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有価証券報告書 - Morningstar

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有価証券報告書 - Morningstar
EDINET提出書類
ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
【表紙】
【提出書類】
有価証券報告書
【根拠条文】
金融商品取引法第24条第1項
【提出先】
関東財務局長
【提出日】
平成24年4月25日
【事業年度】
自 平成22年11月1日 至 平成23年10月31日
【会社名】
ヒューレット・パッカード・カンパニー
(Hewlett-Packard Company)
【代表者の役職氏名】
社長兼最高経営責任者 マーガレット・C・ホイットマン
(Margaret C. Whitman, President and Chief Executive Officer)
【本店の所在の場所】
米国94304、カリフォルニア州、パロ・アルト、
ハノーバー・ストリート3000
(3000 Hanover Street, Palo Alto, California 94304, USA)
【代理人の氏名又は名称】
弁護士 木南 直樹
【代理人の住所又は所在地】
東京都港区赤坂五丁目3番1号赤坂Bizタワー36階
フレッシュフィールズブルックハウスデリンガー法律事務所
【電話番号】
03 (3584) 8500
【事務連絡者氏名】
弁護士 桑原 慶
【連絡場所】
東京都港区赤坂五丁目3番1号赤坂Bizタワー36階
フレッシュフィールズブルックハウスデリンガー法律事務所
【電話番号】
03 (3584) 8500
【縦覧に供する場所】
該当なし
(注1) 本報告書において、「ヒューレット・パッカード」、「HP」及び「当社」は、ヒューレット・パッカード・カンパニー、又
はヒューレット・パッカード・カンパニー及びその子会社をいう。
(注2) 本報告書において、「ドル」、「米ドル」、「US$」及び「$」は米国の通貨をいい、「円」及び「
う。
」は、日本の通貨をい
(注3) 本報告書において、便宜上、円で表示されている金額は、本報告書中別段の定めがない限り、平成24年3月19日現在の、三菱
東京UFJ銀行における対顧客電信直物売買相場仲値、1米ドル83.56円の為替レートで換算された金額である。
(注4) 本報告書において、円又は米ドルによる額が四捨五入されている場合には、表における合計額が当該合計額を算出する欄
の額の合計額と一致しない場合がある。
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ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
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第一部【企業情報】
第1【本国における法制等の概要】
1【会社制度等の概要】
(1)【提出会社の属する国・州等における会社制度】
米国の会社は通常、いずれか一つの州の法律に準拠して設立され、連邦会社法は存在しない(銀行のような一定の専門事業を行う
会社に関するものを除く)。
米国における会社は、その所有者、すなわち会社の株式の所有者から独立した法人である。かかる会社は1種類以上の株式を発行
することが可能であり、会社は、額面又は無額面の普通株式に加え、一定割合の剰余金配当及び清算時の残余財産につき普通株式
に対し優先権を有する1つ又は複数のシリーズによる優先株式を発行することが可能である。株主は通常、会社の債務について個
人的責任を負わない。
会社は、年次株主総会において株主により選任される取締役会によって運営される。一般に取締役会が会社の経営について責任
を負い、広い権限と弾力性をもってこれを経営する。株主の権限には、
・ 取締役の選任及び
・ 付属定款の規定に従って提案されたその他の正式な議題を決議する権限
が含まれる。
そして取締役会は、会社の日常の業務を執行する会社の主要な役員を選任する。公開会社の取締役会は通常、毎月、隔月、四半期毎
など、一定の間隔で開催される。
役員の義務に関する事項は一般に付属定款において定められている。付属定款は通常、設立発起人によって作成され、株主又は取
締役により改正され得る。
当社は、デラウェア州一般会社法の規定に基づいて組織されているが、特に、会社組織、株主、取締役及び役員の権利・権限、株主
総会及び取締役会並びに解散手続について、同法の適用を受けている。
(2)【提出会社の定款等に規定する制度】
当社はカリフォルニア州法に基づき、1947年8月18日に、ウィリアム・R・ヒューレット氏とデビッド・パッカード氏が1939年に
創設したパートナーシップを承継すべく設立された。1998年5月20日付で当社は、その登記上の設立地をカリフォルニア州からデ
ラウェア州に変更した。
当社の会社制度は、米国法及びデラウェア州法によって定められているほか、当社の基本定款及び付属定款により規定される。会
社制度の概略及び関連事項は次のとおりである。
(i)株式
・ 株式の種類
当社の全種類の株式の発行可能株式総数は、99億株で、これは2種類に分かれている。そのうち一種類は、一株当たりの額面金額
0.01ドルの普通株式(以下、「普通株式」という。)96億株であり、もう1種類は優先株式(以下、「優先株式」という。)3億株で
ある。
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・ 優先株式
取締役会は、法律及び基本定款第4条の定める制限を条件にして、その決議により、1つ又は複数のシリーズによる優先株式を発行
することができ、また、その時々に各シリーズに組入れる株式の数を決定し、各シリーズの株式について呼称、権限、特典、優先権
及び該当がある場合は参加権やオプションその他の権利並びにその条件、限定又は制限を定めることができる。
当社は、優先株式につき、3億株の授権株式を有している。
・ 将来の権利
全ての種類の株式の株主は、現在又は将来も、いずれの種類の当社株式に関しても引受、購入又は受領するにあたり優先権・先買
権を有さず、また、現在又は将来も、オプション権又はワラントも有しておらず、当社が随時、発行、売出及び募集する当該株式に
転換又は交換可能ないかなる証券についても引受、購入又は受領する権利も有さない。ただし、基本定款第4条の規定に基づき取
締役会の決議により、優先株式に対して特に付与された権利についてはこの限りではない。
(ii)株主総会
・ 総会の開催場所
株主総会は取締役会が指定するデラウェア州内外の場所で開催されるか又は遠隔通信手段を用いて開催される。取締役会による
指定のない場合は、付属定款第2条に定められるとおり当社の登記された住所にて開催される。
・ 年次株主総会の開催時期
年次株主総会は毎年取締役会の指定する日時に開催される。
・ 臨時株主総会
臨時株主総会は、取締役会により又は過半数の取締役の同意がある場合は取締役会長、最高経営責任者若しくはセクレタリーに
より、招集することができる。当社に取締役が1名も存在しない状態になった場合は、株主、役員又は株主の財産の執行者が、臨時
株主総会を招集することができる。また、株主名簿上の各株主のうち、当該総会に提案される議題につき議決権を有する全株式の
25%以上を保有する者が、当社のセクレタリーに対して書面による請求を行った場合には、取締役会が臨時株主総会を招集する。
ただし、セクレタリーが臨時株主総会の招集の請求にかかる書面を受領してから90日以内に、取締役会が年次株主総会を招集し
た場合であって、かつ、当該年次総会の決議事項に当該書面に記載された議題が含まれている場合にはこの限りではない。
・ 通知
株主総会において、株主が何らかの行為を要求される場合又は許諾される場合には、株主総会の通知は、株主総会開催日の前10日
以上60日以内に当該総会において議決権を有する各株主に対してなされねばならない。通知には株主総会の場所(開催場所があ
る場合)、日時及びその他付属定款に定められた事項を記載するものとする。
・ 定足数
法律又は基本定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を有する発行済株式の議決権の過半数を有する株主が出席又は委任状
により出席することをもって、決議の定足数とする。株主総会の決議は、定足数を充足している場合において、出席した株主又は
代理人の議決権の過半数によって行われる。ただし、法律、基本定款又は付属定款により、これと異なる決議要件又は種類株式毎
の株主の決議が必要とされる場合はこの限りではない。
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・ 議決権
付属定款、基本定款又は法律に別段の定めがある場合を除き、各株主はその有する一株につき一議決権を有する。議決権を有する
株主は、その有する複数の株式のうち一部で賛成し、残りは行使しない又は取締役の選任にかかる場合で複数投票の場合を除き、
反対することができる。ただし、株主が賛成に行使した株式数を明らかにしなかった場合には、その有する全株式の議決権につい
て、賛成したものとみなされる。
取締役の選任にあたって、特定の種類又はシリーズの株式にかかる株主は、デラウェア州法に従って、種類又はシリーズ毎に選任
される取締役について、累積投票を行うことができる。
・ 代理
取締役の選任、その他の事項について議決権を有するものは、自らの出席又は委任状により授権した1名又はそれ以上の代理人の
出席をもって、また付属定款の規定に従うことを条件として、議決権を行使することができる。
(iii)取締役会
・ 権限の行使
株主又は発行済株式による承認が必要な事項に関するデラウェア州の法律及び基本定款又は付属定款における制限を条件とし
て、当社の業務執行及び会社の権限の行使は、取締役会により又はその指示に基づき、行われる。
・ 人数
当社の取締役の人数は、8人以上17人以下でなければならない。この範囲内で、取締役の人数は11人とする。
・ 選任・任期
各年次株主総会において選任される取締役の任期は、次の年次株主総会までとする。取締役の任期は選任後又は指名後直ちに始
まり、当該任期が満了し、かつその後任が選任されたときまでとする。ただし、欠員が出た場合には、付属定款のその他の規定に従
い、残りの取締役の過半数の賛成により(この場合、定足数の充足を問わない)選任される。
・ 解任
付属定款に定める一定の制限に従って、いずれの取締役も、理由の有無にかかわらず、取締役の選任に関し議決権を有する株主の
過半数をもって、解任することができる。
(iv)役員
当社の役員は、取締役会により選出される最高経営責任者、最高財務責任者、1名以上のヴァイス・プレジデント、セクレタリー及
び1名以上のアシスタント・セクレタリー並びにその他取締役会が適当と考えるその他の役員(社長及び財務担当者を含むがそ
れらに限定されない)で、取締役会が定める方法で選出され、取締役会が定める期間その役職に就任する者から構成される。これ
らのうち、いずれか2つの役職を兼任することができる。取締役会は、1名以上のヴァイス・プレジデントをエグゼクティブ・ヴァ
イス・プレジデント又はシニア・ヴァイス・プレジデントとして指名することができ、また最高経営責任者は、選任されたヴァ
イス・プレジデントのうち1名以上をシニア・ヴァイス・プレジデントとして指名することができる。取締役会は、最高経営責任
者、社長又はいずれかのエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントを当社の最高業務執行責任者として指名することができる。
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(v)委員会
取締役会は、その決議をもって、取締役の意向に沿って任務を遂行する1名以上の取締役からなる委員会を一つ以上設置すること
ができる。取締役会は、各委員会開催時に欠席者があった場合に代替する者として、1名以上の取締役を指名することができる。い
ずれの委員会も、付属定款に規定される一定の事項を除き、取締役会の決議で定められる範囲において、取締役会が有する全ての
権限を持つものとする。
2【外国為替管理制度】
米国には、米国の非居住者による米国の会社の株式の購入又は配当金若しくは残余財産分配金の米国外送金に影響する外国為替
管理規制はない。
3【課税上の取扱い】
総論
当社より日本の居住者である株主に対して支払われる配当金より源泉徴収される税金及び日本の居住者である株主が当社株式
の売却により得る所得については、「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とアメリカ
合衆国との間の条約」(以下、「2004年日米租税条約」という。)が適用されることになる。
(1)米国における課税上の取扱い
(i)当社普通株式の配当金に関する源泉徴収
2004年日米租税条約及び米国連邦税法の規定により、原則として、日本の居住者である個人(ただし、米国市民又は米国の居住者
を除く。)又は日本の法人により実質的に所有される当社株式に関し支払われる配当金に対し、10%の税率による連邦所得税が
源泉徴収される。しかし、当該実質株主が米国内に恒久的施設を有し、かつ当該実質株主により所有される当社株式が実質的に米
国内における実質株主の取引又は事業活動に関連する場合には、連邦所得税は、通常の所得税率により当該実質株主に対し課せ
られる。
(ii)当社株式の売却に関する所得税
2004年日米租税条約及び米国連邦税法の規定により、当社株式の売却につき日本の実質株主が得る売却所得については、原則と
して、当該株式が米国内における当該日本の実質株主の恒久的施設に関連せず、当該売却所得が実質的に当該株主の米国の取引
又は事業に関連しない限り(また当該株主が個人である場合において、当該個人が当該売却が行われた年に米国内に居住してし
ない限り)、米国連邦所得税は課せられない。
(iii)条約の様式
2004年日米租税条約又は相続税に関し併せて適用される条約の規定に基づく、軽減された連邦税率の適用可能性は、軽減税率の
適用を請求する方法として、2004年日米租税条約において定められる一定の条件を完全に充足するかどうか及び一定の場合に
は、株式を所有する日本の投資家が租税条約及び米国税法において日本の居住者であると認められるために満たすべき要件を米
国税務当局が十分であると考える程度に満たすかどうか、による。
(iv)相続税
現行法において、日本の実質株主が死亡した場合、その当社株式は、米国内の財産とみなされ、米国財産税に服する。
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(2)日本における課税上の取扱い
日本の所得税、法人税及び相続税に関する法令の制限の範囲内において、当該法令に定める要件を満たし、かつ適用ある租税条約
に従う場合には、その個人所得又は法人所得(又は個人の場合には相続財産)が上記(1)に述べた「米国における課税上の取扱
い」のとおり米国連邦税に服する日本の個人又は団体は、日本において支払うべき税につき外国税額控除を受ける権利を有する
可能性がある。
4【法律意見】
当社のヴァイス・プレジデント、ゼネラル・カウンセル代理兼アシスタント・セクレタリーであるブルース・アイブス氏は、(1)
当社は、米国デラウェア州の法律に基づき適法に設立され、事業を営む完全な権能を有する会社として有効に存続しており、(2)
同氏が了知し信ずる限りにおいて、本報告書に記載された米国及びデラウェア州の法律に関する事項は、実質的に真実かつ正確
であるという見解をここに確認する。
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第2【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
以下の情報は将来の業績を示唆するものではなく、また下記の財務情報の比較に影響を与える要素について理解を深めるために
は、本報告書第一部、第3.1「業績等の概要」及び第一部、第6.1「連結財務書類及びその注記」と併せて読まれるべきである。
ヒューレット・パッカード・カンパニー及びその連結子会社
主要な経営指標等の推移
(単位:1株当たり金額を除き百万ドル)
2011年
純売上高
営業利益(1)
当期純利益
1株当たり当期純利益:
基本的
希薄化
1株当たり配当金
期末における:
総資産額
長期借入金
2010年
2009年
10月31日終了事業年度
2008年
2007年
$127,245
$126,033
$114,552
$118,364
$104,286
$9,677
$7,074
$11,479
$8,761
$10,136
$7,660
$10,473
$8,329
$8,719
$7,264
$3.38
$3.32
$0.40
$3.78
$3.69
$0.32
$3.21
$3.14
$0.32
$3.35
$3.25
$0.32
$2.76
$2.68
$0.32
$129,517
$22,551
$124,503
$15,258
$114,799
$13,980
$113,331
$7,676
$88,699
$4,997
(1) 営業利益には以下の項目を含んでおり、営業利益に関するデータの比較可能性に重要な影響を与える可能性がある。
(単位:百万ドル)
2011年
2010年
2009年
2008年
2007年
購入無形固定資産償却費
のれん及び購入無形資産の減損
webOS機器ビジネス撤退に伴う費用
事業再編費用
年金制度の縮小及び清算(純額)
買収関連費用
税引前総費用
$1,607
885
755
645
̶
182
$4,074
$1,484
$1,578
$1,012
$973
1,144
̶
293
$2,921
640
̶
242
$2,460
270
̶
41
$1,323
387
(517)
̶
$843
税引後総費用
$3,130
$2,105
$1,733
$973
$690
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2【沿革】
年
主な出来事
1939
ウィリアム・R・ヒューレット及びディビッド・パッカードによるパートナーシップとして創立され、
電気計測器の製造会社として事業を開始。
1947
当初のパートナーシップの地位を継承してHewlett-Packardが8月18日カリフォルニア州法に基づき設
立。
1960年代
1961年のSanbornの買収により医用機器の分野へ、また1965年のF&M Scientificの買収により科学合成
物質分析機器の分野へ、そのエレクトロニクス技術の応用範囲を拡充。
1966
当社の電子計測器が作成するデータを集積及び分析するための初めてのミニ・コンピュータHP2116A
を発表。
1968
世界初の卓上科学技術計算機HP9100Aを発表。
1972
HP-35の発表により、ハンドヘルド・カリキュレータ(電卓)の時代を開拓。
1976
当社の売上高が初めて10億ドルを超過。
1982
小型ながら1960年代の大型コンピュータと同様の性能を有する、世界初の「卓上型メインフレーム」
であるHP9000を開発。
1984
主としてその製品別の経営指向を有する会社から市場及び顧客に一層の重点を置く企業へと大きな内
部組織再編成を開始。
1986
HPプレシジョン・アーキテクチャーと呼ばれる全く新しいアーキテクチャーに基づく高性能コン
ピュータの新シリーズの第1号機種を初めて発表。
1989
Apollo Computer Inc.の買収によりワークステーション製品ラインを強化。
1990
ワークステーションとマルチユーザー・システムの統合を強化し、かつ販売業務と主要事業ユニット
の協調体制を強固にするため、コンピュータ事業を2つのユニットに再編成。
1991
Reduced Instruction Set Computing(以下、「RISC」という。)を基盤とする「シリーズ700ワークス
テーション」及び「HP 95LXパームトップPC」を発表。
1994
Intel Corporation(以下、「Intel」という。)との長期提携を発表、90年代末のコンピュータ用の先
端技術を開発することが目標。
1995
家庭ユーザー専用に設計された初のコンピュータであるパビリオン・シリーズのパーソナル・コン
ピュータ(以下「PC」という。)を導入。
1996
Microsoft及びCompaq Computer Corporation(以下、「Compaq」という。)は、当社によるIntelとの次
世代コンピュータ技術開発の取組みを支持。
1997
当社とIntelが共同開発したエクスプリシットリイ・パラレル・インストラクション・コンピュー
ティング(EPIC)技術及びIA-64(Intelアーキテクチャー64ビット)の詳細を初めて発表。
1998
5月20日に設立州をカリフォルニア州からデラウェア州に変更した。HPサーバ、PC、プリンタ及びネット
ワーク部品は、ワールド・カップ・サッカーの情報技術(以下、「IT」という。)の「バックボーン」
として役割を完璧に果たした。
1999
当社は、当社の計測器、半導体製品、ヘルスケアソリューション及び化学分析事業からなるAgilent
Technologies Inc.(以下、「Agilent」という。)の分割計画を発表。Agilentは11月にその株式の16%
の最初の公募を行った。
2000
4月に当社はその所有するAgilentの株式の残り84%を株式配当することを宣言した。6月に当社は株式
配当を行いAgilentは当社の子会社ではなくなった。
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年
主な出来事
9月に、Compaqとの間で、同社の発行済株式の全てを取得することにつき最終合意に達した。同社はエン
タープライズテクノロジー及びソリューションの大手グローバル・プロバイダーである。
2001
9月に、当社が保有していないIndigo N.V.の発行済み全株式を取得するための公開買付けを実施する
ことをIndigo N.V.と最終合意に達した。Indigo N.V.は、高性能デジタル印刷システムの大手プロバイ
ダーである。
3月、当社は未取得であったIndigo N.V.の発行済株式の全てを取得した。
2002
5月、当社はCompaqの発行済株式の全てを取得した。12月には、Compaqは資産及び負債の実質的に全てを
当社に譲渡し当社はそれを取得した。またCompaqの従業員全てを当社に移転した。
2004
2004年4月30日、Compaqは当社に吸収合併された。
2006
11月、当社はMercury Interactive Corporation(以下、「Mercury」という。)の買収を完了した。
2008
8月、当社はElectronic Data Systems Corporation(以下、「EDS」という。)の買収を完了した。
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3【事業の内容】
当社は、一般消費者、中小企業及び大企業(政府・医療・教育機関の顧客を含む)に対して、製品、技術、ソフトウェア、ソリュー
ション及びサービスをグローバルに提供する先端企業である。当社は、主として次の製品及びサービスを提供している。
・ パーソナル・コンピュータ装置及びその他のアクセスデバイス
・ マルチベンダー・カスタマー・サービス(インフラ・テクノロジー及びビジネス・プロセスのアウトソーシング、
技術サポート及びメンテナンス、アプリケーション開発及びサポート・サービス並びにコンサルティング及びイ
ンテグレーション・サービスを含む)
・ イメージング及び印刷関連の製品及びサービス並びに
・ 法人向けITインフラ(法人向けストレージ技術及びサーバ技術、ネットワーク製品及びソリューション、IT管理ソフ
トウェア、情報管理ソリューション及びセキュリティインテリジェンス/リスク管理ソリューションを含む)
当社は、1939年にウィリアム・R・ヒューレットとデービッド・パッカードが創立したパートナーシップを継承して、カリフォル
ニア州法に基づき1947年に設立された。1998年5月に、設立州をカリフォルニア州からデラウェア州に変更している。
製品及びサービス:セグメント情報
当社は、パーソナル・システム・グループ(以下、「PSG」という。)、サービス、イメージング・アンド・プリンティング・グ
ループ(以下、「IPG」という。)、エンタープライズサーバ・ストレージ・ネットワーク(以下、「ESSN」という。)、HPソフト
ウェア、HPファイナンシャル・サービス(以下、「HPFS」という。)及びコーポレート・インベストメントの7つの事業セグメン
トに分けられている。過去3年間の各年度において、ノートブック、デスクトップ及びプリンタ関連消耗品はそれぞれ、連結純売上
高の10%超を占めた。2010年度及び2011年度にはインフラ・テクノロジー・アウトソーシング・サービスも、連結純売上高の
10%超を占めた。また、2011年度には、業界標準サーバは、連結純売上高の10%超を占めた。
当社の純売上高、営業利益並びにセグメント及び事業ユニットの資産は、本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記19に
記載されている。当社の事業に潜在的に影響を与える要素は、本報告書第一部、第3.4(1)の「事業等のリスク」に記載されてい
る。
パーソナル・システムズ・グループ(PSG)
当社のPSGは、法人顧客向け及び一般消費者向け市場において、法人向けPC、一般消費者向けPC、ワークステーション、計算機及び
その他の周辺機器、ソフトウェア及びサービスを提供している。当社は、法人向けノートブック、法人向けデスクトップ及びワー
クステーションを法人顧客として、一般消費者向けノートブック及び一般消費者向けデスクトップを一般消費者顧客として区分
して、当該市場における当社の業績を報告している。より広範なPC市場と同様、PSGは引き続きノートブックなどのモバイル製品
へ移行している。法人向けPC及び一般消費者向けPCはともに、主にWindowsオペレーティングシステムに基づき、Intel及びAMDの
プロセッサを使用している。
法人向けPC 法人向けPCは、商業目的(大企業や中小企業顧客を含む)で使用するため並びにネットワーク環境での接続性及び
管理可能性のために最適化されている。法人向けPCには、ノートブック製品として、HP ProBook及びHP EliteBook並びに法人向け
デスクトップ製品としてCompaq Pro、Compaq Elite、HP Pro及びHP Eliteの他にもオール・イン・ワン型TouchSmart、Omni PC、HP
ミニノートPC、小売業向けPOSシステム、HP TwinClients及びHP Slate Tablet PCがある。
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一般消費者向けPC 一般消費者向けPCには、HP及びCompaqシリーズのマルチメディア型一般消費者向けノートブック、デスクトッ
プ及びミニノートブック(タッチ入力対応オール・イン・ワン型ノートブック及びデスクトップのTouchSmartの製品群を含
む)などがある。
ワークステーション ワークステーションとは、コンピュータ・アニメーション、エンジニアリング設計及び高画質グラフィック
スを必要とするその他のプログラムなどの高いパフォーマンスを望むユーザーのために設計された個人使用のコンピュータ製
品である。PSGは、Windows及びLinuxベースのオペレーティングシステムで稼動するワークステーションを提供している。
サービス
サービスは、インフラ、アプリケーション及びビジネス・プロセスの分野において、コンサルティング、アウトソーシング及びテ
クノロジー・サービスを提供している。また、サービスは、コンサルティングやサポート・サービスに精通している専門家を投入
し、インフラ・テクノロジー、アプリケーション、標準化された手法、グローバルな供給ネットワークを活用することによって、顧
客に製品やサービスを提供している。当社のサービス事業は、製品及びサービス双方を網羅するソリューションを提供すること
により、追加的にハードウェア及びソフトウェアを販売する機会を創出している。サービスは、インフラ・テクノロジー・アウト
ソーシング、テクノロジー・サービス、アプリケーション・サービス及びビジネス・プロセス・アウトソーシングの4つの主要な
事業ユニットに分かれている。
インフラ・テクノロジー・アウトソーシング インフラ・テクノロジー・アウトソーシングは、効率的なパフォーマンス向上、コ
スト削減、リスク軽減及び事業の変更を実現するために、顧客のインフラを合理化及び最適化する包括的なサービスを提供して
いる。こうしたサービスには、データセンター及びワークプレイス(デスクトップ)、ネットワーク及び通信、セキュリティ、コン
プライアンス及び事業継続も含まれる。また、小口の個別契約向けに、幅広いインフラ・サービスを横断的に提供する一連のマ
ネージド・サービスも提供している。
テクノロジー・サービス テクノロジー・サービスは、サポート及びコンサルティング・サービス並びに各種自社製品の保証サ
ポートを提供している。また、当社は、ミッション・クリティカル・サービス、コンバージド・インフラ・サービス、ネットワーク
・サービス、データセンター移行サービス並びにストレージ環境、サーバ環境及びユニファイド・コミュニケーション環境用の
インフラ・サービスとともに、技術を進化させることに特化している。当社のテクノロジー・サービスは、サービス契約、一括
サービス(HPケア・パックのサービス)又は個別に提供されている。
アプリケーション・サービス アプリケーション・サービスは、柔軟性があり計画的なコンサルティング・サービスや長期アウ
トソーシング契約を通じて、顧客のアプリケーション資産の活性化と管理を支援する。ライフサイクル全般にわたるサービスに
は、アプリケーション開発、性能試験、モダナイゼーション、システム・インテグレーション、メンテナンスや管理も含まれる。ま
た、アプリケーション・サービスは、クラウド・コンピューティング、ハイブリッド・デリバリ、法人向けモビリティー、情報管理
及びリアルタイム・アナリティクスを使用する業界別の技術コンサルティング、システム・インテグレーション・ソリューショ
ン及びサービスも提供している。アプリケーションが行うプロジェクトは、新たなタイプのインフラ・テクノロジー・アウト
ソーシングやビジネス・プロセス・アウトソーシングの実現につながるものであり、既存顧客に対する魅力的なセット販売にも
取り組んでいる。
ビジネス・プロセス・アウトソーシング ビジネス・プロセス・アウトソーシングには、基本的なインフラ・テクノロジー、アプ
リケーション及び標準方式のプラットフォームが装備されており、IT分野での経験及び業界特有の高度な知識により補完されて
いる。ビジネス・プロセス・アウトソーシング・サービスには、業種特有及び業界共通のソリューションの両方が含まれている。
業界共通のソリューションとしては、広範囲にわたる企業向けシェアード・サービス、顧客関係管理サービス、財務プロセス管理
サービス、管理サービスが挙げられる。
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イメージング・アンド・プリンティング・グループ(IPG)
IPGは、一般消費者向け及び法人向けのプリンタ機器、消耗品、媒体及びスキャン用機器を提供している。IPGは、法人向け市場のイ
メージング・ソリューションにも力を注いでいる。このソリューションの範囲は、マネージド・プリント・サービス・ソリュー
ションから、産業用アプリケーション、屋外看板及びグラフィックアート事業などの分野における高品位画質のキャプチャーに
まで至る。
インクジェット及びウェブ・ソリューション インクジェット及びウェブ・ソリューションは、当社の一般消費者向け及び中小
企業向けのインクジェット・ソリューション(機器、消耗品、媒体、インターネットに接続された機器及びサービス)を提供し、
当社の一般消費者向け出版事業及びウェブ事業を展開している。このソリューションには、単一機能型とオール・イン・ワン型
の一般消費者向け及び中小企業向けのインクジェットプリンタ、一般消費者向け出版ソリューションのSnapfish及び
ePrintCenterも含まれる。
レーザージェット及びエンタープライズ・ソリューション レーザージェット及びエンタープライズ・ソリューションは、
Exstream Software及びWeb Jetadminなどのレーザージェット・プリンタ及び消耗品、多機能機器、スキャナー、インターネット
に接された機器及びサービスなど、中堅企業及び法人セグメント向けの製品、サービス及びソリューションを提供している。
マネージド・エンタープライズ・ソリューション マネージド・エンタープライズ・ソリューションは、オフィス環境において
第三者ソフトウェアを使用している法人顧客に対して業務を合理化するソリューションを提供するために、法人向けのマネージ
ド・プリント・サービス製品及びソリューションを提供している。
グラフィック・ソリューション グラフィック・ソリューションは、大判フォーマット印刷(Designjet及びScitex)及びその関
連消耗品、WebPress関連消耗品、Indigo印刷、特殊印刷システム並びにインクジェット高速プロダクション・ソリューションズを
提供している。グラフィック・ソリューションは、印刷業者、建築家、エンジニア、デザイナー及び産業向けソリューションを提供
する業者をターゲットとしている。
プリンタ関連消耗品 当社のプリンタ関連消耗品には、レーザージェット用のトナー、インクジェットプリンタ用インクカート
リッジ、グラフィック・ソリューション用のインク製品及び他のプリンタに関連する媒体が含まれる。
エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク(ESSN)
ESSNは、多くのカテゴリーにおいて、ストレージ及びネットワーク製品を提供している。当社のサーバ、ストレージ及びネット
ワーク製品とクラウド・サービス・オートメーション・ソフトウェアを組み合わせたコンバージド・インフラストラクチャの
製品群は、当社のクラウド・システムの構築に適合している。この統合されたソリューションは、法人やサービス・プロバイダー
の顧客に対して、プライベート、パブリック又はハイブリッド・クラウドの環境においてサービスとしてインフラストラク
チャー、プラットフォームやソフトウェアを提供することを可能にする。サーバー、ストレージ及びネットワーク・ソリューショ
ンについて幅広い製品ラインを提供することによって、ESSNは、法人及び中小企業市場の双方を拡大しながら、異なる顧客から要
求される統合化されたプロダクト・ソリューションを最適化し、幅広いオペレーティング環境に対するソリューションを提供す
ることを目指している。
業界標準サーバ 業界標準サーバは、主にWindows、Linux及びNovellのオペレーティングシステムで稼動し、Intel及びAdvanced
Micro Devices(以下、「AMD」という。)のプロセッサを搭載したエントリーレベル及びミッドレンジのProLiantサーバを提供
している。この事業は、ペデスタル(台座)型タワーサーバ、密度最適化ラック型サーバ及び当社のBladeSystemサーバブレード
製品群など、様々な製品種類を提供している。
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ビジネス・クリティカル・システム ビジネス・クリティカル・システムは、ミッション・クリティカルなコンバージド・イン
フラストラクチャとともにHP-UX及びOpenVMSオペレーティングシステムで稼動するIntel Itaniumのプロセッサを搭載したHP
Integrityサーバの製品群並びにHP Integrity NonStopソリューションを提供している。当社のIntegryityサーバは、当社の独自
のBlade Link技術及びSuperdome 2サーバ・ソリューションとともにブレードインフラストラクチャ上に構築された拡張可能な
ブレードを特色としている。また、ビジネス・クリティカル・システムは、4台以上の業界標準プロセッサを搭載したシステムを
拡張するためのscale-up x86 ProLiantサーバを提供している。さらに、当社は、既存のシステムから当社の最新のIntegrityシス
テムへアップグレードできる機会を顧客に提供することによって、HP9000サーバ及びHP AlphaServersを引き続きサポートして
いる。
ストレージ 当社のストレージは、ハイエンド、ミッドレンジ及び小企業向けのストレージ・プラットフォームを提供している。
当社の主力製品には、オープンで、仮想化、クラウド化やサービス型ITのために設計されたHP 3PAR Utility Storage Platformが
ある。ストレージ事業は、ストレージエリアネットワークス、ネットワークに接続されたストレージ、ストレージ管理ソフトウェ
ア及び仮想化技術、StoreOnceデータ重複排除ソリューション、テープドライブ及びテープライブラリを含む幅広い製品を提供し
ている。これらの製品は、顧客の既存のストレージのシステムの最適化、新たな仮想化ソリューションの構築及びクラウド・コン
ピューティングへの移行を可能にする。
ネットワーク 当社のスイッチ、ルーター、無線LAN及びTippingPointネットワーク・セキュリティ製品は、データセンター、キャ
ンパス及び支店間のネットワーク向けに開放性、拡張性、安全性、機動性及び整合性のあるソリューションを提供している。当社
のネットワークのソリューションは、企業向けに簡素化されたサーバーの仮想化、情報の統合及び複数のアプリケーションの提
供を可能にするために設計されたFlexNetworkのアーキテクチャーに基づいている。
HPソフトウェア
HPソフトウェアは、法人顧客向けのIT管理ソフトウェア、情報管理ソリューション及びセキュリティインテリジェンス/リスク管
理ソリューションを提供している。これらのソリューションは、従来のソフトウェア・ライセンス形式で又はソフトウェア・ア
ズ・ア・サービス(以下、「SaaS」という。)として提供される。HPソフトウェアのソリューションは、サポートや専門家による
サービスの拡大により、大手IT企業によるインフラ、オペレーション、アプリケーションの寿命周期、アプリケーションの品質及
びセキュリティ、ITサービス、業務プロセス並びに構造化データ及び非構造化データの管理を可能にする。さらに、これらのソ
リューションは、企業のデジタル資産の保護、企業方針及び法令の遵守並びに社内及び社外のセキュリティのリスクの管理を積
極的に支援する。
HPファイナンシャル・サービス(HPFS)
HPFSは、広範囲での付加価値のあるファイナンシャルライフサイクル管理サービスを提供することにより、当社のグローバル製
品及びサービスソリューションをサポートし、向上させている。HPFSは、当社の世界中の顧客に対し、ハードウェア、ソフトウェア
及びサービスを含む包括的なITソリューションの取得を可能にしている。当グループは、大手グローバル企業の顧客に対して、
リース、融資、ユーティリティ・プログラム、資産回収サービス及び金融資産管理サービスを提供している。HPFSはさらに、中小企
業、教育機関及び政府機関に対して、専門的な金融サービスを提供している。また、HPFSは、顧客特有のキャッシュ・フローや技術
劣化及びキャパシティの必要性等の問題解決のために、革新的で、カスタマイズされた、柔軟性のある選択肢を提供している。
コーポレート・インベストメント
コーポレート・インベストメントには、ビジネスインテリジェンスソリューション、HPラボ、webOSソフトウェア及び特定の事業
育成プロジェクトが含まれる。ビジネスインテリジェンスソリューションは、整合性のあるデータ管理のプログラムにより事業
を標準化すること、企業間のデータを接続及び共有し、分析を行うこと可能にする。本セグメントは、当社の特定の技術を第三者
へライセンス供与することによるライセンス料からも収益を得ている。さらに、2011年の第4四半期におけるwebOS機器の事業の
縮小に先立って、webOS機器の販売による収益が、本セグメントの一部として報告されているが、これは、販売報酬プログラム並び
にサプライヤー関連の義務及び在庫の減価の費用に関連する収益の控除項目により、本セグメントの収益、売上総利益及び営業
損失に悪影響を与えている。
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営業、マーケティング及び流通
当社は、上記に記載されている主要な事業セグメントに基づき、業務を行い、その業績を報告している。当社の顧客は、一般消費者
及び法人顧客のグループに分類され、販売は、直接販売及び販売チャネル経由の販売に分類される。当社には、幅広い顧客グルー
プに対応するため、販売チャネルとして、多数の種類のパートナーがいる。パートナーは、以下のとおりである。
・ 店舗又はインターネット・ストアを通じて、市場で当社の製品を販売する小売業者
・ しばしば自社の付加価値製品及びサービスとともに、当社の製品及びサービスをターゲットである顧客グループに
対して販売する再販売業者
・ 当社が直接関係を持たない小規模な再販業者に対して当社のソリューションを提供する販売パートナー
・ 開拓途中又は未開拓の地域又は顧客セグメントに対して当社の製品を販売する独立系の販売店
・ 当社の製品を自社のハードウェア又はソフトウェアと一体化させ、その一体化させた製品を販売する相手先商標製
品の製造会社(Original equipment manufactures)(以下、「OEM」という。)
・ 自社製品(専門的なソフトウェア製品)を購入した顧客に対して当社の製品及びサービスの販売を行うことがある
独立系のソフトウェア会社(Independent software vendors)(以下、「ISV」という。)
・ カスタムITソリューションの設計及び実装において様々なレベル及び種類の専門家を提供し、当社のサービス事業
のパートナーとして、専門性を向上させ、当社の製品及びサービスの販売に影響を与えるシステムインテグレー
ター
・ システム・インテグレーション業務を含む様々なレベルの経営及びITコンサルティングを提供し、当社の独自の製
品及びサービスを必要とするクライアント・ソリューションにおいて、当社のサービス事業と主に連携している
コンサルタント会社
チャネル販売及び直接販売の組み合わせ方は、事業及び地域により大きく異なる。当社は、顧客の購買動向及びそれぞれの地域の
市場の条件に応じて、販売、マーケティング及び流通を行う必要があると考えている。また、直接的及び間接的な事業により、事業
を効率化し、生産性を向上させることに加え、提供する製品やサービスの内容・範囲を拡充することにも力を入れている。
当社の組織であるエンタープライズ・セールス・アンド・マーケティング(以下、「エンタープライズ・セールス」という。)
は、当社の法人及び公的機関の顧客の大半を管理し、また顧客への製品の納入やサービスの実施においてスピード及び効率性を
改善するためにセグメント間の販売プロセスを簡素化することに対して第一義的な責任を負う。この立場で、エンタープライズ
・セールスは、特定の製品(UNIX、サーバ、ストレージ、ネットワーク、ソフトウェア及びサポート製品を含む)に特化した専門の
資源を管理している当社の法人向け事業部門(サービス、ESSN及びHPソフトウェア)と密接に協力を行っている。エンタープラ
イズ・セールスは、法人向け製品の直接販売活動並びにシステムインテグレーター及びISVとの市場参入活動を管理している。ま
た、エンタープライズ・セールスは、当社の法人向けサービス事業及び上記に列挙されているパートナーとともに、当社の水平型
及び垂直型ソリューションの推進を担当している。さらに、エンタープライズ・セールスは、通信業、メディア産業及びエンター
テイメント産業、金融サービス業、製造業及び流通業並びに公的機関に対して、垂直販売及びマーケティングを行っている。
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PSGは、中小企業の顧客及び販売チャネルである再販売会社を管理しており、当社はこの販売チャネルを通して相当数の法人向け
PCを販売している。また、PSGは、大量生産製品の直接販売の処理を行っているボリューム・ダイレクト・オーガナイゼイション
を率いている。。さらに、PSGは、コンシューマー・エクスチェンジ及びスモール・ビジネス・エクスチェンジを経由してオンライ
ンの直接販売の管理も行っている。
IPGは、当社の一般消費者に関連する販売全般及びマーケティング活動を管理している。また、PC及びIPG製品をセット販売するた
めに、販売店舗とともにイメージング及びプリンタ製品並びにその他一般消費者向け製品(一般消費者向けPCを含む)を管理し
ている。
製造及び原材料
当社は、自社設計品を製造するために世界各地に散在している製造委託先(以下、「OM」という。)を多数利用している。OMを使
うことは、コスト効率を高め、自社設計品が市場に出るまでの時間を削減することを目的としている。当社は、当社のサプライ・
チェーン及び製造工程の柔軟性を維持するために複数のOMを使っている。状況に応じて、OEMは、当社が注文し、HPブランド名で再
販売する製品を製造している。また、OMの利用に加えて、当社は現在、様々なベンダー(売主)から購入した部品及び組立部品か
ら極限られた数の完成品を製造している。
当社は、製品の需要に対応するために二つの主要な生産方式(受注生産方式及び注文仕様生産方式)を採用している。当社は、標
準製品を大量生産することで、生産及び物流効率を最大化させる受注生産方式を用いている。また、注文仕様生産方式は、顧客か
らの注文に応じて、特定のハードウェア及びソフトウェアの部品を組み立てることを可能にする。当社の受注生産方式及び注文
仕様生産方式による在庫管理及び流通方式は、在庫をすぐに出荷すること及び顧客に製品を販売及び流通する直前に製品を製造
することで、在庫期間を短縮することを目的としている。
当社は、原材料、供給品及び組立部品を多数のベンダー(売主)から購入している。当社の製品の大半には代替のサプライヤーが
存在するか、あるいはそのようなサプライヤーを容易に確保できる。しかしながら、レーザー・プリンタのエンジン、レーザー
ジェット関連の消耗品及び一部の短いライフサイクルの製品に関しては、単一のサプライヤーに依存している(ただし、非常時
に備え、複数の地域で事業活動を行っているサプライヤーも存在する)。プロセッサの大部分をIntelからの供給に頼っており、
ソフトウェア製品の多くは、Microsoftに依存している。ただ、当社は、これらのサプライヤーが供給を停止した場合、業界全体に
混乱を起こすことになり、当社だけではなく当社の競合企業も同様に損害を受けるであろうと考えている。また、プロセッサに関
しては、当社は、AMDと関係を築いており、AMDプロセッサは市場において、確固たる支持を受けている。
当社は、ハイテク業界の他の会社と同様、原材料及び部品を必要に応じて、平均して90日から120日の周期で、一括又は定期注文書
の組み合わせにより調達している。大幅な価格の変動及び複数の業者から一定の部品が入手できないという供給上の制約を受け
ることがある。一般市場よりやや高い価格で不足している部品を調達することもあり、売上総利益に影響を及ぼす可能性もある
が、生産に支障をきたすことはない。当社は、供給上の制約を予測又はベンダー(売主)と優先順位、価格及び供給力を改善する
ために長期的な価格契約を締結して部品を在庫する。当社の製造及び原材料に伴うリスクについては、本報告書の第一部、第3.4
(1)の「事業等のリスク」の「当社は第三者サプライヤーに依存しているため、サプライヤーを適切に管理できない場合は、当
社の収益や売上総利益が悪影響を受けるおそれがある」の項を参照されたい。
国際性
当社の製品及びサービスは、世界中で販売・供給されている。この地理的な多様性は、世界中の一般消費者及び企業顧客の双方の
要求を満たし、世界各地のビジネス及び技術の専門家の活用を可能にし、当社の経営に安定をもたらし、スケールメリットを追求
でき、地域的な経済動向に影響を受けない収入源をもたらし、また成熟品のための新しい市場にアクセスする機会をもたらす。こ
れに加えて、当社の将来の成長は、製品を開発する能力及び開発途上国をターゲットとするセールスモデルに左右される。これに
関しては、当社の広範囲にわたる地理的なプレゼンスは将来の成長のための堅固な基盤を築くことを可能にする。
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当社の国内向け及び国際事業の純売上高及び有形固定資産(純額)は、本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記19を参
照されたい。2011年度の当社の純売上高全体の約65%は米国外の売上によるもので、米国外の純売上高の実質大半は外国政府以
外の顧客に対する販売によるものであった。
当社の外国事業に伴うリスクについては、本報告書の第一部、第3.4(1)の「事業等のリスク」の「当社事業の国際性ゆえに、政
治・経済変動又はその他の要因により将来の収益、費用及び財政状態が損なわれる可能性がある」の項、第一部、第3.4(2)の
「市場リスク」の項並びに第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記10を参照されたい。
特許
当社の一般的な方針は、当社の製品及びサービスに組み込まれる可能性の高い発明及び改良又は、その権利が当社の競争力を強
化するものについては、特許による保護を追求するというものである。2011年10月31日現在、当社の世界規模の特許のポートフォ
リオには、36,000件以上の特許が含まれており、2010年度終了時点の当社の特許のポートフォリオにおける特許の件数より若干
減少しているが、2009年度終了時点の当社の特許のポートフォリオにおける特許の件数より増加している。
通常、特許の存続期間は、特許を申請してから20年間である。当社の特許のポートフォリオは、長い期間にわたり構築されており、
各特許の残存期間は異なる。当社の特許及び特許の申請は、当社の製品及びサービスの競争的差別化を保つため、第三者の技術へ
のアクセスを強化するため並びに研究及び開発に対する投資の利益を最大化するために重要であると考えている。単独の特許自
体は重要でなくても、主要な事業セグメントの全体又は一部にとっては重要である。
当社の特許を発展させることに加えて、当社が適切とみなした第三者より知的財産権の使用の許諾を受けている。また、当社が当
社の利益となると判断する場合には、当社が保有している特許の使用の許諾を他社に与えており、また今後も同様の措置を取る
予定である。このような使用許諾の措置には、第三者とのいくつかのクロス・ライセンスも含まれる。
知的財産権に関連するリスクについては、本報告書第一部、第3.4(1)の「事業等のリスク」の「当社の事業に必要な知的財産
権につき、その行使を続けることができない場合や、第三者が当社による知的財産権侵害を主張したときには、当社の収益、売上
原価及び費用が損なわれる可能性がある」の項を参照されたい。
バックログ
倉庫や販売チャネルのパートナーの在庫から配送される大量の製品の存在、製品のライフサイクルがより短くなっているといっ
た事情に加え、当社の製品及びサービスのポートフォリオが多様であることから、バックログは、将来の事業展望の重要な指標と
はならない。従って、バックログ情報は当社の事業全体を理解するのに重要ではない。
季節変動
一般的な経済状況は、当社の事業及び業績に影響を与える。当社が製品を販売している市場の経済状況が悪化すれば、販売にマイ
ナスな影響を与える可能性がある。当社の製品及びサービスの販売については、季節的な変動がみられる。例えば、ヨーロッパに
おける売上は、夏には落ち込むが、一般消費者に対する売上げは、第4四半期に増大する傾向がある。春及び初夏の需要は、季節変
動を見通した市場の動きにより、落ち込む可能性がある。本報告書第一部、第3.4(1)の「事業等のリスク」の「当社の販売周期
は、その性質上、事業計画の策定や在庫管理を困難にするものであり、将来の業績に関する予測も立てにくくしている」の項を参
照されたい。
競争力
当社は、全ての事業分野において、激しい競争に直面している。当社は主に技術、パフォーマンス、価格、品質、信頼性、ブランド、評
判、販売力、製品及びサービスの幅広さ、製品の使い易さ、勘定関係、顧客トレーニングや顧客サービス及び顧客サポート並びにセ
キュリティの面において競争している。
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当社のそれぞれの事業セグメントの市場は、長い歴史を持つ大企業及び著しい成長を遂げている多くの新興企業との活発な競争
が特徴的である。製品のライフサイクルは短く、競争力を保つためには新しい製品及びサービスを開発し、定期的に現在の製品及
びサービスを改良し、上記に掲げた面において効率的に競争しなければならない。これに加えて、当社は多くの現在及び潜在的な
パートナー(デザイン、製造及び自社のブランド名で製品を販売しているOEMを含む)とも競合している。これらの競合するパー
トナーとの関係を適切に管理することは、当社の将来的な成功にとって重要となる。さらに、競争力を保つためには、当社の多く
の製品及びサービスの価格を調整する必要があると予測している。
当社は、収入ベースでは、一連の汎用コンピュータ及び個人情報、産業・科学・事業・一般消費者アプリケーション用のイメージ
ング及び印刷製品並びにITサービスを提供する最大の会社である。当社は、当社の主要なそれぞれの事業セグメントにおいて、大
手又は大手の一つである。
当社の各セグメント業務における競争環境については、下記に記載されたとおりである。
PSG PSGが業務を営む分野には、激しい競争があり、価格競争及び在庫の減価が進んでいる。ブランドPCの分野における競合他社
は、Dell、Acer Inc.、ASUSTeK Computer Inc.、Apple Inc.、Lenovo Group Limited及び株式会社東芝である。特定の地域では、現地
企業及び一般的なブランド又はホワイト・ボックスの製造業者と競合している。当社の競争における強みには、幅広い製品の製
品群、技術革新、研究及び開発能力、ブランド及びレバレッジ調達、当社の製品群のセット販売力、広範囲に及ぶサービス及びサ
ポートの提供力並びに小売及び法人向けから直接販売チャネルまで広範囲にわたる製品の販売能力が含まれる。
サービス 当社のサービス事業(HPエンタープライズ・サービス、テクノロジー・サービスを含む)は、ITサポート・サービス、
コンサルティング・アンド・インテグレーション、インフラ・テクノロジー・アウトソーシング、ビジネス・プロセス・アウト
ソーシング及びアプリケーション・サービスの分野で、競争に直面している。ITサポート・サービス及びコンサルティング・ア
ンド・インテグレーションの市場では、顧客がITに関する予算を削減したことから厳しい状況にある。しかしながら、この傾向
は、顧客にとってより少ないIT管理費用で戦略的な投資を可能にするアウトソーシング・サービス事業に利益をもたらしてい
る。当社の競合他社にはIBM Global Services、Computer Sciences Corporation、システム・インテグレーションの会社である
Accenture Ltd.、海外の会社である富士通株式会社、インドを拠点とする競合他社であるWipro Limited.、Infosys Technologies
Limited.及びTata Consultancy Services Ltd.が含まれる。古くからのハードウェア・プロバイダーであり、自社製品をサポー
トするサービスを多数提供するDellも当社と競合する。当社の競合他社の多くは、グローバルなサービスを提供することができ、
ブランドが広く認知されている企業もある。当社のサービス事業のチームは、多くの企業に対してサービスを提供しており、この
手法で当社の業績を伸ばし、将来性を高めることができる。当社の競争における強みは、技術の高い専門性(マルチベンダの環
境、仮想化及び自動化、顧客及びパートナーとの連携の確固たる実績並びにインフラ管理における特にSAP、AG、Oracle
Corporation及びMicrosoft Corporationなどの技術のあるグローバルな会社との協力関係)に表れている。
IPG プリンタ機器及びそれに付随する消耗品の市場は、IPGの一般消費者、中小企業、グラフィックス及び法人顧客のセグメント
全般において、特に価格並びに新製品及び新機能の導入に関連する競争が非常に激しい。IPGの主要な競合他社は、Canon U.S.A.,
Inc.、Lexmark International, Inc.、Xerox Corporation、セイコーエプソン株式会社、Samsung Electronics Co. Ltd.、ブラザー
工業株式会社である。これに加えて、独立系のサプライヤーが印刷の品質及び信頼性がより低い当社独自のインクジェット及び
トナーなどの消耗品のリフィル並びにそれらを再製造した代替品をより低価格で一般的に提供しており、当社の消耗品の売上及
び販売利益の低下をもたらしている。その他の会社も、特に知的財産の保護が不十分であったり、それに法的効力がなかったりす
る米国外で、当社のレーザー及びインクジェット製品と互換性のあるカートレッジを開発及び販売している。ここ数年は、当社及
び競合他社は、新規の顧客を獲得し、この競争環境に対応するためプリンタ機器の価格を定期的に下げている。将来の成長のため
に重要な機会としては、使用頻度が高い機器一式のシェアの拡大、長期的で高付加価値のある継続的な利益をもたらす事業の遂
行、グラフィックス、ウェブ及びモバイル・ソリューションにおけるアナログからデジタルへの移行の活用並びにクラウド型か
つドキュメント中心の法人向けソリューションやサービスの継続的な開発が挙げられる。
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ESSN ESSが業務を営む分野には、激しい競争があり、急速な技術革新及び価格競争が進んでいる。当社の競合他社には、ブロード
・ソリューション・プロバイダーであるInternational Business Machines Corporation(以下、「IBM」という。)から、より明
確な競合他社として、ストレージ分野におけるEMC Corporation及びNetApp, Inc.、業界標準サーバ分野におけるDell, Inc.ま
で、多岐にわたる。このセグメントにおける当社の重要な競争上の優位性は、当社のコンバージド・インフラ・イニシアチブの6
つの技術要素(ITシステム、パワー・アンド・クーリング、セキュリティ、管理、仮想化及び自動化)が含まれる。また、当社の競
争上の優位性には、当社の国際性及び重要な知的財産のポートフォリオ並びに研究開発能力が含まれる。これらは当社の製品、
サービスの提供を促進し、当社の製品群のセット販売力の強化に貢献するとともに、ブランドからレバレッジ調達まで、全てにお
けるスケールメリットによる優位性を向上させる。
HPソフトウェア HPソフトウェアの業務分野は、急速に変化する顧客のニーズや技術によって、成長が促進されている。当社は、
IBM、CA, Inc.、BMC Software, Inc.といった競合企業と競争を展開しながら法人向けIT管理ソフトウェアを販売している。当社
の提供する情報管理ソリューションは、IBM、EMC及びSymantec Corporationといった企業の製品と競合関係にある。当社はまた、
Symantec、IBM、Cisco及びMcAfeeなどの競合他社の製品と競合する法人向けセキュリティ/リスクインテリジェンスソリューショ
ンも提供している。さらに、当社は、SaaSなどの新しい形態のサービスの登場により、新興勢力として台頭してきた企業との競争
にもさらされている。当社は、ソフトウェアやサービスの内容・範囲の拡充、幅広い市場への事業展開により差別化している。
HPFS 当社のファイナンス事業における競合他社は、主にIBM Global Financingなどの金融専門会社であり、その他にも銀行及び
金融機関がある。当社のこの事業における銀行及び金融機関に勝る強みは、製品、サービス及びトータル・ソリューションのファ
イナンシングサービスの提供である。
これらの競争に伴うリスクについては、本報告書第一部、第3.4(1)の「事業等のリスク」の「企業間競争により、収益、売上純
利益及び収益予測が悪化するおそれがある」の項を参照されたい。
環境
当社の業務は、環境について定める様々な連邦法、州法、条例及び外国法など(汚染物質の空気中や水中への放出、有害物質や廃
棄物の管理及び処理、汚染された土地の浄化について定める法律を含む)による規制を受けている。当社が環境関連法令に違反
した場合又は環境法上の責任を負う場合には、浄化費用、罰金、民事・刑事処罰、第三者の損害又は身体的損害に対する賠償責任
を含む、多大な費用が生ずるおそれがある。
当社の製品の多くは、その製品が使用している化学物質及びその安全な使用について定める連邦法、州法、条例及び外国法など
(これには、化学物質の製造や販売について定める法律及び電気製品において使われる物質を規制する法律が含まれる)による
規制の対象とされている。また、一部の製品は、エネルギーの消費に関して規制を受けているが、今後、規制を受ける可能性がある
ものもある。これに加え、気候変動に関連する規制も含め、製品の化学物質及び材料組成、製品の安全な使用並びにそのエネル
ギー効率など新たに適用される規制に対応するため、製品のデザイン及び部品の調達が益々複雑化している。また、当社は、多く
の地域でコンピュータやプリンタを含む電気製品の製造者に対して適用される、過去及び将来の対象製品の回収、リサイクル、取
扱い及び処分に関して金銭的な責任を課すという法律の適用を受けることが増加している(この規制は、「product take-back
legislation」と称されることもある)。当社の製品が環境関連法令に違反する場合には、一部の国で、当社の製品の持ち込みが
制限され、罰金を含むその他の処罰を受ける可能性がある。
今後、当社の業務及び最終的に当社の製品は、気候変動に関連する連邦法、州法、条例、外国法並びに規則、国際条約の適用を受け
ることが増加すると予想される。これらの法律、規制、条約及び類似する取り組みやプログラムが、世界中で導入され、実行された
場合には、当社は、これらを遵守することが要求されたり、又は市場へのアクセスの制限若しくは罰金を含めその他の処罰を受け
る可能性がある。しかしながら、当社は、これらの規制を遵守し、対応するためには、技術が必要不可欠であると考えており、産業
界、経済団体及び政府と連携して、当社の技術を、気候変動及びこれに関連する法律、規則並びに条約の遵守を促進するために利
用する方法を模索及び促進してている。
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ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
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当社の全ての業務、製品及びサービスに適用されている環境に関する法律を遵守することに最大の努力を払っており、当社の事
業のあらゆる面で、環境への影響を軽減している。包括的な環境・衛生・安全に関する方針、業務における厳格な環境マネージメ
ント並びに世界的な環境プログラム及びサービスを打ち出すことで義務を果たしている。
環境関連の費用の発生は、ほぼ確実であり費用額が合理的に見積もることができるものについては、引当計上される。環境関連の
費用及び引当は、当社の業務及び財政状態に重要な影響を与えるものではない。しかしながら、当社の業務又は製品に適用される
現行及び将来制定される環境関連法令が、当社の業務及び財政状態に重大な悪影響を与えないという保証はないが、環境管理設
備のための重大な環境設備投資は計画されていない。
4【関係会社の状況】
(1) 親会社
当社に親会社はない。
(2) 子会社
2011年10月31日現在におけるヒューレット・パッカードの主な関係子会社は、以下のとおりである。
主要関連会社
設立国
主な事業
Hewlett-Packard Angola, Ltda.
アンゴラ
販売及びサポート
Hewlett-Packard Argentina S.R.L.
アルゼンチン
販売及びサポート
Hewlett-Packard Australia Pty. Limited
オーストラリア
販売及びサポート/流通/製造
HP Enterprise Services Australia Pty Ltd
オーストラリア
サービス・プロバイダ
HP Financial Service (Australia) Pty
Limited
オーストラリア
金融子会社
Hewlett-Packard Gesellschaft m.b.H.
オーストリア
販売及びサポート
Hewlett-Packard Belgium SPRL/BVBA
ベルギー
販売及びサポート
Hewlett-Packard Coordination Center
CVBA/SCRL
ベルギー
特定目的会社
High Tech Services Insurance, Ltd.
バミューダ
サービス・プロバイダ
HP Botswana (Proprietary) Limited
ボツワナ
販売及びサポート
Hewlett-Packard Brasil Ltda.
ブラジル
販売及びサポート/流通
HP Financial Services Arrendamento
Mercantil S.A.
ブラジル
金融子会社
Hewlett-Packard Bulgaria EooD
ブルガリア
販売及びサポート/サービス・プロバイダ
Hewlett-Packard (Canada) Co.
カナダ
販売及びサポート/サービス・プロバイダ/
流通
Hewlett Packard Financial Services Canada
Company
カナダ
金融子会社
Compaq Cayman Holdings Company
ケイマン諸島
持株子会社
Hewlett-Packard G1 SPV (Cayman) Company
ケイマン諸島
特定目的会社
Hewlett-Packard Chile Comercial Limitada
チリ
販売及びサポート/サービス・プロバイダ
HP Financial Services (Chile) Limitada
チリ
金融子会社
China Hewlett-Packard Co., Ltd.
中国
販売及びサポート
Hangzhou H3C Technologies Co., Ltd
中国
製造
Hewlett-Packard (Chongqing) Co., Ltd
中国
製造
Hewlett-Packard Technology (Shanghai) Co.,
Ltd.
中国
製造
Hewlett-Packard Trading (Shanghai) Co. Ltd.
中国
販売及びサポート/流通
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主要関連会社
設立国
主な事業
Shanghai Hewlett-Packard Co. Ltd.
中国
製造/流通/販売及びサポート
Hewlett-Packard Colombia Ltda.
コロンビア
サービス・プロバイダ
Hewlett-Packard Costa Rica Ltda
コスタリカ
サービス・プロバイダ
Hewlett-Packard d.o.o.
クロアチア
販売及びサポート
Hewlett-Packard Cyprus Ltd
キプロス
販売及びサポート
Hewlett-Packard s.r.o.
チェコ
販売及びサポート
Hewlett-Packard ApS
デンマーク
販売及びサポート/サービス・プロバイダ
Hewlett-Packard Ecuador CIA Ltda
エクアドル
販売及びサポート
Hewlett-Packard Egypt Ltd.
エジプト
販売及びサポート
Hewlett-Packard OY
フィンランド
販売及びサポート
Hewlett-Packard France SAS
フランス
販売及びサポート
Hewlett-Packard GmbH
ドイツ
販売及びサポート/製造
Hewlett-Packard Ghana Limited
ガーナ
販売及びサポート
Hewlett-Packard Hellas EPE
ギリシャ
販売及びサポート
Hewlett-Packard Guatemala, Limitada
グアテマラ
販売及びサポート/サービス・プロバイダ
Hewlett-Packard HK SAR Ltd.
香港
販売及びサポート
Hewlett-Packard MagyarorszÆg Kft.
ハンガリー
販売及びサポート
Hewlett-Packard Globalsoft Private Limited
インド
サービス・プロバイダ
Hewlett-Packard India Sales Private Limited
インド
販売及びサポート/流通/製造
MphasiS Limited
インド
サービス・プロバイダ
PT. Hewlett-Packard Indonesia
インドネシア
販売及びサポート
Hewlett-Packard International Bank Public
Limited Company
アイルランド
金融子会社
Hewlett-Packard Ireland Limited
アイルランド
販売及びサポート
Hewlett-Packard (Manufacturing) Ltd.
アイルランド
製造
Hewlett-Packard Indigo Ltd.
イスラエル
製造
Hewlett-Packard Italiana S.r.l.
イタリア
販売及びサポート
Hewlett-Packard Japan Ltd.
日本
販売及びサポート/製造/流通
HP Financial Services (Japan) K.K.
日本
金融子会社
Hewlett-Packard Korea Ltd.
韓国
販売及びサポート/流通
HP Financial Services Company (Korea)
韓国
金融子会社
Hewlett-Packard SIA
ラトビア
販売及びサポート
UAB Hewlett-Packard
リトアニア
販売及びサポート
Hewlett-Packard Luxembourg S.C.A.
ルクセンブルク
販売及びサポート
Hewlett-Packard Macau Limited
マカオ
販売及びサポート
Hewlett-Packard (M) Sdn. Bhd.
マレーシア
販売及びサポート/流通
Hewlett-Packard Mexico S. de R.L. de C.V.
メキシコ
販売及びサポート/流通/製造/サービス・
プロバイダ
Hewlett-Packard Operations Mexico, S. de R.
L. de C.V.
メキシコ
金融子会社
Hewlett-Packard SARL
モロッコ
販売及びサポート
Hewlett-Packard Monzambique, Limitada
モザンビーク
販売及びサポート
Compaq Trademark B.V.
オランダ
持株子会社
Hewlett-Packard Caribe B.V.
オランダ
持株子会社
Hewlett-Packard Europe B.V.
オランダ
持株子会社
Hewlett-Packard Indigo B.V.
オランダ
販売及びサポート
Hewlett-Packard Netherland B.V.
オランダ
販売及びサポート
Hewlett-Packard Vision B.V.
オランダ
特定目的会社
Hewlett-Packard New Zealand
ニュージーランド
販売及びサポート
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主要関連会社
設立国
主な事業
Hewlett-Packard (Nigeria) Limited
ナイジェリア
販売及びサポート
Hewlett-Packard Norge A/S
ノルウェー
販売及びサポート
Hewlett-Packard Peru S.R.L.
ペルー
販売及びサポート/サービス・プロバイダ
Hewlett-Packard Philippines Corporation
フィリピン
販売及びサポート
Hewlett-Packard Polska Sp. Z.o.o.
ポーランド
販売及びサポート
Hewlett-Packard Portugal Lda.
ポルトガル
販売及びサポート
Hewlett-Packard (Romania) SRL
ルーマニア
販売及びサポート
ZAO Hewlett-Packard A.O.
ロシア
販売及びサポート
Hewlett-Packard d.o.o.
セルビア
販売及びサポート
Hewlett-Packard Asia Pacific Pte. Ltd.
シンガポール
流通
Hewlett-Packard International Pte. Ltd.
シンガポール
製造
Hewlett-Packard Singapore (Private) Limited
シンガポール
製造
Hewlett-Packard Singapore (Sales) Pte. Ltd.
シンガポール
販売及びサポート
Hewlett-Packard Slovakia s.r.o.
スロバキア
販売及びサポート
Hewlett-Packard d.o.o., druzba za
tehnoloske restive
スロベニア
販売及びサポート
Hewlett-Packard South Africa (Proprietary)
Limited
南アフリカ共和国
販売及びサポート
Hewlett-Packard Espaæola S.L.
スペイン
販売及びサポート/特定目的会社
Hewlett-Packard Sverige AB
スウェーデン
販売及びサポート
Hewlett-Packard International Sàrl
スイス
サービス・プロバイダ/製造/流通/販売及
びサポート
Hewlett-Packard (Schweiz) GmbH
スイス
販売及びサポート
Hewlett-Packard Taiwan Ltd.
台湾
販売及びサポート/流通
Hewlett-Packard Tanzania Limited
タンザニア
販売及びサポート
Hewlett-Packard (Thailand) Limited
タイ
販売及びサポート/流通
Hewlett-Packard Teknoloji Cozumleri Limited
Sirketi
トルコ
販売及びサポート
Hewlett-Packard Uganda Limited
ウガンダ
販売及びサポート
Hewlett-Packard Middle East FZ-LLC
アラブ首長国連邦
販売及びサポート
Hewlett-Packard Limited
英国
販売及びサポート/持株子会社
Hewlett-Packard Manufacturing Ltd.
英国
製造
3Com International, Inc.
米国
持株子会社
3Par Inc.
米国
持株子会社
ArcSight, LLC
米国
持株子会社/販売及びサポート
Compaq Computer (Delaware), LLC
米国
持株子会社
Computer Insurance Company
米国
金融子会社
Compaq Latin America Corporation
米国
販売及びサポート/流通/持株子会社
EDS Global Contracts, LLC
米国
サービス・プロバイダ
EDS World Corporation (Far East) LLC
米国
持株子会社
EDS World Corporation (Netherlands) LLC
米国
特定目的会社
EYP Mission Critical Facilities, Inc.
米国
エンジニアリング/コンサルティング/販売
及びサポート
Fortify International, Inc.
米国
持株子会社
Hewlett-Packard Administrative Services LLC
米国
サービス・プロバイダ
Hewlett-Packard Asia Pacific Services
Corporation
米国
サービス・プロバイダ
Hewlett-Packard Bermuda Enterprises, LLC
米国
持株子会社
Hewlett-Packard Brazil Holdings, LLC
米国
持株子会社
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主要関連会社
設立国
主な事業
Hewlett-Packard Development Company, L.P.
米国
持株子会社
Hewlett-Packard Financial Services Company
米国
金融子会社
Hewlett-Packard Luxembourg Enterprises LLC
米国
持株子会社
Hewlett-Packard Products CV 1, LLC
米国
持株子会社
Hewlett-Packard Products CV 2, LLC
米国
持株子会社
Hewlett-Packard Software, LLC
米国
持株子会社
Hewlett-Packard State & Local Enterprise
Services, Inc.
米国
サービス・プロバイダ
Hewlett-Packard World Services Corporation
米国
サービス・プロバイダ
Hewlett-Packard World Trade, LLC
米国
持株子会社
HP Enterprise Services, LLC
米国
サービス・プロバイダ
HP Financial Services International
Holdings Company
米国
金融子会社
HPFS Global Holdings I, LLC
米国
持株子会社
Indigo America, Inc.
米国
販売及びサポート
Mphasis Corporation
米国
サービス・プロバイダ
NHIC, Corp.
米国
サービス・プロバイダ
Palm, Inc.
米国
持株子会社/販売及びサポート
SafeGuard Services LLC
米国
持株子会社/サービス・プロバイダ
Shoreline Investment Management Company
米国
持株子会社
Tall Tree Insurance Company
米国
金融子会社
TippingPoint Holdings, Inc.
米国
持株子会社
TippingPoint Technologies, Inc.
米国
特定目的会社
Vertica Systems, Inc.
米国
持株子会社/販売及びサポート
Wendover Financial Services Corporation
米国
サービス・プロバイダ
WTAF, LLC
米国
金融子会社
Hewlett-Packard Venezuela, S.R.L.
ベネズエラ
サービス・プロバイダ
Hewlett-Packard Vietnam Ltd.
ベトナム
販売及びサポート
5【従業員の状況】
2011年10月31日現在、当社の全世界における従業員数は約349,600名である。
2010年6月に、当社の経営陣は、当社のエンタープライズ・サービス事業を事業再編する計画を発表した。複数年にわたる事業再
編プログラムには、企業向けデータセンター、ツール及びアプリケーションを統合し、約8,000名の役職を削減する計画が含まれ
る。2012年1月31日現在で、約6,000名の役職を削減した。
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第3【事業の状況】
1【業績等の概要】
下記の記述は本報告書に含まれている連結財務書類及び関連する注記と併せて読まれるべきである。
概要
当社は、一般消費者、中小企業及び大企業(政府、医療及び教育機関を含む)に対して、製品、技術、ソフトウェア、ソリューション
及びサービスをグローバルに提供する先端企業である。当社は、主として次の製品及びサービスを提供している。
・ パーソナル・コンピュータ装置及びその他のアクセス装置
・ マルチベンダー・カスタマー・サービス(インフラ・テクノロジー及びビジネス・プロセス・アウトソーシング、技術サ
ポート及びメンテナンス、アプリケーション開発及びサポートサービス並びにコンサルティング及びインテグレーション・
サービスを含む)
・ イメージング及び印刷関連の製品及びサービス
・ 企業向けITインフラ(法人向けストレージ技術及びサーバ技術を含む)、ネットワーキング製品及びソリューション、IT管理
ソフトウェア、情報管理ソリューション及びセキュリティ・インテリジェンス/リスク管理ソリューション
当社は、財務報告の目的で区分した場合、PSG、サービス、IPG、ESSN、HPソフトウェア、HPFS及びコーポレート・インベストメントの
7つの事業セグメントを有している。
現在、当社の戦略及び運営は次の点に重点を置いている。
集中戦略
当社のコアビジネスは、PC、サーバ、ストレージ、ネットワーク並びにイメージング及び印刷製品を含むハードウェア製品である。
当社のソフトウェア事業は、法人向けの情報管理ソフトウェア、IT管理ソリューション及びセキュリティ・インテリジェンス/リ
スク管理ソリューションを従来のソフトウェア・ライセンス又はソフトウェア・サービスとして提供し、当社のハードウェア製
品を差別化させ、顧客が抱えるインフラ、アプリケーションのライフサイクル、アプリケーションの品質とセキュリティ、ビジネ
スプロセス及び構造化及び非構造化データの問題の解決やニーズに応えている。当社のクラウド・サービス・オートメーション
・ソフトウェアによりサーバー、ストレージ及びネットワーキングが統合されたインフラ・ポートフォリオは、企業やサービス
プロバイダーの顧客に対し、民間、公共又はハイブリッド環境において、インフラ、プラットフォーム、サービスとしてのソフト
フェアを提供することが可能となる。当社は、サービス事業をハードウェアビジネス及びソフトウェア事業の頂点として位置づ
けており、特にクラウド、セキュリティ及び分析の分野において当社製品とソリューションを利用する機会を提供し、顧客が依拠
する全ての技術を当社が実行、管理することを可能とし、顧客に当社をより良いソリューションの提供者、戦略的パートナーとし
て位置づけさせることとなる。
製品ポートフォリオと事業規模の活用
当社は、IT産業の中で最も幅広い製品及びサービスのポートフォリオを有する企業の1つであり、これを戦略的な武器として活用
している。例えば、顧客の選択により、顧客の社内において、アウトソーシング、インターネット又はハイブリッド環境を通じて、
サーバ、ストレージ及びネットワーキングを関連サービスとともにパッケージとして提供することができる。当社の各種マネー
ジメント・ソフトウェアは、顧客による効率的かつ費用効果的なIT運用管理を可能にすることによって、パッケージとしての完
成度を増している。さらに、当社は部品が不足する場合にも、有利な値段で部品の供給を確保できるようにするべく、複雑な構造
の解消、固定費用の削減、事業規模の活用により、サプライチェーンの最適化に努めている。さらに、当社は更なる事業規模活用の
ため、エンタープライズ・ビジネスの製品において業界標準部品の使用を拡大している。
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当社事業への投資
当社は、業界の変化に対応し、自社の中核市場における地位を強化し、クラウド・コンピューティング、非構造化データ、データセ
ンターの統合及びその自動化、デジタル化、分析及びITセキュリティーなど市場動向を予測して関連市場での成長を加速するた
めに、当社の事業において増加する投資を促進する当社の事業や財務成績の改善及び費用構造との調整に取り組んでいる。この
取り組みの一環として、当社は、当社の全ての事業を査定し、パフォーマンスや効率性を改善したり、費用を合理化できるいくつ
かの分野を調査している。当社は、革新的な新製品を開発し、顧客に繋がる新たな販売チャネルの開発を行っている。さらに当社
は、本業の投資及び買収を通じて、顧客に提供できる製品及びサービスのポートフォリオを拡大するべく、投資にも注力してい
る。これらの投資により、利益率の拡大、成長するセグメントにおける地位の強化、顧客に生じる問題を解決するためのハード
ウェア、ソフトウェア及び顧客の問題を解決するサービスのポートフォリオの強化が可能となる。
費用構造の調整
当社は、現在の収益及びマージン比率に合致するよう費用構造を調整していくとともに、全社をあげてオペレーショナル・エ
フェクティブネスの最適化に取り組んでいる。これらの取り組みの一環として、当社はオペレーションの合理化や複雑なサプラ
イ・チェーンの縮小及び最適化、ならびに当社製品のデザイン、製造、配送方法における不必要な複雑性の廃止、販売ツールやそ
の他主要なシステム及びプロセスの標準化やアップグレード、自動化など、様々な活動を行っている。更に、当社は2010年6月に発
表されたエンタープライズサービス事業に関する複数年に及ぶ事業再建計画を継続して実施している。事業再建計画及び関連費
用についてのより詳細な説明は本報告書第一部、第6.1を参照されたい。事業再建計画及び関連費用についてのより詳細な説明は
本報告書第一部、第6.1の「連結要約財務書類」を参照されたい。
以下は、当社の主要な2011年度の財務指標の概要である。
当社連結
(1)
純売上高
$127,245
前年度比較純売上高増加
(減少)率
1.0%
営業利益
$9,677
営業利益率
7.6%
当期純利益
$7,074
1株当たり当期純利益:
基本的
$3.38
希薄化後
$3.32
PSG
(単位:1株当たり金額を除き、百万ドル)
HPソフト
IPG
ESSN
ウェア
HPFS
サービス
$39,574
$35,954
$25,783
$22,241
$3,217
$3,596
(2.9)%
$2,350
5.9%
1.2%
$5,149
14.3%
0.1%
$3,973
15.4%
9.3%
$3,026
13.6%
17.9%
$698
21.7%
18.0%
$348
9.7%
(1) コーポレート・インベストメント及び消去を含む。
2011年10月31日現在の現金及び現金同等物は80億ドルであり、2010年10月31日現在の109億ドルから29億ドル減少した。2011年度
の減少は、主として、企業買収に伴う105億ドルの支払、自己株式取得に係る101億ドルの支払及び有形固定資産への投資にかかる
35億ドルの支払によるものであるが、これらは営業活動に基づく収入126億ドル及び借入に伴う83億ドルによって、部分的に相殺
されている。
当社は、財務状態及び経営成績について詳細な考察を加え、一定の会計原則、会計方針及び見積りが当社の連結財務書類に与える
影響とともに、当社の連結財務書類、財務書類における主要項目の前事業年度からの変更及びかかる変更の要因となった主な要
素を理解する上で、有益な情報を提供することを意図している。
連結レベルでの経営成績の説明に続き、セグメント別のより詳細な経営成績の説明を以下に述べる。
当社の経営成績に影響を及ぼす可能性がある動向、不確実性及びその他の要因についてのより詳細な説明は、本報告書第一部、第
3.4の「事業等のリスク」を参照されたい。
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重要な会計方針及び見積り
総論
当社の連結財務書類は、米国の一般に公正妥当と認められた会計原則(以下、「米国会計原則」という。)に準拠して作成されて
いる。米国会計原則によれば、これらの財務書類を作成するにあたり、経営陣は報告された資産、負債、収益及び費用の金額、並び
に偶発資産及び偶発債務の開示に影響を与える見積り、判断及び仮定の設定を行わなければならない。経営陣は過去の経験や
様々な状況下において合理的と考えられる仮定をもとに見積りを行っており、この見積りの結果により、経営陣は、明白な情報を
得られない資産及び負債の簿価について、評価の基礎を形成する。経営陣上層部はこれらの見積りの作成過程、選択、開示につい
て当社取締役会の監査委員会と協議を行った。経営陣は、採用された会計上の見積り及びその結果残高は妥当であると考えてい
るが、実際の結果は、異なる仮定や状況下においてはこれらの見積りと相違することがあり得る。
重要な会計方針の要約は、本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記1に含まれている。会計方針が重要であると判断され
るのは、見積り時点で著しく不確かな事柄に関する仮定に基づいて会計上の見積りが必要な場合や、合理的で使用可能な他の見
積りが存在する場合、若しくは合理的に起こり得る会計上の見積りの変更が財務書類に重大な影響を及ぼす場合である。経営陣
は、以下の重要な会計方針が連結財務書類の作成における重要な見積り及び仮定であると考えている。
収益認識
当社は、製品やサービスを提供するにあたり、契約を締結する。当社の販売契約のうち、大多数は標準的な条項が規定されている
が、中には複数要素の提供や、一般的ではない条項が含まれているものもある。その結果、適正な会計処理を行うために、ときとし
て契約を深く解釈しなければならない。これには、複数要素の提供契約に特定されている製品及びサービスが、収益認識の目的で
別個の会計単位として扱われるべきか、もしそうであれば、これらの要素間でどのようにして価格が配分されるべきか、また、い
つそれぞれの要素の収益を認識すればよいのか等が含まれる。当社は、提供した要素が単独で価値を有し、顧客の受領に関する不
確実性が解消され、かつ提供物に対する顧客の返金若しくは返品の権利がない場合にのみ別個の会計単位として提供した要素の
収益を認識している。提供した要素が単独で価値を有していない場合、当社は関連する提供物の形態に応じて収益として認識す
る。もし、契約の取り決めが、提供物に関して顧客の返金若しくは返品の権利を含む場合、未提供のものについて納品若しくは
サービスの実行が十分にありえ、かつ、それらは実質的に当社の管理下にある場合、提供した要素は別個の会計単位となる。同一
の契約内における販売価格の配分の変更は、収益の認識時期に影響を与えるが、当該契約による収益総額を変更するものではな
い。
当社は、コンサルティング請負契約のような定額契約の収益認識については、進行基準を採用している。進行基準を適用するにあ
たり、当社は、計上すべき収益を計算するために、労務費総額の見積りを行っている。当社は、様々な進捗状況において、合理的に
信頼できる労務費の見積りが可能であることから、当該基準を採用している。契約の総利益は、契約期間にわたり、修正されるこ
とがある。コスト見積りの修正による収益の調整は、見直しを行うに至った事象が認識された事業年度に計上される。
特定の設計・構築プロジェクト(ソフトウェア及び/又はシステムの設計、開発及び/又は構築)の収益は、進行基準に基づいて
認識される。進行度は、当該プロジェクトの完成に関る費用の総額の見積りに対して実際に発生した費用の割合に基づき原価法
で算定される。合理的で、信頼できる費用の見積りが不可能な場合には、当社は、完成基準により収益を認識している。
当社は価格保護、宣伝広告、販売量に連動する奨励金、予測される返品等を含む、顧客とディストリビューター・プログラム及び
奨励金に対して見積りを行い、収益の減額を行っている。将来、市況変化や製品の変更により、当社は顧客に対する奨励金を増加
する必要が生じる可能性があり、その結果、奨励金が提供された事業年度において、収益をさらに減額させる可能性がある。加え
て、特定の奨励金プログラムついては、当社は過去の経験及び奨励金の明確な期間や条件に基づいて、奨励金を実際に要求すると
予想される顧客の数を見積らなければならない。
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当社の収益認識基準に基づき、成果物の販売価格は、売手固有の客観的証拠(以下、「VSOE」という。)が入手可能であればそれ
に基づき、VSOEが入手不可能な場合は外部業者の証拠に基づき、またVSOE及び外部業者の証拠のどちらも入手不可能な場合は見
積販売価格に基づいて決定される。成果物が個別で販売されるときには請求する販売価格を、稀な事例では、権限を持つ経営者に
より設定された価格をVSOEとして設定している。外部業者の証拠に基づく販売価格は、概ね類似しかつ代替可能な競合企業の製
品又はサービスを類似の状況にある顧客に対して単独で販売する場合を評価することにより設定される。販売価格の最善の見積
り(以下、「ESP」という。)は、目標利幅、価格決定に関する実務や管理、顧客セグメントの価格戦略、製品ライフ・サイクルなど
の内部要因を考慮して設定される。加えて、競合企業の価格戦略や産業技術ライフ・サイクル等の市況も考慮される。ESPを決定
する場合において、目標利幅及び価格戦略の設定、市況や製品ライフ・サイクルを評価する際に、当社の経営陣の判断を採用して
いる。当社は今後、新規の市場導入プラクティスを開発又は修正する可能性がある。これらの市場導入戦略が展開していくにつ
れ、当社はVSOE及びESPに影響を与え販売価格の変更につながる価格設定の実務を今後修正する可能性がある。前述した要因の結
果、今年度の複数要素を含む取引において成果物に対する収入の配分が異なる可能性がある。そのため、これらの取引に対する収
入認識のパターンとタイミングが変わる可能性があるが、取引において認識される売上高の合計に変更はない。
製品保証引当金
当社は、収益認識時において製品保証費用を見積っており、関連する負債を製品グループ別に評価している。当社の通常の製品保
証条件には、販売後のサポート及び一定期間内における無料の修理又は交換が含まれる。当社は部品仕入先の品質の積極的なモ
ニタリング・評価作業を含む広範な品質プログラムやプロセスを展開する一方、製品保証引当金の見積りは、顧客に対する製品
保証条件や製品の欠陥率、修理費用及びサービス提供率とその費用に基づいている。実際の製品欠陥率、修繕率、又はその他のア
フター・サービス費用が見積りと異なる場合は、製品保証引当金の見積りの修正が必要となる。部品及び作業代の保証期間は、製
品によって一般的に90日から3年までの幅がある。過去3年間にわたり、製品保証引当金は年間平均で製品の年間純売上高の約
3.3%であった。なお、実際に発生した1年あたりの保証費用は、当社にとって有利な傾向にあり、製品の年間純売上高の約3.2%で
あった。
企業結合
当社は、見積公正価値に基づいて、公正な購入価格を、取得有形資産、引受負債、仕掛研究開発費(以下、「IPR&D」という。)を含
む購入無形固定資産に割り振っている。取得した資産及び引受負債の公正価値を上回る部分についての取得価額は、のれんとし
て計上される。当社は、取得資産及び引受負債の公正価値を決定にあたり、独立した第三者評価機関と契約している。このような
評価にあたって、経営陣は、特に無形固定資産に関し、重要な見積り及び仮定を行わなければならない。
特定の無形固定資産の評価において重要な見積りは、顧客との契約、顧客名簿、販売店契約及び取得した開発技術並びに特許によ
り将来期待されるキャッシュ・フロー、IPR&Dを商業的に成功する製品に発展させるための見積りコスト、これが完成した際に
事業から予想されるキャッシュ・フロー、当社製品のポートフォリオにおいてブランドが使用され続ける期間の予測とともに、
ブランドの認知度や市場位置、割引率などがあるが、これらに限定されない。経営陣による公正価値の見積りは、合理的と考えら
れる仮定に基づきなされているが、これは、本来不確かで予測不可能なため、現実の結果は、当該見積りと異なる場合がある。
買収に係る会計についてのその他の見積りは、取得資産や引受負債についての追加情報の取得により変更される可能性がある
が、これについては、本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記6を参照されたい。
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のれん及び購入無形固定資産の評価
当社は、のれんや耐用年数が明確でない購入無形固定資産の減損状況の評価を毎年実施しており、さらに当該資産の帳簿価額が
回復不能となるような事象や状況の変化が起こった場合にも、減損の見直しを実施している。のれんに関しては、当社はのれん及
びその他無形固定資産についての会計基準に基づいて2段階の減損テストを実施している。第1段階では、それぞれの報告単位の
公正価値が帳簿価額と比較される。報告単位は、通常、本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記19で記載されている報告
セグメントと一致している。ただし、コーポレート・インベストメント・セグメント内のwebOS事業に関しては、報告単位はセグ
メントレベルより一段階下である。当社はインカム・アプローチとマーケット・アプローチを組み合わせて使用し、報告単位の
公正価値を算定している。インカム・アプローチでは、将来のキャッシュ・フローの見積の現在価値に基づいて報告単位の公正
価値が計算される。マーケット・アプローチでは、比較可能な他社の収益あるいは利益の乗数を使用して報告単位の公正価値が
見積られる。報告単位の公正価値が、その報告単位に割り当てられた純資産の帳簿価額を上回る場合には、のれんは減損処理され
ず、それ以上の減損テストは行われない。一方、純資産の帳簿価額が報告単位の公正価値を上回る場合には、当該報告単位ののれ
んの公正価値を算定するために、第2段階の減損テストを実施しなければならない。当該報告単位ののれんの帳簿価額が公正価値
を上回る場合には、当社はその差額と同額の減損損失を計上する。当社はさらに、耐用年数が明確でない購入無形固定資産の公正
価値を見積り、帳簿価額と比較している。当社はこれらの無形固定資産の公正価値を、インカム・アプローチにより見積ってい
る。耐用年数が明確ではないこれら無形固定資産の見積公正価値が帳簿価額より低い場合は、当社は減損損失を計上する。
報告単位、又は耐用年数が明確でない購入無形固定資産の公正価値を決定することは、本質的に慎重な考慮が必要であり、重要な
見積りと仮定に頼らざるを得ない。これらの見積りと仮定には、将来キャッシュ・フローの見積りに使用される収益の増加率及
び営業利益率、リスク調整割引率、予定されたロイヤリティー率、将来の経済と市場の状況及び市場における適切な同等物の特定
が含まれる。当社は、合理的であると考えられる仮定に基づいて公正価値を見積っているが、これは予測不可能であり、また本質
的に不確かである。実際の結果は、これらの見積りと異なる可能性がある。さらに当社は、当社の各報告単位での公正価値を算出
するために、共有の資産及び負債を配分する際に、特定の判断や見積りを行っている。
2011年第4四半期に行われたのれんの減損分析においては、本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記7に記載の通り、
WebOS機器事業において減損を計上した。他のHPの事業ユニットにおいては、減損は生じていない。年度ごとのテスト日である
2011年8月1日において、各報告単位の公正価値の帳簿価額超過額は、およそ4億ドルから256億ドルに分布している。のれん減損の
テストにおいて公正価値の計算の感応度を評価するため、各報告単位の公正価値に対し仮に10%の減少を適用すると、当社の各報
告単位の公正価値の帳簿価額超過額は、およそ2億ドルから227億ドルに分布する。
当社は、14億ドルと評価された非償却無形資産について年次の減損テストを実施した。その結果、非償却無形資産について減損は
生じていなかった。年度毎のテスト基準日である2011年8月1日において、PSGのCompaq商標名の公正価値の帳簿価額超過額は、約
144百万ドルであった。公正価値計算の感度を評価するために、当社は仮定値として無形固定資産の公正価値を10%減少させた結
果、公正価値は帳簿価額を約13百万ドル上回った。また、将来当社のブランディング戦略に変更が生じ、Compaq商標名が非償却無
形固定資産から、償却性無形固定資産へ組み替えられた場合、無形固定資産の公正価値は大幅に減少する。
当社は、今後のれん及び非償却無形資産につき各事業年度第4四半期の期首に、又は、状況の変化や経営判断による戦略の変更に
より減損が見込まれる場合に減損の評価を行う。2011年12月9日に当社はwebOSソフトウェアにつき、オープン・ソース・コミュ
ニティーに提供することを決定した旨を公表した。当社は現在、本決定が連結貸借対照表に計上されている関連する無形資産と
のれんに対し、273百万ドルの影響があるであろうと想定している。
事業再編
当社は事業再編に取組んでおり、また継続して取組む可能性がある。事業再編では、経営陣が退職関連費用等及びその時期、余剰
資産又は陳腐化資産の実現可能価額、リースのキャンセル及びその他の解約費用に関連する重要な見積りを行わなければならな
い。実際の金額が当社の見積りと異なる場合には、事業再編費用の金額に大きな影響を与える可能性がある。事業再編計画に関す
る詳細な説明については、「業績等の概要」に記載の事業再編計画の説明及び本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記
8を参照されたい。
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株式報酬費用
当社は、全ての株式報酬にかかる株式報酬費用を見積られた権利失効率を差し引いて認識している。これらの報酬費用は、見積権
利喪失率に基づく値を差し引いた金額で認識され、勤務及び業績いずれの権利確定条件も満たす見込みの株式分のみの報酬費用
を、同報酬の所要勤務期間にわたり定額法で認識している。これらの報酬費用は、勤務条件で付与される株式報酬の場合は一括で
付与時に、また業績又は市場条件で付与される場合はそれぞれの行使時において決定される。
適切な公正価値モデルの決定と、株式報酬の公正価値の計算においては、株式報酬の予想期間と株式単価の予想ボラティリティ
を含む、主観的前提条件が必要とされる。当社は、主要オプション制度において付与された勤務条件に基づくオプションの価値を
評価するため、ブラック・ショールズ・モデルを採用している。当該モデルを実行するため、当社は、特定の従業員グループに
よって、異なったオプション行使のパターンの有無を確認するために、過去のオプション行使のパターンの調査を行った。この分
析の結果、当社はブラック・ショールズ・モデルが適用される3つの従業員グループの存在を確認した。当社は、頻繁に取引され
ている当社普通株式のオプションをもとに計算されたインプライド・ボラティリティは、実績ボラティリティよりも、予想ボラ
ティリティと将来の株式価格の変動傾向のよりよい指標であると判断した。
当社は、仮想HP普通株式に相当する業績基準型制限付ユニット(以下、「PRU」という。)を発行した。各PRU報酬は、受領者に対し
て発行される可能性がある目標株式数を反映していた。実際に受領者が受け取る株式数は、3年間の業績期間が終了した時点で、
達成された業績と当社の業績目標を比較して決定される。この業績目標は、当該期間中の当社の年間営業キャッシュ・フローが
売上高に占める割合と、合計株主収益(以下、「TSR」という。)平均値のS&P500指数比に基づいたものである。S&P500内の企業
に関して多変数の株価をシミュレートする際にはインプライド・ボラティリティは使用できないため、当社はPRU報酬には実績
ボラティリティを採用する。TSR修正率には市場環境が反映されているため、当社は、モンテ・カルロ・シュミレーション・モデ
ルを採用して、PRUの公平価値を見積っている。当社は、各報告期間の末日に、権利失効分控除後の見積報酬費用を、当該年度の
キャッシュ・フローの目標達成度に応じて更新している。
株式報酬の公正価値の計算に使われた仮定は、経営陣の最適な見積りを示しているが、これらの見積りには本来的な不確実性と
経営陣の判断を伴っている。よって、何らかの要因の変更により、異なる仮定を用いた場合、将来の株式報酬費用は大きく異なる
可能性がある。加えて、当社は、予測権利失効率を見積り、勤務条件と業績条件に基づき権利確定が予想される株式についてのみ、
費用を認識するよう求められている。仮に、実際の失効率が、予測値と大きく異なる場合、株式報酬費用は、当期に計上した金額と
大幅に乖離する可能性がある。株式報酬に関する詳細な説明については、本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記2を参
照されたい。
法人税等
当社は、予測や仮定をもとに、当期税額及び繰延税金に係る引当金を計算している。この引当金の額は翌年に行う実際の税務申告
に反映される財務状況と異なることもあり得る。当社は、金額が確定された税務申告に基づき、引当金調整額を計上している。米
国連邦税及び州税に関しての申告書は、一般的にそれぞれ翌年第3及び第4四半期に提出される。
当社は、資産及び負債の税務上の金額と財務会計上の金額との一時差異について、当該差異が繰戻されると予想される年度の法
定税率を用いて繰延税金資産及び負債を認識する。当社は評価性引当金を計上することにより、繰延税金資産を減額し、その金額
を実現可能な範囲に留めている。
当社は、将来の市場成長、予想収益、予想課税所得、当社が営業活動を行う様々な税務管轄地域からの利益構成及び熟考され実行
可能な租税対策を考慮して、評価性引当金額を決定した。繰延税金資産純額の全てあるいは一部が将来実現不可能であると判断
した場合には、評価性引当金を積み増し、その相当額は、判断を下した事業年度に課税所得として計上される。同様に、後に繰延税
金資産純額の実現可能価額が実際の繰延税金資産純額よりも多いと判断される場合には、以前計上された評価性引当金は戻し入
れられる。繰延税金資産を計上するためには、当社は当該繰延税金資産が計上された税務管轄地域において、十分な課税所得を計
上しなくてはならない。
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有価証券報告書
当社の実効税率は米国外における事業からの未分配利益の影響が算入されている。この未分配利益は無期限で米国外への再投資
を予定しているため、米国で納税を行っていない。外国で得た利益送金額は予想されるキャッシュ・フロー必要額、運転資本及び
当社の海外子会社及び国内業務の長期投資に必要な金額によって計画される。これらの仮定に基づいて、当社は米国に配分され
る金額の見積りを行っており、その金額に対する米国法人税を計上している。さらに、当社が実行している特定の雇用活動及び資
本投資により、2024年までの数年の間、特定の国々の製造活動からの収入に対する適用税率が低くなり、いくつかの場合では、全
額法人税が免除になる。当社が事業を行っている様々な税務管轄地域における現預金、運転資本及び長期投資必要額に対する当
社の見積りの大幅な変更は当社の実効税率に影響を与える可能性がある。
当社は米国及び約80ヶ国で外国法人税を納税する必要があり、これらの多くの税務管轄地域で法人税等の税務調査の対象となっ
ている。当社の税務申告はもとより適正であると考えているが、税務当局が修正を求める場合があり、我々の主張の全ては認めら
れない可能性があると考えている。しかしながら、当社の法人税等は、これらの修正の結果による調整額が考慮されている。これ
らの潜在的な税務調査による法人税等を算出すること及び関連する資産・負債を計上することには経営判断と見積りが要求さ
れる。当社は法人税の不確実性に関する会計のガイダンスに基づいて、不確定な法人税額を評価している。当社は、不確実な法人
税額とそれに係る利息に対する引当金は、十分なものであると考えている。税務調査後の最終的な支払額が、従前に法人税等に含
まれていた額と大幅に乖離する可能性があり、これによって引当金、当期純利益、キャッシュ・フローに大きな影響を及ぼすこと
がある。当社の不確実な引当金は、主に異なる税務管轄地域間の収入及び関連する利息の配分を含む、海外事業に関する税務上の
取り扱いの不確実性を原因とするものである。当社は四半期ごとに引当金の見直しを行い、税務当局による訂正案、事実や状況の
変化、新たな法律の施行や判例の言い渡し、調査の結果、事前に入手不可能であった情報の入手、異国の税務当局間での移転価格
に関する交渉、事前確認制度の適用、税務調査上の個々の査定問題の解決若しくは出訴期限の経過に起因してこれらの引当金を
調整する可能性がある。
法人税等に関する詳細な説明については、本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記14を参照されたい。
貸倒引当金
当社は、回収不能により売上債権及び金融債権が過大計上にならないように、貸倒引当金を計上している。貸倒引当金は様々な要
因に基づいて計上されるが、その要因にはマーケット要因、顧客の財政状況、債権の支払期日を超えた期間、債権のポートフォリ
オ全体の加重平均的格付けのトレンド、マクロ経済的状況、重要な1回限りの出来事、過去の経験及びマーケット要因と顧客の財
政状況に基づき定量的な債務不履行の可能性を算出する外部のクレジット・リスクモデルの使用などが含まれる。破産申立てや
顧客の経営成績あるいは財政状態の悪化など、明確に顧客の状況を当社が認識した場合には、当社は個々の勘定に対して個別引
当金を計上する。顧客の状況に何らかの変化があるような場合、債権の回収可能性についての見積りは、その都度上方又は下方修
正される。過去3年の一般的な貸倒引当金は売上高に対して0.16%に分布している。2011年10月31日現在の当社の外部クレジット
・リスクモデルを用いると、当社の大口顧客に対する加重平均した貸倒れの可能性の50ベーシス・ポイントの悪化により、2011
年度末には62百万ドルの引当金増加という結果を予測している。
棚卸資産
当社の棚卸資産は低価法で評価されている。当社は、製品グループ・レベルで見積られた超過、陳腐化、若しくは減損後の棚卸残
高に対し、必要な場合、棚卸資産の価額を正味実現可能価額へ減額調整する。これらの調整の要因には、需要の変動、短期間の技術
変化、製品のライフ・サイクル及び開発プラン、構成費用の傾向、製品価格、物理的劣化及び品質問題がある。これらの要因のいず
れかが当社の見積りと一致しない場合には、調整の変更が必要となる。
金融商品の公正価値
当社は、特定の金融資産及び負債を取引相場価格、市場同等品、割引現在価値など最良な情報を使用した測定方法を基に公正価値
で評価している。金融商品は主に定期預金、マネー・マーケット・ファンド、コマーシャル・ペーパー、社債及びその他の負債証
券、持分証券、普通株式へのその他の投資、普通株式同等物並びにデリバティブ商品を含む。
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現金同等物及び投資:当社は主に定期預金、マネー・マーケット・ファンド、コマーシャル・ペーパー、主に社債や海外政府発行
の債券や国債で構成されるその他の負債証券、普通株式及び現金同等物を保有している。一般的に、もし可能であれば、公正価値
を決定するために、同一資産に対する活発な市場での公表価格を使用している。公正価値を算定するために、そうした公表価格を
入手できない場合は、類似する資産及び負債の公表価格、あるいは直接的又は間接的に観察可能なインプットを用いる。同一又は
類似する資産の公表価格を入手できない場合は、買値等を含めたインプットを用いた社内で開発した評価モデル、及び資産に関
する仮定事項に基づく第三者による評価を用いる。
デリバティブ商品:本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記10に記載するように、当社は特定の為替及び金利に対する
リスクをヘッジするために、投機的ではない先渡取引、スワップ及びオプションを主に保有している。活発な取引が行われている
市場における同一の上場デリバティブ資産及び負債の公表価格を用いているが、そうした公表価格を入手できない場合は、業界
標準の評価モデルを使用している。該当する場合は、これらのモデルによって将来キャッシュ・フローを予想し、金利カーブ、信
用リスク、為替レート、為替予約価格及び為替直物価格など、市場に基づく観察可能なインプットを用いて、将来キャッシュ・フ
ローを現在価値に割り引いている。場合によっては、市場に基づく観察可能なインプットを入手できないこともあるが、そうした
ときには経営陣の判断により、公正価値の算定に用いる仮定事項を策定する。
退職給付
当社の年金及びその他の退職後給付に係る費用及び債務は、様々な仮定に基づいている。これらの仮定は、主に割引率、昇給率、制
度資産の長期的収益率に関連している。割引率の仮定は、退職給付制度の満期期間で、現在の投資が高率な確定収益を獲得する投
資であることに基づいている。昇給率の仮定は、長期にわたる当社での経験値と、将来及び短期的な予測を反映している。制度資
産の長期的収益率は、過去のポートフォリオの成績、経営陣の将来の経済環境予測及び予定された資産配分に基づき決定される。
当社の主要な仮定は制度ごとに様々であり、使用した加重平均率については、本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記
16を参照されたい。それぞれの仮定は異なる変動要因を持ち、仮に変動があるとしても、それは過去数年間において一般に同じ方
向へ推移した。2011年度においては、当社の給付制度に適用される加重平均率の変動が当社の年金及び退職後給付に係る費用に
以下のような影響をもたらしたと推測される。
・ 長期収益率の25ベーシス・ポイント減少により、およそ56百万ドルの給付費用(純額)の増加
・ 割引率の25ベーシス・ポイント減少により、およそ82百万ドルの給付費用(純額)の増加
・ 昇給率の25ベーシス・ポイント増加により、およそ18百万ドルの給付費用(純額)の増加
偶発損失
当社は、通常の業務過程で発生する様々な訴訟、損害賠償請求、調査及び手続に関与している。負債が発生する可能性があり、か
つ、金額を合理的に見積ることができると当社が判断した場合、負債に対する引当金を計上している。この可能性と見積額の決定
には、重大な判断が必要とされる。当社は少なくとも四半期に1回、これらの引当金を確認し、交渉、和解、決定、弁護士の助言、さら
に最新の情報が反映されるよう調整している。訴訟は本質的に予期できないものであり、多くの不確実性に左右され、当社が制御
不能なものもある。これらの見積りや仮定が変更される、若しくは不正確であった場合には、当社の経営成績、財政状態、キャッ
シュ・フローに重大な影響を及ぼす可能性がある。偶発債務に関する詳細な説明については本報告書第一部、第6.1の「連結財務
書類」の注記18を参照されたい。
公表された会計基準
2011年6月、米国財務会計基準審議会(以下、「FASB」という)は、当社の財務諸表の包括利益の開示にかかるFASB会計基準の改定
を公表した。当該改定は、包括利益の合計額、純利益の内訳及びその他包括利益の内訳を単一の計算書又は2つの連続する計算書
のいずれかで表示することを求めている。当社は、2012年度の第4四半期より当該基準の改定を適用する。
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一定為替レート表示
海外における取引からの収益は、当社全体の純売上高の大部分を占めており、また将来においても大部分を占めると予想される。
その結果、当社の収益の成長は外国為替相場の変動による影響を受けており、また将来においても影響を受けると予想される。当
社は、為替相場の影響を除いた場合の当社の各事業セグメントの経営成績の評価に関するフレームワークを提供するために、報
告ベースでの売上高の前年比変動率に加えて、為替の影響を除いた場合の売上高の前年比変動率も表示している。
経営成績
次の表は、米国会計原則に準拠し、10月31日に終了した2011年度、2010年度及び2009年度の経営成績を比較したものである。別途
記載があるものを除き、下記に含まれる全ての経営成績の比較は前年比となっている。
10月31日に終了した各事業年度の経営成績と純売上高に対する割合は下記のとおりである。
2011年(1)
(百万ドル)
(%)
純売上高
売上原価(3)
売上総利益
研究開発費
販売費及び一般管理費
購入無形固定資産償却費
のれん及び購入無形固定資
産の減損
事業再編費用
買収関連費用
営業利益
利息その他(純額)(4)
税引前当期純利益
法人税等
当期純利益
2010年(2)
(百万ドル)
(%)
2009年(2)
(百万ドル)
(%)
$127,245
97,529
29,716
3,254
13,466
1,607
100.0
76.6
23.4
2.6
10.6
1.3
$126,033
95,956
30,077
2,959
12,718
1,484
100.0
76.1
23.9
2.3
10.2
1.2
$114,552
87,489
27,063
2,819
11,648
1,578
100.0
76.4
23.6
2.5
10.2
1.3
885
0.7
-
-
-
-
645
182
9,677
(695)
8,982
1,908
$7,074
0.5
0.1
7.6
(0.5)
7.1
1.5
5.6
1,144
293
11,479
(505)
10,974
2,213
$8,761
0.9
0.2
9.1
(0.4)
8.7
1.7
7.0
640
242
10,136
(721)
9,415
1,755
$7,660
0.6
0.2
8.8
(0.6)
8.2
1.5
6.7
(1) 当社は2011年8月にwebOS機器事業を撤退する旨を公表した。上記の主要な指標のうち、webOSビジネスの変動による影響は以
下の通りである。
純売上高…………………………………………………………………………………
売上原価…………………………………………………………………………………
売上総利益………………………………………………………………………………
研究開発費………………………………………………………………………………
販売費及び一般管理費…………………………………………………………………
のれん及び購入無形固定資産の減損…………………………………………………
事業再編費用……………………………………………………………………………
営業利益…………………………………………………………………………………
2011年における
webOS事業の変動
$(142)
$548
$(690)
$23
$42
$885
$33
$(1,673)
(2) 2011年第1四半期に実施された事業再編に伴い、以前に売上原価として報告された特定の費用を、当該費用から便益を享受す
る機能エリアと整合させるために販売費及び一般管理費に組み替えている。
(3) 製品原価、サービス原価、金融費用である。
(4) 2011年度の利息その他(純額)には、Autonomy Corporation PLC(以下、「Autonomy」という。)の取得にかかる費用が276百
万ドルが含まれている。当該費用は、主に、為替リスクを限定するために購入した英国ポンドのオプションの純原価265百万ドル
である。
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純売上高
10月31日に終了した各事業年度における純売上高の加重変動率の構成は以下のとおりである。
(単位:パーセントポイント)
2011年
2010年(1)
エンタープライズ・サーバ・ストレージ・アンド・ネットワーキング
HPファイナンシャル・サービス
HPソフトウェア
サービス
イメージング・アンド・プリンティング・グループ
コーポレート・インベストメント/その他
パーソナル・システム・グループ
全社合計
1.5
0.4
0.4
0.3
̶
(0.7)
(0.9)
1.0
3.7
0.3
0.1
0.1
1.5
(0.5)
4.8
10.0
(1) 本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記19の記載の通り、経営成績を当年度の表示に合わせている。
2011年度
2011年において、当社の純売上高は1.0%増加した(為替変動の影響を除いた場合では、0.9%の減少)。米国での純売上高は1.0%減
少し、441億ドルであった。一方、米国外での純売上高は2.0%増加し、831億ドルとなった。上記の表の通り、全ての地域における安
定した売上の増加により、ESSNセグメントが当社の純売上高の増加に最も貢献した。ESSNセグメントの純売上高の増加は、3PAR
Inc.(以下、「3PAR」という。)及び3Com Corporation(以下、「3Com」という。)の買収により生じた製品の好調が寄与した結果
である。各事業セグメントにおける純売上高の変動に関する分析は、下記の「セグメント情報」に含まれている。
2010年度
2010年度において、当社の純売上高は10%増加した(為替変動の影響を除いた場合では、8.3%)。米国での純売上高は7.8%増加し、
445億ドルであった。一方、米国外での純売上高も11.3%増加し、815億ドルとなった。2010年度においては、様々な地域における安
定した成長の結果、PSGセグメントが当社純売上高の伸びに最も貢献している。各事業セグメントにおける純売上高の変動に関す
る分析は、下記の「セグメント情報」に含まれている。
売上総利益
2011年度
2011年度の売上総利益は0.5パーセントポイント減少した。この減少は、サービス、IPG及びコーポレート・インベストメントセグ
メントの売上総利益の減少によるものであるが、PSG及びESSNセグメントの有利な商品価格の環境とHPソフトウェア及びHPネッ
トワーキングの収益の増加により部分的に相殺されている。
2011年度のPSGの売上総利益の増加は、主に有利な商品価格の環境と製品保証費用の減少によるものである。
2011年度のサービスの売上総利益の減少は、主に予想計画値を下回った収益、直近の契約更新における単価の値引き、予想計画を
下回る資源効率及び利益率の低いインフラストラクチャー・テクノロジー・アウトソーシングの売上割合が増加したためであ
る。この減少は、業績の改善に対する継続した取組み並びにエンタープライズ・サービス及びテクノロジー・サービス事業の両
方に好影響を与えたコスト削減への取組みによって部分的に相殺されている。
2011年度のIPGの売上総利益の減少は、主に日本における地震と津波による配送コストの増加やレーザージェット・プリンター
・エンジン及びトナーの供給が困難となったこと及び円高を中心とする為替の影響によるものである。加えて、一般消費者向け
及び法人向けハードウェアの商品価格の継続的な低下と消耗品の売上の減少によりIPGの売上総利益は減少している。これらの
影響は、サプライ・チェーンの最適化に関連する継続的な費用削減により、部分的に相殺されている。
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2011年度のESSNの売上総利益の増加は、主に製品原価の低下とネットワーキング製品の構成増加による。この増加は、競争圧力に
伴う価格の低下により、部分的に相殺されている。
2011年度のHPソフトウェアの売上総利益の減少は、主にライセンス及びサービスにおける単価の下落によるものである。
2011年のHPFSの売上総利益の減少は、主にオペレーティング・リースの増加によるポートフォリオの利幅の減少によるものであ
るが、売上額に対し一定率で計上されている貸倒費用の減少及びリース延長と買取に伴う利益率の増加により部分的に相殺され
ている。
2011年度のコーポレート・インベストメントの売上総利益の減少は、主にwebOS機器事業の撤退によるサプライヤーとしての義
務や、販売促進費及び棚卸資産の評価減が費用として生じた影響である。
2010年度
2010年度の当社の全売上総利益は0.3パーセントポイント増加した。この増加は、ネットワーク製品の増加及びサービスにおける
利益率の増加によるものであったが、利益率の低いPC及びプリンター・ハードウェアの収益の増加によって部分的に相殺されて
いる。
2010年度のPSGの売上総利益の減少は、主に部品原価の増加によるものであるが、保証費用及び配送費の減少により部分的に相殺
されている。
2010年度のサービスの売上総利益の増加は、主に出荷の効率性、テクノロジー・サービス事業における原価管理、EDS買収に関す
るシナジー効果を含む業務効率の改善に対する継続した取り組みによるものである。
2010年度のIPGの売上総利益の減少は、主に商品全体に対するハードウェアの構成割合の拡大及びそれに伴う消耗品の構成割合
の減少によるものであるが、サプライチェーンの最適化に向けた継続した取り組みによる費用削減によって部分的に相殺されて
いる。
2010年度のESSNの売上総利益の増加は、主に製品原価の減少及び販売数の増加によるものであるが、製品構成上、利益率の低い業
界標準サーバ(以下、「ISS」という。)が増加したことにより部分的に相殺されている。
2010年度のHPソフトウェアの売上総利益の増加は、主にライセンスとサポートの収益の構成が高かったことによるが、サービス
の売上総利益率が減少したことにより部分的に相殺されている。
2010年度のHPFSの売上総利益の増加は、主に有利な条件による資金調達の実現や中古品販売の利幅増加によるポートフォリオの
利幅の増加であるが、貸倒費用の増加及び買取の利幅の減少によって部分的に相殺されている。
2010年度のコーポレート・インベストメントの売上総利益の増加は、主にPalm Inc(以下、「Palm」という。)の買収の影響による
ものである。
営業費用
研究開発費
2011年度の全研究開発(以下、「R&D」という。)費用は主に、買収企業からの追加的な費用により増加した。2011年度において、
R&D費用は、ESSN、コーポレート・インベストメント及びHPソフトウェアにて増加し、サービス及びPSGにて減少した。ESSNにおけ
る増加は、買収への投資及びネットワーク及びストレージ製品のイノベーションに集中した支出による。コーポレート・インベ
ストメントにおける増加は2011年度第3四半期までのwebOSとwebOS機器の開発への投資によるものである。
2010年度のR&D費用は主に、買収企業からの追加的な費用により増加した。2010年度において、R&D費用はESSN、IPG、コーポレート
・インベストメント、HPソフトウェア及びサービスにて増加し、PSGにて減少した。
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販売費及び一般管理費
2011年度における販売費及び一般管理費(以下、「SG&A」という。)の増加は、主に売上の拡大を目的とした営業人員への投資に
よる営業販売費用の増加によるものである。2011年度の増加は、不動産売却による334百万ドルの純利益とHaloビデオ・コラボ
レーション製品事業の売却による77百万ドルの純利益により部分的に相殺された。2011年度、SG&Aの純売上高に対する割合は、
HPFS、サービス及びIPGセグメントを除き増加した。
2010年度におけるSG&Aが増加したのは、主に売上の拡大を目的とした営業人員への投資による営業販売費及びマーケティング費
用の増加によるものであった。2010年度、SG&Aの純売上高に対する割合は、増加したIPGを除くその他全てのセグメントにおいて
減少した。
購入無形固定資産償却費
2011年度における償却費用の増加は、主に当社が2010年度に完了した企業買収に伴う購入無形固定資産の償却増加による。この
増加は、当社が過去に行った企業買収に関連する特定の無形固定資産が、その償却期間の終了によって減少したことで部分的に
相殺されている。
2010年度における償却費用の減少は、当社が過去に行った企業買収に関連する特定の無形固定資産がその償却期間を終えたため
である。この減少は、主に2010年度に完了した買収に伴う購入無形固定資産の償却による増加で一部相殺されている。
購入無形固定資産の償却に関するより詳細な情報は、本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記7を参照されたい。
のれん及び購入無形固定資産の減損
2011年第4四半期に行われたwebOS機器事業の撤退の決定により、当社は、Palmの取得時に発生したのれん及び購入無形固定資産
に対し減損を計上した。減損に関するより詳細な情報は、本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記7を参照されたい。
事業再編費用
2011年度の事業再編費用は、645百万ドルであった。これには、2008年度の事業再編計画に伴う退職費用及び施設閉鎖費用による
326百万ドル、2010年度のエンタープライズ・サービス・ビジネスにおける事業再編計画に伴う退職費用や施設閉鎖費用による
266百万ドル及びwebOS機器事業の撤退の決定による33百万ドルが含まれている。
2010年度の事業再編費用は、11億ドルであった。これには、2010年度のエンタープライズ・サービス・ビジネスにおける事業再編
計画に伴う退職費用及び施設閉鎖費用による650百万ドル、2008年度の事業再編計画に伴う退職費用や施設閉鎖費用による429百
万ドル、Palm及び3Comの事業再編費用による、それぞれ46百万ドル及び18百万ドル及びその他事業再編計画の修正による増加1百
万ドルが含まれている。
2009年度の事業再編費用は、640百万ドルであった。これには、2008年度の事業再編計画に伴う退職費用や施設閉鎖費用による346
百万ドル、2009年度の事業再編計画に伴う退職費用297百万ドル、その他の事業再編計画に伴う調整費用の削減3百万ドルが含ま
れている。
事業再編費用に関する詳しい情報は本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記8を参照されたい。
営業活動の一環として、2011年度において、一部の事業セグメントにおいては、人員再編成に関連する退職及び関連費用が発生し
た。当社は、継続的に費用構造の最適化を図っているため、人員再編成活動は、通常業務の一部と考えられている。人員再編成費用
は、事業セグメントの経営成績にも含められており、当社は今後も追加的な人員再編成費用が発生するものと予想している。
買収関連費用
2011年度において、当社は、主にAutonomyの買収に係るコンサルティング及びインテグレーション費用及び2010年に完了した買
収の残留特別手当を含む買収関連費用を182百万ドル計上した。
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2010年度において、当社は、EDS、3Com、Palm、3PAR及びArcSightの買収に係るコンサルティング及びインテグレーション費用、買収
費用及び残留特別手当を含む買収関連費用を293百万ドル計上した。
利息その他(純額)
2011年度の利息その他費用(純額)は、190百万ドル増加した。この増加は、Autonomy買収に伴い発生した費用の276百万ドルが含
まれ、当該費用は主に、為替リスクを限定するために購入した英国ポンドのオプションの純原価265百万ドルとなっている。また、
増加は負債残高の増加に伴う支払利息の増加によっても生じているが、訴訟引当金の減少と為替差損の減少によって一部相殺さ
れている。
2010年度の利息その他(純額)は、216百万ドル減少した。この改善は、主に貸借対照表上の再測定項目に関する為替差損の減少、
低金利による支払利息の減少及び付加価値税の還付によるものである。この増加は、訴訟引当金の増加によって一部相殺されて
いる。
法人税等
当社の2011年度、2010年度及び2009年度の実効税率はそれぞれ21.2%、20.2%及び18.6%であった。世界中の低税率の税務管轄地域
における営業利益に対しては、有利な税率が適用されるため、当社の実効税率は米国連邦法定税率の35%とは通常異なっている。
有利な実効税率が適用される地域のうち、報告期間中において特に影響があった地域は、シンガポール、オランダ、中国、アイルラ
ンド及びプエルトリコであった。当社は、これらの地域における利益の一部は無期限に米国外に再投資する予定であるため、米国
法人所得税の課税対象とはならない。
2011年度における総合的な税率の増加は、主にのれんと評価性引当金の増加について、損金算入できないことによる。2010年度に
おける総合的な税率の増加は、主に海外における営業利益に対する税務ベネフィットの減少によるものである。
米国連邦法定税率35%への差異原因分析及び法人税等に関する詳細な説明については本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」
の注記14を参照されたい。
セグメント情報
各セグメントの製品及びサービスの詳細並びに財務情報については本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記19を参照
されたい。2010年10月31日及び2009年10月31日に終了した事業年度について、2011年第1四半期期首に実施した当社の組織構造の
変更を反映するようにセグメント情報を組み替えている。当該変更については注記19にて詳細に記述する。当社は本報告書にお
いて、顧客ベース、製品及び技術の同一性等の様々な事業の特性により事業セグメントを表示してきた。各セグメントの経営成績
は以下のとおりである。
パーソナル・システム・グループ
(単位:百万ドル)
10月31日終了事業年度
2011
$39,574
$2,350
5.9%
純売上高
営業利益
営業利益率
2010
$40,741
$2,032
5.0%
2009
$35,305
$1,661
4.7%
10月31日終了事業年度におけるPSG事業ユニットの純売上高の加重変動率は以下のとおりである。
(単位:パーセントポイント)
2011
2010
1.1
1.5
(0.7)
7.5
(3.2)
6.7
(0.1)
(0.3)
(2.9)
15.4
ワークステーション
デスクトップPC
ノートパソコンPC
その他
PSG合計
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2011年度におけるPSGの売上高は、2.9%(為替調整後では4.7%)減少し、主に、一般消費者向けPC市場の落ち込みによるもので
あったが、法人向け事業の好調によって部分的に相殺された。取引数量は、2.3%増加し、これは主に、法人向けのリフレッシュ・サ
イクルの継続によるものであるが、一般消費者向けの取引数量の減少により部分的に相殺されている。2011年度におけるワーク
ステーションの売上高は、進行中のリフレッシュ・サイクル及び法人向けPC市場の好調により、24.1%増加した。一般消費者向け
市場の落ち込みに関連し2011年度におけるデスクトップPCの純売上高は、1.7%減少し、ノートブックPCの売上高は、5.7%減少し
た。2011年度の、一般消費者向けの純売上高は、15.4%減少し、法人顧客に対する純売上高は、9.2%増加した。その他の純売上高は、
6.6%減少し、これは主に、ハンドヘルド事業の撤退と一般消費者の製品保証の延長に係る売上の減少によるものである。2011年度
におけるPSGの取引数量の増加は、主に、価格競争による平均販売価格(以下、「ASP」という。)の5%の減少により相殺された。
2011年度におけるPSGの純売上高に対する営業利益の比率は、0.9パーセントポイント増加した。これは、主に、部品価格の有利な
環境及び保証費用の低下により売上総利益率が増加したためである。しかし、この売上総利益率の増加は主に、不利な為替相場と
販売費用の増加により純売上高に対する営業費用の比率が増加したことにより、部分的に相殺された。
2010年度におけるPSGの売上高は、15.4%(為替変動の影響を除いた場合では、12.8%)増加した。売上高の増加は、全地域における
平均した売上高の増加によるものである。2010年度におけるPSGの取引数量及び純売上高は、その他の事業以外の全ての事業ユ
ニットにおいて増加した。取引数量は、リフレッシュ・サイクル及び一般消費者向けノートブックの継続的な需要により最大14%
増加した。2010年度におけるノートブックPCの純売上高は12%増加し、同期間のデスクトップPCの売上高は20%増加した。ワークス
テーションの売上高は42%増加している。2010年度における一般消費者向けの純売上高は12%増加し、法人向けの売上高は20%増加
した。その他の純売上高は主に、ハンドヘルドの取引量の減少であり、計算機及びホーム・サーバの売上の増加と製品保証の延長
により僅かに相殺され、10%減少した。2010年度におけるPSGの取引数量の増加による純売上高の増加はASPの1%の増加を伴うもの
であった。
2010年度におけるPSGの純売上高に対する営業利益の比率は、0.3パーセントポイント増加した。これは、純売上高に対する営業費
用の比率の低下によるものであったが、売上総利益の僅かな減少により部分的に相殺された。純売上高に対する営業費用の比率
の減少は、効果的な費用管理の取り組みと販売数量の増加による営業レバレッジの効果によるものであった。売上総利益の減少
は、部品コストの上昇によるものであったが、製品保証費用及び物流費用の低下により部分的に相殺された。
サービス
(単位:百万ドル)
10月31日終了事業年度
2011
$35,594
$5,149
14.3%
純売上高
営業利益
営業利益率
2010
$35,529
$5,661
15.9%
2009
$35,380
$5,102
14.4%
10月31日終了事業年度におけるサービス事業ユニットの純売上高の加重変動率は以下のとおりである。
(単位:パーセンテージ・ポイント)
2011
2010
0.7
1.1
0.7
(0.1)
0.2
(0.4)
(0.6)
(0.3)
0.2
0.1
1.2
0.4
インフラストラクチャー・テクノロジー・アウトソーシング
テクノロジー・サービス
アプリケーション・サービス
ビジネス・プロセス・アウトソーシング
その他
サービス合計
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2011年度におけるサービスの純売上高は、主に、インフラストラクチャー・テクノロジー・アウトソーソシングとテクノロジー
・サービスの売上の増加により1.2%増加(為替変動の影響を除いた場合では、1.3%減少)した。2011年度におけるインフラスト
ラクチャー・テクノロジー・アウトソーソシングの純売上高は2%増加した。売上高の増加は、製品関連売上と為替の好影響によ
るものであり、既存顧客の短期契約の落ち込みにより部分的に相殺された。2011年度におけるテクノロジー・サービスの純売上
高は2%の増加であり、主に当社のコンサルティング事業の成長と為替の好影響が、外部企業が製造したハードウェアの売上の減
少により部分的に相殺されている。2011年度におけるアプリケーション・サービスの純売上高は、1%増加した。これは主に、為替
の好影響によるが、短期契約の減少と公的機関による支出の減少により、部分的に相殺された。2011年度におけるビジネス・プロ
セス・アウトソーシングの純売上高は7%減少し、主に、2010年第3四半期末に完了したExcellerateHROの売却によるものであっ
た。
2011年度におけるサービスの純売上高に対する営業利益の比率は、1.6パーセントポイント減少した。営業利益率の減少は主に、
主に予想計画値を下回った売上高、直近の契約更新における単価の値引き、予想計画を下回る資源効率及び利益率の低いインフ
ラストラクチャー・テクノロジー・アウトソーシングの売上割合が増加したためである。この減少は、貸倒費用の減少及び、業績
の改善に対する継続した取り組み及びエンタープライズ・サービス及びテクノロジー・サービス・ビジネスの両方に好影響を
与えた継続的なコスト削減への取り組みによって部分的に相殺された。
2010年度におけるサービスの純売上高は、0.4%増加(為替変動の影響を除いた場合では、2.0%減少)した。2010年度におけるイン
フラストラクチャー・テクノロジー・アウトソーシングの純売上高は3%増加した。売上高の増加は、為替の好影響及びデータセ
ンター・サービス及びネットワーキング・サービスの成長によるものであった。2010年度におけるテクノロジー・サービスの純
売上高は横ばいであり、これは主に、昨年度の法人向けハードウェアの売上減少及び当年度の市況に起因する契約の減少による
ものであったが、為替の好影響によって部分的に相殺された。2010年度におけるアプリケーション・サービスの純売上高は、2%減
少した。これは主に、市況及び既存の契約の終了によるものであったが、新規事業及び為替の好影響により、部分的に相殺された。
2010年度におけるビジネス・プロセス・アウトソーシングの純売上高は、4%減少した。これは主に、2010年第3四半期に完了した
子会社の売却及び特定の業界における困難な経済状況によるものであったが、為替の好影響により部分的に相殺された。
2010年度におけるサービスの純売上高に対する営業利益の比率は、1.5パーセントポイント増加した。営業利益率の増加は主に、
継続的な業務改善及びエンタープライズ・サービス・ビジネスの費用構造の改善、配送の効率化、テクノロジー・サービスにお
ける費用管理、及びEDS買収のシナジー効果によるものであった。
イメージング・アンド・プリンティング・グループ
(単位:百万ドル)
10月31日終了事業年度
2011
$25,783
$3,973
15.4%
純売上高
営業利益
営業利益率
2010
$25,764
$4,412
17.1%
2009
$24,011
$4,310
18.0%
10月31日に終了した各事業年度におけるIPG事業単位ごとの純売上高の加重増減率は以下のとおりである。
(単位:パーセンテージ・ポイント)
2011
2010
0.9
3.3
(0.4)
3.0
(0.4)
1.0
0.1
7.3
法人向けハードウェア
消耗品
一般消費者向けハードウェア
IPG合計
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2011年度におけるIPGの純売上高は、主に法人向けハードウェアの純売上高増加に伴い、0.1%増加(為替変動の影響を除いた場合
では、0.9%の減少)した。2011年度において法人向けハードウェアの純売上高は、新興国での市場拡大によるレーザープリンター
の好調に伴うグラフィックビジネスにおける10%以上の純売上高増加により、4%増加した。この増加は、日本における地震及び津
波の影響でレーザージェット・プリンターの供給が困難となったことにより部分的に相殺された。2011年度における消耗品の純
売上高は、主にEMEAにおけるチャネル在庫の減少及び需要低下により1%減少となった。この減少は、大判印刷消耗品の成長により
部分的に相殺された。消費者の電子機器類の購入が全体的に落ち込んだことや価格競争の激化により価格の安い製品へシフトし
た結果、製品1台あたりの平均売上高が6%減少したため、2011年度における一般消費者向けハードウェアの純売上高は4%減少し
た。
2011年度におけるIPGの純売上高に対する営業利益の比率は、主に売上総利益の減少により1.7パーセントポイント減少した。こ
の減少は、純売上高に対する販売費用の比率減少により部分的に相殺された。2011年度における売上総利益の減少は主に、日本で
発生した地震と津波の影響による物流コストの増加及びレーザージェット・プリンターの供給の制約、そして円高による不利な
為替相場や一般消費者向けハードウェア及び法人向けハードウェアの継続した低価格化と消耗品の構成割合の縮小によるもの
であった。この減少は、サプライチェーンの最適化に向けた継続的な取り組みに基づく、IPGの費用削減により部分的に相殺され
た。2011年度における純売上高に対する営業費用の比率の減少は主に、マーケティング及び一般管理費用の減少によるもので
あったが、現場での販売費用の増加により部分的に相殺された。
2010年度におけるIPGの純売上高は、市場の景気回復傾向が持続している事を反映し、7.3%(為替変動の影響を除いた場合では、
8.4%)増加した。2010年度における法人向けハードウェアの純売上高は、在庫の供給量が安定し取引数量が19%増加したことによ
り、17%増加した。2010年度における消耗品の純売上高は、消耗品の使用を促進するプリント量の増加により、4%増加した。2010年
度における一般消費者向けハードウェアの純売上高は、取引数量が11%増加したことにより、9%増加した。
2010年度におけるIPGの純売上高に対する営業利益の比率は主に、売上総利益の減少及び純売上高に対する営業費用の比率増加
により、0.9パーセントポイント減少した。2010年度における売上総利益の減少は主に、商品全体に対するハードウェア構成割合
の拡大及び消耗品の構成割合の縮小の影響によるものであったが、サプライチェーンの最適化に向けての継続的な取り組みに関
連した費用の削減により部分的に相殺された。2010年度における純売上高に対する営業費用の比率の増加は主に、マーケティン
グ活動の増加によるものであったが、一般管理費の削減により部分的に相殺された。
エンタープライズサーバ・ストレージ・アンド・ネットワーキング
(単位:百万ドル)
10月31日終了事業年度
2011
$22,241
$3,026
13.6%
純売上高
営業利益
営業利益率
2010
$20,356
$2,825
13.9%
2009
$16,121
$1,657
10.3%
10月31日に終了した各事業年度におけるESSN事業ユニットごとの純売上高の加重増減率は以下のとおりである。
(単位:パーセンテージ・ポイント)
2011
2010
4.7
20.3
4.3
5.9
1.3
1.9
(1.0)
(1.8)
9.3
26.3
業界標準サーバ
HPネットワーキング
ストレージ
ビジネス・クリティカル・システム
ESSN合計
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2011年度におけるESSNの純売上高は、9.3%(為替変動の影響を除いた場合では、7.3%)増加した。これは主にHPネットワーキング
及びISSの増加に伴うものであった。2011年度におけるサーバ及びストレージ・ブレードの売上高合計額は10%増加している。
2011年度におけるISSの純売上高は、ISS製品の最新世代機への需要の増加による一台当たりの平均単価の増加に加え、取引数量
の増加により8%の増加となっている。当社のコンバージド・インフラストラクチャー・ソリューションの拡大及び企業及び個人
のクラウド顧客からの根強い需要も売上高増加の要因となっている。HPネットワーキングの純売上高は、当社のコア・データセ
ンター製品への市場からの根強い需要や販売エリア拡大のための継続した投資及び2010年4月の3Com買収が大きく影響し、51%の
増加となった。2011年度におけるストレージの純売上高は2010年9月に完了した3PARの買収に関連する製品の好調な売上や、ス
ケール・アウト型ストレージ製品、エントリー・レベルの製品及びStoreOnceデータ重複除外製品の売上が伸びたことから7%の
増加となった。2011年度におけるBCSの純売上高は、提携パートナーより当社のItaniumサーバ用のソフトウェア開発を中止する
予定であるとの通知により、注文が延期又はキャンセルされたことにより9%の減少となった。Itaniumサーバの売上減少は、最新
のBCSスケールアップx86製品に対する高い需要及びNonStopサーバの売上増加により部分的に相殺された。
2011年度におけるESSNの純売上高に対する営業利益の比率は、0.3パーセントポイント減少した。これは主に純売上高に対する営
業費用の比率増加によるものであったが、売上総利益の増加によって部分的に相殺された。純売上高に対する営業費用の比率の
増加は、買収に関連する追加費用の発生並びにR&D及び販売網への投資に起因するものである。売上総利益の増加は、製品コスト
の減少及びネットワーキング製品構成の増加によるものであったが、競争圧力による価格の下落によって部分的に相殺された。
2010年度におけるESSNの純売上高は、26.3%(為替変動の影響を除いた場合では、23.8%)増加した。2010年度におけるESSNブレー
ドの売上高は37%増加した。2010年度におけるISSの純売上高は主に、市況の回復と最新のISS製品への需要の増加による取引数量
の増加及び平均単価の上昇により35%増加した。2010年度におけるストレージの純売上高は主に、高機能ディスク製品、ストレー
ジ・ネットワーク製品及びLefthand Networksの買収による製品の好調な売上により、9%増加した。2010年度におけるBCSの純売
上高は12%減少しており、これは主に、市況の低迷や競争圧力によるものだが、2010年第4四半期の新製品の導入により部分的に相
殺された。HPネットワーキングの純売上高は3Comの買収、改善された市場需要及び販売エリアへの継続した投資により、124%増加
した。
2010年度におけるESSNの純売上高に対する営業利益の比率は、3.6パーセントポイント増加した。これは、純売上高に対する営業
費用の比率の減少と売上総利益の増加によるものであった。純売上高に対する営業費用の比率の減少は、販売量の増加に伴う営
業レバレッジの効果及び費用管理に起因するものであり、買収により部分的に相殺されている。2010年度における売上総利益の
増加は主に、製品コストの減少及び販売量の増加によるものであったが、ISSを主力とした商品構成の移行により部分的に相殺さ
れた。
HPソフトウェア
(単位:百万ドル)
10月31日終了事業年度
2011
$3,217
$698
21.7%
純売上高
営業利益
営業利益率
2010
$2,729
$782
28.7%
2009
$2,655
$731
27.5%
2011年度におけるHPソフトウェアの純売上高は、買収企業の売上高及び本業の業績好調により17.9%(為替変動の影響を除いた
場合では、16.3%)増加した。売上高の増加は、当社のセキュリティ及び管理一式の製品群が好調であったことによる。2011年度に
おけるサービス、ライセンス及びサポート業務における純売上高はそれぞれ25%、24%、11%増加した。
2011年度におけるHPソフトウェアの純売上高に対する営業利益の比率は、7.0パーセントポイント減少した。営業利益率の減少は
主に繰延利益の減額による影響及び買収統合費用並びに販売網やR&Dへの投資によるものであったが、特定のソフトウェア開発
費用の資産計上で部分的に相殺された。
2010年度におけるHPソフトウェアの純売上高は、主にサポート及びライセンス契約更新の増加により2.8%(為替変動の影響を除
いた場合では、0.6%)増加した。2010年度におけるサポート及びライセンスの純売上高は4%増加し、サービスの純売上高は4%減
少した。
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2010年度におけるHPソフトウェアの純売上高に対する営業利益の比率は、1.2パーセントポイント増加した。2010年度における営
業利益率の増加は主に、売上総利益の増加及び純売上高に対する営業費用の減少によるものであった。2010年度における売上総
利益の増加は主に、ライセンス及びサポートを増加した商品構成への移行によるものであったが、サービスの売上総利益率の減
少により部分的に相殺された。2010年度における純売上高に対する営業費用の比率の減少は主に、販売管理費用及び買収統合費
用の減少によるものである。
HPファイナンシャル・サービス
(単位:百万ドル)
10月31日終了事業年度
2011
$3,596
$348
9.7%
純売上高
営業利益
営業利益率
2010
$3,047
$281
9.2%
2009
$2,673
$206
7.7%
2011年度におけるHPFSの純売上高は18%増加した。この増加は主に、顧客の需要の高まりによるポートフォリオの成長、サービス
主導のファイナンス取引の増加によるオペレーティング・リース比率の上昇、ポートフォリオの成長に伴うリース満了時におけ
る売上増加、早期の買取による売上の増加並び為替の好影響によるものであった。
2011年度におけるHPFSの純売上高に対する営業利益の比率は、0.5パーセントポイント増加した。増加は主に、売上高に対する営
業費用の比率の減少によるものであるが、売上総利益の減少により部分的に相殺された。営業費用の減少は、主に費用効率の継続
した改善によるものである。売上総利益の減少は、オペレーティング・リース比率の上昇によるポートフォリオの利幅減少によ
るものであるが、売上高に占める貸倒損失の減少及びリース延長や買取による利幅拡大により部分的に相殺された。
2010年度におけるHPFSの純売上高は14%増加した。この増加は、顧客の需要の高まりに伴うポートフォリオの成長、サービス主導
のファイナンス取引の増加によるオペレーティング・リースの比率の上昇、リース終了後のリース物件のレンタル及び買取若し
くは転売の増加並びに為替の好影響によるものであった。
2010年度におけるHPFSの純売上高に対する営業利益の比率は主に、売上総利益の増加及び売上高に対する営業費用の比率減少に
より、1.5パーセントポイント増加した。売上総利益の増加は、有利な条件による資金調達の実現によるポートフォリオの利幅拡
大及び中古品販売の利幅拡大によるものであったが、買取の利幅縮小及び貸倒損失の増加により部分的に相殺された。売上高に
対する営業費用の比率の減少は、費用効率の改善によるものである。
ファイナンシング・オリジネーション
(単位:百万ドル)
ファイナンシング・オリジネーション合計
10月31日終了事業年度
2011年
2010年
$6,765
$5,987
2009年
$5,210
2011年度における新規のファイナンシング・オリジネーション(機器等並びに関連ソフトウェア及びサービスを購入する顧客
に対する与信の金額を表し、それには関連会社間の取引も含まれる)は、13.0%増加し、2010年度は、14.9%増加した。この増加は、
統合や当社の販売努力の改善による当社製品の販売及びサービスの提供に伴う与信の拡大と、為替の好影響によるものであっ
た。
ポートフォリオ資産と比率
HPFSは、金利や信用に関するリスクに対して、効果的にポートフォリオを利用することにより、高い株主資本利益率を達成すると
いう戦略を保持している。HPFSの事業モデルは資産集約的であり、内部経営報告システムから得られたセグメント貸借対照表を
含む、一定の内部評価指標を使用することにより、他の金融機関に対するパフォーマンスを計測している。これらの金額を算定す
るために使用された会計方針は、連結会社で使用されたものと実質的に同一である。しかしながら、セグメント残高に反映された
一定の関連会社間の貸付金と勘定は連結財務書類からは削除されている。
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10月31日に終了した各事業年度のHPFSのセグメント貸借対照表から得られたポートフォリオ資産と比率は以下のとおりである。
(単位:百万ドル)
2011年
2010年
$12,699
$11,418
ポートフォリオ資産(1)
130
140
貸倒引当金(2)
84
83
オペレーティング・リース機器引当金
引当金合計
214
223
ポートフォリオ資産(純額)
$12,485
$11,195
引当率
負債資本比率(3)
1.7%
7.0x
2.0%
7.0x
(1) ポートフォリオ資産は、2011年10月31日現在及び2010年10月31日現在、それぞれ約73億ドル及び約67億ドルの金融債権(純
額)と、それぞれ約27億ドル及び25億ドルのオペレーティング・リース機器の簿価を含む。これは本報告書第一部、第6.1の「連
結財務書類」の注記11に開示されている。ポートフォリオ資産はまた、2011年10月31日現在及び2010年10月31日現在、それぞれ約
10億ドル及び約8億ドルの関連会社間設備取引において資産計上された収益、及びそれぞれ約17億ドル及び約13億ドルの関連会
社間リース取引を含んでいるが、両者は連結上、消去されている。
(2) 貸倒引当金は、金融債権に対する引当金の短期及び長期部分を含む。
(3) HPFSの負債は、セグメント報告目的では負債として取り扱われている関連会社資本、関連会社間債務及びHPFSより直接発行
された債務により構成されている。
2011年10月31日現在における純ポートフォリオ資産は、2010年10月31日から11.5%増加した。この増加は、2011年度におけるファ
イナンシング・オリジネーションの増加及び為替の好影響によるものであった。ポートフォリオ資産の引当率は減少した。HPFS
は主に、関連会社からの借入と出資により運営している。
HPFSは、2011年度及び2010年度においてそれぞれ60百万ドル及び75百万ドルの貸倒損失(純額)を計上した。
コーポレート・インベストメント
(単位:百万ドル)
2011年
純売上高
営業損失
営業損失率
$322
$(1,616)
(501.9)%
10月31日終了事業年度
2010年
$346
$(366)
(105.8)%
2009年
$191
$(300)
(157.1)%
2011年度におけるコーポレート・インベストメントの純売上高は、Palm買収により取得したモバイル機器、ビジネス・インテリ
ジェンス・ソリューション及び当社テクノロジーの第三者へのライセンス供与により構成されている。2011年度においては、ビ
ジネス・インテリジェンス・ソリューションの売上高が低迷したことにより、売上高は減少しているが、これはwebOS機器による
売上高により部分的に相殺されている。ビジネス・インテリジェンス・ソリューションの売上高の減少は主にコンサルティング
・サービスの売上高の減少に伴うものである。
コーポレート・インベストメントでは、2011年度において多額の営業損失を計上している。これは主に、仕入先関連の債務による
費用755百万ドル及びwebOS機器事業の撤退に伴う販売奨励プログラムによるものである。また、コーポレート・インベストメン
トの営業損失は、2010年度から増加している経営企画、海外企業との提携及びHPラボに関連する費用にもよるものであるが、これ
は当社のHaloビデオコラボレーション製品事業の売却による利益により部分的に相殺された。
2010年度におけるコーポレート・インベストメントにおける純売上高は、主にビジネス・インテリジェンス・ソルーション及び
当社テクノロジーの第三者へのライセンス供与により構成されている。コーポレート・インベストメントの売上高の増加は、当
社が2010年7月に完了したPalmの買収に関連した売上高が起因している。
コーポレート・インベストメントでは、2010年度において営業損失を計上している。これは主に、研究及び製品開発に伴う投資の
影響である。コーポレート・インベストメントの営業利益は、経営企画、海外企業との連携及びHPラボに関連する費用が2009年度
よりも減少したことが影響している。
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流動性と資金資源
当社は現金残高を世界中の数多くの場所で保有しており、これには米国外で保有されている多額の現金が含まれる。米国外で保
有されている金額のうち大部分は、米国外の流動性のニーズを満たすために使用される。米国外で保有されている金額のほとん
どは米国に送金することができるが、現行法の下では米国連邦所得税(外国税額控除後)の対象となる。国外残高の本国への送
金は現地の法律によって制限されている場合がある。当社はこれらの金額について財務書類目的のために連邦税債務を計上して
いるが、この金額は米国外に、無期限に再投資されると考えられる海外収益を除いている。米国への送金を行った場合には、将来
において追加の米国連邦所得税の納税義務が発生するおそれがある。現地の規制により関連会社間の効率的な資金移動が妨げら
れるような場合には、当社は、現金残高を国外に留め、その時々のキャッシュ・フローや外部借入、あるいはその両方を通して米
国内での流動性を満たすこととしている。世界各地に所在する現金が、必要な場所で使用できるように、当社は様々なタックス・
プランニングと資金戦略を有効活用している。米国外で保有されている金額の本国への送金に対する制限又は課税対象となる可
能性については、当社全体としての流動性、財政状態又は経営成績に対して重要な影響があるとは予想されていない。
流動性
当社は営業活動によるキャッシュ・フローを流動性の主な調達源にしており、事業運営、資本的支出、株主配当金の支払い、さら
に選択的投資と自己株式の取得を支えるために一般的には、十分なキャッシュ・フローが内部で生み出されていると確信してい
る。必要に応じて、資本市場への幅広いアクセス及び国内外の様々な金融機関による信用枠を通じて、この短期流動性を補うこと
ができる。当社の流動性は、本報告書第一部、第3.4(2)「市場リスク」に記述された市場リスクを含む様々なリスクにさらされ
ている。
(単位:十億ドル)
10月31日終了事業年度
2011
2010
2009
$8.0
$10.9
$13.3
$30.6
$22.3
$15.8
$14.6
$13.8
$18.1
現金及び現金同等物
負債合計
借入可能額(1) (2)
(1) これらの借入可能額に加えて、当社は、2009年5月にSECに提出した発行登録書(以下、「2009年発行登録書」という。)によ
り、適宜、1回又は複数回の募集によって不確定金額の負債証券、普通株式、優先株式、預託証券及び短期債券の募集又は売却
を行うことができる。
(2) 借入可能額は2011年8月に締結し、2011年11月に解約した364日物シニア無担保つなぎ融資契約による借入可能額22億ポンド
(36億ドル)を含んでいない。
当社の資金繰りは好調を維持しており、また現金残高及び営業活動による予測キャッシュ・フローは、2012年度に見込まれる現
金支出を賄うのに十分であると考えている。
キャッシュ・フロー
以下の表は、連結財務書類のキャッシュ・フローから重要なキャッシュ・フローの指標を要約したものである:
営業活動によるキャッシュ・フロー(純額)
投資活動によるキャッシュ・フロー(純額)
財務活動によるキャッシュ・フロー(純額)
現金及び現金同等物の増加(減少)
(単位:百万ドル)
10月31日終了事業年度
2011年
2010年
2009年
$12,639
$11,922
$13,379
(13,959)
(11,359)
(3,580)
(1,566)
(2,913)
(6,673)
$(2,886)
$(2,350)
$3,126
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営業活動
2011年度の営業活動によるキャッシュ・フロー(純額)は、2010年度と比べ、約7億ドル増加している。この増加は、主に売上債権
及び金融債権といった営業用資産の利用による現金の発生、そして買掛金の支払いに充当した現金の減少によるものであるが、
純利益の減少及び在庫水準の増加により部分的に相殺されている。2010年度の営業活動によるキャッシュ・フロー(純額)は、
2009年度と比べ、約15億ドル減少している。この減少は、主に第4四半期の売上高の増加による売上債権及び金融債権の増加及び
買掛金の支払増加によるものであったが、当期純利益の増加により部分的に相殺された。
重要な業績指標:
10月31日現在
2010年
2011年
売上債権回転日数
棚卸資産回転日数
仕入債務回転日数(1)
現金回収サイクル
51
27
(52)
26
2009年
50
23
(52)
21
48
23
(57)
14
売上債権回転日数(以下、「DSO」という。)は売上債権の平均未回収日数を測定する。DSOは貸倒引当金を控除した期末の売上債権
を90日間の平均純売上高で除したものである。2011年10月31日現在、売上債権残高は182億ドルであった。
棚卸資産回転日数(以下、「DOS」という。)は製品入手から販売までの平均日数を測定する。DOSは期末の棚卸資産を90日間の平
均売上原価で除したものである。2011年10月31日現在、棚卸資産残高は75億ドルであった。
仕入債務回転日数(以下、「DPO」という。) は買掛金の平均未払日数を測定する。DPOは期末の買掛金を90日間の平均売上原価で
除したものである。2011年10月31日現在、仕入債務残高は147億ドルであった。
当社の必要運転資本は、現金回収サイクルの効果的管理に依存している。現金回収サイクルは原材料の購入から顧客から現金を
回収するまでに経過した日数を効果的に表している。現金回収サイクルはDSOとDOSの合計からDPOを減じた値である。
2011年度の現金回収サイクルは、2010年度に比べ5日間長くなった。DSOの増加は、主にAutonomy買収に伴う債権への不利な影響、
支払期限の延長及び未請求や滞留した売上債権によるものであるが、米ドル高による為替の好影響により相殺されている。DOSの
増加は、マクロ経済の減速による当社の一般消費者向け事業への影響や法人用ハードウェア事業の出荷タイミング、特定の構成
部品の戦略的購入により、2011年10月31日時点において製品在庫数の水準が高かったことが要因である。DPOは、年間を通じて横
ばいであった。
2010年度の現金回収サイクルは、2009年度に比べ、7日間長くなった。DSOの増加は、主に、売上の平準化と第4四半期における現金
値引きの減少によるものであった。DOSは、年間横ばいだった。DPOの減少は第4四半期における購買の減少に起因するものであっ
た。
投資活動
2011年度において、投資活動に伴うキャッシュ・フロー(純額)は、2010年度と比べて、約26億ドル増加し、2010年度においては、
2009年度と比べて、約78億ドル増加した。この増加は、主に2011年度及び2010年度の買収に関連する現金支出の増加によるもので
ある。
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財務活動
2011年度において、財務活動によるキャッシュ・フロー(純額)は、2010年度と比べ、約13億ドル減少した。この減少は主に、債券
発行による資金調達の増加、そして自己株式取得に伴う現金支出の減少によるものであったが、コマーシャル・ペーパーの返済
増加及び従業員株式制度に基づく株式発行に伴う現金の受領の減少により部分的に相殺された。2010年度において、財務活動に
よるキャッシュ・フロー(純額)は、2009年度と比べ、約38億ドル減少した。この減少は、主に、コマーシャル・ペーパーの発行に
よるもので、この影響は、自己株式の取得及びグローバル債券の発行の減少によって、部分的に相殺された。
自己株式の取得プログラムについての詳細は、本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記15を参照されたい。
資本資源
債務水準
(単位:利子及び比率を除き、百万ドル)
10月31日終了事業年度
2011
2010
2009
$8,083
$7,046
$1,850
$22,551
$15,258 $13,980
0.79x
0.55x
0.39x
2.4%
2.0%
2.7%
短期債務
長期債務
負債資本比率
加重平均利子率
当社は、キャッシュ・フローの見込み、営業に必要な現金、投資計画(買収を含む)、株式の買戻し、全体の資本費用、目標資本構
造などを含む、様々な要因を考慮したうえで設定した債務の水準を維持している。
2011年度は、前年比で短期債務が10億ドル、長期債務が73億ドル増加した。債務全体の純額増加の主な理由は、買収への投資及び
自己株式取得である。2010年度は、前年比で、短期債務は52億ドル増加し、長期債務は13億ドル増加した。これは、主に、買収及び自
己株式取得のために資金を使用したことによる増加である。
当社の負債資本比率は、帳簿価格の資本の帳簿価格を負債の帳簿価格で除したものである。2011年度において、当社の負債資本比
率は0.24倍増加した。これは主に、116億ドルの米ドル建てグローバル・ノートの発行と、2011年度末における株主資本の18億ド
ルの減少によるものである。2010年度において、当社の負債資本比率は0.16倍増加した。これは、主に、2010年に発行した30億ドル
の米ドル建てグローバル・ノートと2010年度末に40億ドルのコマーシャル・ペーパーを発行したことによるものである。
加重平均利息率は、当該年度に適用される当社借入の平均実効利率に反映する。これは、当社の固定金利のグローバル・ノートを
変動金利のグローバル・ノートにスワップすることの影響を考慮したものである。金利スワップについての追加情報は、本報告
書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記10を参照されたい。過去3年間の加重平均利息率のわずかな減少は、市場における利息
の減少と利息低迷の中、当社のグローバル・ノートに関連した固定金利債務を、変動金利債務に交換したことによるものである。
2011年12月9日、当社は2009年発行登録書に基づき、30億ドルの米ドル建てグローバル・ノートを発行した。当該グローバル・
ノートは発行日から3年、5年及び10年満期の市場金利による固定金利債券から構成される。
借入についての詳細情報は、本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記13を参照されたい。
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借入可能額
2011年10月31日時点において、追加的な流動資産が必要な場合には、以下のような短期若しくは長期の資金調達が可能である。
(単位:百万ドル)
2011年10月31日現在
明記無し
2009年発行登録書(1)
$13,285
コマーシャル・ペーパー・プログラム(1)
$3,604
364日物シニア無担保つなぎ融資契約(1) (2)
$1,300
非約定融資限度額(1)
$701
売上債権に基づくリボルビング・ファシリティ(3)
(1) 資金調達手段の詳細に関しては、本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記13を参照されたい。
(2) 364日物シニア無担保つなぎ融資契約は、2011年11月に解約された。
(3) 売上債権に基づくリボルビング・ファシリティの詳細に関しては、本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記4を参
照されたい。
信用格付
当社の信用リスクは、3つの独立した格付け機関によって評価されており、公開情報や当社とのやりとりを通じて得た当情報に基
づいて評価している。2011年10月31日現在の信用リスクは、以下のとおりである。
短期債務評価
長期債務評価
2011年10月31日終了事業年度
スタンダード・アン
ムーディーズ・
フィッチ・レー
ド・プアーズ・レー インベスターズ・
ティング・
ティング・サービス
サービス
サービス
A-1
Prime-1
F1
A
A2
A+
2011年11月30日にスタンダード・アンド・プアーズ・レーティングサービスが当社の短期債務及び長期債務評価を、2011年12月
2日にフィッチ・レーティング・サービスが当社の長期債務評価を格下げした。これに伴い、2011年12月14日現在の信用リスク
は、以下のとおりである。
短期債務評価
長期債務評価
2011年12月14日現在
スタンダード・アン
ムーディーズ・
ド・プアーズ・レー インベスターズ・
ティング・サービス
サービス
A-2
Prime-1
BBB+
A2
フィッチ・レー
ティング・
サービス
F1
A
フィッチ・レーティング・サービスは当社の信用リスクに対して否定的な見通しを示し、ムーディーズ・インベスターズ・サー
ビスも2011年10月28日より格下げの検討を始めている。当社の債務の大半につき、期限利益喪失事由を発生させるような格下げ
評価の原因となる事由は存在しない。しかしながら、当社の信用格付の格下げは、現在設定されている与信枠に基づく借入費用を
増加させる可能性がある。また、信用格付の格下げは、現在のプログラムに基づく、コマーシャル・ペーパーの発行を制限する可
能性やいくつかのデリバティブ契約において追加の担保設定が要求される可能性もある。更に、格付け会社3社のいずれかによる
更なる格下げは、同様の状況をもたらし、格下げの幅によっては、当社の流動性と資金状態に対し悪影響を及ぼす可能性がある。
このような事態が発生した場合、コマーシャル・ペーパーの発行制限を補てんするため、必要に応じて与信枠に基づく借入の実
行、債券の発行又は現在の発行登録書に基づく手形の発行を含む代替的な資金の調達方法を模索することになる。
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契約上及びその他の義務
2011年10月31日現在の契約上の義務が当社の将来における流動性及びキャッシュ・フローに与えると予想される影響は以下の
とおりである。
(単位:百万ドル)
返済期限
合計
1年未満
1-3年
3-5年
5年超
$25,953
$4,238
$10,476
$4,800
$6,439
長期借入の元金返済(1)
(2)
5,064
651
993
643
2,777
長期借入の利子返済
オペレーティング・リース契約
3,283
811
1,112
650
710
(3)
2,297
2,009
183
40
65
無条件購入義務
423
82
285
18
38
キャピタル・リース義務
合計
$37,020
$7,791
$13,049
$6,151
$10,029
(1) 金額は長期借入金の元金返済に支払われると予想される金額を示しており、公正価値調整又は割引や割増金を含んでいな
い。
(2) 金額は長期借入金の利息返済に支払われると予想される金額を示している。当社は、公正価値ヘッジと考えられる金利ス
ワップ契約を締結している。これは、当社のグローバル・ノートの関連する固定金利債務を変動金利債務に変更する経済効果を
持っている。この長期借入金における将来の利息返済の計算は、この金利スワップの影響を考慮したものである。
(3) 無条件購入義務は、商品又はサービスの購入に関する法的強制力及び拘束力を持つ契約上の義務であり、購入すべき固定数
量あるいは最低数量、固定価格、最低価格あるいは変動価格の規定、取引のおおよその時期など、重要な条件等を規定している。違
約金なしで解約可能な契約は、無条件購入義務に含まれていない。これらの無条件購入義務は主として棚卸資産その他の物品に
関するものである。無条件購入義務は、通常の営業過程において経常的に発生する発注残は含まない。それらを有意義に定量化す
ることは困難なためである。発注残には強制力があり、法的に当社を拘束するものとみなされるが、当該物品又はサービスの提供
が行われる前に、当社は事業の状況によりそれらをキャンセル、スケジュール調整又は発注内容の変更を行うことができる条項
が通常織り込まれている。
上記に加え、2011年10月31日時点で当社は、約21億ドルの債務やこれに関連する利息、所得税の不確実性に関する違約金を計上し
たが、これらは約293百万ドルの繰延税金資産や受取利息によって部分的に相殺される見込みである。これらの債務、関連した利
子及び違約金の約77百万ドルは、1年以内に支払いが行われる予定である。残りの債務については、税金関連における不確実性が
存在するため、いつ納税がなされるかについて、合理的に予測することは不可能である。税金に関連する追加情報は、本報告書の
第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記14を参照されたい。
資金拠出方針
2012年度において、当社は、年金及び退職後給付制度に約658百万ドルを拠出する予定である。当社の資金拠方針は、現地政府、財
務及び税務当局により定められた最低限の拠出必要額に見合う額を拠出するというものである。2012年度以降の資金拠出は、最
新の市場環境、保険計理上の評価及び、年金資金の状況に基づく。年金事業に関する追加情報は、本報告書の第一部、第6.1の「連
結財務書類」の注記16を参照されたい。
当社は将来的に、既に承認済みの事業再編計画に関連して約11億ドルの現金支出を予定している。当社はこのうち約9億ドルを
2012年度に、残額の大部分については、2016年までに支出する予定である。再編事業に関する追加情報は、本報告書の第一部、第
6.1の「連結財務書類」の注記8を参照されたい。
保証及び損害補償
保証及び損害補償から生じる負債に関連する追加情報は、本報告書の第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記12を参照された
い。
訴訟及び偶発事象
訴訟及び偶発事象から生じる負債に関連する追加情報は、本報告書の第一部、第6.1「連結財務書類」の注記18を参照されたい。
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オフバランス取引
当社の現行事業の中では、オフバランス目的あるいはその他契約による限定的な目的で設立され、しばしばストラクチャード・
ファイナンスや特別目的会社(以下、「SPE」という。)などとして言及されるような、非連結会社あるいは金融パートナーシッ
プと、重要な関係を持つような取引には参加していない。2011年10月31日現在で、当社は非連結のSPEとの重要な取引に関与して
いない。
当社は売上債権に基づくリボルビング・ファシリティを有しており、特定の売上債権を第三者にノン・リコース条件又は部分リ
コース条件として売却することができる。2011年10月31日現在、ファシリティの最大総額は15億ドルであり、これには2011年5月
に締結された部分リコースファシリティ10億ドルとノン・リコースファシリティ5億ドルが含まれている。当社の売上債権に基
づくリボルビング・ファシリティに関する追加情報は、本報告書の第一部、第6.1「連結財務書類」の注記4を参照されたい。
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2【生産、受注及び販売の状況】
上記「業績等の概要」を参照されたい。
3【対処すべき課題】
上記「業績等の概要」を参照されたい。
4【事業等のリスク】
(1)リスク要因
当社の営業成績に影響を与える様々な事象に加え、以下に記載するような要因が考えられるため、過去の財務成績を将来の財務
成績を予測するに足る信頼すべき指標とみるべきではなく、過去の傾向をもって将来の期間における成績や傾向を予測すべきで
はない。
− 当社の事業や財務成績を改善し、原価構造を調整することができなければ、当社の経営成績は悪影響を受ける可能性がある。
当社は、当社の事業や財務成績の改善や、原価構造と収益及び利ざやとの調整に取り組んでいる。これらの取組みは、産業の変化
に対応するための事業への投資、クラウド・コンピューティング、セキュリティや情報管理などの分野での新たな機会における
投資、また、短期的・長期的に顧客やパートナーに対してより貢献することを可能にする。この取組みの一環として、当社は、当社
の全ての事業を査定し、パフォーマンスや効率性を改善したり、費用を合理化できるいくつかの分野を調査している。例えば、当
社は、サービス事業の立て直しのための複数年にわたる計画(利幅率がより高い法人向けサービスの拡大やリソースの活用の改
善を含む)に着手している。また、当社は、当社の製品事業を支える複雑なサプライチェーンの最適化及び合理化を行っている。
さらに、販売効率性及び事業の実行の改善にも取り組んでいる。これらの取組みを成功させることができなかった場合又はこれ
らの取組みに予想より費用や時間がかかった場合には、当社の経営成績は、悪影響を受ける可能性がある。
− 企業間競争により、収益、売上総利益及び収益予測が悪化するおそれがある。
当社は、全ての事業分野において、数多くの多様な企業との間の激しい競争に直面しており、競合他社が当社の重要な市場を標的
とする可能性がある。当社は、主に技術、パフォーマンス、価格、品質、信頼性、ブランド、評判、販売力、製品及びサービスの幅広さ、
製品の使い易さ、勘定関係、顧客トレーニングや顧客サービス及び顧客サポート、セキュリティ、アプリケーション・ソフトの供
給力並びにインターネット・インフラの提供の面において競争している。もし当社の製品、サービス、サポート及び原価構造がこ
れらの要素において十分な競争力を持たないものであれば、当社の営業、営業成績及び予想収益は悪影響を受ける可能性がある。
当社は、当社の多くの競合他社とは異なり、数多くの製品ラインを有しており、一つ又は複数の製品ラインに特化する競合他社と
競争する一方で、人的・物的資源をこれらの事業に分配しなければならない。結果として、ある事業分野における投資額が競合他
社より少なくなるかもしれず、また、かかる競合他社が当社と競争する事業分野において、資金面、技術面及びマーケティングに
おいて当社より優れた資源を有することとなるかもしれない。これに加えて、業界再編に伴う合併等により、当社が競争する市場
において、より規模が大きく、より類似性があり、潜在的に強力な競合他社が出現するかもしれず、競合他社が当社の既存又は潜
在的な顧客やサプライヤーとの間で独占的な契約を締結するなどして当社の事業に悪影響を及ぼす可能性もある。
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また、一定の分野において提携を行っている会社と他の分野においては、競合する可能性もある。例えば、2011年の第2四半期にお
いて、競合するサーバーの販売も行っている提携パートナーが、当社のItaniumベースのサーバのためのソフトウェアの開発を終
了する意向であることを発表したことにより、当社のサーバーの注文が中止又は延期されたりする結果となった。かかる決定が
撤回されなかったり、また他の措置を成功裏に講じることができなければ、当社のItaniumベースのサーバの需要が長期的に減少
する。さらに、当社と提携関係にある会社が、当社の競合他社を買収したり、これらの会社と提携を行ったりする可能性もあり、こ
れによって、当社との取引が減少する可能性もある。提携関係にあるパートナーとの複雑な取引関係に効率的に対応できない場
合、当社の経営成績に悪影響を与える可能性がある。
当社がその競争力を維持するためには、収益及び売上総利益の維持又は向上を目指す一方で、多くの製品やサービスの低価格化
を続ける必要がある。当社が参入している市場、特にパソコンやプリンタ市場では、激しい競争が繰り広げられており、当社は、そ
の全ての製品やサービスにつき、世界各国における多くの企業との間で、激しい価格競争にさらされている。この数年間、パソコ
ン、プリンタその他関連製品の市場では、競合他社がこれらの製品につき大胆な価格の引き下げを行うとともに、利幅の引き下げ
にも踏み切ったことにより、価格競争が著しく激化している。また、当社の存在感が増している低コスト国の市場のうち、いくつ
かの市場において、競合他社が当社には不可能な低価格で製品等を提供することができる可能性がある。当社の業績及び財政状
態は、これらの事情や、業界全体における他の価格関連要因により、悪影響を受ける可能性がある。
同時に、当社のビジネスモデルは革新的かつ高品質な製品の提供を行うことであるため、研究開発に投じる費用の割合は競合他
社に比べて大きくなる可能性がある。価格競争に対応するため、原価構造をバランスよく適時に減少させていくことができなけ
れば、当社の売上総利益やその結果としての収益性は、大きな打撃を受ける。また、さらに、当社製品が価格やその他の要因におい
て十分な競争力を有していない場合、あるいは、当社の製品決定が不評を買うような場合は、当社は一定分野におけるマーケット
・シェアを失い、当社の収益及び収益予測に悪影響が及ぶ可能性がある。
特定の製品についてマーケット・シェアを維持又は増加することができても、その製品の市場が成熟している場合には、収益は
減少する可能性がある。さらに、他の種類の製品において競争が激化した場合には、収益及び利幅が減少する可能性がある。例え
ば、製品の種類が増えているモバイル・コンピューティング製品やクラウド・ソリューション開発に対する需要が高まりは、当
社の既存のハードウェア製品の需要を低下させる可能性がある。さらに、当社のレーザージェット用トナーやインクジェット用
カートリッジの詰め替え・リサイクル品は、当社の消耗品事業と競合する。他社も、当社のレーザージェット及びインクジェット
製品に対応する新しいカートリッジを開発・販売しており、これは、十分な知的財産権保護が存在しない米国以外の法域で顕著
である。
− 戦略を成功裏に実行できず、革新性や品質に対する顧客の要求に対応する製品、サービスやソリューションの開発、製造及び
販売を継続することができなければ、当社の収益及び売上総利益は減少する可能性がある。
クラウド・コンピューティングの採用や統合されたITソリューションの需要の増加によるITの提供や利用のための変化するハ
イブリッド・モデルに対応するために、当社の長期的な戦略は、ハードウェア、ソフトウェアやサービスの製品群を活用すること
に重点を置いている。当社は、この戦略の実現を成功させるために、これまでのハードウェアを中心としたビジネスモデルからよ
り多くのソフトウェアやより高価値のサービスの提供を含むビジネスモデルへの発展を継続する必要がある。また、当社は、統合
されたITソリューションを顧客に対して提供することにより注力するために、当社の組織を継続してさらに発展させる必要があ
る。この戦略の実現を成功させることができなかった場合には、業績に悪影響が及ぶ可能性がある。
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高度な技術を要する製品、サービスやソリューションの開発プロセス、また現行の製品、サービスやソリューションの強化のプロ
セスは、複雑で費用がかかり、かつ不確定であるため、当社が顧客のニーズの変化や新規技術のトレンドを正確に予測できなかっ
た場合は、当社のマーケット・シェア及び営業成績は著しく損なわれる。例えば、当社は、クラウド・コンピューティングやソフ
トウェアがサービスとして提供される点に特徴的な環境に移行しており、当社は、顧客向けのクラウド・ソリューションの開発
及び展開を継続的に成功させなければならない。当社は、当社の予測が製品、サービスやソリューションに対する顧客の需要を正
しく反映しているか否かを認識する前に、長期的投資、必要な知的財産の開発や取得、多大な人的・物的資源の確保などを行わね
ばならない。さらに、一旦製品を開発した後は、適切な数量を短期間に低価格で製造できなければならない。これらを達成するた
めには、顧客の要求に合った数量、製品構成及び形状を正確に予測しなければならないが、これを全く実現することができない又
は製品のライフサイクル内では実現することができないという事態も起こり得る。新たな製品、サービスやソリューションの開
発、製造又はマーケティングに遅れをとった場合には、当社は市場にいち早く製品を投入する企業の一つとなることはできない。
そして、このことが、当社の競争的地位をさらに害する可能性がある。
当社は、事業を運営する上で、当社のエンジニアリング、デザイン、製造の過程における欠陥やサービス契約における不完全な履
行のみならず、当社の製品に組み込まれる第三者製造の部品における欠陥や第三者によるサービス契約の不完全な履行など、製
品及びサービスの品質上の問題に適切に対処しなければならない。品質上の問題については、当社は顧客及びサプライヤーと広
範囲に協調し、問題を発生させる原因を特定し適切な解決策を決定するよう、製品検査を行っている。しかしながら、当社が提供
する製品やサービスは複雑であり、定期的な品質検査や品質管理の取組みは、特に第三者が製造した欠陥部品に関連する全ての
品質上の問題や誤りを管理又は検出することにおいて有効でない可能性がある。当社の製品に関する品質上の問題に対処するた
めに、欠陥の原因を突き止め、解決策を見出し、一時的な修復(パッチ)ができなければ、顧客に対する出荷が遅れ、収益認識が遅
れるため、結果として収益や報告される成績に悪影響を及ぼす可能性がある。品質の問題の解決には費用がかかることが予想さ
れ、利益に悪影響を与えるような追加的な保証、交換その他の費用が生ずる可能性がある。新規又は既存の顧客が当社製品をうま
く利用することができない場合又は当社のサービスに満足できない場合には、当社の営業利益率に悪影響が及ぶ可能性があり、
顧客の期待に応じることができない場合には、訴え等を提起されるおそれもある。また、品質の問題は、当社の新規の又は既存の
顧客との関係を損ない、当社のブランド及び社会的評価を落とすことにもなりかねず、このような場合には当社の営業成績に悪
影響を及ぼすことが懸念される。
− 経済の低迷及び不確実性は当社の収益、売上総利益及び費用に悪影響を及ぼすおそれがある。
当社の収益及び売上総利益は、世界的な経済状況に加えて、当社が競争している市場におけるテクノロジー・ハードウェア、ソフ
トウェア及びサービスに対する需要に拠るところが大きい。米国において進行中のマクロ経済的な問題やEUのいくつかの国にお
ける債務危機を含む経済の低迷や不確実性は、収益、売上総利益、利益又は成長率の減少又は低下をもたらしたほか、在庫レベル
の管理にも問題を生じさせたが、将来的にもこれらの問題を生じさせる可能性がある。さらに、現状の世界の経済状況の不確実性
の持続により、当社の製品及びサービスに対する需要に悪影響が及ぶおそれがある。また、経済の低迷や不確実性により、収益、売
上総利益及び費用を正確に予測することがより困難となる。
また、当社の一部の事業では、価格競争圧力や棚卸資産評価減、当社の製造委託先やサプライヤーによる人件費・材料費の負担増
に伴う部品調達コストや製造コストの増加を価格競争圧力やその他の要因で顧客に転嫁できなかったことにより売上総利益が
減少したことがあり、将来的にもその可能性がある。また、主要なサプライヤーの倒産や借入不能により当社がサプライヤーから
――そして各サプライヤーがそれぞれのサプライヤーから――機器、部品又はコンポーネントの供給を受けられなかった場合、
当社の事業が中断する可能性がある。
経済の低迷及び不確実性により当社の費用は予想と大きく異なる可能性がある。銀行システムや金融市場に影響を及ぼす金融不
安が発生した場合や大手金融機関が破綻した場合、金融機関の財務状態が市場の変動時及び混乱時には急速かつ前触れもなく悪
化することがあるため、当社の財務活動に悪影響を及ぼすおそれがある。資産市場における財務成績の低迷は、年金及び退職後給
付費用を増加させるおそれがある。金利、借入費用、為替レート、ヘッジ費用及びデリバティブ商品の公正価値の変動によっては、
その他利益や費用も予想と大きく異なるおそれがある。さらに、景気の悪化により、リストラ及びそれに伴う費用が必要となるお
それがある。
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− 当社の原価構造を現在の収益及び利ざやと調整することができなければ、予想を上回る費用が発生し、当社の営業利益や純利
益に悪影響が及び、当社の事業への投資や事業の拡大が限定される可能性がある。
当社は、現在、原価構造を収益及び利ざやと調整している。この取組みの一環として、経営の合理化、サプライチェーンの最適化及
び合理化、製品の設計、製造及び配送における不要な複雑性の排除、販売ツールやその他主要システムやプロセスの改良、標準化
及び自動化並びにその他の取組みを行っている。これらの取組みの予定時期が遅れたり、これらを導入するために予想より費用
が掛かったり、予期せぬ費用が発生したりする可能性がある。さらに、当社の事業の大規模なポートフォリオ、当社の顧客やパー
トナーが事業を展開する広範な地理的地域やここ数年に完了した買収件数を考慮すると、当社は、当社のツール、システムやプロ
セスの変更を実行することに関して、リスクの増加にさらされている。当社の原価構造を調整することができなかった場合には、
当社の営業利益や当期純利益に悪影響が及び、当社の事業への投資や事業の拡大が限定される可能性がある。
当社は、2010年度の第3四半期には、当社のエンタープライズ・サービス事業において、複数年にわたるリストラ計画に着手した。
予定された期間内にコスト削減目標を達成し、そのメリットを享受できるか否かは、多くの見積りや前提事実の正確性によると
ころが大きい。このような見積りや前提事実は、経済上、競争上その他不確定要素に大きく左右されるが、これらの中には米国以
外の規制の厳しい国や地域(特にヨーロッパやアジア)において計画の実施が遅れること、従業員の士気が低下すること、従業
員の削減により業務を目標どおりに遂行できないことなど、当社の支配が及ばないものもある。見積りや前提事実に誤りがあり
又は遅延や不測の事態が生じた場合には、当社の事業や経営成績に悪影響が及ぶ可能性がある。
− 当社は第三者サプライヤーに依存しているため、サプライヤーを適切に管理できない場合は、当社の収益や売上総利益が悪影
響を受けるおそれがある。
当社の業務は、当社において部品、製品及びサービスの需要を適切に予測することができるか、また、サプライヤーにおいて品質
基準に合った十分な数量の部品、製品及びサービスを重要な期限までに合理的な価格で当社に納入することができるかという点
にかかっている。当社が提供するシステムや製品、サービスは多岐にわたっているとともに、当社のサプライヤーや製造委託先の
多くが世界各地に散在して、また、一部の部品や製品の製造、組立、出荷には長期の準備期間を要することから、製造計画や在庫管
理において問題が発生し、それが当社に深刻な打撃を与えることも考えられる。さらに、当社のサプライチェーンの効率性を最適
化させる進行中の取組みによって、サプライチェーンに混乱を生じさせたり、予想より費用や時間を要したり、集中的な資源の投
入が必要となる可能性がある。サプライヤーに関連して当社が直面しうるその他の問題としては、以下に記載するような、部品不
足や供給過剰、サプライヤーとの契約条件に関連するリスク、臨時労働者に関係するリスク、単一のサプライヤーに供給を依存す
ることに伴うリスクなどが挙げられる。
・ 供給不足。サプライヤー側における需要の増大、供給能力の制約若しくは財務状況の悪化、金融市場における資金調達力の著
しい低下、サプライヤーとの紛争(サプライヤーの一部は顧客でもあることに留意されたい。)、部品のサプライヤー側における
業務の混乱、サプライヤーが直面するその他の問題又はサプライヤーの変更に伴い発生する問題により、一部の部品につき供給
不足や納期の遅延が発生することがある。例えば、下記の「事業の混乱は、将来の収益や財政状態に深刻な損害を与え、費用を増
大させることがある。」の項に記載のあるとおり、当社は、タイで起きた洪水により深刻な被害を受けた、タイで事業を展開する
サプライヤーからディスク・ドライブ部品を調達しており、これにより上記部品の供給は短期的に減少している。さらに、当社の
パソコン事業における製造業務は、製造委託先(以下、「OM」という。)に大きく依存しているため、当社が当社のパソコン製品
に対する需要に応じられるかは、OMがその受託業務を継続できるか否かにかかっている。OMの中には、その業務の大部分を当社か
ら受注している者もいるが、このようなOMにおいて、当社から受注する業務の内容や量に変更があった場合には、その経営や財務
状態に悪影響が及び、供給不足や納期の遅延を引き起こすおそれがある。供給不足や納期の遅延が続いた場合には、当該部品の価
格が上昇したり、製品の品質問題に直面したり、あるいは部品が全く入手できなくなることが考えられる。また、当社の製品や
サービスについて、期限までに所定の仕様や数量に従った製品を製造し、サービスを提供するためには、合理的な価格で十分な品
質の部品等を確保することが必要であるが、これを実現することができない場合も考えられる。その場合には、適時性が重視され
る販売の機会を逸したり、追加の貨物輸送費が生じたり又は価格の上昇分を顧客に転嫁できないなど、収益や売上総利益に悪影
響を及ぼしかねない。もし供給に係る問題を適切に解決できない場合には、一部の製品やサービスの提供について内容の再検討
が必要となり、更なる費用や遅延を発生させるおそれがある。
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・ 過剰供給。当社の製品やサービスの提供に必要な部品を確保するにあたって、当社は、サプライヤーに対して前払金を支払い
又はベンダー(売主)との間で解約不能な売買契約を締結することがある。また、有利な価格で部品を買い入れるため又は将来
における部品不足の懸念を払拭するための戦略として、将来における需要を見越して部品を買い入れることもあり得る。顧客の
需要の予測を誤れば、一時的な供給過剰状態が部品の過剰確保又は陳腐化につながり、当社の売上総利益が悪影響を受ける可能
性がある。
・ 契約条件。ベンダー(売主)との間で固定価格又は購入義務が課された売買契約を締結することにより、当社は、市場価格よ
りも高値で部品を購入し又はサービスの提供を受けることを余儀なくされ、また市況の変動への対応能力が制約される可能性が
ある。契約等により市場価格を超える価格で部品又はサービスを購入せざるをえないような事態が発生した場合には、当社は、よ
り低価格で部品やサービスを確保することができる競合他社との間で、不利な立場に置かれ、売上総利益が損なわれる可能性が
ある。さらに、当社の競合他社の多くは、製品又は部品を当社と同一のOMやサプライヤーから確保しているが、競合他社は、当社に
比べてより有利な価格又はその他の条件を勝ち取り又は供給量が限られている期間における割当数量に関して有利な扱いを受
けることができるかもしれず、当社が一部のOMやサプライヤーとの間で取引関係を構築すること制限される場合も考えられる。
部品を調達しOMに提供するという当社のパソコン事業における業務形態は、OMに対する巨額の債権を発生させる可能性があり、
OMの財務状態によっては、貸し倒れが生じる可能性がある。さらに、当社がすでに取引関係にあるOMやサプライヤーの中には、将
来、当社との取引関係を解消する者がいるかもしれない。競合他社、OM又はサプライヤーのかかる行為は、当社の将来における経
営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
・ 臨時労働者。当社は、第三者サプライヤーからの派遣により臨時労働者を確保しており、かかる臨時労働者を効果的に管理す
ることができなければ、当社の経営成績に悪影響が及ぶ可能性がある。当社を相手取って、臨時労働者の地位に関する様々な訴訟
等が過去に提起されてきたが、今後も同様の訴訟等が提起される可能性がある。また、上記のように、臨時労働者の不足、過剰供
給、固定された契約条件に伴う問題が発生するおそれもある。当社における臨時職員の受け入れ可能人数及びその関連費用に関
しては、各国の法令による制約を受ける可能性がある。
・ 単一のサプライヤー。一定の部品について単一のサプライヤーからのみ供給を受けることは、当社におけるサプライヤー関連
問題を深刻化させる可能性がある。当社は技術、供給可能性、価格、品質、その他の条件により、極めて多くの部品の供給を単一の
サプライヤーのみに頼っている。具体的には、パソコン、ワークステーション及びサーバの多くについては、プロセッサの大部分
をIntelからの供給に頼っており、かかるプロセッサの一部は、当社製品用にカスタマイズされている。当社が導入する新製品に
ついては、サプライヤーを追加する必要性があるか否かを見極めるまでは、単一のサプライヤーから供給された当社製品専用の
部品のみに依存することも考えられる。単一のサプライヤーから他のサプライヤーへの切替が必要になった場合には、それに伴
い、新サプライヤーにおいて当初は供給能力その他の点における制約が生じるなどの理由により、製品の製造過程において遅れ
が生じるおそれがある。一部の部品、例えば当社製品用にカスタマイズされた部品やIntelから供給を受けている一部のプロセッ
サについては、代替のサプライヤーを確保することが不可能であったり、他のサプライヤーから当社が製造に必要な十分な数量
を確保することは難しいと思われる。また、単一のサプライヤーから、短期契約に基づき、有利な価格その他の条件により部品を
購入する場合があるが、このような短期契約の中には、サプライヤー側が事前通知や違約金の義務を全く又はほとんど負うこと
なく一方的に契約を変更し又は解約することが認められているものもある。かかる単一のサプライヤーの契約履行状況(同一条
件による契約の更新・延長を含む。)によっては、当社に供給する部品の品質、数量又は価格に影響が及ぶ可能性がある。単一の
サプライヤーを失った場合、単一のサプライヤーとの関係が悪化した場合又は単一のサプライヤーとの間の部品供給契約が一方
的に変更された場合には、当社の収益又は売上総利益に悪影響が及ぶ可能性がある。
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− 事業の混乱は、将来の収益や財政状態に深刻な損害を与え、費用を増大させることがある。
地震、通信システム障害、電力若しくは水不足、津波、洪水、ハリケーン、台風、火災、異常気象、伝染病の流行若しくは世界的大流行
又はその他の自然・人的災害や大惨事により、当社の世界各地の事業が混乱する可能性があるが、その大部分については自家保
険で損失に備えている。しかし、事業の混乱により、重大な損失が発生し、当社の収益及び財政状態が深刻な損害を受け、当社の競
争上の地位に悪影響を与え、費用が増大し、事業を完全に再開するために多大な支出や回復のための時間がかかる可能性がある。
当社の本社、研究開発施設の一部は、カリフォルニアに所在しており、その他の重要な営業拠点やサプライヤーの一部はカリフォ
ルニアやアジアに所在しており、それぞれが地震活動が有名な巨大な地震断層に隣接している。さらに、当社の主要な6つのIT
データセンターは全て米国南部に所在するが、これは当社の事業を、当該地域における自然災害やその他の事業の混乱に対して、
より脆弱にするものである。部品の製造、当社製品の最終組立、及びその他の重要な業務の拠点は、上海、シンガポール、インドな
ど一部の地域に集中している。また、物流に関しては、製品の製造及び配送に関わる主要な拠点は主にアジアに置かれており、米
州地域への製品の輸入に関わる主要な拠点は米国南西部に置かれている。これらの拠点における製造、物流その他の業務におい
て、自然災害、情報技術システムの障害、軍事行動又は経済、ビジネス、労務、環境、公衆衛生、規制若しくは政治的問題など何らか
の理由により支障が生じた場合、当社の業務に悪影響が及ぶ可能性がある。巨大地震断層に隣接し、特定の地域に集中して所在し
ていることによる、当社、当社の重要なサプライヤー及び当社の基盤インフラに対する最終的な影響は予測できない。しかしなが
ら、大地震やその他の自然災害又は大惨事が発生すれば、当社の収益、収益性及び財政状態に悪影響が及ぶことが予想される。
最近では、タイで、現地の製造業に大きな被害をもたらした深刻な洪水が起きた。当社は、洪水で深刻な被害を受けたタイで事業
を展開するサプライヤーから当社のPC、サーバー及びストレージ機器に使用されているディスク・ドライブの部品を調達してい
る。これらのディスク・ドライブの部品の供給が短期的に不足したため、2012年度の第1四半期の当社の収益、売上総利益及び経
営成績に悪影響が生じており、2012年度の残りの期間においても引き続き部品が不足する可能性がある。当社が、ディスク・ドラ
イブの部品に対する継続的な需要に対応することができない場合には、当社の収益、売上総利益及び経営成績に引き続き悪影響
を受ける可能性がある。
− システム・セキュリティに関するリスク、データ保護における問題、サイバー攻撃及びシステムの統合に関する問題は、当社
の業務や顧客に対する情報技術サービスを混乱させるおそれがあり、このような混乱によって、予想収益の減少、費用の増大、当
社の社会的評価の低下及び株価への悪影響などが懸念される。
経験豊富なプログラマーやハッカーが、当社のネットワーク・セキュリティに侵入して、当社又は第三者の機密情報に不正にア
クセスしたり、機密情報を漏洩したり、システムの混乱やシャットダウンを引き起こすおそれがある。プログラマーやハッカーは
また、作成したコンピュータ・ウィルス、コンピュータ・ワーム又はその他の有害なソフトウェア・プログラムにより、当社製品
を感染させ又は当社製品のセキュリティに係る問題を引き起こすおそれもある。さらに、当社が製造し又は第三者から供給を受
けている高性能のハードウェア、オペレーティングシステム・ソフトウェア及びアプリケーションには、「バグ」など、設計上又
は製造上の欠陥が含まれている場合も考えられ、このような欠陥によりシステムの運営に予期しない障害がもたらされる可能性
がある。サイバー攻撃やその他のセキュリティ上の問題、バグ、ウィルス、ワーム、有害なソフトウェア又はセキュリティ上の弱点
を排除し又は解決するために、多大な費用を要する場合もあり、これらの問題を解決できなかったり、解決するにあたってサービ
スの中断、遅延若しくは中止が発生し又は既存の若しくは潜在的な顧客が失われるなど、当社の販売、製造、流通その他の重要な
業務が妨げられるおそれがある。
当社では、当社の事業や業務に関する様々な機密情報及び機密データが管理・保管されている。さらに、当社のアウトソーシング
サービス業務においては日常的に、顧客のために機密情報や個人情報を含む大量の情報を処理、保存及び伝達している。当社のセ
キュリティ対策に問題があった場合や、当社又は顧客の機密情報又は機密データに関して、不測のデータの喪失、不注意による開
示又は不正流出があった場合(詐欺その他の詐害的行為によるデータの喪失又は開示があった場合を含む。)は、当社、当社顧客
又は影響を受ける個人を、情報が失われたり濫用されるリスクに晒すだけでなく、訴訟に発展したり賠償責任を問われる可能性
や、当社のブランド及び社会的評価を損なったり、当社の事業に対して害を及ぼす可能性もある。また、当社の顧客においてシス
テム障害が発生し又は当社製品に関してセキュリティ上の問題が実際に発生し若しくは疑われるような場合には、アウトソーシ
ングサービス又はITソリューション業務において既存の又は潜在的な顧客を失い又は当社に多額の費用が発生するような事態
を引き起こしかねない。また、追加的なデータ保護対策を実施するための費用と業務への影響は重大である。
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ITインフラの一部について、随時行われるシステムの統合作業又は移行作業に関連して、サービスの中断、遅延又は中止のほか、
エラー発生などの問題に直面する可能性がある。また、新システムの導入やデータ移行において何らかの問題等が発生した場合
には、業務に支障が出るだけでなく、作業により多くの費用や時間がかかり、混乱が生じ、物的・人的資源の更なる投入が必要と
なるおそれがある。このような混乱により、当社は、注文に適切に応じることができなくなるなど、日々の業務に著しい支障をき
たす可能性がある。このような混乱による販売の遅延、低い利幅や又は顧客の喪失は、これまでにも当社の業績、株価及び社会的
評価に悪影響を与えたことがあったが、今後もそのような事態が生じる可能性がある。
− 当社業務の収益及び収益性は絶えず変動をしてきたため、当社の将来の業績を予測するのは困難である。
当社の収益、売上総利益及び利益は、当社の製品及びサービス、顧客グループ及び各地域の市場により異なり、将来の成績は、現在
の成績とは大幅に異なることが予想される。当社の収益は、当社の製品及びサービスに対する全般的な需要に依存している。IT関
連支出の先送りや削減は、当社の製品及びサービスに対する需要に大きな悪影響を与えかねず、その結果、収益が大幅に低下する
おそれがある。一定の期間における全社的な売上総利益と収益性は、当該期間の純売上高に反映されている製品、サービス、顧客、
地域の構成などにも左右される。これらの事業に関して競争、訴訟、捜査その他のリスクがある場合には、当社の全社的な売上総
利益及び収益性に重大な影響を与えかねない。あるセグメントは、他のセグメントに比べて固定費が高額であり、各業務・製品群
の営業総利益にも大きなばらつきがあるため、四半期毎の営業利益は大きく変動する可能性がある。また、新たに進出した地域の
市場においては、市場への新規参入に伴う設備投資等や現地の価格圧力により、それほど高い収益性は期待できないため、市場に
よっては、高い成長率を実現・維持するために必要なインフラを整備することが困難な場合もある。一定の期間において、市場動
向、産業の変化、競争圧力、製品の商品化、季節毎のリベート、部品のコストや輸送費の増大、諸規制の影響その他の要素により、一
部の分野における収益の減少や売上総利益の圧縮が発生する可能性があり、そのような場合、当社の業務に必要な調整を加える
必要が生じる。
− 当社の株価は絶えず変動してきたが、今後も変動することが予想されるため、当社の将来の株価を予測するのは困難である。
当社の株価は、他のテクノロジー関連企業と同様、大きく変動する可能性がある。株価に影響を与える要因には以下のものがあ
る。
・ 当社の事業、戦略的ポジション、マーケット・シェア、組織体制、運営、財政状態、財務報告及び成績、原価削減への取組みの成
果、投資の価値・流動性、市場の変動により受ける影響、業績等の見通し、合併等、投資・出資案件、株価の推移又は経営陣に関す
る報道機関や投資界の推測又はこれらの事項に関する実際の動きや変更
・ 当社又は競合他社により計画された新しい製品、サービス、技術革新、買収、事業の売却又はその他取引に関する発表
・ 収益、売上総利益、利益及び業務活動によるキャッシュ・フローの四半期毎の増減、投資界による予測や当社作成の案内書等
の内容の変更、及び、業績予測と実際の業績との間の差異
・ 競合他社その他IT業界に属する会社による業績予測や実際の業績に関する発表
・ 当社による自己株式取得の時期・金額
一般市況や業界の市況、株式市場における株式等の取引状況、国内外のマクロ経済的・地域的要因など、当社の業績に直接関係の
ない要因により、当社の株価が影響を受けることもある。従って、投資家は、最近の又はこれまでの株価の推移に基づいて、将来の
株価、財政状態、経営成績又はキャッシュ・フローを予測するべきではない。さらに、株価が大きく変動した後には、株主集団訴訟
が会社に対して提起されることがあるが、当社に対してこのような訴訟が提起された場合には、相当な費用がかかる上、経営陣の
時間と労力がそれに費やされることになる。
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− 当社の事業に必要な知的財産権につき、その行使を続けることができない場合や、第三者が当社による知的財産権侵害を主張
したときには、当社の収益、売上原価及び費用が損なわれる可能性がある。
当社による販売、供給又はその他の事業において使用する製品やサービスについての知的財産権の取得、維持については、米国そ
の他各国の特許、著作権、商標、営業秘密等に関する法令に基づく保護又は当社の従業員、顧客、サプライヤーやその他の団体との
間の契約よる保護に基づいているが、当社が有する知的財産権に関して、異議が申し立てられたり、無効との判断が下されたり、
侵害されたり、欺かれる可能性があるだけでなく、これらの知的財産権が、当社が現在の市場動向に乗じたり、競争における優位
性を確保したりするために十分ではない可能性もあり、そのいずれの場合にも、当社は、相当の費用を投じてデザインを変更し又
は一定の製品の販売を中止することを余儀なくされることや競争上悪影響を被ることも考えられる。さらに、国によっては、知的
財産権について、米国と同様又は同程度の保護を法律上受けられない場合がある。従って、一定の法域においては、当社の保有す
る技術を、第三者によるコピーや不正利用から効果的に保護することができないおそれがあり、そのような場合にも、当社の競争
力は損なわれることになる。
IT産業における急速な技術革新により、当社の事業の大部分及び当社製品の多くは、第三者が開発し又は第三者から実施許諾・
使用許諾を受けている重要な技術に依存しているが、このような技術やその実施権・使用権を取得又は維持することが全くでき
なくなる可能性や、合理的な条件で取得し又は維持することができなくなる可能性もあり、また、第三者がクロスライセンスを要
求してくる可能性もある。さらに、合併や買収により、第三者が当社の知的財産権の一部につき実施権・使用権を取得し又は当社
の事業が、このような合併等の前には存在しなかった一定の制約を受けるような事態が発生する可能性があり、その場合には、当
社は、当該知的財産権に関して競争上の優位性を失い又は第三者が取得した権利を消滅させ若しくは制限するための取決め等の
締結に際して相当な費用を投じなければならないことになる。
この他にも、第三者が、当社又は当社による免責・補償の対象者である顧客が当該第三者の知的財産権を侵害している旨を主張
し、訴え等を提起してくる場合も想定される。個人や団体が知的財産を頻繁に購入し、当社のような企業や自らの顧客を相手に和
解金を勝ち取ることを目的として、知的財産権の侵害を理由に損害賠償請求を行うケースが増えてきている。このような請求は、
近年、著しく増加しており、将来にわたっても増え続ける可能性がある。請求の対象となった知的財産権について当社が実施権・
使用権を有しておらず又はかかる実施権・使用権が合理的な条件によらない場合や、他の者からそれに代替する技術に関する実
施権・使用権を得ることを要求された場合には、当社の事業は大きな打撃を受けると思われる。このような知的財産に関する訴
訟等は、当社側が無意味であると判断した場合であっても、防御のためには多大な時間や費用がかかる可能性があり、本来の業務
から経営陣の注意や労力をそらす結果ともなることも考えられる。また、知的財産権の侵害に関する訴えを提起された場合には、
その対象となる製品のデザイン変更、高額な和解金の支払い、高額なライセンス料を要するライセンス契約の締結、高額の賠償金
の支払いなどが余儀なくされ又は当社の一部の製品に関してその輸入や販売等を禁じる仮処分又は差止命令が下される可能性
がある。このような訴訟費用に関して第三者との間で補償に関する合意がある場合であっても、当該第三者が契約上の補償義務
を履行することができない又は履行を受け入れない可能性がある。
最後に、著作権料等の徴収、発生及び支払いにより、一定期間において又は継続的に当社の経営成績及びキャッシュ・フローが影
響を受けており、今後もその影響を受ける可能性がある。一部の国や地域(主としてヨーロッパ)では、著作権者を代表する団体
が、パソコン、多機能機械装置、プリンタなどは適用される法律において著作物の複製を行う機器であると主張して、当社に対す
る著作権料の課徴を求める訴えを提起しており、これらの訴訟の一部はすでに結審しているが、いまだに係争中のものもある。当
社から徴収できる課徴金の金額を増やすために現在の課徴金方式を変更することを模索している団体もある。このような機器に
対する著作権料の課徴について、特別な制度を設けていない国や地域でも、現行の制度の適用範囲を拡大してこの問題に対処す
ることが考えられる。著作権料の総額は対象たる製品の種類、対象期間における対象製品の売上数量、対象製品の一台ごとの著作
権料により決定されるが、これら一つ一つの要素が当社及び同業他社に関わる係争中の訴訟の今後の展開や、関係各国の立法機
関が今後とりうる措置等の影響を受けるため、場合によっては巨額になる可能性もある。そのため、かかる著作権料等の課徴によ
る影響や、商品の値上げにより回収できる金額などについては、不明である。
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− 当社事業の国際性ゆえに、政治・経済変動又はその他の要因により将来の収益、費用及び財政状態が損なわれる可能性があ
る。
当社の純売上高の約66%は、米国外における売上によってもたらされている。また、当社の事業活動におけるブラジル、ロシア、イ
ンド及び中国を含む新興国の比重は高まっている。当社の将来の収益、売上総利益、費用及び財務状態は、以下のような様々な国
際的要因によって損なわれるおそれがある。
・ 一定の国や地域における経済変動・政治変動(インフレーション、景気後退、金利の変動、軍事的紛争・政治摩擦又はその可
能性などを含む。
・ 回収期間の長期化と顧客の財務状態の不安定化
・ 製品の製造、価格設定及び販売活動に影響を与える貿易規制及び手続
・ 現地の労働条件及び労働関連法令(特定の当社のサプライヤー及びOMが直面している現地の労働問題を含む)
・ 地理的に分散している人員の管理
・ 規制又は法環境の変化
・ 技術水準又は顧客要求の違い
・ 当社が一定の国において事業を行うにあたって発生する費用を増加させ、当社が一定の国又は市場に製品等を輸出すること
を妨げ、当社にとって有利な条件で部品を調達する能力を損ない、当社の営業費用を増加させ、あるいは当社に対して罰則や制約
が課せられるといった事態につながりうる、輸出入若しくはその他のビジネス・ライセンス規制又は海外直接投資に関する規制
・ 外国で発生し又は保有している金銭を税務上効率的に送金することに関する問題及び税制の変更に伴う問題
・ 輸送コストの変動、出荷量・搬入量の制限、その他当社製品の重要な出荷・搬入拠点における輸送・運送インフラ上の問題
前述の要因は、当社の製品・部品の製造又は米国外に拠点をおく重要なサプライヤーにも影響を与えるおそれがある。例えば、当
社は、ノートブックPCの製造については台湾の製造業者に、製品の組み立てや製造については他のアジアのサプライヤーに頼っ
ている。
当社の売上高の約66%は米国以外の国で得られたものであるため、(米ドルで表示される)当社の成績は、他の通貨(ユーロ、イ
ギリスポンド、中国人民元及び日本円を含む)の価値の変動による影響を受ける。特に、特定のヨーロッパの国々の国家債務の返
済能力に関連する不確実性やそれに関連するヨーロッパでの財政再建の取り組みは、ユーロの価値を変動させる。為替の変動は、
関係国における製品及びサービスの売上高にも影響を与えるものである。例えば、一つ以上のヨーロッパの国でユーロを他の通
貨に置き換えた場合、安定した為替レートが制定されるまで、かかる国々又は通常ヨーロッパにおける販売は、悪影響を受ける可
能性がある。そのため、為替レートの変動、特に、ユーロに対するドルの上昇は、将来の収益成長に悪影響を及ぼす可能性がある。
また、為替の変動は、米国以外の国における当社製品の利幅だけでなく、米国以外の国に所在するサプライヤーから供給を受けた
部品が組み込まれた当社製品の利幅にも悪影響を及ぼしかねない。当社は、為替リスクを回避するために、キャッシュ・フローに
とってヘッジとなるような、先物取引やオプション取引を行っている。為替ヘッジの効果は、将来のキャッシュ・フローをどれだ
け正確に予測できるかにかかっているが、特に当社の製品及びサービスに対する需要が不安定で為替の変動が激しいときにはこ
れを予測することは極めて難しい。そのため、予測を誤った場合、ヘッジ取引により大きな損失を被るおそれがある。また、期待さ
れた効果が得られない場合や、為替変動による損失の全部又はかなりの部分を埋め合わせることができない場合も考えられる。
なお、ヘッジ取引から発生する利益又は損失は、当社の収益又は場合によっては当社の売上原価や財務状態にも影響を与えうる。
多くの外国諸国(特に発展途上国)においては、海外汚職行為防止法といった当社に適用ある法令で禁止の対象とされている商
行為が一般的に行われている場合がある。例えば、「連結要約財務書類」の注記15に記載されているとおり、ドイツの検察庁、米
国司法省及びSECは、当社の現在及び過去の従業員が、贈収賄、横領及び脱税を行った、又は、キックバック若しくはその他の不適
切な支払いに関与したとして捜査を行っている。当社は、このような法律の遵守を促すための方針や手続を定めているが、当社の
従業員、請負業者、代理人及び外注先が当社の方針に反する行為を行う可能性は完全には否定できない。かかる違反行為は、たと
えそれが当社の方針で禁止されていた場合であっても、当社の事業及び社会的評価に悪影響を及ぼす可能性がある。
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− 当社が製品やサービスの提供を適切に管理できなかった場合には、当社の収益、売上総利益及び収益性は悪化する可能性があ
る。
当社は製品やサービスを販売するにあたって、多種多様な販売方法をとっており、これには第三者の再販売業者や販売店を通じ
た販売や、法人向けや個人向けの直接・間接販売も含まれる。当社の製品及びサービスの様々な潜在的な顧客層に向けて直接・
間接に販路を開拓する努力は、複雑なプロセスを伴うものである。さらに、各販売方法において個別のリスクや中間マージンが発
生するため、当社製品やサービスについてもっとも有利なバランスの販売方法を採用しなければ、収益や売上総利益に響き、その
結果収益性も損なわれる。また次のような販売リスクがある。
・ 販路間の摩擦や、チャネル・パートナーの財政状態の悪化により、当社の業績が重大な悪影響を受ける可能性がある。
多様な販売経路の間で生ずる摩擦、提携関係や販売協力関係の悪化・解消又は小売店舗内の販売スペースの縮小は、当社の将来
における経営成績に悪影響を与える可能性がある。さらに、当社の販売経路上の卸売業者や小売業者の中には、十分な財源を持た
ないために、経済の減速や業界再編などのビジネス環境の変化に対応しきれない者が出てくるおそれがある。当社の重要な販売
業者の多くは、少ない製品マージンで業務を運営しており、様々な要因による経営圧迫を受けている。担保又は信用保険の対象外
となっている多額の売掛金が、当社の販売店及び販路上の小売業者との間で未払いとなっている。当社の販売店の財務状態、金融
市場における資金調達力又は経営状態が悪化・低下した場合には、販売経路において混乱が発生し、間接販売からの収益が落ち
込む可能性がある。
・ 多くの製品について販売店を通じた販売を行っているため、在庫管理は複雑になる。
特に販売店に対する製品の販売においては、需要の予測や価格設定に関する問題が生じるため、より効果的な在庫管理が必要と
なる。販売店は、在庫不足が発生した場合には注文量を増やし、逆に、在庫余剰の場合には注文をキャンセルすることがある。この
ほかにも、新製品の発売を見越して注文を遅らせる可能性もある。また、販売店は当社製品や競合他社の製品の供給状況に併せて
注文量を調整したり、またエンド・ユーザーの需要の季節変動に合わせて注文量を調整したりすることがある。間接的な販売方
法に頼ることは、需要や価格設定に関する状況の把握が困難になるというリスクを伴うものであるため、将来について予測する
ことが困難になる可能性がある。余剰在庫若しくは陳腐化した在庫があるときは、価格を下げて在庫を処分するなどの措置を講
じなければならず、また、販売経路を通じた間接的な販売方法をとることにより、迅速な価格調整や競合他社による価格変更への
対応のために必要な意思決定や能力が制約されるおそれがある。また、当社の製品について効果的な価格設定をするためには、将
来における製品の売上割戻しについて正確な予測が必要となるが、これを十分に行うことができないような事態も想定される。
− 製品及びサービスを効果的に移行することができなければ、収益は悪影響を受ける。
当社が他社と競合している多くの市場では、ハードウェアの性能、ソフトウェアの特性及び機能性における急速な技術的進歩、頻
繁な新製品の発表、製品の短期のライフサイクル、製品性能との比較における製品価格の継続的な低価格化、などが顕著である。
これらの市場において、競争的な地位を維持するためには、当社は、新製品・新サービスの開発や導入を成功させなければならな
い。新製品・新サービスの導入に伴うリスクには、開発又は製造の遅れ、製品コストの変動、新製品やサービスの導入を見越した
顧客による購入の延期又は既存製品の値引き、新規製品に対する顧客需要の予測の困難さ、需要予測に見合った在庫レベルの効
果的管理の困難さ、新製品に対する顧客の認識・評価に関するリスク、新製品の欠陥又はアプリケーション・ソフトで適切にサ
ポートできないおそれといったリスクがある。現行の製品・サービスから、新製品・新サービスへの移行を効果的に行うことが
できなければ、当社の収益は減少するおそれがある。
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当社の収益や売上総利益は、当社のサプライヤーや競合他社による新製品及び新サービス導入のタイミングによっても悪影響を
受けることがある。これは特に、製品のライフサイクルが短い場合や、競合他社が当社の新製品の導入の直前に新製品を導入した
場合などにおいて顕著である。また、当社の新製品及びサービスの販売は、現行の製品及びサービスの売上の低下につながった
り、現行の製品・サービスの値引きにつながったり、新製品の導入に成功したとしても全体としてはその効果が薄れることもあ
る。現在の製品及びサービスと、合併や買収の結果取得した製品とが重複することもあり、その場合は調整等が必要になる。加え
て、当社の収益、利幅及び原価予想に沿うような形で新規顧客との契約が履行されるように確保することや、当社の見積りに組み
込まれている事業効率を達成することは困難である可能性がある。当社の業界が厳しい競争状態にあることを考慮すれば、これ
らのリスクが現実のものとなった場合、当社の将来の需要や経営成績は悪化するであろう。
− 当社がITサービス事業に伴うリスクを適切に管理できなかった場合、当社の収益及び収益性は悪化する可能性がある。
当社のITサービス事業は、ここ数年の間にその規模を拡大し、さらに重要性を増している。ITサービス事業に伴うリスクは、他の
事業に伴うリスクとは異なっており、以下のものを含む。
・ 当社のITサービス契約、特に長期のアウトソーシングサービス契約の場合、その価格や他の契約条件のために契約締結時に
様々な見積りや仮定を行う必要があるが、それらは実際の結果とは異なることがある。かかる契約の履行に伴い発生する増加費
用や予想外の費用、当社の支配の及ばない要因による遅延を含む予見不能な遅延により、かかる契約に基づく収益は減少するか
採算が取れないおそれがあり、当社のITサービス業務の売上高利益率に悪影響を及ぼす可能性がある。
・ ITサービス契約の中には、契約の初期段階に必要となる多額の投資を契約の全期間をかけて回収するものがある。これらの契
約には、新たなITシステム・通信ネットワークの構築及び新技術の開発・実行が含まれることが多い。かかる特性を有する契約
のそれぞれに契約履行上重大なリスクがあり、かかる契約に基づく業務の提供の一部又は全ての要素は、開発、構築、実行の各段
階が成功裡に完了することにかかっている。当社がこれらの契約を履行することができなかった場合には、法的責任を問われ、顧
客や社会的信用を失うといった事態にもつながりかねず、それによりITサービス事業の収益や収益性が減少又は悪化するおそれ
もある。
・ 当社のアウトソーシングサービス契約の中には、価格に関する規定において顧客が当社と顧客の双方が認めた第三者による
標準価格調査を要求することを認めたものがある。標準価格調査では通常、双方が合意する調整・標準化係数を用いることを条
件に、当社が提供する業務の契約価格を業界の競合他社グループの特定の業者が提供する同様の業務の価格と比較する。一般的
に、標準価格調査の結果、当社と他社との価格差が所定の範囲を超える場合で、当該価格差が顧客の特段の要求によるものでない
場合、両当事者は誠意をもって適切な価格調整の交渉をすることになる。これにより価格調整が行われた後に提供される当社の
標準価格調査対象業務の価格は引き下げられることがあり、当社のITサービス業務の収益及び収益性が低下するおそれがある。
− 顧客との契約、政府機関等との契約に関する規則等に違反した場合には、当社の収益に悪影響が及ぶ可能性がある。
顧客との契約には、特別な条件等が盛り込まれる場合がある。特に、米国の連邦、州、地方自治体を相手方として契約を締結する場
合には、その成立、事務処理、履行に関して、様々な調達規制、契約条項、条件等の適用を受ける。当社が顧客との契約や、政府機関
等との契約に関する規則等に違反した場合には、民事・刑事上の制裁(例えば、契約解除、利益の喪失、支払停止又は政府機関等
との契約の場合には、罰金や将来における政府機関等からの業務受注の禁止など)を受けることもある。また、政府機関等との契
約に関して、当該政府機関に代わって私人が「qui tam action(刑事的民事訴訟)」を過去に当社に対して提起しており、今後
も提起する可能性があるが、かかる訴訟については三倍賠償の損害賠償請求が認められる場合もある。さらに、顧客との契約やか
かる契約をめぐる法的手続きについて、当社に不利な報道等がなされた場合には、その報道内容の正確性の有無を問わず、その後
の新規顧客開拓に悪影響が及び、当社の業務に支障が生じる可能性がある。顧客との契約が解除・解約された場合や政府機関等
からの業務受注が禁止・剥奪された場合又は新規顧客を開拓する能力に悪影響が及んだ場合には、当社の収益が損なわれるおそ
れがある。
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− 当社の信用格付けを維持できなければ、流動性、資本基盤、借入費用や資金調達に悪影響を及ぼす可能性がある。
当社の信用格付けは、独立した格付け機関3社により評価が行われている。これらの格付け機関であるStandard & Poor’s
Rating Services、Fitch Rating Services及びMoody’s Investors Serviceは、2011年11月30日、同年12月2日及び2012年1月20日
にそれぞれ当社の信用格付けを格下げした。当社の信用格付けは、Fitch Rating Servicesによりアウトルックをネガティブとさ
れている。これらの格下げにより、信用枠に基づく借入費用が増加したり、コマーシャル・ペーパーの市場が減少したり、また当
社のいくつかのデリバティブ取引契約に基づき追加の担保の差し入れが必要となる可能性がある。当社が、現在の信用格付けを
維持できるかどうかの保証はなく、当社の信用格付けを格下げするための見直しを行っているという発表を含め、当社の信用格
付けに関し実際に変更若しくは格下げが行われた場合又は変更若しくは格下げが予想されている場合には、同じように当社にさ
らなる影響を及ぼし、また当社の流動性、資本基盤及び資金調達に悪影響を及ぼす可能性がある。
− 当社は、連結要約財務書類の作成にあたり、見積り及び仮定を行ったが、見積り及び仮定の変更は、当社の業務に悪影響が及ぶ
可能性がある。
当社の連結財務書類の作成に際して、過去の業績その他の要素に基づく見積り及び仮定が用いられていることがある。その中で
も最も重要視されている会計上の見積りについては、本報告書の第一部、第3.1の「業績等の概要」を参照されたい。また、本報告
書第一部、第6.1の「連結要約財務書類」の注記15に記載されているとおり、当社は一定の見積りを行っており、これには訴訟等
の法的手続きやその他の偶発事象に備えた引当に関する決定事項が含まれる。このような見積りや仮定は、諸事情に照らして合
理的であると思われるが、これらは著しく不確定なものであり、中には当社の支配の及ばないものも存在する。これらの見積りや
仮定に誤りがあり又は変更が生じた場合には、当社の業績に悪影響が及ぶ可能性がある。
− 納税引当金額に関する予想外の変更、新たな税制の導入や追加的な税金の負担は、当社の収益性に影響を与える可能性があ
る。
当社は、米国及び多くの諸外国で所得税及びその他の税金を納税する義務を負っている。当社の納税額は、関係会社間取引におい
て在庫品、サービス、ライセンス、資金調達及びその他の項目に関する当社の請求額によっても左右される。当社はまた、様々な国
で継続的に税務監査を受けることが必要とされている。税務当局が、当社の関係会社間取引の請求額、二国間の移転価格又はその
他の項目について問題点を指摘し、当社に追加の税金を課す可能性も考えられる。当社の納税引当金額が適切であるかを決定す
るために、当社は、税務監査結果を定期的に予測している。しかし、税務監査の結果を正確に予測できる保証はなく、監査の結果最
終的に支払われる金額は、法人税額として計上されていた金額と大きく異なる可能性があり、当社の納税引当金、純利益及び
キャッシュ・フローに重大な影響を及ぼすおそれがある。また、当社の将来の実効税率は、事業構造の変化、税率が異なる各国に
おける利益構成の変更、繰延税金資産及び繰延税金負債の評価、税法の改正並びに税務申告書作成過程における新たな事実の発
見などにより悪影響を受ける可能性がある。特に、主に米国内に存在する繰延税金資産の簿価は、当社が米国内で将来生み出すこ
とのできる課税所得の金額に左右されるものである。さらに、オバマ政権は、米国におけるその他の税金関連法案を発表してお
り、当該法案が制定された場合、当社の税率に悪影響が及ぶ可能性がある。米国議会又は外国の議会において、提出、審議又は制定
されたその他税金関連法案が、当社の税率、繰延税金資産の簿価又はその他当社が負担する税金に影響を与える可能性がある。こ
のような変化はいずれも、当社の収益性に影響を与えうるものである。
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− 当社の販売周期は、その性質上、事業計画の策定や在庫管理を困難にするものであり、将来の業績に関する予測も立てにくく
している。
当社の一部のセグメントにおいては、当社の四半期毎の売上に一定のパターンがみられる場合も多く、期末に近づくに連れて売
上げが増大する傾向にある。こうした均一でない売上パターンは、各事業年度における収益、利益、営業活動によるキャッシュ・
フロー及び運転資本に関する見通しを立てることを困難にしており、また、四半期毎の業績や財政状態が予想を超えて大きく変
動するリスクを増大させ、当社の在庫管理や物流システムを圧迫する事態にもつながりかねない。予想需要が実際の受注を大幅
に超えた場合には、過剰在庫が生じてしまい、逆に、受注が予想需要を大きく超えた場合には、当社は、各四半期最後の数週間に受
けた注文に応じられないおそれがある。また、システムの不具合、部品価格の変動、部品不足、世界的な物流の混乱といった事態が
四半期後半に発生した場合には、その影響を受けた四半期における日数に対して不相応な形で在庫レベルや経営成績に悪影響が
及ぶ可能性がある。
当社では、製品の売上に関して、季節的な変動がみられるが、これは、各四半期の業績や財政状態にばらつきが生じる要因となり
得る。例えば、政府(特に米国政府)への売上げは第3四半期に増大することが多く、また一般消費者に対する売上げは第4四半期
に増大する傾向がある。また、会計年度を暦年と一致させている顧客の多くは、翌年の第1四半期における新予算による制約を回
避するべく、第4四半期において余った予算を使いきろうとする。ヨーロッパにおける売上げは夏季には落ち込みがちである。春
や初夏の需要は、季節変動を見越した市場の動きにより、落ち込む可能性がある。さらに、当社が季節的な需要変動を見越して新
製品を発売した場合であっても、新製品発売前やその直後において、現行製品の値引きが当社全体の売上総利益に悪影響を及ぼ
す可能性がある。当社においては、基本的に、第3四半期が最も業績が悪く、第4四半期が最も業績が良い。季節変動を発生させ又は
季節変動に影響を及ぼす要因の多くは、当社の支配が及ばないものである。
− 事業において成功するためには、重要な従業員の確保、離職防止、教育、労働意欲の向上、育成や異動を行わなければならず、こ
れができなければ当社は深刻な打撃を受ける可能性がある。
事業を成功に導くためには、管理、技術、営業、マーケティング及びITサポートなどの分野において、高いスキルを有する管理職そ
の他の重要な従業員を確保し、その離職を防止するとともに教育を行い、労働意欲を向上させ、育成や異動を行わなければならな
い。高いスキルを有する者を、管理職、技術者、ITサポート担当者(ソリューションズ・プロバイダー)、営業担当者として認定
し、内部で育成若しくは外部から採用し、教育を行い、その離職を防止することは、当社の未来にとって極めて重要であり、IT業界
では、経験豊富な従業員をめぐって激しい獲得競争が展開されることもめずらしくない。競争市場において、管理職その他の重要
な従業員を惹き付け、維持するためには、当社は、現金報酬や株式報酬を含む競争力のある報酬パッケージを提供しなければなら
ない。当社の株式によるインセンティブ報酬には、ストック・オプション、制限付株式ユニットや業績基準型制限付ユニットがあ
るが、これらの中には、当社の株価の実績に関連する条件や当社の長期的な業績に基づく条件が含まれているため、報酬の将来価
値は不確かである。かかる株式によるインセンティブ報酬の期待された価値が実現しない場合、当社の株式報酬が魅力的なもの
とみなされなくなった場合又は当社の報酬パッケージ全体が他社に劣るとみなされた場合、管理職その他重要な従業員を惹き付
けたり、維持したり、また、これらの従業員の士気を高めたりすることが困難になる。管理職その他の重要な従業員を雇用するこ
とができず又は失った場合には、当社の業務に重大な影響が及ぶ可能性がある。さらに、当社の経営陣の異動は、当社の事業に混
乱を生じさせる可能性があり、新規で採用した又は昇進した重要な従業員の異動又は受け入れを成功させることができなけれ
ば、当社の事業及び経営成績に悪影響が及ぶ可能性がある。
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− テロ行為、紛争、戦争及び地理的な不確実性は、当社の事業、収益、費用、財政状態及び株価に深刻な打撃を与える可能性があ
る。
テロ行為、紛争及び戦争は、それが世界中のどこで行われていようとも、当社又は当社の従業員、施設、取引相手、サプライヤー、販
売代理店、再販業者又は顧客に対し損害や混乱を発生させたり、当社の物流管理、輸送や通信システムの運営又はその他特定の重
要な事業運営の実施に悪影響を与える可能性がある。テロ行為の可能性、テロ行為に対する国や国際社会の対応や国土防衛に対
する脅威又はその他の紛争・戦争(イラクで終わりに近づいている軍事行動及びアフガニスタンにおける進行中の軍事行動を
含む。)又はその可能性により、経済や政治において多くの不確定要素が発生した。その上、当社は米国内に本社と重要な営業拠
点を有する巨大多国籍企業であるため、当社の事業や従業員は、米国に対する行為や米国による行為の影響を受けやすい。このよ
うな戦争等の発生又は結果について予測することは困難ではあるが、当社製品の需要が減少し、サービスの提供や顧客への製品
の納品又はサプライヤーからの部品等の供給が困難又は不可能となり、サプライチェーンにおいて遅れが生じ又は効率性が損な
われる事態が発生するおそれがあるほか、従業員に旅行制限を課さなければならない事態が生じるおそれもある。当社は、テロ行
為、紛争及び戦争がもたらす損失や事業の中断については、これらを対象とする保険等に加入していない。
− 当社が買収、事業売却その他の重要な取引についてその機会を適切にとらえ、管理し、成功させることができなければ、当社の
業績、業務及び収益予測に悪影響が及び、また、買収に係る管理、買収後の統合に伴う費用、支出及びその他の財務上、経営上の影
響により業績予想が大きく異なる可能性がある。
当社は、ビジネス戦略の一つとして、補完を目的とした他社又はその事業の買収、非主力事業・資産の売却、戦略的提携、合弁事業
及び出資(以下、「企業買収等」という。)を実施することが多い。このような戦略を成功に導くためには、企業買収等について、
相手方当事者として適切な候補者を見つけ出し、買収した事業、製品や従業員の統合など買収完了後の問題を適切に処理する必
要があるが、企業買収等はときとして大規模又は複雑なものになることがある。当社は、企業買収等において期待される利益の全
てを享受することができないかもしれず、また企業買収等による利益を享受できる期間は、従業員、サプライヤー又はその他の第
三者の行為によっても左右される可能性がある。さらに、企業買収等における価格設定その他の契約条件によっては、当該契約の
締結時点で見積や予測をしなければならない場合があり、デューデリジェンスの過程において、費用を正確に見積るために必要
な要素を全て洗い出すことができない可能性もある。増加費用や予想外の費用、予見不能な遅延又は契約上の義務の不履行によ
り、契約の収益性が損なわれ又は完全に失われる可能性がある。さらに、もし当社が、その戦略的な目標の実現に向けた企業買収
等について、その機会をうまくとらえ、成功させることができなければ、製品や技術の社内開発に人的・物的資源を投入する必要
が生じ、競争面で不利な立場に立たされ又は市場において低い評価を受けることにより、当社の収益や売上総利益、収益性に悪影
響が及ぶことが予想される。
統合問題は、通常複雑であり、多大の時間や費用を要するため、的確な計画と実行がなければ、当社の業務に大きな混乱をきたす
可能性がある。統合に際しては次のような課題を克服することが必要とされる。
・ 複数の製品を統合し、未経験の市場に新たに参入すること。
・ 当該取引によって、顧客サービスの水準やビジネス・フォーカスに顧客に不利となる変更は生じないことを顧客及び販売店
に納得してもらうこと、顧客や販売店が購買判断を先送りしたり他のサプライヤーに乗り換えることを防ぐこと(このような顧
客の不確実性への対応に際して、当社は更なる義務を負う可能性がある)、営業担当者の人員削減を最小限に抑えること並びに、
販売、マーケティング及び流通に関する取り組みを必要に応じて調整すること。
・ 企業ITインフラ(様々な買収による複数の従来から受け継がれたシステムが含まれる)を統合・合理化し、ソフトウェア
コードを統合すること。
・ 経営陣の現在進行中の業務上の問題点に対する注意がそれないようにすること。
・ 異なった企業文化を両立させることについて従業員の理解を求め、従業員の士気を維持し、重要な従業員の雇用を確保し、買
収先企業の非米国従業員を代表する労使協議会との間で協議を行い、従業員を当社に統合し、従業員手当にかかる費用を正確に
見積り、再編プログラムを実施すること。
・ 適正な基準、管理及び手続を維持する一方、現地法やその他の規則に従って、管理業務、製造業務、研究開発業務その他の業務、
並びに、子会社、関連施設及び第三者との関係を調整し一元化すること。
・ サプライチェーンの統合によりコスト削減を実現すること。
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・ 別の企業再編の後又はその間、統合に係る問題を管理すること。
企業買収等を管理することは、様々なレベルにおける管理能力を必要とするため、役員や従業員が本来の業務に集中できなくな
る可能性がある。また、過去に実施した企業買収等の中には、多額の費用がかかり、減益につながったものあり、今後もそのような
事態が起こりうる。企業買収等に伴う費用としては、解雇手当、早期退職費用、福利厚生費用、資産価値の減損、重複する施設や契
約の解除費用、仕掛研究開発費用、在庫調整、承継した訴訟その他の責任にかかる費用、法律・会計・金融アドバイザリー料、及び
離職防止プランに基づく執行役員や主要従業員への支払が挙げられる。さらに、企業買収等に関連して取得した一定の資産の耐
用年数にわたって減価償却費又は割賦償却費が発生し、将来も発生する可能性があり、企業買収等によって取得した耐用年数の
ない営業権や無形固定資産の価値が損なわれる場合、当社は、これら資産の減損に関連して多大な負担を強いられることになる
可能性がある。買収を完了させるため、当社は普通株式を発行する可能性があるが、これらによって、既存株主が保有する株式の
希薄化がもたらされる可能性がある。さらに、買収にかかる費用の借入を行うことが考えられるが、将来的な買収に関連する又は
その他の借入の額や期間、その他の要因によっては、当社の流動性や財政状態に影響が及ぶ可能性がある。加えて当社の現行ベー
スでの実効税率は不透明であり、企業買収等が当社の実効税率に悪影響を与える可能性がある。また、かかる企業買収等の実行上
の問題又はコストにかかるリスクや、公表した企業買収等が実行されないリスクがありうる。その結果、終結済み、懸案中又は将
来の取引は、ある四半期における投資家の予想に反する結果を招き、業績に影響を与える可能性がある。
− 予見不可能な環境関連費用が将来の純利益に打撃を与える可能性がある。
当社は、環境保護について定める様々な連邦法、州法、条例及び外国法(汚染物質の空気中や水中への放出、有害物質や廃棄物の
処理、汚染された土地の浄化、当社製品の構成部品、電池を含む当社製品のリサイクル、取扱い及び処分などについて定める法律
を含む)による規制を受けている。特に、当社製品に含まれる化学物質及び材料組成、それらの安全な使用、製品に係るエネル
ギーの消費、気候変動に関連する法律並びに規則及び製品回収について新たに適用される規制に対応するため、製品のデザイン
及び部品の調達が益々複雑化している。当社が環境関連法令に違反し又は当社の製品が環境関連法令に反する場合には、多大な
費用が生ずるおそれがあり、一部の国で、当社の製品の持ち込みが禁止され、またその他の制裁を課される可能性がある。当社が
汚染を引き起こした場合、罰金、民事・刑事罰、第三者の物的・身体的損害に関する賠償責任及び浄化費用を課される可能性があ
る。さらに、汚染された土地に関する環境関連法上の賠償責任は、過去に遡ってかつ連帯的に、不遵守や不履行について立証され
ることなく課せられる可能性がある。また、環境関連法令上発生しうる費用の金額や、その費用発生時期については予想すること
は困難である。
− 当社の定款及び付属定款並びにデラウェア州法に規定されている買収防止条項は、当社の買収計画を損なう可能性がある。
当社の定款及び付属定款に定める規定の中には、当社に対する買収計画について、当社取締役会がそれを好ましくないと判断し
た場合に、買収企業による買収行為を困難にし又は阻止する効果をもつものが含まれている。これには以下の規定が含まれる。
・ 議決権、清算時の残余財産の分配、配当その他の権利に関して普通株式に優先する内容の白地優先株式の発行を認める旨の規
定
・ 当社の取締役や役員の責任を限定し、補償を行う旨の規定
・ 適法に開催された定時株主総会又は臨時株主総会、その他付属定款に定めがある場合にのみ当社の株主による権利行使を認
め、また、株主による臨時株主総会の招集を一定の場合に限定する旨の規定
・ 株主総会において決議される事項や取締役選任の候補者の指名について株主提案をする場合には、事前通知を要する旨の規
定
・ 付属定款のうち株主総会、取締役会及び補償に関連する規定の変更を決議するためには、当社の発行済株式総数の3分の2以上
の賛成を要する旨の規定
・ 当社の取締役会や株主総会による行為、並びに当社の取締役の選任、任命及び解任に関して、一定の手続を要する旨の規定
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これらの規定は、単独で又は他の規定とあわせることにより、敵対的買収、委任状争奪戦及び当社の経営又はマネジメントの変更
を、妨げ又は遅らせることができる。当社は、デラウェア法人であることから、デラウェア州法の適用も受けるが、その一つである
デラウェア州一般会社法第203条は、当社の発行済株式総数を実質的に全部保有する株主の承認がない限り、株主の一部が一定の
企業結合に携わることを禁止している。
当社の定款、付属定款又はデラウェア州法の規定で、当社の支配権の変更を遅らせ又は阻止する効果のあるものは、株主が当社普
通株式についてプレミアムを受領する機会を制限することから、投資家がそれをマイナス要因ととらえ、当社の株式に対する評
価額に悪影響が及ぶ可能性がある。
(2)市場リスク
通常の事業活動において、当社は外国為替レートリスク、金利リスク及び株価変動リスクにさらされており、これらは当社の財政
状態及び経営成績に影響を与える可能性がある。この3つの市場リスクに関する当社のリスク管理戦略には、金融デリバティブ商
品の利用が含まれる可能性がある。当社は、現にある潜在的エクスポージャーを管理する目的でのみ、デリバティブコントラクト
を用いており、投機目的での利用は行っていない。当社のリスク、リスク管理戦略及び各エクスポージャーの公正価値における変
動効果を予測する感度分析の概略を以下に記載する。
将来における損益は、金利、為替レート及び株価の変動のタイミングと金額、また当社の実際のエクスポージャーとヘッジによっ
て、感度分析の結果とは大きく異なる可能性がある。
外国為替レートリスク
当社は、米ドル以外の通貨で表示される販売契約、売上見込額、購入見込額並びに資産・負債及び借入金に内在する為替レート変
動リスクの影響を受ける。当社は世界中の約76の国々で事業を展開しており、そのうち2011年度中当社事業にとって最も重要な
通貨であったのはユーロ、日本円、中国人民元及び英ポンドである。ほとんどの通貨について当社は外貨純額を受領するため、ド
ル安時にはその恩恵を享受することができるが、外国通貨に対してドル高に転じたときには逆に悪影響を受ける。当社が純額を
受領する場合においても、ドル安時には、個別に生じる費用については悪影響を受ける場合がある。当社は、米ドル以外の通貨建
ての純売上高見込額と(程度は少ないものの)販売費用及び関連会社間リースローンをそれらに内在する外国為替レートリス
クから保護するため、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定された先物契約及びオプションを組み合わせて利用している。さ
らに借入金が外貨建ての場合、為替レートにより変動するエクスポージャーを管理するため、スワップを用いて外貨建ての元利
金支払義務を米ドル建て金額に変更することがある。また、ヘッジ手段として認められているもの以外のデリバティブを利用す
ることがあるが、主に貸借対照表上の外貨建てエクスポージャーをヘッジする先物契約である。この様な種類のデリバティブ及
びヘッジに関する外貨建て先物契約における損益は、同期間の関連する外貨建てエクスポージャーの再測定による損益として認
識する。また別の方法として、特に外貨建てエクスポージャーが同通貨による他の相殺金額に対して自然に外国為替ヘッジとな
る場合又は通貨のヘッジが困難若しくは費用がかかり過ぎる場合には、当該エクスポージャーに伴う為替リスクをヘッジしない
という選択をすることもある。
当社は2011年及び2010年の10月31日に、他の変動要因は固定したうえで、米ドルに関連する外国為替レートの悪影響を10%と想
定した場合における公正価値の変化を測定する技術を用いて、感度分析を行った。分析は、対応するエクスポージャーを差し引い
た当社の外貨による契約について行われた。感度分析は、エクスポージャーから相殺された全ての外貨建契約に対して行われた。
当社が使用した外国為替レートは、2011年及び2010年の10月31日付の市場レートに基づくものである。感度分析は、為替レートが
不利な方向に10%変動した場合、2011年10月31日及び2010年10月31日の各時点で96百万ドル及び122百万ドルの為替差損を生じ
ることを示した。
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金利リスク
当社は、負債及び投資ポートフォリオ並びに貸出債権に関する金利リスクの影響も受ける。当社は資金調達時の市場条件に基づ
き、米ドル又は外貨建ての長期債券を発行するが、通常、主に米ドル建てLIBORベースの変動金利を達成するため、かかる負債に関
する市場リスクエクスポージャーを修正する金利・通貨スワップを用いる。スワップ取引は一般的に、固定及び変動金利の支払
いを交換するものであるが、固定金利負債の割合を多くした方が有益であると判断する場合には、固定金利を変動金利とスワッ
プしない選択をする場合もあり、また以前に締結したスワップを解約することもある。一定の固定金利投資の公正価値をヘッジ
するため、固定利息を変動利息に変更する金利スワップを締結することがある。当社は一定の変動金利投資に関して受領する
LIBORベースの金利変動をヘッジするため、キャッシュ・フロー・ヘッジを利用する可能性があり、当社はまた、変動金利を固定
金利に変更する金利スワップを締結する可能性がある。
2011年及び2010年の10月31日に、他の変動要因は固定したうえで、全ての利回り曲線にわたって金利の悪影響を10%と想定した
場合における公正価値の変化を測定する技術を用いて、感度分析を行った。分析は、借入金、投資商品、貸出債権及び金利スワップ
に対して行われた。分析は、借入金、投資商品、金利スワップ及び貸出債権の実際又はおおよその満期に関して行われた。当社が使
用した割引レートは、それぞれ2011年及び2010年10月31日現在の市場金利に基づくものであった。感度分析は、金利が不利な方向
に10%変動した場合、当社の借入金・投資商品及び貸出債権の公正価値が被る損失は、金利スワップ・ポジションを控除して、
2011年10月31日現在で145百万ドル、2010年10月31日現在で28百万ドルにのぼることを示した。
株価変動リスク
当社はまた、市場取引されている保有株式のポートフォリオに内在する株価変動リスクにさらされており、その保有は公正価値
による評価額で、2011年10月31日現在で117百万ドル、2010年10月31日現在で9百万ドルであった。当社は株式投資の減損について
は定期的な検討を行っている。当社は通常、これら株式のマーケット・エクスポージャーの削減や消去を試みることはない。しか
しその時々において、一定のポジションをヘッジするためのデリバティブ取引を行っている。当社は投機目的で株式を購入する
ことはない。当社が保有する公開株式の株価が30%下落することを想定すると、市場売買が可能な株式の公正価値は、2011年10月
31日現在で、その公正価値において、約35百万ドル、2010年10月31日現在で約3百万米ドルの損失を生じる。非公開会社の株式への
投資とその他の投資にかかる費用は、2011年10月31日現在で57百万ドル、2010年10月31日現在で163百万ドルである。
(3)訴訟及び偶発事象
本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記18「訴訟及び偶発事象」を参照されたい。
5【経営上の重要な契約等】
本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記6「企業買収」を参照されたい。
6【研究開発活動】
当社は、当社の重要な社風の要素である革新に取り組み続ける。当社の製品開発は、変化する顧客のニーズや要望及び急速な技術
革新が予想される製品、サービス及びソリューションの設計並びに開発に重点を置いている。また、当社独自の貢献が可能と思わ
れる分野と、当社の原価構造を活用し、対顧客経験を最大限に生かすよう他のテクノロジー企業と提携する分野を見出すことに
も重点を置いている。
HPラボは、5つの主要事業部門における様々な研究開発グループとともに、当社の研究開発を担っている。HPラボはコーポレート
・インベストメント事業の一セグメントである。
研究開発に関する支出は、2011年度においては33億ドル、2010年度においては30億ドル及び2009年度においては28億ドルであっ
た。当社は、当社の競争力を維持し強化するために革新的かつ高品質の製品及びサービスを提供しつづけるべく、将来においても
多くの研究開発費の投入を続ける予定である。
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当社の研究開発活動に伴うリスクについては、本報告書第一部、第3.4(1)の「リスク要因」の「戦略を成功裏に実行できず、革新
性や品質に対する顧客の要求に対応する製品、サービスやソリューションの開発、製造及び販売を継続することができなければ、
当社の収益及び売上総利益は減少する可能性がある。」の項を参照されたい。
7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
本報告書第一部、第3.1「業績等の概要」を参照されたい。
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第4【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
該当なし
2【主要な設備の状況】
2011年10月31日現在、当社は世界全体で約70百万平方フィートの面積を所有又は賃借している。面積の47%については所有して
おり、残りの53%については賃借している。この数字には、12百万平方フィートの未使用の面積も含まれ、このうち2百平方フィー
トについては当社のビジネスに関係ない目的で賃借している。当社は、当社の財産が良好な状態にあり、当社の業務遂行に適当な
ものであると考えている。
2011年10月31日現在、当社の中核のデータセンター、製造工場、研究開発設備及び倉庫事業が、約27百万平方フィートを使用して
いる。当社はデータセンター、製造、研究開発及び倉庫設備のために使用している面積のうち53%を所有しており、残りの47%の
部分を賃借している。残りの面積は、管理及びサポート部門のために使用されており、31百万平方フィートを使用している。管理
及びサポート部門のために使用している面積のうち39%を所有しており、残りの61%を賃借している。2011年10月31日現在、当社
は、世界中に散在する数百の不動産を集約することで土地を有効活用し、不動産費用を削減するという当社の計画の大半を完了
させている。
上記の本報告書第一部、第2.3の「事業の内容」のとおり、当社には7つの主要なセグメント(PSG、サービス、IPG、ESSN、HPソフト
ウェア、HPFS及びコーポレート・インベストメント)がある。これらセグメントの相互関係から、事実上全ての財産は複数のセグ
メントによって少なくとも一部は共有されており、当社は各セグメントによって各資産の全部又は一部の使用が可能なように柔
軟性を維持している。
本社
当社の本社(グローバル本部を含む)は、米国、カリフォルニア州、パロ・アルト、ハノーバー・ストリート3000に所在する。
各地域における営拠点
2011年10月31日現在の各地域における営業拠点は以下のとおりである。
北米、南米
ヒューストン(米国)
マイアミ(米国)
ミシサーガ(カナダ)
ヨーロッパ、中東、アフリカ
ジュネーヴ(スイス)
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アジア太平洋地域
シンガポール
東京(日本)
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製品開発及び製造施設
2011年10月31日現在の主な製品開発、製造施設及びHPラボの所在地は以下のとおりである。
北米、南米
クーペルティーノ、ローズビル、サン
ディエゴ、ウッドランド
(カリフォルニア州)
ヨーロッパ、中東、アフリカ
リークスリップ
(アイルランド)
HPラボ
バンガロール
(インド)
ヒューストン
(テキサス州)
キルヤット・ガット、ネス・ジオナ、
ネタニア
(イスラエル)
北京
(中国)
コルバリス
(オレゴン州)
アースキン
(英国)
ブリストル
(英国)
アグアディラ
(プエルトリコ)
サン・クガ・デル・バリェス
(スペイン)
フュージョノポリス
(シンガポール)
インディアナポリス
(インディアナ州)
アジア太平洋地域(日本を含む)
ハイファ
(イスラエル)
アンドーバー
(マサチューセッツ州)
シンガポール
パロ・アルト
(米国)
ボイジー
(アイダホ州)
重慶、上海
(中国)
サンクト・ペテルブルク
(ロシア)
ラ・ヴェルニュ
(テネシー州)
ウダム・スィン・ナガル
(インド)
バンクーバー
(ワシントン州)
東京
(日本)
フォートコリンズ
(コロラド州)
サンドストン
(バージニア州)
2011年度は、製造能力に大きく影響を及ぼす設備の休止はなかった。
3【設備の新設、除去等の計画】
該当なし
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第5【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
(2011年10月31日現在)
授権株数(株)
発行済株式総数(株)
未発行株式数(株)
額面普通株式(額面金額0.01米ドル)
9,600,000,000
1,990,506,000
7,609,494,000
額面優先株式(額面金額0.01米ドル)
300,000,000
0
300,000,000
②【発行済株式】
(2011年10月31日現在)
記名・無記名の別及び
額面・無額面の別
記名式額面普通株式
(額面金額0.01米ドル)(1)
種類
発行数(株)
上場金融商品取引所名又は
登録認可金融商品
取引業協会名
内容
普通株式
1,990,506,000
ニューヨーク証券取引所
−
−
1,990,506,000
−
−
計
(1)
無記名式で発行されることはない。
(2)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
当社のヒューレット・パッカード・カンパニー2011年従業員株式購入プランの募集に関して関東財務局長に2011年5月2日に提
出した有価証券届出書及び2011年7月26日に提出した臨時報告書に係る新株予約権の行使状況等
2010年度下半期
(自2011年5月1日
至10月31日)
2010年度
(自2010年11月1日
至2011年10月31日)
当該期間に権利行使された当該行使価額修正条項
付新株予約権付社債券等の数
1,747,090個
1,747,090個
当該期間の権利行使に係る交付株式数
1,747,090株
1,747,090株
当該期間の権利行使に係る平均行使価額等
当該期間の権利行使に係る資金調達額
25.2795米ドル
25.2795米ドル
44,155,561.655米ドル
44,155,561.655米ドル
当該期間の末日における権利行使された当該行使
価額修正条項付新株予約権付社債券等の数の累計
−
1,747,090個
当該期間の末日における当該行使価額修正条項付
新株予約権付社債券等に係る累計の交付株式数
−
1,747,090株
当該期間の末日における当該行使価額修正条項付
新株予約権付社債券等に係る累計の平均行使価額
等
−
25.2795米ドル
当該期間の末日における当該行使価額修正条項付
新株予約権付社債券等に係る累計の資金調達額
−
44,155,561.655米ドル
当該期間の末日において残存する当該行使価額修
正条項付新株予約権付社債券等の数
−
0個
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(3)【発行済株式総数及び資本金の推移】
(2011年10月31日現在)
年月日
発行済株式総数
増減数(株)
発行済株式総数
残高(株)
資本金増減額
(ドル)
資本金残高
(ドル)
2007年10月31日
152,320,000
減少(1)
普通株式
2,579,714,000
1百万減少
26百万
2008年10月31日
69,764,000
減少(2)
普通株式
2,509,950,000
2百万減少
24百万
2009年10月31日
69,979,000
減少(3)
普通株式
2,439,971,000
−
24百万
2010年10月31日
236,169,000
減少(4)
普通株式
2,203,802,000
2百万減少
22百万
2011年10月31日
213,296,000
減少(5)
普通株式
1,990,506,000
2百万減少
20百万
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
自己株式取得による減少。Mercury Interactive Corporationの買収に関連する株式の発行を含む、株式の発
行により部分的に相殺された。
自己株式取得による減少。EDSの買収に関連する株式の発行を含む、株式の発行により部分的に相殺された。
自己株式取得による減少。株式の発行により部分的に相殺された。
自己株式取得による減少。株式の発行により部分的に相殺された。
自己株式取得による減少。株式の発行により部分的に相殺された。
(4)【所有者別状況】
(2011年10月31日現在)
区分
株主数(名)
個人
事業法人
ノミニー、ブローカー及び預託機関
その他
計
所有株式数(株)
発行済株式総数に占める割合
110,849
52,175,822
3%
650
73,168,030
3%
10
1,938,510,532
94%
97
85,370
-
111,606
2,063,939,754
100.000%
(5)【大株主の状況】
(2011年12月31日現在)
所有株式数(株)
発行済株式総数に対する所有
株式数の割合(%)(1)
シード・アンド・
ニューヨーク州10041ニューヨー
ク、ウォーターストリート55
カンパニー
(実質株主に代わって当社の
デポジトリー・トラスト・
株式を保有する名義人)
カンパニー気付
1,926,228,000
97
計
1,926,228,000
97
氏名又は名称
(1)
住所
株式所有割合は、2011年12月31日現在の発行済株式総数1,976,090,431株に基づいて計算されている。
2【配当政策】
当社の普通株式の株主は、当社取締役会の配当宣言により、配当金を受領する権利を有する。配当金は四半期毎に支払われる。配
当金の額は、2011年度は普通株式1株当たり0.40米ドルであり、2010年度及び2009年度は、普通株式1株当たり0.32米ドルであっ
た。
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3【株価の推移】
(1)【最近5年間の事業年度別最高・最低株価】
決算年月
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
最高(ドル)
53.00
53.48
49.20
54.75
49.39
最低(ドル)
38.15
30.03
25.39
37.32
21.50
(2)【当該事業年度中最近6月間の月別最高・最低株価】
月別
2011年5月
2011年6月
2011年7月
2011年8月
2011年9月
2011年10月
最高(ドル)
41.74
37.31
37.70
35.50
26.46
28.57
最低(ドル)
35.44
33.95
34.80
22.75
21.50
21.84
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4【役員の状況】
取締役及び執行役員
本報告書提出日現在の当社の取締役並びに執行役員の氏名、年齢、役職及び略歴は、下記のとおりである。全ての取締役の任期は1
年であり、執行役員は適宜取締役会によって選任される。
取締役
マーク・L・アンドリーセン(40歳)2009年取締役就任
アンドリーセン氏は、2009年7月に設立されたベンチャー・キャピタルであるAndreessen Horowitzの名前で事業を展
開しているAH Capital Management, LLCの共同設立者である。同氏は、1999年から2007年7月まで、共同設立したソフト
ウェア会社であるOpsware, Inc.の会長、1999年3月から9月まで、ソフトウェアの会社であるAmerica Online, Inc.の
最高技術責任者を務めた。同氏は、ソフトウェアの会社であるNetscape Communications Corporationを共同設立し、
1994年から1999年まで最高技術責任者や製品担当のヴァイス・プレジデントなど様々な役職を歴任した。また、同氏
は、現在、eBay Inc.等複数の非公開会社の取締役も務めている。
シュミート・バナージ(52歳)2011年取締役就任
バナージ氏は、2008年7月より、コンサルティング会社であるBooz & Companyの最高経営責任者を務めている。それ以前
は、コンサルティング会社で、Booz & Companyの前身であるBooz Allen Hamiltonにおいて、北米、アジア及びヨーロッ
パで勤務し、2008年2月から2008年7月までWorldwide Commercial Businessのプレジデントを務め、2007年2月から2008
年2月までヨーロッパのマネージング・ディレクター及び2003年から2007年3月まで英国のマネージング・ディレク
ターを務めるなど、複数の役職を務めた。キャリアの初期においては、シカゴ大学経営大学院の教員の一員であった。
ラジブ・L・グプタ(66歳)2009年取締役就任
グプタ氏は、2011年11月より当社の取締役会の主任独立取締役を務めている。グプタ氏は、2011年8月から化学物質の製
造会社であるAvantor Performance Materialsの会長であり、2009年7月より、プライベート・エクイティ・ファームで
あるNew Mountain Capital, LLCのシニア・アドバイザーを務めている。1999年から2009年4月まで、世界的な特殊材料
の製造会社であるRohm and Haas Companyの会長兼最高経営責任者を務めていた。1971年に同社に入社以降、1998年か
ら1999年までは同社の副会長、1996年から1999年まではエレクトロニック・マテリアルズ部門の取締役、1993年から
1998年までは副社長兼アジア太平洋地域統括取締役など、様々な役職を歴任した。現在、グプタ氏は、Delphi
Automative PLC、Tyco International Ltd、The Vanguard Group及び複数の非公開会社の取締役も務めている。
ジョン・H・ハマーグレン(53歳)2005年取締役就任
ハマーグレン氏は、2002年よりヘルスケア・サービス及びITの会社であるMcKesson Corporationの会長を務めている。
同氏は、1996年にMcKesson社に入社し、2001年に社長兼最高経営責任者に就任する前には、複数の役職を務めた。同氏
は、メキシコのNadro, S.A. de C.V.の取締役も務めた。
レイモンド・J・レーン(65歳)2010年取締役就任
レーン氏は、2010年11月より、当社の代表権のない取締役会の会長を務めた後、2011年9月より、代表取締役会長に任命
された。レーン氏は、2000年よりプライベート・エクイティ・ファームであるKleiner Perkins Caufield & Byersのマ
ネージング・パートナーを務めている。Kleiner Perkins社に入社する前には、ソフトウェア会社であるOracle
Corporationの社長兼最高執行責任者及び取締役を務めた。1992年にOracle社に入社する前には、レイン氏はコンサル
ティング会社であるBooz Allen Hamiltonのシニア・パートナーを務めた。Booz Allen Hamiltonに入社する前は、当社
が2008年8月に買収したITサービスの会社であるEDS社の一部門のヴァイス・プレジデントを務めた。レーン氏は、複数
の非公開会社の取締役を務めており、Quest Software, Inc.の取締役を務めた。
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アン・M・リヴァーモア(53歳)2011年取締役就任
リヴァーモア氏は、2004年から2011年の6月まで当社の旧エンタープライズ・ビジネス担当のエグゼクティブ・ヴァイ
ス・プレジデントを務め、その後の移行期において複数の役職を歴任した。それ以前は、リヴァーモア氏は、1982年に当
社に入社後、マーケティング、販売、研究開発及び事業経営など様々な役職を務めてきた。リヴァーモア氏は、United
Parcel Service, Incの取締役でもある。
ゲーリー・M・ライナー(57歳)2011年取締役就任
ライナー氏は、2010年9月より、プライベート・エクイティ・ファームであるGeneral Atlanticのスペシャル・アドバ
イザーを務めている。それ以前は、1996年から2010年の3月まで技術、メディア及び金融サービスの会社であるGeneral
Electric Companyのシニア・ヴァイス・プレジデント兼最高情報責任者を務めた。同氏は、1991年にGE社に入社以降、
複数の要職を務めた。キャリアの初期においては、Boston Consulting Groupのパートナーを務め、IT事業の戦略及びプ
ロセスに関する事項に重点的に取り組んできた。ライナー氏は、Genpact Limitedの取締役も務めている。
パトリシア・F・ルーソー(59歳)2011年取締役就任
ルーソー氏は、2006年12月から2008年9月まで、通信会社であるAlcatel-Lucentの最高経営責任者を務めていた。それ以
前は、2003年から2006年11月まで通信会社であるLucent Technologies Inc.の会長を、2002年から2006年11月まで同社
の最高経営責任者兼社長を務めた。ルーソー氏は、Alcoa, Inc.、General Motors Company、(KKR & Co., L.P.のマネー
ジメント・パートナーである)KKR Management LLC及びMerck & Co., Inc.の取締役も務めている。ルーソー氏は、
1995年からSchering-Plough CorporationがMerckと合併する2009年までSchering-Plough Corporationの取締役も務
めていた。
G・ケネディ・トンプソン(61歳)2006年取締役就任
トンプソン氏は、2009年5月から2011年11月まで、プライベート・エクイティ・ファームであるAquiline Capital
Partners LLCのシニア・アドバイザーを務めた後、2011年11月より同社の社長を務めている。2003年から2008年6月ま
で、金融サービス会社であるWachovia Corporation(旧商号:First Union Corporation)の会長を務めていた。2000
年から2008年6月までは、同社の最高経営責任者であり、1999年から2008年6月までは同社の社長を務めた。それ以前は、
トンプソン氏は、2001年の一定期間、First Union社の会長、1998年から1999年までは、同社の副会長を務め、1996年から
1998年までは、同社のエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントを務めた。トンプソン氏は、BNC Bancorpの取締役も務
めている。
マーガレット・C・ホイットマン(55歳)2011年取締役就任
ホイットマン氏は、2011年9月より当社の社長兼最高経営責任者及び2011年1月より取締役を務めている。同氏は、2011
年3月から同年9月まで、プライベート・エクイティ・ファームであるKleiner Perkins Caulfield & Byersの非常勤の
ストラテジック・アドバイザーを務めた。それ以前は、ホイットマン氏は、1998年から2008年3月まで、eBay Inc.の社長
兼最高経営責任者を勤めた。eBay社に入社する前は、ホイットマン氏は、玩具の会社であるHasbro Inc.、フローラル商
品の会社であるFTD, Inc.、フットウェアの会社であるThe Stride Rite Corporation、エンターテイメント会社である
The Walt Disney Company及びコンサルティング会社であるBain & Companyにおいて、要職を務めてきた。ホイットマ
ン氏は、The Procter & Gamble Company及びZipcar, Inc.の取締役を務めており、DreamWorks Animation SKG, Inc.の
取締役も務めていた。
ラルフ・V・ホイットワース(56歳)2011年取締役就任
ホイットワース氏は、1996年より登録投資会社であるRelational Investors LLCの社長を務めている。同氏は、Genzyme
Corporation、Sovereign Bancorp Inc.、Sprint Nextel Corporaion及びその他7社の公開会社の取締役も務めていた。
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執行役員
R・トッド・ブラッドレイ(53歳)プリンティング及びPSG担当のエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント
ブラッドレイ氏は、2005年6月より当社のPSGを担当するエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントを務めている。
デイビッド・A・ドナテリ(46歳)ESSN及びテクノロジー・サービス担当エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント
兼ゼネラル・マネージャー
ドナテリ氏は、2009年5月より当社のESSNセグメント及び2011年6月より当社のテクノロジー・サービス事業ユニット
担当のエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めている。それ以前は、ドナテリ氏は、
2007年9月から2009年4月まで情報技術の会社であるEMC Corporationのストレージ部門のプレジデント、2006年から
2007年9月までEMCのストレージ・プロダクト・オペレーションのエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントを務めて
いた。
ヘンリー・ゴメス(48歳)エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント兼最高コミュニケーション責任者
ゴメス氏は、2012年1月より当社のエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント兼最高コミュニケーション責任者を務め
ている。当社に入社前は、ゴメス氏は、2008年に同氏が設立したコンサルティング事業を展開するHSG Communications
LLCの社長を務めていた。それ以前は、ゴメス氏は、2000年にeBay Incに入社後、同社の子会社であったSkype
Technologies, SAのシニア・ヴァイス・プレジデント、業務執行等複数の事業運営に関連する役職を含め複数の役職
を歴任した。ゴメス氏は、BJ’s Restaurants, Incの取締役も務めている。
ジョン・M・ヒンショー(41歳)グローバル・テクノロジー及びビジネス・プロセス担当エグゼクティブ・ヴァイス
・プレジデント
ヒンショー氏は、2011年11月より当社のグローバル・テクノロジー及びビジネス・プロセス担当のエグゼクティブ・
ヴァイス・プレジデントを務めている。それ以前は、ヒンショー氏は、2011年11月から同年10月まで航空宇宙会社であ
るThe Boeing Companyのインフォメーション・ソリューションを担当するヴァイス・プレジデント兼ゼネラル・マ
ネージャー及び2007年6月から2010年12月まで同社のグローバル最高情報責任者を務めた。それ以前は、ヒンショー氏
は、電気通信会社であるVerizon Wirelessに14年間勤務し、直近では、2005年から2007年6月までシニア・ヴァイス・プ
レジデント兼最高情報責任者を務めた。
マーティン・J・ホムリッシュ(59歳)エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント兼最高マーケティング責任者
ホムリッシュ氏は、2011年5月より当社のエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント兼最高マーケティング責任者を務
めている。それ以前は、同氏は、2000年から2011年4月まで、ソフトウェア会社のSAP AGのエグゼクティブ・ヴァイス・
プレジデント兼最高マーケティング責任者を務めた。
トレイシー・S・キオ(51歳)人事担当エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント
キーオ氏は、2011年4月より当社の人事担当のエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントを務めている。それ以前は、
キーオ氏は、2007年5月から2011年3月まで人事コンサルティング・サービスを提供するHewitt Associatesの人事担当
のシニア・ヴァイス・プレジデントを務めた。キーオ氏は、2006年には、金融情報を提供する会社であるBloomberg LP
の最高人事責任者を務めた。
キャサリン・A・レスジャック(53歳)エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント兼最高財務責任者
レスジャック氏は、2007年1月より当社のエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント兼最高財務責任者を務めている。
レスジャック氏は、2010年8月から11月まで当社の暫定最高経営責任者を務めた。これまで、同氏は、2003年から2006年
12月までシニア・ヴァイス・プレジデントを、2003年から2007年3月まで財務部長を務めた。
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マイケル・R・リンチ(46歳)情報管理担当エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント、Autonomy創設者兼最高経営責
任者
リンチ氏は、2011年11月より当社の情報管理担当のエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントを務めている。リンチ氏
は、1996年より、2011年に当社が買収した情報管理会社であるAutonomy Corporationの最高経営責任者を務めていた。
ジョン・N・マクマレン(53歳)シニア・ヴァイス・プレジデント兼財務部長
マクマレン氏は、2007年3月より当社のシニア・ヴァイス・プレジデント兼財務部長を務めている。それ以前は、同氏は
2002年5月から2007年まで当社のIPGの財務担当のヴァイス・プレジデントであった。
ジェームス・T・ミューレン(51歳)シニア・ヴァイス・プレジデント、コントローラー兼主任経理担当
役員
ミューレン氏は、2007年3月より当社のシニア・ヴァイス・プレジデント、コントローラー兼主任経理担当役員を務め
ている。それ以前は、2004年より、旧TSGの財務担当のヴァイス・プレジデントを務めていた。2012年5月1日以降、ミュー
レン氏は、HPにおける新たな役職へと異動する予定である。
ウィリアム・L・ベクティ(44歳)最高戦略責任者兼HPソフトウェア担当エグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント
ベクティ氏は、2010年5月より当社のHPソフトウェア担当のエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントを務めている。
それ以前は、ベクティ氏は、1990年にソフトウェア会社であるMicrosoft Corporationに入社後、2004年8月から2008年2
月までの北米地域のヴァイス・プレジデントを含む複数の役職を務めた後、2008年2月から2010年1月まで同社の
Windows事業グループのシニア・ヴァイス・プレジデントを務めた。
ジョヴァンニ・G・ヴィセンティン(49歳)HPエンタープライズ・サービス担当エグゼクティブ・ヴァイス・プレジ
デント兼ゼネラル・マネージャー
ヴィセンティン氏は、2011年8月より当社のエンタープライズ・サービス事業担当のエグゼクティブ・ヴァイス・プレ
ジデント兼ゼネラル・マネージャーを務めている。それ以前は、ヴィセンティン氏は、2011年1月から同年8月まで当社
のエンタープライズ・サービス事業の米国地域のシニア・ヴァイス・プレジデント兼ゼネラル・マネージャーを務め
た。当社に入社する前は、ヴィセンティン氏は、1985年にグローバルな技術の会社であるIBMに入社してから複数の役職
を務めた後、2007年8月から2011年1月まで同社の北米地域におけるインテグレーテッド・テクノロジー・サービスの
ゼネラル・マネージャーを務めた。
マーガレット・C・ホイットマン(55歳)社長兼最高経営責任者
ホイットマン氏は、2011年9月より当社の社長兼最高経営責任者及び2011年1月より取締役を務めている。同氏は、2011
年3月から同年9月まで、プライベート・エクイティ・ファームであるKleiner Perkins Caulfield & Byersの非常勤の
ストラテジック・アドバイザーを務めた。それ以前は、ホイットマン氏は、1998年から2008年3月まで、オンラインイン
ターネット取引市場及びオンライン決済の会社であるeBay Inc.の社長兼最高経営責任者を勤めた。eBay社に入社する
前は、ホイットマン氏は、玩具の会社であるHasbro Inc.、フローラル商品の会社であるFTD, Inc.、フットウェアの会社
であるThe Stride Rite Corporation、エンターテイメント会社であるThe Walt Disney Company及びコンサルティン
グ会社であるBain & Companyにおいて、要職を務めてきた。ホイットマン氏は、The Procter & Gamble Company及び
Zipcar, Inc.の取締役を務めており、DreamWorsk Animation SKG, Inc.の取締役も務めた。
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特定の実質株主及び経営陣の普通株式の保有状況
下記の表は、2011年12月31日現在の実質所有権に関する情報を記載している。
・ 同日現在の当社の取締役
・ 下記の「報酬概要表」に記載のある各執行役員
・ 同日現在の当社の全ての取締役及び執行役員が実質的に保有する当社普通株式の合計数
この表に記載の情報は、別段の記載がない限り、当社の記録、SECに提出された情報及び当社に提供された情報に基づいている。
各事業体又は個人が実質的に保有している株式数は、SEC規則に基づいて決定されており、かかる情報は、その他の目的のために
実質保有数を必ずしも示すものではない。当該規則によると、実質的に保有されている株式には、①事業体又は個人が単独又は共
同で議決権又は投資決定権を有するあらゆる株式及び②事業体又は個人が2012年2月29日(2011年12月31日より60日後)時点
で、ストック・オプション行使、株式で支払われる制限付株式ユニット(以下、「RSU」という。)の権利確定又はその他の権利の
行使によって取得できる権利を有するあらゆる株式が含まれる。ただし、2012年2月29日より後に権利が確定するオプション及び
その他の権利並びに当社の選択により現金又は株式で支払われる可能性のある2012年2月29日以前に権利が確定するRSUは、実質
的保有から除外されている。別段の記載がない限り、各保有者は、次の表に記載された株式について完全な(又は配偶者と共同
で)議決権及び投資決定権を有している。
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実質株主一覧表
実質株主の氏名
発行済普通株式数に
占める割合
普通株式実質保有数
マーク・L・アンドリーセン
7,563
*
ローレンス・T・バビオ・ジュニア(1)
92,720
*
サリ・M・バルダウフ(2)
39,138
*
シュミート・バナージ
0
*
ラジブ・L・グプタ(3)
18,749
*
ジョン・H・ハマーグレン(4)
63,821
*
レイモンド・J・レーン
15,183
*
1,048,188
*
ゲーリー・M・ライナー
0
*
パトリシア・F・ルーソー
0
*
ドミニク・セネキー
0
*
30,150
*
66
*
アン・M・リヴァーモア(5)
G・ケネディ・トンプソン(6)
マーガレット・C・ホイットマン(7)
ラルフ・V・ホイットワース(8)
17,251,400
*
キャサリン・A・レスジャック(9)
177,542
*
R・トッド・ブラッドレイ(10)
337,232
*
1,477,678
*
159,550
*
91,114
*
21,334,232
1.0%
ヴァイオミッシュ・I・ジョシー(11)
レオ・アポテカー(12)
シェーン・V・ロビソン(13)
現在の執行役員及び取締役(28名)の合計数(14)
* 印は、1%以下の保有を表す。
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
(9)
(10)
(11)
バビオ氏がストック・オプションの行使により取得する権利を有する52,061株を含む。
バルダウフ氏がストック・オプションの行使により取得する権利を有する18,708株を含む。
グプタ氏がストック・オプションの行使により取得する権利を有する6,177株を含む。
ハマーグレン氏が信託により間接的に保有する18,041株及び同氏がストック・オプションの行使により取
得する権利を有する45,780株を含む。
リヴァーモア氏が当社401(k)プランに基づき保有する4,064株、リヴァーモア氏が配偶者と共同で信託によ
り間接的に保有する72,561株及びストック・オプションの行使により取得する権利を有する940,000株を含
む。
トンプソン氏がストック・オプションの行使により取得する権利を有する8,364株を含む。
ホイットマン氏が信託により間接的に保有する株式を表す。
ホイットワース氏はRelational Investors LLC(以下、「RILLC」という。)の社長であり、RILLCは200株の
登録株主及びRelational Investors, L.P.、Relational Fund Partners, L.P.、Relational Coast
Partners, L.P.、RH Fund 1, L.P.、RH Fund 6, L.P.、Relational Investors VIII, L.P.、Relational
Investors IX, L.P.、Relational Investors X, L.P.、Relational Investors XV, L.P.、Relational
Investors XVI, L.P.、Relational Investors XX, L.P.、Relational Investors XXII, L.P.、Relational
Investors XXIII, L.P.及びRelational Investors Alpha Fund I, L.P.の唯一のゼネラル・パートナー又
はゼネラル・パートナーの唯一のマネージング・メンバーである。上記のリミテッド・パートナーシップ
は、計12,479,482株を保有している。さらに4,771,718株は、RILLCが管理している口座において保有されてい
る。ホイットワース氏は、当該株式に係る経済的な利益の範囲内である場合を除き、上記の株式の実質所有権
を放棄している。
レスジャック氏の配偶者が保有する306株、レスジャック氏が配偶者と共同で間接的に保有する22,746株及
びレスジャック氏がストック・オプションの行使により取得する権利を有する135,000株を含む。
ブラッドレイ氏がストック・オプションの行使により取得する権利を有する200,000株を含む。
ジョシー氏が2つの生前信託により間接的に保有する計281,539株、2つのグランター・リテインド・アニュ
イティ・トラストにより間接的に保有する計28,760株及びストック・オプションの行使により取得する権
利を有する1,140,000株を含む。
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(12)
(13)
(14)
アポテカー氏は、2011年9月22日付で、当社の社長兼最高経営責任者を退任及び取締役を辞任している。アポ
テカー氏に関する情報は、当社が、同氏の退任日現在入手している情報に基づいており、現在の実質所有権の
状況を反映していない可能性がある。
ロビソン氏が信託により間接的に保有する81,611株及びストック・オプションの行使により取得する権利
を有する37,500株を含む。ロビソン氏は、2011年11月1日付で、当社のエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデ
ント兼最高戦略/技術責任者を退任している。ロビソン氏に関する情報は、当社が、同氏の退任日現在入手し
ている情報に基づいており、現在の実質所有権の状況を反映していない可能性がある。
現在の執行役員及び取締役が取得する権利を有する3,029,028株を含む。
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報酬概要表
下記の表は、2011年度の事業年度の期間中に当社の最高経営責任者を務めた各人、当社の最高財務責任者及び2011年度に最も高
額な報酬を受け取った執行役員3名(以下、「NEO」という。)の報酬額についての情報を示すものである。
株式以外の
給与(1)
(ドル)
賞与(2)
(ドル)
氏名・
年度
主な役職
(年)
マーガレット・C
・ホイットマン
社長兼最高経営責
任者
2011
1
̶
キャサリン・A・
レスジャック
エグゼクティブ・
ヴァイス・プレジ
デント兼最高財務
責任者
2011
825,000
̶
2010
610,000
2009
R・トッド・ブ
ラッドレイ
PSG担当エグゼク
ティブ・ヴァイス
・プレジデント
年金給付額及び
オプション インセンティブ・プ 非適格繰延報酬 その他全ての
株式報酬(3)
報酬(4)
ラン報酬(5)
収益の変動(6)
報酬(7)
(ドル)
(ドル)
(ドル)
(ドル)
(ドル)
̶
16,146,331
̶
̶
合計
(ドル)
372,598
16,518,930
9,310,408
̶
679,143
89,920
101,507
11,005,978
2,580,762
3,514,884
̶
940,925
366,363
84,034
8,096,968
589,063
340,938
4,298,102
̶
2,199,694
571,605
209,697
8,209,099
2011
850,000
̶
9,271,624
̶
464,457
273
105,447
10,691,801
2010
748,000
1,655,355
5,021,292
̶
1,465,145
373
187,666
9,077,831
2009
743,125
337,857
4,701,215
̶
5,767,373
727
248,378
11,798,675
ヴァイオミッシュ
・I・ジョシー
IPG担当エグゼク
ティブ・ヴァイス
・プレジデント
2011
850,000
̶
7,965,324
̶
638,355
263,503
76,215
9,793,397
2010
748,000
1,953,883
3,765,932
̶
1,568,930
978,888
102,459
9,118,092
2009
743,125
77,507
3,134,250
̶
3,937,173
1,505,196
183,647
9,580,898
レオ・アポテカー
(8)
前社長兼最高経営
責任者
シェーン・V・ロ
ビソン(9)
前エグゼクティブ
・ヴァイス・プレ
ジデント兼最高戦
略/技術責任者
2011
17,660,759
̶
̶
5,199,247
30,412,776
7,620,151
̶
15,660
9,045,394
(1)
(2)
(3)
2011
1,152,770 6,400,000
781,250
̶
̶
606,506
21,827
表示されている金額は、当該会計年度中に発生又は支払われた基本給を表す。
2011年度のアポテカー氏の賞与は、Employment Agreementの条件に基づき支払われた特別賞与の4,000,000
ドル及びSeparation Agreementの条件に基づき支払われた賞与2,400,000ドルを表す。表示されている2010
年度及び2009年度の金額は、該当年度の期間中の業績を踏まえて取締役会の人事・報酬委員会からNEOに対
して付与された変動賞与を含む。2011年度においては、変動賞与は付与されていない。
付与日における全ての株式報酬の公正価値は、適用される会計基準に基づき算定されている。RSU及び制限付
株式ユニットの特別賞与報酬(以下「SRRSU」という。)に関しては、付与されたユニットの数値に、付与日
における当社の普通株式の終値を乗じた価値となる。業績基準型制限付ユニット(以下、「PRU」という。)
及び特別増加型業績基準型制限付ユニット(以下、「SIPRU」という。)に関しては、会計基準は、適用される
財務業績の目標が2011年12月14日において設定されているトランシェのみを用いて、価値を決定すべきとし
ている。結果として、2010年度から2011年度の業績期間に関してアポテカー氏に付与されたPRU304,000個の
報酬を除き、PRU及びSIPRUの付与日における公正価値は、各報酬の最初の2つのトランシェのみを用いて算定
されている。3つ目のトランシェは、当初報告日現在に適用される基準においては、価値がまだ決定していな
かったことから、含まれていない。2010年度から2012年度の業績期間に関連してアポテカー氏に付与された
PRU304,000個の報酬の付与日における公正価値は、適用される財務業績の目標が当初報告日において設定さ
れていることから、報酬の全てのトランシェに関して付与日における公正価値を用いて算出される。2011年
度のアポテカー氏に対する株式報酬額には、アポテカー氏とのSeparation Agreementの条件に基づき報酬が
取り消されている、PRU304,000個の報酬に関する付与日における公正価値の3,687,960ドルが含まれる。
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(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
(9)
2011年度のホイットマン氏の社長兼最高経営責任者としての選任に伴う最初の付与を除き、2011年度、2010
年及び2009年度においてストック・オプションを付与されたNEOはいない。付与日における期限確定型のオ
プション報酬の公正価値は、付与日に決定されるブラック・ショールズ価値に、付与されたオプション数を
乗じて算出される。付与日における業績連動型ストック・オプション報酬の公正価値は、これらの報酬に市
場状況が含まれることから、モンテカルロ・シミュレーション・モデル及び格子モデルを組み合わせて算出
される。報酬の価値の算出に用いられた前提に関する情報は、本報告書第一部、第6.1「連結財務書類」の注
記2「株式報酬」を参照されたい。
表示されている金額は、ヒューレット・パッカード・カンパニー2005年業績対応支払プラン(以下、「PfRプ
ラン」という。)(適用される事業年度中に発生し、当該年度終了後に支払われた金額)に基づき支払われ
た金額を表す。
表示されている金額は、適用される事業年度におけるNEOの年金給付額の保険数理上の現在価値の増加分
(又は減少分)を表している。全NEOの年金費用は、2007年度に停止されており、その後に雇用されたNEOに関
しては、年金給付制度の受給資格を有していない。従って、報告されている額は追加発生分を反映しておら
ず、当社の年金給付制度における条件に定義されている「通常の退職年齢」に各NEOの年齢が1年近づいたこ
と並びに保険数理上のその他の仮定事項の変更を反映している。年金給付額の変更の計算に用いられた仮定
は、当社のプロキシー・ステートメントに記載されている。当社には、繰延報酬額に対し市場水準以上の収益
を提供する制度はないため、ここでの計上額はかかる利益を一切反映していない。
表示される金額については、下記の「その他の全ての報酬に関する表」に詳細が記載されている。
アポテカー氏は、2011年9月22日付で、当社の社長兼最高経営責任者を退任及び取締役を辞任している。
ロビソン氏は、2011年11月1日付で、当社のエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデント兼最高戦略/技術責任
者を退任している。
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その他全ての報酬に関する表
下記の表は、上記の報酬概要表の「その他全ての報酬」欄に記載のある費用について追加的な情報を提供している。
401(k)
氏名
マーガレット・C
NQDC
マッチング マッチング
拠出(1)
拠出(2)
(ドル)
(ドル)
̶
̶
税金
自社用
飛行機の グロスアップ
その他全ての
(8)
私的利用(7)
その他(9) 報酬の合計
(ドル)
(ドル)
(ドル)
(ドル)
転勤
費用(3)
セキュリティ
・サービス/
システム(4)
弁護士
費用(5)
退職
手当(6)
(ドル)
(ドル)
(ドル)
(ドル)
̶
̶
̶
̶
49,069
̶
323,529
372,598
・ホイットマン
キャサリン・A・
10,602
9,800
̶
3,243
46,473
̶
1,281
4,258
25,850
101,507
9,637
9,800
13,256
4,486
̶
̶
29,799
9,555
28,914
105,447
9,733
9,800
̶
14,124
̶
̶
9,091
7,220
26,247
76,215
398,384
̶
25,028
193 1,714,630
5,199,247
̶
5,458
レスジャック
R・トッド・
ブラッドレイ
ヴァイオミッシュ
・I・ジョシー
レオ・アポテカー
17,800
̶
2,912,621
シェーン・V・ロ
̶
̶
̶
5,662
130,591
̶
875
3,665
15,660
ビソン
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
当社の401(k)プランに基づくマッチング拠出を表す。レスジャック氏及びアポテカー氏に関して報告され
ている金額は、2010年度及び2011年度に受領したマッチング拠出を表す。
当社の2010年度のエグゼクティブ給与繰延報酬プランに関連して、当該プランに基づき2011年2月に拠出さ
れたマッチング拠出を表す。
ブラッドレイ氏の転勤費用は、当社のリロケーション・ポリシーに基づきブラッドレイ氏が受給資格のある
住宅ローンの補助金を表す。アポテカー氏の転勤費用には、Employment Agreementの条件に基づき支払われ
た転勤手当の2,900,000ドル及びSeparation Agreementの条件に基づき支払われた転勤のための旅費の
12,621ドルが含まれる。
NEOに対して提供される家庭用セキュリティ・サービスを表す。当社の要請により、セキュリティ・システム
が設置されているが、個人の利益となることから、SECガイダンスに沿い、当該費用を手当として報告してい
る。
レスジャック氏に関して報告されている金額は、同氏の2010年12月5日付のレター・アグリーメントの交渉
に関連してレスジャック氏が負担した弁護士費用に対する返済額を表す。アポテカー氏に関して報告されて
いる金額は、同氏のSeparation Agreementの交渉に関連してアポテカー氏が負担した弁護士費用に対する返
済額を表す。
2011年度にNEOに対して支払われた退職手当はない。アポテカー氏及びロビソン氏の各氏は、2012年度及び
2013年度に退職手当を受給する資格を有するが、退職手当の支払は、将来の業績基準の達成が条件となって
いること及びロビソン氏に関しては、2012年度に雇用が終了することから、2011年度の報酬として報告され
ていんし。
当社の自社用飛行機を私的に利用した際の価値を表す。本表において当該私的利用の価値を報告するため
に、当社は外部の会社から提供されたデータを用いて、各種飛行機を運航するためにかかる1時間あたりの費
用を算定した。これらの費用には、燃料費、保守費、着陸費、運航スタッフ、ケータリング及び消耗品費を含む。
NEOの出張で、私的利用及びビジネス利用が混在している場合には、当社は、私的利用による増加分の費用
(私的な利用がなかったと仮定した旅費に対する実際の旅費の超過分)を含めている。所得税の関連で、NEO
の収入に含まれる金額は標準産業賃金レベル(以下、「SIFL」という。)評価方式に基づいて計算される。過
去に一定の旅費に関して税金のグロスアップを受けることができたが、2009年2月28日付で、飛行機に関連す
る税金のグロスアップは中止された。
主に、当社の主催するイベントにNEOと同行して出席した者の食事及びその他イベントに関連する経費の税
金に関して、NEOへ払い戻された金額を表している。この当社の払い戻しに関する方針は、家族又はパート
ナーも当社が主催するイベントに出席するよう要請を受けた場合又は適正な範囲でこれらの者に関連して
費用が発生した場合(例:従業員の転勤に伴う場合)に当社の全ての従業員に適用される。従業員の転勤と
は関係のない費用に関連する税金の払い戻しは、NEOに関しては2012年1月1日付で、中止された。
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(9)
フィナンシャル・コンサルティング料として以下の金額がが含まれる。ホイットマン氏:1,500ドル、レス
ジャック氏:18,500ドル、ブラッドレイ氏:18,000ドル、ジョシー氏:18,000ドル、アポテカー氏:13,500ド
ル。ロビソン氏2,378ドル。ホイットマン氏に関して報告されている金額には、取締役として選任された2011
年1月21日から社長兼最高経営責任者として選任された2011年9月22日までの期間にホイットマン氏が社外
取締役としての業務に関連する23,000ドルの現金報酬、275,037ドルに相当する株式報酬、10,000ドルの追加
の会議費用及び13,992ドルの当社製品の提供に関する費用が含まれる。ホイットマン氏の社長兼最高経営責
任者としての選任に伴い、2011年度から2012年度の取締役としての残りの任期は、社外取締役としての業務
を行わないことを反映させるために、当該株式報酬は50%減額された。ホイットマン氏は、取締役としての選
任後、取締役の任務に関して別途報酬を受領していない。アポテカー氏に関して報告されている金額は、従前
の雇用者が支払うべきであった過去の競業禁止に関する支払の返還として支払われた1,700,000ドルが含ま
れる。全てのNEOに関する残りの金額は、主として、当社の要請により当社が主催するイベントにNEOと同行し
た家族の宿泊費、旅費、食費及びその他イベントに関連費用として増加した費用の合計を表す。複数人でイベ
ントに参加し、個別の費用に関する情報が入手できない場合、報告されている費用は、当該イベントに出席し
た家族のための増加した費用の合計の見積りを表す。
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報酬概要表の分析
「株式以外のインセンティブ・プラン報酬」欄に報告されている額には、2011年度のPfRプランに基づいて全てのNEOに関して
2011年度に発生した金額が含まれる。報酬概要表のその他の情報についての詳細な分析は、報酬概要表の分析に記載されている。
2011年度のプランに基づく報酬の付与に関する表
下記の表には、2011年度のPfRプランに基づき付与された報酬並びに及び2011年度の長期インセンティブ報酬の一部として付与
されたストック・オプション、業績連動型ストック・オプション(以下、「PCSO」という。)、制限付株式報酬、PRU報酬、RSU、
SIPRU及びSRRSUに関する情報が記載されている。
その他
氏名
付与日
その他
株式以外の
株式の
インセンティブ・プラン報酬に
インセンティブ・プラン報酬に
基づく
基づく
将来の予想支払額(1)
将来の予想支払額(2)(3)(4)
下限
(ドル)
目標
(ドル)
上限
(ドル)
下限
(ドル)
目標
(ドル)
上限
(ドル)
全ての
全ての
株式
その他
付与日
株式
報酬:
全ての
における
報酬:
オプションの オプション:
株式/
対象
オプション報 オプション報
となる
ユニット数
酬の行使価 酬の公正価値
(5)
証券(6)
格/基準価格
(7)
株式数/
(個数)
(個数)
(ドル)
(ドル)
マーガレット・C・ホイットマン
RSU(8)
4/25/11
ストック・オプ
ション
9/27/11
PCSO
9/27/11
6,786
275,037
300,000
1,600,000
23.59
2,220,682
23.59
13,925,649
キャサリン・A・レスジャック
PfR
11/1/10
PRU
12/10/10
RSU
12/10/10
SIPRU
1/19/11
SRRSU
6/27/11
10,313
1,031,250
2,578,125
38,108
35,113
190,540
70,226
381,080
3,300,458
47,635
2,030,204
85,764
3,000,025
140,452
979,721
R・トッド・ブラッドレイ
PfR
11/1/10
PRU
12/10/10
RSU
12/10/10
SIPRU
1/19/11
SRRSU
6/27/11
10,625
1,062,500
2,656,250
28,348
141,736
283,472
2,455,094
35,434
46,818
93,635
187,270
1,510,197
1,306,300
114,352
4,000,033
ヴァイオミッシュ・I・ジョシー
PfR
11/1/10
PRU
12/10/10
RSU
12/10/10
35,434
1,510,197
6/27/11
114,352
4,000,033
SRRSU
10,625
1,062,500
2,656,250
28,348
141,736
283,472
2,455,094
レオ・アポテカー
PfR
11/1/10
PRU(9)
11/1/10
24,000
2,400,000
6,000,000
60,800
304,000
608,000
PRU
11/1/10
84,800
424,000
848,000
RSA
11/1/10
3,687,960
7,344,359
156,000
6,628,440
シェーン・V・ロビソン
PfR
11/1/10
PRU
12/10/10
RSU
12/10/10
SIPRU
1/19/11
SRRSU
6/27/11
(1)
(2)
(3)
(4)
9,375
937,500
2,343,750
18,876
35,113
94,378
70,226
188,756
1,634,778
23,595
1,005,619
114,352
4,000,033
140,452
979,721
表示されている金額は、PfRプランに基づき、2011年度の報酬として現金で支払われる可能性のある範囲を表
す。
当社のプロキシー・ステートメントの「報酬に関する考察及び分析−2011年度役員報酬の基本要素の分析
−社長兼最高経営責任者としてのマーガレット・C・ホイットマンへのエンプロイメント・オファー・レ
ター」に記載されているホイットマン氏に付与されたPCSO報酬。
表示されているPRU報酬の金額は、基準となる業績の下限値、目標値及び上限値を達成した場合に、PRU報酬に
適用される3年間の業績期間の終了時点において支給される可能性のある株式数の範囲を示す。業績期間中
の各年において、キャッシュ・フロー業績が下限値を下回った場合又は3年間の業績期間における当社のTSR
が、S&P 500の下位4分の1にある場合は、業績期間が終了しても株式は支給されない。
表示されているSIPRU報酬の金額は、基準となる業績の下限値、目標値及び上限値を達成した場合に、SIPRU報
酬に適用される3年間の業績期間の終了時点において支給される可能性のある株式数の範囲を示す。業績期
間中の各年において、一株当たり利益に関する業績が下限値を下回った場合及び各業績期間における当社の
TSRが、S&P 500の下位2分の1にある場合は、業績期間が終了しても株式は支給されない。
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(5)
(6)
(7)
(8)
(9)
別段の注記がある場合を除き、RSU報酬の制限に関しては、付与日の1年目及び2年目の各応答日にユニットの
2分の1が失効する。SRRSU報酬の制限に関しては、付与日の4年目の応答日に失効するが、3年目及び4年目に一
定の株価の業績に関する基準が達成された場合、増加する可能性がある。
ストック・オプション報酬は、付与日の1年目、2年目及び3年目の各応答日に株式の3分の1に関して権利が確
定する。
付与日における株式報酬の公正価値を決定するために用いられた算定方法については、報酬概要表の注記3
を参照されたい。
2011年度から2012年度の期間における社外取締役の報酬としてホイットマン氏に付与されたRSU報酬を表
す。2011年9月22日付の社長兼最高経営責任者としての選任に伴い、2011年度から2012年度は、社外取締役と
しての業務を行わないことを反映させるために、RSU報酬は50%減額された。RSU報酬の制限に関しては、付与
日から1年後に失効する。
アポテカー氏とのSeparation Agreementの条件に基づき、取り消されたPRU報酬を表す。
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2011年度末における発行済み株式報酬
下記の表には、2011年10月31日現在のNEO保有の株式及びオプション報酬に関する情報が記載されている。
オプション報酬
株式報酬
株式による
未行使
オプションに
基づく証券
(個数)
氏名
行使可能
マーガレット・
C・ホイットマ
ン
キャサリン・A
・レスジャック
株式による
インセンティ
ブ・プラン
インセンティ
ブ・プラン
権利未確定の
株式による
報酬:
未獲得の
インセンティ
ブ・プラン
権利未確定の
株式、
未獲得の
ユニット又は
その他の権利
の
未行使
報酬:
オプションに 未行使/未獲得
基づく証券
オプションに オプション
(個数)
基づく証券(2) 行使価額(3)
(個数)
(ドル)
行使不可能(1)
300,000
1,600,000
35,000
R・トッド・ブ
ラッドレイ
200,000
ヴァイオミッ
シュ・I・ジョ
シー
300,000
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
500,000
340,000
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
株式、
株式又は
ユニット又は
ユニットの
その他の権利
(8)
ユニット
(5)(6)
(個数)
9/27/2019
̶
31.50
1/23/2014
3,422
市場価額(7)
(ドル)
42.27
1/18/2015
42.27
(個数)
̶
̶
91,059
3,881,388
326,172
8,679,437
1/18/2015
167,152
4,447,915
334,950
8,913,020
22.02
3/18/2012
163,062
4,339,080
225,558
6,002,098
21.77
4/14/2013
42.27
37,500
市場又は
支払価値(7)
(ドル)
145,862
31.50
200,000
シェーン・V・
ロビソン
権利未確定の
株式又は
̶
100,000
レオ・アポテ
カー
23.59
オプション
失効日(4)
権利未確定の
報酬:
̶
42.27
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
1/23/2014
1/18/2015
̶
1/18/2015
148,012
3,938,599
424,000
11,282,640
217,407
5,785,200
本欄のオプション報酬は、付与日である2011年9月27日の1年目、2年目及び3年目の各応答日に株式の3分の1
に関して権利が確定する。
本欄のオプション報酬は、一定の株価の業績基準の達成を条件として、付与日である2011年9月27日の1年目
及び2年目の各応答日に株式の2分の1に関して権利が確定する。
オプション行使価額は、付与日における当社の普通株式の公正市場価値に基づく。
全てのオプションの期間は、8年間である。
本欄の数には、2011年10月31日までの発行済み株式報酬に関連して付与された配当に相当するユニットが含
まれる株式が含まれている。適用される全ての業績基準が達成されたと仮定した場合、権利が未確定の全て
の株式報酬の確定日及び確定額は、以下のとおりである。
・ ホイットマン氏:2012年4月25日(3,393株+未払配当相当の株式数)
・ レスジャック氏:2011年12月10日(35,056株+未払配当相当の株式数)、2012年12月10日(23,817株+
未払配当相当の株式数)、2015年6月27日(85,764株+未払配当相当の株式数)
・ ブラッドレイ氏:2011年12月10日(33,772株+未払配当相当の株式数)、2012年12月10日(17,717株+
未払配当相当の株式数)、2015年6月27日(114,352株+未払配当相当の株式数)
・ ジョシー氏:2011年12月10日(29,758株+未払配当相当の株式数)、2012年12月10日(17,717株+未払
配当相当の株式数)、2015年6月27日(114,352株+未払配当相当の株式数)
・ ロビソン氏:全ての権利未確定の株式報酬は、2011年11月1日付のロビソン氏の退職に伴い、確定又は失
効した。
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(6)
(7)
(8)
ホイットマン氏が保有する発行済みRSU報酬は、2011年度から2012年度の期間における社外取締役の報酬と
して付与された。2011年9月22日付の社長兼最高経営責任者としての選任に伴い、2011年度から2012年度のの
任期は、社外取締役としての業務を行わないことを反映させるために、当該RSU報酬は50%減額された。
価値は2011年10月31日付の当社の普通株式の終値26.61ドルに基づいて算出されている。
本欄の数には、2011年度の業績に起因する各報酬の一部に関連して、営業キャッシュフローの売上高に対す
る比率を年間の評価指標として、実際の達成度に応じて調整される2010年度及び2011年度に付与されたPRU
の数が含まれている。年間キャッシュフロー指標における業績の達成度は、2010年度は、目標値の90.26%で
あり、2011年度は、目標値の88.18%であった。2010年度に付与されたPRUの最初の3分の1には、90.26%の掛
目、2010年度に付与されたPRUの二つ目の3分の1及び2011年度に付与されたPRUの最初の3分の1には、88.18%
の掛目が適用され、残りのユニットに関しては、目標値が報告されており、当該業績期間の残存期間における
実際のキャッシュフローの業績に応じて調整される。3年間の各期間の終了時点で付与されるPRUの合計は、
株式数を決定する当社のTSR業績により調整され、業績期間の終了時点で、(株式が支給される場合には、)
決定される。
本欄の数は、一株当たりの利益を業績の評価指標として、実際の達成度に応じて調整される2011年度に付与
されたSIPRUの数が含まれる。。2011年度の一株当たりの利益の業績の評価指標は、基準値を下回ったため、当
該期間に獲得されたユニットはなかった。残りのユニットに関しては、目標値が報告されており、各業績期間
の残存期間における実際の一株当たりの利益の業績に応じて調整される。最初の業績期間の終了時点に付与
されるSIPRUの合計は、株式数を決定するS&P 500と照らして、2年間の期間における当社のTSR業績により調
整され、3年間の業績期間の終了時点で、(株式が支給される場合には、)決定される。
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5【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの状況】
取締役会のリーダーシップ構造
現在、当社の代表取締役会長であるレイモンド・J・レーン氏が、当社の取締役会を率いている。さらに、当社の取締役会の独立取
締役は、主任独立取締役として、ラジブ・L・グプタ氏を指名している。
代表取締役会長は、取締役会開催の年間計画を監督し、他の取締役と協議して、最高経営責任者とともに、取締役会の日程の決定
及び議題の決定を行い、取締役会での議論を統率する。さらに、代表取締役会長は、経営陣を指導及び監督し、当社の戦略的計画の
策定及び実施に協力し、また経営陣に対する取締役会の調整役としての役割を果たす。代表取締役会長は、当社の年次株主総会の
議長を務め、場合によっては、当社の取締役会を代表してコメントを発表し、当社のコーポレート・ガバナンス・ガイドラインに
規定されている又は取締役会が随時要請するその他の機能及び責務を履行する。
主任独立取締役は、会長が出席していない全ての取締役会(独立取締役のエクゼクティブ・セッションを含む)において議長を
務め、会長及び独立取締役間の調整役を勤め、取締役会に伝えられる情報を承認し、全ての議題を議論するために十分な時間が確
保できているかを確認するために取締役会の議題及び日程を承認し、委員会の議長が各委員会の会議での議題を準備するにあた
りサポートを行い、要請があれば主要な株主との協議及び直接対話を行い、当社のコーポレート・ガバナンス・ガイドラインに
規定されている又は取締役会又は独立取締役が随時要請するその他の機能及び責務を履行する。主任独立取締役は、独立取締役
の追加のエクゼクティブ・セッションの招集や全ての取締役及び経営陣間の対話を奨励する権限も有している。
当社の取締役会に適したガバナンス構造は、会長及び最高経営責任者の役職を分離することである。現在、会長及び最高経営者の
役職は分離されており、当社の取締役会には、社外の代表取締役会長がいる。当社の取締役会は、特に当社の経営幹部の最近の異
動を考慮すると、この構造が適していると考えている。当社の取締役会は、取締役会のリーダーシップを付与する方法として一般
に認められたものはひとつではないと認識しており、当社の取締役会のリーダーシップ構造は、今後の状況により変更され得る。
取締役会構成と委員会組織
2012年3月22日現在、当社の取締役会は11名の取締役と、(1)監査委員会、(2)財務・投資委員会、(3)人事・報酬委員会、(4)指名・
統治委員会及び(5)技術委員会の5つの委員会で構成されている。当社のパブリック・ポリシー委員会は、2011年3月24日付で解散
し、従前パブリック・ポリシー委員会が行っていた一部の業務を引き継ぐために、指名・統治委員会の規則は、その時点で変更さ
れた。現在の委員会構成員及び昨年度の会議開催実績及び各常任委員会の機能は、以下に記載のとおりである。各常任委員会は、
取締役会が決議した規定に基づいて、その運営を行っている。全ての委員会規則は、当社ウェブサイトwww.hp.
com/investor/board_chartersからダウンロードが可能である。取締役会及び/又は各委員会は、外部アドバイザーの助言が必要
な場合、これを招聘、解任する権限を有し、また必要な資金を当社から得る権限を有している。
2011年度中、取締役会は18回(エクゼクティブ・セッション8回を含む)開催された。2011年度に在任していた各現職取締役は、
ドミニク・セネキー氏を除き、在任期間中に開催された取締役会及び所属する委員会の全会合に少なくとも75%以上出席した。
取締役は、当社の株主総会に出席するよう奨励されている。2011年度の年次株主総会には、当時の17名の取締役のうち12名(同年
次株主総会において選任される13名の取締役候補のうちの12名を含む。)が出席した。
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取締役氏名
監査
委員会
財務・
人事・報酬
投資委員会
委員会
任命・
統治
委員会
パブリック
・ポリシー
委員会(1)
技術
委員会
社外取締役
マーク・L・アンドリーセン
委員
ローレンス・T・バビオ・ジュニア(2)
委員
サリ・M・バルダウフ(2)
委員
シュミート・バナージ(3)
委員
ラジブ・L・グプタ
*
委員長
委員
委員
*
委員
*
ジョン・H・ハマーグレン
*
*
委員長
委員長
*
*
委員
レイモンド・J・レーン(4)
ゲーリー・M・ライナー(3)
委員
パトリシア・F・ルーソー(3)
*
委員
委員長
ドミニク・セネキー(2)(3)
*
G・ケネディ・トンプソン
委員長
ラルフ・V・ホイットワース(5)
委員
*
*
委員
委員
委員
取締役
アン・M・リヴァーモア(6)
委員
マーガレット・C・ホイットマン(3)(7)
委員
*
*
前取締役
レオ・アポテカー(8)
前社外取締役
ジョエル・Z・ハイアット(9)
*
ジョン・R・ジョイス(9)
*
ロバート・L・ライアン(9)
*
ルシル・S・サルハニィ(9)
*
2011年度の会議開催数
14
* =
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
(9)
*
*
*
10
*
*
10
9
1
5
委員会の前の委員長又は委員。
2011年3月24日付で、取締役会のパブリック・ポリシー委員会は、解散した。
バビオ氏、バルダウフ氏及びセネキー氏は、2012年の年次株主総会に取締役として立候補しなかった。
バナージ氏、ライナー氏、ルーソー氏、セネキー氏及びホイットマン氏は、2011年1月21日付で取締役に選任され
た。
レーン氏は、2010年11月1日付で代表権のない取締役会長に選任された。同氏は、2011年9月22日付で代表取締役
会長に任命された。
ホイットワース氏は、2011年11月17日付で取締役に選任された。
リヴァーモア氏は、2011年6月13日付で取締役に選任された。
ホイットマン氏は、2011年9月22日付で当社の社長兼最高経営責任者に選任され、同日付で人事・報酬委員会の
委員を辞任した。また、同氏は、2012年1月4日付で技術委員会の委員を辞任した。
アポテカー氏は、2011年9月22日付で当社の社長兼最高経営責任者を退任し、取締役を辞任した。
ハイアット氏、ジョイス氏、ライアン氏及びサルハニィ氏は、2011年度の年次株主総会に取締役として立候補し
なかった。
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・ 監査委員会
当社は、1934年証券取引所法(変更を含む)(以下、「証券取引所法」という。)第3条(a)(58)(A)に従って設立された、独立した
監査委員会を設けている。監査委員会は、当社の財務報告プロセス及び当社の財務書類の監査(当社の財務書類の完全性、法令上
又は規制上の要請の遵守、独立登録会計事務所及び会計事務所の適格性及び独立性、当社の内部監査機能及び独立登録会計事務
所の実績並びにリスク査定及びリスク管理を含む)につき全般的な監督を全うすることにより、取締役会を支援している。とり
わけ、監査委員会は、毎年のプロキシー・ステートメントに記載する監査委員会報告書の作成、監査委員会規則と委員会の実績の
毎年の見直し、独立登録会計事務所の指名、評価及び報酬の決定、毎年の監査の範囲、監査報酬及び財務書類の検討及び承認、当社
の開示管理と手続、内部管理、情報保全方針、内部監査機能及び財務情報及び収益予想に関する会社方針の検討、規制上及び会計
上のイニシアチブ並びに簿外ストラクチャーの検討、法的及び規制上の要求事項に関する当社のコンプライアンスプログラムの
監督、財務上の事項に関する申し立て調査の監督、当社の財務書類に重大な影響を与える可能性がある当社及び経営陣が直面し
ているリスク(重大なリスク又は訴訟その他手続き及び規制事項に関連するエクスポージャーを含む)の対処方法の検討並び
にリスク査定及びリスク管理に関するポリシーの検討を行う。監査委員会は、独立登録会計事務所と同時に、経営陣とも密接な関
係をもって業務を行う。
取締役会は、監査委員会委員長のトンプソン氏、委員のバビオ氏、バルダウフ氏及びバナージ氏のいずれも取締役の独立性に関す
るニューヨーク証券取引所の基準を満たしており、監査委員会の構成員もニューヨーク証券取引所の財務理解能力の要件を満た
していることを確認した。取締役会はまた、トンプソン氏、バビオ氏、バルダウフ氏及びバナージ氏が、いずれもSEC規則で定義さ
れる「監査委員会財務専門家」であることを確認した。
・ 財務・投資委員会
財務・投資委員会は、当社の財務及び投資機能の監督を行う。財務・投資委員会は、①資本構造、デリバティブ・ポリシー、全社的
な流動性、債券投資、借入れ、通貨エクスポジャー、配当方針、株式の発行及び自己株式の取得並びに設備投資など、財務上の重要
な事項の検討及び監督、②社内ローン、第三者の借入れ及び債務に対するローン保証の監督、③残存リスク及び信用リスクの管
理、リスクの集中、投下資本のリターンなど、HPFSの資本及び運営の監督並びに④インベスター・リレーションズ部門の活動の監
督を行う。財務・投資委員会はまた、①当社がその時々に事業戦略の一環として行う投資、企業買収、アウトソーシング・サービ
ス、合弁及び事業売却等の取引を評価することによる取締役会の支援、これら取引の範囲、方向性、クオリティ、投資レベル及び実
行についての取締役会に対する報告及び勧告、②これら取引に関する承認方針の評価及び修正、当社の統合に係る計画・実施及
び統合後のこれら取引の金融収支の監督、③完了した取引の実施、金融収支及び統合の評価並びに④当社の戦略的提携の監督及
び承認を行う。
・ 人事・報酬委員会
人事・報酬委員会は、役員や取締役の報酬に関する取締役会の責務を減らす役割をもち、①SECの規定によりプロキシー・ステー
トメントに含めることを要求される「報酬に関する考察及び分析」の検討及び承認、②全体的な報酬体系の一般的な監督、③人
事プログラムの検討及び手引きの策定、④人事・報酬委員会の報酬コンサルタントやその他の報酬に関する専門家の確保及びそ
の使用条件の承認を行う。人事・報酬委員会のその他の個別の責務としては、①シニア・マネジメント選任の検討及び後継者育
成の監督(リーダーシップ育成プロセスの検討を含む)、②執行役員の報酬の対象となる目標の検討及び承認並びにそれら目標
の達成度に即した執行役員の業績査定及び報酬の決定、③執行役員の退職手続及びその他適用される契約の承認、④当社の株式
報酬プラン及びインセンティブ報酬プランの監視、⑤非株式関連報酬プランの監視及び重要な財政負担を伴うかかるプランの変
更の承認、⑥人員管理プログラムの監督、⑦取締役会及び委員会のための報酬方針の策定(取締役の年間報酬の適正水準の検討
及び当該報酬の変更に関する取締役会への提案を含む)、⑧取締役及び執行役員向けの株式保有ガイドラインの策定及びかかる
ガイドラインの遵守状況の監視並びに⑨委員会の実績及び委員会規則の年次査定が含まれる。人事・報酬委員会が、1名以上の委
員で構成される小委員会を設置することができ、適用される法律や上場基準で禁止されていない限り、委員会の義務及び責任の
一部を小委員会に委譲することができる。加えて、適用される法律や上場基準で禁止されていない限り、株式インセンティブ・プ
ラン又は従業員給付制度の事務管理など、委員会の責務の一部を1名以上の委員、1名以上のその他の取締役、又は1名以上の他の
個人に委譲することができる。
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・ 指名・統治委員会
指名・統治委員会は、①取締役会が承認した基準に従い、当社の定時株主総会で取締役選任のため指名される候補者を特定及び
推薦し、②取締役会で承認されるコーポレート・ガバナンス方針(当社のコーポレート・ガバナンスのガイドラインを含む)及
びそれに関係する方針を作成し定期的に検討し、③取締役会の義務及び責任を適切かつ効率的に減らすために取締役会組織を監
督し、④コーポレート・ガバナンス事項に関する株主の懸念に適切な注意を払い効率的に対応がなされていることを確認する。
委員会のその他の個別の責務としては、取締役会の規模と構成の1年毎の見直しがあり、これには、取締役会のメンバーとなる者
の要件の策定及び改定を行い取締役会の承認を受けること、新任取締役の特定及び採用並びに株主が推薦する候補者の検討、委
員会のメンバーに適用法令及び上場基準を確実に遵守させるための取締役会の委員会への権限委譲の勧告、取締役の独立性並び
に監査委員会メンバーの財務能力及び専門性の予備的検討並びに取締役の初期研修や継続研修が含まれる。さらに、指名・統治
委員会は、①当社の基本定款、付属定款及び取締役会の委員会の各種規則の変更案の検討、②株主ライツプラン又はその他の株主
保護策の評価及びこれに関する提言、③SEC規則に定義される全ての潜在的な「利害関係人との取引」の検討及び承認を含む、利
害関係人との取引及び利益相反を検討及び承認するための方針及び手続きの策定、④社外の営利団体の取締役会に立候補する証
券取引所法第16条に規定する従業員取締役又は執行役員(以下、「第16条役員」という。)の指名の検討及び承認、⑤株主提案の
検討及び取締役会としてなすべき対応の提言、⑥取締役会及びその委員会の自己評価についての監督、⑦主任独立取締役が、人事
・報酬委員会とともに、取締役会の全取締役の意見を聴取した上で行う最高経営責任者の年次評価の監督、⑧人事・報酬委員会
によるシニア・マネジメントの評価の監督並びに⑨当社付属定款に基づく補償請求の許否を検討する。さらに、指名・統治委員
会は、①当社の対外的な業務に重大な影響を及ぼす可能性のある社会的、政治的及び環境的な動向、問題、法案及び規制動向を確
認、審査及び監視し、②パブリック・ポリシーにかかわる事項に関する活動、方針及び制度について、取締役会に報告及び提言し
並びに③当社のポリティカル・アクション委員会並びに政府関連業務の活動に関する当社方針及び活動の実施方法の監督を行
う。
・ 技術委員会
技術委員会は、当社の技術開発戦略と知的財産の範囲及び特質を評価する。技術委員会は、①当社の技術戦略の範囲、方向性、特
質、投資レベル及び執行についての取締役会への提言、②経営陣が策定した技術戦略の執行の監督、③技術に関する指針の提供
(特に、市場参入及び撤退、投資、合併、買収及び事業売却、新規事業及びスピン・オフ、研究開発投資、並びに重要な競合企業や
パートナーシップの戦略)、④技術関連で取引価格が200百万ドル以上となる投資、買収、合弁及び事業売却案に対する当社のM&A
承認方針に基づく検討及び提言を行う。
取締役会のリスク監視
当社の取締役会は、下記に記載されたとおり、監査委員会の協力を得て、当社のエンタープライズ・リスクマネジメント(以下、
「ERM」という。)プログラムの検討及び監督を行っている。ERMは、全社的なプログラムであり、重大な企業リスクの効果的かつ
効率的な特定及び管理を可能にし、経営の意思決定の際にリスク判断を行うよう促進する。ERMプログラムは、リスクマネージメ
ントの役割及び責任を明確に定義し、シニア・マネジメント間でリスクを議論させ、シニア・マネジメント及び取締役会のレベ
ルでのリスクの認識及び建設的な議論を促進し、適切な形でリスクに対応するための戦略を促進するために策定されている。ERM
プログラムにおいては、事業上及び機能上のリスクの評価、対象となるリスクの評価及び当社内の様々な組織から収集したリス
クの特定の分類に関する情報の組み入れを行うことで、経営陣は、当社の企業リスクの全体的なポートフォリオを作成する。経営
陣は、その後、経営陣が重視かつ対応する必要があると分類されたリスクに関するリスク対応計画を作成し、その他の特定された
重視すべきリスクの分野を監視する。経営陣は、シニア・マネージメント及び監査委員会に対して、リスク・ポートフォリオ及び
リスク対応に関して定期的な報告を行う。
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監査委員会は、当社の企業リスクのポートフォリオの検討及び特定されたリスクに対する経営陣の取り組みへの評価を含め、経
営陣によるERMプログラムの導入を監督する。監査委員会は、リスク評価及び管理プロセスに関して第一義的な責任があるもの
の、取締役会のその他の様々な委員会もERMプログラムを補完するリスク管理を監督する責任を負う。例えば、人事・報酬委員会
は、下記のとおり、当社の報酬方針及び慣行に関連するリスクを検討している。さらに、財務・投資委員会は、財務上のリスクを監
督する責任を負う。また、指名・統治委員会は、当社のガバナンス構造及び手順に関連するリスクを監督している。取締役会は、各
委員会のリスク監督及び関連する活動について、主に各委員会の委員長からの取締役会全体に対する報告を通して、情報を得て
いる。監査委員会は、当社のリスク又は当社の事業のその他の側面に影響を与える可能性があり、当社の取締役会に現状につい
て、適切に情報を提供することがふさわしい場合には、取締役会の全取締役に対して、リスク監督に関連する問題を進言する。取
締役会は、戦略の計画及びその他事項に関連して特定のリスクに関する議題を検討する。
報酬リスクの評価
2011年度には、当社は、全従業員に対する主要な報酬プラン及びプログラムに関して検討を行い、当社の報酬プログラム及び慣行
が、当社に重大な悪影響を与える合理的な可能性はないと判断した。この評価の実施において、当社は、販売報酬を含む特にイン
センティブ報酬プランに重点を置いて、当社の主要なプラン及びプログラムの要約を作成し、人事・報酬委員会にその結果の概
要を提出した。全体として、当社は、当社のプログラムが、一般的に固定部分及び変動部分、補完的な指標、合理的な目標並びに直
線的な支払曲線がバランスよく組み合わされていることから、それら全てがリスクを軽減し、従業員の職務のうち報酬に関連す
る側面において従業員が過剰にリスクを負う可能性を縮小できると考えている。また、当社は、当社の主要なプラン及びプログラ
ムは、リスクの軽減を推進かつ支援する強固なガバナンス及び検討体制の範囲内で実施されていると考えている。
取締役の独立性
当社のコーポレート・ガバナンス・ガイドラインでは、取締役会の実質的過半数は独立した取締役により構成されるものとし、
取締役会は3名を超える非独立取締役を含めることはできないと定めている。この基準は、当社ウェブサイトwww.hp.
com/investor/director_standardsから入手が可能である。当社の取締役の独立性に関する基準は、ニューヨーク証券取引所
(NYSE)のコーポレート・ガバナンス上場基準を反映させたものである。さらに、監査委員会の各委員は、適用される上場基準に
基づき監査委員会メンバーに要求される高度な独立性基準を満たしている。
当社のコーポレート・ガバナンス・ガイドライン上、取締役が以下に該当する場合には、独立取締役とはみなされない。
(1)
当該取締役が現在若しくは過去3年以内に当社の従業員であったか、又は、取締役の近親者が現在若し
くは過去3年以内に、当社の執行役員であった場合。
(2)
過去5年以内に、当社、当社子会社又は関連会社の執行役員であった者。
(3)
当該取締役又は当該取締役の近親者が、過去3年以内に12ヶ月間にわたって、100,000ドルを超える直接
報酬を当社より受け取っている場合。ただし、取締役としての報酬、当該取締役の近親者が当社の非執
行役員従業員として受け取った報酬及び年金又はその他過去に雇用した役務に対する事後的な報酬
(かかる報酬が勤続を条件としている場合を除く)を除く。
(4)
(A)当該取締役又は当該取締役の近親者が現在、当社の内部又は外部の監査を担当する会計事務所の
パートナーである場合、(B)当該取締役が現在、かかる会計事務所の従業員である場合、(C)当該取締
役の近親者がかかる会計事務所の従業員であり、監査、保証又は税務のコンプライアンス業務(税務計
画を除く)に関与している場合、(D)当該取締役又は当該取締役の近親者が、過去3年以内に、かかる会
計事務所のパートナーか従業員であり、その期間中に、当社の監査に従事していた場合(現在従事して
いる場合を除く)。
(5)
当該取締役又は当該取締役の近親者が現在若しくは過去3年以内にある会社の執行役員を務めている
場合で、当社の現在執行役員が同時期にかかる会社の報酬委員会の委員を務めている場合。
(6)
当該取締役又は当該取締役の近親者が現在、ある会社の執行役員を務めている場合で、かかる会社が当
社に財産又はサービスの対価として、過去3年度において、1百万ドル以上又は連結売上総利益の2%以
上にあたる金額の授受を行っていた場合。
(7)
取締役が、当社から多額の献金を受けている公益機関に関与している場合。
(8)
取締役が、当社又は当社執行役員との間で、個人サービス契約を締結している場合。
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本項において、近親者とは当該本人の配偶者、親、継親、子、継子、兄弟、姉妹、義両親、義子、義兄弟、義姉妹及び同居人(テナント及
び従業員を除く)が含まれる。
独立性を判断する際に、取締役会は、取締役が当社との間に重要な関係を有するか否かについて調査する。独立取締役は、直接若
しくは当社と関係を有する組織のパートナー、株主又は役員として当社と重要な関係を有してはならず、また、取締役の責務を果
たす上で独立した判断を下すことを妨げることとなる関係を有してもならない。取締役と当社の関係の重要性を評価する際に、
取締役会は取締役の立場から及び取締役が関係を有する個人又は組織の観点から問題となる点を考慮して、上記の基準を用い
る。
独立性の判断をする際に、取締役会は、当社及び独立取締役又はその近親者と関係のある企業との間で行われた2009年度以降の
取引を考慮した。独立性の判断において考慮された取引には、次のものが含まれる。
・ アンドリーセン氏、バナージ氏及びハマーグレン氏は、通常の業務において、過去3年間の間に当社と製品及びサービスの売買
取引を締結している会社の役員を務めている。これらの会社に対して、過去3年間の各事業年度に当社が支払った金額及び当
社がこれらの会社から各事業年度に受領した金額は、過去3年間のいずれの年度においても、1百万ドル又は受領者の連結総
売上高の2%を超えなかった。
・ アンドリーセン氏、バビオ氏、バルダウフ氏、バナージ氏、グプタ氏、ライナー氏、ルーソー氏、トンプソン氏及びホイットワー
ス氏又はその近親者は、いずれも過去3年間の間に当社と取引があった別会社の社外取締役、受託者又はアドバイザリー・
ボードのメンバーである。これらの取引関係は、通常の業務における、製品又はサービスの供給者又は購入者としての関係で
あった。
・ アンドリーセン氏、バルダウフ氏及びバナージ氏又はその近親者は、過去3年間に当社が寄付金を拠出した一団体以上の慈善
団体の社外取締役、受託者又はアドバイザリー・ボードのメンバーである。当社のStanford Hospital and Clinics以外の各
慈善団体に対する拠出(当社による従業員マッチング拠出及び任意拠出を含む)は、過去3年間のいずれの年度においても
100,000ドルを超えなかった。2010年度中、当社のStanford Hospital and Clinicsに対する拠出(当社による従業員マッチ
ング拠出及び任意拠出を含む)は、約7,509,000ドルに及んだ。2009年度及び2011年度には、Stanford Hospital and Clinics
に対する拠出は行われなかった。アンドリーセン氏は、Stanford Hospital and Clinicsの取締役会の取締役である。
上記の検討の結果、当社の取締役会は、レーン氏を除き、現在の社外取締役(アンドリーセン氏、バビオ氏、バルダウフ氏、バナー
ジ氏、グプタ氏、ハマーグレン氏、ライナー氏、ルーソー氏、セネキー氏、トンプソン氏及びホイットワース氏を含む。)並びに監査
委員会、人事・報酬委員会及び任命・統治委員会の各委員は、いずれも(直接的にも、また当社と関係がある組織のパートナー、
株主若しくは役員としても)当社と重要な関係をもつものではなく、当社の取締役独立性基準に照らして、独立していると判断
した。さらに、当社の取締役会は、2011年の初めに、2011年度の年次株主総会に取締役として立候補しなかったハイアット氏、ジョ
イス氏、ライアン氏及びサルハニィ氏は、いずれも独立取締役であったと判断した。当社の取締役会は、レーン氏は、代表取締役会
長を務めていることから、独立性はない。リヴァーモア氏は、2011年度に当社の執行役員を務めていることから、独立性はなく、ま
た、ホイットマン氏も同氏の社長兼最高経営責任者としての役職により、独立性はない。2011年度の一時期に当社の社長兼最高経
営責任者及び取締役であったアポテカー氏は、社長及び最高経営責任者としての役職により、独立性はなかったと判断された。
エクゼクティブ・セッション
2011年度には、独立取締役は8回エクゼクティブ・セッションを行った。各セッションは、各セッションが行なわれた当時に代表
権のない取締役会長だったレーン氏が、日程を決定し、議長を務めた。各独立取締役は、追加のエクゼクティブ・セッションの開
催を要請できる。
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(2)【監査報酬の内容等】
監査委員会は、2012年10月31日に終了する事業年度の当社の独立登録会計事務所として、Ernst & Young LLP(以下、「EY」とい
う。)を任命した。
①【外国監査公認会計士等に対する報酬の内容】
下記の表は、2011年度及び2010年度に当社がEYの監査業務及びその他の監査関連業務に対して支払った又は発生している報酬を
示している。
2011
2010
監査報酬(1)
監査関連報酬(2)
税務報酬(3)
その他全ての報酬
(単位:百万)
$ 30.5 $ 30.8
13.9
14.9
3.0
6.1
0.0
0.0
合計
$ 47.4
$ 51.8
監査委員会は、上記の報酬を全て承認している。
監査委員会は、法律で禁止されている場合を除き、監査委員会の委員長に対し、監査関連業務及び非監査業務を独立登録会計事務
所に委託すること及び業務一件につき250,000ドルを上限とする支払をなすことを事前承認する権限を与えている。ただし、委員
長は事前承認の決定を行った場合は、定例委員会において、監査委員会の委員に業務及びその報酬について報告を行わなければ
ならない。
(1)
(2)
(3)
監査報酬とは、法令上又は規制上の報告書に関連して提供された当社の財務書類の監査並びに当社の
四半期財務書類のレビュー及び監査業務に関連して提供された専門的な業務に対する報酬を表す。
監査関連報酬とは、主として、サービス組織の内部統制の監査、会計相談、従業員給付制度の監査、事業
買収及び再編に関連する報酬並びにその他証明業務から成る。
2011年度の税務報酬には、主に1.9百万ドルの税務アドバイス及び租税計画に対する報酬並びに1.1百
万ドルの税務コンプライアンス報酬が含まれている。2010年度の税務報酬には、主に3.6百万ドルの税
務アドバイス及び租税計画に対する報酬並びに2.3百万ドルの税務コンプライアンス報酬が含まれて
いる。
②【その他重要な報酬の内容】
上記①を参照されたい。
③【外国監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容】
上記①を参照されたい。
④【監査報酬の決定方針】
上記①を参照されたい。
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EDINET提出書類
ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
第6【経理の状況】
(1) 本報告書記載のヒューレット・パッカード・カンパニー及びその子会社(以下、「当社」又は「ヒューレット・パッ
カード」という。)の連結財務書類(2011年10月31日及び2010年10月31日現在の連結貸借対照表並びに2011年10月31
日に終了した3年間の各事業年度の連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結株主持分計算書並びに連結
財務書類に対する注記(以下、「年次財務書類」という。)は、米国において一般に公正妥当と認められている会計基
準及び会計処理手続並びに米国証券取引委員会(以下、「米国SEC」という。)の定めるレギュレーションS-Xに規定
された用語、様式及び作成方法に準拠して作成されたものである。
日本と米国において一般に公正妥当と認められている会計基準、会計処理手続及び表示方法との間の主な相違点に関
しては、「4.日本と米国における会計原則及び会計慣行の相違」に説明されている。
本報告書記載の当社の連結財務書類は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令
第59号−以下、「財務諸表等規則」という。)第129条第1項等の規定に従って作成されている。
(2) 本報告書記載の当社の年次財務書類は、米国における当社の独立登録会計事務所であるアーンスト・アンド・ヤング・
エル・エル・ピーの監査を受けており、その監査報告書並びに書簡は本報告書に添付されている。
なお、前述した年次財務書類は、金融商品取引法施行令(昭和40年政令321号)第35条の規定に基づく「財務諸表等の
監査証明に関する内閣府令」(昭和32年大蔵省令第12号)第1条の3の規定により、金融商品取引法第193条の2の規定に
基づく監査は受けていない。
(3) 本報告書記載の年次財務書類のうち、原文(英文)は、当社が米国SECに提出したものの写しであり、日本文は、これら原
文の年次財務書類を翻訳したものである。
(4) 当社の年次財務書類の原文は、米国ドルで表示されている。「円」で表示されている金額は、「財務諸表等規則」第130条
の規定に基づき、平成24年3月19日現在の、三菱東京UFJ銀行における対顧客電信直物売買相場仲値、1米国ドル=83.56
円の為替レートで換算された金額である。金額は百万円単位(四捨五入)で表示されている。
(5) 円換算額及び「4.日本と米国における会計原則及び会計慣行の相違」に関する記載は、原文の財務書類には含まれてお
らず、上記(2)の会計監査の対象にもなっていない。従って、円換算額及び「4.日本と米国における会計原則及び会計
慣行の相違」に関する記載は、未監査である。
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ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
1【財務書類】
【連結財務書類】
連結損益計算書
(単位:1株当たりの金額以外は百万)
10月31日終了事業年度
2011年
(ドル)
純売上高:
製品
2010年
(円)
未監査
(ドル)
2009年
(円)
未監査
(ドル)
(円)
未監査
$84,757
7,082,295
$84,799
7,085,804
$74,051
6,187,702
サービス
42,039
3,512,779
40,816
3,410,585
40,124
3,352,761
金融収益
449
37,518
418
34,928
377
31,502
127,245
10,632,592
126,033
10,531,317
114,552
9,571,965
製品原価
サービス原価
金融費用
研究開発費
65,167
32,056
306
3,254
5,445,354
2,678,599
25,570
271,904
65,064
30,590
302
2,959
5,436,748
2,556,100
25,235
247,254
56,503
30,660
326
2,819
4,721,391
2,561,950
27,240
235,556
販売費及び一般管理費
購入無形固定資産償却費
のれん及び購入無形資産の減損
事業再編費用
13,466
1,607
885
645
182
1,125,219
134,281
73,951
53,896
15,208
12,718
1,484
1,144
293
1,062,716
124,003
95,593
24,483
11,648
1,578
640
242
973,307
131,858
53,478
20,221
117,568
9,823,982
114,554
9,572,132
104,416
8,725,001
9,677
808,610
11,479
959,185
10,136
846,964
純売上高合計
売上原価及び営業費用:
買収関連費用
売上原価及び営業費用合計
営業利益
利息その他(純額)
(42,198)
(721)
(60,247)
8,982
1,908
750,536
159,433
10,974
2,213
916,987
184,918
9,415
1,755
786,717
146,647
$7,074
591,103
$8,761
732,069
$7,660
640,070
基本的
$3.38
282
$3.78
316
$3.21
268
希薄化後
$3.32
277
$3.69
308
$3.14
262
税引前当期純利益
法人税等
当期純利益
(695)
(58,074)
(505)
1株当たり当期純利益:
1株当たり純利益算定に用いられ
た加重平均株式数:
基本的
2,094百万株
2,319百万株
2,388百万株
希薄化後
2,128百万株
2,372百万株
2,437百万株
添付の注記は、この連結財務書類の欠くことのできない部分である。
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EDINET提出書類
ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
連結貸借対照表
(単位:額面価額以外は百万)
10月31日現在
2011年
(ドル)
2010年
(円)
(ドル)
(円)
未監査
未監査
資産の部
流動資産:
現金及び現金同等物
$8,043
672,073
$10,929
913,227
売上債権
18,224
1,522,798
18,481
1,544,273
金融債権
3,162
264,217
2,986
249,510
棚卸資産
7,490
625,864
6,466
540,299
その他の流動資産
14,102
1,178,363
15,322
1,280,306
流動資産合計
51,021
4,263,315
54,184
4,527,615
有形固定資産
12,292
1,027,120
11,763
982,916
長期金融債権及びその他の資産
10,755
898,688
12,225
1,021,521
のれん
44,551
3,722,681
38,483
3,215,640
購入無形固定資産
10,898
910,637
7,848
655,779
$129,517
10,822,441
$124,503
10,403,471
資産合計
負債及び株主資本の部
流動負債:
支払手形及び短期借入金
$8,083
675,415
$7,046
588,764
買掛金
14,750
1,232,510
14,365
1,200,340
未払給与及びその他の従業員給付
3,999
334,157
4,256
355,631
未払法人税等
1,048
87,571
802
67,015
前受収益
7,449
622,438
6,727
562,108
未払事業再編費用
654
54,648
911
76,123
その他の流動負債
14,459
1,208,194
15,296
1,278,134
流動負債合計
50,442
4,214,933
49,403
4,128,115
長期借入金
22,551
1,884,361
15,258
1,274,959
その他の固定負債
17,520
1,463,972
19,061
1,592,737
-
-
-
-
20
6,837
1,671
571,300
22
11,569
1,838
966,706
利益剰余金
35,266
2,946,827
32,695
2,731,994
その他の包括損失累計額
(3,498)
契約債務及び偶発債務
株主資本:
当社株主資本
優先株式(額面0.01ドル)(授権株式数:300百
万株;発行済株式数:なし)
普通株式(額面0.01ドル)(授権株式数:9,600
百万株;
発行済株式数:
2011年:1,991百万株、2010年:2,204百万株)
資本剰余金
当社株主資本合計
非支配持分
株主資本合計
負債及び株主資本合計
(292,293)
(3,837)
(320,620)
38,625
3,227,505
40,449
3,379,918
379
31,670
332
27,742
39,004
3,259,175
40,781
3,407,660
$129,517
10,822,441
$124,503
10,403,471
添付の注記は、この連結財務書類の欠くことのできない部分である。
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EDINET提出書類
ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:百万)
10月31日終了事業年度
2011年
(ドル)
営業活動によるキャッシュ・フ
ロー:
当期純利益
当期純利益から営業活動による
キャッシュ・フローへの調整:
減価償却費及び償却費
のれん及び購入無形資産の減損
株式報酬費用
貸倒引当金繰入額−売上債権及び
金融債権
棚卸資産引当繰入額
事業再編費用
法人税等調整額
株式報酬費用による税務ベネ
フィット
その他(純額)
諸資産及び負債の増減:
売上債権及び金融債権
棚卸資産
買掛金
未払法人税等
未払事業再編費用
その他の資産及び負債
営業活動によるキャッシュ・フロー
(純額)
投資活動によるキャッシュ・フ
ロー:
有形固定資産への投資による支出
有形固定資産の売却による収入
売却可能有価証券及びその他投資の
取得による支出
売却可能有価証券及びその他投資の
償還及び売却による収入
事業買収に伴う支払額(純額)
事業売却に伴う収入(純額)
投資活動によるキャッシュ・フロー
(純額)
$7,074
2010年
(円)
未監査
(ドル)
591,103
$8,761
2009年
(円)
未監査
732,069
(ドル)
$7,660
(円)
未監査
640,070
0
4,984
885
685
416,463
73,950
57,239
4,820
668
402,759
55,818
4,780
635
399,417
53,061
81
217
645
166
6,768
18,133
53,896
13,871
156
189
1,144
197
13,035
15,793
95,593
16,461
345
221
640
379
28,828
18,467
53,479
31,669
(163)
(46)
(13,620)
(3,844)
(294)
169
(24,567)
14,122
(162)
22
(13,537)
1,838
(227)
(1,252)
275
610
(1,002)
(293)
(18,968)
(104,617)
22,979
50,972
(83,727)
(24,483)
(2,398)
(270)
(698)
723
(1,334)
89
(200,377)
(22,561)
(58,325)
60,414
(111,469)
7,437
(549)
1,532
(153)
733
(1,237)
(1,467)
(45,874)
128,014
(12,785)
61,249
(103,364)
(122,583)
11,922
996,202
13,379
12,639
1,056,115
1,117,949
(4,539)
999
(379,279)
83,477
(4,133)
602
(345,353)
50,303
(3,695)
495
(308,754)
41,362
(96)
(8,022)
(51)
(4,262)
(160)
(13,370)
68
(10,480)
89
5,682
(875,709)
7,437
200
(8,102)
125
16,712
(677,003)
10,445
171
(391)
-
14,289
(32,672)
-
(13,959) (1,166,414)
(11,359)
(949,158)
(3,580)
(299,145)
96/267
EDINET提出書類
ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
10月31日終了事業年度
2011年
財務活動によるキャッシュ・フ
ロー:
コマーシャル・ペーパー及び支払手
形の発行及び返済(純額)
借入による増加
長期借入金の返済
従業員持株制度における普通株式の
発行
自己株式の取得
株式報酬費用による税務ベネフィッ
ト
配当
財務活動によるキャッシュ・フロー
(純額)
現金及び現金同等物の増加(減少)
現金及び現金同等物当期首残高
現金及び現金同等物当期末残高
2010年
2009年
(1,270)
11,942
(2,336)
(106,121)
997,874
(195,196)
4,156
3,156
(1,323)
347,275
263,715
(110,550)
(6,856)
6,800
(2,710)
(572,887)
568,208
(226,448)
896
(10,117)
74,870
(845,377)
2,617
(11,042)
218,677
(922,669)
1,837
(5,140)
153,500
(429,498)
163
(844)
13,620
(70,525)
294
(771)
24,567
(64,425)
162
(766)
13,537
(64,007)
(1,566)
(130,855)
(2,913)
(243,410)
(6,673)
(557,595)
(2,886)
10,929
(241,154)
913,227
(2,350)
13,279
(196,366)
1,109,593
3,126
10,153
261,209
848,384
$8,043
672,073
$10,929
913,227
添付の注記は、この連結財務書類の欠くことのできない部分である。
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$13,279
1,109,593
EDINET提出書類
ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
連結株主資本変動計算書
(単位:百万、株式数は千単位)
普通株式
株式数
額面価額
資本剰余金
(ドル) (円) (ドル)
(円)
未監査
未監査
(単位:
千)
2008年10月31日現在
当期純利益
売却可能有価証
券の正味未実現
利益
キャッシュ・フ
ロー・ヘッジの
正味未実現損失
確定給付型年金
制度の未実現項
目
為替換算調整勘
定
包括利益
従業員持株制度その
他に伴う普通株式の
発行
自己株式の取得
従業員持株制度に伴
う税務ベネフィット
配当金
株式報酬費用
会計原則変更に伴う
累積的影響
非支配持分に伴う変
更
2,415,303
$24
2,005
$14,012
その他の包括利益
(損失)累計額
当社株主資本合計
(ドル) (円) (ドル)
(円)
未監査
未監査
利益剰余金
(ドル)
(円)
未監査
1,170,843
$24,971
2,086,577
7,660
640,070
$(65)
非支配持分
(ドル) (円)
未監査
(ドル)
合計
(円)
未監査
(5,431) $38,942
3,253,994
$237
19,805
$39,179
3,273,799
7,660
640,070
78
6,517
7,738
646,587
-
-
-
-
-
-
-
16
1,337
16
1,337
-
-
16
1,337
-
-
-
-
-
-
-
(971)
(81,137)
(971)
(81,137)
-
-
(971)
(81,137)
(2,531)
(211,490)
(2,531)
(211,490)
-
-
(2,531)
(211,490)
-
-
-
-
-
-
-
304
25,402
304
25,402
-
-
304
25,402
-
-
-
-
-
-
-
-
-
4,478
374,182
78
6,517
4,556
380,699
69,157
1
84
1,783
148,987
-
-
-
-
1,784
149,071
-
-
1,784
149,071
(119,651)
(1)
(2,789)
(233,049)
-
-
(4,712)
(393,735)
-
-
(4,712)
(393,735)
163
13,620
-
-
163
13,620
(766)
(64,007)
-
-
(766)
(64,007)
635
53,061
-
-
635
53,061
-
-
(84)
163
13,620
(1,922)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
635
53,061
-
-
-
-
-
(7)
-
-
-
-
-
-
(766)
-
(160,602)
-
-
(64,007)
-
-
-
-
(585)
-
98/267
-
-
(7)
-
-
-
(585)
-
(68)
(5,683)
(7)
(585)
(68)
(5,683)
EDINET提出書類
ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
株式数
2009年10月31日現在
当期純利益
売却可能有価証券
の正味未実現利益
キャッシュ・フ
ロー・ヘッジの正
味未実現損失
確定給付型年金制
度の未実現項目
為替換算調整勘定
包括利益
従業員持株制度その
他に伴う普通株式の
発行
自己株式の取得
従業員持株制度に伴
う税務ベネフィット
配当金
株式報酬費用
2010年10月31日現在
当期純利益
売却可能有価証券
の正味未実現利益
キャッシュ・フロー
・ヘッジの正味未実
現損失
確定給付型年金制度
の未実現項目
為替換算調整勘定
包括利益
従業員持株制度その
他に伴う普通株式の
発行
自己株式の取得
従業員持株制度に伴
う税務ベネフィット
配当金
株式報酬費用
2011年10月31日現在
普通株式
額面価額
資本剰余金
その他の包括利益
(損失)累計額
利益剰余金
当社株主資本合計
非支配持分
$40,517
8,761
3,385,601
732,069
$247
109
20,639
9,108
$40,764
8,870
3,406,240
741,177
1,337
16
1,337
-
-
16
1,337
(32)
(2,674)
(32)
(2,674)
-
-
(32)
(2,674)
(602)
(50,303)
(602)
(50,303)
-
-
(602)
(50,303)
2,340
4
335
32
2,674
2,364,809
-
$24
-
2,005
-
$13,804
-
1,153,462
-
$29,936
8,761
2,501,453
732,069
$(3,247)
-
-
-
-
-
-
-
16
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
(271,319)
合計
-
-
-
-
-
-
-
28
2,340
28
-
-
-
-
-
-
-
-
-
8,171
682,769
113
9,442
8,284
692,211
80,335
1
84
2,606
217,757
-
-
-
-
2,607
217,841
-
-
2,607
217,841
(241,246)
(3)
(251)
(5,809)
(485,400)
-
-
(11,071)
(925,093)
-
-
(11,071)
(925,093)
-
-
300
25,068
-
-
-
(743)
668
(62,085)
55,818
(28)
-
(5,259)
-
-
-
300
25,068
-
-
-
668
55,818
2,203,898
-
$22
-
1,838
-
$11,569
-
966,705
-
$32,695
7,074
2,731,995
591,103
$(3,837)
(320,619)
$40,449
7,074
3,379,919
591,103
$332
74
27,741
6,183
$40,781
7,148
3,407,660
597,286
-
-
-
-
-
-
-
17
1,420
17
1,420
-
-
17
1,421
-
-
-
-
-
-
-
160
13,369
160
13,369
-
-
160
13,369
-
-
-
-
-
-
-
116
9,693
116
9,693
-
-
116
9,693
-
-
-
-
-
-
-
46
3,844
46
3,844
(17)
(1,421)
29
2,423
-
-
-
-
-
-
-
-
-
7,413
619,429
57
4,763
7,470
624,192
45,461
1
84
751
62,754
-
-
-
-
752
62,837
-
-
752
62,837
(258,853)
(3)
(251)
-
-
(832,926)
-
-
-
-
128
10,696
-
-
-
-
(834)
685
(69,689)
57,239
(10)
-
$(3,498)
(292,293)
(6,296)
(526,094)
-
-
-
128
10,696
-
-
-
685
57,239
1,990,506
$20
1,671
$6,837
571,300
-
(439,442)
(743)
-
(3,669)
(834)
$35,266
(62,085)
-
(306,582)
(69,689)
2,946,827
添付の注記は、この連結財務書類の欠くことのできない部分である。
次へ
99/267
(9,968)
$38,625
3,227,505
$379
(2,340)
-
(836)
31,668
300
25,068
(771)
668
(64,425)
55,818
(9,968)
(832,926)
128
10,696
(844)
685
(70,525)
57,239
$39,004
3,259,173
EDINET提出書類
ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
連結財務諸表に対する注記
注記1:重要な会計方針の要約
連結の原則
連結財務諸表は、ヒューレット・パッカード・カンパニー及び同社の100%子会社並びに同社が支配権を持つ過半数保有の子会社
(以下総称し、「当社」又は「HP」という。)の勘定を含んでいる。当社が重要な影響力を持つものの支配持分は持たない企業に
対する株式投資は持分法で会計処理され、当社の持分に比例した損益は連結損益計算書上、利息その他(純額)に計上される。重
要な連結会社間の勘定残高及び取引は全て相殺消去されている。
組替とセグメントの改組
2011年度第1四半期に実施した組織再編に伴い、従来サービス原価として表示されていた一部の原価は、これら支出によって利益
を享受する機能エリアにより明確に対応させるため、販売費及び一般管理費へ組み替えられている。当社は、経営組織の最適化を
目的に一部のセグメント及び事業単位の再編を行った。当期の表示と揃えるため、過年度の財務情報も組み替えている。これらの
変更はいずれも、当社の過年度連結純売上高、連結営業利益、連結当期純利益、あるいは一株当たり当期純利益に影響を与えるも
のではない。当社のセグメント改組の詳細については、注記19を参照されたい。
見積の使用
米国の一般に公正妥当と認められている会計原則(以下、「米国会計原則」という。)に準拠して財務諸表を作成する際、経営陣
は当社の連結財務諸表及びその注記に報告される金額に影響を及ぼすような見積りあるいは仮定を行う。実際の業績・結果は、
これらの見積りから大きく乖離する可能性がある。
収益認識
純売上高は主として製品の売上及びサービス収益からなる。当社が売上取引の会計処理に適用している収益認識の原則は以下の
とおりである。
販売契約の締結に関して説得力のある証拠が存在し、製品の納入又はサービスの提供が完了し、販売価格あるいはサービス料が
確定しているか、若しくは決定可能であり、かつ売上金額の回収可能性が合理的に保証されている場合、当社は収益を認識する。
さらに、再販売業者、流通業者、付加価値を与えるソリューションプロバイダー等の販売チャンネル・パートナーに対する売上に
ついては、当該チャンネル・パートナーが当社とは異なる経済的実態を有し、かつ当社が当該売上に関する義務を完遂した場合
にのみ収益を認識する。
当社の売上基準では、ハードウェアとソフトウェア、ライセンスとサービスなど売上契約が複数の要素を含む場合、当社は販売価
格のヒエラルキーを基準に収入をそれぞれの要素に分配する。成果物の販売価格は売手固有の客観的証拠(以下、「VSOE」とい
う。)が入手可能であればそれに基づき、VSOEが入手不可能な場合は外部業者の証拠(以下、「TPE」という。)に基づき、また
VSOE及びTPEのどちらも入手不可能な場合は見積販売価格(以下、「ESP」という。)に基づいて決定される。単なる付属物ではな
く、単独でも価値を持つソフトウェアが含まれる複数要素を含む契約においては、前述した販売価格のヒエラルキーを基準に、ソ
フトウェア及びそれ以外のそれぞれの成果物について前述した適切な販売価格のヒエラルキーを使用して収益を分配する。仮
に、契約が1つ以上のソフトウェア成果物を含んでいる場合、契約対価はまずソフトウェア成果物全体に分配され、その後、契約対
価は、修正されたソフトウェア収入の認識に関するガイダンスに従い、それぞれのソフトウェア成果物に分配される。
当社は、提供された要素に対する収益認識金額を、将来の製品又はサービスの提供、将来の履行義務又は顧客が要求できる返品・
返金の権利に影響を受けない金額に制限している。
当社は、契約内における成果物が別個の会計単位であるかどうかを決定するために、それぞれの成果物を評価している。成果物が
単一で価値を有し、提供された要素に対して顧客が要求できる返金・返品の権利が存在しない場合、成果物は分離した会計単位
となる。契約が提供されたものに対する顧客の返金・返品の権利を含み、未提供のものに対する提供又は履行の可能性が高く、そ
れらは実質的に当社の管理下にある場合、提供された要素は分離した会計単位となる。前述の基準が満たされなかった場合、成果
物は未提供の要素と結合され、契約対価と収入認識の分配は単一単位としての結合された単位に対して決定される。対価の分配
は、契約開始時点でそれぞれの単位の相対販売価格を基準に決定される。
100/267
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ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
当社は、成果物が個別に販売される際に請求する販売価格又は稀な事例においては、権限を持つ経営者により設定された価格を
使用して、販売価格のVSOEを設定している。販売価格のTPEは、大部分が類似し且つ代替可能な競合企業の製品又はサービス(類
似する状況にある顧客に対して単独で販売する場合)を評価することにより設定される。販売価格の最善の見積りは目標利幅、
価格決定に関する実施や管理、顧客セグメントの価格戦略、製品ライフサイクルなどの内部要因を考慮して設定される。加えて、
競合企業の価格戦略や産業技術ライフサイクル等の市況も考慮される。
外部業者のサービスの提供により収益が発生し、当社が取引において当事者である場合には収益は総額で計上され、また、当社が
顧客とベンダー間での販売代理人である場合には費用控除後の純額で計上される。当社が当事者か代理人かを判断するにあたっ
ては、様々な要素、特に当社が顧客に対する債務者であるか、独自の価格設定をしているか並びに在庫リスク及び信用リスクを負
担しているか否かを考慮する。
当社は、顧客から徴収し政府当局に収めた税金所要額を控除後の収入で計上し、徴収した税金は、当該政府当局に収めるまで流動
負債として計上される。
製品
ハードウェア
当社の収益に関する標準取引条件の下では、製品の所有権と危険負担は当該製品が顧客に納入された時点で移転し、顧客が製品
を受け入れない可能性がある場合やHP側に重大な債務が残る場合以外は、その時点で収益が認識される。当社は顧客からの返品
見込み、プライス・プロテクション、リベート及び当社が代理店や再販売業者と定めた販売契約に基づき提供されるその他の割
引プログラム等については、収益金額から差し引いている。販売型リースによる機器の販売収益については、リース開始時点で認
識している。当社は収益を認識する時点で、基本的な製品保証を含む販売後債務の見積額を、過去実績に基づき引当ている。
ソフトウェア
ソフトウェア永続ライセンスによる収益は、該当する場合、全ての収益認識基準を満たしていると仮定して、ライセンス期間開始
時に認識する。一方、期間限定ライセンスからの収益については、ライセンス申し込みに応じて当該ライセンスの期間にわたって
認識する。当社は、全ての未引き渡し要素に関して契約後サポートなどのVSOEが存在し、なおかつ他の全ての収益認識基準を満た
している場合に、ソフトウェアライセンスの期間開始時点で収益を配分する「残余法」を採用している。メンテナンスや不特定
アップグレード・アップデートからの収益については、それらのメンテナンス・アップグレード等が引き渡される期間にわたっ
て認識される。当社は、ソフトウェアのホスト又はサービス型ソフトウェア(以下、「SaaS」という。)の取引においては、サービ
ス提供時、すなわち、通常役務を提供する契約期間にわたり、定額法で収益を認識する。ソフトウェアのホスト取引においてソフ
トウェアのライセンスが販売される場合、これに関連するソフトウェアからの収益は上記のガイダンスに基づき、無期限のライ
センス又は期限付きのライセンスが販売された時点で認識される。SaaS取引において、ソフトウェアライセンスが販売されない
場合は、取引の全ての収益がライセンスの使用期間にわたり認識される。
サービス
延長保証契約、ソフトウェア契約後の顧客サポート契約を含め、定額のサポート契約やメンテナンス契約による収益は、契約期間
にわたって按分して認識され、関連費用は発生時に認識される。タイム&マテリアル契約(実費精算契約)に関する収益と費用
は、サービス提供時に認識される。定額コンサルティング契約による収益は、契約期間にわたり契約進行基準に基づき認識される
が、この契約進行度は当該契約に関る労務費総額の見積に対して実際に発生した労務費の割合に基づいて算定される。また、労務
費用総額の見積は契約期間にわたり、定期的に見直し、修正される。特定の設計・構築プロジェクト(ソフトウェア及び/又はシ
ステムの設計、開発及び/又は構築)の収益は、進行基準に基づいて認識される。進行度は、当該プロジェクトの完成に関わる費用
の総額の見積に対して実際に発生した費用の割合に基づいて算定される。プロジェクトに関する合理的で信頼のできる見積りが
存在しない場合、完成基準に基づいて収益を認識する。
アウトソーシングサービスに関しては、一般的にサービスの提供が完了し、売上金額が将来の事象により左右されない場合に収
益が認識される。契約期間の間、一定のサービスを提供しているにもかかわらず、サービス料の請求が一定額でない場合は、収益
は契約期間にわたって定額法で認識される。オペレーティング・リースによる収益は、リース期間にわたってサービス収益とし
て定額法で認識される。
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ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
アウトソーシング契約に関連する費用は、当該契約の開始段階において発生するそれ単体では価値がないものでない限り、発生
時に認識される。開始段階に関連する費用の場合は繰り延べられ、その後、契約サービス期間にわたって係る段取費用を償却す
る。繰延契約費用は、加速償却の方がより適切であるとうかがえない限り、残りの当初契約期間にわたって定額法で償却される。
特定の契約に関する繰延契約費用の回収可能性は、契約の財務パフォーマンス指標の実際値と予想値に基づき、残りの契約期間
にわたる契約全体の割引前見積キャッシュ・フローを用いて定期的に分析される。割引前キャッシュ・フローが、長期性資産及
び繰延契約費用を回収するには不十分な場合は、割引キャッシュ・フロー・モデルに基づいて、繰延契約費用の評価額を引き下
げる。繰延契約費用残高をゼロに引き下げた後もまだキャッシュ・フローが不足している場合は、当該契約に関連する残りの長
期性資産を減損の有無について評価する。
コンサルティング及びアウトソーシング契約における損失については、その損失の発生可能性が高く、その金額を見積ることが
できる期において認識する。収益認識基準を超えて顧客に請求を行った金額については、収益認識の要件を満たすまで前受収益
として計上される。定額契約にて請求金額を超えて稼得し認識した収益については、売上債権として計上する。
金融収益
販売型リース及び直接金融型リースによる金融収益は、リース期間にわたって一定の比率にて認識する。
前受収益及び関連する前受契約コスト
前受収益は、製品サポート契約、ソフトウェアに関連する顧客サポート契約、アウトソースされた立ち上げサービス、コンサル
ティング及び統合プロジェクト、製品販売あるいはリース収入に関連して事前に受領した金額を表している。製品サポート契約
には、単独の製品サポートパッケージ、定期的なメンテナンスサービス契約、アップグレード又は標準製品保証の延長や複雑かつ
グローバルでネットワーク化されたマルチベンダー環境への高可用性サービスが含まれる。当社は顧客への請求時にこれらの
サービスに関連する金額を繰延べ、通常はサポート契約年数に比例した金額で又は当社のサービスが完了した時点で収益を認識
している。当社では、顧客の長期サービス契約を可能とする立ち上げ作業に関連する一部のコストについても、繰延及び償却を
行っている。立ち上げ及び未請求のコストを含む、前受契約コストは通常、契約期間にわたり定額法で償却されるが、顧客との契
約条件により加速法が適切であるとされる場合はこの限りではない。
運送費
運送費は、全ての報告対象期間において売上原価に含められている。
広告費
広告費は発生時、あるいは当該広告が開始された時点で、費用計上される。広告費合計は、2011年度が約12億ドル、2010年度が約10
億ドル、2009年度が約7億ドルであった。
株式報酬
全ての株式報酬に関する株式報酬費用は、付与日の公正価値に基づいて算定されている。これらの報酬費用は、見積権利喪失率に
基づく値を差し引いた金額で認識され、勤務及び業績いずれの権利確定条件も満たす見込みの株式分のみの報酬費用を、同報酬
の所要勤務期間にわたり定額法で認識している。これらの報酬費用は、勤務条件で付与される株式報酬の場合は一括で付与時に、
また業績又は市場条件で付与される場合はそれぞれの行使時において決定される。当社は過去の経験に基づき、権利喪失率を見
積もっている。
外貨建取引
当社は米ドルを機能通貨として使用している。米ドル以外の通貨建ての資産及び負債については、貨幣性資産・負債は期末為替
レートで、非貨幣性資産・負債は取得時の為替レートで、それぞれ米ドルに換算されている。当期の純売上高、売上原価及び費用
については、期中平均為替レートで換算されており、それ以前の期に関連する純売上高、売上原価及び費用については当時の期中
平均為替レートで換算している。外貨換算差損益は、純利益に含まれている。特定の海外子会社は、現地通貨を機能通貨としてお
り、当社はそれら子会社の資産・負債を、貸借対照表日付において米ドルへ換算しており、その際に発生する為替換算調整額を、
その他包括利益(損失)累計額に含めている。
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ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
法人税等
当社は資産及び負債の税法上の金額と財務会計上の金額との一時差異について繰延税金資産及び負債を認識するが、その金額は
一時差異が解消されると予想される年度に適用される法定税率を使って算定される。当社は繰延税金資産に対し評価性引当金を
計上することにより、当該資産を回収可能な金額まで減額している。
現金及び現金同等物
当社は投資時点から満期が3ヶ月以内の短期投資を現金同等物として計上している。現金同等物は主に大手銀行の定期預金及び
コマーシャル・ペーパーなどの流動性の高い投資で構成される。満期までの期間が短いことから、2011年10月31日現在及び2010
年10月31日現在の現金及び現金同等物の簿価は、概ね満期日における返済額の公正価値の概算である。
投資
当社の投資は主に、定期預金、マネー・マーケット・ファンド、コマーシャル・ペーパー、社債、その他の負債証券及び公開会社と
非公開会社の株式で構成される。
負債証券及び市場性のある株式は、通常売却可能有価証券に分類され公正価値で計上される。未実現損益については、適切な税額
が控除された後、株主資本のその他の包括利益累計額に計上される。売却可能有価証券の実現した利益及び損失は連結損益計算
書上のその他収支に含まれる。実現した利益及び損失は個別法で計算される。
当社は定期的に減損のための投資ポートフォリオを監視している。負債証券投資の帳簿価額がその公正価値を上回り、その価値
の下落が一時的なものではないと判断され、当社がその負債証券を売却する意思が無く、償却原価ベースの回復前にその負債証
券を売却する必要性が恐らくない場合、その減損を利息その他(純額)勘定に計上し、残りの部分はその他包括利益(損失)に
計上する。非公開会社への持分証券に対する投資は、原価若しくは当社が一時的なものではないと判断する減損を認識する場合
には、公正価値で計上される。
信用リスクの集中
当社を重大な信用リスクの集中にさらす危険性のある金融商品には、現金及び現金同等物、投資、取引先や契約製造元からの売上
債権、金融債権及びデリバティブ商品が含まれる。
当社は様々な金融機関が提供する現金及び現金同等物、短期・長期投資、デリバティブ商品及びその他金融商品を保有している。
これらの金融機関は世界各国に散在しており、当社の方針は特定の金融機関へリスクが集中することがないよう制定されてい
る。現金管理及びリスク管理プロセスの一貫として、当社は定期的に各金融機関の信用状態を評価している。当社は、金融機関に
おいて保持する金融商品から多大な信用損失を被ったことはない。当社は為替変動リスクを回避するため、先物契約及びその他
のデリバティブ契約を利用している。これらの契約は、相手先不履行のリスクを伴うものであり、重大な損失に至る可能性があ
る。
当社は、自社製品の多くを外部の流通業者及び再販業者を通して販売しており、その結果これらの業者に対する多額の債権を有
している。これらの業者の財政状態や経営が著しく悪化した場合、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性がある。上位10社の流通業
者及び再販業者に対する債権残高合計が売上債権総額に占める割合は、2011年10月31日及び2010年10月31日現在で約18%と、その
ほとんどが北米と欧州に集中していた。単一の顧客で売上債権総額の10%を超えるものはない。その他の売上債権及び金融債権に
ついては、当社の顧客数が多いことと、その顧客が様々な業種や地域にわたり多様化されていることにより、信用リスクは分散さ
れている。当社は外部の流通業者、再販業者、顧客の財政状態の評価を継続的に実施しており、必要に応じて信用状や銀行保証と
いった担保を顧客に対して要求している。債権の契約上の支払期日に基づき、当該債権の期日超過あるいは延滞状況が管理され
ている。
その他の集中
当社は、技術、有用性、価格、品質等を考慮して、様々な部品をそれぞれ一社の供給業者から仕入れている。そのような単独供給業
者の喪失、単独供給業者との関係の悪化又は単独業者からの部品供給を定める契約条件の一方的な変更などがあった場合には、
当社の売上高及び売上総利益が悪影響を受ける可能性がある。
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貸倒引当金
当社は、売上債権及び金融債権に対し、貸倒引当金を計上している。貸倒引当金は様々な要因に基づいて計上されるが、その要因
には債権の支払期日を超えた期間、債権のポートフォリオ全体の加重平均的格付けのトレンド、マクロ経済的状況、重要な1回限
りの出来事、過去の経験及びマーケット要因と顧客の財政状況に基づき定量的な債務不履行の可能性を算出する第三者のクレ
ジット・リスク・モデルの使用などが含まれる。破産申立てや顧客の経営成績あるいは財政状態の悪化など、顧客が金融債務を
履行できない可能性があると当社が認識した場合には、当社は個々の勘定に対して個別引当金を計上する。特定の顧客の状況に
追加の変化があるような場合、当社は債権の回収性の見積りをさらに調整する。
金融債権の信用度及び貸倒引当金についての詳細は注記11を参照されたい。
棚卸資産
棚卸資産は低価法で評価されており、原価は先入先出法で計算されている。超過、陳腐化又は減損が生じた場合、必要に応じて棚
卸資産原価を正味実現可能価額まで引き下げている。
有形固定資産
有形固定資産は取得原価から減価償却累計額を差し引いた金額で計上されている。追加取得や改良は資産計上され、保守・修繕
は発生時に費用処理されている。減価償却費は、定額法又は加速度償却法を用いて、資産の見積耐用年数にわたって計上されてい
る。見積耐用年数は、建物及び建物付属設備については5年から40年、機械及び器具については3年から15年である。賃貸建物内部
造作の償却は、賃貸期間又は資産の耐用年数のどちらか短い期間にわたって計算されている。賃貸器具は、賃貸期間にわたり見積
残存価額に達するまで減価償却が行われている。顧客サービス契約の支援にのみ使用される資産の見積耐用年数は、一般的にそ
の顧客契約期間を超えることはない。
当社は、社内利用目的のソフトウェアの取得又は開発により発生した特定の内部及び外部コストを資産計上しているが、これは
主にソフトウェアのコーディング、設計システム・インターフェース及びソフトウェアのインストールとテストに関連するコス
トである。当社はこれらの資産計上したコストを、ソフトウェアの見積耐用年数、すなわち一般的には3年から5年の期間にわた
り、定額法により償却している。
ソフトウェア開発費
ソフトウェアの購入費用又は転売目的の開発費用は、そのソフトウェア製品の技術的実現可能性を確立後に重要であれば、資産
計上される。資産化された開発費用は、定額法による消却額若しくはその製品の当期の総収入が当期及び将来の予想総収入の合
計に占める割合により計算した償却額の、どちらか大きい方を用いて償却される。資産化された転売目的のソフトウェアの見積
耐用年数は約3年かそれ未満である。技術的実現可能性が確立した後に発生したソフトウェア開発費用は、通常多額ではないた
め、発生時に費用として処理される。
企業結合
当社は取得した事業について取得日以降の業績を連結財務諸表に含めている。2010年度中に適用となった新会計基準に基づき、
当社は事業の取得価額を見積られた公正価値に応じて、固定資産、負債及び仕掛研究開発費(以下、「IPR&D」という。)を含む購
入無形固定資産に割り振っている。取得価額のうち、識別可能な資産及び負債の公正価値を上回る部分については、のれんとして
計上している。のれんを構成する主な要素として、償却可能な無形資産には分類できない、取得した事業と当社事業の間のシナ
ジー効果や労働力の集約による生産性の向上が含まれる。IPR&Dは、当初耐用年数が明確でない無形資産として公正価値で資産計
上され、その後減損評価が実施される。IPR&Dプロジェクトが完了した際には、償却可能な購入無形固定資産に振り替えられ、見積
耐用年数で償却する。IPR&Dプロジェクトが頓挫した場合には、その頓挫した期の連結損益計算書上で関連する無形固定資産の金
額を費用計上する。買収関連費用及び事業再編費用は、企業結合と区分して認識し、発生時に費用計上する。なお、2010年度以前
は、IPR&Dは取得日において費用計上されており、買収関連費用は事業の取得価額に含まれ、事業再編費用は債務の引受として取
得対価の公正価値配分の決定に含めていた。
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のれん及び購入無形固定資産
のれんや耐用年数が明確でない購入無形固定資産については、償却は行わず最低年一回、減損テストを実施する。当社はのれんや
耐用年数が明確でない購入無形固定資産の減損状況の評価を毎年第4四半期の始めに実施しており、さらに当該資産の帳簿価額
が回復不可能となるような事象や状況の変化が起こったときにも、減損の見直しを実施している。のれんに関しては、2段階の減
損テストが実施されている。第1段階では、それぞれの報告単位の公正価値が帳簿価額と比較される。報告単位は通常、注記19で特
定している報告セグメントと一致している。ただし、コーポレート・インベストメント・セグメント内のウェブOS事業に関して
は、報告単位は報告セグメントレベルより一段階下である。当社はインカム・アプローチとマーケット・アプローチの組み合わ
せを使用し、報告単位の公正価値を算定している。インカム・アプローチでは、将来のキャッシュ・フローの見積りの現在価値に
基づいて報告単位の公正価値が計算される。マーケット・アプローチでは、比較可能な他社の収益あるいは利益の乗数を使用し
て報告単位の公正価値が見積られる。報告単位の公正価値が、その報告単位に割り当てられた純資産の帳簿価額を上回る場合に
は、のれんは減損処理されず、それ以上の減損テストは行われない。一方、純資産の帳簿価額が報告単位の公正価値を上回る場合
には、当該報告単位ののれんの公正価値を算定するために、第2段階の減損テストを実施しなければならない。当該報告単位のの
れんの帳簿価額が公正価値を上回る場合には、当社はその差額と同額の減損損失を計上する。
当社は耐用年数が明確でない購入無形固定資産の公正価値を、インカム・アプローチにより見積っている。耐用年数が明確では
ないこれら無形固定資産の見積公正価値が帳簿価額より低い場合は、減損損失を計上する。
耐用年数が明確である購入無形固定資産は、1年から10年の見積耐用年数にわたり定額法で償却される。
長期性資産の減損
有形固定資産及び耐用年数が明確である購入無形固定資産などの長期性資産は、帳簿価額の回復が不可能と判断されるような事
象や状況が発生した際、減損の評価が行われる。当社はこれら資産の回復可能性を、割引前の将来キャッシュ・フローに基づき評
価し、このキャッシュ・フローに資産の売却金額を足した金額が当該資産の帳簿価額を下回る場合には、減損損失を計上する。減
損を把握した場合には、当社は割引キャッシュ・フロー(DCF)アプローチに基づき見積公正価値の金額まで、あるいは適切であ
れば対応する市場価値に基づいた見積公正価値の金額まで、当該資産の帳簿価額を減額する。
金融商品の公正価値
当社は特定の金融資産及び負債について、市場参加者間の秩序立った取引において、資産又は負債の主要市場あるいはもっとも
有利な市場で、当該資産に対して受け取るであろう交換価格又は当該負債の譲渡で支払うであろう交換価格(出口価格)に基づ
いて、公正価値を測定している。金融商品は主に定期預金、マネー・マーケット・ファンド、コマーシャル・ペーパー、社債、その
他の負債証券、持分証券、その他の普通株式投資及び普通株式同等物やデリバティブを含む。金融商品の公正価値の詳細に関して
は、注記9を参照されたい。
デリバティブ金融商品
当社は、外国為替及び金利変動リスクをヘッジするために、主に先物、スワップ、オプションなどのデリバティブ金融商品を使用
している。当社はさらに先物などの、ヘッジ目的と指定されていないデリバティブ金融商品を、外貨建て貸借対照表の変動リスク
をヘッジするために使用することがある。当社は、デリバティブ金融商品を、投機目的には使用していない。当社のデリバティブ
金融商品に関る活動及び関連する会計方針の詳細に関しては、注記10を参照されたい。
退職給付及び退職後給付制度
当社は様々な確定給付型年金制度、その他の拠出型と非拠出型の退職金及び退職後給付制度を有している。未認識保険数理的損
益については、支給対象者の見積残余勤務期間にわたり均等償却している。当社の全制度の測定日は10月31日である。これらの制
度に関する詳細及び会計処理と積み立ての方針については注記16を参照されたい。
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偶発損失
当社はいくつかの訴訟、損害賠償請求、調査及び通常の営業過程において発生する様々な法的手続きに関与している。これらは、
債務の発生可能性が高くかつその金額が合理的に見積もることができる場合に債務を引当計上する。当社の偶発損失及び関連す
る会計方針の詳細については、注記18を参照されたい。
注記2:株式報酬
当社の株式報酬制度には、インセンティブ報酬プランと従業員株式購入プラン(以下、「ESPP」という。)がある。
株式報酬費用と関連する税務ベネフィット
株式報酬費用(税引前)は2011年度が685百万ドル、2010年度が668百万ドル、2009年度が635百万ドルであった。また、それによる
税務ベネフィットはそれぞれ219百万ドル、216百万ドル、199百万ドルであった。
ESPPによるオプションの行使により受領した現金と購入額は2011年度において9億ドル、2010年度が26億ドル、2009年度が18億ド
ルであった。また、株式報酬のオプション行使による税務ベネフィットの実現額はそれぞれ220百万ドル、414百万ドル、252百万ド
ルであった。
インセンティブ報酬プラン
当社のストック・オプション制度は、2004年(2010年に改正された)、2000年、1995年及び1990年に導入した主要なエクイティ・プ
ラン(以下、「主要エクイティ・プラン」という。)と、企業買収により引き継いだストック・オプションが未行使である様々な
エクイティ・プランを含んでいる。主要エクイティ・プランにより付与される株式報酬には実績基準型制限付ユニット(以下、
「PRUs」という。)、ストック・オプション及び制限付株式報酬が含まれる。一定の雇用基準を満たす従業員は、株式報酬を受け
取る資格を有している。
当社は、仮想HP普通株式にあたるPRUの発行を規定する制度を2008年度に導入した。PRU報酬は主要執行役員、主要財務責担当役員
及びその他の執行役員を含む適格従業員に付与される。各PRU報酬は、業績及び市況による調整前の、報酬受給者に対して発行で
きる対象株式数(以下、「対象株式」という。)を反映した値とされる。つまり実際に受給者が受け取る株式数は、3年間の業績測
定期間が終了した時点で達成した業績と当社の業績目標を比較して決定される。業績目標は、業績期間における当社の年間営業
キャッシュ・フローが売上高に占める割合と株主総利回り(以下、「TSR」という。)平均値の三年間の業績測定期間における
S&P 500指数比を基準とする。3年間の業績期間における当社の業績に応じて、同期間終了時に実際に受給者が受け取る株式数は、
下記の計算に基づき、対象株式付与数の0%∼200%とされる。
キャッシュ・フローの業績目標は、各年度の期首に設定される。当該年におけるキャッシュ・フロー面の業績目標達成度に応じ
て、対象株式数のうちの獲得分を各年度末に受給者の名義で預け入れることができる。預け入れられる株式数は、業績が目標範囲
の下限に届かなければ0%、業績が目標範囲の上限以上であれば150%の掛目を乗じた株式数となる。目標範囲の下限と上限の間の
業績になった場合は、それに相対して30%から150%の間の応分な掛目が乗じられる。
3年間の業績期間が終わると、同期間中に受給者の名義で預け入れられていた株式数は、TSR修正率を乗じて、調整される。TSR修正
率は、業績が目標範囲の下限に届かなければ0%のTSR修正率が乗じられる結果、PRU報酬の支給はなくなる。業績が目標範囲の上限
以上であれば133%のTSR修正率を乗じた株式数とされる。目標範囲の下限と上限の間の業績になった場合は、それに相対して66%
から133%の間の応分なTSR修正率が乗じられる。従って、PRU報酬受給者が最終的に受け取る株式数は、業績期間中に受給者の名義
で預け入れられていた株式数にTSR修正率を乗じた値となる。
報酬株式の一部でも受領するためには、一般的にPRU報酬受給者は当該する3年間の業績期間が終了するまで当社に継続勤務して
いなければならない。該当する業績期間終了後に獲得し発行されるまで、PRU報酬の対象株式には配当金に相当する権利や普通株
式の議決権はない。見積権利喪失分控除後の報酬費用は、獲得が見込まれる株式数及び業績期間におけるキャッシュ・フローの
目標達成度に基づいて、見積残余勤務期間にわたり計上される。
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主要エクイティ・プランに基づき付与されたストック・オプションは、通常は非適格ストック・オプションであるが、同制度下
のいくつかのオプションは米国の内国歳入法の定義する「インセンティブ・ストック・オプション」として認められている。ス
トックオプションは付与日から3年から4年で通常、権利行使可能となる。ストック・オプションの権利行使価格は、オプション付
与日におけるHP普通株式の公正市場価値(当日の大引け時のHP普通株式売却価格公表値によって決定)に相当する。2003年度以
降に付与されたオプションの契約期間は原則的に8年であるが、2003年以前に付与されたオプションの契約期間は原則的に10年
である。2010年3月以前において、当社は特定の状況の下、割引行使価格(付与日の公正市場価格の少なくとも75%以上)を定め
ることができる。2003年度以降、当社はそのような割引オプションを付与していない。当社は2011年度に権利喪失までに勤務条件
及び業績条件の両方を満たすことで権利が行使可能となる達成条件付きのストックオプションを付与した。
主要エクイティ・プランの下、当社は特定従業員に対し現金、制限付株式報酬、あるいはその両方を付与した。制限付株式報酬と
は、制限付株式又は制限付株式ユニットの付与を含む、非確定の株式報酬である。現金及び制限付株式報酬は、オプションの付与
から独立したものであり、従業員が制限解除前に退職した場合には失効する。これら報酬は通常、付与日から1年から3年で権利が
確定する。この期間中、株式所有権を譲渡することはできない。制限付株式は、他の普通株式と同様に現金配当を受け取る権利と
議決権が付与されており、発行済株式として扱われる。制限付株式ユニットは、制限付株式に対して支払われる現金配当と同額の
配当を受け取る権利があるが、普通株式のような議決権はなく、制限付株式ユニットの基礎となる株式は発行済株式とは見なさ
れない。ただし、希薄化後一株当たり利益(以下、「EPS」という。)の計算において、制限付株式ユニットの基礎となる株式は含
まれる。当社は、付与日に算定した制限付株式報酬の公正市場価値を、制限解除までの期間にわたって按分して費用計上してい
る。
業績基準型制限付ユニット
TSR修正率には市況が盛り込まれているため、当社は、モンテ・カルロ・シュミレーション・モデルを用いて、PRU対象株式の公正
価値を見積もった。10月31日に終了する事業年度のPRU報酬の加重平均公正価値を決定するにあたっては、次の加重平均仮定値を
用いた。
2011年
付与額の1株当たりの加重平均公正価値……………………………
予想ボラティリティ(4)………………………………………………
リスク・フリーレート…………………………………………………
配当利回り………………………………………………………………
予想権利行使期(月)…………………………………………………
$27.59(1)
30%
0.38%
0.75%
19
2010年
$57.13(2)
38%
0.73%
0.64%
22
2009年
$40.56(3)
35%
1.34%
0.88%
30
(1) 2009年度に付与されたPRUに適用される3年間の業績測定期間の3年目、2010年度に付与されたPRUに適用される3年間の業績
測定期間の2年目及び2011年度に付与されたPRUに適用される3年間の業績測定期間の1年目の加重平均公正価値を示す。2010年度
に付与されたPRUの業績測定期間の3年目及び2011年度に付与されたPRUの業績測定期間の2年目及び3年目の対象株式の見積公正
価値は、それらPRUに該当する測定日に決定される。その測定日は年間目標キャッシュ・フローがPRUのために承認された日付で、
その費用は、3年間の業績測定期間の残りの期間にわたって償却される。
(2) 2008年度に付与されたPRUに該当する3年間の業績測定期間の3年目、2009年度に付与されたPRUに該当する3年間の業績測定
期間の2年目及び2010年度に付与されたPRUの3年間の業績期間の1年目における加重平均公正価値を反映している。
(3) 2008年度に付与されたPRUに該当する3年間の業績測定期間の2年目及び2009年度に付与されたPRUに該当する3年間の業績測
定期間の1年目における加重平均公正価値を反映している。
(4) PRU報酬に関して、S&P500指数構成銘柄の多種多様な価格のシミュレーションを実施する際には、インプライド・ボラティリ
ティを使用できないため、ヒストリック・ボラティリティを用いている。
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2011年10月31日及び2010年10月31日現在の発行済PRU及び2010年度から2011年度における変動は、以下のとおりである。
期首の発行済対象株式………………………………………………………………………………
付与……………………………………………………………………………………………………
確定……………………………………………………………………………………………………
業績及び市況に起因する株式数の変動(2)………………………………………………………
権利喪失………………………………………………………………………………………………
期末の発行済対象株式………………………………………………………………………………
期末に公正価値が割り当てられているPRU対象株式……………………………………………
(単位:千株)
2011年
2010年
18,508
21,093
5,950
7,388
(7,186)(1)
(10,862)
(108)
(2,214)
(2,679)
11,382
18,508
5,867(3)
10,201(4)
(1) 2008年度に付与されたPRUのうち、権利確定したものである。
(2) 2009年度に付与されたPRUのうち、TSRの最低レベルに満たなかったため、2011年10月31日に発行済み対象株式のうち約10.9
百万株が権利喪失となった。
(3) 2010年度に付与されたPRUのうち3年目の対象株式及び2011年度に付与されたPRUのうち2年目及び3年目の対象株式について
は測定日がまだ確定していないため除外している。除外されたPRUに関連する測定日及び公正価値は、年間キャッシュ・フローが
承認される際に決定する。
(4) 2009年度に付与されたPRUのうち3年目の対象株式及び2010年度に付与されたPRUのうち2年目及び3年目の対象株式について
は測定日がまだ確定していないため除外している。
2011年10月31日現在、公正価値が割り当てられているPRUに対する未認識税引前株式報酬費用は82百万ドルであり、当社はそれを
1.4年の加重平均残存付与期間にわたって認識される見込みである。また、2010年10月31日現在、公正価値が割り当てられている
PRUの未認識税引前株式報酬費用は222百万ドルあり、それを1.2年の加重平均残存付与期間にわたって認識されると予測された。
ストック・オプション
当社はブラック・ショールズ・オプション価格決定モデルを用いて、主要エクイティ・プランで付与される勤務条件付きストッ
ク・オプションを評価した。まず特定の従業員グループに基づいて識別可能な行動パターンの有無を見極めるため、オプション
行使の過去のパターンを調査した。この分析により、当社は3つの従業員グループを特定し、ブラック・ショールズ・モデルを適
用した。以下の表は、3つの従業員グループの予想加重平均権利行使期間(月)を示している。予想権利行使期間の計算は、3つの
従業員グループのそれぞれにおける歴史的権利行使パターンと権利確定後の動向に基づいている。株式報酬の契約期間にわたる
リスク・フリーレートは、付与日における米国財務省証券のイールド・カーブに基づいている。当社は、遂行随伴型ストックオプ
ションの公正価値を、市場条件を含むモンテ・カルロ・シミュレーション・モデル及び格子モデルを組み合わせて評価してい
る。
株式報酬の公正価値は、以下の仮定と加重平均公正価値に基づき、見積られた。
2011年
付与額の加重平均公正価値(1)………………………………………
予想ボラティリティ…………………………………………………
リスク・フリーレート………………………………………………
配当利回り……………………………………………………………
予想権利行使期間(月)……………………………………………
$7.85
41%
1.20%
1.97%
63
2010年
$13.33
30%
2.06%
0.68%
61
(1) 公正価値は、各事業年度中に付与されたストック・オプションを基に計算している。
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2009年
$13.04
43%
2.07%
0.92%
61
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各年度の10月31日現在のオプション活動は以下のとおりである。
期首未行使残高……
新規付与又は企業買
収による引受……
権利行使……………
権利喪失、無効、期
間経過……………
期末現在未行使残高
……………………
2011年
2010年
平均
加重平均権 加重平均残
本源的
株式数
利行使価格
存期間
価値
(千)
(年数) (百万)
142,916
$28
平均
加重平均権 加重平均残
本源的
株式数
利行使価格
存期間
価値
(千)
(年数) (百万)
233,214
$33
18,804
(37,121)
$21
$23
11,939
(75,002)
$22
$34
(4,356)
$39
(27,235)
$55
120,243
$28
3.0
$460
142,916
$28
2.7
$2,140
権利確定又は確定が
予想される残高…
117,066
$28
2.9
$442
141,082
$28
2.7
$2,114
期末現在権利行使可
能残高……………
97,967
$29
2.0
$332
125,232
$28
2.1
$1,895
2011年度には、企業買収により約6百万株のストック・オプションを引き受けたが、その加重平均権利行使価格は14ドルであっ
た。2010年度には、企業買収により約10百万株のストック・オプションを引き受けたが、その加重平均権利行使価格は19ドルで
あった。
上記表の本源的価値の合計は、2011年10月31日及び2010年10月31日現在で、全てのオプション保有者が権利行使したと仮定した
場合に、受け取るであろう税引前の本源的価値の合計を表している。この値は、2011年度及び2010年度の最終取引日における当社
の株式の終値と権利行使価格の差額にイン・ザ・マネー状態にあるオプション数を掛け合わせたものである。2011年、2010年及
び2009年に行使されたオプションの本源的価値はそれぞれ7億ドル、13億ドル、8億ドルである。2011年度、2010年度、2009年度に確
定し費用処理されたオプションの公正価値総額は、税引後の金額で、それぞれ95百万ドル、93百万ドル、172百万ドルである。
2011年10月31日現在の未行使オプションの情報は以下のとおりである。
未行使オプション
権利行使価格の範囲
0ドル-9.99ドル………………………
10ドル-19.99ドル……………………
20ドル-29.99ドル……………………
30ドル-39.99ドル……………………
40ドル-49.99ドル……………………
50ドル-59.99ドル……………………
60ドル以上……………………………
未行使
株式数
2,456
14,307
56,375
23,838
20,336
1,171
1,760
120,243
1株当たり
加重平均
加重平均権利
残存契約年数
行使価格
6.8
4.6
2.5
2.5
3.4
5.3
0.7
3.0
$6
$15
$22
$32
$43
$52
$75
$28
(単位:株式数は千)
行使可能オプション
1株当たり
行使可能
加重平均権利
株式数
行使価格
2,028
7,652
43,818
22,965
19,078
666
1,760
97,967
$6
$15
$22
$32
$43
$51
$75
$29
2011年10月31日現在、ストック・オプションに関連する未認識報酬費用合計は264百万ドルであったが、この費用は2.3年の加重
平均残存付与期間にわたって認識される見込みである。2010年10月31日現在ストック・オプションに関する未認識報酬費用合計
は280百万ドルであり、この費用は1.6年の加重平均期間にわたって認識される予定であった。
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制限付株式報酬
2011年10月31日及び2010年10月31日現在の権利未確定の条件付株式報酬残高及び2010年から2011年の変動は、以下のとおりで
あった。
期首の権利未確定残高………………………………………
付与……………………………………………………………
確定……………………………………………………………
権利喪失………………………………………………………
期末の権利未確定残高………………………………………
2011年
1株当たり
付与日の
加重平均
株式数
公正価値
単位:千
5,848
$45
17,569
$38
(5,660)
$41
(944)
$43
16,813
$39
2010年
1株当たり
付与日の
加重平均
株式数
公正価値
単位:千
6,864
$44
4,821
$48
(5,202)
$46
(635)
$46
5,848
$45
付与した制限付株式報酬及び企業買収により引き受けた制限付株式報酬の詳細は、以下のとおりである。
2011年
株式数
単位:千
付与及び企業買収による引受:
制限付株式…………………
制限付株式ユニット………
2010年
1株当たり
付与日の
加重平均
公正価値
335
17,234
17,569
株式数
単位:千
$42
$38
$38
1,543
3,278
4,821
1株当たり
付与日の
加重平均
公正価値
$48
$48
$48
2011年度には、企業買収による制限付き株式ユニット引き受けはなかった。2010年度には、企業買収により約3百万の制限付株式
ユニットを引き受けたが、その付与日の加重平均公正価値は48ドルであった。
年度末現在の権利未確定条件付株式報酬残高の詳細は、以下のとおりであった。
2011年
10月31日現在の権利未確定残高:
制限付株式………………………………………………………………………
制限付株式ユニット……………………………………………………………
984
15,829
16,813
(単位:千)
2010年
1,936
3,912
5,848
2011年10月31日現在、権利未確定の制限付株式報酬に関連する未認識株式報酬費用は税引前で526百万ドルであったが、この費用
は1.4年の加重平均付与期間にわたって認識される見込みである。2010年10月31日現在、権利未確定の制限付株式報酬に関する未
認識報酬費用は152百万ドルであったが、この費用は1.5年の加重平均付与期間にわたって認識される予定であった。
従業員持株購入プラン
当社はヒューレット・パッカード2011年従業員持株購入プラン(以下、「2011ESPP」という。)を提供している。この制度によ
り、株式購入資格のある従業員は、一定の収入の範囲の中で、基本給の最大10%までを、当社普通株式の購入にあてることができ
る。なお、2011年度以前の購入は、2010年11月に終了したヒューレット・パッカード2000年従業員持株購入プラン(以下、
「2000ESPP」という。)に基づいていた。
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2011年10月31日における購入では、従業員は2011ESPPに基づき購入日の公正市場価値の95%に相当する価格で購入した。ただし、
これらは非報酬型プランで要求される全ての要件を満たしていないため、この株式購入に関連する報酬費は計上されていない。
2009年5月1日から2010年10月31日における、2000ESPPに基づく購入に対し、割引は適用されなかった。2009年4月30日までの購入
については、従業員はESPPに準拠して、半年に一回、購入日の公正市場価値の85%に相当する価格で株式を購入し、当社はこれらの
購入について公正価値の15%を割引額として費用を認識していた。
各事業年度の10月31日現在のESPPの活動は、以下のとおりであった。
報酬費用(税引後)……………………………………………………………
購入株式…………………………………………………………………………
1株当たり加重平均購入価格 …………………………………………………
加入適格従業員…………………………………………………………………
加入従業員………………………………………………………………………
(単位:1株当たり加重平均購入価格を除
き、百万)
2011年
2010年
2009年
$$$24
1.75
1.62
6.16
$25
$47
$33
(単位:千)
2011年
2010年
2009年
261
251
260
18
18
49
確保している株式
ESPP及び株式報酬制度の下での将来の付与に利用できる株式及び将来の発行に確保している株式は以下のとおりである。
2011年
10月31日現在の将来に付与に利用できる株式:
HPプラン ………………………………………………………………………………
引受けたCompaq及びEDSプラン…………………………………………………
10月31日現在の全ての株式関連プランによる将来の発行に確保された株式 …
2010年
単位:千株
2009年
172,259 124,553(1) 95,311(1)
82,449(2)
172,259
124,553
177,760
319,602
296,973
410,977
(1) 2010年11月及び2009年11月に失効するそれぞれ30百万株、24百万株を含む。
(2) 2009年11月、新しく株式報酬を付与する目的として、引受けたCompaq及びEDSプランの株式を消却した。これらのプランによ
る将来の付与に確保された株式は、当社の授権株式にプールされ、他のどのプランの下においても発行に利用されることはない。
注記3:一株当たり当期純利益
当社は、基本的一株当たり当期純利益(以下、「EPS」という。)を、当期純利益及び期中の加重平均発行済株式数に基づいて計算
している。希薄化後EPSは、発行済ストック・オプション、PRU、制限付株式ユニット及び制限付株式による希薄化の効果が含まれ
る。
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10月31日に終了した各事業年度における基本的及び希薄化後EPSの計算に使われる分子及び分母の調整は以下のとおりである。
(単位:1株当たりの金額を除き、百万ドル)
2011年
2010年
2009年
分子:
当期純利益(1)…………………………………………………………………
$7,074
$8,761
$7,660
分母:
基本的EPS算定に用いられた加重平均発行済株式数……………………
従業員持株制度による希薄化効果………………………………………
希薄化後EPS算定に用いられた加重平均発行済株式数…………………
2,094
34
2,128
2,319
53
2,372
2,388
49
2,437
1株当たり当期純利益:
基本的…………………………………………………………………………
希薄化後………………………………………………………………………
$3.38
$3.32
$3.78
$3.69
$3.21
$3.14
(1) 2011年度、2010年度及び2009年度の参加証券に該当する当期純利益は重要ではない。当社は保有者に喪失しない配当受領権
を提供する制限付株式を参加証券であるとみなしている。
当社は、権利行使価格が普通株式の平均市場価格よりも高いオプションを、希薄化後EPSの計算から除外している。これは当該オ
プションが逆希薄化効果を有するためである。2011年度、2010年度、2009年度において、そのようなオプションをそれぞれ25百万
株、5百万株、85百万株、希薄化後EPSの計算から除外した。さらに、各期の権利行使価格、未償却公正価値及び税効果の合算値が当
社普通株式の平均時価を上回り、逆希薄化効果をもたらすため、2011年、2010年及び2009年においてそれぞれ、追加の1百万株、2百
万株、2百万株を購入する分のオプションを希薄化後EPSの計算から除外した。
注記4:賃借対照表明細
10月31日に終了した事業年度における賃借対照表明細は、以下のとおりである。
売上債権及び金融債権
売上債権……………………………………………………………………………………
賃倒引当金…………………………………………………………………………………
金融債権……………………………………………………………………………………
貸倒引当金…………………………………………………………………………………
(単位:百万ドル)
2011年
2010年
$18,694
$19,006
(470)
(525)
$18,224
$18,481
$3,220
(58)
$3,162
$3,050
(64)
$2,986
当社は売上債権に基づくリボルビング・ファシリティを有しており、特定の売上債権を第三者に売却することができる。「譲渡
及びサービス業務」に関連する会計基準に基づき、売上債権は第三者に売却した時点で連結貸借対照表から消去されている。
2011年10月31日現在、ファシリティの最大総額は15億ドルであり、これには2011年5月に締結された部分リコース条件10億ドルと
ノン・リコース条件5億ドルが含まれている。リコース義務は類似取引の市場データを基に連結貸借対照表の流動負債として計
上されている。2011年度10月31日時点におけるリコース義に重要性はない。
2011年度及び2010年度において、ファシリティの下で売却された売上債権はそれぞれ28億ドルと17億ドルであり、これはおおよ
その現金受取額となっている。2011年10月31日までの12ヶ月間に発生した売上債権の売却によって生じた損失額は重要ではな
い。2011年10月31日及び2010年10月31日現在、これらのプログラムの下での利用可能額はそれぞれ701百万ドルと175百万ドルで
ある。
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棚卸資産
製品…………………………………………………………………………………………
購入部品及び仕掛品………………………………………………………………………
(単位:百万ドル)
2011年
2010年
$4,869
$4,431
2,621
2,035
$7,490
$6,466
その他の流動資産
繰延税金資産―短期………………………………………………………………………
様々な政府機関からの未収付加価値税還付……………………………………………
供給業者等に対する受取債権……………………………………………………………
前払費用及びその他の流動資産…………………………………………………………
(単位:百万ドル)
2011年
2010年
$5,374
$5,833
2,480
3,366
2,762
2,737
3,486
3,386
$14,102
$15,322
有形固定資産
土地…………………………………………………………………………………………
建物及び建物付属設備……………………………………………………………………
機械及び器具………………………………………………………………………………
減価償却累計額……………………………………………………………………………
(単位:百万ドル)
2011年
2010年
$687
$530
8,620
8,523
16,155
13,874
25,462
22,927
(13,170) (11,164)
$12,292
$11,763
減価償却費は2011年度が約34億ドル、2010年度が約33億ドル、2009年度が約32億ドルであった。
長期金融債権及びその他の資産
金融債権(純額)……………………………………………………………………………
繰延税金資産―長期…………………………………………………………………………
その他…………………………………………………………………………………………
(単位:百万ドル)
2011年
2010年
$4,015
$3,584
1,283
2,070
5,457
6,571
$10,755
$12,225
その他の流動負債
その他の未払税金…………………………………………………………………………
製品保証引当金……………………………………………………………………………
セールス&マーケティング・プログラム………………………………………………
その他………………………………………………………………………………………
(単位:百万ドル)
2011年
2010年
$2,414
$3,216
1,773
1,774
3,317
3,374
6,955
6,932
$14,459
$15,296
その他の固定負債
年金、退職後及び就業後給付債務…………………………………………………………
繰延税金負債―長期…………………………………………………………………………
長期繰延収益…………………………………………………………………………………
その他の固定負債……………………………………………………………………………
前へ 次へ
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(単位:百万ドル)
2011年
2010年
$5,414
$6,754
5,163
5,239
3,453
3,303
3,490
3,765
$17,520
$19,061
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注記5:キャッシュ・フローに関する補足情報
10月31日に終了した各事業年度におけるキャッシュ・フローに関する補足情報は次のとおりである。
2011年
(単位:百万ドル)
2010年 2009年
法人税の支払額(純額)………………………………………………………………………
$1,134
$1,293
$643
利息支払額……………………………………………………………………………………
$451
$384
$572
$23
$93
$-
現金支出を伴わない投資・金融取引:
企業買収に伴う普通株式の発行と株式報酬の引受……………………………………
融資契約に基づく資産の買取……………………………………………………………
$-
$-
$283
キャピタル・リース契約による資産の取得……………………………………………
$10
$122
$131
注記6:企業買収
2011年度における買収
2011年度において、当社は4件の企業買収を行った。下記の表のとおり、これら買収の買収日における取得資産及び受入負債の見
積公正価値は、外部の評価機関が実施した予備評価を含め、様々な暫定的な見積りや分析を反映したものである。しかし、評価期
間中に評価額が確定した場合において、変更される可能性がある。取得した特定の有形固定資産及び負債の公正価値、取得した無
形固定資産の評価、特定の法的事項、所得税又はその他の税金及びのれんの残存価格に関連するものは未確定であり、今後変更さ
れる可能性がある。当社は今後も評価期間中に買収日において取得した純資産の公正価値の決定に必要な情報を入手していく予
定である。当社が重要と判断した場合には、買収が行われた期に遡り連結財務諸表にその修正が反映される。また、その修正の性
質によってはその翌期以降の期についても影響を及ぼす場合がある。
これら買収のプロ・フォーマ業績結果については、個々又は合計でも、その買収結果が当社の連結業績結果に重要な影響を与え
ないため開示を省略している。購入対価の公正価値が有形及び無形純固定資産を超える分として計上したのれんについては、通
常、課税所得の計算上減算できない。
次の表は、当社の2011年度に行った全ての買収についての取得資産及び受入債務の見積公正価値の合計である。なお、この表には
未だ仮配分となっているものも含まれている。
IPR&D……………………………………………………………………………………………
償却可能な無形固定資産………………………………………………………………………
引受負債純額……………………………………………………………………………………
取得資産純額……………………………………………………………………………………
のれん……………………………………………………………………………………………
合計公正価値対価………………………………………………………………………………
(単位:百万ドル)
3
4,699
(206)
4,496
6,868
$11,364
Autonomy Corporation plcの買収
2011年度中において最も大きな買収はAutonomy Corporation plc (以下、「Autonomy」という。)であった。2011年10月31日現在、
当社はAutonomyの持分を約99%保有しており、2012年第1四半期末に100%持分を取得することを見込んでいる。Autonomyは企業向
けインフラストラクチャー・ソフトウェアのプロバイダーである。当社はAutonomy事業の財務的影響をHPソフトウェア・セグメ
ントにて報告している。取得日における取得対価の公正価値総額は110億ドルであり、それらは普通株式、転換社債、イン・ザ・マ
ネー株式報酬並びに当社が買収日において引き受けた未確定株式報酬の見積公正価値からなる。この買収により、当社は66億ド
ルののれん、46億ドルの償却可能な無形固定資産を計上した。当社は購入無形固定資産を加重平均残存期間の8.8年にわたり、定
額法で償却している。
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前年度以前における買収
2010年度において、当社は11社の買収を行った。これら買収における取得対価公正価値総額は94億ドルであり、それらは普通株式
及びイン・ザ・マネー株式報酬並びに当社が買収日において引き受けた未確定株式報酬の見積り公正価値、取得日に返済した一
定の負債額からなる。これらの買収に関連して、当社は約52億ドルののれん、24億ドルの購入無形資産、331百万ドルのIPR&Dを計
上した。11社の買収のうち、最も大きな4件は下記の買収であった:3Com Corporation (以下、「3Com」という。)、Palm Inc (以
下、「Palm」という。)、3PAR Inc. (以下、「3PAR」という。)、ArcSight, Inc (以下、「ArcSight」という。)
2009年度において、当社は2件の買収を行った。買収における取得対価公正価値総額は390百万ドルであり、それらは直接的な取引
費用、取引に伴う特定の負債の引受を含んでいる。当社は2009年度、315百万ドルののれん、105百万ドルの購入無形固定資産及び7
百万ドルのIPR&D資産を計上した。この2企業買収のうち最も規模が大きいものは、Lefthand Network, Inc.の買収であった。
注記7:のれん及び購入無形固定資産
のれん
2011年10月31日現在及び2010年10月31日現在の当社の事業セグメントに配賦されたのれん並びに2011年10月31日及び2010年10
月31日に終了した事業年度中ののれんの帳簿価額の変動は以下のとおりである。
(単位:百万ドル)
パーソナル
システムグ
ループ
2009年10月31日現在
残高…………………
期中に取得したのれ
ん……………………
のれんの調整額……
2010年10月31日現在
残高…………………
期中に取得したのれ
ん……………………
のれんの調整額……
減損
2011年10月31日現在
残高…………………
サービス
イメージン エンタープラ
HP
グ・アンド イズサーバ・
ファイナン コーポレート・
・プリン ストレージア
HP
ティング・ ンドネット
シャル・ インベストメン
グループ
ワーキング ソフトウェア サービス
ト
合計
$2,487
$16,829
$2,460
$5,005
$6,140
$144
$44
$33,109
18
17
−
1,635
1,407
−
2,153
5,230
(5)
121
(4)
−
64
144
(30)
(2)
$2,500
$16,967
$2,456
$6,610
$7,545
$144
$2,261
$38,483
-
66
16
-
6,786
−
-
6,868
247
-
(1)
-
−
-
(1,423)
(813)
13
(813)
$144
$25
$44,551
(2)
$2,498
$17,280
$2,471
1,460
$8,070
(268)
$14,063
2011年度中に、当社は買収によって取得した資産及び引受負債の暫定的な見積公正価値に基づき、69億ドルののれんを計上した。
2011年度第1四半期に実施した組織再編に伴い、当社はネットワーク事業に係るのれんをコーポレート・インベストメントから
エンタープライズサーバ・ストレージアンドネットワーキング(以下、「ESSN」という。)に、コミュニケーション及びメディア
ソリューション事業に係るのれんをHPソフトウェアからサービスに組み替えた。
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2011年度第4四半期において、当社はPalmの買収により生じたwebOSスマートフォン及びHP TouchPadを含む、デバイスの製造及び
販売を撤退することを決定した。また、当社はwebOSテクノロジーの価値を最大限に生かすためにwebOSのソフトウェアやその他
知的財産のライセンス化、webOS資産の一部又は全ての売却を含めた様々な可能性を検討している。この決断は、Palmの買収に関
連するのれんや購入無形資産の減損についての検討を行うきっかけとなった。当社はまず購入無形資産、すなわちwebOSテクノロ
ジー、通信業者との関係及び商標名の価値、における減損を検討をした。検討時の利用可能な全ての情報に基づき、当社は通信業
者との関係及び商標名については将来価値はないが、webOSテクノロジーの簿価はおおよそ公正価値と一致していると判断した。
当社はwebOSの公正価値を最近の比較可能な取引を使用したマーケット・アプローチや潜在的なライセンス契約に基づく割引
キャッシュフロー・アプローチを含む、複数の手法を用い、見積もりを実施した。これら分析に基づき、当社は主として通信業者
との関係及び商標名について72百万ドルの減損損失を計上した。次に、当社は当該報告単位の簿価を公正価値と比較し、のれんの
減損テストを行った。当社がwebOS機器全ての販売を撤退する決断を下したため、報告単位の公正価値は、簿価を大きく下回って
いた。その結果、当社はのれんの減損損失として813百万ドルを計上した。のれん及び無形資産の減損損失は、いずれも連結損益計
算書ののれんと購入無形資産の減損に計上されている。当社は2011年12月9日にwebOSソフトウェアをオープンソースコミュニ
ティに提供し、今後の開発をサポートしていくことを発表した。この決定による影響額は連結貸借対照表に計上されている関連
する無形固定資産及びのれんについて、現時点で273百万ドルになると想定している。
2010年度中に、当社は買収によって取得した資産及び引受負債の暫定的な見積公正価値に基づき、約52億ドルののれんを計上し
た。また、主に買収時におけるElectronic Data Systems Corporation (以下、「EDS」という。)の海外子会社の外部差異に関連す
る繰延税金負債の増加に伴うのれんの調整額も計上されている。さらに当社は、機能通貨がUSドルではない3Com子会社の為替換
算調整によりのれんの増加を計上している。これらのれんの増加は、企業結合に関する新会計基準の有効日以前における、主とし
て特定の買収での控除可能な株式報酬に関連した税額調整と部分的に相殺されている。
購入無形固定資産
10月31日に終了した各事業年度において、当社が事業買収に関連して取得した無形固定資産の詳細は以下のとおりである。
(単位:百万ドル)
総額
顧客契約、顧客リスト
及び販売契約……
開発技術・中核技術
及び特許……………
商標…………………
償却可能購入無形固
定資産の合計………
IPR&D…………………
Compaq商標名…
購入無形固定資産の
合計…………………
2011年
償却累計額
純額
総額
2010年
償却累計額
純額
$6,346
$(2,376)
$3,970
$7,075
$(3,436)
$3,639
7,226
(1,944)
5,282
3,797
(1,418)
2,379
336
(121)
215
199
(92)
107
13,908
(4,441)
9,467
11,071
(4,946)
6,125
9
1,422
301
1,422
$10,898
$12,794
9
1,422
$15,339
$(4,441)
$(4,946)
301
1,422
$7,848
2011年度中には、当社は取得資産及び受入債務の暫定的見積公正価値に基づき約47億ドルを買収に関連する購入無形資産及び
IPR&Dについて計上した。2010年度中には、当社は取得資産及び受入債務の暫定的見積公正価値に基づき約27億ドルの購入無形固
定資産及びIPR&Dを計上した。2011年度中に、当社はIPR&Dを開発済みテクノロジーとして290百万ドルを組み替えた。
2011年10月31日現在及び2010年10月31日現在において、それぞれ47億ドルと25億ドルの無形固定資産が償却終了となった。これ
ら無形固定資産の累計償却額及び原価は上記表から控除されている。
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当社は他の報告ユニット全て及び耐用年数が明確でないCompaq商標名において年次の減損テストを実施した。その結果、当社は
2011年8月1日現在で、上記に記載したwebOS機器事業以外における減損は生じていないと判断した。2010年8月1日現在において
も、のれん及び耐用年数が明確でない無形固定資産について減損は生じていない。しかし、将来の減損テストの結果、減損が利益
に反映される可能性がある。耐用年数が明確でないCompaq商標名の公正価値は、テスト実施日である2011年8月1日時点で約144百
万ドルその簿価を上回っている。公正価値計算の感度を評価するために、当社は仮定値として無形固定資産の公正価値を10%減少
させた結果、公正価値は簿価を約13百万ドル上回った。また、将来当社のブランディング戦略に変更が生じ、Compaq商標名が耐用
年数が明確でない無形固定資産から、耐用年数のある無形固定資産へ組み替えられた場合、無形固定資産の公正価値は大幅に減
少する。
当社は引き続き、毎年第4四半期の初めにのれん及び無形固定資産の評価を継続すると同時に、減損の兆候の可能性を示唆する事
象や状況変化又はマネジメントの事業戦略の変更が見られる都度、同様の評価を実施する。
耐用年数のある購入無形固定資産は、加重平均耐用年数が約8年の顧客契約、顧客リスト、販売契約及び加重平均耐用年数が7年の
開発・コア技術、特許、商標から成る。
2011年10月31日現在の、耐用年数のある購入無形固定資産の将来の償却費の見積りは、以下のとおりである。
事業年度:
2012年…………………………………………………………………………………………
2013年…………………………………………………………………………………………
2014年…………………………………………………………………………………………
2015年…………………………………………………………………………………………
2016年…………………………………………………………………………………………
これ以降の事業年度…………………………………………………………………………
合計……………………………………………………………………………………………
(単位:百万ドル)
$1,885
1,732
1,410
1,237
1,073
2,130
$9,467
注記8:事業再編費用
当社では、1つ又は複数の事業セグメントの再編、若しくは1つ又は複数の買収によって生じた余剰人員及びインフラ整理のため
に経営陣によって承認された事業再編計画に関連し、事業再編費用を計上している。事業再編費用には、一定数の従業員ポジショ
ンを削減するための退職金、施設退去や事業統合のためのインフラ費用及び契約解除費用などが含まれる。この費用は予定され
ている従業員退職日や施設閉鎖日又は統合計画に基づき計上される。支払いのタイミングは事業再編費用の性質により異なり、
複数年かけて支払われるものもある。当社は連結貸借対照表上、事業再編費用のうち短期的な部分については未払事業再編費用
に、長期的な部分に関してはその他の固定負債に計上している。
2010年度買収
2010年度中のPalm及び3Com買収に伴い、当社経営陣は従業員の解雇、契約解除費用及び重複施設の閉鎖費用やその他事項を含む
事業の再編計画を承認し、実行に移した。この計画に係る見積費用合計額は121百万ドルであり、この中にはwebOS機器事業の撤退
決定に伴い、2011年度第4四半期に追加計上された再編費用33百万ドルが含まれている。2011年10月31日現在、当社は計画に係る
費用の大半を退職予定日や施設の閉鎖日等に基づき計上している。Palmについては、追加の事業再編費用は予想されておらず、残
費用の大半は2012年度に支払われると予想される。3Comに関連する計画の残費用は、固定リース料の支払いに基づき2016年度ま
でに支払われると予想される。
2010年度 ES 事業再編計画
2010年6月1日、当社経営陣はインフラストラクチャー・テクノロジー・アウトソーシング、ビジネス・プロセス・アウトソーシ
ング並びにアプリケーション・サービス・ビジネスユニットを含むエンタープライズ・サービス・ビジネスについての事業再
編計画を発表した。この数ヶ年計画は、コマーシャル・データ・センター、ツール及びアプリケーションを統合する計画を含んで
いる。事業再編費用として総額10億ドルが見込まれており、これには約9,000名の人員削減に伴う退職費用及びインフラ費用が含
まれている。2011年10月31日現在、退職費用の大半は既に計上されている。残りのインフラ費用の大半は2012年度中に計上される
見込みである。費用計上のタイミングは、退職予定日や施設閉鎖及び統合予定日に基づいている。これら費用に係る支払いは、
2012年第4四半期までに行われる見込みである。2011年10月31日現在、約5,700名の人員が削減されており、残りは今後12ヶ月以内
に削減されると予想されている。
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2009年度 事業再編計画
2009年5月、当社経営陣は、イメージング・アンド・プリンティング・グループ(以下、「IPG」という。)、パーソナル・システム
・グループ(以下、「PSG」という。)及びエンタープライズサーバ・ストレージ・アンド・ネットワーキング(以下、「ESSN」
という。)の構造改革及び効率性の改善のための事業再編計画を承認し計画を始動した。計画では、約4,400名の人員削減及び退
職関連費用294百万ドルが予想されていた。2011年10月31日現在、予定されていた全ての人員削減が実行され、計画されていた費
用の大半が支払われている。
2008年度のHP/EDS事業再編計画
2008年8月26日のEDS買収に伴い、当社経営陣は、自社サービス事業の統合及び提携のため、一定数の従業員削減及び重複施設の退
去や統合のための事業再編計画を承認し、これに着手した。この事業再編計画は取得日から向こう4年間にわたって実行される見
込みで、予想合計費用は34億ドルである。見積費用の約15億ドルは買収前のEDSに関するもので、その金額はEDS買収のための買収
価格に反映されている。これらの費用は実際に生じた費用に基づき、変動する可能性がある。残りの費用は主に当社に関連するも
のであり、事業再編費用として計上される予定である。
この事業再編費用には、約25,000名の人員削減に伴う退職費用が含まれている。2011年10月31日現在、計画されていた全ての人員
削減が行われ、関連する退職費用の大半が支払われている。事業再編費用に含まれるインフラ費用は、施設の閉鎖及び統合費用及
び一定の契約上の義務の早期終了に係る費用である。これら費用の大半は、施設の閉鎖及び統合計画に基づき計上されており、関
連する支払いは2016年までに行われる見込みである。
事業再編計画の要約
2011年10月31日に終了する12ヶ月間における前述の当社の全事業再編計画に関連する未払事業再編費用に対する調整は、以下の
とおりである。
(単位:百万ドル)
2011年10月31日現在
2010年度の買収
2010年度 ES計画
退職手当
インフラストラク
チャー
ES計画合計
2009年度 計画
2008年度のHP/EDS計
画:
退職手当
インフラストラ
クチャー
HP/EDS計画合計
事業再編計画合計
2010年
10月31日
現在の
残高
$44
2011
年度
負担額
$51
現金
支払額
$(36)
非現金
支出清算
及び
その他の
調整額
$-
$620
$93
$(229)
$9
$493
$723
$724
4
$624
$57
173
$266
$2
(170)
$(399)
$(54)
(4)
$5
$(5)
3
$496
$-
193
$916
$294
268
$992
$294
$75
$45
$(110)
$(10)
$-
$2,190
$2,190
408
$483
$1,208
281
$326
$645
(404)
$(514)
$(1,003)
(27)
$(37)
$(37)
258
$258
$813
974
$3,164
$4,488
1,167
$3,357
$4,764
2011年
10月31日
現在の
残高
$59
現在
までの
合計費用
・調整額
$114
合計
見積費用
・調整額
$121
2011年10月31日及び2010年10月31日現在、連結貸借対照表では、事業再編債務の長期部分、それぞれ159百万ドルと297百万ドルを
その他の固定負債に、短期部分、それぞれ654百万ドルと911百万ドルを未払事業再編費用に計上している。
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注記9:公正価値
当社は、資産又は負債の主要市場あるいは最も有利な市場で、当該資産に係り受け取るであろう交換価格又は該当負債の譲渡で
支払うであろう交換価格(出口価格)に基づいて、公正価値を算定するよう求めている。
当社が利用している評価技法は、観察可能なインプットと観察不能なインプットに基づいている。観察可能なインプット、すなわ
ち市場データは、独立した立場の情報源から入手した市場データを反映するのに対して、観察不能なインプットは、入手可能な最
善の情報に基づき、市場参加者の仮定に関する当社の仮定を示す。評価源としては、観察可能なインプットの方が好ましい。これ
ら2種類のインプットについて次のような公正価値の階層が設けられている。
レベル1- 活発な取引が行われている市場における同一の資産・負債の公表価格(調整前)
レベル2- 活発な取引が行われている市場における類似する資産・負債の公表価格、取引が活発ではない市場における同一又は
類似する資産・負債の公表価格、全ての重要な仮定事項を市場で観察できるモデルに基づく評価技法、あるいは該当資産又は負
債のほぼ全期間を通して、全ての重要な仮定事項を観察可能な市場データで確認できるモデルに基づく評価技法
レベル3- 公正価値の測定にとって重要かつ、観察不能な経営陣の判断を要する価格又は評価
以下では、当社が金融資産及び金融負債を公正価値で測定するのに用いている評価技法について説明する。
現金同等物及び投資:当社は主に定期預金、マネー・マーケット・ファンド、コマーシャル・ペーパー、主に社債や海外政府発行
の債券や国債で構成されるその他の負債証券、普通株式及び現金同等物を保有している。該当する場合には、公正価値を決定する
ための同一資産に対する活発な市場での公表価格を使用している。公正価値を算定するために、そうした公表価格を入手できな
い場合は、類似する資産及び負債の公表価格、あるいは直接的又は間接的に観察可能なインプットを用いる。同一又は類似する資
産の公表価格を入手できない場合は、買値等のインプットを用いた社内で開発した評価モデル及び資産に関する仮定事項に基づ
く第三者による評価を用いる。
デリバティブ商品:注記10に記載するように、当社は特定の為替及び金利に対するエクスポージャーをヘッジするために、投機
的ではない先渡取引、スワップ及びオプションを主に保有している。活発な取引が行われている市場における公表価格を入手で
きない場合は、業界標準の評価モデルを使用している。該当する場合は、これらのモデルによって将来キャッシュ・フローを予想
し、金利カーブ、信用リスク、為替レート、為替予約価格及び為替直物価格など、市場に基づく観察可能なインプットを用いて、将
来キャッシュ・フローを現在価値に割り引いている。場合によっては、市場に基づく観察可能なインプットを入手できないこと
もあるが、そうしたときには経営陣の判断に基づき、公正価値の算定に用いる仮定事項を策定する。
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以下の表は、経常的に公正価値で測定される当社の資産及び負債を示したものである。
2011年10月31日現在
次のレベルを用いて測定され
た公正価値
レベル
レベル
レベル
1
3
2
資産
定期預金
マネー・マーケット・
ファンド
市場性のあるエクイティ
証券
外国債
社債及びその他の負債証
券
デリバティブ:
金利契約
外国為替契約
その他デリバティブ
資産合計
負債
デリバティブ
金利契約
外国為替契約
その他デリバティブ
負債合計
残高
合計
(単位:百万ドル)
2010年10月31日現在
次のレベルを用いて測定された
公正価値
残高
レベル
レベル
レベル
合計
1
2
3
$-
$5,120
$-
$5,120
$-
$6,598
$-
$6,598
236
-
-
236
971
-
-
971
120
7
2
376
-
122
383
11
8
3
365
-
14
373
3
2
48
53
3
6
50
59
$366
593
269
25
$6,387
35
6
$89
593
304
31
$6,842
$993
735
150
5
$7,862
32
6
$88
735
182
11
$8,943
$$-
$71
823
1
$895
$9
$9
$71
832
1
$904
$$-
$89
880
$969
$10
$10
$89
890
$979
注記10: 金融商品
現金同等物及び売却可能有価証券
2011年10月31日及び2010年10月31日現在における、現金同等物及び売却可能な投資の公正価値は以下のとおりである。
原価
現金同等物:
定期預金
マネー・マーケット
・ファンド
現金同等物合計
売却可能な投資:
負債証券:
定期預金
外国債
社債及びその他負債
証券
負債証券合計
公開会社持分証券
現金同等物及び投資合
計
2011年10月31日現在
未実現
未実現
利益総額 損失総額
見積
公正価値
原価
(単位:百万ドル)
2010年10月31日現在
未実現
未実現
見積
利益総額 損失総額 公正価値
$5,112
$-
$-
$5,112
$6,590
$-
$-
$6,590
236
5,348
-
-
236
5,348
971
7,561
-
-
971
7,561
8
317
66
-
8
383
8
315
58
-
8
373
74
399
114
66
4
(21)
(21)
-
53
444
118
89
412
5
58
4
(30)
(30)
-
59
440
9
$5,861
$70
$(21)
$5,910
$7,978
$62
$(30)
$8,010
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現金同等物は、定期預金、コマーシャル・ペーパー及びマネー・マーケット・ファンドといった3ヶ月以内に満期を迎える投資か
らなる。現金同等物に関連する利息収入は、2011年度は約167百万ドル、2010年度は111百万ドル、そして2009年度は119百万ドルで
あった。2011年10月31日及び2010年10月31日現在、定期預金は主に米国外の機関から発行されたものとなっている。売却可能証券
は12ヶ月以内で満期を迎える短期投資や、満期が12ヶ月以上の長期投資からなる。また、投資には主に機関社債、公開企業の株式、
固定利付証券及び定期預金が含まれている。市場価格又は現在の市場レートを使用した価格モデルに基づき、公正価値を見積っ
ている。これらの見積公正価値は必ずしも、将来に実現可能な実際価値を表すものではない。
2011年10月31日現在の未実現損失総額は、主として特定の負債証券の下落によるものであり、12ヶ月以上継続的な損失を示して
いる未認識損失総額は21百万ドルである。2010年10月31日現在では、主として特定の負債証券の公正価値下落によるものであり、
12ヶ月以上継続的な損失を示している未認識損失総額は28百万ドルであった。当社はこれらの負債証券を売却する意思はなく、
また償却原価の回復前に売却が必要となる可能性は低い。2011年度において、当社は負債証券に関連するわずかな減損損失を計
上した。当社は2010年度に12百万ドル、2009年度に24百万ドルの減損損失を全ての投資について計上した。
2011年10月31日現在の短期及び長期売却可能証券投資の満期は以下のとおりである。
1年以上5年未満……………………………………………………………………
5年超…………………………………………………………………………………
(単位:百万ドル)
2011年10月31日
取得原価
見積公正価値
$80
$59
319
385
$399
$444
2011年10月31日及び2010年10月31日における、短期及び長期の負債証券・持分証券に対する全ての投資の帳簿価額及び貸借対照
表における分類は以下のとおりである。
2011年10月31日現在
売却可能負債証券………………………………………………
短期投資………………………………………………………
売却可能負債証券………………………………………………
売却可能持分証券………………………………………………
非公開企業に対する持分証券…………………………………
その他の投資……………………………………………………
長期金融債権及びその他資産………………………………
投資合計…………………………………………………………
$444
118
48
8
618
$618
(単位:百万ドル)
2010年10月31日現在
$5
5
435
9
154
9
607
$612
非公開株式に対する持分証券には、原価法による投資及び持分法による投資の両方が含まれる。その他の投資は、主として市場性
のあるトレーディング証券を含んでいる。当社は、関連する負債における損益と相殺される、これら証券の公正価値の増減から生
じる損益を、連結損益計算書上利息その他(純額)に含めている。2011年度及び2010年度におけるこれらの証券による影響額は
いずれも軽微である。
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デリバティブ金融商品
当社は世界的規模で事業を展開している会社であり、通常の事業過程において為替レートの変動及び金利の変動リスクにさらさ
れている。リスク管理戦略の一環として、主に先物取引、オプション取引、金利スワップ、トータル・リターン・スワップ等のデリ
バティブ商品を利用して、為替及び金利、そして規模はこれらより劣るが株式に対するエクスポージャーをヘッジしている。当社
の目的は、これらリスクによる利益あるいは損失を、ヘッジ目的で使用するデリバティブ商品の損失あるいは利益で相殺するこ
とにより利益変動を抑え、資産や負債の公正価値を保護することである。当社はレバレッジ・デリバティブを保有しておらず、投
機目的でデリバティブ取引を利用することもない。当社はデリバティブを公正価値ヘッジ、キャッシュ・フロー・ヘッジ、若しく
は海外事業における純投資に係る為替リスクのヘッジ(以下、「純投資ヘッジ」という。)に分類している。さらに、ヘッジとし
て計画されていないデリバティブについては、その他デリバティブとしてこれらの経済的ヘッジを分類する。当社は連結貸借対
照表上、全てのデリバティブの総額を公正価値で認識しており、それらをその他の流動資産、長期金融債権及びその他の資産、そ
の他の流動負債又はその他の負債に計上している。また、連結キャッシュ・フロー計算書において、デリバティブ・プログラムか
ら生じたキャッシュ・フローを営業活動によるキャッシュ・フローとして分類している。
デリバティブ商品を利用している結果、当社はデリバティブ取引契約の相手が契約債務を履行しないリスクにさらされている。
取引相手の信用リスクを軽減するため、当社では、信用格付や他の要素に基づいて慎重に選定した大手金融機関のみと契約する
という方針を定め、かつ各金融機関の信用格付やその他要素に基づいた厳格な限度限度額及び限度期間を守っている。主要取引
や短期資金に係る信用リスクの軽減に関する当社の既定の方針及び手続には、信用リスク限度額の査閲及び設定並びに取引相手
の信用度の継続的評価も含まれている。また取引相手と交わす主契約には、取引相手に対する信用リスクの追加軽減策として、基
本相殺契約も盛り込まれている。相殺契約によって、取引相手に対する当社の債務と同じ取引相手に対する当社の債権を相殺す
ることができる。
取引相手に対する信用リスクの更に軽減するため、当社は取引相手と担保証券取引を実行する可能性がある。これら取引では、デ
リバティブの公正価値が当社及び取引相手の信用格付に基づき定めた一定値を超えた場合、当社が担保を設定する又は取引相手
から担保を差し押さえることが要求されている。通常、そのような資金は2営業日以内に移動される。2011年10月31日現在、当社は
取引相手に対し96百万ドルをこのような担保証券取引に使用している。2010年10月31日現在、担保額は軽微である。
公正価値ヘッジ
当社は、金利リスクに対する負債ポートフォリオのエクスポージャーを軽減するため、公正価値ヘッジを行っている。当社は発行
時の市況に応じて、米ドル建てで長期債券を発行している。このため当社は、米ドルLIBORに基づく変動金利の支払いを履行する
ための同債券関連の市場リスク・エクスポージャーを削減する目的で、金利スワップを利用している。一般に、スワップ取引は、
米ドル建ての元利返済債務に関するものである。逆に負債の大部分を固定金利とすることが有利であると当社が判断した場合、
固定金利と変動金利を交換しない可能性や、過去に実行したスワップを取り消す可能性もある。固定金利の金融商品に対して投
資を行う場合、当社は金利スワップを利用して固定金利と変動金利を交換する可能性があり、その場合当該スワップは公正価値
ヘッジとして分類される。公正価値ヘッジと指定され、その条件を満たす金融商品については、当社はその金融商品に関する損益
並びにそれを相殺するヘッジ対象から生じる損益を、当期の連結損益計算書上、利息その他(純額)に計上する。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社は、米ドル以外の通貨建ての予測純売上高、程度はそれほどではないものの売上原価、営業費用、関係会社間リース・ローン
に内在する為替レート変動リスクを予防するため、キャッシュ・フロー・ヘッジに分類される先物取引やオプションを組み合わ
せて利用する。外貨キャッシュ・フロー・ヘッジの満期は通常12ヶ月以内だが、特定のリース収益に関連する先物取引及び会社
間リース・ローンに関連する先物取引の満期はリース期間に合わせて最長5年までとなり得る。キャッシュ・フロー・ヘッジと
して分類され、その条件を満たす金融商品に関しては、当社はヘッジの有効部分の損益を、株主資本の独立の項目であるその他包
括損益累計額に一旦計上し、後にヘッジ取引が期間損益として認識される期においてその額を損益に組み替える。キャッシュ・
フロー・ヘッジの有効部分については、財務諸類においてヘッジ対象項目の公正価値の変動としてまとめて表示される。2011年
度、2010年度及び2009年度においては、予定取引が将来実現されない可能性が高いとして、キャッシュ・フロー・ヘッジの指定を
解除することはなかった。
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純投資ヘッジ
当社は、機能通貨が現地通貨である特定の海外子会社への純投資をヘッジするために、純投資ヘッジとして指定された先物取引
を使用している。純投資ヘッジとして指定されたデリバティブ商品に関して、当社はヘッジの有効部分の損益を、ヘッジ対象の変
動額とともに、株主資本の独立の項目である為替換算調整勘定に計上している。
その他のデリバティブ
ヘッジ手段に分類されないその他のデリバティブは、主に外貨建貸借対照表のリスクをヘッジするための為替予約からなる。当
社は、役員への繰延報酬制度の負債をヘッジするためには、株式インデックス、固定所得インデックスに基づくトータル・リター
ン・スワップ、また規模は小さいながら金利スワップをも利用している。ヘッジ手段として分類されない金融商品の公正価値の
変動は、当期損益に含められる。貸借対照表のリスクヘッジに用いる為替先物契約に係る損益は、関連する外貨建資産及び負債の
再換算による損益が計上される会計期間に、利息その他(純額)で認識される。役員への繰延報酬制度の負債の市場価格変動に
よる損益と同じ会計期間にトータル・リターン・スワップ及び金利スワップの損益を利息その他(純額)で認識する。
ヘッジ効果
公正価値ヘッジに分類される金利スワップについては、当社はヘッジ対象の負債の公正価値変動を、デリバティブの公正価値変
動と相殺することにより、有効性を評価している。キャッシュ・フロー・ヘッジあるいは純投資ヘッジに分類される外貨オプ
ション及び為替予約については、予約レートに基づいたヘッジ契約の累計変動額と、ヘッジ対象物の累計変動額を比較すること
により有効性を評価している。当社はヘッジとして有効でない部分及び有効性の評価対象外の部分を連結損益計算書に計上して
いる。2011年10月31日及び2010年10月31日現在、公正価値ヘッジ、キャッシュ・フロー・ヘッジあるいは純投資ヘッジのうち、有
効性評価の対象外であった利益及び損失は金額的に重要でなかった。また、2011年、2010年及び2009年度において、公正価値ヘッ
ジ、キャッシュ・フロー・ヘッジ、あるいは純投資ヘッジのうち、ヘッジとして有効でない部分は、金額的に重要でなかった。
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連結財務諸表におけるデリバティブ商品の公正価値
注記9で示したように、当社は、市場価格あるいは現行の市場レートを組み入れた価格モデルに基づいて、デリバティブの公正価
値を見積り、全てのデリバティブを公正価値で貸借対照表に計上している。連結貸借対照表上に計上されているデリバティブ金
融商品の想定元本総額と公正価値は以下のとおりである。
(単位:百万ドル)
2010年10月31日現在
2011年10月31日現在
想定元本
総額(1)
ヘッジ手段に
分類されてい
るデリバティ
ブ
公正価値ヘッ
ジ:
金利取引
キャッシュ・
フロー・ヘッ
ジ:
為替取引
純資産ヘッ
ジ:
為替取引
ヘッジ手段に
分類されてい
るデリバティ
ブの合計……
ヘッジ手段に
分類されてい
ないデリバ
ティブ
為替取引
金利取引(2)
その他の
流動資産
長期金融
債権及び
その他の
資産
その他の
流動負債
その他の
負債
想定元本
総額(1)
その他の
流動資産
長期金融
債権及び
その他の
資産
その他の
流動負債
その他の
負債
$10,075
$30
$508
$-
$-
$8,575
$-
$656
$-
$-
21,666
192
30
324
126
16,862
98
20
503
83
1,556
7
4
44
56
1,466
8
2
58
62
33,297
229
542
368
182
26,903
106
678
561
145
13,994
2,200
66
-
5
55
244
-
38
71
13,701
2,200
51
-
3
79
129
-
55
89
その他デリバ
ティブ取引
ヘッジ手段に
分類されてい
ないデリバ
ティブの合
計…
410
25
6
-
1
397
5
6
-
-
16,604
91
66
244
110
16,298
56
88
129
144
デリバティブ
合計…
$49,901
$320
$608
$612
$292
$43,201
$162
$766
$690
$289
(1) 2011年10月31日及び2010年10月31日現在未済取引の額面である。
(2) 以前の企業結合で取得し、ヘッジ手段に指定されていなかった相殺スワップである。
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デリバティブ商品が連結損益計算書に及ぼす影響
2011年10月31日及び2010年10月31日に終了する事業年度における公正価値ヘッジ関係にあったデリバティブ商品と関連する
ヘッジ対象項目の税引前の影響は、以下のとおりである。
(単位:百万ドル)
損益で認識されたデリバティブ及び関連するヘッジ対象項目に係る利益(損失)
デリバティブ商品
認識科目
2011年 ヘッジ対象項目
認識科目
2011年
金利取引………………………… 利息その他(純額)
$(119) 固定利付債務
利息その他(純額)
$128
損益で認識されたデリバティブ及び関連するヘッジ対象項目に係る利益(損失)
デリバティブ商品
認識科目
2010年 ヘッジ対象項目
認識科目
2010年
金利取引………………………… 利息その他(純額)
$316
固定利付債務
利息その他(純額)
$(299)
2010年度及び2009年度におけるキャッシュ・フロー・ヘッジ関係及び純投資ヘッジ関係にあったデリバティブ商品の税引前の
影響は、以下のとおりである。
(単位:百万ドル)
その他の包括損
益累計額(以
下、「OCI」とい
う。)で認識さ
れたデリバティ
ブに係る利益
(損失)
(ヘッジ有効
分)
2011年度
キャッシュ・フロー・ヘッジ:
為替取引………………………
為替取引………………………
為替取引………………………
為替取引………………………
為替取引………………………
キャッシュ・フロー・ヘッ
ジ合計
純投資ヘッジ:
為替取引………………………
$(278)
41
2
(116)
(23)
OCI累計額から損失に組換えら
れた利益(損失)
(ヘッジ有効分)
認識科目
2011年度
純売上高
製品原価
その他の営業費用
利息その他(純
額)
純売上高
$(374)
$(616)
38
4
(91)
7
損益で認識されたデリバティブ
に係る利益
(ヘッジ非有効分及び有効性評
価対象外の金額)
認識科目
2011年度
純売上高
製品原価
その他の営業費用
利息その他(純額)
利息その他(純額)
$(658)
利息その他(純
$(52) 額)
$-
$4
$4
利息その他(純額)
$-
(単位:百万ドル)
OCIで認識され
た
デリバティブに
係る利益(損失)
(ヘッジ有効
分)
2010年度
キャッシュ・フロー・ヘッジ:
為替取引………………………
為替取引………………………
為替取引………………………
為替取引………………………
為替取引………………………
キャッシュ・フロー・ヘッ
ジ合計
純投資ヘッジ:
為替取引………………………
OCI累計額から損失に組換えら
れた利益(損失)
(ヘッジ有効分)
認識科目
2010年度
損益で認識された
デリバティブに係る利益
(ヘッジ非有効分及び
有効性評価対象外の金額)
認識科目
2010年度
$273 純売上高
50 製品原価
1 その他の営業費用
利息その他(純
20 額)
25 純売上高
$325 純売上高
80 製品原価
- その他の営業費用
$369
$431
利息その他(純
$(82) 額)
125/267
- 利息その他(純額)
26 利息その他(純額)
$-
$9
$9
利息その他(純額)
$-
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ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
2011年10月31日現在、当社は税引後のその他の包括損失累計見積り額(純額)約45百万ドルは、キャッシュ・フロー・ヘッジ関
連の予定取引が損益に及ぼす影響額とともに、向こう12ヶ月以内に損益に組み替えられると予想される。
2011年度及び2010年度にヘッジ手段として指定されていないデリバティブ商品が連結損益計算書に及ぼした税引前の影響は、以
下のとおりである。
為替取引……………………………………………………………
その他のデリバティブ取引………………………………………
金利取引……………………………………………………………
合計…………………………………………………………………
(単位:百万ドル)
損益で認識されたデリバティブに係る利益(損失)
認識科目
2011年
利息その他(純額)
$(117)
利息その他(純額)
19
(6)
利息その他(純額)
$(104)
為替取引……………………………………………………………
その他のデリバティブ取引………………………………………
金利取引……………………………………………………………
合計…………………………………………………………………
(単位:百万ドル)
損益で認識されたデリバティブに係る利益(損失)
認識科目
2010年
利息その他(純額)
$(764)
利息その他(純額)
8
6
利息その他(純額)
$(750)
その他金融商品の公正価値
当社の金融商品、売上債権、金融債権、支払手形、短期借入金、買掛金及びその他流動負債の残高ついては、その満期までの期日が
短いことから、帳簿価額が公正価値とほぼ等しいものとなっている。2011年10月31日現在の短期及び長期借入金の見積公正価値
は約311億ドルであり、帳簿価額は306億ドルであった。2010年10月31日現在の短期及び長期借入金の見積公正価値は約225億ドル
であり、帳簿価額は223億ドルであった。これら借入金の公正価値は、主として公表されている市場価格及び当社が類似した条件
及び満期日で利用可能な銀行借入金の利子率に基づいて見積られている。
注記11:金融債権及びオペレーティング・リース
金融債権は、当社の自社製品及び第三者製品の販売型リース及び直接金融リースによるものである。これらの債権は概して2年か
ら5年の期間のものであり、通常は当該リース資産に担保権が設定されている。金融債権にはさらに、オペレーティング・リース
に関する請求済み金額に係る債権が含まれる。各事業年度における10月31日現在の金融債権、長期金融債権及びその他の資産に
含まれる金融債権(純額)の内訳は以下のとおりである。
最低リース料回収債権………………………………………………………………
見積残存価額…………………………………………………………………………
未獲得利益……………………………………………………………………………
金融債権(総額)……………………………………………………………………
貸倒引当金……………………………………………………………………………
金融債権(純額)……………………………………………………………………
1年以内に回収予定の金額……………………………………………………………
期限1年超の金額(純額)……………………………………………………………
126/267
(単位:百万ドル)
2011年
2010年
$7,721
$7,094
233
212
(647)
(596)
7,307
6,710
(130)
(140)
7,177
6,570
(3,162)
(2,986)
$4,015
$3,584
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ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
2011年10月31日現在の、最低リース料回収債権の満期スケジュールは以下のとおりである。
最低リース料回収債権の満期スケジュール………………
2012年
$3,518
2013年
$2,256
2014年
$1,257
(単位:百万ドル)
2015年
その後
合計
$517
$173
$7,721
オペレーティング・リースで顧客にリースされている機器は、2011年10月31日現在が40億ドル、2010年10月31日現在が35億ドル
で、機械設備に計上されている。リースに供されている器具の減価償却累計額は、2011年10月31日が13億ドル、2010年10月31日現
在が10億ドルであった。2011年10月31日現在の、各事業年度における解約不能オペレーティング・リースに関する最低リース料
回収債権は以下のとおりである。
解約不能オペレーティング・リースに
関する最低リース料回収債権………………………………
2012年
2013年
2014年
$1,273
$801
$414
(単位:百万ドル)
2015年
その後
合計
$152
$42
$2,682
リース取引はいずれも同質な取引であるため、当社は金融債権の信用格付及びそのモニタリングは全て一括して行っている。当
社の顧客数は膨大であり、多数の業種、地域にわたり分散されていることから、信用格付は通常多角的に行われている。債務者の
信用度はリース開始時に評価され、取引の期間にわたりモニタリングされる。各リース取引ごとに債務者の信用力やその他その
取引における固有のリスクを増減させる要因を基に、リスク判定が行われる。それらの要因には担保の潜在的価値や流動性、機器
の本質的な利用方法、リース期間、保証や信用状、手付金を含むその他信用度を強化させるものの有無を含む。
10月31日に終了した各事業年度において、内部で割り当てた評価結果による金融債権の信用リスク分析は、以下のとおりである。
リスク評価
低………………………………………………………………………
中………………………………………………………………………
高………………………………………………………………………
合計…………………………………………………………………
2011年
$4,261
2,989
57
$7,307
(単位:百万ドル)
2010年
$3,793
2,829
88
$6,710
低と評価された債権は、主にスタンダード・アンド・プアーズの格付けがBBB-又はそれ以上であり、中と評価された債権は、通
常、BB+又はそれ以下と同等である。当社はリスク高と判断された債権については、注意深くモニタリングし、減損の分析を行った
結果、これら債権の一部について個別引当金を設定する可能性がある。
貸倒引当金額は、金融債権残高と一定のパーセンテージに基づき決定される一般引当と、顧客の債務不履行、破産及びその他の事
象などのリスクが認識され、当社のリース回収を困難とするような特定の債権についての個別引当からなっている。一般引当で
使用されるパーセンテージは、地域ごとに過去の貸倒額や支払遅延、ポートフォリオのリスク評価の全体的な加重平均トレンド、
競合他社のベンチマークによる情報などの複数の要因に基づき設定されている。
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ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
10月31日に終了した各事業年度における、貸倒引当金及び関連する金融債権は以下のとおりである。
(単位:百万ドル)
2011年
貸倒引当金
期首残高……………………………………………………………………
$140
追加引当……………………………………………………………………
58
減少(回収分控除後)……………………………………………………
(68)
期末残高……………………………………………………………………
$130
(単位:百万ドル)
2010年
2011年
個別に検討された貸倒引当額……………………………………………
$35
$53
一括で検討された貸倒引当額……………………………………………
95
87
$130
$140
合計………………………………………………………………………
個別に検討された債権(総額)…………………………………………
$157
$271
一括で検討された債権(総額)…………………………………………
7,150
6,439
合計………………………………………………………………………
$7,307
$6,710
債権は支払い期日を90日超えた時点で、通常、未収利息の計上を中断する。遅延が事務的な理由である場合など、特別な状況下に
おいては、支払い期日が90日を超えた場合でも、債権について未収利息を計上する場合がある。償却処理又は個別引当金の計上は
通常、債券の支払い期日が180日を超えた時点でなされる。2011年10月31日現在、及び2010年10月31日現在、未収利息の計上が中断
されている金融債権の合計額は、それぞれ157百万ドルと271百万ドルである。また、2011年10月31日現在及び2010年10月31日現
在、支払い期日が90日を超えているものの、未収利息が計上されている金融債権の合計額は、それぞれ71百万ドルと83百万ドルと
なっている。
注記12 :損害補償及び製品保証
保証及び損害補償
通常の業務過程において、当社が一部の顧客に、スタンバイ信用状又は保証証券によって裏付けられる子会社による債務履行の
保証又は金銭的保証を供与することがある。一般的には、当社又は当社の子会社が債務を履行しなかったことで、顧客が当該契約
を解除できる場合(当社は、そうした事態が発生する可能性はほとんどないと考えている)、当社にはこのような保証額を支払
う責任が生じる。当社では、債務履行保証が付加されている全ての重要な役務契約の履行債務に従っていると考えている。
当社において、顧客の融資契約又は証券化契約を裏付けとする特定の役務契約が存在する。債務を履行しなかった結果、役務契約
が解除された場合、あるいは融資契約条件を遵守しなかった場合、当社には特定の資産を買い取る義務が生じる。当社では、条件
を遵守できない可能性はほとんどなく、また資産買取額も金額的に重要でないと考えている。
当社は通常の業務過程において損害補償契約を締結し、第三者が当社の代わりに実施したサービスにより被る損失、若しくは訴
訟や過去の履行と関連したクレーム等当該契約において規定する事象による損失を補償する可能性がある。これらの補償責任に
は、補償限度額が設定されていない可能性がある。過年度におけるそのような補償に関連する支出は、金額的に重要ではなかっ
た。
製品保証
当社は、収益認識時に、製品保証に関する将来費用を見積り、引当を計上している。当社は部品仕入先の品質の積極的なモニタリ
ング・評価作業を含む広範な製品保証プログラムやプロセスを展開している。しかし、製品保証費用の見積りは、顧客に対する製
品保証条件や現行製品の欠陥率、製品欠陥を修正するために発生する資材費及びサービス提供費用及び当社の標準的な経験外の
製品欠陥などの影響を受けるため、実際の製品欠陥率、修繕率又はその他のアフター・サービス費用が見積りと異なる場合があ
る。その場合、見積製品保証債務の修正が必要となる。
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ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
10月31日に終了した各年度における、当社の製品保証債務の変動は以下のとおりである。
製品保証債務の期首残高…………………………………………………………
新規追加保証発生額………………………………………………………………
過年度製品保証に関する調整額(見積りの変更を含む)……………………
実際の製品保証発生額(現金若しくは現物支出)……………………………
製品保証債務の期末残高…………………………………………………………
(単位:百万ドル)
2011年
2010年
$2,447
$2,409
2,657
2,689
(33)
(53)
(2,620)
(2,598)
$2,451
$2,447
注記13:借入
支払手形及び短期借入金
各事業年度における10月31日現在の支払手形及び短期借入金(長期借入金の短期部分を含む)は以下のとおりである。
コマーシャル・ペーパー………………………………
長期借入金の短期部分…………………………………
銀行への支払手形、クレジットライン及びその他…
2011年
残高
加重平均利率
$3,215
0.4%
4,345
2.4%
523
2.9%
$8,083
(単位:百万ドル)
2010年
残高
加重平均利率
$4,432
0.3%
2,216
2.2%
398
1.5%
$7,046
銀行への支払手形、クレジットライン及びその他には、2011年10月31日及び2010年10月31日現在でそれぞれ355百万ドルと348百
万ドルの銀行預金が含まれている。
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ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
長期債務
各事業年度における10月31日現在の長期債務は以下のとおりである。
(単位:百万ドル)
2011年
2010年
米ドル建てグローバル・ノート
2002年発行登録書記載分:
500百万ドル(額面で99.505%に割引き2002年6月発行、2012年7月償還、利率6.5%)
2006年発行登録書記載分:
600百万ドル(額面で2007年2月発行、2012年3月償還、利率3ヶ月物米ドルLIBOR+0.11%)
900百万ドル(額面の99.938%に割引き2007年2月発行、2012年3月償還、利率5.25%)
500百万ドル(額面の99.694%に割引き2007年2月発行、2017年3月償還、利率5.4%)
1,500百万ドル(額面の99.921%に割引き2008年3月発行、2013年3月償還、利率4.5%)
750百万ドル(額面の99.932%に割引き2008年3月発行、2018年3月償還、利率5.5%)
2,000百万ドル(額面の99.561%に割引き2008年12月発行、2014年3月償還、利率6.125%)
275百万ドル(額面で2009年2月発行、2011年2月支払済、利率3ヶ月物米ドルLIBOR+1.75%)
1,000百万ドル(額面の99.956%に割引き2009年2月発行、2012年2月償還、利率4.25%)
1,500百万ドル(額面の99.993%に割引き2009年2月発行、2014年6月償還、利率4.75%)
2009年発行登録書記載分:
750百万ドル(額面で2009年5月発行、2011年5月償還、利率3ヶ月物米ドルLIBOR+1.05%)
1,000百万ドル(額面の99.967%に割引き2009年5月発行、2011年5月支払済、利率2.25%)
250百万ドル(額面の99.984%に割引き2009年5月発行、2012年8月償還、利率2.95%)
800百万ドル(額面で2010年9月発行、2012年9月償還、利率3ヶ月物米ドルLIBOR+0.125%)
1,100百万ドル(額面の99.921%に割引き2010年9月発行、2013年9月償還、利率1.25%)
1,100百万ドル(額面の99.887%に割引き2010年9月発行、2015年9月償還、利率2.125%)
650百万ドル(額面の99.911%に割引き2010年12月発行、2015年12月償還、利率2.2%)
1,350百万ドル(額面の99.827%に割引き2010年12月発行、2020年12月償還、利率3.75%)
1,750百万ドル(額面で2011年5月発行、2013年5月償還、利率3ヶ月物米ドルLIBOR+0.28%)
500百万ドル(額面で2011年5月発行、2014年5月償還、利率3ヶ月物米ドルLIBOR+0.4%)
500百万ドル(額面の99.971%に割引き2011年5月発行、2014年5月償還、利率1.55%)
1,000百万ドル(額面の99.958%に割引き2011年5月発行、2016年6月償還、利率2.65%)
1,250百万ドル(額面の99.799%に割引き2011年5月発行、2021年6月償還、利率4.3%)
750百万ドル(額面の99.977%に割引き2011年9月発行、2015年3月償還、利率2.35%)
1,300百万ドル(額面の99.784%に割引き2011年9月発行、2016年3月償還、利率3.0%)
1,000百万ドル(額面の99.816%に割引き2011年9月発行、2021年9月償還、利率4.375%)
1,200百万ドル(額面の99.863%に割引き2011年9月発行、2041年9月償還、利率6.0%)
350百万ドル(額面で2011年9月発行、2014年9月償還、利率3ヶ月物米ドルLIBOR+1.55%)
EDS優先債務
1,100百万ドル(2003年6月発行、2013年8月償還、利率6.0%)
300百万ドル(1999年10月発行、2029年10月償還、利率7.45%)
キャピタル・リース債権含むその他(2012年-2024年満期は利率0.60%-8.63%)
ヘッジ処理された債務に関連した公正価値調整額
うち、1年以内返済予定
長期債務の合計
130/267
$500
$500
600
900
499
1,500
750
1,996
1,000
1,500
600
900
499
1,499
750
1,994
275
1,000
1,500
250
800
1,099
1,099
650
1,348
1,750
500
500
1,000
1,248
750
1,297
998
1,198
350
24,082
750
1,000
250
800
1,099
1,099
14,515
1,120
315
1,435
836
543
(4,345)
$22,551
1,130
315
1,445
845
669
(2,216)
$15,258
EDINET提出書類
ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
連結財務諸表注記10に記載したとおり、当社は特定の固定金利型グローバル・ノートに係る市場リスクを低減するために金利ス
ワップを利用しており、主として米ドルLIBORに基づく変動金利の利息費用の計上を実現している。
当社は上記グローバル・ノートの一部若しくは全てを、いかなる時点においても、当該目論見書補足資料に記されている償還額
で償還する可能性がある。グローバル・ノートは、無担保優先債である。
2009年5月、当社は発行登録書(以下、「2009年発行登録書」という。)を米国SECに提出したことにより、一回以上の募集で、金額
無制限の負債証券、普通株式、優先株式、預託株式及びワラントの公募及び売出しを実施できるようになった。2009年発行登録書
は、2002年3月及び2006年5月に発行された他の登録書の代替となるものである。
取締役会は、当社の米国コマーシャル・ペーパー・プログラムの発行枠を160億ドルにすることを承認した。当社の子会社群は計
10億ドルのコマーシャル・ペーパー発行枠が別途認められており、現在、そのうち500百万ドルの発行枠は、当社の完全所有子会
社であるヒューレット・パッカード・インターナショナル・バンク PLCが同社のユーロ建てコマーシャル・ペーパー/譲渡性預
金証書プログラムのために充当できる。
当社は、2012年5月を期限とする5年間30億ドルの、そして2015年2月を期限とする4年間45億ドルの与信枠を契約した。これらの下
での借入の約定手数料、利率、その他の借入条件は、外部機関が付与した当社の信用格付に応じて変動する。これらの融資枠は約
定済優先無担保借入取引で、主に米国コマーシャル・ペーパー発行の裏付けに充当される。当社がこれらの与信枠の裏付けに充
当されて75億ドルを超える米国コマーシャル・ペーパーを保持できるのは、当社の債務状況及び業績パフォーマンスを含むいく
つかの要因による。
当社は2011年8月に、Autonomy買収の資金調達のため新規で50億ポンド(81億ドル)364日物シニア無担保つなぎ融資契約(以
下、「Bridge Facility」という。)を締結した。Bridge Facility の条件として、借入限度額は当社が今後、一定の株式を発行し
た場合又は一定の債務が発生した際の受取額と同じ額だけ減少となる。2011年10月31日現在、Bridge Facilityにおける借入限度
額は22億ポンド(36億ドル)である。Bridge Facilityは2011年11月に終了した。
リース債務を含むその他の債務には、特定の金融債権資産を担保とした借入金が含まれる。2011年10月31日現在、それらの資産の
帳簿価格は、当該借入金の帳簿価額とほぼ同額の247百万ドルであった。
2011年10月31日現在、当社は、2009年発行登録書に基づいて、金額に制限のないの追加の負債証券、普通株式、優先株式、預託株式
及びワラントを発行が可能となった。さらに、2011年10月31日現在、当社には最大で146億ドルの借入可能な財源を有していた。そ
の内訳は、コマーシャル・ペーパー・プログラムのもとで約133億ドルと約13億ドルの非約定与信枠、そしてBridge Facilityの
もとで22億ポンド(36億ドル)である。
長期借入金の将来返済額合計は、2011年10月31日現在、額面で次のとおりであった(ヘッジ負債に関連した公正価値調整額543百
万ドル、負債証券プレミアム35百万ドル及び負債証券ディスカウント21百万ドル分を除く)。
キャピタル・リースを含む、債務の将来
返済額…………………………………
2012年
2013年
2014年
2015年
2016年
$4,312
$5,685
$5,067
$1,858
$2,955
(単位:百万ドル)
以降
合計
$6,462
$26,339
借入金に関する支払利息は、2011年度が約551百万ドル、2010年度が約417百万ドル、2009年度が約597百万ドルであった。
後発事象
2011年12月9日、当社は2009年発行登録書に基づいて30億ドルの米ドル建てグローバル・ノートを発行した。このグローバル・
ノートは市場金利による固定金利債であり、発行日より5年及び10年の満期となっている。
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ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
注記14:法人税等
10月31日に終了した各事業年度の米国内及び米国外での純利益は以下のとおりである。
米国内………………………………………………………………
米国外………………………………………………………………
2011年
$3,039
5,943
$8,982
2010年
$4,027
6,947
$10,974
(単位:百万ドル)
2009年
$2,569
6,846
$9,415
10月31日に終了した各事業年度の純利益に対する法人税等(税効果)は以下のとおりである。
2011年
米国連邦税:
当期税額…………………………………………………………………
繰延税金…………………………………………………………………
米国外の税金:
当期税額…………………………………………………………………
繰延税金…………………………………………………………………
州税:
当期税額…………………………………………………………………
繰延税金…………………………………………………………………
(単位:百万ドル)
2010年
2009年
$390
(590)
$484
231
$47
956
1,177
611
1,345
21
1,156
(356)
141
179
$1,908
187
(55)
$2,213
173
(221)
$1,755
各事業年度の10月31日現在の重要な繰延税金資産・負債の構成は以下のとおりである。
繰越欠損金………………………………………
繰越税額控除……………………………………
海外子会社の未分配利益………………………
棚卸資産評価……………………………………
関係会社取引̶棚卸資産………………………
関係会社取引̶棚卸資産以外…………………
固定資産…………………………………………
製品保証引当金…………………………………
従業員給付及び退職者給付……………………
貸倒引当金………………………………………
資産計上研究開発費……………………………
購入無形固定資産………………………………
事業再編費用……………………………………
持分投資…………………………………………
繰延収益…………………………………………
その他……………………………………………
繰延税金資産・負債合計額……………………
評価性引当金……………………………………
繰延税金資産・負債の純額……………………
2011年
繰延税金資産
繰延税金負債
$9,793
$2,739
8,209
236
12
418
1,529
255
63
747
1,819
18
262
2
294
125
2,738
233
58
6
1,025
38
2,296
233
21,829
11,319
(9,057)
$12,772
$11,319
132/267
(単位:百万ドル)
2010年
繰延税金資産
繰延税金負債
$9,832
$733
7,529
153
10
514
1
2,339
163
15
723
48
2,800
29
290
9
597
11
1,885
404
13
59
975
24
1,587
251
21,180
9,814
(8,755)
$12,425
$9,814
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各事業年度の10月31日現在の繰延税金資産・負債に関する短期/長期の区分は以下のとおりである。
短期繰延税金資産………………………………………………………………………
短期繰延税金負債………………………………………………………………………
長期繰延税金資産………………………………………………………………………
長期繰延税金負債………………………………………………………………………
繰延税金負債差引後の繰延税金資産の合計(純額)………………………………
(単位:百万ドル)
2011年
2010年
$5,374
$5,833
(41)
(53)
1,283
2,070
(5,163)
(5,239)
$1,453
$2,611
2011年10月31日現在、当社は米国連邦税、州税及び外国税についての繰延欠損金(純額)がそれぞれ21億ドル、49億ドル、302億ド
ルあるが、これらはそれぞれ2012年度以降に順次期限切れとなる。また、当社は2012年度に期限切れとなるキャピタルロスの繰延
を約287百万ドル有している。当社は実現見込みがない繰延税金資産に対する評価性引当金を、米国連邦税及び州税の繰越欠損金
(純額)に関する繰延税金資産に132百万ドル、キャピタルロスの繰延に関する繰延税金資産に106百万ドル、外国税の繰越欠損
金(純額)に関する繰延税金資産に85億ドル計上した。
2011年10月31日現在、2013年度以降に順次期限切れとなる繰越外国税額控除分の19億ドルも含め、各種繰越税額控除による繰延
税金資産270億ドルと、それに対する47百万ドルの評価性引当金を計上した。当社は期限のない25百万ドルの代替最低課税額控除
と、2020年以降に順次期限切れとなる517百万ドルの米国研究開発費税額控除を有している。米国諸州税及び諸外国税についても
繰延税額控除が331百万ドルあったが、それらに対して197百万ドルの評価性引当金を認識し、関連する繰延税金資産を減額した。
これらの税額控除は、2012年度以降順次期限切れとなる。
2011年10月31日現在、2010年10月31日現在及び2009年10月31日現在の繰延税金資産総額は、それぞれ91億ドル、88億ドル及び87億
ドルの評価性引当金により減額されている。評価性引当金総額は2011年度に様々な欠損金、税額控除及びその他繰延税金資産に
より307百万ドル増加した。2010年には、評価性引当金を77百万ドル積み増した。この積み増しの内訳には、米国連邦税キャピタル
ロスの繰延についての106百万ドルの増加と、様々な欠損金(純額)と税額控除に関連する29百万ドルの減少が含まれる。2009年
には、評価性引当金を69億ドル積み増しした。この積み増の内訳には、州税と外国税の繰越欠損金についての評価性引当金である
100百万ドルの減少と、2009年度の社内再編により発生した外税繰越欠損金についての70億ドルの増加が含まれる。
従業員ストック・オプションや他の従業員持株制度の権利行使の結果生じた税効果は、株主資本の増加として計上され、2011年
度が約128百万ドル、2010年度が約300百万ドル、2009年度が約163百万ドルであった。
10月31日に終了した各事業年度における、米国連邦税率と当社の実効税率の差異は以下のとおりである。
米国連邦法人所得税の法定税率……………………………………………
州所得税(連邦税減額差引後)……………………………………………
その他の地域における低税率(純額)……………………………………
研究開発費控除………………………………………………………………
評価性引当金…………………………………………………………………
米国連邦税調査調停…………………………………………………………
買収後の統合に伴う未払税金………………………………………………
控除不能なのれん……………………………………………………………
その他(純額)………………………………………………………………
(単位:パーセンテージ)
2011年
2010年
2009年
35.0%
35.0%
35.0%
0.5
1.3
0.9
(24.0)
(18.3)
(12.2)
(0.6)
(0.1)
(0.5)
(4.1)
5.2
0.8
(0.6)
0.6
3.4
1.7
1.5
(0.5)
21.2%
20.2%
18.6%
有利な実効税率が適用される地域のうち、報告期間中において特に影響があった地域は、シンガポール、オランダ、中国、アイルラ
ンド及びプエルトリコであった。当社は、このような利益の一部は無期限に米国外に再投資する予定であるため、米国法人所得税
の課税対象とはならない。
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2011年度中、当社は同年度特有の事象による325百万ドルの法人税額等を計上した。その内訳は、海外及び収税控除の増加に伴う
468百万ドルの税金、78百万ドルの前年度の海外における法人税額等の調整、税務調査関連の解決及び不確定であった課税見解に
基づく引当金戻入れによる税務ベネフィット63百万ドル及び過去の様々な事象に基づく税務ベネフィット2百万ドルである。
2010年度中、当社は同年度特有の事象による26百万ドルの税務ベネフィットを計上した。この金額は、前年度の海外における法人
税等の調整、税務調査の解決による調整、評価性引当金の調整及びその他の項目を含んでいる。
2009年度中、当社は同年度特有の事象による547百万ドルの税務ベネフィットを計上した。この金額は、社内再編を遂行するにあ
たって発生した外国繰延欠損金についての繰延税金資産に関する383百万ドルの税務ベネフィットを含んでいる。さらに、その内
訳は、2008年度の所得税申告に伴う2008年度見積税額の調整が154百万ドルの税務ベネフィット、60百万ドルの州税控除及び海外
欠損金による評価性引当金の戻入れによる税務ベネフィット及びその他の項目に伴う純額で50百万ドルの税金も含んでいる。
当社の雇用活動及び資本投資活動の結果、特定の国における製造及びサービスから生ずる収益には軽減税率が適用され、一定の
場合には2024年まで税金が免除される。これらの子会社の税務状況による法人税等の税務ベネフィットの総額は、2011年度が13
億ドル(一株当たり0.62ドル)2010年度が966百万ドル(一株当たり0.41ドル)、2009年度が853百万ドル(一株当たり0.35ド
ル)と見積られた。係る税務ベネフィットの総額は、未分配利益及びその他の要素に対する米国法人税等により部分的に相殺さ
れた。
2011年10月31日現在、未認識の税務ベネフィットの合計は21億ドルであり、残高の調整は、次のとおりである。
2008年10月31日現在残高……………………………………………………………………………………………
増加:
当期のタックス・ポジション……………………………………………………………………………………
過年度のタックス・ポジション…………………………………………………………………………………
減少:
当期のタックス・ポジション……………………………………………………………………………………
期限切れ……………………………………………………………………………………………………………
税務当局との合意…………………………………………………………………………………………………
2009年10月31日現在残高
増加:
当期のタックス・ポジション……………………………………………………………………………………
過年度のタックス・ポジション…………………………………………………………………………………
減少:
当期のタックス・ポジション……………………………………………………………………………………
期限切れ……………………………………………………………………………………………………………
税務当局との合意…………………………………………………………………………………………………
2010年10月31日現在残高
増加:
当期のタックス・ポジション……………………………………………………………………………………
過年度のタックス・ポジション…………………………………………………………………………………
減少:
当期のタックス・ポジション……………………………………………………………………………………
期限切れ……………………………………………………………………………………………………………
税務当局との合意…………………………………………………………………………………………………
2011年10月31日現在残高
$2,333
115
626
(762)
(293)
(131)
$1,888
27
347
(120)
(1)
(56)
$2,085
384
426
(159)
(20)
(598)
$2,118
当社の未認識の税務ベネフィットのうち2011年10月31日現在で11億ドル、2010年10月31日現在で10億ドル、及び2009年10月31日
現在で950百万ドルまでが、実現された場合、実効税率に影響を与える可能性がある。
当社は、未認識の税務ベネフィットに係る当局との間で有利な形で合意したことによる受取利息、未収法人税等、未認識の税務ベ
ネフィットに係る未払利息及び未払追徴税を法人税等で認識している。2011年10月31日現在では純額で205百万ドルの未払利息
及び未払ペナルティを計上した。2011年度には、当社は支払税金の不足について24百万ドルの支払利息純額(税引後)を認識し
た。
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当社は、様々な税務管轄地域で、税務上の問題に関して、税務当局と継続的に協議や交渉を行っている。当社は、IRSの調査サイク
ルが向こう12ヶ月以内に完全に解決するとは考えていないが、振替額の設定やその他の問題など、米国連邦税上、外国税上や州税
上の一部の問題が向こう12ヶ月以内に結論が出る合理的可能性があるとみている。従って当社は、既存の未認識の税務ベネ
フィットにより向こう12ヶ月以内に最大で249百万ドル下方修正される合理的可能性があると考える。
当社は、米国の他に約80の国々で法人税等が課税され、これらの多くで法人税等に関する調査を定期的に受けている。当社は、州
や外国の税務当局による多数の調査も継続的に受けている。IRSは、2010年において、当社の2008年度の調査を開始し、2011年にお
いて、2009年度の調査を始めた。当社は、1999年度、2000年度、2003年度、2004年度及び2005年度に関しては追徴課税通知書を、2001
年度、2002年度、2006年度、2007年度に関しては歳入庁報告書(以下、「RAR」という。)をIRSより受け取った。IRSによる調整が適
用された場合、営業損失及び税額控除の将来年度への繰越による税務ベネフィットが、およそ557百万ドル減少されることにな
る。当社はこの追徴課税通知書に記載されている1999年度から2003年度の特定項目について米連邦租税裁判所へ異議申し立てを
行い、その他事業年度についてIRSから提示された調整についても引き続き異議を唱えていく。当社は、IRSによるこの主張の結果
発生する可能性のある追徴課税あるいは税控除額の減少に関し、十分な引当を計上していると考えている。
主要な外国や州の税務管轄地域に関して、当社は1999年度以前の期間は税務調査の対象にはなりえないと考えている。また当社
は、調査が終了していない全ての税務年度について十分な引当を計上していると考えている。
EDSに関しては、2002年度までIRSによる調査が終了しており、調整案も全てIRSとの合意が成立している。IRSは、現在、EDSの2007
年度及び2008年8月26日に終了する期間の調査中である。EDSは2003年度、2004年度、2005年度及び2006年度の調査に関し、過去の
繰越減額30百万ドルを含む、110百万ドルの追徴課税を通知するRARを受け取った。当社は、特定の問題に関して異議を申し立てて
おり、IRSによるこの主張の結果発生する可能性のある追徴課税あるいは税控除額の減少に関し、十分な引当を計上していると考
えている。
2011年10月31日現在、当社は米国外における事業からの未分配利益291億ドルについて、米国連邦法人所得税及び外国源泉徴収税
の引当を計上していないが、これは当社がそれらの利益を米国外に無期限で再投資することを予定しているからである。当社が
これら未分配利益を分配した場合、現行法の外国税額控除適用により、米国の法人所得税債務が減額される可能性がある。これら
の未分配利益に関する未実現繰延税金負債の算出は現実的でないため行っていない。無期限で再投資した米国外子会社利益につ
いては、既に米国連邦税と源泉徴収税の繰延税金を計上しているが、余剰資金が積みあがり、業務運営上、税務上、あるいは現金管
理上の理由から有利と判断した場合には、当社はそれらの米国外子会社利益を米国に送還する。
注記15:株主資本
配当金
当社の普通株式の株主は、当社の取締役会により宣言された配当金を受け取る資格を有する。配当金は四半期毎に支払われる。
2011年度、2010年度及び2009年度における普通株式一株当たりの配当宣言額は、それぞれ0.40ドル、0.32ドル、0.32ドルであった。
自己株式取得プログラム
当社の自己株式取得プログラムは、市場取引と市場外取引の両方を認めている。2011年度に、当社は259百万株の自己株式の取得
を完了した。262百万株の自己株式の取得は101億ドルで精算され、これには、2010年度に取得が実行され、2011年度に精算された4
百万株も含まれている。2011年度第4四半期に取得し、翌年度に精算される予定の株式はなかった。2010年度に、当社は約241百万
株の自己株式取得を完了した。240百万株の自己株式の取得は110億ドルで精算され、これには、2009年度に取得が実行され、2010
年度に精算された3百万株も含まれている。2009年度に、当社は約120百万株の自己株式取得を完了した。約132百万株の取得は、51
億ドルで清算された。そのうち約14百万株は、2008年度に取得が実行され、2009年度に清算された取引におけるものであった。以
上の2011年度、2010年度、2009年度の自己株式取得及び清算は、全て市場取引で行われた。
2011年度において、当社取締役会は将来の自己株式取得枠として追加で100億ドルを承認した。2010年度において、当社取締役会
は将来の自己株式取得枠として追加で180億ドルを承認した。2009年度において、当社取締役会による将来の自己株式取得枠とし
ての追加の承認はない。2010年10月31日現在、この承認に基づく取得枠の残高は約108億ドルである。
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包括利益
10月31日に終了した各事業年度における、その他の包括利益累計額(税引後)の構成要素の変動は以下のとおりである。
(単位:百万ドル)
2011年
2010年
2009年
当期純利益………………………………………………………………………………
$7,074
$8,761
$7,660
売却可能有価証券に係る未実現利益/損失の変動(純額):
正味未実現利益/損失の変動:
2011年度税効果なし、2010年度9百万ドル(税引後)、2009年度11百万ドル
(税引後)、…………………………………………………………………
17
16
17
損益に振り替えられた正味未実現利益/損失:
(1)
税効果なし…………………………………………………………………………
17
16
16
キャッシュ・フロー・ヘッジに係る未実現利益/損失の変動(純額):
正味未実現利益/損失の変動:
2011年度86百万ドル(税引後)、2010年度119百万ドル(税引後)、2009年度
362百万ドル(税引後)………………………………………………………
(288)
250
(540)
損益に振り替えられた正味未実現利益/損失:
2011年度210百万ドル(税引後)、2010年度149百万ドル(税引後)、2009年
448
(282)
(431)
度187百万ドル(税引後)………………………………………………
160
(32)
(971)
為替換算調整勘定累計額の変動(純額):
2011年度20百万ドル(税引後)、2010年度31百万ドル(税引後)、2009年度227
百万ドル(税引後)………………………………………………………
46
28
304
確定給付型年金制度の未実現項目の変動(純額)
2011年度229百万ドル(税引後)、2010年度83百万ドル(税引後)、2009年度
116
(602)
(2,531)
905百万ドル(税引後)………………………………………………………
包括利益…………………………………………………………………………………
$7,413
$8,171
$4,478
各事業年度における10月31日現在のその他の包括利益累計額(税引後)の内訳は以下のとおりである。
売却可能有価証券に係る正味未実現利益(損失)…………………………………
キャッシュ・フロー・ヘッジに係る正味未実現利益(損失)……………………
為替換算調整勘定累計額………………………………………………………………
確定給付型年金制度の未実現項目……………………………………………………
その他の包括利益(損失)累計額……………………………………………………
2011年
$37
(41)
(385)
(3,109)
$(3,498)
(単位:百万ドル)
2010年
2009年
$20
$4
(201)
(169)
(431)
(459)
(3,225)
(2,623)
$(3,837) $(3,247)
注記16:退職及び退職後給付制度
確定給付型年金制度
当社は世界中で様々な確定給付型年金制度を提供しており、中でも米国における制度が最も重要なものである。従業員の給与と
勤務期間に基づいて算定される従来の確定給付型年金制度であるHP退職制度(以下、「退職制度」という。)及び給与及び利息
の比率を基礎とする現金積立数式に基づき給付額が積み立てられるHPカンパニー現金勘定年金制度(以下、「現金勘定年金制
度」という。)は、2008年1月1日付けで凍結された。2005年において、特定の資金調達及び投資目的から現金勘定年金制度と退職
制度は統合された。統合された制度は、HP年金制度と呼称される。
2008年8月26日のEDS買収後、当社は、当プログラムの下で給付積立を行っている従業員向けの適格及び非適格のEDS米国年金制度
の変更を発表した。これによって2009年1月1日より、EDSの米国従業員は年金給付積立を停止する。当該日付又はそれ以降に退職
したEDSの従業員最終的な年金給付額は、2008年12月31日までの給与と勤務期間に基づいて算定される。
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2009年10月30日において、EDS米国適格年金制度もHP年金制度に統合された。EDS米国適格年金制度も現金勘定年金制度及び退職
制度と同様に給付額算定目的のため、HP年金制度内では個別の制度として区分されている。そのため、この統合は、これら制度の
別々の給付内容に何ら影響を及ぼすものではない。
退職制度に加入している米国従業員で、1993年以前の勤務期間がある従業員に関しては、その従業員に対して支払われる退職給
付の金額が、HPの確定拠出型繰延利益分配制度(以下、「DPSP」という。)に基づき同じ従業員に支払われる金額により減額され
る。当社は1993年にDPSPへの新規加入を停止した。DPSPに関する負債は同制度に関する資産と同額であり、当社が確定給付型年金
費用と債務を計算する際に退職制度と相殺して認識される。10月31日に終了する事業年度に関して、米国確定給付型年金制度と
DPSPを合算した制度資産の公正価値及び予測給付債務は、以下のとおりである。
米国確定給付型年金制度…………………………
DPSP…………………………………………………
合計…………………………………………………
2011年
制度資産
予測給付債務
$10,662
$11,945
945
945
$11,607
$12,890
(単位:百万ドル)
2010年
制度資産
予測給付債務
$9,427
$10,902
927
927
$10,354
$11,829
退職後給付制度
2005年度までに、2002年12月31日現在で在籍していた当社の米国従業員のほぼ全員が、2003年以前退職者医療制度(以下、「2003
年以前の制度」という。)に基づき当社が部分的に補助する退職者医療保険制度及び生命保険制度並びにその他の特定退職者医
療制度の適格者となった。2003年以前の制度に加入している従業員は、自分で選択した医療オプションと勤務期間に基づき拠出
を行う。2003年1月1日以降に採用又は、再雇用された米国従業員は、退職後医療制度である「HP退職者医療制度」に加入すること
ができるが、加入に関る費用を全額自己負担しなければならない。2006年1月1日より、年齢と勤務期間の合計が62年未満の従業員
については、2003年以前の制度に関してもはや適格者ではなくなるが、その代わりにHP退職者医療制度への加入権利が与えられ
る。2003年以前の制度に関してもはや適格者でない従業員及び2003年1月1日以降に採用された従業員は、45歳になった時点で、HP
退職医療費貯蓄口座制度(以下、「RMSA制度」という。)への加入資格を得る。RMSA制度に加入していた従業員は、退職後に、特定
の適格医療費についてRMSA制度の下で行った貯蓄から払い戻しを受けることができる。この適格医療費には、HP退職者医療制度
に加入するための制度掛金が含まれる。2007年2月、当社は2003年以前の制度への将来の加入資格を、2007年6月30日の時点で5年
以内に同制度の退職基準を満たす従業員に限定した。変更後の制度基準を満たしていない従業員でも、HP退職者医療制度への加
入資格が認められる。2008年11月、HPは、2003年以前の制度における将来の医療費分担限度額を変更し、それに伴い、2011年から将
来の医療費増分全額を加入退職者が負担することになると発表した。2008年6月に、当社はRMSA制度について、雇用者補助の適格
対象となる従業員は、通常2008年7月31日時点において在籍している従業員に限定するよう変更を行った。さらに2008年9月にお
いて、当社はこのような雇用者補助の支給を、マッチング拠出形式に限定するとしたRMSA制度の変更を行った。
当社は現在、当社の提供する退職者処方薬保険制度に関して米国連邦政府より助成金を受領している。助成金の受領は雇用主が
退職者給付費用を拠出する方法のうちの一つであり、メディケア法パートDに基づく選択肢になっている。2010年3月に当社は、エ
ンプロイヤー・グループ・ウェイバー・プランを活用し、助成金を受領する代わりに処方薬保険契約を結びメディケア法パート
Dに基づき団体として給付を行うことを決定した。当該退職者のための処方薬に関する財務戦略の変更は2013年から有効となり、
加えて2010年3月に成立した医療保険制度改革法により、今後は米国連邦政府からより多くの助成金を当社の退職者給付支払の
ために利用することができるようになると予想される。当社により提供される給付金額は固定されているため、当該影響を除き、
医療保険制度改革法による退職者のための福祉制度の費用に変更は生じない見込みである。
また2010年度において当社は、2011年1月1日からの当社負担の生命保険制度の廃止を表明した。
確定拠出制度
当社は、米国及び米国外の従業員に対し、様々な確定拠出制度を提供している。合計拠出費用は、2011年度が626百万ドル、2010年
度が535百万ドル、2009年度が568百万ドルであった。米国従業員は、加入条件を満たした場合に、本人が拒否しない限り自動的に
ヒューレット・パッカード・カンパニー401(k)プラン(以下、「HP 401(k)プラン」という。)に加入する。当社と同様に、EDSも
EDS401(k)プランを含む米国内外の従業員向け確定給付型年金制度を設けていた。
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2008年8月のEDS買収時点では、EDS 401(k)の制度に関しては、拠出金上限を従業員給与の6%として、従業員拠出に25%上乗せした
拠出を行った。EDSの401(k)プランに加入する米国従業員については、2009年1月1日から、拠出金上限を適格給与の4%として、上乗
せ拠出が可能となった。HPの401(k) プランと同様に、拠出金は従業員の指示で様々なファンドで運用されているが、EDSの401(k)
プランの運用先にはHPストック・ファンドが含まれていない。
2009年4月1日より、当社とEDS双方の401(k)年金制度へのマッチング拠出は、適格報酬の4%を上限として、四半期毎に任意で行わ
れる全米国従業員向け業績基準型マッチング拠出に改正された。当該改正後の2009年の各四半期及び2010年度の各四半期におい
て、当社のマッチング拠出は、上限である4%のマッチング拠出の100%であった。2011年度開始時より、HP401(k)プラン及び
EDS401(k)プランへの四半期毎のマッチング拠出は自由裁量ではなくなるが、適格報酬の4%を上限として、従業員拠出の100%と同
額となる。2010年12月31日より、EDS401(k)プランはHP 401(k)プランに統合された。
当社は2004年1月31日付けで、HP401(k)プランにおける投資オプションであるHPストック・ファンドを、従業員持株制度として指
定した。その結果、HPストック・ファンドの加入者は現金配当を受け取るか、その配当をHPストック・ファンドに再投資すること
ができる。当社はHPストック・ファンドが所有する当社普通株式に対する配当金を、2011年度に約8百万ドル、2010年度に約7百万
ドル、2009年度に約8百万ドル支払った。当社はこれらの配当金を、連結株主資本計算書上の利益剰余金の減少として処理してい
る。2011年10月31日現在、HPストック・ファンドは約21百万株の当社普通株式を保有している。
年金及び退職後給付制度に係る費用の内訳
10月31日に終了した次の事業年度において連結損益計算書で認識されている当社の年金及び退職後給付費用(便益)の内訳は、
以下のとおりである。
勤務費用……………………………
利息費用……………………………
年金資産からの期待収益…………
償却及び繰延:
年金数理(利益)損失…………
過去勤務利益……………………
期間退職給付費用(利益)………
縮小(差益)差損………………
清算(利益)損失………………
特別退職給付……………………
給付費用(便益)…………………
(単位:百万ドル)
米国の確定給付型
米国外の確定給付型
退職後
年金制度
年金制度
給付制度
2011年 2010年 2009年 2011年 2010年 2009年 2011年 2010年 2009年
$1
$1
$27
$343
$319
$312
$9
$12
$14
594
578
592
694
657
619
35
47
70
(744)
(662)
(533)
(890)
(756)
(669)
(37)
(32)
(32)
33
̶
27
̶
(116)
̶
3
̶
(56)
̶
$(113)
$(49)
7
̶
(72)
̶
235
(14)
368
̶
9
16
$393
14
̶
(1)
̶
$13
214
(11)
423
(6)
7
29
$453
71
(9)
324
5
12
55
$396
3
(83)
(73)
̶
̶
̶
14
(87)
(46)
(13)
̶
̶
$(73)
$(59)
6
(78)
(20)
(2)
̶
̶
$(22)
10月31日に終了した各事業年度における、給付費用の計算に使用した加重平均仮定は以下のとおりである。
割引率………………………………
報酬水準の平均上昇率……………
期待長期資産収益率………………
米国の確定給付型
年金制度
2011年 2010年 2009年
5.6%
5.9%
8.0%
2.0%
2.0%
2.0%
8.0%
8.0%
7.5%
米国外の確定給付型
年金制度
2011年 2010年 2009年
4.4%
5.0%
6.0%
2.5%
2.5%
2.6%
6.8%
7.0%
6.9%
138/267
2011年
4.4%
̶
10.5%
退職後
給付制度
2010年 2009年
5.4%
8.2%
̶
̶
9.5%
9.3%
EDINET提出書類
ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
積立状況
10月31日に終了した各事業年度における、確定給付型年金制度及び退職後給付制度の積立状況は以下のとおりである。
米国の確定給付型
年金制度
2011年
2010年
制度資産の公正価値の変動:
期首公正価値………………………………………
制度の取得/追加/削減…………………………
制度資産からの実際運用収益……………………
事業主拠出額………………………………………
加入者拠出額………………………………………
給付支払額…………………………………………
清算…………………………………………………
為替の影響…………………………………………
期末公正価値………………………………………
給付債務の増減:
期首予測給付債務…………………………………
制度の取得/追加/削減…………………………
勤務費用……………………………………………
利息費用……………………………………………
加入者拠出額………………………………………
年金数理(利益)損失…………………………
給付支払額…………………………………………
制度改訂……………………………………………
縮小…………………………………………………
清算…………………………………………………
特別退職給付………………………………………
為替の影響…………………………………………
期末予測給付債務……………………………………
給付債務を(下回る)上回る制度資産の金額……
正味認識額……………………………………………
累積給付債務…………………………………………
$9,427
̶
1,389
279
̶
(424)
(9)
̶
$8,371
̶
1,224
290
̶
(440)
(18)
̶
10,662
9,427
$10,902
̶
1
594
̶
881
(424)
̶
̶
(9)
̶
̶
$10,034
̶
1
578
̶
747
(440)
̶
̶
(18)
̶
̶
11,945
(1,283)
$(1,283)
$11,943
米国外の確定給付型
年金制度
2011年
2010年
(単位:百万ドル)
退職後
給付制度
2011年
2010年
$12,760
51
20
458
65
(450)
(49)
325
13,180
$11,325
̶
1,430
482
72
(366)
(73)
(110)
12,760
$374
̶
56
24
55
(115)
̶
̶
$352
̶
56
25
49
(108)
̶
̶
394
374
10,902
(1,475)
$(1,475)
$16,089
36
343
694
65
(632)
(450)
(154)
̶
(50)
16
371
16,328
(3,148)
$(3,148)
$14,144
5
319
658
72
1,514
(366)
(26)
(12)
(73)
29
(175)
16,089
(3,329)
$(3,329)
$845
9
9
35
55
(23)
(115)
̶
̶
̶
̶
1
816
(422)
$(422)
$992
̶
12
47
49
(120)
(109)
(28)
̶
̶
̶
2
845
(471)
$(471)
$10,900
$15,413
$15,204
2011年10月31日及び2010年10月31日現在のHPの連結貸借対照表で認識されている当社の確定給付型年金制度及び退職後給付制
度に関する純額は、次のとおりである。
固定資産…………………………………………………
流動負債…………………………………………………
固定負債…………………………………………………
正味認識額………………………………………………
(単位:百万ドル)
米国の確定給付型 米国外の確定給付型年
退職後
年金制度
金制度
給付制度
2011年
2010年
2011年
2010年
2011年
2010年
$̶
$̶
$̶
$̶
$418
$95
(32)
(30)
(43)
(37)
(30)
(39)
(1,251)
(1,445)
(3,523) (3,387)
(392)
(432)
$(1,283) $(1,475)
$(3,148) $(3,329)
$(422)
$(471)
139/267
EDINET提出書類
ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
次の表は、2011年10月31日現在、当社の確定給付型年金制度及び退職後給付制度に関して、その他の包括(利益)損失累計額で認
識された税金考慮前の純経験損失(利益)及び過去勤務便益をまとめたものである。
純経験損失(利益)…………………………………
過去勤務便益…………………………………………
その他の包括(利益)損失累計額での認識額合計
米国の確定給付型
年金制度
$1,020
̶
$1,020
(単位:百万ドル)
米国外の確定給付型
退職後
年金制度
給付制度
$3,949
$(48)
(268)
(349)
$3,681
$(397)
次の表は、翌事業年度にその他の包括利益累計額から期間給付費用(便益)純額に振り替えられる経験損失及び過去勤務便益を
まとめたものである。
純経験損失……………………………………………
過去勤務便益…………………………………………
その他の包括(利益)損失累計額での認識額合計
米国の確定給付型
年金制度
$43
̶
$43
(単位:百万ドル)
米国外の確定給付型
退職後
年金制度
給付制度
$252
$(4)
(25)
(87)
$227
$(91)
2011年度末及び2010年度末現在開示されていた給付債務の算出に用いた仮定事項の加重平均値は、次のとおりである。
割引率……………………………………………………
報酬水準の平均上昇率…………………………………
米国の確定給付型
年金制度
2011年
2010年
4.8%
5.6%
2.0%
2.0%
(単位:パーセンテージ)
米国外の確定給付型
退職後
年金制度
給付制度
2011年
2010年
2011年
2010年
4.5%
4.4%
4.4%
4.4%
̶
̶
2.5%
2.5%
予測給付債務が制度資産の公正価値を上回る確定給付型年金制度は以下のとおりである。
制度資産の公正価値総計………………………………………………………
予測給付債務の総計……………………………………………………………
(単位:百万ドル)
米国の確定給付型年 米国外の確定給付型
金制度
年金制度
2011年
2010年
2011年
2010年
$10,662 $9,427
$9,851 $11,907
$11,945 $10,902
$13,418 $15,331
累積給付債務が制度資産の公正価値を上回る確定給付型年金制度は以下のとおりである。
(単位:百万ドル)
制度資産の公正価値総計 ……………………………………………………
累積給付債務の総計 …………………………………………………………
140/267
米国の確定給付型
年金制度
米国外の確定給付型
年金制度
2011年
2010年
2011年
2010年
$10,662
$11,943
$9,427
$10,900
$8,465
$11,323
$10,529
$13,140
EDINET提出書類
ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
公正価値評価
2011年10月31日現在における、公正価値のインプットについて注記9と同様の3段階の階層を使用した、階層毎の制度資産の公正
価値は以下のとおりである。
(単位:百万ドル)
米国の確定給付型年金制度
レベル1 レベル2 レベル3
米国外の確定給付型年金制度
合計
レベル1 レベル2 レベル3
退職後給付制度
合計
レベル1 レベル2 レベル3
合計
資産カテゴリー:
持分証券
$974
$̶
$̶
$974
$1,140
$200
850
̶
̶
850
4,066
354
̶
3,031
̶
3,031
2,254
694
1,801
1,331
̶
3,132
810
465
3
̶
̶
1,356
1,359
̶
1
̶
̶
4
̶
4
̶
̶
不動産ファンド
̶
̶
̶
̶
団体保険年金契約
̶
̶
̶
̶
16
46
̶
843
̶
843
̶
375
̶
581
̶
米国
米国外
$30
̶
$1,370
$16
$̶
$̶
$16
4,420
7
̶
̶
7
3
̶
2,951
̶
22
̶
22
1,275
5
22
̶
27
21
̶
̶
227
227
790
20
̶
790
̶
̶
107
152
300
559
̶
̶
1
̶
1
̶
349
138
199
686
̶
̶
̶
̶
89
151
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
̶
21
̶
21
̶
̶
̶
69
7
̶
76
負債証券
社債
国債(1)
代替的投資
未公開株式(2)
混合
ヘッジ・ファンド
̶
集団投資信託及び
103-12投資事業体
登録投資企業(3)
206
現金及び現金同等
物(4)
その他(5)
(4)
68
̶
64
573
8
(4)
577
̶
2
(59)
̶
(176)
217
144
19
380
(5)
2
̶
̶
(117)
̶
(5)
$3,713
$5,589
$1,360 $10,662
$9,532
$2,992
$656 $13,180
$92
$74
$228
$394
合計
(1) 国、州、地方自治体及び政府機関により発行された負債を含む。
(2) リミテッド・パートナーシップ、ベンチャー・キャピタル組合を含む。
(3) 現金及び現金同等物、持分証券、確定利付投資を含む。
(4) 短期有価証券等の現金及び現金同等物を含む。
(5) 海外保険契約及び未決済取引を含む。
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ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
2011年10月31日に終了する事業年度におけるレベル3の投資に関する公正価値評価の変動は以下のとおりである。
(単位:百万ドル)
米国の確定給付型年金
制度
米国外の確定給付型年金制度
代替的投資
未公開
株式
2010年10月31
日現在残高
$1,034
制度資産から
の実際
運用収益:
報告日にお
いて保有さ
れている資
産に関連す
るもの
127
期中に売却
された資産
に関連する
もの
154
購入、売却、精
算
(純額)
(29)
レベル3への/
70
からの振替
2011年10月31
$1,356
日現在残高
混合
株式
負債証券
米国
株式
合計
$6 $1,040
代替的投資
未公開 ヘッジ・
株式 ファンド 不動産
社債
$64
退職後給付制度
代替的投資
保険
団体
年金
現預金 その他
合計
未公開
株式
混合
合計
$6
$14
$231
$225
$74
$̶
$2
$616
$154
̶
3
(26)
(26)
17
̶
̶
(2)
32
̶
̶
̶
(1)
(1)
18
̶
18
(18)
̶
(1)
15
23
̶
23
$1
$155
̶
127
1
155
̶
̶
̶
̶
(1)
(30)
̶
1
3
30
68
(64)
(4)
̶
65
̶
16
(4)
19
28
̶
̶
̶
$4 $1,360
$30
$3
$20
$300
$199
$89
$(4)
$19
$656
$227
$1
$228
(2)
30
̶
̶
32
2010年10月31日現在における、公正価値のインプットについて注記9と同様の3段階の階層を使用した、階層毎の制度資産の公正
価値は以下のとおりである。
(単位:百万ドル)
米国の確定給付型年金制度
レベル1 レベル2 レベル3
米国外の確定給付型年金制度
合計
レベル1 レベル2 レベル3
退職後給付制度
合計
レベル1 レベル2 レベル3
合計
資産カテゴリー:
持分証券
$4
̶
$̶
$1,464
$1,028
$195
1,193
̶
1,193
5,265
652
̶
2,931
̶
2,931
2,031
887
1,314
992
̶
2,306
626
376
2
̶
̶
1,034
1,036
̶
-
̶
不動産ファンド
米国
米国外
$1,460
$64
̶
$1,287
$68
$̶
$̶
$68
5,917
40
̶
̶
40
6
̶
2,924
̶
57
̶
57
1,002
14
30
̶
44
14
̶
̶
154
154
21
̶
̶
1
̶
負債証券
社債
国債(1)
代替的投資
未公開株式(2)
混合
6
̶
3
18
̶
6
̶
14
̶
102
7
231
340
̶
̶
1
̶
̶
̶
̶
̶
363
171
225
759
̶
̶
̶
̶
団体保険年金契約
̶
̶
̶
̶
17
54
74
145
̶
̶
̶
̶
現金及び現金同等
物(3)
7
484
̶
491
305
27
-
332
5
10
-
-
-
7
10
2
19
-
5
̶
̶
̶
̶
-
$3,976
$4,411
$1,040
$9,427
$9,747
$2,397
$616 $12,760
$127
$92
$155
$374
ヘッジ・ファンド
その他(4)
合計
̶
(1) 国、州、地方自治体及び政府機関により発行された負債を含む。
(2) リミテッド・パートナーシップ、ベンチャー・キャピタル組合を含む。
(3) 短期有価証券等の現金及び現金同等物を含む。
(4) 海外保険契約及び未決済取引を含む。
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ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
2010年10月31日に終了する事業年度におけるレベル3の投資に関する公正価値評価の変動は以下のとおりである。
(単位:百万ドル)
米国の確定給付型年金
制度
代替的投資
未公開
株式
2009年10月31
日現在残高
$911
制度資産から
の実際
運用収益:
報告日にお
いて保有さ
れている資
産に関連す
るもの
期中に売却
された資産
に関連する
もの
購入、売却、精
算
(純額)
123
レベル3への/
からの振替
2010年10月31
$1,034
日現在残高
混合
退職後給付制度
株式
米国
株式
合計
$20
$931
-
-
負債証券
代替的投資
保険
未公開 ヘッジ・
株式 ファンド 不動産
社債
団体
年金
代替的投資
その他
合計
未公開
株式
混合
$-
$-
$10
$49
$219
$74
$2
$354
$135
-
(4)
-
1
26
19
3
-
45
19
(2)
17
-
-
-
-
8
3
(1)
-
10
-
-
-
109
68
5
3
148
(16)
(2)
-
206
-
-
-
-
-
1
-
-
-
-
-
1
-
-
-
$6 $1,040
$64
$6
$14
$231
$225
$74
$2
$616
$154
$1
$155
(14)
-
$3
合計
$138
制度資産の評価
公正価値により測定された年金制度資産の評価方法は以下のとおりである。期中に使用された評価方法に変更はない。
有価証券への投資は、個々の有価証券が取引されている証券取引所の終値で評価されている。社債、国債及び資産担保証券に関し
ては、公正価値は活発な市場取引における観察可能なインプットに基づいたものである。 活発な取引が行われている社債及び国
債に関しては、公正価値は観察可能な取引価格に基づいている。合資会社、ジョイント・ベンチャー、未公開株式等の代替的投資
のための原資産はジェネラル・パートナー又はジェネラル・パートナーの被指名人によって四半期毎又は期末毎に決定される。
集団投資信託、103-12投資事業体及び登録投資企業に係る利子については各ファンドの資産の公正価値を基に、ファンドスポン
サーが決定した純資産価値により評価している。これらの資産の評価は市場取引価格がないため、判断を必要とし、そのためレベ
ル3に分類される。
現金及び現金同等物は、純資産持分に基づき評価されるマネー・マーケット・アカウントを含んでいる。その他の資産は、例えば
取引価格、レベル1を除く観察可能なインプット又は資産の公正価値の測定に重要な観察不可能なインプット等のインプットの
レベルに基づき評価される。
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制度資産の配分
各測定基準日における当社及びEDSの制度の加重平均目標配分及び同資産配分は、以下のとおりである。
資産区分
上場持分証券………
非上場持分証券……
不動産及びその他…
株式関連投資………
上場負債証券………
現金…………………
合計………………
米国の確定給付型
年金制度
2011年
制度資産
目標
配分
2011年
2010年
23.0%
28.2%
12.8%
11.1%
̶
(1.7)%
40.0%
60.0%
̶
100.0%
34.1%
63.3%
2.6%
100.0%
39.3%
55.5%
5.2%
100.0%
米国外の確定給付型
年金制度
2011年
制度資産
目標
配分
2011年
2010年
48.2%
57.6%
6.2%
2.9%
8.1%
6.1%
67.0%
62.5%
66.6%
31.1%
33.2%
30.8%
1.9%
4.3%
2.6%
100.0%
100.0%
100.0%
(単位:パーセンテージ)
退職後
給付制度
2011年
制度資産
目標
配分
2011年
2010年
12.2%
28.9%
57.9%
41.4%
̶
(1.3)%
68.0%
30.0%
2.0%
100.0%
68.8%
27.6%
3.6%
100.0%
70.3%
27.0%
2.7%
100.0%
投資方針
当社の世界全体での制度資産に関する投資戦略は、各制度の積立状況に応じて適切なレベルのリスクに相応しい投資収益率をあ
げることである。これら制度の投資管理者の大多数は、彼らが投資を行う市場を上回るべく、積極的な投資戦略を採用している。
リスク管理の手法としては、資産クラスや投資スタイルの多様化及び資産配分目標に向けた定期的なリバランス戦略が挙げられ
る。これら制度の投資管理者の多くは、投資又は責任負担についてデリバティブ商品を活用する権限が与えられており、当社は資
産配分の変更をするため、若しくは特定の投資リスク又は責任負担をヘッジするためにデリバティブを活用する。
各米国制度に関して設定された資産配分は、各制度の負債構造及び収益目標に鑑みて当社が適切と考えるリスク/リターンを反
映したものである。当社は各制度の予測債務及び流動性のニーズに応じて様々な資産配分を検討するために、定期的に米国制度
資産に関して資産・負債の調査を行っている。当社は分散投資とより高い期待収益をもたらすために、米国確定給付型年金制度
の制度資産及び退職後給付制度の制度資産の一部を、ベンチャーキャピタル・ファンド等の、非公開証券に投資している。
米国外の資産配分については、通常独立した理事会により決定される。投資目標も、制度が将来の債務を履行できるような収益を
創出するよう、米国同様に設定されている。一部の国では、現地規制により資産配分の調整が義務付けられていることから、一般
的には確定収益証券への配分比率が高めになっている。資産配分及び投資管理者についての最終決断は現地の管財人が行うが、
当社の投資子会社は各国の制度に関して定期的に投資戦略を査閲したり、投資運用会社の推奨リストを提供したりするなどし
て、助言的役割及び統治的役割を担っている。
制度資産の期待長期収益率
各米国制度資産の期待長期収益率は、その制度が投資する各主要資産クラスの期待収益、目標資産配分における各資産クラスの
比率を反映したものである。資産クラスの期待収益率は米国債の現行利回り及び各資産クラスのリスク・プレミアムを反映して
いる。当社の投資方針は主として市場全体のリターンを上回る積極的な投資戦略を実施する投資管理者を採用することである。
このため、資産クラスの期待収益は、投資管理者に支払う手数料を差し引いた後の追加的利益を反映するよう調整される。
当社は、2008年8月26日にEDSの買収を完了した。2009年度末直前において、当社は、当社及びEDS米国年金制度の資産を統合させ
た。給付費用純額の算出に用いる2012年度の制度資産の期待収益率は7.6%であり、これは最近の資産配分調査結果を反映してお
り、統合された米国年金制度の投資戦略に相応している。
米国外の制度資産の期待収益率を算出する方法は、各制度の資産配分方針と、各国の持分投資及び確定収益投資からの実質期待
収益率を反映している。当社は毎年、各国の子会社から経験的データを収集し、持分証券及び確定収益証券の期待長期収益率を決
定する。その後当社は、インフレーションに関する調整を行った国別の資産配分に基づき、これら期待収益率の割合を決定する。
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将来の拠出及び積立に関する方針
2012年度のHP年金制度への拠出は約597百万ドル、米国の非適格制度加入者に対する給付金支給は約31百万ドルになる見込みで
ある。さらに、当社は退職後給付制度による給付金請求を補填するために、約30百万ドルを支払う予定である。当社の積立に関す
る方針は、少なくとも現地政府や年金機関及び税務機関が規定する最低拠出金額を、自社年金制度に拠出することである。
将来給付額の概算
2011年10月31日現在、当社は退職制度及び退職後制度に関する将来的給付額を、以下のように見積っている。
米国の確定給付型
年金制度
10月31日に終了する各事業年度
2012年………………………………………
2013年………………………………………
2014年………………………………………
2015年………………………………………
2016年………………………………………
2021年10月31日までの5事業年度…………
米国外の確定給付型
年金制度
$490
$489
$505
$534
$576
$3,336
(単位:百万ドル)
退職後
給付制度(1)
$450
$443
$477
$506
$552
$3,562
$72
$67
$66
$64
$63
$286
(1) 退職後給付制度に係る将来給付額の見積りは、メディケア法パートDの助成金控除後の見積額である。
注記17:契約債務
当社は特定の不動産及び動産を、解約不能のオペレーティング・リースにより賃借している。一部のリースについては、当社が固
定資産税、保険料及び定期メンテナンス費用を支払う必要がある上、更新オプションや段階的リース料引上条項も含まれている。
賃借料は、2011年度が約1,042百万ドル、2010年度が約1,062百万ドル、2009年度が約1,112百万ドルであった。サブリース賃貸収入
は、2011年度が約38百万ドル、2010年度が約46百万ドル、2009年度が約53百万ドルであった。
キャピタル・リースによる資産は2011年10月31日現在が約577百万ドル、2010年10月31日現在が約688百万ドルで、主に機械及び
設備で構成されており、添付の連結貸借対照表の有形固定資産に含まれている。キャピタル・リースによる資産の減価償却累計
額は、2011年10月31日現在が約454百万ドル、2010年10月31日現在が約482百万ドルである。関連する減価償却は、減価償却費に含
まれている。
2011年10月31日現在、現行契約に基づく将来の年間未経過リース料、サブリース賃貸収入及びキャピタル・リース債務は以下の
とおりである。
(単位:百万ドル)
2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 その後
合計
未経過リース料……………………………………
$845
$631
$529
$407
$268
$713 $3,393
(34)
(27)
(21)
(15)
(10)
(3)
(110)
控除:サブリース賃貸収入………………………
$811
$604
$508
$392
$258
$710 $3,283
キャピタル・リース債務…………………………
控除:支払利息……………………………………
$82
(9)
$73
$81
(4)
$77
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$204
(4)
$200
$11
(3)
$8
$7
(2)
$5
$38
(15)
$23
$423
(37)
$386
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2011年10月31日現在、当社は約23億ドルの無条件購入義務を有していた。これらの無条件購入義務は、商品又はサービスの購入に
関する法的強制力及び拘束力を持つ契約上の義務であり、購入すべき固定数量あるいは最低数量、固定価格、最低価格あるいは変
動価格の規定、取引のおおよその時期など、重要な条件等を規定している。違約金なしで解約可能な契約は、無条件購入義務に含
まれていない。これらの無条件購入義務は主として棚卸資産その他の物品に関するものである。2011年10月31日現在で存在する
将来の無条件購入義務は以下のとおりである。
2012年
2013年
2014年
2015年
無条件購入義務…………………………………… $2,009
$138
$45
$32
(単位:百万ドル)
2016年
その後
合計
$8
$65
$2,297
注記18:訴訟及び偶発事象
当社は現在、下に挙げるものを含む、いくつかの訴訟、請求、調査及び手続に関与しており、これらは知的財産、商業、証券、雇用、福
利厚生及び環境問題に関するもので、通常の事業過程において発生するものである。経営陣が債務発生の可能性があり、かつ、金
額を合理的に見積ることができると判断した場合には、損失引当金を計上している。当社は全ての偶発事象について、適切な引当
金の見積りが行われていると考えており、2011年10月31日現在、当社の財務書類で既に認識されている金額以上の重要な追加損
失が発生したと合理的に考えられる事由はない。当社はこれらの引当金を最低でも四半期毎に見直しており、交渉、和解、決定、弁
護士の助言及び個々のケースに関するその他の情報や事象等に基づき引当額を調整している。当社の経験によると、以下に詳述
する各ケースにおいて請求されている損害額は、当社の潜在的債務を見積る上で何ら参考になるものではない。訴訟というもの
は本質的に予測不能なものである。一方で、当社は現在係属中の法的係争案件については、正当な防御を有していると認識してい
る。しかしながら、これら偶発事象に関する裁定が当社にとって思わしくないものである場合には、当社のキャッシュ・フローや
業績は重大な影響を受ける。
係属中の訴訟、訴訟手続及び調査
著作権課税 以下に詳述するとおり、一部の欧州連合(以下、「EU」という。)加盟国において、当社が関与する進行中の法的手
続や、既に終結した法的手続がある。これには、多機能機械装置(以下、「MFD」という。)、パーソナル・コンピュータ(以下、
「PC」という。)、プリンタなどの機器を使用すれば、著作物の私用複写物を作成できるという理由から、これらの機器への著作
権料の課徴又は変更を求めているドイツ、ベルギー及びオーストリアの訴訟も含まれる。現在係争中の法的手続のうち、主なもの
を以下に記載している。この著作権料は、通常、現在までに販売された製品の数量と、製品毎に設定された著作権料により決定さ
れる。現在デジタル機器に対する著作権料の課徴を行っていない一部のEU加盟国も、現行の制度の適用範囲を拡大するために、今
後同様の著作権料の徴収を実施することが予想される。一方で、他のEU加盟国はデジタル機器に対する著作権料の徴収の適用範
囲を限定したり、適用を限定することが予想される。当社、その他の企業及び各種業界団体はデジタル環境への著作権料適用拡大
に反対し、著作権者への補償の代替案を主張した。
複数の著作権者の徴収代理人であるVerwertungsGesellschaft Wort(以下、「VG Wort」という。)は、シュツットガルト民事裁
判所において、プリンタに対する著作権料の課徴を求め、当社に対して訴訟を提起した。2004年12月22日に同裁判所は、当社はド
イツで販売するASCIIコードを使用する全てのプリンタについて著作権料を支払う義務があるとの判決を下したが、プリンタ1台
あたりの支払額は定めなかった。2005年1月、当社はシュツットガルト控訴裁判所に対して控訴した。2005年5月11日にシュツット
ガルト控訴裁判所は、当社は著作権料を支払う義務があるとの判決を下した。2005年6月6日に、当社はカルルスルーエにあるドイ
ツ連邦最高裁に上訴した。2007年12月6日にドイツ連邦最高裁は、現行の法律の下ではプリンタは著作権料の課徴の対象とならな
いとする判決を下した。最高裁は2008年1月25日に判決書を交付したが、その後VG Wortは、ドイツ民事訴訟法第321a条に従い、最
高裁が同社の主張を考慮していないと訴える申立書を最高裁に提出した。2008年5月9日、ドイツ連邦最高裁はVG Wortの申立てを
退けた。VG Wortは、プリンタは著作権料の課徴の対象に含まれないとする判決を不服として、ドイツ連邦憲法裁判所に上訴した。
2010年9月21日、憲法裁判所は、ドイツ連邦最高裁には、欧州司法裁判所(以下、「CJEU」という。)に対してドイツの著作権法の
解釈上の問題点について照会を行わなかったという誤りがあるとの判決を下し、ドイツ連邦最高裁の判決を取り消し、ドイツ連
邦最高裁に差し戻した。2011年7月21日、ドイツ連邦最高裁は、訴訟手続を中断しCJEUに対して欧州著作権法の解釈について複数
の照会を行った。
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2003年9月に、VG WortはFujitsu Siemens Computer GmbH(以下、「FSC」という。)に対し、ドイツのミュンヘン民事裁判所に対
して、PCに対する著作権料の課徴を求める訴訟を提起した。この訴訟はドイツにおけるテストケースであり、FSCに対する最終判
決が下された後にVG Wortが当社に対して同様の訴訟を行った場合には、当社は遅延に対して異論を唱えないことに同意した。
2004年12月23日にミュンヘン民事裁判所は、PCを著作権料の課徴対象とする判決を下し、FSCが2001年3月以降ドイツで販売した
PCに関し、1台あたり12ユーロ及び複利による利息を支払うよう命じた。FSCは2005年1月に、ミュンヘン控訴裁判所に対して控訴
した。2005年12月15日にミュンヘン控訴裁判所はミュンヘン民事裁判所の判決を支持する判決を下した。FSCは2006年2月に、ドイ
ツ連邦最高裁に上訴した。2008年10月2日、ドイツ連邦最高裁は、PCは、2007年12月31日まで施行されていたドイツ著作権法上の写
真複写機にあたらないため、同法が定める写真複写機への著作権料の課徴の対象には含まれない、との判決を下した。VG Wortは
これを不服として、ドイツ連邦憲法裁判所に上訴した。2011年1月に、憲法裁判所はドイツ連邦最高裁の判決はドイツ憲法とそぐ
わないとの判決を下し、ドイツ連邦最高裁の判決を無効とした。憲法裁判所は今後の措置に向け、ドイツ連邦最高裁に本件を差し
戻した。2011年7月21日、ドイツ連邦最高裁は訴訟手続を中断し、CJEUに対して欧州著作権法の解釈について複数の照会を行った。
複写にかかる補償金を回収し、ベルギーの著作権者に対し分配する権限を持つ協同組合Reprobelは、同組合が、MFDを通常の印刷
モードではなく、ドラフト印刷モードに設定して使用したときの通常より早い複写速度に基づき計算された著作権料を課徴でき
るようにするようにするために、当社に対し2005年1月から2009年12月までにベルギーで販売されたインクジェットMFDの著作権
料の課徴に関する宣言を一部修正するよう裁判外の要請を行った。2010年3月に、当社はReprobelに対し、ベルギーでのMFD販売に
ついては、著作権料が課徴されないこと、予備的に、かかるMFDに関して課徴される著作権料は、初期設定とされている通常の印刷
モードで使用された場合の複写速度に基づき決定されることに関して、ブリュッセル第一審裁判所フランス語系裁判部に確認判
決を求めて訴訟を提起した。裁判手続のスケジュールが決定しており、2012年9月以前に裁判所より決定がなされることは予想さ
れていない。
デジタル製品への著作権料の課徴の拡大適用に業界が抵抗しているという事実、さらに様々な法的手続のメリットに関する当社
の評価及び影響を受ける機器の数量と著作権料に関する当社の見積りに基づき、当社は上記の訴訟等に対して適切と考える金額
を未払計上した。しかしながら、これらの訴訟等の最終的な結果や、影響を受ける機器の数量や著作権料の金額などの財務的影響
及び当社がその製品の値上げによってこれらの金額を回収することができるか否かなどの点は、未確定である。
Skold他対Intel Corporation及びHewlett Packard Companyは、当社が2004年6月14日に加わった訴訟で、現在、カリフォルニア州
サンタクララ州立裁判所で係属中である。本件では、Intel社はIntel Pentium 4プロセッサを搭載したシステムが、Intel
Pentium Ⅲプロセッサや競合他社製のプロセッサを搭載したシステムよりもパワーと処理速度が劣るという重要な事実を隠蔽、
隠匿し、一般大衆の誤解を招いた、と訴えられている。当社は当該訴訟においてIntel社の違法行為を助長し、扇動したとして、訴
えられている。原告は不特定額の損害賠償、不当利得の返還、弁護士費用及び費用の支払並びに当該訴訟の米国全土での集団訴訟
とする認定を求めた。2009年2月27日、裁判所は、再訴不可能なものとして3度目となる全国規模の集団訴訟認定の請求を棄却し
た。2011年8月31日、カリフォルニア州控訴裁判所は、地方裁判所による集団訴訟認定の請求棄却判決を再審のために差し戻した。
2011年11月23日、原告はカリフォルニア州救済法及びカリフォルニア州不当競争防止法に基づき、米国全土での集団訴訟認定を
求める申立てを行った。現在、原告の申立てに対する公聴会は2012年3月2日に予定されている。
インクジェットプリンタ訴訟 下記のように、明示的及び黙示的保証の違反、不当利得、誇大広告、不公正な商慣行があったと原告
が主張する数件の訴訟にも、当社は関与している。これらの訴訟において原告は、当社は一部のインクジェットプリンタ製品に
「スマートチップ」を搭載し、使用期限が隠れていること若しくは消費者向けマーケティング資料に明記されていないこと又は
その双方を利用して、インク切れを早期に生じさせ、カートリッジを使用不能にしたと主張した。原告はさらに、消費者はインク
切れに関して誤った警告メッセージを受けており、スマートチップが組み込まれていることで、消費者はカートリッジを使い切
る機会、あるいは競合製品を選択する機会が制限されているとも強く主張している。
・ 併合訴訟であるHPインクジェットプリンタ訴訟は、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所において係属中であるが、原告
は集団認定、不当利得の返還、損害賠償(懲罰的な賠償を含む)、差止救済、利息、費用及び弁護士費用の支払いを求めてい
る。2008年1月4日、裁判所は原告の集団訴訟として手続を進める旨の認定と集団代表者の追加を求める申立て及びサマリー
・ジャッジメントを求める当社の申立てに関する審理を行った。2008年7月25日、裁判所はこれら3件の申立てを全て退けた。
2009年3月30日、原告は集団訴訟として手続を進める旨の認定を求める申立てを改めて行った。集団訴訟として手続を進める
旨の認定を求める原告の申立てに関する審理は、2010年4月9日に行われる予定であったが、延期された。
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・ Blennis対HPの訴訟は、2007年1月17日にカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に提訴された訴訟である。原告は、集団認
定、不当利得の返還、損害賠償(懲罰的な賠償を含む)、差止救済、利息、費用及び弁護士費用の支払いを求めている。集団訴
訟として手続を進める旨の認定を求める申立てに関する審理は、2010年5月21日に行われる予定であったが、スケジュールか
ら除外された。
・ Rich対HPの訴訟は、2006年5月22日にカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に提訴された訴訟である。この訴訟は、カラー
インクジェットプリンタで白黒の画像や文字を印刷する際に黒インクに加えてカラーインクをも不必要に消費するよう当
社が設計したと主張するものである。原告は全国規模の集団差止訴訟及びカリフォルニア州限定集団損害賠償訴訟の認定を
求めている。訴訟の認定に関する審理は2010年5月7日に行われる予定であったが、スケジュールから除外された。
・ 当社及びその子会社であるHewlett Packard (Canada) Co.に対する2件の集団訴訟が、カナダで係属中である。そのうち1件
は、2006年2月にブリティッシュ・コロンビア州で提訴されたもの、1件は2006年6月にオンタリオ州で提訴されたもので、い
ずれも原告は集団認定、不当利得の返還、宣言的救済、差止救済及び不特定額の法定損害賠償、補填的損害賠償並びに懲罰的
損害賠償を求めている。
2010年8月25日に、当社並びにHPインクジェットプリンタ訴訟、Blennis対HP及びRich対HPの原告は、集団を代理して、これらの訴
訟について和解契約を締結したが、この契約は、裁判所による本契約の承認が条件となっている。和解案においては、上記訴訟を
併合し、集団訴訟の各原告は、当社のウェブサイトからプリンタ又はプリンタ関連の消耗品を購入するために利用できる、総額で
5百万ドルを超過しない額のe-creditを受領する権利が付与されることになっている。和解案の一部として、当社は、集団訴訟の
原告に対して、HPインクジェットプリンタの機能に関する追加的な情報を提供し、インクジェットプリンタのカートリッジの耐
用期間に関してユーザーに提供される一部のソフトウェア及びユーザー・ガイド・メッセージの内容を変更することにも同意
した。また、集団訴訟の弁護士及び代理人には、弁護士費用、費用及び手当てが支払われることになる。2011年3月29日、裁判所は、
本和解案を最終的に許可した。2011年4月27日、一部の集団訴訟の原告が、和解を承認する裁判所の決定を不服として上告を行っ
た。
Goldblatt対HPは、2011年12月1日にカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に対して当社を提訴した消費者集団訴訟である。
当該訴訟において当社は、製造したプリンタにインストールされているソフトウェアに設計上の欠陥が存在し、ハッカーや正当
な権限を有さない者からのプリンタへのアクセスにより、購入者の個人情報や機密情報が流出し、購入したプリンタに対して物
理的なダメージが与えられるとして訴えられている。また原告は当社が当該欠陥について認知していたにもかかわらず、当該事
実を消費者に対して開示しなかった、とも主張している。原告は当社のプリンタの購入者による米国全土での集団訴訟の認定を
求めており、不特定額の損害賠償、原状回復、差止救済、弁護士費用及びその他費用の支払いを求めている。
公正労働基準法訴訟 当社は、複数のEDS若しくは当社の従業員に対し、米国公正労働基準法の適用から除外される従業員として
不適切な分類を行った及び/又はカリフォルニア州又はその他の州の労働法に違反したとし、未払時間外手当及び他の損害賠償
を求めている複数の訴訟に関与している。本件については、下記の件が含まれる。
・ Cunningham and Cunningham他対Electronic Data System Corporationとは、コンピュータ・ソフトウェア及びハードウェア
のインストール及び/又は管理に従事する過去及び現行のEDS従業員を米国公正労働基準法の適用から除外される従業員として
不適切な分類を行ったとして、2006年5月10日にニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所に提訴された集団訴訟である。同様の事
実を主張した別の集団訴訟、Steavens対Electronic Data Systems Corporationが、2007年10月23日に同裁判所に提訴され、現在
係属中である。Steavensの訴訟は、公判前手続を目的として、Cunninghamの訴訟と併合された。2010年12月14日に、裁判所は、併合
されたCunninghamの訴訟とSteavensの訴訟に関して条件付で旧EDSの20にわたる職種コードに属する従業員による集団訴訟と認
定した。また、原告は不適切な分類を受けた件についても様々な州法に基づいて集団訴訟を提起しているが、現在のところ集団訴
訟としては認められていない。
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・ Heffelfinder他対Electronic Data Systems Corporationとは、2006年11月にカリフォルニア州の特定のITに携わるEDS従業
員を適用除外される従業員として不適切な分類を行ったとして、カリフォルニア上位裁判所に提訴された集団訴訟である。この
訴訟は、カリフォルニア州中央地区連邦地方裁判所に移送され、2008年1月7日にカリフォルニア州においてITに携わる従業員を
原告として認めた。2008年6月6日に裁判所は、サマリー・ジャッジメントを求める被告の申立てを認めた。原告は、後に第9巡回控
訴裁判所に控訴し、当該控訴に係る公聴会が2011年8月に行われ、現在判決待ちである。同様の事実を主張した別の2件の集団訴訟
が当初カリフォルニア上位裁判所に提訴され、Karlbom他対Electronic Data Systmes Corportaionが2009年3月16日に、George他
対Electronic Data Systems Corporationが2009年4月2日に提訴された。Karlbomの訴訟については、サンディエゴ郡上位裁判所
に係属中であるが、Steavensの訴訟により一時的に停止されている。Georgeの訴訟については、ニューヨーク州南部地区地方裁判
所において係属中であり、公判前手続を目的として、Cunninghamの訴訟とSteavensの訴訟と併合された。2011年9月9日に裁判所
は、Georgeの訴訟原告審議会による申し立てを認め、原告による告訴の修正及びSteavensの訴訟と分離する事を認可した。原告は
その後、2011年10月21日に修正後の告訴を行った。裁判所は2011年11月23日に、当該訴訟をカリフォルニア州中央地区連邦地方裁
判所に差し戻しとした。
・ Blake他対Hewlett-Packard Companyは、一部のIT及びヘルプデスクサポート業務に携わる従業員が公正労働基準法の対象か
ら除外される従業員として不適切に分類されたとして、2011年2月17日にテキサス州南部地区連邦地方裁判所に提起された集団
訴訟である。当該訴訟に関しては現在までに実質的な判決は下っていない。
上記案件に加え、2011年5月24日にFenn,他対Hewlett-Packard Companyがアイダホ州連邦地方裁判所に集団訴訟として提起され
た。当該訴訟はアメリカ合衆国内の当社のコールセンターで働く従業員が、自分のコンピュータを起動及びシャットダウンさせ
るための時間に対して賃金が支払われていない事が、公正労働基準に違反していると主張している。裁判所は条件付集団訴訟を
求める原告の訴えを棄却した。
インド歳入情報局による調査 下記のとおり、当社の子会社であるHewlett-Packard India Sales Private Ltd. (以下、「HPI」
という。)並びに当社の現在及び過去の複数の従業員が、インド歳入情報局(以下、「DRI」という。)より、一定の関税を支払って
いないとして理由開示を求める通知を受領した。
・ 2010年4月30日及び5月10日に、DRIは、HPI、当社従業員7名及び元従業員1名に対し、当社がインドへの製品及び予備部品の輸入
に際して、十分な関税を支払わなかったとして理由開示を求める通知を発行し、総額約370百万ドルの損害賠償金及び罰金の
支払いを要求した。2010年6月2日、DRIは、HPI及び当社従業員3名に対し、当社がマイクロソフト社の基本ソフトが含まれたリ
カバリCDの適正価格に基づいて関税を支払わなかったとして追加の理由開示を求める通知を発行し、約5.3百万ドルの損害
賠償金及び罰金の支払いを要求した。当社は既に計約16.7百万ドルをDRIに対し入金し、また、仮保証金の支払いと引き換え
に、当社の製品及び予備部品の押収を行わないこと及びインドにおける当社の事業活動を妨害しないことについて、DRIより
合意を得た。
・ 2010年6月17日に、DRIは、HPI及びHPIの従業員2名に対し、相手先ブランド設計製造業者より輸入した製品に含まれるソフト
ウェアの価値を算入していないとして理由開示を求める通知を発行した。このソフトウェアに関連して支払われていない関
税(これらの通知に基づいて、要求される予定の利息を含む)は、総額で約130,000ドルであり、HPIは同額をDRIに対し入金
した。DRIは、罰金を課すことも検討している。
・ 2010年10月1日に、SAP AGに対して開始されたDRIの調査に関連して、DRIは、HPIに対し、一定のSAPソフトウェアの輸入に関し
て関税を支払わなかったとして理由開示を求める通知を発行した。関税の差額の総額は、約38,000ドルであり、同額がDRIに
入金された。DRIは、利息及び罰則を課すことも検討している。
当社は、訴訟手続を通じて、各理由開示を求める通知に対し反論する予定である。当社は、理由開示に対して既に回答済みである。
ロシア検事総長事務所及び関連する捜査 ドイツの検察庁(The German Public Prosecutor's Office)(以下、「ドイツPPO」
という。)は、当社の従業員及び過去の従業員が、当社の子会社であったドイツのHewlett-Packard ISE GmbH及びロシア連邦の検
事総長事務所との間の取引に関連して、贈収賄、横領及び脱税に関わったとして捜査を行っている。ロシア検事長事務所との取引
は約35百万ユーロに及びITネットワークの納入及び設置のために、2001年から2006年に行われていた。
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米国司法省及びSECは、このロシア検事総長事務所との取引及び海外汚職行為防止法(以下、「FCPA」という。)の違反の疑いに
ついて捜査を行っている。FCPAにおいては、個人又は企業は、各違反につき、罰金、最高500,000ドルの民事罰が課され、また不正利
得の返還及び差止救済を含むエクイティ上の救済手段が与えられる。さらに、刑事罰として、各違反につき、2百万ドル又は金銭上
の総利益若しくは、総損失の2倍のどちらか大きい額の罰金が課される。
米国の捜査当局は、ロシア検事総長事務所との取引に関する情報に加え、(i)2000年まで遡り、ロシア、セルビア及び独立国家共同
体の加盟国における取引を含む、特定のその他取引に関連する情報及び(ii)ロシアに出向した当社の過去の幹部2名に関する
情報及びロシア、ドイツ、オーストリア、セルビア、オランダ又は独立国家共同体の加盟国において、当社の社員が、チャネル・
パートナー又は国有若しくは民間企業に対するリベート又はその他不適切な支払いに関与したかどうかに関する情報を要求さ
れている。
当社は、これらの捜査当局に協力している。
ECT 訴訟 2011年1月に、ブラジルの郵便サービス、Empresa Brasileira de Correios e Telégrafos (以下、「ECT」とする。)
は、当社のブラジル子会社(以下、「HPブラジル」という。)従業員及び他の数社の従業員が2007年及び2008年に締結された3件
のECT契約締結の入札の際に行った入札手続に関する不正疑惑のため、HPブラジルの入札及び契約権限を停止するための行政手
続を開始した事を当社に通知した。2011年7月下旬、ECTは過去の証拠に基づき、HPブラジルのECT契約に関する入札及び契約権限
を5年間にわたり凍結する罰則を適用する事を決定した旨を当社に通知した。2011年8月、当社は当該罰則適用の取消を求める申
立及び当案件について上訴不能な最終判決が下るまで罰則適用を保留とする救済処置を求める申立をECTに対して行った。当社
は現在上記申立についてECTからの返答を待っている状態である。ECTが当社の申立に関して、適時に実質的な取決めを行わな
かったため、当社は裁判所に対して同様の救済処置を求めて提訴した。第一審裁判所は、訴訟に関する最終的な判決を下してはい
ないが、当社が求めた当案件について上訴不能な最終判決が下るまで罰則適用を保留とする救済処置に関する訴えを棄却した。
当社は、救済処置に関する訴えについて上訴し、中間控訴裁判所の判決待ちの状態である。中間控訴裁判所により指名された裁判
官は、救済措置の適用は否定するが、罰則の適用期間を5年間から2年間に短縮する仮決定を行った。中間控訴裁判所による最終の
判決は2012年の初頭に予定されている。
株主代表訴訟
下記の通り、当社は現在及び過去の役員及び取締役会構成員に対して提起された株主代表訴訟に関与している。株主代表訴訟に
おいて、原告は、当社より被告に対して支払われた報酬の返還及びその他損害賠償を要求している。
・ Heather M. Bendit他対Mark V. Hurd他(旧Henrietta Klein対Mark V. Hurd他)は、各被告が、会社の資産を浪費並びに当社
がFCPAを遵守するための措置の実行及び監督を怠ったことは信認義務に違反するとして、2010年9月24日にカリフォルニア上位
裁判所に提訴された訴訟である。
・ Saginaw Police & Fire Pension Fund対Marc L. Andreessen他は、被告等が信認義務に違反し、FCPA違反を意図的に放置した
ことで不当に利益を得たとして2010年10月19日にカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に提訴された訴訟である。
・ A.J. Copeland対Raymond J. Lane他は、被告等が信認義務に違反し、FCPA違反、過去に会長兼CEOであったマーク・ハードに対
して支払った退職金及び3PAR Inc.の買収等により、会社の資産を浪費したとして、2011年3月7日にカリフォルニア州北部地区連
邦地方裁判所に提訴された訴訟である。また、当該訴訟は2010年及び2011年の株主委任状において、取引法のSection14(a)に違反
したとも主張している。
・ Richard Gammel対Hewlett-Packard Company他は、被告等が2010年11月22日から2011年8月18日にかけて、当社のビジネスモ
デルやwebOS、Touch Pad、当社のPCビジネスの今後に関する重要な情報を隠蔽し、虚偽の発表を行ったことが、1934年連邦証券取
引法のSection10(b)及び20(a)に違反するとして、2011年9月13日にカリフォルニア州中央地区連邦裁判所に提訴された集団
訴訟である。
・ Ernesto Espinoza対Léo Apotheker他は、被告等が当社のビジネスモデルやwebOS、Touch Pad、当社のPC事業の今後に関する
重要な情報を隠蔽し、虚偽の発表をしていた行為が、1934年連邦証券取引法のSection10(b)及び20(a)に違反するとして、
2011年9月21日にカリフォルニア州中央地区連邦裁判所に提訴された集団訴訟である。当該訴訟はまた、各被告が2010年8月29日
及び2011年7月21日に自己の保有する株式を当社が買い戻すという決定をした事で不当な利益を得た事は、信認義務に違反し、会
社の資産を浪費したとしても訴えられている。
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・ Larry Salat対 Léo Apotheker他は、被告等が、当社のビジネスモデルやwebOS、Touch Pad、当社のPCビジネスの今後に関する
重要な情報を隠蔽し、虚偽の発表をしていた行為は、1934年連邦証券取引法のSection10(b)及び20(a)に違反するとして、
2011年9月21日にカリフォルニア州中央地区連邦裁判所に提訴された集団訴訟である。当該訴訟はまた、各被告が2010年8月29日
及び2011年7月21日に自己の有する株式を当社が買い戻すという決定をした事で不当な利益を得た行為は、信認義務に違反し、会
社の財産を不当に浪費したとしても訴えられている。
・ Luis Gonzalez対Léo Apotheker他 は、被告等が信認義務に違反し、会社の資産を不当に浪費し、当社のビジネスモデルや
webOS、Touch Pad、当社のPCビジネスの今後に関する重要な情報を隠蔽及び2010年8月29日及び2011年7月21日に自己の有する株
式を当社が買い戻すという決定をした事で不当な利益を得たとして、2011年9月29日にカリフォルニア州上位裁判所に提訴され
た訴訟である。
・ Richard Tyner対Léo Apotheker他は、 被告等が信認義務に違反し、会社の資産を不当に浪費し、当社のビジネスモデルや
webOS、Touch Pad、当社のPCビジネスの今後に関する重要な情報を隠蔽及び2010年8月29日及び2011年7月21日に自己の有する株
式を当社が買い戻すという決定をした事で不当な利益を得たとして、2011年10月5日にカリフォルニア州上位裁判所に提訴され
た訴訟である。
環境関連
当社の業務及び製品は、汚染物質の空気中及び水中への放出、有害物質及び廃棄物の処理、汚染された土地の浄化、製品に含まれ
る原料、製品のリサイクル、取扱い及び処分に関する法律など、環境保護について定める様々な連邦法、州法、条例及び外国法によ
る規制を受けている。特に、当社の製品に含まれる化学物質及び材料組成、それらの安全な使用並びに気候変動に関連する規制を
含め製品のエネルギー消費について新たに適用される規制に対応するため、製品のデザイン及び部品の調達が益々複雑化してい
る。また、当社はコンピューターやプリンタを含む電機製品の製造者に対して適用される、過去及び将来の対象製品の回収、リサ
イクル、取扱い及び処分に関して金銭的な責任を課すという法律(「製品回収に関する法律」と称される場合もある。)の適用
を受けているが、この規制を課す国が増加している。当社が環境関連法令に違反した場合又は当社の製品が環境関連法令に適合
しなくなった場合には、多額の費用が発生するおそれがあり、一部の国で、当社の製品の持ち込みが禁止並びにその他の制裁を課
されるおそれがある。当社が汚染を引き起こした場合、罰金、民事・刑事罰、第三者の物的又は身体的損害に関する賠償責任及び
浄化費用が課される可能性がある。環境関連法令上発生しうる費用の金額や費用発生時期については予測するのが困難である。
当社は「スーパーファンド法」として知られる包括的環境対応・補償・責任法(以下、「CERCLA」という。)あるいはCERCLAに
類似した州法に基づいて米国の連邦環境局やその他の州環境局が行っているいくつかの法的手続の当事者であるか、それら法的
手続に関与している。また当社は、行政命令あるいは州環境局との同意に基づき、現在の事業所あるいは過去の事業所のいくつか
で、環境調査又は環境修復作業を実施している。
注記19:セグメント情報
セグメントの詳細
当社は、一般消費者、中小企業及び大企業(政府、医療及び教育機関を含む)に対して、製品、技術、ソフトウェア、ソリューション
及びサービスをグローバルに提供する先端企業である。当社が提供する製品及びサービスには、パーソナル・コンピュータ及び
その他のアクセス・デバイス、インフラ技術及びビジネス・プロセス・アウトソーシング、技術サポートやメンテナンス、アプリ
ケーション開発及びサポートサービス、コンサルティング及びインテグレーションサービスを含むマルチベンダー・カスタマー
サービス、イメージング及びプリンティング関連の製品、法人向けサーバ及びストレージ技術及びネットワーク製品及びソ
リューション、情報管理ソフトウェア、情報管理ソリューション、情報セキュリティー・リスクマネジメントを含む企業ITインフ
ラと多岐にわたっている。
当社とその事業は、財務報告の目的で、パーソナル・システム・グループ(以下、「PSG」という。)、サービス、イメージング・プ
リンティンググループ(以下、「IPG」という。)、エンタープライズ・サーバ・ストレージ・ネットワーキング(以下、「ESSN」
という。)、HPソフトウェア、HPファイナンシャル・サービス(以下、「HPFS」という。)及びコーポレート・インベストメントの
7つの事業セグメントを有している。当社の組織体制は、経営陣が事業活動を評価、監督及び運営するために用いる様々な要素を
基礎としており、それは顧客基盤、製品や技術の同一性を含むがこれらに限定されない。事業セグメントは、このような組織体制
と、各事業セグメントの業績を評価するために当社経営陣が検討した情報に基づいている。
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当社は、2011年度の組織再編と対応させるため、2010年度と2009年度のセグメント別経営成績を組み替えている。これらの変更
は、当社が過去において報告した連結純売上高や営業利益、当期純利益や一株当たり当期純利益に影響を及ぼすものではない。将
来的に組織体制が変更になった場合、連結財務書類において開示される事業セグメントが変更になる可能性がある。
各事業セグメントが提供する製品やサービスの種類は以下のとおりである。
・ パーソナルシステムグループは法人向けPC、一般消費者向けPC、ワークステーション、計算機及びその他関連周辺機器、法人及
び一般消費者市場向けのソフトウェア及びサービスを提供している。法人向けPCは、大企業や中小企業(以下、「SMB」という。)
顧客を含む商業目的で使用するため並びにネットワーク環境での接続性及び管理可能性のために最適化されている。法人向けPC
にはHP ProBook及びHP EliteBookシリーズのノートブック、Compaq Pro、Compaq Elite HP Pro、HPElite シリーズの法人向けデ
スクトップ並びにAll-in-One Touchsmart and Omni PCs、HP Mini-Note PC、Retail POSシステム、HP Thin Client及びHP Slate
Tabletなどがある。一般消費者向けPCには、HP及びCompaqシリーズのマルチメディア型一般消費者用ノートブック、デスクトップ
及び小型ノートブックがあり、画面タッチ可能なAll-in-One TouchSmartシリーズ等のノートブック及びデスクトップが含まれ
る。当社のワークステーションは、Windows及びLinuxベースのオペレーティングシステムで稼動し、コンピューターアニメーショ
ンや、エンジニアリングデザイン、高画質グラフィックを要求するプログラム等、高性能を求めるユーザーのためにデザインされ
ている。
・ サービスは、インフラ、アプリケーション、ビジネス・プロセスの分野にわたって、コンサルティング・サービス、アウトソー
シング・サービス、テクノロジー・サービスを提供している。当事業セグメントは、インフラストラクチャー・テクノロジー・ア
ウトソーシング、アプリケーション・サービス、ビジネス・プロセス・アウトソーシング、テクノロジー・サービスの4つの主要
な事業ユニットに分かれている。インフラストラクチャー・テクノロジー・アウトソーシングは、データセンター、ワークプレイ
ス(デスクトップ)、ネットワーク及びコミュニケーション、セキュリテイ、コンプライアンス及び事業の継続、企業のマネージ
ドサービスに至るまでの包括的なサービスを提供している。テクノロジー・サービスは、当社の製品群の製品保証サポートを含
め、ミッション・クリテイカル・サービス、コンバージド・インフラストラクチャー・サービス、ネットワーキング・サービス、
データセンター・トランスフォーメーション・サービス及びデータ保存、サーバー、統合コミュニケーション環境のためのイン
フラストラクチャー・サービスを含んでいる。アプリケーション・サービスは、柔軟且つ企画的なコンサルティング・サービス
及び長期的なアウトソーシング契約を通じて、顧客のアプリケーション資産の再活性化及び管理を支援している。これらのライ
フ・サイクル・サービスは、アプリケーション開発、調査、近代化、システム・インテグレーション、保守及び管理を包括してい
る。ビジネス・プロセス・アウトソーシング・ソリューションは、幅広いエンタープライズ・シェア・サービス、カスタマー・リ
レーション・マネージメント・サービス、ファイナンシャル・プロセス・マネージメント・サービス及び管理サービスを含んで
いる。
・ イメージング・プリンティンググループ は、一般消費者向け及び法人向けプリンタ機器、消耗品、印刷媒体及びスキャン用機
器を提供している。IPGは、マネージド・プリント・サービス・ソリューションから、産業用アプリケーション、屋外看板及びグラ
フィックアート業務などの分野の法人向け高付加価値のキャプチャーに至るまで、法人向け市場のイメージング・ソリューショ
ンにも力を注いでいる。インクジェット及びウェブ・ソリューションは、当社の一般消費者向け及びSMB向けのインクジェット・
ソリューション(ハードウェア、消耗品及び媒体、Web接続型ハードウェア及びサービス)を提供するとともに、当社のリテール
出版向け事業及びウェブ事業の開発を手掛けている。これには、単一機能型とオール・イン・ワン型の一般消費者及びSMB向けの
インクジェットプリンタ、リテール向けの出版用ソリューション、Snapfish、ePrintCenterも含まれる。レーザージェット及びエ
ンタープライズ・ソリューションは 中小企業及び法人に製品やサービス及びソリューションを提供しており、レーザージェッ
トプリンタ及び消耗品、多機能プリンタ、スキャナー、Exstream SoftwareやWeb JetadminなどのWeb接続型ハードウェアやサービ
ス、法人向けソフトウェア・ソリューションが含まれる。マネージド・エンタープライズ・ソリューションは、企業が外部ソフト
ウェア・プロバイダと連携し、企業環境におけるワークフロー・ソリューションを提供するためのマネージド・プリント・サー
ビス製品及びソリューションが含まれる。グラフック・ソリューションには、大判フォーマット印刷(Designjet及びScitex)及
びその消耗品、WebPress用消耗品、Indigo印刷、特殊印刷システム及びインクジェット高速プロダクション・ソリューションが含
まれる。当社のプリンタ消耗品には、レーザージェット用トナー、インクジェットプリンタ用カートリッジ、グラフィック・ソ
リューション・インク製品その他の印刷に関連するメディアがある。
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・ エンタープライズ・サーバー・ストレージ・ネットワーキング はサーバー、ストレージを提供し、さらに当社のCloud
Service Automationソフトウェアを組み合わせたCloud Systemも提供している。このCloudSystemは、民間、公共又はハイブリッ
ド環境において、インフラストラクチャー、プラットフォーム及びサービス型ソフトウェアの構築を可能にする。Industry
Standard Serversは、主にWindowe、Linux、Novellのオペレーティングシステム及びIntel and AMD processorsの動作を最適化す
るためのエントリーレベルからミッドレンジのProLiantサーバーを提供している。この事業は、ペデスタル型タワーサーバ、密度
最適化ラック型サーバ及び当社のBladeSystemサーバブレード製品群など、様々な製品種類を提供している。ビジネス・クリティ
カル・システムとしてはIntel Itaniumベースのプロセッサに基づいたHP Integrity サーバ及びHP Integrity NonStop ソ
リューションを提供している。ビジネス・クリティカル・システムはさらに、システムの拡張性向上のため、scale-up x86
ProLiant Serversを4つ以上の標準プロッセサとともに提供している。当社のストレージ事業は、ストレージエリアネットワー
ク、ネットワーク付属ストレージ, ストレージ管理ソフトウェア、バーチャル化技術、StoreOnce データ記憶域簡素化記述、テー
プドライブ、テープライブラリにわたる広範囲の製品を提供している。当社のネットワークはスイッチ、ルーター、ワイヤレス
LAN、TippingPointネットワークセキュリティー製品を提供している。
・ HPソフトウェアでは、法人向けITマネージメントソフトウェア、インフォメーション・マネージメント・ソリューション、セ
キュリティ・インテリジェンス/リスク・マネージメント・ソリューションを提供している。ソリューションは、伝統的なソフト
ウェアライセンス又はサービス型ソフトウェアの形式で提供される。サポート及びプロフェッショナル・サービスとの併用で、
HP Softwareソリューションは、大規模なIT組織におけるインフラストラクチャー、運用、アプリケーションのライフサイクル、ア
プリケーションの品質及びセキュリティ、ITサービス及び事業プロセス、構造化・非構造化データ管理を可能にする。さらに、こ
れらソリューションはデジタル資産の保護、企業ポリシー及び規制政策の遵守及び内外のセキュリティ・リスク統制に関して積
極的に事業のサポートを果たしている。
・ HPファイナンシャル・サービスは、広範囲での付加価値のある金融ライフサイクル管理サービスを提供することにより、当社
のグローバル製品及びサービスソリューションをサポートし向上させている。HPFSは当社の世界中の顧客に対し、ハードウェア、
ソフトウェア及びサービスを含む包括的なITソリューションの取得を可能にしている。HPFSは大手グローバル企業の顧客に対し
て、リース、融資、ユーティリティ・プログラム、資産回収サービス及び金融資産管理サービスを提供している。HPFSはさらに、
SMB、教育機関及び政府機関に対して、専門的な金融サービスを提供している。またHPFSは顧客特有のキャッシュ・フロー、技術劣
化及びキャパシティの必要性等の問題解決のために、革新的で、カスタマイズされた柔軟性のある選択肢を提供している。
・ コーポレート・インベストメントはビジネス・インテリジェンス・ソリューション、HPラボ、webOSソフトウェア及び特定の
事業養成プロジェクトが含まれる。ビジネス・インテリジェンス・ソリューションは、データ管理体制の標準化、企業全体での
データの入手及び共有、分析への利用を可能にする。また、外部向けの当社の技術ライセンス契約による収入もこのセグメントに
て計上されている。
セグメント・データ
当社は事業セグメント毎の業績を、内部管理報告システムから直接取得している。事業セグメント毎の業績に関して当社が採用
している会計方針は、連結企業が用いた会計基準と実質的に同じものである。経営陣は各事業セグメントの業績を、営業利益を含
む複数の評価指標に基づいて評価している。経営陣はこれらの業績に基づき、各事業セグメントの業績を評価し、各事業セグメン
トに必要な資源を配分している。一部の営業費用に関しては、当社はそれらを本社レベルで管理しているため、事業セグメントに
配分していない。これらの未配分費用には、主に事業再編による事業再編費用及び関連する調整、購入無形固定資産償却費、のれ
ん及び購入無形固定資産の減損損失、当社が付与した従業員ストック・オプション、PRU、制限付株式報酬、従業員株式購入プラン
に伴う株式報酬費用、一部の買収関連費用、取得IPR&Dに関する費用、一部のコーポレートガバナンス費用が含まれている。
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10月31日に終了した各事業年度における事業セグメント毎の要約業績情報は以下のとおりである。
(単位:百万ドル)
純売上合計
2011年
(1)
営業利益(損失)
(1)
(1)
(1)
パーソナル・システム・グループ………………………
$39,574
$2,350
2010年
$2,032
サービス……………………………………………………
35,954
35,529
35,380
5,149
5,661
5,102
イメージング・プリンティング・グループ……………
25,783
25,764
24,011
3,973
4,412
4,310
エンタープライズ・サーバ・ストレージ・ネットワーキ
ング(2)………………………………………………
22,241
20,356
16,121
3,026
2,825
1,657
3,217
2,729
2,655
698
782
731
3,596
3,047
2,673
348
281
206
322
346
191
(1,616)
(366)
(300)
$130,687
$128,512
$116,336
$13,928
$15,627
$13,367
HPソフトウェア(3)………………………………………
HPファイナンシャル・サービス…………………………
コーポレート・インベストメント(4)…………………
セグメント合計………………………………………
2009年
$35,305
2011年
2010年
$40,741
2009年
$1,661
(1) 2011年度の組織再編は、透明性や比較可能性を提供するため遡及的に反映されている。これにより、2010年度及び2009年度に
おけるESSN、HPソフトウェア、サービス及びコーポレート・インベストメント間での売上高及び営業利益での組み替えが発生し
た。セグメント間での組み替えは、ネットワーク事業のコーポレート・インベストメントからESSNへの組み替え、コミュニケー
ション及びメディアソリューション事業のHPソフトウェアからサービスへの組み替え及びビジネス・インテリジェンス事業の
HPソフトウェアからコーポレート・インベストメントへの組み替え等である。以前に報告されたPSG、HPFS及びIPGの業績に影響
はなかった。
(2) 2010年4月に買収が完了した3Comの業績及び2010年9月に買収が完了した3PARの業績も算入されている。
(3) 2010年10月に買収が完了したArcSightの業績も算入されている。
(4) 2010年7月に買収が完了したPalmの業績及び2011年10月31日を末日とする四半期間におけるwebOSデバイス事業の撤退決定
による影響が含まれている。
10月31日に終了した各事業年度における事業セグメント毎の要約業績情報と当社連結損益との調整は以下のとおりである。
(単位:百万ドル)
2011年
2010年
2009年
純売上高:
セグメント合計……………………………………………………………………
$130,687
$128,512
$116,336
(3,442)
(2,479)
(1,784)
セグメント間純売上高の消去及びその他………………………………………
当社連結純売上高合計……………………………………………………………… $127,245
$126,033
$114,552
税引前当期純利益:
セグメント営業利益合計…………………………………………………………
全社費用・非配賦費用及び消去…………………………………………………
株式報酬費用関連非配賦費用……………………………………………………
購入無形固定資産償却費………………………………………………………
のれん及び、購入無形固定資産の減損損失
買収関連費用………………………………………………………………………
事業再編費用………………………………………………………………………
利息その他(純額)………………………………………………………………
当社連結税引前当期純利益……………………………………………………
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$13,928
(314)
(618)
(1,607)
(885)
(182)
(645)
(695)
$8,982
$15,627
(614)
(613)
(1,484)
̶
(293)
(1,144)
(505)
$10,974
$13,367
(219)
(552)
(1,578)
̶
(242)
(640)
(721)
$9,415
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10月31日現在の各事業セグメント対する資産は、その資産から主に便益を受けるセグメントを基準として配賦を行っている。セ
グメント毎の資産合計及びHP連結合計資産への調整は以下のとおりである。
(単位:百万ドル)
2011年
2010年
2009年
パーソナル・システム・グループ……………………………………………………
$15,781
$16,548
$15,767
サービス…………………………………………………………………………………
40,614
41,989
41,189
イメージング・プリンティング・グループ…………………………………………
11,939
12,514
12,173
エンタープライズ・サーバ・ストレージ・ネットワーキング……………………
17,539
18,262
12,185
HPソフトウェア…………………………………………………………………………
21,028
9,979
8,546
HPファイナンシャル・サービス………………………………………………………
13,543
12,123
10,842
コーポレート・インベストメント……………………………………………………
517
1,619
391
8,556
11,469
13,706
全社資産及び非配賦資産………………………………………………………………
当社連結資産合計………………………………………………………………………
$129,517
$124,503
$114,799
2011年度においてコーポレート・インベストメントに配賦される資産合計は主に、のれん及びwebOSデバイス事業の撤退決定に
伴うPalm取得に関連するのれん及び購入無形固定資産の減損の影響で68%減少している。2011年度においてHPソフトウェアに配
賦される資産は、Autonomy取得により111%増加している。加えて、2011年度の組織再編に伴い、ネットワーキング事業の資産を
コーポレートインベストメントからESSNに組み替え、コミュニケーション及びメディア・ソリューション事業の資産をHPソフト
ウェアからサービスに組み替えている。上記以外に2010年10月31日からの、当社の資産に関する重要な変更点はない。
主要顧客
当社の純売上高の10%以上を占める単一の顧客はどの報告対象年度にも存在しない。
地域別情報
当社が事業を展開する主要な地域別の10月31日に終了した各事業年度における純売上高は以下のとおりである。
2011年
純売上高:
米国…………………………………………………………………………………
米国外………………………………………………………………………………
当社連結純売上高合計……………………………………………………………
$44,111
83,134
$127,245
(単位:百万ドル)
2010年
2009年
$44,542
81,491
$126,033
$41,314
73,238
$114,552
地域別の純売上高は、主に顧客の所在地による販売地域に基づいている。2011年、2010年及び2009年10月31日に終了する事業年度
において、米国以外では、いずれも当社連結純売上高合計の10%以上を占める単一国は存在しなかった。当社は売上高を、顧客への
売上取引に対して政府機関が直接課税する売上税、使用税、VATを相殺した純売上高として報告している。
2011年10月31日現在、米国及びオランダが当社の連結純資産合計の10%以上を保有していた。2010年10月31日現在、当社の連結純
資産合計の10%以上を保有していたのは米国のみであった。2009年10月31日現在、当社の連結純資産合計の10%以上を保有してい
たのはベルギーと米国であった。
米国以外の国で当社の合計有形固定資産(簿価)の10%以上を保有する単一国は、どの報告対象年度にも存在しなかった。当社
は、のれん及び購入無形固定資産を除く固定資産は、主として有形固定資産(簿価)により構成される。
当社が事業を展開する主要な地域別の、各事業年度の10月31日現在の有形固定資産(簿価)は以下のとおりである。
有形固定資産(簿価):
米国……………………………………………………………………………
米国外…………………………………………………………………………
当社連結有形固定資産合計…………………………………………………
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2011年
(単位:百万ドル)
2010年
$6,126
6,166
$12,292
$6,479
5,284
$11,763
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セグメント及び事業単位別の純売上高
10月31日に終了した各事業年度におけるセグメント及び事業単位毎の純売上高は以下のとおりである。
(単位:百万ドル)
(1)
(1)
2011年
2010年
2009年
純売上高………………………………………………………………………………
ノートブック………………………………………………………………………
$21,319
$22,602
$20,223
デスクトップ………………………………………………………………………
15,260
15,519
12,892
ワークステーション………………………………………………………………
2,216
1,786
1,261
(2)
779
834
929
その他 ……………………………………………………………………………
39,574
40,741
35,305
パーソナル・システム・グループ…………………………………………………
インフラストラクチャー・テクノロジー・アウトソーシング………………
15,189
14,942
14,563
テクノロジー・サービス…………………………………………………………
10,879
10,627
10,665
アプリケーション・サービス……………………………………………………
6,852
6,792
6,926
ビジネス・プロセス・アウトソーシング………………………………………
2,672
2,872
2,977
362
296
249
その他………………………………………………………………………………
35,954
35,529
35,380
サービス………………………………………………………………………………
消耗品………………………………………………………………………………
17,154
17,249
16,532
法人向けハードウェア……………………………………………………………
5,790
5,569
4,778
2,839
2,946
2,701
一般消費者向けハードウェア……………………………………………………
25,783
25,764
24,011
イメージング・プリンティング・グループ………………………………………
インダストリー・スタンダード・サービス……………………………………
13,521
12,574
9,296
(3)
4,056
3,785
3,473
ストレージ ………………………………………………………………………
ビジネス・クリティカル・システム……………………………………………
2,095
2,292
2,590
(4)
2,569
1,705
762
HP ネットワーキング
…………………………………………………………
22,241
20,356
16,121
エンタープライズ・サーバ・ストレージ・ネットワーク………………………
(5)
3,217
2,729
2,655
HP ソフトウェア
…………………………………………………………………
HP ファイナンシャル・サービス …………………………………………………
3,596
3,047
2,673
(6)
322
346
191
コーポレート・インベストメント ………………………………………………
130,687
128,512
116,336
セグメント合計……………………………………………………………………
(3,442)
(2,479)
(1,784)
セグメント間取引消去…………………………………………………………
$127,245
$126,033
$114,552
当社連結売上高合計…………………………………………………………
(1) 2011年度の組織再編は、透明性や比較可能性を確保するため遡及的に反映されている。これにより、ESSN、サービス、HPソフト
ウェア及びコーポレート・インベストメント間での売上高の組み替えが発生した。セグメント間での組み替えは、ネットワーク
事業のコーポレート・インベストメントからESSNへの組み替え、コミュニケーション及びメディアソリューション事業のHPソフ
トウェアからサービスへの組み替え及びビジネス・インテリジェンス事業のHPソフトウェアからコーポレート・インベストメ
ントへの組み替え等である。売上高の組み替えはサービス及びPSGの事業単位内でも行われた。さらに、当社のセグメント間報告
様式の変更を反映して、インフラストラクチャー・テクノロジー・アウトソーシング事業単位で報告された純売上高及びセグメ
ント間の純売上高の消去は両方とも減少している。過去に報告されたHPFS及びIPGの業績又はIPGの事業単位内での業績に影響は
なかった。
(2) Windows Mobileソフトウェアで起動するハンドヘルド事業単位は、2011年度にPSG内その他の事業単位に再編された。
(3) 2010年9月に買収が完了した3PARの業績も算入されている。
(4) ネットワーキング事業は2011年度にESSNに加えられた。また、2010年4月に完了した3Comの業績も算入されている。
(5) ビジネス・テクノロジー・オプティマイゼーション及びその他のソフトウェア事業は、2011年度にHPソフトウェアセグメン
トの中の事業単位として統合された。また、2010年10月に買収が完了したArcSightの業績も算入されている。
(6) 2010年7月に買収が完了したPalmの業績及び、2011年10月31日を末日とする四半期間におけるwebOSデバイス事業の撤退決定
による影響が含まれている。
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ヒューレット・パッカード・カンパニー及びその連結子会社
四半期毎の業績
(未監査)
(単位:1株当たりの金額以外は百万ドル)
2011年下記日付までの3ヶ月(四半期)
1月31日
4月30日
7月31日
10月31日
純売上高……………………………………………………………………… $32,302
売上原価(1)…………………………………………………………………… 24,408
研究開発費……………………………………………………………………
798
販売費及び一般管理費………………………………………………………
3,090
購入無形固定資産償却費……………………………………………………
425
̶
事業再編費用…………………………………………………………………
158
買収関連費用…………………………………………………………………
29
売上原価及び営業費用合計…………………………………………………
28,908
営業利益………………………………………………………………………
3,394
利息その他(純額)…………………………………………………………
(97)
税引前当期純利益……………………………………………………………
3,297
法人税等………………………………………………………………………
692
当期純純利益…………………………………………………………………
$2,605
一株当たり当期純純利益:(2)
基本的………………………………………………………………………
$1.19
希薄化後……………………………………………………………………
$1.17
一株当たり配当金額…………………………………………………………
$0.08
NYSEにおけるHP株式終値
安値…………………………………………………………………………
$40.77
高値…………………………………………………………………………
$47.83
$31,632
23,860
815
3,397
413
̶
158
21
28,664
2,968
(76)
2,892
588
$2,304
$31,189
23,929
812
3,402
358
̶
150
18
28,669
2,520
(121)
2,399
473
$1,926
$32,122
25,332
829
3,577
411
885
179
114
31,327
795
(401)
394
155
$239
$1.07
$1.05
$0.08
$0.94
$0.93
$0.12
$0.12
$0.12
$0.12
$37.60
$49.39
$33.95
$41.74
$21.50
$35.50
2010年下記日付までの3ヶ月(四半期)
1月31日
4月30日
7月31日 10月31日
純売上高………………………………………………………………………
売上原価(1)……………………………………………………………………
研究開発費……………………………………………………………………
販売費及び一般管理費………………………………………………………
購入無形固定資産償却費……………………………………………………
事業再編費用…………………………………………………………………
買収関連費用…………………………………………………………………
売上原価及び営業費用合計…………………………………………………
営業利益………………………………………………………………………
利息その他(純額)…………………………………………………………
税引前当期純利益……………………………………………………………
法人税等………………………………………………………………………
当期純利益……………………………………………………………………
一株当たり当期純利益:(2)
基本的………………………………………………………………………
希薄化後……………………………………………………………………
一株当たり配当金額…………………………………………………………
NYSEにおけるHP株式終値:
安値…………………………………………………………………………
高値…………………………………………………………………………
$31,177
24,027
681
2,967
330
131
38
28,174
3,003
(199)
2,804
554
$2,250
$30,849
23,569
722
3,096
347
180
77
27,991
2,858
(91)
2,767
567
$2,200
$30,729
23,365
742
3,191
383
598
127
28,406
2,323
(134)
2,189
416
$1,773
$33,278
24,995
814
3,464
424
235
51
29,983
3,295
(81)
3,214
676
$2,538
$0.95
$0.93
$0.08
$0.94
$0.91
$0.08
$0.76
$0.75
$0.08
$1.13
$1.10
$0.08
$46.80
$52.95
$46.46
$54.75
$41.94
$52.95
$37.32
$47.80
(1) 製品原価、サービス原価及び財務費用
(2) 四半期毎のEPSは四半期中の発行済株式の加重平均株式数を基に算出される。一方で事業年度のEPSは当該年度中の発行済株
式の加重平均株式数を基に算出される。従って、四半期毎のEPSの合計は事業年度全体のEPSとは一致しない場合がある。
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別紙2 評価・引当勘定
(単位:百万ドル)
10月31日終了事業年度
2011年
2010年
2009年
貸倒引当金̶売上債権:
期首残高…………………………………………………………………………………
企業買収による引当金増加額…………………………………………………………
貸倒引当金繰入額………………………………………………………………………
貸倒引当金減額、貸倒債権回収額控除後……………………………………………
期末残高…………………………………………………………………………………
$525
27
23
(105)
$470
$629
7
80
(191)
$525
$553
̶
282
(206)
$629
貸倒引当金̶金融債権:
期首残高…………………………………………………………………………………
貸倒引当金繰入額………………………………………………………………………
貸倒引当金減額、貸倒債権回収額控除後……………………………………………
期末残高…………………………………………………………………………………
$140
58
(68)
$130
$108
76
(44)
$140
$90
63
(45)
$108
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2【主な資産・負債及び収支の内容】
本報告書第一部、第6.1「連結財務書類」の注記を参照されたい。
3【その他】
(1)決算日以後の状況
2012年3月12日、当社は、2009年発行登録書に基づき、20億米ドルの米ドル建てグローバル・ノートを発行した。当該グローバル・
ノートは、発行日から、5年及び10年の満期の市場金利による固定金利債券から構成される。
当社の資産、負債及び損益に対して重大な影響を与える可能性のある事象に関する追加的な情報に関しては、本報告書の第一部、
第3.4(1)の「事業等のリスク」を参照されたい。
(2) 訴訟
訴訟に関する追加的な情報に関しては、本報告書第一部、第6.1の「連結財務書類」の注記18「訴訟及び偶発事象」を参照された
い。
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4【日本と米国における会計原則及び会計慣行の主要な相違】
本報告書の第一部、第6に含まれる連結財務書類及び注記は、米国において一般に公正妥当と認められている会計原則及び会計慣
行(以下、「米国会計基準」という。)に基づいて作成されている。従って、連結財務書類及び注記は、日本において一般に公正妥
当と認められている会計原則及び会計慣行(以下、「日本会計基準」という。)に基づいて作成された財務諸表とは会計処理の
原則及び手続き、並びに表示方法において相違している。下記の事項は、必ずしも日本会計基準と米国会計基準との相違点を全て
示したものではない。従って、これらの事項のみが本報告書に記載の財務情報に影響を与える会計基準の相違点であることを保
証するものではない。以下に記載する日本会計基準又は米国会計基準それぞれの要約は、当該事項の情報を十分に与えるに足り
るものというよりも、簡略化されたものであり、限定的であるかもしれない。また、日本会計基準と米国会計基準との相違や将来
的な会計基準の変更によってもたらされる日本会計基準と米国会計基準の相違の影響を特定化及び定量化することは試みてい
ない。日本と米国の会計基準を公表する機関においては、数多くの取組みが進行中であり、これらは下記の会計基準の相違に影響
を与える可能性がある。当社の財務書類に影響を与える可能性のある主要な日本と米国の会計基準の相違点は以下のとおりであ
る。
(1) 企業結合/のれん
米国会計基準では、全ての企業結合は、パーチェス法によって処理される。また、のれん及び明確な耐用年数のない購入無形資産
は、少なくとも年に一度、減損の検討を行なう。明確な耐用年数を有する無形資産は、各々の耐用年数にわたって償却される。2007
年12月、FASBは企業結合に関する新しい基準を公表し、当該基準は買収日が2008年12月15日以降に開始する事業年度以降である
企業結合に適用される。これは企業及び企業結合の定義を拡大しており、取得資産、引受負債及び偶発的対価を取得日並びに限定
された測定期間における公正価値で認識すること、買収関連費用と事業再編費用を企業結合と区分して認識し、発生時に費用計
上すること、仕掛研究開発費(以下、「IPR&D」という。)は耐用年数のない無形固定資産として、公正価値で資産計上すること、繰
延税金資産の評価性引当金に関する会計処理の変更及び測定期間以降に取得した所得税の不確実性を「法人税等」の構成要素
の一つとして認識することを要求している。さらに、企業結合の性質並びに財務的影響を評価することができるよう、企業結合の
内容開示に関する要求事項をも定めている。なお、のれんは「固定資産の減損に係る会計基準」の適用対象資産となることから、
規則的な償却を行う場合においても、当該基準に従った減損処理が行われる。
日本会計基準では、支配の獲得を目的とする企業結合はパーチェス法によって会計処理を行う。平成20年12月26日に公表された
改正により、平成22年4月1日以降開始する事業年度に実施される企業結合より、持分プーリング法の適用が禁止された。平成22年
4月1日以前に終了する事業年度においては、一定の条件を満たす場合には持分プーリング法によって処理される。のれんと購入
無形資産は耐用年数にわたり(但し、のれんは20年以内)規則的に償却される。なお、のれんは「固定資産の減損に係る会計基
準」の適用対象資産となることから、規則的な償却を行う場合においても、当該基準に従った減損処理が行われる。
(2) 企業結合に関する債務の認識
企業結合に関する新会計基準導入以前において、米国会計基準では、被買収企業の特定の組織再編費用について、その組織再編が
買収の成立した日、若しくはその直近において十分に検討されたものであれば、買収企業が当該組織再編費用を計上することを
認めている。(1)被買収企業の業務を終了させるために必要な費用、(2)被買収企業の社員を非自発的に解雇する費用、(3)被買
収企業の社員を配置転換する費用については、一定の条件を満たす場合は、企業買収の際に引き継がれる負債として認識し、買収
価格の配賦に含められなければならない。発生した組織再編費用の最終的な金額が、企業結合の際に負債として計上された額を
下回る場合には、その超過した負債額だけ被買収企業の取得価額を引き下げなければならない。発生した最終的な組織再編費用
の金額が、企業結合の際に負債として計上された額を上回る場合は、当初の見積りに対する調整が当該買収日から一年以内にな
されるのであれば、当該超過分は被買収企業の取得価額に追加されなければならないとされており、一年を超える場合には調整
が決定された期間の当期純利益を決定する際に含められなければならない。
日本会計基準では、被企業買収の組織再編について特定の会計基準を規定していない。
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(3) 自社利用のコンピュータ・ソフトウェアの開発に関する会計処理
米国会計基準では、早期段階の費用(いわゆる「予備プロジェクト段階」費用)は発生時に費用として処理することが要求され
る。ソフトウェアが米国会計基準上の要件を満たす場合は、予備プロジェクト段階後の発生費用は資産計上し見積耐用年数にわ
たり償却することができる。
日本会計基準では、自社利用のソフトウェアの開発費は発生時に費用として処理される。ただし、当該費用が将来の収益獲得又は
費用削減が確実と認められる場合には資産計上される。
(4) 有給休暇及び退職後給付に関する会計処理
米国会計基準では、一定の条件が満たされた場合、将来の休暇及び退職後給付に関する従業員の受給権に対して債務を認識する
ことが要求される。
日本会計基準では、有給休暇及び退職後給付に関する会計処理について言及されておらず、日本における一般的な会計慣行とし
ては、通常、関連する債務の認識は行われない。
(5) 退職給付及び年金費用の会計処理
米国会計基準及び日本会計基準ともに、年金費用を含む退職給付及び関連債務は年金数理アプローチを用いて算定・認識され
る。
米国会計基準上、給付債務の積立状況は雇用者の貸借対照表において認識され、積立状況の変動は包括利益に反映される。また、
2008年12月15日以降に終了する事業年度から米国会計基準では測定日は決算日であることが要求される。米国会計基準では、数
理計算上の差異は一般的に「コリドール・アプローチ」(期首における未認識数理計算上の差異が退職給付債務又は年金資産
のいずれが大きい方の10%を超える場合、数理計算上の差異を純年金費用に含めるアプローチ)を用いて償却される。
日本会計基準では、未積立給付債務は平均残存勤務期間内の一定の年数で償却される。また、日本会計基準上、データ基準日は、一
定の条件を満たせば貸借対照表日の1年前までの一定の日とすることができ、数理計算上の差異は平均残存勤務期間内の一定の
年数で償却される。
(6) リース会計
米国では、以下の規準のいずれかを満たすリース資産はキャピタル・リースとして処理され、リース資産は借手の貸借対照表に
計上される。
① リース期間終了時までにリース資産の所有権が借手に移転するリース
② 割安購入選択権条項のあるリース
③ リース期間がリース資産の見積経済耐用年数の75%以上であるリース
④ リース期間の開始時において、貸手に支払うべき最低リース支払額の現在価値が、貸手にとってのリース開始時のリース資
産の公正価額の90%以上であるリース
貸手にとって、リース取引が上記のいずれかの要件を満たしているとともに、最低リース料の回収が十分見込めること、及び、貸
手が払い戻されない費用に対して重要な不確定要素を生じない場合には売上高が計上される。リース契約が製造業者及び販売業
者の利益となる範囲で、貸手は売上高と売上原価を計上することになる。そうでなければ貸手はこのリース取引をオペレーティ
ング・リースとして認識する。
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日本会計基準では、ファイナンス・リース取引におけるリース資産は通常、借手の貸借対照表に計上される(若しくは、貸手によ
る売却として認識される)。平成20年4月1日以降開始事業年度から、所有権移転外ファイナンス・リースにおける代替的取扱い
は廃止されている。従来の代替的取扱いにおいては、リース期間の終了時に借手へ所有権が移転しない取引については、オペレー
ティング・リース取引としての処理が認められていた。この場合、リース資産は借手の貸借対照表に計上されず(若しくは、貸手
による売却として認識されない)、借手及び貸手は支払時にリース支払額を(借手は費用として、貸手は売上高として)認識し
ていた。
(7) 金融債権の信用の質及び貸倒引当金に関する開示要求
2010年7月に、米国財務会計基準審議会は金融債権の信用の質及び貸倒引当金についての開示要求についての改定を公表した。こ
の改定は、企業の金融債権のポートフォリオに固有の信用リスクに関する開示、及び当該信用リスクがどのように分析並びに評
価され、貸倒引当金が計上されているかについての開示を求めている。また、この改定は貸倒引当金の変化及びその理由について
もより多くの開示を要求している。当社は、この新しい基準を2011年度第1四半期に適用した。
日本会計基準では、金融債権の信用の質及び信用損失引当金に関する開示については特定の会計基準を規定していない。
(8) デリバティブの評価及びヘッジ会計
米国会計基準では、デリバティブは全て公正価値で資産又は負債として貸借対照表に計上することが要求されている。デリバ
ティブの評価差額の会計処理は、当該デリバティブがヘッジ指定され、かつヘッジ関係の有効性が保たれているかどうか、さら
に、ヘッジ関係の性質ごとに行われる。ヘッジ手段として指定され、かつヘッジの要件を満たすデリバティブについては、当該
ヘッジ手段は、ヘッジ対象のリスクに応じて、公正価値ヘッジ、キャッシュ・フロー・ヘッジ又は海外事業の純投資ヘッジとして
指定される。
ヘッジ指定され、かつヘッジの要件を満たすデリバティブは、以下のとおり会計処理される。
① 公正価値ヘッジは、デリバティブ手段の公正価値変動のうちヘッジの有効部分を、ヘッジ対象の資産、負債又は確定契約の
公正価値の変動に対して損益計上をすることを通して相殺する。
② キャッシュ・フロー・ヘッジは、デリバティブ手段の公正価値変動のうちヘッジの有効部分を、その他の包括利益として計
上し、同じ期間において、又はヘッジ取引が損益に影響する期間にわたって損益に振り替える。
③ 海外事業の純投資ヘッジは、ヘッジ手段に係る損益のうちヘッジの有効部分を、為替換算調整勘定としてその他の包括利益
に計上する。
デリバティブの評価差額のうち非有効部分は、当該評価差額の発生した期間において直ちに損益として認識する。ヘッジ手段と
して指定されていないデリバティブについては、評価差額は当該評価差額が発生した期間において、その他の損益として損益に
計上する。
日本会計基準では、デリバティブは公正価値で資産又は負債として貸借対照表に計上し、評価差額は、ヘッジに係るものを除き、
当期の損益として処理する。デリバティブをヘッジ手段として用いるヘッジ取引の会計処理は以下のとおりである。
① 時価評価されているヘッジ手段に係る評価差額をヘッジ対象に係る損益が認識されるまで資産又は負債として繰り延べる
繰延ヘッジを原則とする。
② ヘッジ対象がその他有価証券である場合には、その他有価証券に係る相場変動等を損益に反映させることにより、その損益
とヘッジ手段に係る損益とを同一の会計期間に認識する時価ヘッジも認められる。
③ 資産又は負債にかかる金利の受払条件を変換することを目的として利用されている金利スワップが、金利変換の対象とな
る資産又は負債とヘッジ会計の要件を充たしており、かつ、その想定元本、利息の受払条件及び契約期間が当該資産又は負
債とほぼ同一である場合には、金利スワップを時価評価せず、その金銭の受払の純額等を当該資産又は負債に係る利息に
加減して処理することができる。
④ ヘッジ会計の要件を満たす為替予約等により決済時の金額が確定しているものは当該金額を付し、直物為替相場との差額
を期間按分することが認められている。
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(9) デリバティブ取引及びヘッジ活動に対する開示
米国会計基準では、財務報告の透明性を高めるよう、企業のデリバティブ及びヘッジ活動について充実した開示を規定しており、
(1)企業がデリバティブ取引をいかに・なぜ、利用しているのか、(2)デリバティブ取引及び関連するヘッジ項目が、どのように会
計処理されるのか、(3)デリバティブ取引及び関連するヘッジ項目が、企業の財政状態、財務成績及びキャッシュ・フローに対し
て、どのように影響を及ぼすのか、に対する充実した開示が要求される。
日本会計基準では、企業のデリバティブ及びヘッジ活動について、そのような包括的な開示要求は規定されていない。
(10) 公正価値測定
米国会計基準は、公正価値を定義し、公正価値の測定方法を確立し、また公正価値測定に関して幅広い開示を要求している。公正
価値は、市場参加者間の秩序ある取引において、ある資産を売却することにより受け取るであろう価格又はある負債を譲渡する
ことにより支払うであろう価格(出口価格)であることを明確にしている。公正価値は、市場参加者が資産又は負債の価格を決定
する際に用いる仮定に基づいて決定される市場を基盤とする測定がなされる。
米国会計基準で要求される評価技法は、観察可能及び観察不能なインプットを基礎とする。観察可能又は市場のインプットは独
立した情報源から得た市場データを反映させるが、観察不能なインプットは、入手可能な最善の情報に基づいた市場参加者の仮
定を反映させる。観察可能なインプットの方がより望ましい価値情報である。これら2種類のインプットにより、以下に記載する
公正価値の階層が設定される。
レベル1− 活発な市場における同一の資産及び負債の公表価格(調整前)
レベル2− 活発な市場における類似する資産及び負債の公表価格、活発ではない市場における同一又は類似する資産及び負債
の公表価格、全ての重要な仮定事項を市場で観察できるモデルに基づく評価技法、あるいは当該資産又は負債のほ
ぼ全期間を通して、全ての重要な仮定事項を観察可能な市場データで確認できるモデルに基づく評価技法
レベル3− 公正価値の測定にとって重要かつ、観察不能な経営陣の判断を必要とする価格又は評価
日本会計基準では、資産及び負債の公正価値測定に対する包括的な会計基準はない。なお、平成22年3月31日以後終了する事業年
度より、金融商品の時価等に関する開示が拡大されることとなった。
(11) 販売促進費の会計処理
米国会計基準では、一定の要件を満たさない限り、売主の製品の販売又は最終顧客に対する売主の製品の販売促進に関連して、売
主が再販売者に支払う全ての報償は、売主の損益計算書において(費用ではなく)売上控除として分類しなければならない。顧
客が販売者との取引においてある一定の水準を達成した場合又はある一定期間取引を継続した場合に、販売者により提供される
現金リベート等については、売上控除として分類しなければならない。
日本では、販売促進費に関する会計処理については特に言及されていないが、一般的に販売費及び一般管理費として計上される。
(12) 株式に基づく報酬の会計処理
米国会計基準上、従業員ストック・オプションの付与を含む全ての株式に基づく従業員報酬は財務諸表上、付与日における公正
価値に基づいて認識する。株式に基づく報酬は、見積権利喪失率を加味し、権利行使が期待されるものに関してのみ、当該報酬の
必要サービス提供期間にわたって、定額法で費用として認識される。
日本会計基準では、提供されたサービスに対する報酬として従業員に付与したストック・オプションは、公正な評価額に基づき、
報酬に対する必要サービス期間にわたって計上された報酬費用として処理し、対応する金額を、ストック・オプションの権利の
行使又は失効までの間、貸借対照表の純資産の部に新株予約権として計上する。
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(13) 撤退・廃却活動に関するコスト
米国会計基準上、撤退・廃却活動(契約解消、設備閉鎖・統合や従業員移転等)に関するコストは、債務の発生時に費用認識さ
れ、市場価額がない場合の現在価値技法を基準とした公正価値で計上される。
日本会計基準上は特に個別の会計処理は定められておらず、一般的に発生時に費用処理される。
(14) 変動持分事業体の連結
米国会計基準では、変動持分事業体の主たる受益者がその事業体の活動を連結することを要求している。
日本会計基準では、変動持分事業体に関する会計処理については特に言及されていない。
(15) 包括利益
米国会計基準は、貸借対照表の資本の部の独立項目としてその他の包括利益累計額を表示し、その変動は財務書類において表示
することを要求している。包括利益は純利益、為替換算調整額、確定給付型年金制度の積立状況の変化、売却可能有価証券に関す
る未実現損益調整額、キャッシュ・フロー・ヘッジを適用したデリバティブの公正価値変動額及び組替修正額を含む、その他の
包括利益から構成される。
日本会計基準では包括利益の概念がなかったが、平成23年3月31日以後終了する連結会計年より連結財務諸表において各期にお
ける包括利益が表示される事となった。
(16) 連結範囲
米国会計基準では、子会社に対する有効な支配が欠如していない限り、親会社は過半数の議決権を有する会社を連結する。持分法
は過半数未満の議決権を有し、かつ被投資会社の営業及び財務の方針に重要な影響を与えることができる会社への投資に適用さ
れ、それは一般的には20%超の所有比率の場合であるとされている。
日本会計基準では、連結範囲は支配力基準により判断される。この基準のもとでは、親会社により有効に支配されている会社は子
会社とされ、親会社により連結される。投資会社により、財務及び営業の方針に対して重要な影響を受けている会社は、関連会社
とされる。関連会社に対する投資は、持分法により会計処理される。
(17) 投資における損失
米国では、売却可能有価証券若しくは満期保有目的有価証券であると判断された負債証券及び持分証券の時価が一時的な下落
(簿価が市場価格を上回る)と考えない場合に減損損失の認識が必要となる。負債証券は満期支払高が契約条項により全て回収
されない場合、減損損失の認識が必要となる。取得原価で計上されている有価証券もまた、減損の可否の検討が必要である。時価
が一時的な下落と考えない場合、下落の重要性及び継続期間は投資家の有価証券を保有する又は売却する意向及び能力同様、最
低限考慮されるべきである。
日本では、売却可能有価証券若しくは満期保有目的有価証券であると判断された負債証券及び持分証券はその時価が著しく下落
した場合、減損損失が計上される。その時価が著しく下落するとは、負債証券及び持分証券の時価が取得原価を50%以上下落した
場合とみなされる。30%未満は著しい下落とはみなされず、その有価証券は減損損失を認識しない。30%以上時価が下落した場合
は、減損損失を認識する事がある。米国会計基準と同様、減損の評価をするにあたって判断が必要である。
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(18) 収益の認識
米国会計基準では、収益は、(1)取引を裏付ける契約等の積極的な証拠が存在する、(2)製品又は役務が引渡し又は提供されてい
る、(3)対価が決定、あるいは確定できる、(4)代金の回収可能性が高い、といった全ての要件が満たされた場合に認識される。ま
た、複数の製品又は要素を含む複合取引契約の場合、各々の要素が分離できるかどうかの検討が必要とされ、各々の公正価値に基
づいて各要素に収益が配分される。2009年度以前では、契約に含まれる各々の要素を分離するためには、未引渡しの要素に対する
公正価値の販売者特有の客観的証跡(VSOE)が存在することが必要とされ、上記の要件が満たされた場合に収益が認識される。
2009年度以降では、当社は売価の階層に基づいて各々の要素に収益を配分している。出荷物の売価はVSOEが存在する場合には
VSOEに基づいており、VSOEが利用できない場合には第三者間証跡(TPE)に基づいている。また、VSOE及びTPE双方が利用できない場
合には見積売価(ESP)に基づいている。各要素が分離できない場合はまとめられ、最後の要素が引渡された時点で収益が認識さ
れる。ソフトウェア契約は、一般的に、契約後の保守や他のサービスを含んだ複数の要素が含まれている。ソフトウェア契約上で
各々の要素を分離するためには、未引渡しの要素の公正価値に対するVSOEが存在することが必要とされ、上記の要件が満たされ
た場合に収益が認識される。
日本会計基準では、一般に、収益は財及び役務が法的に金銭的な資産に変わり、引渡しが行なわれた時点で認識される。業種に
よって収益認識の時点は様々である。2007年4月1日以降に開始する年度以前では、日本会計基準は複合取引及びソフトウェアの
収益認識に関して規定が存在していなかったが、複合取引を含むソフトウェア取引の収益認識に関して改訂がなされた。米国会
計基準と類似する同基準は、収益の認識要件として、取引の存在及び適切に顧客の仕様を満たした成果物の提供の完了、並びに固
定又は確定した売価を示す証拠を規定している。ただし、複合取引においては、各々の要素の内容及び各々の売価が顧客と合意さ
れている場合には、契約上の複数要素間で収益を配分する。この場合、販売者特有の客観的証拠(VSOE)は、引渡済み、若しくは未引
渡しの要素の双方の公正価値を明確にするのに必要とされていない。
(19) 他社の債務の間接的保証を含めた、保証に関する保証提供者の会計及び開示
米国会計基準では、保証人が行った特定の保証に係る義務について、期中及び期末の財務書類における開示について規定してい
る。また、保証人は保証を提供した時点で当該保証における保証人の義務の公正価値を負債認識することを明示している。
日本では、偶発債務としての債務保証の注記や偶発損失引当金を計上する会計基準はあるが、債務保証を公正価値で評価して計
上する会計規則はない。
(20) 法人所得税の不確実性に関する会計処理
米国会計基準では、法人所得税の不確実性に関して、財務書類における認識の閾値及び測定の属性及び税務申告に際して採用さ
れた又は採用されると予測される認識の中止、測定、分類、利息、罰金、期中における会計、並びに開示に対する包括的なモデルを
規定している。
当モデルは、不確実性の高い課税ポジションと同様、「通常」の法人所得税に関する全ての課税ポジションについて適用される。
また、課税ポジションを評価する際、2ステップアプローチを採用している。以前に認められていた課税ポジションの取消しは、後
に会社が自身の課税ポジションが認識条件に達していないと判断することによって生じる。また、期首と期末の未認識の法人所
得税の合計額を示すロールフォワード表及び12ヶ月以内に法人所得税の未認識額が大幅に増加・減少する合理的な可能性につ
いての法人所得税の不確実性について、その詳細を開示するよう求められる。
日本会計基準では、不確実な課税ポジションに関する特定の会計基準は規定されていない。実務においては、法人所得税の不確実
性は偶発債務に関する会計基準に従って会計処理されており、財務諸表の注記において、重要な偶発債務について、その内容と金
額を開示するよう定められている。
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(21) 一株当たり利益に関する会計処理
2008年6月、FASBは株式報酬取引において金融商品が付与された際は1株当たり利益(以下、「EPS」という。)の算出に組み込む
べきであると明言した新しい会計基準を公表した。この新基準によると、配当金に対する喪失しない受取権を含む未確定の株式
報酬を基本的EPSの計算に含め、「区分法(two-class method)」を用いて基本的EPSを計算しなければならない。EPS算出の区分
法とは、配当金(又は累積)と未分配利益に対する参加権に従って、普通株式と参加型証券の種類ごとにEPSを算定する利益配分
方法である。
日本会計基準では、株式報酬取引で付与された金融商品が参加型証券であるかどうかについては規定されていない。また、それら
の証券が一株当たり利益の計算に含まれるべきかについては特定の会計基準を規定していない。
(22) 子会社の非支配持分
2007年12月、FASBは非支配持分に関する新しい会計基準を公表した。当基準は、親会社以外が所有する子会社に対する持分、連結
純利益のうち親会社に帰属する金額と非支配持分に帰属する金額、親会社の持分の変更、並びに子会社が連結対象から外れた際
に留保された非支配持分をどのように評価するかに関する会計処理及び報告基準を規定している。また、当基準は親会社持分と
非支配持分を明確に識別し、区分する開示要件も制定している。
日本会計基準では、少数株主持分は株主資本とは区分し、純資産の部に計上する。
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第7【外国為替相場の推移】
日本円と米ドルの交換に関する為替情報は、国内において発行される2紙以上の日刊新聞紙に、最近の5事業年度間及び最近6ヶ月
間毎日掲載されているため、本報告書におけるその記載を省略する。
第8【本邦における提出会社の株式事務等の概要】
1 本邦における株式の名義書換取扱場所・名義書換代理人に関する事項
当社は、本邦においては名義書換代理人を置いていない。米国においては以下のとおりである。
161 North Concord Exchange,
South St. Paul, MN, 55075U.S.A
ウェルズ・ファーゴ・バンク・ナショナル・アソシエーション(Wells Fargo Bank, N.A.)
2 株主に対する特典に関する事項
該当なし
3 株式の譲渡制限に関する事項
米国の証券法では、重要な内部情報を保有している間は、米国内で上場している証券の取引を禁止している。これらの法律は、個
人的利益のために当社の情報を不正に使用してはならないという基本的義務を従業員に課すものである。
米国のインサイダー取引に関連する法律は、当社の取締役及びあらゆる地位の従業員に適用される。また、米国内で取引を行う米
国外の個人にも適用される。他の国々においても同様の法律が存在する場合、これらの国に居住する当社従業員が行う取引やこ
れらの国に存在する取引所での取引に適用される可能性がある。EUの加盟国はインサイダー取引を規制する法律を制定してお
り、その他の欧州各国も同様の法律を適用している。従業員がインサイダー取引に関連する法律に違反した場合、その従業員、当
社ともに、民事上・刑事上の厳罰の適用を受ける可能性がある。
・ 禁止行為 従業員が当社に関する重要な内部情報を保有している場合、当社がその情報を公表してから合理的な時間(通常24
時間)が経過するまでは、従業員は、法律上、当社の証券の取引を行ってはならず、また他の者に当社の証券の取引を勧めて
はならない。インサイダー取引の規制は、その取引の規模や価値にかかわらず、売買行為自体に適用される。
・ 重要な情報 会社に関する情報を総合的に勘案して、一般人の株式の購入、保有又は売却に影響を与える場合、当該情報は「重
要情報」である。例えば、発注、売上、収益若しくは収益性、又はこれらの数値の動向を反映したデータ、近い将来行われる重
要な新製品の発表、当社による主要な企業買収、資本投資又は事業売却及びプロジェクト、及び事業提携若しくは訴訟におけ
る重要な進展などが重要な情報に含まれる。
・ 内部情報 当社の正式な報道発表、その他の当社の正式な発表又は米国SECへの届出の対象となっていない情報は、「内部」又
は「未公開」の情報である。重要な情報が、部分的に開示されいる場合であっても、その他の重要な情報が未開示のままであ
れば、内部者は、取引を行うことができない。
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ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
・ 取引行為 当社の証券の取引行為には、市場における当社株式の購入又は売却、取引所で取引されている当社オプションの購
入又は売却、当社従業員のストック・オプションに基づき購入された当社株式の売却、また、米国における取引のための当社
401(k)プランの株式運用投資口座における資金の出し入れが含まれる。一方で、当社の従業員株式購入プランを通じた定期
的かつ継続的な購入又は当社の従業員のストック・オプションの行使による(売却を伴わない)購入は、含まれない。米国
のインサイダー取引に関連する法律は、個人が取引時に重要な内部の情報を保有している場合でも、SEC規則10b5−1に基
づく計画における当社の証券の取引を許可している。
・ 取引時間帯 当社は、米国における内部取引に関する法律の遵守を促進するため、「取引時間帯」を設定した。事前に承認した
有効なSEC規則10b5−1に基づく取引計画における取引である場合を除き、取引時間帯に従い、当社の従業員は、取引時間
帯「内」においてのみ、かつ、当社に関する重要な未公開情報を認知していない場合にのみ、当社の証券の取引を行うことが
できる。当社の取締役会の構成員、当社の上級役員及び各四半期の決算結果に関する中間データを入手できる立場にいる従
業員に対しては、より短い取引時間帯とより厳しい規制が適用される。
・ 他の会社 インサイダー取引規制は、顧客、チャネル・パートナー、サプライヤー、その他のビジネスパートナー及び競合他社
を含む他の会社の証券の取引であっても、当該会社の重要な内部情報を保有している場合には、適用される。
4 株主の議決権の行使に関する手続
通常、議決権を有する株主に対し、定時株主総会の60日前から10日前までの間に書面による定時株主総会招集通知を行わなけれ
ばならない。株主総会の通知を受けるべき株主を決定するために、付属定款において基準日に関する規定が設けられている。
臨時株主総会は、取締役会又は基本定款若しくは付属定款により権限を与えられたその他の者が招集することができる。
例外はあるものの、各株主はその所有する株式1株につき1票の議決権を付与される。
議決権を有する株主は、正当な代理人を通じその議決権を行使することができる。
5 配当金請求に関する手続
配当金を受けることのできる株主は、取締役会によって設定される配当基準日において当社に登録されている株主である。
6 株式の移転に関する手続
株式の譲渡は米国統一商法典により規律される。通常、株券の裏書及びその交付により株式は譲渡される。株主名簿の記載を変更
するには、適法に裏書された株券が譲渡人から提出され、それを破棄したうえで譲受人の名義の新たな株券が発行されかつ、その
氏名が株主名簿に記載されねばならない。
株式の譲渡は、基本定款、付属定款、株主間の合意又は株主と発行会社との合意によって制限を受ける可能性がある。かかる譲渡
制限が第三者に対して抗力を有するためには、当該株券にかかる制限が記載されていなければならない(記載されていない場合
でも、制限についての通知がなされた者に対しては、制限が適用される)。
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7 配当等に関する課税上の取扱い
日本における(1)当社の株式にかかる配当金、(2)当社株式の売却により生じる損益及び(3)相続による当社株式の取得に関す
る課税上の取扱いの概要は次のとおりである。
(1)当社の株式にかかる配当金
当社の株式に関し支払われる配当金は、日本の税法上、個人については配当所得、法人については総収益となる。当社より支払わ
れた配当金については、(日本の法人が支払う配当金について個人及び法人に適用される)課税の免除(個人については配当控
除及び法人については益金不算入)が適用されない。日本の源泉徴収税は、日本の居住者たる個人及び日本の法人に対して支払
われる当社の株式の配当金については、日本における支払代理人を通じて支払いが行われる場合を除き、適用されない。一部例外
を除き、日本の居住者たる個人及び日本の法人は、当該年度の収入に関する確定申告においては、配当金の合計金額を収入に含め
なければならず、収入の合計額に基づいて計算された税金を支払わなければならない。当該年度における収入に関して確定申告
を行い、かつ日本の所得税と類似する米国の税金を支払った日本の居住者たる個人又は日本の法人は、一定の場合には、日本の個
人又は法人に対する所得税から米国で支払った税額を控除することができる。
(2) 当社の株式売却により生じる損益
日本における当社の株式の売却により生じる損益に関する課税上の取扱いは、日本の法人の株式の売却により生じる損益に関す
る課税上の取扱いと同様である。
(3) 相続による当社株式の取得
当社の株式を相続により取得した日本の居住者たる個人には、日本の相続税が課せられる。この場合には、一定の場合には、日本
の相続税に類似する外国の税金を支払った当該個人は、日本の相続税額から米国の税額を控除することができる。
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有価証券報告書
第9【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
該当なし
2【その他の参考情報】
当該事業年度の開始日から本報告書提出日までの間において、次の書類を提出している。
提出書類
提出年月日
概要
根拠条文
1
臨時報告書
2010年12月8日
代表者の異動
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第9
号
2
臨時報告書
2010年12月8日
改定及び再表明ヒューレット・パッカード
・カンパニー2004年ストック・インセン
ティブ・プランに基づく、本邦以外の地域
における新株予約権証券の発行
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:10,564,400米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第2
号
3
臨時報告書
2011年1月6日
改定及び再表明ヒューレット・パッカード
・カンパニー2004年ストック・インセン
ティブ・プランに基づく、本邦以外の地域
における新株予約権証券の発行
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:2,702,440米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第2
号
4
臨時報告書
2011年3月8日
改定及び再表明ヒューレット・パッカード
・カンパニー2004年ストック・インセン
ティブ・プランに基づく、本邦以外の地域
における新株予約権証券の発行
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:5,153,832米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第2
号
5
臨時報告書
2011年3月25日
改定及び再表明ヒューレット・パッカード
・カンパニー2004年ストック・インセン
ティブ・プランに基づく、本邦以外の地域
における新株予約権証券の発行
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:1,880,000米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第2
号
6
臨時報告書
2011年4月19日
改定及び再表明ヒューレット・パッカード
・カンパニー2004年ストック・インセン
ティブ・プランに基づく、本邦以外の地域
における新株予約権証券の発行
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:5,052,489米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第2
号
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ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
提出書類
提出年月日
概要
根拠条文
7
有価証券報告書
2011年4月28日
2010年10月31日終了事業年度に関する有価
証券報告書
8
有価証券届出書
2011年5月2日
ヒューレット・パッカード・カンパニー
2011年従業員株式購入プランに基づく、新
株予約権証券の募集
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:20,288,956米ドル)
9
臨時報告書
2011年5月13日
改正及び再表明ヒューレット・パッカード
・カンパニー2004年ストック・インセン
ティブ・プランに基づく日本以外の地域に
おける新株予約権証券の発行
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:2,749,546米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第2
号
10 臨時報告書
2011年7月26日
ヒューレット・パッカード・カンパニー
2011年従業員株式購入プランに基づく日本
以外の地域における新株予約権証券の募集
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:826,423,752米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第1
号
11 半期報告書
2011年7月28日
2011年4月30日終了の6ヶ月間に関する半期
報告書
12 臨時報告書
2011年9月30日
代表者の変更
13 有価証券届出書
2011年9月30日
ヒューレット・パッカード・カンパニー
2011年従業員株式購入プランに基づく、新
株予約権証券の募集
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:22,317,175米ドル)
14 有価証券届出書
の訂正届出書
2011年10月4日
2011年9月30日付をもって提出した有価証
券届出書の訂正届出書
15 臨時報告書
2011年11月11日
改正及び再表明ヒューレット・パッカード
・カンパニー2004年ストック・インセン
ティブ・プランに基づく日本以外の地域に
おける新株予約権証券の発行
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:4,818,329米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第2
号
16 臨時報告書
2011年11月11日
改正及び再表明ヒューレット・パッカード
・カンパニー2004年ストック・インセン
ティブ・プランに基づく日本以外の地域に
おける新株予約権証券の発行
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:6,640,620米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第2
号
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第9
号
258/267
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ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
提出書類
提出年月日
概要
根拠条文
17 臨時報告書
2011年11月11日
改正及び再表明ヒューレット・パッカード
・カンパニー2004年ストック・インセン
ティブ・プランに基づく日本以外の地域に
おける新株予約権証券の発行
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:2,658,560米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第2
号
18 臨時報告書
2011年11月11日
改正及び再表明ヒューレット・パッカード
・カンパニー2004年ストック・インセン
ティブ・プランに基づく日本以外の地域に
おける新株予約権証券の発行
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:2,683,449米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第2
号
19 臨時報告書
2011年11月11日
改正及び再表明ヒューレット・パッカード
・カンパニー2004年ストック・インセン
ティブ・プランに基づく日本以外の地域に
おける新株予約権証券の発行
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:6,295,336米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第2
号
20 臨時報告書
2011年11月11日
改正及び再表明ヒューレット・パッカード
・カンパニー2004年ストック・インセン
ティブ・プランに基づく日本以外の地域に
おける新株予約権証券の発行
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:4,773,729米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第2
号
21 臨時報告書
2011年11月11日
改正及び再表明ヒューレット・パッカード
・カンパニー2004年ストック・インセン
ティブ・プランに基づく日本以外の地域に
おける新株予約権証券の発行
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:2,994,250米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第2
号
22 臨時報告書
2011年11月11日
改正及び再表明ヒューレット・パッカード
・カンパニー2004年ストック・インセン
ティブ・プランに基づく日本以外の地域に
おける新株予約権証券の発行
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:2,873,901米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第2
号
23 臨時報告書
2011年11月11日
改正及び再表明ヒューレット・パッカード
・カンパニー2004年ストック・インセン
ティブ・プランに基づく日本以外の地域に
おける新株予約権証券の発行
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:2,826,900米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第2
号
259/267
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ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
提出書類
提出年月日
概要
根拠条文
24 臨時報告書
2011年11月11日
改正及び再表明ヒューレット・パッカード
・カンパニー2004年ストック・インセン
ティブ・プランに基づく日本以外の地域に
おける新株予約権証券の発行
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:1,432,750米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第2
号
25 臨時報告書
2011年11月11日
改正及び再表明ヒューレット・パッカード
・カンパニー2004年ストック・インセン
ティブ・プランに基づく日本以外の地域に
おける新株予約権証券の発行
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:1,292,214米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第2
号
26 臨時報告書
2011年12月14日
改正及び再表明ヒューレット・パッカード
・カンパニー2004年ストック・インセン
ティブ・プランに基づく日本以外の地域に
おける新株予約権証券の募集
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:205,372,087米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第1
号
27 有価証券届出書 2011年12月14日
改正及び再表明ヒューレット・パッカード
・カンパニー2004年ストック・インセン
ティブ・プランに基づく、新株予約権証券
の募集
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:1,975,002米ドル)
28 臨時報告書
2011年12月14日
ヒューレット・パッカード・カンパニー
2011年従業員株式購入プランに基づく日本
以外の地域における新株予約権証券の募集
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:935,400,438米ドル)
29 有価証券届出書 2011年12月20日
の訂正届出書
2011年12月14日付をもって提出した有価証
券届出書の訂正届出書
30 臨時報告書
2011年12月20日
改正及び再表明ヒューレット・パッカード
・カンパニー2004年ストック・インセン
ティブ・プランに基づく日本以外の地域に
おける新株予約権証券の発行
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:4,631,360米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第2
号
31 臨時報告書
2012年2月9日
ヒューレット・パッカード・カンパニー
2004年ストック・インセンティブ・プラン
に基づく日本以外の地域における新株予約
権証券の発行
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:7,391,048米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第2
号
260/267
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第1
号
EDINET提出書類
ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
提出書類
提出年月日
概要
根拠条文
32 臨時報告書
2012年2月9日
ヒューレット・パッカード・カンパニー
2004年ストック・インセンティブ・プラン
に基づく日本以外の地域における新株予約
権証券の発行
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:11,223,531米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第2
号
33 臨時報告書
2012年2月9日
ヒューレット・パッカード・カンパニー
2004年ストック・インセンティブ・プラン
に基づく日本以外の地域における新株予約
権証券の募集
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:9,986,600米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第1
号
34 臨時報告書
2012年2月9日
ヒューレット・パッカード・カンパニー
2004年ストック・インセンティブ・プラン
に基づく日本以外の地域における新株予約
権証券の募集
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:14,695,700米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第1
号
35 臨時報告書
2012年2月9日
ヒューレット・パッカード・カンパニー
2004年ストック・インセンティブ・プラン
に基づく日本以外の地域における新株予約
権証券の募集
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:12,048,583米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第1
号
36 臨時報告書
2012年2月9日
ヒューレット・パッカード・カンパニー
2004年ストック・インセンティブ・プラン
に基づく日本以外の地域における新株予約
権証券の募集
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:
7,942,612米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第1
号
37 臨時報告書
2012年2月9日
ヒューレット・パッカード・カンパニー
2004年ストック・インセンティブ・プラン
に基づく日本以外の地域における新株予約
権証券の募集
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:16,999,358米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第1
号
38 臨時報告書
2012年2月9日
ヒューレット・パッカード・カンパニー
2004年ストック・インセンティブ・プラン
に基づく日本以外の地域における新株予約
権証券の発行
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:1,745,067米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第2
号
261/267
EDINET提出書類
ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
提出書類
提出年月日
概要
根拠条文
39 臨時報告書
2012年2月15日
改正及び再表明ヒューレット・パッカード
・カンパニー2004年ストック・インセン
ティブ・プランに基づく日本以外の地域に
おける新株予約権証券の発行
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:1,971,675米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第2
号
40 臨時報告書
2012年2月15日
改正及び再表明ヒューレット・パッカード
・カンパニー2004年ストック・インセン
ティブ・プランに基づく日本以外の地域に
おける新株予約権証券の発行
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:5,185,650米ドル)
金融商品取引法第24条の5第4
項及び企業内容等の開示に関
する内閣府令第19条第2項第2
号
41 有価証券届出書
2012年3月30日
ヒューレット・パッカード・カンパニー
2011年従業員株式購入プランに基づく、新
株予約権証券の募集
(新株予約権証券の発行価額の総額と新株
予約権の行使に際して払い込むべき金額の
合計額の合算額:24,287,830米ドル)
42 有価証券届出書
の訂正届出書
2012年4月4日
2012年3月30日付をもって提出した有価証
券届出書の訂正届出書
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ヒューレット・パッカード・カンパニー(E05887)
有価証券報告書
第二部【提出会社の保証会社等の情報】
第1【保証会社情報】
該当なし
第2【保証会社以外の会社の情報】
該当なし
第3【指数等の情報】
該当なし
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有価証券報告書
独立登録会計事務所の書簡
私どもは、ヒューレット・パッカード・カンパニーの連結財務書類並びに付表に関する私どもの2011年12月14日付の監査報告書
が、関東財務局長に提出される、この有価証券報告書(第八号様式)の第一部第6.1 に含められることに同意する。
アーンスト・アンド・ヤング・エル・エル・ピー
アメリカ合衆国 カリフォルニア州 サンノゼ
2012年4月24日
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有価証券報告書
独立登録会計事務所の監査報告書
ヒューレット・パッカード・カンパニー
取締役会及び株主 御中
私どもは本書記載のヒューレット・パッカード・カンパニー及びその子会社の2011年10月31日及び2010年10月31日現在の連結
貸借対照表、及び2011年10月31日に終了した3年間の各事業年度の連結損益計算書、連結株主持分計算書並びに連結キャッシュ・
フロー計算書を監査した。また私どもの監査は、項目15(a)(2)に記載されている財務書類スケジュールも含んでいる。これらの財
務書類は、会社の経営者が責任を負うものである。私どもの責任は、私どもの監査に基づいてこれらの財務書類についての意見を
表明することである。
私どもは、米国公開会社会計監督委員会の基準に基づいて監査をおこなった。これらの基準は、財務書類に重要な虚偽記載がない
かどうかについて合理的な確証を得るように、監査を計画し実施することを要求している。監査は、財務書類における金額及び開
示を裏付ける証拠の試査による検証を含んでいる。また監査は、経営者が採用した会計原則及び経営者が行った重要な見積もり
についての検討、並びに全般的な財務書類の表示についての評価を含んでいる。私どもは、私どもの監査が私どもの意見に対する
合理的な基礎を提供していると確信している。
私どもの意見では、上記記載の財務書類は、ヒューレット・パッカード・カンパニー及びその子会社の2011年10月31日及び2010
年10月31日現在の連結財務状態、及び2011年10月31日に終了した3年間の各事業年度の連結経営成績及び連結キャッシュ・フ
ローを、米国の一般に公正妥当と認められている会計原則に準拠し、すべての重要な点において適正に表示している。また、私ど
もの意見によれば、関連する財務書類スケジュールは、連結財務書類本体に関連付けて全体的に見た場合、これらに記載されてい
る情報をすべての重要な点において適正に表示している。
連結財務諸表注記1に記載しているように、ヒューレット・パッカード・カンパニー及びその子会社は、2010年度において、米国
財務会計基準審議会(以下、「FASB」という。)会計原則編纂書(以下、「ASC」という。)トピック805「企業結合」を2009年11
月1日より適用し、企業結合の会計処理方法を変更している。
アーンスト・アンド・ヤング・エル・エル・ピー
サンノゼ、カリフォルニア州
2011年12月14日
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有価証券報告書
LETTER OF INDEPENDENT REGISTERED PUBLIC ACCOUNTING FIRM
We agree to the inclusion in Part 1, Section VI.1 of this Annual Securities Report on Form 8 filed with the
Director General of the Kanto Local Finance Bureau of our report dated December 14, 2011, with respect
to the consolidated financial statements and schedule of Hewlett-Packard Company.
[EY Signature]
San Jose, California, USA
April 24, 2012
(※)上記は、監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別
途保管しております。
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有価証券報告書
Report of Independent Registered Public Accounting Firm
To the Board of Directors and Stockholders of
Hewlett-Packard Company
We have audited the accompanying consolidated balance sheets of Hewlett-Packard Company and
subsidiaries as of October 31, 2011 and 2010, and the related consolidated statements of earnings,
stockholders’ equity, and cash flows for each of the three years in the period ended October 31, 2011. Our
audits also included the financial statement schedule listed in the Index at Item 15(a)(2). These financial
statements and schedule are the responsibility of the Company’s management. Our responsibility is to
express an opinion on these financial statements and schedule based on our audits.
We conducted our audits in accordance with the standards of the Public Company Accounting Oversight
Board (United States). Those standards require that we plan and perform the audit to obtain reasonable
assurance about whether the financial statements are free of material misstatement. An audit includes
examining, on a test basis, evidence supporting the amounts and disclosures in the financial statements. An
audit also includes assessing the accounting principles used and significant estimates made by management,
as well as evaluating the overall financial statement presentation. We believe that our audits provide a
reasonable basis for our opinion.
In our opinion, the financial statements referred to above present fairly, in all material respects, the
consolidated financial position of Hewlett-Packard Company and subsidiaries at October 31, 2011 and 2010,
and the consolidated results of their operations and their cash flows for each of the three years in the period
ended October 31, 2011, in conformity with U.S. generally accepted accounting principles. Also, in our
opinion, the related financial statement schedule, when considered in relation to the basic financial statements
taken as a whole, presents fairly in all material respects the information set forth therein.
As discussed in Note 1 to the consolidated financial statements, in fiscal year 2010, Hewlett-Packard
Company and subsidiaries changed their method of accounting for business combinations with the adoption
of Financial Accounting Standards Board (“FASB”) Accounting Standards Codification (“ASC”) 805, Business
Combinations, effective November 1, 2009.
[EY Signature]
San Jose, California
December 14, 2011
(※)上記は、監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別
途保管しております。
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