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現役ファンドマネージャー 孝四郎 & M2Jチーフストラテジスト貴堂素明

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現役ファンドマネージャー 孝四郎 & M2Jチーフストラテジスト貴堂素明
現役ファンドマネージャー⻄⼭孝四郎
&
M2Jチーフストラテジスト貴堂素明
特別コラボレポート
波乱含みの 2014 年相場をどう乗り切るか?(⻄⼭孝四郎)P2〜
マネーマネジメントの重要性とは(貴堂素明)P13〜
2014年2⽉14⽇(⾦)
1
波乱含みの 2014 年相場をどう乗り切るか?
⻄⼭
孝四郎
当り屋ストラテジストの転向
2011 年以降、超強気⾒通しを述べながら⽶株価指数 S&P500 の相場予測を的中させてきた株式
ストラテジストのデビッド・ビアンコは、2014 年末の S&P500 を 1850 と予測した。これまでの
<超強気>から転向し、今年は<横ばい相場>を予測している。ビアンコの相場感が変わったこと
で、ウォール街では楽観的な相場⾒通しが後退しているという。
●⽶国 S&P500 株価指数(⽇⾜)
今年はレンジ相場か・・?
上段:21 ⽇ボリンジャーバンド 1 シグマ(緑)
中段:26 ⽇標準偏差ボラティリティ(⻘)
下段:8 ⽇ ATR(⾚)
出所:Bloomberg
2
⽶中間選挙年のサイクル
筆者は今年の相場で円安や⽇本株⾼がさらに進むかどうかは、⽶国株の動向次第だと考えている。
リスク商品の買い循環は「10 ⽉末買い・4 ⽉末売り」の半年サイクルが基本となるが、今年はこれ
に⽶国中間選挙年のサイクルが加味される。
歴史的にみると、⽶国中間選挙年の株価はさえない年が多い。⼀⽅、中間選挙年の翌年の相場は
1946 年以降すべて上昇している。過去の相場データからみると、本格的な株の上昇相場や円安が到
来するのは 2015 年となりそうだが、今年の相場の⼤きな押し目は、来年の相場に向けての買いチ
ャンスになると思われる。
●⽶国の⼤統領選サイクルと円相場の年間変動パターン
⽶中間選挙年は「まさかの円⾼」が多い
3
●ドル/円と貿易収⽀の推移
貿易⾚字の定着と輸⼊の買いがドル/円の下⽀え要因
出所:Bloomberg
筆者も今年の相場はビアンコのストラテジーと同様に、
「下落時の押し目買い」を基本戦略として
いる。積極的なトレーダーは株の下落トレンド局⾯で売りから⼊るのもいいし、ドル/円の下落トレ
ンド局⾯で円買いを⾏うのもよいだろう。筆者は基本的にテクニカルベースで取引をしているので、
円売りも円買いも抵抗がないが、多くの個⼈投資家にとって円買い取引は敷居が⾼いようである。
相場の転換点を⾒つけるには?
円売り派の投資家にとっての 2014 年相場は、逆張りで円売りを狙うのが有効な戦略となりそう
だ。逆張りは相場の転換点を当てるゲームだが、トレンドに逆らってポジションをとる⼿法なので、
ストップロス注⽂か証拠⾦管理が必要となる。
筆者は⽇⾜ベースの押し目買いのポイントは、
「相場サイクル」
・
「トレンド指標」
・
「オシレーター
指標」の 3 つをみながら判断している。ドル/円の押し目買いのタイミングやターゲットに関しては、
ここ数週間のレポートなどでも取り上げているが、概ねうまくワークしている。
4
●ドル/円(⽇⾜)
上値も重そうだが、とりあえず 2 ⽉ 4 ⽇の 100 円 75 銭でサイクルボトムを付けた格好
上段:相場サイクルとフィボナッチのファンライン
下段:ストキャスティクス 5.3.3 とダブルループパターンの出現
出所:Bloomberg
5
●ドル/円(⽇⾜) 強い円買いシグナル(⻩)は消滅
上段:14 ⽇ ADX(⾚)
・26 ⽇標準偏差ボラティリティ(⻘)
下段:21 ⽇ボリンジャーバンド1シグマ(緑)
出所:Bloomberg
もっと短いタイムフレーム(時間枠)での押し目買い⼿法も紹介しておこう。筆者は 1 時間⾜で
のドル/円の⾃律運動(限界的上下動)の目安として、13 時間移動平均線かい離を、もうかれこれ
25 年も使っている。
ドル/円の 1 時間⾜の上下動は概ね 13 時間移動平均線の 0.7%から 0.8%のかい離幅に収まるこ
とが多い。たまたまではあるが、先週末の⽶雇⽤統計相場でもこの逆張り⼿法はうまくワークした。
繰り返すようだが、このような逆張り売買はストップロス注⽂が必須となる。
6
●ドル/円(1 時間⾜) 1 時間⾜の動く範囲は・・
上限:14 時間 ADX(⾚)・26 時間標準偏差ボラティリティ(⻘)
下段:13 時間移動平均かい離 0.7%(⾚)0.8%(⿊)
出所:Bloomberg
エリオット波動は 5 波の天井を付けたのか?
あまりマニアックな話はしたくないのだが、エリオット波動に関する照会が多いので、ここで簡
単に触れておきたい。
「1 ⽉ 2 ⽇の⾼値 105 円 44 銭で 5 波動は終了し、1 年数カ⽉に及ぶ円安の第
1波は終わったと思うか?」という照会がほとんどだ。
筆者は、「プライマリーサイクル(1 年-4 年のサイクル)の円安第1波の天井は今年の前半に付
けると思うが、1 ⽉ 2 ⽇が天井であったかどうかはわからない」と答えている。5 波のターゲット
は 1 波と等倍か、1.618 倍が基本だが、5 波は波動が<故障>したり<延⻑>したりする難解な波
動である。
5 波動終了後の修正波動のフォーメーションがどのような形になるのかは、さらに予測が難しい。
7
「鯛焼きの頭としっぽはくれてやれ」という相場格⾔があるが、エリオット波動の使い⽅で最も有
効なのは、最も強いトレンドである 3 波の局⾯(下のチャートの⾚の⽮印のの相場)に乗ることだ
ろう。
●ドル/円(⽇⾜) ジム・マーテンスによるドル/円の波動カウント
出所:Bloomberg
エリオット波動のカウントは、筆者の周辺でもカウントする⼈の相場観によって異なっている。
また、エリオット波動はよほど修練を積まないと会得できるものではない。波動カウントを⾃動的
にカウントするソフトウェアも出ているが、相場の実戦で使えるレベルに達していない。
1990 年代、筆者はエリオット波動の第⼀⼈者と⾔われるロバート・プレクターの有料レポートを
⻑期にわたって購読していたが、「カウントが複雑で難しすぎる」という感触を今も持っている。
エリオット波動が注目されたのは、ロバート・プレクターが 1987 年のブラックマンデーをピン
ポイントで的中させたからである。1980 年代のプレクターの予測は神がかっていた。1980 年代は
ことごとく相場の転換点を的中させたが、1990 年以降のプレクターのカウントはあまり当たらなく
なっている。
8
1987 年のブラックマンデーを当てた根拠についてプレクターは、
「エリオット波動が 5 波の天井
を付けたことが理由だが、相場の天井を確信したのはその直前に沖縄で⽇⾷があったから」と答え
ている。⾦融占星術にまで話が及ぶと、オカルトのような話だと思われる読者もいるだろうが、エ
リオット波動は有名なダウ理論から派⽣した<フラクタル理論>である。
エリオット波動が当たるかどうかは筆者にはわからないが、
「⽶中間選挙年の 2014 年は円⾼にも
注意が必要な年である」ことに留意すべきだろう。
今年はテクニカルに根拠を置く丁寧な売買が必要か?
今年の相場は年初から⼤揺れ相場となっている。筆者は今年の相場に対してはあまり予断を持ち
たくない。⾃分の相場観とテクニカル指標が合致したときのみ、ポジションをとるようにしている。
相場はいつも当てるゲームとして始まるが、リスク管理をおろそかにするとゲームオーバーとな
る。同じポジション量でも、相場のボラティリティレベルによって取っているリスクは全く違った
ものになる。ボラティリティの⾼い場⾯では、ストップロスを置くか、証拠⾦を厚めにして、レバ
レッジを上げないことが重要である。
相場の上げ下げに⼀喜⼀憂するのもいいが、上げ下げの循環の過程で、相場がゲームオーバーに
ならないようにすることが⼀番⼤事なことであろう。そして、⾃分にとって不利な時期をしのぐに
は、レバレッジを下げてリスク管理を徹底するしかない。⾃戒を込めてそう書いておく。
『ぼくが持っているものといえば、循環を感じとる能⼒だけだ。物事はなにごとによらず多かれ
少なかれ、循環している。いろんなことが、周期をもって、起こってくる。だからその周期が⾃分
にとってもっとも不利になっていくことがたとえあっても、⼤局的には平衡がとれていて、これが、
時というものの機能なのだと思う』
(ジェリー・ガルシア)
最後に年間の私のレンジを⽰しておきたい。年始から 2 ヶ⽉が経過したこともあり、⼀部⾒直し
を⾏っている。
9
●ドル/円(⽉⾜) 年間予想レンジ
95-110
出所:Bloomberg
●ユーロ/円(⽉⾜) 年間予想レンジ 128-150
出所:Bloomberg
10
●豪ドル/円(⽉⾜) 年間予想レンジ 82-100
出所:Bloomberg
●NZ ドル/円(⽉⾜) 年間予想レンジ
75-92
出所:Bloomberg
11
●南アランド/円(⽉⾜)
年間予想レンジ
8.5-11
出所:Bloomberg
[2014年2⽉14⽇]
次ページより
「マネーマネジメントの重要性とは」
↓
↓
12
マネーマネジメントの重要性とは
M2Jチーフストラテジスト
貴堂素明
2014年の幕開けは、昨年の強気相場⼀辺倒から⼀転、下値リスクを警戒する相場展開で始ま
った。値位置だけの話をすれば⾼値から数円程度、パニック相場とは程遠いものの、下落スピード
が短期間で速かったため、下落幅以上に市場センチメントが冷やされたように感じる。それは、先
⾏きを予測するアナリストの感じ⽅も同じらしく、ほんの数か⽉前の楽観的なムードは、今の市場
からは聞こえてこない。そのような中、⻄⼭⽒より今年の相場予測について寄稿していただいたの
で、ここではその予測を受けつつも、リスクに焦点を当て、
「マネーマネジメント」の重要性につい
て書いてみることにする。
そもそも相場に上がり下がりはつきものであり、投資とは、その循環の中で⾃⾝がどのようなポ
ジショニングを展開するのかが醍醐味でもある。またそれは、その時々の相場環境の中で、⾃⼰の
相場観に基づいていかに投資資⾦を上⼿に回していくかのゲームと⾔い換えることもできるが、こ
れに計画性をもってマネジメントすること(マネーマネジメント)によって、はじめて「資産運⽤」
となる。さらに⾔えば、投資とは、⾔うまでもなく資産を増やすために⾏う活動という事になるが、
昨年のような右肩上がりの相場展開に慣れてくると、⼤間違えさえしなければ肝を冷やすような経
験は訪れず、更には相場を当てることが資産を増やすことと同義となり、次第に⼀番⼤切なマネー
マネジメントそっちのけで値動きに⼀喜⼀憂してしまう傾向にある。ところが、順調な運⽤成績も、
年が明け、⼀転⾼値を取りに⾏った後の相場展開の早さにびっくりし、ふと我に返って評価損とポ
ジションバランスで、⾏く末どうしたら良いものかと思案に明け暮れることになる。なぜこのよう
なことになるのか? それは、間違いなく常⽇頃から⾒込み損益を「キャッシュ(お⾦)」で考えて
いないことに他ならない。
リスクは「キャッシュ(お⾦)」で考える。
昨年5⽉の相場急落時に、
「マーケットプライスとマネーマネジメント」レポートを上梓し、その
⼀部で「投資とは」について執筆したので、まずはそこから抜粋する。
13
―――「投資」とは、すなわち資⾦を運⽤することです。ところが、FXを始めると、相場予測
がまずありきとなり、いくらまで上がるのか、つまり為替レート(マーケットプライス)を基本的
な尺度として運⽤を考えてしまいがちです。しかし良く考えてみてください。投資は何のためにし
ているのか?
投資の目的は利益を得るためです。例えば90円で1万ドル買って100円で売ったとします。
利益は10万円。相場観が当たった!
100円になってうれしい!
となりますが、本当に嬉し
いのは、相場観が当たったことよりも、あるいは100円になったことよりも、
「10万円」という
利益を得たことがなによりも嬉しいはずです。それは、投資の目的は利益を得るためだからです。
逆もしかり。90円のポジションが80円になれば悲しい。正確に⾔えば10万円損失を出したこ
とが悲しい。ところが、
「10万円損すること」が80円になって初めて分かった、という⽅が実に
多いのです。これは、
「資⾦運⽤」ではなく為替レートだけを⾒て儲かった、損したと⼀喜⼀憂する
「マーケットレート運⽤」をしているから起こったことなのです。つまり、為替レートを⾒るだけ
で、事前にここまで下がったらどの位損失になる。という計算をしていなかったために起こった悲
劇です。―――
当時の市場はアベノミクスのイケイケ相場から⼀転リスクオフの展開。すでに多くの⽅が⼤きな
評価損を抱えている中でのレポート発刊であるが、読後の感想として、損失を出して初めて理解で
きたという声を多く頂戴した記憶がある。今は当時と異なり、値動きが⽐較的⼤きいながらもレン
ジ感の強い相場環境が続いており、ともすれば、今後再び円安基調となっていくかもしれない。し
かしながら重要なのは、円⾼であろうと円安であろうとどのような環境であっても常⽇頃より「キ
ャッシュ(お⾦)」で物事を考え、市場に潜むリスクをカウントして売買戦略(ストラテジー)を⽴
てなければならない。これを怠った結果、資⾦が尽きてゲームオーバーとなれば、その後⾃⾝の相
場予測に市場が追い付いてきたとしても、後の祭りだからである。
マネーマネジメントこそリスクマネジメントである。
今後予想される下落リスクについて、どのように対処したらよいか。このような質問を最近多く
頂戴する。これは、いわゆるリスクマネジメントのことについて質問されていると思われる。リス
クマネジメントは予防策であり、いざ事が起こった後ではその対処法は限られるが、逆に事が起こ
る前であればいかようにでもなる。なぜなら、
「利益(リターン)はコントロールできないが、損失
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(リスク)はコントロールできる」からである。そして、損失をコントロールすることがリスクマ
ネジメントであり、それを具現化したのがマネーマネジメントである。今の市場は非常に不安定な
環境下にあり、今後円⾼の可能性を秘めている今だからこそ、改めて⾃⾝のポジショニングと資⾦
(マネー)の状況について事前に検証し、今のうちに適切な予防措置を取れるのであれば、取るに
越したことはない。来るか来ないか解らない円⾼トレンドであるが、来なければ幸い、来ても計算
づくとするのが本来の資産運⽤である。
プロにはマネできないアマチュアの特権!
相場というものは実にシンプルで、突き詰めるところ上がるか下がるか⼆つに⼀つ、上がる⽅に
賭け、より上がれば儲かり、下がれば損をする。市場ではプライスこそが正解であり、そこにはプ
ロもアマチュアも関係ない。しかしここに、資⾦(マネー)が絡んでくると、欲が絡んで少々複雑
な話になってくる。ところで、筆者が⾒るに、プロとアマチュアの違いは何ですか?
と問われた
時、真っ先に思いつくのはマネーマネジメントがしっかりやれているか否かである。それも当然で、
プロは任された資⾦を使っていかにパフォーマンスを出すかが勝負であり、⾔い換えると、リスク
を踏まえた「⾦勘定」を常にしていなければ、たちまち資⾦が枯渇してゲームオーバー(実際には
そこに⾄るまでのハードルがいくつか存在するが・・)となり、悪ければクビ、良くても配置転換
になるのが解りきっているからである。彼らの売買は、利益はさておき損失は計算づくであり、そ
れはひとえに「⾦勘定」をしっかりとやっているからに他ならない。これはアマチュアも⼤いに学
ぶべきところであり、⼤切な資⾦を無くすつらさはプロもアマチュアも関係ない。ところで、実際
にはどのような「⾦勘定」、つまりマネー(リスク)マネジメントをしていけば良いのだろうか。マ
ネー(リスク)マネジメントをシンプルに考えると、⽅法は⼆つしかない。⼀つは想定内のストッ
プロス(損切り)設定。もう⼀つは⻑めの投資を前提としたリスク許容度による逆算の投資である。
【ストップロス(損切り)設定】
プロアマ問わず、限られた資⾦の中で効率的に運⽤していくためのリスクマネジメント⽅法であ
る。モノの本に書いてある「損切りは重要!」というのにはそれなりのワケがある。相場には流れ
があり、利益を上げることに徹すればするほど、その流れに乗る⽅が、相場を先読みするよりよほ
ど重要である。従って、仮に上昇トレンドである場合、結果として⾼値掴みになろうと相場をとこ
とん追い続け、ブレイクするまで稼げるだけ稼ぎ、ピークアウトしたらすぐさま損切りをする、と
いうのが貪欲なやり⽅である。それは、裁量取引であろうと、トラリピのスイッチング(上昇する
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にしたがってトラリピのレンジ設定を変えていく)であろうと変わらない。ただし、怠ってはいけ
ないのは上述の通り、必ずストップロスの設定をすること。⾼値掴みは結果としてのポジションで
あり、その後の処理、つまりストップロスを⼊れておかなければ、せっかくリスクを取りながら相
場を追い続けたご褒美としてこれまで稼いできたものを、⼀発で⾶ばしてしまう事になる。
また、ストップロスの設定は、レートではなくキャッシュで考えなければならない。⼀例を⾔え
ば、100円⇒110円に上がると予測し、1万ドルを買う事にした場合、想定利益額は10万円
であるが、この投資案件に関する最⼤リスク許容額(損失許容額)は2万円と設定した、とすれば、
2万円÷1万ドル=2円、つまり買い値より2円下である98円にストップロス設定を⼊れる、と
いうやり⽅になる。なお想定利益額より最⼤リスク許容額の⽅が⼤きいという事は、投資として成
り⽴たない。誰しもが、始める時はリスクよりリターンが⼤きいと⾒込んで投資をするものの、ス
トップロス設定をせず、⼀例をあげれば、1円の利益を取りにいった挙句、5円の損切りをした、
という話などその典型である。また、目先だけを⾒た刹那的な取引は賛成しないが、むしろ刹那的
な取引にこそストップロス設定は必須である。
【⻑期投資を前提とした逆算の投資】
リスクに対する⼀番確実な対処法について、⼀つだけ挙げろと問われた場合、⼀番効果があり、
しかも簡単な⽅法は、資⾦量を増やすことである。乱暴に⾔えば「⼒技」で対応するという事であ
るが、これに勝る対処法はない。ただし、安易に増やせばよいという事ではなく、これも計算づく
によるものでなければならないということである。当社のお客様の中には、例えばドル円110円
〜50円のレンジにトラリピを敷き詰め、あとはほったらかしというような、⼈もうらやむような
逆提案をされる⽅もいらっしゃるが、⼀般的には資⾦量の都合から、実践となると中々難しい。し
かしながら冷静に考えれば、この少々乱暴(失礼)な提案も、ある程度の資⾦量を持って値幅を⼤
きく取れば、できないこともなさそうである。では計算づくとはどのようなことであろうか。
計算づくとは、想定される下落の下限まで下がったとき、いくらの評価損が出るのかをあらかじ
め計算をし、納得したうえで指値を⼊れるという事である。⻄⼭⽒のレポートによれば、今年の下
限はどの通貨であっても現在の値位置からおおむね8円〜10円程度と予測されている。この下値
リスクに基づきマネーマネジメントを考えるとすれば、ドル円の場合、現在の値位置から今年の下
限95円までの間にどの位の間隔とポジション量を持って対峙するのか、また下限まで来た時の評
価損はいくらになり(逆算する)
、その⾦額は納得できるのか否か、という事を事前に考えなければ
ならない。計算づくのストラテジー通りにやった結果であれば、仮にレンジの下限まで来てしまっ
たとしてもその損失額に意外性はなく、少なくともこんなはずではなかったとはならない。幸いに
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して当社には、ポジションを持つ前にシミュレーションができる機能をトレード画⾯に備えている。
⾝の丈に合った資⾦量をもとに、⾃分のストラテジー(特にリスク許容度)に納得がいくまで何度
でも試してみると良いであろう。
また、現在のドル円の値位置とレンジの下限95円とのかい離幅に基づきストラテジーを考える
という事は、⼀般的には⻑期投資の範疇に⼊る。当然のことながら、⻑期間投資をするという事は、
期間が⻑い分だけ不確実性を伴うため、程度の差こそあれある程度の資⾦量が必要となる。しかし
ながら、上述の通り相場は循環するものであることから、たまたま始めた時が⾼値であったとして
も、しっかりとマネーマネジメントをしていれば、いずれ⼤きな果実をもたらすこともある。また、
この投資法は、期間内のバジェット(予算)の達成に縛られているプロには到底マネできない投資
法であり、制約のないアマチュアだからこそできる、優雅な取引⼿法である。この投資法は、本来
ポジションを取る前に計画をするのが筋であるが、最近⾼値でポジションを取られた⽅にとっても、
値位置的にそれほど乖離あるわけではないため、改めてレンジの下限を意識したストラテジーを再
構築するとともに、来るかもしれない下落に備えて、資⾦量を増やしておくに越したことはない。
来るか来ないかは神のみぞ知るところであるが、杞憂に終わればそれはそれで結構なことであり、
リスクに対する備えだけはしっかり準備しておきたい。
永く続けることが投資の王道
投資は⻑くやり続けることが肝要である。仮に損失を出してもやり続けているという事は、それ
なりの結果を出していることに他ならない。また、そもそも結果とは、どの時点で評価するのかに
よって全く違ってくる。それは、投資期間に対する考え⽅の違いであり、1⽇で評価する場合もあ
れば、5年〜10年スパンで評価する場合もある。従って、⻑期投資をしているのであれば、⼤雑
把な相場観で⼗分だし、今⽇明⽇の評価損益など取るに⾜らない事でもある⼀⽅、刹那的な取引で
あれば、必然的にその時々の結果にこだわりを持たなければならない。ただし、どちらも共通して
⾔えるのは、資⾦がショートしてゲームオーバーとなり、市場から撤退せざるを得ない状況にまで
陥らないようにすることが必須であろう。目先の値動きも重要だが、それを追い続けるためにも資
⾦的な背景があればこそ、という事は紛れもない事実であり、だからこそマネーマネジメントをし
っかり⾏う事が、永く続ける秘訣となる。永く投資を続けていれば、⾒えてくることも必ずある。
相場の世界に永く居続けるためにも、ぜひ参考にしていただきたい。
[2014年2⽉14⽇]
17
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