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IT Compliance Summit 2010 Winter <写真欄> IFRSに立ち向かう! ITの活用による経営管理基盤構築の道標 2010年2月3日 配布 日本オラクル株式会社 アプリケーション事業統括本部 担当ディレクター 公認システム監査人/IT 公認システム監査人/ITコーディネータ デ ネ タ 法政大学大学院兼任講師/日本CFO協会主任研究員 桜本利幸 以下の事項は、弊社の一般的な製品の方向性に関する概要を説明するものです。 また、情報提供を唯一の目的とするものであり、いかなる契約にも組み込むことは できません。以下の事項は、マテリアルやコード、機能を提供することをコミットメン ト(確約)するものではないため、購買決定を行う際の判断材料になさらないで下さ い。オラクル製品に関して記載されている機能の開発、リリースおよび時期につい ては、弊社の裁量により決定されます。 Oracle、PeopleSoft、JD Edwards、及びSiebelは、米国オラクル・コーポレーション及びその子会社、関連会社の登 録商標 す そ 他 名称はそれぞれ 会社 商標 録商標です。その他の名称はそれぞれの会社の商標の可能性があります。 能性があります Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 2 <I <Insert t Picture Pi t Here> H > IFRS対応に向けた情報システムの活用 Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 3 金融庁中間報告に見るITへの言及 IFRS適用に向けた基本的考え方(抜粋) IFRS適用に向けた作成者の課題として(抜粋) (2009年6月30日公表 金融庁「我が国における国際会計基準の取扱いに関する意見書(中間報告)(案)」より抜粋) Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 4 IFRS対応に伴うシステムへの懸念 導入に伴う懸念等 任意適用を検討する上での重要な要因 回答:91社(任意適用を検討したい企業) 回答:1416社 a. MOU項目の内容 44 1.導入後の決算事務負担 77% 1100社 b. 米国証券取引委員会(SEC)の動向 37 2.システム対応 75% 1070社 c. プリンシプルベースであるIFRSの理解 116 3.国際会計基準に対応する社内人材の不足 67% 950社 d. 社内における人材教育 86 4.国際会計基準に対する理解不足 63% 904社 e 会計関係のシステム開発・整備 e. 78 5 導入コスト 5.導入コスト 54% 774社 f. 監査法人や規制当局の協力 94 6. 監査対応 51% 733社 g. 他社の動向 40 7.経営・業績に対する影響 42% 600社 h. 投資家をはじめとするステークホルダーの理解 34 8.決算短信の早期開示 16% 235社 i. その他 9.・・・・・・ 17 ※重要度の高い順に3つ選択(1位3P、2位2P、3位1P) (出展:日本経済団体連合会「IFRS適用に向けた取り組 み状況等に関する調査結果概要」2009年4月6日) (出展:東京証券取引所「国際会計基準(IFRS)の適用に 向けた上場企業アンケート調査結果の概要」2009年10 月30日) Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 5 会計システムへの意識 現在利用中の会計システムの不満点 現在利用中の会計システムには満足しているか (出展:日本CFO協会 「CFO FORUM」 September2009 複数回答 「財務マネジメント・サーベイ」 財務 ネジ ント サ イ」 ) Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 6 会計システムの実態1 現在利用中の会計システムの使用年数 現在利用中の会計システム (出展:日本CFO協会「CFO FORUM」 September2009 「財務マネジメント・サーベイ」 ) Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 7 IT・情報システムを強化すべきと考える分野 (出展:日本CFO協会 「CFO FORUM」 September2009 「財務マネジメント・サーベイ」 ) 複数回答 Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 8 CFOからみた経営上の重要課題 複数回答 (出展:日本CFO協会「CFO FORUM」 September2009「財務マネジメント・サーベイ」 ) Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 9 企業活動のグローバル化により複雑化する経営と投資判断 グ グローバルにビジネスを展開 バ ビジネ を展開 日本国内で材料調達・生産し、海外に輸出 部品 JPY 部品 JPY GBP CNY 輸入・販売 輸入 販売 組立・輸出 組立 輸出 部品 輸出入 輸出 EUR ドイツ THB 部品・組立 JPY 組立・販売 GBP INR 部品・輸出 イギリス 日本国内で生産し海外に輸出する等、シンプルなモデル 取り扱う外貨の種類は少ない プロセスの変化は小さい 経営状況は見える、正しい、次の手を打てる 経営のリスク、コストは小さい 現在 従来 • • • • • 組立・販売 組立 EUR アメリカ 部品 USD JPY 日本 USD KRW • • • • • AUD 輸入・販売 BRL 組立・輸出 グローバルに調達、生産、販売の展開 取引通貨の組合せが多数存在 ビジネスモデル、プロセスは常に変化 経営状況は見えない、不正確、手が打てない 経営のリスク、コストは非常に大きい コングロマリット・ディスカウントからプレミアムへ 多国籍企業からグローバル企業へ Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 10 企業活動のグローバル化により複雑化する経営と投資判断 グ グローバルにビジネスを展開 バ ビジネ を展開 日本国内で材料調達・生産し、海外に輸出 部品 JPY 部品 JPY GBP CNY 輸入・販売 輸入 販売 組立・輸出 組立 輸出 部品 輸出入 輸出 EUR ドイツ THB 部品・組立 JPY 組立・販売 GBP INR 部品・輸出 イギリス 日本国内で生産し海外に輸出する等、シンプルなモデル 取り扱う外貨の種類は少ない プロセスの変化は小さい 経営状況は見える、正しい、次の手を打てる 経営のリスク、コストは小さい 現在 従来 • • • • • 組立・販売 組立 EUR アメリカ 部品 USD JPY 日本 USD KRW • • • • • AUD 輸入・販売 BRL 組立・輸出 グローバルに調達、生産、販売の展開 取引通貨の組合せが多数存在 ビジネスモデル、プロセスは常に変化 経営状況は見えない、不正確、手が打てない 経営のリスク、コストは非常に大きい コングロマリット・ディスカウントからプレミアムへ 多国籍企業からグローバル企業へ Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 11 見えますか?正しいですか?説明できますか?手を打てますか? 企業(事業)価値 レーティング マクロ経済指標 ミクロ経済指標 セグメント 時間 顧客別 経年比較 期間別 四半期 事業別 月次 地域別 週次 製品別 日次 ブランド別 瞬時 チャネル別 45日開示 部門別 30日開示 経営管理 内部統制不備・欠陥 予算 株価/EPS/PBR/PER 投資計画 利益計画 配当性向 EVA 顧客満足度 値引き率 管理会計 損益分岐点 ROE 販売価格 ROA 販売量 変動費 各種財務指標・・・・・・ 固定費 CO2排出量 有利子負債 EBITA 財務 所要運転資金 売上 買入債務回転率 原価 売掛債権回転率 費用 利益 棚卸資産回転率 資産 負債 会計 CF 資金 預金 ヒト 従業員数 モノ 操業度 のれん 借入 会社間取引 実効金利 退職給付債務 耐用年数 デリバティブ 人件費 減価償却 貸倒引当金 為替 勤務時間 在庫評価 資本 社債 離職率 リース 資金繰 タレント 資産除去債務 Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 12 見えますか?正しいですか?説明できますか?手を打てますか? 企業(事業)価値 レーティング マクロ経済指標 ミクロ経済指標 セグメント 時間 顧客別 経年比較 期間別 四半期 事業別 月次 地域別 週次 製品別 日次 ブランド別 瞬時 チャネル別 45日開示 部門別 30日開示 経営管理 内部統制不備・欠陥 予算 株価/EPS/PBR/PER 投資計画 利益計画 配当性向 EVA 顧客満足度 値引き率 管理会計 損益分岐点 ROE 販売価格 ROA 販売量 変動費 各種財務指標・・・・・・ 固定費 CO2排出量 有利子負債 EBITA 財務 所要運転資金 売上 買入債務回転率 原価 売掛債権回転率 費用 利益 棚卸資産回転率 資産 負債 会計 CF 資金 預金 ヒト 従業員数 モノ 操業度 のれん 借入 会社間取引 実効金利 退職給付債務 耐用年数 デリバティブ 人件費 減価償却 貸倒引当金 為替 勤務時間 在庫評価 資本 社債 離職率 リース 資金繰 タレント 資産除去債務 Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 13 新グループ経営時代の財務・会計システムに求められること 経営状況をリアルタイムで分析し、説明責任をはたすと共に新たな企業 価値を創出する企業戦略の立案を支援できるシステム 価値を創出する企業戦略の立案を支援できるシステム。 生産性 収益性 攻 シェアードサービス シェア ドサ ビス 業務の集中化 セルフサービス 攻めの戦略立案 グローバル化 戦略的買収 内 外 情報の統合 システムの統合 業務の標準化と自動化 効率性 四半期決算開示、決算早期化 内部統制、説明責任 国際会計基準 守 制度 グローバルの財務会計トレンドにいち早く対応し、企業グループ統一の基 準を各拠点へ展開し中央で集中管理できるシステム。 Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 14 ERP × EPM = 制度対応+企業価値最大化 グループ経営プラットフォーム ERP(業務標準化と情報の一元管理) EPM(マネジメント・プロセスの最適化) •目標の設定 •スコアカードの活用 財務会計 管理会計 •部門間 •フィードバック •予算編成 •需要予測 販売管理 戦略 プロジェクト管理 •連結/財務 連結/財務 •法定/管理 洞察 パフォーマンス アクション 購買管理 ERP プ プラン 調整 報告 グローバル キ キャッシュ マネージメント モニタ 分析 人事管理 •多次元分析 多次 析 •要因追求 内部統制 資金管理 ERP:Enterprise Resource Planning •KPI管理 •ダッシュボード EPM:Enterprise Performance Management Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 15 ERP X EPM の構成要素 ERP 購買管理 •プロジェクト原価 支払 依頼書 •プロジェクト計画 •リソース管理 リース 支払 •債務管理 •リース管理 •仕入先管理 仕入先管理 経費 •承認状況確認 精算書 固定資産管理 経費精算管理 •賃貸借スペース管理 •収益管理 •賃貸借契約管理 •顧客管理 •支払/請求プロセス 支払/請求プロセス 会計 財務 情報 仕訳 •設備計画 予算管理 受注管理 債務 出金予定 •財務取引管理 •M&A試算 •資金調達試算 •信用格付試算 戦略的中長期計画 一般会計(総勘定元帳) 債権/入金管理 債権 入金管理 バランストスコアカード •人員計画 •財務諸表作成 •グループ資金管理 •4視点 •KGI/KPI •予実管理 •決算処理 債権 入金予定 在庫管理 •予算ライトバック •仕訳計上 •債権管理 債権管 •請求・入金消込 不動産管理 仕訳 仕訳生成エンジン (SLA) 仕訳 •予算収集・編成 •減価償却 仕訳 •経費承認 •戦略策定 •資産管理 債務/支払管理 •経費申請 経費申請 EPM 資産登録 •支払管理 プロジェクト管理 連携により発揮される真の価値 予算 情報 •財務リスク管理 財務リ ク管理 •銀行口座管理 •データ収集 •連結決算処理 •連結進捗管理 結 捗管 •レポーティング/分析 (管理)連結会計 財務/資金管理 •J-SOX運用管理(RCM/評価/監査) Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. •リスク分析シミュレ ーション 統計解析 •配賦/集計計算 •活動基準原価計算 •ABC/ABM 収益性管理 (Profitability & Cost Management) GRC Manager •変更管理 ・職務分掌 ・自動統制 •グローバル人事 •教育 人事 / 給与 / 教育 •タレントマネジメント •休暇管理 タレントマネジメント •給与、退職金、ストックOP •福利厚生 •モンテカルロシミュ レーション 銀 行 16 「ERP X EPM」 によるIFRS要件に対する網羅性 ERP EPM 債務/支払管理 不動産管理 購買管理 資産除去債務 ・プロパティ マネジメント リース会計 固定資産管理 コンポーネントアプローチ 棚卸資産評価 投資不動産 ・事業価値、現在価値など試算 事業価値、現在価値など試算 固定資産減損 ・アセット マネジメント 企業結合 在外子会社会計基準統一 複数仕訳 生成エンジン 在庫管理 開発費資産計上 工事進行基準 財務/資金管理 金融商品公正価値 ・資金予測、トレジャリー 収益認識 ストックオプション 連結の範囲 一般会計 般 セグメント報告 (総勘定元帳) 過年度遡及修正 プロジェクト管理 受注管理 債権/入金管理 有給休暇 人事 / 給与 / タレントマネジメント 退職給付 職給 四半期開示 内部統制監査 戦略的中長期計画 連結会計 ・連結、分析、レポーティング 予算管理 ・編成、予実モニタリング 統計解析 ・モンテカルロシミュレーション 収益性管理 ・ABC/ABM バランスト スコアカード 内部統制 Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 17 情報システムがIFRS対応で求められる3つの視点 1 業務 アプリケーション の視点 視点 会計/財務 業績管理 予算管理 内部統制 管理 人事管理 購買管理 販売管理 SCM Applications pp CRM 生産管理 XBRL ・・・・・・ Middleware SOA セキュリティ データ管理 クラウド 暗号化 ID管理 Database ・・・・・・ Infrastructure& Management 2 テクノロジー の視点 マスタ管理 アクセス管理 ストレ ジ ストレージ 3 バ クア プ システム管理 バックアップ グル プ全体での最適化 グループ全体での最適化 Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 18 <I <Insert t Picture Pi t Here> H > IFRS対応に向けた情報システム、実装の3手法 Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 19 業務アプリケーション領域におけるIFRS対応3つの肝 業務アプリケーション 報告 レポーティング 経営管理 IR・財務報告 分析・シミュレーション 予算管理 セグメント情報開示 過年度遡及修正 勘定科目体系 複数帳簿の管理 複数会計基準仕訳 財務・資金管理 プロジェクト管理 固定資産・不動産管理 購買管理 在庫管理 商品管理 人事・給与管理 内部統制管理 契約管理 総勘定元帳 仕訳 勘定科目 業務 プロセス Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 20 IFRSへ対応するために活用、改修、導入したいITソリューション (出展:日本CFO協会「CFO FORUM」 September2009「財務マネジメント・サーベイ」 現在利用中の会計システム ) Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 21 ITの活用手法1 「銅」 報告 レポーティング 総勘定元帳・仕訳・勘定科目 業務 プロセス 経営管理 IR・財務報告 分析 シミュレーション 予算管理 セグメント 情報開示 過年度遡及修正 勘定科目体系 複数帳簿の管理 複数会計基準仕訳 財務・資金管理 プロジェクト管理 固定資産・不動産管理 購買管理 在庫管理 商品管理 人事・給与管理 内部統制管理 契約管理 連結システム ERP G/L スクラッチシステム 収集 組替 連結システムの導入 業務(発生源)システムを修正 は最小限 業務アプリに影響が少なく短期 導入が可能 △オペレーションレベルでのIFRS △オペレ シ ンレベルでのIFRS 対応は個々に行なう必要がある △業務標準化や、シェアード運用 による効率化 運用コスト低減 による効率化、運用コスト低減 効果は低い。 G/L 業務PKG + ERP 調整 IFRS連結財務諸表 G/L グ グループ連結レポーティング基盤 プ連結 ポ グ基盤 ローカル個社元帳 Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 22 ITの活用手法2 「銀」 報告・レポーティング 総勘定元帳 仕訳 勘定科目 業務 プロセス 経営管理 予算管理 IR・財務報告 分析・シミュレーション セグメント・情報開示 過年度遡及修正 勘定科目体系 複数帳簿の管理 複数会計基準 仕訳 財務・資金管理 プロジェクト管理 固定資産・不動産管理 購買管理 在庫管理 商品管理 人事・給与管理 内部統制管理 契約管理 GLシステム IFRS個社元帳 IFRS連結元帳 複数会計 基準仕訳 連結システム 戦略経営情報の活用 帳簿セット G/L ローカル個社元帳 帳 IFRS連結財務諸表 グループ財管(財務+管理)会計基盤 Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 会計(GL)システムの導入 IFRS対応の根幹 財管一致勘定科目体系の構築に よりセグメント報告、子会社の勘 定科目標準化が実現 総勘定元帳のシェアード運用に適 した形で、事務負担の軽減と早期 した形で 事務負担の軽減と早期 開示効果が期待できる IFRS、ローカル、連結それぞれの 帳簿の一元管理が可能 帳簿の 元管理が可能 財務諸表作成にかかる内部統制 対応にも対応、コスト削減が可能 △勘定科目体系 帳簿体系の設計 △勘定科目体系、帳簿体系の設計 に、経営管理部門の参加が不可 欠 △ある程度の時間とコストがかかる 23 ITの活用手法3 「金」 経営管理 予算管理 IR・財務報告 分析・シミュレーション セグメント・情報開示 過年度遡及修正 勘定科目体系 複数帳簿の管理 複数会計基準仕訳 財務・資金管理 プロジェクト管理 固定資産 不動産管理 購買管理 在庫管理 商品管理 人事・給与管理 内部統制管理 契約管理 報告・レポーティング 総勘定元帳・仕訳・勘定科目 業務 プロセス 業務システム 複数会計 基準仕訳 GLシステム 連結システム IFRS個社元帳 IFRS連結元帳 戦略経営情報の活用 G/L IFRS連結財務諸表 ローカル個社元帳 帳 グループ経営管理基盤 Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 業務プロセスの標準化と 共通業務システムの導入 グループの業務を 標準化、共通化し、 IFRS対応と業務効率化、 対応と業務効率化、 コスト削減を同時に実現 業務標準化やシェアード運用に 適した形で、大きなコスト削減効 果が期待できる グローバルキャッシュマネジメン トにも容易に対応可能である。 オペレーションレベルでのIFRS対 応が一度にできる 内部統制にも対応でき、コスト削 減が可能 IFRSと同時にグループ経営管理 基盤となる △グループ全社での取組みが必要 であるため横展開するまでに 時 であるため横展開するまでに、時 間とコストがかかる。 24 経営視点でのIFRS 対応「ABC モデル」 自社のおかれた状況や将来目指すゴールによって、最適な 自社のおかれた状況や将来目指すゴ ルによって 最適な IFRS 対応方式は異なる。 対応方式は異なる 各企業は早期に自社の適用方針を決定する必要がある アドバンス(Advance)モデル グローバル経営基盤を構築し企業競争力の強化を目指す ・・・ IFRS の概念フレームワークと、将来キャッシュフロー重視やグループ会計方針統一など の体系をグループ経営に積極的に取り込む。さらにそれらを支える業務とITシステムをグロー バルで標準化、ビジネス基盤を再構築することで経営意思決定と組織体制の最適化を行い、 ルで標準化、 ジネ 基盤を再構築する とで経営意思決定と組織体制の最適化を行 、 企業競争力を向上させる。 バランス(Balance)モデル ビジネス基盤整備を経営上の重点領域から選択的に実行する ・・・ グループ経営の基礎情報は IFRS ベースに置き換えるが、経営上の重点領域からビジネ ス基盤の整備を行う。それ以外の拠点は、現在の経営管理、業務、情報システム、体制につ いて現在と同レ ルを維持、バランスが良い費用対効果の実現をめざす。 いて現在と同レベルを維持、バランスが良い費用対効果の実現をめざす。 コンプライアンス(Compliance)モデル IFRS による開示ができる必要最低限レベルを実現する ・・・ 業務プロセスとシステムの変更は、決算開示資料作成に必要な最低限の対応にとどめる 業務プロセスとシステムの変更は 決算開示資料作成に必要な最低限の対応にとどめる 。各社のマネジメントと決算は従来の現地基準で行い、連結のみ、IFRS による管理を行う。初 期投資は抑えられるが、担当者依存の職務が増えるため、業務の精度やサービスレベルを落 とさぬよう、相互牽制の仕組みなどを考慮する必要がある。 (出展:IFRSパートナーコンソーシアム Message Vol1Oct2009) Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 25 IFRS対応に向けた経営モデルとシステム範囲 グル プで標準化するシステム範囲 グループで標準化するシステム範囲 Advan nce B Balanc ce 目指すべき経営モデル ①連結システム ②GLシステム ③業務システム ○ ○ ○ ○ ○ 業務全般のグループ標準化やガバナンス強化、決算処理の早期化、経営管理の高度化 検討ポイント:グループ全社展開の時間とコスト 連結対象会社が多い場合、連結決算の早期化が期待できる。グループでの勘定科目やセ 算 グメントの統一化が効果的に行える 検討ポイント:個社でのIFRSスキル向上、教育プラン Co omplianc ce ○ IFRS対応におけるITコストを押さえ、短期での導入による連結先行に対応 検討ポイント:会計基準間の差異対応における本社負担 Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 26 会計上の論点1 財管一致勘定科目体系 財務会計に必要な勘定科目+マネジメントアプローチに必要なセグメント情報 勘定科目 地域 会社 部門 製品 色 チャネル XX サイズ グローバル グロ バル 欧米 米州゚ 顧客 営業 投資 財務 XX ・・ ・・ 各セグメントの補完的情報 ・ ・ アジア 欧州 日本 ・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・ 中国 ・・・・・・ ・・・・・ ・・ 2008/4/1~ ・・・・・・・・・・・・ 北海道 東北 東京 関東 千葉 セグメント報告 廃止事業・・・・ 廃止事業 に対応 神奈川 有効・無効日 各セグメントに対し、複数かつ無制限の階層構造 集約・結合・報告セグメントに対応 Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 27 会計上の論点2 帳簿会計と伝票会計 帳簿会計 / リレーショナルデータベース 伝票会計 / 大福帳データベース 一般会計 (総勘定元帳/主要簿) 買掛管理 売掛管理 (仕入先元帳/補助簿) (得意先元帳/補助簿) 伝票番号 伝票番号 プロジェクト管理 (プロジェクト元帳/補助簿) 伝票番号 受注管理 固定資産管理 購買管理 (受注元帳/補助簿) (資産元帳/補助簿) (購買元帳/補助簿) ● 複数帳簿の集合体 主要簿である「総勘定元帳」を中心に、「得意先元帳」などの目 的別補助元帳が、相互に、シームレスな連携を行なっている。 <メリット> ・段階的な統合が可能(業務 [Module]毎の段階導入可能) ・データ・アクセスが迅速(挿入・更新・削除・検索) - 1レコード当りの情報量が少ないため、アクセスが迅速 ・集計データを迅速に取得 一般 会計 一般 会計 一般 会計 売掛 受注 買掛 購買 … 売掛 受注 買掛 購買 … 売掛 受注 買掛 購買 … ● 大福帳 伝票番号をキーとして、大福帳のように全明細情報を一つの レコードとして管理している。 <デメリット> ・段階的な統合が不可能(Big Ban導入必須、導入負荷、大) ・データ・アクセスが遅い!(挿入・更新・削除・検索) - 1レコード当たりの情報量が多いため、アクセスが遅い ・集計データの取得が遅い 集計デ タの取得が遅い Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 28 帳簿型システムのメリット(段階、部分導入) 外部システム 帳簿型システム 連結システム シームレス連携 (ドリルスルー可能) 本社:(手法3)すべての業務システムと会計システムを統合 受注管理 売掛管理 購買管理 買掛管理 分断された連携 本社 般会計 一般会計 会社 事業 勘定科目 部門 商品 子会社A:(一部手法3)一部の業務システムと会計システムを統合 受注管理 売掛管理 購買管理 A社 一般会計 買掛管理 会社 事業 勘定科目 子会社B:(手法2)会計システムを統合 受注管理 購買管理 売掛管理 B社 一般会計 買掛管理 会社 勘定科目 部門 商品 子会社C(手法1)連結システムと連携 会社 手法 連結 と連携 会社 受注管理 事業 勘定科目 部門 商品 売掛管理 一般会計 購買管理 買掛管理 Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 29 IFRS 対応スケジュール例 2015年3月期をターゲットとする場合であれば、グループ標準会計システムを導入 する本格対応にも十分対応可能 2009 年 3 6 2010 年 9 12 2010年3月期 3 6 2011 年 9 12 2011年3月期 3 6 2012 年 9 12 2012年3月期 3 6 2013 年 9 12 3 6 2013年3月期 システム開発 (インフラ整備) 教育 研修 FS 比較 並行 運用 主要成果物 グループ展開 インタフェース開発 • 情報収集 • 勉強会の 実施 • 概要計画 書 • 実態調査 • 対財務諸表 影響シミュレ ーション • 詳細計画書 • 業務標準& • グループ会計 マニュアル システム化 方式決定 • 勘定科目統一 • プロトタイプ • 会計システム 構築 の改修 • グループ内研修 • 連結パッケージ の展開 • 業務シェアード 化等の実施 Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 9 12 3 IFRS による 連結財務諸表 適用初年度 翌年度 予算 プロトタイプ 業務設計 6 IFRS による 連結財務諸表 比較年度 開始 BS 強制適用 判断 3 2015年3月期 期首残 確定 プレ 導入 分析 準備 MOU 決着 9 12 2015 年 2014年3月期 You are Here ! コンバージェンス対応 2014 年 6 9 ・・・ FS 本番 有報 (調整開示) 短信 (業績予想) 短信 (決算発表) 本番運用 初年度 継続 運用 • 開始BS • 各種調整表 • 会計システムとの インタフェース開発 30 <I <Insert t Picture Pi t Here> H > ITの活用によるグル プ経営管理基盤の構築事例 ITの活用によるグループ経営管理基盤の構築事例 Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 31 ひとつの統合されたビジネスプラットフォーム Global Single Instance(GSI:グローバルシングルインスタンス) オラクルコーポレーション 会計 プロセス 人事 プロセス 購買 プロセス XX プロセス 販売 プロセス 人事 会計 購買 販売 XX プロセス プロセス プロセス プロセス プロセス v 標準化されたプロセス ITインフラ ○○オラクル XX オラクル 購買 プロセス 購買 会計 プロセス 人事 プロセス 会計 プロセス プロセス ローカル 人事 販売 プロセス プロセス ローカル 購買 プロセス 販売 プロセス 会計 プロセス プロセス プロセス ITインフラ 共通アプリケーション シェアード サービス サ ビス センター ITインフラ イ 人事 プロセス 販売 プロセス ITインフラ ローカル プロセス 共通ITインフラ データ デ タ センター XX 日本 ○X オラクル オラクル ○○ オラクル オラクル オラクルコーポレーション 日本 オラクル Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 32 ビジネスプラットフォーム統合の実際 グローバル規模での統合を基本とし、継続的な企業変革と業務改善を実現 資金・財務管理の統合 アメリカ/ネバタ デルファイ・コーポレーション (金融統括会社) 業務プロセスと コントロ ルプレイスの統合 コントロールプレイスの統合 インド SSC(GFIC) インド、バンガロール グローバル機能 データセンターと デ タセンタ と インスタンスの統合 アメリカ オースチン データセンター コロラド バックアップセンター • • • • • • • • • • • • 統合によるTCO削減 • ERPシステム: 70 → 1インスタンス • E-mailシステム: 97 → 1インスタンス タ • Fileシステム: 無数 → 1インスタンス • IT部門要員 1523名 → 844名(03年) ( 年) • IT運用費用 5億ドル → 2.3億ドル(03年) Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 受注 売掛金 売掛 交通・接待費支払い 買掛金請求 調達 固定資産 プロジェクト会計 顧客データ管理 販売報酬管理 資金回収 財務統制と報告 収益認識 33 業務プロセスの統合 CEOをスポンサ とした体制で推進を行い 継続するプロセスとして現在もBPRを実行中 CEOをスポンサーとした体制で推進を行い、継続するプロセスとして現在もBPRを実行中 業務プロセスの標準化方針 (BPRポリシー) • 業務プロセスの標準化にあたり、Monaco(モナコ公国)に新法人立ち上げを想定しプロセスデザインを行う • 法制上のギャップは製品化してMonacoに取り込む • その他ギャップ(商習慣、ビジネスモデルの違い)はExceptionとして組み込むかどうか判断する ギ プ ビ • 法律、ビジネスロス(金額)がある場合にのみ例外を認める • 慣習等からくる理由は認めず • プロセスは認めず、項目のみ • Exceptionは最小限とする E ti は最小限とする • Add-onは製品との親和性、バージョンアップを考慮して最小限にとどめる 推進体制 Monaco構成要素 幹部運営委員会 委員長 : CEO/ CEO/ラリーエリソン ラリーエリソン 業務 グローバル財務 執行部 IT グローバルIT 執行部 プロセスドキュメント 1.プロセスドキュメント 2.セットアップドキュメント 3.テストスクリプト 4.デスクトップマニュアル デスクトップ ユーザーマニュアル ユ ザ マニュアル Monaco グローバル プロセスオーナー グローバル アプリケーション オーナー 各地域 各国スポンサー CEO / CFO 各国 DPO プロセス オーナー ERP Product 各国 Development アプリケーション オーナー Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 1999年3月 Monaco V1完成 • 2001年3月 80%以上の売上 を処理 • 2006年現在 Monaco V6 • 34 統合されたビジネスプラットフォームの便益 • コスト削減 • 全社で10億米ドル(≒1,000億円)超/年 • 決算早期化 • 社内での集計作業13日(現場が四苦八苦)→4日(自動化) • Earning Release:約1ケ月→15-18日/35日限度 • グローバルレポート グロ バルレポ ト • リアルタイム経営指標としての有用性 • 計画、予測、実績すべてを統合(連結)管理 • 共通の体系=共通の言葉 共通の体系 共通の言葉 • グローバルキャッシュマネジメント • 取引金融機関180→40 • 運用益、手数料 運用益 手数料 • SOX法対応 • #2 • 日本版SOX法対応の基盤(日本オラクル) 日本版 法対応の基盤(日本オラクル) • 成長戦略の基盤 • 2005年1月から4年間で約50社のM&A • 100日以内に顧客・パートナー、社員、製品、会社、オペレーションを統合 内 顧客 パ ナ 社員 製品 会社 オペ シ を統合 Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 35 コスト削減例 主要業務の業務改善効果 コスト効 果 コスト削減 経費 購買 業務改善 経費・購買の業務改善 効果 1 15億ドル 1.15億ドル 間接部門の業務改善効 果 1億ドル 営業・マーケティングの 業務改善効果 サポートサービスの業 務改善効果 システム保守運用の業 務改善効果 3億ドル 2.5億ドル 2.7億ドル 業務改善例 購買取引あたり費用 $150 → $30-40 旅費一回あたり費用 $45 HRアドミニストレータ:社員比率 1:1000 → 1:2000 HRプロフェッショル:社員比率 1:350 受注業務費用 80%減 ダイレクトメール1件あたり費用 $3.00 → $0.01 ダイレクトメールのレスポンス率 2% 四半期あたり問合せ電話量 517,000件 → 66,000件 お問合せ1件あたり費用 60%減 お問合せの解決までの時間 41%減 IT部門の社員数 1523名 → 844名 ERPインスタンス数 70 → 1 E-mailインスタンス数 97 → 1 Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. → $25 → 1:600 → 20% 36 精度と鮮度の高いデータに基づく経営判断 社内ダッシュボード Business Intelligence / Dashboard Interactive Dashboards Reporting & Publishing Ad-hoc Analysis Proactive Detection and Alerts オラクル社内のダッシュボード・ポータル MS Office Plug in Plug-in データウェアハウス・シングル・インスタンス Global Corporate Data Warehouse Campaign to Lead Quote to Cash • Account analysis • White space analysis • Up-sell/cross-sell opportunity • Pipeline Pi li analysis l i • Revenue Forecasting • Win ratio analysis Lead to Opportunity Procure to Pay Forecasting マーケティング部門向け Proposal to Projects Territory Management Support Renewals CRMシングル・インスタンス Si b l CRM Siebel Partner Management ERPシングル・インスタンス O Oracle l EBS HR/Payroll SOAによる標準連携基盤 る標準連携基盤 経理・財務部門向け 営業部門向け • Marketing g contribution analysis • Segmentation • Campaign creation / costs • Opportunity source analysis • Campaign response tracking • Data quality monitoring 業務プロセス連携 データ連携 (Opportunity to Quote) (Customer/Employee) • Contract renewal management Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. Travel and Entertainment expense analysis Actual vs budget Quote to order flow and analysis IT部門向け Usage metrics Time metrics and analysis SR analysis Project analysis 研究開発部門向け サポート部門向け • Executive dashboards • Operational dashboards Revenue analysis Industry analysis Product analysis コンサルティング部門向け Employee utilization Resource/Skills management Revenue / Project margin 37 ダッシュボード (サンプル) 全世界のマネジメントがリアルタイムに情報を参照 売上フォーキャスト情報を メール配信 経費支出多い部門のトップリスト Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 38 統合により、買収による成長戦略が加速 オラクル社の歩み 1998 グローバリゼーションの必要性を認識 1999 モナコプロセス(V.1)完成 2000 2001 システム数 買収企業 数 70(基幹業務システム) 20 (基幹業務システム) モナコプロセスで80%以上の売上を処理 10 (基幹業務システム) 2002 2003 3 (基幹業務システム) 2004 インドの間接業務センターが稼動 2005 買収戦略 本格化 2006 2007 2008 1 (基幹+営業管理) 4 13 第2ステップ 経営の見える化 ・経営の見える化 ・GRC (ガバナンス, リスク, コンプライアンス) + グリーン 2009 13 11 11 3+ Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 39 5年間(2004-2009)でのオラクルの変化 売上 従業員数 お客様数 トナ 様数 パートナー様数 製品 企業買収 約1兆円 42,000 200,000 12,000 ,000 1,000 約2兆円 85,000 320,000 19,500 9,500 9,500 50社以上 イノベーション Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 買収 40 グループ経営管理の事例 グループ/グローバルでの迅速な経営情報収集と、タイムリーな経営施策遂行を目指し、 グル プ/グロ バルでの迅速な経営情報収集と タイムリ な経営施策遂行を目指し 多くの企業で Oracle Applications(Apps) をご採用いただいています。 グループ標準会計システム、第1号事例( 電機製造 2001年4月本稼動)。350会計単位の、頻繁な 年 月本稼動)。 会計単位 、頻繁 大手A 組織変更に柔軟に対応。 食品製 造大手 B 外食、飲料製造、不動産と、経営サイクルの 異なる多角的事業展開を支える経営基盤 異なる多角的事業展開を支える経営基盤。 10年来の EBS ユーザー、国内+海外展開。 電機製造 さらなる連結早期化と可視化目指し、機能拡 大手B 張プロジェクト発足済 食品製 造大手 C 海外利益50%(連結)を支えるグローバル経 営基盤。2004年から、メインフレーム刷新の 数分の一のコストで稼動。 数分の のコストで稼動。 グループ標準会計システムを活用しセグメント 精密機器 別収益管理を強化。国内展開→海外子会社 大手A へ順次展開中。 金融大 手 海外でのM&A、リスク時価評価などに対応 できる経営基盤、決算シミュレーションなどで 業務精度も大きく向上。 本社と販社に EBS を展開済。さらなる連結早 を展開済 さらなる連結早 精密機器 期化と可視化アップ目指し、生産子会社への 大手B 展開を推進中。 百貨店 大手 Oracle O l EBS と Hyperion H i を使用、業務の標 を使用 業務の標 準化による人材の活性化、配置の効率化、 運用コスト削減を実現。 複数の石油元売大手で、EBS をグループ標準 石油元売 会計システムとして採用、会計業務をシェアー 大手 ド運用。 公共系 大手 グループ標準会計システムの子会社展開、 プ 2005年から、第1ステップ9か月、3次に分け て対象47社を本稼動。 食品製造 M&A を含む積極的な事業展開&再編、グロ 大手A ーバル展開を支える財務基盤強化を目指す。 ■ Webサイト等に取り上げられた オラクルユーザー様関連記事 NTT様 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080615/308084/?ST=tousei 東京海上日動火災保険様 http://journal.mycom.co.jp/articles/2008/08/25/oracle/index.html 小田急電鉄様 http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/04/24/odakyu/index.html http://journal mycom co jp/articles/2009/04/24/odakyu/index html 韓国LG電子様 http://www.youtube.com/watch?v=IoVSNFhpha0 Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 41 欧州 IFRS対応事例 ~欧州移行 2005年 フランス 鉄道会社 フランス 製造会社 ドイツ 食品加工会社 ドイツ 一般消費財会社 フランスGAAPからのIFRS対応。 フランスGAAPレポートの継続とグループ業績管理はIFRSベース。 EBSによる法的要件対応 HyperionによるIFRSレポート対応 EBSによる法的要件対応。HyperionによるIFRSレポ ト対応。 フランスGAAPからのIFRS対応。 フランスGAAPレポートの継続とグループ業績管理はIFRSベース。 欧州子会社は、 法的要件をEBSで実施。米国含む他子会社はEBSでのIFRS対応。 H HyperionによるIFRSレポート対応。 i によるIFRSレポ ト対応 ドイツGAAPからのIFRS対応。ワールドワイドでのビジネス展開、50%以上米国子会社。 全レポーティング・オペレーションにIFRSを採用し、EBSR12を活用。 請求書ベースで発生するドイツVATとIFRSの収益認識の差異による課題解決。 子会社からのレポ ト提出をIFRSベ スで実施 H 子会社からのレポート提出をIFRSベースで実施。HyperionによるIFRSレポート対応。 i によるIFRSレポ ト対応 ドイツGAAP からのIFRS対応。 合わせて、米企業による買収によりUS GAAP での会計報告を対応。 Hyperionによる連結レベルでの修正入力をおこなうことで、連結ベースのIFRS対応。 個社からの報告段階で修正入力を保持し IFRS と US-GAAP 個社からの報告段階で修正入力を保持し、IFRS US GAAP 差異の発生理由を容易に把握。 差異の発生理由を容易に把握 イギリス 通信会社 UK GAAPからのIFRS対応。グローバルに展開されたオペレーションをEBSで実施。 個社からの報告は、IFRSベース、HyperionによるIFRSレポート対応。 コンポーネントアカウンティングと不動産管理の課題をEBSで対応。 イギリス 出版会社 UKGAAPとUS GAAPからのIFRS対応。子会社調整レベルは、主に、買収や無形資産、リース、 ジョイントベンチャーに関わるもので、少ない処理で対応可能。本社側の調整は、複雑で年金や, ストックオプション費用, 税金繰越, 金融商品の公正価値に関わるものを必要とした。 Hyperionにて 3つの会計基準を統合する勘定科目を対応し レポーティングを実施 Hyperionにて、3つの会計基準を統合する勘定科目を対応し、レポ ティングを実施。 Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 42 他国 IFRS対応事例 オーストラリア 金融会社 オーストラリアGAAPからのIFRS対応。ワールドワイド、主にAPACでビジネス展開。 全レポーティング・オペレーションにIFRSを採用し、EBSを活用。(R11iで対応、現在R12) EBSによる個社法的要件対応 報告はIFRSベース EBSによる個社法的要件対応、報告はIFRSベ ス。HyperionによるIFRSレポ HyperionによるIFRSレポート対応 ト対応。 カナダ 採鉱会社 (GoLive2011) カナダGAAPからのIFRS対応。カナダ、アジア、南米、北米でビジネス展開。 全レポーティング・オペレーションにIFRSを採用し、規制報告等は旧ルールのまま実施。 EBS上での複数元帳の対応(R11iで対応、現在R12)。HyperionによるIFRSレポート対応。 固定資産の調整とVAT調整の問題をEBSで対応 固定資産の調整とVAT調整の問題をEBSで対応。 カナダ カナダGAAPからのIFRS対応。カナダ国内でのビジネス展開。 全レポーティング・オペレーションにIFRSを採用し、規制報告等は旧ルールのまま実施。 保険会社 EBS上での複数元帳の対応(R11iで対応、現在R12)。HyperionによるIFRSレポート対応。 ト対応。 (GoLive2011) EBS上での複数元帳の対応(R11iで対応、現在R12)。HyperionによるIFRSレポ US 電気事業会社 (GoLive2011) US GAAP、カナダGAAP からのIFRS対応。カナダ公益事業会社の子会社を持つ。 全レポーティング・オペレーションにIFRSを採用し、規制報告等はUS GAAPにて実施。 EBS上での複数元帳の対応(R11iで対応、現在R12)。HyperionによるIFRSレポート対応。 固定資産における課題をEBSにて対応 固定資産における課題をEBSにて対応。 メキシコ メキシコ GAAPからのIFRS対応。メキシコ、北米での事業展開。 コンクリート会社 EBS上での複数元帳の対応(R11iで対応、現在R12)。HyperionによるIFRSレポート対応。 (GoLive2011) 固定資産、在庫管理における課題をEBSにて対応。 Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 43 IFRS パートナーコンソーシアム 日本オラクルは「IFRSパ トナ コンソ シアム」を立上げ、パ トナ 企業39社とと 日本オラクルは「IFRSパートナーコンソーシアム」を立上げ、パートナー企業39社とと もに企業のIFRS(国際会計基準)対応を支援を推進しています。 • 活動内容・趣旨 • IFRS 適用のための最適アプロ 適用のための最適アプローチの研究(IFRS対応ABCモデル) チの研究(IFRS対応ABCモデル) • スピード、コスト、品質のバランスが取れた IFRS 適用支援サービスの メニュー化(テンプレートサービス等) • セミナ セミナー等を通じた、お客様への情報提供 等を通じた、お客様への情報提供 第1回総会 3月24日 (会計基準の最新動向、事例情報、システムソリューション情報等) • 参画企業(11月26日現在39社) • ※以下は社名公表許可企業(株式会社省略)のみ。2009/10/7ニュースリリースより転載 ※以下は社名公表許可企業(株式会社省略)のみ。2009/10/7ニュ スリリ スより転載 ・アイ・ビー・エム ビジネスコンサルティングサービス ・アクセンチュア ・アビームコンサルティング ビ ム サ グ ・伊藤忠テクノソリューションズ ・インフォシステクノロジーズ ・エクサ ・STNet ・NTTソフトウェア ・NTTデータ ・NTTデータエンジニアリングシステムズ ・CSKシステムズ シ テムズ ・ジェクシードコンサルティング ・新日鉄ソリューションズ 住商情報システム ・住商情報システム ・ソピア ・ソラン ・TIS ・ダイアモンド富士ソフト ダイアモンド富士ソフト ・デロイトトーマツコンサルティング ・電通国際情報サービス ・東洋ビジネスエンジニアリング ・中本・アンド・アソシエイツ 中本 アンド アソシエイツ ・日本電気 Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. ・日本ユニシス ・PwCアドバイザリー ・日立コンサルティンティング 日立コンサルティンティング ・日立システムアンドサービス ・ヒューロン ・富士通中部システムズ ・プログレス・パートナーズ プログレス パ トナ ズ ・プロティビティジャパン ・プライスウォーターハウス クーパース コンサルタント みずほ情報総研 ・みずほ情報総研 ・レイヤーズ・コンサルティング 44 Oracle CFO サイト (“オラクル CFO” で検索) http://www.oracle.co.jp/campaign/cfo/index.html IFRS 特集サイト Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 45 Oracle 公式ブログ (“たかが会計” で検索) http://blogs.oracle.com/sakuraFin/ p g Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 46 IFRSに立ち向かう!ITの活用による経営管理基盤の道標 (まとめ) 1. 2. 3. シェード型ERPによって業務が標準化、集中化し、IFRSの業 務要件に対応しつつ、正しい情報が蓄積、可視化する。(守) EPMによって正確な集計、見積もりによりIFRSの開示要件に 対応しつつ、分析、迅速な戦略の立案がなされ、次の一手が 実践できる。(攻) 「シェアード型ERP x EPM」によるグループ経営管理基盤を構 築することでIFRSなど外部環境の変化、市場からの要請 築することでIFRSなど外部環境の変化、市場からの要請へ の対応が可能となる。 その結果、企業価値が最大化する。 IFRSへの対応はこの文脈でとらえる。 Copyright© 2010, Oracle. All rights reserved. 47 48 CFOから見た IT・情報システムの現状と課題 解決への道標 ●ERP×EPM Shared Service IFRSとグループ経営管理の高度化、 CFOの二大課題を解決する シェアード型ERP×EPM ●Consolidation IFRSへの対応は 「連結システム」 から。 制度対応と経営管理の伸展 ●Enterprise Performance Management 「グループ経営管理」 の高度化に向けた具体策̶ マネジメント・エクセレンスの実現に向けて ●Asset & Property Management IFRS対応に向けたグローバル最適システムへの転換と 「固定資産管理システム」 ●Global Cash Management System 「グローバル・キャッシュ・マネジメント」 を実現する オラクル・グローバルCMS ●Supply Chain Management IFRS時代の 「SCM、 販売管理システム」 ●Governance, Risk and Compliance 三位一体で効率化を 目指す̶ J-SOXに終わらない企業継続へのアプローチ ●Human Capital Management 避けて通れない 「人材育成」 、 高まる 「人事システム」 の価値 ●IFRSパートナーコンソーシアムからのメッセージ IFRS対応、 今、 何をすべきか? ∼変わる業務、プロセス、システム……将来、企業が求める姿に向けて∼ 財務マネジメント・サーベイ CFOから見た IT・情報システムの 現状と課題 今やIT・情報システムは、経営管理や業務に深く入り込み、 その活用の巧拙が企業価値を左右する。 IFRSや内部統制など新たな制度への対応といったオペレーショナル課題から グループ経営の高度化にいたるマネジメント課題まで 多くのテーマに取り組むCFOは、 桜本利幸 日本オラクル株式会社 担当ディレクター 法政大学大学院兼任講師、ITコーディネータ、 公認システム監査人 ステムを作るか」 から 「いかにITを利用 使えるようになった昨今、「いかに情報シ 「作る」 から 「使う」 への変化は利用する という回答が七七%となった。 くはCFO傘下の部門に主導権がある 日本CFO協会主任研究委員 欧米企業に比べてITの活用が遅れているといわれることが多い するか」にITに対する考え方、ITの システムの形態にも現れる。図 「現在利 経営管理基盤としてのITとどう向き合っているのか。 我が国企業のIT・情報システムの現状と課題を探る調査を試みた。 利用の仕方が変化し、ITに係る責任が の分掌の二位、三位となった。三分の二 トしてきている現われであろう。 から 「使う側」 であるユーザー部門にシフ 従来の 「作る側」 である情報システム部門 のCFOが業務のみならず会計や経営 ※本稿は、CFO FORUM第三〇号(日本CFO協会・二〇〇九年九月一〇日発行) に 掲載した記事を本誌に再掲載している。 CFOとITのかかわり 用中の会計システム」の設問に対して、 「ERP」四一%、 「会計パッケージソフ ト」三六%と「作らなくてもいい」情報シ 財務会計システム導入に関し、その意 比べるとまだまだ見劣りするが、 「作る」 るといわれている欧米のERP普及率と ステムが八割弱を占めた。六〇%を超え する責務を担っている。「会計・管理会 思決定プロセスを聞いたところ、「CFO から 「使う」 は確実に進んでいる。もう一 図 からもその傾向が見てとれる。 計・経営管理以外の情報システム」も分 もしくはCFO傘下の部門が主導で進 管理システムといった情報システムに関 掌としているCFOも二二%と五人に一 つ付け加えるなら、ここ数年「個社ごと のぼり、「IR」 の五三%を抑えてCFO 理会計・経営管理システム」が六六%に がよりユーザーにとって身近で簡単に IT技術の劇的な進化によって、IT 部門と連携で進める」 というCFOもし 部門が主導するが、 CIO・情報システム 傾向も顕著になってきている。 に」 作る、から 「グループで」 使う、という 図 に見られるように、CFOの分掌 みよう。 として 「財務・経理」 の九六%の回答は当 める」と「CFOもしくはCFO傘下の はじめにITとCFOの関わりを見て 3 人を超えている。 2 然として、「会計システム」 が六八%、「管 1 CFO FORUM ● 実施:日本 CFO 協会 調査期間:2009年7月23日〜2009年8月7日 調査対象:無作為に抽出した上場企業500社の CFO(回答率18%) [回答企業のプロファイルの特徴] 業種:製造業62%、卸売業13%、小売業8% グループ売上高 (円) :5,000億以上が31%、100億以上5,000億未満が63%、100億未満が4% グループ従業員数:1万人以上が34%、5,000人以上1万人未満が7%、5,000人未満が59% 中心とした先進国の成長率のスローダウ はじめとした新興国の台頭と日米欧を で単一通貨ユーロの普及、BRICsを 利点を享受できていないのである。 のシステムでは、そのITの進化による とができるようになっている。一〇年前 具として、質と量の差こそあれ、使うこ 約半数のCFOが会計システムに不満 ンによる経営のグローバル化が加速。経 をクロス集計すると、一〇年以上の利用 図 「現在利用中の会計システムに満 足しているか」という設問に約半数の 営の不 確 実 性 は 増 し、単 体 ではなくグ システム年齢(図 )と満足度(図 ) CFOが 「満足していない」 と回答してい ループレベルでの速く正確な意思決定が 会 計 システ ム 使 用 年 数 」 の 設 問 に、 への対応といった経営や業務の求める い」 と回答、古いほど不満度は高い。 図 「現在利用している会計システム の不満点」 の設問に対する回答のトップ テム面ではオープン化、ダウンサイジング ビッグバンが始まった時期であり、シス シュフロー計算書の開示といった会計 年問題、そして単体から連結へ、キャッ 含まれる。一〇年前といえば、二〇〇〇 と使えなかったITだが、今はどうだろ 年前はある程度のITリテラシーがない シーンにおいても劇的に広がった。一〇 低価格により、ITの利用者はビジネス 爆発的普及と電子デバイスの高性能化、 なお止まらない。また、インターネットの に会計領域においてはグローバルERP 二三%である。これらは、最新のIT、特 三 〇 %、 「 グ ロ ー バル 対 応 で き な い 」 きない 」 三 九%、 「 運 用 コストが 高 い 」 四〇%、 「管理会計、経営管理に対応で たシステムの拡張、仕様の変更が困難」 四四%、「ビジネスの拡大、変化に対応し 要求を、ここ一〇年でITは取り込み進 の 掛 け 声 のもとで、第一次 E R P ブ ー う。経営者から現場の担当者まで多くの 六〇%のCFOが五年以上と回答して は、 「 I F R S に 対 応 できない 」 ム、会計システムのリプレースが一斉に 化してきている。しかも、その進化は今 満では五一%のCFOが「満足していな る。「なんともいえない」も三一%と自信 このような、グループ、グローバル経営 年 数では五三% が、五 年 以 上一〇 年 未 これは、会計システムの年齢によると への対応、さらに、内部統制やIFRS 経営に要求されるようになってきた。 ころが大きい。図 「現在利用している のなさも浮き彫りになった。 4 ですべて解決されているテーマである。 いる。その中には一〇年以上も一四%も 6 人々がそのビジネスシーンに不可欠な道 5 5 行われた時期である。それからの一〇年 ● CFO FORUM 5 4 財務マネジメント・サーベイ CFOから見た IT・情報システムの現状と課題 ローが企業価値を決定付ける方向に向 の実績や規模ではなく将来のキャシュフ 満足している」と回答しているCFOが かっているだけに 納 得できる回 答 であ それは、図 での 「現在の会計システムに 二一%いることが証明している。 位 の「 事 業 ポ ー トフ ォ リオの 再 構 築」 る。この予算や計画系への課題は、第四 理由は、システム年齢が高くシステムが 四六%や「M&A戦略」二一%につなが 約半数のCFOが不満を訴えている 陳腐化し、現在の経営環境に対応できな るシナリオだ。 不採算事業を縮小する、 も る。あるいはM&Aにより獲得する。そ しくは売却する。成長事業に集中投資す いということであると判断できる。 CFOの最重要課題は何か の資金調達は増資なのか、社債なのか、 中長期計画と事業ポートフォリオの再 経営環境のグローバル化、複雑化や制 の烈風を向かい風にするのか、成長の追 構築、M&A戦略は一体で捉えられる。 手元流動資金の取り崩しなのか。まさに い風にするのかはCFOによるところが しかも、ポートフォリオは、動的にグルー 度への対応が加速化する中で、環境変化 大きい。経営を取り巻く課題をCFOは プ全体でその時々の経済状況や経営環 境、競合との関係を鑑みながら、迅速に どのように捉えているのだろうか。図 ではCFOから見た経営上の最重要課 組み替えていかなければならない。 三年後の課題としても「事業ポート 長期計画」は三九%で四位、 「M&A戦 フォリオの再構築」 が四一%で三位、「中 現在の課題として、米国でのサブプラ 略」も三一%と高い回答率を維持し、基 この 「守り」 と 「攻め」 が両立して、はじ イムローン問題に端を発した世界的な金 くの回答を集めた。この「財務基盤の強 めて高度なグループ経営管理が実現す 礎的な課題として認識されている。いわ 化」は、三七%のCFOが三年後も課題 る。三年後には「グループ経営管理の高 融危機と景気の後退の影響を強く受け として 捉 えており、信 用 萎 縮 やリセッ 度化」を目指すCFOが五四%、第二位 ば 「攻め」 の強化だ。 ションの状況下でも倒れないだけの磐石 と高い回答率を示した。 のは、 「業績/予算管理」 の五六%と 「中 続いて現在の視点で回答が多かった は三〇%と回答率は八位で、 潜在的な課 応」 だ。しかし、「IFRS対応」 は現在で う。六〇%の回答を集めた「IFRS対 では、三年後の課題の一位はなんだろ 長期計画」の四九%。資本市場では過去 じる。いわば 「守り」 の強化である。 の財務基盤を作るという強い意志を感 て、「財務基盤の強化」 が六一%と最も多 らった。 課題」の両方について複数回答しても 題について、 「現在の課題」と「三年後の 7 現在 3年後 4 CFO FORUM ● これは、部分最適でのシステム化では 「IT・情報システムを強化すべきと考え の なく、まず、業務プロセスを標準化した上 る 分 野 」 という 設 問 の 回 答 は、図 IFRS対応へ向けた では、情報システムを強化すべきと考 IT・情報システムの活用 「CFOから見た経営上の最重要課題」 と える分野で第一位となった 「IFRS対 で、視点をITに移してみよう。図 果となった。これは、早くても二〇一五 で、自動化し、システム化し全体最適を 目指していこうという意志の現われであ 図 「現在利用している会計システムの不 題感はあるものの優先度は低いという結 年といわれる強制適用まで「時間はまだ ある」 、 「準備はもう少し先でいいが、先 るという見方もできる。そうであること ムの現状と課題」 というテーマでの財務マ 実は、「CFOから見たIT・情報システ 内部統制やIFRSなど制度への対応、 (二三%) 、予算管理 (二二%) である。 三年後ともに一六%と低く残念である。 ステムのシェアード化」 への関心は現在、 アードで使うという「経理財務業務、シ 社で、グループでひとつのシステムをシェ しかし、全体最適をさらに進めて、全 管理会計と経営管理は単体とグルー 内 部 統 制( 二 八 %) 、グロ ー バル 対 応 計 (六一%) 、グループ経営管理 (四八%) 、 が「ITをできるだけ活用したい」と回 IFRS対応(六一%) 、グループ管理会 つまり二〇%以上の回答があった項目は となった。五人に一人以上のCFOから、 「ITの活用が不可欠」 、 四四%のCFO について、四 七 %、半 数 弱 の C F O が IFRSへの対応におけるITの活用 応」 について見ていく。 ネジメント・サーベイは二回目である。内部 グループ経営管理基盤として、その劇的 プと二つの選択肢を用意したが、回答は 満点」との相関が非常に強く現れた結果 統 制 対 応の 準 備 が 佳 境 であった、一年 なコスト削減効果とともに大きな効果を ために 活 用、改 修、導 入 したい I T ソ を期待したい。 一〇ヵ月前の二〇〇七年一〇月に初めて 生むシェアード型グループIT基盤は、 グループに集中した。IFRS対応もグ リューションは何だろうか。その答えの している。IFRSと対照的なのが「内 ITにスポットライトをあてたサーベイと ループでの対応が必至、内部統制も連結 部統制対応」 である。 して実施され、本誌第二三号 (二〇〇七年 欧米企業では早くから利用され、昨今日 前に、筆者の考えるITの活用シーンを では、CFOが考えるIFRS対応の 活用を積極的に捉えている。 のCFOがIFRSへの対応にITの 答。両方あわせると九一%と、ほとんど 一二月発行)にレポートが掲載された。記 本企業での採用も増加しているだけに、 ベースであり、 グローバル対応も単体では でシステムを導入、 運用してきたが、 グルー タマネジメントやSOAによるシステム連 IFRSへのITの活用シーンは、 デー 述べておく。 そのほか、グローバル・キャッシュ・マ プ全体での情報システム戦略を実行しよ なくグループ視点である。これまで、単体 応強化」は六六%と突出した回答率で ネジメントは四%(現在) 、一六%(三年 その時の調査では、 「内部統制への対 あった。今回の調査では二八%、三年後 携やセキュリティといった、コアテクノロ うとしている意思がよく現れている。 一方、 「プロフェッショナル人材の育 後)と大きく回答数を上げているが、そ そのほか特徴的な項目は、 「情報システ 成・採用」 は第一回の調査でも二四%、今 では九%と、内部統制報告元年をむかえ ムの強化、再構築」 と 「業務プロセスの効率 回は三〇% (現在) 、 三七% (三年後) と一 れでも一〇%台と相対的な関心の低さ 化、標準化」の関係だ。現在の課題として 層深刻度が増している。グループ全体で 内部統制対応の立上げはほぼ終わった 「業務プロセスの効率化、 標準化」 は三三% の 「タレント・マネジメント」 も重要な課題 が気になるところだ。 今後の 「気づき」 に期待したい。 憶に残っている方も多いだろう。 る」と考えているCFOが多いことを示 ではかなり大掛かりな対応が必要にな 7 と見ていいだろう。 と高い。しかし、 「情報システムの強化、再 となっている。 ビジネス視点での課題が見えたところ CFOの情報システムへの期待 構築」は一七%と低い。これが三年後にな ると「業務プロセスの効率化、標準化」は 二四%に低下し、「情報システムの強化、再 構築」 は三七%に上昇し、逆転する。 ● CFO FORUM 8 6 財務マネジメント・サーベイ CFOから見た IT・情報システムの現状と課題 (GL) システムや支払管理システムといっ ジーの領域と連結システムや総勘定元帳 れるシステムがこの領域の主役である。 一般会計システム、GLシステムと言わ 一致勘定科目マスター」の管理機能だ。 この領域はまさに、販売管理システムや人 た業務アプリケーションに切り分けると する情報システム部門のテーマであり、業 事給与システム、在庫管理システム、固定 最後の三つ目は、 「業務プロセス」領域。 務アプリケーションはCFOを中心とす 資産管理システムなど、各業務処理をこな よい。コアテクノロジーはCIOを中心と る会計データを扱う業務部門のテーマで し、会計データを作成する領域である。 I F R Sへの 対 応 を 考 えたとき、グ ある。本稿では、CFOサーベイなので業 務アプリケーションに論点を絞る。 管理システムなどの業務システムから会 グ」 。総勘定元帳(GL)システムや販売 一つ目の領域は 「報告とレポーティン か、業務プロセスと業務システムを標準 ポートできればいいという対応をとるの あえず連結システムだけで財務報告をレ 既存システムには手を入れずに、とり ループとして、この三つの領域にどこに 計データを集めてIFRSベースの連 化し、グローバル (グループ) で管理項目 IFRSに対応するための業務アプリ 結財務諸表を作成する。「複数会計基準 を標準化した標準勘定科目体系を定義 どれだけ取り組むかがプロジェクトの大 の 財 務 諸 表 を 生 成 する 機 能」 や し、一つのGLシステムの中で複数会計 ケーションは、三つの領域に整理すると 「XBRLへの対応機能」 が必要である。 基準の総勘定元帳をシェアード形式で きさ、コスト、そして効果を決める。 連結システムがその代表で、予算管理シ 保持する、といった大掛かりではあるが、 わかりやすい。 ステムもこの領域に入る。 勘定科目」 。 この領域では、 IFRS基準 しくは、その折衷を取るのか、自社グルー ループ経営管理基盤を構築するのか、も 劇的なコスト効果を実現した柔軟なグ のGLと日本 基準のGLや子 会 社の プに合ったITの活用、導入形態を決め 二つ目の領域は、「総勘定元帳、仕訳、 GLなど異なる会計基準のGLを同時 なければならない。 う (図 ) 。 では、実際のCFOの回答を見てみよ に保持し管理ができる 「複数帳簿機能」 、 そして、一つの取引から会計基準の異な る複数の仕訳を生成し、複数GLに送り 複数会計基準の財務諸表生成機能 一位、二位は、連結システム (四九%) 、 なる。さらに、勘定科目の定義、管理もこ 領域に回答が集まった。 (四七%) と、「報告とレポーティング」 の アプローチ、セグメント報告のための制管 こで行われることになる。「マネジメント こむ「複数仕訳生成機能」がその要件と 9 現在、活用中・導入中 次年度対応で活用・改修・導入したい CFO FORUM ● 次に関心が高かったのは 「総勘定元帳、 ループ共通システム) 」 に一九%と決して ションが、足元で最もCFOが関心のあ ところで、CFOは財務会計システム できるだけ活用したい」 と回答しており、 CFOが 「ITの活用が不可欠」「ITを 内部 統 制への対 応について九一%の た内部統制対応についても触れておこう。 準備段階から実際の運用段階に入っ プロセスは、一度手作業で実施してみる するといった一連のプロセスを管理する があれば改善し、最終的に報告書を作成 もとづくテストを実施、評価をして、不備 にある。RCMを格納し、コントロールに 年度以降も二八%と注目度は上昇傾向 ル」 だ。前回は二一%、今回も二二%、次 ンは 「運用・報告のための評価・監査ツー 次に関心を寄せるITソリューショ 活用の巧拙が企業グループの競争力を 解決する重要な経営資源である。ITの IT・情報システムは経営上の課題を ダーがCFOの相談先として躍進した。 トウエアーベンダーが二七%とITベン レーターが三一%、前回一〇%だったソフ として、前回八%だったシステムインテグ ンサルティング会社四三%の回答は当然 会計監査担当の監査法人が五五%、コ 合、どこに相談しているのであろうか? やITの活用について外部へ相談する場 ステム(有形固定資産/資産除去債務) IFRS 対 応 同 様、ITへの期 待 は 高 と、その負荷の高さからITツールの有 左右する。ITをうまく使うには情報シ るITソリューションである。 (三〇%) 、販売管理システム (収益管理) い。しかし、これから本腰のIFRSに 用性に気づくのかもしれない。 ステムの担い手であるITベンダーとコ 少くない回答があることは注目される。 (二八%)が割り込む。「業務プロセス」の 対して、ひとヤマ超えた内部統制、その このように内部統制報告を効率化す ミュニケーションすることが近道である。 仕訳、勘定科目」 領域の項目だ。複数会計 この二つは日本基準との差異が大き 内容について、まず、内部統制に対応す るITソリューションへの期 待は高い 今回の調査は前回から約二年弱たって 基準に対応する複数帳簿機能(四〇%) い業務領域である。しかし、業務プロセス るために 「現在、活用中・導入中」 、「次年 が、内部統制の本質である業務プロセス いるが、 この二年間でのITの活用度と満 仕訳を生成する機能(二九%)が五位、セ グメント報告のための制管一致勘定科目 マスター (二七%) も七位である。 そして、四位、六位に固定資産管理シ 領域である。 内部統制対応へ向けた の領域は、この二つを除くと「在庫管理 度対応で活用・改修・導入したい」 ITソ の標準化や効率化と予防的統制環境の が三位、一つの取引から複数会計基準の システム (棚卸資産) 」 の一二%、その他の リューションを聞いてみた (図 ) 。 IT・情報システムの活用 業務システムへの関心は一〇%未満と回 としているCFOが大多数である。しか 運用しようとするところから着手しよう で効率的に低コストで複数帳簿を保持、 きるようにしよう、次に「GLシステム」 結システム」で財務諸表を作成し開示で かけではあるが、現実的には、まずは 「連 グループ経営管理基盤を構築するきっ プロセス、管理項目、勘定科目を統一し、 であった「情報セキュリティ・IT全般 回答を集めたのは、前回は四四%で二位 た。それに代わって今回もっとも多くの と 減 少 傾 向 にあり、導 入 はひと 段 落 し 年度対応で活用・改修・導入したい」 八% 回は 「現在、活用中・導入中」 三四%、「次 は六四%と最も高い回答を集めたが、今 「文書化支援ツール」は前回調査で 中・導入中」 とも比較してみる。 ンナルな視点でのIT活用から、会計プロ して報告書を作成するというオペレーショ 内部統制適用初年度を迎え、テストを と高い支持率である。 跳ね上がった。次年度に向けても三四% 「ERPの導入」 一六%、合計で三五%に は 「会計システムの改修・再構築」 一九%、 CFOが二四%に過ぎなかったが、今回 ロセス と システ ム に 手 を 入 れ てい る 一四%、「ERPの導入」 一〇%と会計プ 調査では、「会計システムの改修・再構築」 構築という観点ではどうだろうか。前回 用し、次回のサーベイの際にはすべての から生まれる「気づき」でITを適切に活 IT系プレイヤーとのコミュニケーション しい。そして、今なお進化をし続けている。 リケーションを核としたITの進化は目覚 と取り込みながら進化している業務アプ 化に対応するために、 ユーザーの声を次々 いる企業はいまだ少数派である。 企業を比べると、 残念ながらうまく使えて して効果を上げている企業とそうでない ずかであった。そして、ITをうまく活用 足度は上がってはいるが、その度合いはわ この設問は二〇〇七年一〇月の調査 しながら、業務の標準化とシステムの標 統制整備」四九%である。次年度以降は セスの標準化、 自動化といった業務の有効 CFOが 「情報システムに満足している」 と 答が低い。 準 化 に 直 結 す る E R P( 会 計 領 域 ) 二二%であり、アクセス管理やIDマネ 性、効率性を高めるという、 より本質的な 胸を張っていることを期待したい。 でも聞いているので、前回の 「現在、活用 一八%、 ERP (販売、 購買領域) 一三%、 ジメント、システムの変更管理といった 視点でのIT活用に移行している。 IFRSへの対応は、グループで業務 グループ経営管理基盤の構築を目指す I T 全 般 統 制 にかかる I T ソリ ュ ー グローバル化や経営環境の複雑化、 高度 「グループ・シェアード型システム(グ ● CFO FORUM 10 は 財務マネジメント・サーベイでの経営上の重要課 点。この双方を備えたグループ経営管理基盤の構築 企業価値創出に向けた戦略立案という「攻め」 の視 正かつ新鮮な情報にもとづいた分析による、新たな 題、現 在 から 三 年 後 にむけての 伸 びト ッ プ 「IFRS対応」 「グループ経営管理の高度化」 「情 業務が変わる。経営が変わる。しかも、その衝撃は 「IFRSは決算書の化粧直しで済むものではない。 マは 個 別のものではなく一つの文 脈 を 形 成 する。 フォーマンス・マネジメント) の高度利用だ。オラクルは リューションがERPとEPM (エンタープライズ・パ グルー プ 経 営 管 理 基 盤 を 実 現 するためのITソ このような 「守り」 と 「攻め」 の両面をサポートする 報システムの強化、再構築」 である。この三つのテー 個社にとどまらずグループ企業全体に及ぶ。会計シ ERPに 、 t f o S e l p o e P s d r a w d E D J e t i u S s s e n i s u B E 、 桜本利幸 e s i r p r e t n E n o i r e p y H る。ERPは二〇〇〇年問題、会計ビッグバンを契 日本オラクル株式会社 アプリケーション事業統括本部 担当ディレクター 法政大学大学院兼任講師、ITコーディネータ、 公認システム監査人 日本CFO協会主任研究委員 する。オラクルはこのERP製品群とEPM製品をた 機に一九九〇年代後半、日本でも急速に普及した。 をラインナップ ればならない」 という文脈だ。オラクルのITによっ だ並べているだけではない。自社が開発した製品と買 そして、それから現在までの一〇年で、会計制度の を有し、 EPMには てこの 文 脈 は 課 題 ではなく 現 実 のものとなる。 収によって獲得した製品同士を連携させて提供して 変更や経済および経営のグローバル化に伴うさまざ ERPとEPMを中心とする いるのである。この「連携」 = 「インテグレート」が価値 よる実現方法を示す。 s n o i t a c i l p p A e l c a r O に して利用できるのである。加えて、 オラクルは今なお新 ラクルによって既に連携し、最適化したパッケージと に加えて、複数の会計基準に 「同時に」 対応するため パッケージは、その特徴である多通貨、多言語機能 オラクルのERPに代 表 されるグローバルERP の複数帳簿・複数仕訳生成・XBRLにも対応した たなアプリケーションの開発と買収を進め「完全」= IFRS対応に必要な機能はその一つだ。特に、 まな要請に応える機能を追加してきた。 「守り」 と 「攻め」 、IFRSに 対応するグループ経営管理基盤 構築の二つの視点 企業は「IFRSは単なる制度対応である」とい 「コンプリート」 なラインナップを目指している。 を取り込んできた。内部統制やグループ経営管理と 産や収益認識、金融商品などに対応するための機能 1 う意識を超え、「グローバル規模でのグループ経営管 財管一致勘定科目体系 (図 ) 、さらに、有形固定資 財務諸表生成機能 (図 ) 、セグメント報告に必要な オペレーショナル・エクセレンスを 実現する守りの要 「ERP」 まず「守り」の局面をカバーするのがERPであ 2 理基盤の構築」 という観点でその対応に取り組むこ とが重要である。具体的には、グループ企業全体で 「人、モノ、カネ」といった経営資源やその情報を共 通の 「ものさし」 で一元管理する 「守り」 の視点と、適 ンダーの製品は繋がなければならなかった。それがオ なのだ。これまでは、企業のリスクとコストで異なるベ 盤としての情報システムのあり方も大きく変えなけ ステムだけではなく、グループ経営を高度化する基 を目指すべきである。 3 IFRSとグループ経営管理の高度化、 CFOの二大課題を解決する シェアード型ERP×EPM ERP×EPM Shared Service CFO FORUM ● 図1 複数会計基準へ対応する3大機能 ドリルダウン分析による要因分析の迅速化 業務モジュール いった経営要件に対応するための機能も追加して いる。 中長期的に経営資源をどのように配分・投資するか を踏まえつつ、 M&A (合併・買収) をはじめとする事 しかし、単に業務を優秀にしただけでは、企業の 事業計画や年間の予算編成を行う。さらに、実績を (複数シナリオ分析)を実施する。その結果を基に、 業ポートフォリオ最適化のためのビジネスモデリング を超える子会社や関係会社が一つの標準システムを 持続的な成長は見込めない。経済が成熟し変化の タイムリーに把握して、事業や地域などセグメント マネジメント・エクセレンスを 実現する攻めの要 「EPM」 シェアード利用できたり、SOAにもとづいて既存 スピードが速い経営環境下では、「マネジメント・エク 別に予算と比較分析し、次の戦略へとつなげる。こ グローバル このような機能面だけではなく性能面でも、数百 システムと連携できるように強化してきた。 セレンス」 、すなわち他社と比較して卓越 (エクセレン そして、 先進企業はERPの導入を契機に業務プ 複数帳簿 一つのERPの中に通貨、 会計基準の異なる複数の帳簿を保持する 財務会計に必要な勘定科目+マネジメントアプローチに必要なセグメント情報 図2 財管一致勘定科目体系 XX ルである。 部の情 報を扱 うこと は、基 本 的 に 企 業 内 が中心だった。これら の報 告 といった業 務 定、業務の遂行、結果 営管理は予算の策 ことを指す。従来の経 と戦略実行を進める 行できる。マネジメント・エクセレンスを実現するに る。よって、 一連のプロセスをスピーディに確実に実 らの機能が単一のプラットフォームで統合されてい な機能を備えている。かつてはバラバラだった、これ (活動基準管理)といったグループ経営管理に必要 アカードやABC(活動基準原価計算)/ABM オ分析、予算編成/管理、統計解析、バランス・スコ EPMの実現を支援するEPMツールは、シナリ 害関係者)や市場、競 ステークホルダー(利 で、IFRS要件に網羅的に対応すると同時に、経 た 「守りのERP」 × 「攻めのEPM」 を活用すること この二つのシステムを有機的かつ効率的に統合し IFRSに対応する グループ経営管理構築の方程式 は、EPMツールが不可欠なのだ。 ある。 が必要になる。それをITで支援するのがEPMで 以上に新鮮な情報や精度の高い分析、正確な予測 マネジメント・エクセレンスの実現には、これまで れが目指すべきマネジメント・エクセレンスの姿だ。 一つの会計イベントから複数の 会計基準で同時に仕訳を生成 この 「マネジメント・エクセレンス」 が 「攻め」 のゴー ス) した経営 (マネジメント) が欠かせないのだ。 ロセスの自動化や改善、標準化を進め、業務(オペ 複数仕訳 マネジメント・エクセレンスとは、伝統的な管理会 集約・結合・報告セグメントに対応 レーション) を効率化し、品質を高め、 コストを低減 財務諸表生成 計や経営管理の枠を越えて、より迅速に経営判断 廃止事業に対応 各セグメントに対し、 複数かつ無制限の階層構造 有効・無効日 ∼2008/4/1 して優秀 (エクセレンス) なものにしてきた。 財務諸表生成 ノンプログラミングで複数の会計基準の財務諸表を作成する これを 「オペレーショナル・エクセレンス」 という。 XBRL 個社 ローカル基準 会計帳簿 XX 営業 投資 財務 「守り」 のゴールである。 千葉 で遂行できる。 しかし、今必要なの は社 内の情 報だけで 合 他 社の状 況 といっ 営の要請にも応えることができるのである (図 ) 。 ● CFO FORUM なく、 企業を取り巻く た外部環境に関する ERPは 「エンタープライズ・リソース・マネジメン ト」 の略であり、 「人」 「モノ」 「カネ」 といった経営資 情 報 を 把 握 し、経 営 管理に生かすことだ。 3 東京 神奈川 関東 北海道 東北 セグメント報告 複数会計基準 に対応 中国 日本 欧州 米州 アジア 欧米 各セグメントの補完的情報 XX サイズ 色 データ連携 プロジェクト管理 顧客 チャネル 製品 地域 部門 会社 勘定科目 帳簿連結 債権・債務管理 レポーティング 分析、 予算 シミュレーション グループ会社B 会計基準 IFRS 連結 会計帳簿 個社 IFRS 会計帳簿 複数帳簿 帳簿変換 複数仕訳 親会社 グループ会社A 勘定科目 組織 在庫管理 期間 一般会計モジュール (General Ledger/GL) 仕訳生成 モジュール 購買管理 EPM ERP 図3 「ERP×EPM」 によるIFRS要件に対する網羅性 バランスト スコアカード 内部統制 四半期開示 統計解析 ・ABC/ABM している。ERP 理することを目的 源 情 報 を一元 管 し、ERPで予算統制を実施する、といったことが に生かす。逆にEPMで作成した予算をERPに戻 工、 シミュレーション、 レポーティングして意思決定 かも、企業グループの標準プロセスが出来上がるの の増加と開示スピードの速まりにも対応できる。し 加工、分析のサイクルが著しく短縮され、開示頻度 るし監査にかかるコストも削減できる。しかも、物 で、内部統制監査のスピードと精度は格段に上が ここまで見てきたように、ERP×EPMを活用 理的にシステムが一つになるので、ITコストが削減 可能だ。 うことで、業務を することで、 IFRSに対応し、 加えて経営をサポー できる。 パ ッ ケ ー ジを 使 処 理 しつつ 全 世 トすることができるようになる。 グループ企業が「シェアード」で利用するグループ を分析して、次の一手を打つ。「ERP×EPM」を ITの視点でいえば、今回説明した 「ERP」 にす 界 のグル ー プ 全 体からリアルタイ べての会計データを統合し、「EPM」 で会計データ ムで 正 確 なデ ー ERP×EPMの有効性はお分かりいただけたで IFRS対応 グループ経営管理基盤の理想モデル タを収集し、一元 管理できる。 では、どのようにグローバル/グループで導入、運 では、実際にそんなことができるのだろうか。 /グローバルで共通の経営IT管理基盤を構築す 「エンタ ー プライ 用されるのがよいのだろうか。企業によっては地球 答えは 「できる」 だ。 あろう。 ズ・パフォーマン 規模で考えなければならない。グローバル経営の先 一方、EPMは ス・マネジメント」 進欧米企業は、実に効率的な運用を実現し劇的な ることが理想である。 の略で、次の「打 効果を得ている。「シェアード型経営管理基盤」 がそ かい粒度での分析が、のれん代を見積もる際にはシ 場面は少なくない。例えばセグメント報告の際は細 IFRSへの対応では、EPMツールを生かせる に属する企業が利用するものだ (図 ) 。 一つの基幹業務システムを構築し、それをグループ 管理といった業務プロセスを標準化し、グループで 定科目はもちろん、会計プロセスや人事、購買、販売 ローバル企業の一つである。 M&A戦略による「攻め」の経営を実践してきたグ や低コスト化、ガバナンス強化といった「守り」と オラクルは、シェアード化によってSOX法対応 在庫管理 ミュレーションがそれぞれ必要になる。ほかにも、事 シェアード型 グループ経営管理基盤の実際 ち手」 のために経営情報を分析し、マネジメントや経 れだ。 つまり、 ERPをベースにグループで会計の勘 内部統制監査 連結会計 営の意思決定を支援することを目的とする。 人事/給与/タレントマネジメント 退職給付 収益性管理 有給休暇 債権/入金管理 ストックオプション ・モンテカルロシミュレーション 財務/資金管理 金融商品公正価値 ・資金予測、 トレジャリー 受注管理 収益認識 予算管理 過年度遡及修正 ・連結、 分析、 レポーティング セグメント報告 一般会計 複数仕訳 生成エンジン (総勘定元帳) 企業結合 ・アセット マネジメント ・編成、 予実モニタリング 工事進行基準 プロジェクト 管理 開発費資産計上 投資不動産 リース会計 連結の範囲 在外子会社会計基準統一 棚卸資産評価 オラクルのERPは既にEPMツールとの連携を ある。「ERP×EPM = グループ経営管理基盤」 このERPとEPMを組み合わせて利用するので ションしたり、事業計画や予算を策定する際にも 業を統合・売却するときに企業価値をシミュレー 全ての情報が一元管理されるので、データの収集、 にタイムラグが生じない。ERPによりグループの は一カ所で済むばかりか、グループ会社間での適用 ムの仕様や設定の変更があったとしてもその対応 け変更、修正の議論の最中であるが、将来、システ IFRSはMOUの項目について二〇一一年に向 も、業 務 プロセスもシステムも 増 加 しない。現 在、 この仕組みができれば、連結の対象会社が増えて の数は全世界で一〇〇〇を超えた。 この結果、 グルー とに導入し、保守・運用を行っていたので、サーバー イル・サーバーなど個別の業務システムも子会社ご 基幹業務だけではない。メール・サーバーやファ システム (インスタンス) の数は六〇を超えていた。 て会計、人事、販売、購買などの基幹業務を運用し、 国の子会社ごとに、自社のERPパッケージを用い かつてオラクルは急速なグローバル展開の中で、各 という方程式である。 EPMを活用する。 実現している。ERPのデータをEPMで分析、加 4 不動産管理 ・事業価値、 現在価値試算 固定資産減損 固定資産管理 コンポーネントアプローチ 戦略的中長期計画 資産除去債務 ・プロパティ マネジメント 購買管理 EPM ERP 債務/支払管理 CFO FORUM ● 10 い、収集できたとしても正確ではない、といった状況 プ全体の人事情報や会計情報を迅速に収集できな よるシステム関連経費や監査関連経費の圧縮、ある ことができた。「守り」 を固めたのだ。システム統合に 部統制環境が完成し、ガバナンスの強化も実現する 問題から一〇年、今まさに会計システムに「守り」か IFRSへの対応は会計ビッグバン、二〇〇〇年 る基盤となっている。 に陥っていたのである。加えて、事業の拡大とともに ら 「攻め」 への抜本的な転換を求めている。 次章以降では財務マネジメント・サーベイに見る いは、業務の標準化に伴う集中購買によるボリュー ム・ デ ィ スカウントなどにより、年 間 経 費 も 約 ITコストが増え続けるリスクを抱えていた。 そこでオラクルは、これらの問題を抜本的に解決 CFOの主要な七つの課題についてERPとEPM にGRC (ガバナンス、リスクマネジメント、コンプラ 一〇〇〇億円削減できた。 コスト面でだけはない。一四〇を超える国にまた するため、業務とITの標準化と統合プロジェクト を二〇〇〇年にスタートさせた。全世界の子会社を 一三日程度かかっていたが、現在では四日程度で完 イアンス)を加えたCFOに向けたオラクルのIT 具体的には、業務プロセスをグローバルで標準化 了する。また、これまでは現場が四苦八苦しながら がる連結決算に要する時間を、大幅に短縮すること し、一つのERPベースのシステムに統合。メール・ 本社の要求にしたがって連結勘定科目に変換する 対象としたシェアード化の取り組みである「グロー サーバーやファイル・サーバーなどの非構造化デー など、連結決算の作業や連結経営情報の把握に膨 ソリューションによる課題解決の各論を展開する。 タを格納するサーバーも統合した。こうして統合さ 大な負荷がかかっていたが、自動化により、こうし 心としたシェアードサービス・センターはインドに集 て実装し、グループ企業がITおよび日常業務にか このように標準的なプロセスを単一システムとし データ センター ができた。従来は社内での決算データの集計作業に れ一つになったシステム (シングル・インスタンス) を、 た状況は劇的に改善した。 約した。後者をインドにしたのは、人件費、家賃、電 かわるシェアード・サービスを利用する仕組みを五 Global Single Instance (グローバルシングルインスタンス) バル・シングル・インスタンス (GSI) 」 だ。 全世界の子会社が利用する。まずは経営の要請から 業がかなり排除されたことで、開示情報と意思決定 加えて、人手による情報入力・情報管理などの作 内 部 統 制 や 監 査の側 面 が 加 わった。今 後 は 当 然 のための経営情報の精度が向上した。世界中に分散 気代などオペレーションコストが安く、多言語に対 年 かけて 構 築 したわけだ。この 仕 組 みが、いまや 子会社 C 関係 会社 B 親会社 のプロジェクトであったが、SOX法の施行以降は、 IFRS対応の要請も加わっていく。 していた資金も、金融子会社によるシェアード型の (GCMS) により集中管理することで、銀行手数料 GSIプロジェクトは、二〇〇〇年から実に五年 ERPシステムは、二年後の二〇〇二年には一〇の の削減や、効率的かつ適切な資金運用・資金調達は グローバル・キャッシュ・マネジメント・システム システムに、二〇〇三年には三つのシステムにまで統 もちろん、スピーディな企業買収の決断につなげる 間を費やして段階的に進めた。当初六〇以上あった 合され、二〇〇四年に統合が完了した。 応できる優秀な人材を確保しやすいからだ。このよ M&Aや事業統廃合の際にも不可欠なインフラであ ことができた。 うにITと業務を分離して 「職務分掌」 を実現した。 り、企業価値の向上を目指す「攻め」の経営の支え 11 ● CFO FORUM ITインフラ 子会社C 共通アプリケーション ERP×EPM 関係会社B 子会社 A 子会社 D ローカル 販売 プロセス プロセス 人事 プロセス ITインフラ 会計 プロセス 購買 プロセス 販売 人事 プロセス プロセス 標準化されたプロセス ITインフラ 共通ITインフラ ローカル プロセス 購買 プロセス シェアード サービス センター 子会社A 会計 プロセス 会計 プロセス XX プロセス 人事 プロセス 会計 人事 購買 販売 XX プロセス プロセス プロセス プロセス プロセス 販売 プロセス 会計 購買 プロセス プロセス 親会社 さらに、データセンターは米国に、会計処理を中 この一連のGSIプロジェクトにより、強固な内 図4 業務プロセスの標準化、 システムの集約化によるシェアード型グループ経営管理基盤 1 CFO から見た IT・情報システムの 現状と課題 加藤貴彦 を取り上げ、さらに経営管理にどう活かしていく IFRS基準の適用」 と 「マネジメントアプローチ」 論 点の中でも 特に重要 な「 個 別 財 務 諸 表への ないだろうか。本稿では、 連結に係るIFRS上の 資に対する効果を検討していく必要があるのでは は経営に活かしていけるという視点でシステム投 ゆえ、IFRS上の論点を十分に考慮し、さらに それなりの投資が必要となる可能性がある。それ している。とはいえ、「連結システム」 の見直しには 当面は対応していこうという考えが多いことを表 う考えなどがあり、とりあえず連結システムだけで ること、MOUなど今後の動向を見届けたいとい める。 これは、 IFRSへの移行が 「連結先行」 であ ンの第一位は「連結システム」で、実に四九%を占 のために活用、改修、導入したいITソリューショ 財務マネジメント・サーベイでは、IFRS対応 誤りがある等の場合には、メール等で何回もやり 社には、組み替えの過程が見えない。もし数値に えが正しく行われたのかという問題である。親会 る。問題は、その数字が正しいかどうか、組み替 シートやWeb画面に入力し、送付することとな え、 その結果を 「連結パッケージ」 と呼ばれる入力 の場合、子会社が手元でIFRS基準に組み替 では子会社に組み替えをやってもらうのか。こ 荷が高く、 早期開示の足かせとなる可能性もある。 るという方法。 いうまでもなくこれは親会社側の負 えに必要な情報を貰って親会社ですべて組み替え を誰が行うかということである。 一つには、組み替 替えという課題が発生するのである。問題は、これ 求められていない。 そのため、 IFRS基準への組み 社は必ずしもIFRS基準での財務諸表の作成を 問題である。「連結先行」 のIFRS移行では、 子会 別財務諸表をIFRSの基準に組み替えるという 効率化にもつながっていく。まさに、 一石二鳥だ。 リルバック」 機能もあるので、データ収集自体の から元となる個別会計の数字へとさかのぼる 「ド 連結数字から組み替えの詳細、組み替えの詳細 ころに大きなメリットがある。また、FDMには プロセスを親会社にて「可視化」できるというと で子会社がIFRSへの組み替えを行い、その FDMという親会社の統制の効いた基盤の中 接確認するというものだ。 うに組み替えたのか、エラーがなかったか等を直 会社がこのFDMにログインし、子会社がどのよ で、親会社の連結システムへ転送する。次に、親 替えを行う。そして一定のチェックを行った上 を取り込み、FDM上でIFRS基準への組み 具体的には、まず子会社が個別会計のデータ 表参照) 。 会社の統制下にて行う」 という方法が有効だ (図 日本オラクル株式会社 アプリケーション事業統括本部 シニアセールスコンサルタント かという観点で 「連結システム」 を考えていきたい。 取りを要するという手間も発生する。こうした問 n o i r e p y H t n e m e g a n a M y t i l a u Q a t a D l a i c n a n i F (FDM) を活用した 「IFRS基準への組替を親 次に二〇一〇年四月から始まる事業年度から 経営管理をベースとした セグメント情報の開示 題を解決する方法として、オラクルの 「個別財務諸表へのIFRSの適用」 は、 各社の個 IFRS基準への組み替えは 親会社の統制化で IFRSへの対応は 「連結システム」 から。 制度対応と経営管理の伸展 Consolidation CFO FORUM ● 12 ●IFRS対応へ向けた新連結システム IFRS基準への組替やセグメント配賦などのプロセスを親会社の統制の元で行う いわれる単位が相当すると思われるが、こうした て管理していく考え方だ。しかも、これをグルー そうなってくると、連結システムは経理のみ 適用される「マネジメントアプローチ」 。マネジメ 位に分割した方法を基礎としてセグメント情報 ならず、経営企画や各管理部門など多くの当事 プ全体だけでなく、経営上の意思決定を行う 「事 を開示することを目的としている。投資家が経 者が活用するシステムでなければならない。ま 例えば、三月決算を締めてみたら、実は海外のあ 単位での管理内容をベースとした開示が求めら 営者と同じ目線で投資判断できるようにしよう た、制度決算における財務結果の数値のみでは る部門で大きな損失が発生していたとか、減損 ントアプローチは、経営上の意思決定を行い、業 というのが狙いだ。多くの企業では、すでに経営 なく、非財務的な経営管理の情報も連結システ テストをしたら予想外の損失を計上しなければ 業構成単位」 で管理していこうというものだ。こ 会議資料や役員会報告として何らかの経営管理 ムで一元的に管理しなければならなくなってく ならず慌てたというのはよくある話だ。経済環境 れてくるのである。 情報を作成している。この情報をベースとして制 る。まさに財務・非財務の情報を統合管理し、グ の激変する今、そのような「しまった」的な話し 績を評価するために経営者が企業を事業構成単 度開示を行わなければならないというわけだ。こ ループで情報を広く共有するためのシステムが、 れがまさにマネジメントアプローチの本質という の経営上の意思決定を行う「事業構成単位」と オラクルの (HFM)である。HFMは、国内外で豊富な実 クルでとらえること、そしてそれに対して必要 重要なのは、今の状況、実績をより短いサイ t n e m e g a n a M l a i c n a n i F n o i r e p y H 例えば、現在の開示セグメントをもう一段細か 績をもっており、さまざまな導入事例が今後の が経営として許容できるだろうか。 さらに、管理を行うタイミングにも注意したい。 ことにもなろう。 いう点にも注目したい。 くした「事業」という であればいち早く計画を見直していくこと、さら よ ってどのような 影 響 が 出 るかをシミ ュレ ー には、為 替 や 金 融 相 場 の 変 動 等 の 外 部 要 因 に 検討の参考になろう。 いという意見もある。 ただ、これが本当に経 には、サブ 事 業 やサ ないだろうか。具体的 る 必 要 があるのでは と情報を管理してい 細 かい単 位 できちん は、実際にはもう一段 きるようにするために 業績を明確に説明で あろうか。「事業」 での う 単 位 といえるので 表す持分変動計算書、包括利益の増減を表す包 すキャッシュフロー計算書、株主持分の増減を に増減したのか、これをキャッシュの増減を表 企業が投下した資産・負債 (純資産) がどのよう は、「資産負債アプローチ」 という考え方がある。 なってくると思われる。IFRSの基本理念に ロー重視となり、今後はBS中心の管理が主と 管理が主流であった。それが連結キャッシュフ も経営管理の領域は、損益中心のPLベースの うにする、というのも大事な点であった。そもそ さて、連結システムを経営に活かしていけるよ いきたい。我々はそう考えている。 今後のSuccess につながるよう支援して ムが単なる会計制度への対応というのではなく、 セスをトータルでサポートしている。連結システ 連結に至るまでのまさに一連の経営管理のプロ 長期計画の策定・シミュレーション、予算編成、 というフレームワークにより、情報の収集から中 するものでなければならないことになる。 さにこうした一連の経営管理のプロセスを実現 はないだろうか。そうすると、連結システムはま ションして、この先を的確に予測していくことで ブ・ビジネス・ユニッ 括利益計算書と、財政状態計算書の四表でもっ 営上の意思決定を行 ト(SBU) 、部門と 実績+計画+シミュレーションで 将来を予測できる連結システムに 単 位で開示すればよ (EPMソリューション) は、 t n e m e g a n a M e c n a m r o f r e P e s i r p r e t n E e l c a r O s s e c c u S o t y g e t a r t S 新しいパターン 13 ● CFO FORUM ドリルバック 進捗管理・監査証跡 連結処理 システム 連携 Hyperion Financial Data Quality Management システム 連携 Local 基準元帳 レポート Hyperion システム IFRS基準 への組替 セグメント 配賦 個別会計 組替や配賦など情報の 品質・精度に不安 データ作成プロセスの Black Box化 提出 チェック 組替・配賦 抽出 連結処理 問い合わせに 工数がかかる セグメント 配賦 Local 基準元帳 通常ケース 個別会計 親会社 子会社 レポート 転記 チェックと修正 業務の負荷 担当者手作業 IFRS基準 への組替 転記 親会社の統制下 2 「グループ経営管理」 の高度化に 向けた具体策 マネジメント・ エクセレンスの実現に向けて 久保誠一 財務マネジメント・サーベイではCFOの最重 より本質的な課題に踏み込んだ 「真の見える化」 提供するという表面的な取り組みにとどまらず、 どの施策を講じた際にも、「バケツリレー方式」 の また、環境変化に応じた組織変更やM&Aな 日本オラクル株式会社 アプリケーション事業統括本部 部長 要課題として、「業績/予算管理」「中長期計画」 整合性のとれない経営情報が 経営判断の迅速化を妨げる 策自体の効果を享受しきれない企業は多い。 仕組みが障壁となって迅速な対応ができず、施 「グループ経営管理」などが挙げられている。こ れらは二年前に実施された同調査から現在も継 続している優先度の高いテーマである。実際に、 昨今のサブプライムローン問題に端を発した世 リューチェーンは、会社や国をまたいだオペレー られる。説明するまでもなく、今日では企業のバ 背景としては、「連結」 や 「グローバル化」 が挙げ 生産・販売・在庫などの情報も含まれる) との不整 告する業績報告の数値 (ここでは、 より現場に近い が報告する管理連結の不整合や、事業部などが報 例えば、経理が報告する財務連結と、経営企画 実際に多くの企業では、「正しい打ち手」 を 「ス このような企業がいかなる課題をもとに、業 ションの上に成り立っている。そのため収集過程 合もあるだろう。各部門が報告する数値がバラバ 界的な金融危機と景気後退のなかでも、「生き残 一方で、 経営に必要な情報はさまざまなルートか 績管理や経営管理の高度化に向けたIT・情報 においては、担当者によるコード組替や配賦な ラでは、結果的に報告数値の信憑性に対する疑問 ピーディー」 に実施するための経営情報を取得す システムの活用を考えているのか、先進的な取 ど、さまざまな変換・加工作業が発生する。この となり、 迅速な経営判断の阻害要因にもなりうる。 り」ではなく「勝ち残り」を目的に、この分野に り組み例に触れながら整理していきたい。 ような属人的な「バケツリレー方式」による収集 ら提供されており、それらの整合性も課題となる。 「勝ち残る」 ために各社が取り組んでいる主な施 は、業務負荷はもちろん、収集過程で担当者の恣 ることができていない。 策とは、 「偏在する需要を見抜き、スピーディー 意性が含まれるリスクがある。報告された情報も、 ただし、ここでいう 「見える化」 は、レポート・分 い打ち手をスピーディーに打つことはできない。 ど、「粒度」 や 「鮮度」 も課題となる。これでは正し 「真の見える化」 を実現する に正しい打ち手を打つための基盤づくり」 、いわ ある程度サマリされた一カ月遅れのものであるな 析(BI)ツールを導入して、見栄えよく情報を プローチは二つに大別される。 では、いかにして課題を解決していくのか。ア 透明性の高い経営情報の 一元化が第一歩 ゆる 「見える化」 ともいえる。 積極的な投資を行っている企業は少なくない。 「バケツリレー方式」の 情報収集からの脱却 の実現である。 — CFO から見た IT・情報システムの 現状と課題 Enterprise Performance Management CFO FORUM ● 14 まずは、抜本的な解決策。グループ各社の、業 ステムで、短期間で経営情報基盤を構築すること 圧倒的な実績を誇る唯一の 「統合型」 経営管理シ 的な経営管理のフレームワークに基づき、「マネジ 一万二〇〇〇社超の導入実績を背景とした先進 は、グ ロ ー バ ル m e t s y S M P E e l c a r O 務やERPをはじめとした業務システムを統一し が可能だ。 を必要とするために、このアプローチを選択する ともいえる。ただし、実現には膨大な費用と期間 いった 「モノサシ」 が統一されるため、理想的な形 は、あらゆる情報は発生段階から粒度や基準と 計基準変換やコード組替・配賦などが自動処理 た 「グループ共通ルール」 のマスタ類に基づき、会 を容易に実現する。連携データは、一元管理され ERPに対応したアダプター利用し、データ連携 はもちろん えるだろう。 化に向けた要としての役割を果たしていくとい ROI」 が評価され、「グループ経営管理」 の高度 こうした「実現力」と「先進性」 、そして「高い ポートする。 盤の早期構築と段階的な業務機能の拡張をサ e t i u S s s e n i s u B E e l c a r O ほどの余裕がある企業はそう多くないだろう。 される。こうして統合されたグループ経営情報を P A S これに対し、 より実現性の高いアプローチを 「情 もとに、日次損益の把握や、製品群・地域別、ある メント・エクセレンス」 の実現に向けた経営情報基 ていく方法。これを「業務統合型アプローチ」 、も 例えば、 収集に関しては 報統合型アプローチ」 、もしくは 「川下型アプロー いはチャネル・ブランド別などの財務分析、生産・ しくは「川上型アプローチ」と呼ぶ。この場合に チ」と呼ぶ。各社の業務やシステムは不統一であ 販売・在庫などの非財務情報の分析を行う。ま EPM Workspace/ BI+ 時間 など、グループ各社で運用する ることを前提に、グループ経営情報を仮想的に た、各種KPIや連結数値から、 単体の総勘定元 e l c a r O s s e c c u S o t y g e t a r t S (戦略から M P E データ収集 ERP EPM:Enterprise Performance Management 戦略策定、 予算編成、 目標乖離の原因分析と再調整、財務レポーティングといったマネジメントプロセスの最適化 レポート・分析 統合することで、比較的短期間に効果を享受で 帳や補助簿へのドリルダウン分析も可能であり、 その上で、 より先進的な企業においては、 クルを大幅に短縮させる。 異常値の早期発見から対応策の立案までのサイ きる。 実現に向けては収集がキーポイントとなる。い かにして、精度・粒度・整合性が担保された経営 情報を 「継続的」 に獲得できるか。 さらには、 組替・ が提供する“ 成功まで) ”のフレームワークに沿った各業務機 配賦などの収集過程をトレースできることも重 要だ。いずれにせよ、透明性の高い経営情報を一 EPM Hyperion Financial Data Quality Management 業績管理・収益性管理 Hyperion Performance Scorecard Hyperion Profitability & Cost Management GRC 組織としてのベースを守る 能群を活用し、競合他社に打ち勝つために 「マネ 連結管理 Hyperion Financial Management オペレーショナル・ エクセレンス 元化するためのグループ経営情報基盤の構築す 予算・計画・予測 Hyperion Planning マネジメント・ エクセレンス ジメント・エクセレンス」 を実現する。すなわち、「市 事業戦略・中長期計画 Hyperion Strategic Finance 戦略的差別化 競争上の優位性 ることが、「真の見える化」 に向けた第一歩になる。 場分析」から「ビジネスモデリング」といった自社 の競争優位性確保のための分析・シミュレーショ ンや事業ポートフォリオの管理。M&Aを想定し m e t s y S M P E e l c a r O たシミュレーションや財務予測とリスク分析、中 m e t s y S M P E e l c a r O M P E e l c a r O 各種KPI分析やバランストスコアカードを活用 m e t s y S n o i r e p y H した 「進捗管理」 などである。 15 ● CFO FORUM 「マネジメント・エクセレンス」 を 実現する これまで述べてきたソリューションの具体策と 製 じた 「事業計画」 。さらには、 予実管理はもちろん、 長期の戦略立案から単年度の予算編成などを通 だ。 して、多くのお客様より高い評価をいただいてい るのが は、二〇〇七年に統合された 品を軸に、グローバルのみならず国内においても マネジメントエクセレンスの実現に向けて、 全体最適化の観点で統合された唯一のEPMソリューション。 ●マネジメントエクセレンスを実現∼Oracle EPM System 川腰晃夫 ローバル統合経営管理基盤の一端を担う固定資産 示される領 域である。きたるIFRS 時 代に、グ 対応としてITシステム導入の期待が最も端的に 業務要件への具体的な対応が求められ、IFRS があがっている。これらのシステムについては、個別 資産管理システム (有形固定資産/資産除去債務) 続いて複数会計基準対応、また、上位の一角に固定 リューションの筆頭に連結決算システムが挙がり、 応」を挙げている。そのために導入・活用したいソ の最重要課題として、多くのCFOが 「IFRS対 財務マネジメント・サーベイでは、今後の経営上 を一元管理することが可能となり、決算開示の早期 の報告書作成の際に必要な調整項目に関する情報 理を行うことが可能となる。また、IFRS基準で 自動化・効率化し、個社のレベルから適切に会計処 ることにより、個々の基準で求められる会計処理を 業全体の共通基盤として業務システムを統合運用す オラクルのアプリケーションを活用して、グループ企 スト削減)につなげる事例が増加している。例えば、 化および効率化を実現し、 ひいては収益性の向上 (コ 備し、企業業績の可視化、業務処理・プロセスの標準 グループ企業共通の統合経営管理基盤を導入・整 業において、国内拠点のみならず海外拠点を含めた どから耐用年数を導き出す償却方法を義務づけら 経済的耐用年数の採用により、過去の稼働実績な 採用することが多かったが、IFRSではいわゆる 償却費の耐用年数は法人税法で認められた基準を 従来、日本では会計慣行として、固定資産の減価 要が生ずる。 をベースに各基準に沿った償却費の計算を行う必 法、耐用年数、残存価額) を保持して、それらの情報 ついて、異なる減価償却計算の要素(減価償却方 基準用の資産台帳を同時に保持し、個々の資産に ば、日本(ローカル)基準用の資産台帳とIFRS 法令・税制へ準拠していくことが求められる。例え 準による決算処理・財務報告を行うと共に、各国の 日本オラクル株式会社 アプリケーション事業統括本部 シニアマネージャー 管理システムについて考察する。 化、財務報告の正確性の向上に大きく貢献する。 連システムに求められる要点として、以下が挙げら グループ企業各社はIFRS基準および自国基 ②個社会計に調整を反映させずに差異項目として 映させた上で連結処理データを作成する方法と、 ついては、大きく分けて、①個社会計上へ調整を反 IFRSベースの財務報告書作成アプローチに 個別会計基準への対応 直さなければならない。 れる。しかも経済的耐用年数の見積もりは、毎期見 グローバル化の進展に伴い、多くの企業取引、経 れる。オラクルのソリューションはこれらの個別業 統合経営基盤の一端を担う固定資産管理とその関 済活動はクロスボーダーになることが日常化して 務要件への対応を実現する。 よび国際会計基準 (IFRS) 導入の流れも加速し ている。 こうした状況下、グローバル展開している先進企 複数会計基準対応の効率化 きている。会計基準の統一化 (コンバージェンス) お グローバル統合経営管理基盤の 構築の必要性 IFRS導入の動向をにらみ、グローバル共通の IFRS対応に向けた グローバル最適システムへの転換と 「固定資産管理システム」 Asset & Property Management 3 CFO から見た IT・情報システムの 現状と課題 CFO FORUM ● 16 ●Oracle Financials/固定資産管理 (Assets) 複数会計基準への対応、 資産登録から除・売却までの一連の資産管理プロセスを効率化 建仮資産 は以下の通りである。 められる。有形固定資産に関する基準で、重要な点 IFRS基準との差異を認識することが第一に求 求 められる 対 応 を 理 解 し、従 来 の 会 計 基 準 と る。いずれの対応をとるにしても、IFRS基準で ロセスの中で吸収するというアプローチが考えられ 認識して各社より情報収集し、連結決算処理のプ ●コンポーネント・アカウンティングへの対応 保持しなければならない。 物件情報の管理なども固定資産情報と連携させて ていく必要がある。例えば、賃貸物件の契約および 資産除去債務について求められる会計処理を行っ る付帯情報の管理 (収集・保持) に加えて、認識した 去債務を計上すべき資産かどうかの判断材料とな 固定資産の取得原価に含める必要がある。資産除 けでなく、過年度の減額・加算の変更履歴などを保 に、固定資産管理システムは当年度の残高データだ ●過年度データの取引履歴の確保 システム化は不可避である。 適正化を複数の基準にて考慮する必要が生ずれば、 報等) を収集・保持しなければならない。会計処理の のために必要な情報(リース物件に関する契約情 要がある。日本では税 事後的な戻入処理が適用されることに留意する必 した評価損についても、資産価値が上昇した場合は 価格) の見積もりの精度向上に加え、いったん減額 る。公正価値 (市場価格または合理的に算出される IFRSでは、減損会計処理の適用が厳格にな を配分し、それぞれに償却基準を適用することが必 直しを行い、それぞれの構成要素ごとに取得価額 て構成要素を意識しながら、資産の計上単位の見 る。IFRS対応の前提として、既存の資産につい 年数、減価償却方法を適用する考え方を用いてい 取得原価を分け、それぞれに固有の残存価額、耐用 IFRSでは、有形固定資産の構成要素ごとに IFRSでは資産を取得にかかる社債や借入金 ●借入金利息の取得価額への算入 定される。 ずに連結調整処理による対応にとどまることが想 していることを考慮すると個社会計には反映させ については、 IFRSが連結ベースの報告を前提と 持することが求められる。過年度データの遡及修正 資 産 価 値 変 動の要因 を客 観 的に説 明 するため ●減損処理への対応 法 上、減 損 処 理 が 認 今後、新たにグループ共通の統合経営基盤を導 の利息を取得価額に算入する。したがって、固定資 IFRSでは、すべてのファイナンス・リースは 入する際、または既 存システムの改 修やアップグ 要となる。また複数の構成要素を関連付けて同一 売買取引に係る方法に準じて会計処理しなければ レードの際には、従来の伝統的な日本(税法)基準 められていないため、 ならず、 ファイナンス・リースの借手は、貸借対照表 を前提とした個別最適の固定資産管理システムを 産にかかる資金調達情報、借入れの資金使途情報、 上においてリース資産およびリース債務を認識す 見直し、グローバル共通のシステム・インフラの再構 の償却基準を適用し、償却計算を連動させる対応 IFRSでは、有形 る必要が生ずる。取引の経済的実体を重視した首 築を視野に入れる動きが加速するであろう。 会 計 上 と 税 務 上の 取 固 定 資 産 を将 来 撤 去 尾一貫した会計処理が求められ、日本基準のよう 国内外の会計基準・税制への対応を支援するた システム視点では固定資産管理システムと資金管 または移転するための な、簡便処理、例外的な会計処理の方法が認められ めの機能およびベスト・プラクティスを結集し、最新 も求められる。 費 用 および 当 該 資 産 なくなる。連結対象の子会社がIFRSにおいて のIT基盤に支えられたオラクルのアプリケーショ り 扱いを 分 けて 管 理 の設 置 場 所の原 状 回 ファイナンス・リースに該当するリース取引を有し ンによる統合経営基盤の構築が最適解になると私 理システムの連携が必要である。 復 に 必 要 な 費 用の 当 ており、かつ当該リース取引を賃貸借に係る方法 たちは考えている。 ●リース資産の管理 ・ 会計基準 除・売却 資産除去債務管理 仕訳生成 その他サブシステム レポーティング かなければならない。 初 見 積 額(=資 産 除 に準じて会計処理している場合は、オンバランス化 し、差異を把握してお 地方税申告書 ・ 通貨 地方税申告 不動産管理 各台帳ごとに償却基準を管理 ・償却方法 ・耐用年数 ・残存価額 ・償却限度 複数台帳の管理 シミュレーション ・ 勘定科目体系 ・ カレンダ (会計期間) サブ台帳 元帳の構成要素 税務申告書 税法基準 (法人税) 修正 ●資産 除去債務の 認識 去債務)を、当該有形 17 ● CFO FORUM IFRS/他国基準 振替・組換 総勘定元帳 サブ台帳 リース契約管理 IFRS/他国基準 総勘定元帳 サブ台帳 建設仮勘定管理 ローカル (日本) 基準 現品管理 購買管理 一括コピー 減価償却 買掛/未払金管理 ローカル(日本)基準 【一般会計】GL マスター台帳 資産登録 その他資産 【固定資産管理】FA リース資産 償却資産 4 CFO から見た IT・情報システムの 現状と課題 「財務マネジメント・サーベイでは、グローバル でのキャッシュ・マネジメントについて現時点で 白鳥利幸 日本オラクル株式会社 アプリケーション事業統括本部 プリンシパルセールスコンサルタント 要とされる。すでに、グローバル・キャッシュ・マ ネジメントを導入する機は、熟している。 ることは、経済産業省などが発表する各種の統 ル化が進み、売上や生産の海外比率が伸びてい いるのではないだろうか。企業活動のグローバ 以上の減少にひやりとしたCFOも少なからず や売上の大幅な減少が発生し、手元資金の予想 時不況によって、世界規模での金融市場の混乱 かし、先般の世界金融危機とそれに続く世界同 な課題として認識されていることがわかる。し シュ・マネジメントは短期的というよりは中期的 一 六 % と 四 倍 にのぼり、グロ ー バル・ キ ャ ッ が、三 年 後 の 課 題 として 挙 げている C F O は シュ・マネジメントを考えなければ、せっかく稼 の 整 合 性 をとりながら 効 率 を 追 求 したキ ャ ッ である。基幹業務の一部として、グループ全体 が悪化し利益も圧迫する。為替の変動でも同様 の金利上昇で年間一〇億円のキャッシュフロー 一〇〇〇億円の負債がある企業であれば、一% な 資 金 管 理 を 実 現 さ せ な け れ ば な ら な い。 パクトが高まり、グローバルレベルの精緻で迅速 れば、資金調達・運用の巧拙による業績へのイン 理も難しさを増している。また、金利が上昇す が複雑になり、グループ全体の為替リスクの管 グローバル化により、取引通貨の組み合わせ プ経営は、連結した単位で業績を把握し、戦略 の単体リスクを把握できるにすぎない。グルー 与する。個別の管理では、それぞれの会社ごと キャッシュフローと利益の最大化に大きく寄 結果、高度なキャッシュ・マネジメントが実現し や金利リスクの把握とヘッジを実現する。その 務の標準化、資金ガバナンスの強化、為替リスク 元的に管理することで、資金やトレジャリー業 海外子会社と共有し、グループ全体の情報を一 )である。このシステムを グループの資金を集中管理する 計 資 料 からも 明 らかである。企 業 間 競 争 もグ いだキャッシュと利益を金利にもっていかれた を立案、実行するものであり、グループ全体で 課題を感じているCFOは四%と比較的少ない ローバル化が進み、多くの業界で国境を越えた り、為替で大損しかねない。 ン が、オラクル の グロ ー バル C M S( こうした課題を解決するためのソリューショ M&Aによる大規模化、効率化が進展している。 キャッシュ・マネジメントの インパクト 「グローバル・キャッシュ・ マネジメント」 を実現する オラクル・グローバルCMS Global Cash Management System グローバルで保有資金を可視化し、効率的な資 影響を与える時代になってきているのだ。さら キャッシュ・マネジメントが、企業の競争力に にいうと、グループ全体の資金を集中管理でき キャッシュ・マネジメント・システムとは、簡単 h s a C 金調達・運用により企業競争力を高めるグロー に、IFRSや四半期開示などにより、企業の るシステムである。例えば、グループ内のある会 m e t s y S t n e m e g a n a M バル・キャッシュ・マネジメントは、すぐにも着手 抱える財務取引のタイムリーな把握、報告も必 最適化しないと意味がないと考える。 しておくべき課題といえよう。 CFO FORUM ● 18 ●Oracle Global Cash Management System 企業グループ全体の資金効率改善と財務リスク管理レベル向上を実現 支払指図 銀行明細 いる。また、財務取引処理業務のSTP(自動 を、リアルタイムで把握できる仕組みを整えて に管理し、今、どの国に余資がどれだけあるか グローバル展開する子会社の財務情報を一元的 このソリューションを使い、一四〇カ国以上に みだ。現実にオラクル・コーポレーションでは、 ているお金を足りないところに融通できる仕組 足りないという状況があるとする。その際、余っ 社にはお金が余っているが、ある会社はお金が トップサービスによる集中管理が実現する。 てオラクルのグローバルCMSによってワンス 行システムとの接続が柔軟に行える。したがっ ネットワーク、 に対応し、複数の銀 ローバルに資金決済をするための標準化された Sは、より複数の言語、複数の通貨に対応し、グ しなければならない。オラクルのグローバルCM するか、取引行の数だけCMSサービスを利用 と取引がある場合は決済を一つの銀行に集約 ドル。為替取引に関する経費削減が二〇万ドル。 生まれた。内訳は、銀行手数料の削減が五〇万 レーションでは、年間一七〇万ドル投資効果が ンによる可視化の向上によりオラクル・コーポ の効果を求めることができる。このソリューショ ステムなどを一体的に考えることで、より一層 測できる。会計システムと購買システム、受注シ で、一週間後、一カ月後、半年後の資金残高が予 もっている入 出 金予 定の情 報 を取 り 込むこと サービスが比較の対象 シュ・マネージメント・ 行 が 提 供 するキ ャ ッ が 検 討 される 場 合、銀 このソリューション の三点がある。 携 性、段 階 的 な 拡 張 性 網羅性、システム間の連 徴 を 挙 げると、機 能 の のソリューションの特 化することができる。こ 化) などにより、グループ全体の業務効率を最適 機能である。オラクルのグローバルCMS は金 した仕訳生成機能も、グローバルCMSの必須 うことができる。また、複数の会計基準に準拠 であっても、会計システムとの接続を容易に行 ジ製品やレガシーシステムを利用している企業 携機能を提供しているため、他社製のパッケー さらに、業界標準の技術を利用したシステム連 携の開発をすることなく、そのまま利用できる。 Pを使っている企業では当然、新たにデータ連 全に統合されている。そのため、オラクルのER 開発されたものであり、オラクルのERP と完 は、もともとERPのモジュールの一つとして が必要とされる。オラクルのグローバルCMS ど、グループ経営には、さまざまなデータ連携 るいは、キャッシュフロー、為替レート情報な る。仕訳データを会計システムに連携させる、あ 社内システムとの接続も、重要なポイントにな は、オラクルによって提供されている。最新の技 確立するべきである。そのためのIT インフラ 場合、グループレベルで自前の資金管理体制を グローバル化の中でのグループ経営を考えた な違いといえるだろう。 ができる。この点は、他社ERP 製品との大き ドサービスの範囲を段階的に拡張していくこと のIT基盤として、会社や地域など、シェアー していくことができる。また、グループ財務業務 グループ経営プラットフォームを段階的に拡張 入し、次にグループ業績管理を導入するなど、 トフォームとなる。まず、グローバルCMSを導 経営を実現するための「お金」の側面でのプラッ ポイント・ソリューションとは異なり、グループ オラクルのソリューションは資金管理だけの 日本金融 統括会社 関係会社D 関係会社E 関係会社F 資金運用による収入の増加が一〇〇万ドルだ。 になる 場 合 もあるだろ 融資産・負債の統合管理機能も提供しており、 術によってシステムは「作る」から「使う」時代に t e N T F I W S 日本 す時期がきているのである。 資金を自ら管理する意思をもつ う。銀行のサービスは、 金融商品の時価開示やヘッジ会計に代表され 突入した。技術や仕組みを企業自らが使いこな 複数言語、複数通 貨、複数銀行の取 引に対応 主に自行の資金決済領 るIFRSにも対応している。 精 緻 な 資 金 予 測 を 実 行 するには、E R P が 域 のみを 対 象 としたも のである。複 数 の 銀 行 19 ● CFO FORUM 関係会社G 関係会社H 関係会社I 関係会社A 関係会社B 関係会社C 米州金融 統括会社 SWIFT 全銀等 欧州金融 統括会社 米州地域 グローバル金融統括会社 欧州地域 FEDWIRE CHIPS等 銀行A 銀行B 銀行C SWIFT SEPA等 支払代行 ネッティング グループ内取引 資金調達・運用 デリバティブ 銀行A 銀行B 銀行C 銀行A 銀行B 銀行C 5 CFO から見た IT・情報システムの 現状と課題 領域をカバーするERP、在庫管理システムにも 管理システムへの期待が高い。加えて販売、購買 応するためのITソリューションとして、販売 財務マネジメントサーベイではIFRSへ対 よる着荷基準、または購入先による商品検収タ として、購入先への商品の到着したタイミングに り、 IFRSは収益認識、 つまり売上計上ルール ミングとする出荷基準は適切ではないこととな の会計基準における商品出荷を売上計上のタイ 岡田行秀 日本オラクル株式会社 アプリケーション事業統括本部 シニアディレクター 認められなくなるといわれているからだ。 販売管理システムにおけるIFRS、 収益認識への対応 オラクル 社 の E R P パ ッ ケ ー ジ“ e l c a r O e t i u S s s e n i s u b E 入されている基幹業務管理ソフトウェアであり、 n o i t i n g o c e R e u n e v e R この結果、出荷から着荷または検収までのリー IFRSだけなく、日本会計基準、米国会計基 ” は世界のグローバル企業で導 ドタイムが売上計上日を遅らせることになり、月 準に対応している。 イミングによる検収基準の採用を要請している。 一般的には売上計上ルールの変更と説明さ 末や海外向け出荷スケジュール管理に大きな修 ) れているが、販売管理システムでの対応が求め 正が必要になる。 e t i u S s s e n i s u b E e l c a r O るVMIモデル (例:部品会社からメーカーへ商 一方、自動車・家電業界に一般的に普及してい いる。これにより販売明細(オーダー)ごとに出 に ではIFRSの売上 価値の考え方が反映する。ここでは販売管理や 品が出荷・納品されてもメーカーが消費するまで 荷後の出荷先の受入状況を管理して、その状態 e c n a t p e c c A 「リスク・経済価値移転」 が完了した時点で発生 IFRSの定 義によれば 売 上 計 上の要 件 は がなされる商習慣は、IFRSにおいては、 (在 頭で商品が販売された時点で仕入・売上の計上 が大きく減少することが想定される。例えば、店 上としてきた企業は、IFRS対応により売上 また、百貨店・商社業界のように取引総額を売 ら自動的に売上計上するしくみも簡単に実現で 着荷基準として出荷日から所定期間が経過した が入力することも可能になっている。もちろん、 用のインターネット・ポータルを利用して出荷先 自社のオペレーターが入力できるだけでなく、専 この項目は納品伝票、または検収伝票を元に 機能を標準実装して することとある。これに従えば、日本企業の多く 庫) リスクを取らないものと判断され売上計上が r e m o t s u C e l c a r O e t i u S s s e n i s u b E ” による解決策を紹介する。 は売上計上のタイミングの変更が発生する。現状 売上計上ルール (収益認識) の 代表的な変更点 計上ルール対応のために、販売管理モジュール 在庫管理、購買管理といった 「物」に焦点をあて 仕入・売上が計上されない取引形態) には検収基 変更をトリガーに売上計上を発生される。 てオラクル社のERPパッケージ製品“ 準は最適なルールといえる。 がある。 られる。また、IFRSでは在庫評価にも公正 な変更点に 「収益認識」( 関心が寄せられている。IFRSへ向けた大き IFRS時代の 「SCM、販売管理システム」 Supply Chain Management CFO FORUM ● 20 きる。 具体的な業務処理を理解していただくために 一般的に、グローバル・シングル・インスタンス と呼ばれるこのような機能を e t i u S ではマルチ・オルグ機能として標準提供し、 s s e n i s u b E e l c a r O における検収基準によ e t i u S s s e n i s u b E e l c a r O 数十から数百のグループ企業をもつグローバル いからだ。 さて、IFRSにおいては、出荷後から検収完 了までの商品はその所在に関わらず販売元の資 産 としての 認 識 さ れていな け れ ば な ら ない。 e t i u S s s e n i s u b E e l c a r O ンターナル・トランザクション機能により、出荷先 る売上計上の処理フローを図示したので、ご参 さて、IFRSの適応範囲はグループ会計か が検収するまでは、出荷後の商品を販売元の移 ではマルチ・オルグのイ らスタートするが、このことはグループ企業間取 動中在庫として管理して、出荷先の検収完了時 企業において採用されている。 引、 つまり売り買いを行う相互の会社の計上ルー e l c a r O e t i u S s s e n i s u b E の購入計上ルールが検収基準であるならば、販 による購入計上をトリガーに販売元の売上計上 基幹業務を同一のシステム内で一元管理できる。 売元 (販売管理システム) も同じ検収基準の売上 ルを IFRS 対 応 にすることが 暗 黙 の 要 請 と 照いただきたい。 販売管理・購買管理システムにおける 企業間取引 オラクル 社 の E R P パ ッ ケ ー ジ“ 例えば、親会社 (ホールディング会社) と国内外、 計上ルールを採用していることが必要になる、さ 収 益認識に関 連したIFRS対 応事 項とし が自動的に実施される。 複数の事業会社の基幹業務 (会計・人事・販売・ らに、購入先の購入計上タイミングと販売元の売 て、在庫評価の変更がある。具体的には実際原価 なっている。つまり、購入先(購買管理システム) 生産・調達・物流) を一元管理できる。もちろん、 上計上タイミングが確実に同期(連動)している 計算の先入先出法 (FIFO) の採用と、減損会 ”はグループ企業のそれぞれの 別法人のため会計 (GL) ・組織・業務・拠点は ことが極めて重要である。 ある。その一方で、各種マスター情報は共有化さ 購買管理システムが満たしていなければ、個社会 この二つの条件を双方の販売管理システムと 原 価 管 理 と 在 庫 管 理 を 個 別 設 定 できるので、 る。 在庫管理システムにおける IFRS対応 別々になり、通貨・言語も異なることが一般的で れ、企業間取引における商品移送と仕訳・計上処 計をどんなに精緻に管理しても、グループ会計 IFRS導入に合わせて先入先出法 (FIFO) 受注オーダー入力 繰延売上原価 棚卸資産 顧客検収 借方 貸方 前受収益 売上 借方 貸方 売上原価 繰延売上原価 売上原価計上 前受収益 収益認識 貸方 売掛金 さらに、購買管理システムについては発注元会 もちろん、総平均法による期間評価も併用可 このようにIFRS導入に向けて収益認識は 能である。また、減損処理として原価改定が必要 買部門からの発注の納品先が子会社の倉庫に指 企業活動の根幹をなす販売・購買・在庫の管理業 社と納品先会社が異なる会社間取引に対応でき 定されることがある。その場合には、子会社への 務に大きな変更を要請する極めて大きな課題で になって場合にも品目原価マスターを迅速に更 納品における検収完了が、取引先に通知される あり、SCM・販売管理システムには大きな役割 ることがIFRS対応において重要になる。例え だけでなく、発注元の本社購買部門にも同時に が期待されている。 新することが可能である。 では在庫拠点毎に e t i u S s s e n i s u b E e l c a r O (仕訳処理) (販売業務フロー) 計における戻入(回収金額の増加)の対応であ 理が双方の業務において完璧に同期される。 の段階で膨大な取引の突合せ作業と重大なコン に順次変更することが容易である。 顧客検収 借方 請求書作成 Oracle Financials Oracle Order Fulfillment 貸方 借方 ピッキング/出荷 ば、製造業において標準的な商流として、本社購 通知されて購買取引が完了されなければならな 21 ● CFO FORUM プライアンスリスクが発生することなる。 ●検収基準による売上計上 6 渡部豊 たJ‐SOX対応プロジェクト。今後はIFR J‐SOX本番開始後、試行錯誤を繰り返し 議等を重ねて内部統制報告書を作成・提出、い で自社の内部統制制度を構築し、監査人との協 ながら実態は、試行錯誤を繰り返し、人海戦術 Aサイクルの構築と運用が必要である。 ングと経営判断としての対応を実行するPDC の一つの要素としてとらえ、継続的なモニタリ 度も変化する。よって内部統制情報も経営情報 日本オラクル株式会社 アプリケーション事業統括本部 プリンシパルセールスコンサルタント 公認内部統制管理士(CICM) S対応も視野に入れた、効率化、高度化への取 わば「力技」で一年目を乗り切ったというのが現 三位一体で効率化を目指す J‐SOXに終わらない 企業継続へのアプローチ り組みが重要となる。自社の内部統制の対応状 実ではないだろうか 。 らに効率的な運用を目指す「自動化」 これ 部統制に関する情報の 「一元化」 と「可視化」、さ 最も効果的な内部統制対応ではなかろうか。内 リケーションを効率的に自動化することこそ、 営情報の一つとして活用する。さらに業務アプ 部統制対応の効率化への高まりがうかがえる。 の改修・再構築」(二六%)が上位回答であり、内 価・監査ツール」 (二八%)および「会計システム リューションとして、 「運用・報告のための評 に次年度対応で活用・改修・導入したいITソ 二〇〇九年の同サーベイでは、内部統制対応 内部統制対応の効率化と劇的なコスト削減を実 制の実装がトレンドである。結果、多数の企業が の視点でERPシステムによる効果的な自動統 分掌管理、設定変更管理、トランザクション管理 はSOX法対応の効率化の鍵として、主に職務 アプリケーションでの自動統制である。米国で J‐SOX本番二年目、その対応は一段落と ある。今後IFRS対応を先取りし、 J‐SOX 後本格化するIFRS 対応でも共通の課題で ンス不足の三点に着目してほしい。これらは今 担当者の要員不足・スキル不足、③社内のガバナ で、①海外現地法人の経理処理の欠陥、②経理 “ 自動化の実現こそが重要である。 の一環として統制活動を正しく盛り込む統制 経営管理の一環としての活用、②業務プロセス 継続的な自社の内部統制状況のモニタリングと 今後、内部統制運用の効率化を目指して、① — e t i u S C R G e l c a r O いう感も否めない。実際、財務マネジメント・サー にかかわるこれらの対応を実施する必要性を指 管理・可視化・自動化の三つのコンポーネントか 現している。 ベイの結果を見ても、二〇〇七年の調査では、 摘したい。この対応には自社のリスク状況をタ ら実現させる統合的に企業継続を支えるアプリ いくつかの企業で公表された「重要な欠陥」 「CFOの最重要課題」として内部統制対応強 イムリーに把握することが重要である。経営環 ケーション基盤である。「GRC」とは、ガバナン ”である。 化が六六%挙げられているのに対し、二〇〇九 境の変化に伴い自社のリスクの重要性、発生頻 内部統制運用の効率化へ向けて、 抜本的な対応が急務 年の調査結果では二八%となっている。しかし ン基盤こそ “ ら三位一体の実現策を提供するアプリケーショ その実現策として効果を発揮するのが、業務 況を、継続的に管理・モニタリングしながら、経 — CFO から見た IT・情報システムの 現状と課題 Governance, Risk and Compliance e t i u S C R G e l c a r O ” は、これらの要素をデータ CFO FORUM ● 22 ●Oracle GRC Suite全体図 内部統制、 リスク管理の「効率化」、 「見える化」、 「自動化」を実現 法規制への対応、さらに全社的なリスク管理への 界規制、環境といった企業経営全般を取り巻く ” の範囲はJ‐SOX対応を超えて、各種業 ク、コントロール等のテンプレート機能など多 る。さらに柔軟なワークフローやプロセス、リス 応、リスク管理に関する情報を一元的に管理す デ ー タモデルを 軸 に 関 連 文 書 を 含 めた 法 令 対 語を含む一一言語に対応。リスク管理に最適な をベースに業務の統一化が進んでいる欧米企業 進しているケースが多い。これは単一のERP タムアプリケーションを組み合わせて業務を推 さらに日本企業の場合、複数のERPやカス いるケースが多い。 メンバーが時間を割いて、手動統制で対応して C R G e l c a r O 展開、企業ガバナンスの確立、企業継続 (サスティ 彩な機能で内部統制活動の効率化、強化を支援 ス・リスク・コンプライアンスを示す。“ ナビリティ) に向けた展開を統合的に実現する。 e t i u S — 援するのが “ n o i s u F e l c a r O e t i u S C R G e l c a r O は、企業リスクとその これ らの 文 書 や 記 録 ればならない。しかも、 効 果 的 に 管 理 しなけ 過 去 の 履 歴 を 含 めて 統制報告書。これらを 応の記録、そして内部 を含む結果と是正対 部統制情報の活用を大きく促進する。 ションとの連携により経営管理基盤としての内 (EPM)をはじめとする他の業務アプリケー エンタープライズ・パフォーマンス・マネジメント 況の継続的なモニタリングを実現する。さらに 柔軟なレポート作成機能を実装し内部統制状 RCM へのドリルダウン、ユーザー定義による スク管理に即した八〇種類の標準ポータル、G Iは を基盤にリ (GRCI)”である。GRC に実現する。 管理に関する発見的統制、予防的統制を効果的 アクセス管理、設定変更管理、トランザクション ションでの運用を前提に、職務分掌管理を含む ムアプリケーションを含めた、マルチアプリケー をはじめとする各種ERP、さらにカスタ 必要である。“ に基づいた効率的、効果的な自動統制の実装が の各リスクの重要度、発生頻度を判断し、これ 応は放置することはできない。企業経営として 対 応 に 関 する 重 要 な C R G e l c a r O e t i u S C R G e l c a r O (GRCC)”は、 s s e n i s u B E e l c a r O e t i u S 前述のように米国ではSOX 法対応効率化 の鍵としてERPシステム等への効果的な自動 統 制 の 実 装 が ト レ ン ド で あ り、 e l c a r O e t i u S s s e n i s u B E 動統制が重要である。しかしながら自動統制に ケーションに必要な統制活動を組み入れる自 内部統制対応の効率化には、関連するアプリ RS対応も目前に迫った状況から考え、日本企 上にアプリケーション構成が複雑であり、IF の効率化、コスト削減に成功している。米国以 四〇〇社以上がGRCC を活用した内部統制 — は準備に要する期間、コストの面で対応が難し 業こそ、早期にこの対応に着手すべきである。 ユーザー企業を中心に いのが実情であり、実際は現場や内部統制推進 「現場に負荷をかけない、 確実な統制を実現」 自動統制の実装こそが効率化の鍵 s l o r t n o C 情報である。情報を文 書の中に埋没させず、 日々の内部統制活動 の 状 況 を 含 めて 一 元 的に記録、管理する仕 組みが必要である。 “ e c n e g i l l e t n I s s e n i s u B e l c a r O … e c n e g i l l e t n I C R G 権限設定 暗号化 長期的な視点で見れば、ERPによる業務の と比較して複雑な状況であり、自動統制対応を アクセス管理 さらにGRCMで一元的に管理されたデータ する「リスクデータベース・アプリケーション」 ID管理 統一は重要なテーマである。企業リスクへの対 困難にさせる要因の一つである。 統制活動の厳格化・効率化 を可視化し、経営管理データとしての活用を支 である。 三点セットを軸に改訂を繰り返される膨大な 継続的に経営管理の 一環としての活用 「文書管理」 から 「データ一元管理」 へ 情報管理 内部統制文書、さらに評価活動でのエビデンス IT基盤による統制実施 リスク対応状況 統制 自動化 職務分掌 設定変更 管理(SoD) 管理 GRC Controls 自動化 リスク認識 規程・文書管理 対策の実施効果 ⋮ e t i u S C R G e l c a r O r e g a n a M C R G e l c a r O (GRCM) ”は、中国 23 ● CFO FORUM 統制実施の徹底と状況管理 対応状況の見える化 ワークフロー 統合データベース リスク 是正 問題 文書 改訂管理 業務プロセス リスクベース 評価 コントロール 独立的 評価 進捗 自己点検 評価 組織 全社状況 GRC Manager 一元管理 Fusion GRC Intelligence 可視化 Human Capital Management 7 CFO から見た IT・情報システムの 現状と課題 安井清一郎 CFOが抱える課題として、 「プロフェッショ の迅速で正確な判断力が求められる。CFOを 業・部門で経験を積みつつ、財務の専門家として 問題ではなく、人事制度 (人事部) ・現場 (マネジ も問題にならない」 「人材育成は情報システムの 「人材育成は問題視しているが、放置していて 日本オラクル株式会社 アプリケーション事業統括本部 シニアマネージャー ナル人材の育成・採用」 は、二〇〇七年の第一回 支える経理・財務部門のスタッフは、根気よく、 避けて通れない 「人材育成」 、 高まる 「人事システム」 の価値 調査で二四%、今回は三〇%(現在) 、三七%(三 メント) の問題」 あるいは、「努力しても、人材育成 では、研修やOJTを積極的に行えば、問題が カバーすべき業務の拡大や専門性の高度化に追 キーワードではあるが、 ここ数年、 人事部以外の、 改善するかというと、経理・財務に限らず一般的 年後) と深刻度が増している。人材の育成・採用 CFO、CIOが口にする機会が増している。昨 にそれは簡単ではない。そもそも能力を伸ばす以 まず行うべきは現状把握である。経理・財務部 はどうにもならない」 と、CFOは人材育成をあ 年来の経済危機以降は、 業種業界を問わず、 多く 前に従業員の能力が把握できていないし、業務 門のみならず、全社、グループ会社全体を対象と 随し続けなければならない。 のCEOは、 「企業力の源泉は人材」と発言して ごとの役割と必要となる能力の定義が明確にさ した、人材価値と役割の見える化であり、ITイ は、通常、CHRO(最高人事責任者)が用いる いる。従業員一人ひとりの能力を高め、生産性が れていない。また、研修によって能力を高めても、 ンフラの整備である。人材情報がスプレッドシー きらめているのかもしれない。 向上しなければ、残業時間の増大、顧客満足度の 業務に直結し、業績に貢献できるとは限らない、 トなどのファイルで個別に管理されていては施 る。さらに、IFRSも見据えなければならない。 資すべきかを判断しなければならないことがあ 体を把握・選択し、リスクを踏まえた上で何に投 務諸表の作成と報告は当然として、経営資源全 CFOが人材難を認識している背景には、財 IT・情報システムを強化すべき、と考える分野 曖昧になっていることが多い。その表れからか、 課題として感じていても、具体的に何をすべきか どのような打ち手をとれば業績に直結するかは、 れている。しかし、人材価値を明らかにし、今後、 方法は、ヒト・モノ・カネという経営資源の中で遅 ヒトの価値に関する可視化および影響の測定 テム基盤が求められる。 なく、経営戦略の変化に適応できる柔軟なシス 年々変化するため、事前定義された項目だけで 可 欠 である。可 視 化 すべき 情 報 のトレンドは、 ごとの役割定義も明らかにされていることが不 にデータとして格納され、また、事業ごと、職務 会社などで培ったキャリアやスキルが、システム しようがない。さまざまな業務エリア・部門・関連 人材データを見ているか? 低下などを引き起こすことになるからである。 などの課題が山積している。 こうした状況下で、経理・財務部門に求められる において、“人材育成と教育” は、九%と低い。 経理・財務に求められる資質とは? 資質は変化している。CFOには、さまざまな企 CFO FORUM ● 24 ●柔軟性が高く、他システムとの連携が容易な報酬管理システム 事 実 で あ る。こ う ム刷新が難しいのは える。しかし、IT投資が抑制される中、システ はじめて、投資に対するリスクコントロールが行 CFOは事業ごとの収益と人件費が確認できて ための最 低 条 件であり、事 実 に 基 づいた 上で、 ましい。これらは、CHROが人材データを司る 事制度が統一できるようなシステムインフラが望 更し、複数人事制度を取り込みつつ、段階的に人 ように、システム稼働後も管理項目を柔軟に変 となるが、オラクルのHCMアプリケーションの 例えば、企業合併では短期間での対応が必要 することで、事業戦略に沿った人材育成が促さ 活動を年一回でなく、半期、月、週、と短期間化 ネージャーと部下がその結果を確認する。この ニングを受講し、自己研鑽する。そして期末にマ 日々の業務に取り組み、また、集合研修やEラー し、部下は伸ばすべきポイントを把握した上で 補完すべく研修プランをそれぞれの部下に設定 の人材情報を見比べ、差分が浮き彫りになれば、 期初に役割ごとに定義された人材モデルと部下 を支援するセルフサービス機能を提供している。 ンでは、人事部だけでなく、現場のマネージャー 対応するため、オラクルのHCMアプリケーショ 全に把握するのは現実的に困難である。これに ルの製品群であれば包括的に導入し、運用が容 基づき、業務を進めることは価値がある。オラク なく、一つのシステムで、連動の取れたデータに これらを各現場の担当者がそれぞれ行うのでは 評価を行い、報酬が払われる流れを考えてみる。 げ、これに基づき営業活動を行い、働きに対して ケティングキャンペーンを計画し、営業戦略を掲 が行える。例えば、会社の方向性に沿って、マー におけるさまざまなお金の流れについて、可視化 も容易にできないのが実状ではないだろうか。 チェックできていなかった、あるいは試みように 握 するのみで、デ ー タの 妥 当 性 まで C F O は 人件費データが会計システムへ流れることを把 用する手段である。 システムを有効に活 ことが 可 能 で、既 存 に一元化・分析する 務システムを仮想的 ツール) は、 別々の業 オラクルのソリューションなら、これらの要望を 人事領域においても、会計処理が迫られている。 給休暇の債務計上、退職給付債務の処理など、 議論の段階ではあるがIFRS対応として、有 どを管理することが一般的であったが、今後は、 で給与、学歴、資格、コンピテンシー、職務経歴な なお、これまで人材データというと、人事部内 る。こういった連携の自動化は、会計システムや 掛システムへデータを転送することが可能であ 算システムに、あるいは代理店への報酬として買 の計算式に基づき報酬を計算し、既存の給与計 求管理システムからデータを取り込み、企業独自 ムだけを導入し、既存の受注管理・売掛管理・請 で揃える必要はなく、オラクルの報酬管理システ 業務面で取り組む れ、監査・コンプライアンスの点でもリスクの低減 人事システムを個別に使うよりもコストは圧縮さ べ き は、現 場 オ ペ レーションの推進で 高 度 化 するにつれ、 場の業務が専門化・ 用形態が併存し、現 どが、適切に算出されていると自信をもって言 の配分について、詳細レベルで、残業代や賞与な きているだろうか。固定費・変動費として人件費 人件費について、CFOはどこまでチェックで あり、強い企業のあり方だと考える。 材を語り、CHROが財務を語ることが自然で 度の重要性については認識が低い。CFOが人 性は認識されていても、会計と人事の連携、密接 最後に繰り返しにはなるが、人材育成の重要 につながる。 人事部は現場で何が えるだろうか。おそらく、人事部内で計算された お金の流れをより明らかに 強力にサポートする。 (人事分析 R H ・ 為替換算 s c i t y l a n A ・ 多次元レート 個人・代理店 プロフェッショナル エージェントへの報酬 ・ 有効日管理 オラクルのソリューションであれば、企業活動 い っ たケ ー スに 対 れる。システムの助けがなければ、作業負荷が大 易に行える。しかしすべての業務をオラクル製品 ・ 増(追加) 分計算 ・ 収集後の実行/フィルター し、オ ラ ク ル の きく、実務に悪影響を与えかねない。 ・ 外部ロジックへのリンク ・ 再利用可能な コンポーネント ・ 目標管理とリンク 請求管理 システム ある。さまざまな 雇 起こっているかを完 25 ● CFO FORUM ・ 遡及計算 ・ 収集の事前通知 売掛管理 システム ・ 複雑な算式 報酬プラン 買掛管理 システム ・ 並行/統合処理 ・ 構成可能なデータマッピング 給与計算 システム 計算エンジン データ収集 インターフェース テーブル 受注管理 システム 既存・ 外部システム オラクル・インセンティブ管理 既存・ 外部システム IFRSパートナーコンソーシアムからのメッセージ IFRS対応、今、何をすべきか? 〜変わる業務、プロセス、システム……将来、企業が求める姿に向けて〜 思決定や組織体制を最適化、企業競 争力を高める取り組みである。 . 二つ目は、 B 「経営資源の選択と集中」 を目指す、バランス ( ) モデルで e c n a l a B ある。グル ー プ 経 営 の 基 礎 情 報 は となり、メンバー企業とともにIFRSが 二〇〇九年一一月現在、参加企業も四〇社 ナ ー コンソ ー シアム 」 を 発 足 しました。 るための共 同 体 として「IFRSパート 社とともに、企業のIFRS対応を支援す 二〇〇九年二月、時を同じくパートナー各 基 準 の取扱いについての報告 を公開した 日 本 オラクルでは 、金 融 庁 が 国 際 会 計 較可能性、海外市場における資金調達機 例えば、グローバルレベルでの企業間比 示することにより期待できる効果である。 のもので、IFRSを適用し、外部に開 「外的メリット」は、IFRSの特徴そ 的に取り組むことが重要である。 解し、企業経営の改革の機会として、戦略 は、「外的メリット」 、「内的メリット」 を理 がある点である。IFRS導入に際して 態、そして、経営者が目指す目的、すなわ ている環境、自社のビジネス基盤の整備状 も影響を及ぼす。このため、企業が置かれ 全体、マネジメントの意思決定プロセスに IFRSの導入は、企業のビジネス基盤 ねないであろう。 の企業の運命を左右することにもなりか 更は、IFRSへの組み換え仕訳取 ための、業務・プロセス・システムの変 決算処理、開示資料作成に対応する モデルである。IFRSの適用による 手する。現在の経営管理レベルや、業 盤の整備は経営上の重点領域から着 − 企業に与える影響と対応について研究して 会の広がりと調達コストの低減、クロス ち、 「目指すべき経営モデル」 により、その 得 に 必 要 な 最 小 限の 範 囲 で 対 応 す IFRSベースで管理し、ビジネス基 います。その活動成果の一つとして発表し ボ ー ダ ー M& A 対 応 能 力 の 拡 大 が 挙 げ 取り組み方は変わってくる。 ながら、重点領域から必要に応じ順 次向上させていく。 . 三つ目は、 C 「財務報告対応」を主眼と する、コンプライアンス( ) 理の統一によるグループ経営管理の高度 一方、「内的メリット」 としては、計数管 ル」を、以下の三つに類型化することを提 ル」と称して、この「目指すべき経営モデ 我々は、IFRS対応の「ABCモデ 理を行うこととなる。 においてはIFRSベースで経営管 従来どおり現地基準で行うが、連結 e c n a i l p m o C 化、グループ経理標準化による業務効率 唱する。 IFRSが企業にもたらすものは、企業 の統一等といった基本思想を、 グルー シュフロー重視、グループ会計方針 概 念 フレ ー ムワ ー クや 将 来 キ ャッ に、業務・プロセス・システムなどビジネス基 処理への影響を金額面から把握する。 さら 計上の論点、すなわち勘定科目毎の会計 分析では、最初に、IFRS適用による会 e c n a v d A の意識によって大きく異なる。この機を逸 プ経営に積極的に取り込む。そのた 盤全体の何処に影響を及ぼすかを把握す 企業が「目指す経営モデルのABC」を る。 各社のマネジメントや決算処理は、 化、 ガバナンス強化や内部統制強化等が挙 企業の目指す経営モデル 務・プロセス・システム・体制は維持し た「 I F R S パ ー トナ ー コンソ ー シアム られる。 IFRS対応において考えるべき、 メッセージ Vol Oct 2009」の抜 粋をご紹介します。 IFRSとは、 企業において何を意味するのか げられる。これらのメリットは、まさに、 IFRSの導入に向けては、 グループ会 決定するためには、まず、IFRSにおけ IFRSを「義務」としてとらえるのでは . まず一つ目は、 A 「グループ経営基盤の 最 適 化 」 を 目 指 す、ア ド バ ン ス 計方針の策定、業務プロセスや情報システ 取り組みが必要となる。注意したいのは、 すれば、これほど大規模な制度変更を契 めに、業務・プロセス・システムをグ る。そして、それらの影響と現状の事業の ( る影響分析を実施する必要がある。影響 なく、「チャンス」 としてとらえる発想なく )モデルである。IFRSの ムの見直し、 IFRSに精通したリソース あまりに 「義務感」 が強調されてしまうと、 機としたグループ経理・経営管理体制の ループで標準化し、 これを支えるビジ グローバル展開状況、経営情報の仕組み、 しては生まれない。 IFRSに対する視野を狭め、導入作業 改革を実現する機会はないかも知れない。 ネス基盤を再構築することで、 経営意 の 確 保 と 経 理 体 制 の 再 構 築 等、J や新業務の負担、IFRS適用に対する 今回のIFRSへの取り組み方が、将来 SOX以上に企業グループ一丸となった モチベーションの低下を引き起こす恐れ CFO FORUM ● 26 パターン1:連結システムでの対応 いる」ということである。適用した後、五 用したその後のビジネス基盤を構築して みは、初年度適用のためだけではなく、「適 ならないことは、IFRS適用への取り組 さらに、経営者が強く認識しなければ 応すべきシステムの実装は、大きく以下の 検討課題の一つとして取り上げられる。対 整・組替手順とシステム対応範囲が重要な 計システムを考えた場合、IFRSへの調 の影響も大きい。IFRSに対応する会 領域だけでなく、それを支えるシステムへ IFRS導入においては、業務や会計 たは、複数元帳の対応といった機能が会 IFRSでの残高保持ができる仕組み、 ま 場 合、単 体 会 計 ベ ー スで、現 地 基 準 と 整・組替を実施するパターンである。この 次に、グループ各社で、IFRSへの調 算業務負担は大きい。 整項目が限定されない限り、本社側の決 対応時間を短縮することが可能だが、調 テムに求められる。対応コストを押さえ、 化、 IFRSへの組換えの仕組み等がシス 合、データ収集の効率化、プロセスの自動 果創出の観点から不可欠である。(中略) モデル」 と合わせて検討していくことが、効 がグループ全体としての 「目指すべき経営 におけるシステムの検討においても、企業 討を進めていく必要がある。 IFRS導入 ──など、 全グループ会社を対象とした検 どこまで対応するか? いつ対応するか? ついて、どこからはじめるか? どの企業は は一つとは限らない。システム適用範囲に 指すべき経営モデル」 が見えてくるはずだ。 ストや成長ステップを考慮し、 e c n a i l p m o C e c n a v d A 取引データ 業務・プロセス・システムの標準化、ガバナン 年、一〇年先の企業および事業の姿を描 三つのパターンが挙げられる (図参照) 。 計システムに求められる。連結対象会社が (中略)IFRSは、原則主義がベースと パターン3:個別業務システムでの対応 モデルへ近づ 連結処理 IFRS対応に向けた、 き、そこから導きだす成長のシナリオを明 まずは、連結時にIFRSへの調整・組 多い場合、連結決算の早期化が期待でき、 なる会計基準であり、その導入の取り組み 個社財務諸表 (IFRS) 個社財務諸表 (各国基準) IFRS 連結財務諸表 連結処理 調整 ス等を総合的に検証することにより、 「目 確にすることが必要である。その結果、コ 替を実施するパターンである。グループ各 グループにおける勘定科目やセグメントの パターン2:個別会計システムでの対応 システムのあり方 モデルから段階的に 社から報告用データを収集し、連結ベー 個社財務諸表 (各国基準 ) 強化、データの精度を向上させる。また、 業務全般のグループ標準化やガバナンス テムを効果的に導入し、経理だけでなく 施・展開するパターンである。ERPシス ステムで、IFRSベースでの標準化を実 そして最後は、グループ各社の業務シ が、IFRSを「義務」としてとらえるので あったとしても、対応の方向性を示すこと ある。そして、早い段階で、仮説ベースで な対応を行うかを決定することが必要で トを見定め、自らの意思で、いつ、どのよう 入を契機に経営管理を充実させたいポイン IFRSで対応すべきことや、IFRS導 方法を十分検討し、選択、推進していくこ 個別業務からIFRSへの対応を行うこ はなく、 「目指すべき経営モデル」実現の の決算業務担当者へのIFRSの高い理 とにより、仕訳や処理の自動化を促進す 「チャンス」 として、 IFRS導入を計画的、 とが 重 要 になる。そのためには、ま ず、 企業が取り組むべきこと 今、IFRSに向けて けていくといった、アプローチの採用も有 は、各社各様となる。自社にとって最適な 連結処理 IFRS 連結財務諸表 統一化が効果的に行える。しかし、各個社 取引データ スでIFRSへの組替を実施する。この場 取引データ 効だろう。 組替 個社財務諸表 (各国基準 ) 個社財務諸表 (IFRS) 組替 個社財務諸表 (各国基準 ) IFRS 連結財務諸表 調整 個社財務諸表 (各国基準 ) 解が求められる。 ることで連結処理の負荷が軽減され、ひ 効果的に進めることを可能にするだろう。 ©Oracle 発行/日本オラクル株式会社 企画・編集/日本CFO協会 制作/桜本利幸、大湯道徳、小林千夏 デザイン/コミュニケーションアーツ株式会社 印刷/皆川美術印刷株式会社 いては決算処理の早期化、日次・週次での 実績管理へと、より大きな効果を上げる ことができる。しかし、グループ全社への 展開には、時間とコストを要することを慎 重に考慮しなければならない。 付け加えるならば、システムの実装方式 27 ● CFO FORUM 組替 個社財務諸表 (各国基準 ) Special Issue● 発行 日本オラクル株式会社 ● 企画・編集 日本CFO協会 Oracle on the Web 本誌の内容をもっと詳しく知りたい方へ… 経営者、会計、財務担当者のための 情報満載! Copyright©2009, Oracle. All rights reserved. Oracle、 PeopleSoft、 JD Edwards、 及びSiebelは、 米国オラクル・コーポレーション及びその子会社、 関連会社の登録商標です。 その他の名称はそれぞれの会社の商標の可能性があります。 チャレンジする CFO のための情報サイト「CFO for Tomorrow」 http://www.oracle.co.jp/campaign/cfo/index.html IFRS(国際会計基準)対応は http://www.oracle.co.jp/campaign/cfo/solution/fms/ifrs/index.html 「ITと会計」 の最新トピックをいち早くおとどけするブログ「たかが会計、されど会計」 http://blogs.oracle.com/sakuraFin/ 〒107- 0 0 61 東京都港区北青山2- 5 - 8 オラクル青山センター http://www.oracle.com/jp http://www.oracle.com/lang/jp/direct/