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左大腿部脂肪肉腫摘出術後 5年 目に発生した 空腸腸間膜脂肪肉腫の 1例
日消外会誌 24(11)i2791∼ 2795,1991年 左大腿部脂肪 肉腫摘 出術後 5年 目に発 生 した 空腸腸間膜脂肪肉腫 の 1例 川崎市立川崎病院外科 和原 維 聡 大上 正 裕 松本 賢 治 深川 裕 明 横 山 勲 有 沢 淑 人 納 賀 克 彦 北 川 裕 章 腸間膜 に発生す る悪性腫瘍 は比較的 まれ な疾患で あ る。今 回,空 腸腸間膜脂肪 肉腫 の 1例 を経験 し た ので報告す る。症pllは 49歳の 男性 で,左 側腹部痛 を主訴 として入院 した。既往歴 として 5年 前,他 院整形外科 にて左大 腿部腫瘍摘 出術 を施行 され てお り,病 理組織学的診断 は脂肪 肉腫,粘 液型 で あ っ た,入 院後 の腹部 computed tomography(CT)検 査 で は,横 行結腸下方 に軟部組織腫瘤 を認 め,内 部 は不 均 一 な濃淡像 を塁 し,腸 間膜腫瘍 が疑 われた.開 腹手術所見 にて病変 は Treitz靭帯 よ り肛 門側 約 40cmの 空腸腸間膜 内に認 め られ,19× 18×8cm大 で 限局被膜化 されてお り,完 全摘 出 された。病理 組織学的 には左 大腿部腫瘍 と同様 で脂肪 肉腫,粘 液型 と診 断 された 。 腸間膜脂肪 肉腫 の報告 は まれで, これ まで 欧米 で11例,本 邦 では 8例 のみ と思われ る。他家 の報告 に よれば,脂 肪 肉腫 の平均再発期 間 は約 15か月 で あ り,本 症例 は臨床経過や検査所見 よ り果時重複性 と示唆 された。 Key words: jejunal mesenteric liposarcoma, heterochronous double liposarcomas は じめに 腸間膜 に発生す る悪性腫瘍 は比較的 まれ な疾患 で あ phy(CT)検 査 を施行 し,腹 腔 内 に小児頭大 の 巨大腫 瘤 が発見 されたため外科転科 とな った。 るが,特 に空 腸腸間膜脂防 肉腫 の報告 はい まだ本邦 お )。そ こで 今回われわれ よび欧米 を通 じて まれであ る1レ 四肢 に理 学的異常所見 を認 めず,腹 部 は弾性軟 だが踏 入院時現症 :身 長 172cm,体 重78kg.頭 頸部,胸 部, は,左 大腿部脂肪 肉腫摘 出術後約 5年 経過 して発生 し 周 囲 よ り磨 下部 にかけて,最 大径約20cmの 腫瘤 を触 た, きわめて まれ と思われ る空腸腸 間膜脂肪 肉腫 の 1 知 した。腫瘤 は辺縁整,可動性 良好 で圧痛 は認 め なか っ 例 を経験 したので,若子 の文献的考察 を加 え報告す る。 こ. ブ 症 例 患者 :49歳,男 性. 主訴 :左 側腹部痛. 既往歴 :1985年 6月 10日,他 院整形外科 にて左 大腿 Table l Laboratory data on admission Hemato』 ogy Chemistry RBC 432X 104/mm3 GOT 19,U′ : 部腫瘍 (19×10×10cm大 )摘 出術施行 し,摘 出標本 の Hb 13 2。 /d, 6PT 24,U′ : 病理組織学的診断 は脂肪 肉腫,粘 液型 で あ った 。現在 H t 4 0 LDH 304 1U/, も同病院 にて経過観察 されてい るが,再 発 の徴候 は認 め ていない。 そ のほか,特 記す べ き こ とな し, Pに 291× ALP 152 1U/, 0 % 104/mm3 GTP γ‐ WBC 5000/mm3 T‐ Bi! 001m。 ′ di 現病歴 :1990年 3月 12日,左 側腹部痛 が 出現 し尿 路 結石 の疑 いで 当院泌尿器科緊急入院 とな る。精査 にて 左腎機能低 下 を認めたため腹 部 ∞mputed tOmogra‐ 39 3U/1 T‐ cho 178 m。/dt 家族歴 :特 記す べ き こ とな し. D‐ B1 031m。 ′ di 『 CEA 彰 06n。 Amy /ml ZTT T‐P <1991年 7月 3日 受理>別 刷請求先 :松 本 賢 治 〒210 川 崎市川崎区新川通12-1 川 崎市立川 崎病 AFP 4 1 n。/m' CA19‐9 < 5U/mi 院外科 STS:positive A,b PSP15 120,U/1 7 6U 7 1 。 /di 460′ 35 % d, 104(2792) 左大腿 部 脂肪 肉腫摘 出術 後 5 年 目に発 生 した空 腸腸 間膜 脂肪 肉腫 日 消外会議 Fig.l Ultrasonography説 24巻 11号 ows a low echoic mass mixed with high echoic area, H′ hich suggests a tumor originated fronl fat tissues Fig. 2 Dinamic CT scan reveals a mesenteric tumor localizedclearly and enhancedirregularly. 検査所見 :①血液検査 では末精血,生化学,腫瘍 マ ー カーなどすべて正常で,梅 毒血 清反応 が陽性であ った (Table l)。 ② 腹部超音波検査 にて,踏 下部を中心 に小 児頭大 の腫瘤 を認 め,内 部 は低 エ コーを主 とし高 エ コー も混在す る像が得 られ,脂 肪組織 出来 の腫瘍 が示 Fig. 3 Superior mesenteric arteriography shows an arterial encasement (+) with hypovascular tumor (-). め,全 身腫瘍 シ ンチ グ ラム,肺 の CT,断 層撮影 な ど施 行 した が異常所見 は認 め られ なか った。 手術所見 t腸 間膜腫瘍 の診 断 にて, 5月 2日 ,腹 部 正 中切 開 にて開腹 した 。病変 は Treitz靭帯 よ り肛 門側 唆 された (Fig.1).③ 腹部 CT検 査で は横行結腸下方 に軟部組織腫瘤を認め,境 界 は明瞭であるが enhance‐ mentに て内部 は不 均一 な濃淡像を呈 し,腸 間膜 の腫 約 40cmの 空腸腸 間膜 内 にあ り,周 囲臓 器 との境 界 明 場 が疑われた (Fig.2).④ 腹部血管造影検査 では,上 腸間膜動脈 が起始部 よ り末浦 まで著 しく偏位圧排 され め られ なか った。 ているほかは,腫 瘍 は hypovascularで 濃染像 な どの gで あ った。割面 は粘液性 と弾性 硬 な結節 が 混在 して お り,肉 眼的 には脂肪 肉腫 と診 断 された (Fig.5). 異常所見 は得 られなか った (Fig.3).⑤ そのほかの検 査 として,左 大腿部脂肪肉腫 の再発転移 も疑われたた 瞭 で 限局被膜化 され てお り,近 接 した空 腸 約 20cmと ともに完全摘 出 された (Fig.4).ほ かに粗大病変 は認 摘 出標 本 肉眼所 見 !腫 瘍 は19×18×8cm大 で1,090 病理組織学的所見 :腫 瘍細胞 は胎児脂防 に類似 した 1991年11月 105(2793) ng.4 0perative inding(schema). showed jeiunal mesenteric tumOr distant from Treitz's ligament Laparotomy about 40cm 考 察 腸 間膜 組織 は後 腹 膜 組 織 と解 剖 学 的 に 隣接 して お り,発 生学的 に も同一 組織 で あ るため ,腸 間膜腫瘍 と 後腹膜腫瘍 の鑑別 はか な らず しも容易 で な く,そ のた め これ まで両 者 が混 同 された報 告 も見受 け られ る。 し たが って, こ こで は久保 の 定義 に基 づ きゆ原則 と して 小腸間膜,横行結腸間膜,S状 結腸間膜 の遊離性腸間膜 に発生 した腫瘍 を腸間膜腫 瘍 として論 ず ることとし, ほかは除外 した。 Treitz's iig. 腸 間膜 腫瘍 は それ 自体比 較 的 まれ な疾 患 で あ るた め。,腸 間膜脂肪 肉腫 の発生頻度 も定 かではないが,欧 米 で は これ まで11例がり,ま た 本邦 で は 8例 が報 告 さ (19X18X8cm) l ゆ れ てい るのみで あ る1ン (Table 2).詳細 の判 明 して い る欧米例 9例 と本邦例 を比較 してみ る と,年 齢構成 は前者 で36∼68歳 (平均54.2歳),後 者 で33∼83歳 (平 均56.2歳),また男女比 は ともに 5対 4と おのおの顕著 な特 徴像 はな く1/aば 同様 な結果 で あ った。主訴 につ い 小型 の細胞 で,核 は異型性 を認 め るが紡鍾形や星亡状 で大 きさは比較 的そ ろ っていた。核 分裂像 は ご くわず かに認 め られ るのみで,腫 瘍細胞 の胞体 は泡沫状で脂 肪染 色陽性所見 を得 た。間質 は alcian blue染 色 にて陽 性で粘液腫様 を塁 し,毛 細 血 管網 の発達 も認めた。以 上 よ り組織学的 には粘液型 の脂肪 肉腫 と診断 され, 5 年前摘 出 された左大腿部脂肪 肉腫 の組織標 本 と照合 し た結果,今 回の所 見 と一 致 した (Fig.6). 術後経過 :術 後経過順調 で 5月 25日 (術後23日 目) 軽快退院 とな った。後療法 としての化学療法や放射線 照射療 法 な どは施行 していないが,術 後 10か月現在再 発 の徴候 は認 めてい ない。 ては本邦 では全例腹部腫瘤 お よび腹満,腹 痛 であ った が,欧 米例 で は嘔吐,腸 閉塞,腸 管穿孔 の消化器症状 を各 1例 認 めてい る。病巣 占拠部位,大 きさに関 して は欧米,本 邦 ともにほぼ 同様 で あ り,病 理組織型 にお いて も,多 形型 を本邦 に 14211認 め た のみで,ほ かは欧 米例 を含 め全例粘液型 か高分化型 で あ った。 腸間膜腫瘍 の局在診断 は,腹 部 に腫瘤 を触知す る こ とや ,腹 部超音波 ,CT像 ,血 管造影検査所 見 な どよ り 今 日では比較 的容易 で あ る4)。 質的診断 において も,脂 肪 肉腫 で は超音波 にて脂防組織 に近 い低 エ コー像 が得 られ る こ とや ,CT像 にて腫瘍 内部 が不 均 一 で CT値 が正常脂防組織 よ り高値 を示 し,造 影剤 にて enhance‐ mentさ れ る こ と619),また血 管造 影検査 で腫瘍 に濃染 Fig. 5 Macroscopic feature of resected specimen.The tumor is 19X 1gx gcm in size and weighs 1,0909(A). Cross-section of the tumor showsmixed nodi with elastic hard and myxoid nodules (B). 左大腿部脂防肉腫摘 出術後 5年 目に発生 した空腸腸間膜脂肪 肉腫 日 消外会誌 24巻 106(2794) 11号 像 を認 めず h y p O v a s c u l a r で , 腫 瘍 に よる e n c a s e m e n t り こ る を呈 とな どよ り す 像 , か な り正確 に診 断 で きる Fig. 6 Histopathological findings of tumor, showing hypocellular pools of mucinous matrix within stellate cellular stroma (A; H.E.x25). Spindle and stellate cells embedded in myxoid stroma separated widely with abundant plexiform capillary network (B; H.E. x50). とされ てヽヽ る。 治療法 は外科的 に完全摘 出す るのが第 一 選択 で あ り 最善 で あ るが,多 発 性浸潤 性 で reduction surgeryに 頼 らざるを えない よ うな例 もあ る (Table 2).欧米 で も完全切 除率 は50%前 後 と推 定 され る分.脂 肪 肉腫 に 対す る化学療 法 の有 効性 につ いては,い まだ一 定 の見 2j5ち 腸間膜動脈 よ り 解 は得 られて い な い よ うであ るが の adriamycinと cisplatinの 持続 動 注 療 法 やめ,vin‐ cyclophosphamideの併 用 療 法 が cristine suifateと な どが散 見 され る.一方,脂肪 効 を奏 した とす る報告 1の 肉腫 に対す る放射 線療 法 に関 しては,従 来 そ の有効性 が指摘 されてお り,外 科的 に摘 除 された例 で も後照射 しか し,腸間膜腫瘍 では照 を推奨 す る意見 もあ る11)12j。 射部位 の決定 が難 しい こ とや ,放 射線性腸炎 を引 き起 こす こ とへ の危倶 よ りその適応 は慎重 にな らざるを え な い。 予後 に関 しては,完 全摘 出 された腸間膜脂肪 肉腫 は 一 般 に良好 とされ てい るが,組 織型 に も左右 され,脂 肪 肉腫全体 での 5年 生存率 は高分化型 で70∼85%,粘 液 型 で60∼77%,多 形 型 で21∼50%,円 形 細 胞 型 で 18∼30%と されて い る1)。 した が って,本 症例 は粘液型 つ で あ りか 完全摘 出 されて い る こ とよ り,原 発性 で あ Table 2 Reported casesof mesenteric liposarcoma in Japan Reporter Age 1.H〕ma et a14) 1982 42 Abd. distension 2.Kawabata ct at l弱2 44 Abd. tumot 3 . T a k a g i 1984 e t 54 a 1 5 ) AM. tumr 硫 Mesnterium Therapy Histopath‐ Prognosis ologic type (lnterval) Resetion ? ?(Muit,ple) Stepwis part- wer dtt aduに Jejunal rnesentsium 16X95X9 Restion We‖ dr Pleo「orphに C h i l d i s h e a Chmotherapy, d Dead(5y) A lve(3y) 67 a 33 , 3 ) 49 Abd. tumr 20X7X? Laparotomic hemostasis Mesnterium 27X18X14 (26∞ ) Chemotherapy, Wdi df sclerosing rcs€ction Dead(3y7m) Chemotherapy, restion ALve(ly) ? AM. distension ilest€rium 35X25X15 (35∞ ) ResEtiff AM. Dain 19X18X8 (1090) Res€ction JejunalnEsntsium E:Female;M.:Male;AM.:Abdominalidif.:diffffitiated; y.:r€ar(s); m:month(s); d:day; ?:unknom W e ‖d i f D3ed(ld) Sigmid resmlon Ю y 研 M e t 68a 1 1 ) Abd. distssitr, tumr A,ve(2y) rffition distension e t 9.Present case 村z9of Tumo Cm(3) 45X35X? (6340) Abd. disttrsion, Me$nterium IUmOr e t 83 a 1 6 ) Abd. pain, 6 陀 kayama et a," 1988 8 . K o n d c 1989 Location of Tumor (5m) Y a s u n o 1986 7 . O o t a 1988 Symptoms ial resetion 4 . O z a w 創a 或 1985 5 Sex A,ive(?) AI前 e(10m) 199¥子11月 107(2795) れ ば予後 は期待 で きる と思われ る。 一 般 に脂肪 肉腫 の平均再発期 間 は15か 月 で あ り,最 長 で も 5年 とされてい る。.よ って,臨 床lFa過お よび検 査所見 か らは,本 症例 は転移性 とい うよ りも異 時重複 性 で あ ることが強 く示 唆 され るが,組 織像 が 5年 前摘 出 された左 大腿部脂肪 肉腫 と一 致 した点 か らは,転 移 性 も否定 しがた か った。し か し, こ れ まで大腿部脂肪 肉腫 が空腸腸間膜 に転移 した とい う報告 は見受 け られ ず,い ず れ にせ よ興味 あ る経過 を示 した きわめ て まれ な る症例 と思われた 。今後局所再 発 のみ な らず ほかの 部位 に発生す る こ とに対 して,CTや magnetic reso‐ nance imaging検 査 な どに よる厳 重 なる定期的経過観 察 が望 まれ る。 稿を終あるにあた り,御 校閲を賜わ りました慶應義塾大 学外科学教室,小 平 進 講師に深謝いた します。 なお,本 論文の要 旨は第37回 日本 消化器外科学会 総会 (1991年,名 古屋市)に おいて発表 した. 文 献 1)近 藤真治,蜂須賀喜多男,山 口晃弘ほか :巨 大な腸 間膜脂肪肉腫の 1例 .外 科 51:423-426,1989 2)MOyana TN: Prttlatt mesenteric lipOsar_ coma.Am j GastrOentero1 83:89-92, 1988 3)久 保正哉 :原 発性腸間膜腫瘍の知見補遣.京 都府 医大詰 11:63-83,1934 4)飯 島俊秀,児 島高寛,岡 田 孝 ほか :腸 間膜腫瘤 の X線 診断.臨 放線 27t263-268,1982 5)Takagi H,Kato K,Yamada E et al: Six recent lipOsarcomas including iargest to date J Surg Onc01 26,260-267, 1984 6 ) 安 野雅夫, 日 中道夫, 小 島義平 ほか : C T が 診断 に 有用であった骨盤結腸間膜原発脂肪 肉腫 の 1 例 . 臨放線 3 1 1 1 0 6 5 - 1 0 6 7 , 1 9 8 6 7 ) 中 山 正 , 山本啓 一郎, 原 義 和 ほか : 腸 間膜原発 の 硬 化 性 分 化 型 脂 肪 肉腫 の 1 例 。東 京 医 大 誌 46i588--594, 1988 8)太 日智彦,吉 田紘 一 ,花井 彰 ほか :腸 間膜動脈持 続注入療法が著効を呈 した腹腔 内再発脂肪 肉腫 の 2例 。日 癌治療会誌 23:2394,1988 9)DeSantOs LA,Ginaldi S,ヽVallace Si COmput‐ ed tomography in liposarcOコna. Cancer 47: 46--54, 1981 10)James DH Jr,JohnsOn WW,wrenn EL Jri Efective chemotherapy of an abdominal liposarcoma.J Pediatr 68:311-313, 1966 11)Ediand RW: Liposarcoma.A retrospective study of Flfteen cases,a review of the literature and a discussiOn of radiosensitivity.AJR 103 i 778--791, 1968 12)伊 藤 潤 ,三橋紀夫,岡崎 篤 ほか :脂 肪 肉腫 の放 射線治療 ―脂肪 肉腫 11症例 の検討 ―.日 医放線会 言 志 40i445--452, 1980 A Case of Jejunal Mesenteric Liposarcoma, which Developed 5 Years after Resection of a l-eft Femoral Liposarcoma TsunaakiSakakibara,Kenji Matsumoto,KatsuhikoNouga,IsaoYokoyama,MasahiroOogami, HiroakiFukagawa,HiroakiKitagawaandYoshitoArisawa Departmentof Surgery,KawasakiCity Hospital A rare caseof jejunal mesentericliposarcoma,which developed5 years after resectionof a left femoral (myxoidtype),is reported.A 49-year-old liposarcoma man was referredto our hospitalwith left aMominalpain. Computedtomographicfindingsshoweda tumor originatingin mesentericsoft tissues,and superiormesenteric arteriographyrevealednot a tumor stainbut arterialencasement. Laparotomyrevealeda jejunalmesenteric tumor about40 cm distant from Treitz's ligament.The tumor was completelyresectedand histopathological findings (myxoidtype).The postoperative indicateda liposarcoma coursewasuneventful.On the basisof theclinicalcourse laboratory and data,this wasbelievedto bea caseof heterochronous doubleliposarcoma. Reprint requests: Kenji Matsumoto Departmentof Surgery,KawasakiCity Hospital KawasakiCity 210JAPAN