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プレゼンテーションの 極意
特別 講座 PowerPoint でプレゼンテーションのスライドを作っただけで、 作 業が終わったと思ってはいけない。 言いたいことが相手に伝わるか どうかは、「発表」の成否にかかっているのだ。連載最終回となる今 特別 講座 発表者ツールを使いこなす 回は、 発表者を補助してくれるツールや、 聴く人の人数・プレゼン環 境に応じた便利な発表手段を解説していこう。 戸田 覚=ビジネス書作家 伝わる! プレゼンテーションの極意 最終回 最新プレゼンテーション発表術 プレゼンテーションの極意 PowerPoint 2013 を使っている人 メモした「ノート」と、次のスライド タッチ対応パソコンを使っているな は、ぜひ発表者ツールを使いこなし も表示される。現在表示しているス ら、指先で注目点に丸を付けるだけ てほしい。プレゼンを開始する前に、 ライドを説明している最中に、誤っ でも、レーザーポインターより分か 「スライドショー」タブ→「モニター」 て次のスライドで話すべき内容に触 りやすく伝えることができる。 欄→「発表者ツールを使用する」に れてしまうようなことがなくなる。 自分の話に集中してもらいたいと チェックを付けておけば準備完了だ 最新のタッチ対応パソコンを使っ きには、画面を一時的に黒くするこ ていると、ほとんどの作業が指先で とも可能。これも、タッチ対応パソ プロジェクターや外付けのディス できる。マウスやタッチパッドを使 コンなら、タップするだけなので操 プレイと接続すると、ノートパソコ いづらいプレゼンの現場では、相当 作しやすく、見ている人を待たせな ンの画面に発表者ツールが表示され、 に重宝するだろう(図 4) 。実際に使 いのだ。 (図 2) 。 今回は、さまざまなプレゼンテー える環境が整わないなら、ノートパ うになった。スライドを表示する手 ディスプレイにはスライドが全画面 った人は、直感的に使える便利さに プレゼンに使うパソコンは新しい ションの発表方法を紹介していく。 ソコンの画面で見せるか紙で印刷し 段が一気に増えたのだ。さらに、ス 表示されるようになる(図 3) 。 膝をたたくはずだ。 ほど良いが、最近はアナログ RGB これまで、プレゼンといえばスライ て配布するしか方法がなかったのだ。 マートフォンでさえその気になれば PowerPoint 2013 の発表者ツール スライドの一覧表示に切り替えた 端子を搭載しないモデルが増えてい ドをプロジェクターで投影するのが ところが最近は、大画面テレビが普 プレゼンをすることができる。 は非常に優れており、今投影してい り、スライドの上にペンで文字を書 るので、ディスプレイ機器との接続 一般的だった。プロジェクターを使 及しタブレットも普通に使われるよ 表示機器を使い分ける るスライドに加え、話すべきことを いたりすることも可能(図 5) 。特に、 に注意しておこう。 ●プレゼンテーションに使う機器とそれぞれの特徴 使う機器 表1 目安の人数 特徴 2 人から大人数 5 人程度の会議から、その気になれば、数千人のプレゼンまで 対応。最も大きく表示できるツールだ。ただし、機器の準備に 手間がかかる上に、スクリーンなどの環境を整えるのが大変。 すでに用意されている会議室向き 大画面テレビ 2 人から 20 人 くらいまで HDMI 端子を搭載しているパソコンなら、ケーブル 1 本で接続 してプレゼンを実施可能。テレビのスピーカーが使えるのも大 きなメリットだ。40 ~ 50 型の大画面テレビなら 20 人程度 は見られる ノートパソコン 2 人から 5 人 くらいまで 画面サイズが 13 ~ 15 型のノートパソコンでは、5 人くらい で見るのが限界だ 2~3人 少人数向けだが、小さな机やテーブルでのぞき込みながらプレ ゼンを進めるには最適。タッチ操作で感覚的にめくっていける 2人 立ったままでちょっとした商談を進めるのに向いている。仰々 しさがないので、気軽にのぞいてもらえるだろう。5 ~ 10 分 程度で終わるスライドを作りたい プロジェクター タブレット スマートフォン ●HDMIケーブルで簡単に接続 大画面テレビ プレゼンに使える主な機器とそれ ●プレゼンをスムーズにする発表者ツール ノートパソコンの画面 ぞれの特徴を表 1 にまとめた。改め 次のスライド て見てみると、さまざまなツールが 利用できることが分かる。すでに手 元にあるものも少なくないだろう。 例えば、会議室に大画面テレビが置 プロジェクター などの画面 いてあるなら、すぐにでも活用した いところだ。HDMI ケーブルで簡単 に接続でき、部屋が明るくてもプロ 現在のスライド ジェクターより見やすい(図1) 。 せっかく作ったスライドは、スマ ホやタブレットでも使えるようにし 図 2 「スライドショー」タブ→「モニター」欄→「発表者 ツールを使用する」にチェックを付ける ておくと、いざというときに重宝す る。オンラインストレージに保存し HDMI 端子 ておくほか、画像データとして持ち 運ぶ方法も紹介していく。 ノート欄 図 3 ノートパソコン側には発表者ツールが表示され、 「ノート」 や次のスライドの内容が分かる。プロジェクターや外付けのデ ィスプレイには、全画面でスライドが表示される ノートパソコンの画面 スライド A スライド B スライド C ただし、アニメーションや動画は、 PowerPoint などのアプリを使わな 図 1 大画面テレビはオフィスの会議室など にも普及してきた。HDMI 端子を持つパソコ ンであれば、ケーブル 1 本で接続することが でき、便利だ。プロジェクターに替わるプレ ゼンツールとして積極的に利用したい 72 日経パソコン 2013.12.23 いと再生できない。タブレットやス HDMI ケーブル プロジェクター などの画面 タッチ操作で ページめくり マホに互換性の高いプレゼンアプリ がインストールされていないなら、 ノートパソコン アニメや動画を使わないシンプルな スライドを利用するのも手だ。 手描きツール 画面を暗くする 図 4 タッチ対応のパソコンは、プレゼンに大変役立つ。 発表の現場では説明するのに精いっぱいになることが多い。 図 5 発表者ツールでは、注釈を手書きすることもできる。画 タッチだけでスライドをめくれるのはありがたい 面を一時的に黒くする操作もタッチで OK だ 日経パソコン 2013.12.23 73