...

プロジェクトマネージャ 章別午前問題 第 1 章 解答・解説

by user

on
Category: Documents
25

views

Report

Comments

Transcript

プロジェクトマネージャ 章別午前問題 第 1 章 解答・解説
プロジェクトマネージャ
章別午前問題 第 1 章
解答・解説
©2015 Yasuyuki Miyoshi
1
PM- 章別午前問題 第 1 章 解答・解説
過去問題 :過去に,全く同じか,わずかな変更で出題されているもの。この場合,
何年度のどの問題なのかを示している。
■■プロジェクトマネージャ
①プロジェクトマネージャの成すべきこと
問 1:正解(イ)
H23-1
NEW
プロジェクトマネジメントに関する問題。選択肢を見ると,
(想像の域を超えな
いが)共通フレーム(→重要キーワード④)と,情報処理技術者試験の各試験区分
いが)共通フレーム(→第
8 章参照)と,情報処理技術者試験の各試験区分のシラ
のシラバスに関する問題だと思われる。
“適切なもの”をひとつ探す問題なので,
バスに関する問題だと思われる。
“適切なもの”をひとつ探す問題なので,選択肢
選択肢を順番に見ていく。
を順番に見ていく。
ア:ここでいう“企画プロセス”や“システム化計画書”は,おそらく共通フレ
ーム 2007 で定義されているものを指していると考えられる。PMBOK(第 4
版)には無いからだ。だとすれば,確かに“システム化計画書”は,この企
画プロセスで作成される。加えて,プロジェクトを運営するのはプロジェク
トマネージャが成すべき事項だ。この点は正しいが,プロジェクトの運営は,
システム計画書に従って実施されるわけではない。同じく企画プロセスで作
成される“プロジェクト計画書”に従って運営される。したがって誤りであ
る。但し,システム化計画とプロジェクト計画は 1 対 n,すなわちひとつの
システム化計画の中で複数のプロジェクトが実行されることが多いが,1 対
1 の場合もあり,その場合は「プロジェクト計画はシステム化計画に含めて
も構わない」とされているので,100%完全に誤っているというわけでもな
いことも,少しだけ念頭に置いておこう。ちなみに,ここで行うシステム化
計画は,IT ストラテジストが担当する。小さい規模だったり,詳細なシス
テム化計画だとシステムアーキテクトの場合もある。
イ:正しい。システム化計画書とプロジェクト(管理)計画書は,いずれも“企
©2011 Yasuyuki
Miyoshi
PM-H23 午前Ⅱ解答・解説
画プロセス”のアクティビティで作成される成果物になる。
2
ウ:ソフトウェア詳細設計は,開発プロセスのアクティビティになる。そして,
このアクティビティで,最新のシステム技術を使用した解決方法を担当する
のはシステムアーキテクトになる。誤り。
エ:
「プロジェクトのスコープや目的」を定義していくのは,プロジェクトマネ
ージャだが,ここで問われているのは,開発プロセスの“システム方式設計”
に入ってからのアクティビティなので,これもシステムアーキテクトの作業
になる。
“適宜明確にしていく”という表現からも,マネジメントの仕事で
はないことがわかるだろう。誤り。
問 2:正解(エ)
NEW
PMBOK
に登場する用語の意味を問う問題。個々のプロセス(第
44 の
©2015
Yasuyuki
Miyoshi
PM- 章別午前問題 第31 版では
章 解答・解説
2
プロセス,第 4 版では 42 のプロセス)が,9 つの知識エリア及び 5 つのプロセス
■■プロジェクトライフサイクル
②プロジェクトライフサイクルの特徴(1)
問 1:正解(イ)
H24-1
過去問題(平成 22 年・午前Ⅰ 問 18 など)
プロジェクトライフサイクルに関する問題。選択肢を順番に見ていく。
ア:ス テークホルダがプロジェクト完成時のコストに対して及ぼす影響度合い
は,プロジェクトの期間で変わるものではない。一概に,終盤が最も高いと
はいえない。したがって誤り。
イ:
「プロジェクト目標を達成できないリスク」は,プロジェクトの開始時であ
り不確実性の度合いが最も高い。したがって,この記述は正しい。
ウ:要員の必要人数が最大になるのは,通常は,プロジェクト中盤のプログラミ
ング工程になる。開始時,終盤はそれよりも少なく,山のような形になる。
したがって,
「開始時点」ではないので誤り。
エ:変更やエラー訂正のコストは,プロジェクトの初期段階が最も高いのではな
く,初期段階が最も低く,プロジェクトが進行するにつれ高くなっていく。
誤り。
■■2:正解(エ)
プロジェクトライフサイクル
問
NEW 平成 24 年度で初出題
③プロジェクトライフサイクルの特徴(2)
H25-3
PMBOK に登場する用語の意味を問う問題。ステークホルダ(→第 8 章重要キー
ワード③)について問われている。選択肢を順番に見ていこう。
問3:正解(イ)
プロジェクトライフサイクルに関する問題。プロジェクトライフサイクルとは,
ア:サプライヤは,プロジェクト外部から,プロジェクトに必要な構成部分やサ
プロジェクトの開始から組織編成と準備,作業実施,プロジェクト終結までの一連
ービスを契約に基づいて行う企業である。誤り。この選択肢の説明は,顧客
のフェーズの集合のことをいうが,選択肢を見ていくと,単に“プロジェクトの持
やユーザの説明である。
っている特徴”のことが問われているだけのようだ。それを前提に,選択肢を順番
イ:スポンサは,プロジェクトに対して資金や現物にて財政的資源を提供する人
に見ていこう。
やグループのこと。誤り。この選択肢の説明は,サプライヤの説明になる。
ウ:納入者とサプライヤは同じもの。したがって誤り。この選択肢の説明は,ス
ア:開発要員数は,開始直後の上流工程では少人数で進められ,プログラミン
ポンサの説明になる。
グ・単体テストをピークに増加していく。そこからは徐々に減少していくた
エ:これが正解。
め,
(横軸に日程,縦軸に要員数を示したグラフでは)ちょうど“山”のよ
うな形になるのが一般的である。したがって,逆の表記になるため不適切で
ある。誤り。
イ:ここでいう“実現する機能の不確実性”とは,プロジェクトに存在するリス
クのこと。リスクは,未確定要素の多いプロジェクトの立ち上げ段階では多
いが,プロジェクトが進むにつれて,それらが“確定”していくため減少し
©2015 Yasuyuki Miyoshi
3
ていく。適切である。これが正解。
PM- 章別午前問題 第 1 章 解答・解説
うな形になるのが一般的である。したがって,逆の表記になるため不適切で
ある。誤り。
イ:ここでいう“実現する機能の不確実性”とは,プロジェクトに存在するリス
クのこと。リスクは,未確定要素の多いプロジェクトの立ち上げ段階では多
いが,プロジェクトが進むにつれて,それらが“確定”していくため減少し
ていく。適切である。これが正解。
ウ:ここでいう“ステークホルダが(コストを変えずに)プロジェクトの成果物
に対して及ぼすことができる影響の度合い”とは,
“ステークホルダの主張
がどこまで通るか?”というように,シンプルに読み替えればいい。そう考
えれば,成果物をこれから作り上げていくプロジェクト開始直後が最も高
く,成果物が固まってしまっているプロジェクト完了直前には最も低くな
る。追加コストを投入すれば,多少は主張を受け入れることもできるが(影
響の度合いを高めることはできるが)
,問題文に書いている通りコストを変
えない前提なので,不適切である。誤り。
問 1:正解(ア)
エ:変更やエラーの修正については,一般的に,完了に近づくごとに成果物の完
SPA に関する問題。選択肢を順番に見ていく。
成比率が高くなることから,修正の影響度は大きくなっていく。不適切であ
る。誤り。
ア:これは SPA の説明。これが正解。
イ:共通フレーム(→第 8 章参照)に近いものの説明。誤り。
ウ:ISO9000 シリーズ(→試験に出る用語集)の説明。誤り。
■■エ:
プロジェクトライフサイクル
PMBOK(→第 8 章参照)の説明。誤り。
④プロジェクトライフサイクルの特徴(3)
H26-2
問 2:正解(ア)
プロジェクトライフサイクルに関する問題。プロジェクトライフサイクルとは,
プロジェクトの開始から組織編成と準備,作業実施,プロジェクト終結までの一連
のフェーズの集合のことをいう。選択肢を順番に見ていこう。
©2013 Yasuyuki Miyoshi
PM-H25 午前Ⅱ解答・解説
3
ア:ステークホルダの影響力は,時間の経過とともに低下していく。これは,
“ス
テークホルダの主張がどこまで通るか?”というように,シンプルに読み替
えればいい。そう考えれば,成果物をこれから作り上げていくプロジェクト
開始直後が最も高く(要件定義の頃には様々な要求を出してくるなど)
,成
果物が固まってしまっているプロジェクト完了直前には最も低くなる(確認
するだけ)。一方,要件変更への対応コストは,プロジェクトが進むにつれ
上昇する。一般的に手戻りは後半になればなるほど大きくなる。外部設計フ
ェーズでの変更なら要件定義書や外部設計書だけの変更で済むが,システム
テストフェーズでの変更だとプログラムの修正や再テストも必要になる。
イ:要員数は,開始直後の上流工程では少人数で進められ,プログラミング・単
体テストをピークに増加していく。そこからは徐々に減少していくため,
(横
©2015 Yasuyuki Miyoshi
4
PM- 章別午前問題 第 1 章 解答・解説
軸に日程,縦軸に要員数を示したグラフでは)ちょうど“山”のような形に
ェーズでの変更なら要件定義書や外部設計書だけの変更で済むが,システム
テストフェーズでの変更だとプログラムの修正や再テストも必要になる。
イ:要員数は,開始直後の上流工程では少人数で進められ,プログラミング・単
体テストをピークに増加していく。そこからは徐々に減少していくため,
(横
軸に日程,縦軸に要員数を示したグラフでは)ちょうど“山”のような形に
なるのが一般的である。また,リスクはプロジェクトが進むにつれ減少する。
プロジェクトに存在するリスクは,プロジェクトの立ち上げ段階では多い
が,プロジェクトが進むにつれて(時間の経過とともに),それらは“確定”
していくからだ。いずれも誤り。
ウ:要件変更への対応コストはプロジェクトが進むにつれ上昇する。プロジェク
ト要員数のグラフは,プログラミング・単体テスト工程を頂点にした“山”
のようになる。いずれも誤り。
エ:リスクはプロジェクトが進むにつれ減少する。ステークホルダの影響力は,
時間の経過とともに低下していく。いずれも誤り。
©2014 Yasuyuki Miyoshi
PM-H26 午前Ⅱ解答・解説
2
■■プロジェクト憲章
⑤プロジェクト憲章の目的
H22-1
問 1:正解(エ)
PMBOK(→重要キーワード①)に関する問題。プロジェクト憲章(→第
1 章参
PMBOK(→第 8 章参照)に関する問題。プロジェクト憲章(→第 8 章参照)に
照)について問われている。プロジェクト憲章を発行する最大の目的は,当該プロ
ついて問われている。プロジェクト憲章を発行する最大の目的は,当該プロジェク
ジェクトを公式に認可させることである。これは
PMBOK
に明記されているので,
トを公式に認可させることである。これは PMBOK
に明記されているので,他の
他の選択肢に関わらず(エ)が正解になる。
選択肢に関わらず(エ)が正解になる。
ア:現場では,プロジェクト憲章の中に”プロジェクト方針”を含めて,キック
オフの時にそれをメンバに伝えていることがあるかもしれない。しかし,
PMBOK の定義ではそうなっていない。プロジェクト憲章は,プロジェクト
方針を伝えることを目的に作成されるわけではないし,その記述を含んでい
るとも明確には書かれていない。したがって誤り。
イ:スポンサはすでに決定している。誤り。
ウ:プロジェクト憲章作成時には,まだプロジェクトマネジメント計画書は作成
されていない。誤り。
問 2:正解(エ)
見積り技法のひとつ COCOMO(→重要キーワード⑨)に関する問題。ただし,
この問題は COCOMO の知識がなくても,数学の基礎知識さえあれば解ける。
PM- 章別午前問題 第 1 章 解答・解説
5
開発規模を 10k,20k,30k の 3 パターンを使って比較してみる。
©2015 Yasuyuki Miyoshi
■■プロジェクト憲章
⑥プロジェクト憲章の知識エリア・プロセス群
H26-3, H23-2
問 3:正解(エ)
PMBOK に登場する用語の意味を問う問題。個々のプロセスが,9 つの知識エリ
ア及び 5 つのプロセス群(第 4 版)のどこに位置づけられるかを知っているかどう
かが試されている。ここで問われているプロセスは,プロジェクト憲章(→第 1 章
参照)。9 つの知識エリアは「統合マネジメント」
,5 つのプロセス群は「立上げプ
ロセス群」なので,正解は(エ)になる。
問 4:正解(イ)
■■プロジェクトライフサイクル
PMBOK の用語,
“組織のプロセス資産”に関する問題。組織のプロセス資産と
⑦プロジェクト憲章
H25-4
は,過去のプロジェクトのデータや,それを分析して,プロジェクト計画作成時に
活用するなど資産化したもので,問題文にもあるように“プロセスと手順”と“企
問4:正解(エ)
業の知識ベース”の二つに大別される(次表参照)
。ざっくり言うと,前者は“標
プロジェクト憲章(→第1章参照)に関する問題。選択肢を順番に見ていく。
準化されたドキュメント”で,後者は“収集されたデータ”になる。次表のように
細かく記憶していない場合は,選択肢を“標準化されたドキュメント”か,
“収集
ア:プロジェクトマネジメント計画書の説明。誤り。
されたデータ”かで考えていけばいいだろう。
“標準化されたドキュメント”は(イ)
イ:プロジェクトスコープ記述書の説明。誤り。
だけ。残りの選択肢は全て“プロセスと手順”の資産になる。
ウ:WBS(Work Breakdown Structure)の説明。誤り。
エ:プロジェクトを認知,承認する目的を持つのがプロジェクト憲章。正解。
組織のプロセス資産
対象物の例
1.プロセスと手順
・組織の標準プロセス
・標準化されたガイドライン,作業指示書,提案評価基準,
問5:正解(ウ)
パフォーマンス測定基準
・テンプレート
WBS(→第8章参照)に関する問題。ワークパッケージについて問われている。
・ガイドラインや基準
選択肢を順番に見ていこう。
・組織のコミュニケーション要求事項
・プロジェクト終結のガイドラインまたは要求事項
・財務管理手順
ア:OBS(Organization
Breakdown Structure)とは,WBS 上のワークパッケ
・課題と欠陥のマネジメントの手順
ージにリソースを配置したもののことである。誤り。
・変更管理手順
イ:ワークパッケージは,WBS
で分解された最下位レベルにある要素成果物の
・リスク・コントロールの手順
・作業認可のための優先順位決定,承認,認可書発行等の手順
ことをいう。関連のある要素成果物をまとめたものは,さらに分解可能なの
2.企業の知識ベース
・プロセス測定データベース
でワークパッケージではない。誤り。
・プロジェクト・ファイル
ウ:ワークパッケージを,スケジュール管理しやすい単位にさらに細分化したも
・過去の情報と教訓の知識ベース
のをアクティビティという。したがって,これが正解。
・課題と欠陥のマネジメントに関するデータベース
・コンフィギュレーション・マネジメントに関する知識ベース
エ:WBS では,上位から下位に向けて分解していくことになるので,原則,上
・財務データベース
位と下位の関係は1対多になる。誤り。
©2015
Yasuyuki
Miyoshi4 版 P.33 より一部引用
※ PMBOK
ガイド第
6
PM- 章別午前問題 第 1 章 解答・解説
ージャだが,ここで問われているのは,開発プロセスの“システム方式設計”
ファ)というもので,クリティカルパスではないプロセスが,クリティカルパスに
に入ってからのアクティビティなので,これもシステムアーキテクトの作業
合流する部分に持たせるバッファを意味する。また,クリティカルチェーンの最後
になる。
“適宜明確にしていく”という表現からも,マネジメントの仕事で
に置かれるバッファをプロジェクトバッファという。
したがって,エが正解になる。
■■プロジェクトの技法
はないことがわかるだろう。誤り。
⑧差異分析
H26-10
問 10:正解(ウ)
問 2:正解(エ)
NEW
プロジェクトマネジメントの実績報告のプロセスにおいて,スコープ,コスト,
PMBOK に登場する用語の意味を問う問題。個々のプロセス(第 3 版では 44 の
スケジュールに関して,ベースラインと実績の乖離を明確にするために使用される
プロセス,第 4 版では 42 のプロセス)が,9 つの知識エリア及び 5 つのプロセス
技法は,差異分析(→試験に出る用語集)になる。したがってウが正解。
群のどこに位置づけられるかを知っているかどうかが試されている。
ここで問われているプロセスは,プロジェクト憲章(→第 1 章参照)
。9 つの知
ア:what-if シナリオ分析(→試験に出る用語集)
識エリアは「統合マネジメント」
,5 つのプロセス群は「立上げプロセス群」なので,
イ:傾向分析(→試験に出る用語集)
正解は(エ)になるが,この手の問題が出題されるとなると,やはり,個々のプロ
ウ:正解
セスの位置関係(縦軸に 9 つの知識エリアをとり,横軸に 5 つのプロセス群をとる
エ:モンテカルロ法(→試験に出る用語集)
マトリクス表のどこに配置される場所の関係)を覚えておく必要がある。
もちろん,あのマトリクス表が頭に入っているということは,プロジェクトの全
体像が頭に入っているということなので,実務にも大いに役立つはず。しっかりと
アウトプットできるようにしておきたい。
■■
プロジェクトスコープ
⑨プロジェクトスコープの拡張や縮小
H23-3
問 3:正解(ウ)
NEW
PMBOK に登場する用語の意味を問う問題。個々のプロセス(第 3 版では 44 の
プロセス,第 4 版では 42 のプロセス)における,インプット及びアウトプットが
問われている。
©2014 Yasuyuki Miyoshi
7
PM-H26 午前Ⅱ解答・解説
この問題であれば,そこまで(個々のプロセスにおけるインプット及びアウトプ
ットまで)確実に暗記していなくても,様々なプロジェクトマネジメントにおける
普遍的な常識から正解は得られると思われるが,おそらく今後は,選択肢の意味を
含めて,ある程度プロセス間の情報遷移も覚えておかないといけないだろう。
プロジェクト統合マネジメントにおいて,プロジェクトスコープの拡張や縮小に
関連するのは,統合変更管理プロセスになる。このプロセスで承認を得た変更要求
©2011 Yasuyuki Miyoshi
PM-H23 午前Ⅱ解答・解説
に基づいて,スコープの拡張や縮小は実施されなければならない。したがって正解
3
は(ウ)になる。他の選択肢の“欠陥修正”
,
“是正措置”
,
“予防処置”は,いずれ
も“変更要求”の中のひとつである。
問 4:正解(エ)
過去問題(平成 15 年・PM 午前 問 23 など)
アローダイアグラム(→重要キーワード⑥)に関する問題。各作業をそれぞれ最
も早く開始することを前提に,アローダイアグラムをもとにグラフを作成すればす
ぐに解ける。
©2015 Yasuyuki Miyoshi
7
PM- 章別午前問題 第 1 章 解答・解説
最初の 20 日間は 5 人で,21 日目から 40 日目まで 9 人になる。ここで選択肢(ア)
■■プロジェクトスコープ
⑩プロジェクトスコープ記述書
H25-6, H22-3
問6:正解(ウ)
問
3:正解(ウ)
PMBOK(→第 8 章参照)に関する問題。プロジェクト・スコープ記述書(→第
章参照)に関する問題。プロジェクトスコープ記述書(→第 1
1章参照)について問われている。スコープとは“範囲”のこと。プロジェクトスコ
章参照)について問われている。スコープとは“範囲”のこと。プロジェクトス
コープ記述書には,要素成果物(プロダクトスコープ)と,要素成果物を生成する
ープ記述書には,要素成果物(プロダクトスコープ)と,要素成果物を生成するた
ために必要な作業(プロジェクトスコープ)を記述する。したがって選択肢(ウ)
めに必要な作業(プロジェクトスコープ)を記述する。したがって選択肢(ウ)が
が正解になる。
正解になる。
ア:WBS やスコープベースラインは,プロジェクトスコープが確定してから後
の作業になる。したがって誤り。
イ:必ずしもそうではなく,ステークホルダが「当然,プロジェクトには含まれ
ているはず。」とみなす恐れがある場合など,必要に応じてプロジェクトで
除外されるスコープを記述しておく。したがって誤り。
ウ:正しい
エ:プロジェクトの前提条件のうち,プロジェクトスコープ記述書を作成する段
階で明確になっているものは確かに記述するが,それはプロジェクトの予算
見積もりやスケジュール策定のインプット情報になる。したがって誤り。
問 4:正解(ウ)
グラフに関する問題。ガントチャート(→用語集)について問われている。ガン
トチャートの特徴は,①進捗管理(作業計画に対する実績を把握する)に用いられ
る点,②作業の相互関係の把握ができない点(そのため ADM や PDM で補完され
る)などである。したがって正解は(ウ)になる。
ア:ガントチャートでは,通常,プロジェクト全体の費用の管理には利用されな
い。この選択肢の説明は EVM(→重要キーワード⑧)の説明である。誤り。
イ:この記述は,ADM,PDM(→重要キーワード⑥)
,PART 図(→重要キーワ
ード⑦)などの説明になる。誤り。
エ:進捗管理上のマイルストーンを把握するために適した進捗管理票は,ガント
チャートに似ているが,特にマイルストーンチャートという。したがって誤り。
問 5:正解(エ)
クリティカルチェーン法に関する問題。クリティカルチェーンとは,簡単にいう
©2015 Yasuyuki Miyoshi
PM- 章別午前問題 第 1 章 解答・解説
8
と,
(作業の依存関係だけに着目していた)クリティカルパスに,
“資源の競合”を
ウ:納入者とサプライヤは同じもの。したがって誤り。この選択肢の説明は,ス
ポンサの説明になる。
これが正解。
■■エ:
プロジェクトスコープ
⑪ローリングウェーブ計画法
H26-6
問 6:正解(ウ)
WBS(→第 8 章参照)に関する問題。WBS 作成プロセスにおけるローリングウ
ェーブ計画法について問われている。ローリングウェーブ計画法とは,プロジェク
ト計画書を段階的に詳細化していく手法のことで,短期的に完了しなければならな
い作業は,WBS の下位レベルに至るまで詳細に計画するが,遠い将来実施される
作業については,上位レベルの WBS にとどめておく(詳細が明確になってから要
素分解して詳細な WBS を作成する)計画立案方法になる。したがって,正解はウ
になる。ちなみに選択肢はすべて,
“WBS 作成”プロセスの用語である。
ア:WBS 辞書の説明。誤り。
イ:WBS テンプレートの説明。誤り。
ウ:正解。
エ:要素分解の説明。誤り。
©2014 Yasuyuki Miyoshi
4
PM-H26 午前Ⅱ解答・解説
©2015 Yasuyuki Miyoshi
9
PM- 章別午前問題 第 1 章 解答・解説
イ:リスクマネジメント全体の話となると,これが最も近い。正解。
ウ:緊急時対策やコンティンジェンシープランの説明。誤り。
エ:これはリスクマネジメントの一部。リスク処理のための情報収集なので誤り。
■■変更管理
⑫変更管理の管理策
H20-35
35:正解(ア)
問 35:正解ア
変更管理に関する問題。
「テストが不十分にならないか」
,
「要件に合っていない
プログラムが適用されないか」という観点で,選択肢を順番に見ていく。
ア:特に問題はなく,
「要件に合っていないプログラムが適用されない」ように
するには,利用部門によるテストも必須。したがってこれが正解。
イ:開発者だけでテストをした場合,
「要件に合っていないプログラムが適用さ
れる」ことを防ぐのは難しい。また,中身を知っている開発者だけではテス
ト内容が偏ってしまうこともある。通常は,開発者以外のテスターやチーム
リーダ,クロスチェックを行う別担当者などが行ったほうが「テストが不十
分にならず」品質は向上する。それに選択肢(ア)の解説同様,利用部門に
よるテストも必須。したがって誤り。
ウ:
本番環境と分離したテスト環境を用意できればそれは望ましいことだが,必
©2009
Yasuyuki
Miyoshi
PM-H20 午前解答・解説
14
須ではない。また,テスト環境を用意するにしても,最終的には本番環境で
のテストも必要なので分離しているよりもネットワークで接続されていた方
が良い。よって誤り。
エ:キャパシティ管理は変更管理とは無関係。あるいは,本番環境を用いてテス
トする場合のことを考えると,リソースに余裕を持たせておかなければなら
ないので,それを加味した上でリソース調整を行う必要がある。いずれにせ
よ誤り。
問 36:正解ウ
コンティンジェンシープラン * は,一言で言うと,緊急時対応計画のこと。この
留意点が選択肢のどれになるかを順番に見ていけばいい。
ア:コンティンジェンシープランは,リスク回避等の予防的対応策ではなく,発
生してしまうと不可避の緊急時における事後対策に関する計画のこと。誤り。
イ:抑制・防止対策が適切に取られていることとは別に作成するものである。誤り。
ウ:正しい。
エ:原因はどうあれ,システム停止が発生した場合にどう対応するのかを計画す
るのがコンティンジェンシープランである。したがって誤り。
©2015 Yasuyuki Miyoshi
問 37:正解ア
10
PM- 章別午前問題 第 1 章 解答・解説
イ:プロジェクトスコープ記述書の説明。誤り。
ウ:WBS(Work Breakdown Structure)の説明。誤り。
■■エ:プロジェクトを認知,承認する目的を持つのがプロジェクト憲章。正解。
WBS
⑬ワークパッケージ
H25-5
問5:正解(ウ)
WBS(→第8章参照)に関する問題。ワークパッケージについて問われている。
選択肢を順番に見ていこう。
ア:OBS(Organization Breakdown Structure)とは,WBS 上のワークパッケ
ージにリソースを配置したもののことである。誤り。
イ:ワークパッケージは,WBS で分解された最下位レベルにある要素成果物の
ことをいう。関連のある要素成果物をまとめたものは,さらに分解可能なの
でワークパッケージではない。誤り。
ウ:ワークパッケージを,スケジュール管理しやすい単位にさらに細分化したも
のをアクティビティという。したがって,これが正解。
エ:WBS では,上位から下位に向けて分解していくことになるので,原則,上
位と下位の関係は1対多になる。誤り。
©2013 Yasuyuki Miyoshi
4
©2015 Yasuyuki Miyoshi
11
PM-H25 午前Ⅱ解答・解説
PM- 章別午前問題 第 1 章 解答・解説
かが試されている。ここで問われているプロセスは,プロジェクト憲章(→第 1 章
参照)。9 つの知識エリアは「統合マネジメント」
,5 つのプロセス群は「立上げプ
■■
組織のプロセス資産
ロセス群」なので,正解は(エ)になる。
⑭企業の知識ベース
H26-4
問 4:正解(イ)
PMBOK の用語,
“組織のプロセス資産”に関する問題。組織のプロセス資産と
は,過去のプロジェクトのデータや,それを分析して,プロジェクト計画作成時に
活用するなど資産化したもので,問題文にもあるように“プロセスと手順”と“企
業の知識ベース”の二つに大別される(次表参照)
。ざっくり言うと,前者は“標
準化されたドキュメント”で,後者は“収集されたデータ”になる。次表のように
細かく記憶していない場合は,選択肢を“標準化されたドキュメント”か,
“収集
されたデータ”かで考えていけばいいだろう。
“標準化されたドキュメント”は(イ)
だけ。残りの選択肢は全て“プロセスと手順”の資産になる。
組織のプロセス資産
対象物の例
1.プロセスと手順
・組織の標準プロセス
・標準化されたガイドライン,作業指示書,提案評価基準,
パフォーマンス測定基準
・テンプレート
・ガイドラインや基準
・組織のコミュニケーション要求事項
・プロジェクト終結のガイドラインまたは要求事項
・財務管理手順
・課題と欠陥のマネジメントの手順
・変更管理手順
・リスク・コントロールの手順
・作業認可のための優先順位決定,承認,認可書発行等の手順
2.企業の知識ベース ・プロセス測定データベース
・プロジェクト・ファイル
・過去の情報と教訓の知識ベース
・課題と欠陥のマネジメントに関するデータベース
・コンフィギュレーション・マネジメントに関する知識ベース
・財務データベース
※ PMBOK ガイド第 4 版 P.33 より一部引用
©2014 Yasuyuki Miyoshi
3
PM-H26 午前Ⅱ解答・解説
©2015 Yasuyuki Miyoshi
12
PM- 章別午前問題 第 1 章 解答・解説
■■組織のプロセス資産
⑮課題と欠落のマネジメントの手順
H27-3
問 3:正解(ア)
PMBOK の用語,
“組織のプロセス資産”に関する問題。組織のプロセス資産と
は,簡単に言えば「過去のプロジェクトで培われたノウハウを資産化したもの」で,
“プロセスと手順”と“企業の知識ベース”の二つに大別されていて(下表参照),
ほとんどの計画プロセスのインプットになっている。
組織のプロセス資産
対象物の例
1.プロセスと手順
立上げと計画
・ガイドラインと基準
・各種方針と標準化された手順
・各種テンプレート
実行と監視・コントロール
・変更管理手順
・財務管理手順
・課題と欠陥のマネジメントの手順
・組織のコミュニケーション要求事項
・作業認可のための優先順位設定,承認,認可書発行の手順
・リスクコントロール手順
・標準化されたガイドライン,作業指示書,提案書の評価基準,
パフォーマンスの測定基準
終結
・プロジェクト終結に関するガイドラインまたは要求事項
2.企業の知識ベース ・コンフィギュレーション・マネジメントに関する知識ベース
・財務データベース
・過去の情報と教訓の知識ベース
・課題と欠陥のマネジメントに関するデータベース
・プロセス測定データベース
・過去のプロジェクトのプロジェクト・ファイル
※ PMBOK ガイド第 5 版 P.27-28 より一部引用
上記の表より,選択肢(ア)が正解になる。ちなみに他の選択肢は全て,組織体
の環境要因に分類される。参考までに,組織体の環境要因についても表を作成して
おく。
©2015 Yasuyuki Miyoshi
13
PM- 章別午前問題 第 1 章 解答・解説
組織体の環境要因
組織体の環境要因に含まれるもの
組織体の環境要因
・組織の文化,体制,ガバナンス
・施設や資源の地理的な分布
・国家標準または業界標準
・インフラストラクチャー
・既存の人的資源
・人事管理
・企業の作業認可システム
・市場の状況
・ステークホルダーのリスク許容度
・政治情勢
・組織体で確立しているコミュニケーション・チャネル
・商業データベース
・プロジェクトマネジメント情報システム
※ PMBOK ガイド第 5 版 P.29 より一部引用
©2015 Yasuyuki Miyoshi
5
14
PM-H27第
午前Ⅱ解答・解説
PM- 章別午前問題
1 章 解答・解説
Fly UP