...

UWB

by user

on
Category: Documents
13

views

Report

Comments

Description

Transcript

UWB
添付資料5ー1
ウルトラワイドバンド技術と動向
(株)東芝 研究開発センター
富岡 多寿子
1
Copyright 2009, Toshiba Corporation.
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
目次
 ウルトラワイドバンド(UWB)とは




UWBの定義
UWBの歴史
技術的分類
法制度
 UWBの代表技術紹介
 インパルス無線
 WiMedia
 各種符号の意味
 UWB動向
 標準化、デファクト標準
 製品開発動向
 UWBの未来
 まとめ
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
2
目次
 ウルトラワイドバンド(UWB)とは




UWBの定義
UWBの歴史
技術的分類
法制度
 UWBの代表技術紹介
 インパルス無線
 WiMedia
 各種符号の意味
 UWB動向
 標準化、デファクト標準
 製品開発動向
 UWBの未来
 まとめ
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
3
UWBの技術的定義
• UWB : Ultra Wideband → 超広帯域
– 非常に曖昧な言葉であり、技術的に厳密な定義はない
– FCCが2002年に法制度化するまでは、UWB=インパルス無線
– FCCが法制度化でUWBのアンライセンス利用を許可した後は、FCCの
定義に合致する方式をUWBと呼ぶことが多い
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
4
UWBの歴史
• マルコーニの火花無線(1895年)
– 当時は周波数や帯域幅を制御する技術が無く、雷の放電のような電波を利用して
いたため、不必要に広帯域だった
• レーダ用インパルス無線(1970年代)
– 広帯域化による高解像度化
– 主として軍事用途
• レーダ用インパルス無線研究開発活発化(1990年代)
– 主として地中レーダ
• FCC、マイクロ波帯をUWBのアンライセンス民生利用に開放(2002
年)
– これ以降、インパルス無線以外でもFCCのUWB定義に合致していればUWBと呼
ばれるようになった
– UWB民生用高速無線通信の研究開発活発化、標準化開始
• 標準化の失敗、米国以外での厳しい法制化、金融危機による倒産・
事業撤退により、現在UWBは事実上高速無線の主流からはずれつ
つある
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
5
UWBの法制度化的定義
• FCCの定義
– 帯域幅500MHz以上、または、帯域幅の中心周波数に対する比が20%以上
• 帯域幅は-10dBの周波数で定義
• 中心周波数は帯域幅の決定に利用した下限周波数と上限周波数の平均値
• 周波数ホッピングや周波数スイープを行う場合、ホッピングやスイープを止めた
状態で、上記の値を有すること
– 瞬時スペクトルが線スペクトルに近いものを除外するため
– 輸出管理省令の「瞬時帯域幅」という言葉は、おそらくこれを定義するため
Δf
500MHz以上
Δf / f > 0.2
または
周波数
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
0
f
周波数
6
UWBの技術的分類
• インパルス無線
– 古くは、UWB=インパルス無線だった
• 通常の無線
– FCCの開放以降、FCCの定義におおよそ合致している物も、UWBと呼ば
れるようになった
• OFDMやCDMAなどインパルス無線以外もUWBと呼ばれるようになっ
た
• 帯域幅定義の概要が利用され、厳密にFCCの規定に合致しなくても
UWBと呼ばれることが多い
– FCCの電波法的規制には、当然、利用周波数やマスクに関する規
定があり、「UWB」と言ったときの、帯域幅以外の条件の反映度は、
言った人の判断で決まっている
• FCCの定義に合致しなくてもインパルス無線であればUWBと呼ばれる
ことも多い
– 主として学会発表など
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
7
目次
 ウルトラワイドバンド(UWB)とは




UWBの定義
UWBの歴史
技術的分類
法制度
 UWBの代表技術紹介
 インパルス無線
 WiMedia
 各種符号の意味
 UWB動向
 標準化、デファクト標準
 製品開発動向
 UWBの未来
 まとめ
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
8
UWBの法制度
• 米国
– UWBの定義
• 帯域幅500MHz以上、または、帯域幅の中心周波数に対する比が
20%以上
– 周波数ホッピングを停止して測定
– UWB機器の利用条件
米国UWBスペクトルマスク
-40
放射電力許容値[dBm/MHz]
• スペクトルマスクを満足すること
– 実質的に利用可能な周波数
• 3.1GHz~10.6GHz
• -41.3dBm/MHz
– 屋内とハンドヘルド(屋外)で
値が異なる
-50
-60
-70
屋内
ハンドヘルド
-80
0
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
5
周波数[GHz]
10
9
UWBの法制度
• 米国
– 2002年に開放決定
– 後に微修正
• 5GHz近辺の200MHz程度について-70dBm/MHz
– 飛行場空港誘導レーダ、気象レーダなどに配慮
• MB-OFDMの周波数ホッピングを、時間平均値測定で許可
– MB-OFDMは周波数ホッピングを利用している
• 瞬時スペクトルでFCC規定の帯域幅条件を満足している
• FCCのマスク規定は信号送出期間のみでは満足せず、信号を送
出しない期間も含めた時間平均で初めて満足する
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
10
UWBの法制度
• 日本
– 定義
• 帯域幅450MHz以上
– 2006年開放決定
– スペクトルマスク
• 他国より厳しい
– 「干渉軽減措置」の義務づけ
• 開放した周波数を利用する他のシステムに対する干渉を軽減するため
の技術的措置
– 伝送レート50Mbps以上
• 低速機器を排除するため
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
11
UWBの法制度
• 日本
– スペクトルマスク
• 利用可能な周波数
– 3.4GHz~4.8GHz
-41.3dBm/MHz
• 干渉軽減措置必須
– 7.25GHz~10.25GHz
-41.3dBm/MHz
• 4.2~4.8GHzについては、2010年12月まで干渉軽減措置無しで利用
可能な時限措置を適用
– 現状では、この帯域を主として利用
– UWBを利用するための条件
• 屋内利用のみ
– 車載、電車内も利用不可
– 屋内利用の担保として、通信可能なUWB機器の中に必ずAC電源
に接続されている機器がいる必要有り
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
12
UWBの法制度
• 日本
上限値は米国と同じ
– スペクトルマスク
日本UWBスペクトルマスク
放射電力許容値[dBm/MHz]
-40
-50
-60
-70
帯域は米国より狭い
-80
-90
干渉軽減措置の
有無で値が異なる
-100
0
2
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
4
6
周波数[GHz]
干渉軽減措置あり
干渉軽減措置無し
8
10
13
UWBの法制度
• 日本
– 干渉軽減措置
• 3.4GHz~4.8GHzに必須
• 干渉軽減措置の内容は法制度上は決定していない
– 審議も行われていない
• 4.8GHz以下は、現在、時限措置対象のバンド以外利用できない
– 製造されているICは4.8GHz以下のものが殆どであり、 4.2GHz~
4.8GHzの600MHzでは、十分な伝送レートが得られない
• 日本向けのICが製作されない
• 日本市場が立ち上がらない
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
14
UWBの法制度
• 欧州
– 日本と良く似た内容で決定だか、日本より緩い
• 車載、電車内利用許可
• レート下限無し
• 3.1GHz~4.8GHzは、2010年末までは干渉軽減措置無しで利用可
– 干渉軽減措置についは、LDC(Low Duty Cycle)とDAA(Detect And Avoid)で内容も決定
• LDC 一定時間内の利用時間を制限する主としてセンサー用途の方式
• DAA 保護対象システムの電波を検出したら、その周波数の利用を中止する方式
欧州UWBスペクトルマスク
放射電力許容値[dBm/MHz]
-40
-50
-60
-70
-80
干渉軽減措置あり
干渉軽減措置無し
-90
-100
0
2
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
4
6
周波数[GHz]
8
10
15
UWBの法制度
• その他の国
– 殆どの国はマスクについては完了
– 韓国 完了
– カナダ ほぼ決定
– シンガポール 完了
– 中国 ほぼ決定
– 干渉軽減措置が決定している国は殆ど無い
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
16
目次
 ウルトラワイドバンド(UWB)とは




UWBの定義
UWBの歴史
技術的分類
法制度
 UWBの代表技術紹介
 インパルス無線
 WiMedia
 各種符号の意味
 UWB動向
 標準化、デファクト標準
 製品開発動向
 UWBの未来
 まとめ
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
17
UWBの代表的な技術紹介
• インパルス無線
振幅
インパルス
– 昔は、UWB=インパルス無線だった
時間
– インパルス無線
• 「インパルス」とは、パルス幅が無限小で振幅が無限大のパルスのこと
– 数式として用いられるが、現実の世界には存在しない
• 転じて「インパルス無線」とは、繰り返し周期に対してパルス幅が非常に短いパ
ルスを利用する無線のこと
– 遠目にインパルスのように見えるため
振幅
パルス幅
時間
繰り返し周期
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
18
UWBの代表的な技術紹介
• インパルス無線
– パルス幅と帯域幅は反比例
の関係にある
• パルス幅が短くなると帯
域幅が増加する
– UWBが帯域幅で定義され
るのは、元々はインパルス
無線の性質から
– 広い周波数に渡って弱いス
ペクトル密度で放射される
ため、若干の秘匿性がある
時間波形
スペクトル
パルス幅
5
帯域幅
0
5
0
5
0
時間
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
周波数
19
UWBの代表的な技術紹介
• インパルス無線
– 適用製品
• 高解像度レーダ
– パルス幅が短いため、物体の位置を高い精度で検出できる
• 高速通信
– DS-UWB
• 高速レート時には、パルス幅と繰り返し周期の比率が1に近くなる
• インパルス性は低く、通常のスペクトル拡散に近い
• 低速通信
– 次ページ
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
20
UWBの代表的な技術紹介
• インパルス無線
– 適用製品
• 低速通信(センサー応用)
– インパルスを低速通信と位置検出の双方に利用する
– インパルスを用いると、物体までの距離を測定することができる
• レーダの原理
– 検出した距離情報を、ノードどうし低速通信で交換し、物体の位置を特定す
る
– 高機能RFタグのような位置づけ
Node 2
R1
Node 1
R2
Object
R3
Node 3
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
21
UWBの代表的な技術紹介
• 法律上UWBの定義を満たす通常の無線
– 例えばWiMediaのMB-OFDM(Multi-Band OFDM)方式
• 周波数ホッピングとOFDM方式の併用
– OFDM: Orthogonal Frequency Division Multiplexing 直交周波数多重
• キャリアを周波数軸上で高密度に多重して伝送する方法
• WLAN (IEEE802.11a,g)、WiMAXなどで採用
– 周波数ホッピング
• 時間毎に中心周波数を切り換える方法
周波数ホッピング
振幅
周波数
OFDM
時間
周波数
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
22
UWBの代表的な技術紹介
• 法律上UWBの定義を満たす通常の無線
– その他、各国の法制度要件を満足していれば、スペクトル拡散でも、通常
のシングルキャリア方式でもUWBとして製品化・販売可能
• DS-UWB(Direct Sequence UWB)方式は単なるスペクトル拡散に近
い方式
パワー
スペクトル拡散
周波数
パワー
データ列
パワー
拡散符号
周波数
スペクトルが法律の
規定を満たしていれ
ばUWB
周波数
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
23
目次
 ウルトラワイドバンド(UWB)とは




UWBの定義
UWBの歴史
技術的分類
法制度
 UWBの代表技術紹介
 インパルス無線
 WiMedia
 各種符号の意味
 UWB動向
 標準化、デファクト標準
 製品開発動向
 UWBの未来
 まとめ
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
24
WiMedia方式
• MB-OFDM方式
– 現在、高速通信でUWBと言えば、殆どがMB-OFDMのこと
• また、WiMedia方式といえばMB-OFDMのこと
• 周波数ホッピングとOFDM方式の併用
– 3バンドの周波数ホッピング
– 各バンドがそれぞれOFDMされている
OFDMシンボル~312.5ns
Band #1
Band #2
周波数
Band #3
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
時間
zero-padded suffix
(事実上のガードタイム)~70ns
25
WiMedia方式
• 周波数利用法
– 3.168GHz~10.56GHzを14個のバンドに分割
– 1バンドの帯域幅は528MHz
• 1バンドでFCCのUWBの定義に当てはまる
– 3バンドで1つのバンドグループを作り、バンドグループ内の3バンドで周波
数ホッピング
Band Group #6
Band Group #1
Band
#1
Band Group #2
Band Band Band
#3
#2
#4
Band Group #3
Band Band Band
#6
#5
#7
Band Group #4
Band Band Band
#9
#8
#10
Band Band
#12
#11
Band Group #5
Band Band
#14
#13
周波数
528MHz
3168MHz
10560MHz
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
26
WiMedia方式
• 周波数利用法
– 1バンド単体でのスペクトル密度はFCC規定の-41.3dBm/MHzを超えて
おり、そのバンドを利用していない空白期間も含めた時間平均で初めて
規定を満足する
• 周波数ホッピングはホッピングを止めて測定するという規定があったた
め、当初問題になったが、最終的にFCCはこれを認める裁定を下した
– 製品の殆どはバンドグループ1利用
• 他のバンドは周波数が高く、ICが作りにくいため
– 各国の法制度に共通で利用できるバンドグループを定義するためバンド
グループ6が追加された
• UWBを利用予定のBT-SIGが世界共通で利用できるバンドグループを
求めた影響が強い
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
27
WiMedia方式
• ブロック図
– 周波数ホッピングを行うため、通常のOFDMより若干複雑になっている
データ入力
スクランブラ
誤り訂正
符号化
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
OFDM変調器
周波数
切り替え器
送信
28
WiMedia方式
• 周波数ホッピングシーケンス
– 3バンドを単純にバンド番号の低い方からホッピングするだけでなく、様々
な順番でホッピングするシーケンスが定義されている
• TFC (Time Frequency Code)
TFC1
TFC2
Band #2
Band #2
Band #3
周波数
Band #1
周波数
Band #1
Band #3
時間
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
時間
29
WiMedia方式
• 周波数ホッピングシーケンス
– 3バンドを6つのOFDMシンボルでホッピングするが、1バンドのみ利用、2
バンドのみ利用、も定義されている
• 3バンドホッピングをTFI (Time Frequency Interleaving)、2バンドホッ
ピングをTFI2、1バンドのみ利用をFFI (Fixed Frequency
Interleaving)と呼ぶ
– 6OFDMシンボル単位でインターリービング(後述)を行っているため
– 国毎に異なる利用可能周波数や、その場の周波数利用状況に応じて選
択する
バンドグループ1のホッピングシーケンス
TFC
番号
シーケンス
(バンド番号)
3
1
2
1
2
2
3
3
1
1
1
2
3
4
5
1
1
1
1
1
2
3
1
1
1
2
3
3
2
1
3
2
3
2
1
6
2
2
2
2
2
2
7
3
3
3
3
3
3
8
1
2
1
2
1
2
9
10
1
3
1
3
1
3
2
3
2
3
2
3
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
TFI
FFI
TFI2
30
WiMedia方式
• ビットレートと変調方式
– 下表の通り
– QPSK: Quadrature Phase Shift Keying
• 4相の位相変調
– DCM: Dual Carrier Modulation
• 16値のQAM(Quadrature Amplitude Modulation)で、同じデータを異なる
OFDMサブキャリアで2回送信する方法
データレート
(Mb/s)
変調方式
符号化率
53.3
QPSK
1/3
80
QPSK
1/2
106.7
QPSK
1/3
160
QPSK
1/2
200
QPSK
5/8
320
QPSK
1/2
400
DCM
5/8
480
DCM
3/4
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
31
WiMedia方式
• データスクランブラ
– 送信機に入力されたデータの1,0の比率の時間的偏りを減らすため、データにスク
ランブルを掛ける
• 回路への負担を減らすため
– 疑似乱数生成多項式 g(D)=1+D14+D15 を利用
• 長さが215-1の疑似乱数が生成される
– 生成した疑似雑音と入力データをmodulo 2加算して出力とする
• modulo 2加算: 2進数の入力で、加算の結果が2になったら0に置き換える加算
(繰り上がり分を捨てる加算)
– 疑似乱数のseed(初期値)が4種類あり、適宜選択する
• 選択したseedはヘッダで通知する
入力データ
seed
Mod2加算
スクランブル出力
疑似乱数
生成
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
32
WiMedia方式
• 誤り訂正符号
– PLCPヘッダ(物理層ヘッダ)は(23,17)リード・ソロモン符号
• 17ビットのデータを23ビットになるように冗長度を持たせブロック符号
化
• これを「外符号」と呼ぶ
– データと外符号を掛けたヘッダは「内符号」と呼ばれる2段階目の誤り訂
正符号化を受ける
ヘッダ入力
外符号化
(RS)
データ入力
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
結合
内符号化(畳み
込み符号)
33
WiMedia方式
• 誤り訂正符号
– 内符号は畳み込み符号
• 拘束長7
• 符号化率1/3
– データに3倍の冗長度を持たせて生成し、それより高い符号化率に
する場合は、余分な冗長度に相当する部分を間引く
• 「パンクチャ」と呼ばれる
– 誤り訂正符号はデータレートで一意に決定
データレート
変調方式
符号化率
• データレート以外に選択の余地はない
(Mb/s)
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
53.3
QPSK
1/3
80
QPSK
1/2
106.7
QPSK
1/3
160
QPSK
1/2
200
QPSK
5/8
320
QPSK
1/2
400
DCM
5/8
480
DCM
3/4
34
WiMedia方式
• インターリービング
– データを複数のOFDMシンボルや、サブキャリア(MB-OFDMではトーンと呼ぶ)に
順番をバラバラにして割り当て、バースト誤りや、特定周波数の特性劣化による誤
りに対応する
• 誤り訂正の効果を増強する
– 誤り訂正は、あるビットに関する情報が含まれている部分がまとまって誤ると
訂正ができなくなる。そのため、まとまった誤りが出ないようにする
– 誤り訂正の一部とみなされることが多い
シンボル
インターリーバ
トーン
インターリーバ
サイクリック
シフタ
1,2,3,4,....
1,7,...
2,8 ,...
1,2,3,4,5,6,7,...
3,9 ,...
4,10 ,...
5,11 ,...
と置き直す
1,11,21,31,....
1,11,21,31,....
1,2,3,4,....
と置き直す
1,11,21,31,....
11,21,31,41....
1,11,21,31,....
21,31,41,51....
1,2,3,4,....
と置き直す
6,12,...
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
35
目次
 ウルトラワイドバンド(UWB)とは




UWBの定義
UWBの歴史
UWBの技術的分類
UWBの法制度
 UWBの代表的な技術紹介
 インパルス無線
 WiMedia
 各種符号の意味
 UWB動向
 標準化、デファクト標準
 製品開発動向
 UWBの未来
 まとめ
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
36
各種符号の意味
• スクランブル符号
– データにスクランブルを掛ける際の疑似雑音系列のこと
– 生成多項式が異なると全く異なる系列となる
– 予め生成多項式に関する情報がないと、スクランブルをほどくことは難し
い
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
37
各種符号の意味
• チャンネル符号
– 通常は誤り訂正符号のこと
• インターリービングが誤り訂正の一部とみなされることが多いため、イ
ンターリービングまで含めてチャンネル符号と呼ぶこともある
• 誤り訂正符号の内容が既知でないと、元の信号に戻すことは難しい
– ブロック符号であるか、畳み込み符号であるか
– どういう種類の符号であるか
• リード・ソロモン、BCHなど
– パラメータはいくつか
• 符号を変える場合、送信機は受信機に変更内容を通知する
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
38
各種符号の意味
• チャンネル符号
– スペクトル拡散方式の拡散符号が、チャンネル符号と呼べるかどうかは
微妙なところ
• DS-UWBではMBOK(M-ary bi-orthogonal keying)という、ビットの数
を増やして冗長度をあげる形の拡散符号を利用している
– 符号多重(CDMA)は行わない
• 符号拡散でも、符号多重を目的とせず、スペクトルマスクを満足させな
がら、帯域幅を広げることで合計パワーを上げて、伝送特性を改善す
る目的ならば、冗長度を持たせているという意味で誤り訂正と同じなの
でチャンネル符号と呼べるかもしれない
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
39
各種符号の意味
• ネットワーク認識符号
– 通常はnetwork identifierのこと
• 複数の独立したリンクやネットワーク(使用者)がある場合に、混信を起
こさせないためのID
• ヘッダに記載されることが多い
• WiMediaプロトコルの原型であるIEEE802.15.3のプロトコルには存在
– BSIDといって「ピコネット」を識別するidentifier
– WiMedia、DS-UWB共にプロトコルは15.3をベースにしているが、そ
の後、変更されている
• WiMediaには見あたらない
• DS-UWBのプロトコルは15.3から大きく変わっていないので、ま
だBSIDが残っている可能性はあるが不明(規格がもう殆ど取りざ
たされない)
– 輸出管理の目的が、秘匿性のある通信を行う機器の管理であるならば、
network identifierを制限の対象にする意味が理解しづらい
• TFCのようなネットワーク毎に異なる符号ことではないか
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
40
各種符号の意味
• 書き換え可能の意味
– これらの符号は、状況に応じて自動的に変更されるようプログラムされて
いる
• 状況とは、殆どの場合、チャンネル利用状況を含む伝送品質のこと
• 自動的に変更されることを「書き換えができる」としているのかは不明
– 通常の民生機器であれば、人手で符号そのものが書き換えられるように
はなっていない
• 伝送レートの「好み」のような形で設定できる可能性はある
– FPGAやDSPを用いたブレッドボード試作・評価機のようなものであれば
書き換え可能
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
41
各種符号の意味
• 書き換え可能の意味
– IC評価のためのブレッドボード評価機であれば、評価用に書き換え可能
に作ってある可能性はある
• その場合、ICそのものは「書き換え可能」に作られている
– 初期の試作ICや高級品
– 自由な書き換えではなく選択可能なだけかもしれない
– 大量生産ICで外から自由な符号を入力できる可能性は非常に低い
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
42
各種符号の意味
• 符号が仮に書き換え可能だった場合
– システムによる自動変更ではなく、外部からの入力により完全に自由に
仕様を無視して書き換えた場合、書き換えたシステムで流れるデータを他
の機器が受信しても復調できない
• ただし、暗号ほどの秘匿性はない
– 場合によっては、既に設置されているシステムに、偽って入れる可能性も
ある
• WiMediaの場合は、より高いレイヤでの認証を行うため、通常は不可
能
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
43
目次
 ウルトラワイドバンド(UWB)とは




UWBの定義
UWBの歴史
技術的分類
法制度
 UWBの代表技術紹介
 インパルス無線
 WiMedia
 各種符号の意味
 UWB動向
 標準化、デファクト標準
 製品開発動向
 UWBの未来
 まとめ
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
44
高速UWB関連標準化、各種規格
高速UWB
低速UWB
IEEE802.15.3a
IEEE802.15.4a
未完成のまま解散
その他独自規格
DS-UWB
WiMedia
解散予定
1394TA
BT-SIG
Transfer Jet
USB-IF
その他独自規格
標準
存続している規格団体
デファクト標準
解散(または解散が決
定)した団体
独自規格
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
45
高速UWB関連標準化、各種規格
• 高速UWB関連の標準化は現状では殆ど無いか、あまり意味がな
い
– 殆ど全てが、企業団体によるデファクト標準
• 高速通信関連
– IEEE802.15.3a
• 当初UWBの唯一の標準化として注目された
• 数10Mbpsの伝送速度であるIEEE802.15.3を高速化する物理層
(Alternative PHY)の標準化として開始
• 2方式(MB-OFDM, DS-UWB)が対立し、有効な賛成票が集まらずデッ
ドロック
• 結果のでないまま2006年に解散
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
46
高速UWB関連標準化、各種規格
• 高速通信関連
– WiMedia
• Intel, TIなどが中心になって進めた規格
• MB-OFDM方式
• Wireless UWBに採用
• Ecmaの標準になった(2005年)
– Ecmaは欧州の標準化団体(日本のJISのようなもの)
– 形だけの標準化であり、あまり意味はない
– ECMA-368
• http://www.ecmainternational.org/publications/standards/Ecma-368.htm
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
47
高速UWB関連標準化、各種規格
• 高速通信関連
– WiMedia
• WiMedia解散
– 2009年に解散を宣言
• 前年の金融危機により、中心的に活動していたメーカやベンチャ
ーの多数が事業撤退または倒産し、求心力を失った
• 知的財産などの引き継ぎが完了し、完了間近の規格が完成した
段階で、活動終了予定
• 今後の規格化は、UWBを利用する規格の団体である、USB-IFと
BT-SIG(Bluetooth-SIG)へ
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
48
高速UWB関連標準化、各種規格
• 高速通信関連
– BT-SIG
• ブルートゥースの規格団体
• 現在、100Mbpsクラスへの高速化を計画中
– Bluetooth 3.0
– 物理層としてUWB(WiMedia方式)の採用を決定
• していたはずが・・・
– UWBには法制化の問題が大きく、製品が成熟していないため、その
前段階として、IEEE802.11nを利用した方式を採用
• UWB利用はその次段階と位置づけ、まだ具体化されていない
• IEEE802.11n: 5GHz帯を利用した無線LANの規格。MIMOの採
用により最大100Mbps程度で伝送可能
-MIMO: 複数アンテナを利用した高速化方法
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
49
高速UWB関連標準化、各種規格
• 高速通信関連
– USB-IF
• USBの規格団体
• Wireless USBについての規格を行っており、その物理層として
WiMedia方式を採用している
• 現在入手できるUWB製品の多くはWireless USB製品
• 以前は、USB-IF認定製品を”Certified Wirelss USB”と呼んでいた
– USB-IF認定製品以外が淘汰されてきたため、”Certified”を取って、
現在は”Wireless USB”と呼ぶ
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
50
高速UWB関連標準化、各種規格
• 高速通信関連
– DS-UWB
• IEEE802.15.3aで対立した2方式の1つ
• Freescale, NICTが中心となって進めた規格
• IEEE802.15.3aの解散後デファクト化を目指した
– 1394TAでの採用を目指した
• その後FreescaleがUWB開発から撤退し、求心力がなくなった
• 現在、1394TAでは、無線ではなくUWB-over-coax(同軸ケーブルでの
UWB伝送)と言う形で規格化が進められている
– 無線化も予定に上がっているが、具体化していない
– アンテナを付けるだけで無線にできる形態が検討されているらしく、
有線とは言い切れない
– 採用しているメーカはベンチャーが中心であり、製品として今後大き
な発展があるようには見えない
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
51
高速UWB関連標準化、各種規格
• 高速通信関連
– DS-UWB
• その後、形を変えてソニーが主導するTransfer Jetに採用
– 基本的な技術のみ共通
– 国内法ではUWBではなく微弱無線扱い
• 技術的にはUWBを採用
– 海外では微弱無線というカテゴリーが無いため、UWBとして扱われ
る
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
52
高速UWB関連標準化、各種規格
• 高速通信関連
– ARIB
• 2006年 STD-T91としてUWB規格を発行
• 日本のUWB法制を許可するためには、標準が必要と言われたために
作った規格
• 総務省の法制化そのままの「技術的条件」と、メーカーへの製造の指
針となる「参考」からなる
• 「参考」は下記からなる
– 運用の手引き
• AC接続、屋外利用禁止の現品表示など、取説に載せる必要が
ある事項をまとめたもの
– 無線局の設計指針等
• 不要輻射レベルに留意すると いう指針
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
53
低速(センサ向け)関連 標準化
• IEEE802.15.4a
– IEEE802.15.4(Zigbee)の改良版でUWBを利用
• Zigbeeは数100kb/sの低速無線の規格であり、センサーネットなどに
利用される目的で作成された規格
• IEEE802.15.3aの標準化がデッドロックし始めた頃に、標準化を仕事と
するメンバが流れてきて4aの標準化が活発になった
– 2007年完成
– UWB(インパルス無線)を利用して測距・位置検出を行うことを特徴とする
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
54
低速(センサ向け)関連 標準化
• IEEE802.15.4a
– 製品はまだほとんどない
• たまにICが作られるとニュースになるレベル
• UWBを使ったRFタグは高級品過ぎて需要が少ない
– RFタグは本来、大量生産の低コスト品
– RF周波数が高く、帯域幅が広すぎる
• 高コスト
• タグとして重要な低消費電力化が難しい
– 通常のRFタグ(短波、VHF、UHF帯)に対するメリットが小さい
• 測距・位置検出の需要には疑問符が付く
• 測距性能が当初期待されたほど高くない
・ 測距の分解能がタグ内での処理遅延に依存してしまい、
レーダのような測距性能は得られない
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
55
目次
 ウルトラワイドバンド(UWB)とは




UWBの定義
UWBの歴史
技術的分類
法制度
 UWBの代表技術紹介
 インパルス無線
 WiMedia
 各種符号の意味
 UWB動向
 標準化、デファクト標準
 製品開発動向
 UWBの未来
 まとめ
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
56
製品開発動向
• 概要
– 高速UWB機器の開発は、2,3年前は活発に行われていたが、現在は停
滞
• WLANに対するメリットが薄れてきたため
• 金融危機によって多数のメーカが撤退
– 展示会でのデモ機展示も停滞気味
– 製品は主として米国向け
– 国内向けの製品はあまり多くない
• 干渉軽減措置必須のため、国内では十分にUWBの特性が生かせな
い
• センサー用途に付いては、法制で許可されていない
• 米国向けの製品は日本に持ってきても利用できない
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
57
製品開発動向
• WiMedia関連ICメーカの撤退、統合、倒産など
– 2008年末から2009年に掛けて、金融危機の影響で多数の企業が撤退した
– 詳細
• インテル撤退
– WiMediaの中心メンバ。ICの開発中止
• Tzero会社清算
– ICが日立Wooシリーズなどに採用されていた
• WiQuest事業停止
– 一時期、東芝など複数会社のPC(またはPCデモ機)にICが採用されていた
• Alereon、Stonestreet One社(ソフトウェア会社)のUWB関連事業を買収(2008
年)
– AlereonはTime Domainからのスピンアウトであり、古くからUWB ICを製作
• Focus Semiconductor破産宣告
• Staccato、Artimi合併
– Staccatoは、WiMediaの中心メンバ
• ST-NXP Wireless、500名の人員削減
– Ericsson Mobile Platformsと合併し、ST-Ericssonに
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
58
製品開発動向
• WiMedia関連ICメーカの撤退、統合、倒産など
– 2009年4月現在での事業継続中PHY ICメーカ
• 物理層関連
– Alereon(米国)
– Wisair(イスラエル)
– Realtek(台湾)
– Staccato(米国)
– ST-Ericsson(スイス)
• 研究のみ
– CSR(英国)
• BT関連のみ。UWB部分の自社開発はおそらく行っていない
• MAC(プロトコル)関連
– ルネサス
– NECエレ
• この2社は統合へ
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
59
UWB製品まとめ
• 2008年3月時点での製品一覧
商品
メーカ
日立
NEC
YE-DATA
D-Link
IO-Gear
DELL
Lenovo
東芝
日本GIT
WiQuest
富士通/Sigma
Design
Chipset WiQuest
Alereon
Wisair
RealTek
intel
Focus
Enhancements
Tzero
Staccato
FreeScale
Sigma
Desgins(Blue7)
General
Atomics
WiLinx(RF)
Artimi
Pulse Link
Radiospire
型名
Wooステーション
Note PC LaVie J
LJ750/LH
概要
HDMI画像をJPEG2000に圧縮して無線伝送
Certified Wireless USB認証取得品、Wireless Host Controller内
蔵、PC外部にDevice Wire Adapter付帯
UWB Wireless
HUB/Dongle
DUB1210
DUB2240
GUWH104KIT
Inspiron 1720
ThinkPad
T61/T61p
Wireless Docking
Station
USBポートのダウンストリーム側に無線接続の4ポートのUSBハブ
を形成する。ワイヤレスドングルとワイヤレスハブからなる。
OFDM
TT1013
TZC7200
SC3500 family
CWL212から214
B7CW101
B7CW201
PL3100
日立
AirSense UWB
MB-OFDM* 4.2-4.8GHz
発売中 ○
発売中
(1000台,
2008.01) ○
4.2-4.8Ghz
MB-OFDM* 3.1-4.8Ghz
MB-OFDM* 3.1-4.8Ghz
MB-OFDM* 3.1-4.8Ghz
発売中
発売中
発売中
CWUSBのHost機能をPCに実装
PCのモニター画像やUSB/Audio connection/Ethernet por等を無
線伝送
MB-OFDM* 3.1-4.8Ghz
発売中
MB-OFDM* 3.1-4.8Ghz
PPMによるイ
ンパルス方 3-10Ghz
MBOFDM*/独 3.1-4.8Ghz
発売中
H.264画像を無線伝送
MB-OFDM* 未公表
公開中
2Chip構成にてCWUSB機能を実現
2Chip構成にてCWUSB機能を実現
2Chip構成にてCWUSB機能を実現
CMOS1チップにてCWUSB機能を実現
CMOS1チップにてCWUSB機能を実現
CMOS1チップにてMB-OFDMのPHY機能を実現
CMOS1チップにてCWUSB/IP-over-UWB機能を実現
CMOS1チップにてCWUSB/WLP機能を実現
MB-OFDM*
MB-OFDM*
MB-OFDM*
MB-OFDM*
MB-OFDM*
MB-OFDM*
MB-OFDM*
MB-OFDM*
System-in Packeage(SiP)にてCWUSB機能を実現
2チップ構成にてfull WiMedia Networking を提供
Wireless USB, Bluetooth 3.0 and WiMedia IPを実現
カメラ等のファイルを高速に転送
3.1から7.4Ghz
MB-OFDM* 3.1-4.8Ghz
MB-OFDM* 3.1-4.8Ghz,6-8Ghz
DS-UWB
3.1-4.8Ghz
公開中
MP
公開中
公開中
MB-OFDM* 3.1-4.8Ghz
3.1 — 7.3 GHz
公開中
ワイヤレスのビデオストリーミング機能を提供
Aspen 2000 006 Wireless USBとWireless streaming media applicationを提供
RFのTransieverを提供
Wireless USB
TIME DOMAIN
低レート TIME DOMAIN PLUS 2.0
Status
発売中
機能は同上
機能は同上
CWUSBのHost機能をPCに実装
UWV510
USB2.0のWireless VideoAdapterを実現
Wireless Docking PCのモニター画像やUSB/Audio connection/Ethernet por等を無
線伝送
Station
Wireless HDAV
WQST100
/WQST101
AL4000Family
AL5000Family
WSR601
WSR602
RTU7010
RTU7105
3480
方式
周波数
MB-OFDM* 4.2-4.8Ghz
Spectral
Keying
インパルス
3.4-4.8GHz
○
発売中
3.1-4.8Ghz
MP
3.1-4.8Ghz
MP
3.1-10.6Ghz
公開中
3.1-4.8Ghz
MP
6Ghz以上目標
公開中
3.1-4.8Ghz
MP
3.1-4.8,6.3-7.9Ghz 公開中
3.1-4.8Ghz,6-7.9Ghz公開中
3.1-10Ghz
MB-OFDM* 公表なし
750psの
High Definition video distribution solutionを提供
Pulseを利用 3.3-4.3Ghz
HDTVの画像伝送
公表なし
公表なし
無線データ通信機能、レーダーや人や物の位置を特定する機能を Short pulse
Low duty cycle 公表なし
提供
インパルスUWBの測位システム
公開中
国内導入
○
○
公開中
公開中
公開中
公開中
公開中
公開中
発売中
(80台,
実験局免
2008.03) 許必要
総務省UWB高度化検討委員会報告より抜粋
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
2008年3月末時点。ソニーまとめ。
60
製品開発動向(現在入手可能な製品)
• WiMedia関連IC
– ルネサス WUSB利用可なUSBコントローラ 「R8A66580BG」
• WUSB物理層は含まない
– NECエレ WUSBシステムLSI「μPD720180A」
–
–
–
–
• 物理層コントローラは含むが物理層そのものは含まない
Staccato MAC PHY集積1チップLSI 「Ripcord2」
Alereon トランシーバLSI 「AL5000」
Realtek MAC PHY集積1チップLSI 「RTU7150」
Wisair MAC PHY集積1チップLSI 「WSR601」
• WiMedia関連モジュール
• CSR ブルートゥースのオプションとしてWiMedia規格の選択可
「CSR9000」
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
61
製品開発動向(現在入手可能な製品)
• WiMedia関連
– PC
• NEC ノートPC La Vieの一部にオプションとして
• レノボ、Dell ノートPCの一部の機種にオプションとして
– ただし、日本国内では販売していない
– PC以外の機器
• ラトック USBドングルとハブのセット
• 日立薄型TV Wooシリーズにオプションとして
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
62
製品開発動向(現在入手可能な製品)
• WiMedia以外の高速関連
– サムスン WUSBに近い独自規格によるUWB LSI
– 日本GIT インパルス無線によるトランシーバ
– Sony 近接電界高速無線 「Transfer Jet」
• まだ販売していない
• 規格進行中
– ワイ・イー・データ USBドングルとハブのセット
• WUSBに非常に近いシステムだが、認証を受けていない
– UWB-over-coax
• 米Pulse~Link インパルス無線による高速伝送システム「CWave」
• 米Sigma Design チップセット「Windeo」「CoAir」
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
63
製品開発動向(現在入手可能な製品)
• 低速関連
– プロジェクト
– まだ製品として販売するには至っていないものが多い
• YRPユビキタス研、日立 「UWB Dice」
– IEEE802.15.4a準拠
– インパルス型UWBを用いたRFタグ
– 日立から形を変えてシステム販売 「AirSense」
• UWB利用はオプション
• 国内利用時は実験免許が必要
• 富士通、横国大他 UWBセンタータグ
– インパルス型UWB
– その他、研究開発レベルであれば、多数の報告有り
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
64
目次
 ウルトラワイドバンド(UWB)とは




UWBの定義
UWBの歴史
技術的分類
法制度
 UWBの代表技術紹介
 インパルス無線
 WiMedia
 各種符号の意味
 UWB動向
 標準化、デファクト標準
 製品開発動向
 UWBの未来
 まとめ
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
65
UWBの未来
• 高速関連
– WiMedia解散
• DREまでは標準化の予定
– DRE: Data Rate Extention
• 1Gbpsの伝送が可能
• 現在は480Mbpsまで
• 将来、数Gbps品を検討する予定だったが、今後のことは全く不明
– 今後のWiMedia規格はBT-SIGが主導するという噂があり、その場合、高レ
ートには進まない可能性大
– 1394TA
• 規格化は行っているが、製品はデモ機レベルであり、今後もさほど普及する気
配はない
– その他
• 米国の法制度は緩いので、米国向けの独自規格が意外な形で現れる可能性
はある
• Transfer Jetの普及は今後の売り方次第
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
66
UWBの未来
• 低速関連
– センサー用途のプロジェクトは活発
• 国内では法制度的に許可されていないため、実験免許で動作
• 法制度で許可される時期は不明
– 総務省に対する働きかけを行っている模様
– 普及には、通常のタグ、低速機器と比較してコスト高となる不利を打ち消
すメリットが必要
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
67
UWBの未来
• 高速関連市場予測
– 市場予測会社数社(*1)のここ2,3年のUWBに関する予測を総合
– 予測
• UWB機器の市場成長開始は2010年頃
– 世界的に法制化が一段落し、対応機器が売れ始める
• 2008年のUWB機器搭載台数は、全世界で数10万台
– おそらく、過去の出荷分も含めた合計値
– 主として米国
– 2012年頃には数億台の予想
• 2013年頃の市場規模
– 全世界で数100億円
– さほど大きい数字ではないが、それでも実現性が疑われる
• 金融危機によるメーカの撤退
• UWBに対する消費者の期待が小さくなってきた
– WLANが速度を上げており、従来機との互換性を考慮すればWLANで十分
という雰囲気
*1 富士キメラ総研、米In-Stat、ナビアン、ボイスワーク、米ABIリサーチ
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
68
まとめ
• UWBの概要および、2009年現在でのUWBの普及状況を解
説した
– UWBとは主として次の2つのこと
• インパルス無線
• 各国のUWB法制化を満足する通常の無線
– 輸出管理上の符号に関する制限の意味
• 書き換え可能となる状況は少ないと予想される
– 普及状況
• 入手可能な製品の殆どはWiMedia規格
• 5年前と比較して販売されているIC、機器は増加した
• 厳しい法制度の影響により国内向け製品は少ない
• WLANに対するメリットが薄れつつある
• 金融危機により、多くの会社が撤退し、UWB開発に影がさしている
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
69
UWB解説 東芝 富岡 Aug. 2009
70
Fly UP