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ユーザーガイド - 局所風況マップ - 新エネルギー・産業技術総合開発機構

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ユーザーガイド - 局所風況マップ - 新エネルギー・産業技術総合開発機構
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局所風況予測システム
ユーザーガイド
LAWEPS 工学モデル計算の手引き
Version 2
目 次
1. はじめに
………………….……….….………..……………………..…… 1
2. 工学モデル計算の手順
…..….…………………………..……………..… 6
2-1 工学モデル計算データの準備 …..……………..…….……....…..… 6
2-2 気象モデル–4 次領域間データ接続 …..……..……………....…..… 27
2-3 工学モデル 4 次領域計算
……..….………………………….…… 30
2-4 データ解析・表示(年平均風速)
2-5 工学モデル 5 次領域計算
…………….………….……… 33
…..….………………………….……… 41
3. インストールガイド ……………………………………………….……... 47
4. サンプルデータ
付録 A フォルダ構造
………………….………………………………...……... 74
……………...…………………….…………………... 75
B データファイル ……………...…………………….….……...……... 77
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3/05
工学モデル計算の手引き
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・局所風況予測ソフトウェア LAWEPS は Local Area Wind Energy Prediction System の略称です
・LAWEPS は次のメンバーからなる局所風況ワーキング・グループが開発しました
財団法人日本気象協会 株式会社大林組
イー・アンド・イー ソリューションズ株式会社 有限会社ビートラボ
慶応義塾大学 東京大学生産技術研究所 名古屋工業大学 東北大学 防衛大学校
・LAWEPS は(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)平成 11-14 年度委託研究
「離島用風力発電システム等技術開発 局所的風況予測モデルの開発」の成果をとりまとめた
もので,インターネット上で公開されています。
URL:http://www2.infoc.nedo.go.jp/nedo/top.html(NEDO HP)
http://www.jwa.or.jp/laweps.html(日本気象協会 HP)
・ 本書の内容に関して運用した結果被った影響や損害等については,一切の責任を負いかね
ますのでご了承ください。
・ Microsoft,MS-DOS,Windows,Windows 2000,Windows XP は,米国 Microsoft Corporation
の米国及びその他の国における登録商標または商標です。
・ その他のプログラム名,システム名,CPU 名などは,一般に各メーカーの各国における登
録商標または商標です。
・ 本書では,®©等の表示を省略しています。
・ 数値地図について:
この地図の作成に当たっては,国土地理院長の承認を得て,同院発行の数値地図 200000
(行政界・海岸線)および数値地図 1km メッシュ(標高)を使用したものである。
(承認
番号平 15 総使,第 99 号)
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ver. 2.0 2005 年 3 月
ユーザーガイド
LAWEPS 工学モデル計算の手引き Version 2
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1. はじめに
このユーザーガイドは,NEDO プロジェクト「局所的風況予測モデルの開発」の成果ソフトウェ
ア LAWEPS(Local Area Wind Energy Prediction System 局所的風況予測システム)のうち,工学モデ
ル計算システムを用いたネスティング計算の手引書です。工学モデルとは,数値気象データを用
いた広領域の気象モデルで計算された時系列計算結果から,そこに収まる(ネスティングされる)
それより狭い,例えば 10 km 四方程度の領域内でさらに計算を行い,風況予測に地形などの影響
をより的確に反映させようとする意図をもって開発されたものです。その名称は,数値計算技法
がいわゆる CAE(Computer Aided Engineering)の解析手法に基づくことにちなんでいます。ただ
し,これは上述の「気象モデル」の対比という意味なので,一般になじんだ用語ではないため,
以下簡単に局所風況予測システム LAWEPS の内容にそった説明を加えます。
工学モデル計算には 2 段階あります。はじめは 10 km 四方程度の領域を約 100 m のメッシュ間
隔に分割して非定常計算を行う「4 次領域」計算です。
(より広いエリアを対象にする 1 次から 3
次領域は気象モデルに属します。)局所的な風況を把握するには,この程度の大きさの領域で得ら
れた計算結果を検討すれば十分な場合も多いですが,次段階としてさらに狭い 1 km 四方程度の領
域上でネスティング計算を行えるようになっています。また,この細密(5 次)領域では気象的
な非定常性はあまり問題にならないと考えて,定常計算を行うことにより,計算負荷の極端な増
加をおさえています。ところで,空間解像度を上げる,すなわち計算メッシュの間隔を細かくす
れば,数値解の精度もそれに応じて向上すると考えがちですが,必ずしもそうはならないことに
留意すべきです。その理由は,4 次領域までは地形などの数値情報も容易に入手でき,計算の入
力条件もよく整備されているといえるのに対して,約 10 m のメッシュ間隔を用いる 5 次領域計算
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工学モデル計算の手引き
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にそのまま採用できる地形・植生などの数値データの蓄積がほとんどないのが現状だからです。
そのため,ほんとうに解像度相当の精度を求めるならば,航空測量などを実際に行って,入力デー
タをユーザー自身が準備するという作業が決定的に重要となります。
図 1.1 に工学モデル計算システムを用いたネスティング計算手順の概略図を掲げます。具体的
な手順については,次章で順を追って説明してゆきますが,ユーザーは専用インターフェースを
操作することにより作業の大部分を行うことができます。インターフェースには 2 種類あり,数
値地図から工学モデル計算用のメッシュや計算条件設定用のデータファイル等を準備する「前処
理」の部分を担当するプリ・プロセッサーと,それらのデータを用いて通年計算(1 地点あたり 6
日間隔 6 時間毎 4 時刻で 240 ケース以上)を効率的に遂行するナビゲータの役割をもつ,Web 形
式の「計算インターフェース」です。また,前処理ソフトは計算インターフェースが出力した年
平均データなどを 3 次元グラフィック表示したり,別途開発された風況マップ表示システム上で,
気象モデルデータのフォーマットで表示するための処理も担います。
(そこで,このプログラムを
「工学モデル プリ・ポスト」とよぶことにします。
)
このユーザーガイドは,上記工学モデル計算システム・インターフェースのインストール手順
と,テスト計算用のデータファイルについても説明しています。さらに,ユーザーが実際に工学
モデル計算を行う時,データファイルを所定のフォルダに格納するのに参考となる,フォルダ構
造やデータファイルの解説が付録として収録されています。
本書「工学モデル計算の手引き」のほかに,LAWEPS 工学モデルの技術資料としては,プリ・ポ
ストの機能を詳細に解説したリファレンス・マニュアル等があります。詳しくは,p. 4 をごらん
ください。また,風況マップ表示システム用のユーザーガイドも別途用意されています。これら
の資料も,本書とあわせてご活用ください。
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工学モデル計算の手引き
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LAWEPSホームHTML
本書 2.1(p.17, 20, 25-26)
2.2(p.27)参照のこと
気象モデル
(気象モデル出力データ)
1次領域(5 kmメッシュ)
気象モデルデータベース
ANEMOS
ANEMOS
全国風況マップ
2次領域(1 kmメッシュ)
initCODE.data(メッシュ)
regCODE.par(位置)
nestCODE.yymmddzz(時系列)
(別に操作マニュアル有)
マスコン
3次領域(500 mメッシュ)
4次領域計算データ
メッシュXYZ_s4
植生パラメータ CPV_s4
工学モデル入力データ
数値地図50mメッシュ
標高データ
土地利用区分
(国土地理院データ)
計算データ準備
工学モデル プリ・
プリ・ポスト
気象データ変換
GUIによるデータ準備や結果表示
2.1 参照
気象工学4次領域(100 mメッシュ)データ接続
2.2 参照
計算ケースデータ cfdCODE_yymmdd_tth(XYZ_s4, CPV_s4,QFOL_s4,計算パラメータファイル )
4次領域計算 (12, 18, 24, 30h)
2.3 参照
結果CG表示
計算結果(QEND_s4, XYZ_s4)
5次領域解像度に相当する
標高データ
土地利用区分
年平均風速
風速マップ 等
2.4 参照
4次5次領域(10 mメッシュ)データ接続
(航空測量、数値地図10m等)
(2.1 p.21-23 参照)
5次領域計算データ
計算データ準備
メッシュXYZ_s5
植生パラメータ CPV_s5
計算ケースデータ fine_mesh(XYZ_s5, CPV_s5,QFOL_s5,計算パラメータファイル )
5次領域計算 (12, 18, 24, 30h)
2.5 参照
計算結果(QEND_s5, XYZ_s5)
2.4 参照
工学モデル
工学モデル計算システム
結果CG表示
工学モデル計算インターフェース
年平均風速・風速マップ 等
計算の流れをWebでナビゲート
工学モデル プリ・ポストおよび計算インターフェースのインストール・設定方法は第 3 章参照
工学モデル計算用のデータファイルに関しては,第 4 章および付録 A, B を参照のこと
図 1.1
風況予測シミュレーションシステム LAWEPS
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工学モデル計算の手引き
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LAWEPS 工学モデル計算システム Version 2 では,以下の機能が追加あるいは改良されました。
工学モデル プリ・ポスト関連
・データが日本測地系・世界測地系に対応するようになり,混用も可能です。
・メモリー容量 256MB でも仮想メモリの拡張設定が不要になりました。
・土地利用区分データが更新され,欠落部分がなくなりました。
・風速など計算結果の 2 次元表示に 2 万 5 千分 1 地図画像を重ね合わせることができます。
・計算データの 2D/3D 表示機能を拡張し,任意のレンジ設定や等高線の太さ等の変更が可能。
・ユーザーが指定した地点を表示する「ランドマーク」機能を拡張(旧名「主要都市」)
。
・ユーザー設定の植生データが保存可能になり,編集作業過程が再現できるようになりました。
・表示画面を画像で保存することや,表示フォントの変更が可能です。
工学モデル計算インターフェース関連
・気象モデルデータ分割と工学モデル計算データ接続作業が連続処理できるようになりました。
・工学モデル計算の連続実行方法を説明しました。
・指定地点の風速・風向の全高度分布が,計算ケース・平均風速ともファイル出力可能です。
さらに,以下のドキュメントが改訂あるいは追加されました。
ユーザーガイド:LAWEPS 工学モデル計算の手引き Version 2(本書)
工学モデル入門マニュアル
クイック・スタート ガイド:LAWEPS 工学モデルの作業手順
クイック・リファレンス:LAWEPS 工学モデル プリ・ポスト Version 2
操作マニュアル:LAWEPS 工学モデル植生データ編集
操作マニュアル:LAWEPS 工学モデルのタスク処理
操作マニュアル:LAWEPS 工学モデル計算データ接続プログラム
リファレンス・マニュアル集:LAWEPS 工学モデル プリ・ポスト Version 2
トラブル・シューティング ガイド:Windows XP SP2 での工学モデル運用
工学モデル Q&A 集:LAWEPS 工学モデル計算システム よくある質問と答え
工学モデル計算システム Version 1 から 2 への移行
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工学モデル計算の手引き
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参考のため,本書「LAWEPS 工学モデル計算の手引き Version 2」の主要な改訂点をまとめます。
p.11
測地系について注意書きを追加(本文)
p.13
「表示のプロパティパネル」を更新(図 2.1.9)
p.15
「表示のプロパティパネル」を更新(図 2.1.13)
p.16
植生データ編集,メッシュの位置合わせについて補足説明(本文)
p.27
作業フォルダについて補足説明(図 2.2.1)
p.29
計算フォルダについて補足説明(図 2.2.3)
p.32
計算フォルダについて補足説明(図 2.3.3)
p.34
データファイルについて補足説明(図 2.4.2)
p.35
「平均風速場の算出」パネルを更新(図 2.4.3)
p.36
「計算結果表示」パネルを更新(文中挿入画像)
p.37
説明画像を更新(図 2.4.5, 6)
p.38
風況マップ表示システムでの描画方法を更新(図 2.4.7–10)
p.43
「4 次–5 次領域接続インターフェース」パネルに補足説明(図 2.5.2)
p.44
計算フォルダについて補足説明(図 2.5.3)
p.67
工学モデル プリ・ポストのインストール画像を更新
p.73
Windows XP での設定に関して補足
p.84
植生パラメータ・ファイルの説明を補足
p.86
領域・植生データファイルについて説明を追加
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工学モデル計算の手引き
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2. 工学モデル計算の手順
2-1. 工学モデル計算データの準備
工学モデル計算の入力データを準備する作業には,①計算メッシュの作成,②植生キャノピー
データの作成,③気象モデル計算データの変換,④気象と工学モデルデータ間のネスティング接
続作業があります。このうち,工学モデル プリ・ポストは①~③の作業を行い,計算インターフェー
スにデータファイルを渡します。これらのデータは,計算対象地域ごとに用意されるものですが,
④から通年計算,そしてそのデータ処理まで計算インターフェースが担当する作業は,プリ・ポ
ストで作成したデータを共通して使いながら,各計算時刻に対して繰り返されます。
説明には具体例として,下図 2.1.1 に示した沖縄県伊是名島の風況予測をとりあげます。なお,
気象モデル出力データでは伊是名島に地域番号として 0552 がつけられているので,以下これにな
らいます。
E&E ●
●AMeDAS
図 2.1.1 伊是名島
概要と観測モニター地点
気象庁 AMeDAS と風況実測点(E&E)もあわせ示す
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工学モデル計算の手引き
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工学モデル プリ・ポスト起動の準備
これから,工学モデル プリ・ポストを実際に使用して,計算に必要なデータファイルを作成する
手順を説明します。この時点で,お使いの PC には工学モデル プリ・ポストがインストールされ,
数値地図データが格納されたフォルダなど,環境設定が済んでいるものとします。環境設定まで
終了していない場合は,まずこのユーザーガイド第 3 章の説明にしたがって,工学モデル プリ・
ポストのインストールおよび環境設定を行ってから,ここに戻ってください。
工学モデル プリ・ポストがデータファイルをまとめて格納するフォルダ(ディレクトリ)を「プ
ロジェクト」フォルダとよびます。このユーザーガイドに沿って作業してゆくプロジェクトの例を
入れておくために,サンプルデータには mesh フォルダが laweps ルートフォルダ内に作られてい
ます。(さらにその中には,後述するよう
に伊是名島関連の気象モデルデータを納
めたサブフォルダ data もあります。詳しく
は,第 4 章をご覧ください)。この作業フォ
ルダは任意の名前と場所(ディスク)で構
いませんが,例としてこの設定を使います。
なお,LAWEPS で使用する作業フォルダとデータファイルには,操作上のトラブルを回避するた
め,できるだけ簡潔な英名
英名(英数半角文字)を使用してください。
英名
工学モデル プリ・ポストを起動するには,デスクトップのアイコンをダブル
クリックします。
(もしアイコンがない場合は,インストールフォルダ下 bin に
ある LAWEPSShell.exe をダブルクリックして起動することもできます。以下の例
では,C:\Program Files\NEDO\LAWEPS_GUI_200\bin に
あります。
)
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工学モデル計算の手引き
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起動状態のプリ・ポスト操作パネルを図 2.1.2 に示します。パネルに並んだボタンは作業項目を
表し,基本的に上から順を追って作業すれば,混乱なく計算準備が整うようにデザインされてい
ます。また,それより前に完了していなければならない作業があるボタンはグレー表示され,選
択できないようになっています。今の時点では「計算準備」の「領域選択」以下などです。
図 2.1.2 工学モデル
プリ・ポスト操作パネル
それでは,パネルの「新規プロジェクト作成」をマウスの左ボタンでクリックください(以下,
この操作を「ボタンをおす」ともいいます)
。すると下図左のように「プロジェクトの作成」パネ
ルが表示されますので,
「選択」をおしてプロジェクト親フォルダである mesh を指定します。
図 2.1.3 新規プロジェクトの作成
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工学モデル計算の手引き
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「プロジェクト名称」は,プロジェクトフォルダの名前となります。ここでは,伊是名島の 4 次領
域計算用データフォルダの意味で izena0552_s4 と入力します。そして「作成」ボタンをおすと,こ
の新規プロジェクトフォルダが作成されます。ここでパネルの「プロジェクト管理」を見ると,プ
ロジェクト名が表示され,作業が完了した印にボタンに
〆(チェック)マークがついたことがわかります。
計算領域の選択
この時点で「領域選択」ボタンが選択可能になりますので,数値地図データから計算領域を指定す
るために,「 領域選択 」ボタンをおしてください。(ここでいう「領域」とは,計算対象とな
る地域,つまり「エリア」を指します。一方,本文中で「4 次領域」などと,次数とともに用い
られる場合には,工学モデル ネスティング計算の「段階」を意味します。)すると,自動的にパ
ネルが一時閉じて,図 2.1.4 のようなウィンドウが現れます。初期画面では日本全体が表示されて
いますので,これから図 2.1.5 に示したような移動・拡大などの操作を行って,所定の地域(図中,
白い矢印の位置)までズームインしてゆきます。
図 2.1.4 領域選択パネル初期画面(矢印が伊是名島)
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工学モデル計算の手引き
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拡大・縮小:
[Shift] + マウス左ボタン ドラッグ
(x と z キーも同じ働き)
平行移動(上下左右):
[Ctrl] + マウス左ボタン ドラッグ
(または 4 つの矢印キー ←↑↓→)
領域選択:
マウス左ボタン ラバーバンド
メニュー選択:
マウス右ボタン
南西端,東北端,中心
の緯度・経度を表示
海岸線を白色で表示
領域の大きさは 10 km 四方
(緯度・経度で約 0.1°)が目安
(5 次領域では約 1 km)
Edit Æ Color edit
図 2.1.5 マウスボタン等の機能
(詳細は工学モデル プリ・ポスト クイック・リファレンス参照)
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工学モデル計算の手引き
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別法:領域(エリア)の選択は,上例のようにグラフィック対話形式で行うこともできます
別法:
が,実際に計算する地域が決まっている場合には,ファイルに緯度・経度情報を指定して数
値地図データを抽出した方が便利です。それにはいったん,マウスを右クリックして Quit
を選び,領域選択を終了します注 2.1)。それから,プロジェ
クトフォルダ(右の例では C:\laweps\mesh\izena0552_s4)
の wemodeler.ini ファイルをテキストエディタ等で編集し
ます。ファイル中ほどの [grid] セクショ
[grid]
size1st = 50
div2nd = 4
トとして設定する地域の南西端と東北
default_SW = 127.8871 26.88479
default_NE = 127.9954 26.97688
端の経緯度なので,ここに伊是名の場合, maxarea250m = 99999999
maxarea50m = 99999999
immediate_mode = 1000000
上例のように(東経)127.8871°(北緯)
nLatlonline = 10
ンにある default_SW と_NE は,デフォル
伊是名 4 次領域
26.88479°等と記入します。このファイ
ルを保存した後,ふたたび「領域選択」を行い,Edit Æ Sel(ect) default area の操作を行えば,
指定した地域が選択されます。
緯度・経度データは 2 万 5 千分 1 地形図以外は日本測地系で統一してください。
領域が確定したら,領域内の標高と土地利用区分データを数値地図から切り出します。図 2.1.7
のようにマウス右クリックで Edit Æ Select grid を選ぶか,Enter キーをおすと,同図右側のように
選択された領域が細密標高データ(図例では数値地図 50 m メッシュ)表示され,残りの部分は暗
くなります。
(今まで表示されてい
た粗い標高データは 1 km メッシュ
です。
)選択された領域の緯度・経度
および標高データの種類を確認す
るには,Edit Æ Grid property から「格
子設定」パネル(右)を表示します。
図 2.1.6 格子設定パネル
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工学モデル計算の手引き
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注 2.1)
あるいはプリ・ポストを終了しても構いません。このように作業を中断した後,再開するに
は,
「既存プロジェクトを開く」ボタンをおしてプロジェクトを選択するか,プロジェクト
フォルダ内の projStatus.tfs アイコン
をダブルクリックします。
Edit Æ Select grid
図 2.1.7 選択領域の確定
図 2.1.8 標高表示(左)と土地利用区分(右)
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工学モデル計算の手引き
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また,前ページの図 2.1.8 のように選択領域の土地利用区分を表示する
には,Disp(lay) Æ Property で「表示のプロパ
ティ」パネル(図 2.1.9)を出して,データ
表示を切り換えます。ここでは,その他の表示項目を変更することもでき
ます。例えば,
「メッシュ」をチェックすれば選択領域に 50 m メッシュの
ます目が現れます。このパネルの詳細と,土地利用区分の変更操作につい
てはリファレンス・マニュアルを参照してください。
最後に選択された地図データをデータファイルに書き出す作業が必要
になります。マウス右クリックで File Æ Export Model を選んでください。
図 2.1.9 表 示 の
プロパティパネル
ファイルが出力されるとメッセージパネルが現れるので,Quit して領域選択作業を終了
します。また,File Æ Return index を行うと,領域選択作業がすべて初期化され,最初か
らやり直すことができます。
これで領域選択に完了マーク(〆印)がついたので,続いて計算メッシュの生成を行います。
ラジオボタン「4 次」を選んで,
「メッシュ生成」を選択可
能にしてください。
メッシュ ID:
10 桁以内の数字
計算メッシュの生成
パネルの「メッシュ生成」ボタンをおすと,図 2.1.10 の「メッ
シュ生成」パネルが表示されます。いくつかパラメータ入力
図 2.1.10
メッシュ生成パネル
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工学モデル計算の手引き
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ボックスがありますが,4 次領域の大きさが約 10 km 四方ならば「格子点数」注 2.2),「領域高さ」,
「高さ方向メッシュサイズ」はデフォルト値のままで構いません。地形条件などにより,著しく異
なる領域サイズ(例えば 15 km など)を選択した時は,それに応じて格子点数を変更するのが望
ましいですが,水平方向
水平方向のメッシュ数の積
(=101×
×101)
)より大きくすると,
水平方向のメッシュ数の積 nx×ny を 10,201(
正しい計算結果が得られなくなります
正しい計算結果が得られなくなります。
得られなくなります。さらに,
さらに,各水平方向(
水平方向(nx,ny)には,それぞれ
)には,それぞれ 121 を超
えないようにしてください(
×81 などは OK)
)
。また,高さ方向
えないようにしてください(121×
また,高さ方向 nz は 31 より大きくしない
でください。
(領域高さは,
ネスティング作業で気象モデルの計算面が 5000 m に位置する都合上,
故意に少しだけずらしてあります。
)
生成した計算メッシュの管理を容易にするため,固有の「メッシュ ID」を 10 桁以内の数字で
指定することをお勧めします(例えば,作成日時と地域番号の組み合わせで 0408030552 など)
。
パネルの「保存」ボタンをおすと,以上のパラメー
ターが保存された後,計算メッシュの生成が開始さ
れます。しばらく図 2.1.11 のような実行ウィンドウ
が表示されますが,それが閉じるとメッシュ生成が
完了しているので,今度はできたメッシュ注 2.3)を 3
次元グラフィック機能で確認します。
図 2.1.11 メッシュ生成の実行ウィンドウ
注 2.2)
格子点数は六面体計算セル(構造メッシュ)の 1 方向あたりの頂点数を表します。したがっ
て,デフォルト値に対して総格子点数は 81 × 81 × 31 = 203,391 です。また,計算セルの数
は各方向に nx–1, ny–1, nz–1 となり,総数では 80 × 80 × 30 = 192,000 となります。
注 2.3)
メッシュはプロジェクトフォルダ内 bfc_gen\tfs_grid サブ
フォルダに xyz_s4.dat というファイル名でできます。ま
た,内容的には同一ですが,メッシュ確認で実際に表示
するファイルは bfc_gen\plot3d 内の fxyz_s4.dat です。
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工学モデル計算の手引き
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計算メッシュの確認
上記「メッシュ生成」ボタンに〆印がついた時点で,生成
されたメッシュを視覚的に確認できるようになります。パ
ネル右側の「メッシュ確認」をおすと,図 2.1.12 のように
ウィンドウが開き,標高で色分けされた地表面メッシュを
真上から透視的に見た初期画面が現れます。これから,下
図 2.1.12
メッシュ確認ウィンドウ
図に示したような操作でメッシュの確認が行えます。
回
転
: マウス左ボタン ドラッグ
メニュー選択:
マウス右ボタン
拡大・縮小: [Shift] + マウス左ボタン ドラッグ
(x と z キーも同じ働き)
平行移動: [Ctrl] + マウス左ボタン ドラッグ
(または 4 つの矢印キー ←↑↓→)
地表面のメッシュを非
表 示 に す る に は Edit
Æ Color edit で 4 次 XY
を選び,透明度 A を 0
にセットする。
図 2.1.13 3D グラフィックの機能 計算メッシュの表示例
(工学モデル プリ・ポスト クイック・リファレンスも参照のこと)
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工学モデル計算の手引き
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この機能はメッシュの表示だけですから,メッシュを作り直す時は前の「メッシュ生成」に戻っ
て作業してください。また,「メッシュ確認」ボタンに〆印はつきません。
植生情報の結合(アタッチ)
ここでは,100 m 正方メッシュ上に記録されている土地
利用区分情報を,生成した不等間隔の計算メッシュに再
配分する「植生情報アタッチ」作業を行います。操作パ
ネルの植生情報アタッチボタンをおすと,図 2.1.14 の入
力パネルが開きます。実際には,
「樹冠パラメーター」
(CLAI,CFPR)や区分ごとの「樹高規定値」は,すでに
plant2.dat ファイルに指定されているので,このパネルか
らは変更しません。また,ラジオボタンで選択して「月
ごと」の植生パラメーター・データファイルを作成する
のは,エキスパート・ユーザー向けの操作です。(詳細
はリファレンス・マニュアルを参照してください。
)
図 2.1.14
植生情報アタッチ パネル
そこでこのまま「OK」をおすと,前掲のような実行ウィンドウが表示されます。作業が完了す
ると,プロジェクトフォルダ下に canopy_attach サブフォルダができ,植生キャノピーモデルのパ
ラメーター・データファイルが格納されます。
(モデルの簡単な説明は付録 B:データファイルに
あります。
)
メッシュの位置合わせ
この時点で計算メッシュの原点は(0, 0)となっています。そこで,この 4 次領域メッシュが該当
する気象モデル領域(地域番号 0552)内のどこに位置するのか,生成時の緯度・経度値をもとに
自動的に算出して,座標値に追加する位置合わせ作業をここで行います。気象モデル出力データ
は日本測地系ですので,工学モデルの計算エリアも日本測地系準拠にしておく必要があります。
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工学モデル計算の手引き
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操作パネルの「 位置合わせ 」ボタンをおしてください。開
いた「メッシュファイルの編集」パネル(図 2.1.15)で「自動
位置合わせ」が選択されているのを確認して,
「保存」します。
すると,図 2.1.16 左側のような「ファイルを開く」パネルが現
れて,「気象パラメーター」ファイル(拡張子.par)を選ぶよう要
求してきますので,気象モデル関係のデータファイルを入れて
おいた mesh\data ファイル内の REG0552.par をファイル名欄に入
図 2.1.15
位置合わせパネル
力して開きます。今度は実行ウィンドウ(図 2.1.16 右側)が出ますが,ここで少し対話式処理を
行う必要があります。まず,気象と工学モデル領域の緯度・経度情報が表示され,所定のものであ
るか「OK? (y/n)」のプロンプトで確認を求められます。大文字あるいは小文字の y(yes の意味)
を入力すると,もとのメッシュファイルが読み込まれ,そのメッシュ ID や格子点数の後に,上
述の緯度・経度情報をもとに算出した,工学メッシュの原点と気象モデル領域中心の相対距離が
メートル単位で「移動量」として表示されます。
図 2.1.16 気象モデル パラメータファイル
(例では REG0552.par)の選択と読み込み
もし風車の想定建設位置や風況精査点など,工学モデルの計算結果をモニターしたい地点がわ
かっていれば,それが計算メッシュのどのセルに相当するのかという情報を,ここでデータファ
イル profile_tfs_s4.dat に記録することができます(後で作業してもかまいません)
。
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工学モデル計算の手引き
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前の例では 0 を入力して,デフォルト地点である領域中心を
選んでいますが,表示に従って手入力でモニター点の緯度・経度
を入力すると右のようになります。さらに,下のようにモニター
点の緯度・経度データファイル monitor_loc.dat をつくって,プロジェクトフォルダに保存しておけ
ば,位置合わせの時にいっしょに読み込まれ,自動的にモニター点ファイルができます。
2
! number of profiles
'*** Izena -- (26.9407N 127.9550E)'
26.9407 127.9550
'*** AMeDAS -- (26.9286N 127.9410E)'
26.9286 127.9410
コメント行
1 行目:モニター点の数
後続する 2 行の組:
コメント行と緯経度値
こうして位置合わせされたメッシュファイルは mesh_positioning フォルダ下におかれます。
計算パラメーターの編集
工学モデル計算条件などのパラメーターを設定するのが計算用パラメーター編集です。図 2.1.17 に示し
図 2.1.17
工学モデル計算パラメーター パネル
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工学モデル計算の手引き
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たようにデータファイル名を指定する「計算用パラメーター編集」主パネルと,工学モデルの詳
しい計算条件を設定する「Par ファイルの編集」副パネルがあります。この副パネルはエキスパー
トユーザー向けであり,
「計算条件の設定」内のパラメーターを変更するには,CFD(Computational
Fluid Dynamics 計算流体力学)の知識が必要です。主パネルで指定できるファイル名は,英数字
の他に記号としては,ハイフン(-),アンダースコア(_)およびピリオド(.)の組み合わせの
み有効で,空白(スペース)を入れることはできません。また,拡張子.dat は変更しないでくだ
さい。前述のメッシュ ID と同様,複数の地域で風況計算を行う場合など,ファイル名で区別し
ておくなど工夫してみてください。
主パネルの「保存」をおすと,パラメーター・ファイルがプロジェクトフォルダに保存されます。
なお,LAWEPS 工学モデルには 3 種類の乱流モデルが用意されています。そのうち,標準的に広
範に使用されている k–εモデルの改良版である S–Ω(オメガ)モデルは,本 NEDO 局所風況予測シ
ステム開発プロジェクトで独自に開発されたもので,簡単な説明が付録 B にあります。工学モデ
ルでは,4 次と 5 次領域でそれぞれ k–εと高 Re 型 S–Ωモデルを推奨しています。どちらの乱流モ
デルも,このユーザーガイドの操作手順に従えば,デフォルトとして利用できるものです。
表 2.1 LAWEPS で使用できる各種乱流モデルの特徴と利用の指針
k–ε
特 徴
メッシュ生成
計算時間
比較
推奨適用
領域
浮力考慮
もっとも標準的で実績も多い
工学的乱流モデル。気象モデル
で利用されている乱流モデル
の拡張版ともいえる。
本文で説明
1 注1
4次
高 Re 型
激しい剥離・逆流などがある地
形上で高精度を保てるよう,高
Re 型 k–εモデルを発展させた。
本文で説明
1.2 ~ 1.3
4&5次
低 Re 型
すべりなし境界条件を課して,
高 Re 型 S–Ωモデルの精度を地
表面まで高めた。
高機能ソフトが必要注 2
5 ~ 10
5次
S–Ω
注 1)実際の計算時間例:約 2.5 時間(メッシュ数 80×80×30 程度,Pentium 4 1.7GHz クラス)
注 2)地表面近傍の乱流底層を解像できる程度の細かいメッシュが切れるソフト
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工学モデル計算の手引き
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計算データセット作成
これまでプリ・ポストが作成し,プロジェクトフォルダお
よびそのサブフォルダ内に格納されているデータファイ
ルを単一のフォルダにまとめる作業をここで行います。
この時点で選択可能になった,データセット作成ボタン
をおしてください。すると,プロジェクトフォルダ下に
to_cfd_s4 サブフォルダができ,その中に次節 2-2 で工学モデル計算インターフェースに渡す 6 つ
のデータファイルが保存されます。
気象モデルメッシュの変換(4 次領域計算時のみ)
ネスティングの広領域にあたる気象モデルは UNIX 系のデータフォーマットなので,そのまま PC
で使うことはできず,データ変換をしなければなりません。気象モデルメッシュ変換ボタンをおして,
気象モデルの計算メッシュ init0552.data を指定してください(図 2.1.18)
。続いて実行ウィンドウ
から,地域番号を入力確認するよう要求されますので,0552 と打ち込んでください。すると,気
象データフォルダ(例では data)にデータ変換されたファイル anemos0552_mesh.bin が保存されま
す。
(これを後で工学モデル計算インターフェースの所定のフォルダにコピーします。2-2 節参照)
。
なお,
「気象モデルメッシュ変換」ボタンには〆印はつきません。
図 2.1.18
気象モデルメッシュのデータ変換
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工学モデル計算の手引き
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4 次領域計算データ準備の完了
以上で工学モデルの 4 次領域計算に使用するデータセットが整いました。図 2.1.19 のようにプリ・
ポスト 操作パネルのボタンには一連の作業が終了したことを示す〆印がついています。「終了」
ボタンをおして,プリ・ポストを終了して結構です。
図 2.1.19
工学モデル プリ・ポストパネル(データセットの準備完了時)
5 次領域計算データの準備
この部分も,概略今まで説明した 4 次領域計算のためのデータ準備と同じです。ただし,冒頭に書
いたように,領域の大きさが約 1 km 四方と 1/10 程度になるので,計算メッシュの解像度相応の
風況予測精度を得ようとするなら,数値地図も細密のものを用意する必要があります。そのこと
を視覚的に示したのが次ページの図 2.1.20 です。伊是名島の風況観測地点を中心に選択した計算
領域に収まる 50 m 標高データは一辺が 20 メッシュずつですから,これでは実質的に 4 次領域で
得られる解像度とあまりかわりません。一方,
「表示のプロパティ」で選択した 10 m メッシュ
(GISMAP)を使えば 100 × 100 の解像度になります。それでも,土地利用については一般に入手
できるデータが 100 m メッシュですから,植生分布が大きい地域では,シミュレーション結果が
本質的には 4 次領域相当の精度しかない場合もあり得ることに留意すべきです。
次領域相当の精度しかない場合もあり得る
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工学モデル計算の手引き
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標高:
50m メッシュ
10m メッシュ
土地利用区分:
100m メッシュ
図 2.1.20 5 次領域の選択
(数値地図のメッシュサイズで領域選択が行われる
ので,標高と土地利用区分では若干大きさが異なる。
また,10m メッシュ標高 GISMAP は注文生産品。
Laweps ホームページ参照のこと)
このユーザーガイドの 5 次領域計算法の説明(2-5 節)では,標高・土地利用ともに領域相応
の解像度が得られる,航空測量によるデータを用いた計算例を紹介しています。短時間で実況の
地形情報を獲得する手段として,航空測量は 5 次領域の計算データの準備には,ことに有力なも
のです。その一方で,たいへん高価なので,対象エリアを大きくとるのは難しいという欠点があ
りますから,予め十分地点を絞り込んでおくのが現実的です。そのためにも,4 次領域の計算結
果を仔細に検討すべきであるといえます。
なお,ここでとりあげた 5 次領域の位置情報は次の通りです(wemodeler.ini ファイルに書き込
んでいます)。
[grid]
size1st = 50
div2nd = 4
default_SW = 127.9422 26.9324
default_NE = 127.9522 26.9411
maxarea250m = 99999999
maxarea50m = 99999999
immediate_mode = 1000000
nLatlonline = 10
伊是名 5 次領域
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工学モデル計算の手引き
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図 2.1.21 5 次領域計算データの準備
プロジェクトフォルダを izena0552_s5 として,領域選択を 4 次領域と同様に行った後,
「5 次」を
選べば,メッシュ生成以下のパネルにも 5 次領域用の作業であることが明示されます。例えば,
図 2.1.21 では計算用パラメーターとして,ファイル名や計算条件が 5 次領域用に設定されている
ことがわかります。
また,最後のデータセット作成作業では,
to_cfd_s5 サブフォルダ内に右のようなデータ
ファイルが格納されます。
それでは,ここから通年計算を行う作業をナビゲートする「工学モデル計算インターフェース」
の説明に移ります。
工学モデル計算インターフェース
工学モデルの計算インターフェースのトップページは図 2.1.22 のように,標準的な Web 画面に
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工学モデル計算の手引き
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なっていますので,インターネット エクスプローラなどのブラウザで利用することができます。
必要な操作項目は左側のメニューに順番に並んでおり,右側の主画面を介してユーザーに計算や
入力の指示が出されます。そのため,工学モデルのような数値解析作業の経験がない初心者にとっ
ても,インターネットを利用するのと大して違和感がなく,なじみやすいものになっています。
工学モデル計算インターフェースをお使いの PC にインストールする作業については,第 3 章
で説明します。まだインターフェースをインストールしていないならば,まずインストール作業
を完了してから,ここに戻ってきてください。
インターフェースは必ずアドレス(設定例では http://localhost/public_html/index.html)を指
定して起動してください。直接 index.html ファイルをダブルクリックして立ち上げると,入力機
ファイルをダブルクリックして立ち上げると,入力機
能が働きません。
図 2.1.22
工学モデル計算インターフェースのトップページ
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工学モデル計算の手引き
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気象モデルの時系列計算結果(ネスト nest データとよびます)は,各地域に関して西暦年月日
と時刻(計算を開始した 1 日 2 時刻)毎に保存されています。時系列データの一般形は
nestCODE.yymmdd00 で,CODE は地域番号(今の例では 0552)
,yy は年(末尾 2 桁)
,mm は月,dd
は日を表します。さらに,末尾 2 桁の数字は気象モデルデータの収録時間帯で,日本時間で 9 AM
から 9 PM まで(00)か 9 PM から翌日 9 AM まで(12)の 2 種類があります。もとの nest データ
は複数の時刻分がひとまとまりになっている上に,工学モデルでそのまま扱えるデータ形式では
ないため,まず下図 2.1.23 に示した「気象モデル時系列計算結果の分割」ページを用いて,デー
タ変換を行いながら時刻ごとのデータファイルに分割するのが,計算インターフェースを用いた
最初の作業となります。左側メニューで「時系列データ分割」を選ぶか,トップページからのリ
ンク(青く表示された「ここ」
)も使えます。
図 2.1.23
気象モデル時系列データの分割
図に示したように,工学モデル計算を行う日付,地域番号,それにデータを分割する nest デー
タの種類(9 AM 開始か 9 PM 開始か)を入力し,さらに nest データが格納されているフォルダと,
分割したデータファイルを保存するフォルダを指定します。そして「登録」ボタンをおすと画面が
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工学モデル計算の手引き
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更新されて,「バッチファイルを起動」するよう指示が出ますので,青く表示されたリンク部分を
クリックしてください(インターフェースの大部分がこの形式で操作できるようになっています)
。
バッチファイルによる作業が終了し,指定した nest データが分割されると,ポップアップ ウ
インドウに右のような表示が出ます。この表示が出な
いときは,指定した日時やフォルダが正しいかどうか
確認してください。なお,気象モデル出力データに収録されている nest データの日付は通常表 2.2
の通りです。(1 月 1 日から 6 日ごと,また計算対象年は 2000 年です)
表 2.2 気象モデルデータの日付
1月
1
7
13
19
25
2月
6
12
18
24
3月
1
7
13
19
25
4月
6
12
18
24
5月
6
12
18
6月
5
11
17
31
7月
5
11
17
23
29
8月
4
10
16
22
28
9月
3
9
15
21
27
30
10 月
3
9
15
21
27
24
30
11 月
2
8
14
20 26
23
29
12 月
2
8
14
20
31
26
説明の便宜上,分割された時系列データファイルも今後 nest データと呼ぶことにします。それ
ぞれの日で 4 時刻(12, 18, 24, 30 時,つまり翌日 6 時)分の計算を行いますが,そのためには左
記の時刻とその 1 時間前のデータが必要ですので,もとの各 nest ファイルからは 4 つ(11, 12, 17,
18 時)1 日分ではそれに加えて 23, 24, 29, 30 時の合計 8 時刻の分割データファイルができること
になります。
次節に進む前に,分割 nest データを格納したフォルダ(例では C:\laweps\anemos_data)内に,
先ほどプリ・ポストで気象メッシュ init0552.data を変換して作成した気象モデルのメッシュファイ
ル anemos0552_mesh.bin を入れてください。(エクスプローラを立ち上げて,カット&ペーストで
当該フォルダ内にコピー。ただし,地域番号 0552 は実際の該当番号に置き換えます。詳細につい
ては付録 A も参照してください。)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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工学モデル計算の手引き
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2-2. 気象モデル―4 次領域間データ接続
気象モデルデータの準備が完了したら,「接続インターフェース」メニューを選び,「気象モデ
ル−4 次領域インターフェース」ページ(図 2.2.1)からネスティング計算用のデータを作成しま
す。計算日ごとに 4 時刻(12, 18, 24, 30 h)の各ケースに対して順次データ接続作業を行います。
親・作業フォルダの名前は任意につ
けることができます(cfd_data フォ
ルダ以外)
図 2.2.1 気象モデル-4 次領域接続インターフェース
その作業にかかる前にまず,to_cfd_s4 フォルダ(例えば C:\laweps\mesh\izena0552_s4\to_cfd_s4)
に 保存 されて いる 6 つの デー タファ イル ( XYZ_s4.dat , CPV_s4.dat , Par_s4.dat , Ftfs_s4.dat ,
profile_tfs_s4.dat,InputFileList.txt)を作業フォルダ C:\laweps\cfd_data にカット&ペーストしてコピー
してください。もともと cfd_data には run_cfd.bat と tfs_4_canopy.exe というファイルが格納されてい
ます。この
この 2 つのファイルは絶対に削除しないでください。
新しい地域に対しては,はじめに気象−4 次領域両方の計算メッシュ(全格子点)間の対応関
係を調べる作業が一回だけ必要になります。そこで,最初のケースでネスティングデータを生成
する時のみ,
「メッシュの対応付けを行う(1 回だけ必要)
」をチェックしてください。前と同様,
「登録」でできたバッチファイルを起動すると,メッシュ間の対応関係を調べる作業が開始され
ますので,終了までしばらくお待ちください(気象モデルと工学モデルのデータに陸地の部分が
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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工学モデル計算の手引き
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多いような場合には,推奨するような高速 PC でも 1 時間以上かかることがあります)
。対応付け
作業によって作成されたメッシュ間情報は,ファイル(anemos_data フォルダ内の match_list.dat と
match_list_bc.dat)に順次記録されてゆきます。その後のケースでは,チェックを外した状態で作成
されたバッチファイルを起動すると,上述の対応関係データファイルを使用して,接続作業の時
間が大幅に短縮されるようになっています。(この 2 ファイルは名前が固定されており,さらに
チェックをつけた状態では上書き更新されます。上書きしたくない時には,別名で保存するなど
しておいてください。)
また,
「気象モデルの結果も接続ファイルで保存する」をチェックしておくと,計算終了時(12,
18, 24, 30 h)の気象領域データが工学モデル領域に内挿されて保存されます。このデータは工学
モデル計算には不要ですが,計算結果と同じフォーマット,ファイル名 QEND_s4.dat で気象データ
が出力されるので,ネスティング前後でのデータ変化などを調べるのに利用することができます。
フォルダ情報のうち,「親フォルダ」には工学モデル計算を行うルートフォルダ名,「作業フォ
ルダ」には左から順に,時刻ごとに分割された気象データを格納するフォルダ,工学モデルの入
力ファイルなどを格納するフォルダ,そして最後が工学モデルでネスティング計算を実行するグ
ループフォルダ名を指定してください。計算フォルダは,このグループフォルダ(例では data0552,
またフルパスで書けば C:\laweps\data0552)下に cfd0552_yymmdd_tth というサブフォルダとして自
動的に作成された後,計算に必要なファイルがコピー・保存されます。
接続するデータファイルが不足してい
る場合(上)
正常に接続が完了(左)
図 2.2.2 気象–4 次領域接続完了時のメッセージ例
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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工学モデル計算の手引き
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接続が完了すると図 2.2.2 左側のようなメッセージが表示されます。一方,計算日の入力を間違
えたりした場合には右側のようなメッセージが現れ,接続作業に問題があったことがわかります
ので,付録 A を参照して必要なファイルが所定のフォルダに格納されているかどうか,チェック
してください。ことに,気象モデル メッシュファイル(前述の anemos0552_mesh.bin)や工学モデ
ル計算条件設定ファイルである cfd_data 内の*_s4.dat(*はそれ以外の部分が共通のデータファイル
名全体を指します)や InputFileList.txt がすべて揃っているか,よく確認してください。
気象・工学モデル間のネスティングデータ接続が完了した状態での計算フォルダの内容は,図
2.2.3 のようになっているはずです。何かファイルが欠けている時は,
(例では)cfd_data 等に必要
なファイルが揃っていないことになります。
(なお,これらのうち,CPV, QFOL, XYZ, Ftfs, Par と
profile で始まる各ファイルはプリ・ポストで作成時,名前が自由に設定できるため,図例とは異な
ることもあります。ことに複数地域の計算を行う場合など,混乱を避けるため地域番号をファイ
ル名に含めるなどの対策が有効です。本文の例では統一はとれていますが,このユーザーガイド
を参考に,各自工夫してみてください。
)
☑メッシュの対応付けで作業時に
cfd_bc_var2.dat や QFOL_s4.dat ができ
ていない場合は,チェックを外してデー
タ接続をし直してください。
次節で説明
図 2.2.3 気象4 次領域接続完了時の計算フォルダ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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工学モデル計算の手引き
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図 2.3.1 4 次領域計算のページ
2-3. 工学モデル 4 次領域計算
工学モデル(4 次領域)で計算を行うには,上図 2.3.1 中に示されたように,各計算フォルダ内
の MS-DOS バッチファイル run_cfd.bat をユーザーが直接ダブルクリックするだけです。デフォル
トでは cfd_data フォルダにある元のバッチファイルの内容は次の通りです。
ECHO
COPY
COPY
ECHO
4 次領域の非定常計算
C:\laweps\cfd_data\tfs_4_canopy.exe
C:\laweps\qfol_read\qfol_read.bat
非定常計算
tfs_4_canopy.exe
tfs_4_canopy.exe
qfol_read.bat
EXIT
赤字の部分は,実際の計算環境にあわせて編集してください(バッチファイルをマウス右クリッ
クして「編集」を選びます)。工学モデル計算プログラム tfs_4_canopy.exe を計算フォルダにコピー
後,起動して非定常計算を開始するというものです。計算は 720 時間ステップ(物理時間で 1 時
間分)進行すると終了しますが,だいたい推奨性能を有する PC(Pentium 4 1.7GHz 程度)で CPU
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工学モデル計算の手引き
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時間は 1 ケースあたり 2 時間半くらいかかります。そのため,計算の経過を図 2.3.2 のようなモニ
ター画面に表示して,進行状況等の把握ができるようになっています。出力されるグラフは,
profile_tfs_s4.dat で設定したモニター点(メッシュのセル番号 I, J)にそった鉛直風速分布の時刻歴
です。風況精査点など,モニター点が確定できる場合は,プリ・ポストを使って緯度・経度からメッ
シュ番号に変換するか,手作業でファイルを編集して指定してください。例を下に示します。
2
! number of profiles
モニター点の数(例では2)
'*** Izena
-- (26.9407N 127.9550E)'
52 49
第1モニター点のセル番号
'*** AMeDAS -- (26.9286N 127.9410E)'
45 42
第2モニター点のセル番号
ファイル中 ! 以降と ' ' で囲まれた行はコメント文です。
time step = 720 で計算完了
図 2.3.2 計算モニターパネル
滞りなく計算が終了すると,計算フォルダ内は次ページの図 2.3.3 のようになっています。
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工学モデル計算の手引き
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工学モデル計算終了時
(新規に作成されたファイル)
結果処理プログラム作動後
(不要ファイルが削除され,
プロファイル表示用ファイル
が作成される)
再計算を行う場合は,かな
らず事前に stop.txt を削
除しておいてください。
図 2.3.3 4 次領域計算終了後のフォルダ内容
ふつう,LAWEPS に習熟するまではなおさらのこと,計算結果のチェックをしたくなると思いま
すので,次節 2-4 では結果の処理と解析を行う機能について説明します。すぐに細密(5 次)領
域の計算をしたい場合は,その先の「2-5. 工学モデル 5 次領域計算」に進んでください。
補足:何らかの理由により途中で計算を終了したい場合は,計算モニターパネル(図
2.3.2 外側の
補足:
親パネル)のキャンセルボタン
をクリックしてプログラムの実行を停止してください。
計算モニターパネルが閉じます。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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工学モデル計算の手引き
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2-4. データ解析・表示(年平均風速)
工学モデルの計算が 1 ケース終了するごとに,モニター地点の風速データなど,シミュレーショ
ン結果を確認することができます。また,インターフェースには年間分(あるいは,ある程度ま
とまった日数分)の計算が完了した時点で,平均風速値を算出して表示する機能も備わっていま
す。本節では両方の機能について説明します。
図 2.4.1 計算結果表示ページ(風速プロファイル)
まず,ケースごとの結果を確認するには,「風速鉛
直プロファイル」パネルを使います(図 2.4.1)
。ラジ
オボタンでケースを選択し,バッチファイルを起動した後に,ポップアップ ウインドウに上のよ
うなメッセージが現れたら,「風速プロファイルを開く」をクリックすると,図 2.4.2 のようにモ
ニター点における鉛直風速分布データが html 形式で表示されます。また,同じデータが csv ファ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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工学モデル計算の手引き
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イル profile.csv として計算フォルダ内に作成されるので,エクセルなどを使えば鉛直プロファイル
のグラフを簡単に作成することができます。
profile.html ファイル
Z:標高 [m]
U, V:東西・南北方向の風速成分 [m/s]
|V|:風速値 [m/s]
A:風向 [度](北が 0)
profile.csv ファイル
Windows XP ではセキュリティ設定
により,html ファイルが表示できな
いことがあります。トラブル・シュー
ティング ガイドを参照ください。
図 2.4.2 鉛直風速プロファイル表示例
接続データの作成時に計算ケースを重複して登録してしまった場合などには,「削除」をチェッ
クしてから「登録」をおすと,登録更新時に不要な行のみを消去することができます。誤って削
除した行をもとに戻したり,計算ケースを追加することは,このパネルからはできません。直接
Web サーバーに関連するログフォルダ内のファイル laweps.log
(付録 A 参照)
を編集してください。
平均風速を算出する前に,このようなログの整理をしておくとよいでしょう。
(ただし,作業フォ
ルダやその中のデータ自体は削除されません。必要ならば手作業で削除してください。)
平均風速の算出は,左側メニューから「平均風速」Æ「平均風速場の算出」のリンクを使って,
図 2.4.3 のページから集計作業ができるようになっています。
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工学モデル計算の手引き
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図 2.4.3 平均風速場の算出ページ
まず,平均を求める計算ケースを選択します。そして平均場を格納するフォルダ名など,フォ
ルダ情報を入力し,「登録」ボタンを押して,インターフェースが作成したバッチファイルを起動
すれば自動的に集計が始まります。全約 240 ケースを集
計すると,15 分くらいかかります。左に示したようなメッ
セージが出れば完了です。平均場が格納されているフォ
ルダにある profile.html や profile.csv を表示あるいは利用す
れば,前述の個別ケースの場合と同様,平均場の鉛直風速プロファイルがわかります。また,風
速・風向の階級分布は,モニター点ごとに csv ファイル(vertical_profile##.csv,ただし##はモニター
点の番号)が出力されるので,そこから作成することができます。図 2.4.4 のように「平均風速」
のページに戻って,計算結果を Excel のワークシートなどにまとめてもよいでしょう。
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工学モデル計算の手引き
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図 2.4.4 平均風速算出用 Excel ワークシート
さらに,工学モデル プリ・ポストで平均風速場を 3 次元グラフィックで表示したり,風況マッ
プ表示システム(配布用)を使って 2 次元の風速分布や風配図を描画させることも可能です。
プリ・ポスト操作パネルの「2D/3D 流れ場の表示」を選ぶと,空白の表示ウィンドウが立ち上が
りますので,マウスを右クリックして File Æ Load Grid File を選び,まず計算メッシュを開きます。
例では,ave0552 フォルダ内にある cfd_xyz_s4.bin というバイナリー(bin)データファイルです。す
ると図 2.4.5 のように,計算メッシュの表示(図 2.1.12)と同様なグラフィック画面が現れます。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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工学モデル計算の手引き
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メッシュ(上)と風速場(下)
画像が表示エリアから外れてしまった時
は,Esc キーで中央に復帰します。
図 2.4.5 「2D/3D 流れ場の表示」操作
続いて,File Æ Load Vector File で平均風速場のデータファイル(同じフォルダ内の cfd_field_s4.bin)
を開いてください。それから,Disp Æ Contor Prop から「表示のプロパティ」パネルを出します。
計算メッシュでは「Z 座標値による色分け」のみが有効でしたが,今度は風速データが読み込ま
れていますので,「データ量による色分け」や「
(風速)ベクトル表示」ができるようになってい
ます。さらに,コンター表示も Z 座標値とデータ量(風速)が選択可能です。操作方法は工学モ
デル プリ・ポスト クイック・リファレンス等を参照してください。
図 2.4.6 風速分布の表示や,地形図の重ね合わせ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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工学モデル計算の手引き
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風況マップ表示システムで描画
配布用の風況マップ表示システムが同じ PC や,イントラネットのサーバー上などにインストー
ルされていて,工学モデル用データ格納フォルダ(インストールフォルダ\NEDO\kData)にユーザー
がアクセスできる状態になっていれば,風況マップと同一フォーマットで地上高 30,50,70 m の
風速分布図および風配図を表示することができます。そのために,プリ・ポストが 3 次元データ
を加工して,図 2.4.7 の青枠内のように,L0401~3.dat(風速コンタ図)と L04_001_001_1~3.dat(風
配図)データファイルに変換・作成します。
「風況マップに変換」ボタンをおすと,3D データ(cfd_*_s4.bin)を開くよう要求されますから,
どれかひとつを選んでください。すると,図左のような実行ウィンドウが現れて,計算領域の種
類(4 次か 5 次か)の選択と確認を求められますので,正しく応答してください。
(中 略)
作成
図 2.4.7 風況マップデータへの変換
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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工学モデル計算の手引き
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図 2.4.8 風況マップ表示システムへのデータ受け渡し
上図 2.4.8 右側のメッセージボックスが出れば,2 次元風速分布データファイルが出力・保存さ
れています。図の赤枠で囲んだ 7 つのファイルを風況マップ表示システムの kData フォルダにコ
ピーあるいは移動します(システムが同一の PC 上にあれば,図例のようなパスになります)
。
図 2.4.9 のように,風況マップ表示システムを Web ブラウザなどで起動すると,画面右下に工
学モデルの種類を指定するリンクがありますので,適当なものを選択してください。今の例では
「④次メッシュ」を選ぶと,システムがデータから表示用画像ファ
イルを作成する間,右のようなメッセージが現れた後,次ページ図
2.4.10 のような風速コンターや風配図が表示されます。
下部拡大
図 2.4.9 風況マップ表示システム起動画面
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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工学モデル計算の手引き
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風況マップ表示システムの操作については,マニュアルを参照してください。
index4.txt に指定
した 3 高度(m)
1 30
2 50
3 70
図 2.4.10
工学モデルデータの風況マップ表示例
2 次元風速コンター(上)および風配・風況曲線図(下)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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工学モデル計算の手引き
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次に述べる 5 次領域計算では,計算対象エリアが約 1 km 四方と 1/10 程度になってしまう反面,
計算時間は同程度なので,ここで結果を十分に検討して地点の絞込みを行っておくのが,風況シ
ミュレーションを効率よく進めるやり方です。
2-5. 工学モデル 5 次領域計算
これまで述べた工学モデルの 4 次領域計算を終了した後に,さらに狭い 1 km 四方のエリアを対
象にした 5 次領域計算(水平解像度 10 m 程度)を行うことができます。ただし,現状では地形や
植生データなどが整備されている状況からは程遠いので,解像度相当の精度向上を求めるならば,
こうしたデータをユーザー自身が用意する必要があります。工学モデル計算のために現在一般に
入手できる数値地図は標高値が 50 m メッシュ間隔なので,これでは実質的に 4 次領域に相当する
結果しか得られないことになります(前述の通り,植生データに関する土地利用情報はさらに粗
結果しか得られない
く 100 m 間隔です)。そこで,5 次領域に適合する地勢データを入手するひとつの有力な手段とし
て,実地上の航空測量があります。
航空測量の原理は,GPS およびレーザープロファイラ(スキャン型レーザー測距儀)を搭載し
た航空機から,地上に向けて照射して反射されたレーザービームを解析して,地表形状を計算す
るというものです。レーザーのビーム径は,樹木に遮られず地表に到達するくらい小さいので,
植生があっても標高を算出することができるのです。さらに,同一地点の地盤高度と樹木高さが
求まるので,現況に対する最も正確な地形・植生に関する情報を得ることが可能です。
しかしながら,きわめて高価なのが航空測量の最大の問題点であり,この方法で何エリア分も
のデータを取得するのは現実的でないでしょう。そこで,とりあえず 10 m 程度の解像度をもつ現
存の電子データ GISMAP を利用して,エリアを絞り込むなどの予備作業を行った後,航空測量に
よって正確なデータを入手するのがよいかもしれません。ただし,そのような地形データにして
も,数値地図ほど簡単に入手できず,注文生産となるのが難点です。
ここでは NEDO プロジェクトの一環として,実際に航空測量を実施し,そのデータをもとにし
て細領域の工学モデル計算を行った和歌山県潮岬(地域番号 0361)を実例としてとりあげます。
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なお,航空測量の詳細は平成 13 年度成果報告書「局所的風況予測モデルの開発」
(ニューサンシャ
イン計画「離島用風力発電システム等技術開発」
)に述べられているので,興味があればインター
ネットでご覧ください(NEDO 技術情報データベース http://www.tech.nedo.go.jp/)
。
潮岬上空のディジタル画像データと,解析結果として算出された地上「障害物」高度(風況予
測の目的には,樹高とみなしてさしつかえない)を図 2.5.1 に示します。なお,障害物高さの水平
解像度は 2 m です。海岸沿いにスポット的に出現している 30 m を超えるような地点は,海面から
切り立つ崖を障害物と認識してしまうなど,データ処理に起因するノイズと考えられます。同様
な現象は海面上の波などにもみられ,データ取得後これらノイズ等を除去する作業も重要である
ことを示唆しています。
図 2.5.1 航空測量ディジタル画像(上)と障害物高さ(下)
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工学モデル計算の手引き
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このようなデータ処理作業完了後,5 次領域の計算メッシュを作成します。工学モデル プリ・
ポストは国土地理院発行の数値地図を想定しているため,その他のカスタムデータには対応して
いません。そこで,市販あるいは自作のメッシュ生成ソフト等で作成した Plot3d 形式のデータを
変換します(詳しくは付録 B をご覧ください)
。ここでは引き続いて,4 次領域データ(計算フォ
ルダ data0361 に格納されているものとします)と 5 次領域の接続作業から説明します。
同じ日の 4 時刻のうち,どれか 1
つを選べば,残りの 3 時刻分も同
時にデータ接続が行われます。
図 2.5.2 工学モデル間接続インターフェースのページ
工学モデル間のデータ接続作業は,図 2.5.2 に示した「4 次−5 次領域接続インターフェース」
から行うことができます。このページには工学モデル 4 次領域で計算したケース(フォルダ)の
リストが表示されるので,そこから 5 次領域を計算するケースを選択します。すると,その計算
フォルダ内にサブフォルダ fine_mesh が作成され,
図 2.5.3 にあるように 5 次領域計算に必要なデー
タファイルが格納されてゆきます。ここでは定常計算を行うので境界条件ファイルが単一である
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工学モデル計算の手引き
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以外は,4 次領域の場合と類似しています。工学モデルメッシュ間の対応関係を記したファイル
match_list.dat と match_list_bc.dat を作成するため,はじめの 1 回の接続作業時のみ,
「メッシュの対
応付けを行う」をチェックしてください。関連するファイルは tfs_to_tfs フォルダ以下に入ります
が,
この 2 つのデータファイルはサブフォルダ tfs_in に,
また 5 次領域の計算条件ファイル
(to_cfd_s5
フォルダに作成)は tfs_out にまとまっています(付録 A も参照してください)
。
☑メッシュの対応付けで作業時
に QFOL_s5.dat ができていな
い 場合は ,チェッ クを外 して
データ接続をし直して下さい。
5 次領域計算サブフォルダ
図 2.5.3 5 次領域計算フォルダの内容
実際に 5 次領域の計算を起動するには,図 2.5.4 の指示にあるように,該当する fine_mesh フォ
ルダを開き,バッチファイル run_cfd.bat をダブルクリックすることになります。ここでも,必要
に応じて 4 次領域と同様,実際のフォルダ構造に合わせてバッチファイルを編集してください。
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図 2.5.4 5 次領域の計算
バッチファイル run_cfd.bat の内容(オリジナルは tfs_to_tfs フォルダ内)はこうなっています。
ECHO
COPY
COPY
ECHO
5 次領域の定常計算
C:\laweps\tfs_to_tfs\tfs_ss_canopy.exe
C:\laweps\qfol_read\qfol_read.bat
定常計算
tfs_ss_canopy.exe
tfs_ss_canopy.exe
qfol_read.bat
EXIT
また,計算のモニター点を profile_tfs_s5.dat に指定できます(NTT は便宜的につけた名称です)。
1
! number of profiles
'*** NTT -- I =46 J =45 -- (P U V W T K E)'
46 45
計算が始まると,図 2.3.2 と同様のモニター画面が表示され,指定したステップ数計算が進行し
た時点で終了します。工学モデル 5 次領域で定常状態というのは,陰解法のように無限大の時間
増分を指定して得られる計算結果ではなく,時間的に変化しない境界条件の下で,非定常計算の
進行とともに流れ場が落ち着いた時点として判断された「擬似的」な定常状態を指します。風況
予測では,大体 500 ステップの計算後とみなしてよいでしょう。工学モデル プリ・ポストはこれ
をデフォルト値に設定しています。
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図 2.5.5 5 次領域計算結果の解析
計算が終了した後で結果をチェックするには,4 次領域と同様「風速鉛直プロファイル」を使
います(図 2.5.5)
。さらに,計算がすべて終了すれば,図 2.5.6 の平均風速算出のページで集計作
業をしたり,やはり結果をグラフィックで表示したりできます(前節 2-4 を参照してください)。
図 2.5.6 平均風速の算出
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3
インストールガイド
LAWEPS 工学モデルのユーザー・インターフェース(プリ・ポストと計算インターフェース)を
使用するためのインストール・設定手順について説明します。
A. 動作環境
LAWEPS 工学モデルおよびそのインターフェースが動作する環境は以下の通りです。以下の要件
に適合する Windows PC を用意してください。
注 A1
対応機種:
DOS/V PC(PC/AT 互換機)
対象 OS:
Windows 2000 Professional, XP Professional 注 A1
CPU:
Pentium および Intel x86 互換 CPU(推奨 Pentium 4 1.7GHz 以上)
メモリ:
256 MB 以上(推奨 512 MB 以上)
HD 容量注 A2:
40 GB 以上(推奨 80 GB 以上,外付け可)
モニタ解像度:
800 × 600 ドット以上(推奨 1024 × 768 ドット以上)
Windows 2000 のファイルシステムが NTFS になっている場合や,XP にインストールする場
合は章末の補足事項およびトラブル・シューティング ガイドも参照してください。また,
これ以外の OS(95, 98, NT4.0 等)での運用は,想定されていません。
注 A2
4 次,5 次領域とも通年計算を行うには,それぞれ入出力データの収録に約 20 GB 必要です。
これらデータファイルを含め,工学モデル計算システムは計算インターフェース関連のフォ
ルダ 500 KB 程度をシステムディスク(通常 C:)にインストールする必要があるのを除き,
すべてを任意のディスク,ディレクトリに収納できます。また,プリ・ポストのインストー
ルには同梱データを含め,約 800 MB のディスク容量を必要とします。(数値地図の地形・
標高データは含まれません。全国分の 50 m メッシュ標高データは約 1 GB です。
)
なお,ソフトのインストールや設定等,すべての作業には管理者権限が必要です。Administrator
でログオンして作業をおこなってください。
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はじめに,Windows のデフォルト設定になっているファイルの拡張子(.exe, .bat 等)を表示し
ないオプションを変更した方が工学モデル計算に便利なので,この作業をおこないます。
コントロールパネルから「フォルダオプション」をダブルクリックし,さらに「表示」タブを選
択してください。「詳細設定」の中にある「登録されているファイルの拡張子は表示しない」の
チェックを外します。
B. インターネット インフォメーション サービス(IIS)のインストール
工学モデル 計算インターフェース(以下,インターフェース)は,Microsoft の Web サーバー
ソフトである IIS を利用して入力画面を表示したり,プログラムを実行します。お使いの PC に IIS
がインストールされていない場合は,次の手順にしたがって IIS をインストールしてください。
すでに IIS がインストールされている場合には,
「C. Perl のインストール」に進んでください。
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まず,コントロールパネルから「アプリケーションの追加と削除」
(Windows XP では「プログ
ラムの追加と削除」
)を選択します。
続いて「Windows コンポーネントの追加と削除」を選択します。
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「インターネット インフォメーション サービス(IIS)
」をチェックし,
「次へ」を選択します。
すると,IIS のインストールが始まります。システム CD-ROM の挿入を要求された場合は,指示
に従ってください注 A3。
「ウィザードの完了」パネルが出たら,
「完了」をおして IIS のインストー
ルを終了します。
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注 A3
CD-ROM を挿入して,Windows 2000/XP
のウインドウが立ち上がったら,
「終了」
を選択して閉じてください。
IIS のインストールが完了すると,システムディスク(C:)に Inetpub フォルダが作成されます。
C. Perl のインストール
インターフェースは CGI(Common Gateway Interface)スクリプトを応用しているので,Perl イ
ンタープリタが必要です。お使いの PC に ActivePerl がインストールされていなければ,次の手順
でインストールしてください。すでに ActivePerl がインストールされていて,使用できる状態に
なっている場合は「D. IIS の設定」に進んでください。ActivePerl の最新版モジュールは,インター
ネットからダウンロードできます。
(URL: www.activestate.com/Products/ActivePerl/)
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Download へ リ ン ク す る と , ま ず
Register(登録)ページが表示されます。
説明にあるように,ユーザ登録は任意
なので,何も記入しなくても問題あり
ません。そのまま Next を選択します。
ダウンロードするモジュールを指定します。
最新で MSI 形式のものを選びます。お使いの
PC の任意のフォルダにダウンロードして構
ダウンロードした Perl モジュールを
いません。
PC にインストールするには,アイ
コンをダブルクリックします。
もし,右のメッセージが表示された場合には,
インストーラを更新する必要があります。同じ
ページから Windows Installer 2.0+をダウンロー
ド(Download for NT を選択)して,InstMsiW.exe
をインストール後,改めて Perl をインストール
してください。
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工学モデル計算の手引き
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インストール画面です。そのまま
Next を押します。
次はライセンス許諾書です。その
まま承諾します。
すると,インストール先をきいて
きます。デフォルトだと C ディス
ク直下(C:\Perl)にインストール
されます。必要に応じて変更して
も構いません。
ここはそのまま次へ進みます。
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工学モデル計算の手引き
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ここも,そのままで構いません。
Install を選ぶとインストールが
始まります。進行状況がプログ
ラスバーで表示されます。
この画面が出ればインストール
は完了です。 Finish で終了しま
す。
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工学モデル計算の手引き
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D. IIS の設定
フォルダ Inetpub に IIS フォルダ(4. サンプルデータ p. 74 参照)内の htdocs と cgi-bin の 2 つの
フォルダをそっくりコピーします。
ともに IIS フォルダ内にあります
コントロールパネルから「管理ツール」を選択し,さらにその中の「インターネット サービス マ
ネージャ」をダブルクリックします。
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工学モデル計算の手引き
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「既定の Web サイト」に先ほどの 2 フォルダを加えます。まず,「既定の Web サイト」を右ク
リック(マウス右ボタンを押す)してメニューを表示させ,その中から[新規作成]➔[仮想ディ
レクトリ]を選択します。
「仮想ディレクトリの作成ウィザード」が立ち上るので,「次へ」を押します。
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工学モデル計算の手引き
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「仮想ディレクトリのエイリアス」に public_html を指定し,次に進みます。
「 Web サ イ ト の コ ン テ ン ツ の デ ィ レ ク ト リ パ ス 」 に 実 際 の public_html フ ォ ル ダ の パ ス
C:\Inetpub\htdocs\public_html を指定します(
「参照」で探せば確実です)
。
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「アクセス許可」はその
ままで構いません。
作業が完了したのでウィ
ザードを閉じます。
すると,このように「既定の
Web サイト」に public_html が加
えられます。
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続いて public_html を右クリックし,
「プロパティ」を選択します。表示されたパネルの「ドキュメ
ント」タブで,
「追加」を選び,
「既定のドキュメントの追加」に index.html を加えます。
今度は cgi-bin フォルダを仮想ディレクトリに加えます。前同様,「既定の Web サイト」を右ク
リックして[新規作成]➔[仮想ディレクトリの作成]を選択し,ウィザードを起動します。そ
して,
「エイリアス」に cgi-bin を指定します。
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やはり,cgi-bin フォルダのパスを指定します。
「アクセス許可」も前同様,デフォルトのままにして,ウィザードを終了すれば,cgi-bin が既定の
Web サイトに追加されています。
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最後に CGI スクリプトやバッチファイルが IIS に認識されるように設定を行います。「既定の
Web サイト」を右クリックして,
「プロパティ」を選択してください。さらに,パネルから「ホー
ムディレクトリ」タブを選び,
「構成」ボタンを押します。
表示される「アプリケーションの
構成」パネルから「アプリケーショ
ンのマッピング」タブを選び,「追
加」を押してください。
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「アプリケーションの拡張子マッピングの追加/編集」パネルの「参照」ボタンをクリックして,
Perl(C:\Perl\bin\perl.exe)を選び,
「実行ファイル」に記入します。さらに,そのあとに「 %s %s」
を追加し,
「拡張子」に「.cgi」
,動詞の制限に「GET,HEAD,POST」と入力します。
次いで,まったく同様に拡張子「.pl」
を追加します。
(システムの状態に
よっていは,
「すでにマッピングさ
れている」というメッセージが出
ることがあります。
)
最 後 に バ ッ チ フ ァ イ ル の 拡 張 子 .bat を 追 加 し ま す 。 通 常 の 場 合 ,「 実 行 フ ァ イ ル 」 は
C:\WINNT\SYSTEM32\CMD.EXE にあるはずです(Windows XP では C:\WINDOWS)
。これに「 /c %s %s」
を付け加えます。
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これで,左図のように拡張子のマッピ
ングが完了しました。
IIS 設定の最後に Visual Basic Script を使って設定を行います。コマンド プロンプトを起動して
ください(
[スタート]➔[プログラム]➔[アクセサリ])。そして,VBS のあるディレクトリ
C:\Inetpub\AdminScripts に移動し,「adsutil.vbs set w3svc/CreateCGIwithNewConsole "1"」と入力して
ください。システムから「CreateCGIwithNewConsole : (BOOLEAN)True」というメッセージが返って
くるのを確認してください。
右のようなメッセージが出たら,
そのまま[OK]➔[はい]➔[OK]
を選んだ後,もう一度「adsutil…」
コマンドを入力してください。
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工学モデル計算の手引き
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ここまで完了したら,インターネット エクスプローラなどの Web ブラウザを使って,URL に
http://localhost/public_html/index.html を指定して,図のトップページが表示されるかどうか,動作
確認を行ってください。
E. レジストリの編集
インターフェースで正しくバッチファイルが作動する注 A4 ように,Windows レジストリを編集
します。レジストリを誤って変更するとシステムに重大な障害を引き起こし,システムの再インストールが
必要になることがあります。ユーザーの責任で慎重に作業をおこなってください。
起動パネルの「ファイル名を指定して実行」を選び,regedit と入力してレジストリ・エディタ
を起動します。
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工学モデル計算の手引き
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「レジストリ エディタ」の左側ペーンから[HKEY_LOCAL_MACHINE]➔[SOFTWARE]➔[Classes]
➔[.bat]と開きます。メニュバーの「編集」を開き,
[新規]➔[文字列]を選択します。右ペー
ンに新しいできた文字列アイコンの名前を Content Type に変更します。アイコンをダブルクリッ
クして「文字列の編集」パネルを出し,「値のデータ」に text/plain を入力し OK を押します。右側
ペーンのようになっているのを確認してから,レジストリ エディタを閉じます。
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工学モデル計算の手引き
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インターフェースの左側メニューの「時系列データ分割」を選び,下のように CGI ページが表
示されることを確認してください。
以上で計算インターフェースのインストールおよび設定は完了です。プリ・ポストのインストー
ルに進んでください(こちらはもっと簡単です)
。
注 A4
レジストリが正しく変更されて
いないと,バッチファイル起動
時に右のようなメッセージが出
ます。
(出たときは「キャンセル」
してください)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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工学モデル計算の手引き
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F. 工学モデル プリ・ポストのインストールおよび設定
ソフトウェアを収録したディスクを CD ドライブに挿入してください。通常は自動的にインス
トーラーが起動して,下図のようなウィザード画面が出るはずですが,自動起動しない時には CD
内の Setup.Exe アイコン
をダブルクリックしてください。
「次へ」を押して先へ進んでください。「インストールフォルダの選択」画面に変わります。
デフォルトとして選択されるインストールフォルダはシステムディスク(例えば C:)直下の
Program Files に作られる NEDO のサブフォルダ LAWEPS_GUI_200 になります。任意のフォルダに変
更して構いません。また,ユーザー管理は適当なものを選択してください。
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工学モデル計算の手引き
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インストールの確認がとられます。問題がなければ,「次へ」進んでください。インストールが
始まります。そのままお待ちください。ストップするには「キャンセル」をおします。
インストールの完了画面が現れたら,
「閉じる」をクリックしてインストーラーを終了します。
次ページの図のように,工学モデル プリ・ポストが所定の位置にインストー
ルされました。また,ショートカット アイコンがデスクトップにできています。
引き続いて設定を行います。
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工学モデル計算の手引き
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まず,表示用などバンドル(同梱)データをコピーします。工学モデル計算システムのインス
トール CD を右マウスのクリックで開き,その中の data.EXE(圧縮・自動解凍ファイル)をダブ
ルクリックしてください。
「解凍先」をプリ・ポストと同じインストール・フォルダになるように
して(例では,デフォルトのまま)OK をクリックすると,そこに data サブフォルダができます。
また,PDF フォルダにはリファレンス・マニュアル類がありますので,参照用に PC にコピーする
などしてご利用ください。
デスクトップのアイコンをダブルクリックして,下図のような起動画面(操作パネル)が表示
されることを確認してください。そうしたら,操作パネル右上の「環境設定」ボタンをクリック
ください。
「環境設定」パネルが現れます。
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工学モデル計算の手引き
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パネル中,
「国土地理院 50m DEM フォルダ」に,例にならっ
てデータファイルが格納されているフォルダパスを指定し
てください。ここでは,C:\NEDO\dem\50M 内に 1 次地域区画
フォルダがあるような設定になっていますが,実際の設定に
あわせてください。
もし,10 m メッシュデータなどを保存した「細密 DEM フォ
ルダ」があれば,やはりパスを指定してください。なければ,空欄のままにしておきます。フォ
ルダの指定には,「選択」をクリックして,「フォルダの選択」パネルを使うとよいでしょう。
最後にパネルを「保存」すると,環境設定ボタンにこのように
〆印がついて,作業が完了したことを教えてく
れます。もし,このまま計算メッシュの作成など,工学モデル計
算のデータ準備に進むのでなければ,ここで「終了」ボタンをお
して,プリ・ポストを終了します
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工学モデル計算の手引き
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設定に関する補足事項
1. Windows 2000 でファイルシステムとして NTFS を選択している場合,laweps ルート・フォルダ
に対するアクセス権の設定変更が必要になります。以下の操作を行ってください。
1. 右クリックでプロパティを選択
2. セキュリティタブを開き,
「追加」を押す
3. Everyone を選択し,
「追加」を押す
4. プロパティ・パネルに戻り,
Everyone の属性で「フル・コ
ントロール」をチェックする
(「変更」には自動的にチェッ
クが入る)
最後に OK で設定を保存・終了
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工学モデル計算の手引き
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この設定をしないと,工学モデル計算インターフェースが正常に作動しません(下図)
。
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工学モデル計算の手引き
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2. Windows XP でもやはり,laweps フォルダのアクセス権を設定する必要がありますが,デフォ
ルトではこの設定ができません。以下にしたがって,OS の設定を変更してください。
「簡易ファイルの共有を使用する」のチェックを外す
すると,
「セキュリティ」タブでフォルダへ
のアクセスをコントロールできるように
なるので,1.と同様,Everyone の属性「フ
ル・コントロール」を追加してください。
計算インターフェースでログファイルへ
の書き込みエラーが発生する場合は,
cgi-bin フォルダ(C:\Inetpub\cgi-bin)にも
同様の操作を行ってください。
注意:XP
では Windows Update 適用など
注意
により,セキュリティ設定が大きく変更さ
れる場合があります。現時点での最新の情
報は「トラブル・シューティング ガイド」
をご覧下さい。
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工学モデル計算の手引き
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4. サンプルデータ
インターフェースのテスト用として,CD の LAWEPS_CFD フォルダに本文でとりあげた伊是名島
の計算データを収録してあります。なお,伊是名島の相対位置は全国風況マップとは異なってい
ますが,伊是名島の地域番号 0552 をサンプルの気象データ nest0552data でも便宜的に使っている
ことをお断りしておきます。
本文で例にとったルートフォルダ laweps 下にある約 400 MB のデータは LHA 形式で
(拡張子.lzh)
圧縮されています。まず適当なフォルダで解凍してから,所定のフォルダ(本書の例にならうな
らば,C:\laweps)にコピー・移動してお使いください。なお,対応する解凍ソフト(+Lhaca,Lhasa32,
eo 等)は http://www.vector.co.jp/vpack/filearea/win/util/arc/からダウンロードできます。
その他のデータとして,工学モデル プリ・ポス
トで作成されるサンプルデータ fromLawespShell と,
風況マップシステムで表示するためのデータセッ
ト toWindMap も添付されています。もし,これらの
データファイルを CD からコピーした時,「読み取
り専用」になっている場合には,右図のようにファ
イルの「プロパティ」パネルでチェックを外してお
使いください。
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工学モデル計算の手引き
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付録 A フォルダ構造
工学モデル計算に必要な各種データファイルは,ここに概略を説明するようなフォルダ構造で
格納されています。それらは,図 A1 に示すようなインターフェースを作動する IIS サーバー関連
と,気象モデルの結果ファイルも含め,工学モデル計算用の各種データファイルを格納する工学
モデル関連のもの(図 A2)とに大別されます。
サーバー関連フォルダについては,ユーザーがアクセス・操作する必要は通常はありませんが,
工学モデル関連フォルダには,計算に必要なデータファイルを格納しなければなりません。とく
に,プログラムファイル(拡張子.exe をもつ実行形式)が所定のフォルダにあることが重要です。
また,インターフェースを使えば,フォルダ名やファイル名の指定を行うことができます。
図例では地域として 0552 を想定しています。実際に計算する地域番号にあわせて,適宜変更し
てください。
Webサーバー(IIS)
C:¥Inetpub
HTMLファイル
htdocs
cgi-bin
Perl(cgi)
public_html
cgiプログラムファイル
ログファイル
cfd_laweps
----------------------anemos.cgi/.bat/.txt
average.cgi/.bat/.txt
laweps.cgi/.bat
tfs.cgi/.bat
profile.cgi
jcode.pl
files
------------anemos.log
average.log
laweps.log
C:¥Perl
図 A1
サーバー関連フォルダ構造
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工学モデル計算の手引き
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気象モデル時系列ファイル(nest.data)
E:¥nest0552_data
nest0552.yymmddtt(0552地域yy年mm月dd日tt時刻)Å binaryデータ
工学モデルフォルダ
C:¥laweps
気象工学モデル4次領域接続関連ファイル
anemos_data
-------------------------------------------read_nest.exe(気象モデルデータ分割実行形式)
anemos0552_mesh.bin(気象モデルメッシュ *1)
anemos0552_yymmdd_tth.bin(時刻分割ファイル *2)
anemos_CFD.exe(気象工学領域接続実行形式)
anemos_CFD_match.exe(メッシュ対応付実行形式)
match_list.dat(気象・工学メッシュ関連を記述)
match_list_bc.dat (境界条件の関連を記述)
nestファイル分割ログ
data0552_yymmddtt
-----------------anemos_time.data
nest_check.data
*1)気象モデルメッシュデータ
init0552.data
REG0552.par
を変換
*2)気象モデル時系列データ
nest0552.yymmddtt
を時刻ごとに分割
工学モデル4次領域関連ファイル
cfd_data
-----------------------------------------tfs_4_canopy.exe(4次領域計算実行形式)
XYZ/CPV/FTFS/PAR_s4.dat(データファイル)
run_cfd.bat (計算実行バッチファイル)
InputFileList.txt(ファイル名指定)
profile_tfs_s4.dat(モニター点設定)
計算実行フォルダ
data0552
cfd0552_yymmdd_tth
fine_mesh
5次領域計算
4次領域関連ファイル
4-5次領域接続関連ファイル
tfs_to_tfs
-------------------------------------------tfs_to_tfs.exe(4-5次領域接続実行形式)
tfs_to_tfs_match.exe(メッシュ対応付実行形式)
tfs_ss_canopy.exe(5次領域計算実行形式)
run_cfd.bat (計算実行バッチファイル)
計算結果処理ファイル
qfol_read
-------------------------------------qfol_read.exe(結果処理実行形式)
qend_averg.exe(平均処理実行形式)
qfol_read.bat(起動用バッチファイル)
set_displacement.dat(メッシュ設定)
図 A2
tfs_in
--------------------------------------------XYZ_s4.dat, InputFileList.txt(自動コピー)
match_list.dat (4・5次メッシュ関連を記述)
match_list_bc.dat (境界条件の関連を記述)
5次細領域関連ファイル
tfs_out
-----------------------------------------xyz/cpv_s5.dat (5次領域メッシュ・植生)
ftfs/par_s5.dat (パラメータ設定)
InputFileList.txt(ファイル名指定)
profile_tfs_s5.dat(モニター点設定)
計算データ関連フォルダ構造
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工学モデル計算の手引き
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付録 B データファイル
工学モデル計算を実行する過程では,さまざまなデータファイルが入出力に使われています。
本文で説明した工学モデル プリ・ポストや計算インターフェースを利用する場合には,それらの
ファイルの内容を意識する必要はまったくありません。しかしながら,ほとんどが ASCII ファイ
ルなので中味を見ることができるため,興味を覚えることもあると思います。また,メッシュファ
イルやフィールド変数ファイル等は,独自フォーマットではありますが,CFD では標準的なデー
タフォーマットである Plot3d ファイルに簡単に書き換えることができるため,添付のプリ・ポスト
以外のソフトでグラフィック表示を行うことも可能です。そこで,以下簡単に主要なデータファ
イルの説明をします。
さらに,工学モデル プリ・ポストでは,外部メッシュ生成ソフトで作った Plot3D メッシュファ
イルを Plot3D からインポートボタンを使って読み込んで,XYZ_s4/5.dat ファイルに変換すれば,それ
以降は本文の手順に従って,残りの計算用データファイルを作成することができます。そこで,
はじめに工学モデルが扱える Plot3d メッシュファイルについて解説します。
Plot3d 形式メッシュファイル
任意のメッシュ生成ソフトで作られた計算メッシュは,シングルブロック Plot3D ファイルとして
以下のように読み込まれ,
次に述べる工学モデル形式 XYZ_s4/5.dat に変換される。ここで,nx,ny,nz
は各方向の格子点数(セル数+1)で,xp,yp,zp は格子点の座標である。ファイル名 fname は任意
のものでよい(読み込むとき指定する)
。
open (10,file=fname )
read (10,*) nx,ny,nz
read (10,*) ((( xp(i,j,k), i=1,nx), j=1,ny), k=1,nz ),
&
((( yp(i,j,k), i=1,nx), j=1,ny), k=1,nz ),
&
((( zp(i,j,k), i=1,nx), j=1,ny), k=1,nz )
close(10)
XYZ_s4/5.dat
工学モデル メッシュファイル
メッシュファイルの一例を次に示す。
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工学モデル計算の手引き
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I10
0102280552
2I5
1
1
3I5
81
81
31
I,6(2I,6I)
6
1
1
5
1
0
82
2
1
5
2
0
82
3
1
5
3
0
32
4
1
5
4
0
32
5
1
5
5
0
82
6
1
5
6
0
82
I
3
203391F
0.0000000000000000E+00 125.0004700000000
375.0014000000000
500.0020800000000
750.0041500000000
875.0057999999999
1000.007700000000
1125.010500000000
… … …
0
32
0
32
0
82
0
82
0
82
0
82
250.0009500000000
625.0029900000001
1250.013900000000
先頭行から順に
I10
102282300
は I10 が format descriptor,その次が 10 桁の整数で書いたグリッドデータの ID。
2I5
1
1
はマルチブロック用の識別子。
(ただし,風況計算ではシングルブロック)
3I5
81
81
31
は格子サイズ(nx =81, ny =81, nz =31)
。
I,6(2I,6I)
6
は境界条件の設定。最初の行は format descriptor。次の 6 は、境界条件を設定する面が 6 面ある(4
側面,地表面および天空面)ことを表す。
1
5
1
1
0
82
0
32
のうち最初の行は,第 1 面中に何種類の境界条件を設定するかを宣言している。第 1 面とは,(1, 1,
1)∼(1, jmax, kmax)の面。次行 5 はその後に続く整数の数,1 は境界条件の種類,そして,それに
続く 4 個の整数が当該境界条件を適用する格子点 j1, j2, k1, k2 を表す。
(ここでは,計算領域の外
側にある仮想セルまで同一境界条件を適用するよう,j1 や k1 を 0,あるいは j2 や k2 を jmax+1,
kmax+1 に設定している)
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工学モデル計算の手引き
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以下,同様にして境界条件を指定。境界条件を適用する格子点の情報は
第 3 面,第 4 面
k1, k2, i1, i2
第 5 面,第 6 面
i1, i2, j1, j2
という具合になる。
I
3
は以下に 3 個の格子点データが続くことの宣言。
203391F
は最初の格子点データ(x 座標)が 203391 個の実数(浮動小数点)で書かれていることを示し,
以降の x 座標の並び方は Plot3d ファイルのものと同一である。この部分が,y および z 座標に対し
て繰り返される。
QFOL_s4/5.dat,QEND_s4/5.dat
工学モデル フィールド変数ファイル
これらは,工学モデルの物理変数を記録したフィールドデータファイルである。このうち,QFOL
は計算の初期値を,また QEND は最終時刻値を保存する。
3I10
520010615 0102280552 818931129
2I
1
1
3I
81
81
31
F
900.0000000000000
I
7
F
1.000000000000000
203391F
0.8813780331254811
0.8817463198749987
0.8814204913235794
0.8809207766653483
0.8810357989150067
0.8814843890636196
… … …
0.8809641656997531
0.8813242423105131
上述のメッシュファイル XYZ と同様,最初の 2 行はデータファイルの ID であるが,最初の数
字(520010615)は自動的に書き込まれるマシンのクロックなどの情報である。2 番目の数字は XYZ
ファイルの識別番号で,最後の数字は PAR ファイルの ID が転記される。(これらの ID は識別用
に境界セル面積ファイル cfd_face_area.dat と境界条件データファイル cfd_bc_var(1/2).dat の先頭行に
も記録され,接続計算の際に計算格子ファイルとともに照合目的で用いられる。
)
3,4 行目はブロック情報(風況計算では 1 番目のブロック,総ブロック数 1)
5,6 行目は格子サイズ。実際には変数はセル中心(総数 nx–1, ny–1, nz–1)に保持されるので,
最外側はダミーセルである。
7,8 行目は結果ファイルの時刻
9,10 行目は出力された変数の数で,ここでは 7 個。変数の順序はエクスナー関数π,速度成分
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
− 79 −
工学モデル計算の手引き
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(u, v, w)
,乱流量 k およびε,最後に温位θ(Plot3d 形式の Q と Func ファイルが合体しているよう
なもの)。
以下,変数の個数だけ各格子点 203391F に対してデータが書き出されている。ちなみに,
F
1.0000
は無次元化の基準値であるが,風況計算では有次元データを用いるため,すべて 1 である。
参考)基礎方程式
工学モデルの基礎方程式は次の共通表現で表される:
∂φ
∂
∂  ∂φ
+
( u j φ) =
Γ
∂t ∂x j
∂x j  ∂x j

+S +F


….. (B.1)
,t は時間,x は空間(添
この偏微分方程式において,φは一般の物理変数(具体的な表現は表 B1)
え字 j については次に説明),u は速度成分,Γは粘性係数の一般表現(表 B1)
,そして S と F は
体積力などの生成項(同じく表 B1,また植生キャノピーモデルの抵抗力 F は後述)である。また,
変数の<・>は,アンサンブル平均をとることを示す。テンソル表記の式(B.1)で,添え字 j(= 1,
2, 3)は各座標方向をあらわし,それぞれ 1 を x または経度(東西)方向, 2 を y または緯度(南
北)方向,そして 3 を z(高度)方向とする。
表 B1 基礎方程式各項の表現
φ
Γ
S
F
1
0
0
0
<ui>
ν + νt
<θ>
k
ν
Pr
+
1 ∂( p A + p )
−
− β gi θ δ i3
ρ0
∂xi
νt
Q
Prt
π0 + π
ν
ν+ t
σk
∂ uj
1  ∂ ui
+
νt

∂x j
∂xi
2

ε
ν
ν+ t
σε
ただし,ν t = Cµ
k2
ε
ε
k
, ε = Cε
(C ε1 PKS
ui
2



0
2

 − ν t β g ∂ θ δ  − ε
 Prt  i ∂xi i 3 



PKS

− Fi  = −ηC fi a u i

Fk (= u i Fi )
PKT
− C ε 2 ε + C ε 3 PKT )
 ε

Fε  = C pε Fk 
 k

k3/ 2
。また, β はθ0 における体膨張係数(= θ0−1 [K])である。
l
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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工学モデル計算の手引き
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表中の各式は,順に非圧縮性流体に対する連続の式,Navier-Stokes 方程式(x, y, z 方向の 3 つ)
,
熱力学の式,乱流エネルギーk の式,そして k の散逸率εの式とよばれる。それぞれの物理的な意
味は,質量,運動量,エネルギー,さらに k とεの保存を表す。
また,標準型 k–ε 乱流モデルの定数を表 B2 にまとめる。工学モデルでは,k–ε モデルを発展さ
せた後述の S–Ωモデルも使用できる。
表 B2 k−ε 乱流モデル定数
Prt
σk
σε
Cε1
Cε2
C ε3
Cµ
0.9
1.0
1.3
1.44
1.92
1.0
0.09
工学モデルでは,以上の基礎方程式を気象モデル,あるいは 5 次領域では格子間隔の粗い 4 次
領域の計算結果から加工された初期・境界条件のもとで,数値積分によりネスティング計算を行っ
ている。
数値解法としては,安定でかつ計算効率性のよい標準的手法である陽解法に基づく HSMAC
差分法を採用している。
S–Ωモデル:工学的な乱流計算において,k–εモデルはもっとも多く用いられる手法であり,その
予測精度はモデルの導出でなされた仮定と矛盾するような状況に適用しても満足なことが多い。
一方,さらに精度が高く,仮定が少なく,理論的にはより優れているはずの LES 乱流モデルなど
は,工学的用途ではことに膨大な計算負荷を軽減するため,計算格子数を減らすなど何らかの妥
協策をとらざるを得ず,モデルに本来備わる十分な性能が発揮できないことがよくある。そこで,
工学的に有用な k–εモデルを拡張する研究が,学術的興味から多々なされてきた。
工学モデルに対しても,そのような試みのひとつとして,以下に概略を述べる時間スケールを
導入した S–Ωモデルを使用できる。この乱流モデルには,地表面付近に標準的な壁関数を課す高
Re 版と,厳密にすべりなし条件で解く低 Re 型版とがある。ただし,Re は「レイノルズ数」の略
である。詳細は NEDO 成果報告書に譲り,以下に両モデルの数値表現のみを掲げておく。
高 Re S–Ωモデルでは,k–ε輸送方程式(表 B1)の項が以下の表現に変えられている。
乱れの生成項:
PkS = ν t
∂ uj
∂ u i  ∂ u i
+
∂x j  ∂x j
∂ xi


 , P = − g β u ′θ ′
kT
i
i


乱流動粘性係数:
ν t = C µ kτ ν = C µ
2
k τ m

ε  τ u




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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工学モデル計算の手引き
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時間スケール:
τm =
S ij =
2τ u
τ
1 + Cs u
τs
,τ u =
∂ uj
1  ∂ u i
+
2  ∂x j
∂x i

k
ε
,τ s =
2
, S = S ij S ij , Ω = Ω ij Ω ij ,
S +Ω


 , Ω = 1  ∂ ui − ∂ u j
ij

2  ∂x j
∂ xi






また,乱流モデルの定数が表 B2 に示した標準型と若干異なっている。
表 B3 S–Ω乱流モデル定数
Cs
σk
σε
Cε1
Cε2
C ε3
Cµ
0.4
1.4
1.4
1.5
1.9
1.0
0.09
一方,低 Re 版では,もとの乱流エネルギーの散逸率εを表す輸送方程式(表 B1)は,次の関係
ε = ε~ + 2 f D ν
∂ k ∂ k
∂x j ∂x j
をもつ ε~ で置き換えられる。さらに,式に付加項および減衰係数が付随して,以下のようになる。
~
ν t  ∂ ε~ 
∂ε~ ∂ u j ε
∂ 

+
=
ν +

∂t
∂xj
∂ x j 
σ ε  ∂ x j 
∂ 2 ui ∂ 2 ui
ε~
+ (C ε 1 PkS − f ε C ε 2 ε~ + C ε 3 PkT ) + f wνν t
+ Fε
k
∂ x j ∂ xk ∂ x j ∂ xk
….. (B.4)
ここに,
乱れの生成項:
PkS = ν t
∂ uj
∂ u i  ∂ u i
+
∂x j  ∂x j
∂ xi


 , P = − g β u ′θ ′
kT
i
i


乱流動粘性係数:
~ 3/ 4 
  R
2 
k  τ m 250
t 



+ ~ exp −
ν t = f µ C µ kτ ν = (1 − f w )C µ ~ 


  160   
ε τu
Rt



時間スケール:
τm =
2τ u
1 + Cs
τu
τs
2
k
,τ u = ~ ,τ s =
, S = S ij S ij , Ω = Ω ij Ω ij ,
ε
S +Ω
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
− 82 −
工学モデル計算の手引き
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S ij =
∂ uj
1  ∂ u i
+
∂x i
2  ∂x j



 , Ω = 1  ∂ ui − ∂ u j
ij

∂ xi
2  ∂x j






モデル関数(低 Re 効果を表す減衰係数):
fD
~ 
  z 6 / 5 
  z 12 / 5 
 R
ε
ε

 , f t = 1 + 10 exp − t  ,
= exp − 
  , f w = exp−  
 30 
  2.5  
  22 



 
z
f µ = 1 − exp −  *
  Aµ

σk =




~ 2 
 R
 , f ε = 1 − 0.3 exp −  t   ,

  6.5  



2
(ν ε~ )1 / 4 z
1.4
1.4
~
k2
,σ ε =
, Rt = ~ , z ε =
ft
ft
νε
ν
モデル定数は高 Re 版と同一である。
数学記号
g3 = 重力加速度の鉛直成分
k = 乱流エネルギー(気象モデルでは 12 q 2 )
l = 乱流の長さスケール
p = 圧力の動圧成分†)
pA = 静水圧(気象モデルが計算)
Pr, Prt = プラントル数および乱流プラントル数
Q = 非断熱加熱率†)
Rd = 乾燥空気の気体定数
ui = 風速成分†),(u1, u2, u3) = (u, v, w)
xi = デカルト座標,(x1, x2, x3) = (x, y, z)
ε = 乱流エネルギーの散逸率
θ = 温位†)
ν,νt = 分子および渦粘性係数
π = Exner 関数†)
ρ = 密度†)
δij = クロネッカーのデルタ(i = j のとき 1,i ≠ j のとき 0)
†)
乱流ではアンサンブル平均値とする.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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工学モデル計算の手引き
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CPV_s4/5.dat
植生キャノピー パラメータファイル
工学モデルには,樹木などの存在による地表付近の抵抗層を模擬する「植生キャノピーモデル」
が組み込まれている(表 B1 参照)
。表 B1 のパラメータ F 中,Cfi は抵抗係数,a は葉面積密度,Cpε
はモデル係数,そしてηは樹冠の占有率を表し,Cfi = 0.2,Cpε = 2.0,η = 1.0 である。そして,葉
面積密度 a [m2/m3]は次の関係式により葉面積指数 LAI から計算される。
a=
LAI
H canopy
….. (B.2)
ここで,LAI = 5,Hcanopy はキャノピー高さ(樹高)である。実際の計算には,a のかわりに計算格
子内にキャノピーが占める割合を考慮した係数 CPV を用いる。
CPV =
LAI
× C forest × CV
max (H canopy , 1.0)
….. (B.3)
ここに,Cforest は樹林帯の粗密を表すパラメータ(0 < Cforest ≤ 1)で,ここでは 1.0 とした。また,
CV は注目しているコントロールボリューム中にキャノピーが占める体積の割合(0 < CV ≤ 1)であ
り,樹高等から算出することができる。ただし,実際の植生分布において,Hcanopy が草地などで
小さい場合,a ないし LAI が過大となり計算が不安定になるので,上式に示すようなリミッタを
課している。
上述のパラメータのうち LAI,Hcanopy,Cforest の値は,設定ファイル plant2.dat に指定されており,
変更可能である。ただし,樹高 Hcanopy 以外を変更することは計算を不安定にするおそれがあり,
十分な注意が必要なため,推奨できない。
キャノピーモデルのパラメータファイル CPV_s4/5.dat は次のようなフォーマットである。
I10
0102280552
2I5
1
1
3I5
81
81
31
I
1
203391F
1.000000000000000
1.000000000000000
1.000000000000000
1.000000000000000
… … …
1.000000000000000
1.000000000000000
はじめの 6 行は計算格子ファイル XYZ と同じ。次の
I
1
は 1 個のデータセットが続くことを宣言するもの。そして,最後の変数部(格子点数 81*81*31 の
上例では 203391F 以下)に各要素の葉面積密度(CPV 値)が格納されている。このファイルは Plot3d
Function ファイルに容易に変換できる。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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工学モデル計算の手引き
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Ftfs_s4/5.dat
工学モデル データファイルリスト
工学モデルの起動には,はじめに計算で使用するデータファイルを指定したテキストファイル
Ftfs を読み込むことが必要となる。Ftfs の内容は以下に示したようである。
1(a,5i),3(a,2i),6(a,5i)
'PAR'
4 2 10 10 8
'XYZ'
1 2
'QFOL'
1 2
'SFOL'
1 2
'QEND'
4 2 8 0 8
'CPV'
4 2 8 8 8
'QPLOT'
4 2 8 8 8
'SPLOT'
4 2 8 8 8
'TIME'
4 2 8 8 8
'RESID'
4 2 8 8 8
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format descriptor
PAR file name
see text
grid file name
restart file name (field data)
restart file name (streak: not in use)
result data file name
canopy data file name
data for plot (e.g. statistic data)
data for streak (not in use)
time history data
convergence history (not in use)
引用符(')で囲まれた文字列(PAR など)はファイル名を表す。さらに,各ファイル名の下に書
かれた整数文字列は,そのファイルの属性などを示し,例えば,4 2 10 10 8 の場合
最初の 4 は,その後に 4 個の整数が続くことの宣言
次の 2 はファイルの属性。
(1 はバイナリ,2 はアスキー。ただし,PC 版はアスキーのみ)
残りの 10 10 8 は標準出力に出力する際の文字数を表し,
整数 10 桁,実数 10 桁,文字列 8 桁
という意味。(ただし,この 3 数字は PAR ファイルのみに有効)
実際に局所風況予測に用いられるのは,パラメータ設定ファイル PAR,計算メッシュファイル
XYZ,リスタート(あるいは初期条件)データファイル QFOL,計算結果ファイル QEND,および
植生キャノピーデータファイル CPV のみである。
PAR_s4/5.dat
工学モデル計算パラメータファイル
次に示す,上から 3 組目のパラメータセットのうち,時間(ステップ数×時間刻み)が dttot を越
えると計算は終了するように設定されている。dtqw, dtsw, dttw は,途中経過などを出力する時間
刻みを示す。その次の nitot は総時間ステップ数を表し,他の niqw, nisw, nitw はプログラム内で途
中経過の出力などに使うフラグである。このうち niqw はキャノピーモデルの使用を設定(1 でモ
デル ON,0 で OFF)し,nitw では乱流モデルを選択している(0:k–ε,1:高 Re S–Ω,2:低 Re S–Ω)
。
また,各番号に応じた境界条件の指定を itbc で行う。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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工学モデル計算の手引き
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I10
818931129
3(4C,4F),4C,4I,3C,3I,2(C,F)
'eu
' 'fr
' 'gam
1.
1.
1.4
'pr
' 'prt
' 're
0.7
0.9
6.67E4
'dttot
' 'dtqw
' 'dtsw
1.E+07
1.E+06
1.E+06
'nitot
' 'niqw
' 'nisw
720
1
0
'nisav
' 'nires
' 'niddt
0
0
0
'cpumax '
0.13E+09
'cfl'
1.5
C,6I
'itbc '
1 2 3 4 1310 6
C,F
'beta'
1.E2
3a,3i
'ipois1' 'ipois2' 'ipois3'
20
0
0
3c,3f
'alpha1' 'alpha2' 'alpha3'
0.333
0.500
1.
2C,2F
'cc1'
'cc2'
0.0001
1.E-9
2c,2f
'dtphys' 'dtart'
0.125
1.0
' 'xma
0.1
' 'sr
1.
' 'dttw
1.E+06
' 'nitw
0
'
'
'
'
'
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format descriptor
date (file ID)
format descriptor
comments
dimensionless parameters
comments
dimensionless parameters
comments
time intervals for output
comments
iteration numbers
comments
iteration numbers
comments
max CPU time
comments
CFL number
format descriptor
comments
boundary conditions
format descriptor
comments
artificial compressible par.
format descriptor
comennts
iteration numbers of HS MAC
format descriptor
comments
Runge-Kutta parameters
format descriptor
comments
convergence criteria
format descriptor
comments
time steps
これらのパラメータ値は,非定常計算を行う 4 次領域と,定常状態を求める 5 次領域とでは異
なる。例に示したのは,4 次領域計算における典型的なパラメータである。
工学モデル プリ・ポスト データ
工学モデル プリ・ポストでは,数値地図や土地利用分布から抽出・加工された地表面の標高や,
植生分布データを記録するデータファイルが作成される。
標高データファイル model.WGM の例を以下に示す。
1.279406E+002 2.693083E+001
1.278857E+002 2.688456E+001
1.279955E+002 2.697710E+001
1.090000E+004 1.030000E+004
218
206
5.000000E+001 5.000000E+001
9.923582E+004 1.113066E+005
256
158 1.280000E+002 2.680000E+001
0.000000E+000 0.000000E+000 0.000000E+000
(後略)
1 行目:領域中心の東経および北緯
2 行目:領域南西端の東経および北緯
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
− 86 −
工学モデル計算の手引き
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3 行目:領域北東端の東経および北緯
4 行目:領域の東西および南北方向の大きさ(メートル)
5 行目:数値地図のデータ点数(東西および南北方向)
6 行目:数値地図のメッシュ幅(ここでは 50m メッシュ)
7 行目:経度および緯度 1 度あたりのメートル換算値
8 行目:GPV 関連データ(使用せず)
9 行目以下:標高値が 5 行目のデータ点数だけ,南西端から北東端まで列挙されている。
また,植生分布データ model.WTM の場合,1 ~ 8 行目までは model.WGM と同一であるが,9 行目
以下は第 1 項目が樹高 Hcanopy(海面では 0 m),2 ~ 13 項目には各月の LAI(標準ではすべて 5)
,
14 項目はダミー・パラメータ,そして 15 項目が Cforest(樹林帯の粗密)である。これが各標高デー
タ点に対して列挙されている。上記,植生キャノピー パラメータファイルの項も参照のこと。
1.279406E+002 2.693083E+001
1.278857E+002 2.688456E+001
1.279955E+002 2.697710E+001
1.090000E+004 1.030000E+004
218
206
5.000000E+001 5.000000E+001
9.923582E+004 1.113066E+005
256
158 1.280000E+002 2.680000E+001
0.000000E+000 5.000000E+000 (中略) 1.000000E+000
(後略)
残差などのログ
計算の進行とともに,profile_tfs_s4/5.dat に設定したモニター点の風速はグラフィック表示されるが,
その他コンソール画面(図 2.3.2)には残差などのログが出力される。例えば,次の行の場合
0.90100000E+03 0.27780671E-05 0.48407865E-04
43
77
1
1
1
34
左から順に,時間(ステップ数×Δt)
,計算領域内における連続の式(式 B.1,表 B1 参照)の残
差(RMS 値)
,連続式の最大残差量,同最大残差量となる格子点 i,j,k,連続式の残差であることを
示す整数 1,格子ブロック番号 1,繰り返し計算回数 34 を表す。
(HSMAC 法では連続式の残差し
か判定しないので右から 3 番目の整数は常に 1,さらにマルチブロックの部分,右から 2 番目の
数字も常に 1 である。)
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工学モデル計算の手引き
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工学モデルの基盤となる CFD(計算流体力学)は,ひじょうに広範で多岐にわたる上に,発展
も著しい専門分野である。環境流体分野の応用を中心にした入門解説書としては,環境流体シミュ
レーション(河村哲也他,朝倉書店,2001 年)がある。付録の CD-ROM には,計算結果を可視
化した動画(アニメーション)が収録されており,熱流体や大気拡散などの物理現象を CFD シミュ
レーションによって再現する実例をみることができる。また,LAWEPS が用いる差分法による数値
解析技法をやや専門的に解説したものとしては,流体解析 I:応用数値計算ライブラリ(河村哲也,
朝倉書店,1996 年)などがある。乱流解析に関しては,乱流解析:数値流体力学シリーズ(数値
流体力学編集委員会編,東大出版会,1995 年)その他の参考書が入手できる。
ユーザーガイド:LAWEPS 工学モデル計算の手引き
ver. 2.0 2005 年 3 月
ver. 1.0 2003 年 5 月
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