Comments
Description
Transcript
刑法2 - 桐蔭学園
刑法2(上田正和、箭野章五郎) 1 1年後期 必 修 2単位 15回 科目内容・目標 刑法 1 において学習した刑法総論分野についての基本的な理解を踏まえながら、刑法が定める犯罪類型の 中の重要な犯罪について、条文(構成要件)の解釈と適用に関する基本的で重要な問題点を取り上げる。 刑法各論は、個別の犯罪類型(カタログ)を規定した条文(構成要件)の解釈論を取り扱うが、刑法による処罰の 限界を具体的に検討していくことになる。そして、科学技術の成果や社会状況の変化に伴う新たな犯罪現象の 登場に対して、既存の条文(構成要件)がどのように対応しようとしているのか、という問題意識が必要とされる場 面がある。刑法 1 と同様に、刑法の条文、基本的な概念や考え方、重要判例等を取り上げながら、理解を深めて いただく。 法科大学院における刑法の学習であるので、具体的な事例(重要判例)を重視し、刑法に対する興味を持て るようにしながら学習していくことを目指したい。実際の事件(判例)において、いかなる事実関係の下でどのよう なことが刑法上の問題となるのかを考えながら、具体的・実践的な刑法の理解に努めていただきたい。 刑法に関する理解や知見は、刑事事件に限られず、企業活動その他の様々な場面で実際に必要とされてい る。そして、法曹の活動範囲が拡がっている現在、その重要性は増している。刑法の議論が決して難解な抽象 論にとどまるものでなく、現実の社会と密接に関連する興味深いものであることを感じていただけるような授業に したいと考えている。 なお、本授業科目の内容・目標は、「共通的な到達目標モデル(第二次案修正案)」に準拠するものである。 2 授業の基本方針 桐蔭スマートキャンパスを利用して、事前に、毎回の授業テーマについての教員作成の(補助的な)授業レジ ュメ及び参考資料を提供する。毎回の授業は、教員作成の授業レジュメ及び指定文献に沿って講義と若干の質 疑討論を適宜組み合わせることによって進められる。 受講者は、授業レジュメ及び指定文献に基づいて予習を行い、授業後は、十分な復習を行うことによって毎回 の授業内容についての理解(単なる暗記でなく、考え方を理解すること)が期待される。日々の学習の積み重ね が後に大きな成果となって現れるので、毎回の授業(とその復習)を大切にしてほしい。 3 成績評価 期末試験を 80 点、毎回の授業に積極的に取り組む姿勢を 20 点として総合的に評価する(合計 100 点)。成績 評価は、本学所定の多段階評価の基準に従って行われる。 -1- 4 教材 ① 入門書(初学者向け文献) ・ 井田良他『よくわかる刑法〔第 2 版〕』(ミネルヴァ書房)(平成 25 年) ② 教科書 ・ 大塚裕史他『基本刑法Ⅱ各論』(日本評論社)(平成 26 年) ③ 判例文献 ・ 山口厚・佐伯仁志編『刑法判例百選Ⅱ各論〔第 7 版〕』(有斐閣)(平成 26 年) ・ 前田雅英『最新重要判例 250〔刑法〕第 11 版』(弘文堂)(平成 29 年) ・ 井田良・城下裕二編『刑法各論判例インデックス』(商事法務)(平成 28 年) 5 授業計画 第 1 回 刑法各論の全体構造と保護法益、生命・身体に対する罪 第 2 回 自由に対する罪、名誉・信用に対する罪 第 3 回 財産犯の基本構造、財産犯総論 第 4 回 窃盗罪 第 5 回 強盗罪 第 6 回 詐欺罪、恐喝罪 第 7 回 横領罪 第 8 回 背任罪 第 9 回 盗品等に関する罪、毀棄・隠匿の罪、財産犯のまとめ 第 10 回 放火罪 第 11 回 文書偽造罪 第 12 回 その他の社会的法益に対する罪 第 13 回 公務の執行を妨害する罪、逃走の罪 第 14 回 犯人蔵匿罪、証拠隠滅罪、偽証罪 第 15 回 職権濫用罪、贈収賄罪 -2-