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石油精製業保安対策事業 (海外における技術基準に関する
平 成 23 年 度 経済産業省委託 石油精製業保安対策事業 (海外における技術基準に関する調査 ( 水 素 ステーションに 関 す る 欧 米 の 規 制 状 況 の 調 査 )) 報告書 平 成 24 年 2 月 高圧ガス保安協会 目 次 Ⅰ.調 査 の 概 要 ·············································································································· 1 1. 調 査 目 的 ··········································································································· 1 2. 調 査 内 容 ··········································································································· 1 3. 調 査 方 法 ··········································································································· 1 Ⅱ.日 本 ························································································································· 3 1. CNG スタン ドとの 併 設 をより 容 易 にするための 設 備 間 距 離 規 制 の 緩 和 ········· 3 2. 公 道 とデ ィスペン サーとの 距 離 に 係 る 障 害 等 の 代 替 措 置 の 設 置 ··················· 4 3. セルフ充 填 式 水 素 スタンド実 現 に向 けた高 圧 ガス製 造 の許 可 を受 けた者 以 外 に よる 水 素 の 充 填 行 為 の 許 容 ············································································· 4 4. 公 道 での ガ ス欠 対 応 の ための 充 填 場 所 の 確 保 ·············································· 5 Ⅲ.ア メリカ ····················································································································· 6 1. アメリカにおける 調 査 先 ····················································································· 6 2. 水 素 ステー ション に関 する アメリカの 法 体 系 ····················································· 7 3. I FC と NFPA 規 格 の関 係 ················································································· 8 4. AHJ の 解 釈 ····································································································· 11 5. NFPA 規 格 ······································································································ 12 6. 新 た な離 隔 距 離 ······························································································ 14 7. オレン ジ 郡 衛 生 局 水 素 ステーシ ョン ································································ 19 8. Irv in e ステーシ ョン ·························································································· 25 9. Clea n En ergy ステーション ············································································· 29 10. Che vro n ステーシ ョン ····················································································· 33 11. Sh el l ステーシ ョン ························································································· 37 12. CNG スタン ドとの 併 設 をより 容 易 にするための 設 備 間 距 離 規 制 の 緩 和 につ いて ···································································· 41 13. 公 道 とデ ィスペン サーとの 距 離 に 係 る 障 害 等 の 代 替 措 置 の 設 置 につ いて ··· 42 14. セルフ充 填 式 水 素 スタンド実 現 に向 けた高 圧 ガス製 造 の許 可 を受 けた者 以 外 に よる 水 素 の 充 填 行 為 の 許 容 につ いて ······························································ 42 15. 公 道 での ガ ス欠 対 応 の ための 充 填 場 所 の 確 保 につ いて ······························ 42 Ⅳ.ドイツ ······················································································································ 43 1. ドイツに おける 調 査 先 ······················································································ 43 2. 水 素 ステー ション に関 する ドイツの 法 体 系 ······················································ 44 3. ドイツ 産 業 安 全 衛 生 規 則 Be trSi chV ····························································· 47 4. ドイツの 技 術 規 制 ( Te ch nis ch e R ege ln ) ························································ 48 5. VdT ÜV 51 4「 水 素 ステーシ ョンに 関 する 要 求 事 項 」 ········································ 53 6. 水 素 ステー ション 設 置 に 関 する 組 織 ······························································· 58 7. CNG スタン ドとの 併 設 をより 容 易 にするための 設 備 間 距 離 規 制 の 緩 和 につ いて ···································································· 64 8. 公 道 とデ ィスペン サーとの 距 離 に 係 る 障 害 等 の 代 替 措 置 の 設 置 につ いて ··· 69 9. セルフ充 填 式 水 素 スタンド実 現 に向 けた高 圧 ガス製 造 の許 可 を受 けた者 以 外 に よる 水 素 の 充 填 行 為 の 許 容 につ いて ······························································ 70 10. 公 道 での ガ ス欠 対 応 の ための 充 填 場 所 の 確 保 につ いて ······························ 71 Ⅴ.まとめ ······················································································································ 74 Ⅰ.調 査 の概 要 1.調 査 目 的 我 が国 の石 油 精 製 業 等 のグローバル化 が進 展 する中 、製 造 品 目 や製 造 技 術 等 につい ても 先 進 技 術 への対 応 が 求 められてい る。これら 新 たな製 造 品 目 や 製 造 技 術 に対 応 するため、現 状 の保 安 レベルを確 保 しつつ、諸 外 国 の基 準 の 考 え 方 等 を 高 圧 ガス 保 安 法 に も取 り 入 れ てい くこ と は、我 が 国 の石 油 精 製 業 等 の保 安 レベ ルを 維 持 し た状 態 での 生 産 性 向 上 等 につ ながり 石 油 の 安 定 供 給 に つながる。 しかしながら、現 状 の保 安 レベルを確 保 しつつ諸 外 国 の基 準 を取 り入 れるた めには、諸 外 国 の法 規 制 の 内 容 、技 術 基 準 の策 定 の背 景 、 考 え方 を 十 分 に 把 握 し、高 圧 ガス保 安 法 との制 度 の違 い、技 術 基 準 の前 提 となる考 え方 が我 が国 の石 油 精 製 業 の置 かれた環 境 に合 致 しているか等 詳 細 な分 析 を行 うことが不 可 欠 である。 以 上 を踏 まえ、本 事 業 においては、アメリカ、欧 州 の高 圧 ガス設 備 等 に係 る法 制 度 、これら設 備 等 に係 る技 術 基 準 、その策 定 の背 景 、根 拠 データ等 の実 態 に ついて調 査 を行 った。 2.調 査 内 容 燃 料 電 池 自 動 車 の普 及 に向 け、水 素 ステーション等 の水 素 供 給 インフラの整 備 につい て検 討 を 行 う ため、欧 米 の水 素 ステ ーシ ョン係 る安 全 規 制 及 び 技 術 基 準 (施 設 を 構 成 する各 機 器 の技 術 基 準 を含 む。)及 びその技 術 基 準 による安 全 確 保 の考 え方 等 について調 査 を行 った。また、欧 米 の技 術 基 準 等 を我 が国 の 高 圧 ガス保 安 法 に取 り込 む際 の課 題 等 (詳 細 基 準 毎 に相 違 点 を 明 確 にする。) を整 理 した。 なお 、 本 調 査 の 実 施 にお い ては 、 平 成 2 2 年 1 2 月 2 4 日 に 原 子 力 安 全 ・ 保 安 院 が公 表 した「燃 料 電 池 ・水 素 ステーション普 及 に向 けた規 制 の再 点 検 に係 る 工 程 表 の 作 成 につい て」の 別 紙 「 規 制 の 再 点 検 に 係 る 工 程 表 」 にお け る 水 素 ス テーションに係 る規 制 の再 点 検 項 目 の内 容 を踏 まえて調 査 を行 った。 3.調 査 方 法 (1)調 査 項 目 、調 査 先 「規 制 の再 点 検 に係 る工 程 表 」を踏 まえ、特 に高 圧 ガス保 安 法 に取 り込 むこ とを考 える上 で調 査 が必 要 と考 えられる事 項 のうち① CNG スタンドとの併 設 をよ り 容 易 に する ため の 設 備 間 距 離 規 制 の 緩 和 、② 公 道 と デ ィ スペ ンサ ーと の 距 離 に係 る障 害 等 の代 替 措 置 の設 置 、③セルフ充 填 式 水 素 スタンド実 現 に向 けた 高 圧 ガス製 造 の許 可 を 受 け た者 以 外 による水 素 の 充 填 行 為 の許 容 、④公 道 で のガス欠 対 応 のための 充 填 場 所 の 確 保 につい て、米 国 及 び ド イツにおけ る水 素 1 ステーションに係 る安 全 規 制 、技 術 基 準 及 びその技 術 基 準 による安 全 確 保 の 考 え方 等 について調 査 を行 った。 文 献 調 査 では十 分 な確 認 ができない事 項 については、アメリカにおいて規 制 当 局 、 規 格 作 成 団 体 及 び水 素 ステ ーシ ョン運 用 者 を 訪 問 し 調 査 を 行 った。 表 Ⅰ -1 に調 査 スケジュールを示 す。また、ドイツについては、外 部 調 査 機 関 にドイツに お け る 規 制 当 局 、 規 格 作 成 団 体 及 び 水 素 ステ ー シ ョ ン 運 用 者 の 情 報 収 集 を 依 頼 した。さらに、高 圧 ガス保 安 法 の一 般 則 第 7 条 の 3 とアメリカ及 びドイツの対 応 する又 は類 似 する基 準 等 についても調 査 を行 った。 (2)高 圧 ガス保 安 法 に欧 米 の技 術 基 準 を取 り込 む場 合 の課 題 等 の整 理 上 記 (1)の調 査 を 踏 まえ、水 素 ステ ーシ ョンに係 る技 術 基 準 等 を 我 が国 の高 圧 ガス 保 安 法 に 取 り 込 む 際 の 課 題 等 ( 詳 細 基 準 毎 に 相 違 点 を 明 確 にし て 。 )を 整 理 した。 表 Ⅰ-1 調 査 スケジュール 月 日 (曜 日 ) 11/14(月 ) 11/15(火 ) 時 間 及 び訪 問 先 マ サ チ ュ ー セ ッツ 州 ク イ ン シ ー 1 0 : 0 0 - 1 4 : 3 0 , NF P A コロラド州 ゴールデン 1 0 : 0 0 - 1 2 : 0 0 , N R EL カリフォルニア州 8 :0 0 - 8 : 4 5 , F ou ta i n V a l l a y ス テ ー シ ョ ン 11/16(水 ) 9 :0 0 - 9 : 3 0 , I rv i n e ス テ ー シ ョ ン 1 0 : 3 0 - 1 1 : 0 0 ,F o u ta i n V al l ay 消 防 局 13:30-15:00,NB 市 消 防 局 カリフォルニア州 9 :0 0 - 1 0 :3 0 , C l e an En e r g y L A X ステ ー シ ョ ン 11/17(木 ) 1 0 : 4 5 - 1 2 : 0 0 , Ch e v r on H ar b o r ス テ ー シ ョ ン 1 3 : 0 0 - 1 4 : 4 5 , TO Y O TA 1 5 : 0 0 - 1 5 : 3 0 , Sh e l l T o r ra n c e ス テ ー シ ョ ン カ リ フ ォ ル ニ ア 州 サ ク ラ メ ント 11/18(金 ) 1 3 : 0 0 - 1 7 : 0 0 , Ca F C P (SANDIA 国 立 研 究 所 との打 合 せ) 調 査 者 :高 圧 ガス保 安 協 会 2 木 村 勝 之 、山 田 敏 弘 Ⅱ.日 本 ア メ リ カ 及 びド イ ツ の調 査 に 先 立 ち 、 日 本 にお け る ① C NG ス タ ンド と の 併 設 を よ り 容 易 に する ため の 設 備 間 距 離 規 制 の 緩 和 、② 公 道 と デ ィ スペ ンサ ーと の 距 離 に係 る障 害 等 の代 替 措 置 の設 置 、③セルフ充 填 式 水 素 スタンド実 現 に向 けた 高 圧 ガス製 造 の許 可 を 受 け た者 以 外 による水 素 の 充 填 行 為 の許 容 、④公 道 で のガス欠 対 応 のための 充 填 場 所 の確 保 について整 理 した。 1.CNGスタンドとの併 設 をより 容 易 にするための設 備 間 距 離 規 制 の緩 和 日 本 では、CNG スタンドの処 理 設 備 (圧 縮 機 等 )及 び貯 蔵 設 備 (蓄 圧 器 等 )と 水 素 スタンドの処 理 設 備 及 び貯 蔵 設 備 と の間 に 6m以 上 の距 離 を確 保 すること となっている。なお、代 替 措 置 による距 離 の緩 和 は認 められていない。 【関 連 法 規 】 一 般 則 第 7 条 第 1 項 第 七 号 (第 7 条 第 2 項 第 20 号 ) 圧 縮 天 然 ガススタンドの処 理 設 備 及 び貯 蔵 設 備 は、その外 面 から当 該 圧 縮 天 然 ガススタンド以 外 の可 燃 性 ガスの製 造 設 備 (液 化 石 油 ガス保 安 規 則 第 二 条 第 一 項 第 二 十 号 に規 定 する液 化 石 油 ガススタンド(処 理 設 備 及 び貯 蔵 設 備 を 除 く。次 項 第 二 十 号 、次 条 第 一 項 第 二 十 号 、第 七 条 の三 第 一 項 第 十 二 号 及 び同 条 第 二 項 第 二 十 九 号 において単 に「液 化 石 油 ガススタ ンド」という。)、液 化 天 然 ガススタンド(処 理 設 備 (当 該 処 理 設 備 において気 化 した天 然 ガスを圧 縮 天 然 ガススタンドに送 出 するための設 備 を含 む。以 下 同 じ。)を除 く。以 下 第 七 条 の三 第 一 項 第 十 二 号 及 び 同 条 第 二 項 第 二 十 九 号 において同 じ 。) 及 び特 定 圧 縮 水 素 スタンド(処 理 設 備 及 び貯 蔵 設 備 を除 く。)を除 く。)の高 圧 ガス設 備 (高 圧 ガス設 備 の冷 却 の用 に供 する冷 凍 設 備 を除 き、可 燃 性 ガスの通 る部 分 に限 る。)に対 し 五 メートル以 上 、特 定 圧 縮 水 素 スタンドの処 理 設 備 及 び貯 蔵 設 備 に対 し 六 メート ル以 上 、酸 素 の製 造 設 備 の高 圧 ガス設 備 (酸 素 の通 る部 分 に 限 る。)に対 し十 メートル以 上 の距 離 を有 すること。 一 般 則 第 7条 の3 第 1 項 第 十 二 号 及 び 第 2 項 第 二 十 九 号 圧 縮 水 素 スタ ンド の 処 理 設 備 及 び 貯 蔵 設 備 は 、そ の 外 面 か ら 当 該 圧 縮 水 素 ス タンド 以 外 の可 燃 性 ガスの製 造 設 備 (液 化 石 油 ガススタ ンド 、圧 縮 天 然 ガススタ ンド及 び液 化 天 然 ガススタンドを除 く。)の高 圧 ガス設 備 (高 圧 ガス設 備 の冷 却 の用 に供 する 冷 凍 設 備 を 除 き 、可 燃 性 ガ スの通 る 部 分 に限 る 。)に対 し 六 メート ル以 上 、 酸 素 の 製 造 設 備 の 高 圧 ガス 設 備 ( 酸 素 の 通 る 部 分 に限 る 。)に 対 し 十 メートル以 上 の距 離 を有 すること。 ※ただし、一 般 則 第 7 条 の2第 1項 第 二 十 号 も確 認 すること。 3 2.公 道 とディスペンサーとの距 離 に係 る障 害 等 の代 替 措 置 の設 置 日 本 では、公 道 とディスペンサーとの距 離 は 6m以 上 の距 離 を確 保 することと なっている。なお、代 替 措 置 による距 離 の緩 和 は認 められていない。 【関 連 法 規 】 一 般 則 第 7 条 の 3 第 1 項 第 二 号 (第 7 条 の 3 第 2 項 第 3 号 ) ディスペ ンサーは、第 六 条 第 一 項 第 二 号 に規 定 する処 理 設 備 の例 によるもので あり 、かつ、ディスペ ンサー本 体 の外 面 か ら公 道 の道 路 境 界 線 に対 し 六 メート ル 以 上 の距 離 を有 すること。 3.セルフ充 填 式 水 素 スタンド実 現 に向 けた高 圧 ガス製 造 の許 可 を受 けた者 以 外 による水 素 の 充 填 行 為 の許 容 日 本 では、水 素 スタ ンド におい て燃 料 電 池 自 動 車 へ水 素 を 充 填 する行 為 は、 高 圧 ガスの製 造 となり、当 該 行 為 を行 う者 は、高 圧 ガスの製 造 者 として都 道 府 県 の許 可 が必 要 となる。 水 素 スタ ンド での 充 填 は、当 該 許 可 を 受 けた者 (その従 業 員 を 含 む。)が行 わ なければならず、現 在 は、一 般 ドライバーによる 充 填 は認 められていない。 【関 連 法 規 】 高 圧 ガス保 安 法 第 5 条 次 の各 号 の一 に該 当 する者 は、事 業 所 ごとに、都 道 府 県 知 事 の許 可 を受 けな ければならない。 高 圧 ガス保 安 法 第 5 条 第 1 項 第 1 号 圧 縮 、液 化 その他 の方 法 で処 理 することができるガスの容 積 (温 度 零 度 、圧 力 零 パスカルの状 態 に換 算 した容 積 をいう。以 下 同 じ。)が一 日 百 立 方 メートル (当 該 ガスが政 令 で定 めるガスの種 類 に該 当 するものである場 合 にあつては、当 該 政 令 で定 めるガスの種 類 ごとに百 立 方 メートルを超 える政 令 で定 める値 )以 上 である設 備 (第 五 十 六 条 の七 第 二 項 の認 定 を受 けた設 備 を除 く。)を使 用 し て高 圧 ガスの製 造 (容 器 に充 填 することを含 む。以 下 同 じ。)をしようとする者 ( 冷 凍 ( 冷 凍 設 備 を 使 用 し てす る 暖 房 を 含 む 。 以 下 同 じ 。 ) の ため 高 圧 ガ ス の 製 造 をしようとする者 及 び液 化 石 油 ガスの保 安 の確 保 及 び取 引 の適 正 化 に関 す る法 律 (昭 和 四 十 二 年 法 律 第 百 四 十 九 号 。以 下 「液 化 石 油 ガス法 」という。) 第 二 条 第 四 項 の供 給 設 備 に同 条 第 一 項 の液 化 石 油 ガス を 充 填 し よう と する 者 を除 く。) 4 4.公 道 でのガス欠 対 応 のための 充 填 場 所 の確 保 日 本 では、第 二 種 製 造 者 であって、処 理 能 力 が三 十 立 方 メートル未 満 の移 動 式 製 造 設 備 を用 い て充 填 を行 う場 合 、火 気 を取 り扱 う場 所 等 から 5m以 上 の 距 離 を確 保 し、あらかじめ都 道 府 県 知 事 へ届 け出 なければならない 。 【関 連 法 規 】 一 般 則 第 12 条 第 2 項 第 一 号 高 圧 ガスを容 器 に充 填 するときは、火 気 を取 り扱 う場 所 、多 数 の人 の集 合 する 場 所 又 は 引 火 性 若 し く は 発 火 性 の 物 を たい 積 し た 場 所 か ら 五 メ ー ト ル 以 内 で し ないこと。 一 般 則 第 12 条 第 2 項 第 六 号 製 造 設 備 が移 動 式 製 造 設 備 である製 造 施 設 にあつては、車 両 に固 定 し た容 器 (当 該 車 両 の燃 料 の用 のみに供 する高 圧 ガスを 充 填 するためのものに限 る。)に は 充 填 し な い こ と 。 た だし 、 第 一 種 製 造 者 の 事 業 所 内 又 は あ ら かじ め 都 道 府 県 知 事 に届 け出 た場 所 において当 該 容 器 に 充 填 する場 合 は、この限 りでない。 5 Ⅲ.アメリカ 1.アメリカにおける調 査 先 表 Ⅲ-1 にアメリカにおける調 査 先 の組 織 名 及 び対 応 者 を示 す。 表 Ⅲ-1 アメリカにおける調 査 先 一 覧 分類 組織名 対応者 運用者 California Fuel Cell Partnership 1 Jennifer Hamilton Jordan Mcrobie Jacquelyn Berdsall Nico Bouwkamp 研究機関 Shell Oil Products US Jim C. Martin Toyota Motor Engineering & 横山 竜昭 Manufacturing North America, Inc. Matt Mcclory General Motors LLC Alexander Keros Sandia National Laboratories 2 Jay O. Keller William. G. Houf Katrina M. Groth Chris San Marchi Ed Noma Daniel Dedrick コンサルタント Quong & Associates Inc. 3 Spencer Quong 規制 City of Fountain Valley Adria Paesani Newport Beach Fire Department Ron Gamble Steve Michael 規格作成 Los Angeles Fire Department Gilbert T. Urrea, Jr. National Fire Protection Association 4 Paul E. May National Renewable Energy Laboratory 5 Carl H. Rivkin [1 ] C al i f o rn i a Fu e l C e l l P a r t n e r sh i p ( C aF C P ) h t t p :/ / c a f c p . or g / [2 ] サ ン デ ィ ア 国 立 研 究 所 ( S N L ) は ア メ リ カ エ ネ ル ギ ー 省 が 管 轄 す る 国 立 研 究 所 。 h t t p : / / w ww . s a n di a . g ov / [3 ] C N G 及 び 水 素 ス テ ー シ ョン の 設 置 、 イ ベ ン ト 及 び 実 証 試 験 に お け る 水 素 ス テ ー シ ョ ン 以 外 での充 填 に関 して全 米 各 地 での許 可 を取 得 した経 験 を有 する。 [4 ] 全 米 防 火 協 会 ( N F P A ) h t t p :/ / ww w .n f p a . or g / [5 ] 国 立 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 研 究 所 ( N R E L ) h t t p :/ / w w w .n re l . g o v/ 6 2.水 素 ステーションに関 するアメリカの法 体 系 連 邦 制 で あるた め ア メリ カと 日 本 の 法 体 系 にはい く つかの 異 な る 点 が 存 在 し て いる。また、アメリカにおける連 邦 法 と州 法 の関 係 は、日 本 における法 律 と条 例 の関 係 とも異 なる。 アメ リ カでは、水 素 ス テーシ ョンにお け る離 隔 距 離 及 び 充 填 に つい ては主 に 2 つの規 制 が適 用 されている。 1 つは連 邦 法 である連 邦 職 業 安 全 衛 生 法 ( OSHA 6 ) に基 づいて制 定 された連 邦 職 業 安 全 規 則 (OSHA 規 則 7 )の中 の 1910.103 で水 素 の取 扱 いについ て規 定 している。もう 一 つは州 法 における消 防 法 であ る。連 邦 法 で建 物 等 の防 火 安 全 を 定 めた法 律 が ない ため 、防 火 安 全 に関 する規 制 は州 毎 に権 限 が委 ねられている。 ほとんどの州 は国 際 基 準 評 議 会 (ICC 8 )によって作 成 された国 際 防 火 基 準 ( IFC 9 )をそのまま使 用 又 は修 正 して使 用 している。 OSHA 規 則 及 び IFC の離 隔 距 離 の根 拠 はともに NFPA が作 成 した規 格 を引 用 している。しかしながら、引 用 している NFPA 規 格 の種 類 及 びエディションが異 なるこ とから 離 隔 距 離 も 異 なる 。 OSHA 規 則 が 離 隔 距 離 に 引 用 し てい る規 格 は 1969 年 版 の NFPA51 1 0 、NFPA220 1 1 及 び NFPA566 1 2 であり SNL などが行 ってい る近 年 の研 究 が反 映 されていない。 一 方 、IFC では 3 年 毎 に改 正 作 業 を行 っているため OSHA 規 則 よりも新 たな 知 見 (詳 細 については後 述 する。)に基 づく離 隔 距 離 が取 り入 れられている。こ のため、本 調 査 ではアメリカにおける水 素 ステーションに関 する規 制 について、 IFC と NFPA 規 格 の関 係 に注 目 することとした。 [6 ] Oc c u pa t i on a l Sa f e t y a n d H e a l th A c t o f 1 9 7 0 ( OS H A ) [7 ] Oc c u pa t i on a l Sa f e t y a n d H e a l th S t an d a r d s 2 9 C FR p a r t 1 9 1 0 [8 ] I n te rn a ti on a l C o d e C o u n c i l ( I C C ) h t t p :/ / ww w. i c c sa f e . o r g / I C C は 地 域 ご と に 異 な る 建 築 基 準 を 統 一 し 国 際 基 準 を 作 成 す る た め 、 I n t e rn a t i on al C o n fe re n c e o f B u i l di n g O f fi c i a l s 、 Bu i l di n g O f fi c i al s an d C o d e A d mi n i s t r at o r s I n te rn a ti o n a l 、 S o u th e r n Bu i l di n g C o d e C on g re s s I n te rn a ti o n al の 3 団 体 が 母 体 と な り 1 9 9 4 年 に設 立 された非 営 利 団 体 [9 ] I n te rn a ti o n a l Fi r e C o d e ( I F C ) 3 年 毎 に 改 正 さ れ て い る [1 0 ] G a s s y s t e m s f o r w e l di n g a n d c u t ti n g [1 1 ] S t an d a r d T y p e s o f Bu i l di n g C o n s t ru c t i on f o r d e fi n i ti o n s o f va ri o u s ty p e s o f c o n s t ru c ti on [1 2 ] B u l k o x y ge n s y s te m s a t c o n su m e r s i te s 7 3.IFC と NFP A 規 格 の関 係 水 素 ステーションの離 隔 距 離 は、その地 域 を管 轄 する消 防 局 が 管 轄 当 局 (AHJ 1 3 )として承 認 している。AHJ は州 が消 防 法 として採 用 している IFC に基 づ き離 隔 距 離 を判 断 し ている。州 が IFC を消 防 法 として採 用 していない場 合 、独 自 にモデル規 格 として IFC を採 用 している AHJ もある。なお、前 述 したとおり IFC は NFPA 規 格 を引 用 しており、NFPA 規 格 は間 接 的 に州 の消 防 法 に取 り込 まれて いる。 IFC 及 び NFPA 規 格 は、民 間 機 関 によって作 成 された規 格 であり、 アメリカで は民 間 機 関 によってされた規 格 が消 防 法 と して使 用 されている。 アメリカにおける各 州 の IFC の受 け入 れ状 況 を 表 Ⅲ-2 に示 す。表 Ⅲ-2 からアメ リカのほとんどの州 が IFC を取 り入 れており、州 及 び AHJ が消 防 法 として IFC を 承 認 していない州 は 6 州 のみである。しかしながら、州 で IFC を承 認 している場 合 でも州 ごとに承 認 しているエディションが統 一 されていない。さらに、州 と AHJ で承 認 している IFC のエディションが異 なる場 合 も存 在 している 14 。IFC のエディション が異 なれば引 用 される NFPA 規 格 のエディションも異 なり、離 隔 距 離 も異 なってく る場 合 もある。 なお、州 及 び AHJ が IFC を承 認 していない州 では、NFPA 規 格 を消 防 法 に採 用 するか又 は州 独 自 の消 防 法 を作 成 するなどで対 応 している。 8 表 Ⅲ-2 IFC の受 け入 れ状 況 (その 1) 2012/1/4 アイオワ アイダホ アーカンソー アラスカ アラバマ アリゾナ イリノイ インディアナ ウイスコンシン ウエストバージニア オクラホマ オハイオ オレゴン カリフォルニア カンザス ケンタッキー コネティカット コロラド サウスカロライナ サウスダコタ ジョージア テキサス テネシー デラウエア ニュージャージー ニューハンプシャー ニューメキシコ ニューヨーク ネバダ ネブラスカ ノースカロライナ ノースダコタ バージニア バーモント ハワイ フロリダ ペンシルバニア 州名 Iowa Idaho Arkansas Alaska Alabama Arizona Illinois Indiana Wisconsin West Virginia Oklahoma Ohio Oregon California Kansas Kentucky Connecticut Colorado South Carolina South Dakota Georgia Texas Tennessee Delaware New Jersey New Hampshire New Mexico New York Nevada Nebraska North Carolina North Dakota Virginia Vermont Hawaii Florida Pennsylvania 受け入れ状況 州 州 州 州 州 州 州 州 AHJ × 州 州 州 州 州 州 州 州 州 州 州 州 州 AHJ 州 AHJ 州 州 州 AHJ 州 AHJ 州 × × × 州 9 IFCのエディション 2009 2009 2006 2006 2009 2006 2009 2006 2006 2006 2009 2009 2003 2006 2003 2006 2006 2009 2006 2006 2006 2006 2003 2006 2003 2006 2009 2009 表 Ⅲ-2 IFC の受 け入 れ状 況 (その 2) 2012/1/4 マサチューセッツ ミシガン ミシシッピー ミズーリ ミネソタ メリーランド メーン モンタナ ユタ ルイジアナ ロードアイランド ワイオミング ワシントン コロンビア特別区 州名 Massachusetts Michigan Mississippi Missouri Minnesota Maryland Maine Montana Utah Louisiana Rhode Island Wyoming Washington District of Columbia 受け入れ状況 × AHJ 州 AHJ 州 AHJ AHJ AHJ 州 AHJ × 州 州 州 IFCのエディション 2006 2006 2009 AHJ 2006 2009 2006 州 :州 が IFC を採 用 している。 A H J: 州 で は I F C を 採 用 し て お ら ず 、 A H J で 使 用 して い る 。 エ デ ィ シ ョ ン に つ て は 不 明 。 × :州 内 で IFC が使 用 されていない。 IFC に水 素 ステーションの項 目 及 び離 隔 距 離 表 が追 加 されたのは IFC(2003) からである。IFC(2003)から IFC(2012)までの離 隔 距 離 表 の有 無 と 記 載 されて いる NFPA 規 格 の引 用 状 況 について表 Ⅲ -3 に示 す。NFPA52 は IFC(2003)及 び IFC(2006)にも引 用 されているが、当 時 の NFPA52 は CNG 自 動 車 に関 する 規 格 であり水 素 の離 隔 距 離 表 が入 ってい なかったので 表 Ⅲ-3 には含 めていない 15 。表 Ⅲ-3 から IFC(2006)及 び IFC(2009)では、IFC 規 格 内 と引 用 している NFPA 規 格 の両 方 に 異 なる離 隔 距 離 表 が存 在 している。このため、 AHJ による 離 隔 距 離 の解 釈 が異 なるという問 題 が発 生 している。 IFC(2012)からは離 隔 距 離 表 が削 除 されて NFPA 規 格 の離 隔 距 離 表 に従 うことが明 記 されて おり、IFC と NFPA 規 格 の離 隔 距 離 の統 一 化 が図 られている。 しかしながら、表 Ⅲ-2 のとおり現 在 IFC(2012)は、アメリカの州 で消 防 法 として 採 用 されていない 。また、州 が IFC を承 認 して消 防 法 として使 用 するためには最 短 でも 1 年 程 度 の期 間 を要 する。なお、カリフォルニア州 では、州 の消 防 長 官 が IFC(2012)を承 認 しカリフォルニア消 防 法 ( CFC 1 6 (2013))として 2014 年 1 月 から 適 用 することが決 定 している。 2014 年 以 降 は離 隔 距 離 の統 一 化 が図 られていく ことが予 想 される。しかしながら、表 Ⅲ-2 に示 すように各 州 が採 用 している IFC の エディションが統 一 されていないことから 、アメリカにおける AHJ による離 隔 距 離 の解 釈 が統 一 されるまでにはまだ時 間 を要 する可 能 性 が高 い 。 10 表 Ⅲ-3 IFC 及 び NFPA 規 格 の水 素 離 隔 距 離 表 の有 無 IFC IFC 水 素 の NFPA52 1 5 NFPA55 1 7 エディシ ョン 離隔距離表 エディシ ョン エディシ ョン 2003 有 × × 2006 有 × 2005 2009 有 2006 2005 2012 無 2010 2010 ※NFPA52 及 び NFPA55 のエディションは、水 素 の離 隔 距 離 表 が定 められ ているものを示 している。 例 )IFC(2009)は IFC、NFPA52 及 び NFPA55 にそれぞれ異 なる 3 種 類 の水 素 の離 隔 距 離 が存 在 している。 [1 3 ] A u t h o ri ty H a v i n g J u ri s d i c t i on ( A H J ) [1 4 ] h t t p :/ / w w w. i c c sa f e . o r g/ g r / Pa g e s/ a d o p ti o n s. a s p x [1 5 ] N F P A 5 2 (2 0 0 2 ) C o m p re s s e d N a tu ra l G a s ( C N G ) V e h i c u l a r Fu e l Sy s t e m s N F PA 5 2 ( 2 0 0 6 ) V e h i c u l a r F u e l Sy s t e m s C o d e N F PA 5 2 ( 2 0 1 0 ) V e h i c u l a r G a se o u s Fu e l Sy s t e m s C o d e [1 6 ] C al i f or n i a F i r e C o de ( C F C ) I F C に 軽 微 な 変 更 を 加 え て 採 用 し て い る [1 7 ] N F P A 5 5 (2 0 0 5 ) S t a n d a r d f o r th e S t o ra g e , U s e , an d H a n dl i n g o f C o m p re s s e d G a s e s an d C ry o g e n i c Fl u i d s i n P o r t a bl e a n d S t a ti o n a r y C on t ai n e r s , C yl i n d e r s , a n d Ta n k s N F PA 5 5 ( 2 0 1 0 ) C o m p r e s s e d G a se s an d C r y o ge n i c F l u i d s C o d e 4.AHJ の解 釈 アメリカでは AHJ の権 限 が大 きく、AHJ の解 釈 により判 断 が異 なることも尐 なく ない。表 Ⅲ-4 に IFC と NFPA 規 格 で離 隔 距 離 が異 なる場 合 についての AHJ に おける判 断 例 を 示 す。また、規 格 の選 択 以 外 にも AHJ の解 釈 が異 なる例 が多 数 存 在 し てい る 。 例 えば 、 ディ スペ ン サー から の 離 隔 距 離 だ け で も 充 填 ホー ス の 先 端 、筐 体 の側 面 又 は筐 体 の中 心 からと距 離 の計 測 開 始 位 置 が異 なる事 例 が存 在 している。 NFPA は運 用 者 及 び AHJ に対 して、IFC が引 用 している NFPA 規 格 について は最 新 の エデ ィシ ョン 及 び 改 正 動 向 に つい ても 確 認 す るよう に 注 意 を 促 し てい る。 し か し な が ら 、 NFPA か ら の 注 意 に は 強 制 力 が な い た め 、 結 局 は 運 用 者 及 び AHJ 独 自 の判 断 にゆだねられることになる。さらに、 AHJ は技 術 的 根 拠 があれば IFC 及 び NFPA 規 格 よりも長 い離 隔 距 離 を要 求 できる権 限 を 持 っているため、 同 じ AHJ 内 でも検 査 官 により 判 断 が異 なる場 合 があり、建 設 される水 素 ステーショ ンの 離 隔 距 離 は 担 当 検 査 官 の 判 断 も 大 きく 影 響 し てい る 。 し かし な が ら、 多 く の 場 合 は IFC 及 び NFPA 規 格 の 離 隔 距 離 表 が使 用 されている。さらに、 IFC(2012) からは離 隔 距 離 は NFPA 規 格 に統 一 されることが決 まっており 、将 来 的 にはアメ 11 リカにおける水 素 ステーションの離 隔 距 離 は NFPA 規 格 に従 うこと になる。 表 Ⅲ-4 離 隔 距 離 についての AHJ の判 断 例 ケース 1 ケース 2 ケース 3 IFC を 優 先 する。I FC に 記 載 されていない値 に ついては NFPA 規 格 の値 を使 用 する。 IFC と NFPA 規 格 を 比 較 してより 厳 しい値 を 使 用 する。ただし、 NFPA 規 格 は IF C で引 用 されているエディシ ョンを 使 用 する。 IFC と NFPA 規 格 を 比 較 してより 厳 しい値 を 使 用 する。ただし、 NFPA 規 格 は最 新 のエディシ ョンを 使 用 する。 IFC と NFPA 規 格 を 比 較 してより 厳 しい値 を 使 用 する。ただし、 NFPA 規 ケース 4 格 は IF C で引 用 されているエディシ ョンと最 新 のエディションを 比 較 して 厳 しい値 を 使 用 する。 5.NFP A 規 格 現 在 、アメリカの州 の消 防 法 として採 用 されている IFC の最 新 版 は IFC(2009) であり、引 用 されている NFPA 規 格 で水 素 ステーションの離 隔 距 離 が規 定 されて いるのは NFPA52(2006)及 び NFPA55(2005)である。NFPA52(2006)は、圧 縮 水 素 ガス、液 化 水 素 、CNG 及 び液 化 天 然 ガスを燃 料 とする車 の燃 料 システム に 関 する規 格 である。一 方 の NFPA55 (2005 )は、可 搬 式 及 び 定 置 式 容 器 で圧 縮 ガス又 は低 温 流 体 を貯 槽 、処 理 及 び使 用 するための規 格 である。なお、 NFPA55 ( 2005 )にお け る 水 素 シ ステ ム と は 一 般 の 工 場 で 使 用 さ れ てい る 水 素 シ ステムも含 まれており、水 素 ステーションに特 化 したものではない。 表 Ⅲ -5 に 現 在 の ア メ リ カ で 水 素 ス テ ー シ ョ ン に 使 用 さ れ て い る IFC(2009) 、 NFPA52(2006)、NFPA55(2005)及 び OSHA 規 則 の離 隔 距 離 の例 を示 す。 OSHA 規 則 以 外 には 最 新 のエ ディシ ョン があ る が、 承 認 又 は 引 用 さ れ法 的 根 拠 が あ る エディションについては表 Ⅲ-5 に示 すとおりである。 NFPA55(2005) 及 び OSHA 規 則 は、使 用 する水 素 量 (体 積 ) によって離 隔 距 離 が定 められている。NFPA55(2005)と OSHA 規 則 は、水 素 量 の区 分 にわずか な違 いがあるが、離 隔 距 離 は一 致 している。ただし、 OSHA 規 則 は水 素 ステーシ ョン用 途 に作 成 されていないので、敷 地 境 界 等 の存 在 しない項 目 がある。 一 方 、IFC(2009) 及 び NFPA52(2006)は、水 素 量 の区 分 がないため 単 一 の離 隔 距 離 となっている。IFC(2009)と NFPA52(2006)は、敷 地 境 界 の離 隔 距 離 のみ が一 致 している。 12 表 Ⅲ-5 アメリカの水 素 ステーション 設 備 ※ の離 隔 距 離 の例 曝露の 離 隔 距 離 (m) 種類 IFC (2009) NFPA 52 (2006) NFPA 55 (2005) OSHA 規 則 1910.103 水素の 水素の 水素の 水素の 水素の 水素の 体 積 <99 体積 = 体積 体 積 <85 体積 = 体積 m3 99 m3 ~ >425 m3 m3 85 m3 ~ >425 m3 425 m 425 m 敷地境界 3 .1 3 .1 1 .5 1 .5 1 .5 - - - 屋外集 7 .6 - 7 .6 15.2 15.2 7 .6 15.2 15.2 4 .6 3 .1 4 .6 4 .6 4 .6 - - - 3 .1 - 7 .6 7 .6 7 .6 7 .6 7 .6 7 .6 地 上 にあ 7 .6 a o r - 3 .1 c o r 3 .1 c o r 3 .1 c o r 3 .1 c o r 3 .1 c o r 3 .1 c o r る可 燃 性 15.2b 7 .6 d 7 .6 d 7 .6 d 7 .6 d 7 .6 d 7 .6 d 会所 敷地外歩 道 および 駐車中の 自動車 発火源 ガスの貯 蔵 庫 (水 素以外) a. 貯 蔵 シ リ ン ダ ー / タ ン ク に 共 通 の 遮 断 弁 が あ る 。 b. 貯 蔵 シリンダー/タンクに共 通 の遮 断 弁 がない。 c . 高 圧 ま た は 低 圧 ガ ス シ リン ダ ー の 容 量 が 0 ~ 4 2 5 m 3 。 d . 高 圧 ま た は 低 圧 ガ ス シ リン ダ ー の 容 量 が 4 2 5 m 3 を 超 え る 。 ※各規格における水素ステーション設備の対象は以下に示す通り。 I F C( 2 0 0 9 ) : デ ィ ス ペ ン サ ー 、 圧 縮 機 、 調 整 弁 及 び 貯 蔵 容 器 (ただしシステム全 体 の水 素 の 容 積 が85m3(標 準 状 態 において)未 満 は適 用 除 外 ) N F PA 5 2 ( 2 0 0 6 ) : デ ィ ス ペ ン サ ー 、 圧 縮 機 及 び 貯 蔵 容 器 N F PA 5 5 ( 2 0 0 5 ) : 水 素 が ガ ス 状 で 配 管 系 を 通 じ て 供 給 、 貯 蔵 及 び 排 出 さ れ る 設 備 。 設 備 は 供 給 圧 力 の 供 給 配 管 系 の 入 口 ま で を 含 む 。 ( た だ し シ ステ ム 全 体 の 水 素 の 容 積 が 1 1 m 3 ( 標 準 状 態 において)未 満 は適 用 除 外 ) O S HA 規 則 : 、 水 素 が ガ ス 状 で 消 費 者 の 配 管 系 を 通 じ て 供 給 、 蓄 積 及 び 排 出 さ れ る 設 備 。 設 備 は、定 置 式 及 び移 動 式 容 器 、圧 力 調 整 弁 、圧 力 逃 がし装 置 、マニホールド、配 管 系 及 び制 御 装 置 を 含 む 供 給 圧 力 の 消 費 者 の 供 給 配 管 の 入 口 ま で 。 ( た だ しシ ス テ ム 全 体 の 水 素 の 容 積 が11m3(標 準 状 態 において)未 満 は適 用 除 外 ) 13 6.新 たな離 隔 距 離 IFC(2009)、NFPA52(2006)、NFPA55(2005)及 びOSHA規 則 の離 隔 距 離 は水 素 圧 力 と関 係 していない。また、 表 Ⅲ-5の離 隔 距 離 は今 後 普 及 が予 測 される 70MPa水 素 ステーションを想 定 して作 成 さ れたものではなく、離 隔 距 離 表 に関 す る科 学 的 根 拠 も不 明 な物 が多 いとされている。このため、 NFPAはSNLの協 力 の もと、水 素 圧 力 と離 隔 距 離 の関 係 に基 づく新 たな離 隔 距 離 表 を作 成 した。 6.1 SNLの研 究 SNL は 、 ア メリ カ エ ネ ル ギ ー 省 が 取 り 組 ん でい る 「 水 素 、 燃 料 電 池 及 び イ ン フ ラ テ クノ ロジ ー プロ グラ ム 」の一 環 と し て 、 関 連 す る 規 格 及 び 標 準 の作 成 等 に 利 用 することを目 的 とした、水 素 システムの安 全 性 を評 価 するための技 術 基 盤 の開 発 を行 っている。この開 発 は、水 素 の輸 送 、配 送 、製 造 及 び利 用 などのほぼ全 ての水 素 システムに影 響 を与 える ものである。 SNL は 、 水 素 シ ス テ ム か ら の 意 図 し な い 水 素 の 放 出 に よ り 予 測 さ れ る 危 険 性 及 び被 害 を 評 価 する ため 実 験 解 析 を 行 っ てい る 。こ の研 究 に は、水 素 爆 発 及 び 水 素 火 炎 か らの 熱 伝 播 等 の 放 出 シ ナリ オにお け る 水 素 の 流 体 力 学 を 理 解 す る ための実 験 とモデリングが含 まれている。得 られた技 術 情 報 は、異 なる水 素 放 出 シ ナ リ オの 査 定 に 使 用 さ れ る 工 学 モ デ ル に 統 合 さ れ 、 水 素 施 設 の 定 量 的 リ ス ク 分 析 ( QRA ) に 利 用 さ れ て い る 。 QRA は 、 水 素 の 意 図 し な い 放 出 の シ ナ リ オ を 定 量 化 し、異 なる種 類 の水 素 施 設 における主 要 な危 険 性 要 因 を特 定 し、想 定 され る事 故 の防 止 及 び 低 減 を 行 う こ と で、危 険 性 を 許 容 可 能 な 水 準 まで 低 減 できる とされている 。QRAを 使 用 し 成 果 を 上 げるには、異 なる事 故 のシナリオのモ デリン グ、適 切 な部 品 故 障 データの選 択 、異 なる被 害 の測 定 基 準 の選 択 と評 価 、意 思 決 定 に使 用 する危 険 性 基 準 の選 択 が必 要 になる。 SNL は研 究 成 果 に 基 づ き、 一 般 市 民 や 水 素 ガ ス 貯 蔵 施 設 と 他 の施 設 と の最 小 離 隔 距 離 を 規 定 す る QRA の 適 用 に つ い て 報 告 書 1 8 を 作 成 し た 。 NFPA は 、 負 傷 や 施 設 の 破 損 の 危 険 性 を 低 減 す る た め SNL の 報 告 書 を も と に 新 し い 離 隔 距 離 を 取 り 入 れた NFPA55 (2010 )規 格 を 作 成 し た。 NFPA55(2010)の離 隔 距 離 表 は NFPA52 ( 2010 ) に も 引 用 さ れ て い る 。 ま た 、 水 素 の 貯 槽 及 び 圧 縮 機 ( 燃 料 バ ル ブ ま で の 設 備 ) は NFPA52 固 有 の 離 隔 距 離 表 か ら 除 外 さ れ た 。 さ ら に 水 素 用 途 の み を 目 的 に 作 成 さ れ た NFPA2 ( 2011 ) 1 9 に は 、 NFPA52 ( 2010 ) 及 び NFPA55 (2010)を含 むNFPA規 格 から水 素 の条 項 が移 動 引 用 されてい る。この ことからも NFPA規 格 内 におい ても離 隔 距 離 の統 一 化 が図 られ ている。今 後 は NFPA2 に水 素 の条 項 が集 約 され 、IFC(2015)に引 用 される予 定 である。 [1 8 ] J e f f re y L a Ch a n c e , W i l l i a m H o u f , B o b by Mi d dl e t on , an d La r ry Fl u e r , A n al y se s t o Su p p o r t D e v e l o p me n t o f Ri s k - I n f o r me d S e pa ra ti o n Di s t an c e s f o r H y d r o g e n C o d e s an d S ta n da r d s , SA N D 2 0 0 9 - 0 8 7 4 [1 9 ] N F P A 2 ( 2 0 1 0 ) H y d r o g e n Te c h n ol o g i e s C o d e 14 6.2リスク情 報 に基 づ く 離 隔 距 離 の考 え方 離 隔 距 離 表 を 作 成 す る た め に SNL で 行 わ れ た 分 析 は 、 屋 外 の 水 素 ガ ス 貯 蔵 施 設 からの放 出 に限 定 されている。屋 外 では、爆 発 を招 く水 素 の 滞 留 がないこと が 前 提 と さ れ てい る 。 こ の た め 、 水 素 噴 流 に 関 連 す る 被 害 の み が 考 慮 の 対 象 と なってい る。人 為 的 ミ スや地 震 などの外 部 の事 象 から発 生 し た放 出 及 び液 体 水 素 部 品 からの放 出 は 含 まれていない 。 SNL の 研 究 結 果 か ら 、 水 素 施 設 の 離 隔 距 離 は 、 シ ス テ ム の 運 転 圧 力 、 利 用 可 能 な安 全 装 置 、部 品 の漏 洩 頻 度 データ、選 択 されている被 害 の測 定 基 準 、 評 価 に使 用 された安 全 性 ガイドラインなどの施 設 設 計 パラメータによって大 きく 異 な るこ と も 証 明 さ れ た 。 こ の こ と は 、 水 素 圧 力 の 概 念 の 全 く な い 水 素 量 の み に 注 目 した IFC及 びNFPA 規 格 の離 隔 距 離 表 では安 全 が確 保 さ れていない 可 能 性 を示 唆 するものである。 SNL の提 案 し た 離 隔 距 離 は、 危 険 情 報 を 基 にし てい る。 図 Ⅲ -1 に累 積 危 険 度 と離 隔 距 離 の関 係 を 示 す 18、20。点 で示 さ れているデータは、その値 の 離 隔 距 離 を 必 要 と する 事 故 の 累 積 頻 度 を 示 し てい る 。 こ の 図 に 対 象 と 危 険 度 を 入 力 す る こと で必 要 な離 隔 距 離 が求 まる。 し かし ながら、 危 険 性 を 基 にした方 法 を 使 用 す ると 、規 定 さ れた 離 隔 距 離 には一 定 の 危 険 性 が残 り 、影 響 を 受 け る 対 象 者 によ って許 容 できる水 準 である かを確 認 しなければならない 。 累積危険度(/年) 1.0E-05 1.0E-06 1.0E-07 入力値 1.0E-08 0 2 4 出力値 6 8 10 12 14 16 離隔距離(m) 図 Ⅲ-1 累 積 危 険 度 と離 隔 距 離 の関 係 [2 0 ] “ De te r mi n a t i on o f Sa f e ty D i s ta n c e s , ” Eu r o p e an I n d u s t ri a l G a se s A s s oc i a ti o n , I G C D oc 7 5 / 0 7 / E, 2 0 0 7 . 15 6.3 NFPA55(2010)の 離 隔 距 離 表 離 隔 距 離 表 は、水 素 漏 洩 からの非 着 火 火 炎 または着 火 噴 流 火 炎 に関 する 危 険 性 のみを考 慮 すると規 定 している。水 素 噴 流 と噴 流 火 炎 の特 性 は、漏 洩 源 の 圧 力 と 有 効 直 径 に よ っ て 異 な る 。 こ の た め 、 NFPA55 ( 2010 ) の Table 10.3.2.2.1 離 隔 距 離 表 では、 表 Ⅲ-6に示 すように圧 力 範 囲 を 4つに分 け、圧 力 範 囲 毎 にモデルとなる標 準 配 管 の内 径 が定 められてい る。水 素 ステーシ ョンにおい て 標 準 配 管 の 内 径 よ り も 大 き な 内 径 を 使 用 す る 場 合 に は 計 算 ( Table 10.3.2.2.1.1(B) ) に よ り 離 隔 距 離 を 算 出 し な け れ ば な ら な い 。 一 方 、 標 準 配 管 の 内 径 より 小 さな配 管 を使 用 する場 合 には、安 全 側 である ため離 隔 距 離 表 の値 を 使 用 す る こ と が 可 能 で あ る 。 な お 、 NFPA55(2010) で は 離 隔 距 離 を 導 く た め に 配 管 の内 径 断 面 積 3% に相 当 する径 を漏 洩 源 の有 効 直 径 として いる 17。これは標 準 的 な 漏 洩 事 象 の 約 97 % を 対 応 し て い る 。 さ ら に 、 漏 洩 源 が 配 管 の 内 径 断 面 積 1 ~ 10 % の 場 合 は NFPA2TG6 が 指 針 と し て 選 択 し た 死 亡 危 険 度 で あ る 2 × 10 - 5 /年 に 近 い 値 と なる。こ れは ア メリ カのガソリ ンスタ ンド にお け る死 亡 危 険 度 と 一 致 し、EIGAが水 素 施 設 の推 奨 する死 亡 危 険 度 のおよそ 2倍 である。 表 Ⅲ-6 圧 力 範 囲 と配 管 の内 径 について 水 素 システムの圧 力 Pの範 囲 標 準 配 管 の内 径 0.1034<P≦1.724 MPa 52.50mm 1.724<P≦20.684 MPa 18.97mm 20.6843<P≦51.711 MPa 7.92mm 51.711<P≦103.421 MPa 7.16mm 離 隔 距 離 の判 別 に使 用 した危 険 パラメータを 以 下 に示 す。 a)空 気 中 の水 素 濃 度 が 4 %モル分 率 減 衰 する点 までの距 離 b)長 時 間 暴 露 されても人 体 に被 害 を与 えないとしてアメリカで一 般 的 に許 容 されている放 射 熱 流 束 1577 W/m 2 の水 準 に達 するまでの距 離 c)可 燃 物 への熱 流 束 が 20,000 W/m 2 の水 準 に達 するまでの距 離 d)非 可 燃 物 への熱 流 束 が 25,237 W/m 2 の水 準 に達 するまでの距 離 e)従 業 員 に最 大 3 分 間 露 出 される放 射 熱 流 束 が 4732 W/m 2 の水 準 に達 するまでの距 離 f)可 視 火 炎 長 これらの危 険 パラメータは IFC(2003 )に記 載 さ れてい る 1 9 。a)は水 素 の漏 洩 拡 散 後 の遅 延 着 火 による被 害 を想 定 している。水 素 濃 度 4 % の下 限 燃 焼 限 界 (LFL) に対 応 する距 離 は、水 素 噴 流 の遅 延 着 火 により LFLを限 界 とする半 径 内 にい る 人 の 負 傷 を 招 く 可 能 性 が あ る た め 重 要 で あ る 。 一 方 、 そ れ 以 外 の e ) ~ f ) 16 は水 素 の漏 洩 に着 火 した場 合 のジェット火 炎 による被 害 を想 定 している。 離 隔 距 離 の判 別 に使 用 した危 険 シナリオを以 下 に示 す。 1)ガスの放 出 とそれに伴 う受 容 体 による エントレインメントまたは蓄 積 2)隣 接 する装 置 または構 造 物 からの、またはそれらへの火 災 の拡 大 3)敷 地 内 、または影 響 のある隣 接 資 産 におけるガス爆 発 の危 険 4)施 設 内 または隣 接 資 産 内 での負 傷 の恐 れ 5)非 着 火 放 出 /排 出 水 素 の着 火 6)地 上 に露 出 した地 下 システムの露 出 部 品 への被 害 7)地 下 の貯 蔵 部 または構 造 物 の排 気 に使 用 される爆 発 制 御 システムの機 能 による、地 上 システムへの被 害 8)火 災 または他 の危 険 物 の爆 発 によって水 素 の放 出 が起 こる 9)水 素 システムの火 災 または爆 発 によって他 の危 険 物 の放 出 が起 こる 10)装 置 の故 障 により、水 素 システムが電 気 的 、物 理 的 または健 康 上 の危 険 にさらされる。システムの故 障 により公 共 設 備 が故 障 する危 険 性 がある 敷 地 境 界 ( Lot Line ) 、 人 、 建 物 、 吸 気 口 、 着 火 源 、 電 子 機 器 、 車 及 び 可 燃 物 等 の暴 露 の対 象 に対 し て危 険 シナリ オを選 択 し 、想 定 さ れる危 険 パラメータを 決 定 する( 表 Ⅲ-7) 。表 Ⅲ-7 に示 すとお り 暴 露 の対 象 と 危 険 シ ナリ オの組 合 せに よって危 険 パラメータ が決 まるため、危 険 シ ナリ オが同 じ でも危 険 パラメータ は異 なる場 合 がある。 暴 露 の対 象 に対 して危 険 パラメータが複 数 ある場 合 には 、最 も 長 い離 隔 距 離 が離 隔 距 離 表 の値 として採 用 され ている。 表 Ⅲ-7に圧 力 範 囲 51.711<P≦103.421 MPa、配 管 内 径 7.16mm以 下 の場 合 の離 隔 距 離 の 例 を 示 す。 離 隔 距 離 の計 算 は、 着 火 水 素 噴 流 からの火 炎 または 放 射 熱 流 束 に対 する 暴 露 、または非 着 火 噴 流 からの水 素 外 層 が、漏 洩 の開 始 直 後 に 発 生 すると 推 定 し 、 小 さ な 漏 洩 直 径 にお い ては安 全 側 になってい る 。さ ら に、寸 法 の小 さな漏 洩 において、体 積 の小 さいシステムで発 生 する火 炎 長 と水 素 外 層 の減 尐 を 無 視 した安 全 側 の計 算 となっている 。しかし ながら、 体 積 の大 き なシステムでは安 全 裕 度 は大 幅 に減 尐 する。 17 表 Ⅲ-7 暴 露 の対 象 、危 険 シナリ オ、危 険 パラメータ 及 び設 備 ※ の離 隔 距 離 の関 係 暴 露 の対 象 危 険 シナリオ 危 険 パラメータ 離 隔 距 離 ** 敷地境界 1 ) ~5 ) a ) 、 b) 従 業 員 以 外 の人 の曝 露 4) e) 5 .0 5 m 可 燃 性 の構 造 物 2) c ) 、 f) 4 .3 1 m 難 燃 性 の防 火 機 能 のない構 造 物 2) d) 、 f ) 4 .3 1 m 開 閉 可 能 な構 造 物 の開 口 部 (入 り 1 ) 、2 ) a) 1 ) 、2 ) c ) 、 f) 吸 気 口 (圧 縮 機 など) 1) a) 電 源 、設 備 または危 険 物 配 管 を含 む 2 ) 、1 0 ) c ) 、 f) 裸 火 および溶 接 などの着 火 源 3 ) 、5 ) a) 10.38m 駐 車 中 の自 動 車 4) e) 5 .0 5 m 地 上 の他 の水 素 システムを含 む可 燃 2) c ) 、 f) 4 .3 1 m 2) * 10.38m 10.38m 口 、窓 、貫 通 部 ) 開 閉 不 可 能 な構 造 物 の開 口 部 (入 り 4 .3 1 m 口 、窓 、貫 通 部 ) 10.38m 4 .3 1 m 公 共 設 備 (頭 上 ) 性 ガスの非 バルク貯 蔵 システム 地 上 の他 の水 素 システムを含 む可 燃 4 .7 m 性 ガスのバルク貯 蔵 システム *水 素 ガスと可 燃 性 ガスが混 合 又 は配 合 するシステムか否 かによる。 **圧 力 範 囲 51.711<P≦103.421 MPa、配 管 内 径 7.16mm以 下 の場 合 ※規格における水素ステーション設備の対象は以下に示す通り。 N F PA 5 5 ( 2 0 1 0 ) : 貯 蔵 容 器 、 圧 力 調 整 弁 、 圧 力 逃 が し 装 置 、 圧 縮 機 、 マ ニ ホ ー ル ド 及 び 配 管 等 で 構 成 さ れ る 設 備 ( た だ し シ ステ ム 全 体 の 水 素 の 容 積 が 1 1 m 3 ( 標 準 状 態 に お い て ) 未 満 は 適用除外) NFPA55(2010) では 、 2時 間 の 耐 火 性 能 を 有 する 防 火 壁 を 設 け るこ と で離 隔 距 離 表 に 従 わなくて 良 い 条 項 ( 10.3.2.2.2 )と 離 隔 距 離 表 の 値 の 半 分 に 軽 減 できる 条 項 (10.3.2.2.3 )が存 在 す る。し かし ながら、 両 方 の 条 項 が適 用 さ れてい る暴 露 の対 象 があるなど十 分 な整 理 がされていない。これは、条 項 の作 成 グループが 別 々 で 情 報 交 換 等 の 連 携 が 不 十 分 で あ っ た ため で ある 。 なお 、 防 火 壁 に よ り 距 離 が短 縮 できる科 学 的 根 拠 については、 SNL等 の確 認 作 業 で明 らかになる予 定 である。 18 7. オレンジ郡 衛 生 局 水 素 ステーション 7.1 オレンジ郡 衛 生 局 ( OCSD 2 0 )ステーシ ョンの離 隔 距 離 について 図 Ⅲ-2 にカリフォルニア州 ファウンテンバレーにある OCSD ステーションの外 観 を示 す。OCSD ステーションは、既 に運 用 されている Clean Energy 社 の CNG スタ ンドの敷 地 内 に Air Product 社 によって 水 素 ステーションが建 設 され管 理 されて いる。ステーションは、下 水 処 理 場 、川 及 び公 道 に囲 まれている。 水 素 充 填 圧 力 は 35MPa 及 び 70MPa である。ステーションにおけるアイランド の設 置 は以 下 の通 りで、アイランド間 のディスペンサー の距 離 は約 5m である(図 Ⅲ-3)。また、水 素 ディスペンサー及 び CNG ディスペンサーから公 道 までは 20m 以 上 離 れている。 ・水 素 アイランド(35MPa 用 ディスペンサー、70MPa 用 ディスペンサー) ・CNG アイランド(CNG ディスペンサー) 水 素 は、下 水 処 理 施 設 において下 水 から得 られるメタンガスを 改 質 して作 って いる。水 素 蓄 圧 器 の近 くに水 素 圧 縮 機 らしきものを 確 認 したが 、CNG 蓄 圧 器 及 び CNG 圧 縮 機 は確 認 できかった (図 Ⅲ-2)。図 Ⅲ-4 に水 素 蓄 圧 器 が設 置 してあ る区 画 の外 観 を示 す。水 素 蓄 圧 器 が設 置 してある区 画 は周 りをフェンスで囲 ま れており、フェンスから CNG ディスペンサーまでの距 離 は約 8m である。 フェンスには、緊 急 時 の連 絡 先 、 NFPA704 の表 示 (Fire Diamond) 2 1 及 び注 意 事 項 が 掲 示 さ れ て い る 。 緊 急 時 の 連 絡 先 は 、 水 素 設 備 を 管 理 し て い る Air Product 社 となっている。NFPA704 の表 示 では、引 火 点 は 23℃より低 いこと(赤 4)、短 時 間 の 暴 露 に よって 一 時 的 障 害 や 後 遺 症 を 起 こ す 可 能 性 があるこ と (青 3)、炎 にさ らされる状 況 も含 めて通 常 は安 定 で水 と 反 応 しない こと (黄 0)、特 記 事 項 のないこと(白 0 )が示 されてい る。 注 意 事 項 では、「高 圧 の可 燃 性 ガス、禁 煙 、火 気 厳 禁 、Air product 社 の化 学 物 質 安 全 性 データシート(MSDS)に従 って 使 用 している」と記 載 されている。 [2 0 ] O ra n ge C o u n t y Sa n i ta t i on Di s t ri c t ( O C SD ) [2 1 ] N F P A 7 0 4 で 規 定 さ れ て い る 表 示 で あ り 、 化 学 薬 品 等 の 危 険 性 を 色 と 数 字 ( レ ベ ル ) で 示 して い る 。 青 は 健 康 障 害 、 赤 は 燃 焼 性 、 黄 色 は 不 安 定 性 、 白 は 特 記 事 項 を 表 し て い る 。 19 公 道 私 道 水 素 ディスペンサー 水素蓄圧器 CNG ディスペンサー 下水処理設備 サ ンタ ア ナ 川 20m 図 Ⅲ-2 水 素 ステーションの外 観 住 所 : 1 0 8 4 4 El l i s A v e , F ou n tai n V al l e y , C A 9 2 7 0 8 出 典 :Google Map 20 図 Ⅲ-3 水 素 ディスペンサーと CNG ディスペンサー 図 Ⅲ-4 水 素 蓄 圧 器 の設 置 場 所 21 7.2 O CSD ステーションのセルフ 充 填 について OCSD ステーションは無 人 であり、水 素 及 び CNG はともにセルフ充 填 で行 われ ている。しかしながら、燃 料 電 池 自 動 車 又 は CNG 自 動 車 に誰 でも充 填 が可 能 な わけではなく、OCSD ステーションで充 填 を 行 うためには PIN ナンバーと呼 ばれて いる暗 証 番 号 が必 要 となる。基 本 的 には PIN ナンバーはステーションごとに必 要 であるが、ステーションのオーナーが共 通 の場 合 には同 じ PIN コードが使 用 でき るステーションもある。PIN ナンバーは、ステーションのオーナーが準 備 したセルフ 充 填 用 のト レーニングを 受 け るこ と により 取 得 で きる。 AHJ は 、ト レーニングの内 容 についての確 認 は行 っていない。なお、 ファウンテンバレーのガソリンのセルフ 充 填 では PIN ナンバーは要 求 されていない。 水 素 及 び CNG のディスペンサーの外 観 をそれ ぞれ図 Ⅲ-5 及 び 図 Ⅲ-6 に示 す。 CNG ディスペンサーには 充 填 説 明 文 が記 載 されていた(図 Ⅲ-7)。CNG のディス ペンサーの充 填 説 明 文 を以 下 に示 す。また、CNG ディスペンサーではモニターで 動 画 による充 填 説 明 も行 われている( 図 Ⅲ-8)。なお、モニターで充 填 トレーニン グを実 施 している CNG スタンドもあり、初 回 に充 填 トレーニングを 見 てクレジットカ ードで支 払 いを行 なった場 合 、次 回 に同 じ クレジットカードを使 用 すれば再 度 充 填 トレーニングを見 ずに 充 填 を行 うことができる。水 素 ディスペンサーには 充 填 に 関 する説 明 文 の記 載 及 びモニターによる充 填 説 明 は行 われていない。 35MPa と 70MPa の水 素 の充 填 には、異 なる種 類 のノズルが使 用 されている。 なお、70MPa の水 素 の充 填 ノズルには、車 両 側 の容 器 内 の圧 力 、温 度 の情 報 が得 られる赤 外 線 通 信 システムが備 わっている( 図 Ⅲ-9)。 充填方法指示書 エンジンを停 止 すること、タバコは吸 わないこと、可 燃 性 ガスです。 1 . 車 両 の イ グ ニ ッ シ ョ ン ス イ ッ チ が オ フ に な っ て い る こと を 確 認 し て 下 さ い 。 2 . 手 動 遮 断 弁 と 緊 急 シ ャ ッ トダ ウ ン ボ タン の 位 置 を 確 認 し て 下 さ い 。 3.ホルダーから給 油 ノズルを取 り外 し、車 両 のレセプタクルに接 続 して下 さい。 (ノズルを O N/ F I L L の 位 置 に 回 し て 下 さ い ) 。 4.(a.)ディスペンサーがカードリーダーによって制 御 されている場 合 、あなたのカードを挿 入 しカ ード リ ー ダ ー の 指 示 に 従 っ て くだ さ い 。 ( b . ) デ ィ ス ペ ン サ ー が カ ード リ ー ダ ー によ っ て 制 御 さ れ て い な い 場 合 、 # 5 へ 進 ん で く だ さ い 。 5 . 充 填 口 の ハ ン ド ル を 持 ち 上 げ ま す 。 ( 充 填 口 は ゼ ロ に な り 、 充 填 が 開 始 さ れ ます ) 。 6 . 画 面 の " 充 填 % " で 充 填 の 進 捗 状 況 を 確 認 し ます 。 7 . 充 填 が 終 っ た ら ( ノ ズ ル を ベ ン ト / OF F の 位 置 に 回 し ) 充 填 ノ ズ ル を 車 両 か ら 取 り 外 し て 下 さ い。 8.充 填 口 のハンドルを下 に下 げ、充 填 ノズルをホルダーに戻 して下 さい。 22 図 Ⅲ-5 水 素 ディスペンサーの外 観 図 Ⅲ-6 CNG ディスペンサーの外 観 23 図 Ⅲ-7 CNG 充 填 の説 明 文 図 Ⅲ-8 CNG 充 填 の説 明 動 画 24 通信部 図 Ⅲ-9 70MPa 用 水 素 充 填 ノズル 8. Irvine ステーション 8.1 Irvine ステーションの離 隔 距 離 につい て 図 Ⅲ-10 にカリフォルニア大 学 アーバイン校 内 の駐 車 場 に設 置 されているステ ーション(以 下 Irvine ステーション)の外 観 を示 す。 水 素 充 填 圧 力 は 35 MPa 及 び 70 MPa である。水 素 ディスペンサーから公 道 ま では 15m 以 上 離 れている。 トレーラーで輸 送 してきた液 体 水 素 を気 化 し圧 縮 機 を用 いて 40MPa まで昇 圧 されて蓄 圧 器 に蓄 えられる。35 MPa の充 填 では蓄 圧 器 から、70 MPa の充 填 で は圧 縮 機 から充 填 を行 っている。なお、70 MPa の充 填 のみプレクール設 備 を通 して一 度 水 素 を冷 却 してから燃 料 電 池 自 動 車 へ 充 填 を行 っている(図 Ⅲ-11)。 図 Ⅲ-10 に水 素 蓄 圧 器 、水 素 圧 縮 機 及 び液 体 水 素 容 器 が設 置 してある区 画 を破 線 で示 す 。水 素 蓄 圧 器 が設 置 してある区 画 は周 りを 壁 で囲 まれており 、ディ スペンサーまでの距 離 は約 1m、公 道 までの距 離 は約 10mである。 ステーション内 には、緊 急 時 の連 絡 先 及 び NFPA704 の表 示 21 が掲 示 されて いる(図 Ⅲ-12)。緊 急 時 の連 絡 は、最 初 に緊 急 通 報 用 電 話 番 号 911 に連 絡 し、 それから水 素 設 備 を管 理 している Air Product 社 の順 で連 絡 することに なってい る。なお、NFPA704 の表 示 内 容 は OCSD ステーションと同 じであった。 25 水素蓄圧器 水 素 ディスペンサー 水素圧縮機 10m 液体水素容器 図 Ⅲ-10 Irvine ステーションの外 観 住 所 : 1 9 1 7 2 J a m b or e e R d , I rvi n e , C A 9 2 6 1 2 出 典 :Google Map 26 図 Ⅲ-11 水 素 蓄 圧 器 及 びプレクーラー 図 Ⅲ-12 水 緊 急 時 の連 絡 先 及 び NFPA704 の表 示 27 8.2 Irvine ステーションのセルフ 充 填 について Irvine ステーションは無 人 でありセルフ 充 填 で行 われている。こちらのステーシ ョンでも燃 料 電 池 自 動 車 へ水 素 を 充 填 するためには、充 填 トレーニング後 に得 ら れる PIN ナンバーが必 要 となる。 水 素 ディスペンサーの外 観 をそれ ぞれ図 Ⅲ-13 に示 す。Irvine ステーションでも 35MPa と 70MPa の水 素 の充 填 には、異 なる種 類 のノズルが使 用 されている。 な お、Irvine ステーションの 70MPa の水 素 の充 填 ノズルには、車 両 側 の容 器 内 の 圧 力 、温 度 の情 報 が得 られる赤 外 線 通 信 システムが備 わっていな い。 図 Ⅲ-13 水 素 ディスペンサー 28 9. Clean Ener gy ステ ーション 9.1 Clean Energy ステーションの離 隔 距 離 について 図 Ⅲ-14 にロサンゼルス国 際 空 港 近 くにある Clean Energy ステーションの外 観 を示 す。Clean Energy ステーションは、OCSD ステーションと同 様 に 既 に運 用 さ れている Clean Energy 社 の CNG スタンドの敷 地 内 に Air Product 社 によって水 素 ステーションが建 設 され管 理 されてい る。 ステ ーションは、公 道 と駐 車 場 に囲 ま れている。なお、ステーションは後 述 する GM の燃 料 電 池 自 動 車 プロジェクトに利 用 されている。 水 素 充 填 圧 力 は 70 MPa のみである。ステーションにおけるアイランドの設 置 は以 下 の通 りで、 最 も近 い 水 素 ディペンサーと CNG ディスペンサーの距 離 は 約 10m である。また、水 素 ディスペンサーから歩 道 までは 15m 以 上 離 れており、歩 道 と水 素 ディスペンサー間 には防 火 壁 に囲 まれた高 圧 水 素 設 備 がある 。 ・水 素 アイランド(70MPa 用 ディスペンサー) ・CNG アイランド(CNG ディスペンサー) Clean Energy ステーションでは CNG の改 質 は行 っておらず、長 尺 容 器 に充 填 された状 態 (充 填 圧 力 15MPa)でトレーラーにより運 ばれてくる水 素 を利 用 してい る ( 図 Ⅲ-15 ) 。長 尺 容 器 内 の水 素 は 圧 縮 機 を用 いて 45MPa 又 は 100MPa ま で昇 圧 さ れて 蓄 圧 器 に蓄 えられる ( 図 Ⅲ-16 ) 。100MPa の蓄 圧 器 は最 大 許 容 使 用 圧 力 114MPa で ASME の認 証 を受 けており、材 質 は SA-372 2 2 である。蓄 圧 器 の 水 素 は 、 プ レ ク ー ル 設 備 を 通 し て -20 ℃ ま で 水 素 を 冷 却 し て か ら 燃 料 電 池 自 動 車 へ充 填 している。プレクールには液 体 窒 素 を利 用 している。 図 Ⅲ -17 に 水 素 蓄 圧 器 が 設 置 し て あ る 区 画 の 外 観 を 示 す 。 水 素 蓄 圧 器 と CNG 蓄 圧 器 の 離 隔 距 離 は 約 4 m で あ り 、 間 は 防 火 壁 に よ っ て 隔 て ら れ て い る ( 図 Ⅲ -18 ) 。 な お 、 敷 地 内 の セ メ ン ト ブ ロ ッ ク と セ メ ン ト で 作 ら れ て い る 防 火 壁 は NFPA 規 格 で規 定 さ れている 2 時 間 以 上 の耐 火 性 能 を備 えている。 [2 2 ] 平 成 2 1 年 度 北 米 に お け る 水 素 ス テ ー シ ョ ン の 技 術 動 向 調 査 報 告 書 29 水 素 スタンド CNG スタンド 10m 駐車場 水素蓄圧器 水素圧縮機 水素ディスペンサー 水素トレーラー CNG 蓄圧器 図 Ⅲ-14 Clean Energy ステーションの外 観 住 所 : 1 0 4 0 0 A v i a ti o n B ou l e va r d , L o s A n ge l e s , C A 9 0 0 4 5 出 典 :Google Map 30 図 Ⅲ-15 トレーラーによって運 ばれた水 素 ↑プレクール設 備 蓄圧器→ 図 Ⅲ-16 水 素 蓄 圧 器 及 びプレクール設 備 31 水素蓄圧器 液体窒素 水素圧縮機 水 素 ディスペンサー CNG 蓄 圧 器 図 Ⅲ-17 水 素 蓄 圧 器 の設 置 場 所 図 Ⅲ-18 NFPA 規 格 で規 定 されている防 火 壁 32 9.2 Clean Energy ステーションのセルフ 充 填 について Clean Energy ステーションは無 人 であり、水 素 及 び CNG はともにセルフ充 填 で 行 わ れ てい る 。 水 素 の 充 填 で は 、 充 填 ノ ズ ルの 着 脱 作 業 以 外 の 充 填 作 業 は 遠 隔 で操 作 することが可 能 である。 Clean Energy ステーションにおいても燃 料 電 池 自 動 車 へ水 素 を 充 填 するためには、充 填 トレーニング後 に得 られる PIN ナンバー が必 要 となる。 GM は、事 前 に 充 填 トレーニングを行 った 200 世 帯 の家 族 とメディア関 係 者 を 含 む約 500 人 に対 して、120 台 の燃 料 電 池 自 動 車 を 一 定 期 間 貸 すことで運 転 及 び 充 填 に 関 す る情 報 を 得 てい る 。こ れ ら の情 報 は、 SAEJ2601 2 3 の充 填 プ ロト コルにも取 り 入 れられてい る。 こ れまで に Clean Energy ステーションではお よそ 100 人 で約 2,000 回 、GM のプロジェクト全 体 では約 25,000 回 の充 填 を行 ってい る。 OCSD ステーションと同 様 に CNG ディスペンサーには充 填 説 明 文 の記 載 及 び モニターによる充 填 説 明 が行 われているが、水 素 ディスペンサーでは充 填 説 明 は行 われていない。 [2 3 ] Fu e l i n g P r o t o c ol s f o r Li g h t Du ty G a s e ou s H y d r o ge n Su r fa c e V e h i c l e s 10. Chevron ステ ーション 10.1 Chevron ステーションの離 隔 距 離 について 図 Ⅲ -19 に ハ ー バ ー シ テ ィ ー に あ る Chevron ス テ ー シ ョ ン の 外 観 を 示 す 。 Chevron ステーションは、既 に運 用 されている Chevron 社 のガソリンスタンドの敷 地 内 に Air Product 社 によって水 素 ステーションが建 設 中 である。ステーションは 公 道 と駐 車 場 に囲 まれている。 水 素 充 填 圧 力 は 35 MPa 及 び 70 MPa である。ステーションにおけるアイランド の設 置 は以 下 の通 りで、最 も近 い水 素 ディペンサーとガソリンディスペンサーの 距 離 は約 2 m である (図 Ⅲ -20) 。また、水 素 ディスペ ンサー及 び ガソリ ン ディスペ ンサーから歩 道 までは 10m 以 上 離 れている。 ・水 素 アイランド(35MPa 用 ディスペンサー、70MPa 用 ディスペンサー) ・ガソリンアイランド(ガソリンディスペンサー) Chevron ステーションでは Clean Energy ステーションと同 様 に、長 尺 容 器 に 充 填 さ れた状 態 ( 充 填 圧 力 約 50MPa)でト レーラ ーにより 運 ばれてくる水 素 を 利 用 している ( 図 Ⅲ-21 ) 。長 尺 容 器 内 の水 素 は圧 縮 機 を用 いて 約 100MPa まで昇 圧 されて蓄 圧 器 に蓄 えられる ( 図 Ⅲ-21 ) 。蓄 圧 器 は外 側 に GFRP(ガラス繊 維 強 化 プラスチック)を巻 いたフープラップ構 造 であり、 ASME の認 証 を受 けている。 33 70 MPa の充 填 のみプレクール設 備 を通 して-20℃まで水 素 を冷 却 し てから燃 料 電 池 自 動 車 へ 充 填 している(図 Ⅲ-22)。 圧 縮 機 、蓄 圧 器 及 びトレーラー が設 置 してある 高 圧 水 素 設 備 の 区 画 は壁 と フ ェンスで囲 まれている ( 図 Ⅲ-21 ) 。の外 観 を示 す。図 Ⅲ-19 に高 圧 水 素 設 備 を 囲 んでいる壁 の部 分 を赤 の実 線 で、フェンスの部 分 を 青 の破 線 で示 す。 なお、敷 地 内 のセメントブロックとセメントで作 られている 防 火 壁 は NFPA 規 格 で規 定 され ている 2 時 間 以 上 の 耐 火 性 能 を備 えている。 プレクール設 備 水 素 ディスペンサー 高圧水素設備 10m 図 Ⅲ-19 Chevron ステーション(建 設 中 )の外 観 住 所 : 2 5 8 0 0 W e s t e rn A ve , Ha r b o r Ci t y , CA 9 0 7 1 0 高 圧 水 素 設 備 は 左 か ら 、圧 縮 機 、蓄 圧 器 、トレ ーラー( 長 尺 容 器 ) 。 出 典 :Google Map 34 図 Ⅲ-20 水 素 ディスペンサー(手 前 )とガソリンディスペンサー(奥 2 台 ) 図 Ⅲ-21 トレーラー(左 )及 び蓄 圧 器 (右 ) 35 図 Ⅲ-22 プレクール設 備 10.2 Chevron ステーションのセルフ 充 填 について Chevron ステーションではガソリンの充 填 と同 様 に水 素 もセルフ充 填 で行 われ る 予 定 で あ る 。 なお 、 こ ち ら の ステ ー シ ョ ン で も 燃 料 電 池 自 動 車 へ 水 素 を 充 填 す るためには、充 填 トレーニング後 に得 られる PIN ナンバーが必 要 となる。 36 11. Shell ステーション 11.1 Shell ステーションの離 隔 距 離 につい て 図 Ⅲ-23 にトーランスにある Shell ステーションの外 観 を示 す。 Shell ステーショ ンは、Toyota Motor Engineering & Manufacturing North America, Inc. が所 有 する土 地 を借 りて運 用 されている。ステーションは公 道 と駐 車 場 に囲 まれている。 水 素 充 填 圧 力 は 35 MPa 及 び 70 MPa である。ステーションには、35 MPa と 70 MPa 組 合 せのディスペンサーが 2 台 ある(図 Ⅲ-24)。水 素 ディスペンサーから 公 道 までは 10m 以 上 離 れている。 Shell ステーションでは、カーソンにある Air Product 社 から地 中 のパイプライン で運 ばれてくる 水 素 を 利 用 し てい る(図 Ⅲ -25)。パイプラインで 運 ばれてくる水 素 の圧 力 は 5.9MPa であり、将 来 的 には 3.4MPa となる予 定 である。水 素 は圧 縮 機 を用 いて 45MPa 又 は 93MPa まで昇 圧 されて蓄 圧 器 に蓄 えられる。70 MPa の充 填 の み プ レ ク ー ル 設 備 を 通 し て -20 ℃ ま で 水 素 を 冷 却 し て か ら 燃 料 電 池 自 動 車 へ充 填 している(図 Ⅲ-26)。 圧 縮 機 か ら 隣 接 する 駐 車 場 ま での 距 離 は 約 4 m 、 蓄 圧 器 か ら 歩 道 まで の 距 離 は約 7 m であ る。 圧 縮 機 、蓄 圧 器 及 び プレクール 設 備 が設 置 し てある 区 画 は 壁 とフェンスで囲 まれている。 ステーション内 には、緊 急 時 の連 絡 先 、NFPA704 の表 示 21 及 び注 意 事 項 が 掲 示 されている。緊 急 時 の連 絡 先 は 緊 急 通 報 用 電 話 番 号 911 となっている。ま た、ステーションのオーナーである Shell への連 絡 先 も記 載 してある。 NFPA704 の 表 示 では、燃 焼 性 (赤 4)及 び安 定 性 (黄 0)については OCSD ステーション及 び Irvine ステーションと同 じとなっている。一 方 、健 康 障 害 を表 す青 と特 記 事 項 を示 す白 は異 なっており、健 康 障 害 を引 き起 こ さず、防 護 措 置 を必 要 としない (青 0)、 窒 息 性 の ガ ス で あ る こ と ( 白 SA ) が 示 さ れ て い る ( 図 Ⅲ -27 ) 。 注 意 事 項 で は OCSD ステーションと同 じく、「高 圧 の可 燃 性 ガス、禁 煙 、火 気 厳 禁 、 Air product 社 の MSDS に従 って使 用 している」と記 載 されている 。 37 圧縮機 蓄圧器 プレクール設 備 水 素 ディスペンサー 10m 図 Ⅲ-23 Shell ステーションの外 観 住 所 :2051 190th St, Torrance, CA 90501 出 典 :Google Map 38 図 Ⅲ-24 水 素 ディペンサー(表 : 35MPa、裏 :70MPa) 図 Ⅲ-25 水 素 パイプライン 39 図 Ⅲ-26 プレクール設 備 図 Ⅲ-27 NFPA704 の表 示 40 11.2 Shell ステーションのセルフ 充 填 について Shell ステーションはセルフ充 填 となっている。なお、こちらのステーションでも燃 料 電 池 自 動 車 へ 水 素 を 充 填 するために は、 充 填 ト レーニング 後 に得 られる PIN ナンバーが必 要 となる。ステーションのオーナーである Shell が各 車 メーカーの担 当 者 へ充 填 トーニングを行 い、その後 各 車 メーカーの担 当 者 がユーザー(運 転 手 )へ充 填 トレーニングを行 っている。ユーザーへの充 填 トレーニング終 了 後 、 PIN ナ ンバ ーはステ ーシ ョン オー ナーか ら 各 車 メ ーカ ーの 担 当 者 を 介 し て ユー ザ ーへ渡 されている。 1 2 . C N G ス タ ン ド と の併 設 を よ り 容 易 に す る た め の 設 備 間 距 離 規 制 の 緩 和 に つ いて アメリカの規 制 における水 素 ステーションと CNG スタンドが併 設 されている場 合 の、水 素 圧 縮 機 と CNG 圧 縮 機 及 び水 素 蓄 圧 器 と CNG 蓄 圧 器 の離 隔 距 離 につ いてまとめた。 12.1 IFC(2009)による解 釈 使 用 する水 素 の圧 力 及 び容 積 に関 係 なく 最 小 離 隔 距 離 が定 められている。 水 素 圧 縮 機 と CNG 圧 縮 機 及 び水 素 蓄 圧 器 と CNG 蓄 圧 器 の最 小 離 隔 距 離 は、 相 互 に緊 急 遮 断 ができるもので 7.6m、相 互 に緊 急 遮 断 ができないものは 15.2m と定 められている。また、設 備 間 の半 径 距 離 内 に 2 時 間 の耐 火 性 を有 する壁 を 設 けることで最 小 離 隔 距 離 を 1.5m まで短 くすることができる。ただし、緩 和 を認 めるかについては、水 素 ステーションの設 置 場 所 の許 認 可 権 を有 する AHJ の判 断 による。 12.2 NFPA55(2005) による解 釈 使 用 する水 素 の圧 力 に関 係 なく最 小 離 隔 距 離 が定 められている。水 素 圧 縮 機 と CNG 圧 縮 機 及 び水 素 蓄 圧 器 と CNG 蓄 圧 器 の最 小 離 隔 距 離 は CNG 側 の 容 積 が 425m 3 以 下 の場 合 は 3.1m、容 積 が 425m 3 を超 えるものは 7.6m と定 めら れている。また、設 備 間 の半 径 距 離 内 に 2 時 間 の耐 火 性 を有 する壁 を設 けるこ とで最 小 離 隔 距 離 を短 くすることができる。ただし、緩 和 を認 めるか 及 び緩 和 後 の最 小 離 隔 距 離 については、水 素 ステーションの設 置 場 所 の許 認 可 権 を有 する AHJ の判 断 による。 12.3 NFPA55(2010) による解 釈 使 用 する水 素 の圧 力 と配 管 内 径 により最 小 離 隔 距 離 が定 められている。 圧 力 範 囲 51.711<P≦103.421 MPa、配 管 内 径 7.16mm 以 下 の場 合 は、水 素 圧 縮 機 と CNG 圧 縮 機 及 び水 素 蓄 圧 器 と CNG 蓄 圧 器 の最 小 離 隔 距 離 は 4.7m と定 め 41 られている。また、配 管 内 径 7.16mm 以 下 の場 合 には計 算 によって最 小 離 隔 距 離 を短 くできる。さらに、設 備 間 の半 径 距 離 内 に 2 時 間 の耐 火 性 を有 する壁 を 設 けることで最 小 離 隔 距 離 を短 くすることができる。ただし、緩 和 を認 めるか 及 び 緩 和 後 の最 小 離 隔 距 離 については、水 素 ステーションの設 置 場 所 の許 認 可 権 を有 する AHJ の判 断 による。 13.公 道 とディスペンサーとの距 離 に係 る障 害 等 の代 替 措 置 の設 置 について アメリカの規 制 における水 素 ディスペンサーと公 道 の距 離 についてまとめた。 13.1 IFC(2009)による解 釈 使 用 する水 素 の圧 力 及 び容 積 に関 係 なく水 素 ディスペンサーと公 道 の最 小 離 隔 距 離 は 4.6m と定 められている。最 小 離 隔 距 離 の 緩 和 措 置 については定 め られていない。 13.2 NFPA52(200 6)による解 釈 使 用 する水 素 の圧 力 及 び容 積 に関 係 なく水 素 ディスペンサーと公 道 の最 小 離 隔 距 離 は 3.1m と定 められている。最 小 離 隔 距 離 の 緩 和 措 置 については定 め られていない。 13.3 NFPA52 (2010) による解 釈 使 用 する水 素 の圧 力 及 び容 積 に関 係 なく水 素 ディスペンサーと公 道 の最 小 離 隔 距 離 は 3.0m と定 められている。最 小 離 隔 距 離 の 緩 和 措 置 については定 め られていない。 14.セルフ充 填 式 水 素 スタ ンド 実 現 に向 けた高 圧 ガス製 造 の許 可 を 受 けた者 以 外 による水 素 の 充 填 行 為 の許 容 について IFC(2009)では、水 素 ステーションの所 有 者 はセルフ 充 填 を行 う際 は、安 全 な 使 い方 、従 業 員 及 び 充 填 者 へのトレーニング、緊 急 時 の連 絡 を提 供 することに なっている。ただし、具 体 的 な内 容 につい ての記 載 はない。 15.公 道 でのガス欠 対 応 のための 充 填 場 所 の確 保 につい て IFC(2009)、NFPA52(2010)及 び NFPA55(2010)には水 素 ステーション以 外 の 充 填 については定 められていない。したがって、水 素 ステーション以 外 で 充 填 際 は水 素 ステーション同 じ保 安 距 離 の確 保 が必 要 となる。 42 Ⅳ.ドイツ 1.ドイツにおける調 査 先 表 Ⅳ-1 にドイツにおける調 査 先 の組 織 名 及 び対 応 者 を示 す。 表 Ⅳ-1 ドイツにおける調 査 先 一 覧 分類 組織名 対応者 規格作成 TÜV Rheinland GmbH 1 Marc Krugmann 規制 コンサルタント 運用者 Stefan Behrning Ludwig-Bolkow-Systemtechnik GmbH 2 Air Liquide Deutschland GmbH Ulrich Buenger Andrés Fernández durán NOW GmbH 3 Kristin Deason [1 ] h t t p : / / w ww . t u v .c o m / e n / c o r p o ra t e / h o m e . j s p [2 ] Lu d wi g - B ol k o w - S y s te m t e c h n i k G m b H ( L B S T ) 水 素 ・ 燃 料 電 池 分 野 で 有 力 な コ ン サ ル 企 業 。 欧 州 連 合 、 ド イ ツ の 水 素 関 連 プ ロ ジ ェ ク ト を 多 数 実 施 ( 例 . H y A p p r o val 、 H y Wa y s 、 G e rm an H y 、 H y L i gh t s 、 N e x t Hy Li g h t s 、 H 2 m o ve s Sc an d i n a vi a 、 Hy Li f t ) h t t p : / / w ww .l b s t . d e / [3 ] N a ti on a l e O r g a n i s a t i o n W a s s e r s t o f f - u n d B r e n n s t o f f z e l l e n t e c h n ol o g ( ド イ ツ 水 素 ・ 燃 料 電 池 機 構 )。ドイツにおける国 家 プログラム「ドイツ水 素 ・燃 料 電 池 技 術 革 新 プログラム (NIP)」実 施 のために設 置 された半 官 半 民 組 織 。所 在 地 はベルリン。 NIP に関 わるプログ ラ ム 助 成 と プ ロ グ ラ ム 管 理 、 ド イ ツ に お け る F CV 普 及 ・ イ ン フ ラ 戦 略 を 行 う 。 日 本 の 独 立 行 政 法 人 新 エネルギー・産 業 技 術 総 合 開 発 機 構 (NEDO)新 エネルギー部 の機 能 と、燃 料 電 池 実 用 化 推 進 協 議 会 (FCCJ)の機 能 を併 せ持 つ。 w ww .n o w - g m bh . de / 43 2.水 素 ステーションに関 するドイツの法 体 系 欧 州 連 合 の規 制 ( regulation)は、EU 閣 僚 理 事 会 で 制 定 さ れ、 そのまま欧 州 連 合 のメンバー国 を 直 接 束 縛 する( 各 国 内 での立 法 措 置 は不 要 ) 。各 国 の法 令 よりも上 位 概 念 であり、これに反 する国 内 法 は、その部 分 が無 効 となる。 欧 州 連 合 の指 令 (directive) 4 は欧 州 連 合 の目 標 を示 すもので、メンバー国 は 指 令 に従 い 、一 定 期 間 内 に国 内 法 ・国 内 規 則 に反 映 し なければならない 。 指 令 はコンセプトと枠 組 みのみを規 定 しており、詳 細 な運 用 は各 国 に任 されている。 例 え ば 欧 州 圧 力 機 器 指 令 ( 97/23/EC 、 通 称 「 PED 」 ) 5 と 欧 州 防 爆 指 令 ( 94/9/EC 、 通 称 「 ATEX 」 ) 6 は 、 そ れ ぞ れ 以 下 の よ う に ド イ ツ 製 品 安 全 法 (Produktsicherheitsgesetz :GPSG) 7 における実 施 規 則 (令 ) 8 として反 映 されて いる。 欧 州 圧 力 機 器 指 令 PE D ( 9 7 / 2 3 /E C ) → ドイツ 製 品 安 全 法 規 則 1 4 ( 1 4 . G PSG V ) 9 欧 州 防 爆 指 令 A T E X ( 94 / 9 / E C ) → ドイ ツ 製 品 安 全 法 規 則 1 1 ( 1 1 . G PS GV ) 1 0 [4 ] 欧 州 連 合 指 令 は 、 「 年 / 通 し 番 号 ( C O M 番 号 ) / 採 択 組 織 ( 大 抵 は E C か E E C ) 」 の よう に 番 号 が振 られている。通 し番 号 は、テーマ・分 野 に関 係 なく割 り振 られており、例 えば 「97/23/EC」は欧 州 圧 力 機 器 指 令 であるが、その前 の「 97/22/EC」は動 物 由 来 製 品 から の感 染 症 予 防 措 置 に関 する指 令 である。 h t t p : / / e u r - l e x .e u r o p a . e u / L e x U ri Se r v/ Le x U ri S e rv . d o? u ri = C E L E X :3 1 9 9 7 L0 0 2 2 : E N : H T ML [5 ] 欧 州 圧 力 機 器 指 令 P re s s u re E q u i p me n t Di r e c ti ve ( P E D ) h t t p : / / e c .e u r o p a . e u / e n te r p ri s e / s e c t o r s / pr e s s u r e - a n d- g a s/ d o c u m e n t s / pe d / [6 ] 欧 州 防 爆 指 令 A t m o s p h e re E x p l o si b l e P r o du c t Di re c ti ve ( A T E X) h t t p : / / e c .e u r o p a . e u / e n te r p ri s e / s e c t o r s / me c h an i c al / d oc u me n t s / l e gi s l a ti o n / a t e x/ i n de x _ e n . h t m [7 ] 正 式 名 称 は G e s e t z ü be r d i e Be re i t s t e l l u n g v on P r o d u k te n a u f de m Ma r k t h t t p : / / w ww . g e se t ze - i m - i n t e r n e t . de / p r o d s g _ 2 0 1 1 / i n de x . h t ml [8 ] ド イ ツ の 法 律 ・ 規 則 に は 略 号 が 用 い ら れ て い る が 、 末 尾 の 「 V 」 は 実 施 規 則 ( 令 ) V e r or d n u n ge n ( = 英 O r d i n a n c e ) で あ る こと を 示 し て い る 。 例 . 「 ド イ ツ 製 品 安 全 法 G P S G 」 に お け る 実 施 規 則 ( 令 ) は「 ド イ ツ 製 品 安 全 法 規 則 G P S G V 」 。 [9 ] ド イ ツ 製 品 安 全 法 規 則 1 4 h t t p : / / w ww . g e se t ze - i m- i n te r n e t . de / g s g v _ 1 4 / i n d e x. h t ml [1 0 ] ド イ ツ 製 品 安 全 法 規 則 1 1 44 「道 路 での危 険 物 の国 際 輸 送 に関 する欧 州 協 定 ( ADR)」 1 1 のよう な国 際 合 意 も、各 国 が国 内 法 ・規 則 に翻 訳 しなければならない。 ADR は、ドイツでは道 路 ・ 鉄 道 ・ 水 路 で の 危 険 物 規 則 ( Gefahrgutverordnung Straße, Eisenbahn und Binnenschifffahrt – GGVSEB) 1 2 として国 内 規 則 化 されている。 ADR は協 定 に参 加 している EU 内 の国 のみに効 力 を発 揮 するため、欧 州 連 合 指 令 よりも強 制 力 が弱 い。しかしながら、ADR 協 定 している国 では欧 州 連 合 指 令 と ADR はともに国 内 規 則 となり区 別 はほとんどない。 ド イツ産 業 安 全 衛 生 規 則 ( Betriebssicherheitsverordnung :BetrSichV ) 1 3 、ド イツ労 働 安 全 衛 生 法 ( Arbeitsschutzgesetz :ArbSchG) 1 4 る規 則 であり、圧 力 容 器 ・ 配 管 部 品 ( 蒸 気 ボイラー 、 圧 力 容 器 、ガ ソリ ンスタ ンド 、 貯 蔵 装 置 、 充 電 ステ ーションなど)の運 用 安 全 ・安 全 性 評 価 、発 火 ・爆 発 リスクと保 護 対 策 について 記 載 されている。 ド イ ツ 連 邦 汚 染 防 止 法 ( Bundesimmissionsschutzgesetz : BImSchG ) 1 5 国 内 法 であり、環 境 保 全 に関 わる法 律 が記 載 されており、その詳 細 は、実 施 規 制 ( 令 ) で あ る 一 連 の 連 邦 汚 染 防 止 規 則 ( BImschV ) 1 6 定 め ら れ て い る 。 水 素 ス テ ーション設 置 に関 しては、第 4 規 則 (4.BImschV:設 置 とライセンス) 1 7 第 12 規 則 (12.BImschV:主 要 アクシデント) 1 8 も関 係 する。 欧 州 とドイツにおける法 体 系 を 表 Ⅳ-1 に示 す。欧 州 の指 令 ・協 定 はすべてドイ ツ国 内 法 に反 映 されているため基 本 的 に矛 盾 はない。 表 Ⅳ-1 水 素 ステーションに関 わるドイツの法 体 系 国際 EU レベル ドイツ - ドイツ労 働 安 全 衛 生 法 ドイツ産 業 安 全 衛 生 規 則 - ドイツ連 邦 汚 染 防 止 法 規制 (義 務 ) 指 令 (Directive) 国 内 法 へ の 書 き 換 え - PED - ドイツ機 器 ・製 品 安 全 法 (high pressure vessels) 製 品 安 全 法 規 則 14(14. GPSGV) - ATEX - ドイツ機 器 ・製 品 安 全 法 (explosive equipments) 製 品 安 全 法 規 則 11(11. GPSGV) 業界規 制 基準 - ISO - IEC 国 際 協 定 (Agreement) 国 内 法 へ の 書 き 換 え - ADR(dangerous goods) - 道 路 ・鉄 道 ・水 路 での危 険 物 規 則 - EIGA "Gaseous Hydrogen - VdTÜV-Merkblätter(design / Station"(design / operation) operation) - VdTUV-Werkstoffblätter(materials) - EN - DIN ほぼ同 じ [1 1 ] 正 式 名 ( 英 語 ) は Eu r o p e a n A g re e me n t c o n c e rn i n g t h e I n te r n a ti o n al C a rr i a g e o f 45 Da n ge r ou s G o o d s b y R o a d 。 欧 州 を 中 心 に 、 ロ シ ア 、ト ル コ 、 ウ ク ラ イ ナ な ど も 参 加 し て い る ( ア ル バ ニ ア 、 ア ン ド ラ 、 オ ー ス トリ ア 、 ア ゼ ル バ イ ジ ャン 、 ベ ラ ル ー シ 、 ベ ル ギ ー 、 ボ ス ニ ア ヘ ル ツェ ゴ ビ ナ 、 ブ ル ガ リ ア 、 ク ロ ア チ ア 、 キ プ ロ ス 、 チ ェ コ 共 和 国 、 デ ン マ ー ク 、 エ ス ト ニ ア 、 フ ィ ン ラ ンド 、 フ ラ ン ス 、 ド イ ツ 、 ギ リ シ ャ 、 ハ ンガ リ ー 、 ア イ ス 、 ア イ ル ラ ン ド 、 イ タ リ ア 、 カ ザ フ ス タン 、 ラ ト ビア 、 リ ヒ テ ン シ ュ タ イ ン 、 リト ア ニ ア 、 ル ク セ ン ブ ル グ 、 マ ル タ 、 モ ルド バ 、 モ ン テ ネ グ ロ 、 モ ロ ッ コ 、 オ ラ ン ダ 、 ノ ル ウェ ー 、 ポ ー ラ ンド 、 ポ ル ト ガ ル 、 ル ー マ ニ ア 、 ロ シ ア 連 邦 、 セ ル ビ ア 、 ス ロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、タジキスタン、マケドニア、チュニジア、 トルコ、ウクライナ、英 国 )。 h t t p : / / w ww .u n e c e . o r g/ f i l e a d mi n / D A M/ t ra n s/ d a n ge r/ p u bl i / a d r/ A DR a g r e e _e . p d f [1 2 ] 正 式 名 は V e r o r d n u n g ü be r di e i n n e r s t aa t l i c h e u n d g re n zü be r s c h re i t e n d e Be f ö r d e r u n g g e f ä h rl i c h e r G ü te r au f d e r S tr a ß e , mi t E i se n ba h n e n u n d au f Bi n n e n ge w ä s se rn ( 道 路 、 鉄 道 及 び 内 陸 水 域 に よる 危 険 物 の 国 内 お よ び クロ ス ボ ー ダ ー 輸 送 に 関 す る 規 制 h t t p : / / ww w . ge s e t ze - i m- i n te rn e t. d e / g g v se b / B J N R1 3 8 9 0 0 0 0 9 .h t m l [1 3 ] 正 式 名 は V e r o r d n u n g ü be r Si c h e rh e i t u n d G e s u n dh e i t s s c h u t z b e i de r Be re i t s te l l u n g v o n A r b e i t s m i t te l n u n d d e r e n B e n u t zu n g be i de r A r b e i t , ü be r Si c h e r h e i t b e i m B e tr i e b ü be r wa c h u n g s b e dü r f ti g e r A n l a g e n u n d ü be r d i e O r ga n i s a ti on de s b e t ri e bl i c h e n A r b e i t s s c h u tz e s ( 設 備 使 用 ・ 運 転 設 置 ・ 職 場 組 織 の 安 全 ・ 労 働 衛 生 に 関 す る 規 則 ) h t t p :/ / w w w. g e se t z e - i m - i n t e rn e t . de / be t r si c h v/ [1 4 ] 正 式 名 は G e s e t z ü b e r di e D u rc h f ü h ru n g v on Ma ß n ah m e n d e s A r be i t s s c h u t z e s zu r V e r be s s e ru n g d e r Si c h e rh e i t u n d d e s G e s u n d h e i t s s c h u t ze s de r Be s c h ä f ti g t e n b e i de r A r b e i t( 従 業 員 安 全 ・ 健 康 改 善 の た め の 安 全 衛 生 対 策 実 施 法 : 労 働 安 全 衛 生 法 ) h t t p : / / w ww . g e se t ze - i m - i n t e r n e t . de / a r b s c h g / [1 5 ] 正 式 名 は G e s e t z zu m S c h u t z v o r sc h ä d l i c h e n U m we l t e i n w i r k u n g e n du r c h Lu f t ve ru n r e i n i gu n ge n , G e rä u s c h e , E r s c h ü t te ru n ge n u n d äh n l i c h e V o r g än ge ( 大 気 汚 染 ・騒 音 ・振 動 等 の有 害 な環 境 影 響 からの保 護 に関 する法 律 ) h t t p : / / w ww . g e se t ze - i m - i n t e r n e t . de / bi m s c h g / [1 6 ] 連 邦 汚 染 防 止 規 則 ( B I m s c h V ) は 現 状 で 3 1 あ る 。 [1 7 ] 正 式 名 は V i e r t e V e r o r dn u n g z u r D u r c h f ü h ru n g de s Bu n de s - I m m i s s i on s s c h u t z g e se t z e s - V e r o r dn u n g ü b e r g e n e h mi g u n g s b e d ü r f ti g e A n l a ge n ( 連 邦 汚 染 防 止 法 の 実 施 に 関 す る 第 4 規 則 – 設 置 と ラ イ セ ン ス ) h t t p : / / w ww . g e se t ze - i m - i n t e r n e t . de / bi m s c h v _ 4 _ 1 9 8 5 / B J N R1 1 5 8 6 0 9 8 5 . h t m l [1 8 ] 正 式 名 は Z w ö l f t e V e r or d n u n g zu r Du rc h f ü h ru n g d e s Bu n de s - I m mi s s i on s s c h u t z g e se t z e s - S t ö r f al l - V e r or d n u n g ( 連 邦 汚 染 防 止 法 の 実 施 に 関 する第 12 規 則 – 重 大 事 故 ) h t t p : / / w ww . g e se t ze - i m - i n t e r n e t . de / bi m s c h v _ 1 2 _2 0 0 0 / B J N R 0 6 0 3 1 0 0 0 0 .h t m l 46 3.ドイツ産 業 安 全 衛 生 規 則 Betr SichV 前 述 の よ う に 、 ド イ ツ 産 業 安 全 衛 生 規 則 ( BetrSichV ) は 、 ド イ ツ 労 働 安 全 衛 生 法 ( ArbSchG ) に お け る 規 則 で あ り 、 圧 力 容 器 ・ 配 管 部 品 ( 蒸 気 ボ イ ラ ー 、 圧 力 容 器 、 貯 蔵 装 置 な ど) の 運 用 安 全 ・ 安 全 性 評 価 、 爆 発 リ ス クと 保 護 対 策 に つ いて記 載 されている。 BetrSichV に は 随 所 に 認 証 機 関 ( 独 zugelassenen Überwachungsstelle: ZÜS、英 approved body)意 見 参 考 にするようにとの記 述 があ り、この認 証 機 関 とは通 常 は TÜV をさす。BetrSichV における第 三 者 認 証 機 関 ZÜS(詳 細 につい ては後 述 する。)の記 載 例 を 表 Ⅳ-2 に示 す。 表 Ⅳ-2 産 業 安 全 衛 生 規 則 BetrSichV における 第 三 者 認 証 機 関 ZÜS の記 載 例 第 13 章 : 許 可 (2) 許 可 申 請 は 文 書 で 行 う 。 許 可 申 請 は 、 ア セ ス メ ン ト が 必 要 な 全 て の 機 器 に関 して行 う。許 可 申 請 にあたり、認 証 機 関 ZÜS は設 置 ・建 設 ・システム 運 用 が本 規 制 に適 合 していることを証 明 する専 門 家 意 見 を提 出 するこ と。 第 14 章 : 運 用 前 検 査 (1) 初 期 運 転 および設 計 からの大 幅 な変 更 があった場 合 、認 証 機 関 ZÜS に よる適 正 運 用 (建 設 、設 置 、設 置 条 件 、 安 全 運 転 )に 関 する 運 用 前 検 査 が必 要 である。 第 1 5 章 : 運 用 時 点 での検 査 (1) 認 証 機 関 ZÜS による、適 切 な運 用 条 件 の確 認 のための定 期 検 査 が必 要 である。運 用 者 は、運 用 開 始 後 6 カ月 以 内 に行 われる安 全 ア セスメントに 基 づ き 、 プラ ン ト 設 備 と コ ン ポ ネ ント の 検 査 の イ ンタ ーバ ルを 決 定 す る 。 安 全 アセスメントは、本 規 制 の第 3 章 に規 定 されたアセスメントや連 邦 鉱 業 規 制 第 3 章 に規 定 されたアセスメントをすでに実 施 している場 合 は不 要 で ある。 47 ZÜS は第 13~第 15 に従 い、専 門 家 意 見 を許 認 可 当 局 (=州 )に提 出 するこ とになる。特 に第 13 章 ( 2)に関 しては、ドイツの国 家 組 織 である「労 働 安 全 ・安 全 技 術 に 関 す る 委 員 会 ( Länderausschuss Sicherheitstechnik :LASI)」が、ガイドライン 19 für Arbeitsschutz und (表 Ⅳ-3)を定 めており、ZÜS はガ イドラインに従 い専 門 家 意 見 を提 出 する。 表 Ⅳ-3 LASI ガイドラインが求 める専 門 家 文 書 の内 容 - 準拠法 - 試 験 データ - 評 価 機 関 の情 報 ( ZÜS の証 明 ) - 合 格 したテストのリスト - 設 備 所 有 者 のデータ - 明 確 なる専 門 家 意 見 - 設 備 の場 所 - 設 備 とコンポネントの評 価 - 主 要 コンポネントの説 明 - 評 価 結 果 (制 限 や対 応 の提 案 ) - 専 門 家 意 見 (視 察 データ等 ) - 評 価 者 の署 名 [1 9 ] 正 式 名 は L V 4 9 Q u a l i tä t d e r g u t ac h t e rl i c h e n Ä u ß e r u n g i m Ra h m e n de s E rl a u bn i sv e r f a h re n s n a c h § 1 3 Be t ri e b s s i c h e r h e i t s ve r o r dn u n g ) ( Be t r Si c h V 第 1 3 章 の 許 可 に 関 す る 専 門 家 意 見 ) h t t p :/ / l a s i . o s h a . d e / d o c s/ l v4 9 . p d f 4.ドイツの技 術 規 制 (Technische Regeln ) 技 術 規 制 は 義 務 ( mandatory ) では ない が 、 通 常 は 許 認 可 当 局 がこ れを 遵 守 する よう に 求 め る( あ るい は、 許 認 可 当 局 は技 術 規 制 を 遵 守 し てい るこ と で 安 心 して許 認 可 を発 行 できる)ため、事 実 上 、水 素 ステーション設 置 者 が守 らなけれ ば な ら な い 基 準 に な っ て い る 。 VdTÜV 514 ( 詳 細 に つ い て は 後 述 す る 。 ) で も 、 こ れらの基 準 を遵 守 するように記 載 されている。 関 連 する技 術 規 制 と しては、分 野 ごと に TRG(産 業 ガス 技 術 的 規 制 - 圧 縮 ガ ス)、TRB(高 圧 容 器 技 術 規 制 - 圧 力 容 器 )、TRR(高 圧 容 器 技 術 規 制 -配 管 )な どがある 2 0 。これらの分 野 別 規 制 は、より 包 括 的 に最 新 の知 見 を反 映 させるため、 統 合 的 な TRBS(産 業 安 全 技 術 的 規 制 )によって置 き換 わりつつある(現 在 は移 行 期 であり、TRG、TRB、TRR などは更 新 されていない)。この TRBS を整 備 して いるのは、1996 年 に設 立 された連 邦 労 働 社 会 省 傘 下 のドイツ連 邦 労 働 安 全 衛 生 研 究 所 (BAuA - Bundesanstalt für Arbeitsschutz und Arbeitsmedizin ) 2 1 で ある。 48 TRG(独 Technische Regeln für technische Gase (Druckgase) 、英 Technical regulations for industrial gases (compressed gases) ): 産 業 ガス技 術 的 規 制 (圧 縮 ガス) TRG は複 数 の文 書 から成 る( 表 Ⅳ-4) TRB(独 Technische Regeln zur Druckbehälterverordnung – Druckbehälter 、 英 Technical rules on the Pressure Vessel Regulation – Pressure vessels): 高 圧 容 器 技 術 規 制 -圧 力 容 器 TRB は複 数 の文 書 から成 る( 表 Ⅳ-5)。 TRR(独 Technische Regeln zur Druckbehälterverordnung – Rohrleitungen (Druckbehälterverordnung) 、英 Technical Rules for Pressure Vessels Regulation - Pipelines (pressure vessel regulation) ): 高 圧 容 器 技 術 規 制 -配 管 (圧 力 容 器 の規 制 ) TRR は複 数 の文 書 から成 る( 表 Ⅳ-6) TRBS(独 Technische Regeln für Betriebssicherheit 、英 Technical Rules on Operational Safety ): 産業安全技術的規制 TRBS も複 数 の文 書 から成 る 22 。 49 表 Ⅳ-4 TRG(産 業 ガス技 術 的 規 制 -圧 縮 ガス) TRG 001 - 一 般 - TRG の目 的 と応 用 TRG 100 - 圧 縮 ガスの一 般 的 な規 定 TRG 101 - ガス TRG 102 - 混 合 ガス TRG 103 - ガス TRG 104 - ガスボンベのオプション TRG 200 - 材 料 TRG 201 - 溶 接 タンク用 鋼 板 、基 準 TRG 202 - シームレス鋼 管 容 器 、基 準 TRG 203 - 低 温 用 鋼 、基 準 TRG 220 - 圧 縮 ガス容 器 の計 算 TRG 240 - 製 造 の準 備 、図 面 と関 連 文 書 TRG 241 - 溶 接 と他 の接 合 方 法 TRG 242 - 熱 処 理 TRG 250 - 圧 縮 ガス容 器 の機 器 TRG 252 - クリーニングの開 口 部 TRG 253 – 遮 断 装 置 TRG 254 - 安 全 バルブ、破 裂 ディスク装 置 TRG 256 - その他 の機 器 TRG 270 - 圧 縮 ガス容 器 の TRG 280 - 圧 縮 ガスシリンダーの操 作 TRG 300 - エアロゾル TRG 301 - 圧 縮 ガスカートリッジ、マウントと抽 出 装 置 TRG 303 - 使 い捨 てペットボトル TRG 310 - スチール製 シリンダー TRG 311 - ボトル、アセチレン TRG 330 - スチールドラム TRG 360 - 液 体 、低 温 高 圧 ガス用 容 器 TRG 370 - シリンダーのバンドル TRG 380 - LPG タンク TRG 400 - 充 填 の一 般 規 定 TRG 401 - 充 填 の開 始 TRG 402 - ガソリンスタンドの運 営 TRG 403 - エアロゾルと圧 縮 ガスカートリッジの 充 填 用 の装 置 TRG 404 - LPG 充 填 所 50 TRG 405 -§20 に記 載 する特 定 圧 縮 ガス容 器 TRG 500 - ポータブル消 火 器 用 ガスタンク TRG 510 - 水 素 の圧 力 容 器 への損 傷 を 避 けるための措 置 TRG 601 - 亜 鉛 高 圧 ガス容 器 TRG 602 - キャンプ用 ボンベ TRG 603 - ガスボンベの初 期 検 査 TRG 700 - 圧 力 容 器 の設 計 承 認 のプロセス TRG 701 - 圧 縮 ガスカートリッジの設 計 承 認 のプロセス TRG 702 - アセチレンシリンダーの承 認 手 続 きのためのガイドライン TRG 710 - 高 圧 ガス容 器 装 置 の型 式 承 認 のプロセス TRG 730 - ガソリンスタンドの建 設 と運 転 の許 可 TRG 760 - 専 門 家 によるガスシリンダーのテスト TRG 761 - 専 門 家 による圧 縮 ガスカート リッジ 設 計 ・承 認 、試 験 ガイドライン TRG 762 - 材 料 試 験 、アセチレンボンベのためのガイドライン TRG 763 - 専 門 家 によるアセチレンシリンダーのテストのためのガイド ライン TRG 765 - 専 門 家 による圧 力 容 器 の定 期 点 検 TRG 770 - 専 門 家 による高 圧 ガス容 器 装 置 のテストのためのガイドライン、 TRG 790 - 専 門 家 による充 填 装 置 のテストのためのガイドライン TRG 801 - EC 指 令 の実 施 - シームレススチールガスシリンダー TRG 802 - EC 指 令 の実 施 - 純 アルミニウム及 びアルミニウム合 金 のシームレ スガスシリンダー TRG 803 - EC 指 令 の実 施 - 溶 接 炭 素 鋼 製 ガスシリンダー 出 所 : h t t p :/ / w w w . ga a. b a de n - wu e r t t e m be r g . de / se rvl e t/ i s/ 1 6 5 0 2 / 51 表 Ⅳ-5 TRB(高 圧 容 器 技 術 規 制 -圧 力 容 器 )の例 TRB001 - TRB の構 築 とアプリケーション TRB002 - 圧 力 容 器 規 制 の用 語 の説 明 TRB100 - 材 料 TRB200 - 生 産 TRB300 - 計 算 TRB401 - マーキング TRB402 - 開 口 部 とクロージャ TRB403 - 圧 力 ・温 度 を検 出 と抑 制 装 置 TRB404 - 機 器 TRB500 - 圧 力 容 器 用 プロセスと検 査 基 準 TRB502 - §32 DruckbehV が規 定 する専 門 家 TRB505 - 圧 力 容 器 の型 式 検 査 とテスト TRB511 - 専 門 家 による検 査 - 初 期 試 験 - 予 備 TRB512 - 専 門 家 による検 査 - 初 期 検 査 - 最 終 検 査 及 び圧 力 試 験 TRB513 - 専 門 家 による検 査 - 最 終 テ スト TRB514 - 専 門 家 による検 査 - 定 期 点 検 TRB515 - 専 門 家 による検 査 - 特 殊 ケース TRB521 - 証 明 書 TRB522 - メーカーによるテスト - 圧 力 試 験 TRB531 - 専 門 家 による検 査 - 最 終 テ スト TRB532 - 専 門 家 による検 査 - 定 期 点 検 TRB533 - 専 門 家 による検 査 - 特 殊 なケース TRB600 - 圧 力 容 器 の設 置 TRB601 - 地 下 圧 力 容 器 の電 気 防 食 TRB610 - ガスの貯 蔵 用 圧 力 容 器 の設 置 TRB700 - 圧 力 容 器 の操 作 TRB701 - 化 学 プラントの圧 力 容 器 TRB801 - §12 DruckbehV 附 属 書 II による特 殊 圧 力 容 器 TRB851 - 圧 縮 ガス容 器 の充 填 のための充 填 装 置 製 造 TRB852 - 圧 縮 ガス 容 器 の充 填 のための機 器 操 作 出 所 : h t t p :/ / w w w . ga a. b a de n - wu e r t t e m be r g . de / se rvl e t/ i s/ 1 6 5 0 2 / 52 表 Ⅳ-6 TRR(高 圧 容 器 技 術 規 制 -配 管 )の例 TRR100 - 金 属 材 料 製 パイプ TRR110 - 熱 硬 化 性 プラスチック( GRP)強 化 ガラス製 パイプライン TRR120 - 熱 可 塑 性 樹 脂 製 パイプライン TRR512 - 専 門 家 による検 査 -初 期 テスト TRR513 - 専 門 家 による検 査 - 最 終 テ スト TRR514 - 専 門 家 による検 査 - 定 期 点 検 TRR515 - 専 門 家 による検 査 - §30A(3)および 30b(3)による配 管 TRR521 - 製 造 証 明 書 - 建 設 ・圧 力 試 験 TRR531 - 専 門 家 によるテスト - 最 終 テ スト TRR532 - 専 門 家 によるテスト - 定 期 点 検 出 典 : h t t p :/ / w w w .u m w e l t - o n l i n e . de / r e c h t/ t _ r e ge l n / t r r/ u e be r .h t m [2 0 ] 技 術 規 制 の 本 文 に は 、 「 V o r sc h ri f te n sa m m l u n g d e r G e we r b e au f s i c h t = C o l l e c ti o n o f re g u l a t i on s o n L a b ou r I n s pe c t o r a te : V S G A 」 と い う 文 字 が つ い て い る こ と が あ る が 、 こ れ は 産 業 検 査 規 制 集 の意 味 である。 [2 1 ] h t t p :/ / w w w. b a u a . d e / [2 2 ] w w w. b a u a . d e / d e / T h e me n - v o n - A - Z / A n l a g e n - u n d - B e tr i e b s s i c h e r h e i t / T R BS / T RB S _ c on t e n t .h t ml 5.VdTÜV 514「水 素 ステーションに関 する要 求 事 項 」 5.1 VdTÜV 514 の位 置 づけ ドイツにおける水 素 ステーション設 置 ・管 理 の基 本 的 な文 書 は 、TÜV が 2010 年 に作 成 した「VdTÜV 514 Anforderungen an Wasserstofftankstellen; Druckgase(水 素 ステーションに関 する要 求 事 項 )」である 。この文 書 は規 制 では なくガイドラインであるが、TÜV が専 門 家 意 見 を提 出 する際 には 、VdTÜV 514 へ の適 合 を確 認 するため、事 実 上 遵 守 しなければならないガイドラインになっている。 VdTÜV 514 の安 全 関 連 の記 述 を 表 Ⅳ-7 に示 す。 VdTÜV 514 では、必 要 に応 じて別 の規 制 が参 照 されている。この VdTÜV 514 が参 照 している規 制 としては、以 下 の 4 つがある。 1)欧 州 防 爆 指 令 (Directive 94/9/EC (ATEX) ) 2)欧 州 圧 力 容 器 指 令 ( Directive 97/23/EC (PED) ) 3 ) TRB 610: 09/2002 Aufstellung von Druckbehältern zum Lagern von Gasen(高 圧 ガス貯 蔵 用 容 器 の設 置 ) 4)産 業 安 全 技 術 規 制 ( Technical Regulations for Industri al Safety:TRBS) 53 将 来 的 に は VdTÜV 514 ( ド イ ツ 国 内 ) と ISO/TS 20100:2008 ( Gaseous hydrogen -- Fuelling stations )はハーモナイズされることが期 待 されており、ドイ ツ NOW GmbH がそのイニシアティブをとっている。 5.2 離 隔 距 離 と 安 全 距 離 離 隔 距 離 (独 schutzabstand 、英 separation distance )は、ディスペンサーな どの設 備 ・部 品 を衝 突 ダメージなどから保 護 するために必 要 な距 離 である。 一 方 、安 全 距 離 (独 sicherheitsabstand 、英 safe distance )は、水 素 ステーショ ンのアクシデントなどから、その他 の設 備 や市 民 生 活 (公 共 物 ・公 道 ・建 物 等 )を 保 護 するための距 離 である。高 圧 ガス保 安 法 における「保 安 距 離 」に相 当 する のは「安 全 距 離 」である。 しかしながら、離 隔 距 離 も安 全 距 離 も、圧 力 (例 .35MPa 用 、70MPa 用 )による 違 いはない。 5.3 専 門 家 の意 見 VdTÜV 514 はかなり自 由 裁 量 の余 地 の大 きな文 書 で、「 case-by-case」や 「expert opinion」などの表 現 がある。これは意 図 的 なもので、ド イツの場 合 、規 制 ですべてを決 めるのではなく、技 術 革 新 の余 地 を残 すためにケース・バイ・ケー スで判 断 すべきであり、その場 合 には専 門 家 意 見 が参 照 される。 一 般 に、VdTÜV 514 における「専 門 家 意 見 」とは「ZÜS の意 見 」であり、それは 「TÜV の意 見 」と同 じ と考 えられている。 54 表 Ⅳ-7VdTÜV 514 における安 全 関 連 の記 述 ① 英 語 版 より翻 訳 2 定義 2.9 安 全 措 置 安 全 措 置 とは、施 設 が意 図 したとおりに運 用 されていない場 合 に、不 具 合 に よって発 生 する確 認 可 能 なガスリークの影 響 から、設 備 の外 にある保 護 すべ きアイテムを保 護 するための措 置 のことをいう。 安 全 措 置 には、安 全 距 離 ( safe distance )、十 分 な高 さの排 出 ライン、防 火 壁 などが含 まれるが、これに限 定 されるものではない。 4 建 設 ・設 置 に関 する要 求 4.1 設 置 (5) 水 素 充 填 ス テ ー シ ョ ン と そ の 部 品 は 、 車 両 の 衝 突 や 車 両 の 部 品 に よ り ダ メ ージ を 受 け ない よう に設 置 さ れ 、 安 全 を 確 保 さ れなけ れ ばな らない 。 ディ スペンサーと水 素 充 填 システムは、以 下 の条 件 を満 たす必 要 がある。 – ディスペ ンサーと 水 素 充 填 シ ステムは、装 置 の外 周 より も大 きな土 台 、 縁 石 で 囲 まれ たア イ ランド に 設 置 す るか 、 あるい は 隅 石 、 保 護 用 石 、 ま たは車 両 の動 きから考 えて十 分 な大 きさを有 する設 備 を用 いて保 護 さ れなければならない。 – あるい は デ ィスペ ン サー と 水 素 充 填 シ ス テ ム は、複 数 の 装 備 の組 み 合 わせ( ディスペ ンサー 装 置 下 部 に 設 置 さ れ たシ ャーバルブ /衝 撃 検 知 バ ルブなど)で保 護 されなければならない。 以 上 は、充 填 される車 両 のサイズ、体 積 、動 きからみて適 当 と思 われるよ うに実 施 されなければならない。 地 上 設 置 された貯 蔵 タンクは、公 道 から 充 填 装 置 に繋 がる入 口 と出 口 の エリアから離 隔 距 離 ( separation distance )を保 つことで、機 械 的 ダメージ をから保 護 さ れなけ ればならなない 。最 低 限 必 要 な距 離 と 、追 加 的 ・代 替 的 衝 突 防 止 措 置 の必 要 性 に関 する専 門 家 意 見 が必 要 である。専 門 家 意 見 は、予 想 される貯 蔵 タンク付 近 の交 通 量 、水 素 ステーションに 充 填 に訪 れる車 両 の量 ・走 行 速 度 ・移 動 ラインなどの設 置 条 件 を勘 案 しなけ ればならない。 4.12 セクション 2.9 に記 載 された安 全 措 置 4.12.1 安 全 措 置 に関 する一 般 的 な情 報 (1) セクション 2.9 に記 載 されている安 全 措 置 に関 する条 件 は、セクション 4.1 55 第 5 項 に記 載 されたことに加 えて、水 素 タンクと圧 縮 機 が、 90 分 の火 炎 加 熱 による直 接 的 な火 炎 の接 触 と輻 射 熱 による温 度 上 昇 から、保 護 さ れなければならない。 TRB 610 のセクション 3.2.3.3 によると、この条 件 は以 下 のよう な措 置 で達 成 できる: – 離 隔 距 離 (separation distance) – 保護壁 – アースカバー – 火 炎 抑 制 剤 、断 熱 材 – スプリンクラーや放 水 システム 好 ましい措 置 については、ケース・バイ・ケースで定 める。 (2) 周 辺 の 設 備 、 ビ ル、 公 共 交 通 、 駐 車 場 、 引 火 物 は 、 離 隔 距 離 に より 定 め られた面 積 の中 にあってはならない。 (3) 離 隔 距 離 (separation distance )は、火 炎 に 90 分 間 耐 えられる保 護 措 置 によって緩 和 できる。 4.12.2 圧 縮 機 とタンクの離 隔 距 離 ( separation distance ) 圧 縮 機 と排 出 用 タンクの離 隔 距 離 は 3 m、貯 蔵 用 タンクの離 隔 距 離 は 5 m で ある。 4.12.3 ディスペンサー機 器 の離 隔 距 離 (separation distance ) 水 素 ディスペンサー機 器 の離 隔 距 離 は 2m である。この離 隔 距 離 は、ディスペ ンサー機 器 と充 填 される車 両 と間 では確 保 不 要 である。 4.12.4 安 全 距 離 (safe distances)に関 する一 般 情 報 安 全 距 離 内 には、TRB 610 セクション 2.16 に記 載 されている保 護 対 象 、常 時 人 がいる部 屋 を含 むビル、公 共 交 通 が存 在 してはならない。 4.12.5 安 全 距 離 (safe distances) (1) 水 素 ステーションにおける、全 ての水 素 関 連 部 品 は、安 全 距 離 3 m を確 保 しなければならない。 (2) 安 全 距 離 は、技 術 的 な措 置 (例 えば保 護 壁 の設 置 、十 分 な高 さの排 出 ラ インなど)で緩 和 できる。好 ましい 措 置 についてはケース・バイ・ケースで定 める。 56 5.4 欧 州 工 業 ガス「ガス水 素 ステーション」 欧 州 工 業 ガス協 会 ( European Industrial Gases Association :EIGA)の「ガス 水 素 ステーション(Gaseous Hydrogen Stations, IGC Doc 15/06/E )」は、欧 州 に おいて水 素 ステーション建 設 で参 考 とすべきガイドラインであり、水 素 ステーション 建 設 者 はこのガイドラインを極 力 遵 守 しているとのことである。 こ のガ イド ラ イ ンで も 安 全 距 離 ( 水 素 放 出 の可 能 性 が ある ポ イ ント か ら の 距 離 ) を規 定 している(表 Ⅳ-8)。水 素 ステーション建 設 者 によると、さまざまな水 素 機 器 からの距 離 に関 しては、このガイドラインと VdTÜV 514 で、より安 全 なほう(距 離 が大 きいほう)を採 用 するとのことである。 表 Ⅳ-8 欧 州 工 業 ガス協 会 「ガス水 素 ステーション 」における安 全 距 離 の規 定 外 部 の対 象 物 水 素 からの 距離 1. 火 炎 や引 火 源 (電 気 的 な引 火 源 ) 5 m 2. 人 が多 く集 まる場 所 (駐 車 場 、食 堂 など)の境 界 8 m 3. 木 造 建 築 8 m 4. 事 務 所 ・工 場 の壁 開 口 部 5 m 5. 可 燃 性 液 体 や LPG の地 上 貯 蔵 タンク(各 国 の基 準 に準 じ 8 m て建 設 されたもの) 6. 可 燃 性 液 体 や LPG の 6.1 地 下 貯 蔵 タンク 3 m 6.2 ベント、接 続 部 5 m 7. 水 素 以 外 の可 燃 性 ガス貯 蔵 シリンダータンク 5 m 8. 高 圧 酸 素 シリンダータンク 7 m 9. 液 体 酸 素 シリンダータンク( 125,000 L 以 下 )** 8 m* 10. アルゴンや窒 素 等 の非 可 燃 性 低 温 液 体 タンク(酸 素 以 外 ) 5 m* * 11. 可 燃 物 の堆 積 物 (木 材 など) 8 m * もれ出 た液 体 を水 素 に近 づけない措 置 があれば、緩 和 可 。 * * 1 2 5 ,0 0 0 L 以 上 の 場 合 は I G C D o c u me n t 3 / 7 5 を 参 照 。 57 6.水 素 ステーション 設 置 に関 する組 織 6.1 許 認 可 当 局 ドイツにおける水 素 ステーションの設 置 に関 しては、基 本 的 に州 23 が許 認 可 権 を有 する。しかし認 可 種 類 に応 じて、複 数 の当 局 に許 認 可 を求 めることになる。 労 働 安 全 関 連 に関 し ては、ドイツ産 業 安 全 衛 生 規 則 BetrSichV 第 13 章 (表 Ⅳ-2 参 照 )に従 い、ZÜS(通 常 は TÜV)が専 門 家 意 見 を提 出 する。提 出 先 は、 州 レベルに設 置 された営 業 監 督 局 ( Gewerbeaufsichtsamt ) 2 4 、あるいは州 労 働 安全局 25 に提 出 する。3 トン以 上 の水 素 を貯 蔵 するステーションや、オンサイトで 水 素 を製 造 するステ ーションでは、ドイツ連 邦 汚 染 防 止 法 BImSchG とその実 施 規 制 BImschV(第 4 規 則 、第 12 規 則 )に基 づいた申 請 が必 要 である 26 。ただし この場 合 は ZÜS の専 門 家 意 見 は不 要 である。 建 設 許 可 は、建 設 規 制 ( Baugenehmigungsverfahren :§63 BauO 、通 常 は各 州 が定 める建 設 規 制 27 )に従 い、その州 の建 設 部 局 に提 出 する。ただし、ここで も ZÜS の専 門 家 意 見 は不 要 である。 [2 3 ] バ ー デ ン = ヴ ュ ル テ ン ベ ル ク 州 、 バ イ エ ル ン 自 由 州 、 ベ ル リ ン 、 ブ ラ ン デ ン ブ ル ク 州 、 自 由 ハンザ都 市 ブレーメン、自 由 ハンザ都 市 ハンブルク、ヘッセン州 、メクレンブルク=フォアポ ンメ ル ン 州 、 ニ ー ダ ー ザ ク セ ン 州 、 ノ ル ト ラ イ ン = ヴ ェ スト フ ァ ー レン 州 、 ラ イ ン ラ ン ト = プ フ ァ ル ツ 州 、 ザ ー ル ラ ン ト 州 、 ザ ク セン 自 由 州 、 ザ ク セ ン =ア ン ハ ル ト 州 、 シ ュ レ ー ス ヴ ィヒ = ホ ル シュタイン州 、テューリンゲン自 由 州 。大 都 市 であるベルリン、ハンブルグは「都 市 州 」として、 州 の権 限 を有 する。 [2 4 ] バ ー デ ン = ヴ ュ ル テ ン ベ ル ク 州 、 バ イ エ ル ン 自 由 州 、 自 由 ハ ン ザ 都 市 ブ レ ー メ ン 、 自 由 ハ ン ザ 都 市 ハ ン ブ ル ク 、 ニ ーダ ー ザ ク セ ン 州 、 ラ イ ン ラ ン ト = プ フ ァ ルツ 州 の 場 合 。 [2 5 ] ベ ル リ ン 、 ブ ラ ン デ ン ブ ル ク 州 、 ヘ ッ セ ン 州 、 メク レ ン ブ ル ク = フ ォ ア ポ ンメ ル ン 州 、 ノ ル ト ラ イ ン = ヴェ ス ト フ ァー レ ン 州 、 ザ ー ル ラ ン ト 州 、 ザ ク セ ン 自 由 州 、 ザ ク セ ン = ア ン ハ ル ト 州 、 シ ュ レ ース ヴ ィ ヒ = ホ ルシ ュ タ イ ン 州 、 テ ュ ー リ ン ゲ ン 自 由 州 の 場 合 。 [2 6 ] 水 素 ス テ ー シ ョ ン で の 水 素 貯 蔵 量 に 関 す る 承 認 プ ロ セ ス が 記 載 さ れ て い る 。 [2 7 ] 例 え ば 、 N R W ( ノ ル ト ラ イ ン = ヴ ェ ス ト フ ァ ーレ ン ) 州 の 建 設 規 則 は 以 下 の と お り 。 h t t p : / / w ww . we s s e l i n g . d e / v e r w a l tu n g/ d o w n l o a d s / f or m u l ar e / Ba u ge n e h mi g u n g s ve r f ah re n . p d f 58 6.2 第 三 者 認 証 機 関 ZÜS 水 素 ステーションに関 しては、許 認 可 当 局 (多 くの場 合 は州 )は多 くの知 見 を 有 していないため、第 三 者 認 証 機 関 ZÜS(zugelassenen Überwachungsstelle ) に評 価 を求 めることがあるが、この「ZÜS」の活 用 を定 めているのは、以 下 の二 つ の法 律 ・規 制 である。 1)ドイツ製 品 安 全 法 (GPSG)(特 に「第 9 章 検 査 機 関 」) 2)ドイツ産 業 安 全 衛 生 規 則 ( BetrSichV) この 2 つの法 律 ・規 制 に基 づき、ドイツ内 では複 数 の組 織 が ZÜS として登 録 ・ 承 認 されている。ZÜS の承 認 を行 うのは Zentralstelle der Länder für Sicherheitstechnik (ZLS、中 央 安 全 技 術 センター) 2 8 である。 現 在 ZLS に登 録 されている ZÜS を表 Ⅳ-9 に示 す。水 素 ステーションに関 する 認 証 業 務 は、これまでは TÜV(TÜV NORD Systems 、TÜV Rheinland Industrie Service、TÜV SÜD Industrie Service )のみが実 施 してきたが、これは現 状 で水 素 ステーション数 が尐 ないためであり、将 来 的 には他 の ZÜS も水 素 ステーション の認 証 業 務 に参 入 することは可 能 である。 [ 2 8 ] 連 邦 機 関 で 、 各 州 の 安 全 関 連 組 織 の 上 位 に あ る 。 h t t p : / / w ww . zl s - mu e n c h e n . d e / 59 表 Ⅳ-9 中 央 安 全 技 術 センターに登 録 されている ZÜS 地 域 分圧野ガ ス 高 エレベータ 爆発物 高 圧 ガス エレベータ 爆発物 高 圧 ガス エレベータ 爆発物 高 圧 ガス エレベータ 爆発物 高 圧 ガス エレベータ 爆発物 高 圧 ガス エレベータ 爆発物 高 圧 ガス エレベータ 爆発物 高 圧 ガス エレベータ 爆発物 高 圧 ガス エレベータ 爆発物 高 圧 ガス エレベータ 爆発物 高 圧 ガス エレベータ 爆発物 高 圧 ガス エレベータ 爆発物 高 圧 ガス エレベータ 爆発物 出 典 : ド イ ツ 連 邦 労 働 安 全 衛 生 研 究 所 ( B au A ) www.baua.de/de/Produktsicherheit/Produktinformationen/pdf/Pruefstellen -01.pdf?__blob=publication File&v=8 60 6.3TÜV TÜV はドイツで第 三 者 認 証 などのサービスを提 供 する企 業 グループであり、規 模 的 には TÜV Nord 、TÜV Rheinland 、TÜV SÜD 2 9 が 3 大 グループを形 成 してい る。3 つの TÜV とも水 素 ステーションの 第 三 者 認 証 機 関 ZÜS として評 価 ・専 門 家 アドバイスに関 わっている。 TÜV は専 門 家 集 団 (各 分 野 で 3 年 以 上 の経 験 と一 定 の資 格 ・テストに合 格 し ていることが必 要 )であり、 1 名 で対 応 することもできるが、一 般 には数 人 のチー ムで評 価 ・認 証 を行 う。特 に運 用 者 や許 認 可 当 局 が求 めないかぎり 、複 数 の TÜV でチームを結 成 することはまれである。 [2 9 ] T Ü V N or d は ベ ル リ ン 、 ハ ン ブ ル グ 等 を 、 T Ü V Rh e i n l an d は デ ュ ッ セ ル ド ル フ や N R W 州 を 、 T Ü V S Ü D は ミ ュ ン ヘ ン や シ ュ ツ ット ガ ル ド 地 域 を カ バ ーし て い る 。 6.4 Hy Approval HyApproval(Handbook for Approval of Hydrogen Refueling Stations )は、 欧 州 第 6 次 フレームワークプログラム( FP6) 3 0 で実 施 した、欧 州 全 域 ( 27 カ国 ) の水 素 ステーション関 係 の規 制 研 究 である。 HyApproval 3 1 は規 制 自 体 ではなく 、各 国 の水 素 ステ ーシ ョン設 置 のための規 制 状 況 をとりまとめた研 究 であり、取 りまとめはドイツのコンサルティング企 業 Ludwig-Bolkow-Systemtechnik (LBST)である( 表 Ⅳ-10)。わが国 からは、財 団 法 人 エンジニアリング振 興 協 会 (現 一 般 財 団 法 人 エンジニアリング協 会 )が参 加 している。 LBST は 現 在 、 NOW 委 託 で 、 ド イ ツ に お け る 水 素 ス テ ー シ ョ ン の 規 制 研 究 を TÜV SÜD とともに取 りまとめている。 [3 0 ] 欧 州 フ レ ー ム ワ ー ク プ ロ グ ラ ム ( F r a me w o r k P r o g ra m me : F P ) は 、 1 9 8 4 年 か ら 開 始 さ れ て い る 欧 州 共 同 の R & D 助 成 プ ロ グ ラ ム で あ る 。 助 成 の 方 針 ・ 実 施 は 欧 州 委 員 会 ( E u r o pe an C o m mi s s i on ) の 研 究 総 局 ( D G R e se ar c h ) が 担 当 し て い る 。 [3 1 ] H yA p p r o v a l < w w w .h y a p p r ov a l . o r g/ > 61 表 Ⅳ-10 HyApproval の参 加 企 業 Air Products PLC Joint Research Centre – Institute for BP G as Marketing L imited Energy Chinese Academ y of Sciences (CAS) Lind e Comm issariat a l' Energie Atom iq ue (CEA) Ludw ig-Bolkow-Systemtechnik (LB ST) Det Norske Veritas AS (D NV) National Center for Scientific Research ENI Sp A Demokritos (NCSR D) Forschungszentrum Karlsruhe (F ZK) National R enewab le Energy Laborato ry Health and Safety Executive (HSE/HSL ) Norsk Hyd ro ASA Hyd rogenics Europe NV (HYG S) Shell Hyd rogen B V Institut Natio nal d e l' Environnem ent TNO - Netherland s Organisation for Ind ustriel et d es R isq ues (INERI S) App lied Scientific Research Instituto Nacional de Técnica Aeroespacial 財 団 法 人 エンジニアリ ング 振 興 協 会 (INTA) 62 6.5.水 素 ステーションの承 認 プロセス 表 Ⅳ-11 に水 素 ステーションの設 置 プロセスをまとめる。 一 般 に水 素 ステーションの建 設 ・運 用 では、水 素 ステーションの建 設 前 に、 「運 用 許 可 」までを取 得 することが多 い(建 設 と並 行 して、あるいは建 設 後 の取 得 でもよいが、時 間 短 縮 のために事 前 に取 得 することが多 い)。 なお表 Ⅳ-11 に記 載 された「ZÜS」とは、現 状 で「TÜV」と同 義 である。 表 Ⅳ-11 水 素 ステーションの設 置 プロセス ① 運用者 ステーション設 置 ・運 用 に関 する許 認 可 当 局 との初 期 的 な意 見 →許 認 可 当 局 交 換 。許 認 可 当 局 は、第 三 者 の認 証 を含 めた詳 細 な計 画 を要 求 する 。 ( 同 時 並 行 で、建 設 許 可 も 申 請 する が 、これは いわ ゆる 土 木 関 係 の部 局 になり、水 素 ステーション設 置 ・運 用 に関 する部 局 と異 な ることが 多 い) ② 運用者 運 用 者 によるステーションの設 計 。一 般 に設 備 ・部 品 に関 しては CE マークのあ る 製 品 を採 用 するよ うにする 。 ③ 運用者 運 用 者 は 、Z ÜS に 設 計 のサーティフィケートを求 める 。 →ZÜS ZÜS ( の 評 価 チー ム ) は 、使 用 して いる 設 備 ・ 部 品 、 運 用 条 件 など を 総 合 的 に 判 断 し 、 水 素 ステ ー シ ョン の 全 体 に つ いて サ ー テ ィフ ィ ケートを発 行 する 。 ④ ⑤ ⑥ 運用者 運 用 者 は 、Z ÜS のサー ティフ ィケー トとも に、水 素 ステーシ ョン の運 →許 認 可 当 局 用 許 可 を求 める 。 許認可当局 許 認 可 当 局 は 、 Z ÜS サー テ ィフ ィケー ト があ れ ば 、特 に 異 論 なく 、 →運 用 者 運 用 許 可 を発 行 する( 一 般 に 数 カ 月 以 内 ) 。 運用者 運 用 者 は、水 素 ステーション運 用 許 可 と建 設 許 可 を取 得 し、水 素 ステーシ ョン の建 設 を始 める 。 ⑦ 運用者 水 素 ステーシ ョンの 建 設 完 了 後 、 Z ÜS に 完 成 確 認 を求 める 。 →ZÜS ZÜS ( の 評 価 チ ー ム ) は 、 設 計 通 り ( サ ー テ ィ フ ィ ケ ー ト の 内 容 通 り に) 水 素 ステ ー シ ョンが 建 設 され たことを確 認 し 、完 成 確 認 を発 行 する。 ⑧ 運用者 ZÜS の 完 成 確 認 を 持 っ て 、 水 素 ス テ ー シ ョ ン の 運 用 が 可 能 に な る。 63 7.CNG スタンドとの併 設 をより 容 易 にするための設 備 間 距 離 規 制 の緩 和 につい て ドイツにおいて、CNG 設 備 と水 素 設 備 が共 存 している例 を示 す。ただし既 存 の CNG ステ ー シ ョ ン に 、 水 素 設 備 を 積 極 的 に 設 置 し よ う と い う 動 き は ド イ ツ に は な い。 7.1 AGIPヘキスト 工 業 団 地 水 素 ステーシ ョン 図 Ⅳ-1 にフランクフルトにあるAGIPヘキスト工 業 団 地 水 素 ステーション の外 観 を示 す。ステーション運 用 者 は AGIP(イタリアの石 油 会 社 )で、多 様 な燃 料 を供 給 している(ガソリン、ディーゼル、 CNG、LPG、バイオ燃 料 、水 素 )。敷 地 面 積 は 4000 m 2 で、2006 年 11 月 17 日 に開 所 した。 水 素 供 給 は、高 圧 水 素 ( 35 MPa と 70 MPa)と液 体 水 素 である。ステーション におけ るア イランド の設 置 は 以 下 の通 り で、ア イランド 間 のディスペ ンサー間 の距 離 は約 4m である。 ・水 素 アイランド(35MPa 用 ディスペンサー、70MPa 用 ディスペンサー、液 水 用 ディスペンサー) ・CNG/LNG/バイオ燃 料 アイランド( CNG ディスペンサー、LPG ディスペンサー、 バイオ燃 料 ディスペンサー) ・ ガソリ ン/ デ ィーゼル ア イランド ( ガソリ ンデ ィスペ ンサ ー、 ディー ゼルディ スペ ン サー) ・ ガソリ ン/ デ ィーゼル ア イランド ( ガソリ ンデ ィスペ ンサ ー、 ディー ゼルディ スペ ン サー) 水 素 はステーションの敷 地 外 から、高 圧 パイプライン(約 100MPa )で供 給 され てい る。パイプライン自 体 が水 素 タ ンク・バッファ ーと し て機 能 してお り 、ステ ーシ ョ ン敷 地 内 には水 素 貯 蔵 タンクや圧 縮 装 置 は設 置 されていない( 図 Ⅳ-2)。 64 図 Ⅳ-1 ヘキスト工 業 団 地 ステーション の外 観 出 典 : ㈱テクノバ 水素製造設備 ・水 素 製 造 ・水 素 圧 縮 機 等 水 素 パイプ ライ ン 工場敷地内 100 MPa 地上部 地下埋設部 水素ステーショ ン 図 Ⅳ-2 ヘキスト工 業 団 地 ステーション の水 素 関 連 設 備 ・配 管 出 典 : J H F C プ ロ ジ ェ ク ト・ 財 団 法 人 エ ン ジ ニ ア リ ン グ 振 興 協 会 平 成 1 9 年 度 「 欧 米 に お け る 7 0 M P a 水 素 ス テ ー シ ョン 技 術 動 向 調 査 報 告 書 」 を 修 正 h t t p : / / w ww . ja r i . o r . j p/ jh f c / da t a/ r e p or t / 2 0 0 7 / p d f / e a a _ s t a ti o n _r e p o r t _0 2 . p d f 65 7.2 TOTAL CEP 水 素 ステーション 図 Ⅳ-3 にベルリンにある TOTAL CEP 水 素 ステーションの外 観 を示 す。 ド イツが推 進 し てい る CEP (クリ ーンエネ ルギーパート ナーシ ップ)の基 幹 的 水 素 ステーション。ステーション運 用 者 は TOTAL(フランスの石 油 会 社 )で、既 存 の ガソリン・ディーゼル・ CNG ステーションに、水 素 設 備 を 設 置 し たものである。ただ し、実 際 の水 素 設 備 は敷 地 内 に離 れて設 置 されており、本 来 的 な意 味 での併 設 で は な い ( 図 Ⅳ -4 ) 。 な お 、 水 素 デ ィ ス ペ ン サ ー と そ の 他 の デ ィ ス ペ ン サ ー と の 距 離 は 約 20m と な っ て い る ( 図 Ⅳ -3 ) 。 水 素 デ ィ ス ペ ン サ ー は 、 70MPa 用 と 35MPa 用 の二 種 類 である。 既 存 ステーション 水 素 ディスペンサー 図 Ⅳ-3 TOTAL CEP 水 素 ステーションの外 観 出 典 :Google Street View 図 Ⅳ-4 TOTAL CEP 水 素 ステーションの構 成 (俯 瞰 図 ) 出 典 : J H F C プ ロ ジ ェ ク ト・ 財 団 法 人 エ ン ジ ニ ア リ ン グ 振 興 協 会 平 成 20 年 度 「欧 米 における水 素 ステーションの技 術 動 向 調 査 」 h t t p : / / w ww . ja r i . o r . j p/ jh f c / da t a/ r e p or t / 2 0 0 8 / p d f / e a a _ s t a ti o n _r e p o r t _0 1 . p d f 66 7.3 ド イツの適 用 法 規 の概 要 と具 体 的 な技 術 基 準 VdTÜV 514 のセクション 4.12.3 では、ディスペンサー機 器 の離 隔 距 離 を 2m と、 セクション 4.12.5 では水 素 関 連 部 品 の安 全 距 離 (日 本 でいう保 安 距 離 )を 3m と 規 定 しており、その結 果 、保 安 距 離 としては 3m が採 用 されている。この 3m は、 CNG ディスペンサーに対 しても適 用 される( 表 Ⅳ-12)。 な お 「 VdTÜV 510 Richtlinie für Planung, Bau, Errichtung, Prüfung, Inbetriebnahme und Betrieb von Erdgastankstellen (天 然 ガス 充 填 ステーション の設 計 ・建 設 ・設 置 ・テスト・試 運 転 ・運 用 に関 するガイドライン)」には、水 素 ステ ーションに関 する記 述 はなく、VdTÜV 514 の記 述 が適 用 されている。 表 Ⅳ-12 適 用 法 規 (VdTÜV 514 セクション 3.2.8.1、4.12.2~4.12.5) 3.2.8 ディスペンサー 3.2.8.1 一 般 的 情 報 (4) ディスペ ンサーは、車 両 が水 素 充 填 ス テーシ ョンの他 の装 置 (例 .サージ タ ンク)の危 険 区 域 を 通 過 し なくて済 むよう に設 置 するこ と 。ディ スペ ンサ ーは石 油 系 燃 料 ディスペンサーの横 に設 置 でき、その制 御 エリアは共 用 できる。 4.12.2 圧 縮 機 とタンクの離 隔 距 離 ( separation distance ) 圧 縮 機 と排 出 用 タンクの離 隔 距 離 は それぞれ 3 m、貯 蔵 用 タンクの離 隔 距 離 は 5 m である。 4.12.3 ディスペンサー機 器 の離 隔 距 離 (separation distance ) 水 素 ディスペンサー機 器 の離 隔 距 離 は 2m である。この離 隔 距 離 は、デ ィスペンサー機 器 と充 填 される車 両 と間 では確 保 不 要 である。 4.12.4 安 全 距 離 (safe distances)に関 する一 般 情 報 安 全 距 離 内 には、TRB 610 セクション 2.16 に記 載 されている保 護 対 象 、 常 時 人 がいる部 屋 を含 むビル、公 共 交 通 が存 在 してはならない。 4.12.5 安 全 距 離 (safe distances) (1) 水 素 ステーションにおける、全 ての水 素 関 連 部 品 は、安 全 距 離 3 m を確 保 しなければならない。 (2) 安 全 距 離 は、 技 術 的 な措 置 (例 えば 保 護 壁 の 設 置 、十 分 な高 さ の排 出 ラインなど)で緩 和 できる。好 ましい措 置 についてはケース・バイ・ケース で定 める。 67 欧 州 工 業 ガ ス 協 会 EIGA の 「 ガ ス 水 素 ス テ ー シ ョ ン ( Gaseous Hydrogen Stations, IGC Doc 15/06/E )」では、「水 素 以 外 の可 燃 性 ガスの貯 蔵 タンク」か らの距 離 は 5m としている(表 Ⅳ-8)。これは、VdTÜV 514 セクション 4.12.2 の表 現 と一 致 32 している。ただしこの距 離 は、水 素 ディスペンサーと CNG ディスペンサ ー間 の距 離 には当 てはまらない。 [3 2 ] 圧 縮 機 と 排 出 用 タ ン ク の 離 隔 距 離 は 3 m 、 貯 蔵 用 タ ン ク の 離 隔 距 離 は 5 m 。 7.4 ド イツにおける安 全 確 保 の考 え方 現 実 的 に、CNG ディスペンサーと水 素 ディスペンサーを併 設 する距 離 としては、 3m は十 分 に短 く、TÜV Rheinland によると、「水 素 ステーションの許 認 可 で TÜV の専 門 家 意 見 が求 められるが、特 に問 題 になること はなく、 3m 以 下 に緩 和 する ような要 望 もない」とのことである。 68 8.公 道 とディスペンサーとの距 離 に係 る障 害 等 の代 替 措 置 の設 置 について VdTÜV 514 セクション 4.12.5 で、安 全 距 離 (日 本 でいう保 安 距 離 ) 3m が規 定 されており、これが守 られている。 8.1 ド イツの適 用 法 規 の概 要 と具 体 的 な技 術 基 準 VdTÜV 514 セクション 4.12.5 では、安 全 距 離 を 3m と規 定 し ており、公 道 に対 しても適 用 される(表 Ⅳ-13)。 表 Ⅳ-13 適 用 法 規 (VdTÜV 514 セクション 4.12.5) 4.12.5 安 全 距 離 (safe distances) (1) 水 素 ステーションにおける、全 ての水 素 関 連 部 品 は、安 全 距 離 3 m を確 保 しなければならない。 (2) 安 全 距 離 は、 技 術 的 な措 置 (例 えば 保 護 壁 の 設 置 、十 分 な高 さ の排 出 ラインなど)で緩 和 できる。好 ましい措 置 についてはケース・バイ・ケース で定 める。 欧 州 工 業 ガス協 会 EIGA の「ガス水 素 ステーション」には、公 道 からの距 離 に 関 する記 述 はない。「人 が多 く集 まる場 所 (駐 車 場 、食 堂 など)の境 界 からの距 離 」は 8 m と規 定 されているが、これには「公 道 」は当 てはまらない( 表 Ⅳ-8)。 8.2 ド イツにおける安 全 確 保 の考 え方 現 状 で、公 道 からの距 離 を 3m 以 下 にしなければならないような敷 地 上 の制 約 がある水 素 ステーションはない。しかし将 来 的 に公 道 からの距 離 3m を確 保 でき ない 小 型 ・ 小 規 模 の 水 素 ステ ーシ ョ ンが 計 画 さ れ る 場 合 もあ り えるが 、 その 場 合 の 緩 和 措 置 は ケ ー ス ・ バ イ ・ ケ ー ス で 判 断 さ れ る ( TÜV に よ る 専 門 家 意 見 が 必 要 )。 69 9.セルフ充 填 式 水 素 スタンド実 現 に向 けた高 圧 ガス製 造 の許 可 を受 けた者 以 外 による水 素 の 充 填 行 為 の許 容 について ガソリンスタンド、CNG スタンド、水 素 ステーションとも、無 条 件 でセルフ 充 填 が 認 められている。 ドイツではセルフ充 填 が基 本 であり、スタンド作 業 員 による 充 填 はほとんどない (高 齢 のドライバーなどではスタンド 作 業 員 に頼 むこともありえるが、きわめてまれ である)。 ドイツでは、運 転 免 許 証 の申 請 では、 セルフ充 填 のトレーニングを受 けることに なっており、すべての運 転 手 は「セルフ充 填 に熟 練 している」と考 えられている。 例 えば、NRW 州 では 運 転 免 許 証 の 申 請 にお い てガソリ ンのセルフ充 填 のト レー ニングを受 けることになっている。 9.1 ド イツの適 用 法 規 の概 要 と具 体 的 な技 術 基 準 VdTÜV 514 セクション 8.2 では、充 填 はトレーニングを受 けたことのある利 用 者 のみが 実 施 でき るが 、 充 填 操 作 イン スト ラ クシ ョンを デ ィスペ ン サ ーに 掲 げてい れ ば、すべての利 用 者 が「トレーニングを受 けたことのある利 用 者 」とみなすとしてい る(表 Ⅳ-14)。 表 Ⅳ-14 適 用 法 規 (VdTÜV 514 セクション 8.2) 8.2 充 填 操 作 のインストラクション (1) 充 填 操 作 のインストラクションを、ディスペンサーの明 確 に見 える位 置 に、 永 続 的 に掲 示 するこ と。 (2) 水 素 充 填 ス テ ー シ ョン で は 、ト レ ー ニ ングを 受 け たこ と の あ る 利 用 者 のみ が車 両 に 充 填 を 行 う こと 。もし 上 記 (1)に示 す 充 填 操 作 インストラクション が、利 用 者 に充 填 プロセスを実 施 することを認 めている場 合 は、すべて の利 用 者 がトレーニングを受 けていると考 えられる。 水 素 ステーション保 有 者 や FCV メーカーは、水 素 充 填 のためのトレーニング方 法 (マニュアル)もあるが、各 社 でばらばらで、統 一 的 なものはない(が、おそらくそ れほど違 いはないと思 われる)。このトレーニング方 法 やマニュアルの策 定 に TÜV は関 与 していない。 9.2 ド イツにおける安 全 確 保 の考 え方 一 般 に、このユーザー向 けの充 填 トレーニグは非 常 に簡 便 なものである(あく まで も 、 水 素 がこ れ ま での 既 存 の 自 動 車 用 燃 料 と 同 じ よう に 、 手 軽 に 扱 え るこ と を ユーザーに 伝 える こ と が重 要 ) 。その た め、 充 填 時 の 安 全 は ユーザー 側 で はな くシステム側 で確 保 しなければならないと考 えている。 70 10.公 道 でのガス欠 対 応 のための 充 填 場 所 の確 保 欧 州 ADR によって、路 上 での 充 填 が認 められていない(事 前 の届 出 が必 要 )。 そのため、事 実 上 、FCV での路 上 での緊 急 水 素 充 填 はできないことになっており、 ガス欠 車 両 は近 くの水 素 ステーションに牽 引 するしかない。 この問 題 につい ては、水 素 ステ ーシ ョン関 係 者 もよく認 識 し てお り 、あらたな法 規 ・規 制 が必 要 であると 考 えてい る。ただし、ロード マップやタ イムスケジ ュールは 未定。 10.1 ド イツの適 用 法 規 の概 要 と具 体 的 な技 術 基 準 VdTÜV514 セクション 4.1 では、水 素 ステーションを公 道 には水 素 ステーション が設 置 できないことになっている( 表 Ⅳ-15)。また VdTÜV 514 セクション 4.12.4、 4.12.5 では、全 ての水 素 関 連 部 品 は安 全 距 離 3 m と定 められている。そのため、 移 動 式 水 素 ステーションは、この 安 全 距 離 3 m を確 保 できず、水 素 充 填 はできな いことになる。 またドイツ道 路 ・鉄 道 ・水 路 での危 険 物 規 則 では、輸 送 や荷 下 ろし前 に必 要 な書 類 を準 備 することが記 載 されており、事 前 届 出 が必 要 となっている( 表 Ⅳ -16)。 71 表 Ⅳ-15 適 用 法 規 (VdTÜV 514 セクション 4.1、4.12.4、4.12.5) 4 建 設 と設 置 に関 わる要 件 4.1 設 置 (1) 水 素 充 填 ス テ ー シ ョン の 装 置 は 、 屋 内 、 キャ ビ ネ ット ハ ウ ジ ン グ 内 、 屋 外 に設 置 できる。装 置 は、許 可 を受 けていない人 からのアクセスから保 護 されること。 (2) 水 素 充 填 ステーションは、歩 道 、車 道 、公 共 の通 路 、屋 外 施 設 の階 段 に は設 置 できない。さ らに水 素 充 填 ステーシ ョンは制 限 区 域 、避 難 ルート 、 アクセシビリティ区 域 には設 置 できない。 4.12.4 安 全 距 離 (safe distances)に関 する一 般 情 報 安 全 距 離 内 には、TRB 610 セクション 2.16 に記 載 されている保 護 対 象 、常 時 人 がいる部 屋 を含 むビル、公 共 交 通 が存 在 してはならない。 4.12.5 安 全 距 離 (safe distances) (1) 水 素 ステーションにおける、全 ての水 素 関 連 部 品 は、安 全 距 離 3 m を確 保 しなければならない。 (2) 安 全 距 離 は、 技 術 的 な措 置 (例 えば 保 護 壁 の 設 置 、十 分 な高 さ の排 出 ラインなど)で緩 和 できる。好 ましい措 置 についてはケース・バイ・ケース で定 める。 表 Ⅳ-16 適 用 法 規 (ドイツ 道 路 ・鉄 道 ・水 路 での危 険 物 規 則 ) § 18 発 送 人 の義 務 (1) 9 輸 送 者 は、荷 受 ・積 み下 ろし前 に、 ADR パラグラフ 5.4.1.2.5.4 3 3 に記 載 されて いる証 明 書 の発 行 を受 けなければならない。 § 23a 荷 降 ろし者 の義 務 (1) 道 路 ・鉄 道 の輸 送 における荷 降 ろし者 は: 1. 荷 降 ろしする物 が、ADR パラグラフ 1.4.3.7.1 3 4 に従 って記 載 されている必 要 情 報 (内 容 、タンク、車 両 、輸 送 条 件 など)と同 じであることを確 認 するこ と。 出 典 : h t t p : / / w w w . g e s e t z e - i m - i n te r n e t . d e / g g v s e b / B J N R 1 3 8 9 0 0 0 0 9 . h t m l [3 3 ] A D R パ ラ グ ラ フ 5 . 4 . 1 .2 . 5 . 4 で は 、 危 険 物 輸 送 の 許 可 証 に つ い て 記 載 さ れ て い る 。 [3 4 ] A D R パ ラ グ ラ フ 1 . 4 . 3 .7 . 1 で は 、 荷 降 ろ し 前 に 確 認 す べ き 情 報 を 記 載 し て い る 。 72 10.2 ド イツにおける安 全 確 保 の考 え方 路 上 充 填 (移 動 式 水 素 ステーション)に関 しては、主 に安 全 距 離 確 保 が問 題 となっており、特 に安 全 確 保 に関 する特 定 の考 え方 はない。 (参 考 ) 「移 動 式 」ではなく、「移 設 式 」水 素 ステ ーショ ンに関 しては、ド イツ産 業 安 全 衛 生 規 則 BetrSichV の第 14 章 運 用 前 検 査 の(3)と(5)により、条 件 によっては移 設 後 の運 用 前 検 査 が 不 要 になる( 表 Ⅳ-16 )。し かし 同 時 に、 「移 設 式 」水 素 ステ ー ションが水 素 を貯 蔵 したまま移 動 する場 合 は、 ADR に記 載 されている条 項 ( 表 Ⅳ -17)が適 用 される。 表 Ⅳ-17 産 業 安 全 衛 生 規 則 における「移 設 式 」水 素 ステーショ ンの考 え 第 14 章 : 運 用 前 検 査 (1) 初 期 運 転 および設 計 からの大 幅 な変 更 があった場 合 、認 証 機 関 ZÜS に よる適 正 運 用 (建 設 、設 置 、設 置 条 件 、 安 全 運 転 )に 関 する 運 用 前 検 査 が必 要 である。 (3) Part 3(中 略 ) ポータブル式 で移 設 可 能 な高 圧 設 備 で、監 視 が必 要 なものは、完 成 後 に 新 規 の 場 所 に 設 置 さ れ た 場 合 に 、 資 格 の あ る 人 に よ っ て (1) の 検 査 を 行 なわなければならない。 (5) (3) part3 および(1)にかかわらず、移 設 可 能 に設 計 された高 圧 設 備 で、以 下 の条 件 を満 たす場 合 は、移 設 後 も新 規 の検 査 は不 要 である。 1 他 の場 所 において検 査 証 明 が発 行 されており、 2 場 所 の変 更 が運 用 モードを変 更 せず、また境 界 との設 置 条 件 が変 わ らず、 3 設 置 に関 して特 定 の付 帯 条 件 がない場 合 。 設 置 において付 帯 条 件 がある場 合 は、資 格 のある人 による検 査 が必 要 である。 73 Ⅴ.まとめ 水 素 ステ ーシ ョ ンに 関 す る 離 隔 距 離 は 、 ア メリ カ及 びド イツは 日 本 より も 短 くな ってい るところもある 。しかしながら、 規 制 及 び規 格 に定 められている 離 隔 距 離 は 最 低 限 の安 全 確 保 を保 証 するものであり 、完 全 な安 全 確 保 を 保 証 するものでは ない。このため、水 素 ステーションの運 用 者 は、立 地 条 件 を検 討 したうえで完 全 な安 全 確 保 を保 証 する離 隔 距 離 を定 めなければならない。 ア メ リ カの 規 制 ( I FC 及 びN FP A 規 格 )で は 、 防 火 壁 を 水 素 ス テ ーシ ョ ンの 設 備 間 に設 けることにより設 備 間 距 離 を0mにすることも可 能 である。ただし、実 際 の 水 素 ステ ー シ ョ ンに お い ては 規 制 で 定 め られ てい る 最 低 離 隔 距 離 を 使 用 す る 際 に防 火 壁 を 使 用 しているなど規 制 で義 務 付 けられている以 上 の安 全 確 保 を 行 っ てい る。また、ド イツでは 基 準 (Vd TÜV 514 )より も離 隔 距 離 の 長 い 業 界 基 準 ( EI G A規 格 )を 使 用 し て 安 全 確 保 を 行 っ てい る。 日 本 の規 制 に ア メリ カ及 びド イ ツの 水 素 ステ ーション設 備 の離 隔 距 離 を 取 り 入 れるためには、規 制 及 び基 準 以 外 に 行 われている安 全 確 保 についての検 討 が 必 要 である。 CNG などの気 体 燃 料 のセルフ 充 填 の経 験 を 有 し てい る ア メリ カ及 びド イツにお い て も 、 一 般 ド ラ イ バ ー が 水 素 の 充 填 行 う に は 事 前 の ト レ ーニ ン グ が 必 要 と な る 。 日 本 の規 制 で一 般 ド ライバーの水 素 の 充 填 を 取 り入 れるためには、水 素 の 充 填 トレーニング方 法 及 び気 体 燃 料 のセルフ充 填 に関 する安 全 対 策 についての検 討 が必 要 である。 アメリカの規 制 及 びドイツの基 準 では定 置 式 と移 動 式 の水 素 ステーションは 区 別 されていない。水 素 ステーションに以 外 で水 素 の 充 填 を行 う場 合 、水 素 ステ ーション同 じ保 安 距 離 の確 保 し、あらかじめ管 轄 当 局 等 へ届 け出 ることになって いる。したがって、日 本 、アメリカ及 びドイツでは基 本 的 に公 道 において燃 料 電 池 自 動 車 へ水 素 の充 填 を行 うことはできない。 本 調 査 結 果 を 踏 まえ、日 本 、 ア メリ カ及 びドイツにおけ る① CNG スタ ンドと の併 設 をより容 易 にするための設 備 間 距 離 規 制 の緩 和 、②公 道 とディスペンサーと の距 離 に係 る障 害 等 の代 替 措 置 の設 置 、③セルフ 充 填 式 水 素 スタンド実 現 に 向 け た高 圧 ガス 製 造 の許 可 を 受 け た者 以 外 によ る水 素 の 充 填 行 為 の 許 容 、④ 公 道 で のガス 欠 対 応 のための 充 填 場 所 の 確 保 に つい て 整 理 し た 結 果 を 以 下 に 示 す。 ※アメリカの水 素 ステーションに関 する規 格 ( IFC及 びNFPA規 格 )は州 の規 制 として明 確 に定 められている。一 方 、ドイツの水 素 ステーションに関 する規 格 ( VdTÜV 514)は規 制 として明 確 に定 められていない。このため、アメリカの規 格 を規 制 、ドイツの規 格 を基 準 と区 別 した。 74 ①CNGスタ ンドとの併 設 をより 容 易 にするための設 備 間 距 離 規 制 の緩 和 CNG スタンドの処 理 設 備 (圧 縮 機 等 )及 び貯 蔵 設 備 (蓄 圧 器 等 )と水 素 スタン ドの処 理 設 備 及 び貯 蔵 設 備 に必 要 な設 備 間 距 離 は、日 本 では 6m、アメリカで は 3.1~15.6m、ドイツでは 3m(圧 縮 機 )又 は 5m(蓄 圧 器 )を確 保 することとなって いる。アメリカでは、2 時 間 の耐 火 性 能 を有 する防 火 壁 を設 備 間 に設 けることに より設 備 間 距 離 を短 くすること が可 能 である。ただし、離 隔 距 離 を短 くするには 水 素 ステーションの設 置 場 所 の許 認 可 権 を有 する 管 轄 当 局 (AHJ)の許 可 が必 要 である。なお、防 火 壁 と離 隔 距 離 緩 和 の関 係 を示 す実 験 データ及 び技 術 的 根 拠 は示 されていない 。 ②公 道 とディスペンサーとの距 離 に係 る障 害 等 の代 替 措 置 の設 置 公 道 と水 素 ディスペンサーとの距 離 は 、日 本 では 6m、アメリカでは 3.0~4.6m、 ドイツでは 3m を確 保 することとなっている。ドイツでは、 技 術 的 な措 置 (例 えば保 護 壁 の設 置 、十 分 な高 さの排 出 ラインなど)で緩 和 が可 能 である。 ③セルフ充 填 式 水 素 スタンド実 現 に向 けた高 圧 ガス製 造 の許 可 を受 けた者 以 外 による水 素 の 充 填 行 為 の許 容 日 本 で は 、 水 素 ス タ ンド で の 充 填 は 、 高 圧 ガ ス の 製 造 者 と し て 都 道 府 県 の 許 可 を 受 けた者 (その従 業 員 を含 む。)が行 わなければならず、現 在 は、一 般 ドライ バーによる充 填 は認 められていない。 アメリカにおいても、現 在 は、一 般 ドライバーによる 水 素 の充 填 は認 められてい ない 。 た だ し 、 水 素 ス テ ー シ ョ ン オ ーナ ー 又 は 燃 料 電 池 自 動 車 メー カ ー が 行 う 充 填 トレーニングを受 け ることにより、一 般 ド ライバーは充 填 を行 うことが可 能 となる。 なお、統 一 的 な充 填 トレーニングは公 開 されていない。 ドイツでは、一 般 ドライバーによる 水 素 の 充 填 は認 められてい る。これは、自 動 車 の 運 転 免 許 証 の 申 請 では 、 セルフ 充 填 のト レ ーニン グを 受 け るこ と になっ てお り 、 すべ ての 運 転 手 は「 セル フ 充 填 に 熟 練 し てい る 」と 考 え ら れてい る ため で あ る 。 なお、水 素 ディスペンサーにはセルフ 充 填 の操 作 手 順 を示 すことが義 務 付 けられ ている。 ④公 道 でのガス欠 対 応 のための 充 填 場 所 の確 保 日 本 では、移 動 式 製 造 設 備 (処 理 能 力 30m 3 /日 未 満 )を用 いて水 素 の充 填 を行 う場 合 、火 気 を 取 り扱 う場 所 等 から 5m超 の距 離 を確 保 し、あらかじめ都 道 府 県 知 事 へ届 け出 た場 所 で行 う ことになっている。一 方 、アメリカ及 びドイツでは 定 置 式 と移 動 式 に関 係 なく水 素 の 充 填 には同 じ規 制 が適 用 さ れる。このため、 水 素 ステーション以 外 で 水 素 の 充 填 を行 う場 合 、水 素 ステーション同 じ保 安 距 離 の確 保 し、あらかじめ管 轄 当 局 等 へ届 け出 ることになっている。 75