Comments
Description
Transcript
別所 弘和
Hondaの新興国知財戦略 グローバル知財戦略フォーラム2016資料 2016年1月25日 本田技研工業株式会社 知的財産部長 別所 弘和 Copyright(C)2015 Honda Motor Co.,Ltd. All Rights Reserved 新大洲Honda概要 設立 : 2001年9月 本社所在地 : 中国 上海市 資本金 : 1.3億USドル 出資比率 本田技研工業株式会社 40%、 新大洲控股股有限公司 50%、 本田技研工業(中国)投資有限公司 10% 事業内容 : 二輪車製造、販売 従業員数 : 3,300名(2010年4月末現在) 工場所在地 : 上海市、天津市 © Copyright 2014 Honda All Rights Reserved. Copyright (C) 2013 Honda Motor Co., Ltd. All Rights Reserved. 新大洲Hondaの設立 強み 高いエンジン 製造技術 市場分析力、 販売・調達網 技術力 天津本田摩托車 有限公司 「強み」 の融合 新大洲摩托車有 限公司 新大洲本田 摩托車有限 公司 本田技研工業株 式会社 © 2014 Honda All Rights Copyright (C) 2013 Copyright Honda Motor Co., Ltd. All Rights Reserved. Reserved. オープン/クローズ 高機能部分は、特 許により保護 部品メーカー 新大洲Honda 日本 Honda 技術移 転契約 例「オートバイのエンジ ン」 ・商品図面 ・生産技術 ・生産管理技術 品質良く 安価な部 品調達 仕様 開示 競争によるイ ノベーション 技術レベル の向上 調達 品質 評価 部品メーカー 部品メー カーの淘汰 Honda仕様のデ ファクト標準化 © Copyright 2014 Honda All Rights Reserved. Copyright (C) 2013 Honda Motor Co., Ltd. All Rights Reserved. ベトナムの二輪車市場 unit ② 3,500,000 3,000,000 2,500,000 ベトナムメーカー別販売台数推移 その他 中国車 VMEP スズキ ヤマハ ホンダ 予想 84万台 ① 98万台 2,000,000 89万台 1,500,000 151万台 130万台 112万台 1,000,000 35万台 51万台 43万台 112万台 132万台 500,000 0 Year 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 ①00年~コピー車市場急拡大→03年で一旦終息 ②05年~再びコピー車は拡大→終息方向。 Copyright (C) 2013 Honda Motor Co., Ltd. All Rights Reserved. 意匠権の権利行使 模造品 Honda FUTURE ベトナム 意匠登録No.:5752 ブレーキ効き難あり。 走行時の振動大。 耐久性低い。 Sanction Decision Copyright (C) 2013 Honda Motor Co., Ltd. All Rights Reserved. 特許権、商標権の権利行使 クラッチの機構の特許権侵害 コピー車分解時の写真 商標権の侵害 Hondaの商標 コピー車の商標 Copyright (C) 2013 Honda Motor Co., Ltd. All Rights Reserved. Hondaの反撃ーリーガルアクション 権利行使の結果 share 1000units (x1000units) (千台) 500 ベトナム中国二輪車台数(通関ベース) 450 Ratio (%) 比率(%) 100 90 台数 Units share 比率 400 80 350 70 300 60 250 50 商標権行使 200 40 意匠権行使 150 30 特許権行使 100 20 50 10 0 1 2 3 4 5 6 7 2000 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 2001 8 9 10 11 12 1 2 3 4 0 月 Month 2002 Copyright (C) 2013 Honda Motor Co., Ltd. All Rights Reserved. 他社販売のCARBURETOR(キャブレター) Honda Dream Yuga Hero Splendor 燃費74.1 Km/l 燃費68.2 Km/l スロットルスイッチ付 スロットルスイッチ無 有無コスト差 =128.22Rs (約250JPY) ピストンTYPE PB型 CARBURETOR Copyright (C) 2013 Honda Motor Co., Ltd. All Rights Reserved. 取引の構図 競争力部分(燃費など)は、特許 により保護、ノウハウの秘匿 HMSI HM 技術移 転契約 Heroなど現地二 輪企業 「キャブ」 ・商品図面 ・生産技術 ・生産管理技術 他社販売 キャブ 調達 Honda特許、ノウハウの第三者実施許諾 KN 量産効果 ロイヤルティ 他販によりHMSIのコスト削減、HMは知財ロイヤルティ回収 Copyright © 2014 Honda All Rights Reserved. Copyright (C) 2013 Honda Motor Co., Ltd. All Rights Reserved. オープン/クローズ戦略 1.量産効果によるコストメリット(他販許諾:オープン) エミッション規制は、必ずクリアしなければ売れないので、他のキャブメーカーの 製品を使われるくらいであれば、Honda技術のキャブを使ってもらい、規模の利 益をHondaは享受する。 2.特許による商品性能優位性は確保(特許権による独占:クローズ) HMSIオートバイが、同じHondaキャブを使用したインド二輪企業オートバイより で燃費が1割から2割良い。(Honda特許の冷却構造、Δω制御などの効果) 3.特許による更なるコスト優位性(特許技術により他社採用不可:クローズ) Δω制御はTH-SWが不要のためコストが安い (-128.22Rs) オートバイの商品性能優位性だけでなくコスト優位性も達成したビジネスモデル Copyright (C) 2013 Honda Motor Co., Ltd. All Rights Reserved. ノウハウマネジメント JVパートナーによ る情報 要求 ・自社ノウハウ の洗い出し ・レベルわけ 現地日本人スタッフ の製造品質維持の 責任感 明確なノウハウ 管理ルールの 不備、不徹底 従来の技術 援助契約では 対応不可 退職者 意図せざるノウハウ流出が起こり易い 知的財産部が横通しで全社管理を統括 ノウハウ開示 基本ルール ノウハウと特許 の区分け 技術援助契約 技術情報、図面の体系的なノウハウ管理ガイドを作成、通常は現場で ガイドの項目により判断するが、最終判断は知財部で行う Copyright (C) 2013 Honda Motor Co., Ltd. All Rights Reserved. 新興国の知財リスク 1.模倣品の被害(戦い方) 2.権利確保の不備(どう備えるか、権利化の考え 方) 3.技術漏洩(先使用権の確保と自社技術の流出 防止) 4.契約書の不備(契約の制限) 5.その他 Copyright (C) 2013 Honda Motor Co., Ltd. All Rights Reserved.