...

平和への思い(PDF)

by user

on
Category: Documents
15

views

Report

Comments

Transcript

平和への思い(PDF)
平和と憲法9条への熱い思いを語ろう!
子ども文庫に関わってきた仲間からの発信です
ただひたすら平和を願っている私たちの思いを
縦にも横にも、広く深くつないでアピールしてゆくことが出来れば何よりのことと思います。
『世界がもし100人の村だったら』
池田香代子再話(マガジンハウス)より
まえがき 「未来に生きる子どもたちのために」
いま、日 本 を、世 界 を生 きる私 たちの前 には、大 きな暗 雲 がたれこめています。それは、
ずばり戦 争 の危 険 性 です。このまま進 めば、未 来 に生 きる子 どもたちを再 び戦 火 の中 に
さらすのではないか・・・いたいけな子 どもたちを、戦 争 という狂 気 の世 界 に放って、私 たち
大 人 世 代は交 代していっていいのか・・・
私 たちは、子 どもの健 やかな成 長 を願 い、読 書 の喜 びを知 って欲 しいと願 って、長 年 に
わたり、家 庭 や地 域 、学 校 などで子 どもと本 を結 ぶ、その他 様 々な文 化 に係 わる活 動 を
続 けてきました。そして、子 どもたちに、生 命 を大 切 にし、他 者 への優 しさや思 いやる心 、
豊かで深 い知 識や想 像 力、生きる力 につながる思 考 力 や創 造 力を育てて欲しいと願 って
きました。
しかし、残 念 なことに、いま日 本 の子 どもたちは、ショッキングな殺 傷 事 件 、虐 待 問 題 等 、
受 難 の時 代 を生 きています。また、世 界 のあちこちで、戦 争 や紛 争 の最 中 に殺 され、傷
つき飢えている子 どもたちがいます。
かつて60年 前 の戦 争 を大 人 たちはくい止 めることが出 来 ませんでした。イラク戦 争 も
世 界 中 の多 くの人 が反 対 したのに、止 めることが出 来 ませんでした。もうこのような過 ちを
くり返 すことがあってはならないと強 く思 います。今 そのために何 かしなくては悔 いを残 す
だろう。そんなやむにやまれぬ思 いから、出 来 ることはないか考 え続 けて来 ました。昨 秋
から有 志 で語 り合 い、それが下 記 のような取 り組 みとなり、9月 までに集 まったメッセージ
をこのような冊 子としてまとめました。
平和と憲法9条への熱い思いを語ろう!
― 小さな声を集めて一つの力に ―
私 たち、子 どもや子 ども文 庫 、子 どもの文 化 に関 わってきた
者 として、軍 事 力 で世 界 を動 かし、生 命 の尊 厳 を傷 つけ、地 球 を
破 壊 するような今 日 の世 界 の戦 闘 状 況 に、深 く胸 を痛 めない日
はありません。
平 和 を守 る最 後 の砦 である「憲 法 9条 」の見 直 しが迫 っていま
す。イラクの戦 争 は、日 を追 う毎 に凄 惨 な状 況 を極 め、政 府 は莫
大 な復 興 支 援 と、自 衛 隊 の派 遣 を決 行 し、もはや私 たち日 本 人
として傍観する事は出来ません。
世界で初 めて原爆の被害を受けた国として、再び戦争をする国
にしないように平 和 憲 法 を守 ることは、今 、世 界 中 の人 達 が期 待
していると思います。
生 命 、地 球 、大 地 を守 るため、私 たちもささやかながら地 球 の
片 隅から声 をあげ、人 類の破 滅に繋がる全ての戦争に抗 議の声
をあげましょう。
平和と憲法9条に対するあなたの思いをお寄せ下さい。
2004年3月
2
子どもたちが、
戦 火の空を見ず、
灰 色の悲しみを知らず、
凍りつく恐 怖 にさらされることなく育つように、
人 間としての誇りを失うことなく生きていけるように、
この国の憲 法はある。
そしてそれらは、
どの国の人 にとってもあたりまえのことであるはずだ。(Rey 50 代 女 性)
嬰 児(みどりご)を抱けば戦のない世 界 ひたすら祈る命 愛(いとお)し
アメリカも日 本もイラクも 新しき生命 (いのち)の重みは変わらぬものを(瀬 川 女 性)
春に咲き誇 る桜の花のように
憲 法 9 条は、この国に生 まれ育った私の誇りです。
私は誰にも殺されたくないし、誰も殺 したくはないのです。
私に繋がるすべての人 も誰かに殺 されたくないし、誰をも殺 めて欲しくないのです。
私の誇りを、願いを踏みにじろうとする、憲 法 改 悪に断固 反 対します。(中 川 40 代)
自 衛 隊 、イラク派 遣 についてのニュースがテレビで流 れた直 後 、わたしの中 学 では、社
会 の授 業 の中 でこのことについてみんなと話 し合 いました。まず、自 衛 隊 派 遣 について賛
成 か反 対 かにわかれ、なぜその意 見 を選んだか討 論 をしました。反 対 の人 が多 数 を占め
ましたが、賛 成の人も4∼5人 いました。この事に関しては、みんなそれぞれの家 庭で話し
合った人も多くて、そのことに付いて話した人も多かったです。
賛 成の人 は、“他の国のひとを助 けるためなら仕 方ない、行くべきだ” と、言っていまし
たが、私 は“賛 成 ”の人 たちの気 持 ちが分 かりません。毎 日 、テレビで報 道 されるニュース
の中 では、イラク戦 争 で家 族 を失 った人 々が泣 き叫 んでいました。それも、ほんの一 部 で、
考えられないくらい多くの人が今も飢えや病 気 で苦しんでいるのです。
また、テロも毎 日 のように起 こっています。そこに、イラクの社 会 の建 て直 しだからと言
って、自 衛 隊 を派 遣 する意 味 がどこにあるのでしょうか。彼 らは、他 の国 の軍 隊 なんかよ
りも、食 料 や医 療 など、生 活 のための救 援 物 資 を望 んでいると思 います。もし、私 たちが
飢 餓 で苦 しみ、重 い病 気 で死 にそうになっているときに、自 衛 隊 が本 当 に必 要 なのでしょ
うか。
今 回 の自 衛 隊 イラク派 遣 については、怒 りを感 じています。政 府 は、アメリカの圧 力 に
押され、平 和 憲 法をも無 視して自 衛 隊 派 遣に踏み切ったのです。こうした行 動を止めさせ
るためには一 人 一 人が平 和を守るための意 見 を多くハッすることが大 切 だと思います。
私は自 衛 隊 イラク派 遣に絶 対 反 対です。(Chisato 中3)
3
一 票に願 いをこめて
確 かに与 えられた憲 法 ですが、与 えた側 の意 図 はともあれ、私 たちには世 界 に比 類 の
ないこの憲 法を誇りに思ってきました。
「日 本 国 民 は恒 久 の平 和 を念 願 し、人 間 相 互 の関 係 を支 配 する崇 高 な理 想 を深 く自
覚 するものであって、平 和 を愛 する諸 国 民 の構 成 と信 義 に信 頼 して、我 らの安 全 と生 存
を保 持 しようと決 意 した。(中 略 )日 本 国 民 は、国 家 の名 誉 にかけて全 力 をあげてこの崇
高 な理 想 と目 的 を達 成 することを誓 う。」と前 文 に謳 い、九 条 に「国 権 の発 動 たる戦 争 と
武 力 による威 嚇 または武 力 の行 使 は、国 際 紛 争 を解 決 する手 段 としては、永 久 にこれを
放 棄する」と規 定しているこの憲 法 を揺るぎないものと信じてきました。
ところが今 、与えた側 の事 情によって、この憲 法が危なくなってきました。このままではま
た、かつてのように、戦 争 に引きずり込 まれるかも知 れません。何 とかしなければなりませ
ん。
今 、私 たちに出 来 ることはただ一 つ、選 挙 権 を行 使 することです。一 人 一 人 自 分 の胸 に
しっかりと聞 きましょう。夫 や子 や孫 を戦 場 に送 ってもいいか、白 旗 に包 まれた帰 国 を迎
えてもいいか、故 郷 を砲 火 の下 に曝 してもよいのか、また、他 国 の子 どもたちを殺 させて
もいいのか、よく自 分の心に聞いて、その思 いを一 票に託しましょう。
子や孫たちの明るい未 来を守るために、一 票 に願いをこめて。(矢 崎 60 代 女 性)
子ども時 代 から戦 中戦 後を体 験した大 人として、今また、よみがえるあの時 代の記 憶
1.
1.
1.
1.
1.
1.
戦 争の美 化 ・正当 性の強 調
言 論 統 制・情 報 網の操 作
文 化・芸 術・スポーツ等 への干 渉・制 限
軍 事 教 育(愛 国 精 神・愛 国 行 為の強 要)
食 糧・生 活 物 資の欠 乏
国 家 行 事への動 員(半 強 制)
半 世 紀 余 りを平 和 憲 法 のおかげで忘 れていたものが、わずかに垣 間 見 えたりダブって
見 え始 めました。知 らぬ間 に世 界 2位 たる軍 備 を持 ち、今 イラクへ・・・とまで事 態 が進 ん
でしまった日 本 。原 爆 洗 礼 の人 体 実 験 までされながら、以 来 多 民 族 の争 いに乗 じて新 兵
器の威 力を験し続ける非 人 間 的な国に追従 するばかりの日 本。
世 界 に誇 れる平 和 憲 法 を持 ちながら、それ故 に得 られた信 用 も忽 ちのうちに地 に落 ち、
危 機 さえ呼 ぶ愚 かしい行 動 をとる日 本 で、では国 民 の私 たちは・・・?未 来 の平 和 を約 束
できない大 人を子 どもたちはどう見 るのでしょうか・・・。(Y.Y. 70 代 女 性)
4
昨 年 暮 れに、「シンドラーのリスト」という映 画 を見 て、戦 争 の悲 惨 さを一 部 、膚 で感 じ
ました。私 は箏 曲 以 外 では外の活 動 はしていないので、母 として「息 子 が戦 争 に行 かされ
るようなことがあったら」絶 対 許 さないということに、終 始 しています。個 人 が平 和 なら争 い
は起きません。大 事なのは「いのち」あること。そう思って毎 日 生きています。
先 日 、橋 田 寿 賀 子 さんが『テレビで、私 の作 品 の底 にあるものは「反 戦 」です。』と言 っ
てみえました。「えっ」と私 は思 いましたが、だから橋 田 さんはがんばれるんだとも思 いまし
た。
箏 曲 は、全 身 で向 き合 います。これも生 きる力 だと思 っています。生 きるには、戦 争 は
不 可。(Y.O. 40 代)
今こそ日 本 の宝 憲 法 九 条を世 界の宝に!!
No War on Iraq ! We want peace ! (瀬 川 女 性)
本 当に、世 界 中の子 供 たちが毎 晩 、安 心して眠 ることができますように。
空 腹を抱えて眠る子が一 人もいない、そんな時 代を作りましょう。(関 谷 女 性)
「間 違 った戦 争 」を支 持 した「間 違 った判 断 」で、また命 を失 う人 がいるのではないです
か!
亡くなったお二 人の“遺 志を継ぐ”って軍を送り込むことなんですか!(T.40 代 女 性)
毎 日 、子 供 たちと向 かい合 う中 で世 界 の動 き(とりわけ日 本 政 府 の動 き)には、敏 感に
なります。自 衛 隊 のイラク派 遣 に対 し憤 りを感 じます。アメリカのしていることは、テロであ
り戦 争 そのものです。私 たちが世 界 に誇 ることのできる平 和 憲 法 放 棄 違 反 です。かつて
誓 ったー教 え子 を二 度 と戦 場 に送 らないーことを柱 に出 来 た日 本 教 職 員 組 合 は、今 一
体どうなっているのでしょう。
イラク人 民 から一 度 たりとも兵 器 を持 って支 援 してほしいと頼 まれたのでしょうか?他
人 の家 に土 足 で入 るようなものです。アメリカのいいかげんな情 報 に踊 らされているので
す。子 どもたちに確かな平 和な社会 を残すために、自 衛 隊 はイラクから撤 退すべきです。
イラクにも明 日 を担 っているたくさんの子 供 たちがいます。世 界 には、たくさんの明 日 を
夢 見 ている子 供 たちがいます。私 たちは、彼 ・彼 女 たちに恥 ずかしくない生 き方 をしなけ
ればなりません。(伊 藤洋 子)
5
日 本はいま世 界に誇れる大きな「宝 もの」を失おうとしている!
武 力でなく、軍 事 力でなく、核 兵 器でなく、
話し合いで世 界の平 和 を守ろうと・・・
大きな声で、胸を張って訴えることの出 来る“憲 法9条”を。
この宝ものを捨てようとしている人たちは、イラクで、アフガンなどで、
戦 争やテロ、特に劣化ウラン弾などの爆 撃で苦しむ人々の姿 、写 真を正 視 出 来ますか?
わが子や孫 、自 分に置 き換えてみれば・・・
爆 撃にさらされ、虫けらのように殺されてゆくことに耐えられますか?
地 球も悲 鳴 をあげて泣 いているでしょう!
大 地も空 気 も水も汚 染され、生きとし、生けるものの生 命が失 われ、とだえようとし、
人 類はもちろん、あらゆる生 物の破 滅につながってゆく明 日 を。
(劣化ウラン弾の放 射 性 物 質は自 然 消 滅に45万 年・・・そう半 永 久 的に)
あの第二 次 大 戦の時、戦 地で、あるいは特 攻 隊 で、
兵 士は母あるいは妻・恋 人の名を呼 びつつ屍となった。
国 内では、家を家 族を焼かれ、赤 紙におびえ、食べ物もなく
「銃後」を守 った人々の暮らしのつらさを、悲しみの日々を。
戦 前・戦 中 に生まれた人は、思いだしてください!
戦 後に生 まれた人は、どうか想 像して下さい!
多くの犠 牲 の上に、ようやく戦 争が終わり、新しい憲 法の誕 生!
そのとき、日 本のあらゆる人が心から開 放感に満ちて、熱 烈に歓迎した日のことを。
それをまた「有 事 立 法」を通して“戦 争できるふつうの国”にしたいですか?
イラク復 興 支 援は、国 連 中 心の話 し合いで。
自 衛 隊を派 遣してはいけない!「戦 地」に送ってはいけない。 (山本 60 代 女 性)
空 気 の様に存 在 していた「憲 法 九 条」が、危 機 にさらされている。イラク派 遣 を目 前 に、
新 聞 紙 上 で見 る自 衛 隊 の様 子 や小 泉 首 相 の強 気 は、戦 争 を経 験 しない者 でも、日 本 の
行 く末 に不 安 を抱 かざるをえない。不 気 味 な様 子 だ。多 くの人 が、「この状 況 は、戦 争 へ
の道に突き進んで来 たあのころと同 じだ」と口をそろえて言っている。今、国 民が何を思 い、
どう考 えていようと、また、自 衛 隊 員 がどんな気 持 ちでいようと、“お国 のため”反 対 も出
来 ず戦 地 へ赴 かねばならないとは。また、「イラクの人 たちのために精 一 杯 頑 張 ってきま
す。」としか言いようがない自 衛 隊 員 の気 持ちも複 雑であろう。
一 方 で、何 故 、くい止 められないのか非 常 に不 思 議 な気 がする。日 本 国 民 は心 から賛
成 しているとは思 えない。周 りの人 たちで諸 手 をあげて賛 成 する人 などいない。慎 ましく
生 活 する人 たちには、イラクの人 たちの状 況 を何 とかしなければならないと言 う気 持 ちも
ある。しかし、それと派 兵 は別 問 題ではないだろうか。
この、不 思 議 は、派 兵 により富 を得 るもの、慎 ましく生 活 する者 達 から吸 い上 げた税 金
を懐にしまい込める者 達 がいることを意 味する。
みんなで、反 対の声を上 げよう! そして、今こそ、平 和 憲 法 を守ろうと声 を上げよう。
(N. 50 代 女 性)
6
私は自 衛 隊 のイラク派 兵 に反 対します。
21世 紀 を迎 えたとき、多 くの犠 牲 者 をだした戦 争 の20世 紀 から、平 和 な21世 紀 の幕
開 けだと期 待 しました。しかし、アフガニスタンからイラクと戦 争 が続 いています。あろうこ
とか「憲 法 9条 」で戦 争 を放 棄 した日 本 がイラクへ自 衛 隊 を派 遣 する、というではありませ
んか。
私には2人 の子 供がいます。人を殺 したり、人に殺されたりするためは育 てたのではあり
ません。今 回 派 遣される自 衛 隊 員 の親、兄 弟 もきっと同じ気 持ちだろうと思います。
国 連 の決 議 を経 ずに、大 量 破 壊 兵 器 を口 実 に先 制 攻 撃 したイラク戦 争 。でも最 も多 く
の核 兵 器 、世 界 最 大 の軍 事 力 を保 持 するのはアメリカです。戦 争 で傷 つき、亡 くなった多
くのイラクの人 々。そして今 も、テロで、アメリカ兵 に殺 されています。米 英 が使 用 を認 め
た「 劣 化 ウ ラン弾 」 で、殺 され、健 康 を破 壊 さ れ、これからも被 害 を 受 け続 けるイ ラクの
人々。
復 興 支 援 を言うなら、国 連 中 心 に全 世 界 が協 力していけるよう努 力 すべきだし、アメリカ
には「日 本 は平 和 憲 法 があるので自 衛 隊 は派 遣 できない」とはっきり言 うべきです。第 二
次 世 界 大 戦 後 復 興 し経 済 発 展 した日 本 にたいする中 東 の人 達 の尊 敬 と信 頼 を裏 切 っ
てもいいのでしょうか?
日 本は誤った、危 険な道へ踏み出 そうとしています。
けっして自 衛 隊を派 兵 してはいけません。
平 和を、憲 法9条を大 切にしましょう! (50 代 女)
小 学 校 六 年 生 の時 、田 舎 の祖 母 から一 冊 の本 をもらった。『藤 原 てい・流 れる星 はい
きている』その本の題 名 を忘れないくらい一 気に読んだ覚えがある。
こんなに辛く苦しい思 いをした人 達 が何 人もいたことがショックだった。
その後 何 度 か図 書 館 でこの本 に出 会 い、飛 び飛 びながら読 み返 したりした。母 親 とな
ってから読 むそれはあまりに悲しかった。
祖 母 とはあまり行 き来 がなかったので直 接 戦 争 体 験 などを聞 いたことは無 い。でも今
になって思 えば祖 母 がこの本を選 んだのは戦 争 を知らない孫 の世 代 に何 かを伝 えたかっ
たのに違いないと思う。
本 読 み会 の(文 庫 のおばさんの会 )で目 にした原 爆 の絵 本 も強 烈 であった。子 供 達 は、
怖いからと言ってその絵 本を見るのをいやがった。
家 にいて子 供 達 の世 話 や家 の中 の事 をしていた穏 やかな時 間 、平 和 と子 供 の未 来 に
ついてさまざまな願 いを持 っていたのに、子 供 達 は大 きく成 長 して大 学 受 験 など控 え、私
自 身 仕 事 を持 つようになった。時 代 と共 に変 わる仕 事 内 容 やパソコンを相 手 の職 場 、子
供 達 の進 学 ・・・毎 日 の自 分 の暮 らしをただ漠 然 と考 えても、もっと大 きな平 和 や日 本 とし
ての取るべき道を誰か第 三 者まかせにしてしまっている。
『憲 法 九 条 』戦 争 の放 棄 をうたった日 本 の憲 法 は、子 供 心 にも誇 らしいものであった。
ただ毎 日 に流 されていても願 うのは、『戦 争 はやめて、子 供 達 を戦 場 には送 りたくない』と
いう母の思 い。
先 日 、本 棚 から一 冊 の絵 本 を取 り出 した。レオ=レオニ作 谷 川 俊 太 郎 訳 「あいうえお
のき」最 後 の言 葉 は、「ちきゅうにへいわを すべてのひとにやさしさを せんそうはもうま
っぴら」であったと思う。(匿 名 希 望 44 才 女 性)
7
自 分 が傷 つけられるのはイヤ。自 分 の子 でも同 じこと。隣 の子 でも同 じこと。友 達 でも
同 じこと。たまたま公 園 で一 緒 になった人 でも同 じこと。誰 も皆 同 じこと。そして自 分 が傷
つけなければならない人ができてしまうなんて悲 しい。(匿 名)
「蟻 の穴 から堤 も崩 れる」という譬 えがあります。この度 の小 泉 内 閣 による自 衛 隊 のイ
ラク派 遣 はまさにこの譬 えを地 で行 くものと思 います。イラク復 興 支 援 という美 名 のもとに
憲 法 9条 改 変 を既 成 事 実 化 する意 図 が明 らかに読 みとれます。自 衛 隊 が火 器 を装 備 し
て他 国に入 ることは、いかなる理 由 があれ、明 らかに憲 法 違 反 です。このことは日 本 の将
来に取り返 しのつかない禍 根を残 すことになりはしないか大 変 気にかかるところです。
テロリストが??するイラクへ武 器 携 帯 の自 衛 隊 を派 遣 することは、テロリストにとって
は、アメリカに荷 担 する日 本 兵 士 の介 入 と受 け取 られ、攻 撃 の対 象 とされる羽 目 になる
可 能 性 は極 めて高 いと言 わざるをえません。ひとたび派 遣 のために武 器 が持 ち出 され、
使 用 され、既 成 事 実 化 すれば、たちまち憲 法 9条 が文 字 通 り有 名 無 実 となってしまうこと
を惧れます。
誰 もが明 らかに予 想 できる危 険 な道 へ日 本 は歩 みだそうとするのでしょうか。その道 は、
いつか来 た危 ない道 ではないでしょうか。日 本 は、今 まさに岐 路 に立 たされていると言 え
ます。
危 険 な道 はこれだけではありません。自 衛 隊 のイラク派 遣 先 での報 道 陣 の取 材 は生
命 の保 証 が出 来 ないため制 限 するという政 府 発 表 がありましたが、このことは報 道 の自
由 を奪 おうとするものであり、見 過 ごし出 来 ない恐 ろしい道 ではないでしょうか。絶 対 軍 国
主 義 の悪 夢 を再 び現 実 のものとしてはなりません。しかしながら、数 多 くの関 心 事 に取 り
囲 まれている現 在 の日 本 人 はある意 味 では大 変 危 険 な状 況 にあると考 えます。自 分 と
は関 係 ないと思っている間 に、自 分 の国が戦 争 に巻きこまれており、ある時 否 応 なく戦 争
に駆 り出 されるという事 態 が起 こりつつあります。今 、自 衛 隊 員 がおかれている状 況 がま
さにそれではないでしょうか。
原 爆 被 害 を経 験 した唯 一 の国 が半 世 紀 そこいらで平 和 の誓 いを自 ら放 棄 するなんて
実 に情 けないではありませんか。自 国 民 の命 を第 一 に考 えられず、未 だにアメリカ政 府
から脱 皮できない日 本 政 府の見 識 は私にすれば日 本 国 民 に対する罪 です。
日 本 がまことイラクの平 和 を願 うのであれば、アメリカ軍 をイラクから撤 退 させ、国 連 に
よる平 和 復 興 をアメリカにも、国 連 にも強 く働 きかけるべきだと思 います。テロ集 団 をもあ
きらめさせる世 界 規 模 の協 力 システムを築 くための努 力 が日 本 に求 められていると思 い
ます。
蟻 の穴 が大 きくなる前 にくい止 めること、イコール自 衛 隊 のイラク派 遣 を思 いとどまるこ
とであり、これが過 去の教 訓です。(吉 崎 60 代 男 性)
8
「あたらしい憲 法 のはなし」(B6・69頁 )は、日 本 国 憲 法 が公 布 されて10ヶ月 後 の昭
和22年 8月 に文 部 省 によって発 行 され、全 国 の中 学 一 年 生 が教 科 書 として学 びました。
私は恩 師の情 熱のこもる授 業をはっきり覚えています。
しかしながら、戦 後 59年 ・・・我 が国 の変 貌 ここにきわまれり。私 たちは今 まで何 をして
きたのかと自 責の念にかられます。
学 校 教 育 が真 綿 で首 を絞 めるが如 く絡 め取 られる一 方 、軍 需 産 業 が手 をこまねいて
憲 法 改 悪を待っています。政 府は言 葉 巧みに世 論 操 作を強めています。
私たちは今 、一 刻の猶 予も許されない事 態に対し、草の根から「平 和 憲 法」を守れと叫
び続けましょう。(馬 庭 京 子 60 代)
日 本を人 類 福 祉 国 家に
最 近 、国 益 という言 葉 をよく耳 にします。同 盟 国 アメリカの要 求 に応 じて、戦 争 復 興
支 援 の名 の下 に自 衛 隊 を派 遣 すること、それが国 益 になると言 うのでしょうか?世 界
で唯 一 の被 爆 国 であり、敗 戦 という多 大 な犠 牲 の上 に得 た日 本 国 憲 法 は、絶 対 平 和 、
つまり戦 争 をしないことを明 言 しているのです。そしてそれは全 世 界 の国 々に認 められ
てきたことです。日 本は戦 争をしないという憲 法 を持っているから、過 去 60 年間 平 和 が
保たれてきたのです。
平 和 呆 けとか言 う人 がいますが、それではその人 達 に聞 きたい、では戦 争 をしたい
のですか?あの悲 惨 な戦 場 に前 途 有 為 な若 者 を行 かせても良 いのですか?あなたの
子 ども、孫 達 を戦 場 に送 れますか?日 本 の国 益 というならば、世 界 の国 から尊 敬 を得
ること、平 和 憲 法 を有 する日 本 にしか出 来 ないことをするのです。戦 争 をしないという
憲 法を護って、人 類 福 祉 国 家であることを明 言 する、それを国 是とすることです。
最 近 の新 聞 に「難 病のイラク男 児を救え 治 療 へ来 日 名 古 屋 大 学 病 院 受 け入れ」
という記 事 があり胸が熱 くなりました。しかし今 日 、世 界 では何 十 億 という人 々が飢 えと
病 に苦 しみ、多 くの人 々が亡 くなっています。その救 済 に日 夜 献 身 的 に働 く人 々も多 く
います。けれど団 体 や個 人 の善 意 はたとえようもなく尊 い行 為 であっても限 りがありま
す。
それを日 本 国 が人 類 福 祉 国 家 として名 乗 りを上 げたら一 体 どれほどの救 済 が可 能
になるでしょうか?世 界 の国 から尊 敬 を集 め、日 本 国 民 は胸 を張 って平 和 憲 法 を誇 ら
しく思うことでしょう。(真 鍋 60 代 女 性)
*参 考:和 田 重 正「自 覚と平 和」(くだかけ社)
9
自 衛 隊のイラク派 遣には絶 対 反 対 です。テロの標 的にされるのは間 違 いなしです。
私 の父 は戦 病 死 です。母 と特 に上 の兄 二 人 は厳 しい義 理 の父 には辛 く当 たられ、そ
れは苦 労 しました。それでも母 は私 たち三 人 の子 どもたちを養 って貰 うため、身 を粉 にし
て働いて、働 いて、病 気 になっても医 者にかかれずそれは苦 労しました。
イラクへ向 かうための自 衛 隊 の方 々の荷 物 にはどれも思 い思 いのお守 り袋がつけられ
ているのをテレビで見 て、「どうぞ元 気 で帰 ってきてください」の心 を込 めてお守 り袋 をつけ
られたのを思うと胸がいっぱいになり、涙が出てきました。
この自 衛 隊 のご家 族のためにもイラク行きは今 すぐにでも中 止されるべきです。(60 代
女 性)
イラク戦 争 開 始 から早 1年 が経 とうとしています。平 和 憲 法 のおかげで、これまで日 本
は戦 争 をしない国 と信 じてきたのに、あっという間 に国 民 の多 数 の意 見 も聞 かれず自 衛
隊の海 外 派 遣を許 す結 果になり残 念でなりません。
人 道 支 援 とかっこ良 く聞 こえますが、イラクでの死 傷 者 は増 大 し、いつ終 るか分 らない
戦 地 で不 安 な毎 日 を過 ごしてられるでしょう。残 された家 族 の方 も命 がけの仕 事 に早 く帰
ってきて欲 しいと耐 えてられるでしょう。日 米 同 盟 でアメリカの言 いなりになっている小 泉
政 権に、戦 争に巻き込 まれるのは絶 対に止めて欲しいと訴 えます。
広 島・長 崎 に落とされた原 爆 の恐 ろしさを知っている日 本 は、世 界に向 かって永 久 平 和
を守る立 場 を貫きたいと思います。(中 村サ 50 代 女 性)
2月 29日 、栗 東 町 で行 われた「アレン・ネルソンさんとともに平 和 を考 える集 い」に参 加
しました。貧 しさ故 に、海 兵 隊 員 としてベトナム戦 争 に参 加 したネルソン氏 が、兵 士 として
の訓 練 の時 代 、ベトナム派 兵 前 の沖 縄 でのこと、戦 場 ベトナムでの体 験 、復 員 後 苦 しん
だPTSDのことなどを切 々と語って下さいました。
殺 すか殺 されるかの戦 場 、その戦 場 で必 要 とされるのは人 ではなく殺 人 マシーンであ
ると。アメリカ人 であるネルソン氏 が私 たち日 本 人 に対 し「あなた方 の身 の回 り家 族 や友
人 に戦 争 で亡 くなった人 や傷 ついた人 がいないのは憲 法 9条 があるからです。世 界 に誇
れる9条を守 り世 界に広 めなければなりません」と明 言されたのには、頭をガツンと殴られ
た思 いでした。
9条 を大 切 に思 わないわけではなかったのにその意 味 を考 える機 会 は少 なくなり、空
気 と同 じように自 然 にいつまでもあると思 ってしまっていたのかも知 れません。なし崩 し的
な自 衛 隊 のイラク派 遣 は違 憲 だと声 をあげなければならないと意 を新 たにしました。(鈴
木 晴 代 50 代)
10
人身御供
派 遣 された自 衛 隊 の部 隊 は、隊 員 の交 替はあるかもしれないが、短 期 間で帰 還 できる
とは思 えない。「人 道 支 援 」の建 前 を象 徴 しているのがユーフラテス河 の水 を浄 化 する大
事 業だが、これだけでも途 中で切り上げてしまったらどうなるのか。
「何のために来たのか」とサマワ住民 からも、日本 側からも追 求されるにちがいない。
本 来 の目 的 が「人 道 支 援」どころか、米 軍 の一 部を帰 還 させる穴 埋めであることを考 えれ
ば、なおさらである。イラク全 体 が戦 地 になっている現 実 を見 れば、長 期 滞 在 の結 果 は
「殺 し合 い」の悲 劇 でないと思 う方 がおかしい。自 衛 隊 員 は事 実 上 「人 身 御 供 」に送 られ
ているようなものだ。その目 的 は「米 国 に対 する国 際 協 力 」だとされている。それはそのと
おりだが、はたしてそれだけだろうか?
イラクに提 供 すると伝 えられる巨 額 の「経 済 」支 援 の中 身 は、とりあえずは多 数 の警 察
車 両 だと伝 えられている。自 衛 隊 がサマワに運 び込 んだピカピカの車 両 も高 性 能 で高 額
のものだろう。このような軍 事 や治 安 用 の物 資 を生 産 し、供 給 しているのは誰 だろう?自
衛 隊 が犠 牲 を出しながら長 期 戦 に引 き込まれれば引き込 まれるほど、そのおかげで儲 か
る者 がいるのではないか?小 泉 自 公 政 権 の背 後 にうごめく「日 本 人 」が、平 和 を心 から
求 めるイラク・日 本 国 民 に挑 戦 していることを忘 れてはならない。(京 童 : きょうわらべ 60
代)
今 思うこと
軍 服をきた日 本 人はイラクで何をしているのでしょうか。
派 兵って何 ですか?人 を助けに行くのに兵隊ですか?
実 態がよく分からない13歳です。
ただわかるのは、今の支 援がほとんど無 意 味 だということだけ。(綾 乃 )
11
私の父は、第 二 次 大 戦 の末 期にフィリピンのルソン島マニラ近 郊で戦死 をしました。
軍 医として招 集され、野 戦 病 院 内 でアメリカ軍 の襲 撃の犠 牲になったそうです。
今 から2,3年 前 に古 い物 の整 理 をしていた時 、父 が生 前 医 学 博 士 号 を取 得 する為 に
書 いた論 文 の写 しが出 て来 ました。(以 前 からの母 の話 しでは、戦 死 の公 報 が入 ってか
ら博 士 号 が取 得 出 来 たとの通 知 が届 いた、という事 です)何 10年 ぶりかで、目 にした論
文 でした。私 自 身 年 を重 ねたという事 もあり、以 前 よりは、人 生 というものの何 たるかも分
かっている為 か、とても無 念 に思 いました。それは、私 の無 念 さでもあり、父 の思 いでもあ
ります。勉 強 に励 み、努 力 を積 み重 ね、これから花 開 くという時 に、戦 争 に取 られ想 像 も
つかない様 な過 酷 な運 命 の中 で、虫 けらの様 に死 んでいった父 です。私 は、この古 い論
文 をコピーして身 近 な人 達 に見 てもらっています。私 の父 は、こういう仕 事 をしていたのだ
と知って欲しい為に。
9年前 、父 の 50 回 忌(私の 50 歳 の時)厚 労 省の慰 霊 巡 拝 団に加わり、かつての戦 場
跡 に行 きました。湖 があり、辺 り一 面 青 いきれいな花 が咲 いていました。私 は少 し、ほっと
しました。その折りに知 った事 ですが、今 も太 平 洋 に位 置 するかつての戦 場 になった国 々
に、放 置 されている遺 骨 を遺 児 の有 志 の方 々が、収 集 に力 を尽 くして下 さっています。私
達にとっては、本 当に頭 の下がる思 いがします。
今 、又 国 の犠 牲 になる人 が出 たとしても、母 達 の様 に小 さい子 供 を抱 え何 の補 償 も無
く、苦 労 したような事 は(公 務 扶 助 料 が下 りる様 になったのは、ずっと後 です)無 くて金 銭
的な補 償も充 分に約束 される事でしょう。そして手 厚く葬られもするでしょう。でもそんな事
では、ありません。
若くて未 来 の有る人 達 を、絶 対に父の様な目 には合わせたくはありません。
その様 な状 況 になっていくかもしれない自 衛 隊 イラク派 遣 には、絶 対 に反 対 します。
(50 代 女 性)
いつの世も女 性や母が願うことは一 つ。
平 和です!!決して自 分の子 供たちをそして夫 や恋 人を戦 場には送りたくない。
連 日 新 聞 やテレビで報 道 されるテロやイラク関 連 の記 事 には心 が痛 む。戦 禍 に怯 えて
いるイラク国 民 の7割 が貧 困 に喘 いでいるという。大 国 の思 惑 に翻 弄 され、罪 もない人 々
が毎 日 大 勢 犠 牲になっている。
戦 後 生まれの私でさえ映 画や本や写 真で戦争 の恐ろしさは身にしみる。無 関 心ではい
られない。近 年 この何 でもないありふれた日 常 が永 遠 に続 くとは信 じられなくなってきた。
羅 針 盤がだんだんと狂 い始めてきたように思える。
平 和 主 義 を定 めた9条 。未 来 ある子 供 達 が戦 禍 に巻 き込 まれることなく、戦 争 を知 ら
ない子 供 達 として、希 望 と夢 を持 って安 心 して暮 らせる為 にもこの憲 法 を守 り続 けてほし
いと願わずにはいられない。(40 歳 女 性)
12
私の目を奪 ったのは誰 !?
老 いて盲 いた母の手 を引いて
風にそよぐ草 原の様 子を話して
あげるはずだったのに。
香りの豊 かな花々の姿を話して
あげるはずだったのに。
私の手を撫でる母の涙がヒタヒタ。
私の脚を奪 ったのは誰 !?
私のバレーで、楽しい時 間を、
人々にすごしてもらいたかったのに。
空しく私 をみつめているトウシューズ。
私の手を奪 ったのは誰 !?
私は、私 はどうしてこれからの
生 活ができるのか。
恐 怖と悲 嘆で空ろな少 年の姿。
戦 争の国から伝わる奪 われた命の数。
命は数ではないのに。一 人 一 人に
代わりはないのに。殺 されたくない。
戦 争。苦しみだけの戦 争。やめて。(E.A. 50 代 女 性)
私はこんな事をするために生まれてきたのではないのです。
20世 紀 は戦 争 の世 紀 と言 われ、21世 紀 は戦 争 の無 い世 紀 にしたいと誰 もが思 いま
した。しかし、この世 紀 はもっともっと恐ろしいテロと戦 争の悲 劇が繰り返されています。
日 本 は平 和 憲 法 の下 で半 世 紀 以 上 軍 事 ではなく、国 際 援 助 に多 額 の税 金 を費 やし
平 和 を守 り世 界 に誇 れる高 い理 想 を持 ってきました。戦 争 による劣 化 ウラン、地 雷 は今
なお人 々を傷 つけ子 どもたちの将 来 を奪 い続 けています。この人 たちこそ助 けなければ
なりません。
昨 年 TVドラマで忘 れられない深 い感 動 を覚 えました。「さとうきび畑 」の歌 が流 れ、主
人 公 が「私 はこんな事 (戦 争 での殺 人 )をするために生 まれてきたのではないのです」と。
これは心の底からの悲 鳴であり皆 の思いです。
誰 でも夢 を抱 き未 来 に向 かって生 きるもの、戦 争 に行 くために生 まれてきたのでは無
いのです。(いずみ 60 代)
13
イラク戦 争に思う
人はなぜ、あまりにも欲 深 いのでしょうか。力、富 、権 力など持てば持 つほど麻 薬のように
欲 してきりがない。科 学 が発 達 し世 の中 が進 化 するのは良 い方 に考 えればこの欲 による
ものだけで、しかし、きりがない。
それも、世 の中 、世 界 のためと言 いつつ権 力 者 の欲 のために動 かされていく人 々、うそと
まやかしをうまく使 い考 えない人 々をまき込 み自 分 の欲 望 を満 たしていく。そのひとつが
戦 争 。自 分 の富 を得 る方 法 が行 き詰 まってしまうと他 国 へ戦 いをかけ経 済 の流 れを武 器
を通 じてよくしょうとする。それが人 間 という命 をどれだけ失 っても支 配 者 は悪 いとも思 わ
ない。富 と力 のある者 だけが生 きることが当 たり前 と思 うおごりがあるから、西 洋 人 の中
に家 畜 は動 物 と考 えずに食 料 と考 える人 達 がいる。私 はその差 別 が根 本 的 にあるから、
人 間 の命も、金 持 ちだけが得をする、権 力 者 だけが豊かな生 活をしても良 いと考 える、差
別 あるいは人 間 区 別 する考 えがあるのだと思 う。家 畜 も人 間 も動 植 物 もすべて命 である。
それは尊 いものと考 え食 料 としていただく場 合 も命 を貰 っていると感 謝 し尊 ぶ気 持 ちを失
ってはいけないと思う。
人 間 は他 人 より、より良 き生 活 をしたい気 持 ちを持 っている。だから他 の人 を犠 牲 にして
も平 気 、それを何 らかの言 い訳 でごまかす。なんて人 間 ていやな生 き物 なのだろう。多 か
れ少 なかれみんな持 っている本 当 の気 持 ち。いけないとは思 わないけれど節 度 は持 って
ほしい。それを言 い渡 す何 か強 い力 があればいいのにと思 う。おごり高 ぶる人 を叱 れる
人?考えを導く何かが・・・・
でも今 何 もかもベールがはがされて恐 いものがなくなった今 、神 ものろいも結 局 信 じるの
は善 良 なだまされやすい人 だけで、支 配 者 、金 持 ち、力 を持 った人 々には通 じない。その
人 達が恐いのは自 分たちにその力 がなくなる事 のみ。その中で普 通の人がもっと賢 くなっ
て対 抗できるのにはどうすればいいのかわからない。ただむなしさを感じるのみ。
戦 争 は絶 対 いけない。悲 しみを増 やすだけとわかるのに止 める事 が出 来 ない。弱 い力 は
強 い力 に押 し切 られる。フセインもアメリカも悪 い。力 を持 つものは強 いから、それが正 義
と押 し切 る。だけど本 当 は違 うのに。なんかおかしい世 の中 になってきている。また、小 泉
さんのやり方 は腹 が立 つ。弱 いものいじめのいい加 減 な政 治 、国 民 はもっと平 和 と自 分
達の生 活を守るため頑 張って小 泉 のやり方を止めさせなければならない!
これからもっと悪 くなるような気 がする。勝 手 に憲 法 の内 容 を変 えない様 今 までの保 護 さ
れた部 分をなくすようなやり方を止 めさせてほしい。(木 曽 40 代)
14
最 近 私たち完 全になめられてるとおもいませんか?
去 年 からずっとお金 とられる話 ばっかりやん。年 金 や税 金 や介 護 保 険 やと若 いもんか
ら年 寄 りまで、金 払 え払 えて言 われっぱなしで、そのわりに裏 金 や公 金 横 領 や無 駄 使 い
はほったらかしか?生 活 苦しくなることばっかりで、若い人には仕 事も無 いし。
あげくのはてに今 度 は戦 争 行 って来 いやて。国 際 貢 献 ?人 道 支 援 てか?言 葉 はりっ
ぱやけど、イラクの人がぜひにていつ頼 んできはったの?自 衛 隊 の人 ,入 隊 する時 外 国ま
で行 って戦 争 に参 加 する約 束 したはったん?そんな契 約 してないでしょ?憲 法 違 反 やて
元 自 衛 隊 員 の人も言ってはったやん。
それでも物 分 り良 すぎる人 が多 すぎて、内 閣 支 持 率 あんまり落 ちひんし、調 子 に乗 っ
て憲 法 もかえるって。はっきり言 って、首 相 も大 臣 も国 会 議 員 も、皆 私 たちの税 金 で働 か
せてる公 務 員 やで!!誰 が憲 法 いじれって言ったの?条 文 ごちゃごちゃいじってる暇 あっ
たら、もっとみんなから集 めた税 金 や年 金 上 手 に使 う方 法 考 えんかいな!自 分 たちにば
っかり有 利 になること考 えてんと、生 活 楽になるようまじめに仕 事して!
ラップの好 きな君 。就 職 活 動 中 の君 。年 金 生 活 のあなた。自 衛 隊 員 の人 。その家 族 の
方 。介 護 をしてる人 。国 際 交 流 の活 動 をしてる人 。子 供 を愛 している人 。人 を殺 したり、
殺 されたりしたくない人 。もう一 度 、このままなめられっぱなしでいいのか考 えてみません
か?!(匿 名)
憲 法9条は誇りに思います。
イラクへの自 衛 隊 派 遣は反 対です。
国 民 の半 数 が反 対 をしていても、数 の力 で何 もかも押 し通 す政 府 。これが民 主 主 義 な
のでしょうか。自 衛 隊 が派 遣 されてしまい、反 対 をしては派 遣 されている隊 員 が気 の毒 だ
とか、黄 色いハンカチとか・・・。方 向が変に違って来たように思 います。
前の戦 争 の時のようにはならないだろう、今は国 民の意 識 も違う。平 和の大 切 さも知っ
ているのだと思 っていたのに、何 故 か動 き出 さない。私 も動 き出 せない。このままではい
けないと知 っているのに。ずるずるとウヤムヤに流 れていき、取 り返 しのつかないようにな
ってしまったら怖いことです。
60 年 近 くも戦 争 をしない国 、平 和 な国 、そんな日 本 こそ、誰 もが望 んで要 ると思 うので
すが。(I. 50 代 女 性)
戦いが破 壊と悲しみ以 外 何も生 み出さないことは皆 知っています。平 和を願わない人が
いるはずないのにどうしてこんな状 況 になっていくのでしょうか。一 人 ひとりの声 を上 げて
いくためにも、今 、目 の前 の市 長 選 ではっきりイラクへの自 衛 隊 派 兵 に反 対 しているよう
な人 に市 長 になってもらうのはとても大 切 なこと、1票 に祈 りをこめて私 たちの代 表 を選 び
たいものです。(40 代 女 性)
15
小 学 生の頃 、もう二度と戦 争は起こらないと信じていたし、私 のまわりには信じること
のできるものが確かにありました。
今、ふと目を留めたテレビの画 面では、元 国 会 議 員・元 新 聞 記 者の評 論 家たちが口々
に叫んでいます。「自 分 の国を自 分 で守るのは当 たり前 だ。」「自 衛 隊 に、戦える力を与え
なきゃらん!」「すべて国 益 のため、・・・」誰 かが憲 法 を守 るとか、平 和 の大 切 さを唱 えれ
ば、即 座 に、「青 臭 いことを言 うな!」と怒 鳴 りつけます。こわいですね。でも、こわいのは
テレビの中 だけではなくて、身 近でもよく似た意 見 を耳にすることです。
この歳 になって、参 議 院 や野 党 の存 在 に何 の意 味 もないことを悟 り、歴 史 は繰 り返 され、
人 類 に進 歩 はない、人 間 ってこんなにも愚 かな生 き物 だったんだということを思 い知 らさ
れました。
正 直 いって、今 の私 は落 ち込 んでいます。私 の中 にいる小 学 生 の頃 の私 は世 の中 の
あまりの変 わりようにただ呆 然 としているのです。身 動 きできないでいるのです。( 真 弓
50 代 女 性 )
戦 争は皆が喜ばない。 戦 争はいけない。 (神 山)
人 がひとを殺 すのはまちがっています。平 和 を守 ることは未 来 へ続 ける人 類 の使 命
です。 (隠 岐 慶 子)
イラクの子 供 達に平和を。日 本が二 の舞になりませんように。 (竹井)
イラク戦 争は理 由なき戦 争です。そこに国 民や子 供 達をまきこむな。 (植 松・女)
小 泉さんは自 分の息 子 を派兵の自 衛 隊と一 緒 に行かせられますか?
TVにだす事 ばかりではなくイラクへもやれば良 いと思う位です。 (今 村)
イラク戦 争 派 兵 反 対です。小 泉さんが直 接 行けばいい。 (河 村)
若い命をイラクのためにむだにする事はたえられない。 (阿 部 みゆき)
早 や一 年 経 過 して多 くの犠 牲 者 も出 ている今 、 過 ちを認 識 して早 く終 結 して平
和を求めます。 (浜 塚 幸 子)
本 当 の人 民 支 援 は軍 隊 ではできません。 早 く国 連 中 心 の支 援 に切 り替 えて下
さい。(植 松)
―― 配 食ボランティアグループ ――
16
私 の父 は四 人 の子 どもを残 し、戦 争 に行 っていたのです。父 が亡 き後 (68歳 で他 界 )、
部 屋 を整 理 したとき手 帳 が出 来てきて知りました。薄 茶の布 地 で作られている手 帳 です。
大 切 にしまってありました。その中 に、子 どもたち一 人 一 人 の名 前 がぎっしり書 かれてい
ました。
留 守 を守っていた母は、二 十 数 枚 もある田 畑をほとんど一 人 で守っていたとのことです。
ひざに水をためながら、そして心 臓 を悪くして亡 くなりました。
戦 争 の恐 ろしさを痛 感 します。今 、我 が子を戦 場 に出 すなど考 えたくも思 いたくもありませ
ん。胸が張り裂けます。
政 治 家 (憲 法 九 条 を守 ろうとしない)の国 民 を思 いやる心 のなさに、ただただ言 葉 があ
りません。残 念です。(男 の子 三 人の母 50 代)
戦 後 60 年 、朝 鮮 戦 争、ベトナム戦 争、湾 岸 戦 争 etc.に加 担することなくこれたのも、
“憲 法 9条 ”があったからに他 なりません。連 立 政 権 になってから有 事 立 法 をはじめとして
諸 々の悪 法 が国 会 を通 過 し、日 本 はどこへゆくのやらと不 安 が募 るばかりの日 々でした
が、今 回のイラク派 兵という現 実に直 面してそれが全て下 準 備 だった事が明らかになりま
した。
あの忌 まわしい太 平 洋 戦 争 を幼 稚 園 児 で大 阪 のど真 ん中 で体 験 した私 は、テレビか
ら流 れる派 兵 される自 衛 隊 員 の服 装 こそ違 え、国 防 色 の兵 士 を日 の丸 の小 旗 をうち振
って見 送 ったあの日 と何 ら変 わらない光 景 を見 て、繰 り返 し過 ちを犯 す人 間 の愚 かさに
言 葉を失 いました。
大 きな国 民 の犠 牲 の代 償 に“憲 法 9条 ”という宝 物 を手 にし、世 界 に誇 らしく戦 争 放 棄
をうたってきた日 本が崩 壊しかけています。
戦 争 の世 紀 と言 われた20世 紀 が終 わり21世 紀 こそ平 和 の到 来 を!あらゆる可 能 性
を持 って生 まれてくる子 どもや孫 たちに安 穏 の人 生 を!と強 く願 っていたのに未 来 が暗
澹としてきました。
アメリカの大 量 破 壊 兵 器 調 査 団 長 の「イラクに大 量 破 壊 兵 器 は無 かった」発 言 で侵 略
と占 領 の大 義 名 分 が崩 れた今 、政 府 は直 ちにアメリカに追 従 することをやめ、イラク派 兵
の即 刻 中 止 を求めます。
同 時 に平 和 の砦 としての“憲 法 9条 ”を守 り抜 くために運 動 を輪 を広 げてゆくためには
どうすればよいのかと考 えています。(H.H. 60 代)
17
知 人の某 教 授の話によれば、「自らの見 解とは異なる他 者 の意 見にも耳を傾ける懐
の深 い総 理 との感 を受 けた」と聞 いていたが、さにあらず、これだけ多 くの国 民 が反 対 し
たにもかかわらず、米 国 から催 促 されるままに莫 大 な経 費 を投 入 して自 衛 隊 の派 遣 を続
けている。
原 爆 投 下 により、日 本 の敗 戦 、復 興 と苦 難 を乗 り切 った先 人 の苦 労 も喉 元 過 ぎれば
の感 じで、また再 び日 本 を危 険 な状 態 に引 きずり込 もうとしている政 策 に反 対 せずには
いられない。何 のための憲 法 9条 ですか。イラクの復 興 支 援 といっても、米 国 に追 随 した
にすぎないと思 う。いまだに大 量 破 壊 兵 器 は発 見 できず、米 国 はそれを認 めないばかり
か、日 本 の首 相 も「見 付 からなかったということはなかったという証 拠 にはならない」という
苦しい答 弁 をしている。
今 のイラクでは、敵 は米 国 、敵 の味 方 の日 本 も敵 になる。これ以 上 外 交 官 、自 衛 隊 員 、
民 間 人 の犠 牲 者 をだしてはならない。軍 靴 の音 を追 い払 おう。我 々の手 で。 (岡 田 古 都
1933.10.20 生)
ほんとは 何 もわかっていないのかもしれない。
日 本がイラクに自 衛隊を行かせた意 味を。
もしかしたら、今 の私たちの行いが 子 どもたちにふりかかる代 償となるかもすれないのに。
もう一 度 私 たちが何をしているのかみつめなおしたい。 (恩 田 40 代 )
今 回 のイラク派 兵 まで、日 本 は、第 二 次 世 界 大 戦 以 降 、戦 場 に家 族 を送 り込 むことな
く、子 どもたちは、家 族 や知 人 を戦 争 で亡 くす悲 しみや、苦 しみを味 合 わずにすんできま
した。
それは、私 たちの国だけが持つ、憲 法 第 九 条 のおかげだと思います。
先 の戦 争 で、戦 争 の苦 しみや、悲 しみ、恐 怖 を味 わい、愛 する人 を亡 くすという身 を切 ら
れるような辛 い経 験 をし、戦 争 は嫌 だ!二 度 としたくない!という思 いを味 わったはずな
のに、私 たちの大 切 な憲 法 第 九 条 が見 直 されようとしているなんて信 じられません。また、
変えようとしている人たちの中に、幼くして戦 争 を体 験した人たちがいることも、信 じられな
い事 実です。
今 、笑 顔 で走 り回 っている子 どもたちのために、そして、未 来 の子 どもたちのためにも、
何とかして、私たちの憲 法 第 九 条を守っていかなければと思います。
日 本 のためだけでなく、世 界 中 の人 たちのために、どの子 も戦 争 で傷 ついたり命 を奪
われることがなく、戦 争 の加 害 者 にも、被 害 者 にも、そして、傍 観 者 にもさせないように、
どの子 も生 まれてきて本 当 に良 かったと思 える世 の中 になるまで、絶 えることなく、声 をあ
げていきたいと思います。(M.Y 40 代 女 性)
18
二首
気 持のみのわたくしゆゑに眩しきは反 戦 集 会に集ふ人たち
戦ひがただただ好きな王の話かつて読みたる子どもの本 に
(新 庄 秀 子 60 代 )
イラク戦 争から1年。
憲 法9条が踏みにじられ、自 衛 隊 がとうとうイラクに派 遣されてしまった。
このままではいけない。
何かしなくちゃという思いだけで何も出 来ていない自 分がいる。
この国が再 び戦 争することのないように、平 和 憲 法を守る努 力をしていこう。
その一 歩がここへの私 からのメッセージです。(50 代、女 性)
私 の父 はシベリア抑 留 組 で戦 後 四 年 を経 てから帰 ってきたそうです。私 は−戦 争 を知
らない子 供 達 −で、そのまま戦 争 を知 らない大 人 になりました。私 にとって戦 争 はその父
や母 、また同 世 代 の人 たちの語 る話 の中 に、テレビや映 画 の画 面 の中 に、又 読 み、読 み
聞 かせる本 の中 にありました。その話 を聞 いたり、見 たり、読 んだりする度 に、その悲 惨 さ
に目 をそむけ、心 に言 いようのない痛 みを感 じました。でも、私 たちの生 活 の中 に戦 争 は
存 在しませんでした。
憲 法9条 、それは今まで空 気の様に私 達を包み、私 達も当 たり前の様 にその存 在 を信
じてきたものです。
今 、その憲 法 9条 が揺 れています。私 には難 しい論 議 は分 かりませんが、はっきりして
いるのは私 達 の生 活 の中 に戦 争 はいらないという思 いです。自 分 の子 供 達 が戦 場 に送
られ、自 分 はもちろん他 の人を傷つけることなど絶 対にあってはならないことです。
憲 法 9条 、当 たり前 すぎてそのすごさが分 かっていなかった。戦 争 放 棄 !私 達 は自 分
達 の子 供 のために、また、世 界 の子 供 達 のために、この憲 法 を守 っていかなければいけ
ないのだ。(40 代 女 性 4人の母)
私にとって、憲 法9条は特 別なものではなく当たり前のものだった。
私にとって、平 和は当たり前のものだった。
争 を経 験 していない私 が心 の底 から戦 争 をしてはいけないという思 いにはなれない。でも、
私 が心 底 、戦 争 はいけないと分 かる前 に気 づかなければならないのではないだろうか。
戦 争 を経 験 し、平 和 を守 ろうとしている人 たちの思 いをきちんと受 け止 め、引 き継 いでい
かなければいけないのではないだろうか。
もし、戦 争 が起 こり、かなしい思 いをしてからでは遅 すぎる。今 ある平 和 は決 して当 たり前
のものではないはず。
後で決して後 悔しないように、今 、気 付かなければいけない。(渋 谷 30 代)
19
小 学 生 の修 学 旅 行 の引 率 で、広 島 に三 度 行 きました。そのうちの二 度 、同 じ方 (被 爆
者 )の体 験 談 を聞 く機 会 を得 ました。その方 の家 は今 平 和 公 園 になっている所 にあり、爆
弾 が落 とされた時 少 し離 れた所 におられたその方 だけが奇 跡 的 に助 かり、お母 さんや疎
開してきた親 戚はすべて亡くなられたそうです。
その方 がご自 分 の体 験 を交 えて小 学 生 に話 して下 さったことは、「友 達 を大 切 にしてく
ださい。ふるさとを大 切 にしてください。」という二 点 でした。これが平 和 を守 るために大 切
なことだと子 ども達 にもわかるように教 えて下 さったのです。こんな当 たり前 のことが今 、
世 界 中 で崩 されようとしています。歴 史 の授 業 の中 で、日 本 国 憲 法 を教 え、こんなすばら
しい憲 法 は世 界 中 探 してもないんだよ、と言 っているのに、今 の日 本 の政 治 家 達 は何 を
考えているのでしょう。
正 義 のための戦 争 なんて、絶 対 ありえない。戦 争 をしたがる人 間 は、いつも自 分 は絶
対 安 全 な所 にいて、危 険 にさらされるのはいつも弱 い立 場 にいるものばかりだ、ということ
だけは卒業 する教え子 達に伝えたいと思っています。(K.K. 女 性)
大 量の 破 壊 兵 器のありと言う イラクを探せど なにも出てこず
先 制の いくさに勝てど次々と テロに手をやく ブッシュとブレア
先 制の イラクの戦が良 いならば 真 珠 湾も 正しいいくさ
公 人の 靖 国 詣では違 憲なり 参 拝 したくば 私 人とすべし
警 察の 予 備 隊 育ち自 衛 隊 海 外 派 遣につづくか 徴 兵
繰り返す 歴 史は道 理か知らないが 戦 争ばかりは 最 低 最 悪
憲 法の 九 条 誇る日の本の 民の徳は いずこにありや
イラクでは 石 油をまもる占 領 軍 治 安 守らずテロつづく日々
原 爆も毒 ガスもなく治安 なし 平 和もなくて帰りもできず
イラク戦 原 爆はなく 石 油あり
フセインを 倒してもなお テロつづき
戦 争の 後 始 末には テロに手をやき
戦 争は 終 わった筈だが テロ止まず
あわれなる 大 統 領は いまいかに
国 連の 認 めぬいくさに 旗 出すな
スペインの 次がこわいな 日 本かな
バグダッド 陥ちたと思 えば略 奪つづく
人 民の 治 安 守れぬ 占 領 軍
原 爆も 毒 ガスもなく テロばかり
大 義なき 戦 争すんでも テロつづく
大 義なき イラクのいくさに いらぬ日 の丸
どこにいる まだわからない ビンラディン
20
(天 沼 昭 74歳)
このメッセージを書 こうとして、随 分 時 間 がたってしまいました。その間 、ずっと心の中で
反 芻 していたことがあります。“具 体 的 にどうしたら、平 和 を守 り、子 どもたちの未 来 を守
ることが出 来 るのか”“メッセージを書 こうとするのだけれど、何 故 こんなに時 間 がかかっ
てしまうのか・・・”
今 の日 本 の社 会 は、歴 史 で学 んだ戦 前 の状 況 に近 づいているような気 がします。“い
つのまにか、国 民は戦 争 に巻きこまれていた”過 去 の悲 惨な敗 戦から、多 くの事を学んだ
はずなのに、また同 じ悲 劇 が繰り返 されるかも知 れない危 険 な方 向に日 本 は進もうとして
いるように思 えます。
国 際 協 力 のためならという大 義 名 分 のもとに、自 衛 隊 派 遣 も、そのためのイラク支 援
特 別 措 置 法 も、十 分な論 議もされないまま次々に可 決していきます。
自 衛 隊 のイラク派 遣 は、憲 法 違 反 ではないのか?国 際 協 力 の方 法 は他 になかったの
か?原 点 に戻 れるうちに、巧 妙 なすり替 えが次 々に行 われる前 に、国 民 が気 づかなけれ
ばますます危 険な状況 に陥ってしまうでしょう。
憲 法 9条 や平 和 の尊 さを、頭 の中 では、理 解 しているのですが、その一 方 で、日 々の
生 活 の中 で処 理 していかなければならない雑 事 に追 われ、一 日 が終 わってしまう今 の自
分 がいます。“頭 の中 ”から踏 み出 せないのは何 故 なのか。このメッセージを書 こうとして
なかなか書 けなかった時 間の中で、ずっと考えていました。そして、今も考えています。
そんな時 間 の中 で、昭 和 の歴 史 をもう一 度 、学 んでみようと思 うようになってきました。
若い世 代の人たちに、日 本のたどってきた“事 実 ”を伝え、話 し合うためにも。
そして、親 子 で、その日 、世 界で起 こった事を話 す時 間を毎 日 少 しでも持ちながら、“踏
み出す”ための糸 口を模 索しています。(Muneyama 40 代)
私は戦 争の被 害 者になるのは嫌です。
戦 争の加 害 者になるのはもっと嫌です。
人が人を殺 してはいけないと言うことは最 低 限のルールです。
私たちを罪 人にしないで下さい。殺 人 者にしないで下さい。
戦 争は命を大 切に思う心を麻 痺させてしまいます。
おだやかな平 和は私の宝 物です。 (たけなか まりあ)
21
私 の田 舎 では自 衛 隊 への入 隊 は、安 定 した職 業 (公 務 員 )として堂 々と(?)地 元 のお
じさんが勧 誘 しています。子 どもたちは聞 きます。「おっちゃん、戦 争 に行 くようなこと無
い?」おじさんは胸 を張 って答 えます。「日 本 には平 和 憲 法 がある。日 本 は絶 対 戦 争 しな
い。大 丈 夫。」と。
おじさんは今 、憲 法 を踏 みにじられた悔 しさと、若 者 達 への申 し訳 なさで泣 いています。
(N.T. 40 代 女 性)
「国 家 は国 民 を守 らない」そして「あらゆる戦 争 に反 対 」という憲 法 9条 を支 えてきた戦
後 日 本の平 和 主 義が、大きな岐 路 にいま立っているように思 えます。
北 朝 鮮 問 題 に象 徴 されるように、アメリカによる平 和 しかないという現 実 認 識 がアメリカ
の戦 争 政 策 への追 随 を容 認 する根 拠 のようです。このいまの生 活 を守 るために「国 に守
ってくれ」要 求 を始 めた世 論 に、日 本 の平 和 主 義 はどのようなメッセージを送 ることができ
るのでしょうか。
いま問 われている戦 争 は、自 分 たちが犠 牲 者 にならないかもしれない戦 争 。無 関 心 で
あっても自 分たちは大 して困らない。
私たちの想 像 力が問 われています。
抑 圧 からの解 放 のためにそこにすむ人 々の多 少 の(本 当 は多 少 ではない)犠 牲 は仕 方
がないとどうして簡 単にいえるでしょうか。私たちにつながる人々もそう言 って、殺されたの
はほんの 60 年 前だったのではと、私 は思うのです。
「あらゆる戦 争に反 対 」と宣 言した憲 法9条 こそ、21 世 紀 の新しい戦 争の時 代への現 実
的な対 応だと私は声を大にして言 いたいのです。(田 中孝 征 40 代)
小 泉 首 相に言いたい。
孝 太 郎 さんをイラクへ派 遣 してください。注 目 度 バツグン。あなたの人 気 はうなぎ登 り間
違いない!!(エンタのおばちゃん 40 代)
当 事 国 に軍 事 介 入 しないという日 本 の歴 史 と地 道 な民 間 の人 道 支 援 がこつこつ築 き
上 げた中 東 やアフガニスタンとの友 人 関 係 。友 人 日 本 だからこそ出 来 た自 衛 隊 という軍
隊 に依 らない人 道 支 援 があったはずなのに、国 益 のための顔 色 伺 いで軍 隊 によるアメリ
カ追 従 という浅 はかな行 為に走 った小 泉 首 相 。彼 は当 事 国 で地 道に友 として人 道 支 援 し
てきた人 達 を危 険 に晒 し、敵 意 の中 に取 り残 し、積 み上 げてきたものを台 なしにしてしま
った。大 量 破 壊 兵 器 は見 つからず、使 っていないと言 っていた劣 化 ウラン弾 で多 くのイラ
ク人 がガンや白 血 病 に苦 しみ、市 民 を狙 って爆 弾 を打 ち込 み、武 器 を捨 てた兵 士 をハチ
の巣 にし、あげく今 回 表 沙 汰 になってきたイラク人 への虐 待 。アメリカが掲 げていた戦 争
の大 義 も正 当 性 も全 く虚 偽 である事 がこれだけむき出 しになった今 、国 益 のためといって
自 衛 隊 という軍 隊 をイラクに送 ってアメリカに追 従 した日 本 政 府 は、誤 った舵 取 りをしたこ
とに対して正 面から国民 に対して謝 罪し責 任を取るべきだと思う。(高 橋 45 歳)
22
マスメディアも取り上げない有 事 法 案 ねらいは何 ?
よくも悪 くも派 手 に繰 り返 し報 道 されるさまざまなニュースのかげで、これからの私 たち
の暮 らしを左 右 すると思 われる「有 事 関 連 法 案 」が今 国 会 で成 立 させられようとしていま
す。この法 案 も国 会 でほとんど審 議 されることもなく、またメディアによって大 きく取 り上 げ
られることもなく・・・
この法 案 は戦 前 の「国 家 総 動 員 法 」のような法 律 と思 われますが、戦 時 には国 家 の命
令 に私 たちが従 わなくてはならない最 後 には徴 兵 ・徴 用 を目 的 としているのではないでし
ょうか。こうなれば憲 法 9 条もあって無きが如しの存 在になってしまいます。新しく出 来た
法 律が優 先 されるのが常なのですから。
日 本 の国 がアメリカに追 従 する道 を歩 む限 り、休 む間 もなく戦 争 を続 けているアメリカ
(他 国を戦 場として)に限りなく、巻 き込まれてゆくことになるでしょう。アフガンの後 方 支 援
やイラク自 衛 隊 派 兵のように。
有 事 に備 えるための法 律 は、日 々の暮 らしの中 に町 内 会 や自 治 会 を通 じてあの防 災
訓 練 のように軍 事 訓 練 が再 び現 実 味 を帯 びてくることはないのでしょうか。どうかこうした
不 安が杞 憂 のものであってほしいと願 いますが。
小 泉 首 相 の憲 法 9 条を変えたいという発 言 には、平 和 に慣れ、普 遍 的 真 理として揺ら
ぐことはないと思 っていた平 和 憲 法 が危 機 にさらされていると知 って大 きな衝 撃 を受 けた
ものでした。
政 府 ならずとも二 大 政 変 と言 われる片 方 の党 も「創 憲 」、他 に「加 憲 」と憲 法 を変 えよう
という議 員 が 3 分の2に達しかけていると聞き、あらためて心の凍る思 いです。
戦 争 の出 来 る普 通 の国 したいと思 っている人 は、おそらく、自 分 は決 して戦 場 でたたかう
気も立場に立たなくてもいい人の論 議のように思います。
先 日 、池 田 香 代 子 さん(「もし世 界 が百 人 の村 だったら」の訳 者 )がこの事 態 を憂 慮 して
絵 本 を出 されたそうです。この法 案 の重 要 性 を学 び世 論 を広 げ年 金 問 題 や拉 致 被 害 者
の方 の問 題 のように具 体 的 にわかりやすく取 り上 げられるようマスメディアに働 きかけた
いものです。
孫 子 の未 来 のために平 和 を愛 し、生 命 をいとおしむ、世 界 のすべての人 々と共 にたた
かいに疲 れ果 て、愛 するものを失 い、からだや心 が傷 つき病 む人 々へできることは何
か・・・。問 い続ける日々です。(Y.60 代)
23
石 垣りんの詩によせて
目 覚めていたこの人−あるいはもっと今より
こういうことが見えたのかもしれないこのころ。
でも それが戦 後たった数 年のことであったというのは驚く。
そして今 数 十 年。
雪 崩のとき
人は
その時が来 たのだ、という
雪 崩のおこるのは
雪 崩の季 節 がきたため と。
武 装を捨てた頃の
あの永世の誓いや心の平 静
世 界の国々の権 力や争 いをそとにして
つつましい民 族の冬ごもりは
いろいろな不 自 由があっても
またよいものであった。
平和
永 遠の平 和
平 和 一 色の銀 世 界
そうだ、平 和 という言 葉が
この狭くなった日 本の国 土に
粉 雪のように舞い
どっさり降り積もっていた。
私は破れた靴 下を縫 い
編 物などをしながら時々手を休め
外を眺めたものだ
そして ほっ、 とする
ここにはもう爆 弾の炸 裂 も火の色もない
世 界に覇を競う国に住 むより
このほうが私の生き方 に合っている
と考えたりした
それも過ぎてみれば束 の間で
まだととのえた焚 木もきれぬまに
人はざわめき出し
そのときが来た、という
季 節にはさからえないのだ、と。
24
雪はとうに降 りやんでしまった、
降り積もった雪の下には
もうちいさく 野 心や、いつわりや
欲 望の芽がかくされていて
“すべてがそうなってきたのだから
仕 方がない“というひとつの言 葉が
遠い嶺のあたりでころげ出すと
もう他の雪をさそって
しかたがない、しかたがない
しかたがない
と、落ちてくる
ああ、あの雪 崩
あの言葉の
だんだん勢 いづき
次 第に拡がってくるのが
それが近 づいてくるのが
私にはきこえる
私にはきこえる
(1951.1.)
“他 もそうだからしかたがない”“普 通 の国 になろう”…永 世 平 和 などとは非 現 実 的 だとい
う声 が今 は大 きい。9条 についてはっきりと否 定 するのがトレンドだ。でも降 り積 もった平
和 を体 験 した人 々の声 をもっと大 事 に聞 いてみなくては。国 家 は戦 争 をするもの、戦 争 を
しない国 を目 指 すなんて、幼 稚 なこと、なのでしょうか?正 義 のための戦 争 があるわけな
い。正 義 の名 で戦 われた数 々の戦 争 は、実 情 はドロドロしたものだった。末 端 では「お国
のため」という軍 国 少 年 少 女 が痛 ましいほど本 気 であっても、総 元 締 めは陸 軍 と海 軍 の
勢 力 争 いであったり、武 器 商 人 の思 うつぼであったり、政 治 を動 かすゼネコンの大 もうけ
であったりする。そしてより残 忍 な殺 人 マシンの養 成 で人 でなくする訓 練 が行 われるのだ。
今 になって明 るみに出 てくる戦 時 犯 罪 、戦 時 性 暴 力 はぼろぼろ出 てくる。考 えても見 よ、
ビルマ内 陸 の最 前 線にまで慰安 婦 を連れて行 った皇 軍とは何 者か。
戦 時 性 暴 力 は、しかし、旧 日 本 軍 の専 売 特 許 ではなかった。政 治 犯 に対 する軍 事 政 権
の拷 問 、捕 虜 に対 する虐 待 …ジュネーブ条 約 違 反 がゴロゴロだ。うちだけじゃない、他 で
もやってる…そういう問 題 じゃないでしょう。戦 争 というものは、そこまで人 間 を非 人 間 的
なものにするのだ、ということじゃないのか。つまりそれであるならば、戦 争 を起 こさない努
力をするのが人 間 的であるということじゃないのか。
戦 争 展 の最 終 日 、西 野 留 美 子 さんの講 演 があった。ながらく「従 軍 慰 安 婦 」問 題 にとりく
み、急 逝 した松 井 やよりさんとともに戦 争 と女 性 への暴 力 に取 り組 んでいる人 だ。このほ
ど、日 中 戦 争 時の戦 地 における「従 軍 慰 安 婦」について、実 証 的に調 査 した本をまとめた。
そのことの報 告 だったのだと思 う(私 は参 加 できていない)。その本 の中 で、旧 日 本 軍 兵
士が犯 した中 国 女 性に対する性 的 虐 待はすさまじいものだ。吐き気をもよおさずにはいら
れない。「慰 安 所 」(というものもおぞましいが)の外 での、住 民 女 性 への数 知 れない強 姦 、
25
そして惨 殺 。「慰 安 所」自 体 役 目を果 たしていなかった勢いだ。夫の目 の前 での複 数の兵
士 による輪 姦 、その後 女 性 は、一 家 の恥 として、居 場 所 がなかったり、家 族 に殺 されたり、
自 殺したり…
え?これって、現 代 、イラクのアブグレイブ収 容 所 でのアメリカ兵 によるイラク人 に対 する
虐 待 の話 じゃないの?4月 ごろ、毎 日 のように普 通 の新 聞 や、子 どもも見 るテレビのニュ
ースで流 れていた映 像 と、話 と、まるでウリ二 つじゃない?なんと、貧 困 な奴 らよ、兵 士 た
るもの。そして、戦 争 の行 きつく先 には、これしかないのだ、いわく、人 権 蹂 躙 。そこで最 も
傷つくのは女 性、子ども。そして、そのように非 人 間 的になることを要 求 される男たち。
もういいかげん、戦 争 しない方 向 で、ものごと考えてみようよ。傷 ついた、瀕 死に近 い地 球、
その地 球 をさらに何 度 も破 壊 できるほどの武 器 の量 を持 って競 っている人 間 。今 ほど憲
法 第 9条 の持 つ意 味 を、みんなのものにしたいときはない。やるかやられるか、やられる
前 にやる、そんな二 者 択 一 でないもうひとつの道 の可 能 性 こそ9条 の本 領 なのだと思 う。
(由美 子) ※参 考 文 献 『戦 場 の「慰 安 婦 」 拉 孟 全 滅 戦 を生 き延 びた朴 永 心 の軌 跡 』
西 野 瑠 美 子 著 明 石 書 店 2003.12
多 国 籍 軍 に「参 加 」と明 言 した小 泉 首 相 。どんどん国 民 の意 思 とは関 係 なく流 れていく。
「武 力 行 使 はしない。非 戦 闘 地 域 に限 る。イラク特 措 法 の枠 内 での活 動 。活 動 は日 本 の
指 揮 下 にある。」うーん。本 当 だろうか。そこまで苦 しい説 明 をしてまで多 国 籍 軍 に入 らな
ければならないのか。
既 に自 衛 隊 は、米 兵 を輸 送 したり補 給 物 資 を運 んでいるという。武 力 を使 う兵 を運 びな
がら、武 力 行 使をしていないと言 い切るところに既に無 理 がある。
国 民 への説 明 責 任 は全 くないのか。一 方 的 に決 定 し、「決 まりました」で済 むのか。為
すすべのない弱 者を切 り捨てて、生 活を脅かしてまでも、やるべき事なのか。
イラクの人 々を支 援 することは大 切 だが、全 く手 順 を踏 まず、ただ、政 府 の好 き勝 手 に
進 めていることは大 いに問 題 がある。本 当 の人 道 支 援 とはどうあるべきか、もっと考 えて
いかなければ、この先 恐ろしい事 態が待っているように思 えてならない。(N. 50 代 女 性)
私 はいわゆる第 二 次 世 界 大 戦 の戦 中 派 です。空 襲 、疎 開 、食 糧 不 足 を、子 どもな
がら体 験 しました。出 征 兵 士 を送 り、防 空 壕 も掘 りました。膨 大 な犠 牲 者 と損 失 を出 し
て、日 本は戦 争に懲りて、戦 争を放 棄した筈 です。
日 本 の戦 争 放 棄 は、アメリカへの御 追 従 だったのでしょうか。そして今 またアメリカに
加 担するために、九 条 を変えようと言うのでしょうか。
戦 争 を知 らない若 い世 代 も、戦 争 の悲 惨 さを知 らないわけではありません。私 たちの
体 験 した五 十 年 以 上 前 は、今 のようにメディアが逐 一 戦 状 を報 じることはありませんで
した。今 はイラクの惨 状 、善 良 な市 民 へのいわれのない残 虐 など即 刻 、テレビ、新 聞 で
報 道 されます。それは決 してよそ事 ではありません。戦 争 に巻 きこまれたら、日 本 にも
起 こりうることです。考 えただけでも恐 ろしいことです。次 の世 代 のためにも九 条 を守 る
べきだと切に願います。(70 代 女 性 )
26
日 本 国 憲 法 について
わが国 の自 衛 隊 が「人 道 支 援 」の名 のもとにイラクに派 遣 されたことは、社 会 に大 きな
論 争 を巻 き起 こす原 因 となった。そこで問 題 となるのは、自 衛 隊 のありかた、国 際 社 会 に
おける日 本 の役 割 、アメリカを始 めとする外 国 との関 係 などであるが、やはり日 本 国 憲 法
を抜きには考えられない問 題である。
そもそも日 本 国 憲 法 は、明 治 憲 法 の反 省 点 を踏まえGHQ(実 質はアメリカ)が示 した案
をもとに作 られた憲 法 である。その背 景 には、アメリカにとって日 本 が再 び脅 威 とならない
ようにという意 図 があった。日 本 国 憲 法 の3原 理は、「平 和 主 義」、「主 権 在 民」、「基 本 的
人 権 の尊 重 」である。憲 法 第 9条 ではわが国 は戦 力 を持 たず、また戦 争 を永 久 に放 棄 す
ることを定めている。
ここでまず問 題 となるのは、自 衛 隊 を戦 力 とみなすか否 かということと、たとえ戦 力 とみ
なされなくとも(それが直 接 戦 闘 に参 加 せずとも)戦 場 に赴 くということである。自 衛 隊 が
戦 力 とみなされるならば、それは国 の最 高 規 範 である憲 法 違 反 である。また、自 衛 隊 が
戦 力 ではなく戦 闘 に参 加 せずとも、戦 場 へ赴 く事 自 体 が戦 争 に(間 接 的 にであれ)参 加
することとみなされるならば、戦 争の放 棄という観 点から憲 法 違 反であるといえる。
また、自 衛 隊(員)の安 全 保 障も大 きな問 題である。戦 場では、戦 闘に参 加 する、しない
に関らず常 に危 険 が伴 うものである。もし自 衛 隊 (員)が何らかの攻 撃を受 けた際 に、(身
を守 るためにであれ)反 撃 することを認 めるのならば、結 局 は戦 闘 (戦 争 )に参 加 すること
になり憲 法 違 反 となる。逆 に反 撃 を認 めずただ黙 って殺 されろというのならば、それはあ
まりにも自 衛 隊 員の基 本 的 人 権を軽 視した暴 挙 であり、これもまた憲 法 違 反といえる。
このように、自 衛 隊 が現 在 のイラクに派 遣 されているということは、多 くの解 決 しなけれ
ばならない問 題 を山 積 みにしたままであるという観 が拭 えない。「人 道 支 援 」は非 常 に重
要 な事 であり、日 本 が支 援 することはおおいに結 構 なことである。しかし、国 の最 高 規 範
である日 本 国 憲 法 に矛 盾 することは、まさに法 治 国 家 としての破 綻 を意 味 するといっても
過 言ではない。
そのような背 景 があり、憲 法 改 正 を訴 える声 が一 部 で熱 を帯 びてきている。たしかに憲
法 を改 正 し戦 力 保 持 や戦 争 の参 加 を認 めれば、自 衛 隊 を速 やかに(少 なくとも合 法 的
に)派 遣 することができる。また、国 際 社 会 からの批 判 も減 少 し、戦 勝 国 になれば景 気 回
復 へのカンフル剤 になる可 能 性 もある。しかし、わが国 は二 度 の敗 戦 を経 て、戦 争 の悲
惨 さを身 にしみて知 っている国 として、「平 和 主 義 」を貫 き憲 法 第 9条 を誇 りにしていく国
家であることを願ってやまない。
自 衛 隊 のイラク派 兵 が憲 法 違 反 であるならば、アメリカは自 身 に対 して矛 盾 することをわ
が国 に押 し付 けたといえる。日 本 国 憲 法 制 定 はGHQの指 導 のもとで行 われたが、結 局
はアメリカの占 領 政 策 のひとつであった。したがって、アメリカはわが国 が戦 争 に参 加 でき
ないようにしたにもかかわらず、現 在 は(正 確 には日 米 安 全 保 障 条 約 締 結 から)戦 争 に
協 力 するよう要 請 しているのである。これは、わが国 に対 する暴 挙 であると同 時 に、アメリ
カ自 身に対 する裏 切りであるといっても過言ではない。(岸 名 20 代 男 性)
27
戦 争 体 験を伝えるために出 来ることは?
時 代 とともに、ますます人 と人 とのつながりが希 薄 になっていく中 、戦 争 を体 験 された
方 の数 も亡 くなられたりして減 っていき、「伝 える」ということが(戦 争 に関 してだけでなく、
他 のさまざまなことにおいても)途 切 れていく傾 向 にあることは、残 念 なことだと憂えており
ます。
修 学 旅 行 などで広 島 や長 崎 を訪 れ、語 り部 の人 からじかに戦 争 体 験 を聞 く機 会 のある
人たちは、まだ恵まれていると思 います。
それが出 来 ない場 合 でも、何 らかの形 で、体 験 者 から話 をきく機 会 を作 れるように出 来 な
いものでしょうか。
また、親 や教 師 など、まわりの大 人 たちが心 しなければならぬこととして、子 供 たちが大
人 になるまでに、平 和 の大 切 さを深 く心 にとどめてくれるようなものを、一 つでいいから自
分の中に持 てるよう、見 守り、導 いていかねばならないと思います。
何 でもいい、多 くなくていい。一 つでも心 にとどくものがあれば、その一 つは、大 きな力 へ
とつながっていくのではないでしょうか。
「ヒロシマ 語 り部 の歌 」(大 野 充 子 ・作 )を読 みながら、またしてもそんなことを思 ってみ
たりしました。
地 球 の上 で戦 争 の絶 えない世 の中 、同 じ日 本 にある沖 縄 のことですら、私 たちはあまり
にも知らないことが多 い現 状です。
「かえってきたキムジナー」というお話 は、あかちゃんの時 からいつも戦 闘 機 の音 と振 動
におびやかされて泣 いていた少 女 が幼 稚 園 に行 けなくなったところからはじまるお話 です。
「ハテルマシキナ」(桜 井 信 夫・著)は沖 縄を描 いた少年 長 編 叙 事 詩です。
私 たち本 土 で暮 らすものは、ほとんどこうした沖 縄 の現 実 を知 らないのではないでしょう
か。旅 行で沖 縄を訪ねてもただの観 光だけで帰ってしまったり・・・。
こうして本 を通 して心 の訴 えを聞 くことで、少 しでも気 づくことがあることは、大 切 なことだ
と思いました。
政 治 的にどうかでなく、幼 い子 供 たちや名も無い人 たちの心の悲しみ、傷み、苦 しみを、
心 から心 へ伝 えてくれる本 の力 というものを、もっともっと見 直 してもいいのではないでしょ
うか。
これらの本 を含 めた児 童 書 ・絵 本 などを通 して、戦 争 と平 和 を考 えるささやかな会 を、
私たち「いちいち会」のメンバー3 人 が、7 月 7 日 (10 時∼3 時)、ハートピア京 都 地 下 一 階
ボランティアルームで開 きます。良かったら気 軽 にのぞいてみませんか? (M・ニシヤマ)
28
日 本 の国 連 の常 任 理 事 国 入 りが取 り沙 汰 されているようです。 しかし、9・11テロ以
降 の世 界 を見 ると、国 連 の安 全 保 障 理 事 会 は、すでに世 界 秩 序 を維 持 する機 能 を十 分
に持っていないように思 われます。
第 二 次 世 界 大 戦 の戦 勝 国 が当 時 持 ち得 た最 良 の理 想 。それが形 になったものが日
本 国 憲 法 の第 9条 だったとするならば、日 本 は、そのことを積 極 的 に引 き受 けるべきでは
ないか。
具 体 的 に言 うならば、第 二 次 世 界 大 戦 でファシズムと戦 い、その後 の世 界 で正 義 の観
念 を体 現 し、これまで平 和 を維 持 しようと努 力 してきた常 任 理 事 国 にかわって、これから
は軍 事 力を背 景とせずに、紛 争を解 決するために有 効な新しいシステムを構想すること。
これ こそが 、 日 本 に 、 歴 史 的 に 与 え られた 使 命 なのではな いでしょう か 。( 大 隅 直 人
1967 年 生まれ)
書 は長 谷 川 澄 湖 氏
1975 年 「有 事 立 法 」の名 がはじめて出 現 した事 を詠 まれた短 歌
その頃 の朝 日 歌 壇 にて第 一 首 となる。(作 者 は故 人 )
29
憲 法9条を選びとった初 心にかえろう
この9月、家 族の仕 事 の関 係でソウルを訪れ、市 内のソデムン(西 大 門 )刑務 所 歴 史
館と、ソウルから車で2時 間 余りのファソン(華 城)市にあるジェアムリ(堤 岩 里)3・1運 動
殉 国 記 念 館 を見学 する機 会を得 た。ソデムン刑 務 所 歴 史 館 は、日 本の植 民 地 支 配 下、
独 立 運 動の闘 士たちが捕らえられ拷 問を受 け処 刑された地に作られており、地 下 の独
房や獄 舎も見 学コースに入っている。またジェアムリは、1919年に広く大 規 模に展 開 さ
れた独 立 運 動の中で、その指 導 者 と目された人々が日 本 軍によって教 会に閉じ込めら
れ焼き殺された村である。
いずれも日 本 人 見 学 者 にとっては胸 苦しい歴 史 的 事 実を突 き付けられる場ではあった
が、特にジェアムリ3・1運 動 殉 国 記 念 館は、日 本 語パンフレットの表 紙 にもある「祖 国 独
立のために、日 本 帝 国 主 義の侵 略 に立ち向かって殉国した愛 国 烈 士29人の魂を慰め、
民 族の自 主 独 立 精 神を振り返るために設 立された教 育の場です」という設立 主 旨 に沿っ
た歴 史 的 資 料やパネルの展 示が、印 象 的であった。日 本 軍の非 道な独 立 運 動 弾 圧ぶり
も紹 介されているが、民 族の自 主 独 立をめざして闘った先 人 たちの姿をまず第 一に自 国
の子どもたちに伝えたいという意 志が強く感じられた。もちろん、日 本の植 民 地 支 配に対
しては「赦しこそすれど、忘れる勿れ」(ジェアムリ3・1運 動 殉 国 記 念 館の日 本 語パンフレ
ット)である。
今 回の韓 国 訪 問で、各 地に国や地 方 自 治 体などによって独 立 記 念 館が設 置され、多
くの韓 国の子どもたちが学 校からや家 族で訪れていることを知った。翻って日 本の子 ども
たちはどうだろうか。最 近 は原 爆 資 料 館を訪れる学 校が減っていると聞く。自 国 内の原 爆
投 下や空 襲 に因る戦争 の惨 状を知 らせることもだんだん避 けられるようになっている。ま
して客 観 的 歴 史 的 事 実 である日本 の他 国への侵 略 行 為をちゃんと学ぶ機 会もなくおとな
になってしまえば、日 本 の若 者たちは、韓 国をはじめかって日 本が侵 略 していた国 々の
若 者たちと対 峙した時、どう向き合えばいいのか、困 惑するばかりだろう。双 方に互 いの
国の歴 史 的 関 係について共 通の客 観 的 認 識があってこそ、同じ地 平にたって今 後 の関
係についても意 見を闘 わせることができるというものである。
これらの施 設 を見 学 して改 めていま強 く思 うのは、我 々日 本 人 にとって、憲 法 第 9条 は、
まず、それまでの日 本の朝 鮮 半 島や台 湾・中 国 大 陸・東 南 アジア各 国 への侵 略 行 為へ
の反 省をふまえ、今 後 隣 国をはじめ近隣 諸 国 とどのようにつきあっていくかの決 意 を表明
したものではなかったか、ということである。この第 9条があってこそ、日 本は戦 後の国 際
社 会で曲がりなりにも国 際 的 信 用を勝ち得ていたのではないか。実 際、9条の主 旨 を逸
脱した国 際 貢 献は、その信 用を落 としこそすれ、なんら日 本 の世 界 平 和 への役 割を示す
ものとはなっていない。
憲法 第9条は、制 定 後57年を経 た現 在から振り返ってみて、いわゆる自 虐 史 観 だと
か侵 略 者の負い目などから生まれたものではなく、またアメリカの都 合で押し付けられた
のでもなく、日 本 国 民が自 国の今 後 歩むべき“戦 争 放 棄”という道すじを、正しく選びとっ
たものだと思 う。
昭 和22年に文 部 省か中 学1年 生に配 布した『あたらしい憲 法 のはなし』には「戦 争の
放 棄」について次のような記 述がある。「…これを戦 力の放 棄 といいます。「放棄」とは「す
ててしまう」ということです。しかしみなさんは、けっして心ぼそく思うことはありません。日
本は正しいことを、ほかの国よりさきに行なったのです。世 の中に、正しいことぐらい強い
ものはありません。…」。我々現 在(いま)のおとなも、このような誇りと自 信をもって、憲 法
第9条を次 の世 代に伝 えていかなければと思う。(永井 麻 里 50代 女 性 )
30
力を信ずる人・理 性を信ずる人
先 日 、 私 は 「 平 和 のた めの伏 見 戦 争 展 」 ( 平 和 のための伏 見 戦 争 展 実 行 委 員 会 主
催 )に参 加 した。そこで、非 常 に感 銘 を受 けた発 言 があったので、この場 をかりて紹 介 さ
せていただきたい。
その発 言 は、「(平 和 を望 みながらも・平 和 のために)憲 法 9条 を変 えたい人 と、守 りた
い人」についてであった。
憲 法 9条 を変 えたい人 は、「力 」を信 じている。「平 和 」を作 り出 すためには、「力 」が必
要 であり、そのためには多 少 の痛 みや流 血 はやむを得 ない。話 し合 いで全 てを解 決 する
のはあくまでも「理 想」であって、「現 実」には「力 」が必 要である、というのである。
一 方 、憲 法 9条 を守 りたい人 は、「理 性 」を信 じている。「平 和 」を作 り出 すためには、
「力 」は不 要 であり、話 し合 いこそが重 要 で、そのためには膨 大 な時 間 がかかるであろう
がやむを得 ない。すべてを「力 」で解 決 するのは「理 性 」の欠 けた野 蛮 人 のすることであり、
「理想」を追 い求めることこそ、「人 間」(として)の証である、というのである。
ここで共 通 しているのは、両 者 ともに「平 和 」を望 んでいることである。両 者 の大 きな違
いは、前 者 は今 目 の前 にある「現 実 」に視 点 を置 き、即 効 性 のある「力 」を信 じていること
である。
逆 に後 者 は、時 間 をいとわず「理 想 」を追 求 し、人 間 (としての)の「理 性 」を信 じている
ことである。
両 者 ともに一 理 あるし、それぞれが信 ずるものによって、「平 和 」を望 み作 り出 そうとし
ている。しかし、「どちらのほうが省エネか?」と問 うならば、やはり後 者の方であろう。
なぜなら、「理 性 」による話 し合 いでは「時 間 」を消 費 するのに対 し、「力 」による戦 争 で
は、街 や環 境 を破 壊 するだけではなく、それらの復 興 にも「時 間 」を消 費 するからである。
特 に、環 境 の回 復 には途 方 もない「時 間 」が必 要 である。「時 は金 なり」というならば、「時
間」の浪 費 は、金 銭(経 済)的にも大 きな損 失といえる。
また、多 くの人 命 も失 われるが、一 度 失 われた命 は、どんなに時 間 やお金 をかけても
戻ることはない。
そういった観 点から「平 和 」をみると、「力」 より「理性」のほうが省エネであるといえる。
人 にも地 球 にもやさしく、「平 和 」を築 きあげるのは、「力 」ではなく「理 性 」であると考 え
る。(岸名 20代 男性)
31
戦 争体 験を伝えるために出来 ることは? Part 2.
前 回 同 じテーマで拙 い文 章 を書かせていただいてから、戦 争 体 験 を伝 えるために、ささ
やかなことでも身 近なところで出 来ることが何かないだろうかと、ずっと考えてきました。
最 近 新 聞 で紹 介 されていた「孫 たちへの証 言 」第 17集 (新 風 書 房 ・1365 円 )には、全
国から寄せられた 513 編の手 記から 75 編が収 録されています。例えば、このような本を
一 家 に一 冊 置 いて、一 年 に一 度 でもいいからその中 の一 編 、二 編 でも、子 ども達 に語 っ
て聞かせるというのはどうでしょうか。
あるいは、戦 争 と平 和 を考 える絵 本 を、家 の本 棚 にある本 の仲 間 に加 えて、機 会 を見
つけて読み聞かせをしてみるとか・・・、普 通の生 活の中で出 来ることはあると思います。
中 学 生 や高 校 生 などのお子 さんのおれる家 庭 では、戦 争 をテーマにしたテレビなどを家
庭 で見 て(この間 ビデオを借 りて見 せていただいた「さとうきび畑 の唄 」は良 かった)、ビデ
オに撮っておいたのを仲 良しのお友 達に呼 びかけて、一 緒に見る機 会を作るとか・・・。
また、大 人 のお友 達 同 士 で、お茶 会 を兼 ねて、戦 争 をテーマにした詩 の朗 読 のテープ
やビデオを聞 くなど、大 きな活 動 出 来 なくても、これなら出 来 るということが探 せばあるの
ではないでしょうか。しょうもない、提 案 にもならないことを書 いたかも知 れませんが、こん
な事 でも実 行 してみて、ささやかでも心 のふれあう時 間 が持 て、輪 が広 がっていけば嬉 し
いことだと思 うのですが。
皆さんも、伝 えるために身 近 名ところで出 来ることを考えて、やってみませんか。
そして、またメールでも、そのことについて教えてください。(M.ニシヤマ)
童話屋編集子
まえがきから引 用
まえがき
五十年前、地球は青かった。だが子どもたち、いまぼくたちが
住んでいる地球は、ガガーリンが見た青よりも、心なし、くすん
ここ百年、資源の浪費と戦争の惨禍で地球はへとへとだ。もうこ
で見えないか。
の辺で止めないと、千年はおろか百年だって地球はもちそうにな
ぼくたちにできることは、三つある。一つは、浪費の抑制。地球
32
い。
は宇宙に浮かぶ小さな星だ。太陽光のほかにはよそから何も供給
されない。みんなで分け合って少しずつ使うしかない。二つめは大
自然と共生すること。人間が生きるためにたのいのち、植物や動
物たちと手をとり合って暮らすことが大切だ。地球上のいのち
をくり返し、一瞬もその営みを止めることはない。三つめは、世界
は、巨大な生態系を形成して、億という年月をかけて悠久の循環
中の国の七十億の人間が、民族や宗教やイデオロギーの対立を越
な戦争に明け暮れた。戦争は多くのいのちを奪い、幸せに生きる
えて、平和に共存する道を探ることだ。人間は過去の世紀で愚か
態系循環を狂わせた。
人たちの人生を破壊した。そして微妙なバランスに立つ地球の生
この﹁
あたらしい憲法のはなし﹂
は、﹁
日本国憲法﹂
が交付された
翌年に、文部省が作った中学一年用の社会科の教科書を復刻した
ものだ。﹁日本国憲法﹂には、人が正しく生きる道が書かれてい
る。人はだれも差別されずに平等であり、自由であり、幸せに一
この小さな地球の上で人類が生き残ることのできる唯一の道だ
生を送る権利があると説いている。民主主義と国際平和主義が、
ということを、この教科書からぜひ学んで欲しい。
未来の子どもたちにこの青い地球を残していこう。︱そうぼく
たちが決心し、勇気ある行動をとれば、地球は悠久のいのちの星
として、青くかがやきつづけるだろう。
憲 法 の思 いが伝 わる一 文 として紹 介 いたします。
復 刻 『あたらしい憲 法 のはなし−検 定 教 科 書 』童 話 屋
この 60 年 近く一 応 平 和な国 日本 が一 首 相の言 動により、こんなにも簡 単に自衛 隊 の
イラク派 遣にまで事 態が進んでしまい、今や改 憲 を叫ぶ国に変わり果てた現 状に、信じら
れぬ思いのまま前の戦 争の経 過を思い出して正 直 悲 観 的 な気 分になっていました。
為 政 者 の強 い発 言 に迎 合 してしまう人 間 (特 に日 本 人 と云 うべきか)のもろさを種 々目
のあたりにして、いつもゴマメの歯 ぎしりしかできなかった自 分 を恥 じ、虚 しくさえ感 じるこ
の頃であります。
長 らく文 庫 にかかわって来 て、関 心 を持 たざるを得 なかった学 校 教 育 にも大 きな影 響
を受 けるのは必 至 で、現 に君 が代 ・日 の丸 問 題 や<教 育 基 本 法 改 正 促 進 委 員 会 >なる
ものが作 られ、「お国 の為 に命 を投 げ出 してもかまわない日 本 人 を生 み出 す」と明 言 する
議 員 (民 主 )まで現 れたり、広 島 の学 校 さえも原 爆 や平 和 教 育 を偏 狭 教 育 とされて、教 え
るのが難 しくなってきている経 過 が数 字 のデータとなって新 聞 に報 告 されたりすると、即 、
私 が子 ども時 代 に学 校 できわめて非 日 常 的 体 験 をした戦 中 の記 憶 が蘇 り、まさに悪 夢 と
しか云 いようがありません。けれども体 験 した者 にしかわからないとしたら、語 る者 も居 な
くなる今 後 はやはり本 でしょうか。子 ども達 には関 連 の本 をどんどん読 ませて代 理 体 験 さ
せるしかないのでは・・・と。
7月 の例 会 で西 山 さん達 が沢 山 集 めて紹 介 して下 さった、作 者 の思 いの結 晶 とも言 え
る重 い重 い数 々の本 をどれだけ子 ども達 に届 けられるか、文 庫 の荷 も重 くなりそうですが、
残 念 にも最 近 の低 年 齢 化 によっておチビさんばかりには、さしずめ、地 球 上 の生 あるもの
全 てを愛 し、やさしい心 を育 んでくれる本 などを選 び、将 来 にも<殺 さない>人 間 に育 っ
てくれることを祈 るばかりです。そして大 人 である私 達 は、現 憲 法 を守り続 けなければなら
ないと、改めて肝に銘じております。平 和と自 由 万 歳!(湯 浅)
(『子 どもの本と文 化を考える会』通 信から)
戦 争 を扱 う本 は当 然 テーマが重 く、又 、悲 惨 なものが多 いのでどうしても敬 遠 してしま
いがちですが、今 回はお手 伝 いという気 持ちで気 軽に引き受けてしまいました。
私 は両 親 が戦 争 体 験 世 代 で、小 さい頃 より見 聞 きしてきたので、色 々な事 を知 ってい
る方かと思っていましたが、今 回 読んでみて初めて知ることがいっぱいありました。
アメリカ国 内 で、日 系 人 の人 々が理 不 尽 な処 遇 を受 けたことも、テレビや映 画 などで知 っ
ていた以 上 に、悲 しく心 が痛 むものでしたし、波 照 間 からの強 制 移 住 によるマラリヤ禍 、
台 湾 での差 別 や敗 戦 による別 れ等 ・・・、戦 いのうしろに隠 れている一 般 の人 々の生 活 の
中に、たくさんの戦 争を知りました。
今 、サッカーの試 合 が連 日 のようにテレビで放 映 され、日 本 国 中 が熱 くなっています。
アジアカップは中 国 が開 催 地 で、試 合 前 に流 される日 本 国 歌 へのブーイングやむき出 し
の反 日 感 情 が、画 面 を通 して伝 わってきます。もちろんサッカーの選 手 達 になんの責 任 も
ないのは明 らかですが、その事 をただ非 難 するだけでなく、日 本 の若 者 も過 去 の戦 争 で
おこった事 柄に、もっと意 識を向 けて欲しいと思 います。
日 本は戦 争 に負け、アメリカの占領 下におかれました。そして戦後 60 年たち、経 済 的
には豊 かになったけれど、戦 争 での事 実 は伏 せられ、しっかり教 えられず、どんどん戦 争
を知 らない、戦 争 で何 がおこったかを知 らない若 者 が増 えてきました。今 、又 、戦 争 へ進
もうとしている様 に見 えます。戦 争 を扱 った本 は確 かに少 ししんどいけど、一 人 でも多 くの
人がこの事 実を知って、もっと戦 争 回 避への強い意 識をもって欲しいと思いました。
終わってみて、この機 会 が与えられて良かったとの実 感です。(宮崎)
(『子どもの本と文 化を考える会』通 信から)
33
上 記 のようなアピールが著 名 な学 者 ・文 化 人 によって発 表 されました。
賛 同 者 は個 人 ・団 体 をこえて、大 きく広 がっています。
34
憲法前文
日 本 国 民 は、正 当 に選 挙 された国 会 における代 表 者 を通 じて行 動 し、われらとわれら
の子 孫 のために、諸 国 民 との協 和 による成 果 と、わが国 全 土 にわたつて自 由 のもたらす
恵 沢 を確 保 し、政 府 の行 為 によつて再 び戦 争 の惨 禍 が起 ることのないやうにすることを
決 意 し、ここに主 権 が国 民 に存 することを宣 言 し、この憲 法 を確 定 する。そもそも国 政 は、
国 民 の厳 粛 な信 託 によるものであつて、その権 威 は国 民 に由 来 し、その権 力 は国 民 の
代 表 者がこれを行 使し、その福 利は国 民がこれを享 受する。これは人 類 普 遍の原 理 であ
り、この憲 法 は、かかる原 理 に基 くものである。われらは、これに反 する一 切 の憲 法 、法
令、詔 勅を排 除する。
日 本 国 民 は、恒 久 の平 和 を念 願 し、人 間 相 互 の関 係 を支 配 する崇 高 な理 念 を深 く自
覚 するのであって、平 和 を愛 する諸 国 民 の公 正 と信 義 に信 頼 して、われらの安 全 と生 存
を保 持 しようと決 意 した。われらは、平 和 を維 持 し、専 制 と隷 従 、圧 迫 と偏 狭 を地 上 から
永 遠 に除 去 しようと努 めてゐる国 際 社 会 において、名 誉 ある地 位 を占 めたいと思 ふ。わ
れらは、全 世 界 の国 民 が、ひとしく恐 怖 と欠 乏 から免 かれ、平 和 のうちに生 存 する権 利 を
有することを確 認する。
われらは、いづれの国 家 も、自 国 のことのみに専 念 して他 国 を無 視 してはならないの
であつて、政 治 道 徳 の法 則 は、普 遍 的 なものであり、この法 則 に従 ふことは、自 国 の主
権を維 持し、他 国と対 等 関 係に立 たうとする各 国 の責 務であると信ずる。
日 本 国 民 は、国 家 の名 誉 にかけ、全 力 をあげてこの崇 高 な理 念 と目 的 を達 成 するこ
とを誓ふ。
第二章
戦 争 の放 棄
第 九 条 日 本 国 民 は、正 義 と秩 序 を 基 調 とす る 国 際 平
和 を 誠 実 に希 求 し、国 権 の発 動 た る 戦 争 と、武 力 に
よる 威 嚇 ま た は武 力 の行 使 は、国 際 紛 争 を 解 決 す る
手 段 としては、永 久 にこれ を 放 棄 す る 。
前 項 の目 的 を 達 す る た め 、陸 海 空 軍 そ の他 の戦 力
は、これ 尾 を 保 持 しな い。国 の交 戦 権 は、これ を 認 め
な い。
第 九 十 九 条 天 皇 又 は摂 政 及 び 国 務 大 臣 、国 会 議 員 、
裁 判 官 その他 の公 務 員 は、この憲 法 を 尊 重 し擁 護 す
る 義 務 を 負 ふ。
35
☆ 平和と憲法9条に関係するサイトを取り上げました。
自 由 法 曹 団 京 都 支 部 http://www.kyoto-jlaf.jp/
京 都 憲 法 会 議 http://web.kyoto-inet.or.jp/people/kyokenpo/
憲 法 会 議 http://www.kenpoukaigi.gr.jp/
平 和のための伏 見 戦 争 展 http://homepage3.nifty.com/hushimiheiwa/
平 和のための京 都の戦 争 展
http://homepage2.nifty.com/kikanshi-keiji/sensouten03.html
ノンフィクション絵 本「戦 争のつくりかた」 http://www.ribbon-project.jp/book/
週 間 金 曜 日 http://www.kinyobi.co.jp/Recent
九 条の会 http://www.9-jo.jp/
立 命 九 条の会 http://www015.upp.so-net.ne.jp/rits_9-jo/
岸 名 玲 叔 奈 さんの「平 和 を願って」 http://www.geocities.jp/laona_gr/peace.html
PEACE ON Iraq (相 澤 恭 行さん) http://npopeaceon.org/index.html
森 住 卓ホームページ http://www.morizumi-pj.com/
イラクの子 どもを救う会 http://www.geocities.jp/nowiraq/
憲 法9条・メッセージ・プロジェクト http://www.k3.dion.ne.jp/~k-9mp/index.htm
平和と憲法9条に対するあなたの思いをお寄せ下さい。
メッセージは順 次 掲 載していきます。
字 数、表 現 形 式は問いません。(文 章、詩、短 歌 etc.)
一 言メッセージも大いに歓 迎です。
匿 名・イニシャル・ペンネームも可。
年 代、性 別 などはご記 入 下さい。(Ex. 50代 女 性)
メッセージは下 記の方 法 でお寄せ下 さい。
ファックス: 075-441-0383 (山 本)
メール : [email protected] (池 村)
手 渡し : 裏 面の呼 びかけ人
メッセージ URL
http://homepage3.nifty.com/pond/heiwa/heiwa.html
http://kyokoren05.vivian.jp/bunko/heiwa/table.html
36
あとがきにかえて
平 和 への願 いをさまざまに、たくさんの方 が 熱 いメッセージを寄 せてくださ いまし
た。心 からお礼 を申 し上 げます。ホームページには到 着 順 に掲 載 されていますが、冊
子にまとめるにあたって、読みやすいよう編 集させていただきました。(冊 子 が遅 くなり
ましたがお詫び致します。)
編 集 後の出 来 事を振り返れば・・・
≫ イラク戦 争から1年 半を経 た現 在も、連 日ニュースはイラク人の死亡 を 10 人・・・
100 人と、一 人 一 人の死 としてでなく数で伝えられています。
≫ つい先 日 、アメリカのパウエル国 務 長 官 によって「大 量 破 壊 兵 器 発 見 断 念 」の
ニュースが報じられました。では一 体この戦 争 は何だったのでしょうか。
≫ 改 憲 の話 は2005年 5月 3日 を目 途 にどんどん進 行 しています。再 び愛 国 心 の
名 の下 に、“個 人 ”よりも“国 家 ”のためという人 間 作 りを目 指 していると思 われ
る、教 育 基 本 法の改 定 も同じ歩みで進んでいます。
≫ そして日 本の主 権はどうなっているのでしょう。
8月 に起 きた“沖 縄 に米 軍 ヘリ墜 落 事 故 ”、日 本 政 府 として、結 局 抗 議 はなかっ
たようです。日 米 合 同 演 習 の強 化 、在 日 米 軍 の再 編 、基 地 問 題 ・・・国 連 の常
任 理 事 国 入 りには「憲法 9条は障 害」という内 政 干 渉まで受 けています。
≫ 核 兵 器 の脅 威・・・パキスタンのカーン博 士 の事 件 をきっかけに“核 の闇 商 人 ”の
実 態 が次 第 に明 らかになりつつあり、テロの手 に渡 る可 能 性 も指 摘 されていま
す。
≫ 予 感される新しい戦 争への脅 威
痛 ましいロシアのテロ事 件 後 、ロシアやオーストラリアにも「先 制 攻 撃 論 」を呼
び起こしているようです。まさに、報復 の連 鎖になるのではないでしょうか。
このように世 界 も日 本 も大 変 な状 況 にあります。それでも武 力 によらず、平 和 、人
類 、地 球 をまもるために私 たちは何 が出 来 るのか。憲 法 9条 への思 いが日 本 中 にあ
ふれ、世 界 の願いにつながるには、どんな方 法 が可 能なのか。
人 間 は過 去 の過 ちをくり返 さないことを学 習 できる最 高 の生 き物 の筈 です。是 非 、
さらなる知恵 や力をお寄 せ下さるよう願っております。
この冊 子 でピリオドを打 つのではなく、これを新 たな絆として、今 後 も共 通 認 識 を高
め、何 らかの形 でメッセージを交 換 してゆくことが出 来 ればと思 います。ホームページ
は引 き続 き開 いております。電 話 による連 絡 、問 い合 わせもお待 ちしております。どう
37
呼 びかけ人 :
上 原 多 美 子 ・矢 崎 紀 ・後 藤 由 美 子 ・千 代 田 真 美 子 ・永 井 麻 里 ・奥 田 文 子 ・日 向 禮 子 ・真
弓 美 矢 子 ・三 上 啓 子 ・山 本 優 子 ・池 村 奈 津 子 (順 不 同 )
連 絡 先 ・お問 い合 わせ 山 本 優 子 Tel.&Fax : 075-441-0383
池 村 奈 津 子 [email protected]
38
Fly UP