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学年通信9号

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学年通信9号
第9号
2009 年 12 月 2 日
手帳の季節がやってきましたが、手帳はしっかり買いましたでしょうか。今回は、ベネッ
セの東大合格力研究会からの報告が中心ですが、そこでもPDCAサイクルの話が中心とな
っていました。つまり、自分の予定を自分で計画し、実行する。そしてそれを修正し、また
やってみる、そうしたことの重要性が声高に叫ばれていました。
しかし、こうしたことは、書きだして具現化しなければ、チェックも何もありません。第
一歩として、手帳を準備してみましょう。今まで、つかっていなかった生徒も、文理の決断
もし、新年を迎えるにあたり、何度でもチャレンジしてください。
また、本学年では、手帳利用を習慣化する「ノックシート」を配布しています。4 階のフ
ロアに置いてありますので、手帳などにはさみこみ、手帳利用の助けにしてください。
ベネッセで行われた「東大合格力研究会」の研究会内容を報告します。タイトルは東大合
格力という仰々しいものがつけられていますが、実際は中高 6 ヵ年における学習姿勢のあり
方を東大合格者の例を用いて報告しているだけのことですので、目指すべき学力指標、学習
姿勢は、早慶などの難関大学を目指す生徒にも参考になるだろうと思います。研究会の報告
のポイントをご報告しようと思います。ベネッセの調査は、本校も 4 月に受験している「ス
タディ・サポート」の結果を中心にまとめられていますので、学習習慣や意識に関わるアド
バイスがたくさんあります。
学習のサイクル
東大合格者は、学習のPDCAサイクルが徹底していることが報告されました。PLAN・DO・
CHECK・ACTION という授業と試験を中心としたサイクルができているのです。それでは細か
くデータを見ていきましょう。
予習の意識
国数英の 3 科目全てにおいて、予習の意識が高いのが特徴です。国語では東大合格生 82.8%
に対し、中高一貫生 68.9%、英語では 91.5%に対して、81.7%、数学では 63.8%に対して 40.4%
となっています。特筆すべきは数学でしょう。一般的に復習型の科目と言われていますが、
東大合格生は未知の問題に対してもまずやってみる姿勢を持っているようです。
授業を理解する取組
授業に関する質問の中で「予習したことを授業で確認する」
「理解できない点や疑問点は質問
し、解決する」
「大切なことは教科書やノートに書き込む」という答えをした(他の選択肢は、
指名された時の準備、板書を写す、集中できないの 3 つ)割合を調べると、国数英ともに、
東大合格生が全て90%以上、中高一貫生が60%台となりました。つまり、予習という準
備があり、授業がチェックの場になっていることが分かります。
宿題を必ず行う
この質問に関しては、数学では 100%、英語と国語でも 97%という高い回答率になりました。
中高一貫生の平均が 70%弱です。宿題だけでいいわけではないでしょうが、東大合格生は学
校の宿題を軽視せず必ず取り組んでいることが浮き彫りになります。
試験後の復習の徹底
定期試験後の復習についても同様です。数学は 100%、英語、国語も 98%の生徒が必ず行
っています。中高一貫生の答えは 70∼80%となっています。しかも、復習しても解けない問
題については、理解するまで徹底するのが国語 66.1%、英語 71.5%、数学 80.0%とそれぞ
れ 10%以上高くなっています。試験に向けた準備も、教科書を理解し問題集まで取り組むの
が 64.1%でこれも 10%ほど高くなっていて、授業については「不安がない」と答えているの
が、50∼60%にのぼります。
まとめ
このように東大合格生は「当たり前のことを当たり前にやる」力があるようです。
PLAN 予習して授業に臨む、テストに向けて準備する
DO 予習してきたことを確認する、先生の話したこと をノートに書き込む
CHECK 宿題または復習を必ず行う、テスト後の見直し、振り返りを必ず行っている
ACTION 学習方法を改める、深める(例:予習の仕方)、テストの振り返りから見えた
弱点を補強する
日々の学習時間
高校 1 年春の学習時間、すなわち入学時の平日の学習時間は、中高一貫生 55 分に対し、東
大合格生 69 分と、あまり大きな差がないことが分かります。しかし、これが高1の秋になる
と、中高一貫生 66 分に対し、東大合格生は 114 分と大きな差がついてしまいます。その後、
中高一貫生の平均が 100 分に乗るのは高3の春で、この時の東大合格生は 143 分の学習時間
を確保しています。おそらくこの後、高3の夏以降は、誰でも勉強するでしょうから、結局
はここまでの差が大きいと言えるでしょう。
結論*高1秋の学習時間 120 分が、今後の進路の明暗を分ける
目指すべき学力指標
難関大学に合格するためには、スタディ・サポートのGTZ(学習到達ゾーン)で 1 年生
段階でA以上にいることが重要なようです。本学年では 292 名中 233 名がこのゾーンにいる
のです。しかし、高校 2 年生になると難関大学合格のためには、Sゾーンにいることが条件
になります。つまり、あと 4 ヶ月後のスタディ・サポートではSにあげておきたいわけです。
高1春の段階ではこのゾーンにいるのが、59 名となります。そして高3春の段階では、Sゾ
ーンにいることに加えて、学習習慣もついていることが重要なようです。この両輪が難関大
学合格に必要なことといえます。
結論:目標はSゾーン、スタディ・サポートの正答率で80%(英語は86%)、平日 120 分の学習時間で、
予習、復習とともに問題集までこなそう。
夢実現のための十則
夢を持たなければ、その夢はかないません。しかし、夢を実現するためには、それを実現
すると決め、そして実際に、行っていかなければいけません。その結果、夢は理想となり、
目標となっていきます。この「夢実現のための十則」は何かを果たそうとしたとき、それを
実現するための行動規範を書いたものです。まず、何度も口に出して、身体に覚え込ませま
しょう。そして、そのひとつひとつの意味を考えてみてください。
勉強だけではありません。クラブでも、趣味でも、そうです。果たせないのはそれなりに
理由があります。果たすためには、行動が必要です。言い訳をつくったり、気が付かなかっ
たり、何らかの理由があって、行動していない。あるいはあきらめてしまう。その結果、夢
は夢のまま終わります。
この「夢実現のための十則」は必ずあなたを助けてくれるはずです。覚えて生活に役立て
てください。
夢 を持て 。ない夢は かなわ ぬ。目 標なく一 生懸命やることに酔うな。
夢を持たなければ、そもそも実現しません。あるべき自分を描き、そこに近づけることが
重要です。人間はイメージしたものしか実現することはできません。無意識であったとして
も、何かを実現しようとするとき、成功のイメージがあって、そこに近づこうとしているの
です。まず、目標を持ちましょう。そして、そのために、何をするのか、イメージする癖を
つけましょう。みんな、一生懸命やっています。一生懸命やることは確かに尊いことです。
しかし、本当にそうですか?成果をあげることが全てではありませんが、
「何のために」努力
しているのですか?目標を意識することで、やるべきことはクリアになります。方法も明確
になります。
や ること を与えられ るな。 自分の ために創 り出し、形にして期限を決めよ 。
なぜ、目標を達成するのでしょうか。確かに人にはやらなければならないことがあります。
社会で生きている以上、家族とともにいる以上、嫌でもやらなければいけないことがありま
す。これは「他律」ですね。人が見ているから、とはいえ、やるのであれば十分です。しか
し、
「見られてなくても」やる段階に進みたい。これが「自律」です。しかし、これも、与え
られているレベルです。自分が自分のために何かを実現する。そのためには、自分自身がや
ることを考える。与えられてはいけません。それが「自立」です。そして、それは具体的な
形にならなければいけません。何をいつまでにどの程度やるのか。その時、はじめて、自立
した人間になるのです。
他 人と関 われ。他人 を理解 しよう としろ。 他人に理解される努力をしろ。
この世の全てのものは、自分と異なる他者によって構成されています。最初の区分は、
「 私」
と「私でないもの」です。自分を理解するためには、自分でないものを理解しなければいけ
ません。他者に対する理解がないということは自分の理解がないということに他なりません。
そしてその他者は、
「私」とは異なるのです。その異なる他者と理解しあうことはおそらくな
いでしょう。しかし、理解できるように努力する。みながそうするとすれば、
「私」も理解さ
れるに違いありません。自分ができることは、「理解される努力」と「理解する努力」です。
自分と異なる他者に伝えるためには、言葉にして伝えるという簡単なことです。異なる他者
とつきあうことは面倒なことです。しかし、自分が成長するということは、自分でない部分
を自分にすること、自分にできないことを他者から吸収すること。だから、他者と関わらな
ければ、成長しないのです。その時、あなた自身が成長を始めるのです。
挨 拶をせ よ。人に気 付き、 人に気 付いても らえる。
成長のために、もっとも最初のステップは、気が付くことです。自分に気が付くこと。そ
して、周りに気が付くことです。気が付くから、何かが始まるのです。挨拶は、
「気付き」の
最も簡単で、最も大事な部分です。人がいるかどうか常にアンテナを張らなければいけませ
ん。人がいるから、全て挨拶をするわけではありません。状況、場、人、挨拶をするかしな
いか、判断しなければなりません。そして、挨拶は、気づくだけでなく、自分の存在を相手
に知らせることの第一歩です。気づいてもらえれば、相手はあなたに何かを与えてくれるか
もしれません。あなたのことを知らせれば、あなたに対して、何かの行動が生まれるのです。
毎 日他人 に奉仕しろ 。心が きれい なら他人 も応援してくれる。
目標を達成するためには、必ず他人の協力が必要です。時には無理を通さなければいけな
いこともあるのです。その時、相手があなたを助けようとするかどうか、それはあなたの毎
日の行動の積み重ねなのです。いざというときに協力してもらえるために、毎日の生活を見
直しましょう。そして、毎日継続すれば、心が強くもなります。毎日続けた自信は目標達成
の最後の勝負であなたを助けます。その戦いのさなか、あなたに協力してくれた他者がもし、
あなたの心に浮かんだなら、あなたはその人のために負けられなくなります。どんな戦いで
も一人で戦うより、誰かのために戦うほうが強いのです。人のために戦うためには、毎日あ
なたが他人に奉仕することが大事なのです。
話 を聞く 姿勢を作れ 。聞く 人には 教えたく なる。助けたくなる。
あなたが成長するためには、あなたでない誰か、あなたでない何かから学ばなければいけ
ません。そのためには、話を聞く姿勢が大事です。話を聞こうとしている人に、話したくな
い人はいません。姿勢を正し、人の目を見、そして、返事をする。そんな姿勢が整えば、自
ずと誰かはあなたに教えます。話を聞かない人に、話したいとは思わないのです。あなたの
話を聞く姿勢が、他人の手助けを引き出すのです。
書 け。何 度でも書き 直せ。 書かな いことは 考えていないこと。
鉛筆と紙がなかったとしたら、数学の難しい計算はできません。自分の考えをまとめるた
めには、同様に書くことが重要なのです。すでに、考えてまとまったことは、ペンがなくて
も考えられるでしょう。暗算と同じです。しかし、未知の領域、
「私」でない領域を考えるた
めには、ペンが必要です。何度でも何度でも書きましょう。そうすれば、あなたの考えは「形」
になりました。言葉という形になれば、行動に移すことが可能になります。目標は何か。何
度でも書きましょう。あなたが日々成長すれば、目標はまた違った言葉、形になることでし
ょう。
自 分と戦 え。自分は 見てい る。人 と戦うな 。気にするな。自分が変われ。
敵は誰ですか。成績をあげることが目的だとして、あなたは平均点をコントロールできる
でしょうか。あなたに可能なことは、自分の点数をあげることだけです。自立した人間であ
るなら、人が見ているからやるのではありません。自分が立てた目標を、自分のためにやる
のです。自分は見ています。そして、自分でないものは、あなたがコントロールできるもの
ではありません。変わるのは自分です。自分でコントロールできないものに、文句を言う暇
があるなら、自分が変わるのです。変わらないもの、他人と戦っても仕方ありません。自分
でコントロールできるものとコントロールできないものを区別して、自分が変わるのです。
敵は誰ですか。自分自身です。
大 事なこ とは最初に やれ。 優先順 位を考え ろ。タイミングを逃すな。
目標を達成するためにやるべきことはきっと無限にあるでしょう。けれど、時間は有限で
す。その中であなたは小さな階段を作り続ける必要があるのです。時間という横軸と、目標
という縦軸のグラフの中で、できる人はすいすいと、一直線にゴールに向かっているように
見えるかもしれません。しかし、彼らは、ひとつずつ、優先順位にしたがって、細かい階段
を登っているのです。一気に上がることはできないのです。あまりに細かいステップの繰り
返しなので、遠くからは直線に見えているのです。優先順位をつけて、ひとつずつ登りまし
ょう。そして、やろう、と思ったタイミング、モチベーションがあがったタイミングを逃さ
ない。できない理由はすぐにあなたを苦しめます。できない理由があなたを攻撃してくる前
に、少しでも、最初の一歩だけでもまず行動に移すのです。
成 功を繰 返し、失敗 を繰返 さぬよ う分析し ろ。原因を五回さかのぼれ。
失敗を繰り返すのはなぜでしょう。それは分析をしないからです。分析してやってはいけ
ないことを書き出す。そうすれば、失敗する法則を見つけられます。偶然、成功したことが
二度、成功しないのはなぜでしょう。それは分析をしないからです。たとえ、偶然であって
も、その偶然の理由を見つけて書き出せば、成功の法則を見つけられます。成功を繰り返し、
失敗を繰り返さない。そのためには、分析が必要です。その理由は具体的な形にならなけれ
ばいけません。
「授業で集中できない。それは夜更かしをするからだ。夜更かしをするのはテ
レビをだらだら見るからだ。そうするのは、見たいテレビのあとつい見るからだ。では見た
いテレビだけを見るようにしよう。では、録画しておいて、それだけを見よう」そうやって
5回さかのぼれば最初の一歩が分かります。それが、形にすること、そして行動することで
す。
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