...

エムエスシーソフトウェア株式会社 製品に関する情報は

by user

on
Category: Documents
55

views

Report

Comments

Transcript

エムエスシーソフトウェア株式会社 製品に関する情報は
MSC Software Product Guide
Marc
※記載の製品名等の固有名詞は、
それぞれ各社の商標または登録商標です。
取扱代理店
エムエスシーソフトウェア株式会社
URL : http://www.mscsoftware.co.jp E-mail : [email protected]
東京本社
〒160-0023 東京都新宿区西新宿1-23-7 新宿ファーストウエスト8F
TEL:03-6911-1200
(代)
FAX:03-6911-1201
(代)
大阪営業所
〒532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原3-5-36 新大阪トラストタワー3F
TEL:06-6393-0701
(代)
FAX:06-6393-0702
名古屋営業所
〒450-0001 愛知県名古屋市中村区那古野1-47-1 名古屋国際センタービル18F
TEL : 052-589-8505
(代)
FAX : 052-561-0339
製品に関する情報は
2013.09
Marc
汎 用 非 線 形 構 造 解 析プログラム Marc
汎 用 非 線 形 構 造 解 析プログラム
Marc
数値解法
Marcは、
1960年代後半にロンドン大学とブラウン大学で12年以上にわたって研究教育に携わったペドロ・
V・マサール博士によって開発された非線形構造解析プログラムです。
その後、多くの優秀な有限要素法
研究者、
技術者の参加によって整備・拡張が続けられ、
現在のMarcに発展してきました。
Marcのプログラムはモジュール化されており、
それらの組み合わせによって幅広い用途に対応させること
ができます。
その非線形解析分野の機能は抜群に優れ、領域分割法による並列計算処理機能を用いた
大規模問題にも実績があります。航空宇宙・重工業・自動車・電機電子・建設・医療関
係と幅広い範囲をカバーするソルバーとして様々な産業分野の解析を支援し、
最終的な設計の決定段階において広く利用されています。
Marcプログラムは解析ライブラリ、
材料ライブラリ、
要素ライブラリ、
機能ライ
ブラリの4つのライブラリを有しており、広範囲にわたる機能が用意されてい
ます。
これらの構成要素は、
組み合わせて利用することが可能で、
さまざまな非
線形問題に対して高い柔軟性と適応性を備えています。
機能と特徴
従来は技術的にも困難と言われていた複雑な3次元モデルの解
析も、昨今では現実的な解析対象となってきています。Marcには
実績のある高精度の数値解析手法が組み込まれており、複雑な
事象を含む大規模問題にも対処することができます。
Marcでは、
構造物の大ひずみを伴う変形の運動学的挙動を以下
のような定式化により検討することが可能です。
●トータルラグランジェ法、
アップデイトラグランジェ法
● オイラーの定式化
(ex.定常剛塑性流れ)
また、Marcでは、以下のような数値解法によって、
あらゆる非線形
系の解を最小の計算コストで得ることができます。
解析ライブラリ
このライブラリは、
静解析、
動解析、
クリープ解析、
座屈解析、
熱伝導解析
などの解析機能から構成されます。非線形動的問題や熱伝導問題といった
現実の物理現象に対応して解析機能を選択することが可能です。
● 地盤解析
● 圧電解析
● 設計感度・設計最適化解析
● 音響解析
● AXITO3D解析
● 音響-構造連成解析
● 線形解析
● 定常回転解析
● 流体解析
● 非線形解析
(形状、材料、境界条件の非線形性)
● 熱伝導解析
(熱的接触を含む)
● 流体-熱連成解析
・非線形境界条件 ・座屈、
不安定座屈解析 ・弾塑性解析 ・クリープ解析
・粘弾性解析 ・粘塑性解析 ・破壊力学
(クラック、
J積分)
● 流体-構造連成解析
● 接触解析
(CONTACT、GAP)
・定常解析 ・時刻歴応答解析 ・放射形態係数計算機能 ・熱ギャップ
・流路要素機能
● 動解析
● 流体ベアリング解析
・実固有値解析 ・時刻歴応答解析(陰解法/陽解法) ・調和応答解析 ・スペクトル応答解析
● 静電場解析
● 剛-塑性流れ解析
● 静磁場解析
● 超塑性解析
● 電磁場解析
● 流体-熱-構造連成解析
この機能は不安定問題や座屈問題といった強い非線形性を呈す
る問題に対しても高い安定性を発揮し、
反復計算回数とユーザー
定義/プログラム自動判定による判定基準に基づいて時間ステップ
幅を自動的に調整します。
ハードウエアの性能向上も手伝い、
昨今では100万自由度規模の
非線形問題の実行も珍しくはありません。有限要素定式化では、
1組
の線形方程式が導かれますが、
Marcで対応すべき問題と規模は
多岐にわたるため、
その方程式の解法を提供するマトリクスソルバー
も数種類用意されています。
この機能はいわばMarcプログラムの
中核をなすといえ、
以下のような解法が提供されます。
直接解法(プロファイル、スパース、マルチフロンタルスパース直接法)
● 対称マトリクス ● 非対称マトリクス ● 複素マトリクス
反復法(スパース記憶法による)
● ニュートンラプソン法 ● 動解析の陰的もしくは陽的時間積分法
● 対称マトリクス ● 時間増分の自動調整機能
● システム状態を向上させるためのプリコンディショナ
Marcの自動時間増分調整機能は、構造解析、動的解析、
クリー
プ解析、
もしくはこれらの熱的効果を含む解析、熱伝導解析など、
幅広い解析に適用することができるよう統合化された機能です。
Marcの最新リリースでは、
マトリクスソルバーの記憶、
バンド幅最小
化、
メモリ管理などが最適化され、
単一及び並列計算の両方につ
いてスピードの改善が達成されています。
● 熱-応力連成解析
● 流体/固体相互作用-付加質量法
● 電気と熱の連成解析
(ジュール熱解析)
● 電気-熱-応力連成解析
プリ・ポスト
● 電磁場-熱連成解析
Marc専用プリ・ポストプロセッサ Mentat
材料ライブラリ
材料ライブラリには、
工学上の問題で使用される幅広い材料モデルが登
録されており、
線形材料はもちろんのこと、
金属や地盤の非弾性挙動やゴ
ム材の挙動を表すために、
塑性、
粘弾性、
超弾性といった非線形材料の
使用が可能です。材料定数の温度やひずみ速度に対する依存性も考慮
することが可能です。
● 静水圧に依存する降伏モデル
(Mohr-Coulomb、Buyukozturk)
● 線形弾性材料
● Narayanaswamyモデル
(体積緩和モデル)
● 積層複合材料
(進展性破壊、層間剥離を含む)
● 時間-温度-相変態
(T
● 弾塑性材料
(等方/移動/混合硬化則、繰り返し塑性)
● 低張力材料
(コンクリート)
● 異方性塑性
(Hill、Barlatの降伏条件)
● 地盤モデル
(線形/非線形弾性体、Cam-Clayモデル)
● 剛塑性材料
● ダメージモデル
(延性金属、エラストマ)
● ガスケット材料
● 非構造的材料
(熱伝導、流体、電場、磁場、音響)
● 非線形亜弾性材料
● 層間剥離モデル
● 形状記憶合金モデル
● ユーザー定義の材料構成則
● パウダー材
(粘弾塑性モデル)
● クリープモデル
(陽解法、ORNL則、体積スウェリング、陰解法)
● 粘塑性モデル
(陽的定式化、陰的定式化による統一粘塑性モデル)
● 粘弾性材料、
熱-レオロジー的に単純な材料
-T -T)モデル
● エラストマ
(Mooney、Ogden、Arruda-Boyce、Gent、Foam)
MentatはMarc専用の会話型プリ・ポストプロセッサです。多彩な
CADインターフェースとPatranのメッシング技術も組み込まれた強
力なオートメッシュ機能により、
複雑なモデルも短時間で有限要素モ
デルにすることができます。全自動接触解析機能
(CONTACT)
や
Marc DDM機能をはじめとする、
あらゆるMarcの非線形データの
作成をサポートしており、
ジョブの実行、
モニタリング機能にも対応し
ています。
また、単なるプリ・ポストプロセッサにとどまらず、実験結
果 から材 料 特 性を同 定 する
Experimental Data Fitting
機能や、
モンテカルロ法による熱
放射における形態係数を計算す
る機能を備えており、
Marcを解析
面からもサポートします。
要素ライブラリ
Mentatの機能
● 各CADおよびFEAプログラムとのインターフェース
・MSC Nastran ・Patran ・I-DEAS ・IGES ・FIDAP ・C-MOLD
・STL ・DXF/DWG ・VRML ・ITI-Access
(ITI-IGES、ITI-VDAFS、ITI-AutoCAD)
・ACISアクセスとソリッド機能
※別途、Mentat ACIS Accessオプションが必要です。
● 豊富な結果処理機能
・変形図 ・等高線図 ・ベクトル図 ・シンボル表示 ・XYグラフ
・はり要素の3次元表示機能 ・経路/履歴図 ・任意断面の表示 ・マルチビュー表示
・フォトレンダリング ・半透明表示 ・カラーコントロール ・アニメーション表示とAVI、MPEGファイル出力 ・各種結果出力形式
(PostScript、BMP、RGB、GIF、TIFF、JPEG)
Experimental Data Fitting機能
高度な非線形性を有するエラストマ材料の特性は、材料ピースの
実験データから取得するのが一般的です。Mentatには、材料特
性の実験データをインポートして材料特性を同定する実験データ
フィッティングの機能があり、
その特性をそのまま解析に使用する
ことができます。
● 以下の実験データをフィッティング可能
Marcは平面応力構造体と平面ひずみ構造体、
軸対称構造体、
プレート
構造体、
トラス構造体、
梁構造体、
任意シェル構造体、
3次元ソリッド構造
体に対応した広範な要素ライブラリを備えており、
解析対象のあらゆる幾
何形状に適応させることができます。
いろいろな要素タイプを同じ目的の解析に使用することが可能ですが、
計算コストと解析精度の両立など、
ユーザーの目的に応じて低次や高次
の要素を使い分けることが可能です。
また、
想定ひずみ法、
選択低減積分
法、
低減積分要素
(アワーグラスコントロール付き)
、
ハーマンの定式化要
素など、
非線形解析に起こりがちなさまざまな問題に対処するための要素
技術が用意されています。
●トラス要素
● ハーマン要素
● はり要素
(中実・開/閉断面)
● 半無限要素
● シェル要素
(厚/薄肉・軸対称)
● ギャップ要素
● 複合材ソリッド要素
● リバー要素
● 膜要素
● ケーブル要素
● 平面応力要素
● エルボー要素
● 平面ひずみ要素
● 一般化ばね要素
・2次元要素
(三角形要素、四辺形要素)
、3次元要素
(4面体要素、6面体要素)
を自動的に生成
・幾何形状から要素への変換機能 ・要素の品質チェックおよび修正機能
・要素の再分割、
コピー、3次元モデルへの拡張、AXITO3Dデータ生成機能
・はり要素の任意断面形状定義 ・金属材料を中心とした約60種類の材料データベースを標準装備
・積層複合材料の定義
● 一般化平面ひずみ要素
● 熱伝導要素
(非構造系要素)
● 充実したMarc入力データオプションのサポート
● 軸対称ソリッド要素
● インターフェース
(層間剥離)要素
● 3次元ソリッド要素
● ユーザー定義の要素
● H法による局所アダプティブメッシング機能
● 2次元全体リメッシング
(弾塑性、剛塑性材、エラストマ)
● 3次元全体リメッシング
(弾塑性、剛塑性材、エラストマ)
● 全自動接触解析機能
(CONTACT)
● 多彩なLINK機能
(多点拘束ーMultipoint Constraint、非線形ばね、
MSC NastranのRBE2/RBE3、CFAST、CWELD)
● 自動時間増分調整機能
● 使いやすくかつ効率的なモデル作成
・Uniaxial Tension
・Biaxial Tension (equivalent strain as uniaxial compression)
・Planar Tension, Planar Shear, Pure Shear
・Simple Shear
・Volumetric (aka Hydrostatic, Bulk Compression)
・Viscoelastic
・Damage
● 各解に対応した境界条件
(マルチ荷重ケース概念の適用) ● 各解析/材料に対応した物性の定義
(温度依存性、加工硬化等)
● 接触機能の完全サポート
(剛体、変形体の定義等)
代表的な機能ライブラリ
機能ライブラリに含まれているユーザーサブルーチン、
自動増分設定など
の機能は、
解析を簡単にかつ効率的に実行することを可能とします。
Mentatの特徴
● モンテカルロ法による熱放射形態係数の算出
● CAVITY機能
(空隙への圧力荷重の作用)
● NC機械加工機能
(CATIA
V4形式のNC Cutting Passファイルを
利用した切削プロセスの評価)
● Marc/Adamsインターフェース
(mnfファイル出力)
● ユーザーサブルーチン機能
(実行にはFortranコンパイラが必要です。)
● MpCCIのサポート
● Marc DDM
(領域分割法による並列計算機能)
※この機能の実行には、
標準のMarcライセンスに加えて並列計算を行うCPU分のMarc
Parallel Accessオプションが必要です。例えば、
4つのCPUを使った並列計算を行う場合、
標準のMarcライセンス1つに加え、
4つのMarc Parallel Accessオプションが必要です。
● 実験データからゴム材料・粘弾性材料の材料定数を同定する
カーブフィッティング機能
● 解析の実行およびコントロール
● LARGE DISP等のパラメータオプションの指定
● ポストファイル
(応力、ひずみ等)の指定
● 複数ジョブの実行が可能
● 解析インクリメントごとの収束状況を逐次モニタリング
● メニュー等のカスタマイズ言語としてPythonスクリプトをサポート
Patran
PatranはMarcの構造解析、熱伝導解析、熱応力解析、熱-応力
連成解析用のプリ・ポストプロセッサとして使用することができます。
全自動接触解析機能
(CONTACT)、
Marc DDM機能もサポート
されます。
Marc 3
Marc DDM
※この機能の実行には、
標準のMarcライセンスに加えて並列計算を行うCPU分のMarc Parallel Accessオプションが必要です。
例えば、4つのCPUを使った並列計算を行う場合、
標準のMarcライセンス1つに加え、
4つのMarc Parallel Accessオプションが必要です。
機能と特徴
全体リメッシング機能(2D/3D)
ハードウエア環境
機能と特徴
Marcの並列化処理は領域分割法
(DDM:Domain Decom-position
Marc DDMでは、
以下のハードウエア環境
(H/W)
をサポートしております。
ここ
では、
H/Wの種類別に特徴をまとめておきます。
Method)
を用いており、
大規模かつ複雑な問題を高速に解くことが
Shared Memory Parallel Computer(SMP)
可能です。Marc DDMでは、
単にマトリクス求解時にのみ並列化
処理を実行するのではなく、
全てのレベルにおいてこれを適用する
共有メモリ型の並列計算機ということで使い勝手が良い反面、
メモリ
ことでスケーラブルな並列化を実現します。
この手法では、
モデルを
アクセスコンフリクトという問題があり、8CPUまでが並列化の限界と
複数の領域に分割し、
メッセージ・パッシング・インターフェース
(MPI)
いわれています。
を介して内部分割領域間の通信を最小化しつつ、
実行効率と求解
Distributed Memory Parallel Computer(DMP)
精度を最適化しながら解析を進めます。
また、
Marc DDMを実行す
るためのhostファイルを指定してMentatおよびPatranからジョブを
分散メモリ型の並列計算機ということでSMPマシンのような並列化の
実行することも可能です。Marc DDMにおいて良いスケーラビリテ
限界はありません。
また、計算機の特性上、通信性能も良いために大
規模、複雑な問題でのスケーラブルな並列化を実現するために最適
ィを発揮するためには、
できる限り領域境界節点を減らすことが求め
な環境を構築することができます。
られますが、
Mentatには3つの領域分割手法が用意されています。
Cluster Parallel Computer(CPC)
● Metis
Element Base ● Metis Node Base ● Metis Best
有限要素法で塑性加工のような大ひずみ問題を解析する際には、
要素が大きくゆがんで解析の続行が困難になる状況にしばしば直
面します。Marcではこの様な状況に対処するために、
現在のモデ
ルの変形形状や要素情報を保持しつつ、
ゆがみのない新しいメッ
シュを自動的に生成して解析を続行させる、全体リメッシング機能
が用意されています。
要素のゆがみやひずみ変化に応じて自動的に全体リメッシングが
行われ、
リメッシングボディの形状的な曲率変化に応じたメッシュの
密度変化を考慮させることも可能です。
また、
接触条件を含む荷重、
境界条件に関してもその情報を保持し
ながらリメッシングを行いますので、
ゴム材料をある領域に押し込め
るような解析においても、
滞ることなく解析を進めることができます。
適用例 全体リメッシング機能
初期モデル
ラバーシール解析
UNIX、Linuxと色々なH/Wを選択することができます。各CPUをつな
ぐCLANによる高速スイッチ
(Giganet、Myrinet等)
が必要になります。
近年ではLinuxClusterマシンの登場により、
リーズナブルな環境での
並列化を実現させることも可能になりました。
圧縮
ベンチマーク例 タービンブレードの熱応力解析
142,993要素
(ブレードパーツ72,059要素、
ディスクパーツ70,934要素)
、
33,458節点、
100,374自由度のモデル規模で、
1次の4面
体要素を使用して接触を含む熱応力解析を
実行した場合の計算時間と並列化率を示し
ます。
モデルには遠心力も負荷されています。
Analysis using 4 CPUs
MPI
MPI
MPI
領域指定により
粗密メッシュを生成
リメッシングなし
AlphaServer GS320
SGI O3k
HP server rp8400
CPUs time (min.) scalability time (min.) scalability time (min.) scalability
1
55
1.0
66
1.0
74
1.0
2
25
2.2
36
1.8
44
1.7
4
11
5.1
17
3.9
23
3.2
8
7
7.6
9
7.6
13
5.6
全体リメッシングを利用
Tube-in-Tube Contact
全自動接触解析機能(CONTACT)
機能と特徴
MarcのCONTACT機能には、
インターフェース要素や接触要素
といった特殊な設定は一切必要ありません。ユーザーは有限要素
メッシュ、
カーブやサーフェスといったエンティティに対して、変形体
もしくは剛体といった
“接触ボディ”
と呼ばれる接触体のグループ化
を定義するだけでよいのです。Marcはユーザーの定義した接触ボ
ディの運動や変形を評価し、
これらの自己の接触を含めた接触と
解離を自動的に判定して解析を行ないます。
1次のトラス、
はり、
シェル、
ソリッド要素はもちろんのこと、
2次元の6
節点3角形、
8節点4辺形要素、
3次元の10節点4面体要素、
20
節点6面体要素といった2次の要素タイプも扱えます。
これら中間
節点を持つ要素に対しては、
正確な2次の幾何形状と変位場を扱
えるようになっており、
節点応力に基づいた接触圧力の評価によっ
て摩擦力や解離も正しく評価されます。
接触面における摩擦力については、
クーロン/せん断/Stick-Slip/
完全接着条件
(GLUE)
の摩擦モデルが用意されています。
さら
に、
接触を考慮した熱-応力連成解析においては、
摩擦熱、
材料の
塑性仕事による熱の発生と非接触/接触/近接状態といった接触
状態の別による熱伝達境界条件も考慮することができます。
また、
CONTACT機能で定義される初期の接触条件は、
熱伝導解析で
考慮する接触ボディ間の熱伝達境界条件としても利用することが
できます
(Thermal CONTACT機能)
。
4 Marc
塑性ひずみを条件に粗密メッシュを生成
機能と特徴
適用例 シリンダヘッドガスケットの熱-応力連成解析
MarcのCONTACT機能を使って、
シリンダヘッドガスケットのアッセン
ブリモデルの接触をモデル化しています。モデルを構成する個々の部
品パーツは変形体ボディとして定義して色分けして示されており、1
次、
もしくは2次のソリッド要素と厚さ方向に1層のガスケット要素が混
在して使用されています。
繰り返しの負荷/除荷の経路パスに依存するガスケットの厚み方向
の非線形材料特性は、実験で取得した温度依存性を含めた締め付
圧とガスケットの閉鎖距離を直接与えることにより考慮されています。
ボルトの締め付け力と内壁に作用する圧力が作用した状態で、
シリン
ダ下部パーツの底面に温度荷重が作用する場合の状態を熱−応力
連成問題として検討しています。解析結果より、
ガスケットに作用する
圧力分布や各パーツの応力分布、変形、温度履歴などを評価するこ
とができます。
Marcの接触機能は、
はり要素やシェル要素に対しても、利用
可能です。
はり要素は接触時、単なる1次元形状(直線/曲線)
ではなく、
ユーザーが定義した断面形状を忠実に再現し、接触判定を行
います。また、
シェル要素では厚みだけでなく、中立面からのオ
フセット量も考慮して接触判定を行います。これにより、
はり要
素やシェル要素を含むモデルでも、
より現実的な接触解析を実
行できます。
有限要素モデル
断面形状を考慮した梁要素の接触面
オフセット,
断面形状を考慮した立体要素,
シェル要素,
梁要素の接触
Marc 5
成形・加工シミュレーション
動解析
機能と特徴
機能と特徴
Marcの豊富な材料ライブラリとCONTACT機能、
自動時間増分
調整機能などを組み合わせて使用することによって、下記のよう
な成形・加工解析を検討することができます。成形後の形状やス
プリンバック量、
ダイにかかる力などを評価することによって製
品の試作回数を削減し、設計の効率を高めることができます。
● 冷間/熱間鍛造
● 打ち抜き加工
● 多段鍛造解析
● 深絞り解析
● 押し出し成形
● ハイドロフォーミング解析
● 圧延加工
● クリープ成形解析
● 切削加工
● ストレッチフォーミング
● リベット加工
● 超塑性加工解析
(SPF)
● 溶接加工
● 焼きなまし、
焼き入れ解析
● 熱間圧縮成形
(HIP)
・冷間鍛造
・押し出し成形
・インパクト加工
・パンチング加工
Marcの動解析機能では、
以下の解析をサポートします。
適用例 低減積分シェル要素を用いた
アルミニウム異方性板の深絞り解析
板金の加工シミュレーションにおける適切な異方性降伏関数は正確
な材料挙動を得るために重要です。Marcには、特にアルミニウム
合金板に適した異方平面の一般的な基準を提案したBarlatのモデ
ルが導入されています。
この基準は多結晶ベースの降伏曲面と一致
することを示し、1軸および均衡2軸引張応力状態付近で小さな曲率
半径を表します。
このような板成形問題に対しては、4節点の低減成分シェル要素が
最適です。
これは低減積分要素を構成するための物理安定スキーム
とANS
(Assumed Natural Strain)
法を組み合わせたMITC4シェル
形状で、
ゆがみの人工修正の必要がありません。
したがって、計算速
度を犠牲にすることなく1積分点シェル要素の精度を向上させ、大き
な非線形挙動を可能にします。
また、要素のゆがみを考慮するため
に各節点における局所座標系は各ステップで更新されます。剛体
運動を抽出するために剛体の投影マトリクスを適用するので大きな
回転にも対応できることから、前述のような異方性塑性挙動も正しく
表現することが可能となっています。
加えてMarcのCONTACT機能、非線形ばねによるドロービードモ
デリング、成形限界図
(FLD)
による破壊の予測といった機能を組み
合わせて適用することにより、仮想的に板成形を試行して製品の
品質を評価することができます。
・熱間鍛造
・超塑性
・押し出し加工 ・HIP
・圧延
● 実固有値解析
(逆べき乗法、ランチョス法)
● 時刻歴応答解析
(陰解法/陽解法)
● 調和応答解析
適用例 はりとはりの接触を考慮した動的接触解析
CONTACT機能でサポートされる、
はりとはりの接触と動解析機能を
組み合わせて時刻歴応答解析を行った例です。落下する球を受け止
めた後に、
はり要素部分が相互に干渉しあう状態もシミュレートできて
います。
● スペクトル応答解析
Dynamic
Beam to Beam
Contact
時刻歴応答解析の手法としては、
線形問題に対してはモード重ね
合わせ法と直接積分法を、非線形問題に対しては直接積分法を
選択することができます。直接積分法を用いる場合、陰的解法で
あるニューマークβ法、
フーボルト法を、陽的解法である中央差分
法を適用することができます。
この場合、時間積分の手法に応じ
て適切な時間ステップ幅を選択することが重要で、
いずれの手法
に対しても減衰を含めることができます。
もちろん、CONTACT解
析を含む熱 -応力連成問題にも使用することが可能で、時間ステ
ップ幅の自動調整機能を適用することもできます。
また、非線形
性を含む構造解析の最終結果を基底状態とした固有値解析、
調和応答解析を実施することも可能で、複数の荷重ケースで構
成されるデータを作成することにより、
これら一連の解析も単一の
データで取り扱うことができます。
熱伝導解析機能
・シート成形
・スタンプ成形
・ドロービード成形 ・ハイドロ
フォーミング加工
・ストレッチ成形
・ジョイント接続
・溶接
・リベット加工
・ロール成形
機能と特徴
・プロファイル
ローリング
・焼き入れ-焼きなまし ・切削
異方性塑性の降伏条件と成形限界図を与えて解析し、
成形限界パラメータや実際の
加工形状との比較が行えます。
熱伝導問題の検討は多くの産業分野において重要な課題であり、
構造体の熱的影響を含めた評価に際して有益な指標を与えるも
のです。Marcの熱伝導要素は等方性、
直交異方性、
異方性材料
の扱いはもちろん、
その温度依存性や相変化も考慮することが可能
で、
以下のような豊富な機能によってあらゆる熱的な非線形問題に
対応することが可能です。
最終的に検討したい解析モデルが3次元モデルであっても、
2次元
軸対称問題として解析をスタートすることによって、
相当量の計算
コストを削減できるケースが多くあり、
MarcのAXITO3D機能はこれを
実現します。軸対称条件を適用できる行程は2次元軸対称問題と
してスタートし、
その結果を3次元モデルに対称COPYすることに
よって第2段階からは完全な3次元問題として解析を継続すること
ができます。
また、
ラグランジェ法で回転体を解析する場合、
非定常状態から定常
状態に到達するまで実際にモデルを回転させなければなりません。
Marcが提供する定常回転解析機能では、
回転体の回転/コーナ
リングにおける慣性効果をオイラー法/ラグランジェ法の両方を
使用することで考慮します。回転しない基準フレームを回転軸に
付加することによって、
解析は空間のみに依存することになり、
モデル
を実際に回転させる多大な計算コストを削減します。回転体には、
コーナリングや制動、速度制御など、
さまざまな負荷を与えることが
できます。
左側の平板には500K、他方には100Kの初期温度が与えられて
● 積層材熱伝導要素をサポート
態係数を使って考慮します。Case2では、同じ熱放射境界条件
● 熱伝導解析の温度結果を構造解析の温度荷重として
が Thermal CONTACT機能による近接接触状態の放射伝熱
● 時刻歴応答解析おける固定時間増分
タイヤのボディと補強材がエラストマとリバー要素でモデル化されていま
す。
モデルの対称性を利用して、
タイヤに内圧を負荷する行程は2次元
軸対称モデルを使って計算し、
タイヤのプロファイルを評価します。続い
てその結果をAXITO3D機能によって3次元モデルに対称COPYし、
CONTACT機能を使って路面を表す剛体との接触を考慮させます。
3次元解析では、
タイヤに垂直荷重を与えることによって接地面形
状、接地圧分布を評価できます。
さらに、定常回転解析機能を使って
擬似的なタイヤの定常回転の影響を考慮させます。
この例では、
まず
タイヤは回転速度で制御されて一定速度で擬似的に走行し、続いて
回転トルク0、
つまり自由回転状態に至ります。異なる摩擦係数に対し
て回転速度と接触摩擦力を整理し、
ころがり抵抗などを評価すること
ができます。
このような複雑な解析の行程もMentatの一連のGUI操
作によって実行
が可能です。
境界条件として利用することができます。この機能を使って、初期
で接触していない2平板の熱交換問題で放射伝熱の影響を考慮
います。Case1では熱放射の境界条件をMentatで計算した形
● 線形/非線形の定常解析、
時刻歴応答解析機能
適用例 タイヤの定常回転解析
ボディ間の初期条件(非接触/接触/近接状態)
を熱伝導解析の
対応できる熱伝導要素
直接利用可能
機能と特徴
2平板間の熱交換
Thermal CONTACT機能では、CONTACT機能で定義した接触
する事例を考えてみます。
● 構造解析用の要素タイプと対応してあらゆる幾何形状に
AXITO3Dと定常回転解析機能
適用例 Thermal CONTACT機能を使った
項で考慮されています。これらは熱伝導問題として時刻歴応答
解析で検討されています。
および時間増分調整機能
Case3は熱-応力連成問題であり、CONTACT機能を使って
● 温度依存の材料特性をサポート
Case1、2と同じ近接接触による熱放射を考慮し、加えて左側の平
● 相変化による潜熱の影響を考慮可能
板を運動させて平板同士を接触させます。
● Thermal
30000secが経過した後の温度分布を観測すると、
2平板間の温度
CONTACT機能
● 移流項の考慮
● 放射形態係数をサポート
● 熱-応力連成解析機能
● 電気と熱の連成解析機能
(ジュール熱解析)
● 電気-熱-応力連成解析機能
分布の相違をはっきり見て取ることができます。左側ボディの接触
面中央の節点の温度履歴で観測すると、Case1と2は全く結果
が一致しています。Case3では2つのプレートが機械的に接触し、
放射から接触による熱交換に変わった後に温度履歴が急変動
しています。
この事例に示されるように、Marcでは同じ熱的な問題を複数の
方法で検討することも可能で、ユーザーの目的に応じて機能を使
い分けることができます。例えば、複雑な形状の放射伝熱問題
に対しては、Mentatで計算した形態係数を使って熱伝導解析を
行うことが可能であり、熱的接触の評価には接触ボディの定義が
容易なThermal CONTACT機能を利用することができます。
さ
らに構造体の機械的・運動学的影響も考慮する必要があれば、
熱 -応力連成問題として準静的もしくは動的に検討することが
可能です。
タイヤモデルの
軸対称解析から
3D解析への展開例
6 Marc
左側ボディ中央の温度歴
初期温度分布
および最終温度分布
Marc 7
圧電解析機能
IH(電磁場-熱-構造連成)解析
機能と特徴
機能と特徴
圧電効果は材料の構造的な特性と電界を連成したものです。
材料の電場はひずみを引き起こし、逆もまた同様です。
この材料
特性はカメラのオートフォーカスレンズや時計のモーターといった超
音波モーターなどの産業分野で利用されています。
Marcの圧電解析機能は、
節点の変位と電位に対して同時に解を
得ることができる完全連成機能であり、
静的、
動的時刻歴応答、
調
和応答、
および固有値解析に使用可能です。
この解析は構造に
対しては非線形ですが、
材料に対しては線形です。圧電材に対して
は、弾性特性として異方性のマトリクスを、電気的な特性として絶
縁体マトリクスを、
圧電特性については応力もしくはひずみに基づく
圧電カップリングのマトリクスを入力します。圧電要素としては4節点
平面応力、4節点平面ひずみ、4節点軸対称、8節点6面体、4節
点4面体要素が使用可能で、
これらは対応する熱伝導要素を持つ
ため、熱-圧電連成解析も実行できます。
このような連成解析は連
成の度合いが弱いため、
スタッガード手法を使って解を得る手法を
とっています。
また、圧電要素の節点が別の圧電要素のセグメント
に接触するようなCONTACT解析においては、
節点の変位および
電位に対して自動的
に多点拘束関係が設
定されます。
適用例 超音波モーターの解析
この事例では、
まず超音波モーターの固定子の共振モードを得るた
めに固有値解析を実施しています。固定子が正しい位相差で正しい
周波数を励起することが確認できた後に、移動する波が発生するこ
とを確認するために調和応答解析を実行しています。最後に電位が
作用した際の固定子の運動開始を確認するために動的な時刻歴
応答解析を実施しています。
ここでは、最終的な時刻歴応答解析に
おけるある時点での変位の様子
(変形倍率が拡大されています)
と、
特定節点の変位の時刻歴が示されています。
誘導加熱(IH;Induction Heating)は、
電磁誘導によって金属中
に電流を発生させ、
ジュール熱により加熱をするものです。
この現
象の解析には、電磁場-熱-構造の連成解析が必要となります。
ま
た、
IHを利用したEM圧延のように、
構造体が電磁空間中を大きく
移動するプロセスをモデル化するには、構造体が移動するたびに
電磁空間のリメッシュを行わなければなりませんでしたが、Marcで
は二重メッシュ法を導入することにより、電磁空間のリメッシュなし
に解析を実行することができます。
VCCT(Virtual Crack Closure Technique)
機能と特徴
NC機械加工機能
機能と特徴
NC切削加工は、製造業界においてパーツを最終形状に仕上げ
るために広く利用されている加工法の1つです。加工された材料を
除去した後、構造物の残りの部分において力の平衡が回復する
ため、加工された材料の残留応力が解放されてゆがみが発生しま
す。応力レベルや加工片の形状によっては、加工による重大なゆ
がみのために不良品発生率やコストを上昇させるおそれがあり、
薄肉部材を含む構造物や大型の薄板などの場合にはこれが当
てはまります。
MarcでサポートされるNC機械加工機能は、
数値解析手法を発展
させて3次元バルク加工中のゆがみを予測することを可能にします。
これにより、
製品の設計や機械加工工程を最適化できます。
この手
法は、
切削加工によって生じる影響が既存の残留応力の影響より
も局所的で小さいという仮定に基づいており、
NC機械加工データ
から得られる刃具の形状や加工経路の情報を使って要素を自動的
に削除することにより実現します。
適用例 NC機械加工の有限要素解析
VCCTは、亀裂のエネルギー解放率と応力を評価して、亀裂の進
展を予測する手法です。この手法を利用して、2次元と3次元の
動的亀裂成長をシミュレーションすることができます。アダプティブ
メッシュにより、亀裂先端に細かなメッシュを発生させ、亀裂の進
展を精度よく予測します。
適用例 亀裂の入ったゴムブロックに対する繰り返し上下変位
表面亀裂の入った丸棒に引っ張りと捻りを与え、
どのように亀裂が進
展するかを解析しました。
アダプティブメッシュにより亀裂先端部に細か
いメッシュを生成し、
精度よく亀裂の進展を予測します。
この事例では、MACHINING(切削加工)
をシミュレートしています。
APTソースもしくはCLフォーマットによるNCデータで定義される刃具
の形状と加工経路に従って、要素が自動的に削除されて現実的な
加工プロセスシミュレーションが行われています。切削が進行して製
品に変形が生じていく過程が示されています。
必要要件
●刃具の形状と加工経路を定義する数値制御工作システム
(APT)
のソース、
もしくはCLデータ
(CATIA
V4によって作成されたAPTデータファイルもしくは
APTコンパイラによって作成された対応するCLデータファイル)
●Marcには、
パーツの有限要素モデルと、
カッターの軌跡を定義した上記の
稼動環境
CPU
Intel EM64T, AMD Opteron
OS
Linux, Windows 2008 Server/Windows 7
メモリ
動作保証の最小サイズは128MBですが、
2次元問題に対しては256MB以上、
3次元問題に対しては512MB、
もしくはそれ以上を推奨します。
ネットワークアダプタ
Windows版にはライセンス発行に必要です。
ハードディスクインストール用(推奨)
Marc 約1GB、
Mentat 約1.5GB
その他
Marcユーザーサブルーチンのユーザーサブルーチン機能に対しては、
Intel Fortranコンパイラが必要です。
ファイルを入力します。
有限要素モデルの定義には、
加工プロセスをシミュレート
するために必要な加工品のメッシュ、
境界条件、
材料特性、
残留応力、
イベント
(荷重ケース)
の手順などが含まれます。
●必要があれば、
切削プロセスに先立って、
初期応力データを定義します。初期
応力は試験の計測、
もしくはプレ解析の結果により得ることができます。
※詳細はお問い合わせください。
10 Marc
Marc 11
Fly UP