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PDFファイル - 四国自然史科学研究センター
1117,2004 高知県浦戸湾 と須 崎湾 の潮 間帯 で記 録 され たカ ニ類 の絶滅危惧種 と希少種 (十 脚 目 :短 尾 下 目) (予 町 田吉彦 *・ 報) 細木 光 夫 **・ 厚井 亨 * Prelimina〕 rcpo■ on ralc crab spccics iom tllc intellidal mud― ■ats of Urado Esttlav alld Susaki Bり ,Kochi Prcfcch肛 。 (Dccapoda:Brachpra) Yoshihko MACHIDA・ Abstract , Mitsuo HosocI丼 丼 and Tohl■ l Koul= Thc occurrcnccs of threatcncd or rarc crab spccics of Kochi Prcfccmrc arc rcpoltcd On thc basis Of spccimens iolll intcltidal mud― nats in urado Esttlaw and SuSakl Bay ln urado Esttlay, Oψ ″″″ ル″ sttη ″′ ν″, One of thc chtically clldangeК d spccics of Kochi Prcicttlrc has bccn kno、 │■ only iOm thc ivcr mouth of Kok■ lbu HOwcvcr, Nada alld thc ttver mOuul of Kllma seem to bc ncw 10calitics for tllc species Thc specimcns of C saχ ′ο″″ ′ η ■om thc Hvcr `″ mouth of Sakura rcprcscnt tllc irst rccOrd of tllc spccics hm Susaki Btt P力 ′ ク″ ′お″″,One of the endangcrcd spccics, is flrst rccordcd here and Susalci Bay The occurrcncc of acα conflnlled in Susaki Bay ■om Nada and KInuga― shima both in UradO Estlar/, α″ ε″α′ α,One Of thc criticalサ cndallgercd spccies is rc Thc six ovigerOus fcn3alc spccimcns Of Ho′ 7t・ ´′ ″ンs ο″′ θ72′ α′ お reprcscnt `′ thc occul■ encc of thc spccies IOr thc flrst time from Urado Estlav, tllough it has been thOllght to bc onc of tllc data dcflcicnt spccics in Koclli Prcfccturc /`″ αθqリ ル″″α め″′ ″″,, is irst rccOrdcd iom thc watcrs of Kochi Prcfcc● ュrc Thesc discovcrics of tllclll arc discusscd flom thc vic、 v point of specics consclllatioll Key words: tllrcatcncd crabs, ralc crabs, inteltidal zone, Urado Estla,, Susalci Bay, Kochi Prcfcctllrc 卜 , ・ ■ 理 学部海 洋 生物 学研 究室 ==玉 = き卜8520 _コ い 0口 10「 V ― 高知 市曙 町 251 Of Marine Biology, Faculり Of SCicncc, Kochi Univcrsiり , 2-5-1 無 ebonO― cho, Kochi 780‐ 8520, E “ 百 頂姜 ■ エ コ シ ス テ ム = i:つ 270 高 知 市 長 浜 16461 三二:f_■ m CO, Ltd, 1646-l Nagahama, Kochi 781-0270, Japan ︱ 111,日︱ヨーーーーー骨骨︱︱lillll︰嘗1111⋮⋮︰︱まま1︰ζ嘗111⋮⋮⋮illll, ﹁1︰︰︱︱︱︰1111嘗旨111 四国 自然史科学研 究 田]田 ほ か は じめ に 高知 県 レ ン ドデ タ ブ ッ ク [動 物 編 ](高 知 県 レ ッ ドデ ー タブ ック [動 物編 ]編 集 委員会 ,2002) に よれ ば ,高 知県 には21科 89種 (亜 種 を含む )の 淡水 l‐ 十脚 甲殻類 が生′ 日、 す る とされ ,2種 の 移 人種が含 まれ て い る (酒 井 ・ 細木 ,2002)こ れ 汽水 ら の うち , ス ナ ガ ニ 科 の ム ツ ハ ア リ ア ケ ガ ニ ″ 611′ ν ″ sα 凌″″′ 〃″ と シオ マ ネキ αα α″″ 4り ″″ “ が高 知県 の絶減危 l■ lA類 に ,イ ワガ ニ “ 科 のオ オユ ビアカベ ンケイ ガ ニP″ ωωα″ ご α″′ ″ l17α ノ′ た コプ シ Fig l A map showing samphng localnics(● )in ガニ科 のマ メ コブシガニPヵ ′ ll″ ″′ お″″ 同絶減危惧 IB類 1■ それぞれ指定 されてい る (酒 井 ■11■ 1,千 三li tヽ 細木,2002) ずれ も潮 間帯 の干潟 な い し砂 FE Tll 二主 三十 ろが 、 高知 県 ドの 河川 は 一 般 ■急 勾配 で ■ ■il弯 │」 十で これ らの カ ニ 類 の 生 巨│二 適 し た三 責 ま│■ ヽ 一 方 , これ らの環境 │ま 中■ 慎な _=i tt ir ■│∫ 口域 II発 達す るが ,流 域 の ブ、 ■ 二 LI・ し 千潟 な しヽし砂 泥地 171動 物 、■三 tt言 │■ を■ (貴 十ゃす ぃ と考え られ る 二三 貰 ■ ■ │ま 言=:三 二 ■ =看 :ま FЧ 万十 J II可 日 (中 二:■ =1,二 '或 ギニ●: r毛 ■ 1 蛎 1輌 │● J口 域 = │=多 三 =■ = f■ i==す 1 二 =F ■ │( i■ ■ ,■ 「 2002 ‐≡ 三 ==ヽ ろ │■ れて litま 1■ 言=三 = て ■.=l「 -1■ ,= tヽ 砂 1尼 地が 洒 ■ ・ネ 田 f=■ :弯 ■ゴ r2001 - 1 ■ ,モ 二百 ■ ■■ 11 1三 三 二十 三 ■ 見を tヽ ● t,な ■ ■■て =J[ `=´ ニ ー「 ろ = '■ t三 _ll iI三 ことを 日自 tと した 長 さ約 800mが 岸 沿 い に千 出す る 潮 間帯下部 は砂 lFL質 であ り,大 礫 と コ ン ク リー トの破片 が混 じる D破 片 σ D表 面 には コ ウ ロエ ン 大礫 と コ ン ク リー トσ カ ワヒバ リガイχク,ο ,″ οわパ sθ ご 〃 ″ おが 密生 し,一 部 に マ ガ キ Crassθ 5″ gな α sが 付 着 して い る 衣 ケ “ 島は十潮 時 を除 き , 隣接 地か ら徒歩 で渡 るこ とが で きな い ために 自然 が残 され てお り,高 力 市の 特 り1自 然保護 区に指 定 され て い る 島 は照 葉樹 の 二 E地 が 発 次林 で 覆 われ てお り,Fl辺 にわず か に1/1・ 「 達 して い る 潮 間帯 中部 か ら上部 の 岩盤 には コ ウ ロエ ンカ ワヒバ リガイが密 に付 着 して い る 171泥 ″ 力″′ ″ ?ν sブ ″ ο ″ 24', 地 で は ヤ マ トオ サ ガ ニ J々 ε ″ 力′ エ ゴガニ コ ニ ′■′″ s〃 ′ α, メツキガ Scψ″ ″′ ″ ・ ″lの・ ゴθ sa t` ¬眼で確認 で き る 浦戸湾 の 湾奥部 には ア 、 rt万 川 ,江 の 日川 ,国 分川 の 主な 三“ 「 ・、 ■ ■ ■ 湾 との 接 点部 分 で も調 査 を 三 :「 詈三‐ 二 三■ lt・ F■ i言 :=■ LttlDほ ぼ 中央 に位 置す る ■ ■言 つ流 入,可 川 のひ とつ で ,流 程 ほば9 採 集 場 所 と方 法 =景 調査地 は ,高 知「に浦 F■ this sttldy 'が i,河 口域 は須崎湾 の 最 奥部 に位 置す る 桜川 は 5kmで tr '1= ケ島か ら湾 奥部 のI 入 1 11=J二 ===[ =「 │1須 崎 湾 の 桜 川 河 口域 で ち ろ Ft : ■三 i 主 に 出園地帯 を流れ るが ,下 流 部 では宅地か らの │卜 Jく が 流入 し,ヘ ドロの雄積 が 部 に認 め られ る 2001年 か ら開始 したが ,本 格 it■ 三 萱 大潮 時 に ,砂 泥 地 が桜川 と須崎湾 の接 点 にわず か =:二 二三 l・ =rllF三 二 二千出す る らである EI■ 1251三 浦戸湾 は面積約 7kll10,湾 口部 の中 桜川 は 景 人水 深22m, IPF口 部 の 最 大水深 10m,:=珪 ti章 で 東岸 は │ユ とん どが埋 め立て らオl「 =ま 垂 直護岸 とな ってお り,造 船所 を始 め と十 ぅ 二 ある =iヽ 本報 告 では ,高 知県版 レ ッ ドデ ー タブ ッ ク (高 知 県 レ ッ ドデ ー タブ ッ ク [動 物編 ]編 集 委員会 2002)に よる絶 llA危 惧種 のカテ ゴ リー に従 い ,高 , 知 県絶減危惧 IA類 (cHicJly Cndangcrcd)を CR, 一 方 ,西 ■ │=二 が 同IB類 (cndangcrcd)を EN,絶 減危惧 II類 (v‖ ncr 岸 に迫 つ てお り,埋 め立て 面積 は狭 く, 自然海 ■ がわず かに残 されて い る 調査 地は横浜地区 め灘 と abDを VU,情 報不足 (data dcidcnt)を DDで 示 立 ち並ぶ と同 日 キに 住宅 も多 い 衣 ケ島 と した l■lで は,大 l.tBの 干潮時 に幅約 30m, す なお , 高知 県初記録種 お よび 浦戸湾初記録種 を希少種 とした 潮 間帯砂泥地 の希少 カ ニ類 調査 は い ずれ も大潮 の 干潮 時 に行 い ,索 手 で定 Ng,1999)全 性採集 を行 な った 実験室 に持 ち帰 う た標 本 は写 真撮影 の後 ,性 別 を調 べ ,甲 幅 (CW)と 甲長 (CL) 国的にきわめて少 ない種であ り,千 い が 潟 少 な 高知県 で も希少 な種 で ある (酒 井 ・ 細 木 ,2002)酒 井・ 細木 (2002)は ,本 種 を幡多郡 を測定 した 1票 本 はす べ て 四 国 自然 史科 学研 究 セ 大方町 の蛎瀬川河 口と,浦 戸湾 内 の 国分川 と下 円 ンターの 甲殻類標本 (SINH CR)と して登録 し,75 %エ テル アル コール で保 存 してある 川 で確認 して い る 本研 究 で ,浦 戸湾 内 の 久万川 と灘 での生息 を新 たに確 認 した これ まで ,須 崎湾 での 桜川 で も生 急を確認 した 結 また ,須 崎湾 の 生息例は報告 されて い な い 果 4科 5属 5種 の絶減危惧種 な らびに希少種 が ,計 23 IIciα θ″ε″α″ (Dc Haan,1833) シオマネキ 個体採集 された (Fig 3) スナガニ科 Cα ″′ ″r″ "′ sα ′θ ″′ α′ ″″ Stimpson, 1858 `″ ム ツハ ア リア ケガ ニ (Fig 2) Fig 3 じcα θ″ ごν.l′ 1〕 `1, SDヾ H― CR 420, Cヽ V 356 i■ 1■ , lale, rivcr mouth Of Sakura, Susaki Bay, 23 Aug 2003 高 知 県 絶 滅 危 惧 カ テ ゴ リー ″?′ ″″″ Scχ ′α,″ ′ ′ ′ SINH― CR 144 C.7″ ψ′ Cヽハ F102 mm, ovigcrous fcmalc f10m Nada, Urado Esttla,, 8 Aug 2003 2 F:ビ 71・ SINH― CR 420, Cヽ V356 CR 調査標本 mm, CL 22 7 inlln, ♂ : , 須 崎 湾 桜 川 河 日,2003年 8月 23日 I SINH CR 421, CW 278 mm,CL 184 mm,♂ ,須 崎 湾桜 川河 口 , CR 調 査 標 本 ― ■ ■ ■ CR 144, CV√ 10 2 mlan, CL 79.mm, 抱 ,ロ F■ i県 絶 減 危 惧 カテ ゴ リー 言百 1弯 1難 , ー 2003年 8月 28日 :SPヾ H― CR : 410, CW CL 69 mm,♂ ,須 崎 湾桜 川 河 日,2003 二 ニコ - 12Sヨ i SINH― CR 411, CW 8 7 111nl, CL 67 ,須 崎 湾 桜 川 ∫日,2003年 8月 28日 ■■― (R412, CW 108 mm, CL 82 mm, ♀ -― 1 「 ■ 三 ,「 '1■ .、 し│ IF∫ 日, 2003年 12月 て三 い3歯 がある ■ 二■像 を形成す る 140 mm, ♀ ,須 崎 湾 桜 川 河 口 ,2003年 6月 2日 SrNH CR 423, CW 23 7 11nm, CL 156 min, ♀ ; , 須崎湾桜川 lll日 ,2003年 6月 2日 額 は きわ めて 狭 く,眼 柄 の 出 る部 分 は強 くくび れる ; 甲は前方 が広 い 雄 の針脚 は 一方が大 きく , 掌節 に顆粒 を備 える , 二 重県以南か ら沖縄本 島にまで分布す る 9日 = ≒ ユ liや や 丸み を帯 び ,前 側 縁 に 眼嵩外 歯 ´ 2003年 8月 23日 :SINH― CR 422, Cヽ ハ /21 8 mnl, CL 甲面にlil小 な顆粒 があ り , 歩脚 はやや 密 な長毛 を │二 三 ヨす る小型 の 種 で ,相 模 湾以南 ,ホ ン ニニ湾 を経 てイ ン ドに分布 す る (Tan and 1996)海 外 では,責 海 , (下 コL 山東半島,台 湾 治■1,L 知 られて い る (三 宅 ,1983) 高知 県 では 従来 ,四 カ十 1(中 野 ミ■ 19, と仁淀 川 (菅 野 、1981)で の 上 言■■ il i■ ■ たが ,仁 淀川 で 17Dそ の 後 二 │=■ 二二 = '三 三 1 1 毛湾 ,須 崎湾 1声 百 言 で 三 「 ■ J■ 回丁田 ほ か (酒 井 ・ 細木 ,2002)本 研 究 では ,須 崎湾 の桜川 の T潟 が 少 な いの にカロえ ,生 檀地 は人 為的 な影 響 で確認 したが ,浦 戸湾 では広 範 囲 に調査 を実施 し を受 けやすい場所 にある なか ったため,確 認 できなかった 高知 県では土佐 清水 市 の 加久 見川 ,幡 多郡大方 町 の 蛎 瀬 川 ,浦 戸 湾 で の 生 自が確 認 され て い る コ ブ シガ ニ 科 P力 ● ″α ′おι ι 〃 (酒 井 ・ 細本 Dc Haan,1841 (酒 井・ ITH木 ,2002)本 研 究 にお い て 浦戸湾 内で 新 た に灘 と衣 ケ 島 で確認 され た マ メコブ シガニ ,2002) また , これ まで 記録 が なか っ た 須崎湾 の桜川 に生虐す るこ とが 判 明 した (Fig 4) ヤ ワラガニ科 〃α′ ,ご ′ ′こ′ ″ι ′ s ο″′ ご″′ .l′ ′ s Sakai, 1932 トウ ヨ ウヤ ワラガニ (Fig 5) Fi8 4 P々 ィ,,7α ′おι ′ ″,SINH― CR 427, Cヽ V 151 1■ 1〕 1, malc, Nada, Urado EstuarTr, 14 Junc 2003 高知 県絶減 危惧 カテ ゴ リー VU SINH CR 413 CW 120 mnn,CL 12 8 mlll, ♀ ,須 崎 湾桜 川 河 口 2003年 4月 28日 i SINH― CR 414, Cヽ F 1001■ in, CL , 102 mm,♂ ,須 崎 湾 桜 川 河 日,2003年 4月 28日 : SINH― CR 415, CW 103 mm, CL 107 min, ♂ 須 崎 湾 桜 川 河 日,2003年 4月 28日 :SINH CR 416. CW 16 8 1anm,CL 17 2 111m, ♀ ,浦 戸 湾 衣 ケ 島 ,σ ,′ ,c′ .7′ 1111n, ovigcrotls felnalc、 Nada Urado Estua● , 14 Junc 2003 , 高 知 県絶減 カ テ ゴ リー , 2001年 7月 22日 :SINH― CR 401■ m,CL 417, CW 148 mm, CL 151 mm,♀ ,浦 戸湾衣ケ島,2001年 7月 22日 SINH― CR 418, Cヽ ハ /140 mm, CL 144 mm, ♂ イ 7月 22日 i SINH― CR 426, Cヽ「 78 ]mm, CL 81 「 111m, ♂ , 1南 戸 湾 灘 ,2003年 6月 ‐ 14日 :SINH CR , 2003年 6月 14日 額 は狭 く, わず か に くばむ 甲は 半 TI状 で ,周 胃域 ,心 域 ,腸 域 の正 中線 にや や大 き い顆粒 があ る 42 mm,抱 卵 ♀,浦 戸湾 灘 ,2003年 8 抱卵 ♀,浦 戸湾灘 ,2003年 6月 , iS「 NH CR 419,CW 127 mm,CL 126 mm,♂ ,浦 戸湾衣 ケ島 ,2001 427,CW 151 mm,CL 154 mm,♂ ,浦 戸湾灘 DD SINH CR 139,CW 月 28日 i SINH― CR 429, CW 35 mm,(lL 35 1■ lm, : 浦戸湾衣ケ島,2001年 7月 22日 縁 に顆粒 が あ る Fig 5 〃α′ α″ピル″′ , で ″ ′ S SIN[1_CR 430, CヽV37 甲の 正 中線 に狭 い 白色線 の ある個体が い る CW 37 nun,CL 36 mm,抱 年 6月 14日 :SPヾ H― CR 14日 iSINH CR 430, ll1 0,浦 戸湾灘 ,2003 431, Cヽ√3 8 111in, CL 38 mm,抱 卵 ♀,浦 戸湾灘 ,2003年 6月 CR 432, CW 38 mm, CL 39 1om, 14日 ,SINH 抱卵 ♀, 浦 戸 湾 灘 , 2003年 6月 14H 小 型 の カ ニ で , 甲 は ほ ぼ 円形 で あ り,周 縁 に 狭 い 溝 が あ る 額 は狭 く ,小 さな3歯 を備 え る 甲な らび に 針 脚 と歩 l_llに 短 毛 が あ る 本 研 究 で 得 られ た 個 体 はす べ て 甲幅 が 4mn以 卜の 抱 卵 個 体 で あ り , 薄 質 の 甲 を通 して 背 而 か ら卵 が 確 認 で き た 岩 手県か ら九州1,韓 国 ,中 国 ,台 湾 に分布 し 内湾 の砂 泥 の 潮 間帯 に最 も普通 な種 で あ る とされ 分 布す る とされ て い た が (二 宅 ,1983),駒 井 ほ か てい る (酒 丼 ,1976)し か し,高 力」 県ではT/泥 質 (1992)に よれ ば 函館 か らも報 告 され てお り,ま た , 東京湾 ,相 13‐ 湾 ,伊 豆半 島 ,伊 勢 湾 ,紀 伊 半 島 に , 潮問帯砂 IPL地 の希少カ ニ類 ETI Jの ホ ー ム ペ ー ジ (http:〃 cti c shikOku u acjp/ 記 録 され , 四 国 内 で は 愛 媛 県 の 加 茂 川 ,肱 川 ,松 indcxO html)に よれ ば土佐清水市か らも報告 され て 山 市 堀 江 海 岸 ,徳 島 県 の 吉 野 川 で 報 告 され て い る いる (和 本種 は高知 県 レ ッ ドデ ー タブ ックでは情報 不足 として扱 われ てい る (高 知 県 レ ッ ドデ ー タブ ック [動 物編 ]編 集 委員 会 ,2002)し か しなが ら,本 田,1996;武 田ほか ,2000,山 根 ・ 山本 ,2000; Sakai, 2000 , 里 tほ か , 2002 ; Itani ε′α′, 2002) 予ラ 本種 は徳 島 県 の絶減 危伽 類 で ある (徳 島県版 レ ッ ドデ ー タブ ック掲 載種 検 討 委 員会 ,2001) 研 究で浦 戸湾 か ら複数個 体 が 得 られ ,ま た ,す べ て の個 体 が抱 卵 ♀で ある こ とか ら,浦 戸湾 で再生 考 察 菫を行 な ってい る可能性 がきわめて高 い 橋 口 (1975)は 浦戸湾 内 の カ ニ類 を調査 してい るが , これ には 現時点 で高知 県絶減危惧 種 とされ イ フガ ニ 科 И θ ο 7α ′ 0″ ″″ Takcda, 1974 9ρ ′ て い る種 は含 まれ て い な い 7・ `777′ 浦戸湾 には 1972年 5月 `′ トリウミアカイ ソモ ドキ 26日 まで ,流 入 ││∫ 川 の一つ で あ る江 の 日 日量 '│に 流 13,500ト ンのパ ル ブ廃液 がほぼ20年 間 にわたって (Fig 6) され てお り (和 田,1980),橋 口 (1975)が 調査 を 実施 した 1974年 10月 か ら12月 当時は , この 廃液 の 影響 が 浦戸湾 の 沿岸 にまだ 強 く残 ってい た と考 え しか しな が らそ の 後 ,同 湾 の ll i[地 ■生 ニ カ 目す る 類 に関す る報 告は ,洒 井・ 細木 (2002) られ る に よる絶滅 危惧 種 に関す る報告 までな され てい な い 酒 井 細本 (2002)の 報告 は主 に流 入河 川部 に基 づ い てお り,本 研 究で よ り湾 口部 に近 い灘 と 衣ケ島にお い て もカ ニ類 の 絶滅危惧種 が 'L日 す る こ とが明 らか となった 特 に ,灘 では 絶減 lP_惧 種 で あ る ム ツハ ア リアケガ ニ とマ メコ ブ シガ ニ に加 ′ │よ 高知県初記録 である 両種 71個 l■ は ,い ずれ も 抱卵個体 で あ り,両 種 が 浦戸湾 で再生 l_を 行 な っ て い る可能性 が きわめて高 い この よ うに ,l■ t地 区 の潮 間帯 の砂 lFL地 は小型 カ ニ 類 に とって きわめ 353, CヽV54 ¬m. ovigcrous tnlale,Nada,Urado Estua。 1ご ″7α ピ0′ た″lt,′ ο″″″″,SPゞ H― CR , 1, Junc 2003 三モ ■ l■ 二 5■ i二 │三 ■■て 」‐ ´ 〔 t惧 a_dOrsal vic、 v b― ventral vic、 v ヵ テ ゴ リー 指定な し SNH CR mm,CL 46 mm,抱 卵 ♀,浦 戸湾 '日 三 っ恨1縁 は 丸み を帯び る 干の表 面は 円滑 衣 ケ島で は 2001年 7月 に マ メ コブ シ ガニ が確認 され たが ,2003年 には 本 種 が 確認 で きな か った 2001年 7月 には本種 の他 に ,多 数 の ヤ マ トオサガ ニ とチ ゴ ガニ が観 察 され た lFL地 が あ っ た しか しな が ら,2003年 9月 23日 には これ らが観察 され た泥地 額 と前 lll の 面積 が激減 し,少 数 の ヤ マ トオサ ガ ニ と コ メツ キガ ニ が観 察 され たの み で あ つ た 衣 ケ島周辺 に iH は ,1997年 か ら1999年 にか けて湾外 の海 砂 が大 量 鉗脚 は短 い l‐ 吉 二三 ヽ 款毛がある ・■ =1■ i壇 であ る 木種 は官城 県 女川 湾 産 「:壬 より記載 された 「 = Takcda(1974)1こ I‐ て ら奄 美 大 島 に至 る各地 で ==豊 =か て 良好な環境 であると判断 され る に撒 かれ た 2003年 9月 23日 の段階では ,砂 が 島 の 岸 まで近 づ きつつ ある こ とが認 め られた したがっ て ,近 い 将来 ,衣 ケ 島 にお け るマ メ コブ シガ ニ の 生 日、 地が砂で埋 まる可能性が 高 い と考 え られ る 一一 一 ●一 ‘ た ′ え , トウ ヨ ウヤ ワラガニ と トリウ ミアカイ ソモ ド キが生 壇す る こ とが判 明 した トウ ヨ ウヤ ワラガ ニ は浦 戸 湾初記録 で あ リ トリウ ミア カイ ソモ ドキ 町 田ほ か 酒 井・ 細木 (2002)に よれ ば ,須 崎湾産 の 高知 県絶滅危 惧種 として シオ マ ネ キ とオオ ユ ビアカ ベ ン ケイ ガ ニ が知 られ て い る 本研 究 で ,須 崎湾 で 建 設 に係 る環 境 事 前 調 査 報 告 書 ,87100 1tani, G, P J F Davic and M Takcda 2002 Tax― onomic notcs on Иc′ ηαεq,′ θ″″α わα シオ マ ネ キ の 生息 は確認 で きたが ,そ の生 ,息 地 の =ss, Shen, 1932 and И ′ ο″″″″ Takeda,1974(Cnlstacca,Brachyuraヽ 面積 は きわ めて狭 く,絶 滅危惧 IA類 のひ とつ の基 Grapsidac)f10m Japancsc watcrs BULLETDヾ OF 準 とな る成熟個体数 が250に 達す る とは考 え難 い 本研 究で はオオ ユ ビアカベ ンケイ ガ ニ の生 息 が確 THE NAT10NAL SCIENCE MUSEUM,TOKY0 SERIES A,28(1)4350 高矢口県 レ ッ ドデ ー タブ ック [動 物編 ]編 集 委員会 これ は ,本 研 究 の 調 査 域 が桜川 河 口域 に限定 され てお り,本 種 が生 息す る ヨシ群 認 で きな か っ た 落 を含 んで い な か ったた め と考 え られ る しか し ハ ム こ の ツ ア なが ら, れ まで未 報告 リア ケガ ニ と マ メ コブ シガ ニ が確認 され ,桜 川河 口域 もカ ニ 類 の 希少種 に とつて 重要 な地 域 で あ るこ とが 明 らか )2002 高知県 レ ッ ドデ ー タブ ック [動 物 編 ]高 矢口 県文化環境部環境保全課 ,高 知 ,470pp ・ 駒 井智 幸 丸 山秀桂 ・ 小西光 - 1992 北海道産 (編 の十脚 甲殻類 の リス ト 甲殻類 の研 究 ,21:189 206 1983 原色 日本 大型 甲殻類 図鑑 (II)保 育社 ,大 阪,vii+277pp とな った 酒 井 ・ 細木 (2002)の 調 査 は1994年 か ら1998年 三宅 貞祥 にか けて実施 され たが ,彼 らの調査 と本研 究 の結 中野 果 か ら,浦 戸湾 の砂 泥地 の 環境 は橋 口 (1975)の 宏 当時 よ り良好 な状態 にな ってい る と考 え られ る しか しなが ら,浦 戸湾 のカ ニ類 の絶滅 危惧種 は い 四 国支部第 3回 四国支部技術研 究発表会講演概要 ずれ も小型種 であ り,今 後 よ り綿密 な調査 が必 要 高知 県 は浦 戸湾 の灘 地 区 を河川 の 防災 となろ う 工 事 で生 じた 浚渫 土砂 で埋 め立 て る計画 を提示 し てい る しか しなが ら,浦 戸湾 は本 来 ,都 市汚染 の影 響 を受 けやす い 条件 にあ り,浦 戸湾西岸 の泥 地 の埋 め立 ては潮 間帯 のカ ニ 類 に壊減 的 な打撃 を したが つて ,今 後 とも埋 め立 与 える恐れ が あ る てを回lrtす る必要がある 晋 ・ 酒井勝 司・ 真 子 昌樹 ・ 大川 晃 由・ 三 井 1997 南 四 国お よび和歌 山 の河 口千潟 にお 「 け る シオ マ ネ キJの 生 ,息 調 査 (社 )土 木学会 集 ,194-195 底 ・ 鈴木廣 志 2002 トリウ ミ アカ イ ソモ ドキ (イ ワガ ニ 科 )の 日本 にお け る 野元彰 人 ・ 岸 野 南紀生物 ,445658 南限記録 Sakai, 11 2000 0n tllc occu■ cncc of thrcc spccics of crabs on Shikoktl lsland, P′ ″″ο772θ res apan, and a nc、 v 」 ′ α,c力 ″ngα ′ nOv spccics, spcc , flom Taiwan (Dccapoda,Brachyura)CRUSTACEANA,7311155 1162 千葉 県 立 中央博 物館 の駒井 智幸氏 には トリウ ミ 酒 井勝 司・ 細木光夫 2002 ム ツハ ア リアケガ ニ シオ マ ネ キ ,オ オ ユ ビアカ ベ ンケイガ ニ ,マ メ コブシガニ (高 知県 レ ッ ドデ ー タブ ック [動 物 ア カイ ソモ ドキ の 同定 に 際 し有益 な助 言 を い ただ 編 ]編 集委員会編 :高 知県 レ ッ ドデ ー タブ ック くとともに ,文 献 を ご教示 い ただ い た [動 物編 ])pp 謝 辞 , 海 洋 生物 教 育研 究 セ ン ター の 和 田 入手 でお 世話 になった 高知大学 哲 氏 には文 献 日本 貝類学会会員 の三 本 全課 ,高 知 酒井 ,こ 市横 浜 の漁 師 ,永 野 ■gs,3 に便宜 を図 つてい ただいた また ,調 査 に 際 し , 高知 大学理 学部海洋 生 物 学研 究室 の 学 生 諸 氏 の協 力 を得 た ここに記 して感謝 の意 を表す る 菅野 1976 恒 健 二 氏 には灘産 の 貝類 の 同定 をお願 い した 高知 ・ ご は 査 廣 昌枝 夫妻 調 の 際 226 235高 知県文 化環境部環境保 講談社 ,東 京 ,英 ヽ え片 日´ 言 吾有早言 反 461pp, 2 日本 産蟹類 党片 角旱言 反 xxix+773pp, maps,原 色図版 16pp"251pヽ 徹 1981 有 明海 , 自然 ・ 生物 ・ 観 察 ガイ ド 東海大学出版会 ,東 京 ,vii+194pp Takcda, M 1974 Accounts of somc crabs from Mutsu Bay, with description of a ncw grapsid 引用文献 橋 口義 久 1975 浦 戸湾 にお ける甲殻類 , とくに エ ビ,カ ニ類 の 生息 状況 高知港 (種 崎新港 ) from Onagawa Bay BULLETDヾ OF THE MARDヾ E BIOLOGICAL STATION OF ASAMUSHI, 151 1321 武 田正 倫 ・酒井勝 司・ 篠 宮幸子 ・ 須賀秀夫 2000 瀬 戸 内海 産 カ ニ類 国 立 科学博物館 専報 ,(33): 135-144 1996 節足動物 (和 田恵次 ほか編著 : 日本 にお け る干 潟海岸 とそ こに生 ,日 、 す る底 生生 Tall,S G S alldP K L Ng,1999 A rcvicw of tllc gcnlls Cα ″ρ′ α′″ ′ ″″ 和 田恵次 Simpson,1858(CrllStacca: Decapoda:Brachb■ ra l Calllptandriidac) RAFFLES BULLETN OF Z00LOGY,47(1): 193219 徳島県版 レッ ドデー タブ ック掲載種検討委員会 (編 ) 2001 徳 島県 の絶減 の お それ の あ る野生 動物 徳島県環境生活部環境政策課 ,徳 島,438pp 物 の現状 )(財 )世 界 自然保 護基金 日本委 員会 WWF」 apanサ イ エ ンス レポー ト,3:7479 , 和 田幸雄 1980 高知生 コ ン事件 の 全 貌 21世 紀 へ の案 内書 近森謄写堂,高 知市 ,298pp 山根勝枝 ・ 山本 貴仁 の底棲 動物群 集 2000 愛媛 県加 茂川 河 口域 愛媛 県総合科学博物館研 究報 告 ,5:11-23 (原 稿受理 2004年 6月 1日 ) ︱︱︱︱︱︱ ︲︱︱︱ ︱ ︱ ︲ ︱︱ ﹁ 潮間帯砂 7FL地 の希少カニ類