...

豊浦町地域新エネルギービジョン (PDF 4575KB)

by user

on
Category: Documents
42

views

Report

Comments

Transcript

豊浦町地域新エネルギービジョン (PDF 4575KB)
地域新エネルギー・省エネルギービジョン策定等事業
豊浦町地域新エネルギービジョン
報
告
書
平成20年2月
豊
浦
町
はじめに
京都議定書の目標年次の初年度を目前に控えていますが、温室効果ガスの排出量の増勢
が続いています。地球温暖化防止対策は緊急の課題であり、国はもとより産業界、国民、
地方公共団体は、それぞれが地球温暖化防止に向けて行動していくことが求められていま
す。
化石燃料を主体とするエネルギーの大量消費に伴って発生する二酸化炭素により地球温
暖化が急速に進んでおり、昨年 6 月に開催された先進国によるドイツサミットにおいても
重要な課題として取り上げられました。サミットにおいては、ポスト京都議定書について
は 2050 年に現状より二酸化炭素 50%削減することを目標に議論をすることで参加国の
同意を得たところであります。
二酸化炭素排出量を削減するためには、エネルギーを効率的に使用する「省エネルギー」
と二酸化炭素排出量が少ない、または出さない「新エネルギー」を導入することが期待さ
れているところであります。
このような情勢を踏まえて、本町においても地球温暖化防止(温室効果ガス排出量の削減)
に向けて行動を起こすこととしました。今年度は、地球温暖化防止に向けた住民意識の向
上と温室効果ガス削減方法のひとつである新エネルギーの導入可能性と導入に伴う地域産
業の振興効果を把握するため、必要なデータの収集や未利用資源の活用方法等を調査・検
討する地域新エネルギービジョン策定事業に取組むものであります。
本町は「海と緑と太陽の町 21 世紀に輝く豊浦町」を基本理念とする第四次総合計画を立
案し、その実施に努めてきたところであります。本町の基本理念に沿った新エネルギーの
導入と省エネルギー対策に対する基本構想を策定するために、
「豊浦町地域新エネルギービ
ジョン策定委員会」
(以下では策定委員会と略す)を昨年 8 月に立ち上げました。
本策定委員会では、各種データを収集し、新エネルギー関連プロジェクト構想の検討と
その実現可能性を調査します。調査の内容と方法については、文献調査、アンケート調査、
先進地事例調査等を通じて、国内のエネルギー消費動向と供給構造、地球温暖化と二酸化
炭素の排出量、地球温暖化防止対策と国・北海道のエネルギー施策、ビジョン第定の目的
と位置付けについて検討します。また、町の新エネルギー賦存量と導入可能性、新エネル
ギー導入目標量の検討、重点プロジェクト構想とその効果の検討、新エネルギーの導入推
進体制の検討を行います。
これらの調査・検討を通じて本町にふさわしい新エネルギー導入構想と省エネルギー対
策を通じて地球温暖化防止に貢献しようとするものであります。
なお、本策定委員会における調査は独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
の平成 19 年度「地域エネルギー・省エネルギービジョン策定等事業」の助成により実施さ
れました。このことをここに記し感謝申し上げます。
豊浦町地域新エネルギービジョン策定委員会
目
次
第一章 ビジョン策定の背景と目的······················ 1
1.地球温暖化問題 ···························· 1
2.エネルギー消費の現状·························· 4
3.わが国のエネルギー施策························· 7
4.北海道のエネルギー施策························ 10
5.ビジョン策定の目的と位置付け····················· 14
第二章 豊浦町の地域特性·························
1.自然条件 ······························
2.社会条件 ······························
3.経済条件 ······························
4.運輸と環境・衛生···························
16
16
24
27
42
第三章 豊浦町のエネルギー事情······················
1.エネルギー需要量および二酸化炭素排出量算定方法 ············
2.エネルギー需要量と二酸化炭素排出量の現状と将来推計結果 ········
3.公共施設のエネルギー需要量に二酸化炭素の排出量 ············
45
45
48
56
第四章 エネルギー等に対する町民の意識 ··················
1.はじめに ······························
2.調査の概要 ·····························
3.回答者の属性 ····························
4.アンケート調査結果··························
57
57
57
58
58
第五章 豊浦町における新エネルギー賦存量と導入可能性 ··········· 69
1.新エネルギーとは··························· 69
2.新エネルギーの現状と将来性······················ 73
3.太陽光発電 ····························· 74
4.太陽熱利用 ····························· 80
5.風力発電 ······························ 84
6.廃棄物発電・廃棄物熱利用等······················ 90
7.バイオマス発電・バイオマス熱利用等 ·················· 96
8.未利用エネルギー(雪氷冷熱を含む) ·················· 102
9.需要サイドの新エネルギー······················· 107
10.豊浦町の新エネルギー賦存量····················· 112
11.先進地の新エネルギーの導入事例··················· 130
12.豊浦町における重点分野、重点テーマと新エネルギーの導入可能性 ···· 143
第六章 新エネルギー導入の基本的考え方と導入目標量 ············ 148
1.はじめに ······························ 148
2.基本的な考え方 ··························· 148
3.導入目標 ······························ 149
第七章 導入重点プロジェクト構想とその効果 ················ 151
1.はじめに ······························ 151
2.重点プロジェクト構想の選定······················ 151
3.重点プロジェクトの概要、課題等···················· 152
4.プロジェクトの導入による化石燃料と二酸化炭素排出量の削減効果 ····· 175
5.プロジェクト導入による社会的効果等 ·················· 180
第八章 新エネルギー導入推進体制····················· 181
1.はじめに ······························ 181
2.導入推進に向けた組織体制······················· 181
3.プロジェクト導入のスケジュール···················· 183
4.ビジョン普及啓発ならびに実現に向けて取組む施策等 ··········· 183
むすびに代えて ····························· 186
資料編
資料-1 豊浦町のエネルギー消費量と二酸化炭素排出量の推計結果 ······ 187
資料-2 アンケート調査票························ 193
資料-3 アンケート調査結果の集計表··················· 197
資料-4 アンケート調査の自由意見···················· 201
資料-5 町の公共施設ごとのエネルギー消費量 ··············· 205
資料-6 新エネルギー導入等に係る助成制度(融資、税制は除く) ······ 207
資料-7 先進地調査報告書························ 213
資料-8 豊浦町地域新エネルギービジョン策定委員会設置要綱と委員名簿 ··· 226
資料-9 豊浦町地域内未利用エネルギー利活用検討委員会設置要綱と委員名簿 · 228
資料-10 新エネルギービジョン審議の経過 ················ 230
資料-11 単位換算表·························· 231
資料-12 灯油、ガソリンや電気の節約方法 ················ 233
本調査は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の平成 19 年度「地域
新エネルギー・省エネルギービジョン策定等事業」の補助により実施しました。
第一章 ビジョン策定の背景と目的
1.地球温暖化問題
1.1 はじめに
地球上の人間の活動によるエネルギーの大量消費によって、化石燃料の枯渇化やそれら
の使用に伴い発生する温室効果ガス(注 1)による地球温暖化の環境問題が深刻化してきて
おり、国際的な社会問題となっています。平成 17 年 2 月 16 日に発効した京都議定書(注
2)によると、日本は 2008 年から 2012 年の温室効果ガス平均排出量を 1990 年レベ
ル(1237 百万 t-CO2)より 6%削減することが定められています。
専門家でつくる「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」
(注 3)の報告書によると、
2050 年までに世界全体の温室効果ガス排出量を 2000 年度水準の半分にしなければ、深
刻な環境破壊が起こることを警告しています。また、気候システムの温暖化に疑う余地は
なく、大気や海洋の世界の平均温度の上昇や雪氷の広範囲にわたる融解、世界の平均海水
面の上昇が観測されていることから明白だとしています。
このような中、我が国における新エネルギー導入および省エネルギー推進はこれまで以
上に必要性が高まってきており、それに対する地方公共団体の役割もますます重要視され、
その責務が問われています。
(注 1)温室効果ガス(GHG
Green House Gas)
大気中の気体が地表面から放出される赤外線を吸収して、宇宙空間に逃げる熱を地表面に戻すた
め気温が上昇する現象を「温室効果」と言います。赤外線を吸収する気体には水蒸気、ニ酸化炭
素、メタン、一酸化二窒素、代替フロンなどがあり、このうち水蒸気を除くニ酸化炭素~代替フ
ロンを「温室効果ガス」として、環境省が毎年調査し公表しています。環境省の調査によると、
温室効果ガス排出量の約95%は二酸化炭素が占めています。
(注 2)京都議定書
大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを目的として、1992 年の地球環境サミット(U
NCED、リオ・デジャネイロ)で気候変動枠組条約が採択され、1994 年春、同条約は発効し
ました。京都議定書は、この枠組条約の目的を達成するため COP3(第三回締約国会議)で採択
された議定書です。先進国等に対し、温室効果ガスを 1990(平成2)年比で、2008(平成 20)
年~2012(平成 24)年に一定値(日本・カナダ6%、米国7%、EU8%など)の削減を義務
づけています。また、この削減を達成するための京都メカニズム(CDM、JI、排出権取引など)
を導入しました。この議定書はロシアが批准したことにより発効条件が満たされ、2005(平成
17)年2月に発効しました。しかし、排出量が世界で最も多い米国や近年エネルギー消費が急増
している中国などの発展途上国が、この枠組みに参加していないことから地球規模での温室効果
ガス削減の成果をあげる上では課題となっています。
(注 3)IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)
人間活動の拡大に伴う大気循環の変化が気候、食糧、エネルギー、水資源など社会のあらゆる分
野に重大な影響を及ぼし、経済の持続的成長を阻害しかねないという共通認識を背景に、国際的
な取り組みを検討する政府間会議。1988 年 11 月に第一回会議がジュネーブで開催され3つの
部会が設けられました。この活動は、21 世紀に向けたエネルギー政策や環境政策の指針となり
ます。現在まで「第一次報告」から「第三次報告」までの報告書が公表されており、今般の第二
作業部会の報告書とともに 2007 年 11 月の総会で統合報告書としてまとめられます。
1
1.2 温室効果ガスの排出量
西暦 1000 年~1900 年までの間、ほぼ安定していた地球の平均気温は、1900 年~
2000 年のわずか 100 年間に約 0.6 度上昇しました。この要因は、温室効果ガス排出量
の増加によるものとされています。
温室効果ガス排出量の9割以上を占めるニ酸化炭素の 2004(平成 16)年の世界の排出
量は 72 億 3,500 万トン(炭素換算)で、第一次石油危機のあった 1973(昭和 48)年
に比べ 1.68 倍(この間の世界のGDPは 2.48 倍)になっています。経済規模の拡大のス
ピードと比較するとその伸び率は低いものの、ニ酸化炭素の排出量は 30 年余りで6割以上
増えたことになります。
2004(平成 16)年の世界の主要国のニ酸化炭素排出量は、下図に示すとおり、アメリ
カ、中国、ロシア、日本の順になります(日本の排出量構成比は 4.8%、GDP構成比は
13.7%)
。
米国
22.1
その他
35.5
中国
18.1
韓国
1.8
カナダ
2.0
イギリス
2.2 ドイツ
3.2 インド
4.3
図 1-1-1
日本
4.8
ロシア
6.0
主要国のニ酸化炭素排出量構成比(単位:%)
1.3 わが国の温室効果ガスの排出量
わが国の温室効果ガスの排出量については、環境省が調査し毎年発表しています。最も
新しいデータは、2005(平成 17)年度の速報値です。同省の調査によると 2005 年の
温室効果ガスの総排出量は 1,364 百万 t-CO2 で、京都議定書の基準年(1990 年)に比
べると 8.1%増となっています。従って、京都議定書で約束した基準年比6%の削減目標と
比較すると 14.1%増となっており、達成目標期間(2008~2012 年)内にその目標値を
クリアすることは極めて難しい状況におかれていると考えられます。
1.4 温室効果ガスの増加が環境等に与える影響
地球温暖化が進むと、まず気温の上昇や雨の量の増加、海面上昇などが生じます。さら
に台風、熱波(注 4)やエルニーニョ(注 5)などの異常気象も頻度が増し、より強くなる
と予測されています。そうなると、自然や社会にもさまざまな被害を生ずることになりま
す。
(注 4)熱波
何日もの間、ある値以上の高温の日が続く現象。例えば、欧州では 1971 年米国では 1980 年
と 1988 年に大きな熱波が起こりました。疾病の増加、農産物の収量減少などの影響が懸念され
2
ます。
(注 5)エルニーニョ(El Nino)
太平洋赤道域の中央部(日付変更線付近)から南米のペルー沿岸にかけての広い海域で海面水温
が平年に比べて高くなり、その状態が半年~1年半ほど続く現象。逆に同じ海域で平年より低い
状態が続く現象は“ラニーニャ現象”と呼ばれます。気象庁では 1961~1990 年までの海面水
温の平均値(基準値)との差の5か月移動平均値が6か月以上続けて+0.5℃以上となった場合を
エルニーニョ現象と定義しています。日本では、エルニーニョ現象の発生時に冷夏や暖冬になり
やすく、夏と冬に多雨となる傾向がみられます。
(独)国立環境研究所が平成 17 年1月に発表した「地球温暖化が日本に与える影響につい
て」によれば、その影響の概要は次のとおりです。
(1)気候の変化
・20 世紀の 100 年間(1901~2000 年)で、日本の平均気温は約1℃上昇。特に
都市部ではヒートアイランド(注 6)の影響も追加され、東京では約 2.9℃上昇した。
真夏日、熱帯夜の日数も都市部を中心に増加、真冬日の日数は減少した。
・降水量は地域によってばらつきはあるが、時間降水量 50mm を超える大雨の発現回
数はやや増加傾向にある。降雪量は一部の地域において減少。
・1970~2003 年において日本沿岸では、海面水位が年間2mm 程度上昇。
(注 6)ヒートアイランド
都市の熱大気汚染現象のこと。コンクリートや建築物が地表を覆っている都市部では、太陽の熱
が蓄熱されやすく、水分蒸発による冷却効果が少なく真夏の舗装の表面温度は 50~60℃に達し
ます。しかも、夜間になると昼間蓄えていた熱を都市空間に放出するため、気温が下がらない。
等温線を描くと、都心部分の気温が高くなり、まるで島のような形状になることから名付けられ
ました。
(2)身近な自然への影響
・高山植物(アポイ岳~ヒダカソウなどの高山植物が減少しハイマツが拡大)
・植物の開花時期(桜の平均開花日が平年より 3.2 日早まる、1953~2000 年にカ
エデの紅葉が約2週間遅くなった)
・昆虫の生息域(蝶の北限が北に移動、亜熱帯~熱帯に生息するクモが関東で確認)
・動物の生息域(マガンの飛来時期の遅れと旅立ち時期が早まる、越冬地が本州だけ
ではなく、北海道にも拡大)
・海洋動植物(ウミガメの産卵・ふ化場の北上、南方系の魚類の北上)
(3)市民生活への影響
・局所的で記録的な豪雨による浸水被害の多発
・琵琶湖の湖底水温の上昇、溶存酸素濃度が低下傾向
・気温の上昇により民生・業務部門の冷暖房需要の変化
・季節型産業の盛衰に伴うエネルギー需要への影響
・東京の場合、日最高気温 30℃を超すと熱中症患者の増加し、35℃超えると急増
・気温1℃上昇で病原性大腸菌出血性腸炎発症の発症リスク 4.6%上昇
3
2.エネルギー消費の現状
2.1 はじめに
1970 年代の二度の石油危機は世界に深刻な事態を引き起こし、当時、石油依存度が7
割を超えたわが国は、単一のエネルギーに依存することの危うさを知りました。その経験
から原子力、天然ガス、風力発電などの石油代替エネルギーの導入が進みました。
私たちの生活が豊かになり、エネルギー源がより扱い易いものに移行するようになった
ため人類のエネルギー消費量は増大していますが、特に 20 世紀に入ってからのエネルギー
消費量は急カーブで増加しています。
2.2 世界のエネルギー消費量
世界のエネルギー消費量は、経済規模の拡大や国民生活水準の向上から増加の一途を辿
っています。1973 年(昭和 48 年、第一次石油危機が発生)は、石油換算で 40 億トン
であった最終エネルギー消費量は、最新時点(2004 年、平成 16 年)では 67 億トンと
1.67 倍になっています。
いずれの部門のエネルギー消費量も増加していますが、産業部門はエネルギー使用効率
の向上などから低下傾向、交通部門は車両保有台数の増加や大型化などから増加傾向にあ
ります。
地域別についてみると、各地域ともエネルギー消費量は増加していますが、世界に占め
る割合は大きく変化しています。先進国の集合体であるOECD(注1)は、第一次石油
危機時には世界の7割を占めていましたが、工業製品分野が発展途上国に移行しているこ
ともあって5割程度まで、欧州についても 4 割から3割程度下がっています。中国など、
最近急発展しているBRICs(注 2)は 2004 年時点では世界の 1/4 を占めており、A
SEAN(注 3)も 0.9%から 3.4%と3倍以上となっています。
これを一次エネルギー(注 4)消費量ベースでみると、1973(昭和 48)年、石油換算
で 54 億トンであったエネルギー消費量は 2004(平成 16)には 101 億トンと 1.85 倍と
なっています。
(注1)OECD(Organization for Economic Co-operation and Development)
経済協力開発機構の略。経済的な混乱状態にあった欧州各国を救済すべく米国が提案したマーシ
ャルプランを契機に同機構の前身であるOEECが 1948 年に 16 か国で発足。その後米国、カ
ナダ、日本などが加盟し現在加盟国は 30 か国。EU19 か国(イギリス、ドイツ、フランス、イ
タリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、フィンランド、スウェーデン、オーストリア、
デンマーク、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、アイルランド、チェコ、ハンガリー、ポーラン
ド、スロヴェキア、EU以外11か国(日本、アメリカ、カナダ、メキシコ、オーストラリア、
ニュージランド、スイス、ノルウェー、アイスランド、トルコ、韓国)
(注 2)BRICs(ブリックス)
ブラジル、ロシア、インド、中国を指す。英語表示のアルファベットの頭を連結した略語、経済
成長が著しい国として世界では注目されている。
(注 3)ASEAN(Association of South-east Asian Nations)
東南アジア諸国連合の略。原加盟国はタイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、フィリ
ピン。その後、5か国(ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジア)が加盟したた
め 10 か国。
(注 4)一次エネルギー
加工されない状態で供給されるエネルギーのこと。原油、石炭、原子力、天然ガス、水力、地熱、
太陽熱などをいいます。これに対して、一次エネルギーを転換・加工して得られる電力、都市ガ
4
ス、石油製品などをニ次エネルギーと呼び、最終エネルギーはニ次エネルギーに相当します。
また、一次エネルギーのうち、枯渇が心配されるエネルギーとして下図に示すものが挙
げられますが、どのエネルギー源も数十年から百数十年で枯渇の可能性があり、化石燃料
などの消費を抑制するとともに、再生可能エネルギー(注 5)の導入を促進する必要があり
ます。
図 1-2-1
一次エネルギーの可採年数(2005 年末時点)
(出典:石油、天然ガス、石炭については、Statistical Review of World Energy 2006(BP)
、
ウランについては、NE-IAEA URANIUM 2006(OECD)
)
(注 5)再生可能エネルギー(Renewable Energy)
再生が不可能で資源枯渇の避けられない化石燃料に対して、再生することが可能なエネルギー源
から直接的あるいは間接的に生じるエネルギーを指します。利用可能総量としては実質的に無限
ですが、一定時間に利用可能なフロー量には制限があります。主なものとしては太陽エネルギー、
水力、地熱、風力および太陽エネルギーに由来する植物などのバイオマスがあります。その他、
満ち引きの潮力、海洋温度勾配や海流エネルギーの利用も研究されています。
2.3 わが国のエネルギー消費量
わが国の最終エネルギー消費量の動向とGDP(実質)との関係を図示すると図 1-2-2
のとおりとなります。経済活動による変動はあるものの、GDPと歩調を合わせるように
消費量は増加を続けています。地球温暖化対策としてニ酸化炭素を削減するためには、民
生部門と運輸部門におけるエネルギー使用効率の向上や部門を問わず再生可能エネルギー
の導入を進めることが必要です。
5
図 1-2-2
最終エネルギー消費と実質GDPの推移
(出典:資源エネルギー庁「日本のエネルギー
2006」)
私たちになじみのある石油(灯油、ガソリンなどの原料となる原油など)への依存度は、
1973(昭和 48)年は 70%を超えており、その価格や供給量の変動は日本経済に大変大
きな影響を与えました。石油価格の暴騰は物価の持続的な高騰をもたらし、わが国のGD
Pはマイナス成長に陥りました。
私たち道民は、冬期の生活に不可欠な灯油の価格暴騰に泣きましたが、特に低所得層へ
の打撃は極めて大きく社会問題にもなりました。また、トイレットペーパーや洗剤の確保
のためスーパーをはしごした経験を持っている方も多いのではないでしょうか。そこで、
国はエネルギー供給構造の脆弱化を危惧、石油備蓄制度などエネルギー政策の大幅な見直
しを行いました。
(詳細は「3.わが国のエネルギー施策」参照)
この結果、石炭、天然ガス、原子力などの石油代替エネルギーの転換が徐々に進み、最
新時点での石油依存度は5割を割る水準まで下がってきています。このように、石油危機
当時に比べると、石油への依存度が低下していることや、私たちの生活に身近な自動車の
燃料油もバイオ燃料(注 6)への転換などの研究が進展しつつあるほか、家庭用の暖房エネ
ルギーも灯油一辺倒から多様な暖房方式に変わる動きが出てきているので、石油危機時と
比較すると、石油の供給量・価格の変動が社会経済に与える影響は、わずかずつではある
が緩和されつつあります。しかし、個々の家庭や事業所単位でみると、昨年の灯油、ガソ
リン、軽油の価格上昇の影響が大きかったことはご存知のとおりです。
(注 6)バイオ燃料
植物性の物質を利用して作られる自動車用燃料のこと。糖質、澱粉、木材などからエタノール(エ
チールアルコール)やメタノール(メチルアルコール)
、食用油などからのメチルエステル(通常
BDFと言われる)を造り、これを自動車用燃料として利用することを意味します。そのままエ
ンジンで燃やしたり、ガソリンや軽油と混ぜて利用されます。最近では、バイオエタノール、バ
イオエタノール混合ガソリン、バイオディーゼルなどと区分して使われています。エタノールの
混合割合によってE○(○に混合比率の%が入る)B○のような呼び方をされています。第五章
で詳述します。
6
3.わが国のエネルギー施策
3.1 はじめに
私たちにとって、エネルギー(具体的には、電気、灯油、ガソリン、軽油、重油など)
は生活する上で欠かせないものですし、産業活動(物の製造、輸送、商店・飲食店・サー
ビス業などの営業活動)にも不可欠なものです。しかし、わが国ではこれらのエネルギー
の原料となる石油、石炭、天然ガスなどの資源量は乏しく自給率は極めて低くなっていま
す。原子力をわが国固有の資源としたとしても自給率は 17.7%に過ぎません。
図 1-3-1
主要国のエネルギー自給率
(出典:経済産業省「エネルギー白書
2004 年版」
第 111-2-1 図)
わが国のエネルギー政策は、エネルギー自給率が低いことなどにより、①「安定供給の
確保」②「環境への適合」と、①と②を考慮した上で③「市場原理の活用」を基本方針し
て立案され、実施されてきています。以下では、石油危機後のエネルギー政策の流れを追
ってみます。
3.2 供給安定と新エネルギー
第一次石油危機は、石油という価格の安いエネルギーに依存して成長してきた経済構造
に大きな打撃を与え、わが国のエネルギー安全保障上の危うさを露呈することとなりまし
た。これを踏まえて様々なエネルギー安全保障政策が打ち出されました。
これらを年次順に大まかに追ってみると表 1-3-1 のようになります。
7
表 1-3-1
年
項
我が国の新エネルギー施策の変遷
目
内
容
自然エネルギーを含む新エネルギーの開発、実用化
1974(S49) サンシャイン計画
計画
石油代替エネルギーの開発及び導入を総合的に進め
1980(S55) 代エネ法制定
る
1992(H4)
ニューサンシャイン計画
1997(H9)
新エネ法制定
新エネ、省エネ計画の統合
新エネルギーの利用等について国民の努力を促すと
ともに、新エネルギー利用を円滑に進める
エネルギーの需給に関する施策を長期的、総合的か
2002(H14) エネルギー政策基本法
つ計画的に推進する
バイオマス(注 1)熱利用の導入、バイオマス発電
2002(H14) バイオマス・ニッポン総合戦略
の大幅増加、バイオマスタウン(注 2)の構築等を
進める
世界最先端のエネルギー需給構造の確立、資源外交、
2006(H18) 新国家エネルギー戦略
エネルギー環境協力の総合的強化等
(注 1)バイオマス(biomass)とは、生物資源の量を表す概念で、再生可能な生物由来の有機性資源で
化石資源を除いたものです。バイオマスは地球に降り注ぐ太陽にエネルギーを使って、無機物で
ある水と二酸化炭素から、生物が光合成によって生成した有機物であり、私たちのライフサイク
ルの中で、生命と太陽エネルギーがある限り持続的に再生可能な資源です。
(注 2)バイオマスタウンとは、域内において地域関係者の連携の下で、バイオマスの発生から利用まで
効率的なプロセスで結ばれた総合的利用システムが構築され、安定的かつ適正なバイオマス利用
が行われているか、今後行われることが見込まれる地域を指します。市町村が中心となって、地
域のバイオマス利用の全体プラン「バイオマスタウン構想」を作成し、その実現に努めます。道
内では、下記の15市町村でバイオマスタウン構想が策定・公表されています(19 年 3 月末)。
・留萌市
・旧瀬棚町
・鹿追町
・滝川市
・旧大滝村
・厚沢部町
・三笠市
・帯広市
・中札内村
・白老町
・旧東藻琴村
・津別町
・別海町
・豊頃町
・東川町
エネルギー政策基本法に基づいて、平成 19 年3月に国会に報告された「エネルギー基本
計画」において“新エネルギー”については次のように位置付けています。
(基本方針)
・当面は補完的なエネルギーとして位置付けつつも、安全の確保に留意しつつ、コスト低減や系
統安定化、性能向上等のための技術開発等を産学官関係者が協力して戦略的に取組むことによ
り、長期的にはエネルギー源の一翼を担うことをめざし、施策を推進。
(開発、導入、利用の方針)
・現時点で出力の不安定やコスト面での課題はあるが、地球温暖化に資することや資源制約が少
ない等の長所に着目し、コスト低減等のため技術開発を積極的に行い、導入を推進。
・運輸部門は、その燃料のほぼ 100%を石油に依存しており、エネルギー需給構造の中で最も
脆弱性が高い。このため、①バイオマス由来燃料等の新燃料の安定供給確保②燃料供給インフ
ラの整備③新燃料等に対応した車両の開発・普及④社会における円滑な受入を可能とする制
度・社会インフラ整備など、運輸部門のエネルギー多様化に向けて必要となる取り組みを総合
的に推進。
8
最近、特に注目を浴びているのがバイオマス由来燃料で、農水省、経済産業省、環境省
が農産物や建設廃材等を原料としてエタノールを製造し、ガソリンに添加することで化石
燃料を削減する実証試験当に取組んでいるほか、全国各地で廃食用油から品質的には軽油
に相当するBDF(注 3)を製造し公用車の燃料に利用する動きがあります。海外でもトウ
モロコシやサトウキビを原料としてエタノールの製造に力を入れている。この結果、大豆
やオレンジなどの作付面積が減少して、これらの作物の価格が値上がりし、これらを原料
とする食用油、マヨネーズ、果汁飲料が値上がりしていると報道されています。
(注 3)BDF(Biodiesel Fuel バイオディーゼル燃料)
生物油脂、特にナタネ油や大豆油などの植物油をメタノールと反応させ、エステル交換により得
られた脂肪酸メチルエステルで、軽油の代替燃料として使用されます。欧米ではエネルギー作物
(ナタネ、ヒマワリ、大豆など)を原料としていますが、国内では主として天ぷらやフライに利用
した廃食用油が用いられています。BDFを用いた場合、酸性雨の原因となる硫黄酸化物や黒煙
が軽油に比べて減るため、排ガスのクリーン効果もあります。
3.3 省エネルギーと地球温暖化対策
わが国では石油危機に直面した後、前節と合わせて、省エネルギー対策についても徹底
的に進め効果をあげてきました。1979(昭和 54)年、省エネ法(エネルギーの使用の合
理化に関する法律)を公布するとともに、産業、民生、運輸部門でのエネルギーの効率的
な利用が取組まれています。
これらを年次順に大まかに追ってみると以下のようになります。
表 1-3-2
年
我が国の省エネルギーおよび地球温暖化防止施策の変遷
項
目
1979(S54) 省エネ法制定
内
容
エネルギー利用の合理化や使用の効率化など総合的な
省エネルギーの推進
1990(H2)
地球温暖化防止行動計画
地球温暖化防止の国際的枠組みづくりに貢献していく
上で、環境保全型社会の形成、経済の安定的発展との両
立、国際的協調を基本的事項として取組む
1998(H10) 地球温暖化対策推進大綱
温暖化対策が、環境と経済の両立を図れるよう、仕組み
を整備・構築
1998(H10) 地球温暖化対策の推進に
関する法律(注 4)
2005(H17) 京都議定書目標達成計画
(注 5)
国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにす
るとともに、京都議定書の円滑な実施を確保する
地方公共団体に対しては、身近な公共セクターとして、
地球温暖化対策地域協議会と協力・協働し、地域特性に
応じて最も効果的な施策を、国や都道府県、地域の事業
者等と連携して進めること
2006(H18) 省エネ法改正
運送業者や荷主に対し、省エネ計画立案の義務付けると
ともに、電気や熱を一定規模以上使用する工場・事業場
に対し、計画作成・定期報告・管理者の選任などの義務
付け範囲の拡大
(注 4)地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)
地球温暖化が地球全体の環境に深刻な影響を及ぼすものであり、気候系に対して危険な人為的干
渉を及ぼすことにならない水準において、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させ地球温暖化
を防止することが人類共通の課題であり、全ての者が自主的かつ積極的に、この課題に取組むこ
9
とが重要であります。この視点に立って、地球温暖化対策に関し、京都議定書目標達成計画を策
定するとともに、社会経済活動、その他活動による温室効果ガスの排出の抑制等を促進するため
の措置を講じること等により地球温暖化対策を図ることを目的としています。
(注 5)京都議定書目標達成計画
京都議定書の6%削減約束を確実に達成するための措置として、また 2004(平成 16)年に行
った地球温暖化対策推進大綱の評価・見直しの成果として同大綱、地球温暖化防止行動計画、地
球温暖化対策に関する基本方針を引き継ぐ形で策定されたもの。その基本的な考え方は①環境と
経済の両立②技術革新の促進③全ての主体の参加・連携の促進と透明性の確保、情報の共有④多
様な政策手段の活用⑤評価・見直しプロセスの重視⑥国際連携の確保の6点。
なお、産業部門では、経団連(現在の日本経団連)が 1997(平成 9)年から「経団連
環境自主行動計画」を作成し、地球温暖化問題や循環型社会の構築に向けて、業界団体ご
とにエネルギー消費量の削減目標を掲げ、毎年その進捗状況をフォローアップしています。
エネルギー消費の伸びが高い民生部門では、トップランナー基準(注 6)による家電製品
やOA機器などのエネルギー効率の向上や住宅・ビルの断熱化の推進や情報機器を利用し
たエネルギー需要管理システムの普及、省エネルギーの包括的なサービスを提供するES
CO事業(注 7)などが行われています。
(注 6)トップランナー基準
1988(昭和 63)年省エネ法の一部改正で、特定機器の効率の大幅な改善を図るため特定機器の
省エネルギー基準の設定に際して導入された方式で、
「各々の製品において消費効率が現在、商品
化されている製品のうち最も優れているものの性能以上にする」という考え方。
(注 7)ESCO(Energy Service Company)
省エネルギーに関する包括的なサービスを提供し、一定の省エネルギー効果を保証するエネルギ
ーサービス契約により、お客様の利益と地球環境の保全に貢献するビジネス。
また、省エネルギー対策ではなく、二酸化炭素を回収して地中に封じ込める技術開発の
研究も進められています。石炭層に二酸化炭素を注入して燃料用メタンガスを回収する実
証試験(赤平市、夕張市)や(財)地球環境産業技術研究機構による地下 1,000m の水を含
んだ地層に貯める実験などが国内で実施されています。国際的な技術協力の視点から、米
国が主導する石炭火力発電所(出力 27.5 万 kW)から排出される8万 t-CO2/年を地中に
貯める計画にわが国も資金支援、技術支援をしていく予定です。
4.北海道のエネルギー施策
4.1 はじめに
北海道は製造業の集積が少ないにも関わらず、積雪寒冷地で冬期間に多くの暖房用の灯
油などを使用することや、公共交通網の整備が遅れているため人の往来に自家用車の利用
が多く、他の地域に比べるとエネルギーの消費量が多くなっています。平成 16 年度の一人
当たりのエネルギー消費量を算出すると、全国平均を 15%強上回っています(平成 17 年
国勢調査、本道におけるエネルギー需給等の状況について 16 年度速報改定版を利用)。
このような状況の下で、北海道は省エネルギー、新エネルギー、地球温暖化防止に関す
る様々な対策を実施しています。
4.2 北海道の温室効果ガスの排出量
北海道の最新時点(2003、平成 15 年度)の温室効果ガス排出量は 2,047 万トンで、
10
基準年に比べると 18.3%増加しています。メタンやフロン類は減少しているものの、全体
の9割強を占めるニ酸化炭素が基準年比約 17%増えているためです。基準年(1990)以
降のニ酸化炭素排出総量の推移は下図のとおりで、近年の増加率は鈍化傾向にありますが、
一人当たりの排出量は暖房用のエネルギー消費量が多いこともあって全国水準を3割
(2003 年度実績、北海道 3.62t-C/人 全国 2.69t-C/人)以上、上回っています。
2,500
3.1
2,000
3.08
3.04 3.12
3.23
3.21
3.39 3.53
3.54 3.57 3.57
3.59
3.62
4.00
3.50
排出量(万t-C)
3.00
1,500
1,000
2.48
2.49
2.52 2.49
2.61 2.63
2.66
2.69
2.50
2,032 2,047
2,009 2,010 2,023 2,023
2.00
2.66 2.58
1,930
1,787 1,821 1,847 1,938
1,731 1,741 1,722
2.65 2.66
2.6
2.67
1.50
1.00
一人あたり排出量(t-C/人)
3.44
500
0.50
0
0.00
1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003
排出量(北海道)
図 1-4-1
一人当たり排出量(北海道)
一人当たり排出量(全国)
ニ酸化炭素排出総量と一人あたり排出量の推移
(出典:北海道「2003(平成 15)年度の道内の温室効果ガス排出実態について(概要)
」
)
部門別の排出量についてみると、全国、北海道ともに産業部門の比率が低下する一方で、
運輸、民生両部門とも上昇しているのは共通していますが、民生部門に着目すると、全国は
業務部門のウェイトが大きいのに対して、北海道は家庭部門の方が大きくなっています。
4.3 北海道のエネルギー消費量
平成 16 年度の北海道の最終エネルギー消費量は、
原油換算で 2,108 万 kL であり 1990
(平成2)年度比 14%増ですが、同時期の全国の伸び(18.5%増)を下回っています。
図 1-4-2
最終エネルギー消費の推移
(出典:北海道「本道におけるエネルギー需給等の状況について」16 年度速報改定版)
11
また、下図に示す 2004(平成 16)年時点の一次エネルギー供給量を見ると、北海道と
全国の大きな違いは、北海道の場合天然ガスを利用できる地域が限定されるため、その分
石油系のエネルギーへの依存度が高いことが挙げられます(下図の「その他」 北海道 2.2%、
全国 17.4%)
。
図 1-4-3
一次エネルギー総供給の構成比(平成16年度)
(出典:北海道「本道におけるエネルギー需給等の状況について」16 年度速報改定版)
(※1)この図では、石油系とは、原油、石油製品(ナフサ、燃料油、潤滑油、アスファルト、オイルコ
ークス精油所ガス、LPG)など、石炭系とは石炭、コークス、コークス炉ガス、高炉ガスなど、
その他は天然ガス、都市ガスとして分類している。
(※2)北海道の新エネルギー等には、中小水力、地熱を含み、回収黒液を除く。全国の新エネルギー等に
は回収黒液、地熱を含み、中小水力を除く。
4.4 北海道のエネルギー施策
道民一人当たりのエネルギー消費量が全国平均より多いことや、石油への依存度が高い
という現状を踏まえて、エネルギー消費の効率化や環境への負荷の小さな新エネルギーの
導入を促進するため、北海道では以下に示す条例・計画をはじめとする様々なエネルギー
施策を実施しています。
表 1-4-1
年
1996(H8)
10 月
項
北海道の主なエネルギー施策
目
北海道環境基本条例
1998(H10)
北海道環境基本計画
7月
2000(H12)
北海道地球温暖化防止計画
6月
2000(H12) 北海道省エネルギー・
9月
新エネルギー促進条例
2002(H14) 省エネルギー・
2月
新エネルギー促進行動計画
2005(H17) 北海道循環型社会
3月
推進基本計画
内
容
良好な環境を保全し、快適な環境を維持し、創造する
ことにより、環境への負荷の少ない持続的発展が可能
な循環型の社会の形成
環境への負荷の少ない環境重視型社会を構築するた
めの道すじを示す長期目標と達成のための具体的目
標や施策
2010 年度における排出量を 2004 年度比で5%削
減
新エネルギーの利用拡大、省エネルギー、環境に調和
した社会の構築
2010(H22)年度の最終エネルギー消費量、一次エ
ネルギー道内総供給量、エネルギー起源の二酸化炭素
排出量並びに省エネルギー目標量などを設定
バイオマス等の循環資源の活用、リサイクル関連産業
の展開、リサイクルブランドの創設・普及などの循環
型社会の形成
12
これを達成するための具体的な対策は、下表のとおりで、原油換算で 372 万 kL のエネ
ルギー消費量の削減をめざすものです。
部
門
表 1-4-2
2010 年度
最終
エネルギー
1998 年度
最終
エネルギー
産
業
747
民
生
680
運
輸
600
合
計
2,027
省エネルギーの目標(単位:原油換算万 kL)
省エネ量
対策後の
最終
エネルギー
▼106
825
▼141
720
▼125
630
▼372
2,175
省エネルギー目標
対策等
・計画的な省エネルギー、CO2 削減行動推進
・省エネルギー型設備、機器導入
931
・エネルギー管理の徹底
・経済活動スタイル変革(省エネ行動等)
・省エネルギー型設備・機器の導入
・住宅、建築物の省エネ性能の向上
861 ・消費量把握によるエネルギー管理徹底
・ESCO事業の普及
・経済活動、生活スタイル変革
・省エネルギー型自動車の普及
・消費量把握によるエネルギー管理徹底
755
・交通、物流の効率化
・経済活動、生活スタイル変革
2,547
(出典:
「北海道省エネルギー・新エネルギー促進行動計画」)
また、新エネルギーの導入目標は、
「自立型エネルギーの利用拡大をめざして」
(平成 18
年 12 月)によると、以下のとおりとなっています。
表 1-4-3
新エネルギーの新たな導入目標(単位:容量は万 kW、原油は万 kL)
平成 16 年度実績
区
分
設備
容量
太陽光発電
発
電
分
野
供
給
サ
イ
ド
熱
利
用
分
野
原油
換算
当初導入目標
改定導入目標
設備
容量
設備
容量
1.0
0.2
25.3
風力発電
24.7
11.3
中小水力発電
78.6
89.2
廃棄物発電
17.3
バイオマス発電
地熱発電
原油
換算
原油
換算
6.2
増 減
設備
容量
0.0
原油
換算
6.2
25.3
0.0
20.0
10.7
30.0
16.1
10.0
5.4
81.6
104.4
80.5
103.0
▼1.1
▼1.4
22.1
14.7
19.4
22.7
30.0
8.0
10.6
0.7
0.9
2.2
2.9
2.2
2.9
0.0
0.0
5.0
4.0
5.0
4.7
5.0
4.7
0.0
0.0
太陽熱利用
0.7
18.3
3.8
▼14.5
水温度差
1.8
2.0
2.0
0.0
雪氷冷熱
0.0
0.8
1.0
0.2
地熱(熱水利用)
5.0
5.4
5.4
0.0
排熱利用
1.3
1.3
1.3
0.0
廃棄物熱利用
5.2
10.0
11.1
1.1
バイオマス熱利用
0.5
1.1
6.1
5.0
小
計
127.3
142.2
148.8
187.2
165.7
193.6
一次エネルギー道内供給
2,845
2,971
2,971
道内総供給への比率
5.0%
6.3%
6.5%
要 需 コジェネレーション
クリーンエネ自動車
合
計
87.4
0.8
58.7
(万台)
16.5
142.2
104.0
(万台)
187.2
16.5
16.9
6.4
45.3
(万台)
193.6
0.0
(万台)
6.4
(出典:北海道「自立型エネルギーの利用拡大をめざして」)
(※)
「波力発電」
「潮力発電」については、技術開発段階であるため目標設定はしない
13
「北海道省エネルギー・新エネルギー促進行動計画」を達成するため、この計画では道
民、事業者、北海道それぞれが役割を果すことを求めています。道民の果すべき役割は、
省エネルギー型の設備・機器や住宅の採用や公共交通機関の活用など省エネルギーに関す
るものが大部分ですが、事業者についてはこれらに加えて新エネルギー利用設備・機器の
積極的な開発・導入を期待しています。
北海道自身は、一事業者として省エネルギーの推進や新エネルギーの開発・導入の推進
に向けた行動に率先して取組むほか、温対法に基づく「北海道の事務・事業に関する実行
計画」の策定(平成 12 年)
、ISO14001 の取得、公用車へのクリーンエネルギー自動
車の導入、改修工事にけるESCO事業の活用、公共事業の執行における省エネルギー機
器や太陽光発電設備、コージェネなどの新エネルギー利用設備・機器の導入を配慮すると
しています。
5.ビジョン策定の目的と位置付け
5.1 ビジョン策定と町政における位置付け
地球温暖化というと余りに大きな問題で、なかなか身近に感じることができない問題で
すが、電気、灯油、ガソリンということであれば比較的実感が湧くと思います。2006 年夏
以降の灯油やガソリンの大幅な値上げは、私たちの生活を直撃し、どこまで値段が上がる
のかと不安に思った人も多かったことでしょう。これらを代替する太陽光をはじめとする
再生可能エネルギーは、年々導入コストが低下してきており、導入するためのハードルは
低くなりつつあります。
豊浦町で、年間どの程度のエネルギーが消費され、その結果、どの程度の二酸化炭素が
排出されているのかというデータは整備しておりません。温対法で市町村に義務付けられ
ている「温室効果ガス削減計画」を作成するためには、これらのデータは不可欠です。ま
た、削減のための方策として省エネルギー行動に加え、新エネルギーの導入を念頭に置く
のであれば、町内には化石燃料に代る資源があるのか、それを導入できる可能性はあるの
か、資源量があり技術的に導入の可能性が高いとした場合、将来、事業として実施するに
はどのような課題を解決しなければならないのか、などを検討する必要があります。
これは、エネルギーの地産地消や地域におけるエネルギー自給率を高めるために必要な
手続きですし、地球温暖化対策として、国や北海道が考えている市町村への期待に応える
ためにも欠かせない責務です。
ここで策定する新エネルギービジョンを、上位計画である町の総合計画に反映するとと
もに、総合計画で検討される産業施策、環境施策等をビジョン検討の段階でも検討し、連
携して“環境に優しい町づくり”をめざしていきたいと考えています。
5.2 市町村への期待に応える
温室効果ガスに起因する地球温暖化問題は地球規模の大きな課題であり緊急に対処しな
ければなりませんし、2008 年の北海道洞爺湖サミットでの重要なテーマになっています。
私たちの毎日の生活や経済活動にエネルギーは不可欠なものであり、生活水準の向上や
経済活動規模の拡大などでエネルギー消費量は増加を続けています。温室効果ガスの中核
をなす二酸化炭素の大部分はエネルギーに起因するものであり、これまでエネルギー効率
の高い機器・設備の導入や環境負荷の小さい再生可能エネルギーの導入など省エネルギ
ー・新エネルギー対策が国、産業界、国民の努力によって実施されてきました。
しかし、これらの効果を上回る勢いでエネルギー需要が増大しています。温暖化対策は
国だけでできるものではなく、産業界、地方公共団体や国民の協力を得なければ、効果を
あげることができません。国、北海道とも省エネルギーにとどまらず、新エネルギーにつ
14
いても重点的に支援を講じるとともに、市町村については住民に最も身近な存在として地
域資源を活用した新エネルギーを導入するための調査事業や導入事業に大きな期待が寄せ
られています。
15
第二章 豊浦町の地域特性
いちごやホタテの名産地として有名な本町は、道内では比較的温暖な気候に恵まれてい
ます。町の沿革をたどると、1798(寛政 10)年に松前藩が礼文華に会所を設置したのが
始まりで、1880(明治 13)年には虻田郡各戸長役場がおかれました。この年を本町の開
基としておりますので、今年は開基 129年を迎えます。1909(明治 42)年に弁辺村役
場を開設(この“べんべ村”に因んで9月に“べんべよいとこまつり”を開催)し、1932
(昭和7)年に農水産物が豊かで内浦湾に面していることから豊浦村と改称、1947(昭和
22)年に町制を施行して今日に至っています。
夏は涼しく冬は温暖な気象条件の下、農業と水産業が基幹産業で、ホタテ、いちご、豚
肉については品質の良いことで広く知られています(名産のホタテといちごを冠した“第
一回帆立いちごまつり”を昭和 46 に開催し、昭和 54 年からは“いちご豚肉まつり”と名
称を変更)
。対岸の駒ケ岳や北の羊蹄山やニセコ連峰も眺望でき、内浦湾と後背地を緑豊か
な田園や森に囲まれた自然環境に恵まれています。
1.自然条件
1.1 位置
豊浦町は北海道の南西部に位置し、南側は内浦湾に面し、北側は昆布岳などの山林地帯
になっています。北はニセコ町、蘭越町、真狩村、西は黒松内町、長万部町、東は洞爺湖
町に接しています。東経 140 度、北緯 42 度に位置し、米国のボストン、イタリアのロー
マ、スペインのバルセロナとほぼ同じような緯度に位置しています。
町の大きさは、東西、南北ほぼ 17km の広がりで面積は 233km2 です。
図 2-1-1
豊浦町の位置図
(出典:町勢要覧 2002~全道域)
16
図 2-1-2
豊浦町付近図
(出典:Map Fan Web)
1.2 土地利用状況
本町の地目別土地面積をみると、全体の6割は「山林」で、農用地(田、畑、牧場)は 1
3%程度です。次図の円グラフ構成比に示すとおり、昭和 60 年と比較すると「原野」の比
率が大きく減少しています。町域には、貫気別川などの2級河川が6河川、ならびに貫気
別川、小鉾岸川、チャス川、礼文華川、尻別川の5水系の普通河川があり、流域(流域面
積は約 546km2~町外分を含む)を潤しています。
表 2-1-1
年
地目別土地面積(単位;km2)
面積
田
畑
宅地
山林
牧場
原野
雑種地
その他
昭和 60
232.91
2.61
17.98
1.76
138.60
10.97
46.43
1.29
13.27
平成 18
233.54
2.33
18.06
1.89
141.86
10.74
29.09
1.68
27.89
構成比
100.00
1.00
7.70
0.80
60.70
4.60
12.50
0.70
12.00
(※)各年の1月1日現在の数値、構成比は平成18年の数値による
内円:昭和60年/外円:平成18年
0.7
12.0
0.8
1.0 7.7
5.71.1 7.7
0.6
12.5 19.9
4.6
0.8
4.7
59.5
60.7
田
牧場
畑
原野
図 2-1-3
宅地
雑種地
山林
その他
地目別土地構成比
17
1.3 気候
豊浦町はわが国の気候区分では、下図のとおり「日本海型の東北・北海道型」に属しま
す。月の平均気温は、12~3月に0℃以下になるものの、7~9月の最高気温は 20℃を
超えるため、年平均気温は 1985 年以降6~8℃台で推移しています。降水量は7~10
月には多いものの最大月の8月で 170mm 程度であり、年間では 1,100~1,300mm 程
度、11~4月まで降雪はありますが、積雪の最深は1m未満です。年間の日照時間は 1,400
時間弱程度です(表2-1-2参照 過去 15 年平均の日照時間は 1500.8 時間)
。
図 2-1-4
わが国の気候区分
(出典:日本国勢図会)
18
表 2-1-2
豊浦町の気象データ(年平均、合計値、最大値)
平均気温
最高気温
最低気温
平均風速
日照時間
年降水量
最深積雪
℃
℃
℃
m/s
h/年
mm/年
cm
1985
6.8
29.2
-17.7
2.1
2,070.9
986
77
1986
6.4
27.8
-20.3
2.1
393.5
1,146
99
1987
7.0
28.8
-16.3
2.0
1,337.2
1,072
101
1988
6.8
30.0
-16.1
2.0
1,324.3
1,132
90
1989
7.9
28.7
-14.7
1.8
1,351.8
1,257
63
1990
8.8
29.3
-18.6
1.8
1,461.8
1,209
83
1991
8.0
27.1
-16.9
1.7
1,436.9
1,044
62
1992
7.3
27.7
-13.3
1.7
1,333.0
1,132
75
1993
7.1
26.1
-13.0
1.8
1,369.3
1,150
87
1994
8.0
31.3
-16.7
1.7
1,576.9
1,235
93
1995
7.8
27.9
-16.0
1.5
1,425.9
1,320
58
1996
6.9
27.4
-20.6
1.6
1,366.5
1,140
100
1997
7.7
28.4
-15.0
1.6
1,383.2
1,183
79
1998
7.6
26.7
-17.4
1.4
1,346.3
1,358
79
1999
8.0
29.9
-16.6
1.5
1,438.0
1,281
93
2000
7.9
29.2
-17.4
1.4
1,204.2
1,363
96
2001
6.9
28.1
-18.3
1.3
1,281.9
1,066
88
2002
7.6
28.1
-14.9
1.3
1,355.5
1,098
55
2003
7.3
28.4
-15.3
1.3
1,299.5
972
79
2004
8.4
29.7
-14.2
1.4
1,391.8
1,164
59
2005
7.5
30.7
-17.1
1.4
1,395.1
1,419
94
2006
7.7
30.4
-15.9
1.5
1,324.2
1,125
109
年
(出典:気象庁「気象統計」の“毎年ごとの平均値”
)
(※1)測定地点は豊浦町大岸
(※2)日照時間の 1985 年と 1986 年以降については、観測場所の移転、観測方法の変更、測器の変
更など、いずれかの理由により観測データがこの前後と均質でない可能性があります。
(※3)1986 年の日照時間は、異常値になっておりますが機器の故障等によるものと考えられます。
19
最近 20 年間の月ごとの平年値は、下表のとおりです。
表 2-1-3
豊浦町の平年値(1979~2000 年)
平均気温
最高気温
最低気温
平均風速
日照時間
年降水量
最深積雪
℃
℃
℃
m/S
時間
mm
cm
1月
-4.4
-0.7
-8.9
1.9
70.7
79.2
61
2月
-4.0
-0.2
-8.7
1.9
95.7
69.5
84
3月
-0.6
3.1
-5.2
2.0
136.6
61.3
69
4月
4.9
9.2
0.0
2.1
174.9
73.5
20
5月
9.9
14.3
5.0
1.8
180.6
88.8
0
6月
14.2
17.6
10.6
1.5
146.7
74.6
0
7月
18.3
21.2
15.5
1.4
124.7
116.4
0
8月
20.5
23.8
17.2
1.5
129.2
172.8
0
9月
16.6
21.2
11.9
1.8
145.3
148.8
0
10月
10.2
15.4
5.0
2.0
139.4
114.4
0
11月
3.7
8.1
-0.7
2.0
87.8
95.5
16
12月
-1.6
2.1
-5.5
1.8
67.6
84.2
34
年
7.3
11.3
3.0
1.8
1,500.8
1,197.6
85
(出典:気象庁「気象統計」の平年値)
(※)日照時間のみ(1986~2000 年)
豊浦町の気象観測地点は町の西端の大岸地点です。近隣で気温、風速等の観測が行われ
ているのは胆振支庁管内では伊達、大滝(旧)、室蘭、後志支庁では黒松内、蘭越、喜茂別、
渡島支庁では長万部であり、それらの平年値を整理したのが図 2-1-5~図 2-1-7 です。
豊浦町
室蘭市
旧大滝村
蘭越町
黒松内町
長万部町
伊達市
真狩村
25
平均気温(℃)
20
15
10
5
0
-5
-10
1月
2月
3月
4月
図 2-1-5
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
平均気温の平年値の比較
(出典:気象庁「気象統計情報」
)
20
豊浦町
室蘭市
旧大滝村
蘭越町
黒松内町
長万部町
伊達市
真狩村
7
平均風速(m/s)
6
5
4
3
2
1
0
1月
2月
3月
4月
5月
図 2-1-6
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
平均風速の平年値の比較
(出典:気象庁「気象統計情報」
)
豊浦町
室蘭市
旧大滝村
蘭越町
黒松内町
長万部町
伊達市
真狩村
日照時間(時間)
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
1月
2月
3月
4月
図 2-1-7
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
日照時間の平年値の比較
(出典:気象庁「気象統計情報」
)
豊浦町の年平均気温は 7.3℃で近隣7地点では室蘭、伊達、蘭越に続き高くなっています。
日照時間の 1,500 時間は室蘭に次いでおり、最深積雪 85cm は室蘭、長万部に次ぐ低さ
です(伊達、真狩村では測定されていません)。年間降水量も 1,200mm 程度で、この数
値は蘭越町に次いで少なく、周辺市町村に比べると温和な気候条件下にあります。
また、道内の主な都市の気温、日照時間、風速(平年値)をグラフ化したのが図 2-1-8
です。
①日本海型の東北・北海道型(留萌市、札幌市、豊浦町)
②日本海型のオホーツク型(網走市、北見市、枝幸町)
③東日本型の東部北海道型(帯広市、釧路市、広尾町)
21
①-1 留萌市
250
20.0
15.0
(風速:m)
6.1 m 5.3 m
4.9 m
10.0
気
温
5.0
℃
0.0
)
3.4 m 3.4 m
3.8 m 4.4 m
6.4 m
(
4.7 m 4.2 m
5.6 m 6.5 m
(
日 200
照
時 150
間
100
H
50
25.0
)
-5.0
0
-10.0
1月
2月
3月
4月
5月
6月
日照
7月
気温
8月
9月
10月
11月
12月
風速
①-2 札幌市
250
20.0
15.0
(風速:m)
3.9 m 3.9 m
3.3 m 3.4 m
3.7 m 3.2 m
10.0
気
温
5.0
℃
0.0
)
4.8 m 4.2 m
(
3.6 m 3.2 m
3.7 m 4.7 m
(
日 200
照
時 150
間
100
H
50
25.0
)
-5.0
0
-10.0
1月
2月
3月
4月
5月
6月
日照
7月
気温
8月
9月
10月
11月
12月
風速
①-3 豊浦町
250
20.0
15.0
(風速:m)
10.0
1.8 m 1.5 m
1.4 m 1.5 m
1.8 m 2.0 m
2.0 m 1.8 m
5.0
℃
0.0
)
2.0 m 2.1 m
気
温
(
1.9 m 1.9 m
(
日 200
照
時 150
間
100
H
50
25.0
)
-5.0
0
-10.0
1月
2月
3月
4月
5月
6月
日照
7月
気温
8月
9月
10月
11月
12月
風速
②-1 網走市
250
20.0
15.0
(風速:m)
3.1 m 2.5 m
2.3 m 2.5 m
3.0 m 3.5 m
3.6 m 3.7 m
気
温
5.0
℃
0.0
)
3.5 m 3.5 m
10.0
(
3.7 m 3.2 m
(
日 200
照
時 150
間
100
H
50
25.0
)
-5.0
0
-10.0
1月
2月
3月
4月
5月
6月
日照
7月
気温
8月
9月
10月
11月
12月
風速
②-2 北見市
250
20.0
15.0
(風速:m)
10.0
2.0 m 2.1 m
2.0 m 1.6 m
1.3 m 1.2 m
1.2 m 1.4 m
1.6 m 1.6 m
5.0
℃
0.0
)
1.5 m 1.6 m
)
-5.0
0
-10.0
1月
2月
3月
4月
5月
日照
6月
7月
気温
22
8月
9月
風速
10月
11月
12月
気
温
(
(
日 200
照
時 150
間
100
H
50
25.0
②-3 枝幸町
250
25.0
20.0
15.0
(風速:m)
10.0
3.0 m 2.4 m
2.1 m 2.4 m
2.8 m 3.0 m
2.7 m 2.7 m
5.0
℃
0.0
)
2.8 m 3.1 m
気
温
(
2.7 m 2.6 m
(
日 200
照
時 150
間
100
H
50
)
-5.0
0
-10.0
1月
2月
3月
4月
5月
6月
日照
7月
気温
8月
9月
10月
11月
12月
風速
③-1 帯広市
250
20.0
15.0
10.0
2.5 m 2.3 m
1.7 m 1.8 m
1.9 m 2.3 m
2.6 m 2.7 m
5.0
℃
0.0
)
2.7 m 2.6 m
気
温
(
2.2 m 2.2 m
(
日 200
照
時 150
間
100
H
50
25.0
(風速:m)
)
-5.0
0
-10.0
1月
2月
3月
4月
5月
6月
日照
7月
気温
8月
9月
10月
11月
12月
風速
③-2 釧路市
250
20.0
15.0
5.7 m 5.0 m
3.5 m 3.8 m
4.4 m 4.9 m
6.0 m 6.0 m
10.0
気
温
5.0
℃
0.0
)
4.3 m 3.9 m
(
5.2 m 5.2 m
(
日 200
照
時 150
間
100
H
50
25.0
(風速:m)
)
-5.0
0
-10.0
1月
2月
3月
4月
5月
6月
日照
7月
気温
8月
9月
10月
11月
12月
風速
③-3 広尾町
250
20.0
15.0
3.0 m 2.3 m
2.0 m 2.4 m
2.6 m 3.0 m
3.4 m 3.2 m
気
温
5.0
℃
0.0
)
3.1 m 3.2 m
10.0
(
3.0 m 3.0 m
(
日 200
照
時 150
間
100
H
50
25.0
(風速:m)
)
-5.0
0
-10.0
1月
2月
3月
4月
5月
日照
図 2-1-8
6月
7月
気温
8月
9月
10月
11月
12月
風速
道内の気候区分ごとの気象条件
(出典:気象庁「気象統計情報」
)
各気候区分から3自治体を抽出して豊浦町と比較すると、年間平均気温は札幌、留萌に
次ぐ 7.3℃であり夏から秋にかけて比較的高温の月が多くなっています。一方、日照時間は
1,500 時間と最も短く、日照時間の長い帯広や釧路市の 3/4 程度であり、年間平均風速は
1.8m/s と海に面しているが内陸の北見に次いで低いという特徴を持っています。
道内のアメダス観測地点のうち、平年値の日照時間が公表されている(観測期間が短い
場合は平年値がない)地点 149 を日照時間別に整理したのが表 2-1-4 です。
23
表 2-1-4
日照時間別の観測地点数と主な地点名
日照時間
地点数
豊浦周辺の地点
代表的な観測地点
~1200
5
~1300
17
~1400
25
~1500
21
伊達、長万部
江差、倶知安、美唄、美瑛、名寄、稚内
~1600
21
登別、大滝
鵡川、夕張、滝川、留萌、遠軽、斜里
~1700
25
穂別
小樽、石狩、旭川、美幌、弟子屈、羽幌
~1800
21
室蘭
函館、札幌、苫小牧、別海、白糠、紋別
~1900
11
~2000
2
池田、釧路
2000~
1
帯広
合計
149
黒松内、真狩
日高、幌加内
蘭越
支笏湖畔、朱鞠内、占冠、美深、豊富
余市、厚田、芦別、上川、増毛、ウトロ
浦河、広尾、上士幌、根室、網走
(出典:気象庁「気象統計情報」
)
豊浦町(大岸地点)の日照時間は、1500.8 時間/年で道内 149 観測地点のなかでは、
中位の「~1600」に属します。
太陽光、太陽熱の利用については、豊浦町より日照時間の少ない稚内市(1490.3 時間)
において、NEDO の委託事業により、稚内市と北海道電力㈱が「大規模電力供給用太陽光
発電系統安定化等実証研究」を平成 18 年度から 5 ヵ年計画で実施中です。したがって、
豊浦町においても新エネルギーとして太陽光、太陽熱を利用することは期待できると言え
ます。
2.社会条件
2.1 人口・世帯数
豊浦町の人口は、国勢調査ベースでみると 1950(昭和 25)年の 11,194 人をピーク
に減少を続けており、2005(平成 17)年においては 4,771 人と5千人を割り込んでい
ます。世帯数は、ほぼ2千世帯で推移してきているため1世帯当たりの人口2人台となっ
ています。他の過疎市町村のように自然減(出生-死亡)と社会減(転入-転出)によって
人口が減る一方、世帯数が人口減に比例して減らないため世帯当たりの人口は縮小傾向に
あります。
表 2-2-1
豊浦町の人口・世帯数の推移(単位:人、世帯)
年
総人口
男性
女性
世帯数
世帯当たり人口
1965(S40)
9,698
4,882
4,816
2,156
4.50
1970(S45)
7,519
3,533
3,986
1,953
3.85
1975(S50)
6,769
3,266
3,503
1,961
3.45
1980(S55)
6,424
3,068
3,356
2,007
3.20
1985(S60)
6,112
2,911
3,201
1,997
3.06
1990(H 2)
5,790
2,738
3,052
1,929
3.00
1995(H 7)
6,121
3,158
2,963
2,698
2.27
2000(H12)
5,286
2,421
2,865
2,020
2.62
2005(H17)
4,771
2,200
2,571
2,009
2.37
(出典:総務省
24
国勢調査)
住民基本台帳による人口と世帯数の昭和 50 年以降(各年の3月末)の推移は図 2-2-1
です。世帯数は核家族化の進行や世帯分離等により横ばい基調ですが、人口はじりじり減
少しているため、世帯当たり人口は昭和 50 年の 3.65 人から平成 19 年には 2.04 人にま
で減少しています。
8,000
4.00
世
3.00 帯
当
た
り
2.00
人
数
7,000
人
口
( 6,000
人
)
(
1.00 人
)
5,000
4,000
昭和50年
0.00
昭和55年
昭和60年
平成2年
人口
図 2-2-1
平成7年
平成12年
平成17年
世帯あたり人口
人口、世帯数、世帯当たり人口の推移
(出典:住民基本台帳)
2.2 人口構成
ここ 30 年間の人口構成(年少、生産、老齢)の変化をみたのが図 2-2-2 です。年少人
口の構成比が半減となっている一方で、老齢人口比率は3割を超え、道内の過疎市町村と
同じように少子高齢化が進んでいることが伺えます。
(年少;15 歳未満、老齢;65 歳以上)
老齢
9.9
年少
11.2
年少
24.4
老齢
32.1
生産
56.7
生産
65.7
昭和 50 年
平成 17 年
図 2-2-2
人口構成の変化
(出典:国勢調査)
なお、社会保障・人口問題研究所の将来推計人口(平成 15 年 12 月推計)によれば、豊
浦町の人口は将来も減少が続き 2010(平成 22)年で 4,714 人、2020(平成 32)年
には4千人を割り込む 3,981 人としています。このような人口規模になった場合の老齢人
口(65 歳以上)比率は、平成 22 年で 34.4%、平成 32 年で 39.1%となり、平成 37 年
には 40%を超えるという結果になっています。
25
表 2-2-2
将来推計人口と人口構成(単位:人、%)
H12
H17
H22
H27
H32
H37
H42
人口総数
5,286
5,040
4,714
4,345
3,981
3,620
3,284
年少人口
13.0
11.6
10.6
10.1
9.5
9.1
8.6
生産年齢
57.1
55.3
55.0
53.3
51.4
50.7
50.0
老齢人口
29.9
33.1
34.4
36.6
39.1
40.2
41.4
(出典:社会保障・人口問題研究所「日本の市区町村別将来推計人口」平成 15 年 12 月推計)
男 (歳) 女
80~
75~79
70~74
65~69
60~64
55~59
50~54
45~49
40~44
35~39
30~34
25~29
20~24
15~19
10~14
5~9
0~4
500
400
300
200
100
(人)
0
100
200
300
400
500
200
300
400
500
昭和 50 年
男 (歳) 女
80~
75~79
70~74
65~69
60~64
55~59
50~54
45~49
40~44
35~39
30~34
25~29
20~24
15~19
10~14
5~9
0~4
500
400
300
200
100
(人)
0
100
平成 17 年
男 (歳) 女
80~
75~79
70~74
65~69
60~64
55~59
50~54
45~49
40~44
35~39
30~34
25~29
20~24
15~19
10~14
5~9
0~4
500
400
300
200
100
(人)
0
100
200
300
平成 27 年
図 2-2-3
人口ピラミッドの変化
26
400
500
人口構成を5歳刻みの人口ピラミッドで示したのが図 2-2-3 です。平成 27 年について
は、前記の社会保障・人口問題研究所の推計人口によるものです。図 2-2-3 のとおり、平
成 17 年と昭和 50 年を比較すると、20 歳以下の人口が 1/3~1/2 になっている一方、
65 歳以上の人口は 1.5~3倍になっていますが、将来は一層老齢人口比率が高まると推計
されています。町の経済活動を支える生産年齢人口(15~64 歳)は、将来5割程度とな
ると見込まれることから、まちの活力の維持、高齢者の社会への参画と生きがいを提供す
るためにも、高齢者に就業機会と活躍の場が求められるところです。
豊浦町と周辺市町村との関係を就業者と通学者の通勤・通学の面からみると、図 2-2-4
のとおり伊達市、虻田町(現洞爺湖町)
、室蘭市とのつながりが深いことがわかります。
伊達市
202
228
室蘭市
30
豊浦町内で通勤・通学
1,998 人
194
305
59
134
60
虻田町
その他
図 2-2-4
通勤・通学の動向(平成 12 年時点)
3.経済条件
3.1 産業活動
平成 13 年時点の町内の事業所数は 295 所、従事者数は 1,845 人であり、それぞれ横
ばいないしは縮小傾向にあります。業種区分では、サービス業は事業所・従事者とも増加
の傾向にあります。
500
2,000
400
1,750
( 300
箇
所
200
)
(
1,500 人
)
1,250
100
0
1,000
昭和53年
昭和58年
昭和61年
平成3年
事業所
図 2-3-1
平成8年
平成13年
従事者
事業所・従事者数の推移
(出典:総務省
27
企業・事業所統計)
内円:昭和53年/外円:平成13年
内円:昭和53年/外円:平成13年
10
6
14
10
8
11
9
41
従事者
21
28
23
26
36
卸小売
18
サービス
製造
図 2-3-2
建設
他
サービス
建設
卸小売
製造
他
事業所・従事者の業種構成の変化(単位:%)
表 2-3-1
区分
26
11
45
事業所
14
6
37
産業分類別事業所数
(所)
昭 53
昭 56
昭 61
4
6
6
11
6
3
1
28
1
34
1
34
4
36
4
39
2
31
31
152
26
131
23
131
21
125
22
105
19
108
2
2
1
1
6
2
3
2
3
運輸通信業
電気ガス水道
13
3
14
3
15
2
11
2
13
3
9
3
サービス業
公務
91
10
91
10
94
10
107
10
115
9
106
9
341
318
317
334
321
295
農林漁業
鉱業
建設業
製造業
卸小売業
金融保険業
不動産業
総数
平3
平8
(出典:総務省
平 13
企業・事業所統計)
(※)平成 18 年 10 月には全数調査が実施されているが、国において現在集計中であり未公表
一方、国勢調査(平成 17 年)でみた産業別就業者数の構成は下図のとおりです。最も多
いのは事業所・企業統計と同じくサービス業で、以下、農業、建設業、漁業、卸小売業の
順であり、大産業群別では第三次産業の就業者が5割を超えています。
その他
公務 6.4%
4.5%
製造業
5.4%
卸小売
10.1%
サービス
37.9%
漁 業
10.3%
建設業
11.5%
図 2-3-3
農 業
13.9%
就業者の構成
(出典:総務省
28
国勢調査(平成 12 年)
)
豊浦町で卸小売業に次いで事業所数の多いサービス業については、国が公表している企
業・事業所統計では、日本標準産業分類の2桁分類(飲食店、宿泊業、娯楽業、医療業,
郵便局などを指す)までしか公表されていません。そこで、豊浦商工会の会員名簿からサ
ービス業に該当する 50 事業所を抽出し、整理したものが表 2-3-2 です。
表 2-3-2
業
種
事業所数
飲食店
宿泊業
専門サービス
18
6
3
業
サービス業の業種別事業所数
種
事業所数
理容・美容
廃棄物処理
自動車整備
12
2
5
業
種
事業所数
機械等修理
生活関連サービス
2
2
(出典:豊浦町商工会)
(※1)専門サービスとは設計、測量など
(※2)生活関連サービスは葬儀、観光関連サービス
3.2 農業
豊浦町の耕地面積は、農業センサス(平成 17 年)によると 1,100ha 余りで、その9割
は畑です。畑のうち約6割が牧草専用地となっています。
表 2-3-3
区分
昭 60
昭 63
農業用地面積の推移(単位:ha)
平成 5
平成 7
平成 10
平成 12
平成 17
田 合計
191
196
167
168
147
137
124
稲作付
稲以外
不作地
128
56
7
131
63
2
120
41
6
107
43
18
98
89
20
28
79
39
6
1,521
1,420
1,360
1,328
1,136
1,266
1,013
487
23
827
555
8
773
491
16
745
456
32
681
623
523
46
697
397
12
603
1,652
1,616
1,527
1,497
1,283
1,404
1,137
畑 合計
作物畑
不作地
牧草専
耕地面積
(出典:農水省「農業基本調査」
「世界農林業センサス」
「農林業センサス」
)
(※1)畑には、
“輪作牧草地”の区分があるが作表では省略した
(※2)センサス等によっては、調査項目が限定されているため年によっては未調査もある
ここ 20 年間をみると、図 2-3-4 のように農家数が減少しているが、それと相関するよ
うに耕地面積も 500ha 程度減少しています。米の余剰から稲の作付面積が約 49h 減、作
物畑についても約 90ha、牧草専用地も約 200ha の減少となっています。
農家戸数については、100 戸で専業農家を中心に減少をたどっています。作付面積は飼
料用作物が圧倒的に大きく、以下、馬鈴薯、稲、小豆、甜菜の順です。農業生産額(19 億
円前後)は、ほぼ横ばいで推移しており、6割が養豚や乳肉牛を中心とする畜産であり、
耕種分野では野菜といも類が主力となっています。
29
300
1200
250
1000
200
800
(
戸 150
600
(
人
)
)
100
400
50
200
0
0
S60
H1
H5
H6
専業
H7
H8
H9
第一種兼業
図 2-3-4
H10
H11
H12
第二種兼業
H17
人
農家数と農家人口の推移
(出典:農水省
農業基本調査、農林業センサス)
(※1)第一種兼業農家:世帯員のなかに兼業従事者が 1 人以上おり、かつ農業所得の方が兼業所得より
も多い農家
(※2)第二種兼業農家:世帯員のなかに兼業従事者が 1 人以上おり、かつ兼業所得の方が農業所得より
も多い農家
3,000
2,803 2,851
2,500
2,237
1,972
2,000
1,870 1,925 1,861 1,818
(
百
万 1,500
円
1,900
1,603
1,960
1,840
1,672
1,920
1,830
) 1,000
500
0
S60
H1
H5
H6
H7
H8
H9
H10 H11
耕種
図 2-3-5
H12
H13 H14
H15
H16
H17
畜産
農業生産額の推移
(出典:農水省「生産農業所得統計」
)
その他
30.4%
乳牛
18.9%
その他
22.4%
乳牛
22.8%
肉牛
8.7%
野菜
23.5%
野菜
19.8%
肉牛
7.3%
豚
26.5%
豚
19.7%
平成 8 年
図 2-3-6
平成 16 年
農業生産額の構成比の変化
(出典:農水省
30
農業基本調査、農林業センサス)
主要農作物の作付面積の推移は下表のとおりです。いずれの農作物も作付面積は縮小傾
向にあり、アスパラの作付面積は統計上ゼロとなっています。
表 2-3-4
年次
水稲
馬鈴薯
主要農作物作付面積の推移(単位:ha)
てんさ
小豆
大根
い
かぼ
アス
とうもろ
はく
ちゃ
パラ
こし(未)
さい
いちご
S60
136
83
75
47
73
65
35
H元
127
95
70
99
70
40
33
H5
112
84
72
78
12
33
14
53
11
26
H10
84
82
80
52
9
21
4
45
14
15
H11
83
80
77
53
10
21
4
40
15
13
H12
84
75
70
59
14
30
4
40
17
13
H13
84
75
65
56
14
30
2
42
18
12
H14
83
73
60
77
15
31
3
53
18
11
H15
80
71
59
72
12
37
-
50
17
不明
H16
77
70
49
67
10
40
-
50
17
H17
71
65
49
55
-
40
13
不明
(出典:農水省「野菜累年統計」
「水陸稲累年統計」などの市町村別統計による)
これら主要農作物の収穫量の推移は下表のとおりです。作付面積の縮小に伴い収穫量に
ついても減産傾向が伺えます。
また、本町の農業はいちご栽培で特に有名であり、平成 18 年にスタートした地域団体商
標制度において、道内では「十勝川西長いも」「鵡川ししゃも」に次いで3番目として「豊
浦いちご」の設定登録が認められています。農林水産省の野菜累計統計によれば、本町の
いちごの収穫量は年間 200 トン程度となっています。
表 2-3-5
年次
水稲
馬鈴薯
主要農作物の収穫量の推移(単位:トン)
甜菜
小豆
大根
かぼ
アス
とうもろ
はく
ちゃ
パラ
こし(未)
さい
いちご
S60
632
3,010
4,330
99
131
533
266
H元
580
3,540
4,110
250
123
328
281
H5
3
2,920
3,950
81
446
495
27
477
450
231
H10
357
2,790
4,000
121
360
273
7
360
496
210
H11
341
2,640
2,270
110
419
273
7
320
421
156
H12
410
2,390
2,620
153
598
450
8
400
519
195
H13
353
2,620
3,610
124
614
481
4
410
680
171
H14
281
2,400
3,280
154
656
475
5
506
594
160
H15
147
2,390
3,290
141
534
563
468
588
H16
380
2,310
3,360
136
423
600
480
576
H17
329
2,070
2,760
134
206
388
(出典:農水省「野菜累年統計」
「水陸稲累年統計」などの市町村別統計による)
農業粗生産額の6割を占める畜産は、養豚、酪農、肉牛飼育を中心に営まれているが飼
育頭数の推移は表 2-3-6 のとおりです。飼育頭数は、豚が一時1万頭を超えたものの近年
は 8 千頭台で漸減傾向、乳用牛、肉用牛は1千頭前後の状況にあります。
31
表 2-3-6
年
家畜飼育頭数の推移(単位:戸、頭)
乳用牛
戸数
肉用牛
飼育頭数
戸数
豚
飼育頭数
戸数
飼育頭数
S60
3
172
1
X
3
562
H1
4
171
2
108
3
700
H5
20
1,360
10
1,040
20
6,290
H10
10
1,100
10
1,030
20
6,500
H11
10
1,070
H12
20
1,060
10
1,020
10
10,300
H13
20
1,060
10
1,390
10
10,500
H14
20
1,060
10
1,350
10
9,730
H15
15
1,040
9
1,170
9,620
9,080
920
H16
1,020
1,240
H17
990
1,180
H18
15
1,050
9
X
5,500
11
8,750
(出典:農水省「畜産累年統計」
「北海道農林水産統計年報」
)
(注)調査年次により飼育農家戸数は未調査
また、下図のとおり高齢化や後継者不足によって農家人口の減少傾向は止まりません。
農業生産額についても年によって変動はあるものの横ばい傾向であり、畜産6:耕種4の
比率には大きな変化はみられません。現在、農家経営の安定と新規就農を含めた後継者確
保などの対策を行うことが急務となっています(図 2-3-4 参照)。
図 2-3-7
年齢別の農業就業人口
(出典:農水省「わがマチ・わがムラ」
)
(※)基幹的農業従事者とは、自営農業に主として従事した世帯員のうち、仕事が主の世帯員数
農業の生産活動により、廃棄物が発生します。農業資材の関係では、施設園芸(ハウス
栽培)や育苗のためのトンネル設備等に塩化ビニールやポリエチレン製のフィルムが使用
されていますが、
(社)日本施設園芸協会のデータによると、園芸用施設(野菜、花き及び
果樹用)の使用済みプラスチックの年間排出量(平成 16 年 7 月~17 年 6 月)は 151 千
トンで、このうち北海道では 22 千トン(全国比約 15%)発生しております。
32
これらの農業系廃プラスチックの処理方法は下図のとおり、全国では約6割が再生処理
されて埋立処理は2割程度ですが、本道の場合は3割程度埋立処理されています。
内円:全国/外円:北海道
14.0
14.0
4.0
8.0
全 国:151,292トン
北海道:22,010トン 57.0 53.0
29.0
21.0
再生処理
図 2-3-8
埋立処理
焼却処理
その他
廃プラスチック発生量と処理形態(%)
(出典:日本施設園芸協会「園芸用ガラス室・ハウス等の設置状況」
)
豊浦町では、年2回(6月、11 月)農業系廃プラの回収を行っているが、平成 18 年の
実績は約26トン(塩ビ系7トン、ポリエチレン系 18 トン)で、町外の事業所に処理を委
託しています。
3.3 林業
豊浦町の森林面積(森林計画面積)は、約 18,000ha で天然林が7割弱を占めています。
天然林は広葉樹中心であり、2割強を占める人工林はエゾマツ、トドマツ、カラマツなど
の針葉樹が9割以上を占めています(農水省「2002 年世界農林業センサス(林業編)」)。
表 2-3-7
年
総面積
国有林
森林の現況(単位:ha)
道有林
一般民有林
小計
町有林
その他
S60
17,811
119
4,821
12,869
869
12,000
H1
17,743
112
4,820
12,811
1,252
11,559
H5
17,793
112
4,820
12,861
1,287
11,574
H10
17,702
112
4,791
12,799
1,285
11,514
H15
17,753
112
4,791
12,850
1,329
11,521
H16
17,759
112
4,791
12,875
1,322
11,524
H17
17,778
112
4,791
12,875
1,377
11,498
(出典:北海道林業統計、各年の3月末現在)
(※1)一般民有林の「その他」とは、会社有林、農家林など
(※2)昭和 60 年の総面積には、大学演習林など2ha を含む
所有形態をみると、一般民有林が7割、道有林等が3割の構成となっています。
33
国有林
0.6%
伐採跡地
4.1%
未立木地
7.4%
道有林
26.9%
人工林樹
林地
22.1%
その他一
般民有林
64.8%
図 2-3-9
天然林樹
林地
66.4%
町有林
7.7%
所有者別の森林(平成 17 年3月末現在)
図 2-3-10
林種別の森林面積
(出典:農水省「2002 年世界農林業センサス(林業編)
」)
表 2-3-8
樹種
人工林の樹種別の内訳(単位:ha)
林地面積
スギ
79
カラマツ
エゾマツ
トドマツ
1,065
2,479
樹種
林地面積
その他
84
針葉樹計
3,707
広葉樹計
172
人工林計
3,879
(出典:農水省「2002 年世界農林業センサス(林業編)
」)
平成 18 年 4 月時点の森林の蓄積量は約 156 万 m3 に達します(針葉樹 68 万m3、広
葉樹 88 万m3)
。所有の区分では、一般民有林が約6割、次いで道有林約3割の順、樹種区
分では針葉樹4割、広葉樹6割の比率になっています。なお、昭和 60 年と比較すると蓄積
量は約 44 万m3 の増加となっています。
表 2-3-9
年
森林蓄積量の推移(各年4月1日現在)
(単位:千m3)
合計
所有者別
針葉・広葉の別
国有林
道有林
町有林
民有林
針葉樹
広葉樹
S60
1,120
15
417
57
631
300
820
H1
1,179
15
402
91
671
378
801
H5
1,247
15
415
96
721
447
800
H10
1,361
15
443
105
798
526
835
H15
1,489
15
475
115
884
635
854
H16
1,506
15
479
117
894
648
857
H17
1,544
15
498
119
912
671
873
H18
1,558
15
502
120
921
680
878
(出典:北海道「北海道林業統計」
)
胆振管内の他市町村と森林面積、蓄積量を比較したのが表 2-3-10 です。森林の蓄積量
ベースでみると、胆振管内では、中位に位置しています。
34
表 2-3-10
市町村名
胆振管内自治体の森林面積と蓄積量
蓄積量(千m3)
森林面積(ha)
合計
天然林
人工林
合計
針葉樹
土地面積
広葉樹
(km2)
むかわ町
56,540
35,413
19,016
7,394
3,656
3,738
166.43
厚真町
28,907
17,986
9,678
3,872
1,935
1,937
404.56
白老町
33,854
22,690
9,840
3,392
1,240
2,151
425.63
苫小牧市
33,773
15,793
16,341
3,201
1,680
1,521
561.10
伊達市
32,171
21,259
8,217
2,679
1,074
1,605
444.28
豊浦町
17,778
11,643
4,104
1,558
680
878
233.54
安平町
9,820
4,900
4,568
1,223
796
427
237.13
登別市
15,568
11,811
3,119
1,201
247
954
212.11
壮瞥町
13,562
8,450
3,687
1,091
417
674
205.04
洞爺湖町
8,183
5,698
1,003
532
143
389
180.54
室蘭市
2,593
2,130
323
188
34
154
80.64
(出典:森林面積、蓄積量は「北海道林業統計」
)
用途別の素材の生産量は、次表のとおり昭和 50 年代から 60 年代初頭までは広葉樹を原
料とするものが多かったのですが、順次針葉樹にシフトして、最近2か年度は針葉樹のみ
で素材を供給しています。素材の用途は、その時点での木材需要等に左右されるため変動
は大きくなっています。
表 2-3-11
年度
合計
用途内訳
一般材
S60
用途別素材生産量の推移(単位:m3)
11,465
7,901
H1
7,411
H5
合板材
針葉・広葉の別
パルプ
32
杭材他
針葉樹
広葉樹
3,382
150
1,778
9,687
3,685
2,634
1,092
3,769
3,642
5,446
2,494
2,536
361
2,864
2,582
H10
4,171
3,371
250
550
4,171
H15
9,936
4,443
4,515
958
9,416
H16
8,343
5,247
3,096
H17
20,221
9,008
11,171
20
520
8,343
42
20,221
(胆振支庁調査による)
(※1)
「パルプ」は、パルプ材とチップ材の合計
森林の機能面に着目すると、水源かん養、土砂流出防止などの機能に加えて大気保全機
能(森林がその成長過程で二酸化炭素を吸収し酸素を供給する)があり、北海道の推計に
よると、これらの公益的機能を金銭で評価した場合、北海道全体では 11 兆円を超えるとし
ています(表 2-3-12 参照)
。
35
表 2-3-12
機能の種類
北海道全体の森林の公益的機能の評価額
評価額
備
考
(億円)
降水貯留:11,300 億円
水源かん養機能
39,000
洪水防止:10,400 億円
水質浄化:17,300 億円
土砂流出防止
49,500
下層植生などの地表侵食抑制
土砂崩壊防止
18,700
森林の土砂崩壊防止 210km2/年
保健休養
3,100
大気保全
900
二酸化炭素吸収量約 730 万トン
化石燃料代替
100
森林バイオマスによる代替
合
計
道民の約8割が一度は森林訪問
111,300
(出典:北海道「平成 18 年度北海道森林づくり白書」
)
このように、林業は良好な景観保全、国土保全、水源涵養などの公益的な機能を有して
います。近年は地球温暖化防止への役割も期待されているところですので、組織的な造林
活動や森林の保全活動を推進していくことが必要です。併せて、道・町有林の利活用を推
進するとともに、町有林の効果的な管理や林業廃棄物の有効利用が求められています。
3.4 水産業
豊浦町における漁業世帯は 96(個人漁業経営体 80、漁業従事世帯 16)
、漁業就業者は
132 人(男子 125、女子 7)と減少傾向にあります(農水省「第 11 次漁業センサス」)。
漁船数は経営体数の減少に沿って、船外機付き、動力船ともに減少傾向にあり、ここ 20
年余りで船外機付きは 6 割減、動力船は 3 割減となっています。
表 2-3-13
年次
経営体
無動
船外機
総数
力船
付き
漁業経営体数と漁船数
動力船(隻)
総数
1t 未満
1~3t
3~5t
5t 以上
S58
121
183
97
36
55
6
S63
115
109
94
21
66
7
H5
113
128
86
13
66
7
H10
102
105
79
6
67
6
H15
88
76
72
60
6
1
6
(出典:農水省「漁業センサス」
)
漁獲量は 8~10 千トン、生産額は 13~18 億円と年により変動は大きいですが約9割
をホタテが占めています(平成 15 年は貝毒により水揚抑制による減産)
。
36
12,000
10,000
漁獲量(トン)
761
1,157
1,063
702
1,216
720
8,000
993
948
8,407
8,151
623
6,000
8,365
4,000
8,939
9,819
9,389
9,043
8,098
7,188
863
2,000
1,607
0
平成9年
平成11年
平成13年
ホタテ
図 2-3-11
平成15年
平成17年
その他
漁獲量の推移
(出典:北海道水産統計)
20
2.85
2.80
生産額(億円)
15
2.45
2.74
2.75
2.77
3.77
2.58
2.91
2.21
10
5
11.36
13.63
15.58
11.47
12.55
10.71
9.98
11.04
13.20
12.75
0
平成9年
平成11年
平成13年
ホタテ
平成15年
平成17年
その他
図 2-3-12
生産額の推移
(出典:北海道水産統計)
ホタテ以外の主要魚種の水揚量と金額は、下表のとおりです。数量的には、
「かれい」
「さ
け」が主力でした。昭和 60 年代以降 700 トンを超えていた「かれい」は近年 200 トン
前後であり、
「さけ」は年度により変動はありますが、近年は 600 トン程度となっていま
す。
「毛がに」
「うに」は減少傾向にあります。金額的には、
「かれい」のウェイトが減少し
「さけ」のウェイトが相対的に大きくなっています。
表 2-3-14
年次
主要魚種の生産数量と金額(ホタテを除く)
(単位:数量;トン、金額;百万円)
合
数量
計
さけ
スケソウ
かれい
毛がに
うに
金額
数量
金額
数量
金額
数量
金額
数量
金額
数量
金額
S60
6,679
1,776
336
123
68
2
782
352
25
32
4
29
H1
8,567
1,809
465
239
15
1
757
409
19
50
5
40
H5
9,561
1,766
476
182
36
4
195
153
6
11
3
36
H10
9,641
1,643
250
68
4
0
251
119
2
20
H15
12,470
1,325
447
61
119
20
178
61
6
14
2
17
H16
9,419
1,550
602
107
6
0
241
69
5
11
2
21
H17
9,099
1,844
628
152
3
0
185
58
5
10
2
12
(出典:北海道水産統計)
37
また、貫気別川の「さけ」の捕獲数と放流数は下表のとおりです。
表 2-3-15
年
貫気別川のさけ捕獲数と放流数
捕獲数(尾)
合計
放流数
雌
雄
(千尾)
H1
8,545
4,656
3,889
7,768
H5
14,394
3,380
8,347
7,406
H10
12,428
5,745
6,683
6,658
H15
9,676
4,498
5,178
6,849
H16
11,005
5,070
5,935
6,942
H17
10,525
4,125
6,400
6,900
(出典:北海道「胆振の水産」)
漁業従事者の年齢構成は、農業と同じように中高年齢者に偏っており、20代は 20 人未
満という状況にあり、後継者の育成が欠かせないところです。
図 2-3-13
年齢別漁業従事者数
(出典:農水省「わがマチ・わがムラ」
)
本町の漁業はホタテの養殖に依存するところが大ですが、水質の悪化やホタテ価格の変
動が漁家経営の不安定要因となっています。ホタテに極度に依存する体制を改善するため
ホタテに次ぐ特産品の開発に向けて各種多様な増養殖種の開発、これらに関連する水産加
工の振興が求められています。漁業の振興は町の基幹産業の1つである観光とも密接に関
わるものですので、遊魚施設の整備等によって相乗効果をめざすことも求められています。
また、ホタテの水揚げに付随してフジツボ、イガイなどの付着物が以下のように大量に
発生しており、平成 12 年 11 月まで町の最終処分場に覆土処理していました。それ以降、
町では、豊泉(16 年 3 月以降休止)、高岡のリサイクル施設(運営は漁協に委託)を整備
しバーク材を水分調整に用いて土壌改良材を製造し、地元の農家に無料で提供しています。
土壌改良材の生産量は付着物発生量の6割程度となります。今後、家畜のふん尿やヒトデ
なども投入し、土壌改良材の付加価値の向上に努めることとしています。
38
表 2-3-16
年度
水産系付着物発生量と処理費
発生量
処理経費
(トン)
(万円)
備
考
H5
1,236
1,522
H10
2,030
589
H11
4,125
844
H12
2,500
1,802
豊泉リサイクル施設完成(事業費 2 億 7,600 万円)
H13
4,429
1,826
他に委託事業費 2,386 万円
H14
7,850
3,518
埋立施設閉鎖工事 567 万円、他に委託事業費 470 万円
H15
4,198
2,181
H16
3,807
2,133
H17
5,414
2,364
H18
4,622
2,062
高岡リサイクル施設完成(事業費 3 億 9,900 万円)
(※)ホタテの水揚量と水産系廃棄物発生量の間に相関性はありません
3.5 商業
町の商業活動は下表のとおり、商店数、販売額ともに減少傾向にあり、特に卸売業の販
売額はここ 10 年間で 1/3 程度まで縮小、小売業も町内人口の減少や周辺都市部への大型
店の立地による顧客の流出やなどもあり販売額の減少が続いています。
表 2-3-17
商店数、販売額の推移
卸売業
年
商店数
小売業
販売額
商店数
販売額
(百万円)
(百万円)
S60
6
1,219
97
3,576
H3
8
1,091
96
4,301
H6
8
1,423
89
5,276
H9
6
1,132
88
4,122
H11
6
945
76
3,732
H14
5
588
77
3,961
H16
6
489
73
3,339
(出典:経済産業省「商業統計」
)
6,000
5,276
5,000
販
売 4,000
額
4,229
3,576
3,339
3,572
3,732
( 3,000
百
万
円 2,000
)
1,000
3,961
4,122
4,301
1,423
1,132
1,091
1,219
945
588
489
0
S60 S61 S62 S63 H1
H2
H3
H4
H5
H6
卸売業
図 2-3-14
H7
H8
H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16
小売業
卸売業と小売業の販売額の推移
(出典:経済産業省「商業統計」
)
39
平成 16 年の全道の小売販売額は6兆5千億円余りです。平成 16 年7月現在の住民登録
人口は 568 万人ですので道民1人当たりの販売額は 116 万円/年程度となります(観光客
の入込みがありますがその分は捨象しての計算値)
。この数値に豊浦町の当時の住民登録人
口を乗じると 58 億円余りとなり、
計算上は住民の購買力の4割程度が流出していることに
なります。
町では、商店街の近代化を一層推進するとともに、観光事業の推進と連携して主要幹線
道路からの交通を取り込む動線の整備、街路や駐車場の整備などを推進しています。
3.6 製造業
豊浦町の製造業は、平成18年度現在、事業所 11、出荷額は 5.4 億円、従業者数は 86
人であり、出荷額、従業者数ともここ 10 年弱含み横ばいで推移しています。
120
120
110
110
100
100
( 90
人
) 80
90
70
70
60
60
80
(
千
万
円
)
50
50
平成9年 平成10年 平成11年 平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年
従業者
図 2-3-15
出荷額
事業所・従業者・出荷額の推移(単位:人、千万円)
(出典:経済産業省「工業統計」
)
製造業は、本町の産業全体に占める比率は大きくありません。地場資源に関わる食料品、
木材関連加工業の出荷額は全体の 1/3 程度ですが、町内に就労の場を確保するためにも地
場の農林水産物を高次加工する事業者の増加とその育成が求められているところです。
40
3.7 観光
本町への観光客の入込数は、年間 40 万人程度でそのほとんどが道内客であり、それも日
帰り客が圧倒的に多いという現状にあり、従前からこの傾向にあります。季節別の入込客
の動向を全道や他の圏域と比較したのが下図です。
豊浦町
冬(12~3)
16%
道南圏
春(4~5)
16%
冬(12~3)
18%
秋(10~
11)
16%
道央圏
春(4~5)
21%
冬(12~3)
22%
秋(10~
11)
16%
秋(10~
11)
15%
夏(6~9)
52%
夏(6~9)
47%
夏(6~9)
45%
道北圏
冬(12~3)
18%
オホーツク
春(4~5)
12%
冬(12~3)
19%
秋(10~
11)
12%
全道
春(4~5)
14%
冬(12~3)
20%
秋(10~
11)
13%
春(4~5)
15%
秋(10~
11)
14%
夏(6~9)
58%
夏(6~9)
51%
夏(6~9)
54%
図 2-3-16
春(4~5)
16%
観光入込客の季節性(平成 17 年)
(出典:北海道「観光入込客調査報告書」
)
町では、観光客の増加等を図るために6月初旬には豊浦を代表する新鮮な「いちご」と「豚
肉」を売り込む「いちご・豚肉まつり」や 10 月初旬には脂の乗った魚を味わえる「豊浦漁
港豊漁まつり」を開催しているほか、最近は、漁業体験、インディアン水車のサケの観察
やサークルの合宿などで町を訪れる人が増えています。
表 2-3-18
年度
観光客の入込数の推移(単位:千人)
総数
道内客
宿泊者
12
370
368
2
13
414
413
1
14
404
402
17
15
393
391
17
16
457
454
24
17
428
425
24
18
422
418
25
(出典:北海道「観光入込客調査報告書」
)
また、最新時点の町の宿泊施設は6軒、宿泊収容能力は 137 人です。
41
表 2-3-19
施設の名称
町内の宿泊施設の能力
所在地
部屋数
宿泊能力
民宿
A
旭町
10
22
民宿
B
海岸町
4
12
旅館
C
海岸町
8
26
旅館
D
幸町
5
12
しおさい
幸町
5
50
貸別荘E
大岸
1
15
本道の観光は夏(52%)に集中しがちであり、全道規模でみても入込客の5割は夏(6
~9月)です。豊浦町についても、海釣りと海水浴客が集まる夏場に集中する傾向があり、
6~8月の入込客数は年間客数の4割を超えています。観光施設の整備や「海と緑のふる
さとヘルシーパーク構想」の推進により、従前に比べると宿泊者が2万人台へと増えてき
ており、徐々に通過型観光から滞在型観光への移行が進みつつあります。
4.運輸と環境・衛生
4.1 運輸
住民の足である町営バス(運行開始:昭和 55 年 11 月)の輸送人員は、平成 14 年度か
ら2万人台を下回るようになりましたが、引き続き 16~19 千人台の利用があり、交通弱
者対策やエネルギー消費の抑制の視点からみると望ましい方向にあります。
(人)
30,000
26,365 25,986
27,681 27,052
26,713
24,795
25,000
21,407 22,071
22,715 22,166
20,253
19,821 19,484
20,000
17,992
19,463
16,376
15,000
10,000
5,000
0
H3
H4
H5
H6
H7
H8
図 2-4-1
表 2-4-1
年度
総数
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
(年度)
町営バスの輸送人員の推移
町営バスの路線別輸送人員(単位:延人員)
山梨線
新富線
成香線
礼文華線
S55
S60
10,272
30,255
9,948
21,559
324
8,696
H1
H5
29,432
27,681
12,717
12,558
5,901
5,175
3,589
3,093
7,225
6,855
H10
H15
20,253
19,484
9,790
5,631
1,830
1,435
2,109
6,524
12,418
H16
16,376
5,074
運休
11,302
H17
17,992
3,867
運休
14,125
(※1)山梨、新富線は昭和 55 年 11 月運行開始、礼文華線は昭和 61 年6月運行開始
(※2)成香線は昭和 61 年 4 月運行開始、平成 12 年度末に運休
(※3)JRバスが最盛期5路線運行していたが順次廃線、平成 8 年 3 月に営業を止めた
42
表 2-4-2
区分
乗
用
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
普通車
359
424
459
484
525
576
576
615
644
631
614
小型車
1,563
1,515
1,474
1,418
1,387
1,325
1,325
1,296
1,260
1,206
1,144
乗合自動車
貨
物
H8
自動車保有台数の推移(各年度末現在)
19
16
16
14
13
12
12
13
13
18
18
普通車
200
195
203
200
191
197
197
203
205
211
213
小型車
470
457
434
447
425
392
392
375
357
343
312
5
5
6
5
5
5
5
6
9
9
8
特殊車
被牽引
125
128
134
144
145
147
147
155
149
153
153
小型二輪車
25
25
23
23
23
24
24
25
30
27
30
軽自動車
629
625
657
707
736
806
806
868
887
958
1,011
総数
3,395
3,390
3,406
3,442
3,450
3,484
3,484
3,556
3,554
3,556
3,503
(出典:北海道運輸局室蘭支局「市町村別保有車両数」
)
一方、営業用、自家用の自動車保有台数は 3,500 台前後と大きな変動はありませんが、
年を追うごとに軽自動車の比率が高まってきています。
4.2 環境・衛生
ごみ(一般廃棄物)の処理量は、人口の減少と町民によるごみの分別の徹底による一人
当たりの排出量の減少によって着実に減ってきており、17 年度の年間処理量は 1,300 ト
ン台と昭和 60 年の約 45%にまで減少してきています。
なお、廃棄物処理法の改正により、ダイオキシン規制が強化されたことから町の焼却施
設を休止し、平成 15 年度から西胆振地域廃棄物広域処理施設に処理を委託しています。
表 2-4-3
年度
処理人口
(人)
ごみ処理状況
処理量
(トン/年)
平均処理量
(トン/日)
排出量
(g/日・人)
S60
5,286
2,990
10.0
1,898
H1
H5
5,171
5,356
2,784
2,583
7.8
7.1
1,475
1,321
H8
H9
5,814
5,678
2,292
2,199
6.3
6.0
1,080
1,061
H10
H11
5,328
5,259
2,028
1,693
5.6
4.6
1,042
882
H12
H13
5,205
5,130
2,127
1,991
5.8
5.5
1,120
1,063
H14
H15
5,182
5,040
1,643
1,902
4.5
5.2
868
1,034
H16
H17
4,911
4,784
1,338
1,359
3.7
3.7
746
778
し尿処理は、下水道の普及に伴って処理人口が減少しており平成 16 年度から年間処理量
は1千 kL を下回っています。なお、平成 19 年4月現在の下水道の普及率は 77.4%(浄
化槽を含む)です。
43
表 2-4-4
年度
S60
H1
H5
H8
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
処理人口
(人)
5,246
5,208
4,137
2,923
2,756
2,490
2,313
2,167
2,015
1,581
1,680
2,026
1,519
し尿処理状況
処理量
(kL/年)
2,224
2,159
1,973
1,840
1,472
1,312
1,215
1,199
1,086
1,039
1,142
918
867
日処理量
(kL/日)
6.1
5.9
5.4
5.0
4.0
3.6
3.3
3.2
3.0
2.9
3.1
2.5
2.4
町の簡易水道事業は昭和 38 年 8 月に市街地から始まり、大和、大岸、礼文華、高岡地
区と供給地域を拡大して、清浄な飲料水を供給し住民の健康な生活を支えています。供給
区域の拡大に伴い普及率も上昇し、現在は 97.2%に達しています。
生活水準の向上に伴い、年間総配水量も増大してきましたが、給水人口が減ってきてい
るため総配水量が頭打ちになっており、1人当たりの年間配水量も同様の傾向になってい
ます。
表 2-4-5
年
S55
S60
H1
H5
H10
H15
H16
H17
人口
普及率
(人)
給水
人口
(人)
6,728
6,284
5,963
5,564
5,283
5,040
4,911
4,832
5,188
5,231
5,100
5,487
5,039
4,956
4,813
4,699
簡易水道の普及状況
日最大配水量
(%)
年間
総配水量
(m3)
(m3)
1人当り
配水量
(m3)
77.1
83.2
85.5
98.6
95.4
98.3
98.0
97.2
400,504
435,371
542,056
678,648
690,405
945,585
915,884
879,627
1,433
1,333
2,038
2,250
2,427
3,341
3,341
2,701
77.20
83.23
106.29
123.68
137.01
190.80
190.29
187.19
(※)1 人当たり配水量(年間)は年間総配水量÷現在給水人口で算出
町の公共下水道事業は平成 4 年 3 月末から供用を開始しました。順次、管渠の延長など
を図り処理区域を拡大してきたところです。現在の処理普及率は面積ベースで 96%、処理
人口ベースで 60%に達しています。
表 2-4-6
年度
H8
H10
H15
H16
H17
管渠延長
(m)
23,844
25,834
25,834
25,834
26,110
下水道の普及状況
許可面積
(ha)
区域内
人口(人)
処理面積
(ha)
処理区域内
人口(人)
処理普及率
(面積)(%)
処理普及率
(人口)(%)
A
B
C
D
C÷A
D÷B
196
196
196
196
196
5,671
5,283
5,040
4,911
4,832
161.15
175.35
189.00
189.00
189.00
3,198
3,108
3,087
3,013
2,902
82.2
89.5
96.4
96.4
96.4
56.4
58.8
61.3
61.4
60.1
44
第三章 豊浦町のエネルギー事情
1.エネルギー需要量および二酸化炭素排出量算定方法
1.1 現状の算定期間と算定方法
現状における試算は、
統計資料等が概ね整備されている 1985
(昭和 60)
年度から 2005
(平成 17)年度までとし、算定対象部門は下表に示すとおりです。
表 3-1-1
エネルギー需要量および二酸化炭素排出量算定の対象部門
部
門
区
分
農林業
水産業
産
業
建設業
製造業
上水道
民
生
運
輸
家庭用
業務用
自動車
鉄道
一般廃棄物
廃棄物
産業廃棄物
下水・し尿処理
45
また、算定方法の概要を以下に示します。
表 3-1-2
部門
区
分
農林業
水産業
建設業
産業
製造業
上水道
家庭用
民生
業務用
街路灯用電力量
自動車
運輸
鉄
道
一般廃棄物
廃棄物
産業廃棄物
下水道事業
エネルギー需要量および二酸化炭素排出量算定方法の概要
算 定 方 法
国の生産額当りエネルギー源別消費原単位を算出し、それに豊浦町の生産
額を乗じてエネルギー消費量を算出する。CO2 排出量は、算出したエネル
ギー消費量にそれぞれの排出係数を乗じて求める。
算出式:
(国農林業エネルギー源別消費量)÷(国農林業総生産額)×(豊
浦町農林業総生産額推計値)
同上
同上
「石油等消費構造統計表」から、札幌市の単位製造品出荷額当たりのエネ
ルギー消費量を求め、それに豊浦町の製造品出荷額を乗じてエネルギー消
費量を算出する。2002(平成 14)年以降は関連する統計が中止となっ
たため、2001(平成 13)年の単位製造品出荷額当りのエネルギー消費
量を用いて算出する。CO2 排出量は、算出したエネルギー消費量にそれぞ
れの排出係数を乗じて求める。
算出式:
(札幌市産業別製造品出荷額等当りエネルギー源別消費量)×(豊
浦町産業別製造品出荷額等)
水道事業のエネルギー消費量の実績値を用いる。CO2 排出量は、それぞれ
の排出係数を乗じて求める。
灯油、LPG、石炭については、北海道消費者協会・石油連盟の道内の家
庭用エネルギー消費に関するアンケート調査の戸建と集合世帯の一世帯当
りエネルギー消費量に町の世帯数を乗じ、電気は北海道電力資料より家庭
用電力量実績値を用いる。CO2 排出量は、エネルギー需要量にそれぞれの
排出係数を乗じて求める。
電気以外エネルギーの算出式:
(北海道消費者協会調査戸建世帯エネルギー
源別消費量)×(豊浦町戸建世帯数)+(北海道消費者協会調査集合世帯
エネルギー源別消費量)×(豊浦町集合世帯数)
環境省関連資料より業務系建物の建物用途別エネルギー源別単位面積当
り年間消費原単位を設定し、町内の建物用途別延床面積を乗じてエネルギ
ー需要量を求める。ただし、電力は北海道電力の業務関連需要量を用いる。
CO2 排出量は、それぞれのエネルギー毎の CO2 排出係数を乗じて求める。
算出式:(豊浦町建物用途別延床面積)×(環境省建物用途別単位面積当
りエネルギー源別消費量)
北海道電力資料より街路灯電力量実績値を用いる。
北海道の年間自動車用エネルギー消費量を、豊浦町の車種別保有台数で案
分しエネルギー消費量を求める。CO2 排出量は、それぞれのエネルギー毎
の CO2 排出係数を乗じて求める。
算出式:(北海道自動車エネルギー源別消費量)÷(北海道エネルギー源
別保有台数)×(豊浦町エネルギー源別保有台数)
鉄道のエネルギー消費は、人間活動に由来するものと考えられることか
ら、全道の鉄道のエネルギー源別消費量を、全道と豊浦町の人口で案分し、
豊浦町分のエネルギー消費量を求める。CO2 排出量は、それぞれのエネル
ギー毎の CO2 排出係数を乗じて求める。
算出式:(北海道鉄道エネルギー源別消費量)×(対北海道豊浦町人口割
合)
。
清掃事業のエネルギー消費量の実績値を、豊浦町分の処理場で案分し算出
する。CO2 排出量は、それぞれのエネルギー毎の CO2 排出係数を乗じて
求める。
CO2 排出量のみを対象とし、北海道の産業廃棄物の焼却処理量を、豊浦町
の人口で案分し、産廃種別毎の排出係数を乗じて求めた。
町下水処理場におけるエネルギー消費量の実績値を用いる。CO2 排出量
は、それぞれのエネルギー毎の CO2 排出係数を乗じて求める。
46
1.2 将来推計方法
将来推計期間は、2006(平成 18)年度から 2020(平成 32)年度までとし、推計は
近年のエネルギー需要動向、将来人口動向によって設定します。将来人口動向は、「豊浦町
自立計画書」の人口推移を基に、住民基本台帳人口を基本として推計しました。
推計に用いた人口および世帯数を図 3-1-1 に示します。
現状についてみると、1985(昭和 60)年で人口 6,355 人、世帯数 2,107 世帯、2005
(平成 17)年で人口 4,880 人、世帯数 2,342 世帯となっています。将来人口及び世帯
数は、2010(平成 22)年に人口 4,493 人、世帯数 2,283 世帯、最終目標年 2020(平
成 32)年には人口 3,830 人、世帯数 2,170 世帯となっており、人口並びに世帯数が減
少するものと予想しています。
4,493
年
図 3-1-1
3,830
現状
2010
2,283
2005
2000
2,342
世帯数
7,000
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
2,170
2020
4,880
1995
1990
1985
世帯数
2015
人口
人口[人]
5,933
7,000
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
2,129
0
将来
推計に用いた人口と世帯数
将来推計のための基本的考え方として、各部門とも、近年の動向を見るとほぼ横ばいか
減少傾向に推移していることから、その傾向を継続しました。(表 3-1-3)
。
表 3-1-3
部 門
産業部門
区 分
農林業
水産業
建設業
製造業
上水道
家庭
民生部門
業務
街路灯
運輸部門
廃棄物部
門
自動車
鉄道
一般廃棄
物
産業廃棄
物
下水・
し尿処理
将来推計のための基本的考え方
将来推計のための設定条件
最新の実績値である2005(平成17)年度の値を用いる。
同上
同上
同上
実績値の人口と電力消費量の関係を延長する。
一住戸当りのエネルギー消費原単位は、2003(平成15)年度から2005(平成
17)年度までの3年間の平均値を使用する。
2005(平成17)年度の建物用途別床面積が将来にわたり維持されるものとする。
近年横ばい傾向にあることから、2006(平成18)年度の電気使用量が継続する
ものとする。
ガソリンは経年的に増加傾向にあることから、その傾向を延長する。軽油は、近
年減少傾向にあることからその傾向を延長する。LPガスは、長期的には横ばい
に推移しているため、2002(平成14)年度から2004(平成16)年度までの3年
間の平均値を使用して算出する。
近年、横ばいに推移していることから、その傾向を延長する。
2002(平成14)年度から2005(平成17)年度までの人口一人当りごみ焼却用
エネルギー使用量の平均値を用いて算出する。
人口との相関により推計する。
2002(平成14)年度から2005(平成17)年度までの人口一人当たり処理量、
並びに、単位処理量当たりのエネルギー使用量の平均値を用いて算出する。
47
2.エネルギー需要量と二酸化炭素排出量の現状と将来推計結果
2.1 エネルギー需要量の現状と将来推計結果
豊浦町におけるエネルギー需要量の現状と将来推計結果を図 3-2-1、部門別需要構成割
合の推移を図 3-2-2 に示します。
豊浦町におけるエネルギー需要量は、原油換算値で、1985(昭和 60)年の 14,950kL/
年から現状推計の最終年の 2005(平成 17)年には 17,477kL/年と、1985(昭和 60)
年の 1.17 倍となっています。この増加は、民生家庭部門、業務部門、運輸部門自動車によ
るエネルギー使用量の増加によるものと考えられます。また、将来推計では、2010(平成
22)年には 17,098kL/年(2005(平成 17)年の 2%減)
、将来推計の最終年の 2020
(平成 32)年には 16,811kL/年(2005(平成 17)年の 4%減)になると推計されま
す。
エネルギー需要量の最も多い部門は民生部門であり、1985(昭和 60)年には全体の約
50%を占め、その後、55%前後にまで増加しますが、将来は再度 50%程度になると予想
されます。民生部門の中では家庭でのエネルギー需要量が多く、民生部門の 6~7 割を占め
ており、また、全体の 33~40%を占めています。
民生部門に次いでエネルギー需要量の多いのは運輸部門であり、全体の 22~29%を占
めています。運輸部門におけるエネルギー需要のほとんどが自動車による需要です。自動
車によるエネルギー需要量は、全体の 22~28%を占めており、家庭でのエネルギー消費
量に次ぐ需要量となっています。
運輸部門に続くのが産業部門であり、そのほとんどが水産業におけるエネルギー需要で
す。産業部門のエネルギー需要量は、1985(昭和 60)年は全体の 25%ですが、将来は
21%程度になると予想されます(図 3-2-2 参照)
。
産業部門
原油換算 kL/年
20000
14,950
民生部門家庭
民生部門業務+街路灯
17,477
17,486
16,815
17,477
運輸部門
17,098
廃棄物部門
16,862
16,811
15000
10000
5000
現状
年
図 3-2-1
将来
分野別エネルギー需要量の現状推計
48
2020
2015
2010
2005
2000
1995
1990
1985
0
2.4%
2.4%
2.4%
2.1%
2.2%
2.0%
21.8%
25.0%
26.7%
24.9%
25.2%
26.1%
26.7%
12.9%
12.4%
17.3%
17.0%
17.0%
17.2%
32.5%
33.8%
37.1%
34.9%
34.3%
33.4%
33.2%
27.3%
24.7%
18.3%
20.5%
20.7%
20.6%
2015
廃棄物部門
2.9%
60% 14.0%
40%
運輸部門
2010
80%
民生部門業務+街路灯
1995
100%
民生部門家庭
1990
産業部門
35.5%
1.9%
27.1%
17.3%
20%
25.8%
20.9%
現状
年
図 3-2-2
2020
2005
2000
1985
0%
将来
分野別エネルギー需要量構成割合の推移
部門毎のエネルギー需要量の推移を図 3-2-3 に、2005(平成 17)年の分野別構成を
図 3-2-4 に示します。部門別の動向についてみると、各部門ともに横ばいか若干減少傾向
で推移するものと考えられます。
産業部門
民生部門家庭
民生部門業務+街路灯
運輸部門
廃棄物部門
現状
年
図 3-2-3
将来
分野別エネルギー需要量の推移
49
2020
2015
2010
2005
2000
1995
1990
1985
原油換算 kL/年
8,000
7,000
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
農林業
0.0%
下水道事業
0.5%
清掃事業
1.6%
水産業
16.0%
建設業
1.8%
鉄道
0.5%
自動車
24.8%
製造業
1.5%
上水道
1.6%
街路灯用電力
1.9%
業務
15.1%
図 3-2-4
家庭
34.9%
分野別エネルギー需要量の構成割合(2005(平成 17)年度)
豊浦町、国、及び、北海道の人口一人当りのエネルギー需要量の推移を図 3-2-5 に示し
ます。豊浦町の人口一人当りエネルギー需要量は、原油換算で、1985(昭和 60)年の
2,353L/(人・年)から、2005(平成 17)年には 1985(昭和 60)年の 1.52 倍に相
当する 3,581L/(人・年)になっています。
この著しい増加は、人口は減少傾向にありますが、エネルギー使用量の減少が人口減少
に比べ少ないことによると考えられます。
将来は、2010(平成 22)年には 3,806L/(人・年)、2020(平成 32)年には 4,389L/
(人・年)へと、引き続き増加するものと考えられます。
2003(平成 15)年の人口一人当り需要量を国、北海道と比較すると、豊浦町の値は国
の 73%、北海道の 63%となっています。国及び北海道は産業におけるエネルギー需要量
が多いため、豊浦町より大きな値となっていると考えられます。
一人当りエネルギー需要量 原油換算
L/(人・年)
6,000
4,000
2,832
3,129
1995
2,000 2,353
1,000
1990
4,209
3,000
3,581
3,371
3,806
4,118
2015
2003年
国4,667
4,373
2010
5,000
2003年
道5,444
4,389
豊浦町
2003年
3,414
年
図 3-2-5
現状
将来
人口一人当たりエネルギー需要量の現状
50
2020
2005
2000
1985
0
豊浦町
国
北海道
豊浦町のエネルギー源別エネルギー需要量の推移を図 3-2-6、構成比の推移を図 3-2-7
に示します。1985(昭和 60)年では、石油系が 7 割、電気が 3 割を占めており、この
傾向は、現状及び将来にも継続すると考えられます。
石油系
原油換算 kL/年
20000
17,477
14,950
石炭系
17,486
16,815
電気
17,477
17,098
16,862
16,811
15000
10000
5000
2015
2020
31.6%
30.2%
29.8%
29.5%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
70.3%
68.4%
69.8%
70.2%
70.5%
2015
2020
年
図 3-2-6
現状
2010
29.7%
2010
2005
2000
1995
1990
1985
0
将来
エネルギー源別エネルギー需要量の現状
石油系
石炭系
電気
100%
29.6%
27.1%
27.9%
80%
0.01%
70.4%
72.9%
72.1%
1995
0.01%
0.02%
1990
60%
40%
20%
年
図 3-2-7
2005
2000
1985
0%
現状
将来
エネルギー源別エネルギー需要量構成割合の推移
2.2 二酸化炭素排出量の現状と将来推計結果
豊浦町における部門別二酸化炭素排出量の現状と将来推計結果を図 3-2-8、部門別排出
構成割合の推移を図 3-2-9 に示します。
豊浦町における二酸化炭素排出量は、1985(昭和 60)年の 41.2 千 t-CO2/年から現
状推計の最終年の 2005(平成 17)年には 42.4 千 t-CO2/年(図 3-2-8 参照)と、1985
(昭和 60)年の約 3%増となっています。また、将来推計では、2010(平成 22)年に
は 38.3 千 t-CO2/年、将来推計の最終年の 2020(平成 32)年には 37.7 千 t-CO2/年
になると推計されます。2010(平成 22)年の 38.3 千 t-CO2/年は、京都議定書の基準
年 1990(平成 2)年の 42.3 千 t-CO2 より約 9%少ない値と推計されています。
51
2009(平成 21)年から 2010(平成 22)年にかけて排出量が減少しているのは現在
建設中の泊原子力発電所3号機が稼働し、電気の排出係数が低下するためです。
二酸化炭素排出量の最も多い部門は、エネルギー需要と同様に民生部門であり、1985
(昭和 60)年には全体の 49%を占め、その後、40%程度に減少するが 2000(平成 12)
年には 50%にまで増加しています。将来的には 43%程度を占めると予想されます。民生
部門の中でも家庭における排出量が多く、民生部門の約 7 割を占めています。また、家庭
からの排出量は全体の 30~38%を占めています。
民生部門に次いで排出量の多いのは運輸部門であり、全体の 20~30%を占めています。
運輸部門における排出量のほとんどが自動車によるものです。自動車による排出量は、全
体の 20~30%を占めており、家庭からの排出量に次ぐ量となっています。
運輸部門に続くのが産業部門であり、そのほとんどが水産業からの排出です。産業部門
からの排出量は、1985(昭和 60)年は 25%であるが、その後、増減を繰り返し、将来
は全体の 23%程度を占めると考えられます。
民生部門業務+街路灯
44,577
42,306
42,362
42,364
運輸部門
廃棄物部門
38,318
37,815
2015
41,199
民生部門家庭
2010
産業部門
t-CO2/年
50000
40000
37,707
30000
20000
10000
年
図 3-2-8
現状
2020
将来
分野別二酸化炭素排出量の現状
5.5%
4.3%
4.0%
4.0%
3.2%
3.3%
3.1%
2.9%
80%
20.4%
25.6%
28.7%
26.5%
26.8%
29.8%
30.5%
30.9%
60%
14.4%
11.0%
9.4%
14.7%
14.8%
12.3%
12.4%
12.4%
31.0%
31.9%
35.5%
33.1%
31.6%
30.7%
30.5%
24.9%
28.1%
25.9%
19.3%
22.1%
22.9%
23.2%
23.2%
2015
廃棄物部門
2010
運輸部門
1995
民生部門業務+街路灯
1990
民生部門家庭
1985
産業部門
2005
2000
1995
1990
1985
0
100%
40%
34.8%
年
図 3-2-9
現状
将来
分野別二酸化炭素排出量構成割合の推移
52
2020
2005
0%
2000
20%
民生家庭部門における、2005(平成 17)年のエネルギー源別の排出量構成割合を図
3-2-10 に示します。灯油からの排出量が多く 56%を占めており、次いで電気の 35%、
LPガス 9%となっています。
LPガス量
8.8%
電気
35.2%
灯油量
55.9%
図 3-2-10
民生部門家庭におけるエネルギー源別二酸化炭素排出割合(2005(平成 17)年度)
部門毎の排出量の推移を図 3-2-11 に、2005(平成 17)年の分野別構成を図 3-2-12
に示します。部門別の動向についてみると、民生部門及び産業部門は 2009(平成 21)年
の原子力発電所の稼働による電気の排出係数低下により一時減少しますが、その後横ばい
で推移します。運輸部門も、将来は横ばいに推移すると考えられます。
産業部門
民生部門家庭
運輸部門
廃棄物部門
民生部門業務+街路灯
t-CO2/年
年
図 3-2-11
現状
将来
分野別二酸化炭素排出量の推移
53
2020
2015
2010
2005
2000
1995
1990
1985
18,000
16,000
14,000
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
2005(平成17)年度
産業廃棄物
0.11%
清掃事業 下水道事業
0.40%
2.68%
農林業
0.01%
水産業
17.43%
鉄道
0.41%
製造業
1.51%
自動車
26.41%
上水道
1.28%
街路灯用電力
1.50%
業務
13.29%
図 3-2-12
建設業
1.87%
家庭
33.11%
分野別二酸化炭素排出量の構成割合(2005(平成 17)年度)
豊浦町、国及び北海道の人口一人当り二酸化炭素排出量の推移を図 3-2-13 に示します。
豊浦町の人口一人当り二酸化炭素排出量は、1985(昭和 60)年の 6.48t-CO2/(人・
年)から、2005(平成 17)年には 1.3 倍の 8.68t-CO2/(人・年)になっています。
この増加は、エネルギー需要で述べたように、人口は減少傾向にありますが、エネルギ
ー使用量の減少が人口減少に比べ少ないことによると考えられます。
2010
(平成 22)
年には、
京都議定書の基準年 1990
(平成 2)年の 1.2 倍の 8.53t-CO2/
(人・年)
、2020(平成 32)年には 1.38 倍の 9.85t-CO2/(人・年)になると予想さ
れます。
国、道との比較として、2003(平成 15)年の豊浦町の人口一人当り排出量 8.36t-CO2/
(人・年)は、国の 85%、北海道の 63%となっています。国及び北海道は産業における
排出量が多いため、豊浦町より大きな値となっていると考えられます。
t-CO2/(人・年)
豊浦町
国
北海道
14.48(対策なし)
9.86
9.33
9.64
7.50
年
図 3-2-13
8.36
2003年
8.68
現状
8.53
2010
8.17
将来
人口一人当たり二酸化炭素排出量の現状
54
9.23
9.85
2020
9.75
2015
13.27
2005
7.12
1990
6.48
13.09
2000
9.09
11.84
1995
11.37
1985
16
14
12
10
8
6
4
2
0
2.3 民生部門にみるエネルギー需要量と二酸化炭素排出量
図 3-2-5 で示したように、豊浦町の人口一人当たりエネルギー需要量は、国、北海道と
比べると少なくなっていますが、これは町内に大きな工場等を有する産業が無いために、
このような結果となっています。
一方、図 3-2-4 に示す分野別エネルギー需要量の構成割合をみると、家庭用が約 3 割を
占めていることがわかりますが、この家庭用(民生部門)の世帯当たりのエネルギー需要
量と二酸化炭素排出量を見たグラフが下図です。
MJ/世帯・年
120000
深夜 電力 等
都市 ガス
電気 (深夜 電力 等除 く)
100000
84504
LPガス
灯油
79609
80000
72446
60000
74788
53460
47427
40000
20000
0
戸建世帯(582)
戸建世帯(582)
62987
灯油
集合世帯(109)
集合世帯(109)
図 3-2-14
25707
全世帯(691)
北海道(1999年)
北海道平均(平成15年)
全国(1999年)
(2003 年)
全世帯(691)
北海道平均(平成15年)
北海道(1999年)
全国(1999年)
57106
49182
50328
11923
74788
47427
家屋形態別年間エネルギー消費量
(出典:(社)北海道消費者協会・石油連盟北海道石油システムセンター「平成
18
年度 北海道家庭用エネルギー消費
LPガス
3510
5922
3891
3815
4681
6530
実態調査(2006
)
都市ガス
1284
9016
2504
4921 エコファミリー省エネアンケート)報告書」
5777
11846
電気(深夜電力等除く
)
(※)1999
年の北海道、全国の値は、
「家庭用エネルギー統計年報
(㈱住環境計画研究所)のデータ)
13298
9813
12749
11714 1999 年版」
14002
17128
深夜電力等
合計
kgCO2/世帯・年
3425
3002
3359
2814
84504
53460
79609
72446
8000
図1.家屋形態別年間エネルギー 消費量熱量換算値
北海道、全国(1999年)の出所:㈱住環境計画研究所「家庭用エネルギー統計年報1999年版」の値
総排出量
電気(深夜等除く)
LPガス
灯油
7000
深夜電力等
6862
都市ガス
6459
6000
5671
5764
5000
4313
4000
3425
3000
2000
1000
0
戸建世帯
全世帯
集合世帯
北海道(1999年)
北海道平均(平成15年)
(2003 年)
全国(1999年)
図2.家屋形態別二酸化炭素排出量
図 3-2-15
家屋形態別年間二酸化炭素排出量
1999年北海道・全国の値は㈱住環境計画研究所「家庭用エネルギー統計年報 1999年版」のデータ
(出典:(社)北海道消費者協会・石油連盟北海道石油システムセンター「平成 18 年度 北海道家庭用エネルギー消費
実態調査(2006 エコファミリー省エネアンケート)報告書」)
(※)1999 年の北海道、全国の値は、
「家庭用エネルギー統計年報 1999 年版」
(㈱住環境計画研究所)のデータ)
55
これらのグラフをみると、全国に比べ北海道は世帯当たりのエネルギー需要量で約 1.6
倍、二酸化炭素排出量で約 1.7 倍程度となっており、特に灯油の消費量が多いことが改め
てわかります。
豊浦町だけで見たデータは現時点では存在しませんが、一般的に道内の各市町村の世帯
当たりのエネルギー需要量と二酸化炭素排出量は、北海道平均と同じ傾向を示しますので、
北海道の値はそのまま豊浦町の傾向となります。
結局、豊浦町全体の人口一人当たりエネルギー需要量は、全国と比べると少なくなって
いるとはいえ、家庭用のエネルギー需要量で見ると逆に多くなっていますので、各家庭の
エネルギー需要量や二酸化炭素排出量の抑制に努めたいところです。
3.公共施設のエネルギー需要量に二酸化炭素の排出量
3.1 エネルギー需要量と二酸化炭素の排出量の算定
町で管理している建物、施設、車両等のエネルギー需要量については、平成18年度実
績を集計し算出しました。伝票等に基づいて、個々の建物等ごとに電気、ガソリン、灯油、
軽油、A重油、LPガスの使用量を調査して、熱量計算を実施した後に原油換算で算出し
ました。個々の建物、設備、車両等についての実績は、資料編に掲載しました。
二酸化炭素排出量については、便宜的に原油換算の需要量に原油の二酸化炭素排出量を
乗じて算出をしました。
3.2 エネルギー需要量と二酸化炭素排出量
公共施設のエネルギー需要量は原油換算で 1,294kL/年であり、町全体の需要量の7%
程度と構成比としては大きなものではありません。公共施設の中でエネルギー需要量を多
い順に並べると、①豊浦温泉、②福祉施設やまびこ、③国民健康保険病院、④豊浦中学校、
⑤豊浦町社会館となります。一方、二酸化炭素排出量は 3,428t-CO2/年で、町全体の排出
量に占める割合は需要量と同様です(詳細は資料編5の「町の公共施設ごとのエネルギー
消費量」
)
。
従って、公共部門でエネルギー源の大部分を新エネルギーに転換したとしても、二酸化
炭素排出量が大きく減少するものではありません。
56
第四章 エネルギー等に対する町民の意識
1.はじめに
豊浦町において新エネルギーの導入を検討するに際して、新聞紙上やテレビ報道などで
報じられている地球温暖化問題やエネルギー需給状況等について、町民がどのような意識
を持っているのか、更には、化石エネルギーと比較すると割高と言われている新エネルギ
ーについて、既存のエネルギーの価格に比べどの程度の価格差までなら許容できるかなど
を把握するため、アンケート調査を実施しました。
調査は、8月下旬、町民 1,100 人を対象に年代が偏らないように配慮しつつ、無作為に
抽出し調査票を発送し実施しました。
2.調査の概要
調査票の回収は472部、回収率は約 43%と高い回収率でした。2008 年7月北海道洞
爺湖サミットが地球環境問題等を中心にして開催されることから、町民の本アンケートに
対する関心が高かったものと推測されます。
なお、締切日以降に郵送されてきたものについても集計の対象にしました。アンケート
調査票の様式は資料編に掲載しております。調査内容は、以下の15項目です。
(地球温暖化に関すること)
① 地球温暖化、オゾン層破壊などの地球環境問題への関心の有無
② 二酸化炭素など温室効果ガスが増加していることを知っていますか
③ 地球温暖化がもたらす自然環境への影響で「特に問題がある」のは何ですか
④ 京都議定書の目標(温室効果ガス6%削減)を知っていますか
⑤ 二酸化炭素排出量の増加要因は何でしょうか
⑥ 地球温暖化防止のため日常生活でどんな取組み意識を持っていますか
(エネルギー政策に関すること)
⑦ エネルギー政策の国政上での重要度は
⑧ エネルギー問題で重要なことは(安定供給、価格、環境への影響度)
⑨ 石油製品価格の急騰は、生活にどのような影響を与えましたか
⑩ エネルギー政策で最優先すべき課題は何ですか
(新エネルギーに関すること)
⑪ 新エネルギーの認知度
⑫ 豊浦町で導入可能性のある新エネルギーは何ですか
⑬ 可能性がある新エネルギーをどの分野に導入することが望ましいですか
⑭ 新エネルギー価格が、どの程度の価格差であれば導入を許容できますか
⑮ 割高の新エネルギーはどの分野で率先導入することが望ましいですか
アンケートにおいては、解答欄の選択肢から自分の考えの最も近いものを選んで○をつ
けていただく方式としました(設問によっては無制限ないしは三つまでの選択を可能とし
ました)
。設問の一部には自由に記載することができるようにしており、これらの意見等に
ついては同じような意見等は集約しつつ、資料編に掲載しております(なお、調査票の中
には、一部の設問に未回答のものや制限数以上に選択した事例もありました。)。
57
3.回答者の属性
回答者472人の内訳は、男性278人(59%)女性194人(41%)でした。年齢別
の構成は下記のとおり、50 代、60 代の合計で全体の約半数を占めています。職業別の構
成では、会社、官公庁ならびに自営業など仕事に就いている方が6割でした。
70~79
11%
20~29
7%
その他
7%
60~69
無職
19%
回答数
N=472
22%
会社員
18%
30~39
14%
回答数
N=472
40~49
20%
公務員
19%
主婦
14%
団体職員
6%
自営業者
50~59
26%
10%
農林漁業
7%
図 4-3-1
回答者の年齢構成
図 4-3-2
回答者の職業別構成
以下、主な設問項目ごとの結果を示します。なお、設問項目で類似のものについては内
閣府が実施した下記の世論調査結果との比較も行いました。
・
「地球温暖化対策に関する世論調査」(平成 17 年7月実施)
・
「エネルギーに関する世論調査」(平成 17 年 12 月実施)
4.アンケート調査結果
4.1 地球温暖化に関すること
【設問1】地球温暖化問題に関心がありますか。
「関心がある」と「ある程度関心がある」の合計で 93%の方が関心を持っていると
いう結果になりました。一方、国の実施した世論調査では両者を合計すると 87%です。
調査年数が2年ずれておりますが、豊浦町民の“地球温暖化”に対する関心は全国的
にみても高いと言えます。
4%
39%
関心がある
2%
1%
10%
ある程度関心
がある
回答数
N=472
54%
あまり関心が
ない
2%
1%
関心がある
回答数
N=1,626
全く関心がな
い
ある程度関心
がある
48%
39%
全く関心がな
い
わからない
図 4-4-1
あまり関心が
ない
わからない
地球温暖化問題への関心度(設問1)
58
図 4-4-2
全国世論調査
【設問2】温室効果ガスの排出量が 1990 年に比べ増加していることを知っていますか。
90%の方が「知っている」と回答しています。全国世論調査では「知っている」は
81%となっています。最近、地球環境問題やエネルギー問題が頻繁に報道されている
ことが認知度に開きが出たものと考えられます。
知らない
10%
知らない
19%
回答数
N=1,626
回答数
N=472
知っている
81%
知っている
90%
図 4-4-3
二酸化炭素排出量増加の認知度(設問2)
図 4-4-4
全国世論調査
【設問3】地球温暖化の自然等を与える影響のうち、「特に問題ある」と考えているのは何
ですか。
選択数に制限を加えないで行いましたが、最も数が多かったのは「多くの動植物の
絶滅など生態系に変化が進むこと」で、回答者の 71%(分母を回答者数 472 で算定、
以下同じ)の方が問題として捕らえているほか、以下、図のとおり「海面上昇により
沿岸域の地形や施設が被害を受ける」
(66%)
、
「穀物などの農作物の収穫量が減ること」
(59%)
、
「雨の量や川の流量が大きく変わること」
(58%)の順になっています。
一方、世論調査では「海面上昇により沿岸域の地形や施設が被害を受ける」
(63%)
、
以下、
「雨の量や川の流量が大きく変わること」
(55%)
「多くの動植物が絶滅するなど
生態系が変化すること」
(53%)の順です。傾向としては大差がありませんが、世論調
査では、東京、大阪、名古屋などの大都市圏には、海水面より低い地域など海面上昇
の影響を受けるところに多くの人々が住んでいることなどもあり、
「海面上昇により沿
岸域の地形や施設が被害を受ける」がトップになっています。
0
(%)
10 20 30 40 50 60 70 80
55
58
雨の量や川の流量が大きく変わること
穀物など農作物の収穫量が減ること
52
多くの動植物の絶滅など生態系に変化
が進むこと
53
珊瑚(さんご)の白化やマングローブ林
の水没が進むこと
71
豊浦町
(N=472人)
29
31
マラリアや熱中症などの被害が拡大す
ること
22
27
海面上昇により沿岸域の地形や施設
が被害を受けること
63
66
異常気象による自然災害に対し、保険
金の支払額が増えること
図 4-4-5
世論調査
(N=1626人)
59
21
31
地球温暖化の影響のうち「特に問題がある」のは何ですか。
(複数回答)
59
【設問4】京都議定書の内容を知っていますか。
京都議定書の内容
(2008 年から 2012 年までの間に、温室効果ガス排出量を 1990
年に比べて6%削減する)を 51%の方が知っているほか、「言葉だけは聞いたことが
ある」が 32%となっています。世論調査では「知っている」が 27%に対して「言葉
だけは聞いたことがある」が 51%と豊浦町とは、順位が逆転しています。調査時期の
ずれが反映されたものと推測されます。
11%
5%
1%
1%
21%
回答数
N=472
知っている
言葉だけ
知らない
わからない
無回答
51%
32%
27%
知っている
言葉だけ
回答数
N=1,626
知らない
わからない
51%
図 4-4-6
京都議定書の認知度(設問4)
図 4-4-7
全国世論調査
【設問5】二酸化炭素の排出量が増えていますが、何がその要因と思いますか。
3項目まで選択肢に○をつけることを条件にしました。アンケートでは、増加の要
因として運輸部門(旅客)54%、産業部門 52%、民生部門(家庭)51%の順となり、
民生部門(業務)は 36%となっています。
第一章で触れたように、2005(平成 17)年に実績で 1990 年と比較すると、産
業部門は減少しているのに対して、民生部門の業務は 43%増、民生部門の家庭が 38%
増、運輸部門全体で 18%増となっています。
産業部門において、エネルギーの効率的な利用等の措置を講じて二酸化炭素排出量
の排出抑制に努めていることは、あまり知られていないようです。
0
10
20
(%)
30
40
産業活動
家庭部門
36
業務部門
28
運輸(貨物部門)
5
わからない
図 4-4-8
60
54
52
51
運輸(旅客部門)
無回答
50
3
二酸化炭素排出量増加の要因は何だと思いますか。
(3つ以内の複数回答、N=472)
【設問6】地球温暖化防止のため、日常生活における取組み意識は。
温暖化を防止するため、国民ひとりひとりが省エネルギー活動(部屋の暖房温度を
下げる、エネルギー効率の高い機器等を購入するなど)へ取組むことが期待されてい
ます。日常生活においての取組み姿勢を問うたものですが、
「できる部分があれば取組
む」
(70%)
、
「積極的に取組む」
(19%)でした。世論調査でも「できる部分があれば
60
取組む」
(70%)
、
「積極的に取組む」(15%)で、豊浦町と大きな差異はありません。
積極的に取り組む
積極的に取り組む
3%
2%1%2 %
3%
19%
0%
4% 2%1%
15%
8%
できる 部分があれ
ば取り組む
できる 部分があれ
ば取り組む
ど ち らとも言えない
ど ち らとも言えない
回答数
N=473
回答数
N=1,626
ど ち らかと言うと難
しい
ど ち らかと言うと難
しい
取り組むことは難し
い
取り組むことは難し
い
わからない
わからない
70%
70%
図 4-4-9
無回答
無回答
日常生活における取組み姿勢(設問6)
図 4-4-10
世論調査
4.2 エネルギー政策に関すること
【設問7】暮らしに欠かせない政策のうち、特に重要なものは何ですか。
日常生活をおくる上で、エネルギー政策はどの程度の重要度があるのかを問うたも
ので、三つ以内までの選択を認めています。結果は、「食料の安定供給」
(77%)、「医
療サービスの安定供給」
(63%)に次いで「エネルギーの安定供給」
(55%)が三番目
に重要という位置付けになりました。世論調査では「食料の安定供給」
(80%)、
「医療
サービスの安定供給」
(63%)に次いで「エネルギーの安定供給」
(48%)となってお
り、重要度の順位には差異がありませんでした。
(%)
0
20
40
60
80
80
77
食料
48
エネルギー
住宅
13
世論調査
(N=1,712人)
63
63
医療サービス
2
5
公的年金・保険制度
わからない
無回答
55
31
6
8
交通インフラ
金融サービス
100
37
豊浦町
(N=472人)
45
1
1
03
図 4-4-11
エネルギー政策の重要度
【設問8】エネルギー問題で重要なことは何ですか。
エネルギー問題を考えた場合に、どのような点が最も重要なのかを問うたものです。
選択はひとつと限定したのですが一部に複数回答がありましたので、母数を 482 にし
て算定しました。その結果、
「地球温暖化など環境に優しいエネルギー源であること」
が 52%で、以下「安定供給が保障されていること」
(32%)
、
「値段(価格)が安いこ
と」
(11%)の順でした。世論調査では「地球温暖化など環境に優しいエネルギー源で
あること」
(41%)と「安定供給が保障されていること」
(39%)が拮抗しており、
「値
段が安いこと」
(19%)の順になっています。項目ごとの順位は世論調査と豊浦町とは
61
差異がありませんが、今回アンケートを「地球温暖化とエネルギーに関するアンケー
ト調査」としたこと、来年サミットが行われるという意識もあったものと想定されま
すが、豊浦町の場合は「地球温暖化など環境に優しいエネルギー源であること」が世
論調査より 10 ポイント以上多いということになりました。
3%
2%
1%
32%
回答数
N=482
52%
11%
安定供給
値段
環境に優しい
わからない
無回答
41%
39%
回答数
N=1,712
安定供給
値段
環境に優しい
わからない
19%
図 4-4-12
エネルギー問題で重要なこと(設問8)
図 4-4-13
全国世論調査
【設問9】石油製品価格急騰は、生活のどのような影響を与えましたか。
石油製品価格が平成17年以降高騰しており、産業界をはじめ国民生活へも大きな
影響が出ておりますが、それにどのように対処しているかを問うたものです。「生活に
大きな影響が出ており大幅な節約を迫られている」
(23%)、
「生活に影響が出ており、
暖房時間の短縮,自家用車利用の抑制などの工夫をしている」(47%)と両者で7割を
占めているほか「生活に影響は出ているが、特段の節約をしていない」
(20%)を加え
ますと 95%になり、石油製品価格の高騰が多くの人々の生活に影響を与えているとい
う結果になりました。
一方、世論調査は、平成17年のためか「今のところ生活に影響はない」(40%)、
「生活に影響が出ているが特段の節約をしていない」
(29%)、
「生活に影響が出ており
自家用車の利用を減らすなどの工夫を行っている」
(21%)の順になっています。
本道の場合は、冬期間の灯油を大量に消費すること、公共交通網の整備が遅れてい
るため、自家用車利用が多いこと等が世論調査との差異になったものと考えられます。
3%
5%
2%
23%
生活に大き
な影響が出
ている
生活に影響
が出ている
2% 8%
21%
40%
20%
回答数
N=472
47%
影響はある
が特段の節
約してない
今のところ生
活に影響な
い
わからない
回答数
N=1,712
29%
生活に大きな
影響が出てい
る
生活に影響が
出ている
影響はあるが
特段の節約し
てない
今のところ生
活に影響ない
わからない
無回答
図 4-4-14
石油製品価格高騰の影響(設問9)
62
図 4-4-15
全国世論調査
【設問 10】エネルギー政策で最優先すべき課題は何ですか。
第一章で述べたように、わが国は多くのエネルギーを海外に依存しているほか、毎
年着実に需要量が拡大している結果として、温室効果ガスが増大を続けています。こ
のような状況の下で、国がエネルギー政策を展開する上で何を優先すべきかを問うた
ものです。選択肢から三つまで選ぶことができることにしています。その結果、「高
くてもニ酸化炭素を排出しない風力発電などの新エネルギーの導入を推進する」が回
答者の 55%(472 人中 260 人が最優先すべきに○)の支持を得たほか、
「生活スタ
イルを大きく変えることになっても、省エネルギーを大胆に推進する」
(36%)、「多
少高くとも、二酸化炭素の排出量が少ない天然ガスの利用を拡大する」
(33%)が上
位を占め、運転中は二酸化炭素を排出しない「原子力発電を推進する」は 20%とい
う水準でした。
世論調査と選択肢が同一ではありませんが、同様の設問があります。それによると
「二酸化炭素を全く排出しない太陽光発電、風力発電などの新エネルギーの導入推
進」
(59%)がトップで、以下「扱いの便利な石油利用を拡大」
(36%)
「生活スタイ
ルを大きく変えることになっても、省エネルギーを大胆に推進」
(35%)の順になっ
ています。世論調査との比較では、「石油利用の拡大」が世論調査では上位にありま
すが、豊浦町では「石油利用の拡大」は、下位にあります。
(%)
0
10
扱いの便利な石油の利用を拡大する
20
30
40
8
18
安全確保を前提に、二酸化炭素を排出しない原子力発電を
推進する
世論調査
(N=1,712人)
21
20
高くても二酸化炭素を排出しない風力発電などの新エネル
ギー導入を推進する
55
生活スタイルを大きく変えることになっても、省エネルギーを
大胆に推進する
59
35
36
豊浦町
(N=472人)
7
8
わからない
4
二酸化炭素の増加は不可へきなので、地中や海中に貯蔵す
る技術開発を推進する
図 4-4-16
70
34
33
環境に優しくする利用技術の併用を前提に、二酸化炭素の
多い石炭利用拡大する
無回答
60
36
9
多少高くとも、二酸化炭素の排出が少ない天然ガスの利用を
拡大する
その他
50
15
4
エネルギー政策の優先課題(3つまでの複数回答)
4.3 新エネルギーに関すること
【設問 11】新エネルギーの認知度
新エネルギーは供給サイド、需要サイドを含め多くの種類がありますので、各新エ
ネルギーについて簡単な説明を付して知っているものを選択してもらう設問で選択数
を制限していません。その結果、認知度の高い順に風力発電(89%)、太陽光発電(87%)
、
クリーンエネルギー車(79%)
、太陽熱利用(75%)は7割を超えているほかバイオ
マス燃料(61%)、廃棄物発電・熱利用(60%)、バイオマス発電・熱利用(60%)
が6割を超える状況でした。
一方、世論調査では、風力発電(86%)、太陽光発電(85%)
、太陽熱利用(79%)
の順で豊浦町と同じです。バイオマス発電・熱利用、バイオマス燃料製造、雪氷冷熱
63
については、世論調査を大きく上回る認知度を示しております。
道内各地でのバイオマスや雪氷冷熱の利用事例が数多く報道され、豊浦町や周辺自
治体において利用に向けた試験等が行われている成果ではないかと考えられます。
(%)
0
10
20
30
40
50
60
70
80
100
85
87
太陽光発電(太陽電池を屋根などに設置して発電)
太陽熱利用(太陽熱温水器などを利用して給湯などに利
用)
79
75
86
89
風力発電(風の力で発電機を回して電気を作る)
温度差熱利用(大気より温度が安定している地中熱や下
水道水などの温度差を利用)
17
21
57
60
廃棄物発電、熱利用(ごみの焼却熱の直接利用や発電)
バイオマス発電、熱利用(家畜ふん尿のメタン発酵や木屑
などの燃焼による熱利用や発電
29
バイオマス燃料(ごみの固形燃料化や木質ペレット、BDF
などの燃料製造)
29
雪氷熱利用(雪や氷を貯蔵し、農産物保存や建物の冷房
用の冷熱源として利用)
56
62
23
38
どれも見たり聞いたりしたことがない
わからない
1
2
79
30
燃料電池(水素と酸素を反応させて電気を得る装置)
1
1
豊浦町
(N=472人)
61
16
天然ガス・コジェネレーション(天然ガスを燃料として電気
と熱の同時供給)
世論調査
(N=1,712人)
60
クリーンエネルギー自動車(ハイブリット車、電気自動車、
天然ガス自動車など)
図 4-4-17
90
48
新エネルギーの認知度(複数回答)
【設問 12】豊浦町で導入可能性のある新エネルギーは何ですか。
前問での新エネルギーの認知状況の下で、町の地域特性を考慮した場合にどのよう
な新エネルギーを導入する可能性があるのかを 3 つまで選択してもらうこととしまし
た。その結果、太陽光発電(47%)
、太陽熱利用(39%)
、雪氷冷熱(26%)
、風力発
電(26%)
、バイオマス発電・熱利用(24%)、バイオマス燃料製造(21%)の順に導入
の可能性があると町民の皆様が判断しています。
(%)
0
10
20
30
40
太陽光発電
39
太陽熱利用
26
雪氷熱利用
26
風力発電
24
バイオマス発電・熱利用
21
バイオマス燃料
19
廃棄物発電・熱利用
17
クリーンエネルギー自動車
燃料電池
6
温度差熱利用
6
天然ガス・コジェネレーション
可能性のあるものはない
2
1
8
わからない
無回答
図 4-4-18
50
47
1
導入可能性のある新エネルギー(3つまでの複数回答、N=472)
64
【設問 13】新エネルギーをどの分野に導入することが望ましいですか。
将来、町内で新エネルギーを導入するとした場合、どのような分野・部門から導入
を進めていくことが望ましいか、2 つまで選択する方法で問うたものです。その結果、
「庁舎・病院など公共部門」
(51%)、
「農林漁業など一次産業部門」
(38%)、
「一般住
宅など家庭部門」
(36%)の順でした。現時点では,既存エネルギーに比べ割高なので、
どうしても公共部門が率先的に導入せざるを得ない社会情勢にありますが豊浦町の場
合は、それに加えて基幹産業である一次産業分野での導入も期待されています(選択
数を回収数で除した数値)
。
0
10
(%)
30
20
40
38
農林漁業など一次産業部門
36
一般住宅など家庭部門
25
学校など教育部門
12
製造・加工部門
9
運送など運輸産門
3
ビル・店舗などの部門
1
4
わからない
7
無回答
図 4-4-19
60
51
庁舎、病院など公共部門
ホテルなどサービス部門
50
新エネルギーはどの分野に導入するか(2 つまでの複数回答、N=472)
【設問 14】どの程度の価格差であれば、新エネルギーの導入を許容できますか。
新エネルギーの価格が、既存のエネルギーに比べてどの程度の価格差までであれば、
導入を許容できるかを問うたものです。その結果、
「既存の化石燃料によるものと同等
の価格」(32%)、初期投資がかかるので「既存の化石燃料によるものより安い価格」
(21%)で既存エネルギー価格と同等ないしは安いで5割を超えます。既存価格より
高くても許容できる、と回答された方の比率は3割程度となっており、環境への負荷
が小さいと言われる新エネルギー導入も価格を無視することができないという結果と
なりました。
既存価格より安い
1%
1%
14%
同等の価格
21%
1.2倍以下
2%
4%
1.5倍以下
回答数
N=477
9%
2倍以下
いくら高くとも
16%
32%
わからない
その他
無回答
図 4-4-20
新エネルギーの価格の許容度
世論調査で、代表的な新エネルギーである太陽光発電の導入意識について「費用面
65
でどの程度条件が合えば、太陽光発電を使いますか」という設問があります。それに
よると、
「耐用年数までに最初にかけたお金を回収できなくても、環境に優しいエネル
ギーであれば使いたい」
(10%)という積極派から「耐用年数までに、毎年の電気代の
削減ですべてを回収できる程度のお金で購入できるのであれば使いたい」
(38%)とい
う現実派、
「自ら設備を購入することは興味がないが、新エネルギーから発電した電気
であれば多少高くても使いたい」
(11%)という環境理解派、そして「自ら購入するこ
とに興味はないし、新エネルギーから発電した電気を使うことにも興味はない」
(24%)
という無関心派まで、新エネルギーに対する国民の意識は多様化しています。
【設問 15】割高な新エネルギーを、どの分野で率先導入することが望ましいですか。
新エネルギー導入には補助金などの助成制度はありますが、自治体で 1/2、民間企
業等で 1/3 程度の場合が多く、設備を導入する者の負担がでてきます。その一方、国
では新エネルギーの導入目標量を定め、その実現に努力しているところです。このよ
うなことが背景にありますので、先ずは公共部門が率先していうことになりがちです。
アンケート結果も「行政部門が補助制度等を利用して所管する建物などに導入」
(44%)以下「導入することでメリットが生ずる民生部門」
(27%)の順です。
10%
1%2%
行政部門
民間部門
9%
回答数
N=472
7%
44%
環境意識の高い住民
導入の必要はない
わからない
その他
27%
図 4-4-21
無回答
どの分野で率先導入するのが望ましいか
4.4 第一次産業従事者の意識
近年の石油製品価格の高騰は、農業においては農業機械の燃料費や園芸ハウスの暖房経
費を増大させ、水産業においても漁船の燃料費の増大という形で、それぞれの経営に大き
な影響を与えたものと考えられます。
一方、アンケート調査において、新エネルギーの導入が望ましい部門として公共部門に
ついて基幹産業ということもあり第一次産業部門への期待は大きいものがあります。ここ
では、このような状況を踏まえて第一次産業従事者のみに視点を当てて、いくつかの設問
への回答動向を整理しました。
(第一次産業従事者回答者数は34人で回答者総数の 7.2%)
【設問9】
「石油製品価格急騰は、生活にどのような影響を与えましたか」についての回
答状況をみると、
「生活に大きな影響が出ている」+「生活に影響が出ている」ベ-スでは、
第一次産業従事者 73%に対し町民全体では 70%であり大きな差はありません。生活面へ
の影響を前面に出した設問でしたので、一次産業従事者は自らの事業への影響を捨象して
回答されたことが想定されます。
66
3%
生活に大き
な影響が出
ている
生活に影響
が出ている
3%
5%
26%
24%
2%
23%
20%
回答数
N=34
影響はある
が特段の節
約してない
今のところ生
活に影響な
い
わからない
回答数
N=472
47%
47%
無回答
図 4-4-22
第一次産業従事者
図 4-4-23
豊浦町全体
【設問13】
「新エネルギーをどの分野に導入することが望ましいか」において、公共部
門に次いで“農林業など一次産業部門”を挙げる町民が約4割を占めていましたが、それ
では期待を受けている一次産業部門に携わっている人々のどのように考えているかを整理
しました。庁舎・病院など公共部門(60%)に次いで、第一次産業部門(51%)が占めてお
り以下家庭部門(29%)
、教育部門(29%)の順で、一次産業従事者自身も「一次産業部門」
へ新エネルギーを導入することが望ましいと考えています。
(%)
0
10
20
30
40
庁舎、病院など公共部門
農林漁業など一次産業部門
38
一般住宅など家庭部門
29
学校など教育部門
29
25
製造・加工部門
9
運送など運輸産門
9
ビル・店舗などの部門
ホテルなどサービス部門
わからない
無回答
50
60
70
60
51
51
36
12
14
3
1
第一次産業
豊浦町
3
4
6
7
図 4-4-24
新エネルギーはどの分野に導入するか
(2 つまでの複数回答、第一次産業従事者 N=34、豊浦町全体 N=472)
【設問14】の「どの程度の価格差であれば新エネルギーの導入を許容できるか」につ
いてみると、
「既存(エネルギー)価格より安い」+「同等の価格」のベースでみると、町
民全体では 53%であるのに対して一次産業従事者の場合は 64%となっており、町民全体
に比べると価格に対しては厳しい見方をしている比率が高いという結果になっています。
67
既存価格より安い
1%
1%
6%
6%
14%
12%
1.2倍以下
2%
4%
9%
回答数
N=34
15%
同等の価格
21%
1.5倍以下
回答数
N=477
9%
2倍以下
いくら高くとも
32%
16%
わからない
52%
その他
無回答
図 4-4-25
第一次産業従事者
図 4-4-26
豊浦町全体
【設問15】の「どの分野で率先導入することが望ましいか」については、行政部門(43%)
民間部門(32%)環境意識の高い住民(14%)の順で、この設問については町民全体の意
識と大きな差異はありません。
3%
8%
10%
1%2%
行政部門
民間部門
9%
14%
回答数
N=37
43%
回答数
N=472
7%
44%
環境意識の高い住民
導入の必要はない
わからない
その他
32%
図 4-4-27
27%
第一次産業従事者
無回答
図 4-4-28
68
豊浦町全体
第五章 豊浦町における新エネルギー賦存量と導入可能性
1.新エネルギーとは
1.1 はじめに
新エネルギーは、二酸化炭素の排出が少ないなど環境へ与える影響が少なく、資源制約
の少ない国産エネルギーとして、さらに石油依存度低下に貢献する石油代替エネルギーと
して、エネルギー安定供給の確保や地球温暖化問題に対する効果も大きいことから、1990
年代以降から注目されているエネルギー源です。これを導入することの意義としては、
・エネルギー安定供給の確保に資する石油代替エネルギー
・環境に与える負荷が小さいクリーンエネルギー
(NOx、SOx の排出少なく、LCA(注1)によるCO2 排出原単位も相当程度低い)
・新規産業・雇用の創出への貢献
(2010 年;産業規模 110 百億円、雇用規模;5万人 「新エネルギー産業ビジョン」による)
・分散型エネルギーとしての貢献
(送電時のエネルギーロスの低減が可能、災害時の緊急自立型エネルギーシステム)
・電力の負荷平準化(ピークカット)への寄与
(電力需要のピーク時に分散型電源を稼動させることにより、負荷平準化に貢献)
があります。
しかし、経済性、出力の安定性、エネルギー変換効率(注2)、設備利用率(注3)などに
ついては課題を抱えており、新エネルギーの導入を促進するためには、技術開発の進展や
補助金・税制などの政策支援や普及に向けた啓発活動が求められているところです。
(注1)LCA(Life Cycle Assessment)
ライフサイクル評価のこと。製品やサービスのライフサイクルを通した環境への影響を評価する手
法。資源の採掘から生産・使用・廃棄まで、対象とする製品やサービスのライフサイクル全体での
資源消費量や排出物量を計量し、その環境への影響を評価します。
(注2)エネルギー変換効率(energy conversion efficiency)
あるエネルギーから別のエネルギーに転換される割合。蒸気タービンを回して発電する場合には、
熱の有するエネルギーのうち電気に転換される割合(熱効率)は 40%程度です。例えば、太陽エ
ネルギーを利用可能なエネルギーに変換できる効率で、太陽光発電の場合は、発電効率で 10~
15%程度。
(注3)設備利用率
設備が有する能力の下での生産量と実際の生産量との比。太陽光発電の利用率は 12%、風力発電
の利用率は風況の影響に大きく依存するので 15~30%程度です。
1.2 新エネルギーの定義と導入目標
わが国では、1997(平成9)年に施行された新エネルギー法において“新エネルギー利
用等”として「新エネルギー」の要件を次のように定義しています。
①
②
③
石油代替エネルギーを製造、発生、利用すること等
経済性の面での制約から普及が進展していない
石油代替エネルギーの促進に特に寄与するもの
69
具体的には下図のとおりです。
図 5-1-1
従来の石油代替エネルギーと新エネルギー
(出典:総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会 18/01/30
第 15 回資料)
上図のように、供給サイドのエネルギーに限定せず需要サイドのエネルギーをも「新エ
ネルギー」と定義していますが、国際機関や諸外国ではこのように区分していないことや
国際的なデータとの比較が適切に行うことが困難なため、総合資源エネルギー調査会新エ
ネルギー部会において検討がなされ、平成 18 年 10 月に中間報告が公表されています。
これまで調査会では、供給サイドの新エネルギーに水力(揚水式を除く)及び地熱を合
計したものを「再生可能エネルギー」(注1)と定義していました。国際機関や諸外国にお
いては「再生可能エネルギー」とはエネルギーの供給サイドを意味するものであり、また
一般的な用語の使用法としても「エネルギー」とは供給サイドを意味するものとし、18 年
の中間報告においては、
①「新エネルギー」には、エネルギーの製造や利用といった「需要サイドの新エネルギー」が含ま
れている。このため、新エネルギーの概念の見直しに当たっては、一般的な用語の使用実態や国
際的整合性に鑑み、供給サイドのみで整理することが望ましい。
②「新エネルギー」の概念については、今後は、再生可能エネルギーのうち、その普及のために支
援を必要とするものとして整理することが適切。
③化石原料由来廃棄物発電・熱利用については、石油代替エネルギーではあるが、化石原料由来廃
棄物が再生可能エネルギーでないことから・・・新たな「新エネルギー」の概念に含まれない。
とすることになったので、新たな「新エネルギー」は、以前の「再生可能エネルギー(現
行の供給サイドの新エネルギー+水力+地熱)から大規模水力発電及び化石由来原料廃棄
物発電・燃料製造・熱利用を除いたものとなります(図 5-1-2 参照)。
70
(注1)再生可能エネルギー
国際エネルギー機関(IEA)では「絶えず補充される自然のプロセス由来」のエネルギーと定義
し、太陽、風力、バイオマス、地熱、水力、海洋資源から生成されるエネルギー、再生可能資源起
源の水素も含まれています。国際的には、再生可能エネルギーのうち大規模水力発電や薪炭等の伝
統的なバイオマスを除いた、いわゆる「新しい」再生可能エネルギー(new renewables)を「再
生可能エネルギー」と呼ぶ例が再生可能エネルギー政策に関するレポート等において見られます。
また、類似の概念として自然エネルギー(注2)、ローカルエネルギー(注3)という言葉も散見
されます。
(注2)自然エネルギー(natural energy)
再生可能エネルギーとほぼ同義です。ただし、都市の排熱や廃棄物など人工的なフロー型のエネル
ギー源は含まれません。
(注3)ローカルエネルギー(local energy)
風力、太陽光、水力、バイオマスなどのような特定地域で自然から得られるエネルギー。具体的に
は太陽光発電、太陽光熱、風力発電、廃棄物発電、廃棄物熱、バイオマス発電、バイオマス熱、地
熱、潮力、雪氷冷熱などがあります。特質として、エネルギー規模が小さく分散型であること、利
用関連インフラの整備や自然条件のリスク回避が必要です。
図 5-1-2
新しい「新エネルギー」
(出典:総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会 18/01/30
第 15 回資料)
国として、どの程度の規模で新エネルギーを導入するかの目標については、供給サイド
で原油換算 1,910 万 kL、再生可能エネルギーベース 40 百万 kL となっています(新エネ
ルギー部会報告書~今後の新エネルギー対策のあり方 2001(平成 13)年6月)による)
。
71
表 5-1-1
供給サイドの新エネルギーの目標値(原油換算万 kL、設備容量万 kW、伸び率は倍)
2010 年度見通し目標
1999 年度
現行対策維持ケース
目標ケース
率
(838)
(1,232)
約 6.5
254
118
482
約 23
32
78
134
300
約 38
90
208
175
552
417
約5
8.0
13
16
34
33
約6
設備容量
原油換算
設備容量
(発電分野)
(129.2)
(127.2)
(315)
(523)
太陽光発電
5.3
20.9
62
風力発電
3.5
8.3
115
5.4
バイオマス発電
(熱利用分野)
び
設備容量
原油換算
廃棄物発電
伸
原油換算
(563.5)
(564.7)
(1,072)
太陽熱利用
98
72
439
未利用エネルギー
4.1
9.3
58
約 14
廃棄物熱利用
4.4
4.4
14
約3
バイオマス熱利用
約 1.9
約4
67
黒液・廃材等
新エネルギー計
(構成比)
一次エネルギー
457
479
494
692.7
879.7
1,910
(1.2%)
(1.4%)
(3%程度)
5.9 億 kL
6.2 億 kL
6.0 億 kL
約 1.1
約3
供給
(出典:経済産業省「新エネルギー部会報告書」2001/06)
(※1)黒液・廃材等はバイオマスのひとつとして整理されるもの、発電として利用される分一部含む
(※2)未利用エネルギーには「雪氷冷熱」を含む
表 5-1-2
再生可能エネルギーベースの目標値(単位:原油換算百万 kL)
1999 年度実績
2010 年度見通し目標
現状維持
目標
新エネルギー供給
7
9
19
水力(一般水力)
21
20
20
1
1
1
29
30
40
(4.9%)
(4.8%)
(7%程度)
地熱
再生可能エネルギー
(構成比)
(出典:経済産業省「新エネルギー部会報告書」2001/06)
表 5-1-3
需要サイドの新エネルギーの目標値
伸び率;倍
2010 年度見通し
1999 年度実績
現状維持
目標
伸び率
クリーンエネルギー車(※1)
6.5 万台
89 万台
348 万台
天然ガスコージェネ(※2)
152 万 kw
344 万 kw
464 万 kw
3.1
1.2 万 kw
4万 kw
220 万 kw
183
燃料電池
53.5
(出典:経済産業省「新エネルギー部会報告書」2001/06)
(※1)範囲は、電気自動車、燃料電池自動車、ハイブリッド自動車、天然ガス自動車、メタノール自動車、
ディーゼル代替 LP ガス自動車を含みます。天然ガスコージェネには燃料電池によるものを含み
ます。
(※2)コージェネ(cogeneration
コージェネレーション)
ひとつのエネルギー源から、電力と熱を同時に供給するエネルギーシステム。海外では、天然ガ
72
ス、石油などを燃料としてガスタービン、ガスエンジン、ディーゼルエンジンを稼動させて発電
するとともに排熱回収し、プロセス蒸気や冷暖房用、給湯用の温水として利用するプロセスを指
すことが多いです。海外では、CHP(combined heat and power)というのが一般的です。
なお、コストダウンや技術進歩の加速化が実現するとともに、その導入に対して社会全
体が積極的に取組んだ場合には、表 5-1-1 の供給サイドの新エネルギー量 1,910 万 kL
(原油換算)は 2030 年度では 2010 年度比 2.1 倍の 3,946 万 kL となるものとし、一
次エネルギー供給に占める再生可能エネルギー・新エネルギーのシェアは約 10%になると
想定しています(「2030 年のエネルギー需給展望」
(総合資源エネルギー調査会需給部会、平成 16/10)
“新エネルギー進展ケース”の場合)
。
この想定においては、
「新エネルギー部会報告書」で決定された「目標ケース」において
合意されている新規施策を追加するとともに、2010(平成 22)年度以降も太陽光発電の
コストダウンと急速な普及が続き、RPS法(注1)の効果もあって 2030(平成 32)年
度には導入目標の約2倍程度の新エネルギーが導入されることを前提としています。
(注1)電気事業者に対して、毎年その販売電力量に応じた一定割合以上の新エネルギー等の電気の利用
を義務づけ、新エネルギー等の利用の推進を図る法律。
表 5-1-4
新エネ進展ケースにおける 2030 年度の想定値(単位:原油換算万 kL)
太陽光
風力
廃棄物
バイオマス
太陽熱
未利用
バイオマス
黒液・
発電
発電
発電
発電
利用
エネルギー
熱利用
廃材等
合計
2010 年度
118
134
552
34
439
72
67
494
1,910
2030 年度
2,024
269
374
120
122
87
423
537
3,946
2030/2010
17.15
2.01
0.68
3.53
0.28
1.21
6.31
1.09
2.07
(※1)「2030 年のエネルギー需給展望」と「新エネルギー部会報告書」より作成)
(※2)未利用エネルギーには雪氷冷熱と「廃棄物熱利用」を含む
2.新エネルギーの現状と将来性
前節で述べたように、わが国では 2010 年度には供給サイドベースで 1,910 万 kL(原
油換算)規模の新エネルギーの導入を目標(総合資源エネルギー調査会「新エネルギー部
会報告書」
)とし、補助金、融資、税制面等から政策支援を実施しています。超長期的(目
標;2030 年)には、技術開発の進展や社会全体で積極的に取組むことにより約 4,000 万
kL 相当の導入を想定しています(同調査会「2030 年のエネルギー需給の展望」)
。
しかし、前述のように新エネルギーは環境に優しいものの、コストが高いことが導入を
妨げている大きな要因です。今後の技術開発の進展や普及率の向上に伴う関連機器の増産
によりコストダウンが進むものと期待されています。表 5-2-1 が経済性の試算例です。
73
表 5-2-1
種類
代表的な新エネルギーの経済性試算例
発電・熱利用コスト①
太陽光発電
(住宅用)
平均値;66 円/kWh
(トップ;46 円/kWh)
(非住宅用)
平均値;73 円/kWh
風力発電
廃棄物発電
燃料電池
(りん酸型)
ソーラー
システム
未利用
エネルギー
大規模
10~14 円/kWh
中小規模
18~24 円/kWh
大規模
9~11 円/kWh
中小規模
11~12 円/kWh
22 円/kWh(※1)
競合エネルギー②
①/②
平均値;
家庭用電灯単価;23.3 円/kWh
約 3.0 倍~約 16.5 倍
燃料費相当 ;4.0 円/kWh
トップ;
(※2)
約 2.0 倍~約 11.5 倍
業務用電力単価;20.0 円/kWh 約 3.5 倍
燃料費相当 ;4.0 円/kWh
約 18.3 倍
火力発電単価;7.3 円/kWh
約 1.4~2倍
燃料費相当;4.0 円/kWh
約 2.5~3.5 倍
火力発電単価;7.3 円/kWh
約 2.5~3倍
燃料費相当;4.0 円/kWh
約 4.5~6倍
火力発電単価;7.3 円/kWh
約 1.2~1.5 倍
約 1.5 倍
業務用電力単価;20.0 円/kWh
28 円/Mcal(※4) 9.0~27.3 円/Mcal(※3)
約 1.1 倍
約1~3倍
10 円/MJ(※4)
熱供給コスト(ガス等を使用した 約 1.1 倍
場合)
;9.0 円/MJ
(出典:
「新エネルギー部会報告書」平成 13/06)
(※1)廃熱利用メリットを考慮した上の数値。
(※2)燃料費相当(4.0 円/kWh)は、気象条件等により出力が不安定な太陽光発電、風力発電を導入す
る際の電力会社の回避可能原価として設定したもの。
(※3)ソーラーシステムの競合エネルギーコストは、灯油、ガス、LPG 等の給湯効率を考慮した熱利用
単価。それぞれ、灯油料金(9.0 円/Mcal)
、都市ガス料金(18.5 円/Mcal)
、LPG 料金(27.3
円/Mcal)
。
(※4)Mcal(メガカロリー)=1,000kcal MJ(メガジュール)=百万ジュール(約 239kcal)
以下、供給サイドベースのものを中心に、新エネルギーの種類ごとの現状と今後の見通
しがどうなっているのか眺めてみることにします。
3.太陽光発電
地表に降り注ぐ太陽光は、1㎡当たり1kW に相当するエネルギーを有しています。シリ
コンなどの半導体に光が当たると電気が発生するという、光電効果を応用した太陽電池を
使用して、太陽光から直接、電気を発生させるのが太陽光発電です(図 5-3-1 参照)。
図 5-3-1
太陽光発電のしくみ
(出典:新エネルギー財団ホームページ「太陽光発電」
)
74
太陽光発電システムは、設置する場所の大きさにあわせて発電出力を決めることができ
るため、一般住宅から公共施設や工場など規模の大きい建物でも利用することができ、ま
た、発電した電力が消費電力を上回った場合には電力会社に売電できるシステムが主流に
なっています。新エネルギーの中では長期的には大きな期待が寄せられています。
図 5-3-2
太陽光発電からの余剰電力購入量の推移
(出典:NEDO「新エネデータベース」
)
太陽光発電システムの価格は 1990 年代前半では 1kW 当たり 200 万円程度でしたが、
急速な普及による生産量の増加等から近年では 1/3 程度まで低下しています(図 5-3-5
参照)
。システムの導入については、わが国が世界の先頭を走ってきましたが、ドイツが急
ピッチで導入を進めてきた結果、累積の導入規模では近年(2005(平成 17)年)はわが
国と匹敵するようになりました(図 5-3-3 参照)
。
3.1 特徴
無尽蔵の太陽エネルギーに依存するクリーンなエネルギーですが、日射時間に左右され
るほかコストが高いなどの特徴があります。
表 5-3-1
長
太陽光発電の特徴
所
短
1.クリーンな発電方式
所
1.発電が日射時間に左右される
2.可動部分や高温部分がなく、自動、無人運転
が可能で、保守が容易
2.太陽光は単位面積当たりのエネルギー密度
が小さいため、大電力を得るためには広い面積
必要
3.太陽エネルギーは非枯渇エネルギー
3.現状ではコストが高い
4.モジュール構造のため量産性に富む
4.直流出力(長所となる場合も)
5.必要に応じ小規模なものから大規模なもの
まで自由な設計が容易。設置場所の制限少
(出典:NEDO「技術情報データベース/新エネデータ」
)
75
3.2 太陽光発電の現状と将来
世界における太陽光発電システムの導入規模(2005 年)は、ドイツと日本が 142 万 k
W、
米国が約 48 万 kWと続いていますが、これ以外の国では数万 kW 程度です(図 5-3-3)
。
わが国では、2010(平成 22)年度において「現行対策維持ケース」で 254 万 kWの
導入を目標としていますが、2005(平成 17)年時点の達成率は5割強程度といったとこ
ろです。下表のとおり、国内の太陽光発電は住宅が中心で、輸出比率も高くなっています。
なお、新エネルギー財団では、平成6~17 年度までモニター事業や導入基盤整備事業等
により住宅用の太陽光発電システムの普及事業を展開し、全国で 254 千件(注)が導入し
ました。
表 5-3-2
平成 17 年度の分野別年間導入量と累積導入量(単位;千 kw
住宅①
公
共
産
%)
業
小計②
①/②
輸出③
合計④
③/④
450
753
59.8
年間導入量
271
12
20
303
89.4
累積導入量
1,050
81
78
1,480
71.0
(出典:太陽光発電協会「太陽光発電産業自立に向けたビジョン」から作成)
導入件数の上位県と下位県は次表のとおりですが、北海道(2,469 件)は少ない部類に
入ります。どちらかと言えば、日本海側の降雪のある県では導入件数が低位にあります。
(注;県別の世帯数や家屋数に大きな差があることを考慮する必要がある)
(注)新エネルギー財団「住宅用太陽光発電システムモニター事業及び住宅用太陽光発電導入促進事業に
係る年度別・都道府県別太陽光発電システム導入状況」による。モニター事業は 1994~96 年
度、導入促進事業は 1997~2005 年度の実績値
表 5-3-3
住宅用システムの導入状況
上位県
県
名
件
下位県
数
県
名
件
数
①
愛知県
13,814
秋田県
581
②
兵庫県
13,803
青森県
690
③
福岡県
12,339
山形県
998
④
静岡県
11,511
鳥取県
1,321
⑤
埼玉県
10,558
石川県
1,378
(出典:新エネルギー財団の資料から作成)
76
なお、住宅用に加え、学校等の公共施設、老人福祉施設、工場などへの導入事例も増え
てきています。
図 5-3-3
太陽光発電システム累積導入量
(出典:総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会RPS法小委員会(第二回)配布資料
/「太陽光発電について」より)
太陽光発電システムの中核をなす太陽電池のメーカーは世界で約 50 社程度ですが、トッ
プ企業 10 社で全生産量の 3/4 を占有しています。生産量トップ5にわが国の企業4社が
入っており、この4社合計のシェアで 45%を占めています(図 5-3-4 参照)。
図 5-3-4
世界における太陽電池の生産量と主要企業のシェア
(出典:総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会RPS法小委員会(第二回)配布資料
/「太陽光発電について」より)
77
太陽光発電システム価格ならびに発電コスト(円/kWh)の動向は図 5-3-5 のように急
速に低下しています。しかし、最新時点の発電コストは電力会社から購入する価格水準の
2倍程度と依然として高いのが現実です。
なお、太陽光発電協会のビジョンによれば、住宅用の太陽光発電システム価格は 2010
年の 30 万円/kWが 2030 年には 20 万円になると見込んでおり
(図 5-3-6 参照)、
一方、
発電コストについては技術進歩等により 2030 年には7円/kWh(現在の火力発電単価な
み/図 5-3-7 参照)なるものと想定しています。
図 5-3-5
太陽光発電システム価格と発電コストの推移
(出典:総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会RPS法小委員会(第二回)配布資料
/「太陽光発電について」より)
図 5-3-6
太陽光発電システム価格の見通し
(出典:太陽光発電協会「太陽光発電産業自立に向けたビジョン」
、総合資源エネルギー調査会新エネルギ
ー部会RPS法小委員会(第二回)配布資料/「太陽光発電について」より)
78
図 5-3-7
太陽光発電システムによる発電コストの見通し
(出典:新エネルギー財団ホームページ「太陽光発電」
、
原典は「2030 年に向けた太陽光発電ロードマップ検討委員会報告書」
)
上記のようにシステム価格ならびに発電コストの低下が進展した場合には、業界団体で
は、累積導入規模が 2030 年断面で 8,358 万 kWと 2005(平成 17)年に比べ 56 倍に
達するものと想定しています(図 5-3-8 参照)
。
また、
「2030 年に向けた太陽光発電ロードマップ検討委員会報告書」によれば、2030
年断面の太陽光発電システムの導入可能量を 102 百万 kW(技術開発が加速すれば 202
百万 kW)と想定しており、何れも現在の導入規模と比較すると著しい伸びが期待されてい
ます。
(MW)
50,000
45,000
43,090
40,000
35,000
30,000
29,920
25,000
22,600
20,000
18,860
15,000
12,450
10,100
10,000
5,000
3,700
540
316
264
1,050
81
78
0 271
2005
2,380
1,360
270
20
2010
2015
住宅
図 5-3-8
6,210
3,830
320
70
2020
公共
産業
7,580
1,250
220
2025
発電
12,350
5,330
210
2030
その他
太陽光発電システムの国内需要の見通し(累積ベース)
(太陽光発電協会「太陽光発電産業の自立に向けたビジョン」のデータから作成)
79
その他
18.3%
その他 2010年
発電 5.4%
0.0%
産業
11.2%
公共
6.6%
2005年
発電
0.0%
産業
5.3%
公共
5.5%
住宅
70.9%
住宅
76.8%
2030年
その他
0.2%
発電
6.4%
産業
27.0%
住宅
51.6%
公共
14.8%
図 5-3-9
太陽光発電システムの分野別需要見通し(累積ベース)
(太陽光発電協会「太陽光発電産業の自立に向けたビジョン」のデータから作成)
上の図のように、導入(累積ベース)は住宅分野への依存度が高いものの、次第に公共
や産業部門での導入が進みだし、2030 年断面では導入量の約 1/3 を産業用が占めるもの
と想定されています。2010 年代半ばから電力供給事業分野での導入も想定されています。
4.太陽熱利用
太陽エネルギーの利用方法としては、前述の太陽光発電のほかに、日差しが持っている
熱を集めて温水等の形で利用する太陽熱利用があります。太陽熱の利用機器としては、太
陽熱温水器とソーラーシステムに大別されます。太陽熱が積極的に利用され始めたのは、
太陽熱を集めて温水を作る太陽熱温水器の登場からで、住宅等の屋根に図 5-4-1 のような
機器を設置して給湯に利用してきました。
80
図 5-4-1
太陽熱温水器(自然循環型)のしくみ
(出典:ソーラーシステム振興協会「ソーラーシステムのしくみ」による)
その後、技術開発により高性能な強制循環型のソーラーシステム(注1)が開発され、
用途も給湯に加え暖房や冷房にまで広がってきています。太陽熱利用システムの形態とし
ては、冷暖房・給湯、産業用システム、太陽熱発電システム、熱・電気複合システムがあり
ます。太陽光を自然な形で建物に取り入れ、吸収・蓄熱し快適な居住環境を持つパッシブ
ソラーシステムも開発されています。
(注1)ソーラーシステムは、集熱器と蓄熱タンクを別々に設置できます。屋根への負担は軽減できます
が温水を循環させるための配管やポンプなどが必要です。蓄えた熱は、給湯のほか、暖房などさ
まざまな用途に利用できます。集熱パネルの面積は、給湯の場合6㎡のものが主流です。システム
の種類としては、熱を伝える媒体により水式と空気式に分かれます。
図 5-4-2
ソーラーシステムのしくみ(水式の場合)
(出典:ソーラーシステム振興協会「ソーラーシステムのしくみ」による)
81
第二次石油危機以降、太陽熱温水器が主導する形で普及が始まり、ピーク時には太陽熱
温水器で約 80 万台(昭和 55 年)
、ソーラーシステムで約6万台(昭和 58 年)設置され
ましたが、石油価格の低位安定を背景に機器の普及はスローダウンしています。平成 17 年
末までの累積出荷台数は、太陽熱温水器で 652 万台、ソーラーシステムで 62 万台です(ソ
ーラーシステム振興協会の調査;太陽熱温水器は販売台数、システムは振興協会等3団体の自主統計)
。
4.1 特徴
天気の良い日には約 60℃の温水が得られますので、燃料や電気を使わなくても暖房や給
湯を賄える温度です。冬には追い焚きが必要な時もありますが、冷たい水から温水を作る
より燃料が少なくて済みます。この他、次のような特徴があります。
①手頃な価格で設置できます(太陽熱温水器;30 万円、システム;80 万円)
②使用するのに特別な操作がいりません
③温水を貯めておくので、断水などの時でもお湯が使えます
④冬期に凍結のおそれのある地域では、水抜きをするものもあります
(出典:NEDO「新エネルギーガイドブック
入門編」による)
4.2 太陽熱利用の現状と将来
最近(2002(平成 14)年)時点における主要国の太陽熱利用システムの導入量をみる
と、米国が飛び抜けて大きく以下、日本、トルコ、ドイツ、オーストラリアの順です。わ
が国は、1998(平成 10)年までは世界で最も太陽熱利用システムの導入規模の大きい国
でしたが、翌年は米国に次ぐ位置となりました。1995(平成7)年の導入規模と比較する
と、近年その伸びは鈍化しつつありますが、それでも導入規模を拡大しているのに対して、
わが国のみが約3割程度導入規模が縮小しています。
(PJ)
1,500
1,377
1,200
1,006
900
740
600
318
300
168
143
71
38
81
105
82
102
0
米国
日本
トルコ
ドイツ
1995
図 5-4-3
豪州
ギリシャ
2002
主要国の太陽熱利用システム導入量の変化
(注;NEDO「新エネデータ」により作成)
わが国の平成元年以降の太陽熱温水器とソーラーシステムの導入状況は図 5-4-4 のとお
りです。いずれも減少傾向にありますが、特に太陽熱温水器の落ち込みが大きくなってい
ます。
82
(台)
250
200
150
100
50
0
1989
1991
1993
1995
1997
太陽熱温水器
図 5-4-4
1999
2001
ソーラーシステム
2003
2005
太陽熱利用機器販売台数の推移
(注;ソーラーシステム振興協会のデータから作成)
どの地域で導入されているのかをソーラーシステムを例に整理したのが下の図表です。
関東、中部、近畿の順で北海道は北陸地域についで件数が少ないですが、世帯数などを加
味して考えると最も導入率の低い地域だと言えます。太陽光発電と同様に平均的な日射量
が少ないことや冬期の気温条件が極めて厳しいことがその要因と考えられます。
表 5-4-1
地
域
北海道
設置件数
ソーラーシステム設置実績(累積)
%
地
域
設置件数
%
7,178
1.2
近
畿
56,484
9.1
東
北
26,182
4.2
中
国
56,147
9.0
関
東
228,461
36.7
四
国
24,776
4.0
北
陸
6,004
1.0
九
州
82,940
13.3
中
部
134,655
21.6
合
計
622,827
100.0
(出典:ソーラーシステム振興協会、平成 17 年末現在)
九州
13.3%
北海道
1.2%
四国
4.0%
東北
4.2%
中国
9.0%
関東
36.7%
近畿
9.1%
北陸
1.0%
中部
21.6%
図 5-4-5
地域別構成比
(出典:ソーラーシステム振興協会、平成 17 年末現在)
83
新エネルギー部会報告書(2001(平成 13)年)においては、2010(平成 22)年度
において原油換算で 439 万 kL の導入を目標としていますが、図 5-4-4 のように急速に
新規の導入件数が減少していることを踏まえて、
「2030 年のエネルギー需給展望」におい
ては 122 万 kL と、1/3 程度に規模が縮小するものと想定しています。
なお、2003(平成 15)年のソーラーシステムの導入先を分野別にみると、ほぼ 100%
が住宅用(2003 年実績 件数;住宅 10,942、民生・業務用 110、産業用 1)であり、
用途別では給湯が 84%、暖房が 15%となっています。1994 年時点でもほぼ 100%が
住宅用で給湯利用でしたので、近年になって暖房用途の比率が高まってきていると言えま
す。
(NEDO「国内のソーラーシステムの用途別導入状況」による)
5.風力発電
風力発電は、風の力で風車をまわし、その回転運動を発電機に伝え「電気」を起こすも
のです。具体的には、風の運動エネルギーを風車によって回転という動力エネルギーに変
え、次にその回転を歯車などで増速して発電機を動かして電気エネルギーに変換するもの
です。その仕組みのイメージは下図のとおりです。
図 5-5-1
風力発電の仕組み
(出典:新エネルギー財団ホームページ「風力発電」
)
風は地上からの高さが高いほど強くなるため、風車の高さもできるだけ高くした方が有
利であり、風車の取得エネルギーは風車の風を受ける面積に比例します。風車の形には色々
な種類がありますが、最も効率的に発電ができるためプロペラ型の発電機が多いです。
わが国の導入は、当社、電力会社やメーカーによる試験研究用のものが主でしたが、地
球環境問題への関心が高まりや関係法令の手続き簡素化や電力会社の系統連系技術要件の
整備などから、自治体や民間企業が積極的に導入に乗り出してきました。風車の大型化に
よる発電コストの低下と相まって、導入基数も増え出し、2001(平成 13)年以降は年間
100 基を超える風力発電が立地しています。風力発電はクリーンな発電システムであり、
風という無尽蔵なエネルギーを利用するものですので、新エネルギーとしての期待が大き
84
く、国では 2010(平成 22)年度で 300 万 kWの発電容量になることを目標としており
ます。
世界的には、ドイツ、スペイン、デンマーク等の欧州諸国や米国でも大規模に導入され
ておりますが、わが国の導入規模は必ずしも大きいものではありません。風力発電に適し
た地域への立地が終わった国では、近年は、従前の陸上域から洋上域に設置する動きも出
てきています。
5.1 特徴
風力発電は、風の持つエネルギーを利用する無尽蔵のクリーンなエネルギーですが、次の
ような特徴をもっています。
①
②
③
④
⑤
風は常に風速や風向きが変化するので発電出力が不安定
風のエネルギー密度は小さい
発電に適した風の状況が良い地域でないと立地が難しい
単機容量が大きいと機器が重いので、港湾や道路が整備されていることが必要
大規模風力発電は、電力会社送電系統への近接性や送電容量に余裕が必要
5.2 風力発電の現状と将来
わが国の風力発電の導入は、国による支援制度によって急速に設備容量が増加していま
す。NEDOの調査によれば、2006(平成 18)年度末の発電容量は 149 万 kWに達し
ています。下図のとおり、2000(平成 12)年度以降から急速に拡大しています。これは
電気事業者による余剰電力購入制度や平成 14 年に公布されたRPS法による新エネルギ
ーからの発電の購入を義務づけたことが要因の一端になっているものと考えられます。
図 5-5-2
日本における風力発電導入量の推移
(出典:NEDOデータベースサービス「日本における風力発電設備・導入実績」による)
85
供給総量
図 5-5-3
RPSに係る新エネルギーの供給総量
(出典:総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会第一回RPS法小委員会資料4による)
都道府県別の導入基数と設備容量は図 5-5-4 のとおりで、北海道、青森県、秋田県や鹿
児島県においては多数立地しています。一方、風況に恵まれない府県では風力発電が立地
しておりません。
(1基の容量が 10kW以上のもの)
図 5-5-4
都道府県別風力発電導入量
(出典:NEDOデータベースサービス「日本における風力発電設備・導入実績」による)
86
発電機については、当初は小規模のものが多かったので国産のものでしたが、一基当た
りの容量が大きくなるにつれて海外からの輸入機に依存する状況となり、2006(平成 18)
年について見ると、輸入 75;国産 25 の比率になっています(導入基数 1,314、うち輸
入機 989)
。
表 5-5-1
出力(kW)
出力別導入基数の比較
2000 年
(基・%)
構成比(%) 2006 年
構成比(%)
~250
5
7.5
6
2.3
~500
1
1.5
2
0.8
~750
40
59.7
11
4.2
~1,000
1
1.5
49
18.8
~1250
1
1.5
~1500
5
7.5
82
31.4
~1750
14
20.8
12
4.6
~2,000
77
29.5
2,000~
22
8.4
合計
67
100.0
261
100.0
(出典:NEDOデータベースサービス「日本における風力発電設備・導入実績」による)
2000以上
0.0%
500未満
3.1%
2000以上
8.4%
500未満
9.0%
2000未満
20.8%
1000未満
23.0%
2000未満
34.1%
1500未満
9.0%
1000未満
61.2%
1500未満
31.4%
(出力:kW)
(出力:kW)
【2000 年】
【2006 年】
図 5-5-5 2000 年と 2006 年の出力別構成比
(出典:NEDOデータベースサービス「日本における風力発電設備・導入実績」による
/表 5-5-1 のデータから作成)
発電機の1基当たりの発電容量は、1999(平成 11)年までは 1,000kWが最大規模の
ものでしたが、表 5-5-1、図 5-5-5 のように順次大型化が進み、2006(平成 18)年で
は 2,000kWを超えるものも出現しています。
世界の風力発電機製造事業者ごとのシェアは、デンマークの2社で約4割を、ドイツの
2社で約2割を占めているなど、導入の先進国である欧米が圧倒的に高くなっています。
なお、わが国トップ企業である三菱重工業は 2%程度に過ぎません。
87
図 5-5-6
世界の風力発電システムのシェア(2002 年)
(出典:BTM Consults World Market Update 2002)
(※)Vestas、NEG-Micon(デンマーク)/Enercon(ドイツ)/Gamesa、Bonus(スペイン)/
GE Wind(アメリカ)
世界の累積導入量(2004 年末現在)は、欧州が世界の7割を占めており、国別にみる
とドイツが 1,600 万 kWと飛び抜けており、以下、スペイン、米国、デンマーク等の順位
で、わが国は9位に位置していますが、同年の導入量では中国を下回っています。
最新の風力発電の累積導入規模は 5,932 万 kW(2005 年)に達しており、ここ 10 年
間でほぼ 10 倍の規模になっています(NEDO海外レポート No995 世界風力エネルギ
ー協会調べ)
。
表 5-5-2
世界の風力発電導入量(単位;MW)
地域
2004 年
アフリカ
47.0
0.6
225.0
0.5
1,269.0
15.9
4,674.6
9.9
875.0
197.0
189.0
11.0
2.5
3,000.0
764.0
874.0
6.3
1.6
1.8
5,774.0
72.4
34,466.0
72.8
ドイツ
スペイン
デンマーク
イタリア
オランダ
英国
2,037.0
2,065.0
25.5
29.9
②
①
221.0
197.0
240.0
2.8
2.5
3.0
⑦
⑧
⑤
16,629.0
8,263.0
3,117.0
1,125.0
1,078.0
888.0
35.1
17.5
6.6
2.4
2.3
1.9
南米・カリブ
49.0
0.6
208.0
0.4
米
512.0
6.4
7,184.0
15.2
アメリカ
389.0
4.9
6,740.0
14.2
州
325.4
4.1
559.7
1.2
合計
7,976.4
100.0
47,317.3
100.0
ア
ジ
ア
インド
中 国
日 本
欧
州
北
大
世界
洋
構成比
(出典:NEDO海外レポート
順位
③
⑨
④
累積量
No955 による
構成比
⑤
⑩
⑨
①
②
④
⑥
⑦
⑧
③
「世界風力エネルギー協会」調べ)
(※1)構成比は地域別の数値、一部の国の構成比を含む
(※2)2004 年欄は、同年の導入量
(※3)順位は国別を表す、2004 年の6位はポルトガル、10 位はオーストリア
88
順位
図 5-5-7
世界の風力発電の累計設備容量
(出典:世界風力エネルギー協会)
風力発電のコストは、機器の大型化、事業規模の拡大のよりコスト低減が進んできてい
ますが、表 5-2-1 のとおり大規模なもので 10~14 円/kWh、中小規模で 18~24 円/k
Wh と、いずれも火力発電単価7円/kWh の約2~6倍と割高です。風力発電の建設コスト
は、発電機器本体が約6割、その他工事費が約2割、電気設備費が約1割という構成であ
り、事業規模の拡大によって出力規模当たりの工事費は小さくなっていきます。
NEDO風力発電利用率向上調査委員会報告によれば、建設コストは 2003(平成 15)
年の 19 万円/kWが 2030 年には 10 万円/kWまでに、その結果、発電コストは 2003
年の 10 円/kWh から現行の火力発電コストを下回る4円/kWh まで低下させることを目
標としています(図 5-5-8 参照)
。
図 5-5-8
風力発電ロードマップ
(出典:NEDO「風力発電利用率向上調査委員会報告」による)
89
6.廃棄物発電・廃棄物熱利用等
わが国では、各種施策の実施によって、その排出の伸びは鈍化ないしは横ばいで推移し
ていますが、年間約5億トンのごみ(廃棄物)が発生しています。その内訳は、企業など
の産業活動によって年間約4億トンの産業廃棄物、私たちの日常生活等によって年間約5
千万トンの一般廃棄物が発生しています。わが国の経済規模は拡大しておりますが、廃棄
物については3R(注1)の実施によって、その発生量はここ数年ほぼ横ばいで推移して
います。しかし、最終処分場の残余容量が減少していることから、廃棄物の有効利用やそ
の減量化が求められているところです。
(注1)3R(Reduce Reuse Recycle の略)
リデュース(ごみの発生抑制)リユース(再使用)リサイクル(再資源化)の総称。循環型社会形
成推進基本法では、廃棄物処理やリサイクルの優先順位は①リデュース(製品の長寿命化~消費者
が製品を長く使うことで、ごみの発生を抑える)②リユース(洗浄や修理でもう一度使う)③マテ
リアルリサイクル(材料等を作る)④サーマルリサイクル(焼却、熱回収)⑤適正処分の順
図 5-6-1
GDPと一人当たりごみ排出量の推移
(出典:環境省「平成 18 年版
図 5-6-2
循環白書」による)
一般廃棄物排出量の推移
(出典:環境省「平成 18 年版
90
循環白書」による)
私たちに身近な一般廃棄物の平成 17 年度の排出量は 52 百万トンで、このうち生活系
(個々の家庭から排出されるもの)が6割を占めています(残余は事務所、商店等の事業
系と集団回収によるものです)
。集団回収を除いた廃棄物約 5 千万トンについては、ほぼ 8
割が直接焼却され、資源化して再利用されているのが 1 千万トン、最終的に埋め立て等の
処分がされているものが約1千万トンとなります。10 年前と比較すると直接焼却の割合が
8割程度と変化はありませんが、直接最終処分の割合は減少しております。
わが国では、人口が都市部に集中していることから一般廃棄物の処理方法としては前記
のように焼却が主流です。ごみを焼却することで減容化し、高温で病原菌などの感染性物
質を分解して安全化し、臭気も高温で分解することができます。残った焼却残さは最終処
分するか溶融固化などによって再資源化されます。
なお、一人当たりの排出量は 1,100g/人・日で、昭和 60 年代に比較すると1割程度増
えていますが、平成年間に入ってからほぼ横ばいで推移しております。
直接
資源化
5%
直接
最終処分
7%
直接
資源化
3%
直接
最終処分
3%
中間処理
15%
中間処理
12%
直接焼却
78%
直接焼却
77%
ゴミ処理量
ゴミ処理量
5,111 万トン
4,977 万トン
【平成 10 年】
【平成 17 年】
図 5-6-3 ごみの処理形態
(環境省「一般廃棄物処理事業実態調査結果」17 年度実績のデータにより作成)
一方、産業活動に伴う産業廃棄物の排出量は平成に入ってからほぼ4億トン程度で推移
しており、最新時点(平成 16 年度)では 4.2 億トン程度とやや増加しております。種類
別排出量の構成をみると汚泥 45%、動物のふん尿 21%、がれき類 15%の順です。産業
別では電気・ガス・熱供給・水道業(石炭灰、汚泥等)22%、農業(ふん尿)21%、建設
業(がれき類、木くず等)19%の順です(図 5-6-4、5-6-5 参照)。
図 5-6-4
産業廃棄物排出量の推移
(出典:環境省「平成 18 年版
91
循環白書」による)
図 5-6-5
産業廃棄物の種類別、業種別排出量
(出典:環境省「産業廃棄物の排出・処理状況について」平成 16 年度による)の
図 1-3、図 1-2 の 16 年度部分を使用
わが国で発生している廃棄物約5億トンのうち、4億トン強を占める産業廃棄物におい
ては、約5割が再生利用(例;石炭がら→セメント原料、古紙→紙原料、食品廃棄物→飼
料・肥料、建設廃材→チップ、金属くず→金属材料、ふん尿→堆肥)されています。
一方、一般廃棄物については、収集後、空缶やペットボトルなどは分別されて製品原料
に利用されているほかは大部分が焼却処分されています。このような廃棄物をエネルギー
源とする利用方法として、これらを燃料として焼却し、その熱を直接利用する廃棄物熱利
用、焼却熱を利用して発電し電気として利用する廃棄物発電があります。また、廃棄物を
直接焼却せず、より扱い易い形に変換して利用する廃棄物燃料製造という3つの形態があ
ります。
廃棄物発電は、ごみを焼却する際に発生する焼却熱をボイラーで蒸気として回収し、蒸
気タービンを回転させ発電機で発電するものです。それらのイメージは次図のとおりです。
図 5-6-6 廃棄物発電・廃棄物熱利用の仕組み
図 5-6-7
廃棄物燃料製造の仕組み
(出典:新エネルギー財団HPより)
6.1 特徴
廃棄物は、前述のように産業活動や私たちの日常生活に伴って必ず発生するものであり、
地域によってその種類に差異はありますが、自然エネルギーのように天候に左右されず比
92
較的安定しているので利用しやすいエネルギーということができます。
しかし、廃棄物発電や廃棄物熱利用を実施するのは、ある程度まとまった物量が必要で
すので、大きな都市であれば単独で利用できますが、小規模な市町村ではいくつかの自治
体が広域的な処理体制を作らなければ、このような形での利用は難しいのが現状です。特
に、廃棄物を直接焼却する発電・熱利用の場合は高温で処理しないとダイオキシンが発生
するため、大きな設備が必要であり、環境行政サイドからは一般廃棄物については、広域
処理を進めるような施策が展開されています。
6.2 廃棄物発電・廃棄物熱利用等の現状
平成 17 年度末のごみ焼却施設は 1,319 か所で、老朽施設の集約化などによって平成
10 年度末に比べると4百か所程度減少している。焼却施設の処理規模でみると、平成 10
年度末に5割を超えていた 50 トン/日未満のものが減少し 100 トン/日以上の施設の比率
が高まってきています。このうち、焼却排熱を利用しているのは7割程度(大部分は焼却
施設内における温水利用)であり、発電に限定すると2割程度です。
(4.0)
5.1%
10.2% 67
134
(7.2)
25.2%
332
(19.9)
(37.9)
(%)
386
29.3%
157
11.9%
243
18.4%
(13.6)
(17.4)
30t未満
100~300t未満
図 5-6-8
内:規模別施設数
中:その構成比
外:10年度の構成比
30~50t未満
300~600t未満
50~100t未満
600t以上
平成 17 年度末現在のごみ焼却規模別の施設数
2,000
1,500
913
888
878
854
1,000
201
215
233
236
500
655
614
604
590
772
724
711
618
263
271
281
286
455
401
382
415
0
平成10年 平成11年 平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年
排熱利用なし
図 5-6-9
排熱利用あり(発電)
排熱利用あり(その他)
ごみ焼却施設数と排熱利用
93
17 年度末における排熱利用のある施設 904 の利用形態の詳細は次のとおりです。
表 5-6-1
利用形態
排熱利用の利用形態別施設数(所数、%)
温水
蒸気
電気
その他
場内
場外
場内
場外
場内
場外
施設数
839
272
230
102
285
178
62
比率
92.8
30.1
25.4
11.3
31.5
19.7
6.9
排熱利用
施設なし
415
-
(出典:環境省「一般廃棄物処理事業実態調査結果」17 年度実績のデータにより作成)
(※)比率は 904(図 5-6-9 の排熱利用あり(発電+その他)
)を分母として算出
ごみ発電施設と発電出力は、環境省調査(一般廃棄物処理事業実態調査・平成 17 年度実
績)によれば、発電所数は 286 か所、発電出力は 151 万 kWですが、発電効率が 10%
未満のものが全体の4割を超えることから平均すると、11%程度にとどまっています。
資源エネルギー庁の調査(一般廃棄物+産業廃棄物)によれば、次図のように廃棄物発
電の発電出力は 155 万 kWで、一般廃棄物を燃料とするものが8割強を占めています。発
電出力は、
2010 年度の導入目標 417 万 kWに対して4割程度の水準にとどまっています。
図 5-6-10
廃棄物発電導入状況の推移
(出典:NEDO「新エネデータ」による)
94
表 5-6-2
95
96
97
98
99
55.8
65.8
70.8
78.6
84.5
9.1
10.2
10.7
14.7
64.9
76.0
81.5
93.3
年度
一般
廃棄物
産業
廃棄物
合 計
廃棄物発電発電出力の推移(単位:万 kW)
00
01
02
03
97.9
105.8
127.3
134.9
13.6
12.8
17.5
20.9
20.5
98.1
110.7
123.3
148.2
155.4
2010
目標
417
(出典:NEDO「新エネデータ」による)
廃棄物については次節でも触れますが、その多くがバイオマスに位置付けられますので、
この項では一般廃棄物発電と熱利用を中心にまとめています。最後に廃棄物燃料製造とし
てRDFについて触れておきます。
RDF(Refuse Derived Fuel)とは、可燃性のごみを破砕、乾燥し、石灰を混ぜて圧
縮成形して作ったペレット状またはブリケット状のもので固形燃料、ボイラー燃料として
利用されるものです。RDFは、ごみなどの廃棄物に比べると成形されているため輸送や
貯蔵がしやすく比重や発熱量のばらつきが少なく、発熱量(通常のごみの発熱量;1,600
~2,800kcal/kg RDF;3,000~4,000kcal/kg)が高いという特徴を有します。こ
の特徴を活かして、ごみをRDF化してこれらを広域から収集し、このRDFを燃料とし
て発電所を運営する事例がいくつか実施されています。
表 5-6-3
RDF広域発電所(出力:kW)
燃焼形式
発電出力
発電効率
RDF設備
三重県
循環流動床
12,000
28%
7か所
大牟田市
循環流動床
20,600
30
9
石川県
ガス化溶融炉
7,000
福山市
ガス化溶融炉
23,700
5
28
7
(出典:大崎功三「ゴミ固形燃料RDF発電スステムについての一考察」より)
一般のごみ発電の発電効率は、大部分が 20%未満であることから考えると、RDF発電
は燃料の熱量が高く質が安定していることもあって高い結果となっています。環境省調査
によれば、発電効率別の発電所の構成は、発電効率 5%未満 13%、同5~10%未満 30%、
同 10~15%未満 32%、15~20%未満 19%、20%以上 6%です(17 年度実績)
。
しかし、RDFについては、水分や異物が原料に多く含まれているため、製造工程が複
雑で操業が難しいとも言われており、さらに製品の乾燥のために灯油等を燃料に使うため
エネルギー効率が悪いという指摘もあります。
一方、産業用のエネルギー施設としてRPF(Refuse Paper & Plastic Fuel、廃プラ
と古紙を原料)を燃料として利用する事業所が出てきており、製紙工場やセメント工場に
その例が多い状況となっています。これは、廃プラが主体なので水分、灰分はRDFの半
分、塩素分も 1/10 以下ですし、この製造施設は簡素で安定的な操業を維持できます(大
崎功三氏論文)
。
95
図 5-6-11
RDF発電システム
(出典:資源エネルギー庁編「エネルギー2004」より
図Ⅲ-18)
7.バイオマス発電・バイオマス熱利用等
バイオマス(第一章 P8 参照)のエネルギー利用は、2002(平成 14)年の政令改正に
より新エネルギー法上の新エネルギーと位置付けられ、その積極的な導入が期待されてい
るところです。バイオマスエネルギー資源の区分については色々な方法がありますが、原
料面からは廃棄物系と植物系(栽培作物)系に、利用方法面からは直接燃焼、生物化学的
変換(メタン発酵等)
、熱化学的変換(ガス化や炭化等)に区分されます。
図 5-7-1
バイオマスエネルギー利用の種類
(出典:新エネルギー財団
HPより)
現在、一般的に普及している方法は廃棄物の焼却によるエネルギー確保が主であり、具
体的には紙パルプ業の製造工程で排出される黒液、製材工程での端材・樹皮、製糖工程に
おけるバガス(サトウキビの絞りかす)
、家庭や事務所等から排出されるごみや建物解体時
に排出される木くず等を燃焼させることによって得られる電力・熱を利用するものです。
家畜ふん尿、食品廃棄物、下水汚泥等からメタンガスを回収する技術は確立されていま
すが、コストが高い、メタン発酵後の残さ処理に手間がかかる等の問題があることから、
96
一般的な普及の段階には至っていません。低コスト化を実現するためには、原料の収集・
輸送・管理面における経費を抑制する方法の確立やバイオマス資源の効率的な固体・液体・
気体燃料へ転換する技術開発を進めることが必要です。
図 5-7-2
バイオマス資源の主要なエネルギー利用形態
(出典:資源エネルギー庁編「エネルギー2004」図Ⅲ-15
一方、植物系バイオマスは、トウモロコシやナタネ等の植物を燃料用のアルコール等に
転換して利用するものです。わが国は国土が狭いこともあり、食糧等原料の生産と土地利
用との競合、既存燃料に比較して高コストであるという経済性の問題もあり、現時点では
実用化の一歩前の段階であり、各種の実証試験が行われているところです。
7.1 バイオマス・ニッポン総合戦略
政府は、2002(平成 14)年「バイオマス・ニッポン総合戦略」を閣議決定し、これに
基づいて計画的な施策の推進を図ってきましたが、2005(平成 17)年に京都議定書が発
効し、実効性のある地球温暖化対策の実施が課題になるなど、バイオマスの利活用を巡る
情勢が変化したことを踏まえ、2006(平成 18)年に総合戦略を改定しました。
第一章で述べたように、バイオマスにはカーボンニュートラル(注)という特性を有す
ることから、化石資源由来のエネルギーや製品をバイオマスで代替することにより、地球
温暖化ガスのひとつである二酸化炭素の排出削減に大きく貢献します。また、バイオマス
は化石資源のようにエネルギーや製品としても利活用でき、国民生活の幅広い場面での利
活用が可能です。化石資源は何億年もかけて蓄積されたもので、いずれ枯渇が予想される
有限な資源です。この限りある化石資源を私たちの次世代も引き続き活用できるように、
さらに化石資源への依存度を低減する意味からも、バイオマスを従来の食料や木材として
の利用にとどまらず、エネルギーや製品としての活用を推進していくことにより、持続的
な発展可能な社会を目指すことが求められています。
(注)バイオマス燃料が発生する CO2 は、もともと大気中に含まれていた CO2 を光合成によって植物体
に固定されたものを、大気に再び返すだけであることから、大気 CO2 の収支がプラスマイナスゼ
ロとなることから、炭素に対して中立の意味で用いられる
97
バイオマス・ニッポン総合戦略を推進することは、①地球温暖化防止②循環型社会の形
成③競争力のある新たな戦略産業の育成④農林漁業・農山漁村の活性化にも貢献すること
から、積極的な取り組みが期待されているところです。わが国におけるバイオマス資源の
賦存量(発生した物量ベース)とその利用状況は図 5-7-3 のとおりです。
図 5-7-3
バイオマスの賦存量と利用状況
(出典:日本有機資源協会「バイオマス・ニッポン」パンフレットより)
バイオマスには、廃棄紙、林地残材のようにほとんど未利用なものから、家畜排せつ物
や製材工場残材のように9割が有効利用されているものまであり、種類によってその差異
は大きい。これをエネルギー量(利用可能量ベース)でみたのが図 5-7-4 です。原油換算
で 3,279 万 kL あり、これは一次エネルギー供給量の5%程度に相当します。内訳をみる
と、木質系(未利用樹、林地残材、間伐材、建設廃材)が約3割、食品系(食品加工廃棄
物、食品販売廃棄物、家庭塵芥、廃食用油)
、製紙系(黒液、古紙)の順です。
図 5-7-4
バイオマス資源賦存量(エネルギー利用可能量ベース)
(出典:NEDO「バイオマスエネルギー導入ガイドブック」
(第2版)より)図 1.2-1
(注)PJ とはベタジュールの事で、熱量千兆ジュールを示す
98
7.2 特徴
バイオマスは、昔から薪や木炭として家庭の燃料として利用されてきました。現在は、
従前からの直接燃焼にとどまらず生物化学変換や熱化学変換などによる利用も進んできて
います。特徴としては
①
廃棄物になってしまう建築廃材、家畜ふん尿、厨芥ごみなどがエネルギー資源と
して有効活用できるだけではなく、環境対策にも貢献できます。
② 固体、液体、気体に加工できるので保存や運搬が可能なエネルギーです。
③ 加工された燃料は、発電や自動車などさまざまな用途に対応できます。
7.3 バイオマス発電・バイオマス熱利用等の現状
2002(平成 14)年度におけるバイオマスの導入実績は、発電分野で原油換算 22.6 万
kL、熱利用分野(黒液・廃材等)で 471 万 kL です。国の 2010 年度目標値と比較する
と熱利用については9割強の水準、発電分野は6割強の水準になっています。
代表的な利用方法として、次のようなものがあり、その仕組みは図のとおりです。
①
木質燃料の燃焼
対象となるのは製材工場の廃材、解体時の建築廃材、林地残材、未利用間伐材や街
路樹・公園樹木の剪定枝やダムや河川管理上問題になる流木、竹・笹などの未利用
樹を乾燥させてペレット(注1)やチップなどの木質燃料として利用するほか、こ
れを燃焼させて蒸気を得て蒸気タービンで発電することもできます。一部の電力会
社では石炭火力発電所で石炭と混ぜて発電に利用している事例もあります。
(注1)ペレット(pellet)
木やピート(泥炭)などのバイオマスを加熱、加圧成形した固形燃料のこと。木を原料とするペ
レットはウッドペレットと呼ばれ、北欧ではペレットボイラーやペレットストーブの燃料として広
く流通しています。バイオマス原料を粉砕、乾燥された後にペレタイザ(ペレット製造機)に投入
されて加熱・加圧されるが、この時、木の主要成分であるリグニンがバインダー(結合剤)として
の役割を果たすため、特に薬剤などは添加しません。ペレットよりサイズの大きいものをブリケッ
トといい、加熱と加圧により作る場合と加圧だけで作る場合とがあります。おがくずを原料とする
ブリケットは「オガライト」という名称で流通しています。
図 5-7-5
木質燃料の利用
(出典:資源エネルギー庁「企業のためのバイオマス導入」による)
99
②
有機系廃棄物によるバイオガス利用
生活系の廃棄物である厨芥ごみ・下水汚泥や食品産業系の食品廃棄物・水産加工残
さや家畜のふん尿などを嫌気性発酵させて得られる可燃性のメタンを主とするバイ
オガス(注2)を燃焼させて熱や電気として利用するものです。バイオガスを利用
すると地球温暖化効果の大きいメタンの大気中への放散が減るので、温暖化防止対
策にもなります。発酵処理後に残る消化液は液肥と呼ばれる有機肥料として農地還
元ができます。
(注2)バイオガス(biogas)
家畜はいせつ物、生ごみ、下水汚泥などの水分の多いバイオマスを嫌気条件で発酵させるメタン
発酵により発生させたガスのことで、可燃性のメタンガスと炭酸ガスの混合気体でありバイオガス
を利用し発電や熱利用ができます。下水汚泥を原料とする場合は消化ガスとも呼ばれます。バイオ
ガスはメタン(55~60%)二酸化炭素(40~45%)を主成分とし、硫化水素、アンモニア、水
蒸気などの含み、1m3 当たりの発熱量は 5,100kcal 程度と比較的高いので、ボイラー燃料、ガ
スエンジンやガスタービンなどの内燃機関の燃料として利用できます。発電後の熱は、発酵槽の加
温や近隣の公共施設などの暖房・給湯に利用することで、コージェネによるエネルギー利用の効率
化を図ることができます。
図 5-7-6
バイオガスの利用
(出典:資源エネルギー庁「企業のためのバイオマス導入」による)
③
農林系バイオマスのアルコール製造
最近、注目を浴びているバイオエタノール(注3)の製造です。サトウキビ、小麦
や建築廃材などのバイオマスを発酵させて作るアルコールの一種です。わが国では、
ガソリンに3%混ぜて自動車燃料として使うことができます。農水省の支援を得て、
道内でも2地区でアルコール製造のプロジェクトが着手されることになりました。
(注3)バイオエタノール(bioethanol)
生物資源を原料とするエタノール。米国ではトウモロコシ、ブラジルではサトウキビを原料とし
て製造していますが、バガスをエタノール工場の燃料としていることからエネルギー収支的にも有
利になっています。エタノールは、分子内に酸素を含むため重量当たりの発熱量は小さいですが、
燃焼時にすすが出ないこと、NOx やCOの排出を削減できること、オクタン価が高いという特徴
があります。ガソリンに添加して利用することができ、3%添加したものをE3と呼びます。
100
図 5-7-7
バイオエタノール製造
(出典:資源エネルギー庁「企業のためのバイオマス導入」による)
④
廃食用油の燃料化
使用後の食用油をメチルエステル化して、ディーゼル車の燃料として利用するもの。
製造の仕組みが簡単で大規模なプラントを必要としません。製造されるものはBD
F(注4)と呼ばれ、排ガス中のSOx や黒煙を大幅に減少させることができます。
車燃料として直接利用できるほか、軽油に5%程度混ぜて使用することができます。
一部の地域では、ごみ収集車等の燃料に利用されています。食用油の原料である菜
の花からBDF製造まで一貫する“菜の花プロジェクト”に取組んでいる自治体も
あります。
(注4)BDF(Biodiesel Fuel)
ナタネ油や大豆油などの植物油をメタノールと反応させ、エステル交換により得られる脂肪酸メ
チルエステルのことで、軽油の代替燃料として利用されます。軽油と類似の特性があることからエ
ンジンを改造することなく軽油代替燃料として利用できます。油脂原料として、欧米ではエネルギ
ー作物として栽培したナタネ、ヒマワリ、大豆などを用いている例がありますが、国内では主とし
て天ぷらやフライに利用した廃食用油が用いられます。このシステムには、リサイクルによる資源
の有効利用に加えて、油の廃棄による河川の汚染を防止するという利点もあり、京都市などの自治
体やNPOが事業主体になって実施している事例が多くあります。
図 5-7-8
廃食用油の燃料化
(出典:図 5-7-7 と同じ)
101
表 5-7-1
道内におけるBDFの取り組み状況(装置開発、BDF製造、利用)
自治体名
開始年
旧・大野町
1995
大野農業高校
1999 年製造装置製作、校内のトラクターに使用
古平町
2000
障害者施設・共働の家
2000 年導入、バス等に利用、2003 年事業廃止
2000
(有)フィールドテク
ノロジー研究所
ペカルト化成(株)
2000 年菜種種子からの直接燃料化装置を開発
B20 を同社農場のトラクター燃料に使用
2004 年旭川市の廃棄物収集車用 BDF 製造
札幌市
旭川市
2000
事業者名
事業概要
2006 年氷点下 45℃使用耐寒製品開発、能力7万 kL/年
滝川市
2000 年菜種油の燃料化の実験開始
滝川市
2000
帯広市
2001
(株)北海道エコシス
2003 年道工試の指導で 20L 規模の製造装置を試作
2005 年国の補助金で寒冷地対応型製造装置試作
札幌市
2003
北清企業(株)
2002 年 製造事業開始、現在 1000L/日の廃食油から 900L/
日のBDF製造、自社のごみ収集車に使用(150kL/年製造)
苫小牧市
2004
(社福)緑星の里
市内飲食店等から廃食油回収し製造(5kL/年)送迎用の車両
5台の燃料に使用
釧路市
岩見沢市
2004
2004
釧路エコロジー
(株)セイム
旭川市
2004
旭川市
札幌市
2004
函館市
網走市
2004
2005
(社)北海道総合研究
調査会
(社福)函館恭北会
(有)ザ・セサミ
更別村
2005
(有)更別企業
寒冷使用可能な BDF 精製技術確立、処理能力 400L/日の装置導
入(年間 100kL 製造)
、自社等の車両で使用
札幌市
2005
(有)どりーむ
市内のホテル・飲食店等から有価で廃食油回収し、 400L/日
(10kL/月)製造、製品の 95%以上を販売
札幌市
2005
K’S ファクトリー
外食チェーンから原料収集、幼稚園等の送迎バス用に販売
2006 年の製造見込み量は 150kL(将来的には 300kL/年)
旧・安平町
ニセコ町
2005
2006
東胆振清掃企業組合
年間 50kL 製造
ニセコバス
町内路線バスの1台で使用、町内業者から 95 円/L で購入
町内の公共施設からの廃食油(約6kL/年)から精製し、JV事
務所と現場との連絡車両等に使用
飲食店等から有価で買取し精製、100L/日製造
97 円/L で主に個人へ販売
新十津川町
2006
西松・地崎・勝村特定
建設工事共同企業体
帯広市
2006
地球防衛商店
新得町
2006
松前町
2006
新得バイオディー
ゼル研究会
菅原組
苫小牧市
2006
苫小牧工業高校
2005 年ごみ収集車で滝川産 BDFによる冬期走行試験実施
2006 年小学校から出る廃食油(1200L)を公用車で利用
処理能力 100L/日、市内運送会社のトラック燃料に利用
処理能力 100L/日の装置導入、10kL/年製造
道内自治体初の BDF 導入、市のごみ収集車に使用
給油量;2004 年 2、341L、2005 年 3,052L
2004 年滝川市とFS事業実施
2005 年栗沢町、遠別町でナタネ栽培(各1ha)
年 15kL 製造
2kL/月製造し、医療法人の車に使用
製造能力 100L/6時間、製品は自社活用と一部無償譲渡
製造能力 300L/7 時間,自社重機用,原料は近隣から無料回収
授業の一環、老人ホーム等から原料を回収し市内の廃棄物処理ト
ラック、観光バスの燃料として提供
(注)北海道調べのデータを要約整理したものです
8.未利用エネルギー(雪氷冷熱を含む)
経済産業省の「新エネルギー部会報告書」では、未利用エネルギーには雪氷冷熱を含む
として整理されています。未利用エネルギーは、図 5-8-1 のとおり季節による温度変化が
小さい海水・河川水や地中熱・下水道水と外気との温度差を指します。エネルギー密度が
低いため従前利用されていませんでしたが、ヒートポンプ(注1)や熱交換器という機器
が出現して密度の低いエネルギーを回収できるようになり、建物などの冷暖房熱源として
利用されるようになりました。温度差という点では、工場、変電所、地下鉄から出る排熱
102
も同様に利用することが可能です。
温度差エネルギー(Temperature Difference Energy)はヒートポンプなどの機器を介
することで、熱需要の大きい都市部での地域熱供給(オフイス、ホテル等の給湯・暖冷房
など)の熱源として利用されているほか、温室栽培・水産養殖などの地場産業での利用や
寒冷地における融雪熱源としても利用可能であり、最近では暖房熱源として地中熱ヒ-ト
ポンプも注目されています。
(注1)ヒートポンプ
水のポンプが、水を低いところから高いところへ移動させる役割を果すのと同じように、「温度
の低いものから温度の高いものへ熱を移動する」役割を果すのがヒートポンプです。例えば、冷房
は外気よりも涼しい室内から熱を奪って室温を低下させ、室内から奪った熱を室外機から放熱しま
す。この熱移動を行うのがヒートポンプです。
図 5-8-1
図 5-8-2
温度差エネルギーの種類
(出典:新エネルギー財団「温度差エネルギー」による)
未利用エネルギーの利用のイメージ
(出典:新エネルギー財団「温度差エネルギー」による)
103
雪氷熱(Snow Ice Cryogenic Energy)利用は、雪や氷の冷たい熱エネルギーを利用し
て建物の冷房や農作物などの冷蔵の熱源とするものです。冬に積もった雪を、または水を
冬期の寒気で製氷し、それを夏まで保存して利用するものです。
図 5-8-3
雪冷熱利用のイメージ
(出典:新エネルギー財団「温度差エネルギー」による)
雪氷冷熱を利用する仕組みとしては、雪室・氷室タイプ、雪冷房・冷蔵システム、アイス
シェルター、人工凍土システム(ヒートパイプ)などがあります。
・雪室・氷室は、倉庫に蓄えた雪氷の冷熱を自然対流させて農産物の貯蔵に利用します。
・雪冷房・冷凍システムは、貯蔵された雪の冷熱を直接、ないしは熱交換して強制循環させ、温
度をコントロール可能とする冷房・冷蔵システムで大規模な米の低温貯蔵、マンション、老人
保健施設、公共施設等の冷房に利用されます。雪氷冷熱の熱交換の方法により直接熱交換冷風
循環方式と熱交換冷水循環方式に区分されます。
・アイスシェルターは、冬の寒冷な外気を遣い自然氷を生成して蓄え、これを水と氷が混ざり合
った状態にして空気を通し、その空気は温度0℃、高湿度な状態になる。この空気を利用して、
農水産物等の通年貯蔵、建物の除湿・換気冷房を行うシステムです。
・人工凍土システムは、冬の寒冷な外気を、ヒートパイプにより熱を移動させて、土壌を凍らせ
て人工凍土を生成し、その冷熱を農産物等の長期低温貯蔵として活用する。
(出典:NEDO「雪氷冷熱エネルギー導入ガイドブック」による)
システムのイメージは図 5-8-4~5-8-7 のとおりです。
104
図 5-8-4
雪室・氷室
(NEDO「雪氷冷熱エネルギー導入ガイドブック」による)
図 5-8-5
雪冷房・冷蔵システム(直接熱交換冷風循環方式の場合)
(NEDO「雪氷冷熱エネルギー導入ガイドブック」による)
図 5-8-6
アイスシェルター
(NEDO「雪氷冷熱エネルギー導入ガイドブック」による)
図 5-8-7
人工凍土システム
(NEDO「雪氷冷熱エネルギー導入ガイドブック」による)
105
8.1 特徴
~未利用エネルギー
① 温排水を捨てずに利用します。川の温度を大きく上げずにすむので生態系を壊しま
せん。
② 熱を得る際に燃料を燃やさないのでクリーンです。
③ 人工排熱の未利用エネルギーは、熱の需要地点に近い都市型エネルギーです。
~雪氷冷熱利用~
① 凍結に伴うエネルギーは、外気など自然のエネルギーを利用するため、電力などの
既存エネルギーを使用しません。
② 雪が多く降る、外気が低いなど、今までマイナス要素と考えられていた環境が有利
に働きます。
③ 食物の貯蔵には、低温・高温の環境づくりが重要ですが、雪氷冷熱を利用した貯蔵
庫では水分を含んだ冷熱源を使用するため、これらの環境保持効果が高くなります。
(出典:NEDO「新エネルギーガイドブック」による
8.2 未利用エネルギーの現状
この分野については、データが乏しく導入状況を詳細に把握することは困難ですが、未
利用エネルギー(雪氷を除く)の導入量は、2004(平成 16)年では原油換算ベース 4.6
万 kL と、ここ数年横ばいで推移しています。一方、雪氷エネルギーについては、近年、地
方自治体などが中心となった取組みが活発化しており、2002(平成 14)年では貯雪量ベ
ースで7万トン余となっています(図 5-8-8、5-8-9 参照)。
図 5-8-8
図 5-8-9
未利用エネルギー導入量
(出典:エネルギー白書2007による)
雪氷エネルギー導入量(貯雪氷量ベース)
(出典:エネルギー白書2007による)
106
国の新エネルギー導入目標において、未利用エネルギーについては 2010 年に原油換算
で 58 万 kLと定めていますが、上図のように導入量は低く、目標の1割程度の水準です。
室蘭工大の媚山准教授の試算によれば、雪1トンの原油換算量は 9.695L/t とのことで、
2002 年度時点での貯雪量は原油換算で 700kL程度に過ぎません。
温度差エネルギーなどの未利用エネルギーを利用するためにはヒートポンプなどの施設
整備工事が必要であり、導入地点によってはその工事費も大きく変動します。利用者にと
っては、コスト的には都市ガスに比べて割高なものになります。一方、雪氷冷熱の利用に
おいても冷熱を作るためのエネルギーコストはほとんどかかりませんが、雪氷を貯めてお
くための施設費がかかります。冷熱需要によっては、大きな施設が必要となり初期投資が
嵩むので、ランニングコストが安くても、トータルとしては割高な場合もあります。
9.需要サイドの新エネルギー
わが国では、これまで述べた供給サイドの新エネルギーに加え、利用者側からみたエネ
ルギーの高度利用方法についても“新エネルギー”と定義しています。国際的には 1.2「新
エネルギーの定義と導入目標」で記述したように、供給サイドの再生可能エネルギーのみ
を“新エネルギー”とみなしています。
この分野に含まれるのはクリーンエネルギー自動車、天然ガスコージェネレーション、
燃料電池です。以下、これらについて簡単に触れます。
9.1 クリーンエネルギー自動車
クリーンエネルギー自動車とは、走行時に二酸化炭素を排出しないか、排出量が少ない
自動車を指し、この範疇には電気自動車、ハイブリッド車、天然ガス自動車、メタノール
自動車、ディーゼル代替LPガス車、燃料電池車が含まれます。
代表的なクリーンエネルギー自動車の仕組みは下図のとおりです。
図 5-9-1
主なクリーンエネルギー自動車の仕組み
(出典:新エネルギー財団「クリーンエネルギー自動車」より)
107
これらの自動車の普及台数と導入目標は表 5-9-1 のとおりです。国の目標では燃料電池
車を除き 348 万台の導入をめざしていますが、2004(平成 16)年の達成率は7%程度
に止まっています。クリーンエネルギー自動車のうち、普及台数が比較的多いのは、ハイ
ブリッド車です。また、2004(平成 16)年度のクリーンエネルギー自動車の出荷実績に
よれば、乗用車が約9割を占めています。
表 5-9-1
クリーンエネルギー自動車の普及台数と導入目標(単位:台)
普及台数(年度)
2000
2,600
3,800
4,700
5,600
7,700
8,500
110,000
ハイブリッド車
200
50,400
74,600
91,000
132,500
196,800
2,110,000
天然ガス自動車
1,211
7,811
12,012
16,561
20,638
24,263
1,000,000
314
157
135
114
62
60
200
7,883
12,602
14,962
17,054
19,483
20,670
260,000
12,208
74,770
106,409
130,329
180,383
250,293
3,480,000
メタノール車
ディーゼル
代替車
合計
2002
2003
2004
導入目標
1996
電気自動車
2001
2010 年度
(普及台数の出典:日本自動車工業会「クリーンエネルギー車」より)
都道府県別の導入台数は、トップの東京都は2千台を超えている一方で、最低は沖縄県
の 49 台と大きな差が生じています。北海道は 463 台で中位に位置します(13 年度実績)
。
表 5-9-2
上
クリーンエネルギー自動車の府県別導入数
位
下
位
順
府県名
台数
順
府県名
台数
①
東京都
2,249
①
沖縄県
49
②
愛知県
1,790
②
高知県
55
③
大阪府
1,128
③
佐賀県
67
④
神奈川
925
④
鳥取県
68
⑤
埼玉県
658
⑤
島根県
74
(出典:NEDO「新エネデータ」による)
(※)この表のクリーンエネルギー車は、電気自動車、ハイブリッド車、天然ガス車の合計
クリーンエネルギー自動車に関連して、岩谷産業(産業用ガスメーカー、東京)は、ク
リーンエネルギーである水素エネルギーへの理解を深めるため「日本縦断燃料電池車・水
素自動車キャラバン」を平成 19 年 9 月下旬から実施しました。キャラバン隊は、鹿児島
県種子島を出発して各地でサイエンス教室や試乗会を行いながら北上し、平成 19 年 10 月
18 日には洞爺湖町虻田中学校を訪問しサイエンス教室を実施したほか、洞爺湖ビジターセ
ンター駐車場で一般向けの試乗会を開催しました。
9.2 天然ガスコージェネレーション
天然ガスを燃料として、発電機で“電気”をつくる時に発生する“熱”も同時に利用し
て給湯・暖房に使う、エネルギー効率(投入エネルギーの約8割が電気や蒸気・温水に変換
されます)の高いシステムです。このシステムのイメージは図 5-9-2 のとおりです。
108
図 5-9-2
天然ガスコージェネレーションの仕組み
(出典:新エネルギー財団「天然ガスコージェネレーション」による)
コージェネレーション(燃料は天然ガスに限定しない)は、1980 年代の後半以降は毎
年 40~45 万 kW 程度導入されてきており、2005(平成 17)年度末の設置件数は 6,948
件、発電容量は 862 万 kW で、わが国の発電設備の約3%を占めています。これを民生用
と産業用に区分すると、設置件数では6割強が民生用ですが、発電容量では8割が産業用
です。天然ガスコージェネレーションの国の導入目標は燃料電池によるものを含めて 464
万 kWです。
図 5-9-3
コージェネレーションの設置件数と発電容量
(出典:KGC・日本コージェネレーションセンター「コージェネ導入実績」より)
109
表 5-9-3
民生、産業用別の設置件数と発電容量(件、MW)
件
数
発電容量
DE
GE
民生用
1,192
3,126
320
4,638
695
592
359
1,646
産業用
1,275
546
489
2,310
2,743
951
3,281
6,975
合
2,467
3,672
809
6,948
3,438
1,543
3,640
8,622
計
GT
合計
DE
GE
GT
合計
(出典:KGC・日本コージェネレーションセンター「コージェネ導入実績」より)
コージェネレーションに使用する原動機には、ガスエンジン(GE)
、ガスタービン(G
T)
、ディーゼルエンジン(GE)があり、一般的にガスエンジン、ディーゼルエンジンは
電力負荷が比較的小さな施設、ガスタービンは電力負荷および熱利用が大きい施設に導入
されます。
表 5-9-4
原動機
ガスエンジン
コージェネ用原動機の特徴
ディーゼルエンジン
ガスタービン
適用規模
1~5000kW
15~17,000kW
28~100,000kW
発電効率
21~45%
30~47%
20~35%
総合効率
65~87%
60~80%
70~84%
燃
ガス
灯油・重油
ガス・灯油・A重油
主として温水
主として温水
主として蒸気
発電効率が高い
燃料単価が安い
小型軽量
冷却水不要
低振動・低騒音
蒸気として排熱利用
料
排熱回収
特
長
排ガスがクリーン
熱回収が容易
総合効率が高い
メンテナンス容易
(出典:KGC・日本コージェネレーションセンター「コージェネ導入実績」より)
9.3 燃料電池
燃料電池は「水素」と「酸素」を化学反応させて、直接「電気」を発電する装置です。
これは、水の電気分解の逆反応になります(図 5-9-4 参照)。
燃料となる「水素」は、天然ガスやメタノールを改質して作るのが一般的ですが、最近
ではプロパンガス、灯油やバイオガス(生ごみ、家畜ふん尿など)からも改質できるよう
になりました。
「酸素」は大気中から取り入れます。発電と同時に発生する熱を利用するこ
とができます。
図 5-9-4 燃料電池と水の電気分解
(出典:KGC・日本コージェネレーションセンター「燃料電池とは?」より)
110
燃料電池にはいろいろな種類がありますが、りん酸形が最も開発が進んでおり商用化さ
れています。
図 5-9-5
燃料電池の種類と開発段階
(出典:KGC・日本コージェネレーションセンター「燃料電池とは?」より)
燃料電池の導入状況をNEDOのデータでみると、商用化されているりん酸形では、
1996(平成 11)年に一時的に 3 万 kW を超えたものの、その後減少を続け、最新の統
計では導入台数 47 件、発電容量 8 千 kW 程度にとどまっています。
(件数)
(容量:kW)
35,000
140
30,000
120
25,000
100
20,000
80
15,000
60
10,000
40
5,000
20
0
0
1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003
容量(kW)
図 5-9-6
件数
燃料電池(りん酸形)の導入量の推移
棒グラフ/線グラフ
(NEDO「新エネデータ」より作成)
111
10.豊浦町の新エネルギー賦存量
10.1 新エネルギーの種類と調査対象新エネルギー
豊浦町において、賦存が見込まれる新エネルギーを表 5-10-1 に示します。
種別
大区分
太陽光
太陽熱
自
然
(
再
生
可
能
)
エ
ネ
ル
ギ
ー
風力
河川水
海水
雪
深層熱
水
表5-10-1 豊浦町における新エネルギーの抽出と利用状況
新エネ
新エネルギーの利用方法
ルギー
政府の取組・補助など
及び利用例
名称
太 陽 光 ・昼間、日射のある時間帯に発電し、 ・コストは低下してきているがまだ高価
発電
自家消費するとともに、余剰分は、 ・3kw:約210万円
電力会社に売電
(系統連系等の設備含む。平成15年度)
・夜間等発電できない時間帯は、電 ・政府の主な取組
力会社から電力を買うことになる
-新エネルギー事業者支援対策事業(補
が、太陽電池で発電した電力は電
助事業):経済産業省(50kW以上、
力会社から買うのと同じ単価で売
1/3以内)
ることができる。
- 地 域 新 エ ネ ル ギ ー 導 入促 進 事 業 :
NEDO(1/2又は1/3以内・定額)
-地方公共団体率先対策補助事業:環境
省(1/2、一部定額)
-太陽光発電新技術等フィールドテス
ト事業:NEDO(1/2)
-環境共生住宅割増融資:住宅金融公庫
ソーラーコレク ・暖房、給湯用熱源
・政府等の主な取組
ター
・土壌及び帯水層への季節間蓄熱に
-地域新エネルギー導入促進事業:
よる融雪利用等
NEDO(1/2又は1/3以内・定額)
・豊浦小学校プールで利用している。 -太陽熱高度利用システムフィールド
方位は南で、傾斜角35°。
テスト事業:NEDO(1/2相当額)
-環境共生住宅割増融資:住宅金融公庫
風 力 発 ・一般電力系統に発電電力の販売が ・デンマーク、アメリカなどでは大規模風力プラント
電
可能
稼働
・豊浦町の風況はあまり良くない状 ・安定した風力があれば有力
況にある。
・政府等の主な取組
-新エネルギー事業者支援対策事業(補
助事業):経済産業省(1/3以内)
-地域新エネルギー導入促進事業:
NEDO(1/2又は1/3以内・定額)
-風力発電フィールドテスト事業:
NEDO(高所風況精査1/2相当額)
河川水 ・冷却水や暖房・給湯のためのヒートポ ・政府等の主な取組
ンプの熱源として東京都の箱崎地
-新エネルギー事業者支援対策事業(補
区地域冷暖房などで利用
助事業):経済産業省(1/3以内)
・滝川市では流雪溝の流雪水として
-地域新エネルギー導入促進事業:
既に利用
NEDO(1/2又は1/3以内・定額)
-地域新規産業創造技術開発費補助事
海水
・冷却水や暖房・給湯のためのヒートポ
業:経済産業省(1/2又は2/3以内)
ンプの熱源として中部国際空港島、
大阪南港コスモスクエアなどで利用
・道内や東北地方で農産物等の貯蔵 ・食物貯蔵
に利用
・建物の部分冷房
・マンション、老人保健施設の冷房に利用 ・政府等の主な取組
・札幌市ではモエレ沼公園内「ガラス -新エネルギー事業者支援対策事業(補
のピラミッド」の冷房に利用
助事業):経済産業省(1/3以内)
-地域新エネルギー導入促進事業:
NEDO(1/2又は1/3以内・定額)
-バイオマス等未活用エネルギー事業調査
事業:経済産業省(定額-上限1千万
円)
・温泉利用・暖房・給湯
・政府等の主な取組
・道路融雪
-地域新規産業創造技術開発費補助事
・豊浦町には天然温泉「しおさい」
業:経済産業省(1/2又は2/3以内)
がある。
112
バイオマス 剪 定 枝 ・木材チップ、薪、炭等による直接燃 ・政府等の主な取組
等 ( 抜 焼利用
-バイオマス等未活用エネルギー事業調査
根、草を
事業:経済産業省(定額-上限1千万
含む)、
円)
建 設 系
-地域新エネルギー導入促進事業:
木くず、
NEDO(1/2又は1/3以内・定額)
間伐材
-地域バイオマス熱利用フィールドテスト事業:
NEDO(1/2)
廃 棄 物 廃 食 用 ・環境汚染の一因となっている廃食 ・政府等の主な取組
利用
油
用油を回収処理し、自動車燃料(バ
-新エネルギー事業者支援対策事業:経
イオ・ディーゼル燃料:BDF)を生
済産業省(1/3以内)
産する。
-バイオマス等未活用エネルギー事業
調査事業:経済産業省(定額-上限1
食 品 ご ・事業系の食品ごみや家庭から排出
千万円)
み(生ご される生ごみを用いてメタンガス
み)
を発生させ、発電や熱利用を行う。 - 地 域 新 エ ネ ル ギ ー 導 入 促 進 事 業 :
NEDO(1/2以内又は1/3以内、定額)
家 畜 ふ ・家畜のふん尿を用いてメタンガス
ん尿
を発生させ、発電や熱利用を行う。 -新エネルギー・省エネルギー非営利活
動促進事業:NEDO(1/2以内)
-地域バイオマス熱利用フィールドテ
スト事業:NEDO(1/2)
等
下 水 廃 ・冷却水や暖房・給湯のためのヒートポ ・政府等の主な取組
熱
ンプの熱源として幕張新都心などで
-地域新エネルギー導入促進事業:
利用
NEDO(1/2又は1/3以内・定額)
・道内では札幌市、旭川市で融雪槽、 -地域社会基盤整備融資:日本政策投資
江別市で流雪溝など雪処理施設に
銀行(40%以内)
利用
等
ご み 焼 ・全国各地で発電や熱利用
・政府等の主な取組
却廃熱
-地域新エネルギー導入促進事業:
NEDO(1/2または1/3以内・定額)
産 業 廃
-地域社会基盤整備融資:日本政策投資
棄物(農
銀行(40%以内)
業 廃 棄
等
物)
ク リーン エ ネ ル ギ ー ・電気自動車、天然ガス車、ハイブリッド ・政府等の主な取組
自動車
カーなどの、環境負荷の少ない低公
-地域新エネルギー導入促進事業:
害車等の導入
NEDO(1/2または1/3以内・定額)
-新エネルギー・省エネルギー非営利活
動促進事業:NEDO(1/2以内)
-クリーンエネルギー自動車等導入促進事
従
業:(財)日本電動車両協会他(1/2以
来
型
内、1/3以内ほか)
エ
等
ネ 天然ガスコージェネレー ・オンサイトでエンジンやタービンを回し、発電 ・政府等の主な取組
ル ション
と同時に排熱を暖冷房、給湯などに
-地域新エネルギー導入促進事業:
ギ
利用。従来の遠距離大規模火力発電
NEDO(1/2または1/3以内・定額)
ー
所より、総合エネルギー効率が高く
-新エネルギー事業者支援対策事業(補
の
できる。
助事業):経済産業省(1/3以内)
新
等
利
・「水素」と「酸素」を化学反応さ ・政府等の主な取組
用 燃料電池
形
せて、直接「電気」を発電する装
-新エネルギー事業者支援対策事業(補
態
置。発電と同時に熱も発生しエネ
助事業):経済産業省(1/3以内)
ルギー効率が高い。
地域新エネルギー導入促進事業:
NEDO(1/2または1/3以内・定額)
-新エネルギー・省エネルギー非営利活
動促進事業(補助事業):NEDO(1/2
以内)
(※)廃食用油は生活系の廃棄物であり「バイオマス」に、下水廃熱は「温度差エネルギー」に位置付け
られますが、本表では、大区分で便宜的に「廃棄物利用」としました。
113
10.2 調査方法
新エネルギー賦存量の算出においては,実績値のあるものは実績値を用い、実績値のな
いものは既存資料等をもとに推計しました。
10.2.1 豊浦町新エネルギー賦存量推計方法
新エネルギー別の賦存量推計方法を表 5-10-2 に示します。
表 5-10-2
種別
大区分
太陽光
自
然
(
再
生
可
能
)
エ
ネ
ル
ギ
ー
新エネルギー名称
推計方法
太陽光発電
備
考
・日本建築学会「拡張アメダス気象デー ・賦存量算定
タ」を用いて豊浦町の標準的な日射量
のための総
を算出
合変換効率
は実績値等
か ら 8% と
した。
太陽熱
ソーラーコレクター
・同上
・賦存量算定
のための総
合変換効率
は実績値等
40% と し
た。
風力
風力発電
・年平均風速
河川水
・河川水水温実測値
海水
・海水水温実測値
雪
・年間降雪量
深層熱水
・北海道立地質研究所資料
・賦存量の算出は、以下の式による。
賦存量[MJ/h]=湧出量[㍑/分]×(泉温
-10℃)×60分×4.18605
バイオマス 農 林 業 廃 棄 物 - 間 伐 ・間伐材:北海道水産林務部森林計画課
材伐採量
実績値
廃棄物利用 廃食用油
リ
サ
イ
ク
ル
型
エ
ネ
ル
ギ
ー
豊浦町新エネルギー賦存量推計方法
家畜ふん尿
下水廃熱
ごみ焼却廃熱
コージェネレーション
ー従
の来
新型
利エ
用 ネ クリーンエネルギー自動車
形ル
態ギ
・環境汚染の一因となっている廃食用油
を回収処理し、自動車燃料(バイオ・
ディーゼル燃料:BDF)等を生産する。
・廃食用油 家庭からの廃食用油排出量
950g/人/年(出典:新環境管理設備
事典編集委員会「廃棄物処理・リサイ
クル事典」(㈱産業調査会)として算
出
・町域の家畜種別頭羽数に、家畜一頭羽
当りの年間ふん尿量と単位ふん尿当り
のメタンガス発生量を乗じて求めた。
・総流入水量量をもとに推計する。
・熱回収はヒートポンプにより行うものとす
るが、賦存量は下水処理水から回収す
る熱量とする。
・推計式
Qd= γw ×Vw× Δ t × Cw × COP ÷
(COP-1)
Qd:下水処理水よりヒートポンプにより年
間回収可能熱量
γw:水の比重(=1)
Vw :年間流入下水量 Cw :水の比
熱
Δt:ヒートポンプによる回収温度差
・焼却処理実績値
・町域における導入実績
・町域における導入実績
114
10.2.2 新エネルギーの賦存量について
豊浦町の新エネルギーの賦存量については、
「潜在賦存量」と「期待可採量」の2つに分
けて推計することとします。それぞれの賦存量の定義は、以下のとおりです。
潜在賦存量:理論的に算出しうる潜在的なエネルギー資源量で、実際の制約条件は考慮し
ない量。
期待可採量:新エネルギーの採取における技術的・社会的制約条件を考慮した量。
この定義に基づき、各々の新エネルギーについて考え方を整理したものを、表 5-10-3
に示します。
表5-10-3
種別
自
然
(
再
生
可
能
)
エ
ネ
ル
ギ
ー
大区分
新エネルギー名称
賦
太陽光
太陽光発電
潜在賦存量
町域面積×日射量
太陽熱
ソーラーコレクター
町域面積×日射量
風力
河川水
海水
雪
深層熱水
風力発電
-
-
-
町域面積×最深積雪深
賦存量の算出は、以下の式によ
る。
賦存量[kcal/h]=湧出量[㍑/
分]×(泉温-10℃)×60
分
間伐材伐採量×密度×単位発
熱量
バイオマス
廃棄物利用
農林業廃棄物
-間伐材伐採
量
廃食用油
家畜ふん尿
下水廃熱
ごみ焼却廃熱
の
新
利
用
形
態
豊浦町における新エネルギー賦存量の考え方
従
来
型
エ
クリーンエネルギー自動車
ネ
ル
ギ
ー
存
量
期待可採量
業務系建物屋根面積(町内延床面
積 推 計 値 の 1/2 で あ る 約
30,000m2 と 、 戸 建 世 帯 約
1,500戸に30m2/戸(約3kW相
当)の太陽光発電を設置したとす
る)
-
-
-
運搬排雪量
潜在賦存量に同じ
潜在賦存量に同じ
人口×950g/人/年(家庭から
の排出量)
家畜頭数×家畜一頭当りの年
間ふん尿量×単位ふん尿当り
のメタンガス発生量
下水処理水量×ヒートポンプによ
る回収温度差
潜在賦存量に同じ
(回収率100%)
ごみ焼却量×単位発熱量
潜在賦存量に同じ
現在の自動車保有台数の全て
年間新車販売台数
115
潜在賦存量に同じ
潜在賦存量に同じ
10.3 豊浦町における新エネルギー賦存状況
10.3.1 自然(再生可能)エネルギー
(1)太陽光発電
ここでは、日本建築学会「拡張アメダス気象データ 1981-2000」に収録されている標
準アメダスデータと気象データ操作プログラムを用いて、大岸(虻田郡豊浦町大岸 標高
8m)における水平面日射量、並びに、南面の傾斜角 45 度の年間日射量を算出し、豊浦町
における太陽光発電の賦存量を算出しました。
算出結果は、表 5-10-4 に示すように、町域全体を対象とした潜在賦存量が 19,976×
106kWh/年、町域の建築物設置可能面積を対象とした期待可採量が 7.826×106kWh/
年でした。これらの値は、2005(平成 17)年度に豊浦町で使用した総電力量の、潜在賦
存量で約 677 倍、期待可採量で 0.27 倍にあたる量です。
表 5-10-4
項目
豊浦町における太陽光発電エネルギー賦存量の算出
潜在賦存量
期待可採量
対象日射量
水平面日射量
傾斜角 45 度日射量
方位角
-
0 度(真南)
太陽光発電システム総合効率
8%
年間日射量 [kWh/㎡/年]
1,069.2
1,304.3
業務系建物屋根面積(町内延床面積
推計値の 1/2 である約 30,000m2
名称
全町域
と、戸建世帯約 1,500 戸に 30m2/
賦存量算定対象面積
戸(約 3kW 相当)の太陽光発電を
設置したとする)
面積
233.54k ㎡
75,000m2
6
賦存量 [×10 kWh/年]
19,976
7.826
2005(平成 17)年度豊浦町総電力使用
量 29.497×106kWh/年を1とした場
677.2
0.27
合の比率
(2)太陽熱
太陽熱の賦存量算出においても、日本建築学会「拡張アメダス気象データ 1981-2000」
に収録されている標準アメダスデータと気象データ操作プログラムを用いて、大岸(虻田
郡豊浦町大岸 標高 8m)における水平面日射量、並びに、南面の傾斜角 45 度の年間日射
量を算出し、豊浦町における太陽熱利用の賦存量を算出しました。
算出結果は、表 5-10-5 に示すように、町域全体を対象とした潜在賦存量が 359.6×
103TJ/年、町域の建築物の建築面積の 1/2 を対象とした期待可採量が 0.141×103TJ/
年でした。これらの値は、豊浦町の 2005(平成 17)年度の民生部門家庭で使用された灯
油使用量推計値 126.5×TJ/年の、潜在賦存量で 2,842 倍、期待可採量で 1.11 倍にあた
る量です。
表 5-10-5 豊浦町における太陽熱利用エネルギー賦存量の算出
項目
潜在賦存量
期待可採量
対象日射量
水平面日射量
傾斜角 45 度日射量
方位角
-
0 度(真南)
ソーラーシステム総合効率(年間平均)
:受
熱面の年間総日射量に対する実際に給湯等
40%
に有効に利用された日射量の割合
年間日射量 [MJ/㎡/年]
3,849
4,695
名称
全町域
設置可能推計面積
賦存量算定対象面積
面積
233.54k ㎡
75,000m2
3
賦存量 [×10 TJ/年]
359.6
0.141
2005(平成 17)年度豊浦町民生部門家庭で
の灯油使用量推計値 126.5×TJ/年を1と
2,842
1.11
した場合の比率
116
(3)風力
①風車の運転方法
風力発電に用いる風車の運転モードの例を、図 5-10-1 に示します。
風車が発電を開始するときの最低の風速を「カットイン風速」、風車が発電可能な最大風
速を「カットアウト風速」といいます。風車は、風速が次第に大きくなり、カットイン風
速に達すると発電を開始します。ここから定格風速までは、ピッチ制御などにより最大出
力を得る運転を行います。定格風速を超えると、発電機の容量が不足するため、出力を定
格値に保つ運転を行います。風速が、風車ロータの運転設計強度の限界に達するカットア
ウト風速まで増大すると風車は停止するか、停止に近い状態となります。一般に、カット
イン風速は 3~5m/s、カットアウト風速は 20~25m/s 程度です。
出力
定格出力
風速
カットイン風速
定格風速
図 5-10-1
カットアウト風速
風車の運転モード(出力曲線)
②豊浦町の風況
豊浦町 年平均風速
3
年平均風速 m/s
2.5
2
1.5
1.3
1.3
2002
2003
1.4
1.4
2004
年
2005
1.5
1
0.5
0
図 5-10-2
2006
豊浦町大岸における年平均風速の推移
豊浦町の直近 5 年間の年平均風速(大岸観測所)を図 5-10-2 に示します。
風力発電は、年平均風速が 5~6m/s の場合、風力発電の初期投資額の回収が可能と見込
まれ、年平均風速が 6m/s を超える場合、風力発電事業化が可能と見込まれています。
豊浦町の年平均風速は 1.3~1.5m/s であり、風力発電事業化の可能性は低いといえます。
117
(4)河川水
河川水は、一般に、気温に比べ夏期は低く、冬期は高いため、夏期は空調用の冷却水と
して、冬期は暖房用のヒートポンプの熱源として利用することが考えられます。
豊浦町には、水力発電所や鮭捕獲施設であるインディアン水車のある貫気別川をはじめ、
小鉾岸川、礼文華川などがあり、代表点において年 3 回の水質等の調査が行われています。
水質調査による代表的な河川の月別水温変動を示したのが、図 5-10-3 です。冬期の測
定値がないが、一般に、冬期の北海道の河川水温はほぼ 0℃となり、ヒートポンプの熱源と
しては 8℃程度が必要なことから、暖房等への利用は困難です。ただし、夏期の冷却水とし
ての利用は可能であり、冷凍機の効率向上を図ることは可能です。
25
河川水温度 ℃
20
貫気別川
小鉾岸川
礼文華川
弁辺川
15
10
5
0
6月
8月
平成18年度
図 5-10-3
10月
水質調査地点別月別水温変動
(5)海水
豊浦町沖合の水深 1m、10m、30m で測定された海水の月平均温度を図 5-10-4 に示
します。河川水と同様に、気温に比べ夏期は低く、冬期は高いため、夏期は空調用の冷却
水として、冬期は暖房用のヒートポンプの熱源として利用することが考えられます。
冬期の海水温度は、水深 1m と 30m では約 4℃となっており、深さによる変化は見ら
れません。河川水より温度は高いが、ヒートポンプの熱源としては 8℃程度が必要なことか
ら、暖房等への利用は困難です。
25.0
海水温度 ℃
20.0
15.0
-1m水温
-10m水温
-30m水温
10.0
5.0
0.0
4月
5月
6月
7月
8月
図 5-10-4
9月 10月 11月 12月 1月
平成18年度
2月
3月
豊浦町沖合の水深別海水温度変動
118
(6)雪
①降雪量
豊浦町は、冷涼な北海道にあって比較的温暖な気候であり、積雪も少ない地域です。最
近 5 年間の豊浦町大岸、札幌、室蘭の降雪量を図 5-10-5 に示します。
大岸における最近 5 年間の平均は 109.4cm となっており、札幌の約 2 割と少なく、室
蘭より少なくなっています。また、雪冷熱利用が容易となる運搬排雪については、市街地
で行われているので、この排雪を上手く活用すれば、豊浦町における雪冷熱利用の可能性
も有望と考えられます。
700
617
574
年間降雪量合計 cm
600
500
493.6
465
415
397
400
300
200
豊浦町大岸
札幌
室蘭
248
162
94
100
92
148 149
120
48
136.4
109.4
97
71
図 5-10-5
5年平均
2006(H18)
2005(H17)
2004(H16)
2003(H15)
2002(H14)
0
豊浦町大岸、札幌、室蘭の最近 5 年間の降雪量の推移
②豊浦町における雪冷熱賦存量
雪の持つ冷熱エネルギーの賦存量を算出したのが、表 5-10-6 です。算出は、雪の融解
潜熱のみを対象としました。降雪量並びに運搬排雪量は、最近 5 年間の平均値を用いまし
た。
潜在賦存量は、町域全体に降った全ての雪の量としており、8,525TJ/年となっていま
す。期待可採量は、運搬排雪された雪の量を対象としますが、町域での運搬排雪は一部で
実施されているに過ぎないため、今回の算定対象とはしません。
表 5-10-6
項
目
対象とする雪
雪密度 [kg/m3]
雪の融解潜熱[kJ/kg]
降雪量
賦
存
量
[cm]
[TJ/年]
豊浦町における雪冷熱エネルギー賦存量の算出
潜在賦存量
期待可採量
町域に降った雪
運搬排雪された雪の量
(町域面積 233.54k ㎡)
0m3
5 年間平均降雪量:109cm
100
500
334.9
109
-
(最近 5 年間の平均)
8,525
-
119
(7)深層熱水
①しおさい
豊浦町には、泉質:カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉(低張性中性高温泉)、泉温:53.0℃、
湧出量:400 ㍑/分と、泉質は同じで泉温:46.5℃、湧出量:208 ㍑/分の 2 本の温泉井
戸を有する温泉施設「天然豊浦温泉しおさい」があり、温泉熱利用が考えられます。
②賦存量
深層熱水の賦存量は、次式を用いて算出しました。
深層熱水賦存量=湧出量[㍑/分]×(泉温-10℃)×60 分
豊浦町の賦存量は、時間当りで 6,227MJ/h、年間にすると 54,547GJ/年と算出され、
灯油換算すると 1,486kL に相当する量です。
(8)バイオマス
ここでは木質のバイオマス資源として、森林の間伐材と街路樹等の剪定枝が挙げられま
すが、街路樹等の剪定枝は量も少なく、剪定量を把握されていないため、ここでは森林の
間伐材量を対象とします。
①間伐材料
北海道水産林務部資料による、豊浦町内森林の最近 5 年間の間伐材伐採量を図 5-10-6
に示します。
最近 5 年間で最も間伐材伐採量の多かったのは、2006(平成 18)年度の 2,422m3
で、最も少なかったのは、2005(平成 17)年の 604m3 となっており、5 年間の平均は
1,477m3 でした。
3000
2422
2500
間伐材材積 m3
2040
2000
1,477
1500
1247
1073
1000
604
500
0
2002(h14)
2003(h15)
2004(h16)
2005(h17)
2006(h18)
平均
年度
図 5-10-6
豊浦町における間伐材材積変動
②賦存量
豊浦町の最近 5 年間の平均間伐材伐採量を用いて、賦存量を算出します。賦存量は燃焼
させた場合の熱量として算出します。算出にあたっては、
間伐材の材積密度を 500kg/m3、
木材の発熱量を 18.84MJ/kg として算出し、潜在賦存量と期待可採量は、運搬されるため
同じとしました。
120
算出結果は、
表 5-10-7 に示すように、
合計で 13,913GJ/年、灯油換算にすると 379kL
に相当する量となりました。
表 5-10-7
豊浦町におけるバイオマスエネルギー賦存量の算出(潜在賦存量、期待可採量)
項 目
間伐材
年間排出量
1,477m3/年
(2002(平成 14)年度から 2006(平成 18)年度までの 5 年間の平均)
材積密度 [kg/m3]
500
木材の発熱量 [MJ/kg]
18.84
賦 存 量 [GJ/年]
13,913
賦存量の灯油換算量
379kL
( )内は、1世帯当り灯油使用量を 2kL/年/世帯とした場合の世帯数 (約 190 世帯)
10.3.2 廃棄物利用
(1)廃食用油
エネルギーの再利用、循環の観点から廃食用油を回収・精製し、自動車のディーゼル燃
料とする試みが各地で行われています。
①廃食用油発生量
新環境管理設備事典編集委員会「廃棄物処理・リサイクル事典」
(㈱産業調査会)による
と、家庭からの廃食用油排出量は 950g/人/年と推計しており、ここでは、豊浦町の廃食
用油発生量をこの原単位を用いて算出します。また、廃食用油の比重は 0.92(日本財団ホ
ームページ:シップ・アンド・オーシャン財団「遮熱エンジンによる廃食用油等の処理シ
ステムに関する研究開発」
)としました。
②賦存量
回収率別(30%、50%、70%、100%)の廃食用油回収量とバイオ・ディーゼル燃料
製造可能量を表 5-10-8 に示します。ただし、廃食用油1リットルから生産できるバイオ・
ディーゼル燃料は 0.95 リットル(出典:左巻健男、金谷健「ごみ問題 100 の知識」)と
しました。
2006(平成 18)年度の回収可能量は、回収率 50%で 5.7 ㍑/日、100%では 11.4
㍑/日となっています。また、バイオ・ディーゼル燃料製造可能量は、回収率 50%で 5.4
㍑/日、100%で 11 ㍑/日となっています。
表 5-10-8
年
豊浦町におけるバイオ・ディーゼル燃料製造可能量の算出
廃食用油量
回収重量
回収容積
回収率別回収量
(950g/人/年) (比重0.92) 30%
50%
70%
100%
t
kl
㍑/日 ㍑/日 ㍑/日 ㍑/日
5.0
4.6
3.8
6.3
8.9
12.6
バイオ・ディーゼル燃料
回収率別製造可能量
30%
50%
70%
100%
㍑/日 ㍑/日 ㍑/日 ㍑/日
3.6
6.0
8.4
12.0
2002
豊浦町
人口
人
5,282
2003
5,145
4.9
4.5
3.7
6.2
8.6
12.3
3.5
5.9
8.2
11.7
2004
5,001
4.8
4.4
3.6
6.0
8.4
12.0
3.4
5.7
8.0
11.4
2005
4,880
4.6
4.3
3.5
5.8
8.2
11.7
3.3
5.6
7.8
11.1
2006
4,775
4.5
4.2
3.4
5.7
8.0
11.4
3.3
5.4
7.6
10.9
121
(2)家畜ふん尿
①豊浦町における家畜数
家畜種別頭数を表 5-10-9(表 2-3-6 の一部再掲)に示します。
豊浦町の家畜頭数は、2004(平成 16)年時点で乳用牛 1,020 頭、肉用牛 1,240 頭、
豚 9,080 頭となっています。
表 5-10-9
家畜種別
豊浦町
豊浦町における畜産家畜頭数
乳用牛
肉用牛
1,020 頭
1,240 頭
2,260 頭(牛 計)
計
豚
9,080 頭
9,080 頭
(出典:農水省「畜産累年統計」
「北海道農林水産統計年報」
)
②賦存量
家畜ふん尿の賦存量は、経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部監
修「地域新エネルギー・省エネルギービジョン策定ガイドブック」
(2003 年 7 月)
(以降、
策定ガイドブック)に示された方法によって算出します。算出結果を表 5-10-10 に示し
ます。ただし、発生したメタンガスは発電と熱利用に用いることとして、ガスエンジンコ
ージェネレーションを想定し、発電効率 25%、熱利用率 50%、総合効率 75%(各種コ
ージェネレーション関連文献を参考に設定)としました。
豊浦町における家畜ふん尿エネルギー賦存量は、年間発電電力量 3,300MWh/年、年間
熱利用量 23,760GJ/年(灯油換算 647kL/年)となっています。
表 5-10-10
家畜種別
家畜頭数
家畜一頭当り年間ふん尿量※1
年間ふん尿量
メタン発酵によるガス発生量※1
年間メタンガス発生量
計
メタンガス平均発熱量※2
メタンガス発生熱量
メタンガス利用発電効率及び熱利用率
(ガスエンジン発電を想定)
年間発電量
賦存量
年間熱利用量
家畜ふん尿の賦存量算出結果
牛
豚
2,260 頭
9,080 頭
15t/(頭・年)
2.5t/(頭・年)
33,900t/年
22,700t/年
3
50m /t
30m3/t
1,695,000m3/年
681,000 m3/年
2,376,000 m3/年
20MJ/m3
47,520GJ/年
発電効率 25%、熱利用率 50%
3,300MWh/年
(=47,520GJ/年×25%÷3.6MJ/kWh)
23,760GJ/年(灯油換算 647kL/年)
(=47,520GJ/年×50%)
(出典:※1 経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部監修「地域新エネルギー・
省エネルギービジョン策定ガイドブック」
(2003 年 7 月)
、※2 独立行政法人新エネルギー・産
業技術総合開発機構「バイオマスエネルギー導入ガイドブック(第 2 版)
」
(2005 年 9 月)
122
(3)下水廃熱
豊浦町の下水道には、豊浦、大和の 2 つの浄化センターがあります。
①下水処理水温度
豊浦及び大和浄化センターにおける、下水処理水の最近 3 年間の月平均放流水の温度変
動を図 5-10-7、図 5-10-8 に示します。
月平均放流水温度は、冬期においてもほぼ 12℃を上回っており、ヒートポンプの熱源と
しての利用が可能です。
豊浦浄化センター 月平均放流水温度変動
月平均放流水温度 ℃
25
20
15
2004年度
2005年度
2006年度
10
5
0
4
5
6
7
8
9
10
11
12
1
2
3
月
図 5-10-7
豊浦浄化センター
月平均放流水温度変動
大和浄化センター 月平均放流水温度変動
月平均放流水温度 ℃
25
20
15
2004年度
2005年度
2006年度
10
5
0
4
5
6
7
8
9
10
11
12
1
2
3
月
図 5-10-8
大和浄化センター
月平均放流水温度変動
②下水処理水量
豊浦及び大和浄化センターにおける最近 3 年間の月別総処理量と年間総処理量を、図
5-10-9、図 5-10-10 に示します。
豊浦浄化センターでは、月別処理量は、各年とも 8 月が最も多くなっています。おおよ
その傾向として夏期が多く、冬期が少なくなっています。これに対し、大和浄化センター
は、雪解け水が流入する 3 月、4 月の処理量が増えています。
年間総処理量は、豊浦浄化センターで 447~478 千 m3、大和浄化センターで約 20 千
m3 となっており、豊浦浄化センターは大和浄化センターの 23 倍程度の年間処理量となっ
ています。
123
豊浦浄化センター 月別総処理水量
豊浦浄化センター
年間総処理水量
60,000
40,000
2004年度
2005年度
2006年度
30,000
20,000
10,000
年間総処理水量 千m3
月別総処理水量 m3
600
50,000
500
447
478
456
2004(h16)
2005(h17)
400
300
200
100
0
0
4
5
6
7
8
9
10
11
12
1
2
3
2003(h15)
月
図 5-10-9
年度
豊浦浄化センター
月別及び年間総処理水量変動
大和浄化センター 月別総処理水量
大和浄化センター
年間総処理水量
2,500
1,500
2004年度
2005年度
2006年度
1,000
500
0
年間総処理水量 千m3
月別総処理水量 m3
25
2,000
20
20
20
2003(h15)
2004(h16)
19
15
10
5
0
4
5
6
7
8
9
10
11
12
1
2
3
月
図 5-10-10
2005(h17)
年度
大和浄化センター
月別及び年間総処理水量変動
③賦存量
1)算出方法
下水処理水の持つ熱量の回収はヒートポンプを用いて行うものとし、ヒートポンプで温
度差 5℃の熱を回収するものとします。
したがって、下水総処理水量に温度差 5℃を乗じて賦存量を算出しました。
2)下水廃熱賦存量
2006(平成 18)年度の総処理水量を用いて下水廃熱を算出したものを、表 5-10-11
に示します。
下水廃熱賦存量は、豊浦浄化センターで 9,549GJ/年、大和浄化センターで 391GJ/
年と推計されます。また、この熱量は灯油量に換算するとそれぞれ約 260kL、11kL に相
当し、戸建住宅一世帯当りの年間灯油使用量を 2kL/世帯/年とすると、豊浦浄化センター
で 130 世帯分、大和浄化センターで約 5 世帯分の灯油使用量に相当することとなります。
表 5-10-11
項
豊浦及び大和浄化センター下水廃熱賦存量の算出
潜在賦存量及び期待可採量
豊浦浄化センター
大和浄化センター
目
年間総下水処理量
(2006(平成 18)年度)
センター別
回収熱量
(温度差 5℃)
計
賦存量
センター別
回収熱量の灯油換
算量
計
456.2 千 m3/年
18.7 千 m3/年
9,549GJ/年
391GJ/年
9,940GJ/年
約 260kL/年
約 11kL/年
約 271kL/年
124
(4)ごみ焼却熱
豊浦町の可燃ごみは、現在、室蘭市にある西胆振地域廃棄物広域処理施設(メルトタワ
ー21)に運ばれ、焼却処理されています。メルトタワー21 では、焼却処理の際に出る排
熱を回収し 1,980kW の出力の発電機によって発電を行っています。
①西胆振地域廃棄物広域処理施設(メルトタワー21)の概要
西胆振地域廃棄物広域処理施設(メルトタワー21)は、可燃ごみ処理 105t/日×2 炉、
不燃、粗大ごみ 57t/6h の処理能力を持っています(表 5-10-12)
。
表 5-10-12
西胆振地域廃棄物広域処理施設(メルトタワー21)の概要
処理能力
可燃ごみ処理 105t/日×2 炉
不燃、粗大ごみ 57t/6h
室蘭市石川町 22-2
平成 15 年 3 月
所在地
竣工年月
②可燃ごみ処理状況
豊浦町の可燃ごみ処理量の変動を、図 5-10-11 に示します。
豊浦町の可燃ごみ量は、有料化前の 2003(平成 15)年度は 1,600tと多くなってい
ますが、その後、1,250~1,280t/年と横ばいで推移しています。
1,800
1,600
1,596
可燃ごみ量 t/年
1,400
1,267
1,254
1,282
2005
2006
1,200
1,000
800
600
400
200
0
2003
2004
年度
図 5-10-11
豊浦町の可燃ごみ処理量変動
③ごみ焼却熱賦存量
ごみ焼却熱の賦存量の算出は、年間の可燃ごみ処理量に年毎に算出された単位重量当り
の発熱量を乗じて求めました。
最近4年間のごみ焼却熱賦存量の算出結果を、表 5-10-13 に示します。
可燃ごみの減少とともにごみ焼却熱量も減少傾向にありますが、2003(平成 15)年度
から 2006(平成 18)年度の平均で 14.6 千 GJ/年となっており、灯油量に換算すると
約 398kL(戸建住宅一世帯当り灯油使用量を 2kL/世帯/年とすると 199 世帯分)に相当
する量になります。
また、仮に、全量を発電に使用したとすると、ごみ焼却発電の発電効率を全国の実績値
等(石川禎昭「ごみ焼却排熱の有効利用-高効率ごみ発電と排熱の高度利用-」
(理工図書))
を参考に 10%とすると、約 400MWh/年の発電量となります。
125
表 5-10-13
豊浦町ごみ焼却熱賦存量
ごみ焼却熱 賦存量
年度
豊浦町
単位
発熱量
焼却
熱量
t/年
MJ/kg
GJ
灯油利用世帯数換
灯油 算(戸建住宅世帯当
換算量 り灯油消費量2000㍑
/(世帯・年))
kl
世帯
2003(H15)
1,596
9.5
15,213
415
207
2004(H16)
1,267
10.8
13,668
372
186
2005(H17)
1,254
10.6
13,238
361
180
2006(H18)
1,282
12.5
15,966
435
218
平均
1,350
10.8
14,621
398
199
(注)小数点以下の値の関係上、計算数値が表内の値と一致しない場合がある。
10.3.3 従来型エネルギーの新利用形態
(1)クリーンエネルギー自動車
①潜在賦存量
新エネルギーの賦存量の考え方で述べたように、クリーンエネルギー自動車の潜在賦存
量は、現在の豊浦町内の車の保有台数約 3.5 千台(2007(平成 19)年 3 月末)としま
す。
②期待可採量
クリーンエネルギー自動車の期待可採量は、年間新車販売台数とします。
新車の販売台数は、室蘭運輸支局管内の値しかないため、ここでは、室蘭運輸運局管内
の新車販売台数を豊浦町とその他の地域の人口で按分し、豊浦町内における新車販売台数
を推計しました。
その結果、2000(平成 12)~2006(平成 18)年の豊浦町の年間新車販売台数は、
図 5-10-12 に示すように、貨物用自動車の普通車及び小型車で年間 20 台から 25 台、
バスなどの乗合用で 4~5 台、乗用自動車 110 台から 140 台、軽自動車 60 台から 70
台です。合計で年間 200 台から 220 台の販売台数となっており、平均して 210 台とな
ります。
126
豊浦町 乗合用自動車 新車販売台数 推計値
20
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
台数
台数
豊浦町 貨物自動車 新車販売台数 推計値
2000(h12)
2001(h13) 2002(h14) 2003(h15)
年度
普通車
5
4
4
3
3
2
2
1
1
0
2004(h16) 2005(h17)
2000(h12)
小型車
2002(h14) 2003(h15)
年度
普通車
豊浦町 乗用自動車 新車販売台数 推計値
160
140
120
100
80
60
40
20
0
小型車
60
50
40
30
20
10
0
普通車
2000(h12)
小型車
2001(h13) 2002(h14) 2003(h15)
年度
貨物車
豊浦町 新車販売台数 推計値 合計
223
214
216
209
200
台数
2005(h17)
70
2000(h12) 2001(h13) 2002(h14) 2003(h15) 2004(h16) 2005(h17)
年度
250
2004(h16)
豊浦町 軽自動車 新車販売台数 推計値
台数
台数
2001(h13)
202
205
150
100
50
0
2000(h12) 2001(h13) 2002(h14) 2003(h15) 2004(h16) 2005(h17)
年度
普通車
図 5-10-12
豊浦町
車種別新車販売台数推計値
127
乗用車
2004(h16) 2005(h17)
10.4 新エネルギー賦存状況のまとめ
10.4.1 利用形態によるまとめ
新エネルギーの温度レベルなどを考慮した利用形態によるまとめを表 5-10-14 に示し
ます。
豊浦町における新エネルギーは、密度が低いが大量に賦存する太陽エネルギー、既に温
泉として利用されている深層熱水、間伐材、市民活動による回収期待の高い廃食用油の自
動車燃料への利用、家畜ふん尿利用、温度レベルが低いが量が多い下水廃熱、温度レベル
が高く量の多いごみ消却廃熱などが利用可能性の高いものとして挙げられます。
表5-10-14
種別
エ
ネ
ル
ギ
ー
自
然
(
再
生
可
能
)
大区分
新
利
用
形
態
リ
サ
イ
ク
ル
型
従
来
型
エ
ネ
ル
ギ
ー
の
新エネルギー名称
太陽光
太陽熱
太陽光発電
ソーラーコレクター
風力
河川水
海水
雪
深層熱水
バイオマス
風力発電
廃棄物
利用
エ
ネ
ル
ギ
ー
豊浦町における新エネルギー期待可採量の利用形態別集計
賦存量
熱利用 [GJ/年]
燃料
暖房
(燃焼)
ヒーポン
冷房
給湯
[GJ/年]
熱源
融雪
-
-
-
-
141×
-
-
-
103
-
-
-
-
(冷却水)
-
-
-
(冷却水)
-
-
-
-
-
-
-
-
54,547
-
-
発電利用
[103MWh/
年]
7.826
-
-
-
-
-
-
農林業廃棄物-
間伐材伐採量
-
-
-
13,913
-
廃食用油
-
-
-
11㍑/日
(100%回
収)
-
家畜ふん尿
-
23,760
-
-
3.3
下水廃熱
-
9,940
-
-
ごみ焼却廃熱
-
-
14,621
(4年間
平均)
-
-
(0.4)
クリーンエネルギー自動車
その他
128
210台
10.4.2 潜在賦存量と期待可採量のまとめ
豊浦町の新エネルギー賦存状況を、潜在賦存量と期待可採量について整理したものを表
5-10-15 に示します。
表5-10-15
豊浦町における新エネルギー潜在賦存量と期待可採量のまとめ
賦
種別
自
然
(
再
生
可
能
)
エ
ネ
ル
ギ
ー
大区分
期待可採量
原油換算量(注1)
期待可採量
[kL/年]
太陽光発電
19,976×106kWh/
7.826×106kWh/年
年
2,014
太陽熱
ソーラーコレクター
359.6×103TJ/年
0.141×103TJ/年
3,691
風力
風力発電
試算しない
試算しない
-
河川水
試算しない
試算しない
-
海水
試算しない
試算しない
-
8,525TJ/年
-
-
54,547GJ/年
潜在量に同じ
1,428
13,913GJ/年
潜在量に同じ
364
廃食用油
BDF(注2)4.0kL/年
(10.9㍑/日×365
日、100%回収時)
潜在量に同じ
4
家畜ふん尿
電力3,300MWh/年
熱量23,760GJ/年
潜在量に同じ
1,471
9,940GJ/年
潜在量に同じ
260
14,621GJ/年
潜在量に同じ
383
3,500台
210台
-
雪
深層熱水
廃棄物利用
農林業廃棄物-
間伐材伐採量
下水廃熱
ごみ焼却廃熱
従
来
型
エ
ネ
ル
ギ
ー
の
新
利
用
形
態
潜在賦存量
量
太陽光
バイオマス
リ
サ
イ
ク
ル
型
エ
ネ
ル
ギ
ー
新エネルギー名称
存
クリーンエネルギー自動車
(注 1)電力一次換算 9.83MJ/kWh、原油発熱量
(注 2)BDF:バイオ・ディーゼル燃料
38.2MJ/L、軽油発熱量
129
38.2MJ/L として算出
11.先進地の新エネルギーの導入事例
全国各地で多くの新エネルギー施設・設備が導入されていますが、この節では道内にお
ける導入事例と、気候的に類似している東北地方の導入事例を新エネルギーの種類ごとに
整理し、一部の事例については写真などで紹介します。
写真は「新エネニッポン」及び「北の大地 自然エネルギーとの共存」によった。
①~太陽光発電~
表 5-11-1
太陽光発電導入事例
発生電力量
施設の名称等
所在地
出力kW
(株)伊藤組
札幌市
33.12(パネル 276 枚)
約 21,000
平成 15/09
北見市立小泉小学校
北見市
約 10(167W×60 枚)
10,959
平成 17/01
札幌市エルプラザ公共施設
札幌市
最大 18.9(120W×150) 2,652
平成 15/04
滝川市
86
約7万
平成 05/11
網走市
10
約 12,000
平成 13/11
大空町
30
平成 13 年度
帯広市図書館
帯広市
10
平成 17 年度
室蘭入江運動公園温水プール
室蘭市
50(パネル 300 枚)
東日本ウッドワークス北海道
白老町
26
平成 14 年度
白老町
10
平成 7 年度
のぞみコミュニティーセンター
苫小牧市
10
平成 15 年度
苫小牧市若草小学校
苫小牧市
9.8
平成 17/05
旧洞爺村
10
平成 5 年度
中山板金工業所
函館市
11
青森市立東陽小学校(青森県)
青森市
最大5(126W×40 枚)
約 3,500
平成 15/08
盛岡市
40
約 40,000
平成 14/12
葛巻中学校(岩手県)
葛巻町
50
約5万
平成 12/04
東北公益文科大学(山形県)
酒田市
最大 250
150,133
平成 13/03
女川温泉ゆぽっぽ(宮城県)
女川町
10.4
喜多方市
4.6
約 5,300
平成 18/05
福島市
20
20,000
平成 17/03
伊藤 110 ビル
滝川テクニカルセンター
太陽光発電設備
呼人郵便局
東藻琴生活支援ハウス
悠久の里
エコライフまどか
ケアハウス暖炉
支笏洞爺国立公園財団野営場
自然体験ハウス
新庄浄水場太陽光発電設備
(岩手)
喜多方市都市農村交流センター
(福島県)
福島市子どもの夢育む施設
(福島県)
(kWh/年)
運転開始
同
10,585
(予定)
上
平成 18/03
(出典:資源エネルギー庁「新エネニッポン」北海道エリア編、東北エリア編、
新エネルギー・産業技術総合開発機構北海道支部「北の大地
130
自然エネルギーとの共存」等による)
図 5-11-1
伊藤110ビル
②~太陽熱利用~
表 5-11-2
太陽熱利用導入事例
施設の名称等
所在地
設備能力等
運転開始
茂辺地福祉浴場
北斗市
集熱器面積 101m2、供給量 7 千m3/日
平成 18/01
老人保健施設 老健くしろ
釧路市
集熱器面積 211m2、蓄熱槽9m3
平成 08/03
特別養護老人ホーム陽明園
苫小牧市
集熱器面積 136m2
昭和 59 年度
老人福祉センター
旧平取町
集熱器面積 175m
昭和 55 年度
特養ホーム
札幌市
集熱器面積 136m2、蓄熱槽5m3
平成 16 年度
大貫小学校(宮城県)
大崎市
保有水量80L
平成 17/03
福島第一病院(福島県)
福島市
集熱器面積 540m2
平成 13/03
なのはな保育園(福島県)
須賀川市
集熱器面積 280m2、蓄熱槽71m3
平成 15/04
釜石市双葉小学校(岩手県)
釜石市
OMソーラーユニット 12 台
平成 16/01
女川温泉ゆぽっぽ(宮城県)
女川町
集熱器面積 101m2
平成 18/03
養生の杜カムイ
2
(出典:資源エネルギー庁「新エネニッポン」北海道エリア編、東北エリア編、
新エネルギー・産業技術総合開発機構北海道支部「北の大地
図 5-11-2
茂辺地福祉浴場
131
自然エネルギーとの共存」等による)
図 5-11-3
女川温泉ゆぽっぽ
表 5-11-3
風力発電導入事例
③~風力発電~
施設の名称等
所在地
出力
kW
発生電力量
運転開始
(kWh/年)
オトンルイ風力発電所
幌延町
21,000(750×28 基)
約 5,000 万
平 15/02
市民風力発電・石狩かりんぷう
石狩市
1,650
約 420 万
平 17/02
島牧ウィンドパーク発電所
島牧村
4,500(750×6基)
せたな町洋上風力発電所
せたな町
1,200(600×2基)
約 400 万
平 15/10
室蘭市祝津風力発電所
室蘭市
1,490
約 321 万
平 10/04
平 12
(490×1、1000×1)
宗谷岬ウィンドファーム
稚内市
平 11/04
57,000(1000×57 基) 一 般 家 庭 約
平 17/11
41 千世帯分
浜頓別ウィンドファーム発電所
浜頓別町
3,970(990×3、1,000)
平 13、17
苫前ウィンビラ発電所
苫前町
30,600
小平風力発電所
小平町
2,960(4基)
M&Dグリーンエネルギー(株)
天塩町
2,400(800×3基)
遠別ウィンドパーク発電所
遠別町
2,970(990×3基)
平 13
井の三猿払風力発電所
猿払村
1,500
平 13
オロロン風力発電所
羽幌町
800(400×2基)
約 197 万
平 10/11
瀬棚臨海風力発電所
せたな町
12,000(2,000×6基)
約 3,500 万
平 17/12
松前風力発電所
松前町
800(400×2基)
約 210 万
平 11/04
江差風力発電所
江差町
21,000(750×28)
平 12
恵山風力発電所
函館市
2,900(1,400、1,500)
平 13
えりも風力発電研究所発電所
えりも町
800(400×2基)
平8
礼受風力発電所
留萌市
2,960(740×4基)
約 4,800 万
平 12/12
(1650×14、1500×5)
平 12
450 万
平 13/04
天塩風力発電所
132
約 680 万
平 13/11
稚内市水道事業風力発電設備
稚内市
1,980(660×3基)
約 470 万
平 12/12
CFF昆布森ウィンドファーム発電所
根室市
7,500(1,500×5基)
あおもり市民風力発電所(青森県)
鰺ヶ沢町
1,500
約 370 万
平 15/02
大豆田風力発電所(青森県)
横浜町
10,500(1,750×6基)
1,750 万
平 15/10
むつ小川原ウィンドファーム
六カ所村
33,000
約 6,100 万
平 15/01
岩屋ウィンドパーク(青森県)
東通村
27,000
約 5,800 万
平 15/02
岩屋ウィンドファーム
東通村
32,500(1300×25)
一般家庭
平 13/11
平 15
(青森県)
(青森県)
2.3 万
釜石広域ウィンドファーム
釜石市他
42,900
一般家庭
(1000×43 基)
3万
1,200
約 200 万
平 11/06
約 5,400 万
平 15/12
1,500
約 280 万
平 15/03
仁賀保高原風力発電所(秋田県) にかほ市
24,750(1650×15 基)
約 5,100 万
平 13/01
西目ウィンドファーム(秋田県) 本荘市
30,000(2000×15 基)
一般家庭
平 16/11
(岩手県)
エコ・ワールドくずまき風力発電所
葛巻町
(岩手県)
(400×3基)
グリーンパワーくずまき風力発電所
葛巻町
(岩手県)
天風丸(秋田県)
平 16/12
21,000
(1750×12 基)
潟上市
1.8 万
能代風力発電所(秋田県)
能代市
14,400(600×24 基)
約 3,400 万
平 13/01
サミットウインドパワー酒田発電所
酒田市
16,000(2000×8基)
4,000 万
平 16/01
郡山市
65,980
12,500 万
平 19/02
(山形県)
郡山布引高原風力発電所
(福島県)
(2000×32、1980)
(注)NEDOの資料によったものは発電量が未記載、施設は竣工年を記載
図 5-11-4
宗谷岬ウィンドファーム
133
図 5-11-5
図 5-11-6
室蘭市祝津風力発電所
郡山布引高原風力発電所
④~廃棄物発電、廃棄物熱利用等~
表 5-11-4
施設の名称等
廃棄物発電、廃棄物熱利用等導入事例
所在地
出力 kW
サニックスエナジー
苫小牧発電所
釧路広域連合清掃工場発電所
苫小牧市
74,000
釧路市
4,400
発寒清掃工場
札幌市
篠路清掃工場
料
運転開始
177 万 kwh/d
廃プラスチック
平 15/06
2,200 万 kwh
一般廃棄物
平 18/04
4,960
一般廃棄物
平4
札幌市
4,800
一般廃棄物
昭 55
沼の端クリーンセンター
苫小牧市
2,000
一般廃棄物
平 11/04
日乃出清掃工場
函館市
1,600
一般廃棄物
平4
近文清掃工場
旭川市
1,800
一般廃棄物
平8
広域連合処理施設
「クリーンおしま」
上磯町
1,600
一般廃棄物
平 14
134
発生電力量
1,258 万 kwh
燃
西いぶり廃棄物処理広域連合
室蘭市
1,980
一般廃棄物
平 14
帯広市
7,000
一般廃棄物
平8
歌志内市
7,900
可燃ごみ
平 14
八戸市
900
約 600 万 kwh
産業廃棄物
平 17/11
秋田市
9,500
約 5600 万 kwh
産業廃棄物
平 14/03
石巻市
2,600
一般廃棄物
平 15/01
仙台市松森工場(宮城県)
仙台市
17,500
一般廃棄物
平 17/08
三菱製紙(株)八戸工場
八戸市
18,800
産業廃棄物
平 16/07
農業廃棄物処理施設
富良野市
処理能力 7.2t/d
RDF
昭 63
勇払リサイクルセンター
苫小牧市
処理能力 32t/d
RDF
平 10
コークス炉化学原料化
室蘭市
処理能力25千トン/年
廃プラの熱・
平 14
西胆振ごみ処理施設
くりりんセンター
(十勝環境複合組合)
廃棄物エネルギー化
プラントリサイクル
東北東京製鐵(株)
廃プラ炭化炉施設
秋田市総合環境センター
溶融施設
石巻広域クリーンセンター
(宮城県)
約 1.5 億 kwh
リサイクル発電設備(青森県)
プラスチックセンター
ガス利用
図 5-11-7
沼の端クリーンセンター
135
図 5-11-8
東北東京製鐵(株)廃プラ炭化炉施設
⑤~バイオマス発電、バイオマス熱利用等~
表 5-11-5
施設の名称等
西町下水処理センター
バイオマス発電、バイオマス熱利用等導入事例
所在地
出力
苫小牧市
400kW
発生量
160 万 kWh
燃
料
消化ガス
運転開始
平 17/04
(下水道)
消化ガス発電設備
南部下水発電所
函館市
500kW
消化ガス
平1
西部下水終末処理場
旭川市
500kW
消化ガス
昭 58
南宗谷汚泥再生処理施設
浜頓別町
80kW
消化ガス
平 15
クリーンプラザくるくる
砂川市
112kW
生ごみ
平 15/04
リサイクリーン
滝川市
400kW
1448 千 kwh
生ごみ
平 15/08
町村牧場
江別市
65kW
4万 kwh/月
家畜ふん尿
平 12
江別市
60kW
家畜ふん尿
平 12/11
バイオガスプラント
酪農学園大インテリジェント
食品残さ
牛舎バイオガスプラント
鹿追町環境保全センター
鹿追町
300kW
家畜ふん尿
平 19/10
三橋牧場
足寄町
30kW
家畜ふん尿
平 16/03
サッポロビール道工場
恵庭市
工場廃水
平 15/06
蒸気発生量
(5800t/年)
嫌気性廃水処理設備
(平8)
五味温泉・バイオマスボイラー
下川町
15 万 kcal
木質チップボイラー
平 17/03
足寄町役場庁舎
足寄町
百万 kcal
木質ペレットボイラー
平 18/10
木質ペレット燃料製造施設
滝上町
生産量 300t/年
木質ペレット
平 16/01
木質ペレット製造工場
足寄町
生産量 700t/年
木質ペレット
平 17/11
北清リサイクルファクトリー
札幌市
生産量 16 万 l
BDF(廃食用油) 平 15/01
寒冷地対応BDF製造装置
旭川市
生産量 52t/年
BDF(廃食用油) 平 13
バイオマスパワー(株)しずくいし
雫石町
250kw
食品残さ
家畜ふん尿
小岩井事業所(岩手県)
136
平 18/06
鶴岡市
北日本羽黒食品(株)
6.5t/d か ら メ
食品残さ
平 16/04
タン回収
メタン発酵装置(山形県)
会津若松下水浄化工場
会津若松市
60 冷凍t(ガス5万m3 消費
消化ガス(下水)
平 13/10
住田町木質バイオマス発電所
住田町
350kW
おが粉、廃材
平 19/04
白石市生ごみ資源化事業所
白石市
30kW
生ごみ
平 15/04
日本製紙石巻工場第 2
石巻市
燃料として年に木くず(14.5 万 t)スラ
ッジ(9.1 万 t)RPS(2 万 t)消費
発電所1号ボイラー(宮城県)
いわき市
地域交流センター
平 18/10
木質ペレット
平 16/11
(ボイラー、ストーブ燃料)
田人ふれあい館(福島県)
雪国文化研究所(岩手県)
西和賀町
20kW
くずまき高原温泉
葛巻町
120kW
山形市
178kW
消化ガス(下水)でガスエンジンと
昭 63
200kW
燃料電池(200kW)によるコジェネ
(平 14)
生産量
木質ペレット
平 16/03
木質チップ(廃材、生
平 18/10
発生電力量
山形ウッドエネルギー
寒河江市
木質チップ
平 17/09
1,800t/年
木質バイオマスエネルギー供給施設
白河ウッドパワー大信発電所
平 14/03
約 54 万 kWh
木質木質ガス化発電施設
山形市浄化センター
木質チップ
白河市
11500kw
9000 万 kWh
木)
山ふじ温泉(秋田県)
図 5-11-9
上小阿仁村
25 万 kcal
クリーンプラザくるくる
木質ペレットボイラー
図 5-11-10
137
平 18/03
滝上木質バイオマス生産組合
図 5-11-11
上小阿仁コミュニティーセンター
山ふじ温泉
⑥~雪氷冷熱~
表 5-11-6
施設の名称等
所在地
雪氷冷熱導入事例
貯雪量
用途等
運用開始
旭川豊岡センタービル
旭川市
360t
建物冷房
平 17/03
岩見沢農業高校総合雪利用施設
岩見沢市
1、000t
鶏舎、花卉施設冷房(雪山)
平 12
モエレ沼ガラスのピラミッド
札幌市
1、700t
ピラミッド館内冷房
平 15/03
恵和会ケアハウス ハーモニー
美唄市
120t
建物冷房(除去~塵・アンモニア臭
平 15/06
JAびばい「雪蔵工房」
美唄市
3、600t
玄米貯蔵、ブランド米
平 12/09
雪氷室貯蔵施設 ヒムロース
赤井川村
340t
野菜冷蔵庫
平 08/07
プラントファクトリー
浦臼町
1,000t
ガラス温室、氷冷房
平 15/08
マンション・ウエストパレス
美唄市
集合住宅冷房、冷水循環式
平 11/05
沼田町米穀低温貯留乾燥調整施設
沼田町
1,500t
玄米貯蔵、ブランド米
平 08/09
アオキアグリシステム(有)雪室貯蔵庫
倶知安町
25t
馬鈴薯、玉ねぎ等野菜貯蔵
平 17/04
とまこまい広域農協野菜貯蔵施設
むかわ町
135t
長いもなどの貯蔵
平 03/10
ゆきわらべ雪中蔵
名寄市
帯広畜産大学
帯広市
人工凍土
(ヒートパイプ 216 本)
昭 62
雪っこトンネル(岩手県)
西和賀町
500t
切り花、根菜類(未利用トンネル)
平 13/05
総合交流促進施設 あさくら館
横手市
236t
交流施設
平 14/08
環境共生モデル住宅付帯設備雪室
飯豊町
10t
住宅冷房、生鮮食品貯蔵
平 17/09
会津高原たかつえ雪室(福島県)
南会津町
250t
公共浴場冷房、保冷庫の保冷
平 18/05
雪冷房併設土間付体育館
西和賀町
45t
管理室、休憩室の冷房
平 13/05
もち米(玄米)専用雪室
138
図 5-11-12
図 5-11-13
恵和会ケアハウス
ハーモニー
JAびばい米穀雪冷温貯蔵施設
雪蔵工房
⑦~その他~
(温度差エネルギー)
表 5-11-7
施設の名称
所在地
個人住宅
特別養護老人ホーム
温度差エネルギー導入事例
清明庵
冷暖房能力
札幌市
加熱能力8kw(冷暖房・給湯)
運用開始
札幌市
暖房 46.5kW、冷房 37.8kW
平 16/10
北海道計器工業(株)社屋
札幌市
暖房 96kW、冷房 107kW
平 18/01
野菜栽培ハウス
浦臼町
暖房 36.6kW、冷房 38.8kW
盛岡市茨島跨線橋国道・歩道
盛岡市
加熱能力 244kW
まちなか情報センター
弘前市
暖房 46.5kW、冷房 37.8kW、融雪 93kW
(地中熱交換井、チューブ内に不凍液)
夏~簡易冷房 冬~簡易床暖房
(年間取得エネルギー50~60 万MJ)
暖房 159.3kW、冷房 120.9kW
地中熱利用冷暖房 融雪システム
釜石中学校地中熱利用施設
(岩手)
秋田市立山王中学校
釜石市
秋田市
139
(平成 14 年度竣工)
平 16/04
平 18/04
平 16/11
図 5-11-14
特別養護老人ホーム清明庵
図 5-11-16
図 5-11-15
北海道計器工業(株)社屋
秋田市立山王中学校
(天然ガスコージェネレーション)
表 5-11-8
施設の名称等
天然ガスコージェネレーション導入事例
所在地
発電出力
発生電力量
運用開始
小樽市
12,000kW
約 32 百万 kWh
平 11/03
北海道熱供給公社
札幌駅南口エネルギーセンター
札幌ドーム
札幌市
8,670kW
約 34 百万 kWh
平 15/02
札幌市
600kW
約 39 万 kWh
平 13/06
シェラトンホテル札幌
札幌市
1,245kW
平8
北海道大学医学部パワーセンター
札幌市
1,000kW
平 11
イトーヨーカドー千歳店
千歳市
800kW
平 12
ダイナックス千歳工場
千歳市
635kW
平 14
サッポロビール 北海道工場
コージェネレーションシステム
トヨタ北海道発電所
恵庭市
1,690kW
平 13/10
苫小牧市
11,500kW
平 19/02
旭川医科大学
旭川市
1,200kW
平 15
旭川市
970kW
平 16
仙台市健康増進センター
仙台市
80kW
平 16/03
仙台市ガス局ショールーム
仙台市
55kW
平 16/01
大型複合施設
東芝ホクト電子
ウイングベィ小樽
内燃力発電所
140
図 5-11-17
北海道熱供給公社
札幌駅南口エネルギーセンター
図 5-11-18
札幌ドーム
(燃料電池)
表 5-11-9
燃料電池導入事例
施設の名称等
所在地
種
類
寒地土木研究所
別海町
PEFC
出
力
約6kW
運用開始
備考
平 16/03
バイオ
エネルギー地域自立型実証実験施設
ガス
稚内公園エネルギーサテライト
稚内市
PEFC
4.8kW
平 18/01
出光興産 苫小牧サイト
苫小牧市
PEFC
5kW
平 15
灯油
北海道電力 石狩サイト
石狩市
PEFC
1kW
平 15
都市ガス
日本ガス協会 札幌サイト
札幌市
PEFC
1kW
平 15
天然ガス
室蘭テクノセンター 室蘭サイト
室蘭市
PEFC
1kW
平 15
LPG
帯広畜産大学(三井造船)
帯広市
PEFC
0.25kW
平 13
バイオガス
141
図 5-11-19
寒地土木研究所
図 5-11-20
エネルギー地域自立型実証実験施設
稚内公園無料休憩所
エネルギーサテライト
142
12.豊浦町における重点分野、重点テーマと新エネルギーの導入可能性
第2節「新エネルギーの現状と将来性」で触れたように、現在時点での新エネルギーに
よる発電コスト等のエネルギー価格は、既存の化石燃料等によるもの比較すると割高であ
ることは否めません。しかし、国の新エネルギー技術開発のロードマップ(工程表)によ
れば、今後、技術開発の進展や導入数の増加によってコストは漸減し、例えば太陽光発電
は、2005(平成 11)年の初期投資 66.5 万円/kW,発電コスト 45 円/kWh が 2030
(平成 42 年)には初期投資5万円/kW,発電コスト7円/kWh まで下げることを目標と
して各種の施策を展開することにしており、初期投資やコスト面からみると、将来的には、
新エネルギーの導入環境は格段と良好になるものと予想されます(78,79 ページ参照)。
一方、第 11 節「先進地の新エネルギーの導入事例」でみるように、北海道においても多
様な新エネルギーが各地で導入されています。導入事例のように、道内市町村が一様に導
入されているわけではなくて、その地域の自然条件や産業活動等に大きく依拠した形で導
入されています。風力発電は風況条件の良い日本海、オホーツク海側の沿岸市町村に集中
的に導入されていますし、廃棄物(ごみ)発電は人口規模の大きい都市部を中心に、畜産
系バイオマス発電は道東地区に、食品系バイオマスは一般廃棄物を広域処理している空知
地区、木質系バイオマスの熱利用は林業資源の豊富な市町村でというように、それぞれの
地域の自然や産業活動との関わりを抜きには、導入要因を語れません。
このような新エネルギーの導入状況を踏まえた上で、豊浦町としては、どのような分野
(公共、民生等)に新エネルギーを導入していくのか、導入をめざす新エネルギー(どの
種類の)の重点を何に置くのか、エネルギーの資源量や現在の新エネルギー価格の下での
導入可能性はあるのかなどをみていきます。
12.1 重点分野(導入する分野)
温室効果ガス排出量を削減することが、新エネルギー導入をめざす意義のひとつです。
第三章「豊浦町の新エネルギー事情」で述べたように、町内における温室効果ガスの大部
分を占めるニ酸化炭素排出量は約 42.4 千 t-CO2/年です。部門別では、家庭部門(35%)
、
自動車部門(27%)、水産業部門(14%)、業務部門(14%)の順に排出量が多いという
のが現状です。排出量の多い部門において、化石燃料から二酸化炭素の排出量が少ない新
エネルギーの転換に取組むほか、省エネルギー(エネルギーの効率的な使用)を進めてい
くことが町全体としての削減効果は大きくなることは自明の理です。
しかし、町民へのアンケート調査によると、どの分野に導入するのが望ましいかの設問
においては、公共部門(回答者の 51%が望ましい分野と選択)、一次産業部門(同 38%)
家庭部門(同 36%)
、学校などの教育部門(同 25%)の順となっており、教育を公共部門
に含めますと公共が 76%と群を抜き、次に町の基幹産業である一次産業部門、そして家庭
部門となります。このようなことから、豊浦町としては、公共部門、一次産業部門ならび
に家庭部門を新エネルギー導入の重点分野とします。
なお、公共部門のうち、豊浦町が所管・管理している施設等で消費されるエネルギーに
起因する二酸化炭素の排出量は 3,428t-CO2 で、町全体の排出量の 8%程度です。
143
12.2 重点テーマ(導入する新エネルギー)
新エネルギーを導入するのが望ましい分野としては、公共部門、第一次産業部門、家庭
部門ですが、それでは、これらの部門に対してどのような新エネルギーを導入することが
望ましいのかが次のテーマとなります。町民アンケート調査における「町の特性を考慮し
た場合に導入可能性がある新エネルギー」の設問においては、太陽光発電(回答者の 47%
が導入可能性ありとしている)
、太陽熱利用(同 39%)、雪氷熱利用(同 26%)、風力発電
(同 26%)
、バイオマス発電・熱利用(同 24%)
、バイオマス燃料製造(同 21%)の順
となっています。
① 太陽光発電の発電量は日照時間(正確には日射量)に比例しますので、日照時間が長い
ほど有利です。第二章「豊浦町の地域特性」の表 2-1-4 のように、豊浦町の日照時間
は 1500 時間/年と道内では時間数は中位に位置するので、条件的には不利では無いと
言えます。太陽熱利用も同様のことが言えると考えています。
② 雪氷熱利用は、雪氷を低いコストで集積し夏場まで保管することができれば、電気冷房
等に比べてランニングコストが安いので導入することは可能です。豊浦町の積雪量は必
ずしも多くはありませんが、冬期における雪捨場の残雪を上手に保管し、雪捨場の近く
の施設等で利用するようなことができれば、有望な分野のひとつになるでしょう。
③ 風力発電については、年間平均風速が 1.3~1.5m/s(適地としては、風車の設置高さ
30m~40m で6m/s 以上が望ましい)
と小さいため地域としては恵まれていません。
④ バイオマスの利用については、資源が相当量あるか否かが利用の可否につながります。
・一般廃棄物については、年間 1300 トン(処理ベース)程度発生していますが、平成
15 年度から西胆振地域廃棄物広域処理施設(メルトタワー21)に処理を委託してい
ます。広域処理のための組織に加入していることから、その組織から脱退し独自処理
することは困難です。
近年、話題の天ぷら油など廃食用油について、町民等が分別して保管し、回収ルートを
確立できれば豊浦町単独での実施または、周辺の自治体と協力して、広域でBDFを
製造し利用することは可能であると考えています。
・畜産系廃棄物(家畜ふん尿)については、乳肉牛は 24 戸で2千頭規模、豚は 11 戸で
9千頭規模であり、市町村単位でみると飼育頭数が必ずしも多いとは言えません。乳
牛のふん尿をメタン発酵させて電気や熱に転換し利用している農家が、道東地区を中
心にありますが、初期投資(発酵槽、発電設備等)が極めて大きいので、国の助成に
加え北海道や市町村の助成がなければ、その導入が難しいところです。家畜ふん尿の
処理が困難な状況であれば資金的な負担は別として検討しなければなりませんが、堆
肥処理で対応ができるのであれば積極的に取り上げる必要はないと考えています。
・水産系廃棄物(ホタテ水揚げ時に付随するフジツボ、イガイなど)は、年ごとの変動
はありますが近年では5千トン/年発生しております。現在、町のリサイクル施設にお
いてバーク材を水分調整剤として加え土壌改良材を製造し農家に配布しています。今
後の予定としては、家畜ふん尿やヒトデなどを投入して土壌改良材の付加価値を上げ
る努力をしていく方針ですので、エネルギーに転換することは考えておりません。
・町の公共下水道は平成4年から供用を開始し、順次、管渠を延長し普及率は6割を超
144
える状況にあります。この事業に伴い下水汚泥が発生しますが、処理区域内人口は約
3千人です。下水汚泥については、一部の都市においてはメタン発酵処理をして熱や
電気に転換して利用している事例があるものの、豊浦町の場合は処理規模が小さいこ
とからエネルギーへの転換利用は難しいと考えています。
・豊浦町の土地面積の7割は山林地域になっています。森林面積は 18 千 ha あり、うち
1万 ha 超が民有林です。森林面積、蓄積量は胆振支庁管内では中位に位置します。木
質系バイオマス資源量が抜きん出て多いという地域ではありませんが、周辺自治体を
含めると相当量の賦存量があるので、扱い易いように燃料化措置が講じられるのであ
れば有望な分野のひとつになると考えています。
近年、木質系バイオマス利用が注目されており、道内においても木質ペレット製造
やペレット燃焼設備を導入する動きが出てきています。北海道の一人当たりのエネル
ギー消費量が全国平均を上回っているのは、冬期間の灯油消費量の大きさが要因のひ
とつとなっています。豊浦町では、家庭部門のエネルギー消費量の比率が高いので暖
房分野だけでも、木質系バイオマス(薪、木質ペレット等)に転換できれば二酸化炭
素排出量削減に極めて大きな効果が見込まれます。
一方、農業分野、施設園芸では、ハウス暖房に化石燃料を利用しており、近年の石油
製品価格の高騰は生産コストを大きく押し上げ、経営面へ大きな打撃を与えています。
細かな温度調節が可能な燃焼機器があり、ハンドリングが石油燃焼機器と大差がなけ
れば、木質系燃料への転換はコスト面、環境面でメリットがあるものと考えられます。
⑤
クリーンエネルギー自動車は、ガソリンと電気の両方で駆動することができるため燃
費効率が高いので、結果としてエネルギー消費量・二酸化炭素排出量の削減につなが
ります。同じ排気量ベースの車に比べ割高ではありますが、自動車部門の二酸化炭素
排出量削減の切り札のひとつとして国も導入を推進しています。役場においても既に
1台導入済みであり、今後、民間企業や町民が導入することを期待したい部門です。
⑥ 天然ガスコジェネレーションは、天然ガスを燃料として電気と熱をつくる優れたシステ
ムです。天然ガスが導管などで供給されていないと、その導入は難しいです。現在、豊
浦町まで天然ガス供給網が整備されていませんので、導入することができません。
⑦ 燃料電池は二酸化炭素を排出しない水素を燃料として電気と熱を作りだしますが、実証
試験の段階であり極めて高価ですので、現在時点での導入は難しいと考えています。
12.3 新エネルギーの導入可能性
前節で、新エネルギーの種類ごとに町の特性と絡めて、その導入の可能性について言及
しました。この節では、地域的に導入の可能性が見込める新エネルギーを、どのような部
門であれば導入が可能かを整理することとします。ここでは、部門を公共、一次産業、家
庭、教育、運輸、業務(店舗・ホテル・事務所等)に分けて製表化しました。
145
表 5-12-1
種
類
公
共
部門別の新エネルギー導入可能性
一次産業
太陽光発電
○
太陽熱利用
○
雪氷熱利用
◎
○
バイオマス
◎
◎
家
○
庭
教
育
運
◎
輸
業
務
○
○
○
○
○
○
クリーン車
◎
○
(注1)クリーン車とは、クルーンエネルギー自動車
(注2)◎ 導入可能性が比較的高い
○ 導入可能性がある
① 公共部門
町民アンケートでは、
「公共部門が率先して導入すべき」と指摘されており、産業界や
町民に模範を示すとともに、住民への啓発にも貢献することができるので、先頭をき
って取組んでいくことが求められています。
・冷房を必要とする期間は短いですが、例えば国保病院、総合保健福祉施設への雪氷冷
熱エネルギーの導入が考えられます。利用するための条件として、利用施設の近辺に
堆雪場がある、冬期以外もその場所を堆雪地として利用できる、小コストで雪を保管
することが必要です。冷房効果のほか、施設内の塵やアンモニアなどに起因する悪臭
を除去する効果があると言われています。
・公共施設の暖房は化石燃料に依存しておりますが、石油価格が急騰しており経費の面
からも化石燃料以外への転換が期待されています。そのひとつとして木質系バイオマ
スの利用が考えられます。例えば、各地域の生活館、子ども会館、公民館などの灯油
暖房を木質系ペレットストーブに切り替えたり、燃料消費量が大きい役場庁舎や国保
病院の暖房設備更新時期に、木質バイオ燃焼機器に転換することが期待されます。
・太陽光発電については、役場庁舎などにシンボル的に導入することが考えられます。
太陽熱利用は全国的な傾向として導入件数は減少しつつありますが、導入コストの動
向を注視しつつ、熱利用の大きい病院や保健福祉施設での利用可能性を検討すること
が期待されます。
・クリーンエネルギー自動車は既に1台導入済みですが、公用車の更新時期に順次切り
替えていくことが考えられます。なお町内での単独事業や、周辺地域でのBDF事業
が実現した場合には公用車の一部(例;ごみ収集車)でBDF100%の燃料を使用す
ることも考えられます。
② 第一次産業部門
・アンケートで導入期待度が二番目に位置付けられています。農業部門での導入が期待
されるところです。施設園芸では、石油製品価格の高騰から栽培コストの増加に苦慮
しております。このため、化石燃料より木質系燃料を安価に手当てができ、燃焼設備
導入のための助成制度を利用できれば、ハウス暖房の燃料を石油系から木質バイオマ
スへの転換が期待されるところです(現行の石油燃焼機器は予備機として利用)
。
・周辺市町を含めて大量のBDFが生産できるような情勢となれば、水産業での利用(漁
船のエンジンの燃料)についての検討も可能になってくると思います。
146
・町では北海道東海大学との産学官連携により、マグロ稚魚育成事業の研究を開始した
ところです。稚魚の育成においては海水温を一定範囲に維持するため、外部から熱を
供給することが必要です。この熱源として、温泉排熱や地中熱などの温度差エネルギ
ーの利用可能性についても、今後検討を進めていくこととします。
③ 家庭部門
一般住宅などの家庭部門での導入も期待されています。小規模なものでも設置が可能な
太陽光発電、バイオマス燃焼ストーブやクリーンエネルギー自動車の導入を期待したい
ところです。家庭のエネルギー需要のうち大きな比率を占める暖房については、灯油価
格が最近急騰していることから、木質ペレット燃料の価格競争力が相対的に有利な方向
に動いています。従って、この導入を推進するためには、国等の助成に加えて町でも独
自の助成制度を設けるなどの措置を講じることができれば、より燃料転換しやすい環境
を創出することができると考えています。薪ストーブの導入を推奨したいところです。
④ 教育部門
次代を担う子ども達に環境、エネルギーについて理解を深めてもらうためには、机上の
学習に加えて身近に新エネルギーや省エネルギー関連の設備や機器があれば、より理解
が進むものと考えられます。この部門では、太陽光発電、ミニ風力発電、木質系バイオ
マスの燃焼設備の導入が考えられます。
⑤ 運輸部門
周辺を含め大量のBDFが生産できるようになれば、貨物の近距離輸送の車両について
は、軽油の代替燃料としてBDFの導入の可能性も出てくると考えています。
⑥ 業務部門
宿泊施設の駐車場の除雪を保管して、夏場における施設の冷房として雪氷冷熱を利用す
ることが考えられます。また、暖房熱源としての木質系燃料についても、石油製品が高
騰している現状から化石燃料の代替燃料としての導入も、木質燃料価格の動向によって
は可能性があるものと考えています。
147
第六章 新エネルギー導入の基本的考え方と導入目標量
1.はじめに
来年度に実施される北海道・洞爺湖サミットを控えて、本町を含む1市3町、JA、温
泉組合等で「洞爺湖地域温暖化対策まちづくり協議会」を 2007 年9月に設立しました。
本協議会では、洞爺湖地域における“環境と経済の好循環の実現”をめざし、そのモデル
事業として「チーム洞爺湖・マイナス50%事業」
(環境省の補助事業)を本年度から実施
することとしています。本事業では、当地域(伊達市、洞爺湖町、壮瞥町、豊浦町)にお
ける温室効果ガスの削減をめざして、環境負荷を低減するための各種の施策を実施するこ
とになっています。
本町としても、この協議会の一員として温室効果ガス削減のため、各種の施策を展開し
環境負荷の低減に努めていきたいと考えています。
2.基本的な考え方
私たちは、これまで大量生産大量消費システムの下で多くの便益を享受してきましたが、
それを実現するため多くの資源とエネルギーが消費されてきました。その結果、私たちの
かけがいのない地球は、経済活動や私たちの日常生活を支えたエネルギー消費により生じ
た大量の温室効果ガスによって、人間の営みに不可欠な気候などが大きく変化したことを
知りました。この影響は、特定の国や地域にとどまらず地球規模に及んでおり、時間軸で
みると現在だけではなく、私たちの子孫もその影響を免れないことを知り、私たちは温室
効果ガス削減のため、ひとりひとりが直ちに行動を取ることの重要性を学びました。
現在、この地球に生きている私たちには、未来の担い手である子孫が、健康で文化的に
暮らしていけるように良好な自然環境や資源を残していく責務があります。町民の省エネ
ルギー活動や新エネルギー設備の導入によって、人口5千人のわが町が果す役割(削減で
きる二酸化炭素の量)は日本列島全体からみると微々たるものですが、このような小さな
町の小さな活動の積み重ねが、日本全体、地球規模での温室効果ガスの削減に連なってい
くことを信じて、私たちも行動しなければならないと考えています。
本町を含む洞爺湖周辺地域を舞台に2008(平成 20)年、北海道・洞爺湖サミットが
開催され多くの人々の関心を集めていますので、わが町も温室効果ガスの削減に率先して
取組んでいかなければなりません。従って、周辺自治体との協調を図りつつ、以下の視点
に立って、新エネルギーの導入や省エネルギー活動に努めていきたいと考えています。
① 地域の特性に応じた新エネルギーを導入する
豊浦町の地域特性、産業構造、エネルギー源の賦存量等を考慮し、比較的有利なも
のを導入する。2006(平成 18)年 10 月に策定した「豊浦町自立計画書」におい
て、未利用資源を活用したエネルギー開発研究を推進すると言及しているところで
す。
② 地域課題の克服をめざす
基幹産業である農業、漁業においては化石燃料高騰の影響を受けているので、化石代
替燃料の導入によりコスト低減と二酸化炭素排出量を削減します。
③ 地域産業の活性化を支援する
豊浦いちごのブランド力の強化、いちごの通年栽培による出荷量の増大、栽培ハウス
従事者の増加、いちご栽培施設の観光農園化などを支援します。
④ 公共部門から先行的に導入する
148
既存エネルギーに比べ割高です。役場が管理する施設において先行的に導入し民間企
業や住民のよる設備導入を誘引します。
⑤ 町民の地球温暖化防止やエネルギー消費の抑制を喚起する
民生部門における二酸化炭素排出量の町全体の排出量に占める比率が高いことを理
解し、役場は、
「ものを大事に使って廃棄物を極力出さないこと」、
「見ていないテレ
ビを消す」
、
「厚着をして室温を必要以上に上げない」など、家庭で省エネ活動に努
めるよう啓発活動を行います。
3.導入目標
今般作成したビジョンは、次期総合計画と同様に、2017(平成 29)年を最終目標年次
とするものです。我が国の二酸化炭素の排出量は京都議定書の基準年(1990 年)に比べ
て 8.1%増えており、京都議定書で約束した 6%を加味すると、14.1%増となっており、
その目標達成が困難視されています。そのため国においては省エネルギー法を改正するな
ど一段と厳しい地球温暖化対策を講ずる方針です。
このような状況を踏まえて、町としては 1990(平成 2)年を基準として 2017(平成
29)年までに、二酸化炭素排出量の 25%削減を目指すこととします。
第五章で触れたように 2030 年に向けて新エネルギー導入に関わる費用は急速に下がり、
発電コスト等も同様に既存のエネルギーに遜色がない水準まで低下するというのが国のロ
ードマップですが、先行き 10 年間では、そこまでの水準には達していないだけに 2017
年度(目標年)までに、大規模な新エネルギーを導入することは極めて困難な状況であり
ます。
温室効果ガスの削減は、①人口減少に伴うエネルギー消費量減少に付随する部分、②省
エネルギー機器の導入や省エネルギー行動に伴い減少する部分③新エネルギー導入による
化石燃料の消費量減少にともなう削減部分に区分することができます。
3 要 素 で そ れ ぞ れ 削 減 を 見 込 む こ と と し て 、 二 酸 化 炭 素 排 出 量 25% 削 減
(10,576t-CO2)の目標を達成できるよう努めることにします。それぞれの要因別の削減
目標は表 6-3-1 のとおりです。目標年次である 2017(平成 29)年に人口は、4千人台
を割る寸前まで大幅に減少することが見込まれるため削減量の 4 割は人口減が担い、新エ
ネルギー導入では 1 割程度を担うこととし、残余を省エネが負担します。
この目標を達成するため、第7章に掲げる重点プロジェクトに取組むこととし、灯油換
算で 487kL に相当する新エネルギーを導入できるよう公共部門が率先的に取組むほか、住
民、民間事業者等の理解と協力を求めていくものとします。
省エネルギーが担う 4,848t-CO2 は削減量全体の約 46%を占めます。この数値目標は
大変高い水準ですが、資料編に掲げた「灯油、ガソリンや電気の節約方法」を多くの方々
が実行して頂ければ、クリアできない目標ではないと考えています。
149
表 6-3-1
二酸化炭素排出量
二酸化炭素排出量の削減目標
1990 年
削減目標
2017 年
42,306
▼10,576
31,730
(t-CO2)
削減率 25%
削
人口減少
▼4,530
42.8%
減
省エネルギー
▼4,848
45.8%
要
新エネルギー
▼1,198
11.4%
▼10,576
100.0
因
合
計
%
削減目標:10,576(t-CO2/年)
50,000
42,306
(t-CO2/年)
40,000
31,730
30,000
省エネル
ギー,
4,848
20,000
10,576
(t-CO2/年)
10,000
0
1990
2017
(年)
図 6-3-1
二酸化炭素排出量削減のイメージ
150
新エネル
ギー,
1,198
人口減少,
4,530
第七章 導入重点プロジェクト構想とその効果
1.はじめに
第五章12節で述べたように、豊浦町で導入可能性のある新エネルギーとしては、太陽
光発電、太陽熱利用、雪氷冷熱、木質系バイオマス、クリーンエネルギー自動車であり、
導入する分野としては、公共部門を中心に一次産業部門、教育部門等が考えられます。
一方、町の第五次総合計画(計画期間;2008(平成 20)~2017(同 29)年度)に
おいては、次の3つを柱として策定することを予定しております。
1
新たな発想
・物質的な豊かさの追求から、心の豊かさを実現するための発想の転換を図ります
2
資源の探求
・資源、機能、人材を最大限に生かし町全体の付加価値を高め、新たな事業を構築し、地域に
根ざした産業を振興することにより、雇用を創出し、定住と交流を促進する有効な施策を打
ち出します
3
自立への挑戦
・基幹産業である農林漁業を振興し、さらに地域資源の探求による起業化を推進し、町の自立
に挑戦します
この総合計画のめざす方向性に加えて、
「洞爺湖地域温暖化対策まちづくり協議会」の一
員として同協議会が目指している方向性を支える視点から、新エネルギー導入プロジェク
ト構想を考えていかなければなりません。
今回のアンケート調査では、新エネルギー導入を推進するのが望ましい部門として公共
部門をあげ、率先的に導入して欲しいというのが町民の意識です。
一方、現在のまま財政運営を続ければ歳出が歳入を上回る財政赤字状態が継続すること
となり、積み立ててきた財政基金を利用して収支差ゼロの予算編成を実施しても 2012(平
成 24)年度には、財政基金が底を尽き、当該年度以降赤字予算を組まなければならないと
いう財政状況にあります。このため、職員削減・給与抑制、経常経費の削減、投資的経費
の抑制、補助金の見直し等の措置を講ずることにしています(豊浦町自立計画書)。
このような、現状を踏まえた上で次のようなプロジェクト構想を進めていきます。
2.重点プロジェクト構想の選定
本町の資源状況や産業構造さらには、第五次総合計画のめざす方向などを加味し、以下
のプロジェクト構想の実現に努力していきたいと考えています。
① 公共施設(町が所有、管理している設備を含む)の燃料転換プロジェクト
② 学校における新エネルギー等設備導入プロジェクト
③ 施設園芸における燃料転換支援プロジェクト
④ 民間部門(家庭を含む)における木質燃料導入支援プロジェクト
⑤ 木質バイオ燃料製造支援プロジェクト
⑥ BDF利用支援プロジェクト
⑦ 民間部門における太陽光発電設備導入支援プロジェクト
これらの事業は、民間企業や住民の協力が不可欠であることから、新エネルギー導入の
意義や地球温暖化対策の必要性等についての普及啓発事業に、意欲的に取組むこととしま
す。なお、構想の実現に不可欠な要素である助成制度は資料編に掲載します。
151
3.重点プロジェクトの概要、課題等
3.1 公共施設の燃料転換プロジェクト構想
①構想の概要
木質ペレットストーブを公共施設に先行的に導入して、町民等への啓発に努め町民
や民間企業等における導入を推進する
町内には資料編に記載のとおり30か所を超える公共施設があり、その暖房熱源は化
石燃料であり、この部分を木質系バイオ燃料に転換することで二酸化炭素排出量と経費
の削減をめざすとともに、町民等への啓発を図るのが本プロジェクトです。
木質系燃料としては、昔多くの家庭で使用されていた薪や木炭が思い起こされますが
ここで利用を想定しているのは、最近、道内でも製造や利用が始まった木質ペレットで
す。
(灯油から薪への転換を否定するものではありません)木質バイオマス燃料製造支援
プロジェクトで詳細にふれますが、木質ペレットは木材を粉砕しそれに圧縮加工して直
径6mm、長さ5cm程度に固めた燃料です。単位当たりの熱量は、樹種や木部ペレット
(重量の 90%以上が木部で構成されている)と全木ペレットにより違いはありますが、
発熱量は概ね灯油の 1/2 程度です。
木質ペレットの特長としては(北海道林業木材課)
・ やや複雑な製造工程を伴うことから比較的割高
・ 火力の調整や自動燃焼などの制御が容易
・ 小型燃焼機器でも燃焼効率が高い
・ 取り扱いが容易、燃料の保管場所を取らない
などから、一般家庭、農業用ハウスなどの小規模利用に向いているといわれていますの
で、燃料消費量の少ない公共施設での率先導入を進めるものです。
②導入に向けての課題
ペレット燃料の導入は緒に就いたばかりですので、次のような課題があります。
a、ペレット価格は灯油に比べ割高(最近の灯油価格急騰で競合できる情勢へ)
b、燃焼器具は灯油ストーブに比べると価格は2倍以上です
c、豊浦町には工場がないので、利用する場合は輸送費が上乗せされます
ペレットの価格は送料込みで 45 円/kg(距離にもよるが)程度です。先進地調査で訪
問した足寄町の場合は工場渡し価格は 40 円/kg ですが、公共向け(役場等)には 35 円
/kg で供給しています。灯油1L とペレット2kg の熱量が概ね見合いますので、ペレッ
トは灯油価格によりますがやや割高です。最近の原油価格の急騰によって灯油等石油製
品価格が急速に上昇(19 年 12 月現在の灯油ローリー価格 98.3 円)してきていますの
で、次第に価格的には競合できる状況になるものと予想されます。
なお、最近の灯油価格の動向は図 7-3-1 の通りですが、昨年秋口以降、急騰していま
す。
152
(円/L)
100
95
90
85
80
75
70
65
60
2005年4月
図 7-3-1
2005年10月
2006年4月
2006年10月
2007年4月
2007年10月
北海道の灯油価格の推移(ローリー価格、北海道くらしの安全課調べ)
(出典:北海道経済産業局「北海道の灯油価格」
)
ペレット燃焼機器のストーブは、木質バイオマス利用の先進地である欧州産のものが主
力でしたが、順次国産のものも出てきており、北海道でも道内メーカーに製造をすすめる
などの動きが出てきております。足寄町木質ペレット研究会調べによると、国産の機器で
は暖房能力 4,000kcal/h~19,000kcal、燃焼方式として煙突式のほかFF式のものも
あります。価格については 10 万円台のものもありますが、導入台数が少ないため灯油ス
トーブに比べると高価であり主流は 30~50 万円程度です(図 7-3-2 参照)。
昨年暮れ、道内メーカーが 20 万円程度のFF式のものの販売を開始しました。
図 7-3-2
いろいろな木質ペレットストーブ
(出典;
「足寄町木質ペレット研究会」のパンフレットから)
153
現在、町内で木質ペレットを生産している事業所がないことから、伊達や苫小牧等か
らペレットを手当てしなければなりません。輸送費がかかるため価格は割高になること
は否めません。非常時に備えて、ペレット需要家サイドで相当量を保管しておく必要も
でてきますが、町内の燃料販売事業所が木質ペレットを扱うようになれば、需要家サイ
ドでの保管という面倒さは解消されることになります。
従って、当面は、町民の方々に木質ペレットを知っていただくため、次年度に町民の
利用の多い小規模な公共施設に1台導入して啓発活動に利用するとともに、燃料投入の
頻度、ハンドリングの良し悪し、温度調節が容易か否かの確認や室内の温度状況などを
調査することとします。これらの調査結果を踏まえた上で、22年度以降、公共施設の
うち比較的規模の小さい集会所や子ども会館などに順次導入できるよう努めていきます。
表 7-3-1
短期的に木質ペレットに燃料転換が想定される候補施設例と灯油消費量(単位;L)
施設の名称
灯油消費量
施設の名称
1,194
高岡生活館
127
旭町集会所
181
浜町集会所
131
船見ケ丘子供会館
420
新富保健福祉会館
289
礼文華生活館
生きがいの家
1,123
旭町母と子の家
133
大和母と子の家
2,016
灯油消費量
豊浦児童館
1,030
海岸町福祉の家
102
いきいきセンター
2,050
(注)消費量は平成 18 年度の実績
なお、燃料消費量の大きい役場、病院、学校の燃料を現在の化石燃料から木質系燃料
に転換すると二酸化炭素排出量削減の効果は極めて大きいです。しかし、ペレットボイ
ラーは高額(足寄町役場の場合は 50 万 kcal/h×2台で8千万円)ですので、ボイラー
や既存建物の更新時期に、財政事情も考慮しつつ、その導入を検討することとしたいと
考えています。この場合、下川町のように(温泉の加温や幼児センターはチップボイラ
ーを導入)チップボイラーという選択肢もあると考えています。
表 7-3-2
中長期的に燃料転換が想定される公共施設例と燃料消費量(単位;L)
施設の名称
豊浦町役場
燃料消費量
施設の名称
燃料消費量
灯
1,173
国民健康保険病院
A
99,000
A
23,445
福祉施設
A
121,000
天然豊浦温泉
灯
252,569
中央公民館
灯
10,696
豊浦町社会館
灯
4,563
給食センター
灯
39,795
A
23,100
町立大岸保育所
灯
3,579
やまびこ
(注)灯とは灯油、AとはA重油をさします。消費量は 18 年度実績
3.2 学校における新エネルギー等設備導入プロジェクト構想
地球温暖化等の環境問題は緊急の課題であり、国をあげて各種の取り組みがなされてい
ます。次代を担う子ども達への対策が急務と言われていますので、子ども達が学ぶ学校施
設を環境負荷の低減や自然との共生を考慮した施設を整備するとともに、子ども達が環境
問題を身近に感じられるような工夫をしていくことが求められています。
154
①構想の概要
子ども達のエネルギー環境教育に資するため、太陽光発電やミニ風力発電設備を導
入するとともに、省エネルギー教育に取組みます
文部科学省は環境省、経済産業省の協力を得て 1997(平成9)年度から「エコスクー
ルパイロット・モデル事業」取組んでいます。これまでに全国では 600 校を超える学校が
指定を受けています。この中の事業のタイプとして「新エネルギー活用型」として太陽光
発電、太陽熱利用、その他新エネルギー活用(風力、地中熱、燃料電池を例示)設備の導入
があります。
※ほかに「省エネルギー・省資源型」
「自然共生型」
「木材利用型」
「資源リサイクル型」や自然採光
利用などの「その他型」があります。(文科省等「環境に配慮した学校施設の整備推進」による)
町内には、5の小中学校がありますので1~2の学校において、子ども達に自然がもた
らすエネルギーを目で見ることができる太陽光発電やミニ風力発電設備を導入するととも
に、省エネルギーセンターの事業である「省エネルギー教育推進モデル校」
(教材提供、省エ
ネナビ設置、講師派遣などのソフト事業)などの取り組みを進めていきます。規模が大きいもの
ではないので二酸化炭素排出量の削減は極めて小さいものですが、子ども達の地球環境問
題への関心の高揚、地域としての環境教育への取組む姿勢のPRとしての効果もあります。
②導入に向けての課題
a、学習時間の制約の下でエネルギー環境教育の時間を確保できるか
b、補助事業を利用しても財政的な負担が必要です
学校の授業時間制約や総合学習縮小の方向の下で、エネルギー・環境教育の時間をどの
ように確保するのかなど、他の学習項目との調整が必要です。
なお、最近5か年、道内小中学校において、
「エコスクール・パイロットモデル事業」に
よって新エネルギー設備を導入したのは表 7-3-3 のとおりです。このほか、NEDOの助
成制度によって設備導入を行った学校もあります。
表 7-3-3
学校における新エネルギーの導入状況(平成 15~19 年度)
年度
自治体名
15
北見市
小泉小学校
太陽光発電
帯広市
清川小学校
太陽光発電
北広島市
西部小学校
太陽光発電
16
学校名
新エネルギーの種類
苫小牧市
若草小学校
太陽光発電
17
北見市
三輪小学校
太陽光発電、その他新エネ
18
札幌市
信濃小学校
太陽光発電
苫小牧市
ウトナイ小学校
太陽光発電
黒松内町
黒松内中学校
その他新エネ
(出典;文部科学省「エコスクール・パイロットモデル事業認定状況一覧」から作成)
計画期間の前期において、豊浦町内の1学校の「エコスクール・パイロットモデル事業」
の認定に受けられるように努力します。
なお、いずれの小中学校とも公共施設の中では灯油やA重油の消費量が多いことから学
校の統廃合等との計画を考慮しつつ、木質系燃料等への転換を検討していくこととします。
155
3.3 施設園芸における燃料転換支援プロジェクト構想
全国的に北海道は施設園芸(栽培用のガラス室・ハウス)を経営している農家数は多く、
経営面積も大きい。農家数は 14 千戸と全国1位、その経営面積では全国2位、野菜用ハウ
スに限定すると3位に位置しています。
表 7-3-4
上位都道府県の栽培ハウス面積と野菜用ハウスの面積(単位;千㎡)
栽培用ガラス室・ハウス面積
順位
府県名
1
熊本県
2
設置面積
うち野菜用
順位
府県名
設置面積
48,834
1
熊本県
40,580
北海道
36,324
2
茨城県
32,925
3
茨城県
35,372
3
北海道
29,136
4
愛知県
32,180
4
福岡県
15,507
5
福岡県
25,619
5
栃木県
15,281
(出典:日本施設園芸協会「園芸用ガラス室・ハウス等の設置状況」
)
どのような野菜が栽培されているのかを全国と比較したのが、表 7-3-5 です。全国では
栽培面積ではトマト、ほうれんそう、いちごの順で、収穫量ベースではトマト、きゅうり、
いちごの順です。一方、北海道の場合は、栽培面積では一般メロン、ほうれんそう、トマ
トの順で、収穫量ベースではトマト、一般メロン、きゅうりの順になっています。
表 7-3-5
北
順位
施設栽培(野菜)の品目別の栽培面積と収穫量(単位;千㎡、トン)
品
海
目
1
一般メロン
2
道
栽培面積
全
収穫量
順位
品
国
目
栽培面積
収穫量
10,791
24,784
1
トマト
75,511
558,536
ほうれんそう
7,397
6,905
2
ほうれんそう
55,152
63,431
3
トマト
5,524
40,527
3
いちご
52,563
168,097
4
すいか
1,814
4,390
4
きゅうり
48,110
415,752
5
ねぎ
1,342
6,048
5
一般メロン
43,072
113,442
6
きゅうり
1,300
13,075
6
すいか
28,866
108,423
7
いちご
1,174
1,795
7
温室メロン
19,132
48,960
8
アスパラガス
932
630
8
ねぎ
17,254
40,108
9
ピーマン
908
4,255
9
なす
14,996
144,751
さやいんげん
609
973
10
ピーマン
13,403
98,776
24,118
13,073
127,592
291,457
37,721
116,455
495,651
2,051,733
10
その他
合計
その他
合計
(出典:日本施設園芸協会「園芸用ガラス室・ハウス等の設置状況」
)
(※)位は栽培面積による
これらの施設栽培を行っている設備のうち、加温設備のあるものの割合や加温方法を整
理したのが表 7-3-6 です。
156
表 7-3-6
加温設備の種類別設置面積(野菜用)
北海道
設置面積
総栽培面積
29,136
うち加温面積②
4,468
加温比率②/①
全
構成比
①
国
設置面積
構成比
362,400
100.0
139,130
15.3
石油利用
単位;千㎡、%
100.0
38.7
4,059
90.8
131,702
94.7
うち温風
2,950
66.0
124,491
89.5
温湯
1,099
24.6
7,179
5.2
蒸気
10
0.2
32
0.0
3
0.0
343
0.2
14
0.3
194
0.1
地下水等利用
378
8.6
5,523
4.0
石油代替燃料
14
0.3
1,368
1.0
電熱利用
太陽熱利用
(出典:日本施設園芸協会「園芸用ガラス室・ハウス等の設置状況」
)
北海道の施設栽培面積は広いですが、加温設備を整備している割合は全国平均を大きく
下回る 15%程度です。暖房源は全国と同様に石油に依存する割合は9割を超えていますが、
地下水等利用(温泉、発電所の熱水、深層熱水(温泉)を指している)の比率は全国の倍で
す。石油代替燃料とは、ここでの分類では石炭・コークス、LPガス、都市ごみ等(廃材
等の木質系燃料、廃タイヤ等の産業廃棄物を含む)としています。
さて、豊浦町の農業生産額は 19 億円程度で、その2割強を野菜が占めています。町内の
農家数は 129 戸(「2005 農林業センサス」による)で、このうち施設園芸を行っている農家数
は 43 戸です。ハウス栽培面積は 8.9ha で、栽培されている品目は“いちご”のほか“花
卉”
、
“ほうれんそう”です。43 戸のうち暖房設備を備えているものを保有しているのは、
個人農家2戸と法人1社で面積は3ha 程度と推定されます。
表 7-3-7 は、ここ6年間の全国での農業生産資材価格の動きをみたものですが、他の資
材に比べ光熱動力費の上昇率の高さが目につきます。
表 7-3-7
分
類
種苗・苗木
農業生産資材物価指数の推移(平成 12 年=100)
13
14
15
16
17
18
585
100.8
100.7
100.6
101.1
101.5
101.7
ウェート
肥
料
1,014
99.8
100.4
100.4
100.8
103.2
105.8
飼
料
1,383
103.3
106.3
108.6
115.2
112.5
116.1
737
101.1
97.7
100.0
103.4
115.9
130.9
農機具
1,990
99.7
98.3
98.1
97.8
97.4
97.4
賃借料
1,973
100.5
99.3
98.8
98.9
99.5
100.0
10,000
100.4
99.5
100.2
101.6
102.7
104.9
光熱動力
生産資材計
(出典:農水省「農業物価統計」
)
(注)掲示の分類に加えてウェート 3,218 の分類項目(畜産用動物、農薬、諸材料、自動車・同関係料金、
建築資材、農用被服)があります。
157
~いちご栽培について~
「いちご」は生食用のほか、ケーキなどの菓子類の業務用需要やジュースの原料など幅
広く利用されている果実です。家庭における購入量は、りんご、みかん、バナナに次いで
多く、1世帯当たりの年間購入量は 3.3kg、購入金額は 3、800 円余りです。
(総務省 平成
18年「家計調査」による
図 7-3-3 参照)
道内でどのくらいの量の“いちご”が流通しているかを把握することが困難ですので、
札幌圏に幅広く農水産物を卸供給している札幌中央卸売市場のデータについて以下、概観
すると次のようになります。
上記市場における“いちご”の扱い量(供給)は 2,700 トン、扱い金額(卸販売額)は
30 億円と量、金額とも頭打ちの状況にありますが、このうち道内産の供給割合は着実に低
下し、平成 18 年では供給量ベースでは 10%を割っています(図 7-3-4 参照)
。
(円)
6,000
4,976
5,000
4,952
3,854
4,000
3,813
3,000
2,317
2,051
2,000
1,555
1,394
1,263
1,092
1,000
900
645
558
0
りんご
みかん
バナナ
イチゴ
ぶどう
図 7-3-3
なし
メロン
すいか
もも
かき
キウイフルーツ
オレンジ
グレープフルーツ
家庭における果実の購入金額
扱い金額
(百万円) 4,000
扱数量
(トン)
3,500
3,000
2,500
2,000
15.2%
15.2%
16.4%
1,500
14.2%
13.0%
10.4%
9.9%
H17
H18
1,000
500
0
H10
H11
扱数量
図 7-3-4
H12
H13
百万円
H14
H15
H16
扱数量道内産比率
いちごの扱い数量・金額と道内産比率の推移
(出典:札幌市「札幌中央卸売市場年報」
)
月別の扱い量をみると、12 月から翌年の春まで増加しピークは3月で、夏から秋にかけ
ては極端に減少するパターンになっていますが、卸売価格は、どちらかと言えば逆のパタ
ーンとなっています(図 7-3-5 参照)
。
158
(トン)
(円/kg)
750
2,000
600
1,600
450
1,200
300
800
150
400
0
0
1月 2月 3月 4月 5月
6月 7月
8月 9月 10月 11月 12月
数量
図 7-3-5
単価
月別扱い量と卸売価格の推移
(出典:札幌市「札幌中央卸売市場年報」
)
月別の扱い数量の道内外の比率を示したのが下図です。道内ものは6月~10 月までは市
場では主力となっていますが、それ以外の月では5月を除き 2%未満というのが実情です。
(トン)
100%
50%
0%
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
道産
図 7-3-6
8月
9月 10月 11月 12月
道外
月別扱い量の道内外比率(月扱い量に占める比率)
(出典:札幌市「札幌中央卸売市場年報」
)
このように、道内市場における“道産いちご”は供給比率で 10%、供給時期は5~11
月が中心でそれ以外の時期の供給量は極めて少ないという状況にあります。
豊浦町で、いちご栽培を行っている農家等は延べ 56 戸、その作付け種別は表 7-3-8 の
とおりです。加温設備を持っている農家等は「とちおとめ」無加温設備の農家は「けんた
ろう」が主力の品種です。10 年前頃は、10 戸程度が加温設備を備えて栽培しておりまし
たが、灯油価格の上昇とともに無加温設備による栽培に移行してきています。
表 7-3-8
品種別の作付け農家と作付面積(平成 18 年度)
(単位:戸、a)
けん
とち
宝交
ジャンボ
たろう
おとめ
早生
レッド
農家
49
7
17
2
1
2
3
1
2
面積
399
251
112
13
6
88
20
6
6
品種
章姫
エラン
夏娘
夏美
ほほえみ
家族
(出典:町調べ)
159
ハウスの暖房といちごの収穫時期は概ね表 7-3-9 のとおりです。
8~10 月の間は、町ではいちごの収穫が行われていない端境期となります。この時期、
札幌卸売市場での扱い量は少ないですが、11 月を除き比較的道産ものの比率は高いです。
一方、豊浦町で、昨年度栽培された“いちご”の品種は9種類で、作付け面積は、大き
い順に「けんたろう」
、
「とちおとめ」、「宝交早生」となります。
(表 7-3-8 参照)
表 7-3-9
栽培タイプ
1
2
3
4
5
栽培タイプ別の収穫時期
6
7
8
9
10
11
12 月
備考
加温促成栽培
(誠和高設型)
収穫時期
加温時期
(発泡高設型)
収穫時期
加温時期
無加温栽培
収穫時期
(注)胆振農業改良普及センター「加温促進栽培技術概要」「無加温半促成栽培技術概要」から要約
①構想の概要
いちご栽培ハウスの暖房燃料を、灯油から木質バイオ燃料に転換して燃料コストを削
減するとともに、二酸化炭素排出量を削減し、環境に優しい“いちご栽培”をめざす
ハウス暖房用の燃料を化石燃料から木質系燃料に転換することによって、生産コストの
低減と環境への負荷を減らそうというのが、本プロジェクト構想の主眼です。ハウス栽培
による農作物の栽培は、暖房燃料に多量に消費することから「油つけ」とも言われている
ところであります。石油系燃料から木質系燃料に転換することで、環境負荷の少ない燃料
を使用しているということアピールすることができ、ブランド力を上げることにも貢献で
きるものと考えられます。エネルギーの消費量に変動を伴うものではありませんが、木質
系燃料に切り替えることによって、二酸化炭素排出量が大きく減少します。
ここでは、施設園芸による野菜栽培で農業所得が高く(表 7-3-10 参照)、豊浦町の特産
でもある「いちご」のハウス栽培に対して木質ペレットの導入をめざすこととします。
なお、ハンドリング等が容易であれば、チップの導入も想定されますし、可燃性廃棄物
の利用も検討課題です。
表 7-3-10
施設野菜の経営収支(夏秋野菜)
(単位:千円、時間、%)
品目
10a当たり
粗収益
夏ねぎ
経営費
労働時間1時間
農業所得
労働時間
当たりの所得
所得率
897
412
485
247.37
夏秋きゅうり
1,059
538
521
669.17
776
49.1
夏秋トマト
1,896
990
906
732.97
1,237
47.8
ミニトマト
1,851
1,035
816
705.49
1,153
44.0
夏秋ピーマン
1,533
899
634
510.12
1,244
41.4
夏秋ししとう
2,642
1,296
1,346
2,369.43
568
51.0
いちご
3,502
1,717
1,785
1,932.38
924
51.0
(出典:農水省
160
1,970 円/時間
農業
54.3
平成18年度「農業経営統計調査」による)
(※)農業所得率=農業所得/粗収益
施設園芸においては、暖房用燃料(灯油)の高騰が経営に大きな影響を与えるといわれ
ているところです。いちご栽培経費に占めるエネルギーコストは、次のようになります。
表 7-3-11
ハウス1棟当たりの施設園芸におけるエネルギーコスト(単位:万円/10a)
タイプ
総経費
灯油代
灯油/総経費
加温促成(土耕)
約 280 万円
96~120 万円
34~43%
加温促成(高設)
約 350 万円
96~120 万円
27~34%
無加温
約 120 万円
(土耕)
(出典:胆振農業改良普及センター調べ)
(※)灯油価格は 80 円/L で算定
上記のように総経費に占める燃料費の比率は3~4割であり、これに数万円の電気料金
が加算されます。町内の加温促成栽培の場合、ハウス1棟当たり年間灯油消費量は 12~
15kL 程度であり、最近のように価格が急騰する(図 7-3-1 参照)と大きな影響が出てき
ます。胆振農業改良普及センターの調べによると、灯油価格が高騰したことから、いちご
農家の農業所得は 48~60 万円/10a減少しています。このため、多くの農家が無加温型
栽培に移行している現状にあります。
豊浦町のいちご栽培における暖房は、概ね 11 月~4月頃まで、棟ごとに灯油ボイラーを
用いて温風によるハウス暖房と温湯により培土の温度を保持する方法で実施しています。
温度は培土で 20℃、ハウス内は最低5℃以上を保つように制御しております。使用して
いるボイラーの数は小規模なハウスで温風用、温湯用に各1台、大規模(千㎡)なハウス
では温風用、温湯用、融雪用に各1台です。灯油の消費量はハウスの規模,構造によりま
すが、小規模なハウスで10kL/棟・年、大規模なハウスで 14kL/棟・年ですが、暖冬か厳
冬かによって差はでますが、概ねこのような量になります。
この灯油を木質ペレットに代替し燃料コストを低減することで、以前、加温設備でハウ
ス栽培していた農家の方々に、無加温から再び加温栽培に復帰してもらって、町内の生産
量を増大させます。また、8~10 月の端境期に収穫できるような技術を導入することによ
って通年収穫をめざすこととし、いちご狩り目当ての観光客も呼び込みたいというのが本
構想の基本をなすものです。
もし、これが可能になれば、前述のとおり施設栽培の中では面積当たりの粗収益が飛び
抜けて高いほか、労働時間も多いことから農家所得の増大や雇用人員の増加にも繋がるも
のと考えられるからです。
②導入に向けての課題
a、ペレット導入例が少ない下で、どのようにして転換を理解してもらうか
b、燃料転換に伴う高額の燃焼器具購入費をどのように手当てするか
C、ペレットを灯油より安い価格で手当てできるか
d、通年栽培が可能であれば、どのような方策を取れば実現できるのか
施設園芸に木質ペレットを導入した実証試験事例などは極めて少ないというのが実情で
す。道内の事例としては表 7-3-12 のようなものがあり、北見工大でも厳寒期のいちご栽
培試験を行いました。
161
表 7-3-12
導入者
道内の木質バイオマス導入事例
函館市
奈井江町
農家1戸
農家1戸
花卉
花卉
厚沢部町
協議会
農家5戸
(町、NPO、企業)
暖房施設
1棟
ボイラー
3万 kcal
3万 kcal
1基
40 基
出力、基数
伊達市
40 棟
(花卉2戸、野菜3戸)
1棟
5棟
10 万 kcal
3万 kcal
1基
実証試験
5基
H19/1~19/3
H19/1~3か年
(出典:
「豊浦町地域内エネルギー基礎調査業務報告書」
)
厚沢部町の事例は、道の補助事業(木質バイオマス資源活用促進事業)として実施され
たものですが、この事業は、次のような効果を期待して実施されたものです。
木質バイオマス資源活用促進事業の目的
①木質バイオマスの需要を拡大することにより、地域の雇用、林業や農業などの産業振興につなげる
②地域のエネルギー活用で石油の相場の変動に振り回されない農業経営が確立できる
③化石燃料に替えて木質バイオマスを使うことにより、CO2 排出量の削減を図ることができ、自治
体として地球温暖化防止計画を具体的に進めることにつながる
④道内の農業ハウス農家に対して具体的な事例を提示でき、他地域での木質バイオマスの活用の拡大
を図ることができる
⑤道内の地域特性に合ったボイラーの開発が進み、技術力としても道内に蓄積できる
本事業では、地元産のペレット(全木)を木質バイオマス焚きボイラーでの燃焼による
温風でハウスを暖房するものです。事業報告書によれば、ボイラー容量が大き過ぎたため
燃料代は灯油に比べ割高でしたが、ボイラー容量を半分にすれば灯油代と同程度になると
しています。
(表 7-3-13「ペレットの経済性比較のための条件等」 参照)農業ハウスへ
の木質ペレットボイラーの使用の可否について、次のように評価しています。
①木質ペレットボイラーは若干の改善点はあるが、農業用ハウス熱源として十分に実証
できた
②貯湯槽を併設することによって、更に効率良く利用できることが明らかになった
③微量供給調整可能な自動供給装置を具備することによって、種火運転がより省エネ化
できることが明らかになった
(出典;
「木質ペレットを燃料とする農業用ボイラー実証試験成果報告書」
)
表 7-3-13
ペレットの経済性比較のための条件等
木質ペレット
灯
油
試験中の供給量
9,270 kg
2,792 L
消費量/日
182kg/日
53L/日
単
39 円/ kg
74 円/ L
7,098 円/日
3,922 円/日
価
燃料費/日
(出典;
「木質ペレットを燃料とする農業用ボイラー実証試験成果報告書」
)
この報告書のとおり木質ペレットをボイラーで燃焼させて園芸ハウスを暖房することは
可能であり、石油代替燃料として導入するものですので二酸化炭素排出量削減の効果があ
162
ります。しかし、灯油価格が急騰しない限り燃料費が格段に減少するものではありません
ので、農家にとっては経営コストの大幅削減に直接結びつくものではありません。従って、
環境に優しいエネルギーを使っていることをアピールし、“豊浦いちご”のブランドを高め
ることが不可欠です。
表 7-3-14
単位等
ボイラー価格
修
定期点検
繕
補修費
費
消耗品費
千円
木質ペレットボイラー一覧表
A社
B社
C社
D社
3,900~9,500
2,094
4,300~12,400
6,160
万円/台
15
10~15
不明
15
円/台
なし
なし
不明
なし
※
円/台
70,000
なし
不明
20,000
Kg/h
27~36
4~10
21~350
30
燃焼効率
%
80~85
72
65
83
定格出力
千 Kcal/h
100~500
31
60~600
100
1~2
7
不明
1
ペレット消費量
焼却灰処理頻度
回/週
(出典「豊浦町地域内エネルギー基礎調査業務報告書」
)
(※)3~7 年で要する消耗品費
「なし」は「ほとんどなし」の意味
次の課題は、高価なボイラー導入費用をどのように手当てするかです。出力により差異
はありますが、ペレットボイラーの価格は2百万~12 百万円程度要します。
ハウス栽培を行っている事業者は「ボイラー購入費を全額負担してくれるなら、他の燃
料への転換を考えてもいいが・・」ということで大きな設備費の負担に難色を示しており
ますし、行政サイドも「農家は新たな投資をする余裕はない」という見方をしています。
従って、当面、町が事業主体となって導入して(栽培農家のハウスを使ってのモニター
事業)実証試験に取り組みながら各種のデータを収集して、利用上の問題点や課題を整理
し、それを農家に提供していきます。また、データをボイラーメーカーにフィードバック
して必要であればボイラー等の改良を促しながら導入環境を整備していく必要があります。
意欲的な農家の本格的な導入に際しては、農水省の補助制度を積極的に活用するととも
に、財政状況を踏まえつつ町として上乗せする助成制度創設の検討をすすめていきます。
3番目の課題はペレットの価格です。基本的なものとして、灯油価格の動向がどうなる
かによって相対的に有利か不利かということがあります。それに加えて、町内にはペレッ
トを製造する事業所がないため他地域から運送賃をかけて運んでくることが必要です。ペ
レット燃料の単位当たりの熱量は灯油の半分程度ですので運送賃の負担は大きいものとな
ります。町内におけるペレット需要が一定規模以上となることが見込めるようになった場
合、町内でペレット製造することを鋭意検討する必要があります。そのような状況になれ
ば、より安い価格でペレットを確保できるため施設園芸農家の経営コストの削減、地元の
林業の振興や雇用の拡大に結びつけることができるようになります。
4番目として、いちごの通年栽培が可能かどうかです。前述の収穫のスケジュールでみ
るとおり、加温栽培形式では8~10 月は全く収穫のない端境期になっています。この時期
を埋めることが可能かを問うたところ「6~9月頃まで培土を 20℃以下にすれば、端境期
の収穫は可能」
(法人代表者談話)とのことであります。培土をどのようにして、条件とさ
れる温度まで下げるか、その方法の検討と実証試験等が必要となります。温度が一定して
いる地下水や冬期の雪を堆積しておいて、その時期に必要な冷熱エネルギーを供給するこ
163
となどが想定されますが、実現できれば経済効果も大きいところから、今後の検討課題と
することとします。
なお、いちご栽培を営んでいる法人では、栽培棟でLPガスを使って強制的に炭酸ガス
を放出してハウス内のCO2 濃度を上げて光合成条件を維持するようにしているが、将来は
暖房機器から排出されるCO2 の利用を検討している(法人代表者談話)、とのことです。
3.4 民間部門における木質燃料導入支援プロジェクト構想
第三章「豊浦町のエネルギー事情」でみたように、家庭部門(町全体のエネルギー需要
の 34.9%)
、運輸(同 25.2%)や業務部門(同 17.3%)におけるエネルギー消費量は大
きく、これらの部門で省エネルギー(エネルギーの効率的使用)や新エネルギーを導入す
ることが、二酸化炭素排出量を削減する上で欠かせません(図 3-2-2 参照)。
しかし、アンケートの自由意見にあるように町民の多くの方々の考え方は、
*「新エネルギーはいろいろな面で良いことはわかるが、価格が問題だ。サラリーマンや
低所得者には、今のところ利用できない価格だ」
*「一般家庭においては価格面では無理がある、公共部門や一次産業で積極的に導入を」
*「各家庭で新エネルギー設備を個別に持つのは非現実的。町として風力発電やバイオマ
ス発電を大規模に実施し、その電気を北電に販売すれば良い」
など、必ずしも自ら新エネルギーを導入することには積極的ではありませし、日常生活に
おいても「地球温暖化防止のために積極的に取組む」と回答したのは全体の 19%に止ま
っています(図 4-4-9 参照)
。
①構想の概要
家庭の暖房熱源を灯油から木質ペレットに転換する。当面、省エネルギー等の意識
が高い世帯を中心にペレットストーブの導入を推進する
本道では暖房の主力は灯油で、その消費量が多いことから価格の動向は直接家計に響き
ます。これを避けるために、燃料を灯油から木質ペレットに転換しようというのが本構想
の骨子です。灯油昨秋以降、原油価格の急騰を受けて家庭向けのローリー価格は 90 円/L
を大きく上回る水準まで上がってきています(図 7-3-1 参照)
。
世帯当たりの年間灯油消費量は、暖冬か厳冬か、世帯人員数、戸建か集合住宅か、灯油
の用途が暖房のみか給湯(台所、風呂)
、更に融雪にまで利用しているかによって、差異
は大きくなります。(財)日本エネルギー経済研究所石油情報センターの平成 16 年度「灯
油消費実態調査」によると、北海道の一世帯当たりの灯油消費量は 1,963L/年で全国平
均の 2.86 倍です。
164
(L/年)
上位5道府県 下位5府県
2,500
2,000
1,963
1,850
1,474
1,500
1,360
1,074
685
1,000
500
352
335
328
愛
知
県
神
奈
川
県
高
知
県
321
309
静
岡
県
大
阪
府
0
北
海
道
青
森
県
図 7-3-7
秋
田
県
山
形
県
長
野
県
全
国
平
均
上位および下位5道府県の灯油消費量と全国平均
(出典:平成 16 年度灯油消費実態調査)
(L/世帯/年)
1,383
1,500
1,024
1,000
791
605
645
636
(100.0%)
(106.6%)
(105.1%)
(130.7%)
(169.4%)
(228.8%)
2人以下
3人
4人
5人
6人
7人以上
500
0
図 7-3-8
家族人員別世帯当たり消費量(全国平均)
(出典:平成 16 年度灯油消費実態調査)
(※)
(
)は「2 人以下」を 100 とする指数を示す
(L/世帯/年)
1,000
800
759
600
519
428
400
253
200
(100.0%)
(56.4%)
(68.3%)
(33.3%)
木造一戸建
木造共同住宅
鉄筋造り一戸建
鉄筋造り共同住宅
0
図 7-3-9
家屋別世帯当たり消費量(全国平均)
(出典:平成 16 年度灯油消費実態調査)
(※)
(
)は「木造一戸建」の使用量を 100 とする指数を示す
165
一方、家庭部門用途別エネルギー源別エネルギー消費量(省エネルギーセンター「エネ
ルギー・経済統計要覧」による)の灯油の用途別内訳は暖房用 71.9%、給湯用 28.1%と
なっています(下表参照)
。従って、一世帯当たりの暖房用の灯油消費量は 1,411L
(1,963L×0.719)となります。これを木質ペレットに転換することで二酸化炭素排出
量を削減しようというのが本プロジェクト構想です。
表 7-3-15
家庭部門世帯当たり用途別エネルギー源別エネルギー消費量(2005 年度)
暖房用
電
冷房用
給湯用
厨房用
動力他
合 計
構成比
力
385
267
289
181
3,678
4,800
43.7%
都市ガス
493
0
1,165
312
0
1,970
18.0
LPG
101
0
882
345
0
1,329
12.1
石炭等
2
0
12
2
0
16
0.1
太陽熱
0
0
110
0
0
110
1.0
1,978
0
774
0
0
2,752
25.1
灯
油
(構成比)
合
計
(71.9%)
-
(28.1%)
-
-
-
(100.0%)
2,959
267
3,233
840
3,678
10,977
100.0%
2.4
29.5
7.7
33.5
構成比
27.0%
100.0%
(出典;省エネルギーセンター‘07「エネルギー・経済統計要覧」による)
(※)石炭等は、石炭、練豆炭、薪、木炭、その他の合計、単位は何れも千 kcal
②導入に向けての課題
a、全道的導入事例が少なく、燃料転換の意義をどのように理解してもらうか
b、割高なペレットボイラーの購入費の手当て方法をどうするか
c、どのようにして安定的に木質ペレットを供給するか
d、木質ペレット価格を灯油価格以下にすることができるか
北海道の調べによると平成 16~18 年度のペレットストーブの導入台数は累計で 265
台(一部推計)です。少しずつ増えてきておりますが、まだ緒に就いたばかりの段階です。
表 7-3-16
該当施設
道立施設
市町村等施設
一般家庭等
うち道補助
合
計
ペレットストーブ導入台数の推移(単位:台)
H16
H17
H18
合
計
3
4
3
10
11
15
39
65
80
40
70
190
0
19
43
62
94
59
112
265
(※)一般家庭等は推計値
しかし、灯油から木質ペレットに燃料転換すると確実に二酸化炭素排出量を削減できま
すので、地球温暖化防止の効果があり多くの家庭で転換が進むと、灯油消費量の大きい北
海道にとっては、大きな効果が期待できます。この点を町民に啓発して理解と協力を求め
ていくことが重要です。
なお、家庭におけるペレットストーブの燃焼試験を行った北見市の例では、厳寒に同市
166
においてもペレットストーブでの十分な暖房が確保されています。
国産 FF 式ペレットストーブの仕様
試験家屋の間取りと暖房機・温度測定点の
配置図
ペレットストーブ運転時の測定点温度と外気音の推移
図 7-3-10
FF式ペレットストーブ燃焼試験結果
(出典:三木康臣「厳寒北見におけるFF式ペレットストーブの燃焼試験」
(第23回寒地技術シンポジウム報告集)による(筆者は北見工業大学准教授)
)
町民意識調査によれば、地球温暖化防止のため省エネルギー活動等に「積極的に取組む」
と回答した方が 19%おります。灯油からペレットに燃料を転換することで二酸化炭素排
出量が大幅に減少し、地球温暖化防止や地域環境保全に貢献できることを役場等がPRし
て「積極的に取組む」層を中心に導入が進むよう努力していきます。
暖房燃料の安定的供給は寒い北海道においては絶対的な要件となります。現在、町内に
は木質ペレットを製造する事業所がありませんので、町外から手当てする必要があります。
導入する家庭で保管庫を用意するとなるとその経費を要しますので、町内の燃料店などで
扱い必要時にいつでも配送できる体制を整えておくことが必要です。
一方、木質ペレット価格は 42 円~45 円/kg 程度であり、単位当たり熱量が灯油の半
分程度ですので、灯油価格が 70 円台程度ならば価格的には割高であることは否めません。
そこで、ペレット価格を 45 円に固定し灯油価格を変動させて、灯油価格がどの程度まで
上昇したら価格的に競合できるのかを試算したのが図 7-3-11 です。
167
木造戸建(年間灯油消費量:1,411L)
年間費用(千円)
2500
2000
1500
1000
500
0
0年 1年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年 10年 11年 12年 13年 14年 15年
ペレット(補助なし)
ペレット(補助1/2)
灯油70円
80円
90円
95円
100円
年間費用(千円)
鉄筋造共同住宅(年間灯油消費量:470L)
1000
800
600
400
200
0
0年 1年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年 10年 11年 12年 13年 14年 15年
ペレット(補助なし)
ペレット(補助1/2)
灯油70円
80円
90円
95円
100円
図 7-3-11
灯油とペレットの価格優位性の比較
(灯油価格を 70 円、80 円、90 円、95 円、100 円/Lで変化させてグラフ化)
(算定条件:ペレット発熱量 4,500kcal/kg,灯油発熱量;8、767kal/L、ペレット価格 45 円/kg
年間灯油消費量;木造戸建 1,411L、鉄筋造共同住宅 470L
灯油ストーブ 10 万円(耐用年数 10 年)
、木質ペレットストーブ 30 万円(耐用年数15年)
)
戸建住宅の暖房向けの年間灯油消費量に相当する熱量を得るためには、2,749kg の木質
ペレットが必要です。燃料費はペレット単価が 45 円/kg であれば年間のペレット購入費用
は 124 千円です。
(算式;1,411L×8,767kcal÷4,500kcal/kg×45 円/kg)
表 7-3-17
灯油とペレットの購入費用差
灯油価格
購入費用
ペレット
円/L
千円/年a
購入費用b
124 千円
購入費用差
a―b
70
99
80
113
90
126
2
100
141
17
168
▼
25 千円
▼
11
従って、年間の燃料費は灯油が 89 円/L 程度以上であれば、ペレット購入費用の方が安
くなります。ただ、灯油が 100 円/Lになっても年間のペレット購入費との差額が 17 千
円程度であるため、費用(ランニング)面では極端に有利となるものではありません。加
えてペレットストーブの価格が灯油ストーブの3倍程度と高額なため、トータルコスト(ス
トーブ購入費+燃料購入費)でペレット導入が有利となるのは、灯油ストーブ更新後 11 年
以降となります。従って、ペレットストーブ導入期にストーブ購入の助成制度があれば、
図のように灯油価格がより安い段階でもトータルコストで競合できる状況となります。
いずれにしても、来年度、試験的に導入する公共施設でのデータを開示して、扱いが容
易か否か、暖房効果はどうなのか等を周知しつつ、導入環境を整備し家庭や事務所等への
導入を図っていくこととします。導入推進のため、灯油ストーブから木質ペレットストー
ブに転換する家庭等に対し町は北海道の補助制度の手続き等を支援するほか、町としてモ
ニター制度や上乗せ助成制度創設について、財政状況を勘案しながら検討をすすめていき
たいと考えています。
なお、灯油ストーブから薪ストーブへの転換を推奨したいと考えています。町内の森林
の間伐材等から薪に加工することで、林業振興や雇用拡大も期待できるためです。
3.5 木質バイオ燃料製造支援プロジェクト構想
町内のペレット需要が一定規模に達した場合は、安定供給、輸送費削減や地元林業の育
成の視点から町内で木質ペレットを製造することが期待されます。
その場合、豊浦町で木質ペレットの原料となる木質バイオマスの発生量がどの程度ある
のかということが事業化を考える上では欠かせません。第五章の木質バイオマス賦存量(森
林の間伐材量)の算定のとおり年間 1,477m3(重量換算で約 740t)発生しているほか、
町の調べでは建築廃材 328t、そのほか土木工事に伴う支障木や不定期ではあるが漂流木、
風倒木が発生しておりますので、1千トン程度のペレット製造は可能です。
木材工場廃材のように原料費を考えなくても良い場合や建築廃材のように逆有償で手当
てできる場合に比べると、林地残材から製造する場合は、収集・運搬費がかかることから
どうしてもコストアップは避けられません。
また、木質ペレットには、国で定めた規格がありません。民間団体である「ペレットク
ラブ」ではペレット燃料を普及させるためは品質・規格を規定することが望ましいとして
2005(平成 17)年自主規格を決めました。その概要は次のとおりです。
木質ペレットの企画(ペレットクラブによる規定)
1、名称表示は次の3種類とする
木部ペレット燃料、樹皮ペレット燃料、木部・樹皮混合ペレット燃料
2、品質基準
1)形状;円柱状
2)寸法;直径6mm+-0.5、7+-0.5、8+-0.5 長さ5~25mm
3)低位発熱量(湿量基準);3,600kcal/kg 以上
4)水分(湿量基準)wt%;12 以下
5)灰分(湿量基準)wt%;測定した結果を表示
3、燃料を販売する際の包装、容器、送り状に次の項目を表示する(項目は省略)
木質ペレットの製造は図 7-3-12 のとおり、原料粉砕→乾燥→成型の工程を経て製品が
作られ、成型品を冷やした後に袋詰め(10kg 程度)して出荷されます。大量消費のユーザ
ーには別の荷姿で出荷されます。
169
原料
粉砕機
粉砕後
乾燥機
ペレタイザ
ベルトコンベア
製品
図 7-3-12
木質ペレットの製造工程
(出典:北海道木質バイオマス研究会報「風向未来」
170
北海道ペレット(株)
市橋誠氏
講演資料)
① 構想の概要
町内のペレット需要の普及状況を踏まえつつ、町内での木質ペレット製造事業の詳細
な検討を、町総合計画の後期実施計画策定時に実施する
このビジョンで想定している期間の後半に、町内のペレット需要に見合う規模のペレッ
ト工場を立ち上げて町民等に安定的にペレット供給しようというのが骨子です。規模、事
業主体等は総合計画の後期実施計画を策定する際に詳細な検討をすすめるものとします。
但し、周辺町村と進めている「環境と経済の好循環のまちモデル事業」でも木質ペレッ
ト製造(生産規模最大 2 千トン/年)に取り組むことにしていることから、原料供給や需要
面で豊浦町も協力する形で、本プロジェクトを代替することも考慮することとします。
② 導入に向けての課題
a、町内で一定規模の木質ペレット需要を確保することが必要
b、生産規模、製造コストは事業の採算性を左右するので詳細な検討を要する
c、誰が事業主体を担うのか、地元の林業振興に寄与する計画とすること
d、国、道の助成制度に加え町での上乗せ助成を検討すること
現在、道内で木質ペレットを製造している事業所は表 7-3-19 のとおり8か所ですが、需
要が生産能力に追いついてこないという状況にあるとの情報があります。公的部門で率先
的に需要を創出するとともに、一般家庭などの需要拡大策を講じる必要があります。
誰がこの事業の担い手になるのかも大事な検討課題です。地域にあるエネルギー資源を
活用するものですので、上手に地域内で資源とお金が循環する形で運営することができれ
ば、林業などの産業振興と雇用の場の拡大に結びつくものと考えられます。
木質ペレット工場を整備するにはどの程度の資金がかかるかをみたのが下表です。
表 7-3-18
事業主体
施設整備費
助成金
国
足寄町
伊達市
むかわ町
苫小牧市
協同組合
森林組合
森林組合
営利法人
3,035 万円
5,250 万円
6,000 万円
7,000 万円
1/2
道
市町村
生産能力
木質ペレット施設整備費一覧
1/2
1/2
1/4
500kg/h
1/4
100kg/h
1/4
200kg/h
1,000kg/h
(出典:豊浦町地域内エネルギー基礎調査業務報告書ほか)
ペレットの製造には、図 7-3-12 のように原料粉砕、乾燥、成形、更には冷却、製品の
計量・包装などの工程がありますが、既存設備の使用やペレット成形機のみを導入する場合
もありますので、単純に整備費を比較することはできません。
(いずれの工場についても建物建
設費がかかっておりません~北海道林業木材課、伊達市大滝支所、企業に確認)
また、年産1千トン規模のペレット工場を新設(機械設備のみ)のシミュレーションに
よれば、投資額は8千万円程度で、製造原価は 28.1 円/kg という試算があります。
(出所;
“三木康臣
ペレット事業シュミレーションプログラムの開発”(季刊・風向未来
VOL1/N
O4(2007-3)
)
~シミュレーションの条件~
・原料費はゼロ/人件費 500 万円/電力費 10 円/kwh/原料乾燥用灯油価格 90 円/L/一般管
理費 100 万円/年/設備は 15 年償却
171
また、道内でペレットを製造している事業所を整理したのが下表です。
表 7-3-19
木質ペレット生産事業者
事業者名
所在地
生産能力
佐々木・飴谷林業共同体
厚沢部町
600kg/h
広教資材(株)
南幌町
50kg/h
北海道ペレット(株)
月形町
300kg/h
滝上木質バイオマス生産組合
滝上町
120kg/h
胆振西部森林組合
伊達市
100kg/h
苫小牧広域森林組合
むかわ町
200kg/h
(株)イワクラ
苫小牧市
1,000kg/h
とかちペレット協同組合
足寄町
500kg/h
(出典:北海道林業木材課調べ)
(※)生産能力は機械能力
3.6 BDF利用支援プロジェクト構想
第五章で触れたように、天ぷら等に使用した後の廃食用油を収集し、それに手を加えて
BDF(軽油の成分に似た燃料油)を製造し、ごみ収集車や公用車に利用する動きが全国
的に拡がっており、北海道においても自治体や廃棄物処理業者、外食産業の事業所などで
取組まれております。道外の一部の自治体等では耕作放棄地に菜の花を植え付けて、菜種
油を採取し使用後のBDFを製造する“菜の花プロジェクト”を目指す動きもあります。
環境NPO良寛によれば
「私たちが天ぷらやドレッシングなどに消費する食用油は年間約 200 万トン、そして
捨てられる廃食用油は年間 40 万トンで、このうち飲食店や食品関係業者から出される
廃食用油は回収され飼料、石けん、塗料などに再生されています。しかし、一般家庭
から出る残りの 20 万トンは、
その多くが生活排水に流され環境破壊の原因になってい
ます。
」
廃食油を有効に活用することは環境破壊を防ぐだけに止まらず、地域におけるエネルギ
ーの自給度を高めることにつながりますので、積極的に利用したいと考えています。第五
章の新エネルギーの賦存量で示したように、家庭からの廃食油排出量は 950g/人・年です
ので全町民から回収できると仮定すると 4,500kg 程度になりますが、100%回収は現実
的ではなく、町中心部だけですと6割程度に止まるものと考えています。
従って、1年間で家庭からの廃食油からの製造可能なBDF量は、約 2,400 リットル程
度となります。
(算式1人当たり排出量 950g/年×豊浦町人口 4,775 人×回収率 60%×比重 0.92×
精製率 0.95 精製率は廃食油からBDFを製造する時の歩留まり)これに町内の宿泊施設、食堂、
給食センター、病院、高齢者施設等からの排出分を加えても年間約5千リットル程度に止
まるものと想定され、生産規模としては大きいものではありません。
豊浦町のごみ収集車が1年間に使用する軽油は1万Lを超えていますので、家庭から排
出される廃食用油から製造されるBDFの規模がわかることと思います。
なお、BDF製造の全体システムは下図のとおりです。廃食用油(植物性)にメタノー
ルと水酸化ナトリウムを添加して、脂肪酸メチルエステル(FAME)とグリセリンを得
る反応によって精製されるもので、軽油に似た性質を持つ油ができます。
172
図 7-3-13
BDF製造システム(水分洗浄方式)
(出典:NEDO「バイオマスエネルギー導入ガイドブック」
)
①構想の概要
廃食用油の回収方法を確立し、BDF利用に取組む。但し、原料が少ないことから事
業化検討の結果によっては、周辺自治体が計画中の「廃食用油活用事業」に協力して
得られるBDFを公用車等の燃料に利用することも考慮する。
前述のように自前でBDFを製造すると極めて零細な規模となります。最近、事業化に
取組んでいる事例では 100L/日程度が最低レベルの規模ですので、原料面から豊浦町の住
民や事業所からの排出量規模での製造は極めて小さいものになるものと考えています。し
かし町民の一部にはBDF利用に積極的な意見もあることから、極めて小規模の生産量で
はあるが、町内での事業化の検討を実施するものとします。検討の結果、単独での実施が
難しい場合には、洞爺湖地域温暖化対策まちづくり協議会が実現をめざしている「廃食油
活用等事業」に協力し(町民から廃食用油を回収して「廃食油活用等事業」に原料供給)、
生産されたBDFの提供を受けて車等への利用を考えます。なお、処理規模 100L/日に要
する設備費は5~10 百万円程度です。
(設備費は「バイオマスエネルギー導入ガイドブック」によ
る)
なお、耕作放棄地の状況を勘案しつつ、将来的には観光事業を支援するため“菜の花プ
ロジェクト”の可能性についての検討も行います。
②導入に向けての課題
a、町民が協力しやすい回収システムの確立と事業化の可能性の検討
b、BDF製造事業者からの必要なBDF供給量の確保
c、適切なBDF購入価格の設定(軽油価格よりより安い価格で)
まずは、町民から廃食用油を回収して町単独で事業化することを前提に調査検討します。
回収方法としては、役場、学校やガソリンスタンドなどに回収用の容器をおいて家庭から
持ち込んでもらい、BDFを製造することとし、具体的な回収や事業化の手法等は自治会
や婦人団体等の声も聞いて方向性を検討します。
単独での事業化が難しい場合には、廃食油を回収しそれをまちづくり協議会の「廃食油
173
活用等事業」の事業者に原料として提供し、町内で回収した廃食用油に相当するBDFを
購入、当面は公共部門での車(例えばごみ収集車)で利用することとします。当初は、B
DF100%で使用するが法律的に軽油にBDF5%混合したものの(B5)利用(現行の
ジーゼル車の改造を必要としないで利用できる)も可能になったので、将来的にはB5が
供給されるようになったら、それへの切り替えも検討します。
なお、軽油については農業機械や漁船の燃料油(漁協調べ 18 年度656千 kL 消費)と
して利用されているので、
「廃食油活用等事業」におけるBDFの生産量が大きい規模とな
った場合は、実証試験等を経て導入可能性も検討していきたいと考えています。
現在、廃食油を他の燃料油と一緒に燃焼させて暖房等に利用する技術も開発されつつあ
りますので、直接燃焼も検討します。
最近の軽油価格の動向は図 7-3-14 のとおり、平成 17 年当初は 100 円/Lを下回って
いましたが、原油価格の急騰や円安等にともないジリジリと上昇を続け 12 月時点では
135 円/L となっています。BDFの価格については公的な統計はありませんが 100 円/L
程度で販売されているようですので、価格面では軽油を利用するより割安です。しかし、
BDF事業者が増加するにつれて原料確保のため、廃食油を有料で回収する動きもあると
いわれ製造コストが上昇するおそれがあります。BDF利用を推進するためには、軽油よ
り価格が安いことが大きな誘引になりますので、価格交渉においては十分留意することが
必要です。
(円/L)
140
135
130
125
120
115
110
105
100
95
2005年4月
2005年10月
2006年4月
図 7-3-14
2006年10月
2007年4月
2007年10月
軽油価格の推移
(出典:(財)日本エネルギー経済研究所
石油情報センター、店頭価格)
3.7 民間部門における太陽光発電設備導入支援構想
①構想の概要
先行する公共施設への太陽光発電設備の導入後に、町民への啓発活動を行いつつ太陽
光発電導入の環境整備を整え、計画後半年次以降には一般家屋への導入推進を図る
アンケート調査において「町で導入可能性がある新エネルギー」で最も可能性がある
と町民が考えているのは太陽光発電です。日照時間などからみても地域として条件的に
不利でもありませんし、最近、屋根材や壁材と一体化したタイプのもののでてきており
ますので、その導入を進めていくこととします。当面は、役場や学校などに新エネルギ
ー導入のシンボルや環境・エネルギー教育のツールとして、その導入を進めていくこと
とします。その後、太陽電池の価格動向を踏まえつつ一般家屋への導入を推進すること
174
とし、最終年次までに戸建住宅(約 1,500 戸)の3%相当を目標に、町独自の助成制度
の創設を含め検討をすることとします。
②導入に向けての課題
a、設備システム価格は高額であり、小規模導入には助成制度がない
一般家庭の電力消費量を賄うためには3kW規模の設備の導入が必要です。現在のシス
テム価格は、家庭内電灯単価 23 円/kWh を達成できる設備コスト 33 万円/kW を超え
ております。従前に比べるとかなり価格は下がっておりますが、簡単に導入できる価格
水準ではありません。一般家庭での導入規模は 3kW 相当ですので、設置費用は 200 万
円程度かかります。平成 17 年まで(財)新エネルギー財団は、太陽光発電の普及を促進す
るため助成しておりましたが、現在、この助成制度はありません。太陽光発電協会の「太
陽光発電産業自立に向けたビジョン」によれば、太陽光発電システム価格は、2020 年
時点では 25 万円/kWまで低下し、前述のように 2030 年では 20 万円/kWになるとの
見通しで、将来的には導入環境がより良くなるものと予想されています
(注)新エネルギー財団によると、平成 17 年度「住宅用太陽光発電導入事業促進事業」の 17 年 6~8
月の平均的な太陽光発電システム設置価格は 68.4 万円(最高 140 万円、最低 32 万円/kW)
。シス
テム価格は太陽電池+付属機器費用+設置工事費の合計で、電池価格がシステム全体の 6 割を占める
4.プロジェクトの導入による化石燃料と二酸化炭素排出量の削減効果
これから 10 か年をかけて導入を考慮している新エネルギー導入プロジェクトが実現し
た場合、どの程度、化石燃料の消費量や二酸化炭素の排出量が減少するのかを試算しまし
た。
その結果、化石燃料では灯油換算で 487kL、二酸化炭素排出量は 1,198t-CO2 削減と
なりました。これは、平成 17 年度町内のエネルギー消費量の 2.8%、二酸化炭素排出量の
2.8%に相当します。なお、学校等における新エネルギー等設備導入プロジェクトは、教育
用、新エネ導入の象徴として極小規模のものなので、効果の試算は省略します。
① 公共施設の燃料転換プロジェクト構想
公共施設の暖房燃料を化石燃料から、木質ペレットに転換した場合の二酸化炭素の削減
効果を試算すると次のようになります。
表 7-4-1
項
目
現
小規模公共施設(A、表 7-3-1)の燃料転換の効果
在
(18 年度)
燃料消費量
8,796L
燃料の種類
灯油
CO2
燃料転換
化石燃料
CO2
排出量
(必要量)
削減量
削減量
21.9t
17.1t
8,796L
21.9t-CO2
ペレット
(※1)灯油の発熱量は 8,767kcal/L,木質ペレットの発熱量は 4,500kcal/kg
(※2)灯油の二酸化炭素排出量は 284.11kg-CO2/百万 kcal として計算
木質ペレット必要量;8,767kcal/L×8,796L÷4,500kcal/kg=17.136t
175
表 7-4-2
施設の名称
灯油消費量
(L)
豊浦町
役場
1,173
A重油消費量
(L)
23,445
総熱量
(万 cal)
22,865
CO2 排出量
(t-CO2)
大規模公共施設(B)の燃料転換の効果
豊浦
温泉
252,569
豊浦町
社会館
国民健康
保険病院
福祉施設
やまびこ
4,563
中央
公民館
給食
センター
大岸
保育所
10,696
39,795
3,579
23,100
99,000
121,000
222,160
25,516
92,209
112,699
9,377
34,888
3,138
66.3
629.1
73.8
267.5
320.2
30.4
99.1
8.9
ペレット量
(t)
50.8
492.1
56.7
204.9
250.4
20.8
77.5
7.0
CO2 削減量
(t-CO2)
66.3
629.1
73.8
267.5
320.2
30.4
99.1
8.9
(※1)A重油の発熱量は 9,314kal/L CO2 排出量の単位は t-CO2
(※2)A重油の二酸化炭素排出量は 290.09kg-CO2/百万 kcal として計算
A(表 7-4-1)とB(表 7-4-2)の施設の燃料を木質ペレットに転換すると、化石燃料
では灯油 321kL、A重油 267kL と二酸化炭素 1,517t-CO2 の削減ができますが、この
ためには、木質ペレット 1,177 トンが必要となります。
表 7-4-3
現在の化石燃料消費量
L
灯油
443,785
A重油 332,145
公共部門の化石燃料と二酸化炭素排出量の削減目標
二酸化炭素
排出量 t-CO2
2,225
(灯油 1261A重油 964)
化石燃料削減
目標 kL
205
(灯油換算で)
二酸化炭素
削減目標
必要な
木質ペレット
511t-CO2
400t
しかし、町財政事情が厳しいことを考慮し、ビジョン期間内での公的施設の燃料転換は、
表 7-4-3 のとおり灯油換算で 205kL とします。
なお、町が管理している学校を含む公共施設で暖房用に消費されている化石燃料は、灯
油が 444kL、A重油 332kL であり、これら全てを木質ペレットに転換すると、二酸化炭
素の年間削減量は 2,225t-CO2 となりますが、これだけ広範囲に実施しても町全体の平成
17 年度二酸化炭素排出量の 5.3%程度にとどまります。
② 施設園芸の燃料転換支援プロジェクト構想
町内の施設園芸を営んでいる農家は、灯油価格の高騰から無加温型の栽培に移行してい
るため、現在、暖房設備を保有しているのは農家2、法人1となっています。この3件で
年間消費されている灯油量は 338 千 kL 程度であります。今後10年間で 1/4 程度を木質
ペレットに転換した場合は 196t-CO2 程度の二酸化炭素排出量の削減が期待されます。
表 7-4-4
現在の化石燃料
消費量L
灯油
338,000
施設園芸における木質ペレットへの転換による効果
二酸化炭素
排出量 t-CO2
841.9
化石燃料削減
目標 kL
二酸化炭素
削減目標
79
196t-CO2
必要な
木質ペレット
154t
③ 民間部門における木質燃料導入支援プロジェクト構想
家庭部門のエネルギー消費量は町全体の消費量の 36.8%を占めていますので、この分野
176
で省エネルギーや化石燃料への転換が実施されると、その効果は大きいものがあります。
アンケート調査によると、省エネルギー活動等に「積極的に取組む」と回答した方が 19%
おりますので、それらの方々が暖房燃料を灯油から木質ペレットに移行すると、二酸化炭
素削減に大きく貢献することができます。平成 17 年の世帯数は 2,009 です。
(国勢調査)
このうち 19%が積極的に省エネルギー等に取組むと仮定しますと 380 世帯程度が積極派
とみられます。しかし、どの分野で率先導入すべきかとなると、行政部門や民間部門へ期
待しているというのが町民意識の実情です。
(先行き世帯数の減少は避けられませんが、こ
こではそれを捨象しています。
)従って、計画期間内では、積極派の 380 世帯の最大で 50%、
最小で 5%が木質ペレットに転換するものとし、住宅の区分は戸建8;集合住宅2としまし
た。
(年間の暖房用灯油の消費量を戸建住宅では 1,411,集合住宅は戸建住宅の 1/3 の 470L で試算)
表 7-4-5
家庭部門(暖房)における木質ペレットへの転換による効果
最大
(50%)
中間1(25%)
中間2
戸建住宅・数
152
消費量
214,472L
107,236L
(ドラム 1,072 本)
(ドラム缶 536 本)
1,411L/年
集合住宅・数
76
38
消費量
470L/年
(ドラム缶 89 本)
最小
(5%)
30
15
42,330
(ドラム缶 212 本)
19
17,860L
(10%)
21,165
(ドラム缶 106 本)
8
4
8,930
3,760
1,880
(ドラム缶 45 本)
(ドラム缶 19 本)
(ドラム缶9本)
世帯数・計
190
消費量 L
232,332
116,166
46,090
23,045
総熱量 kcal
203,685 万
101,843 万
40,407 万
20,204 万
ペレット量 t
95
452.6
CO2 削減量
578.6t-CO2
38
19
226.3
89.8
44.9
289.3
114.8
57.4
この試算の結果、灯油消費量の削減量は最大で 232kL(ドラム缶 1,162 本相当)最小
で 23kL(同 115 本程度)
、二酸化炭素削減量は最大で 578 トン、最小で 57 トンです。
これを実現するために必要な木質ペレットの量は、同様に 453~45 トンとなります。
灯油価格は先行きも高止まりが考えられるので、木質ペレットは価格面では十分競合で
きる環境になるものと予想されます。しかし、スイッチひとつで点火、消火等ができる生
活に慣れしんできましたので、ストーブへの燃料投入や灰捨てを伴うこと、専用の高価な
ストーブを新たに購入しなければならないというハンデがあります。
木質ペレットストーブの普及がおいおい進んでくるとストーブの販売価格も灯油並みに
近づくものと予想され、ペレットの供給・販売体制も整備されていくものと考えられます
ので、ビジョン計画期中に95世帯(「省エネルギー等の積極的に取組む」と回答した方の
1/4)で導入されることを目標とします。
表 7-4-6
家庭部門(暖房)の化石燃料と二酸化炭素排出量の削減目標
現在の化石燃料
二酸化炭素
化石燃料削減
二酸化炭素
必要な
消費量
排出量 t-CO2
目標
削減目標
木質ペレット
※
kL
2,456
※
6,118
kL
116.2
289.3t-CO2
226t
(※)現在の暖房用化石燃料消費量は、2009 世帯(戸建 1607、集合 402)とし、それぞれに年間消
費量(戸建 1,411L、集合 470L)乗じて、※2は 2,456kL に灯油の二酸化炭素排出量を乗じて算出
業務部門においても導入を期待したいところです。第二章で述べたように町内には6軒
177
の宿泊施設がありますが、町の施設である豊浦温泉“しおさい”と貸別荘を除くと4軒で
宿泊能力は72人です。民宿、旅館が積極的に木質ペレットを利用することは、旅人の口
コミを通じて「環境負荷が小さい燃料の使用に積極的な町」としてPRしてもらえますの
で、観光面でもメリットがあると考えられます。そこで、以下の前提で試算しました。
民宿・旅館では暖房燃料として灯油を使用していると仮定し、自家用として年間 1,411L
の灯油を消費し、宿泊者の消費量は宿泊能力 120L/人・年(集合住宅の年間消費量 470L/4人・
年から、1人当たり 120L)とし人員を乗じて算出しました。この結果、下表のとおり、灯油
消費量 14kL、二酸化炭素排出量が 36 トン程度削減されることになります。
表 7-4-7
宿泊4施設(暖房)の燃料転換の効果
自家消費
宿泊者用
宿泊能力
合
計
72 人
灯油消費量
5,644L
8,640L
14,284L
排出量 t-CO2
14.1t
21.5t
35.6t
木質ペレット
10.9t
16.8t
27.7t
二酸化炭素
なお、事務所、店舗部門等においても転換の可能性がありますが、個々の事業所の従業
者数、面積、消費量等のデータがありませんし、導入の意欲等を把握できませんので、こ
れらについては試算をしていません。
表 7-4-8
家庭(暖房)と宿泊部門(暖房)の燃料転換による化石燃料と二酸化炭素削減効果
消費部門
灯油
二酸化炭素
ペレット
灯油
二酸化炭素
消費量 L
排出量 t-CO2
代替量t
削減量 L
削減量 t-CO2
家庭部門
2,456,417
6,118.3
226.3
116,166
289.3
宿泊部門
14,284
35.6
27.7
14,284
35.6
2,470,701
6,153.9
254.0
130,450
324.9
合計
④ BDF利用支援プロジェクト構想
町独自で廃食用油を回収してBDFを製造することは、廃食用油の発生量が少ないこと
から極めて生産規模の小さいものにならざるを得ませんが、その事業化可能性を調査しま
す。調査の結果、町単独での事業化が困難となった場合は、洞爺湖地域温暖化対策まちづ
くり協議会がめざしている「廃食油活用等事業」に協力することとします。当面、関係者
の声を聞いて町単独での事業化の可能性の調査と町内における回収システムの確立をめざ
すため自治会や婦人団体等と検討を行うこととします。先行している「廃食油活用等事業」
が順調に進捗した場合は、中核をなすBDF事業者から有料で入手し、ごみ収集車の燃料
として利用し町民の啓発に努めることとします。
ここでは、町内で発生する廃食油を回収し、それに見合うBDFを全量(5,100L)引取り
公用車の燃料として利用することとして算出し、それを当面の目標とします。
表 7-4-9
公用車燃料のBDF転換の効果
現在の軽油
二酸化炭素
化石燃料削減
二酸化炭素
消費量
排出量 t-CO2
目標
削減目標 t-CO2
L
64,141
168
L
5,100
13
(※)軽油の熱量は 9,126kcal/L、二酸化炭素排出量 287.48kg/百万 kcal として計算
178
なお、BDFの生産量が増えて、軽油消費量の多い漁業(656 千 kL)においてB5(軽
油にBDF5%混ぜたもの)に転換をできると仮定すると、軽油の消費量は 32,800L、二酸化
炭素排出量 86t-CO2 が削減されることになります。
表 7-4-10
消費部門
BDF転換に伴う化石燃料(軽油)と二酸化炭素削減の効果
消費量
二酸化炭素
BDFで代替
軽油削減量
二酸化炭素
L
排出量 t-C02
L
L
削減量 t-CO2
公用車燃料
64,141
168
5,100
5,100
13
漁船燃料
656,817
1,723
(32,800)
(32,800)
86
合
720,958
1,891
(37,900)
(37,900)
(99)
計
⑤ 民間部門における太陽光発電導入構想
目標最終年度までに町内の戸建住宅の45戸(3%相当)に約3kW/戸の太陽光発電シ
ステムの導入を目標とします。これが実現できると、太陽光発電により年間 139.5 千 kW
h(賦存量調査の時と同じ条件~104kWh/㎡・年、30 ㎡=約3kW 1戸当たりの年間発電量は 3,100k
Wh)の発電ができることとなります。しかしながら、システム価格が高額ですので、助成
制度は不可欠です。道内他自治体が太陽光発電システム導入のために設けている助成制度
を参考にして町単独の補助制度創設を検討し、導入を希望する家庭には、極力、導入時の
負担が軽減されるようにしながら推進に努めていくこととします。
この構想が実現する目標最終年度には、灯油換算で 34kL の化石燃料、67t-CO2 が削
減されることとなります。
表 7-4-11
発電電力量
家庭部門への太陽光発電システム導入の効果
発電に必要な化石燃料
kWh
L
139,500
二酸化炭素排出量
灯油
t-CO2
34,211
67
(※1)発電に必要な化石燃料は
発電電力量×電力発熱量(2,150kcal/kWh)÷灯油発熱量(8,767kcal/L)
(※2)二酸化炭素排出量は発電電力量×北電の 2006 年CO2 排出原単位(0.479kg-CO2)
以上をまとめると、下表のようになります。
表 7-4-12
プロジェクトによる化石燃料と二酸化炭素排出量の削減量
プロジェクトの名称
公共施設の燃料転換
学校に新エネルギー等設備導入
施設園芸の燃料転換支援
化石燃料の削減量
灯油換算
205kL
極少規模
灯油
二酸化炭素の削減量
511
t-CO2
(参考)町負担額
23 百万円
極少規模
79kL
196
t-CO2
49 百万円
130kL
325
t-CO2
43 百万円
民間部門木質燃料導入支援
灯油
BDF利用支援
灯油換算
39kL
99
t-CO2
5 百万円
太陽光発電設備導入支援
灯油換算
34kL
67
t-CO2
41 百万円
487kL
1,198
t-CO2
161 百万円
6プロジェクト合計
(※1)木質バイオ燃料製造支援プロジェクト~生産された木質ペレットが町で消費されるので除外
(※2)各プロジェクトの町負担額は、参考までに概略試算したものであり事業化の際には詳細な検討
が必要です。設備導入費を試算した後に、概ね 1/2 程度を町が負担することを前提としたもの
です。
179
表 7-4-12 のとおり、今般の新エネルギープロジェクト構想が実現した場合、化石燃料
は灯油換算で 487kL/年の消費が削減され、それに伴って 1,198t-CO2/年の二酸化炭素
排出量が削減されることになります。これまで述べてきたような課題を整理し、かなりの
努力をして新エネルギーの導入に取組んでみても、二酸化炭素の排出量ベースで現在の排
出量と比較すると削減量はわずか 2.8%にしか相当しません。
このことから考えると、家庭や企業等での省エネルギー活動に一層の努力が必要と考え
られますので、町としてはエネルギーや地球温暖化を含む環境問題についての啓発活動に
努力をしていかなければとの思いを新たにしたところです。
5.プロジェクト導入による社会的効果等
前節のとおり、導入を期待している 7 プロジェクトが、今後 10 年以内に実施されても
二酸化炭素排出量の削減効果は、平成 17 年度の全町排出量の 2.8%程度に過ぎず、必ずし
も大きな温暖化防止効果をもたらすものではありません。特に、町民が率先導入を期待し
ている公共部門の暖房を、化石燃料から全て木質系燃料に転換したとしても、二酸化炭素
排出削減量は 2,200 トン余りに過ぎません。
一方、燃料転換などに伴う暖房経費等の町全体の削減効果は、対象となる灯油、軽油等
価格動向と、どの程度の比率で燃料転換が進むかに左右されます。燃料転換をするために
は、燃焼機器を新たに購入・設置することが必要ですが、燃焼機器は高価であることから現
在時点では、多くの民間施設等や家庭で燃料転換が順調に進展することを想定することは
難しいと考えています。また、BDFの導入についても廃食用油の発生量が少ないことか
ら自動車燃料としての利用についても量的制約があり、経費、二酸化炭素排出量削減とも
大きな期待はできません。新エネルギーの中で国の期待が特に大きい太陽光発電の導入は、
二酸化炭素排出量削減の効果が大きいですが、一般家庭での電力消費量見合いの規模のも
のを設置するためには2百万円程度(68 万円/kW×3kW)の経費を要しますので、高率
の助成制度がなければ町民への普及は困難です。
以上のとおり、経費削減ならびに二酸化炭素削減の視点だけでみると、今後、想定され
るプロジェクト実施にともなう効果は必ずしも大きいものではありません。
しかし、豊浦町で二酸化炭素削減のため、暖房燃料を化石燃料から非化石燃料に転換す
るため行政、産業、家庭部門で積極的な取組みが行われるということは、地球温暖化防止
に意欲的にと高く評価されるところとなります。また、今後、町民等の協力による省エネ
ルギー活動等を加味すると、計画最終年次までに 25%の二酸化炭素排出量削減を目指すと
いう大きな目標を持って町をあげて努力することとしております。
この環境に優しいエネルギーへの転換に町が、意欲的に取組んでいるとの評価を金銭的
に量ることは難しいけれど、町のイメージアップに大きく貢献するものと考えています。
180
第八章 新エネルギー導入推進体制
1.はじめに
地球温暖化は、人間の営みによって発生する二酸化炭素等の排出が主因です。現在、温
暖化の結果として大型台風、豪雨、砂漠化など自然現象が頻発し、私たちの生活に大きな
影響が出てきています。二酸化炭素の排出量を削減するためには、エネルギーの効率的な
消費や太陽光発電に代表される新エネルギーの導入が欠かせません。この課題の解決に向
けて、国の政策の下で産業界、自治体、各種団体、国民がそれぞれ役割を担うべきことが
求められており、地球温暖化防止の意義を十分に理解し、でき得る範囲で取組んでいく事
が必要ですし、積極的な取組みが期待されているところです。
今般の新エネルギービジョンに掲げた重点プロジェクト構想は、行政、産業界、家庭に
関わるものですので、それぞれの部門でプロジェクト構想の実現に向けて努力することが
求められています。豊浦町においては、厳しい財政状況を踏まえた上で、今後の財政運営に
ついての「豊浦町自立計画」を平成18年秋に策定したところです。自立計画書の主要施
策のひとつとして“協働するまちづくり”を掲げています。その理念とするところは
これからの町は、町民一人ひとりができることを認識し、自ら地域の課題を解決して
いこうとする姿勢と行動が必要です。町民個人ができること、自治会ができること、
そして役場がすべきことを明確にし、役割分担しながらまちづくりを進めることが必
要です。
(
「自立計画書」による)
従って、個人や家庭の努力に負うところ、自治会による地域の結束と協力に期待すると
ころ、町民が働いているそれぞれの企業等に期待するところの活動を、行政(役場)が支
え
更には行政自らが温暖化防止に取組んでいくことが求められているところです。
なお、家電製品、燃焼機器ならびに自動車については、その運用・運転等を工夫するこ
とによって相当程度のエネルギー消費量の削減が可能(資料編「灯油、ガソリンや電気の
節約方法」参照)なことから、省エネルギー活動の普及啓発にも力を注ぐこととします。
2.導入推進に向けた組織体制
地域新エネルギービジョンの実現のため、町民、事業者、行政(役場)が、それぞれの
取組みを進めるとともに、活動に関する情報の共有、取組みへの相互支援、取組みの進捗
状況の把握などを行い、3者間で相互に連携することができる体制づくりが必要です。ま
た、本町を含む「洞爺湖地域温暖化対策まちづくり協議会」が取組む各種の事業について
も、協議会の一員として積極的に協力していくことが求められています。
このため、次の点に留意して推進体制を構築することにします。
①各分野にわたる施策と連携することから、庁内に横断的な庁内委員会の設置を検討する
②町民、事業者等の幅広い人々の参加によるビジョン実現を支援する場を設ける
③各種の助成制度の活用が不可欠、国・北海道・公益法人等との連携を得て推進する
④長期にわたる構想であるので、その都度、継続的にプロジェクトの再評価を実施する
181
町民
プロジェクト
進捗状況提示
経済団体
事業者
NPO 等
任意団体
各プロジェクトへの意見反映
情報提供・協力
仮称 豊浦町エネルギー推進会議
(ビジョン推進機関)
町民、事業者、有識者、行政
(事務局:企画調整課)
情
報
収
集
・
交
換
推進会議の方針を提示
事業化の可能性、財政支援の有無
洞爺湖地域
温暖化対策
まちづくり協議会
庁内委員会
(役場内の横断組織 事務局:企画調整課)
プロジェクトチーム
(事務局:担当所管課)
支援制度の活用
情報収集・交換・協議
国
北海道
助成機関
図 8-2-1
推進体制図
182
公益法人
3.プロジェクト導入のスケジュール
各種のプロジェクトは、概ね下記のスケジュールに従って、構想の詳細な検討を行いな
がらその実現に努力することとします。しかし、構想は社会経済条件の変化に大きく影響
を受けることから構想期間を、前期(平成 20~24 年)後期(同 25~29 年)に区分し、
平成 23 年には後期間に実施する事業の再評価を行います。その場合、社会経済状況や町の
財政状況によっては、プロジェクトの中断や内容や規模を変更することとします。
表 8-3-1
プロジェクト構想
の名称
各構想の実現に向けてのスケジュール
構想前期
20
21
22
構想後期
23
24
25
26
27
30 年
28
29
以降
ビジョン普及啓発
活動、支援組織設立
公共施設の
燃料転換
学校における新エ
ネルギー設備導入
施設園芸の
燃料転換支援
民間部門(家庭等)の
木質燃料導入支援
木質バイオ
燃料製造支援
BDF
利用支援
民間部門の太陽光
発電の導入支援
(注1)各プロジェクト欄の破線は調査・実証試験等
実線は導入時期
(注2)ビジョン普及啓発活動は構想期間中実施するが、重点的に実施するのは 23 年度まで
支援組織の設立は、20 年度の調査検討を経て 21 年度には設立する
4.ビジョン普及啓発ならびに実現に向けて取組む施策等
ビジョン報告書の内容の周知、普及啓発ならびにプロジェクト構想の実現のため、豊浦
町として次のような施策や事業の実施を検討するものとします。
~ビジョン等の普及啓発
① ビジョン報告書の概要を町の広報誌に数回にわけて掲載する
② ビジョン報告書の概要版を作成し、町民の勉強会等に利用する
③ ビジョン報告書を町のHPに掲載する
④ 町民を対象とした環境・エネルギーに関するセミナーを開催する
20 年度に推進機関である豊浦町エネルギー推進会議(仮称)の役割、組織、人選等の検
討をおこなって、21 年度に組織を立ち上げ活動を開始する。7プロジェクト構想について
は、以下のスケジュールで構想が実現できるよう鋭意検討を進めていきます。
183
(1)公共施設の燃料転換プロジェクト構想
① 20 年度、木質ペレットストーブを公共施設1か所に試験的に導入、PRに供する
とともに、燃料投入、灰捨て等の運用、室温データ等を計測する
② 同年度に公共施設の暖房設備の更新時期を調査し、燃料転換計画の策定を検討する
③ 21 年度に導入する公共施設を選定し、順次導入をめざす(必要な予算を確保)
(この場合、ペレットに拘らずチップボイラーの選択も考慮する)
④ 必要に応じて、町内における木質ペレットの供給(流通)方法を検討する
(2)学校における新エネルギー等設備導入プロジェクト構想
① 20 年度、
「エコスクール・モデル事業」実施校(道内)の取組み状況調査する
(どのような設備、規模、環境・エネルギー教育の内容など)
② 21 年度、町内のどの学校に最初に導入するか教育委員会において検討する
③ 同制度の詳細を把握するとともに、22 年度、助成先へ導入の意志表示と予算確保
(3)施設園芸における燃料転換支援プロジェクト構想
① 施設園芸での木質燃料暖房の現状を調査する(効果、経済性、温度調整方法等)
② 21 年度以降、農業ハウスでの木質ペレット暖房の実証試験を実施(町の単独事業)
③ 同上の各種データを収集し、有効性・経済性等を栽培従事者、専門家等で検討する
④ 22 年度以降、施設園芸農家に対して、燃料転換の意向確認調査を実施する
⑤ 23 年度、園芸農家の木質ペレット燃焼機器を導入に対する町単の補助制度創設の
可否を検討する。可とした場合、24 年度以降に補助制度を創設する。
⑥ 25 年度以降、本格的な導入をめざしとともに、マスメデア等を利用して化石燃料
に依存しない“豊浦いちご”のPR活動を実施する
(ペレットボイラに限定せず、チップボイラー等も検討の対象とする)
(4)民間部門における木質燃料導入支援プロジェクト構想
① 20 年度以降、木質ペレット工場、ペレットストーブ・ボイラーの展示会(メーカ
ー等の協力を得て)
、導入済みの施設や家庭などの見学会を開催する
② 22 年度、木質ペレットへの燃料転換の意向確認のためのアンケート調査の実施す
るとともに、モニター方式でペレットストーブを一般家庭に導入(全額町負担)
③ 木質ペレット燃焼機器を導入に対する、町単の補助制度創設の可否を検討。可能で
あれば 23 年度に制度を創設し、同年度以降、民間部門での本格的な導入をめざす
(5)木質バイオ燃料製造支援プロジェクト構想
① 23 年度以降、木質ペレット需要量を調査する(導入済みの公共施設、民間部門)
② 24 年度、町内需要量を把握の上で町内での生産の可否について詳細な検討を実施
する(周辺自治体の既存工場の稼動状況、町内で原料確保、事業主体、事業性等)
③ 町内で生産することが決定した場合、町単の補助制度創設の可否を検討、可能であ
れば制度を創設、予算を確保して 26 年度以降に事業化をめざす
(6)BDF利用支援プロジェクト構想
① 20 年度、庁内委員会の下にワーキンググループを設置し、町内の廃食用油発生量
(一般家庭、給食センター等公共施設、民間施設)と回収方法を町民も交えて調査
② 21 年度に事業化可能性を検討する(廃食用油確保量、事業主体、事業性等)
(休耕地における菜の花栽培、搾油・販売、利用等の可能性も検討課題とする)
184
③ 21 年度、BDFを購入し公用車(ごみ収集車)の運用試験を実施する
④ 22 年度、事業化可能性調査、公用車の運用試験を経て事業化の成否を検討する
⑤ 事業化可能性ありと判断した場合は、23 年度以降事業化をめざす
(7)民間部門における太陽光発電導入支援構想
① 21 年度以降、役場や学校に設置された太陽光発電のデータを収集、解析する
(町内において、導入済みの家庭にもデータ提供を求めていくこととする)
② 22 年度、道内で導入数の多い自治体の事例を調査(自治体の導入支援策等)
③ 23 年度以降、町内からモニターを募集し町の全額負担で家庭に導入し、各種デー
タを収集するとともに、導入を支援するため町単独の補助制度創設の可否を検討
④ 補助制度創設が可能であれば 25 年度に制度を創設し 26 年度以降、民間部門での
本格的な導入をめざす
185
おわりに代えて
この新エネルギービジョン報告書は、今年夏に開催される北海道・洞爺湖サミットを契
機として、私たちの町でも環境に優しいエネルギーの導入や省エネルギーに努めて、次世
代に豊かな自然を残そうという発想の下、昨年8月に策定委員会を立ち上げて調査・検討
を開始し、このたび、その成果物としてとりまとめたものです。
新エネルギービジョン策定委員会は、委員長として北海道東海大学の藤田教授、委員と
して北海道立 花・野菜技術センターの田中野菜科長、北海道立林産試験場利用部の山田
物性利用科長などの専門家や地元の産業団体等の関係者など13人で構成されています。
藤田委員長をはじめ委員の方々には業務多忙な中、委員会にご出席され専門家の立場から
幅広い視点でご助言等をいただき、報告書の完成を機に改めて感謝申し上げる次第です。
町民の皆様のうち千人を超える方々に対しまして、
「地球温暖化とエネルギー」について
の意識調査を実施しましたが、対象者の42%からアンケート調査票を回収することがで
きました。多くの方々のエネルギー等に対する関心の強さが高率の回収に結びついたもの
と理解をしております。また、多くの方々から多様な意見等を頂戴し感謝申し上げます。
本ビジョンは、目標年次を平成 29 年とする10か年の構想です。京都議定書の基準年と
同じ 1990(平成2)年を基準として、2017(平成 29)年までに地球温暖化の大きな要
因となっているニ酸化炭素排出量を町内全体で25%削減しようという意欲的なものです。
そのためには、報告書に掲載した新エネルギー関連7プロジェクト構想を実現するととも
に、町民の方々の協力を得て省エネルギーの推進にも努めていくことが必要です。
新エネルギー関連プロジェクトは太陽光発電、木質系バイオマスや家庭からの廃食用油
の利用と幅広い範囲に及んでいます。これらを導入する分野としては、公共部門、一次産
業部門と家庭部門が中心となりますので、産業界、町民の方々の協力をお願いします。
新エネルギーを導入しようとする場合、初期段階に多額の費用がかかることから普及の
テンポが早くないので、当面、公共部門が率先的に導入します。さらに、民間部門が導入
する場合の初期負担の軽減を図るため、町単独の助成制度の必要性も指摘されております。
町の財政に余裕がない今日、どこまでの範囲で、どの程度の金額の助成ができるかなどを
考慮しつつ、新エネルギーの導入が進むよう努力して参りたいと考えております。
二酸化炭素排出量を削減する方法として、エネルギーを効率的に使用する~省エネルギ
ーにも大きな期待があります。この報告書においては、省エネルギーによって、約5千ト
ンの二酸化炭素排出量の削減を目標としております。報告書の資料編に掲載の「灯油、ガ
ソリンや電気の節約方法」を町民の方々が取り組んでいただければ、必ずしも達成不可能
な目標ではありません。多くの方々が積極的に取り組んでくれることを期待しています。
「エネルギーが支える 海と緑と太陽のまち」をモットーとして、山、川、海、森、畑
などがいまのままの姿で、次世代が引き継いでいけるように町民、産業、行政がそれぞれ
の役割を分担して「協働」し、自然環境、生活環境の保全に努めていきたいと考えていま
す。
平成20年2月
豊浦町地域新エネルギービジョン策定委員会 事務局
186
資料編
資料-1 豊浦町のエネルギー消費量と二酸化炭素排出量の推計結果 ······ 187
資料-2 アンケート調査票························ 193
資料-3 アンケート調査結果の集計表··················· 197
資料-4 アンケート調査の自由意見···················· 201
資料-5 町の公共施設ごとのエネルギー消費量 ··············· 205
資料-6 新エネルギー導入等に係る助成制度(融資、税制は除く) ······ 207
資料-7 先進地調査報告書························ 213
資料-8 豊浦町地域新エネルギービジョン策定委員会設置要綱と委員名簿 ··· 226
資料-9 豊浦町地域内未利用エネルギー利活用検討委員会設置要綱と委員名簿 · 228
資料-10 新エネルギービジョン審議の経過 ················ 230
資料-11 単位換算表·························· 231
資料-12 灯油、ガソリンや電気の節約方法 ················ 233
資料-1 豊浦町のエネルギー消費量と二酸化炭素排出量の推計結果
・エネルギー需要量推計結果暫定値(電力1次換算) ジュール換算値
表 豊浦町エネルギー需要量推計結果暫定値(電力1次換算) ジュール換算値
単位:TJ
人口
6,355
6,263
6,209
6,135
6,069
5,938
5,853
5,873
6,022
5,943
5,943
5,771
5,663
5,318
5,240
5,187
5,111
5,282
5,145
5,001
4,880
4,775
4,705
4,635
4,565
4,493
4,413
4,333
4,253
4,173
4,095
4,042
3,989
3,936
3,883
3,830
人口一人当
りエネルギー需
要量[GJ/
年・人]
89.87
96.12
99.98
102.75
103.44
108.18
105.26
106.64
112.22
113.78
119.51
120.28
117.61
128.10
126.15
128.77
134.02
130.01
130.40
135.69
136.81
139.29
139.57
141.45
143.36
145.37
147.62
149.92
152.31
154.79
157.29
159.28
161.30
163.36
165.49
167.68
年度
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
(S60)
(S61)
(S62)
(S63)
(H1)
(H2)
(H3)
(H4)
(H5)
(H6)
(H7)
(H8)
(H9)
(H10)
(H11)
(H12)
(H13)
(H14)
(H15)
(H16)
(H17)
(H18)
(H19)
(H20)
(H21)
(H22)
(H23)
(H24)
(H25)
(H26)
(H27)
(H28)
(H29)
(H30)
(H31)
(H32)
1990年度
合計を100
とした各
年の比
88.9%
93.7%
96.6%
98.1%
97.7%
100.0%
95.9%
97.5%
105.2%
105.3%
110.6%
108.1%
103.7%
106.1%
102.9%
104.0%
106.6%
106.9%
104.4%
105.6%
103.9%
103.5%
102.2%
102.1%
101.9%
101.7%
101.4%
101.1%
100.8%
100.6%
100.3%
100.2%
100.2%
100.1%
100.0%
100.0%
エネルギー転換部門
合計
都市ガ 熱供給
ス事業 事業
計
571
602
621
630
628
642
616
626
676
676
710
694
666
681
661
668
685
687
671
679
668
665
657
656
654
653
651
650
648
646
644
644
643
643
643
642
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
68
69
70
71
71
71
72
73
74
73
76
80
82
97
97
104
99
98
97
99
101
100
99
99
99
99
99
99
99
99
99
99
99
99
99
99
街路灯
用電力
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
民生部門
年度
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
(S60)
(S61)
(S62)
(S63)
(H1)
(H2)
(H3)
(H4)
(H5)
(H6)
(H7)
(H8)
(H9)
(H10)
(H11)
(H12)
(H13)
(H14)
(H15)
(H16)
(H17)
(H18)
(H19)
(H20)
(H21)
(H22)
(H23)
(H24)
(H25)
(H26)
(H27)
(H28)
(H29)
(H30)
(H31)
(H32)
計
計
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
農林業 水産業 建設業 製造業
148
154
161
159
147
175
143
130
141
136
175
147
129
152
120
122
146
131
129
137
139
133
134
134
134
134
134
134
133
133
133
133
133
133
133
132
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
運輸部門
家庭
283
292
288
291
294
292
293
312
332
329
328
345
353
348
354
364
359
370
358
356
346
349
338
337
336
335
333
332
330
328
326
326
325
325
324
324
産業部門
203
212
207
209
211
209
209
227
247
245
240
254
260
239
245
248
248
260
249
245
233
237
228
226
225
224
222
221
219
217
215
215
214
214
213
213
業務
187
計
125
140
156
165
171
160
165
169
186
193
189
184
167
166
172
166
165
169
167
168
168
169
169
169
170
170
171
171
171
172
172
172
173
173
173
174
自動車
122
137
153
162
168
158
162
165
183
190
186
181
164
163
168
163
162
166
164
165
165
166
166
166
167
167
168
168
168
169
169
169
170
170
170
171
鉄道
2
3
2
3
3
3
3
4
4
4
4
4
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
116
121
130
118
115
142
108
94
105
87
90
86
90
119
91
95
115
98
98
107
107
107
107
107
107
107
107
107
107
107
107
107
107
107
107
107
10
10
11
10
10
10
10
10
12
13
16
15
11
10
10
9
6
9
4
7
12
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
7
16
18
15
25
16
16
18
18
15
29
62
38
20
15
10
9
15
15
17
13
10
9
11
11
11
11
11
11
11
11
11
11
11
11
11
11
廃棄物部門
清掃事 下水道
計
業
事業
16
16
0
16
16
0
16
16
0
16
16
0
16
16
0
15
15
0
15
15
0
16
15
1
17
15
2
17
15
2
17
15
2
17
15
2
17
15
2
16
14
2
15
13
2
16
13
2
15
13
2
17
14
3
16
13
3
18
14
3
14
10
3
15
12
3
15
12
3
15
11
3
14
11
3
14
11
3
14
11
3
14
11
3
13
11
3
13
10
3
13
10
3
13
10
3
13
10
3
12
10
3
12
10
3
12
9
3
上水道
5
5
5
6
6
6
7
8
8
8
7
8
8
8
8
10
10
10
11
11
11
10
10
10
9
9
9
9
9
9
8
8
8
8
8
8
・エネルギー需要量推計結果暫定値(電力1次換算) 原油換算値
表 豊浦町エネルギー需要量推計結果暫定値(電力1次換算) 原油換算値
人口
6,355
6,263
6,209
6,135
6,069
5,938
5,853
5,873
6,022
5,943
5,943
5,771
5,663
5,318
5,240
5,187
5,111
5,282
5,145
5,001
4,880
4,775
4,705
4,635
4,565
4,493
4,413
4,333
4,253
4,173
4,095
4,042
3,989
3,936
3,883
3,830
人口一人当
り原油換算エ
ネルギー需要量
[㍑/年・人]
2,353
2,516
2,617
2,690
2,708
2,832
2,755
2,792
2,938
2,979
3,129
3,149
3,079
3,353
3,302
3,371
3,508
3,403
3,414
3,552
3,581
3,646
3,654
3,703
3,753
3,806
3,864
3,925
3,987
4,052
4,118
4,170
4,223
4,277
4,332
4,389
年度
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
(S60)
(S61)
(S62)
(S63)
(H1)
(H2)
(H3)
(H4)
(H5)
(H6)
(H7)
(H8)
(H9)
(H10)
(H11)
(H12)
(H13)
(H14)
(H15)
(H16)
(H17)
(H18)
(H19)
(H20)
(H21)
(H22)
(H23)
(H24)
(H25)
(H26)
(H27)
(H28)
(H29)
(H30)
(H31)
(H32)
1990年度
合計を100
とした各
年の比
88.9%
93.7%
96.6%
98.1%
97.7%
100.0%
95.9%
97.5%
105.2%
105.3%
110.6%
108.1%
103.7%
106.1%
102.9%
104.0%
106.6%
106.9%
104.4%
105.6%
103.9%
103.5%
102.2%
102.1%
101.9%
101.7%
101.4%
101.1%
100.8%
100.6%
100.3%
100.2%
100.2%
100.1%
100.0%
100.0%
合計
都市ガ 熱供給
ス事業 事業
計
14,950
15,760
16,251
16,502
16,434
16,815
16,128
16,396
17,691
17,702
18,593
18,170
17,435
17,833
17,304
17,486
17,932
17,977
17,563
17,763
17,477
17,411
17,191
17,163
17,132
17,098
17,053
17,005
16,957
16,909
16,862
16,854
16,844
16,832
16,822
16,811
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1,793
1,816
1,821
1,854
1,859
1,859
1,889
1,923
1,929
1,914
2,002
2,088
2,137
2,537
2,541
2,729
2,596
2,574
2,544
2,604
2,634
2,620
2,599
2,599
2,599
2,599
2,599
2,599
2,599
2,599
2,599
2,599
2,599
2,599
2,599
2,599
街路灯
用電力
302
302
302
302
302
302
302
302
302
302
302
302
302
302
302
302
302
320
314
318
325
306
306
306
306
306
306
306
306
306
306
306
306
306
306
306
民生部門
年度
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
(S60)
(S61)
(S62)
(S63)
(H1)
(H2)
(H3)
(H4)
(H5)
(H6)
(H7)
(H8)
(H9)
(H10)
(H11)
(H12)
(H13)
(H14)
(H15)
(H16)
(H17)
(H18)
(H19)
(H20)
(H21)
(H22)
(H23)
(H24)
(H25)
(H26)
(H27)
(H28)
(H29)
(H30)
(H31)
(H32)
計
7,398
7,657
7,535
7,628
7,691
7,632
7,672
8,157
8,686
8,618
8,596
9,041
9,249
9,103
9,267
9,521
9,390
9,691
9,373
9,324
9,063
9,128
8,861
8,833
8,802
8,769
8,725
8,679
8,633
8,586
8,540
8,530
8,517
8,504
8,491
8,479
単位:kl
産業部門
エネルギー転換部門
計
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
農林業 水産業 建設業 製造業 上水道
3,862
4,027
4,225
4,154
3,857
4,583
3,752
3,407
3,681
3,572
4,584
3,860
3,372
3,977
3,137
3,200
3,827
3,429
3,386
3,583
3,646
3,479
3,515
3,511
3,508
3,504
3,499
3,495
3,491
3,487
3,482
3,479
3,477
3,474
3,471
3,468
1
1
1
2
2
2
2
1
2
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
運輸部門
家庭
5,303
5,539
5,412
5,472
5,530
5,471
5,480
5,932
6,455
6,402
6,292
6,651
6,810
6,264
6,424
6,490
6,492
6,797
6,514
6,402
6,104
6,202
5,956
5,928
5,897
5,864
5,820
5,774
5,727
5,681
5,635
5,625
5,612
5,599
5,586
5,574
業務
188
計
3,263
3,654
4,074
4,307
4,477
4,200
4,311
4,418
4,877
5,062
4,961
4,820
4,372
4,345
4,495
4,352
4,317
4,425
4,375
4,394
4,409
4,418
4,428
4,437
4,446
4,456
4,465
4,474
4,484
4,493
4,503
4,512
4,521
4,531
4,540
4,550
自動車
3,200
3,588
4,008
4,235
4,404
4,124
4,233
4,324
4,780
4,966
4,864
4,728
4,282
4,258
4,410
4,270
4,235
4,339
4,292
4,315
4,329
4,339
4,348
4,357
4,367
4,376
4,386
4,395
4,404
4,414
4,423
4,432
4,442
4,451
4,461
4,470
鉄道
63
66
65
73
74
76
78
94
97
96
97
92
90
87
85
82
81
85
82
79
80
80
80
80
80
80
80
80
80
80
80
80
80
80
80
80
3,033
3,160
3,415
3,077
3,015
3,724
2,816
2,452
2,750
2,278
2,352
2,264
2,353
3,106
2,391
2,486
3,021
2,557
2,568
2,799
2,799
2,799
2,799
2,799
2,799
2,799
2,799
2,799
2,799
2,799
2,799
2,799
2,799
2,799
2,799
2,799
270
264
276
259
257
273
263
274
325
336
407
393
287
269
270
230
165
228
104
173
307
184
184
184
184
184
184
184
184
184
184
184
184
184
184
184
430
474
393
660
426
424
478
479
405
758
1,630
1,002
523
398
267
234
389
383
435
335
262
234
277
277
277
277
277
277
277
277
277
277
277
277
277
277
廃棄物部門
清掃事 下水道
計
業
事業
428
428
0
421
421
0
418
418
0
413
413
0
408
408
0
399
399
0
394
394
0
413
395
18
448
405
43
449
400
49
452
400
52
450
388
61
442
381
61
409
358
51
404
353
52
412
348
64
398
343
55
432
354
78
430
345
85
462
375
88
359
273
86
386
302
84
387
304
83
381
300
82
376
295
80
370
291
79
363
285
78
356
280
76
350
275
75
343
270
73
337
265
72
333
261
71
328
258
70
324
255
69
319
251
68
315
248
67
128
128
140
156
159
160
193
200
199
200
192
200
207
202
207
249
251
259
277
275
278
260
254
250
246
242
238
234
230
225
221
218
215
212
210
207
・エネルギー需要用推計結果暫定値(電力1次換算) 部門別構成比
表 豊浦町エネルギー需要量推計結果暫定値(電力1次換算) 部門別構成比
合計
年度
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
(S60)
(S61)
(S62)
(S63)
(H1)
(H2)
(H3)
(H4)
(H5)
(H6)
(H7)
(H8)
(H9)
(H10)
(H11)
(H12)
(H13)
(H14)
(H15)
(H16)
(H17)
(H18)
(H19)
(H20)
(H21)
(H22)
(H23)
(H24)
(H25)
(H26)
(H27)
(H28)
(H29)
(H30)
(H31)
(H32)
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
単位:%
エネルギー転換部門
産業部門
都市ガ 熱供給
計
計
農林業 水産業 建設業 製造業 上水道
ス事業 事業
0.0%
0.0%
0.0% 25.8%
0.0% 20.3%
1.8%
2.9%
0.9%
0.0%
0.0%
0.0% 25.6%
0.0% 20.0%
1.7%
3.0%
0.8%
0.0%
0.0%
0.0% 26.0%
0.0% 21.0%
1.7%
2.4%
0.9%
0.0%
0.0%
0.0% 25.2%
0.0% 18.6%
1.6%
4.0%
0.9%
0.0%
0.0%
0.0% 23.5%
0.0% 18.3%
1.6%
2.6%
1.0%
0.0%
0.0%
0.0% 27.3%
0.0% 22.1%
1.6%
2.5%
1.0%
0.0%
0.0%
0.0% 23.3%
0.0% 17.5%
1.6%
3.0%
1.2%
0.0%
0.0%
0.0% 20.8%
0.0% 15.0%
1.7%
2.9%
1.2%
0.0%
0.0%
0.0% 20.8%
0.0% 15.5%
1.8%
2.3%
1.1%
0.0%
0.0%
0.0% 20.2%
0.0% 12.9%
1.9%
4.3%
1.1%
0.0%
0.0%
0.0% 24.7%
0.0% 12.7%
2.2%
8.8%
1.0%
0.0%
0.0%
0.0% 21.2%
0.0% 12.5%
2.2%
5.5%
1.1%
0.0%
0.0%
0.0% 19.3%
0.0% 13.5%
1.6%
3.0%
1.2%
0.0%
0.0%
0.0% 22.3%
0.0% 17.4%
1.5%
2.2%
1.1%
0.0%
0.0%
0.0% 18.1%
0.0% 13.8%
1.6%
1.5%
1.2%
0.0%
0.0%
0.0% 18.3%
0.0% 14.2%
1.3%
1.3%
1.4%
0.0%
0.0%
0.0% 21.3%
0.0% 16.8%
0.9%
2.2%
1.4%
0.0%
0.0%
0.0% 19.1%
0.0% 14.2%
1.3%
2.1%
1.4%
0.0%
0.0%
0.0% 19.3%
0.0% 14.6%
0.6%
2.5%
1.6%
0.0%
0.0%
0.0% 20.2%
0.0% 15.8%
1.0%
1.9%
1.5%
0.0%
0.0%
0.0% 20.9%
0.0% 16.0%
1.8%
1.5%
1.6%
0.0%
0.0%
0.0% 20.0%
0.0% 16.1%
1.1%
1.3%
1.5%
0.0%
0.0%
0.0% 20.4%
0.0% 16.3%
1.1%
1.6%
1.5%
0.0%
0.0%
0.0% 20.5%
0.0% 16.3%
1.1%
1.6%
1.5%
0.0%
0.0%
0.0% 20.5%
0.0% 16.3%
1.1%
1.6%
1.4%
0.0%
0.0%
0.0% 20.5%
0.0% 16.4%
1.1%
1.6%
1.4%
0.0%
0.0%
0.0% 20.5%
0.0% 16.4%
1.1%
1.6%
1.4%
0.0%
0.0%
0.0% 20.6%
0.0% 16.5%
1.1%
1.6%
1.4%
0.0%
0.0%
0.0% 20.6%
0.0% 16.5%
1.1%
1.6%
1.4%
0.0%
0.0%
0.0% 20.6%
0.0% 16.6%
1.1%
1.6%
1.3%
0.0%
0.0%
0.0% 20.7%
0.0% 16.6%
1.1%
1.6%
1.3%
0.0%
0.0%
0.0% 20.6%
0.0% 16.6%
1.1%
1.6%
1.3%
0.0%
0.0%
0.0% 20.6%
0.0% 16.6%
1.1%
1.6%
1.3%
0.0%
0.0%
0.0% 20.6%
0.0% 16.6%
1.1%
1.6%
1.3%
0.0%
0.0%
0.0% 20.6%
0.0% 16.6%
1.1%
1.6%
1.2%
0.0%
0.0%
0.0% 20.6%
0.0% 16.6%
1.1%
1.6%
1.2%
民生部門
年度
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
(S60)
(S61)
(S62)
(S63)
(H1)
(H2)
(H3)
(H4)
(H5)
(H6)
(H7)
(H8)
(H9)
(H10)
(H11)
(H12)
(H13)
(H14)
(H15)
(H16)
(H17)
(H18)
(H19)
(H20)
(H21)
(H22)
(H23)
(H24)
(H25)
(H26)
(H27)
(H28)
(H29)
(H30)
(H31)
(H32)
計
49.5%
48.6%
46.4%
46.2%
46.8%
45.4%
47.6%
49.8%
49.1%
48.7%
46.2%
49.8%
53.0%
51.0%
53.6%
54.5%
52.4%
53.9%
53.4%
52.5%
51.9%
52.4%
51.5%
51.5%
51.4%
51.3%
51.2%
51.0%
50.9%
50.8%
50.6%
50.6%
50.6%
50.5%
50.5%
50.4%
運輸部門
家庭
35.5%
35.1%
33.3%
33.2%
33.6%
32.5%
34.0%
36.2%
36.5%
36.2%
33.8%
36.6%
39.1%
35.1%
37.1%
37.1%
36.2%
37.8%
37.1%
36.0%
34.9%
35.6%
34.6%
34.5%
34.4%
34.3%
34.1%
34.0%
33.8%
33.6%
33.4%
33.4%
33.3%
33.3%
33.2%
33.2%
業務
12.0%
11.5%
11.2%
11.2%
11.3%
11.1%
11.7%
11.7%
10.9%
10.8%
10.8%
11.5%
12.3%
14.2%
14.7%
15.6%
14.5%
14.3%
14.5%
14.7%
15.1%
15.0%
15.1%
15.1%
15.2%
15.2%
15.2%
15.3%
15.3%
15.4%
15.4%
15.4%
15.4%
15.4%
15.4%
15.5%
街路灯
用電力
2.0%
1.9%
1.9%
1.8%
1.8%
1.8%
1.9%
1.8%
1.7%
1.7%
1.6%
1.7%
1.7%
1.7%
1.7%
1.7%
1.7%
1.8%
1.8%
1.8%
1.9%
1.8%
1.8%
1.8%
1.8%
1.8%
1.8%
1.8%
1.8%
1.8%
1.8%
1.8%
1.8%
1.8%
1.8%
1.8%
189
計
21.8%
23.2%
25.1%
26.1%
27.2%
25.0%
26.7%
26.9%
27.6%
28.6%
26.7%
26.5%
25.1%
24.4%
26.0%
24.9%
24.1%
24.6%
24.9%
24.7%
25.2%
25.4%
25.8%
25.9%
26.0%
26.1%
26.2%
26.3%
26.4%
26.6%
26.7%
26.8%
26.8%
26.9%
27.0%
27.1%
自動車
21.4%
22.8%
24.7%
25.7%
26.8%
24.5%
26.2%
26.4%
27.0%
28.1%
26.2%
26.0%
24.6%
23.9%
25.5%
24.4%
23.6%
24.1%
24.4%
24.3%
24.8%
24.9%
25.3%
25.4%
25.5%
25.6%
25.7%
25.8%
26.0%
26.1%
26.2%
26.3%
26.4%
26.4%
26.5%
26.6%
鉄道
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.5%
0.5%
0.6%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.4%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
廃棄物部門
清掃事 下水道
計
業
事業
2.9%
2.9%
0.0%
2.7%
2.7%
0.0%
2.6%
2.6%
0.0%
2.5%
2.5%
0.0%
2.5%
2.5%
0.0%
2.4%
2.4%
0.0%
2.4%
2.4%
0.0%
2.5%
2.4%
0.1%
2.5%
2.3%
0.2%
2.5%
2.3%
0.3%
2.4%
2.2%
0.3%
2.5%
2.1%
0.3%
2.5%
2.2%
0.3%
2.3%
2.0%
0.3%
2.3%
2.0%
0.3%
2.4%
2.0%
0.4%
2.2%
1.9%
0.3%
2.4%
2.0%
0.4%
2.4%
2.0%
0.5%
2.6%
2.1%
0.5%
2.1%
1.6%
0.5%
2.2%
1.7%
0.5%
2.3%
1.8%
0.5%
2.2%
1.7%
0.5%
2.2%
1.7%
0.5%
2.2%
1.7%
0.5%
2.1%
1.7%
0.5%
2.1%
1.6%
0.4%
2.1%
1.6%
0.4%
2.0%
1.6%
0.4%
2.0%
1.6%
0.4%
2.0%
1.6%
0.4%
1.9%
1.5%
0.4%
1.9%
1.5%
0.4%
1.9%
1.5%
0.4%
1.9%
1.5%
0.4%
・二酸化炭素排出量推計結果暫定値
表 豊浦町二酸化炭素排出量推計結果暫定値
ver1.3
単位:t-CO2
人口
6,355
6,263
6,209
6,135
6,069
5,938
5,853
5,873
6,022
5,943
5,943
5,771
5,663
5,318
5,240
5,187
5,111
5,282
5,145
5,001
4,880
4,775
4,705
4,635
4,565
4,493
4,413
4,333
4,253
4,173
4,095
4,042
3,989
3,936
3,883
3,830
人口一人当り
エネルギー需要量
[t-CO2/
年・人]
6.48
6.83
7.05
7.33
6.88
7.12
6.71
6.69
7.15
7.17
7.50
7.74
7.48
8.13
7.98
8.17
8.47
8.26
8.36
8.74
8.68
8.78
8.87
8.99
8.74
8.53
8.66
8.80
8.94
9.09
9.23
9.35
9.47
9.59
9.72
9.85
年度
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
(S60)
(S61)
(S62)
(S63)
(H1)
(H2)
(H3)
(H4)
(H5)
(H6)
(H7)
(H8)
(H9)
(H10)
(H11)
(H12)
(H13)
(H14)
(H15)
(H16)
(H17)
(H18)
(H19)
(H20)
(H21)
(H22)
(H23)
(H24)
(H25)
(H26)
(H27)
(H28)
(H29)
(H30)
(H31)
(H32)
合計
41,199
42,776
43,768
44,989
41,735
42,306
39,276
39,287
43,073
42,630
44,577
44,680
42,339
43,215
41,840
42,362
43,311
43,607
43,011
43,695
42,364
41,922
41,720
41,647
39,912
38,318
38,222
38,120
38,019
37,917
37,815
37,799
37,776
37,752
37,729
37,707
産業部門
1990年度合 エネルギー転換部門
計を100と
都市ガ
熱供給
した各年の
計
計
農林業
ス事業 事業
比
97.4%
101.1%
103.5%
106.3%
98.6%
100.0%
92.8%
92.9%
101.8%
100.8%
105.4%
105.6%
100.1%
102.1%
98.9%
100.1%
102.4%
103.1%
101.7%
103.3%
100.1%
99.1%
98.6%
98.4%
94.3%
90.6%
90.3%
90.1%
89.9%
89.6%
89.4%
89.3%
89.3%
89.2%
89.2%
89.1%
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
家庭
業務
14,321
14,714
14,274
14,674
13,481
13,124
12,645
13,511
14,946
14,612
14,239
15,705
15,895
14,473
14,890
15,051
14,784
15,675
15,264
15,072
14,026
14,083
13,696
13,631
12,835
12,101
12,011
11,915
11,819
11,724
11,628
11,608
11,582
11,554
11,528
11,502
5,072
4,976
4,904
5,178
4,185
4,028
3,707
3,584
3,762
3,599
3,702
4,265
4,226
5,148
5,156
5,665
5,382
5,415
5,570
5,772
5,630
5,431
5,465
5,465
4,866
4,315
4,315
4,315
4,315
4,315
4,315
4,315
4,315
4,315
4,315
4,315
街路灯
用電力
869
835
818
855
654
622
547
512
543
517
505
575
552
540
540
564
564
610
635
656
635
570
583
583
485
395
395
395
395
395
395
395
395
395
395
395
民生部門
年度
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
(S60)
(S61)
(S62)
(S63)
(H1)
(H2)
(H3)
(H4)
(H5)
(H6)
(H7)
(H8)
(H9)
(H10)
(H11)
(H12)
(H13)
(H14)
(H15)
(H16)
(H17)
(H18)
(H19)
(H20)
(H21)
(H22)
(H23)
(H24)
(H25)
(H26)
(H27)
(H28)
(H29)
(H30)
(H31)
(H32)
計
20,262
20,524
19,996
20,707
18,320
17,774
16,899
17,607
19,252
18,727
18,446
20,546
20,672
20,161
20,586
21,280
20,729
21,701
21,469
21,499
20,291
20,084
19,743
19,679
18,186
16,811
16,721
16,625
16,529
16,434
16,338
16,318
16,292
16,264
16,238
16,212
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
10,264
10,668
11,172
11,040
10,011
11,884
9,563
8,613
9,417
9,056
11,549
9,835
8,589
10,188
8,018
8,185
9,814
8,760
8,684
9,233
9,362
8,912
9,020
9,013
8,898
8,793
8,788
8,782
8,777
8,771
8,766
8,762
8,758
8,754
8,751
8,747
3
3
3
4
4
5
5
4
4
3
3
3
3
3
3
3
3
2
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
運輸部門
190
計
8,418
9,436
10,518
11,132
11,551
10,839
11,116
11,375
12,574
13,048
12,789
12,442
11,277
11,199
11,591
11,222
11,133
11,404
11,278
11,329
11,360
11,378
11,402
11,423
11,429
11,435
11,457
11,479
11,501
11,523
11,545
11,566
11,588
11,610
11,632
11,654
自動車
8,244
9,259
10,344
10,933
11,377
10,662
10,947
11,182
12,371
12,852
12,594
12,244
11,088
11,019
11,415
11,048
10,961
11,222
11,095
11,151
11,188
11,210
11,231
11,253
11,275
11,297
11,319
11,341
11,363
11,385
11,406
11,428
11,450
11,472
11,494
11,516
鉄道
174
177
174
199
174
177
169
193
203
196
195
199
190
180
176
173
172
182
182
177
173
168
170
170
153
138
138
138
138
138
138
138
138
138
138
138
水産業 建設業 製造業 上水道
8,028
8,360
9,032
8,139
7,971
9,841
7,441
6,478
7,262
6,014
6,208
5,970
6,204
8,190
6,311
6,561
7,972
6,748
6,778
7,386
7,386
7,386
7,386
7,386
7,386
7,386
7,386
7,386
7,386
7,386
7,386
7,386
7,386
7,386
7,386
7,386
710
694
725
682
665
705
675
701
837
864
1,047
1,011
739
693
694
591
425
588
268
447
791
474
475
475
471
468
468
468
468
468
468
468
468
468
468
468
1,154
1,257
1,033
1,775
1,028
1,003
1,092
1,091
957
1,833
3,968
2,470
1,265
941
640
565
946
928
1,075
831
639
564
673
673
647
623
623
623
623
623
623
623
623
623
623
623
369
354
378
441
344
330
349
339
358
341
322
380
379
362
370
465
468
493
560
566
542
484
483
476
390
313
307
302
296
290
285
281
278
274
270
267
廃棄物部門
清掃事 産業廃 下水道
計
業
棄物
事業
2,256 2,152
104
0
2,147 2,083
64
0
2,082 2,046
36
0
2,111 2,063
48
0
1,853 1,817
36
0
1,809 1,744
65
0
1,699 1,655
44
0
1,693 1,623
38
32
1,830 1,707
43
80
1,800 1,655
55
89
1,793 1,654
48
92
1,857 1,683
54
120
1,801 1,635
51
114
1,666 1,524
47
96
1,644 1,501
47
96
1,675 1,507
46
122
1,634 1,485
46
104
1,743 1,546
48
149
1,580 1,360
47
173
1,634 1,406
46
182
1,351 1,136
45
170
1,548 1,346
44
158
1,555 1,351
44
160
1,532 1,331
43
157
1,400 1,227
43
130
1,279 1,131
42
106
1,257 1,111
42
104
1,234 1,091
41
102
1,212 1,071
41
100
1,189 1,050
41
98
1,168 1,031
40
96
1,153 1,018
40
95
1,138 1,004
40
94
1,123
991
40
93
1,108
977
39
91
1,094
964
39
90
・二酸化炭素排出量推計結果暫定値 一人当たり
表 豊浦町二酸化炭素排出量推計結果暫定値 一人当り
単位:t-CO2/人
年度
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
(S60)
(S61)
(S62)
(S63)
(H1)
(H2)
(H3)
(H4)
(H5)
(H6)
(H7)
(H8)
(H9)
(H10)
(H11)
(H12)
(H13)
(H14)
(H15)
(H16)
(H17)
(H18)
(H19)
(H20)
(H21)
(H22)
(H23)
(H24)
(H25)
(H26)
(H27)
(H28)
(H29)
(H30)
(H31)
(H32)
合計
6.48
6.83
7.05
7.33
6.88
7.12
6.71
6.69
7.15
7.17
7.50
7.74
7.48
8.13
7.98
8.17
8.47
8.26
8.36
8.74
8.68
8.78
8.87
8.99
8.74
8.53
1.99
2.03
2.06
2.10
2.14
2.17
2.20
2.22
2.25
2.28
1990年度 エネルギー転換部門
合計を
100とし
都市ガ
計
た各年の
ス事業
比
91.0%
95.9%
98.9%
102.9%
96.5%
100.0%
94.2%
93.9%
100.4%
100.7%
105.3%
108.7%
104.9%
114.1%
112.1%
114.6%
118.9%
115.9%
117.3%
122.6%
121.8%
123.2%
124.5%
126.1%
122.7%
119.7%
27.9%
28.4%
29.0%
29.5%
30.0%
30.4%
30.8%
31.2%
31.6%
32.1%
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
民生部門
年度
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
(S60)
(S61)
(S62)
(S63)
(H1)
(H2)
(H3)
(H4)
(H5)
(H6)
(H7)
(H8)
(H9)
(H10)
(H11)
(H12)
(H13)
(H14)
(H15)
(H16)
(H17)
(H18)
(H19)
(H20)
(H21)
(H22)
(H23)
(H24)
(H25)
(H26)
(H27)
(H28)
(H29)
(H30)
(H31)
(H32)
計
3.188
3.277
3.221
3.375
3.019
2.993
2.887
2.998
3.197
3.151
3.104
3.560
3.650
3.791
3.929
4.103
4.056
4.108
4.173
4.299
4.158
4.206
4.196
4.246
3.984
3.742
3.789
3.837
3.887
3.938
3.990
4.037
4.084
4.132
4.182
4.233
産業部門
熱供給
事業
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
計
1.615
1.703
1.799
1.800
1.650
2.001
1.634
1.466
1.564
1.524
1.943
1.704
1.517
1.916
1.530
1.578
1.920
1.658
1.688
1.846
1.918
1.866
1.917
1.944
1.949
1.957
1.991
2.027
2.064
2.102
2.141
2.168
2.196
2.224
2.254
2.284
農林業 水産業 建設業 製造業 上水道
0.000
0.000
0.000
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
0.000
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
0.001
運輸部門
家庭
2.254
2.349
2.299
2.392
2.221
2.210
2.160
2.301
2.482
2.459
2.396
2.721
2.807
2.722
2.842
2.902
2.893
2.968
2.967
3.014
2.874
2.949
2.911
2.941
2.812
2.693
2.722
2.750
2.779
2.809
2.840
2.872
2.903
2.935
2.969
3.003
業務
0.798
0.794
0.790
0.844
0.690
0.678
0.633
0.610
0.625
0.606
0.623
0.739
0.746
0.968
0.984
1.092
1.053
1.025
1.083
1.154
1.154
1.137
1.161
1.179
1.066
0.960
0.978
0.996
1.014
1.034
1.054
1.067
1.082
1.096
1.111
1.127
街路灯
用電力
0.137
0.133
0.132
0.139
0.108
0.105
0.094
0.087
0.090
0.087
0.085
0.100
0.097
0.102
0.103
0.109
0.110
0.115
0.123
0.131
0.130
0.119
0.124
0.126
0.106
0.088
0.090
0.091
0.093
0.095
0.097
0.098
0.099
0.100
0.102
0.103
計
1.325
1.507
1.694
1.814
1.903
1.825
1.899
1.937
2.088
2.196
2.152
2.156
1.991
2.106
2.212
2.163
2.178
2.159
2.192
2.265
2.328
2.383
2.423
2.465
2.504
2.545
2.596
2.649
2.704
2.761
2.819
2.862
2.905
2.950
2.996
3.043
191
自動車
1.297
1.478
1.666
1.782
1.875
1.796
1.870
1.904
2.054
2.163
2.119
2.122
1.958
2.072
2.178
2.130
2.145
2.125
2.157
2.230
2.293
2.348
2.387
2.428
2.470
2.514
2.565
2.617
2.672
2.728
2.785
2.827
2.870
2.915
2.960
3.007
鉄道
0.027
0.028
0.028
0.032
0.029
0.030
0.029
0.033
0.034
0.033
0.033
0.034
0.034
0.034
0.034
0.033
0.034
0.034
0.035
0.035
0.035
0.035
0.036
0.037
0.034
0.031
0.031
0.032
0.032
0.033
0.034
0.034
0.035
0.035
0.036
0.036
1.263
1.335
1.455
1.327
1.313
1.657
1.271
1.103
1.206
1.012
1.045
1.035
1.096
1.540
1.204
1.265
1.560
1.277
1.317
1.477
1.514
1.547
1.570
1.594
1.618
1.644
1.674
1.705
1.737
1.770
1.804
1.827
1.852
1.877
1.902
1.928
0.112
0.111
0.117
0.111
0.110
0.119
0.115
0.119
0.139
0.145
0.176
0.175
0.130
0.130
0.132
0.114
0.083
0.111
0.052
0.089
0.162
0.099
0.101
0.102
0.103
0.104
0.106
0.108
0.110
0.112
0.114
0.116
0.117
0.119
0.121
0.122
0.182
0.201
0.166
0.289
0.169
0.169
0.187
0.186
0.159
0.308
0.668
0.428
0.223
0.177
0.122
0.109
0.185
0.176
0.209
0.166
0.131
0.118
0.143
0.145
0.142
0.139
0.141
0.144
0.146
0.149
0.152
0.154
0.156
0.158
0.160
0.163
廃棄物部門
清掃事 下水道
計
業
事業
0.355 0.339 0.000
0.343 0.333 0.000
0.335 0.329 0.000
0.344 0.336 0.000
0.305 0.299 0.000
0.305 0.294 0.000
0.290 0.283 0.000
0.288 0.276 0.005
0.304 0.283 0.013
0.303 0.279 0.015
0.302 0.278 0.015
0.322 0.292 0.021
0.318 0.289 0.020
0.313 0.287 0.018
0.314 0.287 0.018
0.323 0.290 0.024
0.320 0.290 0.020
0.330 0.293 0.028
0.307 0.264 0.034
0.327 0.281 0.036
0.277 0.233 0.035
0.324 0.282 0.033
0.330 0.287 0.034
0.330 0.287 0.034
0.307 0.269 0.029
0.285 0.252 0.024
0.285 0.252 0.024
0.285 0.252 0.024
0.285 0.252 0.024
0.285 0.252 0.024
0.285 0.252 0.024
0.285 0.252 0.024
0.285 0.252 0.024
0.285 0.252 0.024
0.285 0.252 0.024
0.286 0.252 0.024
0.058
0.057
0.061
0.072
0.057
0.056
0.060
0.058
0.059
0.057
0.054
0.066
0.067
0.068
0.071
0.090
0.092
0.093
0.109
0.113
0.111
0.101
0.103
0.103
0.085
0.070
0.070
0.070
0.070
0.070
0.070
0.070
0.070
0.070
0.070
0.070
・二酸化炭素排出量推計結果 部門別構成比
表 豊浦町二酸化炭素排出量推計結果 部門別構成比
合計
年度
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
(S60)
(S61)
(S62)
(S63)
(H1)
(H2)
(H3)
(H4)
(H5)
(H6)
(H7)
(H8)
(H9)
(H10)
(H11)
(H12)
(H13)
(H14)
(H15)
(H16)
(H17)
(H18)
(H19)
(H20)
(H21)
(H22)
(H23)
(H24)
(H25)
(H26)
(H27)
(H28)
(H29)
(H30)
(H31)
(H32)
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
単位:%
エネルギー転換部門
産業部門
都市ガ 熱供給
計
計
農林業 水産業 建設業 製造業 上水道
ス事業 事業
0.0%
0.0%
0.0%
24.9%
0.0%
19.5%
1.7%
2.8%
0.9%
0.0%
0.0%
0.0%
24.9%
0.0%
19.5%
1.6%
2.9%
0.8%
0.0%
0.0%
0.0%
25.5%
0.0%
20.6%
1.7%
2.4%
0.9%
0.0%
0.0%
0.0%
24.5%
0.0%
18.1%
1.5%
3.9%
1.0%
0.0%
0.0%
0.0%
24.0%
0.0%
19.1%
1.6%
2.5%
0.8%
0.0%
0.0%
0.0%
28.1%
0.0%
23.3%
1.7%
2.4%
0.8%
0.0%
0.0%
0.0%
24.3%
0.0%
18.9%
1.7%
2.8%
0.9%
0.0%
0.0%
0.0%
21.9%
0.0%
16.5%
1.8%
2.8%
0.9%
0.0%
0.0%
0.0%
21.9%
0.0%
16.9%
1.9%
2.2%
0.8%
0.0%
0.0%
0.0%
21.2%
0.0%
14.1%
2.0%
4.3%
0.8%
0.0%
0.0%
0.0%
25.9%
0.0%
13.9%
2.3%
8.9%
0.7%
0.0%
0.0%
0.0%
22.0%
0.0%
13.4%
2.3%
5.5%
0.9%
0.0%
0.0%
0.0%
20.3%
0.0%
14.7%
1.7%
3.0%
0.9%
0.0%
0.0%
0.0%
23.6%
0.0%
19.0%
1.6%
2.2%
0.8%
0.0%
0.0%
0.0%
19.2%
0.0%
15.1%
1.7%
1.5%
0.9%
0.0%
0.0%
0.0%
19.3%
0.0%
15.5%
1.4%
1.3%
1.1%
0.0%
0.0%
0.0%
22.7%
0.0%
18.4%
1.0%
2.2%
1.1%
0.0%
0.0%
0.0%
20.1%
0.0%
15.5%
1.3%
2.1%
1.1%
0.0%
0.0%
0.0%
20.2%
0.0%
15.8%
0.6%
2.5%
1.3%
0.0%
0.0%
0.0%
21.1%
0.0%
16.9%
1.0%
1.9%
1.3%
0.0%
0.0%
0.0%
22.1%
0.0%
17.4%
1.9%
1.5%
1.3%
0.0%
0.0%
0.0%
21.3%
0.0%
17.6%
1.1%
1.3%
1.2%
0.0%
0.0%
0.0%
21.6%
0.0%
17.7%
1.1%
1.6%
1.2%
0.0%
0.0%
0.0%
21.6%
0.0%
17.7%
1.1%
1.6%
1.1%
0.0%
0.0%
0.0%
22.3%
0.0%
18.5%
1.2%
1.6%
1.0%
0.0%
0.0%
0.0%
22.9%
0.0%
19.3%
1.2%
1.6%
0.8%
0.0%
0.0%
0.0%
23.0%
0.0%
19.3%
1.2%
1.6%
0.8%
0.0%
0.0%
0.0%
23.0%
0.0%
19.4%
1.2%
1.6%
0.8%
0.0%
0.0%
0.0%
23.1%
0.0%
19.4%
1.2%
1.6%
0.8%
0.0%
0.0%
0.0%
23.1%
0.0%
19.5%
1.2%
1.6%
0.8%
0.0%
0.0%
0.0%
23.2%
0.0%
19.5%
1.2%
1.6%
0.8%
0.0%
0.0%
0.0%
23.2%
0.0%
19.5%
1.2%
1.6%
0.7%
0.0%
0.0%
0.0%
23.2%
0.0%
19.6%
1.2%
1.6%
0.7%
0.0%
0.0%
0.0%
23.2%
0.0%
19.6%
1.2%
1.7%
0.7%
0.0%
0.0%
0.0%
23.2%
0.0%
19.6%
1.2%
1.7%
0.7%
0.0%
0.0%
0.0%
23.2%
0.0%
19.6%
1.2%
1.7%
0.7%
民生部門
年度
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
(S60)
(S61)
(S62)
(S63)
(H1)
(H2)
(H3)
(H4)
(H5)
(H6)
(H7)
(H8)
(H9)
(H10)
(H11)
(H12)
(H13)
(H14)
(H15)
(H16)
(H17)
(H18)
(H19)
(H20)
(H21)
(H22)
(H23)
(H24)
(H25)
(H26)
(H27)
(H28)
(H29)
(H30)
(H31)
(H32)
計
49.2%
48.0%
45.7%
46.0%
43.9%
42.0%
43.0%
44.8%
44.7%
43.9%
41.4%
46.0%
48.8%
46.7%
49.2%
50.2%
47.9%
49.8%
49.9%
49.2%
47.9%
47.9%
47.3%
47.3%
45.6%
43.9%
43.7%
43.6%
43.5%
43.3%
43.2%
43.2%
43.1%
43.1%
43.0%
43.0%
運輸部門
家庭
34.8%
34.4%
32.6%
32.6%
32.3%
31.0%
32.2%
34.4%
34.7%
34.3%
31.9%
35.2%
37.5%
33.5%
35.6%
35.5%
34.1%
35.9%
35.5%
34.5%
33.1%
33.6%
32.8%
32.7%
32.2%
31.6%
31.4%
31.3%
31.1%
30.9%
30.7%
30.7%
30.7%
30.6%
30.6%
30.5%
業務
12.3%
11.6%
11.2%
11.5%
10.0%
9.5%
9.4%
9.1%
8.7%
8.4%
8.3%
9.5%
10.0%
11.9%
12.3%
13.4%
12.4%
12.4%
13.0%
13.2%
13.3%
13.0%
13.1%
13.1%
12.2%
11.3%
11.3%
11.3%
11.3%
11.4%
11.4%
11.4%
11.4%
11.4%
11.4%
11.4%
街路灯
用電力
2.1%
2.0%
1.9%
1.9%
1.6%
1.5%
1.4%
1.3%
1.3%
1.2%
1.1%
1.3%
1.3%
1.2%
1.3%
1.3%
1.3%
1.4%
1.5%
1.5%
1.5%
1.4%
1.4%
1.4%
1.2%
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
計
20.4%
22.1%
24.0%
24.7%
27.7%
25.6%
28.3%
29.0%
29.2%
30.6%
28.7%
27.8%
26.6%
25.9%
27.7%
26.5%
25.7%
26.2%
26.2%
25.9%
26.8%
27.1%
27.3%
27.4%
28.6%
29.8%
30.0%
30.1%
30.3%
30.4%
30.5%
30.6%
30.7%
30.8%
30.8%
30.9%
192
自動車
20.0%
21.6%
23.6%
24.3%
27.3%
25.2%
27.9%
28.5%
28.7%
30.1%
28.3%
27.4%
26.2%
25.5%
27.3%
26.1%
25.3%
25.7%
25.8%
25.5%
26.4%
26.7%
26.9%
27.0%
28.3%
29.5%
29.6%
29.8%
29.9%
30.0%
30.2%
30.2%
30.3%
30.4%
30.5%
30.5%
鉄道
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.5%
0.5%
0.5%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
廃棄物部門
清掃事 産業廃 下水道
計
業
棄物
事業
5.5%
5.2%
0.3%
0.0%
5.0%
4.9%
0.2%
0.0%
4.8%
4.7%
0.1%
0.0%
4.7%
4.6%
0.1%
0.0%
4.4%
4.4%
0.1%
0.0%
4.3%
4.1%
0.2%
0.0%
4.3%
4.2%
0.1%
0.0%
4.3%
4.1%
0.1%
0.1%
4.2%
4.0%
0.1%
0.2%
4.2%
3.9%
0.1%
0.2%
4.0%
3.7%
0.1%
0.2%
4.2%
3.8%
0.1%
0.3%
4.3%
3.9%
0.1%
0.3%
3.9%
3.5%
0.1%
0.2%
3.9%
3.6%
0.1%
0.2%
4.0%
3.6%
0.1%
0.3%
3.8%
3.4%
0.1%
0.2%
4.0%
3.5%
0.1%
0.3%
3.7%
3.2%
0.1%
0.4%
3.7%
3.2%
0.1%
0.4%
3.2%
2.7%
0.1%
0.4%
3.7%
3.2%
0.1%
0.4%
3.7%
3.2%
0.1%
0.4%
3.7%
3.2%
0.1%
0.4%
3.5%
3.1%
0.1%
0.3%
3.3%
3.0%
0.1%
0.3%
3.3%
2.9%
0.1%
0.3%
3.2%
2.9%
0.1%
0.3%
3.2%
2.8%
0.1%
0.3%
3.1%
2.8%
0.1%
0.3%
3.1%
2.7%
0.1%
0.3%
3.0%
2.7%
0.1%
0.3%
3.0%
2.7%
0.1%
0.2%
3.0%
2.6%
0.1%
0.2%
2.9%
2.6%
0.1%
0.2%
2.9%
2.6%
0.1%
0.2%
資料-2 アンケート調査票
地球温暖化とエネルギーに関するアンケート調査票
アンケートに入る前に、あなた(記入者)について次の枠内のことを伺います。
該当する数字を○で囲んでください。
1、あなたの性別
(1)男
(2)女
2、あなたの年齢
(1)20~29 歳
(2)30~39 歳
(3)40~49 歳
(5)60~69 歳
(6)70~79 歳
(7)80 歳以上
(4)50~59 歳
3、あなたの職業
(1)会社員(臨時、パート含む)
(2)公務員
(5)自営業者(農林漁業以外)
(6)主婦
(3)団体職員
(7)学生
(4)農林漁業従事者
(8)無職
(9)その他
~地球温暖化に関することについて伺います~
問1、あなたは、地球の温暖化やオゾン層の破壊、熱帯林の減少などの地球環境問題に関心があ
りますか。それとも関心がありませんか。次の項目から1つだけ選び○をつけてください。
(1)関心がある
(2)ある程度関心がある
(4)全く関心がない
(5)わからない
(3)あまり関心がない
問2、石炭や石油燃料から排出されるニ酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスが増えることに
よって地球の気温が上昇する地球温暖化が大きな問題になっています。わが国のニ酸化炭素
等の温室効果ガス排出量が 1990 年に比べ増加していることを知っていますか。いずれか
に○をつけてください。
(1)知っている
(2)知らない
問3、地球温暖化によって、自然界や人間生活にさまざまな影響が出ることが予測されています。
あなたは、どのようなことが特に問題であると考えていますか。次の項目の中から「問題が
ある」と考えていることに○をつけてください。
(選択数に制限はありません)
(1)雨の量や川の流量が大きく変わること
(2)穀物などの農作物の収穫量が減ること
(3)多くの動植物の絶滅など生態系に変化が進むこと
(4)珊瑚(さんご)の白化やマングローブ林の水没が進むこと
(5)マラリアや熱中症などの被害が拡大すること
(6)海面上昇により沿岸域の地形や施設が被害を受けること
(7)異常気象による自然災害に対し、保険金の支払額が増えること
(8)特にない
(9)わからない
(10)その他 (
)
193
問4、あなたは、地球温暖化対策のための国際的な枠組みである京都議定書の内容(2008 年
から 2012 年までの間に、温室効果ガス排出量を 1990 年(基準年)に比べて6%削減する
約束)について知っていますか。次の項目から1つだけ選び○をつけてください。
(1)知っている
(2)言葉だけ聞いたことがある
(3)知らない
(4)わからない
問5、代表的な温室効果ガスのニ酸化炭素排出量は、基準年に比べて大きく増加していますが、
その主な要因は何だと思いますか。次の項目から選び○をつけてください(3つ以内)。
(1) 自動車業や鉄鋼業などの産業活動の活発化
(2) ビル、ホテルや店舗などの業務部門のエネルギー使用量増加
(3) 電気機器の大型化や保有台数の増加など家庭部門のエネルギー消費増加
(4) 自家用車の大型化や保有台数の増加など運輸(旅客)部門のエネルギー消費増加
(5) 経済活動よる貨物輸送量の増加など運輸(貨物)部門のエネルギー消費増加
(6) わからない
問6、あなたは、地球温暖化防止のために個人の日常生活における取り組み(例;部屋の温度を
下げる、省エネタイプの製品購入など)について、どのようにお考えになりますか。あなたの
考えに最も近いものを1つだけ選び○をつけてください。
(1) 積極的に取り組む
(2) できる部分があれば取り組む
(3) どちらとも言えない
(4) どちらかと言うと取り組むことは難しい
(5) 取り組むことは難しい
(6) わからない
~エネルギー政策に関することについて伺います~
問7、私たちが日常生活をおくる上で欠かせない政策のうち、特に重要だ(安定供給等が必要)
と思うものを、次の中から選び○をつけてください(3つ以内)
。
(1)食料
(2)エネルギー
(6)金融サービス
(3)住宅
(4)交通インフラ
(7)公的年金・保険制度
(5)医療サービス
(8)わからない
問8、あなたが、エネルギー問題を考える場合、何が最も重要な要件だと思いますか。つぎの項
目から1つだけ選び○をつけてください。
(1)
安定供給が保障されていること
(2) 値段(価格)が安いこと
(3) 地球温暖化など環境に優しいエネルギー源であること
(4) わからない
(5) その他
(
)
194
問9、海外から輸入する原油の価格が高騰したことによって、ガソリンや灯油などの石油製品が
値上がりしています。この価格上昇によって、生活にどのような影響が出ていますか。
次の項目のうち最も実感にあうものを1つだけ選び○をつけてください。
(1) 生活に大きな影響が出ており、大幅な節約を強いられている
(2) 生活に影響が出ており、暖房時間の短縮、自家用車利用抑制などの工夫をしている
(3) 生活に影響は出ているが、特段の節約はしていない
(4) 今のところ生活に影響はない
(5) わからない
(6) その他
(
)
問 10、国のエネルギー政策として最優先すべき課題だと思うものを、次の項目から自分の考え
に近いものを選び○をつけてください(3つ以内)
。
(1) 扱いの便利な石油の利用を拡大する
(2) 多少高くとも、ニ酸化炭素の排出が少ない天然ガスの利用を拡大する
(3) 環境に優しくする利用技術の併用を前提に、ニ酸化炭素の多い石炭利用を拡大する
(4) 安全確保を前提に、ニ酸化炭素を排出しない原子力発電を推進する
(5) 高くてもニ酸化炭素を排出しない風力発電などの新エネルギー導入を推進する
(6) 二酸化炭素の増加は不可避なので、地中や海中に貯蔵する技術開発を推進する
(7) 生活スタイルを大きく変えることになっても、省エネルギ-を大胆に推進する
(8) わからない
(9) その他
(
)
~新エネルギーに関することについて伺います~
問 11、新エネルギーには次のような種類があります。この中で知っているものや聞いたことの
あるものに○をつけてください(選択数の制限はありませんのでいくつでも可能です)。
(1) 太陽光発電(太陽電池を屋根などに設置して発電)
(2) 太陽熱利用(太陽熱温水器などを利用して給湯などに利用)
(3) 風力発電(風の力で発電機を回して電気を作る)
(4) 温度差熱利用(大気より温度が安定している地中熱や下水道水などの温度差を利用)
(5) 廃棄物発電、熱利用(ごみの焼却熱の直接利用や発電)
(6) バイオマス発電、熱利用(家畜ふん尿のメタン発酵や木屑などの燃焼による熱利用や発電)
(7) バイオマス燃料(ごみの固形燃料化や木質ペレット、BDFなどの燃料製造)
(8) 雪氷熱利用(雪や氷を貯蔵し、農産物の保存や建物の冷房用の冷熱源として利用)
(9) クリーンエネルギー自動車(ハイブリット車、電気自動車、天然ガス自動車など)
(10)
天然ガス・コジェネレーション(天然ガスを燃料として電気と熱の同時供給)
(11)
燃料電池(水素と酸素を反応させて電気を得る装置)
(12)
どれも見たり聞いたりしたことがない
(13)
わからない
(14)
その他(
)
*BDFとは、廃食用油から製造された軽油の品質に似た自動車など向けの燃料油
195
問 12、豊浦町の自然や社会条件の下では、どのような新エネルギーの導入が可能であると考え
ていますか。あなたが「可能性ある」と思うものに○をつけてください(3つ以内)
。
(1)太陽光発電
(2)太陽熱利用
(5)廃棄物発電・熱利用
(8)雪氷熱利用
(3)風力発電
(4)温度差熱利用
(6)バイオマス発電・熱利用
(8)バイオマス燃料
(9)クリーンエネルギー自動車
(10)天然ガス・コジェネレーション
(12)可能性のあるものはない
(11)燃料電池
(13)わからない
問 13、
「可能性がある」と思っている新エネルギーを、どのような部門に導入することが望ま
しいと思いますか。導入が望ましい部門を2つまであげて○をつけてください。
(問 12 で「可能性はない」
「わからない」と答えた方は記入の必要はありません)
(1)農林漁業など一次産業部門
(4)庁舎、病院など公共部門
(2)製造・加工部門
(3)ビル・店舗などの部門
(5)学校など教育部門
(6)ホテルなどサービス部
門
(7)運送など運輸部門
(8)一般住宅など家庭部門
(9)わからない
問 14、新エネルギーはニ酸化炭素を排出しない或いは少ないという環境に優しいエネルギーで
すが、既存の化石燃料や原子力に比べて割高ですので国では各種の支援制度を設けています。
新エネルギーの価格と既存エネルギー間にどの程度の価格差までであれば、導入を容認できま
すか。次の項目の中から貴方の考えに最も近いと思われるものを1つあげてください。
(1)初期投資がかかるので、既存の化石燃料によるものより安い価格
(2)既存の化石燃料によるものと同等の価格
(3)既存の化石燃料によるものの 1.2 倍以下の価格
(4)既存の化石燃料によるものの 1.5 倍以下の価格
(5)既存の化石燃料によるものの2倍以下の価格
(6)環境に優しいエネルギーであれば、いくら高くともかまわない
(7)わからない
(8)その他
(
)
問 15、前問のように割高な新エネルギーを、豊浦町で導入しようとした場合、どの部門で率先
して導入するべきだと思いますか。次の項目から1つだけあげてください。
(1) 行政部門が補助制度等を利用して所管する建物などに導入する
(2) 導入することでメリット等が生ずる民間部門が国等の支援を得て導入する
(3) 環境問題への意識の高い町民が家庭において導入する
(4) 割高なら導入する必要はない
(5) わからない
(6) その他
(
)
★その他~新エネルギーについて、ご意見があればご記入ください。
~調査にご協力いただきまして、ありがとうございました~
196
資料-3 アンケート調査結果の集計表
●住民意識調査のアンケート集計表
選 択 枝
問
1
問
2
問
3
問
4
問
5
問
6
(1)関心がある
(2)ある程度関心がある
(3)あまり関心がない
(4)全く関心がない
(5)わからない
(1)知っている
(2)知らない
(1)雨の量や川の流量が大きく変
わること
(2)穀物などの農作物の収穫量
が減ること
(3)多くの動植物の絶滅など生態
系に変化が進むこと
(4)珊瑚の白化やマングローブ林
の水没が進むこと
(5)マラリアや熱中症などの被害
が拡大すること
(6)海面上昇により沿岸域の地形
や施設が被害を受けること
(7)異常気象による自然災害に対
し、保険金の支払額が増えること
(8)特にない
(9)わからない
(10)その他
(1)知っている
(2)言葉だけ聞いたことがある
(3)知らない
(4)わからない
(1)自動車業や鉄鋼業などの産
業活動の活発化
(2)ビル、ホテルや店舗などの業
務部門のエネルギー使用量増加
(3)電気機器の大型化や保有台
数の増加など家庭部門のエネル
ギー消費増加
(4)自家用車の大型化や保有台
数の増加など運輸(旅客)部門の
エネルギー消費増加
(5)経済活動による貨物輸送量
の増加など運輸(貨物)部門のエ
ネルギー消費増加
(6)わからない
(1)積極的に取り組む
(2)できる部分があれば取り組む
(3)(1)及び(2)
(4)どちらとも言えない
(5)どちらかと言うと取り組むこと
が難しい
(6)取り組むことが難しい
(7)わからない
(1/4)
合 計
257
181
21
2
10
427
45
性 別
年 代 別
男 女 20代 30代 40代 50代 60代 70代
105
92
10
27
39
72
74
35
99
82
14
34
50
41
30
13
9
12
4
3
4
7
0
3
0
2
1
1
0
0
0
0
6
4
2
0
3
4
0
1
263
164
28
61
84
110
96
48
17
28
3
4
12
14
8
4
274
164
110
13
37
60
71
60
33
277
171
106
16
37
63
76
58
27
335
199
136
22
46
71
88
73
35
145
83
62
6
20
31
39
31
18
128
73
55
8
23
28
30
28
11
312
200
112
13
43
58
90
74
34
99
0
14
17
246
153
52
6
63
0
5
12
170
89
15
1
36
0
9
5
76
64
37
5
3
0
3
2
14
7
7
2
12
0
0
5
31
25
8
0
26
0
2
3
43
37
13
1
24
0
4
3
68
39
12
1
26
0
3
4
62
28
8
2
8
0
2
0
28
17
4
0
247
168
79
17
34
39
69
55
33
171
95
76
7
22
43
41
40
18
243
135
108
15
39
58
65
49
17
254
151
103
13
28
54
71
59
29
133
87
46
4
16
25
39
33
16
24
91
330
1
14
9
8
52
208
0
8
2
16
39
122
1
6
7
4
8
16
0
3
0
2
12
47
1
1
1
3
11
77
0
3
1
9
29
79
0
5
3
4
19
77
0
1
2
2
12
34
0
1
2
5
8
4
1
1
7
1
3
1
0
1
1
1
3
0
1
0
0
197
●住民意識調査のアンケート集計表
選 択 枝
問
7
問
8
問
9
問
1
0
(2/4)
合 計
(1)食料
(2)エネルギー
(3)住宅
(4)交通インフラ
(5)医療サービス
(6)金融サービス
(7)公的年金・保険制度
(8)わからない
(1)安定供給が保障されていること
(2)値段(価格)が安いこと
(3)地球温暖化など環境に優しい
エネルギー源であること
(4)(1)及び(2)
(5)(1)及び(3)
(6)(2)及び(3)
(7)(1)、(2)及び(3)
(8)わからない
(9)その他
(1)生活に大きな影響が出てお
り、大幅な節約を強いられている
(2)生活に影響が出ており、暖房
時間の短縮、自家用車利用抑制
などの工夫をしている
(3)生活に影響は出ているが、特
段の節約はしていない
(4)今のところ生活に影響はない
(5)(1)及び(2)
(6)わからない
(7)その他
(1)扱いの便利な石油の利用を
拡大する
(2)多少高くとも、二酸化炭素の
排出が少ない天然ガスの利用を
拡大する
(3)環境に優しくする利用技術の
併用を前提に、二酸化炭素の多
い石炭利用を拡大する
(4)安全確保を前提に、二酸化炭
素を排出しない原子力発電を推進
する
(5)高くとも二酸化炭素を排出し
ない風力発電などの新エネル
ギー導入を推進する
(6)二酸化炭素の増加は不可癖
なので、地中や海中に貯蔵する技
術開発を推進する
(7)生活スタイルを大きく変えるこ
とになっても、省エネルギーを大
胆に推進する
(8)わからない
(9)その他
362
259
61
39
297
11
174
6
149
48
性 別
年 代 別
男 女 20代 30代 40代 50代 60代 70代
222
140
25
55
79
92
74
37
165
94
14
39
54
74
53
25
33
28
4
9
13
15
12
8
21
18
2
4
8
13
7
5
173
124
14
41
69
78
65
30
8
3
0
5
5
0
1
0
105
69
9
16
26
41
56
26
2
4
2
1
1
2
0
0
92
57
9
22
41
34
25
18
28
20
6
10
9
11
8
4
243
1
3
2
2
9
1
148
0
2
1
2
1
1
95
1
1
1
0
8
0
10
0
1
0
0
3
1
30
0
0
1
0
1
0
40
0
1
1
1
1
0
71
1
0
0
0
3
0
65
0
1
0
1
1
0
27
0
0
0
0
0
0
105
62
43
7
13
21
32
19
13
218
140
78
12
31
40
52
54
29
96
26
3
9
1
54
16
2
1
1
42
10
1
8
0
5
4
0
3
0
18
2
0
0
0
24
5
1
1
1
24
10
0
3
0
21
2
2
2
0
4
3
0
0
0
41
19
22
1
5
9
11
7
8
158
104
54
6
23
24
46
43
16
40
27
13
1
4
8
13
7
7
96
64
32
8
10
20
20
25
13
260
169
91
14
32
59
70
55
30
69
48
21
1
10
15
19
18
6
169
102
67
10
18
33
54
38
16
37
18
14
12
23
6
8
2
3
4
6
4
11
4
6
4
3
0
198
●住民意識調査のアンケート集計表
選 択 枝
(1)太陽光発電(太陽電池を屋根
などに設置して発電)
(2)太陽熱発電(太陽熱温水器な
どを利用して給湯などに利用)
(3)風力発電(風の力で発電機を
回して電気をつくる)
(4)温度差熱利用(大気より温度
が安定している地中熱や下水道
水などの温度差を利用)
(5)廃棄物発電、熱利用(ごみの
焼却熱の直接利用や発電)
(6)バイオマス発電、熱利用(家
畜ふん尿のメタン発酵や木屑など
の燃焼による熱利用や発電)
(7)バイオマス燃料(ごみの固形
問
燃料化や木質ペレット、BDFなど
1
の燃料製造)
1
(8)雪氷熱利用(雪や氷を貯蔵
し、農産物の保存や建物の冷房
用の冷熱源として利用)
(9)クリーンエネルギー自動車(ハ
イブリッド車、電気自動車、天然ガ
ス自動車など)
(10)天然ガス・コジェネレーション
(天然ガスを燃料として電気と熱
の同時供給)
(11)燃料電池(水素と酸素を反
応させて電気を得る装置)
(12)どれも見たり聞いたりしたこ
とがない
(13)わからない
(14)その他
(1)太陽光発電
(2)太陽熱利用
(3)風力発電
(4)温度差熱利用
(5)廃棄物発電、熱利用
問 (6)バイオマス発電、熱利用
1 (7)バイオマス燃料
2 (8)雪氷熱利用
(9)クリーンエネルギー自動車
(10)天然ガス・コジェネレーション
(11)燃料電池
(12)可能性のあるものはない
(13)わからない
(3/4)
合 計
性 別
男 女 年 代 別
20代 30代 40代 50代 60代 70代
409
254
150
26
58
83
113
88
41
352
213
139
20
45
76
98
79
36
421
262
159
26
62
88
110
93
42
98
79
19
5
11
25
30
22
5
283
174
109
16
41
57
80
62
27
281
184
97
17
44
58
77
64
21
290
196
94
16
48
61
82
60
23
266
178
88
13
36
57
80
58
22
371
231
140
23
55
82
104
80
27
141
104
37
11
27
36
36
23
8
225
176
49
15
40
46
64
45
15
3
11
6
222
183
120
26
91
112
100
125
78
8
30
6
37
1
1
5
136
96
76
19
58
77
70
86
42
6
23
3
16
2
10
1
86
87
44
7
33
35
30
39
36
2
7
3
21
0
3
0
18
3
6
0
3
9
5
12
5
0
2
2
3
0
1
3
32
18
11
1
15
17
23
19
19
2
4
1
2
0
1
1
48
36
22
8
23
27
19
27
19
1
8
1
5
0
3
0
64
50
33
8
25
33
24
35
19
2
6
1
9
2
1
2
37
46
27
6
20
21
26
26
12
2
6
0
12
1
2
0
23
30
21
3
5
5
3
6
4
1
4
1
6
199
●住民意識調査のアンケート集計表
選 択 枝
(1)農林漁業など一次産業部門
(2)製造・加工部門
(3)ビル・店舗などの部門
問 (4)庁舎、病院など公共部門
1 (5)学校など教育部門
3 (6)ホテルなどサービス部門
(7)運送など運輸部門
(8)一般住宅など家庭部門
(9)わからない
(1)初期投資がかかるので、既存
の化石燃料によるものより安い価
格
(2)既存の化石燃料によるものと
同等の価格
(3)既存の化石燃料によるものの
問 1.2倍以下の価格
1 (4)既存の化石燃料によるものの
4 1.5倍以下の価格
(5)既存の化石燃料によるものの
2倍以下の価格
(6)環境に優しいエネルギーであ
れば、いくら高くともかまわない
(7)わからない
(8)その他
(1)行政部門が補助制度等を利
用して所管する建物などに導入す
(2)導入することでメリット等が生
ずる民間部門が国等の支援を得
て導入する
問 (3)環境問題への意識の高い町
1 民が家庭において導入する
5 (4)(1)及び(2)
(5)(2)及び(3)
(6)(1)、(2)及び(3)
(7)割高なら導入する必要はない
(8)わからない
(9)その他
(4/4)
性 別
年 代 別
合 計
男 女 20代 30代 40代 50代 60代 70代
177
118
59
13
32
30
52
31
19
55
35
20
2
7
10
20
8
8
14
7
7
2
1
2
3
4
2
242
150
92
11
32
58
64
51
26
120
65
55
6
23
28
27
24
12
7
3
4
0
2
1
2
0
2
41
20
21
2
9
8
12
6
4
171
103
68
8
22
37
42
41
21
21
9
12
5
1
1
6
5
3
100
64
36
7
17
22
18
19
17
150
92
58
11
19
37
41
31
11
75
50
25
2
14
17
24
13
5
40
25
15
3
5
6
14
9
3
16
9
7
1
4
1
3
7
0
8
66
5
8
23
2
0
43
3
1
5
1
0
6
0
0
9
2
2
20
1
3
16
0
2
10
1
205
135
70
14
36
45
60
35
15
122
67
55
6
17
25
28
34
12
32
3
1
1
42
50
7
21
1
0
1
24
22
4
11
2
1
0
18
28
3
1
0
0
0
3
6
1
2
1
0
0
2
7
0
11
0
0
0
4
5
4
7
1
0
1
10
14
2
8
1
0
0
13
8
0
3
0
1
0
10
10
0
200
資料-4 アンケート調査の自由意見
(自由記載欄に掲載された意見)
○問3 地球温暖化関連(
「問題がある」
)
・例記してあれば当然すべてに○をつける。特定の項目だけ無視できないと思う
・人の絶滅の危機、生態系の破壊
・異常気象(台風、梅雨の恒常化)の増加とそれに伴う災害・被害の発生
・自然災害により多くのものを失うこと
・新しい細菌による災害
・緑地帯の砂漠化、黄砂の被害
・四季が明確でなくなってきている、最近は蝶を見かけなくなった
・
(温暖化が進んだ結果)原子力発電への依存度が高くなること
・海水の強酸化
・生態系の変化に伴う食の変化、日本は輸入に依存せざるを得ないので食料品価格の高
騰と格差社会の激化、食料自給率が更に下がるのに国は無策
・水不足
○問9 石油製品価格上昇による生活への影響
・特に(影響は)出ていないが、気をつけている
・余裕がないのでお金のかかることは嫌だし、できない
・物、人の移動にエネルギーがどのように使用されているか示し、エネルギー消費抑制
○問 10 エネルギー政策として最優先すべき課題
・核分裂ではなく核融合の研究を
・技術革新によるエネルギー開発、並行して環境に優しいエネルギー導入
・
(エネルギーの)無駄使いをしない、
(マスコミ利用し)人の意識改革に力を入れる
・石油を安価で輸入できるようにする
・原子力発電は絶対に避ける、原子力発電を推進する設問である
・非核エネルギーへの変換を国は積極的に進めていない
・現在の環境を壊さない新エネルギーを探す
・リサイクルを推進することにより、産業に必要なエネルギーを減らす
・二酸化炭素を分離し再活用する技術の開発、大気中のCO2 を分解させる研究
・他の国に技術支援する
・安い新エネルギー(の開発)
、価格の安いエネルギーの開発
・電気、ガス、新エネルギーを総合的に活用する
・政府は、もっと危機感と責任感を持った政策を実施すべき。今の政府では、本当にや
る気が感じられない
・水素エネルギー開発と太陽光
○問 11 新エネルギーの認知度
・廃プラスチックから石油を取り出す
・海波発電は(波力発電)
・海水利用発電(海水の温度差)
・なたね油を利用するのであれば、休耕地で栽培して賄う(滋賀県の自治体が実施)
・廃食用油のみの利用ができるように法改正されたはず、町内でも賄えるのでは。
・水で自動車を走らせる
201
・なたね栽培となたね油を燃料として利用する方法がかなり有効では
・太陽光利用も冬場は心配ですが、暖冬が続けば可能性があるかも、雪氷熱との併用も
・ソーラーシステムなどはどうか
・太陽熱利用のすすめ
・バイオエタノールを量産する。減反を止め収量の多い品種の米を生産し、燃料とする
政策が望ましい
・植物を利用したエネルギーを生産、ニ次エネルギーである水素の製造
・休耕地を利用した食用油に生産、そしてエネルギー利用
・研究段階ですが、海水の中の塩素を利用して発電する方法が、これから注目される
・もっと現実化する水のエネルギー化に期待
・限りある資源をエネルギーにするよりも、風力、太陽光(熱)等の無尽蔵なエネルギ
ーを燃料にすべきだ
・新旧問わず地球に優しいエネルギーで
○問 14 新エネルギー価格の許容度
・官公庁、公務員と違い一般人は金がないので、安いほうが良い
・
「環境に優しいエネルギーであれば、いくら高くともかまわない」に近い(考え方)で
すので、説得して欲しい
・実際の価格がわからないので、何とも言えない
・
「環境に優しいエネルギー・・」が長い目で見れば地球、人間にかけがいのないものが
得られる(恩恵がある)
・原子力は設置から廃棄まで見ると安い(価格の)エネルギーではない
・安くできればいいが、高くとも仕方ないでしょう
・一番大切なのは省エネ。単価が高いというのは抑制力がある。安くて(同じくらいで)
環境破壊をしないとなれば湯水のように使ってしまうだろう。資源は有限と考えなけ
れば(自戒もこめて)
・生活実感として余り高価なものは利用できない
・新エネルギーはいろいろな面で良いことはわかるが、価格が問題だ。サラリーマンや
低所得者には、今のところ利用できない価格だ
○問 15 どの部門で率先して導入するか
・財政難の立て直しや行財政改革が先である
・現在の豊浦町においてもっと深い問題があるはず
・現在の段階では答えられない
・行政か民間部門から始めるべきだ、豊浦には該当する民間部門はあるのかわからない
・行政、民間、家庭を問わず導入を検討する
・公的機関、役場、政府が率先し、一般人に態度と行動で示せ
・行政、民間部門は極力、できれば地球的問題なので全ての住民が
・行政が率先して導入するのが望ましいが、緊縮財政の中、高コストの新エネルギーを
利用するに当たっては、議会、町民への説明や理解を求めることが必要かも
・
(なたね油の利用は)町内で無理なら西胆振広域連合6市町が合同で考えることも可能
ではないか
・温度差熱利用は「しおさい」の湯熱利用
・一般家庭においては価格面で無理があるので、公共部門や第一次産業に積極的に導入
すべきだ
・天ぷら油を利用して車の燃料にするという方法が良い。町営バスに利用。家庭で天ぷ
202
ら油を処理すると大変なので、回収するシステムがあると助かる
・広大な農地が休耕しているのでトウキビを栽培して燃料に変える
・発酵やバイオ(利用)の優良事例を積極的に取り入れるべきだ
・官公庁がまず模範を、役場公用車をクリーンエネルギー車にすべき
・自分でエネルギーについて考え、消費を少なくし新エネルギーに取り組みたい
○その他、新エネルギーについてご意見があれば
・各家庭で新エネルギー設備を個別の持つのは非現実的。町として風力発電やバイオマ
ス発電を大規模に行い、そこで得られた電力を北電に販売すれば良い。販売量をCO2
削減の成果にすれば良い
・町民の省エネ意識を高めることも重要
・即、経済負担の増大にならない方法で
・新しいことを試すのも良いが、コストとメリットを十分に検討して下さい
・エネルギーばかりではなく、やっていることがちぐはぐです。ごみ焼却に対しても
・郵送料の倹約こそすべき。配布回収でHOW MUCH?
・事業が進むかどうかは、国のエネルギー政策次第です
・建物建設の際に、各エネルギーに対し町からアドバイスや助成があれば
・車の買替は個人的なことだからと口を出さないのではなく、自動車税に関わることと
思うのでアドバイスと助成がれば、町に親しみを感じると思います
・環境に優しいエネルギー源の開発促進を願っています
・個人の心がけで省エネをして欲しい、各自が関心を持つこと
・とても良い調査だと思う。現在の町が抱える諸問題を思う時まだまだ。町民の立場か
ら考えますと愚問と言わざるを得ません。
・自然を壊さず、自然との調和を考えてすべき
・早く取組んで下さい
・このアンケートが今後反映されることを願っています
・来年のサミットに関連していないのかな、町として積極的に取組んで
・町内山林や町管理の(山林の)伐採が、安易に行われているように思う
・公共建築物は一地域・個所に集約しエネルギー削減に努めるべき
・新エネルギーの分かり易い情報の提供、モデル施設の設置・導入を希望する家庭への
補助制度を希望する
・地球温暖化という言葉を頻繁に目にする。今から私たちにできることは、小さなこと
でも実行したいと思います。実行します
・
(風力発電は)風の強い地域でなければ利用不可能。家畜ふん尿も豊浦では無理。テレ
ビで町が牛を飼育し成功された県が紹介されていました。町を豊かにしたと
・年金生活世代の人には、余り共感はないと思います
・これ以上何も作ることはない。自分の町を駄目にするだけ
・町民の意識向上が図られることが重要。町民が新エネルギーについて理解できるよう
に啓蒙活動を積極的に行う。
・新エネルギー、地球環境を支える活動、二酸化炭素排出を抑える工夫、省エネ住宅や
ハイブリット車等に対する補助等も推進していきたい
・小さなことでも、できることがあれば取組んでいただきたい
・役場では、現在、温暖化対策を何かしていますか
・早く開発し、普及させてほしい
・少子高齢化が進み人口減少が懸念されるなか、効率が高くなければ問題がある
・金沢市の設計事務所から風力量の調査依頼を受け1年間調査しましたが、豊浦町は大
203
変少ない地域であることが分かりました
・地球温暖化のためにも早期に取組んで欲しい
・導入することで最先端の意識をもつ町としてPRが可能だと思います
・そういうものに税金を使いなさい。アンケート取るだけ取って「環境問題について考
えた」なんて言うふざけたことをしないように。結果を広報に載せて
・NHKで、生ごみを分別して肥料→ひまわり栽培→バイオ燃料として利用し循環して
いる九州の町が紹介されていました。
・難しいので分解した内容にして広報等で知らせて欲しい
・7月下旬になるといちごの枯葉、黒いビニールシート等を片付けるために夜明けから
日中まで一斉に燃やします。早朝、部屋の換気口から煙が入り込み息苦しく頭痛で目
が覚めます。窓を開けることができず、毎年、この季節になると困っています。二酸
化炭素(排出)防止のため、畑のごみ焼き、家の周りのごみ焼き等人家のあるところ
でのスモッグ防止、良い方法・対策をお願いします。
・私にはよくわかりません。
(導入は)経済的には無理です。
・町でこのようなアンケートをしたことは、とても意味があると思います。個々人が行
えることは小さいことです。町を交えてエネルギー対策を構築できることを願います。
小さいこと~割り箸不使用、ビニール袋をもらわないでバック持参、地元産の食品を
食べる(運賃のかからない食品)、エアコンや扇風機に不使用(風通しを良くし、団扇
を使い)節電・節水、廃プラの回収に協力、洗剤は合成化学系から石けん系にシフト
リサイクルに出せるものは分別して出す、家電は主電源から切るなど
・施設の維持費を減らす(無駄な灯りを消し、町道の街路灯をきちんと付けるなど)
204
資料-5 町の公共施設ごとのエネルギー消費量
●豊浦町施設エネルギ-消費年度集計表
種別
電 気
ガソリン
灯油
軽油
A重油
B重油
C重油
プロパン
総発熱量
種別
電 気
ガソリン
灯 油
軽 油
A重油
B重油
C重油
プロパン
総発熱量
2
0
5
種別
電 気
ガソリン
灯 油
軽 油
A重油
B重油
C重油
プロパン
総発熱量
種別
電 気
ガソリン
灯 油
軽 油
A重油
B重油
C重油
プロパン
総発熱量
種別
電 気
ガソリン
灯 油
軽 油
A重油
B重油
C重油
プロパン
総発熱量
種別
電 気
ガソリン
灯 油
軽 油
A重油
プロパン
単 位
kwh
L
L
L
L
L
L
㎥
MJ
単 位
kwh
L
L
L
L
L
L
㎥
MJ
単 位
kwh
L
L
L
L
L
L
㎥
MJ
単 位
kwh
L
L
L
L
L
L
㎥
MJ
単 位
kwh
L
L
L
L
L
L
㎥
MJ
合 計
国民健康保険 福祉施設やま
病院
びこ
天然豊浦温泉 豊浦町社会館 中央公民館
221,298
459,694
194,834
778,937
263,668
107,290
817.94
5,051
1,173
252,569
4,563
10,696
3,743
23,445
99,000
121,000
23,100
豊浦町役場
公民館
公民館
公民館
公民館
公民館
豊泉分館
美和分館
桜分館
山梨分館
上泉分館
5,388
5,217
1,640
400
3,752
フマミリースポーツ
センター
町民テニスコート
(船見町)
475
3,173
1,003
15,194
船見台スキー
海浜公園キャ
場
文学碑公園 ンプ場
豊浦児童館
222
151
16,523
5,969
20
243
1,030
小 計
2,068,231
5,889
286,871
3,743
266,545
※上記以外
中央公民館
に含む。
121.6
2,052.1
5,812
412
95.6
1,768
5,567
5,753
23,021
2,061
788
旭町母と子の
大和母と子の 大岸いきいきセ
家
豊浦福祉の家 家
礼文華生活館 高岡生活館 旭町集会所
ンター
3,321
190
5,886
22,842
18,866
2,797
133
102
2,016
2,050
25.0
豊浦町森林公
園
32,792
豊浦ふるさと
ドーム
88,736
151,017
豊浦町
火葬場
3,795
3,237
4,827
235.2
685
3.9
地域産業創造
センター
豊浦浄化セン
ター
274,535
1,194
70.6
高岡孵化場
127
4.5
大岸鉱山分校子
供会館
大岸福祉の家
3,453 ※
電気代は
181
町内会で
管理
48.6
4
上泉さけ・ます 浜町車庫・除雪セン
孵化場
浜町ポンプ場
ター等
39,075
625
4,897
船見ケ丘子供 新富保健福祉
浜町集会所 会館
生きがいの家
館
1,393
235
1,419
12,768
131
420
0.2
高岡ポンプ場
284,048
15,122
噴火湾展望公
園
3,045
27,021
8,498
小 計
東雲山村広場
3,547
103,462
0
7,633
505
0
0
0
151
1,123
505
2.9
桜雑用水ポンプ
場
美和ポンプ場
316,550
289
高岡集会所
大和ポンプ場
62,841
7,608
大岸ポンプ場
礼文華簡易水
大岸第3配水池 礼文華ポンプ場 道
75,511
16,743
14,548
63,508
ホタテ貝毒研究セ インデイアン水
車公園
ンター
6,851
小 計
30,287
1,125,818
1,441
9,505
0
239
豊浦町高区配
東雲地区配水池 水池
67,913
豊浦町超高区
配水池
43,264
7,924
大和浄化セン
ター
52,062
役場展望台ポ
ンプ場
山梨配水ポンプ
役場桜配水池
場
254
16,739
1,704
船見配水池
豊浦街角ギャラ ほたて養殖処
リー
理施設
11,372
9,638
とようら幼稚園 豊浦小学校
85,124
30,591
大岸小学校鉱
山分校
大岸小学校
小 計
礼文華小学校
8,403
54,501
78,082
7,195
54,753
862,199
3,532
5,228
21,861
1,935
12,600
75,747
6.9
19.1
661
70
31,000
33.5
1,441
大和小学校
18,489
5,350
988
山梨小学校
10,831
3,752
306
新山梨小学校
新富小学校
21,594
豊浦中学校
836
7,023
83,124
大岸中学校
9,652
礼文華中学校
豊浦小学校
プール
4,048
2,806
14,821
豊浦町学校給食 町立大岸保育
所
センター
68,177
公用車等
39,795
1,820
10,125
207
3,579
477
9,293.28
930
36,726
135.1
1,789
275.5
220
1,764
パッカー車
10,506
7.2
1,601
資源分別収集
業務委託
3.1
1,084
豊浦町営バス
3,129
公衆B・従量B・R 公衆A・定額電
灯
H等
225,578
2,810
812
10
794
13,780
65,600
20.1
265
9.4
22.8
337
カロリー換算
4,629,795 4,629,795Kwh×859.999kcal=3,981.6Gcal
15,389 15,389L×8,400kcal/L=129.3Gcal
443,785 443,785L×8,767kcal/L=3,890.66Gcal
70,686 70,686L×9,126Kcal/L=645.08Gcal
332,145 332,145L×9,341kcal/L=3,102.57Gcal
9,431 9,431㎥÷0.509㎥/kg×11,992kcal/kg=222.19Gcal
10.2
2,968
総発熱量
11,971.4Gcal
11,971.4×4.18605
×10-3=50.11TJ
原油換算量
11,971.4Gcal
×1.08108×10ー7kcal/kl=
1,294.2KL
小 計
470,085
9,500
64,029
66,438
65,600
473
炭 素 換 算
Gg_C/10億kcal
11,971.4Gcal×
0.7811GgーC/
1010kcal=
0.9351GgーC
556
二酸化炭素換算
Gg_CO2/10億kcal
11,971.4Gcal×
2.8641Gg-CO2
/1010kcal=
3.428GgーCO2
合 計
4,629,795
15,389
443,785
70,686
332,145
0
0
9,431
●平成 18 年度
燃料種別
豊浦町の主な公共施設等のカロリー換算及び総発熱量計算根拠
カロリー換算及び総発熱量計算
2
0
6
豊浦町役場
電 気
221,298 221,298Kwh×859.999kcal/kwh=190,316Mcal………①
灯 油
1,173 1,173L×8,767kcal/L=10,284Mcal………②
A重油
23,445 23,445L×9,341kcal/L=219,000Mcal………③
プロパン
121.6 121.6㎥÷0.509㎥/kg×11,992kcal/kg=2,865Mcal………④
-3
①+②+③+④ 422,465Mcal×4.18605×10 MJ/Kcal=1,768MJ
総発熱量
国民健康保険病院
電 気
459,694 459,694Kwh×859.999kcal/kwh=395,336Mcal………①
ガソリン
817.94 817.94L×8,400kcal/L=6,870Mcal………②
A重油
99,000 99,000L×9,341kcal/L=924,759Mcal………③
プロパン
2,052.1 121.6㎥÷0.509㎥/kg×11,992kcal/kg=2,865Mcal…………④
①+②+③+④ 1,329,830Mcal×4.18605×10-3MJ/Kcal=5,567MJ
総発熱量
福祉施設やまびこ
電 気
194,834 194,834Kwh×859.999kcal/kwh=167,557Mcal………①
ガソリン
5,051 5,051L×8,400kcal/L=42,428Mcal………②
軽 油
3,743 3,743L×9,126Kcal/L=34,159Mcal………③
A重油
121,000 121,000L×9,341kcal/L=1,130,261Mcal………④
-3
①+②+③+④ 1,374,405Mcal×4.18605×10 MJ/Kcal=5,753MJ
総発熱量
天然豊浦温泉
電 気
778,937 778,937Kwh×859.999kcal/kwh=669,885Mcal………①
灯 油
252,569 252,569L×8,767kcal/L=22,214,272Mcal………②
プロパン
5,812 5,812㎥÷0.509㎥/kg×11,992kcal/kg=136,930Mcal………③
①+②+③ 1,374,405Mcal×4.18605×10-3MJ/Kcal=23,021MJ
総発熱量
豊浦町社会館
電 気
263,668 263,668Kwh×859.999kcal/kwh=226,754Mcal………①
灯 油
4,563 4,563L×8,767kcal/L=40,004Mcal………②
A重油
23,100 23,100L×9,341kcal/L=215,777Mcal………③
プロパン
412 412㎥÷0.509㎥/kg×11,992kcal/kg=9,706Mcal………④
①+②+③+④ 492,241Mcal×4.18605×10-3MJ/Kcal=2,061MJ
総発熱量
中央公民館
電 気
107,290 107,290Kwh×859.999kcal/kwh=92,269Mcal………①
灯 油
10,696 10,696L×8,767kcal/L=93,772Mcal………②
プロパン
95.6 95.6㎥÷0.509㎥/kg×11,992kcal/kg=2,252Mcal………③
①+②+③ 188,293Mcal×4.18605×10-3MJ/Kcal=788MJ
地域産業創造センター等
電 気
151,017 151,017Kwh×859.999kcal/kwh=129,874Mcal………①
灯 油
3,237 3,237L×8,767kcal/L=28,379Mcal………②
プロパン
235.2 235.2㎥÷0.509㎥/kg×11,992kcal/kg=5,541Mcal………③
①+②+③ 163,794Mcal×4.18605×10-3MJ/Kcal=685MJ
総発熱量
豊浦ふるさとドーム
電 気
88,736 88,736Kwh×859.999kcal/kwh=76,313Mcal………①
灯油
30,551 30,551L×8,767kcal/L=267,840Mcal………②
総発熱量
①+② 344,153Mcal×4.18605×10-3MJ/kcal=1,441MJ
豊浦浄化センター
電 気
274,535 274,535Kwh×859.999kcal/kwh=236,100Mcal
総発熱量
236,100Mcal×4.18605×10-3MJ/kcal=988MJ
ほたて養殖処理施設
電 気
85,124 85,124Kwh×859.999kcal/kwh=73,207Mcal
総発熱量
73,207Mcal×4.18605×10-3MJ/kcal=306MJ
豊浦小学校
電 気
54,501 54,501Kwh×859.999kcal/kwh=46,871Mcal………①
灯 油
5,228 5,228L×8,767kcal/L=45,834Mcal………②
A重油
31,000 31,000L×9,341kcal/L=289,571Mcal………③
プロパン
7.2 7.2㎥÷0.509㎥/kg×11,992kcal/kg=170Mcal………④
①+②+③+④ 382,446Mcal×4.18605×10-3MJ/Kcal=1,601MJ
総発熱量
大岸小学校
電 気
78082 78,082Kwh×859.999kcal/kwh=67,150Mcal………①
灯 油
21861 21,861L×8,767kcal/L=191,655Mcal………②
プロパン
3.1 3.1㎥÷0.509㎥/kg×11,992kcal/kg=73Mcal………③
①+②+③ 258,878Mcal×4.18605×10-3MJ/Kcal=1,084MJ
総発熱量
燃料種別
礼文華小学校
電 気
灯 油
プロパン
総発熱量
大和小学校
電 気
灯 油
プロパン
総発熱量
新山梨小学校
電 気
灯 油
プロパン
総発熱量
豊浦中学校
電 気
灯 油
A重油
プロパン
総発熱量
カロリー換算及び総発熱量計算
54,753 54,753Kwh×859.999kcal/kwh=47,088Mcal………①
12,600 12,600L×8,767kcal/L=110,464Mcal………②
19.1 19.1㎥÷0.509㎥/kg×11,992kcal/kg=450Mcal………③
①+②+③
-3
158,002Mcal×4.18605×10 MJ/Kcal=661MJ
18,489 18,489Kwh×859.999kcal/kwh=15,901Mcal………①
5,350 5,350L×8,767kcal/L=46,903Mcal………②
20.1 20.1㎥÷0.509㎥/kg×11,992kcal/kg=474Mcal…………③
①+②+③
63,278Mcal×4.18605×10-3MJ/Kcal=265MJ
21,594 21,594Kwh×859.999kcal/kwh=18,571Mcal………①
7,023 7,023L×8,767kcal/L=61,571Mcal………②
22.8 22.8㎥÷0.509㎥/kg×11,992kcal/kg=537Mcal…………③
①+②+③
-3
80,679Mcal×4.18605×10 MJ/Kcal=337MJ
83,124 83,124Kwh×859.999kcal/kwh=71,487Mcal………①
2,806 2,806L×8,767kcal/L=24,600Mcal………②
65,600 65,600L×9,341kcal/L=612,770Mcal………③
10.2 10.2㎥÷0.509㎥/kg×11,992kcal/kg=240Mcal………④
①+②+③+④
709,097Mcal×4.18605×10-3MJ/Kcal=2,968MJ
豊浦町学校給食センター
電 気
灯 油
軽 油
プロパン
68,177
39,795
1,820
135
総発熱量
町立大岸保育所
電 気
ガソリン
灯 油
軽 油
プロパン
68,177Kwh×859.999kcal/kwh=58,632Mcal………①
39,795L×8,767kcal/L=348,883Mcal………②
1,820L×9,126Kcal/L=16,609Mcal………③
135㎥÷0.509㎥/kg×11,992kcal/kg=3,181Mcal………④
①+②+③+④
427,305Mcal×4.18605×10-3MJ/Kcal=1,789MJ
10,125
207
3,579
477
275.5
10,125Kwh×859.999kcal/kwh=8,707Mcal………①
207L×8,400kcal/L=1,739Mcal………②
3,579L×8,767kcal/L=31,377Mcal………③
477L×9,126Kcal/L=4,353Mcal………④
275.5㎥÷0.509㎥/kg×11,992kcal/kg=6,490Mcal………⑤
①+②+③+④+⑤
52,666Mcal×4.18605×10-3MJ/Kcal=220MJ
総発熱量
公用車等
ガソリン
灯 油
軽 油
総発熱量
豊浦町営バス
灯 油
軽 油
総発熱量
9,293.28 9,293.28L×8,400kcal/L=78,064Mcal………①
930 930L×8,767kcal/L=8,153Mcal………②
36,726 36,726L×9,126Kcal/L=335,161Mcal………③
①+②+③
421,378Mcal×4.18605×10-3MJ/Kcal=1,764MJ
794 794L×8,767kcal/L=6,960Mcal………①
13,780 13,780L×9,126Kcal/L=125,756Mcal………②
①+②
132,716Mcal×4.18605×10-3MJ/Kcal=556MJ
公衆B・従量B・RH等
電 気
225,578 225,578Kwh×859.999kcal/kwh=193,997Mcal
193,997Mcal×4.18605×10-3MJ/Kcal=812MJ
総発熱量
公衆A・定額電灯
電 気
総発熱量
2,810 2,810Kwh×859.999kcal/kwh=2,417Mcal
2,417Mcal×4.18605×10-3MJ/Kcal=10MJ
資料-6 新エネルギー導入等に係る助成制度(融資、税制は除く)
(経済産業省)
制度の名称
新エネルギー等事業者支援
補助対象者
民間事業者等
対策事業
補助率
制度の概要
1/3 以内
新エネルギー等(供給サイドの全ての新エネが対象)の分野の設備導入事業に対
上限 10 億円/年
し、事業費の一部を補助、補助期間は最大4年
バイオマス等未活用エネルギー事
民間企業、地方自治
定額
バイオマス、雪氷エネルギーの利用にかかるデータ収集・分析を実施するFS事
業調査事業
体、公益法人、協組等
限度(1千万円)
業(事業可能性調査)に対し補助
(農林水産省)
制度の名称
強い農業づくり交付金
補助対象者
補助率
制度の概要
2
0
7
市町村、農協、農業者
定額(事業費の
補助対象は未利用資源活用施設
の組織する団体、PFI
1/2 以内)
(農業副産物・廃棄物等の未利用資源をエネルギー化するために必要な施設)
地域バイオマス利活用交付金
市町村、農協等
1/2 以内
バイオマス利活用に関する調査・検討ならびにバイオマス利活用施設の整備
農山漁村活性化プロジェクト
市町村、農林漁業団体
1/2 以内
地域資源循環活用施設整備
支援交付金
強い林業・木材産業づくり
交付金
バイオ燃料地域利用モデル
等
道府県、市町村、林業
エネルギー化を実施する場合に必要な施設)
1/2 以内
者の組織する団体等
民間企業等
実証事業
省エネルギー施設園芸設備
定額
バイオ輸送用燃料の原料作物の原料調達から燃料供給まで一体となった取り組
1/2 以内
みを行う大規模実証事業
定額(1/2)
先進的省エネルギー加温設備(木質バイオ利用加温設備、ハイブリット化音設備)
高断熱被覆設備(高断熱エアーハウス、三層被覆設備)のモデル導入を支援
農業者団体、民間団体
イノベーション推進事業
森林資源活用型ニュービジネス
創造対策事業
域内の木質バイオ供給者、利用者の連携で、木質バイオをエネルギー及び製品の
原料として利活用にす設備整備も補助対象
導入モデル事業
施設園芸脱石油
(未利用資源等を活用し、営農等に必要な資材化、
民間団体
定額
石油に頼らない施設園芸を実現するためトリジェネレーションシステムや小型水力
1/2 以内
発電を利用した温室、集出荷施設等の導入を支援(モデル事業)
未利用森林資源(林地残材、間伐材)を活用し、バイオ燃料としてエネルギー利
用するための製造システムの構築を支援
(環境省)
制度の名称
地方公共団体率先対策補助事業
補助対象者
地方自治体
補助率
1/2
制度の概要
代替エネルギー設備、次世代技術普及事業(燃料電池、次世代低公害車)低公害
車普及事業が対象
地球温暖化を防ぐ学校
地方自治体
1/2
エコ回収事業
地域協議会代エネ・省エネ
推進対策事業
廃棄物処理施設における
温暖化対策事業
再生可能エネルギー
民間団体(地域協議会
1/3
の構成員)
廃棄物処理業を主た
民間団体
1/3~1/2 以内
対象は、廃棄物発電施設、廃棄物熱供給施設、廃棄物燃料製造施設、ごみ発電ネ
ットワーク事業、熱輸送システム事業
1/2
国が計画エリアの二酸化炭素を相当程度削減できるよう集中的に再生可能エネ
ルギーを導入する計画を認定した場合の再生可能エネルギーの導入施設整備
モデル地域の協議会
2
0
8
民間団体等
一部は委託事
「環境と経済の好循環のまちモデル事業」の対象地域のソフト、ハード事業
業、2/3 以内
ハード事業(協議会等が実施する代替エネ、省エネの設備設置事業)
1/2
医療保健、社会福祉等の事業主体の先進的な代エネ、省エネ対策設備導入支援
率先対策補助事業
エコ燃料利用促進費所事業
対象は、民生用小型風力発電システム、家庭用小型燃料電池の導入
(電圧調整装置、省エネ資材導入も対象)
る業とする事業者等
地域エコ整備事業
公共・公益サービス部門
二酸化炭素排出削減効果を有する省エネ改修、新エネ導入の最も効果的な組み合
わせによる施設整備(補助対象件数に制限あり)
高度導入地域整備事業
地球温暖化を防ぐ
(温対法に基づく実施計画策定されていること)
(前提として、事業主体が二酸化炭素削減計画を策定していること)
民間団体等
1/2
運輸部門・業務部門でのバイオマス由来燃料の利用拡大に死する施設整備を支援
(バイオエタノール製造、同左混合ガソリン利用、BDF製造事業)
循環型社会形成推進交付金
地方自治体
1/3,1/2
自治体の循環型社会形成推進地域計画に基づく事業を支援
(ごみメタン化、ごみ固形燃料化、熱回収、高効率原燃料回収施設)
(国土交通省)
制度の名称
沿道環境改善事業
補助対象者
地方自治体
補助率
1/2
制度の概要
新エネルギーを活用した施設整備を支援
対象~道路照明、道路情報提供装置、視線誘導標・板、融雪装置など
低公害車普及促進対策補助金
バス、トラック事業者
等
1/4
CNGトラック・バス、ハイブリット型トラック・バスの導入に対して支援
(本体価格の 1/4、低公害車の場合は通常車両価格との差の 1/2 が限度)
環境共生住宅市街地モデル事業
地方自治体、
1/3
住宅供給公社等
住宅・建築関連先導技術開発
助成事業
(文部科学省)
制度の名称
エコスクール整備推進に関する
複数の民間事業者等
道府県、市町村
モデル事業
(北海道)
制度の名称
木質バイオマス資源活用
2
0
9
促進事業
林業・木材産業構造改革事業
有効利用、自然環境とに調和に先導的に取組む住宅市街地整備を支援
1/2
で厚生される共同体
補助対象者
市町村、森林組合
補助率
ソフト全額
制度の概要
環境に配慮した学校施設の整備に係る基本計画策定に要する経費
学校の建物の整備に要する経費
補助率
1/2 以内
木材関連業者団体等
森林組合・連合会
住宅、オフイスビル等の建築物に関する先導的な技術開発を支援。テーマとして
自然エネルギーの効率的な利用に関わる技術開発もある
5.5/10 以内
補助対象者
概ね50戸以上の住宅団地の建設(既設も可)で、エネルギー消費削減、資源の
制度の概要
調査検討事業(木質バイオのエネルギー利用、安定供給)
木質ペレット製造施設、木質バイオ燃焼設備(ストーブ、ボイラー)導入支援
1/2 以内
林業者の団体等
伐根、枝条、工場残材等を原料とした炭化施設、発電施設、バイラー、燃料製造
施設、森林内の小規模水力発電施設の整備を支援
地域政策総合補助金(新エネルギー
市町村、一部事務組合
1/2 以内
地熱、天然ガス開発利用施設整備、太陽光・太陽熱等の新エネルギー等開発利用
等開発利用施設整備事業)
広域連合
上限1億円以内
施設の整備事業を支援
同上補助金(住宅用太陽光発電シス
導入者に補助金を交
市町村 1/2 以内
システム導入する者に対して補助を行う市町村の事業を支援
テム導入支援事業)
付する市町村
普及啓発 1/2
(市町村;限度額3万円/kW、3kW、普及啓発事業;35万円)
(道内の市町村)
制度の名称
室蘭市住宅用太陽光発電システム
導入支援事業
補助対象者
自宅に導入者
補助率
6万円/kW
システム住宅購入者
制度の概要
太陽電池出力に6万円を乗じた額(最大出力3kWまで)
条件~省エネナビの設置、逆潮流連係していること、未使用のもの等
帯広市新エネルギー導入促進補助
市内の住宅にシステ
設置使用の 1/2
一定の条件を満たす太陽光発電システムを設置する市民に費用の一部を助成
金(太陽光発電システム)
ムを設置する市民
又は 20 万円
補助率は左記のいずれか少ない方
同上
同
上
同
上
(木質ペレットストーブ)
足寄町
一定条件を満たす木質ペレットストーブを設置する市民に費用の一部を助成
補助率は同上
町内の一般住宅等
10 万円/台
ペレットストーブの購入費用
足寄町
町内でシステムを設
補助率は左欄
・3kWまで~8万円/kW ・3~4kWは5万円/kW
住宅用太陽光発電システム導入補助金
置した者
音更町
町内に住所を有する
新エネルギー設備導入費補助金
者(予定者含む)
幕別町
町内に住所を有する
住宅用太陽光発電システム導入補助
者(予定者含む)
北見市
自宅に導入者
4万円/kW
住宅用太陽光発電システム導入補助金
システム住宅購入者
上限 12 万円
北見市ペレットストーブ導入支援
市内の住宅、事業所等
1/2
事業補助金
に設置する者
上限20万円
網走市
自宅に導入者
補助率は左欄
最大出力に6万円を乗じた額
住宅用太陽光発電システム導入補助
システム住宅購入者
滝上町
生産施設導入者、燃
10%、25%、
作業機(新規施設)補助率 30%以内、燃焼機器(ストーブ、ボイラー)10%以
木質資源地産地消促進補助
焼・消費機器導入者等
30%以内
内
木質バイオマス資源活用促進事業
*補助対象は4kWまで、補助上限額;29万円
補助率は左欄
太陽電池の最大出力値に6万円を乗じた額(上限額;20万円)
補助率は左欄
3kWまで~4万円/kW、3kW超の1kW3万円
(未使用、逆潮流の条件あり)
条件~省エネナビ、魅しよう、逆潮流連係、出力10kW未満
設置から2年は報告義務(発電量、売電量、買電量等)
補助対象額;ペレットストーブ購入に要する税抜き本体価格
2
1
0
上限額;18万円
製材、チップ、ペレット、オガ粉、人工乾燥等施設整備;補助率 25%以内
美唄市
新エネルギー装置を
補助率は左欄
空知団地、東明団地においての新設~5千万円以上の投資(投資額の 10%)
新エネルギー装置導入助成制度
導入する工場等
美唄市雪氷冷熱エネルギー
冷気、冷水の流量調整
補助対象経費の
市内に住宅、事務所、児童福祉施設等、倉庫及び保冷庫を有する者が行う雪氷冷
導入事業補助金
機能を有する施設
1/6 以内等
熱事業、補助率は 1/6 以内(限度額;300万円)
長沼町 住宅用太陽光発電システ
自宅に導入者
補助率は左欄
最大出力に6万円を乗じた額(上限は18万円)
ムモニター補助金
システム住宅購入者
同上以外の地域~5千万円以上の投資で6%相当、市内25百万円以上 5%相当
条件~省エネナビ設置、未使用、逆潮流連係、利用状況の報告等
~独立行政法人、公益法人関連~
(新エネルギー・産業技術総合開発機構;NEDO)
制度の名称
補助対象者
新エネルギービジョン策定等事業
地方公共団体
補助率
定額
地域新エネルギービジョン策定調査、詳細ビジョン策定調査(重点テーマ)
FS調査事業実施者
地域新エネルギー導入促進事業
風力発電フィールドテスト事業
中小水力発電開発費補助金
補助事業
地熱発電開発費補助金
補助事業
制度の概要
事業化フィジビリティスタディー調査
地方公共団体
1/2,1/3 以内
設備導入事業を支援~新エネルギーの種類により単位当たり補助金に上限あり
非営利団体
非営利 1/2 以内
普及啓発事業のメニューあり
民間企業
NEDO負担
電力系統に導入の制約なく、風力発電の立地が有望と考えられる地域において
地方公共団体等
1/2
2地点以上、1年間の高所での風況調査実施、データ・環境条件から評価
電気事業者
10%、20%、
対象~出力1千 kW超3万 kW以下(新設、増設、改造)
自家発を設置する者
50%
新技術の導入事業の場合は補助率 50%
電気事業者、地熱開発
1/2,1/5,
調査井掘削事業(補助率 1/2 以内)
事業者、県企業局等
3/10
新技術発電施設設置事業(同 3/10 以内)
地熱発電施設設置事業(同 1/5 以内)
2
1
1
以内
住宅・建築物高効率
住宅の建築主
1/3
空調・給湯・太陽はかり発電等の二つ以上の高効率省エネルギー機器類を組合わ
エネルギーシステム導入促進事業
地域バイオマス熱利用
フィールドテスト事業
太陽熱高度利用システム
フィールドテスト事業
せたものを、住宅に導入する場合、その費用の一部を補助
民間企業
NEDO負担
バイオマス熱利用システムを設置、運用データの収集・蓄積・分析
地方公共団体等
1/2
対象事業~木質バイオ直接燃焼、鶏糞燃焼、食品系バイオエネルギー化など
民間企業、地方公共団
新エネルギー等事業者支援
対策事業
上
体、公益法人等
太陽光発電新技術等
フィールドテスト事業
同
対象~新技術適用型、新分野拡大型、魅力型デザイン適用型、最適化・標準化
同
同
上
上
設備導入事業者
技術開発課題の抽出、性能向上、価格低減に有効なシステムを導入し実証実験
4kW以上発電システム(新型モジュール採用、建材一体、制御方式適用)を導入、
長期運転で有効性を実証。システムの向上、コスト低減を促すテスト事業
1/3 以内、年間
対象事業~バイオマス発電、バイオマス熱利用、バイオマス燃料製造、中小水力
上限額 10 億円
発電、地熱発電 (先進的な新エネルギー等利用設備、規模用件有り
(財団法人 新エネルギー財団)
制度の名称
補助対象者
補助率
制度の概要
太陽光発電新技術等
民間企業、各種団体
1/2 と 34 万円/
10kW以上の既に商品化されている太陽電池であって、設計・工法等の工夫によ
フィールドテスト事業(効率追求型
地方公共団体
kWの低い額
りコスト削減やシステム効率の向上をめざす事業を支援
(財団法人 日本自動車研究所)
制度の名称
電気自動車等導入費補助事業
(社団法人 日本ガス協会)
制度の名称
2
1
2
クリーンエネルギー自動車等導入
促進対策費補助金
(社団法人 日本LPガス協会)
制度の名称
省エネ型LPガス自動車転換促進
事業費補助金
補助対象者
制度の概要
個人、法人
ベース車との
電気自動車とハイブリット自動車の購入(現金・リースの場合のみ)で新規購入
リース会社
価格差の 1/2
届出車が対象
補助対象者
個人、法人
補助率
1/3,1/2 以内
リース会社
補助対象者
個人、法人
都道府県トラック協会に
所属する会員事業者
(例;ハイブリット車
プリウス~19万円)
制度の概要
天然ガス自動車を自ら使用、または貸与する目的で取得する者に助成
(同種の一般車両との差額、または改造費の 1/2(初度登録)他は 1/3 以内)
補助率
定額、1/2
リース会社
(社団法人 全日本トラック協会)
制度の名称
補助対象者
低公害車導入促進事業
補助率
制度の概要
ディーゼル自動車からLPガス自動車に転換するための改造費、またはLPガス自動車と
の差額を補助(限度額;貨物自動車、ライトバンは 20 万円、その他は 25 万円
補助率
1/5,1/4,1/3
制度の概要
CNGトラックの購入(ディーゼル車の改造)
、ハイブリットトラックの購入なら
びにリースによる導入を支援
(出典;各省、各団体のHP、
「農産漁村活性化支援窓口の案内」(農水省)「省エネルギー・新エネルギー関連助成制度一覧」(北海道)による)
資料-7 先進地調査報告書
■ 調査日程 平成 19 年 10 月2日(火)~4日(木)
■ 調査場所 ①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
美唄市役所
JA美唄雪蔵工房
恵和会 ケアハウス・ハーモニー
クリーンプラザくるくる
北海道電力滝川テクニカルセンター
富良野リサイクルセンター
富良野環境衛生センター
鹿追町環境保全センター
足寄町役場
十勝ペレット協同組合工場
■ 参 加 者
新エネルギービジョン策定委員会
・委員長 藤田 裕明
・委 員 田中 静幸
・委 員 山田
敦
・委 員 鈴木
隆
庁内委員会
・委 員 井上 政信(総務課)
・委 員 竹林 善人(民生課)
・委 員 石川 壮輔(産業振興課)
・委 員 筑波 昭彦(建設課)
・委 員 秋島 弘子(まちなみ整備室)
・委 員 川端 康子(生涯学習課)
・委 員 橋田 正二(総合保健福祉施設)
・委 員 長谷部 晋(国民健康保険病院)
・事務局 山田 秀人(企画調整課)
・事務局 杉谷 佳昭(企画調整課)
213
■ 調査地 ① 美唄市役所
【対応者】美唄市商工交流部産業振興課 稲村 秀樹 課長
〃
金子 幸江 主事
● 美唄市の概要
美唄市は、年平均降雪量8mを超える豪雪地帯で、これまで、「やっかいもの」であった
「雪」を活用することに発想転換し、冷熱エネルギーとしてとらえた取り組みを展開してい
ます。
この取り組みは、産・学・官で構成され平成9年8月に設立された「美唄自然エネルギー
研究会」を中心に、民間主導で雪の特性を生かし、これまで7つの施設に雪冷熱エネルギー
が導入されており、さらに活用促進を図るため、国の「新エネルギー利用等の促進に関する
特別措置法」で規定されている「石油代替エネルギー」に「雪氷冷熱エネルギー」が追加さ
れたことなどから、市民等が行う雪氷冷熱エネルギー導入事業に対し、経費の一部を補助す
るため、「美唄市雪氷冷熱エネルギー導入事業補助金交付要綱」を制定しました。
こうした展開の中で、今後さらに環境の保全や地域産業の振興などの視点を踏まえるた
め、平成15年2月に「美唄市地域新エネルギービジョン」を策定し、このビジョンをもと
に、自然エネルギーの導入促進を図っています。
● 雪の冷熱エネルギー利用施設
① 賃貸マンション:ウエストパレス
(雪冷房方式/冷水循環式)
② 個人住宅・事務所(雪冷房方式/全空気循環式)
③ 介護老人保健施設:コミュニティホーム美唄
(雪冷房方式/冷水循環式と全空気循環式の併用)
④ 老人福祉施設:ケアハウス・ハーモニー(雪冷房方式/全空気循環式)
⑤ 美唄市交流拠点施設:ピパの湯ゆ~りん館
(雪冷房方式/冷水循環式と全空気循環式の併用)
⑥ JAびばい米穀雪零温貯蔵施設:雪蔵工房(雪冷房方式/全空気循環式)
⑦ JAびばい氷室貯蔵研究所(雪冷房方式、自然対流式)
● 終わりに
本町において、新エネルギーとして何が活用できるか考えたとき、エネルギーとなる材
料は多くあるように思えます。しかし、まず先に何に対して活用するかが論点となり、農業
や公共施設、住民個人に対し活用するなど活用方法は多くあると思います。これが決まれ
ば、あとは何のエネルギーを活用するかですが、導入コストやメンテナンスなどを考える
とやはり雪国を生かした雪が一番かと思いました。
214
■ 調査地 ② JA美唄雪蔵工房
【対応者】美唄市農業協同組合営農販売部 森
良明 課長
● JA 美唄雪蔵工房の概要
・平成 12 年 9 月完成。
・延床面積 4,362 ㎡
・事業費 6 億 4 千万円。
・全空気循環式雪冷房を採用。
・毎年 3 月~9 月、雪が融解するエネルギーを
活用し、玄米を温度 5℃、湿度 70%の低温で貯蔵する。
・米の乾燥調整も可能。含水率 16%を維持。
・貯雪量は 3,600 トンで全国 1 位。
・冬期に除排雪した雪を倉庫前に集め、3 月頃、融け
かけて湿った雪を圧縮しつつ倉庫内へ搬入。
(雪の密度を高め、より効果的に冷熱エネルギーを活
用するため)
・国内最大規模の玄米零温貯蔵施設。玄米 10 万俵貯蔵可能。
《倉庫内》
・出荷時には蔵内と外の温度差が大きくならないよう、5℃、10℃、15℃と段階的に昇
温調整することで、新米の風味を損なわず出荷可能。
・貯雪庫を使わない冬期間は通常の倉庫として活用可能。
・電気冷房に比べ、必要電力 6 割減。(雪 1 トンが灯油 10 リットルに相当する)
・補助金は活用していない。
(当時は雪エネルギーに対する補助事業は無かった)
それ故、弾力的な運用が可能であり、米にこだわらず何でも入れている。
● 雪エネルギー活用の多目的化
・以前は雪エネルギーは氷室や雪蔵など、主として農業関係に利用されていた。
・最近は他のジャンルでも活用(多目的化)
→例えば…
・マンション、事業所、高齢者施設、温泉施設での冷房として活用。
・旭山動物園、円山動物園、万博等でのイベント用として雪を提供。
● 豊浦町での雪エネルギー活用方法
現在、豊浦町では牛の環境性ストレスを解消するため、豊浦町振興奨励補助事業(牛舎
環境改善・整備事業)において送風機等を整備している。「牛に優しい環境」を整えること
で、牛、本来の能力を引き出すことが期待されているが、この事業に雪冷房導入を組み込
むことを案として提示したい。
《事業効果としては、
》
① 雪冷房により夏季の牛舎内気温を適正に保つことで、乳牛の環境性ストレスが解消
され、乳量がアップ。
② 雪冷房のフィルター効果により、牛舎内の臭気を抑制。
③ 環境改善・整備した「清潔(クリーン)な牛舎」をテーマに都市部住民等、集客力
のアップ。などが考えられる。
● 問題点
・個人農家の既存牛舎等へは、施設の形状や用地等の観点から導入が難しい場合もある。
新規設立、あるいは新規参入する法人への導入に絞られるか。
215
調査地 ③ 恵和会 ケアハウス・ハーモニー
【対応者】ケアハウス・ハーモニー 林
忠 憲
施設長
● ケアハウス「ハーモニー」の概要等
美唄市における65歳以上の高齢者人口は8,013人に達し、高齢化率が26%と高
く、各種の在宅サービスを利用できるケアハウスの整備は必要急務である。この現状を踏
まえ、当地域の気象現象と市民による雪冷熱利用の先駆的な取組姿勢を理解した上で、酷
暑の夏にお年寄りに対して身体に優しい「雪冷房」による快適な環境を提供し、
「厄介者」
であった雪を地域特有の有効な財産・資源として捉え、自然冷熱エネルギーとして活用し、
電力の省エネ効果等を実証・実現し、二酸化炭素削減等での地球環境保全に貢献すること
を目指し、雪による自然エネルギー利用の普及推進活動の先進導入モデル事例として建設
された。このケアハウス「ハーモニー」は、日常生活を快適に過ごせるよう食事などのサ
ービスを提供する高齢者用の軽費老人ホームで、約50人が暮らしている。
《施設内》
《雪貯蔵庫》
ここでは、夏季に入居者に対して快適な環境を提供しようと、体にやさしい雪冷房をオ
ープンスペースと食堂に導入している。全国の雪冷房施設では初めて、NEDOの新エネ
ルギー地域活動支援事業の補助を受けて、平成15年1月に完成した。
ハーモニーでは全空気循環式を採用しており、貯雪庫と居住施設を分離し、空気循環風
道を地中埋設したことにより、断熱を不要とした。貯雪庫に121トンの雪を春先に投入
し、夏まで保存。室温が26℃以上になると自動運転を開始。食堂などの吹き出し口4カ
所から17℃の空気が吹き出し、1カ所の吸い込み口から吸い込んで室内の空気を循環さ
せている。夏シーズン中の冷房累計時間は432時間で、一日あたり6時間ほど26℃の
室温設定で雪冷房を行っている。
● 効 果
雪冷房は、冷房の電気代節約はもちろん、貯雪庫で排雪を行うことにより、ダンプでの
運搬排雪費用も軽減できる。また、空気が適度な湿度に保たれ、施設内の塵や埃、体臭や
病人臭・アルコール類、アンモニアなどの不快臭を雪が吸着するフィルター効果もあり、
環境と入居者の身体に爽やかな冷房を行っている。
● 終わりに
人と環境に優しく、省エネルギー効果を有する新エネルギーとしての付加価値と利用価
値について理解を深め、他の新エネルギー(太陽や風力発電)と併用・組み合わせにより、
災害時等に強く影響を受けない独立型のエネルギーとして考えていかなければならない。
216
調査地 ④ クリーンプラザくるくる
【対応者】砂川地区保健衛生組合 河端 一壽 次長
● 施設概要
①資源・不燃・粗大ごみリサイクル施設(25t/日)
処理方式 ⇒ 破砕・選別・圧縮・保管
②可燃ごみ運搬中継施設(34t/日)
処理方式 ⇒ コンパクタコンテナ(圧縮場外搬出)
③生ごみバイオガス化施設(22t/日)
処理方式 ⇒ メタン回収方式
● 施設供用開始
平成15年4月1日~
クリーンプラザくるくるは、砂川市・歌志内市・上砂川町・奈井江町・浦臼町の資源ご
みのリサイクルプラザ、エコバレー歌志内への可燃ごみ中継施設、生ごみ処理の施設とし
て、平成15年4月に稼動しています。
「生ごみのみ」のバイオガス化施設として稼動する
背景には、先に稼動したエコバレー歌志内に一般廃棄物の処理委託するために、ごみのカ
ロリー量を加味して生ごみを除くことに決まったことで、この施設で生ごみを処理する方
法として、堆肥化とバイオガス化の比較を行い、発電・廃熱利用が可能で、臭気対策が容
易なこと、余剰汚泥が良質な土壌改良材に利用できることから、バイオガス化に決定して
います。
この施設では生ごみはバイオアクタ(発酵槽)内で高温発酵(55度)処理し、バイオ
ガスを取り出します。このガスに含まれるメタンガスを発電に利用し、その電気を施設内
で消費しています。また、発電から回収された熱を利用して、バイオリアクタの加温・暖
房・ロードヒーティングに利用しています。
● 事業効果
今まで生ごみを埋め立てや焼却処理をしていたが、生ごみを電力や熱量に再利用するこ
とにより、資源の有効利用が図られている。また、施設電力の約80%以上の電力を発電
することにより、電気使用料のコスト削減効果をもたらしている。
● 課 題
生ごみの年間受入量が、施設最大能力の半分にも満た
ないため、4台の発電機全てが稼動されていない。
(当初生ごみ受入量は、22t/日。現在11t/日。
)
今後は、他地域の自治体との契約による生ごみ受け入れ
も考えている。
● その他
生ごみ処理後の残渣物については、排水処理施設で処理し、下水道へ放流。汚泥につい
ては、脱水・乾燥処理し、土壌改良材として無料配付している。
(生ごみ投入量の約1%)
● 終わりに
本町近隣市町では、すでに生ごみの堆肥化施設が稼動している市町が多く、広域的な生
ごみ処理は難しいため、単独での施設運営となるが、本町の生ごみ発生量から考えると施
設稼動は経費・効率性からも難しく、他の有効利用を考えたほうがよい。
217
調査地 ⑤ 北海道電力滝川テクニカルセンター
【対応者】北海道電力人事労務部 滝川テクニカルセンター
配電グループ 石川 隆夫 講師
● 施設概要等について
滝川テクニカルセンターは、北海道電力の社員の技術研修施設であるが、元々は、北海
道電力滝川発電所であった。
昭和35年から滝川近郊で産出された石炭燃料を燃焼させる火力発電所として営業して
きたが、平成元年に施設の老朽化と石炭の減少により廃止され、平成2年には滝川テクニ
カルセンターとして生まれ変わっている。
(1)北海道電力の発電所の状況について
現在の主力発電方式は、大きく3種類が占める。
① 火 力・・・道内の全供給電力の 40~50%を供給。
② 原子力・・・道内の約 30%の電力を供給。
③ 水 力・・・消費電力のピーク時の不足電力に対応。(豊浦町にも有り。)
上記の発電方法の他には「地熱発電」、「風力発電」等がある。
(2)水力発電について
水力発電は水の落下による力を利用した単純な発電方法であり、水力発電を消費電力の
ピーク時の発電方式に向けているのは、水量の調整により瞬時に発電量を最大まで引き上
げることが可能で、発電量の微調整が容易であるためです。
テクニカルセンターに設置されている水力発電装置を見学しました。装置は、通常の発
電所の原理をそのまま小型化したもので、通常の施設では覆われて見ることができない部
分もガラス張りで確認されるように作られていた。
● 新エネルギーについて
(1)風力発電について
風速や風向きの変動により安定した発電ができない事が難点である。風車を大型化、施
設の大規模化で発電コストは下がっていくと思われるが、風の強い地域に限定されるので、
豊浦町の実情には合わないと思われる。
(2)太陽光発電について
テクニカルセンターの視察で、最も関心を持ったのは「太陽光発電」でした。地球環境
に易しく、無限のエネルギーであり、一般住宅での設置も見受けられるので容易に設置で
きるという先入観があったからです。
視察で得た情報は次のとおりです。
①太陽光発電のしくみ
シリコン半導体などに光が当たると電気が発生する現象を利用し、太陽の光エネルギ
ーを電気に変換する方法です。このため、日照時間を長くできる条件の場所に適してい
ます。
218
②太陽電池の種類
・ 単結晶シリコン型
・ 多結晶シリコン型
・ アモルファスシリコン型
③豪雪地帯でも可能か
少し意外だったのは、豪雪地帯である滝川で太陽光発電が冬期でも稼動するという事
でした。降雪時は太陽光が遮られるので発電できないが、晴れている時は太陽から雪へ
の反射光が意外と強いので発電できるとの事でした。
太陽電池パネルの傾斜には、雪積しない角度として55度を標準としているようです。
ただし、太陽光を効率的に受ける角度はもう少し寝かせたほうが良いようです。
④下がらない設置コスト
「太陽光発電」の導入量は日本が世界一と言われているが、近年、ドイツが国を上げ
「太陽光発電」の導入の取組みを強化しており、設置者に対して手厚い補助制度を構築
し、急激に普及を遂げている。
太陽光発電の導入コストが下がらないのは、材料となる「シリコン」の需要が、ドイ
ツで急速に伸びおり、材料の価格が高騰しているからです。なお、ドイツに設置されて
いる太陽電池のほとんどが日本製とのことです。
⑤採算性
太陽光発電は、日照により発電量が左右されるため、発電量が足りない場合は、北電
から不足分の電気を買い、電気が余る場合は北電に売るという形になる。
太陽光発電の導入を補助制度等の活用無しに自力購入で行った場合、採算が取れるの
は15年後とのデータがあるようだが、講師の私算では30年、パワーコ ンディショ
ナーは5年くらいで調子が悪くなるので、そのメンテナンス費用が別途必要との事です。
北電が電気を買取る際の単価が上がらない現状で補助制度を活用せずに導入を考えた
場合、採算性だけを考えるなら導入しないほうが無難のようです。
ただ、採算性は重要であるが、地球環境の事を考えると多少の負担増を伴っても導入
を検討していかなければならない印象を受けました。
219
調査地 ⑥ 富良野市リサイクルセンター
【対応者】富良野市市民部環境生活課
阿部
〃
環境係 堀
盟稲 課長
聡 主査
● 富良野市のごみ処理沿革
S58年:3種分別試行
S60年:3種分別実施
S63年:6種分別実施
H 5年:7種分別実施(粗大ごみ有料化)
H12年:8種分別実施
H13年:9種分別実施(資源化率62%)
《施設全体》
H13年10月:14種分別実施
①プラスチック類 ②ペットボトル ③生ごみ ④空き缶・金属類 ⑤空きびん・陶
磁器・ガラス ⑥乾電池類 ⑦新聞・雑誌類 ⑧固形燃料ごみ ⑨衛生用品・ペット
糞等 ⑩枝草類 ⑪大型ごみ・電気製品 ⑫灰 ⑬動物死体 ⑭処理困難物
● 視察概要
「燃やさない・埋めない」を基本理念に、資源化率99%を目標に平成13年10月か
ら14分別を開始した。
・リサイクルについては定着してきている。10月に初の試みとして、ごみとして出さ
れた衣類を中心にリサイクルマーケットを実施予定。
・リサイクルにも限界があり、今後はごみ減量化(目標△10%)に向け住民への啓発
を行っていきたい。
・生ごみ、枝草類(自然腐敗後)は富良野地区環境衛生センターで堆肥化処理をしてい
る。
・小型電気製品は指定袋(有料)で収集‥センターで人手によって分解し細分別してい
る。
・固形燃料(可燃)ごみは指定袋(有料)で収集‥センター内「ごみ燃料化施設」で固
形燃料に再生(別添資料)している。
ごみ燃料化施設概要(農業廃棄物処理施設)
事 業 名
農村地域定住促進対策事業
廃棄物循環社会基盤製施設備事業(設備更新)
建物面積
1,017㎡
竣
工
昭和63年7月
平成14年3月(設備更新)
事 業 費
新設 298,850 千円(国庫補助 106,386 千円)
更新 273,000 千円(国庫補助 52,201 千円)
《固形燃料》
・固形燃料は、5,000kcal/kg 前後(中級石炭並)の発熱量で、当施設の熱源とし
て利用。製紙会社にも販売(2,000円/t)している。
220
調査地 ⑦ 富良野環境衛生センター
【対応者】富良野地区環境衛生センター 平子 正秀 所長
● 施設概要(平成 15 年 4 月から開始)
・名
称 富良野地区環境衛生センター
・所 在 地 富良野市上五区
・敷地面積 30,183 ㎡
・建築面積 6,321 ㎡
・処理能力
し
尿
46kL/日
浄化槽汚泥
14kL/日
生 ご み
22t/日
・処理方式
水処理設備:標準脱窒素処理方式+高度処理
堆肥化設備:高速堆肥化処理方式
《 堆 肥 》
《 土壌脱水床 》
● 終わりに
施設の周辺は、メロン農家が多いため、臭いに気をつけているとのこと。ほとんど臭い
は気にならなかった。また、最近、近くの農家の方々に堆肥を購入していただけるまで理
解を得ているとのこと。
221
調査地 ⑧ 鹿追町環境保全センター
【対応者】鹿追町役場農業振興課
大井 基寛 課長
〃
環境保全センター係 城石 賢一 係長
● 施設概要(平成 19 年 4 月から開始)
・名
称 鹿追町環境保全センター
・所 在 地 鹿追町鹿追北4線5番地
・敷地面積 約 13,000 ㎡
・施設面積 933 ㎡
バイオガスプラントの施設概要
・発酵方式 → 嫌気性発酵(中温式)
・原
料 → 乳牛ふん尿 85.8t/日(成牛換算 1,320 頭)
→ 敷料等 4.0t/日
→ 車両洗浄水 5.0t/日
・処理能力 → 94.8t/日
堆肥化プラントの施設概要
かくはんしき
・発酵方式 → 好気性発酵(パドル攪 拌 式 )
・原
料 →
→
→
・処理能力 →
乳牛ふん尿 35.6t/日(成牛換算 550 頭)
生ごみ 1.1t/日
敷料 4.9t/日
41.6t/日
《ガス発電機》
《消化液貯留槽》
《堆肥化プラント》
《散布専用車両》
● 終わりに
施設の周辺は、かなり強い臭いを感じた。また、当初計画していた原料より少ないため、
堆肥化プラント1基しか動いていない状況とのこと。
222
調査地 ⑨ 足寄町役場
【対応者】経済課商工観光振興室 岩原
栄 室長
● 庁舎の概要
・工事費
13億2846万円
・規模等
・構造 木造(大断面集成材)一部 RC 造・延面積 3508 ㎡
・階数 2 階
・特 徴
「地産地消」や「環境保全」を方針に、町有林カラマツの利活用、
木質ペレットを燃料とするボイラーの導入。
《足寄町庁舎》
《町長室》
● その他(木質ペレット)
足寄町では、木材産業の活性化、地球温暖化に対応した安定した新エネルギー利活用の
観点から、地元の森林資源(カラマツなど)を活用した固形燃料である木質ペレットを開
発、普及を図っている。又、
「地域再生」制度の認定を受け、同町芽登地区にあった廃校(旧
足寄西中学校)の体育館を生産工場として転用することにより、建設コストの削減を図り、
校舎についても展示施設、研究施設として活用し、資源リサイクルに関する情報発信拠点
とすることを目指している。
現在では、木質ペレットの有効活用による省エネ推進、地球温暖化防止の意義が関係諸
官庁に周知されることとなり、林野庁、北海道などの支援制度の活用や専門家のアドバイ
スも受け、事業は円滑に進展している。
《旧足寄西中学校体育館》
《ペレット工場内》
223
調査地 ⑩ とかちペレット協同組合工場
【対応者】とかちペレット協同組合 八重樫
明
工場長
● 施設の概要等
文部科学省の財産処分により足寄町では、芽登地区にあった旧足寄西中学校の廃校施設
を利用し「地域再生計画」制度の認定を受け、体育館を生産工場として転用することによ
り、建設コストの削減を図り、校舎についても展示施設、研究施設として活用している。
足寄町では豊富な森林資源を生かすとともに、地球温暖化対策、省エネ対策を推進する
ために、地場木材を活用した木質ペレット燃料の活用を計画。古くから国有林・民有林伐
採原木などの収集場所として利用されていた芽登地区にあった廃校施設(旧足寄西中学校)
を工場として利用することとなったが、中学校校舎を工場として活用するためには、補助
金で整備された公立学校の廃校校舎の転用が必要となり、地域再生計画の認定を受けるこ
とにより対応。
同校の体育館を一部改修し(床を取り土間にして使用。4~50cm 低くなる)
、おが粉
製造機やペレットミル(造粒機)などの製造プラントを設置、鉄筋コンクリート3階建て
の校舎は、旧職員室を製造管理事務所に、教室をペレット関連の展示室、ストーブの研究
開発室(一部製品保管室?)として利用、グランドは原材料の集材場所としている。
伐採時に発生する残材は曲材や端材など伐採量の10%~30%に上り、足寄町の年間
伐採量は約15万㎥
、その内1%の残材(1500㎥)で、年間約700㌧のペレットを製
造。
● 工 程
原木をおが粉にする
→ おが粉を一定の含水率までに乾燥
→ おが粉を熱と圧力でペレット状に成形
→ 円盤状の成形機が回転
→遠心力でペレットミル内部から出る
→ 出てきたペレットを冷ます
→ 計量器にて袋詰め
→ エコット袋(製品10㌔袋税込み525円)
(直径:6mm・材種:カラマツ)
(木質ペレットはおが粉やかんなくず等の製材廃材や林地残材などを粉砕圧縮した固形燃
料であり、木材の成分のリグニンを溶かして固めるので接合剤は使用しない)
224
● 一般家庭等の普及
一般の家庭で年間に使用するペレット使用量は約 1,500~2,000kg.で年間燃料費は約
80,000 円~120,000 円。
足寄町では地域再生の認定を受けたことにより、新庁舎に大型ペレットボイラーを導入
するなど公共施設でのペレット活用や住民のペレットストーブ購入に助成措置を設けた
(新庁舎暖房ボイラー(50万k㌍2台設置)への活用。年間300㌧のペレットを利用。
現在、子どもセンター(40万k㌍1台設置)でも活用。公共施設はストーブ9台導入)
足寄町では NEDO の補助事業を活用し多数の事業を展開しており、その結果「とかちペ
レット協同組合」を設立。ペレットストーブは足寄町で45台、十勝管内で約100台以
上が導入されており、管内で200台が導入されれば採算に見合うようである。
● 終わりに
研修に向かう前から、今回最後に訪問した「足寄町とかちペレット協同組合工場」につ
いては興味があった。新聞報道等で足寄町の新庁舎でペレットの暖房を取り入れていたの
は知ってはいたが、その燃料となる木質ペレットが廃校施設を利用した工場で生産されて
いることは知らなかった。
本町も16年度~18年度にかけ8校が廃校となっている。急速に少子化が進んだ結果
ではあるが残された建物の利用は大変のものがあると考えさせられる。
「とかちペレット協
同組合」は大幅な改修ではなく体育館の床等の改修だけでこれだけの工場が出来たことに
絶賛する。
現在、本町の学校施設の暖房は年数を経ており、また石油の高騰がいつまで続くかを考
えると頭を悩ませている。ペレットストーブは昔懐かしい石炭ストーブを思い起こした。
本町にも、ある程度の森林資源はあるように感じているが、公共施設の暖房を考えたとき、
ペレットストーブは燃焼灰もごくわずかで、肥料などに利用できる魅力がある。足寄町と
比べると森林資源は豊富ではないかもしれないが、
「地産地消」が出来ないものかと考える。
225
資料-8 豊浦町地域新エネルギービジョン策定委員会設置要綱と委員名簿
(設置)
第1条
豊浦町における地域新エネルギーの導入の基本指針となるビジョンを策定する
ため、豊浦町地域新エネルギービジョン策定委員会(以下「策定委員会」という。)を設
置する。
(所掌事務)
第2条
策定委員会は、ビジョン策定業務委託機関からの報告及び庁内からの意見、要望、
提案等に基づき、次に掲げる事項について協議、検討及び評価を行う。
(1)本町における新エネルギーの導入可能性
(2)新エネルギー導入に関する具体的方策
(3)その他ビジョン策定に関し必要な事項
(組織)
第3条
策定委員会の委員は、15名以内とし、次に掲げる者のうちから町長が委嘱する。
(1)学識経験者
(2)産業団体等の代表者
(3)住民の代表者
(4)教育関係者の代表者
(5)エネルギー供給関係者
(6)その他町長が必要と認める者
2 委員の任期は、委嘱又は任命の日から第2条の検討項目が終了したときまでとする。
(委員長)
第4条
策定委員会に委員長を置く。
2 委員長は、学識経験者のうちから町長が指名する。
3 委員長は、策定委員会を代表し、会務を総理する。
4 委員長に事故があるとき又は委員長が欠けたときは、あらかじめ委員長が指名した者
がその職務を代理する。
(会議)
第5条
策定委員会の会議は、委員長が必要に応じて招集する。
2 委員長は、会議の議長となる。
3 策定委員会は、必要があると認めるときは、委員以外の者の出席を求め、説明又は意
見を聴くことができる。
(庶務)
第6条
策定委員会の庶務は、企画調整課において処理する。
(その他)
第7条
この要綱に定めるもののほか、策定委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が
別に定める。
附 則
この要綱は、平成19年7月23日から施行する。
226
「豊浦町地域新エネルギービジョン策定委員会」委員名簿
分
野
学識経験者
学識経験者
学識経験者
学識経験者
学識経験者
委
員
産業団体等
所 属 団 体 等
氏
北海道東海大学
工学部情報システム学科 教授
北海道立花・野菜技術センター
野菜科 科長
北海道立林産試験場
利用部 物性利用科 科長
胆振農業改良普及センター
地域係長
胆振森づくりセンター
豊浦事務所 所長
豊浦町商工会
事務局長
とうや湖農業協同組合
豊浦支所長
いぶり噴火湾漁業協同組合
豊浦支所長
NPO豊浦観光ネットワーク
主任
胆振西部森林組合豊浦支所
業務係長
藤
た
田
やま
山
まえ
前
すず
鈴
とく
た
ひろ
あき
なか
しず
ゆき
田 裕 明
中 静 幸
だ
あつし
田
の
敦
とし
ゆき
野 利 幸
き
たかし
木
だ
隆
てる
お
徳
田 照 男
やま
ぐち
山
とおる
口
徹
は せ が わ
みき
お
おか
もと
たか
みつ
あい
かわ
ひで
ゆき
い
とう
ひで
はる
長谷川 幹 雄
岡
相
本 貴 光
川 栄 行
住民代表等
豊浦町自治会連合会長
伊
教育関係者
豊浦町校長会会長
安
部 正 則
べ
まさ
のり
にし
くら
ひで
とし
お
ばら
ゆう
き
あ
エ ネ ル ギ ー 北海道電力㈱室蘭支店
関係者
支店長付主幹
西
北海道経済産業局・資源エネルギー環
境部新エネルギー対策課
オブザーバー
ふじ
名
行政機関等
課長
小
藤 秀 春
倉 秀 寿
原 優 樹
胆振支庁産業振興部
商工労働観光課 課長
葛
か
さい
(独)新エネルギー・産業技術総合開
みぞ
うえ
発機構 エネルギー対策推進部
227
主査
溝
あつし
西
厚
けん
じ
上 健 二
資料-9 豊浦町地域内未利用エネルギー利活用検討委員会設置要綱と委員名簿
(設置)
第1条 豊浦町の新エネルギービジョン策定に関する業務に携わる組織として、豊浦町地
域内未利用エネルギー利活用検討委員会(以下「検討委員会」という。)を設置する。
(所掌事務)
第2条 検討委員会の所掌事務は、次のとおりとする。
(1)豊浦町地域新エネルギービジョン策定委員会に提出する議案の作成に関すること。
(2)豊浦町地域新エネルギービジョン策定に係る各種調査、検討に関すること。
(3)その他豊浦町地域新エネルギービジョン策定に必要な事項に関すること。
(組織)
第3条 検討委員会は、委員長、委員をもって組織する。
2 委員長は、企画調整課長をもって充てる。
3 委員は、別紙のとおり。
4 委員会は、豊浦町地域新エネルギービジョン策定委員会において審議が終了したとき
をもって解散する。
(会議)
第4条 検討委員会の会議は、委員長が必要に応じて招集し、委員長が議長となる。
(事務局)
第5条 検討委員会の事務局は、企画調整課において処理する。
(その他)
第6条 この要綱に定めるもののほか、検討委員会の運営に関し必要な事項は委員長が別
に定める。
附 則
この要綱は、平成19年7月23日から施行する。
228
豊浦町地域内未利用エネルギー利活用検討委員会委員名簿
所
職
名
庶務係
係
長
小 川 英
紀
財政係
主
査
井 上 政
信
町民係
係
長
竹 林 善
人
農林係
係
長
瀬 野 栄
一
水産商工係
係
長
藤 原 弘
樹
管理係
係
長
吉 田 朋
行
土木係
係
長
久々湊
忍
建築係
係
長
筑 波 昭
彦
水道下水道係
係
長
佐 藤
勉
まちなみ整備室
まちなみ整備係
主
査
秋 島 弘
子
税
税務係
係
長
川 上 栄
一
出納課
主
査
中 谷 栄
子
議会事務局
主
査
吉 田 京
子
学校教育係
係
長
川 端 康
子
社会教育係
係
長
細 木 輝
雄
スポーツ振興係
係
長
小 島 敏
則
河 合
旬
総
民
属
課
名
氏
名
務 課
生 課
産業振興課
建設課
務 課
生涯学習課
学校給食センター
国民健康保険病院
総務係
センター長
主
査
長谷部
晋
次
長
橋 田 正
二
係
長
半 澤
豊
課
長
山 田 秀
人
係
長
杉 谷 佳
昭
主
事
岩 崎 洋
子
係
長
阿 部
環
主
事
日 下
茂
総合保健福祉施設
保険福祉係
【 事務局 】
企画調整課
調整係
広報統計係
229
資料-10 新エネルギービジョン審議の経過
* 8月24日(金) 13:00~ 第一回庁内委員会
第一回策定委員会で審議する事項と提出資料について検討
{ビジョンの全体構成と検討スケジュール、アンケート調査票とアンケート実施、先進地調査の
実施(調査事例と調査日程等)第一章(案)
、第二章(案)}
* 8月28日(火) 13:30~ 第一回策定委員会
ビジョンの全体構成と検討スケジュール、VTR(地球温暖化と新エネルギー)視聴
第一章、第二章、アンケート調査票とアンケート実施を審議、道内先進地調査(事例、日程)
* 9月 2日(火)~4日(木) 先進地調査(美唄、砂川、滝川、富良野、鹿追、足寄)
訪問先;美唄市役所,JA美唄雪蔵工房、恵和会・ケアハウスハーモニー、クリーンプラザくる
くる、北海道電力滝川テクニカルセンター、富良野リサイクルセンター、富良野環境セ
ンター、鹿追町環境保全センター、足寄町役場、十勝ペレット協同組合
*10月19日(金) 15:30~ 第二回庁内委員会
第一回策定委員会等の指摘事項と対応策、道内先進地調査報告
第二回策定委員会で審議する事項と提出資料について検討
{第一章、第二章の補足、第三章の一部(案)、第四章(案)
、第五章の一部(案)
}
*10月24日(木) 13:00~ 第二回策定委員会
第一回策定委員会議事録の確認、第一回策定委員会等で指摘事項と対応状況
第一章の圧縮版、第二章の追加項目(土地利用状況、隣接自治体の気候、農林漁業の追加項目、
観光、町営バス運行状況、上下水道普及状況等)第三章の一部、第四章、第五章の一部を審議
*12月 5日(水) 10:00~ 第三回庁内委員会
第二回策定委員会等の指摘事項と対応策
第三回策定委員会で審議する事項と提出資料について検討
{第三章の一部(案)、第四章(案)、第五章の一部(案)、第六章(案)、第七章(案)
}
*12月11日(火) 13:00~ 第三回策定委員会
第二回策定委員会議事録の確認、第二回策定委員会等の指摘事項と対応状況
第三章(エネルギー需要量、二酸化炭素排出量の現状と将来推計、公共施設のエネルギー需要量
と二酸化炭素排出量)、第四章(アンケートクロス分析~第一次産業従事者の意識)、第五章(新
エネルギー賦存量、重点分野・重点テーマ等)第六章、第七章を審議
* 1月22日(火) 13:00~ 第四回庁内委員会
第三回策定委員会等の指摘事項と対応策
第八章の検討
報告書第一章~第八章、資料編の目次を一括検討、概要版のイメージ説明
* 1月25日(金) 13:00~ 第四回策定委員会
第三回策定委員会議事録を確認、第三回策定委員会等の指摘事項と対応状況
第八章の審議、報告書第一章~第八章の審議と確認、概要版のイメージ説明
230
資料-11 単位換算表
*カロリーとジュール
熱量などを表す単位には、一般的に用いられているカロリー(cal、calorie)のほか、国
際単位としてジュール(J joule)というものが用いられています。1calは、水1g
の温度を1℃上昇させるのに必要なエネルギー(熱量)量 1cal=4.186J
*単位の接頭語
扱う数値の単位が大きくなると、次のような接頭語が慣用的に使用されています
接頭語
略称
日本語
10 の○乗
備考
キロ
Kilo
K
千
3
Thunsand
メガ
Mega
M
百万
6
Million
ギガ
Giga
G
十億
9
テラ
Tera
T
兆
12
Trillion
ペタ
Peta
P
千兆
15
Quadrillion
Billion or milliard
(例)1MJ(メガジュール)=238.846kcal=0.2778kWh
*各種エネルギーの発熱量(最新時点の数値、年次により異なる) kcal
エネルギー
単位
平均発熱量
エネルギー
単位
平均発熱量
一般炭(国内
kg
5,375
原油
L
9,126
一般炭(輸入
kg
6,354
ガソリン
L
8,266
コークス
kg
7,191
灯油
L
8,767
錬
kg
5,709
軽油
L
9,126
天然ガス(国産
m3
9,771
A重油
L
9,341
LNG
kg
13,000
B重油
L
9,651
都市ガス
m3
9,818
C重油
L
9,962
LPG
kg
11,992
kWh
2,150
豆
炭
電
力
出典;日本エネルギー経済研究所計量分析ユニット編「エネルギー・経済統計要覧」07 年版
*「原油換算」の意味
一般家庭の場合、日常生活において電気(kwh)、灯油(L)とプロパンガス(kg、又
はm3)をエネルギーとして使用しておりますが、それぞれの単位が異なるのでエネルギ
ー全体の使用量を把握する場合、カロリー(ジュール)換算し積上げる必要があります。
例えば、月に電気 200kwh、灯油 150L、プロパン1kg 使用していると、全体の熱
量は、
(200kWh×2,150kcal/kWh+150L×8,767kcal/L+1kg×11,992kcal/kg=
1,757,042kcal)となります。
(ジュール換算では約 7,360MJ)これを原油の発熱量
で除すると 192.5L(ほぼドラム缶1本に相当)となりエネルギー消費量のイメージが
沸きやすい。このため「原油換算」では○○Lと使うことが多い。
なお、灯油の発熱量で割ると灯油換算値となり、例示ではほぼ 200Lとなります。
*エネルギー源別ニ酸化炭素排出係数
化石燃料を燃焼すると二酸化炭素が排出されますが、化石燃料の種類によってその数
値が異なります。第六章、第七章では、日本エネルギー経済研究所計量分析ユニット編
「エネルギー・経済統計要覧」06年版の「エネルギー源別炭素排出係数」を使用。
231
二酸化炭素排出係数 (kg-CO2/百万 kcal)
化石燃料の
種
別
二酸化炭素
原典は環境省
化石燃料の
排出係数
種
二酸化炭素
別
排出係数
一般炭(国内)
382.19
ガソリン
280.73
一般炭(輸入)
369.27
灯
油
284.11
原
油
286.41
軽
油
287.48
天然ガス
213.35
A
重油
290.09
LNG
206.75
C
重油
299.92
都市ガス
212.12
電
気
0.479kg-CO2/kW
h
(注)電気は北海道電力の 18 年度実績値(
「ほくでんサステナビリティーレポート 2007」
)による)
例えば、本道の一般家庭が年間に消費する灯油(1,963L)とガソリン(595L)によっ
て発生するCO2 は約6t-CO2 となりま。計算方法は次のようになります。
灯油発熱量(8,767kcal/L)×消費量(1,963L)×284.11kg-CO2/百万 kcal=
4,889kg
ガソリン(8,266kcal/L)×消費量(595L)×280.73kg-CO2/百万 kcal=
1,381kg
なお、排出係数には炭素換算値(t-C)と二酸化炭素換算値(t-CO2)があります。
その換算方法~炭素換算値を二酸化炭素換算値にする場合
炭素換算値×44/12 (各元素の質量はC;12 O;16→CO2 は 44)
灯油 1,963L 消費した場合の排出量(4,889kg-CO2)は炭素換算では 1,333kgC
計算方法;二酸化炭素換算値(4,889kg)×12/44
232
資料-12 灯油、ガソリンや電気の節約方法
~灯油消費量の削減に取組みましょう~
本道では、冬季間の暖房に灯油を利用されている家庭が多く、戸建住宅では年間2千リ
ットル程度の灯油を消費しており、これは全国平均の消費量の 2.9 倍になります。これが、
本道の民生部門における二酸化炭素排出量を押し上げる要因のひとつになっています。
特に、19 年秋から灯油価格が急騰し100円/リットル台にもなると、家計における灯
油代金の負担は大変大きなものとなります。消費を節約する方法には次のようなものがあ
りますので、これらに取組んで灯油代金の節約と二酸化炭素の排出量削減に取組みましょ
う。
(節約額は、経済産業局のパンフレットでは灯油80円/リットル,電気料金23円/kWh,ガソリン
135 円/リットルで算定していますが、ここでは価格の急騰を踏まえて灯油価格 100 円/リットル、
ガソリン価格 150 円/リットルで算定しています)
《暖房での節約》
○ 室温を下げる工夫をしましょう
着るもの(カーディガン、ひざかけ、靴下の着用)を工夫して体感温度をあげる
★家全体の室温を2℃下げると
年間の灯油節約量167リットル(節約額 16,700 円)
、CO2 削減量416kg
★寝室とホールを22℃から18℃に下げると
年間の灯油節約量96リットル(節約額 9,600 円)
、CO2 削減量239kg
○ 家から熱を逃がさない
厚手のカーテンをつけたり、断熱フィルムを貼って室内の熱を逃がさない
★全ての窓に厚手のカーテンをつけ、裾を床まで垂らした場合
年間の灯油節約量49リットル(節約額 4,900 円)
、CO2 削減量122kg
○ 暖房機器の使い方を工夫する
就寝時に暖房を止めたり、ストーブのフィルターのごみを取り除く
★就寝時の暖房を4時間停止する(結露を起こさない範囲でボイラーやストーブを停止
年間の灯油節約量65リットル(節約額 6,500 円)
、CO2 削減量162kg
○ 熱交換機システムを導入しましょう
換気は不可欠ですが、換気すると室内の暖かい空気が逃げてしまいます
★熱交換機システムを導入した場合
年間の灯油削減量206リットル(節約額 20,600 円)
、CO2 削減量513kg
○ 効率の良い暖房機器を取り付けましょう
エネルギー効率の良い暖房機器(トップランナー基準達成)を選択して使いましょう
★効率の良い暖房機器を選択した場合
年間の灯油削減量58リットル(節約額 5,800 円)
、CO2 削減量144kg
○ 太陽熱(日射)を利用する
南側の窓に複層ガラスを使用すると、外に逃げる熱より日射で得られる熱量が多くなり
ます。南向きの窓3m2 で一日当たり灯油 0.7 リットル相当の熱量が期待できます。
233
《給湯での節約》
○ お湯を無駄遣いしないようにしましょう
皿洗い、洗面、歯磨きの時にお湯を出し放しにしない
★1年間に使用するお湯の量を1割減らした場合
年間の灯油削減量41リットル(節約額 4,100 円)
、CO2 削減量102kg
○ シャワーの使用時間を減らしましょう
無理のない範囲でシャワーを浴びる時間を短縮したり、お湯を出し放しにしない
★シャワーの使用時間を1回につき2分短くした場合
年間の灯油削減量29リットル(節約額 2,900 円)
、CO2 削減量79kg
○ お湯の温度をできるだけ低くしましょう
給湯温度は用途に適した温度とし、必要以上に高くしない
★給湯温度を2℃下げた場合
年間の灯油削減量37リットル(節約額 3,700 円)
、CO2 削減量92kg
○ 入浴は間隔をあけずに入りましょう
家族の入浴間隔を短くするほど、お湯が冷めにくく、追炊きが少なくなります
★2時間放置により 4.5℃低下したお湯 200 リットルを追炊きしなかった場合
年間の灯油削減量48リットル(節約額 4,800 円)
、CO2 削減量120kg
○ お湯を使わない時はボイラーの電源をOFFにしましょう
ボイラーの電源をきると、待機時に消費される電力を節約することができます
★給湯ボイラーの電源を切った場合(従来方式のガス式ボイラーの場合)
年間の電気削減量648kWh(節約額 14,904 円)
、CO2 削減量310kg
○ 効率の良い石油給湯機器を使いましょう
高効率石油機器(エコフィール)は従来捨てていた高温(約 200℃)の排気を給水の
加熱に再利用するため、熱効率が高いのが特徴です
★高効率石油給湯機を選択した場合(従来の石油給湯機と比較して)
年間の灯油削減量109リットル(節約額 10,900 円)
、CO2 削減量271kg
○ 融雪機器を使われている場合は、次のような対応をすると消費量を削減できます
★ロードヒーティングは手動でこまめにON/OFF
★ロードヒーティングの自動運転時には余熱運転や遅延運転を組み合わせて利用
★多少雪を残したまま(全てを融かさない)にすると灯油を節約できます
★ヒーティングの路盤には熱が伝わりやすい材料を選択
★融雪機を上手に使いましょう(雪を集めた後に、融雪機を連続運転)
(以上は、北海道経済産業局「灯油節約のツボ」2007
234
から要旨を抜粋した)
~ガソリンの消費量の削減に取組みましょう~
北海道では、公共交通機関網の整備されていない、冬季に多量の降雪があることなどか
ら年間の1世帯当たりのガソリン消費量は、全国平均より83リットル多い595リット
ルに達します。ガソリン向けの支出額は年間7万円を超えています(総務省「家計調査」
による)
。灯油と同様に昨秋以降ガソリンや軽油価格が急騰し、運送業界はもとより一般家
庭(特に通勤に利用している場合)においても大きな負担を迫られています。以下のよう
な、運転等に取組んでガソリン代金の節約と二酸化炭素の削減に努めましょう。
○ ゆっくり発進、スムーズに加速しましょう
発進・加速が消費の約4割を占める、アクセルを深く踏み込むほど燃費が悪くなります
★急発進、急加速を控えスロー発進に心がけた場合
年間ガソリン削減量60リットル(節約額 9,000 円)
、CO2 削減量139kg
○ 走行時の抵抗を少なく、余分な荷物を載せない、速度の変化を少なくしましょう
タイヤの空気圧をチェック、アクセルとブレーキを多用するほど燃費が悪くなります
★タイヤの空気圧を適正に保った場合
年間ガソリン削減量20リットル(節約額 3,000 円)
、CO2 削減量46kg
○ アイドリングは短くしましょう
アイドリング時間は意外と長いもの、停止中の燃料消費が約2割を占めます
★一日10分のアイドリングをやめた場合
年間ガソリン削減量73リットル(節約額 10,950 円)
、CO2 削減量169kg
○ 燃費の良い車を選択しましょう、使いましょう
低公害車は燃費が良く環境にも優しい、新しい車ほど燃費が向上しています
★燃費の良い車に買い換えた場合(燃費が23%向上した)
年間ガソリン削減量111リットル(節約額 16,650 円)
、CO2 削減量258kg
○ 公共交通機関を利用しましょう
車は鉄道の5倍、バスは3倍以上の燃料を消費、ノーカーデーに協力しましょう
★車に乗るのをやめて公共交通機関を利用した場合(年間走行距離の1割を代替)
年間ガソリン削減量60リットル(節約額 9,000 円)
、CO2 削減量139kg
○ 車の利用を見直しましょう(自転車利用、徒歩、車の相乗り)
近くの買い物や通勤・通学はできるだけ徒歩や自転車で
★片道1km の買い物(週4回)を車から自転車または徒歩に切り替えた場合
年間ガソリン削減量28リットル(節約額 4,200 円)
、CO2 削減量65kg
(以上、北海道経済産業局「ガソリン節約のツボ」から要旨を抜粋)
235
~電気の使用量の節約に努めましょう
電気は、日常生活に不可欠な使い勝手の良いエネルギーです。その用途は家庭用機器の
動力源や照明のほか暖冷房、給湯などと幅広く、家庭で消費されるエネルギーの44%は
電気が担っております。
(エネルギー経済統計要覧 07 版「家庭部門世帯当たり用途別エネ
ルギー源別エネルギー消費量」2005 年度実績による)それだけに、家庭用機器を上手に
利用することによって、電気の使用量を抑制することができます。以下のような節電方法
を行って電気の使用量を減らしたいものです。
(節約額は22円/kWh、CO2 削減量は北海道電力の 2006 年度値 0.479kg-CO2/kWh により
算定)
○ 照明は省エネ型の電球型蛍光ランプを使用しましょう
★54W白熱球を12Wの電球型蛍光ランプの交換した場合
年間の電力量削減量84kWh(節約額 1,848 円)
、CO2 削減量40kg
○ 人のいない部屋の照明は、こまめに消灯に心がけましょう
★蛍光ランプ(12W)1灯を一日1時間消した場合
年間の電力削減量4kWh(節約額 88 円)
、CO2 削減量2kg
★白熱球(54W)1灯を一日1時間消した場合
年間の電力削減量20kWh(節約額 440 円)
、CO2 削減量10kg
○ テレビをつけっぱなしにしたまま、他の用事をしないようにしましょう
★28インチのテレビの使用時間を一日1時間減らした場合
年間の電力削減量41kWh(節約額 902 円)
、CO2 削減量20kg
○ 冷蔵庫にものを詰め込み過ぎないように整理整頓に気をつけましょう
(周囲温度22℃での標準詰め込み量とその半分の量との比較による)
年間の電力削減量44kWh(節約額 968 円)
、CO2 削減量21kg
○ 冷蔵庫は壁から間隔を空けて設置しましょう
(周囲温度22℃で、2方壁の場合と片側のみの場合の比較による)
年間の電力削減量45kWh(節約額 990 円)
、CO2 削減量22kg
○ 冷蔵庫の扉の開閉は少なく、開けている時間を短くしましょう
★開閉回数を少なく、開放時間短くした場合(設定温度は強で)
年間の電力削減量16kWh(節約額 352 円)
、CO2 削減量8kg
○ 電気ポットは長時間使わない時は、コンセントからプラグを抜きましょう
(使用~保温~沸騰を繰り返した場合と保温せず使用時に沸騰した場合との比較)
年間の電力削減量107kWh(節約額 2,354 円)
、CO2 削減量51kg
○ 洗濯する時は、まとめて洗うようにしましょう
(毎日2回洗濯する場合と、残りものをまとめて1日おきに2回選択した場合の比較)
年間の電力削減量6kWh(節約額 132 円)
、CO2 削減量3kg
この場合では、上水道の使用量に大きな差がでる(年間で17m3)
○ 温水洗浄便座の温度は控えめに、使用しない時はふたを閉めるようにしましょう
236
★便座の設定温度を「中」から「弱」にした場合
年間の電力削減量26kWh(節約額 572 円)
、CO2 削減量12kg
★使用しない時にふたを閉めた場合
年間の電力削減量34kWh(節約額 748 円)
、CO2 削減量16kg
(この場合の使用日数は、冬季 169 日、中間期 84 日として算定)
○ 電気製品は使用しない時はプラグをコンセントから抜きましょう
★使用しない時に、主電源スィチオフ及びプラグをコンセントから抜いた場合
年間の電力削減量150kWh(節約額 3,300 円)
、CO2 削減量72kg
年間の待機時消費電力量は 308kWh(17 年度
待機時消費電力調査報告書による)のうち、
削減可能な待機時消費電力量を算出したもの
○ 電気製品を買う時は省エネルギータイプのものを選びましょう
(各電化製品(6種類)の消費電力量最小のものと平均値を比較して)
年間の電力削減量243kWh(節約額 5,346 円)
、CO2 削減量116kg
この場合の電化製品の規模・容量等は次のとおり
テレビ(25型)
、VTR(S-VHS 以外)
、冷蔵庫(351~400L)、洗濯機(全自
動6kg)
、家庭用蛍光灯器具(6~8 畳用)
、温水洗浄便座(貯湯式)
(以上、(財)省エネルギーセンター「ライフスタイルチェック25」から関連部分を要約)
237
Fly UP