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渋谷区温泉施設爆発火災への対応について

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渋谷区温泉施設爆発火災への対応について
東京都渋谷区温泉施設爆発火災の概要
1
2
発生日時等
発生時刻:平成19年6月19日
覚知時刻:平成19年6月19日
資料5
(時分調査中)
14時29分
発生場所
住
所:東京都渋谷区松濤一丁目29番7号
建物名称:株式会社ユニマットビューティーアンドスパ
用
途:15項(その他の事業場)
シエスパB棟
3
建物概要
構造 耐火造
階数 地上1階/地下1階
建築面積 89.22㎡
延面積 153.71㎡
消防同意 平成17年1月31日
使用検査 平成17年12月20日
消防用設備等 消火器、誘導灯
4
死傷者等
死 者 3人(51歳女性、22歳女性、23歳女性)
負傷者 8人(28歳男性重症、35歳女性重症、32歳女性重症、
搬送辞退5人(42歳女性、45歳女性、49歳女性、42歳男性、
54歳男性))
5
施設の状況
B1 温泉汲み上げポンプ装置、ガスセパレータ、源泉槽、受水槽
1F 従業員控室、トイレ
6
東京消防庁の活動
ハイパーレスキューを含む消防隊など57隊が出動
温泉施設爆発火災を受けた消防庁の対応について
1
渋谷区温泉施設爆発火災に関する火災原因調査
消防法第 35 条の 3 の 2 の規定に基づき消防庁長官の火災原因調査を発動し、20 日
午前から消防庁職員4人を現地に派遣するなど調査を実施
*
2
現在、警察による令状捜査が並行して行われている。
温泉の採取場所等の防火安全対策等に係る実態調査
○
「温泉の採取場所等の防火安全対策等に係る実態調査について」(平成 19 年 6
月 22 日付け消防予第 247 号)を通知し、屋内設置の温泉汲上げ設備に関する安全対
策の実態等について、全国調査の実施を依頼
○
調査項目
温泉の採取場所における安全対策等の実態調査(屋内設置の有人施設を対象)
・
天然の可燃性ガスに起因する火災の実態調査(温泉採取場所以外を含む。)
○
・
3
回答期限:7月6日(金)→7月12日(木)に速報値としてとりまとめた。
防火安全対策のあり方に関する検討
検討体制:予防行政のあり方に関する検討会
委員長:平野 敏右 千葉科学大学学長
4
関係省庁との連携
○
温泉に関する可燃性天然ガス安全対策検討会(事務局:環境省)への参画
検討員:田村裕之(消防研究センター火災原因調査室長)
オブザーバー:消防庁予防課
○
温泉に関する可燃性天然ガス安全対策関係省庁連絡会議(事務局:環境省)への参画
構成員:消防庁予防課長
*環境省、総務省消防庁、厚生労働省、経済産業省、国土交通省の課長級による
連絡会議
温泉の採取場所等の実態調査結果と今後の対応について
1
去る平成19年6月19日に東京都渋谷区温泉施設で発生した爆発火災を
受け、消防庁では、温泉汲上げ設備を屋内に設置している建築物の防火安全対
策等に係る実態等について、各消防機関に調査を依頼していたところです(平
成19年6月22日付消防予第247号消防庁次長通知。報告〆切7月6日)。
この結果について、速報値としてとりまとめた概要は以下のとおりです。
○調査対象
温泉の汲上げ設備を屋内に設置している建築物
*通常無人の専用汲上げ小屋等を除く
○報告総数
479施設
○汲上げ設備設置室の状況
・
温泉中の可燃性ガスについて調査したことのある施設は156施設
(33%)
、うち可燃性ガスが含まれていた施設は57施設(12%)
・ ガスセパレータ(温泉水からメタンガスを分離して排出するための装置)
を設置している施設は52施設(11%)
・
可燃性ガスの検知設備が設置されている施設は22施設(5%)
・
汲上げ設備設置室の換気対策が無いものが108施設(23%)
※ 現行の消防法令においては、温泉汲上げに係る安全対策に関する特段の
規定は設けられていない。
2
本調査結果等を踏まえ、7月12日に有識者等から構成される検討会(予
防行政のあり方に関する検討会)を開催し、警報設備の設置など防火安全対策
として必要な対応について、検討を行ったところであり、秋までに結論を得る
予定(9月までに3回程度を予定)。
平成19年7月12日現在
温泉の採取場所等の実態調査結果(速報値)
○調査対象・・・温泉の汲上げ設備を屋内に設置している防火対象物
※ 通常無人の専用汲上げ小屋等を除く。
※ 汲上げ設備(ポンプ)は屋外にあるが、ガスセパレータ、貯湯槽等が屋内に設置され、
これら設備から可燃性ガスの発生が有る施設については報告対象としている。
○報告総数479施設
汲上げ設備設置室の状況
過去の温泉中の可燃性ガスの調査
井戸周辺の可燃性ガスの定期的な測定
有り・含ま
れていた
57
12%
調査なし
323
67%
有り
13
3%
有り・含まれ
ていない
99
21%
ガスセパレータの設置
なし
466
97%
ガスセパレータ等で分離した可燃性ガスの
排出設備
有り
52
11%
なし
427
89%
なし
404
84%
汲上げ設備設置室の防爆対策
汲上げ設備設置室の換気対策
なし
108
23%
有り
75
16%
有り
21
4%
自然換気
152
32%
換気扇等
換気装置
219
45%
なし
458
96%
汲上げ設備設置室の火気使用制限
可燃性ガス検知設備の設置
有り
22
5%
有り
131
27%
なし
348
73%
なし
457
95%
天然の可燃性ガスに起因する火災の実態調査結果(概要抜粋)
○調査対象
過去10年間において、地中から発生する天然ガスに起因するものとして把握してい
る火災事例(爆発及び温泉の採取場所以外で発生した事例を含む。)
○報告総数
20 事例(温泉施設関係の事例:11 事例
温泉施設以外の事例:9 事例)
温泉施設関係の火災事例
揚湯時に付随して湧出する炭化水素系ガスが地下揚湯ポンプ入口蓋
1
H9.7
北海道
の仮配線の隙間から制御盤室に浸入し、制御盤スイッチの火花で爆
発したもの
3 メートル四方、深さ 1.6 メートルの源泉ポンプピット内で、排水
2
H10.4
福島県
汲み上げ水中ポンプの交換作業終了時、突然爆発が起こり、2 名が
負傷した爆発火災
3
H10.10
埼玉県
温泉掘削作業中、電気溶接の火花が、地下から噴出している天然ガ
ス(メタン)に引火
出火行為者が温泉掘削場の状況を見物に来て、立入禁止内に入り暗
4
H10.12
長崎県
かったのでライターの火を着けたところ、温泉と共に噴出し滞留し
ていた天然ガスに引火、爆発
天然ガスが温泉揚湯機械室内に充満したところに動力制御盤の圧送
5
H13.8
北海道
ポンプのマグネットスイッチが作動し、火花が発生して天然ガスに
引火し爆発したものと推定
6
H14.7
埼玉県
温泉タンクに防音シーツを覆う作業中の業者が、タンク内を確認す
るためライターに火をつけたところ爆発
温泉の掘削現場で、ガスを含んだ泥水が噴き出し作業員3名で処置
7
H15.4
宮崎県
を行う前に、隣接する事務所内で一人がタバコに火をつけたところ、
爆発炎上
温泉掘削工事現場内でケーシング内の洗浄作業を行っている最中、
ケーシング内より泥水と一緒にメタンガスが噴出、このケーシング
8
H17.2
東京都
口より約2m離れた休憩スペース内で石油ファンヒータが使用され
ていたことから、噴出したメタンガスに石油ファンヒータの炎が引
火し、出火
温泉施設の従業員が、屋外給水タンク(上水道と井戸水併用)の
9
H17.7
大分県
水量を確認するために点検口を開けて、ライター火を照明替わりに
使い覗いたところ、給水タンク内に滞留していたメタンガスに引火
爆発。井戸水からメタンガスを検出
温泉掘削現場で約 800mの深さまでボーリングし、掘削孔から温水
10
H17.12
大分県
と天然ガス(メタン)が噴出、ボーリングマシンの起動スイッチを
押した瞬間、メタンガスに引火し掘削孔から火柱が上がったもの。
11
H19.4
北海道
温泉汲上げポンプ小屋(木造平屋建て)から出火し、当該建物約1
1㎡全焼
温泉施設以外の火災事例
地下水を汲み上げ貯水する公衆浴場の高架水槽内の水量確認のため
1
H9.1
東京都
に、点検口を開放したが暗くて見えなかったためライターの火をつ
けたところ、地下水の中に含まれていたメタンガスが高架水槽内に
滞留していたために引火し、着衣に着火したもの
天然ガスストーブにふとんが触れ着火し出火したものと推定。
2
H11.2
新潟県
住宅内で使用している天然ガスは昭和60年頃井戸を掘りそこに天
然ガス貯蔵タンクを設置し住宅まで地下配管(塩ビ管)され給湯器
やガスコンロ、ストーブに使用していたもの。
火災のあった場所は大池周辺に設置された、池補水用の井戸ピット
3
H12.8
千葉県
であり、火災のあった井戸ピット周辺におけるガスの発生状況の調
査(消防本部予防課立会い調査)を行ったところ、井戸から可燃性
ガス(メタン)を検出
自宅の裏にある天然ガス井戸からパイプを利用し天然ガスを家まで
4
H14.1
千葉県
引いて、居間にある堀こたつの中で熱源として使用していたところ、
何らかの原因で炎が強くなり、こたつ内部の可燃物に移り火災にな
ったものと推定
池に自噴するメタンガスを集め、温泉の追い焚きに灯油バーナーと
5
H14.6
新潟県
一緒に利用していたところ、灯油バーナーの火が池のメタンに引火
したものと推定
6
H15.4
新潟県
農作業所(休憩所)1棟全焼(常時燃焼天然ガス風呂釜の異状燃焼)
寝室の天然ガスストーブ配管工事を家人自らした後、ガス通管確認
のため配管接続部分に100円ライターで火をつけたところガスに
7
H16.1
新潟県
ついた火が近くの布に燃え移ったもの。
住宅内で使用している天然ガスは敷地内に井戸を掘り作業場に天然
ガス貯蔵タンクを設置しポンプを使い住宅まで地下配管(塩ビ管)
されそこから各ガス使用機器に分配し使っていたもの。
九十九里いわし博物館と九十九里町中央公民館とからなる、複合用
8
H16.7
千葉県
途対象物のいわし博物館の文書収蔵庫で天然ガスによる爆発火災事
故が発生
9
H17.5
新潟県
農作業倉庫1棟全焼(常時燃焼改造天然ガス器具取扱不備)
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