...

2013 - 富士通

by user

on
Category: Documents
26

views

Report

Comments

Transcript

2013 - 富士通
富士通総研
経済研究所ワークショップ
中国の経済成長と自動車産業の発展
経済研究所
趙 瑋琳
2014.6.27
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE
報告内容
1. 中国の経済成長と自動車産業の発展
2. 最近の中国自動車市場の動向
3. 中国自動車産業の課題と政策動向
1
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE
1.1 中国の経済成長
 1978年に「改革・開放」が実施、 2010年には名目GDPで世界2位
 2013年までの平均成長率は約10% 、高度経済成長を実現
(%)
1992年
南巡講話
社会主義市場経済の提起
16.00
14.00
12.00
1985年
先富論
1978年
「改革・開放」
2010年
上海万博
2001年
WTO加盟
10.00
2008年
北京オリンピック
リーマン・ショック
8.00
1997年
アジア通貨危機
6.00
中高速
成長時代
4.00
1989年
天安門事件
2.00
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989
1988
1987
1986
1985
1984
1983
1982
1981
1980
1979
1978
0.00
(資料) 中国統計年鑑。
2
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE
1.2 中国の経済成長
- データで見る
 経済成長とともに、インフラ整備が進み、所得増加が続く
指標
1978年
1990年
2000年
2008年
2013年
2013 /
1978
3,645
18,668
99,215
314,045
568,845
156
実質GDP成長率 (%)
11.7
3.8
8.4
9.6
7.7
-
一人当たりGDP (元)
381
1,644
7,858
23,708
41,908
110
都市化率 (都市人口/総人口, %)
17.9
26.4
36.2
47.0
53.7
3
都市部可処分所得 (元)
343
1510
6280
15,781
26,955
78.6
都市部一人当たり消費支出(元)
311
1279
4998
11,243
18,023
-
農村部純収入 (元)
134
686
2253
4,761
8,896
66.4
農村部一人当たり消費支出(元)
116
585
1670
3,661
6,626
-
1,559
8,300
39,106
114,830
237,810
152.5
都市部100戸家庭当たりの車所有台数 (台)
-
-
0.6
8.83
21.5
-
高速道路 (万キロ)
-
0.05
1.63
6.03
10.4
-
国内総生産(GDP, 億元)
小売総額 (億元)
(資料) 中国統計年鑑、CEIC。
3
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE
1.3 拡大し続ける中国の自動車市場
 新車販売台数が増え続けており、2009年に世界一
 2012年に自動車保有台数は1億台を突破(2013年は1億2670万台)
2600
50
2400万台?
年間販売台数(万台)
2400
前年比伸び率(右目盛)(%)
2200
一人当たりGDP
5000ドルに
リーマンショック以降~2010年:
小型車減税など優遇政策実施
2000
45
2198万台
40
35
1800
1600
30
一人当たりGDP
3000ドルに、
モータリゼーションが加速
1400
1200
25
1000
20
800
15
600
WTO加盟
400
10
200万台
100万台
200
5
0
0
1990
1992
2000
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
(資料) 中国汽車工業協会(CAAM)、中国統計摘要2013をもとに作成、なお2014年は見込み。
4
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE
2.1 乗用車販売実績上位10社の変化
単位:万台、括弧内はシェア(%)
順位
2011年
企業名
2012年
販売台数
2013年
企業名
販売台数
企業名
販売台数
1
上海GM
112 (11.1)
上海GM
136 (8.8)
上海GM
154 (8.5)
2
上海VW
101 (9.9)
一汽VW
133 (8.6)
上海VW
152 (8.4)
3
一汽VW
98 (9.6) 上汽GM五菱
132 (8.5)
一汽VW
151 (8.3)
4
東風日産
67 (6.6)
上海VW
5
北京現代
59 (5.8)
北京現代
86 (5.6)
北京現代
103 (5.7)
6
奇瑞
47 (4.6)
東風日産
77 (5.0)
東風日産
92 (5.1)
7
吉利
43 (4.3)
重慶長安
60 (3.9)
重慶長安
82 (4.5)
8
長安フォード
42 (4.2)
奇瑞
55 (3.6)
長安フォード
68 (3.7)
9
東風SPA
40 (4.0)
一汽トヨタ
50 (3.2)
長城
62 (3.4)
10
一汽トヨタ
40 (3.9)
長安フォード
49 (3.1)
一汽トヨタ
55 (3.1)
上位10社合計
649 (64)
128 (8.3) 上汽GM五菱
906 (58.6)
142 (7.8)
1061(59)
(資料) 中国汽車工業協会(CAAM)をもとに作成。
5
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE
2.2 乗用車市場シェアの推移(2013年)
単位:%
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
仏系
3.2
3.5
3.1
3.1
3.3
3.0
3.0
2.9
2.9
2.9
3.2
2.9
韓国系
9.5
9.5
8.2
9.1
9.3
9.4
9.0
9.0
8.5
7.8
8.6
8.2
米国系
11.8
12.1
11.8
12.5
12.4
12.7
13.6
13.1
13.0
12.8
12.7
11.1
日系
3.0
11.9
15.0
16.1
16.0
16.5
17.6
15.2
17.5
17.0
19.2
19.7
独系
19.0
19.9
18.3
19.3
19.3
20.6
21.4
21.7
19.3
18.7
15.6
15.0
地場系
43.3
43.0
43.4
39.6
39.4
37.6
35.2
38.0
38.2
40.5
40.5
42.8
 2013年各国メーカーの販売台数
 地場系は722万台(40%)、独系は337万台(18.8%)、日系は293万台(16.4%)、
米国系は222万台(12.4%)、韓国系は158万(8.8%)、仏系は55万台(3.1%)
 欧米系:需要のあるところで生産体制を整え、各地域でシェア拡大
 日系:回復が目立つ、シェア挽回、本格化する中国戦略
 韓国系:スピード重視→デザイン重視、ブランド力の向上
 地場系:苦戦に強いられ、低価格戦略が限界
6
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE
2.3 中国自動車市場のゆくえ
 有利なファクター 需要観点 から
 マクロ経済がもっと安定すれば、消費意欲も復活
 自動車保有ニーズ(「剛需」)の存在
 沿岸部にはセカンドカー需要、買い替え需要
 内陸部にはエントリーカーに対する需要
 都市化の推進による新たな需要
 不利なファクター
 外部経済環境の悪化による消費意欲の低下
 環境問題(大気汚染)と交通渋滞の深刻化による購買制限実施
の地域拡大
 排ガス基準の強化で中古車の販売が低迷すると予想
7
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE
2.4 参考:地域別自動車購入制限政策
 ナンバープレート発給制限(自動車購入制限)
地域
ナンバープレート発給方法
上海市
オークションで競売制度:乗用車を対象に1994年に導入
北京市
抽選制度:2011年から実施、小型乗用車の年間増加台数を24万台に
貴陽市
2011年7月から実施
抽選制度:特殊ナンバープレート(抽選による登録、走行規制がない)
一般ナンバープレート(登録制限がない、走行規制があり)
広州市
抽選制度:2012年7月から試行、中小型乗用車を対象に導入
総量コントロール、年間増加台数を12万台に
天津市
2013年12月16日から実施
抽選(無償)とオークション(有償)両方による
杭州市
2014年3月26日から実施
抽選(無償)とオークション(有償)両方による
その他
ナンバープレート発給に制限なし、ナンバープレートの番号による
走行規制がある
(資料) 富士通総研研究レポート「中国の大気汚染に関する考察」
8
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE
2.5 参考:自動車排ガス基準の強化
 自動車排ガスの国家基準
 欧州基準(主にガソリンの硫黄分規制)を参考に作られ、段階的に実施
 北京、上海など先行する地域がある
欧州基準
導入時期 硫黄分規制値 中国基準
導入時期
北京基準
導入時期
ユーロⅠ
1992.7
800ppm以下
国Ⅰ
1999
ユーロⅡ
1996.1
500ppm以下
国Ⅱ
2004.7
ユーロⅢ
2000.1
150ppm以下
国Ⅲ
2007.7
京Ⅲ
2005.12
ユーロⅣ
2005.1
50ppm以下
国Ⅳ
2011.7
京Ⅳ
2008.3
ユーロⅤ
2009.9
10ppm以下
京Ⅴ
2013.2
(資料) 富士通総研研究レポート「中国の大気汚染に関する考察」
 乗用車の燃費規制スケジュール
 2014年5月に「乗用車企業の燃費平均値に対する管理強化の通知」(工信部)
 2015年から中国で生産される乗用車の平均燃費は6.9L/100km(約14.5km/L)
 2013年では、 79社の国産乗用車メーカー中で22社が基準を満たしていない、
25社の輸入車メーカー中で12社が基準を満たしていない
9
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE
3.1 中国自動車産業への期待と課題
 中国自動車市場の変化
 マーケットニーズの多様化が更に進む
 異なる内陸部(エントリーカー)と沿岸部のニーズ
 高級車市場規模のさらなる拡大 競争がさらに激化
 中古車市場の健全な成長への期待
 課題とは
 自主ブランドの育成が成功していない
 外部制約要素への対応、特に環境問題と交通渋滞問題
 新エネルギー車産業の発展の方向性
 車メーカーの乱立による過剰生産(100社以上メーカー、2015年1500万台過剰)
 政府主導による業界再編(2015年までに大企業3~5社に集約) 難航
(注) 2010年に中国政府は「戦略性新興産業の育成と発展の加速に関する決定」を公布、新エネルギー車産業は
戦略性新興産業(7大産業)の一つであり、主にプラグインハイブリッド車、燃料電池自動車、電気自動車のことを指す。
10
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE
3.2 自動車政策の動向
 今後の政策動向と注目点
 排ガス、燃費規制がより厳しくなる
 中古車購入時における排ガスの地域別登録制限の取り消し
 新エネ車、エコカーの普及に向けた政策の充実
・ 関連インフラ(充電設備)の整備、技術強化
・ 補助金支援拡大(EVからエコカー)による消費者市場の拡大
 外資メーカーにとっての環境変化
 「外商投資産業指導目録(2011年改訂版)」の公布
削除:自動車の完成車製造; 追加:新エネ車の重要部品の製造
 2020年前後に合弁契約の更新、業界再編の動向
 エコカー、新エネ車発展に関する政策、戦略の変化
11
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE
12
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE
Fly UP