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香港上場隔月ニュースレター
香港上場隔月ニュースレター 第三号 2014年9月-10月 ごあいさつ 本号の内容 HKExの年初から現在までのIPO資金調達動向 この度は、香港上場隔月ニュースレターをお読みいただき ありがとうございます。本レターでは、上場動向・市場統計 および香港証券取引所( HKEx)の主要な事業施策の最新 情報を定期的にお届けします。 2014年10月31日現在、HKExには1,729社が上場しています (メインボード:1,528社、GEM:201社)。2014年1月から10月 にかけてのIPOによる資金調達は178億米ドルとなり、世界 4位、アジアでは1位の額となっております。 IPO最新情報 特集トピック:代替・再生可能エネルギーセクターおよび新エネルギー 材料セクターのHKEx上場 専門家コーナー:香港上場を検討中の日本企業のための法規制に関 する留意事項(スキャデン・アープス寄稿) 主要な事業施策―上場企業のための上海・香港株式市場相互開放プ ログラムに関するFAQ マーケティング活動及び上場企業向け新サービス (MOC) のご紹介 別表-2014年9月及び10月のHKEx新規上場銘柄一覧 IPO資金調達額の世界ランキング(2014年1月―10月) # 取引所 産業別IPO資金調達額 (2014年1月―10月) IPO 件数 年初から現在までの資金調 達額 (単位:十億米ドル) 1 ニューヨーク証券取引所(NYSE) 2 ロンドン証券取引所(LSE) 107 106 65.9 25.8 3 ナスダック証券取引所(NASDAQ) 172 21.0 4 香港証券取引所(HKEx) 99 17.8 5 東京証券取引所(TSE) 47 9.3 6 アムステルダム証券取引所(AEX) 7 オーストラリア証券取引所(ASX) 8 マドリード証券取引所(MADX) 9 パリ証券取引所(NYX) 10 シンセン証券取引所(SZSE) 6 47 7 29 64 9.1 8.9 6.5 6.3 5.0 情報技術, 7.4% 不動産, 6.2% 消費財, 28.7% 建設, 1.4% エネルギー, 0% 資材, 5.5% 公共事業, 21.0% 通信, 0.1% 金融, 8.8% 消費者 サービス, 11.1% 工業, 9.8% 情報元:DealogicおよびHKEx 2014年10月31日現在 HKExのIPO資金調達額は引き続き順調であり、アジアで1位、世界でも 過去13年間連続で上位5位に入っております。 HKExは多様な発行会社を誘致しており、今年は消費財および 公共事業セクターで好実績となっております。 IPO資金調達額上位5社(2014年9月および10月) 上場日 銘 柄 コード 会社名 セクター 国 時価総額 (単位:百 万米ドル) 資金調達額 (単位:百万 米ドル) ヒストリカル PER* 初日株価パ フォーマンス (%) 2014年9月19日 699 CAR Inc. 消費者 サービス 中国 3,440 534 N/A 28.9 2014年10月15日 1347 Hua Hong Semiconductor Ltd. 情報技術 中国 1,442 330 24.2x (4.5) 2014年10月3日 1811 CGN Meiya Power Holdings Co., Ltd. 公共事業 中国 1,392 261 13.1x 14.6 2014年10月9日 6116 Shanghai La Chapelle Fashion Co., Ltd. – H株 消費財 中国 434 248 13.0x 0.1 2014年9月25日 1285 Jiashili Group Ltd. 消費財 中国 198 55 16.9x 5.1 *ヒストリカルPERは、公開価格と上場時の直近収益に基づき算出しております。上記会社の詳細については下記リンクをご覧ください: http://www.hkexnews.hk/listedco/listconews/advancedsearch/search_active_main.aspx 2014年9月から10月の間、HKExはメインボードに12社の新規上場、またGrowth Enterprise Market (GEM)に3社の新規上場があり、IPO による資金調達額は15億4千万米ドルになりました。 すべての新規上場の中で、CAR Inc. (銘柄コード:699)は最大の資金調達を行い、調達額は5億34百万米ドルとなりました。同社は、 中国国内で短期レンタカー、長期レンタカーおよび自動車リースといった総合レンタカーサービスを提供しています。 9月から10月の間で最大の応募超過となったIPOはHin Sang Group (International) Holding Co. Ltd. (銘柄コード:6893)によるものであ り、860倍の応募超過となりました。同社は個人向けヘルスケア商品の開発、マーケティング、販売および流通を手掛けています。 September - October 2014 www.hkex.com.hk 1 特集トピック ― 再生可能エネルギー・新エネルギー材料セクターのHKEx上場 代替・再生可能エネルギー(公共事業のサブ・セクター)は上場会社数で公共事業産業の38%を占めています。2014年10月31日現在、 HKExには代替・再生可能エネルギーサブ・セクターの会社が19社上場されており、そのうち18社が中国本土、1社が香港の会社です。 2014年10月31日現在、これらの会社のPERの中央値は18.6倍です。本セクターのIPO資金調達実績は過去数年にわたり良好です。 2004年1月から2014年10月にかけて、13社の代替・再生可能エネルギー会社が上場し、59億86百万米ドルを調達しています。 新エネルギー材料(公共事業のサブ・セクター)は上場会社数で公共事業産業の9%を占めています。2014年10月31日現在、HKExに は新エネルギー材料サブ・セクターの会社が19社上場されており、そのうち12社が中国本土、7社が香港の会社です。2004年1月から 2014年10月にかけて、10社の新エネルギー材料会社が上場し、11億48百万米ドルを調達しています。 資金調達実績(2004年1月―2014年10月) 再生可能エネルギー・新エネルギー材料セクター 4 消 費 財 資 材 工 業 消 費 者 サ ー ビ ス 公 共 事 業 エ ネ ル ギ ー 不 動 産 情 報 技 術 建 設 通 信 1,000 2 1 500 2 1 2 1 0 0 2004年 金 融 3 3 1,500 8 7 6 5 4 3 2 1 0 2014年10月 28 2013年 31 2,000 2012年 37 15 5 2011年 17 43 3 2010年 48 Number of IPOs 上場件数 2,500 2009年 10 55 3,000 2008年 43 20 代替・再生可能 エネルギー IPOIPO資金調達額 Funds Raised 2007年 30 Number of Listings 上場件数 3,500 上場件数 40 160 140 120 100 80 60 40 20 0 2006年 IPO Funds Raised IPO資金調達額 新 エネルギー 材料 上場件数 資金調達額(単位:十億米ドル) 50 2005年 152 60 資金調達額(単位:百万米ドル) 産業別上場統計(2010年1月―2014年10月) HKEx上場再生可能エネルギー・新エネルギー材料会社時価総額上位5社(2014年10月31日現在) # 上場日* 1996年1月29日 1 2 3 4 5 ― 2007年11月13日 2009年12月10日 2004年10月15日 銘柄 コード 566 257 3800 916 2380 国・ 地域 会社名 Hanergy Thin Film Power Group Ltd. China Everbright International Ltd. GCL-Poly Energy Holdings Ltd. China Longyuan Power Group Corp. Ltd. China Power International Development Ltd. IPO 資金調達額 (単位: 百万米ドル) IPO後 資金調達額 (単位: 百万米ドル) 時価総額 (単位: 十億米ドル) PER 8 174 2,578 369 464 1,265 4,030 373 1,007 9,444 6,151 5,203 3,546 3,043 19.0 32.8 0 25.7 7.0 香港 中国 中国 中国 中国 * 1986年以前に上場した会社については上場日および資金調達額のデータがない場合があります。 再生可能エネルギー・新エネルギー材料会社上場事例 石炭やガスのような旧来のエネルギー源は事業として堅調に発展し続けている一方で、近年、代替・再生可能エネルギーおよび新 エネルギー材料セクターで事業の急拡大が見られます。HKExは本セクターにおける優良な会社を歓迎しており、風力、水力、火力お よび廃棄物利用、並びに太陽電池・モジュールの製造および太陽光発電施設の運営のような太陽光発電関連事業等、幅広いエネ ルギー関連事業会社が上場を果たしています。 株価動向(2014年10月31日現在) (銘柄コード: 968) CGN(上場来48%の株価上昇) 同社はアジアの独立系電力会 社であり、中国や韓国で、ガス 火力、石炭火力、石油火力、水 力、コジェネレーションおよび燃 料電池発電設備並びに蒸気生 産設備などの事業ポートフォリ オを有しています。 2014年10月3日に上場し557倍 の応募超過で261百万米ドルを 調達しました。 同社は太陽光発電用ガラス製 品の製造および販売を手掛け ています。 2013年12月12日に上場しまし た。 2.0 1.0 IPO後に101百万米ドルを調達し ました。 0.0 初日の売買高は51百万米ドル となりました。 4.0 初日は株価が14.6%値上がりし 売買高は207百万米ドルとなり ました。 September - October 2014 3.0 株価(香港ドル) Xinyi Solar Holdings Ltd. 2/10 株価(香港ドル) CGN Meiya Power Holdings Co., Ltd. (銘柄コード: 1811) 9/10 16/10 23/10 30/10 Xinyi 3.0 2.0 1.0 0.0 www.hkex.com.hk 2 専門家コーナー(スキャデン・アープス・スレート・マー・アンド・フロムLLPのパートナー、クリストファー・W・ベッツ氏寄稿) 香港上場を検討中の日本企業のための法規制に関する留意事項 上場を目指す目的地の法的枠組みを理解することは通常、海外上場を成功させる第一歩となります。会社が 十分な情報を得た上での決定を行うためには、上場を目指す目的地と自国の市場の規制上の主要な相違点 について、事前に認識している必要があります。今回は、我々香港証券取引所の日本へのマーケティング視 察に引き続き、香港上場の法的側面に関わる識見を得るべくスキャデン・アープスに寄稿を依頼しました。当 記事は日本の読者に向けられたものですが、他の国・地域の潜在的な発行会社にも同様に関連するものです。 こちらをお読みいただくことで、皆様が上場への確固たる一歩を踏み出すための一助となることを望みます。 著者について:クリストファー氏は香港に約15年在住し、セカンダリー上場、スピン・オフ、変動持分事業体 (VIE)による会社上場、HDRの初回上場、JPSによるファーストリテイリングの上場、イーコンテクスト・アジアの 上場などHKExの数多くの上場を手掛けました。 HKExおよび香港証券先物委員会(SFC)は2013年9月に海外会社の 上場に関して新たな共同施策声明(JPS)を発表しました。同声明は、 香港取引所上場規則とともに、香港への海外会社上場に適用される 主要な規則であります。JPSに基づき最初に上場したのは、日本にお ける大手企業のひとつであり、ユニクロブランドをグローバルに展開 するファーストリテイリングです。さきがけとなった本取引、並びに中 国本土投資家の香港上場証券への流動性を促進すると広く期待さ れている上海・香港株式市場相互開放プログラムを背景に、弊法律 事務所は以下に、HKExに上場を計画している日本企業が考慮すべ き特定の問題を挙げました。 こちらもお忘れなく~注意点~ 定款の変更 日本企業は、香港法と同程度の株主保護を担保するた めに、定款の変更を求められる場合があります。TSE既 上場企業にとって、これは非現実的である可能性があ り、HKExに対し、これら要件の厳格な順守の免除を申請 する必要があります。 一気通貫か否か:プライマリー上場かセカンダリー上場か? ディスクロージャー要件と将来予想に関するガイダンス プライマリー上場の場合、会社はHKExを自社の証券の主要市場であ ると想定し、香港取引所上場規則のすべてに従う義務があります。 一方、東京証券取引所(TSE)既上場会社で、自社証券の主要市場 がTSEであり続ける場合は、セカンダリー上場の申請も可能です。セ カンダリー上場の申請を行うTSE既上場会社で、 (a) 4億米ドル以上 の時価総額を有し、(b)TSE上場規則を5年間遵守した実績があり、(c) 中国本土外に「重点領域」がある会社は、「自動的な」適用免除を享 受し、さまざまな上場規則から「共通の」適用免除を模索することが 可能となるがゆえに、上場後の規則遵守について比較的問題なく行 えるようになります。 香港上場規則と関連するガイドラインには、典型的な日 本のディスクロージャー慣行と内容的に異なる特定の要 件がいくつか存在します。例えば、取締役報酬の総額に 加え、上場企業又はグループ内で最も高い報酬を得て いる上位5名について、過去3年の会計期間ごとの報酬 総額も開示が必要です。また、目論見書や上場申請書 類を含め、多数の書類を英語と中国語両方で作成する 必要があります。 上海・香港株式市場相互開放プログラムの第一フェーズでは、中国 本土投資家による恒生(ハンセン)総合大型株指数および恒生総合 中型株指数の構成銘柄の取引のみが認められており、両指数の構 成銘柄ともにセカンダリー上場会社は除外されています。しかしなが ら、プログラムの成功が証明されれば、種々の規制に基づく承認に 従い、将来的に取引対象は拡大する可能性があります。 HKExから一定の保障措置や免除を取り付けることを条 件として、TSE既上場企業のうちTSEのガイドラインに沿っ て将来予想に関するガイダンスの長年にわたる提供実 績のある会社の場合、同様の処置を継続することが可 能です。しかしながら、香港の監督機関は、収益予想に ついて、より保守的な見地を立っていることに注意が必 要です。 証券の選択:株式か香港預託証券(HDR)か? 利害関係ある株主の議決権行使について 香港と日本の間での証券決済制度および法規制の潜在的な相違に より、TSE既上場会社はHDRを通じて証券を上場しなければなりませ ん。その際、保管銀行が日本で保有する株式を裏付とするHDRを発 行する預託銀行を指名する必要があります。非上場会社は株式を上 場することも可能ですが、それでもなお、投資家関連のさまざまな事 務手続を預託銀行に遂行させる事ができるという点で、HDRを選択 するかもしれません。TSE既上場会社または非上場会社の他の選択 肢は、上場主体会社を再編して日本国外に会社を設立することであ り、たとえば、TSE既上場会社のデジタルガレージがアジア全域の支 払部門を香港設立会社として再編して上場したイーコンテクスト・ア ジアのケースがあります。 香港上場規則においては、ある取引に重要な利害関係 を有する株主は、同取引の承認決議において議決権行 使の棄権を求められます。日本法と香港の上場規則と の違いに対応するため、HKExは会社に対し、香港上場 規則において独立した株主の承認を要する取引かつ特 定の株主が重要な利害関係を持つ取引の場合は、同取 引の承認決議において、自主的な棄権手続きを採用す ることを求めています。 September - October 2014 www.hkex.com.hk (次ページへ続く) 3 専門家コーナー(スキャデン・アープス・スレート・マー・アンド・フロムLLPのパートナー、クリストファー・W・ベッツ氏寄稿) 香港上場を検討中の日本企業のための法規制に関する留意事項 こちらもお忘れなく~注意点~ 資本が必要ですか?上場する方法 たしかに、TSEに上場しており既存の株主基盤を持つ企業が他市場 でセカンダリー上場を模索している場合、HKEx上場の際、新たに資 本を集める必要はありませんが、セカンダリー上場にあわせて新た に資本を集めることも可能なのです。非上場会社の場合は、香港上 場にあわせて株式(新株でも既存株でもいずれも可能)の公開を行 い、公開株式の割合が最低でも発行済株式総数の25%となるように 要件を満たす必要があります。時価総額が100億香港ドルを超過す る企業に対しては、この浮動株25%の要件を引き下げることができま す。 財務ディスクロージャーを容易に-日本GAAP財務諸表 TSEに上場している企業は、HKExによる免除を取り付ければ、引き続 き日本の企業会計基準に則した財務諸表の作成・公表のみで済み ます。香港での上場を模索する非上場の日本企業はIFRSかHKFRS (香港会計基準)に則した財務情報を作成する必要があります。 なにごとも早い段階から計画することが重要なのです。HKExは、なん らかの点について不明点のある企業様からの、上場申請前の書面 による匿名の問合せを歓迎いたします。 免責事項:本記載内容は一般的情報提供を目的とするものであり、 専門家によるコンサルティングの代替として使用されるべきではあり ません。 コーポレート・ガバナンス要件 HKExの、上場企業に求められる要件は、取締役会の最 低3分の1を占める3名以上の独立した非業務執行取締 役を有し、うち最低1名は適切な専門的資格、会計、又は 関連する財務管理の専門性を有することとなっていま す。上場企業は、監査委員会と報酬委員会の設置が求 められます。また、香港のコーポレート・ガバナンス規則 に基づき、指名委員会も設置し、他にいくつかのコーポ レート・ガバナンス施策を実施することが推奨されます。 香港のコーポレート・ガバナンス規則を順守することは必 須ではありませんが、同規則の取り決めと相違がある場 合は、期末や中間の事業報告書に相違点をその理由と ともに開示する必要があります。既存のコーポレート・ガ バナンス要件の多くは、セカンダリー上場申請者は免除 となっています。 ファイリングの秘匿について 上場申請時に提出される目論見書ドラフト(申請証拠書 類)の英文版、中国語版ともにHKExのウェブサイト上で 公開されます。しかし、TSE上場の企業で時価総額が高 く、最低5年以上上場している企業については、申請証 拠書類の秘匿扱いのファイリングを認めています。秘匿 ファイリングは、TSE上場の親会社から分離された子会社 にも認められています。 「海外企業の上場における共同施策声明(JPS)(2013年9月)」に基づく上場可能条件 法人設立の管轄地の条件: 海外企業には、以下が求められます。 • 「認証された管轄地」のいずれかにおいて設立されていること(香港、中国、ケイマン諸島およびバミューダ)、又は • 「許容される管轄地」21か国のいずれかで設立され、それぞれの国のガイドラインに準拠していること、又は • 主要な株主保護の基準を満たしており、少なくとも香港の基準と同等のレベルであるとSFCおよびHKExに対して証明すること。 監督機関に求められる順守の条件:海外企業の設立の管轄地、及び主要な経営管理(本社)の所在地(両者が同一でない場合) の法定の証券監督機関には、以下が求められます。 • 証券監督者国際機構(IOSCO)の「各国証券監督当局間の協議・協力及び情報交換に関する多国間覚書(マルチMOU)」の全 条項に調印していること、又は • SFCと二者間協定を締結しており、当該の管轄地と香港における法規制の執行と順守を目的として、SFCとの間で相互支援と情 報交換のための適切な処置をとれること。 「海外企業の上場におけるJPS(2013年9月)」の全容については、 http://www.hkex.com.hk/eng/rulesreg/listrules/listsptop/listoc/Documents/new_jps_0927.pdf をご覧ください。 September - October 2014 www.hkex.com.hk 4 主要な事業施策 上場企業のための上海・香港株式市場相互開放プログラムに関するFAQ • 本ニュースレターの5-6月号(リンク)において上海・香港株式市場相互開放プログラム(「本プログ ラム」)についてご紹介しました。上海・香港株式市場相互開放制度は、中国本土と香港の間で相 互の株式市場の利用を可能にするための証券の売買と決済の取次ぎプログラムです。相互の オーダー・ルーティング接続と関連する技術インフラは香港証券取引所(SEHK)と上海証券取引所 (SSE)により提供され、それぞれの市場の投資家が他方の市場において指定した上場株式を売買 することを可能にします。 • 本プログラムへの市場の反響については市場相互開放立ち上げニュースレターをご覧ください。 • 市場相互開放プログラムのその他の詳細については、www.hkex.com.hk/chinaconnect をご覧く ださい。 相互開放を利用しましょう 本プログラムの利用資格を持つSEHK上場企業向けの制度詳細については、上場企業のためのFAQをご覧ください。* 上海・香港株式市場相互開放制度を利用して上海での自社香 港株の売買取次ぎ(サウスバウンド取引)を受ける適格SEHK上 場企業(「適格SEHK企業」)は、引き続き、SEHKの上場規則によ り監督されます。上海・香港株式市場相互開放制度を利用して も、香港での上場における義務事項に重要な変更は発生しま せん。 コーポレート・アクション (2-5頁) • 先買優先発行(株主割当発行、株主優先募集、無償新株 発行、株式配当選択権制度を含む)又は株主向けに発行 価格での株式売出しを行う適格SEHK企業は、該当する適 格担保を保有する中国本土の株主(中国本土の香港株の 株主、「サウスバウンド株主」)に対して上海・香港株式市 場相互開放制度を通してそれらの権利付き証券を割当・売 出すること。 • 株主割当発行及び株主優先募集について、中国証券監督 管理委員会(CSRC)は「上海・香港株式市場相互開放制度 を通して中国本土の株主向けに株主割当発行を行う香港 上場株式発行体に対するファイリング要件」公告第48号 (2014)を発表しています。CSRCの同公告において、適格 SEHK企業による株主割当発行及び株主優先募集の目論 見書ファイリングの手順が取り決められており、上場管理 部門の方針としては、サウスバウンド株主が株主割当発行 及び株主優先募集への参加から除外されるべきではない と表明しています。 しかしながら、適格SEHK企業においては、本プログラムを利用 することで、中国本土の投資家が株主基盤に加わるということ を念頭に置き、香港の上場規則を順守する際にも注意が必要 です。特に以下の点に注意が必要です: (i) コーポレート・アクションを提起する際、全ての株主を公平か つ平等に扱うという基本原則に忠実であること。 (ii) A+H株式発行体(上海証券取引所のA株と恒生(ハンセン) 中国企業株のH株を両方発行している発行体)においては、株 式の売買停止が必要な場合は、両方の市場で同時に売買停 止することで、公平で秩序だった情報開示の行き届いた上場 株取引市場を維持すること。 (iii) 自社のIRコミュニケーションが全ての株主にとって明快であ るようにすること。 コーポレート・アクション (2-5ページ) • • SSEとSEHKにおいてA株とH株を上場している発行体 (A+H株式発行体)について(5-7ページ) 適格SEHK企業による先買優先発行・株式売出において、 サウスバウンド株主は、保有株の資格によって様々な権利 付き証券(例:新株予約権、発行体の転換証券、又は他の 企業の株式等)を入手する可能性があります。適格SEHK企 業はこれらのコーポレート・アクションにおいて全ての株主 を公平かつ平等に扱う義務があり、そのために以下の処置 をとることが求められます: - 全ての株主に対して、それらの権利を証券でなく現金で 受け取るオプションを提供すること。 - これらの権利付き証券が上場されない場合、株主に対 してこれらの証券を処分する方法を提供すること。 発行体はまた、割当・売出中の証券について株主がとるべ き行動について自社のIRコミュニケーションにおいて明確に 開示する必要があります。 • • A+H株式発行体による株式売買停止と再開について - (a) 内部情報又は重要な情報、又は誤った市場におけ る懸念についての究明が開示されるまでの売買停止、 (b) その他の理由による売買停止、の処置をとること。 - 両証券取引所とのコミュニケーション。 - 売買停止・再開の詳細について公告により開示するこ と。 コーポレート・アクション – - A+H株式発行体がコーポレート・アクションを提起する 際(例:配当その他の権利の分配)、同じ公告におい て、A株とH株両方の株主のための予定表を開示する 必要があります。2つの市場で権利の分配について 別々の予定表(例:権利落ち日、基準日、払込期日)を 提示する場合、発行体は全ての株主に対して明快なコ ミュニケーションをとる必要があります。 追加情報は投資家向けFAQ(2014年11月14日)と市場参加者向けFAQ(2014年11月14日)をご覧ください。 *適格担保には以下が含まれます: (I) 恒生(ハンセン)総合大型株指数及び中型株指数構成銘柄。(II) H株のうちSSEにおいて対応するA株を上場しているもの、ただし以 下を除く:(i) 香港ドルで売買されていない株式、(ii) H株のうちSSE以外の中国本土の取引所で対応する株式が上場・売買されているもの、(iii) H株のうちSSEにおいて対応 するA株を上場しているが、「上場停止リスクのある証券銘柄」に含まれるもの。 September - October 2014 www.hkex.com.hk 5 マーケティング活動 マーケット・オープン・セレモニー(取引開始式典) 上場企業や業界団体、様々な専門企 業が、HKExのトレーディング&エキジ ビションホールにてマーケット・オープ ン・セレモニー(MOC)を主催し、特別な 行事を記念する式典を行うことができ ます。 発行体向けマーケティング活動 1. 発行体向けマーケティングのための日本出張(大阪、名古屋、東京) 期間:2014年10月14-17日(写真は東京セミナーの様子) 2. KPMG香港主催の「香港上場」セミナー 開催日:2014年10月31日 発行体向けマーケティングのためのカナダ出張(バンクーバー) 期間:2014年11月3-7日 発行体向けマーケティングのための米国出張(ニューヨーク) 期間:2014年11月6-7日 発行体向けマーケティングのための英国出張(ロンドン) 期間:2014年11月10-11日 重要なお客様にとってユニークで印象 深い行事 となるよう MOCサ ー ビスを アップグレードしました。 詳細については、右記のパンフレット をご覧ください。 過去の MOC の写真やビデオはこちら のリンクにてご覧いただけます。 MOCサービスにご興味のある方は、+852-2840-3780までお 電話頂くか、[email protected] までメールをお送りください。 3. 4. CITIC Limited 主催のMOC (2014年 9月1日) 5. 予定イベント 1. APACイノベーション・サミット(香港)にて「香港上場」パネルディスカッション 予定日:2014年12月5日 香港上場についてより詳しく知りたい方は 香港上場をご覧ください。 本ニュースレターのバックナンバーは 香港上場隔月ニュースレターをご覧ください。 ご質問・お問合せは以下までご連絡ください。 住所 : 10/F One International Finance Centre 1 Harbour View Street, Central, Hong Kong 電話番号 : +852-2840-3780 FAX : +852-2530-2858 Eメール : [email protected] 免責事項 記載しております全ての情報は参考用としてのみ提供しております。HKExは本情報の正確さ、信頼性及び完全性の確保に努めておりますが、HKEx及びそ の関連企業は、いかなる目的のためであれ、本情報の正確さ、完全性、信頼性や適切さについて、直接、間接を問わず、いかなる保証や代理をするもの でなく、また責任や保障義務を持つものではありません。本情報の不正確さ又は脱漏による、又は本情報に基づくかそれを信頼しての意思決定、行為又は 不作為に由来する、いかなる損失や損害についても、誰に対してであれ、HKExは責任を持つものではありません。 本情報は、いかなる種類であれ投資意思決定を促す投資アドバイス又は推奨を意図したものではありません。本情報又はその一部を活用しようとする方 は、独立した専門家のアドバイスを受ける必要があります。本情報の全部又は一部の修正は、いかなる形式・方法であれHKExの事前の書面による許可が 無い限り厳密に禁止されています。 September - October 2014 www.hkex.com.hk 6 別表-2014年9月及び10月のHKEx新規上場銘柄一覧 上場日 銘 柄 コード 会社名 セクター 国・地域 時価総額 (単位:百万 米ドル) 資金調達額 (単位:百万 米ドル) ヒストリカル PER* 初日株価 パフォーマンス (%) 2014年9月19日 2221 New Concepts Holdings Ltd. 建設 香港 54 11 6.8x 34.9 2014年9月19日 699 CAR Inc. 消費者サービス 中国 3,440 534 N/A 28.9 2014年9月25日 1285 Jiashili Group Ltd. 消費財 中国 198 55 16.9x 5.1 2014年9月26日 1395 ELL Environmental Holdings Ltd. 公共事業 中国 144 14 10.4x 70.9 2014年9月29日 8222 E Lighting Group Holdings Ltd. 消費財 香港 59 6 34.1x 720.0 2014年10月3日 1811 CGN Meiya Power Holdings Co., Ltd. 公共事業 中国 1,392 261 13.1x 14.6 2014年10月9日 6116 Shanghai La Chapelle Fashion Co., Ltd. – H株 消費財 中国 434 248 13.0x 0.1 2014年10月10日 8195 L & A International Holdings Ltd. 消費財 香港 342 8 34.0x 591.7 2014年10月10日 2280 HC International, Inc. 情報技術 中国 808 - 43.5x (6.4) 2014年10月14日 8363 SDM Group Holdings Ltd. 消費者サービス 香港 86 10 29.5x 199.3 2014年10月15日 1347 Hua Hong Semiconductor Ltd. 情報技術 中国 1,442 330 24.2x (4.5) 2014年10月16日 6893 Hin Sang Group (International) Holding Co. Ltd. 消費財 香港 128 30 19.0x 16.1 2014年10月16日 3822 Sam Woo Construction Group Ltd. 建設 香港 67 19 4.7x 8.0 2014年10月16日 1462 Nga Chun Holdings Co. Ltd. 建設 香港 48 14 9.7x (9.1) 2014年10月17日 1466 Man Sang Jewellery Holdings Ltd. 消費財 香港 39 - N/A - *ヒストリカルPERは、公開価格と上場時の直近収益に基づき算出しております。上記会社の詳細については下記リンクをご覧ください: http://www.hkexnews.hk/listedco/listconews/advancedsearch/search_active_main.aspx September - October 2014 www.hkex.com.hk 7