
数量
(台)
月末在庫
重量
(t)
金額
(百万円)
数量(台)
重量(t)
金属加工機械及び鋳造装置つづき
数値制御式(機械プレス内数)
49
3,221
2,478
53
3,274
2,547
せん断機
13
149
188
13
…
鍛造機械
22
246
625
17
…
17
ワイヤーフォーミングマシン
2,226
197
1
…
764
16
…
…
327
ー
…
17
179
327
167
4,009
4,764
ダイカストマシン
82
2,188
3,144
…
…
…
…
…
鋳型機械
10
277
745
…
…
…
…
…
砂処理・製品処理機械及び装置
75
1,544
875
…
…
…
…
…
鋳造装置
製品名
生産
数量
(台)
冷凍機及び冷凍機応用製品
重量
(t)
販売
金額
(百万円)
数量
(台)
191,402
重量
(t)
月末在庫
金額
(百万円)
数量(台)
232,806
冷凍機
1,833,244
33,754
1,751,289
35,518
1,233,102
圧縮機(電動機付を含む)
1,824,345
28,100
1,743,311
30,419
1,224,226
334,585
8,080
216,469
4,466
838,340
1,489,760
20,020
1,526,842
25,953
385,886
遠心式冷凍機
19
457
18
446
10
吸収式冷凍機(冷温水機を含む)
89
670
90
682
11
8,791
4,527
7,870
3,971
8,855
冷凍機応用製品
1,933,998
154,215
3,167,323
193,846
2,314,735
エアコンディショナ
1,860,163
135,955
3,068,699
174,497
2,211,459
電気により圧縮機を駆動するもの
1,069,773
100,646
2,272,016
137,579
2,131,435
セパレート形
1,068,001
98,504
2,269,828
135,143
2,127,069
1,772
2,142
2,188
2,436
4,366
14,243
5,267
20,998
6,150
26,690
776,147
30,042
775,685
30,768
53,334
21,529
6,899
21,576
7,921
33,296
7,873
1,741
18,813
1,928
14,807
除湿機
29,063
1,195
41,059
1,123
42,515
製氷機
8,856
1,651
8,419
1,572
6,129
チリングユニット(ヒートポンプ式を含む)
1,251
3,095
943
3,116
1,483
冷凍・冷蔵ユニット
5,263
3,679
7,814
3,689
5,046
補器
9,031
2,889
9,232
2,911
10,501
540
544
527
531
669
一般冷凍空調用
乗用車エアコン用(トラック用を含む)
コンデンシングユニット
シングルパッケージ形(リモートコンデンサ形を含む)
エンジンにより圧縮機を駆動するもの
輸送機械用
冷凍・冷蔵ショーケース
フリーザ
(業務用冷凍庫を含む)
冷凍・空調用冷却塔
78
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行事報告
行事予定
製品名
書籍・報告書情報
生産
数量
(台)
重量
(t)
自動販売機、自動改札機・自動入場機
及び業務用洗濯機
統計資料
販売
金額
(百万円)
数量
(台)
9,233
重量
(t)
月末在庫
金額
(百万円)
数量(台)
9,389
自動販売機
24,675
7,248
22,447
7,574
37,000
飲料用自動販売機
23,560
6,067
21,097
6,258
34,734
たばこ自動販売機
84
22
266
92
1,479
切符自動販売機
358
756
360
757
10
その他の自動販売機
673
403
724
467
777
自動改札機・自動入場機
536
1,022
535
1,022
96
業務用洗濯機
589
963
533
793
695
製品名
生産
数量
(t)
金額
(百万円)
鉄構物及び架線金物
鉄構物
142,897
39,618
鉄骨
95,097
18,618
軽量鉄骨
17,370
4,306
橋りょう
(陸橋・水路橋・海洋橋等)
21,674
12,515
鉄塔
(送配電用・通信用・照明用・広告用等)
5,504
1,675
水門
(水門巻上機を含む)
1,740
2,121
鋼管(ベンディングロールで成型したものに限る)
1,512
383
架線金物
13,812
(千個)
3,914
この統計にある記号は、下記の区分によります。
—印:実績のないもの …印:不詳
末尾を四捨五入している為、積上げと合計が合わない場合があります。
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記事募集のご案内
当誌では、会員企業の相互の理解をより深め、会員各社のご活躍の様子を広く読者に紹介するという趣旨の下、各種
トピックスを設けており、会員の皆様からのご寄稿を募集しております(掲載料無料)
。ぜひ貴社のPRの場としていただ
けると幸いに存じます。ご寄稿に関するお問い合わせにつきましては下記までご連絡ください。
(お問い合わせ先)
一般社団法人 日本産業機械工業会 編集広報部
TEL:03-3434-6823 FAX:03-3434-4767
E-mail:[email protected]
編集後記
■10月号は、特集「ボイラ」
「優秀環境装置①」の2つの
られ、湿度の高い盆地の
特集を組ませていただきました。
「ボイラ」では座談会を
風土が表具作りに適して
はじめ、多くの技術・事例を紹介させていただきました。
いたこともあって発展し
ボイラ・原動機部会の皆様にはご多忙のところ多大なご
ました。また、床の間の
協力を賜り、誠にありがとうございました。また「優秀
発生や室町時代末期から
環境装置①」では、去る6月23日に開催しました第41
江戸時代にかけて茶道が
回優秀環境装置表彰式において経済産業大臣賞、経済産
盛んになったことから、
業省産業技術環境局長賞、中小企業庁長官賞を受賞され
茶人たちの美意識を反映
た装置を紹介させていただきました。受賞会社の皆様に
した表具が完成しまし
心よりご祝福申し上げると共に、特集号へのご寄稿等多
た。
大な協力を賜り厚く御礼申し上げます。
(作り方)
掛け軸、巻物は、本紙
◎今月号の伝統工芸品は「京表具」
(きょうひょうぐ)です。
(歴史)
や布地の裏に糊で紙を貼
って補強し、その各部分
京表具の始まりは平安時代にさかのぼります。当時、
を接ぎ合わせ、更に全体を総裏打ちします。屏風、衝立、
表具は経や書画に布地を貼って補強するためのものでし
襖等は骨格の上に下張り、張り、上張りの順に糊で紙を
たが、その後、保存や観賞のために書画等に布や紙で縁
貼り重ね、最後に外枠をはめ込みます。
取りや裏打ち等を施して掛け軸や額に仕立てたり、屏風
(作り手から一言)
や衝立、襖に施す「表装」一般を扱うようになりました。
手漉き和紙や西陣織を材料とし、加湿と乾燥をほどよ
京表具のうち、掛け軸、巻物、額装は床の間等和室の装
く繰り返し、狂いの少ない製品として定評があります。
飾用として、また屏風や衝立、襖は部屋の仕切り、風よけ、
(主要製造地域)
京都府/京都市 他
目隠し用として一般家庭の日常生活に使われています。
(指定年月日)
平成9年5月14日
(特徴)
京都の美しい環境と京都人の洗練された美意識に支え
産業機械
No.781 Oct
平成27年10月13日印刷
平成27年10月20日発行
2015年10月号
発行人/一般社団法人
日本産業機械工業会 中澤 佐市
ホームページアドレス http://www.jsim.or.jp
発行所・販売所/本部
(機械振興会館4階)
〒105-0011 東京都港区芝公園3丁目5番8号
TEL:
(03)3434-6821 FAX:
(03)3434-4767
販売所/関西支部
(堂ビル2階)
〒530-0047 大阪市北区西天満2丁目6番8号
TEL:
(06)6363-2080 FAX:
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編集協力/株式会社 ダイヤ・ピーアール TEL:
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印刷所/株式会社 内外リッチ ■本誌は自然環境保護のため再生紙を使用しています。
(03)6272-3103 FAX:
(03)6272-3108
TEL:
(工業会会員については会費中に本誌頒価が含まれています)
●無断転載を禁ず
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