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特集 加速する食のネット販売 加速する食のネット販売
5 2012 特集 加速する食のネット販売 撮影:佐藤 尚 5 鹿児島県南九州市 2005年5月撮影 2012 特 集 加速する食のネット販売 え え ■茶畑の町、南九州市頴娃で生産される頴娃茶は、知覧茶とならぶ鹿 児島県の銘茶である。丁寧に育てられてきた頴娃茶の畑で、今まさに 新茶の摘み取りが始まろうとしている■ 3 ネット販売のチャンス広げる課題は何か 清野 誠喜 / 斎藤 順 今や多くの売り手が競合する食のネット販売。成功のカギを握るのは、 情報の差別化や消費者との双方向性の活用だ 7 事業チャンス広がるネットス ー パ ー の課題 後藤 亜希子 成長市場のネットスー パ ーには、右肩上がりの参入が続く。一方、ビジ ネスモデルの確立にはコストや出荷体制などの課題解決が不可欠である 11 食品のEコマ ー ス市場の最前線レポ ート 新村 洋一 仮想店舗と現実店舗の営業手法には、どんな違いがあるのか。楽天市場 が考える、食のネット販売を伸ばすヒントは“3つのL”にある 情報戦略レポート 15 大震災の影響和らぎ立ち直りへ 食品産業景況感は改善見通し ―食品産業動向調査― い い ちゃ 頴娃茶の畑 シリーズ・その他 観天望気 人口減少社会の「地域づくり」 徳野 貞雄 農と食の邂逅 農事組合法人モア・ハウス 大藪 佐恵子 青山 浩子 耳よりな話 122 マイナーからメジャーへ 渡邊 朋也 主張・多論百出 豊橋百儂人事務局 清水 貴裕 2 19 22 25 書 評 福山 欣司著 / 前田 憲男写真 『田んぼの生きものたち カエル』 宇根 豊 30 まちづくり むらづくり 都市生活者と一緒に地域おこし 「通い型の田舎暮らし」で遊びも 原 大祐 31 経営紹介 経営紹介 23 いずれ梅酒をワインのように ネット販売などで六次産業化 / 和歌山県 梅の月向農園 創業95年の4代目梅農家の挑戦が続いている。ネット販売で経営を軌道に 乗せた後は、梅酒特区で酒造免許を取得。梅酒づくりで産地をリードする 変革は人にあり 27 小城 年久 / 鹿児島県 小城製粉株式会社 オンリーワンの技術で米粉100%、グルテンフリー のパン・菓子づくりに 成功。小麦アレルギーに悩む消費者の需要を捉え世界市場の開拓を目指す *本誌掲載文のうち、意見にわたる部分は、筆者個人の見解です。 インフォメーション 『第7回アグリフードEXPO東京2012』の 出展者を募集しています 農商工連携ビジネスフェアに出展 名古屋支店 「信州アグリフードフォーラム」 を開催 長野支店 34 35 35 農業後継者交流会「農Future!!」 を開催 秋田支店 35 「岩手県農業経営アドバイザー連絡会」を開催 盛岡支店 35 東日本大震災により被災された皆さまへの 支援策について 36 みんなの広場・編集後記 37 ご案内 第7回アグリフードEXPO東京2012 38 人口減少社会の 「地域づくり」 「 地 域づく り 」を、産 業 振 興や経 済 発 展 と絡めて立 論しよう と す る 傾 向 が 強い。全 面 否 定 す る 気 はないが 、地 域の産 業 振 興や 経 済 発 展 と 地 域 社 会の共 同 性や 人 間 関 係の再 構 築の問 題 は、基 本 的には 全 く 別の論 理 と 現 象で あ り 、そ れ を 区 別 し とくの さだお 1949年大阪府貝塚市生まれ。九州大学大学院文学研究 科博士課程修了。博士。山口大学人文学部助手、広島県 立大学経営学部助教授を経て、99年より熊本大学文学 部教授。専攻は、地域社会学。95年からシェフィールド大学 (英) で客員研究員として勤める。主な著書に 『農村の幸せ、 都会の幸せ』 (NHK出版) など。 て整 理せず 、漠 然 と「 地 域 」問 題 として混 同 している限 り、この 徳野 貞雄 「 地 域づく り 」の課 題 は 解 決 しない。 「 地 域づく り 」が、地 域に おける産 業 発 展や経 済 成 長 だとすれば、日 本 各 地の産 業 都 市 はすべて立 派でかつスバラシイ地 域 社 会であるはずである。 日 本においては、高 度 経 済 成 長 以 降の産 業 振 興に伴 う 人の 移 動が、関 係 性の切 断 を 呼び起こし、 「 地 域 社 会の共 同 性や人 間 関 係の絆 」の解 体や崩 壊 を 引 き 起こしてき た 。それ故 、産 業 化・都 市 化に伴 う 地 域 社 会の共 同 性の弱 体 化 を 、ど う 取 り 戻 す かが「 地 域づく り 」の本 来の出 発 点で あった 。にも かかわら ず、 「 地 域づく り 」=「 産 業 振 興 」と 発 想 するのは、矛 盾 してい る。そこには全 く 別のロジックが挿 入されていると考 えられる。 間 違いなく『 人口増 加 型パラダイム』と呼んでいる二〇 世 紀の日 本の地 域 社 会に吹 き 荒れた基 本 的 思 考 様 式であろう 。 明 治 以 降の日 本 社 会は、 「 人口増 加+経 済 成 長=社 会 発 展 」 という 人口増 加 型パラダイムを 基 本 としてき た 。だから、地 域 政 策は人口を 増 加させることであ り、 「 人口さえ 増 えたらカネ も 回 るし 、職 場 も 増 えて 地 域 は 活 性 化 す るは ず だ 」という 思 考 回 路 を 抜 きがたく 持っている。この人口増 加 型 思 考 回 路は、 人口動 態がバースコントロールの効かない多 産 時 代の産 物であ り、少 産 多 死の現 代 社 会では全 く 成 立しない。 2 AFCフォーラム 2012・5 むしろ、この人口増 加 型 思 考 回 路への執 着 が、人口減 少の現 実 を 直 視 せず 、従 来 型の地 域 政 策の繰 り 返 し を 発 生 させてい る 原 因で あ る 。だ と す れば、人 口 減 少 を 真 正 面 から 受 け 止め た 縮 小 型 地 域 社 会の成 立の可 能 性 を 探ることは、非 常に重 要 であ る 。す なわ ち 、 『 脱 人口増 加 型パラダイム』の社 会システム の構 築である。この課 題は、単に農 山 村に限らず 、都 市 部 を も 含めた日 本 社 会 全 体に深 くかかわる重 大な問 題である。 熊本大学教授 特集 加速する食のネット販売 ネット販売のチャンス広げる課題は何か Jun Saito れているものの、調 査 対 象などの違いから、実 態 さまざまな統計によりその規模の計測が図ら 販 売 する売 り 手は、他の品 目より 群 を 抜いてお いることだ。おそらく、インタ ー ネットで食 品を 品店、お取り寄せショップなどがしのぎを削って 農 家 をはじめ、スーパー や食 品 専 門 店、健 康 食 とみずからウェブサイトを 設 けてインタ ー ネッ る。その流れに合わせるように、生 産 者 も 次 々 普 及 を 背 景にネットショッピングが 増 加 してい 一九九五 年 以 降 、インタ ー ネットの爆 発 的 な 「 食 品 」の 購 入 者 が 三 〇 % 程 度 で あ るこ と か で豊 富 な 売 り 手 が 存 在 するために比 較 検 討や その一方で、食 品に関 してはあ ま りにも 多 彩 ほ う が 実 際に一〇 年 以 上 前の萌 芽 段 階でインタ ー ない。 う 単 純なロジックで取 り 組んでいる例 も 少なく 受 け 付 ければ、より 注 文 数が伸びるはずだとい しかし、多 くの場 合インタ ー ネットで注 文 を ネ ッ ト 販 売に何 を 求 め る か を 正 確に反 映している数 値がどれであるかは悩 買い手 から 見 れば、インタ ー ネットで目 的の ものを見つけられる可能性は、広告やダイレクト メ ールなどしかなかった以 前の通 信 販 売に比べ ら、内 訳 として農 産 物の占める割 合は高いとい 購 入 決 定 が、こだわりの強い買い手ほど大 変に れば、格段に上がっている。 えよう 。 通り農産物の購入経験者は二〇・五%であった。 二〇 〇八年に行った 調 査では、表1に示 した ちどれだけの割合かは不明である。 的には「 食 品 」のカテゴリ ー に入るため、そのう ト販売に取り組んできた。 競争において優位性を発揮する必要がある。 ためには、これらの多 彩 な 売 り 手 との顧 客 獲 得 つま り、インタ ー ネットで農 産 物 を 販 売 する なってくる。 Seiki Kiyono 清野 誠喜 り、最多数ではないだろうか。 注 目 すべきは、その市 場の中で、かなりの数の に想像できる。 よそ一〇%にも 満たない程 度になることは容 易 ただし、金 額ベースで見れば電 子 商 取 引のお 市場流通を通さない農産物のインター ネット販売が農業の現場に定着 し始め、ビジネスチャンスが広がっている。しかし、消費者が購入した くなるような品種・品質や栽培方法などの情報提供をはじめ、生産者 と消費者間の双方向性を持ったマネジメントが課題だ。 多彩な売り手と買い手 近 年、インタ ー ネット環 境が整 備されるに従 い、インタ ー ネットを 介 しての商 品 購 入が活 発 きよの せいき さいとう じゅん 東 京 都 出身。博 士( 農 学 )。 秋田県出身。新潟大学大学院 大学では、農業や食品企業を 自然科学研究科博士後期課 対象としたマーケティング行 程修了。農産物のインターネッ 動や消費者行動などの領域で ト直販を主な研究テーマとして 研究を行う。 きた。2011年より現職。 新潟農業・バイオ専門学校 講師 ましいところである。さらに農産物の場合、基 本 化している。 斎藤 順 新潟大学農学部 准教授 2012・5 AFCフォーラム 3 特集 加速する食のネット販売 が伸びず、維 持 管 理に手 間 もかかることから閉 ネット販 売 を 始めた生 産 者 も、思ったほど受 注 れる状況が、利益を薄め合うことにつながってし ば 似 たよう な 商 品 が 多 くの売 り 手 から 提 供 さ ものではない。 だからこそ、目 的を絞り消 費 者を引 き 寄せる ための付 帯 情 報を濃 密にして、煩 雑な情 報 提 示 観 察 する限 りでは、現 時 点でその状 況が大 幅 まったのである。 コメをはじめ農 産 物 価 格が全 体 的に下 落の様 に改 善されたとは言い難い。だからこそ、目 的を さらに、生 産 者のウェブサイトを閲 覧している 鎖している場合も多い。 相 を 見せ、インタ ー ネットという 新たなチャ ネ 明 確 化し、それに合わせた販 売 戦 略を展 開 する 「 地 域の情 報 発 信 」 「( 希 少 な )生 産 物の認 知 」 れに付随して「消費者とのコミュニケ ーション」や の拡 大が目 的であることは間 違いない。ただ、そ ンスロスにつながっているケ ースも見受けられる。 「 見にくい」 「 分かりづらい」という 印 象からチャ とって必 要な情 報 を 埋 没させる危 険 性があ り、 あまりに多 彩な情 報 提 示は、本 来の消 費 者に 分かりやすい情報掲載必要 いかに見やす く 、分かりやすい形で情 報 掲 載 す 何が消 費 者にとって必 要 な 情 報であるのか、 ウェブサイトを 製 作( 依 頼 )する時、多 くの生 るかという 技 術 的な側 面 も 重 要になってくるの 農 産 物 を 取 り 扱 う インタ ー ネット 販 売 業 者 産者が頭を悩ませたのではないだろうか。 「販売 う な 商 品 説 明 を したらよいか 」など、他の生 産 は生 産 者だけではない。有 機 農 産 物などを 集め である。 者のウェブサ イ ト を 閲 覧 し な がら 参 考 にし た がった生 産 者はどのくらいいるだろうか。ほとん て生 産 者が行 う 場 合 と比べれば、かなり 高い水 彼らは、当 然のごとく 販 売 手 法や集 客におい 在する。 せショップなど販売を専門とする業者も多く存 た健康食品小売店やネットスーパー 、お取り寄 しかし、その結 果 、満 足のいく 情 報やコンテン 方 々 も多いはずである。 ペー ジ以 外のコンテンツを ど う す るか 」 「 どのよ チ ャ ンスロス避けられるか が、多かれ少なかれあるはずである。 などウェブサイトに情 報 的な彩 りを 添 えるもの 非常に満載な場合も多い。 とになる。 を 避 けるほう が 顧 客 獲 得の可 能 性 を 広 げるこ ルに多 くの生 産 者が期 待を寄せ、 「とりあえず 」 ※食料品、地方特産品の中に農産物 (未加工) は含まれない 「主な食材購入者」 は、回答者のうち、普段から家庭内で消費する食材を主に買っている人の割合を示す インタ ー ネットで農 産 物を販 売し、売り上げ と、農 産 物の販 売にかかわるもの以 外の情 報が 資料:斉藤調べ ことで同質化競争から抜け出す必要がある。 配偶者あり 64.6% 64.4% 61.0% 72.9% 69.2% 60.7% 56.8% 59.0% 71.4% 63.6% 78.8% 62.5% 72.3% 57.5% 50.0% 59.5% 55.2% 51.7% 58.6% 57.1% 平均年齢 40 39 37 39 41 38 41 41 41 39 42 43 40 38 38 39 38 40 34 37 女性 51.6% 52.5% 65.0% 60.4% 61.5% 61.8% 33.8% 39.3% 62.5% 80.0% 63.5% 29.2% 59.6% 55.0% 42.5% 59.5% 62.1% 27.6% 62.1% 38.1% 割合 100.0% 86.2% 39.4% 37.8% 35.8% 35.0% 29.1% 24.0% 22.0% 21.7% 20.5% 18.9% 18.5% 15.7% 15.7% 14.6% 11.4% 11.4% 11.4% 8.3% 区分または購入品の種目 全回答者 ネットショッピングの経験あり 衣料品・ファッション 旅行・宿泊などの予約 食料品※ 書籍 コンピュータ・周辺機器 AV機器・家電製品 地方特産品※ 化粧品・健康食品など 農産物 コンピューターソフト 飲料・酒類 アクセサリー・貴金属 音楽・美術 映画・演劇などのチケット 文具・日用雑貨 時計・カメラなど 家具 各種サ ー ビス ツが、明 確に記 載 されたウェブサイトができ 上 どは、ある程度のところで妥協し、または模倣し い。このような小 売 業 者と比べ、生 産 者による販 準で顧 客の満 足 を 獲 得していることは間 違いな これは、ある意 味 当 然の結 果 といえる 。他 者 売は消 費 者にとってどのような意 味があるのだ た産物ではないだろうか。 の状 況を把 握し、消 費 者の動 きを予 測 するため 小 売 業 者の行 うインタ ー ネット販 売は、品 ぞ ろうか。 本 来それに費やす 時 間と労 力は大 きいものであ ろえや利 便 性という 点で生 産 者よりも 優れてい に行うマー ケティング・リサ ー チの一つであって、 る 。それは、日 々の農 作 業の中で簡 単にできる 4 AFCフォーラム 2012・5 ネット利用年数 5.4 5.5 5.8 6.5 6.1 6.6 6.9 6.8 7.2 6.2 7.1 6.1 6.2 5.6 6.3 6.7 5.5 6.4 6.6 7 主な食材購入者 64.4% 66.7% 75.0% 68.8% 76.9% 70.8% 70.3% 67.2% 76.8% 89.1% 75.0% 58.3% 72.3% 72.5% 65.0% 75.7% 69.0% 75.9% 79.3% 66.7% ウェブサイトを 開 設した結 果、消 費 者から見れ 表1 インタ ー ネットによる品目別購入経験と消費者属性 ネット販売のチャンス広げる課題は何か 生産者<平均> 流通業者<平均> 110. 12件 (回答数) (33) (34) 推定売上 ¥800, 773 ¥514, 062 (対象数) (33) (32) 15833. 6件 (34) 3. 33 1. 46 資料: (注1) 参照 推定売上は、受注件数×受注1件当たりの購入金額で算出したものである 推定受注率は、受注件数×100/アクセス数で算出したものである (対象数) (29) (28) 説 明や 商 品の信 頼 性 を 高める情 報の発 信 力に 歴や栽 培 方 法 といった特 別な商 品であることの るはずである。 行 動に移るまでのプロセスで、違いとなって表れ る方が、その商 品 を 購 入 してみたいという 購 買 しかし、インター ネットでの販売という点で見 であり重要であることに変わりはない。 まり、重要視されている。それ自体は、至極当然 農 業においてもマー ケット・インの考え方が広 るための情 報 “としてきっちりと付 与した上で のプロダクト・アウトともいえよう 。 特別な商品であることを ”消費者に認知され 究極プロダクト・アウトが有用 優れているという点で有利なのである。 この点においては、生 産 者の有 利 性 が 簡 単に ひっく り 返ることはない。この調 査 を した 段 階 では、利 便 性においても 生 産 者の方が有 利 性 を 持っていた (注1)。 希少性や高付加価値の路線 しかし、昨 今のネットス ーパーの登 場や食 品 小 売 業 者 がインタ ー ネット 販 売の経 験 を 積み 重ね、レベルが高 くなってきた状 況では、必 ずし も優位とはいえない。 れば、そこには数 多 くの売 り 手 と似たような商 品が膨大に並んでおり、その中で ”目立つ“ため には、究 極のプロダクト・アウトを 目 指 すことも これからのインター ネット販売において生産者 が勝 ち 残っていく ためには、希 少 性や高 付 加 価 有用ではないだろうか。 幸い、農 産 物のインタ ー ネット市 場は非 価 格 値といった、生産者が販売するという点を生かし た路線でなければ厳しいのではないだろうか。 者 と流 通 業 者 を 対 象 としたアンケ ー ト 調 査 結 実 際にインタ ー ネットでコメを 販 売 する生 産 タイミングや生 産 方 法、土壌の状 況など、むしろ うのは存 在しないのではないだろうか。収 穫 期の ただし、厳 密には本 来 、同 質 的 な 農 産 物 とい ているものと考えられる。 るまでのプロセスの中で「 中 断 」が起こってしまっ 示できているとは言い難 く 、消 費 者が購 買に至 それでも 、商 品の説 明 として、栽 培 方 法の特 ベルでは、その違いが明確ではないかもしれない。 確かに、消 費 者が認 識できる「 食 味 」というレ にヒントが隠されている。インタ ー ネットという は、消 費 者から寄せられる質 問やクレ ームの中 では、その情報とは何なのか。付与すべき情報 的確に付与することに留意しなければならない。 そうならないために、商品にあった密な情報を 平準化する方が困難なはずである。 むろん、他にはない特 別な商 品 を 扱 う 中 間 業 徴やこだわりなど他 者 との違いを 明 確にしてい のほうが実績は高いという結果となっている。 者は多 く 存 在 するが、生 産 者の場 合その栽 培 履 率といった販 売 実 績を示 す 項 目において生 産 者 果である表2を見ると、受 注 件 数やリピー タ ー 大きいことが挙げられる。 ター ネット販売も伸びを見せている。 競 争の側 面が強い。わざわざ送 料 を 負 担してま (33) 推定受注率 農産物を販売する目的で開設されたウェブサ (回答数) で購 入 するのだから当 然であるとも考 えられる 32. 30% イトは、生 産 者 が 運 営 するものだ けでも 、かな 46. 06% る点が多い。しかし、実 際には生 産 者によるイン (28) リピ ーター 率 が、それほど消 費 者にとって「 特 別な農 産 物 」 へ (29) りの数が存 在 しており、そのほとんどが売 り 上 3733. 4件 げ 不 振に直 面 しているのが現 実である。その原 アクセス数 (回答数) そ れは 、消 費 者 が インタ ー ネッ トで 商 品 を ¥4, 544 の関心が強いとも言い換えることができる。 しかしながら、生 産 者が運 営 する多 くのウェ ¥5, 848 因は前 述したとおり、同 質 化 競 争によって利 益 (33) 受注1件当たりの購入金額 購 入 する理 由として、 「 利 便 性 」が大 きい一方で (34) ブサイトで消 費 者が求めている情 報 を 的 確に提 126. 24件 が薄まっているという状況にある (注2)。 受注件数 (回答数) 「 他にはない商 品 が 購 入で き る 」という 理 由 も 表2 生産者サイトと流通業者サイトの年間販売実績の比較 2012・5 AFCフォーラム 5 特集 加速する食のネット販売 双 方 向 性をもった気 軽なツ ールを活 用し、消 費 そのかわ り 、限 られたスペー スの中で商 品 説 善の糸口になったり、販 売 能 力の向 上につながっ 理しなければならない。そのこと自 体が経 営 改 状 況や他 者の状 況 を 自 分 な りにリサ ー チし 整 明をしなければならない。売上に対するロイヤル たりするのである。 もらえる。 ティーの支 払いも農 産 物のような利 益 率の高 く 者からの情 報 収 集 を 積 極 的に行 うことで、進 化 インター ネットでの販売は、数あるチャネルの ない商 品の場 合、 「 利 益 を 上 げる」という 目 的で ネットというツ ールの特 徴 を 生 かして、既 存の 者に直接販売するための窓口であって、インター 方 も 自 由にカスタマイズでき 、情 報 更 新 も 迅 速 説 明のスペースという 制 約はない上、情 報の出し これに対して、自 前のウェブサイトでは、商 品 ケ ー ションの中からもまた自 分の提 供 する商 品 利 用 す ることがで き 、顧 客 との双 方 向コミュニ メ ールは、既 存の情 報 伝 達ツ ールより も 気 軽に さらに、インタ ー ネット販 売で活 用 する電 子 していけるはずである。 一つに過 ぎ ない。そのため、その経 営における位 あれば果たしにくくなってしまう 。 生産者直販よりも情報伝達距離を広げていって に行える。 双方向性持った管理が重要 置づけが重 要である。基 本 的には生 産 者が消 費 いるのである。 入りにくいものなど高 付 加 価 値のものを探 索 す 物 を 買 う 消 費 者の特 徴としては、通 常では手に 私の研 究 成 果 も 含め、インタ ー ネットで農 産 のリスクや受 注および情 報 更 新 、集 客 努 力の必 イト作成も労力または費用がかかる。代金決済 管 理 するためには初 期 費 用 もかかり、ウェブサ ただ、安 くなったとはいえ、独 自のドメインで みる舞 台 として、またはその差 別 化 を 認 知して を 抱 えながらも 、生 産 者 が 多 様 な 差 別 化 を 試 農 産 物のインタ ー ネット販 売は、多 くの問 題 の有 利 性やさ ま ざ ま な 改 善 点 も 見 えてくるは る傾 向にあ り、本 来、最 寄 品である農 産 物 も 買 要 性など手 間のかかることも 多 く 、それらの業 もらう 舞 台として、現 状では最 も 取 り 組みやす ネット販 売に依 存 すると、多 くの在 庫を抱 える あれば、インタ ー ネットモールや中間業者への販 がある。希 少 性があって付 加 価 値の高い商 品で どの方 法で行 うにしても 、それぞれ一長一短 どに関 する情 報や栽 培 方 法に関 する情 報 など 一方 的 な 広 告 となるのではな く 、品 種・品 質 な るためには、ウェブサイトが単に生 産 者 側からの 今 後、農 産 物のインタ ー ネット販 売が発 展 す ずである。 回品と同じような購買プロセスとなる。 務を担 う 適 任 者がいないとうまく 運 用 すること く、有益である。 その結果、リピー ト率が他のチャネルに比べ低 は難しい。 可 能 性 も あることから、他の販 売チャ ネルとの 売 委 託 も 有 用であろうし、自 分のこだわりを 十 消 費 者 が 購 入 判 断 しやすい情 報の提 供 を 念 頭 い傾 向が見 受けられる。つまり、過 度にインタ ー リスク分散が重要なのである。 分に消 費 者に伝 えたければ自 前のウェブサイト 目 的に合 わ せ た 販 路 選 択 に、インタ ー ネットという 環 境 を 生かした生 産 どのような商 品 を 扱 うか、インタ ー ネット販 ( 注1)斎藤順・平泉光一 「米の BtoC インタ ー ネット販売 における競争関係」、 『 農業経済研究 』 ( 76 ) 3、 pp 林業問題研究 』第 号、 pp12-23 、 2003 を参 照 150 者 直 販における売 上 規 定 要 因とその原 因 」、 『農 、 を参 照 169-179 2004 ( 注2)斎 藤 順・平 泉 光一 「 農 産 物のインタ ー ネット生 産 を行っていかなければならないと考える。 者 と消 費 者 間の双 方 向 性 を 持ったマネジメント の設置が必要になる。 いっても一様ではない。自 前のウェブサイトを 設 売に何 を 求めるかによって、適 切に選 択 するこ さらに、生産者がインター ネットで販売すると 置 するだけが手 段ではなく、楽天市 場のような とが望ましい。 価以外にも存在する。 インタ ー ネットで販 売して得られるものは対 インターネットモールもあれば、お取り寄せショッ プで取り扱ってもらうなどさまざまである。 たとえば、インタ ー ネットモ ールに出 店 した るのかという 点や目 的、販 路 を 適 切に選 択 する いかなる情 報 を どのように、どれだけ 付 与 す 初 期 労 力 )が軽 減 され、消 費 者の呼び込みや代 という 意 思 決 定 を 行 うためには、自 分の経 営の 場合、ウェブサイトの製作など初期費用(または 金 決 済 機 能などがモールの開 設 業 者 側で担って 6 AFCフォーラム 2012・5 特集 加速する食のネット販売 事業チ ャンス広がるネットス ー パ ー の課題 大 手や 地 方のス ー パーマー ケットでインタ ー ネットを 活 用 して商 品の 受注や配達を行 うネットス ーパーのシステムが定着し、ビジネスチャンス が 広 がっている 。ただ、パソコンを 使いこな すシニア層の拡 大 、さ らには 新 規 層だけでな くリピ ー タ ー を ど う 増や す かな ど課 題 も 多い。 ごとう あきこ 愛知県出身。東京外国語大学外国語学部フランス語学 科卒業。1996年より (財)流通経済研究所勤務。主な研 究領域は、小売業態論。主な著書に、 『シナリオ2020』 (日 本スーパーマーケット協会,2011年) 『日本の流通と都市空 間』 (古今書院,04年) など。 総 合ス ーパー・食 品ス ーパー で、ネットス ー までの動 き を 取 り 上 げよう 。時 期 としては二〇 への参 入がブ ー ムになってから本 格 展 開に至る まず、大手スーパーなどによるネットスーパー 注 文から最 短で三時 間 後に届 くというサ ー ビス てくる「 店 舗 出 荷 型 」で、注 文 当日配 送、しかも 点とし、注文を受けると売り場から商品を集め イズミヤもほぼ同じ仕組みで実験を開始した。 パー 事 業に取 り 組む企 業が増 加している。ネッ 二〇 〇 〇 年 代 初 頭のスーパー 業 界では、売 り 当 時 、アメリカで始 まったインタ ー ネット を 活 一方 、当 初 から 宅 配 専 用の大 型センタ ー をつ 大 型 セン タ ー で 対 応 企 業 も この 新 市 場 の 規 模 は 二 〇 一一 年 度 予 測 で 用した宅 配が注 目 を 集めた。日 本でも、高 齢 化 く り 、将 来の受 注 拡 大に備 える「 大 型センタ ー 上げの落ち込みを食い止める手 段の一つとして、 七一九億 円と言われ、小 売 業 界では数 少ない成 の伸 展や働 く 主 婦の増 加とともに宅 配ニー ズは も あ っ た 。しかし、この時 期はまだブロー ドバン 長 市 場である( 注1)。〇六年に全 国チェーンの そこで、普 及しつつあったインタ ー ネット経 由 ドの普 及 前 だったことも あ り 、インタ ー ネット 出 荷 型 」でネットス ー パ ー 事 業 を 始 めた 企 業 で注文を受ける食品・日用品の宅配事業が複数 からの注 文は非 常に時 間がかかったため、会 員 「大型センタ ー 出荷型」は、巨額の初期投資が の大手スーパーで始まった。これが第一次ネット 大手スーパーでネットスーパー 事業に最初に 数、注文件数は伸びなかった。 高まると考えられた。 取り組むようになり、近年では中小・地方チェー ンのスーパーの参入も増えている。 ここでは、これまでの展 開 状 況 をレビュー し、 最 近の各 社の取 り 組みの変 化について検 討 した 上で、今 後の課 題 と 可 能 性について考 察 してみ スーパーブ ームと言えよう 。 大手スーパー(以下、大手スーパー ) が本格的に 注し配送する新しい事業分野である。 パーマー ケット品 目をインタ ー ネット経 由で受 レベルの高いものだった。翌年、イト ーヨーカ堂と 取り組んだのは西友である。既 存 店 舗を配 送 拠 Akiko Goto 〇〇年から〇五年までの時期だ。 たい。 後藤 亜希子 トスーパーとは、生鮮を含む食品・日用品のスー 小売りでは数少ない成長分野 財団法人流通経済研究所 研究員 2012・5 AFCフォーラム 7 特集 加速する食のネット販売 こうしたネットス ーパーの拡 大 を 受 けて、日 またこの頃 、インタ ー ネット 利 用の浸 透に加 から インタ ー ネッ ト 経 由の注 文 も 強 化 しつつ でネットス ー パ ー を 試 験 的に開 始 した 。従 来 を 拡 大したことを 皮 切 りに、一気にネットス ー 「 店 舗 出 荷 型 」も 、エリア 限 定の実 験 的 な 取 り え 、ガソリン価 格 上 昇 、新 型 インフルエンザ 流 あ り 、すでに全 体の注 文の一割に達 するまでに 負 担 とな り 、アメリカでも日 本でも 、結 局ほん 組みであったため知 名 度がなかなか上がらず 、 行の影 響 な ど も あ り 、各 社で 会 員 数 が 増 加 し なっている。 本における食品宅配の最大手である生協も一部 各社が当初もくろんだほど利用は伸びなかった。 始めた 。イト ー ヨ ー カ堂 は 〇 七 年 五 月 から 月 パーへの注目度が高まった。 その後 、インタ ー ネットでの買い物は書 籍 な に一〇 ~一五店 ずつ実 施 店 を 拡 大し、会 員 数は の一、 二年のうちに多 くの企 業が撤 退した。また どの分 野から日 常 的なものとなってきた 。大 手 月二万 ~ 三万人ペースで伸長した。 (図表1) 大 手スーパーの間では会 員 数が増 え、注 文 件 出てきた問題を取り上げよう 。 次にネットスーパーのビジネスモデルに変化が スーパーによる本格展開が始まる時期だ。 〇八年にはイオンやダイエー も進出し、首都圏 150 0 0 中 小・地 方スーパーの参 入が〇 九年から始 まっ い売 り 場では、どこに目 的の商 品があるかが分 だが、集 荷に回る従 業 員 自 身が担 当していな べての売り場を回って商品を集めていた。 は、当初一人の従業員が一件の注文に対応し、す ま ず 、集 荷 体 制に関して、イト ーヨー カ堂で 数も大きく伸びてくると、従来のオペレーション 200 たエリアも少なくない。 ではネットスーパー 事 業の知 名 度が上がり始め 250 こうした大手スーパーの動きに刺激されてか、 た。具体的には、大手スーパーのネットスーパー からないため、集荷に時間がかかっていた。 そこで、売り場を担当する従業員が当該時間 事 業 拡 大に伴い、地 方ス ーパー も 地 盤エリアで シェアを守るため、これら事業に参入し始めると た。しかし、このときはバックヤ ー ドに注 文 件 数 帯の注 文 分 を ま とめて集 荷 する方 式に変 更 し また、ネットスーパー 用システムを構築・運用 分の作 業 台 を 準 備したため、今 度は件 数の伸び いうものだった。 して 小 売 業 を サポ ー ト す るASPビジネスも に伴い、スペースが足りなくなる事態が生じた。 当 従 業 員の集 荷 してき た 商 品 を 疑 似 売 り 場で 凍 といった分 類で疑 似 売り場を設け、売り場 担 よって現 在は、バックヤ ー ドに常 温・冷 蔵・冷 活 発 化し、これらを 活 用して実 験 を 始めるスー パー も増えた。 地方ス ー パ ー にもブ ー ム 茨 城 県のカスミ、新 潟 県の原 信のほか、食 品スー 島 県のタイヨ ー な どが 参 入 し た 。一一年には、 に変 化 してき た( 注2)。後 発のイオンも 、注 文 ねる 中で、開 始 当 初 とは 異 なるオペレ ー ション このよ う に、実 態 に 合 わせて 試 行 錯 誤 を 重 顧客別に分けるという作業を行っている。 パー 最 大 手ライフコー ポレー ションも 東 京 都 内 件 数 が 伸 びて き た ため、集 荷 か ら 梱 包 までの 〇 九年には福 島 県のいちい、四国のフジ、鹿 児 でネットスーパー 事業を開始した。 8 AFCフォーラム 2012・5 2010 2009 インタ ー ネ ッ ト 普 及 で 弾 み 会員数 (万人) 300 2011 (見込み) では出 荷が追いつかなくなる。そこで、各 社で運 400 ︵万人︶ 20 50 ︵億円︶ (年度) た 。〇 九 年 までに大 手ス ーパー は、ほぼ出 そろ 40 二〇 〇六年には、それまで実 験 を 続 けてきた 100 営方法が見直されるようになった。 60 い、首 都 圏以外にも 展 開エリアが拡 大している。 80 イ ト ー ヨ ー カ堂 と 西 友 が 店 舗 出 荷 型 ネッ ト 売上高 (億円) 350 2008 2007 100 複 数のネットスーパー が利 用できるようになっ 120 スーパーの本 格 展 開に入ると宣 言し、拠 点 店 舗 図表1 イトーヨーカ堂ネットス ー パ ー の売上高と会員数推移 事業チャンス広がるネットス ー パ ー の課題 イ ト ー ヨ ー カ堂 と 同 様の方 式に転 換 している 作 業を一人の従 業 員が集 荷 する方 式から、現 在 パー に食 材を注 文 するケ ースもある。こうした 店 減 少により「 仕 入 難 民 」とな り 、ネットス ー 大きな課題となっている。 事 業の売 り 上 げは拡 大してきたが、これが最 も 一つは収 益の確 保 だ 。各 社のネットス ーパー 店舗ではセルフサ ービスで販売することで低い 顧 客は、繰り返し注 文 する固 定 客となり得る。 センタ ー 出 荷 型への再 挑 戦 という 問 題 も あ 粗 利 益 率を設 定してきた。だがネットスーパー から 梱 包 までの作 業や 顧 客 対 応にかかる 人 件 る 。これは、悪 天 候や 特 売チラシな どの影 響で ( 注3)。 法人顧客の開拓が課題に 員 、集 荷 された 商 品の梱 包 作 業スペース、配 送 費 、配 送 費 などのコストは企 業 側 が 負 担 してい は、同じ品 目 を 同じ値 段で販 売しながら、受 注 イトーヨーカ堂では、二〇〇一年のネットスー 車両が不足しかねない。しかし、そのために時間 る。二〇 〇 〇 年に開 始した西 友が「一定 額 以 上 注 文 件 数が跳ね上がる日には、売 場での集 荷 人 パー 事 業 開 始 から四 年 間は一日三 便 体 制で配 枠ごとに受 注 可 能 件 数 を 区 切ってしま うと、機 の購入で配送料無料」とし、ほとんどの企業がこ 続いてのテ ーマは、配送便数の問題だ。 送を行っていたが、〇五年に五便に増便した。そ 会損失が発生することになる。 ために、首 都 圏で事 業を展 開 する食 品スーパー スーパーが主流だが、これらの課題をクリアする いえない。事 業 継 続のためにも 適 正な収 益 を 上 徴 収でき ず、現 時 点では事 業として収 益 的とは その結果、提供するサ ービスに見合った費用が れに追随した。 のサミットは従来の「店舗出荷型」を終了し、 「セ 大 手ス ーパー では現 在「 店 舗 出 荷 型 」ネット の後も順調に会員数が伸び、注文件数も増加し たことから、 一〇 年には他 社に先 駆 けて午 前 中 の配送も開始し、六便とした。 さらに一一年 秋からは一日一一便( 店 舗によっ ては一〇便)と、一気に配送便数を増やした。 げる必 要があるから、配 送 費 用の一部は利 用 者 サミットの取り組みの成 否によっては、他の企 この点では、一一年に参入した食品スーパー 三 ンター 出荷型」として再出発した。 来の「 最 短三時 間 」から「 最 短四 ~ 五時 間 」に伸 業でも、長 期 的には注 文 件 数の伸びに対 応 する 社のうち原 信とライフコー ポレーションが、一店 一方で、注 文 締め切 り 時 間から配 達 までを 従 ばし、売 り 場の従 業 員の負 担 を 軽 減 しながら、 ために、拠点を店舗からセンターに転換するケー のみの実 施 段 階ではあるが、購 入 金 額にかかわ らず 配 送 料を徴 収 する方 式を取っており、注 目 に負担させるべきと筆者は考える。 利用者には高い利便性を提供している。 スが出てくる可能性がある。 法 人 顧 客の開 拓という 問 題も大 きなテ ーマに なってきた。ネットスーパーには、個人客だけで に法 人 会 員の獲 得 を 図るチェーンストアも 出て そこでイト ーヨー カ堂やサミットなど、積 極 的 小売業にとっては、将来に向けた新ビジネスとい 少し述べてみよう 。売 り 上 げの伸び悩みが続 く 今後のネットスーパーの課題はどんなものか、 売 上 増 加・粗 利 益 率 改 善 という 点 だ 。具 体 的 二つ目の大 き な 課 題 として挙 げられるのが、 に値する。 (図表2) きた。 う 点でも 、あるいは他 店 舗に流れていた 売 り 上 な改 善 点は三つある。 サ ー ビスへの収益を適正に たとえば老 人 福 祉 施 設には、入 居 者の注 文し げの取り込みにつながるという 点からも、ネット なく、企 業や学 校など法 人からの注 文 も ある。 たものをまとめて届ける。ネットスーパーでは、 スーパー は有望なビジネスのように思われる。 トが直 線 的に増 加してしまう 。しかし複 数の注 化している企 業はほとんどないのが実 情である。 だが、現 時 点ではネットスーパー 事 業が黒 字 ンを 行っていかなければ次 第に新 規 登 録 数やリ 知 を するものの、継 続 的に告 知やプロモ ー ショ 各 社が、参 入 当 初は大 々 的に新サ ー ビスの告 一、会員獲得のための継続的な活動 リピ ー ト注文数の拡大がカギ 配 送 件 数が増 えればそれだけ 配 送にかかるコス 文がまとまると、配送効率アップにつながる。 今 後の事 業 拡 大や継 続に向 けては、大 き く 三つ ピー ト注 文 数は減 少してしまう 。ネットビジネ その他 、近 隣の青 果 店 、鮮 魚 店 といった 業 種 のクリアすべき課題がある。 店で仕 入れをしてきた小 規 模の飲 食 業が、業 種 2012・5 AFCフォーラム 9 特集 加速する食のネット販売 図表2 2011年に参入した食品ス ー パ ー3社の展開状況(2012年3月時点) 企業名と サ ービス名称 開始時期 実施店舗数 配送地域 配送料 配送料無料の 条件 1日の 便数 カスミ 「カスミネットスー パ ー 」 2011.2.27 1 (つくばスタイル店) 茨城県つくば市 の一部 315円 3000円(税込) 以上購入 3 原信 「原信ネットスー パ ー 」 2011.9.21 1 (近江店) 新潟県全域 (離島除く) 315円 (※ヤマト便) なし 4 2011.10.26 1 (神田和泉町店) 東京都千代田区・ 中央区・ 台東区の一部 なし 2 210円 (3000円以上) スとはいえ、会 員 募 集 活 動は地 道に、ま た 継 続 また、作業する店舗の負担を減らす取り組み として、当日 配 送にこだわらず 、注 文 受 け 付 け の枠に一週 間 程 度の幅 を 持たせたり、曜日や時 して行っていく必要がある。 二、買い物画面の利便性向上 間 帯 別に配 送 料を変 え、期 間 限 定・顧 客 限 定で 変 更 したり するといったことも 検 討 してよいの 各 社でサイトのリニュー アルが 繰 り 返 されて おり、使い勝手はだんだんと向上してはいる。 れる。より 使いやすいサイトを 構 築し売 り 上 げ に時 間 がかかり す ぎる点 も 課 題 として挙 げら や車 を 持たない人の増 加などを 考 えると、さら 昇しているし、今後、PCを使いこなせるシニア層 結 論を急ごう 。ネットスーパーの知 名 度は上 ではないかと考える。 を伸ばすため、サイト上でのクリックやスクロー なる成長が見込まれよう 。 しかし、買い物 画 面がまだ使いにく く、買い物 ルの手間をより少なくする工夫が求められる。 中 心の品 揃 えから非 食 品へと品 揃 えを 拡 大し、 料で顧 客に届けていては、利 益が出にくい。食 品 粗 利 益 率の低いスーパーマー ケット品 目を無 活用したビジネスであっても、小売業の基本を押 増えず、リピー トもされない。インター ネットを 魅 力が重 要である。それがなければ新 規 顧 客は めには、ま ずリアル店 舗の品 揃 えや接 客 などの しかし、ネットスーパー 事業を拡大していくた ネットスーパーでの売り上げ構 成 比に占める非 さ え、地 道 な 努 力 、小 売 業らしい工 夫の積み重 三、取扱分野の拡大 食 品の比 率を高めることで利 益 率を上げていく ねが重要である。 、毎 日 新 聞 社 )、 「 ネットス ー パ ー 第二 2010/2/2 ) P12-P19/2010 可 能 性に関 する検 討 」 (生活協同 組合研究第 号 417 幕」 ( Chain Store Age2010/5/15 、ダイヤモンドフ リ ー ドマン社 )、 「 ネ ッ トス ー パ ー の動 向 と 今 後の ト 売 革 新 2009/9 、商 業 界 )、 「 広 がるネットス ー パ ー 課 題 は き ち ん と 利 益 を 出 す こと 」 ( 週 刊エコノミス 売 業の展 開 状 況と今 後の課 題 」 (流通情報第 号、 645 )、 「 ネットス ーパー 黒 字 化 作 戦 」 (販 P29-30/2008 ● 後 藤 亜 希 子「 日 本にお けるネットス ーパー・運ぶ小 【 参考文献・資料 】 (注3)『 販売革新 』 二〇〇九年九月号による。 (注2) イト ーヨーカ堂へのヒアリング情報による。 (注1)矢野経済研究所の調査による。 ことが必要だと思われる。 三つ目はコスト 構 造の変 革 だ 。増 収 策 を 丁 寧 に練り上げる一方で、 コストの中身を変えること も不 可 欠である。例 えば、配 送 効 率を改 善 する ための取 り 組みとして、ロー カルエリアではイズ ミヤのケ ースが参考になると思われる。 イズミヤは、配 送 対 象エリアを、当 初は狭い範 囲に限定し、その中で一定の売上高が確保できる ようになってから徐 々にエリアを拡大している。 ロ ー カルエリアでは 配 送 先 間の走 行 距 離 が 都 市 部 よ り も 長 く な り が ち だ が 、こう す るこ とで距 離 を 縮め、配 送にかかるコストの低 減 を 図っている。 都 市 部では、先に述べたセンタ ー 出 荷 型に転 換したサミットの動 向に注 目しておきたい。 10 AFCフォーラム 2012・5 525円 (3000円未満) ライフコーポレーション 「ライフネットスー パ ー 」 特集 加速する食のネット販売 食品のEコマ ー ス市場の最前線レポ ー ト にいむら よういち 1977年長野県生まれ。2005年に楽天株式会社へ入社。 楽天市場出店店舗の運営に関するコンサルティングや、マー ケティング部にてサーチワード広告責任者を経て、11年から 現職。全国のフード・ドリンクカテゴリーの事業戦略を担当し ている。 伸び続 けており 、一度 、ネット 店 舗 を 利 用 した して認識し、定着してきたことだ。 取 り 寄せの場から、日 常の食 品 を 購 入 する場と ( 前 年 比 )を 示したものである。この三県の消 費 舗(以下、ネット店 舗 ) における購 買 額の伸び率 消 費 者 それぞれの、インタ ー ネット上の仮 想 店 手、宮 城、福 島 ) に居 住している消 費 者と全 国の 東日 本 大 震 災 後、東 北の被 災 地のう ち三県( 岩 らなくなったが、首 都 圏に住む家 族へ、地 方の親 る。首 都 圏でも 水やコメなどがス ーパー の棚か ト 店 舗で買われるようになったことを 示 してい 今 までス ーパー などで買っていた日 用 品がネッ メ、野 菜などが前 年に比べて非 常に伸びており、 さらに全 国で売れた商 品を見てみると、水、 コ ネット市場での消費者の食品消費動向などをレ 「 楽 天 市 場 」の現 場の状 況 をベー スに、最 近の そこで、ここでは私たちのネット店舗のモール これらの要 因で、消 費が低 迷 することが懸 念 者の伸び率は全 国 平 均を上 回り、その後も伸び などがネット店 舗を 使って送るといった動 き も 崩れたため、全国の在庫のある店舗から買い物が などで物資を購入できなくなり、需給バランスが ト店 舗がユー ザ ーニー ズを的 確に把 握し、全 国 の大 きな変 化のポイントは二つある。一つはネッ 現実の店舗の需給バランスが崩れる中で、昨年 る商 取 引(Eコマース)を 行 う「 楽 天 市 場 」を 中 の三木 谷 浩 史が創 業し、インタ ー ネットにおけ 楽天株 式 会 社は、一九九七年に現 会 長 兼 社 長 モ ー ルがプラ ッ トフ ォ ー ムに 売買が行われていた。 されていた中でも ネット市 場では非 常に活 発に 続けている。 できるネット店舗の利便性を活用した需要と考 を取り扱っている。 心に、旅 行や証 券なども 含め総 合 的なサ ー ビス も う一つは、消 費 者がネット店 舗 を 単 なるお の在庫網を使って商品を用意したこと。 しかも、その勢いは一過 性ではなく、その後 も えられる。 大震災後、近所のスーパーや、百貨店、量販店 ポ ー トしてみたい。 て定着していることを示している、ともいえる。 消費者がその利便性を体感し、リピーターとなっ 東日 本 大 震 災による物 流ライン寸 断 を 契 機 として、インタ ー ネットを 通じた商 品 購 入サ ー ビスを 利 用 する消 費 者が増 加しており、クロー ズ アップされている。大手の楽天市場の仮想店舗では何が起きているのか、 最前線のレポ ー トを届けよう。 大 震 災 が 新 規 需 要 生 み 出す Youichi Niimura 新村 洋一 活発化し、新しい利用者が増加した。 ま ず 図1をご覧いただ き たい。これは昨 年の 楽天株式会社 楽天市場事業 企画部 フード・ドリンク戦略グループ リーダー 2012・5 AFCフォーラム 11 特集 加速する食のネット販売 消 費 者は近 所のスーパー にある野 菜やコメだ のがわかる。 も う一つ、被 災 地 を 応 援 したいという 消 費 者 楽天市 場 自 体は、店 舗と消 費 者がネットで売 このカテゴリ ーの商 品は、被 災したエリアでも を 超 えた 。現 在 、一〇カ国でEコマースビジネス 心 理 も 見てとれた 。その裏では、楽 天 側で分 析 ネット店 舗が多かった。伸びた要 因として、 「自 分のお店の ” ファン“ づく りができていた」ことが ポイントとして挙げられる。 けではなく、全 国 各 地のネット店 舗からさまざ を展 開しており、 一 二年七月には社 内 公 用 語 を した 膨 大 なマー ケテ ィングデ ー タを 基に、出 店 あ る日 本 酒の蔵 元 は 普 段 、メ ー ルマガジンに 買できるプラットフォー ムを 提 供 しているのが 英 語に切 り 替 えるなど、グローバル化 を 強 化 し 店 舗の支 援 を するECコンサルタントが 担 当 店 よる接 客 を 徹 底 して行っていた 。その中で語ら さ ま ざ ま な 工 夫 を して 販 売 活 動 を 行っていた ている。 舗と一緒に販売施策を考えている。実際に、水や れる 話 題 は、お 酒の話 が二〇%、お 酒 以 外のム まな商品を購入している。 食 品 、飲 料のカテゴリ ー で出 店 しているネッ コメなどはECコンサルタントと全 国の店 舗の在 大 きな特 徴で、二〇一一年は流 通 総 額が一兆 円 ト 店 舗の所 在 地ごとに、一一年の売 り 上 げの伸 ダ話が八〇%といういわゆる物 販 営 業が話 題に 店 長 が 本 音で 語 る日 本 酒の情 報 だ けではな なっていないところが特 徴である。 庫網などを駆使して供給していた。 メルマガ活用したフ ァ ンづくり び率(前年比)をマッピングしたところ、西高東低 の傾 向が見 えた 。つま り 、消 費 者が西日 本の店 時間 東北三県 (岩手、 宮城、 福島) の消費者 全国の消費者 る内容にして、お客さまに安心感を与えている。 こういった販 売 接 客とは無 関 係と思われる行 為が、実はお客さまとの絆をつくっている証でも ある。特にお店のファンづくりができている店 舗 とそうではない店 舗では相 反 する結 果を示して おり、ファンづくりを着 実にできていたお店は応 援 する消 費 者が殺 到し、その盛り上がりから新 しい顧客も訪問するという好循環がみられた。 また、図3は楽天市場の食品ランキングで全国 一位 を 取った福 島 県 産のモモで、商 品のレビュー には応援のコメントが記載された。 持 ち 運 び不 便 が ネ ッ ト で 解 消 ネット を 通 じて、西 日 本の商 品 を 探 す 消 費 者、東 北の商 品 を 購 入 する消 費 者など、あらゆ るお客さまが全 国 各 地で自 由に、かつ活 発に買 12 AFCフォーラム 2012・5 舗で購入する傾向が強かったことを表している。 0∼ 9% -20 ∼-11% -21%以下 く、購 入 者 限 定の特 典 企 画(ポイント加 算など) -10 ∼ -1% 図2は、あるカテゴリ ー に絞った 商 品の店 舗 10 ∼ 19% 在 庫が西 側に多かったことにも 起 因 するが、 20 ∼ 29% を網羅して紹介したり、お店のスタッフの普段の 30 ∼ 39% が 所 在 する地 域 別の売 り 上 げの伸び率 を 示 し 50%以上 野 菜 な どは顕 著に西日 本の商 品 が 売 れる傾 向 40 ∼ 49% 生 活や仕 事ぶりを紹 介したりと、人 間 味 あふれ 図2 あるカテゴリー の商品の店舗が所在する地域別の 売り上げの伸び率 たもので、岩 手、青 森の店 舗が非 常に伸びている 東日本大震災 があった。 図1 消費者の購買額の伸び率 (前年比) 0% ※東北三県の流通は震災直後こそ急落するも、時間とともに回復、 さらなる 伸長を示す。 食品のEコマ ー ス市場の最前線レポ ート なぜ食品が売れるのだろうか。 然の館 】」 ( 進 してき た 。四国の「 美 味 しさは元 気の源 【 自 http://www.rakuten.ne.jp/gold/ 一つ目のポイントは現実の店舗で買うときにネ ガティブになり得る要 素がネット店 舗で解 消さ クタ ー を 設 定し、商 品ペー ジやメールマガジンに )を事例に説明したい。 shizennoyakata/ 自 然の館は店 長が「 うどんバカ店 長 」とキャラ コメ、水 な どは震 災 以 前 から 好 調に売 れてい れるためである。 る。これは、自 宅 まで運ぶのに重い、かさばるな どのネガティブな要 素が、ネット店 舗は自 宅 ま 登 場 している 。この店 長は、商 品の累 計 販 売 個 数や購 入 者からのコメント数など、” 数 字 “のライ ブ中 継 を 商 品ペー ジやメ ー ルマガジンな どで展 で配送してくれることで解消されるからだ。 今 まさに売れている様 子が伝わるとともに、 開している。 ある野 菜がネットで伸びている理 由は何か。売 お客さまとのコミュニケ ーションも積 極 的に図っ 二つ目は送 料 とお得 感である。鮮 度が売 りで れている商 品から消 費 者のニー ズを 分 析 すると ている。この情 報 を 見て、さらに買い物 をしたく なる、ス ーパー の実 演 販 売のよう なライブ感 を みえてくる。 売れている野菜は主にセット売り野菜が多い。 演出している。 このようにして、ネット店 舗は自 店のファンを 単 価は高いが、鮮 度のよい野 菜 を ま とめて販 売 することで代 金 を 送 料 込みにし、消 費 者はお得 つくることに邁 進 してき た 。昨 今のソ ー シャル ブ感をネットを介して行っていることであるが、 感、店 舗は利 益 確 保ができるなど双 方にメリッ しかし、実はそれだけでは食 品はネットで売 そ ういった 意 味で、楽 天 市 場 はお 店のファンづ ネットワ ークのブ ームは友 人とのつながり、ライ れない。楽天市 場では創 業 当 時から考 えている く り、顧 客 とのつながり を 創 業 当 時から大 切に トがあり好調に伸びている。 ユニー クなポイントがある。 し、ネットを使って活性化してきた歴史がある。 今 まで述べてきた昨 年の震 災以降の食 品の伸 に行われていることを 表している。” ネット店 舗 使われるのと同じ生きた情報や会話などが活発 それがトリプル” L“ である。① Live 、② Long 、③ である。 Long Page Tail つまり現 場のナマの動 第一の ” Live “はライブ、 きを伝 える「ライブ中 継 」、 「ライブ映 像 」などで アイテム数 を 幅 広 く 取 り 揃 えることで、総 体 と は概念の一つであり、販売機会の少ない商品でも えていないのである。 (ロングテ ール)“。意 味は、 第二は ” Long Tail インタ ー ネットを 用いた物 品 販 売の手 法 、また ただ商 品の写 真 を 撮って載せ、価 格 を 表 示 す びもさることながら、楽天市 場では震 災 以 前か しての売 り 上 げ を 大 き く するものである( 参 照 三つのLがポイントに ら食品が好調に売れている。 は自 動 販 売 機ではない“。創 業 当 時から商 品 を 消費者目線で紹介し販売することを実践し、顧 より)。 Wikipedia 全 国のあらゆる食 品があること、ス ーパー で れば売れる、何 回 もリピー トしてくれるとは考 楽 天 市 場の食 品 取 扱 量は、日 本のEコマース 客とコミュニケ ーションを積極的に図ることを推 い物をした。 業界において、相当程度のシェアを持っている。 図3 消費者からの応援コメント 2012・5 AFCフォーラム 13 特集 加速する食のネット販売 ことが 楽 天 市 場では大 き な 強みとなっている 。 買 えるドレッシングから特 産 品 まで何でも ある かない。たとえば「お米のあだちねっと美 味 屋 」 実 際にスクロールしないと買 物カゴまで辿りつ リテ ィ 層 ) に浸 透 すると売 り 上 げの伸びはさら ネット店 舗の場 合は、利 便 性 を 知 り、定 着しリ この図はあくまで消費者の数を示したもので、 たど 各 店 舗 もたくさんの商 品 を 販 売 することで、購 ) ( http://www.rakuten.co.jp/adachi-umai/ は、どのペー ジも 縦 長 だが、これはただチラシの に右肩上がりに伸びていくと予想される。 う ま い や 買 機 会を増やし、店のファンになってもらうこと ように単 純に情 報 をつぎ 込んでいるのではない。 一一年の東日 本 大 震 災の苦 難 を 越 え、今 まさ ピー トしていくので、大 多 数の消 費 者 層(マジョ へつなげてきた。 ネット店 舗が接 客 を 商 品ペー ジで行っているた 生 産 者の思い、商 品のよさ、限 定 感やお 客 さ に世の中のネット店 舗での商 品 購 入の流れは大 全 国 各 地で出 店 営 業セミナ ー を行ったり、都 まからの評 価 などを 上から下 まで見て、読んで これから、スマー トフォン、タブレットの普及や めである。 道 府 県や商 工 会 議 所 などと連 携 して事 業 者の もらうことで、スト ー リ ー を立てて接 客( 紹 介 ) 回 線の強 化でさらにあらゆる消 費 者がネットに 全国食品ネ ッ ト整備が重要 方に出店いただき、カニや農産物、手づくりケ ー している 。ここには各 店 舗のさ ま ざ ま な 戦 略 と 触れる機 会が増 えることは確 実で、ネット店 舗 最大40倍! to 時間 遅滞者 ︵ラガート︶ TV広告などで市場拡大 て開 催し、楽天市 場 全 体で一日一 三〇 億 円もの た。 ネ ッ トのフ ァ ンづくりが重要 現実の店舗の需給バランスが崩れ、ネット店舗 でコメや水、野 菜などのお取り寄せだけではない 食品購入も増えている。 ネット店 舗で食 品 を 販 売 するには、現 実の店 とが成 功 するポイントである。その点でネット 舗と同じ接 客で、お店や商 品のファンをつくるこ 今 回の取 り 組みで、大 多 数の消 費 者がテレビ 店 舗はマジョリテ ィ 層に浸 透 し 始め、さらに拡 大きな流通を生み出すことができた。 CMや、交 通 広 告 を 見てネット店 舗から購 入し 日本は全 国 各 地に本 当においしい商 品が数 多 大していくと見込んでいる。 図4は商 品 購 入の消 費 者 態 度 を 時 系 列に五 く あるが、まだまだ消 費 者にそのよさや、 つくり たということがわかった。 分 類したエベレット・ ・ロジャース氏のイノベー 数の革 新 者 から 始 ま り 、現 在の購 買 者 数 から ネット 店 舗 という イノベー ションの成 長は少 のセ ールを 図 示したものである。 ション普 及に関 するイノベー タ ー 理 論 と、今 回 広げていきたいと考 えているが、皆さんはどう 受 トをしていくとともに、日本のみならず世界へと の良さを、日 本 独 自の接 客で広 げていくサポ ー インタ ー ネットを 通じて、日 本の農 産 物や食 品 手の思いが伝わっていないと感じている。今 後 も け止めておられるだろうか。 おおよそ 今 どの消 費 者 層が動いているかを 示し M 後期追随者 ︵レイト マジョリティ︶ 前期追随者 ︵アーリー マジョリティ︶ 初期採用者 ︵アーリー アダプター︶ 革新者 ︵イノベーター︶ 多数の消費者層に定着してきたことが実感でき キなど幅広い商材を取り扱えるようにしている。 戦 術がある。一見、長 くて買いにくいと思われる の普及も同様に加速がかかる。 Bという 仕 入 れ 業 者 と 店 舗 かもしれないが、実は、傾向的に食品が一番売れ ま た 、楽 天B を 仲 介 する事 業 も 展 開しており、ナショナルブ るのは、この長いページの店舗である。 楽天スーパーポイント 16.0% 34.0% ている。 14 AFCフォーラム 2012・5 ランドを仕 入れやす くして商 品が網 羅できるよ この日、日本の景気が動く。 一 二年三月四日にはテレビCMや交 通 広 告 を R 天スーパーSALE 楽● う戦略的に仕掛けている。 。楽天市場に出店してい 最後は ” Long Page “ るネット店 舗の商 品ペー ジは縦に長いことが世 3月4日 (日) 使って事 前 告 知を大 々 的に行ったセールを初め いろいろ半額! 34.0% 13.5% 2.5% と、 なん も 新車 半 額! 界的にみても非常にユニークなポイントである。 図4 イノベ ーター 理論を用いた消費者態度 日 本 政 策 金 融 公 庫・農 林 水 産 事 業 幅な改 善 となっていま す 。一方で、 ポイント 上 昇 しマイナス六・一と大 傾向にあることがうかがえます 。 昇しており、設 備 投 資 環 境 も 改 善 イナス一〇・五から五・六ポイント上 今 回 の 調 査 は 、東 日 本 大 震 災 四割に大震災の影響残る 北 関 東 地 域 はマイ ナス二八・六 と 上 昇 幅 が一・二ポ イントに と ど ま り 改 善が遅れていることが分かり ました( 図2)。 の 発 生 か ら一 年 近 く たって 実 施 三 八・四 と 原 材 料 価 格 の 高 止 ま 下 し ま し たが 、依 然 としてプラス 前 回 調 査 よ り 四・八 ポ イント 低 食 品 産 業の仕 入 れ 価 格DIは、 響が、それぞれ残っており、全体と 電 所の事 故( 以 下、原 爆 事 故 ) の影 %に 東 京 電 力 福 島 第一原 子 力 発 津波) による影 響が、また、四四・一 三五・二%に東日 本 大 震 災( 地 震・ し ま し た が 、全 国 の 食 品 産 業 の り 傾 向 を 反 映 す る 結 果 と なって しては四〇%前 後の食 品 産 業に影 仕入れ価格の上昇続く いま す 。 響 が 依 然 として及んでいることが 事 故の影 響 が 七二・七% 残って お 二四年上半期見通しでは一〇・〇 ま た、販 売 数 量DIは、八・七ポ り、岩 手・宮 城・福 島の被 災三県の が二・八ポイント、それぞれ改 善 と イント 増 加 しマイナス一一・一に 改 六八・九%を 上 回っているのが特 徴 この調 査は平 成 九年より 年二回 分かりました (図4、図5)。 先 行 きの二四年 上 半 期 見 通しに 善 、販 売 価 格DIは、二・五ポイン 的です(図5)。 ポイント低 下ながらプラス二八・四 ついては、資 金 繰 りDIがやや低 下 ト低 下しマイナス一一・六に悪 化 と 東日本 大 震 災( 地 震・津 波 )およ な り 、平 均 し た 景 況 DIは五・九 するものの、売上高DI、経常利益 なり、食 品 原 材 料の仕 入れ価 格の び原 発 事 故で受 けた影 響への対 応 実 施 しており、今 回は二三年 下 半 中で も 、北 関 東 地 域( 茨 城 県 、 DIが 上 昇 す ると 見 込んでお り 、 上 昇 傾 向 が 続いている 中で、販 売 としては、 「 仕 入れ先 、製 品 、商 品 と今 後 も 仕 入れ価 格が上 昇 する 景 況 判 断 を 示 す 景 況 DI( 売 景 況DIは五・四ポイント上 昇しマ 価 格 は 横 ばいのま ま となっていま の変 更 、開 拓 」が五四・三%と最 も ポイント 上 昇 しマイナス一四・三と 上 高 、経 常 利 益 、資 金 繰 りの各D イナス八・九とさらに改善する結果 す。 栃 木 県 、群 馬 県の三 県 )では 原 発 Iの平 均 )は、前 回 調 査では四・四 となっています(図1)。 しかし、今 回の調 査では売 上 高 ント 上 昇 して 景 況 感 は 改 善 し ま それ以 外では一・二 ~ 二 一・二ポイ 州が小 幅な悪 化 となり ましたが、 地 域 別の景 況 DIは 、東 海 、九 資DIも 前 年 同 期 との比 較ではマ 結果となっています 。また、設備投 一と 雇 用 環 境 が 大 き く 改 善 す る も六・七ポイント上昇しマイナス〇・ 雇 用 判 断DIは、前 回 調 査より となっています 。 ル ー トの開 拓 、強 化 」が二四・四% 提 供 」が二七・八%、 「 納 入 先、販 売 多 く、次いで「 正 確な情 報の収 集、 た。 DIが九・四ポイント、経 常 利 益D した 。特に、東 北 地 域では二 一・二 また、その他の対応には、放射性 Iが五・五ポイント、資 金 繰 りDI と 小 幅 ながら悪 化 となっていまし 先行き売上高・利益とも改善 ついて調査をしたものです 。 ポ イント 低 下 のマイ ナス二 〇・二 期(二四年一月一日 時 点 ) の食 品 産 日本公庫調査で、平成24年上半期食品産業 の景況DI (動向指数) は改善見通しとなって います。大震災・原発事故による全国的な自 粛ムードや買い控えなどの影響が和らいでき たことがうかがえます。 と見込んでいます(図3)。 ● なって、景 況 感 が 改 善 、持 ち 直 し ─食品産業動向調査─ 業の景 況 感 と併せて、東日 本 大 震 大震災の影響 和らぎ立ち直りへ 食品産業景況感 は改善見通し となりました。 Report on research 災の影 響や商 品 志 向などの動 向に 情報戦略レポ ート 2012・5 AFCフォーラム 15 Report on research その一方で、BCPを「 東 日 本 大 の略) の「策 ness Continuity Plan 定の予定はない」としています 。 食 品 産 業の割 合(「 大 震 災 以 前 か BCP を 現 時 点 で 策 定 し ている 業 種 、飲 食 店 を 除 く )を 見 る と 、 組み状 況( 製 造・卸 売・小 売 業の三 年 間の売 上 高 別にBCPの取 り (図8)。 していることが明らかとなりました 模が大 きい企 業ほどBCPを 策 定 二六・八%となっており、売 上 高 規 が 事 業 継 続 計 画( BCP 、 B u s i 震 災 を 機に策 定 し た 」 (二・一%)、 ら 策 定 していた 」、 「大震災を機 BCP 策 定 を 予 定 し ない食 品 物 質の測 定 、風 評 被 害への対 応 な ま たは「 現 在 、策 定 を 検 討 してい に 見 直 し た 」、 「 大 震 災 を 機に策 産 業 の 理 由 と し て は 、B C P を 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 ▲10.0 ▲20.0 影 響が食 品 産 業の現 場にも 出てい ▲40.0 ることが分かりました (図6)。 ▲10.0 ▲20.0 ▲30.0 BCP策定なし企業も 0.0 どが 挙 げられてお り 、原 発 事 故の る」 (一六・二%)、 「 今 後に策 定 を 計 定 し た 」を 合 わ せ た 割 合 )は 、売 景況DI (うち製造業) BCP必要感 じない企業も 食 品 産 業に限らず 、企 業にとっ 画 している 」 (二二・六%)という 食 図3 仕入れ価格DI ( 「上昇」 - 「低下」 の割合) の推移 ては災 害への危 機 対 応や危 機 管 理 ▲30.0 「 知 ら ない、ま た は 考 え たこと が ▲20.0 上 高二〇 億 円 未 満の企 業では六・ 九州 四国 中国 近畿 東海 (地域名) 甲信越・北陸 16 AFCフォーラム 2012・5 南関東 (食品産業計) 北関東 東北 北海道 21年上半期 21年下半期 22年上半期 22年下半期 23年上半期 23年下半期 24年上半期 見通し ▲30.0 平成24年上 (見通し) 見通し 23 22 21 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 小売業 卸売業 飲食店 DI 60.0 製造業 50.0 全国平均 ▲40.0 平成23年上 10.0 平成23年下 DI 20.0 平成22年下 品 産 業 は 合 わせて四 〇・九%に と 図2 景況DI (地域別) の推移 が重 要な課 題になり ま すが、今 回 (暦年、半期) ない」、 「 必 要 性 を 感 じ ない」が 合 0.0 10 9 日銀短観 (製造業・全規模) 日銀短観 (全産業・全規模) 10.0 景況DI (食品産業) DI 20.0 24 九%、 一〇 〇 億 円 以 上の企 業では ▲60.0 下 上 下 上 下 上 下 上 下 上 下 上 下 上 下 上 下 上 下 上 下 上 下 上 下 上 下 上 下 上 どまっていました( 図7)。 ▲50.0 の調 査では 食 品 産 業の四八・三% 図1 景況DI (食品産業、製造業) および日銀短観の推移 ▲10.0 わせて五 四・九%と 過 半 を 超 えて いました。 ては、前 回 調 査 より「 安 全 」が一・ 〇 ポ イント 、 「 低 価 格 」が一・二ポ 現 在の主 力 商 品( 製 品 ) の志 向 と イント 、そ れ ぞ れ 増 加 して お り 、 報が不 足 」、 「 人 材が不 足 」、 「費用 同じく、 「 安 全 」と「 低 価 格 」を 引 その一方で、BCPに関 する「 情 負 担 が 大 きい」との理 由 が 合 わせ き 続 き 優 先 す る 結 果 と なってい 容 」が 前 回 調 査 よ り 〇・八 ~ 一・ また、 「 味 」、 「 簡 便 」、 「 健 康・美 ます 。 て四一・九%で、BCP策 定 促 進の ためには 企 業への一層の周 知 と 支 援などの環 境 整 備が重 要であるこ とがうかがえます(図9)。 二ポイント増 加していて、 「 安 全 」、 業 として今 後 も 質 的 価 値への転 換 19.1 10.7 41.2 13.4 34.7 九州 39.6 13.4 15.0 18.8 37.5 16.7 30.8 四国 28.2 中国 「 低 価 格 」を 優 先しつつも、食 品 産 食 品 産 業 に とっては 主 力 商 品 を 進めていく 動 きがうかがえま す 41.7 11.1 29.2 20.2 39.5 12.5 29.5 16.6 41.4 近畿 食品は「低価格」重視 ( 製 品 )の戦 略 を どこに 置 く かは (図 )。 (情報戦略部 澤野 敬一) 重 要 な ポ イント で す が 、今 回 の 調 査では「 安 全 」志 向 が五一・五% [ 調査要領 ] と最 も 高 く 、次に減 少 傾 向にあっ た「 低 価 格 」が、長 引 くデフレ基 調 ●調査対象 大きく受けた三一六社を調査対象 企 業のうち東日本 大 震 災の被 害を ※ なお、今 回の調 査では食 品 関 係 売 業、小 売 業、飲 食 店 )六六八四社 全 国の食 品 関 係 企 業( 製 造 業 、卸 や 消 費 者の根 強い節 約 志 向 な ど か ら 前 回 調 査 よ り 一・九 ポ イン ト 増 加 して 三 五・九% と なってい ます。 また、 「 味 」が 〇・六 ポ イント 増 から除いています 30.6 11.4 26.1 19.5 43.0 甲信越・北陸 7.8 18.4 17.1 56.7 3.9 東海 9.3 5.6 12.4 72.7 北関東 12.5 27.2 15.4 44.9 東北(岩手、宮城、福島以外) 5.1 1.9 加 して 三二・九% と な り 、引 き 続 30.0 15.1 人員の派遣または受け入れ ●調査方法 34.7 29.0 9.0 21.6 13.3 56.1 東北(全体) 10.9 68.9 2.3 東北(岩手、宮城、福島) 事業所の移転、 他拠点の活用 き 主 力 商 品( 製 品 ) の志 向で 大 き 郵 送により 調 査 票 を 配 布し、郵 送 27.3 九州 12.9 10.9 5.6 14.3 その他 またはファクスにより回収 ●調査時点 平成二四年一月一日 二三 六 七 社( 回 答 率 三五・四% )う ●有効回答数 社、小売業二二七社、飲食店六二社 ち、製造業一四八七社、卸売業五九一 四国 わからない 雇用調整助成金などの申請 8.1 12.1 21.2 32.1 17.3 37.7 北海道 8.2 低金利融資などの利用 29.8 中国 32.9 12.4 28.4 16.6 5.7 10.3 31.8 36.7 営業・操業時間の変更 7.8 24.1 35.2 32.9 近畿 44.1 従業員などの確保、 雇用の調整 現在も影響が残っている 現在は影響が残っていない 影響はなかった 5.8 全国 納品、 支払いの期限延期 図5 原発事故の影響 7.5 事業継続計画の検討、 作成 東海 1.5 今後に検討する 9.3 価格改定の要請 23.4 5.9 38.5 被災営業所、 事務所、 店舗、 工場等の復旧 15.9 1.8 40.3 42.0 南関東 8.6 32.2 14.8 甲信越・北陸 20.0 被災取引先への支援 10.1 5.3 28.6 56.0 北関東 24.4 7.2 納入先、 販売ルートの開拓、 強化 7.5 28.6 63.9 東北(岩手、宮城、福島) 18.8 39.9 34.1 東北(岩手、宮城、福島以外) 27.8 正確な情報の収集、 提供 13.6 3.9 34.6 47.9 6.1 54.3 東北(全体) 24.7 35.2 34.0 北海道 わからない 現在も影響が残っている 現在は影響が残っていない 影響はなかった 6.5 22.5 35.8 35.2 仕入先、 製品、 商品の変更、 開拓 図4 東日本大震災 (地震、津波) の影響 図6 東日本大震災および原発事故で受けた 影響への対応について 11 全国 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 南関東 特に対応しなかった なウエー ト を 占 めている一方 で 、 「 国 産 」は四・〇 ポイント 減 少 して )。 一五・三%となり 低 下 傾 向が続いて います(図 今 後に伸びる商 品( 製 品 ) につい 「味」 「健康・美容」微増 10 2012・5 AFCフォーラム 17 Report on research 図8 BCPの売上高別取り組み状況 (製造・卸売・小売業) 図7 BCPの取り組み状況 東日本大震災以前から BCPを策定していた 6.8% 年間売上高 100 億円以上 14.9 8.1 3.8 22.9 30.6 8.0 2.8 12.8 23.6 3.3 18.8 22.4 その他 3.2% 14.0 22.5 0% 20% 現在BCPの策定を 検討している 16.2% 図9 BCP策定の予定、検討しない理由 47.9 20 億円未満 1.1 2.5 2.5 東日本大震災を機に BCPを策定した 2.1% 今後にBCPの策定を 計画している 22.6% 50.7 2.6 6.0 2.3 東日本大震災を機に BCPを見直した 4.0% BCPの策定の 予定はない 48.3% 2.1 50 億円以上 100 億円未満 20 億円以上 50 億円未満 19.7 策定の費用負担が 大きい 5.9% 56.6 40% 60% 80% 100% ■大震災以前から策定していた ■大震災を機に見直した ■大震災を機に策定した ■現在、 策定を検討している ■今後に策定を計画している ■策定の予定はない BCPについて知らない、 または考えたことがない 36.4% 策定の人材が 不足している 10.5% BCPの策定の 必要性を感じない 18.5% BCPについての 情報が不足している 25.5% 図10 現在の主力商品 (製品) の志向の推移 60 40 ■22年上半期 ■22年下半期 ■23年上半期 ■23年下半期 52.1 51.5 50 46.6 45.9 40.7 39.3 34.0 35.9 32.3 32.9 (%)30 26.3 28.3 24.2 27.2 24.5 25.3 20 20.1 19.3 15.3 10 0 21.6 7.8 8.2 7.4 8.2 低価格 健康・美容 安全 味 地元産 11.9 12.2 12.9 国産 13.2 簡便 図11 今後に伸びる製品 (商品) の志向の推移 60 56.1 57.1 50 40 48.0 38.6 38.7 ■22年上半期 ■22年下半期 ■23年上半期 ■23年下半期 44.8 34.4 35.6 (%)30 23.8 19.0 18.0 20 26.3 26.7 27.7 22.2 23.8 20.9 16.0 16.8 19.5 16.7 15.2 13.0 10 0 低価格 18 AFCフォーラム 2012・5 健康・美容 安全 味 地元産 国産 16.6 18.8 17.6 11.3 簡便 18.8 さん 母さんイキイキしとるね。 子どもからそう言われて、 とてもうれしかったです。 仕事を続けてきたお陰で、 子どもも育てられました。 大藪 佐恵子 み ず ま 福岡県三潴郡大木町 農事組合法人モア・ハウス代表理事 じいち ゃ ん、ばあち ゃ ん、母ち ゃ んの「三ち ゃ ん 農業」は、やがて、母ち ゃ んが実質的な担い手と して日本農業は変化をしていく。女性ばかりで始 めた 農 業 法 人 が 、農 と 食 を 近 づけ る 活 動 も 入 れ ながら女性の強みを生かした真の経営者へ。 2012・5 AFCフォーラム 19 p.19 大木町の兼業農家に生まれた大藪さん。 「小学校の頃、白衣を着た栄養士の先生に 憧れていました」 。みずからも短大で栄養士 の資格を取り、食品企業に勤務後、22歳で 結婚。モア・ハウス設立時は41歳。 「3人と もアラフォー からのスタートでした」 p.20 右上 /シメジは卸売市場出荷が中心、一部 は直売もする 右下 / 元従業員だった姉妹がモア・ハウス の借りた畑でアスパラガスを栽培 左 / 左から野口さん、大藪さん、松藤さん 湿 地 帯で、大 雨が降ると農 産 物の被 害は甚 福 岡 県 南 西 部にあ る 大 木 町 は も と も と ブナシメジを専門につくることにした。 た野口直 子さん (五四)だけ 。モア・ハウスは ともに、 一時シイタケやエリンギをつくってい ハウスも一三ある法 人の一つ。JAが女 性の 上がり、水平的に産地が形成された。モア・ じ部 会 」を 中 心に、生 産 法 人が次 々に立 ち があ り、モア・ハウスはここから種 菌 を 仕 入 培養を専門的に行う「大木しめじセンター 」 法人や部会の支援を受けた。町内には種菌の 法 人 設 立の準 備や 事 前 研 修は先 輩 格の 三年間の試練を乗り越え 大 だった 。天 候に左 右 されにくい施 設での キノコ生 産への転 換 が 始 まったのが三 〇 年 希 望 者を募り、数 人が名 乗りを上げた。そ れ、収 穫 までの約 三 週 間 、栽 培 するという 前 。その後 、JA福 岡 大 城「 大 木 地 区 しめ の一人が大藪佐恵子さん (五六) だ。 も イ グ サの 価 格 下 落 で 借 金 が 積 も る 一 中 。起業には相当の勇気が必要だった。 「で 験は ゼロ。 「 水 落 さんからバカ、アホと何 度 の経 験はあっても、法 人 運 営に携わった 経 だが試練はここから始まった。全員、農業 分業体制に乗ることができた。 方 。農 家に嫁 ぐと苦 労 するという 親に反 対 言われたか分かりません」(大藪さん)。 当 時 、大 藪 さんは四人の子 育ての真っ最 されての結 婚だったし、帰るに帰れない。他 「 きのこの里 」という 法 人の代 表で、最 初 事 をした後「こういう 時は『 私どもで (費用 ハウスに連れて来 たことがあった 。 一緒に食 水 落さんが取 引 先 を 紹 介しよう とモア・ にシメジ生 産を導 入した水 落 重 喜さんから を )持 ち ま す 』と言 う もんだよ」と言われ、 に選択肢がなかったんです」。 「キノコは( 収 益が)よかけん。 (キノコで)経 帰 りがけにお辞 儀 をしながら見 送ると「土 ついに「 う ま くいかなければ、モア・ハウス 営 を 持 ち 直 さんね 」と聞いたのが一九九六 提 案した。家 父 長 制、男 尊 女 卑の考 えが色 はう ち( きのこの里 ) の第二工場になるしか 産にキノコのセット を 渡 さんでど げんすっ 濃く残るこの地域で女性の力を引き出せな なか」と言われたことも あった。 「 私たちは 年だった 。最 初に興 味 を 示したのは夫だっ いかと考 えていた 。水 落 さんらが 大 藪 さん チイママ ( 水 落さんの雇われママ) になるわけ と」とダメ出しされた。 の義 父 を 説 得 。 一人六〇 〇 万 円という 出 資 にはいかない。叱 咤 激 励もよきアドバイスと たが、水 落さんは「 奥さんにやらせたら」と 金も負 担になったが、理 解 ある夫が連 帯 保 思ってがんばりました」(大藪さん)。 踏 み 切った 。設 立は 九 七 年 。キノコ栽 培の 「 外 堀 から 埋められる 形で」大 藪 さんは も 感 じていたからだ 。 「 成 果 を 上 げるしか か りでなんばしよっとか 」という 周 囲の目 めげ るわ けにはいかなかったのは「 女 ば しった 証人になってくれ工面できた。 経 験があるのは銀 行に勤め、退 職 後に夫 と 20 AFCフォーラム 2012・5 ない」。大 藪 さんた ちは 水 落 さんた ちの助 言 を 忠 実 に守 り 、言 われた とお りに 実 践 した。 担い手育成にも一役買 う なり 、視 察 も 受 け 入れるようになった 。聞 女 性だけの法 人として注 目されるように なった 」 ( 大 藪 さん)。レストランではモア・ 合っていたので す が 、本 当にそのとお りに れ ば 互いに 好 き なこと をやろ う ね と 話 し るん」の代 表に就 任 。 「 会 社の土 台 がで き かれる 質 問の一つが「 家 事や 実 家の仕 事 は ハウスのキノコも 食 材 として使われる。 画・直売といった役割分担も明確にした。 どうしてますか」ということだった。すると 者協議会の副会長に就任。まるでキノコがか 大藪さんは大木地区しめじ部会の女性部 実 際には「 主 人よりも子どもよりも仕 事 さを 広 げるように、活 動 領 域が広がってき 大 藪さんは「 夫は床の間に飾って ( 大 切にし に力を注いできた」と振り返る。といって家 た 。しめじ 部 会 女 性 部は「 仕 事 もがんばる キノコのPR活動にも力を入れ、スーパー のことを 中 途 半 端にはできない。役 員 同 士 がゆとりも必要」と毎年必ず海外旅行に行 会 長に選ばれ、野口さんは大 木 町 認 定 農 業 で仕 事の融 通 を 利かせたり、役 員 もタイム く。仕 事と家 庭のバランス、そして仕 事と休 て) います」とユーモアたっぷりに答える。 カ ー ド 制にして、働いた 時 間によって役 員 みのバランスを 取ることは男 性 以 上に難 し 店 頭での試 食 販 売 、イベントへの参 加 をい とわなかった 。シメジを 使った 各 種 料 理の 配 当 を 決める「 従 事 分 量 配 当 」という 仕 組 い。だが 現 状に流 され ず 、解 決 策 を 見つけ モア・ハウスのモアはオランダ語で「 母 」、英 みを 取 り 入れ、やり く りしてき た 。それで わざ視 察に来てくれた人に、元 気な姿 を 見 語では「さらに」。この名のとおりに発 展し 実践してきた。 せることも大 事だから」。野口さんも「 視 察 てき た 。それでも 大 藪 さんは「 水 落 さんが ガスの生産も開始。念願だった加工品づくり の一言 を 発 し た 時 だった 。 「この仕 事のお 大 藪 さんの表 情 が 最 も 輝いた 瞬 間 が 次 初 代 代 表 理 事にかわって、大 藪さんが二代 元の女 性 中 心に一八 人 を 雇 用 す る までに 現 在、売 り 上 げ 約一億四〇 〇 〇 万 円、地 さんたちの姿に女 性 農 業 経 営 者のモデルを て、地 道に一歩 ずつ歩みを 進めてき た 大 藪 2012・5 AFCフォーラム 21 農事組合法人モア・ハウス URL…http://www.morehouse.or.jp/ もユー モアを 交 えながら 答 えるのは「 わざ や会 合の時の ( 大 藪 さんの)あいさつがすご 気 長に待ってくれたおかげで今の私たちが ある」と言ってはばからない。すべて自 分た く上手になりました」と絶賛する。 二〇 〇 〇 年からシメジの収 穫 後に残る廃 も〇五年から始まった。アスパラガスの畑の一 かげで子 ども を 育てられた。その子 どもか ちの手 柄だという 発 言は一切 出ない。 部は、同社の元社員や新規就農者に貸し出す ら『 お 母 さんイキイキし とるよ 』と 言 われ オガを肥料として活用し、グリ ーンアスパラ までになり、担い手育成にも一役買っている。 た。がんばってきてよかったと思います」。 目代表理事に就任 。さらに松藤富士子さん なった 。一〇 年 から 松 藤 さんが 町 内の「 道 見る思いだった。 (青山浩子 / 文 河野千年 / 撮影) 家 庭 と 仕 事の両 立 という 難 題 に 向 かっ (五二)が新たな役 員として加わり、大 藪さ の駅 おお き 」内のレストラン「ビストロく る 家 庭 と 仕 事 を 見 事に両 立 んは技 術 、野口さんは総 務 、松 藤 さんは企 た。実 家の農 業に専 念 するために退 職した 三年が過ぎ、水落さんの雷も落ちなくなっ とも欠かさなかった。 提 案、消 費 者やスーパーの生の声 を 聞 くこ 休日も役員は交代で出社。従業員だけで仕事は回るが 「自分た ちの背中を見て学んでもらうことも大事だから」 と大藪さん。 連載 第122回 マイナ ー からメジャー へ (独) 農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター 情報利用研究領域長 すカメムシ類 を 総 称 して「 斑 点 米カメムシ」と の食 害 痕 を 残 す「 斑 点 米 」を 引 き 起こ 穂を吸 汁 することにより玄 米に黒や茶 はアカスジカスミカメにとって 好 適 な 寄 主 植 が 挙 げ られていま す 。イタリアンラ イグラス 転 作 牧 草 、特にイタリアンライグラスの増 加 このような分 布・被 害の拡 大 要 因の一つは、 転 作 牧 草として水田地 帯へ進 出したイタリ 物です 。 呼んでいま す 。 玄 米の表 面の一部 または全 面が着 色してい る粒を着色粒と呼び、斑 点 米も着 色 粒に分 類 線 基 地となり、さらには畦 畔や堤 防 法 面など けいはん アンライグラスが、本 種の増 殖・移 動 分 散の前 わが国の農 産 物 検 査 基 準では、玄 米 中の着 で雑 草 化 することによって、本 種の広 域 発 生・ されます 。 色粒混入率が〇・一%より多いと二等、〇・三% 水稲への被害拡大を後押ししたのではないかと 可能性が指摘されています。 数・発生量の増加につながった 温暖化傾向も本種の発生世代 ま た、これに加 えて近 年の 推測されています。 より 多いと三 等 と格 付 けされるため、収 量に は 影 響 し ないご く わ ず か な 斑 点 米の混 入が「 等 級 低 下 」 という 被 害につながり ま す 。 近 年の斑 点 米カメムシに対 す る 延べ防 除 面 積 は一四 〇 ~ このよ う にアカスジカスミ カメによる 斑 点 米 被 害 を 防 ぐには、水田 内の防 除だけで はなく、発 生 源での密 度 低 減 による 水 田 侵 入 量 低 下 が 重 要です 。 本 種 を 含 む 多 くの斑 点 米カメムシは、イ ネ 生育も産卵もほとんどできません。そのため、 また、水田内については、合成性フェロモント わたなべ ともなり 1983年広島大学大学院環境科学研究科修士課 程修了。農水省横浜植物防疫所、九州農業試験 場、農業研究センターを経て2011年より現職。専 門は害虫管理。 一五〇 万 ㌶と、水 稲 作 付 面 積 に近い値となっています 。 アカスジカスミカメはカスミ カメムシ科に属 する体 長五ミ リ程 度 と小 型で、臭 くない斑 点 米カメムシです 。普 段はイ ネ科 雑 草 地などに生 息し、イネが出 穂 すると 一九七 〇 年 代に行われた 斑 点 米カメムシ調 発 生 源においてイネ科 植物を継 続 的に出 穂さ 科 植 物の穂 を 餌 としており、葉や茎だけでは 査では、本 種はそのリストに載らなかったほど せない除草時期・頻度の設定や、被覆植物によ 成虫が水田に侵入して穂に加害します。 のマイナ ー な昆虫でした。 一部で 本 種 による 斑 点 米 被 害 が 報 告 さ れ た ラップを 用いた 本 種の侵 入 量・被 害 予 測によ るイネ科植物の抑制が効果的です 。 後、九九年ごろから全 国 的に被 害が広がり ま る防 除 有 無の判 断 基 準づく りが進められてい ところが八〇 年 代 半ばに中 国・東 北 地 方の した。本 種は現 在 、北 海 道 を 除 くほぼ全 域で ます 。 22 AFCフォーラム 2012・5 稲穂にとまっているアカスジカスミカメ。イネ の穂を吸汁し、斑点米を生じさせる主要種 斑 点 米カメムシのメジャー 種となっています 。 Profile 稲 渡邊 朋也 プレミアムが付く梅酒を 「いず れ 梅 酒 を 産 地や 畑 、製 造 年によってプレミアムが付く ワイン のようにしたい」 げっこう (四九歳) こう語る月向雅彦さん は、南 高 梅の産 地で有 名な和 歌 山 県日 高 郡みなべ町 を 代 表 する ウメ 農 園の一つ 「 梅の月 向 農 園 」の園 主 だ。 この夢を実 現 するため、現 在、カ フェスタイルの梅 酒 テイスティング ルームの建設を計画している。 ワインには、その長い歴史と伝統 に魅 力 を 感じている数 多 くの愛 好 家がいる。そこで、梅 酒を ワインと 同 じ レベルに押 し 上 げるには同 じ ように長い年 月 をかけて梅 酒の愛 好 家 を 増やしていくことが必 要 と 考えた。梅酒テイスティングルーム は、その一環なのだ。 月 向 さんは あ る 面で、こだわ り の経 営 者 だ といっていい。国 産 ワ インで有 名な長 野 県や山 梨 県のワ イナリ ーへの視 察を何 度も繰り返 し、海 を 見 渡 せる 見 晴 らしの良い 高 台 という 立 地 を 生かした カフェ スタイルが最適だと判断した。 このテイスティングルームにウメ 関 連 商 品の直 売 コー ナ ー も 併 設 し、五月末の完成を目指している。 経営紹介 いずれ梅酒をワインのように ネット販売などで六次産業化 和歌山県日高郡みなべ町 梅の月向農園 開園●1917年 梅園規模●2.7 ha 園主●月向 雅彦 事業内容●ウメ生産・ウメ加工品製造販売 梅酒 「紅梅月」 、 「爽梅月」 を持つ月向さん 月向さんがワインのようにプレミ アム が付 く 梅 酒 を、と考 える背 景 には、昨今の若者の低 アルコール志 向 を 受 け 、梅 酒の市 場 規 模がここ 一〇 年で約二倍に拡 大しており、こ の追い風 を 生かすには梅 酒 自 体に 差 別 化 戦 略が重 要、との見 通し判 断があるからだ。 みなべを梅酒の名産地に 月 向 さんは「 高 齢のウメ 生 産 者 が新たに梅 酒づく りに取 り 組むの は難 しい。新 規 投 資に意 欲のある 地 域の若 手 が 後に続いて、新 時 代 を見 越した梅 酒づくりを始めてく れればおもしろい」という。 さらに、 「小規模のワイナリ ー が 点 在 す る 名 産 地のよ うに、みなべ を訪れた人 々が ウメの生 産 農 家ご とに特 色のある梅 酒 を 楽しめるよ うになれば、さらにいい」とも語る。 こんなユニー ク な発 想 を する月 向さんだが、実は現在に至るまでに さ ま ざ ま な 苦 労 と そ れら を 乗 り 越える工夫やチャレンジがあった。 月向さんはウメづくり一筋で九五 年 も 続 く ウメ 生 産 者の四代 目だ。 大学卒業とともに家業を手伝いウ メづくりを学んだ。 月 向さんが就 農した当 初は、生 産した青 ウメ をそのまま市 場に出 2012・5 AFCフォーラム 23 経営紹介 大 き く 安 定した経 営が望めないと いたのでは市 場 価 格 変 動の影 響が 生 産した ウメ をそのまま出 荷して 荷 する方 式を取っていた。しかし、 方 法として インタ ー ネット による とから 、あ ま り お 金のかからない ばかりで資 金に余 裕 もなかったこ と 思った ものの、造 成 工 事 を した 大きな要因といえる。 を 得ることができ たことも 成 功の ンテンツ を 積 み 上 げ 、顧 客の信 頼 他の追 随 を 許さない充 実したコ する梅肉エキスは珍しいということ な反 響があった。農 家が直 接 製 造 製 造・販 売 を 開 始したところ大 き 再評価されつつあった梅肉エキスの でとてもよく売れたという 。 販売に目をつけた。 キズモノを果汁加工販売 考 え、自 宅で塩 漬 けから天日 干し 特区認定で六次化に挑戦 順調にネット販売の販路を広げ その後 、関 連 商 品 として新 たに 九九年 秋から独 学で ウェブサイ ト 構 築に取 り 組み、二〇 〇 〇 年か つつあった二〇 〇六年 、みなべ地 区 梅 ジュースや梅 シロップ、梅 ジャム までの一次 加工を 行った梅 干しを ら ネット 販売を開始した。当時は のウメ は雹 害 を 受 け キズモノ だら も 開 発 し、二〇 〇 七 年には酒 造 メ 出荷するようになった。 青 ウメのま までは、たとえ 相 場 ま だ 農 家 が 直 接 ネット 販 売 を 行 けになってしまった。 ひょう が安くても出荷時期を変えられな うというのは珍しいことだった。 当然ながらウメ生産者は皆落胆 ー カ ー と共同でつくった梅 酒を数 いが、一次 加 工 す れば 貯 蔵 がで き るため、相 場 が 安い時 期の出 荷 を 競 合 者 がほとんどいなかったこ し く していた 。梅 干 しや梅 酒 向 け 者 だけが キズモノの買い付 けに忙 六㌔リットル (六〇 〇 〇 ㍑ ) である 梅 酒 特 区 認 定 を 受 け、本 来 、年 間 〇八年にはみなべ町 が 内 閣 府の 量限定で販売し始めた。 ともあって、販路は順調に拡大し、 には 難 しいが、果 汁 を 搾 るだ け な 最 低 製 造 数 量 基 準が一㌔リットル していたが 、その中で 果 汁 加 工 業 そこで 、月 向 さんは 梅 干 しの一 ネット 販 売は開 始から二年で軌 道 ら問題ないため、農家から キズモノ ネット販売成功で軌道に 次加工を調味まで行う二次加工ま に乗った 。新 しいことに果 敢に挑 を安く買い入れていたのだ。 見 合わせるなど出 荷 調 整ができる で発展させ、併せてダイレクトメー 戦したことで先 行 者 利 益が得られ 八 〇 〇 万 円 か けて 急 斜 面の農 地 高めるため公 庫 資 金 を 活 用 し、二 する情報コンテンツの方がはるかに と、商品販売のページよりウメに関 月 向 農 園のウェブサイト を 見る いた二〇 〇 万 円 をはるかに超 えた 取った ものの、予 算 として 考 えて を 思い立った 。す ぐに見 積 も り を う 」と 考 え 、果 汁の搾 汁 機の導 入 ってもやっていける農 業 を 目 指 そ 月 向さんはこれを見て、 「 雹が降 秋から農園独自の梅酒「紅梅月」と となる酒 造 免 許 を 取 得 し、一一年 年に地 域のウメ 生 産 者としては初 これを 受 けて月 向 さんは、〇 九 可能となった。 規 模 な 生 産 者で も 梅 酒 づく り が とから、少 量 生 産 を 考 えている小 というのがそのメリットだ。 ルによる通 信 販 売にも 取 り 組むよ た 典 型 ともいえるが、そ れだ け が を フラット 化 するなどの造 成工事 多い。これはウメについて調べようと 五 〇 〇 万 円であったため、手 が 出 「 爽 梅 月 」を 販 売 している 。 「テイ (一〇〇〇 ㍑ ) に引 き 下 げられたこ うになった。 を 行った 。当 時はまだ月 向さんも ウェブサイト を 訪れた 人がそのま せなかったという 。 成功の要因ではない。 三 〇 代で あ り 大 き な 投 資で も 前 ま 買い物 をしてくれることを 期 待 一九九五 年には農 作 業の効 率 を 向きだった、という 。 くは旺盛だった個人消費も陰りを を 続 け た 結 果 、今では二五 〇 〇 ペ 月 向さんが農 作 業の合 間に更 新 中 古 品を二〇 〇 万円で買 うことが 一度 搾 汁 機 を 探 してみた ところ、 が凍 霜 害に見 舞われたため、も う しかし、翌年もみなべ地区のウメ 夢の実 現に向かって着 実に歩み続 梅 酒 を 提 供 し たい」。月 向 さんは を う ならせるよう な プレミアム な ステ ィングル ー ム で、梅 酒 愛 好 家 してのことだという 。 見せ始め、一九 九八 年 頃 から 通 信 ー ジ、写 真 九〇 〇 〇 枚 という ウメ できた。 しかし 、バブル 崩 壊 後 も しばら 販 売 用に送 付 している ダイレクト 専 門の辞 典ともいえる サイト に成 購 入した搾 汁 機を使ってまずは メールへの反応が鈍くなり始めた。 長している。 けている。 (情報戦略部 林 活歩) 月 向 さんは、何 とかしな ければ 梅の月向農園 URL…http://minabe.net/ 24 AFCフォーラム 2012・5 豊橋百儂人事務局 黒子儂人 清水 貴裕 シャリスト、河 合 果 樹 園 代 表の河 合 浩 樹さんです 。 ●しみず たかひろ● 一九七一年 京 都 府 生まれ。京 都 教 育 大 学 大 学 院 修 了 。九八年から愛 知 県の私 立 高 校 勤 務 。二〇 〇五年に独 立 開 業し 、ウェ ブサイト制 作 会 社の ( 有 )都デザインを設 立 。〇 九 年 、河 合 果 樹 園 代 表 の 河 合 浩 樹 氏らとともに豊 橋 百 儂 人を設 立し、事 務 局 長に就 任 。一〇 年より食 農 連 携コー ディネ ーター としても活躍中。 知 県 東 端 部の東三河 地 域は、古 来より 大 変 発足時のメンバー は四人で、河合さんの他に、大葉づ (四〇歳) 農 業の盛 んなエリアで す 。中で も 、渥 美 半 く りの達 人で榊 原 農 園 代 表の榊 原 伸 泰さん、次 郎 愛 島にある田原 市は市 町 村 別 農 業 産 出 額で全 国一位 柿を中 心とした柿 専 作 農 家四代 目でベル・ファーム のような地 域 貢 献を目 的とした催 事、さらには、農 会、今年三月に開催した「豊橋花園百儂人マルシェ」 に一度 開 催しているサポ ー タ ー( 消 費 者 )向 け 交 流 す 。毎 月一回 、儂 人 全 員 が 集 まる定 例 会 合 、半 年 る「 農 業の匠 」が主 体となって運 営 する任 意 団 体で る、河 合さんが数 十 年 来 描 き 続 けてきた構 想が大 さらには、豊 橋 百 儂 人の活 動の骨 格ともなってい という思いが共有できているからにほかなりません。 まっているのは、 「この地 域 を 農 業で元 気にしたい」 しているのですが、そんな 彼らが互いを 認め合い集 現 在は、一三作 物一三儂 人が参 画し共 同で活 動 対する考え方も全く異なる皆さんです 。 匠 」で、作 物はも ちろん、所 属 団 体や農 法 、農 業に 私を除 く三人は、すでに地 元では有 名な「 農 業の 代表の鈴木義弘さん、そして事務局の私です 。 ( 平 成一八 年 生 産 農 業 所 得 統 計 よ り )、そのす ぐ 北 東 部に隣 接 する豊 橋 市 も 全 国六位( 同 )と、この 両 市を含めた東三河は文 字 通り、 「 農 業 王 国 」と呼 ぶにふさわしい地域といえます 。 とよはしひゃくのうじん 場 視 察 会 、農 業 体 験 会に至るまで、すべての企 画・ 豊 橋 百 儂 人 は、その農 業 王 国・東三河で活 躍 す PR活動(情報発信) などを主体的に行っています 。 二〇 〇 九年六月に発 足し、ま もなく 活 動三周 年 を う時代ではない。消費者から、真の安心・安全な食べ きな精神的支柱となっています 。 それは、 「 近い将 来、農 業にも ” 個( 人 ) “の時 代が 必 ずやって来る。農 作 物 もつくればそれでよいとい 迎えます 。 豊 橋 百 儂 人の提 唱 者は、無 農 薬レモン栽 培のスペ 2012・5 AFCフォーラム 25 主張・多論百出 に順 応でき ず、農 業も商 売の一つという 認 識 を 持た を辞めざるを得なくなる。将来の高度な情報化社会 える術 を 持たない農 家は、やがて信 頼 を 失い、農 業 位 付 け する「 儂 人ランキング制 度 」、そのランキング 目 を 超 える評 価 基 準 」、その評 価 結 果 を 公 開 し 順 儂 人を主 観 的・客 観 的に評 価 するための「一四〇 項 原 則 として「一作 物につき一儂 人 」の入 会 制 限 、 意味が込められています 。 ない農 家は、今のポジションを失 う 。遅かれ早かれ、 結 果を基に分 類 する「一部、二部、三部 制 度 」、消 費 物とは何かと問われ、自身の言葉で正確な情報を伝 日 本の農 業が海 外 勢に駆 逐される危 機はやってく 豊 橋 百 儂 人ではこれまでの農 業 界には存 在し得な 者 との絆 を 深めるための「サポ ー タ ー 制 度 」など、 ころで、 「 豊 橋百儂 人 」には、 「 人 」という 字が かった新しい試みを積極的に導入しています 。 出 したのではな く 、より 健 全で公 正 な 活 動 を 追 究 それらは、決 して奇 をてら うことを 目 的に生み 二つあります 。農 業が人を支 え、人に支 えら る」といった内容です 。 と れるのが農業、そんな意味が込められています 。 「 儂 」という 字は訓 読みで「わし」とも 読みま す 。 意味合いも込めて、この 「儂」 の字は使われています。 んでいた時 代、その頃に帰ろうという「 原 点 回 帰 」の 「わし」と呼び、当たり前のように皆が「農」にいそし 私が「 黒 子 儂 人 」と呼ばれているのも そ ういう 理 一人ひとりが活躍しやすい環境をつくることです 。 儂人という組織を円滑に運営し、主人公である儂人 事務局である私の使命は、あくまでもこの豊橋百 する中で必然的に生まれてきたものです 。 豊 橋には七 〇 品 目 を 超 える経 営 作 物 が 存 在 し 由からです 。今 までのよう な 農 業の本 質 を 見 極め 昔 、誰 から も 尊 敬 されていた 古 老 が 自 分のことを ます 。農 業の多 品 目 化がここまで進んでいる地 域は もせず、事 務 局ばかりが目 立つことを目 的としてい かり支えていきます 。今後にご注目ください。 これからも裏方として、豊橋百儂人の活動をしっ るのではないのです 。 全国でも珍しいと思います 。 つま り 、東 三 河の農 業の魅 力は、ま さにその「 多 種多様性」にあるのです 。豊橋百儂人の「百」という 字には、そ うした「 多 種 多 様な農 業の魅 力 」という 自 身の言 葉で正 確 な 情 報 を 伝 える 農業も商売の一つという認識を持って 26 AFCフォーラム 2012・5 シリ ー ズ 変革は人にあり 小城 年久 鹿児島県 小城製粉株式会社 か あ り ま せん 。私 が 経 営 す る 製 粉 さん 長 年の習 慣で食べ方 、味へのこ だ 会 社の戦 略 と して も 、米 粉 に 特 化 に絞 り 込むことに? 米 粉 だ けのパン・菓 子 に 挑 戦 グルテンフリ ー の市場を開拓 わりが定着する食べ物の分野で大胆 することが必 要ではないだろうかと 成 功 。経 営 のポ イント は 、製 粉・菓 パンや菓子づくりに挑戦し、見事に 航 空 名 誉 会 長 )が三 〇 年 前に、ある 営の大 先 輩 、稲 盛 和 夫 さん( 現日 本 そ ん な 時 に 、同 じ 鹿 児 島 県 の 経 変 動 リスクが 大 きいために、自 給 率 輸 入 小 麦 が 価 格 高 騰 な どで 市 況 るな どの製 粉 を していたので す が 、 るかんなどは米 粉 を 原 料にしていま そ れ と 鹿 児 島 県 特 産の菓 子 、か りました。 売 り 上 げ が 見 込 める との判 断 が あ め、う ま くアピ ー ルす れば、十 分に 小 城 小 麦アレルギ ー を 持つ人たち の間では、アレルギ ー の出 る 心 配 が あったのですか。 子製造の独自の技術を開発し、オン フォー ラムで述べられた 経 営の話 を 一〇 〇%のコメならば 価 格や 数 量 面 したので、製 粉 事 業 を 主 体に、国 産 だから 稲 盛 さんの話 を 思い出 し、 アしな くてはならない開 発 ポイント ただ、米 粉 パンには、いくつかクリ ない米 粉 パンに対 する需 要が多いた リ ー ワン 企 業 を 目 指 した ところに 思い出し、 「そうだ、あれがヒントだ 」 で 安 定 していることな どから、米 粉 米 粉一〇 〇%の米 粉 パンや 菓 子 をつ それを 聞いただ けで、米 粉 パン ンリ ーワンをつく り 出 す 経 営です 。 な変革を試みるのは、とても勇気が 思っていたのです 。 ある。小麦アレルギ ー に悩む消費者 と、経 営 方 針の切り替 えを決 断しま だけでやってみようか、と悩んでいた ― いる。ところが国 産 米 粉一〇 〇%の 小 城 そ うで す 。そ れ まで 小 城 製 粉 で は 、コメ と 小 麦 を 混 ぜ 合 わ せ の新たな需 要で、シェアを伸 ばして した。 くっても 売れる、と見たのです 。 いる。 時でした。 絞 り 込みが大 事であ り、米 粉に絞っ があ り、それが気がかりでした。 どんなヒントだったのですか。 小 城 稲 盛 さんの話 は 経 営 哲 学に 関 するものです 。要 は、京 都の商 店 たオンリ ーワンの経 営 展 開にすれば ― のように、間口を 狭 く しながら奥 行 稲 盛 経 営 哲 学 が ヒント きのある経 営 を することが大 事だ、 小 麦 がベースのパンが 定 着 して いる中で、米 粉一〇 〇%のパンや菓 子 技 術 も 同 じで、どこにも ない独 自の リ ー ワンの経 営でし ょ う が、需 要 が ― づく りに挑 戦 されたのは、すごい決 技 術 を 深めると、経 営のチャンスは 見 込 めるか ど う かの判 断 に 自 信 は ― 米 粉に絞った製 粉は確かにオン と言いま すと? 小 城 実は、米 粉 パン 自 体は多 くの ― カギは小麦アレルギ ー 対策 断ですね。 世 界に広 がるという 話で、ま さにオ いいのだ、と思ったのです 。 小 城 日 本で自 給 率一〇 〇%の食べ 物 は 何 かと 考 え たら、そ れはコメし 2012・5 AFCフォーラム 27 連載 変革は人にあり Profile こじょう としひさ 一九四八年鹿児島県生まれ、六四歳。日本大学生 産工学部工業化学科卒業、七三年農林水産省食 品総合研究所研修終了後、小城製粉入社。七八 年に役 員 就 任 、九〇 年 社 長 就 任 、現 在に至る。 鹿 児 島 県工業 倶 楽 部 副 会 長 、鹿 児 島 県 食 品 衛 生 協 会 副 会 長 、九州 米 粉 食 品 普 及 推 進 協 議 会 副会長などを歴任、妻と子供四人。 Data 小城製粉株式会社 本社は鹿児島県薩摩川内市。小城年久代表取締 役社長。 一九四六年創業、六六年有限会社で法人 設立、七七年に株式会社化。資本金三〇〇〇万 円。米粉製造販売、和洋菓子製造販売、主食米 販 売 。特に小 麦 由 来のグルテンを使わない国 産 米粉一〇〇%のパンが人気。年商一二億円。社員 はパート含め四八人。 人 が 考 えていたことで、別 段 、真 新 しいことではないのです 。 み 切 ることにし たので す 。正 直 、う の二〇一〇 年にメドがついたので、踏 必 死に取 り 組み、た ま た ま 、二年 前 小 城 そ うで す 。製 品 開 発 な ど を 任 せていた 私 の 次 男 が 数 年 か け て 気に踏み切った? のです 。一〇 年六月のことです 。思い 含めて、わ ず か三 社で当てが 外 れた が、来てくれたメデ ィアが地 元 紙 を 役 所で記 者 会 見 をしました。ところ し よ う と 決 め 、地 元の薩 摩 川 内 市 技 術で新 製 品 開 発 」という 形で発 表 薩摩焼の窯元がパン焼き が強 す ぎたのです 。 どんな点が開 発ポイント? れしかったですね。 ― に山 芋やこんにゃ くの粉などを 混ぜ そこで、そ ばのつな ぎ と 同 じよ う 自 体がパサついたり するのです 。 至 難でした 。グルテンがないと、パン 「のせ 菓 楽 」という 菓 子 店 を 営 んで した 母 親の実 家 が 地 元で 代 々 続 く 小 城 でも、運が味 方してくれまし た 。製 粉 業 を 創 業 し た 父 親 と 結 婚 のですね。 出 ば な を く じ かれ たよ う な も 合 わせて粉 をつくった り 、本 当に苦 いて、ここで 当 社 が 製 粉 した 米 粉で ― しんだのです が、次 男 が 独 自の技 術 パンをつくっている、ということが 話 小 城 小 麦 グルテンを 使わずにふっ く ら し たパンをつく るのは 、本 当 に で 製 粉 した 米 粉 を 数 種 類 配 合 す る 題になったので す 。今ではグル ー プ な菓 子 を 製 造 販 売していま す 。 企 業 として、米 粉 を 使ったさまざま ことで、米 粉パンがつくれたのです 。 グルテンなしのパンを開発 すか 。 せんね。 何 が 運 命 を 変 え るか わ か り ま ンのふっく らした 状 態 を 保つため小 小 城 小 城 製 粉が本 業ですから、グ ルー プ 企 業の菓 子 店でパンをつくる ― 麦 由 来のグルテンや強 力 粉 を 混ぜる 小 城 それは大 当 たり と言っていい ものでし た 。パンの表 面 はカリッ と こと 自 体 、違 和 感 はないので す 。し 最 初の試 作 品はどうだったので のが 普 通で す が、そ れだ と 結 局 、小 していて、中 はしっと り 。も ち も ち かし、運 というのは面 白いもので、第 ― 麦 粉 が 混 ざってし まい、アレルギ ー 感 も あって、日 本 人の好 き な 食 感に 一五 代 沈 壽 官 が、登 り 窯で米 粉 パン むしろ、最 大の開 発 ポイントは、パ のある人にはダメなのです 。つま り 、 ぴった りで、これで 十 分に競 争に勝 を 焼いてみたい、と 申 し 入 れ を して 沈 壽 官というのは? 小 城 鹿 児 島でも 著 名 な 陶 器であ ― くださったのです 。 じゅ それ以 外の方 法でパンをふっく らさ ち 抜 けると思いました。 一〇 〇%のこだわ りパンを 画 期 的 な 気 負いがあって「グルテンなしで米 粉 ところが 、今 では 笑い話 で す が 、 せ、かつ米 粉の持つも ち も ち 感 を 発 揮でき ることが 可 能 かど う か、とい その開 発のメドがついたので、一 う 点が勝 負どころだったのです 。 ― 28 AFCフォーラム 2012・5 和洋菓子販売の 「のせ菓楽」 の店頭で経営を語る小城社長 て も 、いず れマネ を さ れて し ま う 。 ― だわり ま す 。ただ、販 路に関 しては る 薩 摩 焼の窯 元のことで、第一二代 特に中 小 企 業の場 合 、そのリスクが 業 展 開しても 広がりは限られていま 粉一〇 〇%のパンのつく り 方 を 教 え からは世 襲 名 称になっていま す 。現 大 きい。そ れよ り も 、最 初 から 、小 たのでしょうか? す 。む しろ、オンリ ー ワンの技 術 に 地 産 地 消 だ と 地 域 的 な 人口減 少 が 在の沈 壽 官である大 迫一輝さんは芸 城 製 粉のオンリ ーワン 技 術でアピー よって地 元 だ けでな く 、地 元 以 外の てほしい」と頼まれたのだそうです 。 術家で、薩摩焼の第一人者なのです。 ルし 小 麦 アレルギ ー の人 た ち に 福 小 城 そこは、単 なるパン 職 人のこ だわり 意 識 からだったのか、分 かり 「 他 消 」、つま り日 本 全 国 、さらに世 す う 勢の鹿 児 島 だ け をベー スに 営 その方から陶 器を焼 く 窯で米 粉 パン 音、朗 報とアピールする方がいい、と ませんが、欧 州では小 麦 アレルギ ー 小 麦アレルギ ー 関 連の依 頼だっ を 焼いてみよ う と 言 われ、われわれ いうのが答 えです 。 界のグルテンフリ ー の市 場 開 拓 を 目 としても 地 元 活 性 化の一助になれば には敏 感で、小 麦 粉でな くて米 粉で と考 え 、す ぐに応 じさせていただ き 自 信があるからこそ、言 える? 指したいです 。 ― パンをつくれないのか、という 発 想は ました。 つ繊 細 な、かつ品 質 管 理に裏 付 けら そ ういった 点で、日 本の企 業 が 持 倉 田 さんは、米 粉 ということで 私 れたモノづく りの技 術で、美 味で 安 十 分にあるでしょうね。 のは、たぶん、う ちだけでしょう 。世 を 思い出 して、米 粉 パンづく りの相 全 安 心の食べ物 、しか もアレルギ ー 小 城 菓 子 店 は 世 界 中にあ り ま す が、米 粉 だ けでつく る 菓 子 店 という 界で一つしかないオンリーワンは誇 り 談があ り、それを きっかけに意 気 投 イベントにからめてのものだっ たのですか。 でも あ りま す 。 かかり、焼 き 上 げるまでに三時 間か 小 麦 パンは発 酵させるのに時 間が にして、米 粉の菓 子づく りの手 法は ら「 製 粉の技 術 はブラックボックス 取 得にこだわったので す が、次 男 か から学んだことです 。私 自 身 も 特 許 た だ 、正 直 な ところ、これは 次 男 るビジネスモデルの今 後の展 開は? 質の向 上 を 図って、世 界 市 場 を 視 野 イスも 得ながら、米 粉一〇 〇%パンの 合し、今ではプロの倉田さんのアドバ 界 中にアピールするのが夢です 。 体 質にもびく ともしない食べ物 を 世 高のステ ー ジでした。 かるのですが、米 粉 パンの場 合 、 一時 オ ー プンに す れ ばいい」という 主 張 小 麦 アレルギ ー は 欧 州で も 関 リ ーの米 粉パン教 室 も 開 催? 食 育 という 観 点 からグルテンフ 小 城 のせ菓 楽の二階で定 期 的に、 親 子で米 粉 パンをつくる教 室 を 開 催 ― し 、普 及 に 努 めていま す 。自 分でつ 米 粉 を も とにパンや菓 子 をつく 健 康 志 向にもぴったり 合いま す 。売 くった米 粉パンを 食べる、という 喜び 私 た ち は 地 域 との共 生 が 大 事 と 上 高 全 体の九〇%が製 粉ですが、米 子 、それも「 えっ?」と思われるよう 考 え、菓 子 販 売の店の奥 を 地 域の人 も 味わってもらいたいのです 。 な 米 粉のリ ーフパイ、シュー クリ ー 粉 を 生 かしたパン 以 外に、米 粉の菓 ― 米粉パン教室で食育も展開 間 半で 済 み ま す 。そ れ を 登 り 窯で を 聞 かされ、言 われてみれば、そ う 小 城 米 粉 は 小 麦 アレルギ ー に有 効 という だ けでな く 低 カロリ ー で、 ― 心が強 く、米 粉パンのニーズも ある? に入れていま す 。 焼 き 上 げ るので す から 話 題 性 も あ だと納 得したのです 。 来ていた 地 元のテレビ 局で放 映 され たので、 一気に評 判となりました。 独自技術でも特許はとらず グルテンを 使 わ ずに米 粉 パンを 小 城 私の知 り 合いで、世 界のパン コンテストで三 位に入 賞 した 倉 田 博 ていま す 。創 業 した 先 代の父 親から た ちの憩い、団 らんや 語 り 合いの場 和さん ( 株 式 会 社 デイジイ 代 表 取 締 ルギー 克 服のためにグローバルにチャ ムなども 製 品 化していま す 。 製 造 す る 独 自 技 術 に 関 して 、特 許 役 社 長 )が 面 白いこと を 言っておら レンジということですか。 教 えられたものです 。 (経済ジャーナリスト 牧野 義司) になるよ う な 広いスペー スをつくっ をとらなかったのは、なぜですか。 れました 。ドイツのパン 職 人 、 マイス 小 城 原 料 米 に 関 しては 地 元 にこ オンリ ーワンの技 術で小 麦 アレ 小 城 あ る 大 手 企 業の方 が 見 学に 来られた際、 「なぜ、特 許 をとらない タ ー から「日 本はコメの国だから、米 ― のか 」と 聞 かれ ま し た 。特 許 を とっ ― 質の向上で世界市場目指す り ま す 。た ま た ま 、イベント 取 材に しでしたが、世の中に広めるには 最 小 城 そ うで す 。美 山 窯 元 祭 り と いう 薩 摩 焼のお祭 りでパンを 焼 く 催 ― 連載 変革は人にあり 2012・5 AFCフォーラム 29 書評 今 回はカエルを 取 り 上 げるが、どの巻にも 教 えられることがたくさんある。たとえば、オタマ ジャクシの腹の渦 巻 きは体 長の一五 倍 もの腸で 読まれてます 三省堂書店農水省売店(平成24年3月1日~ 平成24年3月31日・価格は税込) 出版社 定価 1 東日本大震災とこれからの水産業 白須 敏朗/著 成山堂書店 1,500円 2 限界集落の真実 過疎の村は消えるか? 山下 祐介/著 筑摩書房 4 福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書 福島原発事故独立検証委員会/著 ディスカヴァー・トゥエンティワン 1,575円 5 さかな記者が見た大震災 石巻讃歌 高成田 享/著 講談社 1,500円 6 日本農業の底力 TPPと震災を乗り越える! 大泉 一貫/著 洋泉社 840円 7 日本の魚は大丈夫か 漁業は三陸から生まれ変わる 勝川 俊雄/著 NHK出版 777円 昭和堂 1,980円 書評 『 田んぼの生きものたち カエル』 福山 欣司著 / 前田 憲男写真 あることや、オタマジャクシの餌は藻 類だという こと、性 別の見 分け方は喉がたるんでいて、鳴 く かん のがオスだということ 。また、カエルが脱 皮 する ことには驚いた。ほ場の中 干しや間 断 潅 水が、オ タマジャクシを 絶 滅の危 機に追いやっていること もきちんと指摘している。 たぶん多 くの百 姓はこの本 を 新 鮮に感じるこ とだろう 。このシリ ー ズではこれまで、タガメ、赤 が 出ている 。これらの身 近 な 自 然の生 き もの代 何を認識するか 宇根 豊 (百姓) 表こそが「 農 業 生 物 」であり、百 姓 仕 事によって とんぼ、ゲンゴロウ、ホタル、カエル、タニシ、ツバメ よく 絵 本が病 院や金 融 機 関の窓口に置いてあ 支 えられ、そして農 業 を 支 えてきたことを 再 認 識できた。ところが心 痛むのは、これらの生 きも る 。ぜひ、この田んぼの生 き ものた ちシリ ー ズ を 並べてほしいものだ 。自 然の生 き ものを 紹 介 のの多 く が 減 少 していることだ 。このことこそ 真 剣に考 え、伝 えなければならない。それは百 した本なら珍しくはないが、農 を 舞 台に生 き も のと人間の関係を図解したものはまれである。 農 業に「 多 面 的 機 能 」が あると 思 う なら、言 姓の責任だ。 よ う としているが、ま ず は 大 人に、百 姓や 農 業 葉 だ けではな く 、このシリ ー ズを 手に取って、 も ちろんこのシリ ー ズは、主に子 どもに伝 え 関 係 者に読んで、驚いてほしい。そして子どもに シリ ー ズの筆 者 と写 真 家は、すべての生 き も 世 間に実 感 させるための表 現 力 を 身に付 けて 続である。平 均して一ペー ジに六枚 も 掲 載され のに深い情 愛を抱いているだけでなく、農にも情 見せてほしい。私なんかも六〇年生きてきて「そ ているカラ ー 写 真がまた秀 逸で、写 真 家のまな 愛が深い人ばかりだ。まずは自身のために、次に ほしい。 ざしの確かさが伝わってくる。私 も 生 き ものの 子 どものために読んでほしい。そして、できるだ うだったのか」と膝をたたいて合点することの連 写 真 を 撮るのだが、何 を 伝 えるのかが明 確でな け 多 くの人の目に触れるようにしてもらえない ものだろうか。 いと、写 真 も また 平 板になってしま う 。写 真 集 としても一級品だ。 30 AFCフォーラム 2012・5 1,575円 10 農業と経済2012.4別冊 東日本大震災と農業・農村 どう立ち向かうか、どう支えるか 幻冬舎 小林 よしのり/著 9 ゴ ー マニズム宣言スペシャル 反TPP論 2,100円 8 (財)社会開発研究センタ ー /編、 図解 よくわかる農業技術イノベーション 農業はここまで工業化・IT化できる 高辻 正基、石原 隆司/監修 日刊工業新聞社 1,575円 ベストセラ ー ズ 3 TPPで日本は世界一の農業大国になる ついに始まる大躍進の時代 浅川 芳裕/著 924円 著者 タイトル (農山漁村文化協会・2,625円 税込) 連載 地域再生への助走 都市生活者と一緒に地域おこし 「通い型の田舎暮らし」で遊びも 神奈川県中郡大磯町 原 大祐 つくる「 僕らの酒 」、地 元の旬 な農 産・水 産 物 を と協 力し、酒 米 を 栽 培してオリジナルのお酒 を ところが増 えてきていま す 。 で 管 理 し き れ ず 、次 第に売 り 出 されてし ま う さくても 約三〇 〇 〇 坪 も あったため、地 域の中 NPO法人西湘をあそぶ会 代表 集めた 神 奈 川 県 最 大 級の市「 大 磯 市 」、その日 都 市 生 活 者 を 担い手に 大 都 市に近い田 舎で、都 市 生 活 者 が 週 末 を に 獲 れ た 魚 を 調 理 して 提 供 す る「 めしや 大 磯 陵 地では 棚 田 しかつく れないこの地 域では、大 問 題になっていま す 。個 々の農 地 も 小 さ く 、丘 これらの中でも 、今 年で四 年 目 を 迎 えた「 僕 き な 機 械 を 入 れること もで き ず 、農 業 を 継 続 いち ゆった り と 過ごす「 通い型の田 舎 暮 らし 」と 聞 港 」などのプロジェクトを 進 行していま す 。 ま た 、農 家の高 齢 化 と 担い手 不 足 が 深 刻 な く と、どのように想 像 するでし ょ う か 。この生 活スタイルが定 着 すれば、都 市 生 活 者 も 愛 着 を らの酒 」について、この地 域が抱 える問 題 ととも こう して、町 が 変 容 していくことが 私 た ちに 感じ、田舎にある文 化や地 域 資 産の新たな担い 私 が 高 校 時 代に通っていた 西 湘 地 区にあ る とってはつらいものが あ り 、 「 西 湘の良いところ させるのは難しい状 況です 。 大 磯 町は、海 と山が近 く 自 然に恵 まれ、明 治か がいつまで も 、このま まで あってほしい」、何 と にご紹 介しましょう 。 こんな 思いを も とに、私は二〇 〇 八 年一〇 月 ら 昭 和 初 期に建てられた 別 荘 地 が 今 も 残 され かこの地 域の風 景 を 残 したいという 思いから会 手 となって、交 流が活 発になり、地 域 自 体が活 に仲 間一〇 人 と『 西 湘 を あ そぶ会 』を 立 ち 上 げ ていま す 。変に観 光 地 化 され、お 土 産 ショップ を 設 立 し、地 域の農 業や漁 業が続いていく ため 性 化していく 可 能 性 も 十 分にあ りま す 。 ました。名 前 を「 あ そぶ会 」としたのは、ま ずは が立 ち 並ぶよう なところもな く 、昔 ながらの生 せいしょう 背 伸びしないで、都 市 生 活 者が溶 け 込みやすい にはどう するべきか、地 域 資 産 を どのように維 用 する方 法の二つがあ りま す 。 を 集めて農 業 体 験のよ う な三 次 産 業 として活 売していく一次 産 業 主 体のやり 方 と、農 地に人 農 業の場 合 、野 菜 な ど 農 産 品 を 生 産 して 販 持していくかを 考 えるようになりました。 活が息づいていま す 。 大 磯の別 荘 地は一戸がどれも 大 き く、 一番 小 ましたが、 いろいろ問 題 も 出てき ました。 私 は、この町の雰 囲 気 を とても 気に入ってい 「 西 湘の風 景 残 し たい」が 動 機 ようにというのが狙いです 。 西 湘は神 奈 川 県の相 模 湾 沿 岸 西 部に広 がる 小 田 原 市 を 中 心 とした 地 区です 。東 京や 横 浜 からは、そ れほど 遠 く な く 、豊 かな 自 然 、そ れ に何よりも田舎 を 味わえるところです 。 私たちは現 在、役 場や地 元の農 業 者、漁 業 者 2012・5 AFCフォーラム 31 まちづくり むらづくり たお酒ができて、大 成 功となったのです 。 会の立ち上げ当 初、都 市 生 活 者の人たちの参 私 た ち は、後 者の方 法 が 地 域 農 業 を 元 気に するきっかけになると考 え 、そのとっかかり と 加は、農 業が好 きな中 高 年の方の応 募が多いと が中 心で、しかも「 女 性一人で」という 場 合や、 予 想 していま した 。ところが、実 際は三 〇 歳 代 して始めたのが「 僕らの酒 」プロジェクトでした。 都 市 参 加 者 は三 〇 歳 代 が 中 心 なので、小田 原 市で新 規 就 農 者 支 援 を 行ってい るNPO法 人 あ しがら農の会で親 し く させてい ただいている方に指 導 をお願いしていま す 。 台 風 被 害 も 最 小 限に抑 え 豊 作 一本 と草 刈 機一台しかなく 、どうしても 機 械が した 。私 た ちが 所 有 していた 農 機 具はスコップ 大 井 町にある農 地は、荒 廃がかなり 進んでいま 月は、天候がよければ、ほぼ毎 週 末 作 業 をしま 田 植 え までの準 備で一番 大 変 な 時 期の四 ~ 五 日の作 業で多いときは約五〇 人が参 加しま す 。 田んぼでは、年 間 三 〇 日の作 業 日 を 設 け 、一 見てもらう と、 「これは、開 墾 するのには手 間が 開 墾 を 始めるとき、地 域の指 導 者の人たちに け、開 墾 を 始めました。 地 元 農 家へ受 け 渡 し 、大 磯 町の農 地 を 借 り 受 いという 要 望 も あ り、大 井 町の農 地はそのま ま 昨 年 度は、大 磯 町の荒 廃 地 を 何とかしてほし 必 要 な 場 合は地 元 農 家や参 加 者から借 りなが す 。会 員が作 業 する以 外に、年 間 を 通して日 常 かかり、無 理だよ」と言われてしまいました。 リピー タ ー も 多いのが特 徴です 。 ら、ほとんど人 力だけで作 業 を 進めました。 的な水の管 理などは、この地 域に新 規 就 農した プロジェクト を 始めるに当 たって借 り 受 け た 初 年 度 は 開 墾 から 栽 培 、収 穫 後の酒づく り 方に担 当 してもらっていま す 。会 費の一部は新 NPO法人西湘をあそぶ会 1 9 7 8 年 神 奈 川 県 生まれ。 青山学院大学経済学部経済 学科卒業。 コンサル 会社勤務中に団地 再 生 産 業 協 議 会 事 務 局に従 事。 その後、独立し㈱Co. Lab代 表取締役。建築設計とともに、 遊休施設活用の企画立案・運 営を行っている。 2008年10月に仲間10人と NPO法人西湘をあそぶ会を設 立。 西湘のいいところ (地域資産) を残し、上手に活用することが 長期的に地域の活性化につな がるとの想いから設立。あそび によってコミュニティーを創出、 そのコミュニティーが地域資産 の新しい利用者になることで、 地域資産の維持活用を行って いる。現在、僕らの酒、無農薬こ たつみかんプロジェクト、大磯市 などのプロジェクトが進行中。 ホームページ http://www.seisho-asobu.jp/ 上:荒廃した農地を開墾する参加者たち 下:収穫や天日干しもすべて手作業で行う すると、あ と三日のう ちに始めなければ間に合 者 も 集 ま り 始 めてお り 、収 穫の予 定 から 逆 算 しかし、農 地 を 借 り 受 けてしまったし、参 加 まで、すべての見 通 しが 困 難 な 中 、手 探 りで解 規 就 農 者の支 援に充てていま す 。 私たちは農 業の技 術 的な手 法については素 人 32 AFCフォーラム 2012・5 決 していかな ければなら ず 、苦 労 も 多 かったの 原 大祐 はら だいすけ ですが、結 論 を 先に申 し 上 げれば、き ちんとし profile まちづくり むらづくり れようと開 墾にチャレンジする選 択 肢しかあ り まっていま した 。も う 、どんなに無 理 だ と 言 わ わない、という 状 況 までプロジェクトは進んでし の方へも 販 売していま す 。 会 員への販 売が優 先ですが、酒 蔵 を 通 して一般 た 。二本 目 以 降 は 購 入 していた だいていま す 。 四 月 に 出 来 上 が り 、会 員へ一本 ずつ配 り ま し るよ うに取 り 組んでいるので す 。ここは 重 要 な びを 組み合わせながら、双 方の目 的 を 達 成でき のを 防 ぐ ためにも 地 域 資 産 を 活 用 しつつ、あ そ つく る 」という 目 的に食い違いが 生 じてし ま う ポイントです 。 ませんでした 。こう して私 た ちは、技 術 力はな いけ れ ど一つの想いにか ける 意 志 と、人 海 戦 術 しかし 、九 月に発 生 した 台 風によって、田ん 域の商 品 開 発 という 事 業は、都 市 生 活 者の通い このように棚田の再 生や新 規 就 農 者 支 援、地 る 稲 作 農 家の松 下 弘 明 さんに指 導 していた だ 予 定で す 。静 岡で 有 名 な 松 下 米 を 栽 培 してい 難しいと言われている山田 錦の栽 培に挑 戦 する 今 年 度は田んぼを 拡 大して三反 耕し、栽 培が ぼを 囲 む 斜 面の一部が崩れて、木が田んぼに倒 型の「 あ そび」によって成 り 立っていま す 。会の きながら作 業 を 進めていきたいと思いま す 。 「あそ び」が企画継続のカギ れ込んで、田んぼ一枚の三分の一がつぶれてしま 名 称にも あるように「 あ そび」にこだわっている でどうにか開 墾 することができ ました。 いました。 を 得て、撤 去 することができ ました 。倒れてし ばやりたくない、同 時に参 加 者が楽しそ う と興 ま ず 、主 催 者で あ る 私 た ち が 楽 し く な け れ に、新 たに「 正 月に箱 根 駅 伝 を 見 ながら 食べる 今 年四月から、活 動に広がりを 持たせるため 早 く も ミ カン 畑 企 画 が 始 動 まったイ ネは、会 員で協 力 して、立ててひも を 味 を 持っても ら え な け れば 参 加 しても ら え な ための無 農 薬こたつみかんを 育てるプロジェク のには、三つ理 由があ りま す 。 結んで固 定し修 復 することで、被 害 を 最 小 限に い、そ して参 加 して楽 しかった と 思っても ら え 倒 れた 木 が 道 をふさいでいたので、町の協 力 抑 えることができ ました。今にして思 えば、 いい ミカン 畑 も ま た西 湘 地 区の風 景の一つなので ト」を 始めま す 。 生したいから、皆 集 まってください」と呼びかけ すが、棚田同 様に農 家の高 齢 化と担い手 不 足に な ければ 継 続 しないからです 。 「 大 磯の畑 を 再 定 期 的に農 業 指 導 を 仰 ぎ ながら作 業 をして たところで、なかなか人が集 まらないところを、 より 荒 廃しつつあ りま す 。 思い出です 。 いく と、被 害に遭ったにも かかわら ず 、収 穫 し あ そびによって人 々の心 を 引 きつけるワクワク 私 た ちの大 き な 目 的 は、地 域 資 産 を 維 持 す 四八口の会 費 無 料の会 員 制で、草 刈 りや剪 定な 荒 廃 し 、一部 が 笹に覆 われていま した 。全 部で もみ た約一 二〇 〇 ㌔グラムの籾 を 精 米して玄 米一六 感や、楽しいと思わせることが必 要です 。 田んぼは 約二反 あ り ま すので、反 収( 玄 米の ることです 。そのためには、一過 性のプロジェク どの作 業 を 年 間 三 回 参 加 すると、 一〇 ㌔グラム 地 元 農 家 から 借 り 受 け たミカン 畑 約二反 も 俵( 約 九六〇 ㌔グラム)となりました。 段 階での総 重 量 )は八俵でした 。有 機や自 然 栽 トではなく 継 続させることが重 要です 。 皆さんは、私たちのこれらのプロジェクトをど のミカンをもらえるというプロジェクトです 。 せんてい 培の反 収は一般 的に六 ~ 七 俵 くらいですので、 そこで「 僕 らの酒 」プロジェクトでも 、農 作 業 だけでなく+αの「 あ そび」を 企 画していま す 。 豊 作といっていいでしょう 。 酒 蔵の候 補はいくつか あ り ま したが、会 員の 私 た ち としては、会 設 立 時の「 西 湘の良いと う 受 け 止めておられるでしょうか。 辺にあ る 小 屋の建て 替 え な ど 農 業 を もっと 楽 ころがいつまでも、このま まであってほしい」とい 手づく りのかま どを 使った 昼 食づく りや、周 しめるような環 境の整 備、大 磯にある資 源 を 最 う 思いを 大 切に、地 域の人 々 とともに、地 域の 紹 介で、神 奈 川 県の中でも 特に人 気の高い久 保 三月 末に久 保田酒 造に納めるために、玄 米 を 大 限 活 用 し 漁 港での地 引 き 網の体 験 といった 田酒 造( 相 模 原 市 ) にお願いしました。 さらに一割精米したところ、お米は全部で一四俵 風 景 を 残 すことに貢 献 していき たいと思ってい ます 。 企 画 を 盛 り 込んでいま す 。 私たちの目 的 と都 市からの参 加 者の「お酒 を ( 約八四〇 ㌔グラム) になりました。 何 と本 数で約二〇 〇 〇 本( 四 合 瓶 ) のお 酒 が 2012・5 AFCフォーラム 33 ■出展者数 合計 / 564社 511小間 ※共同出展者含む ■会期中成約件数 1社平均 / 2.4件 最高 / 68件 ■ブ ー ス参加者:営業スタッフ数 1社平均 / 5.4人 最高 / 30人 ■成約金額 1社平均 / 253万円 最高 / 4,200万円 ■会期中商談件数 1社平均 / 18件 最高 / 200件 ■出展の成果は?(複数回答可) ■出展者に寄せられた来場者の関心は?(複数回答可) 55.6% サンプルの依頼 50.9% 新規顧客の開拓 42.7% 既存顧客との交流 33.3% 同業社との交流 30.8% 異業種との交流 28.9% 新製品への評価 20.3% 高い確率の引き合い 19.2% 新製品開発のヒント 15.9% 6.3% 3.6% 当業界の情報収集 52.5% 生産量、取扱量 31.4% 栽培、生産方法 23.1% 安全性 20.6% 流通経路、流通日数 13.6% 9.0% 5.7% その他 味 33.3% 7.7% 会期中に成約 販売価格 45.0% 出荷可能時期 包装形態 生産履歴 その他 第6回アグリフードEXPO東京2011 来場者分析 ■取引で重視する点は?(複数回答可) ■登録来場者数 公式登録総来場者数 12,327名 情報収集 41.5% 新商品、新メニュー開発 30.6% 新規取引先の開拓 17.7% 取引相手先との交流 3.7% 生産の効率化 2.9% お中元・お歳暮商品開発 一定の生産量 提案力 技術力 17.1% ■あなたの業種は? 物流 16.3% 商社・卸売業・流通業 15.1% 食品加工・製造業 14.3% 小売業(食品) その他 9.4% 外食業・集客施設 9.4% 生産者・組合 行政組織・学術機関 中食業 希少性 24.9% 19.8% 1.2% 安定した生産体制 30.4% その他 関連技術 産地 38.5% 2.1% 2.2% 食品の安全性への取り組み 44.7% 23.0% 7.8% 価値 52.5% セミナー聴講のため 12.0% 生産へのこだわり 54.9% 1.8% 28.0% 独自性・付加価値 56.8% ■来場の目的は?(複数回答可) 45.8% 64.6% 0.6% 海外関連企業 34 AFCフォーラム 2012・5 販売への積極性 16.3% 時期・納期 15.6% 営業マンの姿勢 12.5% 9.3% 在庫負担 販売現場(バイヤーの皆さまの)への理解 5.8% 製品化の際の1個当たりの分量の調整 5.4% 取引先との地理的距離 4.3% 過去の実績 0.4% 取引先金融機関 1.6% その他 プロ農業者たちの国産農産物・加工食品展示商談会 第6回アグリフードEXPO東京2011 出展者分析 日 本 政 策 金 融 公 庫 は 、八 月 二、 三日に東京 ビッグサイトで開 催 する「 第 七回 アグリフ ー ド E XPO東京二〇一二」の出展者の 募集を開始しましたのでお知ら せしま す( 募 集 期 間 四月一日か http://www.exhibitiontech. ら五月三一日)。詳細は公式HP ( )をご覧く com/afx/index.html ださい。 また「第六回アグリフー ドEX PO東 京二〇一一」にご参 加いた だいた出展者・来場者のアンケ ー ト 結果をご案内します 。多数の ご参加をお待ちしております。 (総合支援部) 会場風景より 『 第七回アグリフ ー ドEXPO東京二〇一 二 』 の出展者を募集しています インフォメーション 日 本 公 庫 秋田支 店 農 林 水 産 事 業は、二月二九日 、盛 岡 市にて「 平 日本公庫盛岡支店農林水産事 岩 「 手県農業経営 アドバイザ ー 連絡会 を 」 開催 日 本 公 庫 長 野 支 店 と県 内三支 業は、二月二九日、秋田市にて県 内 成 二三 年 度 岩 手 県 農 業 経 営 ア ド 農業後継者交流会 「農 Future!! 」を開催 日 本 公 庫 名 古 屋 支 店 は 、二 月 店は、二月二七日、長 野 市にて六次 農 業 後 継 者 の交 流 会「 第 四 回 農 「信州アグリフ ー ド フ ォ ー ラム」を開催 一六日に開 催 された 愛 知 県 主 催の 産業化をテーマとした「信州アグリ 農商工連携 ビジネスフェアに出展 「 農 商 工 連 携ビジネスフェア」に昨 バイザ ー 連 絡 会 」を 開 催 し 、県 内 で活 動 する農 業 経 営アドバイザ ー フ ー ドフォー ラム」を 開 催 し ま し 年に続 きブ ースを 出 展 し、資 金 制 た 。農 業 者や 食 品 企 業 など一〇五 」を 開 催し、県 内の農 業 後 Future!! 継 者一八名が参 加されました。 度の説明などを行いました。 フォーラムでは、農 業ジャー ナリ ロジ ー ズ株 式 会 社 代 表 取 締 役の井 Oを 運 営 するエグジビションテクノ 業 化の推 進の取 り 組みについて、日 ンタ ー から人・農 地プランや六次 産 会では、東 北 農 政 局 盛 岡 地 域セ 二 二名が参加されました。 「いいと も あいち 運 動( 県 産 農 林 ストの青 山 浩 子 氏から県 外の六 次 手一夫 氏より「 展 示 商 談 会に出 展 本 公 庫から最 近の全 国の農 業 経 営 交 流 会では、アグリフ ー ドEXP 水 産 物の消 費 拡 大 を 目 指 す 地 産 産 業 化の事 例 紹 介について、株 式 会 す る 意 義 、効 果 的 な 出 展 方 法 」を アドバイザ ー の活 動 事 例 などを 紹 名が参加されました。 地 消 運 動 )」の一環 と して 開 催 さ 社六星代表取締役の軽部英俊氏か テ ーマに、バイヤ ーの心 境を交えな このフェアは、県 が 推 進 している れま した 。同 運 動の加 盟 会 員 八二 ら六次 産 業 化の実 践のポイントにつ 盛 岡 支 店 は 農 業 者への 各 種 サ 社 が 出 展 し、バイヤ ー 等の来 場 者 参 加 者からは、 「 弱みは強みに変 ポ ー ト を 充 実 させていく ため、引 介しました。 長 野 支 店は県 内三支 店 と連 携 えられることがわかった」、 「商談会 き 続 きアドバイザ ーの連 携 強 化 と がらご講演いただきました。 情 報 交 換 を 行いま した 。ま た 併せ し、交 流 会や商 談 会の開 催 等 を 通 に出 展し、意 見を聞 きたい」など多 いてご講演をいただきました。 て、七社による商 品や経 営のプレゼ じ、経 営に役 立つ情 報の提 供やマッ 四五八 名 とと もに、活 発 な 商 談や ンテ ー ション、中 国・上 海 食 品 市 場 (盛岡支店) 情報提供に取り組んで参ります 。 今後もアドバイザ ー の連携を強化する (秋田支店) くの意気込みが寄せられました。 アグリフ ードEXPOの話題へ熱心に耳を傾ける (長野支店) チングに取り組んで参ります。 六次産業化に興味を持つ農業者ら105名が参加 (名古屋支店) セミナ ー も 開 催され盛 会となりま した。 多くの参加者でフェア会場は熱気に包まれた 2012・5 AFCフォーラム 35 平成24年5月1日現在 東日本大震災により 被災された皆さまへの支援策について このたびの東日本大震災で被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。 日本公庫農林水産事業では、今回の災害により被害を受けた農林漁業者や食品加工・流通業者の皆さまからのご相談に的確に対応するため、 各種支援策を実施し、被災された皆さまの復旧支援に全力で取り組んでいます。 電話相談及び 相談窓口の実施 Ⅰ 電話相談(事業資金相談ダイヤル) 平日のみ(9時から19時) : 0120-154-505 Ⅱ 主な地域の相談窓口 農林漁業者及び 食品産業事業者向け 特例融資制度 都県名 支店名 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 青森 盛岡 仙台 秋田 山形 福島 電話番号 0120-911-495 0120-911-539 0120-911-547 0120-911-498 0120-926-485 0120-959-046 都県名 支店名 茨城 水戸 群馬 前橋 栃木 千葉 長野 東京 宇都宮 千葉 長野 東京 電話番号 0120-926-427 0120-959-042 0120-926-481 0120-926-471 0120-911-598 0120-911-624 Ⅰ 対象となる方(注1) 3月11日以降に発生した地震に起因する以下の要件を満たす農林漁業者等 1.本人の被災が罹災証明書等で確認できる農林漁業者等 2.重要な取引先(出荷先、資材調達先等)の罹災証明書等が確認でき、かつ、その取引先の被災の影響で、売上の減少などが 一定水準以上になることを確認できる農林漁業者等 Ⅱ 制度の概要 特例融資の内容 1. 償還期限・据置期間の延長 償還期限及び据置期間を、制度上それぞれ3年延長 2. 実質無利子化 利子助成機関からの利子助成により、一定期間 (最長18年間 (林業のみ最長15年間) ) 貸付利 率を実質無利子化 (注2) 3. 実質的な無担保・無保証人融資 原則として、 以下の取扱いとします。 ●担 保:融資対象物件に限る (運転資金の場合等は不要) ●保証人:個人の場合は不要、 法人の場合は代表者のみ 対象資金 全資金 【農業】 スーパーL資金、 経営体育成強化資金、 農業基盤整備資金、 農業改良資金 (3のみ) 【漁業】 漁船資金、 漁業経営改善支援資金、 漁業経営安定資金、 漁業基盤整備資金 【林業】 林業基盤整備資金 【農林漁業共通】 農林漁業セーフティネット資金、 農林漁業施設資金 【加工流通】 水産加工資金 4. 融資限度額の引き上げ (1) 農林漁業セーフティネット資金 (資金使途:運転資金) 残高通算で1,200万円 (特に必要と認められる場合は年間経営費の12/12相当額又は粗 収益の12/12相当額のいずれか低い額) (2) 農林漁業施設資金 (主務大臣指定施設) (資金使途:災害復旧) 負担額又は1施設当たり1,200万円 (漁船は7,000万円) のいずれか低い額 (3) 経営体育成強化資金 (Ⅰ 「対象となる方」 の1に限る) ≪再建整備資金 (注3) ≫ 個人2,000万円 (特認3,500万円、特定5,000万円) 、法人8,000万円 ≪償還円滑化資金 (注4) ≫ 経営改善計画の5年間(特認25年間) において支払われるべき負債の各年の支払額の合計額 なお、本資金の貸付額の合計限度額は以下のとおり 個人2億5,000万円、法人8億円 (4) 漁業経営安定資金 (Ⅰ 「対象となる方」 の1に限る) ≪償還円滑化資金 (注5) ≫ 対象資金に漁業近代化資金を加える等と共に、漁業経営安定計画の5年間 (特認10年間) において支払われるべき負債の各年の支払額の合計額と所定の金額から算出される額の いずれか低い額 5. その他の制度拡充 借入金の一部を資本とみなすことができる資本的劣後ローンを創設 スーパーL資金 (注1) Ⅰ 「対象となる方」以外で、原発事故による出荷制限、風評被害等を受けている農林漁業者等には、一定の要件の下でⅡ 「制度の概要」の1「償還期限・据 置期間の延長」、4(1) 「 農林漁業セーフティネット資金の融資限度額の引き上げ」 を適用します。 (注2)事業内容によっては、利子助成期間が5年になる場合があります。 (注3)制度資金以外の営農資金を借り受けたために生じた負債の整理に必要な資金。 (注4)農業の制度資金の負債を整理し、支払いを円滑にするために必要な資金。 (注5)公庫資金の負債を整理し、新たな漁船等を計画的に取得する内容を含む計画を達成するための資金。 返済相談などへの 柔軟な対応 36 AFCフォーラム 2012・5 本災害により被災した皆さまからの返済相談については、個別の状況を踏まえ親身な応対と負担感の軽減に努めています。 [対応例] ● 震災の影響により返済猶予のお申し出が遅れた場合でも、 返済期日に遡って返済猶予の手続きを実施 ● 提出書類の簡素化 (決算書提出の省略が可能など) 品 。自 宅で身の回りを 見 渡 すと意 衣 類 、電 化 製 品 、日 用 品 に 食 の 進 む 消 費 者 のニー ズを 捉 えて 、 の課 題はあるようですが、高 齢 化 変 化に驚かされます 。まだ 収 益 面 ♠三月 号( 特 集テ ーマ: 農 業へ、 外 にネ ットで 買 った ものが多 く 、 メール配信サ ー ビスのご案内 日 本 公 庫 農 林 水 産 事 業 本 部で 企業参入新時代) を読みました。 現在、農業従事者の高齢化が進 産 業にも 追い風 となることを 期 待 ビジ ネスモデル次 第で 成 長できる の際 も ネットの情 報 をあちこち 比 ずいぶん生 活のなかに浸 透している 較 検 討 する 、判 断の過 程が実は楽 (飯田) しています。 「 まちづくりむらづくり 」でご紹 は、メール配信による農業・漁業・ しみ。食 品は耐 久 消 費 財 と 違いリ 介した西 湘 をあそぶ会が企 画 する む中で、後継者問題が大きな課題 ピ ー トの頻 度 も 高いはず 。商 品 情 『 通い 型 田 舎 暮 ら し 』。都 市 を 生 分 野 ではないでし ょ うか。農 林 水 報の差 別 化はもちろん、顔の見 え 活 拠 点 としながらも 、気 軽に田 舎 な ぁ と 感 じました 。思 え ば 、購 入 ない顧 客 と一期一会の気 持 ちで 接 暮らしを 体 験できるさまざまな 企 食 品 産 業に関 する情 報の提 供 を しているかが売り 上 げを 左 右 する 画は、どれもユニー クで、参 加 者の であるが、その一つの解 決 方 法と のでは。仮 想も現 実も差 異はない、 の原 さんによると 、 「 僕 らの酒 」で しています 。メール配 信サ ー ビス そんな印象を持ちました。(竹本) 日 用 品から生 鮮 食 品まで何でも 醸 造したお酒は〝みずから 汗 を 流 して、家族経営ではなく法人経営 揃う ネットスーパー が小 売 業 界 を したコメでつくった 〟ということ も の主な内容は次の四点です。 ①日本公庫の独自調査 (農業景 況調査、食品産業動向調査、消費 にぎわせています 。二四時 間いつで あって格 別だそう 。達 成 感 ととも (林田) 興 味 を 引 く ものばかりです 。代 表 も 自 宅 にいながら 、しかも 農 林 水 に得 られる 感 動が人 を 引 きつける による新しい農 業が始まろうとし ている。 しかし 、異 業 種 からの 参 入 で ② 公 庫 資 金の金 利 情 報や新た 者動向調査など) 結果 ウハウは少ないであろう。そこで、 な資 金 制 度のご案 内 、プレス発 表 は、農業に関する専門的知識やノ 法 人は、高 齢 化でリタイアした農 ③ 農 業 技 術の専 門 家である日 している日本公庫の最新動向 とり、農 業 経 験 者が持つ知 識やノ 本公庫テクニカルアドバイザーによ 業 経 験 者などを採 用する方 法を ウハウを活かしたらどうだろう。 る農業・食品分野に関する最新技 産 物 といった 生 ものまでポチッと ■印刷 アインズ株式会社 家 族 経 営と法 人 経 営が共 存す ④日本 公 庫が発 行する「AFC 術情報「技術の窓」 フ ォー ラム」 「アグリ・フ ー ド・サ る型が生まれ、農業も活性化する のではないだろうか。大いに期待し ポート」 のダウンロード (広島県 亘 幸男) のだと思いました。 ■定価 500円 (税込) ご意見、ご提案をお待ちしております。 巻末の児童画は全国土地改良事業団体 連合会主催の「ふるさとの田んぼと水」子ども 絵画展の入賞作品です。 たい。 すれば即 日 宅 配されるとは時 代の ■販売 ㈶農林統計協会 〒153-0064 東京都目黒区下目黒3-9-13 目黒・炭やビル T e l . 03 (3492) 2987 Fax. 03 (3492) 2942 E-mail [email protected] ホームページ http://www.aafs.or.jp メール配 信を希 望される方は、 ■発行 ㈱日本政策金融公庫 農林水産事業本部 T e l . 03 (3270) 2268 Fax. 03 (3270) 2350 E-mail [email protected] ホームページ http://www.jfc.go.jp/a/ みんなの広場へのご意見募集 http:// ■編集協力 青木 宏高 牧野 義司 日本公庫のホームページ ( ) にアクセスして www.jfc.go.jp/a/ ご登録ください。 ( 情報戦略部) 支店移転のお知らせ 五月一日から、 広島支店は、 左記の 住所に移転しました。 ●広島支店 住所〒七三〇 〇–〇三一 広 島 県 広 島 市 中 区 紙 屋 町一丁 目 二番二二号 TEL〇八二 二–四九 九–一五二 FAX〇八二 二–四九 九–一〇二 荻山 能敬 飯田 晋平 ■編集 吉原 孝 竹本 太郎 城間 綾子 林田 せりか 本誌への感想や農林漁業の発展に 向けたご意見などを同封の読者アン ケートにてお寄せください。「みんなの 広 場 」に掲 載します 。二〇 〇 字 程 度 ですが、誌 面の都 合 上 編 集させて頂 くことがあります。 [ 郵送およびFAX先 ] 〒一〇〇 〇 – 〇〇四 東京都千代田区大手町一 九 – 三– 日本政策金融公庫 農林水産事業本部 AFCフォーラム編集部 FAX 〇三 三–二七〇 二–三五〇 編集後記 第7回 アグリフード EXPO 東京 プロ農業者 2012 たちの 国産農産物・展示商談会 8月2日 3日 日 時: 2012年 10:00∼17:00 10:00∼16:00 会 場:東京ビッグサイト 西2ホール 主 催: 事 務 局 : 株式会社 日本政策金融公庫 農林水産事業本部 総合支援部 「アグリフードEXPO」 事務局 / エグジビション テクノロジーズ 株式会社 38 AFCフォーラム 2012・5 Ma AN AP nJ de i 次代に継ぐ 2012 5 加速する食のネット販売 特集 農林水産事業 http://www.jfc.go.jp/a/ ■販売 / 財団法人 農林統計協会 〒153-0064 東京都目黒区下目黒3-9-13 Tel.03 (3492) 2987 ■定価500円 本体価格 476 円 ■発行 /(株) 日本政策金融公庫 農林水産事業本部 〒100-0004 東京都千代田区大手町1-9-3 Tel.03 (3270) 2268 ■AFCフォーラム 平成24年5月1日発行 (毎月1回1日発行) 第60巻2号 (741号) 『田植えをする人たち』遠藤 紀歩 神奈川県相模原市立大島小学校